シムーンーsimoun-でエロパロ

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423復活への前奏曲 1/5
 メッシスでドミヌーラが床に伏せって数日が過ぎていた。
 リモネの、共に飛びたい、との精一杯の励ましはドミヌーラを立ち直らせるまでには至らな
かったらしい。パルだから、の一言に涙を見せはしたがドミヌーラの瞳は変わらず焦点を失っ
たままだった。
 リモネは口づけを試みる。以前に試した時のドミヌーラの反応は悪くなかった。だが、唇の
端に軽く音を立ててキスをしてみても、ドミヌーラは上の空でリモネの頭を撫でるばかりだった。
 ――もう、一押し?
 アーエルから聞いた「好き」の話以来、リモネは幼いなりに勉強を始めていた。性別化前の
恋愛についてだ。あまり大っぴらに出回る類のものではなかったが、そもそものパルという制
度は情愛を基本にしたものだったらしい。メッシスの書庫にはその手の書物があった。
 改めて靴を脱ぎ、ドミヌーラのベッドに這い上がる。
 ――ええと、まずは大人のキス。
 ちう、と唇を押しつけ、薄く開かれたドミヌーラの唇に舌を割り込ませてみる。本には「舌
と舌とを絡ませる」とあったが、ドミヌーラが反応してこないのでは、リモネが舌を侵入させ
てみても絡ませようがない。やむなくリモネはドミヌーラの唇を自身の唇で挟んだり、舌で唇
をなぞってみたりを繰り返したが、大人のキスというものがこれでいいのかどうかもわからな
かった。
「元気、出ない?」
 唇を離すと細く涎が糸を引いた。ドミヌーラの茫洋とした視線はやはり動かない。
 ――押し倒せばいいのかな。
 戸惑いながらも体重を預けると、ドミヌーラはリモネのなすがままに仰臥した。間近にドミ
ヌーラの顔を眺め、改めて口づけをする。
 ――あ、横から口を合わせればいいんだ。
 半身をずらしてドミヌーラと胸を合わせたリモネは、角度をつけて大きく口を合わせれば深
く口づけできることを発見した。ドミヌーラの舌を探り当てると、ぴくり、と反応する。教本
にあったように舌を絡めようと探るうち、ドミヌーラの舌が明らかに意志を持ってリモネの舌
を押し返してきた。
「何を……リモネ?」
 未だ視線には力がなかったが、表情は僅かに戻ってきた。ドミヌーラの声には困惑が滲んで
いる。
「好き、だとキスをしたくなるっていうから」
「え……?」

 口づけを再開するリモネ。ドミヌーラは多少の戸惑いを見せていたが、それでもリモネの探
るような舌の動きに遠慮がちに応じてきた。舌先を触れあわせ、裏側をなぞり、側面を吸う。
不慣れなためか互いの舌使いが一致せずにぎこちなく擦れ違うこともあったが、繰り返すうち
に呼吸が読めるようになってきた。時に口蓋や舌の裏を強めになぞると、ドミヌーラが強い反
応を示すのが面白かった。強く舌を突き出してきたり、背筋に力が入ったり。それは意図した
ものではないらしく、反射的なもののようだった。
 合わせた胸は大きく上下し、息を継ぐときの吐息は甘く、熱い。
 ――耳元や首筋にも。
 本の内容を思い出しつつ唇から頬、耳元へとキスの場所をずらしていく。耳朶をついばみ、
「大人のキス」を思い出して舌を這わせてみると、リモネの背中に回されたドミヌーラの手に
力が入った。声にならない小さなうめきも漏れる。反対側の襟首を指でなぞりながら、耳から
うなじ、首筋から鎖骨、と唇と舌による愛撫を繰り返しすと、時折ドミヌーラの体に震えが走
る。頸動脈の上を強く吸い、赤く印をつけてから唇に戻ると、今度はドミヌーラの方から強く
唇を吸ってきた。彼女の視線はやはり焦点が曖昧なままだったが、先ほどまでの無気力な瞳と
は明らかに違っていた。半眼に開かれ、どこか艶やかに潤んでいる。
 ――わたしもあんな眼をしているのだろうか。
 常にはきついドミヌーラの目元はひどく艶めかしく見えた。柔らかなうなじの線からは濃厚
424復活への前奏曲 2/5:2006/08/29(火) 03:10:39 ID:lLatj2w4
な色気が匂い立つよう。リモネの目には恐ろしくも映ったが、蠱惑的でもあった。
 舌を絡ませつつきつく合わせた胸からは、豊かな肉の感触と共に早い鼓動が伝わってくる。
それ以上にリモネ自身の心拍も早く、耳にはうるさいぐらいに動悸が響く。
 ――どうしてだろう。心臓が壊れてしまいそう。
 さらにつよくドミヌーラを抱きしめたくて、リモネは体全体を預けるようにする。唇を合わ
せたままだとリモネのつま先はドミヌーラの膝にも届かない。それでも体全体を密着させ、両
足でドミヌーラの腿を挟むようにすると、ドミヌーラからも足を絡ませてきた。そのまま、隙
間なく体を触れ合わせようと胸を、腰を、足を蠢かし、口づけを続ける。
 そして、いつしかドミヌーラの胸をまさぐっていたリモネの手が乳首を捉えた。
「んうっ」
 唇を合わせたままのドミヌーラは胸を反らせると同時にうめき声を上げ、舌を硬直させる。
「痛かった? ドミヌーラ」
 そうではないのだとわかってはいたが、リモネは訊いてみた。ドミヌーラはロールの緩んだ
髪を乱して首を振る。
「嫌じゃない?」
 そう問いながらリモネはドミヌーラの豊かな乳房を揉みしだく。リモネの小さな手のひらに
は収まりきらない柔らかな手応えだった。服の上から乳房全体をゆったりと捏ねていた指に、
再び乳首を摘ませる。軽くしごくようにすると、ドミヌーラの体がエビのように跳ね、太腿が
リモネの臑を強く挟む。
「んんんっ!」
「感じているの? ドミヌーラ?」
 互いの吐息を熱く感じる距離で問いかけるがドミヌーラは髪を振り乱すばかりだった。
 ――吐息そのものがキスみたい。本には書いてなかった。
 リモネはドミヌーラの服の肩紐をずらす。胸元に大きくスリットの入ったドミヌーラの室内
着はそれだけで大きくはだけ、一方の乳房を露わにした。長身のドミヌーラの体を滑るように、
リモネは体を下にずらしていく。首筋から鎖骨、鎖骨から胸の谷間へと唇でたどり豊かな乳房
へとキスを降らす。ぴたりと沿わせた全身がここちよく密着する位置だった。跨いだドミヌー
ラの太腿がリモネの鼠蹊部にぴたりと触れている。ドミヌーラの足の間に置いた腿には網状の
ストッキングを穿いた足に強く挟まれた。
「乳首……」
 リモネは眼前の乳首に軽く息を吹きかけてみる。ぴくりとドミヌーラが反応したのを確かめ
てから口に含む。
「赤ちゃんに戻った気分」
 一方の手で服に包まれたままのドミヌーラの乳房をもてあそび、もう一方の手で剥き出しの
胸を支え、乳首を吸う。舌で転がし、唇で軽く噛みながらもリモネは全身を擦りつけるように
緩やかに体を揺すった。特にドミヌーラの下腹部に触れている腿を強く押しつけ、擦り上げな
がら乳首を吸うと、ドミヌーラは強い反応を示した。
「ドミヌーラ、可愛い」
 胸の上でそっと呟いてみた。リモネの声に応えるようにドミヌーラの手が頭をそっと抱き寄
せる。リモネは頬でドミヌーラの乳房を感じながら、太腿をさらに強く押しつける。荒い呼吸
に合わせてドミヌーラの側もわずかに腰の角度を変化させ、太腿により強く下腹部を押し付け
るよう迎える姿勢を取った。
 ――気持ちいいのかな。
 リモネ自身も布地越しにドミヌーラに触れさせている肌の感触に蠱惑的なものを感じはした
し、息も荒く、胸の鼓動も相変わらず不安になるほどだったが、今のドミヌーラのように切な
げな溜め息はでそうにもなかった。全身を反り返らせるような反応も反応も示せそうもない。
 胸を揉みしだき、太腿を、腰を擦り付け、乳房を口に含み――もちろんなかなかすべてを同
時に、というわけにはいかなかったが、そう心掛けるうちにドミヌーラの息はますます荒くな
り、顔も乳首も紅潮の度を強めた。
 ――直接触れてもいい……かな?
425復活への前奏曲 3/5:2006/08/29(火) 03:11:20 ID:lLatj2w4
 なにもかもが初めてで、正直なところなにをすればよいのかも手探りだったが、もう性器に
直接触れてみても良い頃合いであろうことは想像がついた。
「触るね」
 短く囁いて乳房を弄んでいた手を下へと伸ばす。シルクの滑らかな手触りの下着が指先に触
れた。緊張しながらもゆっくりと手を滑り込ませる。
 ――ドミヌーラは大人なんだ。
 指先が確かめたその繁みの感触はリモネをわずかに驚かせた。リモネ自身には、産毛なのか
陰毛なのか判別をつけ兼ねるものが一、二本生えてきたばかりなのだ。
 指を追って体を下へとずらす。柔らかな繁みの中に潜む割れ目はすでに熱く潤っていた。亀
裂を前から後ろ、後ろから前へとなぞるとドミヌーラの腹部がおこりを伴って上下する。胸を
揉む手は休ませない。
 手のひら全体でひたりと女性器を覆うようにし、ゆるやかに撫でさする。中指の腹を割れ目
に沿わせて少しだけ突き出し、膣唇からクリトリスまでを一撫でに刺激してやるとドミヌーラ
の腰がわずかに逃げようとする気配を見せる。
「大丈夫。ドミヌーラ、わたしが一緒」
 リモネは柔らかくほぐした女性器から手を戻す。手のひらはドミヌーラの溢れさせた分泌液
でぬらぬらと輝いていた。
「ドミヌーラの匂いがする……」
 指を口に含んでみるとそれは独特の香りがした。わずかに金気臭く、血の匂いと酸味を帯び
ている。黴び臭さにも少し似ていたがそれとも異なるえぐみのある臭い。
 口に含んだ指にたっぷりと唾液を絡ませ、リモネは再びドミヌーラの下着の内に指を潜らせ
る。大陰唇を指先でなぞり、割り開いた襞の合間を会陰部からクリトリスにかけて撫で上げる。
二度、三度とそれを繰り返してから、大陰唇と小陰唇の間をぐるりとなぞる。女性器の構造を
確かめるようにしてそれを幾度か繰り返してから陰核――クリトリスだけを同じように指先で
探ってみた。じんわりとクリトリスを押し潰すように力を加えるとドミヌーラの口から吐息が
漏れる。リモネの太腿を挟みつけるドミヌーラの足が力を増し、切なげに擦り付けられた。
 大陰唇の裏側をなぞり、クリトリスを弄ぶことを繰り返すうちにドミヌーラの体はますます
熱くなり、呼吸は乱れていく。ゆるゆると柔らかく触れていた指の動きを止め、代わりに胸と
陰部の二つの突起を軽くつまみ上げる。
「んんんっ!」
 ドミヌーラはエビのように体を反らせた。その体に完全に体重を預けてしまっているリモネ
を大きく揺らした。
「ドミヌーラ、可愛い……」
 リモネの指先に反応して跳ね回るドミヌーラの肢体は艶やかだった。白い肌は桜色に色づき、
唇からは甘い溜め息が漏れる。
 ――やっぱり大人の体なんだ……。
 性というものがどんな感覚をもたらすのかとリモネも自身の体をまさぐってみたことはあっ
た。だが、それは到底快感とも官能とも言えない、単なる触感を感じさせただけだった。乳首
を摘まんでみても痛みが先に立つばかりだったし、クリトリスへの刺激もぞわりと不快感を覚
えるだけで快楽とは程遠い。だが、今、リモネの眼前で踊る肢体は明らかにそれと分かる官能
を表していた。リモネ自身の指も何かに憑かれたかのように自然にドミヌーラの痴態を引き出
してゆく。
 ――わたしは、ドミヌーラを悦ばせたい。
 陰裂に這わせた指で今度は小陰唇をなぞる。指先でたどり、手のひら全体で揉みほぐす。も
う一方の手も同じリズムで豊かな胸を揉み続ける。そして指先で小陰唇の内側の感触を確かめ
ながら小さく囁く。
「指、入れるよ」
 尿道口の位置を確かめ、膣口を探る。呼吸に同期するように蠢く膣口にそっと中指の腹を当
て、ゆっくりと沈ませて行く。
「ん。あぁ……、リモネ、リモネ……」
426復活への前奏曲 4/5:2006/08/29(火) 03:12:07 ID:lLatj2w4
 ドミヌーラが何かを堪える表情で吐息と共にリモネの名を呼ぶ。それは弱々しくもあったが
久しぶりに零れたリモネの名だった。
「ドミヌーラ、暖かい」
 ドミヌーラの膣の中は熱かった。リモネが指を沈めていくとそれは独立した生き物のように
蠕動していた。慎重に、探るように、柔らかな肉のチューブに中指を付け根まで沈ませてみた
が、奥までは届きそうもなかった。リモネの指は短い。それが少し悲しい。
 たっぷりと沈ませた指で膣壁の様子を探る。膣の内部はリモネにとっても未知の世界だ。自
分の膣に指を入れることは恐ろしくてできなかったのだ。とても成熟しているとは言えないリ
モネの膣口は狭く固く、指先を入れただけで苦痛を感じた。ふっくらと柔らかく瑞々しいドミ
ヌーラのそれはなんて豊かなことだろう、とリモネは思う。
 ――あれ?
 膣の中から腹側を探った時だった。指先に何か、周囲の粘膜とは違うしっかりとした手応え
があった。リモネの指の届く精一杯の位置に、ざらざらと小さな突起が並んだ部分がある。
「う……ん」
 じわりと押してやるとドミヌーラの口から長く吐息が漏れた。中指の腹でゆっくり、長く圧
力を加えてやると、その指の動きに合わせるように再び息が漏れた。少しだけ圧力を強めてみ
ると今度はその動きに合わせて腰がせりあがり、膣の筋肉がリモネの指を締め付けてきた。
 ――ああ、これが。
 宮国の言葉ではその部位を表す言葉はないらしい。だが、教本の中では“愛の扉”と表現さ
れていた。重要な性感帯のひとつでもあるという。刺激の仕方も解説されていたが、必ずしも
すべての女性にあるものでもないという。性別化前の身体では少ない、とも書かれていた。
 ドミヌーラの内部を探ることに集中して、いつの間にか動きの止まっていた胸への刺激を再
開する。そして、沈めた中指をゆっくりと往復させながら粘膜をいろいろな角度から刺激して
みる。時折、腹側のあのざらざらした部位を長く、強く押し上げる動きも忘れずに織り混ぜた。
「はぁ……ん、んんっ。うぅ……あ、あんっ!」
 乱れた息の合間に官能的な声が混じり始めていた。それはうめき声にも似ていたが、もっと
艶やかで切ない。それはリモネの指の動きを自然と速く、力強くさせる力があった。
「どう? ドミヌーラ、わたしを、感じる?」
 夢中になって愛撫を続けるリモネの息も速い。ドミヌーラの体に自身の体を擦り付け、体を
揺する動きで乳房を捏ね、中指で膣を掻き混ぜる。ドミヌーラの太腿がいつの間にか立てられ、
ぴたりとリモネの女性器を圧していた。上下に揺すっている体の動きが自分自身の意志による
ものなのか、ドミヌーラに誘導されているのかリモネ自身にもわからなくなっていた。
「ドミヌーラ! ドミヌーラ!」
 さらに激しくドミヌーラの膣を掻き混ぜ、例のざらざら――愛の扉――を圧迫しながら同時
に親指の腹でクリトリスを押し潰す。片方の手で湿った音を響かせながら、もう一方の手は力
強く乳房を揺する。
「ん、んんんっ――」
 声を呑んだドミヌーラが背筋を弓なりに反らす。同時に中指を銜えた膣がきつく収縮した。
リモネの股間を押し上げていた太腿も思い切り力が入っている。絶頂に達しつつあるのだ、と
知ったリモネはさらに愛の扉とクリトリスを強く圧迫し、真っ赤に充血した乳首を乳輪ごとつ
まみ上げる。リモネを乗せたまま弓なりになった身体に数回痙攣が走るのと同時に、リモネ自
身の下腹部にも小さなさざ波のように震えが走った。
 ――これ、が?
 思う間もなくリモネの体から力が抜ける。わずかに遅れてドミヌーラも脱力した。
 汗の伝うドミヌーラの胸の谷間に顔を埋める。深く息を吸い込むと胸郭いっぱいドミヌーラ
の香りが満ちた。そのままドミヌーラの鼓動を聞くうちにゆっくりと潮が引くように甘美な痺
れが引いていく。
427復活への前奏曲 5/5:2006/08/29(火) 03:13:44 ID:lLatj2w4
 そっと髪を撫でられていることに気づいてリモネは顔を上げた。
「ドミヌーラ?」
「少し……眠らせて……」
「……うん」
 目を閉じたままのドミヌーラの顔は紅潮の残滓を残していたが、表情は読み取れなかった。
 ――力づけるの、失敗、だったのかな。
 汗で湿ったドミヌーラの前髪を分けて額に軽くキスを残す。ドミヌーラは微かに微笑んだか
に見えたが、すぐに寝息を立て始めた。手応えを得られないまま、リモネはドミヌーラの部屋
を後にした。部屋を出るときにパライエッタと鉢合わせになったが、彼女はリモネのばつの悪
そうな表情にも気づかないほど苛立っているようだった。
 ドミヌーラが瞳に生気を宿らせて現れたのはそれから間もなくのことだった。


                                          ――了――