「君には期待していたのだがね・・・」
富坂市のとあるビルの一室、アポロンが青山をじっと見下ろす。
青山の身体は細かに震えている。真冬のダムに落ちた寒さからばかりでもないだろう。
「も、ももももも申し訳ございまいません、あアポロン様・・・」
心の底から脅えきった青山に、アポロンは容赦なく言葉を投げつける。
「佐伯の妹に、エキドナのディスク・・・どちらも実に重要なことだったのだがね」
「も、申し訳ございません・・・」
アポロンはゆっくりと椅子から立ち上がり、背広の懐に手を入れながら言った。
「君にはがっかりだよ」
そして大きな溜息を一つつき、内ポケットから拳銃を取り出し、床にひれ伏している青山の額に押し付けた。
「ひ、ひぃぃぃ!」
銃口の冷たい鉄の感触が、目の前の死というものをリアルに想像させた。
アポロンの人差し指はトリガーにかけられ、安全装置も解除されていた。
あの人差し指が動いた瞬間、ズドンと一発、それでお終いだろう。
「お、おおお許しをぉおお!!」
青山は少しずつ後ずさりしながら、床に額をガンガンとぶつけた。
この人は重要な任務を失敗した自分を、容赦なく殺すだろう。そういう人なのだ。
「・・・もう一度だけチャンスをやろう」
ふと頭上からアポロンの声が聞こえた。
「根岸を殺せ。そしてディスクを取り戻せ。今度こそ、確実にな」
アポロンの目には相変わらず冷酷な光が宿っているものの、その手の拳銃は下ろされていた。
「は、はいぃ!か、必ず!」
「だが」
青山の言葉をさえぎるようにして、アポロンが再び拳銃を突きつけた。
「失敗の償い・・・ペナルティというものはきっちりとしておかねばな?」
彼はそういって自分のズボンのベルトを緩め始めた。
「あ、あああああああアポロン様?」
「さあ、上の銃か、下の銃か、どちらを食らいた
ごめん、無理。