【ガイエ】田中芳樹作品エロパロ【ハァハァ伝説】 4

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673名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:31:43 ID:i523bHpj
チラ裏に書けば?
674名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:55:28 ID:BeyPMvds
まーまー。
すげー掘り出し物にめぐりあえるかも知れんのだし、
温かく見守ってやろうや。
神出現の瞬間に立ち会えるかも知れないぞ。
675名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 03:42:54 ID:c5eofqoy
あれ…672氏は新しい職人なの?
また次スレにって言ってたヴァレダ神かと思ってたけど…?
676名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 13:55:14 ID:tLL7eOxx
ここは神ばかりなのだから、黙って正座して待ってろ
677名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:03:01 ID:c5eofqoy
了解!
678名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:05:30 ID:JHRnSkq6
あとがきとか前置き(not注意書き)とかのSS以外の部分で
書き手が喋りすぎるのは、作品がどれだけ良くても火種になることがあるから
たまには水を撒いとくのもアリかと思う。

ここのスレは読む方も大人だからか、本スレの煽り合い&殺伐さが
嘘のようなマターリさなのはありがたいw
679名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 19:00:10 ID:momAyX0g
同感。ここって空気いいよな。
というわけでマターリ正座で神々お待ちしてます。
680マージョ:2006/10/03(火) 16:12:06 ID:7Z5L7xOe
「泉田くん、GJよ。」
681名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:32:44 ID:G+4HvFgF
全裸で正座して待っているのだが、大雨が降って寒いからパンツと靴下は履いた。
神様〜!
682名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 22:35:13 ID:9XRhyCYo
24歳のバルアミーと17歳になったリディア姫の話を書きたいんですが
需要ありますか?エロなし純愛物で。
683名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 22:36:50 ID:9XRhyCYo
sage忘れ失礼!平にご容赦を!!
684名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 22:42:10 ID:JARY3q2S
>683
需要ならここにノシ

ただ、ここもう残り容量が少なくて他の神の完結待ちなので
次スレ立ってから即死防止を兼ねて投下キボン。
685名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 23:18:03 ID:0cfrUO47
>>683
需要ならここにもありまくりですよ
wktkで投下待ちしてます
686682:2006/10/11(水) 23:24:22 ID:9XRhyCYo
>684
承知しました。次スレに向けて準備しますノシ
687名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:34:41 ID:RW3QonO1
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 需要!需要!
 ⊂彡
688 ◆uv0j2R4C.Q :2006/10/12(木) 12:02:25 ID:9TpQBT0S
疾風と令嬢ネタを投下中の人です。

すんません、あれから仕事が激烈に忙しくなってしまってテキストエディタを開いて眺めてる暇もない。
完結分投下は早くても今週末か月曜になってしまうので、既に投下町の人がいるならさっさと次スレに行っちゃってくれて構いません。
次スレは自力で追いますから。
分割投下するにしてもある程度書き上げてからやるべきでした。以前は割といいペースで書けたので過信してしまった。
689名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 15:29:20 ID:jcPfzMep
お察しします。労働者であれば集中して書く時間をひねり出すのもまた一苦労ですからね。
しかしてマターリ待つ人は多いようなので、なにせ作者に骨髄まで染まさせましたからなあwww。
次スレ立てるかは、ヒルダミッタ神が投下予定の文が残りバイト数超えるかどうかで決まりますかね?
690名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 16:11:38 ID:OBKo9AVw
お疲れ様です、疾風令嬢の神。
のっくりマターリお待ちしてるんで、どうぞお仕事にガイエんでください。

自分はこっちは消費して次スレにいっちゃってもいいかと思うんだけど、どうだろね。
691名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 20:27:02 ID:7WmTgu9/
ヒルダはラインハルトがいい!
692名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 21:08:34 ID:loe9iJDm
うん。わかったから(苦笑)
ちゃんと作者はトリップ付けて、注意促がしてくれてるんだから、
そこらへんは自分でなんとか回避しような?「大人」なんだから>>691
693名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 00:31:18 ID:dBH5QlUa
どうしましょうか。次スレ立てます?
694名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 01:12:53 ID:IgvMNkV4
>693
残り少ないとは言っても12,3KB位のSSならまだ投下できる容量はあるので、
この状況で次スレ立てたらdat落ちまで時間かかる。
今焦って立てなくてももうちょい消費してから移ればいいんじゃないかと思う。
695名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 23:13:16 ID:upfUw7Dq
>>694
そうだな。まだちょっと早いかも
次スレは490KB超えてからで大丈夫だろう
696名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 03:00:47 ID:jU8kkryj
残りバイトをちょうど埋めるネタが思いつかないから逃げの一手で。
697名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 03:02:09 ID:jU8kkryj
〜怒涛の惣カツ変、訂正、総括篇〜

「というわけで、今回も21歳未満読者閲覧禁止のスレを見てくださっている皆様、
 まことにありがとうございます」
「おや、18歳じゃなかったか?」
「ま、どちらにせよ下二人は年齢以下ですからね。そういうことで彼らはこの部屋には
 やってきませんよ。安心してください。あ、茉理ちゃんはもう条件満たしていますが、
 ここに呼びますか?」
「……ごほん。」
「なら止めて置きましょうね」(優雅な微笑)
「あ、……うむ。しかし、茶の一つでも欲しい所ではあるな。カステラだけじゃどうも」
「ではちょっと人を呼びましょうか」
(続、卓上のベルを振る)
「はい、お呼びですかナルサスさま?……ってなんだ!!この部屋はっ?!」
「どうもこんにちは、エラム君。はじめましてと言うべきでしょうか」
「え?ええ、その、どうもはじめまして」
「続、これはいったいどうなってるんだ?」
「これ?異次元同士をを直接繋げるドアですよ(キッパリ)」
(そんな安易な設定でいいのかなー、という目の始の前に差し出されるお茶)
「お!どうもありがとう、エラム君。これは緑茶だね?まだ紅茶も発明されていない
 古き時代の茶葉かあ。なんだか、(以下感慨にどっぷり浸って帰ってこない始)」
「だ、大丈夫ですか?!」
「これで普通ですから気にしないで下さい。古代の茶は押し固めて、固形にしたものを
 湯に削りいれて茶を淹れていたのですよね」
「は、さようでございます。あの、お名前伺ってよろしいですか?」
「(始、夢想から帰還)おれは竜堂始、こっちが俺の弟で、続だ」
「分かりました。こちらこそよろしくお願いいたします」
(礼儀正しく頭を下げあう三人)

「で、エラム君。そちらの方は順調に作者の筆が進んでいるようで良かったですね」
「いえ恐縮でございます。せっかくの先巻でも見せ場がほとんどありませんで」
「そんなに畏まらずとも。エラム君のこと、次巻では陛下と共に活躍されることでしょう。
 期待してますよ」
「いやあ、そんな風にいってもらえると……」
(面映そうなエラムを見ながら、人を殺せそうなほどの鋭い眼光を閃かせる)
「……まったく、こっちはいったい何年待たされてると思ってるんだか!」
「こらこら続、声に出してるぞ」
「ああ!これは失礼いたしました(超絶美の笑み)」
(こ、この人、すっげ怖えええ……とガクブルしているエラム)

こんな座談会形式とかw
698名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 03:12:08 ID:qbED9oXx
笑ったw
699名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 03:54:06 ID:jU8kkryj
「おーいエラム!どこにいるんだ?ちょっと筆記を手伝ってく……っておおっ!?」
「あっ、ナルサスさま。まさかこちらにおいでになられるとは」
「ふーむ。この男が“作者世界における優柔不断三巨頭”のうちの一人。なるほどねえ」
「む!ナルサスさまを悪く言わないでくれますか?いいですか、この人はパルスが
 大陸公路に誇る知性と軍才の持ち主で、そのー画才には、大きく欠けるところが
 おありになりますが、それにあの“お荷物”をキッパリ切れないという、かなりな
 優柔不断なところもありますが、けれど、わたしの尊敬する師なんですから!!」
「そ、それ以上はカンベンしてくれないかエラム……(両目から滝涙)」
「これはまた、贔屓の引き倒しといういい見本だなあ、ハハハ」
「巨頭の内の一人だというのに何を言ってるんでしょうかねえ兄さんは、フフフ」
「……それっておれの事か?」
「誰のことだと思うんです?」
「え”。例えばほら、副官として長年側に置いていながら、の人とか」
「あの人なら、お相手の女性にしっかりプロポーズしましたから除外です」
「ぐっ……分かった!超絶美人の女刑事さんと組んでいるあの鈍感な男のことか!」
「大正解です。これで二人、そして兄さんを合わせて三巨頭」
「おおー、そういえばなんとなく親近感がわいてきたような気がしますぞ」
「いや、失礼ですがナルサスどの、あなたと同じレベルと断言されたくはありません。
 というのはおれは、茉理ちゃんと将来も一緒にいることに確信を持ってますから」
「な!それを言うならこっちだってアルフリードが私を見限ってゾット族に戻るなど
 考えたことは一度もないぞ!」
「ナルサスさま!やっぱりあのお荷物のことが好きなんですか!」
「好き?あれとは愛してるとかそんなんじゃない!」
「じゃあなんなんですか!」
「えーっと……………(表情が微妙に変化する)」
「別にお互いをどう評価しようが構いませんが、お二人とも、はっきりとしたプロポーズは
 もうお相手の女性にされているんですか?」
「……まだだ。牛種との対決が終わらないうちは、ちょっとなあ」
「…………国事が片付くまでは、その、たぶんまだ三年ほどぐらい、いやもう少しか、」
「ほらみなさい」
(がっくり意気消沈するいい年の男二人)
700名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 04:03:23 ID:jU8kkryj
「あの!ナルサスさまに、あと…始さま!お二人とも肩を落とされないで下さい!
 まだ下がいます!最後の一人はまだ相手に想われてることにさえ気付いていない有様、
 それに比べれば、お二人は遥かにマシですよ!」
(エラムの励まし?にいっきに生気を取り戻す二人)
「ずいぶん低レベルな争いもあったものですが、それでもまだ気を抜かないで下さいよ?
 今、作者の筆が一番早いのは、あのシリーズなんです。こちらが終わらないうちに、
 あっちのシリーズの二人の仲が進展する可能性の方が高いように思われますが」
「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」
(異次元ドアに飛びつくいい年の男二人)
「おいっ続!このドアを作者の部屋につなげるようには出来ないのか!?」
「それはどうでしょう?どうやらランダムに繋がるようですから繰り返せば、いずれは」
「おーいここはどこなんだ?なんだか軍服の若者が小さいお嬢さんに頭を下げているが」
「それは私たち以上に無残な放置をされている異次元の彼方ですよ。さっさとお戻りなさい」
「こんなにムキになるなら、相手にさっさと告白すればいいでしょうに」
「まったくその通りです、エラム君。男は女性を抱きとめてこそ、ですよ」
(自分のことを思い出して頬が赤らむエラム)
「お酒はいけますか?エラム君」
「ええ、少しは」
「わたしのとっときのカクテルを用意しましょう。ホワイトリリーというのです」
「続さまのご経験は素晴らしく色っぽかったですよねえ」
「いえいえ、それほどでも。エラム君の恋愛も若者らしく情熱的で」

 年少の二人が互いの恋愛話に思い出酒を傾けている傍らで、いい年をした男二人は
ひたすらドアを開け閉めして作者(おとーさん)の書斎部屋を探し続けていた。

だから、そんなことしているヒマがあったら始は茉理ちゃんに、ナルサスはアルフリードに
サクサク求婚しろっつうに!!さらにこの二人以下の泉田準一郎もいいかげん涼子の気持ちに
気づけ!まずはそこからだっ!!

……という外部の突っ込みは二人(あともう一人)には永遠に届かないのであった。


!!!!!!劇終!!!!!!!
701名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 04:07:11 ID:jU8kkryj
異次元扉ネタ……ほかにありましたら、どうぞ使ってやってください。
それこそ、異次元漂流して早××年というあのシリーズだとか。
702名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 07:07:39 ID:4L3/lW0h
GJ
そのままanywhere扉でお相手の寝室inお着替え中とかに繋がって、ラブコメ的展開で既成事実とか作っちゃえ!
とかオモタ
703名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 12:28:57 ID:pEJ5VHxH
GJ!
低レベルな争いワロタww
ヤンがノーカンなのに噴いた。確かにくっついてるから除外だよなあ。
704名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 01:29:52 ID:paoqQjfJ
GJ!
無残な放置っぷりの異次元ワロスww

優柔不断三巨頭の最下位に関しては
マガジンZ誌上での作者(おとーさん)と絵師さんとの対談で
「あのもどかしい距離感がいいので(二人が)くっついてそれが無くなっちゃうのは寂しい」
「多分永遠に近づけないんじゃないかと…(ニガワラ」

ってな会話が交わされてたので二人ともそう焦る必要ないぞwww



「……という事で作者にはお二人の仲を進展させるつもりは当分ないようじゃな(´・ω・)カワイソス」
「…作者がこんなんじゃあたしとナルサスの進展も当分無理?(´・ω・`)ショボーン」

「あんまりだわ!!ちょっと作者(オヤジ)んとこ行って直談判してくる!!ヽ(`Д´)ノ
泉田クン捕獲して既成事実さえ作っちゃえばオヤジが何言おうがこっちのものよ!ヽ(`Д´)ノ」

「お涼ちゃん、その甲冑とチェーンソーはだめえええ!いくら準ちゃんでもドン引きよおぉ!」
「ごめんなさい泉田警部補…あのお涼はわたしにも止められない…orz」


そしてドアを開け閉めする始とナルサスは、何故か作者と泉田クンを探してる
小早川奈津子にたびたび出くわしてガクブルだったとか何とかw
705名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:02:49 ID:zQrxzNhz
ええっ!「天使のなっちゃん」なの?wwwwwwww>>704
甲冑着こんだ涼子、じゃなくって……
706名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:13:15 ID:yDwE/fYD
涼子が着込んでるせいでなっちゃんにしか見えなかったんじゃない?
ドアの向こうから見てる訳だから遠くて別人だと気付かなかっただけで。

しかし涼子の甲冑となっちゃんの甲冑のサイズはえらい差があるよな…
何はともあれハゲワロタw GJ!
707名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 21:13:06 ID:i1SUJTCm
異次元wについて書いてくれる職人さん(バル×姫)は次スレ待ちでらっしゃるのかな…
708名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 19:50:15 ID:HEAJ+qlP
異次元ネタ書きあがったんだけど(バルアミーと姫ではない)、
10K軽〜く超えてるんで、次スレ立つまでのんびり推敲中です(・ω・)。
709名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 21:08:56 ID:/DSHF9BE
いつもはROMってるんだがそろそろ次スレが
立ちそうなんで、心から感謝&祈念カキコ


このスレから覗かせてもらってるんだが、
即落ち防止のクロスオーバーなSSから始まって、
次々と現れる神々に、もう萌えまくりの日々ですた……。

月並みだけど、このスレにおられる全ての神々よ、
素晴らしい作品を本当にありがとう!
710名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:23:11 ID:qV3r49MP
巣箱は見に行きました?
凄いですよ。素晴らしいですよ。
711名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 20:09:28 ID:a5cr8kmB
>>710 ありがとう、ここ見つけた際に速攻行きますた >巣箱
良作ばっかで凄すぎる……

初めてこのスレ覗いたのは確か始&茉理の風呂ネタの頃で、
もう萌え転がりまくったですよ…w

ここはスレ住民もまったりしてて、本当に居心地がいいよ…
ありがとう

それでは次スレでも神々の筆が冴え渡らんことを祈念して
ROM専に戻ります。 長々とスマソ
712名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 22:15:15 ID:oiLttxpR
新作楽しみ。しかし残りバイト埋めるほどの話が書けないROM者なんでこうして神に
応援レスするぐらいしか出来まへん。orz
せめて萌えネタをば投下。
近々ハロウィンですからそれとか使えませんかね?
713名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 11:30:09 ID:9IRvsAk8
わーい、燃料の補給キター。
71410月31日:2006/10/23(月) 15:28:12 ID:9IRvsAk8
「trick or treat! 泉田クン、こ・ん・ば・ん・は!」

 私が寝起きする独身寮のドアを叩く音がして、開けてみたらいきなりこれだ。
ドアを押さえる涼子の手には、なぜか紙袋が握られている。極上の笑みを浮かべたまま
涼子がさっきのセリフをもう一度繰り返す。今度は分かりやすくカタカナ英語で。
「トリック・オア・トリート!」
「薬師寺警視……では、おやすみなさい」
「ちょっ、待ちなさいよッ!」
ドアを閉めようとした私の手を掴み、慌てたように涼子が言う。
「あまり大声で騒がないで下さい!うるさいオバサンの耳に入ったら翌朝何て言われるか」
「分かったわよ、静かにしてあげる。あいつでしょ?ダンナの地位を自分のものだと
 なぜか勘違いしちゃってる官舎のボス猿。いや違った、メス猿か」
「そんな訂正、いちいちしないでいいです」
 片手で湯上りの髪をかき上げて溜息をつく。ちなみに、涼子の格好はいつもの脚線美を
誇るかのような黒のミニドレス。しかし、頭にかぶっているのは黒い先が尖った三角帽子。
さらにマントの肩にはご丁寧に黒猫のヌイグルミが載っかっている。
(なんだ? これじゃまるで……魔女のような)

「いったいなんなんですか、こんな夜遅く」
「だって、今日はハロウィーンじゃん」
「はあ?!」
「やあだ、あんなにオレンジ&ブラックが街中に溢れているってのにさ、見てないの?
 その目は節穴か? ん?」
そう言われてやっと私も涼子の扮装の意味が分かった。そういえば、帰りがけに寄った
スーパーにはやたらカボチャやらお菓子やらが高く積み上げられていた。それで私も珍しく
カボチャプリンなんぞ買って、あとで食べようと思って冷蔵庫に入れてあるんだっけ。
71510月31日:2006/10/23(月) 15:29:51 ID:9IRvsAk8
「ほら泉田。いいから早く寄越しなさいよ」
もう一度溜息をついて、突然の夜更けの訪問について私は抗議を試みた。
「あのですねえ、男の独り住まいに、こんな時間に淑女(レディー)が一人で訪問する
 ものじゃありませんよ」
「一人じゃないもん。うちの二人も一緒に連れて来てるし」
涼子が手招きをして呼び寄せたのは、もちろんあのメイドさんたちだ。
彼女たちも同じくハロウィンらしい仮装姿(コスプレ)で、白い骨がプリントされた黒い
ミニドレスがマリエンヌ、オレンジ色のミニドレスに緑の葉っぱの帽子をかぶっているのが
リュシエンヌ、とこれまた可憐な格好。岸本がこれを見たら感激のあまりに卒倒するか、
いやいやその前にご自慢のデジカメで撮影をおっ始めることだろうな。

「そうじゃなくって、ほら、他に言う事あるでしょうが」
魔女王(ウィッチ・クイーン))涼子は依然、胸をそらして私の前に仁王立ちのままだ。
「ほかに言う事? ええありますよ。前にアメリカで、やっぱりハロウィンで日本の留学生が
 家を間違えて誤射された痛ましい事件があったでしょう。そんな危険だってあるんですから」
「どーもご親切に。でもここは銃所持ご法度の日本よ。そんなこと、そうねえ、ヤクザ屋さんの
 事務所に行ったらあるかもしれないけど。そんな阿呆、いるわけないしねえ」
「は、はあ。ヤクザにお菓子貰いにいこうなんて誰も思いませんよね」

そのまま白旗をあげそうになった私だったが、心を鬼にしてドアノブに手をかける。
「メイドのお二人と一緒なら、私がお送りしなくても大丈夫ですね、おやすみなさい」
鍵を内側から閉めて、さあ一安心。ビールを片手に海外ミステリーでも……

ガチャリ。

「ガチャリ? ――はっ!!」
私は自分の完全なる敗北を悟った。そう、あのメイドさんの特技といえば……。
「ハーイ♪」
これも仮装なのか、長い爪を艶やかに光らせた手を顔の横で振りながら、涼子が玄関の中に
ずいっと踏み込んできた。
「さ・て・と。さあ、泉田君? trick or treat?」

……誰か助けて。
716名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:38:29 ID:hBNNsa7e
キターwktk
71710月31日:2006/10/24(火) 00:38:35 ID:g9V92Y8u
「あら、悪戯される方をお望み? もう仕方ないわねぇ」
どう見たって仕方なくなんかない満面の笑みを美貌の顔に浮かべて涼子が指を鳴らす。
「ウィ! ミレディ」
うら若き女性三人にいきなり部屋の中に踏み込まれて私ははげしく狼狽した。
いちおう、見苦しくない程度に部屋は片付けているが、私は許可していないのだから
これは不法侵入なんじゃないか? ゴホンと軽く咳払いをしてみせるが、私の目の前に
涼子が突きつけたのは「警察手帳」。
「そ、それはそういう風に使うものではありません!」
「いいじゃなーい。あたしと泉田君の仲でしょ? それともなに?カノジョでも
 連れ込んでいるのか・し・ら?」
「そんな、連れ込むだなんて、そもそも彼女なんて今現在の私には居ませんっ!」
涼子は嬉しそうな顔をしたが、一瞬考えこんだ後にムッとふくれっ面になった。
「あら、そう!」

かなりのご機嫌斜めっぷりの涼子をどう扱えばいいのかわからなくて、とりあえず
私室兼寝室の居間までは通さずに、狭いダイニングキッチンの椅子に座らせた。
「ええと、まあそのお茶でもいかがですか?」
「あ、大丈夫。この子達にやってもらうからお気遣いなく」
涼子が流暢なフランス語でメイドたちに指示すると、お湯が沸く間に支度が整えられ
その三分後には豊かな香気漂わせる紅茶が四つテーブルの上にしつらえられていた。
二つは緑茶の湯飲みであったのだが、男の一人暮らしだ、これは仕方ない。
「残りは泉田君にあげる。本式は茶葉だけど、ティーバッグの方がお手軽だし」
「どうも、そこまで気を回してもらってありがとうございます」
「いーのいーの」
鷹揚に微笑む魔女王サマだが、深夜の訪問の非礼についての配慮は欠落しているようだ。
71810月31日:2006/10/24(火) 00:40:08 ID:g9V92Y8u
「では、冷めないうちに頂きます」
一口啜って、その美味しさに私は目を見張る。
「美味しいでしょ? そういう時間をたまには持ったほうがいいわよ、泉田君」
「それはそれは」
返事にもなんにもなっていない相槌を曖昧にうって、私は再度涼子に向き直る。
「いきなり何のことやら、びっくりしましたよ。それに“トリック・オア・トリート”
 なんて実際言って回る人に、今まで生きてきて初めて遭遇しました」
「ま、ね。私もこれをやるのは初めてよ。正月やらクリスマスやらコミケやら、
 宗教関係なくお祭り騒ぎが好きな日本にしては、珍しく定着してない風習よね」
なにやら聞きなれない単語もあったようだが、私もとりあえず肯いた。
「とくに昨今の状況をかんがみても、日本には見知らぬ訪問客を受け入れるという
 習慣はないですからねえ。そういえば、そもそもハロウィンってなんなんですか?」
「あたしもハロウィンのことを知ったのは小学生ぐらいのときだったからなあ。
 お菓子が貰えるなんて、なんてステキなイベントなんだ! と思ったのを覚えてるわ。
 ねえねえ、銀行でカボチャの被り物をして“トリック・オア・トリート!”って
 言ってみたらどうなるかしら?」
「だめですっ!!」
一瞬でも面白そう、と思ってしまったのは朱に交わった結果だ、そうだよな?

「えーと、何の話してたんだっけ」
「ハロウィンの由来ですよ」
ああそうだった、と涼子は帽子をとるとテーブルの上に置く。甘い香りがふわりと漂った。
「ハロウィンはキリスト教の行事の一つで、11月1日の万聖節、つまりすべてのキリスト教の
 聖人を礼拝する日の前夜祭のこと。ハロー(HALLOW)っていうのが聖人の意味、ハロウィン
 とはすべての聖人をたたえる前夜のことを意味しているの。まあ、すっかりアメリカの
 商業主義に乗ったお祭り、って感じになってるけどねえ」
「お菓子を貰って回るというから子供限定のお祭りだと思ってたんですが」
言ってる途中でギクリとして涼子の様子を伺うが、気付いていないようで私はホッとした。
71910月31日:2006/10/24(火) 01:01:11 ID:g9V92Y8u
「もともとは、古代ケルト人の収穫のお祭りなの。だからカソリックじゃ、逆にハロウィンは
 馴染みがないそうよ。一年を夏と冬の二つに分けたケルト族の暦では10月31日が大晦日で、
 夏と冬の神が支配交代する前夜にあたるわけ。夏の神は豊穣をつかさどる大地の女神デメテル、
 冬の神が死者の世界である冥界をつかさどるハデス。夏の間に収穫をもたらしてくれた地母神
 デメテルに別れを告げ、ハデスを迎える夜。すべての霊が集まると考えられて祖先を祭った
 夜でもあるわ」
「じゃあ、カボチャのランタンにはいったい何の意味があるんでしょうか」
「子供たちが悪霊に連れて行かれないようによ。ランタンを作って灯すのは、炎は良い霊を迎えて
 悪霊を払うと考えられていたから」
ほら、と涼子が私の目の前に置いたのは、カボチャをくり貫いて作ったお化けランタンの実物。
メイドたちが作ったのかな? 涼子は不器用だし。

「じゃあ灯してみよっか」
蝋燭に火がつけられ、蛍光灯も消すと暖かい光が狭い室内をぽうっと照らしだす。
涼子の肌も艶めかしい色に浮かび上がって、私は不覚にもドギマギしてしまう。
「なんだかこう、不信心者の私でも不思議な気分になってきますね」
いきなりそんなことを言いだした私を涼子は笑いはしなかった。かわりに唇に浮かべたのは
私が初めて見るような可愛らしい、少女のような笑顔だった。
「そりゃそうよ。なんたって今日は現と幻の境の日、超自然の力が一番強くなる夜なのよ。
 だから、今日ぐらいはそんな気分になって当たり前。べつに変じゃないわ」

二人のメイドの姿はなく、どうやら涼子を置いて帰ってしまったようだ。私は大きく息を吸い込む。
「だというならば、これもハロウィンのせいということで、よろしいですか?」
ゆっくりと私は涼子に顔を近づけていく。
お化けカボチャのランタンだけが、奇跡の瞬間の唯一の目撃者であった。

終。
720名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 01:12:53 ID:g9V92Y8u
ごめん。新スレうちのホストじゃ立てらんない。誰か頼む。
ごめんみんな。ごめん……
721名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 01:39:50 ID:/vdBta94
GJ&乙です
新スレ挑戦してみます
722名無しさん@ピンキー
ktkr!!
神様ありがとうありがとう。
内容の楽しさは云うまでも無く、
蘊蓄の入り具合も自然だし、もう素晴らしいです。


で、新スレ。
自分も立てられんのでした…ごめんなさい。