シムーンーsimoun-でエロパロ

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688名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 12:01:49 ID:7Oe/9nZB
ほのぼのな二人もいいけど、ちょっとエロいのもいいな!GJ★
689名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 18:56:51 ID:FmNWySCB
初めてこのスレ見たけどアーエル攻めが無いのが意外w
690名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 05:07:39 ID:MePEgecc
アーエルはどう考えても受け
691名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 13:54:28 ID:phCEatKP
CDドラマのアーさんは攻め攻めよ?
692名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:12:32 ID:VtKatwZq
 私の住む町から最も近い大聖廟と、テンプスパティウム宮を結ぶ列車。
 人の足ならば軽く一日以上はかかる距離を僅か数時間で走り抜けてしまう、
ヘリカル・モートリス機関の列車。
 その列車に乗り故郷を離れ、テンプスパティウム宮を経由し今度は西北大聖廟
行きの列車に乗る。そうして半日以上列車に揺られこの街にたどり着いた。西北
大聖廟を抱える、とても大きな街だ。
 連れ合いは無く、私は一人。一人で遠出をするなんて滅多にないことだった。
そもそも町の外に出ること自体が珍しいし、姉さんが横に居ないとなれば尚更だ。
 "目的"には姉さんも無縁ではないので、前日に一緒に行かないかと誘ったのだが、
「一人で行ってきなよ。ボクは用事がある」と返された。まあ、仕方ないだろう。姉さんには
姉さんの都合がある。
「お前を一人にするのは、ちょっと不安なんだけどなぁ」
 そう言って眉を顰めた姉さんは、私が家を出る寸前まで、「一人で大丈夫か?」とか
「荷物を盗まれないよう気をつけるんだぞ」とか「怪しい奴には付いていくなよ。逆に付いて
こられたらさっさと逃げるんだ。いいね」などと、ありがたい忠告のお言葉と旅の心得を大量に授けてくれた。
 気を遣ってくれるのは嬉しいのだが、流石に私も二十歳を過ぎた立派な大人だ。まるで
幼い子供に向けられるような台詞をかけられるのは、正直なところ少し複雑だった。
 私はそんなに危なっかしい妹だと思われているのだろうか? 大切な人を護れるように
強く在ろう、しっかりしようと心がけているのだが、その成果は出ていないのかもしれない。
 私は自嘲の嘆息を洩らしながら、あたりをぐるりと見渡す。
 コートを纏い、帽子を被り、トランクを持った私。
 そんな私と同じような格好の人間もいれば、見ているだけで手が痺れそうなほどの荷物を
持った人間も居るし、我が身一つの身軽な人間も居る。駅構内は酷く混みあい、少し
身動きをとれば誰かにぶつかってしまうほどだ。
 列車の数が減った(終戦後、礁国や嶺国に接収されたためだ)上に、こちらに移住してきた
異国の人間も利用するようになったこともあり、以前よりだいぶ混むようになったと以前どこかで聞いた。
 一見しても判らないが、この中には異国の人間が混ざっているのだろう。今すれ違った
者たちの中にも、この国の外で生まれ育った人間が居るかもしれない。
「……ふう」
 しかしまあ人込みにも程がある。
 息苦しさすら憶えるこの空間からいち早く抜け出してしまいたかった。
 私はしっかりと荷物を握り締め、人波を掻き分けるようにして押しつぶされそうになりながら
駅の外へ出た。駅から少し離れれば人口密度はだいぶ緩和する。
 駅前の広場の隅で私は一旦足を止め荷物を置いて、深呼吸をして、またあたりを見渡した。
 目的の場所の大まかな位置は知っている。ここから東の方角だ。目的のモノが莫迦みたいに
大きいので適当に歩いていてもたどり着けるだろう。多分。
693名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:14:11 ID:VtKatwZq
 ああ、それにしても。
「なつかしいな……」
 西北大聖廟は、かつてのアルクス・プリーマの停泊地だ。
 幾度と無く降り立ち、もしくは空の上から眺めた街だ。大きな湖を傍らに置いた宮国では
五指に入るほどに巨大な街だ。
 あの日、皆と一緒に"二人"を見送った街だ。
 真っ青な空を見ていると、何かが込み上げてきそうになる。
 あまりの懐かしさについ頬が綻んでしまい、ふと我に返ってから、傍から見ている人たちには
変に思われたんだろうな、と他人事のように思った。
 さて。
 気持ちを切り替え、伸びをする。延々とここで懐古していても埒が明かない。
 私は荷物を持って歩き出す。まず腹ごしらえをして、そして湖に向かおう。湖畔で暮らす懐かしい
友人に会いに行こう。
 あの子、元気にしてるかな?


 それこそ、小さな町と同じくらい大きいのではないかと思わせるくらいに巨大な湖。秋の終わりの
そよ風に湖面を揺らめかせ、傾きかけた太陽の下ゆらゆらと輝いている。
 さえぎる物何一つ無いこの場所に吹く風は、微風と言えど冷たく鋭い。
 嶺国の人間がこちらに流れ込むと同時に、向こうの国の風まで入り込んできたのではないかと
思わせるくらい、ここ数年の宮国の冬は寒かった。そして今年も例外ではなさそうだ。厚めの上着を
持って行けと忠告してくれた姉さんに感謝をする。
 眼を細め、視線を引き絞る。真っ直ぐに、"それ"を見据える。
 湖に投棄されたそれは、数年間の間にだいぶ朽ちたように見えた。遠目には細部まで判断できない
けれど、あの頃の輝きは、最早欠片も残っていないことだけは判る。
 湖の中心に半身を沈めた、揺り篭のような形をした船。アルクス・プリーマ。巫女を乗せ、
宮国の空を翔け、戦った船。清廉な乙女のように、優美で、真っ白だった船。
 風雨に晒され汚れ朽ち行く船。
 唇の合間から短い息が漏れた。
 長い髪が、風と共に私の頬を撫でている。昔の髪型のままだったら首周りが冷たくて
たまらなかっただろう。そしてきっと、制服の襟を立てて風を防ごうとしただろう。
 懐かしさと物悲しさがない交ぜになった妙な感覚が胸をせり上がってくる。
 トランクの把手の感触を、一瞬だけサイドレバーのそれと錯覚する。背後にあの子が
いるような気がして、声が聞こえたような気がして、振り向いてみる。もちろん何も無い。
「さて」
 感傷を振り切るため、独りごちる。
「で、どこに住んでるのかな、あの子」
 見渡す。家らしきものは見当たらなかった。二年ほど前に貰った手紙には、湖の畔に家を立てて
住んでいると書いてあったのだけれど。
「畔って言ったって……」
 どこまでもどこまでも、草か湖。それ以外のものなど存在していそうにない。遠くを睨むと、
何か建物のような物も見えるが。
 "家"を探しながら湖の周りを一周するだけでも二時間ほどは費やしそうだ。その労力を
想像するだけで溜息が漏れる。まあ、それ以外の方法は無いけれど。
 諦めて、歩き出す。反時計回りに泉を一周する形で。
 運の良い事に、三十分時間ほどで私はそれを見つける事が出来た。
 近くに街があるのに、こんな辺鄙なところにわざわざ家を構える酔狂な人間はそう居ないだろう。
確信めいた物を抱きながら私はその家に近づいた。
 木を組み上げて作られた質素な小屋の横には畑があり、そこでは一人の青年が畑仕事に精を出していた。
収穫の時期なのだろうか。見たことも無い妙な野菜が山と詰まれた荷台が私の眼を惹いた。
ごつごつとした、掌代の歪な形の野菜。掘り出したばかりなのだろう、土まみれだ。なんだろうこれ。芋?
694名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:15:20 ID:VtKatwZq
「あのーっ」
 私が声をかけると、青年はくるりと振り返る。精悍な面立ちの男(ひと)だった。きらきら輝く
金髪は短く切り揃えられていて、肌は日に焼けて浅黒い。首にかけたよれよれのタオルが、
いかにも農夫らしい。
 青年はタオルで汗を拭うと、青い瞳に好奇心を満たした、人懐っこい表情を浮かべた。
「珍しいな、人が来るなんて。僕に何か用?」
「ええと、友人を訪ねてきたのですが……フロエっていう人、ご存じないでしょうか?」
「うん? ああ、僕だよ。今はフローフだけど」
 ああ、やっぱり。
 私が頬を緩ませると、彼はむぅと唇をへの字にして、
「えっと、失礼だけど、君は──」
 そんなことを言いながら私の顔をまじまじと見詰めて、
「──ん、あれ、もしかしてアルティ?」
「うん」
 私が頷くと、青年はわあ、と声を上げて眼を丸くした。白い歯をむき出しにして快活に笑って、
どかどかと大股で歩いてくる。その動きからは、実に粗野と言うか、大味と言うか、そんな感じの印象を受けた。
 遠目には判らなかったが、間近に寄った彼は結構がっしりとした体つきをしていた。
痩身ではあるが、軟弱ではない。無駄の無い身体とでも言おうか? お医者様が診たら、
理想的な体型だ──とか言うだろう。
 彼は本当にフロエなのだろうか? 記憶の中の、ぷくぷくぽっちゃりという感じのあの子と、
目の前の青年が、どうしても結びつかない。まあ、アバウトな雰囲気は変わってないと思うけど。
「全然わかんなかったよ。変わったね、アルティ」
「そう?」
「うん。美人さんになった。ビックリ」
 そういうこと真顔で言うのは止して欲しい。恥ずかしいじゃないか。
「髪伸ばしたんだね。うん。よく似合ってる」
 だから、やめてってば。
「あなたも元気そうで何より」
 頬が赤くなるのをごまかすために吐いた台詞に、彼は「うむ」と満足げな笑みを浮かべた。
 彼は、私より頭一つほど背が高い。昔は私と大して背丈の変わらなかったあの子に
見下ろされてると思うと、なんだか不思議な気分だった。
 眇めた瞳で、彼は私をまじまじと観察してくる。無遠慮なその青い瞳だけは、あの頃と
全く変わっていない。小悪魔めいたというか、悪戯を思いついた子供のような表情。
 ようやく確信を得られた。間違いない。彼は、フロエだ。
「──その、フロエも、変わったと思うよ」
「だろうね。僕自身もびっくりしてる」
 ポケットに手を突っ込んで、肩をすくめた。「ここに住み始めて一年くらい経った頃かな。
急に背が伸びて、胸も小さくなって、あっちこっち変わってきてさ。それで、気付いたらこうなってた」
「不思議だった?」
「そうだね。ま、胸がおっきくなっていく時と似たような感じだったけど」
「ふぅん」
 女を選んだ私でも、その感覚はよく分かる。子供から大人になるにつれ、日に日に、僅かにだが
変質していく身体。一日一日の変化は判らなくとも、積み重なった結果生まれるのは大幅な差異だ。
それを始めて自覚した瞬間の形容し難い感覚は、今もよく覚えている。
「あー。まぁ、立ち話もなんだしさ」
 ざっと汗に濡れた前髪をかき上げ、フロエはひょいひょいと家の方を指差した。
「お茶くらい出すよ。おいで」
 ひらひらと手招きして、フロエは歩き出す。促されるままに私はフロエの後に続く。
 背を向けたフロエのタンクトップの隙間からがっしりした背筋が見えて、少しどきどきした。
「しっかし突然だね、アルティ」
 ふと振り返ったフロエが投げた問いに、「ひさしぶりに会いたくなったから」と答えると、
フロエはとても嬉しそうに笑った。
 こっちまで嬉しくなるような、満面の笑みだった。
695名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:16:22 ID:VtKatwZq
 フロエの淹れたお茶と、私がお土産に持ってきたお菓子をお供に、私たちは
お互いの近況を語り合った。
 フロエはここで畑仕事をし野菜や穀物を育て、それを売ったり自身で食べることで
生活をしている、と語った。最初は色々と苦労したが、今ではだいぶ軌道に乗り、
肥えはしないが餓えもしない安定した日々を送っているそうだ。親を頼りながら安穏とした
生活をしている私にとっては、少しばかり耳が痛い話だった。
 それらが一段落した後はかつての友人達が今何をしているか、という話に移行し、
そして他愛の無いお喋りに移った。
「え? 生まれたの、子供」
「らしいよ。結構前のことだけどね。女の子だって」
「はー、ペース速いなぁあの二人。ワポーリフ、僕と付き合ってたときは超奥手だったのに」
「そのあたりさ、男になった今だとちょっと複雑じゃない?」
「んにゃ。今は今。昔は昔。それにさぁ、実際なんにも進展しなかったし。友達の延長みたいなもんさ」
 くるくると表情を変えながら引切り無しに喋り続けるフロエを見ていると、変わってないなぁ
という言葉が浮かぶ。外見は随分と頼もしくなってしまったみたいだけれど、お喋りなところは
変わっていないようだ。
 下らない駄弁りに花を咲かせ、持ち寄ったお菓子を全て食べてしまった頃。気付けば
すっかり日が暮れていた。
 せっかくだし泊まってけば、汚いところだけど。そんなフロエの提案に、私は一も二もなく頷いた。
もとより一泊しなくてはならないだろうと──まあ、街の宿に泊まる予定だったけど──考えていたから。
「二人っきりだからってへんなことしない?」
「しないしない」
 私の冗談は軽く受け流されてしまった。
 ところで、「僕は紳士だからね」っていうフロエの台詞は、冗談返しなんだろうか、マジなんだろうか。
「夕食はご馳走するよ。あの頃よりだいぶ料理の腕上がったんだ」
「手伝うよ」
「お客さんなんだしゆっくりしてていいよ」
「いいじゃない。お客である前に友達でしょ?」
「んん、そこまで言うなら」
 私とフロエは二人並んで台所に立った。と言ってもこの家の台所は狭すぎて、
本当に二人並ぶと作業などろくに出来ない。かわりばんこに、台所とダイニングテーブルを
行ったり来たりして、私たちは準備を進めた。
 フロエの育てた野菜をふんだんに盛り込んだコンソメスープと街で買ってきたパンが今夜の夕食だ。
 ディナーと言うには少々物足りないような気もしたけれど、フロエはいつもこんなものらしい。
まあ、おかわりはたっぷりするそうだけど。
 夕食の最中も、お喋りは止まなかった。自分自身でも、どうしてこんなに話題が続くのだろうと
不思議に思うくらいだった。
 私が自分の夕食を片付ける間に、フロエはスープを四杯もおかわりした。
 開いた口のふさがらない私に向けて、「体重に気を使わなくてよくなったのが、
男になって一番よかったことだね」と、フロエは冗談めかした口調で言った。
696名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:17:15 ID:VtKatwZq
 食事の後片付けが済むと、早々に就寝時間となった。
 日が昇るとともに起き、月が昇るとともに眠る。こう言うと少し大げさだが、今のフロエは
そんな生活をしているらしい。私にただ一つのベッドを譲ったフロエは、床に毛布を敷いて
そこを寝床にした。よほど疲れていたのか、灯りを消してさっさと横になると、すやすやと
寝息を立て始めてしまった。
 マイペースだなぁ、と少し呆れたが、いきなり押しかけた私が、フロエの生活サイクルを
乱すわけにもいかない。
 私も彼に倣い、ベッドに横になった。男性が隣に居るのに下着姿(寝巻き代わりだ)に
なるのはいかがなものかなと思ったが、まあ相手はフロエなので気にしないことにした。
 毛布を被ると、昔とは違うフロエの体臭が鼻をくすぐり、妙に落ち着かなかった。
 普段寝床に入る時刻がもう少し遅いこともあり、なかなか睡魔は訪れてくれなかった。
 冴えた瞳を真っ暗な部屋の中に彷徨わせて、私は身体が休息を求め始める瞬間を待っていた。
 部屋の中、フロエの寝息が聞こえる。
 薄いカーテンの引かれた窓から、ぼんやりと光が差している。月明かり? それにしては
ずいぶん明るい気もする。
 夜闇の中に、月が煌々と輝いている様を想像する。その明かりの下に照らされるアルクス・プリーマも同時に。
 そうしていると、実際にこの眼で確かめたくなる。
 枕に顔を埋めて誘惑を振り切ろうとしたが、結局それは徒労に終わった。
溢れんばかりの懐古が、熱烈に私の背を押した。
 私はフロエを起こさぬよう気をつけて、服を着直してコートを羽織った。
 軋む扉を細心の注意を払ってゆっくりと開き、外へ足を踏み出した。
 外気は想像していたより冷たかった。肌寒いなんてものじゃない。真冬のように冷え切っていた。
昼間と違って風はぴたりと止んでいて、それが救いだった。
 自らの肩を抱き、できるだけ熱を逃がさぬようにする。
 誘われるように、湖に近づいた。波打ち間際まで寄って、月光に照らし出された船を見詰める。
 暗幕を引いたような闇の中に、アルクス・プリーマは静かに横たわっている。
 その輪郭はおぼろげで、どこか幽鬼のよう。いや、本当にあれは亡霊なのかもしれない。
屍に残されたアルクス・プリーマの魂を、私は見ているのかもしれない。
 沈黙が耳朶を打つ。草が擦れる音すら聞こえない。このままずっと動かないで居ると、
闇に飲み込まれてしまいそうだった。
「懐かしい?」
 夢の中に堕ちていく瞬間のように希薄になっていた私の自意識は、その声で確固たる形を取り戻す。
 振り向くとすぐ後ろにフロエが立っていた。
「起こしちゃった? ごめんね」
「いいよいいよ」
 飄々とした物言い。フロエは私の横に並ぶ。
「長居すると風邪ひくよ」
 ──もう、ひいてるかもね。
 あたまがくらくらした。なんだか熱に浮かされたような感じだ。身体があつくてつめたい。胸がどきどきする。
697名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:18:57 ID:VtKatwZq
「どう思う?」
「アルクス・プリーマ?」
「そう」
 フロエの横顔を見上げて、私は今感じている素直な気持ちを口にする。
「墓標──ううん。死体みたい」
「へえ。そんな風に感じるんだ。詩的だね……文学的かな? どっちだ? まあいいや」
「いいかげん」
「全くだ」
 両腕を組んでフロエは破顔する。
 笑い声に耳を傾けながら、私の意識は過去を辿ろうとしていた。
 蒼白い幽霊船を瞳に収めながら、船の上での数多の出来事を振り返る。出会い。別れ。
楽しい日々。辛い出来事。ゆるりとした生活。笑顔。涙。姉さん。友人。空を飛ぶこと。戦い。
祈り。死とのすれ違い。選択。
 シヴュラ・アルティの全て。
「もしかして、昔の事いろいろ思い出してる?」
「うん。いろいろ」
 勘の鋭い奴だ。
「僕もさぁ、あれを眺めてると時々思い出すよ。懐かしくて涙が出そうになるね」
 そう言うフロエの顔は、別に歪んでいるわけでもなく、いつも通りだった。ポケットに
手を突っ込んで、淡々と闇を見詰めている。
 あぁ、と唐突に何かを思い出したような声を出して、フロエは私の肩を叩いた。
「あそこ、行ってみる? けっこう手軽に行けるよ。その気になれば廃墟探索だって出来る」
「遠慮する」
「なにゆえに?」
「シムーンに乗りたくなっちゃうから」
 二度と手に入らないものを得たいと思う。それには針の痛みを伴う。毒のようなものだ。
心に、あんまり、いい影響は無い。
 今はまだ遠くから眺めているだけだからいいけど、あの中に足を踏み入れてしまったら
──かつてのパルが横に居ることも起因して──きっと、辛くなる。
 だから、行かない。
「また、乗ってみたい?」
「叶うなら。人を撃たなくていいなら」
「そっか」
「フロエは?」
「んー、微妙だな。でも、昔のことを思い出して寂しいと思うことはあるよ。あの中に入ると特にね。
 だから、アルティが来てくれたのは嬉しい」
「え?」
「普段は人なんて来ないし。来ても、むっさい男ばっかり尋ねてくるからねー」
 女の子と話したのなんて半年振りくらいだぜー、とフロエは笑った。なはははは、とかそんな気の抜けた笑い声。
「それにさ、僕、アルティの事、親友だと思ってるからさ。今日は、たくさん喋れて嬉しかったよ」
 親友──。
 むず痒さが込み上げてくる。無邪気に笑うフロエの顔を見る限り、からかいで
言ったのではないのだろう。そもそも嘘を吐けない子だし、そういう台詞で人をからかえるほど
捻くれた子でもないだろう。
 嬉しかった、か。
 私も嬉しかった。楽しかった。
 フロエに会おう、ってのは殆ど思いつきで、私は思いついたまま脊髄反射的に行動した。
その結果が今この状況だ。とても心地のいい時間を得た。幾許かの寂しさも、抱いてしまったけど。
 アーエルとネヴィリルを見送ったあの日から、アルクス・プリーマに籍を置いていた時間と
同じくらいの時が流れた。
 私も姉さんも大人になった。
 長らく顔を会わせていないあの頃の友人達も、おそらくみんな大人になって。
 そして、フロエも変わってしまったのだと思っていた。ここに来るまでは。
 もし、私の知らないフロエになっていたら、適当なところで話を打ち切ってさっさと帰ろうとすら思っていた。
 身勝手かもしれないけれど。
 変化は恐ろしい、と思う。
 私の知る宮国が、私の知らない何かに変わっていくのを、目にしているからかもしれない。
 かつての、姉さんの変質を、この眼で見ていたからかもしれない。
 だから忌避した。
698名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:20:05 ID:VtKatwZq
 でも、フロエは変わっていなかった。性別が変わって、姿形も変わって。でも中身は同じで、
笑い方も変わらない。昔のように私に笑いかけてくれて、昔のように冗談を言い合える。
 お互い少女ではなくなって、パルという繋がりが失せた今でも、友達のまま。
 それが懐かしくて嬉しくて悲しくて。
 嬉しさのせいか、顔が、目頭が、熱くなる。
「アルティ顔赤いよ?」
 フロエ夜目利きすぎ。
「気にすんなバカ」
「何だよ酷いなー、心配してるのに」
「もどろ。寒い」
「ああ、うん。んじゃ、暖かいお茶でも飲んで寝るか。さみーし」
 フロエと私は揃って踵を返す。
「明日には帰っちゃうんだろ?」
「うん」
「さみしーなー。また来てよ。暇なときにでも」
「そうするよ。せっかくなら、皆で集まりたいくらいだけど」
「集まる? あー、いいね。それ。皆でまた、バカ騒ぎしたいなぁ」
 からからとフロエは笑った。
 私も、くすくす笑う。
「ほんとに、集まれないかな。きっと、楽しいと思うんだ」
「そうだね」
 大人になった今。皆はそれぞれの生活で忙しいと思うけど。
 一堂に会する程度なら、叶わない夢ではないと、私は思った。
699名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:21:21 ID:VtKatwZq
「やあお帰り。一泊してくるとは思わなかったよ」
 重い荷物にへとへとになりながら家の敷地に足を踏み入れた途端、待ち構えていたように
姉さんが私を出迎えてくれた。
「その予定だって言わなかったっけ?」
「言われたような憶えもある」
 別に心配はしなかったけどな、とそっぽを向いて姉さんは付け加えた。
「まあ、無事で何より」
 眼鏡を人差し指でついと持ち上げると、くるりと顔をこちらに向けて姉さんは笑った。
 それだけで、四肢に溜まった疲れは綺麗さっぱり吹き飛んでしまう。
「ところでさ、それ、何だ、一体」
 眼鏡の奥の瞳を眇めて、姉さんはそれを指差す。ここを出るときには持っていなかった、
ぱんぱんに膨れた麻の袋。私を異常に疲労させた原因でもある。重たくて死にそうだ。どさりと地面に下ろす。
「おみやげ。フロエが育てたお野菜」
 どれどれと姉さんは野菜入りの麻袋の口を開けて中を覗く。そして、うげ、と顔を歪めた。
「うわ、なんだこれ。こんなの市場でも見たことないぞ。食べられるのか?」
 姉さんは、岩みたいなごつごつした野菜を一つ、袋から取り出す。ごんごん、と拳で
それをノックするように叩き、胡散臭そうに見詰める。
「昨日、調理して食べたけど」
「お腹壊したりしてないのか?」
「大丈夫」
「こいつの毒は遅効性なのか……」
 滅茶苦茶失礼な姉さんだった。
「今晩の食卓に並ぶとか言わないだろうな」
「折角貰ったんだから利用しないと。大丈夫だよ。変わった味だけど、不味くはないし」
「……ふむん」
 片眉を伏せ、片眉を持ち上げ。アシンメトリーな表情になった姉さんは、両腕を組んだ
姿勢で麻袋を睨みつける。
「……まあ、お前を信用しておくか」
 持ってやるよ、と言って姉さんは麻袋の口紐を縛り、ひょいと持ち上げ──姉さんは
意外と力があるのだ──玄関へ向かう。私はその背中を追いかける。子供の頃、
外を走りまわっていた時、森の中を散策した時、よくそうしていたように。
「フロエは元気だった?」
「うん」
「後で詳しい話聞かせろよ。お茶淹れてあげるから」
「うん。もちろん」
 先に入れよ、と姉さんは玄関の扉を開けて私を促す。なんとなく紳士的なその振る舞いが、とても嬉しい。
 シャワーでも浴びて来い、ボクはこいつを台所に置いてくる。父さんと母さんにも挨拶しとけよ。
部屋に居るはずだから。姉さんはそう言って私に背を向けた。が、もう一度こちらへ向きなおして、
にやりと唇を持ち上げて笑う。
700名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:22:35 ID:VtKatwZq
「しっかし、楽しかったんだな」
「え?」
「満ち足りた顔してる」
 そ、そんなに? 私は自分の頬に触れる。でも、そんなんじゃわからない。鏡でも見ない限り。
多分、傍から見た私の頬はゆるゆるなんだろうけど。
「ボクもパラ様に会いに行こうかなぁ」
 片目を瞑って姉さんは呟く。ここぞとばかりに、私は話を逸らすためにそれに乗る。
「そうしたらどう? ひさしぶりだし、話、弾むと思うよ」
「その時はお前もついてきなよ」
「パライエッタと二人っきりのほうがいいんじゃないの」
 反撃の意味も込めてそう言った。すると、姉さんは歯牙にもかけない様子でふん、と鼻を鳴らして。
「あそこは孤児院だぞ。うるさい子供でいっぱいで、二人っきりもなにもない。
 大体な、ひとりで留守番するのって結構寂しいんだぞ。お前じゃ耐え切れなくなって泣きべそかくな、きっと」
「子供じゃあるまいし!」
「いいから。その時はついてこいよ、アルティ。ボク一人じゃちょっと恥ずかしい」
 そう言って微笑する姉さんの表情には、有無を言わさせない威力がある。私は肩をすくめること
しかできない。他でもない、姉さんからの頼みだ。ノーだなんて言えるはずもない。
 返事の代わりに笑い返すと、姉さんは恥ずかしそうに鼻の頭を掻いた。
「なあ、アルティ。今夜はシチューにしよう。こいつら、美味しいんだろ?」
「最初からそのつもりだよ。列車の中でずっとメニューを考えてた」
 温かなホワイトシチュー。焼きたてのパン。家族の団欒。お土産話。
 今日も相変わらず風は冷たいけれど、それらがあれば充分に温まれるだろう。
 たった一日の旅だったけど。
 その中で、話したい事が、たくさん出来たのだ。
701名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:25:06 ID:VtKatwZq
おしまい。

半端だ
何を書きたかったのか
自分でも
よくわかってなかったり
する

情熱が保てたら、多分次は死人の話。
702名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 21:07:53 ID:N2K1KsMm
>>692-700
GJだー。
 こう、本編最終輪のなんともいえない寂寥感や、それでも世界は回って
いる感がでてる良作だー

 エロ要素にも期待していたけど、フロエはやっぱりセンチメンタルな漢で
今でもアーエルひとすぢなのだろうか。それとも、訪ねてくるむっさい男ど
もに……ゲフンゲフン

 次の死人の話にも期待
703名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 22:43:36 ID:VGwUyHno
ほのかに甘くてちくっと痛む感覚がすごくシムーンだー。
どうしてこうこのスレは板違いの良作が多いのか。
好感が恋にはつながらない、かつて二人の少女だった男女の暖かな描写なんてものが
出来るのもシムーンならではだよなぁ。
704名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 23:40:23 ID:tm4dd3Of
読んでる間中ニヤニヤしてしまった。
こうゆう話大好きだよ。 GJ!
705名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 09:26:34 ID:ZcMivatl
>>692
GJ!読みながらうるうると来てしまう俺シムーン脳・・・。
宮国国有鉄道の人なのかな?
次回作、正座して待ってます。
706名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 10:45:35 ID:JY6yRQp0
いいねいいね。読ませるね。
アルティらしさもフロエらしさもカイムらしさも感じられて良かった。
なにげに紳士なフローフもステキだ。
お胸が育ったかつてのパルと一つ屋根の下で実はドキドキしてたんじゃあるまいか。

面白かったよーん。GJ。
707名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 14:11:30 ID:DNfOmA7Z
GJGJGJ
言いたい事は上の人等にほとんど言われちゃったけど
青春は二度と戻らない、でもそんな戻らない思い出を持ってるのって
なんて素晴らしいんだろう シムーンのテーマの1つだよね
708名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 18:00:18 ID:vaUI1TBk
>>705
違う人だよ。
俺にゃあんなスゲーの書けねぇです。
709名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 01:15:52 ID:1aVH3FcV
GJ!
かっこいいフローフが読めて嬉しいよ。
710名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 23:25:13 ID:Jqg+I2R3
シムーンは芸術性高いから単にエロいだけじゃみんな納得しないんだろうなあ
711名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 20:22:45 ID:7pxT1fYw
そんなことない。アホアホなエロとか読んでみたいよー。
712名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 20:47:12 ID:YDKQsaG8
というか住人がこんなにいたことに驚いた
713名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 21:19:23 ID:+rcKcpeE
ROMってるだけでかなりいると予想
714名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 15:56:45 ID:g+N051Kv
ずっと上の初期のレスなんか読んでると
欲望丸出しで苦笑してしまう。
何かね、若かったなーと感慨にふけっちゃうぜ
これって最終話の各々の持つ気持ちと似てたりするのかね
715名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 17:15:45 ID:daa9tSab
欲望丸出しなシムーン、いいじゃないですか。ハァハァ
女を選んでその魔乳に磨きをかけたパライエッタが
ロードレアモンから譲り受けたコアラのぬいぐるみに「ねびりり」と名付けて
抱き枕にしたそのぬいぐるみで
夜な夜な火照る体を慰めているとかすばらしーじゃありませんか。

「ねーねー。レアモン先生〜。パラ先生のお部屋から毎晩獣の唸り声みたいなのがして恐いの」
「ふふふ。パラ先生はね、本当はケダモノなの。言うこと聞かないと食べられちゃうぞー」
716名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 17:25:58 ID:fPgJl/Yu
怪物にしか見えないけどあれコアラだったんだ
てか教育上よくないw
717名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 21:04:47 ID:EdzdtOau
宮国国有鉄道第二話 嶺宮縦断鉄道編
ttp://uppers.servebbs.com/simoun/img/606.zip
宮国国有鉄道番外編2 ちきちきトレイン猛レース
ttp://uppers.servebbs.com/simoun/img/607.zip

画像保管庫、upはできたんですが画像とファイルのダウンがうちからはうまくできなくて
up成功したかどうか未確認。

ヘリカル列車話はこれで一応おしまいのつもりです。
718717:2006/11/16(木) 23:10:09 ID:9+9CpKEv
そだ。忘れてた。
コール・イグニスのマミーナ×ユン 9/23校正&青空文庫形式化版
http://uppers.servebbs.com/simoun/img/562.zip
宮国国有鉄道の最初の話の9/23校正版
http://uppers.servebbs.com/simoun/img/561.zip
もずいぶん前ですがupしておりました。
719ユイ:2006/11/17(金) 01:06:19 ID:XUc+eK2o
さすがに番外なのでHTML化はしませんが(微笑)なかなか楽しませてもらいました
嶺国鉄道編は一応これで終了ですね・・・さびしいなあ
720名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 02:40:16 ID:LWtg5PFl
>>717
新作キター!

 ……でもこれで終わりなのか……しょぼん。
 とりあえず早速読もー。

>>ちきちきトレイン猛レース
一瞬、「電車でD」的なのかなとオモタ。
721名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 09:02:56 ID:hsAPHFnI
> さすがに番外なのでHTML化はしませんが

事後承諾こそあったものの自分のサイトに無断転載しておいてこの言いぐさって>>719は何様のつもりだ
しかも宮国国有鉄道のページには作者が誰かすら触れられていないしな
別人が書いた物を転載していることを明確に表記すべきではないか
722名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 16:23:09 ID:bttp+kBt
さすがに釣りだろ(微笑)とか空気の読めなさを見る限りしかるべき年齢とは思えんし
723名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:31:33 ID:fsk/8exL
>>717
チキチキトレイン読んだよ。
凄かった!!感動したよ!!
ひょっとして、最後にcrashする悲劇かなとハラハラしながら読んでたけど、
美しく終わってよかった。
地上に描くリ・マージョン・・・何だかほんとじ〜んと来たよ。
シムーンの世界を新たに展開した717に、
祝福をこめて、GJ!!
724名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:43:56 ID:qS4gp/NU
>>717今両方読み終えた。面白かったさ。感動したさ。ホントGJ。
725717:2006/11/19(日) 11:39:27 ID:gL6wDYnb
717です。
読んでくれた方、感想をくれた方、ありがとう。
素人のけっこう長い文章におつきあいいただけ大感謝です。

「電車でD」ぐぐってみました。すっげーおもしろそう。仁Dの電車パロってワラタ
大手同人ショップで売ってるのかなぁ……。読んでみるよ!

チキチキトレインは本編?第二話を書いていてなかなか進まなくて困っていた時に
ピカーンときたものです。連結装置はプラレールを参考に。
昔、炭酸飲料だったかのCMでドラッグマシンのスタートシーンを後方から映した映像があり
そのCMの音楽を脳内BGMにしました。(古っ ♪じ〜んせ〜いは〜ただ〜


来週には小説版シムーン二巻が発売ですね。
726名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 14:34:05 ID:IqlKQ/Vs
そういえば一巻積んだままだ
このスレ面白すぎ
727名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:36:37 ID:jv2p05xu
二巻発売直前age
728名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 06:46:35 ID:IoqkIyss
誰かフロエ×アーエル書いてくれ
729名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 10:16:24 ID:i68bzZY1
アーエル×ネヴィリル
730名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:44:51 ID:GsIkYf95
モリナス×ワポーリフ
731名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 23:18:24 ID:S/7Zfi6J
モリナス×アーエル
この二人って、結構つるんでるよな
732名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 14:25:48 ID:IZnzCOkN
ユン×オナシア
ただ抱き締めるだけなんて勿体無い
733名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:28:05 ID:gtkyVBPC
アヌビトゥフ   「これからパーティーに行かないといけないんだ」
店員 ( ´∀`)つ カタツムリ
アヌビトゥフ   「そうそう、カタツムリ」
          「ツノ出せ♪ヤリ出せ♪頭だせ♪」

アヌビトゥフ   「そんな訳ナイナイ。 ヘリカルモートリスなんだろうけど生物はどうかと」

店員 ( ´∀`)つ ユンの編んだ物
アヌビトゥフ   「うん、ユンのアレ」
          「魂の安らぎを祈って丁寧に編む」

          「招待客の魂を乗せるのか? 楽しく騒ぎたいのにしっとりさせるのか!」

店員 ( ´∀`)つ ハサミ
アヌビトゥフ   「おう、ハサミ、ハサミ」
          「チョッキン、チョッキン、庭を綺麗に手入れいたします」

          「マミーナの両親にくれてやれ! 次!」

店員 ( ´∀`)つ 風琴
アヌビトゥフ   「これだ、風琴」
          「落ち込んだりした時に、独りでそっと聞き入るのだ」

          「パーティーで独りで聞き入ってどうすんだ」
          「いきなり鳴り出したら、そこが聖地になっちまうぞ? 違うんだよぅ」

店員 ( ´∀`)つ 髪の毛
アヌビトゥフ   「これこれ、ロードレの髪の毛」
          「ネクタイ、付け毛が無いと門前払い」

          「待て待て。 女の髪の毛プレゼントされたら怖いわ! アレだよ」
店員 ( ´∀`)つ リボン
アヌビトゥフ   「リボン付けてもダメだから」

パライエッタ.   「いつまでやっているのですか、艦長にデュクス」
734名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:42:08 ID:AuChSWrC
ごつ乙
735名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 02:01:44 ID:+lTfD83r
フローフやめて…
あんっ
やだ…人参なんか入れちゃ
だめえー
736名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 03:32:12 ID:Jt5quaZM
ホワイトシチューか…食べたくなったな
人参がたんと入ったのを、晩ご飯に用意するか
737名無しさん@ピンキー
食べ物を粗末に扱うとマミマミが怒りますよ