【あのね…】かしましSS総合 第3期【大好きだよ】
. / / // /: l ヽ \ ヽ
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. /イ / / :/ :/ .:,|...:|:.. :| i:.: |:.. ! ! l
/,' |:./ / .:.| .:.:/ 〃!.:.:|:.:. .:.| !:.:!:.:l:.. .|:.!:. l !
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l! |: | :.∧:.:.|ヽ:.!__八:.ヽ:.. :.:.:| !:.:! リ l:.:. j:.「`!ヽ:j:.| | |
. {. |:.:|: :| :.l ,ィ 竓≠ミ、 ヾ:.:.:..:.:. l ヽゝァ=竓女、j:.:/l:.|:: | |
l:.:|:.: :.:i :.|〃7::::::::ゝ._}゙ \:.:.:.! 〃::::::::(__,ハ://:;'|:: l .!|
! |::. ハ:.:..::l/ {ンヽー´゚リ \| {ンヽー´゚リ Y:/ /:. ,′ :|!
ヽ:ハ.:. :.\:! ゞ‐=一' ゞ‐=‐-' /:.:. / |l
ヾ:丶...:.:.:!ヽ ..::::::::::::::::. / .::::::::::::::::::::. /:.:.:/.: .:.: | ヽ
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/:ノ|:.l:.:.::`个 ´ /://:.:.:.:/|:./ ヾ
〃 ヽメ:.:.:.:八 v´ _フ / ァ´:.:/.:.:.:/ 〃
r<| |\:.:|l:.\ / |/ |:.:./`>、 3期目になっても、僕は僕だよ!
/| :| | ヾ!ヾヽ> 、 ,.イ/::::"::::::j;ノ / /\
/ ! | | :::ヽ/外t 、 _ ィ≦:::::/::::::::::::: / / /\
/ ! l ヽヽ :::::\::ヽ:::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::: / / /. \
. / .| .l ヽ丶 :::::\ ::::::::::::::::::::: /::::::::: / / ,/ ヽ
| | ヽ \\ :::\:::::::::::::/ / / ,/ |
おーみーずーをーのーむぞー♪
たーくーさーんーのーむーぞー♪
_
'´, `ヽ +
i |!ノ从リ)! + ,,-−- 、 ;) )ゝ ;;;ゝ)
jwリ*^ヮノリ! , "´_ −ー:,:';;';;;ゝヾ;;ゝヾ.δ,,
,'~,つニO=く>' ´ + ρ;,, :,ρゞ:';;;'~/;,'
−-、_ノ.ノく/_jl〉 ,,.__,., ;;ρ;''";:,,;;:,ρ,~'"'ゞ
`‐-‐' し'ノ i,,.__,.i,, :,:';;;'~/;,'"';:;:'※ヾゝ
スレに緑を!はずむに愛を!
>>1には乙を!
5 :
2−10:2006/05/07(日) 11:53:54 ID:cHVF/UNq
明日太「はずむ、じゃあ、お前今む、胸とか」
はずむ「うん。見る?」
明日太「え、いいの?」
はずむ「あ、でもとまりちゃんが『女の子はそんな事しない』って言ってた」
明日太「何だよ、お前何でも、とまりの言いなりかよ、とまりが『死ね』っていったら死ぬのかよ」
はずむ「そんな訳じゃないけど」
明日太「友情なんてはかないものだな、どうせ、男女間に友情なんか芽生えないんだ」
はずむ「あの、明日太?そんな、すねないで」
明日太「何、やっぱり見ていていいのか、それじゃ早速」
はずむ「わぁーっ!」
明日太「見るだけ、とりあえず見るだけだからっ」
はずむ「とりあえずって何さ……」
宇宙仁「うーん。地球人の男子の欲望のための理論構築能力は計り知れない!!」
つ づ か な い
,. -''´ ,. -''"´:::::::::::::::::::::::::::::::\_
/:: ,.r''´:.:.:::::::/:::::/:/:|::::::::::::::、:ヽ:::ヘ
/:.:. / ̄ ̄ ̄\_:://:〃 |::::::::::|:::::::::`;::ヘ < ところでその地球人男子の妄想をSS化するスレが
/:.:./ ,. -─ 、_ )\/ |::::::::/!:::l::::::::;. ヘ あると聞いてきたのだが・・・・・・ここでよいのかな?
/::./ ー'</_/ ̄ ``''≧z j/:/ |::::!::::::::l:. ハ、
/:./´ `ー--、 |L__ //// /zr<斗:::::: |l::::::ト ニ=‐'′
,i/´ 丶、_ | |/ ̄ )‐--/==v/ `ヽ/!!::ト::|
/ .. } |ノ ,. '´ \ ///:::ll::j リ
/ ..::::ーr┬ |ー′/ :::::::: ノー-/:j:::リ'′
/..:::::::ノ{__/:::. / ´ / ハ/レ′
」.::::::::::::::::::Y::::::. j __ ム′
/^{:::::::::::::::::::::::}::. / ` ー-、`ー、 /
/...::::、:::::::::::::::::ノ:. ,.イ  ̄ /
..::::::::::::::ヽ::__::::::.. / '、 /
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:::::::::::::::::::::: / ゙, ヽ \ 〃
::::::::::::::::: / ゙、 丶ミ二ニア′
::::::::::: / ヽ ::::./
::: / ヽ ::!
>>1 乙可憐な少女だと思って恋したあの子は男の子
_
,.-=テ¬'´: : : : :` ー-..、
//: . : ./: : /: :| : : : : : : \
,.': : :/: /: : /: : :ハ:_::_: : \_: :ヽ /
〃: : :l: :.l: : /: :/ィ'´ _又トヽニー!‐ /
>>1、乙よのさ l:: l : ;!7'⌒_j/ ' iJz心弋-≧ミ| /
/: :|: : トYcか ゞー'′| l: : |: ト、 /
|:.|: :、: | ゞ‐' 〈 ´´ j l: : |.:.トヾ、 , '
__n、 l:ト、:.`ム" ,. ¬ ノイ: :/: :.\_ ,イ
/ー }^\ 丶 \: ハ Y } /:/八:.:.:.仁7 :
{///ノ \ 冫::ゝ., ヽ ノ ∠癶:/. :_>´/ : .
イ⌒f´  ̄ \´ソ: : /:个; 、__,. '´__|__厂/ / : . /
{//ノ、 メ-''/:.;,⊥|: . / 〃 ! : ./
ヘf / ノ厂 _j:.__ ノ´{ ノ l : ./
-─ト{、 厂 /∨´ ノ } '、 l : ../
-‐} | \ /\ rノ ,. // ', ! :./
ーく 〉 》 / ( ノ ://V ! ! :.〃
}L _/_ノ / :i/ / j : .::/
/| / ̄ / { ̄`ヽ { .:| : . : . : . : . :; : ../
9 :
大佛はずむ:2006/05/07(日) 15:38:45 ID:NTnOOAWe
前略 宇宙仁様、シャンプゥ様。お元気ですか?
僕はだいぶ女の子の生活にもなれたよ。
いまになってしみじみ思うのは、僕はずっと前から
こうなりたかったんだなあってこと。
僕ね。僕…自分に自信無いし、汚いコトも、怖いコトも
傷つくコトも、大嫌い。
なのに、男ってだけで、積極的になること期待されて
それが、すごくつらくて……。
僕…自分に自信が無い。
男の子だった時から、街で女の子に「かっこいいー」って
言われたことはある、顔だってそんなに悪くないん
じゃないかなぁって思ったりもしたけど、でも、いじめられてた時
僕がファッションとか、髪型とかに、気をつかってみたら
「プッ、おまえなんかが、なに色気づいていやがるんだ」
って感じで笑われて、くやしくて、傷ついて、自信なくなって
ひとりで部屋で泣いたりした。
だから「この人、僕に好意もってるのかな?」って思っても
「うぬぼれんな」って笑われたらどうしよう…なんて考えて
怖くて話しかけることもできなかった。
男の子と女の子ってフツー、男の子が話しかけたりとか、褒めたりとか
なあんにもしないでいると、なあんにも発展しないし…。
でもでも、一度だけ、これじゃいけないって思って
思い切ってやす菜ちゃんに告白した。
だけど、ふられて…すごく傷ついて…やっぱり僕は
恋は片思いでいい…もう絶対に恋心なんて口にしない。
そんな風に思ったんだ…。
(それに、僕はもともと、恋愛ってなんか嫌だった。
なんで嫌なのか、よく考えたら、フツーの恋愛って
恋と性欲がまぜこぜになってる。それが不潔な感じがする。
たぶんだから嫌だったんだと思う)
そんなとき、突然女の子になって、でも、でも、みんな
女の子になった僕を受け入れてくれて…とまりちゃんとも
やす菜ちゃんとも、それまで以上に仲良くなれて、それが
心地よくて、すごく幸せに感じた。 もう女の子の僕は
消極的でもいい。甘えてもいいんだって心の中がすっごく楽になった。
とまりちゃんは頼りになるけど、僕を傷つけることは言わないし
「男だろ!」とは言うけど、女の子っぽい僕を赦してくれてる。
とまりちゃんといると癒される。
やす菜ちゃんは、こんな僕を頼ってくれる。そんな時、僕は
ちょっとだけ男の子の気持ちになれる。僕をたよりにしてくれる
人がいる。僕は生きていていいんだ。やす菜ちゃんといっしょに
いるとそんな風に思えて元気がでる。
僕はとまりちゃんとも、やす菜ちゃんとも、結婚とか恋人同士とか
なれないと思う。でも二人とも僕のことを好きでいてくれているみたいだし
僕も二人のことが、大好き。友情とも恋ともはっきりしないこの
気持ちのまま、清潔で心地よいこんな関係が、ずっとずっと
続いてくれることが、僕の一番の願い。
だから、僕はこれでよかった。僕を女の子にしてしまったことは
もう気にしないでください。お元気で。
大佛はずむ
↑もううぜえよコレ
11 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:55:50 ID:NTnOOAWe
悲しみをこえて、幸せになろうよ。
まだ見えない先の世界を
信じてゆこうか
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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|::::::|::|::|:::::イ||::::| |::::/ |:::::人:::||::|_-:::|:::|:::i:::::||
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`:ゝリV\|‐ 、_  ̄ /|/' リ/
__ __.∠|, ‐、_ー--−i'~r--、_ 、_
/ヘ\ヽ r⌒/~ヽ┘ ..r - <~T |/:/ノ- 、
/ヾ:\\ヽ| / /⌒/ヽ, i´ヽ ヽ i |ノ/:::::::::|
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13 :
5の人:2006/05/07(日) 17:14:55 ID:iilp7NO1
乙1!
即死防止のつもりのやっつけ仕事に乙コメント添えようと思って忘れてた orz
この板、即死は有名無実化してるみたい。
小説など読み返して見ると、エロスを感じるなぁ。
駒Oといい雪○といい、女性の方がはずむ♀化で生じるむにゃむにゃが気にしてるみたいな
>>15 ありがと〜。じゃまのんびりと。小説版はやす菜の黒可愛さがひきたっていましたね。
17 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:57:22 ID:n7PbQNPS
新スレおめ
>15
分かる、それ。
声優らもそうだけど、女性陣の方がはずむ女性化を気にかけてるっぽい
_ ハァハァ......マダイッチャダメヨ!ハズムクン
'´/二コヽ
!((ノノリ ))) _ ヌチュ!ヌチュ! ヌチュッ!!
ノノ))*゚Д゚ノ) '´ ヽ
(、/ つ--! ,((ノリノ))アッ..ヤスナチャ...アッ......
(( ( ( リ从*´ワノ! ボク........モウイッチャ.................
と_)´_ノーヽ_つ つ
職人さんへ
いたらコテ無しでいいので返事してください
まあ、その、アニメの放映も終わったんだし、ピッチが下がるのは仕方ないのでは?
気長に待つのがよいのではないかと。
「こういうのはせかしても進むもんじゃないしね〜」って歌ちゃんのパパも言ってたじゃない?
この程度で過疎とは聞いて呆れるな。
この板には週に一度レスがつくかつかないかの廃村スレがごまんとあるんだぞ?
それに比べればここははるかに恵まれてるじゃないか。
甘えるのも大概にしなさい。
23 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 06:34:13 ID:G+ku5fvr
もともとエロパロというのはひらめきとエネルギーがいるからな
本スレや漫画スレでの小学生の言い合いみたいなかしまし論を見てると気持ちが萎えてくるよ。
ななめ向いた考えの人らは、投下したSSに問題がある、みたいに言い出してるし。
職人が消えるパターンですよ…
良識派気取りの便乗荒しが一人いるくらいで、あまり悲観せんでいいと思うよ
スレの体質の問題だと思うけど
荒らしに反応するのは職人ではなくいつも住人
スルー出来ないような住人ばっかのスレになんて
誰も投下したいとは思わないからねえ
読む側は投下された作品を真摯に受け止めることだけ考えましょうや
自分と意見が違う人はほっとくがよろし、コレ一番
↑スルー推奨を自演して、反論を封じようとする典型的荒し。
スレが自分の意見で埋まっていくのを好むタイプに多い。
前スレでも3,4回登場。やす菜厨ではずむとのレズSSを求めていたが、彼の言葉通りに職人達は華麗にスルーした。
と、チラシの表に書いてあった
>28
辛辣すぎるよ。
みんな分かってて触れてないんだし、もういいでしょ
* + *
゚ + * o
* o _ + ゚
/''´ ヽ
o ゚ /'! ,((ノリノ))
+ /(リ从゚ ヮ゚ノ!
く / (x)8つ~8つ +
/ /^^/^^\
く /~~~ノ~~~~ ヾ
`ー/~/~~ノ~~~i~~~ヽ
⌒ ⌒⌒⌒ ⌒⌒
_
〃´ `ヽ
! ,((ノリノ)) )!大!(
リ从"ヮ"ノ! . .く/_|,〉
/´、Y ノ ハァハァ…誰か僕の服取って来て…w
と⌒)(,,つ 恥ずかしくて取りにいけないよぉ・・・w
前スレまでの分が保管庫に格納された模様。
保管庫管理人さま、乙です。
かわいいじゃん…>34
37 :
前々スレ406:2006/05/14(日) 04:47:11 ID:dgErjamv
分ブランク空いちゃいましたが、前スレの続きを投下します
ちなみに『とまりバイシクルっ!』は、 ■エロ無しのSS■ です
「エロ無しかよ、使えねーなー」な方は、
“バイシクル”であぼーん指定するか、脳内でスルーすると幸せになれます
<念のための前回までのあらすじ>
夏休み、やす菜の誘いでサイクリングに行くことになったはずむ達。
しかしっ、とまりちゃんは自転車に乗れなかった!
一人参加を諦めるとまりに、はずむは自転車乗りの魂を叩き込むべく、
翌日から川原で二人だけの秘密特訓(はあと を行うことに。
しかし一向に成長を見せないとまりに特訓は難航、
遂にはとまりを乗せた自転車が暴走を引き起こしてしまう。
「とまりちゃんが危ない!」身を呈してとまりを庇うはずむ、
一方のとまりちゃんは、それはそれは胸きゅんモード。
帰り道、名誉の負傷のはずむに寄り添いながら、
とまりちゃんはちょっぴり素直になれました。
3.
「…………よしっ、上出来だなっ…………で、次はこっちか……なになに、まずは一口大
に切って…………って、あ、あれっ……なんか、大きさ揃ってないな……ま、いいか。
次は……したあじ?醤油に、漬け込む……?ん〜……待つの面倒だなー……適当に上から
かけときゃいっかぁ………………うん、こんなもんだろ。それから…………片栗粉、片栗粉……
…………こ、これ、かな……?…………まあ、粉ならどれも同じだろ……で、と、ナベに
油そそいで…………と、こんなもんかな?……折角だし、もう少し多めに入れとくか…
……………うわぁっととっ!あぶねー、こぼれるトコだった…………よしっ、じゃ、火ぃ
つけて………………うん?なんだよ?火、つかない――――ふわぁあああっ!?………
……………びびっ、びっくりしたぁ……ったく、脅かしやがって…………ぅげ、前髪、
ちょっと焦げてるよ……まいったな〜、今から直す時間、あるかな?………………ん、
なんかぐつぐつ言ってきたし……そろそろ放り込んでも平気かな?平気だよな?…………
おしっ、なんかバリバリいいながら油跳ねてるけど…………なんとかうまくいきそうだな……ふぅ……」
「とまりぃっ?あんたっ、さっきから台所でなにやってんのっ。朝ご飯ならさっき食べたばっかで――――」
「げ。か、母さん……」
「……………………………………………………」
「な、なんだよっ。その顔はさっ……」
「…………い、いちおう、訊いていいかしらっ?あ、あれね、その……間違ってたら、
ごめんなさいねっ……?…………ひょっとして、あんた……料理……してるの……?」
「……そ、そおだよっ……悪いかよっ、あたしが、台所立ってちゃ、さ……」
「とまりぃいいぃいいぃいいぃいいいいいぃいいぃいぃぃいいぃいっ!!
あんた、やっとっ!!やっっっっっっとお嫁に行く気になってくれたんだねぇええぇえっ!?
母さんあんたのこと、男と産み間違えたかって、諦めかけてたのよぉぉぉぉぉっ!!」
「だああああああああああっ!!悪かったなぁっ!!女らしさのかけらもない、ガサツな娘でぇっ!!それとこいつは花嫁修業なんかじゃねー!!」
「いいのっ、いいのよとまりっ!!何も言わないで、母さんに任しときなさいっ!!
母さんがあんたのことっ、責任持っていい女にしたげるからねぇっ!!」
「……ああもうっ、聞いちゃいねーよ……」
「さあさっとまりちゃんっ、何作ってるのか、母さんに見せてごらんねっ!」
「……気持ち悪いなぁその呼び方…………ほらっ。いちおーそれ、作ってみたけどさ……」
「…………?なに?どぉれ、とまりちゃんっ?」
「これだよこれっ、弁当箱に入ってるやつだよっ」
「…………ねえとまり。この、火にかけてるわけでもないのにぐつぐついってる、
アメリカのお菓子よりも不自然な黄色さのかたまりは、なにかしら……?」
「卵焼きだよっ、見りゃわかんだろっ?」
「あぁああぁああああぁあぁあぁぁあああぁああぁああぁあッッッ!!!
やっぱり、もうっ、この子はぁああぁああぁあああぁあああぁあッッッ!!!」
「やっぱりってなんだよっ!!やっぱりってっ!!」
「焼くだけなのにッ!! 卵溶いて、フライパンで焼くだけなのにッッッ!!
アンタッ、どんな劇薬混ぜたら、こんなヘドロみたいな質感が出せるっていうのっ!!」
「なんだよーっ!!これでもうまくひっくり返せたほうなんだぞぉっ!!」
「あんたねぇっ!これはそんな次元の話じゃ――――なにっ?なんか、焦げ臭いわねっ!?」
「わ、やばっ、油に放り込んでたの忘れてたっ……」
「油っ?…………
ヒぃイイィイィイィイイイィイイィイイイイイィィイィッ!!?」
「うわっ、なんだよ、かーさんっ!?」
「なんでお鍋一杯まで、なみなみ注いであるのっ!!あんたこの家燃やして、一家心中させる気だってのかいっ!?」
「油多いほうが、うまく揚がると思って……それより、早くナベから引き上げないと」
「待ってっ!早まらないでとまりっ!!手に持ってるおたま、こっちよこしてっ!!お願いだからぁっ!!」
「わわっ、押すなぁっ!!」
ボゥワァアアアアアアアアアアアッ!!
「わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?なっ、ナベに、引火した〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」
「ひぃぃいいいぃいいいぃいぃいいいぃいぃぃいぃいぃっ!?」
「あわわわわわわわっ!!どーするっ!!どーしよっ!?なあっ、かぁさ〜〜〜〜〜〜んっ!!」
「ああ〜〜〜〜〜もうっ、この子はぁっ!!おたまなんか使うからぁっ!!」
「そうだっ!!水っ!!水水みずみずみず〜〜〜〜〜っ!!」
「おバカッ、水なんかかぶせたらッ――――」
ジュワァアアアアアアアアアアッッッ!!!
「ふわ〜〜〜〜〜〜っ!!?油がッ、飛んでぇ――熱ぅッ!!熱、熱ッ、熱いあついあついッ!!」
「なにやってんのぉアンタはぁっ!!こういうときはっ、フタをかぶせるのよぉっ!!」
「フタッ!!フタフタふたふた〜〜〜〜〜っ!!」
「それから、元栓閉めるっ!!」
「もとせんっ、もとせんもとせんもとせんっ……かあさんっ!!もとせんってどこだよ〜〜〜っ!?」
「も〜〜〜〜うっ!!いいからっ、どきなさいッ!!」
わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…………………………
……ぴぃんぽーん
かちゃっ
「おはようっ、とまりちゃん…………っ?どうしたの?なんだか朝から疲れてるねぇ?」
「ああ…………ちょっと、な……」
「?」
* * * * * *
「ほらほら、とまりちゃんっ、また顔が足元に向いてるよっ!ちゃんと前見てっ!」
「う、あ、う………………わわぁっ!!」
ガシャーン
「自転車、右に寄ってるよっ!それに今度は、足のほうが止まってるっ!」
「う〜〜〜〜、右……左……みぎ……上上、下、下?……左、右、左右……」
「それ、違うよっ!!……あっ――そっちはっ、段差がっ」
「ふわぁっ!?よけられ――」
カシャーン
「……もっと姿勢低くしてっ!控えめな胸は、風の抵抗を受け流すためにあるんでしょっ!!」
「うわ〜〜〜〜〜〜〜んっ!! 」
ズシャーン
「左右のおさげでバランス取ってっ!!」
「ふえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
ドチャーン…………
「…………う〜ん……なかなかうまく乗れるようにならないねぇ……」
「ってぇおいっ!!おまえどさくさに紛れて、変なこと言ってたろぉっ!!」
練習中に聞こえた暴言に、目いっぱいの憤りで抗議するあたし。
向こう岸でサッカーボールと戯れてたガキんちょが、ビクッとこっちに目を向ける。
当のはずむはと言うと、組んだ腕で頬杖を突くような格好で、一人考え込むように呟いている。
「なんていうか……とまりちゃん、二つの事を同時にするのがヘタみたいなんだよねぇ……」
「こいつッ、無視すんなよっ!!つーかはっきり下手とか言うなっ、傷つくだろぉっ!!」
きっぱり落第点を付けられて、軽くショックを受ける。
自分では結構健闘しているほうだと思ってたのに……。
微妙に否定出来ないところが、なおさらに歯がゆい感じだった。
あたしの声がまるで聞こえてないはずむは、相変わらず独自のペースを展開していく。
「……やっぱり補助輪、持ってきたほうがよかったかな……」
「はぁあああッ!!?」
「ほら……とまりちゃん、三輪車なら上手に乗れてたじゃない」
「バカっ、昔の話だろっ!!この歳でそんなの付けて走ってたら、ご近所の噂になっちまうだろーがっ!!」
「でも、付けて走るとだいぶ楽だよ?」
「気持ち的に楽じゃないんだよっ!!何の罰ゲームだよそれっ!!平気だよっ!!今のでちゃんと分かったってばっ!!」
はずむの出した悪魔の提案を、全力で却下にかかるあたし。
いつもいつも、間の抜けたことを言い出して、こいつはっ!
「……ん〜、サイクリングの日まで、まだ時間はあるしねぇ……」
こっちの常識が通じたのか、はずむが上目遣いで空を見ながら、それこそ雲みたいにぽやんとした口調で返してくる。
「そうだよっ……まだまだ余裕、あるんだから……」
全く……自転車なんか漕いでるより、こいつの相手のが疲れてくる……。
知らず溜め息をついていたあたしに、はずむがむく犬みたいな顔で言う。
「とりあえず、サイクリングの日までたくさん練習して……」
「おう……」
「それでダメだったら、借りた自転車に付けてもらおう、補助輪」
「だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!世間体的にNGだって言ってんだよぉっ!!人の話、聞けよぉっ!!」
と。
イライラ最高潮のあたしの大声に、つられるように。
ぐ、ぐ、ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ
「っ、ぬぁっ…………!?」
間の悪い腹の虫が、何の臆面もなくうごめいた。
「……あう…………ぅ……」
咄嗟に両手でヘソを隠す。それでも地響きに似た振動は止まらない。
前髪の隙間から、恐る恐るはずむの顔を盗み見ると……。
「あっ、もうそんな時間だったんだねっ。練習にのめり込んじゃってて、気がつかなかったや」
……まるで、あたしの腹の虫を時計代わりにしたような言い草で。
特に気にした様子は、無いみたいだった。
「…………………………」
……これは、気の置けない幼馴染みだからって解釈で、いいのか……?
それともやっぱり、女として見られてないって、そういうことなのかな……。
柄にもなくアンニュイな気分になって、流れる川を横目に見る。
そんなあたしの気も知らないで、はずむの笑顔がひょいっと寄る。
「一旦ここで休憩にして……どうする?お昼、どこかに食べに行こうかっ?」
「うん…………んぁっ?」
はずむの提案に、はっと思い出す。
「そ、そだっ…………ちょ、ちょっと待っててくれっ!」
「? うん」
慌てて橋の下の日陰まで走る。
置いといた、唐草模様の風呂敷包み。
紺色のそれをむんずと掴んで、急いではずむの所に戻る。
「お帰り、とまりちゃん――さっきも思ってたんだけど、その包み……」
「う、うん……」
突っ立ったまま風呂敷の結び目を解いて、あたしはそれをはずむの鼻先に差し出した。
「……こ、これっ……」
「……もしかして……とまりちゃんが作ったのっ?」
包みの中身を覗き込んで、はずむが驚き混じりの声を上げる。
風呂敷に包まれたのは、半透明のタッパが一つと。
それに、アルミホイルの包みが、全部で八つ。
飾り気・遊び心、一切無しの弁当。
今朝の努力の結晶が、そこにあった。
「その、さ……練習、付き合ってもらってるわけだし……これくらいしないと、なんていうか……悪いだろっ」
「…………………………」
「…………お、おい……?」
「……………………ぷっ」
塞ぐようにして、はずむは口に手を当てるけど。
「ふふっ、はははっ、うふははっ!」
その隙間から笑い声が、次から次にこぼれてくる。
「なっ、なんだよぉっ!!どいつもこいつも、変な反応返しやがってっ!!あたしが料理すんのっ、そんなにおかしいのかよぉっ!!」
「あははっ……!……うんっ、ほんと、とまりちゃんのお弁当なんて、考えてもみなかったよっ……ふふはっ、あはっ!」
「なっ――おっ、おまえぇええっ!!泣くぞぉっ!?いくらあたしでも、そんなこと言われたらっ、泣いちゃうんだかんなぁっ、ちくしょーっ!!」
本当に涙目になりながら、はずむに向かって半狂乱で喚き立てる。
なんだよっ、人が前髪焦がして作ったってのに、大笑いしやがって……!
結わった髪を振り乱しながら、あたしは片手を上げてカマキリみたいに威嚇する。
するとはずむは、手で顔を庇う様に体を縮こまらせながら、からかうような声で言った。
「あはっ、ごめんごめんっ…………確かに、とまりちゃんのお弁当を目の当たりにするなんて、宝くじに当たったみたいな気分だけどさっ」
「いっ……いい加減にしろよおまえぇっ!!人の好意をレア物扱いすんなぁっ!!」
「ふふっ、ごめんってば…………でもさっ」
はずむはあたしの手から風呂敷を取り上げると、それを眺めながら、菩薩さんみたいな顔で言った。
「でも、すっごくうれしいよ……うん……すごく、うれしい」
「……ッ…………!」
確かめるような口調が、なんていうか、ハートにしみるみたいで。
さっきまでのむかっ腹とか、しょげた気分とかが、すっかり静まってしまった。
「なっ……なんだよぉっ!!うれしいんなら、最初っからそう言えっ、バカッ!!」
何となく素直に喜ぶのは癪な感じがして、そっぽを向いて憎まれ口を叩いてみる。
向こうでさっきのガキんちょが、ボールを抱えながらジイッとこっちを見てやがる。
にらみを効かせて追っ払ってる横から、はずむがおどけた感じで言ってくる。
「ふふっ、だからごめんってばぁ…………それじゃ、あっちの土手で座って食べようか?」
風呂敷を片手で抱えて、もう一方で指差す先は、土手の中程、坂が平らになってる辺り。
あたしは腹に手をやって、疲れたように応えた。
「……そうだな……これ以上やってたら、余計に腹が減っちまうよ……」
「うんっ、早くご飯にしようよっ、ね?」
* * * * * *
「わあっ!唐揚げ――――――だけ?」
「……う、うん……」
土手の中腹に腰を下ろして、弁当のフタを開けたはずむの第一声に、あたしは弱々しく首を縦に振った。
「……………………な……なんていうかっ、その…………えと……す、すっごく、とまりちゃんらしいお弁当だよねっ!うんっ!」
「…………………………」
「あ、と…………う、うわぁっ、すっごい、ボリュームっ!こんな量の唐揚げ、僕初めて見たよっ!これなら、その……二人でも、お腹いっぱいだよねっ!胃がもたれちゃうくらいっ!」
「……おまえの言いたいことは分かってるよ……」
はずむの懸命なフォローを尻目に、あたしは諦観したような声で呟く。
目の前に広げてある、今日の献立の内訳は。
重箱サイズのタッパに押し込まれた、大量の肉。
大人の拳より、二回り程デカい炭水化物のかたまり=おにぎりが八つ。
以上、工事現場のおっちゃんたちが持ってく感じの、胃袋の空白を埋めることだけが目的のようなメニュー。
……そりゃあ夏のアホみたいに暑い中、こんな可愛げのないもの目の前に出されたら、退きもするよな……。
初めてとはいえ、流石にこの量は張り切りすぎだろ、あたし……。
「あ、あのっ……とまりちゃんっ?大丈夫だよっ、僕、ちょうどお肉食べたかったところだし……」
自省して黙りっきりだったあたしを見かねて、はずむがいよいよ眉尻を下げながら、慰めの言葉をかけてくる。
……ダメだな、こんなに沈んでたら、昼飯がマズくなりそうだ。
陰気を取っ払うように、適当な話題で声を明らめてみる。
「ほ、ホントはさっ?卵焼きも持って来ようと、思ってたんだけどさっ――」
『とまりっ!!お願いだからっ、それだけは外に持ち出さないでっ!!
はずむちゃんの体に何かあったら、母さん、かほるちゃんに合わせる顔が無いわよぉっ!!』
『だあああもぉうっ!!わかったよぉっ!!わかったから、髪引っ張るのはやめろーっ!!』
「……………………………………」
「卵焼きっ?わっ、いいなぁっ、僕、とまりちゃんの卵焼き、食べてみたかったなっ。なんで持って来てくれなかったのさっ?」
「…………人道的介入による、輸出規制ってヤツだよ…………不本意だけど……」
言ってあたしは、はぁぁと長い溜め息をつく。
……まあ確かに、弁当箱の底にこびりついて剥がれないようなのは、卵焼きとは言わないんだろうけど……。
「? まあいいや。それよりさ、早く食べようよっ……えっと、お箸は……」
はずむが探し物をぽつりと口にしたのを聞いて、はっとなる。
「……あ。…………わ、悪い……ハシ、忘れてきた……」
朝のごたごたで、気がつかなかったんだ……。しかも飲み物まで忘れてるし……。
あーもう……なんでこう、細かいところまで気が回らないんだろ、あたしって……。
ホント、初めてだっていっても、こう失敗ばっかだと……。
と、ネガティブになってるあたしを差し置いて。
「んー…………そうだね、ちょっとお行儀悪いけど……」
はずむが唐揚げを一つ、ひょいとつまむ。
「な、おまえ、素手で……」
「たまにはこういうのも、ね。せっかく外で食べるんだしさ」
悪ふざけみたいに笑って、はずむは手にしたから揚げをぱくっと口に運んだ。
「………………うんっ!ちょっと衣が焦げってるけど、おいしいねっ、これ!」
もごもご動いていた餅みたいな頬が綻ぶ。
「ぁ……ほ、ホントかっ……?」
思わず、気の抜けた声が出てしまう。
ひょいぱくペースで口に放り込みながら、はずむが小首をかしげてこっちを見る。
「うん……とまりちゃん、味見しなかったの?」
「……ああ、今朝はちょっと、バタバタしてたからな……暇、無かった」
「そうなの?じゃあ、はいっ、とまりちゃんも」
差し出されたタッパを、じっと見つめる。
自分で作ったものなのに、怪しむような挙動で一つつまんで。
それから思い切ったように、口に放る。
「………………ちょっと味、薄くないか?これ」
口の中の唐揚げは、マズくはないけど、あたしには少し物足りない気がした。
「そうかな?僕はこれくらいがちょうどいいけど」
「うーん……醤油に漬け込んでなかったから、味が染みてないのかも……」
「えー?タレと一緒にビニールで揉むくらいが、ちょうどいいんだよ?」
「……まあ、おまえがうまいって言うんなら、別にいいんだけどさっ……」
妥協した態度で言って、唐揚げの山に目を落とす。
……そっか……はずむ、これくらいの味付けが好きなんだっけ……。
……………………………………………………。
「とまりちゃんっ?あんまりお箸が進んでないけど、お腹空いてないの?」
「え、あ……ううんっ……ちょっと、考え事してただけだよ…………それにしてもその言い方、なんか嫌味っぽいぞっ」
「え?……あ、あははっ、ちょっとした言葉のあやだよっ。気にしない気にしないっ」
取り繕うみたいに笑って、今度はおにぎりのほうに手を伸ばすはずむ。
梅干だー、と喜んでるはずむを見てたら、こっちも空腹を思い出してきた。
……まあ、早起きして作った甲斐はあったかな……?
あたしもアルミホイルに包まれたおにぎりを一つ取って、はずむと一緒にかぶりつき始めた。
日差しが少し弱まって、一面の芝生がそよそよと揺れ始めた頃。
不意にはずむが、独り言みたいに話し始めた。
「…………そういえばさ。昔よく、おままごとしてたよね、ここで」
「ん……」
あたしはおにぎりを咀嚼しながら、はずむの静かな声に耳を傾ける。
「敷き物広げて、テーブル代わりにダンボール持ってきて……なぜか熊のぬいぐるみが、ペットの犬だったんだよね……ふふっ」
「…………そうだよ……そうだったよ……なんか知んないけどおまえ、お母さん役やりたがって。一日ごとに役取っかえっこして、やってたよ……」
「え〜っ?だって、なんかお父さん役って、尻に敷かれそうなイメージがしてさ〜」
「……おじさんが聞いたら、ショックだろうな……」
そうだったな……そういや、そんなこともあったっけか。
近くから引っこ抜いてきた花を、ご飯だぞって料理に見立てて並べたら、こいつ、泣きそうな顔で怒ってたっけ……。
「でもさ、僕がお父さん役やると、とまりちゃんいっつも怒ってたじゃない。なんでか分かんないけどさ」
「それは……おまえが花屋とか、そういう稼ぎの悪そうな職業ばっか、設定に選んでたからじゃんかっ」
「とまりちゃんがお父さんやる時は、いっつもお巡りさんの家族って決まってたよね?『パトロールの時間だっ!』って言って、そのうち三輪車で飛び出して行っちゃうの……あは、なんかさ、お父さん役でもお母さん役でも、結局とまりちゃんに引っ張り回されてたよねっ、僕」
「ガキの頃は、今よりもっとなよなよしてたからなー、おまえ。あたしが主導権握るのも当然だろっ」
「もうっ……!とまりちゃんこそ、口より先に手が出るの、変わってないじゃないのさぁ……!」
「なっ――言ったなぁっ!」
「ほらねっ、今言ったとおりっ」
「ぐっ…………こいつぅ……」
「………………ふっ……ふははっ!」
むくれた顔を一転して、いきなり吹き出し始めるはずむ。
「……なんだよっ……なに笑ってんだよっ…………へへっ」
おかしそうに笑うはずむにつられて、思わずこっちもにやけてくる。
「ふふっ……僕たちって、昔と全然変わってないのかもね……なんか、あの頃に戻った気分だよ」
誰かを懐かしむような目で、独り言みたいに喋るはずむ。
確かに、今目の前にしてるここの風景とか、ちっとも変わってない気がするし。
日が沈むまで、二人だけで過ごしたりとか。
……うん。
なんかあの頃と、似てるかもな。
はずむが川のせせらぎに聴き入ってるのを、あたしも並んで真似する。
河原の空気が、どこか馴染み深いものに変わった気がして。
青空の雲と同じくらい、時間がゆっくりと流れていく。
そうして、しばらく季節外れの日向ぼっこと洒落込んでいたところに、後ろから小さな気配がすっと近づいた。
「…………ん?…………なんだよ、おまえ、まだいたのかっ?」
「なに?どうしたの――――っ?この子?」
「………………………………」
闖入者は、向こう岸で一人サッカーをやってた、例のガキんちょだった。
ボールを胸に抱えながら、一心に何かを見てる。
その視線を辿った先は、傍らに広げてあるあたしらの昼食。
「……なんだ?食べたいのか、これ?」
「………………………………」
こくこくと、無言で頷くサッカー小僧。
……なんだか、愛想のないガキだな……。
ここは人生の先輩として、モノの頼み方ってのを教えてやらんと……。
あたしはおにぎりを一つ取ると、これ見よがしに小さく振った。
「よし、こいつが欲しけりゃ、自動販売機まで行ってジュースを二つ――」
「とまりちゃんっ!小さい子相手になに言ってるのさっ!大人げないよっ、もうっ!」
あたしの戯れに、はずむがすごい勢いで言い咎めてくる。
「……ったく……ちょっとした冗談だろっ。そう怒んなよっ」
「ほら、おいで?一緒に食べよう?」
険しい表情を一変させて、ガキんちょを席に招くはずむ。
「………………………………」
無表情のまま、とちとちと歩いてきて、はずむの横にちょこんと正座するチビ。
丁度、風呂敷を挟んで、二人と向き合うかたちになる。
……ちぇ、迷わずはずむの側に座りやがって。
はずむはにこにこしながら、唐揚げのタッパをチビの前に引き寄せる。
「はい、いっぱいあるから、遠慮しないでね?」
「……ったく、おまえが作ったみたいにさっ……」
「………………………………」
チビが相変わらずの能面で、差し出された山を見つめる。
それから、ガキにしては落ち着き払った動きで唐揚げを一つ掴むと、ぱくっと一口でほおばった。
「どう?おいしい?」
「そこいらの唐揚げと違って、魂がこもってるからなー。そりゃうまいに決まってるってっ」
「………………………………」
しばらく無言で口をむぐむぐするチビ。
それから噛み砕いたものを飲み込んで、ようやく、一言。
「60点」
「…………………………あ……あはは……」
「てぇンめーーーッ!!人のランチタイムに乱入しておいて、第一声がそれかぁっ!!あたしの作ったもんにケチつけるなんて、いい度胸じゃねーかッ!!表出やがれぇッ!!」
あたしの本気の威嚇に対して、怯む代わりに、首をかしげてはずむに向くチビ。
「…………おねぇちゃんがつくったんじゃないの……?」
「……え、と……お弁当作ったのは、こっちのお姉さん……だよ……?」
「コラてめえっ!!なんだその『え?ギャグで言ってんでしょ?』みたいな面はぁっ!!おねーさんに失礼だろうがっ!!」
「………………………………ふっ」
「!! こンのッ――『それなら納得』ってかぁ!?なあおいっ!?――このガキッ、もう勘弁ならんっ!!そこに直れぇーーーっ!!」
がーっ、とガキに飛び掛ろうとしたところに、はずむが間へ腕を割り込ませる。
「まあまあ、とまりちゃんっ、ここは抑えてっ!」
「止めるなはずむっ!!こういうのには、教育的指導をだなぁっ!!」
「きっと照れ隠しにそう言ってるだけだって!大目に見てあげてっ、ねっ!?」
はずむの必死の弁護に、渋々引き下がる。
くそっ、ガキのくせして、食通なんか気取りやがってっ……!
こいつの父親は、きっと芸術家に違いない……!
「……ふう…………あはっ、ちょっと、口に合わなかったかなっ?おにぎりはどう?大きいから、お兄ちゃんと半分こしようか?」
はずむがガキに、おにぎりを割って与える。
「………………………………」
覗いた具のおかかと、はずむのアホみたいな笑い顔を、はてなマークを出しながら順繰りに見るチビ。
……そりゃ、レース編みのキャミソールなんて風体で「お兄ちゃん」なんて言われりゃ、そうもなるわな……。
腑に落ちないといった様子ではずむを見ながら、おにぎりにかぶりつくチビ。
「……おいしい?」
「………………………………うん」
チビが蚊の鳴くような声で頷く。
途端に顔をぱぁっと輝かせるはずむ。
「そっかー。ふふっ、喜んでもらえて、僕もうれしいよっ」
「……だから、おまえが作ったみたいに言うなってのっ……」
「………………………………」
……うん?
このチビ、さっきからちらちらはずむの方見たりして……。
「うん?どうしたの?」
「っ………………」
………………ははーん?
「……さてはおまえ、はずむに惚れたなぁっ?」
「…………!!」
にやにや笑いのあたしの指摘に、チビ助があからさまに目を見開く。
「え、ええぇっ?ちょっと、なに言ってるのさとまりちゃんっ」
はずむもはずむで、寝耳に水といった反応を見せる。
構わずあたしは、目を伏せてるチビ助の顔を覗き込むようにして、ねちっこく突っつき始める。
「ふふんっ。そういやおまえ、さっきもあたしたちがここで練習してるの、熱心に見てたもんなぁ……食事に割り込むなんて、子供のくせして手が早いじゃないか〜、ん〜?」
「…………、ちがうっ……」
「違うだぁぁ?おいおい、迷わずはずむの横に陣取ったのは、どこのどいつだよっ?」
「………………………………」
チビ助があたしの追及から逃れるように、顔を背ける。
くくっ……そうそう簡単に逃がすかってーの……。
まとわりつくように、チビ助の正面に先回りする。
「ほらほら〜、大好きなおねぇちゃんに、あ〜んってしてもらわなくていいのかな〜?」
「………………………………さぃ」
「とまりちゃんっ……!それ以上やると、漢が下がるよっ――」
「あたしのことなら気にすんなよっ?思う存分、甘えちゃっていいんだぞっ?んん?」
「――うっ、うるさいっっっ!!だまれぇっ、この――おとこおんなぁっ!!」
「………………おまえは今、一番口にしちゃいけないことを、言っちまった……」
腕をだらりと垂らしながら、ゆらりと立ち上がる。
さて……どうしてくれようかな、この坊主……。
「うるさいっ!!りょうりへたなくせにっ!!じてんしゃのれないくせにっ!!」
「ああッ!?おまえだって乗れないんだろうにっ、なに偉そうなこと言ってんだよこのぉっ!!」
「オレはのれるっ!!」
「ほー、そうかいっ!! だったら今ッ!ここでッ!乗って見せてもらおうじゃねーかっ!!」
土手の下の自転車を、ビシッと指差す!
「………………っう……」
「どーしたっ!?乗れるんだろっ!?あたしに乗り方、実演してくれよっ!!ほらっ!!」
「…………うぅっ……ううー……」
チビがこっちをねめつけながら、半泣きになってる。
へっ、大人相手に生意気な態度取るから、こういうことに――
「とまりちゃんっ!!いい加減にしなよっ!!ほんとに大人げないよっ、もうっ!!」
はずむが頭に角を生やしながら、あたしに食って掛かる。
……ヤバイ、これはちょっと、本気の目かもしんないっ……。
ずん、と詰め寄ってくるはずむの迫力ったら、まるで仁王さんみたいだ……。
「……わ、わかったよっ……ったく……なんであたしばっか……」
「子供相手にムキになってっ!どう見てもとまりちゃんが、全面的に悪いでしょっ!!」
はずむの凄まじい剣幕に、ぐうの音も出ないあたし。
日が出んばかりの熱気に、たじたじと、後退を余儀なくされる。
……ホント、怒ると手がつけられないんだよな、こいつ……。
この辺が、おばさんの遺伝なんだろうな、きっと……。
「……ほら……怖いお姉ちゃんは静かになったから、もう泣き止んで?ね?」
「……どーせあたしは、粗野で乱暴でおっかない女ですよー」
「卑屈になったって、同情なんてしないんだからねっ――ほら、ハンカチ。涙拭いちゃおう?はい」
はずむはあたしの悪あがきを一蹴すると、しゃがみ込んでチビの目頭を撫でつけた。
…………ちぇっ……。
「…………落ち着いた?」
「……………………うん……」
「そっか…………ごめんね、あのお姉ちゃんも、普段は優しいんだよ?ただ今日はちょっと、機嫌が悪いだけだから。許してあげてね?」
「うん」
はずむの肩に、顔を押し付けるチビ助。
それをはずむの手のひらが、しっかりと受け止める。
「……なんだよっ……ちゃっかりおいしい思いしてるじゃんかっ……」
と、あたしが口を尖らせながら、ぶつくさ言ってるところへ。
「翔(しょう)ーっ!!」
20代後半くらいの、髪の長い女の人が、土手の上からこっちへ手を振ってきた。
「…………お母さん?」
「……うん」
「ふう……やっとお迎えが来てくれたか……」
カーディガン姿のママさんが遠回りに、備え付けの石階段を降りてくる。
あたしたちのいる平面に降りたところで、チビ助はママの元に駆けて行った。
「すみません……うちの子が、ご迷惑をお掛けしたみたいで……」
ママさんがチビ助を引き連れて、頭を下げながら近づいてくる。
「いえ、そんなっ……僕たちも楽しかったですから」
「そうですか……?あら、お弁当?もしかして、この子ったら……」
抱きつくチビ助をあしらいながら、ママさんがあっちで広がってる露天に目を向ける。
「あっ、気にしないで下さい!ちょっと作りすぎちゃって、余っちゃうかなぁって困ってたところだったんですっ。ね?」
「ん……ああ……ホント、大したもんじゃないですからっ。手伝ってもらって、こっちも助かりましたっ」
「だといいんですけど……ほらっ、翔、お礼はっ?」
「………………………………」
「こらっ。ちゃんとお礼言わなきゃ、だめでしょうっ?」
ママさんのスカートを掴みながら、後ろにささっと隠れるチビ助。
「はぁ、この子ったら……ごめんなさいっ、この子ちょっと、気難しくって……」
「あははっ、このお姉ちゃんが、怖いんだよねっ?」
「あたしだって、泣き虫なヤツは大嫌いだねっ」
あたしはわざと勝ち誇ったような口調で、皮肉ってみる。
「……もうっ!とまりちゃんっ、全然反省してないっ!」
「おまえは甘やかし過ぎなんだよっ。チビ助も気をつけないと、こいつみたいに軟弱になっちまうぞ〜?」
「っ――ぼ、僕のことはっ、関係ないでしょっ!!……ショウ君っ、こんな乱暴な大人になんか、なっちゃダメだからねっ?」
「なっ――おまえがなよなよしてるから、あたしが苦労してんだろーっ!」
「そんなの、お互い様だよっ!」
「なんだとーっ!」
「なにさーっ!」
「ふふっ」
あたしもはずむも、笑い声の方向にはっと目を向ける。
母親オーラ出まくりな目を細めて、口に手なんぞを添えるママさん。
「仲がよろしいんですね……まさに親友っていう感じで。うらやましいわ」
「……………………あはっ」
「…………………………」
「さ、翔。そろそろ帰りましょう?……それじゃあ――本当にどうも、お世話になりました」
「いえ、こちらこそっ……それじゃね、ショウ君」
「………………ばいばい」
チビ助が未練を残しながらも、はずむに手を振る。
チビ助のサッカーボールをひょいっと投げ渡して、あたしも軽く挨拶してやる。
「じゃあな――泣き虫しょー君っ」
「じゃーな、おとこおんなっ」
「っ、…………………………………………」
チビ助親子が手をつないで土手を上がる。
二人の姿が小さくなったところで、はずむと弁当を広げた場所に戻る。
「あんのガキぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……!!母親がいるからって、調子乗りやがってぇぇぇ……!!」
「……今日のとまりちゃん、学習能力無さすぎだよ……」
はずむまで、呆れ果てたような顔をしやがる。
「……やっぱりあそこで、一発殴っておくべき――」
「それやってたら僕、本気で怒ってたからね?」
「…………………………はぃ」
ったく……博愛主義もここまでいくと、逆に危険だな……。
「それに、素直で可愛い、いい子だったじゃないっ。なにがそんなに気に入らないのさっ?」
「……おまえの目は、ガラス玉か……まあ、おまえのこと随分と気に入ってたみたいだしなー、あいつ。おまえって、年下好みだったっけっ?」
「もうっ……!僕が言ってるのは、そういうんじゃないでしょっ…………でも……そっか……」
はずむが突然、深刻っぽい顔つきで黙り込む。
遠い目の横顔が、なんだかちょっと夢見心地だ。
つーか、「そっか」って……まさか本気で、あのガキのことっ……!?
ウソだろっ……まさかいきなり、あんな子供に手を出したりとかっ……!
いくらなんでも、女になっていきなりソレは、レベルが高すぎ――
「あのさ、とまりちゃん」
はずむが対岸を向いたまま、普段の調子で切り出してくる。
「なっ!――なんだよっ?」
唐突に呼びかけられて、一瞬ビクッと体が跳ね上がる。
どうしよ……本気でそんな相談されたら、なんて言えば……。
「とまりちゃんはさ。自分がお母さんになったらって……考えたことある?」
「へ……えっ?」
はずむのいきなりな問いかけに、思考が追っつかないでいる。
とりあえず、出てきた単語は、ショタではないけど……。
なに……?お母、さん……?
「……え、っと……お母さんに、なったら……?」
「うん。お母さんになったら、って」
「………………………………」
いくらあたしでも、さっきまでのおちゃらけた思考回路が、一気に失せていった。
横に佇むはずむの顔は、柔らかい笑いを作ってはいるけど……。
ひどく答えを待ち焦がれている。求めている。
どこかそんな色が、感じて取れた。
「……えっと…………そう、だな……」
……………………………………………………。
これは多分、はずむにとって、適当にあしらったりしちゃいけないような問題なんだろう。
そう思って、頭の中で懸命に、あたしなりの答えを編み上げていく。
母親になったら。
母親に、なったら……。
「………………正直……あんまりそういうの、考えたことないしさ。自分が誰かの母親になった姿なんて、想像もつかないけど……」
「うん」
はっきりした音の相づちが、逆になにかを隠しているようで。
あたしは前を向いたまま、切れ切れに先を続ける。
「……でも、そうだな……母親になったら、あたしももうちょっと、落ち着いたりして…………やっぱり子供が出来ると、人生変わるかな、とは……思うけどさ……」
「…………人生が、変わるって…………いいほうに……?」
ほんの気持ち伏し目がちになって、はずむは覗き込むような声で訊いてくる。
………………やっぱり……。
やっぱり、はずむは――――
「…………多分……な…………うちは姉弟が二人いて……その分、苦労とかも多いのかもしれないけどさ……それでも母さん、何だかんだで楽しそうにしてるし……」
「……………………………………」
あたしの言葉が、はずむの中でこなれていく。
あたしの言葉が、はずむの中に波紋を映していく。
唇が、震えてる気がした。
「……やっぱり……子供育てるのってさ……女にとって、うれしいことッ…………なんじゃないかな……なんて、さっ」
「…………女に……とって……」
「………………ッ!」
はずむがなんだか、ぼうっとしてる。
はずむの形をした、ハリボテみたいに。
どうしよう……やっぱり、今の答えは、間違ってたのかも……。
…………こんなこと……
言うべきじゃ、なかった……?
「別にさっ!今はまだ、考えなくてもいいんじゃないのかっ?」
はずむに向き直って、トーンの高い声でおどけてみせる。
「ほらっ、子供産むにしたって、相手が、その……ひ、必要なわけじゃんかっ?おまえの場合、まず男相手に結婚出来るかって問題があるんだし……そんなの、その時になってみなきゃ、わかんないってっ」
「………………うん…………そう……なのかな……」
あたしの空元気に、はずむが曖昧に微笑む。
口を衝いて出たのは、誤魔化しの、先送りの言葉。
気休めなのかもしれない。
一生はずむについて回る問題。
あたしだって、有耶無耶にしちゃいけないって、わかってるけど……。
でも。
今のはずむの穏やかな顔は、どうだ?
決して、自分の未来を楽しみにしてるわけじゃない。
きっと無意識に、自分を納得させてるんだ。
気丈に振る舞って、あたしに見せてるだけなんだ。
こんな顔、はずむにさせてちゃ、いけないんだ。
…………そして、なにより。
なにより、あたしは――――
「あ、あのさっ」
「……うん?なに、とまりちゃん?」
「さっきの、話だけど。子供の頃の、ままごとの話」
「うん」
なるべく、平静に。
なるべく平静に、いつものつっけんどんな物言いで、あたしは話を進めていく。
「……最初は役、交互にやってたけどさ。そのうちおまえ、お母さん役しかやらないようになったじゃんか」
「えー?そうだったっけー?」
「そうだよっ。あたしにばっか、父親役押し付けてさっ」
……とぼけたような口振りは、心配かけないための演技なのかな。
なるべくなら、あたしははずむの悩みとか、真正面から受け止めてやりたいけど。
でも、あたしにそんなこと、出来るのか……?
……その自問に対する答えは――――
「……だからさ……明日からは、あたしが……その…………お母さん役、やるから」
「? どういうことっ?」
「だからっ!明日からは、あたしが弁当、作ってきてやる!今日みたいにさっ!そうしないと、ほらっ……不公平だろっ!?」
――――目を点にしていたはずむの顔が、子供の頃みたいに綻ぶ。
「…………ふふっ……お弁当作るのが、お母さんの役割ってこと?」
「ああっ!そうだっ!!」
せめて、これくらいはと。
あたしは一度だけ、はずむを元気づけるように、力強く頷いた。
「……あはっ…………じゃあ、お願いしちゃおうかな……?」
「……おうっ。明日は、もっといろんなの作って、持ってくるから!」
言い切って、少し満足げに肩を揺らして、あたしはおにぎりを一つ手に取る。
そうだ。
はずむだってまだ、男だったこと、忘れたわけじゃないんだ。
忘れたわけじゃない。
忘れたわけじゃない。
・ ・ ・ ・ ・ ・
……言い切って、満足したように鼻を鳴らすと、とまりちゃんは手にしたおにぎりにぱくっとかぶり付いた。
……ご飯つぶのついたほっぺがもごもごと動くのを、僕は横から細目で眺める。
……土手に吹きつける風が心地よくて、夢の中に誘われるようで。
……自分にも聞こえないくらいの、小さな独り言が。
……緩んだ口から、思わず、ぽつりと。
「ふふ…………………………不公平、か――――」
「――――うん。ほんと、その通りだ。」
51 :
前々スレ406:2006/05/14(日) 05:08:58 ID:dgErjamv
以上です〜
次の投下は……いつになるやら
GJで〜す
終始コメディタッチかな〜って思ったら・・・ラストはちょっぴりセツナス(´・ω・`)
いいですよ〜
グゥ〜〜ッジョ〜ブ!
本スレや漫画スレでいつも騒ぎになるけど、女の子になっってしまった事を悩まないなんてやっぱ不自然って思えるなぁ。
その辺、考えてしまうね
54 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 14:18:26 ID:lDjP8NKP
職人さん乙です
あーボクもとまりん喰いたい
>>51 いつもGJ!
前半は笑った笑ったw なにげに母ちゃんもはずむきゅんもヒドスwww
そして「子供の頃のおままごと」と、「子供(翔くん)」の使い方・最後へのつなぎ方がうまいなぁ。
ゆっくりでいいので、次もよろしくです。
>>35 いや、荒巻氏の第一章がまだ保管格納されてない。
タイトルはあるけど中身が違う。
57 :
前々スレ406:2006/05/14(日) 23:16:02 ID:dgErjamv
感想ありがとうございます
まあ正直、この先の展開は全然煮詰まっていないんですが・・
続きは下手すると二、三ヶ月後くらいになるかもしれませんが
投下されたらまた懲りずにレスつけてやって下さい
エロは他の方に任せたいと思います・・
乙です。
やっとスレに活気が戻ってきました。
感謝です
59 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:22:07 ID:LNmqoa4i
BGM:天空の城ラピュタ
SSスレが出来たのが一月だから、まだ4ヶ月しか経ってないのか、ここ。
>>57 乙です。
終始、とまりが顔を赤らめて必死になってる情景が伝わってくるようでよかったです。
とまりがはずむの事をほっとけないだけじゃなくて、とまりの周りにいる人がとまりの事をほっとけない
部分もあるのかな、などと思いました。おべんと作りの辺はもう少し短くても、コミカルさは伝わってくる
と思います。
はずむきゅんの「お兄ちゃん」発言にテラモエス。
63 :
前々スレ496:2006/05/16(火) 02:37:18 ID:JFPD0nMR
要望があった
ボロボロのとまりが、雨の中を拾ってくれた男性に自傷行為的に抱かれてしまう話
の前置きを書いてみました。
私の駄文でいいという方で、続きが気になる方がいらっしゃいましたら、レスお願いします。
64 :
前々スレ496:2006/05/16(火) 02:38:19 ID:JFPD0nMR
ちくしょう・・・はずむはあたしが守る・・・そう決めたんだ。
なのに・・・あたしには何も出来ない。
―――あと1ヶ月しかはずむは生きられない。
そう聞いたのはいつの事だ?
だいぶ前のような気がする・・・・
じゃあはずむは・・・はずむは・・・・
「どうしたの?」
その男は雨の中泣いてるあたしに傘を差し出して来た。
「なんでも・・・無いです・・」
あたしはすぐに立ち去ろうとした。今は一人でいたいから。
「ならいいけど・・・・傘、もっていきなよ」
「・・・ありがとうございます。」
傘を受け取りすぐに立ち去ろうとした。でも雨のせいで転びそうになった。
そんなあたしを彼は受け止めてくれた。
「・・・大丈夫?雨降ってるんだから気をつけなきゃ。」
・・・やめろ!あたしに優しくするな!
そうは言ってももう遅い。堪えていた涙が溢れて来た。
「うち、すぐそこなんだけど・・・休んでく?」
65 :
前々スレ496:2006/05/16(火) 03:06:02 ID:JFPD0nMR
以上です。
なんて悲惨な
前々スレ496さんが、前スレで>776書いた人だったの?
この後はワカーンorゴーカーン?
後者希望ノシ
>>64 おう、いっちゃえ。タイトルと警告は入れたほうがいいかな。
いきなりよりも、ゆっくりとしたペースのを個人的には希望。和or強は書き手に任せる。
自傷行為というなら、むしろとまり側から男を誘うということになるんじゃないか。
……何気にひどい事言ってないか俺 orz
それって前スレの776氏が書いてるんじゃないの?
このスレって、なんていうか玉石混淆だよな
72 :
前々スレ496:2006/05/17(水) 00:39:39 ID:nyKLOUKW
てっきり前スレ776氏はそういうSSを希望していたのかと早とちりしてました。
すみません。
それに私の駄文ではみなさんの要望に応えられないかと。
というわけで前スレ776氏,頑張ってください。
また匿名に戻ってこのスレを眺めることにします。
おーみーずーをーのーむぞー♪
たーくーさーんーのーむーぞー♪
_
'´, `ヽ +
i |!ノ从リ)! + ,,-−- 、 ;) )ゝ ;;;ゝ)
jwリ*^ヮノリ! , "´_ −ー:,:';;';;;ゝヾ;;ゝヾ.δ,,
,'~,つニO=く>' ´ + ρ;,, :,ρゞ:';;;'~/;,'
−-、_ノ.ノく/_jl〉 ,,.__,., ;;ρ;''";:,,;;:,ρ,~'"'ゞ
`‐-‐' し'ノ i,,.__,.i,, :,:';;;'~/;,'"';:;:'※ヾゝ
はずむの緑化活動により、前スレは無事埋まりました
>前々496さんも、そんなにへり下らないでSS投下して欲しい
とまりんはオナニーしてますよ
小ネタ。続きは無いのであしからず。
ジリリリ。目覚ましの音にはずむは反応して体を起こす。
「ふぁあ…って何で僕、ハダカで寝てるの!?」
「ふにぃ、オネニーサマ、おはようございますですぅ」
「わぁ、ジャン・プウちゃんまで何も着てない!」
ふすまが開き、もう一人の同居人が出てきた。
「元少年よ目覚めはどうかね」
いつもの飄々とした態度。怪しいぐらいの。
「宇宙人さん、あんたまた何かやったでしょう」
しばしの沈黙の後、おもむろに宇宙人が口を開く。
「――禁則事項です」
「はぁっ?」
「こう言ったら『しょうがないな』と笑って許してくれるんじゃないのか?」
「どこの世界の常識だよ!!」
知らない人も多いであろうハ○ヒネタ許せ。
ま た ハ ル ヒ か
このスレならその忌々しい単語を見なくて済むと思ったのにな
過疎ってるところでわざわざ投下してくれたのに文句言って悪かった
すまない
78 :
76:2006/05/18(木) 12:31:02 ID:fRjAH95V
悪いね。流行に乗ったよ。忌々しいというぐらいのトラウマがあるとは。
他に許せない元ネタってある?
気分悪いよ、あんた。わざわざ即レスして汚しかよ>77
空気嫁内人、ありがとう。またスレが凍りつきます。
いたるところでハルヒハルヒハルヒと言われてるからついカッとなってしまった。
それに嫌いならスルーすればいいのに、スルー出来なかった俺が悪かった。
当分このスレから消えるよ
本当にすまなかった
愛があれば歳の差なんて・・・・
いや、俺も腹減って気が立っていた。余計な言い方ですまんかった>81
SOS団はマジでウザイよな
とまりん、どうなっちゃうのかもうすぐ分かるな。
せめてssでは平和な日常を書こうかと思ってる次第。6月までには何とか。
荒巻とぬこの話読んだが、やす菜が依存しているってのは違うんでね?
漫画見てると、はずむがやす菜に頼ってるようなもので
そしてとまりがはずむに依存している感じなんだし。
まあやす菜はあそこまで弱くないよなあ。
それより何より、医者の言ってる事が滅茶苦茶なのが一番問題な希ガス。
>>90 毎度毎度のアンチやす菜厨だから気にするな。
はいはい、皆さん。レズスキー氏はスルーしましょうね。
>>87-88 ここはSSスレです。
本編とはかけ離れた創作の場です。
SS書きさんがどんな妄想で書こうと自由です。
95 :
1−496:2006/05/19(金) 14:41:34 ID:6TatVw2X
コテ変えました。前々スレの496です。
SSが一つかけたので投下します。
エロ無しです。
以下のSSには残虐な表現が含まれます。苦手な方はスルーしてください。
あと、興味本位で覗くのもやめたほうがいいかもしれません。
読みたくない方はNGワードに「残虐注意」と入れる事を推奨します。
97 :
二輪の花:2006/05/19(金) 14:47:01 ID:6TatVw2X
「こうしなきゃいけないんでしょ……あなたは知ってる。
両方の花を咲かせることはできない。
同じように育てたら両方とも枯れてしまうことを
あなたは選べない。両方とも育て、枯れて、そして泣くの
ボクのせいだって 僕が選ばなかったからだって
でも、その涙は枯れてしまった2本の花のために流す涙じゃない
花を見ることができなかった自分のため……
何も手に入れることのできなかった寂しさから流す涙……
どうして答えてあげなかったの? とまりは本気だった。
いややす菜だって本気だった。傷つく覚悟もしていた。
だけどあなたは自分が傷つくことを、
自分が誰かを傷つけることを―――――」
はずむはあゆきの言葉が忘れられず一人,鹿縞山を登っていた。
「いつもそばにいてくれて,守ってくれたとまりちゃん……
僕が初めて好きになったやす菜ちゃん……」
二人とも同じくらい好きなのだ。
あゆきに何と言われようが選べない。
はずむは空を見上げた。
「あ…流れ星……」
その時,ハッとあゆきの一言が脳裏に浮かんだ。
―――二人とも傷つく事を覚悟していた
「そうか……そうすればいいんだ……
なんで今まで気付かなかったんだろう?」
覚悟を決めたはずむの目に迷いは無く、ただただ狂気に満ちていた
残虐注意
――同日午前十時
「お〜い,はずむ〜」
「あ,とまりちゃん……」
「一体何なんだ?急に呼び出したりして」
「とまりちゃんに話しておきたい事があって……」
「……あたしもはずむに言っておきたい事があるんだ。で、話ってなんだ?」
はずむはとまりに気付かれないようにポケットからナイフを取り出した。
「うん・・・あゆきちゃんに言われて・・・僕は今、答えを出さなくちゃいけない。
これ以上とまりちゃんもやす菜ちゃんも悩ませる訳にはいかないから・・・」
「それで・・・どうしたんだ?」
「……ごめんね」
はずむ一言謝罪すると、突然ナイフをとまりにの腹にざっくりと突き刺した。
「な……何を……」
血が噴水のように吹き出している。
とまりは痛みを堪えながら口を開いた
「……ごめんね・・・でも,これが僕の答えなんだ」
「お前……何言って……」
「僕には選べないよ……
だってとまりちゃんもやす菜ちゃんも大好きだもん。
だから……二人とも居なくなっちゃえばいいんだ。
そうすれば僕は選ばなくてもよくなる………」
はずむはニヤリと不気味な笑みを浮かべながらゆっくりと腹を引き裂いた。
「あ……が……」
とまりは苦悶の声を上げながらゆっくりと切り開かれる自分の腹を眺めていた。
そして激痛と恐怖のあまり失禁した。
尿と血液が混じり辺りには異臭が立ち込めている。
「あははっ!とまりちゃんてばおもらししてる!」
そんなとまりとは裏腹にはずむは玩具を初めて手にした子供のように無邪気だった。
ナイフがとまりの腹を両断すると、決して拝む事はないと思っていた
自分の臓器が大量の血液と共にが腹から露出した。
とまりは戦慄した。
はずむは恐怖に怯えるとまりを尻目にゆっくりと臓器に手を伸ばす。
「あは……あはは!とまりちゃんの内臓だよ!あははははは!」
はずむは完全に我を失い、狂喜していた。
「中には〜何が入ってるのかな〜♪」
ザクリ、ととまりの腸の一部を切断した。
汚物がドロドロと滴り落ち、更なる異臭が立ち込めた。
「あ……あ……」
ガクガクととまりの体が震え始めた。
「フフッ……怖がってるとまりちゃんもかわいいね……」
その時、糸が切れたようにプツンととまりの体が倒れた。
「あ、気絶しちゃった」
そう呟くはずむの声は非常に残念そうだった。
残虐注意
「はずむ君……?」
ちょうどその時、はずむに呼び出されたやす菜が現れた。
「にげろ!やす……」
やす菜に忠告しようとしたとまりの声が急に途絶えた。
はずむはとまりの首にナイフを突き刺したのだ。
「………まだ生きてたの?」
気管が貫かれ、声はおろか呼吸すらままならない。
もう長くはないだろう。
とまりは薄れ行く意識の中で、殺人鬼と変わり果ててしまった
はずむの姿だけをじっと見つめていた。
「はずむ君?何をしてるの?」
「ああ、やす菜ちゃん……」
はずむはやす菜に自分の“答え”を話した。
「それじゃ……とまりちゃんは……」
「うん。僕が殺した」
「そんな……嘘よ……そうだ……あなたははずむ君じゃない!
はずむ君だったらこんな事しないもの!そうでしょ?ねぇ?」
受け入れられない現実に、やす菜は錯乱していた。
「何言ってるの?僕が見えないの……って、そっか。
やす菜ちゃんはもう目が見えないんだっけ……」
はずむは哀れみながらふぅ、と一息ついた。
「じゃあ、もうこの目はいらないよね」
そう言い放つとはずむはやす菜の目にナイフを突き刺した。
「きゃあああああっ!」
はずむは突き刺したナイフをぐりぐりと回しながらゆっくりと眼球をくりぬいた。
眼球からはドロリとした液体と血液が滴っている。
「――――!!」
やす菜は恐怖で声も出せず、子犬のように完全に怯え切っていた。
そんなやす菜をはずむはじわりじわりと追い詰める。
「もう逃げられないよ。」
はずむの口調は優しさを含みつつもどこか狂気に満ちていた。
「そうだ。逃げられないように……」
はずむはやす菜の足を掴み、腱を切り裂いた。
「ひぃっ!!!!痛・・痛い」
「ごめんね……でもやす菜ちゃんが逃げようとするからいけないんだよ」
はずむはナイフをやす菜の胸に突き刺した。
ナイフが突き刺さり血が滝のように吹き出す。
「ぎゃああああ!」
やす菜は全てを振り絞ったかのような断末魔を上げた。
残虐注意
「ごめんね……やす菜ちゃん……」
「あなたは……やっぱり……はずむ君じゃない……そうでしょ?」
やす菜は最期の力を振り絞り、真実を確かめようとした。
「……何度も言わせないでよ。僕は僕だよ。」
はずむは迷わずナイフをやす菜の額に突き刺した。
「あ……が……」
その時、やす菜にははっきりと見えた。
決してこんな事をするような人では無い、と信じていた人、大佛はずむが返り血
を浴びて真っ赤に染まっている姿を。
「信じてたのに……」
やす菜の最期の言葉がはずむの耳に届く事は無かった。
101 :
二輪の花:2006/05/19(金) 14:54:19 ID:6TatVw2X
―――数日後
「はずむ君、何?話って」
「あゆきちゃん……見てよ、この花。
あゆきちゃんは二人とも枯らすって言ったけど、僕は二人とも咲かせる事がで
きたよ」
「何を言ってるの?」
「こっちがとまりちゃんで、こっちがやす菜ちゃん。
二人ともこんなに綺麗に咲いたんだよ」
あゆきは怪訝そうな顔をしている。
「僕には人間のまま、二人を咲かせる事は出来ない。
だから、二人とも僕がお花にしてあげたんだ」
「あなた……まさか……」
あゆきの顔が見る見るうちに青冷めていく。
あゆきは花壇を掘り起こした。
そこには蛆が大量に湧いている二人の少女の……とまりとやす菜の……腐乱死体
があった。
「うっ……」
あゆきは激しい嘔吐感に襲われた。
「あなた……正気なの?」
「僕は正気だよ……そうだ!あゆきちゃんもお花になってみる?
そうしたら僕が綺麗にさかせてあげるよ……」
あゆきが覚えているのはそこまでだった。
狂気に満ちたはずむの目に恐怖を感じ、一目散に逃げて来た。
「とまり……やす菜……」
恋愛とはこんなに人を変えてしまうものなのだろうか。
あゆきは後悔していた。
とまりを泣かせたとはいえ、はずむに選択を強要したことを。
ゆっくり選んでね……あなたが傷つかないように……
自分は確かにそう言った。
それなのに……
「はずむ君……」
「呼んだ?」
あゆきが声のする方向に振り向いた。
そこには血に染まったナイフを持ち、狂気に満ちたはずむが立っていた。
「とびきり綺麗な花を咲かせてあげる……」
「逃 が さ な い よ」
102 :
1・496:2006/05/19(金) 14:58:00 ID:6TatVw2X
おわりです。
13話予想が流行っている中、こんな12話もいいんじゃないか、と思って書きました。
欝展開っていいですよね。私は大好きです。
スレの皆さんには合わないかもしれませんが・・・
今回の話はちょっと残酷さが足りなかったかな、とは思ってます。
……………
……
>>93 そして読み手がどんな感想持とうが自由だし
中傷でない限り書き込むのも自由です。
だいたいにして作者からして意見・感想を求めているのだしね。
1・496氏
今回のは欝・BADEDというよりシチュエーションのみって感じだ。
SSとして成り立たせるなら「はずむたん狂っちゃいました」以上にキャラの内面に踏み込んで欲しいのぅ。
もう少し「愛ゆえの狂気」だとか、はずむの心理描写があればいいんじゃない?
ここでは需要は少ないだろうけど、個人的にはラブ・ハッピーED以外のSSもありだと思ってるんで
書き手さんにはためらわず色々書いて欲しいね。(注釈つきでね)
気にくわない意見は抹殺できると
信じ込んでいるアホがいるのはこのスレですか?
今までこのスレでは多様な提言がなされてきたのに
いきなり排除厨が沸いてくるのが変ですけどね。
おっぱいは正義><
キミがここにいる以上は、そうなんだろうな>105
>106
いや、ずっと前からそうだったけど?
きっと他スレと間違えてるよ。
あ、それと日本語OKだったら
>>1のテンプレ、読んどくといい。
ここが如何にデンジャラスな場所であるか分かるからね
>102
ただのジェノサイドではGJは出ません。
欝展開と言うには淡白すぎる。とまりんやすなんをもっと心理的に追い詰めなきゃ。
その上で、二人が絶望の果てに悲哀の涙に沈み息絶えていく様子をねちっこく描写するべきかと。
作中へ、感情を同期出来ないと欝にはなれません
>>103 それじゃ荒巻とぬこ氏のSSは駄作だと言うこと?
>>102 オツカレ
残虐シーン自体は大丈夫なんだけど、淡々としてる感じは否めない。
精神的にくるものがあると効果は倍増するはず。
496さんのはもっとじっくり書いてもいいのになといつも思わせる。
書き手当人が辛くなければ、もっと何レス分か多めに使ってくれていいから
心の動きを見せて欲しい、というのが本音。
>とぬこさん
ヘンに絡んでくるのには気にせず、執筆を頑張ってください。
なんか意見しただけで
「否定された」と躍起になる自意識過剰人間がいるなぁ
おっぱいは地球を救う><
良くも悪くもスレは進行する。
とぬこ氏のSSまだかなぁ〜・・・
>113
放っときゃいいのにわざわざレスする事自体、君の自意識と自己主張が過剰な証拠。
かく言う俺も、な
>>116 一回は忠告する必要があるのさ。
しかし某スレみたいにマンセー意見でないと
粘着して攻撃する自治厨が存在して
それに対してはどうしようもないけどな。
っていうか、87氏は漫画見てって言ってる段階でもう違う。
漫画のやす菜は強い子だけどアニメのはね……
無茶な医者は結構現実にもいると思うし。
それと103氏は正論であっても、書き込みのタイミングはちゃんと見るべきだと思う。
119 :
1・496:2006/05/20(土) 12:53:42 ID:BEsotPaB
コメントありがとうございます。
心理描写が浅いのは焦っているからではなく,残念ながら文章力がないからです。
次からは心理描写を詳しく書くように心掛けたいと思います。
あと,今のところ2つネタはあるのですが,文を書き起こすまでは至ってません。
そちらも投下したら色々とコメントお願いします。
前スレ776氏は何者なんだ
今月の展開を知っていたのか!?
早く早く投下きぼん!!
バレ、もういいの?
空白の数日と、生気の無い表情、あの反応。
確かに欝妄想でき…
お前ら死ねよ
ネタバレすんな
水色のしましま
投下するならスレの流れが微妙な今のうちに…
警告:エロもグロも無いが、明日太が嫌な人は読まずにスルーをしたほうがいい。
ここの1レス分しか、このネタは書きませんのでご安心を。
アニメ(勝手な)13話
宇宙人が去って○ヶ月後。はずむの身体に異変が訪れた。突然表皮が硬くなったかと思うと、
まるで脱皮するかのように全身の皮がむけたのだ。そして、中から出てきたのは元の男性の肉
体をもったはずむであった。
宇宙人が調査のためにわざとはずむに女性体のカバーをかけたのか。それとも、はずむの元の
身体の修復作業がその女性体の中で行われたのか、今となっては知る術も無い。
俺のところにもはずむは連絡してくれるんだろうか、明日太は一人自分のベッドに寝そべって
ぼんやり考えていた。
やす菜やとまりにはその事実を自分で伝えに行ったらしいと明日太は噂に聞いていた。
と、そこにドアチャイムの音が響く。もしかして…玄関にははずむがいた。
「明日太、僕ね、元の男の子の身体に戻ったんだよ」
「そうか、戻ったんだ。よかった、本当に…これでよかったんだ」
自らに言い聞かせるように明日太は俯き、自分のつま先を見つめながら呟く。
「でもね」
はずむが言葉を続ける。はっとして明日太が顔をあげ、二人はまともに見つめ合う。
微笑みすら浮かべ、はずむが言う。
「……男の子に戻っても、僕は僕だよ」
明日太の真の苦悩は今、始まったばかりだ。
以降、別の板にて投下開始(嘘
そしてうほっがはじまる
グロはダメだよお
すばらしい展開だ…
女の子になって今日で、みたいな展開を…
前スレで、大王先月号のとまりアフターSS投下を打診してた者です。
今月号発売前の書き逃げに失敗しました。現在30KBくらい。
まだエロ書き終えてないんですが、全部で40KB越えそう。
全部書き終えてからの一括投下がいいのか、流れ見ながら日を変えて分割投下か、どちらが良いですかね?
>130
自分は完成後、一括全投下がいいかなーと
バラバラやんか
分かるだろう?この不誠実さが。
投下すんの止めとけ
132-135の流れにワラタ。
個人的には連載希望かな。
俺も連載きぼ。
スレ覗くのに張りが出るし。
連載きぼん3
全投下1
聞くな1
カエレ1
以外と連載希望が多いんだな、ここ
なんにせよ、誰か投下してください
>>139 ちょwwww聞くなとカエレは無いしwwwww
がたがた言ってました、大王6月号のとまりアフターSS投下します。
暗くて鬱系のお話です。ここには、とまりちゃんらしいとまりちゃんは、いません。
よろしければ、御覧いただきたいです。
秋霖が、とまりを濡らしていた。
背を丸め、ざらついたアスファルトに手をつき膝を落としたまま、幾時が流れたかも分
からない。
声を上げて泣いても、雨音が包み込んでいく。耳に響かない自身の慟哭が、虚しく哀れ
に感じられ悲嘆を煽った。
降り頻る雨は、髪も制服も吸い切れず、とうとうと身体を滴り落ちている。雨垂れで顔
や首筋に纏いつく髪も掻き上げない。アスファルトの路面はとうに冠水し、そこに跪くと
まりは水溜りの中にいた。靴も、ソックスも、スカートの裾も、下着までも水に浸してい
ても、今のとまりにはどうでもよかった。
目が熱い。雨水が頬を伝い、唇を越えてくる。嗚咽を飲み込む時、それが涙を含んでい
るのが分かる。そうした事が、自分が泣き続けている事をとまりに自覚せていた。
全天の雨雲が、街を落日から隔絶し、黄昏を加速させている。時折目を開いても、とま
りのぼやけた視界には、暗くなりつつある路面を叩く飛沫しか見えない。
ただ、雨に包まれ、泣いている自分がいた。
思考は閉ざされて、高ぶった感情がとまりを暗い水に覆われた世界に繋ぎ止めている。
――いなくなる
――はずむがいなくなる
――なにもできない
――わたしはなにもできない
言葉は、驟雨が弾く鍵盤とともに途切れなることなくリフレインしていく。
掠めていく色をなくしたビジョンと声が、とまりの胸をけずり、抉る。その度に縮こま
った背が震えた。
自分が、はずむを守ってきた。そう、思っていた。小さい頃から近所の男の子達からか
らかわれ、小突かれては泣いていたはずむをかばい、守り、引っ張ってきた。この間まで、
事ある毎にとまりちゃんどうしようと、縋っていたはずむの尻を叩いては諭していたはず
だった。
『ぼくはもうすぐいなくなってしまう』
はずむの声はそばには無く、すでに遠かった。
停滞している自分の心を、とまりは揺さぶり起こしたはずだった。自分に出来ることは、
はずむを守り、はずむを支え、はずむを感じ続ける自分でいることと、胸に想いを灯した。
それすら、遥か彼岸に舞い散ってしまった。
『とまりちゃんのこと、よろしくね』
――はずむは、いなくなることを、きめてしまった
――あたしのたすけは、もういらなかったんだ
――もう、はずむのそばに、あたしはいない
階段を駆け下り、昇降口を抜け、グランドを突っ切った。
思い出がぐるぐると無秩序に蘇っては、流れていく。男の子のくせに繊細で泣き虫で、
無邪気で優しいはずむだった。そんなはずむを傷つけるものが、許せなかった。だから
とまりはいつも胸を奮い立たせて、それらに立ち向かった。はずむの笑顔だけを、ずっ
と見ていたかった。
はずむが女になってしまっても、それだけは揺らぐことはなかった。
それすら、消え去ってしまう。
はずむと過ごした過去も、はずむと歩きたかった未来も、何かが奪い去っていく。
――それでも、そばにいるって、ずっとそばにいるって
とまりの胸裏で綴られる思いは、他の言葉を成す前に散逸していく。校門をくぐった後、
どこへ向かって走っているのかなど範疇になかった。つまずいて、身体が道路に投げ出さ
れた時の痛みと、降り注ぐ雨の寂寥が、とまりに考えることを止めさせた。溢れるままに、
泣いた。
これまでの自分も、これからの自分も見えなかった。
間断ない喪失感が、雨の奏でる調べと歩調を合わす。
何度目か分からない、脇を走り抜ける自動車が跳ね上げた飛沫が、濡れそぼる小さな身
体に覆い被さってくる。
涙と雨で一杯の顔に、泥混じりの水が容赦の無く振り注がれる。許容外のそれを気管に
吸い込んで、とまりはむせ返った。侵入した水が胸を収縮させ、ひどく苦しい。酸素を求
め天を仰ぐ。一しきり咳込み、気付くと雨に洗い流され哀涙は消えていた。
薄めを開いた瞳に、昏い空と舞い落ちる灰色の雨粒だけが映っている。
とまりはたっぷり水を含んだ前髪を掻きあげながら、自分の中から悲哀の感情が流去っ
たのを知った。感情の起伏が、削り取れてしまったように感じる。もう、何に涙していた
のかすら、茫洋として形を失っていた。
雨が顔を、首筋を、そして制服の下の肌を這うように蕩々と流れ落ちていく。
心が虚無に堕ちていくのを、とまりはぼんやりと感じていた。
* * * * * * * * * * *
ふいに肩を掴まれ、とまりはびくりと全身を震わせた。
振り仰ぐと、とまりの肩に手を乗せ、雨を纏っている顔が見える。中腰になって見下ろ
している。ダークスーツに襟元を解いたネクタイの男性だった。気懸かりげな目でとまり
の顔を覗き込んでくる。
髭の伸びかけた口元が動き、どうしたの、と声がした。
見知らぬ、男だった。
瞬きを忘れたような目で、とまりは男を見上げたまま時を止めている。
こんなとこに座りこんでいちゃ危ないよ、と声が続いた。
茫としたとまりの瞳を見つめ、肩を軽く揺する。支えを無くしたように頭を泳がしたと
まりの様子に、男は普通ならざる空気を感じた。とりあえず立ちなさい、と腕を取ろうと
手を伸ばす。
その瞬間割れるように響き渡ったクラクションに、男は仰天し振り返った。道路脇に止
まった乗用車のその向こうから、一台のワゴンが二人の背後に迫っていた。
咄嗟に男はとまりを胸に抱いて、さらに道路脇へと身を投げ出した。路面を覆った水が
海衝のように二人に降り注ぐ。とまりは冠水した道路と男の身体にはさまれ、苦鳴を漏ら
した。
少女の声に、男は自分が彼女を雨水で溢れ返ったアスファルトに押し倒しているのに気
付いた。慌てて膝をついて自身の上体を起こす。その時、とまりの背中に回していた片腕
が、すくい上げるように小さな身体を抱き起こした。
お互いが膝立ちのままだったが、初めて二人は正面から向き合う。
とまりの目に映る男は、サラリーマンのようだった。スーツもスラックスも水に漬かっ
て黒く濡れそぼっている。短かい強目の髪もツンツンに跳ね、洗面器の水を被った直後の
ような状態だった。ひどい格好だと、とまりは思った。
ごめんね、痛かったかい、と男はとまりに詫び、怪我の有無を尋ねた。目を合わせ、ふ
るふると首をふるとまりを見て、男の表情に安堵の色が浮かんだ。声を掛けた間無しの、
意識を泳がせていた感じは薄まったように思えた。
男は、再びとまりの手を取って立ち上がらせる。とまりも逆らわず、促されるまま男に
体重を預けた。久方振りに両の脚で立った気がした。髪や制服に溜まりきった雨水が全身
を伝い落ちていく。水から上がったかのような感覚に、とまりは初めて自分の格好を意識
した。半分まくれ上がり、太腿に張り付いたスカートの裾を、そっと直した。二つに分け
て結っていたお下げも、鬱陶しく首筋に纏わりついている。少し手でしごいて水気を切り、
肩の後ろに流した。
立ち上がり、もぞもぞと身繕いするとまりの姿に男は少し安心したようだった。ふぅ、
と息を継ぎ、ひどい格好だ、びしょ濡れじゃないかと呆れたように言った。制服を着たま
まプールで泳いでたみたいだぞ、と続けられて、とまりは自分はもっと大変な姿になって
いる事を知った。目の前の男の有り様もひどかったが、その原因が自分であることに気付
くと、とまりは声が出せなかった。そして自分が車に跳ねられそうだった事に思い当り、
急に足が凍りついてきた。
車に乗りなさい、送って行こう、そう男は言うと、立ち竦んだままのとまりの肩にそっ
と手をのせた。男はとまりの身体が小さく震えているのに気付くと、無言のままのとまり
に付き合い、立ち尽くした。降りしきる雨は、勢いこそ柔らいだものの止む気配はなかっ
た。雨に付き合ったまま、幾時かが過ぎていく。ずぶ濡れの中にあって、男は手の中にあ
る小さな肩口が落ち着きを取り戻していくのを待った。そして時を知ると、さぁ…と小さ
く声を掛け、促す。男の手が肩を少し推すと、ふらりと、とまりの足が流れた。
彼の車へ、とまりの肩を背後からゆっくりと押すようにして導く。男の背は高く、とま
りの頭は男の胸の半ば程までしか届いていなかった。男の右手が、背後からとまりの右肩
に回されているが、肩を抱かれている訳ではなかった。男の腕は、自分ととまりの間に人
一人分のスペースを作っている。突かず離れずの力加減で促されるまま、とまりは男のも
のらしい白いセダンに足を向けた。
男の手のひらに包まれた肩口はほんのり温かく、それは体温を奪われた身体にじんわり
と広がっていく。セダンの助手席のドアが開かれ車中に乗り込むまで、とまりはぼんやり
と雨を思っていた。
雨が冷たい、とは思わなかった。
雨は、とまりを存分に泣かせて、涙も、感情も、流し去っってくれた。
――寒いのは、雨のせいじゃない
先程までとは気配の変わった震えに、とまりは男の手と自分の肩の間に生まれた温もり
が、逆に悪寒を誘い出してるんだと納得しようとした。肩を抱いて小さく丸まっていれば
直に治まると思った。
男の手が離れ、助手席のドアを閉められた時、とまりはその温もりが霧散していくのを
庇って、右肩に左手を添えた。無意識だったが、小刻みな震えは治まる気配がなかった。
* * * * * * * * * * *
男は運転席に身を投げ出すと、車載ラックから携帯電話を取り上げどこかに電話を入れ
た。話し振りから勤め先への連絡らしかった。車の故障の対応でずぶ濡れになったので出
先から直帰する、などと話し携帯を切った。
男がキーを回しエンジンが始動すると、エアダクトから暖気が吹き出されてくる。男は
パネルを操作し、ACの暖房を最大に上げ、フロントと足元からエアが出るよう設定を変
えた。しばらくするとエンジンが大きくうなり始め、ACが本格運転に移る。
男は車を発進させ、そのまま、ゆったりと走らせていく。
シートの柔らかさと、暖かな空調の心地よさが、震える身体に染み入ってくる。とまり
は深く息を吐き、目を閉じた。
幾つ目かの信号待ちの時、男が口を開いた。
「ウチは、どっちだい」
青信号になり、車が動き出してもとまりは口を開かない。目を閉じたまま、身動きもし
ない。寝ている訳ではなかった。ただただ、暖かい空気と車中の振動に身を委ねたかった。
男はとまりの様子に視線を移したが、特に何も言わなかった。ただ、車を走らせた。
どこに向かって車が走っているのかと、思わないではなかったが、とまりは何も言わな
かった。今は、この何も無い、和らいだ空間に溶けていたかった。
男がFMラジオのスイッチを入れた。スピーカから、とまりの知らない洋楽が流れ出す。
少し低めの、ブルースっぽい音楽だった。男にはなじんだ曲なのか、ハンドルを握った手
の人差し指が、小さくノックするように調子を取っている。
とまりは、強烈な眠気が襲ってくるのを感じた。冷え切った身体に体温が戻り始めたせ
いかも知れない。ぐっしょり濡れた体は、シートとエアコンの暖気に水分を移動させつつ
あっても乾く事はなかった。寝込んでしまえば確実に体調を崩す。大会のことも、かすか
に脳裏を過ぎったかもしれない。とまりは目を開き、車外に視線を流してみた。
どのくらい移動したのか分からなかったのだが、とまりの目には見慣れた街並みが映り
込んでくる。鹿縞本駅あたりだ。学校からもとまりの家からも車で5分もかからない場所
だ。随分車中にいるはずなのにどうしてこんな近場にいるのかが、とまりには分からなかっ
た。
「起きたかい」
きょろきょろと窓の外に視線を走らせているとまりに気付き、再び男は声を掛けてきた。
「…ごめんなさい、寝てたんじゃ、ないんです」
「そっか、濡れねずみのまま眠り込んじゃ身体壊すから、起こそうかと思ってたところだ」
男は前を向いたまま言葉を返す。タバコを咥えていた。
とまりが返事をしないでいると、又会話が止まった。FMも何時の間にか番組が変わり、
何だか知らないクラシックが掛かっている。視線を落としたとまりは、男の車のシートを
水溜りにしているのに気付いた。運転する男に目を移すと、彼もも雨中のままの格好でハ
ンドルを握っていた。
「ウチまで送るよ、ここからどういけばいいのかな」
「…ずっと、街中を回っていたんですか」
男の問い掛けに答えず、とまりは質問で返す。
「君のウチはこの辺なんだろ?僕ももう今日は仕事終わりだから帰るだけだけど、まさか
君を乗せたまま、市内から出る訳にはいかないしね」
少し低いが、騒々しい中でも耳に届く、そんな響きの声だった。
とまりは改めて男を見た。男性の歳はよく分からないが並子先生より上という感じはし
なかった。短い髪は水気を含んだままハリネズミのように背の様に、小分かれして跳ねて
いる。少し垂れ目がちだが鼻筋の通った横顔は、同級生とも父親とも違う男性の雰囲気を
感じる。咥えたタバコに火はついていなかった。ふりふりと、それを唇で動かし、遊んで
いる。
「そろそろドライブもお開きにしよう。君も早く風呂に入って着替えた方がいいよ。実は
僕も、パンツまでビショビショなんだ」
男の言葉はおだやかだった。とまりに何かを、例えば雨の中で泣いていたことを、問い
詰めるでもなかった。ただ黙々と、思いを控えめな言葉に変え、案じているのが分かった。
赤信号で車を止めると、何となく困ったような笑みを浮かべ、男はとまりに振り向いた。
流れていった心の欠片が、まだとまりのどこかに引っかかっていた。
「……戻れないんだ」
ぽつりと、吐き出される言葉。
「あたしがいる場所なんて、もうないみたい」
揮発していくような、自分の声を、とまりは聞いた。
とまりの呟きを拾い、男はFMを切った。吸ってもいないタバコを吸殻入れで揉みつぶす
と、おもむろに口を開いた。
「……うん」
それだけだった。
雨は降り止まず、もう陽は沈んでいた。
* * * * * * * * * * *
「家まで送ろう」
何度目かの言葉を、男はゆっくりと繰り返した。
とまりは今度も答えなかった。
ウインドウ越しに、街の明かりが雨に煙っている。通りを歩く人の群れには、寄り添い歩
く男女の姿が幾つも見えた。ガードレールの向こうを過ぎていく影が、とまりには遠い世界
の残滓に思えた。試しに、ここ数日の記憶を手繰っても、幻のようにゆがんだ像しか結ばな
かった。自分がどこにいて、どこに行こうとしているのか。何をしてきて、何をせねばなら
ないのか、そういったものがぽっかりと抜け落ちている。ただ、自分がいなくても何も変わ
らない世界は嫌だった。自分がいて、誰かがいて、互いが意味を持つ世界に行きたかった。
しかし、今のとまりにとっては自身の思いを形に換える事も億劫だった。
思考も感情も、滲む街の明かりと共に、雨に揺らいで流れ去っていく。
「じゃあ、もうそろそろ、決めてもらうよ」
男が何気なく呟くのを、とまりは聞いていた。もう自覚していた。
「ここで降りるか」
そう、もしくは
「僕の行くところへ、ついてくるか」
街から流れ出した光がギラギラとぬめってフロントグラスを射抜いている。となりの人の虹
彩にも同じ輝色が映っているのだろうかと、とまりは思った。
そして、答えた。
「降ない」
間を空けて、とまりは続けた。
「ついていって、いいんなら」
ちぎって捨てるように呟かれた言葉を、男は無言で飲み込んだ。くしゅりと、少女が鼻を鳴
らす音が聞こえた。ちらりと助手席に視線を送るが、両手を膝の上に置いたまま、ウインドウ
の外にじっと顔を向けている。前髪の向こう側にある表情を見ることは出来なかった。
道端に座り込み、雨を仰いでいた姿が、男の脳裏をよぎる。身も世もなく声を上げて泣く様
を、暫くの間、ただ見ていた。声を掛けるにも思い切りが必要になる、そんな光景だった。そ
して今も、何か覚悟めいたものを少女から求められているように。
二人は言葉もないまま、車に運ばれていく。道路は少しずつ交通量を増やしているが、幾つ
かの信号に掴まるだけで、街並みを抜けていく。
この道は、車を鹿縞市郊外へと流していくことをとまりは知っているた。そこには都内へ向
かう高速道路のジャンクションがある。鹿縞市のカーモーテル街も、多聞に漏れずここにある。
とまりは、市街を抜けて急に暗さを増した車外へ顔を向けている。何の思いもなく、急速に
夜へ進む景色を眺めていた。暖かい空気が胸と足元に滞ったおかげで随分と温まったが、身体
の芯はまだ凍りついたように震えている。この後どうするかも、どうなるかも頭にはなかった。
ただ、自分の言葉の先が、直に目の前に現れるだろう。それは多分、とまりが望んだものであ
るはずだった。
――目を閉じていよう。時間は勝手に過ぎるから
ふいにそう念じて、とまりは目を閉じた。何も思わず何も考えなくとも、自分の時間は流れ
て行ってくれる。目を開ければ、時が一周して望んだ時間に戻っているかも知れないと思った。
程なく車は大きく曲がり、一旦停止した。バックで何度かの切り返しをした後、今度こそ本
当に止まった。エンジンが切られ、運転席のドアを開けて男が立ち上がるのを、目を瞑ったま
ま聞いていた。瞼越しに、蛍光灯の白い光を感じる。運転席のドアが音を立てて閉じられ、一
時の静寂ののち助手席のドアが開かれた。
「降りて」
男が言った。
とまりは目を開き、男を仰ぎ見た。男の背後にコンクリート地の壁が見える。建物内の駐車
場らしかった。場内の蛍光灯は妙に白っぽく、暗い光で男を照らしていた。
ここはどこだろう、などとは思わなかった。促されるまま、とまりはおもむろに立ち上がり
車外に出る。そこで初めて、自分の腰掛けていたシートがたっぷり水分を吸い込み黒く濡れ
そぼっていることに、とまりは気付いた。目をやると、男の座っていた運転席も、とまりの所程
ではないにしろ色が変わるほど濡れていた。
改めて、自分と男を取り巻いていた状態を知り、申し訳ないという言葉が浮かんだ。その思
いのままにとまりは男に向かって詫びた。
「濡らしてしまってごめんなさい」
遠く、平坦な声だった。自分の声とも思えなかった。しかし男は気に止める風もなく助手席
のドアを押しやり扉をロックし、とまりの背を軽く押してエントランスの方へ向かせた。雨の
中の時とは違い、男はとまりの肩に腕を回し軽く抱いてエスコートする。何気ない動作は、と
まりにとって不快ではなかった。起伏を失っている心はそのままに、何故か鼓動が高まってい
るのに気付く。自動ドアをくぐりフロントロビーへの廊下を歩きながら、とまりは胸に片手を
当てる。胸の脈動を男に気付かれないよう、無意識に手で押えつけていた。
* * * * * * * * * * *
人影のないフロントだった。部屋内の写真とボタンが並んだパネルがある。カラオケのルー
ム選びに似てるんだと、とまりは思った。男はそれらから一つにボタンを選んだ。コトリとキ
ーが落ちてきたのを取り上げ、何事もないかのようにエレベータホールへ足を運ぶ。実感のな
いまま、とまりは肩を抱かれたまま男とエレベータに乗り、何階か分からない廊下のカーペッ
トを濡らし、一室に辿り着いく。男はポケットからルームキーを取り出し、扉を開けた。
部屋の中は、室内灯でオレンジ色に染まっていた。二人は戸口に立ち止まる。男はとまりの
肩からゆっくり手を離した。ふと、とまりは男の体温を感じた。今更なのだろうか、それでも、
自分の高鳴りが男に届いていたかも知れないと思うと足が動いた。男の傍らから離れ、扉の中
へと身体がゆっくり流れていった。背後で閉じられたドアが、小さく音を立てた。
とまりは、初めて見る場所に目を泳がせていた。
キングサイズのダブルベッドと、擦りガラス貼りのバスルームが目に入ると、どきりと心臓
が跳ね上がる。自分の息が上がっていくのが分かった。小振りなキャビネットとミニ冷蔵庫が
ベッドの脇に並んでいる。他に、部屋には二人掛けのソファにローテーブル、大きなプラズマ
タイプのモニタの脇には通信カラオケのセットやゲーム機などが置かれている。
――男と女の、そのための場所
何となく想像の中にあった陰鬱なイメージは、その部屋にはなかった。間接照明に照らされ
小洒落た装いに、とまりの中に生まれていた焦燥を薄らいでいった。
とまりに遅れて部屋の住人となった男は、黒くなっているスーツの上着を重そうに脱ぎ、肩
に担いだ。擦りガラスの扉を開け脱衣所から脱衣籠を持ち出すと、そこに上着を投げ捨てた。
とまりに背を向けると。忌々しげにネクタイを振り解き、ワイシャツと共に籠に放りこんだ。
それを、とまりは立ち尽くしたまま見ていた。白いTシャツが張り付いた上半身は、筋肉質と
言うほどではなかったが、たるんだ感じはなくむしろ締まって見える。
男が傍らで衣服を脱ぎ捨てていく光景に、とまりは特に感慨を抱かなかった。父親のとも、
男子の陸上部員たちのそれとも違うそれだったが、不思議と違和感がなかった。声を掛けられ
るまで、ぼんやりと男の背中を眺めている。
「先に使うといい」
上半身を裸にした男は、バスタオルで身体の湿りを拭っていながら振り向く。バスルームを
指差して繰り返した。とまりの視線は、男の指に連られるようにそちらへ向いた。
「先に使いな」
部屋とバスルームを隔てる壁はガラスだった。床から足首くらいまでは部屋内と同じ巾木が
貼ってあるが、そこから上は天井までガラスがはめ込まれている。脱衣所を区切ってるガラス
は総擦りガラスなのに、浴室の方は高さ5,60センチ交互に擦りガラス部が横ストライプの
ように入っているだけだった。バスルーム内の様子を外から見られぬための障害にはなりそう
に無い。透明なガラス部の位置を見た限りでは、むしろ腰や胸あたりは部屋の者からは丸見え
になるかも知れない。そう設計されているようだった。
とまりは自動人形のように、指差された先へふらりと足を向けた。重いガラス戸を必要なだ
け開けて身体を中にくぐり込ませる。淡い光が、最後に一人きりになれる空間を、包み込むよ
うに演出していた。ガラスの向こう側で男の動く影が見える。インターホンか何かで、フロン
トを呼び出しルームサービスについて尋ねているのが聞こえてくる。ランドリーサービスを頼
んでいるようだった。男の静かな声を聞きながら、とまりは、自分がもう決めていることを、
もう一度だけ確認した。そして、刹那のあと、制服の黄色いリボンを外した。
149 :
前スレ135:2006/05/21(日) 21:56:43 ID:aPB1Zy+w
今回はここまでです。あと3回くらい投下予定です。
エロはそのうち出て参ります。
|_ ..
|ニニヽ ::
|ハハハ)j ::
`Y |゚'Д゚ノji :: とまりさん‥‥
::ゝ;と{ i〉 )〉 ::
ィヾ:|/_jl〉" :::
|/ノ ::
>>149 乙&GJです。
文章を読んでいくと、古い映画を見てるような錯覚に陥りました。
セピア色のフィルムに映し出されるとまりの落日の想い、
正気を失いただ悲壮感だけが漂う映像。
その中に本来のとまりの姿はどこにも居ないが
確実にもう一人の闇の部分(本来のとまりの裏返しの意味)
がとまり自身を悲哀に満たしてる映像。
BGMなどは一切なく、ただアスファルトに打たれる雨音だけが流れる音声。
こういう無声映画から有声映画に変わった頃の殺伐とした映像美が感じられる
文章は、書くのは難しいと思いますがこれからもこの雰囲気壊さずに続きをお願いします。
>149
すまない、感想をつけられない。
ただ魅入られたように固まったままです
>>149 力作乙です。よかったです。
初め感情的になっていたとまりが、身を冷やしていくほどに心まで冷えていって。
身体がぬくもりを取り戻しても心はどうなんだろう、みたいな雰囲気が、文章からだけ
じゃなく、文体からも伝わってくる感じがして、すごいなと思います。
GJ
>149
こんなに切なく焦燥とした気持ちにさせて、なのに続きが気掛かりで…まるで悪魔。
このまま今月の大王に続いてそうで欝なのは俺だけですか
乙です。文章力ありますね。
とまりのキャラクターもブレてないと思うし
続きが楽しみなような、怖いような…
頑張って完結させて下さい。
156 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/23(火) 15:04:41 ID:hLQ53fum
〜かしまし第二期制作希望の署名のお願い〜
3月に放映終了してから早2ヶ月、DVDの売り上げもまあまあだと思うのですが、
ここで皆さんに一つお願いがあります。
下記のサイトでかしまし第二期制作希望の署名活動を行っております。
ご存知の方はもう既にご署名されているとは思いますが、
ご存知で無い方はお手数ですが下記のサイトにアクセス頂いて、ご署名をお願いします。
最終回に関しては紆余曲折があると思いますが、何卒ひとつ、よろしくお願いします。
みなさんのお力でかしまし第二期を叶えましょう!!
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=kasimasi2ki&id=1
>149
マジで6月号と7月号の間にあった話みたいに思えて、どえらい事欝です。
責任とってくれ(泣)
>>149 GJ!
あんなにいいSSが投下されたのにこんなにレスが無いのって初めてだよな……
もう読む人すらいないのか……切ねぇ……
>>158 毎度思うんだが、何のためにそんなネガティブキャンペーンすんのかね?
人を増やしたいくせにマイナスイメージ振り撒いてどうすんだっつーの
名品を俗物に晒して汚すこともない。
しかし、皆に知らしめたい欲求もあるんだお
>>160 >>159がいいたいのは、そんな二律背反みたいなことじゃなくて、
盛り上げていこうと思うなら、「人がいない」とか、たとえ思ってもあえて言及するなってことなのでは?
(この書き込み自体もネガティブですまんが)
いや、ここでは単に>149のSSに触れ、心が弱くなってるせいでネガティブ化してるようなキモス
163 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 13:35:39 ID:j7jUEysm
●お知らせ●
前スレの【僕の事】かしましSS総合第2期【女の子にして】はめでたくdat落ちしました・゚・(つД`)・゚・
いや,前スレは512kbだっけ……?
とにかく容量いっぱいになったから書き込めないだけ。
165 :
ひのり:2006/05/24(水) 17:42:21 ID:Pue0hyQh
投下します。ですが、小説なんて1、2回かいたことあるかないかって
感じですので、文章力は恐ろしいです。
↓
166 :
ひのり:2006/05/24(水) 17:58:10 ID:Pue0hyQh
かしまし〜それぞれの歩む道〜
「とまりちゃんっ」
授業が終わり、グダグダに疲れ果てているとまりに、
はずむは抱きついた。
「う、うわっ、なんだ、なんだいきなり!!」
とまりは顔を真っ赤にし、はずむを振り払う。
「あっ、ごめんね、ごめん。あの‥とまりちゃんは、今日は部活あるの?」
「ん?あぁ‥ないよ、今日は。」
とまりの返事を聞くと、はずむは目を輝かせて微笑んだ。
「あのね‥今日、とまりちゃんと行きたいところがあるんだ。」
「‥やすなは?」
とまりはそう呟いた。
「えぇ?‥あ、もしかして‥やすなちゃんも一緒じゃないと嫌‥とか?」
はずむは不安そうに聞いた。
「いいや、別に。ただ、お前がやすなを誘わないなんて、珍しいから。」
「あはは‥今日は、とまりちゃんだけに用事があるんだ」
はずむはにっこりと微笑んだ。
そして二人は、一緒に学校を出た。
とまりははずむにくっついて歩いていた。
何故かというと、外はもう真っ暗で、夕方というのに夜中のようだったから。
「‥とまりちゃん、こわいの?」
「はっ?!ま、まさか!!そんなふうにいうお前こそ‥っ、こわいんじゃないか?!」
「あはは、僕は全然。おばけはこわいけどねぇ」
はずむはそう言って、とまりの手を握った。
「‥さぁ、ついたよ」
167 :
ひのり:2006/05/24(水) 18:14:41 ID:Pue0hyQh
「‥?なんだ、ここ?‥」
とまりは不思議そうに聞いた。
辺りが暗すぎてよくみえないのも原因のひとつだが、
建物自体が、ボロボロでお化け屋敷のような雰囲気を漂わせていたから。
「えへへ、下着屋さんっ!」
はずむは笑顔でそう答えた。
「‥はっ?‥‥いやだ!やっぱ帰る!」
とまりは顔を真っ赤にし、来た道に戻り帰ろうとする。
すかさず、はずむはとまりの手を掴み、
「ぼく、下着のこと、まだいまいちわからないから、教えてほしいんだ。」
「お前が宇宙船とぶつかってからまもない時‥教えてやったは‥」
はずむはとまりの口をふうじるように、ぴしゃりといいかえした。
「だけどあれだけじゃわかんないよ!」
とまりは、しぶしぶながらうなずき、はずむにぴたりとくっついた。
するとはずむは、笑顔で店の扉を開けた。
「こんにちわぁーっ」
はずむが大声を出すと、一人の青年が出てきた。
「ちょ‥はずむ?ここ、下着屋だろ?‥なんで男‥」
「大丈夫!あの人はてっちゃんっていって、僕の知り合いだから!」
「‥わかった」
とまりはまたしぶしぶながら納得した。
「やあ、はずむちゃんかい。この子は?」
てっちゃんこと哲弘はは笑顔で声をかけた。
優しそうで、穏やかな人なので、とまりは安心し自己紹介をした。
「来栖‥とまりです、はずむの幼なじみで‥」
「幼なじみっ?へえ、はずむちゃんも可愛いけど、とまりちゃんも可愛いね」
とまりは顔を真っ赤にして、話を反らした。
「で、どうすんだ?はず‥あれ?はずむ?‥どこ行った?なあ、てっちゃんさん‥?
あれ‥てっちゃんさん?‥おーい‥?」
ほんの一瞬でふたりがいなくなったので、とまりはこわくなったが、
ここは一先ず二人をさがすことにした。
168 :
ひのり:2006/05/24(水) 18:30:48 ID:Pue0hyQh
「はずむー‥はずむぅ‥‥」
とまりは恐る恐る、あちこちを探し回った。
この店は、見た目はオンボロで今にも崩れそうなのにも関わらず、中は相当広い。
「とまりちゃーん‥」
すると、とまりの背後にある扉から はずむらしき人物の声が聞こえてきた。
「は、はずむっ!!いるんだな、そこに、いるんだな!?」
とまりは猛スピードで扉を開けた。
だが、扉を開けた瞬間、とまりの瞳にうつる光景は、真っ暗になった。
誰かが、とまりを目隠ししたのであった。
「‥?はずむ‥?」
とまりがポツリと呟くと
「残念ですね、とまりちゃん。あなたは騙されたんですよ、はずむちゃんに。」
「てっちゃんさんか?!なにしやがる、なにいってやがる、離せ!!」
とまりはジタバタ暴れたが、それも無駄。
青年の力と少女の力では、いくらとまりでもかなわない。
一瞬のうちに、手と足も縛られてしまった。
「っ‥は、はずむ!助けてくれ!どこにいるんだ!」
とまりは目隠しされているため、はずむの姿も、なにもみえない。
「ごめんね。でも僕は、やっぱり元々男の子なんだ。だから、女の子の身体に興味がないといったら、
嘘になるんだ‥」
すると、哲弘はとまりの服を脱がせ始める。
「やだーッ!!やめろ!!やめろ!ぶっとばすぞ!!離せ!」
とまりは必死に抵抗するが、やはり哲弘の力にはかなわない。
哲弘は、とまりの着ている制服を脱がせ始め、
胸元にキスをする。
「ひっ‥」
とまりはこわくて声もでない。
そして、哲弘はとまりの下着を脱がせ、胸を揉みしだく。
「‥っ、痛いっ‥痛いよぉ‥」
169 :
ひのり:2006/05/24(水) 18:44:06 ID:Pue0hyQh
すると、哲弘は突然、とまりの目を隠している布をほどいた。
「やっぱり、顔がみえないと興奮しませんしね」
哲弘はニヤニヤ笑った。
とまりの目に一番に飛込んだのは、はずむだった。
はずむはすっぱだかで、両手両足をロープで壁に縛られて、大の字になっていたのだ。
「‥は‥」
とまりは驚きのあまり、声も出なかった。
とまりが油断しているすきに、哲弘はとまりの胸をしゃぶる。
「ひゃんっ!」
とまりはびっくりして、暴れ出す。
「いや‥やぁっ!」
「‥とまりちゃんの身体って、綺麗だね」
はずむがいきなり口を開く。
「なにいって‥?」
「僕も感じて‥きちゃったよ‥」
はずむはとまりの前でオナニーを始める。
「はっ‥はずむ止めろ!!」
すると哲弘は、はずむの元へいき、はずむのロープを外し、こう言った。
「お前も参戦しろ」
170 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 18:47:25 ID:PPMnPvgN
で?
171 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/24(水) 18:52:22 ID:PPMnPvgN
まだかいな・・・
終わりかよ!|д゚)
173 :
前スレ135:2006/05/24(水) 20:16:57 ID:BsWn4BAm
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ 待てッ! ヤツを追う前に一つだけ言っておくッ!!
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『両手両足をロープで壁に縛られて、大の字になっていたと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思ったら、いつのまにかとまりの前でオナニーを始めていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超スピードだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…
……
誰?いいけど
漫画スレで誰かおかしな宣伝してたが、新規厨が増えそうな嫌なヨカン
177 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/25(木) 15:09:05 ID:/0rVi0kg
>>176 新規が増えるんならいいんじゃないの?ただ、良質の作品を投下してくれるかどうかは
保障できないが。
荒らしが流入するのがな…。
住人が減ると粘着厨の密度が上がる。
やす菜厨の上にとまり厨まで居付かれちゃたまらんよ
まひるたんを鹿縞高校へ編入させてあげたい
ここよりアレな人が屯ってるスレなんてあるの?
はずむ×とまり、はずむ×やす菜、はずむ×たけし・・・なんなら明日太×宇宙仁!
なんでも(*^ー゚)b どんとこーい
以前しつこかった明日太厨がまた…
句読点の打ち方や、改行の仕方って結構難しいよね
くせもあるけど、情景やキャラの立ち位置、心理描写の移動とか、読ませたい部分の強調とか技法的なのもあるよね。
この辺、悩まず書ける筆達者の人がうらやましい。
ま、俺なぞ悩みながら書いてる時点で駄文決定なんだよな
あほかあんたは。
7時間以上前に終わったレスに…
中途半端な粘着ぶりだな
187 :
1-406:2006/05/26(金) 20:53:39 ID:J6BgCHV/
こんばんは、ちょっとエロなしSSが通りますよ
ちなみに『とまりバイシクルっ!』は、 ■エロ無しのSS■ です
「エロ無しかよ、使えねーなー」な方は、
“バイシクル”であぼーん指定するか、脳内でスルーすると幸せになれます
Interlude.
八月四日、金曜日。天気は予報通り、晴れ時々曇り。
昼時を迎えた住宅地は、夏休みの真っ最なかという事もあってか、どことなくのどかな雰囲気をたたえている。
私は部活で使う物資の調達のため、久々に都心に出ようと、駅への道を一人歩いていた。
「……確か、ドライアイスが切れていたかしらね…………いっそのこと、製造機を買ったほうが早いかしら……」
人通りの無い町中では、自然独り言も多くなる。そうして買い物の検討をしながら、町を東西に分ける川に差し掛かったところで、私はふと足を止めた。
橋のずっと向こう、川下の方角。何やら見慣れた影が二つ、ばたばたと。
「…………自転車なんか追いかけ回して……何のおまじないかしら……?」
川原をスローペースで下っていく自転車と、それを離すまいと懸命にしがみ付く人物。
こちらに背中を向けてはいるけれど、自転車に乗ったあのツーテールの頭は、確かにとまりの物だ。そのすぐ後ろにつける紅茶色の髪は、当然はずむ君なのだろう。
手すりに寄って、しばらく二人の奇行を遠巻きに眺める。ここからだと、オペラグラスが欲しいくらいの距離だった。
その内とまりが牽引力に抵抗し切れなくなったのか、バランスを崩して転びそうになる。間髪入れずに体で受け止めるはずむ君。しばらくじっと見つめ合ったかと思うと、あたふたとまた例の儀式に戻る二人。
何度かそんなやり取りを目にして、ようやく頭の中でピースが繋がる。
「…………はぁ……二日も連絡寄越さないと思ったら……そういうこと……」
空を仰ぐように顎を上げて、手すりから身を離す。
別にあれは、奪られた自転車を必死で取り戻そうとしている、という図ではなかった訳だ。
三日前の喫茶店での、とまりの不自然な挙動にも納得がいく。
まさかあの子が自転車に乗れないなんて、私としても意外だったけど……。
「………………ふうん……」
眠るように目を瞑り、一人口元に薄笑いを作る。
何てことはない、いつもの自分騙し。
私にとって一番意外だったのは、とまりが自転車に乗れなかったという事実ではなくて。
それを打ち明けてくれなかった彼女への苛立ちが、存外に大きかったという事。
「……まあ、おかげでこうしてはずむ君と、二人だけの時間を過ごせている訳だしね……」
恣意的な合理化の言葉は、意識的に発せられたものだった。
本当、可愛くない女だと思う。素直にあそこまで走っていって、憤りをぶつけてくればそれでいいのに。「言ってくれればよかったじゃない」と、不機嫌そうな顔を作ればきっと、あの子は困ったような笑顔で手を合わせるに違いなかった。
それでも私は、相変わらず橋の上を動かずに、斜に構えたスタイルを崩さない。そうしている内に、頭の中はたちまち冷静さを取り戻していって。
「…………意地を張ってみたくなるのも、対等な相手として見ているからだって……そう思いたいわね……」
昨日よりは大分弱まった日差しを、片手をかざして遮る。ちょうど遠見をするような、そんな姿勢。
他人が見たら、何かに羨望している様に見えるだろうか。そんな益体の無い事を、まるで他人事の様に漠然と考えていると。
「…………あら?……随分と、可愛らしいお客さんがやって来たみたいね……」
新たに川原へと姿を見せたのは、5歳児くらいの小さな男の子だった。
サッカーボールを携えて、とまり達の練習場へと真っ直ぐ土手を降りていく。どうも二人の顔見知りのようだった。
男の子の接近に気付いたはずむ君が、目の高さを合わせるように、しゃがんで彼を迎え入れる。
サドルに座ったまま自転車のハンドルに肘を突いているのは、邪険そうに男の子を見るとまり。本気で疎ましく思っている様子ではないけれど。
一言二言、はずむ君ととまりが言葉を交わしたかと思うと、はずむ君が姿を消して、どこからか大きな風呂敷包みを抱えてくる。土手の中腹辺りへと男の子を連れて、敷物を広げて陣取ったはずむ君は、楽しそうな顔つきで風呂敷の結びを解いていく。
「……ふふっ。はずむ君お手製のお弁当、か…………なんて贅沢なお昼かしらね……」
遠くでてきぱきと広げられていくお弁当は、お世辞にもおしゃれとは言い難い色彩だったけど。いつか同伴に預かりたいものだわ。
坂下に自転車を停めたとまりが席に着くと、三人が向かい合って両手を合わせる。
川原での、風に吹かれてのランチタイム。見ているだけで笑んでくる、ほのぼのとした光景だった。
「こういう取り合わせは、なかなか興味深いわね…………両手に花のあの男の子とは、一体どういう馴れ初めなのか……」
にやついた顔で呟きながら、左腕の時計にぱっと目を落とす。時刻は大体、12時半を過ぎたところ。
とまり達の居る近くの堤防を、ぐるりと見渡す。
丁度死角になりそうな位置に、日除けの出来る街路樹を見つけて、私は眼鏡を指で押し上げる。
「…………ここは少し、寄り道していこうかしら、ね……」
悪い癖とは思いつつも、私は橋を引き返して、川下の方向へと歩みを進めた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「…………ったく……よくもまあ人の昼飯を、何度も横取りに来れるもんだよなー……ホント、図々しいったらないよ……」
「そういうのは、お弁当の量をきちんと二人分に抑えられるようになってから言おうね、とまりちゃんっ」
「うるさいなー、足りないよかマシだろー…………ほらっ、翔。お茶」
「………………………………」
「おまえなあっ……人がお茶淹れてやったってのに、礼ぐらい言ったらどうだよっ?」
「…………ん……あいあとなっ」
「口に物入れたまま喋るなっ、行儀悪いっ」
「もうっ……言ってること、矛盾してるよっ……」
「躾けだろっ、しつけっ。世間知らずなガキには、あたしらがきっちり言ってやらないとな〜」
「とまりちゃんがやると、いじめてるようにしか見えないんだもん………………あっ、このお稲荷さんおいしいっ」
「だろ〜?今日はちゃんと味見してきたし、あたしが本気出せばこれくらいはな〜」
「相変わらず、お稲荷さんに柚子入れるんだね、とまりちゃんのお母さん。中学の運動会以来かな?これ食べるのって」
「ぐっ…………そ、そおだよっ……確かにほとんど、母さんにやってもらったけどっ…………でっ、でもっ、酢飯混ぜっ返したり、揚げに包んだりしたのは、あたしなんだかんなっ!?」
「うふふっ、はいはいっ…………あれっ?翔君口の周り、汚れてるねぇ。拭いてあげるから、じっとしてて?」
「ん……………………ありがと、おねぇちゃんっ」
「ふふっ、どういたしまして」
「………………………………」
「お茶がからっぽだね、お代わりいれよっか?」
「うん」
「………………はいっ。こぼさないように気をつけてねっ」
「……………………おい……」
「おねぇちゃん、そっちのたべたい」
「うん?ああ、卵焼きだねっ……はいっどうぞ。端っこのほうのは食べちゃダメだよっ?お腹壊すから」
「…………おいってばっ……!」
「あし、つかれちゃった。ひざまくらして」
「…………ッ!!」
「え、ええっ?……うーん、と……それは…………えと……」
「つかれた。まくら。」
「……えぇっ、と…………そう、だねっ、疲れちゃったんなら、しょうがないよねっ、うん…………あははっ、おいで、翔く――」
「だぁ〜〜〜〜〜〜もぉうっ!!いい加減にしろぉっ!!はずむっ、おまえ、そいつ甘やかしすぎっ!!」
「え〜…………だってさぁ……」
「だってじゃないっ!!人んちの子供だからって、限度ってもんがあるんだよっ!!」
「そう……なのかなぁ……?」
「当たり前だろっ!!大体おまえは、さっきからずっと猫可愛がりしすぎで――――こら翔っ!!アスパラベーコンのアスパラだけ抜くんじゃねえっ!!」
「……オレ、これきらいっ」
「嫌いでも食べるんだよっ!!好き嫌いばっかしてると、サッカー選手になれねーぞっ!!」
「…………おねぇちゃぁん……あいつがいじめるっ……」
「あぁっ、泣かないでっ翔君…………よしよし……」
「こいつっ、ウソ泣きなんかしてんじゃねーぞっ!!はずむもっ、そんなのに騙されるなよっ!!」
「いいじゃないっとまりちゃんっ、アスパラが食べられなくても、他のもので補えばさ……」
「そーだよっ、おねぇちゃん、もっといっちゃえっ」
「てめえっ!!はずむにうまく取り入ってんじゃねーっっ!!べたべたしすぎだっ、離れろよっ!!」
「おねぇちゃんにはあまえていいって、おまえがいったんだろっ。もうわすれたのかよっ」
「調子のいいこと言ってんなっ!!いいかぁっ、食べ物を粗末にしてると、怖い怖い倹約家のお化けが――」
「オバケなんかしんじてるなんて、こどもっぽいあたましてんなっ。せぇちっちゃいからか?」
ゴツッ!!
「わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!」
「下んない屁理屈こいてんじゃねえっっ!!そんなんだから、そうやってすぐ泣くようなヘタレになるんだっ!!」
「とっ、とまりちゃんっ……!!いくらなんでも、手を上げるのは――」
「親バカ準1級は黙ってろっ!!」
「ッ……お、親バカ……じゅん……」
「……それじゃーこうするぞっ。アスパラ残さないで食べれたら、はずむがおまえのほっぺにチューしてやるっ!これなら文句ないだろっ?」
「ッ!!」
「なっ――ちょ、ちょっとぉっ!!それじゃあ僕のほうが文句大ありだよっ、勝手に決めないで、困るよっ!!」
ぱくぱくばくばくぱくむぐもぐ……
「!! しょ、翔君っ!?乗せられちゃ、ダメだよっ!!」
「ふふんっ、所詮はガキだね、現金なもんだっ……よし、食べ盛りの優良児には、あたしの分もあげようっ」
「ッ!! とまりちゃんっ!?自分がアスパラ苦手だからって、使ったねっ!?」
「おいおい〜、アメとムチの実践だろ〜?変な勘ぐりは困るって〜」
「も〜〜〜〜〜うっ!!これじゃあ言ってることに、全然説得力がないじゃないっ!!ほんとにもうっ、いい加減なんだからっ!!」
「おまえの生ぬるいやり方よかはマシだろー。やっぱりおまえには母親は無理だなっ、絶対過保護な親になるってっ」
「そ、そんなことっ……」
「…………………………食べたっ」
「おー、もう食ったかー!早いなー、えらいなー、よしよーし」
「わあっ!?か、空っぽ、空っぽだよっ!」
「………………………………」
じぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ
「あ――なんかっ、視線が、すごい………………と、とまりちゃ〜〜〜んっ……!」
「いいだろ〜、子供相手にちゅ〜ってやるくらいさー。ご褒美なんだし、ぱぱっと済ましちまえよっ」
「とっ、とまりちゃんはっ、僕の唇を平気で売ろうって言うのっ!?すっごく、ひどすぎるよっ!!」
「う゛っ…………くそっ、こいつ、やな切り返しの仕方覚えやがったな……」
「ほ、ほらっ、翔君っ?ご飯食べたばっかりだし、そういうのは……ねっ?あははっ……」
「…………おねぇちゃん……うそつき……」
ぷいっ
「あ、うっ……しょ、翔君っ……?…………ど、どうしようっ、機嫌損ねちゃったよぉっ……」
「ったくー、おまえがいつまでも渋ってるからだろー?……ほら翔っ!いつまでも過ぎたことをぐちぐち言ってんなよっ!」
「………………おとなのいうことは、しんじられない……」
「ああ……このままじゃ翔君、校舎の窓ガラスを割って歩くような子になっちゃうよ……!」
「しょうがないな〜…………そんじゃあ、三人でサッカーしようっ。おまえの気の済むまで、今日一日あたしたちが付き合ってやるっ。なっ、これならどうだよっ?」
「…………ほんとに……?」
「ああっ、ホントのホントだっ!その代わり、はずむのちゅーは諦めろよなっ?」
「…………………………(こくこく)」
「……とまりちゃんっ……それじゃ自転車、練習できなくなっちゃうよ……」
「ん………………いいんだよっ……一日くらいサボったって、どうってことないってっ」
「……でも、そしたら約束の日まで、あと3日しか……」
「だったらおまえが、こいつにご褒美くれてやるっていうのかっ?」
「うう………………それはちょっと、抵抗が……」
「なら決まりだろっ………………今はさ、そんなの忘れて、遊び倒せばいいんだよっ」
「………………………………」
「…………おーしっ、行くぞー、翔ーっ!」
「おー!」
どたどたどた……
「……そうだね…………今日一日くらいは、こういうのも……いいのかな………………それに……」
「いったぞー、翔ー!!」
「ばかあっ、どっちけってんだよとまりー!!」
「キラーパスだろー、キラーパスーっ!」
「こんなの、はやすぎるよっ!!へたくそおっ!!」
「あははっ、わりーわりー!」
「…………とまりちゃん、翔君と一緒で、楽しそうで…………うん…………懐かしいっていうか、何ていうか……」
「はずむ〜〜〜!!ぼさっとしてんなっ、早く来いよ〜〜〜っ!!」
「……………………うんっ!今行くー!!」
………………
・ ・ ・ ・ ・ ・
……敷物の上を手早くまとめて、はずむ君もすぐに川原へと駆けて行く。
サブリナパンツにサンダル履きでは、少し動きづらそうに見えたけど、一生懸命ボールを追いかける姿が、何とも微笑ましかった。
とまりは相変わらず、球技が苦手なようだ。さっきから見当違いな方向にばかりボールを転がしていて、男の子が始終それに翻弄されている。悪びれた様子を見せないのが、彼女らしいと言えばらしいけれど。
「…………本当……この暑いのに、なんであんなに元気でいられるのかしらね……」
川原を三人が元気に駆けずり回る様を見据えながら、気休め程度に顔を手の平で扇いでみる。冷めた物言いとは裏腹に、口元は随分と緩んでいた。
空が少し曇っているとはいえ、太陽が南中を迎えようとしている真夏の昼過ぎは、みるみる地熱が上がってきて、木陰に居ても流石に汗ばんでくる。
左に着けた腕時計に、ちらりと目を落とす。時刻は午後の1時。ここでこうし始めてから、かれこれ30分。少し長居し過ぎたかも知れない。
私はもう一度、川の流れる様子を堤防の上から見下ろす。
仲良くボールを蹴り回している三人の姿は、まるで。
「……本当。まるで親子ね、あれは……」
先ほどの食事の風景などは、まさにどこかの家のダイニングから、切り取って貼り付けたようだった。
男の子を叱りつけるあの姿は、彼女の将来を幻視させるようで。誰かさんも誰かさんで、多分きっとあんな感じなんだろう。
叱咤するような大声と、包み込むようなやわらかい腕。
向かい合ったつがいの親鳥は、まるっきり天秤に釣り合っていて。
それはそれは、ごく自然に、型にはまっていた。
二人共が、母親であることさえ除けば。
「……もっともとまりの方は、姉弟と言った方が的確なのかも知れないけどね……」
青空を見上げて、彼女達から視線を外す。突き抜けるようなブルーが、ひどく物悲しく見えた。
作り笑いをせずにはいられなかった。冗談めかした皮肉の言葉は、自分の気を紛らわす為のもので。
居たたまれない気持ちが、喉元に迫り上げてくる。私だけは気づいてしまって、あの子達は気づいていない。
今、彼女達の心を満たしているのは、きっと幸福の念なんだと思う。
新しい幸せのかたちに触れて、毎日それを確かめるように繰り返して。
昔の記憶をよすがにして、昔の彼を呼び覚まして。
あったかも知れないシーン。忘れてはいけない憧憬。
戻りたい時間、懐かしい匂い、捨てたはずのわずかな期待。
それらが全部、この場所では、叶ってしまうから。
「…………でもね。でもね、とまり…………それじゃ、駄目でしょう……? いつまでもそんなところにいたら…………一生、あなたは……」
囁くような問い掛けは、見えない手を懸命に伸ばしているようで。
泣いていたのだと思う、この時の私は。
涙こそ流れてはいなかったけれど、今にも胸が張り裂けそうで。
早くこの場から立ち去って、私は何も見ていないんだと、自分に言い聞かせるべきだった。
これ以上深く踏み入ったら、こっちの心が崩れてしまいそうで。
だけど、ここで放って見過ごすには、あまりにもつら過ぎる。
それほどまでに、二人の姿は危うげで。
「…………どうやったって、先の事…………考えてしまうでしょう…………っ」
吐き出すように声を洩らす。いつの間にか、背中が樹の幹に寄り掛かっていた。
特別滑稽だとは思わない。
わかっている。
足踏みするのは罪ではない。
わかっている。
自分を騙すのは愚かではない。
わかっている。
私には、根本的な問題は取り除けない。
わかっている。
わかっている。それでも、私は。
見上げていた顔を、そっと元に戻す。
目の前の悲劇に嘆くのは、ここでお終い。要領を得ない思考を切り替えて、これからの事だけに頭を巡らせる。
お誂え向きなことに、舞台は大方出来上がっている。内緒で逢引きしていたのなら、口出しする理由が出来て都合がいい。
私が少し手を加えれば、後は十分どうとでもなるだろう。どうせなら、思い切り盛り上げるのも悪くはない。
きっかけさえ作れたらそれでいいのだ。
後は二人で、答えを出せる筈だから。
とんと背中を押してやれれば、それでいい。
「どちらにしろ、大切な友人に隠し事をしていたのを、黙って見過ごす訳にはいかないわ。約束の日まで後三日。一人で留守番しているのは、あんただって嫌でしょう……?」
余裕ぶった表情が戻ってくる。冷静さとブラフだけが、私の数少ない取柄だ。
相変わらず楽しそうな坂の下を見やりながら、携帯の電話帳を検索する。
周りではとまりの大声に釣られた蝉達が、けたたましく鳴き声を上げ始めていた。
今日はもう、買い物の計画は中止にしよう。
入道雲が覆った空を眺めて、そんなことを思案していたところに。
電話の相手が10コール目にして、ようやく返事を寄越してきた。
「あたしよ。ちょっと話があるんだけど、あんた今から出て来られる?」
他人の人生に手を出すのも、恐らく間違ったことではない。
久々に、そんな気分になった。
195 :
1-406:2006/05/26(金) 21:06:24 ID:J6BgCHV/
以上です
なんか書き始め当初の予定よりかなり話が膨らんでますが
大手を振ってエロなし続けるのももうすぐ終るかと思います
>>195 乙&GJ!!! とまりVSお子様。いいなぁw
とまりがすげー生き生きしてて楽しい。 …そして切ない。
あゆきの動きも気になるし… 続きお待ちしてます。
乙。
「…」や「−」の振り方も難しいよね。
俺いつもこれで悩む。
Gjっす。はずむおねえちゃんが可愛いらしい。
とまりんはいじわる兄貴化してるのが(笑)
あゆきは、突然ダーク化しそうな雰囲気が怖いんですけどガクブル
あゆきって最初からダークだよ
アユキン・スカイウォーカー
前スレ135です。
騙りを防止したいので、今回から取り憑きハンネにしました。
♯24アフター『愁霖』の続きを投下します。よろしければ6スレほど、お付き合い下さい。
まだエロまで到達してません。ひたすら暗いとまりちゃん(大王7月号389Pあたりな感じ)
の話が続いていますので、明朗快活なとまりちゃん好きの方、鬱系ノーモアな方は、危険
ですので回避願います。
では
脱衣所にはもう一つの籠があった。そこに服を脱げばよかった。よれよれのリボンを籠
に落とす。ついでにブラウスのボタンを3つ4つ外した。肌に張り付いたポリエステルの
生地が、急に不快でたまらなくなった。スカートのポケットから濡れた財布やハンカチ、
ヘアバンドを取り出して小物棚に置く。携帯が水浸しなのに気付きハッするが、電源を切っ
たままだったので大丈夫かも知れないと思い直す。ドライヤーで乾かした後、電源を入れ
れば生き返るかもしれない。背中のファスナーは、水を吸って膨らんだ布を噛んで引っか
かり少し焦れたが、無理矢理引き下ろした。両肩を抜くと、ジャンパースカートはベシャ
リと床にずり落ちていった。随分と身体が軽くなる。跨いで足を退けると、脱水前の洗濯
物のようなそれも、籠に入れた。水を含んだ制服の重さに少しだけ心が翳る。
ふと鏡に自分の姿を見た。濡れたなりの長い髪は、だらしなく垂れ下がり、ブラウスは
べっとりと肌に張り付き、下着を透けさせている。その姿が惨めに見えた。目に、じわり
と熱いものが浮かんでくるのが分かる。しばらく忘れ去っていた感覚に驚き、慌ててごし
ごしと手で擦りつける。鏡をみないでいると直に消えていき、とまりは何故だか安堵した。
苦労してブラウスを脱ぎ捨てると、晴れ晴れとした開放感を味わえた。ブラジャーを外
そうと両手を背中のホックに回したところで、自分が服を脱いでいく姿が擦りガラス越し
に映っているであろうことに気付いた。ゆっくりとブラジャーを外してポトリとそれを籠
に落とし込む。映し出される影を、ガラスの向こうで男は眺めているのだろうかと、とま
りは思った。急激に胸が高まり、顔が紅潮していくのを感じたが、少し前屈みになって、
ショーツに指を掛けた。柔い生地はいつものように滑らかには脱げず、くるくるに生地を
巻き込んで紐のようになってしまう。それに濡れた太腿を潜らせるようにずり下ろしてい
く。膝下を過ごした辺りでゆっくりと右足を、ついで左足を抜き取った。くしゃくしゃに
なって手に残った下着をとまりは少しだけ見やり、籠に捨てた。そして一度だけ、男の居
るだろう方へ向けて、擦りガラス越しに視線を送り、浴室への扉を開けた。
広い洗い場と大きいが深さのない洋風のバスタブが目に入る。想像通り、壁は遮蔽の用
途を果たしていなかった。ベッドの全景が見える。ただ、男の姿は視界にはなかった。知
らずに高まっていた緊張が、少しだけ抜ける。
――あたし、ほっとしてるんだ。見られていいつもりでいたくせに
小さく頭を振って、考えを沈め、タイルの上に足を踏む出す。ひんやりしたタイルの温
度が沁みる。背筋に震えが甦り、何より早く温まりたいと、とまりは思った。
とりあえずはシャワーだけよかったが、後に入るだろう男の事を考え、とまりはバスタ
ブに湯を張ることにした。サーモ式らしい混合水栓をひねると、適温に合わさった湯が
凄い勢いで吐き出されてくる。
「すご…」
家庭用のものとは、給湯能力が桁違いらしい。これなら身体を洗う内に湯が貯まって
しまいそうだった。こうしたホテルの風呂に、色々と便利な配慮がなされている事に、と
まりは一瞬状況を忘れて感心の声を漏らした。
* * * * * * * * * * *
たっぷりと降り注がれるシャワーの湯は、冷え切った肌に心地いい。身体に染み通っ
ていく温くもりに、とまりは陶然となった。ごうごうとバスタブに注ぎ込まれる湯とシャワー
の音に閉ざされた空間で、とまりは解放されていた。何故だか何の憂いもなかった。
これまでの事も、これからの事も、何もかもどうでもよかった。目を閉じても、辛い事
は浮かんでこなかった。わざとはずむの事を思い出そうとしても、どうしてだか瞼には
はずむの顔すら像を結ばず散っていく。
ふいにドンドン叩く音が耳に聞こえ、はっとしてそちらを振り返る。咄嗟に胸を両腕で
庇う。腰が逃げかかる。脱衣所を隔てるガラス戸に人影があった。
「っ、何!?」
自分の鋭い声にとまりは驚いたが、男も虚を突かれた様子だった。
「あ、あぁ。驚かしてすまない。ルームサービスで服のランドリーを頼んでたんだが、も
う受け取りに来たんだよ。悪いと思ったが、君の服を預かるよって声を掛けようとしたん
だ。……いいね?」
男はそう言うと、ガラス戸越しに、とまりが脱ぎ捨てた衣服の入っている籠を掲げた。
とまりは待ってと言葉に出しかけたが、一瞬の躊躇の後、お願いしますと、小さく答え
た。
どうせあのままの服に袖を通せる訳がなかった。一番上に脱ぎ捨ててあるブラジャー
や丸まったままのショーツなのを見られてしまったのが恥ずかしかったが、もう仕方ない。
擦りガラス越しに手を振って了承を示すと、男は何事もなく脱衣所から出て行った。
のぼせたように、とまりのは頬が熱かった。擦りガラス越しとはいえ、自分の裸身を、
男に見られた。少なくとも身体のラインは知られてしまったろう。備え付けのボディシャ
ンプーの泡を肌に伸ばしながら、とまりは起伏に乏しいように見える自分の身体を疎まし
く思った。
太いふくらはぎだけはしょうがないと諦めている。が、いつまで経っても変わらない、
薄い胸と小さなお尻と低い背丈は、とまりの自信をいつも損なってくれる。
ふくよかでいて、すらりとしたやす菜の女の子らしい身体を思い浮かべ、とまりは頭を
振った。両手で乳房をすくい上げてみる。わずかな抵抗の後、あっという間にツルリと手
のひらから逃げ去っていく。尻の肉にも手を這わしてみる。薄い肌ごしに、張りつめたよ
うな肉質を感じる。太腿の方まで尻を両手で撫で下ろすと、ぷりんとした手触りが残った。
洗い場の鏡に背を向け顧みてみる。鏡に自分の尻が見える。締まっていて形は悪くないと
思うが、弟のお尻と大差ないようにも思えた。少なくとも、グラビアを飾る水着姿の女の
子達のお尻とは別のもののように感じる。
――多分、あたしの身体は男にとって魅力はないんだろうな
そんな風に思う。はずむも、とまりを女の子として見てはいなかった。自分とは正反対
に思えるやす菜に、はずむは惹かれていったように感じる。やす菜は顔も身体つきも柔っ
こく、言葉遣いも立ち振舞いも自分が思うところの、女そのままだった。
――あたしは、無理だったんだ
そもそもから、自分は失格していたんだと、とまりは思った。唇を噛んだが、別に涙が
出てくる気配はなかった。
湯に当たりながら、髪止めを外し、結ったお下げを解く。シャワーの温度を下げた湯に
髪を当てる。長い髪が奔流に泳ぐのを、手櫛でゆっくりそれをほどいてやる。密かに自慢
の髪だった。競技に障る前にと思い、何度か切りかけたが、今に至るまで出来ないでいる。
――とまりちゃんの髪、綺麗だね
中学に入って伸ばしかけていた髪を、誰よりも先にはずむが褒めてくれた。その事が嬉
しくて、それ以来髪を切らないでいた。化粧っ気は同級生らの誰よりも無いのを自覚して
いたが、髪の手入れには小遣いを割いている。
髪を手に取り、その毛先を眺める。まだ、はずむが褒めてくれた時ものがそこにあった。
あの時のはずむは、着慣れない学生服に照れていた男の子だった。そのはずむは、もうど
こにもいない。夢のように、あっさりと消え去った。思い出を残された自分だけがいるば
かりだった。
* * * * * * * * * * *
洗い終わった髪をまとめ上げると、少しだけ湯船に浸かろうと思い、とまりはバスタブ
を跨ぎ、ゆっくりと身を沈めた。身体を伸ばせる風呂は気持ちがよかった。目を瞑ってる
と眠り込みそうな怖さがあったから、100数えて上がった。もったいないような気もし
たが、湯を抜いて張り直しておこうと思い、バスタブの排水栓を抜いた。身体を拭き、大
きなバスタオルを身体に巻いて脱衣所の化粧台の前に立つ。頬に血色が戻り、湯気をまとっ
た顔は先ほどまでとは随分と違って見える。それでも、変わらず昏い目をした自分がいて、
それが顔、表情全体に翳を落としたままにしていた。
――鏡に映った女は、誰なんだろう
乖離感に囚われている。
雨の中を拾われ、流されるままに車に乗った。そして自分の意志でここにいる。
見知らぬ男と一つの部屋にいる。自分は湯を浴び、裸で鏡の前に立っている。
男と女が、つながる場所で。
男が女の、女が男の、からだを求める場所で。
ここで、自分が何をしようとしているのか、男が何を期待しているのか、とまりには判
かっていた。それを意識すると、心拍数が跳ね上がっていくのが感じられる。
経験は無かったが、セックスの知識は年相応にある。男達が、女に向ける興味の大半が
セックスに繋がっている事もなんとなく分かっている。だから明日太がはずむに向ける視
線が気になり、以前より明日太と上手く付き合えなくなった。
――そんなにいいのか、女が
それと知っていても、とまりには理解出来なかった。その、衝動が分からなかった。
中学生になり、とまりがはずむと手を繋がなくなって久しくしてはずむには男の友達が
出来ていた。曽呂明日太だった。どこでウマが合うのか、時折いらっとくる事もある程、
はずむと明日太は一緒にいた。二人は本当に親友だったのだと、とまりも思う。そんな風
に一緒にいられる明日太を、うらやましく思う気持ちがあった。
はずむが女になり、それが変わった。明日太の挙動に男を感じ、それに汚らわしさを禁
じえなかった。
男が女に向けるいやらしい衝動が忌しく、とまりははずむがそういったものから永遠に
遠ざかった事に、心の中で安堵さえしていたのかもしれない。
事実を、事実として知らされたあの日から、そんな明日太への言い知れぬ嫌悪も、急速
に薄れた。はずむの傍らに立ち、戸を開け、物を持ち、して欲しいことを尋ねる。母の身
を気遣う幼い少年のような明日太がいた。はずむがいなくなることを、ただ子供のように
恐れている明日太だった。とまりは、はずむに何もしなかった。家に帰っても枕を抱いて
いるだけだった。
吹っ切ったように、やす菜ははずむと歩を合わせ始めている。あゆきは、あの涙を後、
おだやかに自分を取り戻した。二人とも、何事も知らなかったような日々に帰ろうとし、
それははずむとの時間の中に何らかの意味を見出そうとしているように、とまりには見え
た。焦燥するばかりで、自分の感情も思いも整理出来ずに暗闇に逃げ込んでいる自分だけ
が、一人残った。はやくはずむの傍に戻りたかったのに、自分がそれを拒否し続けた。幾
つかの夜を眠れぬまま過ごし、逃げ疲れた自分を何とか押えつけた朝、再び誓った。
――はずむは、あたしが守るんだ
結局、とまりには出来なかった。
自分に宛てた、空元気にもならなかった。
――大会の頃、はずむは、……もう、いないんだ
その頃、自分も何処にもいないだろうと感じる。いや、そのずっと前に自分は壊れてし
まうだろうと、とまりは思う。思い出の中の少年は自分だけの幻だったかのようにいなく
なった。そして今を紡いでいる想いすら夢散しようとしている。
驟雨の、自分にも届かない慟哭の中で、分かったことがあった。
はずむのいなくなる世界に、もういたくなかった。二度も失った後で、何かを自分を言
い聞かせて過ごしていくなんて、耐えられない。そう感じる前に、絶望が広がっていった。
そんな思いをするくらいなら、自分がいなくなりたいと思った。
はずむや、あゆきや、明日太や、…やす菜とも、出会うことのない世界に身を置きたい
と願っている自分に気付いた。
鏡の中の女は、どこも見ていない瞳にとまりを映していた。もう、合わせ鏡の向こうの
誰かと、交代しなければならないのかも知れないと、茫漠と感じた。
女は空虚な目で、とまりに問い掛ける。
『雨の中で見知らぬ男からの誘われ、車に乗ったのね』
――そう
『降りようと思えば降りられた。なのに、ついて行ったのね』
――そう
『ここがどこだか分かってる?』
――ラブ、ホテル…と思う
『何をするところ?』
――セックス……
『誰と、いるの?』
――知らない、男の人
『その人と、セックス、するんだ?』
――そう、多分する…はず
『そう、…じゃ、ね』
彼女は起伏の無い言葉で、平坦に会話を閉じた。
男は、浴室のとまりを覗く事は無かったようだった。その気なら、とまりの尻も乳房も
興味のまま鑑賞できるはずだった。とまりも見られてもいいつもりでいた。男が脱衣所に
現れた時は胸がつぶれそうになったが、浴室に入って来られたとしてもとまりは受け入れ
ようと決めていた。
男の、求めるまま、応じようと思ってついてきた。
見知らぬ男に抱かれ、女になる。それは今までとまりにとって思いだにしない行為。今
に続き、先へ繋がっていく世界から脱け落ちていく。恋しい人と肌を合わせる事なく、自
分の女だけが、男達の間を彷徨っていく世界。他人事の、遠い世界であった。
そこの住人でいたなら、自分ははずむとも、あゆきとも、明日太とも、そしてやす菜と
も交流することはないだろう。自分からも彼らからも、互いからいなくなる。
心も身体も、深淵に沈めてしまえばいい。そうすればはずむを想い、悩むことも、その
立場も、資格も、何もかも無くしてしまえる。
――あたしには、何も出来ない。何もしてあげられない
鏡の中の自分に、とまりは言う。
――あたしは、はずむの、心残りの一つでしかない
怖くて言葉に出来なかった思いが溢れる。
――見守る事もできないあたしなら、はずむの中からあたしがいなくなったらいいんだ
とまりに一瞥し、歩み去るはずむのイメージがこぼれていく。
――あたしがいなくても、みんながはずむを最後まで見守ってくれる
にこやかな笑みで包まれる、満ち足りることの無い空間がだった。
――あたしはもう、ダメだ…
一緒にはいられない。きっと自分が何かを壊し、全てを加速させてしまう。
――なら、あたしが…いなくなろう
はずむがいなくなる前に、自分が先にいなくなればいい。はずむの事で、もう悲しむ事
も悩む事もなくなる。それに…もしかしたらはずむは、とまりへの心を残したまま逝って
くれるかも知れない。
――消えてしまった、来栖とまりだったあたしの事を、嘆いて、哀しんで、きっと最後に
顔を思い浮かべてくれる
闇色に染まった心は、とりとめもなく昏い情動をふつりふつりと沸き立たせていく。
誰とも知れぬ男に、処女を捧げること。
それは最後の最後に、はずむの心を独り占めするための儀式。
はずむの知る来栖とまりから遠ざかっていく、その端緒。
――どこかの男達に、あたしが女にされてしまったのを知れば、はずむは悲しむだろうか。
それとも……悔しがったりも、するんだろうか
はずむが、とまりを女にすることはもう在りえない。とまりが、どこかしらで抱いてい
た初めてへの期待も、叶うことはなくなってしまった。それなのに、心の奥底に、はずむ
と過ごす初めての時間への想いだけが、澱のように残っている。
――それも、もうここで流してしまおう
とまりは、鏡に映る顔に別れを告げる。醒め切れないまどろみも、もう終えよう。
* * * * * * * * * * *
踵を返して鏡から離れるともう一度浴室に入り、空になっていたバスタブに新しい湯を
注いだ。よく見ると湯量タイマーらしきパネルがあったのでスイッチを入れておく。
化粧台の前で、あるものを使って髪を手入れしている間に、ちゃんとタイマーが仕事を
果たしたらしく、湯は張り終わっっていた。随分と長湯して男を待たせている。早く場所
を開けてやらねばならない。纏っていたバスタオルを取り、着替えようとして下着も制服
もないことを思い出した。
――どうしよ……。バスタオル一枚でいなきゃなんないなんて……
きょろきょろと脱衣所内に助けを求めると、厚手のタオル地のバスローブが目に入った。
素裸の上に、その袖を通してみる。小柄なとまりには少し大き目だったが、余分に前を隠
せるのが逆に有難いかもしれない。ブラジャーもショーツも着けずにいるのは頼りなかっ
たが、バスローブの内紐をしっかり結わえ、前が肌蹴ること無いよう腰紐もきつく結んだ。
洗いざらしの髪は軽くポニーにまとめ、ポケットから出してあった小物を備え付けのエ
チケット袋に入れ、手に持った。そしてもう一度、身支度を確認してから、とまりは脱衣
所を出た。
男はソファーに腰掛け、ビールを飲みながらテレビに映る何かの洋画を見ていた。上半
身は肌を晒しているが、肩からバスタオルを羽織っている。下は、これもバスタオルを巻
いたなりだった。すねが覗いていて、思わずとまりは視線を反らした。
「あ…あの、お風呂、先にいただきました。…遅くなって、ごめんなさい」
とまりは俯いたまま男に声を掛けた。こんな格好を他人に見られるのも、他人のあんな
姿を見るのも初めてである。とまりは沸きかえる羞恥に耳まで赤く染まるのを知った。
「ああ、僕もこんな格好で失礼してるよ。頼みこんだんだが、さすがに服が戻るまで2,
3時間は掛かるみたいだ。ゆっくりと待つしかないな。君はどこかに連絡しないでよかっ
たの?」
「携帯、今無いんで…」
「掛けるんならこれ、使いな。俺が風呂に入ってる間に掛けたらいい。発信履歴の消し方
は、大体分かるよね。ぶっ壊さない程度に好きにいじってくれ」
ローテーブルに置いた携帯電話を示すと、男は立ち上がり少し身を竦めがちなとまりの
脇を通り過ぎて、浴室に向かった。脱衣所に入りかけて立ち止まり、振り返って言う。
「冷蔵庫の飲み物やなんか、好きに飲んでて。喉とか、渇いてるだろ」
もう、これ以上彼に掛ける迷惑もあったもんじゃないだろう。普段なら恐縮して固辞し
てしまうだろう事も、素直に甘えようと思った。男の言葉は、するりととまりの胸に入り
込んでいた。
「……はい、ありがとう」
ん、と男は返事すると脱衣所に入りかけて思い出したように言葉を加えた。
「そうそう、君さ…」
「はい?」
あたしが何だろうか、いぶかしげにとまりは男を顧みる。
「髪、綺麗だね。ポニーテールがかわいいよ」
男は目尻をさげて、ふにっと相貌を崩した。そして今度こそガラス戸の向こうに消える。
とまりは一瞬何を言われたのか認識できなかったが、男の笑顔に当てられたように胸が
急に鼓動のペースを変えたのが分かった。そして、じわりと言われた言葉を思い起こして、
顔が熱くなるのを自覚した。
――なに赤くなってんだ?あたし……
頭を振って、おかしな感情を払いのけ、ミニ冷蔵庫を覗いてる。喉が渇いていた。幾つ
かのウーロン茶やコーラの缶、缶ビールなどが入っている。何を飲もうかと少し思案しつ
つ、とまりは缶ビールを手にした。アルコール自体を飲んだことがない。自分に飲めるの
だろうかと、ふと考えた。
缶はよく冷えていて、持つ手が凍える。すこしドキドキしながらプルタブを引く。ブシッ
という音に遅れ、細かい泡が缶口から湧き出してくるのを眺める。んっ、と心を決めて目
をつむり、口をつけ一息に呷る。口内に流し込んだものをゴクリと飲み干す。冷たさと、
想像以上に炭酸ガスの刺激が強かった。それらが喉を灼き、滑り落ちていく。すこしだけ、
舌の奥に苦味が残る。胃が熱くなる感じがした。きついが、悪くない刺激だと、とまりは
思った。もう一口、二口と喉に通してみる。
――冷たいのに、喉やお腹の中が焼けるみたい
ふうっ、と息をつく。味はともかく、父親が美味そうに飲んでるのが理解出来そうだっ
た。一気に、缶の半分以上を飲んでしまったとまりは、じわりと血の温度が変わるのを感
じ、慌ててそれをローテーブルに置いた。男が置いていった携帯が目に入る。
――家に電話しといた方が、いいかな……
一瞬だけの躊躇の後、テーブルの携帯を手にとり、自宅のナンバーを押した。数コール
後に母親が出る。雨にやられた事、先輩の家に避難していてついでに、明日までにしなきゃ
ならない、大会の日程変更に合わせたスケジュール変更を考えてる事、もし帰るのが遅く
なりそうだったら先輩の部屋に泊まらせてもらう事にしている、などと伝えた。自分でも
驚くほどすらすらと、もっともらしい嘘が流れ出ている。母親は何の疑いも持たない様子
で、帰れないなら又家へ連絡する事と、先方へ失礼のない事を案じて電話を切った。娘が
何をしようとしているか、何の疑問も持っていない母だった。
ちょこちょこといじって発信履歴を消し、テーブルに男の携帯を戻す。なるべく母の事
を思わないようにして、ベッドの端に腰掛けた。ふらりと、身体が浮かんだような感覚が
ある。アルコールが回り出しているようだった。とまりは浴室の方へ目を向けた
白い湯煙の向こうに男の背中が見えた。身体を洗い終えたらしく立ち上がってバスタブ
向かうところのようだった。男の尻と、そして性器がちらりと視界に入り、とまりは慌て
て目を逸らした。突発的に、心臓が体中の血液をアルコールごと旋回させる。熱くなる顔
両手で押さえ込み、ベッドに突っ伏して波の揺り返しが治まるのを待つ。
視界の外から、浴室の様子が聞こえ届いてくる。バスタブから出た男が、湯船の栓を抜
く。脱衣所へ出て行く。身支度を終え、直にここに戻ってくるだろう。
時が近づいてくる。
鼓動は加速する。不安と怯えが覆う。とまりの中のスクリーンが白く染まる。
突然、はずむの笑顔が浮かんだ。
脳裏のそれは、瞬時に色を失いポジに反転していく。そして急速に遠ざかっていき、や
がて、闇に埋没して消えた。
とまりは、わずかだけ忘れていたのを自嘲する。身体を起こし、俯いて目を閉じる。先
ほど目にした男の身体を思い出す。バスローブ越しの自分の身体を、確認するように抱き
しめた。
* * * * * * * * * * *
がしがしと、短い髪を乱暴に拭う音が聞こえる。俯いたまま視界を狭窄しているとまり
に、男は声を掛ける。
「…お?ビール、飲んだの?随分と頼もしいね」
とまりは答えない。
「腹減ってない?ここ、ルームサービスで色々頼めるから、何か熱いもんでも、食わない?」
自分に向けられる言葉が空々しく響く。膝に掛かったバスローブの裾を、ふたつのこぶ
しが握りしめる。
「遅くなる事、家に連絡したかい?」
ひくりと、とまりの肩が波打つのを男は見た。身体を拭う手を止めて、とまりを見つめ
る。無言でその返答を待つが、帰ってこないのに焦れ、溜息を漏らす。冷蔵庫から新しい
缶ビールを取り出し口を開ける。ごっごっごっ、と飲み込んでいく音が小さく聞こえてい
る。一気に飲み干されたのか、くしゅりっと音を立ててアルミ缶が握りつぶされた。
――大人の男の人は、お酒に強いんだな
調子のずれた思いが浮かぶ。痙攣するような緊張が途切れる。上目遣い男を探してみる
と、新たな缶ビールを手にソファーに腰掛けようとしていた。男もとまりの視線に気付く
と、互いのそれが錯綜し出す。不用意に目を合わせ、固まってしまった猫を逃がすように
男はとまりの瞳を放した。ふたりの間に空気が流れ込むのを、とまりは感じた。
男と、ベッドのとまりとは隔別感のある距離を持っていた。誰も見ていない洋画をBG
Mに、時がただ移っていく。とまりには、窓の雨垂れを眺めてビールを飲んでいる男の気
持ちが分からなかった。
――あたしのことを、抱こうとしているんだ
そう思っていた。だから自分をホテルに連れ込んだ。
とまりには、自分の女の部分が何なのか分からない。男が、自分のどこを女の部分とし
て望むのか想像出来なかった。ただ、女の身体が男の欲求の対象であることは習い知って
いる。自分が女の身体を持っている以上、男はそれを求めるはずだった。
とまりの身体があれば、男にとって事足りる。それは、とまりでなくても構わない。
――女も、そうなのかな……
身も、心も、唯その人でしか、きっと満たされない。唯その人でなければ、誰だって同
じに違いない。女にとってしても、いずれ誰であろうと構わないのかも知れないと、とま
りは感じた。
――あたしはきっと、はずむじゃなきゃやだったんだ
思えば、自分とはずむとの日々だった。はずむに男性を意識しなかったかもしれない。
でも、小さい頃からずっと、いつも異性のはずむを意識していた。
『とまりちゃんの、およめさんになる!』
はずむの言葉に焦り戸惑って、それを考え直させようとした自分を知っている。
――あたしは、はずむのおよめさんになりたかったんだって……
それも叶わない。もう、叶わないことだった。
彼はいなくなる。直に、彼女と共にいなくなる。ふたりで過ごした時間はまぼろしにな
り、とまりには廃墟となりゆく想い出が残される。失うまいと必死で縋り、ひとり涙目で
手入れを続けても、届かぬ端から朽ちていく。陽は褪せ逝き、風は荒涼と、毀れた欠片を
運び去っていく。久遠に続く晩秋は、心を秋霖に濡らしても、冬雪に埋もれさせてはくれ
ないに違いない。
今回は以上です。
次の投下分から、エロが入ります。
209 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 03:21:25 ID:Y9b5RUwF
乙!エロ期待してます
この度もGJです。
悲惨に悲惨を重ねたエチシーンが待っていそう…
職人さん乙curry
夏と言えばホラー
エロホラとかちょっといいかも
明日太の頭頂部に斧が刺さったり
住人がいないのはエロ投下がないせいか、かしましそのものが興味をなくされたのか、どっちなんだろうな
ネガティブキャンペーンが流行ですか?
良いね、ネガティブキャンペーン。
レスのないのを覗くのも虚しいしな
後者の可能性>213
確かに4〜5人がレスを回してるように感じている
>>208 ポニーテールのとまりちゃんが想像出来ません(笑
細かい心理描写が非常にグッドです
次はエッチですか・・・・女になるんだねとまりちゃん・・・・
ポニテとまり落書きしてニヤニヤしてた俺がきましたよ。
こんな風にとまりの心を綴られると切ない。
でも、これで「やっぱりヤダ」→寸止めだとシヌマス
俺のはずむもかなり頭悪い。
Hしてるときに、おっぱいを揉もうとすると、なぜか必死で拒否されて、
乳首つまんだり、マムコやアナルに指入れるのはぜんぜんOKなのに
パイモミだけは全力で抵抗された。
あとでその理由を聞くと、どうも乳ガンに関する情報を本で読んだらしく、
「乳ガンは男性に揉まれながら発生する」と書いてあったから、だと。
男性にも、まれながら・・・だろ・・・・orz
>>218 前135なら、135ならやってくれる。(AA略)
と、何の根拠も無く書いてみる。
姦ったら姦ったでとまり厨が暴徒化したり>218
おれって誰にも期待されてないのね・・・(´・ω・`)
保管庫眺めてたらいつの間にか小一時間過ぎていた件について
そもそも前135のSSが何か分からない。
2-129のやつでそ>前135
さんくs
読んできた。ドラマCDのやす×あすのサワヤカな掛合いが彷彿とされた感じで良かった。
しかし何故コテと、SS表示の数字がずれてるんだ
明日太はいい奴だ
たぶん
‥たぶんな
たぶん‥
でもモテないorz
12.5話唯一の見せ場は、やす菜と明日太のはじめましてシーンと思います
はずむ「どうしよう…ボク女の子になっちゃった」
そんなふうな戸惑いも恥じらいも無かったな、結局…
ふたなりはずむ×明日太とか呟いてみるテスト
「くっ・・・はずむっ!」
「あ・・・明日太ぁ〜!明日太の中・・気持ち・・いい・・」
やっぱ無理だ。はずむはどう見ても受けだわwwwww
とまり相手だと攻めでもいける
ふたなりとまりを襲うはずむ・・・
とまりはHがあんまり好きじゃないような脳内補完。
乱暴な言葉やプレイで泣き出しちゃうタイプで
「ああ……明日太ぁ〜〜」
明日太ははずむの熱き肉棒をしごいた。
「もうこんなに濡らしてるなんて変態だな」
「い,嫌っ!そんなこと言わないで……」
「……そんなこと言ってるけど本当はうれしいんだろ?」
明日太は恥ずかしがるはずむの耳元で優しく囁いた。
「…………」
はずむは何も答えず,俯いてしまった。
「はずむ,かわいい……」
「あ……明日太……」
続 か な い
てか続いたら嫌だ。キモい
誰か131氏を召還してくれ
>>238 それなら、
はずむ「僕がしてあげる」
しこしこしこ
明日太「はっはっはずむぅQ」
の方が萌えるよ
なるほど。確かに
>>240氏、続きを書いてくれたりする?w
>>240 連投スマソ
よく考えたらそれだとはずむをフタナリにする意味があんまりない・・・
やっぱり、フタナリにするならとまりだ
やす菜をフタナリにするのは火に油を注ぐようで・・・・((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
はずむ「とまりちゃん・・苦しそうだね?」
とまり「はずむぅ」
はずむ「僕、男の子だったからわかるよ」
(しこしこ)
いっそのこと二人ともふたなりでやってみるとか
…ひょっとして皆、エロが読みたいの?
そもそもここはエロパロ板だしな
みんなエロを求めて来てるんだろうさ
いや、ほとんどのエロパロスレがこうなってるのが現実だけどさ……
現状では131氏、135氏の両氏の続きに期待する以外ないか
正直、今後ニューウェーブがあるとは思えない。
今いる職人が去ったら、このスレは終了なのだろうと感じる
ネガティブキャンペーンキター
>249みたいなのがよくくるけど、荒らしだよね、こいつ
ネガティブネガティブと事あるごとに騒いで…言論封鎖している圧力団体みたいだ
ネガティブな発言を繰り返す荒らしと、
それを指摘する荒らしと
さらにそれを指摘する荒らしで成り立っているスレですね。
今後は自分に意見する全員を荒らし認定工作かい。
>251の通りすぎて笑えないよ。
お前、前スレでも好き放題ほざいては、「荒らしは今後スルー、俺にもレスつけるな」って反対意見を封殺しようとしてたな。
百合板に帰ってやす菜レズ妄想してろよ
あぁ、いたねそういうの
255 :
2-11:2006/06/04(日) 10:53:10 ID:u4V7RRw+
上記の名前は保管庫形式です。
とまり主役で平和なコメディ物。エロなしです。
『キャベツ』
それは、月曜日の放課後の事。
「え、ごめん。今なんて言った?」
とまりは改めて隣に座っているはずむの顔を見て、問い返した。
「聞いてなかったの?だからブラジャー買いに行くの付き合ってって」
「――本当にそう言ったのか。何でさ、まさか『もっと可愛いのがほしー』とか?」
「違うよ…最近あの…少しおっきくなったみたいで」
「胸がか!」
「恥ずかしいからそんな大きな声で言わないでよ…それで、きつくなっちゃったからさ」
バシンと机を両手で叩きながらとまりが立ち上がる。
「きつくなったって!Cカップから更に!」
「わー、そんな目立たないで」
とまりは両手を机についたまま、顔をはずむに近づける。
「それであたしにどーしろって」
はずむは両手の指を組んで、お願いするようにとまりの方を見て言う。
「一緒に行って欲しいんだけど」
「そして、はずむが計ってもらってるのを指を咥えて見ていろという訳か」
「別に咥えてなくてもいいんじゃないかな……駄目?」
とまりは下を向いてウゥウと唸り声を一つ。それでも何とか返答する。
「いいけど……いつ?」
「明日は学校の帰り早いでしょ、だから」
「いや、やっぱり今度の日曜日に行こう」
「都合が悪いの?明日」
「明日じゃ、今受けたダメージがまだ残ってそうだ」
「ダメージって?」
「…何でもない。部活行く。じゃあお先」
「いってらっしゃーい」
とまりが受けた衝撃の意味に微塵も気付かない様子のはずむは、無邪気に手を振って見送った。
後ろ手に教室のドアを閉めた瞬間。
「ふぅー」
とまりの口から、気付かぬうちに漏れる溜息。
「キャベツがいいそうね」
「うわっ!」
とまりが驚いて横を見ると腕組みをして微笑するあゆきがいた。
「話は聞かせてもらったわ」
「そんな古典的な言い回し…キャベツって?」
「バストの成長にはキャベツがいいそうよ」
「本当かよ」
疑わしい視線をとまりは送る。
メガネの位置を右手で整えながらあゆきが言う。
「あら、科学的な根拠もあるわよ。キャベツに含まれる『ボロン』という成分がエストロゲンに
働きかけるの。ま、信じてくれなくてもいいけど」
それから踵を返し、あゆきは部室へ行くと言い残し、とまりの元を去っていった。
キャベツが重要なのか、よし!とまりは決意を固める様にぎゅっと右手を握り締めた。
* * * * * * *
翌日の放課後。
「とまりちゃん。お昼二人で食べに行かない?ほかの皆は用事があるみたいだし」
「よし、行こう。今日はお好み焼きだ!」
「随分と気合が入ってるね」
嬉しそうに答えるはずむの言葉に少し顔を赤らめて、とまりが言う。
「あぁ…評判を聞いたからな」
「へぇ楽しみだな」
多分はずむが期待してる評判じゃないと思うけど、とまりは心の中で呟いた。
「いらっしゃい」
二人はお店のおばちゃんの声を聞きつつ、お好み焼き屋の席につく。
素早くとまりは辺りを見回し、それから壁に貼られたお品書きをビシッと指差して言った。
「このキャベツ特盛お好み焼き下さい!」
「僕もそれにしようかな」
とまりがはずむの独り言に敏感に反応して言う。
「はずむはネギ焼き好きだったよな」
「う、うん。でもたまには……」
有無を言わさぬ調子でとまりが店員に言い切る。
「こっちにはネギ焼きで」
「うぅ、まぁいいけど」
お好み焼きを食べた帰り道、角を曲がればとまりの家が見えるところまで来て、とまりが
立ち止まる。
不思議そうにはずむが尋ねる。
「どうしたの?とまりちゃん」
「あー、一寸夕飯の買い物、頼まれてたの忘れてた」
「僕も付き合…」
はずむが言いかけるのを、片手で制す。
「私だけで行く、また明日な」
「うん。また明日」
とまりが向かった先は、もちろん八百屋であった。張り切って声をあげる。
「おじちゃん!これ4つ…って結構高いな」
「ごめんね。キャベツは今の時季は一寸高めだからねぇ」
「うーん、やっぱり…2つ…いや、3つください」
「まいどありぃ!」
* * * * * * *
金曜日の放課後。
「とまりちゃん、明後日の事だけどさ……」
「待った!」
「え?」
「来週にしよう…流石に1週間ではまだ効果が…」
「何の話?」
「ともかく!来週!いいな」
「う、うん」
そんな会話をする二人の間に明日太が割り込んでくる。
「お、もしかしてはずむ日曜ヒマか?ゲーセン行こうぜ」
「うーん、どうしようかな」
人差し指をあごに当て、思案顔のはずむに明日太は重ねて言う。
「お前の好きなファイティングシリーズの新作、入ってたぜ」
「え、本当!それなら…」
「は、はずむ、それならさ。た、たまには、二人で……」
明日太とはずむの話をぼんやり聞きながら、とまりは考えていた。
日曜日か、せっかく猶予が出来たんだから、もう一押し何か…そうだ。
「あたしも行く!それで、お昼一緒に食べよ!」
「え…えー」
明日太は露骨にがっかりした顔を見せる。
腕組みして明日太に詰め寄るようにして、とまりが一言。
「文句ある?」
「いいえ…ありません」
* * * * * * *
日曜日のお昼時。
お昼ご飯にとまりが選んだのはとんかつ屋だった。
それを聞き、明日太が納得したように頷いて言う。
「なるほど『とんかつヤマト』か。とまり、さてはスペシャルわらじとんかつに挑戦する気だな」
「ちがうっ!今日は普通の」
「ほほう『今日は』か」
「何が言いたい?」
二人の応酬にとりなすようにはずむが言う。
「まあまあ、二人とも入ろうよ」
3人はそれぞれの注文をする。
しばらく待ち、頼んだ品が届く。
とまりのロースかつ定食。はずむのヒレかつ定食。明日太のラージかつ定食。
「いただきます」
行儀よく手をあわせて言うはずむに、慌てて後を追うように二人も言う。
「あ、いただきます」
「……っす」
とまりが食べだしたのはもちろんキャベツだ。
ガツ、ガツ、ガツ。
見る間に山が崩されていく。
「すいませーん。キャベツお代わりお願いします」
手を挙げ、店員さんに呼びかける。
「はい、お待ちください」
ほどなくお代わりがよそられる。
ガツガツガツ…。再びとまりが山を崩す。ちらりと明日太の茶碗を見て言う。
「明日太、まだお代わりするよね」
なぜか逆らえない迫力を感じ、明日太は言う。
「え、じゃあ、しようかな……すいませーん」
「キャベツも頼んでね」
二人の様子を見ていたはずむが言う。
「僕もキャベツおかわりしようかな」
ガッと顔をあげ、とまりが言う。
「はずむはお肉食べな。ほら、あたしのあげるから」
箸ではずむの皿に一切れ放り込む。明日太が思わず呟く。
「いいなぁはずむ」
とまりはそのまま、箸の先で明日太の方を指して言う。
「明日太、あんたはご飯おかわり係」
「そんな係やだよ」
「食べっぷりがいい男はもてるよ」
「本当かよ」
作り声でとまりが言う。
「たくさん食べられる男って素敵ぃ…これでいい?さぁ食べて」
「俺っていったい…」
「さぁ食べて、食べて」
何度目かのお代わりを持ってきた店員が、親切かはたまた皮肉か分からぬ様子で言う。
「あの、なんでしたらおひつとキャベツカゴごとお持ちしましょうか」
「え、そこまでは…」
腰の引けた様子で断ろうとする明日太を、押しのけるようにしてとまりが言う。
「お願いします」
かくして3人のテーブルにはかごに山盛りのキャベツとおひつ一杯のご飯が置かれた。
「さぁ持ってきてもらったんだから食べなきゃ、沢山食べる人って……」
「それはもういい…」
食後。明日太のゲーセンでの成績が散々だったのは、恐らくは平衡感覚が怪しくなる程飯を
たらふく食わされたせいであろう。
* * * * * * *
とまりにとって、運命の日曜日。
お店に行くまでの道のり。いつも通りのおしゃべりをしながら、のはずがどうにもとまりは
ぎこちない。
はずむは不思議に思いながらも、とまりに話し掛ける。
「ふぅ、何だか計測されるのって緊張するよ」
「あ、あぁ。あれは生まれついての女の身でも結構、落ち着かないものだからな、気にするな
気にするな…ははは」
引きつった笑いを浮かべながら、バシバシとはずむの背中を叩く。
その勢いにこけそうになりながら、はずむが言う。
「あのさぁ何でとまりちゃんまで緊張してるのさ」
「え、えぇ、そう見えるか?それはともかく、ほら店に着いたぞ。入ろう、入ろう」
お店に入ると店員がにこやかに挨拶する。
「いらっしゃいませ」
はずむは店員のところに早足で近づき、小声で言う。
「あの最近胸のサイズが変わったみたいで。測り直してもらえますか」
「はい。ではこちらへどうぞ」
さぁ、とまり、勇気を出せ、きっと大丈夫。
そんなことを心の中で呟きつつ、とまりは右手を上げながら、店員に言った。
「あ、あの、あたしもサイズを測ってくださいっ!」
* * * * * * *
翌日。
「――で、結果は」
朝、早速とまりはあゆきに教室の隅に連れてこられ、質問される。
「はずむは順調にD65に昇格してたよ。こんぐらっちゅれーしょんだ」
「その辺は私の推測どおりね、それよりも聞きたいのは、わかってるでしょ?とまりさん」
あゆきが腰をかがめ、下からとまりの顔を覗き込んで尋ねる。
「教えてあげたのは私なんだから」
そう言って、あゆきはにっこり笑って見せる。
とまりが渋々ながらも、小声で答える。
「…一応、1ランク上がった…トップ+1cmで、アンダーが−2cmで。でも、これってバストアッ
プじゃなくて痩せたって言うんじゃないのか?」
とまりの非難めいた口調をさらりとかわしあゆきは言う。
「そう…キャベツ効果はCランクか…ま、2週間だしね」
あゆきは手帳になにやら書き込んでいる。
「…もしかして、あたしは実験台か」
パタンと手帳を閉じるとにっこり笑ってあゆきが言う。
「この結果は部のミーティングの時に発表を…とまり、他の方法も試してみたくない?」
「みたくないっ!!」
* * * * * * *
とまりはあらためて自分の胸を見つめると、溜息をついた。
ふー、はずむがあたしとの距離を広げていく。
前を見ると、はずむと宇宙先生が一緒に歩いているのが見えた。
「――つまりは女性の胸と男性が抱く恋愛感情に相関はあるのだろう?」
「だからぁ、それは人それぞれで」
何の話をしてるんだ、あの二人は。とまりは怪訝そうな顔をしつつも、聞き耳を立てる。
「……順調に成長しているようだな。胸腺を刺激するマッサージがいいのだろうか。ジャン・プウ
にはどのようにされているのかね」
「それは研究調査というよりセクハラだと思うけど」
べたん。ショックのあまり、とまりは壁に寄りかかる。
バストアップの秘訣は揉まれる事!…それは流石に無理だ。
とまりは肩をがっくり落とし、教室へ向かう。
「よぉとまり!」
そこへ無駄に明るく話しかける男がいた、明日太だ。
「どうした、元気ねぇな」
「……」
重い空気に気付きもせずにとまりの肩に手を置きながら、さわやかな声で明日太が続ける。
「何かあったか。俺でよかったら、及ばずながら力になるぜ」
「――だ・れ・が、たのむかぁっ!」
ドッガァアアアン!! キラリ☆
明日太はお星様になった。
お わ り
261 :
2−11:2006/06/04(日) 10:59:53 ID:u4V7RRw+
以上です。
補足として。キャベツは1日1個、生で食べるのがよいとか。
次回はエロを投下するはずです。
激グゥゥッジョォォォブッ!!!!
素敵とまり!素敵すぎる!
ドラマCDに収録してくれー!
>>261 __ i⌒i o o
./ O Oヽ | ー┼- | ─┼ ┃ ー┼- | ─┼ ┃
〈 |―/ | ノノ __| ヽ .| __|_ | \ .┃ __| ヽ .| __|_ | \ .┃
ヽ. V ノ |__ノ ̄) つ レ |_ノ ) レ > ・ |__ノ ̄) つ レ |_ノ ) レ > ・
( ̄ ̄ ノノ
なんかとまり×はずむのエロありSS書きたくなってきた(ウズウズ)
すばらしい。
シリアス、お気楽、エロと何書かれてもツボですわ。
今日はとんかつ食うよ、俺
ども、荒巻です。
前回の投下からかなりの期間開いてしまいました。
パソコンの修復も無事進んでおり、なんとか元どうりになってきました。
どうやら原因はPCデポで買ったバルク品の増設メモリがだめだったようで、
抜き取って理科張りしたところすぐに安定しました。
バックアップの仕方などいろいろ教えていただきありがとうございました。
今は重要なファイルはパーテーションで分けた方に保存できるように設定して
付属のバックアップソフトなどでこまめにバックアップを取るようにしております。
さて、今回の第四章ですが、やはり今回も長くなってしまいました。
当初13話予想の話でしたが、自分の中ではもうその括りを超えて書いております。
一応は12話の「あのね」は取り込む予定ではいますが、まだしばらく続くと思います。
よければお付き合いいただければと思います。
それでは「やす菜の心が開くとき」第四章:決意、投下しま〜す。
タイトル「やす菜の心が開くとき」
第四章:決意(1/12)
1
帰りのタクシーの中で私は流れ行く景色を見つめながら摩利さんの言葉を思い出して
いた。
「自分が正しいと思う方向に行けばいいんじゃない?もっと自分に自身を持って・・・・・」
私はその言葉で半分決意が固まっていた。
でも、まだはずむ君に話すことが戸惑われる。
こんな大事なことを一人で決めていいものか、それは医者から話されたときからずっと
迷っていたこと・・・。
でも自分の症状を治すのに自分のことを自分で決められなかったら、はずむ君やみん
なに頼ってばかりでは、これからの将来に必ず影が見えてくるだろう。
私はそれを振り切るために・・・自分のこの病気を克服するためだけではなく、一人の
人間としての成長をしてみたい・・・・・。
いつの間にかそんな思いが心に秘めはじめた。
その時、タクシーが私の家の前で停車する。
「1540円です」
「はい」
「ありがとうございました」
左側のドアが自動で開くと、私は飛び降りて家のドアへ向かった。
玄関の明かりは灯されていて、両親が帰ってきてることはその明かりですぐにわかった。
「ただいま〜!!」
扉を開け、心持大きな声でリビングに向かって帰宅を告げる。
「ワン!」
フェルマータがリビングから勢いよく飛び出して私の元に駆け寄ってきた。
「ただいま〜フェルマータ、ごめんね〜遅くなって」
「クゥ〜ン、ワン!」
フェルマータは私の傍らに寄り添うと、お座りをして尻尾を千切れんばかりに振って
いる。
「おかえりなさい、遅かったわね〜」
「随分心配したんだぞ」
リビングから両親が出てきて私に言った。
「ごめんなさい、ちょっと友達に相談にのってもらってたの」
「そうか、ならいいんだが・・・今度から遅くなるなら連絡しなさい」
「うん、わかった」
「それから、この間のことで話がしたいんだが・・・」
「うん、わたしも話がしたいからちょっと着替えてくるね」
「ああ、リビングで待ってるよ」
私は脱いだ靴を下駄箱に入れ、すぐ脇の階段をトントンと急ぎ足で上ると
フェルマータがついて来た。
自分の部屋に入ると急いで制服を脱いでハンガーにかけ、洋箪笥から部屋着を取り
出し着替える。
「行こう、フェルマータ」
「ワン!」
身支度を整えてフェルマータに声をかけると、部屋を出て階段をおり、リビングの扉を
くぐる。
リビングのソファーには父が座って新聞を読んでいて、母はキッチンでお湯を沸かして
お茶の準備をしていた。
「お待たせ」
「ああ、来たか」
父はそう言うと、開いていた新聞を閉じてソファーの脇にある本立てに挟んだ。
私はソファーには座らずにカーペットに腰を下ろすと、フェルマータがとなりに寄り
添うように伏せて長い鼻を膝に乗せてきた。
「さてと、母さんちょっといいかな?」
「はいはい、ちょっと待ってね」
母はそういうと小さなお盆に急須と湯飲みを三つのせて、リビングに来るとテーブルに
置き、緑茶を湯飲みに注ぎ始めた。
第四章:決意(2/12)
「やす菜・・・この間の医者の話なんだがな・・・その・・・母さんから詳しいことは聞いた」
「うん」
「それで昨日母さんと二人で相談したんだが、まずやす菜がどうしたいのか聞こうと
思ってな、やす菜はこれからどうしたいと考えてるんだ?」
「うん・・・」
私は少し考えると、母が入れてくれた緑茶を一口すすって話し始めた。
「私ね、お医者様から話を聞いたとき、ものすごく迷ったの・・・だって新しい生活環境
に身を置くってことは今の生活から離れなければならない・・・お父さんやお母さんとも
離れたくないし、学校の友達とも離れたくない・・・今のままが良いってずっと考えてた」
「ああ」
「でも、今日友達の一人に相談して・・・いろいろ聞いて貰っているうちに、なんだか
このままじゃいけないって思えてきたの・・・わたしはこのままだと一生誰かに頼って
いかなければいけない・・・でもそれではいつか何かが起きたとき、またあの症状
の恐怖が蘇ってくる。」
「・・・・・」
「だからそれを克服するためにも、私、がんばりたい・・・」
「・・・・・そうか」
父はそういうと、湯飲みを持ち一口すすって更に話す。
「それで、具体的にどうしたいのか決めてるのか?」
「それなんだけど、この間みたいにおばあちゃんの田舎に行くっていうのもあるけど
それだと身内に頼ってばかりでいけないと思うの」
「そうだな・・・」
「だから、私考えたんだけど、例えばホームステイとかどうかな?」
「ホームステイ?」
「うん、海外でホームステイだったら向こうの人たちは誰も知らないわけだし、私も
日本で環境を変えるよりかは遥かにいいと思うの」
「でも、もし向こうで症状が出たりしたら・・・」
「それを試すためにホームステイするんですよ」
しばらく無言で聞いていた母が一言加える。
「そうだけれども・・・」
父は湯飲みを一口すすって考え込んでいる。
「いいかしら・・・」
母は右手を挙げて発言を打診する。
「私はやす菜の提案に賛成よ。だけどホームステイをするからには私たちの助けは簡単
には求められないのよ?」
「それはわかってる。私も一人で何ができるか試してみたい」
「そう、そこまで考えてるんだったら私は何も言わないわ。ねぇお父さん?」
母は悪戯っぽい笑顔で父に同意を求めた。
「・・・わかった、母さんにそこまで言われたんじゃ反対できないな」
「本当?いいの?」
「ああ」
「ありがとう!お父さん!」
「だけど・・・」
「?」
「ホームステイするには何か自分の糧になるものを得なければならない。語学もそうだが
それだけではただ海外旅行に行ってるのと同じだが・・・何かやりたいことはないか?」
「そうだと思ってね、私ずっと海外で勉強したいなと思っていたことがあるの」
「それは?」
「吹奏楽でフルート吹いてるでしょ?」
「ああ、そうだな」
「だからそのフルートを海外で少し勉強したいんだけど・・・」
「音楽か・・・いいかもしれないな、母さん?」
「そうね・・・それならちょうど私の中学の同級生がイタリアの交響楽団でピッコロの
演奏家を務めてるから、私から頼んでみようかしら?まったく知らない人達のところに
行くよりもその人だったら信用できるし・・・」
「そうだな・・・やす菜はそれでいいかな?」
「うん」
「よし!決まった。」
「ありがとう・・・お父さん、お母さん・・・」
第四章:決意(3/12)
こうして私は海外にホームステイすることが決まり、学校のカリキュラムを踏まえる
と3ヶ月がいいんじゃないかと話はまとまった。
母の話だと、その演奏家の人は高校を卒業してすぐにイタリアの音楽大学に入学して
20年以上その楽団で演奏してるらしい。
私は心に小さな不安を残しつつも、大海原に向かって船出するべくセイルを広げ
はじめた・・・・・。
2
あれから一週間が過ぎた土曜日。
午後の日差しは強く、未だ秋の気配は感じられない。
私はいつものようにはずむ君ととまりさん、摩利さんや曽呂君と一緒に下校していた。
とまりさんとはあの日以来以前にもまして親密になり、はずむ君と私たちの仲にも
積極的に入ってきてくれるようになった。
「ねぇ、これからみんなどうする?」
はずむ君がピョンとみんなの前に出て、後ろ歩きをしながら私達にいつもの人懐っこい
笑顔で尋ねてきた。
「はい!」
「はい、やす菜ちゃん」
「私、みんなと一緒に行きたい所があるんだけど、みんな付き合ってくれないかな?」
「やす菜の行きたいところか・・・どこなんだ?」
とまりさんが不思議そうな顔で私を覗き込む。
「ちょっと遠いの、渋谷なんだけど・・・・・」
「渋谷か・・・・・」
「あらいいじゃない、たまにはやす菜の行きたいところにみんなで行くっていうのも」
摩利さんが私の提案にのってくれる。
「渋谷かぁ〜・・・ギャルがいっぱい・・・」
曽呂君は鼻の下をのばした。
「明日太は連れてかない!」
「なんでだよ〜・・・とまり〜」
「ああ〜もう!一々泣くな!!気色悪い!!」
「曽呂君も是非一緒に来てほしいの、いいでしょ?」
「やす菜がそう言うんだったらしょうがないな〜」
「ありがと〜神泉ぃ〜・・・」
「よし!決まり!」
はずむ君がパチンと手を叩いて、私たちは渋谷に行くことに決まり駅の方向に向かっ
て歩を進める。
鹿縞本町駅に着くと私たちは券売機で切符を買い、改札を通りぬけ、エスカレーター
で上り線の駅のホームへと上っていく。
エスカレーターを上りきるとちょうど急行電車がホームへと滑り込んできた。
「ちょうど電車来たよ、急ごう」
私たちははずむ君に促されて駆け足ですぐ近くにあるドアの目印の辺りに真ん中を
空けて並んだ。
降りてくる人たちをやり過ごし、電車に乗り込もうとすると発車のベルが鳴り響く。
急いで乗り込むと扉はゆっくりと閉まり、電車はガクンガクンと動き出した。
車内は土曜日の午後とあって学生が多く、みなそれぞれ会話を楽しんでいた。
摩利さんがちょうど5人分の席を見つけてくれたので私たちはそこに座り、思い思い
会話が始まった。
ふと窓の外に視線を移すと、車窓は鹿縞川を渡る景色を写していた。
眼下には青々と茂る芝生や木々の緑が広がり、
土手を滑って遊んでる子供たちや
その傍らで幸せそうな語らいをしてる老夫婦、
土手の上の歩道では部活であろうか列を揃えて走る男子学生や
河原の広場では少年たちが野球の練習をしており、
みんなそれぞれ午後の余暇を楽しんでいた。
鹿縞川に架かる鉄橋を渡りきると、電車はガクンとスピードを上げた。
第四章:決意(4/12)
私がそのまま窓の外を見つめてると、はずむ君が私の様子にふと気づいた。
「やす菜ちゃん、何見てるの?」
「うん、ちょっとね」
「何か面白いもの見える?」
「ううん、そういうわけじゃないんだけど、こうして電車に乗ってみんなで出かけるの
久しぶりだな〜と思って」
「そう言えばそうだね、最後にみんなで出かけたのって確か・・・海に行ったとき
かな?」
「うん、そうだね。またこうしてみんなでどこか行けたらいいなぁ」
「いつでも行けるよ〜。これから秋の行楽シーズンだから今度は鹿縞山に紅葉でも見に
行きたいね」
「そうね・・・」
私ははずむ君のその言葉に笑顔で答えながらも少し寂しさをおぼえた。
そう・・・みんなで出かけられるのもこれがきっと最後・・・
昨日、母の友人から「いつでも来てください」と返事が来たのだ。
昨日の夜・・・・・
「コンコン」
「どうぞ」
「やす菜、ちょっといいかな?」
「なぁにお父さん?」
私が部屋のドアを開けるとそこには父が立っており、手にはB5程の紙を一枚持って
いた。
「さっき母さんの友人からメールが届いてな、先方はいつでも大歓迎だそうだ」
「本当?やった〜」
「それでな、一つ条件があるらしいんだ」
「条件?」
「ああ、やす菜は自分のフルートを持ってなかっただろ?」
「うん、いつも楽器は吹奏楽部から借りてるから」
「それでな、これなんだが・・・」
父はスラックスの右ポケットから、白い封筒と小さな紙を取り出し私に渡す。
その封筒は少し厚みを増しており、小さな紙は名刺だった。
名刺には「ヤマハミュージック東京 渋谷店 管弦楽器 吉川」と書かれている。
「お父さんこれって・・・」
「時間のあるときにそこに行って買ってきなさい、その人は父さんの古い友人でね、
オーケストラの専属のチューナーをやっていて今はそこの楽器店で販売と修理をやって
るんだ。」
「本当に?いいの?」
「ああ、その人ならきっとやす菜に合ったいいフルートを選んでくれるだろう」
「ありがとう〜おとうさん!」
私は満面の笑みで思わず抱きついた。
「これこれ、ハッハッハッハ!!」
「・・・・・・・す菜・・・・す菜ちゃ・・・・やす菜ちゃん?」
「え?何?」
ハッと我に返ると、はずむ君が不思議そうに私の顔を覗き込んでいた。
「どうしたの?ボーっとして」
「うん、大丈夫」
「ほんとに?」
「うん、ありがとはずむ君」
私ははずむ君に視線を戻し、笑顔で答えた。
「ピンポ〜ン、次は渋谷、渋谷です。お出口は左側です、東急東横線、JR線・・・・・・」
車内アナウンスが私たちの降りる駅を告げると、
「お!次か」
とまりさんのその一言を合図に私たちは降りる準備をして、扉の方へと向かった。
電車が止まり扉が開くと私たちは人混みに流されるように電車を降りて、すぐ傍の
階段を下り出口の改札へと向かう。
第四章:決意(5/12)
改札をくぐり外に出ると、ハチ公前広場に出た。
さすがに土曜日とあって人出は半端無い。
「うわ〜凄い人だな」
「鹿縞駅前でもこんなに人はいないわね」
「やす菜ちゃん大丈夫?」
はずむ君の心配げな瞳が私をみつめる。
「うん、大丈夫、ありがとう」
「で、神泉の行きたいところってどこなんだ?」
曽呂君は周りをキョロキョロと見渡すと、視線を私に向けた。
「うん、昨日調べたんだけど・・・」
そう言って私は制服のポケットから昨日の夜調べた簡単な地図と住所の書いたメモを取り出す。
「道玄坂か・・・わかるか?」
「う〜ん・・・昨日調べたんだけど、渋谷は初めてだからちょっと・・・」
「それじゃ、ちょっとそこの交番で聞いてくるよ」
「待って、私も行くわ」
摩利さんがそういうと曽呂君と二人で広場の端にある交番に道を聞きに行ってくれた。
「曽呂君て頼もしいね」
私が曽呂君の男らしいところに感心してると、
「そうか〜?あいついつもヘラヘラしてっからな〜、あゆきがああやってついていない
と何もできないんじゃないか?」
「案外、曽呂君と摩利さんてお似合いかも・・・」
「それって明日太があゆきの尻に敷かれてるとか?」
とまりさんがそういうとはずむ君がノってきた。
「もしさぁ、あの二人が結婚とかしてたら、明日太が専業主夫やっててあゆきちゃん
がバリバリのキャリアウーマンってイメージにならない?」
私ははずむ君が言った二人の姿を想像してみた、
パリッとしたスーツを着て颯爽と街中を携帯片手に歩く摩利さん・・・
これはイメージ通りになる。
エプロン姿に子供をおんぶしながら洗濯物を干してる曽呂君・・・
「プーッ!!クックックックック!!」
私は曽呂君の姿に思わず吹き出してしまった。
「どしたの?やす菜ちゃん?」
「クックックック!ご・・・ごめん・・・クックック・・・想像したら・・・可笑しくって・・・
アーッハッハッハッハ!!」
私がお腹を抱えて笑っていると、それを見ていた二人は曽呂君と摩利さんのその姿を想像
したらしく次第に笑いがこみ上げてきた。
「クックックック!アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!や〜だ〜やす菜ちゃん!」
「プー!ギャーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!面白すぎだぞそれ!!」
私たちが三人揃って笑い転げていると、ちょうど曽呂君と摩利さんが交番から戻ってきた。
「おまたせ〜・・・っておまえら何笑い転げてんだ?」
「あら、何か楽しいことでもあったのかしら?」
きょとんと私たちを見る二人を見て私たちは更に笑いが止まらない。
とまりさんは曽呂君の肩をバンバン叩いて笑い転げている。
「明日太!!お前面白い!!ギャーハッハッハッハッハッハ!!」
「いって〜な〜何がだよとまり〜」
「楽しそうね・・・」
摩利さんは笑顔で私たちを眺めている。
「ご・・・クックックックック・・・ごめんごめん・・・で曽呂君、場所わかった?」
私は必死になって笑いを抑えると曽呂君からメモを受け取った。
「ああ、そこのスクランブル交差点を渡って、しばらく歩くと二股に分かれる道があって
それを左に行くと左にあるみたいだぞ」
「あ・・・ありがとう」
ようやく笑いの収まった私はメモと曽呂君の説明を頼りにその場所へと向かう事にした。
はずむ君ととまりさんは傍らでまだ笑い転げていた。
「ほ〜ら〜、そろそろ行くよ〜?」
「う・・・クックック・・・うん、ごめんやす菜ちゃん・・・」
「ギャッハッハッハッハ・・・ごめん・・・ックックック」
私たちは笑いの収まらない二人を連れてハチ公前広場をあとにした。
第四章:決意(6/12)
スクランブル交差点の信号が青に変わるとドッと人々が歩き出す。
私たちは逸れないようになるべくくっついて渡り、しばらく歩くとテレビでよく見る
109の大きな建物が見えてきた。
そこは曽呂君の説明のとおり二股に別れており、私たちは左の緩やかな上り坂へと
歩を進める。
3
上り坂の両側には、映画館やゲームセンターに居酒屋や画廊など店構えは様々
な店舗が立ち並ぶ。
しばらく歩くと上り坂は左へとカーブし、
「どう?曽呂君」
私は先頭を歩く曽呂君に聞いてみた。
「ああ、ここを道なりに歩けば左に見えてくるはずなんだけど・・・ああ、あったあった
あそこだ」
曽呂君が指差した方向に、大きな楽器屋が見える。
「やす菜ちゃんの来たかった所って・・・楽器屋さん?」
「うん!」
「ほぇ〜しっかし大きな楽器屋だな〜」
ビルの正面に着くとショウウインドウがあり、その中にはドラムセットやギターなど
が並べられていた。
「綺麗だな〜」
はずむ君はショウウインドウに飾られた楽器に興味を惹かれたらしく、ガラスにへばり
ついて見入っている。
「うわ〜見てみてとまりちゃん!このギターすっごく高いよ〜」
そのうちの一つに目を奪われたはずむ君はとまりさんを手招きで呼び寄せると、値札を
指差して興奮してる。
「どれどれ・・・うわ!38万!?こんなにするのか?」
「ほら〜こっちの太鼓みたいなのも25万だって!」
「楽器って高いんだな〜」
二人ともガラスを舐め回すが如くへばり付いて楽器に見とれている。
「ほら、二人とも入るわよ」
摩利さんが入り口の扉を手前に引きながら二人に入店するよう促すと、二人ははしゃぎ
ながら店内へと入り、私たちもそれに続いて入店した。
中に入ると外の喧騒以上に騒がしく、ギターやキーボード、ドラムセット等が所狭しと
並べられて、店内は学生やそれ風の格好をした若いお客さんたちの他にも親子連れや
サラリーマン等の雑多な客層で、みな想い想いに楽器を試奏したり手に取ったりしていた。
私たちがその光景に圧倒されていると、傍らのカウンターにいた女性店員が声をかけて
きた。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
「あ、あのこの人を訪ねてきたんですが・・・」
私はポケットから名刺を出すと、女性店員に手渡した。
「吉川ですね、少々お待ちください」
女性店員はそういうと奥のカウンターに行き、内線電話をかけ始める。
「さすがに人がいっぱいね」
「そうね、学生も多いみたいだし」
私と摩利さんがそんな会話をしてると、
「ピャ〜!!」
「ひゃ!」
はずむ君のびっくりする声が聞こえた。
「はずむ・・・何やってんだよ・・・」
「ねえねえとまりちゃん、なんかこの鍵盤だけのやつおもしろいよ〜」
またはずむ君は飾られてる楽器に興味を惹かれたらしい。
「おいおい・・・あんまりいじると壊すぞ?」
「でも”ご自由にご試奏下さい”って書いてあるし・・・」
「あ、ほんとだ・・・」
はずむ君に手招きされたとまりさんは、一緒になってあちこちをいじりはじめた。
第四章:決意(7/12)
「あなたたち、触るのはいいけど値段見たほうがいいわよ?」
「え?」
摩利さんが値札を指差す。
「イチ、ジュウ、ヒャク・・・ええ!?230万!?」
とまりさんは額を見てびっくり仰天したらしい。
「あわわわわわ・・・・」
二人はゆっくりと後ずさりしながらこちらに戻ってきた。
なんだかその様子が面白くて、ちょっと笑ってしまう。
そんなことをしてるうちにさっきの店員が戻ってきた。
「お待たせしました、吉川は今接客中ですのであちらのエスカレーターで二階に上がって
正面奥の管弦楽器コーナーでお待ちください」
「わかりました、ありがとうございます」
お礼を言うと私たちはエスカレーターのある方向へと歩を進めた。
エスカレーターのステップに乗り二階へと上っていくと、煌びやかな光景が目の前に
広がった。
「うっわ〜〜っ!!」
一階とは違い、そこには私たちの背丈を超える高さのショーケースが整然と並べられて、
その中には綺麗に磨かれて手入れの行き届いた黄金色や銀色の楽器がズラリと飾られて
いた。
「綺麗だね〜!!」
「ほんとね」
「なんだかすごいなぁ〜」
「うわ!とまりちゃんこれみて〜!すごい高いよ〜」
並べられたショーケースの端に飾られた中古のサックスに、はずむ君は興奮して指を
刺しながらとまりさんに手招きする。
「どれが?」
「この紫色のサックス、白い貝みたいなのが張り付いてるやつ」
「どれどれ・・・うわ!こんなぼろいので320万!?たっかいなぁ〜!」
二人はまたショーケースに張り付かんばかりに見入っている。
「それは、有名なプレイヤーが20年近く愛用しておりましたアルトサックスなんですよ。
「へぇ〜・・・え?」
はずむ君が振り返ると、そこには初老の男性が笑顔で立っていた。
「あ、あの・・・どなた?」
「申し遅れました、わたくし吉川と申します」
「あ、よろしく・・・」
初老の男性が会釈しながら名刺を差し出すと、はずむ君ととまりさんはそれを受け取り
会釈をしている。
「あの、神泉です。父がいつもお世話になってます」
「あなたが神泉やす菜さんですか、こちらこそいつもお世話になっております」
そういうと笑顔で会釈をしてくれた。
「あ、こちらは私の友達で大沸はずむさん、来栖とまりさん、摩利あゆきさん、
曽呂明日太君です」
私がみんなを紹介をすると吉川さんが一人づつ名刺を渡しながら会釈をして挨拶を
交わす。
「みなさん今日はよくいらっしゃいました、ゆっくり楽しんでいって下さいね」
「あの・・・フルートはどこにありますか?」
「お父様からお話は伺っております。こちらへどうぞ」
吉川さんは私たちを連れて、フロアーの奥へと歩き出した。
はずむ君ととまりさんはまだ楽器に興味が惹かれるらしく、並べられてる楽器を見る
度に感嘆の声を上げている。
やがて大きな扉の前に着くと、吉川さんはその扉の取っ手を上に引き上げた。
「ガコン」と音を立ててロックがはずれ、手前に引くと奥にもう一つの扉が見える。
扉は結構な厚さで10cm位はあるだろうか、そして奥の扉を吉川さんが押して
開けると、奥は真っ暗だ。
吉川さんはその真っ暗な空間に臆することなく入って行き、少し見えなくなると
「フッ」と淡い明かりが灯った。
「どうぞお入りください」
私たちは吉川さんに促されゾロゾロと中に入っていく。
第四章:決意(8/12)
中は20畳程のフローリングの床で、周りを見渡すと、隅には小さなグランドピアノが
一台にスタンドに立てられたスピーカーが二つとCDやMDのプレイヤーに小さなツマミ
がたくさんついたラック、中央にはダイニングテーブルと椅子が配置されていた。
「こちらにお座りになってお待ちください」
テーブルにしまってあった椅子を引き出しながらそういうと、吉川さんはさっきの扉
から出て行った。
私たちは想い々々の場所に座り吉川さんが戻ってくるのを待つ。
「ここって何の部屋かな〜?」
はずむ君がキョロキョロト見回しながら私に尋ねてきた。
「あ、ここは多分試奏室だと思う」
「試奏室?」
「うん、天井と壁と床に防音設備が施されてて、中で大きな音を立てても外には聞こえ
ないようになってるの」
「じゃあ、学校の音楽室みたいなもんか?」
とまりさんもはずむ君と同じくキョロキョロと見回しながら尋ねてきた。
「うん、でも学校のより防音設備はしっかりしてるみたいね。」
「ふ〜ん」
はずむ君ととまりさんは感心しながらもまだ部屋をきょろきょろと見渡している。
そこへ吉川さんがフルートケースを三つ抱えて戻ってきた。
「お待たせしました」
テーブルの上にケースを丁寧に置くと、出入り口の外側と内側の分厚い扉を閉めて
ロックし、ダイニングテーブルに戻ってくると黒いフェルト製の敷物をテーブルの上に
広げて先程のケースを手際よく開けていく。
「うわ〜」
「きれいだなぁ〜」
中には新品のまだ一度も使われてないフルートが綺麗に収められており、吉川さんは
優しい手つきで手際よく組み立てていくと、敷物の上に並べあっという間に3本のフルート
が完成した。
「わたくしのほうでやす菜さんに合うフルートを勝手ながら選ばせていただきました。
どうぞご自由に手にとってご試奏ください。」
「いいんですか?」
「はい、どうぞ」
そう言われて私は、並べられたフルートをじっくりと選ぶ。
一つは銀色で管体に彫刻が彫られて綺麗な模様になっており、全体的に品格のある
装飾に仕上がっている。
もう一つは同じく銀色で、装飾は何も施されていないが、透き通った輝きを放っていた。
もう一つは金色で、こちらも装飾は施されていないものの金独特の深みのある輝きが
秘められていた。
「あの・・・値段は・・・」
「先日お父様から連絡がありまして、ご予算は伺っておりますからお気になさらずに
どうぞ。」
「あ、ありがとうございます」
吉川さんは笑顔で答えくれ、私は内心ホッとした。
「やす菜ちゃん、これ買うの?」
「うん、一本だけどね」
「へぇ〜、どうして?」
「お父さんにフルートをもっと勉強したいって言ったら買ってくれるって」
「へ〜」
「どれからにするんだ?」
「う〜ん・・・」
私は少し迷うと一番右に置かれた銀色に装飾の施されたフルートを手に取る。
重さはいつも吹奏楽部で使っている物とさほど変わらない。
リッププレートに唇をあてて歌口にいつものように息を吹き込みスケールを吹いて
みると吹きやすく、柔らかい音色が室内に響き渡る。
「やっぱり上手いな〜」
「そりゃ〜吹奏楽部で吹いてるんだもん」
「毎日練習してるからね」
私はそう言うと歌口をハンカチで拭い、敷物の上に置いてもう一つの装飾の施されて
ない銀色のフルートを手に取る。
第四章:決意(9/12)
今度はズシリと質感が合って少々重い。
先程と同じように息を吹き込むと、簡単には音が出なかった。
「それは先程のフルートと少々勝手が違うと思いますので、歌口に吹き込む息の大きさ
や角度を調整してください」
吉川さんに言われて私は角度をきつくしたり緩くしたり、吹き込む息を強くしたり
弱くしたり調整するとある部分で鳴りはじめた。
私はそのままスケールを下から上へ、上から下へと往復し唇をなじませるとやがて
先程よりも柔らかく、それでいてはっきりした音色が部屋に響き始める。
「音が違う・・・」
はずむ君がつぶやいた。
「え?音違ったか?」
とまりさんが不思議そうな顔をしている。
「うん」
「どう違ったんだ?全然わかんね」
「明日太は鈍いからよ」
「あゆき〜そんな事いうなよ〜・・・」
「はずむ君、どんな風に聞こえたの?」
わたしがはずむ君を覗き込むとはずむ君は一考して、
「なんだろうな〜・・・なんか、こう・・・全体的には柔らかい音してるんだけど・・・
一つ一つの音がさっきより大きくて鮮明に聞こえるって言うか・・・」
はずむ君が答えに困っていると、吉川さんが補足説明を加えてくれた。
「このフルートは管全体が銀で出来ておりまして、先程のフルートは材質が合金で出来
ており、銀メッキされております。
銀自体は合金のものよりも材質の密度が高く、管の中で響いた音があまり楽器に吸収
されずに外へと流れていくので合金の物より音色が大きく聞こえてまいります。
比べて合金は、管の中で響いた音が楽器に吸収されやすく遠くには音が伸びません。」
「へぇ〜、それじゃ銀の方が良いってことになるの?」
「それは演奏者の力量にも寄ります。神泉さんの場合は鍍金のフルートも銀のフルート
も抵抗なく吹いてらっしゃるので相当な技術の持ち主とお見受けできますね。」
吉川さんのその言葉に私はちょっと照れる。
「やっぱりやす菜ちゃんて凄いんだ」
はずむ君が尊敬の眼差しで私を見ている。
「そ・・・そんなことないよ・・・」
私は恥ずかしさを隠すように歌口をハンカチで拭い、銀のフルートを敷物の上に置いて、
残った金のフルートを手にとって構えた。
先程と同じで多少音が出るのに時間がかかったが、しばらく吹き込むとまた違った
音色が響き始める。
「また音が違う・・・」
「はずむ、お前どんな耳してんだよ・・・」
「だってほら、さっきより音色が硬くなったっていうか・・・」
「そうですね、こちらは金メッキで出来ておりますから銀製のものと比べると管の響き
が少し違ってきます。どうやら大沸さんは繊細な音の違いが聞き分けられる耳をお持ち
のようですね。」
「えへへ、なんか照れるなぁ〜・・・」
はずむ君はいつものように困ったような、それでいて可愛らしい笑顔を覗かせる。
確かに、音の違いは微妙ではあるけどそれを一瞬にして聞き分けられるはずむ君は
繊細な感性の持ち主なのかもしれない。
私はガーデニング部ではずむ君が花の気持ちについて話してた事を少し思い出した。
「それで、やす菜はどれにするのか決めたのかしら?」
私がリッププレートを拭っていると、摩利さんが三本のフルートを見比べながら私に
尋ねる。
「あ・・・ちょっと待ってね・・・」
私は自分の鞄から昨日用意しておいた譜面を取り出し、吉川さんにそれを見せながら
ピアノ伴奏をお願いすると、吉川さんは快諾してくれて早速ピアノの準備を始めてくれた。
「やす菜ちゃん?何してるの?」
「うん・・・ちょっと待ってね・・・」
私は隅にあった譜面台をピアノの近くに持ってくると、高さを調節してそこに自分の
譜面を置いた。
第四章:決意(10/12)
「ええ〜と、これからこの三本のフルートを使って曲を吹くから、一番良いと思う
フルートをみんなで選んでほしいんだけど・・・いいかな?」
「え?僕たちが?」
「おれ、音楽のことなんにもわかんないけどいいのか?」
「うん・・・このフルート選びはどうしてもみんなに決めてほしいの・・・お願い・・・」
私はみんなに向かって手を合わせる。
「あら、いいじゃない?私は賛成よ?やす菜の演奏ちゃんと聴いてみたいし」
「やす菜のフルートが聴けるのか・・・いいね〜私もさんせ〜」
「それじゃ〜ミニ演奏会だね」
「みんなありがとう」
そう言って私はピアノの方を見ると、吉川さんが準備OKのサインをしてくれた。
そして最初に吹いたフルートを手に取ると、吉川さんはポ〜ンとAの音(ラ)を鳴らし、
私はその音に合わせてフルートをチューニングする。
「それじゃ、よろしくお願いします・・・」
ぺこりと一礼するとパチパチと拍手が響き、一呼吸おいてピアノのイントロが流れ、
ゆっくりとしたピアノの旋律に、私は少し緊張しながらもその旋律に自分の音を乗せた。
これから始まる私の人生に、みんなが選んでくれたフルートが共にあれば・・・みんなが
そばについていてくれるから・・きっと乗り越えられる・・・
私は強く心に秘めながらも、五線譜になぞられた音符に自分の気持ちを最大限込めて
演奏した。
一曲吹くたびに私は大きな賞賛を貰い、こうしてミニ演奏会は幕を閉じた。
「やっぱりやす菜ちゃんうまいよね〜」
「うますぎ・・・おれ・・感動しちまったよ・・」
曽呂君は目に大粒の涙をためてくれた。
「泣くなよ〜」
そういうとまりさんも目が赤く、頬にはうっすらと涙の後が見受けられる。
「さて、それじゃあどれにしましょうか?」
摩利さんの言葉でみんなあーでもないこーでもないと議論が始まる。
中々決まらないなか、ピアノを片付け終え、渡した譜面を私に返すと吉川さんが
テーブルのところに来て会議に参加する。
「あの、こういうのはいかがでしょう、みなさんには目を瞑っていただいて自分が
聞いてて一番いいと思うフルートに挙手をするというのは?」
「そうね・・・そうしましょうか?」
「ええ〜・・・僕どれにしたらいいかわかんないよ〜・・・」
はずむ君は困った顔をして、まだ決めかねているらしい。
「大沸さんが先程の三本の演奏されたフルートの音を聞いて、どれが一番心に響いた
のかを選べばいいのです」
「ええ〜!?どれもとっても綺麗な音だったし・・・う〜ん・・・」
「はずむ君・・・はずむ君はさっきの演奏を聴いて、どれが一番上手く出来たと思う?
それを選んでくれればいいの・・・」
私ははずむ君の瞳を見つめて優しく諭すと、はずむ君はしばらく考えて、
「よし!決めた!!」と手をパチンと叩いた。
「それではみなさんよろしいですか?では目を瞑ってください」
吉川さんの言葉に、みんな一斉に目を瞑った。
「それでは決をとります・・・まず、一番最初に使われたフルートが良いと思われた方
挙手をお願いします。
・・・・・・・・・・誰も手が挙がらない。
「はい、結構です。続いて二番目に使われたフルートが良いと思われた方、挙手を
お願いします。」
・・・・・・・・・・摩利さん、とまりさん、曽呂くんと徒然に腕をあげ、最後に
はずむ君が勢いよく腕を挙げる。
「はい、結構です。続いて最後に使われたフルートが良いと思われた方、挙手を
お願いします。」
・・・・・・・・・・やはり誰も手が挙がらなかった。
私はその結果に驚きと感動を覚えた。
全員一致で同じフルート選んでくれたからだ。
第四章:決意(11/12)
「はい、結構です。では目を開けてください、神泉さん、今の結果でよろしいですか?」
「・・・はい!もちろんです!!」
「どうなったの?」
はずむ君が身を乗り出して結果を知りたがった。
「あのね、全員一致でこの銀のフルートに決まりました!!」
「ええ〜!?ほんとに?」
「みんな考えることは同じなのね」
「やっぱり2番目だったか〜、俺の耳もまんざらでもないな」
「よかったな!やす菜!」
「みんな・・・・・ありがとう・・・」
私の心の底から込み上げてくるものが、私の目頭を少し濡らしているのを感じた。
「それではお包みいたしますのでみなさんレジカウンターでお待ちいただけますか?」
「はい、よろしくお願いします。」
私たちは試奏室を出て、フロアーの反対側にあるレジカウンターに向かった。
会計を終えてしばらく待っていると、吉川さんが紙袋を持ってやってきた。
「お待たせしました。こちらの紙袋の中に入れておきましたので。」
私は紙袋を受け取り、口を広げ中を覗き込むと、さっきのフルートケースの他に
ワインレッドとビリジアンのクロスが二枚とポリッシュ、それとビニールに包装された
皮製のケースバッグが入っていた。
「あの・・・これは?」
「そちらのクロスとポリッシュはお店からのサービスです、それからケースバッグは
私からのプレゼントです、名前を入れておきましたので是非お使いください」
ビニール包装されたケースバッグの表には「Yasuna Kamiizumi」と筆記体で
刺繍されていた。
「長く使っていただけるように皮製にしておきました、これに入れておけば持ち運びも
便利ですし、ケースに傷がつきませんから」
「あ・・・ありがとうございます」
「いえ、いいんですよ。大事に使ってください」
「はい」
「へぇ〜名前が入ってるんだ〜、よかったねやす菜ちゃん」
「うん」
「今日はみなさん御来店ありがとうございました、また近くに来たときは是非お立ち
寄りください」
「ありがとうございました〜」
私たちは吉川さんにお礼を言うと、一階へと降りる階段へと向かった。
第四章:決意(12/12)
4
鹿縞本町へと向かう電車はカタンコトンと線路の継ぎ目を心地よく鳴らしながら、
ゆっくりと西へ向かっている。
私は車窓に映し出された夕暮れの景色を眺めながら今日のことを思い出していた。
久しぶりにみんなで出かけた思い出を少しづつ心に刻みながら、電車の揺れに身を
まかせる。
私の左隣では、はずむ君が私の肩にもたれかかりながら小さな寝息を立てていて、
その隣ではとまりさんがはずむ君にもたれかかっていた。
曽呂君は席の端の手擦りにもたれて眠っている。
今日はみんな相当疲れたらしい・・・
「やす菜・・・よかったわね・・・」
摩利さんは視線を対面の車窓に向けたまま私にささやくように語りかけた。
「うん・・・こうしてもうみんなと出かけることも出来なくなるから・・・今日はみんなが
来てくれて嬉しかった・・・」
「そう・・・」
摩利さんがそう言うと、二人の間に長い沈黙が訪れた・・・。
やがて鹿縞川にかかる鉄橋に差し掛かり、電車はゆっくりとスピードを落として進む。
オレンジの太陽が車内いっぱいにその色で染め上げると、私は込み上げる気持ちを
言葉にした。
「私は・・・もう昔には戻りたくない・・・一人ぼっちだったあの頃にさよならするために・・・
これから始まる私の人生に・・・後悔はしたくないの・・・はずむ君の為にも・・・
私の為にも・・・だから、このフルートがあれば・・・みんなが選んでくれた証があれば・・・
どんな苦労も乗り越えていけると思う・・・・・」
「・・・・・もう決めたの?」
「うん・・・船出の準備はもう整ってきてる・・・あとは・・・セイルが風を捕まえれば・・・」
摩利さんが私の頭を左手でそっと寄せると、私は摩利さんの肩にもたれた。
その肩越しにそっと瞼を閉じると、悲しみにも励ましにも感じる想いが私の頭に
じんわりと伝わってくる。
「いよいよなのね・・・」
摩利さんは多分、涙を流してくれていた・・・
私はそっと瞼を開ける・・・
二人の瞳には、大きな夕暮れの太陽が、映し出されていた・・・・・
・・・・・・・・・・第5章に続く・・・・・・・・・・
279 :
荒巻とぬこ ◆TONUKO/TvY :2006/06/04(日) 20:14:38 ID:JACHhL4L
今日はここまでです。
また続きが書きあがりましたら投下したいと思います。
乙!!!!!!!!!!!!!!!!
専業主夫明日太にワロタ
明日太とあゆきって似たもの同士だよね〜
>>261 とまりさんのコミカルな描写が素晴らしい。
田村ボイスの雄叫び(マテ が聞こえてくるようだw
そしてお約束通りお星様になる明日太カワイソスw 空気読めなかっただけなのにw
>>279 大作乙&GJ!! 続き待ってました。
描写の細かさ、丁寧さはもはやお馴染みですが、今回の楽器まわりはまたすごいな。
もしかしてそっち方面のお仕事or趣味をお持ちなのかな?
少なくとも全然詳しくない自分には、すげー本物ぽく聞こえたw
「みちしるべ」の歌詞のように、「もう少し強くなる」ために決意を固めたやす菜。 続きも楽しみにしてます。
そしてこっちでも明日太カワイソスw でも似合い過ぎww
>>261 GJ!!
こういうほのぼの系もいいですね
そして、深夜なのにとんかつが食べたくなってしまったw
>>279 こちらもGJ!
ついに自分で自分の道を選び、歩き出したやす菜。
今後の展開が気になるところです。
続きを首を長くしてお待ちしております
\__ / _/_ ゝ
/ / / ) -ー―ヽ
/ /⌒l / / )
(____ / \ / / _ノ
職人さん乙です!
黒はずむや黒やす菜は何と無く想像できるけど、黒とまりはイメージ湧かないな
黒=攻撃性+淫靡さ…だろか?
淫靡なとまりというのが無理目な気がする
>黒とまり
どうせ自分のものにならないのなら。
明日太を使い、やす菜の目の前ではずむを襲わせる。心の砕けるはずむとやす菜。
・・・ぐらいしか浮かばなかった。
>>279 乙!
みんなの気持ちも受け取って、いよいよ旅路へ?いや、もう一山あるのかな?
>>287 とまりはともかくとして、はずむに話してないからそこで一山ありそうな予感・・・
黒とまり=ドラッグやってるイメージかな
290 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 12:16:47 ID:2w643pN7
(・∀・)アヒャって感じ?何か違う
黒とまり=コンビニ前にウ○コ座りで「何見てんだよ」と周囲にガンを飛ばしつつ
クレープ食ってる
292 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 12:56:03 ID:1Uw8MBQl
お昼はとんかつ食べました。
キャベツ2回おかわりゲフー
黒とまり=式神の城Uの1面のボス。
他のキャラで倒すと結構優しいこと言いながら死んでいくのに、
ホリエもんのキャラのみ、ボロクソ言って死んでいく。
黒とまり=『脅迫』の弓子でお願いします
黒とまりたん(;´Д`)ハアハア
管理人さん忙しいんですかねえ
悪いとは思いながらはずむを虐め(輪姦し)て結局最後は助けてくれる黒とまり
輪姦の手引きをして、不良達にやす菜を襲わせる黒とまりたん
>>298 どっちかと言うと、ヤスナンのイメージ。
本当にやるという意味ではなく、はずむと知り合う前の周りから誤解を受けていた、
ヤスナンに合いそう。
でも、アニメの最初の方のとまりを出しぬくのに一生懸命だったヤスナンにも。
つうか、とまりちゃんって、陥れられるシチュエーション、似合いそう。
私が寝取られ好きってのとは無関係に(ですよね)。
ho
ずいぶんと寂しくなってしまった
一日一保守を目指しましょう
ところでこのスレが潰れたらどうする?
また立てる?
>>303 少なくとも続き待ちの作品がある間は維持したいなぁ。
続き読みたいしね。
305 :
2-11:2006/06/14(水) 12:11:05 ID:z7RxItUY
>>259 での
『キャベツ』の”D65”は”D70”の間違いでした。管理人様、できましたら保管の際、訂正お願い致します。
細かい話ですがこのままだとはずむの方こそアンダー下がってバストアップしたんじゃん、という事になってしまうんで。
それと遅れましたが、キャベツのコメント書いてくれた皆様ありがとうございます。
やす菜はダーティーだよ
ダーティハニー
笑顔で近づいて毒針指すタイプ
アニメスレや漫画スレでの、リアル中坊らの思考には呆れはててコメントも出来ないよ。
あかほりの言葉を神託のようにとらえて語っておられる方々が多くてドン引きorz
あかほりが数年後に「かしましは失敗作。自分自身のこだわりで作品持っていたポテンシャル、可能性をつぶしてしまった。まだ若かったんですよハハハハ」などと回顧してそうだよ
306は、ハニーといっている以上アンチではないのでは。
職人さんの手が止まっている以上創作能力のない人間の雑談でもスレの維持位には
役立つのではないのでしょうか。
あと、今のアニメスレのあの雰囲気、怖くてとても入りこめないです。
>307,308もアンチではなかろうに。
排他的な空気を醸すより、雑談に繋げるセンスを磨こうぜ
TSというジャンルの魁という評価だな
このジャンルはまだまだ開拓されていないから難しい
315 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/16(金) 17:16:06 ID:WlLQrU5W
313/315
310で、雑談を肯定した本人だけど、それは流石にここでやるべきではないと
思います。他のキャラのファンも多いんだし。
はずむのキャラスレが完全にそればっかになっているから、そちらでどうぞ。
318 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 18:09:25 ID:S+qVB5Q1
保守あげ
雪○の雑文って面白いよな。センスを感じる
明日太スキーなんだよな、雪○姐
321 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 16:01:03 ID:K4xfjCqq
ほしゅ
保守の意味、分かってないみたいだな
323 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 10:05:44 ID:kJNqTsKr
ためしにあげ
はずむ「ボクでエッチな妄想禁止!」
>>315 アニキャラ板のはずむキュンスレ見てみ
キーワードめちゃくちゃ多いよ
13話発売まで保守したら、また職人が現れるかもしれない
>>325 うむ。それまで維持しないと。 …って10月か?遠いなぁ
ヘタレ職人の俺がきましたよ
うむがむばれ超がむばれ、ところで過去ログってあるのん?
>>328 1はもってないけど2スレ目ならもってる
ちなみにはずむ×とまりを書いてたけど挫折した
まとめみたいなのは無いのね、
作品の方まったりと待っています。ありがとう。
重ね重ねありがとう orz
いつの間に保管庫が出来てたんだ
ほしゅ。
336 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 21:07:49 ID:GX/j7wuu
ほしゅ
337 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 10:27:08 ID:AZmclxAo
さらに保守
4巻買ってきた
339 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 09:34:39 ID:vgG1C3tl
340 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 00:54:01 ID:i0QI58rB
maji?ちょうだい
はずむキュンはオナニーするとき、女の子をオカズにするんだろうか?
それとも男の子をオカズにするんだろうか?
大切な人をオカズにするなんて、その人を穢しているみたいでヤダ。
オカズにするのなら穢しても心が痛まない相手を使います、明日太とか。
でもそんなふうに友達を利用していただけのはずなのに、
最近のボクってヘンなんだ。明日太の目を見れなくなってる。
この気持ちって何だろう…
343 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 16:54:13 ID:P6JnTS3V
なんで腐女子ははずむを男とくっつけたがるの?
はずむは「女の子になっても僕は彼女が好きです」だよ!!!
くっつけたがるの? で止めとけ。
俺は明日太の取り乱し具合が見ていて好きだからくっついて欲しくない。
女がこんな作品見るわけないだろ。
ここはレベルの高すぎて正直投下するのを躊躇ってしまう
とヘタレがぼやいてみるテスト
偉そうな事言っておきながらまだ書き終わってないけどさ
ちなみに
>>328と同一人物です。
それに新参者ってわけでもありません。住人が増えたとか期待しないで下さい
とりあえずかなり昔から停滞しているけどはずむ×やすなを執筆中。
全然ペンが進まない
その次回作として
はずむ×とまりを考慮中
とまり、はずむどちらが責めにしたらいいのかわからん
そもそもいつ書き始めるのかも不明。
そして今はガーゴイルのエロパロ書くのに必死です。ごめんなさい
書き終わったらこっちに戻ってきます
それもいつ終わるかわかりませんが・・・・・・・
完結してないSS達の続きを頼むよ、ブラザー('Д`)
私は男だが、かしましに関しては明日(タ)×はずむだな。
と言うことで、職人の皆様続き願います。
ゲームだと完全無欠でオニャノコだわ。
TS設定などカケラも感じんぞ
もともとはずむキュンは心が女の子だから
そうでなければあの順応っぷりはありえん!
女の子になって、女の子たちと仲良くなるというのがコンセプトだし
実は元々生まれたときは本当に女の子だったのだが、
幼児の頃に別の宇宙人の起こした事故で男の子になり、
戸籍と周りの人の記憶を改竄されて男の子として育った。
かしましの冒頭の性転換は女の子に戻しただけ。
遺伝子では完全に男なんだけど
外性器を持たないために戸籍上女性と扱われてる人もいるわけで。
>>353 きっと漢っぽい人に育つんだろうな
宇宙船にぶつかって男に性転換すると幸せになれるかも
身体つきは女性そのものなんだけど、
生理来ないし女の事が好きになるようだね。
はずむは♀脳みたい。
だからもはやとまりややす菜と恋愛に進めないんだろうな。
二人もはずむを女でいいと、言ってしまったしな
女脳と恋愛感情は別と思うが、まあいいか。
はずむが優柔不断なのは、本能的に女脳がレズを避けている感じがしないでもない。
ま、こういう話題は危険だから追求しない
359 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:40:51 ID:dmh4jzH8
>>350 男というジェンダーに適合できないからって
セックスまで女じゃ無いよ。
はずむは「女の子になっても僕は彼女が好きです」でいいの!
あの絶妙な距離感のプラトニックラブが好き。
じゃ、エロパロに何を求めて?
361 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 00:40:56 ID:GNONhR05
いい質問だ
362 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 00:49:23 ID:yt1aAINI
>>360 プラトニックラブにもエロスはある。
思春期を思い出してみなさいな。
そんなのを求めてんのか…
オナニーネタSSか、悪くはないがな
おねにー
おなにーを今素でこう打った。(汗
誰かここのSS元に漫画描いてくれねーかな。
オリジナルでも超OKだけど。
おなにーは、おねいにいと発音するのが正しい
おねいにいさま
368 :
灰色 猫:2006/07/11(火) 20:13:41 ID:NpBZ60fS
BBS規制解けたー!!
369 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:42:07 ID:zWBYKDWf
ジャンプウ「おっオネニーサマのチンポミルク」
370 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 11:50:07 ID:lQrjdH7O
たま
今SSを投下したら、何人が読んでくれるのだろうか
スレ見てる人は結構いるよ
君と俺しかいない気がするよ
そんなこともない。
実はずっと待ってる。
俺は続きが読みたいよ。あきらめきれない
377 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 16:33:47 ID:AOPp0d73
あげてみる
378 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 18:41:11 ID:6glDK+VL
↑踏むな
待ってる。神の降臨を!
378は安全だよ
本スレでも有名な人工知能
2回貼ってどうする。
だいたい、いつからはずむスレが本スレになったんだ。
(アニメスレじゃ全然話題になってないって。)
・・・・・・・・・・・・・だめだ!、書けねぇ!・・・・・どうしよう・・・・・
まあ漫画もアニメも展開的に作り難いのが現状だしな
突然はずむにチンコが生えてきて(つか栗がチンコ化して)、明日太にズブ!
人工知能はずむきゅんに顔射してきますた
アニメスレや漫画スレを覗くたびに、執筆意欲を削られていくんですが…
ありゃ自分の恋愛論や男女論なんかを「かしまし」と重ね合わせてあーだこーだいってるだけだから・・・
(あとかなり痛い自治厨がいる)。
気にいないで君なりの「かしまし」を完成させてくれ
はずむ「おしっこしよ〜っと!」
ジョロジョロ…
明日太&パパ「(;´Д`)ハァハァ」
「ね……」
はずむの声に明日太は顔を上げた。
見下ろす彼女は、一瞬間を取ってからねっとりと言った。
「なめて……」
「い、いいの?」
「濡らしてくれるんでしょう?」
「うん……」
「ボクが開いておくから……ね?」
明日太は意を決した。息を止めて、鼻先を脚の間深くにもぐり込ませる。
ふわりと漂ってくる正体不明の甘い香りを嗅ぎながら、明日太は感謝していた。
我が身の幸運をである。
始めて眼にしたそこが、はずむのような、しかも同級生の女の子のものだと言うのは、
きっととてつもなく幸運な事なのだろう。
え?何Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)オシマイ
393 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 06:02:55 ID:Qwaydjsj
舐める前に終わりカヨ!
ここのみなさんはいい人ばかりですね
本スレのやつら態度悪すぎ
なんでもかんでもすぐに厨房扱い
最萌厨がウザイと言われていたのでやつらをキャラスレに誘導してやったら自治厨呼ばわり
他にも少しでもとまりを擁護したりとまり厨扱い
しょっちゅうID抽出してばっかり
あのスレおかしいんじゃないの?
愚痴スマソ
2ちゃんねるとはそういう場所だ。
向こうにもここにも来てる人間も少なくないと思うけど。
例えば私。 でも、みんな純真だよ。荒れる・荒れないで本気になってるんだから。
荒らすなと
叫ぶ言葉で
スレが荒れ
ゴメン、どっかで発表したかったけど、向こうで書くと大事になりそうなので。
398 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 20:31:32 ID:Qwaydjsj
今やかしましはTSの教本だからな
削除推奨
401 :
397:2006/07/21(金) 23:19:46 ID:al64k0fr
スマンね。私も少しあおってしまった。なんなら一緒に消してくれ。
わざわざ自分じゃ消さないけれど。
はずむスレの過去ログを懐かしさ半分で見てみた。
>>391見たいなのが結構転がってた。
はずむきゅん初めての生理とか黒やす菜とか妄想してたよなぁ〜(遠い目)
あの頃はよかった、みんな変態だった
>>394 アニメ板にしろ漫画板にしろ、誰もが自己主張はするけど、
会話が成り立っているようで本質的なコミュニケーションが成り立ってない
独特のオタオタしい空気が漂ってるからね。(オナニーレスをつけるだけで
他人のマスカキを手伝う外交儀礼の無いやつばっか)
馴れ合い・萌え合いがしたいんだったら大生板にスレ建てるのがいいかも。
大学生ってのはある意味特権階級の精神的貴族だからノリのよさとぶっ飛び方が違う。
放送終了したり、駄作に終わったりすると驚くほどの速さで過疎る諸刃の剣だけど。
はずむ「あはあっ……いい……いいよぅ……」
子供のように叫んで、はずむはのけ反った
はずむ「きもちいいっ……ボク、セックス大好きっ」
明日太も異論はなかった
明日太「俺…もういくっ……」
はずむ「いいよ……いって……ひっ……きもちよくなって」
明日太は立て膝をついた。細い腰に腕を回してぐいっと持ち上げる
はずむは下半身を持ち上げられ、上半身をのけ反らせて喘ぐ
力の限りに腰を打ちつけると、肉のぶつかる音が響いた
呼応して悶えるはずむ。明日太は限界に達した
明日太「出るっ……出るよはずむっ!」
はずむ「出して、いっぱいっ!」
塊が吹き上げた。
明日太「あう〜っ!」
名前だけすげ替えられた物、見せるんじゃねーよ
ストーリーがないと話にならん。
はずむ「あはあっ……いい……いいよぅ……」
子供のように叫んで、はずむはのけ反った
はずむ「きもちいいっ……ボク、セックス大好きっ」
とまりも異論はなかった
とまり「あたし…もういくっ……」
はずむ「いいよ…とまりちゃ……いって……ひっ……きもちよくなって」
とまりは立て膝をついた。細い腰に腕を回してぐいっと持ち上げる
はずむは下半身を持ち上げられ、上半身をのけ反らせて喘ぐ
力の限りに腰を打ちつけると、肉のぶつかる音が響いた
呼応して悶えるはずむ。とまりは限界に達した
とまり「出るっ……出るよはずむっ!」
はずむ「とまりちゃん…出して、いっぱいっ!」
塊が吹き上げた。
とまり「あう〜っ!」
あほらし
?
'´ /´:::::::::::::ヽ:::ヽ:丶 ヽ ヽ
,.-‐':: ̄::/:::/:::::、::\::::::l:::::ヽ:ヽ ヽ ヽ
ヽ- ---彡‐' ̄ ´ l::::l:::::l:::::|::::::l::/ ヽ::|/ ' / }
` ー‐' ´ l::::!::::ト‐‐- ' 〈__ノ リ / / < あたしは入れられる方だっ!!
\`::::ゝ-イニニヽ,ノ '´ /
/ ̄ヽ ゝ - 、,|、r、lゞゝ 、 /
ヽ ,j / .' ´ ヽ ` ーー、 _ -─‐ー- 、
, ̄ l / l 、 ` 'ヽ ̄ 'ヽヽ , ' ´:::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヽ ゝ' / | ヽ、 }_/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
ヽ | | \ /´ フ>/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヽ /´ .l l l / | !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
`‐'´ ヽ'ーヽ‐' ./ .!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 ̄.! /:ゝ、 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
| r'::::::/ \ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/ _, -'´_,:-'´ ヽ\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
´厂´ l '´::::l -丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
l l::::::::| \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
l ,ゝ_丿 \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
ゝ- ' ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
>409
とまりちゃんに下品なこと言わせるなよ。
て言うか406みたいな文書、最後まで読めないと思う。
フタナリとまりん(*´Д`)ハァハァ
このスレが消化されたら、次は無いだろうな。
途中で投下が止まったSSの続きが読みたかったorz
413 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/23(日) 21:52:42 ID:Wt0LFFQC
一応あげ
恨むなら花田とバンビジュと某アニメを恨むがいいさ
このスレが消えても、僕が次スレを建てるよ…
ぷぅ
゚ε゚
花田勝(元若乃花)のチンポに犯されるとまりんきぼんぬ
なんか13話もたいして面白そうでもないしな。
ここに投下されてたSSの方が出来がいいように思える。
俺だけの感覚かもしれんがな
>>418 いや、間違いじゃない気がする。自分も同意。
ここに投下された作品で、声と絵付けて欲しい奴たくさんあるよw (もちろんエロ無しのでも
このスレにはかけらも関係ないんだけどさ
いやほんとまったく関係なくてマジ悪いんだけどちょっと聞いてくれ
修学旅行の中高生とかとたまたま同じ旅館に泊まってて
風呂に入ろうとしたら女子中高生がいっぱいだったりしたら楽しいだろうなとか思ったけど
次の瞬間混浴なわけないことに気づいた自分が空しくなった
ここに投下されたSSにインスパイアされたんじゃね?ってシーンやシチュ、結構あるかと
422 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:11:42 ID:KYHrtN9+
今売ってる電撃帝王VOLUME10の話一番だと思う(明日太は結局報われないが)
423 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:23:25 ID:KYHrtN9+
自分の中で話一番だと思う
422
>>421 アニメは1クール。どう考えても影響されている時間はないな。
つラジオドラマw
具体的に思いつかないけど、もしそうだとしたら正直引くな
そこまでプロの意地みたいなのが欠如してるっていうのはマズイとおも
自意識過剰杉ですよ。
自意識過剰じゃないと成功しません。
成功しないと恥ずかしいだけですが。
なんかしんないけどやたらあのSSの評価を上げたがる人間がいるんだよなぁ
はずむきゅん(♂)(*´Д`)ハァハァ
>429
どれ?おもらしはずむちゃん?
コミック版が最終回になるのはいつ頃?
雪○の中ではすでに終了してるかのような発言が目立つな。
あのノリで秋には終了か…。さむいぜ
原作は4巻分がそろそろ貯まるはずだから、あと1、2話で終わるとかいう暴挙に出ない限りもう少し続く。と思う。
雪○>終了したのはアニメの話じゃね?
9月以後は新しい仕事できます、とか言ってたから連載終わるんじゃね?>雪○
オナニーするを、オナヌーって言うの知ってた?
はずむきゅんの前立腺(*´Д`)ハァハァ
女友達が言ってたが、女を落とすなら美人度70%と30%の女が狙い目だそうだ
自分の美人度はいいのか?
はずむきゅんの胸板(*´Д`)ハァハァ
はずむきゅんのふくらはぎ〜(*´Д`)ハァハァ
ばか!俺ならはずむ(・∀・)キュンキュン!の素股だな素股
うぃんうぃんうぃんうぃん
はずむ「ふっ」
ぶぶぶぶぶ
はずむ「くっ」
ぐちょぐちょぐちょぐちょ
はずむ「はぁ」
下関が一番!(でも漁獲量は三河が一番)
445 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 13:23:53 ID:ckyUfeNE
_ ハァハァ......マダイッチャダメヨ!ハズムクン
'´/二コヽ
!((ノノリ ))) _ ヌチュ!ヌチュ! ヌチュッ!!
ノノ))*゚Д゚ノ) '´ ヽ
(、/ つ--! ,((ノリノ))アッ..ヤスナチャ...アッ......
(( ( ( リ从*´ワノ! ボク........モウイッチャ.................
と_)´_ノーヽ_つ つ
はずむきゅんは実は超絶テクの持ち主だよ
元男の子だからね
同じ厨房でもベクトルが違う。
449 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 10:19:03 ID:WTP4y3jo
_ ハァハァ......マダオチチャダメヨ!ハズムクン
'´/二コヽ
!((ノノリ ))) _ ヌチュ!ヌチュ! ヌチュッ!!
ノノ))*゚Д゚ノ) '´ ヽ
(、/ つ--! ,((ノリノ))アッ..ヤスナチャ...アッ......
(( ( ( リ从*´ワノ! ボク........モウオチチャ.................
と_)´_ノーヽ_つ つ
/\へ
∠へ⌒ |  ̄へ⌒ヘ
<⌒ \ | く ⌒ ミ
彡 /~\\ | / /^~\ノゞ>
<</  ̄`-´ ̄ \ヽゝ
彡(_≧二―_亅l_―二≦___)ミ、
/θT ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~Tθ|
| \________/ | 熱いなか夏コミに並んだというのに…
| Θ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\Θ | かしまし本の数の少なさといい、質の低さといい、
| /__ /^\ __ヽ | この原因がアニメ版の駄作ぶりにあることは明白だ。
| |  ̄`―<_ _>ー´ ̄~ | | もう少しマトモな脚本が書けなかったのかね。花田君?
| \\ / ̄\ / |
厂t┘ | / __ \ |└´T入
/ \L_ l \ ̄  ̄/>l 」/ \
/ \ ̄\___/ ̄/ \
と、ブラックエクスプレスが言っています。
エヴァのキールじゃねーの?
138のSS続き切実に求む。
454 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 19:42:32 ID:dgpg4XKu
, --- 、_
/ミミミヾヾヽ、_
∠ヾヾヾヾヾヾjj┴彡ニヽ
/ , -ー‐'"´´´ ヾ.三ヽ
,' / ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj 諦めろ。
>>453君
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i
ヽ ___'...__ i ハ__
ヽ ゙二二 ` ,' // 八
ヽ /'´ / ヽ
|ヽ、__, '´ / / \
アニメも原作通りにすれば良かったんだよな
コミケ70で遊びに来てた佳奈様が、あのね商法って一部で言われてることに、
ひどく心を痛めてた
ゆかりんの胸の中で泣いたそうだ
>453
138氏って誰?と思ったら131氏のことか。
もう、俺だけがあの続きを引きずってるのかと思ってたわ。
なんか、続きは書いてて書き終わってないけど投下しようか?とか言ってたよね。
誰かが完成後に投下きぼんってレス返してそれっきり・・・。
あの時もっとおねだりしとけばよかった・゚・(つД`)・゚・
ううむ。職人さん達も執筆を中止したなら教えて欲しいのう。
そうすればきっぱりと諦めもつくし。
まだ書いているというならいつまでも待ち続けるのだが…。
じゃ折れも。
♯24アフターの続きをくれ・・・
禁断少女が出そうなんで、へたに過去ログ読まんようにしている
459 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 19:11:21 ID:RXSmGVl0
このスレに最後のSSが投下されてから75日・・・
人のうわさも75日か…
明日太「雪合戦‥‥雪‥‥雪山‥‥」
はずむ「どうしたの?明日太?」
明日太「雪山‥‥遭難‥‥凍えるはずむ‥‥はげます俺‥‥温めあう俺たち」
はずむ「明日太!」
明日太「裸でぇぇぇぇぇぇぇ‥‥」
)) ))
(( _ ((
ヽY´ `ヽ)
fミリソ从リ〉
ヽ(i#゚ヮ゚ノ ァ゙``´゙~7
とヘと!} イ ミ゙゙^゙゙Y
く/j_fフ彡#)儺ノ
ヽヽ 'ー' ⊂ ⊂/
⊂⊂__ノ
__ __
とまり「なに考えてんだ!」
明日太「ぐふぁあああ」
やす菜「遭難‥裸で温めあうふたり」(*´Д`)ハァハァ
原作はもう終わったのか? 単行本は何でよく知らんのだが。
雪○は普段は腑抜けだけどやる時はやる男と、気が強いけど不器用な女の
取り合わせが好きみたいに思えるから、きっととまりちゃんが救われると信じている。
464 :
2-11:2006/08/20(日) 00:10:29 ID:cL6jh4Ot
はずむと明日太のエロあり投下します。
「絶倫丸Z」
放課後、はずむは一人、昇降口で靴を出そうとしていた。と、そこに。
「元・少年、緊急事態だ。すぐ、生物準備室まで来てくれたまえ」
だしぬけに目の前の空間が急に歪んだかと思うと、そこから宇宙仁が顔を出して言った。
「わっ。宇宙人さんどうしたの!びっくりするじゃないかぁ!」
はずむの文句に動じずに宇宙仁は続ける。
「君の親友である、曽呂明日太君に関することだ、急いで」
「え、何だかわかんないけど、わかったよ、今行く」
はずむが生物準備室に着くと、仮眠にも使えるソファベッドがベッドの形になっており、その上に
くの字に横たわっている明日太がいた。
「どうしたのっ!明日太!」
はずむが明日太の両肩に手を置き、自分のほうに向かせる。
どこか遠くを彷徨う様な視線を見せながら明日太が呟いた。
「お…さ、まら、ないんだ…」
「え、何が?発作?持病の癪とか?」
「ち…がう…」
明日太ははずむの手をとり、握り締める。相変わらずの視線、しかし、よく見るとその眼は血走っても
いるようだ。
背後から宇宙仁が声を掛ける。
「手短に説明しよう。明日太君の股間を見てみたまえ」
「え…こか…うわぁっ!…何、それ明日太」
宇宙仁の言葉につられ、はずむが視線を移し、目を丸くする。明日太が喘ぐような声で答える。
「お前だって……わからない、訳じゃ…ないだろ…」
「いや、でも…それって……おっきすぎ…ない?」
「……ハハ…自己ベスト、更新したよ」
明日太が乾いた笑いで返す。
彼の股間は激しく勃起していた。
ズボンの上からもそれは輪郭をはっきりとさせ、いかに張り詰めているかはずむの目にも見てとれた。
そして、その先端はベルトの下にもぐりこみ、ズボンから顔を出さんばかりの勢いと大きさとなって
いる。
まさに怒張というにふさわしい姿だ。
「うちゅ…先生、明日太に何したの」
はずむが宇宙仁の方を向いて言う。
宇宙仁は何程の事も無いといった様子で答える。
「彼が『近頃疲れ気味だ』というので肉体疲労時のドリンクをあげたのだが、うっかり違うものを渡し
てしまったようだ」
「違うものって、もしかして精力増強剤ってやつ?」
「その通りっ!私の星で開発された自信を持ってお勧めできる逸品だ。あえてこの星の言葉で名づける
なら『絶倫丸Z』あたりが適当だろう」
「名づけなくていいよっ!」
はずむはふと何かを思いつき、小声で宇宙仁に言う。
「…あのさ、この薬使ったら、宇宙人さんの星の問題って解決するんじゃない?」
宇宙仁も小声で答える。
「…本人の意志を無視しての交合は間違っているという結論から、現在はこの薬の所有も使用も禁止に
なっている」
「……何でそんな薬持ってるんですか」
胸を張って、宇宙仁が答える。
「私は科学者だからな、権限があるのだ」
「そこ、誇らしげに言わない!」
密談している二人に明日太が声を掛ける。
「俺はどうすれば……」
宇宙仁が明日太の方を見やって言う。
「中和剤を作れなくも無い」
ほっとしたようにはずむが言う。
「じゃそうしてよ」
宇宙仁は手をあごに当て、思案するような顔で言葉を続ける。
「三日ほどかかるが」
「う゛え、そんな、の…む…り…で…すぅ…」
「わぁっ、明日太ぁ、気をしっかり持って」
眼鏡の位置を中指で整えながら宇宙仁は言う。
「まぁ、彼がひとたび射精すれば薬の効力も切れるのだが」
はずむはホッとしたような表情を見せる。
「なんだ、それでいいんだ。自分で何とかなるじゃない。明日太、あのね…」
そこに宇宙仁が声を掛ける。
「元・少年、君の考えは恐らく間違っている」
「へっ?」
「細かい説明は省くが、彼が服用した薬は脳波に作用して、自分の手では絶対目標に達する事が出来な
い様に成分を調整している。もっと言うなら恐らく異性によって導かれなければ、彼の射精はままなら
ないだろう」
「えぇっ!それじゃあ!?」
再び、くいっと右手で眼鏡のフレームの位置を整えながら、宇宙仁が言う。
「つまり精液放出の手伝いを君に頼もうと思って呼んだのだよ、元・少年」
無意識のうちに、じりっと宇宙仁から一歩後ずさりながら、はずむが言う。
「なんだって、そんな凝った真似を……」
不敵な笑みを浮かべ宇宙仁が言う。
「わが星の科学力を見くびってもらっては困るな」
「だから、そこ、胸を張って言わないっ!!」
「…は、ず…む」
はずむの背後から弱々しい声が届く。振り向くと、涙目の明日太と目が合った。
「え、と、明日太……」
「何だか知らないけど…自分じゃ駄目なんだってさ…このまま3日間も過ごせないよぉ…なぁ、頼むよ
…はずむぅ」
その潤んだ瞳はさしずめ捨てられた子犬をはずむに連想させた。そしてはずむは子犬と目が合って、
放って置けるような性格でもなく……。明日太の目を覗き込み、不安な気持ちを隠さずに言う。
「…上手く出来ないかもしれないよ、こんなの初めてなんだから」
明日太は荒い息をこらえながら言う。
「…だけど、男の…感じるところなら……知ってる、だろ…?」
一瞬ではずむは顔を灼熱させ、俯いて呟く。
「…それはそうだけど、さ」
* * * * * * * * *
カチャ、カチャ……。
気ぜわしげにベルトを外す音が室内に響く。
宇宙仁は流石に別室へと移っていた。今、生物準備室は明日太とはずむ、二人きりだ。
明日太はクッションを枕に横たわったまま、ファスナーを下ろし、わずかの間も惜しいかのように、
乱暴に自分のズボンとトランクスを一緒に下ろし、床に投げ捨てる。
限界まで充血し切った明日太自身が晒される。それは雄雄しく反り返り、裏側に浮かぶ血管を、
傍らにいるはずむに見せ付けている。それに触れなくても鼓動が伝わってくるかのようだ。
他人のこんな状態の――しかも、明らかに尋常でないほどのサイズのものを見せられて、無意識の内
に、はずむはごくんと唾を飲んだ。
音が聞こえたとも思えないが、それに合わせたように明日太が言う。
「凄い…だろ、今の俺の」
「え、えと、そうだね…」
「興奮する?」
「――お、怒るよ」
はずむは顔を赤らめて握り拳を上げる。そんな仕草を見て明日太は少し和み、余裕も出てくる。
「謝るよ…だからさ、してくれよ…」
「う、うん」
横から手を伸ばそうとするはずむに明日太が言う。
「ベッドの上に来いよ、正面からの方がしやすいだろ?」
「――そ、そうなのかな…じゃあ、一寸…ごめんね」
はずむは上靴を脱ぎ、軽く膝を立てて、開いている明日太の脚を跨ぐようにして、自分の身体を割り
込ませる。明日太の太腿に、はずむの手がそっと触れる。
ビクン、ビクン。
明日太は、まともに見られている緊張感とはずむと直接触れ合った事に、思わず自分の怒張を大きく
上下させる。小首を傾げるようにしてはずむの目を見つめながら明日太が言う。
「…早く、して欲しいって……せがんでるよ、俺のが…」
「そんな言い方しなくたって……」
恐る恐るはずむが手を伸ばしていく。
思春期の明日太のそれに、初めて異性の繊細な指先が絡む。ふぅ、と小さく明日太が息を吐く。
「…熱いぐらいになってる」
思わずそんなことを呟いてしまった恥ずかしさを誤魔化すためか、はずむは明日太の物を擦り始める。
あえて、感情を込めずに機械的に。
すると明日太が呻き声を上げる。
「うぅ、いて、乾いてるから、そんなに乱暴にしたら、擦れて…痛いよ、はずむ」
「わ、わ、ごめん…どうすればいい?」
明日太が少し、恥ずかしそうに答える。
「滑りをよくしてほしい…唾液とかで」
「明日太の?」
「お前、俺の唾液まみれのに…触りたい?」
ウッとはずむが少し怯み、呟いた。
「自分のでしたほうがいいかもね…」
はずむは口を閉じたまま二、三度くちゅくちゅとうがいするようにした。
恥ずかしいのか目を細めて、それでもちゃんと明日太の物にかかるように、その箇所を見つめる。
そうしてから、はずむはゆっくりと口を開ける。涎が伝い、明日太の陰茎に中ほどにあたり、根元へ
と垂れていく。
「うっ」
明日太がうめき、陰茎をピクピクと震わせた。
驚いたはずむが視線を上げると明日太と視線がかちあう。
明日太は、直接股間に感じた快感だけでなく、はずむの仕草を見ながら、感じていた事もばれてし
まったのではないかと動揺した。
そんな明日太の心中にまるで気付かぬ様子ではずむが尋ねる。すこし不安げな様子さえ見せて。
「これぐらい濡れればいいのかな」
「すこし、さすってみてくれよ」
「…こう?」
「うあっ…ぬるぬるして気持ちいい」
「…じゃ、じゃあ、このままするね」
はずむは5本の指を丁寧に使い、上下に滑らせ、愛撫を続ける。
「う…気持ち…いいよ、はずむの…もっと、して」
明日太は初めての経験に身をゆだねる。素直な感想を洩らす。
「あれ?」
はずむの呟き。
目線を下に向け、手の動きも続けたまま、はずむが少し怒ったような声で明日太に言う。
「……ずるいよ、先っちょのところ…透明のが、もう出てるじゃない。僕がわざわざ濡らさなくても
よかったんじゃないかな」
「わ、わるい」
明日太はただ謝る。ついでにそっと、はずむの髪を指で梳いてみる。思っていたとおり、滑らかに心
地よいぐらいに指が通っていく。
はずむが顔をあげ、不思議そうな表情で明日太の方を見た。
「あ、ごめん…気が散る?」
「…別にいいけど」
少しはずむは頬を赤くしたように、明日太には思えた。
* * * * * * * * *
くちゅくちゅと湿った音と、明日太の吐息だけが聞こえる。
より明日太が感じてくれるよう、空いている手でそっと明日太のフクロに下から掬うように触れ、そ
れから揉みはじめる。
その手に確かな重さを感じながら、はずむは思う。ここに、明日太の精液が…きっと、すごく、いっ
ぱい、入ってる……だって、こんなに重い……僕、何考えてるんだろ、こんなエッチなこと。
「……はぁ…そこも…してくれるんだ」
明日太の言葉に、返事も出来ないままにはずむは愛撫を続ける。
右手を使った陰茎への上下の愛撫は段々速さを、強さを増し、リズミカルなものになってていく。
時折、さも偶然のようにはずむの人差し指が、すっと、亀頭の割れ目をなぞる。
いとおしいものに触れているような優しさで、はずむが自分の掌のうちにタマの部分を転がす。
そんなイレギュラーな快感を加えられるたびに、明日太は腰を震わせ、声を洩らす。
それでもまだ明日太のものは張り詰めたまま、血管を浮かび上がらせている。
「まだ、駄目そう?」
「あぁ、すごい気持ちいいんだけど…もどかしいぐらいに出ないんだ」
はずむの脳裏に宇宙仁との先程の会話が浮かぶ。
「…そう言えば…絶倫丸Zって言ってた…」
「今、何か言ったか?」
「な、何でもないよっ……でも、もっとするって言っても…どうすればいいんだろ」
明日太は肘でゆっくりと自分の上半身を起こしながら、話し掛ける。
「なぁ…はずむ…」
とまどいの表情を浮かべながらはずむが明日太の方に顔を向ける。
「え、何?」
「……なぁ…はずむの…胸に触っていいか」
はずむは一瞬、明日太が冗談を言っているのかと思った。けれども、明日太は真剣で、女の子を見る
目ではずむの事を見つめている。
「そんな…だめ…だよ」
明日太が穏やかな声で続ける。
「俺に触られるのは、嫌か」
顔を俯かせ、もじもじと呟くようにはずむは答える。
「――だって、前にとまりちゃんが」
はずむの言葉の上から被せるように明日太が言う。
「俺の言葉は……とまりのより軽いか?」
「え――」
明日太の言葉にはずむは固まる。
その不意をついて、明日太がはずむを抱き寄せ、髪を撫ぜる。それから、耳元で囁く。
「知りたいんだ、女の子に触れたいんだ…俺をもっと興奮させてくれよ」
いつもと違う明日太の口調にはずむは逆らえずにいた。
「……」
「答えがないのは…いいって事だよな」
勝手な解釈であることを自覚しながらも、明日太は自分の衝動を押える事はできなかった。
明日太の腕の中にはずむがすっぽりと収まる。
はずむの 背中に手を伸ばし、ジャンパースカートのファスナーに触れる。
シャーという静かな音と共に、ファスナーはゆっくりと下ろされていく。
スカートの背中がはらりと開いた。
明日太は髪に触れていたほうの手を放し、はずむのうなじをなぞり、スカートの右側の肩口に手を伸
ばし、脱がせる。それから、逆の手で、もう片側へも触れた。
「…あっ…」
はずむの弱々しい驚きの声と共に、すとんとスカートが落ちる。
「ブラウスも、脱がなきゃな」
明日太はそう呟いて、右手でボタンを丁寧に外しながら、左手の指先ではブラのホックを探し、背中
をなぞる。
そんな指の動きに、目をぎゅっと閉じ、背筋を震わせながらはずむは言う。
「……くすぐったい…明日太…」
その言葉は、はずむが今出来る精一杯の抵抗なのかもしれなかった。
明日太はそれでも手を止める事もなく、ブラウスを脱がせながら呟く。
「女の子って柔らかいんだな、こんなに……」
「……んっ…」
背中の愛撫と、耳元への囁きという刺激に、はずむはつい、吐息を洩らす。
ホックが外され、胸が露わになる。
「……っ!…」
それでもはずむは慌てて胸を隠そうとしたが、明日太の手が両胸を掴む方が早かった。
軽く手に力を込めながら明日太が呟く。
「思ってたとおりだ、はずむの胸、綺麗で、それで柔らかくて、でも、それだけじゃなくて」
両の手で優しく揉みはじめる。
「こうやって揉んでるだけで俺、気持ちよくなりそ…」
呟きながら時折、指を滑らせ、明日太ははずむのきめ細かな肌の滑りを楽しむ。
はずむは自分が乳房への愛撫に感じてしまいそうな予感に怯え、明日太に小さい声で訴える。
「……だ、駄目…だって…ば…」
その言葉に気付かない振りをして明日太が言う。
「続けて、はずむ」
「えっ?」
明日太は乳房を掴んだままの姿勢でベッドに再び倒れこむ。
「俺のも、してくれるだろ?」
「…うん」
はずむが再び愛撫を始める。更に細やかな指の動きで。
乳房を揉まれ、恥ずかしそうに、赤い顔で薄目を開ける姿が明日太にはよりエロティックに映る。
明日太は自分の快感だけでなく、はずむの事も意識した指の動きを見せ始める。
優しく、時に強く、胸を揉みながら、人差し指でくりくりと乳首を責める。
「……あ…ん…」
控えめな喘ぎ声が、きゅっと口を閉じているはずの、はずむの口の端から漏れる。
「駄目、そんなに乳首いじったりしたら…」
そこまで言って、はずむは目を閉じ、俯く。言葉には出さなくても、熱い吐息、わずかにくねらせる
腰、切なげな表情、それら全てから、どんなに感じてしまっているかがわかる。
はずむが乱れゆく姿を、目を細めて明日太は見つめる。
「気持ちよくなっちゃう?はずむも、一緒に感じてくれるのかな」
「駄目…だってば…」
口ではそう言いながらも、自分が感じていることを伝えるかのようにはずむの指の動きが速くなる。
俯く胸元に汗を伝わせるはずむを見ながら明日太が言う。
「……はずむ、騎乗位ってこんな感じなんだろうな」
半ば胸を愛撫される快感に陶然となりつつあったはずむが、明日太の言葉に我に返り、答える。
「――そんなの、知らないよ…」
素っ気無い言い方とは裏腹に、まだ目を潤ませ、頬を上気させるはずむを見て明日太は更に昂ぶる。
「はずむ…今日のお前…すげえ可愛い」
明日太は胸から今度ははずむの太腿に触れると、そのままスカートの中へと自分の手をなぞり上げて
いく。指先を下着の中へもぐりこませようとしながら、明日太はもう我慢できないといった調子で言葉
を吐き出す。
「なぁ、俺、お前の中に入れたい…思いっきり、中で動かしたいよ、それで…」
指先にショリっとした気の手触りを感じる。なおも秘所を求めるように明日太は指を動かす。
「そうしたら…俺、いけそうな気が……」
「――駄目、だよ」
はずむは愛撫していた手を止め、明日太の両手に重ねる。悲しげな表情を見せながら、言う。
「……セックスまでしちゃったら、僕たち、戻れなくなっちゃうよ…そんなのはやだよ…」
明日太は『そんなことぐらい』と言おうとして、口をつぐむ。はずむの真剣な瞳を見てしまったから
だ。
「はずむにそんな顔されたら、俺は何にも言えないよ」
いつだってはずむの本気には結局、俺は逆らえないんだな、と明日太は思う。
「ごめんね、明日太…」
「じゃあさ――」
明日太はそっと手をはずむの頬に触れ、そのまま親指で唇をなぞりながら、言う。
「こっちでしてくれないか」
「それって……」
「――口でして欲しい…」
困ったようにはずむは俯く。せかす事無く、明日太はただはずむの顔を見つめる。
ゆっくりとはずむは顔をあげ、少し困ったような眉の形のまま、それでもきっぱりと言った。
「わかった、…してあげる」
「本当か?」
はずむはコクリと頷いた。それから息がかかるほど近くまで自分の顔を明日太のほうに寄せると、小
さな声で言った。
「でもね――誰にもないしょだよ…二人だけの秘密だからね…」
ゾクリ。
普通に言ったに違いないはずむの囁きに艶っぽさを感じ、明日太は背筋を震わせる。
「……明日太?」
「あ…あぁ。勿論誰にも言わない。だから、はずむ俺のをしゃぶって…」
「――しゃぶってなんて、そんな言い方しないでよ…」
文句をつけながらも、はずむは右手で明日太の物を軽く握り、自分のほうへ引き寄せるようにし、自
身もまた顔を近づけていく。頬にかかってくる自分の髪を耳にかける。
明日太がはずむの頬に触れながら、呟く。
「はずむ…その髪を耳にかける仕草、エロくていい」
「…恥ずかしい事言わないで」
唇を開く。鮮やかな桃色の舌が姿を見せる。まるでなめらかな生き物のような。
明日太はそれを見ただけで、息をなお荒くする。
「……あすた…ほんとうに…しちゃうよ?」
はずむの息もまた整わないのは、羞恥のためばかりではないのかもしれない。
「ん……」
はずむは舌をなおも突き出す。それから……ピトッ。陰茎の根元に当たる。
「…あ……!」
今まで経験の無い快感に、明日太は声をあげる。と、同時に陰茎が元の位置に跳ね上がろうとする。
しかし、はずむはそれを許さず、しっかりと手に捕らえたまま先端の方まで、ゆっくり舐めていく。
「は、はずむっ…」
「逃げてたら…駄目だよ、明日太…それじゃ…イケないでしょ?」
上目遣いにはずむが囁く。
「あ…あぁ…でも…」
はずむの五指に絡め取られたまま、裏筋から舐め上げられていく。
明日太が声を洩らすより早く、はずむの舌の先端はカリの周囲をなぞる。
「…く…うぁ…」
再び亀頭がはずむの唾液で湿らせられる。尖らせた舌が亀頭の先に滲む液を舐め取り、そのまま割れ
目に潜り込んでいく。明日太は喘ぎながらつぶやく。
「…お前の、フェラ……凄い、凄い上手いよ」
はずむの指で、舌で思うままに自分のものを弄ばれ、快感を与えられる。そんなマゾ的な歓びに抗え
ない。明日太は更なる快感をねだる。
「…このまま、俺の吸って……唇で、しごいて…はずむ」
ハァッと一つ甘い溜息をついてから、はずむは答える。
「う…んっ」
キスをするように明日太の亀頭の先端に近づき、柔らかな唇が触れる。
それから、はずむはゆっくりと唇を開き、それにつれて陰茎が口中へ飲み込まれていく。
「本当に、はずむの口に、俺のが……」
明日太の言葉が終わらぬ内にはずむが上下運動を始める。
しっかりと閉じた唇が陰茎を締め上げ、ほどよく表皮を刺激する。
けれど、明日太が受ける快感はそれだけではなかった。
はずむは頭を上下に動かすたびに、口の中で自在に舌も動かしてみせる。くりゅくりゅと陰茎を丁
寧にねぶらせる。
口一杯に明日太のものを含むとフクロに感覚が伝わるほどに激しく陰茎を吸い上げる。
「ん…くっ…こんなに」
もう限界ぐらいに張り詰めていたはずの明日太のものが更に膨らみ、勢いを増す。
「ん、ぐっ!」
明日太が思わず声を上げる。と、同時にはずむが口を明日太からはずし、驚いたように言う。
「うそっ……もっと大きくなるの?明日太の」
「それだけ、気持ちいいんだ、俺…もう出ちゃうかも」
はずむは目を細めて明日太には妖艶ともとれる笑みで言う。
「――うん、出して…」
再びはずむがフェラチオを始める。懸命にする姿を明日太はじっと見つめる。
「はずむ…」
明日太の手がはずむの頬に触れ、そのまま顔にかかった髪を耳に掛けてやる。
はずむが目だけ明日太のほうへ向け、又、先程見せた笑みを浮かべる。
不意に明日太の頭の中に火花が走る。ただ、この口の中にぶちまけてやりたい、そんな欲望に明日太
は支配される。はずむの頭を両手で挟みこむ。腰をはずむの方に突き出す。
「……ん!」
慌てて、はずむは明日太の手首を掴むが、その手は頑として外れず、明日太はそのまま腰の動きを
止めることは無い。
「…はずむの口が、気持ちいいから…」
荒い息を吐きながら明日太は言う。その言葉が乱暴な行為の免罪符になるかのように。
明日太は恐らくは本能のままに、はずむの頭を掴んだまま喉の奥へと自分のものを激しく突き続ける。
「んっ!……ん!…んーっ!…」
声にならないまま、はずむは訴える。ぎゅうっと明日太の手首を握り締める。
そんな最中でも、はずむは必死に唇で陰茎を庇うように包む、歯を立ててしまわぬように。
「はずむ、俺…もう、出る…このまま…いい…よな」
「ン…グ…」
肯定とも思えないくぐもった声がはずむから漏れる。
「…グッ…精液出すよ…はずむの口に……ぐっ…うぁ…でるっ!」
ドクン、ビュクッ!ビュクッ!ビュクッ!……!
「う……んーっ!」
堰を切ったように勢いよくはずむの喉に熱い精液が溢れ、同時に、激しい明日太の脈動を口の中全部
で感じる。
口の中で明日太が暴れる。反射的に口を外そうとするはずむの頭をを明日太はしっかりと上から押
さえ込む。
「ん、う…う…ん…」
まるで自分も一緒にイっているかのようにはずむの背筋から尾底骨までにかけて、快感が走り抜けて
行く。体の力が抜ける。
はずむは奥に注ぎ込まれる精液の勢いに、吐き出すことなど考える余裕も無いまま、ただ必死に喉に
へばり付いてくる精液を飲み下していく、時折、塊に感じるほどの濃さを感じながら。
ドクドクと精液がはずむの口内に注ぎ込まれていく。明日太の全身の震えはとまらない。
「すごい……はずむ…こんなに…いっぱい、お前の中に…でてる、よ――」
そんな呟きの後、ふっと明日太の手の力が緩む。
はずむは急いで手を振りほどき顔をあげ、目尻に涙を溜めて訴える。
「ひどいよ、明日太ぁ。僕、ほとんど飲んじゃっ…明日太?ちょっ……」
「……すぅ…くぅ…くぅ……」
明日太は安らかな寝顔を見せていた。
「……もうっ」
ぼやきながら、はずむはなんとなしに自分の喉に手を当てる。まだ残る白濁液の余韻。
舌の根にかすかな塩味を感じる。僕、明日太の味を知っちゃったんだ……どこか痺れたような頭で
ぼんやりとはずむは考えた。
「ふむ、放出しきって、緊張が解けたようだな」
はずむはギクリと振り返った。
いつのまにか、部屋に入ってきた宇宙仁が二人の様子を眺めていた。
「……まさか、見てた?」
「いや、別所で計器の反応のみ見させてもらった。流石にこちらの落ち度の事で観察までさせてもらう
のはまずいかと思ったのでな」
「…なら、いいけど」
はずむは明日太の方を見て言う。
「もう、明日太ったら、あんなに僕に無理させて……」
口元を緩め、何とも幸せそうな寝顔。
怒った顔をしようとしたが、その顔を見ると、つい、はずむは笑ってしまった。
宇宙仁が腕組みをして言う。
「彼には夢でも見たと思ってもらおう」
* * * * * * * * *
「おはよ!はずむ」
翌日。学校へ向かうはずむの背後から、妙に元気な声が届く。
「おはよう、明日太」
今にもスキップでもしそうな勢いの明日太を横目で見ながら、はずむが言う。
「何か機嫌よさそうだね」
「そう見えるか♪」
「――夢見でも、良かったとか」
僕は昨日、眠れなかったけどね、心の中ではずむは呟く。
精一杯の皮肉がこもったはずむの言葉に、うかれる明日太が気付けるはずも無く。
「え、いやぁそんなところかな。ほら行こうぜ」
何気なく肩に回してきた手を、はずむは思いっきりつねり、ついでに明日太の足を体重を
かけて踏んづける。
「い、いで〜っ!」
足を抱えて跳ねる明日太にはずむは言う。
「ほら、学校遅れるよっ!」
明日太は自分のほうを振り向きもせず、すたすた歩くはずむを慌てて追いながら。
「おっかしーなー。俺、顔に出てたかな」
首を傾げ、右手で軽く顔を拭いつつ呟いた。
お わ り
475 :
2-11:2006/08/20(日) 00:20:24 ID:cL6jh4Ot
以上です。次回も多分、エロ物書くと思います。
久々に職人さんキター!
この手のスレではオリキャラを登場させたSSを貼ると、荒れたりするだろうか?
オリキャラが出せると話が進めやすくて便利なんだが…
GJ!
明日太だけいい思いしてるってのは許せんなw
>>463 バンダイブースに浴衣姿で来てた
お仕事
>>475 GJ!
やっぱりはずむキュンも大きい方がいいのか…
>>475 面白かった!はずむ雰囲気出てました。えれえ興奮した
やっちゃって戻れなくなる〜の解釈も読みたいです。
えろかった
483 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 15:09:17 ID:/bj3c0hd
水を差すようなこと+細かいことで悪いが、
そういう系統の雑誌が苦手なはずのはずむが
セックスという言葉を口にしていたのは何故か
それだけ。あと話的には面白かったんで
これからも頑張ってください
>>475 とっても良かった…。
次回ははずむタンにも美味しい想いをさせてあげて!
>>483 >そういう系統の雑誌が苦手なはずのはずむが
修行が足りん。
苦手なのではなく、苦手なフリをしていたのだよ。
486 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 21:56:17 ID:/bj3c0hd
>>485 な…なんだってー!!
…すみません半年ROMってます…
487 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 22:04:35 ID:uIMRdqJ+
はずむ「せっセックスって…//ー//」
俺もはずむが直截的な表現を使うのには違和感あった
キャラクターの人間性を深い部分まで捉えてるのを窺わせる内容なだけに非常に残念
まあ、二次創作ですから…個人的には構わないけども。
ま、>483や>488のようなリアル池沼な読み手ばかりが自縛霊のように憑いてるスレになってしまった、ということだな。
まともな読み手が去って、バカのジサクジエンが目立つばかりだわ。
2-11氏のSSはどれも良作だったし、今回のも俺は素直にブラヴォ!と叫びたい。
しかし彼はこのスレには過ぎた職人さんだよ。もうここが投下する価値の無いスレと分かっただろうけど。
多分今回の投下後のスレの流れで、他の職人さんも見切りをつけたと思う。
俺も正直、続き書く気失せた。
491 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 00:33:25 ID:bsaoYis5
>>490 未完作品の職人様ですかー
さて、一体どのSS書いてた職人様なんでしょうかねえ?
見切り云々ってことは保管庫絡みやら疑惑やらのあの人かな?
それとも厨の呼び水になって一度荒れてんのに燃料投下続けちゃったあの人?
騙られて逆恨みってこともありますよねw
>491
よかったな。
ようやく釣ってもらえて・゚・(つ∀`)・゚・
セックル発言ダメって言ってる奴はつまりこういうことだろ
明日太:中でやらせてくれれば楽になれる(;´Д`)ハァハァ
↓
はずむ:じゃあいいよ?
↓
明日太(゚д゚)ウマー
>セックル発言ダメって言ってる奴はつまりこういうことだろ
単に、職人潰しスレ潰しが目当てでしょ
潰そうとしてんのは480のほうだと思うが…
今は投稿してくれる職人がいるというだけでも嬉しいし、
言い回しのひとつ位些細な事だと思わせるほど2-11氏のSSは良かったけど。
かしましを愛してる人間がキャラクター性にチェックが入るのは当然だな。
それが重荷になるなら申し訳ないが…。
書き手である事をちらつかせて、「みんながマンセーしてくれないからやめる!」って、スレも巻き込もうとしているのはどこの子供ですか?
いや、書き手がダダこねてもどうでもいいよ
俺は続編を切望しているのみだし
497 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 13:38:04 ID:bsaoYis5
それなりの分量のSSさえ書いちゃえばスレ荒らすのも自演するのもダダこねるのも住人を池沼扱いするのも無問題だよね!
職人様は保護されてるもんね!
↑妄想にしても意味不明すぎる
みせっこネタきぼん
500 :
2−11:2006/08/23(水) 22:14:22 ID:TRRbKeqF
読んでくださった方々、ありがとうございました。次はZを飲んでしまった並子先生と
宇宙仁との絡みを……いや、嘘です、すいません。
それと蛇足ですが485氏等、拘ってた方がいたようなんで一応。
あの言い回しは意識して書きました。はずむが「ここまでは勢いに流されて、許
しちゃったけど……これは別…特別な事なんだから駄目」とハッキリした意志を伝
えようとして、そのあまり直接的で不器用な言い方になったわけです。真剣になっ
ているはずむだからこそ、軽い言い回しが出来なかったという感じです。
自分としては、前後の流れから行っても言葉に違和感の無いように努めたつもり
です。
みせあいっこ…申し訳ないが自分には無理っぽい。どなたか、いましたら。
乙だお!
はずむきゅんハァハァ!
ここで
>>500の解説がないとそこまで理解できないよって言うと
お前の読解力がうんぬん言われるんだろうなあ・・・
本当
>>490みたいな言論封殺厨は手に負えない
自分の意見と合致しないレスは全部荒らし認定だもんなあ・・・
>490も悪いと思う。スレ潰しと思われかねない言動イクナイ
504 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 05:34:36 ID:1GFHYiys
>>502 この話題に関しては読解力うんぬんじゃなくてキャラクター観の相違が大きいと思う
言うのが自然だという人と、それでも絶対に言わないという人と
書き手のファイナルアンサーが出たんだからこれ以上の話し合いは不毛だろ
いつもは過疎ってるのが原因とはいえ、書き手や作品と関係ない場外乱闘はもうやめとけ
505の最後の1行は502だけに宛てたんじゃないから
505=506 うっかり切断&名前入れ忘れ
くどくてごめん またあれてほしくないんでな
>>504 その一作家様が自分のコテも明かさずに書き手であることだけ匂わせて
「俺にとってブラヴォ!なSSをバカで池沼なROMごときが批評とかしてんじゃねえよwww」とか喚いてる訳ですよ
しかもこのスレに価値は無いから他の職人も見切りつけただろうとか
てめえの価値観で勝手に決め付けてる盲っぷり
自意識だけやたら高いヘタレ書き手の「もう書かない」宣言ほど厄介なものはないなwww
しかもそういう奴に限って粘着荒らしに転じる確率高いしw
>490は明らかに釣りと思われるが。
釣られて馬脚出してしまったのが、よほど悔しいみたいだな。
>>509 どのあたりを指して「明らかに」なんですか?^^
あの手の手合いは前々から出没してますけど?^^
>>491で図星当てられちゃって、釣りに仕立て上げようと必死ですね^^
夏丸出しですね
ああ成る程、つまり「釣りは荒らしじゃない」ってことですか^^
後から釣り宣言すれば何書き込んでもいいわけですね^^
僕も残りの夏休みはフィッシングに励みたいと思います!^^
なんでもいいから続編キボンヌ
ねむい
>>508 その馬鹿丸出しの文体は間違いなく
>>490だな。
職人のフリして大口叩いといて、立場が悪くなると擁護派に鞍替えですか。
そうですか。
>>515 その手の憶測、バカバカしいから止めておけ。
せっかく久しぶりに職人さんが着てくれたのに、つりの方で盛り上がってどうするの。
これじゃ、本当に職人さんのやる気をそいで、490に一票いれることになるのでは?
490はどうしても、自分が馬鹿だと認めたくないみたいだね。
読めた、実は517が490なんだ。
>508が>517なんじゃね?
どうでもいいのでSSきぼん
521 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 10:15:13 ID:OlbyCP1B
もういいじゃん、住人は投下されたSSにマンセーGJだけしてればさ
何だかんだ言って批判とかされるとやる気無くなる職人ばっかみたいだし
下手に内容につっこんだレスしても結局誰も得しないよ
それと
>>477>>479みたいな書き込みも投下直後は禁止、つか空気嫁
あげちまった、すまん
おっぱい
(゚ε゚ぷぅ
490=508=517
理由)
490と508を結びつける理由が見当たらない。つまり全て自作自演。
490=508=515=516=517=518=519=521=523
だと、面白いんだけどね。
525いれ忘れた。
, -‐−-、 ヽ∧∧∧ // |
. /////_ハ ヽ< 釣れた!> ハ
レ//j け ,fjlリ / ∨∨V ヽ h. ゚l;
ハイイト、"ヮノハ // |::: j 。
/⌒ヽヾ'リ、 // ヾ、≦ '
. { j`ー' ハ // ヽ∧∧∧∧∧∧∨/
k〜'l レヘ. ,r'ス < 初めてなのに >
| ヽ \ ト、 ヽ-kヾソ < 釣れちゃった!>
. l \ `ー‐ゝ-〈/´ / ∨∨∨∨∨∨ヽ
l `ー-、___ノ
ハ ´ ̄` 〈/‐-、
いや、そりゃいいからどことアンカー間違えたのか教えろよ。
少し気になる。
低能は他人の言葉に乗っかることしか出来ないからなぁ…
まあ、そう照れんと、おじさんにだけこっそりおしえてみ?
うおっ!
まさか速レスつくとは思ってなかった。
490=508=516=521=wCZ2d2cT
ここって文字列を等号でつなぐスレだっけ?
なんかものすごく特殊なスレになってきたような....。
おっぱいおっぱい
>532
おい、速レスもなにも、525にレスなんて付いてないぞ。
あと、速は即じゃ無いのか?
釣られてここまで往生際悪いヤツも今時珍しいな
>>521が言いたいのは、職人の投下直後はなるべく感想レスつけやすい流れを保持しろってことだろ
別に
>>490がどのレスで自演してんのかなんてどうでもいいけど
>>490みたいな発言をする職人に心当たりがなくもないってのが俺にとっては残念
昔々あるところに、子供はないけどそれはそれは仲の良い、
とまりおじいさんとやす菜おばあさんが住んでいたそうじゃ
今日も朝からおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは河へ洗濯をしに行った
すると、大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきてよ
お婆さんはヨッコラショっと桃を持ち上げると、家に持って帰った
山から帰ってきたお爺さんとお婆さんは相談して、桃を食べることにしたんじゃ
そして、お婆さんが包丁で桃をスパンと切ってみると、
なんと中から玉のような女の子が出てきたそうじゃ
お爺さんとお婆さんはその子をはずむと名付けて、大切に大切に育てたそうじゃ
,.-─-、
/ /_wゝ-∠l
ヾ___ノ,. - >
/|/(ヽY__ノミ
.{ rイ ノ
:: . . :
;:: . パトラッシュ、ツカレタロウ?ボクモツカレタンダ . ::;
;:::: : .ナンダカトテモネムインダ。パトラッシュ… : : ::;
「とまりさん、教えてくれませんか…?」
「あ、あぁ。いいけどよ……んじゃ、最初は1段…から、2・3と上げていくか」
「はい、では1段からで… アッ…キャッ!」
「えぇ?!!おまえ、やる気あるのか?!!ちゃんと脚を開けって!」
「は、はい!!こう………ですか…?」
「そうそう、閉じたら教えられないからな。努力しろよ。」
「え、えぇ……でも…ハァハァ」
「おいおい、まだ始めたばかりなのにもう息遣いが荒くなってる…ぞ」
「だ、だって…見られていると緊張しますし、は…恥ずかしいです………」
「まぁ、そのための練習だろ。怖がってると余計に痛い思いをするって。」
「あ、あの…、手本を見せて貰えますか…?」
「ん、あぁそうだな。人のを見た方がいいって言うしな。」
・・・・・・・・・・・・
「よし…と。あたしはこれぐらいないとやる気が出ないからな。やす菜はまだ危険だからやめろよ」
「は、はい!!こ、こんなに…すごい…」
「よーし、じゃあやるから見てろよ。」
・・・・・・・・・・・・
「アッ!イテッー!ってて…とと、ちょっとやりすぎたかな…」
「と、とまりさん!!だ、大丈夫ですか??」
「う、うん、大丈夫、大丈夫。ちょっとお尻が痛かったぐらいだって…はは」
「でも、高校生でも跳び箱の授業があるってうちの学校は変わってるな」
>537
思わせ振りな言葉使って、結局は職人全員を無差別に貶めてる訳だな。
別に職人全体を悪く言うつもりも無いけど
ただ職人の書くもの→盲目的にマンセーってのは頭の足りない人間のやること
職人側が気軽に投下できるのなら住人側も気軽に批評できるのは当然かと思うが
全面肯定な意見しか欲しくないなら自サイトなりで公開すればいいんじゃないの?
それか投下前に断り書きとして「批評意見不可」とか書くとか
それと職人もコテを外せば名無しとして振る舞えるってことを
>>541は自覚した方がいいと思う
う〜む、まだやってるとは。
ひょっとして、久しぶりの職人さんの登場に、うれし過ぎて、
どうふるまっていいのか分からなくなった、ツンデレさんたちでしょうか。
自覚もなく空気も読めない君にとっては充実した夏休みだったネ!
粘着して高説ぶってるやつ、リアルで精神患ってそうで怖いからさ…な?
空気は読めてるよ。
私以降の流れもぴったり合ってる。まるで全てが壮大な自演の様に。
連投スマンが547は取り消す。
私は決して、546のようなことだけは言わない。
13話の情報がぽろぽろ出始めてるが、とぬこ氏の話のほうが断然それっぽい気が(ry
すげえわ。
このタイミングでよくそれが言えんな。
13話がよつべに後どのくらいかかるだろうか?
552 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 04:41:04 ID:T+WoK1NK
買えよバカ!はずむきゅんが泣いちゃうだろ
>>552 植田乙!
あのね商法ってなじられて流す涙があるのなら、
何でその涙をお布施させられて懐を寒くするファンにわけてあげなかったんだ!?
. ○ 〇 ○
.┌" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Π ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"┐
|┌──┐┌───┐┌──┐|_
|│ \ │..|,'´=@=`、|..│ /....,'| |@`、
ホシュカコィィッ!|│ │..|( ・∀・..).|..│ .( | |Д゚)つ 保守しますよ〜!
| . ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄. |し彡
|──(○)─────(○)──| バンバンッ!
| └┼二二二二二┼,'´=@`..|
| ┃ ||::::::::::::::::::::::::::::|| (,,゚Д゚)...| 保守保守!
`l.┃ ┌||::::::::::::::::::::::::::::||⊂ つl´
.|.┃ │||::::::::::::::::::::::::::::||..| ノ .|
.|.┃ │||::::::::::::::::::::::::::::||..|しノ┃|
|`ー、 ̄ ̄ノ ̄ ̄冂,》 ̄ ̄ ̄ ̄_.ィ´|
|─-|┐ ──-└'┘-── ┌|-─|
└─l、 O┬───┬O , l─┘ゴォォォォォォ…
 ̄// ̄ ̄ ̄ ̄\\ ̄
─//──────\\─
─//────────\\
555 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 02:32:13 ID:ETEv+flw
. f⌒l f⌒l⌒l
! U .j しヘ
l⌒ヽJ _ '⌒ ノ
l 〃/二`ヾヘ /
. \ {{ ,ノ从从)ゝイ
ヽ j从 ゚∀゚从/ ぱぁ〜
`‐⊂{><}iつ
≪_(⌒)
(__厂
しばらくネタが出ないかもしれないので
)) ))
(( _ ((
ヽ、,'´ 、、ヽ)
i(((ノリ ))〉'
ヽ!♯゚ ヮ゚ノ
⊂)!大!つ
く/_|,〉、
し' ヽ_)
Now tomaring...
とまりちゃんのキックでお楽しみください……
ちんこロダにナンか上がってるけど挫折。ムネンアトヲタノム
なんか誤爆したすまん
はずむきゅんはアニヲタの女神だ!
_ ハァハァ......マダイッチャダメヨ!ハズムクン
'´/二コヽ
!((ノノリ ))) _ ヌチュ!ヌチュ! ヌチュッ!!
ノノ))*゚Д゚ノ) '´ ヽ
(、/ つ--! ,((ノリノ))アッ..ヤスナチャ...アッ......
(( ( ( リ从*´ワノ! ボク........モウイッチャ.................
と_)´_ノーヽ_つ つ
561 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 21:21:49 ID:YyAqGtFC
やす菜「はずむ君、ひどいよ。私はこんなにはずむ君のことが好きなのに。
はずむ君はいつも、とまりちゃんとまりちゃんってとまりさんのことばかり」
写真立ての中で微笑むはずむ君の笑顔
やす菜「はずむ君、私ははずむ君のことが・・・・・・・って、
あーかったりぃマンコくせ!!ネコ被るのも楽じゃねーなー。
おい、はずむ!てめーの処女膜ゴーヤでぶち抜いてやるよ」
写真立ての中で微笑むはずむ君の笑顔
やす菜「・・・・・・犯したる」
>561
い〜い仕事、してますね〜。
続編に期待します。
やす菜恐いよやす菜((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
/::/ / / ヽ \ )/
ヽ!:::{ / /-‐''"´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ!ヽ \ ヽ. _ノ/
::ヾ!::ヽ、 / / / / / ; ハヽ、ヽ、 ヽ、ヽ 二ニン´ ,. -‐
\::::::::::\____i / / //_ノ ! ::〃jノヽ、ゝヾ、ト、ヽ、\_______/ .::
 ̄`ー-、;;;;;;;;;/〈 イ /::::::::::::::::::::::::::::::::_ノ::::::::::::{::ヽヽ::::::::.....ジ´ ..::::;
⌒ヽ、:::::::......:::∧l l'::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::l | |` ̄´....:::::::ジ´
ヾ;::::::::::シ:::/,ハ 〃_;;;ヾ::::::::::::::::::::{r';;;ハヾ! l:::l | ハー-‐‐''"´ はずむ出て来い
` ̄/::〃 ∧`ゞ-;ソ ゞ-メ ,リ:// .ヽ、 おまえを喰らってやる
,.-‐‐‐- '´ ´ /ハ ^ ̄ ' , , , //,イl ヾ::.ヽ、__,,,...__
/ ...:::::::::...ノ く_,! ' ' ' ,___,ノ > / /,イ:::l::l:. 丶::::ヽ.ー- 、`.
:: /::::::::::::::::::::/::ヽ、 ゙'‐=='゙ / 〃::l::::|:::l::, i |:::::. i } !
_,./ `7ー-=ニシ::r y‐;-'、_、 ,. r くヽiへl::::l:::リ //:::::::: ! / /
/ / ̄´;;;;;;;;∨ / / i-、` ̄´/ヽ ヽ ` 〉:j/ /く::::::::: ! //
! l.::,.-‐''" 〈 ' 、 ! ト ト-ケ /´ / ヽ、::. l〃
ヽ/ _,,,_ 、 ヽ l ____ / /-‐ ' / , ヽ;::ヾ、
! `ヽ丶 〉 / ! / / / , i:::::::ヽ
八俣大蛇、出た!
そろそろ、気を付けないと、落ちそうだな、ココ。
567 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 01:54:48 ID:hsHi7sP+
エロパロスレってもともとこんなもんだけどね
気違いも去ったようだしそろそろ通常の流れに戻してもいいのでは?
その発言が荒れる原因になるとなぜ気付かん。
みせっこきばんぬ
>>571 今書いてるSSが完結したら、アフターで回想での(幼)はずむ×(幼)とまりでなら書くかも。
まじですか?おねがいしますです。orz
575 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 19:41:07 ID:OnPFPih0
シムーンの後にかしましのDVDのCMが流れたわけだが、第2期が始るのかと思って驚いた。
>>574 夏コミいってないんだが、オリジナル13話を書いた人はいなかったのかな?
二次創作自体が当たらない状態でしたが
578 :
576:2006/09/27(水) 19:33:00 ID:Dags+FAI
あ…それは失礼しました
|ω・)…みせっこ
SSもここくらいしか見かけないよな
>>580 本編すらまだ未完成だから時間かかるけど。大丈夫。ちゃんと覚えてるから。
|ω・)…うん
|・)
|)
|
|≡≡≡⊂⌒~⊃゚ω゚)⊃
同人誌はそれなりに多かったりする
主役の3人に焦点絞ってるから密度が濃い反面、発展性がないけど
かしまし本で傑作だったのは、去年の冬にあずまゆきが書いたものだけだよ。
後はゴミクズばかりだ。
で、あのね商法のDVDが発売されるのはいつ?
とえあえず、ほしゅ
592 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 16:08:44 ID:IyIV2VTx
はずむ妊娠モノ ギボン
ハルヒ本は当たりが1冊もない
とりあえずアーカイブのはあたりだったぞ。
あれは愛の差が出ちゃったな
話題だから、で作った連中ばかり。
ともあれ続きキボン保守
SS本編は未完だけどスレを盛り上げるため、小ネタをはってごまかすとしますか…
土日には貼りましょう。
+(0゚・∀・) + ワクテカ +やす菜です
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
+. (0゚∪ ∪ +
/ヽと__)__)_/ヽ +
(0゙ ・ ∀ ・ ) ワクワクテカテカ
(0゙ ∪ ∪ +
/ヽと____)___)_/ヽ + +
( 0゙ ・ ∀ ・ ) ワクワクテカテカ
( 0゙ ∪ ∪ +
と_______)_____)
ごめん
602 :
灰色 猫:2006/10/15(日) 22:37:02 ID:jmxf9VmK
お待たせしました。
と、言っても、SSと言うよりただの改変物ですが。
ちなみに元ネタは攻殻2nd
603 :
義体 1/2:2006/10/15(日) 22:37:51 ID:jmxf9VmK
「お待ちしてたわ」
二つの義体が陣取った自動車の隣りのテーブルで、店主は、紅茶を用意して待っていた。
とまりにせかされて、店主は語り始める。
「この二つの義体は、今では立派な成人になった男の子の方がずっと大切に保管していたものなの。
男の子は17歳のとき宇宙船事故に遭った。市民のほとんどが死亡した大変な事故だったそうよ。
救助された人たちも、まもなく全員が亡くなったと聞いているわ。
この男の子と、それから近所に住んでいた女の子を残して。
奇跡的に命を取り留めた二人だけど、女の子は意識が戻らず、男の子も左手以外はまったく動かなくなってしまったの。
体の傷が回復した男の子は、自分の置かれた状況をすぐに理解したわ。
一緒に暮らしていた両親が死んでしまったことや、遠い親戚達が初めのうちこそ親身になってやって来てくれていたけど、すぐ
に足が遠のいたわけ。
その小さな頭で、精一杯受け入れようと努力したの。
そして、隣りに眠っている自分と同じ境遇の女の子を、世界でたった一人の友達と思うようになった。
『彼女が目を覚ましますように』そう祈りながら花輪を、左手一つで懸命に編みつづけたの。でも…」
「女の子に、何かあったの?」
「しばらくして、女の子の様態が急変したの。
次の朝、男の子は、『女の子が遠くへ行ってしまった』と聞かされたの」
「それから二年。男の子は誰とも口を利かず、ただ黙って、花輪だけを編んで暮らした。
まるでそれを編み続けることが、彼の人生に課せられた重い責務であるかのように」
「今日は何か言った?」 「白い花が欲しいって」
「訴訟などの手続きが全て終わったある日。親類の男と共に、一人の若い医師がやってきて、男の子に言ったの。
『もし君が望むなら、君の動かない体を全部取り替えるという治療法があるのだけど、受けてみる勇気はあるか』って、
『うまくいけば、前のように普通に生活できるようになるから』って、
男の子は返事をしなかった。勇気が出なかったとか、そういう事じゃないの。わかるかしら?
彼には、前のように普通の生活に戻りたいという動機が無かったのよ。
もはや、花輪を編み続けること以外は、何も興味をもてなくなっていたんですもの。
それで、周りの大人たちは男の子を説得することをあきらめてしまった」
604 :
義体 2/2:2006/10/15(日) 22:38:34 ID:jmxf9VmK
「でも、一人の女の子が、男の子の心を開くきっかけを作ったのよ」
「それがこの子ね」
「ええ。この子は既に全身義体の治療を受けて、成功していた子だったの。
たぶん若い医師が、男の子を説得する最後の手段と思って、二人を引き合わせたのねぇ。
女の子は、毎日のように男の子に会いにきたそうよ。とても明るい、活発な子でねぇ。
全身儀体に慣れるまでは、ずいぶんつらかったはずなのに、そのことは男の子に一言も語らなかった。
それどころか、おりにふれて男の子に義体化することを進めたの。
男の子は黙って聞いていたのだけれど、あるときポツっとこう言ったの。
『君は義体で花輪が編めるの? もしできるのなら、僕も全身義体になってもいいよ』
でも、彼女は友人の頭部にケリをブチ込む事はできても、繊細な動作をうまく義体に伝えることはまだできなかった。
その子負けず嫌いだったのかしら。何とか花を編もうと頑張ったそうよ。
男の子にとっても、その女の子は希望だったはずよ。でもね、二人ともまだ幼かった。
男の子は落胆して、『死んでしまった女のこのために、花を編むこともできなくなるなら、このままでいい』と言ったの。
その日以来女の子は、男の子の前から消えてしまった。
『今度は、私があなたのために花輪を練習するね』と、言い残して。
そう… 男の子が死んでしまったと思い込んでいた、あの女の子だったの。
なぜ、そのことを彼女は言わなかったのか… 何か重大な事情があったのでしょうけれど。
男の子は、その日から自分も義体化することを決意した。そして、病院から消えてしまった女の子に会いに行くと心に誓ったの
。
後日、男の子は身体を全身義体化し、つらいリハビリにも耐えて、優秀な義体使いに成長していったそうよ。
当時はまだ、子供の全身義体はほとんど無かった時代だから、それは想像を越えてつらいものだったでしょうねぇ。
でも、あの女の子も同じ苦しみを耐えていたのだと考えると、簡単に乗り越えることができたの。
「それで、その女の子は見つかったの…?」
「全身義体の飛行機事故にあった女の子。これだけで手がかりは十分なはずだった。
でも、その子を見つけることはできなかったの」
「それじゃあ、女の子の義体はどこで…?」
「男の子が大学の研究室にいた時、標本として保存されていたのを見つけたそうよ。
男の子にはこの子が捜していた女の子だってすぐわかったのだけれど、擬態をリサイズした本人の行方はつかめずじまい。
だから、女のこの方の記憶は、今でも空っぽのまま」
「男の子の方は、今?」
「大戦の末期、外国に出兵して、それっきり。あれから一度もここには来てないから、死んでしまったのかもしれないわねぇ…」
「話してくれてありがとう。きっと女の子も、初めて好きになった男の子を、今でも探しているんでしょうね」
「初めて好きになった…?」
とまりは車の助手席の前に、砂糖の包み紙で折った鶴を置くと、店主の質問には答えないまま店を後にした。
605 :
灰色 猫:2006/10/15(日) 22:39:24 ID:jmxf9VmK
606 :
オマケ:2006/10/15(日) 22:40:23 ID:jmxf9VmK
それを見ていたやす菜は…
/:::, ' -─‐‐‐‐- 、 \ |
, ':::/:::::::::::i:::::::::::、:::::::::\.│
/:::::/::::/::::!::::l::::::!::::::ヽ:::::::l ::::|
,':::::::{::::::!、/::::ハノヽハノ\::|、:::|
{::::::::!:::::!,,,=≠'''" "'''''≠=ミ `}|
`、:::ヽ从 ィテか イテぅ ,':::| とまりさんが素子役だなんて…。
/`::::::l ゝ≠ソ ゝ≠ソ !:::|
/::/:::::::} 、 ,':::| 私はてっきりバトーなのだとばかり思ってたわ。
/:::,':::::,'::ハ , ‐、 {:::::|
i:::/l:{:::::{::::::ヽ、, ' ニニ} ,{::::::|
{::{ {:ゝ:r':::::::::::::| ニニ}_ ィ l::::::|
ヽハ:;:'::::::/::::::::| ヽソ l:::::::|
/::::r'::::::::__;;;;;;- | } ヾ::::|
//:::/:, '  ̄ l } ノ ,'::::::|
{ハ:::!/ ! l / l ,!::,':::|
`/ 、 l , ' ,' 、r、,r=v{:::{ヽ:|
/ l l / /、--/┬ゝハ:|
/ l/ /|| [l || || i |
/ / / .|| .Ω || || i ∠|
/ / / Y { |
ヽ / / l. │
途中まで真面目に読んでたのに
>でも、彼女は友人の頭部にケリをブチ込む事はできても
ここで歯磨き粉吹いた
>>605 ぴのこーーー。・゚・(ノД`)・゚・。
でも、この流れだとはずむ君最後は…
元ネタはなんだろう
攻殻機動隊?
|ω・)…まだかな?
613 :
灰色 猫:2006/10/22(日) 11:05:14 ID:9hU7Qs9w
なんか今ひとつモチベーションが保てない。
と、言うわけであのねDVDのシナリオを予想。
やす菜が、自分が元に戻れたのは、はずむとそしてとまりのおかげ
だから、また三角関係に戻ろうと提案。
脊髄反射でそれに同意するはずむ。
「あのね。また三人一緒にいよう」
苦渋の決断を踏みにじられたとまりは、はずむを三ヶ月間シカト。
何のかんので、ラストは三角関係に戻る。
2chで、優柔不断すぎるはずむ叩き祭り開催。
614 :
灰色 猫:2006/10/22(日) 11:06:28 ID:9hU7Qs9w
またこんな改変を作ってみた。
-はずむは-
2度とやす菜ととまりの元へは戻れなかった…。
男と女の中間の生命体となり
永遠に一人地上をさまようのだ。
そして愛されたいと思っても愛されないので
―そのうちはずむは恋することをやめた。
お粗末
はずむってなんつぅ〜か・・・・・
女にしとくのもったいないよな
女性だけど、これから女にするんです。(`・ω・´)
618 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 22:47:55 ID:PUUMbv1g
はずむは女に生まれるのではない。女になるのだ。
ボーボワール
|ωT)…シクシク
|T)…シクシクシク
|)…シクシクシクシク
|…シクシクシクシクシク
|≡≡≡⊂⌒~⊃TωT)⊃…ブェェェン
|≡≡≡⊂⌒~⊃TωT)⊃…ブェェェン…⊂(TωT⊂~⌒⊃≡≡≡|
A.A.サロン板のスレが消えたと聞いたが、ここに移っていたのか。
この過疎っぷりなら言える。
「並子・・愛してる」
|
| ミ ・・・サッ
|
'''" '' ''' ''
仁さん…(*´Д`)ああん
真面目な話、このスレももう終わりかなぁ・・・
(´・ω・`)
まだだ。まだ終わらんよ。
|ω・)…絵なら描けるんだけどね、漏れ。
アニメが終わった作品なんてどれも似たようなものだよ
632 :
灰色 猫:2006/11/13(月) 23:54:13 ID:/ClYZ0XS
>>630 絵が描けるのなら、職人が貼ったSSの挿絵を描けばいいじゃない。
(*´Д`)'`ァ'`ァ
|_, ,_
|゚д゚) < 誰もいない
|
| _, ,_
|⌒ ( ゚∀゚) <かしまし3人娘を独占するならいまのうち
|`ヽ_つヽ_つ
コソーリ
| 〃〃∩ _, ,_
|・) ⊂⌒ ( ゚д゚) ?
| `ヽ_つ ⊂ノ
| ∩ _, ,_
|・)二⊃⊂⌒ ( ゚Д゚ ) !
| `ヽ_つ ⊂ノ
| _, ,_
|⌒ ( `Д´) )))
|`ヽ_つヽ_つ ))
|, ,_
|Д´) ))
|ヽ_つ )
|
| イヤアァァッ ───── !!!
|
筆が遅いから中々完成しない。
時間はかかるけど待っててくれるかい?
|ω・)…うん
637 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 10:35:22 ID:ZxFQQ7an
おう。読者はいるぜ!
このスレってなぜ、住人同士で雑談しないんだ?
書く側からすれば、モチベーション(マスターベーションではない)を保ったり
エロ方面のニーズを知るために結構重要な要素なのに。
ヒント 住人がいない
本スレすら人がいないんだぜ。
アニメも漫画も、エロ方面の妄想がしづらい展開なんだぜ。
そんな俺でも一日一回このスレを覗いてしまいます…
既知外も消えた、とは思う。
だが職人さんも二次創作サイトに流れたキガス
単純に人がいないだけだったのか。
|ω・) ……。
>>641 本スレに来てたよ。ガイの方が。
なんか、製作スタジオに13話に関する苦情の手紙を書くって...。
別に書きたいなら書かせとけばいいんじゃね?
2chでごちゃごちゃいうよりはよっぽど有意義だし。
雑談は本スレでするんじゃないの?
雑談以外、何して待つと?
雑談して無いと、落ちちゃうから。
649 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:42:50 ID:X7c+8JZM
ヤベ、筆がすすまねぇ
|_, ,_
|゚д゚) < 「並子の初恋」っての読みたい奴いる?当然エロなしだけど
|
悪いが
とりあえずマジな話ならみたいかも
|ω・)
じゃぁ、執筆してみる。何時になるかわからんが
そんなのばかりだな
657 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 13:44:46 ID:sRwl4T+Y
だがそれがいい。
|ω・)
|ω・) ……。
きっと大丈夫……僕たちは待たされる事に慣れているから。
|ω・)…うん
|) …13話見た…見ないほうが良かったのかもしれない。
|・) ……。
FIN
_ ハァハァ......マダオワッチャダメヨ!ハズムクン
'´/二コヽ
!((ノノリ ))) _ ヌチュ!ヌチュ! ヌチュッ!!
ノノ))*゚Д゚ノ) '´ ヽ
(、/ つ--! ,((ノリノ))アッ..ヤスナチャ...アッ......
(( ( ( リ从*´ワノ! ボク........モウオワッチャ.................
と_)´_ノーヽ_つ つ
667 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 15:11:07 ID:fo/MeuOT
|ω・) ……来年もよろしく
668 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 06:37:44 ID:wboVDbKd
|ω・) ……今年もよろしく
669 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 01:04:42 ID:8eoJi2Xk
よろしく
ho
とまりちゃんハァハァ
672 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 01:36:50 ID:sGT7v7R1
明日太ハァハァ
673 :
*゚Д゚ノ:2007/01/17(水) 05:38:12 ID:p+Rl89Xt
並子ハァハァハァ
674 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 17:52:17 ID:ny3qy69h
はずむ「ボクのクリトリス、くりくりしてぇ!」
とまりを犯したい
'´ /´:::::::::::::ヽ:::ヽ:丶 ヽ ヽ
,.-‐':: ̄::/:::/:::::、::\::::::l:::::ヽ:ヽ ヽ ヽ
ヽ- ---彡‐' ̄ ´ l::::l:::::l:::::|::::::l::/ ヽ::|/ ' / }
` ー‐' ´ l::::!::::ト‐‐- ' 〈__ノ リ / / < あたしははずむ専用だっ!!
\`::::ゝ-イニニヽ,ノ '´ /
/ ̄ヽ ゝ - 、,|、r、lゞゝ 、 /
ヽ ,j / .' ´ ヽ ` ーー、 _ -─‐ー- 、
, ̄ l / l 、 ` 'ヽ ̄ 'ヽヽ , ' ´:::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヽ ゝ' / | ヽ、 }_/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
ヽ | | \ /´ フ>/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ヽ /´ .l l l / | !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
`‐'´ ヽ'ーヽ‐' ./ .!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 ̄.! /:ゝ、 ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
| r'::::::/ \ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/ _, -'´_,:-'´ ヽ\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
´厂´ l '´::::l -丶、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
l l::::::::| \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
l ,ゝ_丿 \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
ゝ- ' ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
/, ヽ、
/ / / , / i 、 ヽ
. / | l /{ イl | i i \ i
/ イ| ,.r什トkl l_j⊥」_ i ヽ.|
| | | |ハ{,⊥!八\N_川{ ` | i 〈
| | N{ " ̄` =ミ乂ゝ | |
. ! \_ゝ :::: , :::: / / ハ} ぼくの身体はとまりちゃんのものだよ
ゝ、 __.> 、 _. / i/| !{ リ
\リ\ ,.イi /^j人!
ヽ、|` ー..::::´|,从{
/iフ _ソ>- 、._
/\ `ー─一_¨イ `ュ、
/  ̄二二 / / i
ト、 _/ / , }
|ヽ i 、// |
{ ヘ.〉 ∨ /
} 〈.. .. ./ ∧
/` ヽ:::::::::::::::::i ::::...............::::/ /
\__>;::::::::::::::| i::::::::::::::::::/ヒ二}
やすなは強姦しやすそう
はずむ「とまりちゃん、かわいいよ」
とまりを目が虚ろになるまで犯したい
, - ´ ̄ ̄ ` 、
/ \
/ ヽ
. / | / | | 、 ヽ ゝ`
│ | / /. /| 」__| _,l l |
| | | `''フ´ | /| / ノl/l |
| |レ.二ミ> レ <二 丿ノ
| | 从∪ ∪l 从
从|、 ヽ ゝ r‐----、 / lゝ '
Nイミ ヽ _ ノ ノリリ
, ' ⌒ ヽ l` ー----- 'l | ヽ
l l ヽ l | (/  ̄丶
. l l ヽ、 ,ノ - 、| ヽ彡 |
l l 「  ̄/ _ヽ ヽ____|
l l レ'〈 .| __ ) ./ /
. |l l. `| _ ) / /
. | l ヽ _ / ノ / /
. /l ヽ /´ / > /
今スレの最初から見てたのですが…
ラブホにいるとまりんが気になります(>_<)
|ω・) ……あきらめろ
|ω・) …3ヶ月ぶりに書き込んだけどやっぱ来ないね。
やす菜が男性を認識出来ない事を周囲に知られる。
ある日、遅くまで学校に残っていたやす菜が教室で帰る準備をしていると、数人の男達がいきなり入って来て襲われてしまう。
その時撮られた写真で脅され、誰ともわからぬ男達にその後も何度も犯される続ける。
だが、何回も犯されている中で行為の間だけだんだん男達の顔が見えるようになっていき、嫌なはずなのに自ら求めるようになりついには快楽に溺れてしまう…
とゆうあらすじを思いた。
しかし文は書けないから、もし気に入っていただければ、誰か肉付けしてください
俺にそんな能力が有れば、このスレは、過疎ってないよ…
687 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 13:31:16 ID:0rwHKDbT
あかほりの脚本が突発的すぎて、妄想するにも頭の中で混乱するんだわ
妄想しないと小説って書けないものだからね
漫画が終わる前に、誰か投下を…
(`・ω・´)無理!
まだアンチが常駐してるのに驚く
はずむが男に戻らない時点でどうにも。
花田……たのむからもう仕事するな。
あかほり……たのむからもう仕事するな。
神は、我等をお見捨てになったのか!?我等は、まだこんなにも神を崇拝していると言うのに!!
いやあかほりは許す
だが花田、テメーはダメだ!
要は、やす菜厨が常駐していた、と
とまり好きだとしてもあのエンドは大半が、オチつかんだろ
「あのね…」の続きがそのうちどうでもよくなって、最近まですっかりその事をすっかり忘れてた。まぁ映像特典は見たいからな
別にエンドはどっちでもよかったが過程が酷すぎただろ・・・
過程も〆方もぐだぐだどっちにしろすっきりしない。
盛り上げるだけ盛り上げる癖に、中身を全然考えてない上っ面だけの花田のいつものパターン
漫画もgdgdで終わるかもな…
そうなったら逆に創作意欲が湧くやもしらんが
男の友情続きを熱望
自分も完結を渇望しています
/ , ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
\ /\ lヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
\/ \ _\:`:::::::::::::::::::::::::,、::::,,:::,,:::,,::,,:,,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
__ /\ / ` ー ミ:::::::::::::: ,、/' '' '' " " " '' "ー,,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
\ \/ `ヽ , ‐'.' \/ ,フ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.リ`
ヽ /\ / ヽ / /\ ,,- >::::::::_:::::::::::::::::::::::リ'
ヽー-、. \/ |/ヽ / ,, z≠" `ヽ:::/,-、ヽ::::::::::::::::::l
ヽ、 Y´ \ / l ''´ ,,-ヵァa、 l::|{ `l , l:::::::::::::::::l
ヽ l \/ ヽ ヾ‐ ' レ , //::::::::::、lヾ:ゝ
l /\ / //// ', / :::::、く``/: :
l / \ / /ヽl`ヽ /: : : :
j / 、_ / /: :__
/ \ / `、 ---‐‐‐、 __ -─‐  ̄  ̄: : : : : :
, -‐‐  ̄ .ヽ /\ / \‐ ‐‐' .-< : : : : : : : : : : : : : : : : : :
´: : : : : : : : : : :l/ \/ >ィ-´-‐‐─ー- 、: : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : ヽ /\ / : : : : : : : : : : : : : 丶、: : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : l / \ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : .ヽ │: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : :
つまんね
>>685 やっぱりそういうネタはみんな妄想しちゃうんだね
漫画も来月で終わりか。
なんかそれなりにまとまってしまったせいで、逆にアフターSSは書きやすいかもね
逆にオリジナルシナリオは書きにくい。
やす菜派には絶望的結果か。
あきらめてif妄想しかないでしょ。
各スレからも、やす菜厨が急速に離脱しているみたいな
単行本組みなんだが、とまりエンドということ?
それはいいとして、はずむが元に戻らないというのは・・・
牧場スレではずむたちがピンチになってた
誰か凌辱ものをプリーズ!!
>>712 はずむが元に戻ったらそれこそ最悪だ・・・。
はずむの時間は終わったらしいから、もう運命因子は他の人のモノに依存なわけだろ。
運命が尽きたのは男体、女体ともに同じなんだから、身体を男に戻しても一緒。
という理論が成立するはずだが、ばかほりがダメって言うからそうしてやってるだけです。
宇宙人が、三度に渡る干渉をすれば、男に戻れますよ。
なに読んでるんだ
男の因子は 尽きた
女の因子は 尽きる前につなげた
だろ
りの運命に乗っかった以上男に改造しても死なんだろ
という解釈なら同意
この話題がでると、涙目になって必死に否定するのがいるな
最終回ではずむを男に戻してとまりとセクロスENDなら尚一層神なのに
そんなのつまらなすぎるだろ
いや、祭りになって楽しいぜ?
俺はとまりのあえぎ顔が見て〜んだよ
はずむが女のままで百合プレイでもかまわんが
つまり、
やす菜ととまりを男の子にすれば万事解決
ってことだな
ちがーう、俺は女とまりのあえぎ顔を拝みたいんだ
俺の願いはそれだけだ、後は何も望マン
SSサイト探せばあるんじゃね?>とまりエロ
以前どっかで見た覚えがあるし、飢えてるならどうぞー
あとはホテルのとまりちゃんの続き…。
泣き濡れながらも喘ぐとまりの悲痛な姿を見たいんだけどな orz
あれはダークっぽい気がするから、ひとりになっても投下を期待してる
SSサイトに纏めてあったのは読んだ
とまりエロのSSに絵を入れてぜひ創って欲しいぜ
ぐぐってみろ、ってんじゃないの?
他のサイトを
なるほど、ちょっとググッて探してくるわ
エロイのがあると良いんだけど
あったら、晒さない程度で報告きぼ
かしましの小説よんだら、げんなりした俺は、負け組
ググッて探して見たが、とまりエロどころか、かしましエロSS自体少ないな
とまりエロは何とか1つ見つけたけど、俺的には内容が今ひとつだったわw
エロイと言うよりも、読んでて爆笑したw そういう意味では楽しめるかもw
ここ以外にあるのか、かしましのSSが
陵辱系のは?あるわけないか…
このスレの一番の問題は・・・・SSの投下が全くないことだ(´・ω・`)
レスは適度にあるみたいだが
>>732 かしましのSSが10個ほど置いてあるサイトなら見つけたぞ
俺はとまりのSSしか興味ねーから、ほとんど目を通してないから内容はわからんが
>>733 作家を気長に待つしかねーんじゃねw
誰かとまりのエロSS投下してくれー
やす菜はずむエロはどっかで見かけたな。でも、ここ以外でもかしましエロSSは稀少。
明日太はずむの続きとか、余所でまとめて発表されてないか探したよ
>>732 牧場スレに一発ネタらしきものはあったけど >凌辱
情緒のない陵辱などイラネ
情緒のある陵辱が読みたい。
陵辱された身を嘆き悲しむようなやつ、な。
情緒のある陵辱って何だ?
京都とかで陵辱される事か?w
宇宙センセ乙
アタマ悪そうなだな>740は
もう春休みかと思ったら、ずっと春休みの人か
自演乙
ただツッコミを期待しただけじゃないのか?
念のため
>情緒のある凌辱
ストーリー性があり、犯されたヒロインの心情描写などがあるもの
心理描写の妙に誘引されて、キャラの心情へと自分を同化させていく…
なんて、そんな高尚な精神的構造持ってないよな?>740,743,745
みんな〜!!
>>747のために通訳つれてきたよ!
/⌒ヽ
( ^o^ )
/ ヽ
| | | |
| | | |
|| ||
し| i |J
.| ||
| ノ ノ
.| .| (
/ |\.\
し'  ̄
ید ویندوز
موتور جاوا اسکریپت را هنگام باز
شما در حین خواندن و مرور ایمیلهاتان
حل تست خود را می گذراند و فقط در اختیار
عده خاصی
از کاربران یاهو به
صورت
やす菜厨は他板でも元気だな
精神は成長しないんだナーと感心するよ。
最近、暴れてるのってレ(ry?
やす菜厨の暴れっぷりは本当にひどいな
アニメ・漫画板だけでなく、ついにここにも来たか
いきなり厨とか使い出す変な子はいったいなんなんだ
レだな、でなければその同一種。
やす菜には、そういった暗黒面を惹きつける魔性があるのかもな
やす菜が出てきたせいで、とまりもいやな子になりかけたもんな
悪意を生み出す触媒みたいなものって、あるかもしれん
そろそろ本題に戻りましょうね
本題。
とまりはパイパンという事が決定したから次は……
情緒のある凌辱をどう表現していくか・・・
はずむに赤飯イベントがあったのかについて
ジャンプウとはずむが一緒に風呂入ったときやっぱりあそこも一緒に洗いっこしたのだろうか
してないだろ、きっと
('A`)浪漫が無いな……炉マンでもいいが。
763 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 08:43:54 ID:Hs/K7sIK
>>757 小説版によればパイパンではないが。。。
やす菜は陰毛も濃そうだ
眉毛太いし
じゃあクンニするとき大変だな
いや、俺なら剃らせる。
嫌がるのを無理やり永久脱毛させる、とかな
>小説版によればパイパンではないが。。。
そんな描写あったけか?とまりんはパイパンだろ間違いなく
盛り上がっているように見えてもSSの投下は皆無なんだな。気配すらない・・・
アンチでなくて、純粋にSSを読みたくてここをのぞいてる人は何人いるんだか…
点呼とってみるか?片手で終わるんじゃないか(´・ω・`)
|ω・)ノ …みせっこはまだですか?
771 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 12:30:55 ID:kWzYioNy
>>767 小説版(電撃文庫)P103,7〜9行目参照のこと!
>>771 純粋な心を持つ俺を騙しやがったなw
・・・はずむくんじゃないか、やっぱとまりんはパイパンだよ
本当だ!!
小説に書いてある、今までスルーしてたからきずかなかった
楽しそうだな、おまいら
SS無くても、雑談スレとしてこれからもやってこうな…
かなり大昔に24話の後のとまりSSを投下した者です。
ようやく書き終えたんですが、かなり長くなってしまったんで、
ここに落とすとスレをほとんど占領しそうで…
どっかにうpしてリンクした方が無難?
ヤッター久し振りに神キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
>>775 ここに投下して欲しいけど、そんなに長いの?何レスくらい消費しそうですか?
あの続きで100KB超えてます。
まだ編集してないんで不明ですが、レス数なら30前後かと。
残りのスレ容量のかなりを占めそうです。
空気を読めないとまり厨がスレの雰囲気を壊すかもしれないんで投下は遠慮してほしい
・・・なんだか知らないけどエラくケンカ腰の方がいるな^^;
>>777 こういう考えの方も居るみたいなので、もう少し意見を伺ってから投下
した方が宜しいかと
個人的には期待してます
何日かにわけて投下するとかは?
ものすごく読みたいぞ。
あんまり長いと飛ばすのがだるいからどっかのロダにあげとけ
おお、カッコイイID
SSのスレなんだから投下しちゃいなよ。そもそも何ヶ月もSSの投下すらなかったスレに
気を使うこともないよ。読みたくない奴はあぼ〜んすればいい話
厨が全力で煽ってきそうだか、大丈夫か?
>>770 一年後ぐらいになると思って忘れてまってて。
厨の煽りなんか華麗にスルーしとけばいいだけ。オリジナルの物だけでなくパロった物
にまで噛み付く厨ってどれだけだよってな感じで無視しとけばいいんだよ。
まぁ期待しながら、のんびりと待つよ…
投下前からクサしに来てる基地害がいるのか
規制で書き込めない……今度はどうだろう
投下マダー?
早く24話アフターの続き読みたいんだけど
>790
規制で、ずっとPCから書き込めないんですorz
よそ様の軒先貸してもらえないかお願い中。
おk
楽しみに待ってるよ
繰り返す思いは、とまりを憔悴させる。
――もう、今は…あたしがあたしでいるのがつらいんだ……
膝の上で握りしめていたの手の甲に、ひとしずく、ぽとりと涙が落ちた。
――あたしが先でいいだろ……、はずむ……
雫は続かなかった。それで終わりだった。終わりを感じた時、とまりは誰かが声を出す
のを聞いた。
「抱かないの……?」
男は背を向けている。缶ビールを口にしたまま、動作を止めた。
「抱くんじゃないの……?」
抑揚のない女の声が、こぼれる。身体が、熱かった。
「そのつもりで、待ってたの……」
モニターに映る洋画から、異国の女の声で、一人語りが流れている。
男が、どちらを聞いているのか分からなかった。缶ビールを持つ手をゆっくりと下げる。
脱力したようにも見えた。
言い知れない昂ぶりに押されて、とまりは叫んだ。
「もう、抱いてッ…」
少女の声が、高く響いた。男は、その余韻が消える前に振り向いた。ベッドの端に腰掛
けた小さな身体は、俯いて肩を震わせていた。無言でそれを見つめた。
「あたしのこと、好きに抱いていいから。言われた通りにするから。だから……!」
怯えを含んだ声で、とまりは言った。そして顔を上げる。男の顔が見えた。そこに柔和
な表情はなく、視界に入ったとまりの瞳を、平坦に見つめていた。
「もう…あたしのこと、変えてほしいの……」
千切り棄てるように言った。
「あたしじゃなくなりたいの……」
誰に告げた言葉か分からなかった。それに男は、ただ頷いた。
「特別優しくは、出来ないよ」
穏やかに、冷たく告げた。
「いいんです」
見ず知らずの優しさなんていらない、と思った。
「恥ずかしいことも、言える?」
「…いいます」
「いやらしいことも、できるの?」
「…やります」
「痛いことも、あるかも知れない」
「…がまん、します」
「途中では、止められないよ」
「…はい」
男は表情を変えない。淡々ととまりに問いただす。ひとつひとつの言葉には、何の感慨
もなかった。問われるまま、頷いていた。
「……リクエスト、あるなら聞くよ」
それは、どう抱かれたいのかを、聞かれているかのようだった。とまりは男に試されて
いるように聞こえた。心の襞を、汚泥のようなものがどろりと流れつたっていく。
――誰に抱かれても、同じ……
目を閉じて、思う。
――誰が抱いても、同じ……
男と女の、肉体だけが交わる。ただそれだけ。
男と女の、本性だけが互いの肌を求め合う、ただそれだけ。
――誰に抱かれても、きっといやらしいあたしになっていく……
そんないやらしい自分を、はずむはどう思うのだろうか。
女の、淫らな本性に狂う自分を、はずむはどんな気持ちで見るのだろうか。
軽蔑し、汚いものを見るように顔を背けるだろうか。
それとも、淫猥なとまりの姿に、はずむも感じて、性を刺激されるのだろうか。
ぞくりと湧き上がる背徳感に、とまりは身震いした。
そして、その湧き上がるままを答えていた。
「……あたしを、写真に撮って」
意外な言葉を聞いたように、男の目に感情が流れた。
「写真を…?」
「抱かれる前のあたしと、抱かれてるあたしを写真に撮っておいて欲しいの……」
男は少女の意図を掴めなかったが、彼女の瞳に異質な光を感じ、問い直しはしなかった。
ソファーの脇に投げ出してあったビジネスバックから、小さなデジタルカメラを取り出
し、少し指で撫で回した後、とまりに示した。
「これで、撮るから」
とまりは小さく頷いた。そして、エチケット袋からおもむろにヘアバンドを取り出す。
バンドといってもヘアターバン並に幅広で、部活で使っているものだった。額の汗を吸っ
たせいか少し埃っぽかったが、構わない。
「これで……、あたしを目隠ししてから抱いて下さい……」
俯いたまま、手だけでそれを男に差し出した。
「目、隠し…かい?」
男が、何かの誤解を確認するように聞き返す。とまりは、はいと答え、続けた。
「抱かれてる間、何も……見たくないの」
冷え冷えとした、自分の声だった。なのに顔も身体も、上気していた。
自分の心も、身体も、もう自分のものでなくなっていた。
手にしたヘアバンドを受け取りに、男がとまりに歩み寄る。ベッドの傍らまで来た男を
とまりは上目遣いで見上げ、ヘアバンドを差し出す。手が震えていた。男の手がそれに重
なった。とまりはぎゅっと目を閉じて、男が顔までヘアバンドを潜らせるのを待つ。顔へ
の緊縛感を伴いつつ、瞼の向こうが暗く閉ざされる。闇にあって、とまりの胸に怯えが生
じ出す。そこを、男の手がとまりの髪を撫でるように動いたので、心臓が跳ね上がった。
男はゆっくりと指でとまりの髪を櫛梳り、ヘアバンドの向こうへ流し出した。その仕草は
穏やかで、不安が少しだけ和らいでいく。男が、この長い髪を褒めてくれていた事が、ち
らりと脳裏を掠めた。
「これで、…いいんだね」
男の囁きが、耳元近くで聞こえる。無言でとまりはうなずいた。
何も目にしたくはない。何も瞳に焼き付けたくない。
変えられていく自分を、記憶に刻みたくはなかった。行為の後は、残った心を消して闇
に堕ちようと思っていた。
次の朝に目を開けた時、それまでの自分こそが、夢だったのだと思えればいい
「写真、どう撮って欲しいんだ」
男が、聞く。
とまりは、心が疼き上がっていくのを感じる。写真…、記録…、今……そして、その後。
――これまでのあたしが変わっていくのを、そして変わってしまった事を、誰に宛てて残
したいんだろう……
はずむに見せつける。はずむに背負わせる。そして最後の時まで、はずむの心を思いを
自分に縛り付ける。
――あたしを、おいていってしまう罪と、……その罰。
はっきりと、浮かび上がる憎しみと復讐を知ってしまった。
――はずむには、置き去らて、また置き去られるあたしへの罪を感じて欲しいんだって
とまりは、いなくなるつもりのはずむを知ってしまった。
――あたしからはずむは消えないのに、はずむはあたしを消してしまえるんだ。だから……
はずむは、とまりの事を諦めてしまえるのだった。だから、何も言わず微笑んでいられる
のだ。
はずむは、自分のいなくなった世界でとまりがどうなってしまうのかが分からない。想
像すら、やめてしまった。だからあんなに残酷になれる。誰かにとまりを託してしまえる。
あの時、屋上で鉢植えとおしゃべりしていたはずむの姿。…声。
――許せない
とまりは、くやしかったのだと気付いてしまった。はずむから寄せられる想いより、自
分の想いが強かったことが悲しかった。
とまりは今、目を閉じて思う。
女の自分を意識した。女の自分が、想い人に何を刻みつけようとしているのかを。
ゆらゆらと揺れていた情動が、闇の中で像を結んだ。
――いなくなるあたしを、想って悲しめばいい…
温度の無い光が、魔を伴ってとまりの心を染めた。
――ひとり、満ち足りて逝かせたりしないから
女として愛することが叶わない人がいる。いや、女の自分を受け止めて欲しかった人は、
もう消えていたのかも知れない。なら、女の自分に未練はない。紙屑のように、そこらに
投げ捨ててもいい。捨てるつもりなのだから、どんなに汚れても構わない。
ぼろぼろに、どろどろになっても、見合った仕事をさせてやる。そしてそれを、はずむ
に見せてあげるのだ。
とまりの悲しみを、幾分かでも思い知るに違いない。
――互いに喪いあって、ふたりともいなくなろう
とまりは、奈落への踏み板に足を掛けた。
「いやらしいのを……」
闇色の決意が挫けてしまう前に、自分を追いやってしまおうとした。
「男の人があたしのことを、……いやらしい女と思うように、写して」
男の方を振り仰ぎ、とまりは答えた。声に感情は出なかったが、舌が震えていた。
目元の隠れたとまりの表情は、男にはよくは分からなかった。
ややあって、男は口を開いた
「……じゃ、僕の言うとおりに、するんだ」
「はい」
「いやらしいこと、恥ずかしいことも、たっぷりとしてもらう…。いいね」
「……はい」
「泣いても、嫌がってもいいけど、……最後には言うとおりにするんだ」
「分かり、ました」
繰り返されるそれは、確認の言葉ではなかった。契約だった。男に促されるまま、とま
りは契約の言葉を口にする。
「今からの先は……もう、戻れないんだよ」
闇の向こうから聞こえる声の意味を一度だけ噛み締めて答えた。
「もう、決めたから。だから……」
おぞ気がぞわりと背筋を這い上がり、唇からこぼれた。
「あたしが壊れるまで、いなくなるまで……やってしまって」
血判の捺された誓約だった。おぞまし気な情念を滲ませ、少女は自ら誓った。
男から、もうその返答はなかった。代わって、命じた。
* * * * * * * * * * *
「バスローブの前を、はだけるんだ」
ゆっくりと、とまりは腰紐を解いた。前合わせの胸襟を手に取り、開く。
生肌の肩に、ブラジャーのストラップはない。それを目にし、男は少女がブラジャーを
着けていないのに気付いた。当たり前だ。自分がランドリーに出したのだ。意識して脱衣
籠の中は見なかったが、そういう事なのだろうと思った。パンティも、着けていないのか
も知れない。そう思うと、男の鼓動は自然と跳ね上がった。
とまりは腰の辺りの内紐を解き終え、胸前を覆うバスローブを握り締めた。ぎゅっと力
が入り、固まる。自分の乳房をさらけ出す羞恥と不安に、手が止まってしまう。
「どうした…胸を、見せるんだ」
男の声に促がされ、とまりは小刻みに震えながらゆっくりとバスローブを開いていった。
最初に左の乳房が、その乳首が覗く。次いで、右の乳房もすべてが露わになっていく。
日に晒されたことの無い、真白い肌だった。男は息を呑んだようにとまりの胸の双丘を
見据えてしまう。二の腕の中途と首回りから下は、はっきりと質感の異なる肌具合だった。
照度の落ちた暖色光にも、その白さと艶めかしさが見てとれた。
乳房は小振りだが、たるんだ部分がない。余分な肉が落ち、発達した乳腺の上を女の肉
が適度に覆っているように感じられた。首筋や脇からの締った肉が引きあげている乳房は
、形よく天を仰いでいる。
乳房の大きさに合わせたように、乳輪や乳首も控えめだった。緊張したようにしこりを
帯びたそれが、はかなげに先端を揺らしている。薄いピンク色が、歳相応の可憐さを漂わ
せていた。
美乳、と言っていい。
男は見惚れ、言葉も、行為も失っていた。
とまりは、くたりと両手を下げ、震えている。異性に肌を、乳房を見られる羞恥におの
のいていた。男の沈黙も、怖かった。暗闇の中、心が縮こまっていくのを感じた。
「……あたしの胸、だめ…だよね?……ちいさいし、こ、子供みたいで……」
堪らずに言葉がこぼれる。
「こんな、小っちゃい胸…で、男のひとの気、惹こうなんて、無理だ…よね……?」
不安で消え入りそうな声を、男は耳にしていた。
「ごめん、なさい……あたし恥ずかしい……ごめん…ごめんなさい……」
少女の啜り上げるような呟きは、男の胸の、何色なのか分からない炎を煽った。
「…写真、とらなきゃね?」
「え…?」
「いやらしい写真、撮るんだよね…?」
「……は、い」
「じゃ、どんどん撮っていくから、言われた通りの事、するんだよ…?」
「…は……い」
カシャッ…とデジタルなシャッター音が響いた。
とまりの逡巡を介さないように、男は色々な角度からシャッターを切る。レンズが、肌
へ接近されているのを感じた。音が響くたび、とまりは心から、何かが剥がれ落ちていく
のを感じた。
「綺麗だよ、きみの胸…」
ふいに、男が耳元で囁く。耳朶に、ぞくりとした感覚が流れた。とまりは形にならない
声を、小さく漏らした。
「白くて、なめらかで、形もいい……」
男の声が、脳髄を焼くように流れ込んでくる。
「うそだ…」
とまりは、流れ込む男の声を否定する。
「うそに、決まってる……」
「本当さ。綺麗で、いやらしくて、手のひらでくるんで揉みしだきたくてたまらないよ……」
「う…そ……」
「ピンク色の乳首も可愛らしくて好きだし…、はやく口に含んで、舌の上で転がしたい……」
「…や、だぁぁ」
男の言葉に、とまりは自分を失いそうになり、怯えた。時折響く、乾いたシャッターの
音が、とまりに灯りつつある火を煽り立てていく。
* * * * * * * * * * *
ふいに男の手がとまりの肩を突いた。とまりは何の抵抗もできないまま、ベッドに仰向
けに転がされる。ぼふんと、ベッドが軋んだ。
バスローブは完全にはだけ、未だ隠していた下半身まで露わになってしまう。とまりは
突然の事の中でも咄嗟にバスローブの裾を戻して、女の部分を覆い隠そうとした。それを
男の声が見咎め言った。
「隠さなくて、いいんだ」
とまりは男の声を聞いても、ベッドの上でのろのろと手を動かし、秘部を男の視線から
隠そうとした。
「手をどけて。…恥ずかしいのを我慢するんだろ?」
男の意地悪な思いが、言葉に感じ取れた。とまりは唇を噛んで、バスローブから手を放
した。ぎゅっと閉じ合わせたふとももだったが、下腹部は外気に晒されているのが分かる。
パンティは、穿いていない。
恥毛を見られているに違いなかった。
――い…、やだぁ……
自分のそれが薄い事も、とまりの秘めたコンプレックスだった。部活の後のシャワーも、
何なりと理由をつけては皆の後でひとりで浴びに行っている。銭湯や大浴場といったもの
には入らない。人目が、気になって緊張するのが嫌だった。他人とを、比べてしまう自分
も嫌だった。
少し大きめの鏡の前に立てば、見えた。細く、まばらな体毛は女の恥ずべき箇所を隠す
にはいかにも頼りなかった。それが、自身の女としての幼さを際立たせているように、と
まりには思えた。
人とは、絶対比べられたくはなかった。
それを、見られてしまっている。
震えと硬直が、全身の血を絞り上げる。タオル地のヘアバンドがそれを圧迫し、顔全体
を脈動させるかのようだった。
「足、…開いてみせて」
とまりは、男の言葉に小さくふるふると首をふる。シャッター音が聞こえた。
「…開くんだよね?」
イヤイヤをするように、うつむいて拒むとまりに男は、無理矢理は嫌だよね?と続ける。
分かっていた。無理矢理されたら、その後も最後まで無理矢理されてしまったら、その
すべてはとまりにとって何の意味も無い事になる。
だから、自分の意志で足を、開くしかなかった。
薄い恥毛と、誰にも見せたことのない性器とを、自分から男に見てもらうのだ。
上半身をベッドに横たえたまま、強張った内腿を弛める。ベッド端から投げ出した膝を
解いた。つま先をカーペットに立てて、そして、ゆっくり足を開いていく。汗ばみつつあ
る鼠蹊部が、空気に曝されたのが分かった。
「まだだ。もっと、一杯に開いて。……よく見えるようにね」
男に促がされるまま、今の体勢で可能な限りまで、とまりは膝を開いていった。もう、
女の秘めたる部分を、全てさらけ出している事だろう。男の好奇の視線が注がれているに
違いなかった。
シャッターの音が無慈悲に響き、とまりは耐え切れず、顔をそむけてシーツに埋めた。
膝の間に、男の顔が入ってきたのを感じる。その呼気が、内腿の皮膚に触れた。
「あ…、ぁぁ……」
慎ましやかに閉ざしている性器を、男がファインダー越しに見つめている。オートフォー
カスの耳障りな音が繰り返され、幾度かのシャッターが切られていく。それを、とまりは
唇を噛んで耐えていた。
「…指を這わして、さすって」
股間の方から男の声がした。
――え?
意味が分からず、とまりは反応できない。それを反抗と受け取ったのか、男は少し固く
なった語調で続けた。
「自分の指でおまんこをさわって。…動かして」
「……え」
――それって、自分でしろって事…なの?
経験が無い訳ではない。興味本位に試し、そして、想いに押し潰されそうになった夜に
も何度か指を伸ばして得た、淡い快感。引き換えに味わった自己嫌悪。
――今ここで…するの?本当にそう言ってるの?
「…何を、しろって…」
多分そうなのだと分かっていても、縋るように確認してしまう。
「君に、自分の指で、『おまんこ』をさすりなさいと言ってるんだ」
わざと卑語を強調し、繰り返す声には冷徹な響きがあった。男が生来持つ、嗜虐性に火
が灯りつつあったのだろうか。当たりが穏やかで優し気だったはずの男が、変わってしま
っている。とまりを、その女の部分で服従させようとして、命じているようだった。
「は……、い」
男の意図に沿うように、とまりはそろそろと右手を股間に伸ばした。へその脇から下腹
へ、そして恥毛の生えそろう辺りまで手をすすめていく。そろえた指で恥丘あたりを押さ
えて、手が止まってしまう。
――うぅ……、こんなの、いや……はずか、し……
見えない目が、羞恥を膨れ上がらせる。
その先へ手を伸ばす決心が、未だつかない。じりじりとした時間が過ぎる。
それは、申し訳程度の薄い恥毛を手で隠して、性器のみを見せつけられているようにも
見える。卑猥な光景が、男の目の前にあった。
少女の股間は、肉厚の大陰唇がふっくらと盛り上がり、それが閉じて一つの筋をつくっ
ているだけだった。手で隠された部分以外に、恥毛は生えていないようだ。閉じた秘肉は
白く、柔らかく張っていて、尻の肉がそのまま続いているように見える。そこには小陰唇
の先すら、控え目にも覗いていなかった。クリトリスを隠しこんでいる肉鞘も、ほとんど
がその柔肉の割れ目に埋没していて、恥丘のはずれからピンクがかったその身を少しさら
しているだけだった。
「…どこを押さえているんだ?」
とまりは答えない。止まった手は、薄い恥毛を押さえているままだ。
「どこを擦りなさいと言われた?答えなさい」
――…だって、だって、そんな……待っ……
「…どこを、だ?言ってごらん?」
微妙な格好のまま、胸の整理もつかない内に詰問され、とまりは混乱する。
「……言えないのか?」
男の声に怖いものが混じる。闇の中で肩をつかまれたような怯えが走る。
「お…、ま、…………」
答えようとする。卑語を口にする禁忌に、舌が震えた。
「…聞こえないよ。聞こえるように言えるね?……さあ」
男は声色を柔らかく戻し、とまりの決心を促がす。
「……おま、…ん………こ、…………で、す」
生まれてこの方、声に出したことのない言葉だった。自分の発声が耳に届いても、まる
で異国のもののように響き、意味不明に感じている。ただ、卑猥なことを口にさせられた
恥ずかしさが、本能のようにとまりの性を疼かせた。
* * * * * * * * * * *
「分かっていれば、いい」
とまりに女性器の名称を言わせた事で、男は満足気だった。
男は自身の経験にはなかったが、成人女性の中には性毛が極端に薄かったり、全く生え
ない人がいることは知っていた。今、彼に身を委ねている少女もそうした女性の一人なの
だろうか。
性器も、それだけ取れば、まるで年端もいかない女性のもののように見える。目の前で、
それが小刻みに震えていた。この子は胸が小さい事を気に病んでいたようだったが、性毛
の薄さもコンプレックスなのかも知れない、と男は思った。それを単純に可愛らしいと感
じたが、震えながらうつむくその様子はひどく被虐感を纏っていて、男の理性を焦すもの
だった。
彼女の眉をひそめさせ、恥辱をこらえる唇を歪ませたい。そんな気持ちになっていく。
「止まってないで、はやく指をすすめて…!」
強い口調で命じられ、縛を解かれたかのようにとまりの手は動いた。
指を歩ませ、恥丘を過ごして、大陰唇のふくらみを隠すように手を伸ばす。人差指と中
指をそろえて肉の割れ目にあてた。
「そう、…そこだよ」
自身の性器をいじる少女を見て、その卑猥でそそる姿に男は満足する。
「今から、セックスで使う場所だよ…分かっているね?……返事は?」
わざと、聞かなくても分かりきった事をとまりに確認する。
「………は、い」
セックス、という言葉がとまり胸に響いた。
「そこに、僕のおちんちんを入れるんだよ。………返事は?」
男のペニスに、性器を、初めてを貫かれるのだ。
「………は…ぃ……」
これから男の性器を受け入れねばならないのだと言い聞かされると、とまり不安と恥ず
かしさで涙が溢れそうになった。
「じゃあ、今からその準備をしなきゃいけないのも分かるよね…?」
性器を濡らして、ペニスの挿入をスムーズにさせる必要があった。
「……はい」
「なら、始めて…?」
とまりはもう答えなかった。男の指示に従うのだ。言われたとおりに準備を済ませて、
男のペニスで処女を散らすのだ。苦痛に満ちた時間は、短い方がよいと思った。
そんな風に思うと、どうしてか胸が切なく燃えるように感じてくる。
指を滑らせて、陰唇をなぞった。
「ん…、んん………」
シャッター音を浴びながら、自分の秘肉をゆるゆると撫でていく。緊張とは裏腹に、柔
い快感が生まれてくるのを感じる。呼気が上がりそうになり、とまりは自分の淫性への不
安がよぎった。
その時、男が体重を掛けたのか、ベッドがギシリと傾いだ。
「ひ…、ぁ……!?」
そのまま覆い被さってこられるのかと思い、とまりは驚愕で胸が潰れそうになる。
だが、そんなことも無く、男はとまりの顔や胸の辺りの写真を撮ってはポジションを移
していく。ふと、耳元まで顔を寄せてきて、男が囁いた。
「…いちいち止まらないで。いやらしい君を、撮って欲しいんだろう…?」
耳朶に息が響き、ぞくりと震えが背筋をくだる。その感覚がとまり胸を昂ぶらせた。ど
きどきしながら、命じられた行為を続行する。
――うぅ…、い、や……い…や……ぁは、……はず、ぅ……
ゆるゆると指を動かし、自身の性器をいらいながら、とまりは最後にはずむを思い浮か
べて行なったオナニーを思い出してしまっていた。うっとりと上気したはずむの顔が、優
しい声でエッチな睦み事を呟きながら、恥じらい嫌がるとまりの秘部にいやらしく指を這
わしていく…といったものだった。少し暗くした部屋で目を瞑ってて、どうしてか、そん
なオナニーをしてしまった。その時、昂ぶって自分の敏感すぎる部分に触れてしまい、そ
の感覚に驚いてしまって以来、性器に触っていなかった。
「ん、ぁぅぅ………」
おびえを含んだ指が会陰部までたどり着く。なでるように大陰唇が合わさった溝を何度
か往復させる。はずむの顔が、閉じた目蓋の裏に浮かび上がっていた。なぜかその顔は紅
潮し、切なげにゆがんでいた。
『あぁ、とまりちゃん…』
はずむの幻が喘ぐ。
たまらなくなったとまりの指は恥丘の根を強く刺激していた。クリトリスに届いた刺激
が鋭利な快感に変わって背筋を走り、脳髄を貫いた。うなじの髪がぞわりと逆立っていく。
「んあ、あぁっ……ぁぁ……!」
とまりは自分の艶声に驚き、あえぎを噛み殺した。性器を弄う手を止める。
「いい声だね……続けていいんだよ」
そろりと、男の手がとまりの髪を撫でて言った。
目を隠したとまりにとって、初めて触れる外界からの感覚だった。そしてそれは男を感
じた最初の肉の感触であり、体温だった。男女の行為が始まってからは冷たく尖ったよう
にとまりを追いやっているのに、この手は大きくて暖かだった。とまりの小さな頭は、柔
らかくその手のひらで包まれ、鬢の髪と耳がそっと撫で下ろされていく。そうして、男は
とまりの髪を何度も愛撫していく。それだけの行為なのに、淡い快感がとまりを覆ってい
く。止まっていた指が、お預けされた快感の続きを求めるように動き出してしまう。
ふと、はずむの事を思いながら他の男の前で性器を晒し嬲っている自分を思った。
黒い情動が胸を締め付ける。しかしその黒さがとまりの淫らな性感を煽っている。恋し
い人を身体が裏切っていく背徳感が、昏く淫靡な悦びを目覚めさせていく。胸に詰まるよ
うな息苦しさは、性の快感がもたらす苦しさに似ているように思えた。そんな混沌とした
感情を塗りつぶすように、肉体へ性感を与えようと指が性器を嬲っていく。
「そう…いい感じにエッチになってきたね……?」
男はそう言って、股間だけでなく、色々な角度からとまりの姿態をカメラに収めていく。
「なかなか、いやらしい格好だよ…」
シャッター音を浴びながら、とまりは閉ざした闇の中で、自身の姿を想像してしまい、
手が止まった。バスローブをはだけて、小さな乳房を剥き出しにしてベッドに横たわり、
開ききったふとももの奥に伸ばした手のひらが、性器を微妙に包み隠している。猥雑な
グラビアのような構図が、ファインダーには現れているのだろうか。
胎内が羞恥で火照り、白い肉を内から炙っている。いつのまにか握りこんだ左手のシー
ツが脂汗で湿気ていた。
猥雑な構図を拾いながら、男は指で感じるよう命じる。とまりはそれに従った。
汗ばんだ指で、性器の割れ目をそろりとさする。下からなぞり上げていくと、少しだけ
覗いている秘肉に指先がかかり、性感らしき痺れが背中を走り抜けた。思いだにしない快
感が、頭の奥底を瞬時に焦がした。返す指が、クリトリスを被う包皮の上をこすりつけ、
新たな快感はとまりの腰から首筋を震わせていく。ぷっくりと盛り上った大陰唇のふくら
みを、その割れ目に沿ってさする。怯えを含んだ指は、かえって微妙なタッチで性感部を
捕らえた。その度に肉の奥から沸き立つ快感が、はっきり膨れ上がっていく。もう、意識
を逸らす事が出来なかった。
「っああ………!」
思わず漏れた声だった。何故か、唇を噛み締めて、それを防ごうとしなかった。
ぼちぼちと手直ししながら、投下させて下さい。
本編最終回までには全弾投下完了させます。
>>802 超乙です!
続編を読んでみての感想ですが、とまりの心情が良く描写されていて良かったと思います。
はずむが自分の寿命を知り、それを1人で納得して受け入れようとしている姿勢をとまりは
どうしても許せなく・寂しく思い、又はずむを守れない・何の力になれない自分への怒り・憤り
からこの行為へ至った様に私には感じられました。
そして、その行為を写真に収めてはずむに見せる事により、はずむ1人を納得させて逝かせ
ない・私(とまり)を悪い意味でもいいから決して忘れさせない、というとまりのはずむへの愛・
憎悪・執念等が良く出ていたと思います。
どの様に締めて終わられるのか、エロの描写も含めて続きを期待してますw
>>802 かこの投稿からずっと続きの投下を待ってたので、続きが読めて良かった
しかし相変わらず文章力あるな〜w 読んでると情景が浮かんでくるわ
まえに投下された分から改めて読み直したので凄く時間が掛かったったよ
しかし最後はどうなるのかな?読むのがちょっとコワイなw 楽しみにしてるよ
自分の肉体に生み出される快感を求めて、指が動く。恥ずかしいという思いは霧散しつ
つある。なぞる指先が徐々に割れ目の深みを探っているのに、とまりは気づいていなかっ
た。
知らず、大陰唇をかき分け、ぴっちりとはさみ込み隠していた自身の秘部へと指先を潜
り込ませていた。小陰唇の襞を探りあて、身体は一層の快感に歓喜していく。
「は、ぅ………」
性器の奥が、じっとりと熱い。そこからのものだろうか、湧き出てくるものを感じて、
とまりは性器をひくつかせた。軽く曲げた中指で、えぐるように小陰唇をなぞりあげる。
ぷりっとした感触の肉襞が、ぬめりを帯びていた。ぞくりと性の電流が流れ出す。
「あ、…ぃゃ…ぁぁ」
繰り返すたびに、ぬるぬるとした粘液が指先に絡んでいく。中指がかき出したそれは、
指腹で延ばされ、割れ目全体を艶やかに濡らしだす。ぬるりと滑る指先が小陰唇をふるふ
ると弄び、クリトリスの包皮がはじかれる度に、とまりは秘められた感覚が揺り醒まされ
ていくのを知った。
「あ、はぁ…ぁぁ……あぅぅっ・・・・・・」
自身のあえぎが、トーンを高く変えていくのに気づいたが、止められなかった。逆に、
恥骨の奥から腰の奥底へ流れ出す快感の波が、沸き立ち、躍った。
頭が痺れていく。何も考えられない。はずむのことも自分のことも、何をしたかったの
かも、濃霧に紛れて消えていた。
「あぅ、ぁはぁ…、んぁっ、ぁぁ……」
幾度かの経験では無かった感覚に、とまりは思考を支配されつつあった。
性の炎に心を炙られて、淫らな女肉へと変わっていく自分に疑問を持たなかった。
もっと疼かせて欲しくて、とまりは顔の見えない手に、指に、その肉の全てを委ねよう
としていた。
* * * * * * * * * * *
ふくよかな大陰唇に指先が割り込んでいくのを、男はファインダー越しに見ていた。カ
メラをズームアップさせ、少女の指が、奥に閉ざしていた自身の敏感な肉をこすり上げて
いく様を見る。白く柔らかな媚肉を、少女自身の細くしなやかな指先がえぐっていく。
ぴちゃり…、くちゅりと淫らな瑞音が鳴った。
「ぁっ、ぁっ、ふぁっ・・・、ぁぅっ、ぁあぁっ、ん・・・」
間欠的に洩らされた少女の小さな媚声は、男の耳にも届いていた。顔を覆ったヘアバン
ドと乱れた前髪の向こうの表情は、女のそれになりつつあった。上半身を微かによじらせ
て、切なげな吐息を唇の間からこぼしている。生まれつつある快感を逃すまいとするのか、
指の動きが増すにつれて、男に晒した性器に被さるように、内腿が徐々にすり寄せてくる。
男がそれを咎めると、びくりと膝頭が跳ね、もがくように揺れた。
「あ…、んぁッ、んん……ぁぁ・・・・・・!」
男から背け、シーツに埋めていた横顔も、いつしか快感の波に合わせて振り動かしてい
た。鬢のほつれ髪が、汗ばんだ頬に張り付いている。シャッター音にビクついていた当初
のおびえは、もう少女から消えていた。自慰に没頭し、写真に撮られている事さえ忘れて
いるのかも知れなかった。
シーツを握っている少女の手に、手のひらを重ねる。視界を閉ざしている彼女は、ふい
に触れられて体を強張らせる。自分に気を許していないのは分かっていた。手の内にいる、
なつかぬ迷い猫のようだった。
「胸が、空いているよ……?」
男の問いかけが、少女には分かりかねたようだった。
「え、ぁ……?」
つぶやいたまま、動きを止める。息は荒く深い。自慰で、思考が白くなりつつあるのだ
ろう。呆けた口元に、かすかに涎がこぼれた跡が見えた。
「力を抜いて……ね?」
ゆっくり優しく囁くと、男の手を振り解かんばかりに力んでいた腕の力を、少女は弛め
た。少しの間、重ねた手のひらが男と女の体温を伝え合わせた。
少女の手を、彼女の乳房に誘導する。
「続けなさい」
男の意図を悟り、少女はイヤイヤと首を振った。唇を結んで、眉を歪めている。
「もう、僕に触って欲しいの……?そんな、いやらしい子なの……?」
耳元に口を寄せて尋ねると、少女は小さくあえいで首を振った。なんとなく面白くなく
感じ、じゃあ自分で揉むんだと突き放した口調で命じると、少女は洟をすすり上げながら
も自分の乳房に左手を当てた。その様子がいじらしくも哀れだった。
男の脳裏には、雨の中の彼女がいた。
何があったのかは聞かなかった。もう子供ではない年頃なのだ。辛く、どうしようもな
い事があって、感情や想いを燃やし尽くしていたのだろうと感じた。ただ、捨て置けない
空気を感じて、連れてきてしまった。特に下心を持っていた訳ではないと、男は思う。
ただ、少女の望むまま、それに応じている。彼女に目隠しをさせ、恥態晒すように命じ、
それに従う姿をカメラに収めている。泣きそうになっても少女は男の言葉に従う。
今も、男に言われるまま、愛らしい乳房を自らその手で揉みしだいている。
華奢な指がねっとりと乳肉を揉み潰すと、その指の間から白い肉が覗く。小振りな乳房
をすくうように手のひらが蠢く。少女が熱い息を洩らした。あえて乳首に触れないように
して、時折の接触を愉しんでいるようにも見える。その右手は性器をまさぐっていた。
「あぁ…、あっ、はぁぁ……んん……」
先程までは堪えていたあえぎ声も、出すにためらいを失くしたようにトーンを上げてい
る。少女は、その姿を淫らなものに変えつつあった。乳首の際まで胸を揉みしだき、性器
に伸ばした指は愛液をねっとりと光らせて、陰唇を嬲っている。ぴっちりと閉じていた大
陰唇は潤びつつあり、ゆるやかに開いて、中に秘めた桜色の小陰唇を覗かせかけている。
少女の指が性器を大きく割り開く度に、淫猥なシャッターチャンスが訪れる。
秘肉と指とがぬるぬると濡れ光り、可憐な乳房を収めたその手は、ついに自らの乳首を
摘み取り、ひねってしまった。少女は切な気な声を上げ、白い喉を男に見せる。
そうした様をファインダー越しに接写し、引いては全体を写す。その中で、男はペニス
が烈しく屹立するのをこらえていた。限界は、遠くなかった。少女に触れ、その肉を感じ
たい。それを思う様、屠り味わい尽くしたかった。
* * * * * * * * * * *
「…君の恥ずかしい場所を、もっと見せて欲しいな」
オナニーに夢中になりつつある中で、男の声が聞こえた。
とまりには、それは少し震えて届いたような気がした。
性に痺れて、初めての気をやりかける寸前だったとまりは、男の手が両膝に掛かったの
を知って、性器をまさぐる指を、乳房を揉みほぐす手を止めた。
「ぁうぅぅ………」
快感の中断をこらえるとまりの膝裏に手を回し、男はその脚を抱えるように持ち上げた。
腰から折り曲げられる形になって、ベッドに仰向けにされる。脚の間に男が上半身を割
り込ませていた。
大きく広げられた股間が、男の顔のすぐ前に晒されている。剥き出しの性器に男の息が
かかり、消えかけていた羞恥心がとまりを染めた。
「いやっ…!やめて、お願い……!」
ヘアバンドで隠した視界を、顔を両手で覆い、脚を伸ばして股間を閉じようと抵抗する。
しかし、男の手はとまりの膝裏をつかんだまま、強い力でとまりの動きを押さえ込んだ。
有無を言わせない、低い声が耳元で響いた。
「自分で脚を抱えるんだ…」
男は呟くと、とまりの手を引き剥がす。ほら、と仰向けになって膝裏から脚を抱え込ま
せようと促がした。目の見えないとまりにとって、男の声色の変化が怖かった。そして、
とまりは男の指示に従うしかないのだ。恐る恐る脚を抱えると、男は手を離してとまりへ
緊縛を解いた。男の上半身は、とまりの抱え開いた脚の中のままである。
とまりのお尻はベッドから浮き、M字に開かれた股間は、そのすべてを男の前にさらけ
出しているはずだった。ふと男の頭が、性器の間近まで動いた。陰唇に息が届いていた。
とまりは恥ずかしさのあまり泣きそうになった。
「……中を、開くからね?」
無慈悲な言葉が聞こえた。無論、とまりの秘部を男の指が割り開くという事だろう。
「……やめて」
涙声で呟いても、とまりは無力だ。男との契約は絶対であった。観念して男の好きにさ
れる他はなかった。
男の親指だろう指先が、とまりの性器に触れた。ふたつの指先が、とまり自身が溢れさ
せた愛液ですでに濡れている大陰唇にかかる。覚悟していても、見えない怯えがひくりと、
媚肉を蠢かせてしまう。男は指の腹で、ふっくらとやわらかな肉をなぞり、ふにふにとし
た感触を愉しんでいる。つっ、とその割れ目をなで上げ、肉に纏った粘液をぬぐうとくいっ
と肉厚の大陰唇を開いてしまった。
「あぅっ……!?」
とまりは、女の部分が初めて外気に曝されるのを感じた。
剥かれ、露わになった小陰唇は、つつましやかに濡れ光っている。桜色のそれはほぼ左
右対称で、小振りの合せ貝のようだった。小陰唇自体は指先の刺激でもう開き切っている。
膣前庭は剥き出しになって、しっとりと濡れぼそっていた。とまりが身をよじるたびに淫
猥にひくつく。クリトリスを護る包皮も、ほとびて緩み、中身を外に覗かせてしまってい
る。小さなあずきほどのクリトリスは、オナニーのせいで少し充血したように赤くふくら
みつつあった。愛液にまみれ、どの部分も次なる刺激を求めて紅く上気していた。
男が息を呑んで、そんなとまりの性器を見つめている。視線が、そこに凝縮されている
のが分かる。
他人に、異性に自分の性器を広げられ、すべてを観察される恥辱に、とまりは涙腺が熱
くなるのを感じた。じわりと涙が溢れ出し、ヘアバンドを熱く濡らしていく。呼気が嗚咽
に変わっていた。
初めての性行為だった。
初めての時は…と、少女らしい甘やかな夢想を、とまりも抱いていた。
自分で選んで決めたのに、悲しくて涙が止まらなかった。
――はずむのせいだから……
背を向けた、はずむの姿が浮かんだ。
――あたしの初めてがこんな風なのは、はずむのせいだから……
初めて会った男に、誰にも見せた事のない女の秘所を晒し、いいように恥ずかしい姿を
見られている。自分が望んだ事であっても、耐えがたい恥辱であった。
そしてこのあとには、処女の喪失という儀式が待っている。
知らない男のペニスに、とまりは純潔を踏みにじられるのだった。
それが現実だった。その現実を生々しく感じ、心が暗闇に落ち込んでいく。それはすで
に決められたさだめなのだった。
生まれた時から、はずむに会う前から、はずむの事を好きだと気付くまえから、決まっ
ていた事なのだと思うと、涙が溢れてどうしようもなかった。
涙で濡れたヘアバンドは不快だったが、それすらとまりにはどうにもできなかった。
しゃくり上げるとまりを無視するように、男はとまりの充血した秘部を弄い、嬲った。
ちゅっ…ちゅぷっ、と粘液が音を立てる。
小陰唇の襞をふたつの指先でつまみ、こすり上げる。包皮を剥き上げ、クリトリスをタッ
プする。指の腹でそれらを円状になぞられ、ぬめる肉襞を指でもてあそばれる度に、望ま
ぬ快感がとまりを焦がした。とめどない刺激が腰椎から背筋を灼いていく。性器の奥が熱
い。脳髄が蕩けていく。
「ひっ、うっ……うぇっ……、い……ひぁっ………あぁっ・………」
自分が白く消えていくのが悲しくて、とまりは泣いた。
男は、止めない。
片手が肉襞を広げ、空いたもう片方の手指を使い、とまりの性器を解剖している。
他人の指が、敏感な肉を、粘膜をなぶっている。自分の指先より大きいそれが幾本も、
くにくにと縦横を蠢く。ぬるついた左右の小陰唇のそれぞれが、同時に親指と人差指の腹
でこすられ、捻られる。クリトリスは包皮ごと指に挟まれ左右からくにくにと揉みほぐさ
れた。露出した小振りな豆を、たっぷりと愛液を絡ませた指先がちろちろと弄い嬲られる。
「い、んあぁ、ひっ!あっあぁっ……」
オナニーでは感じられない感覚だった。男の指は何本あるのだろうか。何本もの指が触
手のように性器を這い、それぞれが違う性感部を強く弱く深く浅く、弄りつくしていく。
とまりは下腹の奥は熱くたぎらされていた。そこは次なる快感を求めてもどかしく、送り
込まれる刺激を受け切れずに腰から爪先への引き攣るような緊張を送り返した。
このまま、性の快感とともに、掻き壊されてしまうのではないかという恐ろしさが生ま
れてくる。
「い、やぁ……こわ、い……、ぃやだぁ……こわい、の………」
そんなとまりの媚態を、とまりの淫らに口を開いた性器を、とまりの見えない泣き顔を、
その一部始終を、男は陵辱の手を空けてはデジタルカメラに収めていく。
とまりの喘ぎとすすり泣きが、そして乾いた撮影の音が部屋に響いていた。
* * * * * * * * * * *
いつしかとまりは脚を抱え込むのを止めていた。手は、男の責めに合せて、シーツのあ
ちこちを空しく掴み、握り締めていた。開かれた脚は、時折男の上半身を挟み絞るように
よじられた。
もう男はそうした命令違反を咎めずに、とまりのよがる様にまかせていた。痙攣したよ
うに、閉じ合せようと躍起になるとまりのふとももを、肩で割るようにして股間入りこみ、
指による責めを続けていた。さすがにこの状態では写真は撮れない。
ならば、と男は少女への責めに没頭しようと思った。
一回り以上歳の離れた、若い肌だった。忘れていた感触に、手が指が歓喜している。
まだ下半身しか触れていないが、特にふくらはぎからふともも、尻にかけてのラインが
素晴らしかった。しなやかな筋肉の上を被った女の脂肪が、肌の張りと弾力と、肉の柔ら
かさを予定調和させている。
浅く焼けた股下の長い脚が、鼠蹊部から乳白色の肌色に変わっている。ほぼパンティー
ラインだった。淡い性毛の下腹はなまめかしいほど白く、艶やかで、性のもたらす緊張の
度に締まった腹筋を浮かび上がらせてくる。内腿や尻の肌は絹のようで、その肉は手で覆
い撫でるうちに体温でとろけてしまいそうだった。
その肉体が男の手で、指で、よがり狂いだしている。
一時、泣き濡れていた嗚咽も、とうに淫猥なあえぎに塗り変わり、高い声を上げている。
性器はバルトリン腺液に濡れ、とろとろに蕩けさせている。肉襞はぬるついて、その肉
質を愉しもうとする男の指先を滑らせていく。膣前庭に覗く尿道口さえ、刺激を求めて紅
潮しているようだった。
薄い桜色だった性器は、朱鷺色に染まり、ほとびて次なる行為を求めてひくついている。
その媚肉を、男は思うさま口にして、屠りたかった。その衝動を我慢することは、もう
無理だと思った。
「口を使うからね……」
言葉にすると同じくして、男は舌で目の前の膣前庭をべろりと舐め上げた。
「ひ、ああぁ………!?」
とまりは、熱くぬらりとした、それまでと異質の肉が性器を嬲りつけるのを知覚して声
を上げた。
男の言葉を、違う世界から聞いていたとまりには、何をされたのかが分からなかった。
軟体生物のような感触が性器を這う。唇で陰唇を咥えられ、熱い鼻息を性器全体に浴びて
ようやく男のクンニリングスをされていることに気づいた。
「あううっ…!い、いやあ………あぁぁ……!?」
両手の指に性器を開き切られ、男の口唇が舌が、とまりの秘肉に触れている。
とまりの霞んだ思考は、それを拒んでいた。
そこは排泄で汚れた恥ずかしいところ。子を、命を送りだすための神聖なところ。そし
て、愛しい人を感じるところ……のはずだった。
性器は女にとっては、穢れていて、清らかでいて、何よりも大切な場所だった。
それを、男が貪っていた。
「あぁ…お願い………、やめ、て……ほん、とに……い、やなのぉ………!」
舌先が、膣前庭の細やかな襞筋を、一筋一筋、執拗になぞっていく。
「ああっ!い、ああっ……」
赤くふくらんだ尿道口をちろちろとほじる。
「んん…ぁ…、ぁぅぅ……」
肉薄の小陰唇の襞の縁にそって舌先をゆっくり往復させると、あっあっあっと、とまり
は小さく鳴いて細かく痙攣した。交互に陰唇を口唇で咥えて擦り、引き伸ばし、口内に含
んで舌で舐めいらう。くにくにとした肉襞が男の口の中に吸われ、舌の蠢くに合せてひね
り回された。
ぴちゃ…ぷちゅっ……ぴちゅっ、……ちゅる……
性器が自らいやらしい音を立てているように聞こえた。
「んはぁっ…!いやあぁ、あぁっ!ああ、ぁぁ………」
許容を超えた快感の波が性器を、脊椎を、とまりの脳髄を白く焼く。胎内はただ熱く、
最奥の泉からも愛液が滲み出すかのようだった。
とまりの膣口は、小さな口を開きつつあった。広げられた性器の下方で、慎ましくピン
ク色を保ちながら、とまりの息みに合せて小指の先ほどの口がぴくりぴくりと動く。粘膜
の襞が収縮してその小さな口を閉じたり開いたりさせていた。紅く充血した膣全体より、
桜色に見える肉襞があって、指や舌の刺激で腫れっぽくなり、膣奥への口をより狭窄させ
ていた。
それは、とまりの処女膜だった。
とまりの純潔の証が、男の舌先で秘めやかに息づいている。
しかし男はそれと気付かなかった。分からなかった、と言ってもいい。男には、処女の
膣口をしげしげと観察した経験などなかった。快感にあえいでいる女の口が、他より小さ
いくらいにしか感じてはいなかった。ひくつくそこをほぐすべく、舌を伸ばした。
とまりは、男の舌先が処女口に届いたのに気付いた。
もう、抵抗するつもりはなかった。直にすべてを喪うのだ。とまりは、男の舌をそのま
ま受け入れた。
舌先が粘膜にふれると、ひくりと膣口が塞がった。処女膜が、怯えたように収縮する。
その奥に続く膣には、すでにたっぷりと膣液が溜め込まれていた。自身の指による自慰や
男の愛撫によって、性感覚を覚醒状態にされた性器は、白くどろっと粘る膣液を分泌させ
ていて、もうペニスの挿入に備えていた。ただ初めての性交なので、処女膜が堰のように、
その白い体液が外に流れ出すのを遮っている。
「ひぅっ…!」
とまりが声を洩らした。
男がひくつく処女膜を舌先で突付き、穴をこじ開ける。入り口まで溜まっていたそれが、
溢れて男の舌先にのろりとかかった。わずかな酸味を、男は感じた。
口を離し、膣口を見てみると白く濁った体液がとろりを流れ出していた。いわゆる本気
汁というやつだ。中出しされた精液が膣口から溢れ出しているように見える。それは膣内
に射精した後に、自分の精液が少女の性器から溢れ出してくるのを妄想させた。
傍らに置いたデジカメに手を伸ばすと、少女の股間を接写すべく、M字に脚を広げさせ
膣口周辺の襞がよく見えるよう指で開く。
とまりは繰り返されるオートフォーカスの耳障りな音を濁った思考の中で聞いていた。
男の興味は、やはり女の性器にあるんだと思った。
開かれた膣口から、何かがとろりと流れ落ちようとする。それが落ちきってしまう間に
シャッターが何枚か切られた。
――どんな写真が撮られているんだろうか
これまでも、かなりの量の写真が撮られているようだった。デジタルカメラだから、何
百枚でも撮れるだろう。ただ、目隠ししたままのとまりにとっては、すべては闇の中の出
来事だった。自分が何をされているかも、どんな格好であるかも、暗い想像としてしか思
い浮かべられないのだった。
どれだけ卑猥で淫乱な自分が映し出されているのだろうか。そんな怯えもあった。
それは、とまりにとっては「男」を歓ばせるものである必要はなかった。
とまりの的は、はずむだけだった。
いつまでも能天気を装うはずむに、とまりの悲嘆と苦悩を知らず、鉢植えなんかに思い
を託せば済むように思っているはずむに、自分という女の情念を骨身に染み込ませてやれ
ればいい。そのための道具だ。
とまりが穢れ堕ちた様を見せられて、それが自分のせいだと責められたはずむは嘆き悲
しむだろう。涙と苦悩に暮れる日々を送ることは容易に想像できる。
あゆきだろうと、明日太だろうと、やす菜であってもはずむを立ち直らせる事は出来な
いだろう。それは確信だった。
はずむは傷心のまま、最後の最後の時までとまりを案じたまま去っていくしかない。そ
してはずむを喪った自分が、はずむに思いを残させた自分が消えて去ってすべて終わる。
そこまで互いの心に棲んでいるのを分かっていても、こんな風に物語りは終わるしかない
のだと思うと悲しかった。
すんっ、と洟をすすった。
一通り撮り終えた男が、再びとまりの性器に挑みかかる。
強く吸われ、烈しい快感が肉体を襲う。先程までの、漂う思いは一瞬で波間に消えた。
「ああっ…!っぃい……、い、い……あぁ……!?」
性器全体が男の口内に吸われて、揉みくちゃにされている。じゅるじゅると空気ごと吸
い上げられ、細かな気泡が愛液と唾液の混じりあったものに、小陰唇やクリトリスが弄ら
れる。伸ばされた舌先は処女膜をこじ開き、膣口に潜り込もうとする。小さな口から侵入
した軟体は、処女膜の内からを舐めなぞり、たっぷりと唾液を流し込む。代わって押し溢
れた膣液は、白濁した精液のように会陰をつたい流れ、肛門へと落ちていく。
「あ、ぁぁ……」
ぞくりぞくりと流れていく電気が、とまりの腰骨を疼かせる。
男がそれを追って、舌を蟻の門渡りから肛門へ移動させる。両手でとまりのお尻を抱え
上げるようにして肛門を己の口元まで掲げさせる。舌が肛門のすぼまりに掛った粘液を舐
め上げた。感じたことのない、異様な感触にとまりは驚き、男の髪を両手で掴んで抗議す
るが、声無きクレームは無視される。
続いて、男の舌先が肛門の襞を一筋ずつ舐めていく。黒ずみのないとまりの肛門は朱鷺
色に染まってひくついている。たっぷりと唾液をまぶした舌が、じっくりと括約筋をほぐ
しいくのが、とまりには恐怖だった。男の髪を引きちぎるに代え、震える手でその頭を力
一杯押さえつける事で、怯えを散らそうとした。
「いや、そんなとこ……!お、お尻なんて…も、やめ、止めてェ………!」
不快でないのが、逆に怖かった。初めて舌が舐め上げた時に、言外の気持ち良さがあっ
た。肛門を舐めほぐす舌に加え、膣口辺りに男の鼻先が潜り込んでくる。熱い呼気を股間
一杯に吐かれると、腰までが痺れた。
「あはぁぁ…、も…ぅ…だ、だ……んぅぁあっ………!」
肛門に舌先が侵入し、くにくにを蠢く。遊ばせている指がクリトリスや陰唇をなぶり出
すと、もう、とまりは分けがわからなくなっていた。
脳髄がセックスの信号でヒートしている。昂ぶった性感神経が、思考を白い闇に突き落
とす。
「ん…んあっ……!ひっ、ひぁっ、い、い……いあぁっっ……ああぁっ、いい、んぁっ!」
あえぎが淫らな嬌声に変わり、その自分の声を耳にしてはまた興奮した。
* * * * * * * * * * *
どれだけの愛撫を受けたのか分からなかった。
今は、セックスの快感だけを求めるのがとまりの思考の全てだった。
「……気持ち、いい?」
とまりは男の呟きを耳ざとく拾った。
きもちいいの、と答えた。
もっと、もっとと、答えた。
もっと刺激して欲しかった。
もっといやらしく淫らにして欲しかった。
男はとまりの股間から身を起こした。指ではゆっくりと性器と肛門の愛撫を続けてなが
ら、とまりの小柄な体に寄り添うように被さってきた。空いた手でとまりの乱れた髪を撫
で付け、腕でその小さな顔を抱え込むように包んだ。耳元に口を近づける。耳朶に吐息が
響くように舌を這わす。ぞくぞくと流れ込む快感に、とまりは全身を震わせてた。
とまりの前髪を、鬢の髪を解き梳る男の手指は、性の電流で消耗しきった肉体にも優し
かった。性器や肛門を弄ぶ指さえ、快感を穏やかに持続させるくらいに動きを抑えられて
いた。
ちゅっちゅっと耳たぶキスされ、ちろちろと舌が動く。ぴちゃりと口が鳴ると、柔らか
く、しかし腰まで届くような性感が流れた。寄り添う男の体温が暖かかった。先程までと
は違う、満ち足りた快感の波がとまりを包んでいた。
「綺麗だよ…」
男が耳元で呟き、とまりは小さく身をよじる。
「手も、脚も、胸も、お尻もすごく魅力的だ……。いつまでも寄り添って、触っていたい。
こうしていると君と融けていって、一緒になれそうに思えて、すごく幸せだよ……」
男の手が髪から離れ、とまりの乳房に触れた。
その手は温かで落ち着いた。小振りな乳房を手のひらで覆っている。先程までの荒々し
い責めが、幻のようだった。柔らかなとまりの乳肉の感触を男は愉しんでいる。性器に這
わした指も敏感な部分を刺激せず、その全体を包むように揉み動いている。
目を閉じたまま、とまりは多幸感に包まれていた。目隠しをされている事も忘れていた。
生来の恋人の、甘やかなピロゥトークに酔っているような気持ちだった。
まだ、性的興奮は消えていない。むしろ緊張を解かれ、一層の欲求が湧き出してくるの
を抑えている感じだった。この後、男にこんな風に続けられたら、我を忘れてしがみつい
てしまうだろう。自分から求めてしまうかもしれない。それはそれで甘美な妄想だった。
そんな考えがぼんやりと過ぎっていく。
男の手が乳房をやわやわと揉んでいる。下から乳肉をすくい集め、指の間を滑らせてい
く。乳輪の周りから円を描くようにそろえた指先を旋回させる。左の乳房から右の乳房へ、
満遍なく愛撫を渡す。
「ふ…、ぅあ……あ……」
胸の奥が切なくなり、とまりから、また女の吐息が漏れはじめる。
男は残しておいた乳首を、侵すことにした。
伏せたお椀程の乳房の先に、小指の爪先くらいの乳首が屹立している。もう感じている
のだ。仰向けに寝ても左右に流れない乳肉には、見かけ以上の媚肉が詰まっているようだ
った。谷間は浅くてもこれだけ立体的なら、少々はパイ擦りなどでも楽しめるかも知れな
い。尻の肉のように弾力がある乳房は、すこし揉みんだだけで快感を生んでしまうのが分
かる。男はおもむろに、可憐な乳首をちゅるっと口内に咥え込んだ。
「ひあっ…!?あぁっ!」
男の暖かい口内に乳首を吸い込まれ、とまりはその先端から乳房の奥に掛けて走り抜け
る快感に声を上げた。いつ指で弄われるか、いつ口で吸われるか、胸を昂ぶらせて待ち望
んでいただけに、刺激は倍加してとまりを襲った。
「あっ、あっ、あっ…あぁ……ああぁ………!」
ねっとりとした舌が、乳首に絡みつくようにねぶる。舌先で乳首の先端をこじるように
舐めつけ、出し抜けに強く吸引したりする。吸いながら唇ではさむように引っ張り、ちゅ
ぽんと音を立てて引き抜く。
「んああっん」
舌全体を使って、乳首を乳肉に巻き込むように舐める。
ちゅる、ぢゅるっ…ちゅ、ちゅっ……ちゅぅぅぅ……ちゅるっ……
熱い快感と共に、乳房を吸われる音がとまりの耳にいやらしく響いた。
わざと歯先で、乳首に硬質の刺激を加えたりしてアクセントを与えると、とまりは身を
震わせて男の頭を掻き抱き、悶えた。
股間は再び分泌しだした愛液で内腿まで濡らしつつある。余った手で、もう片方の乳房
をねっちりと愛撫する。指先で小さな乳首を乳肉の中に押し込めて、胸骨とに挟んでころ
ころと転がしてやる。
「はぁんっ…!あぁ…、いい!……きもち、いいのぉ……!」
女の三点を同時に責められ、昂ぶっていたとまりの肉体は高みに達そうとしていた。
処女の身体なれど、性の感度の高いとまりの身体は淫猥な肉の悦びに染まっていく。
「あっあっあっあっ、あぁぁ…んああっ……ふっ、んあぁぁっん……!」
乳首への責めを、性器への責めを逃したくない本能で、とまりは男の頭を乳房に押し付
けるように抱きかかえた。内腿は信じられない程強い力で手を挟み込んでいる。
男は二廻りも小柄なとまりに抱きすくめられるようになっていた。
もはや、写真をどうこうできる体勢に無かった。
責めを弛め、少女が緊張を解くように髪を撫でつけてやる。
力を抜いたところで華奢な身体を抱え起こし、自分の身体ごとベッドの中央に動く。目
隠ししたままの少女の顔を両手ではさむようにして自分に向けさせた。
上気し紅潮した頬に、汗ばんで張り付いた粟色の長い髪が張り付いていた。それを指で
首筋の向こうへ帰してやる。
奪ってもよかった。
でも言葉にしてからでないと、奪ってはいけないのだろうと思い、口にした。
「キス、するよ」
少女の表情に逡巡が見え、わななきながら口を開こうとした。
「え、そん……キ、……んんっ!?ん――――――っっ!!」
言葉になる前に唇を塞いだ。
拒絶される前に奪ってしまわなけらばならなかった。
咄嗟に少女の両手首を握りしめて、腕を吊り上げるように拘束する。下半身にも乗りか
かり身体の退路を断った。
嫌がって逃れようとする少女の唇を追い、上半身ごと引き寄せる。残った手は小さなお
とがいをつかんで口を閉じられなくさせている。小さな身体が男に引き寄せられ、肌が重
なった。乳房が男の肉体に触れたのを感じ、驚いて隙が生まれた。
そうして、唇を吸われた。
「んんっ!んん――――」
最初の襲撃でとまりの舌は引き出され、男のの口内に連れ込まれている。思う様に唇を
吸われ舌を弄られている。もがくうちに舌を取り戻したが、あごを押さえられ、歯を閉じ
て拒絶することができなかった。顔を引いてのがれようとしても、男の唇は執拗に追って
くる。ついには男の顔が上から被さるように覆い、とまりの唇を犯した。
無理矢理に顎を引き上げられ、天井を仰がされた首がギリギリと軋む。
流し込まれる唾液に溺れそうになり、何度も咽せ返す。飲み下すほかなかった。
男はより深く舌を送り込もうと、巧妙に顔と唇の向きをずらしていく。開いた口を横咥
えにされ、とまりは男の舌を喉の奥まで差し込まれた。舌の根元まで、探り這いまわるそ
れに、口内の感覚は奪われて麻痺していく。
男の胸に潰された乳房の周りを、汗が伝い落ちた。
告げられて、キスは出来ないと咄嗟に思った。心が拒否しているのが分かった。
唇には、はずむとのファーストキスの思い出があった。それは色褪せてはいない、まざ
まざと想い浮かべられる生きている記憶だった。
男に求められた瞬間に感じた。昏い海辺に流れ着いていた真珠のように光って見える。
すべてを無くしてもそれだけは残しておきたい大切な光だった。
唇だけは、と許しを乞いたかった。
そのを言葉にする前に、奪われてしまった。
身を委ね、気を許そうとしていたのに、こんな風に踏みにじられてしまった。執拗に吸
われ舌を追われ、とまりは泣き出していた。
今も、男の唇が舌がとまりの唇を舌を蹂躙している。必死に閉じようとする唇を上に下
に舐め、吸い上げる。無理矢理開いた口に舌を潜り込ませ、歯列を舐め進み、口内で縮こ
まって身を隠しているとまりの舌を見つけ出しては陵辱した。嫌がる舌を吸出し、絡めて
はたっぷりと唾液を交換させようとする。
とまりにとって、はずむとの初めては、ささやかな、熱い接触だった。
月明かり星明りの中、虫の音が回りの全てを隔絶していた。
はずむの吐息が近づき、目を閉じる前に唇を重ねてしまった。
合せた唇をすこしだけはずむは動かして止めた。もしかすると、とまりの唇へ舌を差し
出そうとしていたのかも知れない。
その後、山の夜道を手をつないで歩いた。なにも話ができなかった、淡く、幸せな時間
だった。
ついこの前まで、一人鏡を覗き込む度に、はずむの触れた唇を指でなぞっていた。
そんな事さえ忘れていた。
気付いた時には、喪ってしまった。いろいろなものが、砕け散っていくのを知った。
抵抗に疲れ、もう男に自分の舌を預けてしまうと、とまりは急に力が抜けていくのが分
かった。男もそれに気付いて拘束を解く。代わりにとまりの腰を抱き寄せ、暴れて乱した
長い髪を手で梳って腕に包んだ。頬に手のひらを添え、やんわりと顔を上向かせる。
「……言うこと、聞くんだったよね?」
もう分かっていた。彼の要求を拒む事は出来ない。それはとまり自身が課した、儀式の
ルールだった。先程までの性の享楽から冷めつつある思考が、それを理解していた。
自らが閉ざした視界。相変わらず何も見えず、彼の顔は見えない。触れられ、声を掛け
られないと身体がどこか分からなくなっていく。暗闇で佇んでいる思考すら、自分のもの
かどうかが分からない。
男の肉体を、とまりは自分の乳房を当てて味わっている。自分の物でない鼓動が聞こえ
る。その音に自分の心臓が呼応していく。合わさった肌の狭間を、どちらのものとも知れ
ない汗が流れた。
ここは雨の中より孤独ではなかった。セックスの刺激が、そんな不安を消しているのか
も知れない。
――この時間が終われば、なにもかも消えていくんだ
とまりの思い通りに世界は変わってしまう。
――願うようには変わってくれないのに、ね
思い出すらも、現実からゆらゆらと乖離していく。
「続けるよ…」
優しい声だった。雨の中、どうしたのと声を掛けてきた時と同じ口調だった。
とまりを抱き寄せる腕は温かかった。車に跳ねられそうになっていたとまりを、ずぶ濡
れになって助けてくれた腕もそうだった。礼も言えず固まっているとまりに、痛かったか
いと案じる声も、今のように優しく響いた。
――ひどいことも、いやらしいこともするのに
女が、男を狂わせるというのは本当だと思った。
とまりは身体を求め苛まれ、時折、捕食されていくいような恐怖を感じた。
――でもそれは、あたしの望んだ事をしてくれてるから・・・?
事情も訳も聞かず、とまりの昏い想念を理解して、付き合ってくれているのだろうか。
とまりがキスを拒めば、この儀式が崩壊するのを知っていたから、とまりが言葉にする
前に唇を奪ったのかもしれない。
とまりに戻る場所はなかった。それと気付いてとまりを拾った。中途半端に放り出すな
ら初めから関わらなかったのだろう。
とまりが本気で拒めばいつでも終えられる儀式だった。上手くあしらえば、少女の肉体
を自由に味わうことができるのだ。
そんな考えに違いないと、思おうとした。
何もかもが崩壊しすれば、より苛烈な自棄に自分を追いやるしかないとまりだった。
もう、今より先は、とまりにはどうすればいいのか分からない。
ただ、彼の求める行為を、これまでのように受け入れるしかないと思った。
儀式が終わるまで、心を閉ざすしかなかった。
もし彼の内に触れてしまうと、とまりの何もかもが崩れていってしまいそうで怖かった。
* * * * * * * * * * *
男の唇が、とまりの耳たぶを咥え、舌でくすぐる。鼻からこぼれた息が寒気のような快
感を生んで背筋を流れる。
「はうぅ、ぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」
切ないあえぎを止められない。大きな手に包まれたふたつの乳房は、ゆっくりと揉みし
だかれて熱くなった。胸の肉が、こんな感覚を生み出すことをとまりは知らなかった。ふ
たたび尖りだした乳首を指で触れられると、たまらなくなって男の肩に爪を立てた。
「ああっ……!」
男の顔が、耳元から首筋を伝い、肩口に流れていく。熱い息と舌が肌を這う。乳房への
責めと加わり、蕩けるような甘美で頭を一杯になる。脇に近い敏感な肌をちゅっちゅっと
くすぐられると横乳を乳首へと電気が流れた。ぴりぴりと皮膚があわ立ち、痛いほど乳首
を立たせていく。その乳首を、ぢゅるっと唇で吸い込まれ、とまりは甲高い媚声を上げた。
「あ、ああ――――――・・・・・・・・・」
男の頭にしがみつく。乳首に舌ぬらりと巻きついてくる。総毛立つ快感を逃さないため
に、とまりは男の顔を胸に押さえつけた。空いた乳首を指で摘み上げられる度に、薄い背
中を痙攣させて声を上げた。
「いい・・・・・・!気持ち、いいのお・・・・・・きも、ち、いい、のっっ……んああっ………!」
男はしがみつくとまりに身を預け、そのまま仰向けに横たわっていく。
とまりは促がされるまま、はだけたバスローブから腕を抜きとる。汗で濡れたそれを男
はベッドの外へ投げ落とした。とまりは全裸になり、夢中でその肌を男の肉に合せた。
顔の上でとまりの乳房が柔らかくつぶれる。男は、その柔肉の感触を頬で存分に味わう。
ざらつく髭の感触すら、とまりには快感だった。
それが乳首に触れると、いいようの無い刺激が乳腺を昂ぶらせていく。ゆるやかだった
乳肉の肌がふくらみ、ぷるりと張り切っていた。
男の腹の上に跨るよに乗りかかったとまりの身体を、熱い手が撫で下る。
なでやかな背中を、しなやかな腰をゆっくりと手のひらが這う。
尻の双丘をつるりと指先が這い歩く。薄い皮膚の感触を愉しむようなかすかな動きが沸
き立った肉体に染みていく。肌が敏感になっている。目が見えないことが、そうした微妙
な刺激を膨れ上がらせているのにとまりは気付いていた。
次に何をされるのか、ドキドキして期待している自分を感じる。淫らな期待が、とまり
を雌に変えてしまっていた。
刹那の後を想像させる、その緩やかさが、理性を塗りつぶしていく。
「ん…ふ、ぁ………ああ………」
とまりは暖かくゆるやかな心地良さに変わった快感に、蕩けたように小さく息を洩らし
てしまう。お尻を包まれるように撫でられると、腰を突きだしてしまいそうになる。
鍛えられた筋肉が女の柔肉を纏っている、とまりの尻だった。薄い肌が肉のせめぎで、
しっとりと張りつめている。ふとももから尻肉のふくらみにかけてのラインが素晴らしかっ
た。内腿の手触りを、お尻の割れ目を、ボトムラインを指先で味わい尽くすかのように何
度もなぞりあげると、とまりを仰け反るように悶えた。
男はとり憑かれたようにとまりの尻を、ふとももを弄んでいる。
立てた指先が、薄い内腿やお尻の肌に体温を伝える。触れただけのそれが曲線をなぞり、
円を描いて滑る。それだけで腰の奥が熱くたぎらされた。とろりと、あふれたものがクリ
トリスの脇を伝う。思わず尻を突き上げて逃れようとしたが、恥丘のしげみに空しく吸わ
れてしまった。
何本もの指が、とまりの尻の肉をすくう。尻の割れ目をなぞる。ふとももへ繋がる肉の
ふくらみを熱い手のひらで包んでねっちりと揉みこまれる。尻から内腿へ手がのばされる
と、性器に溜まりきった愛液が流れ落ちていった。
お尻をかかげるように突っ伏していたとまりは、疼き悶えるような快感に鳥肌を立てた。
小刻みに震えながら、遡ってくる悦楽を感じていた。
「あぁ、んぁぁ…、ああ…、ああ……、いい…、いい……の………ぉ……」
とまりは、胸の下の男の顔を力一杯、抱きしめた。窒息させてしまおうとすら思った。
自分のお尻が、こんな快感を生む場所だなんて知らなかった。性器に変わったように感
じる。その性器も、すでに熱く蕩けていた。腿を伝うほど濡れてきている。膣の奥がたぎっ
てくる感覚に襲われていた。
「もっと……あぁ、もっと……し…てぇ………」
もどかしくて、とまりは知らずお尻を振った。
とまりの昂ぶりに合せて、男のペニスも硬直していた。
* * * * * * * * * * *
抱きついてくる小さな身体は、責めを休めるとくったりと緊張を解いた。
顔に巻きつく腕をほどいて、深く呼吸をする。手は少女の背中や腰をゆっくりと撫でて
やっていた。汗ばんだ胸がじっとりと湿って男の顔を蒸らす。
荒い息の少女を促がし上体を起こさせると、紅潮した頬は相変わらず淡色の髪を絡みつ
かせている。先程存分に堪能した唇は、薄く開いたまま涎で濡れていた。
責めのさなかにあったせいで、まだ桃源を彷徨っている様子だった。
「聞こえてる…?」
聞かれてとまりはこっくりと頷いた。
「責められて、……気持ちよかった?」
「は、…い……」
「どこが、良かったのか聞かせて…?」
「……ぜん、ぶ、きもち…いいです……」
「今はどこを責められて感じてた?」
「……お、しり」
「さわられて、どうだったの?」
「……ぞくぞくって、して」
「感じた……?」
「……はい」
「濡れてた?」
「……はい」
「どこが、濡れたのか言って…?」
「…お、ま…んこです」
「…おまんこを濡らすなんて、君はいやらしい子だね?」
「はい……あたしはいやらしい子です………」
何を問われても、とろりとした声をまろび出る。性への媚を纏っていた。
とまりは自分の言葉に興奮していた。
胸が切なかった。口元がしどけなく緩んで、吐息がこぼれてしまう。
――男を、欲しがって…いるんだ……
気付いてしまったから、心までが最後の堰を切っていく。心の底まで雌に染まってしま
うのに身体が震えていた。
「僕のも、気持ちよくさせてくれるね」
とまりは男の言葉をすこしだけ噛み締めた。
「……どうすれば、…気持ちいいの?」
無言で、男の手がとまりの利き手を導いた。
男はそれをふとももに置き、内腿にすべらせつつ股間の方に誘導していく。
目隠しされていても、その先にあるものは想像できる。
とまりは何をさせられるかを想い、興奮してた。
やがて、ざらりとした剛毛が手をくすぐる。男の股間も体温で蒸れていた。その中の、
ぶにょりとした肉の塊に、とうとう指先が当たった。陰嚢に違いなかった。男の手が、そ
れを手のひらで触るように指示する。とまりは恐る恐るその肉を手にした。
――これが……た、ま…?
「何か、分かる…?」
「タ、マ……」
とまりはぼんやりと、そのままを口にした。
「ふふ…、そう、タマでいいよ。キンタマとかは、女の子が言っても可愛くないからね」
手のひらにぼってりと乗った男の袋は、思っていたよりもふよふよした感じの皮ででき
ていた。腫れぼったく重みのある肉の玉のようなものが、その中を泳いでいるみたいに感
じた。
「ゆっくり、やさしく触って」
男の囁きを聞き、とまりはそれをすこし握ってみた。体温よりぬるい感じがする袋は、
指の間から余った皮を垂らした。手の中でふたつの塊が揺れ、すべった。ゆっくりと指を
閉じ、それを捕らえてみると、うずらの卵より大きなものであることが分かった。
――結構、おおきいものなんだ…。中を、ぷりっと動いてく……
自分に無い器官を、目隠しのまま触れたことで羞恥よりも好奇心が増した。
陰嚢と、中の睾丸を指と手のひらの上で転がし、揉み上げてみると、男の吐息が甘く
変わった。
――きもち、いいんだ……
ゆっくりと手のひらで揺すり、指で掬うようにいらう。袋の中をつるりと睾丸が動く。
指で壊れもののように摘もうとしたが、男が痛がったのでやめた。代わりにあやすように
指先でゆるゆるとくすぐってみると、男が小さく喘いだのが分かった。
男の急所であることくらいは知っているが、性感帯なのだとは思っていなかった。それ
よりも、男の息が切ない風に色を変えているのに、心が躍るような自分がいるのにとまり
は気付いていた。男の反応を探りながら鼓動が高鳴った。
待ち切れないように、男の手がとまりの手を先に急かした。睾丸を弄う手をそのまま上
へ追い立てていく。目の見えないとまりにも、その先のものは分かっていた。
「これが何か言って……?」
手の中に、それが触れた。
「お……、おちん、ちん……です」
それは自分にあるどの部分よりも、熱く、硬い肉の器官だった。とまり手の中で、それ
はびくりびくりと蠢いた。胸がぎゅっと狭まるような驚きを感じて思わず引きかけた手を、
男の手が止めた。それは、もっと感触を味わうように命じていた。
張りつめた皮と、そのすぐ下を血管らしき管が幾本も浮き出ている手触りがある。それ
らをまとう様に、硬く熱い肉芯を反らしている。その先端は丸みを持って、本当に肉厚の
茸のような形をしている。それに指先を這わすと、ぬるりと濡れた先端には、尿道口らし
い小さな割れ目があり、その裏側へ続くように筋皮が引かれ、伸びていた。
目を閉じたとまりには、まるで想像できない形だった。記憶にある、父親や弟のそれと
は明らかに違うものだった。
手触りから想像するには、とまりの体のどの部分ともかけ離れた器官だった。自分が触
れられる身体の肉の、どこよりも硬く、熱かった。時折生き物のように蠢くそれに、とま
りは少し怯まされる。
男の顔がとまりの耳にすり寄り、つぶやく。
「何に使うところか、言ってみて」
男は、とまりを言葉責めにするつもりだった。それと知って、とまりは応じていた。
「…おしっこ、するところ」
男は鼻で微笑んだ。
「正解…。だけど、もうひとつあるんだよ?保健体育でも習ったよね…?」
「…セックスに、使うの」
言葉あそびだった。
「どんなふうに使うのか、聞かせて欲しいな…」
男が何を言わせたいのか、知っている。
「女のあそこに、入れるの…」
「あそこって、どこに?」
「お…、お、ま…んこ……に………」
「入れて、どうするの…?」
「中で動かす…の……?」
「そうだよ。おまんこの中で一杯動かして、女の子をいやらしくさせてしまうんだ……」
男が甘く淫靡に耳元で囁く。とまりの背がぞくりと肌が粟立つ。
「ぁ…ぁ……」
淫らに変わっていく自分の痴態が脳裏をよぎる。
「中で一杯動かされた最後は、どうなっちゃうのかな…?」
想像してしまったことを、口にしたかった。
「せい、えき…だされ、ちゃう…の……」
顔が熱い。恥ずかしいだけではない。いやらしいことをされて、いやらしく変わってし
まう自分を想像して昂ぶっている。
そんなふうにされたいと思っている雌の自分を自覚して、愛液が湧いていた。
「そういうふうに、されたいんだね?」
とろりと溢れたものが、内股を伝った。
「は、い……」
自分は、もうすでに雌になったのだと思った。男の性に蹂躙されたかった。
「その前に、僕のものを可愛がってくれるかい…?」
手の中のペニスがひくついている。ひどく熱い。薄い皮がぱんぱんに張り切っている。
それを、ゆっくりと包むように握り締める。形容し難い硬さだった。握ったまま上下
にしごくと、表皮が肉茎を被せるようにずれ動く。ペニスの皮を、亀頭の雁に被るまで引
き上げ、竿の根元まで引き下ろす。やさしく握りこんだ手で、何度もそれを往復させてや
る。
「んん……、うぅ………ん………」
その刺激に男が深く嘆息し、堪えられないかのようにとまりの首を抱いた。それが嬉し
くてペニスへの愛撫を繰り返す。直に、亀頭を指の間にくぐらせるようにしごくと男の反
応がよいのを知った。もっと性感帯を見つけて、男をよがり狂わせてやりたいかった。昏
い炎がとまりの胸で揺れた。
指先でペニスの鈴口をくすぐり、裏筋に触れる。ねっとりとした分泌液で濡れていた。
それを指の腹でのばし、ぬり広げてやる。滑りやすくなった亀頭を指でこねるように嬲っ
てやると、男は切な気な息を吐いた。
遊んでいた左手を玉袋に伸ばし、緊張で凝り縮んでいるそれを揉みほぐしてみる。右手
の親指と人差指でつくった輪の中に、ぬるついている雁首を潜らせて男の皮ごと亀頭をし
ごいてみると、ペニスがびくびくと痙攣した。手の中の陰嚢がふくらみ、睾丸が蠢いた。
――もっと感じさせてやる
自分の肉体がされたことへ復讐してやろうと思った。
男自身のこぼしたカウパー腺液が、とまりの手をぬるぬるに濡らしている。ペニスがひ
くつくのを掌に感じる度に、とまりの心も淫らな悦びで濡れていった。
* * * * * * * * * * *
とまりは前屈みになって両手を男の股間に差し入れ、ペニスを愛撫していた。
お尻をシーツの上に落とし、膝を開いて女座りになっている。股間が熱かった。男のも
のを弄りながら、身体が昂ぶっていく。膣奥から滲みでてくるものを感じた。ほとびて開
いた性器が、シーツを濡らしているのが分かった。
男の手が小さな頭に乗せられている。とまりの指が亀頭の微妙な部分を刺激すると、そ
の手が髪を掴み、力んだ。
たまらなくなった男は言った。
「…フェラチオって、知ってるよね?」
フェラチオ、という言葉の響きが淫靡にとまりの耳をくすぐった。紅潮した頬で、男を
仰ぐ。
「はい……」
口で、舌で、ペニスに奉仕するのだ。
できるよね、と男が訊く。
「そんな、の……どうすれば、いい…か……」
とまりの喉に、ねばい唾液が絡んだ。
手にしている、男の性器を口に含み、舌で舐る。
薄っすらと、そのうち求められるに違いないと思っていた。手にしたペニスが一段と硬
く熱く張りつめていく感触があった。とまりの唇を潜る歓喜に震えるようにひくついた。
クラスメイトで、女の子同士の話題にセックスについてが挙がる事はあまりなかった。
少なくとも、とまりの周辺にはいなかった。だけど部活の子たちは、また違った。男の子
との経験をあけすけに口にし、具体的な性交の話をしては嬌声を上げて騒いでいた。当然
とまりはそんな話題には加われず、何気に聞き耳を立てては照れていたたまれなくなって
は理由をつけては中座していた。赤くなった顔を見られては、せんぱいカワイー!などと
囃されたものだった。うぶなとまりは、彼女らにからかわれていたのかも知れなかった。
そんなとまりではあったが、年頃の少女なりの、性への好奇心はあった。
背伸びして覗く女性誌には大抵、刺激的な見出しが躍っている。部の子たちが話題にし
ていたような事は、そうした媒介で補完されていくのだった。
はずむへの想いが煮詰まると、妄想の中で指が動いてしまう。
以前も今も、その時のはずむは、男の子だった。いつも自分ははずむに責められる立場
だった。
それでも、その妄想のセックスは、身体を、肌を合せるイメージでしかなかった。はず
むと身体を重ねて、肌の感触と温もりを分かち合う。いつのまにか越された背丈と、意外
としっかりと厚い胸に身を預け、痺れるような快感に浸った。自分の上にあるはずむの身
体が、とまりを感じさせている。それ以上に、はずむの肉体を想像したりはしなかった。
そんなふうに、ふたり寄りそう事がセックスの快感だと思っていた。
現実は、違った。
火照り濡れた肌で、熱く濡れた肉を感じ合う事しかなかった。
理も知も、感情も想いもなく、ただの悦楽のために相手の肉体があった。
差し出しさえすれば、心だって性の饗宴にくべる供物であった。
愛しい人も、その焦がれる想いすらも背徳の熾き火となって、じりじりと雌性を炙る。
性への恥じらいも畏れも棄て去るなら、女にとってセックスは魔そのものかもしれない。
現に、初めての行為を、セックスを悦楽として受け入れ、求めている自分がいた。
今、相手への思慕も恋愛も無い。初めて会った異性に肌を見せ、触らせ、性器を受け入
れる。代償は自分の女の肉体が秘めた、性の快楽だった。
とまりは、その虜なっていく自分を受け入れていた。戻れる場所は脳裏から無くなって
いた。
とまりの処女性を、心から捧げようとしていた異性はもういなかった。
今は手の中の相手の性器を、自分のおんなが弄ぶのを想像している。
――おちん、ちんを……、あたしの口で、感じさせる…んだ……
どうすればいいかなんて知らなくても、できることだった。
手の中の肉茎をどう弄ると、男が感じ、悶えるかを思うと、とまりの口内で唾液が湧き
出してきた。
手の中のペニスを弄びながら、それを口一杯にほおばり、口中に感じたいと思っていた。
「まず、舌を出して…。根元から、先までをじっくりと味わいながら舐めるんだ……」
男の言葉に、心が痺れていく。
言われるままに唇を開き、舌を突き出すように伸ばす。視覚を奪われているせいで距離
感が分からない。伸ばした舌で空間を探るように、手にしているペニスに口元を近づけて
いく。鼻が、男の臭気を吸う。ペニスの匂いなのだろう。烏賊の乾物とゆで卵を混ぜたよ
うな匂いだった。不快さはなかった。むしろ、じわりと脳髄を痺れ、胸が熱くなる性臭だっ
た。
――んんっ……ん、ふ……んっ……ぁああ………
女を淫らにさせる匂いを、とまりは知った。
握った指の当たりで、舌先がペニスに触れた。そのまま舌全体を肉茎に這わしていく。
頬に、熱い亀頭が当たった。
「ん…あぁぁ……」
ペニスの感触に思わず嘆息が洩れる。
舌を、ペニスの裏側に沿って舐め上げていく。思うより長く、太い。裏筋に届いた舌先
を尖らせて張り出した雁の裏をくすぐると、男がうめいた。
――ここが、感じるんだ……
猥褻な発見に興奮する。
男の竿部に唇を横咥えするように添わして、舌をねっとりと這わす。ペニスの温度が舌
に伝わってくる。ペニスを握っっていた指が、あふれた唾液でべっとりと濡れていた。舌
を離さないで、すこし手を動かしてみるとにゅるりと皮が滑り、硬い肉幹をなめらかにし
ごけた。
「んん…ッ、ぁ………」
男が艶っぽくうめいた。それが耳に届くと、とまりも熱くなっていく。
裏筋を尖らした舌先でくすぐり、亀頭の雁裏を抉るように舐め、回す。唾液とは違う粘
液を舌に感じる。鈴口からこぼれ落ちてくるカウパー腺液だった。ねっとりと薄く少し苦
味を残していた。
とまりは、ペニスが先走らせた体液に、精液を想像していた。
女に向けられた、男の性欲のすべて。それを出すために女の身体は存在しているのだろ
う。
――男と女って、それだけだ……
とまりの責めが、男の性感を高潮させている。唾液で濡れた舌を這わし、指で亀頭を弄
ると、手のひらの中の陰嚢が引き攣るように震えるのを感じる。その反応にとまりの性器
が熱く濡れる。
そのペニスがもたらす快楽を、身体中が期待していた。
女の恥じらいも、想い人への愛慕も棄てて、ただ性だけに身を投じたとまりだった。
処女の肉であっても、それは変わらなかった。
男に命じられる前に、とまりはそれを口内に含んだ。
硬い。そして熱い。何度感じても胸が高鳴る。とまりの口内一杯に感じている男性器は、
張りつめて、脹れきっていた。じゅるりと唾液ごとすすると、口の中で動いた。
「ん…、ふ……ぅ……」
それがどちらがこぼした息なのか判らなかった。
次回投下で終わりです。
>>820 GJです!
とにかくエロイの一言に尽きます。エロスの表現の巧さに脱帽しました。
感想は最後の投下が済んだらさせて貰います。期待してます!
まってますー!
|ω・) …ウマー
ラストクロップを投下します。
ペニスの根元を手で押さえつつ、唇で竿をしごく様に動かす。絡めた舌がじゅるっと音
を立てて、唾液を卑猥に鳴らす。喉の間際まで亀頭を呑み込んで口をすぼめ、吸い上げる。
舌でペニスの腹側をまさぐってみると、男はこらえられず喘いだ。気持ちいいよ…とうわ
ごとのように呟いていた。
――あたしの口が、感じさせてるんだ
這わす舌に神経が注がれている。潤滑油となった唾液が、口内でじゅるりと音を立てる。
「…んっんんっ…、んはぁっ……んむ……ん……んぁぁ……」
息を詰めてペニスに奉仕する。息を継ぐ時、自分の息が淫らに匂うのを感じる。
ちゅっ、じゅるっ…じゅっちゅ……ちゅるっ、んちゅ、ぢゅる、ちゅ………
自分の、フェラチオの音が聞こえる。
こぼれた唾液が根元を支えている右手を滴っていく。左手に乗せて弄っている陰嚢まで
をずくずくに濡らしている。
男の両手が押さえつけるように、とまりの頭を捕らえている。ペニスに沿って上下に動
かされる唇を逃がさないようにしていた。時々とまりが舌をひねって亀頭をえぐったり雁
首をねぶりつけてやると、男の指に力が入る。それは、痛いほどの力で、とまりがもたら
す快感を伝えた。
「んあっ…、んんっっ、はぁぁっ…、んん、んちゅっ、ん…あん……」
口内を占める男性器が、とまりの奉仕で止め処なくひくついている。塩気を帯びた先走
りが、唾液に混じる濃度上げている。とまりは鼻腔に抜ける男の臭気を味わうと、自身の
性器が疼く気がしていた。知らずに尻が蠢く。
頭を覆った男の手が、とまりの口と顔に合わせて動く。その律動が早くなっていく。
終わりが近い事を、女の性が気付いていた。。
じゅっっ、じゅるっ…ぢゅ、ぢゅっ…ん、んちゅっ、ちゅうぅぅっ…ぢゅぅぅぅ……
責めを強めると、男の苦鳴に似た喘ぎが聞こえた。
口と共に、ペニスの根元から握った指を上下に滑らせてしごき上げてやる。たっぷりと
絡んだ涎で、睾丸をぬるぬると弄んだ。
「んっ…!も、もうイキそうだ……」
男の声が、余裕無く震えつつあった。
口内に吸い上げているペニスが、間段なく緊張している。射精が近かった。
男の手が、とまりの頭を放さないように押さえてくる。
「たっぷり、出してあげるから……こぼさないようにし、な……」
男が口内に射精しようとしているのに気付いたが、とまりには、もう逃れようが無かっ
た。諦め、というには高揚とした気持ちで溢れ出てくる精液を待った。
最後は、亀頭に舌を絡めて、じゅるりと吸い上げた時だった。
――ん、あぁっっ…!?
急激に脹れあがった亀頭が、びゅるりと体液を吐き出した。それはとまりの舌の奥、喉
元へも、たっぷりとかけられていき、気道をまでを塞ぎそうになる。続けざまに、2回3
回と射精を続けていく。
とまりはフェラチオを止め、男の精液を口内に受け止めていた。
――これ、が…せい、えき……?
ペニスは何度も脈動した。舌と喉に、口一杯に、精液を吐き散らしていく。これ以上は
含み切れないと感じた頃、長い射精が終わった。
「ふう、うっっ……、きもち、いいよ……」
男がとまりの口内で射精の余韻を愉しんでいる。
ペニスと精液を含んで一杯になった口を、とまりは持て余していた。男の手が、とまり
を解放してくれない。溜まった息を鼻から吐いた。青臭いような精臭が鼻腔を抜けていく。
脳の芯が痺れるような、猥褻な匂いだった。
こっちを見て、と男が言った。ペニスを咥えたまま、そおっと顔を上げると、シャッター
が落ちる音が響いた。とまりの頬に手を添えて、掛かる髪を上げては、それを何度も写真
に収めていく。
「ゆっくり抜いて…、口に出したものをこぼさないようにね……」
言われるままに、唇をすぼめようにしてペニスを引き抜いていく。口腔に、どろりと精
液だけが残されていった。卵の白身のような蛋白質の体液が、舌に絡んでいる。ちゅるり
と唇が鳴ってペニスが抜ける時、またシャッター音が響いた。鼻先で精液を蒸らした肉が
揺れ、頬に当たった。
「最初の精液だから大分濃いんじゃないかな…?舌に絡めて、よく味わうんだよ……」
男の言葉を受け、とまりは口内の精液を舌でゆっくりかき回してみた。それは、ねっと
りと口の粘膜を覆い、絡みついてくる。ひどく塩気を含んでいて、舌の上で苦味が広がる。
ゆるっとした粘液の中にぷるぷるとしたゼリー状の粒を、舌先に感じられた。口腔から鼻
に漂う、濃密な草むらのような匂いにむせそうになる。
なのに、とまりの心を甘く痺れさせていた。
女を堕しめる汚らわしい体液で感じている自分を、猥褻な雌だと思った。
とまりがくちゅりと舌を鳴らして精液を味わっているのを見て、男は満足気に息を継い
だ。
「口を開いて、中を見せてごらん…、こぼさないように気をつけてね……」
すこし顎を上げる様にして、とまりは口内を男に見せた。ややもすると、唾液で量を増
した精液がこぼれそうになる。男はとまりの舌の上にたっぷりと乗った白濁液を鑑賞し、
それもカメラに収めていく。そして指を入れて、とまりの舌と精液を絡めて、ひとしきり
弄んだ。とまりの眉が切なげに歪むのが、男をそそらせた。
「飲みなさい」
最後に、男が命じた。
「ん……、んん、……くっふ……っん、ん……」
その言葉を待って、とまりは自分の唾液と合わさった、男の精液を飲み込んだ。
吐き戻しそうになる拒絶感を押し殺して、一度二度と喉を鳴らした。ねばっこい液が、
喉に絡みながら嚥下されていく。苦味と塩気で喉の奥まで焼かれ、ヒリつく感じ。飲み干
した後もぬるついて、いつまでも粘膜に引っ掛かっているようだった。
――ん…、んふ、ぁ…ぁぁ
想いも知れぬ満足感だった。舌に唇に、口内の粘膜に残るペニスの感触と精液の味が、
染み付くように消えなかった。青臭い、漂白したような精臭が、胸まで侵して一杯にして
いた。
――もっと…、まだ……あ、あぅぅ………
子宮が熱く蠢いたように感じた。
濡れた表情が、男に向けられる。
とまりの前髪を掻きあげるように撫でながら、男は言った。
「フェラチオしながら、君も感じてただろ?」
感じていた。
答える言葉が、粘る喉に絡んで出ない。
「そのまま、四つん這いになってお尻を上げてて…。濡れているかどうか、確認してあげ
るから……」
男の股間にこうべを垂れるように跪き、とまりは唇での奉仕をしていた。
正座するようにそろえていた膝を、命ぜられたように、ゆっくりと立てていく。
とまりの体重が移り、ベッドがきしりと鳴った。
頬をシーツに埋めて、羞恥を堪える。反らした背が震えている。
うつ伏せになってお尻を差し出している姿勢を、男に撮影されていた。ベッドの上を移
動して、色々な角度からとまりの痴態を収めている。背後からのフォーカスに気付き、と
まりは頬に火がつくのを感じた。閉じたふとももがぎゅっと強張る。
掲げたお尻を、男が凝視している。尻肉をすぼめて股間の恥部を隠そうとしても無駄な
のは分かっていた。息がかかるほどまで、男の顔が近づいてくる。お尻に男の両手が触れ
る。熱く大きな掌が尻の双丘を包むように撫でていく。
ひやりと冷たく、掌に吸い付くとまりの尻の感触に、男は惹き込まれていた。なめらか
で柔らかい女の肉が、掴む指からつるりとすり抜ける。小柄な身体、薄い背中とはアンバ
ランスな程の肉感がある。男は夢中でその肉を感触を味わった。尻の肉に手を吸い取られ、
呑まれていくような一体感に溺れてた。
自身の火に照らされた白蝋のように妖しくぬめるとまりの尻に、たまらず男は唇を吸い
付ける。肉を口内に吸い入れ、舌が柔い肌を舐める。ぞろりと電流が、とまりの骨盤から
腰椎を通って延髄へ抜けていく。鳥肌が走り、背が反り返った。
尻の双丘が、ふっくらとしたを帯びてふとももにつながっている。その尻たぶの丸みと
手触りを男は愉しんでいた。時折、尻の割れ目に指を撫で入れ、肉の柔らかさを味わう。
肛門近くまでいじられ、とまりは指から逃れようと背を丸めた。
「……だめだよ。背中を反らして。もっとお尻を高く、突き出すんだ」
男が、指先で背筋をなぞり上げながら囁いた。
「あぁあっ…………!」
思いかけず、高い声でとまりは鳴いてしまう。高く掲げた尻を、男の手が掴んだ。ふた
つの親指で尻の肉を開いて、性器を露出させる。
「足を、開きなさい」
とまりは背後から性器を見られながら、合わせたふとももを弛め、膝を開く。
股間から覗く男からは、とまりのなめらかな腹とその向こうの乳房が見えた。
蟲惑的な眺めだった。
可憐な乳房の先端が尖りきっていた。片手を伸ばしてそれに触れてみると、四つん這い
の手足をがくがくと揺らして快感に耐えている。
フェラチオで感じていたのか、潤びた性器は朱鷺色に火照り、ぬらぬらと内股まで濡ら
している。陰唇がゆるみ、粘膜に包まれた秘部を晒す。男の指が掻きひらくと処女膜がピ
ンクに染まって小さな口をひくつかせていた。
差し出した舌を、処女の部分に近づける。とまりが怯えて、その処女口を縮こませた。
舌先は構う事なく粘膜に触れてきた。唾液と愛液が刹那に交わり、肉襞に舌が合わさる。
「ん、あっあぁ、……ぁ」
くちゅり、と潤湿な音が鳴る。男の舌先が披かれた処女膜をなぞった。内側に溜まった
愛液が溢れ出す。それを掻き出すように舌が膜の間に差し込まれる。
「んんんっ!い、いやぁ……あぁあああっ………」
胎内に入り込むぬるい軟体が、敏感な薄襞に入ってくる。自身の中を舐められる感触に、
とまりは声を上げた。男の口が、性器を覆っている。股間に吐気がこもり、熱い。自身の
熱かも知れなかった。どうしようもなく、淫らに感じている。舌が粘膜を、柔襞をなぞり
ねぶる感触に意識が集まっていた。その動きに焦らされ、歓喜している。
処女膜の向こう側までに、舌が入り込む。尖らせた舌先が裏側から膜をくすぐり、こす
り上げられているようだった。小さな穴を抉るように動かされると、奥から熱い液が流れ
てくる。それを吸われると、膣内の肉襞ごと啜り出されるような感覚に襲われる。
子宮が、収縮するのが分かった。
とまりは男のクンニに、すべてを忘れて尻を差し出していた。
「いい……い、い……ぁあ、もっ…と……んあっっ…!」
お尻の穴に、男の鼻先が触れても気にならなかった。むしろ、会陰や肛門のあたりにそ
ういった刺激が伝わるのすら快感を煽った。呼吸されるたびに、匂いを嗅がれているよう
に感じて、興奮している自分がいた。
淫乱になってしまった自分を感じて、興奮しているのだ。
男の舌が口が息が熱いのか、自分の肉が熱いのかが分からない。ただ、男と女の肉が溶
け合って、その境界がなくなっていく。
「ああっ、ああぁ…!いい…!きもち、いいぃ……!」
四つん這いで、男に尻を広げられ、弄られている。
とまりの脳裏から、雨の向こう側はの景色は消え去っていた。
閉じた瞳には、なにも映っていない。
何も見えない世界で、自分のものらしい肉体に与えられる悦楽だけが、今のとまりのす
べてだった。
初めての性を、誰かに捧げる不安さえ感じていなかった。何を誰に捧げるのかは、忘れ
ていた。
「ああ、だめ…、だめ…いぃ……、もっとぉ…ああっ、……ああっ!んああ……!」
紅潮した肌が、より刺激的な肉の感触を求める。身体が勝手に尻を振っては、快感に強
弱をつけて愉しんでいる。クリトリスを、陰唇を弄ぶ指に合わせるように腰が沈む。恥ず
かしいはずの肛門すら、揉みほぐされ潤び、ゆるんでいく。熱い吐息を浴びると、ひくひ
くと蠢いては責めを誘ってしまう。性器を舐める舌がそこに移ってくると、歓喜するよう
にきゅうっと舌先を食い締めた。
下腹部の奥が熱い。骨盤の芯が抜け落ちていきそうだった。
性器の奥が、疼いてどうしようもなかった。
とまりの身体は、男を受け入れる状態になっていた。
とまりに覆い被さるようにのしかかってくる身体。お尻に、熱く強張ったペニスが触れ
る。耳たぶを甘く噛まれて、震え上がるとまりに男は囁く。
「このまま、入れる…かい?」
その言葉に刺激されたように、とまりの身体がびくりと跳ねた。
――いれられちゃうんだ………
性交。
今、自分がしている行為。
これから、性器に男のものを受け入れるのだった。
――どうなっちゃうん、だろう………?
霞んだ思考は何も思いつかなかった。
どうしようもない。とまりはここで、純潔を失う。処女でなくなる。
この男によって処女膜を破瓜され、初めてのペニスの感触を、性器すべてで味わうこと
になるのだ。
それだけのことだった。
何が、どうという思いは浮かばなかった。
この肉の疼きをどうにかして欲しかった。
尻やふとももに感じる、この熱く硬い肉茎がとまりの疼きを掻き回して無茶苦茶にして
くれるなら、そうして欲しい。
入れて欲しいと、停止した思考の奥で思った。
「……い、れて」
継ぎ、途切れるようなとまりの声が、男の耳に届いたはずだった。
被さるようにとまりの背に肌を重ねたまま、背後から男は首筋に顔を沈め、呟くように
囁きかけた。
「セックスは、……何人と、した………?」
寧泥に沈んだ心が揺れた。
「……お、おぼえて、ない…です」
嘘を、答えた。
初めて、と言わなかった。言えなかった。
「どんな相手と…?」
男は静かな声で問い掛けてくる。
「か、かれし、とか、…です」
自分がどんな声で答えているのか、よく分からなかった。掠れているように思えた。
「とか…?何度かは、彼氏以外の男の子にさせてあげたの…?」
追求の言葉に、はい……と肯定した。
彼氏以外の、という言葉にとまりの胸はきゅっと傷んだ。
「…そう」
それ以上は訊かれない。男は背後からとまりに被さって動かない。
突き出した尻に男の下腹部が押し当てられている。剛直したような肉茎がとまりの内腿
の柔肌に触れていて、拍子に動いたりもした。
そのままの、時が流れる。暗闇しか知覚できない頭には、刹那も永遠と変わらないよう
に感じた。緊張と興奮で焦らされた身体が苦しい。呼吸がうまく出来ない。絶え絶えの息
の間にとまりはいた。
脳裏に去来しそうになるものを必死で押し潰し、かすれ声を絞りだす。
「もう…、おねがい…、だから…、このままで…いい、から……」
哀願に近かった。胸が締め付けられるように苦しい。
これ以上は耐えられそうになかった。
嗚咽に変わる前に、すべてを奪って欲しかった。
「……わかった」
小さく答えると男は身を起こしていった。上半身をベッドに突っ伏したままのとまりの
腰に手を回す。持ち上げるように尻の高さを上げさせる。頼りなげにふらつくとまりの膝
を立たせ、尻たぶに両手をかけて肉をゆっくり広げた。
――ひっ…
性器にペニスの先端が当たった。
溢れかえった愛液は大陰唇をこぼれ、内股をべっとり濡らしている。充血した小陰唇は
つるんと張って膣口のひくつきに合わせて蠢いてしまう。そこに、男の熱しきった性器が
触れていた。
赤黒く脹れあがった亀頭は、開いた雁を反り上げて猛っていた。先端の割れ目からは先
走る汁をこぼし、裏スジからミミズのように血管を浮き上げらせた竿の腹側を、ぬめ光ら
せている。時折、竿が痙攣するように動いて、睾丸を引き攣るように揺らした。
とまりの目に、その異容が見えないのは幸いであろう。闇の中で、自身を貫こうとする
肉の感触に怯えるだけで済んでいるのだった。
「写真、どうする…?」
男が、頭から消えて去っていた依頼を持ち出してきた。
――しゃ、しん……なんのための、しゃしん………
『はずむ……』
言葉だけが浮かび上がってくる。ゆらゆらと意識の浅瀬を漂っている。
――あたしを、み、て………
それは、闇色の波間にぼやけて揺らいだ。
――あたしだけ、み…て……
いつのまにか、それはかすれ遠ざかって往った。
――どっか…に、いか、ないで…、よぉ………
とまりは闇の中でひとり、膝を突いていた。
自分がどこにいるのか分からない。
胸を掻き破ってしまいたい。じりじりと焼かれるように身体の奥が熱く、苦しかった。
溢れそうになる慟哭を、堪えきれそうになかった。
「…………お、ねが、い…です」
搾り出されたとまりの言葉が、男に伝わったかどうか分からなかった。
ただ、耳朶に響く音と、それに続く下半身の動きを感じた。
晒された性器を、さらに指が割り開く。剥き出しにされた膣口に、丸みを持った熱い
肉が触れてきた。ぬちゅっと音を立てて、亀頭がとまりの処女口に当たる。ぬるつく粘膜
に亀頭の熱が伝えられる。自分を貫くペニスの熱さに背筋が震えた。
とまりは奥歯を噛み締めて、この後の行為に耐えようとしていた。
男が、尻たぶを開いてとまりの性器を露出させ、挿入の角度を合わせている。亀頭が濡
れた膣口の粘膜と触れる度に、ぬちゅり、くちゅりと湿ったを響かせる。その刺激の度に、
ああ、と声が洩れる。
男は手でペニスの根元を支えて、とまりの濡れそぼった小さな口に亀頭の先を合わせ、
少し潜らせた。薄い皮をはちきれんばかりに膨らせた亀頭で、とまりの処女の入り口をほ
ぐすように捏ね繰る。ショッキングピンクに染まった処女膜が縦に横に曳き弄られる。
破瓜への怯えを焦らされながら、とまりは亀頭の愛撫に性器の奥が熱くたぎらされてい
く。じわりと、膣内から愛液を溢れさせてしまう。恥ずかしいという感情は、もうなかっ
た。その時の訪れを待つ手が、シーツを握り締めさせている。
男は、指先と亀頭でとまりの粘膜を披き、解し、快感で緩ませながら、その向こう側へ
肉を侵入させようとする。指で閉じた粘膜を引き伸ばし、亀頭の先を潜り込ませる。
びちっと性器の肉を曳かれるような痛みとともに、熱い肉がとまりの胎内に食い込んで
いく。とまりも男も、亀頭が膣口の内へ入ったのを感じた。
熱い塊を中心に、性器が、粘膜の襞が引き攣れるような感覚だった。
男はそのまま奥に挿入せず、亀頭を包むとまりの肉の温度を味わいつつ、ペニスを少し
引いてみた。
「痛っ…!」
とまりが小さく悲鳴を上げた。男はカリに肉襞が引っ掛かるのを感じて、止める。
ほぐされた処女膜は、未だ破瓜されていなかった。亀頭の挿入を許し、窄まった雁首の
部分を食い締めている。男がペニスを引くと、反り返った亀頭の傘部が返しの様にとまり
の処女膜を内から裂いてしまうだろう。
男は両手でとまりの尻たぶを一杯に開いて、その性器に飲み込まれているペニスを見て
興奮の極致にあった。膣内に挿入されつつあるペニスは、とまりの身体が引き攣る度に膣
口で食い締められ、内で肉襞が蠢くの味わっていた。
とまりは身体を強張らせている。性器に男の肉が入っているのが分かる。熱い。身をよ
じると引き攣れるような痛みが走り、動けないでいた。
ペニスが奥に向かって、ゆっくり動き始める。 頭が白くなるような痛みに、とまりは
唇を噛んで耐えた。熱い肉茎がじわじわと侵入してくる。ペニスの肉竿を飲み込まされる
性器が、みちみちと音をたてるようだった。挿入に合わせて薄い肉が、粘膜が限界まで曳
き伸ばされていく。
男が、ゆっくり腰を送った。
「痛いッ!」
みちっと、肉が裂ける感覚。そして激痛がとまりの身体を突き抜ける。
処女膜が引き裂かれ、ぞろりと熱い肉が胎内に収まっていく。
「あぅっ!…い、痛い……痛ぁ……ぁぁ!」
挿入の痛みから逃れようとする腰を、男の手ががっしり掴んで放さない。逆に挿入を完
了させようと奥へと入ってくる。
性器が破瓜の痛みで白熱していく。なのに背筋にはペニスが挿入されていく感触までも、
まざまざと伝わってくる。とまりは両手でシーツをマットレスごと掴み締めて堪えていた。
涙が滲む。灼熱に焼かれるような股間から、下腹部の最奥までそれは挿入されて止まっ
た。
男は挿入したペニスで、とまりの体温と肉のぬめりを感じていた。
細い腰を掴み、固定する。
ゆっくりとペニスを引き抜いていく。
「つうぅっ…!あくぅぅ……!」
その抉られる痛みに、きゅうっととまりの膣が締る。破られた膜のあたりで亀頭を止め、
再び膣奥へ潜り込ませていく。ざわりと蠢く肉襞の感触を愉しみながら男はゆっくりとペ
ニスを抜き差ししていく。
貫かれる痛みに、とまりは歯を食いしばって耐えようとしていた。それでも苦鳴がこぼ
れて出る。
熱く硬い男の性器が、自分の胎内をゆっくりと味わっている。尻たぶを揉みしだく動き
に合わせて、肉襞をこそげ取るようにペニスが引き抜かれ、子宮まで抉るように挿入され
ていく。
「あうっ…!くぅっ、いたっ……んあっっ……くうぅぅ、ぁっ!」
狭隘な膣が掻き分けられ、最深部に亀頭が届いた。それまでの愛撫で下りつつあった子
宮が、その亀頭に、ぐうっと押しつけられていく。膣奥から、内臓を揺すられるような感
触が喉元まで迫ってくるようだった。
「んくううぅ・・・く、はぁ……っ、んぁぅぅ、ぅ………い、やぁ」
嗚咽に似た息が、胸から絞りだされた。
男は亀頭に感じる、こりっとした子宮の感触を愉しむように腰を動かす。
「ひぃ、やぁっ!?う、いたっ!、あぁ……や、めぇ…い、たいっ……!」
弾力のある亀頭が、まだ未熟な子宮を突き、嬲っていく。膣奥の肉に逃れようと収縮す
る子宮を、生き物のように探り当て、くりくりと弄んだ。
裂けた処女膜の襞が、ペニスの根元でこねくられて激痛を感じる。
「そん、な、おくすぎ、るぅ…こわい……いたい、よぉ・…こわれちゃう……あ、くぅぅ…」
とまりの懇願に、涙が混じる。痛みと恐怖で、背筋が強張る。シーツを顔の前に掻き抱
いて、必死に耐え偲んでいた。
その様子に気付いたのか、男は子宮を嬲るのを止め、じわりとペニスを引き抜いていく。
反り返った亀頭の傘が、逆しまにとまりの膣壁をこすり舐める。もう裂けてしまった処女
膜あたりまで亀頭を抜くと、またゆっくりと挿入していく。とまりの肉襞の感触をじっく
り味わいつつ、ペニスを膣に沈める。時折震えるように、きゅうっと収縮する膣の締りが
男の腰から下を蕩かしていた。
…にちゅ、にちゅっ…、ぬちゅ…くちゅり……くちゅ…、くちゅ……
破瓜の苦痛から逃れようとするとまりの細い腰を、男は掴み、許さなかった。
挿入される度に、抱えられた尻肉に男の腰が当たった。陰嚢が振り子のように揺れては、
とまりのクリトリスに触れてくる。苦痛の中の、陰猥な感触にとまりは興奮させられてし
まう。
溢れさせていた愛液が、膣内で破瓜の出血に交じり合い、ペニスの抜き差しの度に掻き
出されていく。
とまりの処女の証が、内股をつっっと流れ、膝元のシーツにこぼれた。
緩慢だった男の腰の動きは、とまりの肉がもたらす快感に溺れるように早くなっていく。
とまりは、頭を蕩かす快感中枢の興奮と、破瓜の痛みで、意識が途切れそうになっていた。
性器が熱かった。男のペニスか、裂かれた膜が炎症してるせいか分からない。ただ焼け
るように熱い。痺れているようにも思える。
破瓜の疼痛は止まない。男が腰を使う度に裂かれる痛みが股間から背筋へ抜ける。
「あっ…、あっ…、あぅ…ん、くぁっ…!つ…、あぁっ・……!んあ………!」
男の責めに、とまりの啜り上げるように声を漏らす。
ぢゅ…、ぢゅっっ…ぢゅちゅっ…、ちゅるっ…みゅちっ……、くちゅ…ぢゅっ……
長い肉茎に血と膣液が絡みあい、とまりの股間で瑞音が立つ。
とまりの耳には、自分の立てている悲痛な音が聞こえていた。
喪失の痛みも、たっぷりと責めほぐされた女の身体はゆっくり疼痛に変えていく。
胎内に滲み溜まっていたとまりの愛液は、奥から溢れては破瓜の傷を粘液でくるみ、初
めてのペニスの摩擦に馴染ませている。痛みと怯えが、挿入される男性器を引き攣るよう
に締めつけた。
引き抜きかける亀頭を肉襞がざわりと弄り、男は会陰の奥からこみ上げてくる射精の衝
動を堪える。精が洩れる前に快感から逃れようと腰を引く。ぢゅるっっ…と硬い肉茎を抜
かれていく。
「ひぅっ!?んぁっ……」
引き攣ってペニスに絡まった肉襞ごと引き出されそうな感覚に襲われたのち、とまりの
性器は一刻、肉への責めから解放された。
男はとまりの腰骨の当たりを掴んだ手で、とまりに尻を横たえるように示す。促がされ
るまでも無く、もうひとりで膝が立たなかった。ぺたりとベッドに横臥したとまりの片膝
を男はゆっくり開かせ、仰向けにさせた。
「い、ゃ……」
弱々しく、言葉で拒んでも無駄なのだ。
大きく足を広げさせられてしまう。両の掌で、目隠しされた顔を覆い隠すしか、とまり
にはできなかった。
男がとまりの性器を見ている。見えなくとも分かった。
「お願い、見ないで……」
破瓜の血に濡れた秘部を曝されているのが、耐え様も無い恥辱だった。内腿につたい落
ちた鮮血も感じていた。シーツを染めてしまったに違いない。
初めてのセックスでないと、男に思われていたかった。
男の愛撫によがり、フェラチオもこなし、精液を飲んだことも、初めての行為と知られ
たくなかった。
処女の身で男を誘った事が、この上なく滑稽で無様な事と思われているに違いない。
舌を噛み千切りたい衝動が沸き起こる。蛙のように足を開かされているのも哀しかった。
男はとまりの身体に、己の身をゆっくり重ねてくる。膝のあたりから抱え込むように、
広げさせた腿の間に身体を入れる。下腹同士が合わさりとまりがびくりと身を震わせる。
と、大きな手がとまりの背に回された。胸の裏側に、熱い体温が伝わってくる。男の腕
にゆっくりと力が込められていく。とまりは男の重みを感じながら、その胸に抱きしめら
れているのを知った。
少し泳いだ手が、男の広い背中を掻き抱いた。
もう、抑え切れず力を込めていく。指を立てて、背中をなぞる。張りつめた筋肉の手触
りにとまりの胸が熱くなる。男の厚い胸板で潰された乳房に、互いの鼓動が響いた。
とまりは首元の熱い吐息に、ふと安息を覚えた。
男の背中から手を流し、その頭を抱えた。
「大丈夫、かい……?」
こくり、とうなずく。性器あたりがじんじんと脈打ち、熱い。痺れ、というより麻痺し
ているせいか破瓜の痛みは分からなくなっていた。
「最後まで、いくよ……?」
優しげな声と共に、再び粘膜に熱い肉を感じた。
男の手が膝の裏を掴み、とまりのしなやかな足を肩あたりまで引き上げる。尻がシーツ
から浮かされ、性器に触れていた亀頭が、ゆるりと膣前庭を撫でる。破瓜したばかりの
傷が、じくりと痛んだ。再び訪れる痛みを思いながら、とまりは挿入を待っていた。
性器を撫でるようにペニスが動き、ぬるっと、とば口を潜った。
「……ん、あっ!?」
裂けた処女膜を抜けて、その先端部が膣内に入っている。痛みはなく、ただ熱かった。
ふたひらの秘唇を巻き込みながら、ペニスが膣奥へゆっくりと侵入してくる。腿の開き
加減と、尻の高さを微妙に動かしながら、男はじわじわと腰を送った。
「ふぁあ、ぁぁあ………!?」
長く太い肉茎が、とまりの胎内を占めていく。自分とは違う肉の温度が膣奥へと入り込
んでくる。胸が詰まるような昂ぶりを感じて、男の背肉に爪を立てた。
「んあっ…」
男の下腹が、とまりの股間に密着する。亀頭が最奥に到達したのを知り、とまりは全身
をぶるっと震わせた。陰嚢が、会陰部に触れるのを感じる。なおも男の腰がぐいっと奥を
探ると、子宮を押し込まれる感覚に襲われ、がくがくと痙攣を繰り返た。
角度のせいか、とまりは痛みをあまり感じていなかった。性器一杯のペニスの肉感に思
考を奪われる。胎内が圧迫にされ、揺さぶられるように中が疼いた。
「ああ…んぁあ……ああ……ん、あぁぁ………」
頭が白くなっていく。
小柄なとまりの身体は、男の下でふたつに折りたたまれている。苦しいとは思わなかっ
た。むしろ、その重みと拘束に酔っていた。すらりと伸びた足が虚空を彷徨い、その爪先
を握り締めては宙を掻いた。
ゆるゆるとペニスは膣内を往復していく。引き抜かれる喪失感と、挿入される充足感が
交互にとまりの下腹の奥を焦がしていった。
「あぁ……、ああっ……、あぁ……ああっ……あぁ……ああっ……」
男の動きに合わせてとまりは小さく悶えた。
後ろから責められていた時と違い、男はゆっくりと動いていた。柔い動きがとまりの肉
を蕩かしているようだった。淡い心地良さに身体が包まれていく。
男は顔をとまりに合わせた。喘ぐとまりに唇を重ねる。とまりはそれを夢中で吸った。
差し出された舌を口内に引き入れ、自身の舌と絡ませる。湧き上がる唾液がぢゅるぢゅる
と音を立てると、頭が奥まで痺れるようだった。男の舌が引き戻されるとそれを追って、
男の口内に舌を差し入れた。探り当て、吸い上げる。互いの唇をついばみ、歯列を舐めて
いく。とまりは男の頬を両手で押さえて唇を貪った。
「くぅ、ぅぅ……んくぅ……」
全身で、男を感じていた。
密着した身体に圧し掛かる男の体重が胸を熱く満たし、抽迭の度に腰から背筋に震えが
走る。口唇は、息継ぎの間も惜しみ、相手を求めていた。
男の動きが徐々に早くなっていた。とまりの興奮した神経に疼痛が走る。
愛液が裂けた処女膜を濡らして、肉の摩擦から護っていたが限界だった。とまりは終わ
りが近づいているのを悟った。
「んっ…!く、ぅぅっ……んくっ…!つぅぅ………」
男の身体にしがみつき、背に爪を立てる。自分の痛みが男に伝わればいいと思い、容赦
なく肉に爪を食い込ませてやった。
男は無言でとまりを責めている。破瓜の傷に障らないように、膣口を抉らない角度で抽
迭させていた。肉の抵抗はゆるやかだったが、ざわりと蠢く肉襞の感触がペニスに残り逆
に性感を高めてくれていた。時折、よじるように締め付けてくる膣にペニスを引き抜かれ
そうな快感を感じ、背筋の体毛が逆立った。
もう、それもお終いになりそうだった。限界が近い。
無意識に快感を追ってペニスの抜き差しが早まっていく。背中に食い込んだ爪の痛みを
差し引いても、堪えようがなくなっていた。
「いく、よ……」
男の言葉をとまりは処理できなかった。
――だされる、の……?
セックスが終わるのだ、との思いだけが浮んだ。
とまりは痛みに耐えながら、ぎゅっと男にしがみついてその時を待った。
抽迭が烈しくなって、ペニスが膣の最奥に挿し込まれた時、男は射精した。
びゅくっ、びゅくっっ……びゅくっ………
ペニスが膨れ上がるように痙攣する。
「あ、あ……あぁ………、あ………」
下腹の奥に、ぬるいものが広がっていく。膣内に射精されているのだった。
三度、四度とペニスがひくついて、精液をとまりの中に注ぎ込んでいく。それを感じ、
ぞくぞくとした充足感にとまりの身体は満たされていった。
とまりの意識の外で、膣がペニスをきゅうぅっと食い締めては、すべての昂ぶりを引き
出そうとしている。男の下腹が強く押し当てられて、股間が痺れて熱かった。
男もとまりも、互いの顔を頭を抱きしめて快感に酔う。
射精が終わってからも、共に性器の感触と余韻を味わっている。
とまりは膣内に収めたペニスと、疼痛と、それらの脈動を感じていた。その間で、胎内
に溢れた精液が滞っているのが分かる。ひくりとペニスが動くと、それに反応するように
自分の膣がひとりでに蠢いた。
自分のではないものが、今は穏やかに胎内に身を潜らせている。それが何故だか自分の
一部分の様にも感じられてくる。
――ふしぎだな………
汗ばんだ男の肉体を感じながら、ぼんやりと思った。
目隠しした自分には、何も見ることができない。
でもここに、男がいて、自分がいる。
ここで、男の身体を感じて、自分の身体を感じていた。
何の憂いを感じていないとまりがいた。
何もかもを破り捨て、めちゃくちゃにしてしまった自分だった。なのに何の焦燥も後悔
も湧いてこない。セックス直後の高揚と倦怠がそうさせているのだろうかと思った。。
――でも……
男が身をよじると、硬度を失ったペニスが性器から抜け落ちていった。
とまりの女の場所から、苦痛と陶酔をもたらした器官が喪失するのを感じた。
拘束を解かれた足をシーツに投げ出すと、ふっと、息が入る。
じくじくと痛む股間に神経が向く。そのそばに、猛々しさを無くしたペニスがあった。
とまりの内腿に身を寄せて休んでいるみたいだった。そっと手を伸ばして触ってみる。自
分を責め苛んだものとは思えないほど、柔らかで弱々しかった。精液と、おそらくは自身
の血でぬめったそれをやわやわと弄んでやると、男が小さくうめいた。
そこからはもう、女を支配する魔法は、消えていた。
――なんだか、柔っこくて、頼りないかんじ……
男と身を重ね、鼓動を重ねていた。
初めての性を経験したのに、それを乱暴に棄ててしまったのに、その感慨はなかった。
男の肉体はとまりを身も心も翻弄したのに、もうそれも余韻の中にしか残っていない。
今は、股間を疼かせる痛みがその痕跡だった。
――あ……
とろりと、性器から溢れるものを感じた。
ひどい生理の時、胎内から抜け落ちていくおりものの感覚に似ていた。
――なかに、だされた、……の?
苦く、舌に絡んだ味。喉を焼くような残滓。
男の肉欲。女への執着。
ねばく、ぬるく、青い臭気。
じっとりと、性器を流れ出て行く粘液にとまりは知らず怖気立った。
――あ、か…ちゃん、できちゃう…の、かな………
茫洋と言葉が浮かんだ。こぼれ出た言葉が胸裏で反復される。
――あかちゃん、できちゃうの……?
リアリティのない言葉がリフレインし、崩壊していく。
――まって……、まって……、まって………、
空白の思考を埋める言葉が出てこなかった。
男と女の性が結ぶ、その必然に戸惑っている。
「……ん」
男がとまりの呟きを拾ったように反応した。
固まるとまりの両の頬に手を添えると、すっと滑らせて目隠しを取り払ってしまった。
目の前に男の顔があった。
いつのまにか部屋の明かりは落とされていた。片隅のテレビが、暗い部屋の輪郭を蒼く
照らしている。
薄く開いた眼差しに覗き込まれた気がした。
血が沸騰しそうになる。
胸を突き上げる鼓動は、男に届いているはずだった。
――あたし…、このひとのあかちゃん、産んじゃう……の、かな………
自分の言葉に、嫌悪を感じなかった。ただ、底の無い不安だけがあった。
「中で………」
出したね、と続けようとした。非難するつもりではなかった。それを男は遮って言った。
「ああ、ごめんね…。でも赤ちゃんできたりしないから……」
「………え?」
意味が分からなかった。
胎内には、男の精が残っていた。
とまりも、性交すれば必ず妊娠する訳ではない事は分かっていた。
ただ、こんなに男の性を感じてしまった後では、自身の女が不安だった。
体が、男の精を受け入れてしまうかも知れないと、どこかで思った。
「僕は子供をつくれないんだ」
男が言った。
「………えっ?」
未だ、意味が分からず、とまりは返す言葉を繰り返した。
「無精子症なんだ。……だから女の人は、僕の精液では妊娠しない」
――むせいし、しょう…?
聞きなれない言葉に、当てる字が浮かばなかった。
男は、自分の言葉の意味を理解してないとまりの顔を、少し面白気に見ていた。ややあっ
て、おもむろに続けた。
「いくら女の人が受け入れてくれても、ね。……生まれつき、精子をつくれない体だった
んだ。だから僕は自分の遺伝子を残せない」
精子のない精液があって、女の胎内に子を生さしめないもの。自分の性器に注がれ、股
をつたい落ちる精液はからっぽなのだという。
「……子供を、産んでもらうことも……できない男」
ぽつりと、小さな声がとまりの耳に響いた。
「僕は人としては役立たずなのさ」
男の瞳を、とまりは見ていた。吸い寄せられるように見つめていた。
「好きな人に、もっと愛したいものを、あげられないから」
光の無い黒瞳だった。
「そんなだから、ひとりでいなきゃなんないのは、しょうがない……よね?」
その奥底にあった感情は、遠い過去に拭い去られてしまったように思えた。
闇のような黒に、とまりの顔が浮かんでいる。
白い翳は、光を呑みこんでいるように見えた。
こわい、と感じた。
――何を………?
とまりは背筋に走る悪寒に、不安の根源を知った。
ふいに、はずむの後ろ姿が浮かび、逃水のように遠ざかって消えた。
それは、とまり自身が後ろへと、彼方へと引き戻されていく感覚だった。
男の瞳に映る自分は、泣いていた。
とまりは、嗚咽をこらえて言葉を搾り出した。
「自分がいなくなるのって、こわい……。でも………」
独り言なのかも、自分で分からない。
「自分を覚えてくれてる人がいなくなってくのは、ずっとこわい、よね………」
ただ、吐露している。
「あたし、ね……置いてかれるんだって、わかるのが……こわかったの……」
苦しかった。
「でも、あたしから、ひとりになるなんて……、やっぱり、やだぁ………」
目が熱くなっていく。じわりと滲んで、ほろりとこぼれ落ちるものを感じた。
「うん…、そうだね………。」
目の前の相貌が、蒼白い暗がりでそっと微笑んだ。それは、なんとなくゆがんで見えた。
頬をつたうものが、熱い。
「ひとりは……こわいよね………」
優しく、儚い声だった。
なんの力も無い、なのにあたたかい声だったのが、とまりにはひどく哀しかった。
蒼白い部屋にしばらく、くぐもった嗚咽が小さく響いていた。
とまりが動かないので、男は先にシャワーを使っていた。
止め処ない嗚咽が治まった後も、とまりはシーツに包まって膝を抱えていた。手には汗
と、こぼした涙で湿った部ヘアバンド握っている。ただ、ぼんやりとサイドボードに置か
れたデジタルカメラを見つめていた。
そこにはとまりの痴態が記録されている。自分で性器を晒し、ペニスを咥えて舌を這わ
した姿も、後背位で処女を捧げている姿も写っている。訳が分からなくなっていた最後の
方も、きっと残されているだろう。男は、とまりの望むように、すべてを粛々と終わらせ
てくれた。
股間がしくしくと痛むのを感じる。ベッドの敷布には、染みがぽつんと残されていた。
とまりの、純潔の印だった。何かへの、訣別の印のように思えた。
――なんてことをしたんだろう
今なら、もう分かっている。
自分がはずむに何を求め、はずむから何を求められたかったかを。
こうならなければ、自分が何か決定的に壊れてしまったのかもしれないことも。
だから、巻き込んでしまった人への後悔があった。
――セックスなんて、男とか女なんて……、なんでもないのに
知ってしまえば、そんなもので変わるものなど何もないと分かった。
性の衝動に溺れ、純潔を失っても、終わってしまえばとまりはとまりでしかなかった。
もしかすると、本当にすべてに絶望して煉獄へ堕ちるかも知れないが、それはとまりが
ひとり残された後なのだろうと思う。
はずむの心を道連れにするには、残された時間は少なく、とまりの世界は小さかった。
今をおいて、心と身体の両方を棄てる機会は無かった。
それも、もう終わってしまった。
心も身体も、穢れたと感じない。
――そりゃ、そうだね………
結局、自分が選んだ人に、初めてを捧げた。
この人ならと、そう思ったからここにとまりはいる。
彼のことを、誘われるまま、自分の処女をうまうまと奪った浅慮で厭らしい男とは思う
ことが出来ない。今も、好意以上の感情しか湧かなかった。
雨の中で瞳を覗かれた時に、もう心が助けを求めていたのかも知れないと思う。
――あたしって、甘えんぼで軽薄だ
未だ、喪ってしまうものの大きさだけが、心を変わらず占有している。
自分がいなくなることと、自分を思ってくれるひとがいなくなることは同じだと、気が
付いた。とまりは、はずむに必要とされていないと感じることで、自分が寄る辺を無くし、
消し去られていく不安を抱いてしまった。そうして、怯えて泣いていた。
――でも………
射精された後、男の身体を感じ、溶け合うような安らぎに浸った。
身も心も重なったように感じた。セックスのもたらす錯覚なのだと今は思う。
でも、それが錯覚でなくなればいいのにと思った。
自分とはずむとが身体で結ばれることがなくなって、心でもすれ違って、そのままふた
りとも消えてなくなるのは、嫌だと思った。
「そろそろ、服が戻ってくるよ。身支度しないと」
男が脱衣所から出てきて、とまりに声を掛ける。再び促されて、今度はとまりもシャワー
を使おうと思った。痛む股間をかばうように腿を開き加減で歩くと、なんだか滑稽で気恥
ずかしい気分だった。
逃げ込むように浴室に入り、全開に開いたシャワーで汗を落とす。
股間から溢れつたう精液の残滓に、ゆるく絞った湯流をそっと当てる。
じくっと痛む。足元を流れる湯が、紅く染まった。
そおっと、股間をなぞるように洗う。ぬるついた精液はしつこく肌に絡んで落ちない。
指を性器に添わすと疼痛が走るので、怖々なぞっては洗い落としていく。
――ぁ、つっ………
湯が、傷にしみる。滲みでる血がいつまでも内腿を濡らす。
シャワーの音がとまりを覆っている。数刻前までいた、雨を思い出す。
『とまりちゃんのことをよろしくね』
――ばか
絶対忘れない。
はずむがどんなふうにとまりの事を思ってても、絶対忘れてやらない。
自分の墓石に刻んででも、薄情なはずむの事は、ずうっっと先まで語り草にしてやる。
長い髪を激しいシャワーになびかせながら、とまりはそう決めた。
浴室にいた間に、脱衣所には下着や制服が戻されていた。
肌を拭き、髪を乾かせる。鏡は見ないようにした。ここへ来た時の自分がそこに残って
いそうで嫌だった。洗いざらしの髪は備え付けのイオンドライヤーと櫛入れだけにした。
乾いた下着を身に着ける。パンティに足を通す時に痛みが走ったが、出血は止まっている
ようだった。ブラウスに袖を通し、ジャンパースカートと上着を纏う。リボンは結わなかっ
た。くしゅん、とくしゃみがでる。シャワーばかりで湯冷めしてるのかと思った。
「あの時は、あんなに熱いかったのにな……」
言ってしまってから、その独り言に後悔する。脱衣所から出にくくなるが、いつまでも
篭もっている訳にもいかない。
部屋では、男は先に身支度を終え、窓際で紫煙をくゆらせていた。
「ポニーも可愛いけど、髪を下ろすとすごく美人だね。口説きたくてしょうがないよ」
とまりを見て、そんな軽口を叩く。
時間が巻き戻ったみたいな軽妙な口調に、とまりはすこし呆れた。
気を遣っているのか、そういうタチなのか分からない。
「送ろう。雨も上がった」
男は先に立って部屋を出ていく。あわててとまりはわずかばかりの持ち物を確認して、
後に続いた。
自分の格好が鹿縞高校の制服そのままなのに気付き、人目が怖かったが、部屋から廊下
へ、エレベーター、エントランスホールと誰にも出会うことはなく、とまりは安堵した。
走り出して時が過ぎても、ふたりの間に言葉はなかった。
男は火をつけないまま、煙草を咥えている。
唇を動かしては煙草の先端を踊らせて、遊んでいるようだった。
そんな男の横顔を、とまりはずっと見ていた。
無言の車内には、変わり栄えのしないFM放送が流れている。
時計は22時を回っていた。夜の早いこの街では、車窓にはもう街灯と信号の光しか映っ
ていない。時々、とまりは人通りもまばらな舗道をちらりと眺めた。車は市街に通り、鹿
縞本駅を過ぎていく。
男が車を止めたのは、ふたりが出会った車道脇だった。
秋を濡らした霖は、もう彼方に過ぎ去っていた。
雨上がりの道路は、もう水溜りもない。
湿ったアスファルトだけが、あの時の涙の跡に思えた。
「ここでお別れ」
男がとまりを向いていった。
黙って助手席のから降り立ったとまりに、男は車中から声を掛ける。
「これ、忘れ物」
閉じかけたドアの向こうから放られたものを、とまりは胸元で受け止めた。
デジタルカメラだった。
「え、でも……!?」
確かに忘れていた。でも中のメモリーだけでよかった。戸惑うとまりに男は首を振って
答えた。
「僕はいらなくなったから……、君もいらないと思ったら、棄てて」
男は助手席側に身を乗り出してドアハンドルに手を掛けた。
「さよなら」
はにかんだように微笑むと、男は内からドアが閉めた。すぐにウインカーが出され、車
は走り去っていく。暗い車道にテールランプの赤が滲んで消えていくまでとまりは立ち尽
くしていた。
車が見えなくなってから、別れの言葉もなかった自分に気付いた。
明かりに乏しい住宅街の道を、冷たい風が渡っていく。
背中を冷気でくすぐられ、小さくくしゃみが出る。手の中にあるカメラをポケットに入
れて、とまりは歩き出した。
ひょこひょこと家路を辿りながら、母親への言い訳をまとめておく。
振り仰いでも、愁霖の上がった夜空には、未だ星影は見えなかった。
ただ、薄墨のような雲が流れているだけだった。
* * * * * * * * * * *
その夜、とまりは発熱した。
ひどく眠りに誘われ、昼夜なくまどろんでいた。
何の夢を見ていたのかは覚えていない。その夢にはずむがいたかどうかも、もう分から
なかった。
気が付いたら寝込んで三日が経っていた。身体はふらついたが、明日からは登校できそ
うだった。もう痛いところも無くなっていた。
ベッドの中から吊るした制服が目に入った。ポケットにカメラが入ったままだったのを
思い出した。
その発見から逃げるように布団を頭から被り直す。包まって少し悩んだが、結局起き出
してポケットからデジタルカメラを取り出す。
操作方法がよく分からないが、どのボタンを押しても何の反応もない。
電池式らしいので取り替えてみたが、やはり動く気配が無かった。
イラついて、ファインダーを覗いてみると、白く曇っていた。細かい水滴に覆われてい
るのようだった。拭ってもどうにもならない。内部に入り込んだ水のようだった。
――壊れてる……?
でも、あの時は確かに動いていた。何度もフォーカスとシャッターの音を聞いたし、フ
ラッシュが焚かれたのだって目隠し越しにも分かった。
こちょこちょいじくって、中のメモリーを探す。
――あ、あった……
携帯のメモリーカードと同じみたいだった。もしかすると携帯で見れるかもしれないと
思い、携帯を取り出す。帰ってから入念にドライヤーを当てたから生きてるはずだ。
見れば、やはり同じタイプのメモリーだった。自分のを抜き取って、カメラから取り出
したものを挿し込んだ。
胸がざわめく。何時しか鼓動は早鐘を打っている。
見るのが怖い。
永い眠りの間に、あの夜のことも夢だったような気持ちでいた。
何もかも、なかった事に出来そうに思っていた。
見てしまうと、すべてが現実になる。
何より、あの時の自分に返ってしまいそうな怯えがある。
――でも……
もしかすると、男がカメラを替えていたのかも知れない。
だとすると、このメモリーには何も入っておらず、とまりの姿を収めたものは男が持ち
帰ったことになる。
――ネットとかに流されたり、とか……
自分の考えに怖気が立つ。でも、そんな人ではないと信じたかった。
とまりは意を決してメモリー内を覗いてみると、凄い数のjpgが入っていた。その中の
ひとつを再生する。ややあって、小さな画面一杯に写真データが映し出された。
全体が暗く、靄のかかったような映像だった。どの部分を見ても何が映っているのか分
からない。画面のそこかしこが半透明だったり歪んでいたりしていて、焦点自体もぼやけ
ていた。被写体の色が白かオレンジか判別できない。
――あれ………?
どのファイルを見ても同じ有様だった。
何かが写っている。だが、人か物かも分からない状態だった。
何枚かの写真が、奇跡のように画面の端に人肌のような部分やシーツを写し込んでいる
だけだった。
すべてのファイルを隅々まで見終えて、とまりは大きく溜息をついた。ベッドの上に携
帯を放り出す。傍らのデジタルカメラを手にして見つめた。
多分、あの雨を被ったカメラは中にまで水が入り込んだのだろう。それでレンズやファ
インダーに水滴や結露が出ているのだと思った。それでも健気に役目を果たそうと奮戦し
たが、結局水分が回ってショートし壊れてしまった、ということなのだろうか。
思えば、途中からは写真を撮っている感じがなくなっていた。
――お芝居だったのか……
目を瞑って、身を倒した。安物のベッドがぎしんと鳴った。
胸に置いたカメラに両手を合わせる。
――ばかな子だと、思われたんだろうな……
目頭が熱くなる。
くやしくて、かなしくて、ほっとしてて、そしてさよならも言えなかった事を思った。
夢の中で出会った人のように、その面影も消えつつあった。
闇の中で聞いた息遣いと囁き、熱く大きな手、そして男の匂いと与えられた感触だけは
まだ思い出せそうだった。
それを、とまりは意識の底に沈めた。
洟をすすり上げ、滲んできた涙を拭う。
明日、学校ではずむと会う。
会っても何も話せないかもしれない。
でもひとつだけ分かったことを伝えたかった。
「はずむを、ひとりになんてさせないから」
だから…、
――どこにも、いかないで
―― 終 ――
永いこと続きを待ってて下さった方、ありがとうございました。
原作も来週で最終回。
これで私もかしましから卒業できそうかな。。
>>840 お疲れ様です。
いや、まさか続きが読めるとは。
確か6月号かなんかの続きだから10ヶ月くらいまったのかな。
暁男塾に熊田金蔵が出てきたのに並ぶサプライズです。
卒業などといわないで、是非今後も頑張って欲しいです。ありがとうございました。
ヤバイぐらい萌える
>>840 大作乙です!
ストーリーの軸が最後までズレなくてとても良かったと思います。
このまま何も無かった様に逝ってしまうかもしれないはずむへの怒り・寂しさ、
どうしていいのか解らなく自暴自棄に陥ってしまうとまりの心情がすごく伝わって
きました。濡れ場の描写と語彙力にはホント脱帽です。終始楽しんで読ませて貰い
ありがとうございます!
卒業はマダ早いでしょw 原作終了後の世界を是非書いて欲しいです!
だけどもし、この男が鬼畜な奴だったら・・・
なんて考えるのは俺だけだろうか
デジカメを元に脅されて、その後何度もセックスさせられて
輪姦されて売春させられて堕ちて行くとまり
とどめに望まぬ子を儲けるハメに・・・
846 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 07:54:51 ID:UUAiBAhI
情緒のあるリョジョーク
いろんな見方が出来るのがパロの良い所だと思うな
mahiro氏の描いたこのSSのこの男も結局素性はほとんど謎で、善人なのか、
それとも悪人なのか、もしくは単なる一般人なのか・・・
あえて細かく書かない所に読み手に色々妄想させる良さが生まれると思う
どこの馬の骨か分からん男に処女を捧げてしまうというシチュに萌えました
(´・ω・)ノシ
, - ´ ̄ ̄ ` 、
/ \
/ ヽ
. / | / | | 、 ヽ ゝ`
│ | / /. /| 」__| _,l l |
| | | `''フ´ | /| / ノl/l |
| |レ.二ミ> レ <二 丿ノ
| | 从∪ ∪l 从 もうとまりちゃんは僕だけの女にはならないんだっ!
从|、 ヽ ゝ r‐----、 / lゝ '
Nイミ ヽ _ ノ ノリリ
, ' ⌒ ヽ l` ー----- 'l | ヽ
l l ヽ l | (/  ̄丶
. l l ヽ、 ,ノ - 、| ヽ彡 |
l l 「  ̄/ _ヽ ヽ____|
l l レ'〈 .| __ ) ./ /
. |l l. `| _ ) / /
. | l ヽ _ / ノ / /
. /l ヽ /´ / > /
やっぱ寝取りだけはどうしても受け付けない。
しょーないよ、はずむもうチンチンないんだから。
生チンコに処女膜破ってもらって、中出しも味わったなら、とまりちゃんも思い残すことなかろ
とまりが非処女化してても、はずむは一生気付かないんだろうな…
と思うとセツナス(´・ω;`)
__
/ ___、 `ヽ、__
レ'´ ヽ \____`) 寝取られとまりちゃん、
-='´ ハ {'´ー}/ヽl Y あ〜う〜かぁいいよ〜
/ /レV 三 リ ノi| お持ち帰り〜♪
{ { 彡 "/イ 八
N ヘ " 「 ノ / _>
ヽ_ゝ、 _ f⌒)ー‐くゝ
/ (__ j´`\ヽ_〉
Vレヘ \\介i\ヽ\
寝取られじゃないじゃん
付き合う前の男の過去バナだろ?
二次元幼馴染だったら十分寝取られだよ。
もう最終回だからコミックス読み返してた。
24話の扉絵のマグロ目のとまり……
ホントにあったサイドストーリーのように思えてコワス(つД`)
いい仕事してますねぇ
あとくされなく、原作終わっちゃったね
ここもこのスレで終わりか
職人もみんな店終いした感じだしな。
祭りから帰りそびれた俺ら3、4人だけが残ってた気がする
860 :
灰色 猫:2007/03/21(水) 21:05:39 ID:qA7ApKMX
そう言う訳にはいかんのだよ
>>858-859達
ただ萌え終わるのは真っ平御免なんだ
それ程までに度し難いのだ 我々(書き手)は
2ch中の全てのオタクが 『かしまし』を必要となどしていない
2ch中の全てのオタクが 『かしまし』を忘れ去ろうとしている
それでも我々(書き手)は 我々(書き手)のために 必要なのだ
ただ ただ 萌え “させられた” だけなんてイヤだ それだけじゃイヤだ!
私達が萌えるには もっと何かが必要なのだ
もっと!! もっと!! と
そうやってここまでやって来た 来てしまった!!
もっと何かを!! まだあるはずだ!!
まだどこかに書けるスレが!! まだどこかに書けるネタが!!
二次元世界は広く!!
エロスとプラトニックに満ち!! 純愛も陵辱も肥えて溢れ!!
きっとこの二次元世界には 我々(書き手)を養うのに足るだけの御馳走(元ネタ)が
確実に存在するに違いないと!!!
>まだどこかに書けるスレが!!
って、どっかいちゃったんじゃないかw
862 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 11:29:44 ID:JK4unGJa
あかほりは修行が必要だな
あゆきエロが欲しかった
とまりん×はずむ(女)が読みたい。
|ω・)…俺は見たい。 あとみせっこまだ〜?
百合板へ行けよ
俺も見てーぜ 舞台は漫画最終回後の世界な
レズスキーに餌を与えることにw
個人的にはやす菜ととまりが・・・いや、なんでもない。
もう流石に職人さんはおらんだろ
雑談スレしつつ終了だな
科特隊のはずむ隊員は三角ビートルで鹿縞ヶ森上空をパトロール中に青い火の玉を発見し並子キャップに連絡したが…いきなり飛んできた赤い火の玉に衝突してしまう…
「ここはどこだ…僕は死んだのか?
誰だ?
僕を見つめているのは…君はいったい何者だ!」
「光の国の宇宙人だ…
遠い宇宙から凶悪な怪獣ガマロンを怪獣墓場に運ぶ途中に逃げ出されそれを追って地球に来たところ君と衝突してしまった…済まないはずむ!!代わりに私の命を君にあげよう!!」
「ぐうぅうつっ…」その時…はずむ隊員の胸部と臀部が張っていき股間の逸物が萎縮して女体化した…
「…私は君と一心同体となって生きてゆく!!困った時はβバイブレーターを使え
地球上では短い間だが君は私になれるだろう」
つづく
なんて卑猥な変身方法なんだ。
廃墟になったな
がぉ
1時間以内にレスがなければとまりんは俺のもの
寂しいすぎるぜ、bother
職人はおらんのか
職人様職人様職人様職人様職人様どんなSSでも良いんでうpしてクレ〜
ホントにどんなSSでいいんだ?
物語のエピローグまでHシーンがなくても、オリキャラが登場しても。
過疎ってますし、俺はうpして貰えるんなら全然おkっす
Hシーンに関して言えばテンプレにある様に無くてもおkだし、オリキャラにしてもかしましの
キャラ+オリキャラなら全然問題無いと思う。だから投下して下さい><
廃れてしまう前に…
透過する気がないわけじゃないんだが…
筆が遅くてさ。
相変わらずひどい誘い受け
気長に待つからヨロ
887 :
五郎とゴロー:2007/04/27(金) 21:45:19 ID:Q+3QVxcE
今回、初めて小説を書かせていただく五郎とゴローと申すものです。
わたしはとてもあかほりさとる先生を尊敬しております。
先生の名を汚さないようこの小説を書いたつもりです。
かしまし 外伝
10、9、8、7、6、5、4、
五郎「宇宙船が飛んでる、そうだお祈りしよう」
五郎「おいしい、酒が飲めますように」
3、2、1、
ぼがーーーーーーーーん
親方「おい、なんだ、あの音は、あそこに五郎がいるんじゃないか」
つづく
おお、久々にSSがきてるなw
つか、かしましキャラは?
親方エロス
890 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 21:34:43 ID:Q0xP5cWi
dat落ち防止
いろいろと抑えきれなくなった明日太がとうとう(ryってSSは需要ある?
歓迎する。
|ω・)…うん
正直、いらない
かしまし
〜逆襲の明日太〜
か?
悪くわないと思う。
パジャマパーティに潜入する明日太の潜入ゲームでないもんかね。
と、そう想像した時がありました。
明日太とはずむ(♂)って需要ある?
板違いじゃね?
良いんじゃね別に。一応かしましキャラだし、嫌ならスルーすれば良い話だし。
とりあえずSSを投下してくれるだけ有難い
|ω・)…たまにはいいんじゃね?
板違いだな
書けもしないくせに
こんなアホはシカトして書いちゃえよw
|ω・)…みせっこまだかな。
虚しいレスばかり
|ω・)…PTAなんてロクなの居なかったよね。
SS嘉門
SS職人はマダかいな 投下ぷり〜ず
上げ
運命因子共有後のはずむ×とまりが見たい
はずむ「はぁ・・・はぁ・・・」
やす菜「・・・・・このしつこいくたばりぞこないめ・・・・・・」
やす菜「いいだろう!こんどはこっぱみじんにしてやる!!あの女のように!!!」
はずむ「あの女のように?・・・とまりちゃんのことか・・・」
はずむ「とまりちゃんのことかーーーーーーーっ!!!!!」
職人にの投下マダ〜?
|ω・)…一昨日漫画購入したけど、アニメと違う終わり方で良かったよ。で、みせっこまだ?
最終巻もうでてるわけだ。
だから何だ?
お前たちは、はずむに対する愛が無くなったと言うのか…
ならば仕方がない最後の手段だ!!一時間以内にレスがなければはずむは、俺の嫁
定番ネタしか思いつかなかった…
とりあえず阻止しておこう。
|ω・)…みせっこ
点呼
ノ
職人様の降臨はマダですかな?
|ω・)ノ
ノ
ノ
いつまでも待ってるよ
まだ、人がいるのね。
貼ろうにも容量がやばいというのは、自分で建てろと?
よしじゃあ任せた↓
925 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 00:42:34 ID:r1BSYMce
フィギュアの実物見たが、オパーイがすげえ。
はずむ
|ωT) 今日コレクションフィギュア見に行ったらとまりんだけなかった。
スマンとまりんフギャーは漏れが買い占めた
待ちくたびれますた
いいんじゃね?
|ω・) ……。
マダ〜?
|ω・)/ いきなりだけど質問! かしましの同人誌って持ってないんだけど 全部で何冊ぐらいあるんかね?
|ω・) …もしかして ぼくひとりなの?
いるぞ!
多分メジャーじゃないもんも含めると20くらいはあるんじゃね
因みに俺は5冊持ってる
|ω・) あるのか……あんまみかけなかったので さんくす。
|ω・) 義妹というエロアニメにはずむ似っぽいのが居るんだね…
|ω・)うっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ
どうした?w 待ちくたびれてとうとう壊れたか?
皆で発狂しようぜ
>>941 気持ちは解るぜw
だが、俺は気長に待つんだぜw
スレ容量も残り少ないし、
次スレ立てとけば?
え?
なんで?
せっかくだから
保守
して
あのね
マダですかな?
951 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 10:33:20 ID:OdgDRkNE
黒いやす菜が読みたいage!
う
/ _ ./: _:/: / : : 、 : ヽ: :、: :_. \
,N: :/ : / : :/: :/: l: i: : ! ヽ: ヽ: 、: :ヽヽ
i: : ,': : ,': :,': :/: /: !: :l: l: :l. l: : ',:i
. l . : i: : .i: : !: /!.: ./: : jl : |: l: :}: :l: ! :l l
>>825 │ : |: . : l-:十ト l、/: . : ./|: : /|;.斗‐:|: j:. l :| ! 小さいころからずっと一緒だったのに
|. : :l: . : |: .:l|.kr=ミ、メムj:ノ´,ィ=ぇ、!j/:! : l:: .!lリ 素性も知れない男に股を開くなんて
l. : : !: . :.!: .|f{しt:;;、}` ゙!ノt;iリイ: /: /: /ノ 不潔だっ! 見損なったよ。
ノ!: l: :'、: : lヽ! ヾz ジ 匕ン /:ノ/:ノ
__ヽハ: :ト、:..'、 '' " " 、 ''' '' iイ:{´ もう二度と、男のに触れた手で僕に触るなっ!
∠\ ヾヽ:!ヾド、ヽ _ ハ::.l从 男のをくわえた口で僕に話しかけるなっ!!
/-、 ヽ::ヽ ヽ \ \ (ノ ,. イ/ノ ̄i
/ \ヽ::.ヽ ヽ \ `丶、 ___,. '´ //´/::::::ノヽ 嫌いだっ!
| ヽ'、::ヽ `、 `ヽ、/ ノ:: // /:::::::/ ∧ 死んじゃえっ! とまりちゃんなんか死んじゃえっ!!
l l ヽ::;:ゝ-─-、 ヾ ,. -'‐'‐┴ 、/ / }
|: `;.<ー---─-、\⌒ン´´  ̄ ̄`ノ / |
ヽ ヽ\  ̄}´ ̄}ニ、 /∨ l
, ':::/:::::::::::i:::::::::::、:::::::::\.│
/:::::/::::/::::!::::l::::::!::::::ヽ:::::::l ::::|
,':::::::{::::::!、/::::ハノヽハノ\::|、:::|
{::::::::!:::::!,,,=≠'''" "'''''≠=ミ `}|
`、:::ヽ从 ィテか イテぅ ,':::| 予定通りね…
/`::::::l ゝ≠ソ ゝ≠ソ !:::|
/::/:::::::} 、 ,':::| これで、あとはあの男を始末すれば、
/:::,':::::,'::ハ , ‐、 {:::::| すべてうまくいくわ…
i:::/l:{:::::{::::::ヽ、, ' ニニ} ,{::::::|
{::{ {:ゝ:r':::::::::::::| ニニ}_ ィ l::::::|
ヽハ:;:'::::::/::::::::| ヽソ l:::::::|
/::::r'::::::::__;;;;;;- | } ヾ::::|
//:::/:, '  ̄ l } ノ ,'::::::|
{ハ:::!/ ! l / l ,!::,':::|
`/ 、 l , ' ,' 、r、,r=v{:::{ヽ:|
/ l l / /、--/┬ゝハ:|
※ 約一ヵ月後 ※
衰弱死したとまりの遺体が鹿嶋山中で発見されたが、
今のはずむにとっては、もはやどうでもよいことだった…
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'´, `ヽ '´/ニニヽ
i |!ノ从リ)! i ソハハハ)j
jwリ;^Д^ノリ! やす菜ちゃ〜ん ♥ ノソ)j ^ヮ^ノji つかまえてごら〜ん♥
と)水iつ ハァハァ 〈(( /)水i〉)〉
く/_jl〉 . ゙ ゙ 'く/_jl〉"
し'ノ し'ノ ┌━┐
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./ ::::::::::::./ :::::::::/:::: :|::l:::::::::l::::::.l:::.l::::::::::::::::ヽ:::::::::::::l '´, `ヽ
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/:,‐ l l ヽ:::::::://‐//‐- ヽヽ::::::::ゝ-ヽ- \::ヽ::::::::ヽ:l:::l ’、( (´;^`⌒)∴⌒:`.・ //
.,ト-| | | l::::_ソ' _〃_ ヽ\::::_ヽゝ_ヽヾ\ヽ::::::::ヽ::l ・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人 / '´/ニニヽ
/ l | | l l `rl´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`l ト::::ゝ、:_:_::丶 、(⌒ ;;;:;´'从 ;
>>954;;) ;⌒ ;; :) )、 、 i ソハハハ)j
〃l | | | |. | `イエア `イエア | l:::::::::::::l::l::::l ( ´;`ヾ,;⌒)´ 从⌒ ;) `⌒ ) ) \ノソ)jTдTノji
l:l l l | | │ /⌒,_________ノ /::/:/:::/:::|l::l ′‘し'ノ °. ´⌒ (,ゞ、⌒) ;;:::) ヽ,/
ll l │ | | |/ / /:::/:/::./::::::l リ
l | | /:/:/::/::::::/
| l | ‐:::'::://::/
l \ / l 、 イ:::/ 'イ/ とまり、私からの手向けよ。
| \ / l::: > 、 .ィ ::l:l はずむ君と仲良く暮らすといいわ…
l ヽ /::::| ` - _ - ´ l::::::lリ
、 /レ' l |丶ゝ
ヽ ノ/ \ / ヽ-、
_l |_ ヽ、 / ` ー-、 完
|Д・) えー
|Д・) えー
あゆきのとまりへの愛を感じた
が、『残酷注意』くらいは入れとくべきだな
|ω・) ……。
|ω・) ……。
961 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:05:48 ID:XjZePHk4
(゚ω゚)ブォオオオオ
どうでもいいが
>>953 のはずむのAAは可愛いな
懐漫板にまで貼るなゴミ野郎
|ω・) …みせっこ
転載はしていないと。
|ωT) ……。