3 :
12:2006/03/32(土) 02:52:31 ID:5y14jHLC
>>1さん乙です!
そんな訳で、こちらに移動してきました。
4 :
前スレ>800:2006/03/32(土) 08:16:04 ID:wMp4g7ir
前スレ>835さん=新スレ
>>1さん、スレ立て乙です!
どのタイミングでスレ立てていいのか分からず、オタオタしてしまいました…
すみません。代わりに立てて頂き、有難うございます。
前スレでの投下SSをまとめてみました。
最後に前スレに落とすつもりが、
途中で本当に容量オーバーで書き込めなくなっちゃったよ…アホスギ_| ̄|○
即死防止も兼ねて、続きはこのスレに投下します。
6 :
投下SSまとめ1:2006/04/02(日) 00:13:33 ID:vCaEzWlB
>12-13「躯と云ふ女」飛影×躯 作者12氏
>27-30「夏祭りの夜に」幽助×螢子 作者12氏
>56-58「飛影と云ふ男 −浸透圧−」飛影×躯 作者12氏
>86「無題」陣×瑠架 作者86氏
>91-94,96-98「業火の蝶」飛影×躯 作者12氏
>124-125「金平糖ほどの夢」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>144-146,148-152「金平糖ほどの夢・続き」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>170-173「水底の夢」飛影×躯 作者12氏
>202-205,211-213,246-249「無題」蔵馬×静流 作者197氏
>273,275,277,279-280「胸騒ぎ」蔵馬×ぼたん 作者12氏
7 :
投下SSまとめ2:2006/04/02(日) 00:17:12 ID:vCaEzWlB
>306-307「無題」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>315-325「幽助×螢子」 作者314氏
>339-340,342-343,345-346「闇の中の恋」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>355-357「其の後」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>367-373「恋愛ジグソー」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>392-394「無題」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>410-415「不変の光の花束」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>430-435「ホワイト・ブライダル」コエンマ×ぼたん 作者12氏
>441-447,455-465「桑原×雪菜」 作者440氏
>473-475「桑雪・その日の夜のこと」桑原×雪菜 作者440氏
8 :
投下SSまとめ3:2006/04/02(日) 00:20:38 ID:vCaEzWlB
>485-489「孵化」飛影×躯 作者12氏
>506-509「冬薔薇の日」飛影×躯 作者12氏
>533-537「天空蝶」飛影×躯 作者12氏
>541-552「秘密−飛影×雪菜−」 作者522氏
>566-570「藍色月夜 飛影×躯」 作者12氏
>581-589「聖誕祭」オールキャスト 作者12氏
>603-613「初春日和」幽助×螢子 作者12氏
>637-640「粉雪 桑原×雪菜」 作者12氏
>683-687,697-703「契り 桑原×雪菜」 作者12氏
>715-720「予兆 飛影×躯」 作者12氏
9 :
投下SSまとめ4:2006/04/02(日) 00:23:44 ID:vCaEzWlB
>730-733,770-775「幻夜 雷禅×食脱医師」 作者12氏
>739-760「桑×雪2nd」桑原×雪菜 作者440氏
>786-791「ミカヅキ 幽助×螢子」 作者12氏
>809-812「春の豊穣 飛影×躯+雛?」 作者12氏
>824-827「黒い睡魔 飛影×躯」 作者12氏
前スレにて素敵なSSを投下して下さった職人さん方、
萌えネタ投下して下さった住人さん方、
本当に有難うございました。
このスレでもマターリ幽白エロパロを楽しみましょう。
明日は12さんのSS投下あるのかな?
飛影×躯のお初話の続きに激しく期待(;´Д`)ハァハァ
11 :
12:2006/04/02(日) 10:17:40 ID:DmMRInTK
前スレの投下SSまとめ、お疲れ様でした。
こうして見ると私の作品、妙に多過ぎ。
いかに勢いだけでガーッと書いてきたかが分かる…orz
新スレになったことだし、これからはもっと考えて書かないと。
12 :
12:2006/04/02(日) 10:22:28 ID:DmMRInTK
あ、もちろん今日も深夜に投下する予定でいます。
先週の続きで飛影×躯をばガッツリと。
明日は会社の棚卸しで休みになっているので、時間的にも余裕が持てるから
いつもより気合いを入れて書くことが出来ます。
そして新スレでも12ゲット。(ニヤリ)
いえいえ、取れたて脳みそから絞りたてって文章もいいもんですよ
>>11 12サンの小説を読んで萌えシチュ妄想できたりするんでこれからも投下ヨロシコ
>>11-12 前スレ投下SSまとめへのコメント、有難うございます。
そして12さん、華麗な12ゲットおめw
前スレがマターリしつつも天寿をまっとう出来たのには、
12さんが定期的にSS投下して下さった事も大きいと思いますので、
あんまり気にしないで下さい。
もちろん、他の職人さん達がSS投下して下さった事も大きいですね。
みんなクオリティタカスで良作揃い。萌えまくりですた。
>>12 >いつもより気合いを入れて書くことが出来ます。
12さん、頑張って下さい!あー凄く楽しみだ(*゚∀゚)=3
15 :
12:2006/04/02(日) 23:52:32 ID:DmMRInTK
どうもー♪
取れたて脳みそから絞りたて(何かこのフレーズ好きだ)な煩悩文章書きの
12です。
今、頑張って書いている途中ですが、投下の時間は大体いつものように三時
前後になるでしょう。とりあえず、今の時点ではまだ二人はヤってません。
間に合うのか?自分。
深夜はノリが良くなるので、これからビールをガンガン突っ込んで書きまく
りたいと思っています。
では、あと三時間後ぐらいに再び。
16 :
12:2006/04/03(月) 03:29:50 ID:eu+ShLgZ
書けました。
それでは投下。
数日が過ぎた。
あれから取り立てて変わったことはない。
ただ、当たり前のように飛影は時折躯の寝間を訪れては勝手に寝台で寝
入るようになった。今のところはただそれだけとはいえ、状況が状況なだけ
に全く油断の出来ない相手だ。何気ない振りをしていても、心の隙を狙って
いる風にも思えるからだ。
今更奪われて惜しいものではないし手慣れていると思われればそれだけの
ことだ。だが、安く見られるのだけは女として我慢がならない。
「…いたのか」
目覚めた時に唐突に隣にいても、動揺すらしないように振舞うことにもやや
慣れた。こんなことで心を乱されてはいけない、つけ込まれたら厄介だと念
入りに作り上げた仮面だった。
「まあな、ここは近いし寝るには便利なだけだ」
「そうか」
「…他に何がある」
起き抜けの不機嫌な声が響く。何の意図もないと言っているようで、それは
まあ好感を持った。大抵の者は目覚めてすぐに自我を簡単には繕えないも
のだからだ。
「幾ら近くとも、わざわざ御苦労なことだ」
「誰しも睡魔には勝てんだろう」
「…そうかもな」
愚かなことを、と思いながら戯れのように言葉を返す。今の躯にとっては飛
影こそがまさに睡魔。悔しいが側にいることで安堵するようになっているの
が本音だ。しかし、それだけは決して気取られてはいけないと本能がシグ
ナルを出していた。
しかし、いずれは来ることだ。
それも近そうだと躯はひしひしと感じている。
わざわざ寝間にまで侵入する以上は知らずにやっているとは言えない。ま
してや男と女でもある。このままいつまでも何事もなくこのぬるい関係が続
くとはとても思えなかった。
あんな、遙かに年下の男になし崩しにされて好き放題になるのだけは御免
だ。だが、躯もそれほど初心ではない。あくまでも飛影の意図次第だとも思
っている。その辺が自分もまだ甘いと思うのだが。
ともあれ、いつまでも鬱々としているのは性分ではない。くだらない悩みを
抱えているぐらいなら、その時間を別のことに割り振ることにしている。そん
な訳で、その日は組織を統括する身でありながら進んで百足の見張り台に
昇っていた。外界を一人望んでいるのもそう悪くはない。
その日は風がひどく強かった。
柔らかな栗色の髪が吹き乱されて、華奢な体すら浚われそうだ。只でさえ
足場の悪い見張り台の上では少しでも油断をすれば転げ落ちてしまうだろ
う。だが、今はそれが心地良い。
こんな風に訳の分からない感情を持て余しているだけならば。
その日は随分と長いことそこにいたようだ。夕暮れが近付いて天空すれす
れの低い位置に細い月が昇り始めても離れられなかったのだから。
「躯」
いつものように慣れ慣れしく寝間に入ってきた飛影は、既に眠りに入りかけ
ていた躯の髪に触れてきた。どうせいつもの軽い戯れでしかないとたかをく
くっていたが、様子がこれまでとは違っていたことに目敏く気付く。
「…何をする」
「分かっているんだろう?」
焦らしていた訳ではない。この成り行きを望んでいたのでもない。
まだ見ようによっては子供のようにも見える男は、空恐ろしいほどの眼差し
で見つめていた。
間違いなく、今夜はそのつもりで来ているのだ。
はっきりとそう感じ取って、長い間忘れかけていた恐怖が蘇る。何百年生
きようと、何度強引に陵辱を受けようとその時ばかりは女としての本能が
剥き出しにされるのだ。決して慣れることなどない。これまでの記憶からし
ても、躯に手酷い扱いをした輩ばかりが思い出された。もちろん、そのほと
んどは大人になってある程度力をつけてからのことで、事後に命は奪って
ある。よって、これまでその事実はほぼ隠蔽されている筈だ。そう、今や特
別の権力もないが、かつては一国の王として君臨した身だ。そんな浅まし
い過去など邪魔なものでしかない。
だるそうに半身を起こして敷布の上で片肘をつくと、意識すらしていない溜
息が漏れ出た。
「分かってはいるが、ならばお前は」
「当然、貴様が欲しいからだ」
「酔狂なことだ」
本当に、酔狂なことだと笑いが零れる。こんな、遙かに年上でしかも半身
が焼け崩れているような不気味な女などよりもたやすく口説き落とせる若
い小娘の尻でも追っかけていればいいものを。
そんなことを考えた後で、つくづくこの男にはそれが似合わないとまた笑え
てくる。
「俺は上司だぞ」
「だから何だ」
「格好がつかない」
「誰にだ」
そんなくだらない問答の間にも、飛影はじりじりと位置を詰めてきているの
が分かる。逃れようと体を浮かしかけても、背後にはもう余裕がない。下
手をすれば寝台から落ちかねなかった。
こんなことで醜態を晒す訳にはいかない。そんなブライドがこんな時に頭を
もたげる。
「…ここは俺の寝間だ、今のことは忘れてやる。さっさと帰れ」
なけなしの意地で命令をしても、男は鼻で笑っただけだ。それどころか、決
意を固くしたように両腕を掴んできた。無闇な力を加えられれば肩に組み
込んでいる作り物の左腕が壊れる。それが今は一番気になった。
「くっ、離せ」
「離さない、逃げるつもりだろう」
「逃げる、だと…?」
それは特に考えてもいなかった。いかなる時にでも逃げを打つことだけは
避けていたのだから。だが、思い違いをしているのは幸いだ、とわざと悠
長な声を出す。
「逃げたら、どうする」
「追いかける、どこまでもな」
「こんな女でもか」
「追いかけるさ」
くっ、と嗚咽を呑むように喉が動く。全くもって愚か過ぎる男だ。それほどま
でに執着をするとは。その真意にまで踏み込むことはためらわれたが、何
となくこれでいいような気がした。
ある程度この場で分かり合えるものがあるならば、妥協をするのも分別と
いうものなのだ。
抵抗がなくなったことに気を良くしたのか、飛影はじっと顔を近付けて覗き
込んでくる。
「小難しい理屈など、いらないだろう。そう思わないか、躯」
「…ああ、そうだな」
そうだ、別に進展など望んでいないならばこれでいい。わずかな繋がりさ
え感じられれば、それが何よりも確かなものになる。
どっちみち普通の男と女ではないのだから。
「躯」
承諾を得た、とばかりに髪を撫で、唇を重ねてくる仕草にはどこか不慣れ
なものを感じた。それも満更悪くない気がするのが自分でも不思議な気が
した。きっとそれも女の本能の一端だろう。
男というものはどれもこれも同じで下賎なもの。
これまでそう思っていたし、実際にその通りだったこともあって簡単に考え
を翻すことは出来ない。
ただ、こんな戯れの中でならある程度はこの男との繋がりを持っていたい
とは思い始めている。
「飛影」
着衣の隙間から手を差し入れられて肌を撫でられる感触は、快いと思える
ものだった。こんな風に誰かと接するとなどなかったせいで果たしてこれが
性感をあおるものかどうかは良く分からなかったが。
「何だ」
「お前は、こんな風に誰かとしたことがあるのか」
「ある訳がないだろう」
どこか拗ねたような口調に、心の内を気付かれないように唇の端でこっそ
りと笑った。女の寝間に忍ぶなどという大胆なことを仕出かしておいて、こ
の男がこれまで何の経験もなかったことに驚きもしている。そんな危なっか
しい不均衡もまたこの男ならではだろうか。
何となく力が抜けた。
くすくすと笑い続ける躯を、一体どう思っただろうか。
「…うっ」
これだけは女であるという証明の乳房を揉まれ、丹念に舐められて初めて
耐えきれない声が漏れた。決して乱れないでいるつもりだったのに、長い
こと男と接していなかったことで体は緩い愛撫だけで蕩けかけている。こん
なに堪え性のない体だったかと自分でも思うほどだ。
「あ、あ…」
「構わん、存分に声を出せ」
成熟しきっている女をここまで煽っているのが嬉しいのだろう、普段は波す
らない声にわずかな上擦りが混じっている。そのうちにどっぷりと欲情に浸
りきり、声音すら変わってしまうことは想像に難くない。
「う、るさい…んっ…」
必死で脱ぎ捨てた衣服の端をぎりっと噛みながらも、躯はまだ正気に縋り
ついていた。肌が触れている部分からじわりじわりと快感がせり上がってき
て、もうじきぷつりと途切れてしまう頑是無い正気だけれど、今はこれだけ
が何よりも確かなように思える。
「あぅっ…」
浅ましくも女であることを自覚せずにはいられない部分に、指が侵入してく
る。拒もうと足掻く前に素早く淫核をぐりっと強く擦られて肌がわなないた。
こんな遣り方をされたことはなかったから正直、戸惑っている。
「お前は、嘘つきだな…」
「何の、ことだ」
大きく足を広げられてそこを執拗なほどに舐められても、もう先程の衝撃は
なかった。まさかこれほど手馴れているというのに経験すらないとまだ嘯く
のか。
こんな子供同然の男に翻弄されているようで、わずかに腹立たしさが沸き
あがった。
「あ、う、そは嫌いだ…」
はあはあと激しく息を荒げながらも、寝台の上でのたうつ躯は一筋の涙を
流す。翻弄されるのならそれでいい。ただ、ありもしないことだけは聞きたく
なかった。
「躯」
焦れたような声が降ってくる。
「何を考えているかは知らんが、こんな時に嘘などつく必要がどこにある」
そのまま覆い被さってきて、既に猛りきっているものを愛撫で濡れきってい
る箇所に押しつけられた。
「うっ…」
快楽の根源を刺激されて、背中が無意識にしなった。
「…欲しいか」
「くっ、そんな、ことを誰が…」
「そうか」
淫らがましく濡れた音をたてているそこに、先端だけがずるっと入り込んで
きた。こうして意地悪く反応を見ようというのだろう。
「はぁうっ…」
くだらないことだ、と頭では冷静ぶって嘲笑するものの、体がすっかりその
気になっている。もう止まらなかった。
「飛、影…」
「何だ、躯」
「そのまま、来い…遠慮などするな。早くっ…」
ああ、やはりこんなところはどこにでもいる只の女だ。それを嫌でも自覚せ
ざるを得ない。きっとこの男も随分と浅ましいことだと腹の中では思ってい
るだろう。案外、本質など誰もが似たり寄ったりなのかも知れない。
「そうだな、では行くぞ」
「ぅっ…」
まっすぐ中心を貫いてくる熱に、意識が飛びそうになった。しかし、辛うじて
繋ぎ止めていたのはなけなしのプライドによるものだ。どんな風にされても
しかと見ておきたい。
ただ、それだけのことだ。
「あ、嫌だ、もうっ…」
「堪えろ、もう少しだ」
打ち付けられる腰の一打ちごとに甘く苦しい疼痛が広がる。これほどに好
き放題をされているというのに、奇妙なほど心地良いのだから笑える。それ
が男と女の繋がりの原点なのだろうか。
これまで経験したことのない奇妙な感覚と感情がぐるぐると渦巻いていて、
どう収集を付けたらいいのか分からない。
そのうちに、圧倒的な快楽の収束の時がやって来た。
何を望んでもいない。
ただわずかな関わりだけで繋がっている、それだけのことだ。
あれからも来たい時にだけ男はここを訪れる。気のない振りで躯はそれを
受け入れては快楽を貪り合う。
そのうちに、もう全てが慣習になってしまって不安や恐れなどは完全に磨
耗してしまっていた。
こんなことはただの遊びだと思えば傷を受けずに済むのだ。それが互いの
為に一番いいことだと割り切った振りをして、躯はいつ来るとも知れない男
を待っている。
そんな日々が数年間に渡って続いたのは、あまりにも臆病になっていたか
らだったのだろう。
終
25 :
12:2006/04/03(月) 03:54:45 ID:eu+ShLgZ
てなことで、何とか終わりました。
ビールの突っ込み過ぎで途中、6が二回続いたけどごめーんね。
とりあえず、もう限界です。
これで前スレ12の「躯と云ふ女」に繋げられていればいいなと思ってます。
それでは、おやすみなさい。
GJ。エロいというより萌えた。
キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
12さん激しくGJ!飛影×躯・初H編、お疲れ様でした。
躯、飛影のペースに流されちゃったね…
最初、年上で元上司としての矜持からか意地を張って声も出すまいとしていた躯が
だんだん余裕がなくなって快感に翻弄されていく様子に悶えまくりました。
それにしても飛影が未経験だった事に驚きですw
初めてなのに、やけにテクニシャン…飛影って何事も器用そう。
連投スマソ
>>25 >これで前スレ12の「躯と云ふ女」に繋げられていればいいなと思ってます。
12さん版・飛影×躯ストーリーの大体の流れが補完されましたね。
今度は、躯妊娠話の続きかな?こちらも続きが楽しみです。
29 :
蔵馬×ぼたん:2006/04/05(水) 21:44:26 ID:lTXssEMf
屍体愛好者の気持ちなど到底理解出来ないと思っていたのだが。
まさか自分にその素質があったとは驚きだった。
一つ、どうしても欲しい体があった。
―― 霊界
ふと、顔を上げたコエンマに、ぼたんは「サボらないで下さいよー」と、素早く声を掛けた。
処理しなければならない書類の数を考えると、一瞬の休憩だって惜しい物だ。
自分だって手伝っているのだからとぼたんが書類を分類していると、コエンマは盛大に溜息を吐いてぼたんに視線を遣った。
「外に儂の客が来ている。此処まで連れて来たらお前は下がれ」
「外に・・・ですか?」
「放っておいたら無断で入ってくるからな。形だけでも案内が居た方がいいだろう」
それから直ぐに書類に目を通し、判を押すコエンマにぼたんは不思議そうに首を傾げた。
しかし、上司の命令であれば指示道理に動くのが部下の仕事である。
ぱたぱたと行儀悪く走って外に出ると、大きな霊界の門を見上げる一人の青年の姿を見つけた。
その横顔には見覚えがあり、ぼたんは「あれ」と、思わず声を上げた。
「蔵馬じゃないか。どうしたのさ、一体」
思いもしなかった珍客に、ぼたんは周囲に目を走らせる。
妖怪が堂々と霊界に訪れていれば警備の者が集まって来そうなものだったが、今の所影もない。
ぼたんの視線で気付いた蔵馬は「隠れているように見えるけど、ちゃんと見張られてるよ」と、気にもしない風情で笑う。
「ちゃんと見張られている」という言葉の使い方は変だよとぼたんは苦笑すると、これ以上こんな目立つ場所に居ては本当に問題だと手招きをする。
「ぼたんはお使いですか?」
「そうだよ。蔵馬を出迎えるようにってコエンマ様に言われてね。でも本当に久しぶりだね。元気だったかい?」
「まぁ、それなりに」
相も変わらずの穏やかな微笑みを浮かべて蔵馬は飄々と答える。
その笑顔の裏で一体何を考えているのか分からないのが彼の恐ろしい所であるのだが、ぼたんは人の心の裏を探るような事は好きではないので額面通り言葉を受け取り「元気が一番だよ」と、軽快に笑った。
30 :
蔵馬×ぼたん:2006/04/05(水) 21:46:03 ID:lTXssEMf
そして他愛のない会話が続き、コエンマの執務室の前に到着するとぼたんは「あたしゃ此処までだから」と、踵を返す。
その後姿を蔵馬は暫く見送っていたのだが、「ぼたん」と、小さく声を掛けた。
反響し易い廊下では小さな声でもよく響く。
呼ばれて振り返ったぼたんは「どうしたんだよ?」と、首を傾げると、蔵馬はやはり穏やかに笑った。
「今度、人間界に遊びに来ませんか?美味しいコーヒーが飲める場所を見つけたんですよ」
「・・・それよりあたしゃ美味しいお酒が飲める場所の方が嬉しいんだけど」
おどけて笑うと蔵馬はそれに応えるように笑みを深くする。
「じゃあ、探しておきますよ」
これ以上誘われると思っていなかったぼたんは呆気に取られて瞬きを繰り返す。
蔵馬は言葉遣いは丁寧だが、だからといって愛想がいいという訳でもない。
妖怪である蔵馬と水先案内人であるぼたんとは立ち位置が真逆である為に、会話らしい会話もなく共通の話題は人間界の事ばかりだ。
そんな自分を誘って楽しいのだろうかとただただ疑問に思っている間に彼は扉を開け、その奥に入っていった。
「・・・・・何か、悪い物でも食べたのかねぇ?」
ぺたん、ぺたん・・・と、判子が押される中、気にした風もなく蔵馬は応接用のソファに腰掛けて、それまでぼたんが分類していた書類の一部に目を通した。
「勝手に見るなよ」
「あったら見る物でしょう?」
「で、今度は何を盗もうというのだ?」
「人聞きの悪い」
さらりと笑う蔵馬の横顔をちらりと見遣ったコエンマは、その軽快さに「狐が」と、小さく舌打ちする。
綺麗な顔立ちの青年はその綺麗な顔に極上の笑顔を乗せて簡単に嘘を吐く。
二枚舌という言葉はあるが、蔵馬に限っては10枚位舌があるのではないかとさえ思う。
盗賊というよりも詐欺師になった方が良かったのでは無いかと、心の中で悪態を付くのは自由だと次々とコエンマは言葉を並べると、蔵馬が改めて口を開いた。
「欲しい物はあるんですがね」
やっぱり。
「だから、何が欲しいんだ?」
「女の体を一つ」
清流の如き髪を持つ、暁の瞳に熟したての果実のような唇の・・・ぼたんの体を、一つ。
まさか此処で出てくるとは思っていなかった部下の名前に完全にコエンマの動きが止まった。
もう書類の内容を理解出来るような状況じゃない。
判など押していられるか。
「お前・・・・」
「大丈夫ですよ。振袖が着られなくなるような事はしませんから。人間界の何処にあるのかと探してはみたのですがどうしても見つからないので、直談判に来ました。あるんでしょう?ぼたんの人間界での器が、何処かに」
「あれは結界の中だ。お前にも気付かれないように厳重に幾重にも重ねた所にな。それより!」
ぼたんの体をどうするつもりだとコエンマが眉を吊り上げると蔵馬は表情を変える事無く綺麗に笑う。
その微笑みだけを見ていると本当に悪意は無さそうなのだが、そんな表面を信じていられるのは馬鹿な部下位のものだ。
コエンマまで蔵馬の微笑みを信じたりはしない。
「欲しいんです、どうしても。妖怪を恐れない霊界の魂なんて、世界中を探しても一つしか無いでしょうから」
宝は手元に置いておきたいんです。
たった一つしかない輝きは、至玉のようだ。
くすくすと笑う蔵馬の様子にコエンマは此処で漸く違和感を感じた。
何かがおかしい。
その正体を掴もうと考えを巡らせ、しかし至ったのはたった一つの簡単な答えに意地悪な笑みを見せた。
自分から墓穴を掘った事に、果たしてこの妖狐は気付いているのか。
「盗賊であるお前がそんな中途半端な物を欲しがるとは思えんな。あれは本当に器で、中身はない。魂をというのならぼたんそのものが必要ではないのか?」
「まずは器を確保して、逃げられないようにしたいんですよ。何かを盗むには下準備は必要でしょう?」
何処までも狐だった蔵馬にコエンマはつくづく厄介な男と縁を持ってしまったと深く溜息を吐く。
これでも部下への想いを上司に告白しに来る程度には蔵馬は蔵馬なりに道理を通そうとしているように見えるので頭ごなしに怒鳴る事も出来ず。
しかしぼたんの人間界での器は勝手に触れていい物ではない。
一介の水先案内人に人間界での器が与えられる事自体がそもそもの例外で、特別処置だ。
霊界の宝すら使って作り出したそれは確かにその体自体も十分に宝と言っていいのだ。
絶対に譲る事の出来ない体なのだが。
人の恋路を邪魔するのも野暮というものだ。
それに、ぼたん本人の気持ちまではコエンマとて預かり知らぬ所だ。
味方に付けるには十分に頼もしい相手なのだが、敵に回すには厄介過ぎる。
腹いせなどは考えないだろうが、それでも代わりの物を要求されても困る。
手荒な真似などしないだろうし、ぼたん専用の体であるのだから悪用の仕方も無い。
仕方なくと、もう一度深く溜息を吐くと、人差し指を一本立てた。
「あれも宝でな。おまけにあれの体のある場所はどうしても明かす事は出来ん。欲しければぼたんを口説き落として自分の手元で離脱させるんだな」
「そうすれば霊界は目を瞑ってくれると?」
「心も魂も盗まれてしまえば邪魔する馬鹿は出て来ん」
但し、持ち出した体は丁重に扱えよ。
条件を言い渡すとコエンマは書類に再び目を落とした。
悪くない条件に蔵馬は満足そうに微笑むと「では必ず頂きますよ」と、余裕を見せた微笑み一つで退室した。
その扉が閉まる音を聞きながら、もう一度コエンマはトドメとばかりに溜息を吐いた。
一体ぼたんのどこに惹かれたのか分からないが、もうちょっと穏便な会話にならないものかと思う。
そして、蔵馬が本当に宝を手に入れられるのかを考えようとして・・・不吉だから止めようと考え直した。
執務室を出た所にぼたんが立っていたので蔵馬は足を止める。
どうやら蔵馬の用事が終わるのを待っていたらしい。
「どうしたんですか?」
「いやぁ。よく考えたら案内は最後までしなくちゃやばいよねぇと思って引き返して来たんだよ。それにあたしが今詰めてるの此処だし」
「そうだったんですか。お勤め大変ですね」
「蔵馬はもういいのかい?」
「えぇ。用事は済みました」
二人並んで歩きながら心配そうに蔵馬を見上げるぼたんが困ったように眉間に皺を寄せている。
何か疑われているのだろうかと蔵馬はにこにこと笑いながら考えていると、「変な事企んじゃいないだろうね?」と、重ねて尋ねて来た。
「企んでますよ。用事が無ければ霊界なんて危険な場所には来ません」
「あのねぇ!」
にこにこと怖い事をさらりと言った蔵馬に慌ててぼたんは周囲を覗うように視線を走らせて暗がりに蔵馬を引っ張り込む。
そして背伸びをして蔵馬の口を手で塞ぐと今度は眉を吊り上げる。
「誰が聞いてるかも分からない所でとんでもない事言うんじゃないよぉ!聞かれて困るのはアンタだろ?」
中々大胆だと思っている所で重ねて来た言葉。
その言葉が蔵馬を気遣っている物だと知ってくすくすと笑う。
今貴女が味方しているのは誰ですか?
そう聞いたらきっと心底困ってくれるだろうと蔵馬は意地悪く思うとぼたんの手を取りそのままくるりと体を反転させてぼたんの体を壁に押し付けた。
「何?」
そう尋ねられた時にはもう体は動いていた。
体を引き寄せて腰を抱くと上向いて僅かに開いた口に口付ける。
上質の魂の放つ匂いに喉を鳴らしながら味わうように舌で唇を舐めると歯が噛み合う前にぼたんの口腔に舌を潜らせる。
怯え、逃げる彼女の舌を追い駆ける為に一層引き上げて、抱き寄せて更に唇を深く重ねる。
僅かに唇の離れた瞬間漏れた苦しげで、しかし蕩けるような吐息が嗜虐心を強く揺さぶる。
もっと、もっととぼたんを追い詰めたくなる。
しかし、そこで強い霊気を感じて弾けるように唇を離した。
流石に閻魔大王のおわす聖殿でする行為ではないので威嚇されたかと蔵馬は目を細めたが、下から聞こえる抗議の声に応える時にはいつもの柔和な笑顔を見せた。
「もう!一体何考えてるんだよぉ!あたしゃアンタを心配してだねぇ!」
「折角のお心遣いですが、そんなに大声だされたらそれも無駄になりますよ」
抱き寄せた手を離すとずるすると体が落ちていく。
それを面白いおもちゃのように見下ろした蔵馬は追い駆けてその場にしゃがみ込む。
ぼたんに視線を合わせると息苦しかったのか、大きく肩を上下して顎にまで伝った唾液を襟足に隠していた袱紗で拭っている。
頬を伝った涙は蔵馬が両手で拭うとにっこり笑って拭った涙を舐める。
「俺も盗賊なんで。此処まで来て何一つ盗まなかったとなると笑い者にされてしまうんですよ」
だから、貴女の唇を盗んだ事にしようかと。
「あのねぇ!」
「ファーストキスのお詫びは今度しますよ。美味しいコーヒーのお店とお酒のお店で」
「だっ!誰がファーストキスだってぇ!?」
再び流れた涙は今度こそ自分で拭うと暗がりでも分かる程に頬を染めて大きな声を上げる。
「違うんですか?」
「そうだけど!」
つられて叫んだ事に更にぼたんは頬を染めた。
時々自分の正直さが恨めしくなると、ぼたんは眉を吊り上げた。
「お見送りは此処で結構です。またお店が見つかったら連絡しますよ」
そうして蔵馬は最後にもう一度と軽く口付けると何事も無かったように霊界を後にした。
一人取り残されたぼたんはその場にしゃがみこんだまま悔しそうに蔵馬の背中を見送った。
人間界に戻る途中、もう一度唇を舐めた。
いい味だった。
想定していたよりも格段に上質のその味に、暫く女の魂の味など忘れていた喉が鳴った。
理性が、本性が、全てがぼたんを求めて動き始めた。
いい宝捜しが出来そうだと、蔵馬は唇の端を吊り上げた。
<終>
GJ━━━━━(*゚∀゚*)━━━━━ !!!!!
>>29さん、GJ!!
“意中の人”の上司にちゃんと断りを入れる蔵馬が、らしくてw
颯爽とぼたんのファーストチッスをゲッツするのは、盗賊の面目躍如たるところですね。
そしてチューされた上に、誘導尋問にあっさり引っかかるぼたんがまたカワイイ。
今回はエロなし…との事ですが、かなり萌えました。
余韻があって、今後を期待させる終わり方が(・∀・)イイ!と思いますが、
このお話の続編を書いて頂けたらすごく嬉しいです。
>>29さんの都合の良い時にでも、また投下して下さい。乙でした!
その魂を一度舐めたら甘い甘露のような味がした。
桃源郷にある果実の味がわかるとしたらきっとこんな味なのだろうかと思わせるような、瑞々しくて陽の光をたっぷり浴びた果実が外にまでその汁を染み出させたような。
首筋を舐め、ささやかだが形の良い張りのある胸を舐め、綺麗な曲線を描く腰を伝って臍に唇を寄せ、その下に溢れさせた蜜を舐めたらそれもまたどんな味がするだろうかと想像しただけで背筋がぞくぞくとする。
そこに彼女の苦痛に歪む顔と懇願し、哀願する声が聞こえたらどれだけ魅力的だろう。
追い詰めて、弄って、散々焦らした後に溢れ出した蜜を啜る事が出来たなら・・・・。
そこまで考えて暗闇の中蔵馬は深く溜息を吐いた。
幾らなんでもまだその時は遠い。
これから手に入れようとしたその魂はまだ自分の手元には無く、欲しい体の行方さえ掴めていない。
今から時間をかけてゆっくりと彼女を自分に引き寄せ、虜にさせ、自分無しではいられないようにさせてからでなければ日々肥大していく嗜虐心を満足させる事は出来ない。
あの魂に噛り付きたい訳ではない。
ただ、人間のように睦み合い、魂の奥底から徐々に自分の思う通りに染め上げたいと思うのだ。
まるで妖怪らしくない自分の欲望に蔵馬は再び溜息を吐いた。
人間界に居る時間は魔界に居た時間よりも遥かに短い筈であったのだが、自分は一体どれ程までに人間界に染まってしまったのだろうか。
幸せそうな母の姿を見た。
あの時からかもしれない。
自分も同じような幸せを体験してみたいと願い出したのは。
しかし汚れた人間界で蔵馬の心を満たす魂には巡り合う事が出来なかった。
自分には母と同じような幸せを体験する事は出来ないかと諦めすらしたその時。
桃蜜のような匂いを発する体を見つけた。
それが、ぼたんだった。
きっと霊界の宝で作られた体には霊界の果実が元になっているのだろう。
妖怪でも滅多に分からない、微量の桃蜜の匂いが蔵馬の鼻腔を擽った。
これが感知出来たのは蔵馬の妖気が格段に跳ね上がったおかげかだろう。
そしてその体から染み出す瑞々しい魂の匂いは蔵馬の喉を大きく鳴らした。
昔は青臭い、まだ実がなりたての匂いだったが、次第に彼女の霊気も大きくなり熟して来ているのか、昔よりも甘い匂いを発するようになった。
かなり自分の好みに近いその匂いと輝きに蔵馬は自分が求めるなら彼女しか居ないと断言出来るようになっていた。
一瞬で口に入れてしまうには惜しくて。
体から、魂からずっとその甘露を味わっていたいと思える只一つの自分だけの宝。
これが人間がする「恋」と同じものかは蔵馬には分からなかったが、彼女に対して口に入れてしまう以上の欲求を持つ事自体が「恋」に似ているような気がした。
自分の本性が妖狐であればその性は当然獣に近い。
その獣が獲物に対して食欲以上の感情を持てるとしたら・・・・・それは「恋」以外の別の言葉で言い表せられるものなのだろうか。
だから、必ず手に入れる。
今まで集めたどの宝よりも価値のある至宝を。
―― 霊界
「で、どうしてあんたはまた此処に居るんだい?」
「この間来た時に言ったじゃないですか。美味しいお酒のある店を探しておきますって。見つけたら連絡しますとも言いましたよ」
「連絡って・・・・直接来てるじゃないか」
コエンマは目の前で行われている言い争いを耳に栓をして聞かない振りをした。
此処で口を挟めば「邪魔しないで下さい」とばかりに狐に睨まれる事になるだろう。
それにしたって自分の執務室を逢引の場所にしないで欲しい。正直仕事の邪魔だ。
もしかしてこの間の部下に対する想いの告白は、こうなる事を想定しての了承も含まれていたのだろうか。
ぼたんは書類を分類する手を止めて、勝手にお茶まで用意して向かいのソファに座って寛いでいる蔵馬に眉を吊り上げていた。
先日自分の大事なファーストキスを奪われた事もあって、警戒心が強くなっているようだ。
コエンマはそれに対しても「手は動かせ」と思うのだが、当然、これも言えず。
「通信手段が無いじゃないですか」
「あたしが人間界にお迎えに行った時とかがあるだろう!?」
「その時はお仕事中なので声は掛けられませんよ。こちらの方が確実だ」
「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
反論の言葉を無くしたぼたんは蔵馬を睨み付けたまま声にならない唸り声を上げている。
舌戦で蔵馬に勝てる筈は無いのはぼたんにだって分かっている。
しかし負けたままでいるのもまた悔しいので何とか逃げ道は無いかと、その瞳はまだ諦めてはいない。
何とか言葉紡ぎ出そうと何かを声に出そうとしたぼたんは、直ぐに追い駆けるように口を開いた蔵馬によって発言を遮られた。
「あぁ。それでは霊界と人間界でも通じる通信機、今度作って渡します。携帯電話を改良すれば出来るでしょう」
それならいつでも連絡が取れる。
無事解決したと笑う蔵馬は相も変わらずにこにことした笑顔でぼたんの怒りの表情など気にもしていない。
救いを求めるようにぼたんはコエンマを見たが、コエンマはこれを完全に無視した。
邪魔する訳にはいかないのだ。
一度はその魂も体も手に入れてみろと言った手前、それを阻止するような事は出来ない。
「まぁ、頑張れ。そして仕事しろ」と、思いながらコエンマはなるべく静かに判を押していた。
「では俺も忙しいんで帰ります。じゃあ今度の土曜日、待ってますから」
「行かないよ!」
「驕りますよ?本当に美味しいお酒ですよ?飲み放題ですよ?」
その後のケアもばっちり請け負います。
とは言わないで。
伺うようにちらりとぼたんに視線を遣るとぼたんは相当揺れ動いていた。
もう少しかな?と、蔵馬は一度瞬きをすると「そのお店、料理も美味しいんですよ。肉や魚が駄目でも野菜だけでの料理でも全然お酒が美味しく飲めます」と、付け加えた。
「行く」
「良かった。それでは土曜日の18時。新しい俺の家で待ってます」
即答されて安堵の表情の後、心底嬉しそうに微笑んだ。
それが年とは不相応の無邪気な笑顔だったのでぼたんも少し頬を染める。
「それではこれ以上お邪魔しては悪いので帰ります」と、もうたっぷり1時間以上は居座っていながらまるで5分だけ居たかのように笑うとソファを立った。
そこで蔵馬は中空を見つめ、眉を顰めてから「あれ?」と、呟く。
反応したぼたんが蔵馬が見ている物を探そうと視線を彷徨わせ「なんだい?」と、返す。
その一瞬の隙を突いて蔵馬がぼたんに口付けるとたっぷりと唇を舐める。
逃げようとする体に腕を回して固定すると逃げようとする唇の間に舌を割り込ませて舐る。
「ん・・・ふぁ・・・」
くちゅくちゅと鳴る音にコエンマは眉間に皺を寄せながらこれまた聞かない、見ない振りをした。
ちょっとは気遣え。
そして自重しろ。
「ちょっ・・・・!蔵馬ぁ!?」
たっぷり5分は味わった後、抱き寄せた腕に縋るようにしてぼたんは涙の流れる瞳で蔵馬を睨み付けた。
「前にも言いましたが手ぶらで帰るのは嫌なんですよ。俺のプライドに掛けても」
頬を伝う涙を。
唇から流れる唾液を。
その全てを舌で舐めとって「美味しかったです」と、鮮やかに笑うと蔵馬は逃げるように退室した。
「もう一体なんなんだよぉ!」
力を無くしてぱったりとソファに倒れ込んだぼたんに、コエンマは「そりゃ儂の台詞だ」と、こっそり思った。
勝手に蔵馬が行動するというのならそれには目を瞑ろうかと思っていたのだが・・・・・。
幾らなんでも上司の居る職場で好き勝手するのは止めて欲しいと、あんまり容易く色々許すもんじゃなかったなと、今更になって思うのだった。
<終>
早速続編キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
29さん、GJ!乙です!
>(蔵馬の妄想だけがエロ)
に、ちょっとワロタ。
少しずつ相手に絡めた網を手繰り寄せていく蔵馬…イイヨイイヨー
ぼたんはもう逃げられないですね(;´Д`)ハァハァ
目の前で濃厚なキスシーンを目撃せざるえなかったコエンマがカワイソスw
これからの展開に激しく期待。続きが楽しみです。
前スレ、過去ログ逝きを確認しました。(`・ω・´)ゞ
明日、12さん投下してくれるかな?楽しみにしています。
でも、年度始めは何かと忙しいと思いますので、
あんまり無理はしないで下さいね。
42 :
12:2006/04/09(日) 22:31:33 ID:QSivT82n
こんばんわ。
今週は萌える話も投下されたし、それだけで頑張れました。
今夜もいつもの時間に何とか投下出来そうです。
前スレはログ逝きをしたんですね。
無事、天寿を全うしたようでスレ存続に貢献した一人としては感慨深い
ものがあります。
確認、お疲れ様でした。
年度末は本当に大変だったけど、年度始めの今も変わりなく忙しくて
そんな日々に流されてしまいそうですが、ここに投下するのも張り合い
のひとつなので頑張れています。
お気遣い、ありがとうございます。
では、続きを書いてきます。
43 :
12:2006/04/10(月) 02:14:16 ID:7R9FNL15
うわー。
ageてたよ。ごめんね。
さて、いつもよりは少し早い時間に完成しましたので投下します。
なんか雛視点になっちゃったので、これはどう分類すればいいん
だろう。
うーん。
数日前から空の色が怪しく濁っていて、寒々しかった。
おぼろげに、何かの凶兆のように感じていたのは決して気のせいではなか
ったらしい。
わずかなことだけれど、確かなもの。
「雛」
ある日の日没間際、夕食後の片付けをしていた雛は居間にいた躯に突然
呼ばれた。滅多にないことだけに、何事かと気になってすぐに走って行く。
「はい、何でしょうか」
気に入りの長椅子に横たわったまま、食後酒のグラスを傾けていた美しき
主人、躯は完璧に整った唇を歪めて笑った。その表情には苦悶の陰りがわ
ずかに見える。
「お前、しばらく実家に戻っていろ」
「…は?」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。もしかして知らない間に躯の
機嫌を損ねる不手際でもあったのではないか。そんな不安が胸の中に大
きく広がる。
「そんな顔をするな。お前の為だ」
昨夜はあまり眠っていないのか、やや腫れぼったい目をしている主人の心
中はまだ少女の雛には全く分からない。これから何を言われるのだろうと
自然と身構えてしまうのも道理だ。
帰れと言った躯の説明はこうだ。
もう一人の主人、飛影が最近独自に得た情報によると、かつて魔界に君
臨した者たちに対して少数勢力が一斉蜂起を狙っているらしいということ
だった。とりあえずは平和的に均衡の保たれているこの魔界で。
今更何をたわけたことを、愚かな話だ。と人一倍用心深い飛影ですら最初
は歯牙にもかけなかった屑情報だった筈なのに、日毎にそれが確実性を
増してきているという。
かつて魔界に君臨していた者、といえばわずか数名だ。その中には躯も
含まれてはいるが、今はそれなりの要職に就いているだけの宮仕えの身
でしかない。一介のか弱い女になったと見くびって今ぞ好機と卑劣にも狙
ってきたとして、その輩共に一体何の得があるのか分からない。
そこまではさすがに飛影も躯も読みきれてはいないのだろうが、もしも屋
敷に踏み込まれたとして、何の能力も武術の心得もない雛の身に何かあ
ってはいけないと判断したのだろう。
それは本当に有難いし、嬉しい。
けれどこんなに思い遣りのある大好きな二人の主人の命令でも、従う気
にはどうしてもなれなかった。
「私、ここにいては御迷惑なんでしょうか」
「雛」
「私は家に帰ればそりゃあ無事に済みますけれど、躯様はその間お一人
になってしまいます。飛影様もお仕事でお側にいない時間の方が多いです
し、何かあったらと思うと私はとても…」
ふ、と長椅子の上で世にも美しい存在が微笑しながら少しだけ身を起こし
た。ゆったりとした意匠のクリーム色の衣服がさらりと耳に心地良い音をた
てる。すっと伸ばされた細い指が前髪に触れた。
「お前、案じてくれるのか」
「当たり前です!私は躯様のお世話係です。最低でも、お子様が無事に
お生まれになるまでは決して離れられません」
ずっとここまで世話をしてきた、という自負がある。今更途中で投げ出して
自分だけ安全なところに逃げる訳にはいかなかった。この美しき主人なら
ば、何者が襲いかかってこようと一人で簡単に倒せるだろうと思ってはい
ても。
「…仕方のない奴だ」
その笑みは、どこか安堵の色があった。
帰れとは言ってみたものの、内心は去らないで欲しかったのかと嬉しく思
った。
「へえ、躯がね」
時々ここを訪れては花の時期の過ぎた薔薇の剪定を手伝ってくれる蔵馬
が、昨日のそんな遣り取りの顛末を聞いて面白そうに笑った。もう季節は
すっかり春だ。冬に咲く薔薇の時期を過ぎて次は春の薔薇の盛りを迎え
ようとしている。
二人の主人のことも正直気にかかるし、膨大な数に株が増えた薔薇の手
入れもしなければならない。そうあっさりとここを離れられる筈がないと雛
は溜息をつく。
日中の日差しは最近一段と強くなってきていて、早くも剥き出しになった
二の腕がうっすらと日焼けをしていた。
「…そうなんです。そう簡単には帰れませんよね」
「まあ、そうですね」
使いやすく手入れされた剪定鋏を手にして、今日も目を見張るほどに美し
い蔵馬は軽く何かを考え込むように顔を俯けた。
「その一斉蜂起の噂は実は俺も掴んでいました。まあ、案ずるほどのこと
はないと思いますが、無視は出来ない情況にまで来ている。そんなところ
です。ただ、あなたがそこまで覚悟を決めたのなら自衛することも必要か
も知れないですよ、雛」
「自衛、ですか?」
「そうです。躯は何といっても今でも魔界の実力者であることは変わりが
ありません。耳の痛いことを言いますが、あなたが躯のことを心配してい
る場合ではないんです」
ざわり、と周囲の空気が揺らいだ。
そうだ、忘れていることもよくあるが、この男は躯の養い親でもあった。関
わりがあったのは火傷から来る重度の感染症で苦しんでいたほんのわ
ずかな時期のみでしかなかったらしいが、あの躯の少女時代の最も弱か
った時を知っているだけに発言には重みがある。
「…そう、ですよね」
下手をしたらここに居続けることによって躯にとっては邪魔で厄介な存在
になるかも知れないが、それだったらさっさと帰った方がましだったのだろ
うか。そんな思いに囚われてしまう。
頬を撫でる風が強さを増した気がした。
蔵馬はまた元通りの優しい笑顔に戻る。
「ああ、脅してしまいましたね」
「いえ、そんな」
「自衛、とは難しいことではありませんよ。ほんの少し意識を変えるだけ
でいいんです。例えば、人間のようにね」
「…?」
突然飛び出してきた言葉に、頭がついていかなかった。
人間。
それは時々耳にする言葉だ。
この魔界と接している人間界というところには、魔界の住人とほとんど変
わらない姿形をした者たちがたくさん住んでいるという。ただ、その思考形
態は魔界とは比べ物にならないほど複雑怪奇そのもので、個々が属する
社会の仕組みも様々に細かく階級分けされているとか、とにかく煩雑でス
トレスが増大するばかりの世界だとか、本当か嘘か噂だけは何度も聞い
ている。
「人間って…そうなんですか?どんな状況にも対応出来るんですか?」
「概ね、そうですね」
我が意を得たり、とばかりに美しい顔がさあっと輝いた。
「忘れていないでしょうね、俺のこの体も元は人間のものなんですよ」
「あ」
「もちろん脳もね…だから、生きていくにあたっては随分と助かってきまし
たよ。魔界的思考と人間界的思考を明確に区別しつつ、必要な時には
引き出せることにね」
剪定鋏を取り落としそうになりながら、雛は目の前の男から目を反らすこ
とが出来ずにいた。
そんな難しいことなど、自分には出来る筈がない。
「私には、きっと無理です」
「躯と飛影の側近くにいるのなら、大丈夫ですよ。それに嫌でもその能力
は備えなければならないんです」
「えっ…」
「お分かりですよね?いずれはあなたも狙われる、ということです」
「そんな…」
思ってもみないことだったが、当然だろう。
躯も飛影も魔界では決して無視の出来ない重要人物で、媚を売って近
付こうとする浮かれ者も二人を討って名を上げようという不心得者も後を
絶たない。
今回の一件もその中のひとつでしかない。つまりは、いつでも二人の周
囲には危険が潜んでいるということなのだ。と、いうことは側近くにいて
仕えている雛もまた、秘密を知り得る者として狙われたとしてもおかしく
はない。これまで何もなくて何一つ雛が知らなかったのは、ひとえに二
人が上手く守ってくれていたからに他ならないのだろう。
「そんな、私なんて何も出来ないのに…」
指から鋏が落ちそうになっているのを、蔵馬が取り上げてくれた。
「我が案とやらに浮かれて頭に血が上っている輩にとっては、躯もあな
たも同じということですよ…いいですね、躯の障害になってはいけませ
ん。あなたはあなたの特性で躯を守ってやればいいのです」
「私が、躯様をなんて…そんな大それたこと…」
「いずれ、分かりますよ。自分の持ち得る最高の力をね。それが躯を守
護して癒すことになります」
やけに自信有りげに、蔵馬は得心したように頷きながら微笑む。雛には
何の自覚も覚悟もない。これまでずっと二人に守られてきたことに対する
感謝以外には。
けれど、本当にいずれはそうなれるのであれば、どんなことでもしてみた
い。心からそう思った。
結局、例の少数勢力の輩共は行動に移す直前に飛影が指揮する一団
によって全員取り押さえられ、騒ぎは一応の収束を迎えたという。当然
ながら、雛の周囲には何事もなかった。
躯も飛影もいつもと変わりなく対応してくるので、あれは悪い夢だった
のではと時々思うほどだ。
以前の雛だったらきっと、脅かすようなことを言って人の気持ちを試すな
んて、と二人に、特に躯に対して腹を立てたに違いない。だが、蔵馬の
言葉でわずかに成長を遂げたように感じている。
躯、飛影、蔵馬。
雛を取り巻く大人たちは様々な策を弄して少しでも早く、確実にまだほ
んの少女でしかない雛に成長を遂げさせようとしているのだと、ようやく
分かったのだ。
そこまでするべき理由はたったひとつしかない。
「躯様、どうぞ」
その日も食後はいつものように、雛は銀の盆に乗せたグラスを美しき
主人へと運んでいく。
ルビーのように鮮やかに赤い液体が、繊細なカットを施したグラスの八
分ほどを満たしていて、細く白い指がそれを取り上げる様はいつ眺め
てもうっとりするほど美しい。
近くの葡萄園で採れた最高の葡萄から作られる希少な酒。ことに素晴
らしく滋養があるというので、最近好んで躯が毎食後は必ずと言ってい
いほど口にしている逸品だ。
「ありがとう、雛」
「いえ、どう致しまして」
長椅子の上でくつろいでいる女主人は、本当に美しい。魔界でも実力
者として知られるこの人を守れる日など来るのだろうかと、あれ以来
いつも考えている。
☆
「躯様」
厨房へと立ち去り際に、くるりと振り返った雛は何か決意をしたように
からりと笑った。
「私、きっとお二人に役立てるようになります。もしここを出て行くことが
あれば、不手際を仕出かした時だけですからね」
一瞬、呆気に取られていた女主人は、それでもすぐに言葉の意味を理
解したのか整った顔に笑みを浮かべた。わずかの間だったが、心を蕩
かすほどに綺麗だった。
「そうだな、期待しているぞ」
「出来るだけすぐに、一生懸命頑張りますから」
頬を染めてそれだけ一気に言ってしまうと、盆を抱き締めて雛は厨房へ
と走って行く。期待されていると思っただけで、こんなにも嬉しい。そし
て誇らしい。
そう、二人の主人は雛を家族として迎えようとしているのだ。単なる主
人と世話係ではなく、対等な者として。それならば、出来るだけ近付け
るように頑張らなければいけないし、その甲斐はある。
そうして努力を続けていけば、いつか雛もまた拙いながらに二人の力
になることが出来る。そんな日が一日でも早く来るようにしたかった。
力ある者に守られるだけだった幼くか弱い雛鳥は、ようやく自分の力
で羽ばたこうとしていた。それはまさに意識改革とでも言うべき雛自身
の開花でもある。
終
51 :
12:2006/04/10(月) 02:27:53 ID:7R9FNL15
毎週、ほとんどいつも書く直前までは何を書くのか決めて
いません。
でも、ネタだけは頭に湧いてきます。
あれを書こう、これを続けたいという意欲はあるんだけど、
手が追いついていかないというのが現状なのでもどかしい
です。
今回はなんかそれなりにキャラが立ってきた雛が中心に
なっているので、オリキャラに違和感を感じる方には辛い
かもです。申し訳ありません。
ただ、今後に繋がるエピソードもあるので、どうしてもこれ
は外せなかったのです。
うーん…悩みつつも、今夜はもう寝ます。
おやすみなさい。
乙&GJ
やはり躯はイイ!!
12さん、今週もGJ&乙です!
雛ちゃんは本当に躯達の事が大好きなんだな(´∀`)
彼女の成長が今後、物語にどうリンクしていくのか…
これから躯は動き辛くなるし、旦那の飛影は仕事で留守の時間も長い。
雛ちゃんますます忙しくなるなぁ。頑張れー
雛ちゃんの設定は違和感がないし、
何より健気で心根が優しい彼女を見ているとなんだか心癒されます。
保守
55 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 18:31:23 ID:cjV3e+xL
age
躯はまだか
57 :
12:2006/04/16(日) 23:23:42 ID:WwbI+3yC
こんばんわ。
今夜書いているのは蔵馬に拾われた当時の少女の躯です。
まだ序盤なので、自分でも掴めていない部分があるけど、何とか頑張っ
ています。頭の中にある通りに書けたらいいんだけど。
多分、三部作ぐらいになるかな。
それが終わったら、いよいよ本格的に躯出産話へとシフト出来ると思い
ます。
やっぱり最後まできっちり書きたいしね。
58 :
12:2006/04/16(日) 23:25:28 ID:WwbI+3yC
書き忘れ。
投下はいつもと同じ午前三時前になると思います。
59 :
12:2006/04/17(月) 01:09:54 ID:5TQguxMB
今現在、書いている途中ですが、言っておかなければならないことが
ひとつだけ。
これまで、火傷をしていたのは躯の左半身と書いていましたが、もち
ろん右半身の誤りでした。
あああ…激しく間違ったまま書いてたよ。
謝罪と訂正をここで致します。
その森の奥は日の光さえも届かぬほどに暗く禍々しい。
しかし、それだからこそたまに、これまで見たことのない植物を手に入れ
ることが出来る。放置されたまま異種交配して長い年月を経たものが、
自然に新種と呼べる植物へと変化を遂げているのだ。
面白いものだ、とこの森に長らく棲みついている銀髪の妖狐、蔵馬は空
を見上げて薄く笑った。
世の中はこうして上手いこと循環している。あえて焦ったりせずとも望む
ものはこうして手の中に飛び込んでくるのだから、楽なものだ。
元々この魔界でのし上がろう、名を馳せようなどとは考えていないのが
事の実現を尚更容易にしている。
名もない鳥が枝葉の間を気紛れに飛び過ぎていくのを視界の端に感じな
がら、その日の必要なものだけを採取して腕に抱え、ゆっくりと歩を進め
ていく。
遠くで、鳥が一声鋭く鳴いた。
そろそろ日が暮れようとしている。
住居としている洞窟に戻ろうかという頃、足元に奇妙な感触を感じた蔵
馬は別段どうと感じることもなく、それを拾い上げた。
「…ほう、塵芥かと思ったぞ」
拾い上げたのは、どうやら女の子供のようだった。
薬品でも被ったのか右半身がひどく焼け爛れていて患部が赤黒く腫れ
上がっていた。その上にひどい異臭を放つ膿がどろどろと垂れ落ち、全
くひどい有様だ。熱もかなり高いところを鑑みるに、火傷からくる感染症
にも罹っているらしい。
どうしてこのようなところにいるのかは分からず、また、どうでもいいこと
だとそのまま連れて戻った。
こんな臭くて病気を持った面倒な子供など何の関わりもないのだから、
このまま放っておいても良かったのだが、そこには一体どんな感情が働
いたのか蔵馬自身にも分からなかった。
子供は何も知らずにずっと死んだように眠っている。
その後一昼夜、これといった変化はなかった。
起きない以上はこれといった世話もせず、ただ寝床に寝かせたままで
いたのだが、そのまま衰弱して死なない限りはそろそろ目覚める筈だ
と踏んでいた。
どこからやって来たのかは知らないが、こんな大火傷をしている子供を
拾った以上は見捨てることなど出来はしない。厄介な性分だと思いな
がらも、辛うじて口に出来そうな果実を手近の鉢ですり潰しては汁にし
ている。
「…う」
かなりの時間が経過した後、細い声が上がった。
死んではいないようだった。
子供は激痛の走るらしい右半身を庇うようにしてわずかに顔を上げた
後、一瞬合点のいかない顔をした。血膿まみれではあったが、なかな
かに整った顔をしている。無事に成長すればかなりの美女にはなりそ
うではあった。
「…どう、して…」
「気がついたか」
「どうして、ここに…」
体が痛くてなかなか思うように動かせないのか、芋虫のように這いず
る姿がひどく痛々しい。
「森の中に倒れているのを見つけた。生きていたから拾っただけだ」
「生きている…?」
「そうだ、お前はこうして生きている」
「そうか、俺はやっと…」
か細かった子供の声がその時だけ力強くなったことを、蔵馬は聞き逃
さなかった。これほどに衰弱していても、生に激しく執着しているのが
読み取れたからだ。まだ幼いといえるこんな子供が、これほどにひど
い火傷を負いながらも生きたいと望んでいるのは、さすがに異様なも
のを感じた。
結局子供はしばらくの間、何ひとつ口にすることはなかった。かなり体
が参っていたのだろう。
幸い、蔵馬は薬草に精通していた。火傷や衰弱に効く薬を調合するこ
となどたやすいことだった。最初は何と厄介な荷物を拾ったものだと思
っていたが、生来の面倒見の良さがそれを緩和させていく。
苦い薬を普通に飲めるようになって、最初の季節が過ぎようとしていた
頃に子供はようやく寝床から起きることが出来るようになった。
細く貧弱な体は相変わらずだったが、拾った頃に比べて生気が漲って
いる子供はすぐに立ち上がろうと足掻いている。だが、火傷でひどく損
傷していた右半身の肩から下、膝から下は既に壊死を起こし始めてい
て、このまま残していても毒素が回るだけでしかなかった。
それをどう告げようかと考えるだけで、気が滅入る。
出来れば早いうちに切断してしまいたい。
それをこの子供が認められるかどうかなど、関係はなかった。
最初の時点であれば。
終
63 :
12:2006/04/17(月) 02:17:46 ID:5TQguxMB
色々思い悩んだけど、これでとりあえず今日はおしまい。
睡魔に負けそうです。
では、おやすみなさい。
GJ!12さん乙であります。
妖狐蔵馬と少女時代の躯の話、とても興味深いです。
これから躯に試練が…今後の展開が気になります。来週にまた期待。
で、「酸を被った躯の右半身の手足は、壊死のために切断した」って設定、
今まで躯の右半身についてはあまり深く考えた事はなかったけれど、
なるほど、納得ですね。
12さん、いつもほんと、乙です。
続きが激しく気になりますが、あんまりがんばりすぎないで、またーり進めてください。
いやぁ……いろんなシーンが補填されてく感じで、ほんと楽しい。
そろそろ圧縮来そうかな?保守。
12さん、毎週素敵なSS投下、いつも有難うございます(´∀`)
67 :
12:2006/04/20(木) 01:16:30 ID:paI+zTA1
こんばんわ。
原作にない(幽遊後期の冨樫先生にそれを期待するのはさすがに酷
だったでしょうが)躯の過酷極まりない少女時代を自分なりに描き出せ
ればいいなと思ってはいますが、さすがに出だしは悩みました。
ただ、地獄でしかなかった時期の中で、蔵馬と出会っていた時期だけ
はわずかな救いであったと個人的に解釈しています。
こればかりは作者ですら分からないことですので、あくまでも一ファン
として補完する方向で、まったり自由にやっていきたいです。
とりあえずは、あと二回ほど続きを書いてみて、それからまた現在の
話に戻したいと思っています。躯も初夏ぐらいには出産の時期を迎え
そうですしね。
意外と最近はキャラが立ってきた雛の話も書いてみたいし。
それでは、今日は雑談のみで失礼します。
最高ですた!!!!
待ってるよ
>>67 痴皇の元から逃げ出してからの躯の少女時代って興味をそそられますね。
悲惨だったであろう事は想像に難くないですが…。
こうした“原作にない部分”のSS化は何かと難しい所もあるかと思いますが、
12さんの作品は原作を大切にした上での
オリジナル部分の作りが、違和感なく非常に上手いなあと感じます。
躯少女時代の話や躯出産話、雛の話、どれも展開が楽しみです。
まずは先週の続きを。
12さんのペースで、苦のないように創作してください。マターリ続きを待ってます。
12さん…
本当に幽白を愛してるんですね。
改めて…GJ!
71 :
12:2006/04/23(日) 14:44:19 ID:3/pxl8K3
こんにちは。
こんな時間に来ました。
躯が好き過ぎる余り、彼女をひどい目に遭わせた痴皇の名は作中では出さない
ことにしています。変なこだわりだけど。
躯の少女時代は、もう冨樫先生も描いてくれないと思うので、本当に補完する
形で膨らませるしかないですね。もちろん原作のイメージを壊さないように
して。
今日は先週の続きを書くことにしています。
蔵馬の元を離れた後は地獄が待っていることが分かっていても、あえてその
道を選択した心情もなるべく入れられたらなと思っています。
私にとって、原作は終わって何年経っても決して忘れることの出来ない作品
です。だからこそ今でもこうして書けているんでしょうね。
まあ、終了ひとつ前の話のラストで「これからどうなるんだろう」と本気で
心配していたのに、次でいきなり終わった時は真っ白になったけど。
あの時は冨樫先生が壊れちゃってたから仕方がないですね。でも、変に引き
伸ばされなくて良かったとも今は思っています。
あのまま無理やり続けさせられていたら、誰かの死とかがあったかもだし。
>>71 >彼女をひどい目に遭わせた痴皇の名は作中では出さないことにしています。
ええ人や。。・゚・(ノД`)・゚・。
>>71 12さんの幽白や躯に対する愛情の深さに今更ながら感動しました。
躯の今後は「SPECIAL DAY」等を鑑みるに、原作でも悪い方向へは行かないだろうけれど、
是非、12さんの作品では最後まで幸せにしてあげてください。お願いします。
それでは先週の躯少女時代話の続き、楽しみに待っています。
74 :
12:2006/04/24(月) 02:13:36 ID:UvDBb44G
こんばんわ。
エロが書けないのはなんか苦痛です(笑)
それでは投下。
日は確実に巡る。
それなりに子供の体力が回復したのを見計らって、蔵馬はすぐにでも
壊死した部分を切除する旨を知らせた。
わずかに躊躇している間、ぐずぐずと壊れ出している組織は新たに侵
食部分を増やしていたようで、右足は既に股の付け根までが黒く変色
していた。もう一刻も猶予は出来ない。
「いいな、生きたければ言うことを聞け」
こんな状態だからこそ歩くことも出来なくなっていたというのに、恐らく
そこまで状態が悪化しているとは思ってもいなかったのだろう。子供は
寝床の中で顔を引きつらせたまましばらく黙っていた。
「それとも、このまま死んでもいいのか」
「…それは嫌だ」
「では、頃良い頃にその腐った手足は切るぞ。分かったな」
「…」
明らかに戸惑っているのか、答えはない。だが、このままでいたら確実
に死を迎えるだけだから拒否することはないだろう。
どんな事情があったのかはまだ分からないが、何としてでも生きたが
っているのだから。
翌日、まだ子供が眠っている間に醜く変色した手足はばっさり切り落
とされた。前夜に噛ませていた痛覚を麻痺させる草が良く効いている
ようで、まだ気付きもしないで眠っている顔は驚くほどに幼い。
まだ年端もいかないうちにこのような目に遭うとは何と因果な子供だろ
う。しかも女であればこの先長い生涯に渡って大きな負荷になることは
分かりきっている。それでも、この子供は生き続けることを選択したの
だ。今更文句など言わせはしない。
「…」
正午過ぎ、包帯だらけになった子供はようやく目覚めた。
まだそこにあるつもりで伸ばそうとした右手はない。寝返りを打つ為に
曲げようとする右足もない。寝覚めで回らない頭でそれがどういうこと
なのか一通り考えたのだろう。腑抜けていた表情が見る見る絶望と怒
りを湛えていく。その表情だけは奇妙なほど艶かしかった。
まだ語られることのない過去の中で、その二点の感情のみが突出す
るような生活を送っていたのだろうか、とわずかに思った。
「起きたか」
側に座って様子を見守っていた蔵馬が声をかける。
子供はまだ言葉を発しない。その内面にどんな感情が渦巻いているの
か察することは出来なかった。
今日手術するとも言わないうちに切ってしまったのは良かったのか悪
かったのか。それは一向に分からなかったが、あまり考えを長引かせ
てもこの子供の命に関わると思ったからやってのけただけのこと。
「…俺はこれで助かったのか?…」
気丈にも、第一声はそれだった。
「ああ、ひとまずな。悪い部分はもうなくなった。後は元通り回復すれば
いいだけのこと」
「そうか…じゃあ、ありがとうと言っておく」
どこまでも自分の心を見せない子供だ。それだけのことが以前にはあ
ったのだろう。
「ふん、子供の癖に水臭いことを言うな。お前はただ普通にしていれば
いい」
「普通、か」
「そうだ」
「それがどういうものか、俺には分からないんだ…」
その日の夜、子供には『うてな』と名前が付けられた。
物事の礎、そして人間界では極楽に往生した者が座する場でもあると
言われている。全てのものがそこから派生し、回帰する場所。寄る辺
ない身の宿命には、随分と皮肉だろうか。否、別段そうは思わなかっ
た。
どんな子供であれ、当たり前に生まれ、当たり前に育つ。
それがうてなにはなかったというのだ。ならばそれを与えてやるのも
この巡り合わせの中では当然のことだ。
かくして、うてなは蔵馬の養女となる。
草を噛む。
ざりざりという音がやや耳障りだった。
だが、噛まねば創痍の身が軋み痛むことは想像に難くない。
ざりざり、ざりざり。
寝床で草を噛んでいるうてなの目はうつろだった。知らぬうちに体を半
分もぎ取られたことに心がついていかないのだろう。無理もない。
出来ればそんな乱暴な処置はしたくなかったのだ。
しかし、無理にでもしなければ今頃はあれだけ執着していた命も落と
してしまっていた。だから結果としては正しい。そんな正当性を無理に
でもつけるしかない。
「うてな」
ざり。
音が止まった。
「何だ」
「腹は減らないか」
「そんな気分じゃない」
「そうか」
ざりざり。
また草を噛み始めている。気休めなのか、逆に腹立たしさの表れなの
か。
それでも傷は日毎に塞がる。
感じる痛みも確実に減る。
徐々にうてなはただ寝転がっていた寝床から動き回り始めた。それだ
けの体力が備わってきたのだろう。
「粥は食えるか」
「…食べられる、ようだ」
片腕と片足のない少女は、それでも近くに転がっていた枝を杖代わり
にして立ち上がった。何としてでも歩いていこう、そしてどんなことにな
っても生きていこう。そんな気迫が感じられた。うてなは最初から、自
分ひとりだけで生きるつもりでいる。自分はあくまでもそれを手助けす
るだけの存在でしかないのだ。
それに若干の寂しさを憶えながらも、養い親として出来るだけのことを
するだけだと心を決めるしかなかった。
単調な毎日が、ひとりの娘を得ただけで劇的に変化していく。
「うてな」
呼んでも返事はなかった。
悪い部分を切り落として以来、精神的にも何かが落ちたのか、うてなは
積極的に行動するようになった。傷が癒えてすぐに杖一本だけでどこに
でも行くようになっているのだ。
どんな時でもまっすぐに前だけを見ている少女。
蔵馬はそれが空恐ろしいとさえ思った。
自分の信念の通りであればどんなことでも行動に移してしまうような、
それをわずかもためらいもしない危うさをそこに感じたのだ。そんな直情
は決して正しいものではない。
かといって、間違いでもないのはどう説明したらいいだろう。
只の子供ひとりにこんなに手間取るなど、蔵馬のこれまでの生涯でも
なかったことだった。
終
79 :
12:2006/04/24(月) 02:19:56 ID:UvDBb44G
もうちょっと書くつもりだったけど、限界です。
今日は本当に眠いので、もう失礼します。
それでは、おやすみなさい。
12さん今週もGJ!!
蔵馬いい人ですね。すっかり保護者役も板について。
“うてな”こと少女時代躯の「生きる事」に対する執着心の強さが
これまでの虐待の日々の辛さと正比例しているようで・゚・(つД`)・゚・
この話は次回か次々回で完結かな?次回も楽しみにしています。
あ、でも12さんご無理のないようにしてください。
>>74 エロは現在連載中の躯少女時代編と出産編が終了してからですね。
突発番外編で、というのもアリですが…
12さん
あんたイイ奴だよ〜(つД`)
>>67 >躯も初夏ぐらいには出産の時期を迎えそうですしね。
躯もいよいよママンかあ…子供は男の子かな?女の子かな?
でも母子ともに健やかならば性別どっちでもいいや(*´д`*)
83 :
12:2006/04/30(日) 23:26:12 ID:+3v/eVwr
こんばんわ。
今夜も続きを書いています。
ただ、これで完結となるかどうかは今の時点ではまだ分からないですね。
とりあえず、いつもの午前三時前に投下ということで。
いよいよGWに入ったので、いつもより少しは書きやすくなると思います。
まずは3・4日と6・7日が休みなので、その日に何か投下出来るといいのです
が、どうなるでしょう。
なんか、躯が痴皇のところにいた時のドス黒い話を今のところは思いついて
います。躯の過去を語る上ではこの辺りの話も書かないといけない感じが
しています。
風の噂で、そのあまりの卑しく醜い言動によって魔界の住人に蛇蝎の如
く忌み嫌われている奴隷商人の邸宅から、飼い殺し同然の目に遭わされ
ていた奴隷のひとりが逃げ出したという話を聞いた。
奴隷は齢七歳。
常備されていた拷問用の酸を持ち出して被り、周囲の者がひるんだ隙を
見て脱出したという。
うてなかも知れないと思った。
まあ、これまでも奴隷商人の噂は漏れ聞いていて、軽蔑し唾棄すべき卑
劣な輩だとは思っていた。その新しい噂が本当だとしたら、是非にもあの
少女は庇護しなければならない。そうは思っても、肝心のうてなはそれを
望んですらいないのは分かっていた。
ここ数日、森がわんわんと騒いで胸騒ぎが激しい。
何か禍々しい気配を感じずにはいられず、蔵馬は眠れないまま夜を明か
すことも少なくなかった。
この黒い森はうてなに共鳴している。
本能としてそれを感じ取って、身震いするばかりだ。この森に棲みついて
どれほどになるか。かなりの年月を経過しているにも関わらず、蔵馬自身
にその感覚は微塵もない。
なのに、留まってわずか数ヶ月のうてなを森は受け入れたのだ。
それほどの凄まじい業を、あの華奢な体躯でしかないうてなが背負ってい
るということなのだろう。
うてなは毎日洞窟から抜け出しては、不自由な体で歩ける距離を徐々に
伸ばしていた。いずれは森から抜けて自分ひとりの力で生き抜いていくだ
ろう。最初からそうするつもりだったのだろうし、この森に留まっているのは
単なる障害としか思っていないかも知れない。
「うてな」
「何だ」
歩きにくい、支えにくいとぶつぶつ文句を言いながら、うてなは杖を自分で
使いやすいように小刀で削っている。腕一本ではさすがに歩きにくかろう。
夜の洞窟の中は細い蝋燭一本の灯りだけが頼りで、見えにくいことこの
上ない。
蔵馬は側の寝床でだらりと寝そべりながら、必死で命綱を削る齢七歳の
娘を眺めていた。
「いずれお前には腕と足の代わりを作ってやろう」
その言葉に、これまで無関心な横顔を見せていたうてなは振り向いた。
「本当か?」
「ああ、ただし、傷が完全に癒えてもここにいるなら、だ」
途端に、眼差しが色を失くす。
「そんな条件なら、いらない。俺はこれ一本で充分だ」
何という頑迷な娘だろうか。ある意味意思が強いとも言えるのだが、自分
の信念だけを頑なに貫こうとする姿はとても子供とは思えなかった。あの
奴隷商人の元にいたというなら、その頑なさもある程度は理解出来そうで
はあるが。
「だが、お前には感謝している…出会わなければ俺は呆気なく死んでいた
だろうからな」
呟く横顔は既に大人の表情を纏っていた。
別に蔵馬は己を善行の者とは思ってもいない。ただ、目の前に死にそうな
子供がいたから助けただけのこと。必要ならば盗みもすれば殺しもする只
の流れ者の盗賊でしかない。元々自らが不遇の身だ。そんな生業を続け
ているのもいずれはこの魔界で成り上がる為の手段であり、最も必要なこ
とと認識していた。
ならば。
この娘にとって一番必要なものとは一体何か。
そこにうてな自身と蔵馬の認識の違いがあった。
庇護されることを望みもせず、あくまでも自分の力だけで歩いていこうとし
ている少女が心底不憫だった。
翌朝、うてなの姿は杖と共に消え失せていた。
別れも言わず、何ひとつ残しもしなかったのはそれなりの意地というもの
だろうか。
親らしいことは何ひとつしてやれなかった、そんな寂寞とした思いと共に感
じたのは、一貫してうてなの意思の強さだった。あくまで生き抜いていきた
い、そして自分の力でこの魔界でのし上がる。そんな並ならぬ強さが女と
しては突出していて、それゆえに下手をすれば自滅しかねなかった。
何と早計で愚かな娘だ、と寝床の中でごろりと寝返りを打ちながら自嘲気
味に笑った。
あと少しでもここにいて、静かに過ごしていれば普通の子供の喜びも幸せ
も知ることが出来ただろうに。それを知らぬが故に何かに突き動かされな
がら生き急いでいる、哀れな娘が今になって愛しいと思った。
生きていれば、いつかはまた再会することもあるだろう。
ただ、うてな自身は変わり果てている可能性がある。この魔界でいっぱし
の名を馳せているか、堕ちきって荒みどんよりとした目を向けてくるかは誰
にも分からないことだ。
「…いずれ、お前に会うことを楽しみにしているぞ」
この数ヶ月、森の中では何も変わったことはない。ただ娘がひとり現れて
消えた以外は。
運命というものがあるなら、今ならきっと甘んじて受け入れられる。そんな
気がしていた。
そして今。
薔薇は過去のことなど何も知らず、あくまで華麗に咲き誇る。
咲き始めの姿も麗しいが、満開の時期を過ぎて散る寸前もまた愛らしい。
「暑くないのか?」
いつものように剪定の手伝いをしていた蔵馬に、屋敷から出てきた躯が声
をかける。思わず微笑みが漏れた。
「…暑いですね。でも、薔薇が気になりますから」
選定用の鋏を片手に、蔵馬はにっこりと笑った。この時期の日差しのよう
に眩しい笑みだった。
「後で、雛に冷たいものを用意させよう」
「有難いです」
あれから幾星霜。
どれだけのしがらみと、どれほどの煩わしさを経過してこの関係に落ち着
いたのだろうか。それもまた悪くないと考えている自分がいることが、蔵馬
自身不思議な気がしている。
あの時寄る辺ない身の上だった娘は、見事に才を開花させてこの魔界で
名を成し、権力者たちにも一目置かれるようになった。ここに至るまでに女
ひとりでどれだけ大変だったか知れない。
だが、今こうして目の前で微笑みながら立っている女はそんなものを感じ
させないほど自然で幸せそうだ。昔与えられなかったものを別の存在によ
って得ている余裕と充実がそこにはある。
「躯」
あえて今の名前で、呼びかけてみた。
「何だ」
「あなたは今、幸せですか?」
今更感傷だろうか。昔は親として叶えてやれなかったことを今こうして言葉
にしている。その意図をどう解釈しただろうか。躯は綺麗な顔でさらりと笑っ
て返してきた。
「言うまでもないことだ」
終
88 :
12:2006/05/01(月) 02:49:34 ID:6KHPHFxP
色々考えたのですが、やっぱり最後は現在の話で締めたいと思ってこうなり
ました。
これは蔵馬サイドの話なので、番外編としてうてなサイドの話も書かないと
釣り合いが取れない気がしてきたところです。
それでは、おやすみなさい。
12さんは、個人サイトはお持ちでないのでしょうか?
毎回毎回楽しみにしているのですが、
量が量だし、纏めて読んで見たいので是非個人サイト開設を検討して欲しいです。
90 :
12:2006/05/01(月) 23:58:07 ID:6KHPHFxP
はっ!!たった今通りすがっちゃいました(笑)
個人サイトは別作品で持っています。
実は幾つかの別スレでもちょこっと投下していたりもします。
このスレでの作品数だけでもかなりのものになるので、もし自分のサイトに
改めてアップするとなると結構大変かも。
け…検討するべきでしょうか…。
GJ!12さん、蔵馬と少女期躯の話、完結乙です。
頑なまでに“一人で生きる”事に拘っていた少女時代の躯。
魔界ではそれぐらいの気骨がなければ一人で生きていく事は難しいだろうけれど、
その強い気持ちがかえって痛々しいというか…蔵馬の気持ち良く分かります。
穏やかな現在の二人の様子で最後は気持ち良く終わりましたが、
躯視点の番外編も読んでみたいです。
彼女から見た自らの気持ち、飛影との出会いによる感情の変化など改めて拝読したいです。
92 :
91:2006/05/02(火) 19:07:31 ID:2HeLvBFh
そして12さんの作品について、
「個人サイトを開設しては?」という話が出ているようですが…
自分もその考えイイ!とは思いますが、やっぱり大変ですよね。
難しいようでしたら他の職人さん方の作品も纏めてSS保管庫作るってのはどうかなあ?
黄金週間中
SS投下期待(;´Д`)ハァハァ
94 :
12:2006/05/05(金) 01:36:28 ID:Nk0hbyK3
夜中にこっそり来ました。
個人サイトの件ですが、すぐは無理ですけど何とかこのスレのまとめという
形で作ってみるつもりでいます。
ある程度形を作るのはGW中に…したいけどギリギリかな。
12さん、有難うございます。茶でもドゾー ( ・∀・)つ旦~
サイト作りは12さんがお疲れにならないように、マターリ進めてください。
96 :
12:2006/05/05(金) 20:52:14 ID:Nk0hbyK3
不肖12、只今まとめサイト鋭意製作中です。(`・ω・´)ゞ
頑張っていますが、他の職人様方の作品は無断で掲載していいのでしょうか。
中には勝手にそんなことをされたら困る方もいるかも知れませんので、申告
して頂けたらと思います。
「まとめサイトに載せてもいいよ」という職人様、いつでもプリーズ。
それと、個人的なことなのですが、以前書いた「胸騒ぎ」において致命的な
間違いがあることを発見したので、これは欠番扱いにしたいと思います。
勝手に判断をして申し訳ありません。
97 :
12:2006/05/06(土) 12:22:46 ID:Wd+QsJpd
12さん激しく(・∀・)bグッジョブ!!さすが仕事が速い…お疲れ様でした!
まとめサイト拝見しました。シンプルで見やすいです。
前スレにて作品投下して下さった職人さん達も見てくれてたらいいですね。
99 :
12:2006/05/07(日) 02:39:47 ID:cmxK0OGO
さっき、まとめサイト開設記念の書き下ろしをアップして、ようやく
形になったような気がします。
こんな時間だけど、ひとまず95さんのお茶飲んでマターリ。
100 :
12:2006/05/07(日) 03:08:03 ID:cmxK0OGO
12さん、まとめサイト製作、乙でございましたー。
なんだか、職人様にこのようなサービスまでしていただけて、嬉しいようなn
申し訳ないような……。
ありがとうございます!
そうして、新作うp、乙です。
雛、可愛いよ、雛……(*´▽`)
今日は日曜日ですが、どうなのでしょう?
続けてこちらへも投下していただけるのでしょうか?
それとも、雛が出来たので今日はお預けでしょうか……?
「胸騒ぎ」はミスがあって欠番ということですが……。
では、リベンジと言うことで、それを補うお話など、作ってはいただけないでしょうか?
すぐにとはもうしませんが……ご検討いただければと思います。
うわー新作まで…12さん、本当有難うございます(´∀`)
新作SS、雛いい子だなー。
生まれてくる子をちゃんと“新しい主人”と認識しているあたりがまた
律儀な雛らしいですね。
淡い薔薇色の布地のおくるみ…もしかして赤ちゃんは女の子?
>101
「胸騒ぎ」補完版、いいですね。
12さん、もし宜しければ現在連載中のお話が無事完結した後にでも
書いて頂けたら嬉しいです。
103 :
12:2006/05/07(日) 23:25:51 ID:cmxK0OGO
こんばんわ。
書き下ろしを書いたけど、ここでもやっぱり書きたいと思っています。
今書いているのは、蔵馬の元から離れてすぐのうてなの話ですね。なんかもう
救いがないので自分でも可哀想になるけど。
投下はいつもの時間になると思います。
それと、「胸騒ぎ」補完版ですが、いずれは書きたいと思っています。
何とか辻褄が合うようなものにしたいので。
104 :
12:2006/05/08(月) 01:31:07 ID:K8MlPI/4
ちょっと早いけど完成しました。
いつもよりは少し短いけど、内容が内容なのでね…。
では投下。
105 :
刃先の生 躯:2006/05/08(月) 01:32:37 ID:K8MlPI/4
木の根につまずき、地に転がる石で剥き出しの手足は散々に傷ついて血
だらけになっていた。体中、擦り傷だらけで痛くて堪らない。
まだ子供にしか見えない少女がひとりの男の死体をずるずると引きずって
山道を這う。ひたすらに這い続ける。片手と片足がない不自由な身だ。そ
れしか手段はない。
やがて、崖の上にようやく辿りつくと、重くて邪魔な男の死体を渾身の力
で滑り落とした。物体そのものでしかない物音をたててどこまでも転がり
落ちていく男を見下ろすと、ようやく心からの安堵が湧き上がってきたよう
に、傍らの木の根方に寄りかかった。
ぜいぜいと息をしながら、額に浮いた汗を拭う。顔に返り血でもついている
のか、頬が突っ張る感覚があった。ずっと我慢してきた吐き気が今度こそ
待つ時間など与えないように込み上げてくる。堪えきれずに腹に残ってい
たものを全部嘔吐しきった。
まずい胃液で喉がひりひりとささくれる。口の中を漱ぎたい。近くに水でも
あればいいのだが、そう都合の良い状況はなかった。
「ふん、油断したお前が悪い…」
一緒に引き摺ってきた男の荷物の中から、口に入れられそうなものと幾
ばくかの金銭を探し出すと、残りも全部崖に放り投げた。
手にしたものはごく粗末な乾ききった菓子が少しだけ。それでも、しばらく
は命を繋げられる。どこか集落にでも出れば、得た金銭でそれなりの食料
も手に出来るだろう。
どんなことをしてでも、どんな目に遭っても絶対に生き伸びたい。生きてい
ずれはあの糞忌々しい男の喉首に刃を突き立ててやるのだ。それまでは
生き続ける。
水もないのに乾いた菓子を夢中で口にする少女の目は荒んでいた。
「どうした、餓鬼が」
「…どうもしない」
山道が暗くなるのは早かった。
男が片隅で蹲っている少女を見つけたのは、まさに視界が闇で閉ざされ
る前の時刻だった。あっと言う間に口を塞がれると、抵抗を全て封じられて
しまった。どうやら相手が悪かったようだ。
「お前が悪いんだ。こんなトコにいるんだからな」
くだらない言い訳だ。
男がたまたま持っていたらしい紐でぐるぐる巻きにされながら、少女はどこ
か醒めた目で見上げている。どうせ、気が済んだら元通り放り出されるだ
けのことだと分かりきっている。
女で生まれた以上、とうに割り切っていることだ。
「あ、ゃ…めろっ…」
太い指がまだ幼い内部を遠慮なしに蹂躙している。大人の女でもあるまい
し、快楽なんて微塵もない。ただ痛くて苦しいだけだ。
頭では割り切ったつもりだったのに、ただこうして道具そのもののように扱
われるのは嫌で仕方がない。嫌悪感で吐きそうになる。本来なら、それが
至極当然のことなのだろう。女だって男と同じに心や意思を持って生きてい
るのだ。
「う、くっ…」
不愉快な吐き気が喉をせり上がる。
「うるせーな、騒ぐな」
完全に闇となった中で、男は獣に立ち返ったようにまだ幼い少女の内部を
貪り始めた。どっちみちこの場に居合わせただけの関係だ。容赦など、最
初から一切ない。まるで只の玩具のように嬲られるだけ嬲り抜かれて頭が
真っ白になる。
ごく間近ではあはあと薄汚い荒い息だけが聞こえてきた。下手をすれば、
このまま殺されかねない。そんな恐怖があった。
自分ひとりの力で生きていくつもりなのに、こんなところで簡単に死ぬ訳に
はいかない。
死ぬのだけは、絶対に嫌だった。
少女は、養い親の元から出てくる時に持ち出してきた刃物を衣服の下から
取り出した。
周囲の闇がそれを手助けする。
少女は、夢中で刃物を振り上げた。二度、三度、数え切れないほど。そし
て男が完全に絶命するまで。
日が昇ってから、邪魔なものを捨てに行く為に少女は片方だけの手と足で
地を這っていた。何者かに卑しいと言われようが構わない。どうであれ、生
きていくことだけが第一で、何よりも尊いことなのだから。
水は近くにない。
乾ききった菓子はほとんど喉を通らない。
それでも、無理やり飲み込んで苦しさにぽろぽろと涙を零した。
「…どんなになっても、帰らない」
ひとりきりで生きていくのは寂しい、不安だ、心底辛くて仕方なかった。そ
れでも、娘として可愛がってくれた養い親のところにはもう帰らないつもり
だ。
あの場所で平穏に過ごしている間に、盗賊の娘として生きていくのも悪く
ないと正直なところは思っていたのだが。
だが、それでは望むような一人立ちはきっと出来なかっただろう。ずっとあ
の場所で暮らしていたらずるずると甘えきって、なし崩しに全部を忘れて
しまった筈だ。
だから、これでいい。
無理に自分を納得させて、菓子の残りを口に押し込む。ぼそぼそとした口
当たりには閉口するばかりだ。
「…さて、行こうか」
しばらく座り込んでいた場所からようやく立ち上がろうとして、初めて杖を
失ったことに気がついた。
仕方なく、手近な枝を杖代わりにして歩き出す。一歩一歩。
決して後悔はしたくない。
その為にひとりだけになったのだ。
これから先も、地獄は続いていく。
恐らくは永遠に思えるほどに長い時間。
それを自ら望んだのだから、必ずやのし上がらなければいけない。いずれ
夢を成し遂げられるのなら、今こうして日々辛いことなど、別にどうというこ
とはない。
その為に生きていくのだから。
幼い少女が見る未来は、血みどろの手で掴むものでしかなかった。
終
109 :
12:2006/05/08(月) 01:51:57 ID:K8MlPI/4
ごめん。
うっかり最初の方の番号を忘れた。
ともあれ、自分なりに原作では空白になっている場面を補完していくのは
遣り甲斐がありますね。
それと、こんなところで
>>102さんへ。
淡い薔薇色の布地は、たまたま雛が目に留めただけです。今後どちらになる
かはまだ分かりませんね。確率は半々ですし。とは言っても、もう私の中で
は決まっていますが。
それと、まとめサイトを御覧頂いてありがとうございます。
ご要望に応じて急いで作った拙いまとめサイトですが、
>>98さん、
>>101さん
にも喜んで頂けたようで、すごく嬉しいです。
色々知っていれば、すんごいことも出来たんですけどね(何をだ)
とりあえず、タイミング良くGW期間中だったから、すぐ形に出来て本当に
良かった♪
まとめサイト乙です。
他職人さんの作品なんですが、掲載許可とらなくてもいいかもと思ってるんですがどうでしょ?。
許可待つにももうスレに来てない職人さんもいるかも知れないし、掲載不可な職人さんのみ申告って形じゃだめかな。
dat落ちしててもできるだけ多くの作品がまとめサイトに残ってくれれば嬉しいなという個人的な希望半分ですがw
スレの方にも新作がキテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
あの鬼畜親父の名を口にするのも嫌と仰る程、躯に対する愛情が深い12さんですから、
今回のお話は書いていて辛いものがあっただろうと思います。
それでもちゃんと、そういう描写も書いて下さる12さんは本当すごいです。
躯、きっとこんな苦労は当たり前の生活をしていたんでしょうね。力をつける前は(ノД`)
それから>110さんも仰っていますが、他職人さんの作品については
まとめサイトの方にも「掲載不可な職人さんは申告してください」と、
一言断りを入れて掲載するという手もありますね。
暫く待って何の連絡もないようなら、こういう形をとってみるのもいいかもしれません。
112 :
12:2006/05/10(水) 02:16:48 ID:tIcH78U6
まとめサイト管理人12です。
他職人さんの作品の扱いについては様々な案が出てきたので、(御意見を
ありがとうございました)ひとまず一度注意書きつきでアップしてみて、
その後の対応は臨機応変にしたいと思います。
という訳で、他職人様作品五作と、この間の「刃先の生」を只今アップ
しました。
12さん、乙です!有難うございます(;´Д`)
前スレに投下された522さんと440さんの作品2作品分と
このスレに投下された
>>29さんの作品のうpもまたよろしくお願いします。
その前に( ´∀`)つq□コーヒードゾー
114 :
12:2006/05/11(木) 00:34:24 ID:ioEA5E/p
まとめサイト管理人12、只今残りの三作品アップしましたです。
さすがに全部一気にとはいかなかったけど、これで他職人様の分も完了と
なりました。(`・ω・´)ゞ ウス
コーヒー、有難く頂きまする。q□
おお、久々に巡回したらまとめスレができてるじゃないか。
前スレの作品を一気読みしたい気分だったので有り難い。
12さんお疲れ様です。粗茶ですが……つ旦
12さん、お疲れ様でした!何から何まで申し訳ないです…
ところで29さんの作品、2作目がうpされていないようですが
まだ作業途中なのでしょうか?だとしたら急かせる様な事を言ってごめんなさい。
117 :
12:2006/05/11(木) 22:33:04 ID:ioEA5E/p
うわぁぁぁあああ!!!
二作目を続けるのを忘れていました。
116さん、御指摘ありがとうございます。
そして、29さん。
不手際をお詫びすると共に、速やかに全文掲載致しましたことをここに
書いておきます。
115さんのお茶を飲んで、まずは一安心。
118 :
116:2006/05/11(木) 23:08:29 ID:M/7Hy9ev
こちらこそ〜
でもなんだか12さんを急かせてしまいました…すみません。
12さん、うp完了本当にお疲れ様でした。
つ▲△夜食におむすびドゾー
まだ115さんのお茶が残っておられましたら、ご一緒に。
119 :
12:2006/05/12(金) 00:49:46 ID:ivJfWqT/
いえいえ。
人様の書いた話を、ポカで途中で放り出したままにするところだったので
何とかやれやれというところです。
ちょうど小腹が空いていますので、おむすび頂きます。
115さんのお茶と一緒に▲△ウマウマー♪
12さん乙であります。
SS、次回からは躯出産編に突入かな?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,__ | 無事に子供が生まれますように…
/ ./\ \_______________
/ ./( ・ ).\ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\ ∧∧ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄ (,, ) ナモナモ |;;;;::iii|
|| || || ||./,,, |ゝ iii~ ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
| ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 ( ,,)〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
121 :
12:2006/05/15(月) 02:41:13 ID:vMgp3NFN
こんな時間になってしまいました。
今回は書き始めたのが遅い時間だったので、途中までです。
くそう、せっかくのエロ話にもっていったのに…。
この続きはなるべく早く書きたいと思っています。
では途中ですが、投下。
雨が窓を叩く音が遠くから聞こえてきた。
雛が丹精している薔薇も雨に濡れていることだろう。
雨の音以外は何の物音もない単調な夜が更けていく。
寝床の上で軽い眠気に襲われながらも、何度となく寝返りを打ちながら躯
は本来ならば隣にいる筈の男を無意識に待っている。
昔なら誰も必要とはしない、それでいいと思っていたのに、いつの間にか
わずかな時間存在を感じられないだけでひどく心寂しい。不安に襲われて
様々なことを考えてしまう。恋愛などにうつつを抜かす女の部下を見る度
に、軽蔑の感情すら持っていたというのに。
「…早く帰って来い、大バカ野郎」
呟く声にはいつもの元気すらなかった。
出来るだけ表立って出歩くことのないよう、見かけよりはかなり心配性の飛
影は執務室内で座ったままこなせる程度の仕事しか躯には与えない。そ
のせいで飛影自身に皺寄せが来ていることなど決して口にもしないのだ。
きっと毎日激務なのだろう。
だから帰りが遅いのは仕方がない。
それが分かっているからこそ、何となく腹が立つ。
心配してくれるのは嬉しいが、過ぎるのは束縛されているようで嫌だ。子供
が生まれるまで屋敷に閉じ込められているのも、決して体にいいとは言え
ない。元々が心身共に活動的に出来ているので、そろそろこういった生活
にも退屈を覚えていたのだ。
「くだらないことを…」
溜息をつく。
躯にも分かっている。きっと、それは本心からではない。
このところ、一人で寝入ることが多くなっているので、悪いことばかりを考え
てしまうだけのことだ。
どれだけの時間が過ぎただろう。
隣で男が横になる気配がした。
「…飛影か」
さすがに睡魔には勝てず、とろりと眠りかけていた躯は慣れた気配で目を
開いた。
「悪いな、起こしたか」
「気にするな。元々それほど寝付きがいい方じゃない」
「だったら、尚更だ。今の貴様は少しでも多く寝る必要がある」
髪を撫でる仕草は何度も繰り返しているだけにさすがに堂に入っている。ま
るで子供をあやしているようだ。
寝入る直前まで、束縛されているだの退屈だの考えていたことなどすっか
り忘れてしまうほどに、こうして側にいるだけで気が休まるのが自分でも現
金だと思った。だが、女とは本来そういうものなのだろう。普通に成長してい
れば何も考えることなく自然に得ることの出来たものを、今こうして肌身で
感じているだけのことだ。
何もかもが、幼い頃には決して願うべくもなかった幸せに向かって形成され
ようとしている。わずかでもこうなればいい、と思ったことがことごとく実現し
ていく不思議を目にしても、すぐには信じられないほどだ。
だが、事実には違いない。
本当に、事実なのだ。
昔なら、とても有り得ないことだった。こうして何もかもを得ているなど。
「眠れないか?」
「…何となく、な」
多少気まずそうな声が降る。寝入りばなを起こしたと思っているのだろう。
特に気にすることなどないのに、と急におかしくなってくすりと笑った。
「お前は、面白いな」
「どこがだ」
「さあな…」
ほんのわずかに機嫌を損ねたような声。暗闇に近く顔が見えない寝間だか
らこそ、互いの感情が声を通して浮き出る。
「雨の匂いがする」
外は相変わらず雨の音が続いていた。飛影の髪はそれほど濡れてはいな
いものの、帰途の途中ではっきりと分かる匂いを纏っている。それが奇妙に
も清々しくて似合っていると思えた。躯と、腹の中の子の為に生きることを決
意している男の匂いでもある。
こうして少しずつ家族というものになっていくのかと思うと、言葉にならない愛
おしさを感じずにはいられなかった。
「あまり、無理はするなよ」
「そんなにやわに出来ていると思うのか」
「…いや。だが」
「侮るな」
躯の心配を軽く流すと、男の手が先程よりは強く髪を撫でてくる。そして頬に
降りてきた。指先の異様な熱さが欲情を物語っている。
「したいのか?」
「…まあな」
「してもいいぞ、どのみち眠れないんだ」
一瞬の躊躇は確かにあった。見かけによらない細心をもって躯を気遣うこの
男らしい迷いだろう。だが、すぐに抱き寄せられる。一日中雨が降り続いてい
たせいで窓を開けてはいなかったから、寝間には熱が篭っていた。外の匂い
がする男の肌や髪の冷たさが心地良くて、目を閉じる。
女でいるということは、これほどに絶対的な幸福感を感じられるのだ。
「…今夜はお前を感じたいんだ…」
気遣われるだけではなく、時には剥き出しの本能もぶつけられたい。そう思う
のはきっと贅沢なことではないだろう。互いの気持ちが合いさえすれば。
「いいんだな、躯」
声が一層の熱を帯びる。肌を撫でる手はもっと熱くて焼けつきそうだ。こんな
に激しく欲情していることが嬉しい、そして待ち遠しい。
「我慢は、しないぞ」
ひとしきり貪り合った唇がほんのわずかに離れた瞬間、声と吐息がこれまで
押し隠していた躯自身の淫欲をざらりと撫でる。
「…構わない、好きにしていい」
既に右の乳房を煽るように揉まれながら、甘い吐息をついて声を漏らす。ごく
薄い夜着はあっさりと滑り落とされて何ひとつ纏うものなどない。跡がつくほど
首筋を吸われ、乱暴に肌を探られながらも次第に体に火がついていく。意識し
た途端に身の内から淫らなるぬめりが溢れてきた。
「お前が、欲しいんだ…」
もうすぐ、我を忘れる時間が近付いている。女なら誰もが通る道を通り直して
いるだけ。だから何ひとつ焦ったり迷う必要などないのだ。
126 :
12:2006/05/15(月) 02:49:56 ID:vMgp3NFN
以上です。
なるべく続きは早いうちに。
そして、
>>120さん、安産祈願ありがとうございます。
きっと近いうちに、可愛い赤ちゃんが生まれると思います。
12さん、今週もGJ&乙です!
『刃先の生』とは打って変わって幸せそうな現在の躯の姿がなんだか嬉しいです。
冒頭のちょっぴり寂しがりな躯が可愛い。飛影が帰宅した途端心安らぐ彼女の姿も
中盤の互いに相手の事を思いやる二人の様子も幸せそうでいいなあ。
そして…エロスキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
欲情にかられ、快楽に身をゆだねる飛影と躯の姿に(;´Д`)ハァハァ悶えまくりです。
余裕のない様子がまたエロいです。暫く禁欲生活してたものね。
続き、ワクテカしながら待ってます。本当に楽しみです。12さんがんがってください。
この頃、梅雨の走りか雨が多くなって
それがまたSSタイトルとリンクしているようでイイ感じですね。
12さんのSSはその時期折々の季節感もちゃんと表現されていて
そこが魅力のひとつでもあると思います。
129 :
蔵馬×ぼたんを以前書いた29:2006/05/19(金) 23:01:00 ID:uuP+S3Gg
SSを書いた時には何も挨拶をせずにすみません。
いつもは別板でコテ付でSSを書いていたりするのですが、その板では後書きなどを書いた方が色々と問題があるので、
書き逃げをしておりました。
現在その他板で3スレ掛け持ちでSSを書いている状態なので中々こちらの話を書き出せない状態です。
それでも少しは続きを書いていますので、いつか投下致します。
そして今回はまとめサイトさんの方で自分の小説も載っているのを確認したので御礼を申し上げに書き込みに来ました。
わざわざありがとうございました。
案外長文になっている事に驚きつつ、こちらの方でも書く気力のような物が湧き上がって参りました。
また投下した際には載せて頂けるような物を書こうと思います。
乱文失礼致しました。
29さん、乙です。いつでもお待ちしておりますよ。
掛け持ちは何かと大変かと思われますが、
ご無理はなさらずに29さんの都合の良いときにでも投下してください。
ぼたんを我が物にしようとする蔵馬がこれからどんなテクを見せてくれるのか
楽しみです。うぶなぼたんがカワイス。
29さんの蔵馬×ぼたん続編に期待しつつ、
12さんの飛影×躯の先週の続きにも(;´Д`)ハァハァ明日が楽しみ。
お忙しい中での毎週の投下、いつも有難うございます。
132 :
12:2006/05/22(月) 01:19:53 ID:MIjAjrO9
こんばんわ。
先週の続きは今書いている途中です。
あくまで続きなので、そんなに長くならないかも知れませんが、頑張って
完結させたいです。
>>129 29さんへ。
はじめまして。まとめサイト管理人12です。
御縁があってこのスレの職人兼管理人をやっています。
作品は無断のまままとめサイトに掲載しましたが、喜んで頂けてこちらこそ
嬉しいです。
蔵馬×ぼたんの話は続きが大変気になっていますので、投下出来る時が来ま
したら、どうぞいつでもお待ちしています。
私も幾つかのスレ掛け持ち派なので、大変なのことは存じています。
雨の音は相変わらず続いている。
昔は雨など大嫌いだった。
力なき、か弱い小娘だった頃は雨に打たれることが何よりも危険だったから
だ。濡れれば体温が奪われる。身動きが鈍くなって目の前に危機が迫ってい
ても素早く逃れることが出来ない。直接生命を脅かされることがままあったか
ら、長い間禁忌のように感じていた。
雨の音を気に留めなくなったのは、本当にごく最近のことだ。
「まずは順調なようだな」
「お陰様で、と言ったところか」
もうかなり膨らみが目立ってきた腹を撫でる手があった。他に何の意図もな
く、ただ労りだけを感じられるその手は、何度も飽きずに撫で続ける。
躯は生みの親の顔を知らず、自らの出自がどのようであったかを全く知らず
にいるが、それはまだ救いかも知れない。なまじ知りでもしたら積年の恨み
つらみが一気に噴き上がる。そこからすれば、飛影は哀れな男だ。親が誰
かも、妹の存在も知っているにも関わらず、今更だと名乗ることもしない。一
人きりでいることを自ら選択するまでにどれほどの葛藤があったか知れない
のだ。
そんな、一人と一人で出会った男と女に新しい家族が出来る。
この先訪れる雨続きの季節が終わる頃には、互いの孤独もまた完全に終焉
を迎える。
「…飛影」
しばらく放り出されていた疼く部分に指先の感触を感じて、熱の篭った声が
漏れた。一度体この快感を体感してしまえば、限界までも貪欲に感じたいと
一気に燃え盛るのが女というもの。
思いが通じ合っているならば当然のことだ。
もう、どこを触られても感じる。
雨の匂いで肌を撫でられている感覚か更に性感を煽っていた。まだ触れら
れてもいない女としての敏感なる部分が軽く疼いている。
「飛影」
「何だ、躯」
淫欲を含んだ声音が甘く低く耳元で響く。
「…早くして欲しい。前置きなんていらない、もう」
昔、忌み嫌っていた雨の音が今は癒しになっている。心を繋いだ男もまた
雨の匂い。
「いいんだな」
「お前だから、こんなことが言えるんだ…」
「そうだな、嬉しいぞ」
顔すら見えない暗闇の中、声と感触だけが今の二人の全てだった。それで
いい、余計なものなどかえって肝心なものを見えなくする。不安のあまり邪
推が入る。
「躯、」
熱の篭った声と共に寂しさで乾いた唇が潤されていった。輪郭をなぞるよう
に舌先が唇を舐めてきたと思うや、口腔内までも深く絡みついてくる。心ご
と持っていかれそうな強引さが嬉しく、不思議な安堵感さえ感じる。とろん
と甘く蕩けていきそうな思考が引き戻されたのは、まだ冷たい指先が肌を
撫でたからだった。
「…っ!」
唇が繋がれたまま肌を探られるのは、本当に感じてしまった。これまでに
はない感覚に、躯自身が内心うろたえる。
だが、もうつまらない意地は張る必要がないのだ。
「早く来い。お前だけを、待っていた」
待ち侘びていたそこに硬い感触を感じて、反射的に身が竦んだ。だが、次
の刹那に一気に奥までを突かれて女が覚醒していく。擦れ合った部分か
らもたらされる熱で燃え尽きてしまいそうなほど熱い。腕を回して夫と呼ぶ
男を抱き締める。
もう何も不安はない、怖くもない、ただこうして側にいることを強く感じていた
い。ただそれだけの単純でいながら何よりも尊い思いだけが胸を満たして
いた。
「…ぅあっ…」
「辛いなら言え。いいな」
「っ…大丈夫、だ」
圧迫感で浅い息をつくが、決して苦しくはなかった。
質量ともに意外なほど圧倒的なものが中を傲慢に擦る。孤独感を感じて
待ち続けていたそこが開花していくのを肌で感じて、悦びで正気さえ飛ん
でしまいそうだった。
「躯」
「ぅあ…飛影っ…」
何もかも確定のない時期の交わりなどでは決して味わえない、この充足
感は何にも代えられない。嬉しくて、幸せで何もかもが弾け飛んでしまい
そうだった。
あくまでも理性的に腰を使い、妻となった女を労る素振りを崩さない男に
もそれは同じと見えて、もうじきその危ういとばりが崩れそうだった。
「…飛影」
「何だ」
「お前も、我慢しなくていい…」
こんな時ぐらいはもっと傲慢であっていい。むしろ、その方がこの男らしく
ていい。言葉を受けるように徐々に激しさを増す動きに身を委ねながら、
ようやく全てを開放しきったように躯は笑みを漏らした。
朝が近いようだ。
随分戯れたような気もするが、少しは眠れたらしい。
窓からわずかに差し込む光によって、隣で眠る男の寝顔を珍しく眺める
ことが出来た。普段ならまず有り得ないことだと嬉しくなる。わずかな隙
ですら見せないこの男が、こうして子供のように無邪気な笑顔を見せて
くれるなど今までなかったことだ。
寝床の中で頬杖をついて、躯はしばらくの間我が身と心を預けた男の
寝顔を飽きずに眺めていた。この選択に間違いがないことは確信して
いる。だからこそ新しい命を請け負う決心もついたのだ。
「俺を只の女にしたんだぞ、お前は」
まだ当分は反応を返さない飛影の、意外に柔らかい髪を普段のお返し
とばかり撫でてやった。
終
137 :
12:2006/05/22(月) 03:07:39 ID:MIjAjrO9
以上です。
なんかもう、二人がラブラブになっちゃってるので、かえってエロが
書きにくくなっている状況に気付きました。きっともう以前みたいに
どこか殺伐とした、刹那で体を繋ぐ二人には戻らないでしょうね。
まあ、しあわせだったらいいか♪
それでは、今回はこれでおやすみなさい。
12さんGJ!愛あるエチー(・∀・)イイ!感動しました。
>顔すら見えない暗闇の中、声と感触だけが今の二人の全てだった。それで
いい、余計なものなどかえって肝心なものを見えなくする。
という一文にかなり萌えました。
飾るものなどないシンプルさ、ストレートに思いを伝える二人。
どこか心を開ききれていない節もあった恋愛初期の頃の彼らを思うと、
随分変わったなぁ…良い風に、と思います。
子供が誕生したらまた少し変わっていくんでしょうか。
139 :
138:2006/05/23(火) 00:22:07 ID:wnL3uxSU
連続してすみません。
>まあ、しあわせだったらいいか♪
それが一番ですよね。読んでいるこちらもなんだか幸せな気持ちになれる
SSの投下、本当に有難うございました。
まとめサイトに12さんの『雨に抱かれる』がうpされていますね。乙です。
同じ文章でも、スレで読むのとまた違いますね。また読み直そう。
まとめサイトではどの作品も一気に読めるのがいいです。
141 :
12:2006/05/26(金) 23:33:01 ID:bTmGW0Fh
こんな時間にこんばんわ。
まとめサイト更新の旨の告知は、他の職人様の作品ならもちろん更新次第
随時するつもりですが、自分の作品もそれに習うべきでしょうか。
「雨に抱かれる」はあえてしなかったのですが。
只でさえ私はほぼ毎週のように投下しているので、自分の作品の分も告知
すると余計にスレを消化してしまうようで、気が引けています。
ところで、私自身もまとめサイトを作ったことで助けられています。
読みたい他職人様の作品が探しやすく、読みやすいからです。読みたいと
思う度にいちいちスレから探すのは結構大変な作業ですから。
サイトが出来たことで、喜んで頂いた方々に本当に感謝です。
自分は告知おkだと思いますが>まとめサイト12さんの分のうp更新告知
これぐらいは“余計にスレ消化”って事にもならないのでは?大丈夫ですよー
毎週のSS投下、いつもすみません。
定期的にスレへ新しい作品が投下されるって
とても素晴らしい事なんじゃないかな、と思います。
そしてまとめサイト。
現行スレで新作SSを、まとめサイトでは過去の作品を読む事が出来る…
本当に有難い事です。こちらこそ感謝しております。
かたじけなく思いつつも毎週新作を楽しみにしています。
143 :
12:2006/05/28(日) 23:37:53 ID:gxmi22pP
>>142さん、ありがとうございます。
ここ数日、結構地味に悩んでいたりしたものですから。
それでは、自分の書いたものもまとめサイトに掲載次第こちらに告知する
ことにします。
結果的にほぼ定期的に作品投下をしていることは、既に私の生活サイクル
に組み込まれています(大笑)何しろ、クリスマスも元旦も暇なので書い
ていたぐらいですから。
幽遊白書という作品は何年経っても色褪せないぐらい大好きです。エロは
書いてても、それは勢い余ってのことだと自分に言い訳をしながら続けて
いますね。頑張れ自分。
まとめサイトの更なる充実に尽力したいと心から思っています。
あと、今書いているものは飛影中心です。そして蔵馬。
なんかうだうだ考えていたり、地味な会話が続くだけのエロなし話ですが、
読んで頂けると嬉しいです。
そういや、以前書いていたものも蔵馬とその養女の話だったりしたから、
私の書くものの根は同じなのでしょう。
その時の作品はまだ飛影の生母が判明する前に書いたので、養女が飛影の
母親となったり、当然雪菜ちゃんは母親違いの妹という設定になってたり
しました。
142です。告知了解致しました。
12さんって本当に幽白好きなんですね。
なんだか12さんみたいな人と同じものが好きって事が嬉しいです。
12さん、29さん、前スレでの他の職人さん…皆さんが投下される
SS作品には原作(ストーリー、キャラ等)に対する愛情が滲み出ています。
どの作品もとても読みやすいし、感情移入しやすい。
今日のSS投下も楽しみに待っています。
互いに戦友であり、ある女性の“保護者役だった男”と“夫たる男”である会話が
どんなものか興味ありますね。
それと
>>養女が飛影の母親となったり、当然雪菜ちゃんは母親違いの妹という設定
読んでみたいです。パラレルって事でこういうのもアリじゃないかな?
145 :
12:2006/05/29(月) 02:15:50 ID:9MA1ytBi
書き上がりましたので、投下します。
それではどうぞ。
この数日、人事等で煩わしく細かい事務手続きが増えていた。
普段なら随時上司でもある躯に相談するところだが、今はあまり手を煩わ
きここせたくはないので独断で手を下すことも多い。正直疲れることもある
が、自分で決めたことだから何の不満もない。
これも全ては躯の為なのだから。
今日の天候は上々で、日差しがかなり強くなってきていた。
百足の見張り台から眺める魔界の景色はいつもと変わりない。微風に吹
かれていると、ふと常に気にかけている女を思い出した。
以前なら、そこに妹も含まれたが、もう飛影自身が杞憂する必要はほとん
どなくなった。関心がなくなった訳ではない。この世でたった一人の身内
である存在は何にも代え難いのは間違いない。ただ、妹にも飛影と同じ
ように心通じる相手がいるからこそ、一歩引いているだけのこと。
まあ大事な妹の相手としてのあの男に不満もない訳ではないが、人格的
には安心して任せるに足ると判断している。もし、今後わずかでも妹を泣
かせるようなことがあったら、当然只では済ませはしないが。
何となく自らのそんな考えがおかしくなって、ふうと溜息をついた。以前の
殺伐たる環境に身を置いていた自分からは、考えられないことだったから
だ。
こうして何者であっても自らに降りかかる変化を甘受していく。それが成
長ということに相違ない。
魔界で最も強く、美しい女を妻としたことで受ける妬み嫉みなど最初から
分かっている。だが、そんなくだらない感情を剥き出しにする輩など意に
介する必要もない。
今の飛影に出来ることは、表立って仕事をこなすことの出来ない躯の補
佐を勤め上げることと、今後生まれてくる二人の間の子の為に少しでも良
い環境を用意してやることだけだった。
今、躯は恐らく居間の長椅子に横たわってまどろんでいることだろう。もし
かしたら、雛が今朝咲いた薔薇を切って近くに飾っているかも知れない。
そういうものを喜ぶとはやはり女だ。ごく普通の女だ。
最初に出会った時の完全に自らの女というものを否定していた、にも関わ
らず何らかの繋がりを狂おしいほど求めていた、相反する黒い塊を呑み
込んだような躯はもうどこにもいない。
そんな麗しいばかりの変化を遂げた女を愛おしいと思わぬ筈がない。
「飛影」
そこまで考えていた時、聞き慣れた声が背後にあった。
「きっと、ここにいると思っていました」
「仕事だからな」
「御苦労様です」
長い銀色の髪が風になびいていた。蔵馬だった。
神出鬼没を以前は売りにしていたようだが、よく言ったものだ。今は以前
ほど関わりを持ってはいないというのに、人間界からちょくちょくやって来
ては特権のように躯や雛と話し込み、薔薇の手入れを口実に屋敷に入り
浸っている。下手に頭が切れるだけに厄介な奴だが、殊更敵に回す必要
もない。
だからといって、こんなところまで来るとは意外だった。
「意外、という顔ですね」
腹の中を読んだように、嫌になるほど綺麗な顔が笑った。
「何しに来た。まさか人間救出のオテツダイという訳でもなかろう」
「あはは、まあ、そうですね」
皮肉をさらりと交わして、蔵馬はどこまでも広がる空を見上げた。
「…躯は幸せなようですね」
「何が言いたい」
「他意はありません。ただ、以前わずかな期間養っていた身としてはや
はりずっと気になっていましたので」
勝手なことを抜かす奴だ、と軽く腹立つ。
養い親を気取るならば、最初から何があっても手離すべきではなかった
のだ。それをやすやすと言いなりに逃しておいて、まだ力なき小娘に艱難
の日々を送らせたことは大罪に等しい。幸い、躯は見違えるほど強く、目
覚しく能力を開花させて魔界に君臨するほどになったが、同じような目に
遭った女が全部そうではない。むしろ、屈辱と絶望と諦観のうちに塵芥の
ように打ち捨てられ、惨めに死ぬだけの女の方が遥かに多いだろう。
今更どの面下げて親でございと名乗るのか、その神経が飛影には分から
なかった。
「後悔はしていました、ずっとね」
よほど不満と腹立ちが顔に出ていたのか、やはり心を読んだように蔵馬
は呟いた。
足元を浚うほどの強い風が轟と鳴った。
「ただ、うてな…躯はあの時、誰も必要としていなかったんです。自分で
生きようとしていたんです」
「言い訳はいい」
「必要としていなかったから、何があっても傷つくことはなかった。どんなこ
とも精神の表層を滑り落ちるだけだった。そうして強く空しい殻を纏ってい
ったのでしょう。君が最初に見た、あの頑なな姿でね」
胸が悪くなりそうだった。そんな御託を何万と並べるより、もっとするべきこ
とがあっただろうと腹の中で毒づく。
「ただ、それでありながら躯は君を望み、必要とした。長年のこだわりなど
どうでも良くなるぐらい強くね」
「…ふん」
思いの発動は理屈ではない。
それだけは飛影も納得した。
「もしもの話、ですが」
急に明るい口調になって、蔵馬は妙に芝居めいた動作で乱れた髪を掻き
上げた。
「躯があのまま俺の養女であることを受け入れて、盗賊の娘として成長し
たとしても、やはり君とは出会ったような気がするんです」
「当たり前だ」
根拠はないが、それだけは確信がある。
運命、などという黴臭い言葉などどうでもいいが、飛影自身も躯と出会うま
では女などただ煩わしいと思っていたのだ。なのに会った途端に胸の中の
氷の塊が溶けるように引き付けられた。
これを一体何と言うのだろう。
意味もなく気持ちが軽くなって、今聞いていた蔵馬の戯言など聞き流して
やろうか。そんな寛容な心持ちになっていた。
「あ、飛影様!」
やはり今日は日差しがひどく強かったのだ。
今朝方開きかけていた薔薇は完全に開花している。何本か切っていた雛
が、飛影とその後ろにいた蔵馬を見付けて頓狂な声を上げた。
少し離れたところで日差しを避けるように真っ白な日傘を差した躯が、聖母
像そのものの汚れない微笑を湛えている。完全にとは言えないが、懊悩
から開放された表情は思わず見蕩れるほどに美しかった。
「お珍しいですね、今日はこんなに早いなんて」
「仕事が途切れたからな」
子犬のように無邪気な雛に、そんな下手な嘘をつく。本当はすぐにでも妻
の顔が見たかったからだ、などと言える筈もない。
「蔵馬」
今日も当然のようにちゃっかりと屋敷までついて来た男に、照れ隠し代わ
りに何か戯言の一つも言いたくなった。
「何ですか」
「躯が貴様の娘だというなら、生まれてくる子は孫だな。違うか?」
「…それはちょっと」
明らかに困惑したような声だった。急に愉快な気分になった。
「おかえり、飛影」
ゆっくりと歩み寄る日傘の女が艶然と笑った。過酷を極めた生の末にようや
く安穏を得たことに満足している顔で。心引かれた時から、こんな顔が見た
かったのだ。それが今こうして叶えられている。全てを忘れそうなほどの法
悦が飛影の胸に満ちて、しっかりと目を見つめながら返事をした。
「ああ、ただいま」
終
151 :
12:2006/05/29(月) 02:30:36 ID:9MA1ytBi
色気も何もない話でゴメソ。
でも、一度男同士の会話を書いておきたかったもので。
蔵馬の元から離れてからの躯の境遇は、自分から選択したものだけに他人が
一概に言えないものがあります。それでも飛影は色々思うところがあるん
じゃないかな、と思いました。
ちなみに、蔵馬の台詞に出て来た「出会う運命なら、どんなに回り道をして
も巡り会う」という趣旨の言葉は元ネタがあります。
ドラ○もんからでした。
私も子供の頃に読んだきりなんで、間違っている部分はあるかもですが、
大体こうだったような気がします。
ところで
>>142さん。
パラレルなネタは上にもあったような、盗賊の娘の躯と飛影っていうのも
いいなとか考えています。いつ書けるか分からないけど。
それでは、今日はこれで。
おやすみなさい。
日常の何気ない1コマって感じが自然でイイ話です。12さんGJ!!
少女の躯を手元から離した事に対する蔵馬と飛影の考えが
それぞれ異なっているのは、やはり立場の違いでしょうか。
二人とも躯の為を思っての考えなのは同じですが。
そして蔵馬の「もしも」話に対し、
さらりと「当たり前だ」と言える飛影、なんだかかっこいいぞ。
これまでの飛影なら一笑に付して終わりだったであろう
“運命”という言葉、それをあっさり受け止めるとは、
それだけ躯を愛し、彼女との関係に心満たされているんでしょうね。
最後の飛影・躯のやり取りが彼らの幸せを物語っているように感じました。
142ですが、パラレル話いつか拝読できる日を楽しみにしております。
でもその前に早く飛影と躯の子の顔が見たいです。(0゚・∀・)+ワクテカ
153 :
12:2006/06/01(木) 00:58:24 ID:zGEgEwYB
只今、まとめサイトにて「黴臭い言葉」アップ致しました。
ホンマ男が二人、だらだらと話し合っているだけですが、それぞれが躯に
対して思っていること。その微妙な相違点などを表現出来たらと思っていた
ので、142さんに喜んでいただけて嬉しいです。
それまでの飛影にとっては、「運命」なんていう手垢のついた言葉なんて
くだらないものだったかも知れないけど、今ではそれを普通に受け入れる
精神的余裕が出来ているようです。
大切な相手がいることは、そこまで気持ちを変えられるのですね。
パラレル話はまた近いうちにでも。
その前に、まだ今続けている話に一応のけりをつけないとね。二人の子供
が生まれるまでは中断出来ません(笑)
もう私の中ではどんな子になるか、案が完成しています。
12さん、乙であります。
生まれてくる子の性別や、容姿・能力が誰似なのか等も設定済みなのですね。
どんな子かな?今から楽しみです。
パラレル話も、コエンマ×ぼたん「胸騒ぎ」の補完版もマターリ待っています。
12さん今週も期待待ち保守。
156 :
12:2006/06/04(日) 23:33:09 ID:IlchwfA/
こんばんわ。
実は昨日、いきなり愛パソの動作が悪くなりまして。
何をやっても回復しないので、たまたま近所にある家電店で新しいパソ
買ってきました。ええ、清水から飛び降りる勢いで(泣)
設定して、色々やって、使えるようになったら面白くて。ついこんな時間
になってしまいました。
書くのはこれからになると思いますので、あまり長いのはちょっと無理
そうです。
さーて、何書こうかなっと♪
子供におもちゃ、私に新型パソコン。
なんかもう、バカみたいにやり込んでしまうってのはどうだろう。
あっ、今のものにはワードもワードパットもないっ!
158 :
12:2006/06/05(月) 02:53:28 ID:f/2hDguh
完成したので投下。
雛中心です。
あ、綺麗」
いつものように食材の買出しに出かけた雛は、市場の隅で珍しく硝子器が積
まれているのを見つけて子供のように目を輝かせた。
そう質の良いものではないようで、どれも形が歪んでいたり中に気泡が入っ
ていたりするが、面白いものもありそうだ。買い物前の身軽さで、ついひと
つひとつ手に取って見入る。
「お嬢ちゃん、どうだい?」
しなびきった老婆が、ほとんど歯のない口をぱっかりと開いて笑った。愛想
のつもりだろう。気のいい雛は目に留まった時から何かひとつでも買うつも
りでいたので、にっこりと返した。
「ええ…悪いけど、もうちょっと見させてね」
この前は薔薇の精油と薔薇色の布。
今度は多分、硝子の器。
雛が個人的に買うものはいつも躯が喜びそうなものばかりだった。
元々魔界では食料や服など、日々の生活に必要なものぐらいしか市場で見か
けることはない。それも仕方のないことだが、何となく味気がないなと思っ
てもいた。
食べて、命を繋ぐだけなら獣とそう変わりない。
まあ、以前はそんな生活に雛も疑問を持たなかっただろう。たくさんの兄弟
の世話に追われてそんな暇もなかった。決定的に変わったのは、やはり躯の
身の回りの世話をするようになってからだった。
忙しなく立ち働かなくてもいい屋敷の中での毎日、鷹揚に雛に接してくれる
美しい女主人、周囲を見回せば華美ではないが高価そうな調度品。これまで
生きてきた中で、一度も経験したことのない事柄が当たり前のようになって
いく。それがまだ不思議な気がした。
元は権力者だっただけに、ある程度の生活の余裕があるから。
簡単に考えればそれだけだが、出産という極めてデリケートな出来事を前に
した女なら、誰でも些細なことに感じやすくなったり、妙に苛立ったりする
ものだと分かっている。雛の母親も丁度そんな感じだった。
弟や妹は都合十一人。
結婚して以来、ほとんど腹が空く暇もないほど子を孕むのも、やはり暮らし
向きがそう優雅なものではないからだ。ならば少しでも多く、丈夫な子をと
望むのは当然だった。実家にいた時なら、ためらいなくそう思ったけれど。
真逆の考えも、ありかも。
これから生まれようとしている子を慈しんでいる躯の姿を思い浮かべる度に、
境遇や環境によってものの捉え方が異なることの難しさを思うのだ。どちら
が間違っているというのではない。どちらも正しい。ただ、母として鑑みれ
ばその時々で愛しい子を最大限守る方に傾く。
それが母親なのだろう。
「んー…難しいな」
珍しく考え事に頭を悩ませている雛だったが、少しでも気に入ったものを選
び取ろうと手だけはあれこれと取り上げてはいた。
「…これ、いいかも」
不意に、そんな気もそぞろの雛の前に現れたのは、少しだけ緑色を帯びた小
振りの鉢だった。両手で包み込めばすっぽりと収まるような小ささと形が、
何となく気に入った。気泡がたくさん入っているせいか、値段も驚くほど安
い。老婆はどこかの硝子工場から、商品にならない半端品を盗んできたのか
も知れない。
だが、そんなことは今の雛には関わりのないことだった。
「おばあさん、これをちょうだい」
どんなに半端品でも、打ち捨てるようなものでも、価値を見出す人はいつで
も必ずいるのだ。
そんな考えに至って、少しだけ気分が良くなった。
「機嫌がいいな、雛」
鼻歌を歌い出しそうに浮かれている雛が珍しかったのだろう。少し遅れて夕
食の席に着いた躯が興味深そうに促した。
「はい、今日はこれを買ってきたんです」
戦利品を見せびらかすように自慢気にテーブルの真ん中に置いたものは、完
全に乾かした薔薇や他の様々な花を盛り上げた、あの鉢だった。
「躯様が少しでも御気分がよろしいようにと、前からこんなものを作ってい
たんです。薔薇の精油は精神を穏やかにすると蔵馬様に教わりましたので」
「そうか」
いつ眺めても心を奪われそうに美しい女主人は、気に入りのグラスを片手に
しながら意味ありげに微笑んだ。
「女は、怠惰なぐらいがいいと思うぞ」
「えっ」
「まあ、俺が家事など出来ないから…だがな」
「はあ…」
いつもながら、何を言わんとしているのか良く分からない。取り合えずは以
前も言われていたように、あまり頑張るなということだろうと解釈した。
「まあ、蔵馬は無闇に草花に詳しいからな。接していれば吸収するものも多
かろう」
至らない雛に言いたいこともあるだろうが、今は精油の香りが染み込んだ花
びらの複雑な香を楽しんでいる。そんな優しい主人が雛は大好きだった。
早く躯様のお子様が生まれればいいのに。
そうしたら、いっぱい可愛がって、御両親が本当に素晴らしい方だと教えて
差し上げるから。こんなにお二人に愛されて生まれてきたのだと、飽きるほ
ど言って差し上げるから。
綺麗な女主人の横顔をうっとりと眺めながら、雛はそんな決意をしていた。
終
162 :
12:2006/06/05(月) 03:02:32 ID:f/2hDguh
何でageてんだよ、私。
あーあーあー。もうグダグダです。
取り合えず、短いながらも頑張ってはみたけど。
よく探したら、ワードはありました。えへ。
一応メーカー品なので、ない訳はないですよね。ただ、日ごろの使い勝手
を考えるとやっぱりワードパットが馴染みやすいので、今までのファイル
から落として使うことにしました。
これまでのサイトのデータファイルは、前パソくんの機嫌がいい時に移し
ておいたので無問題です。
本当に、ネットが日常になっている者にとって、パソの不具合は一大事。
こんな事態になっているとは知らず、
>>155にて呑気に“今週も期待〜”だなんて書いてしまってすみませんでした。
12さん、大変でしたね…本当お疲れ様でした。
故障直してもらうより、新しいPC買った方が安くつく場合もあるみたいですし。
何はともあれ、12さんのネットライフを無事再開する事が出来て何よりです。
今週も雛かわいいな。癒されます。グラス片手に微笑む躯も綺麗です。
以前の危うさがなくなったというか…落ち着きのある大人の美しさというか。
雛は子供のいいお姉さんになりそうですね。すごく懐かれそう。
飛影や躯、“躯の養い親”蔵馬も待ち望んでいるでしょうね。早く出ておいでー
あの、失礼になったらすみません。
はじめてきたんですがここはオリジナル設定やエロなしSSが中心になっているんでしょうか?
原作を読んだのがもう大分昔なので記憶がはっきりとしないのですが、
それでも読んだ覚えのない名前が多く見られる気がします。
新入りが不躾な質問してスミマセン。ですが気になるので。
男×男、女体化ネタ以外なら何でもありなんじゃないかな?と思いますが…
現在、SS投下して下さっている12さんの連載物は原作終了後が舞台となっていて、
躯は飛影の子供を妊娠中。
エロなしSSが多くなっているのは、躯が妊婦さんだからだと思う。
妊婦さんに濃厚エロは難しいから。妊娠発覚後も3回程エチー話書いて下さっているけど。
子供が生まれたら、またエロも書いて下さるさ。
あ、前スレでも自分と同じ様な事を書いておられた方がいたような…すみません。
164さんが仰っている“オリジナル設定”つまり、12さんが書かれるSSに登場する
雛の存在や蔵馬、躯の設定の詳細については、12さんが作って下さった
まとめサイト(SS保管庫
>>97)に保管されているSSを読んで下さると有難いです。
此処では、前スレからの全ての職人さんが投下して下さったSSを読む事が出来ますよ。
一個人としては、前スレからずっと読んでいるから情がうつってしまったよ、躯妊娠話。
エロ話も好きだけれど、この連載物は子供が生まれるまで見守り続けたいです。
若幻海ネタきぼん
レフェリーのねーちゃんネタキボン。
169 :
12:2006/06/07(水) 00:09:31 ID:TMLfKL9W
>>164さんへ。
オリジナル設定やエロなしSSをやらかしているのは私です。
混乱させて申し訳ありませんでした。ただ、私も最初は前スレでちょこっと
短いものを書いた折、思いの他好評だったのに気を良くして、こうして続け
ている次第です。
そのうちに、なんかオリジナル設定やらオリキャラが出てきていますし、
挙句に今はエロなしも多くなっていますが、それはこのエロパロスレにおい
ては反則技だということは十分に承知しています。
ただ、このスレの住人様方の御好意に甘えさせて頂いていることを念頭に
置いて、エロありやらエロなしなどをその時々で書いている次第です。
このスレのまったり穏やかな雰囲気が好きな余り、つい自分の好きなように
書いていますが、エロは常に心掛けています。
そうは言っても、今のメインは飛影×躯ですので、やはり出産後にならない
と本格的なエロは書けそうにないです。
>>165さん、フォローをありがとうございます。
結果的に長く続いてしまっているので、オリジナル設定入りまくりですが、
とりあえず二人の子供が生まれるまで見守ってやって下さい。
あ、
>>155さん、お気になさらず♪
猫娘が小兎で、竜娘が樹里だっけか。んで、結界師のエルセーヌふーみん瑠架が入って芸能デビュー。
凍矢・陣・鈴木と合コン→それぞれエチーとか見たいなぁ。
>>166 幻海ばあさん好きだ。若幻海verもいいね。
戸愚呂兄弟との関係萌え。SS読んでみたいです。
同じ武道家仲間だった若かりし頃、
弟とはイイ感じだったけれど兄とは…兄の片思いカワイソスw
>>170 原作では小兎は凍矢に、樹里は鈴木に、瑠架は陣に気があるみたいだったね。
合コン話面白そう。
あと12さん、>165で勝手にダラダラコメント書いちゃってすみませんでした。
フォローと言って頂け、有難いです。
>>170 エルセーヌふーみん吹いたw
でもそのネタ面白そうw
暗黒武術会での瑠架の衣装、露出度の高さがヤバかった。
近くで見ていた幽助達は何も思わなかったんだろうか。
特に結界に閉じ込められた飛影。一番近い位置にいたし。
>>168 どちらかというと、魚っぽい人より猫っぽい人キボン。
175 :
12:2006/06/09(金) 02:18:36 ID:YnWcWCLi
まとめサイト管理人12です。
只今、拙作「硝子の決意」アップしました。
まずは報告まで。
>>174 猫っぽい人=小兎だね。
って事は舞台は暗黒武術会かな?
それとも
>>170さんの合コンネタみたいな?
>>175 12さん、いつも乙です。
定期的にまとめサイトをちゃんと更新して下さるのが、本当有難い。
今週もマターリ楽しみに待っとります。
小兎と凍矢読みたい〜。
カルト3人ともに言えるかもしれないけど、
相手とかみ合わずに最初は空回りしてそうなところが萌える。
>>177 >相手とかみ合わずに最初は空回りしてそうなところが萌える。
それ凄く萌えた(*´д`*)小兎と凍矢イイね。読んでみたいなぁ。
この二人だと、小兎の方がひっぱっていきそうな感じがする。
179 :
12:2006/06/12(月) 00:13:13 ID:CYzP0C4e
こんばんわ。
今日もエロないかもです。
ちょっと躯がトラウマ勃発の、欝気味の、そんな内容になってます。
やっぱりすぐに忘れられる出来事ではなかったということで。
前スレの197です
ひさびさに覗いたらまとめサイトがっ!
載せて頂いて恐縮です・・・
時間見つけてまた投下したいです
蒸し暑さを感じる夜だった。
普段は起きない時刻に目覚めた躯は珍しく喉の渇きを覚えていた。枕元の水
差しに手を伸ばしても、もう中身は残っていなかった。
まさか水如きで隣に寝ている飛影を起こす訳にもいかない。いつもそれほど
寝付きが良くない男なのだから。
仕方ない、と躯自らが寝間を出て厨房に向かうことにした。
その宵はたまたま新月だったのだろう。空はひどく黒い。
居間に入ると、どことなく空気が澱んでいるのを感じた。蒸し暑さとはまた
別の気味悪さに本能的な違和感がある。早々に用事を済ませて戻ろうと厨房
に行きかけたその時。
『娘よ』
忘れたくとも忘れられない、けれどようやく幸せを掴んで振り切れる気がし
ていた下種男の汚らわしい姿がそこに幻のように浮かんでいた。
「…!」
驚きに、思わず息が止まりかける。
『可愛い娘よ、父親を捨てて自分だけ幸せになるつもりか』
「…あ、ぁ…」
信じられなかった。
やっと忘れられたと思ったのに。
忌まわしい昔を全部塗り替えられたと思ったのに。
『お前のことを忘れたことなど一日としてないぞ。誰よりも愛らしかったか
らな。それ故に可愛がってやった親心を分からぬ愚か者め』
「…なんで今になって…今更…」
一気に混乱の極みに陥った躯は、余りのことに床にへたり込んでしまった。そ
れが現実なのか、夢なのかさえ判別もつかない。ただ、憎過ぎる、腹立たし過
ぎる男の姿に無力にも手も足も出ない。
この男の元から逃げてから、今まで何にも揺るがされない強い存在になろうと
血反吐を吐いてでも、陵辱さえ何でもないことと受け流して歩いてきたのに。
そしてようやく女としての普通の幸せを得ようとしていたのに。
この男は死して尚もおぞましい執着と思念を残留させている。躯をただ苦しめ
ようとするように。
『さあ、昔に帰ろう。可愛い娘よ』
にたりと薄気味悪く笑いながら、男は腕を伸ばしてきた。
「来るな、来るな…嫌だあっ…」
歯の根が合わずにがちがちと鳴る。
こんなに自分が弱いなど、有り得ないことだった。たかが幻に怯えているなど
と。だが、こればかりは記憶の根底から邪悪なものに感染している。折に触れ
思い出す度に子供の頃の恐怖と憎悪がそのまま蘇ってくるのだ。
「来るな、俺はもうお前など…」
『遠慮などいらん、娘よ』
勝ったと見たか、ますます笑いを深くした男の幻影がずいと迫ってくる。もう
逃げられない。
恐怖の極みに陥って気力を失った躯の背後で鋭い一閃があった。
『娘…』
稲妻のような閃光は幻をあっさりと断った。苦しげな、名残り惜しげな苦悶の
表情を残しながら幻の男は消え去っていく。
全てが夢のようだ。
「いないと思ったら、こんなところで何を怯えている」
相変わらず、声には一切の感情が入ってはいない。だが、的確に躯の危機を悟
ってやって来る機知は見事なものだった。
「…起こしたのか?」
「気にするな。貴様が窮している時に目覚めぬ筈はないだろう」
当たり前のように返す声が、今夜はやけに優しい。
躯を救った一閃は、飛影の気迫だったに違いない。
疲れきって寝入っていたというのに、何という鋭い男だろう。それほどまでに
思われていることに、今夜ばかりは喜びよりもむしろ申し訳なさの方が先に立
った。
「お、俺は…」
「胸糞の悪い奴がまた出てきたようだな」
「…ああ」
くだらないことに睡眠を妨害されたというのに気にする素振りもない。それど
ころか気遣ってくれるのが更に心に痛い。遥かに長く生きている女として、迷
惑などかけたくはなかったのに。
月のない夜。
居間の長椅子で横になる躯の傍らには誂えたように飛影がいた。気に入りのグ
ラスにいつも飲んでいる酒を満たして差し出す仕草は自然そのものだ。何とか
一口だけ飲むと、熱い手が髪を撫でてきた。
「今夜はここで眠れ。もうあの糞男は出て来られないさ、二度とな。俺がそう
してやろう」
「…そんなこと…」
「奴を捕まえたのは、俺だ。この世にまだ思念があるとしても、俺がこれから
は防いでやろう」
言わんとしていることは、痛々しいほどに良く分かる。
もしも、あの男の意思がどこかに残っているとして、飛影にされたことはきっ
と憶えている。常に睨みを効かせていれば悪しき執着は少なくとも躯に及んで
は来ない。
だが、やはりそれでいいのかという気持ちはある。
自分に降りかかった火の粉ぐらい払えるようにはなった筈だ。まして、夫とは
いえ飛影は躯の生きた時間からすればわずかに何分の一かの若い男でしかない。
このまま責を負わせる訳にはいけないと、思わず頑なな気持ちになりかける。
「気を張るなと言っただろう」
知らぬうちにわずかに傾けていたグラスから、酒がたらりと零れて胸元に落ち
た。それを当たり前のように舐め取る夫。柔らかな舌先の感触に肌が震えた。
心までがどうしようもないほどに震えた。
口から出る言葉は随分素直なものだった。
「これは俺の弱さの問題なのに、お前に負わせてもいいのか?」
「愚問だ」
一切の文句を封じるように重ねられた唇が、ひどく熱かった。
迷いがないとは言えない。
忌まわしい過去を全て忘れきったなどと甘いことも言わない。
ただ、飛影さえ側にいれば、本当に二度とあの糞忌々しい男の幻など見ないで
過ごせる気がした。
それぐらいの夢は、見てもいいだろう。
終
185 :
12:2006/06/12(月) 07:49:28 ID:CYzP0C4e
昨夜はなぜか書き込めなかったので、慌てて今投下してます。
多分、これで躯のトラウマは解消されたのではないかと。でないと次には
進めないからね。
12さんGJ!“あの男”の幻に、読んでいてドキッとしてしまいました。
やはりすぐには忘れられなかったのですね…怯える躯の姿が痛々しかったです。
それにしても躯の危機―過去の記憶に意識が取り込まれそうになる時には
いつも必ず助けに来る飛影の存在に、心救われます。
なんとかトラウマも克服出来そうですし。本当良かった。乙でした!
>>180 前スレ197さん、SS投下ワクテカしながら待ってます。
前回の蔵馬×静流SSの続きかな?
それともまた別のカップルの話かな?どちらにしても楽しみです。
187 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 23:14:49 ID:WIfJnE4e
過疎・・・
若幻海と戸愚呂いいなー
若かりし頃の幻海と人間だった頃の戸愚呂(・∀・)イイ!!
一度読んでみたいな。職人さん方、どなたかお願いします。
人任せで申し訳ないですが…
>>185 >でないと次には進めないからね。
次って事はいよいよ…?!
190 :
12:2006/06/15(木) 01:27:28 ID:RwxDqv7s
まとめサイト管理人からの連絡。
只今、拙作「寝覚めの害蟲」アップしました。
>>189さん。
躯ももうすぐママになるし、子供の為にも強くならないとね。
なので、トラウマ関係は決着をつけました。
生まれるまで、あと少し。
今週も乙です、12さん。
これまで、“憎しみ”という感情で強くなってきた彼女も
今度は守るべき者の為、子供の為に強くなっていくのですね。心身ともに。
三竦みの中で黄泉だけがSSないな。
やはり相手がいないのがキツイか…一応元国王なのに。
雷禅の死後、魔界統一トーナメント開催案を持って幽助が訪問した時に
お茶を出した女性しか、お相手候補が見つからない…他にいた?
いないね、そういえば。
アニメでは子供がいたけど、母親の存在は全く感じられなかったし。
女の気配が全然しないのが敗因と思われ。
その辺、躯や雷禅は原作から結構濃厚に男や女の影が漂ってたんで、そこが
違うんだろう。
修羅だね>子供
確かに修羅の母親=黄泉の奥さん?の影がない。
表舞台に登場していないだけか、元々存在していないのか…どうなんだろ。
明日は月曜かあ。12さんのSS投下が楽しみだな。
12さん、お仕事お忙しいのかな。ご苦労様です。
196 :
12:2006/06/19(月) 23:05:45 ID:tSFoJKN5
こんばんわ。
昨日はなぜか書き込めませんでした。
調子も良くなくて不本意なものしか書けなかったので、今度の日曜日に
仕切り直すとします。
飛影と躯でエロを書こうとすると、今の二人ではなかなか難しいので、
時間軸的には「溶ける月」以後の時期の二人でいくつもりでした。
198 :
12:2006/06/20(火) 01:08:45 ID:3OAdA8ix
あっ、そうだったのかあ。
どうりで書き込めないし閲覧も出来ないと思った。
朝になっても復旧していなかったしね。
情報サンクスコ。
まずはゆっくり話でも練りながら、197さんのお茶を頂きまする。
他のジャンルのカップリングだったら、ド鬼畜エロでも何でも書けるんだ
けど、この二人は大事過ぎてシチュから入らないといけないので。
もちろん、セカンドHでいきたいです。
それでは、おやすみなさい。
……12さんの書く、鬼畜蔵馬が見たいと思った私はイッテヨシですか?w
いかん、妄想えろえろしちゃったw
妖狐時代も南野秀一時代も、そのきになればよりどりみどりそうな蔵馬萌え
勿論、飛影と躯も大好きです!
12さん乙です
いつもwktkしながら拝読しておりますが、どうぞゆっくりお考えになって下さいな
しかし確かに、蔵馬はその気になればよりどりみどりのはずなのに
原作では全くそういう方面の話がありませんでしたねぇ
彼が本気になったら恐ろしい事になりそうですがw
201 :
12:2006/06/20(火) 22:55:28 ID:3OAdA8ix
度々すみません。
鬼畜蔵馬に不覚にも萌えてしまいました。
高校生の頃なら、結構書けそうかも。
すごくもてるけど、誰にも本気にならないって感じで。
鬼畜蔵馬話にも期待!
飛影×躯話とあわせて楽しみが増えました(*゚∀゚)=3
>>201 >すごくもてるけど、誰にも本気にならないって感じで。
なんか有り得るかも。例外は中学時代、
両思いだったのに失恋した喜多嶋麻弥ちゃんぐらい?
今、蔵馬の話し書いてます。
とりあえず、全部書きおわってから投下したいと思います。
携帯から&長めなので二、三日かかってしまうかも('A`)ですが宜しくお願いします。
おぉ、此方こそ宜しくお願いします(;´Д`)ハァハァ
どんな話かとても楽しみです>蔵馬話
SSは203さんのペースでゆっくり書いてくださいね。wktkしながら待ってますよー
ここにあげてすぐまとめサイトにアップされ、その管理人が12氏で
書き込んでるのは12氏しかいない。
それじゃ、個人サイトでやったらいいんじゃないの?
>>205 他の職人さん方も投下して下さっているよ。
現在、
>>203さんはSS書いて下さっている最中だし。
一人でも職人さんが来てSS投下して下さったら嬉しい。
その一人の行動が呼び水となって…って事も有り得るわけで。
12さんが住人のまとめサイトキボンの声に迅速に答えて、
サイトを作って下さった時は本当有難かった。
職人さん方が前スレから投下されてきたSSも溜まってきて、
そろそろまとめサイト欲しいなぁって思っていたから。
>>203です。
予想外に長くなって携帯の容量オーバーしてしまった('A`)
なので、一旦投下しますね。 ↓
208 :
203:2006/06/22(木) 09:55:36 ID:3lQRxozL
―あなたに伝えたかった言葉は色を失い消える
残るのは目に焼き付いた空よりも透明な青
その夜、一匹の狐が娼館に忍んでいた。女を買うためではなく、盗むために。
数日前より夏草の蟲を忍ばせ、調べさせた。女がここにいるのは確かだった。
その女の存在は館主によってひたすら隠されてきた。が、酒の席でただ一度だけ口を滑らせた。
―未来視[サキミ]の女を得た、と。
その場に銀髪の男がいたのが館主の不幸だった。
侵入は容易だった。護衛を眠らせると障害もなく、館主の部屋に至った。
男は狐を見るなり部屋の奥へ走った。が、その時には鞭が男の四肢を奪っていた。
喚き続ける男の床に落ちた右腕を拾いあげ
「運が悪かったな」
それだけ言い残し銀髪の男は部屋の奥へと消えていった。
銀色の狐は封が施された扉の前に立つと、館主の腕で封を破った。
血に塗れたそれを投げ捨てると、数滴の赤い染みが白装束に飛んだ。
気にとめる様子もなく、扉を開け中にはいると、女は豪奢な部屋に一人座っていた。
白く透ける肌、闇に溶けそうなほど黒く長い髪。その間から覗かせる赤みを帯びた金色の瞳でこちらを見据えている。
人間で言えば17程度、その顔にはまだあどけなさが残っている。
―金の瞳は未来を夢に見るものの証と聞いていたが・・・
そんなことを考えた。が、次の瞬間に女が口を開く。
「待っていた」と。
209 :
203:2006/06/22(木) 09:56:55 ID:3lQRxozL
男に声は聞こえなかったが、唇を読んだ。
「お前、口がきけないのか」
女が頷く。見ると、手元には筆談用と思われる革表紙の紙束とペンが転がっていた。
「待っていた、と言ったな?俺が来るのは分かっていたと?」
近付きながら言うと女は再び頷き、紙を一枚手渡した。
<私を盗むのだろう?>
「全てお見通しというわけか」
また、一枚の紙を渡す。
<全て、ではない。時の断片が見えるだけ。ながい欠片もあれば短いのもある>
どうやら未来視の力は本物のようだ。が、もう一つの証があるはずだ。
「月はどこだ?」
未来視の力をもつ者には生まれ付き、体の一部に月のようなあざがある。
それがもう一つの証だった。
女は左手で上衣の襟をつかみ、引き下げた。左側の乳房が露になり、白い肌のうえに赤い下弦の月が浮かんでいる。
「本物か?」
<確かめれば良い>
という紙を受け取ると、蔵馬は女の前でしゃがみあざを指で擦る。
更に顔を近付け舐めたが、女は眉一つ動かさず目を伏せている。
顔を離すと
<気が済んだか>と、紙を手渡し襟を整えた。
蔵馬はふん、と鼻で笑うと
「そうだな、盗んでやろう」
それだけ言うと、手の中に忍ばせた花の香を女に嗅がせ眠らせた。
210 :
203:2006/06/22(木) 09:59:32 ID:3lQRxozL
今も夢に現れる、赤い記憶。声を無くしたあの日。
森の奥にある窖、そこが彼の住みかだった。
辺りに彼の姿はなく、外は薄明るくなっていた。
わずかに煙の匂いがする。窖を出ると、彼は火のそばで薬草を摺っていた。
「起きたか」
袂に忍ばせていた紙とペンを取り出す。
<ずっと起きていたのか?>
「血を見るとどうも寝付けなくてな」
彼の持つ動物としての本能がそうさせるのだろうか。
<では、眠れない夜ばかりだろうな>
「そうかもな」
落とすようにふっと笑う。
急に幼い日のことが思い出された。
―眠れないの?
―また、夢をみたの
―どんな夢?
―忘れちゃった・・・でもとても恐い夢。
―おいで。一緒に寝よう
―うん・・・
そういえば、母が亡くしてからだ。
見た夢をはっきりと覚えているようになったのは。
唯一の優しい記憶。
火が薪を弾く音と彼が草を摺る音だけが流れていた。
211 :
203:2006/06/22(木) 10:00:32 ID:3lQRxozL
女を盗んだのは、力が欲しかったからではない。
未来を夢に見る者の瞳と月は
その美しさから存在を知る者の間では高値で取引される。
すぐに奪うつもりだった。何故、眠っているうちに奪ってしまわなかったのだろう。
自分でもわからない。
<それは、血止めの薬か?>
「あぁ、そうだ」
<ならば丁度良い>
そう書いた紙を手渡すと、女は何かを決したように目をとじた。
―まさか
女は自分の左目を、自らの手でえぐった。
「お前、何を・・・」
そう言いかけると血塗れの手で紙とまだ温かな眼球を差し出した。
<これが欲しかったのだろう?>
白い着衣が血に染まっている。
女は更に残された眼に手をかけようとした。
「やめろ!!!」
―何故、止めたのだろう。なにを迷っているのだろう。
女は手を止めると糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
212 :
203:2006/06/22(木) 10:02:23 ID:3lQRxozL
女が気が付くと左目には包帯が巻かれていた。
残った右目に薬液に浮かぶ眼球と、その脇に座る男のの姿が入った。
<何故、止めた?>
「さあな。自分でもよく分からん」
―掴み所のない男。そんな印象を受けた。
男は女の傍らに座りなおした。
「名前は?」
<蔓>[カズラ]
「そうか。蔓、しばらくここで暮らせ。」
女にもこの未来は見えなかったのだろう。驚いたような表情を浮かべている。
男がが口の端を上げて笑う。
「俺はどうも、お前を気に入ったらしい」
そう言うと、男は女の唇に自らの唇を重ねた。
一度、離れると女が固まっているのをいいことに再度口付け、舌を絡めた。
唾液の交ざり合う音を立てていると、男の背後から声がかかった。
213 :
203:2006/06/22(木) 10:03:52 ID:3lQRxozL
女の目に黒髪の男が見えた。
「呼び出しておいてお楽しみ中とは、どういうことだ」
「ああ、黄泉か。すまない、わざとだ」
さらり、と言ってのける。
黄泉と呼ばれた男は飽きれた様子で尋ねた。
「お前なあ・・・面白い女がいるって聞いてわざわざ来たってのに・・・・・まあいい。そいつか?」
と、女の方を顎で指す。
女はまだ、状況が飲み込めていない様子だ。
「まだ、名乗っていなかったな。俺が蔵馬。あちらが黄泉だ」
「なあ、未来が見えるってのは本当か?」
黄泉が尋ねると蔓が紙を渡す。
<見えるのは選択の時だけだ。>
「どういう意味だ?」
<人は幾つかの未来の内一つを選択し、先に進む。私に見えるのはその時だけ。>
「つまり?」
<望む未来を得られるかどうかは自分次第ということだ>
蔵馬が未来視の力を必要としない理由もそこにあった。
214 :
203:2006/06/22(木) 10:05:00 ID:3lQRxozL
黄泉には、一つ嘘を吐いた。
見えるモノは選択の時だけではない。
それは、自分自身の最期の時。触れた者の最期の時。
たとえ、異なる道を歩んだとしても最期の時はいつも同じ。
いきつく場所は一つしかないのだ。
自分が息を引き取る瞬間を、何度も何度も夢に見る。
生まれた瞬間から、そこに至る時まで。
幼い頃、恐いだけだった夢は今では幸せな瞬間のように思う。
この、地獄からの解放。魂の出立。
そして―――
215 :
203:2006/06/22(木) 10:06:07 ID:3lQRxozL
蔓とのやりとりを終えると、黄泉は蔵馬に言う。
「どこが面白いんだ?役に立ちそうもないぞ?」
それを聞くと蔵馬は薬液の入った瓶を黄泉に見せた。
「なんだ・・・?眼球?・・・・この瞳の色はまさか」
「ああ、彼女のモノだ。先程、自分からえぐりとった」
黄泉はしばらく驚いたような顔をしていた。が、突然声を上げて笑った。
呆気にとられている蔓をよそに、ひとしきり笑い終えた彼が
「はぁ、確かに面白い女だ。蔵馬が気に入るはずだ」
そう言いながら、彼女の顔を覗き込んだ。
「いい色の眼だ。高く売れるだろうよ」
蔓はそう言った男の目に狂喜の色を見出だし、一瞬体を引いた。
216 :
203:2006/06/22(木) 10:07:03 ID:3lQRxozL
俺が笑ったのは可笑しかったからじゃない。
嬉しかった。
この女に出会えたことを腹の底から嬉しいと思った。
いつも俺より上を行くあの男が気に入った女。
その男に初めてあったのは俺が盗賊して名が売れ始めた頃だった。
俺が盗みに入った有力者の家に男はいた。
血の甘い匂いに満ちた部屋で、男は足元に転がる死体から首飾りを奪うと俺に気付いた。
―その瞬間、背筋が凍った。
圧倒的な力の差。冷酷さ、残忍さ、全て向こうが上。
俺は震えながらも奴に斬り掛かった。動かなければ殺される。
そう思った。
が、俺が腕を振り上げたときには喉元にナイフが突き付けられていた。
俺は死を覚悟した。
が、男は俺から離れこう言った。
「気に入った、俺の下で働け」
逆らえば殺される。そう、思った。
俺は、あの時からずっとこの男を殺す時を伺っていた。
これは、最初で最期の好機かもしれない。
未来は俺の手中にある。
217 :
203:2006/06/22(木) 10:08:31 ID:3lQRxozL
隻眼で暮らす事に慣れ始めた頃、蔵馬が薬草について知識を教えてくれた。
―俺がいない時間は薬を摺ってすごせばいい
彼なりの気遣いなのだろう。
この窖で暮らし始めてから夢に変化が表れた。
今まで見なかった『過程』の部分。
細切れに、けれど鮮明に見るようになった。
また一つ、さだめられた死に近づいたということなのだろう。
反対に見る回数の減った夢もあった。
あの、赤い夢。
人の体が焼ける匂い。炎が喉を焼く。
炎の中で男が笑っている。
―に・・・げ・・なさ・・・
―ゃ、やだ
―い・・きて・・・・どん・・な・・・ゆめ・・・・を・・・み・・ても
―母さん!母さん!!
―・・・・・・・・
母を殺し、声を奪ったあの男はもういない。
片目など、あの男から逃れられたのならば安いものだ。
新しく見るようになったのは悲しい夢ばかり。
それでも、心を殺して何も感じないことで自分を守っていた日々に比べれば幸せな夢に思えた。
218 :
203:2006/06/22(木) 10:16:34 ID:3lQRxozL
とりあえず、ここまで。
途中、なんだか勢いに任せてガーッと書いてしまったので分かりにくいかも・・・・。
また、ある程度書いたら投下します。
あんまりエロくない話でゴメソネ(ノд`)ノシ
>>203さん投下キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
GJ!盗賊時代の妖狐の雰囲気よく出ています。
相手役の女性“蔓”もオリキャラながらキャラ立ちして、
違和感なく作中に上手く入り込んでますね。
なんだか下克上狙っている黄泉がどういう行動に出るのか、
蔓との関係等これからの展開がすごく楽しみです。
次の投下に期待です。
>>203さん、乙でした(´∀`)ノシ
>>219サン
アリガトゴザイマス(ノд`)。・:゚・嬉しいです。
蔵馬の雰囲気を書くのが胃痛のタネなので(感涙
黄泉は出すかどうか悩みましたが出しちゃいました。
出してみたら一番書きやすくて楽しい人でした。
私の趣味が全開、MAX、最高調!!!な話ですが最期までお付き合い頂けたら幸いです。
ゴメン。
既存キャラ×オリジナルならその旨入れて欲しい…
人によりけりだろうけど、既存キャラとオリジナルの絡みが全く受け付けない人間もいるんでorz
222 :
219:2006/06/24(土) 00:47:42 ID:yIttIbet
>>203さん、あと出来ればメール欄にタイトル(なければ“無題”で)と
カップル名を書いて頂けると有難いです。
お願いばかりしてすみません。
>219の感想と一緒に書くつもりがうっかり忘れてしまいました…
携帯からの投下は何かと大変かと思われますが、
がんがってください。続き楽しみにしております。
223 :
203:2006/06/24(土) 01:10:58 ID:A06tRyVl
配慮が足りず・・・ご迷惑おかけして申し訳ないです。
そうですよね。オリキャラ絡み苦手なかたもいますよね。
ごめんなさい・・・・。
タイトル、カプは次回の投下から入れさせて頂きます。
次はこういう事の無いよう気を付けます。
本当に申し訳ないです・・・。
224 :
219:2006/06/24(土) 09:50:26 ID:yIttIbet
>>203さん、気にしないでー
あと、メール欄にタイトルじゃなくて、名前欄でした。
こちらこそ紛らわしい事書いてごめんなさい。_| ̄|○
225 :
203:2006/06/24(土) 17:36:43 ID:A06tRyVl
また、長くなってしまいましたが投下させて頂きます。
「Breathe」 蔵×オリです。
オリキャラNGな方はあぼーん推奨です。
その頃、三日と空けず、盗品を窖へ持ち帰っていた。
その度に眠らぬ夜を過ごした。
彼女はどんなに帰りが遅くなっても起きて待っていた。
帰ったのを確認すると安心したように眠りについた。
その日、いつものように盗品を抱え窖へ戻ったときだった。
彼女は火のそばで草を摺っていた。
珍しく近づいてきて、右腕をつかんだ。
小さな痛みが走った。
それほど、深くはないが切り傷が出来ている。
「ああ、気付かなかった。よく分かったな」
それを聞くと彼女は傷口を水で流し、先程摺っていた草を塗り布を巻いた。
この女の目に世界はどう映るのだろう。
声を失い、片目を無くしひたすら夢を見るだけの日々。
それは、どんな色をしているのだろう。
そっと唇を重ねた。
舌を入れると彼女は少しだけ反応を返した。
前の様に驚いている様子もない。
が、首元に唇を寄せようとすると体を離し、顔を背けた。
彼女はそのまま寝床に入ってしまった。
その夜は不思議と眠ることが出来た。
窖の中にはまだ、あの時の眼球が残っていた。
観賞用の眼球を売り物として扱う場合、両目が揃っていないと値がつかないことが多い。
彼がそれを知らないはずはないのに、何故止めたのだろう。
包帯を外し、鏡を覗き込む。
本来、有るべき球体がなくなった穴は赤黒く、虚ろに口を開けていた。
彼があの日殺した男はは、私の義父になる予定だった。
母は、私の存在を隠しながら、私を守るために金だけの男と結ばれようとした。
が、男は私の存在を知ると、執拗に婚姻をせまった。
母は愚かで浅はかでどうしようもなく優しい人だった。
そんな母を殺し家を焼いて私から全て奪った男。
あの日、彼にならばこの両目を差し出しても惜しくはない、そう思った。
自分でえぐろうとしたこの右目を、今は失いたくない。
彼の姿をこの右目に焼き付けておきたい。
いつからか、そんなことを考えるようになった。
その日、蔵馬のもとに一匹の蟲が舞い込んできた。
見覚えがあった。
黄泉の単独行動を警戒し、付けていた蟲だ。
蔵馬は黄泉を以下のように、評価する。
―あの男は腕は良いが性格に難がある。
目先の功を上げようとするばかりでその先を考えない。
一人で動き、成果を出す事もあるが失敗に終わることも多々あった。
その都度、蔵馬が出張るはめになるのだった。
先程の蟲はそれを知らせるためのものだ。
蔵馬は小さく溜息を洩らし、窖を出ると蔓が森の奥に入ろうとするのが見えた。
蔓は森の中で小さな湖を見つけ、気に入っているようだった。
蔵馬は、そこで彼女が和らいだ表情を見せるのを知っていた。
また、その姿を見て心が凪いでいく自分に驚いていた。
自分のなかにあるザラついた思いを溶かす存在。
そんな自分の心に戸惑いを感じながら蔵馬は黄泉の元へ急いだ。
「お前のその性格、いつか命取りになるぞ」
そう言った男の目に俺は戦慄を覚えた。
―これ以上、足手纏いになるなら殺す。
そういう目をしていた。
俺は焦っていた。
あの女が蔵馬の弱みとなる時を待つつもりだった。
が、状況が変わった。
今、動かなければ殺される。
しかしまだだ、まだ早い。
二つの考えが頭の中を巡っていた。
今が、選択の時。
女は俺の夢に何度も現われた。
女を殺して犯す夢。あの男に対しての、小さな優越感に浸る夢。
見た後には虚しさしか残らない夢。
蔵馬の留守を見計らい、俺は女に逢いにいった。
女はなにか、手紙のようなものを書いていた。
俺に気付くと手で<待て>と合図し、手紙をしまいこむ。
<此処に来たということは既に選択しているようだな>
「ああ」
自分の状況が良く解っているようだ。話が早い。
女に薬を嗅がせ眠らせる。
俺の手を掴みささやかな抵抗を見せたがゆっくりと眠りに墜ちていった。
女の手は死体のように冷たかった。
黄泉には、一つだけ妙な性癖があった。
女を抱くときは殺してから―。
冷たく、固くなっていく身体に強い劣情を催した。
死体愛好の気があることは、彼自身気付いていた。
今、目の前で死んだように眠る女に異常なほど興奮していた。
―このまま犯して、殺し、永遠に俺のモノにしてしまいたい
そんな思いに駆られた。
蔓の体を抱き寄せ、唇を重ねた。
その瞬間、肌が慄だった。寒いのか暑いのかさえ解らない。
心臓を鷲掴みにするような殺気。
背後でひどく落ち着いた男の声が響く。
「俺のモノに手を出すとはいい度胸だ」
銀髪の男が一段と低い声で続ける。
「そんなに死にたいのか」
黄泉は死を覚悟しながらも蔓から離れ、震える声を抑え、平静を装う。
「戯れだ。そんなに大事なら鍵でも付けておけ」
それだけ言うのが精一杯だった。
彼の予想に反し、蔵馬は殺気を和らげた。
それを感じ取ると、黄泉は窖を出た。
森に入ろうとする彼の背後から一本の薔薇が飛んだ。
頬をかすめ、黒髪を数本散らせ、薔薇は木に刺さる。
―次はないと思え。
赤い花がそう、語っていた。
それから間もなく、黄泉は光を失い、蔵馬と別れた。
魔界では二匹の妖怪が台頭しはじめていた。
雷禅と躯。
圧倒的な力を持ち、勢力を拡大していった。
俺は、そんな魔界に興味を失い人間界に行くことを決めていた。
「お前も行くか?」
そんな話を目を閉じて聞いていた彼女にそう尋ねた。
うっすらと目を開き、小さく頷いた彼女はゆっくりと俺の頭を抱き寄せる。
彼女の腕の中で見る夢は心地よい。
与えることも、奪うこともない。そんな関係だった。
ただ、細い線のうえにあるようなそんな危うさが感じられた。
俺はそのまま深い眠りに墜ちていった。
その頃の人間界は、霊界の領土ではあるものの魑魅魍魎が闊歩していた。
魔界と人間界を隔てるものは何もなく、自由に行き来できた。
国は乱れ、人の心は荒んでいた。
そのぶん、盗みは働き易かった。
俺と女は深い森の中で長い静寂の時を過ごした。
それから、200年程たった頃。
霊界が人間界の統制を推し進めはじめた。
力の強い妖怪が人間界で育ち始めたことに危機感を覚えての事だろう。
特別防衛隊、通称ハンターと呼ばれる者たちが人間界を見張るようになり、急激に動きづらくなった。
それでも、深い森や山奥は妖怪の住みかとなっていたし盗みも十分働けた。
俺は、いつものように盗品を抱え巣に戻った。
彼女が俺の首に腕を巻き付け耳元で三度、小さく息を吐いた。
<抱いて>と。
俺は戸惑った。
今のギリギリの所で保たれたような関係を壊したくなかった。
そんな思いに気付いたのか、彼女は少し離れ俺の服を掴み唇を寄せた。
初めて彼女から。
その指が、唇が震えている。
ゆっくりと顔を離し、俺を見つめる彼女の眼が潤んでいる。
初めて見せるその表情、その金色の瞳に逆らえなかった。
何度も何度も唇を噛み合うだけの口付け。
その瞬間が永遠の時のようだった。
先に痺れを切らせたのは意外にも女の方だった。
ねだるように舌を絡める。
男はそれを味わうと首に口付け、耳まで舌を這わせた。
女は首を仰け反らせ身体を捩る。
まだ、震えている身体に愛撫を繰り返す。
胸に、背中に、首に、肩に。
女の喉から弱々しく乱れた呼気の音が漏れる。
男が女の名を呼ぶと、小さく三度息を吐く。
彼女の肌に青白い月の光が刺さる。
白い肌に無数の小さな傷跡があった。
彼女が、あの男から自分の心を守ってきた証。
彼にはそんな傷すらいとおしく思えた。
青い光の中で影が、呼吸が、魂が重なり溶け合う。
何度も、何度も。
いつのまにか互いの心に咲いていた花。
色づき、呼吸をしていた名前のないこの感情。
男は、女を抱き締めながら眠りについた。
目が覚めると、腕のなかに彼女の姿は無かった。
彼女を探すと高い霊気の匂いが漂う。
胸騒ぎと、冷静な考えがせめぎあう。
霊気が少し遠退くのを見計らい、外に出て彼女の妖気を追う。
彼女が気に入っていたあの場所に似た、湖のそばでその姿を見つけた。
白い着物を赤く染めて、横たえる姿を。
彼女を抱き抱え名前を呼ぶ。
薄く開いた目に涙が浮かんでいる。
血に塗れた手で俺の手を握る。
その手で俺の顔に触れると、涙を零し、息絶えた。
俺の手の中に彼女の最期の言葉が残されていた。
また、逢えるから。
あなたには私が分からないかもしれない。
私にはあなたが分からないかもしれない。
それでももう一度、逢えるから。
私に、呼吸を思い出させてくれた。
私の心に水を与えてくれた。
ありがとう。
未来を全て受け入れて生きてきた女の最期の願い。
涙を流すことでささやかに反抗した彼女。
<死にたくない>
と。
涙を流して泣かない俺の代わりに、彼女が泣いた。
ならば、俺は声を出して叫べなかった彼女の代わりになろう。
森に、一匹の狐の遠吠えがこだました。
それから数百年。
一つの卵子が受精したその夜、女は青い光を見た気がした。
訳も分からず涙を流した。
悲しいのだろうか、嬉しいのだろうか。
やがて、男の子が一人生まれる。
生まれたばかりの濁った視界に一つの赤いあざが写った。
「待ってたのよ、秀一」
心がまた、呼吸を始める。
終
終わったー。
ごめんなさい。
黄泉様、変態になってしまった('A`)
タイトルは書いてる途中、頭に流れてまくった某バンドの曲名からです。
未熟な文で読みにくかったかもしれません。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
不快に思われた方、ごめんなさい。
203さんGJ&乙!蔓との別れのシーン泣けました。
“未来視”を持ち、自らの最期の時も理解していた彼女が
どんな気持ちでその時を迎えたのか…(つД`)
また、ちょっかい出す黄泉が…ちょっと憎まれませんでした。
蔵馬にバレた時の態度がねw
203さんのご都合が宜しければ、また新作拝見したいです。
そして12さんの飛影・躯のセカンド話にwktk期待。
泣いてくださいましたか。光栄です。
穴が空きそうだった胃も報われますww
蔓の最期は最初から決めてたんですが、書き始めたら私もすごく辛かったです。
黄泉は本当に書いてて楽しかったww
次、書くとしたらパラレルな話か修羅誕生、鬼畜系なんかになると思います。
エロが薄かったからもうちょっと濃いのを書きたい。
239 :
203:2006/06/25(日) 13:51:43 ID:yq57KNYP
見返してみたら
>>209間違えてる・・・・
蔵馬の名前まだ出すつもりじゃなかったのに。
蔵馬→男
が正しいです。
失礼しました。お詫びして訂正いたします。
240 :
12:2006/06/25(日) 18:08:55 ID:jUulD7w5
まとめサイト管理人からのお知らせ。
203様作品「Breathe」は、只今掲載致しました。
訂正箇所もバッチリ修正しましたです。
なお、カップリングの表記はこちらで変えさせて頂きました。
何かありましたら御意見を頂けたら嬉しいです。
241 :
203:2006/06/25(日) 21:09:23 ID:yq57KNYP
>>12サン
まとめサイト更新ありがとうございます。
いやもう、バッチリwwです。
>>239 203さん、蔵馬の人称訂正、了解です。
>>240 まとめサイト拝見しました。
12さん、早速のまとめサイトへの作品うp&訂正お疲れ様でした。
さすが仕事が早い…
12さん、203さん、粗茶ですが…つ旦~旦~
243 :
203:2006/06/26(月) 01:33:32 ID:Wt6VYU8k
ありがとうございます。
~旦⊂(゚∀゚)いただきます。
「今日の報告は、以上だ」
「そうか、御苦労」
毎日、いつものように事務的に繰り返される飛影の業務報告。
特別事件もなく、変化もない毎日。
今更そんなことがあっても煩わしいだけなのだが、なければないで退屈だ。そんな、贅沢な
ことを考えながらも日々は過ぎていく。
まあ、魔界全体が荒れ果てていた頃に比べれば遥かにましには違いない。魔界トーナメント
後の躯は一国の王ではなくなったが、現在の境遇には至って満足していた。何よりも、以前
統治していた者たちが穏やかに暮らしているのを見れば、これでいいと思わざるを得ないだ
ろう。
底辺で生きる者たちの幸せなくして、魔界全体が良くなる筈もないのだから。
疲れはしていたが、気分は爽快だった。退屈とは言いながらもこの日々をそれなりには楽し
んでいるのだ。
「飛影」
執務室の隅は暗闇で見えないが、まだ忠実に側に控えているだろう男を呼んだ。
「どうした、躯」
「そこの黒い棚から酒とグラスを取ってくれ。グラスは二つだ。一緒に飲まないか」
「…珍しいことだ」
「そんな気分の時もあるさ」
そう、最近は気分がいい。今宵は特にだ。この間まではその原因すら分からなかったが、最
近ではおぼろげながら掴めてきている。
やはり、一国の王という身分はひとりの女にとって重かったのだ。
その枷がなくなっただけでも、こんなに気楽になれる。
棚には何種類かの酒の瓶が並んでいた筈だ。
どれでもいいからひとまず飲みたかったのだが、飛影が持ってきたものはとびきり甘い果実
酒だった。いかにも女が好みそうなものだ。しかし、グラス一杯飲めば大の男でも倒れるほど
に強い。
さすがに倒れる気はなかったので、それぞれのグラスに半分だけ満たした。
「さあ、飲もうか」
「…ああ」
強い酒だと分かっているのか、飛影は口をつけただけでグラスを置いた。一体何を考えてい
るのかと伺っているようでもある。特別何の意図もないのだが。
「疲れているんじゃないのか?」
「いや、特別それほどは」
「それなら何でこんなものに逃げる」
思わぬ方向にこの男の考えは逸れている。それならそれでまあ悪くない。どのみちその酒を
選んだのは多分に偶然性が強いのだから。なのに飛影は意外なほどの心配性の片鱗を表
して、躯の内部に踏み込んで来ようとしている。
それが何となく愉快だった。
やはり、気分のいい夜だ。このまま今夜は勘違いをさせてやろう。
あくまでも真相は口にするつもりはない。勝手に心配をすればいいのだ。
女そのもののずるい考えが今夜は決まった。
「たまにはこんなものを欲しても、いいだろう」
「だが」
「どのみちお前には関わりのないことだ」
「何…だと?」
食らいついた。そう読んで、躯は内心でほくそ笑む。
この若い直情の男と最初に関係を持ってから、まだそれほどは経っていない。腹の中のほ
どはすぐに分かったが、だからといって女として全てを委ねきる決意にはまだ至っていない
のだ。
これまで生きてきた経緯を考えれば、当然のことだろう。
「躯」
やや怒りの混じった声が降る。
「何だ、こんなことで腹を立てては下の者たちに示しがつかないぞ」
「…そんなことは、分かっている。ただ」
「言ってみろ」
「貴様はいつもそうやって全部呑み込む癖がある」
ふふ、と笑えてきた。やはりそうだ。この男はこと躯の身辺に関して過剰に心配性になる。
それほどに情をかけられたことがないだけに戸惑うのが本音だが、あたら言いなりになる
のも癪な気がしていた。一体何を好き好んでこんな瑕疵だらけで危なっかしい爆弾級の女
に執着するのか。
「躯、お前はいつでもそうだ」
「ふふ、そうかもな」
苛立ったのか、暗闇の一部のように男は音もなく側へと寄ってきた。そして当然の如く掻き
抱いてくる。それには、わずかながら慌てた。
男の傲慢をそこに見たからだ。一度物にしてしまえば後はたやすいとばかりの付け込み方
は、きっと男そのものの本性なのだろう。だからこそ、それだけはこの男の中に見たくなか
ったのが正直なところだ。
「…何をする」
ほんの形ばかりの抵抗をしてみた。それはこの男も勘付いていることだろう。それでなけれ
ばつまらない。もちろん、充分に察したのだろう。抱く腕に一層の力を込めてきて照れ隠し
のように言葉を吐かれた。
「黙れ」
この男にまだ言っていない過去など、それこそ莫大なものだ。わざわざ口にする必要もな
いことだと思ってはいる。むしろ、言わない方がいいことばかりだ。女が一人で生きてきた
とはそういうことだ。決して綺麗事では片付かないことばかりが付き纏う。
それがもどかしいのだろう。
分かっているからこそ、わざと躯は苛立たせる。
女とは、いつもそういうものなのだ。
全く、ずるいことにかけてはどっちもどっち。
そんな誰でも通過することを今になって、躯も体験している。
そうだ、まるで恋に恋する娘の初恋のように。
「飛影」
「…何だ」
腕を回したまま黙っている無粋な男に、躯は声をかけてみた。
「お前、他に女は知らないな」
「だから、何だ」
からかうつもりなどなかった。ただこれほどに一途に思いを傾けてくる男がわずかに信じら
れなかっただけだ。我ながら、あまりにも汚れ過ぎた女だと思ってはいる。だからこそ、こん
な女に傾倒してくる男に哀れを感じるのだ。
「光栄、と言ったらどうする」
「……」
物も言わずに抱き竦められて、息が詰まる。
全てを許容し合った男と女。
そのものであるように奥の寝間で唇を交わし合う二人の間には、もう何のわだかまりもない
ように思えた。むしろ、あってはならない。
ならば、細かいことにこだわるのも愚かなことだろう。
「躯」
「…飛影……」
気紛れで名乗った仮初めの名前の筈なのに、呼ばれれば熱く胸が疼く。自分は何者でも
ないと信じてここまで来たというのに。
「躯」
「お前には、言っていないことがある」
迂闊に何もかも吐き出そうとした唇が、男の指先で制止される。もう何もかも包み隠すこと
のない間柄になっているというのに。
「それは、お前の一存だ」
その一言で体に電流が走ったような思いだった。
どうして、些細なことで動揺しているのだろう。
どうしてこの男でなければならなかったのか。
その理由は躯にも分からない。
ただ、あれほどの思いは知らない。ただそれだけのことだ。
終
248 :
12:2006/06/26(月) 01:43:53 ID:9ulQHPvF
>>242さん。
まだ完結していませんが、取り合えず今回はこれでおしまい。
お茶を頂いて寝るとします。ウマウマー 旦~
249 :
197:2006/06/26(月) 02:50:19 ID:MKfuhTRP
前スレ197です
神々が降臨なさっている最中書くのも恐縮ですが投下してみます
強引は蔵×ぼです
和姦じゃないので苦手な方はご注意を・・・
250 :
197:2006/06/26(月) 02:50:53 ID:MKfuhTRP
「ん、はっ・・・ン・・・っ・・・・・・」
時計の針はもう午前三時を指している。
明日も取引先との打ち合わせで早いというのにこんな時間まで何をやっているのだか。
頭では分かっていても、止められない。
ここのところ毎晩のように欲求に打ち勝てずにいる。
欲望のままに自身を慰める。
対象が特定の誰かと決まっている訳ではない。
「んっ・・・あ、はっ・・・・・・」
理由は分かっている、あの時期だからだ。
もう3度目だ、いい加減寝てしまわなければ明日に響く。
「何やってるんだ・・・俺は・・・・・・」
魔界へと頻繁に出入りするようになってからだろうか。
南野秀一の肉体に宿って以来、今まではこんなにも衝動にかられたことが無かったのに。
魔界の空気が自分の中の獣の部分を呼び起こしているのか。
冬を迎え、益々症状が悪化している。
発情期は厄介だ。
仕事はなるべく家に持ち帰るようにして、外出は控えている。
一度外へ出れば、街中に甘ったるい匂いが溢れているから耐え難い。
常に軽い眩暈を感じて仕事をするのは正直ダルいが、もう年末。
何かと忙しいこの時期に仕事を溜め込む訳にはいかない。
そう思い少しでも解消するべく毎夜自分で始末をつけようとするが、一向に熱が収まらない。
睡眠不足も合い重なって、疲労感が拭えない。
獣だから、と開き直ってしまえばいいのだが。
出来れば理性で自分を治めたい。
本能に負けてしまうのは自分の美学に反する。
なんとかならないものか。
251 :
197:2006/06/26(月) 02:51:49 ID:MKfuhTRP
本格的に不味いなと感じ始め、家に篭もり始めてから1週間。
今日ばかりは打ち合わせの為に出かけなくてはならない。
何とか都合をつけて、打ち合わせは人通りも少ない夜にして貰った。
「それでは今後はそういった方向で。また何か運営していく上で不都合が見つかったらその都度連絡致しますので」
「はい、よろしくお願いします」
朦朧としつつも何とか話をまとめる。
本当にどうかしていると思う、話の途中で欲求に駆られるなんて。
先方のオフィスで残業している女性社員の匂いには参った。
「うっ・・・んはッ・・・・・・くッ・・・・・・」
「・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・・・・・・」
帰り着くまでに持ちそうになかった。
途中の公園のトイレにて処理するしかなかった。
全くどうしようもない。
苛々する。
自分の思考と体の反応が噛み合わない。
『バタン!』
ドアを勢いよく閉め、冷蔵庫を開け買置きのビールで喉を潤す。
まだ十時前だが、こんな状態では何をしても捗らない。
自室に入り、ベッドに突っ伏した。
「もう・・・どうにでもなれ」
252 :
197:2006/06/26(月) 02:54:14 ID:MKfuhTRP
不意に窓をコンコンと叩く音がする。
こんな時間に、しかも窓から訪ねて来るのは彼女しかいない。
ふと、蔵馬の中にある考えが浮かぶ。
「こんばんは〜、夜分遅くにゴメンねぇ」
「・・・こんばんは、ぼたんさん」
「実はさぁ、年末ひさしぶりにまた忘年会でもしてみんなで集まろうかって雪菜ちゃんと盛り上がっちゃってさ、
計画立てるんなら早い方がいいからってんで今みんなの家周っててね―・・・」
窓を開けると部屋に彼女の方から入って来て何やらずっと喋っているが、蔵馬には聞こえていない。
黙ったまま、無言で部屋の中をうろうろする彼女を見つめている。
理性と本能、せめぎ合っていた両者のうち後者が勝った。
「で、いつなら都合がいいかねぇ?」
「・・・」
「ちょっと聞いてんのかい・・・あっ」
両肩を押さえ、そのままベッドへ倒す。
当然だが、彼女の力では抵抗することは出来ない。
「や、やめとくれよ、冗談にも限度ってもんがあるんだよっ!」
「冗談なんかじゃありませんよ・・・」
そのまま彼女の上に圧し掛かり、着物の胸元から手を入れ胸を掴む。
「ちょっと、え、あァン・・・何すんだよ!!」
「・・・申し訳ありませんが、こんな夜に一人でここへ来たあなたが悪い」
呼吸を奪い、舌を弄ぶ。
「ん、ンン、ンっ・・・ハッ・・・ンッ」
「つっ・・・」
充分に酸素が取り込めない苦しさからか噛み付かれた。
血の味が益々興奮を誘う。
抵抗し、逃げようとする彼女だが、それすら本能を刺激する。
獲物が逃げようとすればするほど、捕食者は執拗に追いたくなる。
253 :
197:2006/06/26(月) 02:55:01 ID:MKfuhTRP
両腕を片手で押さえつけ、もう一方の手でぼたんの腰の帯を器用にほどき、それを使って腕を縛り上げ、口を塞ぐ。
「ンー、ウウーンー!!」
しきりに喚くが誰にも聞こえる訳が無い。
「誰も助けに来ないし、俺もあなたを逃がしませんよ、こうなった以上あなたも楽しんだ方がいい」
はだけた着物の下から現れた白い透き通るような肌。
たわわな双丘を揉みしだき、口を寄せ、赤い花を咲かせる。
嫌がりながらも感じてしまい涙を流しているが構いはしない。
甘い匂いが部屋中に立ち込めている。
『そろそろいいか・・・』
溢れた蜜がこぼれ出す彼女の秘所に、指を差し入れる。
彼女の目を見つめながら。
信じられない、といった表情を見せるのがまた溜まらない。
目を逸らそうとするたびに頭を抑え、逃がさない。
びくっと抜き差しする度に体が跳ねる。
本数を徐々に増やしていく。
「っンン、んんん・・・・・・」
指の動きに連動しての彼女の反応に、蔵馬自身の興奮も比例して高まる。
「入れますよ」
と言うと同時に彼女の中に侵入する。
「・・・!」
激しく突き上げるたびに、彼女の声にならない呻きが聞こえる。
感じてる声が聞きたい。
口枷を外してやると止めどなく声が漏れる。
「あっ・・・はぁっ・・・!っあ・・・・・・ん」
「・・・ッ・・・あ!・・・・・・」
やがて絶頂を向かえ、彼女の中で果てた。
理性を取り戻した時、彼女は疲れ果てたのか眠ってしまっていた。
「・・・やってしまった」
手元に夢幻花の種子が残っていて良かった。
「すみません、ぼたんさん・・・」
記憶も、体に残した痕も全て消し去っておき、部屋に彼女を一人残す。
目覚める頃には何もかも覚えてはいないだろう。
「くそっ・・・」
握った拳を何度も壁に打ち付けた。
254 :
197:2006/06/26(月) 02:56:06 ID:MKfuhTRP
以上です
お目汚し失礼いたしました
255 :
203:2006/06/26(月) 06:05:13 ID:Wt6VYU8k
蔵馬はもう、我慢できなかった。
その美しい稜線、褐色の肌の色、全てが彼を誘惑していた。
彼女を押さえ付け、口に含む。
その感触を、甘い汁を存分に味わい舌が中へと侵入していく。
「やっぱり母さんが作った稲荷寿司が一番美味しいよ」
「そう?沢山作ったから好きなだけ食べなさい」
(´・ω・`)急に思いついてやった。後悔は(ry
寝呆けた頭で↑のようなものを書いてしまったことをお詫びいたします。
そして12氏197氏GJ&乙です。
>>12氏
一線を越えてもベタ甘になりたくない
そんな二人がらしくて素敵です。
前スレ197氏
発情期wwエロスでした。ごちそうさまですww
八百万のSS職人様方が降臨なされた!
SS大量投下嬉しすぎます(;´Д`)ハァハァ
>>244-247 12さん、GJ!セカンドH話キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
まだ心を開ききれず、装った“大人の余裕”な態度で飛影に接するも、
彼のストレートな態度に自らの本当の気持ちを隠しきれなくなる躯萌え。
躯にとって、今の自分も“過去”も全て許容してくれる飛影の存在が
これから掛け替えのないものになっていくのですね。
躯に対しては心配性な飛影もイイ!ホントまっすぐ見ているんだなぁ。
次回はエロ突入?完結編が楽しみすぎる…乙でした!
>>250-253 前スレ197さんのSS投下キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゚゚・* !!!!!
ぼたんって確かに鈍感な所があるからねぇ。
まぁそこがカワイイ所でもあるんだけれど、
知らずに相手を刺激しちゃって…って所が有り得そうです。
蔵馬よ…夢幻花使って悪い事すんなよw
事後、素に戻って後悔する彼らしい。前スレ197さん、乙でした!
また何か書いて下されば幸いです。
>>257 正 >事後、素に戻って後悔する彼らしい。
誤 >事後、素に戻って後悔するのが彼らしい。
です。すみません。
そして
>>255 ちょwww203さん面白いよwwww
こういう小ネタも上手いですね。自分は好きだなあ。
皆様、本当に乙でありました!
259 :
12:2006/06/26(月) 23:35:11 ID:9ulQHPvF
まとめサイト管理人からのお知らせ。
大量投下で嬉しかったので、只今前スレ197様と203様の作品を掲載させて
頂きました。
まだ月曜日でそれほど疲れていないから出来た荒業。
ちなみに拙作はまだ完結していないので今回は当然見送りです。
そして。
203様の作品は、コメントも面白かったのでそのまま載せてます。へへ。
ちょwwwwwwwまとめサイト見てて噴いたwwwwなんか更新されてるww
12氏乙です。
おぉ、いつもすみません、12さん。
まとめサイト更新乙です。どの作品もクオリティ高いですね。
>>259 >まだ月曜日でそれほど疲れていないから出来た荒業。
あんまり無理しないでくださいね。体が一番大事ですので…
197様
本番よりも、蔵馬の1人エチーに萌えた自分は逝ってよしですかそうですか。○| ̄|_
263 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 23:57:50 ID:a7R88698
>>197氏
美味しく頂きました
蔵ぼを是非ともまた書いて下さい
29氏の蔵ぼをずっと待ってます・・・全裸で。
>>267サン
ナカーマヽ(´∀`)人(´∀`)
共に逝こうorz
間違えた
>>262サンだった
一人で逝ってくるノシ
266 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 00:05:32 ID:a7R88698
>>266サン
嬉しい・・・・一緒に逝ってくれるのね・・・・・
自分アホスorz
出来ればsage進行で。すみませんが…
ふと気になったのだが、幽白の魔族女性ってブラつけてるのだろうか?
魔族って一口に言ってもいろんな種があるだろうから、
取り合えず外見が人間タイプの魔族だけ考えてみるとして。
躯や孤光、棗といった戦士系魔族だったら
戦闘時に激しく動くだろうから、特につけてないとヤバイよなぁ。
着物っぽい人と洋服っぽい人がいるよね
弧光は着けてそうだが、躯とかは晒しのイメージだな
なんとなく
問題は下だ。
それ以前に飛影とか妖狐とかその他もろもろの妖怪たちがパンツはいてるのか、はいてるならどんなパンツなのか気になる。スケベ心からじゃなく純粋に謎。
>>264>>266 262でつ。
それでは共に魔界へ逝きましょうか。
(´・ω・`)人(´・ω・`)人(´・ω・`)
>>271 でもここはエロパロ板だから、スケベ心もあって無問題と思われ。
自分もどんなパンツ履いてるか気になる。(゚∀゚)
>>272 本当の目的は魔界で死ぬこと・・・・・
ありがとう・・・・
次こそ魔族に生まれますように・・・・・
>272 飛影にパンツはいてるの?て聞いたら「パンツ?何だそれは」とか言いそうだよね。果たして魔界にパンツは存在するのだろうか
275 :
12:2006/06/28(水) 02:08:29 ID:NK5D0Ahl
済みません、通りすがったら何やら面白そうなネタが。
個人的には躯は以前だったらきっちり晒しなどで巻いていると思って
いました。素顔を隠して王として君臨していた頃ですね。
今現在では締め付けるものは全くなしかと。いえ、拙作のシリーズの中
ではですが。
しかし、原作でもそういうのはあまり好みそうにない感じがするんです
よね。
パンツというか、大昔のモッコ褌みたいな形態(つまり、ひもパンに近い)
だったら魔界でもありでしょうか。きっちり局部を保護してくれますし。
自分も
>>12氏と同じようなイメージだったけど
今、急に飛影がブーメラン穿いてる気がしてきた。
褌……してそう>魔族の男性陣
ブーメラン似合うwけどオシャレ下着は彼の趣味じゃなさそうだ。ボクサーパンツみたいな形のボロきれスパッツはいてそう。
近代化した人間界と違って魔界ってワイルドで超原始的なイメージ。だからやっぱ褌系の原始的形態かノーパンが主流なんじゃないだろうか。
あ、時雨は褌はいてたね。ブーメランは鴉あたりはいてそうだ。しかも黒。
戸愚呂は普通の人間ぽい格好だからパンツも普通なんだろけど、100パー中の100パー状態のとき服が全部ビリビリに破けちゃうのに
大事な所だけはしぶとく残ってるのが気にななってた。
巨大化してもおしりはちっちゃいんだな戸愚呂w
ある程度の文明はありそうだけどな
多分、霊的な部分で人間界より優れているからそれで不便なところはカバー。
言玉とかね。
>275 やっぱり躯もそんな感じの機能性重視な最低限のものしかつけてなさそうだ。
でもあり得ないだろうけど脱いでみたら黒のレース下着だったりしたらギャップにめちゃめちゃ萌える
間違いない
>>275 サラシ躯に激しく萌え(*´д`*)ハァハァ
12さんの作品内の躯はいつもノーブ(ryだったのか…
これだけでもご飯三杯はイケる。飛影が羨ましいw
>>280 すみません。適当に改行お願いします。
>脱いでみたら黒のレース下着
それなんて勝負下着?萌えすぎる。
「夜の手合わせ」の為としか思えないよ(;´Д`)ハァハァ
せっかく萌える話の最中だったのにワクテカしてたらうっかりログ削除してたらしい
迷子になったかと思ってびっくりした、、、
ぼたん達は着物だから当然、何もつけてないんだろうなーと想像してみたり
玄海さんが若い時とかのこともちょっと気になるな、、、
>282 玄海ばーさんはズロースだな
ズロースてww
何やらいつになく無愛想かつそわそわして、顔を背けたまま躯に謎の包みを渡す飛影
躯「人間界みやげ?一体なんだ」
ガサゴソ、中から黒レース下着登場
飛「フン、サラシは似合わんと前から思っていたんでな」
躯「飛影・・・これは一体なんだ」
飛「チッ、いらんなら・・・」
恥ずかしげな飛影
躯「どうやって使うものなんだ」
飛「教えてやる。こい」
手取り足取り装着の方法を伝授したあげく
飛「フン、悪くはないが・・・やはり何も着てない方がいいな」
そして18禁へ。
なんてね!w
年上好きの飛影は清純な白よりセクスィな黒派と勝手に予想w
>285
ちょっw
飛影が何に萌えたって、どんな顔してそれを買ったのかという
その点に激しく萌えたよw
>>283 ずろーす・・・
ズボンも膨らんでるのにズロースでさらに膨らますだろうか?w
いや、そもそも、ズロースはパンツの上から更に穿くモノだった気がす
穿いたことないんで分からないが
調べてみた
ズロース[日]
女性の下履き股上部分が短く、とくにはきこみが深く、ゆったりしたもの。
語源はドロワーズ[drawers]。
(文化出版局発行ファッション辞典より)
良く分からん
>286 買わないよ、盗賊だから
愛する女のため、飛影下着泥棒の巻
若かりし頃の幻海はどうだったんだろうね。>ズロース
彼女が若い頃は、ズロースがスタンダードな下着だったんだろうか。
>>289 >愛する女のため、飛影下着泥棒の巻
もしも霊界とかにバレて捕まったら、かなり恥ずかしいよなw
コエンマ 「飛影、お前なぜ下着なんぞ盗んだのだ?」
飛影 「……。」
>>289 新品だよね…?デパートにでも忍び込んだのか?
穿き古しなんかもらっても女王様困惑するよね。
でも女性の家の物干しから拝借する方が絵的には面白いw
>>290 とりあえず「…フン」で通す飛影w
その後女王様に耳を引っ張られながらカツオ君のように魔界に帰る。
もちろん頭にはタンコブ、目にはわっかみたいなアザ。
痛いじゃないかねえさ〜ん!てかw
293 :
12:2006/06/29(木) 21:56:26 ID:ZHOYmc+P
セクスィー黒レース下着の躯。
似合い過ぎでハアハア…。
そんな訳で萌えたので、ちょっと何か書いてみようと思ってます。
本当に好きだなあ、下着ネタ。
>>291 カ●オ君ワロスww
迎えに来た躯が「1の母でございます。」コピペの如く
謝っている姿想像しちまったよ。
「飛影の上司の躯だ。今回は、飛影がこのような(ry」
>>293 12さんの躯セクスィー下着ネタSS、是非とも読んでみたいです。
期待しております(;´Д`)ハァハァ楽しみだー
12さん、下着ネタ楽しみにお待ちしてます。
私的に躯は女を捨てた人ってイメージあるからとびきり女っぽいやつをプレゼントしたいw
それから皆さん、玄海のズロースの件では申し訳ありませんでした。
書きこんでおいてズロースについてはほとんど無知だったんですが、
小さい頃パンツはみ出させてたらお隣のおばあちゃんに
「あらら、ズロース見えとるで」
と言われたもんでパンツはお年寄り用語でズロースと決め付けてました。
ウィキペディアで調べたところ、「現在は廃れてはいるもののロリータファッションとして人気がある」
だそうなので、魔女の宅急便のキキがはいてるようなちょうちんパンツと思われます。
で、戦後まもなく日本を席巻したシロモノらしいので、
やっぱり玄海はズロースで間違いなさそうです、長文ごめんなさい。
下着ネタで盛り上がってるとこ悪いんだけど、女の子同士百合ってのは
どうなんだろう?(ぼたん×雪菜ちゃんとか)
…やっぱスレ違いか。(´・ω・`)
個人的には百合でもおっけい
薔薇じゃなけりゃ、いいんでないかとw
(さすがに、薔薇ネタは801板だろうから)
ズロースネタも、下着泥棒飛影ネタも、か○おネタも(え、ワクテカしてお待ちしております
298 :
12:2006/06/30(金) 02:23:27 ID:xFcCyPlX
書きました。
では投下。
299 :
悪戯心 1:2006/06/30(金) 02:24:02 ID:xFcCyPlX
六月のとあるやたら蒸し暑い日の午後のこと。
駅前にオープンした華やかなランジェリーショップの一角。
久し振りに揃って買い物を楽しんでいた幽助と螢子の二人は、絶対こんなところにいる筈も
ない人物の姿を見つけて思わず叫んだ。
「蔵馬!」
「どうしてこんなところで!」
「…ああ、久し振りです。珍しいところで会いますね」
大きなポップの側で、相変わらず抜けるような美貌の男がにっこりと挨拶を返した。
さすがに場所柄、バツが悪いのだろう。男ひとりでこんなところに入るのはかなりの勇気が
必要なのだ。普段は超鈍感な幽助でさえ、さっきまでここだけは絶対嫌だと言い張っていた
ぐらいだ。まあ、一度店内に入ってしまったら螢子が側にいる安心感もあって、すぐに開き直
ったようだった。
いつもなら、こういうデリケートなものは当然自分だけで買うことにしているのだが、あれを着
てくれ、これが似合うから見たいとテレビで綺麗な新作下着のCMを見る度にうるさいのだ。
だからこそ、螢子も意を決して今日は半ば無理やり連れて来たという訳だ。
「そういう趣味がある訳じゃないですよ」
気恥ずかしそうにどうでもいい言い訳をしながら、ここにいる理由をぼそっと告げた。
「実は、同期の女子社員がひとり、今度寿退社することになりましてね。同期の仲間全員で
サプライズな贈り物をということになって、『なるべく派手な下着』に決定したんです」
今日も外回りの途中でここに寄ったのだろう。服装はごく地味なスーツ姿だったが、目立つ
容姿の為か凡庸さを感じさせないのはさすがだった。本人の意図するところではないかも
知れないが。
「んなの、別にお前じゃなくても同期の女子社員が買いに来ればいいことじゃね?」
「それがジャンケンで負けたんですよ、俺」
さらっと言ってのけると、手にしていた二種類の下着、真紅とトルコブルーのどちらにするか
と考え込んでしまったように黙り込む。
「おい、蔵馬」
「よしなさいって。あんたみたいに暇人じゃないんだから放っておいてあげたら」
「何を、このー」
「はいはい、私も買うものは決まったからレジ行くね。あんたもついて来る。いいわね」
すっかり完璧な夫操縦法を身につけてしまった螢子は、子供のように店内のあちこちを見回
している幽助を従えて悠々とレジへと向かって行った。
300 :
悪戯心 2:2006/06/30(金) 02:25:04 ID:xFcCyPlX
真紅かトルコブルーか。
ド派手な二つの下着を手にしながら、その時の蔵馬の頭の中にあったのは、同期の女子社
員への贈り物のことではなくたったひとりの娘、躯のことだった。
一緒にいたのはわずかな期間だったが、その後の壮絶な人生を知るにつれ、やはり成長す
るまで庇護してやれば良かったと後悔するばかりだ。とはいえ、今は人妻となって幸せにな
っているのだから幸いというべきか。
これまで親として何もしてやれなかったのだから、今後は出来るだけ何か力になれたらとも
思っている。
くどいようだが、そんなことを考えている間もやはり握っているのは真紅とトルコブルーの下
着だ。いくら超美形の若い男であっても、その様子は傍目にも怪し過ぎる。
周囲のひそひそ声が耳に入る段になって、ようやく我に返る情けない有様だ。贈り物は真
紅の下着に決めて、さあレジに行こうとした時のこと。
目に飛び込んできたのは、他の下着とは明らかに値段の違う凝ったレースで縁取られた黒
い下着だった。輸入物だろうか。それを見た瞬間、つい悪戯心が湧き上がる。
近くのサイズ表を照らし合わせてみる限り、何とかサイズの方は大丈夫そうだ。どんなに綺
麗でも直接身につけるものなのだから、合わなければ問題外なのだから。
「珍しいな、人間界では仕事熱心なお前がこんな時間に来るとは」
魔界の可愛い娘は、今日もとても綺麗だった。
あと少しすれば子供が生まれることを伺わせるように、ゆったりした衣服をしても大きくなっ
ている腹は良く目立つ。母親になる喜びが全身から滲み出ていて、長椅子に重い体を預け
ている姿は絵のように映えていた。
「まあ、色々とありましてね。それよりも今日はこんなものを持って来たんです」
「…何だ、唐突だな」
綺麗にラッピングされた純白の箱を渡され、さすがに躯も面食らったようだった。だが、狐に
でもつままれたように言われるまま包装と箱を開くと、更に綺麗な切れ長の眼差しに驚き
の色が満ちる。
それまで見たことのない黒い下着がそこにあったからだ。
「…これは何だ?随分と面妖な形をしているな」
「人間界の女性ならみんな身につけている下着です。デザインも値段も様々ですが結構優
秀でね、基本的には体の線を補正して凹凸を作り綺麗に見せる働きがあります。更に物に
よっては胸を育てて大きくする効果があったり、敏感肌用の素材で出来ているものもありま
すね」
「……良くは分からないが、つまり人間界の女は大変だということだな。たかだか下着にそ
れほどの付加価値を望むとは」
301 :
悪戯心 3:2006/06/30(金) 02:26:05 ID:xFcCyPlX
「ははは、まあそうでしょうね。で、今日これを持って来たのは…その人間界の女性の常
識ともいえるものなのですが、彼女たちの概念には『勝負下着』というのがあるんです。つ
まり、好きな男を落とす為に下着に凝るんですよ」
「ほう」
わずかに興味を持ったのか、やや身を乗り出してきたのが分かった。やはりそういうところ
がごく普通の女性だと感じさせる。
「飛影も男ですからね、たまにはこんなのも着てみたら面白いと思いまして。子供が生ま
れた後にでも試してみて下さい」
躯は悩んでいるようだった。奇妙にカッティングされた黒い布は、一体どれをどうすればい
いのか皆目見当がつかないようだ。
「で、これはどうやって着るんだ」
「ああ、それは実際に俺が手取り足取り教える訳にはいかないので、後日飛影に詳しく伝
えておきます」
「そういうものか」
「俺も命がまだ惜しいですからね」
素直な娘は簡単に食らいついてくれた。後は飛影に懇切丁寧に下着の装着方法を教え
ておけば、勝手に色々と誤解をしてくれるだろう。大体が、何の関わりもなかった筈なの
に突然横から可愛い娘を浚って行ったことにまだわだかまりを感じないでもない。夫婦仲
が良いのはいいことだが、たまに小さな波乱がある方が盛り上がるというものだ。
全ては娘可愛いさの、言うなれば老婆心。
これぐらいの企みは、あってもいいだろう。
魔界を去り際、今後この悪戯がどんな展開をもたらすことになるのか想像して、狡猾な蔵
馬は楽しげに笑った。
今日は本当にいい日だ。
やはり一度蔵馬とは勝負をつけておいた方がいいだろう。
帰宅して、躯から今日の出来事を聞いた飛影は、魂が抜けるかと思うぐらい驚いていた。
顔には出さなかったが。
まさか留守の間に、妻にこんないかがわしいものを渡すとは思ってもいなかったのだ。人
間界の下着がどんなものか、以前何度か行き来していた時に見るともなしに見たことがあ
る。やたら派手派手しい、やたら劣情をそそる、そんな類のものばかりで閉口したものだ。
幸い、魔界にはそんな度を越したものはないので安心していたのだが、こともあろうに蔵馬
が持ち込むなど。
大体が、妻の育ての親だとかで何かとしゃしゃり出てくるのが気に入らない。
これは決して悋気などではないのだ。
そう、妻を守る為のごく正当な感情だ。
302 :
悪戯心 4:2006/06/30(金) 02:27:13 ID:xFcCyPlX
「何を拗ねている」
蔵馬から貰った下着は、もちろん寝間の箪笥にしまい込まれた。寝間の隅で座り込んだ
まま、さっきから一言も口を聞かない駄々っ子のような夫に苦笑する躯は、さっさと一人
で身支度を済ませて寝台に潜り込む。
「…あんな奴を簡単に屋敷に入れるな」
ぼそりと呟く声にはいつもの張りがない。どうやら今回のことはかなり堪えたようだ。
「そうもいかないだろう。蔵馬には色々と世話になっている。益も多いし」
「…ふん」
「いずれ、子供が生まれたら着られるしな」
「何?」
いい加減眠気を覚えていたせいもあって、もう何も答えずに目を 閉じた。今夜はこれほど
譲歩してやっているのだから、後は勝手に機嫌を直せばいいだけのことだ。本当に子供
な男は困ると躯は嬉しそうに軽い溜息をついた。
終
303 :
12:2006/06/30(金) 02:33:30 ID:xFcCyPlX
エロくなりませんでした。
とりあえず、螢子→蔵馬→飛影→躯視点でころころ変化しています。
で、個人的に、躯のバストサイズは70Dではないかと思ってます。細身で
ボリュームがある感じかな。
そして、拙作では現在の躯は基本的にノーブラです。女友達なんかも家に
いる時はブラつけないみたいだし。やっぱり楽ですよね。
キテタ━━ヽ(゚∀゚ ヽ(゚∀゚)ノ ゚∀゚)ノ━━ !!!!!
12さん、ごちそーさまー
平日なのに、乙です
でも、激しくGJ!!
12氏GJ!!!!!!
「俺に?下着売場へ?女装してか?しないでか?」
こんな台詞を思いつきました。
12さんグーッショブ!早速書いて下さって有難うございます。
登場人物多くて、賑やかで楽しいお話でしたね。
幽助&螢子も相変わらず元気そうでなにより。
それにしても蔵馬GJ!よく行動に出てくれた!w
わりと乗り気で、適応力(?)の高い躯と
マジメでお堅い飛影が対照的で面白いです。
子供が生まれて一段落したら、また続編書いて頂きたいです。
「躯セクシー下着〜装着編そして〜」躯、ホントに実行しそうだし。
>>305 > 「俺に?下着売場へ?女装してか?しないでか?」
是非して下さい。おながいします。
そしたら、女性下着売場うろついててもバレないだろうから無問題。(゚∀゚)アッヒャッヒャ
そして、当然その下には女性下着が(ry
すんません、正直調子に乗りすぎました。orz
ハッピーSSグッジョブ!なんか新しい下着ほしくなっちゃいますねぇ。
しかし状況を自分に当てはめてみると・・・おとーちゃんに下着プレゼントされてる自分は想像したくないですねぇw
桑原とかもダメだな。やっぱ蔵馬じゃないと。
ぜひ産後の装着編も読んでみたいです。
ん?産んですぐとかだと黒いブラに母乳が染みちゃうかも知れん。
フフフそれもまたオツですなぁ・・・
ってもんのすごい変態なこと言ってますね、失礼しました
グーッショブ!って何だよ自分…すみません。
>>308 >黒いブラに母乳が染みちゃうかも知れん。
考えもしなかったよ。そういえばそうだよなぁ。萌え追加w
染み出しちゃった母乳は飛影が処理したらいいと思うよ。
310 :
12:2006/07/01(土) 02:52:39 ID:KCOLLYin
こんな時間にこっそり失礼します。
おお、なんかざっと書いたものだったけど割と好感触のようで。
もちろん、まだ実際に躯はセクスィー下着を装着していないので、出産後に
また仕切り直しとして続編を書くつもりでいます。
人間界の下着などいかがわしい、とか言いながらも実際に躯があのプロポー
ションで完璧に装着して見せたら鼻血吹きそうだ。
表情は変わらないまま。
そして、今後何か書けそうなネタがいっぱい♪
黒いブラに母乳が染みるってのも、産後プレイとしていいなあ…メモメモ。
子供生んで体調と体型が戻ったらまた色々出来るしね。
すみません、激烈に眠いので変なテンションになってます。
それではおやすみなさい。
なんか、急にエロ拷問が書きたくなってしまい
こんなものができました。「前夜」 黄×名無し+蔵
※「Breathe」へ繋がる話なので苦手な方はご注意を。
「ん・・・んぅっんっう」
女が恥部からはたはたと分泌液を垂れ流しながら声をあげる。
轡をはめられ、腕を縛られ、脚を開いて固定されたまま。
朦朧とした頭で女は考えていた。
―どうして、こんなことになったんだろう
何時ものように主人の相手をして、常連客の相手をして、客と飲みに出掛けた・・・
筈だったのに。
いつのまにか眠らされ、こんなことになっていた。
女のぼやけた視界には二人の男が写っていた。
一人はぎらついた目をし、女の体を責め続ける黒髪の男。
もう一人は冷めた目で読書を続ける、銀髪の男。
黒髪の男の手には快楽を与えるためのあらゆる玩具が握られ、もう数時間は女の体を弄んでいた。
不意に男の手が速度を増すと、女が一段と高い声を上げる。
「んっ!!!んぅーんー!!!!」そしてまた、だらしのない水音と項を捲る音だけが響いた。
「何度目だ?」
黒髪の男が問う。
「11回、よく飽きないな」
銀髪の男が目線を本に落としたまま静かに言う。
「お前こそ、よく数えてるよな」
「只の暇つぶしだ」
「まぁ、俺も似たようなもんだよ」
そんな会話も女の耳には届いていないだろう。
女がこんな目に遭うのは訳があった。
女の主である男が隠している宝。最後の扉の開け方を知るのは女と主人のみだった。
「そろそろ話す気になってきたんじゃないか?」
12回目の絶頂を迎えた女に黒髪の男が尋ね、轡をはずす。
苦しそうに息を荒くしている女に、話を続ける男。
「ん?どうした?喋って良いんだぞ?あんたも楽になりたいだろ?俺も正直、飽きてきた」
その瞬間、女の中で何かが切れた。
―もういい、あの男を守る義理もない。どうせ死ぬのだから・・・。
「・・・・・・手」
銀髪の男が項を捲る手を止めた。
「あ・・・の人の・・・手以外では・・・封・・・が切れない・・・」
本を閉じ立ち上がった男は
「黄泉、後は好きにしろ。但し、始末は綺麗にしておけ」
そう言い残し部屋を出た。
残された男は、憐れむようにな笑みを浮かべ
「あんたも俺も、ようやく楽になれるな」
そう言って、女の喉に刄を突き立てた。
溢れだす深紅の液体。
小さく呻き、女は絶命した。
その後、男は一人、快楽に耽るのだった。
終
ド派手な黒ランジェリーに怖じ気づく純情飛影。
意外や意外、彼のかわいい妹がTバックを愛用していようとは知る由もなかった・・・。
315 :
203:2006/07/01(土) 04:42:00 ID:d2iAAtta
あぁぁぁぁぁぁあageてしまった。
ごめんなさい('A`)
なぁぁぁぁぁシリアスなSSが投下されてるとは知らずに
くっだらねえ文章書いちゃってごめんなさい('A`)
317 :
203:2006/07/01(土) 04:47:30 ID:d2iAAtta
いやいやいや、こちらこそ空気読めなくて
ごめんなさい('A`)
いやいやいやいや、そんなことはございません('A')
質の違う残酷さが彼ららしくて楽しませて頂きました。
12回・・・ねちっこいなぁ〜さすがw
むしろ私のアホな書き込みが空気を汚しましたよTバックは忘れてください
さて謝りあってもらちが明かないのでここまでにしましょうかw
とにかくGJでした!
203さんGJ&乙です!
極悪非道の盗賊妖怪の姿を垣間見ました。
蔵馬と黄泉の残虐さがそれぞれ違う向きなのも上手いですね。
それにしても本当ねちっこいな、黄泉はw
扉の開け方自白させられた女性に合掌…相手が悪すぎました。
>>314 雪菜ちゃんまで…!桑ちゃんが知ったらどんな事になるかw
静流姉さんが買ってあげたのかな。ごめん、面白かったのでレス。
連続でスマソ。
>>314の事実を知った二人はこんな感じになるのでしょうか。
桑原 「ゆゆゆきなすわーっん!!あqwせdrftgyふじこlp;」
飛影 「……。(雪菜がTバック、雪菜がTバック、雪菜がTバ(ry)」
321 :
203:2006/07/02(日) 01:53:08 ID:gN3+zb04
>>318>>319 私の中の何かが「12回にしろ!!!!」と叫んだものでww
蔵馬と黄泉は原作を読んだときに「温度差はあるし腹の中探りあってるけど、仲いいなぁw」
なんて思ってたのでそこを書きたかったのです。
203さんの書かれる黄泉はエロい!(;´Д`)ハァハァ
職人さん達が次々と新作投下して下さって本当嬉しいな。みんなGJ!!
12さんの躯セクスィー下着ネタ、産後プレイに激しく期待しつつも、
飛影と躯のセカンドエッチの続きが気になって仕方ないです。
323 :
12:2006/07/02(日) 16:29:10 ID:iMwOwe7n
まとめサイト管理人からのお知らせ。
203様作「前夜」と、拙作「悪戯心」アップしました。
なお、12は昨夜暑くて腹出して寝てたら軽い風邪ひきました。喉が痛いので
アイストローチ舐めてます。
セカンドエッチネタ、書けたら書きたいです。
ともあれ、投下はいつもの午前二時から三時ぐらいで。
>>323 12さん、まとめサイト更新乙です。
ところで風邪大丈夫ですか?お大事になさって下さい。
あんまり無理はなさらないで下さいね。
つ旦~ タマゴザケ
325 :
12:2006/07/02(日) 22:39:28 ID:iMwOwe7n
>>324 ありがとうございます。
状態はさっきよりは大分ましになってきたので、書けるところまで書く
つもりでいます。
卵酒飲みつつ頑張ります 旦~
326 :
12:2006/07/02(日) 23:09:59 ID:iMwOwe7n
やっぱり最後まで書けないかも知れないけど、出来るところまでやりたい。
とりあえず腹減ったのでおにぎり作った。
>>242さんのお茶飲んで一休み。
今の時期だから冷茶にしといたよ。旦~
甘い酒が、まだグラスに残っている。
どこか重く、グラスの中でゆうらりとけだるく流動する様子は、あたかも思い悩む女の姿に
似ていた。
「躯」
傍らのテーブルからそれを取り上げた飛影は、面白い戯れを思いついたのか剥き出しにな
った乳房の上にたらりと流した。急に感じた冷たい感触に、思わず身が竦む。
「うぅっ…」
「冷たいか」
「当たり前だ、唐突過ぎるぞ」
抗議する言葉を封じるように、舌先が乳房を濡らす酒を舐め取っていく。そんな趣向はつい
ぞ経験がなかっただけに、戸惑いながらも声を殺すしかない。そんな様子が珍しかったの
だろうか、この若い男は興が乗ったように少しずつ肌の上に酒を垂らしては丹念に舐め進
んでいく。
「…やめろ、そんな風に…」
必死で声を抑えようと半端に脱がされた服で口元を隠しても無駄だった。一度体に与えら
れた快感は悩ましいばかりに増幅していく。極力声を堪えようとするあまり、神々しいばか
りに輝く白い柔肌がひくひくと痙攣をしている。
「嘘をつくな」
「…嘘など何も…」
「こんな時ぐらいは偽りの顔など見せるな」
何ひとつ吐き出せない女の何もかも見抜いているように、どこか苦しげな表情をしながらも
戯れは続いていた。
きっと、こんなことでもなければ結果的に今夜はこの男を拒んでいたかも知れない。只の思
いつきとはいえ、それが今の躯の内面にまで踏み込むきっかけになったのだから偶然とは
不思議なものだ。
胸が騒いでいる。
きっとこのまま、言葉は悪いが言うなりにされるだろうとは思っていた。
これまでの長い年月、力なき小娘だった頃からのし上がる為に闇雲に権力者の力を欲し
た娘時分まで、等しく似たような経緯を辿って陵辱されてきた。その結果ゆえに男などみ
んな同じだとは正直今でも思っている。
なのに、どうして飛影にだけはここまで心が動くのだろう。
どうして自分の最後の砦とも言えるこの寝間に自由に入り込まれても平然としていられる
のか、躯にはまだ自分の気持ちなどひとつも見えてはいなかった。
「飛影」
「何だ」
「お前には、分かっているのか?俺の」
「知らん」
当然のように言ってのけた。
「それが一体何になる。貴様のことを洗いざらい調べたところで、一番知りたいものは暴け
ないだろうからな」
「知りたいって…何を」
「本質」
ものすごい勢いで心臓を掴まれた気がした。
同時に、この男でなければいけない理由もようやく分かった気がした。
痛恨ながら続く
329 :
12:2006/07/02(日) 23:39:13 ID:iMwOwe7n
やっぱりもうダメみたい。
明日も仕事だからもう寝るね。
普通だったらもっと頑張れるんだけど、とりあえず寝たい。
じゃあおやすみなさい。
12さんGJ!
飛影は今まで躯が関わってきた男の中でまったく別の質を持った男ですね。
これまでの男達は躯の体(入れ物部分)だけを欲して、その器の中身、
つまり“相手の本質を知りたい”だなんて言うヤツは皆無だっただろうし。
飛影によって躯がどんどん本当の気持ちに気付かされていく様子がいいな。
それにしても、
グラスからお酒を躯のオパーイやら股やらに垂らしてそれをナメナメするだなんて…
いったい何処でこんなプレイを覚えたんだ飛影は。恐るべし。
続きがとても楽しみです。
でも、その前に12さんの風邪が早く直りますように。12さん乙でした!
そろそろ圧縮来そうだ。
保守。
332 :
12:2006/07/06(木) 03:04:41 ID:Iud2c90Q
>>330 ありがとうございます。
風邪はかなり改善されてきました。っていうか、仕事は休めないから意地で
治すしかない状況です。
躯にとって、飛影はそれまで出会ってきた俗悪極まりない男たちとは全く別
の性質の男だったでしょうね。
普通に生まれて成長していれば誰でも巡り合っていた筈の、『ちゃんと信頼
出来て恋愛に発展出来うる相手』だったし。躯の場合は生まれ育ちが他者と
違ってはいたけど、遅ればせでもこうして出会えたことが価値のある事実だ
と思う訳です。
余談。
酒プレイは単に個人的趣味です。えへへ。
本当は一気に書いてしまいたかったけど、とりあえず今度の日曜日まで持ち
越しとなってしまいました。うう…。
本当なら日曜日に一気に書き上げてしまって、今頃はまだ考えていたパンツ話
の色々なバージョンを書くつもりだったのに。(まだ引きずってます)
予定では幽助×螢子、コエンマ×ぼたん、戸愚呂弟×幻海(子供時代)でした。
・SS書きは黙って投下
・出来上がったものを投下が好ましい(連載を書くときはアンカーを付ける)
・普段のレスは名無しで
SS書きの基本だと思うんだけど。
>>332 ちょww“それぞれのパンツ話”ってすごく面白そう。激しく期待。
>>333 とりあえず連載に関しては、ここの職人さん達の場合は
ある程度量を貯めて投下して下さっているし、
「今回はどんな話だろう」とか「次回の展開が気になる」とか
ワクテカ感があって個人的には良いのではないかと思う。
アンカーはつけて頂いた方がまぁ有難かったりするかな。
12さんのSSの続きに期待しながら話のネタ振りでも。
魔界(霊界も)にはコンドームって存在するのだろうか。
個人的には魔界は避妊等には無頓着なイメージがあるけど。
>>333 ・出来上がったものを投下が好ましい(連載を書くときはアンカーを付ける)
これはまあ
>>334の言うとおり、皆さん「ある程度の量を貯めて投下」されているので問題はないかと。
毎日連載が入り乱れていて大変だ、とかいう状況でもないし。
探すのが面倒ならカプ名で検索かけりゃ一発だ。
・SS書きは黙って投下
・普段のレスは名無しで
これには超同意。
けどここは職人と名無しが交流するのが当たり前っぽくなってるし…。
苦手な人がこういうスレもあるってことで多めに見るしかないんじゃないのかな。
このスレのためにサイト作ったりいろいろしてもらってるしね。
職人さんも読み手もみんな臨機応変に、って事でいいんじゃないかな?
製作秘話とか聞きたい時もあるしね。
>>336 特別扱いしすぎじゃないか?
この板のローカルルールだし・・・・・・
本スレ見てたら、そういう12氏マンセーな空気が息苦しいって意見も出てた。
確かに、まとめサイトには感謝してる。
見やすいし、更新も速いのは嬉しい限り。
でも、嫌な人も多いんだったら自重すべき所があるのでは?
何事もほどほどに&臨機応変に、でFA?
まぁマターリしようよ。
勘弁してくれよ……。
この「職人マンセーし過ぎ」って流れになって潰れたスレを
俺はこの約半年で、3つほど知ってる。
うまく行ってるのに乱を起こそうとしないでくれ、頼むから。
いつかこういう流れになるだろうなとは思ってた。
自分はこのマンセー流れが苦手でしばらく離れてた口だけど、
>・SS書きは黙って投下
>・普段のレスは名無しで
これを守っていただけるなら後は文句は言わない。
乱を起こそうなんて思ってないよ。
むしろこのスレが好きなんだ。SSのクオリティもなかなかだし。
だからこそ、「雰囲気が苦手で見るのやめた」とかいった意見を見ると悲しい。
連投で申し訳ない。
12氏を叩きたいわけでも荒らしたい訳でもないんだ。
何度も言うけど12氏には感謝してる。
作品を供給してくれるのも、まとめサイトのことも。
それを踏まえての意見だとご理解いただきたい。
まあまあ落ち着け。
みんなこのスレのことを大好きなんだろう。
だから、こうやって色々な意見が出るんだ。
俺は正直、ここの和やかムードが好きなんで特別「職人マンセー」な空気
とか感じなかったけど、中には違和感を感じたり嫌になるする人もいるだろ
うから、その辺はやっぱり気をつけた方がいいよな。
12さんだってこのスレが廃れないように作品投下やまとめサイト製作など
やってくれてたけど、それでこのスレを私物化している訳じゃないし。
きっと
>>343の言うこともわかってくれると思うよ。
このスレを大事に思ってくれるんならね。
>>
>>344 激しく同意。
なんだかんだ言ってもやっぱり自分もこのスレが好きだよ。
,、!ヾ!\ハ
\ ヽ:::/w☆ゝ
\ !C `Д´) ブラジャー!!
×⊂( 飛 /つ〜▲-▲〜゛
/ .!、
(__!~ \__)
激しくずれてしまった…申し訳ない。
戸愚呂(妹)
やる ねェ
>>345 なんだこの飛影!可愛すぎるよ!!!人間界でブラゲットした瞬間か?
>>334 ネタ振りに乗ってみる。人間界との交流が一番盛んそうな癌陀羅では
普及してそう。サイズも豊富(笑)。
幽白キャラの避妊観も気になる。桑ちゃんは凄いキッチリしてそう。
幽助は12さんの描写がしっくり来る。成り行き任せ(相手がそうはさせない
けど)。蔵馬は抜かりない上。ムードを壊さずいつの間にか装着完了(笑)。
いざ!という時にコンドーム持ってない事に気づいた時のそれぞれの対応の
違いが面白そう。
飛影「コンドーム?何だそれは」
>>345 カワエエw ワロタw
そういや、幽白キャラのミニAAってなかなか無いんだよな〜。
あ、無きゃ自分で作れってか?
,、!ヾ!\ハ
\ ヽ:::/w☆ゝ
\ !C `Д´) ブラジャー!!
×⊂| 飛 /つ〜▲-▲〜゛
/ .!、
(__!~ \__)
>345です。
AAずれてしまったのに…みんなありがとう。・゚(つд`゚)゚・。
そうです。ブラゲットした瞬間のつもりでしたw
面白そうなんでコンドームネタ便乗。
自分が持つ主要4人組のイメージもまさにそんな感じ。
飛影だけは絶対着けそうにないな。
むしろ存在すら知らなくて
>>350みたいな事言いそうだ。
ズレ訂正できました…AA少し変形させてます。
連続してすみません。長くなってしまった。
>>349のネタ、考えてみた。
【いざ!という時に持っていなかったら…】
幽→そのままノリでヤろうとするが螢子に「絶対駄目!」と買いに行かされる。
桑→「ちょっと待っていて下さいね」と雪菜に優しく声をかけ慌てて買いに行く。
蔵→魔界の花の香りで相手の女の子をちょっと眠らせてその間にコンビニへ!
飛→いつも生なので、無問題。
こんな感じかな?勝手な想像だけど。
>>352の「自分が持つ主要4人組のイメージもまさにそんな感じ。」は
>>349と同じって事で…ごめん。アンカー付け忘れちゃった…
12です。
さて、何から書けばいいのでしょう。
とりあえず、今後は
>>333の方向でいくつもりです。
ただ、本スレも覗いたのですが私としては特別ひとつのカプを独占している
つもりはありませんでした。もちろんそれを不快に思う方がいるのであれば
改めなければいけないことです。
セカンド続き待っとります…。
カプは書きたいもの萌えるものを書く、でいいんじゃないでしょうか。
エロもうちょっと多めを心に留めといていただければ言うことございません。
>>356 ラジャです。(`・ω・´)ゞ
エロはもちろん増やす所存であります。やっぱりここはエロパロスレ
ですし。
12さん楽しみにしていますぜ!
セカンド本番ワクテカしながら待っています。
グラス中で揺らめく酒が、あたかも媚薬のようにたらりたらりと落とされていく。
零れ落ちた先から飛影の舌が念入りに辿っては舐め取っているのが、既にひどく感じるようになっ
ていた。普通に触られるのではなく、間接的な行為の刺激だからこそ溺れ込んでしまいそうで、堪
え切れない声が喉を震わせる。
「ん…っ」
酒の冷たさと舌の熱さ。何もかも男の目の前に晒していることよりも、その行為で乱れ狂う自分が
恥ずかしい。
「あぅ…ぅ、んっ…」
「感じているんなら、もっと声を出せ」
「ぅっくぅ…それは…」
弱々しくかぶりを振りながらも、次第に追い上げられていく羞恥以上に快感が増していく。これまで
の接触で確信していることを一つ挙げるとすれば、この男の前でなら、女になってもいい。今までに
なかった感情がこれほどはっきりとした形を成していることに、躯自身も驚いている。
これほどまでに、自分が女であることを自覚せしめる相手が現れるなど。
強い酒が、皮膚からゆっくりと浸透していくのが分かった。
巧みに肌の上を滑る舌は緩急をつけながら愛撫を深めていく。時折軽く歯も立てながら舐め尽くす
技巧など、今まで知らなかったことだった。
「ん、ふぁあ…!」
脱ぎ捨てた衣服を噛みながら必死で声を殺す躯に構わず、的確に追い上げていく飛影にはどこか
余裕があった。一度征服しているという自負からだろうか。だからといってそれで慢心するような男
なら、最初から引き合ってはいない。
昼間は昼間。夜は夜と線引きが出来る男だからこそ、闇の中で愉しめるというものなのだ。
「うぁんっ…」
ひくりと、肌が跳ねた。
こんな暗がりの中でも、熟れて紅潮した乳房が快楽で揺れるのが分かる。
「躯」
「…ぅん…ん…」
もう、正気を保っているのが難しくなってきていた。なのに、残酷に快楽を貪る男はグラスを傾け続
けて酒で滑らかな肌を濡らしている。
たらり、とまだ触れられてもいない股間に酒が垂れ落ちていった。
冷たさと不思議な熱さに蕩けかけていた意識が一時的に覚醒する。
「あぁ…やめ、やめろぉ…」
「我慢しろ、良くなる為だ」
もう力の入らなくなっている膝が開かれて、すっかり濡れているのが自分でも分かる陰部があらわ
にされていく。更に酒を垂らされては、もう堪らない。
「…ダメだ…」
これ以上卑猥な声を出せない。そう思って声を噛み殺そうとしても、湧き上がる快感がそれを邪魔
する。敏感になっている部分が酒を追って這いずってきた舌に舐め上げられて、一層零れる声が甘
くなった。
「うぁあ…」
「そうだ、もっと、もっと声を出せ。乱れろ。女はそういうものだろう」
「…飛影」
「昼間の殻など、今は不要だ」
「……ぅ…ぅあ…」
胸の奥でずっと滞っていた塊が、不意に溶けた気がした。これまでずっと女そのものを望まれ、求
められたことはあっても、それは躯そのものではなかった。言葉を変えれば、躯でなくとも女であれ
ば誰でもいい程度の安っぽい欲望だった。
なのに、この男は執拗に躯そのものを望み、追いかけてくる。
ならば、覚悟は出来ていた。
酒のせいなのか、体がひどく熱い。
蕩けて柔らかくなっているだろう部分も、どうしようもなく熱い。もどかしく乳房を揉みながらも、躯は
浅ましい声を上げて快感に浸っていた。
「…そろそろいくぞ」
やはり淫欲に支配されているのか、飛影の声音もどこか卑猥だった。それもまた感じてしまい、気
も狂わんばかりに声を上げた。
「うぅっ…早く、早く来い…!」
汗と唾液でくしゃくしゃになった衣服をぎりっと噛みながら、精一杯誘うことだけしかもう出来なくなっ
ていた。理屈などもういい。今はただこの男だけが欲しい。
「躯」
「…飛影」
濡れきったそこに、限界まで怒張しているだろう肉棒の感触があった。触れているだけで疼いて止
まらない。
「…はやく」
もう、それが浅ましいとは思えなくなっていた。本能から望むことなら、それはきっと躯にとって本当
に必要なことなのだろう。
ずぶ、と肉の擦れ合う鈍い音と共に堅く張り詰めた肉が内部を犯してきた。その凄まじい刺激に、
今度こそ堪えていた声は枷を解き放つ。
「…ぅあぁああっ…!」
一気に女が目覚めた。それまでのどこか冷めた目をした女はもうどこにもいない。今ここにいるのは
ごく当たり前に快感に浸りきる満たされた一人の女だけだった。
「…飛影、もっと、好きにしていい…」
「するさ、貴様になら幾らでもくれてやろう」
「ん…」
真摯さを表すように強く抱き締められるなり、更に激しく奥まで突き上げられた。つられて意識が弾
け飛ぶ。
「ああうっ!いい、もっと、もっと突いてくれっ…」
「…そうだ、そんな風に乱れろ。それが貴様の本質に他ならない。ずっと隠していた貴様自身を解き
放てばいい。貴様も、そうなりたかっただろう」
「ん、うん、ぅんっ…飛影っ…」
もう、何もかも分からなくなりそうだった。それなのに不思議と心は満たされていた。それまでになか
ったことばかりで、躯自身も戸惑いながら極限の果てまで追い詰められていく。
快感の果てに、突然ぷつりと全てが途切れた。
夜が明けようとしていた。
情事が終わって男が消えているのは珍しいことではない。
だが飛影は当たり前のように隣で寝こけていた。
何故か笑えてくる。この男は一度きり、これきりで終わらせる気などないのだ。
「たとえ遅かろうが、お前と出会えて良かった」
ようやく辿り着いた幸せに頬を染めながら、微笑む躯の表情はひどく穏やかだった。まるで慈母のよ
うに。
終
12さんGJ!!
体だけではなく全てを愛されて、躯が殻を破って
一人の女として覚醒していく様が(・∀・)イイ!酒プレイに(;´Д`)ハァハァ。
そしてラストの頬を染めながら微笑む躯に萌え。カワイイよー
「熱病」完結、乙でした。また一から読み返してきます。
雪菜が垂金に監禁陵辱されるのが見たいな〜。
「五年間肉体にかんする苦痛はやり尽くした」ってせりふを読んだ小学生の頃に
すごい衝撃を受けた事が忘れられなくて今も時々妄想する。
想像を絶する悪趣味な責めをされる雪菜・・・・・・・
ああ俺って変態。
静流のエロいのマダー?
>>363 >想像を絶する悪趣味な責めをされる雪菜・・・・・・・
相手が垂金じゃな…いったいどんな目にあっていたか。
かわいそうだけど、自分もちょっと読んでみたいかも。
でも垂金が直接突っ込むのか?
なんだか垂金のチンが氷漬けになりそうだw
>>364 静流といえばアニメ版では何故か左京とイイ感じに描かれていたね。
>>365 アニメ版での左京×静流がああいう別れでなかったら、物凄い大人な恋愛してそうだな…と瞬時に妄想しますた
幻海のエロいのマダー?
>>363 >>365 ティムポで雪菜の純潔を奪うようなことはしていないといいな…
垂金も、氷漬けになるのが分かってそうだから自分では手を下さず
お道具や三下妖怪使って楽しんでそう。
処女雪の如き肌の上を、グロテスクな触手が無遠慮にうぞうぞと
時に優しくねちっこく這い回り、その気味悪さと未知の感覚にがくがくと
震えながら、なんとか涙を堪えるも最後に失禁してしまう雪菜をBBC幹部
で鑑賞とか。
肉体に関するあらゆる苦痛…黒板を爪でキキーー!っと引っかくアレも
試したのだろうか?足の小指を箪笥のカドに勢いよく強打!とか。
涙は出ないだろう。
>>368の雪菜ちゃん責め文章に激しく萌えた。
でも話が「黒板を爪で…」とか「足の小指を箪笥のカドに…」
となるとちょっと笑えるw実際はむちゃくちゃ痛いのにね。
あと、氷泪石プレイとかどうかな?
一粒使って、もっと泣かせて氷泪石大量ゲット!とか。
あ、垂金ってケチそうだから石は使わないか。どうだろ。
律儀に箪笥や黒板を用意する垂金とBBC。
今度はどんな方法がいいかで相談しているうちに
「あなたの痛かった話」披露大会へと発展する、男子高校生のような面々w
>>370 氷泪石プレイって、たとえばこんな感じ??
氷泪石のネックレスをア○ルパールみたいに使うとか?
あ、でもお腹の中に隠してる雪菜にとっちゃ朝飯前かな…。
かわいい顔してやることは電撃ネットワークな雪菜w
お腹の中って帯の下ってことかとおもてたw
>>371 思わず布団圧縮袋に入れられる雪菜とか想像しちゃったじゃないか。
「お腹に隠してた」
これを臍の中にでも隠してたと思ってた、いたいけな小学生時代。
女性は体の中に隠すところがちゃんとあるんだよね。
さよなら幼き日々よorz
>>374 女体の中もエロスで萌えなんだが、きっと拷問プレイ中にハケーン
されちゃうから、普通にお腹の中と考えて胃袋あたりに隠してたんだとオモ。
ムクロ様と同じく取り出すときはオエっと吐き出す、と。
きれいに洗っても、鼻のいい蔵馬とかは「ちょ、両方とも胃液クサス」
と感づくだろう。
雪菜や躯は氷泪石をお腹の中(胃袋か?)に隠していたけれど、
どうせならアソコに隠していれば良かったのに。
もれなく氷泪石で一人楽しく遊べちゃう特典つきだよ!
雪菜も躯もやってみなよ!
と不埒な事を考えてた。ひとりえっち・・・
対人(妖怪?)プレイもなおよし。夢見させてくれよw
>>375
しかし、冨樫はつくづく他の作家にありがちな過剰な処女崇拝ってのを
しないんだね。それがいいんだけど。
雪菜はどう考えてもエロ拷問ぐらいはされてるだろうし、躯に至っては
生い立ちからして女としては悲惨の極みだ。
結構その辺が現実的に思えるのかも知れない。
なんつーか、女に理想とか夢を見てないんだけど
女を綺麗で強いと思ってる人だと思う>>冨樫
この人の描く女は現実にいてもいいなって思わせてくれるから昔から好きだ。
うん、冨樫の描く女は綺麗ごとで生きてないよね。醜い面も当然あるんだ
けど、それは不快なものではないし。
リアルに悩んだり普通にしそうなところがいい。
少年漫画の作家としては意外と珍しい視点を持っているのでは。
昔ほどではないけど、生身の女の子を知らない余りに時代錯誤で宝物みたい
なヒロインを描く作家ってまだ結構いるし。
霊界人とか妖怪とか、一見現実離れした設定なのに
そういうのあまり感じさせないね。人間臭さがリアルで。
職人さん達が投下して下さるSSも
みんなそこんとこが上手く表現されていていいな。
12です。
都合により、作品投下は明日の夜にするつもりです。
同時に、先週投下した作品のまとめサイト掲載も明日にします。
螢子もとっくに幽助とやってるだろうなーって感じがする。最終巻辺り
>>381 12さん、いつもすみません。
次の作品はどんな話かな?明日の夜を楽しみにしてますヽ(゚∀゚)/今からwktk
幽助が魔界に行く前に螢子にプロポーズするシーンがあったけれど、
とても中学生とは思えないな。大人びていて。「結婚しよう」だもんなぁ。
まとめサイト管理人からのお知らせ。
拙作「熱病」只今アップしましたです。
この後投下予定の作品は幽助×螢子で書いています。エロ頑張りますが、
以前ちょこっと書いたようにパンツエピも絡ませたいなあ。
12さん、まとめサイト更新乙です。サイト拝見しました。
今度の作品は幽助×螢子かぁ。
この二人の下着ネタも楽しみです(;´Д`)ハァハァ
386 :
203:2006/07/18(火) 01:34:41 ID:agGBjwgP
12氏の投下は今日?
作品、出来上がってて投下したいんだが・・・
タイミング被るの嫌だし・・・どうしよう
12です。
私の作品投下は大体いつも午前三時頃です。
今夜もそのつもりです。てか、まだ完成してません。
203さん、どうぞ投下して下さい。
いや、12氏が今日投下するなら辞めときます。
自分の長いんでw
読むのもキツイだろうし・・・明日にしときます。
389 :
203:2006/07/18(火) 02:12:04 ID:agGBjwgP
あぁあまたやっちゃった('A`)
サゲ忘れスミマセン・・・・毎度毎度・・・・
203さん、お気を遣わせて申し訳ありません。それでは投下。
最近、連日のように最高気温が更新されている。
熱中症で何人も倒れたというニュースが当たり前のように流れる時期だ。暑いだけで体力を消耗す
るのだから家族の健康を預かる主婦としては気を遣うところだ。
「んー…今日の夜は時間があるから私が作ろうっと。いつも頼ってちゃ悪いもんね」
油揚げとネギの味噌汁が出来上がり、そろそろぐっすり寝入っている幽助を起こそうとガスレンジの
火を止めた螢子は、キッチンの脇に掛けられた鏡を少し眺めてにっこりと笑った。
今のところ、二人の生活は順調そのものだ。
ただ、螢子が何かと忙しいのは変わりがない。
今年の春に大学の教職課程を何とか終え、1種普免は取得したもののそれだけでは教師にはなれ
ない。まだ専修免許を取得する為に大学院で一定以上の単位を修得しなければならないのだ。卒
業するまではまだまだ憶えなければいけないことが山ほどあって、本当に大変だけれど、それでも
今は毎日が充実していた。
それに、螢子には小学校の教員になるという夢がある。
小学校の教員になるのは、中学や高等学校の教師になるよりもたくさんの単位修得が必要になる
が、それでも絶対にこの夢だけは譲れなかった。
ほんの三年ほどだったが、ゆとり教育の悪影響ですっかり子供たちの教育レベルが下がってしまっ
ている。何が何でも勉強、と締めつける気はないが、ある程度はしっかり学力をつけて自分からどん
どん学んでいける意欲も必要なことだ。それが結局は政治の面でもメチャクチャになっているこの国
の為になること。そう螢子は信じていた。
「幽助、もう起きて。私、今日も早いんだからね」
「あー…んー」
ここ数日は朝からやたらと蒸し暑い。そんな中でよくだらだらと寝ていられるものだと思うほど、幽助
は見事なほど寝汚かった。寝汗だってかいているだろう。
「もう、寝ぼけるのもいい加減にして。今年は特に暑いんだからね、ぼーっとしている間にバテても
知らないから」
ベッドに乗り上がって布団を引っぺがし、つい拗ねたような口調になると、仕方ないように幽助は目
を開いた。
「あー…おはよ」
「おはよじゃないって、もう。今何時だと思ってんの。七時半よ」
「んー…そっか」
「時は金なり。規則正しい生活がうちの基本よ。さ、起きた起きた」
「けーこぉ…」
幽助はまだ寝惚けているのか、蛭のようにべったりと纏わりついて離れない。だが、時間を無駄に
するのは何よりも嫌いな螢子だ。寝惚けたわがままな子供には容赦なくかかと落としを食らわせて
やった。
「いって…」
「はい、おはよう♪」
技が見事に決まって、今朝も何とか螢子が一勝したようだった。
「んー、美味いなあ。やっぱお前の味噌汁は最高だぜ」
まだ痛むのか後頭部をさすりながらも、幽助はがつがつと朝食を貪っていた。特別贅沢なものは
何も用意していない。若くてまだ経済的には余裕のない二人のことだ。せいぜい鮭を焼いて卵焼き
を作り、キュウリの浅漬けと納豆と味噌汁に白い御飯という、ごく普通のメニューだ。だが褒められ
て悪い気はしない。
「そうかな。別に特別なことはしてないけど」
「いや、結構シンプルなメニューほど作り手の実力って出るんだよな」
「ふーん…そんなもんかな」
あからさまに褒められて、何となく頬がむずむずする。けれど幽助がお世辞など言える筈もないこ
とは螢子が一番良く知っていた。こういう時にやっぱり食堂の娘で良かったと心から思えた。基本的
な料理の基礎はしっかりと両親から教えて貰ったからだ。何も知らずに成長して、大人になってから
料理学校へ行くよりもよほど有意義なものをそこからたくさん得たと確信していた。
「美味かったー、ご馳走様」
「はい、お粗末様。じゃあ片付けよっか」
今日もまた一段と暑くなりそうな予感がした。キッチンの窓から差し込む光は真夏そのもののように
やたらと眩しい。
とりあえず具合が悪くなったりしないように水分だけは欠かさないようにしないと、と思った。
やはり、今日はとても暑かった。
黙っているだけでも汗をかきそうなぎらぎらの午後の日差しの中、螢子は今日の授業を終えて少し
だけ足を伸ばしてみた。この季節は必然的に幽助の屋台は飲み屋のようになっている。常連もいる
ので何とか回ってはいるようなのが幸いだ。
近くのコンビニでアイスを二つ買い、ちょっとした陣中見舞いと洒落込みたかったのだ。
「幽助」
競馬予想で常連客と盛り上がっている幽助は、螢子に気がつかなかった。ぽんと肩を叩いてやると
弾かれたように振り返って、次に子供のような笑みを見せる。
「お、何だ。今日は早いんだな」
「うん…たまにはね。これ食べて、暑いでしょ」
手に提げていたビニール袋の中のアイスを差し出すと、更に子供のようになった。全くいつまでも無
邪気なものだと何だか嬉しくなる。
「螢子ちゃん、俺らのはないのかい?」
まだ中学生同士のような微笑ましい二人に、常連客たちはまるで父親のように軽くからかいの言葉
をかけた。
「ざーんねん、おじさんたちはもっといいもの持ってるじゃない。ね、幽助♪」
「ああ、そうだな。じゃあ俺らだけアイスってのも何だから、特別に一杯ずつ奢っちゃおうかな」
「お、いいのかい。さすがは幽ちゃんだねえ。嫁さん貰ってから気前が良くなってさあ」
そんな、常連客たちとの気取らない遣り取りを眺めているのも結構楽しいと思った。時々ならここに
手伝いに来てもいいかも知れない。そうしたら普段なかなか側にいられない幽助とその時だけは一
緒にいられるのだから。
まさか、もう突然いなくなることはないと思うけれど、不安に思っているのは間違いないのだ。新婚
の大義名分がある今のうちに、もっと側にいて色々と話をしたい。不安に思っていることを綺麗に一
掃しておきたかった。
「うめ、やっぱ夏はアイスだよなー」
ただ、今のところは無邪気に冷たいアイスを頬張って喜んでいる幽助を見ているだけでいい。螢子
の望んでいるものは他の女性に比べれば遥かにささやかで堅実なものだった。
夏だからといって、冷たいものやさっぱりしたものばかり食べていたら体が参ってしまう。それも食
堂の娘だからこそ実体験していることだった。夏真っ盛りになればなるほど客の要求はスタミナの
つく焼肉定食やニラレバ定食のようなものに移っていた。その点からすれば、土用の丑の日にしっ
かりとうなぎを食べるのも意味があることなのだろう。
「そうだよね。夏だからって素麺ばかり食べてたら簡単に夏バテしちゃいそう」
帰宅して簡単にシャワーを浴びて汗を流してから、早速今夜の夕食を作る為にキッチンに立った。
買い置きの野菜はたくさん冷蔵庫に入っているので、傷まないうちに使いきってしまおう。それには
カレーよりもミネストローネの方がいいかも知れない。ベーコンもまだ残っていたことだし。
あまり行儀の良いことではないかも知れないけれど、余ったらカレーのように御飯にかけて食べる
ことも出来る。
よし、決まりだ。
他に何品か副菜を作れば、一日暑い中で過ごしていた幽助も満足出来るメニューになる筈だ。それ
を考えながらも早速螢子の手は冷蔵庫の扉を開けていた。
幽助が帰宅したのは午後九時過ぎだった。本当なら飲み屋である以上、もっと時間は延長出来る
のだろうが、やはり普段から一緒にいる時が少ないのを幽助も気にしているようだ。何だか気を遣
わせているようで、ちょっとだけ心が痛い。
だが、元気な声がそんな気分を吹き飛ばしてしまう。
「あー、暑かったなー、ただいまっ」
「あ、幽助、お帰りなさい!」
ミネストローネはもう出来上がっている。サラダ代わりのホタテとアスパラのパスタも、鶏肉のスパイ
ス炒め煮も、デザートのバジルココナツも今出来たところだった。ずかずかとキッチンに入ってきた幽
助は、ずらりと並んだ御馳走に今にも涎を垂らして食らいつきそうだった。
「お、美味そー、もう腹減ってさー」
「じゃあ早速食べようか。あ、手はちゃんと洗ってね」
「へいへい、奥様」
「もう、幽助ったら…」
心尽くしの夕食が並ぶキッチンで、螢子は何故か一人で顔を赤くしていた。
「美味かった、やっぱ螢子の作ったモンが一番だよな」
「そんなことないよ、幽助だってすごいってば」
夕食をすっかり食べ尽くして、シャワーも浴びて人心地ついた幽助は満足しきったようににこにこしな
がらソファーを独占していた。そんなに喜んでくれたのなら作った甲斐がある。
改めてしっかりとシャワーを浴び直して髪も洗った螢子は、ソファーの隣にちょんと座って横顔を眺め
ていた。それだけで安心出来たのに。
「何かさ、幸せってこういうのを言うんだろうな」
突然、臆面もないことを口に出してきた。
「えっ」
「やっぱ螢子で良かったと思う」
「バカ、何言うの…いきなり」
「本当のことだしさ」
その言葉に何となく違和感を感じたのは大当たりだったらしい。にたーっと笑いながら近付いてくる幽
助は既にスケベオヤジ化している。がっちり抱き締められて、慌てて振りほどこうとしても既に遅かっ
たようだ。
「ちょっと…待って、私まだやることが…」
「後でいいじゃん。せっかくいい気分でいるんだし、もっと仲良くなろっ」
「あ、もう…幽助ったら…」
しかも、仕方なくながらも応じようとした螢子に対してこんなことを言ってくる。
「ねー、螢子ちゃん。アレ穿いてくれないかなあ」
「あ、アレ…?あんなの嫌だったら」
「えー、せっかく買ったのにぃ」
子供のように口を尖らせてぶーぶーと文句を言う幽助を持て余して、結局螢子は言うことを聞くしか
なくなっていた。
アレ、というのは以前幽助が勝手にネット通販で買った女性用のタンガのことだった。いつもはごく
普通の下着を身につけている螢子にとって、かなり大胆なデザインの黒いタンガは許容範囲を軽く
超えている。だが、渋々寝室でそれまで穿いていたショーツと穿き替えることになってしまった。上
も全部脱いでと言われたので、死ぬような思いで何とかその通りにして居間へと戻った。
「…穿いたけど…」
「おっ、いいねー」
散々無茶な要求をする、スケベオヤジは絶好調だった。
「…もう、いいでしょ。私、恥ずかしいんだからね…」
真っ赤な顔をしながら何とか絡みついてくる手から逃れようとするも、やはり無駄なようだった。タン
ガ一枚だけしか身につけていない姿は予想外にそそるものだったらしい。
「すっげいい!!」
もう欲情しているのか、充血しきった目をしてがばっと抱きつき、ソファーに押し倒してくる幽助をもう
振り払うことは出来なくなっていた。タンガのせいだろうか、そんなに満足して、喜んでいるのなら構
わないかも。そんな気分になっていたのだ。
「あ、んっ…」
恥ずかしさか興奮か、ほんのりと染まった乳房を両手で捏ね回しながらも幽助の頭はタンガに包ま
れた股間に埋まっていた。薄い布一枚越しに濡れそぼるほど感じている部分を執拗に舌先で舐め
上げながら、苦しくなるほど性感を高めてくる。
「ダメ、そんなこと、ダメだったらっ…」
揉まれている乳房が手の中で弾力を持って揺れていた。いつもなら、こんなに直接的なことはいき
なりしないのに、どうして。と思い至ってようやくタンガの効果なのだと気付いた。全く、こんなもの
一枚のせいで今夜はお互いにどこかおかしくなっている。
「もう嫌、ダメぇぇっ…」
ひくっと肌が震えた。いつも以上に早く絶頂が来そうになっている。
「ね、ねえぇ…幽助ぇ…」
とうに声は上擦って、呂律が回らなくなっている。切ない螢子の要求を嬉しそうに聞いていた幽助
は、ふっと顔を上げると強引にタンガを脱がしてしまった。突然のことで、頭がついていかずに体が
動かなくなってしまう。
「あっ…」
「そろそろやろっか」
「やだっ…」
拒むのも言葉だけ、そう解釈したのか幽助は着ていたパジャマをずり下げて限界まで硬く張り詰め
ているものを取り出した。そして力を失った螢子の足を大きく開いてやわらかく蕩けきった部分にあ
てがう。
「…いや、アレつけて…お願いだからぁ…」
「ダーメ」
いつもならきっちり約束を守らせているのに、今夜はひどく強引に幽助が何もつけないまま内部へ
と入り込んできた。すっかり濡れているのに乗じて、一気に奥までを犯していく。堪らずにあられも
ない声が上がった。
「あ、あ、あぁんっ…幽助のバカぁっ…」
「いい、すっげーいい、最高!」
後はもう、意味を成さない声だけがただ居間に満ちるばかりだった。獣に立ち返った二人はこのま
ま頂点までも昇りつめるしかなかった。
「…もう、バカぁ」
床に座り込んで、恨みがましく螢子は情けない声を漏らした。
結局、あれから中に出されるのだけは必死で阻止した。
そんなことをされて、もしも望まない時期に子供が出来たりしたら最悪だ。これからまだ色々と大変
なことが続くのだから、正直言ってそれどころではないのだ。基本的には子供好きの螢子も、あと
数年は自分の子供を持つつもりはなかった。
それで幽助が寂しい思いをしたとしても。
「ごめんってば」
「もう、いいって…今度何もつけないでしたら離婚だからね」
「うん、分かったって…」
事が終わった後、幽助は随分としおらしい。ずっとゴム着用をうるさいほど言ってきたのに、あっさり
約束を破ったことに対して少しは気が咎めているのだろう。だが、もう過ぎたことをいつまで言っても
仕方がない。
「…明日」
「ん?」
「お味噌汁の具、何がいい?」
これから眠って、起きたらまた新しい一日が始まる。その時にまでもやもやした気分を引き摺っては
いたくなかったのだ。
「そうだなあ…じゃあ」
ジャガイモがいい、いやワカメがとごちゃごちゃ言う幽助の横顔はいつもの子供のように無邪気な表
情に戻っていた。これでいい。自分たちにはこれで全て解決したことなのだ。
何となくほっとして、螢子はようやく心からの笑みを浮かべた。
終わり
12さん今週もGJ!スケベオヤジ化した幽助にワロタw
嫌がりつつも結局タンガ穿いちゃう螢子に萌え。
普段の“しっかり者の若奥さん”としての螢子とのギャップに
幽助じゃないけどハァハァしちゃいました。
それにしても12さんの書かれる幽助と螢子は本当新婚さんって感じでいいな。
本当乙でした。また別キャラで下着ネタ書いて頂きたいです。
そして203さんの新作にも期待。(屮゜Д゜)屮 カモーン!
398 :
203:2006/07/19(水) 01:59:20 ID:2KAI2ACc
私用で遅くなりましたが、投下します。
新作というより反則の焼直しっぽいんですが・・・・
「IN SILENCE」蔵×蔓
例によってオリキャラ絡みなので苦手な方はスルー&あぼーん推奨です。
さらにソフトSM&ローションプレイなので注意!!!
少女が夜中に目を覚ますと、頬が濡れていた。
「また、恐い夢?」
母親が傍らで涙を流す我が子に問う。
「ちがうの、でも涙がとまらない。どうしたんだろ」
少女の心は甘く、熱く、淡く痺れていた。
――いつものように忘れてしまったけど、いつものように恐い夢じゃなかった
銀色の月みたいなイメージだけ残ってる・・・
熱を帯びた感情が少女の目から零れ落ちた。
震える唇を何度も、何度も重ね合う。
唇を噛むだけのキス。
色素の薄い瞳、全てを見通すような視線が心に刺さる。
私は、卑怯だ。
こんな風にしてまで彼の中に居座ろうとする私は、汚い。浅ましい。
そんな気持ちになる。
彼に触れるたびに、あの男の感触を思い出して胃が捻れるように痛い。
それでも他に方法を知らない私は、ねだるようにゆっくりと舌を絡めた。
互いの唾液が混ざりあう音だけが響いた。
粘膜に触れ合う快感が身体の奥を、思考を、甘く痺れさせる。
彼の舌が私を侵し、私の舌が彼を汚す。
唇を離すと、乱れ始めた二人の呼吸が、熱となり重なった。
月の光に溶けてしまいそうな銀糸が顔にかかり、不意に抱き竦められる。
「蔓・・・」
耳元で低い声が呟くように呼ぶ。
甘い花の薫りが刺々とした胃の痛み和らげて急に力が抜ける。
幼子をあやすように、頭をくしゃりと撫でて
「・・・安心しろ、もう頼まれても止められないからな」
と、呟く。
見えないけれど、その顔は笑んでいるに違いない。
見透かされているようで悔しい。
「・・・ッ・・・ッ・・・ァ」
この喉が憎い。呼びたい。彼の名を。
服が、皮膚が、体が邪魔だ。なにもかもがもどかしい。
彼に答えるように、もう一度唇を重ねた。
男が体を離し、するりと帯と腰紐を解く。
そして女のしなやかな肢体が晒される――事はなかった。
男は最後の腰紐を解こうとしたが女が突如、怯えたように身を竦めたのだ。
「・・・お前から始めたんだぞ」
そう言った男の目に、月明かりで青白く照らされた女の脚が映る。
乱れた裾からのぞく足首には拘束され、抵抗した跡。
「・・・・・・原因はこれか。あの男は随分と手荒な調教をしていたようだな」
そう言いながら男は傷に手を伸ばす。
が、それすら女が拒む。
男は呆れたように息を吐き銀髪を掻き上げる。
不意に男が口の端を上げて薄笑う。
「なら、お前が俺に触れろ」女が少しだけ顔を上げる。
「俺は触らない」
自ら上衣を脱ぎ、解いた帯を手に持ち両腕を差し出す。
男は女を真直ぐに見据え、女は男を困惑の眼差しで見つめる。
「不本意だが縛られてやると言ってるんだ。早くしろ」
――本当に掴み所のない男
女は再認識させられた。
また一つ、絡まった心を解かれた女は柔らかく、小さく、微笑った。
――抱いてくれ、と頼んだはずなのに
女はそんなことを思いながら、ぎこちない手つきで男の手首を縛る。
細面に切れ長の目、長い銀髪、程よくついた筋肉。
女性では持ち得ない美しさが男にはあった。
その容姿だけで十分ハンターの狩猟本能を刺激したに違いない。
更にその首に霊界から賞金が賭けられ、男は暫しば狙われた。
しかし、決して捕われることは無かった。
そんな男を今、自分の手で縛っている。
女の心に妙な支配欲が生まれ、自身でくだらない感情だと思いつつも心は男に捕らえられ、体は男を捕らえていた。
男の腕のなかに体を滑り込ませ、今までで最も淫らな口付けをする。
また呼吸が乱れる。
女は体を寄せながら男の首筋ににねっとりと生暖かい舌を這わせる。
「ん・・・っ・・・」
男の喉から吐息とも声ともつかない音が漏れた。
腕の中の女は先程まで怯えて震えていたのが嘘のように艶めかしい。
別人の様に巧みな舌使いをする。
男から漂う甘い花の香が女の芯を痺れさせていた。
――この香・・・おかしい。こんなの・・・・・・あの男にもしたことない
そう、思いつつ悪い気分では無かった。
何より体がその行為を、男を欲している。
思考、記憶、煩わしいもの全てが鈍っていく。
その感覚が堪らなく心地よかった。
男は女の隠れた激しさに火を付けたのだ。
誰にも悟られないよう、長い時間隠していた淫らな本性。
もはや炭となり消えかけていたそれが今、弾けた。
男の肌を甘く噛みながら胸筋の上、色付いたその部分に舌を這わせ細い指で摘む。
「・・・っ・・・はっ・・・」
女の舌と指は着実に男を熱していった。
自ら縛られた男は、成す術も無く全てを女に委ね快楽に息を乱す。
女の指がその部分を離れゆっくりと男の体を下降していく。
そして、既に熱の塊となった男の其処を服の上から優しく指でなぞる。
「くっ・・・ぁ・・・っ」
喉を反らせて一段と大きい吐息を口から溢した。
女はその熱と硬さを確認するように撫で、男の体を愛撫しながらゆっくりと下方へ移動する。
そして、下衣を降ろして赤く反り起つ物を露出させた。
ソレを見つめる女の目は新しい玩具を得た子供の様に嬉々として輝いている。
女はいとおしそうに触れて頬を擦り寄せる。
血管の浮き立つ芯に、濡れ始めた先端に、口付けた。
「っ・・・くっ・・・んっ」
喉から漏れだす声が女の体を熱くする。
舌を這わせ、ソレを口に含む。
「・・・う・・・ぁ」
女は唇からわざとらしく淫らな音を発し、悪戯っぽく歯をたてる。
「くっ・・・止せ・・・っ・・・」
言葉とは反対に女の口内では硬度を増していく。
女が嗤う。
いやらしく、艶めかしく、美しく。
――もっと、鳴いてみせて?私の代わりに・・・・・・もっと
女はこの冷やかな男のなかに熱を見つけて、長い間それを欲していた。
それが今、手に入る。
女はゆっくりと浮き立った筋を舐め上げると、深く銜え込んで頭を揺らす。
「うぅっ・・・くっぁ」
男は耐え切れず、遂にはっきりとした声を上げ、縛られた手で女の頭を押さえる。
その低い呻きが、触れられていない女の秘所を濡らす。
――そう、もっと、もっと
嬉しそうに嗤う。
「あぅ・・・っく・・・離・・・れろ」
そう、男が呟くと女の口の中でソレが脈打ち始める。
――出して
女が男を見つめながら握る力を強めた。
「・・・くぅ・・・ぁっ・・・あぁっ!!」
男は大きく喉を反らせ、声を高くする。
女の咥内でどく、と強く脈打った物は栗の花に似た香の粘液を排出した。
女はこくり、と小さく喉を鳴らしそれを飲み干しながらゆっくり口を離す。
唾液か精液か分からない粘液が糸を引き、女の顎を伝いはだけた胸元に滴れた。
それを拭い、その指で男の体をなぞりながら腕の中へ。
まだ荒く息を吐く唇に舌を絡めて、生臭い苦さと甘さを共有する。
「・・・不味いな」
――そう?
と、柔らかな表情を浮かべ首を傾げる。
「俺の口には合わん」
それを聞くともう一度唇を重ね、ねっとりと舌を混ぜる。
「・・・お前がサディストだったとはね」
そう言うと女を見つめながら嗤う。
女も答えるように微笑む。
「だが」
笑いながら続ける。
「俺の勝ちだな」
いつの間にか男の手は自由になり、女の腰紐を解いて目の前でちらつかせていた。
気が付けば女は腕を縛られ、傷だらけの肢体を晒していた。
はだけた着物、上に固定された腕、もう隠されることのない体を見下ろして男は嗤う。
「いい眺めだ。だが少々、色を足そうか」
そう言って、銀髪を掻き分け首筋に左手を延ばす。
その指先には、一粒の種子が掴まれている。
男がそれを握ると枝が腕に繁り、掌には紅い大輪の花が開いた。
――見覚えがある。確か魔界に咲いていたツツジの花・・・
甘い花の香りが小さな窖を満たす。
――この香りだったのか
それは、男から漂っていた香りと同じものだった。
「気付いていただろうが、この花の匂いには催淫効果がある。そして・・・」
花を握り潰す。一層、強い香りが立ちこめた。
「この蜜にもな」
大量の粘液が男の指から女の唇に、体に、肉の割れ目に滴り落ちていく。
――甘い・・・
その甘露を舌で味わうと、花の蜜を落とされた部分が少しずつ熱くなっていく。
何かに触れられているような、舐められているような感覚が体を襲う。
「・・・ッ・・・ァッ」
女の呼吸が乱れる。
「俺は触らないと言ってしまったからな」
意地悪く笑いながら、トロリとした蜜を両手に絡めながら女に落とし続ける。
「・・・ンッ・・・ッ・・・ァ」
決して、触られてはいない。
が、女は沢山の舌に舐め回されているような感触に喘いでいた。
喘ぐ、と言っても喉から漏れるのは空気が通過する音のみ。
女は腰を浮かせ、体を捩り、足をくねらせて涙目で哀願する。
――触って
と。
男はその表情を満足気に微笑みながら見つめるだけだった。
――意地悪
女の隻眼が抗議する。
男は益々嬉しそうに、にっこりと笑いながらそれを眺めていた。
女の体は本当に傷だらけだった。
自分で付けたと思われる歪な手首の傷跡、背中の打ち傷、切り傷、ケロイド、そして自ら掘った眼窩。
どれも死にはしない程度の傷跡ばかりだが、白い肌にはなめらかな面の方が少ない。
胸に傷がないのは商品としての価値を下げないためだったのだろう。
男は目の前で悶えているどこまでもアンバランスな女を、心底美しいと思った。
長い黒髪がまとわり付き、その体は更に艶めかしさを増す。
――もっと、観ていたい
そんな、男の願いを女の目が咎める。
――お願い、触って
大きな金色の瞳から涙が零れる。
「そんなに欲しいか?」
――頂戴、指を、貴方を、早く、もう・・・・・・
「そうか。俺はもう少し観ていたいんだが」
願いを無下にされた女は顔を逸らして泣く。
その姿もまた、美しかった。
「そうだな・・・上手く舐められたら触ってやってもいいぞ」
そう言って、花の蜜に塗れた手を女の口元に差し出す。
それを舐めれば触れてもらえるかもしれないが、体の熱は増していくだろう。
女はそんなことを考えるのも億劫になっていたのか、従順に指から滴るものを舐めとる。
また、一段と体に熱が籠もる。
男の長い指を一本ずつ丁寧に舐めあげて、花の蜜で唇を濡らす。
「美味いか?」
女は恍惚の表情を浮かべて頷く。
五指を綺麗に舐め終え、紅く熟れた唇から液体を垂らして男にせがむ。
――お願い、早く
男は相変わらず笑みを浮かべながら再び左手の華を握り締めその残渣を自身の喉に流し込んだ。
花の蜜で満たされた唇を重ねて、ねっとりと互いの咥内を侵す。
それだけで快感が背中を走る。
男の体が再び熱を帯びて動きだす。
「・・・ッフ・・・ゥウ・・・ッ」
女の体が突然与えられた刺激に小さく痙攣する。
――嘘・・・まだ・・・口だけなのに
「ンゥッ・・・ンンッ」
それを察知した男は、素早く唇を離す。
「おっと・・・まだ、駄目だ」
そう言って、自身の唇に付いた蜜を舐める
どこまでも焦らすつもりらしく、楽しげに笑っている。
――本当、意地悪
片眼で精一杯、睨み付ける。
「怒るなよ。こんなに楽しいのは久しぶりなんだ。じっくり味合わせてくれ」
そう言いながら、長い睫毛に乗った涙を拭う。
その手は熱く、優しく顔を包み込む。
――狡い
全てを許してしまいそうになる、そんな手だった。
じっくり、とは言ったものの先程飲んだ物が男を昂ぶらせる。
「・・・ン・・・ック・・・ゥ」
女の声無き喘ぎがソレを煽る。
しかし、ゆっくりと決して其処に達することが無いよう、ソコに触ることが無いよう愛撫する。
優しく、軽く。
柔らかな胸の先端を口に含み、舌で捻る。
女の体が反応すれば、男は唇を離してしまう。
「ッゥン・・・ンンァ・・・・・・」
女は耐え切れず涙を零し、『快楽』に震えている。
黒く薄い茂みの中に隠れる薄紅い華は、熱を求めて蠢き蜜を垂らす。
――もっと観せてくれ・・・・・・そう、もっと
男はこの静かな女のなかに激しさを見つけて、長い間それを欲していた。
それが今、手に入る。
紅く、蜜を垂らして誘う華。
――その美しい顔を歪めて俺を欲して泣き続けてくれないか
歪な気持ちを抑えるように、その華に触れる。
ひゅ、と空気が喉を通り、女の体が跳ね上がる。
表面をなぞるだけなのにその蜜が溢れて止まらない。
「すごいな」
と、男が手を離し指から糸を引く液体を舐めとった。
花のそれと交ざり合い酸味と汐の味が甘露を引き立てる。
それを男の舌で女にも味合わせる。
――美味いだろう?
と。
女は恥ずかしさに思わず顔を反らして、サディスティックな眼差しから逃れた。
狂ったように愛撫だけをする男、されるがままに悶える女。
そんな時間が永遠に続くかと思われた。
しかし、圧倒的な熱量を帯びた塊が女の大腿に触れる。
男の表情から先程までの余裕の笑みが消えていた。
――気が済んだか?
女の目が静けさを取り戻して男を見つめる。
――ああ
男の目が熱を無くして女を見つめる。
女の腕が自由になる。
汚れた着物を脱いで男の首に抱きつく。
「残念だ。もう少し・・・遊びたかった」
そう言って男は笑う。
――これからだろう?
そう言うように女は笑う。
静かに、冷たく、口付けを交わす。
そして男の熱が女の器にゆっくりと、ゆっくりと、沈んでいった。
「痛くないか?」
女が頷く。
月に照らされた二つの影が揺れるように動きだす。
「はァ・・・ツ・・・ハあ・・・」
呼吸が重なり、徐々に動きが激しさと熱さを増す。
二つの体を結び付ける部分は淫靡な水音を発して静寂を乱す。
「・・・っ・・・蔓ぁ・・・」
「・・・ッ・・・ァ・・・ァ」
名前を呼び合い、互いの粘膜を擦り付けて存在を確かめ合う。
早く其処に達したくて、まだ行きたくなくて、強く、静かに上り詰めていく。
――もっと激しく
――もっと熱く
互いの欲を埋めるために。
「ハッ・・・アッ・・・ツッ」
女の呼吸が体に合わせて切れ切れになり、その時が近いことを知らせる。
内膜が収縮し、体が痙攣し、意識が白濁していく。
「ツッ―――――」
呼吸が止まり其処に達する。
「う・・・くっ・・・・・・」
その刺激に男も反応する。突き抜けるような快感が背中を走り、質量と硬さが更に増す。
腰を離して引き抜こうとする男の体を女の腕が止める。
「!?」
――お願い・・・そのまま・・・・・・
金色の虹彩がが悲しげに光った。
女の願い通り、男の精は体内で弾けた。
繋がったまま男は女に覆い被るように倒れこんだ。
「・・・・・・何故?」
息を整えながら男が問う。
答えは寂しそうな、哀しそうな笑みだけだった。
今夜だけは私のものでいて欲しかった。
あなたが私のなかに残るように。
私があなたのなかに残るように。
あなたが死ぬときに私も消える・・・・・・。
こんな私のエゴであなたは少しでも苦しんでくれるだろうか。
強く、強く、抱き締めて。
夜が明けるまででいいから。
私にできるのはやがて来る朝に願いを込めることだけ。
もっと、一緒にいたかった・・・・・・・
「母さん」
母の腕に抱かれた少女は、先の夢と良く似て異なる感覚を味わっていた。
「ん?」
「このまま寝てもいい?」
「甘えん坊ね、どうしたの?」
「・・・んー」
眠たげな声を残して少女はまた夢に堕ちていく。
熱情とやがて来る朝への願いを胸に眠らせて。
終
410 :
203:2006/07/19(水) 02:23:59 ID:2KAI2ACc
以上です。
タイトル?もちろんあのバンドですが、なにか?
濃厚にイチャつくヤンデレ気味な二人をお送り致しました。
なんだコレは(;´Д`)
不覚にも蔵馬に萌えてしまった
蔵×静で書いてくれませんか
412 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 19:13:54 ID:lCkw1eXm
GJ!今回は「Breathe」での二人の最後の逢瀬場面かな?
焦らしまくりの妖狐蔵馬えろいよ。妖狐の本領発揮か!?
蔓タンに(;´Д`)ハァハァ・・・ただ責められるだけじゃない、って所もいいですね。
フェラの描写も(・∀・)イイ!花の蜜プレイにも萌えました。203さん、乙でした!
うわ…何故かageてしまった・・・すみません。
まとめサイト管理人からのお知らせ。
拙作「真夏の日常」と、203様作品「IN SILENCE」を只今アップしました。
12さん、まとめサイトへの作品うpいつもすみませんです。
そして下着ネタシリーズすごくイイ!
飛影&躯、幽助&螢子ときて次にセクシー下着に魅せられるのは誰かな?
……ぼたんちゃんw
ピンポン。
明後日書く予定にしているのは、コエンマ×ぼたんです。
鬼畜コエンマ×恥じらいぼたん、だといいなとか言ってみる(*´Д`)ハァハァ
…頑張ってみます。
>>419 マジですか!?Σ(●゚Д゚●)w
書けそうだったら、で構いませんので、マターリ待ってますww
416を書いたものです
ワクテカして待ってます
……鬼畜コエンマは(超)イカスけどあまあまでもおk(w
喘ぐ中原ボイス(;´д`)た、たまらん
次の下着ネタはコエンマ×ぼたんかぁ。楽しみだ。12さんがんがって。
上司である事に良い事に、ぼたんにセクハラ一歩手前な迫り方をするコエンマw
12です。
コエンマ×ぼたんはまだ書きかけですが今の時点で超眠いので、途中の
ままで投下せずに大人しく寝ることにします。
完成したものは明日か明後日に投下出来るといいなあ。
12さん、マターリお待ちしておりますので。
ご無理のないようにしてください(´∀`)
12さん、同じくマターリ待ってますので無理せずに12さんのペースでドウゾ(´ω`)つ旦
427 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 07:02:14 ID:+LrP288t
あか
12さんのSS、wktk保守。
遅れてごめんなさい。
パンツ話第二弾、投下します。
「よく来たな、ぼたん」
相変わらず仕事中だというのに呼び出しておいて、コエンマは何やら含み笑いをしながら指先で机
をとんとんと叩いていた。
「…で、今日の御用件は一体何でしょうか」
「んー、特別これといってはないぞ」
「そ・れ・で・は・即刻立ち去らせて頂きたいものですねえ」
只でさえプロの案内人として一日のノルマはきっちり果たしたいところなのに、こんなところで時間を
取っていたら結局は給料に響く。口調もつい嫌味っぽくなってしまうというものだ。
だが、肝心の相手には全く届いていない。それどころか、この厄介な上司はこうして二人きりになっ
た途端にあからさまな態度を取り出す。それが気に入らなかった。
「時に、あれはちゃんと身につけているか?」
「…あれって…」
「とぼけるな。人間界から取り寄せた下着だ。お前に似合うと思ったのだが」
まずい。
ぼたんは動揺を気取られまいとしながら、冷や汗をかいていた。
そう言えば確かに以前、アレなデザインばかりの下着がぎっしりと詰まった大きな箱を貰ったことが
あった。その時は特に何も考えずに受け取ったまま、どうせ外からは見えないのだからとたまに何
枚か着けるに留まっていた。だが、今日に限ってたまたまとんでもないデザインのショーツを穿いて
しまっている。
「え、あ、ま、まあ…あははは…」
まさか今日こんなことになるなんて。
何とかこの場を凌いでおかないと、これまでの経験上どんなことになるか想像に難くない。心の中で
だらだらと冷や汗をかきながら、色々と言い訳を考えていたぼたんの前に常時セクハラし放題の上
司が立ちはだかった。
「まさか今まさに穿いている、というのなら嬉しいがな」
「あ、いや。そんな…まさか。はははは…」
否定とも肯定ともつかない返事をするぼたんを不審げに一瞥した後、物も言わずに着物の裾を突然
捲り上げた。
「うきゃあああ!!」
「ほう、似合うではないか」
にやーっと笑った顔は更にいやらしくなった。
「何すんですか、いきなりっ!」
慌てて隠そうとしたが、もう遅い。白いレースの花模様が辛うじて局部を覆っているだけの、やたら
過激なデザインのショーツが完全に晒されてしまった。
「離して下さいよおおっ!」
「隠すな、お前にはたまにこういうものも穿いて欲しかったからな」
「もう、嫌…いやですってばっ」
それでも懸命に裾を引いて隠そうとするぼたんの油断をついて、コエンマはその華奢な体を後ろか
ら抱き込んでしまった。
「…だから、何するんですかっ」
「嬉しいぞ、ぼたん」
宥めるように、急に口調がやんわりとしたものに変わった。こんな風に関わるようになってからという
もの、経験値を積んだせいか普段殊更事務的に接しようとするぼたんを懐柔する遣り方を、すっかり
熟知してしまったようだ。
「普通なら、なかなか近付けもしないからな」
薄い着物は少し乱暴に扱えば、すぐにはだけられる。まさか今日もこのままこんなところでされるの
か。腕に抱かれて何となく蕩かされながらも一瞬で警戒モードに入るぼたんだったが、貝殻のように
透き通った耳を軽く噛んでくる歯の感触にさえ、感じてしまっているのが自分でも分かった。
「あ…」
「可愛いなあ、ぼたん」
「そ、そんな…」
頬を染め、目を閉じて必死に声を殺しているぼたんは悔しそうに唇を震わせていた。
只でさえ案内人として一日のノルマはきっちり果たしたいところなのに、こんなところで時間を取って
いては何にもならない。だからわざときっちり線引きをしているのに。言葉でも態度でもそう言ってい
るというのに、どうして分かってくれないのだろう。
好意を持ってくれているのは嬉しいけれど、だからといって仕事中にまで踏み込まれるのは本意で
はない。直接査定に関わってくることでもあるし。
「は、離して下さいってば…」
気分はまさにまな板の上の鯉。床の上に華奢な体を横たえるぼたんの懇願など単なる誘いとでも受
け取ったのか、人の悪い上司はにやーっと笑った。
「興が乗った。とりあえずはこのまま付き合え」
「えええーーー!」
ここに呼ばれた時から予期はしていたが、詰めがやっぱり甘かった。どっちみちこうなるのなら無視
を決め込んでいれば良かったのだ。仇情けとはよく言ったものだ。半端な優しさが自分を追い詰める
羽目になっていることをぼたんはつくづく痛感していた。
「あ…んっ」
「もっと声を出せ、ぼたん。どうせここなら誰にも聞こえることはないぞ」
「…そうは言っても、嫌です…」
「ほう、そうか」
爪も立たない床の上で、白い着物はすっかり乱されていた。普段人目には晒されない乳房も太腿も
すっかりあらわになっている。
「では、もっと苛めてやろう」
決して閉じられないように大きく広げられた膝の間の顔を埋め、ショーツの上から念入りに愛液を零
し始めている部分を舐め始めた。
「ひゃあっ、何、を…」
「お前が素直にならないから悪い。まあ、いつまで我を張れるかも楽しみではあるがな」
後はただ翻弄すればいいとばかり、コエンマは悪い遊びを覚えたばかりの子供のような無邪気で残
酷な笑みを綺麗な顔に浮かべた。ぞっとするのに、不思議と見入ってしまうほど魅力的ではある。
「はぁ…ふっ」
一番感じてしまう部分とはいえ、ただショーツの上から舐められているだけだというのにぼたんは早く
も我を忘れようとしていた。決して直接的な快感ではないからこそ、体はより強い刺激を欲しがってざ
わざわと乱れ狂う。
「そんなの、ダメ、ダメですってば…」
「では、ここでやめてもいいんだな」
「えっ」
その口調が、あまりにもあっさりとして本当にこのまま放り出されてしまいそうだったので、ぼたんはつ
い高い声を上げた。あまりにも物欲しげな声色だと、自分でも思ってしまうほどだった。
「ほう、そんなに待たせていたか、嬉しいぞ」
「…コエンマ様なんて、嫌いです…」
可哀想になるほど肌を真っ赤に染め上げ、潤んだ目で睨むぼたんの表情は、やはり誘っているよう
にしか見えなかった。
「では、そろそろお愉しみといこうか」
にたーっと笑いながら、びっしょりと愛液を吸い込んで濡れたショーツを物凄い早業で脱がしてくるコ
エンマには、どこかの魔族の息子同様スケベオヤジが入っていた。
「あ、悪趣味…」
「まあ、いいではないか。儂とお前の仲ではないか」
「もう、コエンマ様ったら…」
何となく、ふっと笑えてきた。
最初から拒否が出来ないのなら、まず今日のところは我慢するしかないようだ。その上、今のぼたん
の体は限界を迎えようとしている。この火照りを鎮めるには大人しく言うことを聞くしかないのだからと
仕方なくではあるが大人の判断に切り替える。
「それでは、美味しく頂こうか」
「…いいですよ。でも速やかにお願いしますね、仕事中ですから」
雰囲気はすっかり盛り上がっているようだ。査定とか、給料とか、現実的なことは全部まとめて棚上げ
して、ぼたんは甘い溜息をつきながらも身を任せた。
「…ぅうっ…」
何度抱かれても、最初に突き入れられるときの痛みだけはいつも新しい。治らない傷の上を思い切り
擦り上げられるような衝撃が消えないのだ。
「まだ辛いか、ぼたん」
「平気です、あたし、こんなこと大丈夫ですから…続けて下さい…」
薄桃色の乳房が突き上げられる度にゆらゆらと熟れた果実のように揺らめいていた。何も分からなく
なっていく意識の中でも、両手で掴み取られているのが感じ取れた。
「ダメ、です…あたし、あたしっ…!」
もどかしい熱が体中を音が感じ取れるほど激しく巡っている。痛い、熱い、怖い。確実に感度が上が
っているせいで、ただ繋がって突かれ続けるだけでも体は勝手に暴走を始めていくのだ。
「もう、ダメえぇっ…!!!」
そこで意識は完全に途切れた。
ようやく目覚めたはいいが、ぼたんは冷静に視線を移して周囲の状況を観察するしかなかった。
何しろ、相手は下手をしたらとんでもないことになっている可能性もあるたちの悪い上司だ。その腕に
いかにも大切そうに抱き寄せられていたのは不覚だった。
着物はそのまま床に投げ出されていて、放置状態だ。仕事で着ているものだから丈夫だが決して上
等な生地とは言えないだけに、あれでは簡単に皺になってしまうだろう。
やはり上の者はそんなことなど知りもしないのだ。
頭が痛かったが、着物を畳み直す為だけでもすぐに起き出す必要があった。もちろんさっきの所業を
考慮して多少の演技も加味してみた。それがぼたんの唯一の抵抗だった。
「…コエンマ様?」
「起きたか」
「あたし、どうしてここに…」
さっきまでのことは、なかったことにしたい。
ぼたんのなけなしの乙女心は、鈍感この上ない上司によってこっぴどく粉砕された。
「なかなか良かったぞ、ぼたん」
終わり
ナイスぼたんちゃんと言うべきか、ナイスコエンマというべきかw
12さん、ありがとうございました。
GJ!
12さんのSSキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
バレないと高を括って時たまエッチ下着穿いていたんだwカワエエ(´∀`)
ぼたんの相変わらずの不運っぷりに萌えました。
そしてエッチ下着送りつけたコエンマGJ!ぼたんにとっちゃ災難だけど。
最後、目覚めた後に乙女な“演技”をするぼたんもすごく可愛かったです。
話は変わるけれど「悪戯心」では躯がセクスィー下着穿く事に大反対だった飛影も、
躯が出産後、実際彼女が穿いてみたらスケベオヤジ化するんだろうかw
12さん、本当良作GJでした!次回作も楽しみにしております。
12さんのSSキテタワァ(´∀`*人・*:.・:'゚*
Hな下着で仕事してたのかいぼたんちゃん…カワユス
コエンマのエロオヤジ化もGJッス(*´Д`)12さんお疲れ様です!
下着ネタ最高www
出産後元のスタイルに戻った躯の黒下着姿とそれを前にした飛影の壊れ様(イイ意味でw)をついつい妄想してしまうwww
12さんの書くぼたんはカワエエ。
下着ネタもおもしろいねw
下着ネタいいな。
桑ちゃん&雪菜ちゃん編も是非読んでみたいな。
まとめサイト管理人からのお知らせ。
拙作「繚乱」、只今アップしました。
下着ネタって、妙に盛り上がるから楽しいよね♪
皆様、ありがとうございました。
12さんいつも乙です。下着ネタ次回作も期待してます。
ひそかに躯の産後下着プレイも楽しみだったり。
,-ミヘヾ,, オレモマダマダイケルナ
,、!ヾ!\ハ |:/へ\!|,ヽ __
ヽ:::/w☆ゝ {}◎∀` )∩ < ☆ヽ\
ム、ムクロ…! !C*`Д´) ⊂(▲-▲),ノ <(∀` ,// マンマ♪
(つ つ ノ ノ▼> > 〃 ̄ ̄__イ
と___)_) (__)|_/ ヽ__/
>>441 新作!うおおおー!
女王様の優しげな表情は、母になったからですね?
子供は髪型とーちゃん似で顔はかーちゃんニダ。
和んだ。
443 :
誕生 1:2006/07/31(月) 00:38:35 ID:XuZvERTx
12です。
>>441さん、うおおおー!
今回書いた内容と繋がってる、繋がってるよー!
ひょっとして以心伝心?(違います)
蔵馬が言うところによると、人間界では稀に見る洪水被害が相次いでいるらしい。
それについては根本的な気候がおかしくなっているとか、地球規模でどうとか、何やら難しいことを言
っていたような気もする。もちろん自分が住んでいる世界以外のことは雛には想像も出来ない。
それに、今の気がかりは大事な女主人の躯のことだけだ。
躯は三日前から体調に異変が生じたので、寝間に篭ったきりだ。
もう、いつ生まれてもおかしくないほど腹はせり出ていたのだが、どうやら陣痛が始まったのが今朝
方のことだ。
魔界では珍しいことに、飛影も世話の為に仕事を休んで一緒にいる。お陰で出産経験のない雛があ
れこれと思い煩って手伝う必要などないぐらいなのが、何となく不甲斐ない気分だ。
「敵わないなあ、飛影様には…」
飛影がいるなら、食事の世話ぐらいしか今の雛にはすることがない。寝間からは時折低く唸るような
声が漏れ出てきている。その声音からするに、まだ陣痛も差し迫ったものではないようだ。
元々、魔界の女は誰の手も煩わすことなく自分ひとりだけで子を生むのが普通だ。雛の母親もそうだ
った。だから雛にとっては出産とは神秘というよりもリアルな恐怖に近いものがある。陣痛で苦しむ余
り鬼神のような形相と成り果て悶絶して叫び狂い、股から血と胎盤を垂れ流し、子を引き摺り出す行
為をいつか自分もするのかと思うだけで気が遠くなって倒れそうだ。
もちろん、これまで何人も弟や妹が生まれるのを見てきたから、お湯を沸かしたり新しい肌着を用意す
るなど簡単な手伝いぐらいは出来た。だが、産褥の場にだけはどうしても立ち入れずにいた。
「躯様、大丈夫かなあ」
屋敷にいてもすることは特にない。
何となく気分が晴れないまま、雛は晴れ渡る空の下で薔薇の咲き具合を眺めながらも薄紅色の日傘
をくるくるっと回していた。
薔薇は大好きだし、育てるのも楽しいけれど、今日はやや沈んだ気分なのが申し訳なかった。市場
に買い物に行く以外は、みだりに外出するのは危険らしいし、だとしたら適当に散歩するのはここしか
ないのがもどかしい。
「そろそろのようですね」
そんなタイミングを見透かしたように、背後から声をかけてきたのはもちろん蔵馬だった。ここ数日は
毎日のように訪問してくれる。やはり躯のことが気になるのだろう。
444 :
誕生 2:2006/07/31(月) 00:39:35 ID:XuZvERTx
「ええ、そうですね。躯様はきっと苦しんでいられるのに、何もお手伝い出来ないのが悔しいです」
今日の日差しはとても強い。夏の炎天下はきっと人間界でも同じなのだろう。愛らしい日傘を手持ち
不沙汰にくるくる回しながら、言っても仕方のない愚痴をつい吐いてしまう。
「飛影がついているんでしょう?だったら大丈夫ですよ」
「あのお二人のお子様なら、きっと可愛いでしょうね」
「それは俺も楽しみにしているんです。躯は昔、それはそれは可愛いかったですから」
「母子共に無事でいて欲しいですね」
さすがに外にいるのは暑くなってきていた。額には汗が滲み出してきている。そこでようやく我に返っ
た。顔見知りとはいえ主人の客だというのに、ぼんやりと会話を続けていたのがひどく気恥ずかしい。
すっかり慌てて頭を下げる。
「あ、蔵馬様、こんなところで失礼しました。何か冷たいものでもお出ししますから屋敷へどうぞ」
「…俺はただ躯の様子を知りたかっただけです。お気遣いなく」
「いえ、こんなに暑い日に外にいたら倒れちゃいますよ。どうぞ中へ」
この暑さでは、体中のなけなしの水分が一瞬にして蒸発する勢いだ。このまま帰してしまうことなんて
出来な
い。そんな必死な雛の様子に、蔵馬は苦笑しながら後をついてきた。
「そうですか、では少しだけ」
炎天下の下で唯一元気なのは木々と薔薇ぐらいのものだ。
「…飛影」
熱気の篭った暗い寝間の中では、それまで経験のなかった陣痛に悶え苦しむ躯が寝台に転がってい
た。女ならばいずれ通る道とはいえ、憶えのない苦痛にひたすら恐怖と不安だけが際限なく突き上げ
てくる。その手を飛影は黙って握り続けていた。
「う、もう嫌だ、嫌だあっ…うああっ…」
陣痛の間隔が少しずつ短くなってきているのが自分でも分かった。痛みが和らぐ間は何とか理性を保
てていられるのに、一度ぶり返すと獣に戻ったかのように暴れるしか出来ない。これまで築いてきたも
のも、自分そのものも全て跡形もなく砕けてしまいそうで怖かった。
「落ち着け、大丈夫だ」
飛影は騒ぎもしなかった。ただ時々声をかけてくるだけだ。
445 :
誕生 3:2006/07/31(月) 00:40:18 ID:XuZvERTx
それだけでも、誰も側にいないよりは遥かに心強い。
「躯」
「ん…な、んだ…」
また痛みが襲いかかろうとしてきていた。逃れようとするように必死で頭を振る躯の耳に、相変わらず
硬いがこの場では一番有難い言葉が流し込まれてくる。一瞬にして、緊張しきっていた気持ちが弛緩
するほどの威力だった。
「もっと俺を頼れ」
「ひ、影…」
「いいな、躯」
波のような陣痛はすぐに最大値にまで達していた。このまま腹から裂けて命までも奪われそうな、それ
ほどの激しい痛みだった。これまで経験してきたどんなものもいっそ生温いと思える凄まじい激痛は、
すなわち女である自分そのものの存在に直結しているからだろう。女として生まれ、何があっても生き
続けて鉄のような意思を確立した。
そして今は次の世代を生み出すべくこれまでの生で一番の格闘をしている。
女とは、誰しもそんな運命を背負っているのだ。こうして分身ともいえる存在を生み出す為に死に物狂
いになるのだ。
無事に生み出したいと願うのは、本能からの素直な欲求。
そう認識した途端に、ずっと隠していたものが殻をあっさりと破ってしまう。みっともないく、浅ましく、弱
い只の小娘同然な躯がそこにいて、ひたすら泣きじゃくりながら手を握る男に縋りついて震える。
「飛影…側にいてくれ、もっと…怖いんだ…」
「いてやるさ、躯」
「俺は、どうにかなってしまう…」
「そうはさせない」
やわな小娘に戻った躯は、頼れと言われた通りに不安を吐露し、はらはらと泣き続けた。恐怖も不安
も相変わらず続いている。だが、この男が側にいてくれるなら少しは気分が軽くなるような、そんな気
がしていた。
446 :
誕生 4:2006/07/31(月) 00:41:02 ID:XuZvERTx
「雛」
寝間の扉を開いた飛影は、居間で待機していた雛を呼んだ。
何事かと一瞬緊張した雛だったが、どうやら悪い知らせではない。蔵馬は今さっき帰ったところで実は
ちょっと寂しかったから、用事があるならどんなことでもやりたかった。
「何でしょうか、飛影様」
「出産がそろそろ近い。湯を出来るだけ沸かして盥に張っておけ。それが終わったら何か消化のいい
ものを少し頼む」
ああ、もう生まれてくるのだ。
待ち続けたものがようやく訪れる喜び、そして満足感が雛の心を満たしていた。
「はい!すぐに御用意を致します」
早速、昨日から何度も井戸で汲み上げて溜めていた水を厨房で沸かし始める。こんな時は手伝いの
経験があることが有難かった。赤子の産湯、そして母親の体を拭き清めて血で汚れた肌着を洗う為に
もお湯はたくさん必要になるのだ。大変だけれど、むしろこれは嬉しい苦労だろう。あの美しく、常に理
知的で優しく、女性としても申し分ない理想の存在である躯がもうすぐ母親になる。
その瞬間に立ち会えるのは、この上なく素晴らしいことに思えた。
「躯様、どうか御無事で」
心配で気が逸る、その反面わくわくする。
大きな盥を奥から引き摺り出してきてお湯が沸き次第注ぎ込みながら、雛は美しい主人とその子のこ
とばかりを考えていた。どうかこれからはずっと幸せに、楽しいことばかりでありますように。そして普
通に母親としての生を満喫出来ますように。
祈るような気持ちが、静かに胸の中を満たしていた。
低く呻くような寝間の声と入れ替わるように赤子のつんざくような泣き声が聞こえてきたのは、それか
らしばらくしてのことだった。
447 :
誕生 5:2006/07/31(月) 00:46:59 ID:XuZvERTx
翌日、全てが落ち着いて早くも元の状態に戻りつつあった。
唯一変わったことといえば、雛に新しい主人が増えたことだけ。
まだ躯は寝間から出ては来ないし、雛も赤子の顔を見てはいない。まあ、それは特に焦ることではな
いと思っているから気楽なものだ。それよりもここ数ヶ月の心配の種が取り除かれたことが何よりも大
きい。
「雛、茶を淹れてくれ。躯が欲しがっている」
そしてやはり、産後の躯の世話は飛影が一手に請け負っていた。この頼もしい主人がいるお陰で、雛
が躯の出産という一大事に際してしてきたことといえば、ほんの瑣末なことばかりだ。もしかしたら出
産に関しての雛自身のトラウマを察知していたのかとも思ったのだが、さすがにそこまでは知り得る範
疇ではないだろう。口にしたこともないのだし。
「はい、只今」
いそいそとお茶を淹れながら、今回のことをゆっくりと思い出していた。
出産というリアルな恐怖。それはきっと命を賭けてこの人の子を生みたいと思ったその時に消え失せる
ものなのだろう。女とは、我が身に現実が降り掛かることでようやく他者の経験を実感する生き物なの
だから。
「躯様のお子様、早く見たいなあ。きっとすごく可愛いよね」
呟く雛の表情も、とても嬉しそうだった。
暗い寝間の中でも、新しい生はきらきらと輝いていた。
「…飛影」
ありったけの柔らかな布で包まれた赤子は、すやすやと安らかな眠りの中にいる。これから幸せなこと
ばかりが待っていることを知っているのだろうか。母となって寄り添う躯もまた幸せそうに微笑む。
二人の間に生まれた運命の子は、女だった。
「これは、夢ではないのだな。俺はちゃんとお前の子を生んだのだな…」
「当たり前だ、躯。良く頑張ったな」
ようやく全てが満たされたように、笑う顔は大層美しかった。
終わり
リアルタイムに読んじゃった。嬉しすぎる。・゚・(ノ▽`)・゚・。
12さん、今回も乙でした!
GJ!!
うおおおお生まれた!
おめでとう!母子ともに無事でよかった!
>12さん、素晴らしい物語をありがとう!
女の子なら、さぞや可愛らしい子に育つんだろうなあ…
図らずも目から変な汁が出ましたよ
ハッピーバースデイ!!
二人の馴れ初めから妊娠発覚、とずっと読ませて頂いていたけど
ついに出産…なんだか感慨深いものがあります・゚・(つД`)・゚・感動した。
おめでとう、躯。飛影。赤ちゃん。そして雛も蔵馬も見守ってくれてありがとう。
12さん、躯妊娠編完結本当に乙でした。これからの彼らのお話にも期待。
あ、>441で親子AA投下した者ですが皆さんレスありがとうございました。
最初夫婦だけのつもりがふと赤ちゃんも追加したくなったら…(゚д゚)ウマー
>>12さんGJJJJJJJですっ(ノД`)。エグ
やっと産まれたんですね、お二人の可愛いお子様が…!子を宿す前からずっと読ませて頂いてましたが気分は雛ですw
可愛いお子様の名前や成長がとても楽しみです。……その前に躯の黒下着ネタも楽しみですwwww
>気分は雛ですw
あーコレなんかすごくわかるw
やばい、素で泣けた…。(TAT)
脳内で中島みゆきの「誕生」が流れました。
とうとう飛影と躯さんも、パパとママかぁ。
何か、早くも親バカな姿が目に浮かぶ様です。(*´∀`)
>>441タンのAAもテラカワイスw
本当、タイムリーなAAですな。
丁度このSSの挿絵になってるって感じでw
>>451 ハッ!確かに「ハッピーバースデイ」だ!
親に甘えられなかった二人が親になるのか…(つд`。)ジーン
あと、リクエストなんですが、誰か氷菜と飛影パパの話書いてくれませんか…?
ああ、氷菜とパパの話は以前書こうと思ってやめたw
気が向いたら書きますよ。
>>456様!ありがとうございます!!
ホントに、書けたらでいいんでお願いしますっ!
…でも、少し期待しときますねw
>>456 飛影父と氷菜の話(・∀・)イイ!
書いて頂けるととても嬉しいです。
12さんGJ!
素晴らしい作品を有難うございます。
すみません、ほんとうに有難うございますとしかいえない。
語彙が少なくてすみません。素敵です。感動です。素晴らしいです。
赤ちゃん生まれておめでとう。
パパとママになれた二人にもおめでとう。
新しい家族におめでとう。
どうぞ末永く幸せに!!
以前12さん本人も仰っていたけれど、
これから飛影も躯も生まれた子を育てながら
一緒に子供時代を追体験していくのですね。
今度はどびきり幸せいっぱいな。なんだか嬉しい気分。
そして赤ちゃんは今頃雛姉ちゃんがつくってくれた
淡い薔薇色の布地のおくるみに包まれて、
躯ママの腕の中で眠っているのかな。
躯出産おめでとう保守。
躯が落ち着いたら、
また下着ネタ続編書いて頂きたいです。
産後ネタ、母乳ネタとかも萌える(*゚∀゚)=3
おーっ。まとめサイト見たら「誕生」がうpされてる。12さんどうも乙です。
作品最初っから読み返したら、また泣けた…
12です。
ここ数日、プロキシ規制に何故か引っかかってて書き込みが出来ませんで
した。
まとめサイトにはこの間「誕生」をアップしましたが、お知らせをすること
も出来ず。
まあ、作品投下が出来なくても直接サイトの方にアップすればいいやと軽い
気分でいたら、知らないうちに直ってました。わーい。
そして、二人の子供がようやく生まれました。
皆様、本当に声援ありがとうございます。やはり前フリしたからには、ここ
まで書かないといけないと思っていたので達成感で一杯です。
二人は両親の顔も、愛情も、子供らしい幸せな日々も知らずに成長してきた
けれど、自分たちの血を引く存在にはきっとありったけの愛情を注ぐんじゃ
ないかなと思います。
人間界ではネグレクトや虐待をされて育った愛を知らない大人が、自分の子
供にも連鎖的にひどいことをしがちだけど。
飛影も躯も、親を憎んでいたわけじゃないからね。
(躯は「ハッピーバースデー」まで揺れていたけど。
でも「ハッピーバースデー」で憎しみをも越えられたと思うし)
我が子への愛情はちゃんと向けられる二人だと信じてるよ!
再度12です。
今日は色々とバタバタしていたので、最後まで書けないです。
今夜はとりあえず保留ということでひとつ。
ちなみに、内容はコエンマ×ぼたんで幽助、螢子夫婦とのダブルデートネタ
でした。
ダブルデートおもしろそう。
前作・下着ネタでのコエンマと幽助を見てみるに、
彼らがタッグを組んだらエライ事になりそうだな。
ぼたんと螢子の安否が気遣われるww
12さん次の投下をマターリお待ちしております。
467 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 22:31:35 ID:CeYEl9wo
スレ違い覚悟でききたいんすけど、幽白の同人マンガで
デヘヘ・デヒア・ドゥダ・ヒーアムって知ってる人います?
内容知りたいんで・・・
目の前の魔法の箱でぐぐってみなはれ。
試しにやってみたら、何かギャグものっぽい本らしいけど。
いや、18禁になったんですよ
471 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 13:33:24 ID:FdJe90OM
・・・・・・。
ここも夏休みか・・・。
夏もそうだし、pinkちゃんねるの制限年齢が低くなった事も…どうだろ。
孤光と雷禅、煙鬼ら喧嘩友達の一方通行な恋愛模様話を読んでみたい。
雷禅←孤光←煙鬼って感じの。
474 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 01:23:11 ID:jQiSQxpG
test
475 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 01:26:10 ID:jQiSQxpG
ま、夏休みとかで片付けてる人の考え方も実に
単純過ぎてどうかと…。
蔵馬×ぼたんの続きが読みたいっすね。
出来ればsage進行でたのんます。
>蔵馬×ぼたんの続き
29さんの作品だね。今後の展開気になる。また続きを書いて頂きたいな。
ところで、魔界(霊界)ってアダルトグッズとかあるんだろうか。
なんとなく本番のみ!なイメージだけど。
魔界には触手があるだろうからグッズはないだろう。
痴皇タンは持ってそうじゃね?>グッズ
魔界の玩具は手動なイメージがあるなぁ
電気とか機械とか少なそうだし。
催淫剤とか媚薬の類は多そうだ
ここでは単調でありきたりな普通のエロはやっぱりスレ違いなのかな ( ´・ω・)
普通のエロシーン延々続くただのエロしか話思い浮かばないもんだからさ・・・
>>478 痴皇にタン付けするなよおい。^^;
蔵馬は触手系の魔界植物召還すりゃおkだしなぁ。
>>480 全然スレ違いじゃないよ。
純愛エロも鬼畜エロもなんでも大歓迎(;´Д`)ハァハァ
グロとかちょっと人を選ぶような作品は
最初に注意書きしたら無問題じゃないかな?
仮に魔界(霊界)でアダルトグッズの存在自体がないとしても
人間界で購入という手もあるw触手もいいけどね。
人間界からお土産でこっそり買ってきて、何も知らない彼女に使ってみるとか。
ちょっと道具を貰うという発想からふっと勢いで書いてみる。
貰っちゃった飛影編。H無いですが
蔵馬から変な紙袋を渡された。何かと聞いたが、ただ笑うだけで
「あの方に使ってみたらどうですか?」
とかほざくだけだ。とりあえず百足へ戻り、奴のいない所で袋を開いてみる。
「・・・・・・・・?何だ、これは・・・」
自分のと同じような形をした変な物体が数個ある。よく見れば、スイッチが付いているようだ、押してみるか。
ウィーン、と鈍い音を立てて妙な動きをするその物体の珍妙さに、思わず手に持っていたソレを取り落としそうになってしまった、俺らしくもない。
「な、なんなんだコレは一体!?」
数日後、飛影からの電話を受けた蔵馬がニヤニヤしながら使い方の説明をしたのは言うまでも無い。
>>483 GJ!
使い方をマスターした飛影は勿論この後、躯に使っちゃうわけですよね?
その前に躯にバレて鉄拳制裁&おもちゃ没収されませんようにw
後日談も是非読んでみたいです。
>>483 びっくりしてオモチャ落としちゃう飛影カワユス(´・ω・`)
「落としちゃう」じゃなくて「落としそうになった」ですた。orz
連投失礼。
487 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 02:17:00 ID:PMAsmuNH
飛影×雪菜きぼん
飛影×雪菜といえば前スレ>522さんの作品、良かったな。
以前、冨樫総合スレでも書いておられたし。
前スレ>522さんの都合が宜しければ、また書いて頂きたいものです。
12さんのダブルデート話、今から楽しみです。
コエンマはぼたんにセクハラ(?)我慢出来るのか!?
幽助もコエンマに感化されなきゃいいけどww
ぼたんと兄貴あたりでひとつ
>>489 兄ってもしかして兄者のこと?!
兄者は誰とセクロスしても絶対グロくなるw
>>482 ありがとう、とりあえず張ってみるよ ( ´・ω・)
ということで注意書きです。今から投下される話はただのエロ、場合によっては
グロエロになるため、キャラの味を重視する方、ぐちゃぐちゃグロ嫌いな方は
スルーを奨励いたします。
(ぶっちゃけ鬼畜猟奇っぽい感じのただのグロです。)
――砕けた
叩きつけられた瞬間ぼんやりと思った。
それ以上は何も思わなかった。
戦場で兵士が、武器のうち一つが弾切れを起こした程度の感覚だ。
完全に動きを止められた。
右手はさっきの一撃で使い物にならない、左足は膝の下から感覚が無い。
繰り出された一撃を辛うじて交わすが、残った右足と左手だけでどうにかなる相手ではない。
体勢を崩し、もう反撃できそうにないと見るや牙をむき出して突っ込んできた。
大きく口を開き頭から丸ごと頸を噛み切ってやろうというように。
目と鼻の先まで牙が近づいてきた瞬間、左腕を相手の口の前に突きだし
体の中に残っていた有りったけの霊力を混めて叩き込んだ。
轟音と共に爆発した霊力が脳天を貫き、さらに頭骨ごと頭をめちゃめちゃに吹っ飛ばした。
接触して撃った霊丸で自らも吹っ飛ばされ、リンクに叩きつけられながら幻海は思った。
勝った。
場内アナウンスが伝えている自分の勝利などぼんやりとしか聞こえなかったが、
次に会場中に響き渡った音だけは、はっきりと覚えている。
「さあ、次はいよいよ決勝最終戦 戸愚呂選手 対 潰煉選手です!」
ざわざわと耳鳴りがして、だんだん眼の前がぼやけて白くなってきた。
だんだんだんだん・・・・・・・
次に見えたのは真っ白い天井だった。
――夢・・・?
だがまだざわざわと耳鳴りが聞こえる。
ふと、視界に窓が入る。
――なんだ、雨音か…
耳鳴りだと思っていたのは雨音だった。
窓の外では激しい雨が降りつけ、時折雷鳴も聞こえる。
――ああ そうだ、決勝は終わったんだ
戸愚呂が潰煉を殺し、決勝戦は幕を閉じた。
最後にこれまでの戦いを――強引に望まないまま始めさせられた殺し合いを――
生き抜いた褒美としてたった一つだけちっぽけな望みを言い、
そのちっぽけな望みでアイツは…
――夢じゃなかったんだ…
そうだ、終わったんだ、決勝戦も血なまぐさい戦いも
これで、 これで、もう 二度とお目にかかることはないだろう。
あの会場とも、この島とも アイツとも
「あら、お目覚めになりましたか?」
気が付くと幻海の傍らに看護婦がいたようだ。
「ここは…」
そう言いながら身を起こそうとしたとたん、激痛に顔が歪んだ。
「いけません、まだお起きになっては。安静にしていてください。」
看護婦にベッドに戻され、苦痛に顔を歪めながら問うた。
「皆は… もう出発して…」
言い切らないうちに看護婦が答えた。
「船は雨の為欠航ですよ、しばらくの間は出航は無理だそうです。
皆様は宿舎の方でお休みになられております。」
「そう…」
「それでは私はこれで失礼いたします。お食事の時また参ります。
あまりご無理をなさらないように、では。」
そう言い残し、看護婦は立ち上がり、部屋の出口へと歩いてった。
戸口で看護婦が誰かと出会ったらしく、なにやら話し声が聞こえてきた。
「…お見舞いでしょうか今は…ああ同じチームの…
ええ、今お休みなって…はい、絶対安静で…」
――妖・・・気・・・
戸口の外から漏れてくる空気にはかすかに、妖気が入り混じっていた。
かつて昔感じたことがあり、かつて今まで感じたことの無いような奇妙な…
看護婦の足音が遠ざかっていき、入れ違いにその妖気の持ち主が部屋に入ってきた。
「戸…愚呂?」
思わず言葉が飛び出した。が、返ってきた声は思っていた声とはあまりにもかけ離れていた。
「よぅ、よくわかったじゃないか。」
入ってきたのは最終試合で潰煉と戦った戸愚呂ではなく、小さな男――戸愚呂の兄だった。
「なんだぁ?オレじゃあ不服みたいな顔してるじゃねぇかぁ。」
「なんの用だ。」
「随分とご挨拶だなぁ、ケケケ冷てぇなぁ折角お見舞いにきてやったのにナァ。」
ベットの上からギラギラした目つきで小男が見つめてくる。
「あんたが見舞いに着て喜ぶ女なんざ見たことないよ。」
「ケケケそうむくれている面もなかなか可愛いぜぇ。」
「で、なんの用だ。」
「さっきも言ったじゃねえか、お見舞いだよ。ケケケ」
「じゃあ今面会謝絶だよ。とっとと出ていきな。」
「ひゃっははは、随分と元気の良い重症患者だなぁケケケケ。これでも心配していたんだぜ。」
「あんたと喋っていたらどんどん容態が悪くなるだけだ。そんなに心配なら目の前から消えな。」
そう言い放つとベッドの上から覗き込んでくる小男から目を背けるように窓に目を移した。
そんな幻海にお構いなしに、戸愚呂兄は楽しそうに話し出した。
「ついさっき転生が終わったぜ。弟はオレより先に午前中終わらせたよ。」
「そのようだね。」
あっさりとした返答に戸愚呂兄は不服そうに方をすぼめる。
「おぉいおいそれだけかよ、これでも一緒になって戦った戦友だと思って一番に報告しにきたんだぜ?
それとも、報告しに来たのがオレだから不服だってのかい?」
そう言いながら、戸愚呂兄は幻海の顔を覗き込む。
幻海は押し黙ったまま、兄の方を見ようともしない。
「怒らせちまったぜぇ おぉい、一番触れて欲しくない話をしちまったようだナァケケケケ!」
「出て行け。」
「まぁまぁそう言うなってぇ、新しく手に入れたこの体をどうしても、お前に見せてやりたくて来たんだからナァ!」
悪寒が走った、兄の声がすぐそばで、息遣いが聞こえるほどのすぐ後ろで聞こえたからだ。
振り向いた幻海はわが目を疑った――兄の顔がすぐ目の前にあった。
奇妙なことに体はベッドから少し離れたところで起立しており、首だけがろくろ首のように伸びて
ベッドで横になっている幻海のすぐそばに転がっているようにあった。
「全く…あんたらしい体を選んだね、人間の頃と大差がないじゃないか。」
「ひゃっははははははははあ 言ってくれるな!だがこの体の凄さはこれだけじゃねぇ!」
そう言いながら、徐々に戸愚呂兄の顔がにじり寄ってきた。
慌てて戸愚呂兄を払いのけるため、右手を上げる。
その途端激痛が走り、顔を歪めながら毛布の中でうずくまる。
「ほぉらほぉら、絶対安静だっていっただろう?無理に動かしちゃあダメじゃないか。」
そう言うと、戸愚呂兄は触手のように手を伸ばし、幻海の右肩をつかんだ。
痛みがまた右腕を走るが、使える方の左腕で兄を払いのけた。
「ん〜そう暴れるなよぉ、安静にしてなきゃぁダメだっていったじゃないか。」
伸ばした触手で振り回した左腕をつかみベッドに押さえつけようとする。
幻海はベッドの中で必死にもがき触手のように伸びた手を引きちぎる。
が、戸愚呂兄は怯むどころか、笑みさえ見せながら子供をあやすように言う。
「あ〜 こ〜ら、暴れちゃいけないよ〜いい子は大人しく寝ていなきゃア!」
なんと引きちぎったはずの手が蛆虫のように動き出し、気味の悪い音を立てながら元通りにくっ付いてしまった。
「な…」
「けっひゃひゃひゃ!いい顔だぜぇ!今まで見たことないような可愛い顔だあ」
そう言いうと、元に戻った触手がまるで槍のように尖り、幻海の左腕に突き刺さった。
「………!!!」
左腕に突き刺さった触手はグリグリと傷口を広げるように円を描き、血がベッドに滴り落ちる。
同時に別の触手が、もう一方の肩をつかんでめちゃくちゃに揺すぶりだした。
「ほぉぉらぁぁああ!泣け!泣け!泣け!泣け!泣けぇぇええ!
お前の泣き顔がみてぇんだ!泣くんだよぉおおおお!!」
だが、触手が深く突き刺されば突き刺さるほど、強く揺すぶれば揺すぶるほど
幻海は一声も漏らさないよう歯を食いしばり、睨み上げる。
「ケッ、霊光波動拳の使い手だけに、“痛い”のには慣れっこだったっけなぁ
それじゃあ、これはどうだぁ?」
兄者は突然、揺さぶることを辞めるた。
肩で息をしながら痛みの余韻を堪えていると、今度は、毛布の中に異常を感じた。
触手が、毛布の中に潜りこみ、足に纏わりついてきた。
蹴り上げようとするも、縄のように絡みつかれ、触手でベッドに縛り付けられてしまう。
縛り付けながらなお、触手は徐々に上へ上へと這い登り、太ももからさらに上…
筒抜けになっている腰巻の中にまで潜りこんできた。
「ひっ・・・!」
触手の先端がまるで舌のように湿り気をもち、舐め回し始めた。
「ひ・・ぃ・・・」
思わず声を漏らしてしまった幻海に、追い討ちをかけるように、秘所の近くの“口”から
声が聞こえてきた。
「ケヒヒヒヒ!痛みにゃぁ強いがこっちの方にァまるっきしだなぁ!
オレが今からみっちり稽古つけてやるぜケキャキャ!」
「や、やめ…何する気…ング」
どこからか伸ばされた触手が猿ぐつわのように口に咬まされ、
気が付けば、四肢は縛られ自由が利かず、肌けた着物から何本もの触手が入り込み、
あちらこちらの皮膚に張り付き、着物の中で蠢き続けていた。
「んぁ…ン―!」
「なんだぁ あんなに嫌がっといて、もう、いっちょ前に感じちまってんのかぁよぉおケケケケエエエ!」
白い小さな形の良い乳房に吸い付き、うれしそうに舐め回しながら叫び声を上げる。
「んー!んー!・・・・・!?」
幻海は、今まで感じたことのない責め苦を受けている中で、ふと、口の中の猿ぐつわが
不思議と熱を持ち、何か突起のようなものが徐々に出来上がっているのを感じた。
「ほぉら、コイツをしゃぶって、オレをイかせてみろよぉ!
上手に出来たら ナカ に出すのだけは勘弁してやるからなぁああ!
但し、ちょっとでも下手な真似してみろよぉ ケケケ判ってんだろうナァ!」
一瞬、言われている意味がよく分からなかった。
徐々に理解してきた時、頭の中が真っ白になった。
――ダレガコンナヤツノ モノ を…
我に返った瞬間、口に咥えさせられていた触手に思い切り歯を立てた。
突如、歯を突き立てられた触手が急に食道から胃にまで伸びあがり、その中に射精した。
「ぅんぐっ…ケホッ…!」
「余計な事をするなって、あれほど言っただろう なぁ?」
「ぐっ…ぅ…ぁぁ」
「もう一回最初からだ。オレは優しいからなぁ、もう一回だけチャンスをやるぜ。
今度は上手くやれよ?ケケケケケ」
――もう、どうにでもなれ
再び食道から戻ってきた陰茎を今度は優しく咥え、舌で舐め上げる
舌を動かすたびに、兄者がうれしそうに声を上げる
「ケヒッ ケヒッヒッヒうめぇぞ うめぇぞぉ!そうだそうやるんだよ!」
兄者はそれに合わせ、触手で秘所の一部をこねくり回し、摘みあげ、愛撫する。
執拗な愛撫に耐えかね、隠所から徐々に愛液が流れ出し、触手の先端が音を立ててそれを吸い尽くし
なおより執拗な愛撫を繰り返す。
咬まされた猿ぐつわの先端がもう口の中一杯にまで広がったその時
それは口から引き抜かれながら幻海の口内、そして顔面に白濁色の液をばら撒いた。
「ゲホッ… ケホッケホッ…ぁぅぁ…」
「えらいぞぉ、よぉぉぅくできました。よくできたご褒美に――」
幻海の目の前で、触手の一つが奇妙な形に変形し、戸愚呂兄はそれを見つめながら呟き、笑みをこぼす。
「え…そんぁ、約束がちが…」
「先に約束を破ったのはそっちだぜ?」
悲鳴をあげる間もなかった。
変形した触手が初鉢を破き子宮の奥にまで潜り込み膣内をめちゃめちゃに荒らし始めた。
「ケッヒャヒャヒャヒャヒャぁあああ!いいぜ!いいぜ!吸い付いてくるぜえ!
どうしたぁ?“初めて”をオレに捧げた嬉しさで気絶しそうなのかぁあ!?
ほうら、下の口の方ではしっかりとオレをくわえ込んで離さねぇじゃねぇかケケケ!」
幻海はもう抗う気力を無くしてしまい、なすがままに犯されていた。
しばらく激しく出入りを繰り返していた触手が最大限にまで熱を帯び、子宮の奥底をグリグリを押し上げ
パタリと動くのを止めた。
止まった… もう終わったんだ…
そう思ったのが間違いだった。
「っ・・・!?」
鈍痛が体の中から響きだした。
膣内の触手がさらに伸びてさらに上へ上へ…上?これ以上どこへ?
幻海は青ざめた。
卵管。
触手が卵管をどんどん這い上がっている。
二つに枝分かれした卵管の先にあるものは…
「ほうらぁ…わかるか…?オレが膣内を上がっていくのを、ほうら、どんどんお前の卵に近づいて…」
「やめろ…」
「それがお願いをする時の態度か?ケッ。ほら、もうちょっとで…」
「やめろ!」
「少し広いところにでられそうだぞ。」
「やめて…」
「ほうら、あともうちょっと…」
「お願い…ほんとに…」
戸愚呂兄が、幻海の顔を見上げた。
幻海は泣いていた。今まで我慢していた涙を頬から伝わらせ、必死に哀願していた。
「やめて…お願い…お願いだから…」
戸愚呂兄は幻海の顔をじっと凝視したあと、顔を近づけ、唇を重ねた。
舌を優しく絡め、引き抜いてから、幻海の頬の涙を手で拭う。
「可愛いな…本当に可愛いよぉ…」
そっと体を抱きしめ、背中を撫でながら呟く。
「そんなに可愛い顔されちまったらなぁ…」
「オレはイっちまいそうだぜ」
悲鳴が雷鳴で掻き消された。
腹の中で何か温かいものが徐々に広がっていった。
ぼんやりと白い天井が見える。
「お食事ですよ。」
さっきの看護婦が部屋に入ってくる。
慌てて身を起こそうとするがベッドに縛り付けられたように起きられない。
「まだ安静になさっていないとダメですよ。」
「戸…が…誰か…この部屋にいなかったかい?」
「いえ、誰も、“面会の方”も まだ、“誰も”この部屋には来ていませんが…」
「え? さっき、あんた廊下で誰かと…」
「いいえ、私はまだ“この部屋”を訪ねてきたかたを“誰一人”みておりませんよ?」
窓の外では雷鳴が遠のき、雨音が徐々に静かになっている。
もう雨もやむだろう。
501 :
触手:2006/08/14(月) 08:34:32 ID:5CTTIgZB
お終い。
色々ごめん、長くてごめん、デロデロでごめん
500ゲットしちゃってごめん
ぼたんでやりたかったけど絡ませ方が判らなかった ( ´・ω・)
おいおい兄者www
若幻海好きにはたまらんけど、ちょっと複雑な気分だw
…まさか兄者とは。
GJ!!
胃に射精ってちょっと萌えてしまったよ
卵管責めもイイ
夢おちかいw
でも兄者いいな便利だ。
個人的に「兄者」か「戸愚呂兄」どちらかに統一して欲しかった。
細かくてスマン。
けど、兄者のキャラが良かった。
乙。
GJ!兄者ホントにキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!!!
兄者の幻海に対するゆがんだ愛情、執着心が上手く表現されててイイ!
卵管責め怖すぎwwwでもちょっと萌えました。
>>491さんの都合が宜しければ、
今回みたいな鬼畜エロでも真逆の純愛エロものでも、また投下お願いします。
話d切って申し訳ないんですが、折角夏なので浴衣ネタ読みたいなあ…と思うのは私だけでしょうか(*´Д`)ハァハァ
躯様と雛に浴衣をプレゼントする蔵馬、浴衣姿の躯様に欲情する飛影…_ト ̄|○ハァハァ
そんなこと考えてたらこんなの描いてしまいました
ttp://p.pita.st/?2ebyzejk お目汚しでしたらすぐ消しますので。資料がないため右半身描けませんでした…スイマセン
あ、直リンしちゃったorz
スマソ
>>506 GJ!浴衣ネタ(・∀・)イイ!
浴衣姿の躯に飛影欲情→そのまま押し倒す=アオカン(゚д゚)ウマーですな。
全部脱がすのもいいけど、誰かに見つかるかも…という緊張感のなかでの
着衣エロも萌える。
>>508 飛影父と氷菜もいいね。この二人の話も是非読んでみたい。
飛影は父ちゃんにそっくり、という事は父ちゃんも小柄な妖怪だったんだろうか。
まさか氷菜より小さいという事は…w
d切りスマソ
>>488さん
自分は
>>487さんじゃないがその前スレってどこかで見られます?
SS保管庫に行ってみたけど見つからなかった…
>>511 >>97の12氏製作のまとめサイトの『職人様作品』の項目に
前スレ522氏の作品が掲載されてるよ
>>512 元>488です。ごめん、先に書いてくれたんだ。ありがとうございます。
514 :
511:2006/08/15(火) 18:43:52 ID:gOWDAzVH
氷菜と飛影パパの話を書いてみました。
素人なので、拙いですがおおらかな気持ちで読んでください。
氷菜も飛影パパも原作に描写がないので、全部私の想像ですが、
そこもできるだけ許してやってください。
ではどうぞ↓
氷菜が男と初めて出会ったのは1年前、氷河の国を抜け出した時である。
見たこともない色彩豊かな植物や、かわいらしい動物が氷菜を迎えた。
もちろん、氷女が下界へいくのはタブーである。
氷泪石を生産する氷女は、その特質のために囚われることも少なくない。
また、「男」との生殖を避けるためにも氷女は氷河の国で生きなくてはならない。
これが、氷女として生きるための掟である。
氷菜がその男に会ったのは、日も暮れて、そろそろ帰らなければと思った時だ。
通り掛かった洞窟の中からうめき声のような音がした。
恐る恐る中を覗くと、影が小さく動くのが見えた。
不思議と恐怖は無かった。妖術にかかったように、氷菜は影に近寄った。
「大丈夫ですか?」
影…どうやら妖怪であるらしいそのものは、氷菜を睨んだ。
鋭い、真紅の瞳である。氷菜と、同じ色だ。
「……氷女か?」と影は低い声で絞り出すように言った。
「はい。」
「治療は…できるか?」
「はい。」
すると男は洞窟の中の苔に火を燈した。炎を使う妖怪のようだ。
男の腹部には大きな傷があり、男はその痛みから汗を流していた。
「治せるか?」
「やってみます。」
氷菜は男の腹部に触れた。
(熱い…)
男の顔色は、次第に良くなっていき、日が暮れる前に氷菜を帰した。
氷河の国に戻ったあとも、氷菜の手からはあの温もりが消えなかった。
あの日から、氷菜と男は度々逢瀬を重ねた。
いつの間にか、二人の間には温かい感情が芽生えていた。
氷菜が氷河の国では感じ得なかった新しい感情だ。
男に触れたいと思う。男に触れられたいと思う。…抱かれたいと思う。
しかし、氷女には叶わぬ夢だった。
さらに、間もなく分裂期に差し掛かる。
無性生殖ではあるが、子を持つ立場になるのだ。
男とは、別れなくてはならなかった。
数日後、初めて出会った洞窟で1ヶ月ぶりの逢瀬をし、事情を告げた。
氷菜の髪を梳く男の手が止まった。
「本気か?」
氷菜は小さく頷いた。男はそれを受け、どこか遠いところを見つめている。
「これが最後か?」
『最後』という言葉を聞いた途端、氷菜の目から氷泪石が転がった。
男が一度も欲しがろうとしなかった石だ。
(この人と離れたくない…)
氷菜の溢れ出る涙を覆うように、男の手が氷菜の体を包んだ。
「ん…」
男と氷菜の唇は自然と重なり、男の舌は氷菜の口内を探った。
普通の口付けなら、何度かしたことがあったが、こんなことは初めてだった。
男は、氷菜の舌を見つけると、激しく絡ませた。
息苦しいのか、氷菜は必死に身をよじったが、男は離さなかった。
やっと離れたとき、男はそのまま洞窟から出て行こうとした。
「どこに行くの?」
男は、氷菜に背を向けたままだった。
「もう、最後なんだろう。このままお前と一緒にいたら、
きっとお前を犯す。そうなれば…。」
そうなれば、残るものは氷菜の死と氷河の国の滅亡、
そして、生まれてくる哀れな子供の運命だった。
「一時の想いでお前の人生を無駄にする必要は無い。母親になるんだろう。」
「あなたと出会ったことを無駄にしたくない。」
氷菜は男の背中に縋った。自分の命も氷河の国もどうでもよかった。
そして、何かが弾けた様に男は氷菜を抱きしめた。
氷菜の着物はすっかり崩れ、上半身は、肘から下を除いてあらわになっていた。
小ぶりだが、形のいい白い胸を男は揉みしだいた。
男の手に合わせ、胸の形が変化する。
氷菜は全身を紅く染め、されるがままになっている。
その時、男が氷菜の左の乳首を口に含んだ。
「んっ、ぁ…やぁ…」
男の舌でコロコロと転がされ、一方で右の胸はさらに強く揉まれた。
時々される甘噛みがさらに氷菜を感じさせる。
「あっ、ん…やぁぁ…ぅ」
「氷菜…もっと声を出して」
「…恥ずかし…ぅ」
男は右の胸も舐めた。氷菜の乳首は赤く、大きく主張をしている。
「氷菜…濡れてきた?」
「んん…わかんない……」
「触るよ。」
男の手が氷菜の蜜壷へと伸びた。
男は氷菜の秘所に中指を当てた。
そして、ゆっくりと入口を上下に擦り始めた。
「あぁぁっ、ぁ、だ、め…」
「氷菜、感じるか?」
「ん…。あ…ふ」
氷菜の蜜壷からはどんどん愛液が溢れてきていた。
暖かな男の指が、快楽の箇所を付いている。
また、男は時折愛を確認するかのように激しい口付けをした。
氷菜はとろけそうになるのを堪え、男の首に手を回した。
その時、氷菜は中に何かが入ってくるのを感じた。
「ん…な、何?」
「指…入れるよ。痛かったら、言って。」
氷菜は小さく頷いて、新しい刺激を待った。
ズブズブと氷菜の愛液で指は埋まる。そして激しく動き始めた。
「あ、あ、あ、あ…やぁだ…」
ぐちゃぐちゃという淫靡な音が洞窟中に響く。
その音がさらに二人を興奮させる材料になっていた。
「あ、たし…頭…真っ白に……」
「いいんだよ…気持ち良くなれよ」
「ん、あ、あぁぁぁぁーっ」
氷菜は、初めての絶頂を迎えた。
絶頂を迎えた氷菜の身体から男が離れた。
真っ白になった頭では何も考えることが出来ない。
さっきまでの快楽を、ぼんやりと反芻していると、男が洞窟の
外へと出ようとするのが見えた。
「どこに…行くの?」
男は月明かりで逆光になっており、影になって見える。
「思いは果たした。お前と、こんな痴態が出来て良かった。
だから、本当に過ちを犯す前に、お前の元から離れようと思う。」
「駄目だよ…。」
男は、恐る恐る氷菜の方を向いた。
氷菜の紅く染まった肌は、月明かりに照らされて甘美な香を漂わせている。
思わず男は唾を飲んだ。そうさせたのは自分なのに。
「あなたは…まだ気持ち良くなってない。」
「俺はいいよ。第一、俺はお前の子供の責任なんて取れない。」
この男が特別なのではない。妖怪とは、そういうものだ。
しかし、氷菜の取った行動は意外なものだった。
突然、柔らかな微笑みを浮かべ、男に抱き着いた。
男の背は、あまり大きくないが、いつも暖かかった。
「あなたの、子供が欲しい。」
「あ、あ、あ、あっ…あんっ…ふ…」
洞窟から、いやらしい水音と、女の甘い声が入り交じって聞こえる。
氷菜の秘所には男のものが挿入されている。
最初は初めての氷菜のために、ゆっくりと時間をかけて入れた。
そして再び愛撫をし、氷菜の濡れを確認して動き始めた。
始めゆっくりと、次第に彼女の欲望を引き出すような激しいものへと変えた。
当初、氷菜は痛がるそぶりもあったが、今では快楽しかない。
男の熱い肉棒は氷菜の内部をえぐる様に暴れる。
男と触れ合う箇所からどんどん愛液が溢れ、男を誘惑する。
「あっ、ん、はぁ…ん…」
氷菜から切ない声が漏れる。二度目の絶頂は近そうである。
その証拠に、氷菜の内部では男のそれをきつく求めていた。
男も限界だった。もう、理性はない。
「ひ…な…」
「なに…?あたし、もう…だめ…っ」
「俺も…。出す…よ?」
氷菜は今までの中で最高に美しい笑顔を見せた。
男は「んっ」と声を上げて精を氷菜の中に出した。
男のものと氷菜の中が激しい鼓動を打ち付け合っていた。
「あったかい…」
氷菜は、呆けたような目で、そう呟くと、体の上の男を抱きしめた。
あれから、半年以上の月日が流れた。
あの晩から氷菜と男は会っていない。
氷菜のお腹はもう随分大きくなっていた。長老は薄々感づいているだろう。
時々お腹の中がひどく熱くなる時があった。
しかしいつも、もう一人の胎児が冷気を出してくれた。
その度に氷菜は、あの男を感じて幸せな気分になれた。
私の遺伝子を継いだ娘へ。
母がいなくても幸せになってほしい。
そして、できることならば…女としての幸せも掴んでほしい。
あの人の遺伝子を継いだ息子へ。
きっと、辛い人生になるでしょう。
私や氷河の国を恨むのは構わない。
だけど、今、一緒にお腹の中にいるきょうだいは大切にしてほしい。
そして、誰かを愛せたら…、その人を守り続けてほしい。
おしまい。
乙。
荒削りではあるけれどもなかなかよかでした。
ただ、キャラが安定してないのが気になりました。
氷菜もパパも原作にはいないんで仕方ないですけどね。
よかったらまた書いてください。
今後に期待です。
GJ〜!ただ、自分も
>>524と同じく。
特に飛影父の口調が途中で変わるのがちょっと。
でも原作・アニメともにほとんど(父はまったく)登場しなかった彼ら。
「この二人ってこんなふうだったのかな」と想像を掻き立てられました(;´Д`)ハァハァ
やっぱり文章として読めるって幸せ。また新作にも期待しとります。
氷菜×飛影父書いた者です。
すいません、いきあたりばったりでした。
途中から人格が変わったのは、私が眠かったのと、
いい人で書くか悪い人で書くか迷ってたのもあって…。
もっと上手く書けるネ申がいたら、投下してください。
スレ汚しすいませんでした。
>>526 いやいや、全くどんな人物かわからない中書いたにしては充分GJでしたよ!
私にはここまで妄想して文にはできませんし(´κ`;)
親世代ネタなかなかイイ!(・∀・)
>>526 “スレ汚し”だなんてとんでもない!
>525でちょっと書かせて頂いた部分以外は
本当違和感なくて、楽しく読ませて頂きました。
次回作もwktkしながら待っていますよ(´∀`)
少し上で触手な話書いたものです。
>>504 ご指摘ありがとう、気をつけます…
っていうか冨樫先生、戸愚呂兄弟に苗字だけじゃなくて名前もあげてください
太郎とか次郎とかいう名前になったらそれはそれでイヤですが
>>505 純愛 純愛 純愛… ( ´・ω:::.... . .
レス下さった方本当にありがとうございました。
調子に乗ってもう一個、張らせていただきます。
題材は館少女監禁
お分かりでしょうがあの方です。
ジャンルは陵辱・獣姦・輪姦
例によって鬼畜。
嫌悪感を示される方はスルーを奨励いたします。
っていうかすぐ上のハァハァなSSの下に張っていいものなのかドウカ…
カチ カチ カチ カチ カチ
(あと5分)
質素なつくりの部屋の中。
雪のように白い少女が和服に身を包み、椅子に座り、向かいの振り子時計を眺めている。
部屋の窓には幾重にも重ねて張られた呪符が連なり、その隙間から
傾きかけた日の光が注いでいる。
少女の部屋は、豪邸の一角、眺めの素晴らしい、とても厳重に監視された、
最も閉鎖的な場所にあった。邸の主人の計らいだ。
カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ
(あと1分)
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
(あと10秒)
カカカカカカカカカ
ボーン ボーン ボーン ボーン…
バタン。
時間通り。
1秒も違わず予定通り。
今日も、午後四時の拷問が始まる。
扉から小走りに男が近寄ってくる。
この邸の主人、宝石商の垂金だ。
「幾つだ?今日は幾つだ?」
部屋に入るなり、少女には目もくれず、這いつくばり、何かを探し始めた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・・・・ 」
子供が浜辺で貝殻集めをする様に、床に所々散らばっている何かを集めていく。
石だ。真珠のように、白く光を放つ美しい石をかき集めている。
「しち… はち… はち…八! もう無いのか?!」
癇癪を起こした子供のように喚きながら、床を睨みつける。
もう、これ以上石が落ちていないことを確認すると、ようやく少女に目線を移す。
「八個か! ふん、昨日よりはましだな。昨日は三つしか取れなかったからな。
化け物め、貴様の気まぐれに付き合わされなけりゃあならんこっちの身にもなってみろ!」
少女は視線を落としたまま、目を合わせようともしない。
垂金は気にくわなそうに顔をしかめたが、すぐに気味の悪い含み笑いを浮かべた表情になり
醜くでっぷりと肥えた両手で大事そうに石を抱えながら、部屋の出口に向かって歩き出した。
「今日はいつもとは少し趣を変えたやり方でやってみるからのう。
結果次第によっては今後の方針についても考えようかとも思っておる。」
戸口で、振り向きざま、同行してきた三人のスーツ姿の部下に向かって言う。
「こいつだ。正真正銘本物の氷女だ。名前は――雪菜とか言ったな。
まあそんなことはどうでも良い。大事な商品だからな、決して殺すでないぞ。
後は任せたぞ。終わったら戸口で待機しておる者共に言いつけて置け。」
扉が閉まった。
腕に残った火傷の痕を見つめながら雪菜はぼうっと考えた。
趣を変える?やる事は結局同じだろう。
火傷だけではない、拷問で受けた傷など体中、無数にある、もう数え切れないほどに――
数ヶ月前、雪菜は人間界に出て、初めて、『氷女』という種族が、いかに人間の世界で
非常に価値のある『商品』として珍重されているかを知った。
自分が『氷女』として、『商品価値』を維持できるギリギリのラインの拷問を
幾重にも、この数ヶ月間繰り返されられてきた。
いかに効率よく泪を流させるか。ただそれだけの為に。
一粒よこせば二粒欲しがった。
二粒よこせば三粒、三粒よこせば…
際限などない。泣けば泣いたぶんだけ、次はその倍の数を欲しがる。
ちっぽけな 石
こんな石の為に こんな石コロの為に いつまで・・・
ふいに、顎をつかまれた。
すぐ目の前に男が立っていた。
空中で目線が合ったその瞬間。急に、男が顔を近づけ、口の中に舌を入れてきた。
(・・・え?)
はじめて気が付いた。
(人間・・・・じゃあない・・・!)
雪菜は弾かれるように顔を背け、椅子から飛び起きる。
「へぇ〜、ただの木偶かと思っていたら、ちゃんと動けるじゃねぇか。」
生身の人間がこんなことをしたらすぐさま冷気で氷付けになっていたであろう。
突き放した男の顔をまじまじ眺めてみると――顔中毛が生えている
耳が頭の上のほうにあり、ダラリと舌を垂らし、荒く息をしている様はまるで犬のようだ。
(人狼――妖怪!?)
ぼうっとして気が付かなかったが入ってきた男たちは皆妖怪だったのだ。
拷問は大抵、垂金の部下――主に人間がやる仕事 のはずだ。なぜ今更わざわざ金を使って妖怪など?
もう一人の男――三人の中で最もがっしりした巨漢――が後ろからにじり寄り羽交い絞めにする。
雪菜は、冷気で威嚇し、周囲の空気が一瞬にして凍りついた。
後ろから雪菜を羽交い絞めにした妖怪が、雪菜の耳元で囁く。
「へっへへ、数日前にそんな芸当覚えなかったら、今日は人間どものぬるい拷問程度ですんだのになぁ。」
冷気の威嚇などものともせず、雪菜の耳を甘噛みし、着物の帯に手を伸ばしはじめた。
抗い、男の腕を振り解こうとする雪菜の足首に、吸盤の付いた蛸の足の様なものが巻き付いてきた。
見れば三人目の男が蛸のような下半身をむき出しにし、幾つもある足を、気味悪く、くねらせながら
雪菜を下から見上げている。
「おじょうちゃん、今日は怖い怖い人間様の拷問じゃぁなく、ちょっとした息抜き程度のお遊びをしようじゃないか。
ただし泪は流してもらうよ、俺たちにもノルマってのがあるもんでね。」
言うが早いか、足袋の上から足首に絡みついた蛸の足を、ぐいと持ち上げ
雪菜を開脚させるような格好で宙吊り状態にさせた。
男たちが何をしようとしているのか、雪菜には解からなかった。
解からないのに、ただただ、恐ろしかった。
男の腕から逃れようと、無我夢中に、握り拳を振り回した。
抵抗は無意味だった。男が雪菜の腕を握り締た。あまりの力の強さに雪菜が悲鳴をあげる。
にたりにたりと笑いながら言う。
「非力だねぇ、氷女ってもんは。こんなんじゃぁ魔界なんぞで生きていけねぇだろうに
どうりで滅多にお目にかかれねぇわけだぜ。」
悲鳴に興奮してか、そう言いながら熱い息を雪菜の耳元に吐きかけた男は、もはや人間の姿ではなかった。
鼻は短く寸詰まり、耳は垂れ下がり、まるで、ブタか猪かのような顔つきだった。
「いい声をしているなぁ おじょうちゃん。」
開脚し、肌蹴た裾からあらわになった雪のような白い太ももをなで、その先にあるものを凝視しながら
人狼が毛だらけの一物を反り勃たせ雪菜に話しかける。
「おじょうちゃん見たいな上玉、もっと時間かけてやりてぇ所だけど、今日は泣かせるのが仕事だから、勘弁しておくれよ。」
人狼は帯に手をかけ、帯止め、腰紐ごと帯を引きちぎり、薄い肌着を引き裂きさいた。
「……!」
叫び声を上げたいのを堪えじっと我慢をする。
(どうせ、いつもと同じだ…我慢さえすればいい。)
着物の下には、所々、今までの責め苦による傷跡が残っていた。
「随分と色々遊ばれたねぇ、おじょうちゃん。」
そう言いながら、毛むくじゃらの手で雪菜の太ももを撫で、その先のうっすらと生えた陰毛に隠された
ピンク色の割れ目に手を滑らせた。
「ふぅっ…ぁっ」
奇妙な毛むくじゃらの棒を突きつけられ、毛むくじゃらの手で股間を撫でられ雪菜は思わず声が出た。
今までの拷問とは何か違う。妙に体がふわついて浮かれているような…くすぐったいような感覚。
おびえ、それでいてキョトンとしながら人狼に問う。
「なにを… なにを…なさるんです?」
「ウブなじょうちゃんだ、仕事だってのがもったいねぇぜ。」
ドップっ
「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫び声が邸中にこだました。
「ひぐぃぃぃぃ!!ぁぁ!!ぁぁ!! いた…いたいいたい!!やめ…やめぇ…てぇくださぃ!!」
「へははは おじょうちゃん すげぇぜ!キッツキツでこっちが痛ぇくらいだ!」
強引に肉棒をねじ込まれ、雪菜の恥部から赤い鮮血が滴り落た。
人狼が一突きするごとに、泪が――大粒の氷泪石が床一面に溢れた。
雪菜を後ろから羽交い絞めにしている二人の妖怪がイライラしながら人狼に交代をせがむ。
人狼は雄たけびを上げながら譲ろうとしない。ブタが人狼に罵声を浴びせかける。
「まだか?まだかああ?いい加減に交代したらどうだ犬コロ!こんなすぐ側で焦らされりゃぁ堪まんねぇぜ!」
「ハァ!うるせぇ!ノルマがあんのは知ってんだろう!俺の分の泪が搾れたらすぐ交代してやるからよう!」
人狼はそう言うと、直いっそう雪菜に体を激しく打ちつけ、滴る鮮血で一物と腹の毛皮を赤く染め上げた。
自分の番がまだ当分回ってこないと解かると、蛸足の妖怪は雪菜の体のそこかしこに張り付き
足を這わせるように撫でまわす。
「ぁあ…ひぐっ…やめて…はなしてくださぃ」
くすぐる様な蛸足の侵蝕に雪菜の桃色の乳首がピンと張り詰めると、
蛸足は乳首に吸い付き上半身がぴチャぴチャと音を立てて舐め回した。
焦れたブタがズボンに右手をかけ、はちきれんばかりの一物を取り出した。
人狼のそれより一回り大きいものは、我慢の限界といったように、透明な液を先端から滴らせている。
「そんなにノルマこなしたかったらオレが今すぐ手伝ってやるぜ!」
巨大な一物を、人狼が犯している割れ目の、すぐ下の穴にあてがい、雪菜の耳元で囁く。
「ごめんよぅおじょうちゃん。これもあの犬コロがさっさとどかねぇから悪いんだからよう。」
ブチ
「ヒぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
ブタはたった今処女を失ったばかりの雪菜の菊門に容赦なくそれを突き立てた。
「ギヒ こりゃぁすげぇイイぜぇおじょうちゃん!もっともっともっといい声で泣くんだ!」
「ひっ…く…やめ…なんでこんぁこと…ひっく…もうやめてください…」
目の前はかすみ、頭はクラクラとして今にも意識を失いそうな中、泪を落しながら
雪菜は必死に下腹部に突き立てられた二つの生き物の猛攻に耐えていた。
雪菜の体内で暴れまわる二本の肉棒は、肉一枚を隔てて擦れあい
受け入れるにはあまりに小さすぎた雪菜の中一杯に広がっている。
「・・・ぉう・・・もう・・・ぃゃ・・・いやです・・・はなして・・・離して下さい・・・お願い・・です」
どんなに懇願しても泪を落としても、もはや化け物どもには聞こえていなかった。
これが仕事であるとか、ノルマがどうとか、そんなこと遠の昔に忘れてしまい
今はただ本能の赴くまま雪菜を屠り、犯し続けた。
ご ゅ
び る
り
ぃ
膣から白い泡が吹き出た。
少し遅れてブタが絶頂を向かえた。
だが二匹の野獣は雪菜を離さなかった。
蛸足は自分の番が来るのを今か今かと、まっている。
二匹の野獣が二度目の絶頂を迎えた時、雪菜は意識を失った。
ぼんやりと、振り子時計を眺めながら。
ボーンボーンボーン ボーン ボーン ボーン ボーンボーンボーンボーン…
時計の音が聞こえる。
気が付けば寝台に寝かされていた。
着物は着替えさせられており、体も拭かれている様だ。
―あんなこと、夢であって欲しい
だが、椅子の上に置かれた引き裂かれた着物が――
僅かな血と大量の精液を含んだ着物
なによりも自分の股間にある『違和感』と『痛み』がそれを否定していた。
垂金の言葉が思い出される。
『結果次第によっては今後の方針についても考えようかとも思っておる。』
あの時流した泪の粒を数えてみる。
すぐにそんなこと無駄だと数えるのを辞めた。
耐えればいい…いや…耐えられなくとも
泪さえ流さなければいい。
そうすればきっとまた
『趣をかえて』違う方法を探すだろう。
お終い。
投石器で石を投げられるか、スカッドミサイルが飛んでこないうちに消え去ります。
>>526 あんなハァハァ話書ける時点で十分神です。あなたは。
( ´・ω・) お茶ドゾー
( つ旦O
と_)_)
鬼畜ながらどこか淡麗の味わいがあってなんとも
GJ!GJ!!
540 :
483:2006/08/17(木) 01:52:30 ID:7mMMaYIE
さて、勢いで書いたネタに反応して下さった方々ありがとうございますorz
後日談なんぞが書き上がったので投下しますね(´・ω・`)っ【飛影x躯】
あんまりH濃く無いですが・・・しかも躯がめっさ少女ですがすいません。
先に平謝りしておきます。
蔵馬から貰った例の品。躯にはバレないように、自分の引き出しにしまい込んだまま数日が経った。たまたま休みが取れた今日、ソレを取り出し、目の前に置いて、どうするべきか、思案する。
「・・・・・このままアイツの思惑通りに使うのも少々勘に触るな」
『何が”勘に触る”んだ?』
ボソリ、と自分が呟く声に思わぬ声が背後からかかって慌てて振り向いた。そこにいたのは、自分に取って至上の女。この魔界ではもっとも恐れられていた女とも言える存在。躯が、片手に酒瓶、片手には2つグラスを持って俺の部屋の入り口に立っている。
「何だ、その驚いた顔は。お前の部屋に来てはまずかったのか、飛影?」
俺が驚いている様子が余程気に入ったと見え、滅多に見せない微笑を湛えてこちらに寄って来るその歩き方は気品と自信に満ち溢れており、何もかも忘れて見とれてしまう、そんな自分を軽く呪う。
不意に、躯の足が止まる。目線を追えば、俺の背後・・・先程まで俺の向いていた方向・・・?方向、方向・・・・!?
「飛影、何だその変な物体は?」
問いかけながら近付いて来る躯の吐息は既に美酒の香が漂って、それだけで軽く頭の芯が痺れるような、そんな感覚に陥って。一瞬、躯が何をしたのかすら理解が出来なかった。
「人間界のモノか。何だ、これは?スイッチ?」
しげしげと不思議そうに、子供のように楽しげに見慣れない物体を手に取って嬉しそうな顔でスイッチを入れると動き出すソレに俺と同じように驚いて取り落としかける、そんな仕草に思わず俺が今度は笑う番だった。そうだ、今更隠しても仕方がないだろう。
蔵馬からある程度の知識は得た。躯をこのまま酔わせて試してみてもそれはそれで興が乗る。
「まぁ、ソレの使い方は後で教えてやる、躯。酒を持って来たんだろう?とりあえずそれを飲ませろ、話はその後だ」
言いながら、躯の手からグラスと酒瓶を奪って勝手に2つのグラスに酒を満たす。この酒は結構度数が高い奴だな、躯でも3杯呑めば結構酔いが回る代物だ。自らコレを持参すると言う事は・・・そうだな、本人もその気になっていると見て良いだろう。
「何だ、勝手に俺のモノを取り上げるとは良い度胸じゃないか、飛影」
少女のように軽く頬を膨らませる、そんな仕草は俺だけの物。この表情をさせるのは、俺の前だけ。それが俺の躯だ。
ニヤリ、と軽く笑って自分のグラスから一口含む。そのまま躯の顔を引き寄せ、口付ける。
「・・・ん・・・」
小さい声と共に躯の咥内に美酒を満たせば、自然とそれを飲み込む白い喉。その喉元に軽く口付けをして、再度口付けを軽く、啄ばむように落とす。
「ずるいぞ、飛影」
既に酒が入っているせいもあってか、仄かに赤らんだ頬でこちらを見る姿に再度笑う。そして、俺も一口。
「中々旨い酒だな。貴様は呑まないのか?」
促せば渋々と言った顔で、それでも否定はせずに渡されたグラスを一気に半分程呑み干す、そんな素直な姿に軽く満足しつつ、横目で寝台の上に置かれたあの物体達を見る。
『最初から大きいモノを使うのはあの方も抵抗があるでしょうから、そうですね・・・・ピンクの奴があるでしょう?アレで楽しんでみたらどうですか、飛影』
脳裏に横切る、楽しげな狐の声が蘇る。アイツは・・・・アイツは、俺がこうして悩む姿を想像して楽しんでいるに違いない。性格の悪さは黄泉よりも酷いだろう、恐らく、魔界随一と言っても過言じゃないだろう。
「飛影、注いでくれ」
既に酔いの回っている表情で躯が空いたグラスを俺に差し出してくるので、今度は先程よりも多く注いでやる。さぁ、早く酔え。そして、たまには俺に遊ばせろ、躯。
「何だ、さっきより多いら・・・じゃないか、ちくしょう。もう酔っているのか、俺は」
クラクラしているであろう頭を抱えて呻く姿を俺は楽しげに目を細めて眺める。俺まで酔ってしまっては楽しめないので、こちらは軽く呑むだけだ。いつもなら、そこを的確に突っ込んで来るのが、
先に軽く呑んで酔いが回っている躯は気付かずに素直にグラスを再度空ける。
「うまい。」
飲み干して、空いたグラスを手で弄びながら躯が呟く。
「それはそうだろう?極上の献上品だ。貴様がたまに喜んで呑んでいる癖に、今更何を言っているんだ」
クスリ、と笑いを含んだ声でむくれた顔の相手の頬に口付ける。火傷で爛れた側にも口付けると、それだけで軽く声を上げる。
「っ!ば・・・っ!そちら側は・・・」
慌てて抑えようとする腕を抑え込み、そのまま寝台へと倒れ込み、上に被さる。
「馬鹿者・・・いきなり押し倒す奴があるか」
頬を染めていつもの強気さを既に捨て去っているのは酒のせいか、それとも単に俺の前だからだと自惚れて良いのか。毎回、そこは戸惑うのだが、今回ばかりはその素直さが有難い。
「さて、先程の品の使い方だが」
ん?と、興味を惹かれてキラリ、と目が光るそんな仕草に再度笑って口付ける。
「もう少し楽しんでからでも良いだろう?躯」
「お前は性格が悪いな」
「ふん、今更何を言っている?判っていて来たんだろうが、貴様は」
短いやり取り。でも、お互いの言葉の裏にある感情はそれだけで通じる。それで、充分だ。
そっと喉元に口付ける。見える場所に跡は付けない、と言うのが暗黙の約束。薄いローブの前を開け、俺にしか見られない場所に、俺の跡を付ける。
「・・・・・・・・・・んぁ・・・」
白い肌の側に点々とついて行く紅い華。付ける度に細い喉はしなり、その唇からは美声が漏れ出て行く。
焦らすように、焦がすように、わざと大事な部分は触れずに何度も脚の付け根、腹、胸。何箇所にも跡を残して行く。次の逢瀬が何時かなど分からないのだから、
それまで消えないように、俺の印を付けて行く。こいつは、俺のモノだと。その印を。
「んっ!ぁ、はっ・・・ひ・・・え・・・」
訴えるような瞳が、無言で俺を見つめる。そろそろ頃合いだろうか?
躯からは見えない位置にある、ピンクの小さな楕円形のモノを取る。細いコードの先には、調節のスイッチがある。確か、これを使えとあの狐はぬかしていたな。
「ん・・・・?なん・・だ、それ・・・?」
おぼろ気な視線で俺の持っている物を目で追い、不思議そうな顔をする躯の髪を優しく撫でる。それだけで、目を細めて嬉しそうな顔をする、そんな姿が良いと、素直に思えるようになるとは俺も変わったものだな
、そんな事を冷静的に考えてしまい、つい苦笑が漏れる。これではまるで蔵馬の考えているような事ではないか?
はだけたローブは既に敷き布となっていて、目の前には躯の裸体が横たわる。その、先程まで触れずにいた部分は既に湿っているのが薄明りにもよく判る。
躯の大事な場所へ、ピンクの物体をそっと当てればそれだけで喉がまた仰け反る。
「ひ!ち・・・ょ・・・飛影!な、何を・・・っ!」
慌てて押し返そうとする手は弱々しく、力は入らない。押されたまま、もう片方の手でスイッチを入れる。
ブゥン・・・・と、小さな振動音を立ててソレが動く。
声にならない小さな悲鳴を上げて、躯が俺の腕を強く掴む。何だ、力はまだ入るのか?
そっと、前後に楕円形のソレを揺らせば、それに合わせて躯の腕の力も微妙に変化するのがまた楽しい。俺の手で、躯が弄ばれている。
「ぁ、あ・・・・っ!んぁ!・・・・・はっ、ひ・・・えっ」
声にならない声を上げて俺に縋りつくように、何かを掴みたいように、躯の手が空をかく。それを目を細めて眺めながら、スイッチを更に強い方へと俺は入れる。
「ひぁっ!!!」
ローブの尻の辺りは既に水をかけられたかのように染みが出来、それだけ躯が感じている証拠を示しているのを、満足げに俺は眺める。成る程な、蔵馬が『楽しめ』と言っていたのも理解出来るような気はする。
やや強くしただけで、躯の声は段々と切羽詰って、間も無く上り詰める、そんな気配を俺は感じてグイ、とピンクの楕円形のソレを押し付けてやる。
「あ・・・・っ!は、だ・・・・めだ!ひっ・・・・ぁ、ぁぁ!!っっ!」
白い喉を仰け反らせ、身体をガクガクと言わせながら、躯が達するのを確認してから、スイッチを切る。ローブは今までに無い程・・・・濡れていた。
それからしばらくして。
「・・・・で、何でお前がそういうモノを持っているんだ、飛影」
かなり不機嫌な躯が裸体のまま胡坐をかいて俺の前に座っている。俺は、目線を逸らしながらただ無言を貫こうとしていた。
まさか、蔵馬の奴から貰った等と口走ったら何故使ったのだと口やかましく言われるのは判り切っているのだ。それなら、こいつが諦めるまで口を噤む方がまだマシと言うものだ。
チラリ、と横目で見れば、声とは裏腹に軽く笑っている姿に一瞬唖然としてしまい、ポカンと口を開けてしまった。
「ま、何となく予想はつくが、な?お前が自分で手に入れる事は無いだろうから・・・恐らく、あの狐辺りが寄越したんだろう?まさか黄泉、と言う事は無かろうからな・・・・
今回は見逃してやるが、今度はいきなり使うのは禁止だからな、聞いてるのか?」
ちょっと待て、それは・・・・・・・
「なら、言ってから使えば良いという事か、躯?」
思わず口走った俺の言葉に、紅くなって今度は相手が顔を背ける。
「そうか、なら次回は宣言しておいてから使う事にしようか」
「・・・・・・・・・・・・・馬鹿者が。」
そんな拗ねた表情に、軽く口付ければまた紅くなる顔。愛おしい、俺だけの至上の女。次は何をしてやろうか、今から楽しみになるだろうが。もう、離したりは出来んぞ?
―後日
「あぁ、それであの方はどんな反応だったんですか?」
クスクスと含み笑いをしながら薬草を渡して来る相手に、俺はただニヤリ、と笑いを返してやった。
「嫌だなぁ、飛影は。いつからそんな底意地の悪そうな顔をするようになったんですか、全く・・・せっかくあげたんだから、ちゃんと報告位してくれてもいいでしょう?」
「さぁな、そこまでする義務は無いと思っているんでな」
それだけ小さく言って、再度小さく笑って俺は蔵馬の部屋を後にする。さて、次の逢瀬は何時になるか。その時、躯はどんな顔をするか、今から楽しみだ。
(´・ω・`)投下完了。蔵馬との掛け合い漫才書きたかっただけとも言ry
垂金の雪菜ちゃん、虐められてるのにそれでも清楚で萌えました>537さん
氷菜さんと飛影パパは原作に出ていないから、中々難しいのに
あんなに純愛書けるなんて羨ましいです.・∴(ノД`).・∴,>526
では、このまま走って逃げます。
何この神だらけのスレ。スゴス!!
549 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 02:24:32 ID:JuyvWkm2
「ん・・・」
鳥のさえずりで、螢子の瞼がゆっくりと開いた。
隣には、いつもは上げている前髪がさらさらと額や頬をくすぐり、幼いころと変わらない寝顔をした幼なじみがいる。
550 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 02:29:33 ID:JuyvWkm2
こんなに近くにいるのに、明日いなくなるかもしれない
この人はきっと、戦わずにはいられない
ずっと私の腕のなかで眠っていて欲しいのに。
551 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 02:33:29 ID:JuyvWkm2
きゅん、と音がした気がした・・・せつなくて、胸が締め付けられて。
なんで他の人じゃだめなんだろう、なんでこんなに好きなんだろう。
そう思いつつ、幽介の睫毛をくすぐった。
552 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/17(木) 02:38:18 ID:JuyvWkm2
「う〜、ん。けい、こ・・・」
!!
何の夢をみてるんだろう?
今日は祭りですね。
しかし、投下の速度が速すぎなんですが。
ていうか、句読点も改行もろくに出来ないヤツが投下するなよ
>554さん
(´・ω・`)スイマセン・・・・かちゅで書き込んでるとどうも改行がうまく行かないのです
かちゅの書き込み幅を変えてもどうにも・・・ブランク長いのでなまぬるい視線で見守って下さいませ。
知ったこっちゃないですよ。
SS書きにとっちゃ投下したものが全てなんですから。
書き手として覚悟が足りないんじゃないですか?
全身全霊全エロを以て作品に臨む。
それが出来なきゃ投下なんかしちゃいかんです。
読んでくれる方に失礼です。
私も他スレで職人やっとるので厳しいことを書かせてもらいました。
半分、自分への言葉でもありますが・・・
精進しましょう。
>>555 あとなるべく、sage進行の方が良いかもです。(´・ω・`)
sage進行の事は、次スレのテンプレローカルに追加しといた方が良くない?
一晩明けてスレ見てみたらSS投下祭りになってる。スゴス!
ちょっと亀ですが感想書かせてくだされ。
>530-536
徹底した鬼畜っぷりに491氏に漢を感じました。GJ!
読んでいて垂金を憎く感じたよ。
でも読み手にそこまで感情移入させられるなんてすごいです。
>541-546
GJ!玩具ネタキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
武器を得てノリノリな飛影に翻弄される躯に(;´Д`)ハァハァ
次回はバ○ブでしょうか。どんどん過激になっていきそう。
連続スマソ
>550-552
螢子の心情描写上手いですね。ただsageて下さい。
あと、名前欄にカップル名・番号等入れて下さると分かりやすいです。
それと、難癖つけるようで申し訳ないですが人物名の誤字は悲しいっす。
それから
>>555 改行については、控え室スレのまとめサイトにちょっとコメントがあったり
するので、それを参考にしてみては?それか質問スレで聞いてみるとか。
>>557 やっぱり次スレからはテンプレ入りですね。sage進行。
平日昼間から失礼します。ちょっと流石にひどいと思ったので・・・
>556さん
>555です、確かにブランクがあると言うのは言い訳にしかならないのは
重々承知しているつもりです。
でも、最初から上手に書ける方がいるでしょうか?
一応書く前に職人スレで確認はしたのですが、それでも変な改行に
なってしまったのは言い逃れも出来ません。自分の腕が足らないせいです。
>557さん
それと。一応確認も致しましたが私は『sage進行』しておりました
アンカーを私に付けられていたのが少々気になってしまったので
荒れるの覚悟で書かせて頂きました。個人的なスレ汚し、失礼致します。
飛影×躯のオモチャの話待ってたよ!
GJ!GJ!
>>554、
>>556、
>>557の人たちは、
>>549-552の人へ言ったんではないのでしょうか、投下直後ですし。
>>554=
>>556の人はわかりませんが
>>557の人は完全に勘違いだと思われます。
>>555さんもあまり気になさらないよう。
改行なんてものは各自の専ブラで調整できるんだし、
改行しないという書き方もありますよ。
2ちゃんやPINKでは改行したほうが見やすいのでそのほうが望まれやすいですが、
投下なんかしちゃいかんというレベルではないはず。
>>556さんは注意なら、言葉をもう少しだけ柔らかくできないですか。
職人と自ら名乗るほどの人であればその書き方が荒れるということもわかるでしょう。
同じく他スレの一書き手からレス失礼。
>>562 えーと557だけど、うん、そうです。そのつもりで書いたんだけど。
>>549-552=
>>555だろうと思ったんだけど、人違いだった?
もしそうなら、こっちも言葉が足りなかったね。ごめんなさい。
あとフォロー有り難う。
躯×飛影でエロは、微妙です
大人のおもちゃネタ使わせてもらいました
ギャグ風味なのですが後半になるにつれ許せない方もいるかもしれんので、
注意してください
>549-552の人は
>>555さんじゃないね。ID違うし。
>>555さんは>541-546の飛影×躯・玩具ネタ書いてくださった人だ。
自分は>558&559だけど、
自分もちゃんと
>>557さんの発言中のアンカー見てなかった…
>549-552を指して“sage”の事忠告しているのかと思い込んでた。
ごめんなさい。
そのうえ>549-552のアンカー間違えていました。申し訳ないです。
>>564 ごめん。リロードしてなかったら_| ̄|○
気にせず投下しちゃって下さい。おもちゃネタwktk
>>565 あーやっぱり完全な自分の人違いだったか…。(´・ω・`)
>>555さん、改めてごめんなさい。orz
>>549-556が入れ子状態になってたんでてっきり…。
自分の
>>557の書き込みは、
>>549-552へのレスって事で…。
話をややこしくしてしまって、申し訳ないです。
>>564さん、スルーして投下宜しくお願いします。
自分は暫く回線切って逝ってくる。λ......
要するに、みんな混乱しすぎですw
「あの方に使ってみたらどうですか?」
数日前なかば強引にその言葉と笑顔だけで渡された謎の品。
20センチぐらいで奇妙なくびれが先端に施しており、どぎつい桃色の棒。
「蔵馬め…俺を試すつもりか?」
頭をどんなにひねっても使用法が分からない。
飛影は眉間にしわを寄せ、とりあえずもぞもぞとその謎の棒を弄くってみた。
うぃーん
「…ぅわ!!」
驚いて思わず落としてしまった棒は床の上でぐねぐねとうねった。
しばらくその動きを見ていた飛影は ふ、と考え付いた。
そして口をにやりと吊り上げ、楽しくてしょうがない、そんな悪戯坊主のような顔つきになった。
「わかったぞ、この棒を躯に使う方法が…しかし今の俺には使えこなせん代物だ…
だが使いこなしてやる…一週間でな」
飛影が訪ねて来ない。
ベッドの上で躯はクッションをありったけ抱いてどす黒いオーラを出している。
しかし見る人が見ればその表情は寂しさと切なさがまざりあった、早い話が恋する乙女の表情であった。
「…もう一週間だぞ…」
ぽつり、と心の声がもれた。誰かが聞いているわけではないが、慌ててクッションに頭をうずめた。
俺は何度か「好きだぞ」と茶化して飛影に伝えた事がある。
飛影はその度に「冗談はよせ」「馬鹿野朗」「ふしだらな事を言うな」と悪態をつく。
しかし本心である事を知っているので赤くなった顔を伏せながら肩に寄りかかってくる。
しかしそれ止まりだった。
俺はそうした飛影の仕草に幸せを感じないわけではない。嬉しいし胸がどきどきする。
だけど俺はもっとどきどきできる方法を知っている。
残念な事に飛影はまだとてつもなく子供だ。
風呂上りの俺をみても無反応に寝そべっていて、胸元がはだけていたら「みっともない」と無造作に手を伸ばして服を整える。
ストイックとかプラトニックラブとかそんなんじゃない。
知らないのだ。あの餓鬼は。
(飛影となら…絶対に気持ちいいのに)
(「躯、綺麗だ」「馬鹿…そんな見るな」「今更なんだ?いいだろう?」
「あっ…そこは…!!」「…愛している…」「ひ、えい…俺も…」)
「おい」
ガチャリ、と扉を開けたのはまさに想い人で、躯はさっきの想像もあって
気まずいやら恥ずかしいやらで声が裏返った。
「!!!!!!!!…の、ののノックぐらい、しろ!!!」
「?どうせ寝ていただけだろう?ちょっと付き合ってくれ」
「…え、あ、わかった…」
付き合ってくれ、という単語にまた躯がくらっときちゃったのは秘密だ。
「俺の部屋に全然訪ねてこなかったくせに…お前手合わせしか楽しみはないのか?」
そこは稽古場だった。巨大なその空間には飛影と躯しかいなかった。
躯のぼやきを無視して飛影は気を集中させた。
「おい飛影、一体何を…」
躯が言いかけた瞬間、空間全体に小刻みな振動が走った。
「俺はこの一週間…おまえを倒すためだけに特訓した…」
飛影が喋るごとに振動は激しさを増していった。
「だが、俺が勝っても、それは棒のおかげだ。
…だがこの武器を完全に使えこなせるようになったこと、そしてお前を倒した事…」
躯は立つのが精一杯で喋り続ける飛影に反撃すらできない。
「それは俺の自信につながる!!!」
稽古場全体を強烈な衝撃波が襲う。
「ちっ…あいつ何をしたってんだ?」
彼の力は一週間前と比べ物にならないほど進化していた。
(棒、といってたな…棒術を極めたというのか?)
足場を確保しつつ考え事にふける躯。
「余裕だな」
「!!!」
ひゅ、と恐ろしい速さで飛影が拳を繰り出す。
的確に隙を攻めてくる攻撃を受け流すのでも精一杯だった。
(飛影は何かを握って、それで俺を攻撃している…畜生、早すぎて何なのかわからない)
どんどんと速度を増して繰り出される攻撃に押され、ついには壁にまで追い詰められてしまった。
「くっ…腕をあげたな」
「特訓の成果は、これからだ」
「…!!!!」
上目遣いの赤い目には純粋な攻撃性が宿っていた。躯の背筋に悪寒が走る。
(やられる)
そう思った瞬間、彼女の体に激痛が走った。
稽古場を揺らしていたあの力が自分に向けられている。しかも何倍もの威力で。
肢体が飛んでいくのでは、と感じるほどの痛み。
口の中には懐かしい鉄の味がした。
(まいったな…)
清々しさに似た感情で躯は下を向いて飛影を見た。
その目には我が子の成長を喜び、そうして抜かされた親のような、嬉しくもあり少し寂し気な、
そんな感情が入り混じっていた。
腹に飛影の拳、否、棒が押し付けられていた。血は出ていなかった。飛影はその棒に力を流し、体内の器官を振動させ、躯を攻撃していた。
棒。そう、棒で。
20センチぐらいで奇妙なくびれが先端に施しており、どぎつい桃色の棒によって。
躯の何かが切れた。肢体ではない。ハートの大切な何かが、だ。
「あほかあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギリギリの状態で、飛影の肋骨を粉砕し、血と吐瀉物を吐き出させたのは
流石三竦みというか、年の功というか…
怪我も全快し、またいつもの日々が戻ってきた。
飛影はまたも叩きのめされた事が気に入らなかったが躯のベッドに寝転がっている。
「おい」
「なんだ」
「結局あの棒は何だったんだ?武器ではなかったんだろう?」
ばふ、とクッションに埋まりながら飛影は聞いた。
「…教えてほしいか?」
躯が悪い大人の顔つきになった。それはわかる人が見ると恐ろしく艶っぽい、
悪女の顔だった。
「ああ、教えてくれ」
そして飛影はわかる人ではなかった。
(暗転)
「いや、ちょっとまて、ま、待てと言うとるだろう!!!」
「言い出しっぺはお前だ!!怖くない!!!!!」
「おい、その、か、体を、大切に…純潔を、だな…」
「黙れ!!!!そんな時代は終った!!俺が一人前にしてやる!!!!!!」
「…ちょ、やめ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
飛影はこの日、大人になった。
なんか大変な事になっちゃいました。ごめんなさい。
流れを読むべきでしたね…orz
そんなこんなで、おもちゃ話です。
ほぼ得ろ無しのネタなのに微妙に長くて、あれですね
ガチエロの合間に笑ってくだされば自分としては嬉しい限りです。ノシ
素晴らしい・・・。
電車の中なのに素直に笑ってしまった
ハズカシー
禿ワロタwそして和んだ
途中までの躯が可愛すぎて萌えてたのに
>「あほかあああああああああああああ!!!!!!!!!!」
ここで声出して笑っちまったww
ある意味God Job!!!!!!
578 :
483:2006/08/18(金) 02:54:54 ID:yN3ZByse
ちょっと起きたばかりで感情的なレスを書いてしまい、申し訳ありません>ALL
>562さん
改行は・・・一応、一度ノートパッドで書いて誤字等の確認はしてから
投下しているのですが、かちゅにコピペするとずれてしまって。改行しない手も確かにありますね、どうもです。
>563さん
いえ、こちらもちゃんと文章を確認すれば理解出来たものをカッとなってしまい、申し訳ありません。
大変お騒がせして申し訳ありませんでした。
とりあえず掛け合い漫才ネタしか出て来ない頭を助けて下さいorz
>569さん
初恋少女っぽい躯ハァハァ(*゚∀゚)=3
初々しい感じが萌えました、ゴチです!そしてオチが素敵。夜中に大爆笑こいたの久々やw
>>569 やっべ面白すぎwwGJです!!
想像の斜め上を行く行動を取った飛影ワロスw棒術ってそっちかいw
まさかそう来るとは思いませんでした。一本取られたよ。
飛影とのエチを一人想像してどきどきしちゃう躯がカワイイ(´∀`)
乙女心粉砕されて鉄拳繰り出すところ、噴いてしまった。もう大好きw
最後は念願叶って良かったですね。飛影も大人になれて良かった良かった。
>>578 483さん、こちらこそ。もうお気になさらずに。掛け合い漫才ネタ好きですよ。
お二人ともまた新作書いて下さるとむちゃくちゃ嬉しいです。
玩具ネタ第二夜、楽しみにしております(;´Д`)ハァハァ
>>574 二人ともカワユス。しかも、バイブが黒龍波並みの難物扱いかよ飛影w
やはり、彼はバックバージンを破られてしまったのですか?
笑いましたよ〜。ちなみに自分が笑ったのは、
>躯の何かが切れた。肢体ではない。ハートの大切な何かが、だ。
でした。
でも序盤の乙女躯は新鮮で萌エス。(*´д`*)ハァハァ
>>581 >やはり、彼はバックバージンを破られてしまったのですか?
んな訳ねーだろwwそんな躯タン嫌だよ(つД`)
きっと飛影は躯姉さんに、手取り足取り一から教えてもらったんだろうな。
オットコマエで乙女な躯姉さんとD.T.飛影君のドタバタ初エッチ萌え(*´д`*)
うわわ、とても嬉しい言葉が!!
ありがとうございますorz
>やはり、彼はバックバージンを破られてしまったのですか?
( ゚д゚ )
>>584 >581のその発言はネタだと思うんで気にしちゃ駄目ですよw
まぁ、ネタでも(ry
ギャグ話また期待してます。お次はどんな話が飛び出すのか楽しみ。
ところで12さん、また投下してくださるかな…
前に予告されていたダブルデート話にも期待してます(;´Д`)ハァハァ
>>586 あの時、俺に「お前なら全てを見せられる」と言っていたのは嘘か?
お前の全てを見てやる…
スマソ。
>>586の言い方がちょっとエロかったんでつい悪乗りを。
まとめサイト管理人からのお知らせ。
483氏作品「無題 六」、491氏作品「50年前」、516氏作品「氷菜×飛影父」、
530氏作品「垂金邸」、541氏作品「玩具」、549氏作品「無題 七」、569氏作品「無題 八
今週は投下が神的に多かったので一挙七作品アップです。
ちなみに私は夏バテ気味なので今週もリタイアします。
ああ、ダブルデートネタが時期に合わなくなる…。がくり。
>>588 12さん、お帰りなさい!
まとめサイト更新いつも本当に有難うございます。
八百万の神々による怒涛のSS投下ラッシュ…
嬉しい事ですが、まとめサイトを管理されておられる12さんは
うp作業大変だったと思います。粗茶ですがドゾー つ旦~
夏バテ気味との事ですが、体が資本。
12さんの体調が少しでも早く、回復されますように。
作品はマターリお待ちしております(´∀`)
携帯よりこんにちは。
12さん、素早いUPお疲れ様です♪
…438と541は自分ですが(ノ∀`)タハー
DION規制の波の中で変な神が降臨しましたがカキコ出来ず。規制終わったら投下逃げします。…いつになるかな…躯x雪菜とかw
とりあえずお茶受けにようかんドゾー( ゚д゚)っ■
>>590 483さん、新作書いて下さったんだ…嬉しいです。
今度は幽白エロパロスレ始まって以来初の百合物(;´Д`)ハァハァ
早く規制が解かれますように…
>>590 躯×雪菜ちゃんで百合クル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!?
(0゚・∀・)ワクワクテカテカ
そして願わくばぼたん×雪菜ちゃんも(ry …ゲフンゲフン
気持わりぃ
このスレ腐女子ばっかだな
女が百合なんか喜ぶかよ
595 :
483:2006/08/22(火) 15:45:43 ID:M4Wo1xtW
>591>592さん
いや、昼寝してたらフッと変な神が降臨してしまいましてorz
ぼたんx雪菜・・・・ぼたん攻め?着物同士ってちと良いかも。
まぁ、あまり濃厚なエロが書けないのが問題ですが('A`)
規制が解かれたかとりあえずテストカキコ。
カキコ出来たらこのまま投下開始します。
その日は珍しい来客が来ていた。
物珍しげに、窓を通り過ぎる景色に感嘆の声を上げ、幼い表情を綻ばせ、
こちらと目線が合えばニコリ、と微笑む。自分の周りにはいない。
そんな、珍客・・・・とでも言うべきか。あいつの・・・身内だが。
「ありがとうございます、躯さん。私が下からでも見たい、と我侭を言ったせいで・・・氷女の国の近くまで連れて行って下さって」
目線を落としがちにしつつも、微笑んで感謝の意を伝えるその少女の名は、雪菜。
あの男の、唯一の身内。肉親。ただ一人の、妹。
「構わん、しばらくは百足も特に巡回する用事が無いから問題も無い」
呟くように応え、自分のグラスに入った酒を飲む。いつもならすんなり通り抜ける酒が苦く感じるのは何故か。不可思議な気分でムスリ、と再度口にグラスを当てる。
人払いをした客間には雪菜と躯、ただ二人だけ。
「今日は・・・・その、飛影さんはいらっしゃらないんですね?」
少女の口から聞こえた名に、一瞬だけ自分の胸の中に炎が上がったような、そんな気がした。
「あいつは今は所用で人間界に行っている。用事でもあったのか?」
自分でも驚く程、冷たい声が唇から漏れ出してしまうが、気付いているのか気付いていないのか、少女はただ『そうですか』と寂しげに微笑むのみ。
無垢な、何も知らない少女。自分も・・・そう、もしかしたら自分も持っていたかもしれない、穢れを知らない姿。その姿が目の前にあるだけで、苛々と脳の端は煮えたぎるような、そんな気分が募って、募って。
「雪菜」
「はい、何でしょう躯さん?」
キョトン、と小首を傾げて微笑んでこちらを向く少女の姿を、もう一度眺める。そんな自分を、不思議そうに眺める姿。また、脳の端が焼けつくように煮える。何故、何故。
「着物が着崩れているぞ、俺の寝間で着直すと良いだろう。こっちだ」
口から発せられた言葉は、何の世迷いごとか。何を血迷ったのだ、とフッと思うも、素直に頷いて立ち上がる姿に一瞬見とれてしまう。
寝間へ案内し、自分の寝台の前で帯を解く姿を見ている内に、フッと
自分の中へと悪戯心が沸き上がるのを抑えられなくなった。
「お前は・・・・その体に異性を受け付けられないと言うのは本当か?」
「・・・・・はい?」
着物の前をはだけ、長襦袢を直していた少女は何を言うのか、と言った顔で
こちらを見つめる。美しい翡翠色の瞳が、真っ直ぐにこちらを見つめる。
「氷女は、異性と交われば死ぬ、と聞いた事がある。お前の母がそうだったんだろう、雪菜?」
近付き、何も知らない、全く純粋無垢な少女の頬に手を添える。
オロオロと目線を彷徨わせつつも、少女は小さくかぶりを振って、
その言葉を小さく、でも確実に否定した。
「いえ、分裂期に合わせて交配した場合のみ、命を落とすんです
。ですから・・・・その、分裂期に合わなければ、ま、ま・・・えーと・・・」
途中まで言って口篭もる様子だけで、彼女が純粋なのが見て取れる。
「交わっても、平気と言うわけ、か」
クスリ、と自分の唇の端に笑みが乗るのを感じる。こんな質問だけでこの反応だ。
もし・・・・淫らな事をされたら、どんな顔をするのだろう?最近は大人しくなっていた、
自分の中にある嗜虐の心が刺激される。胸の中の炎が、弾けるような。
「あ、あの・・・そうですね、はい。」
頬を撫でられればそれだけで再度紅く頬を染めて下を向く視線を顎を持って
強引に上に上げさせる。驚いてこちらを見つめ返す視線に、軽く微笑んでから、口付けを。
「・・・・・っ!?」
頬に当てた手に強張る相手の体を感じ、自分の中の炎が蠢いて止まらないのを自覚する。
後で飛影に文句は言われるだろうが・・・たまにはこういう余興があっても良かろう?
何度も何度も啄ばむように口付けをすれば、雪菜の力は抜け、着物を掴んでいた筈の手は空をかき、
やがて躯の服へと辿り着き、それを掴んで離さない。
まるで、何か頼りになる物を探し当てたとでも言うように、しっかりと。
「・・・・は・・・」
唇を離せば頬を染め、涙目でこちらを見上げる少女の姿。
「ふ・・・・驚いたか?」
「あ、あの、何を一体なさるのかと・・・・私を食べても美味しくありませんよ?」
全く見当違いな言葉を紡ぐその唇を、煩いと再度塞いでそのまま軽く後ろに押し倒せば、
自然にグラリ、と寝台に2人の影が倒れ込む。
唇を離し、もう一度顔をチラリと見てからそっと首筋を吸うように、啄ばむように軽くペロリ、と舐め取る。
「きゃっ!」
今までに無い感覚に口から声を漏らし、慌ててその口を手で塞ぐ仕草など、正に無垢な少女そのままと言うべきだろうか。自分には、もう無い物。もう、とうの昔に失った、あるべきであった姿、か。
「お前を欲しがる馬鹿の気持ちが解る気もするな」
ニヤリ、と笑って手慣れた仕草で長襦袢の紐を解けば、慌てて前を抑えて開かせまいと焦る仕草。そんな様子もまた初々しくて、良い。あぁ、そうか。たまにはこういう仕草をしてみれば飛影も興が乗るだろうか?
「わ、私を欲しがる方なんていませ・・・・きゃ!」
言いかける口を塞ぐ為に、薄い長襦袢の上から小さな幼い膨らみをそっと撫でる。思った通りの反応に小さく、薄い笑みが躯の唇に浮かぶ。
10分もそうやって優しく布の上から撫で続けていただろうか。
もうその頃には、逆らう気力も無くなったのか、それとも力が抜けてしまったのか。
雪菜の息は荒く、寝台の上の敷き布を軽く掴んで幼い二つの膨らみを上下させて、
目にはうっすらと涙を浮かべてこちらをただ驚いたように見つめている。
「そんな顔を見せられたら、意地でも虐めたくなるじゃないか、雪菜?」
顔の半分は爛れているものの、それでも尚、美しい女は唇の端に笑みを浮かべて
力の抜けた少女の襦袢の前をはだけさせる。
「ぁ・・・・や、やめ・・・」
かぁぁっと紅くなって口だけで抵抗する少女の胸を直接触れれば、
その抵抗する口もきつく結ばれ、目は瞑られる。そう、瞑っていれば全て忘れられる。
瞑って耐えていれば、涙も出ない。何も、変わらない。昔、掴まっていた頃のように。
彼女の過去は飛影から寝物語に聞いた事がある。
・・・・自分と同じだと、その時は朧気に思ったものだが、今こうして自分が組み敷いている少女が、
そんな過去を持っていたとはまるで思えない。
胸の先にある紅い頂点を口に咥えれば、軽く呻き声を上げ、また慌てて口を抑える仕草に
小さく苦笑する。
「声を出した所で誰にも聞こえんぞ?」
― 恐らく遠くから観察している飛影以外には、だがな ―
口には出さず、遠くで歯軋りをして見ているであろう男を思い、薄く、再度笑う。
笑って、嬲るように雪菜の幼い膨らみを直接揉み、吸い上げ、頂点を軽く齧り、
少女の唇から声が漏れ出るまでしつこくそこだけを弄る。
「ん・・・・ぁ・・・・っ・・・・は・・・・」
手で抑えた隙間から漏れ出る声を確認して、手をそっと下へと滑らせれば、
ビクン、と雪菜の体が硬直を。
「力を抜け。抜いた方が楽になるぞ?」
気休めにしかならない、と分かっていても優しく声をかけて脚の付け根をそっと、
何度も何度もゆっくりと撫で回す。悪寒を与えないように、火傷をおっていない方の手で優しく、
解きほぐすように、子猫をあやすように根気良く撫でる。
こんな時でも気を使うようになった自分に軽く驚きを覚えて苦笑を漏らしながら。
「んっ・・・・」
力が一瞬抜けたのを見逃さず、脚の隙間に手を差し入れる。
恐らく本人以外が触れた事の無い秘所は既に湿り気を帯びており、
そこから出てくる女の香は本人の鼻にも届いている事だろう。
「・・・・や・・・・」
顔を隠すようにして、力の抜けた体を着物の上に横たえた少女の姿は
淫らで、それでいて清くあり、美しく整っており。
ギリ、と自分が小さく歯軋りをしたのは気のせいか。いや、気のせいであって欲しい。
雪菜の秘所をなぞればぬるりとした感触と同時に、顔を覆った手の間から甘い声が漏れ聞こえて来る。
「力を抜け、雪菜」
呟くように耳元で囁き、秘所の入り口から人指し指をそっと中へと侵入させる。まずは第一関節まで。
「ひぁ・・・・!」
ビク、と背中がしなり、自分よりも細い喉を仰け反らせて体の中に入って来る異物感に
耐えようと自然に手が空をかくのをもう片方の手で握ってやる。
「な・・・ん・・・」
翡翠色の瞳を濡らして切れぎれに問う声には返す言葉が無い。
まさか、お前にヤキモチを妬いた、等と言うわけにも行くまい?返事の代わりに、もう少しだけ指を指し入れる。
「あ!・・・・・ん」
軽く呻いて、子供が駄々をこねるように頭を左右に振る姿を眺めつつ、
軽く醒めた気持ちで指を軽く出し入れする。何度も繰り返していれば、指の動きに合わせて水音が寝間に響き出す。
「聞こえるか?お前の出している音だぞ、雪菜」
クスクス、と意地の悪い声で耳元で囁けば、耳朶まで真っ赤に染めて嫌々、といった風にかぶりを振る。
「何が厭なのだ?お前が出している、お前の体が感じて出している音だ。聞こえるだろう?」
音が聞こえるように、先程よりも深く、何度も指を出し入れしてみせる。
「ぁ・・・・・は・・・・・っ・・・・んぁ・・・っ」
カァ、と紅く染まった頬を隠す事も無く、淫らな音を響かせて躯の前に横たわるのは、
少し前までの純粋で、何も知らない少女ではない。ただの、快楽に溺れ出している『女』だ。
頃合いを見計らって顔を秘所に近付ける。そこから漏れ出す女の香は芳しく漂って
自分の鼻腔を満たして行く。甘い、魅惑の果実の香。飛影も・・・いつも自分の香をこうして嗅いでいるのか?
「・・・・ぁ?・・・・な・・・にを・・・」
慌てて脚を閉じようとするのを片手だけでガッシリと捕らえて再度開かせると、
そのまま秘所に軽く舌を這わせる。
「んぁ!」
ひぃ、と小さく悲鳴を上げて再度仰け反る体を自分の体で抑え込むようにして
雪菜の一番感じる所を探す。・・・・あぁ、あった。女が最も感じる、尖った蕾。
そこを、舌先で突付き上げるように啜れば・・・
「あ、あっ・・・・ぁ!・・・・や・・・は・・・・っ」
悲鳴混じりの嬌声を上げてよく反応して鳴く体。
それに満足せず、入れたままの指を何度も出し入れし、舌先で尖った蕾を突付いてやる。
「は・・っ・・・あ、あ・・・・あぁ、あぁぁぁぁぁ!」
一瞬、一際甲高い声を上げたかと思えば、あっという間に雪菜の体はぐったりと崩れ落ちた。
「おや、案外早かったな」
蜜で汚れた口元を拭い、寝台の脇にある水盤に布を浸して雪菜の体を拭き清めてやる。
襦袢の前を合わせ、着物は・・・流石に寝ているままでは着せられない、か。
引き出しから取り出したのは、少し前に『戯れにでもお使い下さい』と、
あの人間界に住む狐がくれた夢見草。
流石に今の仕打ちを覚えられているままではこの娘が気まずかろうと、少女の枕元に撒き散らす。
眠ったままの少女を、枕元の椅子に座って眺める。
「無垢、か・・・・・・」
ポツリと呟き、焼け爛れた自分の片手を見つめ、また少女の顔へと視線を移す。
自分にはもう手に入れる事の出来ない物を持った少女。何の力も無い癖に、
人に愛される術を無意識に持ち合わせている、可愛らしい少女。
やるせない気分に陥り出した時、不意にパチリと雪菜が目を開く。
「・・・・あ・・・れ?」
きょろきょろ、と周りを見渡してから、自分の着物がはだけているのに気付き、
慌てて体を起こして前を合わせ、それからやっとこちらを恥ずかしそうに向く、
その姿は先程までの『女』を全く感じさせない物で。
「あ、あの躯さん・・・私、どうして?」
困ったように聞いてくる姿に苦笑してから、髪を撫でてやる。
「着物を着付け直そうとした時、貧血を起こした様子でな。そのまま寝かせておいた。
気にするな、どうせもうじき氷女の国の近くに着くだろうよ」
「ごめんなさい・・・・」
伏し目がちに謝る姿に、胸の奥の炎がチリリと痛む。
「気にするなと言っている。それ以上謝ったら今すぐ百足から叩き出すぞ?」
笑って言えば、慌てて立ち上がって着物を着出す姿を見、気付かれないように息を吐く。
それからしばらくして、雪菜が外で氷女の国を眺めている間、
躯は寝間で一人酒を呑んでいた。先程の余韻の香が漂よう部屋で、ただ一人。
「さて、あいつには何と言うべきか、考えておくか」
自然に口から笑みが漏れるのに気付いて、苦笑が零れる。
何でこんなに喜んでいるのだろう。大事な男の、ただ一人の妹を穢しておいて、
今更理由を考えているとは。自分も結局はただの『女』と言う事か。
何を今更、嫉妬をしているのだろうか、と。自嘲めいた笑みを唇に乗せて、グラスを傾ける。
次の日、人間界へと戻る姿を見送った躯が百足の自分の寝間へ戻ると、
寝台の上にいるはあからさまに不機嫌な男が一人。
入って来た自分をジロリ、と睨む姿に思わず吹き出す。
「・・・・・・貴様、あいつに何をした」
「何を?見ていたんだったら言う必要も無いだろう、飛影」
サラリ、と言ってこちらを睨む頬にキスを一つ。
「お前の愛情を独り占めしたかっただけ、と言ったら・・・・怒るか?」
素直に白状してみせれば、呆気に取られる男の顔。再度、吹き出す自分。
「痴れ者が。俺が決めたのは貴様だけだ、阿呆。その位も分からんのか」
そう言って躯の首に腕を絡め取り、飛影にそのまま引き倒されながら躯は思う。
こいつに惚れて良かった、こいつでなければ俺は一生暗闇から抜け出せなかっただろう、と。
('A`)すいませんすいません。濃厚エロ練習してるのですがうまくいきま(ry
ヤキモチ妬いちゃった躯、から発展したネタです。
この前突っ込み喰らったんで改行気を付けてみましたが・・・かちゅだとうまく
出来ているかわからず、四苦八苦しつつUP。
では、このまま走って逃げます。
素敵です。
悪戯心は躯が持つとイイですね。
483さんGJ!百合キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
愛しい男の“大事な妹”である雪菜に
図らずも嫉妬してしまう躯の女心が切ないね。
戸惑いつつも感じちゃう雪菜の動作一つ一つも可愛くて(;´Д`)ハァハァ
それにしても女の子相手でも上手いなぁ躯は。さすが元女王様。
後、邪眼で飛影が覗き見しているのを知っていながら
わざとプレイするってのが倒錯的で萌えた。
あ、飛影は覗き見しながらマスかいてなかったよな?w
>あ、飛影は覗き見しながらマスかいてなかったよな?w
この一文で萎えました。
608 :
483:2006/08/22(火) 21:32:29 ID:onPcHcJt
思わずこめかみを抑える。
あいつが、今日百足へと行くのは知っていた。だが、顔を合わせたくなかった。
だから、わざと日が合うように用事を作って人間界に来たものの・・・・・・
気になって、邪眼で様子を見てみれば、躯があいつに悪戯をちょうど仕掛けていた所で。
「あの、阿呆めが・・・・」
思わず口から出るぼやき声に、目の前にいる狐が顔を上げる。
「どうかしましたか、飛影?」
聞いているが、その表情から察するに恐らくは俺が『何』を見ているかは理解しているのだろう。
「何でも無い。早くさっさと薬草を準備しろ、この化け狐が」
「はいはい、調合が面倒なので時間がかかるってさっき言ったばかりですよ?」
クスクス、と笑いながらまた背中を見せる相手を二つの眼で見つつ、
邪眼は着崩れた妹の姿を追っている。
乱れた姿もそれはそれで良い、などと思う頭を軽く振り払いながら。
― 後で躯に苦言を呈さねばならんな、と心の中で苦々しく思いながら。
>605
ヤキモチ妬いた躯とか可愛いとか思ったら頭ん中がこんなモードへorz
悪戯するなら飛影が義性になりそうなんですけれどねぇ。
>606
邪眼で覗き見飛影とか言うからこんなネタが出て来ましたよ?(゚∀゚)蔵馬との漫才万歳。
ID変わってしまうのはAir-H"だからです。
>606です。
>>607 面白半分に余計な事を書いてしまった…申し訳ない。
>>608 覗き見飛影話もキタ━(゚∀゚)━!!!!!GJ!483さん有難う!
意地の悪い蔵馬ワロスww
飛影、雪菜と顔合わすのが恥ずかしくて人間界に来たっていうのに
裏目に出ちゃって災難だな、と思いきや…
>邪眼は着崩れた妹の姿を追っている。
>乱れた姿もそれはそれで良い、などと思う頭を軽く振り払いながら。
おにいちゃんのえっち!
483さん、初百合ゴチですた。(-人-)
とにかく、雪菜ちゃんかわいいよ雪菜ちゃん。(*´Д`)ハァハァハァハァ
ほんのりヤキモチを妬く躯さんの女心も良いですなぁ。
>>608のオマケもGJですw
このスレが腐女子臭いのはみんな、顔文字つけてテンションが高いからだと思う。
そうだな
良作SS投下されて、みんなテンション高くなっちゃってるんだよ。
自分もだけどw
>592じゃないけど、ぼたん×雪菜もいいな。着物同士で百合って萌える。
でもこの二人をエロく絡ませるってちょっと難しいかも。職人さん頑張れ!
>>596 コウノトリを信じてる女の子にポルノを見せるってやつですね?
>>613 592だったりしますw
この二人の場合は、女の子同士でいちゃいちゃしながら、戯れ合ってって感じのが
良いかも。
鬼畜なのは、ぼたんちゃんのキャラじゃないしねぇw
ネタを振るだけで、自分には書ける才能がないけどさ。(´・ω・`)
正直「えぇー、百合?」と思ったが、躯×雪菜だったせいか、
全く違和感が無かったw
躯、普通にカコイイ男性みたいだったよw
>>615 >女の子同士でいちゃいちゃしながら、戯れ合って
いいなぁ。カワイイよ。萌えた。
あと、ぼたんや雪菜だけじゃなくて、螢子や静流たちも交えて
女の子だけの秘密トークとかどう?ちょっぴりエロ話も込みで。
旅行で旅館・ホテルに泊まった際にとか。
それで、温泉入って「キャー○○ちゃん胸大きい〜」とか言ったり。
>>617 そのネタなら良作SSがネットにありますよ。
サガセ。
>>618 617です。そうなの?ごめん。探してみるよ。
ところで飛影、邪眼で覗き見し放題だな。
邪眼で人を操る事も出来るらしい。エロい事もやり放題w
特に初期のチンピラD級妖怪時代は悪さやってても違和感ないな。
でも霊界では「前科なし」か…
まとめサイト管理人からのお知らせ。
483氏作品「悪戯」、「悪戯 続き」を只今アップしました。
それと、541の「玩具」は、御指摘通り483氏に訂正しました。
まだ暑いけど、以前よりは和らいだ感じがします。
今日は何とか書けるかな。
>620
管理人様、素早い対応感謝です。
先週よりは多少過ごしやすい感じな休日。筆が進・・・・みませんorz
>>620 12さん、乙です。いつもすみません。
新作楽しみにしています。でもご無理はなさらずに。
確かに明け方とか涼しくなったよなぁ。
暑くて目が覚めてしまう、なんて事もなくなってきたし。
12です。
ダブルデートネタ、書いているところですが最後まではどうも無理っぽそう
です。しばらく休んでいる間に以前のノリを忘れてしまったようで。
ああ…。
真夏の日差しが今日も眩しく降り注いでいる。
喉が渇いていたので注文したジュースが来るやいなや、すぐに二人とも飲み干して
しまった。ようやく落ち着いてから口が滑らかになる。
「わあ、ぼたんさん。そのネイル綺麗ー」
「えへへ、たまにこんなこともしてみたくってさ。人間界に来ないと飾れないもんね」
「いいなー、どこでやって貰ったんですか?」
「えーと、これはねー」
まるでアートのように花を描き、ラインストーンで飾りたてた爪を自慢げにひらひらさ
せながら、ぼたんは華やかな笑みを浮かべた。
涼しい店内の窓からは近くの公園の大きな噴水が見える。今日はそこを待ち合わ
せ場所にしていたというのに、まだ他の男共は集まる様子もない。
元々は幽助と螢子に会いたいというコエンマのわがままから始まったことだったと
いうのにだ。当然ぼたんも螢子には会いたかったので約束を取り付け、日時と場
所を決めていたのに、蓋を開けてみればやって来たのは螢子だけだった。
ぼたんの方も、人間界に来た時はコエンマと一緒だったというのに、『ちと所用があ
っての』と上手くはぐらかされて一人残されていた。
全く、男というものは仕方ない生き物だ。
螢子と楽しくはしゃぎながら、ついぼたんは恨みがましくそんなことを考えてしまっ
ていた。
「螢子ちゃんも難儀だねえ」
溜息交じりに言った言葉は、そのまま自分にも当てはまることだった。
「え?」
「ちゃんと幸せにして貰ってるかい?あたしはそれだけが心配だよ」
「ぼたんさんたら…」
何故かはにかむ螢子の満ち足りた表情が、答えの全てに思えた。ああ、何も心配
する必要はない。この二人に過剰なお節介はいらない。
それを目に出来ただけで、こうして会った甲斐があったとぼたんは安堵する。
それにしても。
男共はどうしたというのだろう。
その頃、男二人は真昼間からスケベオヤジ化して駅前のランジェリーショップで異
質のオーラを放っていた。下手をすれば変質者が二人いると通報されかねない雰
囲気だ。
辛うじてそれがない様子なのは、二人とも別にこそこそしてはいないからだった。だ
から、多分恋人か奥さんにでも買おうとしているのだろうと、周囲の女性たちも遠巻
きにしながら出来るだけ好意的に見てくれているらしい。
そんな気遣いも気に留めるでなく、二人は勝手に盛り上がっていた。
「これどうよ、螢子にさ」
「うーむ…それはやや大胆ではないか」
「いーんだよ、これぐらいの方が」
「それなら、ぼたんに似合いそうではあるな」
「二人とも、そこで何をやってらっしゃるんですか?」
急に背後から涼やかな声が聞こえてきた。
「蔵…○×…南野…どうしてここに」
「偶然です」
当然の疑問をあっさりと振り切って、このやたら暑い中をスーツ姿で佇んでいる蔵
馬はにこやかに笑った。確か営業だったから平日の午後に外にいるのは当たり前
として、それがここにいる理由にはならないよなー…と、スケベオヤジの片割れが
思ったとか思わなかったとか。
汗ひとつかいてもいない蔵馬は少し首を傾げていた。
「お二人が揃っている、ということは別の場所で螢子ちゃんやぼたんと待ち合わせ
をしているんですよね?だったら行ってあげなくていいんですか?約束の時間はと
うに過ぎているでしょうに」
「うっ…まだ大丈夫だって」
「いえ、過ぎていると思いますよ。螢子ちゃんは時間にきっちりしていますからね。
分かりやすい時間を指定していたでしょう。午後一時とか二時ジャストというよう
にね。あまり遅くなってもこの時期は余計暑いですし。ということで、ほら」
苦笑しながら、蔵馬は自分の腕時計を示して見せた。針が示している時刻は午
後一時二十五分。
「ぅわ、やべっ!」
「どうやら、本当に約束の時間を過ぎていたようですね」
「こんなことしてらんないぜ、コエンマ、行こう」
「あ、ああ…致し方ないな」
どうやら、店に長居をして通報されることだけは免れた二人は、本当の用事を思い
出して慌てて待ち合わせ場所へと急ぐ。その後ろ姿を眺めながら、蔵馬は溜息を
ついた。
「やれやれ…魔界も人間界も落ち着かない人たちばかりで世話の焼ける…」
「あ、やっと来た来た」
五分後。噴水の辺りをうろうろしている男二人を見つけて、ぼたんが店内から大き
く手を振った。それに気付いたのか、バツの悪そうな顔で二人は揃って店へと歩い
てくる。
「もう、何してたんだろうねえ。女を待たすなんてさ」
二杯目のオレンジジュースのグラスを空にして、ぼたんは呆れたようにテーブルに
頬杖をついた。
「全く。ねえ」
それについては螢子も全く同意のようだ。
続く
ごめん。
やっぱりここまでしか書けなかった。
続きは何とか今週中にやりたい。
うぉ!覗いたら投下がっっっ
ってか何で蔵馬普通に下着屋おるねん、と突っ込んだ自分がいる。
12さん、ご無理はなさらずゆっくり書いて下さいね〜。
>>628サン
私も同じツッコミをしてしまったw
ん・・・?ひょっとして伏線?
>>12サン
誰にでも不調なときはあるものです。
というか遅筆な私には12さんの筆速度は奇跡です。
無理は禁物ですよ。
蔵馬の会社で作っているブラホックが新世代の商品として大ヒット。
連日のように各地のランジェリーショップで奔走する蔵馬。
そしてさり気なく飛影を経由せず直接躯に下着をプレゼントする嫌味な蔵馬。
いいなぁ、腹黒でw
12さん、続きはマターリお待ちしてます。気にしないで下され。
螢子とぼたんの会話、読んでいてほのぼの。
二人とも普通の女の子って感じで可愛いよ。自然だし。
一方、二人のスケベオヤジーズ…ある意味健全だよ彼らは。
あと蔵馬が下着屋にいても、前回の件があるからもう驚かねw
>>631 飛影カワイソスwこのままじゃ躯かあさん取られちゃうぞ!
あと(>443-)で生まれた女の子が大きくなった時、
変な?知恵つけられないように気をつけないとな!
娘 「パパとママ、ベッドでも手合わせしてるってほんとう?」
>「パパとママ、ベッドでも手合わせしてるってほんとう?」
ハゲワラw本当に言われそうだしw
真っ赤になってそして「う、うーん…」と答えるパパとママ。
いやいや、躯はツワモノだから
「そうだな。ではこの際だ、性教育も兼ねて体の仕組みからじっくりと
教えることにしようか」と乗ってきそうだ。
それを必死で止めようとしている飛影。
やだそんなパパとママw
ハズカシス(ノω\)
638 :
483:2006/08/30(水) 12:58:52 ID:pMXn/E3k
12さんの蔵馬の行動がそぐわないのに似合って激しく吹きました。
伏線なんだろうな、と思いつつもそんな蔵馬が好きだ!
>634さん
ベッドで手合わせ。娘が目撃した後
娘「ママー、私も手合わせして、ベッドで」
躯「・・・・・は?」
飛「・・・・・・・・・(沈没」
とかなりそう。
と言う事でやっと玩具の次書きあがったので投下開始↓
『ソレ』を勝手に取り出して眺めていたのが悪いのか。気付けば組み敷かれ、
腕を男の力で強引に抑え込まれたまま頭の奥では冷静にそんな事を考えて。
「勝手に人の引き出しを開けて何をしていた、躯」
自分を組み敷き、冷たい声で問い掛けられて目線を逸らす。
まさか、お前が持っていた『ソレ』が気になって興味を惹かれた、等と
口走ればこの男がどんな事をするか・・・・・容易に想像が出来る。
「別に、たまには自分の男が何を持っているか気にしても良いだろう?」
軽く足蹴を入れてみても相手の力は抜ける気配すら感じない。まぁ、人間界で
暗黒武術会の優勝チームの一員だった男だ。そう簡単に力を抜く筈も無い、が。
「自分の男、か・・・ならば、もっと信頼して下手な詮索は止めておいた方が
良いんじゃないか?こんな物をしげしげと観察するような奴だったとはな」
ニヤリ、と黒い笑みを浮かべて先程まで自分が持って眺めていた『ソレ』を
手に取って、火傷の無い方の頬を叩いて来る。
カァ、と顔に血が上るのを感じつつも冷静を装って声を出す。
「・・・お前がそんな物を後生大切にまだ保管していたとは思わなかったから
それで・・・・たまたま眺めていただけの事・・・で・・・」
冷静を装って言葉を紡いだつもりが、唇から漏れ出したのは途切れ途切れの
まるで怯えた少女のような、そんな声。
「お前が言っただろう?『言ってからなら使っても良い』と。」
その一言を聞いた瞬間、先日の逢瀬を思い出し顔に更に血が上るのを感じた。
まさか、今・・・・使う気では無いのか?このグロテスクな物体を。
「そうだな、言ってから・・・と言われたからには先に伝えるべきか?」
自分の反応を楽しみつつ、完全に硬直した躯に口付けて飛影は微笑んだ。
まるで、悪魔のような、天使のような。どちらにも見える、魅惑の微笑。
唯一、躯だけに見せる、あどけなさを残した笑みを。
「これは渡された中でも一番細い奴だったな、確か・・・あのバカ狐は
”動きが中々良いと評判の逸品”などとほざいていたが・・・試してみるか?」
相手の言葉に反射的に『厭だ』と言いたいのを堪える。自分で言ったからだ。
自分で『先に言えば良い』等と言ったから、だが・・・・だが、だが。
「こうやって強引にされるのは屈辱的だ」
ポツリ、とやっと出た反論の言葉は否定も肯定もしない曖昧な台詞。
組み敷かれた状態の躯の、精一杯の反抗。
言われた相手は最初は意味が理解出来なかったのか、不思議そうな顔でこちらを
見つめ、それからやっと手を離して躯を解放した。・・・片手は掴んだまま。
「・・・この手を離せ、飛影」
「離せばお前は逃げるだろう?そんな顔をしている」
言うと同時に掴んだ手で引き寄せられて相手の胸の中へと収まる。
「なっ・・・!」
何をする、と言いかけた唇は同じく唇で塞がれ、言う筈だった言葉はそのまま
消えて。
「ん・・・・」
合わせた唇からは、もう甘い吐息が漏れ出してしまう。そんな自分が厭だと
思いつつも、体は純粋に相手を求めて、手は自然に首に回される。
唇を離されれば二人の間には透明な糸が引かれ、それを見た自分の芯が熱くな
っていくのを嫌でも感じて、また更に芯が熱く燃える。
「そうやって素直な貴様も、また良いな」
微笑んで髪を撫でられるだけで、それだけで耐えられない。もう、この男の手が
自分には必要なのだと厭でも思い知らされる。この手に離されたく、ない。
「痴れ者が・・・好き勝手ばかり言って」
プイ、と顔を背ければ視界の端を相手の腕が動いて、そのまま胸元に直接手を
差し入れられる。いつもならば、着ている物を脱がしてから観察するのが好きな
こいつが、何と珍しく急いている事か。
触れた手の体温を感じれば、トロリと脳が溶けていくような錯覚へ陥る。
「ふぁ・・・・ん・・・・っ」
「たまには着たまま、と言う趣向も楽しいだろう?コレも使うし、な」
再度頬に『ソレ』を当てられれば、体は自然にビクリ、と反応してしまう。
素直に反応をする体を疎ましく思いながらも、『ソレ』が欲しい、と体が
自然に願っているのを感じて小さく歯軋りを一つ。
不意に太腿に体温を感じて虚ろな視線を下ろせば、飛影がさするように太腿を
触れていた。確実に感じる所を触れながら、でも一番肝心な所には触れずに、
ジワジワといたぶるように、何度も、何度も。
「く・・・・っ・・・・ふぁ・・・・」
脳がどんどんと溶けていってしまう、そんな感覚に溺れながら必死で飛影の服の
裾を掴む。でも、その手の力もすぐに抜けてそのままダラリと寝台の上へ。
「こうして服を開いた状態のお前も中々眺めが良いな」
クク、と笑いを押し殺したような声で呟く声を聞いた、と思った。
ひやり。ぬるり。と。
「ひぁっ!?」
股の間にいきなり何かが垂れて来た感触に意識が一瞬で戻る。何をしたのか、と
無言の瞳で訴えれば、こちらを見返す瞳は三日月の様に細くなる。
「あのバカ狐がこの前・・・人間界に行った時についでに寄越した物でな。あい
つ曰く”滑りが良くなって、感度が良くなる”だそうだ。面白かろう?」
そう言って微笑む姿は、ただの悪戯っ子の様にしか見えない。今では魔界でも
それなりに一目を置かれる存在だ、と言うのに。幼な子に見えてしまう。
飛影がぬるり、とした液体を躯の秘所にゆっくりとまぶすように、
指を押し付けるように動かす。前後に動かし、そして胎内にも忘れずに。
「んぁ、はっ・・・・ひ・・・・・ぁ、だ・・・・・ふぁっ・・・・!」
駄目だ、と言いたいのに口が動かない。漏れて来るのはただの小さな嬌声。
液体が触れている所がどんどんと熱くなって行くのが自分でも判る。熱く、
古傷が疼くように、そして”何か”を求めて。
(そろそろ頃合い、か・・・・?)
いつも以上に乱れる姿を見下ろしながら、飛影は躯の頭の横に置いてあった物を
とりあげる。躯の視線は虚ろで、蔵馬の寄越した薬が良く効いている様だ。
そっと躯の秘所に『ソレ』をあてがう。違和感を感じてか、躯の体が一瞬強張るのを
チラリ、と一応見てからそのまま一気に押し挿れた。
「ひぁ・・・ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
いつもとは違う、異物感。でも、待ち焦がれていた感覚。厭だ、と言う思いと
『コレ』がずっと欲しかったのだ、と自覚する頭。相反する考えを消そうと必死に
首を振ってその感覚だけに溺れようと。
「予想以上の反応だな、ん?躯」
楽しげに笑って自分の頬にキスを落としてくる相手にも何も返せない。否。
返すつもりなど最初から無いのかもしれない。こいつには、敵わないのだから。
飛影が『ソレ』を出し挿れする度に淫水の音が飛影の寝間に響き渡る。
躯の部屋と違い、あまり広さの無い部屋に音は反射して、否が応でも躯の耳に
自分の体の状態を思い知らされる。
「や・・・・ぁ・・・・・んぁっ・・・・!」
細い喉をしならせて嬌声を上げて悦ぶ姿は、本当にかつて一国の主だった者の姿、
なのだろうか。今の姿を見る者がいたら、そんな事を考えるだろう。
出し挿れを止めて、飛影が躯の息が落ち着くのを待つ。
「ぁ・・・・ひえ・・・い・・・?」
体の芯が熱いまま刺激を止められて戸惑う。何をしたいのだろう、この男は。
自分の考えを読み取った飛影がカチリ、とスイッチを入れる音がした。
ブゥゥンという独特の振動音が響くのと同時に、躯の胎内で勝手にゆったりと
くねりと『ソレ』が動き出す。
「ふぁ・・・・っ・・ん」
抜けないように、軽く手を添えるだけで飛影は動かず。
胎内を蹂躪するように蠢く感覚に背中に鳥肌が立つ感触と、それでもその感覚を
必死にどうにか手にしようと自然に意識がそちらに集中するのと。どちらの
感覚からも逃げたいのに逃げられなく、手は必死に空をかく。
「どうした?」
空をかく手を握られ、笑みを含んだ声で問いかけられても何も答えられない。
いや、答えたくないのかもしれない。答える事に意識を向けるなら、このまま
体を蕩かされてしまいたいのかも、しれない。
何の返答も反応も無い事に焦れたのか、飛影が『ソレ』を前後に動かす。
くねる物体が新しい刺激を厭でも感じれば、また体の芯が溶けていく。溶けて
そのまま敷き布へ一緒に同化してしまいそうな位、自分の境界線が解らなくなって行く。
「・・・・・・んぁっ!・・・・はっ・・・・あ、ぁ・・・・」
涙混じりの目で力無く相手を睨んだ所で効果が無いのは判っていても、睨んで
しまうのが自分だ、と冷静な部分で思いながら相手の手の温度を感じて、
そこだけが安心感に満たされているのに自分の体は疼く。これでは足りない、と。
「欲しいのか?」
耳朶を軽く食まれ、ゾクリとする様な声音で囁かれると、また背中にざわり、と悪寒が立つ。
厭ではない、心地の良い矛盾する悪寒。
その間も独特の振動音を出しながら胎内で蠢く『ソレ』に意識を持って行かれそうになりつつ、軽く頷く。
「ダメだな。今日はこのままの貴様を見ているのも一興だ」
「ふぁ・・・ん、な・・・なに・・・がっ」
クイ、と顎を持たれて強引に目線を合わさせられる。炎のような妖気を放つ、
冷たい瞳の男。目が合ったらもう離してはいけないと思うような、そんな男。
「そうやって悶えて疼いてたまらん、と言った顔をする貴様だ。そういう様を
見て楽しんでみても構わんだろう?俺が楽しいから、な?またこの前のように
俺のではない、ただの物体で気持ち良くなればいいだけの事だ」
既に躯の体から溢れている蜜をすくって見せつけるようにペロリ、と舐めて
見せつけてからニヤリと笑う男。こういう時、こいつが凶悪な性格を持っている事を
改めて思い知る。だが、そこがまた良いと思う自分も同じなのだとも思う。
グイ、と一瞬引き抜かれて体が強張るのと同時に、胎内へとまた打ち込まれる。
「あ、ん・・・・・ぁぁぁぁ!」
小さな悲鳴と同時に体の意識が全てそこに集中してしまう。もう、目の前にい
る男の事を思うよりも、体を全て使ってでも快感を得たいと思ってしまう、そんな
女の性。今まで捨て去って来た筈の自分を曝け出してしまう瞬間。
「やっ・・・・ぁ、ふぁっ・・・」
飛影が小さく笑いながら出し入れをする度にくねりと振動が高みへと持って行こうとさせる。
もっと?そう、もっと、もっと。恐いけれども、この瞬間が最高の瞬間。
「相変わらずよく鳴く奴だな」
耳元で囁かれ、爪の先で隠れた蕾を突付かれた瞬間、躯の意識が弾け飛んだ。
気が付けば、服は綺麗に前を合わせ直してあり、乱れた髪も飛影の不器用さを
表す程度には撫でて直してある。重い体を起こして周りを確認する。
「・・・・俺の部屋・・・?」
はて、と小首を傾げた時に寝間の仕切りが開いて飛影が酒瓶を持って現れた。
「やっと気付いたか、躯」
思わず先程の醜態を思い出して顔が熱くなるのを感じて視線を逸らす。
「なかなか良い物を見せてもらったな」
そんな自分を知ってか知らずにか、隣に座って置いてあるグラスに酒を満たし
てこちらに手渡して来る飛影。受け取りながら、そんな相手から視線を逸らし
て何もない虚空を見つめる。
「次はもう少し良い思いをさせてやろうとは思ってるからな、安心しろ」
慰めにならない慰めを言われ、肩を叩かれて熱くなっていた顔から血の気が引
くのを感じた。次はもう少し?もう少し、ってどんな手を使ってくるのだ、こ
いつはと。
クラクラする頭を抑えながら飲む躯を楽しげに見る飛影。
そして、その日は飛影が横にいるせいで躯が安心して眠れなかったとか何か。
投下完了。
相変わらずラヴい二人にならず四苦八苦。12さんみたいなラヴいの書きたいです、先生orz
ところで蔵馬が飛影に教えてる図とか考えてたら吹き出した自分は負けですか?
「違いますよ、電源はそこです」
「わ・・・わかっている。いちいちうるさい奴だな」
みたいな?
おぉ、今回の玩具ネタもエロイよ。483さんGJです!
バイブで責められ、ローションで責められて、
息も絶え絶えに感じまくる躯がエロすぎる。興奮した。
蔵えもんから貰った秘密道具、大活躍ですね。
飛影、なんか使い方上手いし。ビデオでも見て勉強したのかw
次はどんな手を使ってくるのか今からもうwktk。乙でした!
連続すみません。
>>645 >蔵馬が飛影に教えてる図
蔵えもん 「魔界バイブ〜」
飛え太 「破壊パイプ?なにそれ。」
蔵えもん 「パイプじゃない!この道具は女の人のおm(ry」
この後、憧れのむくちゃんに悪戯する飛え太w
みたいな?
この間貰った物の使い方がいまいち理解出来ん。とりあえず蔵馬に連絡を
取って、教えてもらう事に。・・・・俺のプライドが許さんが仕方あるまい。
「おや、こんばんわ飛影」
窓をいつもの様にガラリと開ければ既に待ち構えていましたよ、とでも言う顔で
爽やかに笑っている性悪狐の顔。
そんな相手に、無言でこの前貰った袋を差し出す。笑顔を崩さずに受けとる狐。
「やっぱり使い方判りませんよね、飛影じゃ。とりあえず、こんな物でも」
椅子を回転させて優雅な仕草で立ち上がり、部屋のドアを閉めて振り返った顔は
まさに悪徳盗賊、と言った顔付きで一瞬自分の選択が間違ったかと思った位だ。
「・・・・こんな物でも、と言いながら何も無いじゃないか」
キョロリ、と部屋を見渡した所で何の変哲もない。いつもの、人間臭いだけの
つまらん部屋だ。置いてある寝台に腰掛けてみると視線の先にはTV。
「えぇ、ですから部屋をとりあえず閉めておきませんと、ね」
「何の為にだ?」
わけが解らん。こいつは元々何を考えているか予想がつかない奴だったが、
今日はいつにも増して何を考えているのやらサッパリ理解出来ん。
困惑顔をしている俺の前で、蔵馬が何やら机からCD・・・いや、DVDと言う物か、それを出すのが見えた。なぜ教えて貰うだけでそんな物が必要なのだ?
「飛影、感情が最近モロ見えで楽しいですね、顔で丸解りですよ?」
笑いを含んだ声でハッとした所で、蔵馬がこちらを向いたままリモコンを押した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
思わず沈黙。そして、つい食い入るように画面に釘付けになってしまう自分が
哀しい、と思わずどこかで考えてしまった。
「中々面白いでしょう?これは表じゃ流通していない”裏モノ”ですけれどね。
ま、幽助が桑原君に渡そうとしたら拒否された、とかで・・・仕方無いでしょうが。
それで巡りめぐった挙句に俺の所に来たし、ちょうど良い資料になるかと」
相変わらず優雅な笑みを意地悪げに湛えたまま蔵馬が何やら横で解説していたが、
それを聞いている余裕など無かった。画面に映る二人の男女の絡みを眺める、俺。
そうか、こうすれば躯も悦ぶだろうとやっと納得が行った頃に、映像が終わった。
「で、どうでしたか飛影?」
肩を叩かれて我に帰る。慌てて振り向いて見上げると、俺の表情で理解したのか
無言で再度肩を叩く蔵馬。そして、またいつもの爽やかな笑顔で一言。
「あの方に、ちゃんと応用して下さいよ?その為に持っていたんですから、ね」
それに頷く事も忘れて、そのまま窓から出て帰途へつく。
その後、飛影はあまりに動揺し過ぎて蔵馬の部屋に袋を取りに一回戻ったと言う。
>647
そうか、ビデオで教えてもらったのか!と目から鱗で勢いで番外編。
ちなみに蔵馬はきっと新しいモン好きそうだからDVDだろ、と勝手に考えてDVDです。
でも再生してるのはPS2だったらそれはそれで。
蔵えもんネタいいなぁ、お笑いネタ書きてぇw
このスレじゃ基本的に蔵馬は蔵えもんなんだなw
エロいものなら何でも出せる有能妖怪。
魔界とかで道具なかったらなかったで植物でカバー
蔵馬何でもアリで便利だなw
>>651 番外編もGJですよ!483さん。
飛影、AV見るの初体験?…まさか、おっきしなかったよなw
幽助や桑原も交えてみんなでAV鑑賞兼勉強会もいいね。
「空を自由に 飛びたいな」
「ハイ!浮葉科魔界植物〜」
蔵えもんと仲良くなると秘密道具、出してくれますw
655 :
483:2006/08/31(木) 18:26:30 ID:EnIZkp1L
番外編更にその小ネタ。(載せなくていいです・・・
「ところで飛影、大きくなっちゃったりしていませんか?」
袋を取りに戻った所で蔵馬が俺の顔を真っ直ぐ見ながら真顔で聞いて来る。何の事だ。
小首を傾げる俺。そして、俺のマントの下の方を凝視する蔵馬。
「やっぱり上着着てると見た目じゃ判りませんよねー、つまらないですねぇ・・・・」
はぁ、と意味深な溜息をついて袋を渡した狐がつまらなさそうに呟く。
まさか、少々興奮気味だったなどとこいつに言えるか、阿呆が。どうせ後で幽助やツブレ顔に
脚色して話すに決まってるに違いないのだから。
「何の事だか知らん、忘れ物をして済まないな。」
フン、と鼻を鳴らして再度蔵馬の部屋を出る。後ろからクスクス、と言う笑い声を聞いて
思わず顔をしかめながら。とりあえず走りながら袋を確認したら、見慣れない液体が入っていた。
ま、どうせあの映像の中で使っていた物を蔵馬なりに加工した物だろう、と見当を付けて
どうやって使ってやろうか、とそれを考えて百足へと足を速めた。
>654
そりゃもう初めて見ちゃう裏モノですから当然おっき(゚∀゚)おっき!ですよ。
躯と絡みを書くよりも蔵馬と腹の探り合いしてるの書く方が楽しいのでとりあえず
次は百合ネタでも、と。漫画の方の最終回でみんなで温泉宿泊ネタあったし!w
>>655 オマケもGJ!! 次回の百合ネタも楽しみにしてますよー。
しかし、すっかりこのスレで蔵えもん定着しとるなーw
もうこの流れで腹抱えて笑いましたよw ヒーヒーorz
で、やはりしみつ道具はあの髪から出すのですか。(真顔)
このネタ、前レスの方にあったカツオネタと合わせて読めたら最高だろうなぁw
続・番外編いいね。次回の百合にも期待。
飛影、やっぱりおっきしていたかw
さて、秘密道具ゲットして調子付いてる飛え太くんに一言。
蔵えもん 「飛え太くん、道具にばかりたよってると (ry」
蔵えもんが言うと洒落にならないww
>>656 カツオ系下着泥飛影と蔵えもんのコラボですか?
躯姉さん(むく香ちゃん?)も参加で。苦労するでしょうが…
何かこのスレのせいで、今夜のドラえもんを見る目が変わってしまいますた。orz
このスレの二つ下にドラえもんスレがあるね。偶然かな?(w
そう言えば劇場版の、のび太の太陽王伝説に蔵馬の中の人出てるよね。
後、初期の頃のぼたんちゃんも、ちょっとドラえもんっぽかったな。
霊界七つ道具とか。(w
霊界七つ道具とか懐かしいw
いつの間にかほとんど使わなくなったよなあ。もったいない。
483さんの飛影×躯の馴れ初め初H話も読んでみたいな。
483さん版じゃ、ここでも蔵馬がいろいろ助言?を与えそうだ。
からかいつつも、戦友の恋愛成就を応援しそうだな。
>からかいつつも、戦友の恋愛成就を応援しそうだな。
イヤ、ただの興味本位だろw
ひでぇwwwでもなんか分かるかも。
寝言で雪菜の名前言った事とかこっそり躯に喋りそうでコワスw
躯、表面上は「ほう、飛影の奴そんな事を…」と
余裕な態度でさらりと流しそうだけど、内心ちょっぴり嫉妬しちゃいそうだ。
で、二人きりになった時、飛影に問いただすとw
483さん版・飛影×躯初エッチ話に期待しつつも、
12さんのダブルデート話の続きが気になって仕方ない。
お二人とも、マターリお待ちしております。
気付いたらレス伸びてるので見に来た483です(バカ
>659さん >662さん
えぇぇぇ、飛影と躯の初Hですか!
結果報告は蔵馬にしてたんだろうな、とは考えてましたが・・・飛影の筆下ろしを躯がって奴ですね。
とりあえずぼたんと雪菜ちゃんと静流さん辺りの話書けたら思案してみますorz
ちょっと色々あって現実逃避に走りたい・・・12さんのダブルデート心待ちにしとります。
童貞組
桑原、飛影
微妙組
幽助、蔵馬
>>663 なんだかお疲れのようなので…つq□コーヒーを。
483さんの百合話も飛影・躯の初H話(飛影筆下ろしの巻w)も、
12さんのダブルデート話続きも躯出産後セクシー下着話もwktkしてます。
>>664 幽助は、彼女の螢子がいるけど、Hは「まだ早いでしょ!」って
まださせてもらえてないような気がするww
>>664 某蔵馬スレでは「妖狐蔵馬は盗賊時代にヤリまくり。南野蔵馬は童貞。」
って言ってたなw
残暑でへろへろな、まとめサイト管理人からのお知らせ。
遅ればせながら483氏作品「玩具2」、「玩具 番外編」を只今アップしま
したです。
最近少し涼しくなって喜んでいたのに、またキツい暑さがぶり返してきて
へばってました。ああ、ダブルデート話が時期外れになる…。
せめてもの埋め合わせ。
「ほぉぅ…お前等、この事態について、とくと説明して貰おうか」
むくちゃんは自分の部屋の中でいたく御機嫌ななめです。逆立った髪の先から
蛇でも這い出してきそうです。
それもそうです。
夜、すやすや眠っている時に二人してベッドの上に突然降ってきたのですから。
ここはお巡りさんを呼ばれてもおかしくないところですが、さすがに女の子だ
からということで、むくちゃんもあまりおおっぴらには出来ないようです。
その目の前で無理やり並んで正座させられている蔵えもんと飛え太くんは、こ
っそり責任をなすり合ってました。
「全く飛え太くんときたら、肝心なところで…」
「うるさい、そもそも貴様が変な道具を出すからだ。いきなり使いこなせる訳も
なかろう」
「おーまーえーらーーーーー!!!」
情けない男共に堪忍袋の緒がぶっつり切れてしまったむくちゃんは、遂にメドゥ
ーサになってしまいましたとさ。
石化した二人が元に戻ったのは、それから一週間後、むくちゃんの機嫌がようや
く直ってからのことだったそうです。
めでたしめでたし。
朝からチェックしたら何かすげぇもんがww
とりあえず毎度毎度、更新ありがとうございます12さん。
ところでこのバカ二人は何をしようと寝所に立ち入ったのかそこんとこkwsk・・
>665さん
(´48∀3`)っq□ ありがたく珈琲頂きます。
個人的に南野は何だかんだで高校辺りでさっさと適当に済ませちゃってる気が。
幽助は原作終わった後グダグダと螢子ちゃんと。
飛影はうちの場合大変そうな気がすr(プロット出来てない
桑原は道程が通そうだな、うん。相手が相手だし。
ところで静流さんって割と胸でかい・・・ですよね?
飛え太くんは飛影口調なのに、蔵えもんはドラえもん口調なんだねw
>>668 12さんまとめサイト更新乙です。つq□紅茶でも…
「蔵えもん」SSキター!!飛え太だけじゃなく蔵えもんまで乗り気なのがw
むくちゃんも「飛え太サンのエッチ!」じゃ済ませない所もワロタ。
12さん、こういうネタ系も上手いなぁ。GJでした!
>>669 南野はやっぱりみんなの先輩だな。>童貞か否か
あと幽白の女の子達ってみんなそこそこチチあるよ。
12です。
何か、蔵えもん書いたら気分が乗ったので、昨日の話の直前を書いてみたと
です。相変わらずおバカ展開だけど結構好きだなー。
では、
>>671さんの紅茶頂きます♪
飛え太くんは、これまでも蔵えもんの出す怪しいブツを使って、憧れのむくちゃん
と何とか「イイ感じ」になろうとしてきました。けれど、いつも肝心なところで失敗
してしまうのです。
むくちゃんのお家に突然現れたはいいけれど、その時のむくちゃんは何故か入
浴中だったりして、どうもタイミングが悪いのが蔵えもんの道具の難点でした。
しかし、蔵えもんは全然気にしていません。
「気にすることはありませんよ、飛え太くん。頃合良く、時間は深夜です。むくち
ゃんは今頃きっと眠っていることでしょう。このチャンスを逃してはいけません。
早速行きましょう」
そんな、やけに行動力のある蔵えもんの悪魔の囁きに、日頃からむくちゃんの
ことを考えてはハアハアしていた飛え太くんも遂に行くことにしたのです。
そんな訳で草木も全部ぐっすり眠る丑三つ時。
「さあ、着きましたよ。飛え太くん」
「よし…この下にむくちゃんはいるんだな」
「さすがに屋根裏は少し狭いですが、我慢のしどころですよ」
真夜中だというのにやたらテンションの高い、フィーバーでフューチャーなバカ
二人は、むくちゃんの部屋の真上に陣取って今回の作戦に相応しい道具を取
り出しました。
パッパラパッパッパー♪(効果音)
「てなことで、今夜は催淫花を使いましょう。見た目はごく普通の美しい花です
が、その香りには絶大な催淫効果があります。種から十分ほどで開花します
から、それを眠っているむくちゃんの上に降らせましょう。エロティックな気分に
なる上に視覚的にもロマンティシズム溢れる場面となりますので、二人が結ば
れるにはまさに最適なシチュエーションになるかと」
ちょっと眠くなっていた飛え太くんは、やや陶酔気味な蔵えもんの説明の最初
しか聞いていませんでした。
少し穴を開けて下の様子を伺ってみると、まさにむくちゃんはベッドの上で熟睡
中でした。立っても座っても歩いても全部ばしっと決まっていて綺麗なむくちゃん
は、こうして眠っている時でもまるで眠り姫のようです。
その姿に思わず辛抱たまらん状態になった二人は、そのまま豪快に床板を踏
み外して落下していったのでした。
ドラ○もんと決定的に違うのは、むくちゃんがこの世界では最強だということで
しょう。
昨日の話に続く。
何すかこの雁首揃えたおバカ二人組はwww
モエスワロスwwww(゚∀゚)
12さん何でこんなバカ二人書けるんですかっっ!!深夜に腹抱えて笑っちまったよorz
あぁ、これで活力頂きました、ゴチです(*´∀`人)
とりあえず夜食におむすびドゾー(゚Д゚)っ△△
12さん、またまたGJ!
二人組のおバカっぷりが超絶ww面白すぎですw
陶酔気味に秘密道具の説明する蔵えもんとか、もう笑えて仕方ないw
やっぱむくちゃんが最強ですね。
飛え太、まだまだ修行しないと。下剋上がんがれ〜
むくちゃんて聞くとジャイアンの犬を思い出す・・・
あ、幽助がジャイアンで桑ちゃんがスネオで永吉がムク?
678 :
483:2006/09/06(水) 12:07:32 ID:adKBzrfq
エロくなりませんでしたが・・・・バカ話になってしまいましたが・・・・
頭の中から蔵えもんが離れなくてムリでs(ry
原作最終話の、その温泉一泊編、投下しまする。↓
679 :
【温泉】:2006/09/06(水) 12:08:14 ID:adKBzrfq
螢子が幽助を海にアタックして一泊決定、となったその日。
「では、こちらのお部屋とこちらのお部屋とご用意致しましたので」
「あぁ、どうもね」
慣れた仕草で仲居から部屋の鍵を受け取る静流を、ただ不思議そうに見る雪菜達と、
その鍵の片方をやはり当然の様に貰い受ける男達代表の蔵馬と。
「じゃ、とりあえずあたしら先に露天風呂行っちゃうから夕飯まで好きにしてな、男共」
手を軽く振って意味深な笑みを浮かべて女性陣の背中を押して部屋に入る静流を見送る、
残された男達。やれやれ、と肩をすくめる蔵馬の背後ではニヤリ、と顔を見合わせる二人。
「ちょっと聞いたか、桑原?」
「露天風呂つったよな今、露天風呂つった。」
「って事はだぜ、こりゃぜってー覗けって天の啓示って事だよな?」
うしし、と笑う二人を見ながら既に暗雲立ち込めそうな気配に額を抑える、引率担当蔵馬。
(まぁ、まだココに飛影がいないだけマシって物でしょうかね、これは・・・)
「はいはい幽助に桑原君、早く荷物入れて俺達もどうするか決めないと、ほらほら」
ハァ、と溜息をつきつつニヤニヤする二人の背中を押して男部屋へ行く三人。
680 :
【温泉】:2006/09/06(水) 12:09:14 ID:adKBzrfq
そんなこんなで女性陣はさっさと浴衣に着替えて大浴場へと。ちなみに螢子の浴衣を
着せたのは、美容師の静流なのは言うまでもなく。後の二人は元々和服なので問題無し。
「ひゃ――――――!絶景かな 絶景かな!」
一番乗りで洗い場に飛び込んだぼたんが早速大声で喚き出す。その後ろから、タオルを
長く垂らして胸元と下を艶っぽく隠した静流が出て来て、同じようにほぅ、と吐息を一つ。
「ほぉ、確かにこりゃ良い眺めじゃないか、螢子ちゃん、雪菜ちゃん、早くおいでよ」
軽く首を捻って後ろを向けば、ちょうど二人とも恐る恐るタオルで前を隠して入って来た
所で、滑らないように二人共ドアに手をかけたまま、の状態。
「あ。本当ですね〜、とても綺麗な景色です」
ふふ、と柔らかく屈託のない笑顔で答えて、一歩づつゆっくり歩いて静流の横へ行く雪菜、
それとは反対に足が滑らないかと慎重におずおずと足元を確認しつつぼたんの隣まで行って
その場にしゃがんで、やっと景色を眺める螢子。
「わー、ほんとすっごい良い眺めですね、ぼたんさん?」
ね、と嬉しそうに見上げた螢子の胸元を何気なく見たぼたんの中にちょっと悪戯心が
芽生えたのは、気紛れ上司の悪影響なのか、否か。
「うんうん、でも螢子ちゃんの胸も大きくなっていて絶景さね?」
ケラッと笑って相手の胸を指すと、案の定真っ赤になって胸を隠す仕草を見て、また笑う
ぼたん。それに対して立ち上がろうとして・・・・そのまま足を滑らせて倒れそうになって、
必死にぼたんへ掴まろうとする形になってしまった。
「へっ!?ちょ、ちょっと螢子ちゃんタンマッ!あたしまでコケちまっっっ」
うっひゃぁ、と慌てて変な声を出して転がるのは避けても、螢子を抱き抱えるぼたん。
抱き止めれば、ふんにゃりと女の子独特の感触が厭でも腕にかかるワケで。
一瞬相手の胸元と自分の胸元を確認してしまうのは、女の性と言う奴で。あぁ哀しや。
「ま、ま、とりあえずこっちに座りなよ螢子ちゃーん♪」
はいはい、と強引に手近なシャワーの前にある椅子に腰かけさせて、背後で早速タオルを
泡立て始めるぼたん。そして、そんな気配など気にかけずに目の前に並ぶ物を眺める螢子。
「んじゃ、雪菜ちゃん?ここで突っ立っても仕方無いだろ、あたしらも体流そうかね」
「あ、はい、そうですね」
二人のじゃれっぷりを眺めていた傍観者二人は、クスリとお互い微笑み合って、少し離れた
別のシャワーの所へと移動。
681 :
【温泉】:2006/09/06(水) 12:10:34 ID:adKBzrfq
「んっふっふっふっふ〜♪けーぇこちゃぁーーーん♪」
「・・・・はい?何ですか、ぼたんさ・・・・きゃぁぁぁぁぁ!」
いきなり胸に泡立てたタオルを押し付けられて、慌てて叫ぶ螢子と、ニヤニヤとしながら
タオルでわしわしと容赦無く洗うぼたん。まるでサイズを計ろうとしているかの様に、
しっかりと隅々まで確認するように、丁寧にタオルで洗い込む。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ、ぼたんさんっ!」
「いやぁ、しばらく見ない内に螢子ちゃんってば胸大きくなっちゃってまぁ」
むにゅ、と相手の胸を素手で握ってハァァ、と溜息をつく相手に青くなる螢子。
「し、しばらくっていつ見たんですか、いつっ!?ってかサイズ何で知ってるんですか!」
(突っ込む所はそこじゃないだろ、螢子ちゃん・・・・・)
雪菜の髪を洗ってやりながら、横目で二人を眺めつつ心の中で突っ込む静流。
うふふ、と相手の胸をいぢくりながら嬉しそうに、にんまりするぼたん。
「いやさねぇ、螢子ちゃんってばさぁ。あたしゃ霊界案内人だよぉ?そりゃもぉ、あーんな
事やらこーんな事とか、いーろいろ知ってたりしちゃってぇ?」
「あ、あんな事とかってな・・・・っ・・・・んっ」
ぼたんの指先がちょっとだけ先をかすめて、思わず小さく声を漏らして顔が真っ赤に。
「へ?何か言ったかぇ、螢子ちゃん?」
「なっ、何でも無いですっ!」
ぶんぶん、と首を左右に振って慌てて否定するのを見て、ぼたんはふーん、と一声。
そのまま、タオルを滑らせてお腹の辺りを洗い出す。勿論、自分の体は背中に密着させて。
そっと、優しく洗いながらもくすぐったくなる手前寸前で止めるのはやはりあの気紛れ上司
自らのお仕込みの賜物、とでも言えばいいのだろうか。
ぴったりと背中に自分の胸を当てたまま器用に脇の下やら膝やらを洗って、さて。
「それじゃ、脚開いてくれるかぇ、螢子ちゃん?」
「・・・・・いやです。」
即答で却下する螢子。
「それじゃ洗えないよぉ〜?開いてくれなきゃくすぐっちまうよぉ、脇とか脇とか脇とか」
うふふ、と背後から聞こえる笑い声は確実にヤっちゃうよ、と宣言しているような物で。
何で自分がこんな目に合ってるんだ、と溜息をつきつつ螢子は軽く脚を開く。
682 :
【温泉】:2006/09/06(水) 12:11:09 ID:adKBzrfq
「いやん、ご開帳ぉ?」
「なっ!何言ってるんですか、ぼたんさんっ!」
ごつっ。
思わず振り向いてしまった途端、覗き込んでいたぼたんと唇同士がぶつかってしまったのは
螢子にしてみればあくまでも事故、と言う事にしておきたい所か。
「おやおや、あたしゃ螢子ちゃんの唇奪っちまったかぇ?あ、でも最初は幽助さね」
ニシシ、と笑う相手の顔を見られず、真っ赤になって口を抑えたまま慌てて前を向く螢子。
しかも、大事な部分を相手にタオル越しに、とは言え洗われている状態。更に真っ赤。
ゆっくりと焦らすように、柔らかく優しく洗う仕草に、声が漏れそうで漏れない状態で。
もしこれが幽助だったら、なんて事を一瞬考えて、慌てて小さく頭を振って考えを飛ばして
みたりする、そんな可愛い一面とかがあったりする。
「さーて、んじゃお次はお背中行きますよぉ、っと」
背中の感触が消えて、思わず螢子は自分の胸をふにゅっと触って、視線はぼたんへと。
「ん?どうかしたかぇ、螢子ちゃん?」
軽くこちらを見る仕草に不思議そうに胸を隠しもせずに小首を傾げるぼたん。
ジーッと相手の胸と自分の胸をしげしげと見比べて、それから小さく何度目かの溜息。
「・・・・・ぼたんさんの方が胸、大きい・・・・・」
「へっ?あ、あぁ、そりゃあたしの場合こりゃ結局容れモンだからねぇ、ちょいと大きめに
作ってあるのさね、だ、だから気にする事ぁ無いよ、螢子ちゃんっ!」
哀しそうに溜息をつく相手に慌てて手を合わせて拝みつつ、慌てて言い訳をするぼたん。
そんな様子の二人を、髪を流して貰いながら見ていた雪菜がふ、と静流を振り返る。
「なんだい、雪菜ちゃん?痒いトコあったかい?」
目を細めて聞く静流の胸と自分の胸を見比べる雪菜。その視線に、まさかと静流が思った
その瞬間、やっぱり雪菜の口から出て来た言葉は。
「あの〜・・・静流さんって、皆さんの中で一番・・・胸、大きいですよ、ね?」
何の他意も悪意も無い、純粋な少女から出された一言。当然、あまり遠い位置にいない
もう一組の二人にもそれはしっかりと聞こえてしまったわけでして。
「な、何だって雪菜ちゃんっ!」
泡だらけのタオルを握り締めて駆け寄ってくるぼたんと、興味津々な表情で近付く螢子。
そんな三人を見て、思わずシャワーを持ったまま軽く額を抑えてしまう静流だった。
「三人して、そんなに気にする程胸小さいって思わないけどねぇ、あたしは」
ほら見なよ、と諦めて胸を隠していた手をどけると、ぼたんと螢子から小さい感嘆の声が
上がって、あぁやっぱり見せるんじゃなかったと再度がくり、とする静流。
「あの、静流さんって胸のサイズいくつなんですか?」
すごい、と感心しているのが丸見えな螢子がおずおずと聞く。隣でぼたんが真剣な顔で
頷いて、その二人に挟まれるようにしてキョトン、としている雪菜。
「大した事ぁ無いよ?DだかEだか・・・その位じゃないかい?」
濡らさないように、とまとめ上げていた髪を下ろしながら諦めの一言を呟く静流に、二人は
素直に うわぁぁぁぁぁぁ!と歓声を上げてしまう。
「ちょ、ちょっと聞いたかぇ、螢子ちゃんっ!」
「DとかEとかって言うかDの時点で凄いですよね、ぼたんさんっ!」
さっきまで自分がぼたんのより小さい、と嘆いていた事をすっかり忘れて手を合わせて
喜ぶ二人。その間にぎゅぅぎゅぅと挟まれて、やはり不思議そうに小首を傾げる雪菜。
「・・・・・・・・・・・・・・・・いいからとっとと体も頭も洗って風呂入るよ、風呂っ!」
しばらくの沈黙を置いて、低めの声でボソリと呟く声に、慌てて自分達の椅子へ戻る二人。
それを確認してから、はぁぁぁぁぁ、と深く溜息をついて髪を洗い出す静流に、雪菜が
「えっと・・・”でー”とか”いー”って・・・・すごいんですか?」
と、何も知らない彼女らしい一言をポツリ、と。思わず前につんのめって、軽くそちらを
見れば、何も知らない少女は今の台詞がボケだとも気付かずに体を一人で洗っていた。
「・・・・すごいのかも、しれないねぇ・・・・とりあえず、あそこの二人には?」
「そういうものなんですか〜。じゃ、静流さんってすごい方なんですね」
ふふ、と柔らかい笑みを見せる少女には、流石の静流も勝てないと言う事で。
683 :
【温泉】:2006/09/06(水) 12:12:47 ID:adKBzrfq
ちなみに、露天風呂と言うだけの事はあって、彼女達の喧騒はしっかりと男湯に聞こえて
いたりしまして。蔵馬は聞いていても何の反応も示さず、さっさと髪と体を洗っていたり。
そして、問題のバカ二人。
「・・・・おい、聞こえたか、浦飯?」
「何がだよ、桑原」
「い、今・・・雪村がエロい声出し・・・・ぐぁ!」
ゲシ、と相手の頭を一発殴って、幽助は再度仕切りの壁に耳を当てる。そりゃそうだ、
こんな機会は滅多に無いのだから。螢子だけなら、その内機会も巡って来るだろうが・・・・
そこにぼたんやら、桑原姉やらが一緒にいる状態。・・・怖い飛影の妹も、だが。
「おい、聞こえたか、浦飯。」
「だから何がだよ、桑原。」
「・・・・雪村の奴、ぼたんより胸小せぇみてぇだz・・・・・ぐはっ!」
今度は相手の顎に一発喰らわせて、また耳を付ける幽助。やはり懲りない奴である。
「・・・・おい、桑原。聞こえたか?」
「何だよ、浦飯」
「・・・・・・静流さん、DカップかEカップらしいぜ、知ってたか、お前」
「い、幾ら弟でも姉のサイズまで知ってるわけねぇだろうが!」
懲りないバカ二人の会話は段々とヒートアップしていくばかりで。
「えーと・・・・二人共、そろそろいい加減体洗ったらどうですか〜」
のんびりと温泉につかっていた蔵馬が声をかける。壁の向こうから物凄い殺気が先程から
見えるので、一応声はかけておいてやろうという、蔵馬なりのせめてもの良心。
あくまでも、自主性は大事にしておいてやる辺りが彼らしいと言う事で。
急に静かになった女湯に、小首を傾げるバカ二人。
「ゆーうーすーけーーーーー?」
上から聞こえる声に、ん?と上を見上げる二人の視界に映ったのは、胸をタオルで隠して
手に洗面器を持った、螢子とぼたんのニッコリと微笑む鬼のような形相。そして、次の瞬間
ごんっ
ごんっ
良い音を立てて、二人とも壁際に撃沈。
「だから言ったのに、そろそろ体を洗ったらどうですか、って」
クスクスと笑いながら、耳の良い狐がそれを見て笑っていた。
「いやぁ、流石に蔵馬は聞き耳なんかしないんだねぇ、見直したよぉ♪」
うふふ、と壁にしがみつきつつ笑いかけるぼたんに、軽く手を振ってニッコリと笑顔を。
「俺はそんな姑息な真似はしませんから。それより、脚を滑らせないで下さいね、
ぼたんさんも、螢子ちゃんも。怪我をしたら洒落になりませんから」
しっかり聞いていましたよ、なんて事は言わない、それが盗賊。
「いやぁ、でも静流さんがあんなに大きかったとは知らなかったな・・・・」
誰もいない大浴場、一人ぼやく蔵馬がいたとかいなかったとか。
温泉バカ話、投下終了です。
きっと最後の台詞を書きたかったんだな、自分・・・どっちかと言えば静流さんのサイズは
EかFな気はするんですが、それだとでか過ぎるだろと思ってあえてDかEで軽く流してみたりw
そして雪菜→B ぼたん→Dに近いC 螢子→C真ん中辺り
そんなサイズだろうと思っている。下着の色とかはその内またおいおい書きそうですw
楽しいw乙です
引率とか自主性を重んじるとか蔵馬は先生みたい。
腹黒いけどw
483さん温泉ネタもGJ!女の子達がみんな可愛いなあ。萌えた。
幽助や桑原じゃないけど、温泉での会話にドキドキしちゃったよ。
ぼたんが螢子の体洗う所とかちょっとエロくて良かった。
幽助&桑原の年相応のバカっぽさが憎めないw蔵馬はやっぱりエロいな。
483さん、ほのぼのして面白かったですよー。GJ♪(´∀`)b
ぼたんちゃんがセクハラ親父化してるのは、どう見てもコエンマ様の影響です。
本当に(ry
後蔵馬、長湯しすぎてのぼせんなよw
「・・・・・・・ん?」
「冷房効き過ぎじゃないか、ったく・・・・何か酒でも買い直すか・・・・と?」
廊下を歩いていて、目に止まった人影が一つ。扇風機に当たってグッタリしている蔵馬だった。
「どうかしたのかい、蔵馬君」
ぽんぽん、と肩を叩いて声をかければ、相手はハァ、と溜息をついてから目を開いて、それから
軽く、薄く苦笑をこちらに漏らして一声。
「いや、ちょっと長湯をし過ぎまして、のぼせてしまいまして。それで風に当たっていたんですが・・・
どうもあまり宜しくないかもしれません、ねぇ」
はふー、と彼にしては珍しく弱気な声を出してまたベンチにグッタリとする姿を見て、静流は蔵馬の
額にそっと手を当てる。冷房で軽く冷えた手に、相手の火照った体温が移って来る。
「静流さんの手、ひんやりしていますね?」
女性にしては大きい手の下から、目を細めて狐が笑う。
「・・・・・冷房のせいさ」
軽く呟いて、静流は冷やす物を探しに行くと呟いてその場を離れた。
後に残された蔵馬は扇風機の風を調節しつつポツリ、と一言。
「・・・・・・・・・・・・・・・浴衣の開きがもう少し大きければ良かったのに、惜しい。」
すいません、調子こきました。>687さんの一言がスイッチを!スイッチを!!
うちの蔵馬じゃなくても蔵馬は腹黒じゃないのかt(ry
>>483氏、素敵!
湯当りした蔵馬のくったり感がたまらん!返答から滲み出る
爺臭さがいいなあ…。静流さんの手のひらと、蔵馬のおでこの温度差とか
微妙なエロさも心憎い。もちろん蔵馬なら、アップにした姉さんの
うなじもチェックしてますよね。
多分、浴衣を着た狐さんは女性に間違われてナンパとかされるんだろうな。
下着の色編も楽しみに待ってます!
蔵馬可愛いなあ
ていうかオデコに手を当てるって行為になんか萌えた
691 :
203:2006/09/07(木) 03:39:53 ID:X/IV+GhC
>>456での約束(?)を果たしに来ました。
↑
実は私でした
氷菜とパパのお話です。
今回、エロまで到達せず・・・
エロ無しになってしまったことをお詫びします。
ひとまず投下します。
氷菜は退屈していた。
この氷の国に、
そこに住む女共に、
そして生きることに。
「国を出てみようかな」
裁縫の手を休めず、泪はいつもの事と笑いながら諭す。
「出られるものなら、ね」
氷菜の『退屈』は今に始まった事ではない。
生まれて50年、物心付いたときからずっとこんな調子なのだ。
「今度は本気よ。絶対に国を出て暮らすんだから」
「その台詞、この前も聞いたわ」
そう、結局氷菜は里を捨てられず戻ってくるのだった。
氷河の国は不変だ。
大地を離れ、厚い雲に隠れて流れる城。
氷女はそこで限りなく長く静かな生を過ごす。
不変であることが美徳。
変わらないことが処世術。
そんな国。
この永久凍土のような国で氷菜は変わり者だった。
退屈。
それは不変の国では背徳の意味を持つ。
一族を滅ぼしかねない危険思想。
それを臆面もなく言葉にする。
当然、疎外された。
そんな氷菜にとって泪は唯一の理解者であり、友だった。
「また何か話してよ」
「うーん・・・そうね。こんな噂知ってるかしら?」
「どんな?」
「あのね・・・」
氷菜はこの年長の氷女の話が好きだった。
遠い国の物語、誰も知らない噂、古い争いの話。
泪の話を聴いているときは少しだけ心が満たされた。
泪は後に悔いる。
この日、自分が話した事が彼女の好奇心に火をつけてしまったことを。
水音で目が覚める。
此処に来て三日、早くも朝暮の検討が付かなくなった。
善く善く、考えてみれば馬鹿な事をしたものだ。
いくら人間界で高く売れるとはいえ、氷河の国から氷女を盗もうなんて我ながら無謀だった。
炎術師の自分ならば容易いかと思ったのだが・・・・・・甘かった。
呪符と真言で封じられて火種すら起こせんとは。
間抜けにも程がある。
ババア共の話によると、俺の処分は100年の幽閉と国の記憶の消去。
意外に軽い。
奴ら、国を守る事に必死なんだろう。
しかし、飯も出ないとはな・・・・・・。
まあ、100年ぽっちで餓死することはないと思うが。
暫くは惰眠を貪るだけの日々が続きそうだ。
人の気配で目が覚める。
鉄格子と呪符の隙間から若い女が一人こちらを見つめていた。
名を氷菜というらしい。
まだ子供のような顔をしていたが・・・・・・なかなかの女だ。
50年、暇つぶしに付き合ったら開放してくれるのだそうだ。
悪くない。
普段ならばガキの相手などしないが、この状況だ。
まあ、期待はしないが遊んでやるとしよう。
氷菜は三日とあけずに尋ねて来た。
よっぽど暇なんだろう。
しかし、ただ話をするだけでは俺が面白くない。
次は少々、趣向を凝らすとするか。
男の名は煉といった。
氷菜は
「分裂期までの50年をどう面白く生きるか」
そればかりを考えていた。
氷菜はその日も、簡単な食事を持ち男の下を尋ねた。
男は壁に背を預け膝の間に頭を落として眠っている。
「煉さん」
氷菜が声をかけても起きる様子がない。
こんなことは珍しい。
――まさか
「煉!煉さん!」
慌てて鍵を開け、男に近寄る。
男の腕に手を伸ばそうとした、その刹那。
「え・・・?」
自分の身体が床に転がってる状況を理解できず間の抜けた声を上げる。
「男の所に一人で来るっつぅのはこういうことなんだよ、お嬢ちゃん」
氷菜の上で男が不敵に嗤う。
「れ・・・煉さん?な・・・んぅ」
両腕を押さえられ、身動きのとれない氷菜の唇を男が塞いだ。
歯列を割り、ゆっくりと男の舌が侵入する。
初めて口内をかき乱されるその感覚はあまりに甘美な、背徳の、死の味。
決して不快ではなかった。
しかし、氷菜の体温は瞬時に零度を切っていた。
「っつ!!」
男はそれに気づき口を離すが、既に遅し。
ドライアイスに口をつけたようなもの。
薄い唇の皮が破け、血を噴き出す。
「・・・まだ、早いですよ」
男の血で唇を紅く染めた女が嗤う。
甘い甘いその罠に
陥ったのは男か、女か。
695 :
203:2006/09/07(木) 03:54:22 ID:X/IV+GhC
ひとまずここまで。
多分続きます。
約束守ってないっすね。すいません。
>>688 温泉番外編もええなぁ。静流さんカコイイ!!
すかさず静流さんの胸元チェックとは、
のぼせていてもやっぱり蔵馬と言うべきかw
そして>203さんのパパとママ話キター!!
オリジナル部分も全然違和感ないね。設定作り上手いなぁ。
煉が氷菜の唇奪う所好きだ。氷菜の反撃の仕方とか。
続きがすごく楽しみです。wktk!
697 :
203:2006/09/07(木) 11:46:12 ID:X/IV+GhC
あ、すいません。
大事な事を書き忘れてた・・・
とりあえずこの話は終わりです。
が、続編として別タイトルで書く予定なので
この話はこの話としてまとめサイトへのうpお願いします。
申し訳ない。てっきり続きがあるのかと思い込んでしまった。
でも余韻がある終わり方だね。続編にも期待。
>>688(483)さん
ども、スイッチを押した張本人の687っすw
湯上がりで気怠い感じの蔵馬に萌えましたよ。
んで、ちゃっかり見るところは見てるのは、流石蔵馬と言うべきかw
203さんも乙でしたー♪
700 :
203:2006/09/08(金) 03:40:26 ID:dl30iiIo
>>698さん
いえいえ・・・私の言葉が足りなかった。
こちらこそ申し訳ないです。
203氏
乙です続編に期待
まとめサイト管理人からのお知らせ。
12作品「蔵えもん」、483様作品「温泉」、「温泉 蔵馬番外編」、203様
作品「甘い罠」、ただいまアップしました。
675さんのおむすび、まぐまぐ食ってます。
203さんの御希望通り、飛影父×氷菜の「甘い罠」はあれでまとめておき
ました。
そして、ああ…今日も何か書けなさそう…。
苦し紛れにまた蔵えもんでも書くか。
いつも乙です。
蔵えもん、自分は好きですよw
12さん、いつも乙です。有難うございます。
そして蔵えもん、楽しみです。今回はどんな秘密道具かなw
ところで、12さんが書かれた>672での蔵えもん直前話は
まとめサイトにうpされないのでしょうか。この話もうpして頂きたいです。
12です。
>>704さん、蔵えもん直前話はそのまま続けて一話にまとめています。
二つまとまってようやく一つの話、という感じだったので。
説明不足で申し訳ないです。
>>705 12さん、こちらこそすみません。
ちゃんと確認すれば良かった。ごめんなさい。
まとめられたお話、元は>668と>672で別々に書かれた文章なのに、
元々一つの文章みたいにきれいにおさまってますね。さすがです。
203です
管理人様
いつも素早い対応ありがとうございます。
なんかわかりにくいことを言って申し訳ないです;
妄想は膨らめども筆は進まず・・・orz
脳内の妄想を文章化できる道具を出しておくれよ蔵えもん
708 :
483:2006/09/11(月) 22:53:53 ID:ojReptBB
483です。毎度の事ながら勢いで書き上げ完了です。
>702 12さん
毎回素早いUP、ありがとうございます。
ってか蔵えもん人気だな。きっかけ作っちゃった本人としては嬉しい限りd(ry
腹黒蔵えもん話もWデート話も正座して、期待してお待ちしております。
では、飛影x躯初夜編・・・・・・・・になるのか。投下↓
誰もいない寝間。特に飾り気もないその部屋で、躯は一人悩んでいた。
ここ一年近くでめきめきと頭角を現し、自分の筆頭戦士となった一人の男について。
自分の寝間へと入る事の出来る、数少ない面子の内の一人となった、ただそれだけの事なのに、
何故こうもアイツの事だけが頭の中から離れないのだろうか。百足の上に立ち、辺りを見回す仕草。
鋭い目付きで見回し、邪眼でも遠くを見つめるその姿に何度、思わず見惚れた事か。
見惚れた?
自分の思考に一瞬考えが止まる。まさか、そんな。このオレが、男に見惚れていた、だと?
「まさか、そんな事がある筈も無い。オレが、アイツに見惚れていた、だと?」
口をついて出て来た声が狼狽し、震えている事に気付いて思わず辺りを見回す。と、視線の先に。
今、自分の頭の中を占めていた男が、そこに不思議そうな顔で突っ立っていた。
「貴様が何に見惚れていたんだ?珍しい事もあるものだ」
くつくつと子供のような笑みを見せて、無防備に近付いて来る男。手には、訪れる度に毎回違う酒瓶。
「あ、あぁ。な、なんでもない・・・・・そ、それより今日の酒は何だ?」
狼狽した声がまた口から漏れて、更に慌ててしまうのを取り繕おうとして目線を泳がせる。
間近まで近付いた男の顔に思わず動きが止まる。交わる、視線。避けようとする、意思。
でも、視線は相手の目に釘付けられたまま、動く事が出来ない。視線も、体も、思考も、全て。
「どうした?躯・・・・・・・・?」
固まる自分を不審に思ったのか、相手が手を伸ばして軽く触れる。それだけで、体が反射的にビクリと
怯えるかの様に震えて、目線がまた泳ぐ。泳いで、また相手に戻る。
「躯?」
どうした、と言葉を続けながら寝台に男が腰かける。他の相手ならば、この場で殺している所だが、
前からこいつにだけは許しているのは何故だろう、そんな事を頭の隅で考えてしまう。
「何か変な物でも食ったのか?さっきから表情がコロコロと変わって・・・まるで普通の女だぞ、お前」
苦笑気味に漏らされた一言で、さっきまで頭の隅でわだかまっていた考えがピタリと一つになる。
「あぁ、そうか。オレはお前に惚れたのか、なんだ、そうか」
思わず呟いた言葉は、しまった、と思っても今更遅く、まさに覆水盆に帰らず。
言った本人と、言われた相手は、お互い微動だにせず相手を凝視してしまう。
凍りつく時間、交わったまま止まる視線。
「貴様、今何と言った?」
「え、あ、いや・・・・・」
先に痺れを切らしたのは相手の方。言った側の自分はただうろたえるだけで、何も返す言葉が無い。
あぁ、自分らしくも無い。と思いながら相手から目線を外そうと顔を動かせば、視界の隅で相手の
手が動くのが見えた。と、同時にしっかりと顎を掴まれて視線を逸らすに逸らせない状態に。
真っ直ぐに見据えられる眼に、捕らえられる。蜘蛛の網にかかった蝶々の様な。
何も言わず、ただこちらを見据える眼は、無言でこう言っている。
『何を言ったか、もう一度ちゃんと答えろ』と。
「言うも何も、ちゃんと聞こえていたのだからこういう態度を取っているのだろうが、お前は!」
思わずカッとなって相手の手を握って叫ぶと、一瞬呆気に取られた顔をした後、相手が吹き出した。
「いや、済まんな。貴様らしくも無い台詞に、もう一度言わせてみようと試しただけだ、気にするな」
笑いを堪えながら、持って来た酒をまるで何事も無かったかのように注ぎ出す相手に、胸の奥が
苛々として、モヤモヤとした物も溜まって行く。何が、何が不満なのか。
「ほら、今日の酒はお前好みの甘めの奴だぞ?強いから気を付けろ」
お前もそれ程強くない癖に、と呟きつつ受け取ったグラスからは芳しい、甘い果実の香り。
グラスを口に付けた瞬間、相手が一言ポツリ、と漏らす。
「しかし、俺に惚れた、などと言う相手は初めて聞いたが・・・・・・どういう気分なのだ、一体。」
げほ、と思わずむせてグラスの中身を服に零してしまう。慌てて自分の服を拭く物を探そうとする
相手の服を掴んで、今度は自分が捕らえる番、だ。
「惚れた、と言うのはそのままの意味だが、飛影?」
頬が火照るのを感じつつ、率直に鈍い相手に伝える。こうでもないと、こいつは気付いてはくれん。
鈍いから、こうやって直接真っ直ぐに伝えてやらんと、気付いてくれん嘘つきだから。
だが、そういう素直じゃない所に惹かれたのは事実だ。飛影の、気紛れさと相反する素直さに。
「惚れる、と言うのは相手の服を掴んで離さない事なのか?」
不思議そうに小首を傾げて、自分の服を掴む躯の手をそっと、大事な物に触れるように離す。
「っっ!・・・・・これだから、何も知らん奴は嫌いなんだ・・・・っ!」
軽く歯軋りをして、自分の手を握る腕を掴んで強引に寝台に押し倒す。
「!?む、躯、貴様、ここで手合わせをした所で意味が無いだろう!」
慌てる顔の相手が発する言葉が、単純で何も知らない無垢さを自分に今更教える。こいつは、まだ
何も知らない、無垢で穢れていない、自分とは違う奴なのだ。血で汚れている所だけ一緒だ、と。
「煩い。」
ぴしゃり、と言い捨てて強引に口付ける。きっと、これがこいつに取っては初めてになるであろう、
最初の口付け。強引に奪われる哀しさを知っている自分が、強引に奪うのか、と自嘲しつつ。
一旦、顔を離して飛影を見る。何をされたのかすら理解出来ておらず、ポカンとした顔で
こちらを見る眼。何も知らないまま、何を奪われたのかすら理解出来ていない表情。
もう、これ以上抑えていても仕方が無い。こうなったらやるまで、と覚悟を決めて。
強引に再度口付けて、相手が息苦しさで唇を開いた隙にその間へと舌を捻り込ませる。そのまま、
咥内を蹂躪し、歯茎を撫で、歯列をなぞり、思う存分堪能する。今まで自分がされて来たように。
「・・・・はっ・・・・」
唇を離せば苦しそうに吐息を漏らして、頬を染める飛影の姿に背中がゾクゾクと。
「惚れる、と言うのはな・・・・・体で教えてやるよ、飛影。相手を全て手中に収めたいと言う事、をな」
酸欠でグッタリとする相手の耳元で囁いて、飛影の短いシャツをたくし上げる。
「む、躯、なにを・・・・ッ!」
かり、と音が出そうな位の強さで躯は飛影の胸を噛む。かすかに残る傷跡も、桃色に染まった尖った
先も、全て齧り取りたい、そんな思いでと噛むように食む。そして、舐め上げる。今は、この間だけは
この強い男は自分の物だ、と。その想いを跡にして残す。
「・・・・・っく・・・・・は・・・・・」
飛影に取っては初めてであろう感覚。それを思う存分与えてやりながら、片目はチラリ、と飛影の
下半身を確認する。ズボン越しに既に分かる程、大きくなっている箇所。
さわ、と布越しに触れば、慌てたように飛影の手が自分を抑えようと動く。
その瞬間を狙って、既に痛い程尖っている桃色の先端をカリ、と齧れば、それだけで飛影の動きは
制止される。なんとまあ、脆い事か。慣れていない、初心な男とはこんな物なのだろうか。
「随分とココが大きくなっているな、飛影?苦しいだろう?楽にしてやるからな」
囁くように、わざと耳元で言ってやる。勿論、片手は布越しにそこを撫でながら。
「くっ・・・・・・!」
耳まで真っ赤にして、初めて与えられる快楽に顔を歪ませる男。それが、また躯の快感を呼ぶ。
そっとズボンのチャックを下ろして、既にいきり立つ飛影自身を取り出す。先が軽く湿っていて、
寝間の薄明りにきらきらと反射する様を眺める。それから、先に溜まった物を指ですくって口の中へ。
「・・・・ふん、味はまぁまぁ、か?」
薄く笑みを浮かべて顔を眺めながら言ってやれば、更に真っ赤になる飛影。
さて、と小さく呟いて頭から咥え込む。若い、青臭い香りと一緒に、しょっぱい味が口の中に広がる。
「ふぁ・・・・・・っ!」
軽く仰け反って、そのまま躯の咥内であっさりと飛影は発射してしまった。
口の中に広がる、独特の味をしっかりと味わいつつ、顔を上げる躯。そして、体を軽くひくつかせつつ
躯の顔を見て、固まる・・・・・・・飛影。
「ん?あぁ、口に付いていたか?」
クスリ、と艶のある笑みを浮かべ、飛影に見せつける様にペロリと口の周りについた粘液を舐め取る。
「き、貴様・・・・・お・・・・・」
パクパク、と普段の飛影からは想像も出来ない顔でこちらを見る相手に、再度微笑みを。
「あぁ、お前のは中々美味だったぞ?だが、次はオレの番だな、飛影。楽しませてくれよ?」
「え?」
何がだ、と言おうとした飛影は再度固まる。目の前で躯が急に服を脱ぎ出したから、だ。
全て脱ぎ捨てた躯は、そのまま相手の上にまたがって、位置を確認すると、そのまま腰を落とす。
既に相手の姿で興奮しきっていたそこは、充分な湿り気を帯びているとは言え、ここしばらくは
誰とも交わっていなかった場所である。しかも、飛影の物は一回出したとは言う物の、中々のサイズ。
「ん・・・・・ぁ・・・・・っ」
軽く閉じた唇から漏れる艶声に、飛影の分身は自然に反応して、躯の胎内で硬さを増す。
「こ・・・・んぁ・・・・どは・・・・簡単に・・・・はっ・・・・イくな・・・よ・・・・っ」
途切れ途切れに言葉を紡ぎつつ、跨ったまま飛影の上で腰を軽く揺する躯。
そして、先程とは違う感覚に戸惑いつつ、自然に手が相手の腰を抑えてしまう、飛影。
「あ・・・・・あ、あっ・・・・・んぁ・・・・!」
時折かすめるツボに自然に声が漏れ出る躯と、その声が出る方が良いのだ、とやっと気付き出す飛影。
どこが良いのか、と軽く腰を振ってやれば、その分躯が艶声を出して反応を返す。
それが嬉しくて、また腰を振るが、段々とまた自分自身が辛くなって来て、動きが鈍くなって行く。
「んっ!・・・・あ、い・・・・いいぞ・・・・っそのま・・・まっ!」
ふぁ、と軽く叫びつつ、躯が更に激しく体を揺すった瞬間。
飛影は、今度は躯の胎内で果てた。
「・・・・・ところで、躯」
「なんだ。」
二人共、何も身に付けず寝台に横になりつつ背中を向けている状態で、飛影が重い口を開く。
「”惚れる”と言うのは、こういう事をする事なのか?」
「な・・・・・・っ!!」
何をまた、と思わず振り返った躯の唇を、飛影の唇が塞ぐ。そのまま、しばらく二人して硬直。
唇を離して、真っ赤になる躯を不思議そうに見つめつつ、飛影は呟く。
「俺は、貴様にたまに触れたいと思った事があるのだが・・・つまり、俺も貴様に”惚れている”と
いう、そういう事か?それとも、俺の考えは間違っていたのか?」
キョトン、とした顔でこちらを真っ直ぐ見据える眼は、時折見せる、氷泪石を見つめる眼と同じで。
そんな眼を向けられたら、自分は微笑み返すしか無い、だろう?
「そうだな、そういう時は”相思相愛”と言うんだよ、飛影」
軽く笑って、相手を自分のふくよかな胸に抱き止める。
「・・・・よく理解出来んが、つまりは良い事だと言う事だな、わかった」
わかっているのか、分かっていないのか。胸に素直に抱きとめられつつ、飛影は呟きを返した。
そんな相手を見下ろしながら、躯は先を思う。
咥えた程度で果てる相手では、自分を満足させるまで育てるのにどれだけかかる事やら、と。
713 :
483:2006/09/11(月) 22:59:24 ID:ojReptBB
投下完了〜。飛影X躯とか書いてる癖に躯攻めです、はい。
押し倒して乗っかってます。うちの躯そんな人です。でもきっと純情?
では、このまま蔵えもんにしばかれて来ます・・・・
筆下ろしの巻キター!!483さんGJ!
以前、初H話キボンと書いていた者ですが、有難うございました。
前半の恋しちゃってる躯が可愛い。
でも相手がにぶちん男だと、例え内心好き同士でも、
強い態度に出ないと気付いてもらえないのか…
最後の一文、なんか躯は心配しちゃってるけど、
玩具ネタなどを鑑みるに、そう心配はいらないですよwと。
483さん、最高です。はふーん♪
なんか初めてということで試行錯誤している可愛い二人が、初々しくて
すごくいいです。
ところで、唐突に蔵えもん第二話が出来ました。
なのでこっそりこんな時間に投下。
「この前は大変でしたね、飛え太くん」
前回、むくちゃん家に不法侵入した上に婦女暴行に及ぼうとしたことで、むくち
ゃんの怒りを買って石化してしまった飛え太くんと蔵えもんでしたが、何とか復
活出来たようです。
でも、当然蔵えもんは反省0です。
そんなけろっとした蔵えもんに対して、巻き添えを食った形の飛え太くんは苦々
しく言葉を吐きました。
「貴様の口車にうっかり乗ったばかりに…あれでむくちゃんに嫌われたらどうす
る」
「大丈夫ですよ、それぐらい」
やはり蔵えもんは相変わらず信頼度の全くないことを言います。こんなんでも、
飛え太くんの運命を変える為に未来からやって来たという素敵な触れ込みな
ので、無碍にも出来ないのが頭の痛いところです。
そんな飛え太くんの弱みを知ってか知らずか…いや、知っているのでしょう、
悪い子に怖いプレゼントを贈る黒いサンタさん以上に腹黒い蔵えもんは、本当
に飛え太くん助けるつもりなのか不明なブツをいつも出してきます。
やたら長い説明と共に。
ちなみに、蔵えもんは少し前に流行った薀蓄系番組の大ファンでした。
「あ、おめーら元に戻ったみたいだな。良かったー」
その日もてくてくと二人して学校へ向かう途中、やたら元気な声が二人を呼び
止めました。振り向くと、飛え太くんと同じ年頃の少年が二人。
「ああ、出来な杉くんに桑畑くん…でしたっけ?」
未来世界では悪魔の頭脳と言われた蔵えもんでしたが、全然興味のないこと
にはさっぱり情報収集能力が働かないようです。
「変な名前勝手につけんな、俺は幽助だ。それと、こいつは桑原な。いい加減
覚えろって」
やや小柄な少年は、ぶんぶんと両手を振って怒っているようです。でも蔵えも
んにはどうでもいいことでした。
「…お前も大変だな」
桑畑と言われた少年が、飛え太くんの肩をぽんと叩きました。
「分かってくれれば、それでいい」
既に飛え太くんも蔵えもんに関しては、達観の境地に入りかけていました。
「…元に戻ったのか」
二人の次に出くわしたのは、むくちゃんでした。
飛え太くんが何かもごもご言いかけているのを見て、フッとかっこ良く笑う顔が
今日も綺麗です。
「お前等なら、突然何をするか分からんからな。この間は俺も寝ていて油断し
ていた。今度は立ち向かってやるからな」
むくちゃんは体育会系というか、戦闘系の女の子でした。なのでこの間のこと
も明らかに何か勘違いしているようでしたが、飛え太くんの将来の為にもその
ままにしておいた方がいいのかも知れないと、蔵えもんはちょっとだけ仏心を
出しちゃったりしました。
「…やる」
そんなこんなしている間にも、ちゃっかり飛え太くんは道端の白つめ草をぶち
ぶちと摘んでむくちゃんに差し出していました。むくちゃんも満更でもないよう
です。
「…飛え太くん…」
なんか一気に恋愛モードな雰囲気の中、唐突に学校のチャイムの音が周囲
に響き渡りました。今のは予鈴だったので、あと五分で学校に着かないとい
けません。
「まあ、後は若い二人だけで…」
何かの場面の慣用句をしゃらっと吐きながら、蔵えもんは二人を学校へと送
り出しました。
「あ、じ、じゃあ…行こうか」
「そうだな、飛え太くん」
何だかんだ言いながらも、二人は結構お似合いのようです。慌てて学校に向
かって走っていく後姿を眺めながら、蔵えもんは黒い笑いを浮かべていました。
「まずは第一段階終了…と。でもまだハッピーエンドにはしてあげませんよ、飛
え太くん。それじゃあ俺が楽しくないしね」
飛え太くんの恋は、まだまだ前途多難のようでした。
てか、諸悪の根源をどうにかすればいいと思う(作者12)
終わり♫
エロムク&蔵えもんキテターーー!
GJGJ!
12さんGJ!蔵えもん今回もイイ!
前回の失敗に反省0なうえ、まだ不穏な事を考えてる
蔵えもんがテラコワスwwむくちゃんとの仲が逆に心配になるw
新たな仲間たちも登場し、どんどん賑やかになってきたね。
飛え太、同情されちゃってるし。
蔵えもんの暴走はもう周知の事実なんですねw
721 :
【狐の戯言】:2006/09/13(水) 00:14:53 ID:dHP+N1CJ
「へぇ、躯が飛影に”惚れた”って言ったんですか、そうなんですか〜。へー。」
あからさまに驚いた様子も無く、狐が笑いながら俺に薬草を渡して来る。
相変わらず、態度と言葉が裏腹で気に喰わん奴だ、こいつは。まぁ、薬草に強いのは便利なのだが。
「それで、どっちが攻めたんですか?」
「・・・・・は?」
「あぁ、その様子だと飛影がヤられちゃったって感じですね、はい、何も言わなくていいです」
ふふふ、と意味深な笑顔で肩を叩かれ、何が何やら、と言った所か。いや、何が言いたいんだ、こいつは。
「いいですねぇ、年上の女性に色々教えて貰うって言うのも。俺の場合だとあまり周りに・・・あ。」
一人、何やらブツブツと言っている蔵馬の表情が微妙に変わるのを、不思議そうに眺める俺。
そして、そんな俺と視線が合えばきまりの悪そうな表情でこちらを見返す、狐の瞳。
「いえ、南野としてだったら年上の女性、いたなぁと思っただけですよ?それより、飛影は・・・・
躯、ほっといていいんですか?そろそろ痺れを切らせて怒るんじゃないんですか?」
ハッとして時計を見上げれば、戻ると言っていた時刻がせまっている。いかん、早く戻らないと何を
言われるか、たまったモノではない。
挨拶もせずに、窓から慌てて荷物を片手に走り去る飛影。そして、その背中を見送ってから、カーテンを
閉めつつ、ポツリと一言漏らす狐。
「・・・・・静流さんの胸、大きいし・・・・狙い目、かもしれませんねぇ・・・?」
クスクス笑う狐の戯言。だが、誰も、まだその呟きの結果を知らない。
722 :
483:2006/09/13(水) 00:16:19 ID:dHP+N1CJ
12さん相変わらず蔵えもんGJ過ぎて腹よじれます。ひいいい。
ちょっと自分追い込んでみようかと戯言書いてみました。
前スレでしたっけ、南野x静流さんあったの。ちょいと触発されてみたり。・・・・さて、どうなるやらw
静流さん狙われてるよwこれはヤバスww
飛影と躯を見て、年上のお姉さんが羨ましくなったか蔵馬w
でも前の温泉話の時から狙ってたくさいよなぁ。
やけにオパーイ(の大きさ)にこだわるのにワロタよ。
今後の展開がまた楽しみです。483さんGJ!
>>722 >前スレでしたっけ、南野x静流さんあったの。
蔵馬×静流は前スレ>197さんの作品だね。
725 :
483:2006/09/13(水) 21:16:35 ID:WwMPJOgO
>723
追い込みかけるって良いかもしれないと思ったバカがここにいます。
いや、どうせなら大きい胸の方がいいんだろうな、南野は。妖狐だったら美しさ優先?
>724
どうも、多謝です。あんな素敵な感じになりませんでした、所詮お笑い蔵えもんorz
では、いつもより少し長めかもしれない、投下開始↓
ぴんぽーん、と軽く鳴るチャイムの音で玄関に出てドアの向こうを確認すれば、見慣れた顔が一人。
ドアを開けて出迎えつつ、軽く小首を傾げて不思議そうな顔で相手を眺める。何でまた、こんな時間に?
「こんばんわ、静流さん。えっと・・・・桑原君は?」
にっこりと笑って、手荷物を軽く掲げて微笑む相手に、とりあえず中に入るように促しつつ再度首を傾げる。
「いや、うちのバカは雪菜ちゃん連れて、幽助君と螢子ちゃんトコに遊びに行くって言ってたけど・・・・
蔵馬君は行かなかったのかい?こんな時間に来るなんて珍しいじゃないか」
静流にそう言われて、あれ?と苦笑しながら頭を軽くかいて微笑む、蔵馬。
「変だな、俺その話聞いてないんですよね。せっかく良いお酒あるから呑もうと思ったんですけれど」
これですよ、と再度手に持った土産を軽く持ち上げて残念です、と呟く相手の一言にピクリ、と反応。
良いお酒、と聞いてはこのまま帰してしまうのも勿体無い、と酒好きな心が疼く。
「・・・・・・じゃ、あたしとでいいんだったら呑むかい?どうせ親は久々の温泉旅行行っちまってるし」
”親がいない”と言う単語にピクリ、としっかり狐が反応したのにも気付かず、軽く微笑んで静流は家の中へと
狐を招き入れてしまう。狐が、そこまでしっかり計算しているなどと、予想もしておらず。
「いいですね、たまには静流さんと二人で酌み交わすって言うのも乙なモノ、ですね?」
お邪魔します、と小さく呟いて狐は堂々と相手の陣地へと踏み込む。さて、ここからが本番だな、と。
どうぞ、とリビングに通されて、軽く周りを見渡す。今日は、どうせ弟は幽助の家で徹夜で遊ぶのは知っている。
と、なれば。親がいない今日をしっかり狙って来たのだし、しっかりとご馳走を頂かねば、とほくそえんで。
「悪いねぇ、あんまり肴になるモンも無くってさ」
台所から乾き物となぜか新鮮な鯵のたたきを持って来た静流が机の上にグラスと一緒に置く。その手元を眺めつつ
蔵馬はさて、どうするかと早速考えを張り巡らせる。相手は、結構勘の良い女性。そう簡単に落とせる筈も無い。
「ま、とりあえず乾杯でもしましょうか?」
「あぁ、そうだね。ところで、これはどこの酒だい?ラベルが無いけれど・・・」
うーん、と大きい一升瓶を持ち上げてクルクルと回してどこにも何も書いていない瓶を不思議そうに見る静流。
そんな様子を見て、クスリ、と笑って蔵馬は答える。
「魔界の酒ですよ。味的には・・・そうですね、辛口だけれど甘い感じの・・・・梅錦みたいな感じでしょうか?」
「あぁ、四国のだね。蔵馬君って日本酒詳しいんだねぇ」
へぇ、と素直に相槌を打って瓶から直接コップへと注がれる、酒。魔界の酒独特の芳しい香りが周りに広がる。
魔界の酒、と言うのは本当の事だけれども、そこに蔵馬が色々と漬け込んでいる等とは知らずに、静流はコップを
掲げて、にっこりと艶やかな頬笑みを浮かべて、一言。
「じゃ、蔵馬君の粋な計らいに、かんぱい。」
「いえいえ、こちらこそ急にお邪魔してしまって、どうもすみません。かんぱい。」
カチン、と合わされるグラス。軽く口を付けて、味を確認してからグビリ、と飲み込む静流の白い喉を見つつ、
蔵馬も軽く酒に口を運ぶ。自分は相手より酒が強い自信はあるが、先に酔わない程度に、相手を飲ませねばと。
「ふぅん・・・・魔界の酒ってのも結構イけるじゃないかい、蔵馬君?うん、美味しいよ」
あっさりと一杯目を飲み干して、乾き物に手を伸ばしてピーナツを口に運びつつ、酒の品評をする静流と、
その手元をチラ、と見やってから自然な動きで酒を相手のグラスにさっさと注ぐ蔵馬。
「ま、俺は結構これは呑む機会がありますから、静流さん一杯呑んで下さいよ、どうぞどうぞ」
「おや、そうかい?悪いねぇ、頂くとしようか。でも、きついから酔わない程度にしなくちゃねぇ」
ハァ、と漏らす相手の一言に一瞬怯みつつ、そんな事無いですよ、と爽やかな笑顔でちゃっかり一言沿える蔵馬。
むしろ酔っ払ってくれた方が、どれだけ都合が良い事かと。その方がご馳走を頂きやすいから、と。
笑顔で相手に酌をしつつ、自分の酒はまだコップ一杯すら空けていない、そんな状態でうまい事呑ませるのは、
ここ最近義父の会社の手伝いで外で接待をしていたお陰か、それとも元来の陰謀的性格の為せる技か。
そして、しばし歓談をした後。
「そう言えばこの鯵、結構新鮮ですよね?静流さんのお手製ですか?美味しいですよ、すっごい。」
肴をちょんちょん、と箸で突付いて口に運びつつ、向かい側に座る相手の顔をヒョイ、と覗き込む。
結構酔いが回って来たのか、頬を染め始めた相手が嬉しそうに軽く頷いてその言葉に答える。
「そうそう、今日の仕事の帰りにさ、魚屋で安く売っててさ。ついつい衝動買いしちまってね?旨いだろ?」
ふふ、と誉められたのが嬉しいのかニッコリと笑いかけてくる相手にこちらも微笑を返す。
「それはもう、凄い美味しいですよ。そっかー、静流さんって何でも出来るんですね、凄いなぁ」
へぇぇ、と感嘆の声を上げて軽く驚いた顔を見せれば、相手は素直に嬉しそうに自分で作った肴をつまむ。
「あ、静流さんちょっと待って下さい」
「ん?何だい?」
ひょい、と相手の口元に手を伸ばす。本当は何も無い、口元にそっと手を当てて、相手の熱を感じ取って。
手を離してほら、と相手に見せれば指につままれたのは、たたきに混じっている葱。
「おやま、やだね。あたしってば、変なトコ見せちゃった・・・かな」
あはは、と笑ってそれを取ろうとする相手の手をスルリ、と抜けてその葱を見せ付けるように自分の口へと。
「あ」
思わず、そんな仕草に軽く赤くなる相手の様子を見て、軽く唇の端を上げる狐がここに一匹。
そうやって、何度か相手の口元やら頬やらをさり気なく触っては、体温の上昇を確認しつつ、その都度付いてない
葱やら、たたきの破片や乾き物の欠片をわざと見せ付けては、自分の口に運ぶ。
「蔵馬君って、なーんか意地悪だねぇ、全く、もう・・・・」
はー、と溜息をついて、何度目か判らない口元に付いたと言う物を口に運ぶ相手に愚痴る静流。
一升瓶は、既に半分程減っていて、静流の顔は既に真っ赤になっていて。それと反対に、蔵馬はすっきり顔。
「俺はそんなつもりはありませんよ?静流さんが、ちょっとドジな所を見せてくれるのは嬉しいですけれどね?」
クスクス、と軽く笑って机に肘をついて、相手の顔を覗く。目線が合えば、そのまま恥ずかしげに逸らす相手。
そして、なぜか軽く体を小刻みに揺らして、ゆらゆら、ゆらゆらと。フラリ、と倒れそうになるのを咄嗟に
蔵馬は手を伸ばして支える。まぁ、当然それも先に想定済みの事だったりするわけ、だが。
「結構酔い、回って来ましたか?大丈夫ですか、静流さん?」
相手を気遣う台詞を言いつつ、さり気なく相手の隣に座り込んで、顔をまたチラ、と覗き込む。
「ん〜・・・・いや、まだ平気、へいき。だってこんな上物の酒なんて滅多に出会えないし、ねぇ〜」
ほわわ、と普段の彼女からは思いもよらない雰囲気を漂わせつつ、ヒラヒラと手を振って否定する静流に、
軽くほくそえんでから頭を撫でる。優しく、撫でて、それからペロリと頬を舐めてみたりして。
「っ!!!な、何するんだい、蔵馬君っ!?」
驚いて逃げようとする相手の肩をしっかり掴んで、舐めたばかりの舌を出して見せる。
「ほら、また葱がくっついてましたよ、静流さん。これで何回目・・・・・でしょうか、ね?」
ふふ、と笑って、出した舌を引っ込めて相手に見えるように『ごくり』と喉を鳴らす。
「そ、そんなに相手をからかうもんじゃない・・・よ、ったく・・・・」
紅くなって目線を逸らす相手の肩を掴む手に力を込めて、耳元で囁くように、呟いてみる一言。
「・・・・・・・・・・・俺は、そんなつもりじゃ無いんですけれどね、静流さん?」
びく、と相手の体が反応するのを手の平伝いに感じて、クスクスと笑う。やっぱり、素直な所は弟と一緒だと。
「か・・・らかってるんじゃないんだったら・・・・何だってんだい」
酔ったせいで目元を染めて色っぽくなった相手が軽く自分を睨むように見上げてくる、そんな仕草がまた可愛いと。
「静流さんの事、結構好きなんですけれどね、俺」
さらり、と言ってのければ、その単語に素直に反応して目線を泳がせる相手。まさに、予想通りの反応で。
そのまま、返事を待たずに強引に軽く口付けを一つ。
「・・・・・・・・ん。」
一瞬だけの口付けを離せば、名残惜しそうな小さな声が静流の唇から漏れ出て、ニッコリと蔵馬は笑う。
「嫌、じゃないんですか?」
「え、い、いや、その・・・・何だろ、あたしゃ酔ったのかね、何だかもう・・・・その・・・・」
おろおろと彷徨う視線を自分に固定させるように、しっかりと頭を支えて、もう一度目を合わせる。
「嫌、ですか?だったら止めますけれど」
「・・・・・・・・・・・今日の蔵馬君ってば、意地悪だね、ほんと。女からさせるもんじゃないよ?」
今度は、静流から素直に口付けをしてくる。おや、意外だなと思いつつ、素直にそれを受け入れる蔵馬。
リビングの中に、二人が交わす口付けの音だけが響いて、何やらそれだけで部屋の空気が変わった様な、感じで。
長い口付けを終えて、唇を離せば二人の間に透明な糸が一瞬だけ繋がって、すぐに切れる。
「まぁ、そういう所が好きなんですけれどね、静流さんの、そういう所」
今までキスをしていた事などサラリと忘れたかのように、アッサリと笑顔で言う相手に、静流は頭を抱える。
まさか、自分がこんな事をするとは、予想もしていなかったから。しかも、弟の友人相手に。何だと言うんだ。
「嫌だったら止めますけれど」
頭を抱える相手にクスクスと笑って髪の毛をさらり、と梳く。相手の感度が上がるように、独特の手付きで。
「・・・ん・・・・・っ・・・・・」
ぴく、とそんな手付きに素直に反応するのは、そろそろ蔵馬が酒に仕込んだ薬の効果が出て来た証拠、か。
「どうなんですか?答えないと、俺襲っちゃいますよ?でも、流石にそれは悪いですしー」
今までの自分の前置きなど棚に上げて、狐はニッコリと微笑んで紅く染まった静流の顔を覗き込む。
「・・・・・・・・・・もう、女にそういう事言わせるんじゃないよ、ばか!」
ぽこ、と軽く頭を叩かれて痛い痛い、と笑いながら『はい』と軽く頷いて相手の首筋に軽く舌を這わせる。
「や、ちょ、ちょっと待って蔵・・・まく・・・・っ」
んぁ、と小さく声を上げつつ慌てて制止する相手に不思議そうに顔を上げて相手を見る。
そして、相手の目線が周りをオロオロと見回すのを見て、軽く手を打って納得。
「あぁ、そうですね。流石にこんな所でって言うのもちょっとアレ・・・ですよね?部屋、お邪魔していいですか?」
さらりと言われる言葉に真っ赤になりつつ、小さく頷いて、立ち上がろうとしてよろめく静流。
そんな相手を支えて、ひょいと軽く持ち上げれば、慌てて首にしがみつく姿が、また可愛らしくて。
「上ですよね、桑原君の部屋の隣の隣・・・でしたっけ?」
軽々と女性を持ち上げたまま、来慣れている、勝手知ったる他人の家の中。相手に問いかけつつ、さっさと静流を
本人の部屋まで運んで行く間、首にしっかりと腕を巻き付けて真っ赤になって何も言わない、静流。
優しく、そっとベッドの上に相手を下ろして、自分はベッドの脇に跪いて、さてもう一度確認しましょうか、と。
「えーと、いいんですよね?」
「・・・・っ!!も、もうくどいんだよ、蔵馬君っ!!」
ぼふ、と今度は枕元にある彼女らしくないぬいぐるみを相手に投げて、ぷい、と顔を背ける姿に微笑んで。
そして、心の中では両手を合わせて『では、本日のメインディッシュ、頂きます』と呟く狐。
部屋の電気は一番小さくして、薄明りの中、そっと静流の首に舌を這わせる。それだけで軽く震える細い体。
空いている手は、彼女の薄い上着を器用に脱がして、下のシャツをめくって、そのままブラへと到達。
「ふ・・・・・っ・・・・」
唇から漏れ出す甘い声に導かれるように、相手の弱いツボを探してはペロリ、と味わいつつ下着の上からその
噂の豊満な胸の感触を味わって、あぁ、確かに大きいなとか変な感動をしつつ、もう片方の手は背中の下へ。
「ちょっと背中上げて貰えますか、静流さん」
「んぁ・・・・・・・?んっ・・・・」
はぁ、と甘い吐息と一緒に、一瞬だけ背中を持ち上げた瞬間に素早く背中のホックを外そうとして。
無い。
あれ?と小首を傾げて、さわさわと胸の真ん中を触れば、フロントホックがそちらにあったりして軽く苦笑。
少し焦り過ぎたな、俺。と思いつつも器用な手先を駆使してさっさと外して、冷たい空気に晒される豊満な白い胸。
薄明りの中、それ程広くもない静流の部屋の中に響く、甘い、甘い女性の声。
「は・・・・っ・・・・ぁ・・・・・」
体の芯は既に蕩けているのに、そこを触れて欲しいのに、相手は焦らして焦らして、でも的確に自分の弱い所を
ピンポイントでついてきて、またそれで体の芯が更に蕩けて、脳髄まで侵されて行くような感覚。
「やっ・・・・・あ、ん・・・・・・・っ」
シャツをめくられ両胸は空気に晒されつつ相手の口に食まれて、下に履いていたスカートは下ろされて、
既に下着だけの下半身。布越しにやっと触れられて今まで以上の甘い吐息を唇から漏らす静流。
「や、って言われてももう止められませんよ?静流さん、こんなに可愛いんですから」
クスクス、と耳元で囁かれて、体の芯がカァァッと熱く火照る。こんな言葉、自分が言われるだなんて。
いやいや、とかぶりを振って違うんだ、と言いたいけれど口から出るのは甘い吐息だけ。
「はぁ・・・・んっ・・・・・・・!」
コリ、と布越しに既に尖った一番敏感な場所を突付かれて、ビクリ、と反射的に仰け反る背中。
「ココがやっぱりいいんですか?」
「うぁ・・・・・ぁ・・・・・・・・んっ・・・」
ふるふる、と首を振っても、それはしっかりと肯定していると言うようなものであって、蔵馬はニッコリと笑う。
「下着、汚しちゃいましたね・・・・あー、びっしょりだ。悪い事しちゃいましたね・・・」
わざと聞こえるように言われれば、更に下着に染みが広がる感覚が、己ながら悔しい限り。
するり、と下着を脱がされて、深夜の冷えた空気に晒された秘所がピクリ、と反応する。
薄明りに照らされても判る位、ぬめりが見てとれて、蔵馬は相手に分からないように小さく、薄く笑う。
鼻を近付けて、軽く匂いを嗅げば、女性特有の香りが鼻腔を満たして、それがまた蔵馬をそそる。
舌の先で彼女の一番弱い、敏感な尖りを突付いて反応を楽しむ。
「んぁ!・・・・ひ、ぁ・・・・・っ」
突付かれる度に背中を軽く仰け反らし、甘い蜜を秘所からたらりと垂らして、嬌声を上げる静流。
もっと、もっと深い所を。もっと深い場所を刺激して欲しい、と蜜が無言で語る。もっと、蕩けた場所を、と。
蔵馬が軽く自分の指を舐めてから、静流の秘所に指を挿れる。最初は入り口の辺りをこするように、何度か往復。
「はぁぁっ・・・・!あ、も・・・・・っと・・・・っ!」
ダメ、と言いつつ長い髪を振り乱して静流が首を振る。そんな姿を見て、指をもう一本増やす。
二本入った指を交互に蠢かして胎内を思う存分、蹂躪する。柔らかく、もっと柔らかくほぐすように何度も何度も。
「やっ・・・・あ、ぁ・・・・・っ・・・・んぁっ・・・・・・・ひぁっ!」
空いている手で軽く尖った所を爪弾けば、軽い悲鳴を上げて、静流が軽い絶頂を迎えて体をそのままぐったりと
ベッドに沈み込ませて、そのまましばらく動かないまま、荒い息を吐く。
「気持ちよかったですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか。」
かろうじて動く手で、相手の頭を軽く叩いて、重い脚を軽く開く。
「?」
「・・・蔵馬君、まだ・・・でしょ?」
クス、と艶のある笑みを湛えて誘う、年上の女性の姿。
「大丈夫なんですか?」
「何度も言わせるんじゃないよ、バカ。」
ぷい、と薄明りにも判る程に頬を染めた相手が顔を背けるのを見て、蔵馬は背中を向けて服を脱ぐ。
コソコソとしっかりゴムを着けているのはご愛嬌、と言う事で。
体中に薄く傷跡が残る肌を見て、静流が一瞬息を飲む気配に蔵馬は微笑む。
そして、何も言わずに自分を秘所にあてがって、そのまま一気に。
「ひぁ・・・・・!」
ずん、と指よりも更に深い所を一気に貫かれて、一度絶頂を迎えて、蕩けていた体が一気に登りつめる快感。
蔵馬はと言えば、思った以上に締まりのキツイ相手の胎内で、しばしその収縮を楽しんでいて。
しばらく静流の息が整うのを待ってから、軽く腰を揺らす。無意識なのか、意識的になのか、彼女の両脚が
自分の体をしっかりと挟み込むのに気付いてクス、と笑って更に激しく胎内を揺らす。
「あっ・・・・・ん、あ、あっ・・・・・ふぁっ・・・・」
既に一度イかされた体。蕩けた一番奥を突かれれば、それだけで意識が飛びそうな中、手が無意識に空中をかいて。
ぎゅ、とその手をしっかり握って、蔵馬は体を軽く前に倒す。
そのまま、激しく体を揺り動かして、彼女をより一層高みに昇らせようとして、そして自分も一緒に、と。
「あ、だ、だ・・・っめ・・・・・っあ・・・・・・・・あぁ!!」
ガクガク、と静流の体が一層激しく痙攣したかと思うと、そのままぐったりするのと同時に、蔵馬も静流の中で
自分の想いを吐き出して、そのまま彼女の上にどさり、と体を乗せる。
しばらくしてから。そっと自分を抜き出して、後始末をしてから静流の様子を確認。
二回も達せられてそのまますやすや、と寝入る相手を見てクスクス、と笑う。
「ご馳走様でした、静流さん。美味でしたよ?」
両手を合わせて、コッソリ呟き、まるで何事も無かったかの様に彼女の衣服を整え、枕元には粉末にした夢見草を。
階下に降りて、呑んだままの机の上を片付けて、誰が見ても何も無かったかのように始末を付けて、再度部屋へ。
グッスリと寝入る姿をしばらく枕元で眺めて、その頬に軽く口付けを一つ。
それから各部屋の鍵を確認して、玄関の戸締りまでしっかり確認してから、静流の部屋の窓から外へ。
「さて、このまますっかり忘れてくれていると便利なんですが・・・・彼女、夢見草効きますかねぇ?」
はてさて、と片手に始末したゴミ袋を持ったまま闇夜を走り抜けつつ思案。
ま、忘れてくれていなかったら、その時はその時でまたご馳走になれば良いか、と小さく笑って、近所のゴミ箱へ
袋をポイと投げ捨てて、その袋に軽く両手を合わせてから、窓から自分の部屋へ。
「・・・・・・って、何でココにいるんですか、あなたは。」
「たまたま来たらお前の面白い姿が見えたからな、ここで待っていただけだ」
ふん、と笑う飛影の姿に一瞬硬直して、それから大きく笑う。
そう、どうせこの事はこの相手にはどうせ知られる事なのだから。なら、こうやって待っていられるのも
承知の上だ、と言う事で。まぁ、それはそれで楽しいじゃないかと。
「で、今日は躯のお相手はして来たんですか?」
さっさと着替えつつ相手に聞けば、決まりの悪そうな顔で飛影が頬を膨らませる。
「よくわからんが、”お前は早すぎる”と言われた。何の事だかさっぱり理解が出来ん・・・・・・」
ぷ、と吹き出してから、その後蔵馬は飛影にその意味を教えて夜を明かしたと言う事だとか。
飛影が、それを応用出来たか、否かはさて、どうでしょう。
732 :
483:2006/09/13(水) 21:26:33 ID:WwMPJOgO
オチは当然蔵えもんと飛え太君で〆です。既に定番となりつつある〆ですいません。
ネタは浮かぶもののカップリングで悩むってどうしたらいいんでしょう・・・・がくり。
では、蔵えもんにしばかれてきます。
続き早速GJ!お酒に酔った静流さん色っぽいよ。
それに普段じゃ絶対見せないような子供っぽさもあって可愛い。
美味しく頂いちゃった蔵馬が羨ましいね。
飛影も躯との夜の手合わせがんがれw修行しろよw
ところで、このスレもいつのまにやら470KB、
そろそろ次スレの1テンプレ作っといた方がいいかな?
GJ〜!
静流さんいいな!鬼畜蔵馬もw
そして、早過ぎる飛影には笑ったw
>>483 ご馳走様でした〜〜〜ッ!ほんとにありがとう!素晴らし過ぎです!!
狐の手練手管で静流さんを追い詰めるまでの緊張感とか凄いどきどき
しました。
何だか「エロい日本昔話」に通じるものがあるような…
「ある夜、狡賢い狐は若い男に化けて、かねてより目を付けてた美女
に好物の酒をたっぷりと飲ませて蕩かし、ぺろりと平らげまいしたとさ」
あらすじにするとこんな感じの(笑)
静流さんの胸に改めて感動したり、フロントホックに一瞬困惑したり
蔵馬も何だかかわいい。でも、挿入してすぐにガンガン動かさない所や
じらし方に年季を感じる。
躯様!もっと飛影に(夜の)修行してやって下さい!
って事で飛影と躯の修行話読んでみたいです。
次スレの1テンプレ案作ってみた。
あんまり変わってないけど、長くなったので一部消し。
他にも改造すべき所がありましたら、また案お願いします。
739 :
483:2006/09/15(金) 00:34:32 ID:elLzwO1e
>736さん
天麩羅案、早速多謝です。
あっさりしてる方が好みなんで、このままで宜しいと思うのですが、自分。
他の方はいかがでしょう?
と言うか夜の修行話ですか・・・うーん、蔵えもん何か出して・・・orz
>>739 昨日テンプレ案投下した者です。コメント有難うございます。
まだちょっと長いかな、とは思いましたが大丈夫かな?
あと、普段のレスは名無しでやった方がいいと思いますよ。
このスレ内でもこの件についてちょっと意見があって、
荒れかけた事もありましたので…。お願いします。
夜の修行話ってまた変なリクエストしちまった。すみません…。
>740さん
うぁ、名前消し忘れてたのに気付きませんでした。以後気を付けます・・・・orz
いや、むしろリクを頂けるなんて恐悦至極ですので、頑張って書・・・いて来ます・・・蔵えもーん(悲鳴
では、間抜けな483で失礼致しました>ALL
こちらこそ、すみません。リク、マターリ楽しみにお待ちしております。
飛影は本当短期間で戦闘力急上昇させたけど、
コチラの方も急成長したのかなw伸び盛りだもんなぁw
12さんのダブルデート話の続きも楽しみ。
後、雛ちゃん含めて出産話後の彼ら家族の様子も読んでみたいです。
まとめサイト管理人からのお知らせ。
483様作品「初夜」、「狐の戯言」、「晩酌」、12作品「蔵えもん 第二話」
を只今アップしました。
ダブルデート話の続きは今書いているところですが、しばらくサボっていた
ので勘がまだ掴めてませんorz
12さん、いつもすみません。乙です。
12さんにばかり管理を押し付けちゃって申し訳ないです。
ダブルデート話もマターリマタリお待ちしております。
あまり気になさらないで下され。
勘が戻りきらないので、今回はこれだけ。
八月初旬に書ききるつもりだったのに…。
「もう、遅いよ。あんたたち。二人して一体どこに行ってたのさ」
ようやく同じテーブルに着いた男二人に向かって、やや拗ねたような声色でぼたん
は文句を言った。こうしてみんなで会えることなんて滅多にないというのに、それよ
りも優先する用件なんて一体何なのか。それが気になる。
「あー、わりわり。まあ、それは後で。なあ、コエンマ」
「…うむ、まあそうだな」
今までどこにいたのか、あくまで男たちは言葉を濁している。まあ、これまでのこと
を考えれば別に大したこともないのだろう。そう割り切って、ぼたんはこれ以上話を
引き摺らないことにした。呑気な男たちのことだ。気にすればきりがない。
「ま、車に轢かれるとか、事故に遭ってなかったからいっか。じゃあ…遅れたお詫び
にあたしたち二人に後で何か奢っておくれ。コエンマ様も、それでいいですね」
「あ…ああ、分かったって」
幽助はがりがりと頭を掻きながら<、目の前に置かれたコップの水を物凄い勢いで
飲み干した。
「じゃあ、今日はもうこんな時間だし暑いから、あんまりあちこち回らない方がいい
よね。だったら屋外は動物園だけにしよっか。その後で隣の美術館にでも入れば涼
しいしさ。それでいいかい?」
どうせ、呑気な男二人はこれからどこへ行けばいいのか全然考えてもいないに違
いない。そう思って適当に近くにある施設を提案してみたのだが、どうやら大当たり
だったようだ。
「お、それいいねー、動物園なんてガキの頃一回行っただけだしなー」
飲み物を注文することもなく、気の早い幽助は早速腰を浮かしかけている。この調
子でいつも螢子を振り回しているに違いないと思うと、日頃どれだけ大変な思いを
しているのかが伺われた。
「…螢子ちゃん、あんたも大変だよねー」
子供な男に振り回されている苦労はぼたんも同じだ。思わずフッと苦笑してしまっ
た。
「まあ、分かってたことですから…」
螢子もある意味諦めてはいるようだ。
夏休み中ということもあって、動物園は家族連れで大変な賑わいだった。
こんなに暑い日だというのに子供たちははしゃいでいるし、かなり広大な敷地だと
いうのにそれを感じさせないほど人が溢れている。だが、楽しい雰囲気は伝わって
くるのでこれはこれでいい。こんな風にたくさんの人間たちの中で普通に過ごすこ
とはほとんどないのだから、自然とぼたんも浮かれた気分になっていく。
「あー、あちーよなー」
幽助は暑そうに手でぱたぱたと仰ぎながら、それでも目をきらきらさせて様々な動
物たちのいる檻の前で立ち止まってはしゃいでいた。愛らしい動物たちをいちいち指
さしては大きな声を出す。
「お、レッサーパンダ。あいつら立つかな」
「もう、騒がないでよ幽助。恥ずかしいったら」
やはりここでも螢子は幼い子供に手こずっているように見えた。
コエンマはもちろん、ぼたんもこんな場所にわざわざ来たことはないので、幽助の反
応を眺めながら動物たちを観察するのも面白い。
「こんな場所では奴もまるっきり子供だな」
暑さなどほとんど感じてもいないように、ごく普通の若者の服装をしたコエンマはしら
っとした顔をしている。
「コエンマ様もですよ、あたしたちにとってはね」
まるで自分はそうではないという口調に、ぼたんはくすくすと笑った。ついでにちくり
と釘を刺してみた。何ということもない遣り取りだったが、それすら楽しくて、遊びに
出かけるとはこういうことなのかと今更ながら思ったほどだ。
「…あんな単純な奴と一緒にするな」
こういう場だからだろうか、カップルならみんなそうしているからと遠慮なしに肩を抱
いてくる腕の力に、一瞬ドキリとした。
「何、するんですか…」
「意趣返しだ」
すぐに機嫌を直して笑っった顔が、妙に晴れ晴れとしていた。同じように充分過ぎる
ほど楽しんでいるのだろう。やはり最初は動物園にしておいて良かった。そう思い
ながら幽助たちを見失わないようにと歩いて行く。
真夏の午後は思いの外暑い。
動物園内を回り始めて二時間もしないうちに、四人は隣接する美術館のティールー
ムにいた。
ろくに屋根などない場所のこと。直射日光に晒されることも多かったので、肌が何だ
かぴりぴりする。もちろん女の子だから日焼け止めは当然塗っておいたのだが、汗
をかいたので少し流れたのだろう。まめに塗り直すのも忘れるほど楽しかったという
のは、言い訳でしかないのだろう。
ティールームに入る前、ぼたんは螢子を伴って近くの化粧室に入り、二人して顔を
洗い、髪を整え、日焼け止めをしっかりと塗り直して、ごく薄く施していた化粧を元
通りにしてからぼんやり待っている男たちの所に戻ったのだ。
化粧室でのこと。
女の子は本当に色々と手間がかかる。いつも小ざっぱりと、可愛くいられるにはこ
のぐらいの時間はあってもいいだろう。しかも、今日は先に男共が散々待たせてい
たのだから罪悪感を持つ必要もない。
「ぼたんさんがいてくれて良かった…だって、幽助ったらどこへ出掛けてもいつも自
分だけずんずん先を歩いていくんだもの。でも、たまにいいですよね。こうして待た
せるのも」
やはり少し日焼けしたのか、化粧を直しても頬にやや赤味がある螢子が恥ずかし
そうに微笑んだ。
「そうだよ螢子ちゃん。夫婦は常に平等なんだからさ、何も幽助だけに先を歩かせ
る必要ないって。どんどんしたいことをして振り回しておあげよ」
洗面台の前で、ほんのりと赤い頬に残ったパウダーを軽く払ってやりながら、ぼた
んは笑って見せた。
「…そうですよね」
それでやっと安心したのか、螢子はなぜかほろりと一粒涙を流した。
別に不幸とか、つらいことがあった訳ではなくとも、全く別の存在と一緒に暮らして
いるのだから、日々の積み重ねの中で不調和のようなものも出てくるだろう。ほん
の小さなものでも、心のどこかで違和感を感じる程度のことが、それなりに溜まって
いたに違いない。
「元気をお出しよ。あたしはいつだって、螢子ちゃんの味方だよ」
軽く抱き締めて、ぽんぽんと背中を叩いてやると、それだけで華奢な体が落ち着く
のが分かった。
「頑張ろうね、お互いに」
「はい、ぼたんさん」
化粧も気持ちもすっかり新しくして、女の子二人は共闘するように男共の待つ廊下
へと進み出していた。
続く
ああ、もう少しでエロに持ち込める筈なんだ。掻いてたらちょっと勘を取り
戻してきたし。何とか今週頑張ろう。
蔵えもんも今週のうちに書けるといいな。
それでは、色々と不完全燃焼だけど、おやすみなさい。
掻いてたら→×
書いてたら→◎
普段、どんなの書いてるかこれだけで分かるよ、自分… /orv
どんまい、12さんw
さり気なく肩を組んじゃうコエンマ様に萌えた自分が間違ってます。
それと、素早いUP毎度多謝です。
GJ!やっぱり女の子たち可愛いね。等身大な所も。
化粧室での螢子とぼたんのやりとりいいな。
幽助もコエンマもイイ奴だけど、マイペースだからね…
エロ展開も蔵えもんも凄く楽しみだけど、
12さん、あんまり時間は気にしないで下さいな。
もうそろそろ容量オーバーですよー。
スレ立てる人は、1にまとめサイト足してつくってください。
ごめん、リロードしてなかった。
>737>738にテンプレあるので、そちらでよろしく。
乙ー!
バイバイ ,、!ヾ!\ハ ,-ミヘヾ,,
ミw☆ヽ:::/w☆ゝ |:/へ\!|,ヽ
( ´∀!C `Д´) ∩ {} :◎∀`) ツギスレニイドウスルゾ!
(っ(,,_ノ 飛 ソ \_ 躯 )つ
`7 ∧ 〈 人 ヽノ
(_)(__) (__(__)
>>756 カワエエ♪
赤タンしょったパパがいいなあ。
スレ埋めるには、小ネタかAAがよろしいようですよ。
ハヤクオオキクナルンダゾ
バブバブ
,、!ヾ!\ハ キャッキャ ,-ミヘヾ,,
ヽ:::/w☆ゝ .____ |:/へ\!|,ヽ
!C `Д´) < _ ☆ \{}◎∀` ,b!
(゙!つ飛つ イ(´∀`ノ|=躯⊂[__) ヨシヨシ
| | | 〃 ̄ ̄__イ ( ( (
(__)_)ヽ__/ (_(_)
オイ…
ア…
,、!ヾ!\ハ グス… ,-ミヘヾ,,
ヽ:::/w☆ゝ .____ |:/へ\!|,ヽ
Σ !C `Д´) < _ ☆ \{}◎д ゚ ;,,b! ア、
(゙!つ飛つ イ(´д`゚,ノ|=躯⊂[__) ヤバイ…
| | | 〃 ̄ ̄__イ ( ( (
(__)_)ヽ__/ (_(_)
ドウスリャイインダ
,、!ヾ!\ハ アギャアア! ,-ミヘヾ,,
オロ ヽ:::/w☆ゝ .____ |:/へ\!|,ヽ
オロ !C;`Д´) < _ ☆ \{}◎д` ; b!
(゙!つ飛つ (゚´Д`゚ノ。|躯⊂[__) ナクナ、ナクナ
〉 〉 〉 〃 ̄ ̄__イ ( ( (
(__)_) ヽ__/ (_(_)
激烈にカワエエ。
赤タン出来た夫婦ってこんな感じだよな。
魔界でもやっぱ同じか。
頑張れ新米パパとママ。
麗(うらら)
飛影と躯の間にかけがえのない絆が誕生した。
その奇跡は過ぎし真夏の盛りのこと。
それからやや時間が経過して、躯が寝間から赤子を抱いて出て来たのが人間界で
いう一週間後のことだった。
そして、小さな奇跡は煌めくように続いている。
「さあ、汗をかいちゃったから着替えましょうね」
まだ体が本調子ではない躯に加えて、赤子の世話も引き受けることとなった雛にと
っては、確かに負担が増えたことも事実だった。だが、それ以上に主人二人と新しく
誕生した主人の世話を焼けることが嬉しかった。
赤子は躯に瓜二つのとても可愛らしい女の子だった。名前はまだついていないが、
雛は相変わらずの誠実さで一心に世話を続けている。
何ひとつ知らない無垢な瞳は本当に綺麗で、つい見蕩れてしまう。
きちんと新しい肌着に着替えさせてから、薔薇色のおくるみに包んで雛は幼い主人
を抱き抱えて屋外の薔薇園へと歩いていった。
「ほら…綺麗でしょう?これはお母様の躯様の為に作られた場所。だからあなたの
為のものでもあるかもね…見える?」
宝物のように赤子を抱き締めて、雛は幸せそのものというように微笑んでいた。
新たな日々が、これからも続くのだ。
そんな予感がしている。
終わり
12さんGJです!うぉー出産話のその後SSキター!!
赤ちゃんは容姿躯似か…さぞかし可愛らしいんだろうなあ。
献身的に赤ちゃんに仕える雛ちゃんの姿も読んでいて清々しいです。
幸せいっぱいなのがこちらにも伝わってくるね。
そろそろ名前も決める頃かな?どんな名前になるんだろう。
ちょっと通りかかった者ですが・・・、穴埋めに協力しましょうか。
天沼ネタでも・・・。
幽助・蔵馬・飛影・桑原の4人は、一見大きな門の前に居た。
どう見ても学校の門だった。
校庭の端々に大きな桜の木が植えられており、青々とした葉が生い茂っている。
門の中から校舎の入り口までの道に、夏服姿で笑いあう生徒たちの幻が見え、どうやら朝の風景らしかった。
どこからともなく、ゲームマスター・天沼の声が響く。
『やあ、みんな。久しぶりだね。ちょっぴり大人になった君たちの為に、今回は素敵なゲームを用意したよ』
「なんなんだ一体。学校なんかが舞台で素敵なはずあるか、ボケ!」
桑原がしかめっ面で言い放った。
『オレの領域へは、ゲームに関係ないものは入ることさえできない。とりあえず門から中に入ってみてくれよ』
「ちっ、くだらん!」
飛影が反対方向へ身体をむけると幽助が首根っこをつかんで中に入り込んだ。
「まあまあ、せっかくじゃんかよ。たまに人間界に来た時くらい遊んで行こうぜ」
なぜかのりのりである。
「あれ?」
蔵馬一人がブロックされた。
『あ〜あ、残念!』
天沼の心底残念そうな声が響く。
『このゲームは恋してる人しか参加できないんだ。蔵馬くんは女性に恋していないんだね。
仕方ない。門の外にモニターを出しておくから見てるといいよ』
この言葉に桑原は敏感に反応し、瞬時に飛影の方を見た。
「まさかこいつが・・・恋だと!?」
桑原の額に汗が流れる。
幽助と蔵馬には躯の姿が浮かんだ。
しかし完全に上司と部下のように思っていた幽助にはにわかに信じがたい思いがした。
対する蔵馬は「なるほどね」とニヤニヤ確信に満ちた表情になった。
「で、天沼、どんなシナリオなんだい?」
モニターの性能を確かめながら、蔵馬は楽しそうである。
『あそこの時計が17時になるまでに、意中の彼女に告白し交際をOKしてもらう。
うまくいったらエンディングで、その彼女とHなことができるんだ』
「うおおおおおおおおおお!!雪菜さあああああああああん!!!!」
天沼の説明を聞くや否や、桑原は校舎に駆け込んで行った。
「ちょ!待て!!貴様!!」
飛影の叫びはむなしく響くだけである。
『もちろん、人の恋路の邪魔もできるよ、飛影くん』
飛影もすっ飛んで行った。
「あーあ、ありゃ、桑原と雪菜ちゃんの邪魔することしか考えてねーな」
「そのようですねえ。ま、オレはゆっくりモニタリングさせてもらいますよ」
この場で一番楽しんでるのは蔵馬のようだった。
「くそ〜、エロゲーなのは歓迎するところだが相手が螢子じゃな〜」
すでに両思いの恋人持ちの幽助は余裕綽綽であった。
その教室に入った桑原の目に飛び込んできたのは可憐な制服姿の雪菜だった。
螢子とおしゃべりして笑いあっている。
「雪菜さん!」
開口一番、雪菜の名を呼ぶ桑原の、襟首掴んで廊下にひきずりだした飛影がすばやく雪菜の隣の空席に座った。
「まさかお前も雪菜さんを・・・」
桑原の顔が青くなった。
雪菜はちょっぴり頬を赤く染めて飛影の方を振り向いて言った。
「あ・・・、おはようございます」
「ああ」
ぶっきらぼうに言い放った飛影に今にも掴みかからんとする桑原の額に、このとき何かが飛んできた。
「いてえっ!!」
それはチョークのかけらだった。
命中した額からはだらだらと血が流れている。
そのチョークのかけらをとばした方向を見た飛影は愕然とした。
「お前、オレの授業の前に着席してないとはいい度胸ぜ」
チョークの指弾を飛ばしたのは教壇に立った女教師だった。
すらっとしたスタイル。
腰まで伸びた金糸のような長い髪。
深く、誰をも射抜くような意思を感じる蒼い瞳。
その身体に醜く焼け爛れた部分はどこにもない、完璧なスーパー美女の躯だった。
「な、なんだ、あの美女は!!」
とかく面食いな桑原は驚いた表情で赤面し着席する。
飛影は躯のそんな姿にドキドキしながら桑原の反応に嫉妬しつつ、
隣に座った可憐な妹を守らなければならなかった。
「これは興味深いゲームですね・・・」
校門の前でう○こ座りで画面を食い入るように見ている蔵馬は、どこからどうみても変な人であった。
(多分、続かない)
※まとめサイト掲載不要小ネタ
769の台詞に「だ」が抜けました。
逝ってきます。
寸止めキタ━。・゚・(ノД`)・゚・。━━!
764さん、掲載不要だなんて勿体無い…
天沼グッショブ!w
さすがゲームマスターは考える事が違うね!
可愛い制服姿の螢子や雪菜、美人女教師の躯…
4人とも(蔵馬は違う意味で)うらやましいな。
エンディング見てみたいです。
じゃあ、気が向いたら投下します。
「いや〜、遅刻しちまった」
へらへら笑いながら教室に入ってきた幽助を迎えたのは、やはりチョークの指弾の洗礼だった。
「いてえっ!!」
額からだらだらと血が流れ、その血がぽたぽたと床に落ちた。
「お前は廊下だ。立っていろ」
そう言い放った女教師に、幽助も唖然とした。
「げっ。躯か?!」
躯の目元がピクリと反応する。
「教師を呼び捨てにするとはいい度胸だな…」
次の瞬間、幽助は廊下に立っていられない身体になって地に伏した。
倒れた場所に鮮血の血だまりが広がる。
保険委員の螢子が幽助を保健室に連れて行く展開になり、それを横目に桑原が「うまくやりやがって」と
呟いた。
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムがなった。
礼を終えた桑原のみぞおちに素早く飛影の拳が入る。
「むぐっ!」と机につっぷした桑原の姿を確認し、飛影は教室からさっさと出てしまった教師の後を追った。
すれ埋めの為にちゃかちゃか書いたものですが、続きはブロックされました。
700台でこのスレ終了ですね。
やっぱり幽助は遅刻なんだね。ワロタw
鉄拳制裁受けちゃったけど、“螢子と保健室へ”だなんて結果オーライ?
>続きはブロックされました。
それは容量オーバーで…という事ですか?
それだったら新スレたってますので、
もしよければ続きはそちらに投下して頂けませんか?
せっかく書いて下さったのですし。是非読んで見たいです。
書き込めないの?
長い文章だと容量オーバーなのかな。
最後まで書き終えたんですけど新スレでは雰囲気壊しそうなので
埋めでだらだらやりたかった。
本当に通りがかりで即興で書いたものなので・・・。
ここでは長い文章はもう無理そうだけど、新スレで是非続きを
最後まで書いたのなら、なおさら読みたいです。
764さん、新スレの方に投下して下さったのですね。
有難うございました。
>>769 >校門の前でう○こ座りで画面を食い入るように見ている蔵馬は、どこからどうみても変な人であった。
ちょw w w w 蔵馬w w w w w
てか自分も躯センセの授業受けたいなぁ。(*´Д`)ハァハァ
この躯先生は怖そうだ。
\ ,-ミヘヾ,, ハ/|ハ,!_ /
― |/へ\!,ヽ <☆wヽ::/ ― . Nイ_ オレノドウグ
/ {}:◎∀`) (`Д´*b:! \ <|ノwヾ!ノ! ヒツヨウナイジャナイカ…
⊂躯⊂[__) ⊂|.飛 U ..▲(゚Д゚ =))Z
_/ ./(. ( Y 人 日O(∇)O) …オモシロクナイナ
ヽ__| (_) .(_,ノ、ノ ○-ω-◯
ちょ、クラえもんのAAキタ―――――ww
激カワエエ
飛影と躯が仲良しなのはやっばりいいね。でもその背後に
不穏な影が…www
ハ/|ハ,!_ ,-ミヘヾ,,
モウスコシダ <☆wヽ::/ |/へ\!,ヽ
(Д´ b:,,! {{∀` b,! ガンバレ!
ミw☆ ⊂飛⊂!,)⊂躯⊂[__)
((. γ'⌒( ´∀)バブー く く く ( ( (
. と ノ_∪__つ (_(_) (_(_)
這えば立て
タッタ! ,、!ヾ!\ハ ,-ミヘヾ,,
タッタ!!ヽ:::/w☆ゝ |/へ\!,ヽ ヤッタゾ!!
!C;`Д´) アー ☆wミ {{∀` b,!
(゙!つ飛つ (´∀`b! ⊂躯⊂[__)
〉 〉 〉 " ⊂ ⊂),, ( ( (
(__)_) ∪∪ (_(_)
立てば歩めの…
ウマイゾ!
,、!ヾ!\ハ ,-ミヘヾ,, /
ヽ:::/w☆ゝ |/へ\!,ヽ ─
!C;`Д´) {}◎∀`) \ ウー ☆wミ
⊂ 飛 |つ(゙!つ躯つ (∀`bリ
〉 〉 〉 ) ) ) " ⊂ ⊂),, ))
(__)_) (__)_) ⊂∪…
\ヨクネムッテルナ/ \“ネルコハソダツ”ッテイウンダヨ/
__________________
| ,、!ヾ!\ハ Zz ,-ミヘヾ,, ..|
| ヽ:::/w☆ゝ ☆ |/へ\!,ヽ !
| !,C `Д) (´o`) {{∀` b,! |
(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
|.⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
| |@ @ @ @ @ @| |
| | @ @ @ @ @ | |
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| |___________| |
|_________________|
GJGJGJ!!!
AAでありながら、すごくあったかくて優しい雰囲気が出てていい。
あの二人なら、きっと生まれた子をすごく大事に(非甘やかし)する
だろうなって思った。
あのーぅ、もしかして、蔵えもんについてるのは…
ち○こ?
先日AA投下させて頂いた者です。皆さん、コメント有難う。
蔵えもんについてるのは…残念、それは蔵えもんのおいなりさんだ。
狐においなりさんは付き物って事でw
,,‐、_
ハ/|ハ,!_ ___ハ!/ ,,,,___ ''‐w‐'ゞ:!
<☆wヽ::/ N´::/w|ノゝ ゞw‐'z. ゙! (`< ´,b:!
(`Д´ b:! 把! ゜∀゜)‐, ( ゚Д ゚ b:! ∩ヽ∀ノ´
⊂飛 ∪ ノ(つ蔵,)ノ (m9幽 つ ヽ| ̄桑つ
.〈. 〈.|. | .| | | く く\ \ | | 〉 .〉
(__(__) (__)_) (__) (__) (_)(_)
↑通常の蔵馬には付けてません。さすがにカワイソスなのでw
桑ちゃん、めちゃくちゃ似てるwww
ニヤニヤ___ハ!/
N´::/w|ノゝ
把! ゜∀゜) ,,,,____ ムシュウセイ イイ!
ノ(つ蔵,!つ ゞw‐'z. ゙! ,,‐、_
,、!ヾ!\ハ_)__) ( ゚∀ ゚ b:! ''‐w‐'ゞ:!
ヽ:::/w☆ゝ ,,へ,, へ⊂) (`< ´,b:!,‐,
!Cll。Д ゚) (_(__)_丿. ヽ∀ノ /ノ
〈__U飛U \ ..|i\__ヽ. (つ桑 |
(_ィっ_) ギシ .|i i|.====B|!(_ィっ_)
アン |\|___|__◎_|_
/ ,| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\| video. !〜
 ̄ ̄ ̄ ̄
「ピンクの章」キタ━━━━!!!
ageとく
799 :
空耳アワー:2006/10/09(月) 13:33:05 ID:nMUUTswT
\ シンケンショウブハ ギリョウニカカワラズ イイモノダ /
\ .ケッスルシュンカン タガイノドウテイガ /
\ ハナビノヨウニサイテチル /
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/リニ!].!〕[:、
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|. |. |
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< ド ド ド ド ドウテイチャウワ! >
) (
´⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
._,..-,
. \ ,、!ヾ!\ハ __,.ィ´ヽ ,!
\ ヽ:::/w☆ゝ. ,-=.:'v‐‐ヽ:゙!ヽ!/
\!C;゙Д゙ ) ノ(ヨ( 'A`:、b:l !|
(つ〆!ヨノ ゚ !ヽ└┘時!ヨ
/ 飛`!、 ,:'〈._〈.,ィ'ヽ
(__!~ \__) '(__) (__)
800get
時雨タンはドウテイ?
時雨で何か書きたいなぁ、と無くしたプロットを探しながら前スレでぼやいてみる。
絡ませられるキャラがいないから、相手は確実にオリジナルになりますがorz
飛影にでかい口を叩く位なんだからそれなりに色々あっても面白いじゃないかと思った。それだけ。
>799
その一言を叫んでいるのは飛影なのか時雨なのかが気になりますよ、ふへ。