【振動】女の子が電気あんまされて悶絶!6【圧迫】

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521名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 22:00:21 ID:5txdaXFl
そろそろ容量が・・・。
522名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 22:57:01 ID:cHMSqf9Z
Anmaniaは電気あんまに憧れる可憐な少女
自分の願望をSSにしている
523名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 23:04:10 ID:4t6fvLcX
俺はAnmaniaの好きだな
とっても
524Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/02(金) 23:32:19 ID:GRtgG6YZ
>>517-519
エロゲのノリでw。
てか、エロゲやエロ漫画にもっと電気アンマがあれば……。

>>521
455kb……もうちょっと大丈夫かな?
うちだったら一作入るかどうかぐらいか。

>>523
そういう人がいるとわかれば書く気が一気上昇っす。
525名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 01:52:19 ID:POVZZ+6+
>>520
そうかな?
5の2好きだけど、キャラの書き分けはそこらの書き手と比べてうまいと思った。
シチュエーションスレで内容が似るのは仕方が無くないか?
526名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 02:03:41 ID:JjmPhmZA
『激しく同意であります』
『許容範囲』
527名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 19:19:33 ID:L9Fh4qA3
我らが唯一神あんまにあ様は最高の書き手です。
>>522
禿同。リアルあんまにあタンは間違いなく花も恥らう可憐な乙(ry
てなわけで投下しますよ。容量そろそろのようなので小出しで。
一応補足などを少々。
おとボク知らない方へ。瑞穂きゅんは女装娘です。ご注意ください。
おとボク知ってる方へ。このお話は本編で言う1月中旬あたりにおけるパラレルワールドです。なので一子ちゃんはもういませんし貴子さんは瑞穂きゅんの正体を知ってます。今日はまだ出ないけど。
それともう1つだけ。てめぇ2ヶ月もかけといてこんなもんしか書けねえのかよ的な感想は控えて欲しいな。自らの非能と無力ぷりは自覚してます。もし途中で気害されたら禁止ワードに「女装娘が」あたりを突っ込んでやってください。
あと,メモ帳からコピペしてる関係で改行ミスがあるかもしれません。極力手直しはしますが見逃したらすみません。
528278:2006/06/03(土) 19:23:06 ID:L9Fh4qA3
また名前忘れやがりなさいましてございますです。失礼。
529女装娘が電気あんまされて悶絶!:2006/06/03(土) 19:31:07 ID:L9Fh4qA3
なんだか,今までに無い不思議な寝起きだ。いつもなら重いはずの体がなぜか軽く,まるで宙に浮いているかのような感じ。そして,体が芯から温かく,心地よい。
このままでいたい,と目をつむったままでいるものの,意識は皮肉にも鮮明になっていく。そして,とんでもない言葉を聞いた。
「〜回もイッちゃったのにまだ起きないんだ,瑞穂ちゃん。それにしてもこんなに出してもまだ出るなんて相当たまってるんだねぇ」
驚きのあまり危うく悲鳴をあげるところだったけれど何とか耐え,落ち着いて状況を把握した。目を薄くあけて自分の腰の方を見ると案の定バイオレンス・・・もといバイオレットな頭をした幼なじみが1人,僕のアレを弄んでいる。
彼女に振り回されすぎたせいかこれだけの異常事態を冷静に分析してられる自分がちょっと怖い。ってだめっ,まりや,そんな先っぽいじったら・・・
「やぁ・・す、すとっぷ、これ以上したら・・・ダメぇ・・・っ!」
「あ、やっと起きた。全然起きないから心配してたんだよ?」
心配するどころか興味津々だったじゃないか。今日という今日は教えてやらなきゃ。男の子をナメてかかるとどんな目に遭うのか。
「ねぇ,まりや、人の所に勝手に夜這いに来といてタダで済むと思う?」
僕はむくりと起き上がり,まりやの腕をつかんだ。振りほどこうとしても無駄なくらいがっちりと。まりやは,珍しく素直に頭を垂れた。
しかし勝利を確信したのもつかの間,気付くとまりやはベッドの反動を利用して跳んでいた。反射的に手を離して上半身を仰け反ったけれど,それが裏目に出た。ガラ空きの股間に,まりやの重力加速度をめいっぱい受け取ったヒザが突き刺さった。
ぼぐり。
「ひぐわぅぁっ!?」
僕は意味不明なさけび声をあげて力無く倒れた。まりやがそのスキを見逃してくれるはずもなく,自由になった両手で僕の両足を押さえ,ヒザをさらに食い込ませてきた。
ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・
「いっ、いたっ、やめ・・・うあぁぁっ!」
息も出来ないくらいにモロに入ってしまった。抵抗する力も出ない。
「さっきの質問の答えだけど、タダで済むに決まってるじゃない。瑞穂ちゃんがあたしに危害加えられるわけがないし」
ぐ・・・痛いところを突いてくる。
「にしても、瑞穂ちゃんもここは弱いんだね」
瑞穂ちゃん「も」?深い意味は無いのかも知れないけど,なぜか妙に引っかかった。
「でも、面白いのはまだまだこれからだよ。だから・・・耐えてね」
ぐりんっぐりんっぐりんっぐりんっ・・・
「ひっ・・・あっ・・・くぅっ」
肉ごとえぐられているかのような激しい痛みが走り,そんなことは頭からかき消されてしまった。
「そろそろあたしの目的でも伝えておこうかな」
目的?そんなのちゃんとあったのか。てっきり作者が「適当にまりやが瑞穂きゅん襲うだけでそれなりのSS出来るんじゃね?」とかのたまってまりやを暴走させてるのかと思ってた。
どこかでぐさり,という効果音とクシャミの音が聞こえた気がしたけど,気のせいだと信じたい。
530女装娘が電気あんまされて悶絶!:2006/06/03(土) 19:35:16 ID:L9Fh4qA3
「つまりさ、みんなのあこがれのエルダーが自分のドレイになったら素敵だと思わない?それに瑞穂ちゃん、最近あたしのこと構ってくれなくてつまんないから」
まりやにしては珍しく遠回しな言い方だけど,要するに僕にまりやのドレイになれと?冗談じゃない。
「そんなのにされちゃたまらないよ。それにこんな拷問みたいなコトしたって僕はまりやの言うこと聞いたりしないよ?もう痛いのにも慣れてきたし」
慣れたというより,多分痛覚がマヒしちゃってる。
「別に拷問してるわけじゃないの。ここまではあくまで下ごしらえ。言ったでしょ、面白いのはまだ後だって」
下ごしらえってなんのだよ・・・。
「で、痛いのに慣れちゃったら気分はどう?」
どうって,ただ気持ち悪いだけ・・・
ごりっごりっごりっごりっ・・・
ちょ,ちょっと待った,今急に感じが変わって
ごりっごりっごりっごりっ・・・
あぅぅっ,だめ,だめぇぇっっ!
「そ、それだめぇ!おちんちんがごりゅごりゅって骨に擦られて、変なっちゃうぅぅっ!!」
あぅぁ,口が勝手に,しゃべっちゃってるぅ・・・。でも,実際こんなスゴいの,初めてだよぉ。
「いいんだよ?変になってくれても。完全に変になっちゃった瑞穂ちゃんもそれはそれで見てみたいし。そういうのも悪くないかな」
そう言ってまりやはヒザをどけて両手を僕の足首に持ちかえ,ヒザの代わりに細くて長くて,それでいてよく鍛えられた陸上部特有の脚を入れ,カカトでさっきと同じところに狙いを定めた。僕はこの構えをよく知っている。
小さいころからまりやがしばしば僕に仕掛けてきたちょっとエッチな悪戯,電気あんま。逃げるなら今が一番だってこともわかってるけど,まだ体はろくに動きそうにもなく,仰向けに寝てることしかできない。
「これから何をするのか瑞穂ちゃんならわかるよね?行くよ」
ががががががががががっ
531女装娘が電気あんまされて悶絶!:2006/06/03(土) 19:38:17 ID:L9Fh4qA3
「あひぃっ!?こっ・・・こんな・・・スゴ・・・いぃぃ!」
電気あんまされるのは久々だけど,まりやは,僕が小さい頃どこをあんまされるとくすぐったくて嫌がったのか,全部覚えてるみたいだ。
そして,その「くすぐったかった所」が,今は「感じちゃう所」になっちゃってるみたい。気持ちいいけど,流されたら負けだ。なんとか耐えなきゃ・・・。
「無駄だよ、感じないようにがんばったって」
考えてることを言い当てられ,どきりとした。そのココロのスキマから,拒否してた快感がどろっと流れ込んでくる。だ,だめだよぉ。
「なっ・・・なんでそんなこと、言い切れるんだよぉ」
さっきと違う原因で息も絶え絶えに,なんとか言い返した。
「だって去年のエルダーだって同じことしようとしたけど結局あたしの言いなりになったんだから」
去年のエルダー・・・紫苑さんもまりやの毒牙に?そんな馬鹿なことあるわけ・・・
「なんであたしが紫苑ちゃんと面識あるのか、不思議に思わなかった?去年エルダーになって早々、あたしが襲ってペットにしちゃったから。」
普段は紫苑「さま」って呼んでるのに。信じがたいけど,もしかして本当にそうなの?
「その時はちょっとやりすぎて、2,3時間に1回はシないと気が変になるくらいの淫乱になっちゃったけど。それでいつも仮病使っては保健室で寝てるふりして1人でシテるんだよ。知らなかったでしょ?あ、瑞穂ちゃんはそうならないように気をつけるから安心してね」
紫苑さんがそんな境遇だったなんて。いやでもウソかもしれないし・・・うぅ,こんなおちんちん気持ちいいのに頭なんて働かないよぉっ。
どどどどどどどどどどどどどっ
「そ、そこおされるとぉ、カラダがびりびりいっちゃうぅぅっ!」
紫苑さんのことなんてどうでもいいや。まりやが僕を気持ちよくしてくれることに変わりはないんだから。
「世間話はここまで。気持ちいいんでしょ?カラダが熱くてたまらないんでしょぉ?早くチンポびくびくさせてイッちゃいなよ!」
ずだだだだだだだだだだだだだだだっ!
ま,また激しくなっちゃったぁ,だめ,ガマンしきれないぃぃ!
「あっ、くはっ、うぅぅっ、だめぇっ、出ちゃ・・・・・・!!!」
びゅくんっびゅるりるるるぅっ!
あ,あんまだけでイカされちゃったぁ。それに,イッたのに体がまだまだ熱くて熱くて,たまらないよぉ。もう1回してほしいよぉ。
「ねぇ、これだけじゃ物足りないんでしょ?もっとして欲しいんだよねぇ?」
うぅっ・・・ここでうなずいたら,もう戻れなくなっちゃう。僕は必死にみえみえのウソをついた。
「最初から言ってるでしょ?・・・やめてって」
でも,まりやが次に何を言うかは見当がついていた。
「もう、素直じゃないんだから。自分からしてほしいって言えるようになるまでやめてあ〜げないっ」
予想通りの返答だった。もう1回してもらえる。そのことだけで僕はもう幸せだった。
532278:2006/06/03(土) 19:45:39 ID:L9Fh4qA3
とりあえず今日はここまでです。今日投下したのは今書けてるところの半分くらいなのですが紙面にしか書いてない上,この先は視点が変わる(まりやside)ので近日投下,ということで。
見ての通り二〜三流の書き手ですが,暖かい目で見守って頂ければ幸いです。
>>502-503
心配してくださってありがとうございます。
533名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 22:52:27 ID:WXIbeUz5
>>532
待ってたぜ!(・∀・)
貴子さんも頼みますよ!
534Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/04(日) 02:14:20 ID:gBE5wwlV
キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!

278様、ついにご登場!
久しぶりに自分の脳内以外の電気アンマSSが読めて嬉しいです!
瑞穂キュン、いきなりやられてますね〜〜w。
まりやちゃん、ウェストサイズで負けた恨みを晴らしてますw。
更なる色々なエロエロなシーンを大期待。

元気出ました。
あと、>>525-526もアリガトです。
535名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 07:36:12 ID:qcWjCEaV
>>532
GJ!
Anmaniaが電気あんまに憧れる可憐な少女なら278は電気あんまに憧れる可憐なショタってことでAnmania×278の監禁あんま陵辱SSマダー?
536名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 13:02:17 ID:birrutX4
現人神様がもう一人ご降臨!?
GJGJGJGJGJGJGJ!!!!!!!!!

って訳で軍事板へ突貫!
537名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 13:34:25 ID:5LgF8KFi
>535
Anmaniaは憧れるというより手馴れた感がむしろする。


しかしあの意地悪な紫苑さんがまさか・・・
538名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 02:51:23 ID:/y0Fp25j
♀キャラもヨロシク〜>278
539278:2006/06/05(月) 06:38:47 ID:fQjmuHuh
>>533>>538
了解了解,いつぞやのリクエストに応えて瑞穂×貴子やる予定です。多少先の話になりそうですが。
>>535
発想そのものは素晴らしいのだけれど私性別違(ry
>>537
全国一千万の清楚でお茶目な紫苑さんファンのみなさん,ごめんなさい。私の脳内では髪が長い年上キャラはえちぃ子だという固定観念がありまして。
540名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 08:37:03 ID:SnYuc7VA
>539
537だけど別に悪く言うつもりはなかったんで気にしたんならこっちこそすみません。
ただ、あれだけいい意味で悪い性格してる紫苑さんが悪戯されちゃう方に回るとは思わなかったんで。
それこそ作中の瑞穂みたいな気分ていうか。ちょっと驚いたって意味のつもりでした。
ホントすみません
541名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 12:01:06 ID:rsmTjYqV
>>539
・・・・・!(・∀・)
あんまにあ⇒278に一気に現実味が!?
542278:2006/06/05(月) 19:31:07 ID:K6qNd7QQ
>>540
いえいえ,別に全然気にしてませんよ。てゆーかなんでこっちが謝られてるのかわかんないくらいですよ
543Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/05(月) 22:11:44 ID:RCtFaJGD
>>539 =278様
>多少先の話になりそうですが

では、今夜か明日あたりに、失礼してお先に投下しようかな……。
278様の作品を見てエナジー充電状態ヽ(´▽`)/

>>541
>あんまにあ⇒278に一気に現実味が!?

何の現実味やねんw。SS化ならともかく(をぃ。

>Anmaniaは電気あんまに憧れる可憐な少女

確かに、この視点で書くのは面白いかも試練。
544名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:04:08 ID:xUEdg0++
アンマニアはどう見ても野郎にしか見えない件について
545Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:14:21 ID:pXVZ88s9
つーことで、投下します。
残念ながらAnmania×278の監禁あんま陵辱SSではありませんw。

今回の生贄……もとへ、題材はToHeart2のタマ姉。
しかもチビタマ姉。呼称など資料未確認ですが、探すのも飽きたし、
見切り発車で。
546雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:16:54 ID:pXVZ88s9
「あ、降ってきた……」
縁側にいた貴明が俄かに曇ってきた空を見上げる。
「え、もう? 大変、お布団取り込まなきゃ!」
部屋で寛いでいた環が慌てて貴明の横を抜け、物干し場に駆け出していく。
「手伝うよ、タマ姉!」
貴明も環の後を追う。

ポツ……ポツ……と振り出した大粒の雨は、数分もしないうちに本降りとなり、激しい
雷雨に変わっていった。


         *         *         *


「タカ坊、はいタオル」
「ありがとう、タマ姉」
二人は何とか布団を取り込むと居間に戻ってきた。幸い、本降りになる直前に取り込めた
ので布団も二人も少し濡れた程度で済んだ。

「タカ坊のお陰で助かったよ。お布団、少し濡れたけどダメにならずに済んだし」
環が感謝の気持ちを込めて微笑む。その笑顔を見ると貴明はタオルで頭を拭く振りをして
顔を隠してしまった。
(あの笑顔……たまらないんだよなぁ……)
普段はエキセントリックでわがままな暴君なのだが。
「どうしたの?」
環がひょいとタオルを退けたので貴明は慌てた。にやけている表情を見られただろうか?
「な、なんでもないよ……ねぇ、雨戸閉めたほうがいいんじゃない?」
貴明がごまかすように縁側を見る。雨は地面を叩きつける様な豪雨となり、時折空には
稲光が走っている。

「いいよ、風は強くないし……それに、ちょっと見ていたいの」
「雨を?」
変な事を言い出すんだなぁ……? と言うように貴明が振り返る。環はじっと庭の木々が
雷雨に晒されているのを見つめていた。
「うん……タカ坊は思い出さない?」
「なんの事?」
「『あの時』もこんな感じの雨だったよね? 小さい頃、タカ坊と二人っきりで雨の中で
閉じ込められた、あの時――」
「あ――」
貴明も思い出したようだ。『あの時』も今と同じく、環と二人っきりで突然の俄か雨を
見ていた。今と違うのは、あの時はどこにも逃げられない閉ざされた空間で――そこでは
貴明と環にとって一生忘れられない出来事があった。
547雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:17:41 ID:pXVZ88s9


         *         *         *


「フン、また環か。おい、貴明。お前、いつも女の守られて恥かしくねーのかよ?」
近所でも札付きの悪がきが、環の背後で震える貴明をせせら笑う。
屈辱的な言葉を聞いても貴明は反抗心をむき出しにしようとしなかった。いつも頼ってる
『タマ姉』のスカートの裾に隠れるようにしゃがんで震えているだけだ。

「何言ってんのよ! アンタ達こそ寄って集って一人の下級生をいじめて、恥かしくない
の!?」
環がキッと悪ガキ達を睨みつける。貴明と違って怯むところなど全く無い。
まだ成長過程のほっそりした体にはクリーム色のタンクトップのミニのワンピース。
素足には赤いサンダル、肩までのショートカットの髪には同じく赤の大きなリボン、と
格好は女の子らしいし、それらがとてもよく似合う可愛らしい顔立ちをしているが、
今は眦をつり上げて自分より頭一つ大きな男の子達を睨みつけている。

いじめっ子VS環。貴明達の遊び仲間ではいつもの光景だが今日は相手が3人。かなり
分が悪い様に見える。相手もその優位性を十分わかっていて、ニヤニヤ笑いながら
ゆっくりと詰め寄って環達を取り囲んだ。環は背後の貴明にも気を配りながら、油断なく
真正面の悪ガキを睨みつける。
どうやらそいつが親玉らしい。巨○軍の野球帽を前後反対に被った上級生で、環より
頭一つ背が高く、横幅や腕の太さは比較にならない。体重は倍ぐらい違うかもしれなかった。
左右の斜め後方にいる二人も、ノッポとデブの特徴があるが、それぞれ環よりも大きい。
一見すると勝ち目は無い様に見えた。

(タカ坊は喧嘩が始まったら逃げて)
(えっ……! でも、タマ姉は……?)
(わたしはこいつらを引きつけておくから。さっきタカ坊が小さい子達にしてあげたよう
にね)
こんな時だが貴明は環が微笑んでいるのを感じた。「えらいゾ♪」と誉めてくれるように。

この状況になったのは、貴明が起因していた。貴明より小さい子達が公園で遊んでいる
場所で、悪ガキ達がボール遊びを始めたのだ。固くて小さいボールは小さい子達の近くを
通過し、危険だった。そして、バットで打った打球がある少女のお腹に当たったのを見た時、
貴明はたまらなくなって悪ガキ達に注意した。それを逆恨みされ、取り囲まれたのだ。
自分ひとりならさっさと逃げるところだが、小さい子達に危害が及ぶのを惧れ、その子達が
避難するのを待つように貴明はその場を動かなかった。そして囲まれて袋叩きにされ様かと
言う時に、子供達から知らせを受けた環がすっ飛んできて貴明の前に立ちはだかったのだ。
貴明は安堵すると共に、今まで夢中で忘れていた恐怖を思い出し、環の後ろに隠れて震えた。
カッコ悪い――と思っていたが、タマ姉はそんな自分を誉めてくれた。
貴明には勇気百倍になる言葉だったが――。

(だけど、タマ姉。今日は相手が悪いよ。一緒に逃げようよ)
(無理ね。こうなったら逃がしてくれないよ。それよりタカ坊だけでも逃げて誰か大人の
人を呼んできて。いい?)
(う、うん……)
自分と環が別れれば、悪ガキ達は環を狙うだろう。彼らは前にそれぞれ単独で彼女にやっつ
けられた事がある。その恨みを持っているはずだ。それを晴らしたいが、1対1では
勝てないので今まではその機会が無かった。だが今は3人いる。これならば流石の環にも
後れを取る事はない。いや、もしかしたらこういう状況になるようにわざと子供達や貴明に
因縁をつけていたのかもしれなかった。
(あいつらの狙いが最初からタマ姉だったら……)
貴明は罠にはまった気がしていた。正面の野球帽の大将は環のスカート付近にチラチラ
視線を走らせていた。残りの二人も環のお尻辺りを見ている。
(お前ら、ヤラシイ目でタマ姉を見るな……!)
心の中でそう思ったが口に出せない――さっき誉められたばかりだが、不甲斐ない自分が
貴明には許せなかった。
548雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:18:26 ID:pXVZ88s9
だが、今はそんな事をくよくよしている場合じゃない――。
「タカ坊、行くよ!」
環はわざと大きく声に出して言った。貴明にもそれは想定外だったが、相手はもっと意表を
突かれた様で動きが一瞬止まってしまう。その隙を環は逃さなかった。
「タカ坊、前に! えーーーーーーいッ!!」
環は正面の野球帽に思いっきりタックルした。小さいが強烈なパワーで体当たりする。
「げふっ!? う、うわっ!!」
不意を突かれた野球帽は環を受け止めきれず、環の体ごと後ろ向きにひっくり返った。
貴明はその二人の脇を抜け、囲みを突破する。
「タカ坊、走って!」
環はそう言うと馬乗りになって野球帽を何度も叩いた。小さな拳を振りかざし、野球帽の
胸元や顔に何度も何度も叩きつける。

「待ってて、タマ姉!」
貴明はさっきの割り切れない思いを忘れ、環の指示に従って公園の外に向かって走る。
「逃げるな、こいつ!!」
環達の背後にいたノッポが追いかけて貴明を捕まえた。
「う、うわっ!?」
追いすがられるように捕まった貴明は暴れるが、相手に下半身を絡められ、逃げられない。
(痛っ!)
貴明の右足に痛みが走る。どうやら絡まれた時に変な方向に捻ったらしく、力が入らない。

「タカ坊!」
それを見た環が野球帽から離れてノッポの足にタックルした。ノッポの運動靴の踵が環の
口元にあたる。
「ぐッ……!」
口の中を切ったらしく、環の口中に生臭い鉄の味が広がった。しかし、相手を止める事に
成功し、ノッポは貴明の体を離して転倒した。
貴明はノッポの縛めから脱出する。

「こいつ……!!」
間合いをおかず、デブが環を羽交い絞めしようと飛んできた。しかし、環は身を沈ませて
後ろ蹴りをデブの腹に叩き込んだ。スカートが翻って純白のパンツが丸見えになるが、
構っていられない。
「ぐへぇ……!!」
蛙が潰れたような悲鳴をあげてデブが蹲る。なんと3人の上級生が環一人に地面に這い
蹲らされた。
「へへ〜〜ん、アンタ達、全然弱いよ! それでも上級生!?」
環は地面に倒れた3人を見下ろして中指を立てて挑発する。自分もタックルした時に
口の中を切ったり、馬乗りになった時に膝小僧をすりむいたりしていたが、気にも留めない。

(タマ姉、すごい……)
そう思いながら、貴明は痛む足を引きずって公園の出口に向かう。さっきの様に走れないが
これで大人達に通報できれば悪ガキ達を懲らしめる事が出来る、と思った。

しかし――状況は次の瞬間、暗転した。
「なめんなよ!」
挑発に逆上したノッポとデブが二人掛りで環に踊りかかった。環はノッポに蹴りを叩き込み、
デブを捕まえてそのどてっ腹をぶん殴った。
「ゲフッ!?」
「ぐえっ……!!」
二人を同時に倒した環。だが、相手はもう一人いたのだ。

549雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:19:04 ID:pXVZ88s9
「こいつ! 女のクセに!!」
「……!?」
環の背後から襲い掛かった野球帽は環がノッポとデブを攻撃した隙に彼女の背後に回り
込んだ。そして、完全に死角となっているその位置から思いっきり足を振り上げて
環に向かって後ろから蹴りを叩き込む。
蹴りは環の太股の間を抜け、ズムッ……☆!!と真下から垂直に、ぱんつの上から環の
股間にめり込んだ。

「☆◆%〇#……!! $●▽★&%……!!」

声にならない悲鳴をあげて環の体は内股の格好になり、その形で硬直した。
「タマ姉……!!」
ほとんど公園の出口近辺にいた貴明が叫ぶ。「どうだ! こいつめ!」と、野球帽が
快哉を叫ぶ声が公園に響いた。

「う……ぐ……。あッ……!」
苦悶の呻き声をあげ、環はスカートごと股間を押さえ、内股になりながら膝から崩れて
その場に座り込んだ。
「ううっ……。あうぅ……」
立膝状態から体をくの時に折って苦しむ環。その額からは苦痛を表す様に冷たい汗が流れ、
キュッと縮まった全身は小刻みに震えていた。
550雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:19:46 ID:pXVZ88s9


         *         *         *


「はん! ザマァミロ! 女だってそこを蹴られたら痛てぇだろ!?」
野球帽が環の髪を掴んで上を向かせ、挑発する。流石の環にも今は瞳に光が無かった。
汗びっしょりの顔を真っ赤に染め、ひたすら押し寄せる痛みに耐えるばかりだ。

「お前らもやってやれよ。こいつには恨みあんだろ」
野球帽に唆されてノッポとデブも環を引き起こす。
「くっ……!」
環は両手を掴んで引き起こされたので、痛む股間を押さえる事が出来ず、内股になって
もじもじする。遠目からはおしっこをガマンする様な格好にも見えた。

「ああ、俺は頭突き食らったかな。こんな風に!」
環の両肩を掴んで正面に回ると、ガツン! とノッポは環の前頭部にヘッドバットを
叩き込んだ。衝撃でお気に入りの赤いリボンが吹っ飛ぶ。
「あぅ……う!」
くらっ……と軽い脳震盪を起こしてよろめく環を、デブががっしりと捕まえた。
「俺はチョコマカと動かれて何度も殴られたり蹴られたりしたっけ。だからこうやって
捕まえたら、こっちのもんだ!」
デブは環を正面から抱きしめるとその腹に彼女を乗せるようにして思い切り締め上げた。
プロレスのベアハッグだ。
ぎりぎりぎりぎり〜〜〜……。環のほっそりした胴体に容赦ない負荷が掛かる。

「きゃああああ〜〜〜!!」
背骨に激痛が走り、環が絶叫を上げた。大きく仰け反って苦悶の表情をしながら、どうにか
して逃げようとポカポカとデブの頭を叩くが、この体勢では力が入らない。
「パワーで女が男に叶うもんか! そりゃああ〜〜!!」
調子に乗ったデブが力を見せ付けるように更に力を振り絞って環の細腰を締め上げる。
「あああああぁ〜〜〜〜!!」
環の絶叫は貴明にも聞こえた。今から大人を呼びに言って間に合うのか? 痛む足を堪え
ながら、彼は一瞬考えてから、悪がき達に見つからないように出口と反対方向に動いた。

「お前らばっかり楽しまないで、俺にも遊ばせろよな」
大将の野球帽がニヤニヤと笑って両手を広げて構えている。よこせと言う意味なのだろう。
デブはそれを見て、環をベアハッグから解放した。背中の激痛と息苦しさから解放された
環は半ばぐったりしていたが、ノッポとデブに両脇を抱えあげられ、無理矢理立たされる。
「う……ううっ……」
力なく呻く環の尻に、二人は足をあてがい、前方に蹴りだした。
「ひゃう……!?」
勢いに押され、たたらを踏みながら野球帽の方に走らされる環。野球帽は環を受け止める
瞬間、右膝を突き出した。環の股間に当たるように――。

ズンッ☆!! と重い衝撃が環の股間から脳天にまで響き渡った。
「ぐは……ァ!!」
野球帽の膝は環のスカートの中に飛び込み、白いパンツの股間の股布辺りに深く食い
込んでいた。二人に押された勢いのあまり膝蹴りがカウンターとなって急所に命中し、
環は悶絶する。二度に渡って急所攻撃をされては流石に気丈な彼女も立ってるのは
無理だった。
551雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:20:47 ID:pXVZ88s9
「ああぁ……! うっ……くっ!! ……ぁあああああ〜〜〜!!」
野球帽に縋るようにして倒れこんだ後、あまりの痛さに環はそのまま地面に倒れた。
蹴られた股間を押さえて左右に転がりながら、反射的にバタバタとサンダルの足を
動かして悲鳴をあげる。
「くぅぅ……!! うぁあ……!」
目に涙を維持ませながら、懸命に我慢して立とうとするが、すぐに痛みに耐えられ
なくなり、また地面に突っ伏す。
縋った拍子にどこかに引っ掛けたのか、スカートの裾が破けている。股間を押さえて
クネクネと悶える環の破れたスカートから見える白い太股とお尻のパンツが、悪ガキ達の
視線を釘付けにした。

「クックック……狙ってやったぜ」
「面白れぇ〜、これがあのガキ大将の環かよ?」
「ざまぁねーな、まったく」
恥かしい急所を蹴られ、悪ガキ達に嘲笑を浴びせられる屈辱――苦痛に悶えながらも
環は誰が何を言ったかをしっかりと覚えた。絶対に、仕返ししてやる――。

「なんか、エロくね? このカッコ……」
野球帽がオヤジの様な好色な目で悶絶する環を見つめる。
確かに、顔を上気させて苦しそうに息を荒くしながら股間を押さえて喘ぐ姿は、自慰を
彷彿させた。蹴られた当人がそれどころではないのは額に浮かぶ嫌な汗と苦悶に歪む表情で
明白なのだが。

曇天が急に厚くなり、辺りが暗くなっている。時折稲光らしきものも見えたが、美餌を
目の前にした悪ガキ達は、それに気を配る余裕が無い。

「もっといじめてやろうぜ、こいつ」
野球帽が環の破れたスカートを爪先で掬い上げ、パンツを完全に剥き出しにした。
むかれた白い太股に軽く蹴りを2,3発入れる。軽い蹴りだったが、苦悶に喘ぐ環には
響くらしく、小さく何度も呻き声をあげている。
「お前ら、こいつの足を持って広げろよ」
野球帽が残虐な考えを面にした表情で残る二人に命令する。ノッポとデブは意味を理解
したらしく、内股で倒れている環の足首をそれぞれ両手で掴んで左右に広げた。
環の白いぱんつが全開になり、無防備な股間が3人の目に晒される。そして広げた
足の間に野球帽が立った。獲物を前に舌なめずりする肉食獣の様な視線で環を見下ろ
している。

「や、やめ……」
環が初めて不安げな声を出した。何をされるか理解したのだろう。だが、それは逆に
3人の嗜虐心を煽るばかりだ。こうしてみると環は可憐な美少女だ。普段の暴れっぷり
とのギャップも、加虐者の愉悦を大きくする。
「へっへっへ……」
下品な表情を見せながら、野球帽は運動靴の足を環の広げられた股間に乗せ、そのまま
無慈悲に踏みにじった。グリッ!と大事な所を踏みつけられた環は悲鳴をあげる。
「うぁあ……!! ああッ!!」
上半身を左右に動かし、髪を振り乱して悶える環のリアクションに悪ガキは興奮し、
更に何度もグリグリと股間を踏みにじった。綿製のぱんつがその動き通りに捩れ、まだ
開花していない割れ目に食い込んで責め苛む。
552雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:21:48 ID:pXVZ88s9
「やめて……! いや! いや!!」
環は懸命に悪ガキの足を退けようとして両手で掴んで押し戻そうとするが、悪ガキが
少しタイミングを外すと、手が外れ、また元通りに股間を踏まれる。
「うぁ……! あっ……! あっ!!」
その時に小さく蹴られる形になり、蹴りが命中する度に環の上半身は反り返った。

「どうやらココをいじめられるとだいぶ効くようだな……じゃあ、思いっ切り蹴って
やるか。金的蹴り……いや、女だからマン的蹴りだな」
野球帽の下品な表現にノッポとデブもいやらしい笑いで同調する。
その光景を下から見上げて環は観念した。貴明は何とか逃げたようだけど、足を痛めて
いる。大人達を呼んで来るにはまだまだ時間がかかるだろう。多分、自分が助かるには
間に合わない。

ポツン――。
と、水滴が地面に仰向けで寝ている環の頬に掛かった。
(雨――?)
空を見上げるといつの間にか暗雲が垂れ込めている。もうすぐにわか雨が振るかも
しれない。
(びしょ濡れになれば――ごまかせるかも)
酷い目に遭ったのを貴明に見られるのは嫌だった。
(タカ坊が頑張ったからお姉ちゃんは助かったんだよ――)
そう言って誉めてやりたかった。あの子は小さい子達を助ける為になけなしの勇気を
振り絞ったんだから、その気持ちを台無しにしたくない――。

「さぁ……そろそろ止めを刺してやるぜ」
野球帽の声に環は我に返る。いつの間にか悪ガキはスカートを捲り上げ、白いパンツを
丸出しにしていた。その部分を狙って蹴りこむつもりなのだろう。
「やるんなら、さっさとやりなさいよ。このヘンタイ!」
環がキッと下から睨み返した。どんなに不利な状況でもこんなやつらに気後れするつもりは
全く無い。だが、今の状況では、その気概は悪ガキ達を悦ばせるだけかもしれない。

「じゃあやってやらぁ。泣かせてやるからな。後悔するなよッ!!」
(タカ坊……!!)
環はもう何も言わず、ギュッと目を瞑る。衝撃を堪えられるように体に力を込めて相手の
急所攻撃を受ける覚悟をする。それで痛みが軽減する事はあまり無いだろうが。
そして、野球帽が足を振り上げ、そのまま蹴りこむように環の股間を踏もうとした、
その時――!

553雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:22:31 ID:pXVZ88s9
「うわわわぁああああああああ〜〜〜!!」
雄叫びとも悲鳴ともつかぬ叫び声がその場に響き渡る。
「う、うわっ!?」
「なんだ!? ……ぎゃん!!」
近くの潅木の植え込みの影から貴明が3人の悪ガキに対し闇雲に突っ込んできたのだ。
貴明の決死のタックルを受け、デブとノッポが吹っ飛ばされた。環の両足が自由になる。
「なんだ、てめえ!? 逃げたんじゃなかったのか!!」
大将の野球帽も驚いたがそれが貴明だとわかると逆に怒り心頭になって怒鳴りつけた。
そして迂闊にも環に背を向けてしまう。

「た、タマ姉……! イタッ!」
足を引きずりながらの突貫だったので貴明も苦悶に呻いた。その貴明に野球帽が踊り
かかろうとした瞬間!!

キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン☆!!

実際にそういう音が聞こえたわけではない。……が、男達からすればそんな音が聞こえた
様な気がした。貴明も例外ではない。
(た、タマ姉……)
貴明は喜びと、悪ガキに対する一抹の同情の気持ちが湧いたのを感じた。
そう――環は見事に野球帽の背後から金的蹴りを食らわせていたのだ。今までの仕返しと
ばかりに。その躊躇も容赦もない蹴りを見て、貴明を含めた3人の男の子は竦み上がる。

「自分で食らいなよ、ばぁ〜〜〜か!」
泡を吹いてピクピクと悶絶する野球帽を罵り、環は髪をかき上げた。破れたスカートを
風に靡かせ、ツンと澄まして倒した相手を見下す姿が妙にカッコ良い、と貴明は思った。


554雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:23:31 ID:pXVZ88s9


         *         *         *


「フフン……キンケリ一発でもう終わり? 男の子って情けないわね〜♪」
環はせせら笑いながら白目をむいて気絶している野球帽の尻に蹴りを入れると、
腰を抜かして倒れているノッポたちの方に歩いていった。
「う、うわ……」
「な、なんだよ……ひっ!」
しゃがみ込んだまま後退りしようとする二人に迫り、ノッポだらしなく広げられた足の
間の地面をドン!と踏みしめる環。無論、パンツは丸見えだろうが構う様子は無い。

「アンタ達もあいつと同じ目に遭ってみる?」
にんまりと微笑む環は悪魔の様に見えただろう。さっきまでの可憐な美少女とは正反対の
変貌振りに今度は二人の上級生が恐懼する。
「た、たすけて……」
ノッポは恐怖のあまりガクガクと震えた。環の足が自分の股間に近寄ってくる。男の急所を
狙っているのが明らかな様子に、ノッポとデブは泣きそうになった。

「たすけて……か。情けない……」
ハァ……と溜め息をつく環。
「アンタ達、ほんっとに弱い子達にしかでかい顔できないのね? さっきまでの調子に
乗った態度はなんだったの?」
情け無さそうに見下ろす環に対し、悪ガキ達は何も言い返せない。
「じゃあ、降参するんだね? これに懲りたら小さい子達に意地悪しないでよ?
今度そんなところを見かけたら……どうなるかわかってるでしょうね!?」
言うや否や、環はデブのこめかみを掴んだ。そのままギリギリと握力で締め上げる。
プロレスのアイアンクローだ。環の必殺技である。

「ひっ……! ぎゃああ……!!」
「う、うわ……」
デブの悲鳴にノッポも腰が抜ける。環のこんな細い腕のどこにそんな力が……?
「わたしの力って非力だと思った? パワーなら勝てるってさっきは言ってたよね?」
デブの顔面を持ち上げて更に捻りこむように押し倒す環。ミシミシと骨が鳴り、デブは
激痛に泣き叫んだ。
「痛い! 痛い! 痛い〜〜!! わ、わかりました〜〜!! 力でも環さんには
勝てません! だから離して……!!」
「いいよ、離してあげる………でも、子供達を苛めた罰は受けなさい……エイヤ!!」
「ぎゃああああああ〜〜……!!!」

みしみしみしみしぃ〜〜〜……!!

環が最後の力を入れてから離すと、デブは崩れるように膝から落ち、そのまま前に
倒れこんだ。その凄惨な光景に一人残されたノッポの顔は恐怖に歪んだ。
環は悪鬼の様な笑みを浮かべると、ゆっくりとノッポに迫り、腰が抜けてだらしなく
開かれた股間を見つめた。
「次はコレをそこに使うかもしれないから。そうなったら男の子廃業だよ♪」
環が指を鳴らしながら舌なめずりするような表情で『睾丸潰し』を予告すると、ノッポは
その場で漏らしてしまった。人間が恐怖のあまり壊れてしまう姿を貴明は始めてみた。
「うっぷ……汚いなァ。……もういいから、さっさとこの二人連れて巣に帰りなよ」
どうやらノッポは後片付けの為に助けておいたらしい。だが、環に対する恐怖は一番
植えつけられただろう。今後、大将の野球帽が逆上して何かを仕掛けようとしても、
こいつが必死で止めるに違いない。
555雨に閉ざされ…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:24:18 ID:pXVZ88s9
「ひゃ……ひゃい……!!」
半泣きになって環の指示通り、気絶している仲間を引きずって公園の外に連れ出すノッポ。
その姿を見送りながら環は何も言わなかった。心なしか顔が青白く、表情を隠すように
俯いている。

「タマ姉……?」
二人だけになった公園で貴明が不審に思って環に声を掛ける。
「タカ坊……周りに誰もいない?」
俯いたままの環が貴明に問いかけた。何か焦るような口調に感じる。
「うん……あいつらは行ったよ。今は俺とタマ姉だけ。それがどうかしたの?」
「そう……よかった……」
「た、タマ姉……!? あっ!!」
それだけ言うと環は貴明の胸に倒れこんだ。とっさの事で支えきれず、環を抱えた状態で
貴明は尻餅を突く。

「イタタ……。だ、大丈夫!? タマ姉!!」
貴明に抱えられた状態で環は苦悶に喘いでいた。額からは嫌な汗が噴出し、ぐったり
している。下半身は股間に手を挟んで内股になっていた。どうやらソコが痛かったのを
ずっと我慢してたらしい。女の子だって股間は急所。そこを何度も蹴られたり踏まれたり
したのだから当然である。むしろよくここまで我慢が出来たと言うべきか。

「タマ姉、しっかり…………あ……」
先程からポツポツと降ってきた雨は次第に大粒になり、降り方も激しさを増してきた。
「や、やばいよ……これ……」
貴明は咄嗟に雨宿りを出来る場所を探した。円形の多人数が滑れる滑り台が目に入る。
それは複合遊具で、内部は大きな空洞で、コンクリート壁の小さな洞窟状のアドベンチャー
遊具として子供たちがカクレンボしたり出来る場所になっていた。
「と、とりあえず、あそこへ……うっ!」
足が痛む上に自分より大きな環を抱えている。貴明の移動は困難を極めそうだ。

その時、環のリボンが落ちているのを見つける。貴明はそれも拾い、ポケットの中に
入れて環の体を懸命に背負った。
(タマ姉は苦しんで頑張ったんだ。俺だって……!)
そう思い、何とか環を背負う重労働に悲鳴をあげながら、懸命に頑張って空洞に連れ
込む事に成功した。

雨は貴明達が避難を終えるのを待っていたかのように、急に激しさを増していった。
雷鳴が轟き、バケツをひっくり返したような天然のシャワーが公園だけでなく、世界中を
覆ったような気がした。
556Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:30:13 ID:pXVZ88s9
投下終了〜。
前振りが……随分と伸びた。チビタマ姉をいじめるのが楽しくて、つい。
278様に頂いたエナジーを無駄遣いしてしまいましたw。

ミィ様に続く暴君美少女第2弾(嘘)。
作中の時期はハサミちょん切り未遂前後ですかね(曖昧)。
つづく(多分)。
557Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/06(火) 00:37:13 ID:pXVZ88s9
ちなみにここまで492kb。
流石にこのスレには入りきらないか。
558名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 02:17:13 ID:B1awGGMu
寝る前に一言。

GJ!
559名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 03:09:20 ID:ao0TOc24
GJ!!
タマ姉好きな俺は凄く楽しめた。
強いタマ姉も弱々しいタマ姉も見れてすごく良かった!
560名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 09:55:46 ID:DOe4Dxvi
タマ姉サイコー!gj!
ここからエロ?
561名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 12:57:32 ID:+quOM/qw
GJ!

こんなの見せられると何か書きたくなるが、文才が…
562名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 16:55:09 ID:FDqFJVmT
>>561
さあ、来い。受け入れ体勢は万全だぜ。
563Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/07(水) 01:51:19 ID:wYs0VkqX
>>558
ありがとす。

>>559-560
それは良かったす>タマ姉好き。喜んでもらえるのが何より嬉しい。
頑張って続きを書く元気が湧きます。>>560続きエロのつもりでしたが、
ちょっと書いてみたらgdgdやってますw>タカ坊&タマ姉。

>>561
他の方に刺激を与えられたら望外の喜びッス。うちもこっそり期待してます>何か書きたくなる
564名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 12:11:21 ID:wczNZ6fc
毎週楽しみのあるスレだ。偉大なるSS書き様達に感謝
565名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 18:45:42 ID:R0+3U4GG
>>561
そこで書くか書かないかが,男の価値を決める。
566名無しさん@ピンキー:2006/06/07(水) 20:53:35 ID:YBPDZ4Tw
エロパロからきました
すとぱにエロごちそうさまですた(´∀`)
567Anmania ◆ve1CraWg1Y :2006/06/08(木) 01:56:19 ID:yDk5cLNA
>>564
はい、どうぞ楽しんでいって下さい。読んでもらえる事にも感謝。

>>566
お粗末さまでした(´∀`)。

と言うことで、タマ姉の続きを投下。ブリッジのつもりで書いたのが
ちょっと長めになって、あんまりエロくないパートになりましたが。
568雨に閉ざされて…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/08(木) 01:57:53 ID:yDk5cLNA


         *         *         *


ザァーーーーーーーーーーーー…………。

降りしきる雨音を環は夢うつつで聞いている。
(ん……イタタ……)
時折下半身から押し寄せる痛みが環を夢から覚まさせた。

「う……う…ん……」
環が気がつくと、そこは公園の大型遊具の中だった。コンクリート製の洞窟で、その中が
三次元迷路になっている。その真ん中の広くなっている空洞に環は寝かされていた。
誰かが額の汗を拭いてくれている。背中やお尻は冷たいコンクリートだが、頭は柔らかい
太股の上にあった。
「タカ坊……?」
「大丈夫、タマ姉?」
環が視線を上に移すと貴明のホッとした顔が飛び込んできた。伸ばした足の太股を枕に
してくれていた。二人して目が合うと少し照れるが、環は何事も無かったように振舞う。

「汗を拭いてくれたんだね……アリガト」
「う、うん……タマ姉、痛くない? さっきの……」
「アソコ……? ううん、ダメ……まだ痛くて。女の子もここ打つと痛いんだね〜、
アハハ……アイタタ……」
笑いでごまかそうとするが、痛くて両手で股間を押さえてしまう。怪我したかどうかが
少し心配になるが、この状態で見るわけにもいかない。
(鏡がないと……あ、タカ坊に見てもらうと言う手はあるけどね♪)
不穏な事を考えてクスクス笑う環を貴明は不思議そうな目で見る。

「そうだ、さっき……」
環の悪戯心など露知らず、貴明がごそごそとポケットを探り何かを取り出した。
「あ……」
それは環の持ち物だった。赤いリボンの髪飾り――さっき喧嘩の最中に落としてしまった
ものだ。
「拾ってくれたんだ」
「うん。タマ姉のお気に入りだしね」
貴明が微笑みながら環の頭につけてくれた。今度はさっきと違って照れ隠しする事が
出来なかった。自然と頬が緩み、耳朶の辺りが熱くなってるのが自分でもわかる。

「口元にも血が……痛くない?」
「大丈夫。いいよ、タカ坊のハンカチが汚れちゃう」
「そんなの、全然大丈夫だよ」
貴明は環の口元の血と、頬についていた泥を拭ってやる。環も黙ってされるがままに
なっていた。さっきと同じく貴明の脚を枕に寝た状態――少し背中がひんやりするが、
洞窟の低い天井を見上げながら環は安らかな気持ちになる。
(なんだか、ちょっと幸せかも――♪)
数年後に彼らはこれと同じ格好で幸せを満喫する事をまだ知らない。
569雨に閉ざされて…… ◆ve1CraWg1Y :2006/06/08(木) 01:58:29 ID:yDk5cLNA
「膝も怪我してる――ちょっと見せて、タマ姉」
「あ……。もう、せっかくいい気持ちだったのに……」
「………?」
枕にしていた脚を退けられ、ちょっと不満そうな環の気持ちに気づかず、貴明は立ち
上がって環の足元に行き、膝小僧の怪我を見る。その位置からだとスカートの裂け目
からぱんつが見えてドキッとするが、それをおくびにも出さず、膝の状態を調べた。
「擦り傷だけど、血が出てる……それに泥だらけ……」
貴明は洞穴の端から手を伸ばし、降りそそぐ雨でハンカチを濡らすと、固く絞って丁寧に
環の膝を拭った。
「消毒してない水だけど、傷口が泥まみれになってるのはもっといけないと思うし……
そうだ」
何かを思いついた貴明は傷口に顔を近づける。そして――。

「あっ……タカ坊!?」
いきなり貴明が環の膝の傷を舐めだしたので、環は動揺して上ずった声を出してしまった。
「あ、ごめん……いやだった?」
「そ、そうじゃなくて……」
環は貴明を意識するのを隠せなかった。貴明は環が嫌がってると思ったのか、膝から
口を離す。
「あ、だ、だから……その……嫌じゃなくて……。た、タカ坊の口が……」
「薬が無くてしょうがない時は唾で消毒しなさいって、前にばぁちゃんに聞いた事が
あったから……」
貴明は環が嫌がってるのでは無い事を知ると、またペロペロと傷口を舐めだした。
(まるで子犬みたい……)
健気な貴明の奉仕が気持ち良く、環は蕩けそうな気持ちになってくる。大好きな貴明に
舐められるたびに胸をドキドキさせながら、環は思う。
(タカ坊って、本当にいい子だ。そんな健気に優しくされたら――)

――つい、いじめたくなっちゃうじゃない。

傷を舐めるのに夢中で、ほんの少し環の目が煌いたのに貴明は気づかなかった。
570雨に閉ざされて…… ◆ve1CraWg1Y


         *         *         *


貴明が環を連れて洞窟に入ってから20分ぐらい経っただろうか。雨の勢いは増すばかり
で止む気配がない――つまり、当面はここから出られないと言う事だ。



「こんな感じかな……擦り傷だからハンカチは巻かないほうがいいよね?」
環の膝の傷を綺麗に舐めると、貴明は一息つく。

が――。

「タカ坊、こっちも♪」
「えっ?」
環を見ると、唇の端を指差している。確かにそこも相手の踵が当たって傷つき、泥が
ついていた所だが――。
「そ、そこはもう拭いたよ」
「ううん、消毒♪」
「じ、自分でやればいいじゃないか〜〜」
ちょっとペロリと唇の端を舐めるだけである。わざわざ貴明が舐めてあげる理由は
なかった。

「タカ坊にして欲しいの♪」
環は譲らない。ニコニコと愛らしい笑顔で貴明に迫ってくる。
「そんなぁ〜〜……」
貴明は困って真っ赤になった。まるで男の子に言い寄られて困ってる女の子みたい――
と、環は内心でクスクス笑う。

「じゃあ、間を取って、最初のひと舐めだけ。それならいいでしょ?」
何が『間』なのかわからないが、どうやらこれ以上環が折れる様子は無さそうだ。
と言うか、彼女の場合、折れてきた事自体が怪しいのだが……。
「わ、わかったよ……」
貴明が諦めて環の顔に自分の顔を近づける。
「目が合ったら恥かしいよ♪」
クスクス……と笑いながら環に言われたので貴明の方が意識してしまった。間近にある
環の顔をまともに見れない。

(しょうがない……)
貴明は患部の場所に大体の見当をつけ、目を閉じて口元に近づく。すると――。

ちぅ〜〜〜〜〜〜〜ッ……♪

(んぐ!? んぐぐぐ……!!)
急に口元を塞がれ、吃驚して目を開けると環が唇を重ね合わせていた。それだけで
なく――。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪ タカ坊〜〜♪ ん〜〜〜〜〜〜〜♪」
きゅ〜〜っと、貴明の首に手を回して抱きしめると、環は長く熱いチューをした。

(ん……!? んんん〜〜〜〜ッ!?)
とてもとても長いチュー……キスなんて生易しいものじゃない、環がありったけの情愛を
込めて貴明にぶつける、彼女独特の愛情表現だ。