幻想水滸伝エロ妄想スレPart12

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262ジェレミー×
ジーンの館・群島編@


――と、とうとうやっちまった……。

甘ったるい香のたちこめる、薄暗く狭い通路を歩きながら
ジェレミーの脳内は、激しい後悔と期待のせめぎあいに埋め尽くされていた。

ここは、ミドルポートの街中に点在する地下間道の一つを利用した、
知る人ぞ知る娼館のひとつ。
同僚の一人にその存在を教えられた当時は、「なにをくだらねえことを……」と聞き捨てていたその場所に、
心臓をバクバク言わせながら今足を踏み入れているという現実を思うと
大声あげて逃げ出したくなるような、凄まじい恥ずかしさがこみあげてくる。

通路の両脇に設けられた、分厚い木製のドアから
漏れ聞こえてくる男女の淫猥な話し声と、びっくりするほど激しい喘ぎ声に
いちいち思いっきり動揺して足を止めたりしながら
どうにかこうにか足を進めてたどり着いたのは、「13号室」と書かれた札のかかった
一番奥の方の部屋だった。

この向こうに、女が待機している。
これからきっちり丸一晩、同じベッドで過ご さ な け れ ば な ら な い おんな。
素朴な性の自分には、これまでとんと縁のなかったあんなことやこんなことを、
やら な け れ ば な ら な い 相手。

こんな時だというのに、胃の中に鉛の塊でも入れられたかのような気の重さを感じて
ジェレミーはしばらく、その場に立ち尽くした。

つい今しがた、館長の代理だという軽薄そうな青年と交わしてきた会話が
まざまざと脳裏に蘇る。

(ええっと、なんか、女の子のタイプのご希望とかありますかねー?)
(い、いや別に……ま、待ってくれ、ちょっと考える……)
(ええ、いいですよー。この時期はウチも稼ぎ時でね、たいがいのご希望には添えると思いマスし。)
(じ、じゃあ……。)

髪の色は黒。そんでショートカット。目が大きくて、小顔で、背丈は俺の肩くらいで、
胸はそこそこあるけど全体的に締まったからだつきで、元々は色白っぽいけど軽く日焼けしていて……

とんでもなく細かい特徴をダラダラと話しながら、
これじゃあ希望を言ってるっつーより行方不明者探しみたいじゃねえか、と気付いて頬に血が上り、

(や、やっぱ、ムリだよな?じ、じゃあ、えーっと、)
(……いますよ)
(はあ!!!???)
(いや、だから居るんですって!こりゃあ驚いたな、お客さんの好みに全部当てはまってる子が!
ちょうど一昨日から働いてるんですよ!!じゃ、その子で決定っスね!?)
(あ?……あ、ああ……。じゃあ、それで、頼む……)
(毎度!じゃあ、料金前払い指名料コミで、52000ポッチになります)

どうせ、丸ごとドブにでも捨てるような気持ちで持ってきた金だ。
むしろ気恥ずかしいやりとりがようやく終わってくれることにホッとしながら
ジェレミーはあっさりとその大枚を相手に手渡し、
言われるがままにこの通路に足を踏み入れてきたのだった。