>>810 「俺はおまえが好きなんだ嵯峨野」
「え……あ」
ゆっくりと菅が私の肩を掴む。
「じ、冗談よね! ね!」
「冗談だと思うか?」
はぐらかそうとしても、通用しなかった。
今の彼はとても真剣だった。
緊張で顔が強ばっている。額に小さな汗の粒が浮き出ていた。
「菅……?」
こんなにも、彼が近いなんてことあったっけ。
自分の顔が赤くなるのがわかる。
見悶えしたくなる程の感覚と恥ずかしさで一杯になる。
「嵯峨野…」
彼の手が私の背中を包む。そしてそのまま抱きしめられてしまった。
「……わかんないよ」
言葉がでる、彼の体がピクリと反応した。
「好きって言われて、真剣なのもわかったけど…信じられないよ」
「こうすれば分かってくれるか?」
そういうと彼はーーーー。
こんな感じ?