【濱中アイ】氏家ト全総合 18時間目【妹は思春期】
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AA貼ると残りKBが…
気にするな・・・気にするわなぁ
ごめん
次回作もやっぱエロイんすかね?
シモじゃなきゃト全じゃない
いかん…アヤナ分が不足してきた…
オレも不足してきたのかも
確かアヤナ話が投下予定に入ってる職人さんがいた(後書きでそう言ってた覚えが…)
まぁいずれ間違いなく誰かが書くだろうから心配無し
そもそも裏スジというものはだな、正確には「尿道海綿体」というのだ。表面のスジは「陰茎縫線」とも言うが。
盛大な誤爆…吊ってくる…
>>598 氏家スレでは誤爆かどうか分からないレスだなwww
とりあえず陰茎inケイ
次スレの季節?
次スレキボン
スレタイどーする?
やはり時期的に【祝・新連載】とか入るのかな?
【あかほん】氏家ト全 19【妹は思春期】【濱中アイ】
これでいいのでは?
まだあかほん入れなくてよくないか?
【あかほん濱中】氏家ト全総合19時間目【妹ひまわり】とか?
スレタイ決めてから立てたほうがいいッスかな
まあまだ後作品1〜2本は落とせる容量だとは思うけど
来週の氏家黄金週間に備えてそろそろ新スレの準備はしておいたほうがいいかな…
濱中の連載が終了したのに濱中作品の投下が全然減らない件
こんばんは、そらです。続き書きあがりました。
要領の関係上残りの話を半分に割って、残りは書きあがり次第新スレで投下します。
さて、今回はアキの話。一応自分的に1話目から伏線らしきものを
張って見たんですが・・・お気づきになられれば幸いです。
それでは「影四つ 第四話 First Kiss」です。どうぞ〜。
「そっかぁ・・・カナミもなんだ・・・」
ある日、矢野アキは自宅のベッドに腰掛けながら友人のカナミからのメールに目を通していた。
いつものふざけたエロメールではなく・・・いやある意味ふざけたメールなのかもしれない。世間的には。
それは前回の事をあらわしたメールだった。カナミの実の兄、シンジと関係を持ったこと。
アキはふぅと息をついて体をベッドに倒した。既にマナカもシンジと関係をを持った事は知っている。
話を聞いたとき、胸が痛んだ。理由は分からない。ただ、何だか胸が締め付けられる感じを覚えた。
しかし、アキにはその正体が何かは分からなかった。昔にしろ今にしろアキは何気に異性に人気がある。
顔だって可愛らしいし、スタイルもいい。なによりそのさっぱりした社交的な性格が受けているのだろう。
だが、アキはただの一度も恋愛を経験したことがなかった。別に興味がないわけじゃない。アキだって
年頃の女の子だ。興味がないわけじゃなかった。ただ、アキを恋に陥れる相手がいなかっただけ。
しかし・・・そんなアキにもついにそのような相手が現れる。カナミの兄のシンジ。あくまで「そのような」だ。
アキ自身は好きと気づいてないかもしれない。しかし、本能は確実にシンジを求めていた。
シンジがマナカにキスしようとしたのを止めた本能。マナカ、カナミがシンジと関係を持ったと聞いた時の
アキの胸を締め付けた気持ち。それは「嫉妬」だった。誰だって好きな人が他の異性と仲良くしてるのは
見たくないだろう。増してや、それが肉体的関係になれば特にだ。
その嫉妬の気持ちこそがアキがシンジに抱いてる気持ちを決定づける物だった。
「そりゃ嫉妬ね。ふふふ、そうかそうか〜。アキもついに・・・・うふふ〜。」
あくる日、アキは珍しく友人の岩瀬ショーコと帰り道寄り道をしていた。
「嫉妬・・・なのかなぁ?ただ、見たくなかったのよ。」
アキがハンバーガーをパクつきながら言う。ショーコは何だか嬉しそうに話を聞いている。
「でもさ、お兄さんとマナカはキスしてたんでしょ?何でその時だけ止めたの?」
アキ自身それが疑問であった。実際、あの時(1話目)シンジとマナカはアキが止める前にもキスをしていた。
もちろんあの時だって多少は胸が痛んだが、あの止めた時ほどじゃなかった。何か・・・きっと何かがあったのだ。
「まぁ、あんた自身がそれが分かれば自分の気持ちを分かるんじゃない?私はあんたはカナミのお兄さんが
好きなんだと思うけどね。」
ショーコがズズズとジュースを吸いながら言う。シンジが好き。自覚はしてないが・・・きっとそうなんだろう。
「何で止めたかかぁ・・・う〜ん・・・何か体が動いたんだよなぁ・・・」
「ふふ、もしかして疼いたとか?私もして欲しい!みたいな感じにさ。大丈夫よ、アキ。焦らしもなかなか・・・」
「私はそんな話はしていない。」
とハァハァ言い出したショーコにアキは鋭く突っ込みを入れた。アキはやれやれとため息をつきながら
ジュースをすする。そんなアキにショーコは髪をかき上げながら言った。
「ま!あんたら恋愛赤点生徒じゃない私は分かっちゃったけどね〜。」
「なにぃ!?だったら教えてくれても・・・」
しかしショーコはフフンと笑いながら
「ダメよ。これはアキが気づかないと。でもそうね・・・ヒントならあげるわ。アキが止めたキスと止めなかったキス。
アキが本能的に見たくなかったのは・・・誰からキスすることだったでしょう?」
と言った。アキは首を傾げる。正直意味が分からない。同じキスに変わりないんじゃ?
「ああもう・・・あんた本当鈍いわね・・・もう一個ヒントよ。例えば・・・これ。」
ショーコはアキの肩を掴む。アキは不思議そうに目を丸くしている。
「んで、次はアキ。あんたが私の肩を掴んで?」
アキは言われたようにショーコの肩ををつかんだ。そして、気づいた。
「あ・・・そうか・・・そうなんだ。」
アキの決して良くない・・・と言うか悪い方の頭が閃いた。それはもうサガシリーズの電球のように。
「そういうこと!さ、分かったら行動しなさいな。このままじゃマナカとカナミに追いつけないわよ?」
ショーコは笑いながら言った。アキもニッコリ笑うと
「うん。ありがとう、ショーコ。」
「やれやれ。今日はカナミもいないし、昼飯は自作すっかなぁ・・・」
日曜日。カナミはマナカと遊びに行くと言って出て行ってしまった。カナミはお昼作っとこうか?とシンジに
言ってはいたが、いつもカナミに頼る訳にはいかないとシンジはカナミの提案を断ったのである。
シンジが台所で何を作ろうか思案に暮れていたときだった。ピンポ〜ンとチャイムが鳴った。
「あん?宅急便か?はい、城島ですけど?」
「あ、こんにちは、矢野です。」
インターホン越しに聞こえてきたのはアキの声だった。シンジは少し不思議に思いながらも玄関をあける。
「あ、お兄さん。こんにちは。」
玄関を開けるとそこに居たのはやはり矢野アキだった。セーターにミニスカート。首にはマフラーを巻いて
多きめのコートを羽織っている。冬のなので厚着気味だが、それでもアキの豊満な胸が分かる。
「アキちゃん。どうしたの?てっきりカナミ達と一緒だと思ってたけど。ああ、外は寒いし上がってよ。」
シンジはアキを家の中に招き入れた。とりあえずリビングに通してシンジはソファに腰を下ろした。
「お邪魔します。ええっと・・・今日は少しお兄さんに用があって・・・」
アキは通されたリビングでマフラーとコートを脱ぎながらいう。コートを脱ぐときに否応なしに突き出された
胸がシンジをドキドキさせる。服を着ててもカナミやマナカとか比べ物にならないのが分かる。
「あの・・・お邪魔でしたか?」
アキがオズオズとシンジに聞いてくる。
「ああ、いや。大丈夫だよ。特にやることなくって暇だったし。」
シンジはハハと笑いながら答える。アキはそれを聞くと安堵の息を漏らし、次の瞬間には神妙な顔になった。
「それでですね・・・その・・・お話、聞いてもらえますか?」
「え、ああ。うん。聞くよ。」
シンジは何となく予感していた。いや、これは予感なんかじゃないかもしれない。分かっている。あの事だ。
無関係そうではあるが、アキだって当事者だ。
「あのですね。私、ずっと考えていたんです。何であの時・・・マナカとお兄さんのキスを止めたのかって。」
シンジは思い出す。確かにあの時、マナカとのキスをアキに止められた。
「ずっと不思議だったんです。あの時より前からお兄さんとマナカは・・・その・・・キスしてたのに。」
そうなのだ。アキが止めた時より前に、すでにマナカとシンジはキスをしているのである。
「うん・・・恥ずかしい話だけど、俺とマナカちゃんはキスしてたね・・・」
今思い出しても赤くなる。マナカからキスされた事。しっとりとした唇の感覚は今でも離れない。
「でも、私分かったんです・・・私が無意識に見たく無かったモノが何なのか・・・」
シンジはゴクリと息を呑む。
「私・・・お兄さんからキスするのが見たくなかったんです・・・自分からキスするって事は・・・その人が好き・・・
想っているって事・・・私はきっと、それが見たくなかったんです。」
シンジの頭にガツーンと衝撃がくる。些細といえば些細な理由だろう。でも・・・この少女はそれを良しと
しなかった。
「あはは。我ながらバカな理由ですよね。私、嫉妬してたんです。お兄さんからマナカにキスする事に。
それは、お兄さんがマナカが好きって事・・・・認める事になっちゃうから・・・」
アキが言葉を続ける。シンジはただただアキの言葉を聞いていた。
「私・・・好きみたいです・・・お兄さんの事。嫉妬するって事はその人が好きって事だから・・・」
そしてアキの口から出た告白。シンジはその言葉を聞くと、無意識に体が動いた。
「!?お兄・・・さん・・・?」
シンジはアキの肩をガシッと掴んでいる。アキは少しビックリした表情を浮かべている。
「だったら・・・これが俺のファーストキスになるのかな・・・」
「え・・・んんっ・・・・」
シンジはそのままアキの唇に自分の唇を押し付けた。アキの体がビクッとしたのが分かる。しかし、それは
拒絶ではなくただの驚きによるものだ。アキはそのままシンジに体を預けた。
長い時間が過ぎる。長い長い・・・本当に長い触れるだけにキス。
「ん・・・お兄さん・・・・」
どれだけキスしてただろうか、シンジが唇を離すと言った。
「軽蔑されるべき事なんだろうけどさ・・・知っての通り俺はマナカちゃんとも・・・カナミとも関係を持った。
たださ・・・その実一度も俺からキスはしなかったんだ・・・だから・・・今のが俺のファーストキス。」
少し頬を染めながらシンジは優しく言った。ただの詭弁かもしれない。だが、アキにはそれでも嬉しかった。
アキにとって重要なのはその人の意思で、その人の考えで関係を持つこと。シンジの言ってることが本当
とは限らない。でも、アキにとってシンジから・・・自発的にキスをしたのはアキが初めて・・・その言葉が
嬉しかった。
「だったら・・・私もです・・・」
アキは少しだけ顔を上げるとシンジの唇に自分の唇をくっつけた。そのまま腕をシンジの首に回す。
シンジもアキの肩を抱きしめる。伝わってくる互いの体温が心地よい。
「ん・・・っふ・・・」
息が漏れる声がする。しばらくするとアキは唇を離す。
「えへへ・・・私も・・・お兄さんがファーストキスの相手です。」
アキはそう言って自分で照れながらも笑った。そんなアキが愛しくてシンジはアキを抱きしめる。
「ひゃ・・・ん・・・温かい・・・男の人ってこんな温かいんですね。」
ビックリしながらもシンジを受け入れるアキ。シンジの胸の中で心地よさそうにしている。
「アキちゃん・・・キスしていいかな?その・・・もっと深い方・・・」
シンジがアキに言う。というのも、さっきの2回はただ触れるだけのキスだったのだ。
「あ、その・・・いいですよ。ファーストキスで・・・その・・・ディープは嫌ですけど・・・2回目ならいいです。」
アハハと髪をかきながら言う。シンジはアキの言葉を聞くとアキに顔を近づけていった。
アキもそのまま目をつぶりシンジの唇を待った。
「ン・・・ふ・・ちゅ・・・はぁ・・・」
シンジの舌がアキの口の中に入ってくる。アキも初めての経験に戸惑いながらも赴くままにシンジと舌を
絡ませる。徐々に息が荒くなり、顔が紅潮していくのが分かる。
「はん・・・ん・・・じゅ・・・ちゅる・・・」
二人の交換し合った唾液が滴り落ちる。しかし、二人はそれを気にする事もなくキスを続けた。
シンジはそのままアキの胸を包み込んだ。しかし、アキはそれにビックリしてかバッと体を引かせた。
「ひゃっ!!あ・・・ごめんなさい・・・その・・・」
「あ、俺の方こそごめん・・・その、つい・・・」
微妙に気まずい雰囲気が流れてしまう。それを断ち切ったのはアキだった。
「あの・・・その・・・お兄さんは好きです・・・ちょっとビックリしただけで・・・」
アキが手で何か意思表示しながら言う。
「うん、俺こそ何か調子乗ってた。ごめん・・・」
「いえその・・・お兄さんとするのは・・・嫌じゃないですよ?その・・・え、エッチ・・・」
最後の方はボソボソと小さい声になってしまう。男っぽいと言われ・・・と言うか実際それっぽい所が
あってもアキも女の子だった。シンジも思わずしおらしいアキに見惚れてしまう。
「お兄さんはしたいですか・・・・・エッチ。」
「・・・そりゃまぁ・・・男だし・・って。何か言い訳がましいかな。」
ハハとシンジは頭をかく。アキは顔を俯かせながら言う。
「だったら・・・いいですよ。お兄さんの事好きだから・・・私も全然知識とかないですけど・・・その、色々
頑張りますから・・・・」
アキが手をモジモジさせている。シンジはそれを見て本当に可愛らしい子だななんて思ってしまう。
「だから・・・一個だけお願いがあります・・・お兄さんから・・・言ってください。その・・・したいって。」
まだまだ顔を伏せているアキ。きっと彼女には「その人から」と言うのが大きい意味を持つのだろう。
シンジはアキの肩を掴むと顔を上げさせて言った。
「俺は・・・アキちゃんとエッチしたい。」
「ふぇ・・・は、はい・・・が、頑張ります。」
アキの体の筋肉が固まっていくのが分かる。どう見てもガチガチだ。シンジがゆっくりアキの体を撫で回して
リラックスさせようとしていた時だった。その敵は急にやってきた。
ぐ〜〜〜〜〜 ぎゅるるるるるる〜〜〜〜
「あ・・・・」
そう、アキがやってきたのはお昼。そしてシンジは昼食を作ろうとしていた。つまり・・・
「ぷ・・・はは・・・あはははははは!!お兄さん、お腹凄い音ですよ!?」
そう、シンジの腹の虫が盛大な音を立てて鳴ったのである。ここでちょっとばかしキザな男なら
「いいんだよ。なぜなら俺はこれから君を食べるんだから。」
なんてあま〜〜〜〜い言葉を言うのだろが、シンジはそうもいかない。もう、ムードはぶち壊しだった。
「お兄さん、お昼御飯作りましょうか?」
アキが笑いながら言っている。どうやら相当ツボだったようだ。シンジもやる気がなくなったのか
「・・・そうだね。アキちゃんも食べるかい?一緒にお昼作ろうか。」
と言ってソファーから腰を上げた。アキもそれに連れ添って台所へ向かう。
どうって事はない。これからでいいんだ・・・そう、これからで・・・
ここまでです。490にはちょっと届かずですね。脱字誤字は補完お願いします。
一応今までの話はシンジには受身になるように注意を払っていたんですが
どっかで矛盾してたらすいませぬ。
さて、次で今回の話も最後になります。そんな長くならないはずなので
お次は早めに投下できると思います。それでは次回の投下でお会いしましょう。
あま〜い!
甘すぎる!
そら氏GJ!しおらしいアキがかわいすぎる!
どんな結末になるか超期待してます
そして次スレキボン
ケータイからなんで誰か頼みます
相変わらずそら氏は最高だ……最高にGJすぎる……
このあふれんばかりの萌え切なさエロ……まさに堂々エースのピッチングだ……
俺もたてられんかった、スマネ後頼む
620 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/11(日) 01:26:39 ID:aRqnfL69
アイドルのあかほん
主人公:飯田シホ(13)かみ癖
アヤナ風:如月カルナ(16)現代っ子
小さい娘:有銘(ありな)ユーリ(10)芸歴9年
「レイ・プリンセス」という芸能プロダクションは、当初1人だけ新人獲得の予定だったが、
間違って上の三人を同時に呼び出してしまう
社長である柏木レイコは、会社側の落ち度ということで、三人とも雇うことに、
ただし、ユニットとして。
ユニット名は「トリプル・ブッキング」
飯田「よしゃーー!! 私もこの身体売るぞーー!!」
飯田「キミ、大丈夫?ケガない?」
有銘「は はい…まだ生えてませんケド それが何か?」
飯田(変な奴に声かけちまった)
飯田「飯田と申すます!!」
有銘(かんだ)
こんな感じ
次回:♯2 こんにちわ マネージャ
そら氏GJです!アキ編の続きを楽しみに待ってます!
>私も全然知識とかないですけど
ここで反射的に「ウソこけ」とツッコミを入れてしまった俺は失格ですか?orz
いや、だってあれだけカナミ達に鍛えられてんだし…w
そら氏乙です!
ところで次スレはまだ立ってないの?
スレタイは
>>607の
【あかほん濱中】氏家ト全総合19時間目【妹ひまわり】とか
【あかほん】【濱中アイ】氏家ト全総合 19時間目【妹】かな?
>>625 イヤ、古田氏の更新が終わるまで保守しながら放置したほうがいいのでは?
しかしネタバレが
>>620にあるのはやっぱり馬鹿がいるからだろうか・・・・・
小ネタを期待している俺がいる
古田氏、更新お疲れさまです!
いつもありがとうございます!
実はワールドカップで小ネタがあるんですが、投下しようと思ったら日本があんな……。
ふざけんな胸糞悪いからやめろ、ということでしたら自粛します。どうでしょうか……。
ピンキリ氏ぜひ投下お願いします!
投下キボン
四年に一度、世界中が沸き立つイベントがある。
ひとつはオリンピック。
そしてもうひとつは……。
「祝! ワールドカップ開催〜! ということで飲むわよ!」
「中村先生は別にワールドカップでなくても飲んでますけどね、いつも」
場所は中村リョーコのマンション。
部屋の主たるリョーコの他に、濱中アイ、小久保マサヒコ、天野ミサキ、的山リンコの総勢五名が集まっていた。
若田部アヤナがいないが、さすがワールドカップだからと言ってもアメリカから飛んで帰ってくるわけにはいかない。
ちなみに、当然ながら未成年の三人は烏龍茶とジュースである。
「何よ、そんな細かいことにこだわってたら男が廃るわよ?」
「俺の男の廃り具合なんて中村先生に判断されたくありませんけどね」
リョーコが就職しようとも、マサヒコが高校生になろうとも、ボケと突っ込みの役どころは変わらない。
いつもの風景、というヤツだ。
「ワールドカップはお祭りよ? ガーッと飲んでガーッと盛り上がりましょう!」
「……盛り上がるのはいいんですけど、集まる必要があったんですか?」
「何よー、アンタサッカー好きなんでしょ? 何でそんなにノリ悪いわけ?」
そう、マサヒコはサッカー好き。
特にサッカー部に入っていたわけではないが、友達と広場で遊ぶ程度には嗜んでいる。
上背が高くないので、中盤から前線をチョコマカと走って飛び出しを狙うというプレースタイルだ。
セレッソ大阪の森島みたい、といえば聞こえが良すぎるが、まあそんな感じだ。
「好きなのは好きなんですけどね」
旗持って声枯らして応援する、とまでマサヒコは熱心ではなかったり。
Jリーグでも海外のリーグでも特に贔屓のチームを持っておらず、
スタープレーヤーの華麗なシュートやパス、ドリブルを純粋に楽しむタイプのファンだった。
「まあまあいいじゃない、せっかくなんだからパーッといこうよ」
アイが二人の間に割り込んだ。
その手には、ケンタッキーフライドチキンが握られている。
片手ではない、両手にだ。
「そうだよマサちゃん、皆が集まったのって久しぶりなんだから」
「やっぱりこうして揃うといいよねー、アヤナちゃんは残念だけど」
ミサキとリンコもアイに同意した。
もっとも、ミサキの本心はマサヒコと二人だけで観戦したかったのだろうが。
「……そうだな」
マサヒコは頷いた。
愚痴っぽいことを口にしても、こうして集まってワイワイやるのは本当は嫌いではない。
「よし、それじゃ乾杯だ! 皆コップを取れ!」
リョーコの音頭に従って、それぞれがコップを手に持った。
「はいっ、カンパーイ!」
「カンパーイ!」
「乾杯!」
「えへへ、かんぱーい!」
「……乾杯!」
かくして、宴は始まったのだった。
「そういえば先輩、えらく気合入ってますね」
「ん? そう?」
リョーコは上から下までばっちり、サッカーのユニフォームでキメていた。
イングランド代表のものだったりする辺り、結構ミーハーである。
そのわりに背中のネームが「NAKAMURA」になっていたりと、変にこだわるところはこだわっている。
「ま、カタチから入るのはジョーシキだからね。コレ新品よ新品、特注よ特注」
「……カタチだけでも駄目ですけどね」
「ふふん、カタチも真似出来ないようでは失格よ?」
マサヒコの突っ込みをロナウジーニョもかくやというドリブルでかわすリョーコ。
「あれ、でもこのユニフォーム、シワ寄ってませんかぁ?」
見てないようで以外に見ている少女、リンコが横合いから口を挟んだ。
マサヒコたちはその言葉を受けて、まじまじとリョーコを見つめた。
成る程、言われてみて気づいたが、新品の割りにはまっさら感が無い。
「あー、これ昨日使ったから」
「昨日?」
「うん、セイジと」
「……」
マサヒコとアイは詳細を尋ねるのをひかえた。大方の予想はついたからだ。
同じユニフォームを着てプレイするとは言っても、片やドイツで片やベッド。
その落差たるやマリアナ海溝のごときものがある。
「そ、そういえば豊田先生は呼ばなかったんですか?」
ミサキも感づいたので、話をキャプテン翼の日向君並に強引に切り替えようと試みた。
「んー、アイツは自宅で一人で見るって」
「へぇ、そうなんですか」
「一応声はかけたんだけどね、それが俺の観戦スタイルだからほっといてくれ、ってさ」
きっと日本中、いや世界中にそんな感じでテレビに噛り付いている人は多いに違いない。
全員が全員、賑やかに集まって応援するという人間ばかりではないのだ。
セイジはサッカー部の顧問でもあるわけで、リョーコやマサヒコたちよりも『真剣』なのだろう。
「無理矢理引っ張ってきても良かったんだけどさ、昨日シゴキまくったから勘弁してやったのよ」
「……は、はぁ」
「マラ十一回ヌキ、もといマラドーナ十一人ヌキって感じだったわね。ゴールの奥にドバッ、FKも華麗にピュッ……」
「はいはい、そこら辺にしときましょうね」
話が卑猥な方向へと流れはじめたので、マサヒコは宮本ばりにラインを操作してボールを取りにいった。
「むっ、何よう。私の伝説的ドリブルの話を聞きたくないのか?」
「聞きたくありません」
「あっちにタマを転がしてはシュート、時には左右からたわわに挟みこんで絡めとり、股ヌキだって……」
「つうかアンタ、ホントに真面目に観戦する気あるのか!」
あまりにあまりなリョーコの喋くりに、さすがにキレるマサヒコ。
実にワールドカップは戦争とはよく言ったものだ。
冷静を装っていても、知らず知らずのうちに感情がほとばしり始める。
まあ、この場合はサッカーのせいと言うより、リョーコのせいなのだが。
◆ ◆
「……結局、こうなるのか」
「……あはは」
マサヒコとミサキは顔を見合わせ、力無く溜め息をついた。
彼らの目の前には、荒れた試合終了後のグラウンドもかくやというくらいに色々なモノが散乱し広がっている。
欠けてしまったコップ、汚れたお手拭、唐揚げの骨、サラダの野菜の切れ端、ポテトフライの食べかす等々。
「仕方ない、このまま帰るわけにもいかないし、片付けるか」
「うん、そうだね」
マサヒコはキッチンからゴミ袋を取ってくるようにミサキに言うと、まずテーブルの上から掃除し始めた。
「あーあ、お酒もこぼしちゃって……」
アルコールを摂取しながらの試合を見るというのは、言ってみれば観戦の一番の醍醐味でもある。
問題は、熱狂的になるがあまりに、周囲が見えなくなってしまうことだ。
トイレ休憩ハーフタイムを挟んでの中盤以降の展開は、まさにそんな風に進んでいった。
リョーコがエロ発言する、酔っぱらったアイもボケる、リンコが天然ぶりを発揮をする、さらにリョーコが暴走する、といった具合。
いったいロングパスなのかそれともショートパスなのか、サイドチェンジなのか中央突破なのか。
縦横無尽と言うか傍若無人と言うか、いかにイタリアが鉄壁の守備を披露しようとも、
おそらく守りきれなかったであろう程に、三人はかっ飛ばした。
「やっぱり、理由つけて騒ぎたかっただけなんじゃ……」
今、三人は酔いと疲れでグースカと眠っている。
体を寄せ合って寝ているその姿は、微笑ましくはあるが、どこか小憎らしさも感じられた。
「マサちゃん、ゴミ袋あったよ」
「おう、サンキュ」
とりあえず、缶とビン類、そして燃えるものを分別してゴミ袋に放り込んでいく二人。
と、その動きのリズムが重なり、互いの手と手が触れ合った。
「あ」
「あ……」
マサヒコとミサキは慌てて腕を引っ込めた。
中学卒業を契機に正式につきあい始めた二人であり、手を繋ぐことくらいはすでに慣れたものだったが……。
「……」
「……」
デートする時はずっと手を握りあっているのだから、今更照れること自体がおかしい。
おかしいが、こういった不意の肌の触れ合いが、妙に恥ずかしかったりするのも事実。
「ミ、ミサキ……」
「マサちゃん……」
二人の周囲から、音が消えた。
正確には、二人が音を感じなくなった。
ただ、自分自身のトクントクンという心臓の動悸だけが、鼓膜でなく脳に直接響いていく。
「……ミサキ」
「マ、サ……ちゃん」
顔を朱に染め、マサヒコとミサキは1p、また1pを互いの距離を詰めていく。
トン、とミサキの手からゴミ袋が落ち、そのミサキの手を、マサヒコが今度はしっかりと握り締める。
ゆっくり、ゆっくりと、二人は顔を近づけ、唇を寄せ―――
「レッドカード」
「っへ?」
「わ、わわわっ!」
突然の声に、二人は驚いて思い切り後方に飛び退った。
「このフィールドでは純愛禁止。よってレッドカード」
そう呟きつつ、のそりとリョーコは起き上がった。
眉根を寄せているのは、不機嫌なためかアルコールによる頭痛のためか、それとも両方か。
「……ったく、マークを外すとすぐにコレとは、お調子乗りなことね」
「い、いや、その、ちょ、調子になんか」
「そ、そうですっ、乗ってなんかいません」
必死で否定するマサヒコとミサキだったが、見られてしまった以上は苦しい弁解に過ぎない。
「マサ!」
「は、はい?」
ビシ、と人差し指を突きつけられ、マサヒコはさらに後退した。
「ここはアウェーよ。どうしてもヤリたけりゃホームグラウンドでしなさい」
「え、あ、ヤ、ヤルなんて幾ら何でもそこまで考えてませんよ!」
「……あー、じゃあキスまではやるつもりだったわけね、やっぱり」
「……うげ」
リョーコの巧妙なオフサイドトラップにあっさりと引っかかるマサヒコ。
酔ってフラフラとはいえ、この辺りは流石にリョーコ、百戦錬磨である。
「そいでミサキ!」
「は、はいっ!」
次にリョーコはミサキを指差した。押されてミサキはぐっと背筋を伸ばしてしまう。
「アンタも空気に流されすぎ、もっと成長して女を磨きなさい」
「ううっ」
「油断して気を許さないことね。どこでスライディングされるかわかったもんじゃないわよ?」
「は、はい」
マサヒコとは変わって、諭すようにリョーコはミサキに語りかけた。思わず、ミサキは素直に頷いてしまう。
「ま、成長するのは中身だけじゃ駄目だけどね、ヒック」
「……へ?」
「ワールドカップ、世界クラスとまではいかなくても、まずはCカップを目指してね?」
「な!?」
「……!」
マサヒコは退いた。ずずずずいっと退いた。
見たのだ、見えてしまったのだ。ミサキの体から白いオーラのようなものが立ち上るのを。
「あわ、わわわ」
ピクシーと呼ばれた名選手、ドラガン・ストイコビッチは、自分にレッドカードを出した審判に対し、
カードを奪って逆にレッドカードを突きつけたことがある。
時と場所、そして状況が違えど、マサヒコは今、ピクシーと同じようにリョーコにレッドカード返しをしたい気分だった。
十分後、マサヒコはさらに散らかった部屋を一人で片付けるハメとなった。
ミサキに暴言を吐いたリョーコは自分勝手に眠りの園へと戻っていき、
ミサキはミサキで余ったお酒を自棄であおって不貞寝、アイとリンコは起きる気配もナシ。
「ああ……」
かつて、日本がワールドカップ初出場を決めたフランス大会。
そこで、使った紙吹雪等を試合後にキチンと片付ける日本サポーターの姿勢は世界的に評価された。
マサヒコは思った。
日本サポーターは、自分達のゴミを自分達で整理したから賞賛を受けた。
自分は、自分で汚したわけではないゴミを片付けているのに、誰からも褒められない。
この差は何なのだろう、と。
「ガンバレ、俺……」
顔を上げると、マサヒコは自らにエールを贈った。
どんなに理不尽な展開になっても、腐ることなく、気を鼓舞して立ち向かう。
それは、ドイツのスタジアムもここ日本の小さなマンションの部屋もかわらない。かわらないはずだ。
「はあ……」
のっそりと手を伸ばし、マサヒコは床の上に散らばったポテトチップスのカスを集め始めた。
まだまだ、キレイになるには時間がかかりそうだった。
時計の針は十時過ぎを指したばかり。
ロスタイムは、まだまだたっぷり残っている―――
F I N
空気嫁としかいえない
俺はピンキリ氏のこういう小ネタ好きだな
乙&GJ!