【ルージキュン】ゾイド-ZOIDS-総合スレ4【ハァハァ】
対象作品リスト
読物
・ゾイドバトルストーリーおよび機獣新世紀ゾイド公式ファンブック(通称バトスト)
・電撃ホビーマガジン ZOIDS GENERATIONS(ゾイドジェネレイションズ)
・ホビージャパン ZOIDS BATTLE ANGLE(ゾイドバトルアングル)
アニメ
・機獣新世紀ゾイド(通称無印)
・ゾイド新世紀/0(通称スラゼロ)
・ゾイドフューザーズ
・ゾイドジェネシス
漫画
・機獣新世紀ZOIDS(通称上山版)
・ZOIDS惑星(プラネット)Zi
ゲーム
・白銀の獣機神 ライガーゼロ
・ZOIDS VSシリーズ
・ZOIDS SAGAシリーズ
・サイバードライブゾイド 〜機獣の戦士ヒュウ〜
・ZOIDS インフィニティシリーズ
・ZOIDS STRUGGLE
その他
・ゾイドバトルカードゲーム
・妄想戦記
これ以外の作品でもゾイドに関わるものであれば何でも可。
例えば特攻!ゾイド少年隊のエロパロとかでもOKです。
エロパロ板ローカルルール
【この板の趣旨】
一般向け作品(漫画/アニメ/ゲーム/小説/ドラマ等)のエロ妄想・萌え談義、
およびオリジナル・パロディを問わないエロ小説創作等を行う板です。
以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
キャラ単位、キャラ主体のスレッド →ピンクのキャラサロン
年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等
画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
実在する人物(アイドル等)を元にした創作 →えっちねたロビー等
【BBSPINKは21歳未満立ち入り禁止】
21歳未満の方は、エロ妄想を含まない範囲で2ちゃんねる掲示板をご利用ください。
読み手心得・気持ちよく書いてもらうために
・書いてくれた人はただ一言「GJ」でもいいからレスがあれば喜びます。
短くても内容に即した感想があるとさらに書いて良かったと思います。
逆に、面白いと思ってもレスを返さないと書き手には何も伝わりません。
職人にまた来てもらいたいと思ったら必ずレスしましょう。
・小説と関係ない話題で盛り上がっていると、書き手のやる気を激しく削ぎます。
特に、小説関係のレスより雑談の方がレスが多いなんてことになると
小説より雑談の方が楽しいのかよなどと思ってしまう書き手もいます。
エロパロ板でするべきではない話題はなるべく慎みましょう。
・小説内で、例えばキャラクターの設定について語られたとします。
次のレスでその小説の感想と一緒に、その設定について話題が振られたとします。
その次のレスでそのキャラクターの設定についてレス…などということになると、
実質的には書き手は感想をひとつしか貰えなかったことになってしまいます。
たとえ小説をきっかけに生まれた話題だとしても、原作の内容について語るときは
小説自体の感想もつけましょう。職人さんを置いてきぼりにすることになります。
新スレ乙&ほしゅ
一応乙。
しかしこのスレタイはいかがなものかと思う、ゾイドはジェネシスだけじゃないんだぞ。
11 :
前スレ985:2006/04/10(月) 00:57:13 ID:RJuD+XLk
帰りが遅くなりました。うっかりと姐さん投下。
慣れてないので見づらかったらすみません。
透かした前髪の向こうで炎が揺れる。
ザイリンは深く俯いたまま、焚き火の前に座り込んでいた。
闇夜に黄色く浮かび上がる炎は、視界にかぶさる髪の色にまぎれて現実ともつかない。
湿った土の感触も、濃い緑の匂いも、全てが遠くに感じられる。
闇の奥で、かすかに水音が跳ねた。
その方角へ目をこらすと、ほのかな月明かりの下でしなやかな影がうごめいている。
(この後におよんでらしいことだな、気持ちは分からんでもないが…)
バイオゾイドを操縦するためのパイロットスーツは、その特殊な形状と気密性のせいで、お世辞にも快適とはいえない。
ましてや、あれだけの長距離飛行をこなした後だ。彼女の常日頃の行動を思えば当然のことではあったが、この気温、この状況下でそれを実行するに至っては、もはや脱帽するしかない。
雪の降りしきるディグより遥かに南下したとはいえ、ようやく春にさしかかった真夜中の森は、身震いするほど寒かった。肌を晒して水浴びするなど、平時は身だしなみにうるさいザイリンでも躊躇するし、何よりそんな気分にはなれなかった。
焚き火に視線を戻して再び俯く。自然、意識はつい数刻前の戦闘へと戻る。
バイオティラノ、そしてジーン。
その圧倒的な力の前に、ザイリンもヴォルケーノもなす術がなかった。
変わり果てた姿となった幼馴染みのウィプス。そして機械兵の真実。
怒りと後悔にまかせて、ザイリンは友と信じていたジーンに戦いを挑んだ。
だが、密かにヴォルケーノに組み込まれていた生体エネルギー変換装置により、数々のデータを抽出・還元して完全体となったバイオティラノは、およそゾイドと呼ばれるものの域を超えていた。
ヴォルケーノも他のゾイドをはるかに凌ぐ存在だが、あれは違う。
まさに神だ。ただしジーンその人の存在を映し取ったかのような、忌むべき禍々しい神だが。
自分はその尖兵となって戦ってきた。単なる被征服民の一少年だったザイリンを見出し、ゾイド乗りとしての才を認め、身分を越えて友と呼んでくれた大国の王太子に報いて──などという、軍の内部でまことしやかに囁かれている、歯の浮くような美談ではないにしろ。
才気に比した野心の持ち主でもあったザイリンは、ディガルドの侵略によって思いがけず知ることとなった己の才を生かすため、その力を存分に揮うことのできる場所を選んだのだ。ただ、それだけのこと。
(…だが、それだけでもなかった)
ゾイドに乗れない人間を奴隷同然に貶めるディガルドにあって、辺境の村の、姓すら持たない平民の子供が、ゾイド乗りとして戦果を挙げる以外に生き延びる方法があっただろうか。
同じ境遇の者ですら、過酷な競争の中で互いを蹴落とすことだけを考えるようになっていく、そんな国で。
周囲の全てが敵とも思える中で、親しみのこもった声をかけてきたのがジーンだった。
王太子という身分より、与えられたものの大きさより、自分という存在を認めてくれた男のために、ザイリンは力を奮った。美談などではない。十分以上に野心もあった。だがザイリンにとって、それは確かに一つの拠り所でもあったのだ。
──何を言い訳がましい。
皮肉にザイリンは口元を歪める。
愉しんでいたではないか、戦いを。過去の自分を思わせる純朴な少年──ルージ君ですら、単に自分の闘争心を満たすための相手としか見なさなかった。ディガルドが村に攻め入ったあの日以来、人としての何かを置き忘れてきた。
結果、報いだったわけだ。ジーンに裏切られたのも、美しい故郷を奪われたのも、真の友だった幼馴染みのウィプスを失ったのも。
いや、裏切りですらない。ジーンの真意を見抜けなかったのは、ひとえにディガルド一のゾイド乗り、王太子の懐刀などとおだてられ、舞い上がっていた自分自身の慢心のせいだ。
「寒い…」
辛うじて保っていた糸が切れそうになり、ザイリンは深く膝を抱いて顔をうずめた。
「寒い、凍えそうだ…」
ひどく情けない声だった。ジーンの耳に届けば、さぞ嘲笑されるだろう。
──軍人が、大の男が何をしている。
叱咤して、また苦笑する。どこまで行っても自分はディガルドの将校だ、他に拠り所などありはしない──
「ザイリン」
不意に気怠い声で名を呼ばれ、ザイリンは顔を上げた。
「…フェルミ」
闇を切り取ったかのように女の形が現れた。水滴の散る豊かな肢体を一枚の布で申し訳程度に覆い隠し、伏し目がちにこちらを見つめている。
「さすがに寒いわね」
ザイリンの独白を聞いた素振りもなく、変わらぬ調子でフェルミは呟く。
呟きながら、白く細い指で長い黒髪をかきあげる。その艶めいた仕草も、布を突き上げるほど盛り上がった谷間も、見せつける意図など毛頭無いに違いない。この女にとってはごく自然なものだ。
ザイリンがいちいちうろたえる謂われもない。
「…だったら早く服を着ろ」
素っ気なく言い放ち、ザイリンはそっぽを向く。
辺境の純な少年だったのは遥か昔、今や二十代も半ばの将校だ。女の裸などいくらでも見る機会はあったし、年相応の経験もある。
今さら脚もあらわな軍服で闊歩するような女の半裸を目にしたところで、感じるところなど何もない。
ない、はずだった。
13 :
前スレ985:2006/04/10(月) 01:24:50 ID:RJuD+XLk
続きは明日以降にします。遅ればせながら1さん乙でした。
ザイリンの描写がなんともイイ
続きが楽しみだ
俺のマグネイズスピアをマグネーザーにエヴォルトさせてくれるエロをたのむ
「嫌よ」
きっぱりした口調で言い放ち、フェルミが歩み寄ってくる。驚いて振り仰いだザイリンの顔を覗き込むようにして、黒髪の女は唇を緩めた。
「服を着ても寒いのは変わらない。あなただってそうでしょう? ディガルドの制服なんかじゃ、余計にね」
意味不明な言葉に眉をひそめる前に、視界が肌色で埋め尽くされた。
「…!?」
一瞬思考が追いつかず、ザイリンはただ目を瞬かせる。
両頬を包み込む柔らかな感触と、女特有の甘い匂いに、ようやく膝をついたフェルミに頭を抱え込まれたのだと理解した。
「何を、する…!?」
声が激しくうわずった。
まるで青二才の反応ではないか、先ほどの冷静さはどこへ行った!
そう自分を罵ったが、混乱するには十分な事態であることも、また確かだ。
「何って、そういうこと。暖めて欲しいし、暖めたいのよ…」
フェルミが耳元で囁く。
──聞かれていた、さっきの言葉を!
かっと頬が熱くなる。
いつもの揶揄するような口調で言われたならば、ザイリンはすぐにでも体を引きはがして立ち上がっただろう。「馬鹿にするな」と怒声を浴びせさえしたかもしれない。
だがフェルミの声は真摯だった。震えてすらいる。
──震えて?
そこで気付いた、震えているのは声だけではない。
頬を包みこんだ二つの丘は、柔らかくはあったがひどく冷たい。見上げれば、ふっくらとした唇もかすかに紫がかっていて、僅かな隙間からのぞく白い歯が、かちかち音を立てている。
「そうまでして汗を流したかったのか…?」
的外れなザイリンの問いに、フェルミが微笑う。
「だって、不潔なままで男に抱かれるわけにはいかないじゃない?」
「……」
──私の意思も確かめず、何を勝手に決めている。
そう文句をつけたかったが、邪気のない笑みにザイリンは押し黙った。
──まるで、別人だ。
躊躇なくザイリンを見捨て、故郷であるソラを陥とし、バイオラプターグイを率いて敵を蹂躙していた『あの女』とは。
もっともザイリンとて、以前のザイリンでは決してない。
それと同じように、フェルミもまた変わったのだとしたら。
焚き火の炎が、不意に強く揺らいだ。風でも吹いたか? だが、それにしては音がない──
「そう、それでいいのよ。女の裸も男の涙も、似たようなものじゃない」
フェルミの声で、頬を灼く熱さに気付く。
「あ…っ!」
思わず声を上げたが遅かった。
迂闊だった、気を緩めすぎた。よりによって、この女の胸でなど…!
「いいじゃない、別に」
見透かしたように、フェルミが腕に力をこめる。逃げる機を逸したザイリンの髪を、しなやかな指がゆっくりと梳き始める。
「…私は…っ!」
言い訳を探したが、嗚咽で声が出てこない。子供のように泣きじゃくりつつも、雄の部分は熱く疼きはじめて、ひどくザイリンを焦らせた。
なりゆきのままフェルミに堕ちていきそうな自分を必死にとどめる。とにかく声を出さなければならない、否定する声を──
「私は、そんな下らない男ではない…!」
快楽に溺れて傷を癒そうとするなど、怠惰で卑劣な男の見本ではないか。少なくとも、ザイリンの中では本能よりも矜持が勝る。
「へぇ、じゃああなたってばそんなに偉いんだ? ザイリン中将」
フェルミが挑発的に耳朶を噛む。
振り払うように顔を背けたが、すかさず追ってきた唇が、うって変わって冷静に囁く。
「男なんてみんな下らないのよ、もちろん女もね」
語尾は、フェルミ自身に向けたものに聞こえた。
「あなたは自棄で、あたしは気まぐれ。それでいいじゃない?」
「…いいものか」
反論に力がこもらず、ザイリンは俯く。涙がぱたぱたと膝に落ち、より惨めな気分になった。
フェルミの指が制服の前を開きはじめても、止める気にすらならない。
上着が脱がされ、土の上に落ちた。抱きついてきたフェルミと共にその上に倒れ込みながら、ザイリンは、無意識に細い腰を抱いていた。
「嘘よ、あなたはつまらなくなんかない。でなきゃあたしも、こんなことはしない…」
吐息にまぎれそうなほど微かな声が、夜気に溶けていった。
18 :
?前スレ985:2006/04/10(月) 21:59:47 ID:RJuD+XLk
うっかりと姐さん、本日分です。キャラが崩れていたら申し訳ないです。
>>14 ありがとうございます、励みになります。
SSは初めてなので拙い部分が多いですが、なんとか書ききってみたいと思います。
>>18 いよっほうヽ(゚∀゚)ノエロスエロース!
続き楽しみ、がんがれー
何か触発されてきた……いいねザイリンと姐さん
前スレ985さん乙、これから先も楽しみです
>>18 GJ! ザイリンの描写、(・∀・)イイ!
エロ無しでも充分いけそうだ。もちろん有りならもっと(ry
続きお待ちしてます。
ザイリンGJ
フェルミもイイ
誰かガボルー書いてくれる人いないかな
ザイリンもフェルミも、中々良い。
…だが、ミィ様分が足りない!!
だれか、ルージ×ミィ投下キボン
24 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:32:05 ID:N7bzHjOu
ミロード村…かつてムラサメライガーを駆り、戦いを突き抜けていった英雄でもある少年ルージ・ファミロンが住まう村。
あの戦いの後、ルージは言葉どおり皆に別れを告げると、ムラサメライガーと共に村へ帰郷。エヴォルトの力でジェネレーターを修復した後、夢の実現の為に勉強に勤しんだ。
その少年だったルージも戦乱の平定から5年の時が経ち凛々しい青年へと成長して、今は立派な教師となって村の子供達の為に小さな学校を開いている。
そして今日も朝から子供達に自分の知識を教授し、いつもの様に授業の終わりを告げた。
「はい、今日はここまで」
「えー!先生!まだ勉強しよう!」
「そうだよ!もっと話し聞かせて!」
ルージが授業を終わらせようとすると不満を漏らす子供達。本来なら授業を嫌がって終わりを嬉しがるだろう。しかしルージの教える授業は、子供達を飽きさせないように工夫がされていた。
好奇心を煽る内容、見てきた世界の姿…確かに伝えるのは難しいが、ルージは解り易い様に纏めながら教えていった。
そんなルージの授業に子供達も、まだ見たことの無い壮大な世界を知りたいと思っていたから授業を真面目に聞いているのだ。
「ごめんよ、今日は午後からライガーの調子を見てやらなくちゃいけないんだ」
「ライガーの?」
「うん、最近一緒に走ってないからさ、だから悪いんだけど当分の間授業は休みにするよ」
「えー」
「その代わり今度は、皆の知りたがっていた仲間達の話をするからさ、ね?」
ここの所忙しくてムラサメライガーと走る時間も無い。子供達に教える授業の内容を考えるのに時間がかかり、一緒にいられても過去のように縦横無尽には走れないのだ。
「うーん、仕方ないな…先生がそこまで言うなら…」
「本当にごめん」
「ううん、じゃあまた今度たっくさんお話してよ」
「分かったよ、約束だ」
ルージは子供達に申し訳無さそうに笑顔を見せると、教書を纏め脇に抱えながら手を振って自分の家に走っていく。
「さて!何処に行こうかな!」
前から決めていた久々の遠出…期待に踊るルージは仲間と共に過ごしたあの時の少年のような心に戻っていた…。
26 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:34:44 ID:N7bzHjOu
授業を終わりにしたルージは遠出の準備をしようと急いで家に帰る。待ちに待った時であった…5年もの間外の世界を我慢して勉強に明け暮れた毎日を思い出す。
「はぁ…はぁ…」
すぐに旅に出たかったルージは息を切らしながらも走る事を止めようとはせず、ムラサメライガーが守護神のように止まっている家の前まで全速力で走る。
「はぁ…ただいま…ムラサメライガー」
日課となっているライガーへの挨拶を済まし、深呼吸をして息を整えて玄関のドアを開けようとするが。ふと家の中から家族と誰かが談笑する声が聞こえてきた。
「誰か来てるのか?…あれ?この声…どこかで」
村の人ではない…だが知っている声であった。だがどこで聞いたか忘れてしまい記憶の隅から掘り返そうとする。
「うーん…誰だったかな…」
いくら思い出そうとしても分からない。まぁどの道家に入るのだから誰だか分かるだろう…ルージは失礼の無いように大して着崩れもしてない服を正すと、玄関のドアを開けて居間へと進んでいった。
「ただいま」
「あら、ルージ、お帰りなさい」
「えっ…ルー…ジ?」
居間に入ると母のミンが笑顔で迎えてくれた。そして先ほどの声の主なのか、ミンの反対側に座る少女もゆっくりとこちらに顔を向ける。
27 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:35:49 ID:N7bzHjOu
「ほら、ルージの一番大切なお客さんが来てるわよ」
「お、おば様!」
「あらあら、おば様だなんて…もうお義母さんでもいいのよぉ」
「あ、あの…一体何を話してるのか分からないんですけど…」
よく意味が分からない会話についていけないルージは首を傾げていたが、少女の方は理解しているらしく顔を真っ赤にさせてミンと話していた。
「じゃあ、ごゆっくり…ルージ」
「か、母さん?」
ミンはまるでお見合いをさせるかのように、ルージと少女を置いてニコニコしながら退室していく。
「ひ、久しぶりね…ルージ」
「あ、いえ…どうも、お久しぶりです」
「どうしたのよ…?敬語なんて使って…」
ぎこちない様子で挨拶をする少女にとりあえず丁寧に挨拶を返すルージ、だがそれが誰なのかは分からないルージは少女に対して他人行儀だった。
「(…あれ?誰だっけ…どこかで会った様な)」
少女の顔に見覚えがあるルージ。腰まで伸びた美しい薄い茶色の髪とまだ幼さの残る可愛らしい顔…それが記憶の中の何に引っ掛かった。
28 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:36:47 ID:N7bzHjOu
相変わらず少女はこちらを見ている。相手は知っているのだろうがこっちは丸っきり…このまま沈黙でも失礼だなと、ルージは思い切って名前を尋ねる事にした。
「あ、あの…失礼ですが…」
「な、何よ…改まっちゃって…」
「…どちら様ですか?」
ブチッ!
空気を切り裂くように何かが切れた音がした。この音にも聞き覚えがあった…そうあれは…と思い出した時であった。
「うぎゃぁぁぁー!」
「何、私のことを忘れてるのよ!貴方は!」
ボキボキという生々しい音と悲鳴がミロード村に響き渡る。怒りを露にした彼女が立ち上がると、突然ルージに抱きつきサバ折を決めたのだった。
確信した。彼女はこのミロード村から世界の解放まで一緒に戦い抜いた仲間のレ・ミィであることに。
「な、何だ…ミ、ミィ…だったのかぁ…ぐぎゃぁー!」
29 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:37:42 ID:N7bzHjOu
「何だ…ミィだったのか…じゃないわよ!」
「うぁぁぁ!も、もう死ぬ!ギブ!ギブッ!」
手を振り回して降参の合図をするが全く相手にせず、ミィはより一層ルージを締め付ける。死ぬ寸前にまで追い込む力は5年前と比べ格段に上がっていた。
「あぐぁぁ…許して…」
「ふふふ、仕方ないわね」
瀕死間近のルージにミィは悪魔の様な笑みを見せると、サバ折を止めてパッと身体を離した。
「げほっ…げほっ…いきなり酷いじゃないか…」
「酷いのはどっちよ!せっかく来てあげたのに私のことを忘れて!」
「ご、ごめん…5年前のミィと全然違ってたから…」
「何が違ってるっていうのよ!」
「そ、それは…」
青春真っ盛りのルージは、胸…だと言いたかった。先ほどレ・ミィブリーカーを喰らっている時に、自分の身体に当たっていたミィの胸は、5年前の洗濯板とは思えないほどふくよかになっており凄く柔らかかった。
だがそんな事言ったら殺されるな。とルージは身震いをして素直に別の本音を言った。
30 :
5年の時…:2006/04/11(火) 15:38:25 ID:N7bzHjOu
「その…美人になって見違えた…なんて…」
「え…?」
「い、いや…だから…美人になって凄く綺麗だなって思って…」
「ば、ばか…当たり前でしょ…一応お姫様なんだから…」
焦りながら喋るルージとは対照的にミィは戸惑っていた。その原因はルージの言葉だったのだろう…。
「そ、それに私が美人にならないなんて万に一つもあるわけが無いわ!」
「その自信…やっぱりミィだよね」
「何よ!その呆れた態度は!」
「え…いや…その…綺麗になっても中身は変わらな…」
「ルゥゥゥジィィー!」
「うわぁぁー!」
怒りのオーラを纏ったミィを止める術は無い…一緒に旅をしてきたルージには分かっている。反射的に足が玄関の方に向かっていた。
「待ちなさい!」
「嫌だー!」
叫びはまたミロード村に響いていく。ふと砂浜で漁に出かけた夫のラージの帰りを待っていたミンが、その声の元に振り向くと赤い髪の息子と鬼の形相で追いかける嫁がいた。
「あらあら、さっそく夫婦喧嘩かしら?」
いつもニコニコとして冗談にも聞こえないミンの言葉は小波によってかき消されていった…。
31 :
むらさめ〜:2006/04/11(火) 15:41:45 ID:N7bzHjOu
ここまで、エロはまだ完成してません…申し訳ない。
後でガボルーの続きを書こうかなとは思いますが、いつになるやら…。
>>31 おつかれGJです〜(*´Д`)ハァハァ
でもミィの胸がふくよか・・・・信じられないw・・・
ミィ様キタ━━(゚∀゚)━━!!
GJです!続きをwktkしながら待ってます!!
エロの直前でデータ吹っ飛んだってパターンばっかなんでできれば書き終わってから投下してくれまいか
35 :
47話直後・5:2006/04/11(火) 20:31:36 ID:QihIl83u
見慣れない星座ばかりだった。
もっともディグの空は常に排煙に覆われて、星明かりどころか日の光すら射しはしないが、星座から方位を知る術は、軍事学の一環であり、司令官としての必須技能だった。
実際目にしたことこそないが、ディグから見えるはずの星座とその位置は、正確にザイリンの頭に記憶されていた。
──ああ、やはりずいぶん南へ来たのだな。もうトラフも遠くはない──
激昂はすでに去り、ぼんやりと夜空を見上げるザイリンの心は穏やかに凪いでいた。
艶やかな黒髪が胸板をくすぐる感触が、やけに心地良い。
さすがにフェルミは巧みだった。指が、舌が、唇が、滑るように肌を這うたびに、硬くこわばっていた体がほぐれていく。
すでに上着以外の服も脱がされて、フェルミもまた、膨らみとくびれのはっきりとした裸身を晒している。
月明かりと星明かりに照らされた造形を、ザイリンは素直に美しいと思った。それもまた、彼女が投げかけた言葉のせいなのだろうか。
──あなたはつまらなくなんかない
気まぐれで奔放な女の言葉に、ひと時とはいえ縋ろうとしていた。
情事の最中ですら軍人としての思考しか紡げない男が、笑わせる話かもしれないが。
「思っていたよりも、ずっと鍛えてるんじゃない」
耳をくすぐる甘い声に、ザイリンは我に返った。
間近で羽根をかたどった耳飾りが揺れて、フェルミが微笑う。
「もっと華奢かと思ってたけど、着痩せする性質なのね」
指で胸や脇腹の筋をなぞりながら、低く囁く。
「当たり前だ、一応は軍人だぞ」
言ってザイリンは自嘲する。──まったく、どこまでも私は。
「軍人だからじゃなくて、ザイリンだから、でしょ?」
思いがけないフェルミの言葉に、ザイリンは瞬く。
「貧弱な少将もたるんだ中将も、山ほどいたじゃない。特に公国時代からの貴族連中はどうしようもなかったわ」
何より武を重んじるディガルドにあっても、身分や特権階級の類は厳然と存在した。
ソラの間諜であり、実績で叩き上げるまでもなくジーンの側近の座におさまったフェルミが、ザイリンほどに害ある慣習に悩まされていたとは思えないが、煩わしさは同様に感じとっていたようだ。
「見かけと着心地のわりには出来のいいパイロットスーツのお陰で、鍛えるのを忘れちゃう奴の多いこと多いこと。 バイオゾイドの操縦は、そう簡単じゃないのにねぇ?」
おどけたフェルミの物言いに、ザイリンも軽く笑う。
「は…そうかもな」
「もっとも、真面目すぎるのも考えものだけど」
言って、フェルミはザイリンの顔を両手で挟みこむ。
「もう、いい?」
一瞬何のことだか分からなかったが、すぐにああ、と納得する。
最初、唇を拒んだことを言っているのだろう。さすがに涙顔のまま押し倒されて、すぐに許すつもりにはなれなかった。
「…構わない」
できるだけ柔らかく答えると、フェルミの瞳がふっと緩み、近づいてきた。
その瞼が落ちると同時に、ザイリンも目を閉じる。
何度かついばむように触れられた後で、湿った舌が中に忍び込んでくる。応じる動作を最小限にとどめていると、フェルミの方で十分に動いてくれた。
──今までの、どの女よりもいいかもしれない。
無粋でもあり、意外でもある感想を抱きながら、ザイリンはフェルミの背に腕を回した。
36 :
47話直後6:2006/04/11(火) 20:32:43 ID:QihIl83u
初めは重なるのをためらうほどひんやりとしていた肌は、いつしか熱く火照り、掌に心地よかった。
「これなら、風邪をひくことはなさそうだな」
「──え?」
安堵したようなザイリンの声に、フェルミがさも意外といった風情で見上げてくる。
「随分青ざめていたからな。もし私が応じなかったらどうするつもりだったんだ?」
「…さあね」
フェルミはぷいとそっぽを向いたが、すぐに「やっぱり面白い…」と呟きつつ視線を戻してきた。
「心配してくれたお礼に、ザイリンも暖かくしてあげる」
ねめあげるような挑発的な目でそう言うと、ちろりと舌を出し、体を起こして位置をずらそうとする。
フェルミの意図を悟って、ザイリンはその肩を掴んだ。
「よせ、そういうのは趣味じゃない」
妓館の女なら話は別だが、一個人として抱き合う相手に、一方的に奉仕されても嬉しくはない。
いかに相手が奔放な性格と分かっていても、だ。
「…本当、変わってるのねぇ。そんなこと言われたのは、初めよ」
フェルミが瞬く。
さすがに口にはしなかったが、「これを喜ばない男なんて信じられない」と言いたかったのに違いない。
「…放っておけ」
ザイリンは憮然とする。自分でも堅物とは思うが、性分というのはどうしようもない。
「じゃあ、これならどう?」
悪戯っぽい笑みとともに、白い手がいきなり伸びてきて、油断していた場所に置かれた。
う、と微かに呻いたあとで、ザイリンは更に眉を険しくする。
「なぜそうまで自分でしたがる。私には任せられない、とでも言うのか?」
「違うわよ。あなたに…ザイリンに触っていたいのよ」
駄目? とフェルミが小首を傾げる。
面食らったザイリンの沈黙を肯定と受け取ったか、フェルミはふふっと笑ってそのまま指を絡めだした。
37 :
前スレ985:2006/04/11(火) 20:34:13 ID:QihIl83u
今晩は。うっかりと姐さん、本日分です。
ようやくさしかかってきましたが、こんな感じであまり激しくはならないかも…。
>>31 むらさめ氏乙です。後日談ktkr!
やはりルージくんの受難は続くのねw てかミン母さんお茶目。
>>37 今日もGJ!続きも待ってる
>>37 マターリシトーリエロース(・∀・)イイ!!
もうちょっと改行入れてもいいかも。続きwktk!
イイヨイイヨー(゚∀゚)イイYO!
もっと嬲るように責め立てられるのかと思ったが、存外にフェルミは優しかった。
弄ぶでもなく苛むでもなく、年上の男の沽券を傷つけないよう愛してくれている。
だがその技巧は、やはりザイリンの知るものとは比べものにならず、
耐えきれずに声が漏れ出る。
「…っ、く…っ」
歯を食いしばって堪えていると、「ずいぶん我慢強いのね」とくすぐるように言われた。
皮肉でなく素直な賛辞のようだが、正直、ザイリンには少しも余裕はなかった。
互いに半身を起こして抱き合いながらも、頭半分背の低いフェルミに縋りつき、
細い肩を鷲づかみにして辛うじて己を保っている状態だ。
「う…あっ!」
ひと際大きな刺激の波が襲い、たまらずザイリンは声を上げる。
「フェ…ルミ…っ、もう…っ」
切れ切れの息に乗せて限界を伝えると、絡み付いていた指が瞬時に解かれた。
掴んでいた肩の感触が失せて、長い黒髪がふわりと広がる。
少しの後に、こくりこくりと喉を鳴らす音が聞こえた。
ザイリンの果てた結果を丁寧に呑み下しながら、
フェルミは顔に落ちかかる髪を何度も掻き上げている。
両手を後ろについてその様を見下ろしながら、ザイリンは肩を大きく上下させて、
乱れた呼吸を整えようとした。
しかし、幾度となく達した後では容易ではなかった。優しくはしても手加減はしない女だ、
士官学校時代の最も激しい訓練と比べても遜色のない消耗だった。
「…っ、はあっ、もう、いいだろう…」
回復を待っていては、いつまたフェルミに捕らえられるか知れない。
そう断じたザイリンは、荒い息をつきながらも腕を伸ばし、
恍惚とした表情で唇を舐めているフェルミを引き寄せた。
「ちょっと、あたしはまだ…」
「──次は私の番だ」
抗議するフェルミを強引に抱き込むと、のけぞった首筋に歯を立てる。
んん…と不満とも興奮ともつかない喘ぎを漏らしたフェルミの喉を、
猫の仔を馴らすように指の腹で撫で上げ、同時にその弱く薄い部分の肌を吸い上げる。
「ん!…ああんっ!」
耳に心地よい鳴き声にザイリンは満足する。
愛撫をさらに下へ進めながらフェルミを押し倒し、ゆっくりと上に被さる。
「や、熱い…」
何度も火を付けられて火照りきった肌を押し当てると、フェルミが怯えたように身をよじった。
その意外なほど初々しい反応に、さらに熱が高まる。
「君だって十分に熱い…」
たわわな膨らみに口づけながら、下肢へと手を伸ばした。
肉感的だが十分に引き締まった脚を押し広げ、膝を入れて固定する。
付け根の部分に指を這わせて、しばし濡れた感触を楽しんだ。
43 :
?前スレ985:2006/04/13(木) 02:00:05 ID:3GEm7+7N
遅くなりました、日刊うっかりと姐さんです。
アドバイス頂いた改行を試してみました。見やすくなっていると良いのですが。
?前スレ985 氏イイ!!(;´Д`)ハァハァ
47話にて、一話まるまる使って丁寧に描かれたザイリンとのフェルミの心の迷いと動き・・・・・
その後に続くに相応しいSSです。
47話の後に、
なんの迷いもなくいきなりジーンに全て罪を押し付けて打倒ジーンに行動し、フェルミのことを全く話題にすらしないザイリン
最終回で、いきなり「ソウタ!」のフェルミ
にとても違和感と盛り下がった自分としては、?前スレ985氏のSSにとても癒されます(;´Д`)ハァハァ
いまでも、演説文破って、ザイリンとジーンの戦いをじっと見詰めるフェルミのシーンは
二人の対峙、フェルミの衣装、表情といい、ジェネシスでも髄一のベストシーンです
>>43 日刊乙です。ザイリンの反撃?クルーーー (*゚∀゚)=3
「日刊うっかりと姐さん」で挿絵入りでわら半紙刷りした奴を行商人姿のザイリンが配ってるのを想像したw
なんかイメージが間違ってる気がする…
47 :
47話直後・9:2006/04/13(木) 23:56:13 ID:3GEm7+7N
「ん…く…ぅ」
差し入れた指を動かすたびに、フェルミが喘ぐ。
ときに強く、ときにゆるやかに、熟れた果実のような中をまさぐり続ける。
あれほど大胆にザイリンを求めていたのが嘘のように、腕の中のフェルミは従順だった。
もっとも、多少抵抗されようとも放す気は無かったが。
あれ以上搾り取られては、本当に動けなくなってしまう。
「あ…あ、ぅ…っ」
豊かな膨らみの先端を口に含んで転がすと、ぴくん、と柔らかな体が跳ねて、
指にまとわりつく潤みがいっそう濃くなる。
じっくり慈しんでフェルミが蕩けきった頃を見計らうと、ザイリンは一転して、
甘えてくる体を乱暴に組み敷いた。
え? と夢から醒めたような目を向けるフェルミに薄く笑んでみせる。
「さっきあれだけしてくれたのだ。少しは仕返しさせてもらうぞ」
「ちょっと…何?」
みなまで言わせず、こじあけるように白い膝を倒すと、今度は強引に指をねじ込む。
裂くような勢いで中を掻き回すと、フェルミはのけぞって首を振った。
「あ、ああああっ!」
「このくらい、どうということはないだろう?」
全くの本音だったが、フェルミはそうは思わなかったらしい。
「な…によ、趣味じゃない、なん…て、お行儀のいいこと、言っ…て、おい…て…っ!」
「それとこれとは話が別だ」
絶え絶えに訴えるフェルミにさらりと言い放つと、探り当てた花芽をきつくねじった。
慣れも不慣れも関係ない、女の一番弱い部分だ。
「い、痛っ! やめ…!」
高く叫んだフェルミを無視し、傷をつけない程度に爪を立てていたぶる。
いつもは眠たげなフェルミの瞳が、いっぱいに見開かれる。
「や…くる、し…!」
演技でなく本当に痛がっているのを見て、ようやくザイリンは手を止めた。
解放されたフェルミは、声もなくただ喘いでいる。
「意地、悪…っ…」
やっと息をついたフェルミが、肩をわななかせながら呻いた。
「あなたが、こんなことをするなんて、思わなかった…!」
「私だって男だ。あれだけいいようにされれば大人げなくもなる」
軽口で流したつもりだったが、明らかに潤んだフェルミの目を見て、
ザイリンは素直に詫びる気になった。
「…すまない。もっと馴染んでいるものかと思っていた」
一瞬フェルミの顔が凍った。ただならぬ表情に、ザイリンは深刻な何かを感じとる。
ザイリンの感想はフェルミの日頃の振る舞いを他意無く評価したものにすぎなかったし、
そもそもフェルミは他人の評価に一喜一憂するような女ではない。
もっと、別の何かがひっかかる──
「──もういい、来て」
ザイリンの思考を断ち切るかのように、フェルミが首に腕を回してきた。その背を
あやすように撫でながらも、違和感を拭えないザイリンに、フェルミは再度促す。
「…あんまり恥をかかせないでよ、早く…」
ああ…と頷いて、ザイリンはすがりつくフェルミを抱きしめた。
「悪かった。もうあんな真似はしない」
「いいのよもう…まったくお堅いんだから」
その言い方に救われたような気がして、ザイリンはもう一度「悪かった」と呟くと、
なるべくいたわるようにしてフェルミの上になった。
49 :
前スレ985:2006/04/13(木) 23:58:27 ID:3GEm7+7N
日刊うっかりと姐さん、配達にあがりました。番号が飛んでいますが7と8は前回入れ忘れたものです。
>>44 ありがとうございます。後半はいろいろ大人の事情があったようですが、
勿体ない部分を補完したくて妄想したSSなので、そう言って頂けると嬉しいです。
ソウタの部分も書くつもりではいますので、良ければお付き合いください。
>>46 うっかり未成年に配って通報されるザイリン、うっかりルージくんにあげて軽蔑されるザイリン、
という感じでしょうか。挿絵があったらなおヤヴァイですね!
んんん〜?
フェルミってジーンの肉奴隷でガバガバと思ってたのに
フェルミカワイス
>>49 お疲れ様です
毎日この様な素晴らしいものが見れて感謝してます
明日が楽しみですわ
>>49 兄さん、日刊うっかりと姐さん最新号、1部くれや!
てことで今日も乙&GJ!です。
フェルミ姐さんカワイス。 wktkで待機。
GJです。ザイリン遂にフェルミの魅力にはまったかw
けっこう似た物同士かも
ザイリンの重さを全身で感じながら、フェルミは息を殺している。
あられもなく押し開かれた場所にかかる圧力は、今まで幾度となく経験したものだが、
それを与えている相手のことを想って震えている。
体の奥深くを侵される感覚には慣れきっているはずなのに、
どうしてこんなに胸が詰まるんだろう。──声も出せない、いや、出したくない。
露骨な悦びの声は大半の男を満足させるが、きっと彼は、そういうのを嫌うだろうから。
「…大丈夫か?」
乱れた呼吸でザイリンが問う。頬にかかる熱い吐息が、さらにフェルミを疼かせる。
苦しいならやめる、と続けたザイリンの頭を無言で抱え込んで先を促すと、
一旦止まった動きがより緩やかなものになって再開される。
──馬鹿みたい、なに気を遣っちゃってるのよ。
思考とは裏腹に、フェルミの胸は熱くなる。
こんな風に繊細に扱われた記憶はついぞない。まるで、玻璃の器にでもなった気分だ。
──最近、特にひどかったせいかもしれないわね…。
ぼんやりと、他人事のようにフェルミは思った。
ジーンとは、男と女の関係だった。
ディガルドの支配者となるべくソラから送り込まれた男と、それを監視すべく派遣された女。
互いに野望と思惑を抱いた異性が肚を探りあうには、一番手っ取り早い方法だった。
情があったわけでも何でもない。何度体を重ねても、それは変わりはしなかった。
だが、ジーンは常に並み以上の満足を与えてくれたし、寝台を離れても存分にフェルミを
愉しませてくれた。
だからこそ、 バイオプテラの設計図を渡してラプターグイの量産に協力もしたし、フェルミを
享楽的な異端児と疎み、体よく地上へ追い払ったソラを先陣きって陥とす役割も担ったのだ。
あのつまらない過去と停滞の象徴、形ばかり美しい抜け殻のような都市が墜落した時には、
身震いするほどの歓喜を味わったものだ。
出産調整だかなんだか知らないが、厳密な計画によって生まれた数限られた子供の内の
一人が、ちょっとばかり気に食わない出来だったからといって、まるで罪人か不要品のように
扱うなどと、身勝手がすぎる話ではないか。
──だったらあたしも勝手にさせてもらう。
それがフェルミの行動原理だった。
「つまらない」のは嫌い。「楽しい」ことだけが好き…。
まるで必然のようにして出会ったジーンは、そんなフェルミの格好の遊び相手だった。
傲岸不遜な、けど、そう振る舞うにふさわしい実力を兼ね備えた男。
しかし、ソラを陥としてからのジーンは目に見えて変わった。
単に本性を顕わしただけ、といえばそれまでだが、フェルミには、圧倒的な力を得て
膨れ上がった自らの野望に浸食されていったかのように見えた。
さらに、元々そういう傾向のある男だったが、フェルミとの逢瀬でも明らかに嗜虐性を増した。
うんざりしたフェルミが応じなくなると、不意を打たれて無理矢理に抱かれた。
二度と逆らえないようにとでもいうのか、考えうる限りのおぞましい方法で散々に陵辱された。
フェルミは感覚の糸を全て断ち切って、一部始終を他人事のように見つめていたが、
まともに受け止めていたなら心が砕けていただろう。
並みの女ではないフェルミは、以後何事もなかったかのように振る舞い、襤褸きれの
ようになった自分にも大して感想を抱かなかったが、それでもジーンの狂気をそのまま
植え付けられたかのように、重い痼りがどこかに残った。
目に見える痣や傷はほとんど消えたが、こうしていたわりをこめた抱かれ方をしていても、
時折突き抜けるような痛みが全身を襲う。
さきほど必要以上にザイリンを責め立てたのも、なるべく自分の体が楽なように、
ほどほどに疲れていてもらいたかったからだ。
そして何より、自分が小娘みたいに怯える体になってしまっていることを、
ザイリンには知られたくない。かつての友がそこまで狂ってしまったことを知れば、
この甘すぎる男はどれだけ苦しむだろう。
あんな子供の負けん気にも似た罪のない悪戯を、真剣に悔いて詫びるような男に
知らせることはない…。
58 :
?前スレ985:2006/04/14(金) 23:07:41 ID:xkhG3AUZ
今日も日刊できました。うっかりと姐さんです。
なんかフェルミが鬱なことになってて申し訳ないんですがorz
ずっと連投してますが大丈夫なんでしょうか? 他の方の投下の邪魔でしたら一旦休みます。
いえもー個人的にはOKOK
むしろ触発されて自分も何か書きたくなってきた
フェルミモエー!!
ぶっちゃけその鬱どころが萌える
所構わずバスタブ置いて風呂入るような痴女だし
>>58 今日も乙です。てか、このクオリティを毎日維持するって…凄すぎ。
原作では描かれなかった/描けなかったフェルミの補完GJ!
何回も読み返してますが、エロワードもエロ擬音もほとんどないのにエロス(;´Д`)ハァハァ
乙ですよ。文章力スゲエ
流れをブった斬って
ミィ様まだー?(AA略
うっかり職人さんも超GJだが確かにミィ様もみたいな
勢いってものもあるだろうから無理に休まんでもいいと思うが、一人で頑張るのも大変だろうし
「…ねえザイリン。あたしって、何だったのかしらね…」
動きはごく緩やかなさざ波のようで、お互い果てるにはほど遠い。
ずっと身を硬くしている自分のためにそうしてくれているのだと悟って、
フェルミは弱音を吐いてみる気になった。
「ソラの女なのにソラを陥として。…でも、地上のどこにも居場所なんてない。
何もかも自業自得だって言えば、それまでなんだけどね…」
「…私のせいだな、すまない」
波が岸に達したかのように揺れが止まった。ザイリンが浅い息を繰り返した後で、
悼むような目を向けてくる。
「ジーンから私を助けたせいで、君はディガルドでの居場所を失った。
…詫びたとしても、済むことではないが」
心底そう思っているらしい声音に、なぜだかフェルミは泣きたくなった。
「…違う、それはあたしがそうしたかったからよ。言ったじゃない、ほんの気まぐれだって」
「しかし」
違う、とフェルミはもう一度かぶりを振る。地位など、ディガルドでの権力など、
フェルミの言う『居場所』ではない。
「あたしはいつだってしたいようにするのよ。ジーンの思い通りにさせたくなかった。
あたしをつまらなくしたあいつに、仕返ししたかっただけよ」
利用されて、滅茶苦茶にされて、捨て置かれて。
たまらない。このままでは終われない。目にものをみせてやる。
──分かってる。これはただの八つ当たりだ。
利用していたのはフェルミも同じだ。ジーンに加担したのは、
それこそ「したかったから」に過ぎない。
どこまでも己のことしか考えない者同士が、背中に刃を隠し持ちながら騙し合いを
続けていた。結果、術策で劣ったフェルミが切り捨てられた──
つまらない男とつまらない女が、似合いの結末を迎えたという訳だ。
挙げ句に、貸しを作った男の弱みにつけこんで傷を癒そうとしている。
「暖めたい」なんてお笑いぐさだ。フェルミの方こそ、ザイリンの熱に狂って
全てを忘れたかったのだ。
ああやって情に訴えれば、決して拒まれることはない。
全部読んだ上での振る舞いだった。この甘くて、お人好しで、ひどく優しい男のことを──
「…そんな風に自分を貶めるな。助けてくれたのは事実だ。君がいなければ、
私はディグで死んでいた」
──ほら、だから。
「ありがとう、感謝している」
──そんな風に言うから。
「それに、君とこうなることで気持ちも救われた気がする」
──本当に、馬鹿じゃないの──
「だから…もう泣くな」
え…と戸惑うフェルミの目元を、伸びてきた指が拭った。
流れ落ちるものが熱くて、止められない自分が悔しくて、フェルミは逃げるように顔を背けた。
「なん…で…」
しゃくりあげながらフェルミは絞り出す。ザイリンの手を振り払い、両手で顔を覆った。
「なんで、あたしが、泣かなきゃいけない…のよっ。ジーンだって、あなただって、全部利用
してやるつもりだった…のにっ…。ただ、楽しく生きていたかった、それだけなのに…っ!」
こんなのあたしじゃない。フェルミじゃない。でも、本当の自分が何なのか、もう分からない。
「利用されてやる」
息が詰まるほど強く抱きしめられて、フェルミは身をすくめる。
「私で良ければ、いくらでも。だからもう、そんな言い方をするな」
そっと手を除けると、青い目が間近で見ていた。
目尻を、頬を拭いながらザイリンの唇が降りてくる。わななくフェルミの口元にそっと重なり、
割って入ってきた舌があやすように中で絡まる。
「ん…」
フェルミはきつく目を閉じて、しばし全てを委ねる。熱く湿った感触以上に、
胸の奥で何かが溶けていく気がした。
力が抜けていく。気が遠くなっていく。
ぐったりとした体をしっかりと抱え直されて、フェルミは陶然となった。
「──泣いているのは、体が辛いからじゃないな?」
唇を離したザイリンに穏やかに問われて、フェルミはうん、と頷く。
貫かれている奥が痛むのは相変わらずだったが、この言葉は嘘じゃない。
「なら、最後まで抱くぞ…」
うん、ともう一度頷くと、フェルミは狂おしいほどの衝動に導かれるままに、
ザイリンにしがみついた。
67 :
前スレ985:2006/04/16(日) 18:21:36 ID:pHcynT7d
ちょっと開けてみましたがザイ×フェル投下しますね。
今日はこれで終わりです。レスくれた方々感謝です。
あまーーい!!
とーろーーけーーーるーーーー
GJ(*´Д`*)bΣ
GJ!
こりゃ、もうお腹ポンポン確実だね(〃 ̄ー ̄〃)
こういう耽美系は好き嫌いが分かれると思ったけど
>>67 甘いのキタ━━━━━(〃▽〃)━━━━━!!!!
フェルミファン増加の予感。 そしてザイリンがうっかりなんて呼ばれてるのが嘘のようにカッコイイな。
GJ!!!
>>67 GJ! GJ!!
フェルミの心の動きに、マヂで泣かされました。
74 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:32:57 ID:POCa+Ieq
前スレでいくつか書かせてもらった者です。
最終回後のルージ×ミィの話を書いてみました。ただ、予定より前フリが長くなってしまい、
エロにいく前に一区切りつけておくことにしました。というわけで、エロなしですorz
伝える想い、過ぎゆく時間
戦いは終わった。
自由の丘での決戦は討伐軍の勝利で幕を閉じ、時代はゆっくりと平和の道のりへと進みつつあった。
行方不明だったラ・カンが無事帰還を遂げ、彼は大陸中に戦いの終了を宣言した。とはいえ、ディガルド
という強国が突然倒れたとなると、混乱は必至だ。
失った故国の復興という目的を掲げるラ・カンではあったが、決して焦ることはなかった。彼はズーリに
戻り、諸国の王や領主たちと連日の会議を執り行った。ディガルドは国を治めるべき人物が誰もなく、
このままでは何の罪もない民人が放り出されることになってしまう。また、ジーン亡き後、彼に付き従って
いた僅かな軍勢も降伏してきており、討伐軍に加わったディガルド兵共々、その後の道を与えてやらねば
ならなかった。
最大の脅威であったディガルドが消えたことで、諸国の王は誰もがその国土や高い技術力を欲して
いたが、それに対してラ・カンは同じ過ちを繰り返さないために苦心を重ねた。ただ敵を倒せばいいと
いう戦いとは違う。一歩間違えれば、再び戦乱を呼びかねない。
そうして、表面上は緩やかに一ヶ月が経とうとしていた。
75 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:35:40 ID:POCa+Ieq
「……ージ! ルージ!!」
「ぅわっ!? ミ、ミィ!?」
耳元で大声を出され、ルージはビックリしながら本から顔を上げた。見上げた先にあるのは、
気の強そうな顔立ちを更にきつくしている少女──ミィだった。反射的に腰が引けているルージを
一睨みし、顔を近づける。
「なんで逃げるのよ?」
「逃げてないよ。ちょっと……驚いただけで」
「私、何度も部屋のドアをノックして、名前も呼んだわよ」
「……ご、ごめん」
小さくなったルージをしばらく見つめた後、ミィは仕方がないといった感じで溜め息をついた。
ルージが読書を好み、しかも読み始めると止まらないことはよく知っている。それに今読んで
いる本は、ジェネレーターについて書かれたものだ。ルージが周りのことなど一切忘れ、集中
するのも無理はない。
「それで、どうなの? 少しは手がかりはあった?」
ベッドに腰掛けているルージから少し離れた位置に腰を下ろし、ミィは尋ねた。
「うん。……ひょっとしたら、上手くいくかもしれない」
「! 本当に!?」
パラ部長を始めとしたソラシティの人々にも手伝ってもらっているとはいえ、たった一ヶ月で
何らかの方法を見つけているとは思わなかった。
「どんな方法なの?」
「それは──……」
その途端、ルージの表情が曇る。何かを言おうとして、けれど言葉にできず俯いてしまう。その
様子にミィは何とも言えない苛立ちを覚えた。本当にルージは旅の始めの頃と変わらない。
どこか気弱で、優しすぎるくらいで。それがミィにはたまらなく歯痒い。
(おじ様の代理をちゃんと務めたくせに……もうっ!)
戦いは終わったが、相変わらずルージは多忙だ。会議に同席することはもちろん、書状を渡す
ために他国へ赴いたり、ジーンによって街を破壊されズーリへ流れ込んできた人々の不安を
取り除こうと顔を見せたり……何しろ、ジーンを打ち倒したムラサメライガーの乗り手だ。ルージ
自身が望まなくとも、人々は彼を英雄扱いする。
それなのに──ミィとて彼に英雄らしく振舞って欲しいわけではないけれど、どうしてもイライラ
してしまうのだ。
(あの時は……あんなに──)
バイオティラノに捕らえられ、成す術もなかったミィを救ったのはルージだった。一度はゾイドコアを
貫かれ、動けなくなってしまったはずのムラサメライガーが奇跡のように蘇り、ミィの乗るランスタッグを
助け出した。
『ミィーーーーッ!!!』
名前を呼ばれた瞬間、ミィの心には死を目前にした恐怖よりもルージへの想いで溢れた。ルージなら
必ず助けてくれると、自分を守ってくれると無条件に信じることができた。あの決戦前夜、ミィをそっと
抱きしめながら約束してくれたのだから。
「……って、何を思い出してるのよーーっ!!」
「!? ミ、ミィ!? いたっ!」
照れ隠しに振り回したミィの拳が、まともに顔面を直撃した。
「ひ、ひどいじゃないか、ミィ!」
「うるさいわね! さっさと話さないあなたが悪いんでしょ! ほら、どんな方法なの!」
そんな無茶苦茶な、とルージは思ったが、口にはしなかった。ほんの少しだけ弱々しい笑みを浮かべて、
ようやく見つけた今のところ唯一の方法を話した。
76 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:41:22 ID:POCa+Ieq
「──ムラサメライガーを、使うんだ」
「……え?」
「パラさんから教えてもらったんだ。『エヴォルト』っていうのは解体と再構成、死と誕生を繰り返す
能力なんだって」
「それって、どういうこと?」
「オレもちゃんと理解してるわけじゃないけど……ムラサメライガーには強い再生能力があるんだ。
ゾイドコアを破壊されても、乗り手の意志があればすぐに修復する。たぶんコアを切り離して、
ライガーの身体も徹底的に砕かない限り、いつかは甦るんじゃないかな」
「……! だから、あの時も……」
ミィの言葉に、ルージは小さく頷いた。
「うん。だからムラサメライガーのその力をジェネレーターの中枢に使えば、きっと元通りになると
思う。具体的にどうするかは、ジェネレーターの構造そのものをもっと勉強しないと無理だけど……」
しかし明確な手段さえ見つけられなかった以前に比べれば、遥かに飛躍的な進歩だ。だというのに、
ルージの表情は冴えなかった。
「で、何が不満なのよ?」
「え?」
「え? じゃないでしょ! そんな暗い顔しておいて、何も問題がないなんて言わせないわよ!?」
たじろぐルージに指を突きつけながら問い詰める。
「不満ってわけじゃ──」
「じゃあ何なの!?」
ミィの目つきは徐々に剣呑な輝きを帯び始めていた。さっさと言わないと丸焼きよ、くらいは口に
しそうだ。相変わらずの気の短さではあるけれど、自分を気遣ってくれているということはルージ
にも感じ取れた。
だからだろうか、ルージは自分でも驚くほど素直に、胸の中でくすぶり続けていた気持ちを洩らして
いた。
「……怖いんだ」
「何が?」
「ジェネレーターに『エヴォルト』の力を使うってことは、ムラサメライガーを……ジェネレーターの
中に封じないといけないんだ。少なくとも、今はそれしか方法がないし」
「つまり、それって……ルージがムラサメライガーに乗れなくなるってこと?」
「うん」
こみ上げてきた感情を押し殺そうとするように、ルージの口元がぎゅっと締まる。泣くことを必死に
堪えていた幼い頃の自分の姿が重なり、ミィは言葉を見失った。大切なものを失う、あの喪失感は
当人以外には理解できない。けれど、共感はしてしまう。
「ミィは知ってるだろ。オレがムラサメライガー以外のゾイドを動かせないこと」
言われて、そういえばそうだったわね、とミィは頷いた。村一番のゾイド乗りである父を持ちながら、
ルージはこれまでゾイドはおろか、バラッツですら動かせたことがない。唯一の例外が、ミロード村で
発見されたムラサメライガーだ。並みのゾイド乗りでも動かせる適性を持つ者が少ない大型ゾイド
だというのに、ルージはそれを見事に乗りこなした。今では大陸でも有数のゾイド乗りだろう。
しかし今でもやはり、ルージが動かせるのはムラサメライガーだけだ。優れたゾイド乗りともなれば、
多くのゾイドを乗りこなせるはずなのに。
「オレ、分かったんだ。ムラサメライガーは小さい頃のオレの願いを聞いてくれたんだって……
ひょっとしたら、ムラサメライガーは素質のないオレを乗せるっていう『エヴォルト』をしてくれた
のかもって思うんだ」
「……ルージ……」
その時、目の前の少年の表情に浮かんだものは、何だったのだろうか。結局ルージは「ゾイド乗り」
ではないのだ。少なくとも、ムラサメライガーがなければ。
「オレさ、ゾイドに乗れないのはつらくなかった。本当につらかったのは、そのことで父さんや母さんが
悲しそうな顔をしたことなんだ。……なんでオレは父さんの子なのに、ゾイドに乗れないんだろうって、
何度も思った。だから、かな……先生になりたいって考えたのは」
せめて誰かの助けになりたかった。それが辺境の村においてさほど役に立たない知識であっても、
自分が手にしているものを伝えることで、誰かの支えの一つになりたいと思った。今から考えて
みれば、間違いなく逃避もあったのかもしれない。だが幼いルージには、逃げるしかなかった。
教師という新しい道を選んで、つらさなどないと両親に示したかったのだ。
「それがさ、ミィとラ・カンに会って村を出ることになって……いつの間にか、ムラサメライガーが一緒に
いることが当たり前になってたんだ。ゾイドに乗れなかったことなんて忘れてた。
……忘れたかったのかもしれない」
77 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:44:26 ID:POCa+Ieq
「でも……ミロード村のみんなは、きっとあなたを待ってるわ」
「……うん」
分かっているのだろう。ルージの中で、村人たちを裏切ってジェネレーターをこのままにするという
選択肢は、存在しない。もちろん、新しい方法を模索するという可能性はあるだろう。しかしディガルドと
戦うことを決意した時点で、ルージは村人たちの期待を一度裏切ってしまった。
ルージの性格上、二度は決してないとミィは見抜いていた。彼は、そういう人間なのだから。
「だけどオレ、怖いんだ。ムラサメライガーから降りたら、オレはまた父さんや母さんを悲しませる
のかなって。家族だけじゃなくて、今までオレのことを知ってた人たちも……。
だってムラサメライガーがなかったら、オレは……!」
「…………」
その時、ミィが不意に立ち上がる。驚いて顔を上げたルージの右頬を、ミィの小さな手が容赦なく
引っ叩いた。パシィン、という乾いた音が部屋の中で響き、すぐに静まり返った。
半ば茫然としていたルージは、じんじんと痛む右頬にそっと己の手を当てた。熱い。ミィの発した
怒りがそのまま伝わってきたかのようだ。反射的に謝ろうとしたルージだったが、ミィの瞳を見て
言葉を止めた。
「……ミィ」
「ふざけないでっ!」
ミィは、涙を浮かべていた。
「ムラサメライガーが強いから、私たちはあなたを指揮官に選んだと思ってるの?! 違うわ!
ムラサメライガーに乗っているのが、あなただからよ! 世間知らずで、頼りなくて、なのに何でも
かんでも自分でやろうとして、無理ばっかりして、危なっかしくて、バカみたいに正直で……でも、
そんなあなただから! だからおじ様も、コトナも、ガラガも、ロンも、セイジュウロウも、ダ・ジンも、
討伐軍のみんなも……みんな、信じてきたの!」
「……!」
堪えきれずに零れ落ちたミィの涙に、ルージは何も言うことができずにいた。
「強さだけが人を信頼させる全てじゃないわ! もしそうだとしたら、ムラサメライガーはあのバイオ
ティラノと同じってことじゃない!」
「違う!」
たまらず、ルージは叫んだ。
「ムラサメライガーは…ライガーは──オレの、大切な友だちだよ!」
「だったら」
ふわ、と空気が動く。ミィがほんの少し屈んでからルージの頭を抱き寄せ、そっと自分の胸元へ
押し当てた。突然の大胆な行為にルージは顔を赤らめながら離れようともがいた。
「ミ、ミィ……!」
「大丈夫」
普段とは違う、優しい少女の声がルージの鼓動を高鳴らせる。
「ムラサメライガーから降りても、あなたはあなた──ルージ・ファミロンなんだから」
「……! ……っぅ、うぅ……っ」
涙が一粒零れると、押し留めていた感情が一気に堰を切って溢れ出してきた。ミィの胸の中に
いるという恥ずかしさも、今はどうにもならなかった。ただ誰かにあるがままを受け止めてもらった
ことが嬉しくて、そして短い間だったとはいえ傍にあり続けた相棒と別れることが寂しくて、ルージは
声を押し殺して泣いた。
ミィはそんなルージをあやすように、静かに彼を抱きしめた。
78 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:46:42 ID:POCa+Ieq
「……ご、ごめん……ミィ」
目を真っ赤に腫らしたルージが、気恥ずかしさに真っ赤になりながら謝った。あれから長い時間
泣き続けた。自分でもよくここまで泣けたものだと、ルージは身を小さくしている。
ミィはルージの隣に座り、くすくすと笑う。
「別にいいわ。ルージが泣き虫なのは、知ってたし」
「! オ、オレ、今まで泣いてなんかないじゃないか!」
「『ここなら誰も見てないぜ』」
ガラガの声真似(似ていないが)に、ルージは硬直した。
「……!!! な、なんで、それ……!」
「ダ・ジンが私に隠し事できるわけ無いもの」
「…………ダ・ジンさん」
立場が色々あるとはいえ、ほんのちょっとだけダ・ジンを恨めしく思った。項垂れるルージに、
ミィはますます笑みを深くしている。
「いいじゃない、泣いて少しはすっきりしたでしょ?」
「それはまあ、そうだけど……」
「だったら私に感謝すること」
「……そういうこと言わなきゃ感謝するのに」
「何か言った!?」
「な、何にも!」
柳眉を逆立てるミィと、何度も首を横に振るルージ。顔を見合わせた二人は、次の瞬間、思わず
といった感じで吹き出した。二人の笑い声が弾け、穏やかな空気が流れていく。
ひとしきり笑った後、ミィは大きく伸びをした。
「あーあ、何だか疲れちゃった」
「……ありがとう、ミィ」
いつも明るさを失わない少女が傍にいてくれたことを、ルージは本当に感謝した。それと同時に、
改めてミィへの想いがはっきりと浮かび上がっていく。
いつの間にか誰より大切な存在になっていた、守りたいと強く願った彼女が目の前にいる。
「ミィ……」
「……ルー…ジ?」
名を告げた小さな唇に、自分のそれを重ねる。上手く言葉にできない気持ちをすべて込めて、
ルージはミィに口づけた。触れ合った瞬間、ミィの体が微かに震えたが、そっと目を閉じて
ルージを受け入れる。ただ触れ合わせるだけの、幼いキス。けれど二人には、それだけで
充分だった。
「……っ……」
「…………ん」
ややあって、二人はどちらからとも言わずに離れた。閉じていた瞳が見開かれ、すぐ間近に
ある互いの顔を見つめ合う。
(ミィ、真っ赤になってる)
きっと自分の顔も負けず劣らず赤く染まっているのだろう。でも仕方がない。目の前にいるミィは
普段とは違って恥じらいを帯びた表情をしていて、ひどく可愛らしいのだ。見ているだけでルージの
心臓は高鳴り、甘い気持ちが込み上げてくる。
そしてその感情は、ルージ自身意識していなかった衝動となって彼を動かした。もっとミィに触れたい、
抱きしめたい──脈打つ鼓動が全身にそれを伝えていく。
ごくり、とルージの喉が鳴った。
79 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:49:38 ID:POCa+Ieq
「ミィ…オレ……」
彼女の手をぎこちなく、けれど優しく掴む。ミィがはっとしたように顔を上げ、一瞬だけ戸惑った
表情を見せた。素直には受け入れられないようだが、ルージを拒みはしなかった。潤んだ瞳が、
まるでルージを誘うように揺らめいた。
「オレ……す、好きだよ」
「ちゃんと言って」
えっ、と言葉を失うルージに対し、ミィは拗ねたような口振りで言葉を重ねる。
「あなたは、誰が、好きなの?」
「──……っ!?」
「ちゃんと言ってくれなきゃ、許さないんだから」
「そ、そんなぁ……」
ただでさえ「好き」という台詞を口に出すことが恥ずかしかったのに。ルージはほとほと困り果て、
ミィに救いの目を向けるものの、彼女はすっかり自分のペースを取り戻している。こういう時の
彼女が、ちょっとやそっとで意見を翻すことがないのは思い知っている。
やっぱり、言うしかない──ルージは軽く目を閉じ、深呼吸をした。ジーン討伐に際して、集まった
同志たちの前で行った演説の時より、遥かに緊張している自分を感じる。
「オレは……ミィが好きだ」
「…………」
「……ミィ?」
何の反応もなく不安になったルージが声をかけた途端、
「──馬鹿」
「うわっ!?」
微かな呟きと同時に、ミィはルージの胸の中へ飛び込んだ。その勢いに驚きながら、ルージは
しっかりと彼女を受け止める。確かな温もりが今、自分に伝わってくる。ふわりと鼻をくすぐる髪の
匂い、柔らかな身体の感触、それら全てをルージは抱きしめている。そのことが、たまらなく嬉しい。
そしてそれは、ミィも同じだった。彼の、意外に逞しさを感じさせる胸の中で微笑む。
「ずぅっと……待ってたんだから」
「……ごめん、ミィ」
「もう! どうしてそこで謝るのよ!」
「え、だって……」
すっかり身についてしまった反射というか、防衛策というか。
口ごもるルージの、まだ幼さを残した頬にミィはそっと唇を寄せた。また顔を真っ赤にさせる彼の
反応を楽しみながら、ミィは悪戯っぽく笑う。
「そういう時は、キスで誤魔化すのがいい男だって、おじ様が言ってたわ」
「……それって、何だかずるくない?」
「じゃあ、しない?」
「ミィが嫌だって言っても、するよ」
「嘘ばっかり──……ん……っ」
ミィの首筋を掬い上げるようにルージの手が動き、再び二人は口づけを交わした。恐る恐る
重ね合った先程とは違う、身体を寄せ合ったままのキスに、ますます互いの鼓動は高まって
いった。心臓の音が痛いくらいだ。
このドキドキが相手に聞こえていたらどうしよう──二人は同じことを思い、気恥ずかしさを
感じながら、それでも口づけを止めようとはしなかった。
(ミィ……大好きだ)
(好きよ……ルージ)
小さな恋人たちは、こうして想いを通じ合わせた。
ルージがいずれ故郷へ帰らなければならないことも、その日が来れば別れなければならない
ことも──今は気持ちの全てを相手に注ぐこと以外、二人には何もできなかった。
ただ、口づけの間も放すことのなかった互いの手だけが、別れの予感を感じ取っていたのかも
しれない。
答えを出すべき時は、刻一刻と迫っていた──。
80 :
前スレ863:2006/04/17(月) 21:50:51 ID:POCa+Ieq
長文垂れ流し、ご容赦下さい。
次は、何とかエロに……書けるかどうか不安ですが。
/\ __.. -== ̄==- ..._
,-.二ヽ.|´__\ `'´ヽ,ヽ
L..-,─ノ、 7 ` ー- .._..-+ ヽ\
_..-‐"/\ヽ/ / ,;'.l ,.r` ー-! ', ',
_... -‐ '"_,,.. / '.ハ!,;t‐/ ゙!ー-// | \ } i
-─ ,ニ/,/ /,'/:::゚::ヽ';l// l! 、 | , `ー' l
/ '/7ー-, {:.:.ゝ::;ノ __ `レ! | ! ,!
{. { / i /、. ',:.:.:.:. ,...o:ヽ !ハノ-! ,'
', ∨ ヽ.ノ'! `゙ ` !..:::::ノ}、/、/,/
/ ..i ,' |、 /'⌒ヽ .:.:ゝー-'" / 職人様GJなんだから!
-‐' /i !| / ヽニ丶 `ー- " :.:.:.:`>j //
__/  ̄ `l !-r' `ヽヽー-== 7 ´j レ'|v !
. / ヽ、.\ ',"i´ _j_j_,/´\ ! |
{ ,.. -‐- ,>┴- ,ノ. !(ヽ` ,r`,二ヽ\!
. \ / / ̄'ー 、´r,. ) ヽ\// jヽ)
/ / ̄ ̄ ヽ ヽ/\//./ / ノ 'i
{ / \\、/ | /-─= ´ }
`Y! \ヽ_,>! ,'
! 〉' i \ /
/ ノ :| `7ー、 /
>>80 「OVA版のシナリオが流出したんですか?」ってくらい自然だ…GJ!!
てか、この転がりたくなるようなこっぱずかしさといったらw
危うく萌え殺されるところだったぜ!続きも待ってます。
アニメ板でもムラサメライガー使ってジェネレーター直したって言ってたけどどこから出たネタなんだ?
普通に職人探せばいいだけでは
あるいはルージがソラの技術を学んで自分で直したとか
イヤフー!!!!!
甘い!ベタ甘だぜ>80隊長!!!
いいねいいね。続き二兆期待!
>>83 最終回ラストの描写でジェネレーターの中に封じられているっぽい
ムラサメのカットがあってそこからそう推測できる。
もっとも推測以上のものではないが。
それはそれとして前スレ863氏超超GJ!!GJはぐっじょではなくごっじょ!!
>「そういう時は、キスで誤魔化すのがいい男だって、おじ様が言ってたわ」
ちょwおじ様w
>80
ごっじょぶ!
丁寧かつ、本来のキャラクターらしい個性がきちんと表現されていて
読んでいて身悶えしそうです。
続きhgsk期待!
>>31 >>67 >>80 おいおいおい、揃って甘々な流れ作ってるんじゃねえよ職人さん達。 …俺を萌え殺す気ですかアハン(*´д`)
ジェネ終了から約一ヶ月、このスレ覗いててよかったよ。GJだよ!!・゚・(ノД`)・゚・。
ムラサメの再生能力使用して、ジェネレーター修理するのなら
永遠に中にいるのではなく一時的なものでしょう
その内、ジェネレーターの自己機能が回復して、晴れてムラサメはルージの元に
ミィ様キタ━━(゚∀゚)━━!!
たまらん!コレだから甘々はやめられないぜ!!
wktkしながら続き待ってます!
ザイリンがゆっくりと体を沈めてくる。力を抜いて受け入れながらも、フェルミは震えを
抑えきれない。ジーンの暴虐によって荒らされた内側がひりつくように痛んで、初めて
体を裂かれた時のような衝撃が襲った。
「……!」
フェルミは声にならない悲鳴を上げてのたうった。激しく打ち付けられる動きと、自分では
決して触れられない奥を抉る容赦のない圧力に、息が止まりそうになる
「あ……あぁっ!」
身を仰け反らせてザイリンの背中に回した指に力をこめる。その先がくっと沈みこんで、
指の下の皮膚がびくりと震えた。
「つ…っ!」
強く寄せられた眉根と漏れた呻き声に、フェルミは爪を立ててしまったことを知る。
ぬるりと指先が濡れる感触に、思わず身を縮めた。
ジーンにそうしてしまった時には、必ずひどくぶたれた。
それでもあの忌まわしい時には、爪を立てるどころか噛みつき殴りつけて抵抗したものだが、
巌のように頑健な男に通じるはずもなく、与えられる苦痛と屈辱が嵐のように激しさを増した
だけだった。
──嫌だ。
拭いきれない記憶に凍りつくフェルミを、しかしザイリンは熱に浮かされたような目で
見やっただけで、さらに前のめりになって腰を沈めてくる。身を強ばらせて受け入れる
しかないフェルミを、貪るようにして動きを早めた。
「んん…っう、あんっ!」
ぎしり、と体が軋んで、異物を容れられた内奥が灼けつくように痛む。しかし、それ以上に
沸き上がってくる感覚が、フェルミを痺れさせた。
──な、に、これ…?
うねるような快楽の波にフェルミは溺れそうになる。こんな風に感じたことはなかった。
今までも、他の誰にも。ましてや、こんなにも傷んだ体を責め立てられているというのに。
早まる動きと共に波も激しさを増し、フェルミの思考はかき消されていく。耐えきれずに
達しそうになった瞬間、自分の中にいたはずのザイリンが逃げ出そうとするのを感じて、
フェルミは思わず叫んだ。
「…嫌!そのままで、いて…!」
──欲しい。この男が欲しい。それしか考えられない、逃がしたくはない…!
「お願い、ちょうだい…!」
まだ血にぬるむ指先で引き締まった背から腰へと続く線をなぞる。必死で限界を抑えていた
らしいザイリンは、その僅かな刺激にすら苦しげな声を上げて、フェルミの上に倒れ込んだ。
「っ、く…」
フェルミの内と外でザイリンが痙攣し、頂点が近いことを告げる。歯を食いしばって堪える
ザイリンの頭を胸に抱えこむと、フェルミは掠れた息で促した。
「いい、から…。あたしの…中に…!」
「…っ、あ…っ!」
小さな叫びを合図に、揃って限界に達した。心と体の両方が熱いもので満たされるのを
感じながら、フェルミの意識は深い底へと墜ちていった。
92 :
前スレ985:2006/04/19(水) 00:06:47 ID:z4o5/cqU
ザイリン×フェルミの続きです。あと4回くらいの投下で終了するかと思います。
レス下さった方々ありがとうございました。先輩方の作品も大変楽しく読ませて頂いてます。
>>92 待ってました。
エロありなんだけど、それよりも話や心理描写に引き込まれる。
フェルミのイメージ大分変わったよ。 GJ!!
ルーミィもザイフェルも心理描写を重視してて流れに説得力があるなぁ。
本当に素晴らしい。
「筆力がある」というのはこーゆーのを言うんだろうな。
「ん…」
冷たい夜気に撫でられて、フェルミは目覚めた。
闇の帳はまだ重く、引ききらない汗が、激しい情交からさほども時が
過ぎていないことを告げる。
何気に身を起こそうとして不自由さに気付いた。フェルミはまるで、包み込まれるかの
ようにして、しっかりとザイリンの腕に抱きかかえられていた。
──何をしてるのよ…。
醒めきらない頭でフェルミは戸惑う。
フェルミと事を終えた男は、すぐに背を向けるか、でなければ、豊かな胸に甘えついて
くるかのどちらかだった。──いずれも己のためだけの行為だ。そして、それ以外の反応を
フェルミは知らない。
このように、まるで守るかのようにフェルミを抱き締めて眠る男など、かつていはしなかった。
──つくづく変なのね…。
なぜだか可笑しくなったフェルミは、男にしては繊細な輪郭を指でくすぐってみる。しかし、
ザイリンは目覚める気配すらない。規則正しく髪を撫でる寝息が、妙に心地良かった。
──当たり前かぁ…ずいぶんと疲れさせちゃったものねぇ。
不意に、噛みつくほどの勢いで口づけたい衝動にかられたが、フェルミも未だ気怠い余韻に
捕われたままで、身じろぎするのさえ億劫だった。
溜息をつき、こつん、とザイリンの胸に額をつける。
かすかに湿ったままの肌から鼓動と温もりが伝わってきて、それをもっと味わいたくなった
フェルミは、腕を回して目の前の体にしがみついた。
──ああ、そっか…
唐突にフェルミは気付いた。
──あの子も、これが欲しかったんだ…
銀の髪をした、たおやかな少年の面影が浮かんだ。
ソウタ──フェルミが捨てた、壊れたおもちゃ。
次代のディガルドを担うべく、徹底した英才教育を施された子供達の内の一人で、どんな
ゾイドも乗りこなせるという類い稀な資質を持っていた。
資質のみならず、その外見も際立ったもので、バイオケントロの搭乗者に選ばれた
彼の監督役を命じられたフェルミは、一も二もなくそれを承諾した。
面白い上に見栄えもする、可愛い玩具。何を断る必要があるだろう。ソウタを一目見た
だけで、フェルミは彼をいたく気に入った。
もっとも妙に幼い部分がある反面で、情緒不安定で刺々しさの目立つソウタの言動には、
フェルミもいちいち振り回された。本気で鬱陶しく思ったことも、一度や二度ではない。
しかし、それを補って余りある魅力がソウタにはあった。フェルミは監督者の域を越え、
母とも姉ともつかない入れこみようで少年を慈しんだ。
だがそれは、男達がフェルミを求める理由にも似た、自己満足のためだけの行為だった。
幼くして親元を引き離され、軍事のみに偏った教育を受けて心を揺らがせる子供。それを
優しくしたり突き放したりの繰り返しで手玉にとるのは、何とも楽しい遊戯だったというだけだ。
抱き締めて、頭を撫でて、時に気まぐれで突き放す。温もりに飢えた子供がフェルミに依存
の度を増してゆくのは、実に愉快極まりなかった。
しかしソウタは、ズーリにおけるムラサメライガーとの戦いで消息を絶った。
そしてフェルミは、ほんの数日で彼を忘れた。
バイオケントロの機体が四散するほどの爆発の中で、よもやソウタが生き延びていたなどと
思いもよらなかったし、第一、フェルミの寵愛を受けながら無様な敗北を喫した少年になど、
もはや用は無かった。
ソウタと思わぬ再会を果たした時も、驚きはしたが感慨は無かった。
壊れかけた玩具が目の前にある。しかも、フェルミを罵る言葉を吐く。
──目障りだった。鬱陶しかった。目の上の瘤だったロン共々、消えてしまえと
バイオラプターの群れをけしかけた。
ソウタの嘆きと絶望はいかほどのものだったろう。温もりを求めて縋り続けたフェルミに
手ひどく裏切られ、命すら奪われかけて。
残酷な悦びを感じていたフェルミとは裏腹に、ソウタはただ悲嘆にくれていた。あの勝ち気
で生意気だった少年が、憚ることなく声を上げて泣いていた。
──あたしはあの子に、ひどいことをしたんだ…。
今思えば、フェルミもジーンと同じ狂気に捕われていたのかもしれない。フェルミにジーンを
呪う資格など、ありはしなかった。
──結局は、何もかも自業自得だったってわけね…。
ジーンに受けた仕打ちは、あるいは報いだったのかもしれない。ソウタのみならず、フェルミ
が今まで傷つけてきた、全てのものに対しての。
こみあげる感情に瞳が潤んだ。息を詰まらせてフェルミは俯く。
「……フェルミ」
不意に降ってきた声に、はっと顔を上げた。
「…ザイリン?」
いつしか強くしがみついていた男の名を呼んだが、答えはない。端正な面は相変わらず
目を閉じたままで微睡んでおり、目覚める気配は全くなかった。
「…寝言?」
フェルミは呆気にとられた。
「寝言であたしの名前なんか呼ぶわけ? …どこまでおめでたいのよ、まったく」
一度体を交わしただけの女に、何を情を移しているのか。今までの男はジーンはもとより、
他の誰であろうと、無防備な状態でフェルミの名を呼んだことなどない。戯れや駆け引き
でなら、腐るほど耳にしてきたが。
「…本当に馬鹿。こんなので、よく今まで生き延びてこられたわね」
呆れるほどに人が良すぎる。今まで無事だったとしても、今のジーンとディガルドを相手に
永らえるのは、至難の業だろう。
──だったら、あたしが死なせない。
突如沸き上がった強い思いにフェルミは戸惑う。しかし、それを押し流す勢いで、次から
次へと思いが溢れてきた。
──あたしが死なせない、ザイリンもソウタも。絶対に、決して、たとえジーンが相手でも。
決意と呼応するかのように体の奥が疼いた。痛みではない。まるで鼓動にも似た、
感じられるはずのない小さな疼き──
──まさか、そんな。ありえない…!
フェルミは愕然とする。取り返しがつかないほどジーンに痛めつけられた体が、まだその
機能を保っているとは信じ難かった。しかし女としての本能は、確かに宿したものがある
と告げている。
──そういえばそうだった。本来ならば、男に抱かれるべき日ではなかった。自棄に
なって、無我夢中で、気付きもしなかったが。
「…馬鹿なのはあたしの方だったってわけ…? 信じられない、こんな──」
後は嗚咽で続かなかった。フェルミは崩れ落ちるようにして、眠り続けるザイリンにしがみ
ついた。
何も考えられず、子供のように泣き続けた。
99 :
前スレ985:2006/04/20(木) 00:13:59 ID:aYcBdWV3
ザイリン×フェルミです。所用のため、次の投下は2、3日後になると思います。
レス励みになります。ありがとうございます。
おつでーす
フェルミンつわりですかな?
>>99 いつもGJ!
最終回の補完になってますね。
かなり突飛に思えた最終回のフェルミの行動へとうまくつながりそう。
>>99 メ _|\ _ ヾ、
メ / u 。 `ー、___ ヽ
/ // ゚ 。 ⌒ 。 ゚ u / つ
/ //u ゚ (●) u ゚`ヽ。i l わ
l | | 。 ゚,r -(、_, )(●) / ! ぁぁ
ヾ ! //「エェェ、 ) ゚ u/ ノ あぁ
// rヽ ir- r 、//。゚/ く ああ
ノ メ/ ヽ`ニ' ィ―' ヽヽヾ ぁあ
_/((┃))_____i |_ ガリガリガリガリッ
/ /ヽ,,⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ (,,ノ \
/ /_________ヽ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_|\ _
/ u 。 `ー、___ ヽ
/ ゚ 。 ⌒ 。 ゚ u / つ
/u ゚ (●) u ゚`ヽ。i わ
| 。 ゚,r -(、_, )(●) / ぁぁ
il ! //「エェェ、 ) ゚ u/ あぁ
・ 。 || i rヽ ir- r 、//。゚/ i ああ
\. || l ヽ`ニ' ィ―' il | i ぁあ
゚ヽ | | ̄GJ GJ GJ GJ ̄| | ダンッ
。 ゚ _(,,)GJ GJ GJ GJ GJ(,,)_ / ゚
・/ヽ| GJ GJ 乙 GJ GJ |て ─ ・。 :
/ .ノ| GJ GJ GJ GJ .|( \ ゚ 。
 ̄。゚ ⌒)/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ\  ̄ 。
>>99 いつも乙です
まさかフェルミまでうっかりとは・・・
ザイリンのうっかりウィルスに感染したな
職人殿のSS投下ありがとうございます。
いくら投下されても、大してエロくも面白くもないものばっかりじゃあね。
まあ職人そのものがいなくなって過疎るよりはましだけど。
↑変なのが沸いたな。
──地上の夜明けも悪くないかもしれない。
梢を透かして降る曙光に包まれながら、フェルミは想う。
気に入らないことだらけだったソラでの暮らしにおいて、唯一フェルミが好きだったのが、
夜明けの風景だった。
硬質で透明な外殻を透かして見下ろす昏い雲海。その不規則にうねる曲線に徐々に
緋が射して、見渡す限り境界のない世界が一面に染め上げられてゆく。
見るたびに生まれ変わるような、全て受け入れられているような気持ちになった。
持って生まれた性のため、決して相容れることのない故郷を出て、ソラから見える空を
抜けてゆけば、まだ見ぬ世界に求める居場所があるような気がした。
もっともそれは、無知な小娘の甘ったるい幻想に過ぎなかったが。
望むと望まざるとに関わらず落とされた地上は、血と争いにまみれていて、フェルミも
ほどなくその色に染まった──染まるほどの無垢など、残していなかった気もするが。
だが、染まりきらないものも時にはある。
幼い心に戦うためだけの思考を植え付けられながらも、フェルミを一途に慕ってきたソウタ。
そして、やはり幼くして戦場に投げ込まれ、常に前線にありながらも、呆れるほどに甘さを
残した、この──
「う…」
膝に抱いていた頭が気怠げに揺れて、日の光と同じ色の髪が落ちる。ゆっくりと開いた
青い目を、フェルミは醒めるような思いで覗き込んだ。
「やっとお目覚め? 随分のんきなものね、ザイリン中将」
わざと揶揄するように言わなければ、流されてしまう不安があった。意識して吊り上げた
唇は、ちゃんと皮肉げに見えているだろうか。
「…もう、起きていたのか」
「あなたが寝坊助なだけよ。追われてる身のくせして、よくもぐうぐう眠れること」
「…半分は君のせいだろう。干涸びるかと思ったぞ、まったく」
不貞腐れる男の顔が、五つも年上のものとは思えないほど愛おしく思えて、フェルミは
抱き締めたくなる衝動を必死に抑えた。
だがザイリンは、フェルミの葛藤など知らぬ風情でじっと見上げてくる。
「…何よ」
「いや、その。改めて見ると綺麗だと思って、な」
てらいもない真顔で言われて、フェルミは一瞬火の出る思いを味わう。柄にもなく頬が染まる
のを感じて、軽く歯噛みした。
「だが、もう服を着てしまったんだな…。残念だ、もっと見ていたかったのに」
「……何ふざけたことばかり言ってるのよ……」
──こうなるまでは、あたしに興味のかけらも示さなかったくせに。
フェルミは苛々と肩を揺すった。
沐浴後に布を一枚巻きつけただけの姿で歩き回るのが常だったフェルミにとって、動揺も
好奇もありふれた感情に過ぎなかったが、そんな中、まるで空気か置物のように
視線を流すのがザイリンだった。
頓着せずに肌を晒すのは、ソラと比べてあまりに埃っぽい地上で身を清める回数が増える
につれ、いちいち気を遣うのが面倒になったというだけだが、それでも容貌も肢体も並以上
との自覚があったフェルミにとって、男達の反応が全く面白くなかったわけでは無論ない。
ザイリンの無関心ぶりはフェルミの対抗心を煽り、朴念仁な中身とは裏腹な外見に
惹かれたこともあって、猫をかぶりつつ秋波を送るような真似もしてみたものの、
あまりのつれなさに、フェルミはすぐに彼への興味を失った──悔しいが、今思えば
見る目が無かったのかもしれない。
思い返せば滑稽でもあり、妙に懐かしくもある記憶だった。
──何を考えてるのよ、あたしは。駄目よ、こんな調子じゃ…。
フェルミは己を一喝する。断ち切らねばならない──未練も思いも、全て。
「で、どうするのよ、これから」
素っ気なくも含みを持たせた口調に、ザイリンの表情が変化した。ディガルド一の
ゾイド乗りと讃えられ、若くして元帥直属の部隊を預かる身となった中将の顔に戻る。
「──ゴザイルと合流して、機械兵の製造工場を抑える。ガーシュあたりが適当だろう。
ここからの距離も、駐留する部隊の規模も、手に負える範囲だ」
「距離なんていつ測ったのよ。それに、機械兵工場を抑えてどうするつもり?」
「昨夜、星の位置で。──工場は、機械兵の正体を全土に知らしめるために必要だ」
揚げ足を取るようなフェルミの問いにも動揺はない。
「独立混成団だけでは話にもならんが、ボラー先…司令に働きかけて討伐軍と共同戦線を
張るにしても、今のジーンに対抗するには彼我兵力の差がありすぎる。メガラプトルに
加え、バイオトリケラとバイオケントロまで量産された今、この不利を覆すには、
ディガルドそのものに揺さぶりをかけて、軍内部からの離反を誘うしかない」
ザイリンは両手をついて半身を起こし、少し高い位置からフェルミを見下ろしてくる。
「ガーシュは通信施設も充実している。機械兵の正体を映像にのせて全土に送ることも
可能だ。基地司令も話が分からぬ男ではない。通信を成功させ、軍の穏健派や、
私のように他国から徴用されて登りつめた人間を動かすことができれば、勝算はある」
フェルミは息を吐いた。淀みなく流れる言葉には、付け入る隙がなかった。
「そう…一石二鳥どころか、三鳥も四鳥も狙えるってわけね」
フェルミは改めて思う──やはりジーンは狂気に侵されていた。この男を捨て駒にしたのは
彼の最大の失策に違いない。だが──
「じゃあ、グイはどうするつもりなのかしら? 空の一体が地上の十体を超える働きをする
のは思い知ってるでしょう? あなたと仲良しのボラー司令が討伐軍とも仲良くなって、
お人好しのラ・カンやムラサメライガーのパイロットの坊やが受け入れてくれたとしても、
陸上空母とグイ部隊が出てくれば、ひとたまりもないんじゃない?」
我ながら底意地の悪い、試すつもりの質問だった。しかしザイリンは、一瞬沈黙しただけで
すぐに口を開いた。
「…これは憶測にすぎないが、グイ部隊の先頭には常に君がいた。空飛ぶゾイドが量産・運用
されたのはごく最近だ。バイオラプターのように、機械兵を隊長に充てて独立した小隊を
組ませるのすら困難なのではないか? 指揮をとる者がいなくては、系統だった作戦行動は
おろか、簡単な偵察程度の任務しかこなせないとみている。──もっとも脅威であることに
変わりはないし、対策も講じなければならないが」
もはや何も言う事はなかった。フェルミは目を閉じて嘆息し、大きめの耳飾りを指で弄んだ。
「──そう。まったくご明答よ。恐れ入ったわ中将閣下」
次にザイリンが言う言葉は分かっている。そしてその時こそ、フェルミの決意が試される──
「だから、君に力を貸して欲しい。…共に来てくれ、私と」
──来た、その時が。
フェルミはゆっくりと目を開き、真正面からザイリンを見据えた。
110 :
前スレ985:2006/04/22(土) 22:19:08 ID:Hut/ClkE
ザイリン×フェルミ置いていきます。
ようやく最後に近づいてきました。読んで下さっている方々ありがとうございます。
待ってました。ワクテカが止まらないよ。
>>110 初めてのリアルタイム遭遇キタコレw
見事にTV本編の流れにつながってきたなぁ。
そしていいとこで切れてる…orz 続き待ってます。
TV本編らへんまでいじってフェルミが死んでないってことにしてほしいなww
マジレスだが、フェルミスレでは死んでないでFA
血にみえたのはレツゲルと判明したしね
ボラーやラ・カン、ダンブル、コトナ、ガラガの様に、どーみても死んでます
でも、わけわからんけど生きてますキャラのオンパレードのジェネシスで死んでたら
視聴者馬鹿にしてると思われ
>血にみえたのはレツゲルと判明したしね
すごい妄想力だなw
普通に死んでますって
動画をコマ送りにしてみると赤いチューブが横切り紫の液体た吹き出ているが分かる。
その赤いチューブが血と誤認される(スタッフもそれを狙っている)現象を起したワケだな。
ただしティンガやモルモル隊長でさえ普通に死んでる世界感でもあるから、
フェルミの今までの所業を考えると死んでいてもおかしくない。
その時点でお腹から下がない可能性も。直接描けないんでレッゲルで暗喩とか。
>110
GJです!!
癒されます。このまま本編では描かれなかったエピローグまで期待しています。
ザルツ村ディガルド四天王をキボンヌです
>116
でも、そのフェルミんが死んだかもの同じ回の冒頭で、
一杯一杯で詰め込みすぎだぞゾイド終盤の中、あんだけ尺浪費してやっぱり
生きていたかラ・カン・・・・・・・・・・・・・・
なんてのやってるからね
本スレで、フェルミんの死亡シーンで、メインキャラがもっと死ぬかもと緊張感が出た
と語る人もいたけど、ラ・カンのせいで全く緊張感がなかった
どうせ死んだ様にみえて全員生きてんだろうな〜と。つまらん無理やり感動はごめんだ
あと、所業言い出すときりがない
ロン、ソラノヒト、ザイリン、ボラー、ディガルドの軍人達も死んで当然の人達だ
赦されるのは、自ら過ちに気づいて、いままでの地位も権力も名誉も捨てて立ち上がった
ザイリン(とフェルミん)ぐらいでしょう
ロンも、結局ロンがソラノヒトであること7人だけの秘密なんて、汚いことやってしまったしね
長文考察は該当スレで
なんだ本スレで暴れていたフェルミ好きな人か。
>120
お前だけではないが、
職人への賞賛もなければ、SSを書くでもない、無関係なレスしか書き込まない奴は、
このスレではゴミだぞ
>110
GJです
最後が近づいてきたとのことですが、ラストの展開、そしてできればその後のSSも期待しております
なぜそのような言葉が口をついて出たのか、ザイリンにも分からなかった。
感傷か、それとも打算か。自分は永いことこの女を疎んでいたはずだ。少なくとも、
この夜を過ごすまでは。
ただ一度、なりゆきで体を重ねただけで、こうもフェルミと離れがたくなるのが不思議だった。
── だが、自分に嘘はついていない。
我ながら信じがたい変化だったが、目覚めたばかりの靄がかかったような頭で紡いだ言葉も、
先ほどの誘いも、全て心からのものだった。
── 共に来て欲しい、フェルミに。
もう一度胸中で繰り返すと、ザイリンの迷いは霧散した。
フェルミは僅かに首を傾げてザイリンを見上げている。何かに耐えるかのように眉根を寄せた
表情が、妙に胸に迫った。
「…だめか?」
気まぐれで束縛を嫌う女には、直裁にすぎたかもしれない。
無言のフェルミにザイリンは勢いをなくす。だが次の瞬間、長い黒髪が朝日を弾いて流れた。
「なに情けない声出してるのよ、さっきまでの自信はどこにいったの?」
眩しさにくらんだ目は役に立たなかったが、鼻腔を満たした甘い香りと胸に飛び込んできた
柔らかな感触が、間近にいるフェルミを知らせた。
「本当に、中将じゃなくなると、途端に野暮ったいんだから…」
「フェルミ…」
腕を首に回してきたフェルミを、ザイリンは壊れるほどの強さで抱き締めた。勢いで反り返った
背中を何度も撫で下ろし、喘ぐ唇を塞ごうとする。
「待ってよ…そこまで野暮ったくなる前に、あたしも訊きたいことがあるのよ」
そっぽを向くようにして躱したフェルミが、肩口に顔を沈めてくる。
「何をだ」
「本気であたしを誘ってるわけ?」
「そうだ」
「それは、グイ部隊の元指揮官を味方につけたいっていう意味? それともただのあたしを…
フェルミを連れて行きたいっていう意味?」
ザイリンは躊躇する。答えを誤れば、腕の中のフェルミが消え失せてしまいそうな
気がしたのだ。唇を噛み、抱き締める腕に力をこめ、しばし沈黙する。
「…たぶん、両方だ。しかし…」
下手な繕いは無意味だろう。思いをそのまま口にするしかない。
「…しかし、後の理由の方がずっと大きい。君に、フェルミに一緒に来て欲しい…」
「そう」
応じた声は切ないほどに柔らかく、波立つ心を鎮めた。── 大丈夫だ、もう消えることはない。
友を二人も同時に失った痛みを癒してくれた温もりを、ずっとこの腕に抱いていられる──
「私はジーンを倒す」
支えを得てザイリンは言い放つ。
「私がジーンを止める。彼が元から狂っていたのか、境遇がそうさせたのかは分からない。
…だが偽りとはいえ、確かに私達は友だった。友が過ちを犯したなら、止めるのが友だ」
バイオティラノに抗しうる自信などザイリンにはない。
討伐軍と手を組む、という楽観的にすぎる案が現実のものになったとしても、たとえムラサメ
ライガーと── ルージ君と肩を並べて戦うことができたとしても、勝ち目はないかもしれない。
── だが、それでも。
それでも、刺し違えてでもジーンを倒す。同じ罪を背負った者として、友として。命と
引き換えてもジーンを止めるのが、ザイリンの義務だ。
正直、矛盾している。フェルミに「一緒に来てくれ」と頼んだその口で、命を捨てる覚悟を
語っている。無責任とそしられても仕方がない。だが、いかに矛盾していようと、それが
ザイリンの偽らざる思いだった。
「女を口説いてるとは思えない台詞ね。一緒に来てくれって言いながら、おまえを遺して
死ぬかもしれないっていうわけ?」
案の定フェルミに突かれたが、抑揚のない声に責める響きはなかった。
「でもそういう不器用なとこ、嫌いじゃないわ…」
それきりフェルミは黙り込んだ。ザイリンもただフェルミを抱き締めて佇んでいる。
もはや言葉は不要だった。
次にザイリンが言う言葉は分かっている。そしてその時こそ、フェルミの決意が試される──
柄にもないやり取りをしたせいで居心地が悪いのか、フェルミは耳飾りをしきりに
まさぐっている。その仕草に安堵を深めていると、不意に首に回っていた腕がほどかれた。
逃げるはずのないものが逃げていく── その驚きに、ザイリンは目を見開く。
すり抜けようとするフェルミの腕を捕らえようとした瞬間、首筋に鋭い痛みが走った。
「…フェル、ミ…?」
とっさに当てた手に、皮膚に突き立つ細長いものを認める。
信じられない思いで見上げるザイリンを、少し離れて立ち上がったフェルミが冷ややかに
見下ろしてきた。
「こういう風に寝首をかかれることもあるのよ── 覚えておくことね、ザイリン中将」
指先が震えるのは動揺のせいばかりではなかった。引き抜いた針の先が、血のものではない
色で粘っている。
── 毒、だと…?
降り注ぐ陽光を払うかのように、一陣の風が吹き抜けた。
124 :
前スレ985:2006/04/24(月) 21:30:07 ID:AGqP2iaj
ザイリン×フェルミです。お返事が定型化して申し訳ないですが、感想とても励みになります。
>その後のSS 実は最終話直後から始まる話も思いついてるのですが、このSSと同じくらい
の長さになりそうな上に、エロが皆無なのでオフで書こうと思ってたのですが…。
他の方の邪魔にならない程度に小分けにすれば大丈夫でしょうか。
すみません、25の20行目は改行の目安に入れた文です。消し忘れましたorz
失礼ながら言わせてくれ。
ミィ様まだー?
>124
一連のSSとしてOKだと思われ
全行エロエロでなければ駄目ってこともない思う
とりあえず、今回もザイリン×フェルミはGJです
>>124 乙&GJです。
このままハッピーエンド、があり得ないのは本編から判ってるんですけど…つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
「その後のSS」っていうのも小分けUpでいいんじゃないでしょうか。期待。
別に1日にUpできる量が決まってるわけじゃないしねw
>128
最終話直後ということだから、ザイリンが「やることがある」と別れた後の話・・・・・
フェルミ生存エンド(ハッピーエンド?)の話と勝手に推測・・・・w
前スレ985さんに期待しています
スレ違いかもだけど、本スレで多くの人が期待し語っていたグイ部隊の役割が、ジーンのorフェルミの
切り札として出てくるのが無しになったのは、
本編では、人手不足というなんとも盛り上がらない理由だったけど、
このSSではフェルミとジーンの激しいグイ部隊争奪戦の結果、両方ともグイ部隊を運用できなくなった
になるのかな?
まあそう焦らずwktkしていようじゃない。
これだけびしばし補完してくれたら語りたくなるのも分かるけど、前回と同じ流れになりそうだし。
前スレ985氏はかなりの職人だから普通にストーリーを楽しみましょう。待ってます。
「ソラの間諜はこのくらいの備えも技も当然なの。勉強になった?」
フェルミが見知った顔と声で言う。嫌というほど見知った── 嘲る顔と声。
「なんて顔してるのよ。抱いた女とは何もかも分かりあえる、とでも思ってたわけ?
いい年して、うぶもいいとこね」
フェルミは大仰に耳飾りをつまみ上げてみせた。薄い側面をザイリンに向けて掲げ、
ぎざついた形を指でなぞり、爪を掛けて何かを引き出してみせる。
「つまり、こういうこと」
仕込まれていた針が姿を現した。ぬらりと光る先端は、ザイリンを刺したものと同じ色を
まとっている。
「…なぜ、だ…」
息が切れる。視界がかすむ。揺らぐ体を支えきれずに、ザイリンは両手を地についた。
── 無駄に動くな、毒の回りが早くなる。
── なぜ、彼女がこんな真似を。
── 命を狙うなら、機会はいくらでもあったはず。
── それとも、私の策を聞き出すのが目的だったのか。
── まさか、ジーンに命じられて── !
あらゆる思考が渦を巻き、頭蓋が軋んだ── 信じられない、信じたくない。フェルミとは、
確かに通じあえたはずだったのに──
おそらく捨てられた犬のような目をしていたのだろう。フェルミが憐れむような笑みを
投げてきた。
「ついでにもう一つ教えてあげる。グイは、あたし無しでも飛べるのよ」
「な…に…?」
裏切られ、欺かれた絶望がザイリンを満たす。やはりフェルミはジーンの意に従い、
自分を罠にはめたのか──
「ヴォルケーノでティラノを完成させたのと同じこと。ジーンはあたしのバイオプテラでも、
グイのための情報を集めてたはずだわ」
フェルミが気怠げに頭を振る。うねる黒髪に日の光が射しこんで、妖しさの中に、別の何かが
垣間見えたような気がした。
「もちろんあたしだって、ソラから送り込まれた人間だし技師のはしくれでもある。命を吸う装置
なんて付けさせやしないわ── でも、ティラノを造り上げたジーン達には及ばないのも確か。
あたしに気付かせない方法なんて、いくらでもあったでしょうね」
淵に落ちかけていたザイリンは違和感に踏みとどまった。── フェルミに気付かせない方法、
だと? それにジーン「達」とは…?
フェルミは覆いかぶさる前髪を払い、まっすぐにザイリンを見てくる。
「ジーンとジーンの仲間は、あたし抜きでもグイ部隊を動かす方法を編み出してるはずよ。
それにティラノの粒子砲も、たぶん以前のままじゃない」
「どういう意味だ…ジーンに仲間、だと…?」
必死に意識を保つザイリンに、フェルミがおごそかに告げた。
「ジーンと一緒にソラを降りた技師達がいるのよ。いつも黒づくめの格好をして、こそこそ陰に
隠れてて、あなたみたいに前線を駆けまわってた人間は存在すら知らないでしょうけど」
冷たい汗が流れて目に入ったが、ザイリンは瞬きもできない。
己の暗愚さはウィプスとジーンを失ったことによって思い知ったはずだったが、そのような
闇がディグに潜んでいたことにさえ、気付いてなかったというのか──
ザイリンの葛藤をよそに、フェルミは続ける。
「あいつらの技術は並じゃないわ。グイ部隊を機械兵だけで飛ばすのはもちろん、バイオ粒子砲
の威力を限界まで高めるのも、平気でやってのけるでしょうね」
「君は…何を言って…」
ようやくザイリンは気付いた。なまめかしく偽悪的なフェルミの声には、隠しきれない
真摯な響きがある。
「あなたとヴォルケーノをまんまと取り逃がしたジーンが、何の手も打たないわけがないじゃない?
あいつは狂ってなお冷静な奴なの。今でさえ冗談みたいなティラノの兵装を強化して、『戦いは
数だ』って口癖のとおりに、蟻ほどのラプターと羽虫なみのグイを率いてやってくるはずよ」
フェルミは姿勢を正した。素晴らしく均整のとれた体が、女の匂いを消し去って軍人の
それとして立つ。
「だからあたし、行くわ」
透明な日射しを受けてフェルミが笑った。それは確かにザイリンが腕に抱き、
心を通いあわせたフェルミの顔だった。
「行ってくるわ、ザイリン中将。── グイ部隊は、フェルミ少将が破壊する」
フェルミは胸の前に右腕を掲げる。あまりにも目に馴染んだ、ディガルド式の敬礼だった。
134 :
前スレ985:2006/04/25(火) 23:21:37 ID:FdEeaOgG
ザイリン×フェルミです。もうちょっとで終わりです。
>>134 続きキテタ!! 今日もGJです。
そしてフェルミ少将テラカッコヨス!
本編でははっきりとは語られなかったグイがいなかった理由が明かされる?
もう見事としかいいようがないなあ・・・
フラストレーション解消されまくりです。最後までワクテカ。
「ばかな、君一人で何ができる──!」
ザイリンは叫んだ。
失ってしまう──二人の友に続き、痛みを分かちあうことのできた女まで。
行かせるわけにはいかない。渾身の力をこめて立ち上がろうとする。だが、すでに萎えきって
いた脚は、掛けられた布を揺らすこともできなかった。
「──ほらね。だからこんな手を使うしかなかったのよ」
フェルミがくすくすと笑った。邪気のない、寂しげな笑いだ。
「薬で眠らせでもしないと、絶対に追いかけてくるんだから。いい男に追いかけられるのは
嬉しいけど、ヴォルケーノはごめんだわ」
「死ぬつもりか! 行くな、フェルミ…」
ザイリンの懇願を、フェルミは一笑に付す。
「馬鹿言わないでよ。なんであたしが死ななきゃならないの? ──言ったでしょう、
ソラの間諜は備えを欠かさないんだって。グイにも当然、仕掛けはあるのよ」
「仕掛け、だと…?」
靄に覆われた頭がかすかに晴れた。辛うじて睡魔を退けているザイリンに、フェルミは告げる。
「グイは、バイオプテラの設計図をもとに造られたの。そしてそれを提供したのはあたし……
こんな悪い女が、自分の弱点をただで晒すと思う?」
「…何か仕込んだとでも言うのか…」
「自爆装置──なんて言えたらかっこいいんだけど、ジーンとソラの技師達が相手じゃねぇ」
フェルミは肩をすくめる。
「大がかりなことはとても無理。姿勢制御のための部品を二、三個抜いて、プテラの統制信号
を傍受する機器を足しておいただけ──でも、効率のいい仕掛けよ。元々の受信機を
外されても、あれが入ってる限り、あたしはグイを操れる」
フェルミなしでは作戦行動をとれなかったグイ。バイオプテラに比べてはるかに航続距離が
短かったグイ。その訳を、ザイリンはようやく知る。
「…そんな目をしないでよ。操るって言っても、前みたいに道具にするわけじゃないわ。
グイを動かすには特殊な設備と莫大な人手がいるし、第一、いくらあたしでも、
機械兵の中身を知った後じゃ寝覚めが悪いもの」
「では、どうするんだ…」
「言ったでしょ?『破壊する』って」
フェルミの声が冷えた。
「ジーンがグイの群れを飛ばした瞬間に、でたらめな統制信号を乱発して、機体の限界以上の
動きをさせてやるわ。姿勢制御が脆弱なグイはひとたまりもない。空中で分解するか、
衝突しあって墜落するかのどっちかね」
「……」
「機械兵にとっては、あんまりいい弔い方じゃないけど。囮も工作も、何もかも一人でやらなきゃ
いけないんだから、そのくらいは大目に見てちょうだい」
囮、という言葉にザイリンは閉じかけていた目を見開く。痺れかけた唇で必死に問いを紡いだ。
「…まさか、君は、自分を標的にして…」
「ほかに、誰がグイをおびき出せると思う?」
フェルミは制服の胸を指差してみせる。
「ジーンの裏も表も知り尽くした女と、グイでしか追えない厄介な飛行型ゾイド。見せつける
ように飛んでやれば、残存する機体をかき集めて墜としにかかってくるはずだわ」
死地に赴く作戦を、フェルミはまるで、楽しい遊びでも思いついたかのように語る。
見ものだわねと笑う顔に、ザイリンは呆然とする。
「…駄目だ。そんな真似はさせない…!」
グイの残存兵力がどれほどのものかは知らないが、軽くあしらえるような数ではあるまい。
フェルミの言う方法で撹乱し、自滅を誘うとしても、全て墜とすまでにバイオプテラが無事で
いられる保証はない。
「行かせはしない! …私と来るんだ、二人で協力して──」
「協力? あたしと?」
フェルミは傲然と顎を上げる。
「ズーリを焼いて、ソラを陥とした女と?──ジーンに騙されてたどこかのお人好しならともかく、
そんな人間を誰が信用するっていうの? ボラー司令や討伐軍はもちろん、あなたが
呼びかけるつもりのディガルドの軍人だって、何かの罠に違いないって思うでしょうよ」
返す言葉がなかった。刻々と重さを増してゆく体を支えきれず、ザイリンは肘をつく。
「…駄目だ…フェルミ…」
もはや顔を上げる力もない。思考もまわらず、ただ壊れたように繰り返す。
「行くな…私と、来い…」
「我がまま言うんじゃないの」
ふわり、と柔らかな感触に包まれた。力を失い、崩れ落ちそうになったザイリンの頭を、
フェルミの胸が抱きとめる。
「あたしは、あたしにしか出来ないことをしにいく──だからあなたは、あなたにしか出来ない
ことをするのよ」
139 :
前スレ985:2006/04/27(木) 22:43:14 ID:e7QjvRRd
ザイリン×フェルミです。あと1、2回で終わりです。
>>139 ハ_ハ
('(゚∀゚∩ GJだよ!
ヽ 〈
ヽヽ_)
もしかしてだけど最終回のザイリンのやることがあるってのをフェルミ捜索に繋げるつもり?
本気でGJ!!!
>>141 思っても口に出しちゃいけねえ!もし当たってたら神も書きにくくなるし
他の読み手としても先を予測しないでただ楽しみたいって言う自分のようなのもいるから。
GJ!!!!
なんかこうジグソーパズルのピースが次々とはまっていくような快感が。
グイの件は、もう少し話数があれば本編でもこんなことをやるつもりだったんじゃないか、
と思わせるものがあるなぁ。 続き待ってます。
GJ=ごっじょぶ!
ザイリンのSSって人気のわりに見なかったけど(脇役や1レスくらいのネタを除けば)初の長編が
これだけのレベルって読む方もうれしい。まじ神だよ・・・・普通に外伝で通用しそうです。
GJ!!
達者だなあ
職人様、ほんとGJです。
本編で語られても違和感の無い展開は、とても真似できません。
ヽ(゚Д゚)ノ
( ヽ(゚A゚ )ノ('∀`(゚∀゚ )ノ
| |ノ ノ└ )V /
「 「 「 「 「
149 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 03:26:55 ID:yOGsi9zU
あげ
GJ!です
ジェネシススタッフは、駄目なスタッフと、魅力的なキャラ、話を描くスタッフの差が激しい
グイを数秒の会話で出番無しにしたスタッフは、ドラマの盛り上げ方を全くわかってないと思った
職人様。ラストのSSを楽しみにしてますよ
予想好きといい批評好きといい、余計なことを書かずにSSだけを楽しめばいいのに。
せっかく達人が降りてきてるんだからGJだけ山のように書いとこうよ。というわけでGJGJGJ!!!
152 :
前スレ985:2006/04/29(土) 20:24:22 ID:PBqxKWnG
ザイリン×フェルミ、最後の投下いきます。
子をなだめる母親のように、フェルミはザイリンの髪を撫でる。
「軍の離反を誘うって言ったわね──いい? あなたはその象徴になるの。そういうの、
好きこのんでやりたがらない性格だってのは分かってるけど、必ずそうなる。
そしてジーンも、そのことを読んでる」
「フェル…ミ…」
「あなたはただの反逆者じゃない。ヴォルケーノは、討伐軍のムラサメライガーみたいなものよ。
絶対に潰されちゃいけない。真っ先に追ってくるはずのグイは、あたしが止めるから」
フェルミの囁きは子守唄のように甘く、ザイリンは心地よさに負けそうになる。
「あなたはあたしが守る。だからあなたは他の全てを守るのよ──ジーンが壊そうとしてる、全てを」
「なら…その中には君も入っている…」
「未練がましいわねぇ」
おどけるフェルミの声がかすかに震えた。
「あなたには、独立混成団もボラー司令も、そしてムラサメライガーの坊やもいるじゃない。
あたしみたいな女にこだわることないわ」
「…フェルミ」
「しつこい男は嫌いよ」
やはり震える声は、しかし断ち切る強さで落とされる。
「その調子であたしの名前を言いふらしたりしたら、承知しないんだから。あなたは一人でディグを
脱出してきたの。ジーンの側近だった女の助けなんか借りてない。あたし達のことが知れれば、
あなたが創ろうとしてるものは内側から崩れさる」
「だからといって…君だけに…背負わせる…など……」
できない。過去も罪もフェルミに押しつけ、のうのうと正義を掲げるなど。
血ならザイリンも数限りなく流してきた。等しく同じ、赤い血だ。
「私も…許されない人間だ…」
「許されるわ、あなたなら」
フェルミの言葉が柔らかく響く。
「許されるわ。何もかも投げうったあなたなら──だから、許されない女の名前なんて
口にしちゃ駄目。約束を破ったら、戻ってきてあげないんだから」
慈母の気配は消え去り、生身のフェルミが甦って笑う。
「戻って……?」
「そうよ、戻ってくるわ」
もはや見えないフェルミが頷いた気がした。
「あたしには、あなたの他にも守らなきゃならない相手がいるもの。
あの子も絶対に死なせやしない。そのために、必ず戻ってくる」
音は耳に届いたが、すでに思考は麻痺していた。ザイリンはただ、「戻ってくる」という
フェルミの言葉だけを脳裏に刻み込んだ。
「だから安心して。最後の時には必ず駆けつけるから」
薄れる意識にフェルミの囁きが沁みる。温もりと安堵に包まれて、ザイリンは眠りに落ちてゆく。
瞼が落ちて、頭が沈んだ。力を失ってもたれかかる体を、フェルミは思いを込めて抱き締める。
「…最後まで迷わせてくれるんだから…」
行きたくない。こうしてずっとザイリンを抱き締めていたい。死地を恐れるのではない。
初めてフェルミを見てくれた男と、離れたくない。
「でも、行かなきゃあなたは、確実に死ぬから」
手の届かない高みから破滅をもたらすグイを止められるのは、フェルミだけだ。
ザイリンのためにもソウタのためにも、行かねばならない。
「本当は一緒にいたかった。あなたが全部欲しかったんだけど…いいわ。
ここに、別のあなたをもらったから」
愛おしげに下腹を撫でる手つきは、すでにザイリンの目には映らない。
フェルミはザイリンの裸の背に口づけていく。──生々しい爪痕を癒すかのように。
傷つけられても傷つけはしない男を慈しむように。
軽くはない体を持ち上げ、静かに地に横たえる。最後に、薄く開いたままの唇をそっと吸った。
「さようなら。甘くてお人好しで、そして優しい人。……また会えるといいわね。
あなたに抱いてもらえて嬉しかったわ」
再びザイリンが目覚める時には、空は青く澄み渡っているはずだ。グイに埋め尽くされる
ことのない、青い空が。
それは、討伐軍の象徴たるあのライガーを思わせる。青いライガーと深紅のヴォルケーノが
並び立つ時、闇に覆われつつあるこの世界も晴れるのだろうか。
「それまで…おやすみなさい、ザイリン」
フェルミは立ち上がった。
踵を返し、羽根を休めるバイオプテラに向かって歩いてゆく。振り返ることはなかった。
暗赤色に彩られたプテラの中は、熱を帯びた空気もあって胎内を想起させる。
昏くとも安らぎを覚える場所。自分の中に芽生えた命も、このような安らぎに
包まれているのだろうか。そうであって欲しいとフェルミは願う。
もう一度下腹に手を当てた。すでに無骨な殻に覆われたそこからは、何も伝わってはこない。
だが、確かに宿したものがあることを、フェルミは知っている。
「あいつに似るといいわね…」
来ないかもしれない未来を夢想して、フェルミは微笑む。
「どっちでも構わないけど、その方が嬉しいわ」
起動──その言葉を意識に描いて、操作板に手をかざす。
神経繊維の束がほどかれ、プテラのそれとより合わされてゆく。新たに収束した感覚が、
機械の体を己が物とし、フェルミと同化したプテラは暁の空へと羽ばたいた。
流れる大地は速すぎて、明けきらない空は靄のようだ。境界も分からない世界で
フェルミはさまよい続けた過去を想う。
闇でも飛べる夜鷹のように、自由に空を舞いながら、フェルミはいつも行き先を見つけられずにいた。
奔放を気取る心はいたずらに舞うばかりで、宿り木すら持たなかった。
飢えを満たすかのように、見下ろす全てを傷つけてばかりいた。
だが、もう迷うことはない──しるべはフェルミの中にある。
孤独に飛んでもはぐれはしない。行くべき場所も、帰るべき場所も知っている。
月が朝日にかすんでゆく。
地平の彼方に鳥に似た影が溶け、一声啼いて、消えた。
155 :
前スレ985:2006/04/29(土) 20:26:39 ID:PBqxKWnG
長らくお付き合い頂きありがとうございました。これでいったん終わりです。
思いついたことを書けるだけ書いてみた代物ですが、たくさん感想を頂けて本当に嬉しかったです。
続きですが、またスレを占拠するのも申し訳ないので自前でしようかとも考えてます。未定ですが…
とりあえず、1、2週間くらい開けてから何かしら決めて書き込もうと思ってます。
あと、事後承諾のようで申し訳ないのですが、この話は推敲してオフでまとめようと思っています。
(できる端から投下してたので…)控え室で相談し、ルール上は問題はないとの回答を頂いたのですが、
不快に感じられた方がいらしたらすみません。本人と分かるような形にしますので。
最後の最後に長文レス、失礼しました。
>>152 ぐぁぁぁぁ…GJ!GJ!!G〜〜〜J!!!
今まで様々なジャンルで結構な数のSSを読んでいるつもりだけれど
本気で続きを楽しみに出来たのはコレが初めてだよ つД`)・゚・。・゚゚・*。.
個人的に続きも是非拝読できたら…と切に願います。
取り敢えず職人様、お疲れ様でした。
うぉぉぉっ!ゴッジョブ! ソウタ編楽しみにしています!
>>155 GodJob!!! そしてお疲れ様です。
これだとTV最後で勝利を祝うことなく、ひっそりその場を離れたザイリンの行動も生きてくるなぁ。
託されちゃってるんだものね。フェルミに。未来を。責任重大!うっかりしてられねーぜw
いやー全編このレベル、タダで見ちゃって良いの?って感じでした。
続きでも新作でも良いので、次回作も期待してます。
GJでした。
オフでまとめるって、紙媒体で発売するんですか?
地方人のために通販かショップへの委託をお願いします。
両手いっぱいのGJを職人様に。お疲れ様でした。ザイりんのようにゆっくりお休みください!
ラストは主題歌のイメージですか。溜息が出るほど見事だ。
ううむ、一兵卒はこのゴッジョブ職人氏を知ってるかもしれん。別の表現方法でもかなりゴッドな方とお見受けしていたがSSもこのレベルってどれだけ神だよ・・・
こんなヤクザな板を紹介する悪い友人をお持ちのようだが、俺はそのお友達にもGJを送らせてもらうw
GJ!!
原作は“そういう作品がある”くらいしか知らないんだが、とても面白かった
お疲れ様であります
本は激売れ確定ですね。
いや本気で金とっていいレベルだよ。まさにゴッジョブ。
うん。本になったら是非www
遅れたけどGJ!
ところで
>>2の保管庫行っても過去作品が見当たらないんだが何で?
少なくともゾイドEXよりは売れないとおかしいレベルだと思うな。
>>165 よく分からん。力になれなくてスマソ
>>155 GJ!この無駄のなさはなんなのか、読み直すとみんな伏線だYO!
普通にカプ物でも楽しめました。純愛・゚・(ノД`)・゚・
>>165 三スレ目からのSSが収録されていないのは何故かってコトなら
単純に、2スレ目(?)落ちから
3スレ目(【フューザーズ】ゾイド-ZOIDS-総合【VS】 )が立つまでの期間が
長く空いていたため
保管庫の管理人さんが新スレに気付いてない可能性が高い。
今現在はその保管庫の管理人さんが超多忙なことも相まって
保管して貰うにはこちらから保管庫の掲示板まで行って収録をお願いし、
管理人さんが収録しやすいよう全部のSSに逐一タグつけて誘導するしかない。
詳細は保管庫の掲示板読めばわかる。
>>168 つまり前スレのを読むなら過去ログを漁るほか無いって事か。
よく分かった、d。
今はにくちゃんねるあるし
過去ログ漁りもそんなに手間じゃないな。
>>155 GJです
ジェネシスきっての良展開だった
フェルミン主役の「瓦解」とザイリン主役の「決別」
…その後に続く名展開です
続きも期待しております
あえて言おう グッジョブであると!
すごいなこれ、OVAにならんか・・・
173 :
前スレ985:2006/05/01(月) 22:53:31 ID:3It+F5ON
本できました。二日目にこっそり並べてますので、こっそり見て頂ければ幸いです。
通販は委託だと手数料が入ってしまうのが申し訳ないのですが、色々調べてみます。
レスありがとうございました。次も頑張ります。
>>173 早っ!!
潮騒キボンヌ・・・ は無理だろうからこっそり探しまつ(・∀・)
>174
探しやすいから安心しる!
一通り盛り上がったせいかGWのせいか過疎ってるね。
ルーミィの続きマダー?(AA略)
保管庫は更新待ち。
そして過去ログは中略されて見れない・・・
これは時が経つのを経つしかないのかな?
178
サンクス、知らなかったぜ・・・
神(ジーンであらず)はまだかとプロイツェン閣下が申しております
>>173 頑張って捜します(><)
夏の祭典では、金髪の元気な赤ん坊抱いたフェルミんがみれるのか-・・・・(;´Д`)ハァハァ
ザイフェル神は一二週間あけるとあるからそろそろかな
ルーミィ神たちはとんと音さたがないねえ・・・
黒髪の方が優性遺伝だから、黒髪と金髪の子供は黒髪になることの方が多いんじゃなかろうか。
>>183 別スレでそういう話題になったことがあるが、いろいろらしい。
混ざって茶髪になることもあれば完全な黒髪も金髪もいるとか。ウエンツなんかは1と3の間ってとこか?
ついでにあの世界、色のバラエティ豊富だからどんな風に
混じってるかなんて4,5代も遡れば分からんだろうよ。
地上には写真その他映像メディアの記録もないようだし。
この前、TVに出ていた
日本人・黒髪・男性とロシア人・金髪・女性のお子さんは、
男性・金髪でどーみてもロシア人(でも、言葉は京都弁)
だったな
俺が通ってた小学校、基地の町なんでハーフの子が多かったけど
大抵白人とか黒人に近い外見だったよ。
日本人の遺伝子が弱いんじゃなかろうか。
188 :
前スレ985:2006/05/09(火) 00:54:13 ID:lmXPDgis
ザイリン×フェルミにソウタを加えた前回の続きです。
もう少し間を空けようと思っていたのですが、保守がてら投下致します。
エロなしで、長さは前回と同じくらいになる予定です。
189 :
最終回以後:2006/05/09(火) 00:55:14 ID:lmXPDgis
雲を切り裂き、機械の翼はただ一点を目指す。銀色の鹿を捕らえた巨大な凶獣に向かって。
垂直に等しい降下の勢いに乗せて、膨れあがった火球を放つ。
ソウタの乗るランスタッグを今まさに踏み潰さんとしていたバイオティラノは、
質量を持った炎を浴びてよろめいた。
自ら起こした爆発をかすめて、バイオプテラは旋回する。吐き出す火球が闇に覆われた
戦場を照らしだし、無数のバイオラプターを薙ぎ倒していく。
ーーソウタ!
かつて弟のように慈しみながら、一度は見捨てた少年の名前を、フェルミは胸中で叫んだ。
決戦の場にたどりつくまでの戦闘で疲弊しきったプテラの機体は、もはや限界に近かった。
翻弄する動きなどできはしない。フェルミはただ、バイオティラノのみを見据えて一直線に飛ぶ。
「しょせんは愚か者であるか…」
絶対神を名乗る男は嘲る笑みを口元に刷いた。
一体と化したティラノの手で、無抵抗なランスタッグの肩を引き裂く。
バイオ装甲をもたやすく貫くケントロの大剣。優美なランスタッグの機体に違和感なく
取り付けられていたそれが、ティラノの手に握られて、本来の禍々しさを取り戻す。
「神に歯向かうために弄した小細工が、命取りになると知るがいい!」
喜悦に顔を歪めて、ジーンは瞳孔を引き絞る。
ジーンに呼応したティラノの眼球が、バイオプテラの動線を正確に捉えた。
球形の画面が獲物の座標を即座に提示する。
バイオティラノは無造作ともいえる動きでケントロの大剣をはなった。
恐るべき速度の投擲は、バイオプテラの動力部を粉砕して、機体そのものを貫いた。
「……!!」
フェルミは目を見開いてのけぞった。
声なき叫びがコクピットにこだまし、衝撃で切断された管から、血に似た色の液体が
撒き散らされる。
全身にレッゲルを浴び、自ら流した赤と別の赤とに染められながら、フェルミは仰向けに
倒れこんだ。
ーーだめ、あの子を守らなきゃ……!
ソウタはまだバイオティラノに捕らえられたままだ。それにもう一人、フェルミが守ると誓った
相手とも、再会を果たしていない。
ーー必ず戻るって、約束したのに……。
溢れ出た涙がしずくとなって散る。
フェルミの名を呼ぶソウタの声が、通信機から流れ出す。
フェルミは口を動かしたが、音になったかどうかも分からなかった。
あらゆる場所から噴出した炎が、はかないしずくを蒸発させて、フェルミの視界を焼き尽くした。
「フェルミ────!!」
砕けゆく操縦席の中でソウタは絶叫する。
なす術もなく撃墜され、爆炎の中に消え去ったバイオプテラは、すでに影さえ認められない。
ソウタが奪われた武器によって、かつて姉と慕った人は命を断たれたーー衝撃と悔しさに
ソウタはすすり泣くばかりだ。
ジーンの哄笑が潰れゆく操縦席に響く。そこに差し込んだルージとセイジュウロウの叫びも、
続く剣戟の音も、ソウタの耳には届かない。
突如、ソウタは浮遊感に包まれた。短くも激しい振動の後に、抑揚のない声が問いかけてくる。
「──大丈夫か?」
辛うじてソウタを救い出したのは、ソウルタイガーを操るセイジュウロウだった。案じる問いに
ソウタは呆然と答える。
「…僕は大丈夫。でも、このランスタッグはもう…」
──違う。言いたいのはそんなことじゃない。
抜け殻と化した自分自身の中で、ソウタは泣き叫んだ。
フェルミを助けて──全身全霊でそう訴えたいのに、唇は意味もなくわななくばかりだ。
ーーどうして自分のために身を投げ出してくれたのか。いらないおもちゃだって、壊れたから
捨てたんだって言ったのに。さんざんひどい言葉を投げつけて、始末しようとまでしたくせに──
何もかもが分からない。あの状況で、フェルミが生きているとも思えない。
でも、それでも──
ソウタはくしゃくしゃになった顔を両手で掻きむしった。
──誰か、お願いだから、お姉ちゃんを助けて──!
厚く閉ざされた空に沸き上がる黒煙を、ザイリンは見る。
乱戦極まる戦場の中で、ひときわ高くたなびく爆発の痕跡。
主力に近い大型ゾイドが、完膚なきまでに破壊されたに違いない。メタルzi の武器を持つ
討伐軍の機体か、それとも──
ザイリンは空を幾度も視線で射る。
斜めに滑空する影に一瞬心臓を締めつけられたが、鳥そのものの形と長い尾翼は、
求める相手のものではありえない。
討伐軍の目を担うレインボージャークは高く啼いて飛び去っていった。
──どこだ。
ザイリンの焦りは頂点に達する。
ただ一度だけ、だが、決して忘れることのできない時を過ごした相手をどうしても見つけることが
できない。心と体を交わした、唯一の女を──
──どこだ、フェルミ!
『みんな、逃げてください!』
少年特有の高く張りのある声が操縦席に反響し、ザイリンの思考を断ち切った。
ヴォルケーノごと振り向いた先に、バイオティラノの前に伏すムゲンライガーが見えた。
満身創痍で立ち上がることすらできない様子が、この距離からでも見てとれる。
──ジーンめ、させるか!
探すべき相手より先に、止めるべき相手を見つけた。ザイリンの意識と神経がヴォルケーノの
全身に拡散する。
──バイオ粒子・臨界──
人工知能の無機的な音声が殲滅兵器の解放を促す。ザイリンは神経系統の全てを駆使して、
機械の体を掌握した。
「君も逃げろ!」
ムゲンライガーに通信を飛ばし、操作板に両手を叩きつける。
ヴォルケーノの胸から紫を帯びた閃光が放たれ、膨れあがった神の雷を弾き飛ばした。
空気が燃え、陸上空母が横転し、微細な塵までもが音を立てて蒸発する。
バイオ粒子砲同士の競り合いは、戦いの趨勢をくつがえした。
ダークネスヘルアーマーを灼き焦がし、なおも動き出したバイオティラノに向けて、
リーオの武器を持つゾイド達が殺到した。
191 :
前スレ985:2006/05/09(火) 01:03:55 ID:lmXPDgis
今回は前のように連投はせず、一週間から10日に一回くらいでいく予定です。よろしくお願いします。
フェルミは死んでくれ…
なんでレッゲルまみれなんて解釈を
>>191 続きktkr!!! 待ってました!
戦闘シーンもいいなぁ…アニメのティラノ戦が頭に浮かぶよ。
ジェネシスのノベライズ担当して欲しいよ。マジでw
ゆっくりじっくり続きを書いてください。待ってるよ。
>>191 職人様、毎度の事ながらGJです。
続きを楽しみにしておりますので、じっくりよい作品を書き上げてください。
GJ!!
のんびりと、楽しみにさせていただきます
197 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:01:00 ID:Y2Nk57fM
ゾイドのSSサイトでオススメとかない?
そもそもSSサイトすら見つからないんだけど・・・あるよね?
あげてしまった・・・申し訳ない
あるサイトの人気投票で2位にユーノがいたこと感動した
>>197 エロを求めなければゾイド板にSSスレがあるから、その保管庫とか。
あとゾイドナビって言うSSリンク集がある。エロパロスレの保管庫は残念ながらまだないね。
>>200 へぇ、ちょっとびっくりだ。
ゾイドだったらすっかりレミコト一色になっちゃったからね、
坂崎絵が好きな自分としては寂しい限りだよ。
無数の光が天に昇ってゆく。
哀しくも、美しい光景だった。
機体につながれた管に身を預けながら、ザイリンは、ヴォルケーノの目に映る荘厳な葬列を
見つめていた。
限界を超えて駆使した体は、疲労の域を超えてぼろ布のようだ。
額から流れる血は未だ生ぬるく、口の中も錆の味でむせかえるようだったが、その不快さも、
全身を苛む痛みも、生きている証にほかならなかった。
──生きているのだ、私は。
胸に呟いてそのことを確かめると、ザイリンは、その生を許されなかった者達に悼む目を向けた。
淡い光のひとつひとつを余さず記憶に焼きつけようと、落ちかかる瞼に力をこめる。
──彼らはどこへ行くのだろう。
ウィプスは笑っていた。そこは、安らぎに満ちた場所なのだろうか。人と人とが争うことなく、
穏やかに微睡んでいられる場所なのだろうか。
光の翼と化したムゲンライガーの大刀に切り裂かれて、バイオティラノは消滅した。
あの瞬間、白く染まった世界の中で、ザイリンはジーンの光を見つけることができなかった。
彼は全てを砕かれ、無に還ってしまったのだろうか。それとも──
──それとも君も、その中にいるのか……?
ジーンも、ウィプスや彼らと同じ場所へ行けるのだろうか。血肉の通った体を失い、あの清冽な
光となることによって全てを禊ぎ、永遠の微睡みにひたることを許されたのだとしたら──
そう願うのは、おそらくザイリン一人だろう。友を救えなかった無力すぎる男の、身勝手な願いだ。
たとえジーンにとって、自分が野望のための道具に過ぎなかったのだとしても。
たとえジーンが神を名乗る悪魔であって、膿み爛れた狂人だったのだとしても。
それでも彼は、ザイリンの友だった。
友が世界を敵に回し、その身を滅ぼしてゆくのを、止めることができなかった。
──すまないジーン。結局私は、こんな形でしか君を救えなかった……。
ザイリンは、深くうなだれ友に詫びた。
いっそ共に行ってしまいたかった。この疲れ果てた体を脱ぎ捨て、ジーンと共に、ウィプスがいる
のだろうその場所へ。
だがそれは、許されない逃避だ。
ザイリンがそれを望むのは、この狂気に満ちた戦いの中で命を奪われた者達、生を渇望しながら
それを断たれた者達への冒涜でしかない。
どんなに辛くとも、ザイリンは生きねばならなかった。そう、やるべきことは、あまりにも多い。
『ザイリン、聞こえますか……?』
幼い声がザイリンを呼び戻した。
かつて仇敵として対峙し、今やかけがえのない戦友となった少年が、ザイリンの身を案じている。
「……ルージ君か」
『良かった、無事だったんですね!』
バイオゾイドと通常型ゾイドでは、通信はできても互いの顔を見ることはできない。だが、喜色も
あらわに跳ね上がった声は、あどけない笑顔を容易に想像させてくれた。
「君もな。本当に良かった……」
血と煤で汚れたザイリンの顔にも、笑みが広がる。
こんな罪人にも、帰りを待ちわび、必要としてくれる者がいる。
少年の無垢な歓喜は、疲れ果てたザイリンの心身に活力を注ぎ込んでくれた。
──ジーン。やはり私は、君とは行けない。君の遺したものと戦い、君の分まで罪を背負い、
もがき、あがいて生きなければならない。
それは決して、暗いばかりの道ではないはずだ。ルージ君のような子供達のために進む道、
彼方に光の見える道なのだから。
──だからもう、君のことは振り返らない。
かつての友に最後の別れを告げると、ザイリンは幼い友にも別れを告げた。
「行きたまえ。君を待っている人がたくさんいるはずだ。元気な顔を見せてやるといい──特に
キダの姫には、真っ先にな」
『な、何を言ってるんですか!』
声まで赤く染めて慌てる少年に、ザイリンは軽く笑った。
「行け。待っている人々を、不安がらせてはいけない」
『……はい』
短い返答には、万感の想いがこめられていた。
『じゃあザイリン、また後で。あなたとは、まだいっぱい話したいことがあるんです!』
溌剌とした叫びとともに駆け出したムラサメライガーを見送りながら、ザイリンは「またな…」と
低く呟いた。
それがどのくらい後になるのか、ザイリンにも知れない。
曙光に払われ消えゆく影のように、人々の歓喜の中、密かに逃げ去ろうとしている闇の残滓を
ザイリンは追わねばならなかった──それは彼女との約束だ。
ジーンの遺した負の遺産との戦いは、どれくらい続くのか。再びルージ君とまみえるのは、
いつの日になるのか。
──だがこの約束も、必ず果たしてみせる。
だから先に彼女を探し出し、彼女との約束を果たさねばならない。──戻ってくると言った君と
なら、この先の暗闘もきっと耐え抜くことができる。
「フェルミ……」
『──彼女を見たのか、ザイリン君?』
沈思を破る突然の通信に、ザイリンの心臓が大きく跳ねた。
「ボラー先生!?」
『ああ、すまない。何度か呼びかけたのだが、気が付かなかったようなのでな。──音量を上げ
させてもらった。とにかく無事で何よりだ、フェルミ少将は残念だったが……』
「残念?」
たたみかけるような師の言葉は、弟子の無事を喜ぶ色にあふれていたが、最後に差し込んだ
翳りがザイリンを侵した。
「彼女が──フェルミ少将が、どうしたというのです?」
鼓動が早まる。じわりと広がる染みのような不安に、ボラーの沈痛な面持ちが答えを出した。
「そうか。君はあの時、まだ到着していなかったのだな……ザイリン君、落ち着いて聞いて
くれたまえ。フェルミ少将の駆るバイオプテラは、バイオティラノに──」
悪意や敵意とほど遠い言葉も、致命的に胸を抉ることをザイリンは知った。
ボラーの告げた事実は、ザイリンの足元を崩して奈落へと突き落とした。
204 :
前スレ985:2006/05/15(月) 05:11:29 ID:AmWKMgvp
ザイフェル+ソウタです。次は3、4日以内に落とします。レスありがとうございました。
GJ!!
いやいや、いつもながら安定した筆力でありますね。素晴らしい
>>204 表現しきれないほどにGJ!!!
セリフ喋ってる表情まで含めて、終始無理なく映像が浮かぶなぁ…スゴス。
次は早めに投下されるようで、楽しみにしてます。
職人様、GJです!
ヽ(゚Д゚)ノ
( ヽ(゚A゚ )ノ('∀`(゚∀゚ )ノ
| |ノ ノ└ )V /
「 「 「 「 「
>>201 1位のコト姉と僅差、それ以降を大きく離しての2位
正直、佐賀2のEDでのゼルとのハァハァな会話で一番好きなヒロインだったのでものごっつ嬉しかった
それと今日はアーカナの町でチョコレートパフェがただになる日
GJ!!
TV東京のおはスタの6:55〜7:00ぐらいに、ルージがゾイドカードコロシアム
の紹介を「みんなおはー」っと紹介してるけど、
フェルミんのバイオプテラ、ソウタの銀スダッグもでないかな〜(;´Д`)ハァハァ
(ザイリンのメガラプトルは月曜日(15日)に紹介済み)
冷たい風が頬をなぶる。
土とゾイド達の破片を踏みしめながら、ザイリンは一人、荒野と化した自由の丘に
立ち尽くしていた。
潮が引くように凱旋の群れは去り、夜明けの光に白く照らされた大地には、他に動くもの
とてない。冴え冴えとした空気が、疲れきった体から容赦なく体温を奪い去ってゆく。
人々の歓喜に背を向けて、ザイリンは密かに戦場に舞い戻っていた。
勝利を高らかに告げるルージの演説すら聞き終えぬうちに、ヴォルケーノを駆って
再びこの地へ降り立ったのだ。
「撃墜、された……?」
幕を引かれたように目の前が暗くなった。震えだした足が憔悴しきった体を支えきれなくなり、
ザイリンは操作板に手を突いた。
『──そうだ。前線にいた兵士達の報告によると、突如雲間から戦場の中心に現れて、
バイオティラノに攻撃を仕掛けたらしい』
ボラーの口調は淡々と重い。
『だが、バイオプテラの攻撃はティラノの動きを一瞬止めただけにすぎず、ソウタ大尉の
ランスタッグは救出されたものの、そのランスタッグが装備していたケントロの大剣によって、
バイオプテラは墜とされた、と』
師の一言一言が槌のようにザイリンを打ちのめす。
フェルミの身を挺した贖罪が知れ渡り、彼女の今までの所業を責める声は、討伐軍からも
ディガルドの兵士達からも上がらなくなったと告げられても、救いにはならなかった。
『その後、戦局は混乱を極めて墜落地点の確認もとれていない。フェルミ少将は、恐らくもう…』
「……」
ザイリンの沈黙を、師はどう受け取っただろうか。
かつてフェルミとソウタの傍若無人なふるまいに悩まされていたボラーですら、二人の結末
には哀惜の念を禁じえないようだった。同じく彼女らを疎んでいたとはいえ、より近しい立場に
いた弟子が言葉を失うのは当然、と理解しただろうか。
──だが、違う。
フェルミとザイリンの間に交わされた秘め事を、ボラーは知らない。フェルミがいまや、
ザイリンにとってどのような存在であるのかも。
──君は言ったはずだ、「戻ってくる」と。それはこの戦場へではない。私のもとへという
意味ではなかったのか!
「──ザイリン君、ザイリン君!?」
敬愛する師の呼びかけも、ザイリンの意識を引き戻すことはできなかった。暗赤色に沈む
ヴォルケーノの内部が、絶望で塗りこめられてゆく。
ひときわ強い風が吹き抜けた。
嘲るように背中を押され、ザイリンは瓦礫の上に膝をつく。
「教えてくれ、フェルミ。私はこれからどこへ行けばいい……」
あれほど明確に見えていたはずの道が、今は見えない。
払暁の光はどこまでも冷ややかで、血と涙を流しきった体を暖めてはくれなかった。
「……うっ、う……う……」
ソウタは地に伏し、ただ嗚咽していた。
「……フェル、ミ……。おねえ、ちゃん……」
何度そう繰り返しただろう。しかし、ソウタの呼びかけに答える者はいない。
「なん、で……どう、して……」
その問いも、幾度繰り返したか知れない。
フェルミは、ソウタが姉と慕った女性は、永遠に失われてしまったのだ。
「答えてよ、フェルミ!」
それでもソウタは問いかける。
──勝手に捨てて、勝手に助けて。理由も何にも教えてくれないまま、僕を置いて
行ってしまうなんてひどすぎる──!
諦めきれなかった。フェルミが自分を助けてくれた訳を、どうしても知りたかった。
勝利に沸く討伐軍の隊列を離れ、傷心をいたわってくれたミィの目すらかすめて、
ソウタはここに戻ってきた。
無惨に潰れたランスタッグの頭部は、あの時のままに打ち捨てられていた──
まるでソウタそのものだ。傷ついてぼろぼろの、この形は。
「お姉ちゃん……」
目を閉じて、汚れきった機体に頬をすりつける。ささくれだった表面が皮膚に
幾筋も痕をつけたが、痛みさえ感じなかった。流れる涙だけが、ただ、熱い。
『フェルミ──!』
それはソウタの声ではなかった。いや、自分のものでありながら、自分のものではなかった。
機械的にくぐもった響きに、ソウタは目を見開く。
『だめ……ううっ……』
また、聞こえた。だがこんどは、ソウタのものですらない。
──この、声。
ソウタは泣き腫らした瞼を激しくまたたく。── お姉ちゃん……?
獲物に飛びつく獣の勢いで、ソウタはひしゃげたランスタッグの操縦席にもぐりこんだ。
もはや残骸でしかないそこに身をひそめ、必死に耳をすます。
『だ……め…………う…う…っ…………』
先程よりはるかに低く、別人のように間延びした声が反響する。
何度かそれを繰り返し、ただの雑音と化した後で、やがて止まった。
──記録音声……?
ソウタは呆然と顔を上げる。
かつてソウタが乗機としていたバイオケントロは、新型の実験機だった。
この決戦において、ソウタとソウタの仲間達を苦しめた量産型ケントロ。
それを完成させるために、ありとあらゆる情報を集めるための媒体が搭載されていて、
録音機器もその一つだった。
機体の鋭い動作音、敵機が砕かれる音、ソウタ自身の笑い声。
そんなものを何度も再生しては、自信と過信にあふれた当時のソウタは悦に入ったものだ。
──どうしてランスタッグにこんなものが。
ソウタはいぶかしんだが、考えてみればさほどの謎でもない。
ランスタッグとて、戦闘用に特化された大型ゾイドだ。大変動以前には、バイオゾイド同様の
血なまぐさい意図で使われていたのだろうし、未だ用途が不明な無数の計器類の中に、
このような装備が隠されていても不思議はない。
ソウタは再び記憶をさぐった。
ソウタがフェルミの名を叫んだのは、プテラが撃墜された後だった。
そのさらに後に、フェルミが喋っている──つまり、フェルミは。
──生きてる……?
その時、ソウタの脳裏に閃くものがあった。かつて自分にもこんなことがあった──
ズーリでの、ムラサメライガーとの戦いで。
どうして今まで忘れていたのだろう。ケントロの機体が砕け散るような爆発の中でも、
ソウタは生きていたではないか。
正直、その瞬間は覚えていない。どうやって脱出したのかも記憶に無い。
気がついた時には、襤褸をまとってズーリの街をさまよっていた。
ソウタは弾かれたように顔を上げた。振り仰いだ空は青く晴れ渡り、希望という言葉を
容易に連想させてくれた。
──フェルミは、生きてる……!
ランスタッグの残骸が、地響きとともに大きく揺らいだ。
慌てて操縦席から這いだしたソウタの目に、荒野にたたずむ深紅のゾイドが映った。
「ヴォルケーノ!」
やや遠いが、見間違うはずがない。この戦いで生き残った数少ないゾイド、かつての
仲間であり、この戦いで再び仲間となった、ザイリンのゾイドだ。
──ザイリン。あいつなら、きっと── !
ソウタは立ち上がり、駆け出した。
まろぶ勢いで、彼方にそびえる赤い竜に向かって。
214 :
前スレ985:2006/05/18(木) 16:04:08 ID:gBmke/WD
次も3、4日後の予定です。レスありがとうございました。
>>214 続き乙です。
放送時には若干矛盾や無理があると思われたフェルミの行動などの各要素や、
スレに書き込まれてたソウタのセリフのとこでフェルミの声が聞こえるという話、
そういったものが全て始めからこの話のために用意されていた伏線だったみたいだ……
GJ!!!
乙乙&GJ!!
ミィ様×ルージ
を書いてくださる方はいらっしゃいませんかのう・・・
>214
GJです。続きをワクテカで待っています(;´Д`)ハァハァ
一直線に駆けてくる。青いライガーが、ミィに向かって。
胸が詰まった。苦しいほどの高鳴りを抑えようと、ミィは両手をその上に置く。
薄い膨らみの奥から、溢れだしそうな勢いで鼓動が響く。
──ルージ。
あのとき手を伸ばしながら呼んだ名を、再び胸の内で繰り返す。注ぎこまれたその言葉が、
鼓動をいっそう早く鳴らした。
──ルージ!
内なる叫びはミィの体を大きく揺らした。察したのだろう、支えてくれていたセイジュウロウが
離れた。寡黙なルージの師は、幼い邂逅を妨げぬよう背を向けて歩き始める。
ミィの亜麻色の髪が大きくなびいた。服の裾がはためき、砂埃が舞い上がる。
朝日を浴びてそそり立つムラサメライガーが、内に抱いた少年の声そのままに、
歓喜の雄叫びを上げた。
「ミィ!!」
勢いよくひらいた操縦席から、若木のように細い体がすべり出してくる。
まるでそこが定められた場所であるかのように、ルージがミィの前に降り立った。
「怪我は、ない?」
「……うん」
どうしてだろう。いつもなら憎まれ口のひとつもたたいてしまうのに、不思議なくらい
素直に頷ける。
「本当に?」
いきなり手をとられて、ミィの顔にさっと朱が射した。
「な、何をするのよ!?」
だがやはり、声にいつもの険がこもらない。
そのせいだろうか。ルージもいつものように詫びることなく、あくまで穏やかにミィを気遣う。
「だって、ミィは強がりだから。痛いのを我慢してるんじゃないかと思って」
「……大丈夫よ、本当に。どこも痛くないもの。かすり傷だけなんだから」
長い睫毛を伏せてミィは答える。──本当におかしい。今までの自分だったら、
こんなことを言われたら、反発心のあまり手を挙げてしまっただろうに。
頬がじんじんと熱い。だが、それ以上に握られた手が熱い。ルージはそっと包み込む
ようにして、ミィの言葉が偽りでないかどうか確かめているようだ。
唇をきゅっと引き結んで、ミィはその感触に身を任せている。
やがてルージが「良かった……」と呟いた。
「本当に無事だったんだ。ミィになにかあったら、俺」
「だ、だから大丈夫だって言ってるじゃない! 私が嘘をつくとでも思ってるの!?」
「思わないよ。でも、ミィは自分のことより、人のことばかり考えるから」
「そんなこと……」
上目遣いに見上げたミィを、いきなりルージが抱きすくめた。
「……!」
「ごめん。俺、もうがまんできない……」
「ル、ルージ……」
ミィは慌てて周囲を見渡そうとする。だが、華奢なはずのルージの体に遮られて
何も見えない。手をついた胸板も、顔をうずめた首筋も、自分と同じ子供のもの──
か細く頼りないはずなのに、どうしてこうも逞しく感じるのだろう。
歓声が遠い。重なる少年と少女の姿を、ムラサメライガーがその陰に守った。
ルージの指が頬をなぞる。そっと顎をつかまれ、上を向かされた。
触れんばかりの近くから見つめるルージの瞳は恐いくらいに真剣で、ミィの唇から、
自分でも驚くほど切ない喘ぎがもれる。
「いい、かな……?」
それは、あの時と同じ行為を求める言葉だった。決戦の前夜、ミィとルージは幼い唇を
初めて重ね合わせたのだ。
しかも、ミィから。だがそれは精一杯の背伸びだった。良く覚えてはいないが、きっと
情けないほど震えていたはずだ。ルージは勝ち気な少女の必死さを、ただ抱きしめる
体温で受け止めてくれたが、そのルージが、今は自らミィを求めている。
恐い。応じたら、自分が自分でなくなってしまいそうだ──だが、嬉しい。
涙が出るほどに嬉しい。
ううん、きっともう泣いてしまっているに違いない──でも、それでいいのだとミィは思った。
ルージを受け入れたら自分は変わる。でも、ルージはミィを壊したりはしない。
優しい少年に触れられて、きっと自分も優しく変われるのだろう。
ミィは答えの代わりに目を閉じた。その弾みで流れ落ちる感触があって、やはり既に泣いて
しまっていたのだと知る。しかし、もどかしさも恥じらいも、ともに流され消え去ってしまった。
「好きだよ、ミィ……」
衝動を押しとどめて律儀に告げた後で、ついにルージの堰は切れてしまったようだった。
少し強引に、でもやはり優しさを失わない程度に、ミィの唇に自分のそれを押しつける。
「……ん……!」
ミィは震えた。息が苦しい。加減を知らない性急さで、ルージの腕がミィを締めつけてくる。
だが、少しでも長くルージに触れていたくて、ミィは耐えた。
突如、沸きあがる歓声が二人を包んだ。はっと体を離して、ミィとルージは慌てて
周囲を見渡す。
「おじさま!」
凱旋の列を率いたソードウルフが丘の向こうに姿を現した。人もゾイドも、全てが一つの流れ
となってやってくる。うねるような歓喜の渦が、夜明けの光とともに世界を満たしていく。
デッドリーコングがいる。エレファンダーがいる。二匹のブラストルタイガーも、
ランスタッグの群れも──
遥か手前で光が弾けた。去ったはずのセイジュウロウが、背負った刀を抜き放ち、
道標のごとく掲げている。
ロンが、コトナが、ア・カン達が、それを囲んで手を振っている。ソードウルフの率いる群れが
明らかに向きを変えて流れ出した。
「みんな、帰ってきたんだ」
「……うん」
ムラサメライガーの陰から飛び出て、二人も大きく手を振った。遠く近く、呼びかける声が
さざめく。応えて二人も、声を限りに叫んだ。
「……っ、もうっ、きりがないじゃない!」
「そうだね、本当だ……!」
ミィとルージは息を切らして笑いあう。大切な仲間の多すぎる名前をとても呼びきれはしない。
「行こう、ミィ!」
ルージがミィの手をとった。幼い秘密はいつでも増やせる。今はただ、大切な少女を
待ちわびた肉親に会わせてあげたかった。
「うん!」
ミィは引かれるままに駆け出した。いつか見た白昼夢のように、少年の背中を見つめて、
導かれるままに。
221 :
前スレ985:2006/05/19(金) 23:24:01 ID:a7iO5p3h
閑話休題で4と5の間の挿話です。
他の職人さん待ちだったのですが、この二人もすごく好きなので思わず書いてしまいました。
次は続きに戻ります。
>221
脳から汁が出るくらいGJ!
ルージキュンカコヨス
ミィ様オメガカワイス
>>221 乙です。 こっちもGJ!!!
常になくミィ様カワイス。ルージもカッコヨス。でもちゃんとミィ様とルージなんだよなぁ。うまい。
いや、素敵であります。GJ!!
>221
GJ!!
ザイフェルソウタのラストは、ルーミィと一緒の敵味方全てが怨讐を捨て、未来へ進む大団円エンドをキボンヌ
あれ……前見たルーミィとなんか違うと思ったらやっぱり違ってたんだ……
乙でした。色々なキャラが書けてすごいですね。
>>221 WでGJ!
前作もフェルミの可愛さに萌え転がったけどミィ様だとこうもパワーアップしますか。
ところで
>>20氏や
>>59氏ってまだこのスレ見てるのかな?
貴方がたのフェルミもとても読んでみたいです。おながいします。
バン「…」
ルドルフ「どうしたんです?バン。」
バン「なぁ…ルドルフ。」
ルドルフ「はい?」
バン「何かアーラバローネ…一人増えてないか?」
ザイリン「君はまさか!」
ルージ「ザイリン、知り合い?」
ソウタ「フェルミーー!生きてたんだね!」
?「違うは、私の名はお風呂仮面。フェルミという女ではないわ。」
ルドルフ「ロッソとヴィオーラが助けたんだそうです。」
きゃっちゅーれいたー
「ハンティングの依頼?」
RDとシグマは望んでいたわけでもないのに声を合わせる事になってしまった。
「そうだ。しかし、ただのハンティングとは違う…」
ブルーシティよりはるかに離れた開拓地で野生のライガーが群れを成して人間を近づけないらしく、惑星Zi全土から事態を収めるべくゾイド乗りを集めているらしい。
ライガーの群れともなれば開拓団の護衛ゾイド程度では手に負えない、下手をしたら軍隊が顔を出しかねない相手である。
しかし、野性ゾイドが減少したこのご時世に野生のライガーを手に入れることができれば、一生遊んで暮らすことができるかもしれないほどの大金が転がり込んで来るかもしれない。
そのようなチャンスを目ざといゾイドブローカーが見逃すはずはなかった。
「つまり、そこにいる謎の野性ゾイドを捕獲すればとんでもない賞金が手に入るわけだな?」
「そうだ。
この群れで確認されているのはシールドライガー、シールドライガーブロックス、レオブレイズ
…そして、謎の小型ライガータイプゾイドと大型のライガータイプのゾイドだ。」
マスクマンはコンソールを操作して望遠レンズで捕らえた『謎のライガータイプ』の画像をスクリーンに大写しにして見せた。
「背中にブレードみたいな物を背負ってるねぇ…ひょっとしてツルギのグラビティサイクスだったりして」
冷やかすように言ったシグマが『キヒヒ』と笑いを漏らす。
「ともかく、この野生ゾイドの群れの正体は一切分からない。
もしかしたら野性ゾイドではなく、人間が何らかの意図があって操縦しているのかもしれない。
どこからともなくこんな大量のライガーの群れが現れるなどとは思えないからだ。
くれぐれも油断するなよ、シグマ、RD!!
それから、今回は我々ファイターズリーグのZiファイターだけでなくウォリアーズリーグにも依頼されているらしい。
くれぐれもいざこざだけは起こさないでくれよ。」
続く…
乙
「ザイリンを見ませんでしたか?」
やっとの思いで呼びかけた十数人目にも、あえなく両手をとられてしまった。
そのままお決まりの賛辞を浴びせられて、ルージは照れつつも閉口する。
せめて自由のきく目で青年の姿を探そうとしたが、自分よりはるかに丈のある
大人達に囲まれていては、叶わぬ相談だった。
──他のみんなとは会えたのに。
すでに引き離されてしまったが、ミィやラ・カン、、ロン、ガラガ、セイジュウロウ、
コトナとは再会を果たした。ティ・ゼやハック、ガボールといった討伐軍の面々ともだ。
勝利の宣言を終えて以来、彼らもルージ同様にもみくちゃにされてはいたが、
それでも流れゆく先々で姿を見かけた。ボラーをはじめとするディガルドの将校達もだ。
なのに、ザイリンだけが見当たらない。
──どこにいるんだろう、一体。
早く会いたい。今、もっとも近い立場にいるだろう彼とは、話したいことが山ほどあるのに。
「あの、ザイリンを」
再び開きかけた口も、まくしたててきた別の相手に遮られる。討伐軍の若き英雄は、
当分解放されそうにもなかった。
「ザイリン君を見なかったか?」
「いえ、存じませんが」
副官のガゼルに首を振られてボラーは黙り込む。
弟子の姿が永らく見えない。歓喜に沸き、無秩序にうごめく人波に巻かれている
とはいえ、そろそろ巡り会えてもよさそうなものだが。
もっとも、ガゼルにすらようやく巡り会えたのだ。ルージ・ファミロンと並ぶ決戦の
功労者である彼は、自分達以上に人々に囚われているのだろう。
ボラーとガゼルの周りにも、新たな壁が築かれつつあった。笑みを浮かべて応じつつも、
ボラーの心には掛かるものがある。
──ザイリン君、フェルミ少将の件を相当気にかけていたようだが。
人の生死に鈍感な青年では、決してない。ましてや関わりは深かったのだ、
確執を越えて悼むのは当然だろう。
だが、ボラーは弟子の態度にそれ以上のものを嗅ぎ取っていた。
──まるで、恋人か伴侶を失ったような。
ありえない。ボラーは即座に打ち消した。好悪の情は、そうたやすく入れ替わるもの
ではない。彼はフェルミを疎んでいたのだ。
ザイリンとフェルミの邂逅を、ボラーは知る由もなかった。
「いずれにせよ、私でこと足りるなら聞いてやりたいものだ……」
「何かおっしゃいましたか?」
「いや」
怪訝そうに問うガゼルに、ボラーはかぶりを振ってみせた。
憶測しても意味はない。ザイリンが語れば受け止めるし、語らなければ触れないだけだ。
早く弟子に会いたかった。彼が心身ともに傷を負っていることは確かだ、何はなくとも
顔を見て安心したい。
人波はまだ、流れ続ける。
「気付くのは、追えぬほど遠くに去ってからじゃろうな……」
ダンブルは一人小高い丘に立ち、眼下の渦を見下ろしていた。
衰えぬ視力には、彼と親しい人々の表情がはっきりと見てとれる。
「じゃが、それはあやつ自身が望んだことじゃ。引き止めるのは無粋じゃろうて」
老練なゾイド乗りは空を見上げた。夜明けの白さは霧のように溶け、
すでに紺碧が痛いくらいだ。
「やるべきことがある、か……。あやつ、わしらにできぬことを一人で背負うつもりか」
ダンブルからすれば、子か甥ほどの青年。その行く末を思って老女の顔は曇った。
「せめて道連れでもあればのう」
孤独はつらい。悔恨に苛まれながら過ごすそれは、なおさらだ。
ましてや彼は、及びもつかない何かと戦いに行くのだ。ダンブルは己の過去を重ねて
溜め息をついた。
「せめて好いた女か家族でもおれば、支えになるんじゃろうがの……」
ダンブルは再び天を仰いだ。太陽は、すでに中天に差しかかろうとしている。
「確かなんだな?」
「うん、あれは絶対にフェルミだった。僕が聞き間違えるはずがないよ」
力強く頷きながらも、ソウタは戸惑いを隠しきれない。
フェルミが生きてる、助けて欲しい──そう告げた時のザイリンの反応は、
ソウタの予想を超えていた。
つかみかからんばかりの勢いで説明を求めると、話を聞き終えもしないうちに
ソウタを抱え上げ、ヴォルケーノの中へと引きずりこんだのだ。
いきなり現れたかつての仲間に対し、何の詮索も詰問もなかった。
そもそも彼は、フェルミを探すために戻ってきたのだという。それ自体がすでに
信じがたかったが、憔悴しきった顔に浮かぶ必死の形相は、ありえないとすら思えた。
──フェルミのことも僕のことも、ずっと嫌ってたはずなのに。
安堵よりも心強さよりも、疑問の方が先に立つ。
しかし、操作板に両手をかざし、起動のための操作を続ける横顔は、問いを許さぬ
気迫に満ちていた。
ザイリンなら瀕死の人間を見捨てはすまい──そう見込んで頼ったとはいえ、
過去の非礼の記憶も生々しいソウタは、居心地が悪いばかりだ。
土下座して、足にすがりついてでも懇願する気でいたのに、このままでは納得がいかない。
ソウタはおずおずと青年を見上げて、せめてもの気遣いを口にした。
「ごめんねザイリン。ティラノと戦ったばかりなのに無理をさせて……。僕にできることなら、
後で何でもするから」
「……本当に変わったな」
憑かれたように急いていた目が、はじめてまともにソウタを見据えた。
234 :
前スレ985:2006/05/27(土) 11:50:44 ID:MaRVXo2b
遅くなりましたが続きです。レスを下さる方々、本当にありがとうございます。
通販の件ですが、小説本の委託は難しいらしく、そちらの目処はまだついていません。
申し訳ないですが、興味のある方はそれらしいキーワードを入れてググって頂ければと思います。
>>228 これは良いお風呂ですね。ぜひ続きを!
>>232-233 神キテタ━━(゚∀゚)━━!!
今回はちょっと短めですがあまり接点のなかった男二人を近づける導入編といった感じでGJ!
次もワクテカしながら正座で待ってます
>>234 続き乙です。
戦いの後のルージ、確かに放してもらえそうもないよなw
下手するとそのまま引きずられていって、不眠不休の宴会突入、ぐらいありそう。
そしてボラーとダンブルが良い味出してますね。GJ!!
GJ!!
転載
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1146365860/ 111:名無しさん@お腹いっぱい。 2006/05/27 20:11:40 80D+KAv6 [sage]
・・・こっそりと、ちょっとばかしドギマギしながらフィギュア誌を読んでる、ルージの後ろからヒョイとコトナが現れ、
「あら、ルージ、何のお勉強かしら?」
と、不意打ちでルージの両肩にポンと手を置き、ほっぺたをくっつけるような格好で、ルージの背中から肩越しに覗き込んで来る。
「あっ・・・」
と、息を呑んで振り向こうとして、頬にザワつく柔らかい産毛の感触と共に、目と目が横ざまに絡み、ほの甘い髪の香りを吸い込んでしまったルージは、その場で感電したように瞬間フリーズ。
「ふーん・・・、これ、ほんとのわたしよりスタイルいいかもね」
「・・・・・」
叩いたら砕けそうに固まったルージの、バツが悪いとも甘酸っぱいともつかない横顔を、ちょっぴり意地わるそうに微笑しながら覗き込んでいたコトナの顔が、急にどこか切なくほころんだ。
「大丈夫よ。・・・こんな人形とか無くたって、ほんとのわたしが、いつもそばにいてあげるから。ね・・・」
そう言って、ルージの肩に置かれた両手が滑り落ちるように首へと巻かれ、紅潮した頬の上に、柔らかい唇の気配が一瞬よぎった。
(以下略)
・・・ワッフルワッフル?
・・・こっそりと、ちょっとばかしドギマギしながらフィギュア誌を読んでる、ルージの後ろからヒョイとミィ現れ、
「ルージ!? 居るんだったら返事しなさいよッ!」
慌てて読んでた雑誌を後ろ手に隠すルージ。
その慌てっぷりを見逃すミィ様ではない。
「ちょっと、ルージ、今何隠したのよ!?」
と、ルージに飛びつく。
見られまいと必死にもがくルージだが、柔らかくて小さなミィを力づくで振りほどくなんてことは出来ないのもルージだったりする。
ルージの隠していたフィギュア誌を取り上げると
「あっ・・・」
と、息を呑むミィ。
頬を染めながらページをめくる。
「ふーん・・・、ル、ルージ…こんな…こんなの見てるんだ」
「・・・・・」
叩いたら砕けそうに固まったルージの、バツが悪いとも恐れおののいているともつかない横顔を、
氷よりも冷たい視線で焼きながらミィは
「ル、ルージ…は…お、おっぱい……おっきな、ほうが……好きなの?」
哀しそうな視線で、ルージを見つめながら。切なげな風情で姫様は少年に尋ねる。
「ち、違うよ! こ、これは、たまたま、そこにあったからみ見てただけでで、そ、その・・・大きさとかどうでもいいっていうか……
ミ、ミィくらいのが丁度いいよ!」
「わ、私くらい…って! 見たのね!」
「見てない!見てないよッ!!ふ、服の上から、これくらいかなって、想像しただけだって!」
「・・・///」
「・・・///」
つづかない
>>239 ミィ様Ver GJ! キャラの差から来る展開の違いがうまいなw
\91000て・・・・・・
やっぱりコトナさんは凄いなあ
「ズーリ以来いろいろあったようだが、おまえにとっては幸運だったか。
……人は変わるものだな。おまえといい、フェルミといい」
「え?」
思わぬ言葉にソウタは瞬く。
「フェルミがどうしたっていうの? ザイリン、フェルミと何かあったの?」
「何か、どころの騒ぎではないな」
ザイリンは苦笑する。それはソウタが初めて見る、無防備な素の表情だった。
「私はフェルミに救われたのだ。ディグでバイオティラノに挑み、とどめを刺されそうに
なったところをな。彼女はジーンに背き、自らの地位を捨ててまで私を助けてくれた……」
「フェルミがザイリンを!? どうしてそんな」
ソウタは叫んだ。失言に近い表現だったが、それほどの驚きだったのだ。
フェルミはザイリンに嫌われるほどにはザイリンを嫌ってはいなかった。
むしろ、興味を抱いていた節さえある。だが、全てを投げうってまで救うなど、ありえない。
フェルミは何より自分を大事にしていた。そういう人間だった。
気に入ろうと気に入るまいと、自分以外の全てはおもちゃ。愛玩するのも嗜虐するのも
自分のため──だからこそ、意に添わなくなったソウタをああも簡単に切り捨てた
のではなかったか。
やるせない思いにわななくソウタに、ザイリンは淡々と告げる。
「さあな。理由など知らない。おそらくは、フェルミ自身にも分かっていなかったのだろう。
だが、ほんの気まぐれと言いつつも、相応の覚悟は決めていたように思う」
自分のこととて口にはしなかったが、恐らくザイリンは機械兵の正体に憤り、
激昂のままジーンに挑んだのだろう。
いかにディガルド一のゾイド乗りとはいえ、単身ティラノに挑むなど、無謀にすぎる──
なのにザイリンはそうした。その姿がフェルミを動かしたのだろうか。
──だから……?
「だから僕のことも助けてくれたの? 僕が討伐軍に入ってジーンと戦い、仲間のために
殺されそうになったから? ……なら、どうして」
ふいに箍がゆるんだ。内に押しこめ撓みきっていたものが、思わぬ激しさであふれ出す。
「どうして僕を、いらないって言ったのさ。鬱陶しいって、壊れたおもちゃだって言って、
バイオラプターに襲わせて殺そうとしたんだよ。笑ってたんだ、フェルミは……」
さも楽しそうに追いつめて、最後は自ら葬り去ろうとした。迫りくるバイオプテラの火球を、
ソウタは忘れることができない。
「どうしてなんだよ! あんな風に捨てておいて、今さら助けるなんて! 結局僕のことなんて
何も考えてないんだ。僕がどんな気持ちになるかなんて、ちっとも考えてない……」
嗚咽で言葉が継げなかった。しゃくりあげるソウタの頭を、硬い感触がそっと覆う。
「人の心は分からぬものだ」
雫を飛ばす勢いで顔を上げたが、置かれたザイリンの手は離れなかった。
無機質な殻に包まれたはずのそれが、不思議と温かい。
「他人の心は言うに及ばず、ときに自分の心さえもな。フェルミの心は窺い知れない。
フェルミ自身にも分からないかもしれない。だが、少なくとも彼女は、命をかけてお前を守った」
「……」
「いらない者を庇いはすまい。理由が知りたければ、訊けばいい。フェルミは生きているし、
おまえも生きている。これからいくらでもやり直すことはできる」
「でも……!」
「死んだ者とは話もできない。私とジーンのようにはなってくれるな」
ソウタは目を見開く。激しい瞬きに流れ落ちるものがあり、ザイリンの手がそれを拭った。
「ジーンは最後まで敵として逝ったが、フェルミはおまえを救ったのだ。
次はおまえがフェルミを救い、やり直せばいいだろう」
「ザイリン……」
「フェルミを死なせはしない。これ以上、誰もジーンに殺させはしない。──だから力を貸してくれ。
彼女に救われた者同士、私達には義務があるはずだ」
ブン、と重い振動が突き抜けた。目覚めたヴォルケーノが鈍く蠢動をはじめ、
向き合う二人を淡い光が染め上げてゆく。
かつて仲間でありながら、仲間ではありえなかった二人。フェルミが繋いだ再会に、
ソウタは不思議な予感を覚えた。目の前の青年をすがるように見上げる。
「……僕にできることなんてあるのかな」
フェルミにいらないと言われた、こんな自分に。
「もちろんだ。プテラの墜落地点は覚えているか?」
「……北39.1905、東128.5482。四位以下の数値に自信はないけど、
そう大きな誤差はないと思う」
「さすがだな」
ザイリンが笑む。
「こういう言い方はそぐわないが、おまえがプテラの撃墜を目撃していて幸いだった。
手当たり次第に探る気でいたが、これで相当手間が省ける」
ソウタが好んでたしなむ絵は、この計測技術の一端にすぎない。
対象を精緻に写しとる目は、空間をも把握する。複雑な地形をいかに駆け巡ろうとも、
ソウタはいつも、自分がどこにいるかを認識している。
フェルミに嫌われた自分。つけあがっていた過去の自分。でも、その自分がいたからこそ、
フェルミを救える可能性がある。
ジーンとザイリン、フェルミとソウタ。どちらも利用と依存の末に、他を巻き込んで破綻した。
その過去は消せはしない。だが、やり直すことはできるのだ。少なくとも、生き残った者は
償わねばならない。
──フェルミも一緒に。
そうだ、フェルミもそこから逃げられはしない。だから決して死なせはしない。
その先の辛さなら、ソウタも一緒に背負えるのだから。
フェルミには自分が必要だ。弱さではなくそう思った──僕は、フェルミのもとに、
行かなければならない。
「いくぞ」
短い言葉にヴォルケーノが震えた。主の意を受け咆哮をあげる。
「うん!」
ソウタの答えが合図となった。竜は地を蹴り疾走をはじめた。
246 :
前スレ985:2006/06/02(金) 17:15:10 ID:9MP05EC/
急ごしらえですが落としていきます。練りきれてませんが、機会を逃すとまた遅くなりそうなので……
いつも丁寧なレス、ありがとうございます。
>>246 続き乙です。お待ちしてました。
ジーンとザイリン、フェルミとソウタの関係の重ね合わせや、
ソウタの絵の才能の解釈、うまいなぁ。
次も楽しみにしてます。
248 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 02:29:11 ID:zD9V656S
保守
GJ!
いつもながら心理描写がうまい。無理せずゆっくり書いて欲しい。GJ!!
GJ!!
ザイリン、ソウタの心理描写に脱帽です。GJです
秀作かつ労作GJ!!
王子inルージの世界
ルージ「う…うっ!俺が弱いせいで…俺がもっと強ければ…」
王子「気にしないでルージ、誰も君のせいは思っていない」
ル「アトレー…ありがとう」
王「嬉しい事言ってくれるじゃないの。じゃあとことん喜ばしてあ(ry」
ル「アッーーーー!!」
王「お別れだね、ルージ」
ル「アトレー…君は本当に他の世界の人間なんだね…」
王「君にやる事があるように、僕達にもやらなきゃならないことがあるんだ」
ル「アトレー、また会えるよね?」
王「嬉しい事言ってくれるじゃないの。じゃあとこt(ry
ル「ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
この後の王子の運命
@ザイリンに襲われるが返り討ち
A丸焼き姫に(ry
Bレジーナに説教されるが(ry
と言う題名です
横入り失礼します。ザイリン×フェルミ+ソウタ、これが最後の投下です。
「ダ・ジン、銀ちゃんを知らない?」
やや控えめにミィは問う。
つかず離れず側に控え、押し寄せる人波からミィを庇っていた忠臣は、しかし、
思いもかけない柔らかな表情で答えた。
「銀殿ですか。はて、とんと見かけておりませんな」
「銀、殿……?」
ミィは大きな目をいっぱいに見開く。
「ダ・ジン。あなた、銀ちゃんのこと嫌ってたんじゃなかったの?」
キダ藩の家臣、ズーリの長。ダ・ジンはその立場から、ディガルドの将校だった銀を
忌み嫌っていたはずだ。
姫たるミィに幼い執着を示したせいもあるだろうが、ダ・ジンは銀を『ディガルドの小僧』
と呼んで疎んでいた──共に戦う仲間となってからも、ずっとだ。
「確かにそうでしたな。いや、今となってはお恥ずかしい」
ダ・ジンはきまり悪そうに頭を掻く。だが、すぐに笑みを消して声を落とした。
「この老いぼれめは、ずいぶんと目を曇らせておったようです。まさか銀殿があそこまで
捨て身の戦いを見せ、バイオプテラの女がそれを庇おうとは」
ミィは息を詰めた。今さらながらに思い出したのだ、バイオプテラの予想だにしなかった最期を。
バイオプテラとそれを駆る女、フェルミ──ミィも何度か対峙して、命を脅かされた相手だ。
グイを率いてズーリを灼き、一途に慕ったソウタを見捨て、ギルドラゴンを落とそうとした。
好意など持ちようもなかった。ジーンと並ぶ非道な敵だと見なしていたが、その女が、
最後の最後で銀を庇った──
「……私も驚いたわ。銀ちゃんはずっと前から変わってた。ダ・ジンが許せなかったのは
仕方がないけど、助けられてからの銀ちゃんは、本当にいい子だったんだから。
──でも、バイオプテラのあの人は、あんなふうに死んじゃうなんて思いもしなかった……」
ソウタがひたすら慕った相手。あんなひどい女をなぜ──ミィはずっとそう思っていたが、
今なら少し、分かる気がする。
「絆というのはあるのでしょうな。どんな非道な敵にでも」
ダ・ジンはミィをいざなった。ようやく途切れた人波をすりぬけ、目についた場所に腰を降ろす。
「彼らも同じ、人だったということです。憎くないとは言いませぬ。バイオプテラの操縦者も、
あえて言えば銀殿も、ズーリを破壊し多くの民を死なせた──忘れることなどできませぬ。
ですが、それを言うなら私とて、無理に戦に駆り出されたディガルドの民を、幾人殺したか
知れない」
「そんな……」
眉根を寄せて見上げたミィに、ダ・ジンはゆっくりと首を振ってみせる。
「そういうことなのです。キダの地を追われて以来、憎むことに慣れすぎて、己が憎まれる
ことにまで考えが至りませなんだ。許さぬ者は、許されることもないというのに」
「ダ・ジン……」
「情けのうございます。歳だけ無駄に重ねて頑なになっておりました。姫とルージ殿が、
幼き御身であれほど許すことを示されたというのに」
力なく笑うダ・ジンをミィは見上げる。
「ダ・ジン……銀ちゃんを許してくれるの?」
「努力はいたします。憎むのも憎まれるのも、もう飽きましたゆえ」
それが精一杯の答えであることは、ミィにも分かった。だから十分だった。
しばし膝を抱えた後で、振りきるように明るい声を出す。
「みんな、幸せになれるといいわね」
勢いよく立ち上がり、服の裾をひるがえしてみせる。
「ディガルドの人達も、討伐軍のみんなも。世界中の人達が笑顔で暮らせるようになるといいわね」
それはかつて、敬愛する叔父が語った理想だった。
「なりますとも」
ダ・ジンは笑みを深くする。
「我々は、そのために戦ってきたのですからな。銀殿もまだお若い。ディガルドで
失ったものは大きくとも、未来はいくらでも開けましょうとも」
二人は空を見上げる。どこまでも続く青に、これからの世界が示されている気がした。
「ねえコトナ、銀くんを知らないかな?」
「銀、くん?」
コトナはロンを見上げて小首を傾げる。
「ああ、あの子のことね。そういえば見かけてないけど……」
押し寄せる人波を逃れ、横座りに休んでいたコトナのもとに、飄々とした旅の仲間がふいに
姿を現した。その口からこぼれ出た意外な名前に、コトナは思わず腰を浮かせかける。
「でも、ルージの演説が終わってからは、他のみんなともろくに会えてないから。少なくとも、
この辺りには来てないわよ」
「やっぱり君も気になってたんだ」
途端にロンが相好を崩した。コトナは一転、形の良い唇を尖らせてみせる。
「……相変わらず人が悪いのね。見てたのなら、わざわざ聞かなくてもいいじゃない」
実はコトナも銀を探していた。レインボージャークごと落とされた衝撃のため、足を棒に
するわけにはいかなかったが、座りつつも首を巡らせてその姿を求めていたのだ。
「ごめんごめん」
ロンは詫びた。軽い口調だったが声は真剣だった。
「実を言うと、話がしたかっただけなんだ。他の誰かと、彼らのことについてね」
「彼ら?」
「そう、彼ら。銀くんと、バイオプテラの操縦者のことさ」
コトナは黙りこむ。どう答えたものか分からなかった。
「迷惑だったかな?」
ロンはかりこりと頭を掻く。
「別に……。でも、どうしてその相手が私なのかしら」
問いつつも、なんとなくコトナには分かる気がした。
コトナもロンも、ある種の異端だ。かたやアイアンロックの影の一族、かたやソラノヒト。
そして、少なからず彼らとは因縁がある。
「気にしてくれてたようだったからさ」
ロンは微笑む。この男らしからぬ、含みのない笑みだった。
「あんなふうになった以上、同じソラの人間としては後味が悪いからね。何度も危ない目に
遭わされた君に、こんなことを言うのは身勝手かもしれないけど」
「……もう、済んだことだわ」
コトナは俯く。落ちかかる髪が顔を覆い隠してくれたことが、なぜか有り難かった。
「あの子はもう仲間だし、プテラの女もどこにもいない。……どうしてかしら。
ほっとするより寂しいの」
アイアンロックを蹂躙し、コトナを何度も追いつめたあの女は、おそらくその短すぎる
生を終えてしまった。
空でまみえることは、もはやない──それが安堵ではなく喪失感をもたらすのは、
なぜなのだろう。
「たぶん私は、恨まなきゃいけない。彼女は一族の滅亡にも無関係じゃないはずだし、
空で、アイアンロックで、それだけのことをされてきたわ──なのに不思議ね。
まるで穴が開いてしまったみたいで」
おそらく彼女は、少し似ていた。人と関わりを持てなかった頃の自分に。
傷つけることと避けること。その発露は違えども、他人と相容れなかったことに
変わりはない。だから、遺された銀のことがこうも気にかかるのか。
「私、ルージやみんなと出会って変わることができたわ。それまでずっと一人だと思っていた
けど、そうじゃないって分かったから。あの人も、最後にそれに気がついたのかしら」
「かも、しれないね」
ロンは少し離れた場所に腰を降ろした。
「僕も、ガラガやみんなと出会って変わることができたよ。それまでは、何もかもを斜めに
見てたんだけど」
コトナは思わず顔を上げた。いきなりの吐露に驚きを隠せなかった。肩をすくめて
ロンは続ける。
「ソラのやり方には呆れてたけど、そんな僕もソラノヒトだ。だから何をしようと無駄だと
思ってた──でも、みんなと出会ってからは、そんなことはないって思えるようになったよ。
彼女にも、銀くん以外にそんな相手がいれば良かったんだろうけどね」
コトナはしげしげとロンを見つめた。
「あなたも彼女を許せるの?」
ロンも彼女とは、何度も干戈を交えたはずだ。
「許すも許さないも、僕たちは同じさ」
ロンは苦笑する。
「彼女もジーンもソラの一部さ。それを知る人は少ないし、僕達を責める人はもっと少ない
──けど、決して忘れていいことじゃない。僕も、生きてる限りは背負っていかなきゃならない」
「そう……」
コトナは目を伏せた。このつかみどころのない青年が内に秘めていたものの片鱗に触れて、
自分のそれをも呼び覚まされた気がした。
「彼女は本望だったのかしら。最後の最後であの子を庇って」
「たぶんね。でなきゃそもそも、あんな真似はしないと思うよ」
「もっと早く、気づくことはできなかったのかしら……」
そうすれば、あんな末路はなかったはずだ。銀やボラーやザイリンのように、許される道
へと踏み出すことができたかもしれない。
「そうだね」
ロンは呟く。
「そうすれば、もっと違った道があったかもしれない。僕もソラも同じだけれど、生きてさえ
いればやり直しはきくんだからさ──」
それきりロンは押し黙った。詮無い言葉と知りつつも、なぜだかそれは、コトナの胸に残った。
瓦礫は荒波のようにうねる。飛び越え、踏みしだき、ヴォルケーノは駆けていく。
「く……っ!」
ソウタは呻いた。最高速に近い疾走は、パイロットスーツに守られていない体を
容赦なくさいなむ。無意識にしがみついた相手が、腕を回してソウタを庇った。
「大丈夫か?」
「平気、だよ……。フェルミはもっと苦しんでるんだ、このくらい何でもない……!」
「そうか」
ザイリンは頷くと前に向き直った。それ以上の言葉はなかったが、回された腕がさらに
ソウタを抱きかかえるようにする。
不思議な気分だった。守られ、いたわられることが、素直に心地よく思える。
かつてフェルミにしか見いだせなかったぬくもり──だがそれは、ソウタ自身が拒んで
いただけで、ごく身近にあったのかもしれない。
応えてソウタは、さらにザイリンを励ます。
「気にせず急いで。今はフェルミのことだけを考えて……!」
「分かっている」
ザイリンは前を向いたままで答える。
「もしも間に合わなかったら、私は今度こそジーンを憎むしかなくなる。これは、
私のためでもあるんだ」
またも訪れた違和感にソウタは瞬く──どうしてザイリンは、ここまでフェルミの
ことに必死になるんだろう。
しかし気取られぬように覗きこんだ顔には、やはりそれを問う隙は見いだせなかった。
やがて振動がおさまり、ソウタは激しく息をついた。思わずへたりこみそうになる体を
なんとか支える。そんなソウタの消耗をよそに、ザイリンは急ぎ操作板に指を這わせた。
「このあたりか」
声と同時に浮かび上がった画面が、周囲の風景を映し出す。
見渡す限りの瓦礫の山が、無数の円の中に揺らめいている。ソウタはそこにバイオプテラの
痕跡を探したが、いくら目をこらしてみても、それらしきものは見当たらなかった。
「いない……」
ソウタは焦った。ザイリンに伝えた座標は思いつきでも過信でもなく、ソウタが
全身全霊をかけてはじきだしたものだった。もしもそれが誤りだったとしたら、
一刻を争うこの状況では文字通りの命取りとなる──
「埒があかんな」
ザイリンも苛立っているようだった。弦をはじくように画面を切り替えては、
あらゆる方位と角度を試している。
「ねえ、索敵画面を応用できないかな」
ソウタは焦りのままに口を開いた。
「プテラは破壊されたから、ゾイドコア反応を探ることはできないけど、ヘルアーマー
の素材に的を絞れば。同じ流体金属でも、バイオラプターのライトヘルアーマーとは
強度も練度も違うから、まぎれてしまうことはないと思うよ」
「なるほど」
ザイリンが弾かれたように顔を上げた。思いつきのわりには容れられるに
足る案だったようだ。
「その手があったか。やはりおまえを連れてきたのは正解だったな」
言って即座に両手を浮かせた。ソウタは黙ってザイリンから離れる。
言葉にすれば簡単そうだが、溶け崩れ、変化した物体を識別するのは
容易ではあるまい。ザイリンの邪魔をせぬよう息をつめて見守る。
しばしの沈黙ののちに、暗転した画面に赤い光点が灯った。
「──やった!」
思わず快哉を叫んだソウタに、しかしザイリンは、わずかにうわずった声を返した。
「違う。まだ目標を切り替えてはいない──」
「え?」
ソウタにかぶせて鈍い音が響いた。
おおん……とまるで泣き声のようなそれは、地の底から沸き上がるかのようだった。
実際それは、沸き上がっていたのだ。最初は前方、次に後方。画面の赤が
増えるにつれて、ヴォルケーノを包囲するように数を増やしていく。
「な、何……?」
怯えをにじませてしがみついたソウタを庇う腕はなかった。ザイリンは
両手をかざしたままで低く呟く。
「思ったよりも早かったな……」
不敵に笑った顔には、しかし、薄く汗が浮いていた。
「野良ゾイドどもめ……レッゲルを求めてやってきたか」
ヴォルケーノの内部にけたたましい警戒音が鳴り響き、索敵画面が赤く染まった。
突然ですが、やはり長編の細切れ投下はご迷惑と思い、以前書いたように
自サイトを作ってそこで続けることにしました。完成が遅くなったため
長々とスレを占拠してしまい、申し訳ありませんでした。
今までレスを下さった方々、本当にありがとうございました。励みになりました。
あと、現在保管庫の更新は停止しているとのことですが、もし再開されても985
名義のものは保管しないようお願いします。勝手で申し訳ありません。
特に何かない限りは、今後は投下も書き込みもしないと思います。それでは、失礼致します。
゚・*:.。. .。.:*・゜良仕事(n‘∀‘)ηキタワァ゚・*:.。. .。.:*・゜
GJ!!お疲れ様でした。つづきもそちらで、楽しみに。
>>261 待ってました!今回もGJ!!
(なんか既にザイリンパパって雰囲気がw)
そして今までホントに乙でした。
ここで氏の作品を読めないのは残念ですが、
今後はサイトの方での投下を楽しみにさせていただきます。
265 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 01:37:54 ID:2F/rwcd3
撤退は残念ですけど乙でした。追いかけさせてもらいます。
>>前スレ985氏
ザイリンかっこええ。
自サイトにて公開されるらしいけれども、サイトが出来上がったらこちらでも
アナウンスして欲しいなぁ……、氏の書くザイリンがもっと見たいです!!
ミィ様×ルージのSSがよっみたいであります神様!
ルージ×ミィでもいいです。
神よ!
個人的に、コトナ×ルージとミィ×ルージの両方を構想中・・・なんだけど、
多少強引にもやれる、お姉さんの誘惑シチュエーションに比べて、ツンデレ娘の心の壁が開けるあたりをナチュラルに筋立てるのは、なんと難しいことか。。。
(おいらの力量の現状では、最終決戦前夜の、涙の抱擁シーンを流用するぐらいしか手がない・・・)
コトナで是非www
>>270 平和になって気持ちに余裕が生まれ、コトナにデレデレするルージに
業を煮やしたミィが半ば強引に迫るというのはどうだろう?>ミィ×ルージ
応援してるよ、頑張って!
是非ミィ×ルージで!
コトルーが良いなぁ
ミィ様で是非。
コトナでひとつ
ミィ→ルージ←コトナでひとつ
279 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 15:31:40 ID:meQy4tqN
コトナで
3P!
3P!!!
コトナ「ルーゾと最初にやるのは私よ。子供はひっこんでなさい!!」
ミィ「何言ってるの?私が最初に決まってるじゃないの。丸焼きにするわよ!!」
ルージ「……」
コトナいわく、
「分かった。ルージの童貞は、ミィに譲るわ。
・・・うふふ、そのかわり、ルージの処女は、私が頂くからね」
などと、てかてかに黒光りしたペニスバンド装着で登場。
四つんばいのミィにバックから入れながら、同時に後ろにかぶられたコトナのペニバンで、尻を犯される三段合体、
何ともドえらい初体験になってしまった、ルージなのであった。。。
ペニバンとか、ルージのアナル処女とかいらんねん
普通の3Pでええんねんw
職人様が皆去ってしまった・・・・なぜ?
286 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 19:14:34 ID:PFDsWI1a
キボンヌが激しいと書き手はひく。
カプもシチュも職人様の好きなようにしてもらうのが一番だよ。
また来てくれるかわからないが、
職人様が投下してくれるのを静かに待つべし。
職人様戻ってきてください・゚・(ノД`)・゚・。
好きなキャラやカプへのこだわりはわかるが職人様にも好みがあるはず。
何を投下しても歓迎されそうならいいけどそうじゃないなら投下しにくいでしょ。
仲良くエロ雑談でもしていよう。
ディガルドとの戦いを終えた俺はミロード村へ向けてムラサメライガーをひた走らせた
ミィとコトナさんのゾイドは壊れたしラカンのソードウルフはこっそりレッゲルの循環系に
細工をしておいたので追っ手の心配はない
明日はいよいよミロード村に到着するというその夜
俺の意識は夢の中でなにやら見覚えのある世界に入り込んでいた
「お久し振りルージ君」
俺の前に現れたのは
藍色の着流しに白の帯、腰に太刀を差した青い髪のお姉さん
タイトなミニのワンピースを着てむき出しのフトモモに革ベルトでナイフを吊った赤毛の女の子
白銀の鎧を着込み背中で交差した二本の大刀が目を引くプラチナブロンドの超美人
その時俺の記憶の封印は解けた
「ムラサメ!ハヤテ!ムゲン!また会えて嬉しいよ!!」
俺は真っ先にハヤテの前に駆け寄った
「ハヤテ、この間はごめんな。俺自分が気持ちよくなることしか考えてなかった」
「も、もういいよ。済んだことだし・・・」
顔を真っ赤にしつつしどろもどろに答えるハヤテ
「よくないよ!あの時はあんまりハヤテが従順だったから俺つい調子に乗って後ろの穴まで・・・」
「いいからその口を閉じろぉぉぉぉ!!!」
赤い彗星と化したハヤテの右ヒザが俺のテンプルに突き刺さった
エロパロ板は大抵のスレは必ずこうなるんだよな。
まあ、ジェネシスも終わったし妥当な流れか。
>>290 ルージキュン・・・・いつの間にそんな子にっ!
「で、三人揃って俺の夢に出て来たってことはやっぱりアレ?」
「そう、『仁義,s漢』の塩カルビ丼が夏季限定価格で370え「違うでしょ!」
ムラサメの空手チョップがハヤテの後頭部にびしすっ!と入る
「場を和ませようとしただけだよ〜」
「それじゃ話を戻しまして・・・」
涙目になって抗議するハヤテをスルーして言葉を続けるムラサメ
「ルージ君の考えているとおり私達、つまりムラサメライガーに宿る三人の力を使えば
ミロード村のジェネレーターは復活するわ」
「本当なんだね!」
「でもね・・・」
喜ぶ俺とは対照的になぜか三人の表情は暗い
「一度機能停止したジェネレーターが自力で稼動できるようになるには長い時間がかかるの。
そしてその間私達はジェネレーターとの融合を解くことが出来ない」
「それってどのくらいかかるの、5年?10年?」
沈黙を破ったのは顔を俯かせ固く握った拳を震わせたハヤテだった
「多分・・・ルージが生きてる間は・・・・・無理」
ムゲンさんは、無口な委員長キャラなのか。。。
「そう・・なんだ・・・・」
目の前に突きつけられた現実がどうしても納得できない
でもムラサメ達の心はもう決まっているようだ
「つまりこれが今生の別れというわけなの」
潤んだ瞳で真っ直ぐ俺を見つめるムラサメ
そして耳まで真っ赤にしたハヤテが
「そ、それでね・・・最後に思い出をっていうかつまり・・・・・」
「やらないか?」
すぱぱーんっ!!
ポーカーフェイスを保ちつつミもフタもなく言い切ったムゲンに息の合った動きで
ハリセンを叩き込むムラサメとハヤテ
「あ、あ、あんたにはデリカシーってもんが無いのかぁー!」
「ア○ルまで開発済みのくせに何をいまさら」
ムゲンのセリフは逆上したハヤテを一撃でKOした
「やっぱりあたしは要らないんだあああぁぁぁぁ!!」
「ああ!ハヤテ!!」
ドップラー効果を残しつつ超加速で離脱するハヤテ
う〜んまさかムゲンがこういうキャラだったとは・・・
〃〃∩ _, ,_
⊂⌒( `Д´) < 最後なんてヤダヤダ!
`ヽ_つ ⊂ノ ジタバタ
「じゃそういうことで・・・」
あっという間に視界から消えたハヤテを見送ると何事も無かったかのように布団を
敷き始めるムラサメさん
「ちょ!ハヤテは!?!」
「問題無い、奴はすぐ凹むが立ち直りも早い」
言うなり服を脱ぎ始めるムゲン
チャキッ!
半脱ぎ状態のムゲンの剥き出しの鎖骨に冷たく光る刀身が添えられる
「な・に・を・し・て・る・の・か・な?」
「決まっている、ナニをするのだ」
「だから!どうして!!あなたが一番なの!!!」
「私が一番ルージの役に立っているからな」
「寝言が言いたければ永遠に寝かせてあげる!」
下着姿で切り結びはじめるムラサメとムゲン
スコッティ、ワープ光線で俺をここから連れ出してくれ
キャプテン、いきなりトレッキーネタは非論理的です。
「いーつーのーひーかーたーいーよーがー」
俺の救いの女神(?)はどこかで見たことのある棺桶みたいな箱にライドして
エウ○カセ×ンのOPを唄いながら飛んできた
「助けに来たぞ少年!」
ウエーブのかかった黒髪に褐色の肌
ぼんっ!きゅっ!ぼんっ!なその女性を見て驚愕するムラサメとムゲン
「なっ!お前はドリー!?!」
「あなたは死んだはずでは?」
「肉体は死すとも魂は死せず!!」
「そ、そんな『男塾』みたいな展開が許されるとでも・・・」
「はっはっはっ!ルージきゅんはいただいていくぞおー!!」
気が付くと俺はチョコレート色の腕の中に納まって空を飛んでいた
超展開バロスwwwwwwwwwwwwwww
「ほい、一服つけな」
近くで見るとますます見覚えのあるBOXからコンロとヤカンを取り出したびっくりするほど
長身の女性は手馴れた動作で紅茶を淹れてくれた
「あ、ありがと。え〜と・・・」
「ああ、この姿で会うのは初めてだったな。私はデッドリーコング、ドリーでいいよ」
と言ってにぱっと笑う
かわいいというよりハンサムといったほうがいい顔立ちだが笑うとなんともいえない愛嬌がある
「でもデッド・・・ドリーさんはバイオティラノにゾイドコアを破壊されたはずじゃ?」
「そこは努力と根性で、と言いたいところだけど実は私は残留思念みたいなものでね、
こっちにはあと2〜3時間しか留まってられないのさ」
(バンブ)リアンとヴォルケーノさんの百合話もキボンヌ
「ふっふっふっ『タイムリミットは近い』作戦ですか、やりますねドリーさん」
遠くの物陰から青竹色の望遠鏡で二人の様子を伺うのはお団子頭に丸眼鏡
やたら露出度の高いチャイナ服を纏った少女だった
「しかし!全てを見通すこのバンブースコープの前では棺桶ゴリラの浅知恵など
風前の木漏れ日なのです!!」
「いやそれ只の竹筒だろ、それに語彙間違ってるし」
呆れ顔で突っ込むのは真紅の髪をポニーテイルにしたビキニ姿の美女
「とにかく二人の仲をこれ以上進展させてはいけないのです」
「聞けよ人の話」
やっぱこの二人いいわw
「り〜り〜かる〜と〜か〜れふ〜きるぜむお〜る〜」
怪しい歌を口ずさみながらノートパソコンに風力やら湿度やらを入力していくリアン
「おい、坊やも一緒にいるんだぞ?」
さすがに止めようとするヴォルケに腹黒パンダは真夏の向日葵のような笑顔を浮かべて
言ったものだった
「大丈夫、ドリーさんなら自分がプルコギになったってルージ君には傷一つ負わせやしません、
かくして邪魔者はメンフィスまで吹っ飛び我々は労せずしてルージ君をGETできるのです。
いっつぱーふぇくと!!」
まさに外道
「それではめくるめく愛の創世紀に向かってフォイヤーッ!」
白くて細い指がEnterキーを押し込むとずらりと並んだ投射器から100基
を越すバンブーミサイルが一斉に撃ち出された
|゚)
|
|д゚)…
|
|д゚ )
|
|彡 サッ
すっかり閑散となったねぇ、これもまた時代の流れか。
ミィ様のことをルージはなんて呼んでたっけ?
丸焼き姫
「ミィ」だよ。呼び捨て。基本的に「コトナさん」「ガボールさん」「セイジュウロウさん」
以外は呼び捨て。婆ちゃんはどう呼んでたかな?覚えてないや。
旅の仲間達とザイリン・ジーン以外の年上は「さん付け」じゃなかったっけ
フュザネタがぽつんと落ちてたりしたら嬉しいな
少し前までゾ板でブレードさんとリュックがおにゃのこになってたから
ちょっと気になってる。でも文章能力皆無だから・・・orz
流れ豚切りスマソ
313 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:23:18 ID:1Hm17M2I
ラ・カンはまぁいいとして、ガラガも呼び捨てだったな
>>312 【BBSPINKは21歳未満立ち入り禁止】
21歳未満の方は、エロ妄想を含まない範囲で2ちゃんねる掲示板をご利用ください。
315 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:20:58 ID:avLoz5qD
hosyu
キモヲタスレなんだから、キモイのはとうぜんじゃないか!
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V
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|::( 6 ー─◎─◎ ) q -´ 二 ヽ |
|ノ (∵∴ ( o o)∴) ノ_ ー | |
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と_ノ \ ノ_________ノ |
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--、ヽ//彡-
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.,..::彡シ' ` 、:、:::::::::`>=-、_ 明日も
,/シノ ,,__ ```ヽ 、| i ,`ヽ .` ヽ 、 日曜日
/:/ ~` `` `-< | `ヽ、
..//シ ,, ---、 _,,イi `ヽ、 そしてまた
//|| ,i!' ,-=--彡 |.| i .`、 明後日も……
/| `----'' , .|.|/, `、
|| / ,,--i .、`--' `- .ノ'' `、 明明後日も…
.|| .!=r' .ノ.i , ' `i--'' ., / `i
| ` ` '-.' (__,i- '~ 、 ./ ./ .!
.>、 .-、 , - ニ⊃ 、 ノ _/ |
./ -ヽ、ヽ、 _`ニ三-' ,,,,,=ニ/~ | |
i -='-`- >'  ̄ ̄ ヽ,- ' |' ,- / |
| / , '  ̄!-─ / ヽ ヽ _ / ノ | そしてまた
! ' i' ,- | ヽ ヽ /-=ニ-- .|
.| `7 _ | ノ- 、 ノ 次の日も
`i、 `-i_ , 、 ,>、 , - '` 、 ` |
|`i- 、__,,,, , i''i~`ヽ、__,,, -i-- 'i'~i i ヽ | 次の日も
/ .\ ,ノ | .\ ~ ヽ .|ノノ | ,ノ
.| ' ,) ` ヽ、 .|ニ-.' !、 | 次の日も
, -`─── '  ̄フ `i .| >-'
| i' i' .i-.,--,.- '' ̄` -- 、 ' _, ' , ノ'~ 次の日も
` ``-!-!、」 i'., -, ,_ `──ニフ`──''''''~
. ̄` ^ '-.!、!、 ,、_, -'''''~
「首を絞めてもいいか」、「えっ」あきは少し驚いたが、「首を触られるのは好き
だからいいけど強く絞めないでね。」、「ああ、わかった」と下着1枚で横たわるあきの
首をやさしく絞め始めた。「何かくすぐったい」、あきは首を仰け反らした。笑うと
ククッと二つ見えるあき独特の小さな喉仏がたまらなくセクシーだった。その喉仏の
コリコリした感触と回りの柔らかさのバランスが絶妙で抜群の絞め感だった。
きゅう〜、少し力を入れた。「こほっ、こほっ」あきは少し咳き込み「ちょっと苦しい
少し緩めて」、力を込めたい感情を何とか抑え、あきをやさしく愛し始めた。
しかし、右手は首をつかんだままだ。あきはあえぎながら少し赤くなった首を
何度も仰け反らした。もう我慢の限界だ。乳房をつかんでいた左手を首に運び
両手で絞め始めた。ぎゅううう〜、「あ、あぐう〜く、苦しい、強く絞めないで」
「俺がいくまでこらえてくれ」と緩める素振りはまったく見せなかった。あきは男の
手首を掴み放させようとしているが、首絞めセックスに集中している男の力に
かなうはずはなかった。男はさらに喉仏付近で交差している両親指に力を込めた。
男の指はますますあきの細い首に食い込んでいる。「あふう〜ヒューヒュー」
あきは歯を食いしばり、目に涙を浮かべ、首を左右に振りながら抵抗している。
突っ張るように力が入る下半身は小刻みに痙攣している。もう一息だ。
「ぐうえ〜〜」断末魔の声を出すあき。ピクッ、ピクッ、あきの目は次第にうつろ
になり、抵抗感のなくなってきた柔らかい首に指がずぶりと最後の食い込みを
見せた。「うお〜」ぎゅうううう〜・・いくぞ〜、ドピュッ、ドピュッ男
はいく瞬間に抜き痙攣しているあきの首に射精した。「ハア、ハア最高だ」。
ぐったりとし、指の絞め跡がくっきりついたあきの首には
白く濁ったものが残されていた。
いや〜ん☆見ないで〜!
ちんちん突起しちゃう☆
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
( / \ )
|;;;;; ー◎-◎- ;;;;)
(6 (_ _) )
| ∴ 3 ∴ノ
/⌒\ ____ ノ、
/ , ヽ
|__r 、_ ・ 人 ・ ,.y i
|創価|  ̄  ̄ |学会|
| ̄´\ ノ ノ
\ 6 x 9 /
しμゞ 、_;;;;;;;;;;;;_,ノ彡イ
| ;;;;(:υ:);;; |
(___ 人___)
なんだこの廃墟は・・・・
/:::::::::::::::::::::::::::/ ..ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::/ ヾ:::::::::::::::::::::::::丶
|::::::::::::::::::::::::::::/ 、,l,.,.t,y ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::::::/::::::::::::ノヽ il リ!ノノ ヽ.::::::::::::ヽ:::::|
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|::::::| ´';、 _ノ ノ ヽ ヾーン゙` |:::::::|
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と_ノ \ ノ_________ノ |
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/ `−''^ー-'_________,、__ノ
hosyu
324 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/24(木) 20:50:59 ID:RPZn8Mee
「・・・・・・・・・ん?」
不意に違和感を感じてルージは目を覚ました。なんだかとても気持ちのいい夢を見ていたような気が・・・・・・
夢の内容を思い出そうとして、ルージはその違和感の正体に気がついた。
「ヤバイ」
下着の中が妙に湿っぽい。ズボンの中を覗いてみると、下着に大きなシミができていた。
「うわぁ・・・・・・」
十三にもなっておねしょしてしまうなんて、レ・ミィにばれたらどれだけ笑われてしまうか。これは証拠を隠滅するに限る。
ルージは荷物の中から替えの下着を引っ張り出して、静かにその場を離れようとした。
「んー・・・・・・ルージ、どうしたの?」
心臓が飛び出しそうなほど跳ね上がる。恐る恐る振り返ると、寝惚けまなこのレ・ミィがむくりと身体を起こしていた。
「な、な、なんでもない。ト、ト、ト、トイレだよ」
「だから寝る前にあんまり水飲んじゃダメだって言ったじゃない・・・・・・ふぁ〜・・・早く帰ってくるのよ」
それだけ言うと、レ・ミィは再びコテンと横になり、毛布をかぶって寝息を立て始めた。
「はぁー、ビックリしたぁ」
まだドキドキと早鐘を打つ胸に手を当てながら、ルージは二人を起こさないように足を忍ばせてその場を後にした。
「なんか気持ち悪い」
いつものおねしょと違って、下着の中が変にベトつく感じがする。
「川で洗ってこよう」
街外れを流れる小川を目指し、ルージは夜でも人通りの絶えない通りを駆け足で走り抜けた。
足を動かすたびに下着の中がねちょねちょとして気持ちが悪い。気持ち悪いので早く川へ向かおうと急いだせいで、街を出る頃には下着はおねしょばかりでなく、汗でもぐっしょりと湿っていた。
「さすがに誰もいないよね」
それでも低い木立の陰で隠れるように服を脱ぐ。誰もいないはずなのに、下着に手をかけるのはさすがに勇気がいった。
ぬちょっ・・・
「うわ、気持ち悪い」
湿った下着を下ろすと、汗の匂いに混じって、初めて嗅ぐ不思議な匂いがした。
「変な匂い」
くんくんと鼻を寄せると、おかしなことに小便の臭いはしない。
「おかしいなぁ」
おかしいとは思ったが、下着が濡れているのは変わらないので、それほど深く考えずにルージは川辺に足を向けた。
ちゃぽん・・・
水音がする。
「魚かな」
下生えをかき分け、ルージは月明かりに照らされる川岸にたどり着いた。
「独り占めだー」
生まれが海のそばだけあって泳ぎは得意だし、好きだ。下着を放り出し、ルージは勢いよく川岸を蹴った。
「きゃっ!」
飛び込んだ先に、ちょうど水面から出た誰かの顔が見えた。
(危ないっ!)
ルージは飛び込み中の不自然な体勢から身を捻って何とかその人影をかわし、すぐわきの水面に飛び込んだ。
どっぽん!
無理な姿勢で飛び込んだおかげで、まともに腹を打ち付けてしまった。
「大丈夫?」
聞き知った声が心配そうに声をかける。
「ぷはぁっ・・・・・・も、もしかしてコトナさん!?」
「あなた、ルージくん!?」
顔を上げた先には一糸まとわぬコトナの身体があった。
「あわわわわわっ」
それを目にしたルージは慌てて水の中に顔を沈めた。息を吸う間が無かったので、すぐに息が苦しくなる。けれど、コトナが動こうとはしないため、顔を上げるわけにもいかない。
(く・・・・・・苦しい・・・・・・)
泳ぎが得意であっても息が続かなければさすがに無理だ。
(もう・・・・・・ダメ・・・・・・)
そのままルージの意識は暗闇に落ちていった。
・・・人跡絶えし荒れ野の如きスレに、
>>324は、旧約の預言者のように降臨した。。。
goooooood job
l .! ,r '"::::::::;、‐'X';、‐''"/::;>-、 ヽ、
|. l /::::::::::::ツ ,r',ニ゙、 /-'" ./ !:ヽ、. \
| ', /:::::::::::::::/ .r" ヽ'´ / .l:::::/lヽ \ 久々にキタでー!
| ゙、 ,.':::::::::::::::::;r' ゙、, ,ノ゙、、 !::/ .l::::ヽ ヽ
|. ヽ,_r'::::::::::::::::; ' ゙'" --,=.l:/‐‐l::;'!:::', ゙、
| ,r'::::::::::::::::/ ,、-‐、,. i゙ '゙'; リj::::::} ',
| ,r':::::::::::::::;r' , ‐'゙: : : : : ゙:ヽ.、 '、,,,_,ノ '/::::/ i
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| /'゙/::::::::::/l〃゙、/: : : : : : : : : : : : : : ::::;リ /:::::/ / ,rァ
l ' i::::::::/ ,〉:::::::>; : : : : : : : : : : : : : ::;;/ ./::::::/ / _,_r=, /-ッ
. l l:::::/ ,、‐":.ゝ‐' ヽ,: : : : : : : : : : : : ;.' ,r'::::;r'_ _,、 -ニ -‐ ''" ,r' ∠_
「・・・・・・・・・ん?」
不意に違和感を感じてルージは目を覚ました。なんだかとても苦しい夢を見ていたような気が・・・・・・
「大丈夫?」
目の前にコトナの顔があった。
「わ、わ、わ、コ、コトナさん!」
ルージがバネのように飛び起きる。
「きゃっ! もう、ビックリするじゃないの」
「ご、ごめんなさい・・・・・・・・・うわぁぁっ!」
コトナはすでに服を身に着けていたが、今度は自分が一糸まとわぬ姿であることに気づき、慌てて前を隠す。それを見たコトナはくすくすと笑った。
「まだ子供のクセに、何を一人前に照れてるのよ」
コトナに子ども扱いされ、ルージは少しだけショックを受けた。
「それにしても、こんな時間にどうしたの? あなたも水浴び?」
そう言われて、初めて自分が川まで来た目的を思い出した。
「ええっと・・・・・・そんなとこです」
おねしょしてしまったと言えば、ますます子ども扱いされてしまう。適当に誤魔化しながら、ルージの目は放り出したままの下着を懸命に探した。
「ふーん・・・・・・ホントはおねしょしちゃったんだったりしてね」
ドキン!
「あー、今、ビクッとしたでしょ。もしかして当たり?」
「そ、そんなことないですよ! おねしょなんか絶対にしてないです」
その時、ルージはコトナの後ろに自分の下着が転がっているのを目にした。幸い、コトナはそれに気づいた様子は無い。
「コ、コトナさんは水浴び終わったんですか? 終わったんですよね?」
じりじりと前を隠したままコトナの後ろに回ろうとする。
「ええ。でも、もう一回だけ浴びていこうかな。あなたを助けるのに汗かいちゃったし」
はだけた胸元をパタパタをあおぐ。その仕草に、ルージは今までに感じたことの無い胸の高鳴りを覚えた。
(何か変だぞ。こんなにドキドキするなんて)
「よいしょ・・・・・・あら?」
立ち上がりかけたコトナの手がルージの下着に触れた。一つは替えの洗いざらした下着、そしてもう一つは・・・・・・
「あらやだ、これルージくんの? なんでこんなに湿って・・・・・・・・・やっぱりね」
「あ、あ、あ、そ、それは違うんです! おねしょなんかじゃないんです。ほ、ほら、走ってきたから汗かいちゃって・・・・・・」
ふふん、と鼻で笑ってコトナはルージの湿った下着を指で摘み上げた。
「やっぱりまだ子供ね」
と、そこでコトナは下着から香る匂いに気づいた。汗とも小便とも違うこの匂いは・・・・・・
「ねえ、ルージくん」
コトナはルージの下着をもてあそびながら、少しだけ艶をこめた声で呼びかけた。
「このことレ・ミィに内緒にしておいてほしいわよね」
「は、はい・・・・・・」
大人の余裕なのか、小さく肩を落とすルージが急に可愛く思えてきた。
「それじゃあ、ちょっとこっちに来なさい」
「は、はい?」
不思議そうな顔をしながらも、ルージはコトナの前に立った。
「手をどけて」
一瞬、コトナが何を言ったのか理解できなかった。
「聞えなかった? 手をどけて、ルージくんのオチンチン見せてって言ってるの」
「えっ、でも、だって・・・」
ルージはますます固く前を隠す。
「レ・ミィに言っちゃうわよ」
「そ、それは・・・・・・・・・」
そう言われては、おとなしく従うほか無い。ルージはおずおずと両手を広げた。
(あら、可愛い)
子供らしさの残るペニスは、水から上がったばかりなのに加えて、コトナに見られているせいもあってか縮み上がり、すっかり皮に隠れていた。
「オチンチン、いじったことある?」
「そ、そんなこと無いです」
「本当に? ウソついたらレ・ミィにばらしちゃうわよ」
神じゃ!神様が降りてきおったっ!!
ただ、コトナは初対面の4話の時を除いてルージを君付けで呼ばないんだけどな
ってことは…リンナ×ルージキタ━(゚∀゚)━?
そう念を押されると、ルージは小さな声で正直に答えた。
「少しだけ・・・・・・あります」
恥ずかしそうに真っ赤になりながら答えるルージを、コトナはますます可愛く思った。
「いじるとどうなるの?」
「いじると・・・・・・ここが大きくなって・・・・・・・・・ふわっとして・・・・・・」
途切れ途切れにルージは答えた。
「先っぽから何か出たこと無い?」
「何かって?」
どうやらルージは初めての射精、精通だったらしい。それも夢精してしまい、すっかりおねしょだと勘違いしているようだ。
「それじゃあ、皮を剥いたことは?」
「無いですよぉ・・・・・・痛いじゃないですか。ねえ、もういいでしょ。許してください、お願いします」
ルージは再び前を隠し、涙を浮かべてコトナを見下ろした。
(ルージくん、可愛すぎるわ)
コトナの中でルージに対する可愛さのゲージが振り切れる。
「いいこと教えてあげる」
「へっ? いいこと・・・・・・・・・うわっ」
コトナはルージの手を取って抱き寄せた。
「コトナさん、どうしたんですか? もう許してくれるんですか?」
「おめでとう。これはおねしょじゃなくて、ルージくんが大人に一歩近付いた証拠よ」
何を言われているのかわからず、ルージは涙の浮いたままの目でコトナの顔を見上げた。
「コトナさ・・・・・・んんっ・・・」
やわらかなコトナの唇がルージの唇をふさぐ。
「・・・・・・はぁ・・・・・・キスは初めて?」
こくん、と惚けた表情でルージは頷いた。
「それじゃあ、もう一回、キスしましょう」
「ぁ・・・・・・ん・・・・・・」
答えを待たずにコトナは再びルージの唇を吸った。わずかに開いた唇から舌を伸ばし、ルージの前歯を軽く舐め上げる。
「んんっ・・・・・・」
くすぐったいような不思議な感覚にルージは戸惑いを覚えた。コトナの舌が触れた前歯がジンジンと熱くなる。
「・・・・・・ふぅ・・・・・・・・・いいこと教えてほしい?」
ルージの耳元でコトナが甘くささやく。返事が無いのを肯定と受け取り、コトナはすっかりガードのゆるくなったルージの股間に指を伸ばした。
「あっ・・・・・・」
コトナの指を感じてルージは慌てて腰を引こうとした。
「男の子なんだから、逃げちゃダメよ」
耳元でそうささやかれると、寒気にも似た感覚が背筋を這い上がっていく。怖いような気持ちのいいような初めての感覚にルージは戸惑った。
「大きくしてあげる」
皮に包まれたペニスをコトナの指が軽く擦り上げる。
「ぁ・・・・・・」
自分で触るのとは比べものにならないくらいに気持ちよさに声が漏れる。
「ほら、大きくなってきた」
コトナの指に摘ままれたペニスがムクムクと小さいながらも頭をもたげ始めた。股間に身体中の血が集まって、ドクンドクンと激しく脈を打っているような感じがする。
(ルージくんのって、意外と大きいわね)
まだ剥けていないせいで皮に押さえ込まれてはいるが、コトナの指先で勃起したペニスは歳の割りに大きい。
「うふふ・・・・・・ヒクヒクしちゃって、可愛い」
332 :
324:2006/08/25(金) 22:49:12 ID:bPHYQVkA
>> 329
閉鎖した自サイトに載せてた話で、元々のタイトルは「第4話 初めての街・・・その日の夜」でした。
そのものズバリ初対面の頃の話で考えてます。
なるほど。あのころはここも大賑わいじゃったわい…
初々しいルージきゅんが可愛いぜ(*´Д`)ハァハァ
丸裸の少年が恥ずかしそうに立っている姿に、コトナは今までにない胸の高鳴りを感じた。
(わたしってこういう趣味があったのね)
「コトナ・・・・・・さ・・・ん」
コトナが途中で指を放したせいで、高ぶった感覚の行き場がない。ルージが上気した顔でコトナを見上げた。
「どうしたの?」
ルージに目線を合わせるようにコトナは腰をかがめた。
「あ・・・・・・」
慌てたようにルージが視線をそらす。身体のラインがはっきりと出るコトナの場合、服を着ていてもかがまれるとどうしても視線の先が大きな胸に行ってしまう。
「ふふっ・・・・・・ルージくんのエッチ」
「そ、そんなんじゃないよ・・・・・・っ」
ヒクヒクと震えるペニスの先端にコトナの指が触れる。
「正直に言わないといいことしてあげないぞ」
ちゅぷぅ・・・
先端の皮の中にコトナの指先が潜り込む。
「ぅ・・・ぁ・・・・・・あの・・・・・・」
「ん?」
指先で皮の中の亀頭の先端を弄びながらルージの言葉を待つ。
「ごめんなさい・・・・・・・・・コトナさんのオッパイ・・・・・・見てました」
顔を真っ赤にしてルージが答えた。
「謝らなくてもいいわよ。男の子なんだからそういうのに興味があって当たり前なんだから」
ぬぷっ・・・
指先を皮の中から引き抜くと、じくじくと染み出した粘液が糸を引く。その粘液に濡れた指先をコトナはルージに見せ付けるように舐め上げた。
「コトナさん! そんなの汚いですよ!」
「あら、汚くなんかないわよ」
再びルージの股間に手を伸ばし、今度は逆手でペニスを軽くしごき立てた。
「気持ちよくなると出てくるんでしょ?」
透明な粘液がコトナの手に搾り出される。粘液はそのまま手をペニスのすき間に染み込み、ルージの股間でぬちゅぬちゅと湿った音を立て始めた。
「ぁ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」
いつものふわっと浮き上がるような感覚に、ルージの身体に無意識に力が入る。
「ぁぁ・・・・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・・・・あぁぁぁぁっ・・・・・・」
ルージはビクビクッと大きく身体を震わせた。
「イっちゃったみたいね」
そのまま崩れそうになる身体を支え、コトナはさらにペニスをしごき立てた。
「ぁっ・・・・・・おかしくなっちゃう・・・・・・・・・もうやめて・・・・・・」
そうルージが声を上げた途端、コトナの手はルージのペニスを放した。
「ぁ・・・・・・」
「やめてほしかったんでしょ?」
コトナはわざと突き放すように言うと、ぬちゃぬちゃと音を立てながら粘液まみれの指をしゃぶり出した。
「んっ・・・・・・ん・・・ちゅっ・・・・・・・・・んぁっ・・・・・・」
粘液をすべてしゃぶり取った指が唾液に濡れる。
「もっといいことしてあげようと思ったけど、やめておこうかなー」
今よりもっといいことって何だろう。それに、いつものように気持ちよくなったはずなのに、なんだか物足りない気持ちがするのはどうしてだろう。
ルージの頭の中はその事でいっぱいになった。
「大人になったんだから、もう今までと同じじゃ満足できないでしょ?」
コトナの誘うような言葉にルージは頷いた。
「何があっても我慢するって言うのなら、もっといいことしてあげるけど?」
「い、痛いことしないですよね」
未知への期待と恐怖とが入り混じり、ルージの瞳が揺れている。いじめてみたい気もするが、それと同じか、それ以上にルージを気持ちよくさせてやりたいとも思う。
「痛かったらすぐにやめてあげる。それでどう?」
「や、約束ですよ」
不安に期待が勝り、ルージはコトナに身を任せることにした。
「また大きくしてあげないとね」
コトナの指が竿の根元の袋を優しく揉みしだく。
「んっ・・・・・・そこ・・・・・・」
「大丈夫。痛くしないから」
袋の中の小さな玉の感触を味わうように、コトナは手の中で袋を転がした。
「いつもオチンチン擦るだけだった?」
「は、はい・・・・・・いつもそれだけで・・・・・・気持ちいいから」
袋をいじられると言う初めての体験に、お尻の辺りがジンジンと痺れてくるような不思議な感じがする。
「大きくなってきたわ」
ピクンピクンと小さく震えながら、ペニスが少しずつ頭をもたげていく。先端の皮の内側には透明な粘液が染み出し、糸を引いて滴り落ちていた。
「先っぽ触るわよ」
コトナの指が再び皮の中に潜り込む。
「っ・・・・・・ぁっ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」
ぬるぬるの粘液に満たされた皮の中でコトナの指が亀頭の先端を何度もなぞる。
「痛かったちゃんと言うのよ」
指先が皮の中で亀頭の表面を滑っていった。
「ぅぁ・・・・・・」
皮の下でコトナの指が潜り込んだ部分が盛り上がって見える。
「痛い?」
「痛く・・・ないですけど・・・・・・変な感じです」
ルージが痛がってはいないことを確かめると、コトナは指を亀頭の裏側に滑らせた。
「ぅっ・・・・・・」
亀頭の裏の敏感な部分に触れられ、ルージは思わず腰を引いてしまった。
ぬぽっ・・・
粘液にまみれたコトナの指が引き抜かれ、栓を失った皮の先端から大量の粘液が滴り落ちた。
「ふふっ・・・・・・ビックリさせちゃったわね。でも大丈夫。ルージくんのオチンチンのこと、よくわかったから」
ぬるぬるの指先をしゃぶって、コトナはルージの手を取った。
「こっちにいらっしゃい。もう少しだけ大人にしてあげる」
コトナに手を引かれ連れて行かれた先は、月明かりに照らされた川岸だった。
「その岩に座って」
「は、はい」
ルージは言われるまま、ひんやり冷たい岩の上に腰を下ろした。
「少し痛いかもしれないから、痛かったらちゃんと言いなさいね」
「は、はいっ・・・・・・」
痛いかもしれないという言葉に少し緊張する。
「後ろに手をついて、足を広げて」
ルージが足を広げると、コトナはそそり立つペニスの前に顔を寄せた。
「そ、そんなに近くで・・・・・・見ないで・・・ください」
もうすでに触られているのに、目の前でまじまじと見られるのは、また恥ずかしいものがある。
「いいから、お姉さんに任せなさい」
ルージのペニスの真上でコトナは口を半開きにして舌を垂らした。
「うわぁ・・・・・・」
その表情に何とも言えないいやらしさを感じ、ピクピクとペニスが脈打つ。
「んっ・・・・・・・・・ぁ・・・・・・」
つーっ、とコトナの舌の先から透明な糸が伸びる。
ぴちゃっ・・・
舌を伝って糸のような雫となった唾液がルージのペニスの先端に滴り落ちた。
「ぁ・・・・・・」
まだ温かさの残る唾液が皮の中に染み込んでいくような感じがする。その感覚に反射的に閉じそうになった足を、コトナの両手が優しく押さえつけていた。
とぷっ・・・
唾液は途絶えることなく滴り落ち、皮の中の粘液と混じって溢れ出した。溢れた粘液が竿を伝って袋を濡らす。
「んぁっ・・・・・・それじゃあいくわね」
コトナは指でペニスの先端を軽く摘まむと、その皮を静かに下ろし始めた。
「コ、コトナさん!」
「痛い?」
突然のことにビックリはしたが、唾液と粘液で十分に潤っているせいで痛みは感じない。ただ、ピリピリと痺れるような感じがするだけだ。
「痛く・・・ないです」
「それじゃあ、もう少しいくわよ」
粘液に濡れる桃色の亀頭の先端が皮の中から現れた。
「んっ・・・・・・」
きつく締め付けられるような感じがするが、まだ痛みは感じない。コトナはルージが痛みを感じていないのを確かめながら、ゆっくりと皮を剥いていった。
「うっ・・・・・・」
ほんの少しだけ痛みを感じ、思わず声が大きくなる。コトナは手を止めてルージの顔を見上げた。
「だ、大丈夫です」
「そう。でも痛かったら無理しないでいいのよ」
コトナは再び舌の先から唾液を垂らし、皮と亀頭の境界をたっぷりと濡らすと、さらに皮を剥いた。
「ここが一番大きいところよ。我慢してね」
亀頭の一番張った部分はさすがにヒリヒリとした弱い痛みを感じた。でも、もう少しで終わるというのがわかるのか、ルージは声を出さずにじっと堪えた。
ぷるん・・・
ペニスが大きく震えて亀頭のすべてが露わになった。
「うわぁぁ・・・・・・」
皮による圧迫から解放されたペニスは、いつもより少し大きくなったような気がする。
「よく我慢できたわね。偉いわ、ルージくん」
コトナにそう言われると、こんな状況でもルージは少しだけ誇らしかった。
「それじゃあ・・・・・・ご褒美あげないとね」
. ∩____∩゜.:+___∩: :.+
ワク. | ノ ヽノ ヽ+.:
:.ワク/ ● ● | ● ● | クマ
ミ '' ( _●_)''ミ'' ( _●_)''ミ クマ
. / ._ |_/__ノヽ__ |_/__ノヽ
-(___.)─(__)__.)─(__)─
「ご・・・ご褒美?」
「ええ・・・・・・・・・んっ」
ちゅっ・・・
コトナの唇がルージの唇をついばむ。
ちゅっ・・・・・・ちゅっ・・・・・・・・・ちゅぷぅ・・・
「んぁ・・・・・・」
ぬるりとした舌がルージの唇を割り開いて滑り込んだ。唇の内側を舐められるくすぐったい感覚に、ルージの口がわずかにほころぶ。
「ん・・・・・・んぅっ・・・・・・」
コトナの舌が歯の内側で怯えたように小さくなっていたルージの舌に触れる。
ちゅぅっ・・・
コトナの側からルージの口腔へと熱い唾液が注ぎ込まれた。
「ぁぁ・・・・・・んっ・・・・・・」
なぜだか甘く感じられるその唾液をルージはこくこくと喉を鳴らして飲み下す。
「っ・・・・・・はぁ・・・・・・」
コトナがルージの舌を解放した頃には、その口元は二人の唾液でべっとりと濡れ、溢れた唾液は喉を伝ってルージの胸元にまで達していた。
「ふふっ・・・・・・キスだけでこんなにぬるぬるになってる」
ルージの股の間では、初めて露わになった桃色の亀頭が粘液を染み出させながらひくひくと震えている。その先端にコトナは指先をそっと触れさせた。
くちゅっ・・・
割れ目を押し広げられた亀頭の先端から大量の粘液が溢れ出す。
「うっ・・・・・・」
剥き出しにされたばかりの敏感な亀頭に触れられ、ルージのペニスがびくびくと大きく震えた。
「あんまり大きな声を出すと人が来ちゃうわよ」
ルージは小さく頷いて歯を食いしばった。その必死な様子に笑みを浮かべると、コトナは裏すじに沿って指先を静かに滑らせた。
「・・・・・・っ・・・・・・ぅ・・・・・・」
軽く触れているだけなのに、コトナが指を滑らせるのに合わせて、透明な粘液がどくどくと音がしそうな勢いで溢れ出す。コトナの指はたちまち粘液にまみれていった。
「わたしの指までぬるぬるになっちゃった」
ちゅぽん・・・
指に絡む粘液をしゃぶり取り、今度は手のひらで優しくペニスを包み込む。
「ぅっ・・・・・・」
ペニスを包むコトナの手の温かさに声が漏れる。
「声、出ちゃいそうなの?」
「だ、だって、気持ちいいから・・・・・・」
ルージがそう答えると、コトナはルージの目の前に顔を寄せた。
「声が出そうになったら、わたしにキスして我慢してね」
びくびくっ・・・
コトナの手の中でペニスが大きく脈打つ。
「わたしとキスするのがそんなに嬉しい?」
「う、うん・・・・・・」
ちゅっ・・・
コトナは軽く口付けすると、ペニスを握った手をゆっくりと動かした。
しゅっ・・・・・・しゅっ・・・・・・しゅっ・・・
「ぁっ・・・・・・ぁっ・・・・・・・・・んっ・・・・・・」
声を上げそうになると、その口をコトナの唇が塞ぐ。
しゅっ・・・・・・ちゅぷっ・・・・・・ちゅぷっ・・・・・・ぬちゃっ・・・
流れ出した粘液がコトナの手を濡らし、ルージのペニスを粘液まみれにしていく。
「んっ・・・・・・っ・・・・・・んん・・・・・・」
…今宵もまた、神が振る舞う汁だく極盛りの逸品を堪能。
御馳走様でした
(-人-)
ここで、ツンデレミィ様の登場ですよ。
我慢できずに上げそうになる声は全てコトナに唇に吸い取られた。
ぬちゅっ・・・・・・ぬちゅっ・・・・・・ぬちゅっ・・・
竿は粘液でどろどろになり、竿の根元にぶら下がる袋にまでコトナの指先が伸びる。
くちゅくちゅくちゅっ・・・
「んんっ・・・・・・」
粘液まみれの指が袋を軽くノックし、優しく揉みしだき、中の玉を転がす。どくんどくんとペニスが激しく脈打ち、粘液がコトナの手首を濡らすほどの勢いで噴き上がった。
(あぁ・・・・・・おかしくなっちゃう・・・・・・)
竿と袋を同時にいじられ、ルージの頭は真っ白に染まり始めた。
「ん・・・ふぅ・・・・・・」
ルージの唇を解放すると、焦点の合わない目がコトナの顔を映していた。最後まで達さないまでも、あまりの気持ちよさにルージの意識は飛びかけているようだった。
「うふふふふ・・・・・・そろそろイかせてあげない可哀想かな」
ぬちゅぅっ・・・
「ひぁぁっ・・・・・・」
亀頭を握られる感覚に、ルージの意識は一瞬で戻ってきた。剥けたばかりの敏感な亀頭を、コトナの手は強く、優しく握りしめる。
「ぁぁ・・・・・・コトナ・・・さん・・・・・・」
ぬちゅっ・・・・・・ぬちゅっ・・・
「あら、自分から腰を振っちゃうなんて」
ルージは無意識に腰を振り始めた。粘液でどろどろになったコトナの手は、敏感なペニスを擦りつけても痛みを感じない。
「だって・・・・・・こうすると・・・・・・気持ちよくて・・・・・・あぅっ・・・・・・」
ぬちゅっ・・・・・・ぬちゅっ・・・・・・ぬちゅっ・・・
コトナの白い手の中が桃色の亀頭を激しくしごき立てた。
「あぁっ・・・・・・待って・・・・・・待ってください・・・・・・・・・なんか・・・・・・なんか変・・・・・・」
怖いくらいの気持ちよさにルージの腰の動きが止まっても、コトナの手は亀頭を激しくしごき続ける。
「ぁぁぁ・・・・・・ぁぁぁっ・・・・・・ぁ・・・・・・あ・・・んんんっ」
コトナの唇がルージの声を吸い取った瞬間、コトナの手の中でルージのペニスが爆発するような勢いで白濁液を噴き上げた。
びゅるぅぅっ・・・・・・びゅるぅぅっ・・・・・・びゅるぅぅっ・・・
「んんんっ・・・・・・んん・・・・・・・・・んんっ・・・・・・・・・」
どくんどくんと脈打ちながら、ルージのペニスは白濁液を吐き出し続けた。
「はぁ・・・・・・っ・・・・・・いっぱい出たわね」
コトナは白濁液に染まった手をルージに見せた。どろどろとした白い粘液がコトナの手首まで濡らし、ぼたぼたと地面に滴り落ちる。
「おしっこ・・・・・・じゃない?」
思ったとおりの反応にコトナはくすりと笑い、指に絡みつく白濁液をぺろりと舐め上げた。
「違うわよ。これはルージくんが大人になった証拠」
「そうなんですか・・・・・・」
まるで全力疾走したような疲れが全身を襲い、ルージは腰を下ろした岩から立ち上がる力も出なかった。
「でも・・・・・・さすがに初めてのことだけはあるわね。まだそんなに元気じゃない」
ルージ自身の疲労感とは無関係に、股の間のペニスは白濁液の残滓を垂れ流しながら、びくびくと力強く脈打っている。
その股の間にコトナが顔を近づけた。
「ん・・・・・・ルージくんの匂いがする」
匂い立つ精液の残り香がコトナの胸いっぱいに広がっていく。
「コ、コトナさん・・・恥ずかしいです・・・・・・」
自分のペニスをまじまじと見つめられ、ルージは顔から火が出そうなほど恥ずかしく、それでいて、どこか羞恥とは別の胸の高鳴りを覚えた。
乙に御座います
ぼちぼちルージくんの反撃の時間でしょうか
それともこのまま受け一辺倒なのかなぁ
「だったら、こんなことしちゃったらどうする?」
ぺろっ・・・
「・・・・・・・・・・・・あぁぁっ!」
何が起きたのか理解するまで一瞬の間があった。コトナの舌がじくじくと白濁液の染み出す亀頭の先端を舐め上げたのだ。
「んふふっ・・・・・・」
舌を伸ばしたまま、舌先ですくい取った白濁液をルージの顔に近づける。
「ぁぁ・・・・・・」
何が起きたのかが理解できた上でパニックに陥るルージの目の前で、コトナは白濁液を乗せた舌で自分の唇をペロリと舐めた。ぬるぬるとした白濁液がコトナの唇を飾り、それも一瞬後には舐め取られる。
「コ、コ、コトナさんがぼ、ぼ、ぼくのな、な、な・・・・・・・・・んんっ」
気が動転したルージの唇を再びコトナが塞ぐ。
「ん・・・・・・はぁっ・・・・・・さっきも言ったでしょ、汚くないって」
しかし、指についたのを舐めるのと直に舐めるのとでは、同じ舐めるでも衝撃が全く異なる。
「ぬるぬるを舐めた唇でキスしちゃったけど、イヤ?」
ルージは首を横に振った。イヤでもないし、気持ち悪くも、汚いとも思わなかった。
「ご褒美はまだまだこれからよ」
ペニスペニスを舐められただけでも頭がいっぱいだというのに、これから先の出来事などルージには想像もつかない。
「おとなしくしててね」
頬にキスをして、コトナはルージの股の間に再び顔を埋めた。
「ん・・・・・・ぁ・・・・・・」
コトナが口を大きく開く。
(うわっ、うわっ、コ、コトナさん!)
桃色の亀頭がコトナの口に呑みこまれた。
「うぁっ・・・・・・」
皮を剥かれたばかりなのに加え、初めての射精を終えたばかりで敏感の極みに達していた亀頭が熱い粘膜に包まれる。
「んっ・・・・・・んっ・・・・・・」
ぢゅぶぢゅぶと音を立ててコトナはペニスにしゃぶりついた。
竿の半ばまでを口に含みながら、舌先はぱんぱんに張ったカリ首の裏を責め立てる。
ぢゅぷっ・・・・・・ぢゅぶぅ・・・・・・ぢゅぷっ・・・ぢゅぷっ・・・
(ん・・・・・・ルージくん、初めてだものね)
舌先に触れる固形物が、コトナの唾液でとろとろ溶かされていった。口の中に広がる苦いようなえぐいような味も、それがルージのものだと思うと全く気にならない。
「ぁぁ・・・・・・コトナさん・・・・・・すごく・・・・・・気持ちいい・・・・・・」
ルージはコトナの頭を抱え込むように背を丸め、ぴくんぴくんと腰を震わせた。
「んぶっ・・・・・・んぶっ・・・・・・・・・んんっ・・・・・・」
凝り固まった恥垢をすべて溶かしてすすり終えると、コトナは唇を強くすぼめてペニスをゆっくりとしごき立てた。
ぢゅぶぅっ・・・・・・ぢゅぶぅっ・・・・・・ぢゅぶぅっ・・・
「あっ・・・・・・あぁっ・・・・・・・・・うぁぁっ・・・・・・」
気をゆるめるとすぐにでもさっきの白いのが出てしまいそうで、ルージはお尻に力を入れて必死に堪える。
(うふ・・・・・・我慢しなくてもいいのに)
ルージの背中に手を回し、指先で背筋をつーっとなぞり上げた。
「あぁぁっ・・・・・・」
ルージはコトナの頭を放し、声を上げて仰け反った。
「んんっ・・・・・・」
その勢いで跳ね上がるペニスをしっかりと咥え込み、コトナは激しく頭を振り動かす。
ぢゅぶっ・・・ぢゅぶっ・・・ぢゅぶっ・・・ぢゅぶっ・・・
「コトナさん・・・・・・コトナ・・・さん・・・・・・・・・また・・・白いの出ちゃうぅぅ・・・・・・」
ルージの限界が近いことを感じ、コトナは頭を引いて亀頭だけを口に含んだ。
「んっ・・・・・・」
そのまま舌先で亀頭の先端を舐め上げる。
「あぁぁぁっ・・・・・・あぁっ・・・・・・」
びくん・・・
亀頭が一気にふくれ上がり、コトナの口の中に激しく白濁液が噴き上がった。
びくぅっ・・・・・・びくぅっ・・・・・・びくぅっ・・・
「ぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・ぁ・・・・・・出てるぅ・・・・・・」
喉の奥を激しく打つ白濁液を、コトナは一滴も逃さぬようきつく唇を締めて飲み下した。
「んっ・・・・・・んくっ・・・・・・・・・んっ・・・・・・」
コトナが喉を鳴らすたびに、ペニスの奥から白濁液が吸い出される。
「ぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・コトナさん・・・・・・」
見上げると、とろんとした目のルージの顔があった。
「んっ・・・・・・はぁっ・・・・・・」
ルージに口付けし、青臭さの残る舌をルージの唇のすき間に滑り込ませる。決して美味しいものではないだろうに、ルージもそれに応えてコトナの舌を受け入れ、流れ込む自らの精液の混じったコトナの唾液をこくこくと飲み込んだ。
「ふぅ・・・っ・・・・・・気持ちよかった?」
「はい・・・・・・なんか夢みたいなふわふわした感じです」
コトナはそう答えるルージを抱きしめた。
「これで今日はぐっすり眠れるわね」
「うん・・・・・・・・・あの・・・・・・」
ルージが不安げな声で尋ねる。
「また・・・・・・気持ちいいことしてくれますか?」
「んー・・・・・・どうしようかなー」
あまりに真剣な眼差しで尋ねるルージに、コトナは唇に指を当てて意地悪そうに考え込む振りをした。
「ダ、ダメですか?」
ちゅっ・・・
たっぷりとじらすだけじらしてからコトナはルージの頬に口付けした。
「また夜に偶然会えたらね」
ひとまず了
346 :
324:2006/08/30(水) 20:49:19 ID:i4Jskl1A
ルージくん受け、しかも本番なしで今回は終えましたが
また書く機会があれば料理人とかピクル村のオカンたちとか出してみたいと思ってます
おおっとおっぱいラシの裏でここにも素敵コト姉が(*´Д`)ハァハァ
今日なんかの日かー?なんかの日なのかー?
ご馳走様でした。
>346
ミィ様は?
> 「また夜に偶然会えたらね」
このセンスを持つあなたに憎悪にも似た嫉妬。
>>324 何も考えずに言うけど
俺前あんたのサイト通ってたよ
気が向いたらまた復活してくれよ
age
hosyu
ほしゅー
>>346 超興奮したです。読み応えありますね。
夜に偶然会って本番書いて欲しいです。
355 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 05:34:32 ID:BqfyEaPl
ミィ様はセイジュウロウとです。
そりゃまた斬新な組み合わせだな
ミィ様はガラガに襲われます。
ガラガはミィ様に襲われます。
全然関係ないが、中学の英語の授業の時、受身刑の勉強の時な。
先生にさされて訳する時に、受身になってるのに気付かず
「お母さんは虎を襲って食べた」と思いっきりクラス中に言い放ったことがあったね。
戦場は荒野
ミィ様はルージに食べられるの決定です。
全然関係ないが、受身刑ってどんな刑罰?
固い地面に叩きつけられ続けるとか?
普通、受動態って言わないか?
>>362 > 全然関係ないが、受身刑ってどんな刑罰?
仰向けで両手足をベッドの四隅に括り付けられ身動きの取れない状態で、
ミィやコトナにあんなことや、こんなことをされるけど、肝心なことは
してもらえない刑
>>361 ルージキュンがミィ様に食べられるの間違いだろ?
バイオハザード?
367 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 12:22:20 ID:iMFf4QS7
age
ルージキュンが攻めでもミィ様が攻めでもどっちもいい
369 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 15:19:34 ID:XbdEJMqy
新しい風を吹き込もうぜ。
セイジュウロウ×ミィ様で決まりだ。
すんごい今更なんだろうが、コナミのトイズドリームっていうゲームを初めて見かけた。
あれだ、太鼓の達人のパクr(ry
そんなかに、REAL LOVEがあったのに驚いた。
荒廃した惑星Zi―――舞台は地球へと
その場を移していた。
そうZ-ナイトの時代の到来である。
つーかZ-ナイトてアニメ、サンライズだったよな
バンダイ系列版権じゃゾイドとからむ事はないかもと
ふと思った。しかもそれ以前に復活しそうもない
hosyu
虎子×ルージまだー?
保守。
虎眼×ルージと申されたか。
すまん、今さっきシグルイ読んできたから。
376 :
577:2006/10/29(日) 10:43:30 ID:cSpcKDHp
ガボール×ルージまだー?
ホシュ
保守。
379 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 18:32:05 ID:OJe01vKL
ホシュ
寂れたな…
打開策としてルージキュンに脱いでもらいましょう・・・
真面目な質問なんだが、最近は男がショタに萌えるのも普通なのか?
いや、ジェネで久々にアニメ板やゾ板に戻った人間なんだが、それ系のネタがあまりに氾濫してるんでびびってな。
だが腐女子にしては数が多すぎるし、俺が流行に乗り遅れてるだけなのかと。失礼に感じたらすまん。
可愛ければどっちでもいいのでしょ?
オレも昔はホモ駄目だったけどセーラームーンのゾイサイトで新しい世界に目覚めたよ
385 :
382:2006/11/23(木) 22:11:33 ID:toDKiSAJ
そうか。レストン。まだまだ修行が足らんということなんだな…精進するよ。
ところで職人様は誰も見てないのか? サビシス
ブルーシティのセブンス・アベニュー45丁目、セントラルストリートに面したすすけた
ビルの一角にパトリック・アロイシャス・エイハーン事務所をかまえていた。
壁に掲げられたポスターの中では<キラー>だの<デビル>だのといったハッタリの効い
たリングネームのついたゾイドウォーリアーが自分のゾイドをバックにポーズをとり、キ
ャプションには「試合興行希望はBO−3−6420にお電話を。パトリック・アロイシ
ャス・エイハーン、セブンス・アベニュー45−7」と記されている。
パトリック・アロイシャス・エイハーンはゾイドバトルのマッチメイカーとしては現役最
長老であり誰はばかることない図々しさ、豊かな経験、独特のひねくれた、しかしそれな
りに筋の通った倫理観の持ち主としてゾイドバトルの世界では一目置かれる存在である。
そんな彼の事務所に客が訪れたのは夕方の6時を過ぎ、パトリック・アロイシャスが事務
所を閉める準備を始めたときだった。
ドアが開く音にパトリック・アロイシャスが振り向くと、事務所の入口に背の高い女が立
っていた。
両手でも隠せそうにないほど大きなふたつの胸の膨らみと、ほどよくくびれたウエスト、
キュッと引き締まったスポーティな尻。伸びやかな太腿から細い脛へと流れるように続く
優美な曲線は、脚線美を引き立てる高いハイヒールへ収束する。
ファッションモデルのように見事な肢体は、首の付け根から足元までぴっちりと黒のライ
ダースーツに覆われ、首から上はフルフェイスのヘルメットで隠されている。
「お嬢さん、うちはゾイドバトルのマネージメントが専門でね」
パトリック・アロイシャスは溜息をついた、時々同じビルの芸能マネージャー−家出少女
や借金を抱えた未亡人を安っぽいナイトクラブや男性限定のパーティーに斡旋している−
と間違えて彼の事務所の扉を叩く者がいるのだ。
「あんたが用があるのは下の階の『ビムスタイン芸能』じゃないかね?それともすぐにま
とまった額が入り用ならロザハイズ・ストリートのカルロ・コンティのところに行くとい
い、ちょっと『特殊なプレイ』をやらされるがその分払いはいい」
「アンタも『特殊なプレイ』とやらを体験したワケ?」
女がヘルメットを脱ぐと長い睫毛に縁取られた切れ長の瞳と高い鼻筋、鮮やかな朱色に彩
られた形よい唇が露わになる、。青みがかった黒髪がヘルメットによる戒めを解かれてバサ
リと広がり腰まで届くロングヘアとなった。吊り目気味の瞳を細めてニヒルな笑みを浮か
べる女の右目の下の泣き黒子がまた色っぽい。
「なんとなんと、ピアス嬢ちゃんじゃないか!?!」
「久し振り、パットの旦那」
くたびれた初老のマッチメイカーと美貌のゾイドウォーリアーは無言で歩み寄ると熱い友
情のハグを交わした。
保守
保守。
リュックきゅんで 強制女体化エロとか書いてくれる職人さんおらんかな…
ブレードさん辺りに強姦されるなり
パパンにお仕置きされるなりして
保守!
新年おめでと保守。
久しぶりにゾ板の日記スレを見たら またリュックが♀化してた。
女リュックは無意識のうちに太ももでブレードを誘惑して
そのうち理性がキレたブレードに犯されればいい
妊娠したら当分男には戻らない、とかの設定があったらいいのにな。
女体化はスレ違い
394 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 02:23:53 ID:7li8x57w
保守
ジェノブレ二人乗りで
無意識に太ももでレイヴンを誘惑したリーゼが
辛抱たまらなくなった独立強襲兵に元気な荷電粒子砲を何発も
打ち込まれたらいいなって最近思うんです。
そんでもって2年後くらいに
結婚記念日に何か欲しい物はあるかと訊かれたリーゼが
「じゃあ、初めての時みたいに激しく抱いて欲しい。」
って、上目遣いにおねだりするような世界になりますように。
たまには無印のことも思い出して欲しい保守。
>>395 やべえ、そのシチュ禿萌えた・・・
貧乳リーゼ萌え。
>>396
レイヴンが揉んで吸って育てて
最終的にはBくらいになったら良いんじゃないかと。
それ以上にはテコでも膨らまんがね!
だがそれがいい(AA略)
前々スレくらいまでやってたバトスト風味のレイリーは面白かったなあ
あれに限らず完結していない続きもので読みたいものはけっこうあるわけだが
職人さん達は戻って来てくれないものか・・・・
意地でも膨らまないリーゼの乳ワロスw
でもそれがリーゼクォリティか
ぶかぶかの大きさが気に入って、
寝間着にしていたシャツのボタンが一つ一つ丁寧に外されていく。
その動作を何か言いたげに見つめていたリーゼは、
やがて、躊躇いがちではあるが意を決して口を開いた。
「あ、あのさ。レイヴン。」
「・・・何だ。」
はだけたシャツに手を差し入れて、
胸への愛撫を開始しようとしていた彼は、一端行為を中止して、
彼女の顔を覗き込む。
息がかかるほど近くで、真っ直ぐな視線に見つめられながら、
彼女はさっきよりもさらに幾分か勢いの衰えた声で。呟くように。
「そ、その・・・・・・。僕の、つまらなくない?」
「・・・・・・・・?」
怪訝な表情になった彼に、耳まで赤くして、更に続ける。
「だ、だからさ。僕の胸、小さいから。
見たり触ったりしても大して楽しくないんじゃないかと思って。
男はおっきい方が好きって言うしさ、やっぱりレイヴンも・・・・ひゃうっ!?」
動きを止めていた手が、腰の辺りを撫で回し始めて、言葉の途中で
彼女は悲鳴じみた嬌声を上げた。
実につまらない話だったので、これ以上聞く必要はないと彼は判断する。
つまり、彼女は気付いていないのだ。
リーゼが気にしているらしい小振りな、しかし形良く上を向いた乳房を、
掌に収めて不規則に強弱を付けてこね回す。
「ん、ふぁ・・・・、レイ、ヴン・・・・。」
刺激に反応して、健気にも固く尖り始めた桜色の頂点を指で弾く。
「・・・・・・・・んうっ!」
摘んで、弾いて、苛めるように弄びつつ。
肩口まで伸びた空色の髪を乱して悶えるリーゼの姿を満足げに見下ろした後、
放置されて切なげに震えるもう片方の頂点にレイヴンは吸い付いた。
勝ち気な翡翠色の瞳が、融けるように涙で潤む様が
陶磁器のように白い肌が熱を帯びて薄赤く染まる様が
一見、小柄で細く、少年と見まごうような体躯の上に、
確かに存在する女の柔らかさが
どれほど簡単に男の欲情を誘うのかを、彼女は気付いていない。
そんな感じでリーゼは過剰に自分の貧乳に
コンプレックスを抱いていると良いと思う。
安西先生。自分も神職人さんの書かれた
バトスト風レイリーの続きが読みたいです。
このスレは一つの未練を残している。
自分のようなヘタレが職人さんたちの代わりになどなれるはずもないが、
スレが過疎り過ぎるのも寂しいので、脳内からだだもれた妄想を投下しよう。
リーゼオンリーで。
そんな訳で保守。
シールドライガー保守
ルージ君の全裸↓
ホシュ
hoshu
406 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 09:01:48 ID:i5lZMLxL
保守
保守
hosyu
ほしゅ
ここってまとめサイトないのか。
411 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 17:52:28 ID:6kSqgD99
ほしゅ
「ちょっ…ケンくぅんっ…あぁっ!」
「ミドリ…さんっ!ダメだっ…僕、もうっ!」
「あたしもぉっ!あたしも、あ、は、イ、イッちゃうぅぅっ!」
「で、出るっ!うぁぁぁぁっ!」
こうですか?わかりません><
414 :
名無しさん:2007/03/26(月) 00:18:46 ID:JhVsQWAt
誰か書いてください
415 :
400:2007/03/26(月) 13:15:25 ID:9ZUkDor8
>>413 呼ばれて飛び出て俺・参上!
あんまり需要はなさそうなんだけども
プチ過疎ってるからノコノコ出てきたですよ。
どうでもいいことなんだけれど、
型月のゲームやってて、ふと思った妄想。
ゾイド人と体液交換(あんな事やこんな事)すると
騎乗しているゾイドとの何て言うか
反応性?みたいな物が向上したりしたら
良いんじゃないかと。
つまりですよ。
最終決戦前夜(デス様と戦う前)に
どっかの廃屋とかに泊まるレイヴン氏とリーゼたん。
寝付けないままベッドに腰掛け、壊れた天井から
覗く月と雲を眺める氏に、躊躇ったような、
勢いのないノック音が聞こえてくるわけです。
416 :
400:2007/03/26(月) 13:15:58 ID:9ZUkDor8
茶色いマント姿のまま、おずおずと入ってくるリーゼたん。
所在なさげに佇む彼女に、
「明日は早い。休んでおけと言ったはずだ。」
興味なさ気に追い返そうとするレイヴン。
「その事、なんだけど。」
マントの結び目にそっと手をかけ
「気配が濃くなってる。ゾイドイヴと・・・・・デスザウラーの。
目的地はもう近いよ。
きっと明日中には全てと対峙しなきゃいけなくなる。
君の運命を狂わせたものと、僕が目を逸らし続けてきたものと。
君が取り戻したいものと、僕が喪わなきゃいけないものと。」
留め具を外す。纏っていたごわつく布は簡単に足下に滑り落ちて
「今、僕に出来るのは、これ位しかないから。」
現れたのは、闇の中に白く浮ぶ、細くしなやかな裸体。
月の光で薄青く染まる素肌の、大理石の彫像を思わせる滑らかさと、
小振りながらも形良く膨らんだ乳房と桜色の頂点から目を逸らしつつ
「何の真似だ。」
ゾイド人と交わることによって、
得られる恩恵について説明するリーゼたん。
明日の絶望的な戦いの、勝算を少しでも上げるために
自分の身体を使って欲しいと懇願する。
「僕なんかじゃ嫌なのは解ってる。
でも、君には生き抜いて欲しいから。
・・・・・ただの、手段だって割り切ってくれて良い。
終わったら、忘れてくれて良いから。」
それだけ言うと、そっと覆い被さるようにして
唇を重ねる彼女を突き放そうとする彼ですが、
その時、これほど大胆に男を誘っておきながら
リーゼが小さく震えているのに気付く。
そこで本当はリーゼたんが怯えていることとか、
多分初めてだからなんだろうなあとか、
そんな事を悟ったりする訳よ。
今まで異性に関心を示したことの無かった
独立強襲兵といえども、
リーゼのひたむきな覚悟みたいなものに
心を打たれたりするわけですよ。
結構無理のある展開なのは解ってるけど、
先生はもう、さっさとエロい部分に入りたい。
エロスは次回の講釈で!!
417 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 21:11:07 ID:QOYS0xxj
ほしゅ
419 :
名無しさん:2007/03/29(木) 00:29:48 ID:A+A0cgAK
ルージ×ミィが読みたい
押し倒されるミィがみたい。
421 :
名無しさん:2007/03/29(木) 23:40:24 ID:A+A0cgAK
期待
ジェネはいい
初代を出せ
バンとフィーネあるいはレイヴンとリーゼで
俺はどっちもイイ!
/やフュザはシラネ
ガボール×ルージまだー?
ここでゼル×ユーノを頼む俺ガイル
426 :
400:2007/03/30(金) 19:58:41 ID:EPK1VkKr
とりあえず416のエロい部分投下。
微妙な一人称注意。
場の空気なんか読むもんか!!
427 :
400(1):2007/03/30(金) 20:00:09 ID:EPK1VkKr
ー服越しに感じる。他人の体温をこれほど間近に感じるのは
一体、何年ぶりなのだろう。
頭の隅でそんな事を考えながら、
細い腰に右腕を回して、力を加える。
「わっ・・・・・・・・。」
その結果、体勢を崩すことになったリーゼが
胸に完全にもたれかかる格好になった。
腕の中にすっぽりと収まった身体の
華奢さと柔らかさに感嘆する。
少しでも余計な力を入れたら、壊してしまいそうだ、とも思う。
「リーゼ。」
空いたもう片方の手で、そっと頬を撫で、
そのまま顎まで指を滑らせる。
静かに目を閉じた彼女に
軽く唇を合わせた後、
小さく囁いた。
「だったら、使わせて貰う。
お前は、それで良いのか?」
返事は、言葉ではなく。
小さな頷き。
それが、開始の合図になった。
頬のあたりを撫でていた手を後頭部に回して引き寄せ、
今度は貪るようにくちづけた。
舌で歯列をなぞり、僅かに開いた隙間を狙って侵入させ
仄かに甘い口内の、上顎や頬の内側を丹念に愛撫する。
「んん・・・・・・・・・っ!」
先程の重ねるだけだった優しいキスとは、対照的なまでに違う
激しい口吻。
口の中を犯される感覚に怯えて、
逃げようとする彼女の舌を捕らえ、絡め取った。
お互いの体温が混ざり合い、外側と内側の境界線が曖昧になる。
粘膜が過敏になってそれ以外のことが考えられない。
飲み込みきれない唾液が、リーゼの唇の端から零れた。
ちゅるり、と、卑猥な音を響かせて唇が離れる。
「は、あ・・・・・・。」
甘い責め苦から解放されて、
乱れた吐息を何とか整えようとするリーゼの、潤んだ目元に舌を這わせる。
塩辛い筈の雫さえ、どこか甘く感じた。
唇を滑らせて、耳たぶに寄せ、舌で嬲る。
金のピアスの固い感触が邪魔だと思う。
息を吹きかけると、艶やかな唇から切なげな声が洩れた。
その間に、滑らかな肌の感触を楽しみながら、
左手を胸に添えて、力の強弱を加減しつつ揉み込んでいく。
細く、貧弱だと思っていた身体は、想像を遙かに超えて柔らかで、
陶然とした様子で、身を預ける彼女の姿態に
己の雄が高ぶっていくのが判る。
428 :
400(2):2007/03/30(金) 20:02:45 ID:EPK1VkKr
薄赤く色づいた先端を指で摘む。
びくりと、小さな身体が震える。
それを宥めるように掌で背中を何度か撫でて、
胸への愛撫を再開した。
「ふぁ、んっ、レイ、ヴン・・・・・・。」
固くしこった乳首を指先で転がす。
首筋に顔を埋めて、肌を吸い、痕を残した後、
愛撫に反応して独りでに固くなりつつあるもう片方の頂点に吸い付いた。
甘い。
実際に乳が分泌されているわけではないが、そう思う。
「ん・・・・・くすぐったい、よ。」
男としては長めの髪と、
掌の傷痕の感触がこそばゆいらしく、リーゼが少し笑った。
少し強めに乳首を吸い上げて、舌先で転がしてみる。
「あっ・・・・ん・・・・・・。・・・・・・っ!」
うっとりと身を任せていた身体が
突如として強張った。
なるべく気付かれないように動かしていた指が
下腹部に到達したのが判ってしまったらしい。
足の付け根に素早く指を潜り込ませて、柔らかい蕾の奥、
密やかな割れめを探る。
薄い花弁が既に湿り気を帯びているのが指先にはっきりと感じられた。
その先にある小さな入口から、溢れるとろりとした蜜を、
指ですくって、女の一番敏感な部分、小指の先ほどもない花芯に擦りつける。
「ひぁっ!!」
秘め隠してきた部分を、こんな風に、無遠慮な男の指で弄られるのは初めてだったようで、
リーゼの表情が引きつる。
「や、やだ、そこ、だめっ・・・・・・・・・・・!!」
強すぎる刺激から逃れようと、必死で身体を捩り、抵抗する。
力は弱い。簡単に押さえ込めた。
それでも足をばたつかせて、いやがる仕草が
むりやり抱きかかえられた猫のようで、少し可笑しくなる。
腕から逃れることが叶わないと知れると、今度は足を閉じて、
何とか止めさせようとしているが、この体勢ではそれも無意味。
「レイ、ヴンっ・・・・・・や、だ・・・・・・ふぁっ、やめ・・・・やぁっ。」
追いつめられたリーゼが、潤んだ瞳で懇願するのがおかしい。
言葉とは裏腹に素直な身体が、次から次へと止めどなく蜜を溢れさせているのを
彼女は気付いているのだろうか。
ついこの間まで、少年として振る舞っていた勝ち気なリーゼの、
本性が女なのだと暴くのは、たまらなく楽しかった。
429 :
400:2007/03/30(金) 20:04:58 ID:EPK1VkKr
とりあえずここまで。
ご飯食べてから続きを書くことにします。
430 :
400(3):2007/03/31(土) 03:18:32 ID:0pAFxWvP
「は、あ・・・・・・。」
リーゼが昇りつめる直前で、指を止める。
秘部から指を離して、また小振りな胸を揉みしだいて、
乳首を摘んで転がす。
「んっ・・・・・レイヴン、ど、して・・・・・・・・?」
戸惑いと不満の混じった声が、リーゼから挙がる。
「お前が嫌がってる様だったから、止めた。」
胸への愛撫への手は休めず、リーゼの様子を観察する。
一度疼いてしまった場所は、貪欲に刺激を求めているのに、
そこは弄られない。
決して達することの無い場所にばかり、休み無く執拗な愛撫が与えられるのは
きっと随分と辛いのだろう。
足を擦り合わせて必死に、羞恥と快楽の間で耐えている。
「・・・・・・・・レイヴン・・・・・。」
我慢が限界に達したのか、リーゼが泣きそうな声で、名前を呼んだ。
「・・・・・・・・お・・・・・お願い・・・して、」
「何を?」
どうして欲しいのか言わないと分からないだろう?
そう言うと、リーゼが震える指で、胸を弄っていた手を掴み、
下腹部へと導いた。
「僕の、ここ・・・・・・さっきみたいに、触って・・・・ください・・・・・。」
自然と唇の端がつり上がるのが判る。
嗜虐的な満足感が胸を満たした。
リーゼの望み通りに。
むしろ彼女の望みよりも激しく。指の腹で擦り上げる。
「あ、んん、んっ!」
円を描くようにくるくると転がしてやると、リーゼが悲鳴のような声をあげて
びくびくと身体を痙攣させた。
431 :
400(4):2007/03/31(土) 03:19:45 ID:0pAFxWvP
抱きかかえるような体勢を変え、力の抜けたリーゼの身体をベッドに横たえる。
傷んだスプリングが、ぎしりと微かな音を立てた。
足首を掴んで、大きく脚を拡げさせる。
翡翠の瞳から羞恥の為か、涙が零れたが、抵抗は無かった。
白い、青ざめて見えるほど白い肌の中心で、桜色に息づく蕾を指で拡げると
ぬるついた雫に濡れた、桃色の花弁。さらにその奥で、怯えるように包皮にくるまり
僅かに顔を覗かせる花芯と、誘うようにひくつく、狭い入り口が見える。
ゆっくりと、指を二本、リーゼの中に進めていく。
充分に蕩けさせたにも関わらず、膣内は狭く、その壁は固い。
「っ・・・・・・ん。」
指を拡げ、内部を探る。
異物が体内で動き回る感覚を、唇を噛んで堪えているリーゼの姿は健気で、
何か。
劣情とも、征服欲とも、
戦いの際に感じる嗜虐的な昂ぶりとも違う何かが、
歪み、ひび割れて死んでいた筈の心に、確かに芽吹いた。
指を引き抜く。
自分の股間部分にあるジッパーを下げると、窮屈なパイロットスーツから
解放されたがっていた自身が、勢いよく飛び出した。
ひ、と。
小さい悲鳴がリーゼの喉から洩れる。
勃起し、痛いほどに張りつめた雄は、まだ男を知らない少女を
怯えさせてしまったらしい。
不安げに見上げてくる瞳に、どうしようもない程。
こみ上げてくる感情を何と呼べばいいのか、解らない。
柔らかい髪を撫でて軽く口づけた後、静かに囁いた。
「力、抜いてろ。」
リーゼの、あたたかくて、きつい内部に入りたいと、
欲望を素直に体現して、いきり立つそれを、そっと膣口に宛がう。
432 :
400(5):2007/03/31(土) 03:21:00 ID:0pAFxWvP
「・・・・・・・・いっ!・・・・・・ぁっ!」
狭い内部を押し広げながら、リーゼの一番奥を目指して進む。
入って直ぐに先端に何か軽い抵抗を感じた。
構わずに押し進むと、ぷつりと。
亀頭の先に糸を切るような感覚があって、
「あ・・・・・・・・・・。」
それが、彼女の純潔の証だったのだと、暫くしてから気がついた。
破瓜の血が一筋、腿を伝い。古びて変色したマットレスの上に落ちて滲む。
リーゼの苦しげな表情から目が逸らせない。
優しく、こわれもののように大事に大事に扱いたい気持ちと、
激しく欲望のままに乱雑に扱って、壊してやりたい感情が同時に胸に沸き上がって
ー困惑する。
こつんと、亀頭に何かが当たって、彼女の奥に辿り着いた事を知った。
リーゼの中は、当然のことながら不慣れで、まだ浅い。
「リー、ゼ」
固い壁に、きつすぎる内部。
それが、どうして蕩けそうなほど心地良いと感じるのだろう。
彼女の名前を呼ぶ声が、掠れた。
「レイヴン・・・・。」
無理矢理に笑顔を作って、リーゼが囁く。
「良いよ・・・・。このまま、レイヴンが気持ち良くなるように動いて。
中に射精してくれたら、それで終わるから。」
冷水を浴びせられたようだった。
酔いが、醒める。
そうだ。元々は、それが目的だった筈だ。
『簡単に説明するとさ。』
『僕の中に入った君の、情報と、粘膜を通じて君が取り入れた僕の情報がリンクして
ゾイドへの意思伝達がよりスムーズになる。
シャドーなしでも、少しは楽になるよ。
あくまで一時的な強化に過ぎないんだけどね。』
それなのに、どうして、
「んぅっ!」
噛みつくように口付ける。
今だけはそれを忘れたいと願ったのか。
433 :
400(6):2007/03/31(土) 03:25:05 ID:0pAFxWvP
緩慢に腰を動かす。
「んんっ、ふぁ、レイヴンっ・・・・・・・・・!」
赤子をあやすような緩やかなリズムで
リーゼの入り口まで引いて、また奥を突き上げる。
「は、やぁ・・・。」
リーゼの声が艶を帯びて、
きついだけだった内部から、溢れた蜜の感触に、
お互いの限界が近いことを知った。
蜜でぬめらせた指で、小さな花芯を摘むと、
リーゼの身体が反り返った。
「あ、ぅ、レイヴン、レイヴン・・・・レイヴンっ・・・・・!」
びくびくと内壁が震えて、リーゼの身体全体から力が失われていくのと同時に、
「・・・・・・・・・くっ!」
食いしばった歯から、くぐもった声が洩れる。
睾丸から、駆けあがってくる全てを、なんの躊躇もなくリーゼの中に注ぎ込んだ。
それから。
気を失うように、リーゼは眠り込んでしまった。
無防備な寝顔は年相応に幼い。
手を伸ばして柔らかな髪に触れる。
彼女を抱いたのは、打算と、劣情。それから。
これまでにだれかに抱いたことのない、名状しがたい感情。
これを愛情と呼ぶのかどうか、自分にすら解らないが。
ただ。
月はいつの間にか西へと沈み、
日が昇るまでの束の間の栄光を小さな星々が誇る頃。
シャドーを取り返した、先のことを。
今までに考えてもみなかった、未来を。
この手で勝ち取りたいと思う。
還るべき明日という場所に
優しい空色の髪が見えた気がして、静かに瞼を閉じた。
じきに太陽が顔を出す。夜明けまであと少し。
「明日への帰還」に続く。
434 :
400:2007/03/31(土) 03:33:01 ID:0pAFxWvP
以上です。
調子に乗って書き込んでみたけど、
エロってやっぱり難しいですね。
3人なんだか一人称何だか大変読みにくい文章で申し訳ないです。
今回で自分の文才の無さを痛感したので
3年間ROMろうと思います。
マサラタウンにさよならグッバイ。
ちなみにゾイド人との体液交換で一番効果があるのは
搾 乳 プ レ イ
とだけ言い残して
400は逃げ出した!
>>400 すっげーGJ!
エロいし上手いし感動した!
437 :
400:2007/04/02(月) 01:19:14 ID:VckpwRVz
三年ROMるとか言っておいて二日後に普通に書き込む罠。
>>435 ありがdございます。
しかし、なんかもうちょっと、レイヴンの荷電粒子砲の、
ご立派な砲身の描写とか、発射されるとことか、
ちゃんと書けば良かったかなあと思います。
次回があれば活かしたいところ。
>>436 レイヴンは絶対S。
間違いありません。スペキュラーがそう言ってた。
イラスト拝見し、光の速さで保存しました。
ああ・・・・リーゼ可愛いよリーゼ・・・・・。
どうでもいいことですが。
粘膜系から取り入れたヒトの遺伝情報を読み取り、
ヒトに体液(この場合は唾液と愛液)を通して送り込んだ金属細胞を中継して
騎乗しているゾイドの神経系に働きかける
→結果、本来なら脳に金属細胞を埋め込む等をしなければ人間には
不可能なはずの、パイロットとゾイドの神経系リンクが出来上がる。
いわばゾイド人は特定の一人と体液交換(最もイージーなものが性交である)
することにより一時的に擬似オーガノイドとして活動することが出来るのだ!
といった感じの設定があればフィーネとかユーノとかでも
簡単にエロいネタができるような気がした。
決戦前のエロイベントは基本ですね。
誰か書いたらいいよ。
そんなわけで次回は
ゾイタク→七年後→レイリー→夫婦→リーゼたん人妻→ナイチチ搾乳プレイ
に挑みたいと思います。
次回もめちゃくちゃ動きまくるぜ!腰とかが。
ほしゅ
440 :
名無しさん:2007/04/15(日) 00:01:12 ID:NTH6wZeF
ルーミィ読みたい
おなかぺっこぺこだお〜
それは違うw
ほしゅ
ようお前ら!俺はビット・クラウド、チームブリッツ(只今フリー)のウォーリアー(最近はZiファイターがトレンディらしい)だ。
今は皇帝軍ってのの悪巧みをぶっ潰すためアトレー達のホエールキングにいるぜ
いや〜このホエールキング、美人な姉ちゃんがいっぱいで目の保養にいいぜ〜
つーわけで今日も除きにレディ〜ファイッ!!
「あれ?ビットさん何してムグッ!?」
(し〜っ!ばれるだろルージ!!)
(ムグッ!…ハァハァばれるって何が…!?こ、これって覗き穴じゃないですか!!)
(見ちまったものは仕方がねぇな〜ルージ、お前も共犯になってもらうぜ!)
(嫌ですよそんな!犯罪な上もしバレたらミィに殺され…うわぁ…フィーネさんの胸…大きい…)
(何だかんだ言って見てんじゃねぇか)
(おいガラガ!いつ来たんだ!?)
(貴様ら!覗きなど男としての誇りはないのか嘆かわしい!おいそこのぺったんこ!ティータが見えんだろうが!!)
(ラ、ライナーさん!いつからそこに!?)
(まあまあ良いじゃねぇか)
(ちょ、アーサーのおっさんまで来たのかよ!?)
(面白そうだからな!ついでにレイも連れてきたぜ)
(ボーグマン少佐…自分はこのような事は…)
(まあ硬い事言わなさんなって、こういう事も人生には大事だぞ?)
(まったく…俺だけの楽しみの時間だってののよ…)
(うっうっ…フィーネさん…彼方のそのお胸はいつも奴に揉まれているのですね…うっうっ…)
(トーマ…泣きながらみるなよオイ…)
(所で俺のマイハニーは何処だ?)
(ハリー…何時の間にっ…てリノンがいないだと!?)
「あんた達…楽しそうな事してるわね〜」
ア、アァァァァァンビエントォォォォォォォ!!
次の日デスザウラーの口にアーサーを除く数人の男が挟まっていたという
「ブレードさん、あれ何でしょう?」
「気にするな、小さな事だ」
完
そうゆうのはRDが率先してやりそうだな
ブレードさんを道連れにして
何にせよGJ!
性シリーズ キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
保守といわずガンガン投下してくれ!
「ふぅ…」
あっ、皆さんどうも、ユーノ・エラです。えっ?何でため息なんてついてたかって?実を言うと…
「あら、どうしたのユーノ?ため息なんかついて」
「フィーネ…実は最近、ゼルの様子がおかしいの…」
「ゼルの様子が?」
「そうなの…毎晩…その…エ、エッチする時に…」
「ユーノ、SEXしよ!」
「だ、駄目よゼル!まだお風呂に「答は聞かないけど!!」
「きゃうん!」
「とか…」
「ふんふん」
「このまま中にライトニングアタックするけど良いよね?」
「あぁん!ゼ、ゼル…駄目…き、今日は危険日なの!!」
「答は聞いてないけど!!」
「だ、駄目ぇぇぇッ!あぁぁん!!」
「とか…最近急に言動が子供っぽくなったり人の話を聞いてくれなくなったり…」
「ふんふん…で、毎晩ゼルに胎内に出されちゃってるわけか」
「はい…そ、その別にゼルの赤ちゃんが欲しくないってことじゃないんです。ただまだちょっと早いかな〜とか…」
「多分これはアレね」
「あ、アレ?」
「そう、これはどんな人間でもたまにかかる病気【中の人病】ね」
「な、中の人病…ど、どうしたら直るの!?」
「後1年ぐらいしたらかってに直るわ」
「い、一年…私、絶対赤ちゃん出来ちゃうじゃありませんか〜〜!」
「じゃあ、たまには拒めば良いじゃない」
「そ、それはその…そうするとゼルが凄く寂しそうな顔するし…」
「まあ…ちょっと分かるかな〜…バンも寂しそうな顔するしね。」
「レイヴンはその点、僕が拒めばそれ以上何もしてこないけどね、無表情で剥れてるんだよww」
「あらリーゼ、彼方もきたの」
「バラットは結構淡白なのよね〜…やる時はねちっこいけど」
「あっ、ナオミ…」
「ルージの奴、最近私たちの顔見たらすぐ逃げ出すのよ」
「でも、ちょっと寂しそうな顔するとすぐ駆け寄ってきてくれるのよ…よくガラガも釣れるけど」
「あら、ミィとコトナも」
「王子は…その…毎晩毎晩鞭やら蝋燭やらで…私が拒んでも寂しそうな顔して油断したらすぐに…」
「「詳しく」」
「あ、あの〜私は先に抜けますね…」
「ふぅ…」
「どうしたユーノ?ため息なんかついて」
「ゼ、ゼル!な、なんでもないの!!」
「ふ〜ん…」
き、今日こそは寂しそうな顔してもきっぱり拒まなくっちゃ…
「あっ、あのゼ「ユーノ…この戦いが終わったらさ…」
「えっ?」
「また二人で旅しような」
「ゼル…うん…」
「と言うわけでユーノ!エッチしよ!!」
「き、今日は絶対に駄「答 は 聞 か な い け ど ね !!」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ギシギシアンアン
「はぁ…」
「で、結局拒んでも意味が無かったわけだ…」
「うっうっ…この一年…体もつのかな〜」
「まあ…気「気にするな…小さな事だ」
Σ(゚Д゚Σ(゚Д゚ )!?
完
>>446 つまり「今日は頼もしい相棒、RDを連れてきたぜ!!」と言う事か
>>447 たまに何か浮かんだら、書きにくる事にするne
このレジーナいつのネタだwww
451 :
400:2007/05/02(水) 13:30:49 ID:se7vz0uc
>>448 「拗ねないでよ。レイヴン。
今日は僕がいっぱいサービスしてあげるからさ。」
というシチュを妄想して小一時間萌えた。
それにしてもこのままだと古代ゾイド人の血を引く
ゼネバスの後継者が生まれて来ちゃいそうですな。
452 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 22:27:44 ID:m/dgOuhD
アーバイン×ムンベイは需要あるのだろうか?
あの二人そういう雰囲気にならんかったしイマイチ違和感が
たしかお互い恋人みたいなのがいたはず
んじゃバン×ルドルフは?
極端だなw
>>452 需要ある
つかカプなんて捏造しちまえばいいのさ!
本編では恋愛関係なんて無くとも
ムンベイなら何でも来い!
459 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 13:03:18 ID:IcNJzcLA
ゾイドサーガで書く猛者はおらんかのう
レジーナたんハァハァ
アーバインは彼女いないぞ。作中ちょっといい雰囲気になったゲストはその回の悪役で
自分の手で倒した。なんつーか、ルパンで次元がやりそうな役だった。
アーバイン×ムンベイは放映当時でもいまいち人気の無かったカップリングだな。
嫌われてるわけじゃなくて、単に誰も気にしてなかったという。
アーバインの彼女はコマンドウルフだろう
で、次の彼女はライトニングサイクスかねぇ
ムンベイは結構男には困らないからな
464 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:22:27 ID:ooyphVzd
元彼も登場してるしな
レジーナたんマダー?
はっはっは、何を言ってるんだ。
アーバインには妹がいるんだから彼女なんて必要ないだろう?
アニメでは死んでるんだが。<アー妹
漫画版アーバインは縄で縛りそうだwww
スネークワインダーとかやってたしwww
468 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 13:57:44 ID:c6Of0LRu
アニメでも電流流れる鞭とか使ってたじゃない
メリッサと
アニメ初登場時のイッちゃった銃乱射モードを俺は忘れない
アーバ淫各種
アニメ版:最初は信用出来ない盗賊だったがいつの間にか兄貴分に。駒犬ラブ
漫画版:アニメとほぼ同じような位置づけだが妹生存、蛇ラブ。ロリ少女に惚れられる
バトスト版:狛犬「御主人様〜破壊された俺、そのまま放置ですか〜!?」
タクティクス:アニメルートだとサイクスとオーガを二又
ゾイコロ:ほぼアニメと同じ
久しぶりにコトナさんで書いて欲しいです
473 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 20:48:59 ID:M/Op+YWu
公式設定でレジーナ14歳と知って驚愕したのは俺だけじゃない筈
どう見ても10歳位サバ呼んでるだろあれ
ヒルツもリーゼも古代ゾイド人とはゆってたけど奴らもカプセルに保存されてたわけ?
ヒルツはどうだか知らないけど
リーゼはノーデンスの遺跡でニコルと偶然出会ったっていうから
遺跡の中にカプセルがあったんじゃない?