高津カリノ総合エロパロ【WORKING!!】no.2
ほんの気休め、というか冗談のつもりだった。
たまたま書店で見つけたいかがわしいハウツー本。
そのアオリ文句、『学力向上も可能!!』
この一文に目を惹かれ、購入してしまった。
もちろん必要なのは俺ではなかった。
宮越華
同じレストランでバイトをしている彼女は、有体に言ってバカだった。
それも筋金入りの。
あるきっかけで(それも酷く強引な理屈で)彼女に勉強を教える羽目になり、
その後もテストの時期が来るたびに面倒を見るのが恒例となってしまった。
しかし、彼女への教育は並大抵のものではなく、ほとほと困り果てていたところにこの本に出会った。
『催眠術』
そして、……彼女はあっさりとその術にかかってしまった。
簡単に勉強が出来るようになる方法がある、そう言うと彼女は簡単に飛びついてきた。
『やっぱりそんな方法があったのか!卑怯だぞ!すぐ教えろ!』
そう言った時の彼女の表情は、今はもう無い。
目も耳も、全ていつもと同じパーツだが、それが形作るものはいつもと全く異なっている。
彼女は目を開いてはいるが、何も見えてはいない。
耳も聞こえているが、何を聞いているか認識できてはいない。
触られても、……そう例え口付けをしても、胸を揉んでもその事を理解することが出来ない……。
普段の強気な顔、バイト中の笑顔そのどれとも違う彼女のその何の感情も表さない顔を見た時、
俺の中に今までに持ったことの無い強い欲求が生まれた。
―――女は、間違いなく美人の部類に入るものであり、
男は、多少捻くれてはいたが間違いなく年頃のオスであった―――
『彼女を、俺のものにしたい』
今までそんなこと考えたこともなかった、そしてそんなことが可能なはずもなかった。
しかし今は違う。今の彼女なら間違いなく自分のものに……
!
廊下で足音がする。家族の誰かが近づいてきている。
俺は一瞬前まで煮え滾る様に強烈だった欲求を押し込め、
即座に二つの暗示を彼女に与えた。
一つは『キーワード』
いつでも俺がそれを一言言えば彼女はこの状態に戻る。
もう一つは『催眠術を掛けられたことを忘れる』こと。
そして彼女の催眠を解く。
コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
入ってきたのは母さんだった。お盆にジュースとお菓子をのせている。
「勉強頑張ってる?華ちゃん、ウチの大輔の相手してくれてありがとうね」
「いいえぇ、おばさま。大輔君にはいつも勉強を見てもらって、華とっても感謝してるんですぅ」
「あらまぁ、嬉しいこと言ってくれるわねぇ。コレ食べてちょうだいね」
「ありがとうございますぅ、おばさま」
母さんがお盆を置き部屋を出る。
「なー東田、私今なにしてたっけ?」
「テスト勉強に決まってるでしょう、宮越さん」
「それはそーなんだが、……なんかおかしいんだよなぁ」
「集中していないからですよ。ところで宮越さん、○○○○○」
彼女が一瞬『え?』という顔をする。
しかしそれは本当に一瞬のこと、すぐにあの表情へと変化した。
危なかった。
自室とはいえ鍵は無く、そしてあの家族のこと、いつ部屋をのぞきに来るかわかったもんじゃない。
危険な橋は渡りたくない。今ここで手を出すのはあまりに危険すぎる。
それに、……ちょっとした意趣返し、というものだろうか。
このまま彼女を落とすのは惜しい気がする。
できるだけ焦らして、ゆっくりと。
そう、そして、……できれば自分から。
俺は彼女に新たな暗示を与えた。
カラダがだるい。
このところずっと寝不足が続いている。
それというのもある匂い、それがずっと鼻について離れないからだ。
何の匂いなのか、どこかで嗅いだことがあるような気もするし、
とても身近で、それでいて私自身とはかけ離れたもののような気もする。
いつからか、それはわからない。
普段は周りの匂いに紛れるほど薄くて、意識しないと感じることが出来ない。
でも、夜になると……
その匂いはとても濃くなり、そして背筋がゾクゾクしてくる。
興奮が、欲求が抑えられなくなる。
アソコが濡れる。
手が勝手に動いてしまう。
私の手は、胸を、アソコを好き勝手に弄りまくる。
でも、イケない。
いくら気持ちよくなっても、いくら気持ちが高ぶっても決してイクことができない。
もう手は勝手に動いてるわけじゃない。自分で、私自身の意思で動かしている。
体中をむちゃくちゃに触りまくっても、もうそれ以上にはならない。
『なんで!?なんで!?なんで!?』
今日も、私は眠ることが出来なかった。
『かなり、衰弱してきたな』
彼女のここ最近のバイト先での働きぶりは、精彩を欠いている。
ミスこそしないものの、普段の何分の一程度かにまで効率が落ちている。
他のバイト仲間もそのことには気付いている。
心配して、休むように、とか仕事を代わってあげようか?と幾度と無く声をかけている。
しかし、彼女はその申し出を跳ね除けて仕事を続けている。
普段の、営業笑顔でない彼女を知っているバイト仲間達は、
単純に彼女の負けん気の強さがそうさせていると思っている。
それは、違う。
俺だけが、その理由を知っている。
休憩時間、彼女がトイレにたった。
こっそりとその後をつける。
小走りの彼女は俺がついて来ていることに気付いていない。
彼女は従業員用のトイレを行き過ぎ、店の裏手に出た。
垣根のせいで周りからは目に触れないところだ。
彼女の足音が止んだ事を確認して、俺もゆっくりと外に出た。
彼女は室外機の陰で、壁にもたれかかっているようだった。
姿を見られることの無い位置に立ち、耳を澄ます。
「ンッ!……ヒアッ…………なんでぇ?……まだ、夜じゃ……
無いンァァ、無い、のに……とまらな……イィ!
とまらないッ…のォ!……ヤァァ……」
押し殺した声が聞こえてくる。
……そろそろ頃合か。
俺は彼女に気付かれないよう先に店に戻った。
「………………、……………………よ」
「え?」
あれ、ここどこだ?
「更衣室開きましたよ、どうかしたんですか?」
「え、いや、ちょっとぼうっとして……」
ああ、バイト終わったから着替えようとして、それで更衣室誰かが使ってたから待ってたんだった。
体がまだだるい、さっきのアレのせいだな。
早く……着替えて帰ろう。
「しっかりしてくださいよ、俺先に帰りますから」
「ん、あぁ。東田お疲れー」
「今日は、ゆっくり寝れるといいですね」
「え?」
擦れ違いざま小声で、でもはっきりとそう聞こえた。
なんで寝てないの知ってるんだ……?
「おい、東……田?」
振り返った先には東田はいなかった。
なにか、おかしい。そういえばこの前東田んちに行った時……
考えながら更衣室に入った。
「あ、あれ?」
気がつくと、外だった。
ちょうど店と家との中間辺り。
「あれ?確か、今更衣室に……」
確かめてみると、すでに着替えていた。いつもの服、いつもの鞄、それと……
「なんだ?この紙袋」
いつのまにか、紙袋を抱えていた。こんなもの、店には持っていってない。
中を見てみる。
これは……バイト先の制服だ。でも私のじゃない、男用だ。
しわがよっているから多分着た後、クリーニングに出すためにまとめてあったものだと思う。
「なんでこんなもの持ってきたんだ?」
紙袋から制服を引きずり出そうとする、と……
!!!!
これ、この匂い!
あの匂い!
ずっとずっと探していたあの匂い!!
ダメ、もう我慢できない
早く家まで帰らないと
「オイ、華!帰ってきたらちゃんと手ぇ洗え!」
おかんを無視して自分の部屋に。
もう体はガタガタだ。でもこれがあれば。
部屋に入ってすぐ、私は服を全て脱いだ。
紙袋から制服を出す、そのまま思い切り顔に押し当て胸いっぱいに匂いを吸い込む。
!!!!!!!!
凄い!今までと比べ物にならないくらいに感じる!
もう、立っていられない。
私はベッドに倒れこみ、オナニーを始めた。
「ハァァ……凄いぃ……、こんなに凄いなんてぇぇ……!!」
昨日までのオナニーとは違う、昨日までよりももっと感じる。
私はもっと、もっとと制服を顔に押し当てた。
「イイィィ……!!もうちょっと、もうちょっとでイケるのぉぉ……!!」
その時、制服に名札が付けられたままなのに気付いた。
私をこんなに感じさせてくれる人が誰なのか、凄く気になった。
『東田』
「アァァァ……!東田ぁぁッ!!」
その瞬間、私はイッた。
「こんな、あっ……だめぇ……止まんないよぅ、東田ぁ……」
止まらない。一度イッたくらいでは満足できない。
私は制服を羽織ってオナニーを続けていた。
全身で東田の匂いを感じる。
東田に抱かれているような、そんな気分になってくる。
「また……!もうイクッ!東田ぁ……!!」
全身がのけぞり、さっきよりもさらに高い絶頂。
それでもまだ、私の体は止まらない。
もっと、もっと感じたい!!
深夜2時、携帯が震える。
寝てはいなかった。この電話を待っていた。
相手は……もちろん彼女だ。
さらに5分ほど待った後電話に出た。
「もしもし」
「………………ンぅ……!……ハァ…………」
「もしもし」
「!!あぁぁ…東田ぁ」
「どうしたんですか、宮越さん。こんな時間に」
「あぁ……東田が、私を呼んでくれてるぅ…」
「なにしてるんですか?ふざけてるんなら切りますよ」
「ま、まって!切らないで!おねがいだからぁ……」
彼女は相当に追い詰められている、もう間違いないだろう。
「こんな夜遅くに意味のわからない電話を掛けてこられたら困るんですよ」
「ぁ……ごめんなさい……」
少し語気を強めただけで彼女は大人しくなった。
「それで、何の用事ですか?」
「あ、あのこれからウチに来……ううん、今から東田の家に行ってもいいかな?」
「何時だと思ってるんですか。何か用があるなら電話で言えばいいでしょう」
「ぅ……ぁ……」
「じゃあ切りますよ」
「!!まっ、待って!東田、私を……抱いて……欲しいんだ」
とうとう言った。彼女に与えた暗示の最後のキー。
彼女は完全に堕ちた。
「よく言えました。でも今からは無理です」
「ぇ?あ、あの……」
「だから、代わりのご褒美をあげます。よく聞いてください、
おやすみ、華―――
―――いい夢を」
「ぁ」
電話が切れた。
急に眠気が襲ってくる。私はそのまま眠った。
夢の中には東田がいた。
私は何度も東田に抱かれた。
夢の中の東田は私を何度と無く絶頂に導いてくれた。
そしてそれと一緒にたくさんのことを私に教えてくれた。
もちろんそれは学校の勉強なんてつまらないものではなくて、
私にとってなににも代えられない真理だった。
私は、夢の中で身も心も東田の物として生まれ変わった。
―――いい夢を」
「ぁ」
電話を切った。
これで明日には完全な状態になっているだろう。
俺は深い満足感を覚えた。
……でも、
でもたった一人でいいのか?
たった一人で満足するのか?
一人だけで満足できるのか?
そんな筈が無い。
そんな筈、あるわけが無かった。
以上です。
PBBSのNo16の絵師様の場面を勝手に拝借して
上から自分色でべったり塗り潰してしまいました。どうもすみません。
最近黒くなってきてますか、私。