THE 地球防衛軍【エロサンダー】2

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837名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 07:46:35 ID:u12U/aVb
残り17KBならいけると思うけど
838名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 17:48:03 ID:Um/1ZcGo
IMP攻略でのたうちまわってんだよw
839名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 00:12:19 ID:Dx25Tzdo
あははははっ! 保守にまみれて死ぬんだよッ!
840名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 01:09:07 ID:nDZjnMtc
たしかPWSの人がINF絶対包囲の攻略中に前スレ落ちたんだっけ
841名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 03:55:35 ID:XtLY+3/P
サンダァァァ
842名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 00:42:04 ID:+9eKoz8j
酸?
843名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 05:43:29 ID:owcbA8qT
サンダァァァン!!
844名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 03:23:40 ID:C34nNTpZ
俺たち、本当に生きて次スレに行けるんだろうか……
845名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 19:30:01 ID:63PpL97V
本部!次スレに移項しないために職人がSSを投下できないのではありませんか!?
846名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 00:45:39 ID:1kk/DyPc
あと何レスほど行ける?
847名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 00:56:52 ID:TFhm9WL9
>>846
残り約16KBと153レス。
1KB=1024byte=全角512文字だから、
512×16=8192文字、
原稿用紙換算で20枚半って所かな。
848名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 22:01:02 ID:g+C4s7C9
最後のコマのためだけに描いた
批判はよく聞こえない
ttp://akm.cx/2d2/src/1180789046062.jpg
849名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 22:36:25 ID:SLg7ij7S
>>848
E・D・F!E・D・F!
850名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 23:12:42 ID:V8wp6g5v
各地から続々と>>848に通信が入っています!
すべて内容は同じ……
“幸運を祈る”。 以上です
851名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 17:01:29 ID:AGFbnN5b
>>848
ヒャッホー!E・D・F!
852名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 22:19:49 ID:mSMxDYPT
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 E・D・F!
 ⊂彡     E・D・F!
853名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 11:13:53 ID:Ls1E5wRI
e・d・f
声が小さぁ〜いっ
E・D・F!
よぉ〜っし
854名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 15:01:25 ID:LF86gD2b
E・D・F!E・D・F!
V2!ライサン!ジェノジェノ砲!
855名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 19:53:04 ID:/f013gfE
いくらジェノがあったってIMPじゃ……
いや、なんでもないや
856名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 01:52:41 ID:3dY6/ga9
しょせんIMPはオマケです
早いとこ諦めて切り上げてください
857名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 23:39:57 ID:HmKG3ejX
もうお終いなのか?
858名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 18:55:03 ID:1XkcYDwL
次スレ立つまで投下できないんだろ
容量少なすぎるし
859名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 21:16:01 ID:0nlP9d/3
体力があと1500
いや、せめて1000あったら……orz
860名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 01:38:02 ID:5LwMva03
んじゃ次スレ立てるか?
スレタイ候補あげようぜ
861名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 09:55:34 ID:gY8r5zwq
THE 地球防衛軍【さ、3だー!】
862名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 10:38:05 ID:QRh4JYMr
3はいいかもしんないけど、4以降は苦労しそうだな、その手のスレタイは
863名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 14:45:14 ID:6jDbbBh9
シンプルなのでいいよ
SIMPLEシリーズだし
864名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 15:07:41 ID:3AzIzcWh
【陸戦兵】THE 地球防衛軍でエロパロ3【ペリ子】
865名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 21:00:52 ID:w48Ne8Bc
【陸戦兵】THE 地球防衛軍でエロパロ さ、3だー!【ペリ子】
866名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 21:21:24 ID:nAN9npTO
>>865でイこう
867名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 02:44:11 ID:I7z6Iu/P
【E・D・F!】THE 地球防衛軍でエロパロ3【E・D・F!】
868名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 16:26:23 ID:Gh1xQ3Ea
ほ、保守ダー!
869名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 22:39:35 ID:DfYUFpjp
EDF!EDF!
870名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 01:03:57 ID:T1zARSbb
『ペリ子ハード』 クリムロットコミックス

縦穴を下り洞窟の奥へ進撃するペリ子
しかしそれは敵の巧妙な罠だった

バゥ「アーマースーツは 私達に溶かされるために鍛えてきたんですものね」
ペリ子「いつもの力が出せれば…こんな蜘蛛なんかに…!」
バゥ「良かったじゃないですか ダメージ硬直のせいにできて」
ペリ子「んんんんんんんっ!」
バゥ「へへへ、おい、壁貫通糸を用意しろ。みんなでぐるぐる巻きにしてやる」
ペリ子(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
バゥ「ペリ子の生自爆ゲ〜ット」
ペリ子(いけない…! 雷撃兵器がない事を悟られたら…!)
バゥ「生ペリ子様の生再出撃を拝見してもよろしいでしょうか」
ペリ子「こんな奴らに…くやしい…! でも…退却しちゃう!」(ピロリッ
バゥ「おっと、退却してしまったか。甘い敗北感がいつまでも取れないだろう?」

それから奈落の罠は後から侵入してきた陸男によってクリアされた
871名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 03:28:09 ID:pSgiUOHT
次スレは>>875が上記の好きなタイトル選んで立ててくれ
872名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 13:23:39 ID:sCUvyfq9
そんなこと書いたらスローレースになって誰も書き込まなくなると思うんだが
873名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 22:39:36 ID:4qSN3EiY
俺としては
THE地球防衛軍ライ3ダーがいいな。
874名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 22:53:35 ID:4yrHXeaM
同じネタが続くのはどうかと思うが。
875名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 23:45:13 ID:LPG/XcY6
まとめてみた

【ライ3ダーZ】THE 地球防衛軍でエロパロ3【さ、3ダー!】
876名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 02:15:15 ID:FWEVjSin
>>870
なんか妙にエロいな
877名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 17:17:49 ID:IlhKYPLa
足の裏がむずむずすると思ったら
1cmクラスの巨大甲殻虫がががががががが
878名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 17:43:04 ID:l0Yd1l2y
最後の更新から3ヶ月か
しかし絶対包囲INF陸男をクリアしたマゾな俺なら放置プレイにも耐えられるはずだ!
アダン登場wktk
879名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 18:29:04 ID:IlhKYPLa
今更攻略スレと間違えた事に気が付いた
880ペイルウイング物語−落日編−:2007/06/23(土) 22:36:36 ID:ucvYep1v
《西暦2019年11月20日 倫敦上空》

 ヒースロー空港を出発した東京行き135便は、高度4000フィートで水平飛行に移った。
 気流は安定し、4基のジェットエンジンも快調のようである。
「もうあんなに遠くに……」
 智恵理は見る間に小さくなっていくブリテン島を振り返り、心の中で手を振った。


 審判の日から既に10日余りが過ぎていた。
 この日ようやく除隊を承認された智恵理は、EDF予備大尉として日本に帰国することになった。
 もうペイルスーツを着て大空を舞うこともないと思うと一抹の寂しさはあった。
 その代わりに銃を取って生きるか死ぬか、ギリギリの戦いをしなくてもいいのである。
 神経を極限まですり減らす死闘の日々とお別れできるのである。

「日本に帰ったら、まず神楽先輩のお墓参りに行こう。それとソラスのお墓にも」
 それが終わったら下町の教会にある孤児院を訪ねてみるのもいい。
 それから故郷に戻って、学生時代の友達に自慢話を一杯してやろう。
 とにかく時間は幾らでもあるのだ。
 そんなことを考えているうち、昨夜遅くまで続いたお別れパーティの疲労が一気に出てくる。
 智恵理は大あくびすると目を閉じ、夢の世界へと旅立っていった。


 居眠りを始めた智恵理が、涎を垂れ流しかけた時であった。
 ジェット旅客機の床が大きく傾き、強い横Gが掛かった。
 予告無しの急旋回に、機内からブーイングが起こる。
 やがてCAによる落ち着いた口調の案内放送が流れ、機が倫敦に引き返す旨を告げた。
「故障でも見つかったのかな」
 不安そうにざわめく乗客をよそに、智恵理は平然と機内を見回した。
 そして仕方ないやと首をすくめた。

 空港に到着すると、智恵理たち乗客は全員機を下ろされた。
 そして直ぐに代替機に乗せられることなく、何故かロビーで待機することとなった。
 智恵理の搭乗機以外も倫敦に引き返してきたとのことであり、ロビーは大勢の人でごった返している。
 智恵理の直感は、ただならぬ事態が発生したことを察知した。
「何か良くないことが起こったんだ」
 そうと分かっても情報はなく、何が起こったのか予測することもできない。
 あれこれ考えているうち、大型モニターが設置された一角で悲鳴とどよめきが生じた。
 モニターの前にいた女性がヘナヘナと床に崩れ落ち、男たちは恐怖に顔を強張らせている。
 智恵理は何事かとモニターの正面へ走った。
881ペイルウイング物語−落日編−:2007/06/23(土) 22:37:49 ID:ucvYep1v
 丁度ワールドニュースの時間であり、モニターには極東ローカルのライブ映像が映し出されていた。
「ええっ?」
 智恵理は巨大モニターを見た途端、心臓が凍り付く思いがした。
 100インチの液晶モニターには、巨大な都市が映っていたのだ。
 次元の異なる文化の産物であることは、全体にまとっている雰囲気でそうと分かる。
 そして何より智恵理を驚かせたのは、その都市が空中に浮かんでいることであった。

「侵略者の浮遊都市……」
 それはマザーシップを遙かに凌ぐ巨大な存在であった。
 映り込んだ下町が、まるで特撮番組のミニチュアセットに見える。
 画面をよく見ると、地上のビル街が滅茶苦茶になっていた。
「ひどい……」
 敵の総攻撃を受けた直後であると智恵理は悟った。

 侵略者は滅びたのではなかった。
 更に強大になって、再び襲来してきたのである。
 画面に大写しになったキャスターは、迎撃に出た東京連隊がほとんど抵抗も出来ないまま撤退したと報じていた。

「大変だ」
 智恵理は踵を返すと、空港を走り出てタクシーを拾う。
 息せき切って運転手に告げた行き先は、勿論のことリージェンツ・パークのペガサス隊本部であった。


 隊本にとんぼ返りしてきた智恵理は、見知った警備兵に門を通して貰う。
 警備兵も既に東京の事変を耳にしているらしく、彼女が帰ってきた理由も当然分かっていた。
 厳しい顔をして隊舎へと向かう少女の後ろ姿を、警備兵は頼もしげに見守る。
 彼女こそ仇敵マザーシップを撃沈し、倫敦を悪魔の手から救った恩人、不可能を可能ならしめた英雄なのである。
 警備兵は詰所の内線電話に飛びつき、隊員宿舎に連絡を入れた。
「チェリーブロッサム大尉、帰還す!」
882ペイルウイング物語−落日編−:2007/06/23(土) 22:39:39 ID:ucvYep1v
 仮設の隊本は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
 突如として東京に現れた浮遊都市は下町を廃墟にせしめ、迎撃に出た東京連隊を壊滅させたという。
 巨大な都市の底面には無数の火砲が備わり、連隊は接近することさえ叶わなかった。
 その上で多連装ジェノサイドキャノンをお見舞いされては、小さな下町などが持ちこたえられる筈もなかった。

 更には未確認ではあるが、見たこともない戦闘艇の存在も報告されている。
 その性能は、火力、機動力ともファイターUFOを遙かに凌ぐという。
 いずれにせよマザーシップを凌駕する、恐るべき敵が出現したのである。
 隊本の司令部要員は各地から送られてくる情報の整理に追われ、パニック状態に陥っていた。

「これ、総監部に送信して」
 戦務課長が至急報のファイルをフォルテシモ少尉に手渡す。
 ファイルを持って作戦室を飛びだそうとした少尉が、入り口に立っている智恵理に気付いた。
「チェリーブロッサム……大尉……」
 フォルテシモが目と口を極限まで開いて驚きを表す。
 その声に作戦室に詰めていた将校たちが振り返った。
「ただいま……」
 盛大な送別会までして貰った手前、智恵理は顔を赤らめて鼻の頭を掻くしかなかった。

 そこに警備兵から連絡を受けたペリ子たちが走り込んでくる。
「センパ〜イッ」
 ペ科練の後輩、蛍野光が真っ先に走り寄り、智恵理の首に飛び付く。
「きっと戻ってくるって信じてたよ。もうどこにも行かないで」
 光は力一杯智恵理の頭を抱きしめた。
 巨大な胸の谷間に智恵理の顔が埋没する。
「ちょっ……光ちゃん……ぐるじ……」
 智恵理は復帰早々、危うく事故死するところであった。

                                 ※

『各員に次ぐ。これまでの奮闘に感謝する。これが最後の戦いになるだろう。すべての敵を殲滅せよ』
 図上演習室のモニターに、東京連隊の戦闘記録ビデオが流されていた。
 画面に映っているのは東京の下町である。
 夕暮れが近いのか、やけに画面が赤っぽく見えた。
883名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 22:40:10 ID:f5Nnixjd
>>881
熱い展開がやって来た!!
884ペイルウイング物語−落日編−:2007/06/23(土) 22:40:52 ID:ucvYep1v
 この日、世界各国で巨大生物への一斉攻撃が行われた。
 巣穴を焼き払い、巨大生物を一掃すれば、人類は完全なる勝利を手にできるはずであった。
 画面の隊員たちが、民家の陰で蠢く黒アリに向かって総攻撃を開始する。

 事変は戦闘開始から5分ほど過ぎたころ、予告もなく唐突に始まった。
『空間に異常。上空に信じられないほど大きなエネルギーが集まっています。質量反応はなし、エネルギー反応だけです』
 突如、オペレータの悲鳴が画面に被った。
『なんだと?』
『なんてエネルギーだ。これじゃ地球どころか、宇宙そのものが吹き飛ぶ。質量もなしにこんなエネルギーが……』
 陸戦隊の隊長もペイルウイング指揮官も計器の異常を前に声を震わせる。
『エネルギー、さらに上昇! 空間に歪みが発生します』

 夕焼け空に一点の染みが生じたかと思うと、振動しながら膨張していく。
 球状に膨らむエネルギーの塊から、プラズマ放電が激しく飛び散る。
『時空が歪むだと。一体なにが起こるんだ?』
『エネルギー、急速に低下。反比例して質量が増大しています』

 黒い球体が爆発的に膨張したと思った次の瞬間、今まで何もなかった空間に巨大な物体が出現していた。
 余りの巨大さに、全容が画面に入り切れていない。
 その大きさは、あのマザーシップを遥かに越えている。
 遊覧船でない証拠に、底部には種々の火砲が所狭しと林立していた。

『なんてことだ……』
 超ベテランの陸戦隊長が絶句する。
『おそらく空間転移……空間をねじ曲げて物体を移動させる……インベーダーはこの方法で星々を旅してきた……』
 ペイルウイング指揮官は冷静に状況を分析する。
『でも、これほどの大きな物を転移させるなんて……』
 その冷静なペイルウイング指揮官ですら、常識を越えた現象を前にして、攻撃命令を出すことも忘れていた。
『あれは……敵の母船……いえ、都市でしょうか……』

 オペレータの呟きを合図にしたかのように、無数の砲台が一斉射撃を開始した。
 火の雨を受けて、画面の中の隊員たちが次々と倒れていく。
 余りの惨劇に、智恵理は思わず目を背けた。
 やがて多連装ジェノサイドキャノンから、幾つもの火の玉が発射される。
 その数秒後、モニターの映像は砂の嵐に切り替わった。
885ペイルウイング物語−落日編−:2007/06/23(土) 22:42:42 ID:ucvYep1v

 フォルテシモ少尉がカーテンを開けると、図演室の闇が切り払われた。
 ビデオを見終わってしばらくの間、口をきく者はいなかった。
 マザーシップを沈めて、ようやく平和が訪れると思った矢先、更に強大な敵が現れたのである。
 自分たちが払った犠牲は何だったのかと思うと、徒労感がずっしりとのし掛かってくる。
 無力感と絶望感が、隊員たちの気力をザックリと削いでしまった。

「敵が何だろうと、やるしかないよ」
 いきなり、智恵理が椅子を蹴って立ち上がった。
 この会議に先立ち、智恵理は大尉として正式に現役復帰を許され、ペガサス隊への再配属を認められていた。
「あたし、あんな奴に絶対負けないっ」
 突然の大声に、俯いていた隊員たちが驚いたように顔を上げる。
 そして、命懸けの特攻でマザーシップ叩き落とした立役者の顔を見た。
 智恵理の目には炎がメラメラと燃えさかっていた。
 彼女の衰えを知らない闘志に感化され、仲間の顔に生気が戻ってくる。

「そうだ、今更降伏なんかできないよ。先輩、あたしもやります」
 少尉に昇進した光が勢いよく立ち上がり、巨大な乳房がブルルンと揺れた。
「降伏するんなら、こんなことになる前にしてるさ。なに、振り出しに戻っただけじゃん」
 エンジェル曹長が醒めた口調で混ぜ返し、部屋が笑い声に占拠される。
 ようやく、いつものペガサス隊の雰囲気が戻ってきた。

 だが、皆の笑顔を見回す智恵理の心中は、決して穏やかではなかった。
 エンジェルの言うように、戦いの趨勢は振り出しに戻った。
 しかしペガサス隊の戦力までがリセットされたわけではないのだ。
 3人の隊長は既に亡く、レギーを始めとする貴重なベテラン隊員は大半が戦列を離れた。
 衰えた戦力で、強大な敵とどこまで戦えるのか。
 智恵理は不安に顔を曇らせた。

 その時卓上電話が鳴り、フォルテシモ少尉が受話器を取った。
「えぇっ……す、すぐにイクから……そう……間違っても粗相のないように」
 少尉は顔を真っ赤にさせて受話器をそっと置いた。
「誰か来たの? お客さん?」
 智恵理は少尉の態度に只ならぬものを感じた。
「新しい部隊長がお見えになったそうです。もう警備詰所を出られたとか……」
 浮遊都市の出現によりすっかり忘れられていたが、本日はEDFの異動発令日であり、新隊長が着任する予定があったのだ。
 副官としての努めを疎かにしていた少尉は半泣きになっていた。
886ペイルウイング物語−落日編−

 生き残りの中では最先任の智恵理が、フォルテシモ少尉と共に新任部隊長の出迎えに走る。
「怖い人かな?」
「ええ、戦局がこの様な状態ですし。頼りのない指揮官では困りますわ」
 2人は新部隊長について想像を巡らす。
 いずれにせよこんな時だからこそ、厳しくともしっかりリーダーシップを発揮してくれる指揮官が望ましかった。
 智恵理は期待に胸をはずませて玄関へと急いだ。

「えっ……?」
 玄関口へ出た智恵理とフォルテシモ少尉が、バカみたいに口を開けたまま硬直した。
 2人を待っていたのは、紺碧の士官服に身を包んだ少女であった。
 まさかと思って肩口を見ると中佐の階級章が付いている。
 智恵理は改めて少女の全身を見回した。

 年の頃なら、智恵理の一つか二つ下であろうか。
 小柄な智恵理より更に背が低く、長く伸ばした金髪が腰まで届いている。
 前髪はセンターから分けられ、露わになった額の下で大きな碧眼がキョロキョロと不安そうに動いていた。
 容姿から仕草まで、その全てが可愛らしい少女であった。

「あのう……新しく着任された部隊長でしょうか?」
 智恵理は失礼があってはならないと、おそるおそる尋ねた。
「如何にも、新部隊長のマリーじゃ」
 少女は胸を反らせて、精一杯の虚勢を張った。
 しかしその仕草さえも智恵理の目には可愛いとしか映らず、吹き出しそうになるのをこらえて敬礼する。
 噂によると彼女は現王室に連なる名家の出身で、参謀総長アン王女の親戚筋に当たるという。
 16やそこらで中佐というのもそれなら頷ける。
 智恵理はこれはやっかいなことになったと顔を曇らせた。

 マザーシップを墜として、大戦は終結したはずであった。
 平時ならば姫様隊長でも、お飾りの役くらいは立派に果たせるであろう。
 しかし戦争が継続し、実戦の指揮を執るとなれば、とてもではないが彼女には無理な話である。
 シュレッダー中佐の冷徹な判断や、アイスバーン少佐のそつのない戦闘指揮は、一朝一夕に身に付くものではないのだ。