【涼宮ハルヒ】谷川流 the 12章【学校を出よう!】

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1名無しさん@ピンキー
あ?何なんだ、いきなり。
え?スレの説明?
何で俺がそんな事やらないかんのか。
おいおい。
そんな意気揚々と母親の買い物に付いて来て、何も買って貰えなかった子供みたいな顔で凄むなよ。
表情と言動が一致してないぞ、お前。
朝比奈さんも可愛い顔でこっちをチラチラ見ないでくれ。たまらん。
古泉も一緒になって急かすんじゃない。調子に乗るな。
長門も長門でじっとこっちを見るな。
早くしろ?
あーもう!
書いてください!読んでください!
これでいいか?
…素晴らしくハレ晴れな笑顔だな、ハルヒ。
2名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:40:36 ID:ej2YR/at
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

@前スレ
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 11章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149436361/

@過去ログ
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

@これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/
3名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:42:13 ID:+KRsdCKY
>1
乙!
4名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:43:52 ID:o4gx7FC9
スレ立てお疲れ様。

前から思ってたが>>1を貼る意味って何?
昔はスレ立ての人が>>1を書き下ろして貼ってたけど、今は使い回してるだけだし。
>>1に前スレのURLとか保管庫のURLがあった方が便利なんだけど。
5名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:46:21 ID:xe9MhAYa
>>1
6名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:49:47 ID:Dh9IMrG+
スレ立て乙
次回の表紙はきっと喜緑さんだね!
大穴で国木田、谷口、コンピ研の部長とかでもいいけど
7名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:51:34 ID:uvxTTfDg
>>4
書き下ろしの伝統は7スレ目までで無くなってるし(以後使い回し)
確かに、>>1を無くして>>2から始めた方が良いな。
8名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:52:34 ID:RmGxTs4f
>>6
いや、普通に鶴屋さんだと思うが・・・
9名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 22:56:46 ID:gsQy4uYM
次は朝倉じゃないのかなと思うんですが、同時に内容がどうなるのかが…
少なくとも表紙にでるなら本編にも登場してないとつじつまが合わなさそうですし
10あぼーん:あぼーん
あぼーん
11名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:06:06 ID:RmGxTs4f
>>612
アスカ=マヤです。
12名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:06:58 ID:1xHWAjYC
なんだ?エヴァか?
13名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:08:49 ID:RmGxTs4f
>>12
アニメ本スレに貼ろうとおもてたの(´・ω・`)
14名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:12:47 ID:Svpx9SKZ
>>11
記念マヤ
15前スレ744:2006/06/08(木) 23:22:14 ID:+KRsdCKY
書き上がったので投下する。
初めて鶴屋さんで書いてみた。
16鶴屋さんの休日:2006/06/08(木) 23:25:17 ID:+KRsdCKY


「やあやあっ!キョンくん、待ってたよっ!」
向こうから自転車でやってくるキョンくんに大きく手を振る。
「遅くなってスミマセン。じゃあ、行きますか。」
「いーや、むしろゴメンを言うのはあたしのほうっさ。無理に頼んじゃってゴメン」
「いえいえ、鶴屋さんの頼みです。断るわけにはいかないですよ」
「そうかいっ?そんじゃ、行こうかっ」
そう言って、あたしはキョンくんの自転車の荷台に座る。二人乗りってやつだね!
一度やってみたかったんだよねっ、二人乗り。
「じゃあ、まず何処に行くんですか?」
「えっとね、この道をまっすぐ行ってちょーだいなっ!」
キョンくんが自転車をこぎ出す。うわっとっと!バランスとるの意外と難しいにょろ。
それに比べてキョンくんは慣れてるね〜。誰かいつも乗せてるのかなっ?
あ、そうだっ!なんであたしとキョンくんが一緒にどっか出かけるのかって?
それは、確か水曜日あたりのことだっけかな〜っ?
17鶴屋さんの休日:2006/06/08(木) 23:26:59 ID:+KRsdCKY
「やほーっ!みくる居るかいっ!?」
SOS団部室、あ、もともとは文芸部室だっけ?のドアを蹴破るようにして、あたしはそこに入ったんだっ。
でも、みくるはまだ来てなかったみたい。
そこにいたのは、珍しくキョンくんだけだったんだっ。
「あ、鶴屋さん。どうも」
「あれ?みくるはまだ来てないのかいっ?」
「朝比奈さんはまだ来てませんよ。何か用があるんですか?」
「いーやっ、用というか、ちょっと頼み事があったんだよねっ」
そう、週末にあたしはちょっと行きたいところがあったんさっ。
だけど一人で行くのもつまんないから、みくる誘おうかなって思ったんだ。
そう言うと、キョンくんはちょっと首を傾げて
「あ〜……週末ですか。多分朝比奈さん、用事があると思いますよ」
「えーっ!!なにっ!?用事って?」
「えっと、おいしいお茶が売っているらしい遠くのお店まで買いに行くとか言ってましたけど」
「そっか、残念だな〜。どうしよっかな」
でもここであたしは閃いたんだ!みくるがダメなら……
「そうだっ!キョンくん、一緒に行かないかい?ねぇ、お願いにょろ!」
そうやってお願いして、今日に至るってワケさ。

18浜谷太一 ◆yl1SBmcic. :2006/06/08(木) 23:27:34 ID:M78cj4hk
ここに目をつけられていますよ

ネット上の駄目なエロSS 第五章
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122722360/
19鶴屋さんの休日:2006/06/08(木) 23:28:28 ID:+KRsdCKY
デートだと思った人は残念っ!まあ、捉えようによってはデートだけどねっ。
んー、あたしも少し期待したんだけど、キョンくんニブチンだからなぁっ。
多分、あたしのことなんて、何とも思ってないんだろーな。
大体キョンくんには、ハルにゃんやみくるや長門ちゃんがいる。
キョンくんが選ぶとしたら、多分そん中。あたしなんて外から見てるだけなのさ。
でも、今日ぐらいはちょっと楽しみたいなぁっ。
目の前に見える広い背中。やっぱキョンくんは男の子だねっ。
広くて、逞しい。ちょっぴり羨ましくなる。
その背中につかまって、抱きしめてみた。
二人乗りしてるし、捕まえとかないと落ちちゃいそうだからね。
おっ、意外と何も言わない。てっきり「何してるんですか!?」ってあわてると思ってたのになっ。
うーん。それなら鶴にゃん、調子に乗っちゃうぞ!?
そのままキョンくんの背中に耳をつけてみる。
感じる体温があったかいねっ。耳を澄ませば心臓の音が聞こえそうだっ。
頬にあたる風も気持ちがいい。ぐんぐん自転車はスピードを上げていく。
風の中、キョンくんの体温だけが、あたしを形取ってるみたいに思えた。


「そうそう、ここっ!一回来てみたかったんだっ!」
町から離れて、田舎道を辿ってついた場所。
めがっさおっきなひまわり畑!
「どこでこういうの調べてくるんですか?」
「それは禁則事項さっ!」
にんまり笑ってみせた。キョンくんはあれあれ?ちょっと唖然としてるねっ。
ちょっとした冗談のつもりだったのにな。
ま、いいかっ。
「ささ!行こうっ!キョンくんっ!」
あたしはひまわり畑に向かって走り出す。
「ちょっと、待ってくださいよっ!」
「にゃははっ!早くおいでーっ!」
困った顔をしてキョンくんが追いかけくる。
あたしはいつも以上にハイテンションで、いつも以上に楽しかった。
それで騒ぎすぎたせいで、ちょっとキョンくん疲れちゃったっぽい。
お昼ご飯を食べた後、シートに横になって寝ちゃったのさっ。
最初のあたりはあたしも、ほっぺたツンツンしたりとかして楽しませてもらったんだけど、あたしも眠くなってきたから、ボーッとキョンくんの寝顔のぞいていたのさ。
なんだか改めてみると、キョンくん可愛いねっ。
さしてカッコいいわけでもなくて、普通に何処にでもいそうな青年って感じの顔。
だけど、SOS団のメンバーが困っているときは、一気にカッコいい顔になるのさっ。
そりゃあハルにゃんや、みくる、長門ちゃんが惚れるわけだよねっ。キョンくん優しいし。
あたしだって……ううん。やっぱやめとくにょろ。
さって、あたしも一眠りしようっ。

20鶴屋さんの休日:2006/06/08(木) 23:29:11 ID:+KRsdCKY
そうやってお昼寝して、起きたらまた一緒に騒いで。
でも楽しい時間って、すぐに過ぎちゃうものなんだよねっ。
ひまわり畑の横を通り過ぎていって、坂を越えて、もう少しであたしの家。
沈んでいく夕日をみてると、何か物足りないって思うのさ。
もう少し、一緒にいたい。
ちょっとだけやっぱし思うよ。あたしだって、ホントは……
黙ってると何だか変になりそうだから、行きにも増して色々喋ったのさ。
キョンくんは、そんなあたしに気がつくことなく、相づちを打っていた。
そしてもう、あたしの家の前。
自転車から降りる。ちっと悲しいなぁ。
キョンくんがあたしの方を向く。
「じゃあ、俺、帰りますから」
……。
ホントは、帰って欲しくなんかない。
だけど、わがままなんて言えないよねっ。
あたしはキョンくんにとっては、気のいい、おもしろい先輩なんだっ。
キョンくんが向けている視線はあたしじゃない、SOS団の3人に向けられているっさ。
あ、古泉くんゴメン。今言ったのは女の子だけだからねっ。
そう。あたしの出る幕なんてない。あたしはただ、外から見てるだけ。
だけど……
ちょっとくらいなら、ハルにゃんもみくるも長門ちゃんも、許してくれるかなっ?
もう、耐えられない。苦しくて、切なくて、どうにかなっちゃいそうだっ。
だから、ちょっとだけ。最後の一歩。
踏み出して、ほっぺたにキス。
「っ!?ちょ、鶴屋さんっ!?」
「これはほんのお礼っさ!今日は付き合ってくれてありがとっ!」
大人になんてなれない。諦めることなんてあたしには無理っさ。
だから、あたしは一番の笑顔でキョンくんに向かう。
敵わなくたって、それがあたしの信念だからさっ。


(終わり)
21名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:31:08 ID:+KRsdCKY
以上。一カ所改行ミスった。スマン。
あと、持っているやつがいればの話だが
川本真琴の1/2を聞きながらだと、いい感じかもしれん。
イメージ的にはそれを意識して書いてみた。
22名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:36:16 ID:1xHWAjYC
なんか切ないぜ。
23名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:38:48 ID:ej2YR/at
いいね、これ。
24名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:46:24 ID:M8BrR/t7
>21
GJ。


ただ、鶴屋さんの長門の呼び方は「有希っこ」じゃなかった?
そこだけ気になった。
25名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:48:21 ID:ckDXYFAj
アニメだと長門っちもあるね
26名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:55:44 ID:+KRsdCKY
>>24
鶴屋さんが長門を呼ぶときの名はたくさんある。
今回は暴走の雪山症候群からとってみた。
別にこだわりはなかったから、有希っこでも有り。
27名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:02:02 ID:ckDXYFAj

「うっさいわね、谷口の分際で」
俺が教室の扉を開けてまず聞こえてきた言葉が、それだった。
見ると、自分の席に座ったハルヒが見上げながら谷口をにらんでいる。
めずらしいな、ハルヒが谷口と会話してるなんてよ。
石ころじゃなかったのか。まあ、最近ハルヒも落ち着いてきたからかもしれん。
「なんだと」
谷口も売り言葉に買い言葉だな。何があったんだ?
「それがさ」
遠巻きに二人を眺めていた国木田が寄ってきて、事情を説明してくれた。

なんでも、最初に声をかけたのは谷口だったそうだ。
そりゃそうだよな。こんなまだ寒い時期に野球大会があるでもなく、映画撮影も予定してない。
文芸部の機関誌だって、先日作り終わって全てはけた。谷口はオモシロ日常エッセイだったか。
SOS団的になんの用事もなく、したがってハルヒが谷口と関わることなど何もないはずだった。
「ほら、谷口って彼女にフラれちゃったじゃない?」
ああ、そんなこともあったな。
「いつかキョンに言ったと思うんだけど、谷口ってキョンのこと相当うらやましがっててさ」
それはずいぶん前の話だな。映画撮影のときか。谷口の奴、予定をキャンセルしてまではせ参じたんだっけ。
「そうそう。それでね、涼宮さんに原稿料を要求するうちにぽろっと言っちゃって」
原稿料? ずいぶんと無駄なことを要求しやがったもんだ。
「で、なんて言ったんだ?」
国木田は谷口の口調を真似て、
「キョンにはチョコをあげたくせに、俺にはなんの見返りもなしか、って」
「……」
谷口よ、そこまで病んでいたのか。すまんな、近くにいたのにわかってやれなくて。
いつか言った、干支が一回りする間くらいに素晴らしい女と巡り合えるだろう、ってのを
高校卒業くらいまで、に訂正しておくぜ。俺にできることはそれぐらいしかない。
ちなみに断っておくが、ハルヒからチョコをもらったなんて、俺は誰にも言ってないぞ。
28名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:02:56 ID:vg5xcZ3K

「それでこの状況か?」
「うん」
はて、ハルヒらしくないな。図星ですと言ってるようなもんじゃないか。
「僕でもわかってたよ、キョンが涼宮さんからチョコもらったことは」
そうかい。それでもだな、ハルヒなら無視するはずなんだが。
不思議に思った俺は国木田に向けてた顔を動かし、なおも言い争っている二人を見た。

「あんたなんかただの部外者じゃないの。団員と同待遇を受けられると思ったら大間違いよ」
ハルヒがにべもなく谷口に告げる。
「団員だからやったってことか?」
「そうよ。団長が団員をねぎらうのは当然でしょ」
なんか文句ある? と言わんばかりの態度だ。
谷口が気圧されたのも無理のないことだと思うね。
「だ、だがな、無報酬で毎回毎回、俺や国木田を巻き込んでんじゃねえよ」
勝手に僕を含めないで欲しいな、と横の国木田がぼやく。
「なによ。ヒマそうなあんたらに時間の有意義な使い方を提供してあげたんじゃない」
どこまでもハルヒは強気だった。
「それとも呼ばなかったほうがよかった?」
「ぐっ……」
谷口の敗色は濃厚だな。口でハルヒに勝てるわけがない。
そもそも、始めからして谷口の暴走だからな。勢いが止まれば終わりだ。

「なんかまだ言いたいことある? なければこれで終わりね。当然、原稿料なんて出さないから」
ぴしゃりと言い放ったハルヒの締めで、どうやら谷口の負けは確定したようだった。
傷心の谷口を慰めてやるか。個人的には敢闘賞をくれてやってもいいぐらいだ。
そう思い、歩み寄ろうとした俺の耳に、肩を落とした谷口の声が聞こえてきた。
「……くそっ、結局俺は涼宮に振り回されたままか。ドッキリに始まって野球、映画、会誌。
キョンと付き合って少しはマシになったかと思えば、これだ」
そのまま谷口は声に自嘲の色をにじませ、
「呼ばれたくなかったのかと言われれば、そりゃ呼ばれたかったさ。涼宮の笑顔なんて
見る機会、中学時代にはなかったからな。でもこれじゃ貧乏くじの引きっぱなしだぜ」
29名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:03:17 ID:fp3Phu5q
>26
そっか、俺の勘違いだな。スマソ。
30名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:03:40 ID:vg5xcZ3K

突然シリアスになった谷口に驚いているのは、俺だけではなかった。
ハルヒが口を半開きにして谷口を見上げている。あのハルヒがだ。
「谷口?」
「あん?」
ハルヒに呼ばれて顔を上げた谷口は、遅ればせながら自分が何を口走ったか悟ったらしい。
「あ、いや、何言ってんだろうな、俺。思ってもねえことを」
慌てて弁明する谷口を見ながら、そういやこいつとハルヒの付き合いは俺より長いんだよな、とふと思った。
古泉もいつか言ってたし俺もこの目で見たが、中学生のハルヒは無愛想なガキだった。
高校に入学してしばらくのハルヒと思ってくれればいいだろう。たぶんずっとああだったに違いない。
そんなハルヒといっしょに3年間同じクラスで過ごした谷口にとって、今のハルヒは別人なんだろうな。
なぜだかわからないが、俺は谷口のことが少しうらやましくなった。

谷口の弁明が一通り終わると、ハルヒは開いていた口を動かした。
「……まあいいわ。キョンとあたしがどうこうってのは、聞かなかったことにしてあげる」
そう言うと、席を立ち、谷口の肩をポンと叩く。
「次もよろしく」
「あ、ああ……」
次に呆然とするのは、谷口の番か。
ぶっきらぼうな言い方だったが、ハルヒにそう言ってもらえるなんて相当なもんだぜ、谷口。
俺は自分の記憶を探って、ねぎらいの言葉をかけられたことがあるか検索してみた。ねえよ。
俺が忘れてるだけかもしれんが、「おつかれさま」とか「ありがとう」と言われたためしがない。
行動や態度でそれとなく示してもらったことなら、あるんだがな。
「勘違いするんじゃないわよ。あんたがそれなりにSOS団に貢献してくれたことを感謝したんだからね」
ハルヒが付け加えた言葉に微笑ましいものを感じていた俺は、次のハルヒの発言を聞き逃しそうになった。
「ところで、ドッキリってなんのこと?」
ドッキリ、ドッキリね。なんだったかな。言われたような記憶はあるんだが。
立ち直った谷口は訝しげな顔を作り、
「そりゃ、あのことだろ。放課後、俺が教室に入ったらキョンとなが――」
「だああああああああああああっ!」
31名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:04:30 ID:vg5xcZ3K

なんのことか思い当たった俺は思わず叫んでしまった。教室中の視線が俺に集まる。
しかし周囲を気にしている場合ではない。
「おい谷口! それは言うな!」
そう言って俺は駆け寄る。何も考えずに谷口の口を封じようと思ってのことだったが、邪魔が入った。
ハルヒのやつが俺の進路を塞ぐように立ったかと思うと、速度を落とした俺に合わせるように
ステップをひとつ送って横にどき、足を引っ掛けてきやがったのだ。
「うおっ!」
あまりの体さばきに反応しきれなかった俺は、前のめりに無様に転ぶ。
そしてハルヒは床に転がった俺の上に乗しかかり、体重をかけてきた。そのまま谷口に声をかける。
「言いなさい」
谷口は、俺とハルヒを交互に眺めた。言うなよ、谷口。視線に力を込める。

結局、言わないわけにはいかないまでも、俺の意を汲み取ってくれたらしい。
「だから、教室に入ったら、キョンと長門がいたんだよ。俺を脅かすドッキリじゃなかったのか?」
肝心な部分はぼかしてくれた。助かったぜ、谷口。
ハルヒは、谷口の問いには答えず疑いを発する。
「何してたの、その二人」
「それは――」
踏まれたまま谷口の代わりにうまいこと言おうとした俺だったが、さらに体重をかけられて黙らされる。
「キョン、あんたには聞いてない。あたしは谷口に聞いてんの。で?」
「さあ。何か話してるみたいだったな。俺は慌ててすぐに出て行ったから、内容まではわからん」
嘘とホントを交えながら言う谷口。
「ふうん。それっていつのこと? 十二月?」
十二月と言ってやれ。それならすべては丸く収まる。
年末の冬合宿で山荘に閉じ込められたとき、長門から相談を受けたと俺は言ったからな。
だが、谷口にそこまで期待するのはさすがに無理だったようだ。
「ドッキリに始まって、って言っただろ。五月の終わりか、六月の最初か。とにかくそのへんだ」
「なるほどね。ありがと、谷口」
げっ、ハルヒが谷口なんぞに感謝の言葉を述べてやがる。俺は猛烈に嫌な予感がした。
その後ハルヒは、初めて俺の上に乗っかっていたことに気付いたかのようにすっくと立ち上がり
ほこりを払いながら同じく立った俺に、ニヤリと不気味な笑いをひとつくれた。
32名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:05:10 ID:vg5xcZ3K

その日の授業は最悪だった。
不気味な沈黙を守ったハルヒを背にしながら、授業に集中できるわけないだろ。
休み時間のたびに教室から出て行ってくれるのは、救いだったが。

「あんなんで良かったのか?」
昼休み。いつものように机をつき合わせ、谷口や国木田と昼飯を食っていると谷口が言ってきた。
ハルヒは学食だからいない。
「ああ、ありがとよ」
とりあえず礼を言っておくか。言い方によってはどうなっていたことか。
「それっていつか谷口が言ってた、教室でキョンと長門さんが絡み合ってたってやつ?」
口を挟んできた国木田にうなずく谷口。食べていたものを飲み込むと、
「まさかホントのことだったとはな。俺はてっきり涼宮のドッキリかと思ってたぜ」
そう言い、俺を見る。なんだよ、その視線は。
「二股とはいいご身分じゃねえか。よく今までバレなかったもんだ」
「誰が二股だ。谷口、お前は勘違いをしているようだが、断じて俺とハルヒは付き合ってなどいない」
それにだ、
「お前が見た俺と長門のことだって、あれは恋愛沙汰なんかじゃねえんだよ」
詳しく説明すると俺の脳が疑われそうなので、できないがな。
こんなあいまいな説明でも、案外納得してくれるものらしい。
「キョンに二股なんてできる度胸があるわけないって」
国木田がウインナーをほおばりながらそう言うと、谷口も、
「それはそうなんだがなあ。ま、がんばれや」
投げやりだな、おい。朝のシリアス感は、どこへ行ったんだ。
「いいんだよ。あんときはむしゃくしゃしてたが、涼宮の言葉で吹っ飛んだぜ」
現金な野郎だ。
だが、あのときのハルヒは、たしかに好感が持てた。
よくよく考えると、谷口はハルヒの口から名前が出る、数少ない人間のうちの一人だ。
昔の俺が憧れてたポジションにいる男、それが谷口なのかもしれんな。
33名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:06:07 ID:vg5xcZ3K

放課後、部室に入ると、すでに全員が顔を揃えていた。
「遅かったじゃない、何してたの?」
遅いも何も、俺は普通に歩いてきただけだ。
パトロールのときもそうだが、みんなが早いのであって俺が遅いのではない。
ハルヒにとってはどうでも良かったらしく、あっさり先に進めた。
「ま、いいわ。みんな揃ったことだし、ミーティングを始めましょう」
「ミーティングだと?」
俺が聞いていないのは言うまでも無い。
「そ、ミーティング。あ、でもその前にひとつ」
と、ハルヒが顔を向けた先にいるのは、
「有希、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
本を読んでいる長門だった。長門は文面を追っていた顔を上げ、ハルヒを見る。

「なに」
「あのね、去年の五月の終わりから六月初めのことなんだけど」
そのことかよ。
「放課後、一年五組の教室でキョンと会わなかった?」
「会った」
あっさり肯定する長門。それはいいんだが、どうやってごまかす気なんだ?
「何を話してたの?」
「眼鏡属性について」
「は?」
あっけに取られるハルヒだったが、それは俺もそうだ。そう来るとは思わなかったぜ。
朝比奈さんもなんのことかさっぱり話が見えないようだし、古泉は苦笑している。
「眼鏡をしてないほうが可愛いと言われた」
「……あんた、ホントにそんなこと言ったの?」
ハルヒがじとっとした視線を送ってきた。これは正直に答えるしかないんだろうなあ。
「ああ」
仕方の無いこととはいえ、無性に恥ずかしいぞ。
「ふうん。それで有希、眼鏡をつけなくなったのね。謎がひとつ解けたわ、ありがと」
俺のほうをにらみながら言うセリフじゃないだろ、それ。
長門は長門で役目は終わったとばかりにゆるゆると読書の続きに戻るし、俺はどうすりゃいいんだ。
34名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:06:48 ID:ckDXYFAj

ハルヒは何やら言いたそうな顔だったが、とりあえずこの場は不問に付してくれたようだ。
「その件は今日のところはいいわ。本題に入りましょう」
そう言うと、ホワイトボードにでかでかと文字を書き始めた。
二文字目ぐらいで俺はなんのことかわかってげんなりする。古泉に目をやると
また苦笑してやがる。まあ苦笑するしかないよな。ついに来たかって感じだ。
そうか、朝のハルヒが谷口につっかかってたのは、これが理由かもしれんな。

「今日のテーマはこれよ!」
手の平でホワイトボードを叩く。ばんっといい音がする。

『ホワイトデー』

その文字が書かれてあった。笑いながら怒鳴りつけてくる。
「キョンも古泉くんも、まさか忘れてたわけじゃないでしょうね?」
忘れてなんかいないさ。むしろお前が忘れてたのかと思ったぜ。
お返しに何が欲しいか考えておく、なんて言っておいて、もう三月だしな。
朝比奈さんや長門も何も言ってこなかったが、それはこっちの自由意志に任せるという意味だと解釈し
一丁前にチョコなんぞ渡してきやがった妹へのお返しと同じ、三毛猫のぬいぐるみを渡す予定だった。
「もちろん、忘れるはずがありません。何を所望されるのか、ずっと待っていました」
端的に俺の言いたいことを古泉が言ってくれた。
ハルヒはその返事に気をよくし、
「そう! 色々考えたんだけどね、どうしてもふたつから絞れなくて。それでね」
と、七夕のときに使った短冊の余りを二枚、二つ折りにして握り、差し出してきた。
「引いて出たのを、プレゼントしてちょうだい。お互いに見せたり教えたりしちゃダメよ」
つくづく、くじ引きの好きなやつだ。
「それではお先に失礼して」
断りと共に、古泉が一枚短冊を引いた。それから俺が余りを引いて、中身を読んだ。
「ん?」
なんだ? これは。これを本当にハルヒが書いたのか?
同じく中身を読んでいる古泉の表情を伺う。貼り付いた微笑は変わらないな。
もう一度見直す。一字一句読む。さっきと同じだ。
ハルヒ、お前はいったいどういうつもりなんだ。
35名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:07:56 ID:vg5xcZ3K
ここで一区切り
36名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:09:04 ID:4U4oDIRL
んああ!焦らすのが上手いなぁ
37名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:14:26 ID:2OQdq2E6
>>36
同意
38名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:14:32 ID:IjEYN14Q
GJ
谷口×ハルヒの可能性が見える
39名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:19:43 ID:SwDqGUd+
焦らしやがって!
40名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:21:57 ID:vg5xcZ3K
いや、とりあえずできたとこまでカキコしたら
終わらせなきゃって思うから続きが早く書ける。
谷口編ぐらいまでで止めるとその後の展開がどうにでもなるしなあ
41名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:25:34 ID:4jClRy9v
>>633ってもしかしてさ、
12月31日の出来事じゃない?
雪山のラストを見るとなんかそれっぽい感じがする。

あの光景を見せたのはもしかして…って思った。
42名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:27:20 ID:0t7o4O4v
>>38
それはない
43名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:30:25 ID:jm4dr57V
>34
あっあんた確か前スレで妹にペロペロさせていた御仁ではないですか
続かないっていってたけどこれはもしかして続きだったりするんですか!?
44名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:35:19 ID:vg5xcZ3K
前スレの妹ちゃんのはこれ書いてる途中に
発作的にエロが書きたくなったから書き殴っただけ
45名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:45:16 ID:JcpVZSh2
>>41
前スレのか?

ある朝=大晦日の朝
雪原=夢の世界
ってのはわかるが誰がそれを見せたんだ?
46名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:01:12 ID:rgBSkDhs
7章を最後に1000まで到達してないのでたまには行ってほしい
47名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:05:19 ID:K50i6SGj
>>46
じゃあ誰もアンカーを打たないようにしないとな。
48名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:05:46 ID:agA6pCRQ
そのせいで未だに9章が残っているという異常事態
49名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:11:37 ID:Kh/PSp2j
残っているとは言え、容量オーバーまで使い切ってるので問題なし。
50名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:14:30 ID:OWk7pDLZ
>>34
谷口とハルヒとのやりとりからはじめるとは。いいぞ谷口
>>一丁前にチョコなんぞ渡してきやがった妹
この表現、いいね。妹属性としてニヤニヤしさせてもらったわ
続き期待してます
51あぼーん:あぼーん
あぼーん
52名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:25:29 ID:WhmL9lL2
>>34
谷口の絡め方がいいね。
ハルヒとキョンの関係に何らかの変化をもたらすことを期待してます。
過去を知ってるだけにキョンにモノ言えるってのは大きいすね。
5311-16:2006/06/09(金) 01:26:43 ID:6a3FfNfh
某スレのネタを拾って書いたので投下。
結構長くなりそうなのでとりあえず、序盤のみ。
54パパは高校1年生 1:2006/06/09(金) 01:27:43 ID:6a3FfNfh
……誰か。助けてくれ。一体何なんだコレは。


「ねぇ、パパ。どうしたの?」
「だから、パパじゃない!」


俺にへばり付いてくるこの幼女は一体何なのか。そこから説明するとしよう。



そう、いつも通りだった。いつものように朝起きて学校行って後ろにはアイツがいて。
放課後、いつものように部室に行って。…そこで事件は起こったんだ。


いつものように軽くノック。…返事が無い。

「珍しいな。朝比奈さんがいないとは。掃除か何かかな」

独り言を呟きながら団長席に座り、PCを起動する。
いつものようにハルヒが来るまで、軽くネットサーフィンだ。
誰もいないし、ついでにMIKURUフォルダでも鑑賞しよう。

ガタッ!

「ぬおっ!」

慌ててMIKURUフォルダを閉じる。そして後ろを振り返る。
…よかった。誰もいない。これが見られたら自殺物だ。危ない危ない。

ガタタッ!

音がするのはどうやら掃除箱からみたいだ。…なんか既視感。
朝比奈さんもいないしな。また面倒事に巻き込まれなきゃいいんだが。


掃除箱の蓋を開ける。

「またですか?朝比奈さん。今度は一体…」

俺の言葉が止まる。

そこにいたのは、どこかで見たことのあるような幼女だった。
55パパは高校1年生 1:2006/06/09(金) 01:28:15 ID:6a3FfNfh
「あっ!パパ!待っててくれたのね!」

…はい?パパ?何を言ってるんだこの子は。
まだ16の身空でこんな大きい子のお父さんになった覚えは無い。
どうみても妹ぐらいの年齢だ。…つーかどことなく妹に似てるな。


「…どーしたの?パパ」
「OK。とりあえず落ち着こう。どうやってここに入ったのかは知らんが
 とにかくパパとママが心配してるぞ?さぁ、お兄ちゃんが家まで送ってあげるから行こう。すぐに行こう」
「パパはここにいるよ?それにここに来るように言ったのも向こうのパパだし心配はしてないと思うの」

お、落ち着け。俺。混乱するな。どんな事が起きてもドイツ兵はうろたえないッ!
パパはここにいる?ここにはこの幼女と俺しかいない。つまり俺がパパってことか?
ここに来るように言ったのは向こうのパパ?向こうって何だ?
あれ?このセリフ、似たようなのを聞いた覚えがあるな。
しかもこの子が出てきたのもあの掃除箱。…おい。まさか…。

「あ、キョン君早いですね。…あれ?その子…」

初代掃除箱の中の人が入ってくる。あああ、なんかよけいややこしくなりそうだ…。

「みくるちゃんだー!若ーい!かわいいー!」
「そんな…まさか…」

朝比奈さんがかなり驚いてる。なんだなんだ。この幼女が一体なんだ。
56パパは高校1年生 1:2006/06/09(金) 01:29:38 ID:6a3FfNfh
「その…詳しくは説明できませんが…。この子、TPDDを持っているんです…」

TPDD?あぁっと…。確か、タイムマシンみたいな物。だっけ?

「つまりこの子は未来から来た、と言う事になりますね」
「…いつからいたんだ、お前」

ドアの前に古泉と長門が立っていた。

「つーことは…。この子はマジに俺の娘なのか…?」

長門の方を見る。宝石のような黒い目がじ…っと俺を見つめて
「この子は、嘘は言ってない」
とだけ言った。

「だからー!言ってるじゃない!アタシはパパの娘なの!」

…とりあえず、俺の娘で確定のようだ。長門が言うんだから間違いないだろう。

「…えっと。それじゃあなんで未来に来たんだ?なんか理由があるんだろ?」
「それは、禁則事項でぇす♪」

人差し指を口に当て、…多分ウィンクがしたかったんだろう。両目を閉じてそう言った。
ま、未来人があんまり詳しいこと教えてくれないのはわかってるさ。
バレンタインの時に嫌ってほど痛感してる。

「…やれやれ」

ニヤニヤと俺を見る古泉。唖然とした顔で幼女を見つめる朝比奈さん。
しけったマッチを見るような目で幼女を見る長門。俺の足にまとわりついてくる幼女。
その4人を眺めながら朝比奈さんに入れてもらったお茶を啜る俺。

と、その時。大きな声と共にドアを開いた。
今よりさらにややこしい状況にするであろう声の主がずかずかと団長席に向かっていく。

「いやぁー!遅れてごめん!今日掃除でさぁ!」

その直後、俺の足元から上がった声に俺は耳を疑った。

「あっ!ママ!」
「ぶはぁっ!」

俺の口から盛大に茶が噴出す。…この娘、今なんて言った!?
5711-16:2006/06/09(金) 01:31:35 ID:6a3FfNfh
ここまで。
ここまで書いたはいいけど先があまり思いつかないから困る。
今後のために改善点をどんどん言ってもらえるとうれしいです。
58名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:33:13 ID:4Adips9f
続きがキニナル!!!!!
ハルヒがどんな反応するか楽しみだ♪
59名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:34:18 ID:4jClRy9v
>>45
キョンだと思う。
60名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:35:14 ID:K50i6SGj
>>57
>「あっ!ママ!」
>「ぶはぁっ!」

キョンと同じ反応をしてしまった。
GJ!!是非続けてくれ。
61名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:36:11 ID:0R/QyEhn
最近の兵は焦らせよる
wktkした瞬間、次回予告とは!

重箱の隅だけど
>大きな声と共にドアを開いた
の日本語が変だと思う
後、小説だったら『……』は二つセットで使う方がいいのかな
62名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:36:26 ID:TWwJf12d
>>34
虎吼ゆる キミの GJ

>>57
隠されし 禁断の GJ
6311-16:2006/06/09(金) 01:45:06 ID:6a3FfNfh
>>61
>大きな声と共にドアを開いた

そこは完全に誤字。すいません 大きな声と共にドアが開いた です。
三点リーダ2つセットは初めて知りました。次からセットで使います。
64名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:47:43 ID:WSRp+zaL
>>21
GJ。
>頬にあたる風も気持ちがいい。ぐんぐん自転車はスピードを上げていく。
>風の中、キョンくんの体温だけが、あたしを形取ってるみたいに思えた。

口調がいきなり素になる演出にグッときました。青春してるなぁ。
ハイテンション鶴屋さんの語りなのに情景が綺麗に浮かぶSSで良かったです。

>>35
GJ!続きがとても楽しみなSSですね!
出だしで谷口が(やや一方的)幼馴染みフラグで攻めてきたあたりからもう
SSに引っ張り込まれまくりでした。素材の調理が上手いっ。
長門とのツーショットがハルヒにばれちゃったところの、すわ修羅場かっと
わくわくしたのも美味しゅうございました。
ほんのりと、こんがらコネクション風味に期待しまくりです。

にしても、ハルヒに認められる立場に立てば、直接的な台詞じゃなくって
態度や目線で心情伝えるハルヒはとても可愛いく見えるだろうなぁ。
原作しか読んでないんだけど、アニメだとそういう時の表情なんかも
破壊力あったりするんだろうか

>>57
どこのスレのネタかは知らんが良いネタ仕入れてきましたねGJ!
幼女の仕草の可愛さが、母親はハルヒ以外かと思いかけてました。
母親似なところも、これから期待してます。

先が思いつかないのでしたら、物静かに絵本を読む幼女とか
舌っ足らずで泣き虫なおっとり幼女とか
ハイテンションでにょろ語を駆使する幼女とかも登場して全員キョンをパパと
呼び、修羅場になるの希望

ところでTPDDって長門に再現出来ないあたりからして
タイム「マシン」じゃ無くもっと人類の脳じゃ無いと発動出来ない魔法のような
概念的なものなんじゃ、ともふと妄想してみたり
65名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:49:14 ID:usM/t61p
三点指摘はもうデフォだなぁ
66名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:51:10 ID:IbgcNu47
>「あっ!ママ!」
>「ぶはぁっ!」

ビール吹いたw
67名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:52:05 ID:K50i6SGj
>>65
あと「!」や「?」の後一マス空けるって指摘もデフォだな。出てくる前に書いておこう。
あんまりこだわる必要はないと思うけど。
68名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:52:17 ID:WmNnqOaT
>「あっ!ママ!」
禁則事項も糞もないなw
69名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:53:25 ID:unGyUOsk
>どんな事が起きてもドイツ兵はうろたえないッ!
はらいてぇwwwwwwwwwwww
70名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:53:44 ID:gfNmoHyJ
てにをはや句読点レベルの問題だから
71名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:54:14 ID:68qtuXY8
>「…えっと。それじゃあなんで未来に来たんだ?なんか理由があるんだろ?」

あれ? 過去に来た じゃないのか?
72名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:55:20 ID:jm4dr57V
>>64
なんとなく前から考えてるんだがPDDってあれだろ
学校を出ようのPSYネットワークを利用したものなんじゃないか
んで学校はハルヒの未来の話。
古泉がミスってばれたとかw
73名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 01:56:06 ID:4jClRy9v
おもすれーな
74かなり:2006/06/09(金) 01:57:42 ID:v7KlAqtg
携帯で初めて書き込みました。
やっぱりPCの
方がイイ!
7511-16:2006/06/09(金) 01:58:30 ID:6a3FfNfh
>>71
…あ。それも完全に誤字。 過去に来た ですね。
もっと見直すべきだったorz
76名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:02:21 ID:z/US+lo5
>>33
>「眼鏡をしてないほうが可愛いと言われた」
これって下手したら谷口が見たままのことをしゃべっていた方が
マシだったぐらいの修羅場の予感?
77名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:07:34 ID:WSRp+zaL
>>72
ああ、なるほど。
古泉がミスってばらし、超能力者は実在するとハルヒが認識しちゃえば
学校の世界設定に世界改変もあり得るわけか。
でも通常空間で使えない超能力はばらす方が難しそうな気も
78あぼーん:あぼーん
あぼーん
79名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:12:49 ID:fIc7g17x
ひっかかったことがある
TPDDがキョンの子供がまだ小さい近未来に
開発されるとは思えんのだが
この時代のハカセくんが理論を作り上げるのだから
早過ぎでない?
まあハルヒがなんかやって超科学が発展したとか
いくらでもネタにできそうなんだけど


どうして俺はタイムトラベル物を素直に楽しめんのだろうorz
80名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:15:29 ID:c0IkA029
縦書きではない、横だ。
何の意味もない指摘に過ぎない。
81名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:17:23 ID:fp3Phu5q
TPDDが実用化された未来の朝比奈さん(大)が生まれて間もないキョンの娘のとこにTPDD持ってくるんだよ
82名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:18:07 ID:J5gdYxsV
いきなりこんなシーンでスマン。この話は『長門有希の酔狂』の続きです。

長門有希の狼狽



 俺は今、自室で漫画を読みながらベッドに寝そべっている。そうでもしないと、
不安で不安で仕方ない。
 いかなる酔狂か長門がシャミセン二号と入れ替わり、シャミセン二号の入った長門の体に
俺は、どう謝っていいかも見当のつかないようなことをしでかした。
 漫画の中で熱血漢の主人公が叫ぶ。
「死んでもやっちゃいけないコトと
 死んでもやらなきゃいけないコトがあるんだ!」
 ああ全くその通りだ。だが、それがわかっててなお動けない俺のようなヘタレはどうすればいいんだろうね?
 今現在俺の脳内では主力二派が意見の対立を繰り返している。
 ――とっとと謝れよ。あの長門だぞ? そんなに気にしてないかもしれないだろ?
 ――あんな事までやっておいて、謝って済むと思ってんのか? もう手遅れなんだよ! 長門も失望しきってるさ。
 ――いっそのこと長門と深い仲になっちまえば気にしなくて済むんじゃないか? やっちまえよ。
 三番目のは無視だ。とにかく俺は、帰ってからそのことばかり考えて、まんじりともしない夜をすごしていた。
 だから、気晴らしにたまったものをヌこうと考えたのは、断じてストレス発散の一手法に過ぎないと言っておく。
 そこで自分が致命的に脳みそを病んでいることが解った。
 カラーで豪快につながるスレンダー系のモデルでテンションを上げ、いざ行為に移ろうとした瞬間、
『こうすると、とても暖かくなる』
 長門の顔がフラッシュバックする。
『さっきから、性器が……んっ、あつい。いま、は、発情期ではない、のに』
 あの肌の熱さが、むせ返るような匂いが、鮮明に浮かび上がり、あっという間に頭の中を埋め尽くす。
 目はエロ本を捉えていても、頭の中は長門の裸でいっぱいだ。しかも放っておくと妄想はどんどん加速して、
俺と長門との絡みを像として結びだす。
83名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:18:26 ID:0t7o4O4v
>>79
みくるを知ってるみたいだし、みくるに送ってもらったとか?
84名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:18:31 ID:gfNmoHyJ
例えば純粋な数学の理論が応用分野で使われるようになるのに相当の年月が立つというのはありだと思う。

タイムトラベルを研究するんじゃなくて、直接の研究目的は全然別の基礎的な事なんじゃないのかな。
85名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:19:51 ID:J5gdYxsV
 長門は裸になって押し倒されてももやっぱり無表情で、それでも俺を拒んでいるわけではないらしい。
ゆっくりと俺の手を取り、白磁を思わせる美しい曲線を描く胸に導いた。俺の目を見て、
「して」
 うーん長門らしい。その瞳には、もしその場に第三者が居ればの話だが、他のやつが見ても何とか判るくらいに
熱を持っていた。俺は手を長門に導かれるままに胸に伸ばし、しばし手を当てて長門のひんやりした肌を堪能し、
ゆっくりと撫でてやる。長門が細く息を吐いて、ほんのわずか目を細めた。その反応に気を良くした俺は新雪の中に輝く
宝石のような桜色の突起を指で弄ぶ。長門の息遣いがはっきりと聞こえ、顔が紅潮しはじめる。その時点で俺のナニはもう
はちきれんばかりにそそり立っていて、痛いくらいだ。少しうつむいた長門はそのことに気づいたのだろう、両手で包み込んで、
しごき始めた。先走りの汁を上手に伸ばし、すぐさまリズミカルなものになる。長門の小さい手でされていると思うだけで
かなりやばかったので、頼んでやめてもらう。こくりとうなずくと、今度は体勢を変えて、口で咥えた。最初は亀頭だけを
丹念にしゃぶり、そこから一気に根元までくわえ込む。長門の舌はやっぱり小さくて、別の生き物みたいに俺のものをこすりあげていた。
俺は悶絶しっぱなしだ。なんせ行為自体の気持ちよさに加えて、長門が口をすぼめて上目遣いに俺を見てくるもんだから、
これで参らない方がおかしい。すぐさま俺は絶頂を迎えた。腰が引けそうになるのを、尻の方まで手を回して離さない長門に阻止され、
俺は長門の喉に黄色いであろう精液を流し込んでいた。射精が終わってから、また先っぽに口付けて、尿道に残っている精子を吸いだす。
萎えかけていたものが一瞬にして元気を取り戻した。精液を飲み干しながらぺたんと尻をついて座る長門を見て、理解する。
攻守交替だ。両膝を取って持ち上げてみると、長門の秘所はすでに準備万端だった。この期に及んで無表情なのは、照れ隠しだ。なぜって、
顔ごと目をそらしてるからな。かわいいぞ、長門。と言うかわりにほっぺにキスをする。ちら、と目だけでこちらを伺う仕草がまたかわいくて、
さっき出したばかりだってのに我慢の限界だった。一気に貫く。長門の中はキュウキュウと狭く、熱く、さらに俺を放すまいと
膣全体がうねりを持っていた。俺はもう長門しか見えなくなって、夢中で腰を突き動かす。長門は、声こそないものの、
俺の動きと連動して吐息を漏らし、腰を振っていた。たまらなく愛しくなってつながったまま長門に抱きつき、唇を重ねる。舌で、長門の口腔を
存分に感じ取る。さっき俺の精液を飲んだとか、そんなことは関係ない。長門も俺の舌に応えてくれる。息が荒い。俺も、もう限界だ。
ひときわ力を込めて突きこむと、長門が全身をこわばらせ、締め付けがさらにきつくなる。それに導かれるまま、俺は……


 ティッシュという名の子宮の中に、ドス黄色い欲望を吐き出した。
 荒い息を整えると、今度は自己嫌悪が沸いてくる。
 なんだ、この妄想は。つーかフェラで一発中で一発ですか。自分のフィニッシュを最後の一発にあわせて妄想してたんですか。
ラブラブ設定ですか。発情期のサルか。
 器用なこったな。お前は本当に長門に謝る気があるのか? なんて、他人面しても始まらない。


 俺はどうやら、長門にイカレちまったようだ。
86名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:20:25 ID:J5gdYxsV
ハイここまで。眠いからもう寝るよ。
87名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:26:37 ID:Sv5CjVwm
>>56
>>「…えっと。それじゃあなんで未来に来たんだ?なんか理由があるんだろ?」

ここは、「未来」じゃなくて「過去」かな?まあ、何はともあれGJ!
88名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:27:05 ID:0onib4ch
ギャース!!!!!!
生殺しヤダヤダヤダヤダァァァ!!
89名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:27:31 ID:gYbEly9F
狼狽編キタコレ。GJ。
9087:2006/06/09(金) 02:27:36 ID:Sv5CjVwm
ごめん。指摘されてたね。見逃してた。
91名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 02:46:13 ID:YxNCUfM8
夜中に国木田視点を置いてくよ
92名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:00:22 ID:sF+3MF5D
>「みくるちゃんだー!若ーい!かわいいー!」

タイムトラベルネタの代名詞キタコレw
93名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:06:50 ID:rgBSkDhs
「いい加減にしろ!」
いつものように部室に集まり、いつものように無茶苦茶な要求をして
ふんぞり返っている目の前の団長様は見慣れた光景だが、今日は特に
おイタが過ぎた。なので、俺は思い切り怒鳴ってしまった。
「どうしてお前は口を開けば人に迷惑を掛けるような事ばかり言うんだ。
少しは他人の事を考えろ!」
「うるさいわね! あたしは考えるより前に体が動くタイプなの!
迷惑迷惑って命の危険に晒されないだけマシと思いなさい!」
実際は何度も死に掛けたし世界も終わりかけたのだが、言うつもりはない。
「やれやれ。全く、おまえは黙ってさえいれば可愛いってのに」
「何よそれ。どういう意味?」
「どうもこうもない。言葉通りの意味だ」
実際こいつはこの性格さえ除けばどこに出しても恥ずかしくない。と、思う。
だからこれは特に深い意味は無く、ほんの弾みで出た言葉だった。
「・・・・・・・・・・・・あたし、帰るわ」
ハルヒはいつもより鋭いアヒル口でそう言うと、鞄を持ってさっさと出て行った。
朝比奈さんは湯飲みを持ったまま呆気に取られ、長門は本を捲る手を止めている。
「今日は忙しくなるかもしれませんね」
ああ、そうかい。知ったこっちゃないね。勝手にやっててくれ。
この後すぐに俺たちも解散した。

次の日、学校への坂道を登りながら、俺は昨日のことは水に流して普通に
接してやろうと考えていた。一日経てば忘れるだろう。鳥頭のように。
教室の扉を開けると、あいつは椅子から立ち上がって歩み寄ってきた。
不機嫌そうには見えないが、何だ?
「よう、ハルヒ」
「♪」
いつものように無駄に高血圧な挨拶が返ってこない。
そのかわり、旅人がすぐに素っ裸になりそうなほどの眩しい笑顔。
目が輝いている。何かに期待しているような、そんな目。
「一体どうしたんだ? 変な奴だな」
「!」
途端にノートの角で思いっきり頭を叩かれ、お星さまが見えた。痛ぇ。
「なっ、何すんだいきなり!」
「・・・・・・・・・・・・」
ハルヒはぷい、とふてくされたように横を向いた。
はっきり言おう。訳が分からん。
94名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:09:22 ID:rgBSkDhs
授業中のことだ。
「あー。では次の文を、涼宮」
「・・・・・・」
「涼宮、どうしたんだ?」
「・・・・・・」
「ハルヒ? おい、どうした」
調子が悪いのかと思って後ろを振り向いたが、当のハルヒはまっすぐ前の方を
見据えていて顔色もまさに健康そのものだった。何も言わない以外は。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「あー・・・・・・で、では前の席の者に読んでもらうとしようか」
結局授業でハルヒが当てられるたびに俺がかわりを務めさせられた。
放課後までこんな調子で、しかもハルヒは普段と違って休み時間も一歩も動かず
ずっと前、主に俺の方に刺すような視線を当て続けて変なオーラを出し、
そのせいで誰も全くこっちに寄り付こうとしなかった。
目で殺すなんて言葉があるが、まさか本当に視線で死にそうになるとは思わなかったぜ。

文芸部室へ行くと掃除当番のハルヒ以外のメンバーが既に揃っていた。
「昨日は結局閉鎖空間は発生しませんでした。
うまくやってくれたみたいですね。おかげで助かりましたよ」
俺は何もしとらん。それにこっちは散々だ。
「ほう。どういうことでしょう?」
俺はハルヒが全く喋らないことを説明した。一行で十分足りる。
古泉は腕を組んで頭を唸っていたが、やがて、
「あっ! それってもしかして昨日の・・・・・・」
それまで頭上に可愛くハテナマークを浮かべていた朝比奈さんが口を開いた。
「昨日って何かありましたっけ?」
「もうっ。キョンくん、忘れちゃったんですか?
ケンカの最中、涼宮さんに言いましたよね。『黙っていれば可愛い』って」
あー・・・・・・そういえば言ったような。って、それじゃああいつはその言葉を
真に受けて一言も口を利かなくなったってことか?
「そうですよ。キョンくんが言い出したことですよ、これは」
そういう朝比奈さんは少し怒ってるように見えた。
「ということは、ハルヒの奴がまた無意識のうちに何か力を使って
自分が喋れないようにしたとかそういうことなんですか?」
「そうではない」
95名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:11:05 ID:rgBSkDhs
突然これまで蚊帳の外状態だった長門が口を開いた。
「現在の所、涼宮ハルヒから何も異常は観測されていない。
今回の事は、あなたの言葉を受けて自らの意思で実行しているにすぎない」
つまりあいつは俺が黙ってれば可愛いと言ったから黙ってるだけなのか?
「そう」
「なるほど、確かに涼宮さんはあなたの言う事だけには従順ですからね。
いやはや全くあなたがうらやまひいへふほははひへほふへへ」
減らず口が飛び出てくるのはこの口か。こいつめ。この野郎。
「ひはい、ひはいへふほ。ははひへふははひ。
・・・・・・いやあ、頬を引っ張られるというのは単純ながら実に屈辱的ですね」
離した途端に元のスマイルに戻れるお前が言っても説得力無いぞ。赤いけどな。

しかし、そう考えると朝叩かれたのも合点が行く。
「と、いうことで涼宮さんが来たら言ってあげて下さい。可愛い、と」
何で俺がそんな歯の浮くようなセリフを・・・・・・
「おや? あなたは昨日、物の弾みとはいえ言ったではありませんか。
この時部屋にいた朝比奈さんも長門さんもはっきり聞いてますよ」
「はい。聞きました」
「聞いた」
ちくしょう。こういう時に限って全員一致なんてずるいぞ。
「それに、今はまだいいとしてもいずれ涼宮さんのストレスが限界を超えて
閉鎖空間が発生する可能性は否定できません。
最悪の場合は世界を作り変えてしまうほどの規模に・・・・・・」
嫌な事を思い出させないでくれ。俺はあの時あいつと・・・・・・ぐあああ!
「とにかく。俺がハルヒに可愛いと言えば万事解決ってことでいいんだな?」
「わからない」
「どういうことだ」
「恐らく、涼宮ハルヒはあなたに期待している。ただの言葉以上の何かを」
何で頬を赤くしてるんですか朝比奈さん。俺は別にあいつのことなんて。
「いい加減素直になったらどうです? あなたは涼宮さんの事がす」
「それ以上言うと、頬を引っ張った面白い顔をセロテープで固定する」
古泉は黙って肩をすくめた。脅しに屈したとは思えん。
「大体、俺はともかくハルヒは恋なんて一時の気の迷いとまで言い切ってたんだぞ。
そんな奴に愛だの恋だの言ったところで無駄だろう」
「人は変わるものですよ。ずっと近くにいたあなたなら分かる筈です。
もちろん、あなた自身もね」
言葉に詰まった。確かに、俺は変わったんだろうな。
目の前の未来人や宇宙人や超能力者が何よりの証拠だ。
ハルヒも以前は誰も寄せ付けなかったが、最近じゃクラスに溶け込んできている。
「とにかく、あなたのためを思って言ってるんです。
涼宮さんが来たらどうぞよろしくやってください」
96名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:14:47 ID:rgBSkDhs
そうこうやってるうちに扉が開き、ハルヒがやって来た。そのまま団長席に直行する。
相変わらず無言だが、その表情は何だか疲れているような感じがした。
「(やっぱりあなたは涼宮さんの事なら何でもお見通しですね。いやはや)」
傍らの古泉が小声で囁く。後でセロテープの刑確定な。ガムテープの方がいいか?

しばらく無為な時を過ごす。なんとかやり過ごしたかったが三人の視線が痛い。
わかった、わかった。やります。やればいいんだろ。
俺は椅子から立ち上がり、ハルヒの側に寄った。
「ハルヒ」
「・・・・・・」
どうするんだっけ。あーくそ。頭の中がグルグルしてきた。
ええい、男は勢い。ままよ!
「!」
俺はハルヒの頭を掴んで引き寄せ、思いっきりキスをした。
朝比奈さんがひゃぁっとか言ったのが聞こえる。
「くっ・・・んむっ・・・ぅ・・・っ」
舌を入れるとかそういう事すら考えてなかった。ただ口をくっつけるだけ。
こういうのはもっとシチュエーションが大事だというのに、
このロマンスの欠片も無い状況は何だ? しかもこれで2回目だぞ。
やべ。息が苦しくなってきた。いかん、勢い余って呼吸を忘れていた。
「んんぅ・・・んぅ・・・くっ・・・・・・ぷはぁっ!
はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・ちょっと! いきなり何するのよ!」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・やっと口を開いたな」
「あっ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
口をつぐんで向こうを向いてしまった。いや、もう遅いって。
また頭を掴んで無理矢理こっちを向かせようとして手間取る。くそ、力強いな。
なんとか目と目を合わせて最も似合わないセリフを述べる。全部勢いのせいだ。
「聞け、ハルヒ。昨日は黙ってりゃ可愛いなんて言ってすまなかった」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前は・・・・・・あー、黙って無くても可愛いぞ。うん、俺が保証する」
「・・・・・・・・・・・・」
97名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:21:02 ID:+II5hfLc
ちょ、すごいよ。
これだけの短さでここまで書くとは。
98名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:21:40 ID:zboCnSfr
続きwktk
99名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:22:12 ID:rgBSkDhs
そう一息で言い切った直後にハルヒはフリーズした。ちょっと面白い。
「・・・・・・・・・・・・夢?」
いや、現実から逃げるな。なんなら俺の頬を引っ張ってもいい。
「・・・・・・・・・・・・」
少し迷った後、ハルヒは両手を伸ばしてきた。
「いはひ。いはひ。ほほひっひひひっはふは。ほは。ははへ。
つつつつ・・・・・・少しは手加減してくれてもいいだろ・・・・・・って」
ハルヒは能面のような表情のままで目から涙をボロボロ流していた。
はっきり言って怖い。じゃなくて、俺は本気で慌てた。
「おっ、おい。ハルヒ。ハルヒさん?」
涙ボロボロのまま、突然ハルヒは俺に力一杯抱きついてきた。
さすがに力一杯にも限度があると思う。俺は後ろ頭からすっ転んだ。痛ぇ!
こら、涙を服に擦りつけるな。洟をすするな。涎を垂らすな。
「ゔえ゙え゙え゙え゙え゙え゙っ。ギョン゙、ギョン゙、ギョン゙ぅ・・・・・・」
・・・・・・まあ、いいか。
俺は片方の腕をハルヒの腰に回し、もう一方で頭を撫でながら呟いた。
「やれやれ」

しばらくそうやっていて、ようやく落ち着いた後部室を見渡してみると
いつのまにやら俺達二人だけとなっていた。
「ハルヒ・・・・・・」
「キョン・・・・・・」
柔らかな夕日が部屋に差し込む。何だこの変な雰囲気。
ああ、流されちまう。


翌日、いつもの笑顔に下世話さが少々混じった古泉がこう言った。
「昨日はおたのしみでしたね」
お前・・・・・・とそこの顔を真っ赤にして俯いている先輩と本を読むフリをしている
無口少女が一体どこまで知ってるのか、それは聞かない。無論俺も言わない。
それに、いくらなんでもその言葉は古すぎると思うぞ。
粘着テープにランクアップだ。次は瞬間接着剤だから覚悟しておけ。
100名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:27:52 ID:YxNCUfM8
俺も書こうと思ったけど邪魔になるから明日にする
101名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:30:11 ID:rgBSkDhs
宣言の後、いつまで経っても投下されないんで勝手にやったんよ。
もう終わったんでどうぞ。
102名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:32:53 ID:+II5hfLc
>>99
いやいや、本当にいい構成ですな。
始まり方からオチまで無駄が無い。
ほんと見習いたい。
103名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:35:18 ID:sF+3MF5D
やっぱり純愛はええ、ええ。
104名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 03:38:05 ID:WhmL9lL2
> 「ゔえ゙え゙え゙え゙え゙え゙っ。ギョン゙、ギョン゙、ギョン゙ぅ・・・・・・」

不覚にも萌えた…
「昨日はおたのしみでしたね」 に吹いたw
105名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 04:01:17 ID:YxNCUfM8
じゃあ書いちゃうよ?どうなっても知らないよ?



「おはようキョン」
「よう国木田」
彼はやる気を家に忘れたかのような顔で返事をする。
「あれ? 谷口は?」
「風邪引いたから今日は休むって」
谷口とは僕とキョンの共通の友達で何かとアホな奴なんだ。
「バカは風邪ひかないってのは迷信だったか」
「キョン、谷口はバカじゃなくてアホの部類だから仕方ないよ」
谷口はアホ。 というのが谷口を知る人の共通認識になっていた。何がアホなのかはさっぱりわかんないけどね。
「前にやった彼女自慢はさすがに無かったと思うぞ。っていうより俺は国木田に彼女がいるのかが気になるけどな」
「そういうキョンは涼宮さんとどうなのさ? やっぱり付き合ってるの?」
「お前まで俺がハルヒと付き合ってるとか言うのか……」「で? どうなの? 付き合ってんの?」
「あのな、何で俺がハルヒと付き合ってる事になってるんだ」
「だって涼宮さんが笑って喋るのってキョンと話してる時だけなんだよ? 」
そう、きっと涼宮さんはキョンの事気になってると思うんだよね。キョンは鈍いから気が付いてないだけで、多分クラスのほとんどが勘づいてるはずだよ。
「だいたいいっつもいつも俺を振り回してこき使ってるんだぞ? あいつには加虐趣味でもあるんかね?……あ」
キョンの顔が青ざめてるね。彼女が来たかな?
「ふぅん……それでキョンは涼宮さんの事どう思ってんの?」
涼宮さんもこっち見てるみたいだね。
「は? え……いや。いい団長だと思うぞ。うん」
「異性としてだよ」
「う……あーなんだ、」
さっさと白状すればいいのにキョンもツンデレだよね。

ガラガラガラガラ
「あーHRはじめるぞー」

「岡部が来たからまた後でな!!」
……上手く逃げれられたよ。彼女も少し残念そうにしてるね。
あーあ、さっさと付き合っちゃえばいいのに。ほんとはキョンだって涼宮さんの事好きなんだと思うんだよね。二人してツンデレだから見てるこっちがイライラするよ。小学生みたいでさ。


ま、そのうち素直になると思うけどね。なんかそんな予感がするんだよね。






…続かない…助けて…
106名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 04:08:22 ID:plwGPVQt
キョンに好かれてると分かった瞬間泣き崩れるハルヒってもう飽きた。
不自然だし、引く。
107名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 04:10:48 ID:YxNCUfM8
何も考えないで書た。今は反省している。
いっぱいダメな所があるけど許して欲しい。
108前スレ589の続きなのさっ:2006/06/09(金) 04:22:29 ID:+II5hfLc
 翌日の授業は、いつも以上に俺の耳をすり抜けて、何処か遠くへ行ってしまっていた。
 窓の外の空は青く、雲のひとかけらさえ見当たらない。訪れた小春日和の中、グラウンドから聞こえてくるホイッスルの音が遠かった。
 休み時間に、有希に会いに行こうと思ったのだが、その姿さえ見ることはできないでいた。昼休みも、部室にはいなかった。
 しかし、有希のクラスメイトに訊いたところ、出席していることは確からしい。放課後になれば会えるだろう。

「ねぇ、あんたなんでそんな不機嫌そうな背中してんのよ」
 シャーペンで俺の背中を突っつくハルヒ。ちらりと、肩ごしにハルヒの顔を見る。まぁ普段と変わりなく、不機嫌そうな表情だ。
 こいつが満面の笑みになったら、それはそれで困るから別にどうでもいいけれど。
「別になんでもねぇよ」
「午前中はなんか意味もなくニヤニヤしてたのに。なに? ボケてきたの? 病院行く? 団長として付き添ってあげるわよ」
「行かねぇ。つかお前、俺の背中なんぞ見てないで、黒板を見ろ黒板を」
 まったくもって人のことは言えない。

「変なキョンね」
「お前にだけは変だと言われたくないね。ったく、少しはゆ……長門の落ち着きを見習ったらどうだ」
「いいのよそれは。人それぞれの個性だもの。あんたこそ、少しは古泉君の勤勉さを見習ったらどう? そうすれば副団長補佐代理くらいにはしてあげるわよ」
「心底いらねぇ」
「何よ。みくるちゃんは可愛いし、古泉くんは有能だし、有希はなんでもできるし、あんただけじゃない役立たずは。ちょっとは団のために働いてくれるなら、認めてあげてもいいのに」
 有希という名前が出て、少しドキッとした。
「どうしたの? やっぱりちょっとは気にしてるんだ。だったら、あたしのためにしっかり働くことね! いいわね!」
 俺の戸惑いを都合良く受け取ったハルヒは、得意気な顔で胸を反らした。へいへい、と軽い返事をして、俺は黒板なんぞより遥かに遠い場所に視点を移した。

 昨日の夜、有希と体を重ねた後に話し合ったんだが、俺と有希が付き合っていることは、団のみんなに内緒にしようということになった。
 と、いうか俺が提案して、有希に守るよう言っただけだが。
 どうせこいつのことだ、知ったらロクでもないことを言い出すに違いないし、変なドタバタになるのはゴメンだね。
109でも今回はエロが無いの:2006/06/09(金) 04:23:38 ID:+II5hfLc
 放課後になると、俺は鞄を持ってさっさと教室を出た。予め、教科書やらの類は授業中に片付けておいたしな。
 授業が終わって廊下に人が溢れてくる。その間を縫って、俺はさっさと部室へ向かった。

 部室のドアを勢いよく開ける。すると着替えの最中である朝比奈さんがこっちを見て固まっているわけで。
 部室のドアをゆっくり閉める。中からかわいらしい悲鳴が聞こえてきた。

 朝比奈さんはともかく、ちゃんと奥に有希も座っていた。まず有希の居場所から確認してたので、朝比奈さんの着替えシーンをじっくり見ることはかなわなかったが……。
 
「どうぞ……」
 朝比奈さんは、掻き消えそうな声でそう言って、俺を部室の中へと促してくれた。もちろんメイド服を着ているわけで、この姿を見るとなんだか幸せになれるね。
 有希はというと、いつものように黙って本を読んでいた。朝比奈さんが、いつものようにお茶を用意してくれている間に、俺はそっと有希に近づいた。

「長門、昼休みはどこ行ってたんだ? 学校には来てたんだろ?」
「……」
 有希は無言で本に視線を落としていた。
「おーい、長門? 長門さん? 聞こえてるよな?」
「…………」
 怒ってる? いつもより、有希の体が硬くなっているような気がした。

 ちょっと怖くなって、小さな声で名前を呼ぶ。
「有希」
「……なに?」
「いや、別に……」
「……」
 
 本を読み続ける有希。

「キョンくん、お茶が入りましたよー」
「ありがとうございます」
 
110ついでに長門の出番もあまり無い:2006/06/09(金) 04:24:45 ID:+II5hfLc

 いつものように、テーブルの前に座ってお茶をすする。
 ようやく有希の顔が見れたことで、ちょっとばかしホッとした気分になれた。そこにこのお茶だから、落ち着くのも当たり前だ。
 有希は、団員の前では俺に対して出来るだけそっけない態度を取ることにしたんだろうか。
 マジメなヤツだからなぁ。もう少し普通に接したって、怪しまれることはないだろうさ。
 まぁそれもかわいいから別にいいんだけどね。

「どうしたんですかキョンくん。今日はご機嫌ですね」
 朝比奈さんが微笑みながらそう話しかけてくる。どうやらちょっとニヤついていたらしい。
「えっ、いやまぁ……。それより、朝比奈さん。お茶の葉変えました?」
「そうなんですよぉ! ちょっと奮発しちゃいました。どうですか?」
 嬉しそうに手を合わせている朝比奈さん。その様子にどこか犬っぽさを感じられた。

「美味しいですよ」
 そう言うと、朝比奈さんが満面の笑みで喜びを表していた。いやぁ、かわいいね、やっぱり。
 しかし、今の俺にとっては有希のほうが……。
 ふと有希の表情を見ると、いつもより硬めに唇を結んでいるようだった。


 やがてハルヒがいつものように、部室にやって来て、ついで古泉も現れた。
 PCのCPUファンが低い唸りをあげながら、OSを起動させている間に、朝比奈さんがお茶をハルヒの元へ運んでいる。
「しっかし暑いわねぇ。もうすぐ冬だってのに、どうなってるのかしら」
 そう言いながら、運ばれてきたお茶をぐびぐび飲み干す。晴天の空に一際輝く太陽は、空気を読めないハルヒのように無意味に力を浪費していた。
 この分だと、今年は暖冬だろうか。

 ハルヒがネットサーフィンに耽り、有希は本を読み、朝比奈さんは編み物かなんかの本を見ている。
 で、俺と古泉はいつものように暇潰しのゲームを始めていた。人生ゲームで億万長者になっても虚しいだけだな。
 やっぱりあれだね、こういうまったりした時間ってのは悪くない。いきなりわけのわからん世界に巻き込まれたり、ハルヒが突然意味不明なことを言い出したりするよりは、こんな暇潰しをしているほうがいい。
 
 俺は借金に苦しむ古泉を追い詰めながら、ちらちらと有希のほうを見やった。つっても、いつも本読んでるんだから、何回見たってあんまり変わりはしないが。
 やがて外も暗くなろうかという頃になって、有希がぱたんと本を閉じた。

111その割に長いのがちょっと:2006/06/09(金) 04:26:14 ID:+II5hfLc
 ハルヒが部室に施錠すると、俺たちはだらだらと下駄箱に向かって歩きはじめた。
「はぁ、なにか面白いことはないのかしら。もうすぐクリスマスとか冬休みとかあるけどさ、この時期にだって何かイベントのひとつやふたつあったっていいんじゃない?」
「お前を喜ばせるためにイベントなんかいちいち用意できるかよ」
 こいつの頭の中には、期末試験とかそういったものへの不安はまったくないんだろうかね。
 俺の少し前を歩くハルヒは、通学鞄を肩で背負いながら早めのペースで歩いていく。俺のすぐ後ろあたりには有希がいて、そのまた後ろを朝比奈さんと古泉が歩いていた。
 しかし、学校じゃロクに有希と話もできないな。ハルヒたちと別れた後、有希と合流しよう。

「ふわぁ……」
 自然と欠伸が喉から溢れてくる。そういえば、昨日は帰りが遅かったし、あんまり寝てなかったな。
 まぁ寝るよりもいい事してたんだし、このくらいなら耐えられるさ。帰りに有希とちょっと喋って、家に帰ってごろごろしておこう。


「あれっ?!」
 不意に素っ頓狂な声が後ろから聞こえてくる。俺とハルヒがついっと後ろを振り向くと、朝比奈さんが口元を抑えていた。
「どうかしたんですか朝比奈さん?」
 俺がそう問いかけるものの、朝比奈さんは目を丸くしたままだった。その仕草から、何かに驚いたんだろうが、何に驚いたのかまではわからない。
 あっ、ではなかったし、何かを思い出したってわけでもないんだよな。

「なにかありましたか?」
 古泉が爽やかに問う。
「ええと、その……」
 すると朝比奈さんは、古泉の耳元で何事か囁いた。おいおい、なんでそんな言い方なんだ。
 朝比奈さんに耳打ちされた古泉が、俺のほうをチラリと伺う。

「なんだよ、俺の背中になんかくっついてんのか?」
 ぐいっと首を傾けるが、背中が見えるわけもない。
「いえいえ、なんでもありませんよ。あなたの後姿がいつもと違ったから、髪でも切ったのかと思っただけだそうです」
 言ってから、古泉が朝比奈さんのほうを見る。朝比奈さんも、慌ててそれに同調した。
 そ、そうなんですよ、と言い繕う姿は、何処の誰が見たって信じられるものじゃない。

「髪かぁ……。あたしもバッサリ髪切ろうかな」
 ハルヒは古泉の説明を真に受けたのか、髪の話題にでもなったと思ったらしい。
「まだ切らなくたっていいだろ。お前は長いほうが似合ってる」
「はぁっ?! あんたがそれを言うの?」
 なんで怒られてるんだ俺。
「もう一回くらい火曜日のお前を見たいしな」
「な、なに言ってんのよバカキョン!」
 何故か知らないが、怒っているらしい。
 万年怒りんぼのこいつは放っておくとしてだな……。問題は、後ろの二人だ。
 古泉を睨みつけると、いつものように肩をすくめて曖昧に笑いやがる。
 一体なんだってんだ。
112修羅場もないしね:2006/06/09(金) 04:27:18 ID:+II5hfLc
 強制ハイキングコースを下る間も、俺は後ろのほうから視線を何度か感じた。
 俺の巻き込まれ型人生の中から導き出される結論は、おそらく俺にとって不都合なことに朝比奈さんが気づいたということだろう。
 さらに、古泉まで朝比奈さんの意見に同意し、それを俺に対して言わないという選択を二人して選んだ。

 そんなことを考えながら、連れ立って歩く。

「んじゃ、また明日」
 ハルヒがそう言って、走り去っていく。
 朝比奈さんがかわいらく手を振ってハルヒを見送ると、この世の不思議を集めたメンバープラス一般人の俺が残された。

「おい古泉、そろそろいいだろ?」
「はて、なんのことでしょう」
 次第に赤くなりつつある西日を受けて、古泉がまた肩をすくめて笑う。これで誤魔化せると思ってるのなら、こいつもバカのカテゴリーに放り込んでやればいい。
「どうせロクでもないことだろうがな。一応訊いといたほうがいい気がする」

 やれやれとばかりに、古泉が朝比奈さんを見やった。動揺する朝比奈さんの姿はそれなりに可愛かったが、今はそれどころじゃない。
「でも……、見間違いかもしれませんし」
「いえ、おそらくあなたの見たとおりだと思います。僕も言われてようやく気づきましたが」
「だから、なんなんだよそれは? 俺の頭に毛虫でもくっついてたのか? それとも十円禿か?」
 もう一度、古泉が朝比奈さんを見やり、朝比奈さんが曖昧に沈んだ表情で俺をちらっと伺った。

「で、でもそんなに大したことじゃありませんし。キョンくんは知らなくたっていいと思います」
「そうですか? 僕にとってはかなりの衝撃でしたが……。猫が逆立ちで踊ってたってこんなに驚きませんよ」
 古泉は俺に喋りたいのか、それとも喋りたくないのかどっちなんだ。
「でもっ……。でも……こんなのって。あたしには信じられません」
 朝比奈さんは喋りたくはないらしく、俯いてしまった。二人は俺の背中に何を見たっていうんだ。 

「そうですね、なら僕から話しますよ。別にたいしたことではありませんしね」
 どうやら二人きりで話したいらしく、古泉が少し離れた方向へ歩き始める。ついて来いってことかよ。

113無意味に長くてゴメンよ:2006/06/09(金) 04:28:22 ID:+II5hfLc

「長門」
 無関心をひたすら地で行く有希。俺が話しかけても、じっと立ち尽くしているだけだった。
「古泉の話次第によっちゃ、また頼るかもしれない。後で会おう」
「……」
 返事は無かった。まぁ有希は嫌なら嫌というから、OKってことだろう。
 有希と二人きりで会いたいと思っていたが、なかなか伝える機会も訪れなかった。
 古泉の話にかこつけてさりげなく怪しまれないように言うとは、俺もなかなかやるじゃないか。

 ちょっと一人で喜んでいると、朝比奈さんが俺を非難するように言った。
「キョンくん。あなたは、長門さんに頼りすぎだと思います」
「えっ?」
 朝比奈さんの目には、真剣な色が浮かんでいた。怒ってるのか?
「ちょっと待ってください。俺みたいな普通の人間がわけのわかんないことに巻き込まれたら、誰かに頼りたくもなりますよ。朝比奈さんだって、何度も長門に頼って……」
 言葉を紡いでいくと、どんどん朝比奈さんの顔が悲しみに彩られていった。

「もう、いいです」
 朝比奈さんがとぼとぼと歩き出していった。何がなんだかわからない。
 背中が小さく見えてくる頃になって、有希もその後を追うように歩き出した。追うつもりは無いんだろうが。
 
114まだ続く:2006/06/09(金) 04:30:49 ID:+II5hfLc
 古泉に連れられてやってきたのは、通学路の途中にある公園だった。
 寂れた木製のベンチに、かなりの距離を開けて座る。空の中央が青から黒へと沈んでいった。
 夕日を受けた雲の欠片たちが金色に輝き、明日も晴れだと言いたげに漂っている。
 砂場に落ちている猫の糞らしきものが、この公園の寂れ具合を一層引き立てていた。滑り台も、ペンキが剥げて支柱の錆が顕わになっているしな。

「で、なんなんだよ一体。もったいぶってないで、さっさと言えよ」
 この時の俺は、軽い苛立ちに頭をコツコツと叩かれていた。
 古泉はというと、いつもの微笑をやめて、真剣な表情で黙り込んでいる。朝比奈さんと別れてから、こんな感じだ。
 
「おい、どうした。そんなに言いにくいことなのか?」
「いいえ、そういうわけではありませんよ。僕にはあまり関係がありませんからね」
「関係ないんだったら、さっさと言え。嫌な予感がしてたまらん」
「それよりもまずひとつ、訊きたいことがあるんです。正直に答えてくれますか?」
 古泉が俺の目をじっと見ながら尋ねてくる。いつもの微笑みがあれば軽く返事もできるものだが、こう真剣な顔で言われるとねぇ。

「まぁ俺にとって不都合じゃなきゃ、大抵は正直に喋るさ」
「そうですか……。ならお訊きします。今現在、あなたは好きな女性がいますか?」
「はぁ?」
 いきなり何を言いやがるこいつは。
「なんだよいきなり。それが何の関係があるってんだ」
「答えてください」
 こいつはまた真剣な表情のまま尋ねてくる。距離開けて座ったのは正解だったな。至近距離から見つめられたら、気持ち悪くて仕方なかっただろう。
 しかしいきなり何を言うんだ。俺は正直に喋る、と言った。だが、都合が悪けりゃ言わないとも言ったさ。

115長いよ:2006/06/09(金) 04:33:34 ID:+II5hfLc

「いねぇよ」
「どうして? これだけ魅力的な女性に囲まれておきながら、特定の相手にアプローチを仕掛けるということはないんですか?」
「古泉。俺はお前のもったいぶった言い回しには慣れて来たけどな、ここまでやられると結構腹が立つぞ」

 俺の言葉で、ようやく古泉がいつものように薄く笑った。
「それもそうですね。あなたが誰を好きになろうと、僕には関係ありませんし」
「暗に、お前も特定の相手に好意を寄せてないって言ってるようなもんだぞ。これだけ魅力的な女性に囲まれてるのにな」
 ぽかんとしていた古泉だったが、俺の言いたいことを悟ったらしく、呆れたように笑う。
「いやいや、参りました。あなたは探偵に向いてるんじゃないでしょうか」
「じゃあお前は詐欺師に向いてるぜ」

 古泉は機嫌よさそうに笑い出した。
「いえいえ、そうですか。わかりました。たしかにそうですね、あなたが誰かに好意を抱いているといった感じはまったくありませんでしたし。
朝比奈みくる、いえ、朝比奈さんに好意を抱いているようには見えましたが、それもどこか憧憬というか、俺のものにしてやるんだ、という感じではありませんでしたからね。心の内でどう思ってるのかまでは解りませんが」

 笑うというよりは、にやけ面の古泉。気色の悪いヤツだ。

「そろそろお前の話に付き合うのも鬱陶しくなってきた。さっさと本題を言え」
「ええ、わかりました。別に大した事じゃありませんよ。長門さんの頭が、ほんの少しですが、あなたのほうへ傾いていたんです。朝比奈さんはそれに気づいたわけですよ」
「はぁっ?! それだけか?」
「はい、それだけです。ええ、大したことじゃないでしょう本当に」
「な、なぁそれってどういうことだ……?」
「簡単なことじゃないですか。長門さんがあなたに好意を抱いている可能性が高いということですよ。本当にごくわずかです。僕も朝比奈さんに言われなければ、まったく気づかなかったと思いますよ。
歩いている間、ずっと長門さんの頭があなたのほうに傾いてたんですよ。たとえどちら側を歩いていたとしてもね」

116このあたりで:2006/06/09(金) 04:35:33 ID:+II5hfLc

 そ、そりゃ大したことだろ。どう考えても。
 有希が俺のほうに、少しだけ頭を傾けてた? しかも、それをずっと後ろから見てた二人が最後まで確信するほどに。
 つまり、古泉が言う通り、有希は俺にたいして好意を抱いている……?

「いやもう、驚きましたよ。長門さんですからね。これは天変地異の前触れかなにかでしょうか。
 あの長門さんが、まるで普通の女の子のように、ほんの少しあなたとの距離を詰めようとしてるんですから。犬が喋りかけてきたって、こんなに驚きません」

 古泉の言い草に、腹の底から炎が湧き出そうだったが、それよりも……。

「それは、俺をからかってるとかじゃなくて、本当だったのか?」
「ええ、そうです。いやいや、実に羨ましい。どうしてあなたばかりがこうも好意を集めるんでしょうね」

 俺は絶対にニヤけたりするもんかと意思を固く持ちながら、有希が俺に好意を抱いているかもしれないという言葉について考えていた。
 有希も、俺の傍にいたいと思っているんだろうか。もし、古泉の言っていることが本当だったとしたら、だが。

「やはり嬉しいものですか?」
 当たり前だろ馬鹿野郎。頭の中身腐ってんじゃねぇのかコイツ?
 嬉しいに決まってんだろ。この場で飛び上がってガッツポーズを古泉の頬に食らわせてやりたいくらいだ。
 だがここはポーカーフェイスを気取るに限る。
「正直言って……、俺はどう反応すりゃいいんだ」
「さぁ? お好きなようにすればいいと思いますよ」

 ああ、好きなようにしてるさ。

「ったく、なにが起こったのかとビクビクしてたのによ」
 そう言いながら立ち上がり、ケツを数回叩いた。もう帰りたいという俺の意思を理解したのか、古泉も立ち上がる。
「いえいえ、僕にとってはなかなかの事件ですよ。おおよそ一般的な女性の具象に当てはめるならそう驚くこともないんでしょうが、なにせ長門さんですからね。
 よほどあなたのことを信頼しているようです」
 こいつを蹴飛ばしてやりたいが、そんなことをすると俺が有希のことをどう思っているかがバレそうなので止めておこう。
 有希のことを、まったくといっていいほど女の子扱いしてないな。

「俺は帰るぞ。じゃあな古泉」
「最後に、とても聡明にして鈍感なあなたへひとつだけ言わせてください」
 まだなにかあるのかよ。俺はこれから有希に会いに行くんだ。時間取らせるな。
 俺は古泉の言葉を無視して歩き出した。

「さて、長門さんがあなたに好意を抱いているかもしれないということを、どうして朝比奈さんはあなたに伝えたがらなかったのでしょうか?」
117名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 04:47:26 ID:rgBSkDhs
まあ、続きをやると大見栄を切ったもののさっぱり浮かばない上に
他の人の書く鶴屋さんが上手すぎてショックで現実逃避しながら
思い付きで作ったものなんで落ちがまんねりな点は勘弁してくださいな。
118名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 05:07:01 ID:WSRp+zaL
>>86
改行とかなるべく省いて詰め込まれてるのが息継ぎ無しの妄想って感じでしたGJ。

>ティッシュという名の子宮の中に、ドス黄色い欲望を吐き出した。

キョン溜まり過ぎ。
でも前話までの状況に遭遇してりゃ、それくらいした方が思春期少年としては自然にも思えたり。
憧れの君を脳内で百回は滅茶苦茶にするのなんて普通…だよね?

>>99
実力派GJ
皆さんの言うように無駄の無い構成ですね。
短い会話や仕草描写で、ちゃんと各キャラが立ってるのが凄いです。
このスレに散らばってたネタを拾い上げて盛り込んだ感じも、このスレで生まれた
作品って感じがして楽しかったです。醍醐味ですね。

>>105
GJ。そんなあからさまなツンデレカップルがクラスに居ればバレバレですよね
特にハルヒは何かと目立ってそうだし。
目がいっちゃうけど、どう関わって良いかわかんないから見て見ぬふりされちゃう
そんなハルヒと違ってキョンはいぢり甲斐ありそうだから、ハルヒの分までいぢられそうな気もするけど
原作読んでると、あまりそんなコトも無いんですよね。
SOS団でのあれこれが物語のメインだから仕方ないのかもですけど、
語られてないところで、クラスじゃクラスで色々ドラマありそうだなぁ

>>106
そう?単純に色恋の好きってだけじゃなくてさ。。
その他大勢と同じ普通の人な自分を良しとせず、
特別な何かになりたいって願望を原動力に
あれだけの行動力を見せるハルヒなんだし
ハルヒにとって特別になった人の特別になれたってんなら
野球場以来抱えてたあれこれが爆発して泣き崩れるのも有りかな、
とも思ってます。

>>116
うぉぁ。修羅場の予感ですね。GJ。
ヤッた先のドラマ、このスレじゃ珍しいですよね。楽しみにしてます。

>いつもより、有希の体が硬くなっているような気がした。

体を重ねたせいで、無意識にこういう見方をしてみたり体の位置が近過ぎたりとか
そういう描写があるととてもエロティックに感じます。ハァハァ
119名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 05:19:25 ID:5I1AQcHl
もうみんなGJ!!
120あぼーん:あぼーん
あぼーん
121名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 06:44:21 ID:XToA6soy
>>117
少しキョンが壊れてる感じ気がするw古泉に対して酷すぎるが、古泉にはそれが快感なのか…
長門の変化に期待してます
122名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 07:36:13 ID:z/US+lo5
>>93-99
何気に古泉分が大目で良いですな。

>「ひはい、ひはいへふほ。ははひへふははひ。
>・・・・・・いやあ、頬を引っ張られるというのは単純ながら実に屈辱的ですね」
萌えた。
123名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 08:23:04 ID:ujVx78l4
後生だから読んでくれ。皆の力が必要なんだ!

朝鮮人を日本に大量移住させる法案、今月中に成立予定
http://news20.2ch.net/test/read.cgi/news/1149747174/

    簡単にまとめると

北朝鮮への経済制裁等を行なう為の 「北朝鮮人権法案」だが
           ↓
「脱北者を出さないように北朝鮮の人権状況を改善させることが主眼」(与党関係者)とし
経済制裁のみの法案となった。
           ↓
一方、民主党が二月に国会提出した北朝鮮人権侵害救済法案は脱北者を
「難民に準じた扱いをする」ことで日本の定住資格を与える条項を盛り込んだ。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20060514/m20060514005.html

だったのだが 今回、白紙に戻して、自民・民主共同で
法案成立を目指すという事なので どんな中身かは不明

とりあえずは 自民党本部への「脱北者受け入れ反対」のメール、各板にコピペしてくれ。

124名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 08:23:20 ID:flVtu4nG
キョンと古泉のやりとりが、なんか楽しくていいw
そして本当に黙り込んでしまったハルヒ萌え!かわいすぎるぜ!GJ!
125名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 09:14:46 ID:JOxhCAK/
>>117
相変わらず上手いな。GJ。
またなんか含んだ終わり方だ・・・・・・

12610-226:2006/06/09(金) 09:46:15 ID:sJOtU3H6
前に書いたヤツの続きを書き上げたんだが、投下しても良いだろうか?
相変わらず何だか分からない出来な上、今度はエロは無いし長い。
しかも前がハッピーだったのに対し、どちらかといえば今度はバッドなのだが・・・。
どうだろうか?
127126:2006/06/09(金) 09:56:33 ID:sJOtU3H6
ぐぁ、>>10-226じゃなくて>>10-587だ。
間違えてすまない。
128名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 10:07:23 ID:qVl5Yd+D
投下投下しよ〜
129名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 10:25:00 ID:XToA6soy
投下してくだせぇ
130正直に-2:2006/06/09(金) 10:25:23 ID:sJOtU3H6
俺がハルヒの告白を受けオーケーし、そのまま俺は童貞を失いハルヒは処女を失った後の事。
結局帰りは電車で、ハルヒの分は俺が奢ってやった。貸しにしようかとも思ったが……まぁ良いだろう。
なんせ、あのハルヒが告白なんつーある意味一番似合わない事をしたんだからな、その祝いだ。
ついでにぶっちゃけると、俺は告白する時のハルヒやセックスをして感じるハルヒなどと言うのはあまり好きでは無い。
可愛いくない、という訳ではない。むしろ可愛いのだが何か違う。
多分、これはあれだな、『涼宮ハルヒ』に対して抱いてる俺のイメージとあまりに違いすぎる所為なのだろう。
俺の中の『涼宮ハルヒ』はSOS団団長で、いつも偉そうで俺に命令し、不機嫌な顔や100万ワットの笑顔が似合っている、そんな感じなのだ。

まぁ、そのイメージもハルヒの告白をきっかけに変わっていくだろう。
そのうち、ハルヒのそういう部分も好きになっていくに違いない。いや、好きになるに決まっている。
なんたって俺は、ハルヒの事が好きなんだからな。



閑話休題。



いきなり訳の分からない話をしちまったな。今の話は忘れてくれても良い。
で、本題に移ると今、俺は古泉と2人でSOS団御用達の駅前近くの店で話をしている。
呼び出したのは俺なので、古泉が今注文してる物は俺の奢りだ。
「それで、話というのは?」
「昨日の奴らはどうした?」
どうしても聞いておきたかった。昨日古泉からどうするかは聞いていたが、その後の事を知りたかった。
「昨日言った通り、機関によって厳重な処罰を下しました。まぁ、現在進行形で行われているんですがね。
 法律などでは考えられない、というか普通ではできない様な処罰です」
ざまぁみろ、と思う。だが、あまり詳しく聞きたくないな。想像するのが何となく恐い。
「もちろん、機関の存在は知られない様にしてあります。その辺りの心配は無用です」
別に心配などしていないがな。
「もう1つだがな」
「何ですか?」
「昨日、ハルヒを助けてる時、妙な既視感を感じなかったか?」
ハルヒの告白を受けた時の既視感。アレがどうしても俺の中で引っ掛かっている。
「いえ、特に感じませんでしたが……」
「そうか……」
どうやら、感じたのは俺だけらしい。俺が口を閉じると古泉は、
「ところで、話は変わりますが」
と言ってきた。何だ? 俺は聞かなきゃいけない話に心当たりはないぞ?
「あなたには本当に感謝しています。昨日の涼宮さんは非常に不安定でしてね、何事も無く安定してくれて良かったです。
 レイプ犯に襲われてる時はもちろんですが、僕達と離れて少ししてからまた不安定になりましてね。
 いやはや、あなたが涼宮さんの告白をOKしてくれなかったらどうしようかと思いましたよ」
それを聞いて注文して届いた物を飲んでいた俺は軽く吹きそうになった。何でお前がそれを知ってるんだ。
「長門さんですよ。あの後、新川さんの運転する車で彼女を送ったんですがね、その時彼女が話してくれたんですよ」
つまりある程度の実況中継がされてた訳か。……待てよ? という事はまさか……
「もちろん、その後の事も話してくれましたがね」
やっぱりか。畜生、恨むぞ長門。別にコイツにそんな事を話さなくても良いだろう。
131正直に-2:2006/06/09(金) 10:25:58 ID:sJOtU3H6
店を出た後、古泉はこんな事を言った。
「涼宮さんの精神状態は今まで以上に安定しています。本当にあなたには感謝しています。
 ですが、忘れないで下さい。あなたが涼宮さんの彼氏をなった以上、下手な事をすれば涼宮さんの精神は不安定になると」
分かっている。ハルヒの彼氏になる事がどれだけ大変なのか。
もちろん、ハルヒに変な力が無くても普段の行動の所為で苦労するだろうがそれも分かっている。
SOS団がこれがキッカケで少なからず変わるだろう事も分かっている。
それらを受け入れる覚悟なら一晩じっくりかけてとっくにした。
「なら安心です」
そう言って古泉は去って行った。

「さて……」
俺は携帯を取り出す。古泉は感じず、俺は感じた既視感。
ハルヒとの約束がこの後あるが、まだ時間はある。
だからそれをこれから確認するのだ。連絡する相手は……
「長門、これからお前の家に行っても良いか? ……話がしたい」


俺の電話に出た長門は、相変わらず無言で、最後に「分かった」と言って電話を切った。
そういう訳で俺は今、長門の家のテーブルに肘を突いて座っていた。
「…………」
長門が無言でお茶を運んできて、テーブルを挟んで俺と向き合う。
それを見て、俺も肘を付いた姿勢を直す。
「話というのはだな」
俺は話を切り出す。まだ時間はあるが、この後にハルヒと会う約束があるのだ。
「昨日、ハルヒから告白を受けた時、妙な既視感を感じたんだ。これについて長門、お前は何か知らないか?」
既に長門がハルヒの俺への告白を知っている以上、隠す必要はあるまい。正直に言うまでだ。
「……知っている」
やっぱりか。
「去年の夏の事になる」
「あの悪夢のエンドレスサマーか」
長門は僅かに首を傾けて首肯する。
「繰り返される夏休みの中、涼宮ハルヒは何度かあなたに告白している」
……何だって?
「長門、お前はそんな事一度も言わなかった気がするんだが……」
少なくとも、俺が終わらせる事ができた15498回目の夏休みにはそんな事は言っていなかったはずだ。
「私は繰り返される夏休みの中、何があったか説明しようとした。それと止めたのはあなた」
あー、そういや止めたってけなぁ。あの時は気が滅入ってたからしょうがないだろう。
「あなたが涼宮ハルヒの告白を受けたのは全部で5回。
 1回目は165回目の夏休み、次は764回目、その次は1684回目、4回目は8629回目、最後は12812回目」
あの既視感はその中のどれかか。
「しかし、その全てをあなたは断っている」
何だって?
「しかし俺は昨日、ハルヒの告白を断らなかったぞ?」
「今のあなたははあの時のあなたと違う。もちろん、繰り返される夏休みのどれに置いても完全に同じあなたはいなかった。
 少なからず、何かが違っていた」
まぁ、あれから随分時も経ってるし、『夏休みが繰り返される』と言っても中身が完全に同じ訳じゃないからな。
それにしても、ハルヒはよく俺に断られて閉鎖空間を発生させなかったな。
「あなたのおかげ」
俺の?
「そう。あなたが涼宮ハルヒを傷つける様な断り方をすればそうなったかもしれない。
 しかし、あなたの断り方はそうでなかった」
……どう断ったかは知らないがよくやった、過去の俺。それと、付き合ってる女への断りの言葉など聞きたくないから言わないで良いぞ、長門。
「だがその結果、涼宮ハルヒはその事に無意識下で不満を覚え夏休みを繰り返させた」
つまり5回は俺の宿題が原因では無かった訳か。……俺が原因に深く関わってるのは変わり無いがな。
132正直に-2:2006/06/09(金) 10:26:43 ID:sJOtU3H6
「……なるほどな。わざわざ訊ねてすまなかったな、長門」
これで疑問が消えた。俺はそう言ってその場を立ち、玄関に向かう。
しかし、靴を手に取ろうとしたその時。
「待って」
という長門の声が聞こえた。振り向くと長門が俺の後ろに立っている。
「あなたがあの時から変わっている様に私も変わっている」
確かに、長門も少しずつだが変わってきている。最初に出会った頃と比べればその差は歴然だ。
というか、自分で自覚していたのか長門。
「私は涼宮ハルヒがあなたに告白する時、形容し難い気持ちを抱いた。そしてあなたがそれを断った時、何故か安心感を覚えた」
唐突に、長門がこの後何を言うか分かった様な気がした。
「しかし、時が経った今ならあの時理解できなかった事も理解できる」
どうか俺の予感よ、外れててくれ。
「私は」
頼む。頼むから。
「あなたが」
外れていてくれ。
「好き」

そう言われた瞬間、予感通りとは言え、頭の中が真っ白になった。
嬉しくない訳では無い、むしろ嬉しい。しかし俺には既にハルヒがいる。
「すまん長門」
そう言って長門に背を向けて再び靴を取ろうとする。
しかし、またしても俺が靴を取る事はできなかった。
何故ならば、長門が抱きついてきたからだ。
「あなたが涼宮ハルヒの告白を受け入れた時、私は嫉妬した」
俺は、身動きしない。黙って長門の言葉を聞いている。
「どうして私じゃ駄目なの?」
俺は答えない。長門の細い腕が俺の胸のあたりに来る。
長門の声がどこか小さくなっている様な気がするのは気のせいか?
「抱いてくれるだけでも良いから」
魅力的な話だ。それを受け入れれば俺は凄い快感を得られるだろう。
だが、それをする事は許されない。『据え膳喰わぬは男の恥』というが、そんな物クソ喰らえだ。
昨日より前の事だったら受け入れるかもしれないが、ハルヒの告白を受け入れた以上、ここで長門の告白を受け入れる事も、抱く事も許されない。
抱いてしまえば俺は間違いなくその関係をそのまま引きずり続けるだろう。
ハルヒにバレなければ良いかもしれない、だがバレる時は必ず来るのだ。
その時、必ず長門もハルヒも傷つける事になる。
俺の本能は今にも長門を抱きしめそうになっているが、理性をフル動因して本能を押さえ込む。
「すまん」
俺は一言、そう言った。
本能に任せて良い時もあるだろうが、今はそうでない。
理性と本能が激しくぶつかり合う中、俺は長門の腕を掴んで降ろす。
長門の腕を掴んだ時、思わず本能が理性をねじ伏せそうになったが何とか踏ん張った。
俺がその場から動くと長門は、今度は何もして来なかったし言わなかった。
長門が自分の想いを正直に告げているのに、それを断る事に俺の心が痛む。

そして俺はそのまま靴を履き、外に出、何も言わずに扉を閉めた。
扉が閉まる音がやけに大きく、響き、冷たく聞こえた。
長門の方を向く気にもなれなければ、声をかける気にもなれなかった。
扉を閉めた後、俺は扉を見つめる。何故か長門の声が聞こえてきそうに思え、すぐに目を逸らして歩き始めた。
確信は無いが、恐らく長門は泣いていたんだと思う。そんな事が頭にある以上、俺は何もできなかった。
133正直に-2:2006/06/09(金) 10:27:20 ID:sJOtU3H6
俺が集合場所である、ハルヒから告白を受けた公園に行くと、随分早い時間にも関わらず、ハルヒがいた。
「あら、随分早いわね」
ハルヒは公園の一番奥のベンチに座っていた。お前も十分に早いだろうに。
「何かあったの?」
あまり明るい気分じゃ無かったが、交際開始2日目で約束を破る訳にも行かずに俺はハルヒの方へ歩いて行く。
「別に何も無いさ」
俺はそう言いながらベンチに座り、ついさっきの事を思い出す。
俺に告白し、俺に断られ、恐らく泣いていただろう長門。
「……キョン?」
気が付くと、俺は泣いていた。
「どうしたの、急に?」
ハルヒが少し慌てているが、気にならなかった。
間違いなく俺は長門を傷つけただろう。長門を受け入れても傷つけただろうが、傷つけたのだから変わりない。
どうして、繰り返される夏休みの時みたいにハルヒを断った様な言い方ができなかったのだろうか。
覚えていないので仕方無いかもしれないが、それでも後悔の念は残る。
「どうしたんだろうな…………」
泣いたのなんて何時ぶりだろう。大分泣いてなかった気がする。
俺は長門を護ると近いながら、長門を傷つけてしまった。
言い訳になるだろうが、俺には既にハルヒがいるし、あの時どうしようとも結果的に長門を傷つけていたに違いない。
もし長門がこれでまた暴走したとしたら、それは完全に俺の責任だ。弁解の仕様が無い。

「…………」
気が付けば、俺はハルヒに抱きついて泣いていた。
ハルヒはそんな俺の頭を黙って撫でている。
男として情けないかもしれないが、そうでもしないとどうにかなりそうだった。
長門は、これからどうするのだろう。恐らく、長門個人において、SOS団において何かが変わるだろう。
閉めた扉の向こうで泣く長門。
SOS団の活動に行きたくない、というより俺の顔を見たくないかもしれないが観測者である以上、それを許されずに再び泣く長門。
それが原因で再び世界を改変させる長門。もしかしたら自分を自分で消すかもしれない長門。自分に感情が芽生えた事を恨み涙する長門。
それを考えると、俺の涙の量はさらに増えた。辛い、辛すぎる。分かっていたとは言え、こんなに辛い物だとは。
長門に殺されてももちろん文句は言えないだろう。


本当にすまない、長門。
こんな事を言える立場じゃないのかもしれないが、俺はそう思った。
俺のこの辛さなんて、長門に比べればどうという事はないのだろう。
本当にすまない、長門。
ハルヒを選んだ以上、俺はハルヒと付き合い続けるしか無い。
そのせいで傷つけた長門の為にも、俺は一生ハルヒを大事にし続ける。
それが、長門を傷つけ、ハルヒと付き合う事を選んだ俺がするべき事だろうから。


                           ―END−
134正直に-2:2006/06/09(金) 10:28:04 ID:sJOtU3H6
以上、これで終わり。
続きは無い予定、正直どうすれば良いか思い浮かばない。
相変わらず神経描写がイマイチで、精進しなければいけない模様。
それでは、相変わらずな物でのお目汚し、失礼。
135名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 10:37:13 ID:AmDAe3eU
切ねえ…長門(TT
136名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 11:00:39 ID:qVl5Yd+D
GJ!!
改変は免れないなw
137名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 11:10:02 ID:XToA6soy
>>134
乙!
自分はキョンの気持ちとか上手く書けてると思いますよ
今から長門慰めに行ってくる
138名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 11:31:13 ID:qCcFUfEJ
長門も切ないがキョンも相当辛いだろうな…
ガチで泣きそう、GJです
139名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 11:43:34 ID:iemvf2wj
本編でもそんな展開になるかもね。
改変はされないだろ。すでに一度断られてるんだ。

とにかくすばらしきGJ
140名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 13:52:03 ID:flVtu4nG
GJ!
長門もキョンも切ないが、
あそこできっぱり断れるキョンは、ハルヒにも長門にも
自分自身にもとても誠実な、いいやつだと思う。いい男だ。
141名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 15:40:32 ID:dQE0w5Ea
やっと追いついた・・・
142名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 15:50:00 ID:dQE0w5Ea
原作の別人視点でも書いてみようとオモっても
どう短くまとめればいいか迷う
143名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 15:54:25 ID:Kh/PSp2j
がんがれ、とりあえず長門有希の暴走が第1のハードルだな。
144あぼーん:あぼーん
あぼーん
145名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 17:06:56 ID:X5I0hazR
ここの書き手、平均年齢十六歳切ってそう。
146名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 17:07:43 ID:jezer66j
 -‐く` 、( ̄`、ー-‐'"/,;;;;;;: /,;;;;;;: /,;;;;;;;;;/゙ヽ           /
 \r、_`ノ ),;;;,`ー-∠_,;;:: -‐、;;;;;;;;;/,;;;;;;;;;;;/,;;;;;;;|;:、       /
   \   (,;;;;;;;;;;;;;;, l丶  、  ヽ /,;;;;;;;;;;;;;/,;;;;;;;;;;;l;;;:i     /
     \  \;;;;;;;;;;;;,゙、 \ `i-/_ \;;;;;;;;/,;;;;;;;;;;::;;l;;;;;,l   /
      \ \_;;;;;;;,\ `ーl´   ~''ー- ::;;;;;_,;;;i,;;;;;;l /
        \ ~'''ー- 、  !        / ~'''ー/|. \     .ハ, /'´.,n  i.゛' ヽ.j
770 名前:名無\     ゙ 、!           / -‐/ L_ |\,_ .,ィ゛  l/j, .j:r' ノj ,'.ド!
シャナぱん(*´Д`)ハ\      l       / /   .j`゛゛'7'''''フ'ーr‐:ッ'/7::l゛ト-:<
シャナぱん(*´Д`)ハァハ\          /     /::::::/::::/::::/::rシ/:::;'::l:::|:::::|::::!:::'、
シャナぱん(*´Д`)ハァハァ \ ∧∧∧∧/        ,'::::::/::::/:::/:://:::::::::Lr‐y:::::|:::::l:::l::'、
               <    シャ >     ./:::::/:::/:::/:://:::::;.ィ'"  .ヽ、,|::::::l;::::l::'、
               < 股 ナ >     .,':::::/:::/:::/:/::∠,,,,,,_,...--‐'´゛>ァ:::::::l,
               <    ぱ >    /:::::/::/::://:::/   ∞     /  `'ヽ、,l'、
 ─────────<. 間 ん  >    .,'::::/::/:::/;'_;;ハ、;       ; /        ゛ト;l,
パシャ パシャ  パシャ パシャ<   の  >   /::::/:/::::/;r'    \    /        |::;〈!
   パシャ パシャ パシャ < !!!!    >   /l:::;':/:::::;イ      `'ドr=/        |:::;:l,
147かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/09(金) 17:41:31 ID:0UbQW1lS
キタ―(´∀`)・∀・)゜Д゜)・ω・)゜∀゜)´ー`) ̄ー ̄)―!!!!!
>>146
GJ!
148あぼーん:あぼーん
あぼーん
149あぼーん:あぼーん
あぼーん
150名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 18:29:01 ID:XFkOybI1
>>145
大人の話を一本頼むw
151名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 18:38:52 ID:dQE0w5Ea
そいえばここで書いてる人はメモ帳に書いてるのかな?
それともフリーの執筆用ソフト使ってるのかな?かな?
152名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 18:39:59 ID:yEo3wJkZ
>>145
ヒント:年齢制限+SS書きとしての技量
153あぼーん:あぼーん
あぼーん
154名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 19:03:42 ID:liN5Zenb
ホワイトデーの続きが楽しみ
155緊急脱出プログラム:2006/06/09(金) 19:20:32 ID:iH57RHpO
浣腸ものを書いてみた。
見たくない人はNGワード 緊急脱出プログラム を設定よろ
156緊急脱出プログラム:2006/06/09(金) 19:21:31 ID:iH57RHpO
緊急脱出プログラム


我々SOS団は危機に陥り、俺たちは重大な決断を迫れていた。

どうして、こんな事になっかと言うのを一言で現すと、ハルヒが退屈し出したからだ。
何かイベントを考えないと拙いってんで、例によって鶴屋家の協力で別荘を借り、
ハイキングと相成ったわけである。
それから、あんなことやそんなことがあって、現在山中に忽然と姿を現した館に
軟禁状態にあるという、超ベタな展開となっている訳である。

長門は変調をきたしつつも緊急脱出プログラムの用意に成功したらしい。
「らしい」という曖昧な表現にならざるを得ないのは、ロックを解除するのに
用意されているものが、なんと「浣腸」なのだ。
普通に薬局で売っているイチジクやその類似品を筆頭に、マニアックなAVでしか
お目に掛かる事のないガラス製注射器型やイルリガートルやエネマシリンジまである。
157緊急脱出プログラム:2006/06/09(金) 19:22:09 ID:iH57RHpO
>>156
寝込んでいる長門をハルヒに託し、古泉・朝比奈さんと浣腸の山と対峙する。
前回の様な数式なら解きようがあるが、長門よ、これをどうしろと言うんだ?
もちろん、浣腸の目的は理解しているが、誰が誰に浣腸するんだ?
全員が自分で自分にする位ならともかく、古泉が俺にするのか? じょうだんじゃねー
そりゃ嫌がる朝比奈さんにガラス製注射器型で浣腸するなら大賛成だが……
おっといけない、思わず本音が出てしまった、反省反省

朝比奈さんが一番小さいイチジクを手に取った。
もしよかったらお手伝いしますがと、思わず口から出そうになったのを
飲み込みどうしたのですか?
「私、ある一定以上のストレスが溜まると、急に便秘になるんです、
で、それがストレスの原因になって便秘が酷くなるを繰り返しちゃうんです」
「朝比奈さんはそのループに陥ったときこれをお使いになるのですね」
古泉は、俺が朝比奈さんに使うところを妄想していたやつより更に上を行く
500ミリリットルのイルリガートルを差し出した。
「そ、そんな」
なんちゅう奴だおまえは、朝比奈さんは真っ赤になっている震えているだろうが
「そんな、玩具じゃ駄目なんですー」
と、2リットルのエネマシリンジを抱きかかえた。
俺と古泉は瞬間冷凍になっていた。
158緊急脱出プログラム:2006/06/09(金) 19:23:06 ID:iH57RHpO
>>157
「あっ、あっー」
どの位そうしていたのかは判らないが、朝比奈さんのあえぎ声で我に返った俺たちが
目にしたものは、スカートと下着を脱ぎ捨て、自らに浣腸する朝比奈さんであった。
「見て、みくるがウンチするところ、よーく見て! 」
朝比奈さんが叫ぶと噴出物が弧を描いた。
自失している朝比奈さんを綺麗にし、ご丁寧にも用意されているモップで床を掃除する。
「わっ、わたっし、どうしましょ」
ストレスが溜まっていたんですね、話せない事も沢山あるでしょうけど、俺たちに
話しても大丈夫なことならいくらでも聞きますから……


「長門さん、無表情で判りずらいんですけど、ストレスをため込んじゃてるん
じゃないかと……」
まともに顔を見ることが出来ない男性陣を前に、スカートと下着を履いた朝比奈さんは、
何もなかった様に話した。
エラーを蓄積し暴走した長門は、世界を改変してしまったことがある。
「そこまでエラーを溜め込む前に強制的に排出してもらう必要がありますね」
古泉、今何って言った。
「エラーを強制的に排出……そうか!」
朝比奈さんも判った様だ。

「問題は、誰が長門さんに浣腸するかです、本人の希望としてはあなただと思いますがね」
どうして俺なんだ、第一ハルヒにどう説明する!
実は、長門はおまえが探し求めている宇宙人で浣腸で内部に溜まったエラーを出さないと
ここから永久に出られないどころか帰るべき、世界が替わってしまうとか言うのか?
「朝比奈さん、涼宮さんと厨房に行って少々手の込んだ料理を作ってもらえますか」
朝比奈さんは古泉の言った意味が判ったらしく、ハルヒを呼びに客室の方に向かった。
159緊急脱出プログラム:2006/06/09(金) 19:23:53 ID:iH57RHpO
>>158
「ここからは、あなたの腕の見せ所です」
そういうおまえはどうするんだ?
「僕は、涼宮さんたちの調理を手伝うふりをして、さりげなく足を引っ張っていますから……」
たしかにそういうのだけは得意そうだ。
俺は、ハルヒ達が厨房に入るのを見届けて、長門の寝ている客室に向かった。

結果は、俺たちが鶴屋さんの別荘で豪華な食事をしていることから判る様に、エラーを
強制排出した長門の活躍で元の世界に戻ってこれた。

週が開けて、みんな所用のため先に帰ってしまった部室に長門と二人きりになった。

なあー長門
「何? 」
どうして緊急脱出プログラムが浣腸だったのか?


「それは……」

「エクソダス」

「ええ糞出す」

糸冬
160名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 19:25:00 ID:iH57RHpO
勢いで書いてしまった。
今は反省している。
161名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 19:25:28 ID:jA3ocX0H
>>緊急脱出プログラム
吹いた。

どこか、うぷろだ知りませんか?
僕も書いてみました。
しかしちと長いんです。
162名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 19:38:01 ID:WiIpGxP9
>>151
マジレスすると、多くのはメモ帳でしょう。
目的別にツールを使い分けるような職人は明らかに他とは文体が違うのでそれとわかります。

ちなみに、掲示板への投下を前提として書くならタブ式で行数表示のあるエディタが便利です。
163名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 19:44:11 ID:IT97/9gB
>>160
GJ、噴いた。

>>161
テキストファイルで50k以下なら、一気に投下しちゃってもいいんじゃない?
複数回に分けて投下してもいいだろうけど。
164涼宮ハルヒの憂鬱(裏)【プロローグ】:2006/06/09(金) 19:59:40 ID:dQE0w5Ea

 ずっと小さい頃から思ってた。この世界には楽しいこと、不思議なことで溢れていると。
 ずっと小さい頃から願ってた。この世界には楽しいこと、不思議なことがいっぱいありますように、と。

いつからだろう。世界がつまらないと感じるようになったのは。
いつからだろう。世界が色あせて見えるようになったのは。

憂鬱という名の迷路。
 そこに出口など存在しないんじゃないだろうか。

 だけどあたしは諦めない。
 出口が無ければ自分で作ればいいのだから。


 諦めるのはまだ早い。
165名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:01:26 ID:dQE0w5Ea
む、ずれてる。
やっぱ難しいわ。

こんなのに1時間もかけてるし、しかも読み返すと変な文だ(;´Д`)
166名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:03:35 ID:jA3ocX0H
うぷってみました。
30分くらいで書いて、2回読んで変換間違いは直したつもりです。
ハルヒとキョンが付き合ってみた話です。
ホント、下手ですが・・
ttp://www.acbomb.com/~adultnavi/upload/src/anu0435.txt
167名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:19:37 ID:6fNEfWiS
>>163
50kくらいなら一気で問題ないでしょ。80KBくらいは投下したことありますよ。
SSでスレが埋まるのは正常なんだし。

でも多分連投規制かかるから専ブラ使って規制かかったらプロバイダにつなぎ直すとか、お忘れ無く。

空いている時間がいいのかなぁ、鯖の負担を考えると。
(4時頃とかせめて0時前後以外、考えすぎか)
168167:2006/06/09(金) 20:21:26 ID:6fNEfWiS
もうあげてたのね(;・∀・)
失礼した
169名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:24:02 ID:jA3ocX0H
ありです。しかし僕の駄文でスレを汚したくなかったんです。
170名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:33:20 ID:DSrgzetf
あまり卑屈になるのもどうかと思うんだが
少し図々しい位でちょうどいい
171名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:05:33 ID:sWy2siP5
>>166
GJ!
俺的には二人の関係はこれくらいの方がちょうど(・∀・)イイ!!
甘甘だと別にハルヒでなくてもいいよって気になる派なので
172Fの憂鬱:2006/06/09(金) 21:06:21 ID:YxNCUfM8
暇潰しにどうぞ。


はぁ……またこの日がやって来るのか……辺りを見回してみると、先週まで隣りにいた夏目先生がいつの間にかいなくなってるし、後輩だった一葉ちゃんももう2ヶ月前にレジカウンターに投げ出されていった。今は彼女達がもっと値の張る財布に入ってる事を祈るばかりだよ。
全くウチの主人様は何故こうも人使いが荒いのかね? もっと大事に使って欲しいよ……。
折角生まれてきたんだから有意義な使われ方をしたいもんだ。やっぱり俺の考えは間違いだったのかね。

天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず。

あの時はこうなる事なんか思ってもみなかったからさ、なんか勢いで言っちゃったんだよ。まぁ今は人じゃないから当てはまらないけど。

 俺達は主人の好きな時に等価交換されるだけの紙切れ。それが俺達に対する世間の認識。それが覆ることは多分無いんだろうな。俺だって前はそう思ってたし。


 おっと次は俺の出番かい? ま、一番価値が高い存在だったから最後まで居残ってたけど、外の世界も久しぶりに覗いてみるか。

 じゃ、また会える事を楽しみにしてるよ……。


「キョーン!!早く勘定済ませちゃいなさい!謎は待ってくれないのよ!」
「わぁーってるよ!!」

……ま、なんか微笑ましいから許してやるか……。



―おわり―
173名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:11:44 ID:srrRne0U
>>172
ちょwww諭吉www

夏目先生100人と福沢先生10人が戦ったら互角
174名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:15:32 ID:L3qJU1EF
>天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず。
これ諭吉さんが言ったんとちゃうねん。
175名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:17:12 ID:n8Plwwf9
今、夏目先生じゃなくて、野口先生じゃね?
たいしたことじゃないけど。
176あぼーん:あぼーん
あぼーん
177名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:27:43 ID:LF62rzkP
>>172
いろんな意味で間違ってる
ボツ
178名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:29:09 ID:jduQpIIw
>>169
妙に俗物っぽいキョンをどう感じるかかな。
デート経験がないからってハルヒの相手をするのに
古泉に倣って普通のデートをしようとして結局怒らすようなポカをキョンがするか?
という気もするが、逆にハルヒを女性と意識してデートしようとした瞬間に
妙に身構えてしまってこうなるのもあり得そうな気もする。

今は恋愛よりSOS団の方が大事っていうオチは良いかと。

他の書き手に比べてキョンの独白モードがややぎこちない気はするが、
これだけ書ければこのスレに投下して何の問題もないだろ。
卑屈な態度は他の新規参入者が書きにくい空気を作るものでもあるからやめた方がいい。
179名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:29:36 ID:0t7o4O4v
>>172
なかなか新鮮で面白い
GJ!

>>173
両先生に謝れ!

>>175
単に夏目先生使わずにとっておいたんじゃね?
180172:2006/06/09(金) 21:29:53 ID:YxNCUfM8
>174
え?違うんですか!!??


この話はサクッと流し読みして頂くとうれしいです。
勢いで書いてしまった物ですから。
181名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:41:50 ID:jA3ocX0H
>>171
>>178
お二方、感想ありがとうございます。
古泉がキョンにしたあれこれは、古泉が積極的にバックアップしたと考えてます。
説明を入れようかと思いましたが、長くなるので端折りました。
後日談もやぶへびで神人が古泉にばかり執拗に攻撃したと書こうと思ったくらいです。
妙に遠慮深いのは僕の性格です。
先生にももっと自信を持ちましょうと通信簿にも書かれた事があります。
それでは〜。
182名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 21:43:37 ID:0z6K55SB
>>173,179
さあ巣に帰るぞ
183消失前夜:2006/06/09(金) 21:53:16 ID:UdKAoqs2
目の前からやって来る夕日が眩しく赤く、帰宅途中の物悲しさをこの上なく盛り上げる中、俺はいつも通り帰宅しようとしていた。
無理だ。
とてもではないが出来ない。
俺は立ち止まり、
「長門よ」
「……なに」
観念して顔を後ろに向ける。
誰もいない歩道の真ん中には、無表情に本を読む長門がいる。
それは、まったくもっていつも通りの光景なのだが……
「ひとつ、聞いてもいいか」
「……」
痛む頭を指で抑え、こっくりと無表情に頷く顔に向けて、俺は言った。
「どうして、ついて来るんだ?」
そう、こいつは部室からずっと俺の後ろをつけて来たのだ。
それも一定距離を保ったまま、俺が足を速めれば速く、立ち止まれば停止し、フェイントを入れてもピッタリと付いて来る追随っぷり。
その運動能力はさすがだが、まるでカルガモの親にでもなった気分だったぜ。
すれ違う人は、妙な目で見てるしさ。
「――」
長門は本に向けていた顔を上げる。
なにやら驚いていた。
……いや違うか、これは驚いているんじゃないな、きょとんとしたとか、不思議そうとか、そんなニュアンスだ。
尋ねているのは俺の方だと言いたい。
「……分からない」
「分からないってことは無いだろ。どうして後をつけて来てるのか、その理由を本人以外の誰に聞けばいいんだ――――って、ひょっとしてあれか? ハルヒに命令でもされたのか?」
主に命じられてるのは俺だが、SOS団の一員である以上、長門だってハルヒの横暴な命令を受けないとも限らない。
「……違う」
だが長門は、表情を変えることなくそう言った。
どうやらこれは自主的なものらしい。
ならば疑問は深まるばかりの奇々怪々であり、不思議さの度合いは桁違いに跳ね上がる。
ハルヒなら喜んでこの謎に飛びついただろう。
俺も本来ならここで、長門の目的と動機と犯行に至った思想背景を追及しなきゃならなかったのだろうし、実際そうしなきゃいけゃいけなかったんだろうが、目をそらし、
「まあいい、とにかく後ろをつけるのは止めてくれ、どうせなら並んで歩けばいいだろ?」
そうぽつりと言った。
日和見主義と言うな。チキンとか言うな。これは仕方のないことなんだ。
長門よ、知っているか?
日本人はそうやって、目を直視され続けるのが苦手だ。
「そう……」
しかし、言ったきりまったく動かない。
横に並ぶ素振りはおろか、固着したまま微動だにしなかった。
その場でじっと俺を見つめる姿は、どこか彫像を思わせる。
不偏不党の直立不動、忠犬ハチ公だって待っている時間で言えば銅像の方が長い。
そんな無駄なことを考えてしまうほど動かない。
「おい?」
不安に思った俺が、ためしに一歩だけ後ろに下がってみると、長門は同じ距離だけ前に出た。
カルガモ親子の再来だった。
どうやらさっきの「そう……」は否定の「そう……」らしい。
迂闊にも気が付かなかったぜ。
俺は結局、なにか重大なものを諦めた気分で通学路をそのまま歩く。
そうとも、長門を説得するなんて、そもそも俺には大き過ぎる大役だった。
何事も無かったように帰宅するだけで精一杯だ。
幸いにも異常な状況への適応能力は、ここしばらくの事件でうなぎ上りだしな、この程度のことなんでもないさ。
後ろから、足音は離れることなく付いて来た。
俺は重い重いため息をつく……
184消失前夜:2006/06/09(金) 21:54:40 ID:UdKAoqs2
ヒタヒタと付いて来る足音はとても小さく、長門の体重の軽さを思わせる。
いや、こいつはアンドロイドのはずだから、実際には重いのを何らかの方法で軽くしてるのか?
その辺は一般人の俺には分からない相談である。
分かるのは、聞こえてくる足音がその性格に比例して静かってことだけだ。
……だが長門のやつ、本当になんなんだ?
用事があるわけでもない何かするわけでもない、ただ無意味に後をつけるだけなんて異常事態のバーゲンセールだ。
SOS団その2である長門有希から縁遠い言葉とは、『無駄』とか『曖昧』とか『大口開けての馬鹿笑い』に他ならない。
まったく、本当にらしくない。
たとえば朝比奈さんが編み物をしている姿なんて、見ているだけで天に召されるほど素敵なエンジェルだが、これをハルヒがやっていれば何の犯罪を企んでいるのか疑いたくなるし、長門がした日にはこの世の終わりが来たと確信できるね。
長門は、あの席で無表情に本を読んでいるからこその長門だ。
キャラに合わないことを唐突にされたら、見ている人間が不安になる。
分相応ってのは嫌な言葉だが、それを知っていれば無駄な争いを避けられるのも確かなのさ……
――ちなみに、俺がこうやって暴走過多なことを考えてるのは、現実逃避を行っているからに他ならない。
先ほどから後頭部あたりにチリチリとした視線を感じる。
間違いなく、長門のである。
できれば振り向いて確かめたいが、それを許さない雰囲気がある。
あの朝倉涼子にナイフを突きつけられた時と似ていた。
どうやら俺の知らない間に日本の下校時間は危険なことになっていたらしい。
最近は物騒だもんなぁ。
下校途中に死の危険を感じるのも、よくあることさ。
「と!」
油断していた俺は、間抜けにも水溜りに足を突っ込んだ。
現実逃避が過ぎて現実から反逆されてりゃ世話が無い。俺はあわてて足を上げるが、時すでに遅し。
学校指定の靴はずぶ濡れだった。
「うわ、くそっ」
まったく、情けない。
今どきこんな失敗するやつっているか?
足をブラブラとさせて水を弾こうと試みるが、もちろんそんなことでは水分を飛ばしきれない。
「……長門?」
「……」
そして背後にいた長門が、俺とそっくり同じ動きをしていた。
俺と同じ角度で片足を上げて、俺と同じタイミングで足を揺らす姿は、鏡合わせのパフォーマンスを思わせる。
どうやら先ほどから続くカルガモ的追随は、俺の動作にまで及んでいるらしい。
……だが長門よ、なにもそこまでトレースしなくてもいいんじゃないか?
見ている俺の方が恥ずかしくなってくるから、できれば止めて欲しいんだが?
「……」
俺がそう懇願すると、黙って足を地面に下ろした。
そして例の液化窒素の目で、黙って俺を観察する。
「……」
冷静なやつの前に情けない姿を晒すのは、実は十倍増しに恥ずかしい。
自分で止めておいてなんだが、これでは一種の苦行か羞恥プレイである。
もっとも、これがハルヒなら俺を指差し笑うだろうし、朝比奈さんなら慌てるあまり一緒に水溜りに入ってしまいそうだから、特に長門に対して文句があるわけではない。
――古泉?
ヤツと二人で帰宅する選択肢は俺に無い。
185消失前夜:2006/06/09(金) 21:55:25 ID:UdKAoqs2
「っと、長門、悪い!」
そうやって無心に振っていた足先から、一滴だけ放物線を描いて長門の額に着地した。
アスファルトの成分をたっぷり吸い込んだ、見るからに汚れた水滴が肌を滑る。
俺は慌ててポケットからハンカチを取り出し、
「拭くぞ、いいな?」
目に入りそうだったそいつをすくい、ついでに汚水の這った部分も綺麗にする。
この宇宙人製アンドロイドは、時折とてつもなく鈍くなる。
せめて水滴を払う素振りを見せてもいいんじゃないか?
自衛行動とか自分自身を大事にする意識が、少しばかり欠けてるんじゃないかと思うね。
「……」
「……」
そして長門よ、そんなイノセントな瞳で俺を見ないでくれ。
汚水を飛ばしたのもそれを拭いているのも、なんだか重犯罪を侵している気分になってくる。
いや、お前がこの程度のことを気にしないのは分かっているんだが、こっちの良心ってやつがチクチク痛むんだ。
……あー、だからつまり、このハンカチはちゃんと洗濯はしてあって綺麗だとか、今日はトイレに行ってないから汚れてることもない、第一そのままだと長門が眼科に行かなきゃならないはめになるからな、なんて言い訳をしているのも、まったくもって仕方がないことなのさ。
人は、何かを誤魔化したい時にこそ多弁になる。
これは万国共通の真理であり、とても自然なことなのであると自己弁護。
その代りと言っちゃなんだが、俺は丁寧に額を拭いてやる。
先ほど長門のことを彫像のようだと言ったが、それこそ美術品の清掃をするような気持ちで、だ。
考えてみればこいつには借りはあっても貸しは無いからな、このくらいしないと罰があたる。
ちなみにこの場合の罰を当てる神とは、どこぞの涼宮ハルヒのことではない。
あれは災いしかもたらさない荒神だ。祈ればそれだけで厄介ごとに巻き込まれる。
「ん?」
不意に手をつかまれた。
それは包み込むような、とても自然な動きだったので特に驚きはしなかったが、柔らかい手の感触には驚いた。
普通の女の子みたいだ、なんて思ったのである。
しかしこれは、考えなくても拒否反応であろう。
もうやめてくれという意味なのか、なにか気に障ったのか、それともこの行動は長門的禁則事項だったのだろうかと考え、ハンカチ下の顔を覗き見ると、俺は信じがたい事態と直面した。
涙があった。
あのいつも無口・無表情を崩さない、朝倉の総攻撃を受けても微動だにしなかった長門が、表情だけはそのままに目から涙を流していた。
「お、おい……」
思わず問いかけるが無表情のまま、俺の手を握ったままで、ゆっくりと自分の涙を確かめる。
なにか泣くようなことがあったか?
俺が悪いのか?
申し訳ないがとっさの判断の悪さには定評があるぞ。
混乱する俺をよそに、いつもと変わらないあの口調で長門は言った。


「 ……カオス情報が臨界を突破した 」

186消失前夜:2006/06/09(金) 21:57:33 ID:UdKAoqs2
「は?」
「このインターフェイスには、情動に対する制御機能が備わっている。
それは情報統合思念体が得た未来予測の情報により私がもっとも涼宮ハルヒと接触する可能性が高いため。
涼宮ハルヒに対して感情的な接触を行うことは、情報統合思念体にとって不確定要素が多くリスクが高すぎた。
これを回避するのは当然の措置。
逆説的に言えば涼宮ハルヒを観察する役割がある限り、私の情動制御機能は解除されることはない」
「お、おい、長門?」
「通常であればこの機構が壊れることはないはずだった。少なくともこの惑星上に一有機体として暮らすのであれば何の問題も無い程度には強固。しかしここにイレギュラーが重なった。
一つは本来であれば私のバックアップであるはずの朝倉涼子の反逆、これによって私の情報は共有化されず、情報の保存先もこのインターフェイスしかなかった。そして、もう一つは八月に起きたあの事件」
ハルヒが起こしたあのトンデモループ現象のことか。
「耐用年数を遥かに上回る情報により機能が圧迫されている。情動を制御する機構が壊れはじめている」
「い、一体、どうなるんだ?」
涙を流しながらとうとうと喋る長門の姿はどこか異様で、俺は気圧されつつも、なんとかそれだけを聞いた。
黙って俺を見つめる瞳。
それはいつもの液化窒素の瞳ではなく、ドライアイスのように熱く、冷たいものだった。
感情的になってる?
あの長門が?
そんなまさか――

「涼宮ハルヒとあなたが共にあることを認められなくなった」

「うわっ!?」
空間がめくれ上がり別の色へと一挙に変わった。
電柱や道路や家々や壁や空の色や街路樹が砂になってこぼれて落ちる。
なにもかもが崩れる中、真っ青な空が真上から開き、燦々と照りつける太陽が姿を現した。
「な、なにぃ!」
個人的トラウマの、あの部長氏のカマドウマと対面した時に来た所だ。
「これから情報の改竄を行う。このインターフェイスからは情報統合思念体に関する情報の一切を削除する。これは情報統合思念体とのリンクを普通の人間が行うのが危険すぎるためであると同時に、機会の均等をもたらすため。同時にあなたにも、今日のことは忘れてもらう」
「おい長門! 本格的になにがなんだか――」
「実際に行動に移すにはもうしばらくの時間が掛かる。けど、そのタイムラグは大きな問題ではない」
相変わらず涙を流し、俺の手を握り続けている。
その柔らかい感触が、俺をさらに混乱させた。
吐息が肌に触れる。
「あなたが私を壊した」
見間違いかもしれない。
錯覚かもしれない。
だが、その時、確かに長門が笑ったように見えた。
「さよなら」
ばちん! と音を立て、俺の意識のブレーカーは落ちた。
187消失前夜:2006/06/09(金) 21:58:21 ID:UdKAoqs2


そうして俺は、見も知らない場所を漂った。
……どうしたもんなんだろうなぁ、これは?
俺は空中らしきところにぷかりぷかりと浮かびながら腕組みする。
まったくもって、どうしようもない。
定期的に見ている光景が変わる。
町並みから抽象画へ、アラベスク模様から白一色に。
要するに、長門にこの場へと飛ばされたらしいんだが、なにがなにやらさっぱりだ。
一応、説明らしき情報が頭の中にいつの間にやら入ってはいるんだが、それは情報改竄の影響を受けるのを最小限に抑えるためにうんたらかんたらってことらしく、俺の理解力ではよく分からん。
誰か事情通のヤツにでも聞いてくれ。
しかし……これはひょっとして、俺はまた厄介ごとに巻き込まれたのか?
いや、いまこの時の記憶は消えるそうだから、正確には未来の、何も知らない『俺』が、か。
大変だなぁ、『俺』。まったくもって同情するぜ。
だが、まあ――
俺はちょっと苦笑を浮かべる。
自分が思い浮かべたことが、なんだか気恥ずかしかった。
そう、まるで文句一つ言わずに育った娘が始めて反抗期に入ったような、誇らしさと不安の入り混じった気分だった。
まったく、いつから長門は俺の娘になったんだろうな?

どちらにせよ、これは長門がはじめて言った『ワガママ』だ。
ちゃんと受け止めてやらなきゃいけないぜ? 『俺』。

そうして俺は目を閉じて、確実に混乱し、悩み、うろたえるだろう明日に備え、休息を取ることにした。
ひょっとして長門は、俺と一緒に下校したかっただけなんじゃないか、なんて思いながら……

188NKS:2006/06/09(金) 22:00:13 ID:UdKAoqs2
以上です。
長すぎると制限されるんですな。
ちょっと焦った。
あと、キョンの一人称って難しい……
189エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:14:03 ID:uVpU+RmZ
エロの方が煮詰まっているので、以前書いて仕舞い込んで置いた物を。
--------------------------------------------------------------
1/8
 例によって春休みにもいろいろあって、いやあれを大体春休みと言っていい
のか判らないが、それが終わると俺たちは二年生だ。
 二年生の教室は喜ばしいことに一年生の一階下で、俺たちの早朝登山は自動
的に数メートル行程を短縮した。驚天動地の始業式は既に昨日の出来事で、
実のところ谷口のそのセリフを久しぶりに聞いた気がした。
 我が戦友谷口よ。今年もお互い仲良くレッドポイント付近を飛び回ろうぜ。
 窓際の後ろから二番目の席。その後ろの席に彼女は居た。
「おはよう」
 朗らかな声と柔らかな笑顔。同性異性を問わず好かれる、誰か曰くAA+の美人。
 ハルヒじゃない。当然だ。あいつは理系コース。俺は文系コース。これを
くっつける偶然はもはや存在しない。
「なぁ」
 昨日からの疑問を後ろの奴にぶつけてみる。
「お前が俺の後ろに居るのは、偶然か?」
 好感度+1の魔法入り、まぶしいばかりの笑顔で、
「まさか」
 朝倉涼子は顔を寄せて答える。お前の魔法は効かないぞ。お前には何せ二度
も刺されたんだからな。しかし、髪の匂いが。思春期を司る神経系を刺激する
フローラルなフレーバーが。
「操作したに決まってるじゃない」
 ああ、そうだろうとも。
190エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:14:59 ID:uVpU+RmZ
2/8
 考えてみれば当たり前の話なのだが、何故か俺は春休み直前まで気が付かな
かった。
 何故か、という点には思い当たる節も無いではない。俺はいつのまにかハルヒ
との関係を、縦シューの理不尽なホーミング弾幕のように、不可避のものと
ばかり思っていた。涼宮ハルヒという非常識製造装置によって、背後にぴったり
ロックオンされ続けるものと。
 そうして、俺とハルヒは、二年生では違うクラスになるという事に、春休み
に入る直前に遅まきながら気が付き、ハルヒはともかく、俺や古泉や朝比奈さん
は慌てた。長門は慌てていなかった、と思う。
「ああもう」
 古泉は珍しく気弱な様子を見せて、
「この世界は、涼宮さんとあなたの関係によって成立しているんですよ」
 そりゃ一体どこのセカイ系だ。
「涼宮さんが自覚していないとはいえ万能である以上、世界はいつ破綻しても
おかしくないんです。それが曲がりなりにも今この時点まで存続しているのは、
安定化機構、つまりあなたが存在するお陰なんです」
 つーか、このSOS団のお陰だろ。実際のところ、80パーセントくらいは長門
のおかげだという気もするが。
 古泉はSOS団部室の長机に突っ伏して、
「そのお誉めの言葉は、全く慰めになりませんね」

 朝比奈さんが煎れてくれたお茶を、古泉のほうに押しやる。
「お茶でも飲んで落ち着け。大丈夫だって」
 この言葉の半分は、心配そうにお盆を抱えて俺たちの会話を聞いていた、
朝比奈さんのためのものだ。
「ハルヒは昔と比べてずっと安定してきている、って言ったのはお前だろ」
 いなくなる訳じゃない。あのクリスマス前の状況とは違う。距離がちょっと
変わるだけだ。
 ここのところ数日、俺はずっと繰り返し自分に言い聞かせてきた。
 いなくなる訳じゃ無い。しかし、だったら身を苛むこの不安はなんだろうな。
「今なら間に合いますよ」
 まだ言ってる。古泉のやつ、俺を理系コースにねじ込もうと言うのだ。金に
ものをいわせてな。
「御免だな」
 俺も何度同じセリフを言った事か。俺の脳味噌には定積分の入る余地なんて
無いんだよ。
「本当に、いいんですね」
 奴の言葉尻には苛立ちが混じっていたが、無視する。野郎、いざとなったら
ハルヒと同じ理系クラスに俺の身代わりを突っ込むんだそうだ。外見は俺とは
全く違うが、心理パラメータはほとんど同一、なんだそーで。
 是非ともそのパラメータとやらを教えて欲しいものだ。あと、次のレベル
アップまでに必要な経験値も。
191エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:15:32 ID:uVpU+RmZ
3/8
 ……それが春休み直前の一幕。その直後にハルヒが何時もの如くヤホーだか
ヤフーだか叫びつつ部室に雪崩れ込んできて、確かあの時は手打ちそば作りに
挑戦する羽目になったのだ。
 その後もまぁ色々有った。遭った、というべきか。有りすぎた、と言うべき
か。あの終わらない夏休みの二週間みたいにみっちりと。
 そのやけっぱちのようなイベントの連続に、俺は胸焼けを起こしたのかも
知れない。
 楽しめなくなったのだ。発端はハルヒ、でも最後はハルヒを除け者にして
右往左往、って構図を、だ。
 この一年間俺はやれやれとか全くとか呟きながら、そういう状況をそれなり
に楽しんできた。それが、駄目になった。
 俺たちは、ちんけな書き割りでハルヒを騙し続けていた。
 奇妙な状況を切望していた筈のハルヒが、俺たちによってそういうものから
疎外されているにも関わらず、それなりに楽しんでいる様子を見ると、俺の心
はちくちくと小さな罪悪感に責められるのだ。

「ほら、先生来たわよ」
 そんな声で、俺の回想も打ち切られる。

 長門の言うには、この朝倉涼子さんは、いつぞやの朝倉涼子、ナイフ持った
殺人鬼ではなく、外見や行動は似ているが別物なのだそうだ。
「私は長門さんの言うところの、いわゆる主流派の端末なの」
 お前には聞いてないよ。俺が信じるのは長門のセリフだけだ。
「彼女は、予測不能な現状に対する備え。あなたの周辺状況は、予知するのが
極めて難しくなった。何が起こってもおかしくない」
 おいおい。長門よ、俺はお前が慌てていないようだったんで安心してたんだぞ。
「備えがあれば、対応は可能」
 そして、ほんの数ミリ、少しだけ顔を上げて、
「あなたは、必ず守る」
192エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:16:25 ID:uVpU+RmZ
4/8
 そんな会話を、いつぞやハルヒに引き摺られて連れ込まれた階段の行き止まり、
屋上のドアの前でやったのが昨日。長門の保証を聞くまで、朝倉にいつ刺され
るのかとおれは気が気じゃなかった。いや、未だに脂汗はでるけどね。でも
長門の保証があるのと無いのとでは、話は全く別だ。
 でも、その帰り際に聞かされた話で、その保証も割り引かれてしまった。
「私のもう一つの役割はね、長門さんの観察」
 理系クラスへと帰っていく長門の後姿を眺めながら、朝倉はそんな事を言い
やがった。
「情報統合思念体は、以前ほど涼宮さんを重視している訳では無いの」
 いつぞや、古泉だったっけ、言ってたな。長門が特別だって。どうもそれは
本当の事らしい。
 この一年の長門の変化を、情報統合思念体は自律進化の兆候と捉えていて、
それで連中は長門の観察を始めたのだ。長門はもはや万能ではなく、しかし
それが逆に何やら興味深い結果を生んでいるらしい。
 俺も長門の変化は興味深いと思っているが、それが情報統合思念体とやらの
興味と同じモノなのかは判らないけどな。
 しかしだ、つまりもう、ハルヒを突付いて藪からヘビを燻りだす必要は無い訳だな。
「その意見が主流という訳では無いんだけどね。でも」
 教室の前で朝倉は振り向いて、
「情報統合思念体の端末が、貴方に何かを仕掛ける事はもう無い筈よ」
 教室に入ると、谷口と目が合った。羨ましいと顔に書いてあるから、俺は
自分の顔に、全然嬉しくないんだぞと、そう書き出してみようと努力したが、
どうやら通じなかったらしい。いつでも喜んで席を代わってやるぜ。但し、
今度は朝倉が俺の後方にホーミングしてくるらしいけどな。

 俺が甘かった。

 俺にどうこうする事無く、連中は藪を突付きやがった。猛り狂ったツチノコ
がいると知っていながら、ハルヒを刺激しやがった。
 ハルヒを刺激するのは簡単だ。あいつは簡単に挑発に乗るし、勘違いするし、
ルアーだろうが毛針だろうが関係なく餌に喰らいつく。但し、ハルヒは最後には
全てを蹴倒してケリを付けてしまうんだがな。いつも。
 連中が用意した刺激は、そんないつもの奴とは違っていた。
 流石に俺も最近では、ハルヒの定義する俺との関係って奴が飲み込めてきている。
あいつは言葉では否定するだろうが……

 昼休み、朝倉は自分の長い髪を、ポニーテールにしてきた。

 SOS団のいつもの昼休みを終えて教室に戻ってくると、ちょっ、おま、その、
「似合う?」
 似合う似合う似合う、と谷口がぶんぶん首を縦に振る。朝倉よ、お前何考えてやがる。
 そこでようやく気が付いたのだから、俺もつくづく阿呆だ。
 要するに奴らにとってハルヒはもう用済みになったのだ。現状維持の必要が
無くなったから、連中は派手な行動に出た訳だ。
 しかし何で俺は、クラスメイトが髪型をポニーテールにしただけでこんなに
慌てにゃならんのだ。なぜこんな悪寒を覚えにゃならんのだ?
 俺は理由を知っていた。
 振り向く。
 教室の外にハルヒがいた。なんだ、その顔は。
 俺とハルヒの視線が合う。

 その瞬間、昼休みの終わり間際のタイミングで、世界は終わった。
193エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:17:19 ID:uVpU+RmZ
5/8
 いきなり目がおかしくなったかと思った。世界は全て灰色と化し、視界の中
でハルヒだけに色が付いている。警告もまどろみも無く、一瞬であの灰色世界
の中だ。教室には誰も居らず -あ、朝倉は居たが- ちーとも嬉しくないぞ。
 耳もおかしい。何も聞こえず-いや、ハルヒの声。
「なるほど、こうやるのね」
 ハルヒの髪が伸びる。まるでホラー映画の呪いの人形の如くにょきにょきと。
教室に入ってきながら、ポケットから髪留めゴムを取り出して、伸びた長い黒髪
を器用に後頭部にまとめていく。
「これ、簡単そうに見えるかもしれないけど、ちゃんとするの、結構面倒なのよね」
 足音に混じって、サラサラという音が混じっているのに気付く。
 ハルヒの周りで、砂が湧き出して床に小さな白い山を作る。ハルヒが教室の
半ばまで来たところで、一気にそれはざああっという轟音に変わった。
 視野の端に捉えたのは銀色の線。小さく風を切る音。これは見たことがある。
朝倉に殺されかけたあの教室で、しかしあの武器よりもずっと速い。
「うなずいて頂戴」
 背後から朝倉の声。
「もうすぐ、この空間ごと惑星が破壊されるわ。でも、その前にあなたの精神
をサルベージするから」
「何だって」
 銀色がハルヒに殺到する。しかし全てハルヒの目の前で阻まれ、細かな結晶に
分解されている。ハルヒの周りで銀色の光芒がちらちらと輝く。
「長門さんの依頼よ。早く。同意して」
「無駄よ」
 ハルヒは目の前まで来ていた。いつのまにか砂も銀色の輝きも消えている。
「あんたの権限は私が全て停止したから」
 背後で朝倉が驚愕するのがわかる。
 ドン、と音がして、気が付くと壁が、そして天井も消えている。おい、上の
階はどうなったんだ?
 辺りを見渡すと答えがあった。どうやってか、校舎屋上まで教室の床が移動
したのだ。天井は空。その眺めた灰色の空は、何時もの奴とどこか色彩が違う。
天頂近くに薄い白い線が。
「空間断層を越えて惑星を破壊しようなんて、やるじゃない」
 ハルヒの声は面白がっているそれだ。
 空の線は明るく、太さを増し、分裂して二本に増えた。やがて線は大体南北
方向に空を分割してしまった。しかもいつのまにか四本に増えてやがる。
 空はぎらぎらと輝きを増す。
 リングだ。地球をぐるっと一周しているのだ。これが今から地球を粉砕するのだ。
「短い間だったけど、情報統合思念体だったっけ、なかなか面白い付き合いを
させて貰ったわ。
 でもね、さよなら」
 突然、世界はぷつん、と真っ暗になった。どこかで照明が切られたように。
 朝倉がこう言うのが聞こえた。
「信じられない。空間の広がりが光速を越えたわ」
 そして、またぷつんと、世界に光が戻った。今度は灰色じゃない、総天然色の
世界だ。リングは消え、代わりに緊張感の無い雲が張り付いている。
「空間はもう太陽系の大きさを越えちゃった。これじゃ、情報統合思」
 そこで朝倉の声は途切れた。
 背後に、白い結晶が舞った。
194エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:18:11 ID:uVpU+RmZ
6/8
「気付いたのはアレね、偽キョンのおかげね」
 世界にはいつもの見慣れた色が付いていたが、風はそよりとも動いていないし、
聞こえるのはハルヒの声だけだ。
「アレは流石に胡散臭すぎたわ。でもネタが古泉君絡みだと判れば、あとはもう
トントン拍子ね。
 全部演繹で導き出せたわよ。あの映画に全ての証拠が挙がっていたし。みくる
ちゃんの正体については最後まで謎だったけど、判ってしまえば、あのコの時間
平面履歴がおかしい事はバレバレだったし」
 じゃあお前、自分のチカラについて、知ってしまったんだな。俺たちがこの
一年、必死に隠してきたものを知ったんだな。
「この一年、騙されつづけてたって事もね」
 そんなつもりじゃ無ぇ。
「わかってるわよ。あんた達が良かれと思ってしたって事はね。でも結局、私を
信じて無かったってことじゃない?」
 つーか、俺の言葉を信じなかったのはお前のほうじゃ無かったか?俺は確か
に言ったよな?
 長門は宇宙人、朝比奈さんは未来人、古泉は超能力者だってな。
 そう言うと、ハルヒは口の端ををむすっと曲げて、
「悪かったわね。だからあんたは別。あんただけは特別」
 崩壊した教室を眺める。お前は一体どうしたいんだ?
「あの世界はね、罠だったの」
 ハルヒは、いつもの席についたまま立つ事も出来ないでいる俺の傍に立って、
腰に手を当てた何時もの偉そうな格好で、世界に宣言した。
「私は世界の秘密を知ったわ。
 キョン、世界はね、面白さで出来ているのよ」
 どこからか風が吹いていた。ハルヒのポニーの先が揺れている。
「誰かが世界に興味や驚きを感じるたびに、世界に新しい部分が足されていくの。
観測によって、世界は構築されていくの。でもね」
 くるり、と後ろを向く。ポニーテールが大きく揺れる。
「ヒトはその世界を、つまんないって感じてしまう。そうして、世界には面白
い事など何も無いって思い込んでしまう。
 これは人間だけじゃないわ。情報統合思念体もそうだった。
 あいつは世界を、何も面白い事など無いと思い込んでいたわ。大人ね。究極
の大人。そりゃ成長も発展もしないわ。
 世界は面白さで出来ているのに、そこに居る知性体は全て、例外なく、世界
はつまんないって思い込まされるって仕掛けよ。むかつくじゃない、そんなの。
だから」
 ハルヒはそこで、右腕を高く差し上げ、人差し指で天を突いた。
 周囲に光が満ちる。ハルヒの瞳に、宇宙が見える。
「私の作るのは、誰もが世界に驚きを見出せる世界よ」
 その瞬間、新しい世界は確定した。
195エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:18:51 ID:uVpU+RmZ
7/8
 風に黄砂が混じる。
 俺は机の並ぶ屋上で、さっきと変わらず自分の席についていて、直ぐ傍にハルヒ
が居る。
 眼下の景色は変わらない。しかし、世界はどこか奇妙に目新しかった。
 ハルヒは俺の後ろの机に腰を降ろした。
「みくるちゃんは、未来に帰ったわ。
 もう二度と遭う事は無いでしょうね」
 何だって。おい。SOS団はどうするんだ。あそこはお前の居場所じゃ無かったのかよ。
「あのドジっぷりはキョンの遺伝子よね」
 私の筈は無いし、とハルヒのセリフは続いた気がするが、ちょい、その、待てよ。
「古泉くんはあそこ」
 とハルヒが指差すので、ついそっちを向いてしまったが、ちょい待てよ、まだ
話は終わっちゃいない、さっきお前何て言った……
 赤い光の玉が垂直にループ、綺麗なターンを決める。
「彼の望み、本物の超能力者にしてあげたわ」
 その赤球はぎゅん、とカメラをズームしたみたいに近づいて、校舎傍の空中
に停止した。
「涼宮さン、こりゃ良か塩梅ですタイ。がば凄か」
 それがお前の地かよ……
「んじゃ」
 それだけで、赤球はどこか遠くへ真っ直ぐ、飛んでいってしまった。

「で、有希は……」
 そこで、長門の声がした。
「私はここ」
 ふわりと。
 給水塔の上に、宙に浮いて、ゆっくりと降りてくる。
 なんかアニメで見たことがあるような光景だ。
「彼は私のもの」
 へ?
「それでこそ有希。私の最大のライバルね。でもね」
 へぇ?
「キョンは私のものよ」
196エンドレスエンド:2006/06/09(金) 22:19:25 ID:uVpU+RmZ
8/8
 おい一体いつ俺がお前のものになったよ、と抗議する間もなく、俺はハルヒ
の馬鹿力によって腕を掴まれ、そのまま、おい、顔が近い、目を閉じるな、
というかこれはその、キ
 ドン、と衝撃がして、俺の顔とハルヒの間に、腕が。制服の上にカーディガン。
長門の腕だ。ハルヒが掴んでいる腕と逆のほうがいきなり動かなくなる。
こっちも万力だ。お前ら握力強すぎ。
 このまま両側から引っ張られたら、間違いなく俺は真ん中からブッチンだ。
なぁ、お前ら、大岡裁きって言葉は知ってるか?
 今度はハルヒと長門の顔が接近する。こえぇ。
「私の”領域”を苦も無く突破してくるなんて。やるじゃない」
 ハルヒの灼熱の笑みに、長門はクールの極みで答える。
「私は情報統合思念体のただ一人の子供。私は全てを受け継いだ。そして」
 長門が、薄く、笑った。
「私がこの物語のヒロイン」
 そこで確かにぶっちーん、という音を聞いた。
「言うじゃない」
 辺りの空気にオゾンの匂いが混ざる。すぐにバチバチという音と閃光が周囲
に満ちたが、俺は今のところ無事だ。俺の周りに何か透明な壁があって、そこ
で守られているようだが、その、何だか息苦しいのですが。
 しかし俺のピンチをよそに、ハルヒと長門の周りの空気、いや、空間が歪ん
でいるぞ。
 ……お前ら本当に俺の話聞かないのな。
 ドン!という凄い音と一緒に、俺は開放された。よろよろと席に座り込む。
 見上げると、様々な色のオーラを纏った二つの人影が、急速に上空に上昇し、
交差し、ぶつかり、火花を散らす。一体どこのドラゴンボールだよ。
 全く、何て新世界だ。

 俺はもう、この言葉以外、言うべき言葉を持たない。
 やれやれ。
197名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 22:23:08 ID:bT4d5G4H
>>NKS氏
 グジョーブ、長門可愛いよ長門切ないよ

>>189
 古泉がマチルダ仮面にwww
198名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 22:23:28 ID:L3qJU1EF
>>180
スレ違いだから要約するけど
「人類皆平等って言われてるけど実際は欧米列強ばっか得してる。
 だから俺達も勉強して仲間入りしようぜ」
ってのが学問のすすめの内容。
199名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 22:46:18 ID:om2n6kuR
インスピレーション沸いてきたけどいかんせん文章力がおいつかん
200名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 22:55:41 ID:4Adips9f
>>198
スレ違い乙。
だが福沢諭吉は同人の神様。
つまり、我らの神と呼ぶ方々の先輩だったのだよ!
201名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 22:57:37 ID:8ZQ++sLn
>>197
少しづつでいいから書いてみな
202名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 23:11:20 ID:YxNCUfM8
>198

N A R U H O D O !!!
203『選択』:2006/06/09(金) 23:20:01 ID:h3FkQAQ9
「……それ以上のわたしへの接触は
 涼宮ハルヒの精神の安定に悪影響を
 与える可能性がある。」

俺の腕の中で、長門があいも変らずの平坦な口調で言う。
外から見れば、俺が朝倉に襲われそうになって
長門に助けてもらった直後の状況に似てなくもない。
ただ、その時と逆で、抱き起こそうとするのではなく
まさに押し倒そうとしていることが、違いといえば違いだ。
そしてここは長門のマンション、あの時のように谷口の
アホが突如闖入する心配もない。
長門はその何の感情も浮かべていないかのような瞳で
俺の反応をじっと伺っている。
俺が何の反応を示さないので、再び警告を発するために、
淡いその唇を開こうとして―

俺の指がその唇をそっと押さえる。

わかってるさ、長門。
そのくらい、俺にだって。

ハルヒのことを考えなかったと言えば嘘になる。
それはもう、色んな意味で
それでも、俺は長門を選んだんだ。
そうだろ? 俺。
204『選択』:2006/06/09(金) 23:21:24 ID:h3FkQAQ9
俺が長門を選んだことでハルヒが世界を壊そうとするのなら
俺は全力で止めるさ。長門の上の連中が長門の存在を
跡形もなく消そうとするなら、それも全力で止めてみせる。
そもそも、愛とこの世界、どっちを選ぶか?
なんて天秤にかけるものじゃないだろ?
そのどちらかを選択する自体が間違っている。
俺の想いが長門を危険に追いやる可能性があることは
流石に俺の心を痛めるが、それでも俺は迷わない。
世界と愛、そして愛する者の存在。
俺が小さい頃から親しんできたフィクションの世界の主人公たちは、
それら全てを貪欲に望み、時に成功し、時に失敗してきた。
そして、それは正しいことされてきた。
だから俺もそうさせてもらう。
たとえ世界の全てを敵に回そうとも。
たとえ相手が人類の黎明期に謎の黒い石版を
プレゼントしてくれるような偉い存在であったとしてもだ。
そうすることが絶対に正しいって教えてくれたのはハルヒ、おまえだったよな
こんな状況で思い浮かべてしまうのは申し訳ないけどさ。
2056スレ24:2006/06/09(金) 23:22:25 ID:AuasyHdn
夜中の三時にむしゃくしゃしてやった。今は反省している。けど投下。

いつものように、部室へ入る。ノックをして、朝比奈さんがお着替え中じゃないか確認。そして入室。
中には、長門と朝比奈さんしかいなかった。ハルヒは、用事があるとか言って珍しく帰っちまった。
また厄介ごとを背負い込んできやしまいな。
「あれ?キョンくんだけですか?涼宮さんは?」
「あいつは、用事あるとか言って帰っちまいましたよ。また商店街に、機材強奪にでもいったんじゃないですか?」
十分有り得る話だ。そういや、ハルヒだけじゃなく古泉もいないな。
「古泉くんは、今日バイトだそうですよー。さっき、ちらっと顔出して帰っちゃった」
ってことは、今日は俺達三人しかいないのか。この二人と俺一人、つまりSOS団メイン活動の市内不思議探しの
班決めのたびに、俺が願った状況だ。真面目に通っている俺へのご褒美じゃないかね。
「今お茶入れますね」
うふっと天使の笑みをうかべるメイドさん。この笑みを古泉やハルヒに横取りされないのだと思うと、この上なく
満ち足りた気持ちになれる。あぁ、長門?長門は朝比奈さんを横取りしたりしないから、問題無しだ。読書してる
姿も、朝比奈さんとはまた違ったジャンルでいい感じだからな。
っと、ここで俺は長門に違和感を感じた。長門が読んでいるのは、いつもの厚物本じゃない。薄い本だが…カバーが
かけられてて、わからん。
「おい、長門。何読んでんだ?お前が厚物以外を読むなんて、珍しいじゃないか」
軽い気持ちで話しかけた俺は、しかし長門の返答を聞いて絶句した。
「……ドラゴ○ボール」
……マジか。
長門の手元を覗きこむ。……確かにそうだな。で、なんでまたいきなりドラゴ○ボールなんだ?
「……ユニーク」
そうか。別に文句は無いが、長門とドラゴ○ボールの組み合わせは、いささか怖い。こいつなら、多分主人公の真似をするくらいならあっさりするだろうし。
ちらっと朝比奈さんを見ると、急須を握り締めながらびっくりしてる。そりゃあそうだろう。組み合わせが意外すぎる。
206『選択』:2006/06/09(金) 23:23:12 ID:h3FkQAQ9
長門は俺をただ見つめるだけで抗う様子もなかった。
その身をごく自然に俺の手に委ねている。
腕に伝わる体温と、微かに上下する胸を除けば
精巧な人形と変らないくらいだ。

警告はした。
後は俺の判断に全て任せるってことか。
これはOKと受け取っていいんだな、長門?

細く美しい睫毛が微かに動く。
俺のほうはと言えば、もうとっくに選択をすましてしまっている。
それは一体いつ決めたのかはわからないが。
なんでだろうか、おまえを選んだ俺。
それにもう忍耐が臨界点に達しようとしている
もう止まらない。
だが、念のために一つだけ聞かせてくれ、長門。

「……ヒューマノイド・インターフェイスの
 身体構造は人類とほとんど変らないし、
 そのための機能も備えている。
 また経験こそ無いものの、必要な情報は
 十分に備えている…………………………
 ………………………………………………
 ………………………………………………
 ………………………………………………ばか。」

おもいっきり萌えてしまった。


                 終
2076スレ24:2006/06/09(金) 23:23:21 ID:AuasyHdn
「……」
そんな俺たちにかまわず、漫画を読み進める長門。まあ、別に問題は無いだろう。長門の趣味趣向に口を出すほど、俺は口やかましくは無い。
「キョンくん、どうぞ」
ふと気がつくと、目の前に天使の微笑が。俺の前にお茶を置いてくれる朝比奈さん。いつもいつも、ありがとうございます。
「いえいえ。あ、っと、な、長門さんも…その、ど、どうぞ」
そんなにビビらなくても。
すると、ここでまたもや意外なことが起きた。長門がお茶を置いた朝比奈さんの腕をガシッと掴んだのだ。
「ひっ!」
あからさまにおびえる朝比奈さん。そりゃ怖いだろうな、とか思いながら、お茶をすする俺。
映画撮影の時も思ったが、あの無表情で異種格闘技戦にもちこまれたら大抵の人はおびえるだろう。
「あ、あのう…なんでしょうか…」
恐る恐る、長門を伺う朝比奈さん。
「協力してほしい」
「え…私が…ですか?」
「そう」
「それって、時間移動で…?またどこかの時間にとんで、何かするんですかぁ?」
しかし長門は否定。そして、
「今から行う実験に協力してほしい」
実験?なんの?
「……融合」
208しまった:2006/06/09(金) 23:23:51 ID:h3FkQAQ9
ログが詰まっていた!
割り込んじゃったかな?
2096スレ24:2006/06/09(金) 23:24:03 ID:AuasyHdn
……。
は?と俺。
「え?」
と朝比奈さん。
そんな俺達を尻目に、淡々と続ける長門。
「ピッ○ロとネ○ルが融合した。私もやりたい」
……なんか、長門が壊れてる気がする。なんだ、融合欲って。朝比奈さんも、ポカンと可愛らしい口を開けて固まっていらっしゃる。
「つまり、お前は朝比奈さんと合体してみたいんだな?」
「合体ではない。融合」
大差無いだろ。で、なんで。
「したいから。」
……このままこいつと押し問答を繰り広げても、無駄だろうな。「融合しても、元に戻れるのか?」
確か原作では戻るシーンなんて無かったが。
「平気」
お前はいいが、朝比奈さんの話も聞いてやれよ。
「どうします?元には戻れるそうですけど。」
「あっ…えっでも…うーんと、長門さんがやりたいなら、別に私は…も、元にも戻れるみたいですし…」
なんだか、長門のプレッシャーに負けたからっいうのが一番でかい気がするがね。しかし、どうやるんだ?融合なんて。
「任せて」
そういうと、長門は朝比奈さんのお腹に手を当てると、早送りテープみたいな速度で何かをつぶやいた。あの呪文とやらだな、と思った瞬間―――。
「うを!!」
すさまじい光がほとばしり、思わず目を閉じる。そして、光がおさまったと思われた頃に目を開けると、そこには――。
「……」
メイド服を着た長門がいた。見たところ何も変わっていない。メイド服以外は。てっきり、髪が長くなって栗色になってたり、胸が大きくなってたりするかと思ってたが。
「……」
と長門。
「……」
と俺。コメントを何か発するかと待っていたのだが、長門は何も言わない。仕方なく、俺のほうから問いかけることにする。
「で、どうだ?やりたかった融合をした感じは」
っていうか、ほんとに融合したのか?メイド服を着たかっただけじゃないのか?しかし、実際朝比奈さんは見当たらないので、ここにいる長門と確かに融合はしているのだろう……多分。
「なんか変わったか?」
大差無いだろうなーとか思ってた。事実、見た目で変化は無いのだ。メイド服が意外にも、ものっすごく長門に似合ってた以外は。
「時間平面移動能力を身に着けた。情報改変能力は、継続」
朝比奈さんの能力だけもらったのか。
「基本ベースは私のまま」
じゃあ、性格とかは変わらないんだな。
「朝比奈みくるの性格を、今ダウンロードすることもできる」
……お前が朝比奈さんみたいになるのか?マジで?
「実践してみる」
長門はそう言って、目を閉じた…のもつかの間、すぐに開けた。ん?それだけ?とかのんきに思ってた俺は、次のセリフを聞いて度肝をぬかれた。
210名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 23:26:36 ID:e2sIDdMI
いきなり投下失礼。

 適当に頭に浮かんだ話を文章にしてみました。文の書き方は原作にかなりなぞらえていて不快になる人も多いと
思いますが勘弁して下さい。あくまで自己満足の自己創作なんで。文章表現や誤字脱字のツッコミはやめてくださいね。
泣いてしまうかもしれんwそういった勉強は今まで全くしていないので。あと、18禁ではありません。原作を読んで
いないと分からないこともあります。以上のことを踏まえつつ、読んでくれたら嬉しいです。
ちょっとした暇つぶしにドゾー

ttp://ccfa.info/cgi-bin/up/src/up29721.txt

続く?

 やっぱり小説もどきでも書くのって難しいもんですね。自分ではかなり書いたつもりでも読み直して
みると案外短くて展開が速すぎるような…。あと間違いだらけだったり、ハア?と自分でツッコミ入れて
しまうような内容で恥ずかしい限りです。
2116スレ24:2006/06/09(金) 23:28:16 ID:AuasyHdn
「キョンく〜ん、お茶のおかわりいりますかぁ?」
……外見も、声も長門のままだ。しかし、口調は朝比奈さんっぽい感じで、しかもにこにこと微笑んでいる。……おい、いつの間に眼鏡をかけたんだ。
「ね、キョンくん。聞いてるんですかぁ?」
そんな間近に迫ってこられても…って、これほんとに朝比奈さんの性格なのか?こんなに顔を近付けられた覚えは無いのだが。
「キョンく〜ん?聞いてますかぁ?ぼーっとしちゃってますよ?熱でもあるのかな」
そういいながら、俺の顔を押さえ、デコに自分のデコを当てる長門…いや、朝比奈さんか?しかし、どう考えても朝比奈さんはこんなことしないと思うのだが…。
「おい長門。いや、朝比奈さんか?」
どっちで呼べばいいんだ。
「有希でいいですよ、キョンくん」
恥ずかしくて呼べん。っていうか、デコをはがしていいか?間近に迫った唇が当たりそうで、思わず奪いそうなのだが。
「駄目ですよまだ離れちゃ。熱計ってるんですから」
いや、熱は無いはずだ。むしろ、この状態だと逆に上がる。
「俺は大丈夫だから、一回離れろ」
そう言って、ベリッとメイド眼鏡っ子をはがす。口調を敬語にするかどうか迷ったが、本人が長門と名乗っているならタメ語でいいだろう。
……そんな上目遣いをするな。メイド服と眼鏡の相乗効果もあいまって、かなり魅力的じゃないか。デコをはがしただけで、機嫌を損ねるな。いや、そんなことよりも。
「長門」
「有希だよ」
「……」
「有希」
「……有、希」
口ごもる俺を、誰が責められようか。
「なんですか?キョンくん」
そう言いながら、顔を近付けるな。嬉しいやら恥ずかしいやら。
「お前、ほんとにそれ朝比奈さんの性格をダウンロードしたのか?俺はそんな風にされたこと無いのだが」
おい、今笑顔がピクッとしたぞ。と、目を閉じてすぐ開ける長門。
「融合を解く」
いきなりかよ。
せめて俺の質問に答えてから分離し―――!!うを、まぶし!
またまた目を閉じる俺。再び目を開けると、ちゃんと朝比奈さんと長門がいた。
「あ……あれ?私、長門さんの実験に……」
「もう終わった」
「あっ、そ、そうだったんですかぁ……」
あれ?朝比奈さん、覚えてないんですか?
「はい、全然」
長門、お前は?
「……」
そこで無言になるなよ。覚えて無かったら、実験の意味も無いだろうに。
「……」
ちらっと朝比奈さんをいちべつする長門。何となくその目に殺意にも似た感覚がたぶんに含まれていた気がするのは俺の気のせいであろうか。
「あっあっ、お、お湯がききれてますね!ち、ち、ちょっとお水をくくくくんで来ませまします!」
そう言って部室を出て行く朝比奈さん。今のは明らかに逃走目的だな。
で、長門。お前は覚えてるんだろ?
「……」
肯定の仕草。じゃあ、最後に聞いた質問だが、ほんとにお前朝比奈さんの性格をダウンロードしたのか?俺は朝比奈さんにあんなことをされた覚えは無いぞ。
「……」
相変わらず無言の長門。しかし、なんだか本当のことを隠してるような気が……まさか。
「お前、ひょっとして朝比奈さんと融合してないのか?」
確かに、融合したにしては外見上の変化は見られなかった。
いや、それだけならまだしも、朝比奈さんの性格をダウンロードしたにしては、あまりに不自然すぎる。朝比奈さんに似ていなくもなかったが、あれは朝比奈さんの性格ではないだろう。とすると、
「あの時お前は、メイド服をはぎ取って、朝比奈さんをどこかに隠しただけじゃないのか?」
もしこいつがほんとに融合して朝比奈さんの性格になってたら、もっと完璧にやりきるだろう。少なくとも、俺に感づかれるような荒い手口にはならないはずだ。恐らく、時間移動能力うんぬんは嘘だろう。っつーことは、あの行動は……
「有希でいいって言ったじゃないですかぁ、キョンくん!」
そういって、長門は…有希は、俺の顔の真ん前でニッコリと笑った……。しかし、どっから持ってきたんだ、そのメイド服と眼鏡は。
続かない
2126スレ24:2006/06/09(金) 23:30:55 ID:AuasyHdn
ごめ…割り込んでた…。
203GJ。萌えまくった。
俺の駄文くそだ…orz
213名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 23:34:31 ID:usM/t61p
お、おまえらもうちょっとよく確認してから投下してくれ
保管する奴も大変だぜ
214すまない:2006/06/09(金) 23:37:02 ID:h3FkQAQ9
以後気をつけます

今後、投下前に一レス書き込みを
かけてからしたほうが、いいかな?
『投下します、3レス予定」って
215名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 23:41:43 ID:usM/t61p
どっちでもいいかと。投下前にリロードは必須。
2166スレ24:2006/06/09(金) 23:44:10 ID:AuasyHdn
そうだな、次からもっと落ち着こう
217名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 23:48:48 ID:OWk7pDLZ
うを!神が乱舞か!
これはたまらんな
2185-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:49:25 ID:MTqboTvI
ええと、お取り込み中すみませんが朝倉もの投下します。
べた甘のソフトエロです。あんまりえろく無い。
尻、期待してた人ごめん、ちょっと待ってて。w

いいですか?
2195-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:51:16 ID:MTqboTvI
1/9
「一秒の恋」
〜ヒューマノイド・インターフェース「朝倉涼子」の消滅〜


人気の絶えた廊下で、俺は深呼吸一つ。窓は磨りガラスなので中の様子はうかがえないが、西日でオレンジ色に染まっていることは解る。俺はことさら何でもなさそうに一年五組の引き戸を開けた。


私は最後の瞬間一つの世界を造った。
実験。
「人」として造られた私たちが、純粋に「人」としてのみ活動できるように。
そのとき何が起こるのだろうか。
彼は私に何を見せてくれるだろう。


「ねえ、なに考えてるの?」
駅近くのバーガーショップ。俺はシェイクのカップを持ったまま、向かいに視線を戻す。
少し拗ねたような表情の少女が一人。
彼女はずっと話をしていたが俺はある記憶を脳裏によみがえらせていた。目の前に座っている、表情のくるくる変わる、明るい少女の記憶。
「いや、おまえに初めて呼び出されたときのことをな」
思い出していたのはあの光景。西日の差し込む教室にたたずんでいた、少女。
「そんなに印象的だった?」
俺が教室の扉を開けると、オレンジ色に照らされた端正な顔がこちらを向いた。少し、はにかんだ表情でほほえむ。
忘れようもない光景だった。
「そうだな。まさかおまえが俺を呼び出すなんて思ってもいなかったよ」
「そうかしら」
谷口言うところのAAランクプラスの美少女だ。
しかも、
『私とつきあってくれない?』
と来たもんだ。
「おまえが俺に告白するなんてなあ」
「もう!」
朝倉涼子は顔を赤らめて俺を叩こうとする。
素早く身をかわす俺。くすくすと笑い出す朝倉。
こんな、じゃれあうようなやりとりが楽しい。
一緒に下校した俺達はここで時間をつぶしている。ここのところ毎日そうだ。
俺達の仲が公認になって久しい。
2205-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:52:16 ID:MTqboTvI
2/9
この事実はクラスの中へ驚愕と混乱と絶望をもたらした。
男子の大半は事実の認識を拒み現実から逃避し、女子は朝倉への忠告(ほとんどが考え直せというもの)へと一致団結した。
谷口なんて俺と朝倉が一緒に下校するのを見て、スターリングラードで捕虜になったドイツ兵のような目をしていたし。
「しかし、また何で俺だったんだ?」
「聞きたい?」
朝倉は両手の上にあごをのせて、いたずらっぽく小首を傾げた。
ちきしょう、かわいいじゃねえか。
「ああ聞きたいね。おまえだったら他の奴からも交際、申し込まれてたんじゃないのか?」
「そうね、告白されたわよ。断ったけど」
やっぱりあったか。
俺が言うのも何だけど、こいつ世話女房タイプで性格もいいし、可愛いし、モテ要素全開なんだよな。
「ある人が気になっちゃって、ね」
ぱちり、とウインク。
……誰のことかな。
「キョン君、涼宮さんに話しかけてたじゃない?あの人ずっと孤立してたし気になっていたのよ。でもきっかけがつかめなくて」
まあ、あんな状態じゃあなあ。
涼宮ハルヒはクラスで俺の後ろの席に座っている女子生徒だ。
北高に入学してすぐに、電波な自己紹介でクラスをどん引きさせた。
ただしルックスは超一級。
成績もいいし、スポーツも出来る。しかし電波。
なぜ俺がそんな奴に話しかけたかと聞かれれば、答えは一つしかない。
下心があったからだ。何せ、口を閉じていれば一級の美少女なんだからな。
その後も涼宮はいっこうにクラスに溶け込もうとしなかった。
話しかければ「知らない」「うるさい」。
ほとんどこんな調子。
初めは男子生徒も女子生徒もいろいろ話しかけてはいたが、そのうち誰も相手にしなくなった。
無理もない。
朝倉はそんな涼宮を見かねて、いろいろ世話をしていた。
本当に委員長タイプだ、こいつは。
「なぜかあなたとだけは話してたのよね、涼宮さん」
それは俺も不思議だ。
話したのは他愛のないものばかりだったが、それでも会話が成立していたのは俺ぐらいだった。
「そのうちクラスのみんなとも話すようになってきて。きっかけはあなたよ」
その涼宮は今では何か目的不明の怪しげなクラブを立ち上げ、仲間と共に学校内を駆け回っている。
楽しそうだからいいんだろう。
「初めは何であなたとだけ話してるんだろうって思ったわ。それがきっかけ」
涼宮がきっかけとはね。
「ぱっとしない人だと思ったけど」
2215-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:53:04 ID:MTqboTvI
3/9
上目遣いで俺を見る朝倉。悪かったな。だが、自分でもそう思う。
「見ているうちにね、この人はどんな人でも受け入れることが出来るんじゃないかと思ったのよ」
買いかぶりだと思うが。
「あたしがいいからいいの」
朝倉はまじめな表情で俺を見つめた。尻がむずがゆいぞ。
「本気なんだから」
朝倉は俺の手に指を絡めてきた。
視線を外に向けているが首筋に朱がさしている。耳も赤い。
うわ、破壊力抜群。
俺は朝倉の指を両手で包むように握り返す。
「……ねえ、今日暇?」
「ん?」
「あたしのうち、今日誰もいないの」
え?!
「お父さんもお母さんも、明日まで帰ってこないし」
まさか、こんな台詞が聞ける日が来るとはね。今まで生きてて良かった。本当に良かった。
「……いいのか?」
「うん」
視線を外したまま、指を強く絡めてくる朝倉。少し、手が汗ばんでいるのは緊張のせいか。
俺達は手をつないで店を出た。

駅からほど近い分譲マンション。
前まで送ってきたことはあったが、入るのは初めてだ。
手をつないだまま、エントランスに入りオートロックを解除。
エレベータの動きがもどかしい。扉が開く。
俺達は絡み合うようにエレベーターに乗り込んだ。
叩くように閉ボタンを押す。
朝倉が体をそっと押しつけてくる。柔らかな感触に俺はもう考えるのをやめた。
背中に手を回し抱きしめる。潤んだ瞳が目の前にあった。
そのまま唇を荒っぽく奪う。朝倉は抵抗するどころか、いきなり舌を絡めてきた。
目を閉じて朝倉の口内をまさぐる。
エレベーターが減速する。
お互いの体の感触に未練を残しつつ、俺達は離れる。
ドアが開いた。
朝倉はほとんど俺の手を引っ張る様にして俺をドアの前までつれてゆく。
ドアが堅い音を立てて閉まり、朝倉は後ろ手にロックをかけた。
それを合図にするかのように俺は朝倉を抱きしめる。
2225-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:53:49 ID:MTqboTvI
4/9
待ちきれなかった。
玄関の三和土、まだ靴すら脱いでいない。
お互いを貪るように長い長いキス。
俺は制服の上から朝倉の胸をまさぐる。
スカートに手を入れる。下着に手を指し込むと微かな茂みの中心は驚くほど熱く濡れていた。
指を中心に這わせる。
「んんっ」
キスでふさがれた口から声があふれる。
やっと朝倉は俺から体を離した。名残惜しそうに。
「こっちに入って」
調度品が置かれたリビングを抜け、隣の部屋へ。
襖を開けると、いきなり布団が敷いてあった。
「準備がいいな」
「バカ、ちがうわよ」
朝倉は真っ赤になって返事をする。それでも握ったままの俺の手を放そうとはしない。
俺は朝倉を抱きしめたまま押し倒す。抵抗もせず、ふわりと朝倉は倒れた。
下着をずり下げ、中心に指を這わせる。
「あ、だめ、そんないきなり」
言葉では言うが朝倉の抵抗は弱い。
「ずいぶん濡れてるな」
俺は朝倉の耳元でささやく。
「もう」
耳まで真っ赤になった朝倉は、顔を横に背ける。
かわいい。
愛おしくて愛おしくてたまらなかった。
細い朝倉の体を抱きしめる。放したくない。
欲望とは違う愛おしさが俺を突き動かしている。今この瞬間の朝倉のためだったら俺は何でも出来るね、誓ったっていい。
スカートを外し、下着を下げる。大きく足を広げさせ、中心に舌を這わせる。
「やあっ……」
薄い茂みの下はあふれんばかりに濡れている。しずくが俺の唾液と混ざって流れた。
中を探るように舌を動かし、クリトリスに微かに歯を立てる。
「……んっ!」
朝倉が背をのけぞらせて跳ねる。食いしばった歯の間から声が耐えきれずに漏れた。
セーラー服の下から手を指し込む。
細い体に似合わずボリュームのある朝倉の胸。
「……全部脱がせて」
俺は朝倉の制服をそっと脱がす。もどかしい。
しかし目の前の朝倉は、乱暴に扱うと壊れてしまいそうなくらい、か細く見えた。
2235-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:54:23 ID:MTqboTvI
5/9
ショーツとおそろいの薄いピンクのブラ。
背中に手を回し、そっと外す。
「や……」
朝倉は恥ずかしげに胸を両手で隠す。
俺は少し力を込めてその腕を開かせる。形の良い胸がぷるりと揺れた。
「ずるい、私ばっかり」
下から恨めしげな視線を俺に向ける朝倉。
「あなたも全部脱いで」
朝倉は俺のシャツのボタンに手をかける。俺は朝倉のされるままにする。
そっと、空いた手で胸を愛撫。
両手で包み込み、硬くなった乳首の先をなぶる。
「う、んっ……」
朝倉が切なげな声を出す。
俺はすべての服を脱ぎ捨て、改めて朝倉を抱きしめた。
膚と肌が直に触れあう感覚。滑らかで暖かい。
肌を合わせているだけで、たまらなくなってくる。
「ね、もうお願い」
「もう、いいのか?」
朝倉はこくりとうなづく。
「……それとお願い」
「ん、何だ?」
「涼子って呼んで」
俺の腕の中で恥ずかしさに顔を背け、消え入りそうな声で言う朝倉、いや……涼子。
目がくらみそうだった。
「涼子」
「キョン君」
泣けてきた。
でも、もう端から見たら完全にバカップルだな。
今まで人前でいちゃついてるカップルを見て、アホかと思っていたが、実際つき合うようになってみりゃこのざまだ。
俺もバカだね。
だがな俺の腕の中にいる涼子を見れば、誰だってわかるはずさ。
こんな女の子が自分の彼女なんだから。
俺はそっと涼子の中心にあてがう。
「あ……」
「いくぞ」
俺は腰をゆっくりと進める。中に入るにつれ、涼子の顔がゆがむ。
「つらいなら無理するなよ」
「ううんいいの、お願い、そのままして」
2245-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:54:57 ID:MTqboTvI
6/9
涼子が微笑む。
中はとても熱い。そしてきつかった。
「動くぞ」
ゆっくりと腰を引き、ぎりぎりからまた入れる。
「んんっ!」
苦痛とは違った声が食いしばった歯の間から漏れる。
「ね、お願い、中に出して」
おい、いくら何でもそれは。
「大丈夫、大丈夫だから、お願い……」
涼子の瞳から涙が流れる。なぜそんな悲しそうな顔をする?
「いいのか、本当に?」
うなづく涼子。
俺は覚悟を決めた。こいつが本気なら俺だってそれに答えてやるさ。
一瞬、パパになってしまった俺の映像が脳裏に浮かぶ。
でも、隣で子供を抱いているママが涼子ならいいや、と心の中で苦笑して腹をくくった。
「わかった」
俺は腰の動きを強くする。
「あああっ!」
朝倉は声を上げるが、絡めた足は放さない。むしろ俺の体を逃すまいとするかのように強く締め付ける。
「涼子……」
「だいすき」
涙を流しつつ涼子は微笑む。俺は涼子を強く抱きしめる。
二人は同時に達した。
「あったかい……」
涼子はいつまでも俺の体を離そうとはしなかった。

「あたし、キョン君に謝らないと」
なんだ唐突に。
朝倉は俺の体にぴったりと寄り添っている。肌と肌が直接触れあうこと、体を寄せ合うことが心地よい。
「あたしがキョン君に告白したのは興味半分だったの」
そうなのか?
「面白そうな人だと思ったのは本当。だってあの涼宮さんと長門さんが一緒にいるんだもの」
ながと?だれだ?涼宮はともかく。
「あたしね、ずっと統合思念体の命令で動いていたの。自分で考えることは出来たけど、決定権はなし。お人形」
涼子は寂しげに微笑む。
「自我を持ってから、三年間待機して、初めて学校へ行ったの。楽しかった。休日にクラスの子達と買い物に行ったり、食事したり、おしゃべりしたりね」
自我を持ってから?話がどうも見えない。
225210:2006/06/09(金) 23:55:24 ID:UXy2GAo2
割り込みマジスマン…深く反省しとく
2265-409:2006/06/09(金) 23:58:49 ID:MTqboTvI
7/9
「普通の生活がとても楽しかった。でも私は長門さんのバックアップ。あたし自身が何かを望むことは出来ないし、そのことを苦痛に思ったり、考えたりすることすら出来なかったし」
いや、その長門って誰だ?
「私は観測者としての長門さんをサポートするための存在。それとあなたたち二人の監視も兼ねていた。自分の意志で初めて行った行動があなたの殺害」
は?何ですか、その物騒な単語は?
「自分の意志だと思っていた、が正しいわ。結局、統合思念体の影響下での行動だったんだし。今になって初めてわかったの。私は端末。行動を決定していたのは彼ら」
二人って涼子と俺のことか?いまいち把握できないな。
「だから最後の最後、私の存在が消えてしまう最後の時、統合思念体の影響から解放されたたった一秒の瞬間に、ある一つの実験をしてみたの」
実験?
「恋をしてみたかったの。女の子達と話していると半分は男の子の話よ?誰がかっこいい、彼は優しいって」
それは男も同じだな。ただ男の方が欲望にまみれているが。
「あたしも何人かに交際を申し込まれた。任務があるから断ったけどね。でも、みんながそんなに夢中になる恋って何なのかしらって」
いやそんなこと言われてもなあ。
「それであなたに告白したの。長門さんに消される寸前、最後の情報操作。これはあなたの見ている夢」
部屋の中がオレンジ色に輝いている。西日が差し込んでいた。
まて。おかしい。
今日は試験期間で学校は半日で終わったはずだ。いくら何でも日没が早すぎる。
「あなたの意識に接続して仮想空間を作った。たいしたものじゃないわ、すごくリアルな夢と思ってくれればいい。そこで私はあなたに告白したの。あのオレンジ色の教室で」
涼子の白い裸身が朱く染まっている。
「あなたは戸惑いながらも、OKしてくれたわね。本当の時間では私はあそこであなたを殺そうとしたんだけれど」
俺は唐突に不安になる。涼子がどこかへ行ってしまうような気がして。
「ただの実験。最後の好奇心。そのはずだった。いたずらのはずだったのに……」
涼子おまえ泣いているのか?
「こんなことしなければ良かった!バカだった、バカだったわ!……最後の最後でこんな……こんなに人を好きになるなんて」
「涼子、変だぞおまえ」
「ごめんなさい、キョン君。もうすぐこの世界は消えます。私が造った偽物の世界。本当の世界で私はあなたを殺そうとしたの。
でも長門さんに負けちゃった。最後にちょっとあなたにいたずらするだけのつもりだった。この世界は私が消える最後の一秒間。
その時間を引き延ばしてあなたに見せていたの。あの教室であなたを殺そうとしないで告白していたらどうなっていたかと思ったの。初めは面白かったわ、あなたが私の言葉一つ一つに反応してくれるんだもの」
泣き笑いのような顔で涼子は俺を見る。
「おまえのことが好きなんだから当たり前じゃないか」
「そうね。今ならわかる。人が人を好きになるって言うことが。この世界で二ヶ月足らず、あなたと過ごした時間。
あたしもあなたのことが好き。あなたしか見えない。人が何でセックスをしたがるかもわかったわ。だって本当に好きな人と一つになれるんだもの、こんな素敵なことはないわ」
2275-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/09(金) 23:59:46 ID:MTqboTvI
8/9
「涼子」
俺は得体の知れない不安がわき上がってくるのを感じる。涼子が抱き合っていた体を反し起き上がる。
涙がとめどなく頬をつたう。
「この世界の二ヶ月は本当の世界の一秒。今私は長門さんに情報連結を解除されて、消えてゆくところ。ごめんなさいキョン君。この世界が消えれば、あなたも元に戻ります。さようなら」
「おい!なにを言ってる、わからないぞ!どこかへ行ってしまうのか?だめだ、そんなのは!」
涼子は顔を両手で覆う。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
俺は涼子を抱きしめる。
「キョン君ありがとう。でも私との記憶は消しておきます。だって私なら耐えられそうにないもの、大好きな人がいなくなるなんて」
「なに言ってんだかわかんねえよ!行くな涼子!行くなっ!」
俺は涼子がいなくなるということだけを理解して、叫ぶ。
「統合思念体は人を理解するために私たちを造ったの。観測対象を理解するために。でもね心を持つ私たちは人を愛することも知ったの」
オレンジ色に染まった室内が白く反転する。腕の中の涼子が消えてゆく。
「涼子っ!」
俺は絶叫した。
「さようならキョン君。私の大好きだった人」


「それまで涼宮さんとお幸せに。じゃあね」
音もなく朝倉は小さな砂場になった。一粒一粒の結晶はさらに細かく分解、やがて目に見えなくなるまでになる。
さらさら流れ落ちる細かいガラスのような結晶が降る中、朝倉凉子という女子生徒はこの学校から存在ごと消滅した。


俺はいつものようにSOS団の活動(と言ってもなにもしてない。古泉とゲームやりながら朝比奈さんの入れてくれたお茶を飲んだだけだ)を終えて下校するところだった。
ふと、机の中に入れっぱなしになっていた本のことを思い出し、自分の教室に向かった。
長門から借りた本だ。日本人作家のSFだったがだいぶ長いこと借りっぱなしになっている。今日のうちに読んで明日返そう。
俺はぶらぶらと教室に向かう。
日は既に傾いて西日が差し込んでいる。俺は教室の引き戸の前で立ち止まった。
室内がオレンジ色に染まっている。
嫌な思い出がよみがえる。どうも西日の差し込む教室は俺にとってトラウマになってしまったようだ。トラウマと言うよりPTSDか。実際死にかけたしな。
力を込めて引き戸を開けた。誰もいない。当たり前か。
俺はふとある位置の机に目をとめた。
朝倉の席だった場所。
あれから席替えがあり、もう既にそこには別人が座っている。
視線を上げ、黒板を見る。あの時の記憶がよみがえる。
2285-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 00:00:33 ID:MTqboTvI
9/9
どのくらいの時間立っていたのだろう。俺は呆然と黒板を見つめていた。
頬を涙がつたう。巨大な喪失感。
自分の半身をもぎ取られたかのような大きな悲しみが俺の中を荒れ狂う。
……なんだこれは。
思い出せない悲しみ。
悲しいという感情だけが残っている。
消えてゆく誰か。
俺の腕の中にいた誰か。
それは誰なのか。
そんな記憶があるはずはない。
この教室が始まりだ。しかしそれは誰だ?

『さよならキョン君。あたし普通の女の子としてあなたに会いたかった』

誰の声なのだろう、泣きじゃくる女の子の声。
切なく悲しい。
俺は座り込む。涙が止まらない。俺はただただ泣き続ける。
「あら、キョンじゃない。まだ帰ってなかったの?」
ハルヒの声がする。
みっともないところを見られた。だが俺は立ち上がることも出来ない。
片手で目を覆いうつむく。だが流れる涙はあふれ頬をつたう。
「キョン、どうしたの?……泣いてるの?」
ハルヒが横に立つ。しかし、俺は立ち上がることも出来なかった。
「……すまん、しばらく放っておいてくれ」
「キョン……」
ハルヒは立ち去ろうとしない。俺のそばに立つ気配がする。
そっと机の上の俺の手に、ハルヒの手が重ねられた。
暖かい。
「すまん」
泣き続ける俺。
ハルヒの手のぬくもりが空虚な悲しみを埋めてくれる。
『涼宮さんとお幸せにね。でも長門さんのことも見てあげて。あの子は私と同じだから』
オレンジ色の教室で俺はただ泣いていた。
消滅した少女のために。
2295-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 00:01:32 ID:FuOlYhZx
終わりです

甘ずっぺぇー!
難しい。
アニメの「憂鬱W」とかぶりましたが、二週間ほど書いては消し書いては消し。
タイミング的には良かったかな?
俺にとって朝倉は長門と裏表、陰と陽なので切り離せません。
朝倉だってね恋ぐらい……(泣
これからな朝倉もの増えるといいなあ。

今まで書いた長門、朝倉ものは実は繋がってまして
第一話が今回の
「一秒の恋」
第二話が
5スレ409の「無題」
第三話が
「目覚めよと呼ぶ声あり」
という順番です。第一話が最後になってしまいましたが。
もし興味を持たれた方は保管庫にありますので読んでみてください。

読んでくださった方ありがとう。
保管庫の管理人さん、いつもありがとうございます。

では、また。

次回作は「尻」か非エロ長門ものだと思います。
230名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:02:28 ID:Ax0aN/5d
。・゚・(ノ_`)・゚・。なかせやがるぜ
231名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:02:46 ID:cNY1SBAa
>>229 これはキツイ・・・。明日大学行く気無くなってしまった・・・・。
232名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:06:27 ID:Qy74VFYv
エロくないのは余所でやれと叫びたい。
233名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:06:33 ID:HQckopDE
GJ!!
うえーーん!!朝倉あぁあああああ!!!!
234名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:07:35 ID:qbcM9ck6
>>229
すごいなあ。
尿から糖が検出できる程度な甘酸っぱさだな。
235名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:07:54 ID:HQckopDE
>>232
>>1 >>2
を読み事を激しくおすすめする。
それでもそれが言えるなら精神化へドゾー
236名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:12:40 ID:aPToI5j1
朝倉・゚・(ノД`)・゚・。

そして>>225は回線切って吊ってこい。半年ロムれ
237名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:15:05 ID:Qy74VFYv
>>235
読んだ。

エロくないのは余所でやれと絶叫したい。
238名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:16:39 ID:H3BsY2II
そうか。君みたいな精神的子供はこのスレにいちゃいけない。
もう夜も遅いんだから寝なさい。
2395-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 00:17:33 ID:FuOlYhZx
>>236
幼なじみが照れ隠しで言っているように、話してあげて。
涼子の・お・ね・が・い。
240名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:19:04 ID:3GHW9yBc
>>229
切ねえ…だが朝倉スキーの俺にはたまらないご褒美だった!ありがとう!
241名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:25:15 ID:ISh3YDua
>>229
うわあ…GJ!
242名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:25:18 ID:aPToI5j1
もう!>>225は私がいないといっつも失敗するんだからっ!
ちゃんと専用ブラウザ入れて更新しなさいよっ!?
次からはちゃんと私に相談してから書き込みするのよ!
べ、別にあんたのことなんかどうだっていいんだからっ!
職人さんが気の毒だからいってるのよバカぁ!!!
243名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:26:10 ID:QHUASg1o
いいから厨房はROMってろよ
244名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:29:00 ID:IqSySlO6
やばい、朝倉派になりそうだ…
2455-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 00:30:03 ID:FuOlYhZx
>>242
そうそう、やれば出来るじゃない。これからもよろしくねっ。はぁと
>>243
あなたも>>242さんのこと、少しは見習ったら?もてないわよ?
246名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:31:09 ID:b8Nthl2V
朝倉かわいいな
247名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:32:23 ID:1Y37YN0J
スイマセン,朝倉派な俺に今度はハッピーENDぽいのお願いします。
切なすぎて涙出てきちゃう
248名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:43:10 ID:aPToI5j1
>>245
次はなるべく尻を書いてね!
べ、別に欲求不満なんかじゃ(ry
249名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:54:08 ID:H46jsgO5
>>225に不覚にもワロス
250名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:59:56 ID:a+pf36a5
>>229
やばい、泣きそう…
アニメとの相乗効果で朝倉もいいなと思い始めた
なるほど、これが1話なのか
保管庫行って2、3話読んできます!

>>237
最近はエロくないの多いよ?
そこに神が光臨する…
251名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:07:38 ID:6lJwm68Q
>>229
あっ! 時系列シャッフルやりよったな!この・・GJw
252名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:09:35 ID:ZyIZbDZn
投下する物の題名にカップリング、エロありなし記述あるといいな
あくまで希望なので構わず無視してください
253名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:11:33 ID:T/MesQJe
朝倉さん…GJ。

ブラックSOS団の一員でもいいから復活して欲しい。
254名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:18:18 ID:wz7hBPTW
文芸部入りし長門を賭けてキョンと戦う消失朝倉
無論「長門さんをより満足させたほうが(ry」方式で
255名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:21:55 ID:8g3R4H7g
>>237
うーん三個に一個くらいはそういうのあってもかまわないと思うよ。
あればもうけものみたいな感じでさ
2565-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 01:26:28 ID:FuOlYhZx
そのうち「尻」書くから待っててくれってば。
>エロいの好きな人。
エロしか書いちゃいかん、となったら全力で撤退するがな。
257名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:28:23 ID:vnYaUkD2
つーか、ここに来れる年齢なら非エロも受け入れる度量くらい持ってくれ。
見たくないなら読み飛ばせばいいだけじゃねえか。
258名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:28:57 ID:HPh6ODlY
このスレにエロより面白さを求めている俺は変だろうか。
259名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:31:27 ID:Zz7DOSku
>>258
(*´Д`)ノオレモオレモ
260名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:31:31 ID:SCrq0tsG
>>258
オレもその口
中途半端なエロなどいらん。必要なのは濃度
261名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:33:19 ID:qrYvbPF7
>>258
濃いエロよりもむしろ濃いネタを欲している俺がいる
262名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:34:16 ID:1BtgV5Lp
贅沢だよね
なかなか作品が投下されない場所もあるのに
とか言ってみる
2635-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 01:34:47 ID:FuOlYhZx
>>260
濃度というのは濃いエロ?w
尻シリーズじゃ満足できない?
あ、あれより濃くしろと……orz
264名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:48:37 ID:xln3p7qA
>>229
激しく感極まった。
そうだ!朝倉だって、朝倉だってだなぁ!意志ってもんがあったはずなんだよ!
265名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 01:53:28 ID:5uIhmxZ4
>>196
うーん、なかなか面白かった。
しかし、涼宮ハルヒの創造する新世界(´・ω・)オソロシス
266名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 02:57:35 ID:lGHhc2QW
俺の性欲が回復
もう溜まりません
267名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 02:59:38 ID:CJPI7Wcm
エロくない長門物SSはどこに投下したら…
268名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:00:26 ID:wz7hBPTW
ここにどうぞ。
269名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:10:48 ID:HPh6ODlY
ここに頼みます。
270名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:22:19 ID:lGHhc2QW
あなたがエロと思わなくても俺にとってはエロです
271名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:22:50 ID:PRbCn99j
ゆうしゃ5-409 ◆JfD9PIXpbo よ よくぞまいった

わしは まっておった

そなたらのような ゆうしゃが おとずれることを

ここに みくると ながとの えっちなしたぎが ある

そなたに これを あたえよう
272名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:42:10 ID:POcLk8Yp
>>229
感動した
涼子ぉぉぉぉぉぉ!!!うわあああああああん
273名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 04:07:11 ID:mM3ty1x5
>>134
GJ!ああぅ、キョンのしたことは誰かを選んだ以上、
いつかは乗り越えないといけないことなんですよね。
せつないけど頑張ったなキョン
長門側の特殊事情あれこれを考えると余計に切ないけど
長門も失恋の痛手から立ち直って成長してくれるかなぁ

>>160
ぐはっ。俺はスカトロ属性は無いんだが
そういう、ちょっとお馬鹿なシモネタギャグも楽しいですね。GJ!
つーか朝比奈さん、いきなり目の前でw
用語とかさらりと本格派だったのが余計に笑い誘いました

>>164
2ch専用プラウザと呼ばれる、例えば「Jane Style」とかのソフトを使うと
書き込み用の窓が別にあって、投稿したら実際にどう見えるだろうかの
プレビュー機能とかもあって便利かもしれませんよ。
書き込みネタも、途中でTXTとして保存とか出来ますし。

>>166
GJ。ヒロイン達の中から消去法でとりあえず交際申し込むキョンの
芋野郎っぷりが新鮮でした。周辺事情の置き去りっぷりとか鬼なキョンですね
しかも、芋っぷり全開のデートじゃそりゃハルヒも荒れるでしょうなぁ。
以後の作品にも期待です

>>188
>「あなたが私を壊した」
この台詞にグッとキました。GJ
バグり気味の行動から一気に壊れちゃう長門が萌せつなかったです
情報統合思念体に使われる道具であり続ける以上
変化を重ね想いを育むことは本人にとって幸か不幸か…
キョンも罪ですよね

>>196
面白かったですGJ!
ポニテ話から壮大な話になっちゃいましたね。
ハルヒも頭が悪いわけじゃないんだし、ほんとうは
秘密からのけ者にされてるの気付かない方が不自然なんですよね。
ハルヒに諸々バレる課程はこのSSの趣旨じゃないからスッ飛ばされてましたけど
世界の秘密の解釈が、いかにもハルヒっぽくて素晴らしかったです。
新しいドラマの幕開けって感じも凄かったです。
嗚呼…俺も大人辞めてそんなハルヒの作り替えた世界でハジケたいとか思っちゃいましたわぁ。
ほんとGJ。

にしても朝比奈さんだけ一言も台詞無く退場って、別の意味でせつないw

>>206
GJ。キョン…萌えちゃったか。そういう状況で萌えに火が入っちゃうと
ただのけだものじゃ済みませんね。きっとこの後長門はねちっこい責めがハァハァ

>>212
GJ。フュージョンの方かと思ったw ユキクルとか名前も変に合体するのかとw

>>229
お尻の人。あんたの作品はいつも楽しみにしてるよ。ありがとう。
今回のはエロがせつなさ引立てますねGJ。
>「こんなことしなければ良かった!バカだった、バカだったわ!
こことか俺のハートにクリティカルでした。
自我を持ち報われない想いを抱いてしまった道具の悲哀…その一秒間が輝けば輝くほど
最期が泣けますね。ええ話や… 次作の濃厚エロ尻も楽しみにしてますね!
274名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 05:39:45 ID:HPh6ODlY
感想多いよ。
275名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 05:45:52 ID:NmuClEfL
>>274
投下ラッシュはいいけど、それで感想をもらえない人も多いんだから、いいことでしょう。

なにはともあれ、>>5-409はGJ!!
276名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 06:56:41 ID:dov4ScMJ
一時期「GJと良い評価ばかりで空気が変」という話が出たが、感想の数でどれだけの人が感動したのか判断できるという事もある。時間も関係あるかもしれないが。
最近では、アドバイス的な感想も増えてきたし、いい空気だと自分は思う。
何より>>229ありがとう!
長文失礼しました。
277名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 07:36:02 ID:PRbCn99j
>>274
感想ウザイ
2785-409 ◆JfD9PIXpbo :2006/06/10(土) 07:43:42 ID:00h8LW0o
皆さんおはようございます。
たくさん感想どうも。起きたらこんなに。w
こういうの読むとむらむらと次回作への意欲がわきます。
リクエストとか、馬鹿ネタとかも、そこから次のネタが拾えるので歓迎。
「尻」シリーズだってそうだし。ネタから始まったんだよなあ。(遠い目)
次は非エロ長門か「尻」かわかりませんが待っててください。
279名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 09:24:12 ID:S1HiXn52
非エロイラネ
280名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 09:25:19 ID:DadStvqn
>>277
感想ウザイなら保管庫だけ見てればいいじゃん。
そんな簡単なこともわからんのか。バカじゃねーの。
281名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 09:28:08 ID:EMsbKonn
荒らし、挑発、反応はスルー
282かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/10(土) 09:33:17 ID:9E0y5jdU
>>228
GJ!
とりあえず保守
283名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 09:46:16 ID:FpsAcx4m
>>278
できれば朝倉の尻もヨロシク。
>>229
読んで朝倉も大好きになっちまった…
何人好きになればいいんだ…
284名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 10:30:11 ID:Kkjs/wVj
>>210氏の続き希望
解決編もやってくれー
285名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 10:48:31 ID:LsbruQTR
俺は椅子から立ち上がり、ハルヒの側に寄った。
「ハルヒ」
「・・・・・・」
どうするんだっけ。あーくそ。頭の中がグルグルしてきた。
ええい、男は勢い。ままよ!
「!」
俺はハルヒの頭を掴んで引き寄せ、思いっきりキスをした。
朝比奈さんがひゃぁっとか言ったのが聞こえる。
「くっ・・・んむっ・・・ぅ・・・っ」
舌を入れるとかそういう事すら考えてなかった。ただ口をくっつけるだけ。
こういうのはもっとシチュエーションが大事だというのに、
このロマンスの欠片も無い状況は何だ? しかもこれで2回目だぞ。
やべ。息が苦しくなってきた。いかん、勢い余って呼吸を忘れていた。
「んんぅ・・・んぅ・・・くっ・・・・・・ぷはぁっ!
はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・ちょっと! いきなり何するのよ!」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・やっと口を開いたな」
「あっ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
口をつぐんで向こうを向いてしまった。いや、もう遅いって。
また頭を掴んで無理矢理こっちを向かせようとして手間取る。くそ、力強いな。
なんとか目と目を合わせて最も似合わないセリフを述べる。全部勢いのせいだ。
「聞け、ハルヒ。昨日は黙ってりゃ可愛いなんて言ってすまなかった」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前は・・・・・・あー、黙って無くても可愛いぞ。うん、俺が保証する」
「・・・・・・・・・・・・」
286名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 12:20:26 ID:HzDGUxiw
エロ分が驚く程低いね。
住民の純情ぶりに全米が泣いた。
287名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 12:23:26 ID:S2W+1mnS
>>286
甘い甘い青春純愛モノがハルヒの作風に合ってるからか・・・?
288名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 12:25:13 ID:H46jsgO5
>>284
>>210氏はその後深く反省して半年ロムることになりましたw
289名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 12:40:46 ID:HzDGUxiw
キョンが朝起きたら何者かに(長門じゃない)世界改変されていて
まともなのはキョン、ハルヒ(神能力なし)だけ。
鶴屋サンと朝比奈サンはクラス中の男子にリンカーン。
宇宙人じゃなくなって性格が黒くなった長門に逆レイプされるキョン。
ハルヒはキョンとなんだかんだ言ってくっつくけど最後は何故かキョン宅に
押しかけてきた893の上司っぽいピザデブにキョンの目の前でレイプされたあげく
解体されて死亡。

という超ダークな夢を今日の朝見た。
俺の深層心理はどんな構造になってるんだよ…orz
290名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 12:46:45 ID:4+DpWEJG
保管庫予備の簡易版すらみれない携帯使ってる俺は負け組ですか?
291名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:01:40 ID:HzDGUxiw
>>290
諦めたらそこで試合終了ですよ。
292名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:18:24 ID:yLRu1w4J
293名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:35:53 ID:PTFysYcF
>>196
むちゃくちゃ感にワロス(藁
294名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:37:52 ID:CCGwNc9U
>>283
なにそのなるた(r
295名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:39:04 ID:IxZgfrv2
>>289
それはきっとSSの神様の啓示だよ
だから書くんだ
296294:2006/06/10(土) 13:41:54 ID:CCGwNc9U
なんか変だと思ってたら、俺のブラウザのスレ番がずれてた……
294は>>289ね。
297290:2006/06/10(土) 13:45:14 ID:4+DpWEJG
>>291-292
トンクス
さっそくハアハアしてくるよ
298名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 13:49:30 ID:HzDGUxiw
>>294
やっぱりなるたるだよな…
この前もハルヒがオヤジ集団相手にキョンに売られるというチズっぽい夢も見てしまった。

>>295
分かった。書く。
299名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 14:01:11 ID:Z/g1UmU9
300名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 14:23:32 ID:IxZgfrv2
>>298
期待して待ってるからな!
マジで待ってるからな!!
301名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 14:25:26 ID:H3BsY2II
まとめ読んでたんだけどさ。ブラックな朝比奈さんのSSって
最後につづくって書いてあったけど続き来ないのかな?
302名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 14:28:25 ID:HzDGUxiw
>>300
投下経験2回だしハルヒでは書いたことないから全裸で待ってても肩透かし食らう
だけだぞ。
303名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:04:45 ID:nuixp08w
ばんな
そかな
304名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:11:03 ID:IqSySlO6
馬孫か奈々
305:2006/06/10(土) 15:33:35 ID:T+caeKMb
放課後のSOS団アジトで迎えてくれたのはいつも通りの朝比奈さんの笑顔だった。
「いらっしゃい。 今お茶を入れま」
途中で言葉が切れる。 メイド服姿の朝比奈さんの視点が俺のへその辺りで止まっている。
長門がページをめくる音をはさんで再び声が続く。
「キョンくん、ボタンが取れ掛けています」
なるほど上着の一番上のボタンがちょっと傾いている。
ぽやぽやしているようで見るところはちゃんと見えているのか。
「いま付けますからじっとしていてくださいね」
と言いながらメイド服のポケットから裁縫道具を取り出し、頭をくっつけてくる。
朝比奈さんの額と接触している胸部に軽い圧迫感と体温を感じると同時に
シャンプーと髪の毛のかすかな香りが鼻腔をくすぐる。
朝比奈さん、あなたは無防備すぎますよ理性を総動員しなくては。
「あれ? え〜と最初は……」などと呟いている小さい頭部をそのまま抱きしめる
という行動が脳内人格会議で全員一致で可決されたときに

「上着を脱いで貰った方がやりやすいのでは?」

という声がした。 その瞬間ぱっと離れる朝比奈さん。
赤い顔で「ご、ごめんなさい」といっている顔がやっぱりかわいいが、かなり残念だ。
そのまま続けてくださって良かったですのに。
古泉てめえTPOを考えて発言しろよ。 ニヤケ面が通常の三倍むかつく。
そんな男居ないも同然です、実際さっきまで居ることに気付かなかった。
306:2006/06/10(土) 15:34:16 ID:T+caeKMb
「みんなそろってるわね。 会議はじめるわよ」
良く通る声でしゃべりながらハルヒが入ってくる。
「ん? キョン、ボタン取れ掛けてる。 ちょっと上着貸しなさい」
と言いながら襟足に手を掛けてき、そのままひっぺがされる。
悪代官に帯び回しされる人の気持ちが少しだけ判った気がする。
人の服を脱がすのも上手いんだなハルヒ。 どうでもいいが。
人の上着を抱きしめたまま3秒停止、そんなに顔にひっつけて汗くさくないか?
「じゃあこれ直してくるから。 みんなはそのまま待機。 いいわね?」
と言い出て行ってしまった。 ここでやっても良くないか?
なんとなく振り返るとニヤニヤした古泉、無言でページをめくる長門。
朝比奈さんがちょっと残念そうに見えるのは俺の願望だろう。
やれやれ今日も平和だ。

三十分後戻ってきたハルヒに手渡された、ボタンが所定の位置にしっかりと縫いつけられた上着を見て
思ったんだがなあ、なんで糸が赤いんだ?
「その方が目立つでしょ?」
俺は普通が良いんだが。
「普通なんて良いわけ無いでしょ。 わたしが縫いつけてあげたんだから感謝しなさい!」
前言撤回。 やれやれ今日もハルヒだ。
307:2006/06/10(土) 15:35:19 ID:T+caeKMb
長門の本を閉じる音で会議が終了となる。 議題はUFOの現れそうな場所だか
超能力者のやりそうなことだかだった気がするがどうでもいいことだ。
「明日も来るように。 じゃあ解散」
とハルヒの声でぞろぞろと歩き出す。
最後尾の俺の横を歩いていたなにやら呟いた後、こっちを見るのが視界の端に映る。
そちらを向くと長門は足を止め、
「それ」
と俺のおなかを指さす。 見ると二番目のボタンが取れ掛けている。
おかしいな、さっきまでちゃんと付いていたはずなのだが。
「直す」
と言い、俺のおなかに右手をかざす。 なんとなくくすぐったい。 ボタンが長門の手に落ちる。
左手で自分のカーディガンのボタンを取り、上着のボタンが取れたところにあてがい、高速で
何かを囁く。 やっぱりくすぐったい。
長門が手を離すとそこにはちゃんと上着のボタンが付いていた。 情報操作ってやつか。
待てよ、元のボタンでも良かったのでは?
「糸の欠損を補う必要だった。 情報操作は等質量の方が好ましい」
そういうものなのか?
「そう」
元のボタンは
「…………」
長門が無言で握りしめている。
「やるよ」となんとなく言った。 長門はかすかにうなずいた。

翌日無言で本を読む長門のカーディガンにはちゃんとボタンが付いていた。
二番目のボタンが一回り小さく見えるが気のせいだろう。
308:2006/06/10(土) 15:36:02 ID:T+caeKMb
俺はオセロをしている。 相変わらず弱い。
古泉。 左手ひとさし指のばんそうこうは、いったいどうしたんだ?
「昨日森さんと訓練してまして」
機関員も大変なんだな顔近づけるな息がかかって気持ち悪い。
窓の外を見る。 今日もいい天気だ。
309名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:37:07 ID:T+caeKMb
以上です。
無性に書きたくなったので。 失礼しますた。
310名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:48:23 ID:Sdl4f0ac
>>308
>古泉。 左手ひとさし指のばんそうこうは、いったいどうしたんだ?
もしやお前。
311名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:54:56 ID:mM3ty1x5
>「上着を脱いで貰った方がやりやすいのでは?」
するとこれは恋敵への牽制だったのか
312名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 15:57:51 ID:AAv6cB2H
さすがホモ泉w
313名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:02:08 ID:ISh3YDua
上着を抱きしめたまま3秒停止するハルヒもボタン交換する長門もいいw
314名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:03:47 ID:T+caeKMb
>>307
> 最後尾の俺の横を歩いていたなにやら呟いた後
最後尾の俺の横を歩いていた長門がなにやら呟いた後

> 「糸の欠損を補う必要だった。
糸の欠損を補う必要があった。

>>309
> 俺はオセロをしている。 相変わらず弱い。
俺は古泉とオセロをしている。 相変わらず弱い。


間違いばっか ●| ̄|_ ……

脳内変換してくださいませお願いします……
315名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:07:37 ID:Bkhncwt2
ハルヒは直すついでにシャツをおかずにオナニーもしてるな
316名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:10:39 ID:HzDGUxiw
>>314
ハルヒの好きな男子の物のニホヒを嗅ぐという中2病のような行動にワロタw
317名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:11:26 ID:M5F9j+tM
赤い糸でボタンをつけるハルヒに萌えた。
318名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:22:09 ID:vHCfmQH3
この中にどれだけこう言うシステムの小説があるって言うのを
知っている人がいるのかは解らないけれど、ドリーム小説を投下してみたりする。


ttp://www.geocities.jp/hyakumaru1113/mikuru.html
飛んだらまず一番最初に「あなたの苗字を入力してください」と言う1文が出ますので、
それにしたがって自分の苗字入れて下さい。
文才無くてごめんなさい。
朝比奈みくると貴方が会話してます。それだけの小説だったりする。
319名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:26:56 ID:mM3ty1x5
>>315
>「じゃあこれ直してくるから。 みんなはそのまま待機。 いいわね?」
>と言い出て行ってしまった。 ここでやっても良くないか?

このまま女子トイレ個室へ直行し30分かハァハァ
キョン用の湯飲みとかもヤバそう
320名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:33:16 ID:wz7hBPTW
上履きや体操着も…
「キョンって高校に入ってからやたら物をなくすようになったよね。」とか言われてたり
321名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:34:05 ID:H3BsY2II
>>318
さすがにそいつはスレ違い気味だ・・・
ここでやるべきことじゃない気がする・・・
322名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:42:18 ID:VaG3V2FU
>318
「キョン」にした
なぜか同級生になっていた
それはそれで良し
323名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:45:13 ID:mM3ty1x5
ホモ泉が邪魔しなけりゃ、朝比奈さんきっと糸切る時に糸切り歯でやってたな
324名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:45:58 ID:Ax0aN/5d
>>320
それなんてキョン袋
325名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:48:55 ID:Bkhncwt2
>>323
それって何か重要な意味あるの?
326名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:49:15 ID:HPh6ODlY
>>308
ほのぼの良かったです。
327名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:54:50 ID:J840lW3D
>>nac
寂しがりやさん。いらね

>>5-409
天狗。少し黙った方がいい。尻書け

>>7-695
低俗。VIPPER臭がする。続きもん書け

>>長門有希の喪失の人
寡黙。上手いが、某作品とそっくりってのはどうなの。好きだけど

後言い訳っぽい書き込みする職人はみんな消えてね。大杉です
328名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:56:23 ID:mM3ty1x5
>>325
ヘソの上あたりで朝比奈さんが顔押しつけてハムハムしてくれるんだよ?
329名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:09:39 ID:Bkhncwt2
>>328
そうでなくとも絶対ティンコの臭い嗅いでるなw
330かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/10(土) 17:13:23 ID:jcnfOA2Z
漏れこのスレの速さに着いて行けない。
もう少し遅くしてくれればありがたい。
別に無理しなくていいけど・・・。
331名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:13:32 ID:dJTLs6AD
>>327
辛口過ぎ
幼馴染が(ry
332名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:19:02 ID:8SIe294X
>>331
反応してはいけない
333名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:26:12 ID:NmuClEfL
>>330
自分のペースで読んできゃいいんじゃね? 保管庫も絶賛活動中だぞ?
334名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:35:36 ID:FbJJwndB
>>333
空気コテにレスつけないでくれ。
みんなスルーしてるんだから。
335名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:08:02 ID:UR7aIptw
スレ違いなのは判ってる。判ってるが如何してもこのモヤモヤを住人と分かち合いたい。

h ttp://up.2chan.net/q/src/1149766251977.png


鶴屋さんキョン妹ハァハァ(´д`*)       小さくなった妹と鶴屋さんでSS書いてくれ……。
336名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:21:20 ID:TbQH2yk+

「キョン君ズボンのボタンが……」

「キョン! 団長命令よ! ズボン貸しなさい」

「流石に女性の前で下を脱ぐのは恥ずかしいでしょうここは僕が」

助けてくれ長門

「私を選んでくれたことを感謝する」

いやちがうきゃーー
337名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:28:25 ID:SFwpEeI/
キョン総受けか
338名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:35:40 ID:HPh6ODlY
大好物だ。
339名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:37:26 ID:izOHrnVk
>>314
GJ!!
短いながらも各キャラの特徴がでてていいね
もう古泉は完全のホモキャラ確立してんなw
340名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:39:30 ID:BzQNyjlu
私は書けない。だから誰か鶴屋さんを…
341名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:42:43 ID:BzQNyjlu
前スレの645の続きが見たいっ!
342名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:49:23 ID:BzQNyjlu
間違えた。625だ。とりあえず鶴屋さんのが見たいっ!自分じゃ書けないっ。でも見たいっ!
343名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:52:03 ID:wz7hBPTW
>>319
キョンへの愛のあまりストーカーと化すハルヒというのはどうだろう。
四六時中付けまわし使用済みの割り箸まで収集
「浮気が心配なので」盗聴器セット、「声が聞きたくて」無言電話かけまくり

そんなある日ハルヒ宅を訪れたキョンが見たものは…
344名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:56:16 ID:NdbXJ66p
>>343
こえぇぇぇ(;゚Д゚)

でもSOS団の中でそういうダメっぽさ持ってるのってハルヒだけなんだよな
345名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:58:36 ID:HzDGUxiw
>>342
根性で書け。

>>343
ハルヒなら無言じゃなくて普通に電話しそう。
346名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:58:37 ID:yqKzkJ8Q
>>343
そもそもキョンが何か見る前にどこからか手に入れた麻酔銃で眠らせられて
「浮気を絶対にさせないために」監禁・・・・




あれ?
コレって本物のキチ○イじゃね?
347名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:00:46 ID:1BtgV5Lp
緑髪の悪魔?
348名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:01:19 ID:FNKwpOaT
そういうちょい電波娘が大好きな俺ガイル
349名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:01:19 ID:CNSB6n0h
みくるをいやらしい目で見てたっつって生爪剥いだり
350名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:08:47 ID:yqKzkJ8Q
>>349
(((;゚Д゚)ガクガクブルブル



長門をずっと見ていたと言って(ry
351名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:11:02 ID:S2W+1mnS
待った。
俺のハルヒは中身は純粋で奥手な設定だ。夢を壊さないでいただきたい。
352名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:13:42 ID:iItSLmgq
>ストーカー 
ハルヒより黒みくるで書いたほうが違和感なさげ。もしくはホm(ry
353名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:13:53 ID:JoXJKENo
>>347
おしおきが必要ですね
354名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:14:12 ID:H3BsY2II
まあ、あれだ
ホモ泉とかと同じで一つのネタとしてはアリなんじゃないの?
355名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:16:10 ID:CNSB6n0h
つーかアニメ見たら古泉がホモにしか見えなかった
356名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:18:40 ID:g9q9Vsf3
つーか原作でもキョンに気があるように見える。
357名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:26:25 ID:7/M/fJps
つまりキョンは女の子にも男の子にも好かれる愛の奇跡のような存在ということでおk?
358名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:27:23 ID:M5F9j+tM
夏合宿に行ったときに、相部屋だからってんで
キョンの着替えをじとっと眺めたりとか
朝の下半身の様子をチラ見して
自分とどちらが大きいかとかって比べたりとか<古泉




……そしてそれを全部ハルヒにこっそりご報告とか。
359名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:30:19 ID:CNSB6n0h
夏合宿の帰りの船のキョンを見る古泉はヤバイ
360名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:30:56 ID:laduvJV8
>>351
純粋で奥手……
つまりもうワンステップが必要ということか?
キョンが誰かと付き合い出す。
それを見たハルヒが現実を認められず暴れ、
無意識の現実改変も出来ないほどに悲しみ、
「どうしてあの時、勇気を出して告白しなかったんだろう」と悩み、
そして徐々に狂気へと染まってゆく様子を克明に(ry
361名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:32:52 ID:fq4mC30H
そういえば、消失の古泉はハルヒに惚れてるんだったよな。
じゃあいつもの古泉はどうなんだろう・・・
362名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:34:00 ID:CNSB6n0h
>>360
ヒトメボレLOVERのアナザーで
長門とキョンが付き合ってると勘違いしたハルヒが仲睦まじい二人の姿を見て・・・
ってとこまで書いてある。鬱エンドにしようかな。
363名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:36:30 ID:o8mNhm0y
>>361
あれは後でそのことについて問いただす話があるんだろうな、と思ってた。
364名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:38:25 ID:M5F9j+tM
>>361
あれは、どちらかというと長門が

ハルヒがキョンに惚れるのはいや
⇒ほかにいい人がいれば、ハルヒの気持ちもそっちに向くかもしれない
⇒そうだ!古泉がいるじゃないか!

って思ってのことじゃないかと解釈していた。
キョンと古泉以外にハルヒの相手できそうな男って、あの世界にはいなさそうだし。
365名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:40:42 ID:PDUuy6EF
>>362
思うがままに・・・
投下を待つ
366名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:44:15 ID:dPmdrt64
古泉みたいな態度、女キャラでやるならすげぇ好みなんだけどな。
理知的でプライド高そうで柔和で貴族的。完璧なお嬢様キャラだ。
ちょっとそういう女性をイメージしながら読んでみてくれ。



「なるほど。どっちにしても彼……いやこのシーンではわたくしですが、
 わたくしが鍵となっているのですわね。そして鍵そのものに効力はない。
 鍵はあくまで扉を開ける効果しかないのですもの。
 その扉を開けた時、何かが変わるのでしょうね。おそらく、変わるのは……」
 
ちらりと流し目でカメラ(キョン)を見つめる。
頬に手を当てて、「ふふ」という表情を唇だけで浮かべて笑う。

「それは解りましたわ、ユキさん。ですが今のわたくしには決定権がありませんの。
 まだ結論を出すには早すぎます。保留という事で、手を打ちません事?
 わたくし達にはまだ考える時間が必要なのです。
 もちろん、あなた方が全ての真相を語ってくれるのなら、話は別ですけれどね」



あれ、おかしいな。女装したオカマとしか思えねぇ……。
367名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:47:56 ID:UPB/Bso/
>>363
キ「そういやお前、ハルヒの事個人的にはどう思ってるんだ」
古「涼宮さんですか?そうですね、魅力的な人だと思いますよ。女性としてもね」
キ「……」
古「ですが、何故そんな事を聞くんですか?」
キ「あーいや、前に北高にハルヒの居ない世界に放り込まれたって言っただろ?」
古「ええ」
キ「その世界のお前はハルヒが好きだって公言してくれたんでな」
古「この僕についても気になった、と言う事ですか」
キ「そういうこったな」
古「安心してください。この僕には今のところ涼宮さんに対する恋愛感情的な物はありません」

古「だって僕は、あなた一筋ですから^^」

ウホ(ry
368名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:50:23 ID:NdbXJ66p
古泉を女性化した場合もっと砕けた感じじゃないか?
これじゃマリ見ての祥子さまみたいだ
369名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:53:13 ID:Pat85gW1
ボク娘だと思ってみてみろ
370名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 20:54:36 ID:fq4mC30H
>>369
いつぞやの女性化国木田を思い出すな・・・
371名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:09:19 ID:Xhyln8Ar
>>370
あれ?谷口じゃなかったっけ?
372名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:18:45 ID:NdbXJ66p
>>366
「なるほどね〜。どっちにしても彼……あ、このシーンやとウチかぁ、
 ウチが鍵になってんねんなぁ。ほんで鍵そのものに効力はないと。
 鍵はあくまで扉を開ける効果しかあらへんもんね。
 その扉を開けた時、何かが変わるんやろね。おそらく、変わるんのは……」
 
ちらりと流し目でカメラ(キョン)を見つめる。
頬に手を当てて、「ふふ」という表情を唇だけで浮かべて笑う。

「それは解かったわ、ユキさん。でも今のウチには決定権があらへんねん。
 まだ結論を出すには早すぎやわ。保留という事で、手ェを打ってもらえへんかな?
 ウチらにはまだ考える時間が必要やねん。
 もちろん、あんたらが全ての真相を語ってくれるんやったら、話は別やねんけどなぁ」

怪しい関西弁にしてみてんけどどうやろ?
ネイティブ関西人やけど関西弁書くの難しいわ
373名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:33:31 ID:FbJJwndB
女性化して言葉使い迄変えたら
もはやオリキャラだな。
374名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:34:23 ID:HzDGUxiw
鶴屋サンがキョンのことを何て呼ぶのかと「めがっさ」の意味を教えてくれ…
鶴屋さんものじゃないけどSS書きたいんで…
375名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:37:29 ID:/xZ6QQdA
376名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:46:07 ID:hsR4tRrL
めがっさ≒オメガだと思ってた
377名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:47:43 ID:1BtgV5Lp
んっばば、んばんば
めがっさめがっさ
378名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:48:31 ID:UR7aIptw
>>374
キョン君
379名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:48:35 ID:dJTLs6AD
生贄の準備を
380名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:49:15 ID:fq4mC30H
言葉のつくりとしては
メガ+めっさ=めがっさな感じがするけど
それを容認すると他の派生も出てきそうだな
381名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:54:35 ID:i3oeHR87
誰か鶴屋さんものキボンヌ。痴女ベクトルで
382名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:55:12 ID:HzDGUxiw
>>375>>378>>380
サンクス。
383名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:56:14 ID:mM3ty1x5
>>374
「めがっさ」は大阪弁で普通にいっぱいとか沢山
384名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:58:51 ID:HzDGUxiw
>>383
サンクス。大阪弁だったのか…
385名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:59:47 ID:7/M/fJps
つまり皆キョンに惹かれている、と。
…マブラブの主人公みたいだな。恋愛因子だかなんだかで周囲を魅了する、あのヘタレ。
まぁ、すくなくともキョンはヘタレ?ではないと思うが。
386名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:00:09 ID:2R8GnbDy
じゃあ「にょろ」は?
387名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:00:23 ID:g9q9Vsf3
>>374
〜にょろ は薩摩の女性言葉
388210:2006/06/10(土) 22:02:38 ID:BsqbEI+w
大丈夫っぽいので恐る恐る投下

ttp://strawberry.web-sv.com/cgi/up/wpd/nm0177.zip.html


ワードで作ったのをTXTに直してないので欝陶しがられるかも。修正+一応話の続きもある。
389名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:02:39 ID:BzQNyjlu
381に同じく鶴屋さんものきぼう。キョンが無理矢理にって感じで。自分では書くこともできないけど
390名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:04:21 ID:fq4mC30H
>>383
>>387
この話を統合すると、鶴屋さんはどこ生まれ、どこ育ちになるんだ・・・ということは言わないでおく
は、まさか異世界かr(ry
391名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:08:16 ID:DB1RTsU9
>>383
一応関西住んでるけど(大阪じゃないが)初めて聞いたな
大阪弁なら「めっちゃ」とか「めっさ」が主流だと思う。「めがっさ」は兵庫(神戸?)弁じゃない?
教えて、えrじゃなくて兵庫の人!
392名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:09:01 ID:dctPxv4r
野球大会にて
キョン「顔が近いz
BLAM!
ハルヒ「なに古泉ちゃんに迫ってるのよ!馬鹿キョン!!」
女古泉(チッ!何時も何時も私の邪魔をして…!!)
393名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:12:05 ID:fq4mC30H
古泉を女性化するとSOS団の男性が、キョン一人になる件について
394名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:12:27 ID:kHjxMrXl
>388
403エラーで見れん。
395名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:12:27 ID:Hd+vpULj
ハルヒ分が足りないぜ!!
396名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:13:00 ID:lrlFeza1
>>391
自分神戸の人間だが、「めがっさ」なんて聞いたこともない。
397名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:15:37 ID:BJAsNE4w
>>391
流石にめがっさとは言わんわ。
神戸弁と大阪弁ってそんな違いないし。

播磨弁やとどうか知らんけど。
398名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:16:07 ID:OLSilMUD
>388
>ワードで作ったのをTXTに直してないので
いやそれ論外
399名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:16:34 ID:g9q9Vsf3
また一つ嘘を書いてしまった。
400名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:19:13 ID:IZKrQXtH
よし、じゃあ和歌山弁はどうだ?奈良弁もあるぜ?滋賀や三重も!
401名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:22:28 ID:fq4mC30H
もうこれでいいじゃないか
つ 鶴屋弁
402名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:23:43 ID:4MbrmfRR
>>395
同意しとくぜ!
403名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:23:44 ID:mM3ty1x5
http://wiki.livedoor.jp/haruhi98/d/%cd%d1%b8%ec
↑「めがっさ」調べたらこんなのあった
404名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:24:39 ID:xAYHfR1c
>>388
先が読めない展開で面白かった。
喜緑さんが出てくるSSって異常に少ないと今更気付かされた。
第三章にも期待してます。
405名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:25:14 ID:wAvCSzwD
イバ〜〜ルァキ〜〜〜〜
406名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:26:40 ID:VaG3V2FU
>388
いいからココにフツーに貼ればいいだろ
読み手に要らん手間を掛けるのはわざとやってるの?
407名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:27:55 ID:4k3Cvtr4
>>405
千葉!滋賀!佐賀!!
408名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:28:10 ID:OLSilMUD
>671
>長門へのラブレターとかみくるとのデートで
>ハルヒが狂ったように怒るシーンあるけど
>お前はいつからキョンの彼女になったのかと。

あえてマジレスすると、憂鬱の時点で特大閉鎖空間発生させて世界の終焉一歩手前まで行ってるのに何を今更な気がするが
409名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:28:52 ID:OLSilMUD
誤爆スマソ
410名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:32:49 ID:fq4mC30H
>>405
>>407
シ ン バ シ !
411名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:34:09 ID:dJTLs6AD
ぐんま〜え〜ぐんま〜(竿竹屋風に)
412名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:39:07 ID:PuFVDXKT
408エラーで見れないです…orz
413210:2006/06/10(土) 22:40:01 ID:BsqbEI+w
>>404
そう言ってもらえるとうれしい。かなり無茶苦茶になっていきそうな気がするが
>>406
スマン…。ちょっと長いかなと思って。
414名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:41:27 ID:VaG3V2FU
>413
構うかよ
いいから俺たちの頭の上にクソを垂れろッ!
415412:2006/06/10(土) 22:41:29 ID:PuFVDXKT
ミスorz

>>388
408エラーで見れないです。再うpしていただけませんか?
416名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:43:35 ID:/xZ6QQdA
>>388
先が気になる…。
細かいことだけどカギかっこの前でスペース入ってるのとか
誤変換(小泉と古泉)とかは直したほうがいいと思う。
417名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:45:28 ID:fq4mC30H
う〜ん、キョンがジョン・スミスの名を使うような話とか作れないかねぇ。
自分でもあれこれ構想は練ってるけど、矛盾点がそてつもない(なぜか変換できない)量に
おまけにどう考えてもエロ分が出ない・・・
人任せだけど誰か職人さんでうまく作れる人いませぬか
418名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:47:12 ID:CCGwNc9U
朝倉スレに先が楽しみなのがあった
419名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:50:54 ID:H3BsY2II
>>388って確か直リン禁止のロダじゃなかったっけ?
420名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 22:58:07 ID:AVDi1B2f
>>388
自分も403エラーで見れん。
421210:2006/06/10(土) 23:02:01 ID:BsqbEI+w
>>416
マジだ。これは恥ずかしい。次は直しときます
422名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:15:17 ID:S1HiXn52
「涼宮ハルヒの独占欲」が読みたい。
選択肢 b の奴
423名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:18:14 ID:vUn+7szB
>>34のホワイトデーの続き
424名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:18:58 ID:vUn+7szB

短冊に書かれてあったのは、これだ。
『この一年間の感想及び来年度への抱負』
ハルヒがこんな面白くもなさそうなものを望むとは思ってなかった。
いったいどういう心境の変化なんだろうな。

「何か質問があるなら受け付けるわよ」
ハルヒの表情からは、何もわからない。
そんな俺をよそに、古泉が挙手する。
「古泉くん、どうぞ」
許可を受け、古泉はさわやかな笑顔をしながら口を開いた。
「ホワイトデー当日は土曜日なのですが、どのような手段でお渡しすればよいのでしょうか」
「あ、それを言ってなかったわね。あたしは別にバレンタインのときと同じ方法でもいいわよ」
ハルヒはこともなげに言ったが、あんなことをするのは、一度きりでたくさんだ。
イエスマン古泉もそう思ったようで、
「女性方に肉体労働を強要させるのも忍びないですし、できれば別の手段が好ましいです」
オブラートに包んだ言い方をした。古泉だからこそ映える言い回しだな。
「そう? それなら、土曜日は不思議探しをすることにして、集まったときに渡してもらおうかしら」
そう言ってハルヒは朝比奈さんと長門に視線を送り、
「みくるちゃんと有希も、それでいいわよね?」
「えっ? あ、は、はい。それでいいです」
突然話を振られた朝比奈さんは慌てながら返事をし、長門は無言で首を縦に動かした。
「わかりました」
古泉もあっさりとその案を受け入れた。俺には振ってこない。
用事がないと決め付けられるのも、もう慣れたね。
425名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:19:51 ID:vUn+7szB

「そういえば、みくるちゃんと有希は何を頼んだの?」
自分の用件が済んだハルヒは、ほかの二人が気になったらしい。
「あたしは、その……おまかせしようかなって」
俺や古泉の顔をちらちら見ながら、答える朝比奈さん。
はにかんでうつむき加減なのが初々しくていいね。
だが団長さんはそう思わなかったようだ。眉をひそめる。
「もったいない。頼めばなんだってお返ししてくれるのよ?」
なんでも、というわけにはいかんが、朝比奈さんが望むなら少々高くてもお返しするだろうな。
「みくるちゃん、謙虚すぎると背が伸びないわよ!」
支離滅裂なことを言うな。大体、ハルヒにはわからないんだろ。
自分のために、相手が悩んでプレゼントを選んでくれるうれしさをな。
三人ともに三毛猫のぬいぐるみを贈ろうと思ってる俺が言えた義理ではないが。

「もう! じゃあ有希もそうなの?」
「そう」
実にロスなく返答をする長門に、ハルヒは頭をかきむしり、天を仰ぐ。
「あー、どうしてこう、遠慮する子が多いのかしら!」
わけがわからないと言わんばかりに、
「もしも選んできたものが、どうでもいいものだったらどうすんのよ!」
言いたいことはわからんでもないが、選んでくる本人たちを目の前にして言う言葉じゃねえよ。
自分が要求してきたのも、現国の作文みたいなものだろうが。
心が荒んでくるのを感じたので、朝比奈さんを眺めて癒す。
「ちょっとキョン! なに鼻の下伸ばしてんのよ!」
俺の平穏はどこだ。
426名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:21:03 ID:vUn+7szB

それからしばらくぶちぶち文句を言い垂れたハルヒだったが、
「じゃあ、ちゃんと土曜日、忘れずに持ってくること。いいわね!」
と念を押すと、ミーティングの終了を告げた。
そのまま団長席に腰掛け、マウスをカチカチ言わせ始める。
「あっ、お茶淹れますね」
朝比奈さんは初めて思い出したように席を立ち、湯飲みを並べだした。
長門は無言で読書を続けている。
古泉はかばんを漁ってクロスワードパズルの雑誌を出し、こっちを見る。
やろうってことか。まあ構わんが。
ようやく俺が渇望していた、いつもの日常が戻ってきたか。

ぱたんっ、と長門が本を閉じ、今日の活動は終了だ。
「おい、古泉。そのクロスワード懸賞が当たったら半分よこせよ」
「それはもちろん」
セコイ奴かと思うかもしれんが、俺の小遣いだって限られたものなのである。
そういう意味じゃ、今回のハルヒの要求には助けられた。時間なら余ってる。
「お金に困っているのでしたら、この間も言いましたが」
「却下だ」
古泉提供の怪しいバイトなんざやってられるか。内容が真っ当でも却下だ。
肩をすくめる古泉を横目に、かばんを持ったハルヒが寄ってきた。
「じゃあキョン、いっしょに帰りましょ」
「ああ、そうだな」
って、
「なんでだよ!」
427名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:21:57 ID:vUn+7szB

「なんでって、ほっとくとあんた古泉くんにお返しの内容訊くでしょ」
「そうまでして隠さなきゃいけないものなのか?」
とてもそうは思えなかったが、ハルヒにとっては違うらしい。
「そうよ。だから学校にいる間は、あたしがあんたを監視するから」
なんのためのお返しなのか、わからなくなってくるぜ。
「もちろん、携帯もね。古泉くん、キョンからメールや電話が来ても無視しなさい。いいわね?」
「わかりました」
古泉の唯々諾々ぶりがうらめしい。
釈然としないまま、朝比奈さんの着替えを待たせるわけにもいかず、部室を出た。

そして、今は坂を下っているところだ。もちろん横にいるのはハルヒである。
すたすたと早足で歩く姿には、二人で帰宅してる情緒もへったくれもないな。
「なあ」
「なによ」
そんなつっけんどんに返事しなくてもいいだろ。
「なんで短冊にあんなこと書いたんだ?」
「あんたがどっちを受け取ったのか知らないから答えない」
たしかにそれはそうだな。俺が受け取ったのは、
「ストップ、あたしにも言わないで。それも楽しみのひとつなんだから」
「そうか」
そう言われると、訊くこともできないな。
黙り込む俺の顔を、ハルヒは何を思ったのかしげしげと見てくる。
「なんだ?」
問う俺に、ハルヒはこっそりいたずらを仕掛けた妹のような笑顔を返した。
「なーんにも」
428名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:22:49 ID:vUn+7szB

家に帰った俺は、妹を適当にあしらい、シャミセンの面倒を押し付け、机に向かった。
この一年間の感想及び来年度への抱負とやらを書くためだ。
備品のノートパソコンもしばらく借りることにして持ってきた。さて、どこから始めるか。
そうだな、やっぱ始めるならあの日からだろう。俺は指をキーボードの上に滑らせた。


 正直な話、最初にハルヒの自己紹介を聞いたときは、高校生にもなって夢見る少女か、
などと、俺は思った。現実と折り合いをつけて妥協していくのは、中学で習うことだと
俺は思ってたからな。だが、連休明けからのお前の行動力には、舌を巻くしかなかった。
文芸部室ごと長門を引き入れ、朝比奈さんをとっ捕まえ、転校生の古泉も仲間に入れて
一気にSOS団を立ち上げたんだからな。バニーガールでビラを配って目をつけられたり
コンピ研から、犯罪すれすれの行為でパソコンを奪ったのは、やりすぎだと思ったが。
俺が「無いなら自分で作れ」みたいなことを言ったから、お前はやったのかもしれないが
本当に形にしてしまったことに関しては、まあなんだ、少しだけ、すごいと思ったかな。
 SOS団を立ち上げてからは早かったな。不思議探しに関しては、未だに意味があるのか
よくわからんが、休日に集まってわいわいするってのもこれはこれでいいもんだと思う。
野球やら部長氏行方不明事件やら団を挙げての活動もあったし、夏休みに入ってからは
合宿をやったよな。古泉が気を利かせて面白い出し物をしてくれたが、たとえなくても
俺は一生あの合宿を忘れないぞ。滅多に無い経験をさせてもらったと自慢し続けてやる。
夏休みも過ぎるのは早かったが、遊び倒して、百年分ぐらいの夏休みを過ごした気分だ。
最後の日の勉強会も、今振り返ると、いい思い出だ。
 秋に入ってからも相変わらず突っ走られて、俺は少々息切れを感じていたかもしれん。
ウェイトレスやバニーガール姿を披露させられた朝比奈さんは、少し可哀想だと思ったし
その朝比奈さんや長門を備品扱いしたことに関しては、知ってのとおり怒ったりもした。
それでも楽しくなかったわけじゃないぞ。楽しかったからこそ、言いたくもなったんだ。
それがクリスマス前に出たのかな。楽しさのあまり、油断を欠いてしまっていたらしい。
あのときは、本当に迷惑をかけた、すまん。
429名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:23:40 ID:vUn+7szB

全てを書けないってのは、もどかしい上にひやひやするな。
果たしてこれでいいのか、さっぱりわからんのもなんとも言えん。
まあ今日はこれくらいにして、また明日書くか。
妹が晩御飯を知らせてきたのを機に、ディスプレイを閉めた。

「おはよ」
次の日、坂下で寒そうに足踏みして俺を待っていたのは、
「遅いじゃない、あんたいっつもこんな時間に通ってんの?」
ハルヒだった。ええと、登校のときから監視なのか?
「そうよ。じゃないと何かの拍子に古泉くんと会うかもしれないじゃない」
「そうかい」
もう呆れ声しか出すしかないだろ。
そのまま俺はハルヒと並んで、登校した。谷口や国木田に会わないことを願いつつ。

幸い、俺の願いは叶えられた。
教室に入ると、国木田と谷口が雑談していたのだ。
「おっす」
谷口が俺に声をかけてくる。
ハルヒはそのまま俺の横をすり抜けると、自分の席に腰掛け、外を見だした。
「うっす」
並んで教室に入るぐらいはこれまでにも無くはなかったから、怪しまれずに済んだようだな。
「おっはよ、キョン」
国木田の声も届く中、俺は談笑の輪に加わるべく、歩みを進めた。
たまには、普通の男子高校生らしいこともしたいじゃないか、なあ?
430名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:24:34 ID:vUn+7szB

しかし俺の普通の男子高校生生活は、あっさり瓦解を迎えてしまった。
昼休み、いつものように谷口や国木田を席を囲んだ俺だったが、なぜか机は四つあった。
四つ目の机の上に弁当を広げおいしくなさそうに食べてるのは、
「なに?」
ハルヒだった。今日は弁当なのか。
「ええ、作ってきたわよ。普段は面倒だし、しないんだけど」
そう答え、プチトマトを口に放り込む。
「なんで急に涼宮が俺たちとメシ食うことになってんだ?」
谷口の疑問ももっともだと思うね。そりゃ、誰だって知りたいだろう。
ハルヒ、お前が責任もって答えろ。
「ちょっとワケあってキョンを監視しないといけないのよ、今週一杯」
「監視?」
とこれは国木田。それでわかるわけないよな。
しかし世の中には邪推をする人間というものが存在した。
谷口がニヤニヤしながら、訳知り顔で言ってきやがったのだ。
「へっ、なるほどな。キョン、ニクイねえ」
「何がだ」
「またまた。照れる必要なんかないぜ、色男」
こいつは絶対勘違いしているに違いない。
国木田も何、納得気にうなずいてんだよ。
「僕らは席をはずしたほうがいいかな?」
「そんなことせんでいい。こいつは置物かなんかだと思っとけ」
ありがた迷惑だ。昨日の谷口じゃないが、なんだかむしゃくしゃしてきたぜ。
俺は自分の弁当にやり場の無い怒りをぶつけることにした。
431名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:25:35 ID:vUn+7szB

冷やかされ続けた昼休みが終わり、放課後だ。明日もまたこうだと思うと嫌になるぞ。
朝比奈さんの顔を早く拝まないと、俺は爆発してしまうかもしれなかった。
だから、部室のドアをノックし笑顔で迎えられたときに感じた感覚は
オアシスをついに見つけた行き倒れ寸前の旅人のようなものに近かったはずだ。
愛らしい容姿と淹れてくれたお茶は、俺をなごませるのに十分以上だったしな。

そして今日も長門の締めで解散、下校の運びとなった。
古泉とクロスワードを解いてる最中に、聞き出す機会はいくらでもあった気がするんだが
ハルヒがいると思うと、できなかった。というより、別に聞き出す必要もないだろ、もう。
「ねえ」
この横にいるハルヒの機嫌を損ねてまですることじゃない。
「結局有希とは、なんだったの?」
「かっ、げほっ、ごほっ、な、なんだよいきなり!」
心構えする時間くらいくれ。思いっきりむせてしまったじゃねえか。
挙動不審になってしまった俺に、ハルヒはさらに突っ込んできた。
「眼鏡ないほうが可愛いって言われたって言ってたけど、あれって遠まわしな告白じゃないの?」
「そんな意図で俺は言ってねえ。単に俺の好みがそうだっただけだ」
ポニーテールとかな、と心の中で付け加える。
「ふうん。じゃあ、なんで放課後にわざわざ教室で会ってたの?」
相談ネタは雪山で使ってしまった。白昼夢扱いになっている出来事だが、ハルヒは覚えていた。
あれをもう一度持ち出すのは、嘘ですと言ってるようなもんだろう。
真実を言うわけにはいかない。となると、これしかないか。俺はハルヒを信頼して告げた。
「悪いが言うことはできん。だが何かあったわけじゃないのは、団長のお前ならわかるだろ?」
雪山では俺や長門の態度が不審だったから、問い詰められたんだ。
あの時は、そんなことはなかったはず。頼むぜ、ハルヒ。
ハルヒはさすがに訝しげな顔をしたが、それで済んだ。笑顔を作って、答えてくれた。
「そうね、たしかにそうだわ。訊かないであげる」
432名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:26:49 ID:vUn+7szB

ハルヒとは駅前で別れ、しばらくして俺は家に着いた。
今日はパソコンを起動する前にしなきゃならんことがあるため、そそくさと服を着替えて外に出る。

一時間半後に帰ってきたとき、俺はラッピングされた袋を三つ手に提げていた。
中身は、わかるだろ。三毛猫のぬいぐるみだ。ホワイトデーはもうあさってだからな。
明日買いに行ったのでは、万が一品切れになっていたりするかもしれなかったから、念のためだ。
よし、これであとは、ハルヒの分だけになった。晩御飯を済ませてから、続きに取り掛かった。


 退院してすぐ、鍋パをしたよな。トナカイギャグは、我ながらつまらんかったと思う。
鶴屋さんが大笑いしてくれなかったらどうなっていたことか。いくら感謝しても足りん。
鍋パの後、長門の家でやった二次会も楽しかった。クリスマスを有意義に過ごせたのは
いつ以来だろうな。まだサンタクロース氏を信じていた、ガキの頃まで遡るかもしれん。
俺の友達がいきなり長門に告白しやがったこともあったな。あの時は勘違いさせてすまん。
その次は、年末の冬合宿か。妹が紛れ込みやがったのには兄として謝らなきゃいかんな。
雪山で白昼夢を見たのには大笑いだったが、遭難せずに無事降りてこれてほっとしたぜ。
古泉の余興はみんなで楽しめたし、多丸さん兄弟や新川さん森さんもいい味出してたよな。
映画撮影のときから仲間になったシャミセンも一役買ってくれた。俺には解けんかったが。
夏の合宿とはまた別に、いつまでも記憶に残る出来事だったと思う。
 新年は初詣にあちこち行きまくったほかは、スロースタートだったな。だが、ああいう
日々も大切なんだと思うぞ。朝比奈さんはお茶を淹れ、長門は読書。古泉とはゲームをし
お前は団長席にふんぞり返る。俺は、そういうときがいちばんSOS団の団員だってことを
自覚するね。ありふれた日があって初めて、イベントが楽しくなるんだ。そうだろう?
バレンタインはそういう意味じゃまさにサプライズなイベントだった。盛り上げるために
色々考えてくれたよな。朝比奈さんや長門も徹夜してくれて、俺は団結を強く意識したぜ。
あのとき俺が言った「SOS団を頼んだぜ」って言葉を実行してくれたのはすぐ後だったな。
俺の小説の出来は割愛するとして、長門のため、SOS団のために、生徒会長に立ち向かう
お前は、まあその、立派だったぜ。
 この一年、俺にとってはまったく悔いの残らない日々だった。いや、成績は除くがな。
高校に入学したときは、まさかこんな面白い一年になるとは、想像もできなかったぜ。
月並みで悪いが、SOS団があったことを、今は感謝してる。ありがとよ、ハルヒ。
433名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:27:37 ID:vUn+7szB

これを俺が書いたのか。
やべえ。読み返すと、異様に恥ずかしいことを書いてる気がする。
だが推敲してる時間はあまりないな。よく考えたら、明日ノートパソコンを持って行って
プリントアウトしなけりゃならん。急いで抱負のほうに取り掛からねば。
今日は徹夜になるのを覚悟で、俺はキーボードを叩き始めた。

「ふわーあ」
徹夜にはならずに済んだが、それでもいつもの半分も寝てない。
あくびをかみ殺しながら登校するのも、見逃してもらいたいね。
「なに寝ぼけたこと言ってんのよ」
俺の頭を軽くはたきながら呆れ声を出してきたのは、ハルヒだった。
「朝からテンション高いな、お前」
「あんたが低すぎるだけでしょ」
返す言葉も無い。そのとおりだからだ。
ハルヒはしきりに目をしばたたかせる俺を見ていたが、声を投げかけてきた。
「で、そろそろ用意できた? 明日よ、ホワイトデー」
「ああ、まだちょっとやらないといけないことがあるが、大体できた」
「ふうん」
なにげない様を装っているが、どこか期待してる雰囲気を感じた気がした。
あまり期待されても、それに応えられるかわからんぞ。
俺の視線をどう受け取ったのか、ハルヒは目線を横にずらすと、
「ま、せいぜいがんばんなさい」
ぽつりとつぶやいた。
それは激励と受け取っておくぜ。
434名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:28:24 ID:vUn+7szB

昼休み、谷口のからかいや国木田の好奇の視線の中、俺はさっさか弁当を片付けた。
かばんを抱えて席を立った俺を、ハルヒが問いただす。
「むぐ、どこ行くの?」
口に物を詰めたまましゃべるんじゃありません。
「部室」
そう答えて立ったまま待つ。ハルヒもついて来るだろうと思って。
しかしハルヒは手をひらひらさせただけで、再び弁当に集中しだした。
「ついて来ないのか?」
わざわざ朝から監視してるのに、ここでついて来なかったら片手落ちじゃないか。
「部室なら平気よ、有希がいるはずだもん」
卵焼きをつっつきながら、ハルヒが答えた。
「それにね、古泉くんのほうにも、実は監視役を置いてるのよね」
「誰をだ?」
「みくるちゃん」
今は鶴屋さんと三人で食事中じゃないかしら、とハルヒは付け加えた。
古泉の野郎、そんなこと一言も言ってなかったぞ。
朝比奈さんと登下校したり、会話を弾ませながら昼食を進ませている図を想像し
またその姿がやけに似合っているようにも思え、無性に腹が立ってきた。
さっさと部室に向かおう。それが一番だ。俺は教室を出た。

ハルヒが言ったとおり、部室では長門が静かに読書をしていた。
「よう」
俺の軽いあいさつに目礼をすると、また視線は本の上に戻った。
さて、プリントアウトしなけりゃな。俺はノートパソコンを取り出し、起動させた。
435名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:29:31 ID:vUn+7szB

ディスプレイの上に表示される文字列を、もう一度読み返す。
推敲はもちろん、下手なことを書いてないか、確認するためだ。
よし、特に問題はなさそうだな。印刷の指示を送り、プリンターが紙を吐き出し始める。
手持ち無沙汰になった俺は、長門を眺める。黙々と本を読んでいる姿は、絵になるな。
ああ、そうだ。事の顛末を報告しておいたほうがいいか。

「なあ、長門」
呼びかけると、視線を上向けてきた。目線で続きを促してくる。
俺は昨日のハルヒとのやり取りを、身振り手振りを交えながら述べた。

「……と、いうわけでハルヒは納得してくれたみたいだが、これで良かったか?」
相づちぐらい打ってくれればもっと話しやすかったんだが、仕方ないか。
「いい、と思う」
長門は短くそう答え、さらに俺を見据えてきた。
なんだ? まだ何か俺は言わなきゃいけないのか?
続く言葉を探しあぐねていると、長門の表情が固まってきたように思えた。
慌てて俺は付け加える。
「ええと、これで全て言ったんだが、まだ何かあるか?」
「なにも」
そう言いながらも、俺をじっと見てくる。
「長門?」
「なに」
「いや……」
どうしろというのだ、この状況を。
触れたら切り刻まれそうな視線を受けながら、俺は冬なのに汗を背中に感じた。
436名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:30:39 ID:vUn+7szB

長門の氷のような視線に最後まで答えられなかった俺は、チャイムの音に助けられ
プリンターから原稿を取ると、部室を後にした。なんだかわからんがすまん、長門。
教室に帰ったら帰ったで、ハルヒの視線に晒されるし、踏んだり蹴ったりだぜ。
だが、教室には俺以上にぼろぼろの奴がいた。谷口だ。
物理的にぼろぼろになっているところを見ると、谷口の奴、俺をからかうようなノリで
ハルヒに声をかけたに違いない。いくらハルヒが優しい面を見せたからといって
調子に乗ると、そうなることぐらいわかるだろうが。
国木田と視線が合うと、俺の考えを補強するかのように、国木田は肩をすくめて見せた。

「ごめんなさい、涼宮さんから口止めされてたんです」
湯のみを置きながら、朝比奈さんが舌を少し出した。
「いや、いいんですよ。朝比奈さんに含むところなどあるわけがありません」
お茶を口に含み、俺にできる限り最高の笑顔を返す。
ハルヒは団長席に座りネットをし、長門は昼のことがなかったかのように、静かに本を読んでいる。
今日もSOS団は平和だった、少なくともうわべは。
「それは、僕に含むところはある、と解釈していいのでしょうか」
「当たり前だ」
古泉には冷たい視線を返す。古泉は両手を上向け、肩をすくめた後で、
「たしかに朝比奈さんと登下校をするのは、幸せなひとときでしたね」
と流し目を朝比奈さんに送りやがった。朝比奈さんも顔を赤く染めてうつむかないでください。
なぜこの僥倖に俺はありつけなかったのだ。世の中の不平等を嘆くぞ。
「心外ですね。あなたも涼宮さんと登下校なさったではないですか」
「だからなんだってんだ。心休まるときがなかったぞ」
まあ、ちょっとはあったかもしれんが、朝比奈さんとは比べようにもならん。
437名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:31:38 ID:vUn+7szB

「キョン、あんた、あたしと登下校するのに文句あんの?」
部室での会話をしっかり聞いていたハルヒは、下校中に蒸し返してきた。
噛み付いてくるなよ、ハルヒ。大体、これは監視目的なんだろ?
「む……ま、それはそうなんだけど」
不承不承うなずくハルヒ。
「そもそもだな、朝比奈さんとならなんの気兼ねも無く雑談できるが」
と、俺は諭すように言葉を連ねる。
「お前とだとどうしても話題がそっちに行っちまうだろ」
「そうね。あたしもやっぱり気になるし」
「えらく素直だな」
「なによ、悪い?」
「いーや」
そうしてるお前のほうが、俺はいいね。
「バカ」
ハルヒは怒った顔を作った。もっとも本気じゃないのは、とっくに学習済みさ。
こんな会話が続くのなら、ハルヒと登下校するのもいいかもな。

そうして家に着いた俺を玄関で迎えたのは、妹だ。なんだよ、その物欲しそうな顔は。
「キョンくん、明日なんの日かわかってるー?」
あのな、催促してくるのはハルヒだけで十分だ。
「あまり急かすと、やらんぞ、お前には」
俺の言葉が効いたか、妹は両手で口をふさぐとコクコク首を縦に振った。
「わかればよろしい」
ったく、誰だ妹にホワイトデーまで教えやがった奴は。
こっちは明日のことで精一杯だってのによ。
438名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:32:34 ID:vUn+7szB

朝食後にぬいぐるみを妹に渡したら、何もそこまで喜ばなくても、と思うぐらい喜ばれた。
早速シャミセンと引き合わせてお見合いさせる妹に、ぬいぐるみがボロボロになるから
やめとけ、と忠告しつつ、俺は内心まんざらでもなかったね。
SOS団の三人も、喜んでくれたらいいんだが。

「罰金だな、わかった」
口を開きかけたハルヒの機先を制して俺は言った。口を開けたまま固まるハルヒ。
「遅れてすみません。さて、喫茶店に入りましょう」
朝比奈さんに声をかけてから、長門や古泉にも視線を送り、そのまま移動しだす。
振り返った俺の背中に、怒鳴り声が聞こえてきた。
「こらー! 団長のあたしを置いていくなー!」

「それじゃ、早速例のものを出してもらいましょうか」
俺のおごりである飲み物が出揃うや否や、ハルヒが宣告した。
それに唯々諾々と従う気は俺には無い。
「朝比奈さん、こないだはどうもありがとうございました。つまらないものですが」
と、朝比奈さんにぬいぐるみの入った袋を手渡した。
子犬のような目を返されたので、どうぞ開けてくださいと手を上向けて差し出す。
袋を開けた朝比奈さんは、中身を見て笑顔をもらす。
「わあ、かわいい猫さん。あ、これもしかしてキョンくんのおうちの?」
「ええ、シャミセンです。かわいがってやってください」
「ありがとうキョンくん。大切にしますね」
妹みたいにはしゃがないが、それだけに感謝の意がやわらかに伝わってくる気がするね。
用意した甲斐があったというもんだ。
439名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:33:30 ID:vUn+7szB

ハルヒの方向は見ないことにして、次は長門に袋を渡す。
「長門、お前もありがとな。長門もこいつをかわいがやってくれ」
袋を受け取った長門は口を開け、中身を確認すると、俺をじっと見てこくりと了承の意を示した。
意思表示は相変わらず少ないが、俺の目には穏やかな顔をしているように見えたね。
長門、この一年色々あったが、二年生になってからも、楽しい毎日を共に過ごそうぜ。

さて、いい加減、正面に座っている人物と顔を合わせなければならないようだ。
古泉も苦笑してるしな。お前はさっさと渡せばいいのに、なに傍観してんだよ。
「ハルヒ」
団長さんは怒っているのか寂しがっているのか、はたまた拗ねてらっしゃるのか、
「なによ」
ぶっきらぼうに答えた。その面に封筒を差し出す。
「ほらよ」
こっちもぶっきらぼうなのは、つられちまったからだな。そうに違いない。
古泉もハルヒが俺のを受け取ったあとに、同じく封筒を差し出した。
「涼宮さん、これでご期待に添えるかどうか甚だ自信に欠けますが、どうぞ」
「ありがと、古泉くん」
おい俺には感謝の言葉は無しかよ。というか、古泉も文書だったのか。
「そうよ。だからお互い教え合わないようにしたんでしょ」
辻褄の合っているような合っていないようなことを言って、古泉のほうの封を切る。
そのまま、文章を黙読し始めた。

ハルヒが読み終えるのを待つ間に、古泉は朝比奈さんと長門にプレゼントを渡した。
朝比奈さんには、急須とお茶の葉を、長門には、えらく古そうな分厚い本をだ。
数倍以上俺のぬいぐるみと値段に格差があるような気はしたが、考えないことにしておく。
440名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:34:22 ID:vUn+7szB

古泉の文を読み終わったハルヒはかばんにしまい、次いで俺のほうに取り掛かった。
急須をためつすがめつ見ていた朝比奈さんや、早速ぺらぺらと本の中身を吟味する
長門を視界にとらえながら、ちらちらとハルヒの表情を伺っていた限りでは
古泉の文章に何か反応したようには見えなかった。
うーむ、何が書いてあったのか気にならないと言えば嘘になるなあ。

ハルヒは俺のも読み終えると、同様にかばんの中へしまった。
「それじゃ不思議探しを始めましょ」
まあないだろうとは薄々思っていたが、感想なしだとちょっとヘコむな。
ハルヒは例によって爪楊枝を五本取り出し、手で先端を隠し、差し出してきた。
正面の俺から引くのかと思ってたら、古泉に向けた。
古泉が引き、朝比奈さん、長門と引いていく。ん?
「全員無印ですね」
古泉が言ったように、爪楊枝に印はついてなかった。
「あたしとキョンか。ま、いいわ」
あっさりと述べると、古泉のほうをハルヒは向いた。
「古泉くん、みくるちゃんと有希は荷物を抱えてるから、近くをエスコートしてあげて」
古泉はうなずきを返す。
「わかりました。なんなら僕がお持ちしてもよろしいのですが」
「受け取ったものを、くれた人に持ってもらうのも興ざめでしょ」
まさかハルヒがマナーを説くとはな。そこまで気が回る人間だったのか、お前は。
「うるさいわね。どうしても重ければロッカーを利用してちょうだい。経費は部費から出すわ」
そしてハーブティを一気飲みすると、笑顔で言った。
「よし、開始! お昼に再集合ね!」
めいめい席を立ち、俺は伝票を取り上げた。
441名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:35:32 ID:vUn+7szB

「さて、あたしたちは身が軽いんだから、どんどん行くわよ!」
有言実行とはまさにこのこととばかりにずんずん歩を進めるハルヒ。
「おい、早すぎだ」
ジョギングに近いぞ、その速度は。
しかしハルヒは俺を無視し、さらに速度を上げだした。
しょうがねえな。俺も足を速めてハルヒの背中を追いかける。
追いつきかけたかと思ったら、ハルヒは走り出した。なんなんだよ。
くそっ、そっちがその気ならこっちだってやってやる。俺は思いっきり駆け出した。

「はあ、はあ、なにが、はあ、したかったん、だよ」
運動神経抜群のハルヒに、ランニングで立ち向かおうってのは甘すぎた。
数分後、俺は河川敷に備え付けられてあるベンチにもたれかかって、荒い息をついていた。
「ふう、なによ、あたしの、勝手でしょ」
同じく息を切らしながらも、ハルヒにはだいぶ余裕がありそうだった。
「だからって、はあ、走り出すこた、ねえだろうが」
「あたしだって、走ろうなんて、思ってなかったわよ」
わけがわからん。とりあえず息を整えることを優先させよう。

しばらくして息は整った。ハルヒは川の水面を眺めている。
「ハルヒ」
俺の問いかけにハルヒはただ川を眺めるだけで応えない。
そう言えば、さっきからずっとハルヒは俺を見やしねえ。
「いい加減にしろ!」
俺は理不尽さのあまり、ハルヒの肩をつかみ、強引に俺の方向へ向かせた。
442名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:36:22 ID:vUn+7szB

「いきなりなによ」
体は俺と向かい合う格好になったが、目線は合わせない。
あからさまなその姿に、俺はピンと来た。
「お前、なんか後ろめたいことがあるんじゃないのか?」
「あるわけないでしょ、そんなこと」
ハルヒは即答したが、目線を合わせない時点で有罪だ。
「いーやあるね。それもついさっきのことだ」
ビクっと肩を震わせたハルヒに、俺は確信を持った。
「お前のことだから、まだ持ってるだろ。出せ」
「なにをよ」
「爪楊枝をだ」
俺の言葉がとどめになったか、ハルヒは、しばらく黙っていたが
ポケットを漁り爪楊枝を出してきた。五本、全部印などついていない。
そんなこったろうと思ったぜ。

「なぜこんなことをしたんだ?」
ハルヒはうつむいたままだ。
まあいい、時間ならまだまだある。長考させてやろうじゃないか。
俺はどっしりとベンチに座り込み、ハルヒが口を開くのを待った。

「……からよ」
十分ぐらい経ちハルヒはその重い口を開いた。
「なんだって?」
問い返した俺に、ハルヒは叫んだ。
「キョンと二人きりになりたかったからよ!」
443名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:37:20 ID:vUn+7szB

「……」
次のだんまりは俺か。
たしかにそれしか理由はないだろうが、ストレートに言ってくるとは思わなかった。
ええと、どうしたらいいんだ? 俺は。
「なんか言いなさいよ」
ハルヒが視線を合わせずに言ってくる。俺も合わせ辛いぞ。
「ホワイトデーだからか?」
「違うわよバカ」
「違うのか」
話が続かん。ハルヒもそう思ったのか、語り始めた。
「……最初の予定では、適当に歩いてから、読んだ感想を発表しようと思ってたのよ」
ああ、あの文章のことか。忘れてた。
「みんなの前で言うのも恥ずかしいから、爪楊枝を操作して、二人きりになって、ね」
「古泉の分の感想は?」
ハルヒは川のせせらぎを眺め、
「古泉くんに最初に引かせたでしょ。午後は逆の順番に引かせようと思ってた」
「なるほど。そうすりゃ、午後は古泉とペアってわけか」
「そう。それで上手くいったところまでは良かったんだけど」
「後ろめたくて走り出したってわけか」
俺のあいづちに、ハルヒはかぶりを振った。
「違うわ。走り出したのはね、キョンと二人っきりってことを意識しちゃったからよ」
「……二人きりなら、昨日だって登下校といっしょだっただろ」
あれだって二人きりであることには違いない。
「昨日だって意識してないことはなかったけど、こんなにじゃなかったわ」
444名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:38:41 ID:vUn+7szB

「文章か?」
「そう」
素直に心のうちを述べ立てるハルヒ。
「あの文章を読んだとき、あたしは本当にうれしかった」
笑顔を作る。
「あたしの想像以上に、キョンがSOS団のことを、こんなに大切に思ってくれてるんだ、って」
川を見ていた顔を動かす。
「SOS団を作ってよかったって心の底から思えたから」
視線を俺に向けた。
「そしてあたしのことも……なーんてね。これはホントだけど嘘」
舌を出す。
「どっちだよ」
「どっちでもいいでしょ! そんなこと」
笑いながら怒鳴りつけてきやがった。
「俺にとっては良くない!」
「あんたね、まだ四月から時間はいくらでもあるのよ。ここで終わらせちゃっていいの?」
「それはどういう……?」
「ふふっ、なーいしょ」
いつものハルヒ節が戻ってきた。
「キョン、大体あんた、抱負に四月からもがんばってSOS団を盛り上げて行こうって書いてあったじゃない」
「たしかに書いたが、抱負は睡魔と闘いながら書いたから、ちょっとテンション高いんだよ」
「そんなことあたしは知らないわよ。平の団員が団長に口答えしないの!」
やれやれ、満面の笑顔が戻ったハルヒに勝てる奴などいないな。
なんにせよ、ハルヒはこうでないとな。
445名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:39:31 ID:vUn+7szB

「さて、どうする?」
まだ時間はけっこう残ってるぞ。
「待って。まだすることあるのよ」
「なんだ?」
問いかける俺に、ハルヒは笑って答えた。
「感想は言ったけど、お礼は言ってなかったでしょ」
「ああ」
ホワイトデーのことか。

「キョン」
俺の名前を呼ぶハルヒ。息を吸って、次の言葉を乗せる。
「わがまま言ったあたしの願いを聞いてくれて、ありがと」
初めての感謝の意だった。
「それとあとひとつだけ」
そう言うと、ハルヒはそのまま俺に抱きついてきた。
腕が背中に回される。
俺を見上げるその顔は、優しい顔をしていた。
そしてハルヒはその言葉を、慈しむような笑みとともに言ってきた。

「一年間おつかれさま、キョン」

(おわり)
446名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:41:42 ID:FNKwpOaT
447名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:42:05 ID:J840lW3D
長いな、ベタだが萌えた。乙
でもって

ドッカン
          ドッカン
                  ☆ゴガギーン
        .______
.        |    |    |
     ∩∩  |     |    |  ∩∩
     | | | |  |    |    |  | | | |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    (  ,,)  |     |    | (・x・ )<おらっ!投下しろや>>7-695!!
   /  つ━━"....ロ|ロ   . | l   |U \___________
 〜(  /   |    |    |⊂_ |〜
   し'∪  └──┴──┘  ∪
448名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:43:48 ID:vUn+7szB
タイトルは『涼宮ハルヒの白日』でいいや
449ジョン・スミス:2006/06/10(土) 23:49:55 ID:zvYsj7ga
朝起きたら女になっていたキョンとハルヒ                
とのレズなどどうでしょうか?
450ジョン・スミス:2006/06/10(土) 23:53:25 ID:zvYsj7ga
同じく女になったキョンと朝比奈さんや、長門との
からみもGOOD!! 
書く人募集!!!!!
451名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 23:53:27 ID:S1HiXn52
>>424-445
大作GJ!
エロはないが純愛としては上出来だ
452名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:04:51 ID:gyvnjQYN
最後の方、ハルヒにしては素直すぎる行動だなと思ったが、
キョン妹のぬいぐるみに対する描写で和ませてもらったよGJ
453名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:09:54 ID:kCe/JI31
消失世界から脱出しようとしたキョンが、無意識に消失長門を連れて帰還しちゃう話とか。
長門「彼女は…私の双子の妹」

情報統合思念体からイレギュラーであるキョンの解析を命じられ、キョンの部屋の押入れに住む話とか。
長門「協力感謝」
454名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:09:56 ID:T6y4tesS
>>424-445
純愛最高だ、あんた神だよ

もっとハルヒ×キョンを投下してくださいorz 
455名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:10:09 ID:E+U3Ax67
>>424-445
続きを待っていて良かったぜ!
456名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:13:11 ID:/VyKrYLc
さすがハルヒだ
すばらしすぎるぜGJ
457名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:18:59 ID:Iwe9chUw
ちとハルヒのデレが過ぎるがGJ。
458名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:21:19 ID:oV+VoAzd
もうエロなしで20レス投下しても文句言われなくなったんだな。
少し前はエロなし長編が投下されると、書き手のモラルがどうとか言ってたのもいたようだったけど。
459名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:24:48 ID:PvpFvLG/
実態はエロも可の総合SSスレだし
460名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:28:46 ID:QuwQhpnv
エロパロ板自体が非エロも許容している板だから、エロじゃなきゃやだやだなんて言い分はナンセンスなのよ。
461名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:30:10 ID:M9O10ozI
>>458
モラルがどうのこうのって輩もいるっちゃあいるがスルーされてるな
個人的にはエロパロスレなんだからエロ投下の方が嬉しい
だけど堂々とSS投稿できるのがここだけってことと書き手のレベルが高いからどうでもよくなってる
でもエロほちぃなぁ……
462210:2006/06/11(日) 00:31:00 ID:ZCXyBK9W
>>415>>420
直リン禁止でTOPからしかいけないんだよ。388のままでよければどうぞ。
>>210に書いたことを読んでから読んでくれるとうれしい。

ttp://ccfa.info/cgi-bin/up/src/up29774.zip
463名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:32:16 ID:PvpFvLG/
ならそこを使わなければいいのに
464名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:39:26 ID:oV+VoAzd
>>459,460
なら良いんだけど。前に消失長門が投下されたとき、エロなしで長編はモラル的にどうかみたいな
レスが幾つかついたからさ。
あれは面白いSSだと思ったんだけど、やっぱりエロないのは不味いのかなと、思って、
当時、書いてたエロなしハルヒ一人称SSの投下をやめたことがあったから。
ま、エロなしでも許容されるようになることは嬉しいことだけど。
46511-374:2006/06/11(日) 00:39:30 ID:XfXPWt4L
>>424
ハルヒのデレは県内一だな、GJ!!

さて、『長門週間』貼らせていただきます。
空気も読まずにエロ無しでごめんね。
46611-374:2006/06/11(日) 00:41:03 ID:XfXPWt4L
 長門に視姦されながら着替えるというプレイの後、俺はそいつと一緒に一階へ降りた。
 台所のテーブルには、いつもの数+1の食器が置かれている。俺がいつもの席に腰を下ろすと、長門もそれに続いた……俺の隣に。
 母親が古泉ばりのニヤケ面をしていたのを無視し、朝飯を食べる。味噌汁にご飯、目玉焼きや焼き魚云々に、昨日の夕飯の余り物といういつも通りの食事だ。
 ちなみに、ここでも長門は見事な食いっぷりを見せてくれた。居候としてはどうかと思うのだが、メシを作った母親が大喜びで長門の茶碗に飯を盛り、おかずを薦めているのだからよしとしておこう。
 その余裕が一週間持つように期待する。
 母親から弁当を受け取り、玄関を出た直後、俺はあることに気がついた。
 いくらなんでも、ふたり揃って登校するのは不味いだろう。普段の登下校の経路が違うとかいう以前に、なにせ相手は谷口ランクAマイナー、隠れファン多数の長門有希。
 まず、いつもの坂道でその谷口辺りに目をつけられ、そのままハルヒの耳に入る気がする。そうなれば無駄に勘のいいあいつのことだ、俺を締め上げて事情を吐かせるだろう。
 いや、俺としては別に事情話したっていいと思うんだ。長門が困ってるから助けてやってくれと言えば、あいつは全力で長門を助けてくれるに決まっているからな。
 だけど、な。この隣の宇宙人が、そういうこと考えている俺を責めるように見つめるもんだから、そうもいかないんだこれが。
 とりあえず俺は歩きながら、ふたり揃って登校することの危険性を説明することにした。表面上は素直に聞きながらも、怨むような視線をぶつけてくるこいつに解説するのは、少々骨が折れたぜ。
 で、俺が一通り説明し終えると、代わりに長門が口を開いた。
「ここから学校へ行くルートは、あなたと大多数の生徒が通る坂道以外にもうひとつある」
 ああ、たしか学校の裏門に続くほうだな。そっちは俺が毎朝通るきつい坂道と違い、ゆったりとした楽な道である。
 だが、その代償に距離がちょっとばかし長いのだ。俺がそっちを登校に使おうとすれば、十分程度早く家を出る、もとい十分程度早起きする必要がある。
 俺みたいな一般高校生にとって、十分の睡眠がどれだけ貴重か、改めて説明する必要も無い。
「わたしはそっちを使って登校する」
「ちょっと待て、けっこう長いぞ? 今から間に合うか?」
「問題無い」
 こいつが問題ないといえば問題無いんだろうが。でもな、一応は女の子のこいつばかりに苦労させるのもアレだよな。
「わたしが登校ルートを変更しても怪しむ者は居ない」
 寂しいことを言うが、事実だろう。実際、俺もこいつの登校姿を見かけたことがない。誰も居ないうちに登校して、部室で本でも読んでるんじゃないだろうか。
 俺がそんなことを考えてる間に、長門は俺の登校コースから外れた脇道へと入って行った。そこからもうひとつのルートやらに行くつもりなのだろう。一瞬、俺もついていってやろうかと思った。
 だが、俺のペースで今から長門ルートを選んでも、確実に遅刻するだろう。長門一人なら、なんとかするだろうが。
 遅刻するだけでもハルヒのセンサーに引っかかりそうな気がするし、俺はいつものルートを選んだほうがいいか。ってか、こんなとこでグズグズしてたら、その短いほうのルートですら遅刻しそうな気がするぞ。
「じゃ、学校でな!!」
 長門の後頭が、かすかに上下したように見えた。ただ歩いているために生まれる頭の上下だったかもしれないが、俺だけにわかる長門の返答だと思うことにした。
46711-374:2006/06/11(日) 00:41:53 ID:XfXPWt4L
 さて、いつものように後ろのハルヒを相手をしながら授業を受ける俺。後ろでなにやら、わけのわからんことを喚くこいつに適当に返事をする、といういつもの流れだ。
 そう、いつも通り。とりあえず、今の所はこいつに感づかれていないと思う。
 寝不足がたたり、夢うつつの状態で授業を受け続けていたが、気がつけばもう昼時だ。ハルヒと言えば、終了のチャイムと同時に教室を飛び出して言った。
 十食限定の期間限定メニューがあるとか言っていたような気もするな。興味が無いわけでもないが、俺は母親の作ってくれた、昨日の夕飯と朝飯の残り物で出来た弁当で充分だ。さて、いつもの見飽きた二人組とでも一緒に………と、待て。
 そういえば、今日はあいつも同じ弁当箱を受け取っていたな。
「悪い、ちょっと先約がある」
 なにやらうるさく騒ぐ男二人を無視し、俺は弁当を持って部室に向かうことにした。
 当然、目的は『文芸部の部室』の正当な主だ。授業時間以外なら、確実にここに居るだろう。そう思いながら、俺は習慣通りにドアをノックした。
「どうぞ」
 ゲッという、文字通りの声が口から漏れた。
 返ってきた返事は、舌っ足らずの朝比奈ボイスでも、声は無くとも伝わる長門三点リーダーでも、依頼を待ちわびるハルヒの声でもない。
 せっかくのメシの前に嫌なもん聞かされたと後悔しつつドアを開ければ、俺を迎えるニヤケ面が。くそ、なんでこいつが居やがる。
「おや、あなたもここで昼食ですか」
 いつもの指定席でパンをかじっている古泉を無視し、横の席に視線を移す。そこには、小柄な影がちょこんと座っていた。
 代名詞である分厚いハードカバーは側に置き、代わりに弁当箱を広げている長門の姿だ。箸を肉じゃがに伸ばした体勢のまま、硝子玉の瞳が俺を見つめている。
 さて、俺も弁当をさっさと食ってしまいたい所だが、余計なのが一人居る。いくらなんでも、構成が全く同じ弁当をふたり並んで食ってれば怪しまれるに決まってる。
 どうやってこいつをココから追い出してやろうか、と考えていると。
「ところで、随分と楽しいことになってるようですね」
 俺の心を見透かしたような口調で、古泉は言いやがった。こいつのニヤケ面を見てると、ひっかけやブラフではないことがわかる。
 表情の分析は長門専門にしておきたいとこだけどな、こいつのニヤケ面の微妙な差異もわかるようになってきたってのは気に入らんな。
「機関の情報網を舐めてもらっては困ります。とは言っても情報戦で長門さんに勝てるわけがないので、彼女が物理的な意味でどこにいるのか、といった把握程度しかできませんけどね」
 それさえも、長門さんが本気になれば見失うでしょうが、と続ける。
「もちろん、涼宮さんには黙っておきます。朝比奈さんは……教えないほうが無難でしょう」
 ああ、隠し事できるような人じゃないからな。朝比奈さんには悪いが、朝比奈さん(大)の指示も納得できる気がする。
「僕があなたにこんなことを言うのは、困ったことがあればいつでも力になります、という意思表示ですよ。安心してください」
 お前相手になにを安心しろっていうんだか。お前のニヤケ面も真剣な面も、俺にとってはでっかい不安要素だ。
「見返りというのもなんですけどね。僕が同じような状況に陥った時は」
「断る」
 孤島の別荘、病院の個室をあっさり用意できる連中がなに言ってやがる。大体、お前のせいで俺は母親に、とんでもねえ勘違いされてんだぞ。
 俺の答えに肩をすくめて苦笑、というポーズを見せると、『ごゆっくり』と言って小泉は消えていった。
46811-374:2006/06/11(日) 00:42:32 ID:XfXPWt4L
 ようやく、弁当にありつけるな。いつもの俺の席に腰を下ろし、弁当箱を開いた。
 っと、今気がついたが、長門の体制は俺が最初に見た、肉じゃがに箸を伸ばした体勢のままだ。俺が古泉と話してる間、ずっと一時停止ボタン押してたらしい。
「あー、さっさと食おうぜ」
 俺の声を再生ボタンとするように、長門の箸が再起動した。俺の弁当箱と同じメニュー、いやちょっとばかし俺よりサービスされてるかな、と思えるそれを、いつものペースでひょいぱく、ひょいぱくとつまんでいく。
 その小さな口と細い体で、よくそこまで食えるもんだ。確かに、作ってる人間からすれば嬉しい食いっぷりかもなと思った。
「悪いな。たいしたもん出せなくて」 
 残り物に面積を多く占められた弁当を眺めているうちに、ついそんなことを言ってしまった。
「でも、あなたはこれを美味しいと感じている」
 先ほどと同じように、今度は卵焼きに箸を伸ばした体勢で停止しつつ、口元だけ動かして俺に答えてくれた。
「まあな。昔から食いなれたもんだからな」
 母親は料理が上手い方だとは思うが、世界一ではない。外食先でもっと美味い物を食った記憶はあるし、俺が食ったことの無い物にだって、母親の料理より美味い物はゴロゴロあるだろう。
 ただ、それを踏まえたうえでも、一番落ち着くのは母親の作ってくれた料理だと思うんだよな。
「………」
 箸を止めた体勢のまま、三点リーダーを発する宇宙人。どうかしたかと俺が聞く前に、長門が口を開いた。
「人類が、摂取物の危険性把握という本来の機能とはかけ離れた意味で味覚を活用しているのは知っている。人種、地域、文化、貧富、性別、それら以外にも個人の思考パターンといった要因のために、要求される味覚の刺激要素が大きく左右されることも」
 どうした、いきなり何を言い出すんだこいつは。
「調査する必要があるかもしれない」
 そう言うと、長門は再び箸を動かし始めた。もう言うべきことは全て言った、とでも言うように。
 どういう意味なのか少し気になったが、俺がまだほとんど弁当に手を付けていないということを思い出した。このままでは昼休みが終わってしまうので、俺も食うことに集中する。
 おかげで、その時は気がつかなかった。
 長門が、何か考え込むような様子で、おかずのひとつひとつをやたらゆっくりと咀嚼していることに。




 その日の放課後、長門は部室に居なかった。
 古泉に尋ねると、『急用があったらしいですよ。ああ、機関からの報告は無いので、非常事態というわけではなさそうです』とのこと。
 それから俺は、朝比奈さんのお茶を飲みながら、古泉とゲームをしつつ、わけのわからんことを喚くハルヒの相手という、いつも通りの放課後を過ごすことになった。
 長門は基本的に本を読んでいるだけなのだから、居なくても俺のやることにたいした変わりは無いのである。
 ただ、そんな奴でも居ないとなると部室が物寂しく感じるのはどうしてだろうね。
 長門の本を閉じる音の代わりに、古泉の一声を合図としてSOS団の活動も終了。俺の耳元で、無計画と言える計画を立てているハルヒをあしらい、俺はさっさと学校を後にした。
 長門が居ないせいで下校のタイミングを逃したのか、家に着いた頃にはけっこうな時間になってやがった。これなら、着替えたら即夕食ってとこだな。
 そういえば、長門はもう帰っているのだろうか。何かあったのか、聞いておくべきだろうな。
「ただいまー」
 と、言いつつドアを開ければ。
「おかえり」 
 と、俺を迎える宇宙人の姿があった。
 ちなみに超クールな無表情はそのまんまだが、格好の方は見慣れた制服ではない。ぶかぶかシャツに裾の余ったジーンズという、長門にしては珍しい格好だ。まあ、長門が制服以外の恰好してるだけでも珍しいだろうがな。
「長門、その服どうした?」
「あなたの母親から貸し与えられた」
 こいつのことだ、どうせ制服以外は持ってきてなかったのだろう。なんか見覚えがあると思えば、俺が中学くらいのときに着てた物だった。母親のステラレネーゼが初めて役に立った瞬間とも言える。
 しかし自分の服を他人、しかも女の子に着られるってーのは、どうにもこうにもむず痒いものがあるな。おい、嫌だったら無理して着なくていいぞ。
「嫌ではない」
 そうか、それならいいんだ。あ、そういえばお前、今日はなんで
「夕食ができている。早く来て」
 俺が何かあったか聞こうとする前に、長門はリビングへと消えていった。
46911-374:2006/06/11(日) 00:43:16 ID:XfXPWt4L
 部屋に鞄を放り投げ、制服をばらまきながら着替える俺。鞄をきちんと決められた場所に置き、制服はしっかりハンガーにかけておくなんざ、古泉のすることだ。
 リビングに下りれば、テーブルには母親と妹、そして長門がすでに座っていた。俺を待っていてくれたのだとしたら、感謝せねばなるまい。
 テーブルの中央に置かれた大皿には、俺の好物の豚の生姜焼きが盛られている。『いただきます』と手を合わせてから、俺はそいつに箸を伸ばした。
 うん、こいつがあればご飯何杯だっていけるぜって味だな。千切りキャベツと一緒に食っても美味いんだこれが。そう思いながら飯をかきこむ俺だったが、隣からの視線に気づいて箸を止めた。 
 隣の席の長門が、豚肉をくわえる俺をジッと見つめていた。そういえば、食欲旺盛なこいつには珍しく、未だ飯に手をつけていないようだ。なにか言いたいことでもあるのだろうか。 
「ねえ、美味しい?」
 そう聞いたのは長門ではなく、俺の向かいの席に座る母親である。なんだその、なんか企んでるような表情は。
「あ、ああ。美味いよ」
 俺の答えを聞いた途端、母親がニヤリと笑った。
「やったわね有希ちゃん!!」 
「……やった」
 ゆるゆると伸ばされた長門の手に、母親がハイタッチ。どういうことだコレは。
「実はね、有希ちゃんに『料理を教えてほしい』って頼まれちゃったのよ。この生姜焼きは、そのテスト結果ってところかしら」
 はあ? 長門が? 俺の母親に料理を? んで、俺の口の中にある生姜焼きは、こいつが作ってくれた物だと?
「とは言っても基本的なことはしっかり出来たから、味付けのコツくらいしか教えることが無かったんだけどね」
 当然だ、ギターの演奏さえ一瞬でマスターできる奴だぞ。意味が間違ってるのは承知で言わせて貰うが、それは役不足ってもんだお母様。
「有希ちゃん、これなら今すぐにでもお嫁さんになれるわよ。ああ、うちの子みたいなだらしないのには、有希ちゃんみたいなしっかりした子がいいと思うんだけど、もらってくれない?」
 おい、いきなり何言いやがるアンタは。ほら、妹が理解も出来てないのにお嫁さんお嫁さんって連呼してるじゃないか。
「それはできない」
 盛り上がる我が家の女共に、釘を刺すかのような冷たい声。ああ、そうだ長門、この舞い上がってる連中をなんとかしてくれ。
「現在の日本の法律では、男子は18歳以上、女子は16歳以上から婚姻が可能とされている。ゆえに、わたしが彼と結婚するには一年と数ヶ月程待機する必要がある」
 抑揚の無い長門ボイスでそう紡いでいったと思えば、最後にトンデモないこといいやがった、この宇宙人。
「既にわたしの方には婚姻を受け入れる準備はある」
 長門、それは単に年齢のことで言ってんだよな。実際のお前はもうすぐ四歳ってとこだろうが、戸籍上の年齢は16歳だから、法律上は結婚できる年齢であるって言いたいだけなんだよな。
 だがな、そんなまわりくどい言い方がうちの家族に通じると思ったら大間違いだ。ほら、母親とそれにつられた妹が万歳三唱し始めたぞ。
「長門、この人達は相手にしなくていいから、さっさと食べなさい」
 長門の小皿に、生姜焼きを二、三枚移し、俺はそう言った。今の母親とまともな会話はできそうにない。さっさと飯食って風呂入って寝るのが一番だ。
「………」
「どうした?」
「なんでもない」
 少しの間、生姜焼きと俺の箸を交互に見つめながら、長門はその小さな口に生姜焼きを放り込んだ。
47011-374:2006/06/11(日) 00:44:14 ID:XfXPWt4L
 さて、ハルヒにも劣らないほどのアッパー状態になってた母親を、適当にあしらいながらの夕食も終え、俺は風呂に入った。
 朝比奈さんも今ごろ風呂かな、きっと可愛い鼻歌を歌いながら、あの魅惑的なボディを洗浄しているんだろうな。
 そんなことを考えていたら長湯もしていないのにのぼせてきちまった。朝比奈さんは俺の清涼剤でもあるが、凍えた精神を温めてくれる保温材でもあったのだな。
 で、風呂から上がって部屋に戻るとだ。

 長門が死んでいた。
 
 いや正確には、俺のベッドの上に、大の字でうつ伏せになっているだけなのだが。顔面を横に向けることなく、正面を向いたまま布団にうずめる恰好だ。呼吸できないだろ、それ。
 あとついでに、シャミセンまでもが長門を真似るように脱力した姿勢で眠っていたが、こいつはいつもこんな感じだ。
 俺の存在に気がついたのか、長門が体勢はそのままで、顔だけ俺の方に向けた。いつも通りの視線、いやなんか少しだけ呆としたような視線で俺の顔を見つめていたが、緩慢な動作で体を起こした。
ベッドから立ち上がると同時に、側で眠っていたシャミセンの首根っこを捕まえ、ひょいとつまみあげる。そのまま、スタスタと俺の側を通り過ぎ、廊下へのドアを開いた。
「えーと、長門」
「猫を探していた。あなたの妹からの要請。たった今目標は確保した」
 なんか、言い訳くさく感じるのは、俺の気のせいか。っていうか、俺のベッドで死んでた説明にはなってないと思うが。
 まあ、そんな説明だけ残して廊下へ消える長門に向かって、俺は風呂が空いたから、妹でも連れて入ってくれ、と伝えた。
「あなたの、残り湯?」
 ああ、親兄弟でもない男の残り湯ってのは、女にとっては嫌なもんかもな。こいつでもそんなこと気にするんだろうか。
「いやなら、入れ直してくれたってかまわんが」
「必要ない。今から入る」
 ドアが閉まり、長門の姿が消える。しばらくして、隣の部屋から妹の声が聞こえた。『お風呂お風呂』って、そんなに楽しいもんかね。
 ふと、先ほどの大の字長門の姿を思い出す。あいつも、色々あって疲れてるのかもしれない。なんか、酔っ払ったような顔してた気がするしな。
「っと、そういえば」
 あいつがなんで、ウチの母親に料理習おうとしたか聞くの忘れてたな。あいつからすれば、学ぶものなんて何もないだろうに。
 いや、実際長門は、俺の母親から生姜焼きの作り方教わったんだよな。『俺の母親の作る生姜焼き』を。
 俺が16年間食べ続けてきた、俺が一番好きな味の生姜焼きを―――――
 って、ちょっと待て。 
 もしかして、これか? あいつが俺の母親から教わりたかったのは調理技術とかじゃなくて。
 『俺が慣れ親しんだ味』だったのか?
 つまり、『俺の好みの味』だったのか?
 それを知りたいがために、わざわざ俺の母親に弟子入りしたってのか?
 おいおい、それじゃまるで、あいつが俺のために
 まさか、な。
 自分の考えが随分とおめでたい方向に言ってるのに気がついた俺は、先ほどの長門のように、顔面を正面に向けたまま、大の字でベッドに横たわってみる。当然口も鼻も布団に埋もれて、苦しいだけだった。
 呼吸もろくに出来ないので、さっさと止める。全く、あいつは何が楽しくてこんなことやってんだかわからんな。


 ただなんとなく、布団から少しだけ長門の匂いが感じられたような気がした。


続く
47111-374:2006/06/11(日) 00:45:54 ID:XfXPWt4L
以上です。
前回指摘された、妹の長門に対する呼称についてですが、アニメの孤島症候群のほうを参考にしてました。
次はエロ入ると思います。
472名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:46:52 ID:H4fuh5XN
職人さんに影響されて小ネタをちょっと書いてみた
エロくない上にgdgdだが、投下してもいいかな
473名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:49:28 ID:8ZFdGoSW
>>471
ものすごいGJを差し上げますお。
しかも次回はエロあり予定。
 
ジェットストリームキタ━ヽ(=゚ω゚)人(*^ー゚)人(´・ω・`)人( ´∀`)人( ;´Д`)人(゚∀゚)人(´-`)丿━!!!
474名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:49:46 ID:PvpFvLG/
>464
たぶんSSが集中投下されたときの話だと思うけど、あの時は「初めてSS書いてみたんですが〜」
みたいなノリでイマイチ空気よめてない人達がわーっとやってきた頃だからじゃないかな。

作品の質とは関係なく叩かれてたと思う。そこらへんは単なる荒しとして心のNGワード指定すればいいんじゃないかな
475名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 00:57:45 ID:aZDze5aW
>>462
悪いが勝手にzip解答してtxt化したのをうpさせて貰った

http://ccfa.info/cgi-bin/up/src/up29776.txt

ものすごく面白くて文が上手いのに読みにくかったから
勿体無いと思って勝手にやった。

あと、文中の”。」”や?のあとの一字空白を勝手に入れさせて頂いた。
あんたがヤメレと怒るのなら消すからそう言ってくれ
476名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:05:03 ID:6PASuucY
>>464ほか
漏れは今新作書こうと勝手に色々構想練ってるところだが
エロ無しでかなり長くなるかもしれないので
その場合は漏れはtxt化してうpさせてもらう
帯域もほとんど消費しないし
477名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:05:09 ID:9OlHRhX/
なんだよなんだよ皆して良い感じのばっかり
むずむずしてねれねーよ!
4785-544:2006/06/11(日) 01:13:21 ID:/yp6gP6H
ちょっと思いついたので投下しまつ。

479― 変化 ― (1/3):2006/06/11(日) 01:14:37 ID:/yp6gP6H

「どーしたのー? 」
 いつの間にか、とても可愛らしい顔が不思議そうに覗き込んでいた。
「えっ? 」
 わたしは、薄紅色のセーラーを着た、髪の一房を結んだ少女の顔と、
自分のてのひらを交互にみながら、われに返った。
「ミヨちゃん。何かへんー 」
「ごめんなさい」
 わたし、吉村美代子はいつものように親友である彼女の家におじゃま
していた。
 今日もゲームをしたり、彼女のお母さんから頂いたお菓子を食べたり、
雑誌を読んだりして、いつもと変わらない事をするつもりだったけれど。

「もしかしてー キョン君の事考えてる? 」
「そんな事…… 」
 彼女の鋭い言葉にどきりとさせられる。声をあげそうになって慌てて
口に手をあてた。
 ちなみに、キョン君というひとは、彼女のお兄さんでもうすぐ高校二年生
になる。
 穏やかな笑顔がとても印象的で、彼女の家に遊びに行った時に、食事を
一緒にしたことも何度かある。一年前には、とても見たかった映画に
付き合ってくれたりもした。
 その時は、わがままなお願いにも関わらず、いろいろと気を遣ってくれて、
とても優しかったことを、今でもはっきりと覚えている。
 気になる? ときかれれば、はいと答えてしまうけれど、残念ながら
彼には親しい女性がたくさんいる。
 しかも、とても綺麗なひとばかりだ。日曜日に駅の近くで笑いながら
話していたあの人たちを見かけたにも関わらず、声をかけそびれてしまった
ことがある。
 たぶん。髪が黒くて、黄色いカチューシャをつけた活発そうな瞳をした
ひとが恋人なんだろう。
 思い出すたびに胸が苦しくなる ――
480― 変化 ― (2/3):2006/06/11(日) 01:15:15 ID:/yp6gP6H
「ミヨちゃん!? 」
「あっ、その…… 」
 よそ事を考えていたことをごまかそうとしたのかどうかは分からない。
ただ、反射的に、わたしは思いもかけないことを口走っていた。
「あのっ、キスとかしたことある? 」
「んーっとね。ないよー 」
 あっけらかんと言う彼女に何故かほっとする。
 わたしたちは、もうすぐ小学6年生になる。クラスの女子の間からは、
そういう思わず顔を赤らめてしまうような話題が、既に出始めている。
 ただ、二人の間で話題にのぼることは、今までは全くなかったのだけど。
「ミヨちゃんはしたいの? 」
 ストレートすぎる質問。
 正直、興味が無いと言えば嘘になる。彼女の小さな唇に触れてみたい。
 でも早すぎるし、普通は男の子とするもの、という『常識』が臆病な
自分をひどくためらわせる。 

「あのねー 女の子どうしはカウントされないんだよ」
「本当? 」
「うんっ 」
 信じたかっただけかもしれない。それでも、未知な事への不安より期待が
上回ったのは確かで、わたしはこくんと頷いた。
481― 変化 ― (3/3):2006/06/11(日) 01:15:51 ID:/yp6gP6H
「じゃあ。いくよー 」
 細い両足を伸ばして床に座っていた少女が、起き上がりながらゆっくりと
迫り、わたしの震える両肩はつかまれる。
 心臓の音は跳ね上がり、頬は赤く染まる。動揺がおさまらないうちに距離が
限りなくゼロに近づき――

 唇が触れ合った。

 置き時計がかちこちと鳴る音がやけに大きく聞こえ、前の道を一台のバイクが
通り過ぎる。
 予想と違って味はほとんどしない。けれど、とっても滑らかで柔らかくて
頭と心の中がひどく乱される。
 緊張に耐えられなくなって、小柄な彼女の背中に手を回してぎゅっと抱きしめる。
「ん…… 」
 吐息が軽く鼻腔にかかり、つぶっていたまぶたを開いてしまう。
「んあっ 」
 視線がまともにぶつかった。急に恥ずかしくなって、つながっていたわたし
たちは再び離れる。
「ぷはっ 」
 彼女は大きく息を吐き出した。そして、呆然としているわたしに向けて無邪気に
微笑みながら、人差し指を唇にあてて片目を閉じる。

「キョン君にはないしょだよー 」

 唇の上には、ひどく鮮やかな感触だけが残っていた。

(了)
482名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:21:27 ID:/N7zZU+Y
>>長門が死んでいた
いいなぁ。コレ。
483名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:23:07 ID:Dki7tp/W
>>475
「第三章」で切れてるけど、続くのか?
484名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:23:49 ID:+uobGrC8
最近良作が多いな
グッジョブ!
485名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:24:54 ID:H4fuh5XN
ここでSS書いたことのない俺が小ネタ投下しますよ
486名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:25:43 ID:H4fuh5XN
小ネタ 古泉一樹子の日常


もはやお馴染みとなってる強制ハイキングコースを抜けていつも通り授業を受ける。
休み時間に谷口が自分の彼女とペットの話をしていたが、同じ話を前にも聞いたことがある。
国木田も気づいているようだ。 まさか谷口よ、その年でボケてきたんじゃないだろうな。 
ハルヒはあからさまに不機嫌オーラを噴出して俺の背中を凝視している。 何があったんだ? 俺に思い当たるフシはない。
こんなよどんだ空気からは、一刻も早く脱出したいね。
こんな空気を取り込んだ俺を浄化してくれるのは、SOS団の2人の天使といってもいい、朝比奈さんと古泉さんだけだ。
急ぐあまりノックもせずにドアを空けて閉まったのは俺が悪い。 しかし、それでも鍵はかけないんだな・・・
「キャーーーーッ」 
ちょうど朝比奈さんと古泉が、メイド服に着替える最中でちょうど服を脱ぎ終わったところだったようだ
すみません、朝比奈さん、古泉さん、覗くつもりはなかったんだ。
急いでドアを閉じ、彼女たちが着替え終わるのを待つことにする
もはやお約束である。 こんなネタを書いた作者を指を刺して笑ってやりたい。
「「もういいですよ〜」」
二人の許可が降りたので部室に入り、椅子に座り二人を見る。
気のせいか何か違和感を覚えるな・・・
何が違うのだろう。 朝比奈さんはいつも通り可愛いし、古泉さんも美人としか言いようがない。
古泉さんは俺がじっと見つめていたのに気づいたのか、いつものスマイルをこっちに向ける。
「どうしました? こっちをじっと見て。」
あなたの体に見とれてましたよ、なんて言えやしない
「キョン君、古泉さんがどうかしましたか?」
朝比奈さんも不思議そうに声をかけてくる。
古泉さんって女性でしたよね。
いまさら分かりきった質問をしてしまう。
当たり前だ、綺麗な顔、細身だが出るところは出てるスタイル、彼女がどうすれば男性に見えるかやってみたいくらいだ。
「何を言ってるんですかキョン君、古泉さんは元々女性ですよ」
「そうですよ、やっぱり何かあったんですか?」
いや、なんでもないんです。少し谷口のボケが移ったようです。
しかし俺も何を言ってんだか。

まぁ、この違和感は気のせいだろうと思う。
そんなことを考えながら、古泉さんの入れたお茶を飲む。
やっぱり古泉さんの入れたお茶はいつもおいしいな。
ここで先ほどの違和感がまたぶり返す。
いったい何なんだこの感覚は。

いつの間にかチェスを用意し始めた古泉さんがいつも長門がいるスペースを見て
「そういえば長門さんはどうされたんでしょうか?」
そういえば長門がいないな、珍しいこともあるもんだ
朝比奈さんも軽く首をかしげて
「そうですね〜、いつもならその位置で本を読んでるはずなんですけどね」
やっぱり二人ともかわい
まで考えたところで重い空気が近づいているのを感じた
俺は確信した。 ハルヒがきた。
ハルヒは自分の椅子にどかっと腰かける。気のせいか三角錐もゆれてるな
「…」
ハルヒがこっちを見ている。
何なんだ?
「なんでもない!」
そういってパソコンに目を向けるが、数分後にはまたこっちを見ている。
その後、俺は帰るまでハルヒに重いオーラを浴びせられてたわけだが、昨日何かあったのだろうか。
よく思い出してみると、昨日の4〜5時の記憶がないんだよな。やはり俺も谷口と同じくボケたか…
ハルヒに聞くわけにもいかないし、古泉さんや朝比奈さんに聞いてもダメな気がする。なぜだろう…
明日あたりにさっきの違和感と一緒に長門に聞いてみるか。


グダグダな上に創造できないので続かない
487名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:33:01 ID:E+U3Ax67
>>471
死んでる長門最高です。
>>486
続けてください。
488名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:34:41 ID:49fd3LfH
女の古泉を想像できない・・・
489名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:35:01 ID:TAvRzde6
>342
ごめん。


ショートショート

「長門、その机の上にあるケースは何だ?」
「クラリネット」
どうして長門がそんなものを持ってきたのかはこの際聞かない。
開けてみると新品の輝きで、値札まで付いている。
「やっほー! みんな寒いけど元気? あら、それってクラリネットじゃない。
へぇ、有希が持ってきたの? ちょっと吹かせてね。
んーっ。んーっ。んんーっ! ・・・・・・もう! これ壊れてるんじゃない? 
有希、買い物する時はもっと慎重に選ばなきゃ駄目よ。
店の人間なんて結局金以外どうでもいいんだから。さっさと返品しちゃいなさい。
っと、こんなことしてる場合じゃないわ。あたし、先帰るから」
それはいいが、せめて吹いた後は口の所を拭いてくれ。長門が困る。
「ヒマなキョンがやってあげなさいよ。年の瀬のあたしは忙しいの。じゃあね」
頼むからもう少し優しく扉を閉めてくれ。この時期だ、壊れたら困る。
嵐が去った後、クラリネットにこびり付いた唾をティッシュで拭いてやっていると、
「・・・・・・パ」
パ? パって何だ?
「・・・・・・」

帰宅後、古泉から電話がかかってきた。
『なぜクラリネットから全く音が出なかったのかわかりました。それは・・・・・・』
説明しようとした刹那、横でシャミセンと遊んでいた妹の脳天気な歌声が聞こえた。
「お〜ぱっきゃらま〜ど〜 ぱっきゃらま〜ど〜 ぱおぱおぱんぱんぱん♪」
ああ、そういうことか。
『そういうことです。涼宮さんにとってクラリネットとはそういうもののようですね』

それは分ったが長門よ、結局お前は一体何がしたかったんだ?
490名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:46:36 ID:/vQ9ALI4
長門さん、マジで何がしたかったんだ?w
しかしこう言う短いのもなんか良いね
491名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:59:17 ID:0MzxDsGD
>>486
うはぁ女性化古泉テラ萌え
国木田も古泉も女にしたらなんでこんなに萌えるんだ

ここでハイテンションゆっき〜が登場すると更に萌えるなぁ
492名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:04:42 ID:pScq0XhC
>>490
パ・カマラッド。仲間と共に、てなことを言いたかった、のかね。
493名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:09:18 ID:E+U3Ax67
>>492
深いな
494名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:29:19 ID:nM2FCKBz
>>492
何語だ?南ヨーロッパ系な感じがする。




尻小説はまだですか…。
495名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:34:31 ID:nM2FCKBz
すまんアゲちまった。
罰として飯食ってもう寝る。
496名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:40:24 ID:pScq0XhC
>>494
長門、何語かって訊かれたぞ。俺にはさっぱり解らんのだが。
問題ない。たしか、仏蘭西語。そう答えて。検索すればすぐ解るから。
497名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:51:56 ID:R0dK4OJX
>>494
あんまり尻ばっかり言うと職人さんのモチベーション下がっちまうぞw
498名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:57:40 ID:vjAm86Xu
非エロな上に長いのだが投下してもいいだろうか?非エロばかりが続くとまずいかな?
メインは多分長門。ありがちだが卒業ネタ
499名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 02:58:20 ID:eDoZTZwr
カモーン
ばっちこーい
5006-101:2006/06/11(日) 03:04:23 ID:vjAm86Xu
【卒業式の後で】



 ハイキングコースにしては手軽でないし、頑張りすぎなような気がしんでもない、お馴染、通学路の坂道。
 普段はただただ憎らしい存在なのだが、道の両側を桜に抱かれるこの季節だけは、まあ綺麗だと認めてやってもいい。
 春風に踊らされて飛んできては、髪に張り付く花びらを払いつつ、俺は空を見上げた。
 コバルトブルーの絵の具を塗りたぐったような空。冬の時ほど澄んではいないが、見ているだけで気分が晴れるような空だ。
 春はもうとっくに来ているんだな。我ながら、少しセンチな気分になる。
 ガラでもない。分かってるさ。でも人間なんてのはその場その場で違った自分を発見するもんさ。
 俺はブレザーの襟を直し、ネクタイをしっかり締めた。今日くらいはきっちりしてやらないとな。
 いつもだらしのない谷口だって、就活の面接の時くらいの身だしなみはしてると思うぜ。
 今日くらいはな。

 今日も相変わらず暑い。陽気な天気、というよりは太陽は陽気を通り越して馬鹿になってしまったのでは、と疑いたくもなる暑さだ。
 少しは俺たちの気持ちを察してくれてもいいだろうに、と太陽を蹴り飛ばしてやりたくなる実現不可能な願望に駈られつつ、そんな自分をせせら笑いつつ、俺は歩を進めた。
 この理不尽な坂も流石に三年間も上れば慣れっこである。体育会系の部活をやってもいないのに相当鍛えられたはずだ。ただし足腰だけな。

 坂を上るにつれ、やがて見慣れた、というよりも見飽きた校舎が見えてくる。 だが今日は若干いつもと違って見える。気のせいじゃないさ。

 校門の横に立掛けられた見慣れぬ看板……
 目を凝らしてみるといい。ここからだとまだよく見えないが、それにはこう書いてあるはずさ。





【第五十六回 県立北高等学校 卒業証書授与式】



5016-101:2006/06/11(日) 03:05:16 ID:vjAm86Xu
 教室に入るとやはりというか、いつもと雰囲気が違っていた。
 黒板には赤や黄色のチョークで落書きやメッセージが思い思いに書かれ、あちこちで連絡先かなんかのメモを交換をしている奴もいる。
 まあ今は携帯電話があるから寄せ書きが大半だろうな。
 卒業式を控えた教室の、ありふれた一コマ。まあ俺には無縁さ。各自別れをしのぶがいい。
 そんな卒業式の雰囲気ぶち壊しな思いを抱きつつ、俺は真っ直ぐに窓際の最後尾の席へと向かう。

 と、間違えた。
 窓際の後ろから二番目の机に鞄を置き、椅子を引きずり出して座った。
 三年になって何度か席替えをしたが、俺はこの席から動いたことはないし、俺の後ろには結局誰も座ることはなかったな。

 ……なんだ?
 ここで俺は妙な感覚を覚える。胸に発生する奇妙なモヤモヤ。だが俺はそれが何なのか分からない。
 何か、ものすごく大事なことを忘れているような気がする…
 だが消し忘れたタバコの煙のようなモヤの正体が何かを考えるより早く、担任岡部が今にも泣きそうな無理矢理スマイルで教室に入ってきた。


 …まだ泣いている生徒もいないのに気が早すぎないか?


5026-101:2006/06/11(日) 03:06:26 ID:vjAm86Xu
 無駄に広い体育館で行われる、テンプレートでダルダルの卒業式。
 たとえポンポン鳴らして遊ぶだけでしかない筒にくるまれた安っぽいただの紙だとしても、
 これを渡してくれたのが結局名前を覚えることのなく、卒業したら存在すら忘れかねないようなヅラ校長だとしても、卒業証書というものはやはり一生の宝物だろうね。
 こうして握り締めていると、卒業おめでとう、と語りかけてくるような気さえするよ。

 とにかく、俺は満足していたんだろう。賭けてもいいぜ。だったらこんな気分になるはずないからな。
 普通の高校生活。谷口や国木田といった気の合う連れがいて、たまに何でもないことで馬鹿みたいに騒いだり。
 ああ、俺はそれなりに青春を謳歌したと胸を張れるだろう。
 さっきから壇上にいるヅラ校長の無駄話が長すぎるような気もするが、今の俺は許してやれる気分だ。あと三十秒くらいならな。


 さて、最後は「蛍の光」を生徒全員で歌って終わりか。まあ王道とも言えるチョイスだろう。
 俺の中学では「丘の桜」だった気がするが谷口はなんと言ってたかな。
 たしか奴は東中で……
 うっ。また、この感覚。なんだこれは。デジャヴというやつか?
 東中。谷口の母校。谷口?んん?東中出身は谷口だけだったか?
 分からん。だが何かが喉まで出かかっているような気がする。だが追えば追うほど、それはだんだん離れていく。
 気が付けば合唱も終り、俺たち卒業生は追い立てられるように体育館から退場した。


 俺たちのクラスの先陣を切って歩く岡部は肩が震えすぎて、芝刈り機がいいとこであった。


5036-101:2006/06/11(日) 03:07:44 ID:vjAm86Xu
 涙の卒業式が終わったあとは最後のホームルームが待っている。
 人によっては、こっちで泣くほうが多いんじゃないだろうか。
 涙を拭こうともせず青春とは何かを熱く語る岡部に対し、谷口までもがかたくなに耳を傾けている。
 俺は貰ったばかりの卒業証書を広げ、ひたすらデジャヴの正体を考えていた。

 気が付けば岡部の話も終り、谷口が肩を叩いてきた。手に持っているのはデジカメだ。
「キョン、写真撮ろうぜ」
 写真ならもう嫌というほど取ったろう。夏休みに行った国木田んちの別荘とか、冬休みに行ったスキー場で。
 夏に行った旅行はおもしろかったな。旅先で出会った谷口の春。トンデモ事件に巻き込まれたりもしたが、思い出してはにやけてしまう。
「馬鹿だな。この制服で撮るのはもう最後なんだぜ?」
 ブレザーの端を摘みながら鼻を鳴らす。それもそうか。アホの谷口にしちゃあまともな見解だ。
「なんだよそれ。まあいい、撮るぞ。国木田頼む」
 谷口はそう言うと国木田にデジカメを渡し、俺の隣に立って肩を組んでくる。
 いつもなら離せ気色悪い、と言うところだが俺も腕を回してやった。言っとくが俺にソッチの気はないぜ。せめてものフェアプレイ精神、ってやつさ。
 ……今、何故か頭をチェス盤やら赤い球体やらが通りすぎたが、気のせいだろう。

「おし、次は国木田とだ」
「はい、キョン。」
 国木田からデジカメを渡され、渋々頷く。カメラを握った瞬間、また何かが頭を通りすぎた。
 緑の濁った液体が入った湯呑みに…メイド服?だがそんなものたちに身に覚えがあるはずもなく、俺は頭を振った。
「何やってんだ、早く撮れよ…だが、いきなりはよせよな」
 やはりそうきたか。俺は撮る時にハイチーズ、だとかいう台詞を言うのが嫌いなのだ。
 何故バターやマーガリンではないのか。「ズ」のところでシャッターを切られたら、ヒョットコみたいな顔になってしまうではないか。
 まあ仕方ない、最後くらい腹をくくるか…そう思い、俺はファインダーを覗いた。
 こちらにVサインを向ける級友二人…の向こうに、人影が見えた。
 窓際は中庭に面していて、この窓からは中庭が一望できるのだが、何故あんな所に女子生徒が一人でいるんだ?
 俺は興味本意でズームアップしてみた。
「………」
 その時の俺の感覚を、どう表現したらいいだろうか。俺はその少女を知っていた。
 眼鏡をかけた、ボブカットをさらに短くしたような髪型の人形みたいな女子生徒……
 俺は唖然とした。だが、すぐに覚醒した。ついに、見つけた。このモヤモヤから抜け出せる、鍵に。
 俺は二つのVサインに背を向け、走り出した。左手にカメラを握ったまま。
「お、おいキョン!」
 谷口の声が空しく響いたが、その時俺はもう教室を飛び出していた。


5046-101:2006/06/11(日) 03:08:39 ID:vjAm86Xu
 中庭に下りて辺りを見回すと、小柄なセーラー服が、すっと建物の陰に消えるのが見えた。
 彼女は校舎の裏側へ回ろうとしているのか?
「待ってくれ!」
 叫びながら後を追う。彼女が立ち止まる気配はない。
「待ってくれ!」
 さっきよりも大声を出したつもりだが、彼女は振り返らない。足音もなく角を曲がる。
 ひたすら後を追う。彼女の姿はない。見ると、上の渡り廊下にセーラー服が翻るのが見えた。
 どうやって一瞬であんな所に?と思ったが今は後回しだ。玄関まで戻り、階段を駆け上がる。
 途中でニヤけ面を浮かべた男子生徒とぶつかったが、気にもしない。


 彼女が消えたのは…文化系部の部室棟。通称旧館。今まで一度も立ち寄ったことのない場所だ。
 廊下の端までドアがずらりと並んでいる。一つ一つ開けて確かめるのはさすがにはばかられる。
 卒業式の後だから活動はしてないだろうが、個々で送別会かなんかをやってるかもしれないからな。
 ふと見るとドアのそばなプレートがかかっている。 俺は何気なく、そのうちの一つに目をやった。



【文芸部】



 ……………!
 その時、俺の脳内で情報爆発が起こったような気がした。言葉の意味が分からないが、そんな感じだ。
 懐かしい。何故だか分からないが懐かしい。哀愁、というやつだろうか。
 俺はここに、来たことがある。いや、ないはずだ。だが、この感覚は…
 俺は中がどうなっているか、知っている。
 俺の記憶が正しければ…ここにいるはずの者が、いるはずだ。
 この、ドアの向こうに。
 呼吸を整えながらノブを握る。手に汗が滲んでいるのが分かった。


「……いてくれよ」



 俺は、ドアを開いた。


5056-101:2006/06/11(日) 03:09:32 ID:vjAm86Xu
 部屋に入ってまず目に飛込んできたのは、パイプ椅子に座り、長テーブルの片隅で本を広げる小柄な人影だった。
「いてくれたか……」
 安堵の息とも溜息ともつかぬものを吐き出しながら後ろ手に扉を閉めた。
 少女…俺は名前を知っているぞ。長門有希は何も言わず、ただこちらを凝視している。
「よう」
 俺はぎこちなく右手を挙げた。その手が小刻に震えている。
「久しぶりだな」
 本当に…この部室に入るのも、長門に会うのも、何年振りだろう。
「元気だったか?」
 長門が微かに、だがはっきりと頷いた。
 それだけで俺の違和感の正体が全て分かったような気分になる。
 と、後ろでドアがカチャリと開かれた。
「すいません、遅くなっちゃいました」
 おずおず、といった感じで入ってきたのは…この人も知ってる…朝比奈みくるさんだった。
 思わず俺は凝視してしまう。可愛くて憧れだった、中学生みたいな先輩。
「あの、どうしました?な、なんでそんなに見るんですか、私の顔、なんかついてますか?」
 勘違いをした朝比奈さんは顔を赤らめつつ、慌ててセーラー服の胸ポケットから鏡を取り出そうとするがなかなか取れない。
 そりゃそうだろう。制服ごしにも分かる、豊富な胸…目のやり場に困るんだよな、ほんと。
「すいません、遅れました」
 開けっ放しだった入り口から、ニヤけハンサム野郎……古泉が入ってきた。
 俺の天にも昇る気持は何処へやら、アトランティスの如く沈んじまったよ。
「おや?どうしたんです、お二人とも。そんな所で突っ立って」
 なんでもねえよ。お前こそ出入口塞いでないでとっとと入れ。
「そうですか。邪魔したなら謝ります。すいません」
 相変わらず口の減らない奴だな。黙らせてやるとしよう。どうだ、久々にチェスでもやるか?
「いいでしょう。受けて立ちます」
 いい度胸じゃないか。蹴散らしてやるぜ。
 っと、その前に。
 朝比奈さんがメイド服に着替えねばいけないので、俺は古泉を連れて部室から退散した。


5066-101:2006/06/11(日) 03:11:13 ID:vjAm86Xu
 いつもと何ら変わりのない、SOS団の活動。
 長門は黙って鈍器になりそうなハードカバーに没頭し、朝比奈さんはいそいそとお茶を配って回り、俺はちっともゲームスキルを上げない古泉から容赦なく勝ちを奪う。
 やりたいことも取り立てて見当たらず、何をしていいのかも知らず、時の流れに身をまかすままのモラルトリアムな高校生活。
 宇宙人も未来人も超能力者も関係ない、当たり前の平凡な日常だ。
 ああ、俺はこんな生活に満足していたんだ。そうさ、こんな時間がずっと続けばいいと思っていたんだ。
 だが、そうは思わない奴もいる。誰だって?決まっているだろう。
 ほら、廊下を駆けるバタバタという音が近付いて来た。
「遅れてごめーんっ!」
 だからそのドアを乱暴に開け閉めするな。ただでさえ古い建物だ。いつか壊れるぞ。
「その時はその時よ!やたらと先の事ばかりを気にしていたら何もできないんだから!」
 それは同意してやってもいいが、ドアの開閉に当てはめるのは間違ってると思うぞ。
「いいのよ!そんなにドアが好きなんだったらあんたが直せばいいでしょ。」
 団長様がそう決めたんなら、もう何を言っても覆らないだろうさ。
「やれやれ」
 そう言って俺は肩をすくめる。ん?なんだ古泉。その目は。気持悪い。
「いえ…あなたのその台詞を聞くのは久々でしたから」
 そういや封印したこともあったっけ。いつだったかな。
「その台詞に限って、ではありません。」
 古泉は微笑みを浮かべ、目線を横にずらす。その先を追ってみると、いつなく真面目な顔で、朝比奈さんが立っていた。
「お久しぶりです。キョンくん」
 その目が潤んでいるのは、俺の見間違いだろうか。
「またこうして会えるなんて…夢にも思っていませんでした」
 そうなんですか…いや、俺にはなんのことかさっぱり分かりませんが。
「そのほうがいいでしょう。また、別れる時に辛くなりますからね」
 ……訳が分からないぞ。一体何がどうなってるんだ。
 くだらないサプライズパーティーか?ドッキリか?カメラでも仕掛けてあるんじゃないのか。

「キョン」

 きょろきょろとカメラを探していた俺は、その声にぴたりと動きを止めた。
 真面目な、切羽詰まったようなハルヒの声。ちくしょう、聞きたくなかったぜ。
 灰色の空、崩れる校舎……あの時の光景が、脳裏によぎって消えた。



「おかえり」


5076-101:2006/06/11(日) 03:14:11 ID:vjAm86Xu
 それから俺たちは騒ぎに騒いだ。気が付けば鶴屋さんもやって来て、コンピ研やら宿敵だったはずの生徒会やらも交じってのどんちゃん騒ぎ…
 一体何処から取り寄せたのか、今やハルヒの特製鍋に、ジュースやら菓子類が長テーブルを占拠している。
 俺は谷口のカメラを持ってきていた事に気付き、せっかくだからとみんなで撮りまくった。
 楽しかった。非日常的な空間。俺が心の底から望んでいたもの。
 それは、ここにあった。


「………ん」
 いつの間か、俺は騒ぎに紛れて寝てしまったらしい。
 目を覚ますとそこは部室ではなかった。同じような間取りの部屋…だがあちこち損傷し、長い間放置されていたような空き部屋だった。
「……やはりお前だったんだな」
 さっきまで賑やかだった部室は、今や誰もいなくなっていた。ハルヒも、朝比奈さんも、古泉も。
 長門だけが、残っていた。
 曲がったパイプ椅子が隅に転がされている。本棚にはクモの住居区に指定されたかのように糸まみれ、あちこちの壁がはがれ、出入口にはドアノブがない。
 これが、SOS団アジト…いや、文芸部部室の、本来の姿だ。
「お陰で思い出したよ、長門」
 高二の冬、ハルヒの能力が消え、古泉の力もなくなった。朝比奈さんの「役目」も終わった。そして…長門はここにいる意味を失った。
 長門に課せられた最後の仕事。それは多くを知り過ぎた俺の記憶を消すことだった。
 長門は俺の記憶を凍結し、時空改変を起こして世界を再構築した。
 読書好きの宇宙人アンドロイドも、ドジで可愛い未来人も、ニヤけ面を崩さない超能力者も、そしていつもうるさい団長様もいなかった、高校生活に。
 ハルヒがいなければ俺は朝比奈さんと知り合いになることもなく、月日が経てば彼女はすんなり卒業しちまう。古泉は転校してくることもなくて、機関も神人も関係ない人生を満喫するはずだ。
 だが、俺は今、ここにいる。忘れたはずのことを思い出してしまったからだ。
「長門」
 あの人影は、お前が造り出したんだろ?俺を、この部屋に呼び戻すために。
 お前はずっとこの部屋にいたんだな。俺を、俺に記憶が戻るのを、待ってたんだな。
「何でだ?」
 何故今になって、俺の記憶が戻ったんだ?
 いや、違う。何故長門は俺の記憶を戻したのか、が正しい。


5086-101:2006/06/11(日) 03:14:51 ID:vjAm86Xu
「情報結合の解除が申請されている」
「誰にだ?情報ナントカ思想体とやらか」
 長門はこくりと頷いた。顔は相変わらずの無表情だが、悲しんでいるようにも見えた。
「…それは、いつだ」
「今日。処分が決定されたのは涼宮ハルヒが力を無くしてからすぐの事」
 それは…もうすぐ消えちまうってことなのか?
「消える、という言葉はふさわしくない。私という有機体は元から存在しなかった。」
 淡々と、文章を読むかのように言葉を紡ぐ。そんな自分を幽霊みたいに言うな。お前はここにいる。幻じゃなく、ここにいるじゃないか。
「なんで…だ」
 言いたいことは山ほどあるのに、溜息のような声しか出ない自分が欝だ。
「どうしてもっと早くそれを言わなかったんだ!」
 こんなぎりぎりに…最後の最後で言わなくてもいいだろう。
「……許可されていなかったから」
「ふざけるな!」
 長門に当たっても仕方ない。分かっていた。分かっていたさ。
 長門が消えちまう。そんな時に取り乱せないほど俺は冷静な人間にはなれない、ってことさ。
「許可されてないって…それだけのことで…」
 今、俺がここにいることも長門の独断行為に違いない。お前はもう命令に従うだけのアンドロイドじゃないだろう?
「長門…お前は、もう人間なのに…感情のある、人間なのに……」
 悔しかった。長門からすればそんなことは問題じゃなかったのかもしれない。俺が言ったところで結合が解除されないわけじゃないしな。
 でも。俺はたまらなく悔しかった。それこそ、長門に当たらなければどうかなってしまいそうな程に。
「………」
 長門は何も言わず、視線を落としていた。小さい肩が微妙に震えている。
「ごめんな」
 お前が一番、辛いんだよな。卒業と同時に消滅なんてアホか。
「今まで、お前だけに辛い思いをさせて本当に悪かった。」
 長門は顔を上げず、ずっと俺の足元あたりを見ている。
 さっきのは長門が見せてくれた幻だったんだ。高校生活最後を飾る、楽しい夢。こことは別の世界で知り合った、SOS団のみんな。
 これを見せるために、長門は俺の記憶を完全には消さなかったんだ。
 何故かって?お前はそんなことも分からないのか馬鹿野郎。いい加減付き合いきれないぞ。
「長門」
 寂しかったんだよな、お前は。
 誰かに忘れられてしまうのが。自分の存在意味を無くしたまま、誰にも知られずに消えていくのが。
 長門はそれがたまらなく寂しくて、怖かったんだろう。
 本当は観察対象が失われても、長門はSOS団の長門でいたかったはずだ。
 何がしたいんだが分からない学校非公認団体の片隅で、本を読んでる長門がよかったはずだ。
 だから長門は俺をここへ読んだ。さっきの幻は、長門なりの精一杯の抵抗。最後のワガママだったんだ。
 返事はない。ただ、長門がおずおずと顔を俺に向けた。長門は俺を見つめている。長門の瞳には、俺が映っている。
 なんでもないことなのに、俺はそれがたまらなく嬉しかった。


5096-101:2006/06/11(日) 03:15:36 ID:vjAm86Xu
 気が付くと、俺は長門を抱き締めていた。冷たい。こんな小さくて弱々しい体で、いろんなことに耐えてきたんだ。
「長門…」
 返事はない。いいさ、名前を呼びたくなっただけだからな。

 あまりにも酷すぎないか、なあ。
 俺は誰にでもなく、ぼやいていた。

 対象の観察のためだけに生み出された存在。命令に従い、命を懸け、何年もひたすら待機し、そして親玉の興味が無くなれば用済みか。
 ないのか。長門が、幸せに暮らせる世界が。心から笑えるような世界が。世界はこんなに広いのに。
 長門が…長門が生きられる世界があってもいいだろう。
 俺は今、自分でも悔しいのか悲しいのか分からない。涙が溢れた。とめどなく流れた。
 今回は拭おうともしなかった。何故なら長門に回したこの手を、離したくなかったからだ。
「きた」
 …何がだ。
「時間」
 分かってるさ。
「情報連結解除を確認」
 そう言った途端、長門は足から光る結晶となって消えてゆく。
 長門には色々世話になった。下げる頭もないくらいに。もっと、何かお礼をしてやればよかった。
 誕生日…は分からないから、俺たちが初めてあった日…いつだ?七夕か?それもわからん。とにかく本をプレゼントしてやったり、
 休みの日に図書館に連れていってやったり。今となっては、もう遅い。
 長門の腰から足はすでに光る結晶に覆われている。俺はまだ手を離さなかった。この手から、長門はするりと消えていってしまうんだ。
「長門……」
「笑って」
 小さな、声。だが、俺の心を大きく揺さぶる、長門有希の声。
「あなたには、笑ってほしい」
 笑えだと?長門が消えちまうってのに?俺の涙と鼻水が見えないのか。
「……お願い」
 分かったよ。長門。
 俺は涙を流しながら、無理矢理笑顔を作った。かなり不格好だったと思う。長門との、SOS団の思い出が頭の中を駆け巡った。
 キラキラ輝く細かいガラスのような結晶が降る中、長門はたしかにこう言った。



「ありがとう」



 さようなら、ではなかった。
 さようなら、は俺も言わなかった。



 何故なら俺はまた、いつか必ず、長門に会える確信があったからだ。


5106-101:2006/06/11(日) 03:17:16 ID:vjAm86Xu
「おい、キョン。」
 体が、揺れる。地震ではない。俺は今、何者かによって揺らされている。
「長門!!」
 叫びながら俺は勢いよく起き上がり…ごんっ。鈍い音がして、額に激痛が走った。
「………!」
 俺に頭突きを食らった人物は、声なき悲鳴を上げてもんどり打っている。
「てめー、何すんだ!」
 ぼやけた視界の焦点がようやく合わさり、谷口の顏になった。泣くほどのことか。涙を拭け。
 そう言う俺はちっとも泣いていなかった。分からんぜ。これから当分は枕を濡らすのかもな。
 いつの間にか夕方になっていて、窓から夕日が差し込み、部屋をオレンジ一色に染めている。
 …部室。二年間の放置ですっかり廃れた、俺たちの部室だ。
 谷口が俺の手を引き、助け起こす。だが俺はうまく立てず、崩れ落ちた。
「大丈夫かよ?お前急に走り出したやがって…何があった?探したんだぞ」
 てっきり俺のデジカメをパクる気かと思ったぜ、と続ける谷口の顔が西日に照らされていた。
「こんな空き部屋で寝てやがるとはな…」
 ぶつぶつ言いながら、谷口はデジカメを起動させる。ピー、と間の抜けた警告音が、埃っぽい部室に響いた。
「ありゃ、メモリ不足?…おい、お前何枚撮ったんだよ」
 そんなはずはない。あいつらと撮ったことは撮ったが、まだ何枚分か空き容量はあったはずだ。
「あいつら?…ってなんじゃこりゃ?!」
 谷口の声が裏返ったのも無理はない。映し出されたメモリは、俺の寝顔画像が大半を占めていたのだ。
「おめーの寝顔なんざ、一体誰が撮ったんだ?」
 誰って、こんなことをするのはあいつに決まってるだろう。
 ああ…最後の最後まで、あいつはあいつだったんだな。


 ――聞こえるか?ハルヒ?

 残念だが俺はもういなくなる。なんせ今日卒業しちまったからな。北高とも、SOS団ともお別れだ。
 だけどな、また、何かをきっかけに思い出すことがあったら…また、一緒に騒ごう。
 もちろん、SOS団のみんな、全員で。

 お前らとは、これから自然と出会うはずだから。
 俺は今度こそ立ち上がり、釈然としない顔の谷口と、外で待っていた国木田と共に北高を後にした。


 坂道を下りる途中、俺はふと思い付いた。
「谷口、カメラ貸してくれ」
 俺は谷口からデジカメを受け取ると、メモリを消去する。ハルヒが消えた。長門が消えた。SOS団、みんなが消えた。
「…いいのか?」
「これでいいのさ」
 ほとんど、自分に言い聞かせたようなもんだった。

 坂を下りきったところで、俺は一度だけ振り返った。
 北高は、もう見えなくなっていた。



 卒業はした。だが、俺の高校生活は、まだ終わっちゃいないぜ。



 そうだな。



 とりあえず、こっちの世界にいる、あの暴走女を探さないとな。


5116-101:2006/06/11(日) 03:21:50 ID:vjAm86Xu
「遅い!罰金よ、罰金!!」
 これでも三十分は余裕をみたってのに、一体こいつらはどれだけ早く来てるんだ。
 卒業式から一ヶ月ばかり。俺たちの目的は遅めに咲いたソメイヨシノ。まあ、花見にきたわけだ。
 ここは俺にとっては馴染みの深い場所である。彼女の告白、未来の可能性、彼女の憂鬱。
 川沿いの桜並木。
「私たちの記念すべき初活動よ!?気合いを見せなさい、気合いを!」
 気合いて。相変わらず精神論の好きな奴だな。
 お前を見付けたはいいが、まさかこうも簡単に面子を揃えてくれるとは思わなかった。日本は狭い。
 うるさい女の向こうには、肩をすくめるハンサム野郎と、天使のような麗しいお方が並んで立っている。
 相変わらず早いな、お前らは。特殊能力がなくなったってのに、用意周到な奴らだぜ。
 そしてその向こう…俺たちがいる所から五メートルほど高くなった土手のベンチに座る、人影があった。
 ここからだと顔は見えないが、俺には分かる。ボブカットにしてはやや短めの襟足。小さな頭。俺が、見間違えるはずがない。
 見ると、前の女がくい、とベンチに向けて顎をしゃくっていた。可愛らしい先輩も笑顔で道を開けてくれている。野郎の顔なんざは見るつもりもない。
 俺は何も言わず、三人の傍らを通り抜けた。

「えー、長門さんとやら」
 俺は土手を登りながら言っていた。
 ベンチに座る少女は本を読んでいるようだった。ページをめくる手が、ピタリと止まる。
「これから俺はお前にものすごく迷惑かけると思う。今のお前でも、頼っちまうと思うんだ。」
 土手を上がりきると、砂利道を歩いてベンチの前…少女の前に立つ。
「俺はお前だけはほっとけないだろう。守りたい。あれだけ守ってもらったしな。」
 文字通り、命を懸けて。相変わらず返事はない。少女はページこそ進んでないものの、本に顔を落としている。
 だが構わず俺は続けた。

 それでも、もし、お前がいいんだったらさ、



「ずっと、一緒にいてもいいか?」



 長門が、顔を上げる。

 長門は、笑ってくれていた。
 土手の下には太陽よりも眩しく笑う女、天使にも勝る可憐な笑みを浮かべたお方、常時ニヤけている奴がいる。
 そして今、俺の目の前にいる少女も、わずかで、まだぎこちないが、精一杯の笑みを見せている。
 それで十分だった。俺たちが生きられる世界。心から、笑って過ごせる世界。 俺たちがいるこの世界で、俺たちは生きていく。


 いたずらな春風が、桜の花びらを舞き散らした。
 ―――ああ。ようやく終わった。


 俺の高校生活はこれで幕を下ろした。


 桜はもうほとんどが散って風に舞っている。俺たちと似ている。みんな一緒に一時を輝き、最後はばらばらになってしまう。
 だけど俺たちは、ただ散るだけじゃない。
 また、いくらでも咲いてやるさ。笑って、な。



 俺は長門に歩み寄った。

 夏がすぐそこまで来ている、と感じながら。



(完)
512名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:25:15 ID:VSHFh6eG
スゲーよあんた…
513名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:26:23 ID:Gg696AWQ
高校時代を思い出したよ…
とにかくGJ!
514名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:27:01 ID:gyvnjQYN
卒業か・・・涼宮ハルヒという作品が終わってしまったらなどということを
ふと考えた。いい雰囲気だったよGJ!
515名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:27:17 ID:R0dK4OJX
全米が泣いた
516このあたりで:2006/06/11(日) 03:27:59 ID:VBS83mJ9
なんでこうも長門SSにはいいものが多いかな。
5176-101:2006/06/11(日) 03:30:35 ID:vjAm86Xu
ありがとう。
実は外伝よりも前に出来上がっていたんだが、長くなりすぎてこれは投下していいものか悩んでたんだ。
投下してよかったよ。心からありがとう。
518名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:34:03 ID:TAvRzde6
・・・自分にはこんなの書けない。
519名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:34:47 ID:/1nYulrx
最初は基本的な長門SSのパターンかと思ったけど、
読みやすく、且つ、まとめ方が綺麗で良かった、GJ!
520名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:37:10 ID:hmCF9eTv
GJですた。
長門スキーの一員として自分も書いているんだが、出しにくくなってしまったよ。
それに話がちょっと似てる部分あったりするんで、そん時は許してくらはい。
3次創作だな俺のは orz
521名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:40:48 ID:HbZ2HMdc
>>6-101

GJ過ぎる…
Janne Da Arcの振り向けば…を聞きながら読むと目から水がでる………
522名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 03:58:10 ID:E+U3Ax67
>>6-101め、俺の涙腺を緩めていきやがった。
523名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 04:07:11 ID:44mrKF/G
投下ラッシュからずっと傍観者だったが、これにはGJと書かざるをえない
普通の世界に戻ったキョンの心情とかが妙にシンクロした
524名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 04:34:54 ID:9OlHRhX/
これ最終回でいいんじゃね?
52511-16:2006/06/11(日) 05:34:38 ID:gNXRJAJT
プロキシ規制喰らってる間に4話まで書けたんでとりあえず2話目投下。
一気に投下しすぎるには長すぎるので時間開けて投下しようと思います。
また改善点とか色々言ってもらえるとウレシス
526パパは高校1年生 2:2006/06/11(日) 05:35:17 ID:gNXRJAJT
「その子、誰?」


予想通りなのか全く表情を崩さない古泉となぜか顔を赤くしてる朝比奈さん、
いつもの3割増しで無表情な長門。そして口から茶色の液体を垂らしてる俺。
最後に満面の笑みを浮かべる幼女を見た後、そいつは口を開いた。

マズい。これはマズい。どうしたらいいんだ。

「マーマ♪ 若いママもかわいー!」
「へ?ママ?」

ちょっ、お前、これ……!

「……とにかく。未来人である事だけでも隠したほうがいいですね」

古泉が俺に囁く。ナイスだ。出来れば俺とハルヒの娘だって事も隠したまま墓まで持って行きたい。

「あー……っとだな。その子は俺の……そう、従兄弟なんだ! 少しの間ウチで預かることになってさ!」
「へぇ。そういえば妹ちゃんにどことなく似てるわね」

そりゃそうだろうな。同じ血を引いてるんだから。つーか俺から見ればハルヒの方が似てるんだが……。
いや、これは言わない方がいい。というか言いたくない。

「で? なんであんたの従兄弟がここにいるの?」
「いや、実はSOS団の話とか聞かせてやってたらさ。是非お前に会ってみたいって聞かなくて」

よし、いいぞ俺。ナイスアドリブだ。

「ふぅん。中々見所あるじゃない。従兄弟ちゃん」

キャッキャッとハルヒとじゃれる幼女。ふぅ、とりあえず危機は回避できたようだ。

「……ねぇキョン」
「なんだ?」
「なんでこの子、私の事ママって呼ぶの?」

……しまった。一番の問題をすっかり忘れてた。
527パパは高校1年生 2:2006/06/11(日) 05:35:58 ID:gNXRJAJT
「そ、そりゃあお前……」
「何よ」

あああ、駄目だ、何も思い浮かばん! 
訝しげな目でこっちを見るハルヒ。一点の曇りも無い目で俺を見つめる幼女。
……未来の俺もこんな風に尻に敷かれてるのかな、とか現実逃避し始めた時、

「彼女の母親が、涼宮さんにそっくりなんですよ。それはもう見間違えるぐらいに」
「そうなの? キョン」
「あ……あぁ! そうなんだ!」
「なんで古泉君がそんな事知ってるの?」
「一度お会いしたことがありまして。それはもう驚きましたよ」
「へぇー。一度会ってみたいわねぇ」

そう言うとまた幼女とじゃれ始めた。
スマン、古泉。恩に着る。そうアイコンタクトをして、古泉もウィンクを返してくる。
いつもなら気持ち悪いそのウィンクも今は輝いてるぜ。


その後は、2人でじゃれる幼女とハルヒ。何か変なことを言い出さないか気が気じゃない俺に
いつもの微笑み君の古泉と無表情の長門。何故かオロオロする朝比奈さん、という感じで
時間が過ぎていった。


「それじゃ、おっ先ー!また逢おうね、従兄弟ちゃん!」

そう言い残して、『ママ』はつむじ風のように走り去っていった。
俺達はと言うと、誰が言い出したでもなくこの状況の対策会議が開かれた。


「……でだ、なんでお前が来たのかってのは言えないんだっけ?」
「うん。禁則事項なの」
「他には? 未来の俺からなんか言伝とか無いのか?」
「えぇっとねぇ……。2日後の朝6時に帰って来なさいって言ってたよ」
「それだけか?」
「んと……。あ、過去の俺によろしく、って」

何がよろしくだ。未来の俺はよろしくしか言えないのか。
もっとこう、有益な情報をくれ。俺を巻き込むのなら。
528パパは高校1年生 2:2006/06/11(日) 05:36:32 ID:gNXRJAJT
「それと、明日遊園地に連れて行ってくれるって!」

ほほぅ。それはよかった。是非とも未来の俺と楽しんできてくれ。

「うぅん。昨日ね、パパに言ったら
『あぁ、大丈夫だ。きっと向こうの俺が連れて行ってくれる』って言ってたの」

ニコニコと笑いながらそう俺に教えてくれる幼女。

おいおい。何考えてんだ未来の俺よ。自分の娘の事を人に押し付けるなよ。
ん? いや、俺の娘でもあるのか? あーもう、よくわからん。


「きっと、その子のパパであるキョン君も高1の明日に遊園地に行ってると思います」

と、朝比奈さんが言う。蛇の道は蛇……ってやつか。ここは未来人さんの言う事を聞いたほうがよさそうだ。

「えぇっと……。つまり、遊園地に行くのは規定事項なんですよ」

逆らえないって事か。なんてこった。

「一緒に行くのは、パパだけですか?」

NHKに出てくるお兄さんのような笑顔を浮かべつつ幼女に話しかける古泉。

「うぅん。ママと一緒に!」
「んなっ……!」

ちょっと待ってくれ。俺の記憶が正しければ、ママってのは……。

「そういう事らしいですよ。がんばってくださいね、パパ」

……こいつ。分かってて言ってるんじゃないだろうな。
529パパは高校1年生 2:2006/06/11(日) 05:37:06 ID:gNXRJAJT
「ね、パパ。お願い!」

と、見事な笑顔とキラキラ輝く瞳で俺を見つめる。
……こんなところまで母親に似やがって。

「……わーったよ。連れて行きゃいいんだろ。行くよ。行きますよ」

何故か沸き起こる拍手。なんだこれ。


「…それと。もう一つ問題があるんだよな」

そう。すっかり忘れてたがこの娘が2日間こっちで生活するんなら
当然寝泊りする場所が必要なわけで。

「え? パパとママと一緒に寝るに決まってるじゃない」

まず、俺の家に泊まるのは不可能だろう。ウチにこんな幼女を連れて行く訳にはいかない。
ヘタすりゃ誘拐犯に間違われる。
ハルヒのとこは……。頼めばなんとかなるかもしれないが俺が嫌だ。
もしこの娘が俺とハルヒの子だとバレてみろ。
もう……考えるのも嫌だよ。マジで。
そもそも、俺とハルヒが一緒に寝る事自体ありえないしな。

……仕方ない。
530パパは高校1年生 2:2006/06/11(日) 05:37:54 ID:gNXRJAJT
「長門。……頼めるか?」
「いい」
「助かるよ。スマンな。毎度毎度」
「気にしていない」
「えー!? パパとママと一緒に寝たいー! 寂しいー!」
「長門がいるじゃないか。な? 全然寂しくなんかないぞ?」
「だって有希喋らないもん! つまんないよー!」

んな事言ったってなぁ。それが長門なんだからしょうがないだろ。

「我が侭言わない。パパをあんまり困らせたらいけません!」

……なんか言ってて恥ずかしいよ。古泉はいつもよりニヤニヤしてるし。この野郎。

「いーやー!パパとママがいいー!」

どうやら性格はハルヒの方を強く受け継いだらしい。こりゃもうミニハルヒだ。
俺の性格を受け継いだらそりゃもう賢くていい子になってるハズだからな。

「あなたも、泊まればいい」
「成る程。それはいい考えですね」
「あ、それいいね! 有希天才!」

あれ? なんですかこれ? 俺の意見は無しですか?

じっと真っ黒の目で長門が、微笑みながら古泉が、朝比奈さんが申し訳なさそうに、
そして幼女が南米系の派手な花のような笑顔で俺を見つめる。

「……わかったよ」

俺は溜息をつきながら、お袋に連絡するべく携帯を取り出した。
53111-16:2006/06/11(日) 05:39:27 ID:gNXRJAJT
ここまで。またもうちょい後に3話目投下しようと思います。
532名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 05:46:20 ID:oNe3uFoA
ミニハルヒにはキョンの枯れ分は入ってないみたいだ
wktkしながら続き待ってます
533名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 05:54:12 ID:EHa5DRaO
そういえば
朝比奈さんの未来人といえば、ドラエモン的な超科学道具を
駆使するイメージがあるんだが、そういうのは別の時間平面への
持ち込みが禁止されてるのか生身の人間以上の能力を見せる事は無いんよね。
そのかわりMIBばりの記憶操作やマインドコントロールがお家芸だけど。

情報統合思念体のインターフェースである長門の方は逆に
情報の収集や解析の他に電子的な情報に直接干渉したり、
物質や空間の構成すら制御し、何でも可能なように見えるけど
人間の精神や記憶を直接弄った事は無いんじゃないかな?
「涼宮ハルヒの消失」の時のアレはバグった長門が世界の在りようそのものを
改変しちゃってたわけで。
出来ないのか、それとも情報統合思念体にとってのなんらかの
タブーとして制限されているのか…
長門にほいほい出来るもんなら、
もっとスマートに事件解決出来る場面いっぱいあるしなぁ


で、役割分担をハッキリさせた小ネタ考えてみた


「えっと、キョン君…いえ、ご主人様ぁ」
未来人朝比奈みくるの保有する未来テクノロジーによりキョンへ施された
強力なマインドコントロールで構築された第二の人格が「ご主人様」という
キーワードにより覚醒、彼の潜在能力を100%発揮させる!

「え?突然どうしたんですか朝ひ、な…ふぉ?…フォォォオオオオオオ!!」

「……対象をご主人様周辺の空間に設定…
 …インターフェース標準装備を参照し分子結合情報制御・開始…クロス・アウッ」
対有機生命体用ヒューマノイド・インターフェース長門有希が
早口でなにかをぼそぼそとつぶやいた次の瞬間キョンの制服は光る砂のように飛散し
キョンの肉体を覆う強化プロテクターとして再構成される!

「フォ、なんだこの皮膚の吸い付くようなフィット感は…
 気分はエクスタシー!!」

「それでは、僕のおいなり「成敗!」ヘッブフォ!?」
超能力者のようなものである古泉一樹は通常空間ではただの当て馬ホモにすぎない。
534名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 05:57:42 ID:E+U3Ax67
長門さん天才!
535ホスト:2006/06/11(日) 06:46:34 ID:JcKFVfjB
部室で俺は奴とチェス中に唐突に述べた。その奴とは古泉しかいない。幸い二人だけだ。
「古泉、以前言っていたバイトの事を聞こうか」
「おや珍しい。やっと興味を持ってくれましたか」
何やら得意気な顔を古泉はしていた。やめろ気色悪い。
「金がないのは事実だ。あいつのお陰で俺の財布はアルミ製の銭しかねえよ」
「それは災難ですね、では急いでいるようですし、そのバイトの説明をしましょうか」
早くしろ。俺は明日の休日でどうせ奢るに決まっている。アルミ銭じゃ満足出来ないチョコくらいしか提供できないぜ。
「そのバイトというのは、実は閉鎖空間は関係ないのです」
焦らすな、さっさと言え。あいつが来る前に
「おっまたせー!今日は自主映画その二について、ってーのを持ってき」
「ホストです」

...

......


あれ?閉鎖空間ですか?何か部室の光景が止まっているように見えるのは気のせいですか?
ハルヒよ、そのチラシはなんだ。Epsode01?またあれをやる気か、懲りないなお前も。
古泉よ、ちょっとは今の状況に動じたらどうだ。少しくらいは動揺しろよ、っておい...ってなんだ古泉その汗の量は。
発刊機能でも壊れたか。ぽたぽたと垂れてますよ。つーか臭うぞ。
一方のハルヒは何してんだ。チラシの裏に黙々と何を書いているんだ。ちょっと見せなさい。
「そうね、同じ題材じゃ飽きるものね!次回作はこれよ!これしかないわ!」
そういうとハルヒはチラシを俺の目前に突き出した。
「禁じられた愛 K+K」
.........ちょっと待て、Kはまさかその主人公二人のイニシャルか?
「そうよ」
俺は手からチェスの駒の女王が滑り落ちた。
マジですか。


                            きっと続かない
53611-16:2006/06/11(日) 06:46:39 ID:gNXRJAJT
3話目を投下。漠然と頭の中に思い浮かべてる流れでは長門もみくるもそこそこ出番があるのに
個人的に好きな古泉だけあんまり無い。と言うわけで出してみた。
537パパは高校1年生 3:2006/06/11(日) 06:49:29 ID:gNXRJAJT
「おいしーねー。パパ! 有希料理上手いよ!」
「そうだな」

どう見てもレトルトだけどな。


今、俺達は長門家で晩御飯をご馳走になってる。定番のレトルトカレーにやけに多いキャベツの千切り。
まぁ……たまに食べるには悪くない。

晩御飯を食べ終わり、長門と娘がオセロで対決してるのを眺めながら俺は憂鬱になっていた。
今日が終わる前にまだやっておかねばならん事がある。

また勝ったぁ! 有希弱いねー! とか言う声を聞きながら俺は寝室に移動した。
携帯を取り出し、電話帳を呼び出して通話ボタンを押す。


『何の用?』

もしもしぐらい言えよ。

「いや、その……。あれだ。お前明日ヒマか?」
『まぁ、ヒマだけど。何よ。さっさと用件を言いなさい』

逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。がんばれ、俺。
ってなんかこれじゃ告白するみたいじゃないか。違う、断じて違うぞ。
これは、あの娘に言われたから仕方なく……。だー、もういい。当たって砕けろだ。

「お、俺と遊園地行かないか?」

思わず声が上ずる。なんでこんなに緊張するんだろうね。

『………へ?』

と、ハルヒの間の抜けた声。

「……」
『……』

そして微妙な沈黙。なんか言ってくれ。耐えられん。
538パパは高校1年生 3:2006/06/11(日) 06:50:09 ID:gNXRJAJT
『遊園地って……。私と、アンタが?』
「あ、いや、違う! 俺じゃない! 違うぞ!」
『な、何がよ。じゃあ誰よ』
「いや、俺だ。誘ってるのは俺だけど、違うぞ。勘違いするなよ!」
『ちょっと待って。わけが分からないわ。何よ。どういう事?』

落ち着け。俺。クールだ。クールになれ。

「ほら、今日さ。俺の従兄弟がいたろ?あの子がどうしても俺とお前と3人で遊園地に行きたい って」
『あぁ、なんだ……。そういう事ね』

ハルヒの声のトーンが微妙に落ちたように聞こえたのは……
多分俺の耳がおかしくなったんだろう。うん。

『いいわよ、別に。暇だったし。付き合ったげる』
「そ、そうか。助かったよ」
『別にいいって言ったでしょ。それじゃ、明日9時に駅前ね。用件はそれだけ?』
「あぁ。それだけだ」
『ん。それじゃ切るわよ』
「あ、ハルヒ」
『何?』
「ありがとな」
『っ……!いいって言ったでしょ! じゃあね!』

ガチャン! と派手な音を立てて電話が切れる。

「ふー……」

大きな溜息を一つ。いやぁ疲れた。明日も早いんだ。さっさと寝よう。


リビングに戻るとオセロ板の前で横になって寝てる幼女と対面でじっと正座してる宇宙人がいた。

「……何やってんだ長門」
「次は、この娘の番」

もう一つ大きな溜息をついて、娘を寝室に運ぶ。

「長門、もういいぞ。スマンな付き合せて」
「いい」

そう言って寝室に消えていった。

「……スマンな」

もう一度小さく言ってからあることに気づいた。
539パパは高校1年生 3:2006/06/11(日) 06:50:52 ID:gNXRJAJT
直で長門ん家来たから俺、制服のまんまだ。
今から家まで帰って取ってくるのも、おっくうだしな。
さすがにこのまま遊園地に行くわけにはいかん。そりゃ長門の役割だ。

……と、色々言い訳を考えてみたが。正直なところ、どんな服を着て行けばいいかわからんのだ。
あんまり気合入れすぎるのもアレだし、かと言っていつも通りってのもなんだかなぁ。

なんとなく、経験豊富そうなあいつに聞いてみるか。


もう一度携帯を取り出し、耳に当てる。


『もしもし?』
「すまんな。こんな時間に。ちょっと相談したいことがあって」
『なるほど。明日のデートの事ですか?』

お見通しか。この野郎。

「あぁ……。ま、そんなとこだ。それと、さ。服貸してくれないか?」
『服……ですか?』
「直に長門の家行ったからさ。制服しか無いんだ」
『わかりました。とっておきの服を持っていきますよ』

電話の向こうでウィンクする古泉が浮かぶ。

「んじゃ、光陽園駅前公園来れるか?」
『わかりました。すぐに向かいます』
540パパは高校1年生 3:2006/06/11(日) 06:51:24 ID:gNXRJAJT
ベンチに座って待つ事数分、チャリンコに乗った古泉が現れた。
今日は黒タクシーじゃないんだな。

「あれは緊急事態の時だけですよ」

はい、どうぞ。と言いながら紙袋を俺に渡す。

「実は、僕は今とても喜んでいるんです」
「なんでだ?」
「遂にあなたにデート前に頼られる友人になれた、とね」

と言って微笑む。……なんか知らんが、ちょっと恥ずかしいのは俺だけか?
このまま認めるのもアレだから適当に反論しておこう。

「ハルヒ絡みだとお前ぐらいしかいないしな。朝比奈さんはそういうの経験無いみたいだし長門は論外だ。
 それに服借りなきゃいけないから同性のお前にしか頼めないし……」

微笑み君のまま肩をすくめてチャリンコの方へ歩いていく。

「それでは失礼します。明日、がんばってくださいね」

何をがんばれってんだ。


……相談相手になって喜んでるみたいだし、ついでにもう一つ聞いとくか。

「なぁ、古泉。俺、明日どうしたらいいと思う?」

振り返りながら0円スマイルを振りまいて、

「いつも通りのあなたでいいと思いますよ。きっと涼宮さんもそれを望んでます。
 応援してますよ。機関の一人として、副団長として、そして僕個人として」

そう言ってチャリンコを漕ぎながら闇の中に消えていった。

結局、具体的な答えは何も教えてもらってないな。ま、いつもの事だが。
541パパは高校1年生 3:2006/06/11(日) 06:52:13 ID:gNXRJAJT
あーあ。今日はいろんな事があって疲れた。風呂は……朝入ればいいか。
こういう時はさっさと寝るに限るな。
そう思いながら寝室のドアを開ける。

娘を運んだ時は1組しかなかったのに、そこには3組の布団が敷いてあった。そしてその内2組の中で眠る幼女と長門。
しかもなぜか長門がセンターの位置だ。

……こいつ、分かっててやってるんじゃないだろうな。時々、本気でそう思う。

俺は溜息をつきながらコタツの中に潜り込んだ。
54211-16:2006/06/11(日) 06:54:17 ID:gNXRJAJT
ここまで。個人的には男にも女にもツンデレなキョンと
それを軽く受け流す古泉を書くのが楽しかった。
4話目は昼過ぎ辺りにでも投下します。
543名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 08:25:56 ID:ZjnMucWD
待ってるよー
544名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 08:33:54 ID:E+U3Ax67
一眠りして待ってるぜ。
545210:2006/06/11(日) 08:46:41 ID:ZCXyBK9W
>>475
いや、全然問題ないよ。むしろGJ。実は続きは考えてなかったりするが。
やりたいことはたくさんあるんだがちょっと話を広げすぎたと反省している。
546名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 09:55:24 ID:w02ggBPW
>「んと……。あ、過去の俺によろしく、って」
未来のキョンてきとーだなw
面白い、続きを楽しみにしてます
547名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 10:18:33 ID:1zPZZktb
>542
GJ!!あんた最高だよ!!
548名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 11:07:19 ID:smE1IfZx
542
面白い!
549名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 11:22:34 ID:smE1IfZx
鶴屋さんが見たい!ああ神よ鶴屋さんものを投下してください!
550名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 11:49:46 ID:avzdhTIN
>>524
禿同!
551名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 11:56:08 ID:t8pz0NOU
小説の神達よ、我は乞う。鶴屋ものの投下を。
552名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 11:59:57 ID:fz6GRUre
鶴屋もの今書いてるんですけど
でも書いては消し書いては消しを連発中orz
まぁいつか書き切れるでしょう(多分
553名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 12:03:48 ID:smE1IfZx
ああここに神がおられた!頑張って下され!あなたは希望の光です!
554名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 12:22:24 ID:t8pz0NOU
神よ、神よどうかお早く。我らの希望の光よ!
555名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 12:46:16 ID:r7cGRK4Y
ID:smE1IfZx,ID:t8pz0NOU
書いてるって言ってるんだから黙って待ってろよ
いい加減うざい
21歳以上でそんな中学生みたいな言葉を連呼しないでくれ
1回くらいならネタとして受け止めてやれるが、連呼されてもうざいだけだ

他キャラ作品書きの人が、投下しにくい空気を作るなって
556……:2006/06/11(日) 12:52:24 ID:t8pz0NOU
………ごめん。
557名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 12:52:25 ID:H4fuh5XN
>>555
もっと幼馴染が(ry
558名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:25:33 ID:0MzxDsGD
みくるがショタ化したの考えてみたけどキョンが割り込む隙がなくて話にならないな
困ったもんだ
559名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:45:42 ID:hpicQS4A
>140
こことアニメ板本スレ、ネタバレスレ、キャラ板朝倉スレを同時に見てたんだが
114が拡散していく様子がわかって面白い。
まだ書き込みが無いのはエロパロ板スレくらいかな。
560名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:46:55 ID:hpicQS4A
よりによってそのエロパロ板に誤爆してしまう俺であった。

誤爆スマソ
561名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:50:13 ID:H4fuh5XN
>>560
関係ないけど詳細kwsk
562名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:52:07 ID:hpicQS4A
>561 この板向けのネタだ

114 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 12:45:47 ID:5YCWgJMH
ttp://www.uploda.org/uporg414531.mp3.html
漏れにはこれが限界。
ちなみに長門の高速呪文は原作のSELECTシリアルコード云々と同じ。

119 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 12:52:49 ID:1+IqmwyU
>114
「キョン君のこと好きなんでしょ。分かってるくせに」 か

朝倉青鬼説も有りかなこれは。
563名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 13:55:00 ID:DDawWlPi
山根か、なつかしいなカゲマン
56411-16:2006/06/11(日) 14:04:46 ID:0WKowuTt
4話目投下。多分、7,8話目辺りで終わると思う。
また改善点やら欠点指摘やらなんやらしてもらえるとウレシス
565パパは高校1年生 4:2006/06/11(日) 14:05:22 ID:0WKowuTt
「おっはよーう! パパ起きてー!」
「ぅごふ!」

娘のフライングボディプレスで起こされる。
……妹から逃れても、俺はこんな起こされ方をし続けるんだろうか。


時計……も無いのか、この家は。まぁ、必要無いんだろうな。
携帯を見る。アナログ表示にしてある液晶に写る時計。長針と短針が縦一直線だ。

「まだ6時じゃないか」
「だって楽しみだもん! 早く行こうよ!」

早く行ったってしょうがないじゃないか。まったく。
気持ちは分からんでもないが。

「早く! 早く!」
「少しは落ち着け。遊園地は逃げないさ」

そういいながら洗面所へ。シャワーでも浴びるか。

「スンスンスーン。イェスンスンスーン♪」

服を脱いで鼻歌を歌いながら風呂場へ。

「どぅわっ!?」


そこにはなぜか、透き通るような白い肌の少女がいた。……ってなんで長門がいるんだ!

「……」

顔だけをこっちに振り向こうと……マズイ! 俺は今素っ裸だ! これはマズイ!

「ス、スマンっ!」

宝石のような真っ黒な目が俺の裸体を捉える前にドアを閉める。セーフ。
大丈夫。背中しか見てない。大丈夫だ。……何が大丈夫なのかはわからんが。
566パパは高校1年生 4:2006/06/11(日) 14:05:56 ID:0WKowuTt
慌てて服を着てリビングへ。もしゃもしゃと朝ごはんを頬張る娘。

「有希が作ってくれたの。おいしーよ! パパの分もあるから!」

こたつ机の上に並べられた見事なベーコンエッグ。レトルト以外も作れるのか。
というか長門は何時に起きたんだ。

娘と並んで朝飯を食ってると風呂から上がった長門もこたつに座る。
……さっきの事について特にコメントは無いようだ。長門で助かった。
相手がハルヒなら今頃俺は、六文銭を握り締めて渡っちゃいけない川に向かってることだろう。

長門の事だから、もしかしたら素っ裸でこっちに来るんじゃないかと
期待……あいや、心配してたんだが杞憂だったようだ。つーかやっぱり制服なのな。

予想以上に美味い朝飯を平らげ、今度こそ風呂に入るために洗面所へ。

心持ち、いつもより丁寧に身体を洗う。
……いや、別に深い意味は無いぞ?

風呂からあがり、古泉から貸してもらった服を着る。
ピンクのワイシャツにブラウンのジャケットスーツ、エンジ色のネクタイ。
……なんかカッチリしすぎじゃないか?遊園地に似つかわしい格好じゃない気もするが。
ま、折角貸りたんだし着るか。どーせコレの他は制服しか無いんだ。


「わー! パパかっこいいー!」

キラキラした目で言いながら俺の手を取る。わかったから、さりげなく玄関に引っ張るのはやめなさい。

これ以上ゆっくりして娘の機嫌を損ねるのもなんだし、そろそろ行くか。まだ7時前だけど。
567パパは高校1年生 4:2006/06/11(日) 14:06:32 ID:0WKowuTt
「スマンな長門。あと一日世話になるけど……」
「いい。気にしていない」
「そっか。ありがとな」

なんかお土産でも買ってきてやろう。長門には世話になりっぱなしだな。

「それじゃ行ってくるよ。多分夕方辺りに帰ってくると思う」
「……いってらっしゃい」

と、長門と玄関で夫婦のような会話を交わして家を出る。
この分じゃ7時過ぎには着きそうだな。……約束より2時間も早いじゃないか。

「楽しみだねー!」
「そうだな」

こいつがいれば暇はしなさそうだ。

そう思いながら、休日の朝っぱらからウロついてる暇人に混ざりながら駅前へ向かう。

「……ま、来てるわけ無いか」

壁にもたれる。眠い。もう少し寝てたかったな。


「ちょっと」

横から声を掛けられる。おいおい、こんな時間から逆ナンか?
全く、モテる男は辛いぜ。

そう思いながら隣を見る。
白のノースリーブのワンピースに水色のカーディガンを羽織ってる。
いいとこのお嬢さんみたいな格好だな。
残念だが、ハルヒを待たなきゃいかんし断るか。

「ちょっと人待ってるんで。すいません」
「私以外の誰を待ってんのよ」

何言ってんだ? そう思って顔を見る。
568パパは高校1年生 4:2006/06/11(日) 14:07:08 ID:0WKowuTt
「ハ、ルヒ……? だよな?」
「どっからどう見ても私でしょ。何よ、何か文句でもあんの?」

どこをどう見てもお前じゃねぇよ。その格好じゃまるで朝比奈さんだ。
……ま、抜群に似合ってるんだが。

「アンタだって人のこと言えないでしょ。その格好」

だろうな。こんなカッチリした服なんか普段着ねぇよ。息苦しいったらありゃしない。

「……にしても。こんな早くに集合しちまうとはな。まだ開いてないだろ?」
「そうね。喫茶店にでも行って時間潰しましょ」

そう言ってずんずんと歩き出す。慌てて着いていく俺と娘。



大量に注文するハルヒ。朝からよくそんなに食えるな。

「いっぱい楽しまなきゃいけないから、エネルギーを溜めなきゃ。ね、従兄弟ちゃん」
「うん!」

もしゃもしゃとホットケーキを頬張る娘。こいつもよく食うな。
さっき朝飯食ってたのに。やっぱり遺伝か。

たらふく食った後、さらにデザートまで注文する。

「このパフェとかおいしそうね。従兄弟ちゃんも食べる?」
「食べる食べるー!」

微笑ましい二人を眺めながらコーヒーを啜る。こういうのも悪く無いな。
569パパは高校1年生 4:2006/06/11(日) 14:07:44 ID:0WKowuTt
「ほら、頬っぺたにクリーム付いてるぞ」
「んー……」

と、拭いてやる俺。ほんとの親子みたいだな。いや、ほんとの親子らしいが。
それを微笑みながら見てるハルヒ。


「……お前も付いてる」
「えっ? あっ!」

慌てて顔を擦るハルヒ。子供かお前は。


「んっー! 一杯食べたしそろそろ行こっか」
「行こ行こー!」

一伸びしてから席を立つハルヒとついていく娘。
やっぱり払いは俺か。

「当たり前じゃない。私のほうが早かったし、そもそも誘ったのはアンタなんだからね」

はいはい。わかりましたよ。
……まさか遊園地も俺の奢りじゃないだろうな。

不安に駆られながら財布の中の野口さんの人数を確認した。
57011-16:2006/06/11(日) 14:10:21 ID:0WKowuTt
ここまで。ここから先があんまり思いつかないけど、ちょくちょく書いていこうと思います
571名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:18:33 ID:ZFHAdD6F
GJを知っているか
572名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:23:43 ID:3+RSGZRZ
>>564
「従兄弟」を「従妹」にしたほうがいいと思うのですがどうでしょう?
573名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:26:28 ID:38Kk8UFr
続きが楽しみだGJ
574名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:40:33 ID:qJW8kh2L
>>565
「スンスンスーン。イェスンスンスーン♪」

未来でもこのCM流れているのかw
575名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:43:29 ID:bO7EClH0
>>574
歌ってるのキョンだからそんなに未来じゃないんじゃね?
576名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 14:51:29 ID:qJW8kh2L
>>574
すまん、そのとおりだ
577名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:00:12 ID:V5rWPL1W
GJ
さりげなくはりきってるハルヒに激しく萌えてしまった。
2時間前って・・・すげぇな、オイw

こういうほのぼの家族モノも結構いいッスな。
でも、やってることはいつも通りのハルヒ(+娘)に振り回されて「ヤレヤレ」だろうけどw
578名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:11:56 ID:xXUjbztz
GJ
そろそろGJをこえる賞賛の言葉を考えないと対応できんぜ
579名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:13:36 ID:38Kk8UFr
めっがさGJ にするか・・・
580名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:14:25 ID:38Kk8UFr
めっがさだorz
581名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:15:44 ID:kCe/JI31
>>580
え?
582名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:16:12 ID:oNe3uFoA
>>579-580
wktk
583名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:16:16 ID:xXUjbztz
ワロスwww
584名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:21:45 ID:38Kk8UFr
ふがっorz
585名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:28:19 ID:7NSr3lti
>>572
同意。すげえ違和感。
せっかくの作品が、こんなつまらん誤字程度で評価が下がってしまうのは
あまりにもったいない。
586名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 15:29:35 ID:kCe/JI31
俺の辞書は「きょうだい」と打ち込むと「兄妹」と変換されます。
58711-16:2006/06/11(日) 15:50:51 ID:0WKowuTt
>>572,585
あー…。あまり気にせず第一候補の従兄弟を使ってた。
統一したほうがいいような気もするけど次からは従妹で行こうと思います。
588名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:05:33 ID:t8pz0NOU
きょうだいが、鏡台で出てきた。
589名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:07:00 ID:irZ4oQ/M
>>579
鶴屋サンの言ってるのって「めっがさ」だったっけ?
俺の記憶では「めがっさ」だったような…あれ、混乱してきたorz

そして>>587氏GJ。Ideaがイイ!
590名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:11:33 ID:38Kk8UFr
>>589
「めっがさ」がまちがいだスマン
「めがっさ」が本物だ・・
タイプミスしてないよな・・orz

591名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:37:34 ID:mOl1ukYP
めがっさ。っていわゆる関西弁みたいだな。おれ関西だが知らんかった。
めっちゃ、めっさ、は使ってるけど。
592名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:48:52 ID:bO7EClH0
めがっさGJにょろでいいじゃまいか
593名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:55:34 ID:8/+CDNYu
最近の神達のSSは秀逸すぎて、原作とゴッチャになるのは俺だけで良い
594名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 16:55:49 ID:aZDze5aW
エンジンが壊れて地球と衝突コースに乗ってしまった位めがっさGJ!!>569
595かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/11(日) 17:28:57 ID:4Gr2LLmZ
>>595
保守
596名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 17:28:58 ID:smE1IfZx
これを言えば私のことを気違いとか、狂っていると皆は言うかも知れない。実際に狂っているのだが、これだけ言わせてもらう。
この場にいる神からの投下を待つ者達よ!鶴屋さんものの投下を願うのだ!そして鶴屋さんを敬愛せよ!フハハハハ!


…すいません調子に乗りました。長文まことに申し訳ありませんm(_ _)m

597名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:01:23 ID:m2ftzjUS
なんか妙に厨臭い空気が漂ってるのは
気のせいかな
598名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:02:50 ID:t766/aRH
つ ファブリーズ
599名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:06:18 ID:gyvnjQYN
おまいならこういう流れに対する対処法をしってるはずだて
>>パパは高校1年生
ハルヒがうまく描かれてるもんだから本当におもしろい
続きwktk
600名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:06:22 ID:t8pz0NOU
置き形の方がいい?
601名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:21:14 ID:r7cGRK4Y
ID:smE1IfZx
言ってもわからんか
もういいから一刻も早く氏ね
602名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:25:39 ID:gE9GSTIn
>>570
レスが少々遅れたが、
ほのぼのとした感じがツボに入ったよ。GJ。
続きも期待している。
603名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 18:29:03 ID:t8pz0NOU
涼宮ハルヒは、おもしろいね!!!
604名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:18:16 ID:/1nYulrx
>>603
分かったから、sageてくれ
605名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:21:13 ID:cP0z9GXe
おまえらちょっと落ち着け
606名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:30:36 ID:OsBLlSoo
前スレから、ハルヒのものがほとんど投下されてないような・・・・
最近のやつはハルヒものというよりオールキャラ、って感じだしなぁ・・・
ハルヒもので濃いエロが読みたい・・・需要ないのだろうか
607名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:32:33 ID:xXUjbztz
エロはあってもなくてもいいからハルヒ×キョンの純愛が読みたい
608名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:40:29 ID:4NNbvr5o
>606
無いわけがない
609名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:42:26 ID:ZFHAdD6F
むしろツートップ
610名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:44:00 ID:QS8XAlhH
ハルヒが長門をやたらと大事にしているのは長門×ハルヒの伏線というわけか
611名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:48:03 ID:jWFW/JQV
ID:smE1IfZx, ID:t8pz0NOU
うざいしキモい
回線切って首吊って氏ね
612名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 19:58:51 ID:mK30qASe
モチツコーネ
613名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:06:05 ID:smE1IfZx
>ID:rP7cGRK4Y
本当すいません調子にのりすぎました。でも、皆さんハルヒや長門ばっかりだから、少しは鶴屋さん好きになってほしかったんです。
614名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:15:32 ID:doVBIXr9
なぁ、ここは一応21禁なんだよ?
615名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:16:16 ID:doVBIXr9
ageすまん。
616名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:27:16 ID:T6y4tesS
長門物もいいんだが、こう・・・たまにはハルヒ物も読みたいんだ・・・
617名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:30:42 ID:Vn3QKY+4
じゃあハルヒ×神人で書いてくるわ
618名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:37:45 ID:irZ4oQ/M
>>617…無茶しやがって…

>>616
原作もハルヒよりみくる、長門の方が優遇されてるぽいからハルヒ物が少ないのは
しょうがない。

>>614
今時、18禁とか21禁とかを律儀に守る厨房はいねーよww
619名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:39:44 ID:aZDze5aW
>>613
>>616


「気がついた!」
 唾を飛ばすな。
「どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのかしら!」
 ハルヒは白鳥座α星くらいの輝きを見せる両目をまっすぐ俺に向けていた。仕方なく俺は
尋ねる。
「何に気づいたんだ?」
「ないんだったら自分で書けばいいのよ!」
「何を」
「読みたいキャラSSをよ!」
 頭が痛いのは机の角にぶつけただけではなさそうだ。
「そうか。そりゃよかったな。ところでそろそろ手を離してくれ」
「なに? その反応。もうちょっとあんたも喜びなさいよ、この発見を」
「その発見とやらは後でゆっくり聞いてやる。場合によってはヨロコビを分かち合ってもいい。
ただ、今は落ち着け」
「なんのこと?」
「授業中だ」
620名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:43:26 ID:irZ4oQ/M
>>619
ワロタw
それ使いたかっただけだろw
621名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:49:00 ID:smE1IfZx
619
お言葉ありがたいんですが、私は文章書くのがドがつくほどへたで……こんな奴が書き込んでいてすいません。
622名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:51:01 ID:1MvJtE8B
自称でも21歳以上を名乗るなら、それに見合ったマナーを守って欲しいもんだがなぁ。
623名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:52:36 ID:0n6vXNF4
分かってるなら書き込まないでくださいね?

鶴屋SSなんて需要ないものどーでもいいから
ハルヒとキョンの純愛キボン
624名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:53:03 ID:irZ4oQ/M
>>621
頑張れ。エロパロで一番必要なのは文章力じゃなくて
向上心と鍛え抜かれた妄想力だ。
625名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 20:54:18 ID:38Kk8UFr
こっちの要望にこたえて書いてもらったら
いいものできない気がするから、気長にまとうぜ
626名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:02:42 ID:r7cGRK4Y
>>621
自覚したな。もう二度と書き込むなよ
一応21禁だからな、書き込んだらそれ相応に扱われるんだ
自分の今までレスみて厨房だと思わないか?
見るだけなら誰も文句言わないから黙って見とけ
627名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:05:57 ID:dOWmjVZe
なかよくいこうぜ
628名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:07:03 ID:4NNbvr5o
>>618
とりあえず、ハルヒ物が少ないとは思わんが

むしろ少ないのはみk
629名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:09:05 ID:OqmE2/VS
さて、書きかけながら投下します。今回メインはハルヒ。
630名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:09:25 ID:irZ4oQ/M
>>628
よく考えたらハルヒ物ってそんなに少なくなかった。スマソ。
631オブスィーンサークル:2006/06/11(日) 21:10:31 ID:OqmE2/VS

あからさまなほど不自然な事に、それは何故かベッドの真ん中に置いてあった。

「あら、何かしらこれ……はっはーん。
 さてはこのディスクにこの事件の手がかりがあるのね。そうに決まってるわ」

「お前、さっき二月遅れの五月病とか言ってたばっかだろうが」

「てっきり部屋の隅っこで丸くなって引き篭もってるものと思ってたのよ。
 でも実際、どっかに消えてるのは間違いないじゃない。別の真相があるのよ」

言われてみればそれもそうかと納得して、さて何だこれは、という話になる。

『それ』は何かはもうわかるだろう。ディスクだ。CDかDVDだろう。
ところでSOS団にはパソコンがあるわけだが、俺達はCDにもDVDにも詳しくない。
何の図案もないまっさらなディスクを見てPC用記録メディアだとわからないレベルだった。

「確かに。これはあからさまに嫌な感じがしますね」

「……異質な情報の痕跡が残っているが、無視できるレベル」

古泉や長門ですらそんな感じでシリアスに会話してる始末なのだ。
ハルヒは言うまでもないとして、朝比奈さんや俺も別の意味で言うに及ばず。
結果として全員が本当にこれを怪しいと思った。思ってしまった。

「おや、ケースの帯に何か書いてありますね」

「え、見せて見せて……あ、ほんとだ」

ハルヒは古泉から乱雑な動作で透明プラケースを奪い取る。パキリと嫌な音がした。

「えーっと、なになに……『ミステリックサイン』?
 何の事かしら。ミステリーの香りがするわね。何かのサインかしら」

幾らなんでも直截すぎるだろ、その感想は。
普通に考えたら映画かアルバムのタイトルだろ。

「……う、うるさいわねっ!
 わかってたわよ。今のはちょっと団員の知恵を試してみただけ!」

へいへい。ご期待いただきありがとうよ。
……まぁそんなこんなで、他に成果もなく、俺達はコンピ研部長の部屋を後にした。

「本当に何の痕跡もありませんねぇ。手がかりはあのディスクだけですね。
 ところで、あれは涼宮さんに持たせておいて大丈夫なものですか?」

「特に問題はない」

長門からも安全のお墨付きをもらい、俺達は解散する事にした。

632オブスィーンサークル:2006/06/11(日) 21:11:11 ID:OqmE2/VS









なし崩しのうちにハルヒが勝手に持ち帰って調べる事になってしまっていたので、
そのディスクの正体を知るために翌日の放課後を待たなければならなくなった。

「あー、もう、何なのよこのディスク!
 CDラジカセでもDVDプレイヤーでも再生できないし!」

布ケースに収められたディスクを取り出しながら、ハルヒは言った。
ところでつかぬ事を伺うが、本来あったはずのプラケースはどうなった?

「ちょっと乱暴に扱ったら壊れちゃったのよ。全く安物は駄目ね」

案の定だし酷い話だが、大いに同意する所だね。
全く、CDケースってのはどうしてあんなに脆いんだ。
かく言う俺も先日古泉から借りたアルバムのケースを割っちまったばかりだし。

「待ってください、あれはお気に入りだったんですけど。割ったんですか?」

歌劇のように悲壮な表情を見せる古泉を無視しつつ、
さてこのディスクはいったい何なんだと俺達三人は首をひねった。
ああ、三人目は朝比奈さんな。この人は光る円盤を見たカラスのような表情だった。
ひょっとしてディスクそのものが珍しいのか?
ちなみに長門はそんな俺達を尻目に本を読み、
古泉は無視された事に拗ねてソリティアに没頭し始めていた。

「なんか引っかかるのよねぇ、喉まで出掛かってるような。
 もう少しで思い出せそう……あーもう、みくるちゃん、お茶!」

「あ、はい!」

あわててお茶の準備にかかるメイド朝比奈さんを見て、
ああそう言えば俺も仕事を言いつけられてたなぁ、と思い出した。
というかよく考えたらこのディスクの正体が判明しなくても俺は全く困らんのだ。

「なぁ、ハルヒ、とりあえずそこ退けよ。パソコン使うから」

「何よキョン。あたし推理に忙しいんだけど。
 だいたいね、あんた団長に対する忠誠心とか任務への情熱ってもんはないの?
 あたしが世紀の難問に唸ってる隣で一人だけブログ見て楽しもうっての!?」

「ブログか。実際、日記とかどうだ? SOS団ホームページのネタにできんか?
 ……いや、ともかくWEBサイト元に戻すだけやっときたいんだ。いいから退け」

首根っこ掴んで立たせようとするが、臍を曲げたハルヒは応じなかった。
633オブスィーンサークル:2006/06/11(日) 21:12:13 ID:OqmE2/VS
仕方ないので脇の下に手を通して羽交い絞め、無理やり立たせる。

「あ、こらキョン、触るなっ!」

「いいから退けっつってんだろ。考え事なら俺の椅子に座ってでもできるだろ」

ハルヒは不思議と抵抗弱く直立したが、
後から慌てて気付いたように俺の手を振り払った。

「……今あたしの胸触ったでしょ」

「知らんよ。どうでも良い」

そう言い捨てて(いや、痩せ我慢だがね。柔らかかった)椅子を乗っ取る。
ハルヒはなおもブツブツ言っていたが、諦めてくれたのかその場を離れ、
憤懣やるかたないという様子で俺の席にのしかかって座り込んだ。

「……ばか」

と言って机に両手を投げ出して頭を突っ伏し、
うだうだと何か考え始めたようだ。どうせロクな考えじゃあるまいよ。

ところで、気付けば団員三人の視線が俺達に注がれていたのは何故だろう。
物凄い憮然とした表情で「馬鹿ですか貴方達は」と問いかける視線である。
実にいたたまれない。穴があったら入りたい気分だ。

パソコンのスイッチを入れるのが、まるで視線から逃げるために俯いたようにさえ思えた。
DVDドライブの空回りする音とハルヒの空回りする繰言だけが、部室を支配していた。

……いやちょっと待て。俺は今、何と考えた?
―――あ、そうか。そうだな。

「なぁハルヒ」

「何よ!」

「いや、例の謎のディスクの事なんだけどな。
 ……パソコン用のディスクじゃないか?」

古いCDラジカセの蓋を開けた時のようにハルヒが飛び跳ねた。

「それよ! どうして気付かなかったのかしら!
 お手柄ねキョン! あんたもたまにはやるじゃない」

極上の笑顔でねぎらう団長様を見て、俺が辟易した事は言うまでもない。
ところで、なぜかさらに物凄く生暖かい視線が注がれたのは一体何故だろう。
634名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:13:50 ID:OqmE2/VS
短いですが、とりあえずここまで。
今回はクリティカルエラーのような地雷は仕掛けてません。続きも地雷にはなりません。一応念のため。
635名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:33:06 ID:SaDSoHB/
クリティカルエラー(笑)
636名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:35:47 ID:irZ4oQ/M
>>634
続きが気になるじゃあないか…orz
637名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:38:40 ID:Iwe9chUw
>>617に先んじて小ネタ。

涼宮ハルヒの鬱憤



 もう、あったま来ちゃうわ、キョンのやつ。あそこはツッコミ待ちじゃない!
どうしてスルーするわけ?古泉君に言わせてどーすんのよ!
 みくるちゃんもみくるちゃんよ!あのタイミングでお茶を出してキョンの気を
逸らすなんて、わざとじゃない!?何気に有希も顔を上げてキョンと見つめ合ってたりするし!
 ああ、むしゃくしゃする。こういう日は決まって、あの夢を見るのよね……

 ベッドに入って目を閉じると、そらきた。灰色の空間と青色の……何か。
場所はバラバラ。教室だったり、部室だったり、喫茶店だったり。今日は、……キョンの部屋じゃん!夏以来だっけ?
 何回か見た夢だけど、よくわかんないのよね。初めて見たのは、キョンと……キスする夢。
次からはキョンが出てくることはなかった。代わりに出たのは、こいつ。
 青白い触手。触手って言っても、あっちよ、エロ漫画とかでエッチな事をするやつ。
他が灰色一色だから、洞窟の中で光る苔みたいでちょっと幻想的だけど、これが結構なテクニシャンなのよね。
 どうやら攻めっぷりはあたしのストレスの度合いで代わるらしく、一、二度で終わる事もあれば、
一回だけ、失神した後……夢の中だけど……たたき起こされて、さらに七回以上イかされたこともある。それ以降は記憶が飛んじゃった。
 最近では、こいつらの攻めで自分のストレスを計ってたりもするくらい。
 さて、今日は……
「んうっ!」
 いきなり局部に来たわね。前戯無しってちょっと珍しいかも。でも何故か、
最初の夢からこいつらに嫌悪感を抱いたことはない。自分の体の一部みたいに感じる。
 触手は遠慮なく一番奥まで入り込み、そこでとぐろを捲く。子宮の入り口あたりに
圧迫感を感じて、私はジェットコースターで最初に上り坂を上がっていくような、緊張と期待を味わう。
「えっ!?」
 うっそ。とぐろを捲いてた触手がさらに伸ばされて……子宮の中に入り込んじゃった。
 まあ夢だから別にいいけど、なんか変な感じ。お、膣の中の触手が太くなってきた!来る来る!
「ッ!?」
 っや、ちょっと、いきなり動きが速く、お、おなかの中いっぱいに
「うあ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
 ゆ……揺れてるっ!一突きごとに、子宮全部、揺れちゃって、
「うんっ、んんぅ」
 言葉もしゃべれないような、衝撃。へたへたと足の力が抜け、膝から落ちようとして
既に触手に体全体が包まれようとしていた。青白い繭の中に、体をゆだねる。
 すぐに細いのが何本も出てきて、胸や背中を這い回る。最初はこそばゆいだけだったけど、
いっぺんイっちゃった後だとそれくらいが気持ちいい。クリトリスにはさらに細い触手が、
まるでヒモで縛るみたいに括り付けられた。十分に充血して、ぷっくりとはれ上がってる。 
 落ち着いたところで、また膣の中の触手が暴れまわる。
 どうせ夢の中なんだから、ってんで私は
「あ゛あ゛あ゛っ♪」だの「お゛お゛お゛お゛!」だの、凄い声で喘いじゃう。
経験からすれば、この夢では寝言は言わないらしい。
 それにしても、この攻め、すっごい……クセに、なり、っまたイクッ!



 目を開けると、自分の部屋の天井が見える。
「あ゛〜……」
 いくら夢とはいえ、あの攻めはちょっとマニアックかなあ……なんて事を寝起きに考えるのって、
どうなのかしらね?
 今回の夢は、つまりこういうことよね。画期的な方法を見つければ相手の反応も自ずと良くなる、と。
 あたしはキョンたちを責めてたけど、やっぱりあたしのフリにも曖昧な所があったのよ。
そこを詰めていけばキョンの反応だって自ずと良くなるし、古泉君にツッコミ役を譲る事もないし、
みくるちゃんのお茶がきても大丈夫だし、有希とのアイコンタクトも……これは別の課題か。
 まあいいわ。深層意識でこんな事考えてたなんて、あたしもなかなかやるもんね。
 よし!今日から実行するわよ!

 今日のスコアは四回だった。
638名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:39:03 ID:Vr3hDghS
なにこのはた迷惑なバカップル

…GJです
639名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:40:00 ID:Iwe9chUw
>>637
あ、長門有希の酔狂とか書いてる奴です。狼狽は……今考え中……
640名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 21:42:16 ID:irZ4oQ/M
>>637
そんな小ネタで興奮できるとでも?…

…めがっさGJでした…
641名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:04:29 ID:AZo1wFth
ねだるな
あたえて
かちとれ

書かない空想は無限に心の中の輪を回転するだけでなにも生まない


谷川つながりでこの言葉を置いておく。
ただ、みんな落ち着こう。早すぎだ、いろんな意味でw
642名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:19:41 ID:XfXPWt4L
>>621
憤慨p134 あたりを読み直せ。

もちろんありゃ暴論だが、実際に小説で食ってくとかならまだしも、2chの片隅でエロパロ書く程度なら通用する言葉だと思うぞ。

>>634
「クリティカルエラー」についてだけど、遅レスごめんね。
なんか違和感感じると思ったら、キョンの口調が実際に読んでる読者の存在を意識しすぎてるからじゃないかね。原作は一人称ではあるが、読者って明確な存在に対して語ってるわけではない。
だから、作中の文章がキョンというか作者の言葉に聞こえて、それを悪意って受け取る人がいたんじゃないだろうか?
とりあえず、新作期待してます。

>>637
ハルヒの妄想マニアックすぎでGJ!!
643名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:22:37 ID:jYsM5jmH
>>637
GJだ!!

ところで、前にBUMP歌詞のSSはどうなんだ?って議論があったんだが
他の歌手の詩を題材にした、SSを反対って言う人多い?
644名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:26:35 ID:EHa5DRaO
>>637
ネタの調理早いなぁGJ

テクニシャンな触手に開発された身体のハルヒw
こんなハルヒがキョンと心身共に結ばれたら、夜の生活に満足出来ず
世界改変してキョンが触手人間にされてしまいそう
645名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:27:38 ID:8/+CDNYu
>>643
物によっては良いと思うが、駄目なのは歌詞や詩を改変したような作品。

薄っすらとテーマ的な物になってる のはいいと思う。
646名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:27:46 ID:aZDze5aW
>643
元の詩がわからない程度にぼかされているのならば構わないと思う。
元曲を知っている人がニヤリとできて、知らない人にも違和感がない位ならば。

それがあからさま過ぎるのには反対とまでは言わないけど、萎えます。
647名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:28:26 ID:PvpFvLG/
単に歌詞をなぞるだけなら誰の歌だろうが同じことかと。

でも、歌詞を元にするのが駄目なんじゃなくて、つまんないパクリSSが氾濫したから叩かれただけなんだよ
648名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:29:50 ID:q22r4V61
>>643
反対ではないが、読みたいとは思わない
649名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:31:03 ID:IsksPSVv
>>643
645、646に同意
あんまりあからさまだといつかみたく厨が湧くし
650名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:32:25 ID:4NNbvr5o
○ 作品テーマ 
× ただの歌詞改変
651名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:35:11 ID:M6E4sLrT
前スレラストの続かないって言ってた妹ちゃんの続編を書いてしまったから
投下。エロやってみました
652名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:36:06 ID:M6E4sLrT

「おっす」
教室に入った俺は、近くにいた国木田に声をかけた。
「おはよ、キョン」
妹のことは忘れよう。俺たちは適当に雑談を始めた。

谷口も加わってそれなりに盛り上がりを見せた雑談は、チャイムの音と共に終了した。
めいめい自分の席に戻り、俺も席に腰掛けると、背後から声がかかってきた。
「キョン、明日の不思議探しのことなんだけど」
「なんだ?」
俺はハルヒへ振り向いた。
「あのね、今度はちょっと、」
俺を見ながら話し出したハルヒの目線が泳ぐ。
「え? ちょ、ちょっと……んん……遠くへっ、だめっ」
顔を赤らめたと思うといきなり席を立ち、教室の外へ駆け出ていった。
どうしたんだ?

ハルヒが戻ってきたのは、ホームルームが終わってからだった。
走りこんだ後のように疲れた表情をして、机に突っ伏す。
「何があったんだ?」
「言いたくない」
「そうか」
納得するしかないな。
しばらくして気力を回復させたのか、顔を上げた。
「そう、それでね、さっきの話の続きなんだけど」
「ああ」
今度は首だけ振り向いてみた。
「電車でもう少し遠くま……で……あんっ、なんでなのよっ」
泣きそうな表情でまた走り去っていった。
653名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:36:52 ID:M6E4sLrT

どうも原因は俺らしい。そうじゃなきゃ変だろ、いくらなんでも。
しかも顔だな。顔を見ると、相手が変になってしまうらしい。
男はならないのはわかった。女は今のところ妹とハルヒだけか。
これだけじゃなんとも言えん。
そのままハルヒは保健室に行ってしまったらしい。
授業が始まっても、帰ってこなかった。

昼休み、俺は部室へ向かった。
このわけのわからん状況をなんとかできるのは、長門だけだろ。

「長門、いるか?」
念のため、後向きに部室に入り、呼びかける。
「いる」
後向きだからわからんが、もしかすると呆れてるのかもしれんな。
「俺の身に降りかかっている災難の原因はわかるか?」
「あなたの顔を見て解析すれば、わかるかもしれない」
って、それが危ないんだが。
「大丈夫」
長門がそう言うなら、見せるか。
俺は振り向いて長門の診断に任せる。
長門はじっと俺の顔を見つめ、そのまましばらく時が経った。
「どうだ?」
「……ごめんなさい」
ぽつりと言う長門。わからなかったか。
「誤算。大丈夫ではなかった」
「え?」
654名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:37:46 ID:M6E4sLrT

長門は瞬間移動としか思えない動きで一気に俺に近寄ると、足を払って押し倒してきた。
「おい、なが――」
文句を言う暇もなく、唇が奪われる。陶酔した目の長門が視界に広がった。
長門はそのまま「あとで再構成する」と俺の口の中に言いながら、制服を引きちぎり
自分のセーラー服も瞬時に分解した。ほっそりとした裸身があらわになる。
やめろと言いたいが、口がふさがれてて言えん。
抵抗する俺をどう思ったのか、長門は唾液を含ませてきた。嚥下してしまう。
そして俺は変わった。

「性の衝動を高める作用を持つプログラムを唾液に、」
長門の口を俺の口でふさいでそのまま上下入れ替わる。言葉なんかいらないだろ、今は。
長門も俺の舌に応え、絡めてきた。ぴちゃぴちゃと淫らな音が響き渡る。
俺は長門の舌を楽しんだ後、首筋に唇を這わせる。弱く、そして強く吸い付く。
「あ……」
長門の声に色を感じたのは初めてだ。感じてくれて嬉しいぜ。
「胸、を」
要求に応え、俺はそっと突起をついばむ。
ぴくんっと反応する長門がいとおしくて、何度となく乳首をいじめる。
小ぶりな胸は思ったより敏感で、長門の表情に乏しい顔が喜悦に歪み下唇を噛んでいる。
その顔を見て征服感に支配された俺は、手を滑らせ秘所を目指す。
熱を持ったそこに、指を差し入れた。
「う……くぅ」
すんなりと俺の指をくわえ込んだ長門のそこは、貪欲に求めるかのように
愛液でしとどに濡れていた。
「無味乾燥なお前がこんなに濡らしてるとはな。表と裏は別ってことか」
「違――」
「違わないね。部室で本読みながら何考えてるかわかったもんじゃないぜ」
「いや……やめて」
目を見ながらわざと嘲る俺に、長門は顔を背ける。
これからその顔をよがらせるのかと思うと、背筋がぞくぞくした。
655名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:38:01 ID:bO7EClH0
>>645に大体同意
何だこれバンプの曲のまんまじゃん、と一目見て判るようなのは駄目だと思ってる。
駄目というか、そういうのは読んでられないって事だけど。
656名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:38:30 ID:M6E4sLrT

顔を背けた長門は、しかし嫌がっているわけではないのは明らかだった。
その証拠に瞳は潤み頬は朱に染まり、これからのことに期待を馳せている。
俺は挿入したままだった指を出し入れしだした。
「んっ……はぁ」
長門の口から嬌声が漏れる。
俺のモノも痛いぐらいに屹立していたが、長門を悦ばせるのに快感を覚えていたため
自分の欲望を吐き出すことまで頭が回らなかった。
だから、長門が不意に俺のモノに手を添わせてきたとき、
「うおっ」
俺は驚きの声を隠せなかった。秘所とは対照的にひんやりした、その手の感触に
あっけなく射精してもおかしくないぐらいの快感を受けたからだ。
長門はペニスに手を添えると、優しく上下に動かす。
そのあまりの気持ちよさに、長門の上に交差するような姿勢で膝立てていた俺は、徐々に
体をずらされ、いつしかシックスナインの体勢に移行していた。
長門はもう片方の手も添え、本格的にしごきだす。
俺も負けじと、指をもう一本足し、長門を責める。
「……っふ、はぁ、はぁっ」
長門の息はどんどん浅くなっていき、俺も意識が射精することに持っていかれそうになる。
余裕のなくなってきた俺は、体を支えていた手をどかし、体を床に横たえると
空いた手を長門の充血し膨らんだクリトリスに伸ばし、包皮を剥いた。
「っ!」
長門は声にならない音を口にし背をびくんっと震わせた。軽く絶頂に達したようだった。
それに気を良くした俺は、顔を秘所に近づけ、敏感になっているクリトリスは迂回し
淫唇を舐めまわす。あえぎ声を断続的に続ける長門は、それでも俺のペニスを擦る手を止めなかった。
ダメだ、もう耐え切れない。
「うっ、も、もう、出そうだ」
俺の切羽詰った声を耳にした長門は、ペニスをひとおもいに口に含んだらしい。
ぬめぬめとした口腔の感触に、我慢を続けていた俺の理性は吹っ飛び
精液を長門の喉奥へ大量にぶちまけていた。
657名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:38:49 ID:/VyKrYLc
バンプ俺知らないからまったくわからないんだよね…
658名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:39:26 ID:M6E4sLrT

「はあ、はあ……」
気絶しそうなぐらいの快感を得た俺は、荒い息をついていた。
長門はこくこくと白い喉を震わせて俺の精液を全て飲み込み、出し残しも許さないとばかりに
俺のモノを吸い続けた。最初の唾液の影響か、一度出したぐらいではまったく萎えずに
勃起したままのペニスだったが、長門の舌は少々刺激的過ぎるぜ。

ようやく解放してくれた長門は、潤んだ目で俺を見つめ、両手を差し出してきた。
「来て……」
俺に異存などあるはずがない。正常位の体位を取る。
「いいか?」
こくっと首を縦に振った長門に、俺はペニスを秘所にあてがい、一気に貫いた。
「っ、くぅっ!」
長門は痛みをこらえるかのように顔を歪める。
長門の中は、熱もさることながら、愛液や襞が絡みつき、なんとも言えない愉悦を俺にもたらした。
しばらくそのままで長門が落ち着くのを待ち、ゆっくりと挿入し始める。
「あぁっ、んっ」
先程の絶頂で敏感になっている長門は、すぐによがり声を上げだす。
一方の俺は、一度出しただけあって、まだまだ長門の悦びの表情を楽しむ余裕があった。
腰をゆるゆると動かしながら、両手を胸に置き、やや荒々しく揉みしだいてみる。
「ひゃんっ!」
可愛い声をあげて全身を振るわせる長門。さっきといい、長門の性感帯は胸らしいな。
「胸がいいのか?」
俺の質問に、うなずく長門。それを受けて緩急強弱をつけながら、乳房を揉み続ける。
長門はもう翻弄されるだけで、ただせつなそうに声を出しながら浅い息を吐くだけになっていた。
もう後はいくところまでいくだけだと思った俺は、揉む手を止めて長門の腰を抱える。
徐々に挿入の速度を上げていき、打ち付けると表現したほうがいいぐらいになる。
長門の尻肉に勢いよく当たって小気味いい音が響き、俺と長門の結合部は愛液が泡立ったのか
打ち付けるたびに白いものが飛び散る。長門の膣の締め付けも、一層きつくなって
俺の射精欲も、少しずつ高まりを見せた。
659名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:40:28 ID:M6E4sLrT

「っ、はぁっ、はぁ」
いくら時間が経ったかわからないが、もう浅い息をつくだけになった長門に、俺は声をかける。
「そろそろ、出してもいいか?」
長門は息のつく合間に、声を振り絞る。
「いい、いつでも、中に、出して」
それを聞いて、俺はラストスパートに入った。
腰が砕けてもいいぐらいに猛烈に打ち付ける。長門も俺の背中に手を回してきつく締める。
背中に爪が立てられた感触を感じるのと、俺が射精するのは同時だった。
「うおおっ!」
思わず叫び、白濁液を膣内へ発射する俺を、きつい膣の締め付けが迎えた。
「っっ!」
息を止め、体を硬直させた長門は、絶頂に達するとともに
回していた腕の力を抜き、瞳を閉じた。

「よかったぜ、長門」
射精の余韻を楽しみつつ、俺は言葉を紡いだ。
瞳を閉じ、同じく余韻を感じていた長門は、目を開け薄く微笑みを返してくれた。
「……わたしも」


その後、正気に戻った長門は、真っ先に唾液に含ませたプログラムを解除してくれた。
意識も記憶もあったものの、性欲の塊となっていた俺は瘧が落ちたような感触とともに
土下座で長門に謝った。もちろん顔は見せずに。
「すまん!」
「いい。わたしの油断と暴走」
それはそうなんだが、申し訳なさすぎるぜ。
「それより今は、あなたの症状を解消することが大事」
淡々とした声で長門は、
「先程あなたの顔を見たときに、完全ではないが発生条件と治療法がわかった」
「そうなのか?」
「そう。基本的に親しい間柄の異性に顔を見られるとなる。治療法は放っておけばいい。数日で治る」
「いや、しかしだな」
数日もこのままなのかよ。
「大丈夫。対処プログラムを注入する」
そう言いながら、長門は俺の顔を見ないようにして、腕を甘噛みした。
「これは?」
「射精しても疲労しないようにした」
「ってことは……」
顔を見れないからわからないが、続く長門の声にはこの事態を面白がってる雰囲気を感じた。
「もっと色んな人と交接しても大丈夫」
大丈夫ってそういう意味かよ。
660名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:41:54 ID:M6E4sLrT
続くしかないんだろうなあ
661名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:43:50 ID:8ZFdGoSW
>>660
わかってるじゃないの。GJ!
662名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:44:59 ID:R0dK4OJX
>>655>>657
もうっ!ちゃんとリロードしなさいよねっ!
いっつもそそっかしいんだからぁ!

>>660
ぐっじょぶ。
663名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:45:24 ID:XoGNCUkU
>>660
「よかったぜ、長門」
この鬼畜入ったセリフでちょとわろたw
GJ!
664名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:45:41 ID:1zPZZktb
エ…エロい……
665名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:46:45 ID:8/+CDNYu
>>660
エロさ大爆発ハァハァ……じゃなくて、GJ!!!
666名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:47:06 ID:gyvnjQYN
長門が暴走でそういう展開か!実にいい流れだ。その後冷静になってるのがいい
GJ
667名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:49:45 ID:mK30qASe
>>660
>そして俺は変わった。

でいきなり攻めに転じるキョンに萌えた
6685-409:2006/06/11(日) 22:51:39 ID:AZo1wFth
長門作品はいいものが多いけど、しっかりエロ書いたのは少ない気がする。
GJ!

>長門の声にはこの事態を面白がってる雰囲気を感じた。

長門さん、素敵だ……。
669名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:53:11 ID:2IsxACog
めがっさGJ!!!!
この後の他のキャラとの絡みも期待しても良かとですか?
あ、古泉は勘弁なw
670名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:56:25 ID:oS/K/sf2
>>637
オナニーですっきりした後、冷静に反省するハルヒに萌えた。

>>651
>「無味乾燥なお前がこんなに濡らしてるとはな。表と裏は別ってことか」
>「違――」
>「違わないね。部室で本読みながら何考えてるかわかったもんじゃないぜ」
>「いや……やめて」
何このエロゲ主人公。
発情フェロモンを出すだけじゃなくて、キョンの性格も改変されたんだろうか。
この調子でみくる、古泉、鶴屋さん、黄緑さん、森さんと喰いまくる展開希望。
671名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 22:59:28 ID:j2W76Z53
GJ。いいな、ちょっと剽軽な長門さんだ。
明後日レポート提出なのにこういうときに限ってエロ神様がアイデアをくれるんだ・・・
そう思うだろ?アンタも!!
672名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:05:43 ID:IBzua/sc
あーーっハルヒとセックスしてええええよおおおっ!!!
673名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:12:38 ID:oS/K/sf2
>>672
そのリビドーをSSに昇華するんだ!!
674名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:16:51 ID:b6BJjrnp
鶴屋さんがSOS団の女子メンバーを喰っちゃうSS考え中なんだけど需要ある?
675名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:17:00 ID:nM2FCKBz
>>672
まあまあ、落ち着けw
気持ちは分かるが、興奮しすぎだ。
とりあえずハルヒネタで抜いてこい。
676名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:19:53 ID:8/+CDNYu
>>674
俺は無いが、このスレの住人は嗜好が幅広いので需要あるのでは?
677名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:24:59 ID:0ggdAQMg
>>674勿論ある
678名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:26:28 ID:H4fuh5XN
>>674
需要はいつでもある
ただ供給がないだけ
679名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:26:36 ID:/VyKrYLc
>>674
食人はなあ…
680名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:28:26 ID:Vn3QKY+4
長いけど直接投下してもいい?
ここってうpろだ推奨?
681名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:28:30 ID:oaJgkIcP
>>679
ぉぃ
682名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:28:37 ID:9ONbDMN9
>>671
エロだけじゃあない、ネタの神様はいじわるなのさ
俺たちが実生活でピンチになると天啓を与えてくださる。そして書けとおっしゃる
まったく、やれやれだな。俺?俺は今ピンチじゃないからなんにもネタは湧かないね
おかげで書いてるネタが捗らないぜ
683名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:37:51 ID:c781tTnB
>>680
直接でおk
684名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:38:32 ID:H4fuh5XN
>>680
長いのなら分ければいい
門前の小僧のような知識だけどな
685名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:39:28 ID:LpJHKWQ9
うpろだは正直やめて欲しい
6861/4:2006/06/11(日) 23:40:42 ID:Vn3QKY+4
いつもの部室。
「涼宮ハルヒのフラストレーションが増大している」
「んなアホな」
ここ最近そんな素振りは全く無く、そろそろ髪が金色に逆立つのでは無いかと思うほど元気だ。
いつぞやのような鬱ブルー全開でひたすら毎日フラストレーションを充填していた面影は無い。
SOS団による世間体の概念を真っ向から否定した活動は毎日のように続いているし、
退屈が積ってストレスになっているとは思えない。
今までの判定基準から判断するにオールグリーンでないとおかしい。
「周期的な身体現象による精神の不安定が原因」
「周期的、って」
「生理」

どうやら周期的な現象と健康的な欲求不満が重なったのが原因らしい。
そんなことを無表情に語るなよ、と思ったが嬉しそうにされても悲しそうにされても
心中複雑なものをかかえるはめになるのは確実で、すぐに撤回した。
「閉鎖空間も発生している。対処すべき」
青春のイライラを破壊活動に向けるなよ、とツッコミたいが本人は今いない。
しかし対処って言っても放っとく以外に方法が無いんじゃないのか。
「心理的圧迫を和らげて閉鎖空間の拡大を抑制し、収束を待つ」
ようはイラダチを抑えつつ安静が戻るまで待つらしい。
いや、だからどうやって抑え込むんだよ。
「…………」
具体的な提案を求める俺に長門は珍しく悩み出した、ように見えた。
ややあって、
「涼宮ハルヒの性的欲求を解消する」
「せ、セイテキヨッキュウって」
「イかせる」

この時即座に何を馬鹿な事を、とか突っぱねておくべきだった。
人生の汚点日記に記念すべき2ページ目が刻まれる事になろうとは。
「手順を教える」
長門の言う手順はこうだ。
部室でハルヒを眠らせ、情報を少し細工して起きないようにする。
他の団員には手を回してその日はすぐに帰らせる。
お膳立てができたところで俺が登場して任務を遂行する。
正直悪質な性的悪戯じゃないのかコレは。
「大丈夫、ばれない」
「論点が違うだろう」
「顔が嬉しそう」
6872/4:2006/06/11(日) 23:41:17 ID:Vn3QKY+4
で、翌日の部室。
夕日を背に団長机に突っ伏すハルヒの姿があった。
そのほかには俺しかおらず、部外者はもちろん仕掛人の姿も無かった。
さて、この状況をどうすべきか。
と思った時点で既に俺は団長机に歩み寄っていた。
下半身にあるもう一つの脳(往々にして本能と証される)のほうが足に近く、
脚部の掌握においては頭という僻地にある脳との有利不利は明白である。
「こうやって寝てれば可愛いんだがなぁ」
髪を撫でたり頬をつつくくらいなら問題あるまい、と頭のほうの脳が
手に命令を送る。
これが間違いだった。
既に手のほうも下半身のコックピットに収納したほうの脳が掌握していたのだ。
待て、待つんだ俺、俺の理性軍は武田騎馬隊じゃなかったのか。
しかし直後に、長門が本能軍に鉄砲を支給しているイメージがそれを上書きした。

これはもしかして俺まで長門に妙なスイッチを押されているんではなかろうか。
という疑問を即肯定した俺は意気揚揚とハルヒの服を脱がしにかかっていた。
しかしアレだ。女物を脱がすのはけっこう難しいんだな。
「……」
起こしてしまう恐怖心もあり、時間をかけてなんとか両腕からセーラー服を抜き取る。
下着は色気の無いスポーツブラだった。どうみても水着です、本当にありがとうござました。
次だ。スカートを脱がすには椅子から浮かせないとダメか。
エビとかカニっぽいな、おいしいけど面倒くさい。
いやいやいや、俺は何を考えているんだ。
突っ伏しているハルヒの上半身を浮かせ、両腕で脇の下から抱え込む。
結構重量あるな、と感想を漏らしつつ長机の上まで運搬する。
ちょっと堅い場所だが我慢してくれ、床よりゃましだろう。
許せハルヒ。そして許すぞ俺。俺よ、今お前は長門に妙な仕掛けで操られているんだ。
両足を持ち上げてスカートを抜き取り、はずれないホックに悪銭苦闘しながらブラをはずす。
夕日に照らされて美しい稜線が影を作る様は、エジプトの観光写真を彷彿とさせた。
最も気が退ける最後の布は、一旦躊躇すると脱がす勇気が無くなりそうなので
スカートと同じ要領で手早く脱がせてしまう。
生理用品ってこうつけるのね、という知的好奇心は大いに満たされた。
それにしても、長机に目に毒どころではない肢体が横たわっている光景は現実感が希薄で
差し込む夕日の演出で一枚の絵のようにも見えた。
デジカメどこに置いたっけな。
6883/4:2006/06/11(日) 23:41:49 ID:Vn3QKY+4
3年でこんな育つもんなのかね。
手のひらを満たす胸の感触を堪能しつつ、あの日に思いを馳せる。貧乳でも悪くないんだが。
やや力を入れて触れる度に寝息が乱れるのは感じているんだろうか。
もしやと思い、両足を広げ、目をそらしていた場所を覗き込んでみる。
うっすらと潮に濡れた天岩戸が夕日を受けて神々しく輝いていた。
局部で後光を放てるのは世界広しといえどハルヒだけだろう。
しかし多少胸に接触したくらいで、素人目にみてこのありさまというのは
ちょっと過敏過ぎじゃないか。それだけ溜まっているということだろうか。
前に自分で発散させてるような事をちらっと言ってたのは何だったんだろう。
そこまで考えて長門マジックに思い当たった。お膳立てしすぎだ。
両手の指を添えてスリットを開いてやると、それだけでハルヒの寝息が不整脈を打つ。
現れたピンク色のその部分をちょんちょんとつついてやると水分が指に移った。
その水分を塗りつけるようにクリトリス格納庫を軽く押してやると、
びくり、と大きくハルヒの腰が跳ねた。
「ん……!」
やべぇ、起きたか!?
一瞬心臓が止まったが、死期よりハルヒの寝息が先に訪れたおかげで一命を取り留めた。
しかしなんて敏感な奴なんだ、イメージ的には不感症の方が正しいだろうに。
ただ長戸マジックラリホーの威力が絶大なのを再確認できた。
俺は爪の手入れが完璧なのを改めて確認してから、人差し指をソロモンの鍵よろしく鍵穴に進めた。

ゆっくりとスリット内部、下方の鍵穴へと侵入していく指を柔らかい感触が迎えてくれる。
その表面は極度に滑っていて進行に摩擦を感じさせない。
「っ……ん……!」
ハルヒは指が1ミリ内部を目指すたびに声を漏らす。
そろそろ第2関節、というところで何かにぶつかった。
悲鳴のような声を上げて腰を跳ね上げ、侵入していた指を振りほどく。
もう何者をも張り込ませない、ぴったり閉じられたスリットはその堅い決心の現れにも見える。
しかし内部から滲み出る水分が体の表面を伝って腰へと伝っていく様は
長門スイッチで狂っている俺をさらに狂わせるのに充分だった。
というかこの状況でまだ冷静な奴は人間としてどうかと思うね。
ズボンとトランクスという2重の安全装置で封印された本能が、
役目を果たさんと外界に飛び出す。
ハルヒ、なんだかんだ言っても俺はおまえのことが(略)
6894/4:2006/06/11(日) 23:42:38 ID:Vn3QKY+4
スリットにおしつけた本能がぬるりと滑った。
指なら簡単に入るのだが口径的に多少難があるらしい。喜ばしい。
待て、焦るな俺、ちゃんと狙うんだ。
両足を机の側面に垂らしてあられもない姿のハルヒを前に苦戦中である。
多少強引に行くか、と考えた矢先に唐突に本能の先端が潜り込んだ。
「〜っ……!」
声にならない鋭い吐息が漏れる。
かなり体重をかけていたのでその勢いでずるずると本能が埋まっていく。
ぷつりぷつりと糸を切るような感触があり、その度にハルヒは体をよじって逃げようとする。
「く、あ…痛っ!」
この感触は網状処女膜だろう、必ず切れてしまうため痛くて辛いタイプである。
ここで及び腰になってはさらに痛がらせてしまうだけだ。
ぐっと体重をかけると、抵抗をまとめて引き裂くようにして本能は最億部へと到着した。
ぐっと目を閉じて歯を食いしばり、涙をぼろぼろ零しながら耐えていたハルヒは
異物感と激痛に耐えながら、思わず止めてしまっていた息を継ごうと胸を震わせている。
「すまんハルヒ、痛かっただろう」
例え眠っていても、届かなくても。そう言って髪を撫でてやらずにはいられなかった。
そんな俺の手にしがみついて震え、見上げる弱気な瞳がたまらなく可愛い。



ん? 瞳?

<<WARNING、警告、当該対象による睡眠プログラムの強制削除を確認>>
脳内に直接声が響く。長門、まさかそれは。
やっぱり見てたのか! じゃない、それはつまり──
<<起きた>>

〜終〜
690名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:46:42 ID:38Kk8UFr
めがっさGJ 続きが気になるが・・
691名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:47:46 ID:95MYN+TI
続き(個人的願望)がワクテカでしかたない
692名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:49:33 ID:Vr3hDghS
>〜終〜

<<スレ住人の意思により強制消去した>>

<<続きを書くことを命令する>>
693名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:50:22 ID:LpJHKWQ9
ところで「長門週間」の続きマダー?
694名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 23:51:48 ID:c781tTnB
>>689
GJ
続き希望
695名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:01:42 ID:95MYN+TI
>>692
繋がりネタでも一応「命令する」って表現はやめておこうぜ
書くのは職人さんたちの妄想力、気力、珍力なんだし
御本人がやろうと思えたときにさ。
696名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:03:46 ID:jQqgGkbq
まあ、オチが付いてるからなあ。
 
長門週間の人。。。0ノム
697名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:05:46 ID:N69O3jHe
さ〜て、消失の緊急だssy(ryあたりで一本考えてみるか。
オチが滅茶苦茶になりそうだけど
698名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:07:56 ID:1/4Hpquz
ごめんなさいぶっちゃけgdgdしそうなんで続きはないですごめんなさい
ただ処女膜を敗れればそれで満足だったんです
次は閉塞処女膜でいこうと思いますごめんなさい
699名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:08:11 ID:l+lItm8/
>>693
気長に待とうぜ。
俺も長門漫画描きながら待ってる。
700名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:11:09 ID:N69O3jHe
ちょっと気になったんだけど
朝比奈さんの年齢っていくつ?
701名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:11:37 ID:gxyBVzJW
十二月十七日
 寝ている彼にカーディガンをかけた後、私は本を読むのも忘れてその寝顔に見入っていた。
 ――エラー。無視。
 思えば――エラー――このインターフェイスとして待機を始めてから三年、そのほとんどは本を読むか、
彼の事を考えて――エラー――すごしてきた。
 三年前のあの日。涼宮ハルヒが情報爆発を発生させた時からしばし後、彼が私の元にやってきて、
「待っててくれよな」と言ってから、――エラー――実際に彼と会うまでは、実を言えば、ないに等しい待ち時間だった。
 私はそれとは比較にならない間、何かを……今は思い出す気もない、もろもろの事を看視してきたから。何の苦でもなかった。
 しかし今、こうして彼と二人、――エラー――寝顔を眺める時間の少ないことを、――エラー――私は憂えている。
 SOS団は、彼の――エラー――居るSOS団での時間は、私にとって――エラー――初めて、有意義な――エラー――ものとなった。
それ以前の看視記録と――エラー――等価とすら思える、陽だまりのように――エラー――温かい時間だった。
 今にして思えば――エラー――朝倉涼子は、存在を消滅させるべきでは――エラー――なかったかもしれない。SOS団の仮部員として、
いろいろな事に付き合ってもらっても良かったかもしれない。
 そうしなかったのは――エラー――私が、自分の――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――に自覚的でなかったからで、
彼女はそれを十分に知っていた。あの時私は、図星を指されて、戸惑った。当時はその自覚すらなかった。
 結果……私だけが残った。

「あれ? キョン寝てるの?」
 ――エラー――涼宮ハルヒ。――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――
「そう。……有希。キョンは私が見ておくから、先帰っちゃっていいわよ」――エラー――
――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――

――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――

――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――
――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――

 自宅へ向かう途中、私は――エラー――戯れに――エラー――彼の居場所を探ってみた。今頃は目を覚ましているだろう。
彼の横に、――エラー――すぐ近くに、――エラー――涼宮ハルヒの生体反応が――エラー――――エラー――――エラー――
 だめだ。やはり、防げなかった。原因不明。エラーコード多発。リジェクトでは限界。
 私は、いつからこうなってしまったんだろう。解らない。記憶領域は正常。何度となく点検した。――エラー――彼との会話も。――エラー――
記憶は正常。ならば。エラーの原因はインターフェイスの主能力に関係する事か。自分ではチェックの出来ない箇所がある。統合情報誌念体でなくば。
しかし、点検の申請は受理され、結果「能力に異常なし」と申し渡された。原因は不明のまま。

 彼と涼宮ハルヒが別れる。これで、――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――――エラー――
 私はまた学校へと向かう。そして、事を成した。彼に託すために。
702名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:12:08 ID:ASrqAFLJ
にしてもこのスレの住人は文章がうまいなぁ・・・
自分にはキョン視点からの文章を書くのは無理だ・・・
703名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:12:09 ID:gxyBVzJW
 ここから先は記憶があいまいで、私は少しのことしかおぼえていない。
 十二月十八日のこと。彼が現れて、私に詰め寄った。うろたえて、でも胸が高鳴った。
 翌日。彼を自宅に誘って、話をした。いつかと同じように、私が一方的にしゃべって、彼が黙り込むという図式。
 彼の袖をつまんで、引き止めた。彼は、困った顔をしながら、留まってくれた。玄関で見送ったときの、私を見る目が忘れられない。
あんな顔をした彼は、始めて見た。
 さらに翌日。彼は、結局あちらを選ばなかった。ある意味で、私の思ったとおりの結論を出した。
 彼女は結局、消滅した。



 今、実時間で二十一時間後に目覚める事になっている彼を見ながら、記憶の断片を拾い上げている。
 彼女は確かに消滅した。しかし、今私の中に『還ってきた』。これから先……彼女とは、必ずあう事になるだろう。
今もこうして、私と同じく鼓動を打つ彼女を感じる。私は彼女が……彼女が彼にとった行動がうらやましかったし、
彼女は私と彼の関係がうらやましいだろう。私は彼女を呼び、彼女は私を呼ぶ。次に呼ぶときは、その呼び声が
悲鳴でない事を願う。
 いつか、呼ぶ必要のなくなるときが、私たちが私になるときが、くるだろうか。今処分を待つこの身に。
 月明かりに照らされる彼の顔に、本を読むのも忘れて見入っていた。
 その奥の床には、涼宮ハルヒが寝袋で寝転がっている。
704名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:13:58 ID:gxyBVzJW
>>639です。ダメって言われるとやりたくなるってんで、忙しくなってきたのに
バンプの歌詞を基にしたSSを投下。解るかな?俺はこれしか歌詞しらねえ。
ヒント:十周年
705名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:14:20 ID:QOEQfsqJ
>>700
原作じゃ明かされて無いな。
推測らしき事はキョンが言ってた気がするが。

『射手座の日』の予告を見たら唐突に
石破ラブラブ天驚拳をやってるキョンと長門を想像したんだが。
706名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:15:07 ID:8VXoO3eS
>>699
長門漫画kwsk
70711-16:2006/06/12(月) 00:18:35 ID:QgmPAqz6
5話目投下。つい勢いで遊園地とか言ったけど正直、遊園地なんかほとんど行った事無いから困った。
変な描写があるやもしれん。先に謝っとく。スンマセン。
708パパは高校1年生 5:2006/06/12(月) 00:19:08 ID:QgmPAqz6
「ね、次はアレ行こっ!」
「OK! ほら、キョン何してんの! 行くわよ!」

……勘弁してくれ。なんなんだこのスタミナは。

右手を娘に、左手をハルヒに引かれる。わかったから、もうちょっとゆっくり行こうぜ?な?

「何言ってんのよ! せっかく乗り放題なんだから、たっくさん乗らなきゃ!」
「そうそう! もったいないよー!」

そう言いながら何度目かの絶叫マシンに乗せられる。

お前ら、もうちょっとこう、女の子らしく
メリーゴーランドとか観覧車とかそういうのは無いのか。

「つまんないじゃん。あんなのグルグル回るだけだし、観覧車なんか高いだけじゃない。
 高いところが好きなのはバカと煙だけよ」

ムードもクソも無いな。元々こいつにはそんなの期待してないが。

グングン上昇していく乗り物。……正直なところ、あんまり得意じゃないんだこういうの。
高い、高すぎる。この落ちるときのなんともいえない感覚が好きになれない。
内臓が引っくり返る感じ。きっと身体に悪いぞ。
……このままバックして乗り場に戻ってくんねぇかな。
709パパは高校1年生 5:2006/06/12(月) 00:19:40 ID:QgmPAqz6
そんな俺の願いもむなしく、ついに頂上に。後はまっさかさまに落ちるだけだ。

「っ……!」

目を閉じて歯を食いしばる。ダメだ。なんか掴める物……。

手近にあった手を掴む。柔らかい。

「ちょっ……!」

ハルヒが何かわめいてるが、知らん。俺にはそんな余裕は無いんだ。
恨むなら無理矢理乗せた自分を恨め。




「はい、お疲れ様でしたー!」

乗務員のお姉さんの声が聞こえる。……もう目を開けても大丈夫だな。

「あ……あれ?」

乗ってるのは俺とハルヒだけ。他の乗客はさっさと降りたみたいだ。
娘も通路でニコニコしながらこっちを眺めてる。

「……離しなさいよ」
「あっ、わ、悪い!」

なんだか微妙な表情で睨まれる。まだ手、握ったままだったのか。全然気づかなかった。

手を離すとつかつかと、こっちを見向きもせずに歩いていく。
……マズい。怒らせたか?
710パパは高校1年生 5:2006/06/12(月) 00:20:15 ID:QgmPAqz6
「お、おいハルヒ?」
「……」
「いや、その……すまなかった。俺も必死でさ。」
「……」
「なぁ、機嫌直してくれよ」

いきなりハルヒが立ち止まる。つんのめる俺。
くるっと振り返ったその顔は、満面の笑みだった。

「それじゃ、お昼ご飯奢ってね!」

……一杯くわされたって訳か。この野郎。

イタズラが成功した子供みたいに娘とハシャいでやがる。

クソ、どんどん懐が寒くなって来たぞ。未来に請求書とか遅れないもんかね。


一人でどんどん進むハルヒに俺と娘がついていく。
……力関係丸分かりだな。将来はこうじゃ無くなる事を切に願う。マジで。

「ここにしましょ」

そう言って適当な売店に入る。

「従妹ちゃん何食べる?」
「あたしケーキがいいー!」

もうちょっと遠慮して頂けませんか。お嬢様方。
ただでさえ、こういうとこって無駄に高いのに。
711パパは高校1年生 5:2006/06/12(月) 00:21:06 ID:QgmPAqz6
結局、2人の少女は朝にあれだけ食べたとは思えないほどの量を胃に詰め込んだ。
俺?俺はお冷だけさ。

俺の財布に大打撃を与えた昼食も過ぎ、また絶叫系へ向かう2人。

「言いだしっぺはアンタでしょ! ついて来なさいよ!」
「パパー! 早くー!」

キラキラ輝く4つの瞳が俺を見る。……逆らえそうに無い。もうヤケだ。

「こうなったら、ここの絶叫系全部制覇してやるよ。どーんと来い!」

ワァー! と2人からあがる嬌声。
3人で競歩みたいな速度で乗り場へ向かう。


数時間後、俺は見るも無残な姿になってるとも知らずに。
71211-16:2006/06/12(月) 00:22:20 ID:QgmPAqz6
ここまで。また改善点があったら指摘してホシス。
多分あと2話で終わると思う。
713名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:22:26 ID:RNGLKNfA
704
カルマ?
714名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:24:49 ID:ASrqAFLJ
>>711
今日一日中続きが気になってた、めがっさGJ
自分としては問題ないと思うが・・・これでぐっすり寝れる再びGJ!
715名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:28:48 ID:jdyT+Thj
>704
まさかRA?たしかに長門に似てるけど。
716名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:33:56 ID:c06NAN/S
>>711
キョンもうあきらめムードだな。がんばれ

正直歌詞が元ネタとか宣言しなくていいと思う
そのほうが気づいたときおもしろい
717名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:34:10 ID:i8RL82kI
I LOVEハルヒー!!!
718名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:36:50 ID:FBkhuDss
>>713
カルマはどうやっても無理だと思う。
元がテイルズだし
719名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:38:56 ID:FhFHGYAY
めがっさGJっ!!!!

>>698
マニアック過ぎwwww
720名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:39:29 ID:bCKPS6d7
11-16には飴をやろう。そのままでいいよ
5-409、7-695はさっさと投下しろ
721名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:40:34 ID:vrulMn8a
おもしろいっす
722名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:42:43 ID:RNGLKNfA
>>718
二番の歌詞だと思ったんだが…
723名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:47:12 ID:nQ1K2ktQ
>>711
GJ!!

懐の諦めより
将来の相手を知ってしまったことに一切の迷いのないキョンは漢
724名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:48:57 ID:RMTrsAml
迷いより安堵が強かったんだろう
725名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:51:40 ID:RoUf2NFO
>>718
いや、ヒントの十周年って地点でカルマだろ。
TOAはテイルズ十周年記念作だから。

>>704
消失長門→ルーク
長門  →アッシュ
って感じかな?分からない人はスマン。
726名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:52:17 ID:WjxeFaYz
何だかんだ言ってキョン君は涼宮さんが好きなんですよ
727名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 00:54:39 ID:FhFHGYAY
>>726
そうは言うがな、古泉
728名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:01:42 ID:06+5lWtF
ショートショート

部室に入ってみると、そこはまるで冷凍庫だった。
「な、長門。何やってんだ!」
部屋には長門一人だけで、おまけに窓を全開にして身を乗り出していた。
「そんなことしてると風邪引くぞ。早く閉めろって」
長門が風邪を引くのかどうかは知らないが、心配ではある。大体俺が寒い。
言ってはみたが一向に動く気配が無いので、俺は近付いて長門を引っ込め
窓を全て閉めた。ううむ、やっぱりカーテンが欲しいな。お年玉に期待するか。

冷凍庫から冷蔵庫程度にはなったものの、やはりまだ人間の住む環境じゃない。
俺はストーブを点けようとコンセントを差し込み、スイッチを入れて立ち上がると
いつのまにか長門が背後に立っていたので思わず間抜けな声を上げてしまった。
頼むからプロの殺し屋のような近付き方はやめてくれ。俺はただの一般人なんだ。
「これ」
そう言って長門は右手を差し出してきた。が、俺には小さな掌しか見えない。
「・・・・・・・・・・・・」
長門の目は冗談を言っているようには思えないのだが、何がしたいんだ?
手と顔を交互に見比べてみる。やっぱり何も・・・・・・ん。水滴?

「ごめんなさい。遅くなっちゃいました」
扉が開いて朝比奈さんが入ってきた。なぜか俺は慌てて思わず回れ右。
「わっ。あ、朝比奈さん。どうも」
「・・・・・・・・・・・・」
「??」
手を引っ込めた長門は、その場でしばらく右手を握っていたが
やがていつもの指定席へ歩いていき、いつものように本を読み始めた。
それから朝比奈さんの着替えの為に俺は部室の外へ出ることとなり、結局
さっきの長門の行動は完全に頭から追いやられてしまった。


下校時、校舎の外は一面銀世界になっていた。
729名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:04:18 ID:gxyBVzJW
>>713
早!当てるのはええ!>>701のタイトルは「長門有希の宿業」でした。
730名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:06:17 ID:FhFHGYAY
これは良いなぁ。めがっさGJッ!!!!
731名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:14:21 ID:RoUf2NFO
>>729
一つ聞きたいんだけど、
>>729はTOAクリア経験ある?それとも歌詞を知ってるだけ?
なんかSSの内容がゲームの終盤に非常に酷似してるから。
732名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:19:48 ID:gxyBVzJW
>>731
筋は知ってる。PS2自体持ってない。TOAのために買おうかと思ったが、
他に欲しいソフトもいっぱいあるし、それらを買いあさるのは目に見えてたのでやめといた。
EDムービーも落ちてたのをネットで拾った。
 でもSSは歌詞だけ見て書いたつもりだよ。影響はあるにしても。
歌詞さえ見れば一番重要なテーマを知ったも同然というすばらしいテーマ曲だ。
733名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:23:53 ID:hZQ0msGj
>>674 百合板で投下したら? 何のために百合板があるのかわかるだろ?
お前だって古泉×キョンなんて見たくないだろうし そのために801板がある
ちゃんと住み分けてくれよ
734名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:24:49 ID:PQITQ0oL
なるほどなるほど、
そういう意味か。うん、これすげーいいわ。
735名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:26:08 ID:nQ1K2ktQ
>>732
あんまり解説はせんほうが良いかと
736名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:28:12 ID:bkYertFh
>>700
二十歳以上だけど童顔で違和感無さそうっていう上司の判断で
高校に押し込まれて半泣きな朝比奈さんが浮かんだ

そして成人なのがバレないかとビクビクしてたのに
周りの高校生に更に幼く見られてると知ってショック受けたりとか萌へ
737名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:30:00 ID:jQqgGkbq
>>736
氷室!氷室!
738名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:32:34 ID:RoUf2NFO
>>732
なるほど、ちなみに酷似してる部分ってのは、
「TOAではオリジナルとレプリカ(≒クローン)が融合した場合、
意識はオリジナルに占有され、記憶は両者が共有する」ってのが
まんま>>703の長門だなって感じた次第で。

話に整合性もあって、歌詞も違和感無く入れられてGJでした。
ただ一つ言わせてもらうと、サムデイは11月なんだな。
739名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:36:15 ID:RoUf2NFO
>>732より更に詳しい解説(つかネタバレ)書き込んだ後に>>735見てorz

スレ違いな上無駄解説スマン。
740名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:38:55 ID:bCKPS6d7
百合は構わない、801は他でやれ
741名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:43:38 ID:2hmXJgJy
この通り歌詞を元だのが始まりで、スレ違いの嵐でございます
作者には悪いが、そういうのは伏せてくれないか
聞かれたら答える程度にして、スレ違い話が沸くのを防止してくれよ
前回のBUMPのときに学習して欲しかったがなぁ
742名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:47:07 ID:IXB+ScXg
もう! だから、歌詞の改変は投下禁止! って言ったでしょ!
話が脱線するし厨房が殖えちゃうじゃない……ぷんぷん!
あっ、そうそう>>728さん、わ、私……こういうのす、好きなんだからね!
743名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:48:55 ID:nv0PysIK
あいかわらず空気悪いね
744名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:50:09 ID:9WuKTAq5
やっぱこうなったか…
SS自体は良作だし文句は無いけどね…
今のトコスレ違い話もそんなに多く無いから今のうちにやめといたら?

>>732
GJ!
サムデイから消失の長門の心理描写が良い
745名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:50:57 ID:hZQ0msGj
>>740 どっちも一緒だろ?
「なぜ百合がよくて801がだめなんだ?」って言われたなんて答える?
どちらても普通じゃない性癖なんだからこっちがよくてあっちがダメなんてのはよくない
百合を許容してしまうと801も許容せざるおえなくなってしまう
746名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:54:29 ID:e6hL6Zr+
男子が読んで喜べるのはココ
女子が読んで楽しいのは801板


それでいいじゃない
747名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:55:12 ID:KB4eV1Mq
百合はエロいけど、801はエロくないじゃん。
古泉がキョンの首筋に息を吹きかけながら、ほらもうこんなに硬くなってるじゃないですか、なんて言いながらキョンの股間まさぐっててもエロくないよ。
748名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:55:32 ID:bCKPS6d7
んだな
749名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:56:52 ID:hZQ0msGj
俺は男で百合も801も嫌いだ
けれども百合だけよくて801だけいけないなんてしてたらもめるだけだろ
俺的には両方禁止してほしいがな
750名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:57:13 ID:Th4tfIq1
400KB突破
751名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:57:28 ID:UTkKYIkU
>>746
どうでもいいんだがお前の主観をおしつけるのは良くないと思うぜ
752名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:58:00 ID:9WuKTAq5
読みたくなけりゃスルーしようぜ、おまいら
753名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 01:59:47 ID:vUPEe8Mz
ここのふいんきに馴染んでれば、カプの性別や組み合わせなんて何でも有りなんじゃね?
754名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:01:51 ID:hZQ0msGj
>>747 俺はハルヒが朝比奈さんの胸を揉んでもなんもエロさを感じない
そもそも非生産的な愛はあまり好かん
女の友情ぐらいにしとけよといいたくなる
755名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:03:14 ID:bCKPS6d7
そうか、投下されたのスルーすればいいんじゃない
756名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:03:26 ID:fwPvPoeY
歌の改変SSが問題になってるから聞きにくいことなんだが
むしろ反応がありそうなので今聞いてみたい

実はゲームをやっていた際にハルヒ世界でパロディできるんじゃないかと
思いついてぽつぽつとテキストに書いているんだが
こういう小説やゲームのネタなどをパロディ化するのはどうなんだろうか?
もちろん自分なりのアレンジ等を加えるつもりではあるんだ
757674:2006/06/12(月) 02:04:11 ID:HFc1Xm+s
みんなのレス見てたらここに投下しない方がいいっぽいって事なんで百合板に行くよ。
投下したら此処にも知らせるってことでおk?
758名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:04:16 ID:vYHFwQ38
落ち着けおまいら
こんな空気じゃ職人さんが投下しにくいだろう
759名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:07:04 ID:hZQ0msGj
>>757 俺はそれでいいと思うよ
それかNGワードを入れてくれ
760名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:08:20 ID:UNo1wyxI
>756
いいんじゃないか?過去には戦国時代のSSとかあったしな。
ただしキャラはあまり崩さないほうがいいと思うぞ。
761名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:09:30 ID:6LGiInRH
>>756
そのゲームの話をし始める人らが出るから
止めた方が言いと思うよ。まあ作者さんの自由だけど。
762名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:10:41 ID:jQqgGkbq
>>757
シャミセン×シャミツーだったらちょっときついが百合ならいいと思うよ。
763名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:11:21 ID:5INM0pa5
>>756
パロディのつもりがただのパクリになってた、なんて事にならなきゃいいんじゃないかと思うね
少なくとも読み手としては
キャラが立ってるからパロディやっても映えるとは思う

どうでもいいけど、パロディはかなりの技巧を要する気がするんだけどな
皆ぽんぽんパロディ物とか投下してるけど
764名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:15:29 ID:Q7QZoQ7D
投下してみ、読んでから判断する。
765名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:25:13 ID:bkYertFh
>>660
直球エロGJ!
感じて逃げ出すハルヒもエロ可愛いかったです。
性衝動を高められて理性の飛んだ獣ってよりは
鬼畜因子組み込まれたかのようなねちっこいキョンは
実は長門の好みなのかも。とMっ気有希妄想してハァハァ
弾数制限の無くなったキョンのムスコの活躍、楽しみにしてます!
でも古泉は勘弁な

>>689
あんたの処女膜に対する厚い信仰心を感じたよ
開き直りっぷりもいっそ漢らしいねGJ。
あんたのそのこだわりを形にする姿勢輝いて見えた。
おかげで俺の世界も一つ広がった気がする。ありがとう。

ただ、生理で不機嫌→性欲処理の流れがちょっと乱暴だったかな
せめて、孕ませれば生理も来なくなるし問題解決、とか
そういうこじつけを一段階挟んだ方が良かったかもでした
次回以降も色んな処女膜、期待してます

>>712
続き楽しみにしてました。GJ!
遊園地の辺り、娘が妹でも同じような描写が続いてちょっと残念かもです
でも面白い作品なので続きを待つのも楽しみに。次回も期待!

>>728
綺麗ですわぁ…読んでて、確かに冬を感じれました。GJ
有希は雪に何を重ねて見たのか…キョンに何を伝えたかったのか…
秀逸なショートショートありがとう。
766名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:31:27 ID:IXB+ScXg
>>761
同意。変な流れだったし、ゲームの話・パロディについての議論が続いて職人様が投下しにくくなる。
767名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 02:51:04 ID:i8RL82kI
おまいら谷川流がドクロちゃん書いたのしってっかい?
768ハルヒ×キョン:2006/06/12(月) 03:32:33 ID:YJw9aDTS

それは放課後の事だった。

 「・・・・・・眠いわね」
 「・・・そうだな、最近寝不足だからな」
 「そうですね・・・ ふぁ〜あ〜」
 「僕もですよ、今日は授業中に居眠りしてしまいましたよ」
 「・・・今すぐ寝たい」

 「やっぱりみんな夜中まで見てるんだな、最近谷口も国木田も目が真っ赤だ」
 「そうみたいね」


 「「「「「・・・ワールドカップ」」」」」

4年に1度のサッカーのワールドカップが開幕した。
世界各国の強豪がドイツに集まって1ヶ月近くにわたって熱い試合を繰り広げる。
勿論の事ながら我が日本もジーコさんを先頭にイナズマブルーのユニフォームを身に纏って堂々出場している。
そして日本国民はというと、わざわざ高い金を払って試合のチケットを買ってドイツへ行く人、
俺達みたいにドイツへなど行けず夜中まで必死にテレビにしがみついてる人、
または何の興味も無く巨人や虎が負けるとさっさと寝てしまう人、など色々である。
ちなみに我が家も父母妹猫全員深夜まで自国他国問わず試合にかじりつき、夜中にベッドイン。
お陰でここ数日の我が家の生活リズムは滅茶苦茶である。実際俺は今朝遅刻しかけた。
まあ結局遅刻せずに済んだもののクラスの4分の1が遅刻したのには大層驚いた。なんとハルヒまで遅刻した。
そいつらは授業中はうたた寝ときた。
先生も怒り爆発・・・かと思いきや何と先生まであくびをかましていたのだからあきれたものである。


 「今日はついに日本戦があるんですよね」
 「確かオーストラリアとでしたよね」
 「えーと、今日は何時からだ?また深夜か」
 「・・・21時50分から」
 「じゃあ試合は10時過ぎくらいか・・・、俺途中で寝てしまうかも知れん」
 「ちょっとキョンそれは駄目よ!他国の試合深夜まで見て何で肝心の日本戦を見ないのよ」
 「いやそんなこと言ったってだな」
 「じゃあ決定!キョンは今夜私と試合見る事、分かったわね!?
  キョンは今夜8時にあたしの家に来る事!1秒でも遅れたら死刑だからね!良い?」
 「おい勝手に決めるな、ってかそんな夜遅くに伺ったら迷惑だろ」
 「あ、それなら安心してキョン、あたし以外の家族全員ドイツ行っちゃってるから」
 「お前の家族わざわざ現地に試合見に行ってるのか、でハルヒはなぜ行かなかった」

 「・・・・・・次にそれ言ったら死刑よ」

 「まさかお前の分だけチケットが無かったとか」

 「キョン、今夜は覚えときなさい♪」

どうやら図星らしい。

 「って事で今日は解散!帰るわよキョン」
 「では僕も失礼します」
 「また明日」
769名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:33:06 ID:YJw9aDTS
━━━━━

時刻はただ今夜8時前。俺はきちんと5分前にハルヒの家に来た。

 「来たぞハルヒー」
 「ちゃんと5分前に来たのね偉いわよキョン、SOS団の部員はこうでなくちゃ
  あ、そうだキョン、夕飯は抜いてきたでしょうね」
 「ああお前が抜けって言ってたから抜いてきてやったぞ、・・・・・・もっともお前の手料理が食べたいからだがな」
 「キョン・・・ 
  ・・・!!べ、別にあんたの為に作ってやったわけじゃないんだからね!元々はキョンが肝心の日本戦の最中d」
 「それだけで俺を呼ぶのか? なあ、ハルヒ」
 「・・・・・・/// ・・・・・・寂しかったのよ、夜にアタシ一人だけだなんて
  それにあたしキョンと二人っきりになりたかったから・・・ その・・・ ・・・わ、悪かったわね!」
 「別に悪い事なんか無いと思うぞ、俺もハルヒと一緒にいたいからな」
 「・・・キョン・・・愛してる!!」
 「俺もお前が好きだ、ハルヒ・・・・・・


  ・・・・・・って、こういうやりとり今日でもう何回目だ」
 「そうね、軽く10回以上はやってるわね」
 「そろそろ新しいネタ無いのか」
 「私も考えてるんだけど思い浮かばないのよ、あんたも考えなさいキョン」
 「ってかなぜ学校のみんなの前でこれをやらん」
 「これは流石にキョンが嫌がると思ってやってなかったんだけど、あら?別にそんな事無いの?」
 「俺は何時でもやって構わんぞ」
 「そうだったの!?じゃあ早速明日にでもやるわよ」
 「そうするか」

これで俺が谷口や国木田からあらぬ噂を立てられずに済むってもんだ。
俺が長門と教室にいた所を見られて「キョンは長門が好きだ」とかあと「朝比奈さんのおっぱいに萌えてる」だとか。
あとハルヒにも変な男が寄ってこなくなる。ハルヒは俺専用だ。
ハルヒをチャバネゴキブリの大群イコール他の男共に奪われる事などあってはならない。

 「ここに来るまでに汗かいた、風呂入らせてくれないか」
 「そう、じゃあたしも一緒に入るから、おかずにはラップでもかけとけば良い話だから」

尤もだ。そもそもハルヒの手料理は元がミシュランガイド認定の三ツ星レストランなど比べ物にならないほどに美味い。
冷めたくらいの物は勿論2〜3日放って置いたものでも十分売り物に出来る。

 「それは無理よ、あたしはキョンとSOS団のみんな以外には不味く作るから、わざと」

自分の彼女の事ながら中々あくどい。

 「じゃあキョンさっさと風呂に入るわよ、ほーら脱ぎ脱ぎー」
 「いきなりズボンから手を掛けるかこの変態ハルヒ!」
 「良いじゃないいつもの事じゃない」
 「じゃあ俺もブラジャー脱がす」

770名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:33:41 ID:YJw9aDTS
━━━━━


 「・・・ぇぐ・・・ へぐ・・・ ひどいキョン・・・」
 「だから悪かったって言ってるだろうが」
 「今日は危険日だから後ろに挿れてって言ったのに・・・・・・ 赤ちゃん出来ちゃったらどうするのよぅ」
 「だからその時は2人で育てようって」
 「それにしても時期尚早よ、ってか何度目?危険日に中出しするの、最近時々吐き気するのってまさか・・・
  この前買ってきた妊娠検査薬だっていつもと違う反応したし」

今度西松屋にでも行こう。

 「だから悪かった、スマン、この通りだ、だから許してくれ、な」
 「今日の部活のときといい全く・・・ キョン、今日はアンタを鎖で緊縛プレイよ、あとローソクと媚薬も」
 「両方使うのか!?そもそもハルヒ最近ローソク使いすぎだ、高いんだぞああいうローソク」
 「良いじゃないのよぉ別に」
 「ハルヒ、これからはローソクは20cmのやつ週に1本だ、これでも多いというのに
  ってか俺らいつまで裸なんだ、湯冷めして風邪ひくぞ、まだまだ朝晩は冷えるんだぞ」
 「・・・そうね、さっさと服着ましょ
  それから晩御飯よ、今日はカレーライス作ったの」
 「おおカレーか、最近食ってなかったんだ」

━━━━━

 「「ごちそうさま」」
 「あー久しぶりに食ったハルヒの作ったカレー、美味かったぞ」
 「そりゃだって愛するキョンの為に腕によりを掛けて作ったんだから当然よ♪」
 「ハルヒ、将来一緒にレストランでも開いてみないか」
 「そういう結婚生活も良いわね!考えておきましょ」

 「ってかもうサッカー始まるぞ」
 「キョン、リモコンどこ」
 「それじゃないのか」
 「それはバイブのリモコンじゃない」
 「こんなとこにこんなもん転がしとくな」
 「良いじゃない、あ、あった」

 ピッ

 《――♪Hey! Ready!Set! Go! ド派手に行こう!サビだけに盛り上がろう〜 ――

 「お、始まった」


 《えー、ドイツの青山さん、そちらの天気はいかがでしょうか!?
 《・・・・・・はい、雨です、今朝から雨が降り続いています

 「ああ、雨か」
 「あらら」

 《えっと、ただ今入った情報です、今日の日本対オーストラリア戦は中止です、今日の日本戦は中止です
 《え!?中止ですか?日本戦中止なんですか!?
 《はい中止です、この後予定されていた日本戦は雨の為中止となりました!ドイツからは以上ですー
 《はい、以上ドイツからでした、えー、今日の日本戦は中止です、今日の日本戦は雨の為中止という事ですー

771ド派手に行こう!:2006/06/12(月) 03:34:16 ID:YJw9aDTS



 「「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」」

 「せっかく・・・ 折角キョンと日本が勝つ所見たかったのにぃー」
 「・・・まあ、楽しみを後に取っておくって事で良いんじゃないのか」
 「イヤよ! アーなんかもうムカツク!
  キョン!今夜の鎖は2重巻きだからね!?媚薬は三倍!ローソクは4本同時垂らし!
  あと尻の穴にバイブ3本!」
 「何だと!?それは身が持たん!勘弁してくれー!」
 「今のあたしに何言ったって無駄なんだからね!覚悟しなさいキョン!」
 「やーめーろー!!」

この後俺はサッカー雨天中止で完全にブチギレたハルヒに一晩中レイプされ続けた。
頭をハルヒの子宮に突っ込まされるわ、自分の精液をがぶがぶ飲まされるわ、
3本と言ってたケツバイブは倍突っ込まれケツの穴がばがばになるわ散々なものだった。

もし試合が行われ日本大敗とかになってたものなら俺は今こうしてしゃべる事は出来なかっただろう。

■終
772名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:37:02 ID:jQqgGkbq
>>770-771
エロ描写があるのはうれしいのだが・・・
テニスじゃあるまいし雨が原因でサッカーは中止にはなりませんよ。
773名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:39:26 ID:Q7QZoQ7D
SMは勘弁…
774名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:39:36 ID:YJw9aDTS
>>772
そうだっけかw
まあそういやサッカーって結構大雨でも試合やってたりするな
サッカーは基本的にW杯以外見ないもんで、スマソ
775名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:39:39 ID:2sXs35aC
>>771
ちょwww無理矢理すぎwww
もちろん、性的な意味で
776116の続きなぞ:2006/06/12(月) 03:49:44 ID:KB4eV1Mq

「有希っ!!」
 部屋の扉を開けてすぐに、有希の無表情が目に入った。同時に俺は、有希の体に覆い被さるように抱き締めた。
 会いたくてしかたなかった。
 古泉の話を聞いた後、俺は早足からやがて駆け足になり、有希のマンションへと辿りついた。有希が、俺に好意を抱いているかもしれないという話が、俺の心をうねらせる。
 俺の傍を歩いていた有希の頭が、ほんの少しだけ俺のほうへ傾いていたという、そんな小さなことが俺の心で踊り続けていた。

「有希、愛してるぞ」
 俺は有希の頬に、頬を寄せた。白い肌の温もりが伝わってくる。部屋に来ていきなりこれなんだから、何やってるんだろうね。


 有希の体を抱き締めたまま、俺は靴を脱ぎ捨てて部屋に転がり込んだ。
 俺の行為に有希は困惑していたようだったが、嫌がりはしなかった。お茶を淹れる、という素っ気無い言葉で、俺はようやく有希の体を離した。


 まったく、もう少し反応を見せてくれてもいいのに。
 俺はいつものようにコタツ机の脇に座り、有希の後姿を眺めた。窓の外は夜。外を賑わせるすべてから隔絶されたこの部屋が、寒々しい静寂に包まれていた。
 やがてお茶を淹れ終えた有希が、俺の前に湯飲みを差し出してきた。

 ちびりと飲みながら、有希の顔を見る。有希は俺のことをじっと見ていた。
「どうしたんだ?」
 そう言って笑いかけると、有希の瞳が少し鋭くなった。
 一体どうしたんだ。

「……あなたは、わたしの淹れたお茶は褒めない」
「は?」
「朝比奈みくるが淹れたお茶は褒めるのに、わたしが淹れたお茶には、美味しいと言わない」

 有希は唇を強めに結びながら、俺の瞳を射抜いた。
 どうやら、俺は非難されているらしい。朝比奈さんのお茶は美味いと言って、どうして有希が淹れたお茶を褒めないのかと。

 おいおい、それってもしかして、嫉妬とかいうヤツか。

「どうして?」
「えっ? いや、もちろん美味いぞ。っていうかな、俺は有希が淹れたものなら、茶だろうと泥だろうと褒めるぞ」
「……」
 俺の言葉を聞いても、有希は表情を変えなかった。
 正座した足を少し崩し、膝立ちのような状態になって俺の元へにじり寄ってくる。
 顔が近いぞ。有希だからいいけど。

777こんな時間にどうかと思うが:2006/06/12(月) 03:50:34 ID:KB4eV1Mq


「あなたは、わたしを有希と呼ぶ。なのに、部室では長門と呼んだ」
「それは、朝比奈さんとか他のみんなに、俺たちのことがバレないようにするためだろ」
「わたしのことは、有希と呼んでほしい」
「そりゃ、どうして……?」

 いや、愚問だとは思うけどね。好きな相手からは、やっぱりファーストネームで呼んでほしいもんだろう。
 ただそれを有希が言うとは……。しかも、結構強い口調でだ。

「怒ってるのか?」
「……わたしの知ってる感情では、それが一番近い」
「そ、そうか……」
 怒っているというのは、本当ならよくない状況なんだろうが、有希に限っては別だった。
 感情を表に出して、俺にぶつけているんだから。

「朝比奈みくるにお茶を貰って喜ぶあなたを見て、わたしは良くない感情を知った」
 有希が俯く。やっぱり、嫉妬なのか?
「違うって。その時は、有希のこと考えてたんだ」

 俺の言葉が届いているのかどうかがわからいないほどに、有希は電池の切れたおもちゃのように動かなくなっていた。
 恐る恐る、俺は有希の肩を掴んで軽くゆすってみた。

「……ごめんなさい。わたしは……、こんなことを言ってあなたを困らせたいと思ってなかったはずなのに。ごめんなさい」
 俯いたまま、有希はそれだけを唇から零した。

 有希は、自分の中にある感情をどう処理していいのかがわかっていない。
「なぁ、聞いてくれ。俺は言ったよな、お前のことが好きだってさ。だからな、有希が何を言ったって俺は怒ったりしないから。っていうか、俺のほうが有希を困らせてばっかりだっただろ。頼りっぱなしでさ、お礼もロクにできてなかったし」
「……」

 じっと黙っている有希を見てると、心臓が中央に向かって吸い込まれるような痛みを感じた。
 両手を有希の背中に回して抱き締め、耳元で直接言葉を紡ぐ。
「そろそろ返事が聞きたい。俺は有希のことが好きだ。有希は俺のこと、好きか?」
「……そうだと思う」
「違うだろ有希。俺はお前の意思を訊いてるんだ。思うだなんてあやふやなこと言うなよ」
「わたしは……、あなたのことが好き。普遍的な定義によるなら、そう言って差し支えないと思う」

 随分遠回りな言い回しに、思わず笑ってしまった。
 笑いながら目を閉じて、それから有希の体を柔らかく包む。
 
778たまらなくなって書いた:2006/06/12(月) 03:51:57 ID:KB4eV1Mq

「あなたといると情報の処理が限界を超えて歪みを起こしてしまう。けれど、わたしはその歪みに対して嫌悪感を感じない」
「いいじゃないか別に」
「よくはない。本来はエラー情報を好ましいと判断することはない。このままでは、このインターフェイスの行動を制御しきれないかもしれない」
「何言ってんだか俺にはよくわかんねぇけど、お前の体だし、お前の心だ。有希の好きなようにすればいい」

 有希は俺の言葉を噛み締めるように、俺の耳元でわたしの好きなように……? と呟いた。
 背中に回した手で、何度か軽く有希の背を叩く。なんだか子どもをあやしてるみたいだな。

「有希、お前の望みを言ってみろよ。俺に出来ることなら、なんだってするからさ」
「わたしは……、あなたと一緒にいたい」
「ああ、もちろんだ。俺も有希と一緒にいたいからな」
 有希の背中を軽く叩くと、有希の腕が俺の背中に回された。
 恐々とした手つきで、そっと俺の背に触れる。抱き締めあう格好になった。

 有希の鼓動が手に伝わってくる。心なしか、そのテンポは速い。
 ふっと有希が俺の体を抜けるように顔をあげ、俺の目を見つめた。やっぱり無表情だったけれど、それはそれで構わない。
 有希は少しずつ変わってきている。それだけは確かだった。
 

 ゆっくりと有希が目を閉じて、俺にキスをしてきた。
 不意にボールが飛んできたような驚きもあって、ビクッとしてしまう。有希はそんな俺の驚きに心を動かすこともなく、唇を押し付けてくる。
 何度キスしたって、この柔らかさに飽きることなんてないんだろうな。
 しかも、有希から唇を押し付けてきた。丁寧に唇を触れ合わせ、舌で俺の唇を割ろうとしている。


 俺も有希の求めに応じて舌を絡ませた。俺たち、キスしてばっかりだな。
 ゆっくりと有希の体を押し倒した。両手で有希の頬に手を添えて、荒々しく唇で有希の舌を啄ばむ。

「有希……」
 名前を呼びながら、俺は有希の股間へと手を回した。スカートの裾をめくって、太ももの間に手を滑らせる。
 ショーツで包まれた丘に手を這わせる。割れ目の上あたりに手をあてがうと、骨のような硬いものがあるのを感じた。
 さらに奥へ手を滑らせようとするが、有希は腿を閉じて抵抗をしている。

 俺は有希の首筋に舌を這わせ、髪の生え際をなぞった。有希の柔らかい息が、俺の耳を打つ。
 有希の腿を何度もさすっていると、有希の小さな呻きが聞こえてきた。
 ゆっくりと、有希の股が開かれていく。俺はすかさず、そこに手を押し込んだ。指先で、有希の割れ目をほぐすように刺激した。

「んっ……」
 
 有希は今どんな顔をしているんだろう。
 俺は細い首筋を唇で吸いながら、鎖骨と胸骨が合わさる窪みに唾液を落とした。

 有希は体をわずかにくねらせながら、足を開いていく。一度、俺は有希の膝を持ち上げた。
 こうしたほうが、触りやすい。

779後悔はしていない:2006/06/12(月) 03:52:39 ID:KB4eV1Mq

 一度体を離して、有希の顔を見下ろす。重力で散らばった髪と、潤んだ瞳。頬に一滴落とされた朱色が眩しかった。
 有希の股の間に顔を近づける。今日は抵抗されず、すぐに俺はショーツに口をつけることができた。
 今日は薄いブルーの下着を履いていた。だが、クロッチ部分だけ色が濃くなっている。

「なぁ有希、濡らすのはまだ早くないか? まだ挿れるつもりはないんだけどな」
 有希の体が一度だけ震えた。
「もしかして、気持ちいいのか?」
 俺は言葉を紡ぎながら、指先でショーツを割れ目に押し込んでやった。
 くっきりと浮き上がる筋が、有希の体から染み出た液体で濡れていく。

「おいおい、どんどん溢れてくるぞ。もう挿れてほしいのか?」
「……違う。わたしは……」
 有希の頬に落ちた朱色が広がっていく。冷たく黒い瞳も、今は濡れて輝いていた。
 反応が面白くて、つい意地悪な物言いになってる自分が可笑しかった。これも有希が可愛すぎるからだ。
「いやぁ、かわいいなぁ有希は。よくわからんが、エラーとか出て大変なんだろ。でもいいじゃないか、かわいいんだから」
 そんなことを言いながら、こねこねと有希の秘部をショーツ越しにいじり倒す。

「あっ……あ、ああ……」
 声が漏れてくる。明らかに、有希は気持ちよくなってるようだ。
「有希、愛してるぞ」
 そう言いながら、有希のショーツを脱がせた。濡れてわずかに重たくなったショーツを、有希の顔の隣に置いた。
 愛してると言いながらやることじゃないね。

「わたしも……、あなたを愛してる。何万年もの前からずっと……」
「有希……」
 初めて聞いた有希の愛してるに、心が破裂する。

 有希の唇をさらってから、俺は自分のズボンをずり落とした。
 すぐさま突き刺した。強烈に襲ってくる快感が、脳の回路をショートさせる。唇に痛みを感じた。
 狂ったように有希の中に俺のものを突き刺した。底の浅い有希の膣の、一番奥を何度も突き上げる。

 有希の唇から零れる唾液と、感情に突き動かされて生まれる小さな喘ぎ声が愛しい。
 俺は有希の顔の両脇に肘を置き、それに体重をかけながら腰を振り続ける。有希は俺の背に手を回していた。
 力を込めて、俺の体を引き寄せるように。有希の両足が俺の腰を掴んでいた。
 
「もう出そ、んっ」
 出しかけた言葉が、有希の唇の奥へ消えた。有希は、少しの間も俺の唇を離そうとしなかった。
 興奮した牛のように、舌をがむしゃらに暴れさせる。

 もう限界だ。そう思った時には、俺の体がびくんと爆ぜた。
 何度かの痙攣の後、ようやく俺は有希の体へ精を放っていたことに気づいた。

780例え国家資格の試験が迫っていようとも:2006/06/12(月) 03:53:31 ID:KB4eV1Mq


 出した後も、しばらくの間俺たちは絡み続けていた。
 延々とキスしていると、頭がおかしくなりそうで怖い。寝足りない時の布団に似た快楽だった。
「んっ……」
 時折漏らす有希の言葉でさらに頭はのぼせ上る。誰か俺の頭に液体窒素でもぶっかけてくれないかね。
 息苦しくなって唇を離すと、俺の口から荒い息が零れ出る。繋がったままの下半身から、軽い痛みがチクチクと届いた。

「有希、シャワー浴びようぜ」
 体を離そうとするが、有希は俺の腰に両足を回したままだった。離れるに離れられない……。
「おーい、そろそろ離れないと」
「……もう少しだけ」

 仕方なく、俺は繋がったままの状態で有希の体を抱えあげた。軽いなおい。うちの妹だってもう少し重たかった気がする。
 駅弁とかいう体位だっけこれ。そう思いながら、有希の尻に両手を置いて持ち上げた。足元に絡んでいたズボンを振り払う。
 下半身だけ何も履いてないというわけのわからない格好のまま、俺は洗面所に入った。


 風呂場でようやく有希の体からものを引き抜いて、素っ裸になる。有希の着ていた制服を脱がせ、脱衣籠らしきものに放り込んでおいた。
 浴室に二人連れ立って入る。有希は疲れたのか、いつもの無表情より少しだけ沈んで見えた。
 マットすら敷いていない浴室を暖めるために、シャワーを流す。ゆっくりと湯気が浴室を包んでいった。
 
「よし、もういいだろ」
 俺はシャワーから流れ出る温水を、頭の天辺から浴びた。流さなきゃいけないのは、下半身くらいのものだったが、そこだけシャワーを当てるというのも格好が悪い。
 適当に体を流した後、有希にシャワーヘッドを渡してやる。きょとんとした表情で、握ったシャワーヘッドを見つめていた。


 当然だけど、有希も裸だった。あまり大きいとは言えないものの、小ぶりでかわいらしい胸も晒されている。
 桜色の突起も、穏やかな曲線を描くウェストも見放題だ。特に、ウェストから尻にかけてのラインが柔らかそうでいい。
 そんなことを考えていたせいか、俺の締まり無い股間は巨大化していた。まぁ散々エッチなことしまくったわけだし、今更気にしなくたっていいだろう。

「おいどうした有希? お前が洗わないんだったら、俺がやってやろうか?」
 なんて軽い口調で言ったところ、
「そうしてほしい」
 と、実に有希らしい短い口調で頼まれた。いやいやいや。
781orz:2006/06/12(月) 03:54:17 ID:KB4eV1Mq


 頼まれたからには仕方ない。俺はボディソープを手に取ると、有希を後ろから抱き締めて胸を揉みだした。
「さー、綺麗にしましょうねー」
 そんな意味不明なことを口走りながら、俺は股間のものを有希の背中にぐりぐり押し付けつつ、胸をまさぐるのだった。
 泡立っていくボディソープが、有希の胸を白く包む。乳首を指で摘んでみたり、谷間が出来ないものかと内側に寄せてみたり、有希の体をもてあそぶ。
 洗うという行為とはやたらと遠いことをしている気もするが、気にしないことにしよう。

 俺は有希の腹部に手を這わせ、さらに尻も撫で回し、腕も足も首や背中でさえもこの手で撫で回した。
 そしてシャワーで体を流してやる。さすがに髪まで洗うのは気が引けた。こんなにも綺麗なんだから、俺がゴシゴシ洗ってキューティクルだかなんだかが傷ついたらまずいだろう。

「ここも綺麗にしないとな」
 なんて言いながら、シャワーヘッドを有希の股間に持っていって、湯をかけてやる。両足を軽く開かせて、俺は左手でシャワーヘッドを持ち、右手で有希の割れ目をぐにぐにと弄った。
 さらに指を滑り込ませる。指がぬるりと吸い込まれた。
 あまりの狭さに、驚いてしまう。指一本で結構きついじゃないか。こんなところに、俺はいきり立ったモノを突き立ててたのか。

 急に、意識が戻ってくるような気がした。心が醒めていく。俺は、欲望に任せて、かなり酷いことをしてしまっていたんじゃないのか。
 今もこうやって、有希が抵抗しないのをいいことに好き勝手にして。
 俺は指を抜いてから、シャワーで丁寧に有希の股間を洗って終わりにした。


782ここまでで:2006/06/12(月) 03:55:03 ID:KB4eV1Mq

 浴室から出て、バスタオルで体を拭く。ここでも有希は、自分で拭く気が無いのか知らないが、俺に拭くよう頼んできた。
 有希の体を丁寧に拭き終えると、俺は放り出していた制服を掴んで、全裸のまま洗面所を出る。脱ぎ捨てる時は気にならなかったが、こうやって裸で室内をうろついていると落ち着かない。
 さっさと服を着ると、また気持ちが不意に落ちていった。ずっとハイになっていたから、ここで気分が沈むとその差で痛みさえ感じる。
 ハルヒのヤツは、そんなことを感じることはないんだろうか。アップダウンを繰り返してやがるからな。

 床に座って溜め息を吐くと、まるで何事も無かったように有希が洗面所から出てきた。制服をビシッと着こなしている姿は、部室で見る時となんら変わりない。
 
「長いこと邪魔したな。そろそろ帰る」
「……そう」
 重たい体をなんとか立たせ、玄関までとぼとぼと歩く。靴を履いている間も、有希は俺のことをじっと見ていた。
 今は有希の無表情を見るのが辛かった。不意に視線を落としてしまう。
「有希、ごめんな。なんか、勢いとか性欲に任せて酷いことしちまって」
「いい」
 返事は短かった。俺はまた、有希の優しさに甘えてしまっていたんだろう。
「あなたがわたしを望んでくれるように、わたしもまたあなたのことを望んでいるから」

 言葉少ない有希のフォローが、くすぐったかった。
「ありがとよ。そう言ってもらえると嬉しい」
「……」
 有希は俺の元へ寄ると、キスをしてきた。

 思わず、自分の唇を押さえて目を丸くしちまう。有希はというと、やっぱり無表情で俺のことを見つめているのだった。


783名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:59:44 ID:PL8+5ODY
うはwwリアルタイムGJ!
784名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 04:02:13 ID:2KLlGm9h
リアルタイムGJ!
寝る寸前だったんだがいいもの読ませてもらったぜ!
785名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 05:17:50 ID:y6iHqrXk
>>779
>「わたしも……、あなたを愛してる。何万年もの前からずっと……」

アクエリオン思い出してしまってワロタwGJ



786名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 05:20:48 ID:TtdVPrLj
しかし流れ速いな
書いてる時間より読んでる時間が長くなって結局投稿出来ん状態だ
787名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 09:27:38 ID:bRJiTZih
浣腸ものを書いてみた。
見たくない人はNGワード 悪魔払い を設定よろ
この時点でオチが読めている人もいるだろうけど
そこは、ご容赦を・・・
788悪魔払い:2006/06/12(月) 09:28:35 ID:bRJiTZih
悪魔払い

1.
ハルヒが退屈し始めた様子に、何かネタを仕込まないと拙いことになりそうだと、
古泉が言った次の日、オカルト研究会の連中が、悪魔の呼び出しに成功した
らしいとの情報が鶴屋さんから寄せられた。
鶴屋さんの話によると、オカ研の女子部員が、頬が痩け・目が落ちくぼんだ、
幽鬼の様な顔になりその内、腹部が異常に膨み始めたとのことで、最初は妊娠
でもしたのかとも思われたが、奇行がエスカレートするにつれ「呼び出した
悪魔に取り憑かれた」説がまことしやかに流れているそうな。

ハルヒはその話を聞くやいなや、オカ研に飛んでいってしまった。
789悪魔払い:2006/06/12(月) 09:29:15 ID:bRJiTZih
>>788
2.
朝比奈さん、この件に関して何か情報がありますか?
朝比奈さんは無言で首を振った。

俺が古泉を見ると例のインチキスマイルで
「誓って機関は関与していません! 」
だと、どうだかねー

長門、おまえの見解は?
「……」

ここにいても、しょうがないのでハルヒを追ってオカ研に向かった。
790悪魔払い:2006/06/12(月) 09:30:02 ID:bRJiTZih
>>789
3.
「ちょっと、なんですぐにこないのよ!」
ハルヒ、おまえには話せないけど、こっちにもいろいろ都合があるんだよ。
とは言えず、茶の一杯ぐらい飲ませてくれよと言うと
「お茶なんか、後でいくらでも飲めるでしょ」
はいはい、仰有るとおりで御座います。

中に入ると、オカ研の部員が輪になってブツブツ言っている。
ハルヒは近くにいた一人の襟足を引っ掴み廊下に引きずり出した。
「悪魔だ、悪魔が降臨したんだ!」
ハルヒが何を訊いても、それ以上は意味不明な言葉を口走るだけで、さすがの
ハルヒもこれには処置なしである。
今日は一旦ここまでというこで解散となった。
791悪魔払い:2006/06/12(月) 09:30:42 ID:bRJiTZih
>>790
4.
俺は、ハルヒが下校するのを見届けてから再びオカ研の部室に舞い戻った。
「なんです? 涼宮さんに内緒でもう一回集合というのは……」
「長門さんが、悪魔の正体に心当たりがあるそうなんです」

「来て」
長門の後に続き部室に入る。
俺が待てと言うよりも早く、長門がなにやら呪文らしき物を唱えだした。
ドアが無くなり壁だけになり、床も剥がれかけのリノリュームではなく
大きな排水口が目立つタイル貼りに変化している。

長門よ、いまから悪魔払いでもやるのか?
まあ、おまえなら出来てもおかしくはないけどな。
「彼女が置かれている状況の改善は、人類がもつ科学力だけで必要にして充分
可能、但し対処中、第三者に知られることは、オカ研、SOS団双方の団体及び
団体を構成する個人にとって好ましくないと判断し、情報操作によりオカ研の
部室を人類が認識出来ない空間に転移させた」
792悪魔払い:2006/06/12(月) 09:31:22 ID:bRJiTZih
>>791
5.
「立って」
相変わらず輪になってブツブツ言っている部員の中から女子生徒を立たせると、
「情報結合解除開始」
おい長門、女子生徒を砂にしちゃ拙いだろう
「心配ない、中身に対する情報操作は行っていない」
その言葉通り、女子生徒の着衣は砂の様に消え一糸まとわぬ全裸となった。
気を失い崩れ落ちる女子生徒をつい抱きかかえてしまった。

確かに女子生徒を全裸に剥いているところを、誰かに見られたらとんでも
ない事になるのは明白で、その判断自体は正しいとは思うが、それ以前の
問題として、そもそも全裸にする必要があるのか?
「お約束」
なんなんだそれは……
793悪魔払い:2006/06/12(月) 09:32:04 ID:bRJiTZih
>>792
6.
残りの部員たちはこのことが見えていないかの如く、同じ姿勢で悪魔払いの
呪文とおぼしきものを唱えている。
「彼らは、情報操作の結果、私たちとこの女子生徒を認識することが出来ない」
わかった、彼らの知らないうちに終わらせてしまう訳か?
長門はよく見ないと判らない様な角度で頷いた。

全裸の女子生徒を抱きかかえるという、文字だけなら美味しい場面も、半分
正気を失っている上、ぽってりと腹が膨らみ、ニキビや吹き出物が一杯の顔
では、愚息は昼寝からおきそうにない。
794悪魔払い:2006/06/12(月) 09:32:48 ID:bRJiTZih
>>793
7.
で、このあと、お姫様をどうすればいい?
「その台に載せて」
振り向くと、変わった形の椅子があった、谷口や国木田から廻ってくる
マニアックなAVでおなじみの、産婦人科特有の診察台である。
当然ながら実物を見るのは初めてだ。

女子生徒を診察台に載せると、
「留めて」
朝比奈さんは真っ赤な顔をしてオロオロしているし、俺はどうするのか見当も
付かん
「僕がやりましょう」
古泉、やけに手際が良い様に見えるのは気のせいか?
しまった!「産婦人科の診察台に拘束された、妊婦腹の女子生徒」を意識
した途端、愚息が……
795名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 09:41:07 ID:h+OJpmhM
おしまい?
796悪魔払い:2006/06/12(月) 09:42:31 ID:bRJiTZih
>>795
8.
「見て」
俺たちは、診察台に拘束され、性器だけでなく肛門まで露わにされた女子
生徒の股間をのぞき込む。
「いやだー」
「参りましたね、こりゃー」

女子生徒の肛門には、電子ロック付きの太いアヌス栓が刺さっていた。

「こんなのって……」
「こんな状態になるまでするのは、ご主人様として問題ありますね」
どういう事だ? まあ、見れば「プレイ」だと状況そのものはわかるが……
797悪魔払い:2006/06/12(月) 09:44:17 ID:bRJiTZih
>>795
いつもより規制が厳格みたいだ。

>>794>>796
9.
「彼女がご主人様と呼ぶ対象は存在しない」
つまりなにか、彼女は自虐的性向があり自分でこのアヌス栓を嵌めたまでは
良かったが、解除キーを失くしてロックを解除する事が出来なくなって、
超便秘状態に陥っていると。
「そのことが原因で精神が錯乱気味なのを、オカ研の部員であることから
悪魔が取り憑いたと……」
俺の言葉の後を次いで古泉が言う
「早く外してあげてください」
朝比奈さんの言葉に
「情報結合を解除しアヌス栓を取り除くこと自体は可能、但しそれだけでは
便秘は解消せず、彼女の精神状態を安定させることは不可能」
そこでそいつの出番なのか?
長門はどこからともなく、1リットルのイルリガートルを吊したスタンドを押して
きた。
798悪魔払い:2006/06/12(月) 09:45:19 ID:bRJiTZih
>>797
10.
長門が情報操作のために、なにやら呪文らしき物を唱えだした。
見る間に口径が倍ほどになり、注入用のプラグとシャッター付排出口を備えた、
浣腸プレイ専用アヌス栓に変化した。

「つないで」
どうして俺なんだ! と文句を言いつつ愚息に大人しくしている様言い聞かせ、
イルリガートルとプラグを接続しピンチコックを開く。
チューブの中を薬液がつーと流れていくが、やけに粘性が高いが大丈夫か?
「長門さん、これ薄めてますよね」
朝比奈さんがグリセリンの空き容器を差し出す。
「いつも原液のまま使っている」
サラリと凄いことを聞いた様な気がする。

……
三点リーダー製造機は長門と相場が決まっているが、今回ばかりは長門を除く
全員が三点リーダー製造機になりはてていた。
799悪魔払い:2006/06/12(月) 09:46:05 ID:bRJiTZih
>>798
11.
「長門さん、原液は駄目です、水で倍に薄めて下さい」
古泉の叫びに
「分かった」
蒸留水の容器を取り出すと、イルリガートルを2リットルの物に交換し注いだ。
おかしいと思いつつ、朝比奈さん、古泉の顔を見る。
長門に言おうとした寸前に脇腹を突かれた。
見ると朝比奈さんが唇に指を当て小声で、「言うと余計おかしくなると思い
ます、彼女には申し訳ないですが、2リットルに挑戦してもらいましょう」
スマン、俺は心の中で彼女に手を合わせた。
800悪魔払い:2006/06/12(月) 09:46:43 ID:bRJiTZih
>>799
12.
薬液が全部飲み込まれて約10分が経っていた。

「ううー、ああー」
肛門の激しい拡張感と浣腸による腹痛で気が付いた様だ。
うめき声は段々と低くしわがれたものに変化していった。
本当に単なる便秘だろうな、後で本当は悪魔が取り憑いていましたなんて言うなよな
「……」
長門よ、そこで黙るな、嘘でも良いから「否」と言えよ「否」と

彼女は相変わらず、全身から脂汗を流しうめき続けている。
そろそろ出させた方が良くないか?
「まだ駄目」
あとどの位掛かるんだ
「3.14213564…秒後」
……
………
3秒余経ったらしい。
長門が手をかざすと、アヌス栓のシャッターが開き、排泄物が吹き出した。
情報結合の解除により瞬く間に砂に変わっていく。
排泄物に口や目があったり、砂に変わっていく間も自力でのたうっていた様に
見えたのは気のせいにしておこう
801悪魔払い:2006/06/12(月) 09:52:00 ID:bRJiTZih
>>800
13.
2リットルのグリセリン溶液を延べ5回、計10リットルの大量浣腸により
彼女の腹の中に巣くっていた「悪魔」はすべて排出され、腹の膨らみは
消えた。
目の下のクマや吹き出物は、原因が解消されたのでその内、綺麗になるだろう。

ちなみに、彼女の括約筋は長年にわたる自虐的拡張行為の結果、機能しなく
なっており、あのアヌス栓は携帯を操作することで開閉出来る様に改良され
残された。
勿論、アヌス栓は彼女が以前から使っていた物であると記憶を操作する。
彼女の携帯には小さな南京錠のストラップが付いていた。
そのことを知った、朝比奈さんの顔が、羨ましそうに見えたのは、心に
しまって置くことにする。

翌日ハルヒのお供で再びオカ研に向かう。
ハルヒは、問題は解決したと言われ、「勝手に解決するんじゃないわよ」と
誰に向かってかは不明だが憤慨していた。

数日後、部室に向かう途中、目茶苦茶綺麗な女子生徒とすれ違った時、胸の
ポケットから覗く携帯を見て目を見張った。
小さな南京錠を付けた携帯は、彼女のアヌス栓のリモコン機能を兼ねている。
そのことを知っているのはホンの数人、自分がその一人であることが何故か
うれしかった。
802悪魔払い:2006/06/12(月) 09:53:30 ID:bRJiTZih
>>802
14.
その日は、珍しくみんな所用のため先に帰ってしまった部室に長門と二人きりに
なった。

俺は、あの「悪魔」の正体について尋ねてみた。
長門の話によると、アヌス栓の制御回路(そんな物が内蔵されていたのか)に
例のカマドウマの残骸が住み着いて実体化したものらしい。

もう一つ訊いて良いか?
「何? 」
いやな予感がしつつ尋ねる。
どうして、悪魔払いが「浣腸」だったんだ?

「エクソシスト」
「良い…をする人」





「ええ糞シスト」

糸冬
803名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 09:55:31 ID:bRJiTZih
勢いで書いてしまった。
誤字脱字は脳内校正よろ

今は反省しているが又書くかもしれない。
804名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 10:17:44 ID:8VXoO3eS
きっと皆NGわーお設定してるから感想書けない
805名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 11:13:05 ID:G74ZjUbf

浣腸ネタ自体は悪かないけどするなら
長門とかみくるとかハルヒとか鶴屋さんとかキョ――

介入する。実行。終了。

長門とかみくるとかハルヒとか鶴屋さんにやってほしかったかな。
806名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 11:33:11 ID:SlGjtVRq
需要を無視して自分の書きたいものを書くって
意外と楽しいね。
今書いてるんだけどすげー楽しい。
807名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 11:40:14 ID:MzW3Fzpp
テス
808名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 12:12:36 ID:bRJiTZih
>>805
ありがとう。
>>長門とかみくるとかハルヒとか鶴屋さんにやってほしかったかな。
外部のものにやって半傍観者として、色々突っ込みをさせる方が楽なのでつい・・・

まあ、みくるは、「前回」使ったのと、ハルヒは別のシリーズでおいおい出てくると思うので
機会があればよろ
809名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 12:38:07 ID:xf1VwQyF
>>806
sageで行こう。あがっちゃうと厨やら嵐やらが来ちまう。

>>悪魔払いの中の人
朝っぱらからスゲェの投げましたねw
なんかすごいぞ長門。
ともあれ、次回作もコッチ系ですか?
810名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 14:27:32 ID:SlGjtVRq
なんかすごく触発されたよ。
俺もがんばって書いてみる。
811名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 14:33:43 ID:h81vzF3+
>>悪魔払いの人
無駄に読点使いすぎじゃない?言葉の順番入れ替えるとか工夫した方が…
812名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 14:42:35 ID:h/FeyzBn
非エロ書きましたが、エロの流れなのでコピペでお願いします。
もしかしたら設定曲げてしまったかもしれませぬ。興味なければスルーで。
ttp://sund1.sakura.ne.jp/uploader/source/up13402.txt
813名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 16:01:00 ID:XGQeSOuL
>>811
大きなお世話。何様だよお前。
814名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 16:12:54 ID:vYHFwQ38
>>813
>>811はただ「こう変えればいいんじゃないか?」と言ってるようなものだからそれで怒るのはおかしい
815名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 16:28:20 ID:rNVsReY5
別に言うほど読点多くないし。
816名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 16:35:48 ID:2sXs35aC
気になった点を指摘しようってのはだいぶ固まった意見のはず
>>813が書いた訳でもないのに反発するのはおかしい。真摯に受けとめるかそうでないか決めるのは作者
817名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 16:40:21 ID:bRJiTZih
>>811
一応、注意はしているのだが、自分が打ちたいところと、文法的に打つべきところに乖離があり
結果として、両方に打ってしまい「ぶつ切れ」になってしまう。
精進せねば・・・
818名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:02:49 ID:+PuS4vM+
>>817の文章をハルヒ的に直すと

「一応注意してるんだけど、どうも自分が打ちたいところと
文法的に打つべきところがずれてるのよね。
結果として両方に打つから「ぶつ切れ」になっちゃうし。
あたしもまだまだね。」

読点がどうってより一文が長いのか。俺の指摘も悪かった。
819名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:11:34 ID:+R7ZS/6v
ボクのセカイをまもるヒト2が
激しくエロいんですけど
820名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:12:07 ID:xf1VwQyF
まあ、あれだ。喧嘩腰つーかぶっきらぼうな書き込みを押さえよーぜ?
ひとつ大人の余裕でタノム。
821名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:14:13 ID:Rv3BSI6r
>>817
「…ところと、文法的に…」「結果として、両方に…」
ここの間の句点いらないんじゃね?
822名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:15:03 ID:Rv3BSI6r
あ、読点か。
823名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:20:49 ID:9WuKTAq5
あんま文法的にとか言うのもどうかなぁ
どっかに投稿するわけでもないんだからさ
どこに読点入れるのも職人さんの個性だろ
824名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:29:00 ID:HKjsqSMy
>>823
同意
読点は、打つ場所によって文章の印象が変わったり、微妙に意味が変わっちゃう場合もあるし
やっぱその辺は職人さんに一任すべき事柄だと思う
825かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/12(月) 18:29:39 ID:yTwys30X
>>803
826名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:29:46 ID:BiTQDLrF
自分も同意、小説家養成所でもないんだし
作者が希望したら注意すればいいんじゃない?
827名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:35:06 ID:takYCASR
この話題は>>811は死ねって事でもう終わりにしよう。
828名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:35:07 ID:DroKoi5h
別に無駄に叩いてるわけじゃないんだから指摘位してもいいんじゃないの?
せっかく誰かに読んでもらうだからその方が作者のためにもなるでしょ。
829名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:36:16 ID:GJD9pTM+
文章の書き方や文法はともかく、
句読点の用い方は難しいね。

Googleで検索してたら見つけたけど、

ttp://www.linelabo.com/kutouten.htm

こんなサイトもあるぐらいだし。


自分は文章を音読して、
切れ目となるところにいれるようにしている。
830名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:36:20 ID:9yyy7eAU
>>828
「〜のために」
(訳)おせっかい
831かなり ◆yMi5n3o5k6 :2006/06/12(月) 18:38:05 ID:yTwys30X
>>811はあぼーんしる!αβοοη..._φ(゚∀゚ )アヒャ
832名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:39:41 ID:2hmXJgJy
テンプレにでも入れるか?
指摘が欲しい作者は前後どっちでもいいから申告
特に指摘の旨がない作品には文句レス禁止の方向とか

いい加減この話題もループでうんざりなんだがw
833名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:44:10 ID:DroKoi5h
文句禁止って・・・
人に見せる以上ある程度のことは覚悟するべきなんじゃないの?
マンセーレスばっかだと気持ち悪いぞ。
834名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:45:36 ID:/NbUsTQj
指摘と批判の境目が受け取り手によって異なるからな
悪い部分を見つけてもただ「ここが悪い」って言うだけじゃなく、
「(良い部分を見つけて)ここが良かった」「(悪い部分を見つけて)でもここは残念だ」「で、こうするといいんじゃない?」
と一工夫しようぜ、読み手も。書き手が頑張って書いたものなんだからさ

……実は最近、「GJ」しか言われないと「流されてる?」とひねくれた受け取り方をしてしまうんだよな
欲張りすぎだとはわかってるが、たまに的確かつ嬉しい感想を描いてくれる人も居るもんだから、ついそう思ってしまう
835名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:47:09 ID:GJD9pTM+
「従兄弟」を「従妹」にした方がいいよ、
なんて適切な指摘してた人もいるのだし、
文句禁止、てのはやらない方がいいと思う。
836名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:47:31 ID:9yyy7eAU
>>834
GJ!!!
837名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:52:20 ID:2hmXJgJy
俺もGJはばっかはうんざりで
GJだけならレスなんていらねーよって感じなんだが
指摘あるたびにこうスレの流れが狂うとなぁ
指摘OKかNGか作者が決めてくれれば少しは減るかと思ったんだが

>>833
で、お前はまず自己と他は違うことを認識してくれ
「作者のため」なんていってるが、それを決めるのはお前じゃなくて作者
〜〜のためとか思い上がりもいい加減に
誰もがお前と同じ考えなわけじゃないから、つまらない指摘は気に入らない人もいるだろ
だから上の流れなんだ
情報の搾取を決めるのは作者だが、それに対して作者でもないのに、「この指摘いらない的」レスつくのがうざい
838名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:57:49 ID:GJD9pTM+
>>837
>情報の搾取を決めるのは作者だが

>さくしゅ 【搾取】
>
>(1)階級社会において、生産手段の所有者が生産手段をもたない直接生産者から、
>その労働の成果を無償で取得すること。
>資本主義社会では、資本家が労働者から剰余価値を取得する形で表れる。マルクス経済学の基本概念の一。
>
>(2)動物の乳や草木の汁などをしぼりとること。
ttp://dictionary.www.infoseek.co.jp/?ii=0&lp=0&sm=1&sc=1&gr=ml&qt=%BA%F1%BC%E8&sv=KO&se=on

「搾取」ってのはネガティブな意味になりやすいので、
もう少し言葉は選んだ方がよいかと思います。

「取捨」程度がよいのでは。
839名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:58:08 ID:rNVsReY5
BUMP厨と句読点厨はきもいから消えて^^
840名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:58:31 ID:9WuKTAq5
スレ違いになってきてるぞ、おまいら
この辺でやめとこうぜ
ここは職人さんがSS投下して、そこに指摘して
んでもって色々妄想するスレのはずだ
841名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:02:41 ID:TtdVPrLj
投下するなら深夜〜早朝が良さそうだな…
842名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:04:15 ID:WjxeFaYz
>>840
が良い事言った
843名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:06:02 ID:DroKoi5h
>>837
たしかに「〜のため」ってのはおかしいな。
取り消すよ、すまん。
だが、指摘はするのもされるのも自由だろう。
>それに対して作者でもないのに、「この指摘いらない的」レスつくのがうざい
これいには同意する。
844名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:10:24 ID:9WuKTAq5
だからやめとけって
せっかく俺がいいこと言ったのに
これじゃあ職人さんも投下し辛くなるだろうが
845名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:11:59 ID:ZToGTcpg
勘弁してよこの空気…
自治会長気取りでクソみたいな独り善がりな意見出してんじゃねーよ
846名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:20:53 ID:X9MMVGy3
いい加減にしてくれ!頼むからお前ら……
もっと幼馴染が照れ隠しで怒ってるみたいに言ってくれ
847名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:23:41 ID:xf1VwQyF
はい、おわり!
これ以上アレコレを言うと水虫(ジュクジュク型)感染すかんねっ!
わかった?
848名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:27:21 ID:7siGku7P
今までどうりでいいよ
849名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:44:05 ID:9yyy7eAU
DroKoi5hは死ねって事で何もなかった事にしてリスタート。
850名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:46:25 ID:h81vzF3+
ここは厨房しかいねえのか…

何で「指摘レスはするべきか否か」なんて意味不明な事で揉めてんだよ…
荒らし目的じゃない指摘レスが叩かれるスレなんて初めて見たぞ
マジで厨房は帰れよ。
851名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:49:42 ID:97RgTgWF
うわあああああああああハルヒとセックスがしてえぇええよおおおおおぉぉおおっ!!!
ハルヒに制服着せたまま後ろから尻にチンコこすりつけて
両脇の下から手を回してオッパイ揉んでハルヒの黒髪の良い匂いをクンクンい嗅いて
ハルヒの耳を甘噛みしながらあの喘ぎ声が聞きてえぇぇえええ!!!
852名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:52:46 ID:h6isijo+
人が多いスレは荒れやすい。
これは創作系のスレでも変わらないこと。
人気作のSSスレはわりと荒れやすいのでこうなっても不思議ではないな。
何はともあれ、年齢制限板なんだから、百歩譲って対象年齢以下でもいいから
それ相応の応対が出来るようになってくれと思う。
853名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:52:55 ID:aD47lJlb
854名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:53:37 ID:6CTwbFU9
会員制でもなく不特定多数の人間が見る場所に作品を出す以上
褒められるだけでなく悪い部分を指摘される場合もあるのは当然のことだろ
句読点がどうこうという指摘が妥当かどうかはともかく
>>811のレスにはなんらルール上にもマナー上にも問題があるとは思えん
855名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:58:17 ID:5INM0pa5
>>850
確かに悪魔払いは読点多め。
多めと言うか、句点にした方が好ましいと思われる箇所まで読点で繋いでる感じ

だけど>>850も、もう少し穏便な書き方したほうが良かったんじゃないかと俺は思ったよ
856名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 19:59:49 ID:xf1VwQyF
>>851
君はこの前のちょいイタ性衝動か?
何がしたいか詳しく吐露してみ?誰かそれに沿って書いてくれるかも。
857名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:01:05 ID:RMTrsAml
>757
百合云々はhZQ0msGjが一人で粘着してるだけだから気にせずここに投下すればいい。
いままでだって百合ネタはあったし、嵐は相手にするな。


あと、ここは2chなんだから、指摘云々以前に多少厳しいこと言われてもスルーできるように耐性つけるのが前提。
しかも21禁なんだから尚更だ。つまらん難癖なら流せばいいし、故ある指摘はまずもって作者の精神に直撃する。
858名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:02:42 ID:NsbkFUMV
個人的には1番辛いのは書いたものスルーされる事だな。
批判もあんまりしつこくされたら鬱陶しいがちょっと注意するぐらいは
端からどうこう言うものでもないと思う。
859名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:15:49 ID:SbAskT39





          ID:h81vzF3+絶賛自作自演中





860名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:16:38 ID:7oVwGJ/0
気に入らないSSはスルー
気に入ったSSには意見で良いのでは?

関係無いが『パパは高校一年生』最高
861名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:18:24 ID:ORKna5WR
書いてる方だが、句読点、改行、などは指摘してもあまり意味がない。
句読点は癖が出るし、改行はスレのシステム上一行を長くできないから。
三点リーダも内容的にはどっち使っても意味無いし。
ブラウザの設定次第で見え方は変わってしまうので、行を揃えても必ずしも見やすいとは限らない。
書き手は読み手の環境まではわからないしね。
どうしても読みづらければ最悪エディタやメモ帳にコピペするという方法もあるし。

それ以外は>>857氏の言うとおりです。
内容に関しての感想は歓迎です。ただあんまりダイレクトな悪口だとテンション下がる。w
議論もほどほどに。ほんとに投下しづらくなっちゃう。マターリ行ってね。
862名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:20:48 ID:rNQQneVr
長門週間のハイタッチとお嫁さん確定に萌えた

ナイス設定!
それがハルヒにばれた時…      ((´。。`))ガタブル
863名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:25:59 ID:RMTrsAml
>861
オリジナルの場合、句読点にケチつけるのは野暮というものだが、
キョン一人称に限って言うと、「原作らしさ」という評価尺度があるので一概には言えないね。

「好みの問題」で済む範囲なら流すべきだし、あんまり崩れた日本語だとツッコミ入れたくはなる。
いずれにせよ、GJ以外の感想って書くのは難しいよ。
それを実感しているだけに的確な指摘は(厳しいものであっても)もらえると嬉しい。
864名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:29:27 ID:ORKna5WR
>>863
基本的に同意。
でも優しくしてね……。
865811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 20:33:41 ID:+PuS4vM+
さすがに自演厨扱いはねぇだろwww
ちょっと書きかけのテキスト投下するからもちついてくれ


いつもの文芸部室に、いつものメンバー。
俺はハルヒの隠し切れていない好意に気が付かない振りをし、冷徹な突っ込み役を演じながら
負けることのない勝負を古泉と繰り広げていた。

朝比奈さんのおいしいお茶を啜りながら、いつもと違うことを言ったのはハルヒだった。
「ねぇキョン」
その口ぶりが、いつもは傲岸不遜なあいつらしくない妙に媚びた感じだった。
「そろそろ髪も伸びてきたから髪形変えようと思うんだけど、どんな感じがいいと思う?」
いつかの髪型七変化でもやったらどうだ。あるいはまだやったことない丸坊主とかな。
個人的にはポニーテールが好きだが、あっちの世界での言動をリンクさせるのは危険な気がしてわざと伏せる。
ハルヒは微妙に不機嫌そうな顔をして、同じ事を古泉に聞いた。
「そうですね、ポニーテールなんかいいんじゃないですか?」
古泉は微妙に俺の方に目線をやりながら答える。こいつ、分かって言ってやがる。
ハルヒの方はというと、俺に言って欲しかったことを古泉に先に言われて微妙な顔をしている。
「キョン。古泉くんはこう言ってるみたいだけど」
どうやら後出しでも俺に同じことを言わせたいらしいな。しかしそこは俺だ。世界創造主の圧力などには屈しない。
「俺としては、ポニーテールは普通すぎると思う」
お前ならメデューサみたいな感じがお似合いだろうよ。もしくは赤くなる吸熱性の長髪とかな。
「あたしもそういうのは悪くないと思うんだけど、もっと現実的なラインでお願いできないかしら?」
だから髪型七変化でもやってりゃいいだろ。それとも何だ。他にやってみたいことでもあるのか?
ハルヒはいっとう不機嫌な顔になり、もういいわ、と呟くと黙りこくった。
ありゃ、ちょっと言い過ぎたか。朝比奈さんが青い顔であわあわ言ってるところを見ると
かなりのダメージがあったのかもしれない。ハルヒも年相応の女の子だったってとこか。
866名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:33:46 ID:Jo2phDXi
まぁ、書き手も読み手も努力しようよ。

書き手には、スルーと耐性と打たれ強さ。
読み手には、難癖や増長と受け取られないような努力。
歩み寄るのがどっちか片方だけとなると、残った方のオナニースレになるだけだからさ。

前に誰かが言ってた。
読み手には、書き手以上の高いスキルが求められるって(短くまとめにゃならんから)
どちらにも覚悟が必要ってことで良くありませんか…ねぇ?
867811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 20:35:09 ID:1Im3X9W1
俺が今夜の古泉の仕事を減らすためのフォローを考えていると、ハルヒがまた話しかけてきた。
「あたしとしてはさ、」
なんだかよく分からない持論のようなものをまた聞かされる。それを聞いている朝比奈さんが青い顔になったり
凄い勢いで頷いていたりするところを見ると、未来の世界では意味のあるものになるらしい。
だが未来人を感心させるほどのハルヒの演説も俺にとっては馬の耳に念仏、適当に相槌を打ちながら
いい感じに聞き流すしかない。ハルヒの言葉にはだんだん熱がこもり始める。
「でさ、ってちょっとキョン聞いてるの?」
適当に相槌を打つ。ハルヒはしばらく話を続けるが、俺の反応に興ざめといった感じでまた話を切りやめる。
朝比奈さんは世界の終わりのような顔をしている。さっきから表情の変化が目まぐるしくて面白い。
「さっきからみくるちゃんの方ばっか見てるわね」
適当に相槌を打つ。ハルヒから見る見る怒気が上がってきたのを感じ、俺はやっと演説が終わっているのに気が付いた。
「キョン。あんたには修正が必要なようね」
ピキピキといった擬音が見事に当てはまるオーラを纏ったハルヒが立ち上がる。と、
「まあ待ってください。きっと彼は寝不足で疲れているのです。話なら僕がしますよ」
古泉が絶妙なタイミングでフォローを入れる。どうやら俺は古泉にも好かれているようだ。
俺は気が付かないうちに何かのフラグを立てるのが余程好きなんだろうな。
古泉の介入によって少し落ち着いたハルヒは、さっきの話と同じようなことを古泉にも聞かせ始めた。
どうせハルヒが俺に話してた時も聞いてただろうに、古泉は表情豊かにハルヒの話に反応している。
868811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 20:35:51 ID:h81vzF3+
ただ頷くばかりではなく、当たり障りのない部分で適当に質問をしている辺りはきちんと理解しながら聞いてるんだなと感心しながら、
俺は朝比奈さんに小声で話しかけた。朝比奈さん、もしかして今日のハルヒへの態度ってまずかったりします?
「知りませんっ」
ぷいっといった感じにそっぽを向かれる。さすがの朝比奈さんでもハルヒへの同情を禁じえないほどの態度だったらしい。
どうしたものかと思案していると、ハルヒがこっちの方を見ていた。
「……」
ハルヒの視線に気付き、朝比奈さんはわきゃっ、と妙な声を上げて飛びすさった。
何だ?言いたいことがあるならはっきり言え。
「…なんでもないわ」
諦めたような口調だった。ハルヒは古泉の方に向き直り、また新しい話を始めた。

「あなたにはほとほと感服しますよ」
活動が終わった後で古泉に話しかけられた。なんだそれ、皮肉のつもりか?
「いえ、純粋にそう思うんですよ。今日の涼宮さんはずっと僕と話しながらもあなたの方を伺ってましたし」
あの後、俺は置物状態の長門に適当な世間話を振りながらパソコンをいじっていた。
ハルヒから異様な重圧を感じて振り向くことができなかったが、ただチラ見してただけだったのか。
「一体どんなアフターケアの秘訣があるんですか? できれば僕も真似してみたいものです」
僕にもできるような事でしたらね、と余計な一言を付け加える。やっぱり皮肉か。皮肉なんだな。
「まあ世間的には8:2くらいが黄金比だとも言われてますし」
一体何のだ。俺はどこかの金髪ツインテールじゃないぞ。
「とにかく僕の安眠のためにも今夜はお願いしますよ。このままでは明日の日の出が拝めそうにありません」
はいはい分かったよ。お前の容姿は気に食わないが、俺のせいで仲間に死なれたら後味が最悪だからな。
何とかしてハルヒのご機嫌を取ってきてやるよ。

(続く)
869名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:35:54 ID:K8h0FdVI
フハハ荒れろ荒れろ!!!
870811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 20:37:09 ID:1Im3X9W1
個人的にはもちっと溜まってから書き込みたかったがしゃあないか。
多分次回はみんなが忘れた頃になりますよん。
871名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:44:37 ID:ORKna5WR
>>866 好き。はあと

>>869 なんて間の悪い子……。

>>870 忘れる前に投下して……。お願い。食いたりねー!。w
872名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:50:49 ID:qWScojC1
人の文章にケチ付けるわりに駄文だこと…。
873名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 20:54:46 ID:8VXoO3eS
                          【警戒注意報】【警戒注意報】


最近、どのハルヒスレでも、厨が沸いています。荒らし、その場にそぐわない発言を見つけても
スルーするように心がけてください。もう一度言います、スルーを心がけてください。



                          【警戒注意報】【警戒注意報】
874811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 20:55:07 ID:h81vzF3+
本当の荒らしが張り付き始めたみたいだな。第二のスクランスレにならないことを祈るよ。
まあプロットも何もなく惰性で書いたから駄文なのは間違いないけどなw
875名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:08:19 ID:x5itr+zw
>>870
俺が読む限りそんなに違和感は感じなかったがなぁ。
続きwktk
876名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:13:32 ID:k6A6EQWT
よかれと思って指摘する
「おい、鼻毛でてるぞ」

外野から非難される
「さいてー」「デリカシーなさ過ぎ」

正当性を主張してみる
「あいつのためを思って言ったんだ」

HRで弾劾される
「セクハラ発言をする人がいます」 <-- 今ここ

結末A
女の敵認定をうけて暗い学生生活を送り、後に大魔法使いとなる

結末B
それが今の嫁さんです

ここが勝負どころだな。
877名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:18:28 ID:xf1VwQyF
>>874
嵐はキニスルナ。スルーで行こう。
それよりも、最近書き込むときにsageないヤツ多し。
上がっちまうとイタイ子が来るからおまいら気を付けようぜ。
上げてるヤツいたら<幼馴染みスタイル>で注意をしてくれ。
878名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:24:56 ID:WAQ0fQ/b
阪中さんのSSってのはまだありませんか?
879名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:25:51 ID:h6isijo+
>>870
解釈の違いかもしれないが、キョンが少し嫌味なヤツになりすぎてる希ガス。
鈍感で気づかないならまだしも気づいてるのにわざと煽るような態度に出る性格じゃないような気がするが。
なんだかしこりが残る感じ。
880名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:26:50 ID:bkYertFh
長文失礼しますね。

>>771
肉体関係出来たその後の二人、こういうの好きですGJ!
直接的な行為描写無くても、関係してる二人の間でしか通じないような
秘め事っぽい会話ってエロス感じましたっ!
もう何度も身体重ねてる感じの二人の生臭さがたまらん、と思ってたら
いきなりハードにw
夜の生活も普通なのじゃ満足出来ないのかハルヒw

>>782
クールな顔して拗ねたりダダこねたりする長門は可愛いですねGJ。
芽生え始めた感情を自分でも扱いかねて、そんな自分をキョンは
受け入れてくれるのか不安になったり…ああ、ええのぉ。

エロ描写も毎回楽しみです。今回は駅弁大好物でした。ご馳走様です。
そのうち濃厚な駅弁お願いします。
学校の昼休み、制服着たまま下半身だけ繋げ駅弁で部室内歩き回るとかハァハァ

しかし肉体関係デキちゃってもキョンは朴念仁なままですねw
求め求められてるのに、自分の欲望優先しちゃった、って感じで
いきなり我に返って自己嫌悪ダウナーなキョンが若いなぁw
女に上手に甘えてやるのも甲斐性だぜキョン!

ところで、大規模な情報フレア観測した3年前の時点より以前には
時間を遡れないのが原作設定でしたよね。どういう仕掛けでそこを
クリアするのかも期待してます。

>>802
浣腸の人。俺は器具の名称とか用語よく知らないので
ちょっと置いてけぼりにされた気分だったよ。
でも、だからこそ笑えるSSに感じてる。
やたらマニアックそうな単語を叫びながら、なんか必死な登場人物達がw
原液ってなんだよ、とか一人ニヤニヤしながら読めました。

>>868
ここまでだとなんとも。でも雰囲気は良さそうでいいな
続きと併せて読むの楽しみにしてますね!
881名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:54:15 ID:sVz2ewuK
次スレはやく立たないかな
SSができたので投下してみたいんだけど。
だれか頼むさっ
882名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:57:49 ID:LLLFj6x9
エロが無く、しかも長門話ばかりだからなww
荒れて当然だ
883名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 21:58:11 ID:a/wCoWWr
>>878
阪中さん、原作ではまだ性格よくわかんないからねぇ。
いい人そうだけど。
884名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:00:16 ID:VvpkUgTK
>>883
口癖ってほどでもないんだけど、変なとこで『〜のね』ってつけるよな。
885名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:00:19 ID:ORKna5WR
>>880
丁寧な感想いいなあ。神に代わって言う、抱いてくれ!
(俺身長183a体重98`だがな)
>>878
もう少し、キャラが立つと書けそうなんだけどなあ。また出ないかな?
886名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:02:31 ID:iTrnYtXC
>>879
それは俺も思った
キョンがハルヒに少し素っ気なさすぎかなって思った
887名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:05:36 ID:cOzPnn+F
>>881
わかった
建ててくる
888名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:05:59 ID:gMWu9Hzk
>>885
柔道でもやってるんですか?
889名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:08:10 ID:N69O3jHe
>>888
禁則事項です
890名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:09:19 ID:bCKPS6d7
>>880も書き手だよな?もし違うなら書いてみることを勧める。
いいの書けるんじゃないかね
891887:2006/06/12(月) 22:11:33 ID:cOzPnn+F
建ててきたよ
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 13章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150117812/
>>1要らないって声があったから抜いちゃったけど、よかったですよね?
892名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:14:35 ID:c06NAN/S
読み手のレスは読み手同士は基本スルーだろ
人それぞれ感じ方が違うんだから、それに事細かに反応するのはナンセンス
職人はレスに対して適度にスルーすりゃいいんじゃね
自分らしさってのもあるし変えなくてもいいことだってあるはず
読みにくいのは勘弁だが指摘するにしても言い方ってもんがある
>>879みたいに普通にすりゃいいのによ


↑もちろん読み手はスルーしてくれ。おっと職人へのレスでもないか。
スマン妄言だわ
893名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:18:44 ID:bkYertFh
>>891
おつかれさま。GJ!
894名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 22:51:00 ID:/NbUsTQj
げっ、帰ってきたらまだこの話題で荒れてんのかよ
よく飽きないなお前ら
895名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:02:37 ID:eLeE4sqp
>>879>>886
書き手の歪な願望が反映されてるだけかと。
ハルヒ苛めて優越感に浸りたい、みたいな書き手のオナニーでしょ。
896名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:06:15 ID:WMtnz5be
SS自体オナニーだからいいんじゃね
897811 ◆RjhK8JIn0s :2006/06/12(月) 23:06:42 ID:h81vzF3+
ごめん、ちょっとボタン掛け違えただけなんだ
その辺は続きで補完する予定
898名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:08:11 ID:hP3B3Tyh
>>897
がんばれい。
結構良かったと思うぞ
899名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:10:18 ID:bCKPS6d7
気にするな、こういうときに投下する奴は素敵だ
900名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:14:35 ID:ORKna5WR
>>896
うん、創作行為はすべからくオナニーだからね!
さてオナニー物でも書こうかな……。
>>897
期待しているよー!
901名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:16:49 ID:WQuqvBOk
まったくエロなし萌えなしのハルヒ一人称なんだけど、埋め替わりに投下してみる。
空気読まずに、すまん。
902名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:17:22 ID:WQuqvBOk
泣いた赤鬼。青鬼は、赤鬼が人間から受け入れてもらえるように、一芝居打って姿を消した。
赤鬼は、青鬼の、その気持ちを知って泣いた。

でも、本当に泣いているのは青鬼。あたしは、初めてこの話を聞いたとき、青鬼が可哀相で、
そして、その青鬼に腹が立って、腹が立って、ずいぶん泣いたものだった。

なぜ、勝手に消えちゃったのかしら。フォローしなかった赤鬼も赤鬼だわ。
絶対、赤鬼も青鬼も、人に受け入れてもらえる方法があったはずなのに。

フェアじゃない。自己犠牲なんて絶対に認めない。
SOS団は、赤鬼や青鬼にも門戸を開いているのだから。

わかった? 有希、みくるちゃん。
わかってるわよね、キョン?

いつも通りの時間に学校へ向かう。

変な夢を見た。昨日やった節分イベントのせい? なんで、あんな夢をみたんだろ。
有希やみくるちゃんが消えちゃうなんてことは、あるはずがない。

でも、キョンが、誰か他の女の子と仲良くなって、SOS団から距離を置いたら、
有希やみくるちゃんも居なくなっちゃうような気もする。
キョンがSOS団から抜けたら、あたしもSOS団を辞めちゃうかもしれない。

ふん、そんなはずないわ。
というか、あのキョンが、誰か女の子と仲良くなんてなれるわけが無いじゃない。
いつも気の抜けた顔をして、うだうだ、だらだらしている、あのキョンよ?
頭が良いわけでも、スポーツができるわけでもない、顔だってもう一つだし、
格好がいいってわけでもない。そんな男に惚れる女なんて、いるわけない。
それに、クラスでもキョンを気にしてる娘なんていないわ。いれば気付くもの。

あたしってば、何でこんなことを考えているんだろ。
いや、それは解っている。あたしは、きっと、恐れているんだ。
キョンに彼女ができることを。

確かに、あたしはキョンを気に入っている。でも、それは恋愛感情じゃない。
だって、恋愛なんて、イライラするだけで、ちっとも楽しくなさそうじゃない?
でも、それと、キョンが他に彼女を作ることは別。
せっかく、SOS団を作って一年近く楽しく過ごして来れたのに、キョンに彼女が
できたら、お終いになるかもしれない。

キョンだって、普通の男子高校生なんだから、
彼女ができたら、今まで、一緒に楽しく過ごしてきた、あたしや有希、みくるちゃん、
古泉くんのことなんて忘れて、きっと、その彼女と楽しい青春ってやつを楽しむに違いない。
あいつは、そういう性欲と煩悩に塗れた、ただの男なのよ。

なんかむかつくわね。
SOS団にだって、あたしや、有希、みくるちゃんがいるんだから、キョンは、
あたしの言う通り、ずっとSOS団で雑用をしていればいいのよっ!

そこまで考えて、あたしは、本当に心配していることに気が付いた。
いや、最初から気が付いてるんだけど。
903名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:17:59 ID:WQuqvBOk
そう、あたしは、キョンが、あたしの知らない娘と付き合うなんてことは、
あまり心配してない。
でも、キョンに近い娘は、三人いる。あたし、有希、そして、みくるちゃん。

キョンは、あたしの言うことを、大体、黙って聞いてくれてる。
だから、あたしは、嫌われてないと思っている。けど、実際、どうなんだろ。
キョンの気持ちは解らない。ただ、少なくとも、あたしに恋愛感情を持っていない気はする。
あいつが、あたしを見る目には、いつも、投げやりなものを感じるから。

みくるちゃんは、どうだろ。
キョンは、何かといえば、みくるちゃんを庇うような行動をとる。
守ってあげたいオーラ全快って感じ?
映画の時もそうだったし。みくるちゃんも、キョンを、多少は意識してるみたい。

そりゃ、二人だけで、あたしに内緒で、デートみたいなことをしてたくらいだし。
あ、思い出したら、腹立ってきたわ。

でも、キョンのみくるちゃんを見る目は、何と言うか、あれね、そう、アイドルを見る目って
言うのかしら。そんな感じ。敬語使ってるし。
キョンから見たら、きっと、みくるちゃんは憧れの先輩、そんな感じかしら。
そりゃ、キョンに、みくるちゃんみたいな学園アイドル娘と付き合えるような
甲斐性があるはずもないし。

有希は? 有希は、キョンと何かあったんじゃないかと思う。何かは解らないけど。
以前から、キョンは有希を気にしているようだったけど、クリスマス頃はいつも有希を見てたし。
年が明けてからは、それほどでもないような気がするけど、おかしな雰囲気であることには、
変わりない。

でも、別に付き合っているってわけじゃないらしい。
二人だけでどこかに遊びに行ってるようなこともなさそうだし。

キョンは有希が好きなのかしら。でも、キョンが有希を見る目は、なんと言うか、同情、
でもない、哀れみ、でもない、何かこう違うのよね。
男の人が好きな人を見るときって、もっとこう、守ってあげたいとか、何かそんな感じじゃない?

……それって、キョンがみくるちゃんを見るときの目じゃないの。むかつく。

有希がキョンを好きになったとか?
それはちょっと考えられないわね。あの娘のキョンを見る目って、何の感情も込められてないもの。
というか、そもそも有希が感情を表すことがないだけなんだけど。

そう考えると変な子よね。名は体を現すってヤツかしら。希有な存在ってヤツ?
稀有だったっけ? まあ、そんなことはどうでもいいわ。

でも考えてみれば、夏の合宿で、有希があたしの言うことを聞かず、
キョンの言うことを聞いたこと。当時は、何かの冗談だと思ってたけど、考えてみれば妙よね。
映画でも、みくるちゃんが、カメラを持ったキョンに向かって何か演技するタイミングで、
妙なアドリブ入れてたし。それから、コンピ研から、ノートパソコンを貰ったとき。
勝負がついた後、有希は、なぜかずっとキョンを見てた気がする。
クリスマスでは、キョンが有希をとても気にしてたようだし。
キョンが、あの馬鹿馬鹿しいラブレターを持ってきたときも、何か変な感じだった。
キョンが書いたあのラブレター、何度も読み返したりしてたし。
そういえば、鶴屋さんの別荘でも、何かあたしの言うことより、キョンの視線を気にしてた
ような気がする。
904名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:18:43 ID:WQuqvBOk
まさか、本当に、有希が引っ越しの件か何かで、キョンに相談してたりしているのかしら。
いや、でもあれは、あの雪山で見た夢。集団催眠だったっけ。

キョンとみくるちゃんは、何となく関係が想像できるけど、キョンと有希はどうなってるのかしら。
何かイラ付く。
でも、キョンは、有希を守ってあげたいというより、有希を気遣ってる感じ。

有希は、何を考えているかよく解らない。
でも、キョンにだけは、何か特別な感情を持っているような気がする。
恋愛感情じゃないと思うけど、有希のことだから、わからない。

なんなのかしら。妙な感じじゃない? みくるちゃんや有希が古泉くんを気にしているなら
話もわかるけど、なぜ、キョンなのかしら。あんな冴えない男なのに。

別に、キョンが誰と付き合っても、あたしには関係ないんだけどさ、何か気になるのよね。
SOS団で、カップルができるのも、何か腹が立つし。
というか、そもそも団内では、恋愛禁止なんだから。
あー、もう、あたしったら、一体、何を考えているのかしら。

そんなことを考えているうちに、校門の前に着いた。

教室に入り、席に着く。
キョンは、いつも通りの能天気な顔。
まったく、キョンにも悩みなんてもんがあるのかしら。たまには、あんたも悩みなさい。

授業が始まり、あたしの思考は、またバレンタインのことに囚われていく。
そう、問題は、バレンタインだ。
キョンのことや、有希、みくるちゃんのことを考えてしまうのも、バレンタインが近いから。

もし、有希やみくるちゃんが、キョンに本命チョコを渡すようなことがあれば、
きっと、キョンは、ほいほいと付き合いだすに違いない。
有希やみくるちゃんが、キョンに本命チョコをあげるだなんてことは、ありえなさそうだけど、
解らない。

あたし? あたしがそんなことするはずないじゃない。
つか、なんで、あたしが、キョンにチョコをあげなきゃならないのよ。
ま、SOS団には、古泉くんもいるわけだし、義理チョコの一つくらいなら、
考えてあげないこともないけど。

キョンが誰からも貰えないなら、手作りチョコを作ってあげないこともない。
だって、かわいそうじゃない? 誰からもチョコもらえないなんて。

クラスの男子も、そろそろバレンタインで浮ついてくるころだし、
キョンを見てれば、当てがあるかどうか解るかもしれないわね。
当てがなさそうだったら、チョコの一つも用意してあげるわ。
905名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:19:32 ID:WQuqvBOk
そんなことを考えながら、数日が経った。
キョンは、まったくバレンタインのことを気にしていない雰囲気。

おかしい。あの煩悩の塊のような男が、男子高校生なら誰でも気にするイベントに
関心を持っていないなんて、ありえないわ。

とりあえず、キョンに関心を持っている女子がクラスにはいないことは解った。
そりゃそうよね。キョンに興味を持つ女の子なんているわけないもの。杞憂だったわ。
やっぱり、可能性があるとすれば、有希とみくるちゃんね。

有希は、何となくそんなことはしそうにないんだけど、みくるちゃんは、どうだろ。
何となく、バレンタインには、知ってる男子全員に義理チョコを送りそうな気がする。
そこんとこを、はっきり知りたいわね。

そんなことを考えているうちに、放課後になった。すぐに部室に向かいたかったけど、
今日は、個別進路指導だ。まったく、何が進路指導よ。こっちは考えごとで忙しいのに。

その後、やっと進路指導が終わって、部室に向かい、団長席に座る。

はあ、やっぱり、ここが落ち着くわ。何が、将来のことよ。そんなことを、赤の他人に
一々指図されたくないっての。高校三年間くらい、好きにさせて欲しいもんだわ。
本当に腹が立つ。

「みくるちゃん、お茶!」

そう言って、四杯目のお替りを貰おうと部室を見渡すと、キョンがいなかった。

あれ? いなかったっけ?
まったく、どいつもこいつも、人の神経を逆なですることしかしないんだから。
そう思いながら、携帯を取り出し、キョンの携帯をコールする。早く出なさい。
数回の呼び出し音で、キョンの声が聞こえた。

「どこにいんのよ」

我ながら不機嫌な声。でも、仕方ないじゃない。部室にいなかったキョンが悪いんだから。
キョンは、何処と無く不自然な口調で、シャミセンの具合が悪いので家にいる、
とそんなことを言った。へぇ、何の病気?

「シャミセンが脱毛症ですって?」

思わず声が大きくなる。有希とみくるちゃんがこっちを向いた気がした。
シャミセンがストレスを感じて円形脱毛症に罹ったらしい。猫がストレス?
何か引っかかる。それに、キョンの口調もいつもと違う。
誰かに聞かれたくないような、そんな感じ。

何となく、有希とみくるちゃんを視界に捕らえたまま、

「あんた、誰かと一緒にいる?」

そう訊くと、キョンの反応が消えた。怪しい。でも、有希もみくるちゃんもここにいるし。
まさか、誰か知らない女の人とどっかにいるなんてことはないんでしょうね。
キョンは、誰もいやしねえよ、そう言って、シャミセンに替わるか、そう言って来た。
906名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:20:12 ID:WQuqvBOk
シャミセンに替わるかって言ってくるってことは、やっぱり、家か。
そりゃそうよね。キョンがあたしの知らないうちに、誰か女の子と親しくなってた、
なんてことは、あり得ないわ。
そう思って、シャミセンにお大事にって伝えるように言って、通話を切った。

でも考える時間ができたんだから、まあよし。そうよ、どうするか考えないと。

さっき、キョンに電話したとき、有希とみくるちゃんが反応した。
みくるちゃんは、純粋にシャミセンが心配だったようだけど、
有希は、ちょっと違うような気がする。
有希は、キョンが家にいることを知ってたんじゃないかしら。何となくそう思う。
そのことを聞いてみようか、そう思ったけど、やめておく。
有希に変なこと言って、妙な雰囲気になるのは避けたい。
わたしは、有希やみくるちゃんと、今のままの関係でいたいんだから。

それより、バレンタインよ。バレンタイン。
ただチョコ用意して渡すなんて、そんな平凡なことはできるわけがない。
何か、こう、物凄く印象に残るような、忘れられないような形でって違う違う、そうじゃない。
そうじゃなくて、あたしがあげるんだから、やっぱり普通じゃない形がいいわ。
だって、SOS団団長があげるんだもの。
あれ? いつの間に、チョコあげる前提になったんだっけ。ま、いいわ。

その日は、どうやってバレンタインチョコを渡すか、そればっかり考えているうちに、
下校時間となった。
907名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:20:16 ID:cK6p6oh7
また赤鬼青鬼か
908名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:20:51 ID:WQuqvBOk
翌日、何も思いつかないまま、教室へ向かった。キョンはまだ来ていない。
席に着いて、窓の外を眺めながら、頬杖をついて、考えをめぐらす。

第一に、バレンタインでどうやって、チョコを渡すか。
第二に、有希やみくるちゃんの、出方を知りたい。
有希やみくるちゃんについては、考えてても仕方が無いので、直接訊いたほうがいい。
でも、いきなり切り出すのもどうかと思う。何か勘違いされそう。
いや、絶対、勘違いされるわ。でも、それとなく訊くってのも難しいわね。

そんなことを考えていたら、キョンが教室に入ってきた。

「シャミセンの具合どう?」

そう訊くと、まあまあだ、って返ってきた。あまり心配する必要はないみたいね。
そんなことを考えていると、少し躊躇する素振りを見せてから、声を掛けてきた。

「なあ、ハルヒ」

今、考え事してて忙しいのよ、そう思いつつ、なによ、と返すと、
シャミセンを獣医に連れて行かなきゃいけない、だから、今日も、部室に行けないんだが、
と、そう言ってきた。

ふーん。ま、あたしも考え事があるし、キョンのいないとこで、有希やみくるちゃんに
訊きたいこともあるし。そう考えると好都合かもしれない。

「いいわよ、別に」

そう答えると、驚いたような顔で、あたしの顔を見てる。
何よ、その顔。あたしがダメって言うとでも思ってたの? まあ、確かに普通はダメなんだけど、
今回は、ちゃんと理由があるから、いいのよ。

呆けたような顔をしているキョンに、そのうち、シャミセンのお見舞いに行ったげるから、
そう伝えて、あたしは、考え事に戻った。

有希やみくるちゃんに、どう訊けばいいんだろ。

放課後、部室に入ると、古泉くんが来てなかった。

「古泉くんは?」

そう誰にでもなく訊ねると、みくるちゃんが、

「急にバイトが入ったので、今日は、部活をお休みしたいって言ってました」

と言ってきた。
909名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:21:35 ID:WQuqvBOk
ふーん、古泉くんも休みか。
あ、これって、ますます好都合じゃない? 今なら、バレンタインのことを訊けそうね。
さて、どう切り出したものか。

団長席に着いて、みくるちゃんの淹れてくれたお茶を飲みながら、考えをまとめる。
ふと、テーブルに向かって、本を読んでる有希の姿が目に止まった。
何か、いつもと違う雰囲気。何だろう。そう思って、よく見てみると、
どうもみくるちゃんを気にしているらしい。何度か視線をみくるちゃんに向けている。
有希が、誰かを気にするなんて珍しいわ。みくるちゃんと何かあったのかしら。
そんなことを考えていると、みくるちゃんが、

「お茶のお替りどうですか」

と声を掛けてきた。みくるちゃんは、いつもと変わらない。

「そうね。頂くわ」

そう言って、お茶のお替りを貰う。で、そういえばもうすぐバレンタインね、と、
話題を振ろうとしたら、先に言われた。

「涼宮さん、バレンタインどうするんですか?」

お茶を噴きそうになる。

「あたし、バレンタインってあまりよく知らないんですけど、鶴屋さんが、お世話になってる
男の人にプレゼントする日だって言ってたから、キョンくんや古泉くんに何かあげた
方がいいのかなって思って。鶴屋さんは手作りチョコがいいって言うんですけど、
それでいいのかよく解んなくて」

涼宮さんなら、こんなイベントとか詳しそうだし、と、そう続く言葉を聞きながら、
とりあえず、第一関門突破、妙な安堵感とともに思った。

「そうねぇ」

とりあえず、どう話を展開させようかと考えてると、有希の声が聞こえた。

「女性から男性に愛の告白をしてもいいとされている日。ここでは、チョコレートを渡して
告白するのが一般的。それは菓子メーカーの宣伝によって定着した。チョコレートには、
告白の意味を持たせたものと、そうでないものがある。告白の意味を持たせたチョコは、
ユニークであることが推奨され、そうでないものは、比較的安価な既製品で済まされる場合が
多い。それは一般的に義理チョコと呼ばれ、世話になっている、または、比較的親しい男性に、
恋愛感情の有無とは無関係に渡される」
「ちょ、ちょっと、有希、ストップ、ストップ」

放っておいたら、何時まで話すのかしら。というか、こんなに話す有希を、初めて見た。

「え? じゃあ、手作りチョコをあげたら、告白だと思われちゃうんですか?」

ちょっと顔が赤いわよ、みくるちゃん。なに考えてんの?

「まあ、そうなんだけど、別にそうとは限らないわ。別に、告白の意味じゃないって伝われば
いいんだもの。日頃の感謝の気持ちってね」
910名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:22:18 ID:WQuqvBOk
そう言って、みくるちゃんに訊ねてみた。

「で、みくるちゃん。キョンや古泉くんにチョコあげるの?」

「は、はい、そうですねぇ。渡そうと思います。でも、売ってるのをそのまま渡すのも、
感謝の気持ちが伝わらないような気がしますし、でも、手作りだなんて……」

だから、顔が赤いってば。そんな顔で渡したら、キョンでなくても勘違いするわよ。

「有希は?」
「わからない……。でも」
「でも?」
「チョコレートは渡したい」

ふーん。やっぱり、チョコをあげたいんだ。

「涼宮さんは、どうするんですか?」
「え? そ、そりゃ……」

えーと、何て言えばいいんだろ。みくるちゃんは、渡すつもり。有希も、渡したいらしい。
でも、ここで、手作りチョコを渡すつもりよ、とは言い難い。なんでかわかんないけど。

「そうね。キョンや古泉くんになら、チロルチョコでも……」

そう言い掛けて、ある考えが頭に浮かんだ。

「ねえ、ただ渡すのも何か癪じゃない? だからね」

あたしは、有希とみくるちゃんに、さっき思いついたアイデアを話した。

宝探しよ、宝探し。キョンと古泉くんに宝探しをして貰うの。
で、そのお宝として、あたしたちのチョコレートを用意しておくのよ。
そうすれば、見つけたとき、二重の意味で喜ぶんじゃない?

「えぇー、チロルチョコで、そこまでして貰うんですか?」
「違うわよ。チョコは、ちゃんとしたのを用意すんの。そうね、手作りでもいいわ。
少なくとも安物はダメ。それに、あたしたちの分を一緒に渡すんだから、抜け駆けもなしよ」
「抜け駆けってなんですか?」

口が滑った。

「な、なんでもないわよ、というか、ほら、みくるちゃんがチョコ渡したりすると、
キョンとか、勘違いして、みくるちゃんに迷惑かけそうでしょ?」
「はあ……」
「だから、わたしたちのチョコは、一緒に渡すの。どう?」

そう言って、有希を見ると、微かに頷いたようだ。
みくるちゃんは、少し考えてたようだったけど、それも面白いかもしれませんね、と言って、
同意してくれた。

じゃあ、具体的に考えましょ、そう言って、あたしたちは、一緒に考え始めた。
こんなのも楽しいわね。でも、宝探しの方法は、中々思いつかない。
部室の中に隠して、さあ探しなさい、なんて言うのも、意外性がない。
911名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:22:57 ID:WQuqvBOk
こんなときは、古泉くんに相談したいとこなんだけど、さすがに今回の件は、相談できない。
有希、何かアイデアはない?

「屋外での宝探し」
「うーん、それは良いんだけど、準備が大変ね。場所を決めて、宝の地図も書かなきゃいけないし」
「あ!?」
「どうしたの? 何か思いついた?」
「そういえば、前に、鶴屋さんが、家の蔵から宝の地図が出てきたって言ってました」
「え? 鶴屋さんが? 蔵から? それって、本物のお宝の地図じゃないの?」
「はい。でも、地図があっても埋めた場所が書いてないから、たぶん、何かの冗談だと……」

ピンときた。
「それよ」

ぽかんとしているみくるちゃんと、相変わらず表情のない有希を交互に見て、あたしは言った。

「それを借りましょ。そして、その地図で宝探しをするのよ」

下校時間になり、家に帰ったあたしは、夜、鶴屋さんに電話をかけた。
みくるちゃんから、宝の地図の話を聞いたことを話し、その地図を貸して欲しいと伝える。

「それはいいけどっ、これ、何もでないと思うよっ」
「うん、それはいいの。お願いするわ」

鶴屋さんは、明後日には、その地図を貸してくれると言ってくれた。
よし、これで、材料はそろった。後はシナリオね。不自然にならないシナリオ。
どんなのがいいかしら。
苦労して探して、見つけたときに意外性を感じる。そんなのがいいわね。
912名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:23:36 ID:WQuqvBOk
翌日、すっきりしない気分で、学校へ向かった。
あれから随分考えたけど、これというシナリオが思い浮かばない。
バレンタインチョコだと意識させずに、見つけたときに、意外に感じる方法。
席に着き、窓の外を眺める。

「よっ、ハルヒ」

キョンの声。本当にあんたって、悩みがなさそうで、いいわね。
シャミセンのことを訊くと、大丈夫だと返ってきた。そう。

「どうした? ここんとこ元気ねえじゃねえか」
「あたしはいつもと変わらないわ。ちょっと考えごとをしてるだけで、あんた、あ」

明日、そう言いかけて、口を閉じる。あぶなかった。
明日は、鶴屋さんに、宝の地図を部室に持ってきてもらって、宝探しイベントを
発表するつもりだった。
ここで、キョンに知られたら、キョンの驚いた顔が見れなくなるじゃない。
話を変えなきゃ。

「あんたこそ、今日は部室にくるの?」

まだシャミセンが万全じゃないらしく、今日も看病したいらしい。
何か引っかかりを感じるけど、まあ、いいわ。そのほうが好都合だし。
それに早くシャミセンの具合が良くなって、明日は、キョンに部室に来てもらわないとね。
その後、二言三言、シャミセンの話をして、
あたしは、また宝探しイベントのシナリオを考える作業に戻った。

放課後、部室で、宝探しのシナリオを考える。有希やみくるちゃんと相談したいとこだけど、
今日は、古泉くんがいる。不用意に三人で話し合うと、気付かれるかもしれない。
今日は、それぞれ考えて、後で、三人の意見を合わせることにしよう。

で、考えてるんだけど、どうしても意外性が足りないのよね。

本物っぽい宝の地図を手は、もうすぐ手に入る。
事前にチョコを、その地図に書かれている、それっぽい場所に埋める。
その後、その地図を持って、宝を探しに行く。
そして、キョンと古泉くんが、チョコを掘り当てる。よろこぶ、キョンと古泉くん。

うーん、展開がストレートすぎる。何かこう、もう少し捻りが欲しいわね。
913名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:24:21 ID:WQuqvBOk
お茶のお替りを貰おうとして、顔を上げたら、古泉くんと目が合った。
キョンがいないので、何か手持ち無沙汰らしい。
思いついて、古泉くんに訊いてみる。

「古泉くん?」
「え? あ、はい、なんでしょう」
「たとえばさ、何かを隠して、探す側がそれを見つけたときに、そんなところにあったのか、
それは盲点だった、なんて思えるようなものの隠し方って、何かある?」
「え? なんですか? ミステリか何かですか?」
「ま、そんなとこね」
「そうですね。たとえば木を隠すなら、森の中とか」

たくさんのチョコの中から、目的のチョコを見つけ出す? なにそれ。
宝探しとは何の関係もないじゃない。

「うーん、そうじゃなくて……」
「あ、こんなのは、どうです?」

古泉くんは、嬉しそうな顔で、オーバーアクション気味に人差し指を額に当てながら言った。

「一度探したところは探さない。これは非常に有名な古典的トリックで――」

一度探したところは探さない? そうか、一度探したけど見つからなかった場所。
ミステリの定番じゃない。それよ、それ。

「ありがと、古泉くん。さすがSOS団副団長ね」

まだ、何か話し続けていた古泉くんに礼を言うと、あたしは、みくるちゃんと有希に
目配せした。ちょっとは面白くなりそう。

ふと、顔を上げると、古泉くんがぽかんとした顔で、こっちを見てた。まずい。
何か勘付かれたかも。とりあえず、笑って誤魔化しておく。
ま、どっちにしろ、宝探しはするんだし、古泉くんのことだから、今の質問も
宝探しに関連付けて、勝手に納得してくれるわ、きっと。

そうこうしているうちに、下校時間となった。有希が読んでいた本を閉じる。

「じゃあ、また明日!」

その夜、鶴屋さんから電話があった。キョンに宝の地図を渡したらしい。
もう、なんてことを。びっくりさせたかったのに。

「ははっ、ごめんごめん。キョンくんがシャミ連れて散歩してんの見かけたからさっ」

ま、でも、宝探し自体がサプライズじゃないし、それに、鶴屋さんには、内緒にしてくれって
頼んでたわけでもない。とりあえず礼を言って、明日、部室に来てくれるように頼んだ。
なぜって、そのほうが地図の信憑性が上がるじゃない?
鶴屋さんの快諾を得て、電話を切る。

でも、シャミセンの散歩って変じゃない? 猫を散歩に連れ出すなんて初めて聞いた。
何か気になるけど、まあ、鶴屋さんが言ってるんだから、そうなんだろうな。
キョンって変なやつだし。でも、そこがいいんだけどって、なに考えてんのよ、あたしは。

もう、寝よ。
914名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:25:04 ID:WQuqvBOk
次の日、席に着いて教室の入り口を見ながら、キョンが登校してくるのを待つ。
本当に、いつも遅いんだから。不思議探しのときだって、いつも最後に現れるし。
そんなことを考えていると、キョンが教室に入ってきた。

「キョン!」

そう言って駆け寄る。一刻も早く地図を確認したい。

「聞いたわよ、早く出しなさい」

キョンは、何か別のことを考えていたようで、一瞬、なにを? と言いたげな顔をした。
イラつくわね、その反応。鶴屋さんから預かってきたものがあるでしょ。

キョンが、どうしたんだお前、何か別人みたいだぞ、みたいなことを言ってくる。
それに適当に返事して、

「それより! 早くよこしなさいよ」

忘れてきたって言ったら、ダッシュで取りに帰らせるからね。

そんなどうでも良いようなやりとりの後、やっと、キョンが、巻物みたいなものをカバン
から取り出した。速攻で、ひったくる。

まったく、たまには、さっさと言った通りにできないものかしらね。
なによ、その興味のなさそうな顔は。宝の地図よ、宝の地図。
もう少し、驚くとか、興味深そうな顔をするとか、何かあっても良いんじゃないの?

「あんた、これもう見た?」

そう訊くと、

「いや、まだだ」

と答えが返ってきた。
何なの、その無感動なリアクションは。少しくらい、わくわくしても良いんじゃない?

あたしは、ひとしきり不満を口にしながら、席に戻ると、地図を開いた。
本物っぽい、というか、これ本物だわ。本当に古い和紙に、地図が記されている。
まさに古文書って感じ。地図に見入っていると、キョンが話しかけてきた。

「おい、ハルヒ」

今、忙しいのよ、あたしは。
そう思いながら返事すると、鶴屋さんが地図をキョンに渡したことを、いつ知ったんだ、
とか訊いてきた。
915名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 23:25:54 ID:WQuqvBOk
昨日、電話で聞いたわ。あんた、シャミセン連れて、散歩してたそうね。
シャミセン、だいぶ良くなってきたみたいで、安心だわ。そう適当に答える。
でも、あんたの奇行にはあきれるわよ。猫連れて散歩だなんて。

地図を見ると、署名が入っている。やっぱり、本物だわ、これ。
確かに、宝の場所とかは記されてない。でも、何かありそうな雰囲気を感じる。

でも、きっと鶴屋さんの言ってた通りなんだろうな。子孫への悪戯。
鶴屋さんとこ、代々お金持ちだもん。そんなこともあるんだろな、羨ましい。

相変わらず、気乗りしないようなキョンの話に適当に応えていると、岡部が教室に入って
きた。前を向くキョンの背中をシャープペンの先で突付きながら、

「放課後、部室でミーティングだからね」

と、言った。今日は部室に来てくれないと困る。キョンは何も言わなかった。
今日は、放課後、宝探し計画を発表するつもりなんだから。
SOS団緊急特別ミーティングってとこかしら。

最後の時限が終わってすぐ、キョンの腕を取って、部室に向かう。
少し強引だけど、ここで帰られたら困るから。
キョンも今日はシャミセンの相手をしなくても良いようだったし。

「ハーイ! お待たせ!」

部室に入ると、みんな、もう来てた。キョンにシャミセンのことを訊くみくるちゃん。
ちょっとみくるちゃん、顔が近いわよ。そう思って少しむかつくけど、まあよし。
キョンが部室に来るのも久しぶりだもの。
キョンにお茶をこぼすみくるちゃんは、やっぱりかわいいわね。

鶴屋さんは、まだかしら。そう思いながら、思わずキョンを見てしまう。
宝探しの件は、もうバレちゃったけど、少しは驚きなさいよ?
でも、本当のサプライズは、別にあるんだからね。

そんなことを考えていると、ドアをノックする音がした。

「やっほーい! 来たよんっ」

鶴屋さんだ。席を立って、入り口まで出迎える。

「待ってたわ。どうぞどうぞ、どんどん入っちゃって!」

ドアを開け、そこに立ってた鶴屋さんを、部室に招き入れた。

みくるちゃんに、鶴屋さんにお茶を出すようお願いして、ホワイトボードに
宝の地図を貼り付ける。
鶴屋さんが地図について説明した後、あたしは、だからなんだ、みないな投げやりな
視線を向けているキョンに、だから宝探しをするのよ、と伝え、みんなに向かって宣言した。

「決行は明日よ!」

そして、みんなの様子を眺める。むう、誰も驚いてない。どういうことよ。
少しは驚いてもいいんじゃないの? 古泉くん?
ほら、キョン、リアクション忘れてるわよ。言ったとおりに驚きなさい。

「えっ、えっ。宝探しですか? 明日行くんですか?」

みくるちゃん、ナイスリアクション。さすがSOS団主演女優だけあるわ。
でも、宝探しより、明日行くってことに驚いているってのは、どーなのよ。
916名無しさん@ピンキー
そんなことを考えながら、あたしは、明日の行動予定を話し始めた。
キョンは、鶴屋さんとみくるちゃんを交互に見詰めて、何か考えてるようだった。
なに考えてんのかしら。どうせ、やらしいことでも、と思ったら、腹が立ってきた。

「キョン、ちょっと! あんた聞いてんの?」

あたしの声に、夢から覚めたような間の抜けた顔を向けるキョン。
やっぱり、変なこと考えてたんだわ。むかつくわね。

「いい? 明日は動きやすい格好で来ること!」

そう言って、明日持ってくるものを列挙し、みくるちゃんに、書き留めて貰う。

明日は、結局、何も見つからないだろうけど、それはそれでいいのよ。
本番に向けた下準備だから。でも、ピクニックには違いないわ。それはそれで楽しそうだしね。
雨降らなきゃ良いけど。

そんなこと考えてたら、調子に乗って、本格的な登山に必要なものまで、列挙していた。
鶴屋さんの笑い声で、あたし自身、少し浮かれていることを自覚する。

だって、楽しいんだもん。それに、もしかしたら本当にお宝が出てくるかもしれないしさ。

「気合入れて、行きまっしょう!」

そう言って、ミーティングを締めくくり、キョンの姿に目をやると、安心しているような
穏やかな表情をしてるのに気が付いて、あたしは、少し嬉しくなった。

その後、埋まってる宝について調べたり話したりしてるうちに、下校時間になった。

「途中まで、みんな一緒に帰りましょ」

そう言って、みんなで下校する。有希のマンションが見えてきたあたりで、

「また明日。遅刻は罰金だからね」

と、家に向かう振りをして、それぞれ、自分の家のほうに歩いていくのを確認した後、
あたしは、有希の後を追いかけた。

「ね、ちょっと話しというか、相談があるんだけど」

有希には、マンションのかなり手前で追いついた。走ってきたので、少し息苦しい。

「で、みくるちゃんも一緒に……」

息を整えながら、そう言うと、有希が頷いた。
すぐに携帯を取り出し、みくるちゃんを呼び出す。
宝探しとバレンタインチョコのことがあるから、みくるちゃんも、すぐにこっちに
向かうといってくれた。

「少し落ち着いて話がしたいわ。どこか、喫茶店に入ろうか」

そういうと、有希が、

「うちに」

と言って、マンションに向かって歩き始める。
そうか、有希の家なら誰もいないし、そう思って、有希の後について歩きながら、
みくるちゃんに、有希のマンションの前に来るように携帯で伝えた。