魔法先生ネギま!エロパロスレ24

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250名無しさん@ピンキー
*― ―) 座薬です

魔法少女ビブリオン 「まき絵&あやか編」

まき絵がビブリオンに変身して敵と戦う話です(以前の短編とは関係ありません)
内容は鬼畜ですので、苦手な人はスルーしてください
251「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:35:04 ID:BRHCzye2
「よし、今日の練習はこれぐらいにしておこうか」
「はいっ!」
 顧問の二ノ宮の一声に、佐々木まき絵は元気に返事をして練習を終えた。
 厳しい練習でまき絵は汁だく状態である。
 まだ幼児体型を脱しきれない肉体に、白いレオタードが張りついていた。
 生温かい気温と混ざり合う汗の臭いが、まき絵の鼻をくすぐる。
 嫌いな匂いではないが、体臭を考えるとすぐに洗い流したい。
「シャワーシャワー」
 シャワールームに急ぐまき絵。
「まき絵さん。ちょっと待ってください」
 呼びとめられたまき絵は足を止める。
「ハカセ、どうしたの?」
 電気が消えて暗い通路に、クラスメイトの葉加瀬聡美が笑って立っている。
 横には何が入っているのか、黒いスーツケース。
 聡美は昆虫の複眼のような無機質な瞳で、まき絵のことを観察していた。
「ちょっと用事があるんです。まき絵さん、いや、

 今、話題の「魔法少女戦隊ビブリオン」の、ビブリオピンクさんに」

「な、なんの話? 言ってることがよく分からないんだけど」
 心中では、飛び上がるほど驚いていた。
 しかし、まき絵は頬を強張らせながらも、何とか笑いながらそれを否定する。
「うん、予想はしていました。いくらまき絵さんでも、最初から肯定してくれることはないだろう、と」
 聡美は微笑みながら、黒いスーツケースを開け始める。

「私が「黒の導」の尖兵である魔法少女団、「書剣の3使」の1人だと言ったら、どうします?」

「え……」
 聡美はまき絵の顔を見て微笑む。
 さらりと言われたことの意味をかみ締めて、まき絵は絶句した。
 学園都市の平和を守る「魔法少女戦隊ビブリオン」と、破壊活動を繰り返す「書剣の3使」。
 両者の戦闘は数ヶ月に及んでいるが、今までは「魔法少女戦隊ビブリオン」の圧勝。
「……え、ハカセが……?」
「ふふふ」
 笑っている。
 聡美は、まき絵の反応が楽しくてたまらないようだった。
 目だけは深く、冷静に、まき絵の観察を怠らない。
「うそ……」
 まき絵には、演技をしている余裕はなかった。
 クラスメイトが敵対勢力だという現実。
 その情報を処理するのに、時間を要する。
252「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:35:51 ID:BRHCzye2
「これまで、こちらが劣勢だったのは、意図的なものです」
 聡美は微笑みながら、スーツケースを開いた。
「私たちは数ヶ月間、あなたたちを殲滅するためのプランを立てていました。
 わざと負けていたのはあなたたちを油断させるためと、指紋、眼球色素濃度、毛髪などのデータを集めて、あなたたちの正体が誰なのかを特定することです。
 戦場から毛髪を回収して、学園都市の人間を虱潰しにDNA鑑定すれば、おそらく正体は特定できる。
 結果として、あなたたち5人の正体は特定できました。
 いいんちょさん。まき絵さん。のどかさん。ハルナさん。夕映さん。
 敵が全員クラスメイトだったなんて、蝋燭の下は暗いものですね。でも」
 聡美の顔から笑みが消える。
「もう何もかも終わり」
 機械音声のような、単調な声。
 聡美がスーツケースを開けると、サッカーボールサイズの物体が、ごろりと転がり出た。
 それは赤い汁を断面から垂らしながら転がり続け、こつん、とまき絵の足に当たって止まる。

「あ……」

 首。
 それは一部が焼け爛れた、いいんちょの首だった。
「まき絵さんの次に始末するつもりだったんですけど、さっき喫茶店で紅茶飲んでいるのを発見したので、そのままロケット砲を撃ち込ませてもらいました。
 わざわざ変身させる必要もないと思ったので。
 しぶとく生存していたので、少し会話をしてから殺しましたが」
 当然のことのように答える聡美。

「う、あ……いいんちょ……うそ……」

「わざわざ相手が魔法少女に変身している状態で挑むのは、非効率的ですから。
 というわけで、まき絵さんもいきなり奇襲して殺害しても良かったんですが、考えてみれば変身する過程のデータも役に立つかもしれません」

「……は、ハカセちゃん……あなた……あなた……!」

「記録をとりますから、さっさと変身してください。まき絵さん、いえ、ビブリオピンク。「書剣の3使」の1人として、お相手しますよ」

 聡美は口元をぐにゃりと歪めて、けたたましい笑い声を上げる。

「それにしても、漫画とライトノベルしか読まないあなたが、まさか世界の本を守るために戦う魔法少女に選ばれるなんて、本の精霊は何を考えているのでしょうねっ!
 機械工学に関する古今東西の学術書と論文を読み、さらに論文を14個も執筆しているこの私がっ! 
 本という媒体の価値と欠点を理解し、穴が開くまで繰り返し読み続け、論文とはいえ執筆活動までしている私が選ばれなかったのにっ!
 もっとも、「黒の導」さまは私を正当に評価してくださり、力を与えてくれましたけれど!」

 聡美の髪がばさりと解けて、流れるような黒髪が空気を泳ぐ。
253「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:36:54 ID:BRHCzye2
「私たちが勝利した暁には、全ての愚書は世界中から消滅します。
 私たちが選んだ、世界の発展と知性の育成に役立つ良書だけが存在を許される。
 あなたが読んでいるような、劣った知性をさらに退化させる本など、全て抹殺です。
 漫画も、ライトノベルも、全て消える!
 それが、嘆かわしい知的水準を甘受しているあなたたちの進歩にもつながるでしょうから。
 それでも進歩できなかったら、そんな存在は新しい世界での存在価値すらない」

 まき絵は無言だ。

「いいんちょさんにも説明したのですが、どうしてもそれが理解できなかったようです。
「あなたたちは間違っています」と言うだけで、平行線のまま。
 ハードは優秀なのに、ソフトが駄目だったんですね。
 「理解を示してくれれば、命を助ける」とまでこちらは譲歩したのに……バカな人」

「いいんちょ……」

 あやかの首を見下ろし、まき絵はぽつりと呟いた。

「……さない。私はバカだし、本なんかあんまり読まないのに、何で選ばれたんだろうって思ってたけど……さない。絶対に……さない」

 まき絵の小さな、しかし怒りに震える声。

「あなたたちは絶対に許さない! そんなこともさせないっ!」

 まき絵は、凝った装飾が施された小太りのペンを握り締める。
 ピン クを基調とした可愛らしいデザインで、キャップには桃色の宝石がトッピングされていた。

「ピンク・ビブリオパワー! メイク・アップ!」

 ペンの宝石から淡い桃色の光が溢れ出し、まき絵を呑み込んだ。
 光の中でまき絵は生まれたままの姿になる。
 穏やかな顔で両足を揃えながら、誰かを胸に誘い込むように両手を広げる。
 ピンクのリボンの奔流がまき絵の肉体に絡みつき、ゆっくりと純白の聖衣に変わっていく。
 ノースリーブの聖衣から、戦闘に耐えるための魔力が溢れ出し、温かくまき絵を包む。
 パステルピンクのリボンが花開き、仄かに花の香りを発しながら、平らな胸を可愛らしく飾る。
 しなやかな脚に巻きついたリボンが、適度にフィットしたピンクのブーツになる。
 腰から光が溢れ出し、ミニスカートが生まれてふわりとはためく。
 耳にきらりと光る、控えめのピアス。
 聖衣の肩からピンクのスカーフが装着され、ふっくらとした唇に淡い紅が添えられる。
 変身したまき絵は、腰に手を置いて、そして叫ぶ。

「世界の本を守るため―――愛と正義の魔法少女、ビブリオピンク、ここに参上!」
254「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:37:45 ID:BRHCzye2
 あやかの首にふわりとタオルをかけ、まき絵は聡美を睨みつける。
 目に浮かぶのは、怒りの涙。
 手に生まれた魔法のステッキが、轟々と輝いて力を溜める。
「よくも、いいんちょをっ!」
 聡美は影響など何も受けていないかのように、にっこりと笑っている。
「データはとれました。では、死んでください」
「そんな簡単にやられると思う?」
 涙を拭うまき絵を見て、聡美はゆっくりと首肯した。

「はい。思います。
 評価したところ、こちらのレベルは77、あなたはたったの3、勝負にすらなりません」

「なんですって」
 まき絵もゲームを嗜む以上、それが意味することは理解できる。
 レベルがそこまで違う相手に挑むなど、自殺行為も通り越して滑稽でしかない。
 しかも、自分はレベル3で、向こうはレベル77だという。

「そんなこと、実際に戦ってみないと分からないと思うけれど!」

 聡美は口元を歪めながら、嗤い続ける。
「あなたの処刑のために用意しました特別品です。これきりの生を楽しんでください」
 そう言って聡美は、手のひらの上の、小さな転移魔法のゲートを開いた。

 爆発するように噴き出してきたのは、粘々と糸を引く納豆の濁流だった。
 バケツどころの量ではなく、納豆の川がこの場に流れ込んでくるような、圧倒的な量。
 いつの間にか閉鎖された空間から納豆は漏れず、みるみる水位を上昇させていく。

「なかなか可愛らしいですよ。まき絵さん」

「ごほっ、えほ、えほ……」
 蜘蛛の巣が何重にも張り付いたかのように、まき絵の顔に納豆がこびりついていた。
 豆の塊が髪の毛や顔中に纏わりついき、ナメクジの大群が這い回ったように顔中が粘液で汚れている。
 不快な粘液を拭おうと顔を擦るまき絵だが、納豆はずるずると顔に広がるだけで、払い落とせない。
 スカートやリボンは重くしな垂れ、聖衣は大量の粘液に塗れて、肌から体温を吸い上げてくる。
「何、これ……ただの納豆じゃ、ない……!」
 唇の端から納豆を垂れ流しながら、まき絵は呻いた。
 吸い込む空気は強烈な臭気に侵されており、えづきそうになるのを何とか耐える。
 フロアは納豆の海に様変わりし、膝のすぐ下まで納豆の水面が上がり、ブーツが少しだけ見えるほどだ。
 その、漬かった足が、ほとんど動かせない。
 足だけではなく、粘液に塗れた全身が、まるで縛られているように重かった。
 顔についた納豆がとれない。どうしてもとれない。
 動かせる手でさえ、納豆の糸に邪魔されて重い。
 身体中に纏わりついた納豆でさえ、払うこともままならない。
 変身したのに、それでも抗えない。
 納豆のオブジェと化した魔法少女を見て、聡美は微笑む。
255「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:38:35 ID:BRHCzye2
「あはは、すごいでしょう。
 密度と粘度を数千倍にしてある特殊納豆です。
 普通の人間だったら動くこともできません」

 さも、楽しげに。

「しかも、ナノマシンを混ぜ込んでありますから、私の思うままに変形させれます。
 粘液も、水のように変えることもできますし、金属結合のように硬くもできる。
 この納豆こそ、あなたを処刑するために用意した私の発明……」

「私をっ、バカにしてるの……っ!」

 粘液に塗れた顔を歪めて、まき絵が叫ぶ。
 まともに相手にされていないことが、聡美から伝わってきた。

「ええ、バカにしています。
 弱いし、知能も低い。
 それをバカにして何が悪いんでしょう?
 愚劣を、評価し、批判し、淘汰する。
 それにより、価値という概念は磨かれるのです」

 まき絵の足元で、納豆の中のナノマシンが動き始める。
 納豆が凝集して、1メートルはある巨大な握りこぶしの形になり、結合が強化されて、鉄の硬度に変質した。
 大木の断面を叩きつけるような一撃が、足元の納豆からいきなり繰り出され、まき絵を殴り上げた。
 華奢な身体に叩き込まれた一撃に、視界が反転して、音が聞こえなくなる。

「あ゙あ゙あ゙あ゙っ!」

 鳥の羽のように舞い上げられたまき絵は、納豆を撒き散らしながら、天井に激突する。
 背中が照明を押しつぶし、ガラスの破片が散って、ばちりと火花が起こる。
 吐き出した空気が吸い込めず、唇の端に血が滲む。
 ぼたぼたと身体中から垂れ落ちる納豆に混じり、赤い血がゆっくりと落下していく。
 天井にめり込んだ足が、だらりと重力に引かれて垂れ下がる。
 続いて身体がはずれ、まき絵は再び納豆の海に落下する。
 天井からずるずると納豆の糸が引き、絡まり、身体を縛る。

「まだまだ、眠るのは早いですよ」
256「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:39:56 ID:BRHCzye2
 納豆は音もなく逆紡錘系に盛り上がり、表面は硬質化した無数の突起で埋め尽くされる。
 そして、落下してくるまき絵の胸部を、鑢で削ぐかのように抉りながら、横殴りにした。

「きゃああああああっ!」

 花が散るようにリボンが裂断し、納豆と血液が胸で弾け、まき絵の身体は再び舞い上がる。
 右胸は乳房が少し裂かれて、皮膚が削がれ、滑らかな膨らみに赤い湖ができていた。
 皮膚を失い、組織が露見した乳房からは血液が滲み出して、ゆっくりと表面張力の山を成していく。
 それが崩れ、粘液で飽和した聖衣の上をじんわりと伝う。
 安心して存分に戦うには防御力の安定が絶対条件だったが、それがあっさりと破られる。
 露出部分の多い戦闘用聖衣でありながら、しっかりとした障壁を展開していることで安心していた。
 特に胸は急所であるため、一番しっかりと守られているはずだった。
 不可視の障壁だけではなく、聖衣も、リボンも、外見の何十倍も防御力は高い。
 可能な限り軽くて強い服、それが理想の戦闘服であることは間違いなく、聖衣もそれに限りなく近い、はずだった。
 しかし、リボンは紙くずのように裂かれ、納豆塗れの聖衣は布切れの如く敵の攻撃に易々と貫かれた
 魔力障壁を貫通し、肌まで直接攻撃が届いてきた以上、もう防御の手段はない。
 このまま攻撃を食らい続ければ、それは死に直結する。
 しかし、戦えなくても、逃げるだけならできるかもしれない。
 今すぐにでも、攻めるか、退くか、その決断をしなければならない。
 しかし、デリケートな胸を傷つけられた痛みと、防御が役に立たないショックで、意識は混乱していた。
 見せつけられたいいんちょの首も、感情的に決断を阻害する。このまま逃げていいの?
 いいんちょは死んでも屈することはなかったと、聡美は言った。
 それなのに自分はすぐに逃げる選択肢を選ぶなんて、それはずるいのでは? 卑怯者のすることでは?

「バカだって言われても、私は逃げたりしなもんっ!」

 まき絵はくるりと空中で一回転して、衝撃を殺しながら納豆の海に着地する。
257「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:40:57 ID:BRHCzye2
「ふふふ、それなら、こちらもどんどんいきますよ」

 納豆がみるみる集まって大きな針になり、結合力変化でダイアモンドの硬度になる。
 それが4本、まき絵めがけて、どろどろと糸を引きながら発射される。
 その間、一秒に見たず、まき絵は悲鳴どころか、意識する時間もなかった。
 納豆の杭のうち、2本はまき絵の左右の手のひらの中央に、ぶすりと突き刺さった。
 肉を押し分け、骨を砕いて裏側に飛び出した納豆針。
 その尾には、ねっとりとした糸が切れずに続いている。
 赤みを帯びた糸を引きながら、針はまき絵の手首に突き刺さり、骨と神経を破壊して裏側に抜けた。
 そのまま、腕に糸を通していくように、行ったり、来たり、を繰り返す。
 まき絵の腕は筋肉質ではないが、ほどよく鍛えられており、理想的な脂肪と筋肉のバランスが存在していた。
 それは毎日のトレーニングはもちろん、食生活や休息のとり方など、細部にまで気をつけているからである。
 全ては生きがいである新体操のため、力強く、美しく、自分を磨き、輝かせるため。
 数年をかけて創り上げた、まき絵そのものであり、宝物であり、武器でもある。

「いやあああああああああああああああああああああああっ!」

 役に立たない障壁で守られたそんな腕を、針は一瞬で貫いて筋肉を裂き、神経を切り、骨を断き、殺し続ける。
 感情のない機械的な動作で念入りに、戦う術を奪うたびに、手のひらから肩まで、五ヶ所を殺した。
 びっしりと豆がこびり付いたピンクのスカーフが、まき絵に重く張り付きながら、肩を守っている。
 針は鳥の涙ほどの抵抗もなくスカーフを刺し貫き、障壁を貫き、聖衣を貫き、まき絵の肩に突き刺さる。
 骨を砕き、筋肉を裂き、神経を切り、念入りにナノマシンが微弱な電流を流して細胞を焼く。
 まき絵が得意とする技を使わせないようにするために、完全に両手が動かなくなるよう、処理をした。
 残る2本の針はまき絵のふっくらとした耳に向かって飛んでいたが、ピアスが障壁を張りそれに抗おうとする。
 しかし、障壁はあっさり抜かれ、逆にピアスが粉々になって散り、耳を守るものは消滅した。
 納豆針がまき絵の耳にねじ込まれ、奥の鼓膜を引き裂いて、魔法少女から聴覚を奪う。
258名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 04:43:28 ID:YBZ74Ux4


259「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:44:02 ID:BRHCzye2
「きゃあ゙っ!」

 腕を縫う糸に引っ張られ、ずたずたにされた腕が激痛と共に左右に開く。
 ブーツを浸した納豆は鋼鉄のように硬くなり、ぴくりとも足は動かせない。
 納豆の十字架に縛り付けられたまき絵は全身を納豆で覆われたまま、身動き1つ、指一本も動かせなくなる。
 動かせるのは首から上のみ、わずかに頭を下げれるのみ。
 顔が綺麗な造りなだけに、耳から赤黒い血を流し、粘液塗れの顔を歪ませる様子は、悲痛を超えて悲愴ですらある。
 最初の可憐な聖衣と比べての今の姿は、敗色濃厚どころか、とうに敗北した者の姿である。
「もっともっと可愛がってあげます」
 聡美が指を鳴らすと、2メートルはある納豆の人形が次々と、まき絵の周囲で起き上がってくる。
 動けないまき絵に対して、納豆人形は30を超えており、明らかに硬質化している様子である。

「……うぐっ! ごふっ! あ゙あっ!」

 納豆人形にゴツゴツと顔を殴られ、まき絵の鼻から血が流れ、唇から血塊と歯が数本、ごぽりと零れ落ちた。
 背後からも、複数の気配に尻を蹴り上げられ、後頭部を小突かれ、ブチブチと毛を毟られる。

「…………ま、負けな、い……、ぜっ……たいに………私は………ビブリオンだから……」

 聖衣が裂けて、一部が露出した乳房に、硬い拳が深く食い込んだ。
 果物が潰れる感触と、激痛に、まき絵は短い悲鳴を上げて悶え、震えた。
 粘液色をした聖衣に、じんわりと赤い染みが広がり、まき絵の目から涙が伝う。
 再び、顔に強烈な殴打を食らい、まき絵は意識を失いかけながら、がくんと頭を垂らした。
 別の乳房にも、拳が突き刺さり、サンドバックのように、どすり、どすり、どすり、と、乳房を弄られる。
 激痛で覚醒する意識が、後ろからの肘打ちと、首絞めによって、再び曖昧になってくる。
 聖衣の防御力では本当に歯が立たず、まき絵は自分が裸なのではないかと錯覚し始める。
 膝を蹴られると、易々と皿が砕かれ、足は動かなくなり、激痛だけが残った。
 膝蹴りが腹に叩き込まれ、生温かいものがこみ上げてきて、口から飛び出した。

「……負け………ない……………愛と………正義は……………」

 それが最後の言葉だった。
 まき絵の意識は、二度と戻ってこられない、暗い闇に沈んでいった。
 きらきらと変身が解けていき、納豆に磔にされたレオタードの少女がそこにいる。
 苦痛と恐怖に歪んだ表情を張り付かせた、少女の亡骸からは、ぽたぽたと納豆が垂れ落ちているだけだ。
260「まき絵&あやか編」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/06/27(火) 04:45:26 ID:BRHCzye2
「なんだか、弱すぎて張り合いがないですね。もう少し手加減すればよかったかかな?」

 聡美はやれやれと言った風に、頭を振った。

「他の皆さんはあーんなことしたり、こーんなことしたりと、じわじわと楽しむつもりだって言ってましたからねえ」

 遊び下手なのは自覚しているが、自分の割り当てられた獲物が片付いてしまうと、どうも味気ない。

「他の人のところに混ぜてもらいましょうか」

 「書剣の3使」は聡美を含めて3名。加えて、その指導者である「黒の導」
 「ビブリオン」はあやかとまき絵を加えて5名、まき絵とあやかは倒したので、少なくとも、残りは3人である。
 世界の本の運命をかけた戦いに参加しているのが、全員クラスメイトだという奇遇。

「さて、誰のところがいいですかね」

 残るは――
 宮崎のどか。
 早乙女ハルナ。
 綾瀬夕映。






魔法少女ビブリオン処刑編 第1話 了

(続)
261座薬 ◆LsUrNEsQeQ :2006/06/27(火) 04:46:12 ID:BRHCzye2
*― ―) というわけで魔法少女ビブリオン処刑編です
内容は単純で、魔法少女ビブリオンが愛と正義と信じる心のパワーでも補いきれないレベルの敵に負けて処刑されていきます
設定は適当ですが、以前に打ち切った長編SSのものを流用しております
また今回のは、以前書いた納豆責めSSのリメイクでもあります
次回から陵辱を含めて、1人1話の全4話です

どうも同じ話ばかり書いていると単調になってくるので、亜子長編の間に入れていこうかと思っています
ではまた