卓上ゲームエロパロ総合スレ11

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564いつふた:2006/08/17(木) 23:20:57 ID:dw9RbjWa
 原作:くいっくすたーと!!(裏くいすた2本目)
元ネタ:ttp://tenra.net/keumaya/KUISUTA01.html
 形式:小説形式(三人称)。
レス数:6+1
 分割:なし。
エロ度:和姦と言っていいものやら。女性同士注意。
    エロシーンの分量が、それ以外の分量以上である。
連続性:1本目(『サチぴょん危機一髪』)の続き。
 時節:高校一年一学期の中間考査の直後。
 終幕:フミちゃんにはハッピーエンド。
565裏くいすた 2本目 1/6:2006/08/17(木) 23:22:01 ID:dw9RbjWa
◇サチぴょん危機一杯

 ちゅっ……ぐちゅ、ちゅっ…………。
 濡れそぼつ身体の奥深くをえぐられるたび、
「んっ……んっ、んっ…………!」
 サチは喉の奥で喘ぎ声を噛み殺す。
「我慢しなくていいんですよ?」
 うっとりするほど清げな笑顔で、フミがサチの瞳を覗き込んだ。
「声を出した方が楽になりますよ?」
 くちゅ、ぐちゅり!
 密壺の奥から大量の花蜜をキツく掻き出されて、咄嗟にサチは両手で自分の
口を押さえた。
「ん、んんっ!」
 半日授業の土曜日、午後の校内。
 中間考査の成績が悪かった桃子は、昼からの補習授業に強制参加させられて
いる。彼女の『お勤め』が終わったら、3人で遊ぶ約束なのだ。
 学食で昼食を済ませたサチが、一緒にいたフミに誘われ、ちょっとした冒険
気分で、まだ一度も授業で使ったことがないLL教室を覗いた、のが運の尽き。
 カチリ、内側から閉められる鍵。
 シャッ、と引かれるカーテン。
 サチはホワイトボードの脇の壁に背中を軽く押し付けられた。
 フミ主導、淫らな1on1セッションの始まりである。
「サチさん。いつもみたいにしてください」
 フミの『お願い』を聞いてサチは頬を赤く染めながら、ベストを胸の上まで
めくり、ブラウスのボタンを1つ2つ外して、これも胸の上までめくり、ブラ
のホックを外して、そのカップを胸の上までズラした。
 巨乳と称して差し支えない乳房を惜しみなく露出させた状態で、スカートの
中に手を入れ、パンツを脱ぎ、ポケットの中に押し込む。そうして、自分で自
分のスカートを、おずおずとめくりあげた。
 つい昨日の夜のこと。サチは、大事な処女を、フミの手で奪われた。
 血色に汚された自分の姿を大きな鏡で見せ付けられて、あんなにも悲しく、
あんなにも悔しく、あんなにもみじめな思いで、涙を流したのに……。
 どうして今日もまた、フミの誘惑に乗ってしまったのか。サチはもう、自分
がわからなかった。
 わかるのは、ただ、……フミから与えられる快楽を、自分の身体が欲してい
ること。飢えたように、渇いたように、悩ましい刺激を求めていることだ。
 豊かな乳房を揉みしだかれて。
 女の狭間をもてあそばれて。
 甘く痺れる。熱くとろける。どうにでもして。もっと、もっと。
566裏くいすた 2本目 2/6:2006/08/17(木) 23:22:56 ID:dw9RbjWa
 それでも、最後に残った僅かな理性――あるいはプライド――が、フミの指
責めに対して懸命に抵抗していた。悦びの声を上げることを拒んでいた。
「この部屋は防音だそうですから、大声を出しても外には聞こえませんよ?」
 フミの囁きに、サチは必死で首を横に振る。
 散々にねぶられ、尖らされた乳首に歯を立てられても。
「――――!」
 潤々たる愛液にまみれて充血した雛先に爪を立てられても。
「――――――――!」
 苦痛の悲鳴に紙一重、悦楽の快哉を、サチは何とか呑み込んだ。
「サチさんてば、本当に強情なんだから」
 ぷー、とフミが膨れっ面を作った。
 小さな女の子の他愛無い我儘みたいに、とてもキュートな表情だった。
「なら、私にも考えがあります」
 フミは鞄の中から紙製の小箱を取り出した。蓋をあければ色とりどりのビー
ズ・アクセサリが詰まっているんじゃないか、そんな予想をさせる可愛らしい
彩りの箱。
 その中から現れたのは、……綺麗なピンク色の、バイブレーターだった。
 フミがコントローラーのスイッチを入れると、男性器の形状を模した部分が
低い唸りを上げて振動を始める。
 本能的に怯えるサチに、フミが優しく微笑みかけた。
「心配しないでください。初心者向けのマイルドなやつですから」
 そして、一気に貫いた。
「……………………ぁ!」
 肉体的精神的な衝撃のあまり、全身が硬直するサチ。そんな彼女のポケット
からパンツを引っ張り出して、フミはサチの足を片方ずつ上げさせ、穿かせた。
サチに挿入されたバイブが、下着によって固定される。
 更にフミは、バイブのコントローラーを、周到に準備してあった粘着テープ
で下着に貼り付けた。
「…………ぁ…………ぁ、ぁ……………………!」
 サチの身体の内側に、強制的、かつ間断なく、強い快楽を汲み出す塊。文字
通りの機械的な動きに、サチの限界が急激に近づいてきた。
「さ、サチさん」
 フミがLL教室の扉をあけた。
「モモさんの様子を見に行きましょう」
「…………え?」
 フミの『お願い』を理解するのに、サチはかなりの時間を要した。
 そして、理解したからこそ、驚愕した。
「そ……そんな…………!」
「ああ、じゃあ、私はここで待っていましょうか?」
 天使の顔で、悪魔が二者択一を強いる。
567裏くいすた 2本目 3/6:2006/08/17(木) 23:23:50 ID:dw9RbjWa
「一人で行きますか? それとも二人で?」
「ふ、た……りで」
 サチには、そう答える以外になかった。どんなことであれ、自分一人でさせ
られるよりはマシに思えたからだ。
 LL教室は1階。桃子のいる教室はLL教室の真上。 
 ただし、3階。
 LL教室の横手にある階段を、サチは1段、また1段と昇っていく。
 いつもなら二段飛ばしでさくさく駆け上がる場所を、まるで1歩ずつ確かめ
るかのように昇っていく。
 フミに突き入れられたバイブは、クリ刺激のないタイプの単純な構造だった。
もしも彼女の過敏な花芽に直接的な振動が与えられていたら、サチはとっくに
達していたはずだ。
 だが、内側からの間接刺激が彼女の雛尖を酷く疼かせる。イきたい、足りな
い、イきたい、足りない、イきたい、足りない、イきたい、イきたい…………。
 ――……ダ……メ……。
 ――こんな……ところで、イく、わけには……。
 耐えがたきを耐え続けるサチは、自己の現状をほとんど自覚していなかった。
フミの目線に命じられるまま、足を動かすのが精一杯だった。
 はあ……はあ……と苦しげに荒れる息。
 虚ろな熱っぽい瞳。
 あからさまに上気した頬。
 よたよたと危なっかしい歩み。
 階段を下りてくる生徒や、あとから追い抜かしていく教師が、サチの様子を
見て不審がる。体調が悪いのか、大丈夫なのか、と。
 そのたび、フミがていよくあしらい、誤魔化した。大丈夫です、あとで保健
室に連れていきますから、と。
 もしも自分一人だったら。サチはぼんやりと思った。上手く受け答えできず、
学校でこんなことをしているのがバレて、大変なことになっていたに違いない。
 恐怖にも似たその思いが、この異様な状況下で奇妙に歪んでゆく。
 フミのせいでこんなことに。
 フミのお陰でこんなことに。
 フミがいたから……『助かった』。
 フミに感謝する思い。フミを信頼する思い。
 フミに傾倒する気持ち。
「フミ……」
 彼女を名を呼ぶと、フミは満足そうに、大きく頷いた。
 フミに褒められた。フミに認められた。ああ……嬉しい…………。
 サチは頑張った。そうして、3階まで踏破した。
568裏くいすた 2本目 4/6:2006/08/17(木) 23:24:50 ID:dw9RbjWa
 更に少し歩けば、廊下側の窓が開け放たれていて、そこから桃子の姿が垣間
見えた。
 桃子は真面目な顔つきで、ノートにシャーペンを走らせている。
 が、黒板の方に全く目を遣らないことからして、どうせがところ、新しいシ
ナリオでも書いているのだろう。ひょっとしたら、今日の分を作っているのか
も知れない。
 ――モモ。
 はふう、とサチが深い吐息をついた。
 平凡で平穏な、あたりまえの日常に生きている桃子が、とても眩しく、愛し
く思えた。
 慕情か憧憬か、それとも恋情か。あたたかな眼差しを浮かべるサチの横顔。
 あたりに人目がないことを用心深く確認したフミは、サチの表情をじっくり
と観察しながら、素早く彼女のスカートの中に手を突っ込み、コントローラの
スイッチを切った。
「あ…………っ」
 虚脱するほど、大きな喪失感。
 サチの瞳に哀願が潤む。いや、やめないで、もっと…………!
「戻って、『これ』を外しましょう」
 下着の上から、停止したバイブをコツンとはじく。たった1度の小さな振動
が、サチを再び舞い上がらせる。
「それとも、モモさんに見てもらいますか? ……サチさんが、『こんな物』
を挿れて大喜びしているところを」
 まんざら冗談でもなさげな口調。『仕方なく』、サチはフミに従った。LL
教室に戻り、何も指示されないうちから、軽く足を広げて自分のスカートを大
きくめくりあげる。
「ああ、もう、べちょべちょですねぇ」
 サチの中から湧き出した粘っこい清水は、バイブを伝ってパンツをぐっしょ
りと湿らせていた。
 フミはサチのパンツを脱がせて、それからおもむろに、バイブを抜き取った。
『栓』を失った蜜壺から花密があふれてくるのを、フミは舌を突き出してねっ
とりと舐め取り、美味しそうに飲み干した。
 そうして、すっかり勃起したサチのクリトリスに口淫を。
「ご褒美ですよ。サチさん」
 舌と唇との巧みな動きが、ギリギリまで追い上げれられていたサチを一瞬で
エクスタシーに導く。
 もはやサチには、声をこらえることなど全くできなかった。
「あーーーーっ!」
 びくびくびくっ! と彼女の身体が、雷に撃ちのめされたように飛び跳ねる。
 意識の空白。倒れそうになるサチをフミが支えて、壁にもたれさせた。
569裏くいすた 2本目 5/6:2006/08/17(木) 23:25:34 ID:dw9RbjWa
「ちゃんとイきました?」
 サチは呆然とフミを見返す。
「答えてください。サチさん?」
 ノロノロと口をあける。
「イ……ッ……た…………」
「気持ちよくなれました? 欲求不満は残ってません?」
「ん……」
「それはよかった」
 サチの体温の移ったバイブレータを、フミはサチに差し出した。
 一瞬の躊躇い。そののち、サチはピンク色の男性器に絡みついた白っぽい粘
液を丹念に舐め清めた。
 そのバイブをタオルにくるんで鞄の中に仕舞い、改めてフミはサチに尋ねた。
「今日の『プレイ』はどうでした? 楽しかったですか?」
 サチは恥ずかしげに、だが、確かに頷く。
「また、やりたいですか?」
 再び、こくんと頷く。
「今回の経験点を生かして、……次回は、別のプレイヤーをお招きしましょう
か」
「モ、モモはダメ!」
 思わずサチは叫んでいた。
「モモだけは……」
 蒼褪める彼女。桃子だけは許してほしい。許してやってほしい。
 何も知らぬまま。無垢なまま。
 あのままの彼女でいてほしい。
「そう。そんな我儘を言うんですか。サチさんは困ったちゃんですね」
 フミはクスクスと笑う。そして、重く湿ったサチのパンツをコンビニのレジ
袋に入れて、これも自分の鞄に仕舞った。
「ちょ……返して!」
 サチが手を伸ばすと、フミは意地悪く鞄を遠ざける。
「洗って返してあげます。今のまんまじゃ穿けないでしょう?」
「でも……!」
 ないよりはマシ、とサチは目顔で懇願する。だから返して、と。
「その様子じゃ、替えの下着を持っていないんですね」
 フミは、更に愉快そうに笑った。
「『プレイ』の続きです。『次の』セッションは、そのままでいてください」
 サチの脇腹に、嫌な汗が浮かんだ。
 『次の』セッション。それは即ち、桃子の家でTRPGをして遊ぶこと。
 そのあいだ、ずっと……ノーパンでいろ、と?
570裏くいすた 2本目 6/6:2006/08/17(木) 23:26:47 ID:dw9RbjWa
「新しいのを買ってくる!」
 フミの返事も待たずに、サチはLL教室を飛び出した。
 どちらにせよ、新品のパンツを手に入れるまで、彼女がノーパン状態である
ことには変わらない。誰かに見咎められやしないかとドキドキしながらコンビ
ニ辺りを歩き回るサチの姿を想像して、フミはますます愉快そうに笑った。
571裏くいすた 2本目:2006/08/17(木) 23:27:22 ID:dw9RbjWa
 ・・・・・おしまい。

 以上、フミサチ×サクラコの直前という設定のお話でした。

―――チラ裏
 結局2本目も思いついたから書いた。1本目よりもエロ分を多めにするとか
レス数を増やすとか、更に努力してみた。誰が褒めてくれるわけでもないこと
だから自分で自分を褒めておく。偉いぞいつふた、よく頑張った。
 あと、モモちゃんを襲っちゃダメだなと思った。何にも知らない桃子の横で、
サチだのサクラコだのに羞恥プレイを強要するフミちゃんってのが最強ではな
かろうか。でもサクラコは乳首を摘ままれたらすぐに堕ちるから、あっさりフ
ミサチに調教されて、自分の快楽と引き換えに姉を売るかも知れない。ところ
が意外にモモちゃんが、フミすら及ばぬ超☆攻めキャラで【以下延々】
572名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 23:33:44 ID:4oeXF8nQ
>>571
えろいのぉ兄ちゃん、えろくて脳髄とろけそうじゃぁ。ギギギ

最近百合分が足りずに所謂レズ物に手を出しそうになって、現物みてやっぱ百合じゃねぇ!と憤ってみたり。
【自分勝手にも程が有ります】

そんな状況でこのSS。ありがとうありがとうと云う気持ちは(ry
思わずリアルタイムで書き込まれていくのを更新しつつ追い掛けてしまいましたよ?

そしてモモは蚊帳の外でこそモモだと思う次第。
573いつふた:2006/08/17(木) 23:37:53 ID:dw9RbjWa
>571投下時点で486KB表示。
次スレの季節です。
あいにく、いつふたには立てられませんでしたので、どなたかお願い致します。

以下、テンプレート案。
------
卓上ゲームエロパロ総合スレ12
カードゲーム、ボードゲーム、TRPG……
この世にある全ての卓ゲーには影に隠れ淫靡にまみれし恥部があった!!

ここは卓上ゲームを元ネタとするエロパロを総合的に扱うスレッドです。
元ネタ及び表現するジャンルは不問! 小説、イラスト、コミック、あるいは18禁リプレイやら生身やら。
遊戯中にとめどなく妄想を始めて人知れず股間をすり合わせるヒマがあるのなら! さあ! カキたまえ!!

前スレ
卓上ゲームエロパロ総合スレ11
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149545629/

過去スレや過去作品のまとめはこちら
2ch卓上ゲームエロパロ総合スレまとめサイト
ttp://trpg.h.fc2.com/

関連スレなど
卓上ゲーム板
http://game9.2ch.net/cgame/
名称募集中 ソードワールド 10号店
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150525441/
ロードス島戦記のSS3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142255852/
574名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 00:44:51 ID:qHFX44Y0
卓上ゲームエロパロ総合スレ12
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1155829391/l50

ほい。
575名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 22:40:59 ID:e3caJMCj
>>574
お疲れさまです。
576いつふた:2006/08/18(金) 23:11:29 ID:2rcewCO/
>574
 スレ立て有り難うございました。

 適当に地鎮祭を執り行いましたので、あとは皆々様でよろしく。>新スレ
577いつふた%埋めモード:2006/08/18(金) 23:12:26 ID:2rcewCO/
 原作:くいっくすたーと!!(表くいすた1本目前編)
元ネタ:天日録06年07月20日
 形式:小説形式(三人称)。
レス数:4+1
 分割:前後編の前編。
エロ度:全年齢対象。
連続性:単発。
 時節:7月20日。
 終幕:ハッピーエンド。

 保管庫での保存は不要です。>管理人様
578表くいすた1本目前編 1/4:2006/08/18(金) 23:13:18 ID:2rcewCO/
◇ときかけくいすた

   『時かけ』と『くいすた』を見て思ったんだけど

   脳裡に浮かぶ

   [紺野真琴]+[TRPG分]−[タイムリープ能力]=[モモ]

   という数式。

―〜―〜―

 というわけで、桃子は自在にタイムリープできる能力を手に入れた。
「こ、これは、つまり……っ!」
 わなわなと拳を震わせて、桃子は独りごちた。
「あのころ存在すら知らなかったボックスタイプのシステムや絶版ルルブを、
それも新品を! 買うことができるってわけだな!」
 桃子は喜び勇んで、1985年にタイムリープすることに決めた。
 目指すはD&D――日本上陸直後の、記念すべき第1作!
「だぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
 桃子は全力で跳んだ。

 …………だが、彼女は。
 まだ生まれていなかった…………。

 仕切りなおし。

 自分が生まれていて、しかも、なるべく昔。その条件で桃子は、とりあえず
15年前にタイムリープした。
 ゴロゴロゴロゴロゴロ、ガツッ!
「っつ!」
 桃子は盛大に転がりつつ部屋の中に出現し、挙句、後頭部を何か硬い物体で
打った。
(っつ〜。……えーと。どこだ、ここは?)
 そこは、確かに見知っている、はずの部屋だった。
 でも、何故だろう。何かが違う。根本的に違和感がある。
 桃子が頭を打ったのは、モモサク姉妹が小学生の頃に、もう要らないからと
捨てられたはずの、白いベビーダンスだった。
 時間的には、恐らく真夏の昼下がり。
579表くいすた1本目前編 2/4:2006/08/18(金) 23:14:03 ID:2rcewCO/
 部屋の中央にはタオルケットが敷かれていて、その上で、幼い桜子が、すー
すー寝息を立てている。もこもこのロンパース姿が、とても愛らしい。
 換気のためか、部屋の扉はあけられているけれど、勝手に出歩いて階段から
落ちたりするのを防ぐためだろう、茶色い木製の柵がきちんと閉められていた。
これは、モモサク姉妹が幼稚園に通い始めた頃に全面撤去された安全柵だ。
 そういった、小さい時分の懐かしい家具が存在する代わり、使い慣れた学習
机やクローゼットなんかがどこにもなかった。
(そっか。今は15年前だから)
 15年前は、…………桃子は1歳だから。

(お小遣いももらっていないのに、買いに行けるわけがないよっ!)
 てゆーか一人で出歩ける状態ですらない。
 桃子は泣く泣く現代にタイムリープした。

―〜―〜―

   タイムリープして何度も何度も同じセッションを楽しむモモ。

   (奴はきっと周知プレイ上等なはず)

―〜―〜―

 バン! とドアが開け放たれた。
「…………ぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 ゴロゴロゴロゴロゴロ!
 桃子は盛大に転がりつつ部屋の中に出現し、ドア側から室内を横切って壁際
へ突進。そこに積んであったガラクタの山――部屋の主たる桃子当人すら、も
はや何が何だかわからない代物――へと華々しく突っ込んだ。
 ドバサァッ!
「きゃ!」
「うわ!?」
「げっ!」
 フミ、サチ、桜子が驚いて身を引く。その動きは、むしろ桃子がぶつかるこ
とによってモワッと盛り上がった埃や白煙から逃げるためのものだった。
「あわわわわっ」
 奇声を発しつつフミが急いで窓を開け、
「ったくもう!」
 舌打ちした桜子はドアから出て廊下の窓を開ける。
「っぃしょ!」
580表くいすた1本目前編 3/4:2006/08/18(金) 23:14:47 ID:2rcewCO/
 サチは、ガラクタの中に突っ込んだままピクリとも動かない桃子を、右手で
引っ掴んで引きずり出した。勿論、左手で鼻と口とに忘れずハンカチを当てて
いる。
「きったな〜。し、か、も、くっさ〜。モモ、何を溜め込んでんだよ一体?」
「あ、あははは、さーて、何だったかなー?」
 桃子は埃まみれの顔で、力なく誤魔化し笑うのみだ。
「てゆーかモモ!? お前どーやってこんなとこに突っ込んだ!?」
 ようやく不可解さに気づいて叫ぶサチ。
 確かに変だ、と頷くフミサク。何故なら桃子は部屋の中央に置かれたテーブ
ルの、ドアとは真反対の位置に、ほんの一瞬前までちゃんと座っていたのだか
ら。
 それなのに、どうしてドアから飛び込んで来たのか?
「そんなことより、セッション始めよーぜセッション!」
 桃子に促されるまでもなく、『そんなこと』よりセッションが大事。
 ここは桃子の私室。桜子は24時間居残っていられるが、フミやサチには門
限というものがあるのだ。
「え? あ、そうですね。じゃあ、今回予告を読み上げます」
 GMのフミが、手元のメモを取り上げた。
 もう37回も同じ文章を聞かされている桃子は、フミが読むより先に暗唱で
きそうな気分である。
 桃子は、こっそり眉をひそめた。
(しっかし……周知プレイも37回やれば、大概飽きてくるよな)
 普通は、もっと早くに飽きる。
(どうせやり直せるんだから、……たまにはわざと困ったちゃんプレイをして
みるか!?)
 幸い、GMはフミ。なかなか筋がいいとはいえ、所詮彼女はまだまだ初心者。
サチと桜子という歴戦のゲーマーが傍についているが、明確な悪意をPLの立
場で喰い止めきれるものではない。
(ふふっ……このセッション、もらった!)
 こうして、桃子のセッションブレイク大作戦が始まった。

 桃子はPC1のハンターを選んだ。ハンドアウトは、誘拐された少女の奪還
を、彼女の父親から依頼されるというもの。そしてオープニング、フミが状況
を説明する。
「酒場の奥から、依頼人の男性が出てきました。彼が言うには……」
「斬り殺す」
 桃子は嬉々として言い放った。
「エキストラだから即死だろ?」
「えっ!?」
「おいっ!」
581表くいすた1本目前編 4/4:2006/08/18(金) 23:15:32 ID:2rcewCO/
 サチと桜子が色めき立つが、桃子は頭から無視である。
 フミは一つ頷いた。
「では依頼人は血を流しながら最後の息で、『先週出発した馬車が……』」
 む、やるなフミ。桃子は追い討ちを掛けた。
「口が利けないように頭を踏む」
「そうすると依頼人の幽霊が出てきて、『その馬車にはワシの娘が乗っておる
んじゃが……』」
 桃子は慌てて言を継いだ。
「教会でホーリーシンボルとか買ってきて幽霊を追い払うっ」
「彼の消えたあとの床に、血文字が浮かびます。『報酬は……』」
「水ブッ掛けて消すっ!」
「そこからダゴンが湧いてきて文字を書き直しました。『どうかワシの娘を…
…』」
 ついに桃子は悲鳴を上げた。
「ダゴンってアルシャードにはいないだろっ!?」
 フミはゆったり微笑んだ。
「いますよ。この店で飼ってる名状しがたきネズミのダゴンちゃんです。で、
『馬車のルートは……』」
 サチと桜子は腹を抱えて大笑いしている。
「っく〜〜〜〜〜〜っ!」
 悔しさのあまりに歯噛みした桃子は、
「グッジョブだフミ! だがこれしきのことで私は負けないぞ!」
 そう賞賛&宣言するなり、窓から外へとダイブした。
「だぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「…………ぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 ゴロゴロゴロゴロゴロ!
 桃子は盛大に転がりつつ部屋の中に出現し、高校の教科書も中学の教科書も
一緒くたに積み上げられている学習机に顔面からぶつかった。
 10点台、20点台のテスト用紙が、ヒラヒラと物悲しく舞い散った。
582表くいすた1本目前編:2006/08/18(金) 23:16:30 ID:2rcewCO/
 本日はここまで。
 次回投下は、また折りを見て。
583名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 23:26:33 ID:56IuLdrG
ダゴンふいたw
584名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 09:39:09 ID:yup+W2ZJ
ダゴンおそるべし。
てゆうか、フミ、恐るべし。ホントに高校以前にGM経験がないのだろうか。
それともシナリオのあの分厚さはトラブルシューティングなのだろうか。

http://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/151.txt

言い訳その一
途中で視点が一人称から三人称に変わっているのは、エンジェルハウリングをふと読み返したせいです。
つまり、ボクのせいじゃありません。秋田のせいです。

言い訳その二
「上になったり下になったり」も書こうと思いましたが、ボクには力が足りません。
ジャバウォックにも聞いてみました。「力が欲しい」「あげません」そうですか。

言い訳その三
ドキュメントファイルで書いて、テキストに修正してそのまま出してます。
読みにくかったら、Ctrl+Aでコピペしてテキトーなエディタに貼り付けて下さい。
585いつふた:2006/08/19(土) 11:40:09 ID:jNDwCYti
>584
>『ノーブラ濡れシャツは、全裸よりもエロい』
>「その結果がボクだ、とも言ってた」
 是非、宏文くんのお母様にお会いしてみたいと思いました。
 ……少し考えて、やっぱコワイからイラネと思いました。

 GJです。エロさ加減を堪能するより先に、まず大笑いしました。

----
 つまんないこと言うようですが、ダゴンの件は困ったちゃんスレに元ネタが
ありますので。
586名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 16:11:52 ID:zG3Ib5HQ
>>578
>>584
グーーーーッジョブ。そして地鎮祭乙。
終わり際に良いモン見せてもらった。
587埋め隊:2006/08/19(土) 19:02:44 ID:yup+W2ZJ
>>585
>是非、宏文くんのお母様にお会いしてみたいと思いました。
>……少し考えて、やっぱコワイからイラネと思いました。

だって「金曜日は容赦するな」(リプレイ中の発言。原文ママ)とか子供に教育する方ですよ?
588名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 23:33:27 ID:IGvBH3Ce
タイムリープは「経験する時間の並び替え」だから、同一セッションを何度も経験するのは
不可能と言うのは無粋な突っ込みでしょうか。
589名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 21:37:31 ID:kTse1GYN
土日に菩薩の心で安らぐために金曜日は修羅と化すのですよ
590名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 06:08:35 ID:V4tBklH3
588よ「時をかける少女」を観てきてくれ。
今は全国でも12館しか上映してないがな……。
http://www.kadokawa-herald.co.jp/official/tokikake2006/jouei.shtml
591名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 13:43:56 ID:gSBv1gd+
588はひょっとして、明日は昨日なタイムリープを言っているのか。
592名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 17:00:01 ID:rR9OBI7F
そっちは「SHORT TWIST」と呼ぶ方が通りがいいんじゃねえかな。
593名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 19:28:01 ID:QtF3bxpC
埋め行為
594名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 19:32:09 ID:QtF3bxpC
あげあげ
595名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 19:34:29 ID:QtF3bxpC
んめ
596名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 20:36:27 ID:QtF3bxpC
んめ
597名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 20:48:35 ID:QtF3bxpC
んめ
598名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:03:39 ID:QtF3bxpC
んめ
599名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:25:56 ID:QtF3bxpC
んめ
600名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:27:45 ID:QtF3bxpC
んめ
601名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:29:56 ID:QtF3bxpC
んめ
602名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:39:51 ID:QtF3bxpC
んめ
603名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:49:10 ID:QtF3bxpC
んめ
604名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:00:27 ID:a3dx3vMg
まだ埋まりきってないぞ
605名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:05:53 ID:QtF3bxpC
んめ
606名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:08:31 ID:QtF3bxpC
んめ
607名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:09:04 ID:QtF3bxpC
んめ
608名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:09:34 ID:QtF3bxpC
んめ
609名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:10:04 ID:QtF3bxpC
んめ
610名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:11:12 ID:QtF3bxpC
んめ
611名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:12:45 ID:QtF3bxpC
んめ
612名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:13:53 ID:QtF3bxpC
んめ
613名無しさん@ピンキー
んめ