【欲望回路】トリガーハートエグゼリカ【暴走中】

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はじめに)
本マニュアルでは、トリガーハートを侵食するための手順を説明します。
トリガーハートはチルダ兵器群の最上位兵器であり、トリガーハートを手中に収めることは、すなわちチルダ兵器群のすべてを掌握することに繋がります。
チャンスがあれば、積極的に侵食を試みてください。
---[!注意事項!]---
トリガーハートへの侵食は、常に撃破される危険を伴います。
以下の手順に沿って、順に作業を行ってください。
また、他のトリガーハートが現れた場合は、速やかに作業を中断し離脱してください。
---[!注意事項!]---


1)トリガーハートの運動機能を麻痺させ、反撃能力を奪います。
トリガーハートの拘束に成功したら、背部のインターフェイスへアクセスし、専用のクラッキングツール(V101)を打ち込みます。
このツールは、トリガーハートが構造的に持つセキュリティホールへアタックし、運動回路の機能を低下させることができます。
---[!注意事項!]---
クラッキングツールは常時アップデートされています。必ず最新版のツールを使用してください。
トリガーハート側も常時ファイヤーウォールがアップデートされています。万一クラッキングに失敗した場合、侵食を中止して速やかに離脱、技術局へ報告してください。
AI本体はファイヤーウォールに保護されているため、クラッキングツールではAI本体への侵食はできません。
無理な侵食は、自己保存モードの発動を招きます。 自己保存モードでは、トリガーハートの全リミッターが解除され、反射回避行動に入るため、相当の戦力差がなくては逆に撃破される恐れがあります。
---[!注意事項!]---


2)トリガーハートの触覚センサーを刺激し、侵食のための前準備を行います。
トリガーハートの全身・・・主に腋、胸部先端、股間部スロット周辺・・・の触覚センサーを、摩擦により刺激します。
緩急をつけつつ、破壊しないように丁寧に行います。
トリガーハートはその構造上、上記の触覚センサーの感度が高く、この刺激によって論理的な思考を妨害することができます。
トリガーハートの自己判断機能はシングルタスクであり、この刺激によって他の事象への対応がおろそかになります。


3)トリガーハートのAI信号を傍受します。
AIは頭部にあるので、聴覚器官のすぐ上(視覚器官の横)にセンサープローブを打ち込みます。
受信波長をゆっくりと変化させ、反応がある波長域を探ります。


4)AI信号を解析します。
AI信号を傍受しながら、引き続き触覚センサーを刺激します。
個体により効果発生時間には差がありますが、数分以内にトリガーハートの自発呼吸に変化が生じ、息が荒くなります。
同時に、AI信号に変化が生じるので、変化が生じた波長域をマークします。
センサーに刺激を与えるのと同じタイミングで、大きく変化する波長域を特定します。


5)AI信号をフィードバックします。
特定した波長域へ、センサーへの刺激とタイミングを同調させながらフィードバック信号を発信します。
フィードバック信号とAIの信号が干渉し、波長の変化が大きくなることを確認します。
フィードバック信号を、徐々にプラス方向に補正しながら刺激を続けます。
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この際、一気に信号強度を上げすぎないよう注意してください。
一気にパラメーターを上げると、AIの自意識回路が遮断され、自己保存モードが発動します。
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6)引き続き刺激を与え、「発情モード」への移行を促します。
AI信号の波長が一定値を超えると、AIの思考ベクタが拡張されます。
これは「発情モード」と呼ばれ、トリガーハートの擬似人格の構造上避けられない弱点となっています。
AIの思考ルーチンが「発情モード」に入るまで、引き続き刺激を与えます。
トリガーハートのAIが「発情モード」に入ると、以下のような変化が現れます。
・一次装甲(外皮)の色調が、赤色系へ遷移します。
・四肢および全身の駆動系が弛緩します。
・胸部中央および股間部のセンサー(突起部分)が勃起・硬化します。
・胸部および股間部スロット周辺の一次装甲(外皮)が若干盛り上がります。
・股間部および臀部スロット周辺の人工筋肉が弛緩し、潤滑液が浸出します。
・頭部光学センサーの保護カバーが閉鎖、または半閉鎖状態になり、洗浄液が浸出します。
・頭部コネクタ周辺の人工筋肉が弛緩し、潤滑消化液が浸出します。
・論理思考機能が低下し、命令に対して従順になります(個体差あり)。

7)AIの思考ルーチンを「発情モード」に固定します。
AI信号強度が範囲内(おおよそ+20.0〜+90.0)に収まるよう、刺激を調整します。
信号強度が範囲内であれば、トリガーハートの思考ルーチンは「発情モード」に固定され、論理的思考が行えなくなります。
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AI信号を引き続き傍受し、信号強度の変化から目を離さないこと。
信号強度が急激に上昇した場合、いったん刺激を中止し、強度を低下させてください。
信号強度が+90.0を超えると、AIの自意識回路が遮断され、侵食が困難になります。
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思考ルーチンが「発情モード」の状態であれば、身体制御をトリガーハートに戻してもかまいません。
トリガーハートはもはや抵抗することはなく、自ら身体を開きます。

8)思考ルーチンのシャットダウンを行います。
トリガーハートが「発情モード」に入ったことを確認して、股間部および臀部スロットに侵食用プローブを挿入します。
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スロットへの挿入は、信号強度の大幅な上昇を招き、自意識回路の遮断に繋がる恐れがありますので、以下の作業は手早く行います。
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プローブのコネクタは、股間部が#22、臀部が#14が互換性を持ちます。
・臀部スロットの突き当たりにある柔組織を切開し、その奥にあるモジュールの先端にあるファイヤーウォールの制御チップを取り外します。
・股間部スロットの突き当たりにある柔組織を切開し、その奥にあるAIモジュールのメイン端子にプローブを接続します。
通常の手順で侵食を行い、シャットダウンコマンド「init 0x00」を発行します。
トリガーハートの全身が弛緩し、思考ルーチンがシャットダウンすることを確認します。
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コマンドは変更されている場合があります。その場合は侵食によってコマンドテーブルを探し、確認してください。
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9)AIの侵食を行います。
トリガーハートのAI(パラメータエリア)をスキャンし、マスター情報を特定します。
特定したマスター情報について、自機の情報に書き換えを行います。

10)トリガーハートが完全に服従状態になったことを確認します。
AIモジュールにプローブを接続したままで、トリガーハートの思考ルーチンを再起動します。
無線通信または音声信号によって、トリガーハートが自機をマスターとみなすことを確認します。
マスター権限の元で、トリガーハートに自ら「発情モード」に入るよう命令します。
マスター権限が有効な場合、トリガーハートは命令に従って自らセンサーへの刺激を開始します。
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トリガーハートが命令を拒否した場合、マスター登録が正常に完了していない恐れがあります。
ただちにシャットダウンコマンドを再度発行し、9)AIの侵食をやりなおしてください。
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11)侵食完了
トリガーハートが自機の命令に従うことを確認し、プローブを抜き取り、拘束を完全に解きます。
基地へ帰還後、トリガーハートを解析班へ引き渡します。
解体解析後のトリガーハートは、希望により「所有物」とすることが認められています。
所有を希望する場合は、所定の書式で申請を行ってください。

以上で侵食が完了です。お疲れ様でした。

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2006/06/14 第一版
2006/06/26 第二版
(C)ヴァーミス第33出版局