「申し訳ございません、ご主人様。私ってばあのような…はしたない姿を…」
「いや、気にすることはないよ。イッたときの顔のアユミもかわいいし」
「えっ!?いえ、あの、その、えっと…」
男はそのしどろもどろの表情を見て、にっこり笑いながら腕枕している手で彼女の頭を撫でた。
「あっ…」
「照れることはないよ。僕は思ったことを素直に言っただけ。それに…」
「?」
小首をかしげる彼女に対し、男は耳元まで口を寄せ、
「アユミに満足してもらえることが、僕の本望なんだ…」
「…ありがとうございます、ご主人様。私はご主人様のおそばに居られれば…」
女は今よりもさらに男に寄り添い、頬に小さく口付けをした。
情事の後、ベッドの上で静かに愛を確かめ合うこの男女。
男の名を睦悟郎、女の名をカメのアユミといった。
アユミはかつて動物のカメだったが、十数年という永い時を経て
守護天使というカタチでご主人様と慕う悟郎の下へと人の姿を持て転生してきた。
他にも彼女と同様に転生してきた動物達がいるのだが、やがて彼女のみを愛するようになる。
心の中で多少なり皆を平等に扱っていないことへの罪悪感があった。
そのため、2人は皆の目をかいくぐるかのような感じで逢瀬を繰り返していた。
そんなある日。
アユミは逢瀬を重ねるたびに膨らんでいく、ある疑問を悟郎に投げかけることにした。
「ご主人様、ひとつ聞いてもよろしいでしょうか?」
「…ん?なんだい」
アユミは腕枕されたままの姿勢で身体の向きを変え、悟郎と顔を向かい合わせる。
「初めてご主人様に愛していただいてから今まで、ずっと気になっていたのですが…」
「気になっていたこと?」
悟郎は話を聞くため、ベッド脇の机に置いたメガネをかける。
「ご主人様に大変失礼なことを申し上げるようですが…」
「僕に失礼?よくわかんないけど…」
「…ええっとですね」
アユミは恥ずかしそうに俯き、両手の人差し指を突き合わせてもじもじと動かす。
数秒ほどそうしていたが、やがて意を決したように再び顔を上げる。
「ご主人様は、どこで女性を悦ばせる方法を学ばれたのでしょうか……?」
「……へっ?」
しーん……。
一瞬の静寂が場を支配する。
「あー…」
アユミの頭を腕からゆっくり降ろし、上体を起こしてポリポリと頬をかく仕草をする悟郎。
視線はアユミを向いていない。
「どうしてそう思ったの?」
やや気まずくなった空気を誤魔化そうとして問いかけたが、内容がこれでは墓穴を掘るようなものだ。
言ったその直後に心の中でアッー!と思った悟郎だが、時すでに遅し。
悟郎と同じく上体を起こし、二人を覆っていたシーツで自らの上半身も隠すアユミ。
そしていつものお説教のように人差し指を立てる仕草をする。
「今はもう心配ございませんが…かつてご主人様はシン様を始めとした
四聖獣の方々の呪いにより、長い間不幸な人生を歩まれました」
言ってアユミは人差し指を立てた手を悟郎に近づけて、
「そのような呪いがあるという特殊な状況下では、とてもではありませんが
普通の人間の女性の方々から好かれるようなことはありえません!」
犯人はお前だと言わんばかりにアユミは悟郎を指差しする。
彼女の背後に、なにやらアホ毛だか耳毛だかが生えたメイドさんのシルエットが見えたような気がする。
閑話休題。
悟郎はアユミの爆弾発言によって、今も触れられたくなかったものと思われる古傷に
熱々に熱せられた豆板醤を塗りこめられたような感じでブルーになり、イジケていた。
アユミに背を向けてひざを抱え、ベッドのシーツの上で「の」の字を書いている。
「いーさいーさ……どうせ僕なんか……ブツブツブツ……」
「あああ…ご主人様がイジケてしまわれてしまいました…」
アユミにうっすらと冷や汗が浮かんだ。
「で、でもご主人様!全くってわけではありませんでしたよ!?ホラ!あのクルミちゃんの一件のことがありましたし…」
アユミが言っているのは、かつてお見合いをすっぽかされたから文句を言いにきたという理由で
悟郎の下を訪れたハムスターのクルミのオリジナルである公星くるみのことである。
子供の頃に同じクラスだった彼女から、言い方は悪いがハムスターのクルミをダシに告白された過去がある。
しかしその後の悲劇となるクルミ失踪事件によりその件はこじれてしまい、ふたりはずっと関係が
ギクシャクしたまま別れ別れになってしまった。
もっとも、再会したことがきっかけで関係は修復されたようだが…?
「とにかくですね!私が気になったのは、女性関係が希薄であるご主人様が
なぜ女性の性感帯とか、身体のことについてそんなに詳しいかということです。
そもそもご主人様の年代における……」
アユミはこのまま5分少々初体験年齢の推移についてウンチクを続けるのだが、描写は省略する。
時間短縮の為にかいつまんで説明すると、悟郎の年代で普通の人間の女性との性交渉が
可能な年齢から逆算すると、少々倫理的に問題がある自体が想定しうるということだ。
「まさか告白されたときのドサクサで上ってはいけない大人への階段を駆け上がったとか…」
少々危険な妄想が走り始めているようだが、無実である(多分)。
この知識が自分で調べたことの賜物なのか誰かの入れ知恵のかはわからないが、要は悟郎の童貞は
自分ではなくほかの誰かが奪ったのではないかということが気になってしょうがないようである。
「なるほど…言いたいことはわかったよ」
先ほどのダメージが残っているのか、それとも先ほどのアユミのウンチクの中に何か追加でダメージを
受けるような内容があったのかはわからないが、悟郎は背中に暗黒のオーラを背負ったままだ。
身体はアユミに背を向けておらず、ちゃんと正面を向いていた。
「…そうだ」
言って悟郎はアユミを手招きする。
アユミはそれに従い、悟郎に近づいていった。
すると悟郎はアユミの肩を寄せ、自分の方に引き寄せる。
「あっ、あのっ、ご主人様っ!?」
急に抱き寄せられたアユミは一瞬あわてるが、
「…今から」
「えっ?」
悟郎の視線はアユミではなく、どこか見上げた遠い向こうを見ている。
「今から僕は独り言を言う。ちょっと昔に起きたとある少年の昔話」
「ご、ご主人様?」
「これは僕の独り言。聞きたくなかったら聞かなくてもいい。
でもこれは独り言だから、僕に話しかけても返事はできないよ」
「………」
それを聞いたアユミはやや間を置くと、
ぽふっ。
自ら悟郎に近づき、身を預ける。
「ご主人様。私はしばらくの間だけご主人様の抱き枕でございます。
抱き枕は何も申し上げませんし、何もして差し上げることはできませんが…」
アユミは目を閉じる。
「私は所詮枕です。ご主人様の全てを受け入れるご用意は整っております。
枕を使った怪しげな自慰でも、憂さを晴らす枕投げでも、どうぞご随意に…」
しぃ……ん…。
喋らなくなったアユミを一瞥すると、悟郎は重そうな口を開いた。
「それじゃあ僕は枕に向かって独り言を呟く寂しい人間か。みんなと再会するちょっと前まで、そうなりかけてたけどね…」
アユミは答えない。
「…そっか。それじゃあ始めようか」
昔々。
あるところに心優しく、動物がとても大好きな一人の少年がいたそうです。
その少年は冬近いある晴れの日、工場建設が決定し埋め立てられることが決まった池の近くに
冬眠しそこなって寒さに震えていた一匹のカメを見つけました。
可哀相にと哀れんだ少年は、冬眠をさせてあげようと場所探しをしてあげました。
やがて少年はある公園で池が近い大きな樹木を見つけ、ここがいいと穴を掘っていましたが…。
「こらーっ!!」
……ったったっざっ!
それを遠くから見ていたとある少女が、ものすごい剣幕で怒鳴り込んできました。
「あなた…いや、キミ!そこでなにしてんのよ!?」
彼が樹にイタズラをしているものと勘違いして飛んできたのです。
冬眠のために穴を掘っていると少年が答えると、
「キミは立派な人間なんでしょう?どうして人間が冬眠する穴を掘るのよ!?」
それを聞いた少年は思わず笑ってしまい、事情を説明するべくカメを差し出しました。
事の経緯を聞かされた少女はやや前屈みになっていた姿勢を正すと、
「よし、わかったわ!それなら私も手伝ってあげる!
ちょっと待っててね、向こうのベンチに置いた荷物を持ってくるから!!」
少女は大慌てで自分がいたベンチに戻っていきます。
たったったっ……!
「変わった人だけど、いい人みたい…」
かなり思い込みの激しい面があるようですが、少年は気にしていないようです。
やがて戻ってきた少女の手には、スケッチブックを含む絵画セットが握られていました。
少年が話を聞くと、彼女はこの公園に一本の樹木の写生に来ていたそうです。
つまりスケッチブックへ写生の最中、不審者として穴を掘る少年を見つけたのでした。
話を聞いた少年は、自分が写生の邪魔したのかと非難するように訊ねました。
少女は話の途中ちょっとイヤミっぽい言い回しで説明していたためですが、少女はそれを聞くと、
「うふふっ♪ 冗談よ、じょーだん!」
少女は悪戯っぽく笑うと、キミのおかげでもっといい絵が描けると言いました。
そしてスケッチブックを軽く抱きしめ、あさっての方向を向いてさらにこう続けます。
「枯葉舞う、樹の根元で、助けたカメの為に、穴を掘る少年…。
いや〜ん♪ まさに芸術!!すばらしいモチーフだわっ!」
少年は途中握りこぶしまで作って力説する彼女に気のない相槌を打ちましたが、
早く穴を掘りましょうと言ってくれる彼女に気を取り直し作業を始めました。
ざっ…ざくっ…さくっ…。
二人で穴を掘っている最中、少女は少年に訊ねました。
「ところで、名前は?」
少年が答えようととき、カメを助けたから浦島太郎なの?という
少女の珍問答に一瞬ズッコケかけた少年ですが、改めて名乗りました。
「悟郎くんかぁ。よし、悟郎くん!一緒にがんばろう!!」
まもなく大人の女性へと変わりつつある少女。
まだあどけない少年真っ盛りの男の子。
遠目から見れば姉弟に見えなくもない二人が公園を出て分かれる頃には
カメの名前を「アユミ」と決め、アユミが冬眠から覚めるのを
二人で一緒に見届けようと約束したのです。
二人が帰宅してしばらく、この公園の数箇所に看板が立てられます。
この看板が後にひとつの悲劇をもたらすような事になることは、誰も思いませんでした。
季節は春。暦は啓蟄。
春はあけぼの。
草木が芽吹き始め、眠っていた動物たちも徐々に目を覚ます季節。
少年は自転車に乗って、家からそこそこ離れたあの公園を目指していると
あの見知った年上の少女が少年に声をかけてきました。
「悟郎くん!」
少年が自転車を止めるのを確認すると、少女は少年のところまで近づきます。
あのカメがきっかけで、二人は時々話をする関係になったのです。
いつもは歩きの場面で出会うことが多いので、自転車に乗っているのは
ちょっと珍しいので問いただすと、少年は口ごもってしまいました。
それを見て、少女は彼の目的地にピンときたようです。
「こらっ!私に隠れて、一人で宝物を掘り出す魂胆でしょ!?」
人差し指を立てて横に振る仕草をしつつ、少女は得意顔になる。
「ふっふ〜ん、お姉さんを誤魔化そうたってそうはいかないわよ?」
少年の抗議を聞き流した少女は自転車の荷乗せに腰掛けて
一緒に公園へ行こうと言い出しました。
荷物を持ったまま二人乗りは危ないと少年の抗議は続きますが、彼女はその様子を見て、
「悟郎くん、女の子と自転車に乗るのが恥ずかしいんでしょう!?ん?どうなのどうなの?」
少女にからかわれ、少年はちょっと不機嫌になりつつも
不承不承自転車を走らせ始めます。
やがて公園が見えてくるところまでやってくると、少年は異変に気づいたようです。
キキィィィィィィィッ!!
「きゃっ」
急ブレーキの反動に、少女は悲鳴を上げました。
「何々?どうしたのよ!?いきなり止まったりして」
少女が自転車から降りて訊ねると、少年は自転車を止めて公園内まで走り出しました。
「工事…えっ?この公園を取り壊す気なの!?」
以前立てられたあの看板、都市計画に基づいた造成工事のお知らせだったのです。
異変に気づいた少女も彼を追いましたが、入り口が封鎖されています。
更地にする工事が始まったので封鎖されたのです。
少年は壁をよじ登ったのでしょう、突破された跡はありませんでした。
この少女はクラスの中でも小柄で身軽、登れなくはないでしょう。
彼女も意を決して壁をよじ登り、少年の後を追いました。
ヴィィィィィィィ……ン!
バキバキバキバキバキバキバキ…!
カメを埋めた場所まで来ると、今まさにチェーンソーで切られた
大きな樹木が少年の身に襲いかかろうとしていた瞬間でした。
「悟郎くん、危ないっ!!」
少女は少年のところまで駆け寄り、一緒に樹木を避けるべく飛び出しました。
ズシィィィィン!!!
木が倒れる大きな音が元公園の敷地内に響きました。
倒木を避けて倒れていた二人だったが、少年はすぐに身を起こしてカメを埋めた場所へ
駆け寄ろうとしましたが、その周辺をブルドーザーやショベルがウロウロしている
光景を目の当たりにし、ひざをついて崩れ落ちてしまいました。
少女はその様子を見守っています。
人間の身勝手が生み出した光景に絶望した少年は、精一杯の声で叫びました。
「くそぉっ!人間なんて…地球で最低の動物なんだぁぁぁっ!!!」
少年の声を公園の工事関係者が聞きつけて、危険だからという理由で
少女は近くにある別の公園のベンチまで少年を連れてきていた。
ひたすら自分を責め続ける悟郎を見かね、少女は慰める意味も込めて
元々渡すつもりだった一冊のスケッチブックを手荷物から取り出した。
がさがさ…!
ビッ!ビリリッ!
「ハイ!これ」
少女から手渡されたスケッチブックのリーフには、カメを抱き上げる少年が描かれていた。
「これって…絵?ボクの絵?」
「うん。前、悟郎くんと二人で…アユミちゃんの冬眠場所を掘っている時に考えて描いたの」
「ボクが…アユミを抱き上げてる」
悟郎が少女に向き直ると、
「春が来て…こういう風になったらいいなって思って…」
もう一度絵を見つめ、やがて悟郎の中で最後まで堪えていた
純粋な悲しみの堰はとうとう崩壊を始めたのだった。
「うっ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁん!!!
あああああぁぁぁぁん!アユミぃぃぃぃっ!!!」
「ここまでは、多分アユミも話に聞いていると思う。
何度口にしても、何度思い出しても、消えることのない辛い思い出…」
悟郎の独り語りが止まった。
目を閉じ、私は枕になりたいと言わんばかりに無言を徹すアユミだが
その瞼の間からはうっすらとにじんでいた。
「それでね、この物語には続きがあるんだ。誰にも教えてない話の続きが…」
「うっ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁん!!!
あああああぁぁぁぁん!アユミぃぃぃぃっ!!!」
少女は絵を抱きしめながら泣き崩れる悟郎を胸に抱き寄せて
彼の気が済むまで待つことを決めた。
ポツッ…!
ようやく落ち着きそうな雰囲気になった頃、少女の首筋に冷たい何かが当たるのを感じた。
少女が上を見上げると、既に泣き出しそうなくらいの空模様になっている。
まるで悟郎と一緒に失った悲しみを分かち合うかのようだった。
「…降ってくるのかしら」
ポツ…ポツッ…!
…ポツッ、ポツッ、ポツッ、ポツッ!
パラパラパラパラ……!
ザアァァァァ……ァァァァァァァァ…!
少女の呟きを引き金にしたかのように、空は雨を降らせ始めた。
簡単な防水加工が施されているスケッチブックを簡単な傘代わりにするが、
この雨量ではすぐにでも役に立たなくなるだろう。
少女は半ば諦めた表情を見せると、片腕で悟郎を抱き寄せたままベンチから立ち上がる。
「悟郎くん…このままじゃ濡れちゃうし、一度悟郎くんのお家に帰ろうか?」
言って少女は気がつく。
「あ、そういえば私ってば悟郎くんのお家って知らないし、結構遠いんだよね?」
…こく。
少し間が空き、少女の胸の中で頷く悟郎。
「そっかぁ…それじゃあこのままどこかで雨宿りだけしても駄目かなぁ。
身体を拭いて服を乾かさないと、あとでカゼひいちゃうかもね」
「……え?」
この発言に、悟郎は少女に埋めた顔を上げる。
少女の後頭部から伝わってくる雨の雫が悟郎の顔を濡らしていく。
「…お姉さん?」
しとしとしと……。
わずかな沈黙の後、少女は口を開いた。
「悟郎くん、よかったらだけど…ちょっと私の家に雨宿りに来ない?
ここから近いし、私の家にはこういうときのためのいいものがあるんだ」
ゴォォォォォォォォォォォォ……!
白色の正方形冷蔵庫にも似た大きな箱が、機械的なうなりを上げている。
そしてその中では、さっきまで悟郎と少女が着ていたであろう衣類が舞っていた。
悟郎の物に限って言えば、下着もその中に入っていた。
グオングオングオン…!
これは、当時まだ家庭用としては珍かった衣類乾燥機(ガス式)である。
少女の話では、町内で一番早くに設置したという話だ。
家が旅館をやっていることもあり、業務用の大型乾燥機なら見てきている悟郎だったが
小型になった家庭用の乾燥機は初めて見たので珍しがっていたようだ。
閑話休題…の前に、そういや肝心の二人はどこいった?
じゃばっ…!
どぶん!
ちゃぷんちゃぷん…!
程よい温度のお湯を満たした湯桶が床に置かれ、勢いの分だけ水面が揺れる。
「二人そろってお風呂場ですが、何か?」
「…お姉さん、誰に話しかけてるんですか?」
「ううん、なんでもないのよ」
少々危険な問答をそっちのけにして、少女は悟郎を座らせた。
「…ってお姉さん、いったい何を!?」
「なにって…悟郎くんを洗ってあげようと思って」
「って、それくらい自分でできますよっ!」
「大丈夫大丈夫、痛くしないからお姉さんに任せなさいっての」
「そうじゃなくて…」
「ほらほら、男の子でしょ?こういうときはオイシイと思って覚悟を決めなさい」
少女に無理やり諭されるがまま、悟郎は全身を泡だらけにされていく。
コシコシ…ゴシゴシ…!
「〜〜♪」
ひざ立ちの状態で悟郎の身体を洗いながら、ハミングを奏でる少女。
洗われる側の悟郎は顔を真っ赤に染め、半ばなされるがままになっていた。
頬が赤いのは、もう自分でできるのに小さい子供みたいで恥ずかしいというのもある。
しかし、自分は全裸なのに少女はバスタオル一枚という状況にもドキドキしていた。
「ねえ…悟郎くん」
「は、はひっ!」
少女は泡だらけのタオルを動かしながら悟郎に訊ねた。
一方の悟郎は、先ほどから頭の中でピンク色の何かが渦巻いていて
彼女の急な呼びかけに過剰反応し、裏返った悲鳴のような声を上げてしまう。
「うふふっ…ねえ、聞いてもいいかな?」
「は、はいっ…なんですか?」
「悟郎くんはさ…どうしてそんなに動物が好きになったの?」
「えっ?」
「私にもね、飼っていたペットを亡くしたことがある動物好きな友達がいるんだけどね。
今日の悟郎くんのように、あそこまでペットに対して泣いてはいなかったんだ」
「………」
悟郎は沈黙を保っている。
「ましてや、今回は自分が飼っていたわけでもないのに、あそこまでアユミちゃんのために
あんなに悟郎くんは泣いたんだもの。きっと、筋金入りの動物好きなのね。
私も自然や動物は好きな方だって自負してるつもりだけど、悟郎くんにはかなわないなぁ…」
がこっ……!
「お湯、流すよー?」
「あっ…はい…」
ざぱぁぁぁぁぁ………!
床に置いてあった手桶のお湯が、悟郎の全身にまとわりついた泡を流していく。
「ねえ、どうして?」
「え、ええっと…その…ええっと…どうしてって言われても…」
「自分でも…わかんないの?」
ざばっ、ちゃぱぁぁぁぁぁっ………。
続けて2度3度お湯がかけられ、悟郎の身体についていた泡はほぼなくなった。
かけられたお湯が排水溝へ流れていき、全てが出て行った頃、
「…ボク、物心ついたころから、山の中とかで動物と過ごす時間が多かったんです。
お父さんもお母さんも、家の仕事が忙しくてなかなかボクにかまってくれなくて…」
「…うん。それから?」
「なんて言うか、その…うまく言えないんですけど…」
「うんうん」
カコーン…。
少女は空になったプラスチック製の手桶を床に置いてから
悟郎が座っている風呂イスの横へ座り込んだ。
「ボクにとって、山や木々、そして動物たちは…かけがえのない家族なんです。
以前ボクが飼っていたウサギのミカ、遊びに行っていた神社に住んでいたヘビのユキさん。
そして…そして……今日もしかしたら再会できたかもしれない、カメのアユミ…」
俯きだした悟郎の目に少しずつ涙の雫が溜まっていく。
「みんな…ボクの前からいなくなっちゃった…!亡くしたくないのに、いなくなっちゃった…!
ねえ、お姉さん!ボク、もしかして動物と関わっちゃダメなの!?ねえ!」
「…悟郎くん」
「うっ…ひっく…うううっ……」
すっ…。
涙がぶり返してきた悟郎を、少女は正面から抱き寄せる。
「ひっく…ひっく…」
抱き寄せたまま、少女はやがて悟郎の耳元へ小さな声で語りかけ始めた。
「…いい、悟郎くん。男の子が泣いていいのは一生のうちで3回までなんですって。
この世に生まれてきたとき、苦難を乗り越えたとき、愛する者との永遠のお別れのとき…」
少女が悟郎を抱きしめるように引き寄せていく。
「だから、今は男の子が泣いても許される数少ないチャンスだけど、
明日からはもう泣かないようにしよ?今日は泣くだけ精一杯泣いていいからさ。
じゃないと、カメのアユミちゃんもきっと天国に安心していけないと思うんだ…」
「………」
小さく肯く悟郎。
「それに悟郎くんは、自分を動物の死神みたいに思ってるかもしれないけどきっと違うよ?」
ぎゅっ。
少女は抱きしめる力を強くする。
「天寿であれ災難であれ、死ぬことは動物も人間にもいつか平等に訪れる。
悟郎くんは、ちょっとそういう巡り合わせがほかの人たちと比べて悪いだけなのよ」
「巡り合わせ…」
「そう。もし巡り合わせの悪さが宿命なら、それを変えることは多分出来ないわ。
でも死に行くのが運命だとしたら、それは変えることは出来るかも知れない…」
「…どういうこと?」
悟郎が訊ねる。
「んー…悟郎くんにはまだ難しいかもしれないけど…」
少女は前置きをして、
「生命にとって死ぬことは宿命だから逃れられない。
でもその時期が寿命じゃなくて他の何かだったら…?
たとえば…重い病気とかにかかったら、とかね」
「あ…」
少女の話に、悟郎は何か思うものが出てきたらしい。
「そう。生命を助ける力は運命を変えることが出来るかもしれないってこと。
動物が相手なら、獣医さんになってみるとか…ね?」
少女は小さくウィンクをした。
「……うん。わかったよお姉さん、ボクやってみる。すぐには無理だと思うけど、いつかはそうなってみたい…」
悟郎の返事に、少女は顔をほころばせ、
「うん。エライぞ、悟郎くん。お姉さんは嬉しいな」
言って少女は悟郎の頭をゆっくりと撫でた。
なでなで…。
なでなでわしわし…。
「お姉さん…あの…」
「んー?」
なでなでなでなで…かいぐりかいぐり。
「ふふふっ」
「あ、あの…それ、そろそろやめてほしいと言いますか…」
「えー」
「いやあの…えーと言われましても…」
少女の不満そうな声に抗議する悟郎。
「ふふっ…もう、じょーだんだってば。悟郎くんってばかわいい♪」
「…う〜っ、からかわないでくださいよもう!」
「ごめんごめん♪」
少女は悟郎から離れた。
「さて、湯冷めしちゃわないうちに悟郎くんは頭洗って先に湯船に入っちゃって。その間に私も頭と身体を洗っちゃうから」
「ええっ!?」
悟郎の素っ頓狂な声と慌てた表情を見て、少女はにやにやと笑みを浮かべながら、
「んん〜?もしかして悟郎くん、頭も私に洗ってほしいのかなぁ?」
「ちっ、違いますよっ!っていうかお姉さん、ボクがまだ入ったままなのに…」
「もうここまできちゃってるんだし、裸くらいもう今更よ…って言いたいところだけど」
身体を隠すバスタオルを留めている部分を掴み、ちょっと顔を赤らめると、
「流石に私も見られるのはちょーっと恥ずかしいから、あっち向いてて欲しいなぁって…」
ドキッ!
「わっ、わかりましたっ!それじゃあちょっとこれお借りしますっ!」
「う、うん…」
悟郎はシャンプーとリンスのボトルを掴むと、浴室の隅っこを陣取って洗髪を始めた。
「(なんだろう…何だか急にドキドキしちゃった…)」
まだ自分でもよくわからない感覚に戸惑う悟郎。
一方、少女は悟郎の視線がこっちから逸れたのを確認すると、
身体を隠すためのバスタオルを留める部分を外した。
ふわさっ…!
はだけさせたバスタオルを折りたたみ、少女は浴槽ドアの取っ手にそれを引っ掛ける。
そしてさっきまで悟郎が腰掛けていた風呂イスに座ると、もう一枚のタオルと
石鹸ケースから取り出したままの石鹸を拾い上げ、ゆっくりと身体を洗い始めた。
ワシャワシャ…。
コシコシ……ワシャワシャ……。
悟郎を洗っているときに比べて若干弱い力で洗っている。
腕から始まり、お腹、背中、胸の膨らみと続き、一度タオルに付着した汚れを落とす。
タオルにもう一度石鹸をなじませた後、陰部含む腰周り、脚から足へと続いていく。
悟郎は彼女が背中を洗い終える前に頭を洗い終えたので既に湯船の中だが、少女を
自分の視界に入れまいと目をつぶったまま湯船に入ったせいで別の問題が発生していた。
(お姉さん、まだかかるのかな…今どこ洗ってるんだろう?
背中とか腰とか足とか……胸とか……ちょっと覗いてみたいような。
でもそんなことをしたら間違いなくお姉さんに怒られるだろうし…)
まだ肉体的に成長しきれていない悟郎だが、そろそろソッチ方面も気になる年頃。
少女の織り成す柔肌を洗っていくその音だけで、悟郎はムダに想像を逞しくしていた。
身体が洗い終わったのを確認すると、少女は石鹸の泡をシャワーで流し、
そして悟郎がうっかりそのままにしていたシャンプーとリンスの
ボトルを拾い、元の位置に戻してから自分の髪の毛を洗い始めた。
「……♪」
何を思ったのか、少女は頭を左側に傾けた。
すると前頭部のみ長さが違うショートボブが重力に従って垂れ下がる。
そしてその髪の毛に、手を使ってキューティクルの方向にそってシャンプーを馴染ませていく。
「…ラランラン♪ ラランラン♪ ラランラ〜ン♪」
シャンプー液を馴染ませる手が髪の毛がない空中でも動いていることから、
鼻歌の内容は最近発売され大人気になっているシャンプーのCMの音楽だろうか。
だがCMのマネをするにはいかんせん髪の長さがぜんぜん足りない。
やっててだんだん虚しくなってきたのか、頭を垂直に戻して普通に洗い始めた。
指の腹を使って毛穴の皮脂と汚れを浮かせるタイプだ。
わしゃわしゃ…すぅっ、すぅっ…。
悟郎も悟郎で、彼女がいきなり歌をやめてしまったので不審に思ったが、
「ねえ…悟郎くん」
「は、はいっ!」
本日二度目の光景だ。
「悟郎くんは髪の長い娘と短い娘、どっちがタイプなの?」
「え?あの…どっちがって…?」
少女は髪を洗う手を止めると、
「悟郎くんも見ての通り、私ってけっこう髪の毛が短いでしょ?」
洗っていて浮き気味になっていた髪の毛を手で撫で下ろすようにして整える。
「…はい」
もっとも、その姿は目を閉じている悟郎には見えてない。
「私の周りって…昔からよくわかんないけど男子が近くにいなかったの。
本とか雑誌だと、男の子ってどちらかと言えば髪の長い女の子のほうが
好きだって書いてるけど、実際のところはどうなのかなって思ったの。
悟郎くんはどっちなの?生の意見が…聞きたいなぁ」
「ボクは…」
…ちゃぷん。
お湯の水面が揺れた。
悟郎は視線を浴室の壁だけに集中し、まぶたを開ける。
「確かにボクも、長い髪は嫌いなほうじゃないと思いますけど…」
「うん」
「少なくとも…ボクはお姉さんの短い髪の毛は好きですよ」
「…ホントにそう思う?」
「はい。とっても似合ってると思います」
しばしお互い無言になるが、
「…どうもありがとう、悟郎くん。たとえお世辞でも私は嬉しいよ」
「おっ、お世辞だなんて…」
「わかってる。悟郎くんは、こういうことではウソがつけないもんね?」
「うぅぅ…」
少女は悟郎の後頭部に向かってにっこり微笑むと、洗髪の最後の仕上げにかかった。
髪の毛の余分な泡をそぎ落として髪の形を元の状態へと整えていると、
「っと………あっ」
「…どうかしましたか?」
悟郎が少女へ背中越しに訊ねると、
「勢いが付きすぎて、シャンプーの泡が目のところに降りてきちゃったの。
結構たくさんついたみたいだから、ぬぐっても泡が目に入っちゃいそう…」
「大丈夫ですか?お姉さん」
「ごめん、悟郎くん。ちょっとシャワーでお湯かけてくれる?かけ湯だと髪の毛が乱れちゃうから…」
「あっ、はい。わかりましたっ」
「……私が見えてないからって、裸ジロジロ見ないでよね?」
「見ませんってば!」
必死に否定した手前、悟郎は壁しか見ないようにカニ歩きで浴室の端へ移動したが、
シャワーの柄は高い位置に据えられており、悟郎の身長では届きそうもなかった。
「ねぇー悟郎くーん、まーだー?」
「ちょっと待ってお姉さん、シャワーが遠くて…」
言って悟郎は浴槽の縁を足がかりにシャワーの取っ手を掴んでフックを外した。
「よし。後は蛇口を…」
しゃがんで蛇口を握りひねった瞬間だった。
つるっ!
「うわぁぁっと!!」
「えっ?」
プシャァァァァァァ!!!
「きゃわぷっ!!」
ドタァーーーーーーーン!!
「いっ…たたたぁ…!!」
「うぅぅ…何か顔がつめたーい…って悟郎くん、大丈夫!?」
「はい、何とか…」
浴槽の縁で足を滑らせた悟郎はお湯ではなく水の蛇口をひねった状態で
転倒、シャワーから飛び出した冷水が少女に降りかかったのである。
不幸中の幸いか、彼女は無傷なようである。
「ところでお姉さんのほうは……あ」
「私のほうは大丈ぶ……あっ」
思わず目が合う二人。
当たり前だが、お互い生まれたままの格好を相手にさらけ出している。
しーん……。
2〜3秒ほど妙な沈黙が続くが、耐えられなくなった悟郎が口を開く。
「…あの、今のは不幸な事故でして。決して、その…」
どこかで聞いたような弁解をする悟郎。
「……ちょっ」
「えっ?」
少女はすぐに腕で胸と陰部を隠す体勢をとると、
「ちょっといつまでこっち向いてんのよぉ!?あっち向いてよぉっ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴る少女。
「すみませんすみませんすみません!!」
「いいから早く!!回れ右っ!!」
「はいぃぃっ!!!!」
あまりの剣幕に悟郎は無意識のうちに飛び上がり、超特急の早さで反対側を向いた。
しぃぃぃぃん…………!
さっきよりも長い沈黙と気まずい雰囲気が浴室内に漂う。
少女はかけてあったバスタオルを勢いよく引ったくって身体に巻きつける。
タオルがズリ落ちないのを確認し、少女は再び口を開いた。
「悟郎くん?目閉じてたからよくわかんなかったけど、今のってもしや…わざと?」
「ちっ、違います違いますっ!」
「ホントかなぁ?ウソついてえっちなコトを考えるのはいけないと思いますよぉ?」
「ウソじゃないです違いますっっ!!!」
「あやしい…」
じぃぃぃーっ……!
悟郎の背中をジト目で見つめる少女。
その痛い視線に冷や汗が出る悟郎。
「じゃあ仮に事故だったとして……悟郎くん」
「は、はいっ」
「…見たでしょ?」
「へっ?!」
「私の裸。胸とか恥ずかしいところとか」
「……いやあのその見えたというか見えなかったといいますかあのその!」
少女の一言に一瞬時が止まり、続けてパニックを起こす悟郎。
「ほほー。この期に及んで見てないと申しますか?」
「いえだって湯煙立ってますしボクメガネかけてないけど近眼でしてそう簡単には見えないものでして」
「へぇぇぇぇ〜…じゃあ悟郎くんについてるコレはどう説明するの?」
少女は悟郎の背後に迫ると、悟郎の股間めがけて手を伸ばす。
その先には、出力全開まであと一歩というところまで硬くなった肉柱と化した男性器があった。
ぴくっ!
「はぅっ!お、お姉さんっ…何触って…?」
「ほーらやっぱり。私の裸見てコーフンして、ここ大きくしちゃったんじゃないの?」
「ち、違いますっ!実はこれはさっきからずっとこんな感じで…っ!!」
悟郎は逃げようと腰を浮かそうとするが、少女に肩を押さえられていて動けなかった。
「むっ。それじゃあさっき見た私の裸は悟郎くんを興奮させられなかったってコト?
なーんかそれって、女としてちょっとショックだなー」
「えっ!?」
「だってそうでしょ?興奮してくれないイコール私に魅力がないってことだもん」
ちょっとふてくされる感じでつぶやく少女。
「そんなこと…ありませんよ。これだってお姉さんの裸を想像しちゃったりとか
なんかしているうちに勝手に大きくなっちゃたんだし、さっきだってよく見てなくて…」
必死になって否定する悟郎を見て、少女はため息を一回つくと、
「…それじゃあこうしましょ?」
「へっ?」
もそもそ…ふわさっ……!
言って少女はバスタオルの留める部位を開放し、再びバスタオルを身体からはだけさせた。
ただし、まだ両腕を使って大事な場所は覆い隠してある。
「今から1分だけ時間をあげる。私は今完全に裸で、時間内は私に何してもいいの。
開始の合図は…悟郎くんがこっちに振り向いたとこからスタートってことで」
前半はここまでです。ドラマパートがかなり長くなりました。
これでも結構はしょったつもりなんですがorz
(執筆期間の設定都合により、はしょった内容はアユミを埋めてから死亡確認までの空白の期間です。
これも含めると文章量がマジでエロゲのシナリオの1キャラ分くらいになりそうなのでやめました)
1回の投稿分量が細かくてスイマセン。
近年のバラエティ番組みたいな区切り方でスイマセン。
ネタだらけだな、と思われた方スイマセン。
エロシーンが中途半端でスイマセン。
濡れ場描写が下手でスイマセン。
各方面にゴメンナサイ
(´Д`;) ゴメンナサイゴメンナサイ
∨)
((
単に引き伸ばすのでは申し訳ないので、後編の次回予告みたいなものを即興で準備しました。
375 :
次回予告:2007/05/07(月) 04:35:10 ID:ftbVE65e
・
・
・
「見てるだけでいいの?まだ大きくなりきれてないけど、間に合うのかな?」
「う…うん」
少女の言葉が引き金になり、悟郎はそのふくらみにそっと触れてみた。
ふにゅ……ふにふに…っ。
「っ……あったかくて、やわらかい」
もっと触ってみたい衝動に駆られ、片手で触っていたのを両手で触ってみる。
ふにゅっ…ふにゅふにゅ…ふににっ…!
むにょん…もみゅ、もみゅ……むにん…。
左右のふくらみをそれぞれ違うリズムで揉みしだいていく。
「……っはぁ……んんっ………んふぅっ…!」
・
・
・
何歳も年下の少年に手により、少女は今までとはまったく異質の快楽を享受していた。
少女は薔薇の首輪と銀の鎖が繋がる禁じられた世界に身をゆだねていく。
そして少年悟郎はこの場をどう乗り切るのか?
次回 『 あえてタブー(禁忌)を犯せ・後編』
官能の世界を待て、しかして希望せよ!
はいオレのバカorz
(;´Д`) スミマセンスミマセン
( 八)
〉 〉
つづきまだあ?
378 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 13:03:00 ID:LUK7ohha
数ヶ月ぶりに神ktkr
GJ!!しか言えなくてスミマセンスミマセン(AA略
GJ!!!!!
380 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 14:20:48 ID:Nbs39blW
ケッペキは出てないの?
亀だがGJ!!
まだ書き手がいた。・゚・(ノД`)・゚・。
382 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 22:37:28 ID:CvJpu6O1
保管庫神様乙
ねえ、ケッペキは?
エロではないが『天使のしっぽ』風刺SS…(の、プロット)
「お前の諭吉が泣いている」
第六話『スト騒動・愛と涙の乱れ打ち』
守護天使の中学生組、高校生組から不満の声が上がった。
「ケッペキ先生は私たちには厳しいのに、ご主人様に甘い」
と言うのだ。
悟郎がそんなことはないと言っても、まるでわかってくれない 。
小学生組は悟郎の弁護に回った。「ご主人様も、ケッペキ先生、必死なのに」
小学生組VS中学生組+高校生組の大ゲンカになってしまった。
「お前らが悪い」と悟郎に叱られた中学生組+高校生組は部屋に立てこもってしまう。
もっと私たちの話を聞いてほしい、聞いてくれるまでは出ないというのだ。
悟郎も怒って、「お前らみたいなダメ天使、こっちから願い下げだ!」
そこへケッペキ。
「ストをしたければ、いくらでもすればいいでしょう。私は絶対に折れません」
両者が譲らないまま、時間だけが過ぎていく。
慣れない家事に戸惑う小学生組だが、高学年の天使たちが先生になってなんとかこなしていく。
ストをしているうちに、天使たちは迷いがわき上がってくる。
「ケッペキ先生もご主人様も何も言わなくなっちゃった……あきらめちゃったのかな、私たちのこと」
5時間が過ぎ、夜になってから、一人、また一人と立てこもりをやめて部屋から出始めた。
次々と投降していく守護天使たち。
結局みんなスト破りをして、残ったのはカメのアユミだけになってしまった。
投降した守護天使たちに、悟郎は一人一人にビンタを張る。
殴りながら、悟郎は泣いていた。
そっと様子をうかがうアユミに、ケッペキが呼びかける。
「見えますか、ご主人の涙に濡れた手の平が」
ツバサが殴られた。ユキが殴られた。ランが殴られた。
「ご主人は、どんな気持ちで殴っているのでしょう。みんなは反抗していません。
殴っている理由があなたにはわかりますか。誰も反抗しない理由がわかりますか。
あなたの諭吉が泣いています」
そして、アユミも投降した。
「覚悟はできてるな、アユミ」
「はい」
悟郎の平手がアユミの頬に飛んだ。
こうして、スト騒動は落着した。
遅い夕食を、全員揃って食べた。
中学生組+高校生組は頬に手の跡を残しながら、それでも笑顔で。
次回、かつての敵だったあの男たちが戻ってくる!
今度は果たして、敵か味方か!
誤)「ご主人様も、ケッペキ先生、必死なのに」
正)「ご主人様も、ケッペキ先生も、必死なのに」
リクエストにお応えして、最新作を書きました。
プロットじゃなくて小説を書いて欲しい
大丈夫だ! お前はやればできる子だ!
あいかわらず面白くないなwww
エロではないが『天使のしっぽ』風刺SS…(の、プロット)
「お前の諭吉が泣いている」
第七話『歌え!守護天使と四聖獣たち』
テレビの音楽番組で、期待の新人アーティスト紹介を見ていて、驚く悟郎と守護天使たち。
見覚えのある顔ぶれが、期待のバンドとして紹介されていた。
GOU、SHIN、REI、GAI…リュシフェルと名乗るそのバンドのメンバー、彼らこそ、かつて悟郎の命を狙い、守護天使たちと戦い、そして和解した四聖獣たちだったのだ。
なぜ人間界でバンドをやっているのか?
事情を探るため、ライブ会場を訪れる守護天使の高校生組。
客席に、ユキ、アユミ、ミカの姿を見て、驚くリュシフェル。
逃げ出そうとする高校生組だが、うっかりアンプを倒して壊してしまう。
ライブはメチャクチャで中止になってしまった。
激怒したレコード会社側から賠償金を請求されるが、そこへケッペキ登場。
実は、潰れかけていた会社を建て直したのがケッペキだったのだ。
ローディー(付き人のこと)をただ働きでやることで決着した。
守護天使たちは、助かったと思ったのも束の間、リュシフェルのメンバー、
先輩ローディーに散々こき使われる。恋仲だったアユミに対して、SHIN=玄武のシンは冷たく当たる。
「あの頃はお前らを甘やかし過ぎた。だが、今はそうはいかないからな。俺たちは厳しいから覚悟しろよ」
ちょっとでもミスがあれば、怒声の雨あられ。
しかし、やめるわけにはいかない……が、徐々にその決意も揺らいでくる。
ある日のライブで、リュシフェルの到着が遅れていた。車の渋滞らしい。
準備を終えた守護天使たちは、まだリュシフェルが来ていないのを知って逃げ出そうとする。
それを、観に来ていた悟郎が止める。「待て、逃げるな!」
たまらずミカが叫ぶ。
「だって、あの時コケにされたから、仕返しに私たちに意地悪するんだもん」
しかし、悟郎にきっぱり否定される。
リュシフェルは決してみんなをいじめているわけじゃない、チャンスを与えたのだ。
でなければ、とっくに見限っている。ここで逃げたら全てが無駄になる。
「ライブが終わるまで仕事を放り出しちゃだめだ、みんな観に来てるぞ」と説得する。
客席には、小学生組も、中学生組もいる。その姿を見て、思いとどまる高校生組。
しかし、待てど暮らせど、リュシフェルは到着しない。観客たちが騒ぎ出す。
その時、舞台に飛び出したのは……守護天使の高校生組3人だった。
「リュシフェルが来るまで、私たちが代わりに歌います!」
セットしたカラオケが、会場内に、流れ出す。
歌い出す守護天使たち……だが、どうしようもないくらいヘタ。客席からは、ブーイングの嵐。
いたたまれなくなった小学生組と中学生組は会場を後にしようとする。
そこへ、ケッペキが登場。
「お姉さん達が歌っているのに、あなたたちは見捨てるのですか」
あれだけのブーイングを浴びているのに、それでも耐えて歌っているのだ。
お姉さんたちがどれだけ辛いかわかるのか。ここで逃げたら裏切りだ。
「裏切りと言う負債は、滅多なことでは返せません。いや、決して返せません。
あなたたちの諭吉が泣いています」
奮起した小学生組と中学生組は、会場に戻り、舞台に上がる。「私たちも歌います!」
全員集合、12人で歌い出す。
歌い終わり、客席は一転して、拍手と歓声の嵐……なんて、そんな都合良くいくわけもなく、
ブーイングはさらにひどくなる。
「リュシフェル出せー!」「引っ込めヘタクソ!」「ここは秋葉原じゃねーぞ!」
ついには帰れコールまで始まってしまった。その時、リュシフェルが舞台に現れた。
「みんな、遅れてごめん!」
GOU=青龍のゴウがファンに謝る。そして、「こいつら追い出せよ」というファンを一喝する。
「こいつらは、俺たちの妹だ! 帰れコールなんて許さないぞ!!」
REI=朱雀のレイが続いて言う。「歌ははっきり言ってヘタ。でも、あんなに思い切って歌えるのは素晴らしい」
GAI=白虎のガイ。「スタンバってる時、歌聞かせてもらったよ。ほんと、ヘタで泣けるぜ」
最後に、SHIN。「みんな、代わりに歌ってくれてありがとう」
感激して泣き出す12人の天使たち。
客席に、GAIの檄が飛ぶ。「何シーンとなってんだ、拍手だよ、拍手!!」
大拍手とまではいかないが、中拍手が起こった。
そして、大歓声の中、リュシフェルのライブが始まった。
リュシフェル=四聖獣たちは、人間界で、『人間』として生活することで、
将来の天界を背負って立つための修業をしていたのだ。
四聖獣たちは、ケッペキに感謝の言葉を伝え、改めて頼む。
「ケッペキ先生、どうか彼女たちをお願いします」
「聖者殿にも、ありがとうと伝えて下さい」
この一件で許してもらった守護天使たちは、初挑戦のテレビのスタジオライブで歌う四聖獣たちに
そっとつぶやく。
「ありがとう、リュシフェル」
悟郎は穏やかな笑顔で見守るのだった。
・・・・(笑)
いや、なんていうか・・・(笑)
天才すぎて僕たちついていけません><
仕事中なんとなくカキコ
SSの続きの内容…というか表現技法やらで激しく煮詰まってて
今にも焦げ付いて炭化しそうですorz
エロを書くというなれない事はするものではない…
>>394 技法なんて気にするな
俺の妄想でカバーするぜ