ふしぎ星の☆ふたご姫 その2

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489ぬこぬこ危機一髪 1/4
「ハッピーベルンで変身!ネコネコスターイル!」

にゃ〜ん♪

ここは宇宙中のプリンス・プリンセスが集まるロイヤルワンダー学園。
その中庭を駆け抜けていく1匹のネコ。
赤毛と黒シマの混じった可愛らしいしっぽを元気に動かす。
それは、ファインがハッピーベルンの力を使って変身した姿だ。
「まーったく、プーモったら。
『むやみやたらとベルンを使ってはダメでプモ。
人助けのためにだけ使うのが、真のユニバーサルプリンセスの力なのでプモ。
ファイン様もレイン様も、普段からそのへんの自覚が・・・』
なーんて、お小言ばっかり。せっかく新しい力が使えるようになったんだから、ちょっとぐらいいじゃん」
確かに、ネコの姿になるのは便利な事が多い。探し物を捜す時や、人をこっそり尾行する時。
人間じゃないなら誰だって気にしないものだ。それを最初に思いついたのはレインだった。
それ以来「学園ほのぼのニュースのネタ探し」と称して、いろんな所に潜り込んでは、
生徒の秘密(主に男子と女子の睦み合い)を見ているらしい。
「まぁ、レインもよくやるよね。罪悪感とか無いのかなぁ」

授業が終わった放課後、ファインは学園の裏手にある森にやってきた。
ネコになった目的を達するために。1人でなければとても恥ずかしくて出来ない事を。
人間でいる時は、常に誰かが一緒でなかなかスキが無いのである。
それに加え、ここならばめったに人が来ない。
仮に見つかったとしても、ファインを知っているふしぎ星の人達以外には、
「何だネコか」で済む。ファインだとバレる心配が無いのである。
少し森を歩いて、いつもの道具を探した。それはすぐに見つかる。
人の大きさほどの丸い石。長い年月を経て風雨にさらされたのか、角が取れて丸くなっている。
それにゆっくりと近寄るファイン。しっぽが少しづつぴーんと立っていく。
ネコが嬉しい時に自然とこうなるものだ。そして、ゆっくりと石の上にまたがった。
「あ・・・冷たくて気持ちいい」
しばらく体温を石に伝える為か、石の冷たさに体をならす為か、ファインはじっとしていた。
1〜2分かたって。
すり、すり、すり。
下半身を石の曲面にあわせて上下に動かし始めた。
「あ・・・・ぅ・・・・・・くうぅ・・・・・」
お菓子を食べる事が何よりも好きだった自分が、こんな事をするなんて予想外だった。
それもこれもレインが、夜になるといつも始めるエッチな小話のせいだ。
その日に集めた性の知識や、生徒達のセックス体験をファインに聞かせるのだ。
「わ、私もう眠いから寝るねっ!あ、明日も部活の助っ人頼まれてるし。お休みっ!」
そう言って布団をひっかぶるファインだが、妄想の世界に入ってしまっているレインは話を止めず、
半ば寝る時の子守唄代わりになっている。
ファインは、その嫌でも耳に入ってきてしまうエロ知識を聞いて、いつも悶々とするばかり。
彼氏がいるわけでもなし、そういったものを発散するには自分を慰めるしか無い。
でもレインにこんな恥ずかしい事、相談なんて出来ない。
さんざん悩んだ末に、無い知恵を絞って絞りぬいた結論がこれである。
「ネコになって、人気の無い所でおなにーしよう!」