1 :
名無しさん@ピンキー:
ここは人間の住む世界とはちょっと違う、ケモノ達etcの住む世界です。
周りを見渡せば、そこらじゅうに猫耳・犬耳・角・鱗etc。
一方人間はというと、時々人間界から迷い込んで(落ちて)来る程度で数も少なく、
希少価値も高い事から、貴族の召使いとして重宝がられる事が多かったり少なかったりします。
けど、微妙にヒエラルキーの下の方にいるヒトの中にも、例えば猫耳のお姫様に拾われて
『元の世界に帰る方法は知らないにゃ。知っていても絶対帰さないにゃあ……』
なんて言われて押し倒され、エロエロどろどろ、けっこうラブラブ、
時折ハートフルな毎日を過ごすことを強要される者もいるわけで……。
このスレッドは、こんな感じのヒト召使いと、こんな感じのケモノ耳etcなご主人様との、
あんな毎日やそんな毎日を描いたオリジナルSSを投下するスレです。
このスレッドを御覧のヒト召使い予備軍の皆様、このスレッドはこちらの世界との境界が、
薄くなっている場所に立てられていますので、閲覧の際には充分ご注意ください。
もしかしたら、ご主人様達の明日の御相手は、あなたかもしれませんよ?
それではまず
>>2-4を見てください。
2 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 00:32:15 ID:SLPCSn5W
NO: 作品タイトル <作者様名(敬称略) 初出 経過>
01: こっちをむいてよ!! ご主人様 <こちむい 1st-29 全10+1話完結>
02: IBYD <180 2nd-189 停滞中>
03: 華蝶楓月 <狐耳の者 2nd-217 停滞中>
04: こちむいII あしたあえたら <あしたら(=こちむい) 2nd-465 連載中>
05: 火蓮と悠希 <(´・ω・`)へたれ猫 2nd-492 停滞中>
06: 十六夜賛歌 <兎の人 2nd-504 連載中>
07: ソラとケン <◆rzHf2cUsLc 2nd-645 停滞中>
08: ご主人様とぼく <65 2nd-738 停滞中>
09: 狼耳モノ@辺境(仮題) <狼耳モノ@辺境(仮題) 3rd-78 全1話完結?>
10: Silver Tail Story(仮題) <狼を書く者 ◆WINGTr7hLQ 3rd-103 連載中>
11: 薄御伽草子 <161 3rd-171 停滞中>
12: 放浪女王と銀輪の従者 <蛇担当 3rd-262 連載中>
13: 黄金の風 <一等星 3rd-348 停滞中>
14: 最高で最低の奴隷 <虎の子 3rd-476 連載中>
15: From A to B... <エビの人……もとい兎の人 3rd-543 全1話完結?>
16: 魚(・ω・)ヒト <魚(・ω・)ヒト 3rd-739 連載中>
17: 狗国見聞録 <692 3rd-754 連載中>
18: 草原の潮風 <63 4th-63 連載中>
18: 岩と森の国の物語 <カモシカの人 4th-82 連載中>
19: scorpionfish <scorpionfish 4th-125>
20: 猫の国 <◆ozOtJW9BFA 4th-522>
21: 不眠猫のお嬢様 <不眠症 5th-215>
22:木登りと朱いピューマ <ピューマ担当 5th-566 一応完結>
23:こたつでみかん <5th-16 完結>
24:ネコとまたたび <5th-647>
25:リレー <5th-666〜 スレ埋め連載中?>
26:狐耳っ子と剣術少女 <6th-21>
27:蛇短編 <6th-42>
28:白熊の国 <6th-367>
29:夜明けのジャガー <ピューマ担当 6th-554 連載中>
以上テンプレ。
何故かwikiの~部分が全角に化けました。
半角に修正して飛んで下さい。
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
1乙。そして職人期待sage
即死回避がてらに前スレ
>>609の続き
====================================
僕の乳首が固くなったのを見つけて、参謀さんが右に、御主人様が左に吸い付く。
首をぶんぶん振って懇願するけど許してくれない。
「やあ〜〜。もうやめてくださ〜い〜」
「だめだにゃあ♪いやなことするからお仕置きなんだにゃあ♪」
マタタビ瓶割ったのほとんど御主人様なのに・・・・・・。
「ああん、おいしい・・・・・・。ねえ、ボス。おっぱい出せるようになる魔法とかありません?」
なんか参謀さん、ものすごい事言いだしたー!
「にゃふ!そりはいいアイディアにゃあ・・・・・・。今後の開発目標に追加するにゃ」
御主人様ものらないでー!?
でも、哀しいかな僕の思いは声にならない。なんでかっていうと。
「ああう、ひゃうっ!ずりずり、ずりずりきもちいいよぅ!!」
舐められたり擦られるのが気持ちよくって、もうそんな声しか出なくなってるから・・・・・・。
====================================
一乙
_ , -―― - 、r― - 、
, '⌒,ゝ´ 、 ヽ、
/ , 、 ヽ i \ lr-、!
'ー'7´/ i ト、 \ \ l `'!
l ! ヽト、 ',\ _ヽ、 `r、 l
ヽノ、 | ヽ、! '´ l::::ト'!`lフ'ノ l
/ \ィ⌒ ` ー' l lイ |
/ _ l' -r‐┐ ノ / i | <今年はがんがるよ!!
ノ ( ヽ!´iー-=' -'´!ノ ! ノ
,ゝi'´`ヽ
( ー'_ノ
>>1乙。
保守まじりにチラシの裏。
ご主人様が蝶のSSを書いてたら、子供のときの姿がアレだということに気づいてすげえ自己嫌悪orz
小妖精みたいなご主人様を考えてたけど、やはりご主人様に昆虫はだめだな。
新スレおめ 新年もおめ
>11
そのアレな姿からサナギまでをお母さんの体の中でがんばってもらって羽化=出産てのはどうよ
…てか羽化ってなんかエロい響きを感じた
>>11 いっそのことひんにうつるぺたの幼体から一度さなぎになってぼんきゅっぼんの成体になるようにしたらどうだろうか?
>13
そんな完全変態は要らん。
俺は不完全変態(ずっとぺたんこ)でいいんだ…。
「醜いアヒルの子」ができるな>幼虫から成虫
なんか昔、学園系ギャルゲでなかった?>虫ヒロイン
「にゃう〜〜」
「どうしたんですか御主人様?」
「いや、昆虫娘で連続物をやろうと思っているんにゃけど、プロット段階でどーにも続かにゃくて」
「昆虫って、なんです?」
「カマキリ」
「死ぬから!それ死ぬから!!」
昆虫モノか…
こちむいの出逢い編の『ぼく』はけっこう脱皮モノだった。
>>17 ご主人様大丈夫。
カマキリがダメならジョロウグモとかはどうでしょう。
>>18 京極堂「あなたが――蜘蛛だったのですね」
>>14 完全変態 →完全な変態
不完全変態 →中途半端な変態
御主人様。こうですか!?わかりません!(AA略しますね。
不完全変態のほうが完全に変態ぽい
22
「にゃう〜」
「どうなされたのですか」
「マタタビの匂い過ぎで体が熱いにゃー」
「ムッハー」
即死回避に即興で書いた獅子の国短編投下します。
えっと、「岩と森の国ものがたり」とはパラレルワールドというか、この短編ではファリィは人格、設定とも別人です。
ていうか本来のファリィはボクっ娘だったから、こっちのほうが近いかも。
即興で書いたので展開とか無理がありすぎますけど、まあ即死回避なんでその辺はできれば暖かい眼で見てもらえればと思います。
「にひひ〜」
ご主人様が、腕組みをして満足そうな笑顔を俺に向けている。
「ほんっと弱いなぁ、キョータは。そんなんじゃ、ボクの相手はつとまんないよ」
その……ライオンと素手で戦って勝てというほうが無理です、ご主人様。
「ん〜? あ、もしかして……」
ご主人様が、何かに気づいたように、少しいたずらっぽい笑顔を近づけてくる。
「ボクとえっちなことがしたくて、わざと負けてるとか?」
「なわけあるkぁだだだだだっ!」
なわけあるか、と言おうとして顔を上げたら、全身に激痛が走った。
「ん〜? な・わ・け・あ・る・って言った?」
(なわけねえだろ……)
と、言いたいけど痛くて言葉が出ない。それをみて、うんうんとうなづきながら俺を見下ろしてにひひと笑う。
「ん〜そかそか〜仕方ないよね、キョータも年頃の男の子なんだし、ましてやボクみたいな美少女がそばにいるんだもんねぇ……」
(自分で言うな)
言葉が出ないので心の中で反論する。
「ん〜……ボクも罪な女の子だよねぇ……キョータの理性を奪い取って、こんなことまでさせちゃうんだから……」
(理性が吹っ飛んでるのはあんただ)
……まあ、百歩下がって、その……その、まあ、ケダモノにしてはかわいいんじゃないかとは思わなくもないというかなんと言うか……
「……まあ、その……運が悪かったと思ってあきらめろ」
いかにもかわいそうなものを見る目つきで、フェイレンさんが俺に声をかけてくる。
漫画で見るような、ライオンが胴着を着た姿。いかにも強そうながっちりとした体つきで、この道場でもたぶん五本の指に入るくらいには強い。
けど、優しいしこの世界のこととかもいろいろ教えてくれる物知りな人。
「運命を受け入れた方が幸せなこともあります」
無感情な声が背後から。白いチャイナドレスを着た、俺と同じヒトの女の子。
ミコトっていう名前らしい。フェイレンさんの召使で、俺がいる「道場」医務室で手伝いとかしてる。
正直、彼女のことはよく知らないし、あの子も自分のことは話したがらない。
ただ、フェイレンさんと出会う前はあまり幸せじゃなかったらしい。
「もぅ、ほんとにいじらしいなぁキョータは」
そう言って、頬を染めながら体をくねらせるご主人様。頭の中では今頃、今夜どうやって食べようかと妄想をたくましくしてるに違いない。
「治療、終わりました」
ミコトちゃんがそういって包帯をきゅっと縛る。……まあ、どうせあと数時間もしたら全部ご主人様に剥ぎ取られるんだけど。
「そうか。よし……」
フェイレンさんが近づいてきて、手のひらを全身の痣に当てる。
掌から暖かい感触が流れ込んでくる。気功なんて、元の世界にいたときは信じちゃいなかったけど、こうして何度も受けていると、本当にそういうのも存在するんだと認めざるを得ない。
「よし、これで大丈夫だ」
そう言ってフェイレンさんが手を離す。御主人様にボコられた全身の痛みがきれいに消えている。
「ん、終わった?」
「ああ」
「じゃあ、連れて行くね」
そういうなり、有無を言わさず俺の腕をつかむ。
(……おれ……あと何年生きられるんだろう……)
引っ張られながら、ふとそんなことを思った。
「どなどなど〜な〜ど〜な〜子牛を乗〜せて〜」
ミコトちゃんの歌声が、医務室の方から聞こえてきた。
なんであなたはそんな不吉な歌を歌いますか。
ご主人様の部屋。
道場主の一人娘だけあって広くて、家具も豪華。
「じゃあ、約束どおり今日もキョータがボクのドレイね」
約束。組み手で負けたほうがその日一日、相手の言う事を何でも聞くっていう約束なんだけど……
それは約束じゃなくて一方的な決定って言うんだと思います、ご主人様。
だいたい俺に拒否権ないし。
「ほら、返事は?」
「はいはい」
「はいは一つ」
「はぁい」
投げやりに返事する。もうどうでもいい。
「もぉ……ムードを削ぐなぁ。ドレイのくせに生意気だぞ」
ご主人様がそういいながら不機嫌そうに俺を見る。
「俺はまだドレイになると認めた覚えはない」
ていうか、いつの間に俺はご主人様の所有物に決まったんだ?
ていうかこの世界に人権とか職業選択の自由というものはないのか?
「まだ言ってる」
そう言って、ご主人様から俺の横に来て腕をからめてくる。
「でもこおいうのって、つんでれって言うんだよね」
ツンデレ……って、この世界のどこでそんな言葉を覚えたんですか、このご主人様は。
「本当はボクに気があるのに、わざとツンツンした態度を取ってボクの気を向かせようってんだよね」
違います。ていうか断じて違う。んなわけあるか。
「ん〜そーいうところがカワイイんだよねぇ〜」
そういって、また首をぷるぷる振って身悶えてる。
「ほらほら、全部わかってるからはやくはやく」
そう言って、俺を押し倒すようにベッドの上に。何がわかってるのかは聞かないことにする。
包帯でぐるぐる巻きになった俺に馬乗りになって、ご主人様が俺の服を脱がせていく。
「ねえ、抵抗とかしないの?」
「しません」
どうせ押し倒されるに決まってる。まだ夜は長いのに、そんなところで無駄に体力を消耗するわけにはいかない。
でもご主人様は、俺の答えに全然違ったことを思ってるらしい。
「そっかぁ……ってことは、やっぱり一刻も早く、ボクとえっちなことがしたいんだ」
「あのなぁ……」
もう反論する気力もない。
そんな俺をベッドの上で転がしながら、ご主人様が容赦なく胴着を脱がせていく。
しかも例によって、たったいま巻かれた包帯まで。
「にひひ〜」
人を素っ裸に剥いておいて、ご主人様が嬉しそうな声を上げる。
ご主人様は金糸の刺繍がついたチャイナドレス姿。
褐色のショートカットの間から、丸い猫耳が二つ。
耳さえなかったら、普通にスタイル抜群の美少女というか……その、確かに俺の好みというか……いやいや、きっと気の迷いだ。
「ほらほら〜見たいんでしょ? ボクのハダカ」
挑発的な顔でそういいながら、ちらちらとチャイナドレスのスリットを揺らす。
「ああ、見たいからさっさと脱げ」
「む゛〜〜……ほんっとにキョータはムードがないんだからぁ」
不満げなご主人様。悪いがこっちも付き合ってる余裕はない。
体力の消耗、それ以上に精神力の消耗との8時間耐久レースだ。
そういいながらも、チャイナドレスを脱ぎだすご主人様。
ちらちらとこっちに流し目を送りながら、ゆっくりと、人の目の前で脱ぎ始める。
「…………」
ついつい見てしまう俺が情けない。
いや、確かにいいスタイルしてるんだ。ボクとか言ってるくせに。
その、別に獣の毛が生えてるわけでもない……ていうかほんと、体つき自体は人間、それもグラビアアイドル顔負けなんだよ。
「ほらほら〜見てる見てる〜」
そう言って、嬉しそうな声をあげて喜ぶご主人様。
「う、うるさいな……いいからさっさと脱げよ」
顔をそむけてそう言う。逆効果かもしれないが、なりふりかまっていられない。
「あははっ、照れてる照れてる」
「……ぅるさい」
「でも、ほんとカワイイよね、キョータくんって」
「……男がカワイイって言われても嬉しくない」
その言葉に、くすりとご主人様が笑う。
「オトコじゃなくて、オトコノコでしょ」
そういいながら、上半身だけ脱いだ半脱ぎのチャイナドレス姿で御主人様が胸を押し付けてくる。
「うわっ!」
びっくりしてのけぞる。その表情を見て、ご主人様が笑う。
「ほらほら〜。やっぱりオトコノコだ」
「……」
顔が赤くなっているのが自分でもわかる。いや、普通健全な男ならいきなり女の子に胸を押し付けられて驚かないはずがない。
「純情だなぁ、キョータくんは」
「……ご、ごしゅじんさまが変なんだっ」
声が上ずってる。やばい。どう考えても意識してるのがモロにばれる。
「んふふ〜〜」
不気味な笑い声。
「ドレイのくせにそんなこというなんて、生意気だぞぉ」
そう言って、今度は力づくで俺を押し倒す。
馬乗りになって、両手で俺の両手を押さえつける。
つまり、その……
上半身裸で、そんなことをされてるわけだから……
「ち、ちょっと待った……」
目の前にある二つのふくらみから必死に眼をそむけて言う。
「だぁめ」
そお言って、そのままぱたんと俺の上に体をおしつけてくる。
「ち、ちょっと、ちょっと待てって……」
体をばたつかせるけど、俺より小柄なご主人様のどこにこんな力がってくらいの力で両手を押さえられてて身動きできない。
で、その状態で俺の顔にご主人様の胸のふくらみが……
ふに。
「や、やめろって……」
しぼりだすように声をだす。頬にやわらかい感触が伝わってくるだけで、心臓がばくばく鳴っている。
「ほらほら〜」
いたずらっぽく言いながら、ご主人様が体を左右に揺らす。そのたびに、そのやわらかい感触が左右に動く。時々こりこりとした硬い物が当たるのってたぶん……
「だ、だから、その……」
「降参する?」
ご主人様の声。
「降参って、何が……」
「ひとつ、キョータくんはまだまだ純情なオトコノコです。ふたつ、キョータくんはボクのドレイです。みっつ、キョータくんはボクのことが大好きです。全部認める?」
「ま、まて、最後の一つは……」
「違うとはいわせないぞぉ」
「で、でも……」
「でも、じゃない」
そういって、また、すりすりと。
そのたびに鼓動が早まって、下半身がやばいことになってるのがわかる。
「わ、わかったから離せよっ!」
「認める?」
すりすり。
「み、認めるから!」
「じゃあ反芻」
「って、待……いや待て、言うから、言うから離せっ!」
「ちゃんとキョータくんが自分の口で言うのが先だよ」
すりすりすりすり。もう言うから許して。俺の理性が音を立てて崩れてるのがわかるから。
「ひとつ、俺はガキだ、ふたつ、俺はご主人様のドレイだ、三つ、俺はごしゅ……」
やばい、三つ目だけはどうしてもいえない。ていうか、言ったらその瞬間にこっちの心臓が止まる。
「ほらほら、まだ最後の一つが言えてないよ〜」
「ま、待て、その、それだけは勘弁……」
「だぁめ。ドレイならちゃんとゴシュジンサマの言うことを聞く」
そう言って、また胸を押し付けてくる。俺が発狂寸前まで理性が壊れかかってるとわかっててやってるに違いない。
「……そ、その……」
「なぁに?」
ご主人様の声。何とか言い訳しようとして言う。
「……いや、その……そういうのって、もう少しムードのある空間でいうものじゃないか?」
「……ぷっ」
頭の上から、吹き出したような声がする。
「あははははっ、キョータくんがムードなんてこと言うなんて〜」
そういいながら、やっと顔の上から胸を離す。
「ぷはっ……」
息をついた俺の顔を、ご主人様が見ている。
「……なんだよ」
強がってそう言ってみるけど、たぶん今、俺の顔は真っ赤になってるに違いない。
いや、もっとやばいのはむき出しの下半身なわけで。
「キョータくんのそんなところが、ボクは好きだよ」
「!」
あっさりと言われて、心臓が爆発しそうになる。
「だって、そーでなきゃ、こんなことしないよ」
そういって、また体を押し付けてくる。
ちゅ。
横を向いた俺の頬に、唇が触れる。
「そ、その……さあ」
「なに?」
唇を離した御主人様が、耳元でたずねてくる。
「俺……その」
「なぁに?」
熱い息が頬にかかる。そのたびに、心臓がばくばく鳴るのがわかる。
「……いいや、御主人様のドレイで」
そう言って、正面を向く。目の前に、頬を染めた御主人様の顔。
ボーイッシュな美少女。至近距離で見ると、耳とか気にならない。
「好きにしてくれ」
「いいの?」
「ああ」
こうなったら、堕ちるところまで堕ちてやる。
御主人様の顔が、俺の顔に近づく。
「今日は、ドレイと御主人様だけど」
ちゅ。
御主人様が、舌を絡めてくる。
両手を押さえつけていた腕が、首に巻きつけられる。
熱い息が鼻腔をくすぐる。
だから、俺も。
あふれてくる欲望に任せて、御主人様の首と背に腕を回す。
こちらからも舌をからみつかせ、きゅっと抱き寄せる。
やわらかい肉体の感触が腕に、そして俺の上に伝わってくる。
いつの間にか、どちらからともなく脚も絡みつかせている。
半脱ぎのままのチャイナドレスが邪魔だけど、それはこれが終わったら脱がせる。
しばらく舌を絡ませてから、どちらからともなく離す。
唾液の糸が、俺たちの唇をつなぐ。
「明日からは違うよ」
「何が?」
「キョータくんはボクのものだけど、ボクもキョータくんのモノ」
「……?」
「ボクのこと、キョータくんの好きにしていいよ」
「って……」
「もう、ニブいなぁ」
そう言って、ぷぅと口を尖らせる。妙にコドモっぽいけど、でもかわいい。
「いいもん。いつか絶対、キョータくんに好きだっていわせてやるんだから」
「……言うだけなら、今すぐだって言えるけどな」
「さっきは言えなかったじゃない」
「う……」
「それとも、今なら言える?」
「い、いえるさ……その…………………」
言おうとするが、なんか心臓の調子が悪いというか。なんか心拍数が倍ぐらいになってるし。
「んふふ。やっぱりオトコノコだねぇ」
「……ぅるさい」
「やっぱり、おねーさんがリードしなきゃだめか」
「……おねーさんって言えるような精神年齢じゃねえだろ」
「あぁーっ、言ったなぁ!」
上にのしかかってくる。
「んぷっ……ち、ちょっと、待て、その、怪我が……」
「キョータくんが悪い!」
「わ、わかった、その、謝る、謝るから!」
その言葉に、やっと体を離す。
「でも、謝ってもオシオキは必要だよね」
「お、おしおきってなんだよ……」
「これ」
馬乗り状態から体を横にずらした御主人様が、すっかり硬くなった俺の肉棒を指でつつく。
「って、それ!」
「ほらほら、今日はまだボクのドレイなんだから抵抗禁止だよ」
そういいながら、俺の両足を持って、ベッドに腰掛けるような体制にさせる。
「ゴシュジンサマにひどいこと言ったんだから、とーぜんカラダで償ってもらわなきゃね」
そう言うなり、ぱくりと俺のを口にくわえる。
「っ……」
舌が、筋を下から上へとなぞり上げる。
柔らかい唇が前後に動き、包み込むようにこする。
「っ、その……っっ……」
何か言おうとするけど、何か言うより先に暴発しそうな気がする。
ていうか、間違いなく暴発する。
いくらなんでもそれはヤバいというか。
人のそんな苦しみをよそに、御主人様はちろちろと舌を這わせて、くちゅくちゅと音を立てて俺の肉棒を吸っている。
くちゅ……ちゅる……ぴちゅ……と、さっきから濡れた音がしている。
マジでやばい。ていうか、このご主人様、ボクとか言って子供みたいな精神年齢のくせして、所詮ケモノ娘のくせして反則級に上手い。
「んふぅ……」
御主人様が、拷問をやめて肉棒から口を離す。
「は、はぁ……はぁ……」
荒い息を吐く。
「ふふ……ガマンしてたでしょ、キョータくん」
「……わ、わかってたんなら……」
「ボクの顔に出したりできないって思ってたんでしょ」
「わかってたんなら……」
「だからオシオキなんだよ。キョータくんがガマンできなくなるまで、ボクはやめないからね」
そう言って、また俺の肉棒をくわえる。
くちゅ、くちゅ、ちゅぱっ……
「っ、待て、さっきより……っっっ!」
口の動きが激しい。
御主人様の唇が俺の肉棒上下から強く押し当てられ、舌は蛇のように絡みつき、そして喉の奥から吸い込むように動く。
「だ、だから、よせって……っ!」
御主人様の両腕が、俺の腰に回されて逃げられないようにしている。
「……やめ、その、っくっ、っっ、んうっっっ!!」
もう限界だった。
意識がはじけ飛んで、俺はご主人様の口の中に欲望をすべて吐き出した……
「ん……」
口元をぬぐう御主人様。白い液体が、唇のふちを濡らしている。
「…………」
呆然としている俺。そんな俺を、御主人様はじーっと見ている。
「気持ちよかった?」
「……死ぬほど」
その言葉に、またうんうんと子供っぽい満足な笑顔で何度もうなづく。
「ん〜そかそか〜。修行のかいあったな〜」
修行してたんですか、御主人様。
「ガマンしてるキョータくんの声、すっごくえっちだったな……」
「……っっ!」
「でもね、こんなんじゃ許さないんだからね」
怖いことを言い出す。
「……」
「ボクなしじゃ生きていけないようにしてやるんだから」
……なんですかその恐ろしい宣告は。
「こっからが本番だからね」
そういいながら、御主人様はチャイナドレスと下着を全部脱ぐ。
全身に何もまとわない御主人様。うっすらと汗ばみ、桃色に染まった体が異様に色っぽい。
俺の理性のタガが、何かぎしぎしと悲鳴を上げているのがわかる。
「キョータくんはボクだけのもの」
そういいながら、裸体を押し付けてくる御主人様。
「そして、ボクもキョータくんだけのもの」
体温の温かみと鼓動が、汗ばんだ肌から直に伝わってくる。
「絶対に離さないんだからね」
「……はいはい」
「はいは一回」
「いやだ、って言ったら?」
わざと、そう聞いてみる。
「そんなこといったら……」
ちょっと、困ったような顔。そんな御主人様に、こちらからキスをする。
「っ……」
そして、すぐに離す。驚いたような顔が目の前にある。
「もぅ……」
怒ったような声。
「今日はまだ、キョータくんはボクのドレイなんだよ」
「そうだったな」
「む゛ぅ〜〜罰として、明日立てないようにしてやるんだから」
「……い、いや、それはちょっと……」
「何か文句あるの?」
「いろいろと」
「却下」
そう言って、また御主人様は抱き合っていた肌を離す。そして、俺を仰向けに寝かせて、その上に。
ぬちゅと、濡れた音がして俺と御主人様のカラダが?がる。
「痛くないよね?」
「それは、俺が聞く言葉だと思うが」
「だって……キョータくん、コドモだし」
「お互い様だ」
違いない。御主人様もぜんぜん子供だけど、俺だって……何のことはない、あっさりその気にさせられて、ガキもいいところだ。
でも、それはそれで悪くないかもと思う。
「じゃあ、始めるよ……っっ……」
御主人様が、体を動かし始める。
きゅっと締まった感触が上下に動く。
「っ……んんっ……キョータくん……だいじょうぶ……?」
「っ……そ、そっちこそ……」
「ボ、ボクはへいきだもんっ……キョータくんこそ、コドモのくせに……」
妙に強がったような返事が帰ってくる。それがなんとなくおかしい。
けど、こっちも笑ってる余裕なんて全然ない。ていうかどう考えても一回出してる俺のほうがやばい。
まあ、それでも。
「んっ……んあっ、ああんっ……」
えっちぃ声を上げて、たわわな胸をぷるんぷるんと揺らしながら悶える御主人様の姿はとてつもなく色っぽくてかわいい。
「んっ……キョータくんっ、キョータくんっ……」
「どうした?」
「……ボ、ボク、ボクっ……キョータくんに……こんなえっちなところみられてる……っ、ああんっ……」
髪を振り乱して、汗を散らしながら悶える御主人様。潤んだ熱っぽい眼が、俺を見ている。
もっとも、それを鑑賞できるほど俺に余裕があるわけでもない。
ていうか。
御主人様が乱れてるその一番色っぽい時に、先に暴発して台無しにしたのは俺だったりするわけで。
「……キョータくん……」
「悪い」
「二回も出しちゃうなんて……そんなに、ボクが色っぽかったんだ?」
「……ああ」
さすがに認めるしかない。ていうか絶対にこの上手さは反則だ。
「そっかぁ〜〜」
満面の笑み。
「キョータくん、もうボクから離れられないよね」
「離す気もないくせに」
「へへ〜んっ、当然でしょ」
「で」
「何?」
怪訝そうなご主人様に、そろそろ反撃を試みる。
「俺だけ二回出して、御主人様はまだイッてないんじゃあ気の毒だなぁ」
「き、気の毒って……その、ボクは……」
「二回はイカせてあげないと不公平、そうだろ?」
「で、でも、ボク……っ、その、そこはダメっ……」
俺の指が、御主人様の大切な場所にもぐりこむ。
「指で悪いけど」
くちゅ……
「んっ……」
御主人様の体が大きくのけぞる。
腰にもう一方の手を巻きつけて、、無理やり引き寄せる。
ちゅくと、片方の乳首を吸う。
「んっ、だ、ダメぇっ……」
口では嫌がってるけど、カラダは本気では嫌がってないのがわかる。
「だ、ダメだってのにぃ……」
その声が、だんだん弱弱しくなっていく。
それにあわせて、蜜があふれて指に絡みつく。
ひくひくと秘肉がうごめいて、指を締め付け、奥にいざなおうとする。
「ぼ、ボク、別にっ、感じてなんかないんだからっ……」
その言葉とは裏腹に、体のほうはずいぶんと貪欲に指と舌を求めている。
「……ぼ、ボク……キョータくんなんかに気持ちよくさせられるほど……コドモじゃないんだからっ……」
強がる御主人様の秘肉に、指をくいと押し込んでみた。
「にゃあっ!」
御主人様が猫のような悲鳴を上げてのけぞる。その体をまた力づくで抱き寄せるとさらに責める。
「っ、いやっ、やぁぁっ……」
ぷるぷると痙攣する御主人様。それを無視して、さらに指を動かす。
「やあぁぁぁぁっ!」
悲鳴とともに、御主人様が大きく震え、そして大量の潮を吹いて果てた。
「……キョータくんのくせに」
「ん?」
睨み付ける御主人様。でもその頬は赤い。
「ボクをこんな目に合わせるなんて百年早い」
「百年たったら死んでる」
「……ボクの許可なくこんなことするなんて生意気だ」
「俺はご主人様のものだけど、ご主人様も俺のもの、だろ?」
「……それはそうだけど」
「じゃあ、問題ないよな」
ぱたん。
「……って、どうしてキョータくんがボクの上になってるの?」
「あと一回あるだろ」
「……っ!」
「今度は、指じゃないから」
「……キョータくんのバカ」
ぷいと、ご主人様がそっぽを向く。
こんな表情もかわいいと、俺は思った。
推敲してないんで読み返すと微妙かもしれないけど。
まあ、所詮即死回避ってことで勘弁を。
……って、俺は「岩と森〜」ほったらかして何を現実逃避してますか。
エロいよー GJ!
ツンデレ逆利用ワラタ キョータ君反撃GJ
「続きはあるのか!続きはあるのかと聞いている!」
40 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:34:00 ID:BlhoqpGu
>>カモシカ担当様
「あと一回あるだろ」とか「今度は、指じゃないから」とか! キョータくんの全力っぷりがいいです。
本編の方も合わせてお待ちしてます。
俺も「木登り〜」をほったらかししてますね。なんかもう、これはこれでまとまっている気もするのですが…難しいです。蛇の足かどうか、うむむ。
それでは『夜明けのジャガー』の続き投下に移ります。
長いとのご意見を頂いたので分割することにしました。寸止めな展開ですが、12レスほどお付き合い頂ければ。
41 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:35:10 ID:BlhoqpGu
§ § §
それからというもの彼女はどこか余所余所しかった。
キオが主人を見かけて近寄ろうにも、ジャガーの敏い感覚はたやすくヒトの存在を捉え、
捕まる前にそっと逃げ出していた。
しかし夏至祭当日の夜遅くにようやく、パシャの自室で二人は邂逅を果たした。
「何?」
それはキオの努力が実ったというわけではなくて、
「悪い? 今日はお祭り。お酒ぐらい……」
酒精に鈍った感覚のおかげだった。
例外を除いて年に三度の季節祭と一度の収穫祭だけは、戦地でも「大っぴらな」飲酒を許可されていた。
賊軍とて密林の民、解釈に差異はあれど同じく神を崇める。神々を奉ずるこの四日だけは休戦日だった。
「あーあー……んなに飲んで」
「キオだって、飲んでる」
「酒弱いって自分で言ってただろーに」
「……聞いてないし」
窓際に座り込んだパシャは月光を浴びている。
酒精によって潤んだ瞳が輝き、小さく開いた唇からは酒気を帯びた吐息。
周辺に散らばった酒瓶をキオが集めると、半分以上はチチャ酒を薄めるための果実水だった。
「俺も一緒していいか?」
「……」
無言を肯定ととったキオは、彼女のすぐ横に座り込む。
そして祭り騒ぎの主会場となった大広間から失敬してきた食べ物を広げ始めた。
油紙に包まれた数々の料理やら菓子やらは、パシャの好物と呼べる物が揃っていた。
「食べながらじゃないと胃が荒れるぞ」
「……私といてもつまらない。サキトハとかチタラと一緒にいていい」
口ではそう言いつつも、ヒクンニャの乳を発酵させた乾酪を手に取ったパシャは一口だけそれを齧る。
「もう充分騒いだ。静かなのも悪くねーだろ」
足を投げ出したキオも壁に背を預けて酒杯を傾けている。
「そう……。おつまみ、ありがとう」
カランと涼やかな音を立てた氷が、月光を反射して天井を一瞬だけ朧に照らした。
「パシャに謝らねーとって思ってな」
キオの言葉は唐突だった。
ここは森の奥だが山の奥ではないというのに、パシャの背筋は冷気に触れたように震えた。
「キオは……悪くない」
あれ以来、パシャはあの水泳会のときの気分を重く引きずっていた。
――次の日、先走った行動を悔いる自分を時折思い出し、
――また次の日目覚めても、ひとりよがりの自意識に心をかき回され、
――そのまた次の日からは、日がな一日どうしてこうも自分はこだわっているのかと思い悩み続けた。
「私が、悪い」
独り何となく酒を煽りたい気分だった。それでも考え続けたかったから、酒を割る果実水を多くした。
程よい酔いは普段はありえないような考えを閃かせてくれるかもしれないと思った。
「そっかな。俺は昔っから繊細さに欠けてるらしくてなー」
パシャの横にいるヒトも、同じくあれこれと悩んでいたらしかった。
窓際で並び座る二人はお互いの顔すら見ない。時々お互いの好物を口に含みながら、まっすぐ酒を煽り続ける。
42 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:36:48 ID:BlhoqpGu
「パシャがあんなことするからさ。てっきり気にしないんだろーなって」
「少し考えなしだった」
「おう。だから二人とも悪かったってことでよくねーか」
「……ん」
「なんたって俺たちは"約束"してんだからなー。気まずいのはゴメンだ」
視線を感じてパシャが振り向くと、キオの黒い瞳にも月光が煌いていた。
パシャが不器用に頬を弛ませ、キオもまた陽気に白い歯を見せた。
「キオ。弟さんのことを聞いてもいい?」
約束……同じくこの世界に落ちたはずの彼の弟を探し出すこと。
そして主従二人を結びつける細い縄。
キオがこの世界で自信をつけたらすぐに引き千切られるぐらいそれは頼りない。
彼ならそれぐらいしても不思議ではない。
(あ……)
そう考ると、パシャの胸はきゅうと引締まった。傷痕ではなくて、胸の奥が。
「俺よか五つ下――こっちの感覚だから十か十一下ぐらいか」
キオの視線は前方を探っている。ここではない何処かを月光の裏に見ている。
ヒトの一年はパシャたち密林の民が感じる半年でしかない――
ひと昔前まではこのように、ヒトの寿命は密林の民のちょうど半分だと信じられていた。
実際ヒトは短命だった。しかし近頃、長命なヒトが増え始めていた。
『落ちて』くるヒトの体格がしっかりしたものになり、
病に対する抵抗を与えてやれば、キンサンティンスーユの平均寿命よりもやや短いくらいまで生きた。
この事象に対してつい最近、斬新な見解がなされた。
「ヒトの世界が時と共に進化し、成長期の栄養状態が改善されたこと――」
に加えて、
「人間を含む全ての動物の寿命は心の臓が打つ鼓動の速さと、ある程度相関しているだろうということ――」
が博識で有名な現在の第九皇女によって唱えられていた。
この説は詳細な資料を伴い、ヒトの寿命の長命化について一定の信頼を与えていた。
パシャも文字を見ると痛くなる頭をどうにか抑えて、ヒト情報ということで論文に目を通していた。
「――俺と違って頭よくてな。教えるのもうめーんだ。
弟みたいなのに初めから教わってたら俺ももっとこう、賢くなってたかもしれねー」
そして「それに絵も描く」と続けたキオはひどく誇らしそうだった。
パシャは思わず氷をカラリと揺らして口元を覆ってしまった。
真面目ぶったキオを想像したら、まるで彼らしくなかった。
「んだよ。笑うことねーだろ」
「すまない、つい」
キオは口を尖らせたが、そこに責めるような様子は感じられない。
おそらく彼が弟を自慢すると誰しも同じような反応をするのだろう。
「似てなくても不思議じゃねーよ。母親が違うからな」
「……ん? ヒトの世界は一夫多妻?」
「こっちにはいねーか? 業突く張りのクソ爺みてーのが、さ。……ま、女の方が強えか」
小さく「パシャみたく」と付け加えたのを当人が聞き漏らすわけがない。
パシャはキオの方へ菓子を一つ投げつけた。
投手が手加減して投げたのにも気付かず、好捕したキオは暢気に手を振って得意げにしている。
43 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:38:40 ID:BlhoqpGu
「金と権力に物言わせて女を何人も好き勝手する……こっちの草刈衆とやらと同じだ。
んで、うっかり生まれちまったのが、俺ら三兄弟ってわけ」
「……」
さらりと話すキオに、パシャは黙って頷いた。
彼も余計なものは欲していないだろう。しかし、パシャは一つ気になった。
「三兄弟?」
聞き返すと、彼は露骨に「しまった」という顔をした。
「イヤならいい」
「……そうイヤってわけでも。俺がクソ兄貴と、とことん合わねーだけだ。
俺が真ん中で、上も十離れてることになるな」
彼は慎重に指を折りつつ数えた。
「もしかして、お兄さんも『落ちて』来てたり」
彼の弟が生死不明で『落ちて』来ているかもしれないのに、パシャは不謹慎だと思いつつ口にした。
「げー、マジかよ」
キオも元気を空振りして、珍しいパシャの冗談に合わせた。
しかもその表情は相変わらずはっきりとイヤそうで、面白い。
「それもいいかもしんねーな。俺らが全員いなくなったら――」
パシャにはそれが少しだけ羨ましく感じられるが、
表情がくるくると変わる自分を想像して――想像できなかった。
「おい、パシャ。腹でも痛いか」
キオの心配するような声音は真剣だった。
(ほら、到底無理)
できもしない事を突然やるべきではなかったのだ。
従者がよくするように、パシャはにやりと笑ってやるつもりだった。
「もう、いい。分かったから」
「おーい。パシャ、自己完結すんなって」
パシャはぷいと顔を背け、器用に尻尾を使うと体一つ分だけキオから離れた。
もう杯には丸くなったいくつかの氷と溶け出した水しか残っていない。
チチャ酒を深さにして指一本分だけ注ぐと、果実水の瓶を取る。
「あ……」
手に取った瞬間軽いとは思ってはいたが、杯の半分もいかないうちに注ぎ口は滴を垂らし始めた。
「あいよ」
すかさず横から瓶が伸びる。しかし離れすぎて届かない。
「……ん」
パシャは杯を押しやって従者へ注ぎ足すように促した。
キオも手を伸ばして瓶を傾け、確かな量の液体が流れるとくとくという音が響いた。
音が鳴り止みパシャが杯を引いた途端、
「っと、と……ぐぇ」
「何してるの、キオ」
つぶれた蛙のような声が引き継いだ。
瓶の下半分を片手で持ったキオが、陸に打ち上げられた魚のように床に転がった。
床に広げられた食べ物をかばうように倒れたので、体がぎくしゃくと曲がっている。
44 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:40:06 ID:BlhoqpGu
「パシャが遠く行くからだ」
彼は一旦果実水の瓶を床に立て置く。両手で上体を浮かして、立ち上がろうとした。
「実はかなり酔ってる?」
「そこまで、じゃねーはずだが」
キオは酒精に強い方で、顔が赤くなったり青くなったりもしない。
酔い潰れた彼を見たことがないので、酒精によって平衡を崩したのかどうかパシャには判断つきかねた。
そうして起き上がったキオが再び窓際に腰を落ち着けると、料理が並ぶところに違和感があった。
「これは」
今までは無かったそれはどうやら小箱のようだった。
質素な作りで、簡単に手の平に乗るくらいの黒く細長い箱。パシャは何気ない動作でひょいと掴み取る。
「う、お! パシャ、返せ!」
ようやく気付いたキオが静止の声を上げたときには時既に遅く、パシャは小箱の蓋を開いていた。
その箱は倒れた弾みで彼の懐から飛び出たものだった。
中に収められていた物は月光を浴びてきらきらと銀色に輝く。
角度を変えて眺めればそれだけで、うっとりするような光の乱反射がパシャの瞳を射る。
「綺麗」
「そーか、そらよかった……」
小さなハチドリ【クェンチィ】を思い浮かべるような形の銀でできた装飾品だった。
月光を跳ね返していて、夜空を彩る蜂鳥座のような佇まいを見せている。
双面の金星神アウ・キヤに仕える司祭の召還する《蜂鳥座》と比べても見劣りしない。
「すまない、キオ……私も酔っているのかも。自分を止められなかった」
思わず集中してしまった無礼を謝ると、小箱ごと突き返した。
いつの間にかキオはすぐ近くにまで寄っている。
しかし彼の白い手は手の平を向けてそれをパシャに押し戻した。
「もともとパシャにやる予定のもんだ。綺麗だって思うんならそのまま持ってていい」
「……?」
(この銀の鳥を? 私に……まさか)
その黒く濡れた瞳が「冗談だ」と言うのを待ち受けた。
しかしいつまで経ってもその瞬間は現れなかった。
逆にパシャの方から話しかけようとしても、詰まったように声が出てこない。
じっと見つめる彼女に痺れを切らしたのか、キオはぼそぼそと言い訳を始めた。
「いや、さ……こないだ川で泳いだろ? 実は裏で賭けやってたんだ、誰が一位かってな。
んで、サッリェに「勝たせてやるから俺の分も買え」って頼んで……
ま、ヤツは俺の分しか買わなかったけどさ。すげー配当もらったわけ。
そん中に銀粒がかなりあったから鍛冶のおっさんに頼んで造ってもらったんだ」
「……でもどうして、それを私に?」
「パシャが俺のこと避けてたからだ。機嫌悪くしたってこれでも反省したんだ」
さも心外だと言わんばかりに、キオの口が不満げに尖る。
45 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:41:15 ID:BlhoqpGu
「あれは――」
「ホント、悪かった」
「キオのことではない、自分の浅はかさが身に沁みただけ」と続けようとしたパシャは、
本当にすまなそうな彼の表情に押しやられた。
(だとしたら、キオは何を悪いと思ったのだろう?)
それが当然な疑問としてパシャの心の内を横切った。
「あん時、パシャが男どもの前で際どいところまで脱いだから……普段のパシャも飄々としてるしな。
だから……下衆なこと言っても平気だろって勝手に思ってた」
「あれは、度が過ぎた」
今思うと顔が蒸し上がってしまいそうだった。
……前しか見えていなかったパシャは後で知ったことだが、
「用意」の時点で下着が見えないようにと、友人たちが後ろで目を光らせていてくれたらしい。
そこでキオは大きく深呼吸した。
「謝る、すまん。調子こいてパシャの胸のこと言ったりして、ホントすまなかった」
「……は?」
キオの謝罪はまったく意味が分からなかった。
「胸?」
「だからっ! 泳ぎ終わった後、俺、サキトハたちとしゃべってたろ……!
……最後パシャに追いつかれなかったのは、でかい胸が水の抵抗になってたからだ……ってよ」
一気に早口になったその内容は最後のほうで力なく細くなった。
パシャの記憶には無かったが彼がそう言うのならばそうなのだろう。
「『恥ずかしい』って言ってどこか行ったきり俺のこと避けるし。
こらもー俺のせいだって……パシャのこと傷つけたって、思うだろ」
二人とも悩みつつ、その目指すところが違っていたようだった。
パシャが自分自身に落ち込んでいた間に、偶然キオが主人のことを不謹慎な冗談の種にしたということ。
さすがにその本人としては笑えない冗談だったが……彼の悔いるような様子は本気だった。
「そう……」
「博打で儲けた分で機嫌取りに贈り物とか、よ。それにいきなり装身具押し付けるのも迷惑かなーとか……
悪いとは思ってンだが、どーにもこの砦だけじゃ他に何もできそーになかったからな」
――許してくれないか。
その言葉で謝罪を締めたキオは、様子を窺うようにパシャを見つめていた。
そのヒトの顔は凹凸に合わせて月光が影を作っている。
彼からみる彼女の顔もまた、淡い光が照らしているだろう。
パシャも本当のことを言うことにした。
「ん、許すも許さないも、ない。私が避けてたのは自分がダメな主人だと思ったから。
保護者気分でキオのこと信じてなかった……自分が、恥ずかしかった。
私も一緒に遅く泳げば……キオがからかわれないだろうと思った」
あの時は勘違いをしていた。
キオのことを大事に思っていてもその実、価値観を押し付けていただけなような気がする。
心のどこかで所有意識があったのかもしれない。
彼だって意思を持つヒトだ。
道化のように笑われて、それが癪に障ったならばきちんと文句を言える…それだけの強い意志が彼にはある。
カニチュらしく甘んじているのは度を過ぎていないからだ。
46 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:42:14 ID:BlhoqpGu
キオが部屋に侵入してくるまでパシャは夜空の双月を見上げ、
強くもない酒を嗜みながら星々の輝きを拾っていた。
――身を捻ってしまうようなもどかしさはどこから来るのだろうか。
――どこまでもこだわってしまうのは、なぜだろうか。
身体を動かすときとは別の疲れがパシャの頭を悩ませた。
「キオはヒトだ」
幸運な事に、酒精は彼女の心を幾分軽くしていた。
キオであることと、ヒトであることを分けて考えていたから迷った。
キオはヒトで……異世界の住人であることが彼の一部分。
そう自覚すれば答えはひどく簡単だった。
「けれども私はキオがいなければ生きていない。
命の救い主にヒトも従者も関係ない。だから、大切なキオが侮られるのは耐えられない」
誰が何と言おうと彼はパシャにとっての勇者だ。
―― もう、大丈夫だ ――
キオの言葉は夢にまで見て色褪せない。おそらく、これからも。
あの銀色の手は離したくない。もう、離せない。
「それは……私がキオを好きだから」
素直な感情に偽りはない。
首を伸ばすと、パシャは従者の口元へとそっと一度だけ触れ合わせた。
唇を突然塞がれたというのに、キオは自分の頭の中を整理するので手一杯なようだった。
「……怒ってねーの?」
「ない。そもそも私の胸がどうとか聞いてなかった」
パシャの見つめる中、軽く握られた拳がキオの口元を覆う。
彼は考え込むときはいつもこのような仕草をとる。
「さて、と」
キオはそのうちに状況を把握し終わり、パシャの突然な唇付けに思い至るだろう。
今さらだがそれが少し照れくさくなる。
キオが持ってきてくれた料理に覆いをかけて立ち上がろうとする。
「私はもう寝る。だからキオも部屋へ帰って」
想いに気付き、伝えられたことにパシャは満ち足りた気分だった。
また明日から迷いなくいつも通りにキオと顔を合わせられるだろうということが、嬉しかった。
しかし、意外な衝撃にパシャは悲鳴を挙げざるをえなかった。
「――んにっ!」
遠慮なく思い切り握りこまれ、山吹色の尾は驚きに撥ねる。
武器を扱う三本目の腕として鍛えてはいるが末端部分はかなり敏感だ。
不意をつかれれば当然飛び上がってしまう。
「キオ!」
犯人は一人しかいないわけで、パシャは急いで振り返ろうとする。
「あっ……」
悪戯な酒精の小人たちは思ったより数を増やしていた。今度は手を引かれて呆気なく身体の平衡を崩す。
再び腰を落としたパシャは壁に背中を預け――その温かい壁は座り込んだままだった従者の胸板。
「いや、あれだけしといて…部屋へ帰って…はひどくねーか?」
「んっ」
首筋にキオの吐息がかかり、パシャもこらえきれない吐息を洩らした。
低く響く声が戒めのように全身を強張らせた。
47 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:43:31 ID:BlhoqpGu
「それにさ、この銀飾りも放っておいてさー?」
「ん……キオは謝る必要がない。私は怒ってないから」
「はあ……これ、一応パシャの為ってことで作ってもらったんだけどよ。受け取ってくれねーと俺が空しい」
握られたままの手の平に、黒い小箱が収められた。
そしてびしりと固まったパシャの腕が箱を開く方向に力が入るまで、キオの手はパシャのそれを覆い続けた。
「これ。どこに付けたらいい?」
それは銀色の贈り物を受け取った答え。
羽ばたく鳥型の飾りを支える鎖はとてもなめらかで、手の平から流れ落ちてしまうようだった。
「首ンとこだ。ちょい貸してみ」
首の周りを、窮屈でない程度にくるりと鎖が光る。
キオの指がまた首筋をかすめパシャはぴくりと肩を揺らした。
「似合ってる」
「……あ、ありがとう」
パシャは喉元やや下にある翼の感触を指でなぞった。
涼やかな音を立てる鎖とは反対に、それはキオの体温を丹念に吸っていて温かかった。
そして、散々銀の飾りを弄くりまわした末にパシャはどうにか呟く。
「そろそろ、どいてもいい? 私、重い……から」
二人とも身体を寄せ合ったまま沈黙を保ち、体温を共有し続けていた。
「へへっ」
「何かおかしい?」
「ああ、どきたかったら好きにすれば?」
主従の左手は指を互い違いに絡ませ合っている。
外側からパシャの手を包むキオの力は強くなく、
強くあってもジャガー族であるパシャが振り解けないことはないはずだ。
さらに抱き留められているというわけでもなく、ただ背中と胸を触れ合わせているだけ。
「う……」
それなのに、パシャの身体は動きたがらなかった。
力を入れようとしても途中で芯が入ったように固まってしまう。
「本音の部分では動きたくねーってことだろ」
「んっと、こういうの、初めてではないけど」
この麻痺してしまったような感覚を、パシャは知らなかった。
「男とくっつくのが?」
「ん」
パシャの黄黒二色の髪が前に振れる。
「……ま、それは置いといて、だ。ようやく実感できた。いやー、嬉しいね」
キオは言葉通り何か嬉しそうだ。
そのしみじみとした口調は、言外にも溢れるような嬉しさを一層強調していた。
「何が?」
「何がって。パシャが俺から離れたくねーってのが実感できて、嬉しいってことさ。
いきなりキスされたら混乱するだろーが、コラ」
キス――口付け、唇を触れ合わせること。ここ数ヶ月で加速度的に流行している言葉だった。
パシャの友人の一人である輸送科の娘が時折本国から持ってくる情報誌を見せてもらったことがある。
「すまない。私がしたかっただけ」
「……は?」
「キオのことを好きだとついさっき気付いたら、自然としてた。迷惑だったら謝る。取り消せないけど、謝る」
とん、という重みがパシャの肩に加わった。ごつごつした感触はキオの顎の骨だろう。
そしてその先から大げさなため息というか、熱い料理を冷ます時のような風が吹いた。
48 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:45:00 ID:BlhoqpGu
「どこをどーしたら、そんな風に思うわけさ?
俺が何とも思っちゃいねーヤツに首飾りをやるとか思ってんのか?」
「キオは給金が少ない。そしてここは砦……キオもさっき、できることは限られるって自分で言った」
「そーじゃねーって。男と付き合ったことあんだろ? 察してくれ……」
「最長記録が十日。経験自体は少ない」
思い出したくはない記憶だが、キオの言いたいことが分からないのなら仕方がない。
白状して彼の助言を待つ……と、脱力したような重みがパシャの肩に乗せられた。
「キオ、重い」
「あ、悪い。しかし困ったな」
すぐにその重さはどけられた。
パシャがその元を目で追うとキオは軽く握った右手を口元に添え、眉を寄せながら考える素振りを見せていた。
「いいか。ちゃんと言うぞ、パシャ」
「ん」
キオはゆっくりと諭すように言う。
「パシャは俺のことを好きだって言ってくれた。
……な? 気にかけるくらいのいい女に言われたら、男は嬉しくなる。応えたくなる」
そして自由な右手をパシャのうなじになぞらせた。
「キ、オ?」
そのまま頤に指をかけ、パシャはキオの方を向かされる。
「パシャがキスしたくなったのと同じだ」
「待って。別に私は――」
パシャは最後まで言うことができなかった。
一方的に受けた軽い挨拶に応えるように、ただパシャのように一度だけではなく、唇へ二度、三度と。
「別に――何だって? まさかするのは良くて、されるのが嫌とか言わねーよな?」
「あ、ぅ」
さらにそれは頬だったり、額だったり、耳元の髪の毛だったり。
ゆっくり、ゆっくりとキオは唇と吐息を押し当てていく。
「ち、違…く」
「そんな顔で言われても説得力ねーよ……」
実際、キオの柔らかく触診するようなキスはパシャの固い表情をくすぐったそうに崩していた。
彼の言う「そんな顔」は実に自分らしくない顔のことだろう、そうパシャは思った。
抵抗したがる理性とは逆に、身体には力が入っていかない。
「ほー……パシャ、尻尾も嬉しそうなんだけどさ?」
それどころかパシャの知らない所で身体が信号を送り始める。
喜びに震える尾の先を抑えても、温かい感触が降るたびに枷は解かれる。
「言わない、で……」
キオの右手が肩から身体に沿って降りていく。そして腰を抱きとめるようにするすると這う。
その指先が服の上から「それ」に触れた途端、パシャの身体に悪寒が伝った。
「緊張してんのか?」
「そうではなくて」
吐息が肩までの髪を揺らし、喉元をくすぐるが――切なさとは逆に焦りを生む。
「安心しろって……こーしてるだけだから、さ」
「キオ! 待って!」
彼の声はこれまでで一番優しげで、本当にそうしてくれるだろうと信じられる。
しかし、パシャにはパシャの問題がある。「それ」を知って、もし態度が裏返りでもしたら――いや、きっと。
「どした?」
腰に回した右手をパシャに力強く捕まれたキオは素直に動きを止める。
49 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:46:30 ID:BlhoqpGu
「キオ。部屋、帰って」
「……」
「この首飾りは大事にする。嬉しいのは本当。
でも、戻ろう? 無理に応えなくていい、から。主人と従者、いつも通りに戻ろう?」
「……やーだね」
口調は優しげなままだったが、はっきりとした拒絶だった。
「やめて欲しいならその……悲しげな顔と声、何とかしてみ?」
「キオ、帰って。これは命令」
「29点。合格には程遠いな。赤線引いてやる」
それきり主従二人は口を噤む。パシャが話さなければキオもまた、口を開くことはない。
パシャは押し出されるように息を吐いた。
「怖い、から」
月光に浮かび上がる彼の顔を見れば、キオは既に視線を彼女に送ったままだった。
パシャの腰を緩くぽんぽんと叩いて先を促してくる。
「私には……ひどい傷が残ってる、から……っ。キオだって、見たらきっと…。嫌な気持ちになる。
だから応えてくれなくていい。どうせ、ムダ」
その黒々としたヒトの瞳を見続けていられそうにもなかった。
微笑むというわけではないが、目の色が優しい。優しすぎて、怖い。
見ているとパシャの中で何かが揺らいでしまいそうだった。
すると、ふわりとした感触がパシャの頭を抱き寄せた。
キオの右手はそのまま幼子を宥めるように毛髪を撫でさする。
「キオ?」
「ああ……なんでかよ、こーしたくなった。これも、嫌か?」
「……」
パシャに答えられるはずがなかった。意思を正確に紡ぐには語彙が不足しすぎていた。
もし不完全なまま口に出したとしても、キオはきっと自分勝手にいいように解釈するはずだ。
……それが嬉しいのか、悔しいのか、パシャには分からなかった。
「なんとなーくだがな、分かってきたぜ」
撫で終わった後も依然としてキオの右手はパシャの頭を軽く覆い続けた。
「それなら」
「黙って聞けって。なぁ、パシャ、『手中の賽は永遠に零【マナ】』……偽善だと思うか?」
「決まってる。分かって、る……変わら……ない」
この時はじめてパシャの心の天秤は大きく一方に傾いだ。
キオの言うところは、これまでに覚えた感情を再び体験させるということ。
身勝手な好奇心と安請け合いはいくらキオでも頷けなかった。
「昔を思い出したんなら、すまね。けどよ、そいつにできなくて、俺にならできることがある」
彼は続ける。相変わらずゆっくり、噛んで含めるように。
けれどもその落ち着きが逆にパシャの心をささくれ立てた。
「何……何、がっ!?」
パシャはとても止められそうになかった。
――キオの声の調子から少しだけ顔を覗かせる自信のようなものに対して。
――いつまでたってもキオを振り解けない自分自身の情けなさに対して。
「惨たらしい血と肉に親しんだ戦士でさえ顔を背けたのに、
平和に浸ってきたキオが……ヒトがどんな顔をして、そんなこと言えるの?
それともヒトは気持ち悪いものを見ながらでも女を抱けるような異常者ばかり?」
パシャが戦場以外で長々と口調を激しくするのは、記憶にないぐらい久しいものだった。
激しさがさらなる昂ぶりを呼ぶ。
50 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:48:46 ID:BlhoqpGu
「……別に異常者でも構わねーよ。パシャが望むなら、な」
「そんなこと、望まない」
――孤児が手っ取り早く職につくには戦士になるのが一番だった。
軍養成所に引き取られ得物の扱いを学び、芋蒸かしの仕事も兼ねながらどうにか食い繋ぐ日々。
眠りに付くたびに恐怖に魘され、虚ろな目を光らせる日々。
そんな日々のさなかで士官候補生たちが話す色事をパシャは聞きつけた。
「天にも昇る気持ちになれること」「男は女が脱げばその気になること」
何より「朝までぐっすり眠れること」という言葉がパシャを惹きつけた。
「なら、俺に何して欲しい」
「だから何度も言ってる。無理に応えなくていいから、帰って」
――既にサナンパを終えていたパシャの身体つきは大人の女性と比べても遜色がないほど美しく育っていた。
名も知らない候補生の一人を初めての相手に選ぶと、その男は簡単にパシャの誘いにのった。
しかし、誘いはしたものの結果は散々だった。
男の受け入れを果たしたところまでは良かったが、
胸を直に触ろうと上衣をたくし上げた男は顔をしかめ、すぐさま元に戻した。
その後、彼は単調に腰を振りどうにか達すると身繕いをして去った。
下腹部に浴びせられた精液は時とともに冷え、乾き……パシャは失敗したことを悟った。
それ以降も、経験が足りなかったからだろうと無理やり自分を納得させ、
「朝までぐっすり眠れる」ほどの相手を探した。
……しかしパシャの目に適う者はどこにもおらず、最後まで抱きとおす者でさえ片手に満たなかった。
もっとも行為を完遂したものでさえ三日で彼女を避け始め、一週間も経つと声すらかけてこなかったが。
このような色事の相手選びは、
パシャの火傷に関する噂を興味半分に広げようとした男を医療所送りにしたのを契機に収まった。
「そうやっていつまでも、悲劇の主人公やってるつもりか」
「違う。私は……私はっ」
――ありていに言うとパシャは怖い。好意を寄せるのは本能でも、釣られた男が怯むのを幾度となく見た。
自分の裸身はどうにも男を「萎えさせる」のだそうだ。
その気持ちを……パシャが分からないはずもない。
本人でさえ、ごく稀にどうしようもなく哀しい衝動に襲われてしまうのだから。
「そこで止まるなら認めるってことだろ、結局。「私は」何だよ」
「私は……寂しくなんて、ない。勝手に想うだけで…それだけでっ」
――最後まで自覚することなかったが、パシャは寂しかった。
本音の部分では寂寥の思いを満たしたかった。満たして欲しかった。声無く叫び、助けて欲しかった。
「だから俺も応えたいって言ってるだろ」
「ああ、もうっ。話題の繰り返しはやめて。ムダだし、ダメ」
「そっちこそ独りで決め付けんなよう」
「くっ! かわいく言っても似合わないだけ」
「ひどいなー。しかしどした、今日は。えらくぺらぺらと話すな?」
「……っ!」
「そこでダンマリか。そんじゃ俺だけでしゃべるかんな。いやー、今日は嬉しいことだらけだったなー。
怒ってないって分かったし、パシャが俺のために一緒に遅く泳ぐつもりだったとか」
パシャがぐっとこらえるのを傍目にキオは舌を泳がせ続ける。
「俺のこと大切だって言ってくれたり、首飾りを嬉しいって言って――」
「――キオの」
それ以上キオの一人舞台を展開させるわけにはいかなかった。
51 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:50:22 ID:BlhoqpGu
自らの言動を逐一報告されるのはひどく恥ずかしすぎた。
「分からず屋っ!」
パシャの腕はようやくにしてキオの抱擁を振り解く。抵抗らしい抵抗はない。
彼の手はいつの間にかただ優しく添えられていただけなことに、パシャは掴みかかりながら思い至った。
それは既視感を伴う体勢だった。"約束"を交わした、あの日。パシャとキオが主従になったその日。
気紛れを起こせば触れ合ってしまいそうなほど近距離で、パシャはキオを床に組み敷いている。
いや……既に触れ合ってしまってはいるのだが。けれども近くて、遠い。
「しつこい男は、嫌われる」
高揚した感情はパシャの息を僅かに荒げさせたままだ。
「男と十日もたなかったパシャがそれを言うのかよ」
「……っ」
「あ、そーかそーか。俺は男じゃねーか、雄か」
「違う。そういう意味と、違う」
この体勢ではあまりにも自然にキオと目が合う。
思うところをぶつけ合う隙間に、視線を外すことはできなかった。
だからパシャにはありありと理解できてしまう。
言葉の応酬の裏側でキオの瞳の色が優しいままだということが。彼には、とても敵わなそうだということが。
それでも主人が従者との戦いに降参するわけにはいかなかった。
「本当にお願い、キオ」
ただ戦場は違えども、ヒトの従者と言えども、彼も戦士だった。
「おいおい、主人が物を頼むのかよ。「お願い」って、さ」
「……命令したって全然聞かないくせに」
そして、駆け引きでは及ぶべくもなかった。
「まあな。主人の本心からの命令にだけ……従者は忠誠ってヤツを示せばいい」
「それ……は」
「俺にだけできる特権ってこと。他の男にはできないこと。さっき言ったろ?」
ぼかしたような言い方には不慣れなパシャでも、時間をかければゆっくりと理解していく。
「ほら、命令してみろって……な?」
確かにパシャは主人で、従者のキオに命令できる立場ではある。
「本当にパシャがさせたいと思う命令」
「本当に」の部分を特に強調してそう言った。
組み敷くキオの体は以前にも増して鍛えられてはいるが、あの時のように強張ってはいない。
あの時と、今この時と、確実に二人を通ったもの。
「キオは……わがまま……わがままに過ぎる」
パシャはどうにか、その言葉を絞り出すのが精一杯だった。
「わがまま結構、ご主人サマ。真の命令を理解できるのが、デキる従者だよ」
時間をおけばおくほど彼の考えていることが分かってくる。
彼の頭の中ではある一つのことがもう既に決定されている。
それを達成するためには、どこまでも我を通すつもりだ。
……パシャの命令に偉そうに落第点をつけたのは、それが彼女の本意と真逆と感じ取ったから。
「想像できない。今のまま……優しいままのキオを想像できない」
それでもパシャは頑なだった。
その様を思い浮かべようとしても直前で白い靄がかかる。パシャの思考は先に進むことをどうしても拒む。
52 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:52:25 ID:BlhoqpGu
「その……ありえないと思う未来は、俺が、作る。他の誰でもない。
パシャが退くなら追う。たとえ一歩俺が怯んだとしても、次に二歩進む」
――追う。
「何度だって言うぞ。これは俺たちにしかできない……俺に、命じろ」
――だから命じろ、と。
その時パシャの心に生まれたものが何かが分からない。色も形も匂いすら分からない、ただ温かかった。
けれども傾きかけていた天秤が反対のほうに手を下げて行く。
「……もう」
これまでの葛藤が嘘のように、
「仕方がないなあ、キオは」
パシャの口をついて出た。
本人でさえ耳を疑うような声音はずっと頼りないもので、それはキオを明らかに狼狽させた。
「ンな顔されたら、調子狂う」
「キオがこうさせた」
彼は嫌がっているわけではない。その証拠にさまよう瞳はちらちらと正面に焦点をかすめる。
「自分でもびっくり……私でも……こんなに笑え、てる?」
キオの見上げるパシャの笑顔は正直、五分咲きというところだった。
それでも普段の開き始めた花びらのようなそれとは比べ物にならなかった。
平たく言えば、引きずり出したパシャの笑顔に目が合わせられない。
「まだやること残ってンだろ」
落ち着かないようで「あー」「うー」と濁していたが、彼は最終的に主人へと押し付けた。
「ん」
一足飛びに進展してしまった状況に関わらずキオはこだわる。
大雑把に見えて実は細かい。また新たな一面を発見することができたことに、パシャは素直に喜んだ。
「キオ、照れてる」
「……言うなっ」
顔を背けたキオの首筋がパシャの目下に露になるが、即座に沸き起こった感情をどうにか抑えこみ、
律儀な従者の考えに女主人は付き合うことにした。
パシャは口で言うほど「仕方がない」とは思っていない。
そして怖いと思う気持ちが完全になくなったわけでも、ない。
「私はキオが好き」
「おう」
しかし、今まさに自分の顔が笑みに綻んでいるその事実が何よりも確かだと信じたかった。
信じてみたいという気持ちになれた。
密着した間合いを嫌ったパシャに、頭を下げ体をねじこんだキオ。
その手段は強引とでも言えるものだ。しかしだからこそ、その強引さがパシャには頼れるものとして感じた。
……それはきっと、彼が真剣に向き合ってくれた証拠だから。
「だから、応えてくれると――ううん、違う」
苦し紛れの牽制を振り払ってくれたキオに対して今度はパシャ自身の番だった。
抱きしめるために、三本もの白銀は必要ない。二本の腕と一本の尾があれば充分だ。
「応えなさい、キオ」
初めてする口調に、やはりパシャは慣れない。語調がぎこちなく崩れた。
しかしそれは大したことではないと二人とも分かっている。
「私を受け入れ、なさい。……私を、抱きなさい」
「……仰せのままに……」
間髪入れず、二種類のくすくすといった笑いが静謐を満たした。
53 :
ピューマ担当:2006/01/17(火) 23:54:44 ID:BlhoqpGu
はい、今日は以上になります。パシャ編は今週中には一区切りつけるつもりです。
この後にはもう一人のご主人様が控えていますので。
それでは、ありがとうございました。
ピューマ氏超GJ!
こんな主従待ってた(*´д`)
ああ、もう……GJ!
弟ってやっぱりあれだよなぁ…。
予想外の繋がりに正直噴いた。
続きを正座でお待ちしてます。
なにこのラブラブ主従
続きを期待します!
58 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:15:01 ID:hVp+0WuU
あろうことか前回はお礼を言い損ねました。申し訳ないです。
読んでくれて、しかも相変わらずエロ割合少ないのに感想まで…ありがとうございます。大感謝です。
…えっとまあ、兄弟の設定の方は…豪勢に猫系動物三つも使ってますし。
他の国と混じりにくい自作の辺境設定によって首しめた結果の一人芝居ですが。
(あ、別に使って欲しいとか使って欲しくないとかそういうんではなくてですね。もっとこう、何て言うかな! 作者さんが面白く書けたらそれでいいよね!)
三兄弟とその周辺人物がどう関係していくかは作品でお答えしていきたいです。がんばります。幸せな結末とか好きです。猫耳スレ大好きです。
んでは、『夜明けのジャガー』続きになります。
59 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:15:45 ID:hVp+0WuU
§ § §
逃げる一方が足を止めれば、そうなることは道理だった。
どちらが先に唇を突き出したのかは分からない。
しかし自然と顔を傾け、慣れ親しんだかのようにすんなりと触れ合わせる。
ついばむうちにどちらの腕も力がこもり、固く絡め取る。
「んく、ちゅ……ふぁ」
仰向けの体勢のキオが強く抱え込み、パシャは軽く声を上げた。
豊かな胸がたわみ、そのまま夜着にしてもいいような目の粗い衣服との間隙に肌が擦れる。
特に何ともないような感触だったが、上がった声は彼を高ぶらせるのに充分だった。
「ん、んっ……んむうぅっ」
舌がパシャの口内に踏み入り、うねり始めた。しかし吸いたてる間もなく、彼女は唇を離した。
「ふはっ」
「……む、深いのは嫌いか?」
「や……それは慣れてないから。びっくりした」
パシャが体験した男たちは求められて肉欲につられ、応じただけだ。
想いの深さを確かめ合うようなその行為をしたことがなかった。
「嫌いでは、ない」
「そんじゃ好きになりな。俺はこれが好きだ」
「ん。努力する」
今度はパシャの方から唇を寄せ、おずおずと舌を突き出す。
つるつるとしたキオの歯列をなめとりつつ、ありったけの想いを伝える。
「ん……く、ん……」
キオは不器用に舌先を動かす彼女に合わせつつ、背中から指を這い上がらせた。
それが黄黒二色に髪の下に潜り込み、うなじをかり、と爪で軽く掻いたその時、
「やんっ!」
甘辛い刺激に、パシャは口付けを離し首をびくりとすくませた。
「お、敏感だなー」
「首はどこを触れられてもダメ」
言われないでも彼には既に分かっていたことだった。
ハチドリの首飾りをつけてやった時にも、パシャは触れるだけの刺激にかすかな反応を示していた。
キオの手はさらに彼女の首筋を撫でるように、ぞくぞくと震え上がらせた。
「深いヤツはあとでいくらでも教えてやるよ」
「え?」
「首が、いいんだろ?」
楽しげなキオは頭を巡らせ、パシャの首の右側に吸いついた。
「あっん! や、はぁ!」
声を抑える準備が全くできていなかったパシャは高く喘いだ。
「ん……んむ、じゅっ」
「あっ! ……キオ、キオっ……」
血管の浮き出た脂肪の薄いところを甘くかまれ、尖った顎骨の付け根を吸われる度に、
山吹色の尾がうねうねと飛び上がる。身体自体もじっとしていられなくて、ぴくぴくと揺れる。
キオはそれを逃がさず、首を伸ばしてしつこく密着した。
「キオぉ……っ」
ジャガー族とヒトとの力の差は歴然としてあるのに、パシャの手はキオの愛撫を止められない。
彼の黒髪をせわしくまさぐることしかできていない。
60 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:16:40 ID:hVp+0WuU
「あー……耳はここじゃねーンだったな」
「……ぅ? ……ん、そう」
彼はなんとなく残念そうだ。顔の横、頬の後ろ側へ熱い息が吹きかかった。
「キオのは本当に変な耳」
パシャは視界の端で白く月光を跳ね返す、ヒトの耳へそれとなく指を移動させた。
「変とか、ぅぁ……ちょっ……と」
これは彼女にとって少し意外だった。
「ふうん。キオは耳がいい?」
「ちっと、な?」
軟骨のような骨組みの隙間に指を捻りこむと、キオは目を閉じ気味にぴくりと反応する。
鼻にかかるというより喉の奥から響くような声はパシャの記憶にはない。
それが彼の気持ちよさそうな時のそれだと理解し、
「なんだか、嬉しい」
その色っぽさにパシャの顔は自然とさらに弛んだ。
剣胼胝にかさついた指でなぞれば、耳の下方にぶら下がる、ふにふにとした厚みのある触感が快い。
「わ、あ……これすごい」
「それは耳たぶ、だな。それにしてもすげー意外……今さらだがパシャたちには耳たぶねーんだ」
こちらの部位は感度がそれほどではないらしかった。彼の口調は元に戻ってしまう。
しかしそれを残念に思う間もなくさらに片方の肘もつき、両手でヒトの二つの耳たぶを触り続ける。
「これまでの触り心地の良いもの一番を更新しそう」
二つに折り曲げても、軽く押しつぶしてもそれは元の形にたやすく戻った。
いくら触れても飽きることがないように彼女には思えた。
「何だよソレ……でも、俺にはこっちの方が触り心地いいぜ」
「あ! ……んっ。もう……」
密着したせいで見えないのをいいことに、彼はパシャの胸を軽くつついた。
それだけならまだしも正確無比な一撃は彼女の胸の先をとらえてもいた。
「あ、ちょっと……キオっ」
さらに指と指の間に素早くそれを挟み込み、くにくにと軽く擦り立てる。
「だんだん固くなってくのがいいなー」
「ふぅっ……ん」
衣服ごしのかすかな刺激だがパシャの意識に快い囁きをもたらす。
既にキオの耳たぶを弄る手つきは止まり、彼の動きに集中し始めている。
「パシャもそう思うだろー?」
そこは恋しい男と触れ合っているという事実によって準備ができていたわけで、言うとおりに熱を持ち始める。
キオの指に転がされているからこそパシャにはありありと実感できてしまった。
「そ、そう……?」
気を抜けば落ちてしまいそうな上体を支え、手を握りこんでこそばゆいような快感に耐える。
「なんつーのかな、育てて行く感じがまたいいんだよ。……オヤジくせーとか言うなよ?」
気持ちよさそうに目を細めたパシャが嬌声を我慢しているのを、キオは悟りながら手を止めない。
「……」
そして焦らすように指の動きをゆっくりとしたものに変えると、
閉じ気味だったパシャの藍色の瞳が開き、酒精によってではないもう一つの潤みをたたえていた。
「……キオ」
拘束を緩めてもパシャは逃げようとはしない。キオは期待するような瞳の煌きを感じながら、
「……ここで、見てるからな」
敢えて彼女の逃げ道を遮った。
このまま流れ込んでもお互いに気持ちよくはなれるだろうが、
一つ、二人だけの儀式をこなせばもっともっとお互いを強く感じられるはずだった。
パシャは深く息を吸い、深く息を吐いた。
仰向けに寝転んだままのキオの上にリャマ乗りの格好で軽く腰掛けている。
体重が直接かかってしまうこの体勢は彼女にとって居心地の良いものではなかったが、彼は譲らなかった。
61 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:17:42 ID:hVp+0WuU
その頑なな物言いと動くに動けないその姿勢は、
(ありがとう、キオ)
後ろに川を背負うような真摯さでもってパシャを勇気づけていた。
「……はあ」
もう一度深呼吸をした。上衣の裾を握りこんだ彼女の手に、キオの手が下から添えられた。
「俺ら兄弟は」
彼の体温を感じて初めて、パシャは自らの指先が冷たくなっていることに気付いた。
「それぞれ母親は違えけど共通の母親代わりの人がいた。その人はな、よくこーして手、握るんだよ。
不安てヤツには一番の特効薬らしい」
逆にキオの手はとても温かかった。
「その人ヨシノさんと……ユキ兄と、イチカと四人で……ホント、小さいときのことだがな」
そしてパシャを包み込む。彼でさえ不安はあるだろうに、あくまでパシャを気遣う。
「ん。落ち着いて、きた」
体温とともに、安らかな気持ちもいっしょに流れ込んでくるような感覚を覚える。
心強い後押しをされたパシャはもらったばかりのハチドリの飾りを気遣いながら、
ゆっくりと上衣を脱ぎ捨てた。
パシャは乱れた髪を頭を振って軽く整える。同時に頭の中に浮かぶ過去の光景と白い靄もどうにか振り切る。
閉じたがる瞼を全力で押し開くと、眼下のキオへと視線を移した。
すると彼の表情は――眉間に縦の皺を寄せ、何か不満そうだった。
「……お前ってヤツは」
「あ痛っ!」
そして勢いよく上体を起こしたかと思うと、あろうことかパシャの額を指で強く弾いた。
その選択肢にすらありえないようなキオの行動に、パシャの藍味がかった瞳は挙動不審に舞った。
「パシャ。医者に診せたので一番最近なのはいつだ?」
キオはさらに詰め寄るように言い放った。
実際顔の距離を詰め、思わず退いてしまったパシャを両腕で軽く抱えていた。
パシャもキオの両肩を咄嗟に掴み、自分の身体を支えている。
「え……ない、けど。怪我は自分で診る」
火傷を負った際の治療の後は医者にかかったことがない。
病らしいものとは縁が無かったし、衛生兵の世話になるほどの重傷を負ったこともない。
「そーいうことか。どんだけひどいかと心配しすぎたぐらいだ」
「え? え?」
この世界に落ちて一年と経っていないとは言え、キオは日々を医療という勉学にあてていた。
名医と呼んでも差し支えないほどのチタラの指導のもと、
彼はキンサンティンスーユの医学を驚くべき速さで学習していた。
「パシャ。これ――治るぞ?」
「……なお、る?」
表意文字の一種であるトカプが読めるようになると、手当たり次第にチタラの蔵書を読み耽った。
そこには彼のこのような発言を裏付ける植皮技術、整形技術もまた記されていた。
「小さいとき、一生このままだって……」
「だぁから! パシャがでっかくなったように、医療だって進歩すンだってば!
昔はダメでも、今ならできンの!」
損傷した皮膚組織を削り、
その上に自己移植すれば完全には消えないでもそれほど目立たなくすることが可能だった。
「高等技術だからオセロトゥスーユの総本山でなきゃ無理だが……よし、決めた。
休暇が取れたら"約束"の前に真っ先にコイツ治すぞ」
パシャは茫然と息を細くし、二の句が告げない。
「確かに……ひどい傷だが、俺も火事場でいろいろ見てきてるし。
それに、俺は『若先生』チタラの優秀な生徒でもあるんだぜ?」
言外に彼は「信じろ」と、苦笑しながら告げている。
しかしパシャにとっては信じるも、信じないも、今このときは頭からなかった。
何年も長い間悩み続けてきたことを一蹴された衝撃で、何もできていない。
仮に今パシャの頭を左右に振ったなら、
左耳からは「嘘に違いない」右耳からは「いや、現実だ」と書かれた旗が交互に出てくることだろう。
62 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:18:22 ID:hVp+0WuU
「治る?」
パシャはその言葉の意味を知らないかのように繰り返した。
「そうだ。治る」
キオもまた、教え諭すように言い含めた。
「……あ、あは、は。キオ、どうしよう……何か」
「おう、どした」
「あふれそう。苦しくて……切ないよ……」
「へへっ。そーか苦しいか。でも、イヤじゃねーよな?」
対して、パシャの締め付けられるような心の苦しみは素直に首を縦に降らせていた。
そして固めな表情筋は笑んだ形のまま戻ることを忘れてしまったかのようだ。
「うん。それがいいな。パシャはそーやっていっつも笑ってればいい」
「それは、無理。いつもの私は無感動な女」
悪夢を見る毎に恐怖以外の感情も磨り減っていったように思う。
「キオがいないと、キオがいてくれるから――っん、んん!」
突然キオは抱きしめる力を強め、パシャの深い胸の谷間へと顔を埋めた。
その中央を強く口で吸われる感覚に、抑えた悲鳴を洩らす彼女を余所に、
「いや、心のこもったいい言葉だ。我慢できなくなる」
熱い言葉と吐息を吹きかけた。
一方のパシャは心の臓まで吸い取られそうなほどの衝撃を味わわされ、鼓動をさらに速くする。
波打つ血の管に急きたてられるように再びキオの黒髪の中に指をからませた。
「ん、我慢しなくてもいい。私もそうしたい」
「……それ、わかってやってるなら大したモンだけどよ。パシャだからな……」
キオのその物言いは何か不当に主人を評価しているようだ。
けれどもパシャ自身も、ただでさえ溢れ出す想いをこれ以上とどめておくのは無理だった。
――彼に組み敷かれたい、彼の重みを感じたい。
――彼の匂いを嗅ぎ回りながら抱きしめられたい、抱きしめたい。
――冷静さや余裕を投げうった彼の高ぶった本性を聞きたい。
その率直な想いは、部屋の隅でじっと見守っていた一つの寝台に熱をもった視線を移していた。
そして釣られるように、キオの視線もまたそこに。
月夜神ママキヤと雨降神ショロトルの輝きは静かな赤い夜空に愛を語り合ったままだ。
しかし少し傾いてもいて、窓から入り込む光の範囲は同じように少し移動しながら形を変えている。
その薄暗闇の向こうには人影がぼんやりと浮かび上がる。
褐色の肌のパシャを、白い肌のキオが膝立ちながら見下ろしていた。
「じゃ、本格的に行きマスかね」
彼女の見上げる薄闇の視界で白い輪郭をしたキオがにやりとしながら、指をポキポキと鳴らしている。
さらに屹立し、反り返る男性自身も惜しげなく晒したままだ。
「遠慮はいらないから」
そう呟きながらパシャは照れくさい。両肩を抱くように腕を交差させている。
ともすれば身体を斜めに走る火傷を隠したくなるが、彼の楽しげな気配を感じるたびに気が紛れた。
「さて、どーして欲しい?」
「……キオの好きにでいい」
「まあな。探りながらも嫌いじゃねーが今日はパシャの好きなよーにしてやるよ。
ほら、何だ。色々とあるだろ?」
「ん……」
パシャはしばし思案した。彼の言うことは正直よく分からなかった。
「パシャは口下手の部類に入るかもだが、その分素直サンだからなー。して欲しいこと言ってみ?」
(そういうこと、なら……)
彼女はようやく腑に落ちるとこく、と頷いた。
そして枕元の小さな木棚から二つの小さな物体を取り出した。
63 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:19:05 ID:hVp+0WuU
「うはぁ……ナニソレ」
「これは――」
そしてパシャはキオに説明し始めた。
彼女の取り出したそれらは「亀卵【ミーター】」と呼ばれる道具だ。
ジャグゥスーユでの主要な産業の一つである天然ゴム産業による産物だ。
名称からも想像できるように、亀の卵のような形のゴムでできた小球はちょっとした奇跡をかけられている。
小球から伸びる細い縄の先には活性化させる装置が取り付けられていて、
活性化させるとゴム部分が小刻みに振動する仕組みだ。
表向きでは肩こりや腰痛を安らげる道具になっているが、
実際はそれ以外の成人向けの夜の営みに関する道具として用いられていることが多い。
……誤解をもつような言い方はどうしようもないが、奇跡という代物は決して特別なものではない。
日常生活を少しだけ手助けするような種類の方が圧倒的に多い。
後のキオが行使する《不屈》も、元は荒れた道をひた走る飛脚【チャスキ】の手足を保護・強化する奇跡だ。
さらに《脱水》も――いや、これは彼のもう一人の主人に関わるので、控えることにしたい。
――とにもかくにも。
「ローターかよ……」
「キオの世界にもあった?」
「おう……」
キオはやや怯んだように彼女からそれを受け取り、感触を確かめている。
「俺もまだまだだな。パシャの性格は結構分かってるつもりだったが……ちっとびっくりだ」
「ん、一番恥ずかしいの、見られたからそれほどでもない。照れくさいことに変わりない」
すると彼は「パシャ?」とからかいの色を強くしてきた。
「俺はその……一番恥ずかしいとこをどーするかって聞いたつもりなんだがな」
その締まりのない顔に、彼女はようやく思い至ってきた。
キオはパシャの傷痕を気にかけていただけだ、と。
「撫でて欲しいとか、逆に気にしないで欲しい、とかよ」
パシャはどうされたら一番気持ちよくなれるか、と聞いたわけではなかったのだ。
彼女は自身の中で、感情の水位が入れ替わるのを感じた。
「だったら、最初からっ! ……キオに言いたいことが前からあった。言いたいことははっきりと言って!」
小波のように羞恥が打ち寄せ、パシャは己を抱き寄せる力を強くした。
キオのにやけ笑いをとてもではないが直視できない。パシャは目を伏せた。
「育ちだから勘弁してくれよ。でもな……いや、すっげー興奮するぜ?」
そして白いヒトの体が質感を増して覆いかぶさって行く。
「返して。……返し、なさい」
「ダーメ。俺のスイッチが入っちまったよ」
逆手にとったはずの「命令」もキオには届かない。
二人を除き、風が森の木々を揺らすざわめきしか聞こえなかった室内に、重い羽音が唸り出した。
「キオっ! …ぁ……ね? 返して、ぇ…っ!」
キオは左肘をついて体を支え、そのまま「亀卵」でパシャの敏感な首筋を突く。
さらに反対の手も同じように小球をすべらせ始めた。
「やーなこった」
「んぁんっ…ふっ!」
彼の体はパシャのしなやかな肢体をしっかりととらえ、ぐいぐいと体重を預けて行く。
焦れったくなるほどゆっくりと足の付け根の丸みをなぞったかと思えば、
両手の平に微動を続けるゴムを握りこんだまま、パシャの張り出した胸に押し当てる。
64 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:19:45 ID:hVp+0WuU
「あ……」
振動が痕に直接触れ、パシャは思わず声を上げた。
「どーする?」
キオもその僅かに怯んだようなそれを感じ取り、癒しを望む女主人を窺う。
「触れられるならキオの手がいい……」
ゴムの質感は人間のやわらかさと似せてはあるが、道具であることに違いはない。
そして彼の体温を吸っていたとしても、本物が近くにあるのに触れられないという拷問はあんまりだった。
彼女は自分の欲求に素直に従った。
キオも分かったとばかりに首肯すると、右のゴム球を傷痕に触れない左側に移す。
「キオ……あ、あ、あっ…それ、ああっ!」
器用に指の間に挟み、パシャの右の乳首を両側から責め始めた。
固く充血したそこは薄い皮膚越しに快感を満遍なく享受する。
「う、あ、それっ…つよ、くぅぅ……」
さらに大きく円を描くように乳房全体をもみこまれ、ちかちかと煌くような痺れがパシャの中枢を侵す。
「お、キてるな」
キオの下で、若鮎のように褐色の身体をうねらせるパシャ。
彼はぼんやりとした暗がりにも目立つ赤味の強い痕にも指を這わせ始めた。
「……キオぉ、怖く、ない?」
「これからこーいうことする時には触ることにすっからな」
「これ、から?」
キオのその行為自体がパシャに対する答えだった。
彼女の過去が刻み付けられた凹凸を確かめるように撫でおろし、終端まで来れば手の平を裏返し、
爪の先で静かにくすぐる。
「気持ちいいので上書きしてやる」
「うん…うんっ!」
今度は紅色をした胸の頂を挟んだ二つの亀卵で強めに摘み、こすり合わせる。
くん、と背筋を反らせる彼女の背中に、キオは素早く右手を差し入れる。
「こいつを自分で見ても――」
どこまでも甘く痺れるような細かい振動から逃れている反対側の可憐な尖りに一度だけ軽く歯をたて、
「あ、ふぁっ!」
「――気持ちいいこと思い出せるように、な?」
キオはそのまま、複雑な紋様を描く火傷の痕にぬめった舌先を押し当てた。
舌の平でなめ上げるのではなく、
あくまで羽箒で触れるかのような彼の口付けに、パシャは切なさがこみ上げてくるのを抑えられない。
きゅう、と内側に巻き込まれるような心理的な気持ちよさに彼女の身体もその通りに動く。
両脚はいつの間にかキオの白い腰を挟み込んで離そうともしない。
「キオ…キオ……好き、大好き」
吐息の合間に、自分の拙い恋慕を受け入れてくれた男の名をうわ言のように上擦らせた。
そしてパシャが再び片方の乳首を彼の唇で甘く噛まれたときだった。
「あ、うっ……」
「熱っ。あ……」
快感にパシャが腰をくねらせるとキオの最も熱い部分が触れた。
彼も突然やわらかな肌に触れられて苦しそうに、でも気持ちよさそうに呻いた。
「すまない、私ばかり。全然気が回らなかった」
「……気にすンなって」
「でも、こんなに熱い」
そして両脚に力を入れて彼を抱き寄せ、キオのたぎった熱を探し当てる。
「ま、待てって……我慢できなくなっから」
「ここまで来てどうして我慢?」
65 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:20:48 ID:hVp+0WuU
彼はなぜか口ではそう言うものの、パシャの和やかな陰毛で男性自身をさわさわと触れられて逃げはしない。
寧ろ愛液をたたえた泉を探るように、躊躇いつつ動いている。
「だってよ。生でしたらやべーだろ」
「……ヒトとこちらの世界の住人では子供ができない」
「……聞いてねーぞ、おい……」
正確に言えば、幼い頃の大火事で彼女の子をなす機能自体損なわれているのだが、
実際そう言ってしまったらキオはひどく気にしてしまうだろう。
パシャはこれ以上彼に重荷をくくりつけたくなかった。だからそう、一般的な事を口にした。
「そう? 男仲間同士で話になってると思った」
「落ちてくる場所間違えたなーぐらいは言われた。……そー言えば、アイツら変に笑ってやがったな」
おそらく、主人が異例の二人であろうとも一方は無愛想な戦闘女、
もう一方は孤高を保つ高圧的な女性だから、こういった扱いを受けることはないと同僚に思われたのだろう。
そうパシャは思い至った。
「萎えた?」
「……小さいのが嫌いってわけじゃ。でも正直そこまで実感沸かねーしな、それに……」
「それに?」
「あ、何でも。青臭すぎて」
そして彼は苦笑した。
彼は弟に対する愛情は強かったが、こと自分に関する事柄は興味が薄いようだった。
詮索したい気持ちがパシャにないわけではなかった。しかし彼女もつい先ほど一つ隠し事をしたばかりだ。
「私は、キオがいい」
パシャは彼の黒々とした瞳を見据えて最終的な承諾の意を伝えた。
「でも別にキオを束縛したいわけでもない」
そこでなぜか、
―― もう、大丈夫だ ――
夢の中で差し伸べられる銀色の手はいつも右手だったことを思い出した。
「手を……キオの手をいつでも握れる位置に、いたい」
「この期に及んでまだそーいうこと言うのか。パシャの好きになった男はそんなモンか」
キオは朗らかに笑い、首を縦にした。
「控え目なだけだって思っとく。……ほら、力抜いてみ」
「ん」
パシャはまた素直に頷きながら、ほんの刹那、予兆めいた何かが向こう側に輝いたのを感じた。
しかしどこの向こう側なのか――その疑問は熱い粘膜同士の接触に掻き乱されて、すぐに消滅してしまった。
キオはパシャの秘裂を目一杯くつろげると一気に挿入した。
「くぁっ、ンなに…締めんな、よっ」
「知ら、ないっ……はっあ! 久しぶりすぎっ、てっ!」
お互いの腰がぶつかり合う。跳ね返ることなくぴたりと密着する。
二人とも強烈な快感に身を震わせ、詰まる息を吐き出して耐えた。
「こっちも、だ。あんまりもたねーから……」
噛み締めた歯の隙間からキオの熱気が洩れる。
肩を荒げるパシャの両側に手の平を突くとゆっくりと熱い肉を引き出す。
「こんなの…初めてっ…あ、や、やあぁっ! 嘘、ダメっ、行かないで、すごくっ、ああっ!」
キオの優しい愛撫を受けて、下腹の内が蜜に潤っていたのを彼女自身感じてはいたが、
これほどとは予想していなかった。
時々独り自室で道具を使って慰めていたのとは大幅に格が違った。
「う…やぁ、やっ、まだ行、くうっ……」
比較にならないほど愛液にほぐれたパシャの膣内は、彼の欲望に甘えるようにすり寄って離そうとしない。
66 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:21:37 ID:hVp+0WuU
結果として、これまで経験したようなちくちくと刺すような痒みではなく、
内臓全体を持って行かれそうな切ない喪失感があった。
「ああっ!」
そしてキオが限界まで引いたそれを再び押し込むと喪失感が埋められ、
閉じた膣の道を奥まで押し広げられる充足感が満ちた。
ぞくぞくと肩がせり上がるのは、絶対にパシャ自身の意思ではない。キオがそうさせている。
彼女が望んだ、恋人の重みが、匂いが、声がどこまでも彼女をくるむ。
「すご、くてっ! 好き……いい? こんなに、いい?」
「ああ、いい。パシャっ、いいからっ!」
それが許しを請うているのか、質を聞いているのか、本人たちにも分からない。
パシャがたまらず身体に力をこめる。足をからませ、腕をからませる。
すると筋肉の硬直は蜜壺へも伝わり、キオをさらに加速させてしまう。
お互いがお互いの反応を連鎖させて睦みあう二人は限界に向けてひた走る。
「はっあ、クソ……」
キオはふと、指に触れた振動する道具に気付いた。
幸運にも一度でそれを活性化させると、濃い空気のうねりに再び重い羽音が混じった。
「キオっ! それは、ああん! っ、もうっ、返し――ふぅう、う、あ、やっ」
色々と愛撫されていた時よりも大きく震える重低音を感じたパシャが止めようと顔を上げるが、
キオは膣奥に細かく先端を送り込み、快楽で反抗をねじ伏せる。
さらに平行して唇を塞ぎ、彼女の頭を寝台に押し付ける。
「ん、んんっ。んむ、む! んうぅ」
そして彼はパシャの腕を片方振り解く。ゴム製の球を彼女の恥丘へと遠慮なく押し当てた。
力加減ができないほど彼の雄性は猛っていた。
「……ふはっ。男が、先に、イクってのはっ……ダメ、だろ」
彼なりの哲学なのかもしれなかったが、パシャはまったくそれどころではない。
肉と骨を通して伝わる強震は女性気全体にあますことなく木霊して、
彼女の昂ぶった性感を直に揺さぶっていた。
「…っは、あっ! ……ふ、うぁ、キ、オぉ」
快楽に耐え切れず息を吐き出す最中に、新たな波動が打ち寄せて呼吸を一時的にせき止める。
一方のキオは一時退避を完了させ、律動を休ませていた。
「じっとしてても…すげー、な……」
限界まで膨らんだ先端の丸みだけをパシャの膣内に潜らせている。
反対の腕も彼女の拘束を逃れ、引き締まる腰を支える。
キオの眼下には背骨どころか喉首まで大きく弓なりに反らせるパシャの裸体。
その頂には盛り上げられた双乳が、ぷるぷると浮沈を繰り返し自己を主張している。
そして、しなやかな両腕はその末端で白い敷布をくしゃくしゃに握りしめている。
「これで……」
キオがふいに、パシャを淫らに舞わせている道具を一旦恥丘から離した。
「……はあ、は、ぁ……っふ…?」
パシャが快感の残滓を浮かべたままの顔を上げると、キオと視線が合った。
暗くてはっきりしないが彼の白い肌は紅色を散らし、その艶やかさにパシャはまたぶるりと肩をすくませる。
それが彼にも伝わったらしく、一瞬気持ちよさそうに眉をしかめながら、
「……一番感じるとこに当てたらどーなんだろーな?」
悪戯っ子そのままの幼い調子で言った。
「それはダメ、だから」
以前パシャも興味本位で触れたことはある。
しかし、どううまく言葉で表現しても痛いとしか表せない感覚だった。
67 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:22:34 ID:hVp+0WuU
「そーか? でも、さ」
キオはそう言うや否や上体を起こして、二人の結合部へ指を伸ばす。
「痛かったら止めるから。とりあえず指で、試し、な?」
その白い指がゆっくりと近付いて行くのを呆と見守る。
一度許せばどこまで許せるのか、それとも彼に流されるとでも言うのか――
そして気取る訳でもなく自然とキオが自分の身体に集中してくれているのが、切なさをさらに濃密に煮立てる。
触れるか触れないかの刺激は、また違った感覚をパシャにもたらす。
「ふぁ……ふ、あ…痛く、ない……はぁぁ」
「そっかそっか。ホントに素直サンだな……よーし、よし」
ひどく嬉しそうなキオの調子が加味されてまた一段上の心の温かさが生まれる。
一方的に幼子のように弄ばれてもそれが彼を楽しませるのなら、
パシャは喜んで山吹色の尾を振り立てたるだろう。
身を委ね、彼の指に淫らにss応えるパシャの視界の隅にゴム製の小球がよぎった。
「弱く、よわく……」
「嫌がることはしねーよ」
キオは怯えるようなパシャをそう宥めつつ、
実は薄闇の中で彼女の藍味がかった瞳が期待に輝くのを正確に読み取っていた。
「……ぁ、あ…ああ、あっ、あ、は」
小さな羽虫のような振動音は、パシャの紅珠に微かに触れてさらに音量を小さくした。
しかしその分の力は内にこもって彼女の敏感な神経を揺らし、快楽という名で攻め立てていく。
「っく、はぁっ!……う、あん!」
そしてそれが限界まで達すると、大きく息を吐き出して高まった性感を逃す。
何度も軽めに達するたびにパシャは腰を跳ね上がらせ、恋しい男に訴える。
とめどなく溢れ出す愛液が恥ずかしくも雄弁に語っているだろう、と。
けれどもそれが実際には彼女自身からは見えないからこそ、想像を掻き立てられてパシャもまた昂ぶる。
「キオっ…もぅ、やあ……キオぉ……」
「パシャ…今、すっげー可愛い……ぞ」
「っ!! は、あああっ! ……あぁ……」
彼の意表を突いた言葉に、パシャは一気に頂点に達した。
「……あ、く…パシャ、イったな」
「…っ、…ぁ…ぁ」
続けざまに煌きをぶちまけられているパシャは、冷静に観察されるのを止めさせたくても、
その次の瞬間には新たな波をかぶって首をすくめるしかない。
「は…はっ……す、ごかった…」
どうにか身体を鎮めた彼女は思い返していた。
「可愛い」などと言われたのは亡き父母以来久しすぎた。
特にそう言った彼に父を当てはめようとは思わない。もう父の顔も忘れた。
しかしその意味する響きは危ないくらいの切なさを伴ってパシャの立ち上がった耳の先から駆け抜けて行った。
「もう一回、行くか?」
パシャは彼が言い終わる前にこくりと頷いていた。
「可愛い」などと言われたせいで達したとキオに気づかれてはたまったものではなく、
不器用なパシャなりに彼を愛撫に集中させてしまいたかった。
……パシャは自嘲気味に自分がその単語からかなりの位置でかけ離れているとは思うが、
彼によって気持ちよさを与えられて、それを表現することで彼にそう言われるなら構わなかった。
「もっと」
言葉少なであるからこそ、
「……よし、任された」
大きな気持ちがこもることもある。キオは言葉に詰まりながらそう言うのが精一杯だった。
68 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:24:00 ID:hVp+0WuU
と、その時パシャは振動音が強くなっていることに気付いた。
「強いのは……」
手を伸ばしてキオの手を遮ったが、彼はパシャの指の上から敏感なところに当てようとする。
「キオっ」
「パシャ…気付いてねーのか?」
そして指と指の隙間にねじ込むように小球を配置する。
「途中からずっとこの強さ、だぞ?」
「……えっ?」
そう言われても、パシャには確かめようもない。高まった性感に酔って耐えていたのだから、無理な話だ。
「っああ!」
躊躇った指の間隙にそれが潜り込み、膣庭にあてがわれた。
よく感じればパシャ自身の蜜にまみれて乾くことなくぬるついている。
振動はその近辺をつぶさにパシャに知らせ、膣内に少しだけ沈んでいるキオの灼けた棒もはっきりと分かった。
「はっ…キオぉ、は、……はっ、キ、キオ…」
せわしくなり出した吐息の合間に、パシャは恋しい男の名を呼ぶ。
「パシャ……俺も、もう」
そして彼もまた喉奥で出すような低い声で、自由な方の手で引締まった腰を自分の方に引き寄せた。
瞳を合わせて「行くぞ」伝えるとゆっくりと腰を使い出した。
「うんっ、キオ…キオっ……思い切り、今度はキオの番っ…」
パシャも再び侵入してきた彼自身を愛おしくなり、焦げつくほどの熱をねだる。
気持ちよさそうな彼の顔を見たような気もするが、薄く目を開いた彼がパシャの陰核を震えさせ始めると、
即座に自身の制御を失った。
彼の言った通り、かなり重いはずの刺激もパシャの身体は受け止めている。
「は、はっ、パシャ、さ。……挿れるより、抜かれる方が好き、だろ」
「え、やあ、はあっ! キオ、何、なに?」
「こうして……」
「……ふ、ふぁ、ふぁああっ!」
流星が意思をもって飛び回り、彼女の思考をばらばらに並べ替える。
さらにキオがパシャを求める乾いた声が強くなる。
その熱烈な抽送は、途切れることない喪失感と充足感を交互にパシャへもたらした。
しかし……やがて喪失感の方が彼女の意識に幅を寄せてきた。
「やぁ、ぃ、やあ……ぃや、も、もうっ……」
膣口付近に「亀卵」があるせいで、彼の欲望の長さがその分差し引かれている。
初めて彼が挿ってきた時何度か到達していたはずの膣奥が、
いつまでたっても訪れない刺激を欲し、パシャを切なく苛む。
むず痒さに手が届かないようなもどかしさのままに彼女はキオに伝えようとするが、
嬌声を上げることに忙しい唇と舌には酷な話だ。
「キオ、ぉ…きオ、キオ!」
パシャはひたすらに彼の名を呼び、何かを求めて手をさまよわせる。
「ひゅ…はあ…パ、シャ」
キオもそれに応え、彼女の指にしっかりと己の指を絡ませる。
その力強さは、一方的ではない想いをはっきりと彼女へ感じさせた。
(もしかしたら私――幸せ?)
自覚した途端パシャの中で唐突にせり上がり、
「ふ、ぁあ―――!」
彼女は最も高いところに昇り詰めた。その激震はキオへも限りなく伝わり、
「あ…っ、む……」
彼は耐えることなく身をまかせた。
これまで奉仕してくれた小さな道具を放り出し、褐色の肌をした身体を全力で引き寄せる。
「んんぅっ―――!」
奥の奥まで、それも一息でもどかしさを満たされた上に、
注がれる液体に膣奥を小突かれ、パシャはさらに夜空の高みへとハチドリ【クェンチィ】の翼を羽ばたかせた。
69 :
ピューマ担当:2006/01/21(土) 14:25:11 ID:hVp+0WuU
以上です。これからもがんばって書きます、では。
いったい何を喰えばこんなに可愛い女の子を書けるのだろう・・・・・・
GJです。他に思いつきません。
71 :
『あしたら』:2006/01/22(日) 00:11:03 ID:3MmZlKDR
投下予告。明日ぐらい・・・
>>69 ピューマ担当様、タイミングが読めず、投下感覚が近くなる事をお許しください。
もちろん GJ!でした。きっちり短期間で仕上げることも見習いたいです。
『これまでのあらすじ』
ご主人様の母親であるフローラ女王の姦計により、いままでの世界から10年後の世界に
タイムスリップしてしまったぼく。
始めのうちは10年前のロリロリの幼いご主人様たちに疑われ、どうなるかと思ったれど、
今は10年前のご主人様の元で自分の居場所を見つけつつあるトコロ。
どうせだからこの際、ご主人様の『浪費癖』『無気力』『快楽主義』などの悪癖を治そうと
新たな目標に燃え上がるぼく。鉄は熱いうちに打て、とか言うじゃない・・・
でも結果はエッチの味を覚えたご主人様に夜どころか、昼間までエッチの強要を求め
られてしまう始末、そしていつも雰囲気に流されてしまうぼく・・・だってご主人様、ロリロリの
くせに押しだけは10年後といっしょなんだもの・・・
ところがその真昼のエッチの様子を二人の妹達に目撃されてしまう。
『いつも一緒に遊んでいた姉を盗られた』という気持ちと、あと・・・なんか、その・・・
ご主人様とのエッチの様子が『ご主人様をいたぶってる・・・』みたいに見られたらしくて
激怒し、部屋に突入してくるユナ様とリナ様。
激怒する二人になんとかご主人様の説得が功を奏したのだけど、そこはやっぱり
ご主人様・・・。どうもぼく、さっきのエッチと同じコトを何も知らない二人の妹達にも
してあげなくちゃいけないみたい・・・
始めの内は拒否するぼくだけど、いつもの状況に流される悪いクセ。そしてお決まりの暴走。
その結果、完膚なきまでに絶頂を迎えるご主人様とユナ様・・・。はあ、ご主人様の胸、
大きくないんだけど、やっぱりご主人様なんだよな〜らぶらぶ・・・コホン。
あ、そうするとまだイッてないのは・・・ユナ様か・・・。
ちゃんとイかせてあげますからね〜。こってり、ネットリ、みっちりとね・・・
本編に続く・・・
>>71 本家本元降臨!期待してますよ!
ところで、「いままでの世界から10年後」ではなく、「いままでの世界から10年前」だと思います。
「や、やめるですの――っ!! 」
じたばたと床の上でもがくユナ。なんとかドアにたどり着こうと萎えかけた足を叱咤して
掴まれた腕を振り払おうとする。
「ユナ様・・・」
しかし無情にも召使が覆い被さるようにしてユナの動きを封じてしまう。のしかかり、
ユナの自由を奪おうとする召使から防御しようと体を反転させ召使を突き放そうとするが、
見栄を張って大きめのブラジャーをしてきたのがアダになり、ブラのカップがずれてしまい
小さくもほっこりとした可憐な胸がこぼれ落ちる。白いなだらかな双丘は乳首へと続くが
その色素が薄いので乳輪と肌との境界はけぶったようにはっきりしない。それはそのまま
僅かに桜色に色づいた胸の先端へと続く・・・。三姉妹の中で『清楚な胸』という
ランキングがあればユナがダントツであろう。
「や―――っ!! ですの――っ!! 」
アンダーを絞るようなボリュームアップブラだったらしく、実力以上のバストがプルンと揺れる。
慌てて腕を組むようにキレイな胸を隠すユナ様。背伸びした黒いブラに白い肌が良く映える。
でもぼくは視線を鋼鉄の意志で振り払う。そしてこの隙を利用して手をユナ様のパンティに
伸ばすと一気にずり落した。
「だ、だめですの――っ!! 」
ユナ様の悲鳴が響く。あたふたとブラの肩ヒモを引っ掛けようと悪戦苦闘しながら、パンティも
守ろうと足をバタバタさせたり、足を開くようにしてパンティを下げられまいと防御しようとする。
しかし『二兎を追うもの一兎も得ず』の例え通り、大いに伸びたパンティの生地はユナ様の
大事な部分を丸見えにしてしまう。もっと良く見ようと黒色のパンティを引張ってずらす。
『ビリッ!』
二人の姉と違い、繊細な布地を使用しているのか、強く引張ったら簡単に破れてしまった。
その自分の行動にさらに興奮をあおられてしまう。クロッチの部分が外れた時、ネットリとした
糸が引いてすぐに切れた・・・
「うわ・・・」
邪魔な湿った布きれを排除すれば視界に広がるのは白くツルリとした宝貝のような
シルエット。容姿は変わらないものの10年後と違い、今は秘所の中に受け入れるよりも、
外部から未熟な秘所を守る方に重点が置かれている。ユナ様アソコは内部の襞の
部分よりも、外側の土手が一番発達していて『ぽてっ』と肉がつき、ぼくを振り払おうと
足を開き気味にしているにも関わらずクッキリと一本筋を描いていた。
「ユナ様の・・・ぷにぷにムチムチですぅ・・・」
溜息をついて言うぼく。
「やああぁ・・・見ないでですの〜っ・・・」
ほとんど生まれたままの姿になったのに気がつき、見る間にかあっと顔を紅くするユナ様。
器用にぼくの下敷きになりながらもうつ伏せになって胸と大事な部分を隠そうとした。
きょうつけの姿勢でピッタリと足を閉じ、そして胸は腕を組むようにガッチリとガードしている。
「こんなのひどいですの、ひどいですの――っ」
せっかく直したブラの肩ヒモをまた外しながら首だけ振り返り、半べそで背中越しのぼくを
責める。フサフサの錫色のシッポがぼくの顔をパシパシと叩くが返って気持ちいい・・・
「ユナ様・・・」
ぼくはユナ様の背後から両肩を静かに押し付けながら覆い被さっていく。小さなユナ様の
身体は完全にぼくの体の下に隠れてしまうほど。同時にぼくのシャフトはうつ伏せのユナ様の
お尻の谷間、太ももの付け根の間を目指していて・・・
「え、なっ・・・なんで・・・い゙っ、いやあああああああああっ!! 」
エッチの経験がないユナ様はどうやらうつ伏せで足さえ閉じていれば犯されないと思っていた
らしい。あっさりと入り口を割って入って来ようとするシャフトの感触に慌ててぼくの下から
抜け出そうともがくが、ぼくは上半身から下半身までしっかりユナ様が動けないよう陣取っている。
「うあああっ、入ってる、入っていきますのっ!! 」
『ズズヌヌヌ・・・』
初めての時よりたっぷり濡れていたせいか、あらかじめ道がついてしまったのか、思ったより
スムーズに挿入できた。
「ひああああああっ!! 」
悲鳴と共に肺の息を絞りだすユナ様。ぼくは下のユナ様が若鮎のようにピチピチと跳ねる
感触をのしかかった体全体で感じた。もがく拍子に身長差の関係でぼくの脇の下から
『ぷはっ』と顔を出す。ぼくはちょうど肩口に出現したネコ耳にやさしく囁く。
「ゆっくり・・・動きますね・・・」
「やあぁ・・・イタイのヤですの〜っ」
と、さっきはサディスティックにリナ様を苛めていたのを棚に上げ半べそですすり泣くユナ様。
そんな勝手なコはお仕置きです・・・!
ギチギチに喰い締めるユナ様のアソコに歯を食いしばり、暴発を耐える。しっかりと
腰を使わないとユナ様の中からシャフトが膣圧で押し出されてしまいそう。
「んっ、んっ・・・ユナ様のぎゅいぎゅい締め付けてすっごくキモチ良いです・・・
どのくらい入ってるか判ります?」
なんとか余裕ができたぼくはゆっくりと腰を使いつつ肩の下のユナ様に言う。
「ひっ!? いっ・・・すんすん・・・おっ、奥まで、ユナの奥まで・・・あんな大きいのが
いっぱいに入ってますの――っ!! 」
悲鳴混じりに答えるユナ様。いじわるなぼくはニッコリと言う。
「ハズレです・・・まだ全部入ってないんですよ・・・ほらっ」
『ズンッ!』
浅く使っていた腰を一気にユナ様のお尻にぶつけるように挿入。ミチミチと肉を
かき分ける感触とともに、最後に『コリッ』とも『プリッ』ともした感触がシャフトの先端に
伝わる。同時にシャフトを視点にユナ様の幼い体が強烈えび反り一瞬だけぼくを浮かした。
「ひゅっ!! ・・・あ・・・お゙っ・・・ひ、い、いい、ひぎいいいいいいっ!!!!」
大きな目をさらに一杯一杯に開きながらユナ様はパクパクと口から吐息と涎ををこぼす。
そして間が開いて絶叫。シャフトは片栗粉を溶かしたお湯の中で同時に50本ぐらいの指に
ギュッと絞られたり締め付けられたりするような強烈な刺激を受ける。
「す、すごいっ・・・ユナ様のナカ・・・ギュウギュウ締め付けて、行き止まりはコリコリプニプニ
してて、ぼく・・・ぼくっ!! 」
余裕をかなぐり捨ててユナ様の小さなアソコに激しくピストンしていく。はっきり言って、
ぼくが暴発を免れたのはユナ様の締め付けが逆に強すぎたから・・・
「ひああああっ!! コワれるっ、ダメ、ダメダメダメダメですの――っ!! ふああん!! マナ姉っ、
リナっ!! 助けてですの――っ!! 」
じたばたと床の上を泳ぐように足掻くユナ様。ガリガリと床に爪を立て、体を波打たせる。
そんなユナ様を押しつぶすように背後から犯しているぼく。小さなカラダを軋むほど床に
押し付けて腰を振る。もし真上から見ればユナ様の体が小さいのでぼくの体の影に隠れて
しまっているから、僕が一人で必死に床とエッチしているような滑稽なシーンに見えるに
違いない。
「んっ、んっ・・・こんなに締め付けてるのに、油断してると押し出されちゃいそう・・・
ユナ様ぁ・・・ぼく、もうイッちゃいそうです・・・」
快楽に身を灼かれながら『ぐっ』と腰を押し付け、小さく円を描くように回す。柔肉が
ビクビクとわななき、ぼくのシャフトに絡み付く。
「んああああっ!! いやぁ・・・入り口裂けちゃう、くずれちゃう、ですの――っ!! 」
白いのどを仰け反らせ絶叫するユナ様。敏感なユナ様はぼくのどんな小さな
アクションにも大きく反応を返してくれる。ぼくの顔の前、ユナ様のツインテールは
そのたびに大きく波立ち、シャンプーと思春期の少女の汗の匂いを振りまく。
「くっ、そろそろぼく、ぼくっ!! 」
1秒間に一回の突きを正確に刻む。でもそれは単純ではなく突きは早く、そして
抜く時は時間をかけて。ご主人様に教え込まれた動き。突く度にせっぱ詰まった悲鳴。
熱いのがぼくの腰を伝わってじわじわと大きくなってくる。
「ひあっ!! ああっ!! くふぁっ!だめ〜、ダメなんですの――っ!! 」
そして抜く時には何もかもズルズルと引き出されそうな恐怖の混じったユナ様の
絶叫が響く。ぼくも抜く時の纏わり付きつつ異様に締め付けるユナ様のアソコの感触は
理性を消滅させるほど気持ちがいい・・・
腰のわななきとシャフトのひくつきに本能的に何かを悟ったユナ様がひんひんと
泣きながら絶叫する。
「いやああああっ!! やめて、やめて――っ!! 抜いてですのっ!イケナイ赤ちゃん
出来ちゃうですの――っ!! 」
と、図らずも間違った性知識を披露するユナ様。ほふく全身して逃げようとして、グッと
仰け反るように上体を起すユナ様。そうするとその動作の筋肉の働きのせいで
『きゅきゅぎゅ〜』と今までに無いほどみっちりと締め付ける。
「うあっ!? そんなっ・・・ユナ様、いきなりっ、出ちゃうっ!! あっ、うわああっ!! 」
不意の攻撃にぼくは意志とは裏腹にいきなり射精してしまう。凄まじい快楽に規則正しく
動いていた腰はたちまちリズムを失いギクシャクとした動きでランダムに幼い秘裂を突きまわす・・・
「ひっ・・・ああっ・・・熱い、熱いですの――っ!! 赤ちゃんのモトがユナにドクドク入って
来ちゃいますの――っ!! 」
匍匐しようとしていた上半身を観念したように突っ伏して涙を流しながら痛切に叫ぶ。
でも同時にぼくはユナ様の内部の動きが最後一瞬だけ、押し出すような感じから微妙に
引き込むような動きになったのを感じる。
『はあっ、はあっ・・・』
荒く息をつき、ぐったりとユナ様の上に覆い被さるぼく。ユナ様の体がピッタリと
合さる場所が火のように熱く感じる。少し硬度がおさまったシャフトはたちまち
ユナ様の中から『にゅぷり』と、押し出され、『コプ・・・』とかいって注ぎ込んだ白濁が
そのシャフトを追いかける。その生々しい下腹部の感触にぼくの脇の下から顔を出す
ユナ様が半べそで抗議する。
「ひくっ、ぐしゅ・・・もう帰るですの!ひどいですの、もうエッチなんて2度としないん
ですの――っ!! 」
のんきにユナ様の上で満足の吐息を漏らしていたぼくはいきなり我に返る。このままだと
未来が悪く変わってしまうような気がする・・・。ぼくは3人がもっとお姫様らしく教育しようとは
思ったけれど、ユナ様やリナ様と仲良く出来ないなんて生活はイヤ過ぎる。
「そ、それは困りますっ!! だって10年後はご主人様ほどではないけどユナ様、エッチ好き
だし・・・実際、ご主人様の隙を見てはぼくを何度も部屋に連れ込もうとして・・・」
憤慨したユナ様はずりずりとぼくの下から匍匐全身を再開し、脱出すると顔を真っ赤に
して言う。
「エ、エッチ好き・・・連れ込む・・・ユナ、そんなインランじゃないですの――っ!! 勝手な事
言うなですの!! もうイタイのもイヤですの――っ!! 」
『いい気になってやり過ぎちゃったのかな・・・』。ぼくはがっくりと床に崩れ落ちる・・・
どうしよう・・・
ビシッと言ったせいで少しは気が晴れたのかユナにはマナの召使を見下ろす余裕が
出来た。しおしおと膝をつく召使。ちょっと見捨てられた小動物を見るようでかわいそうな気が
したが『いいオンナはクールであれ』と思っているユナは召使にぷいっと背を向ける。
だがその背後に思いつめたような召使いの声が静かに浴びせられる。
「でもユナ様・・・実は最後のほう少しイッてませんでした?痛いなんてウソついて・・・」
『ビクン!! 』背を向けたのが仇となり、正直なシッポとネコ耳は逆立ってしまう。
「な、なに言ってるですのっ!! そ、そんなコトないですのっ!! 強引に犯されてイクはず
ないですの――っ!! 」
召使に目が合わせられず振り返ったまま言うがそれが間違いの元。心より正直なシッポの
反応のせいで当りをつけた召使に背後から抱き抱えられてしまう。さっきとは違い、あくまでも
そっと腕をまわされるのが逆にユナの恐怖をあおる。
「ふうん・・・だって最後の時、いつもユナ様がイッた時みたいにアソコがエッチに動いて
ましたよ・・・それにユナ様あの『うつぶせバック責め』の体位、とっても大好きなんですよね〜」
そっとネコ耳に囁かれる召使いの声。肩を抱く指はユナの顎の先をくすぐる。ユナは今度は
怒りで無く、羞恥に頬を染めて必死で言い繕う。
「そ、そんな『う、うつぶせ・・・ごにょごにょ』なんて卑猥なカッコ知りませんの!! それにイッて
ないですの!ち、ちょっとフワっとしてキュンとしたような・・・気が、そう!! 気がしただけですの――っ!! 」
「そうですか・・・じゃあ今度はちゃんとイカせてあげますね・・・ぼくがホントのユナ様に
してあげますから・・・ぱく・・・」
「ひゃう!! はあぁん・・・だめ・・・」
ネコ耳をはみはみと噛まれながら宣言されるユナ。先ほどユナを突きまくったシャフトが
もうすでに復活して、ぬらぬらとユナのお尻を押してネットリとした跡をつけていく。先ほどの
圧倒的な圧迫感を思い出し、わなわなと震えるユナ。しかしその震えは同時に腰の奥、
子宮をも甘く揺らした事には気がつかない・・・ユナにはまだ幼すぎるから・・・
78 :
『あしたら』:2006/01/22(日) 21:35:53 ID:9d4XXRgb
・・・つづく
いきなり推参してすいません。久しぶりの『明日会えたら』をお送りいたします。
この頃、スレのレベルが高くなったのでプレッシャーでドキドキしながら書いてます。
>>72様、その通り!あんまり長い時間の放置で設定をすっかり忘れたみたいです、はは・・・
さて・・・本編ですが、次回はなんというかユナ様はもう一回、濃ゆい目に合うらしいです。
作者もさらに濃厚なのを・・・と思って製作しました。
皆様のお口にあうのかどうか心配ではありますが、
『今宵はこれまでにしとうございます・・・』(by NHK)
次回は明日!もっと濃ゆく!!
どうみても三姉妹がエロイのは「ぼく」が原因です。
本当にありがとうございます。いい仕事をありがとうございます。
続きを期待しております
キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
明日もっと濃いのか……続き期待してます。
……いつ見ても良いなぁw
さて、そろそろ全裸で正座するか。
「い、いいですのっ、ホ、ホントにいいですのっ!! ・・・マ、マナ姉っ!! リナっ・・・!! 」
腕が軽く回されていたのを幸いにユナは召使いの腕からすり抜けるとベッドで仲良く
失神している姉に駆け寄ろうとする。しかしオスの狩猟本能を刺激されたのか、はたまた
暴走の結果なのか、狡猾な狩人と化した召使は得物の子猫をベッドの二人の姉とは
反対の位置に追い込む。
『がっ!! 』
「きゃっ、ですの――っ!! 」
ベッドに駈け寄る勢いを利用されて後ろからしっかりと腰を掴まれる。すぐさまピトリと
あてがわれる脈打つ熱い肉の感触。
「ヤですの、ヤですの――っ!! 」
ユナはそのままなりふり構わず四つん這いのまま、シーツの海を前へと逃げる。召使も
負けずにユナを追いかける。
『ガシャーン!』
しかし必死かつ滑稽な鬼ごっこはすぐに終わった。四つん這いで逃げるユナの前には
冷たいベッドサイドの鉄柵・・・
「ああっ!? 」
絶望の溜息。頼みの姉は背後で二人とも気持ち良さそうに夢の国の中・・・。そしてユナには
極めつけの現実が待っていた。
「やあっ・・・いやあぁっ・・・」
グイグイと押されるユナにはその冷たい鉄柵を抱きしめる事しか出来ない。
「ユナ様・・・」
ユナは振り返り哀願の言葉を発しようとした瞬間だった。
「ひっ・・・!? ま、待ってです・・・!!!」
『ズズッ・・・!! 』
ぼくは腰を突き出した。今日三度目の挿入はひっ攣れる感触なしにスムーズかつ一気に
ユナ様の内奥に進入した。二人のミックスされた体液が熱くヌルヌルとぼくを包むがキツサは
変らない。さっきイキかけた影響なのか、ユナ様の内壁がぞわぞわと巻きつくようにざわめき
ぼくの腰の一番下から快楽が燃え上がる。
「くっ・・・ユナ様、こんなちっちゃいのに中はこんなにエッチに動いて・・・」
ぼくはさっき出したばかりなのに、不意に襲ってくる暴発を唇を噛んで耐えると、短期決戦と
ばかりに腰を突き出していく。ユナ様の中に残った白濁液のせいでとっても恥かしい音が
部屋に響く。
『にゅちゅ、ちゅぷ、じゅぷ、ぶちゅ・・・』
「ひああっ、やあっ!! や、やめてですのっ!! 恥かしい音出したらダメですの――っ!! ひきぃっ!!
ずんずん入ってる、ああっ、ふあああぁぁ・・・」
激しいピストンに押し付けられたユナ。激烈な快感に鉄柵を抱きしめる。冷たい鉄柵の
唐草模様の間から、柔らかい白い胸が食い込みプニッとはみ出している・・・
「ユナ様、感じてきました・・・?んっ、はんっ・・・はふ・・・」
ユナ様はひどく感じ始めたらしく、白い背にさざなみの震えが走り始める。
「かっ、感じてなんか・・・いないです・・・の、ひぐぅ・・・ああっ、くふっ・・・」
「じゃあもっと激しくしようかな・・・」
腰のテンポを上げる。姉達と同じベッドで犯されるユナ様の悲鳴は腰と同じテンポの
スタッカート。それから10度目のシェイクで新たな熱い蜜が吹きこぼれ、そして15度目の
突きこみでユナ様のピチピチに引き伸ばされた割れ目から『ピュッピュッ』と蜜が吹きこぼれた。
「ひんっ、はあっ、ああっ、ひきゅうううん・・・あん、くううううぅぅ・・・」
小刻みに浅いトコロを突く。跡が突くほど鉄柵を抱きしめ、すすり泣いて悶えるユナ様。
ときおり深く挿入。白い背が仰け反ると汗の粒が真珠のように飛び、掠れた悲鳴を振り絞るユナ様。
小さなお尻を突き上げながら腰を円を書くようにまわすとシッポが絡まるぐらいにうねり、絶叫するユナ様。
そしてついにユナ様は観念し、召使のぼくに懺悔する。
「ああっ、ひあっ!! ご、ごめんなさいですのっ・・・ユナ、さっきイッたですのっ、だから抜いてっ・・・
ひきっ、きゃぅ・・・ユナ、ユナ、これ以上・・・おかしくぅ・・・あ、あ゙っ・・・おがじくなっちゃう
ですの――っ!!!!」
最後は盛大に叫びながら小さく絶頂をむかえているユナ様。がくがくと鉄柵に縋りつく。
でも本番はこれから・・・
「ふふ・・・やっぱり最後、イッてたんですね・・・でもウソつくお姫様にはお仕置きです・・・」
小さいお尻に自分の恥骨を叩きつけるぼく。
『パンッ、パンッ、パンッ、パンッ・・・』
イッたばかりの敏感でセンシティブにざわめく内壁を掻き出すように激しくピストン。ぼくが
叩きつける腰によって、唐草模様の鉄柵の間からはみ出したユナ様の柔らかいおっぱいが、
ぷりぷりと揺れている。
「ひいいいいいっ!! あひっ!! だめですのっ、ユナのお大事コワれちゃう、そんなに突いたら
ユナのお大事崩れちゃうですの――っ!! 」
突かれるたびに息を吐き出し鉄柵を指が白くなるほど握り締めて快楽の奔流に耐えるユナ様。
ぼくは顎を引いて下を向けば白いお尻の谷間にヌラヌラとぬめ光るシャフトが埋没しているのが
見える。小さなお尻と太いシャフトのスケール差を見るとウソみたいだけれどちゃんとユナ様の
小さなアソコにシャフトはズコズコと入ってる。
「うわ・・・すごい、ユナ様のアソコにぼくのがズコズコ入って・・・入り口もこんなに引き伸ばされ
ちゃって・・・でもシャフトはヌルヌル・・・ユナ様、すっかり感じちゃってるんですね・・・」
「ひゃん!! ち、違うですのっ・・・きゅん、あっ、んっ・・・そんなのウソですのっ・・・あ、熱いのが、
ダメ・・・ユナ、どんどんエッチになっちゃうですの――っ!! 」
ついに崩壊したのか、後ろから突かれながら腰を振りたくり、突き上げ、自分からも動き出す。
目の前のちっちゃなロリータのネコ耳少女がうなじまで真っ赤にして、『アン、アン、アン』と可愛い
喘ぎ声を上げながらぼくのシャフトをせがみだす・・・
「ユ、ユナ様っ・・・!! 」
ぼくは腰の手をユナ様の肩に置きしっかりとホールドすると腰の回転を早めた。
『パンパンパンパンパンパン・・・!! 』
同時にユナ様の縋りつく鉄柵が腰と同じテンポで『ガシャン、ガシャン』と音を発し、
ぼくはますます興奮してしまって幼いお尻に情容赦のない抽送を叩き込む。
「ひゅあっ、ひあっ!! くひゅっ・・・ふあぁぁ・・・マナ姉、リナぁ・・・ユナ、ユナこんなにっ・・・
ああっ、ひああっ・・・」
もうユナ様の内部は急速に開発されてきたのか、もうぼくのシャフトを引きずり込むように
蠢き、ユナ様のアクションの度に『キュンキュン』と絞られる。もうすっかり10年後の
ユナ様と同じカラダだ。
「ひあっ、ああっ、ああっ、イイ、ユナ、イクなって・・・ひゃうっ、ん〜っ、蕩けちゃう、
お大事蕩けちゃうですのっ!! 」
汗の浮いた白い背が反り、錫色のシッポは垂直にピンと立つ。激しいピストンに押され
手すりから体がはみ出しそうになるがしっかりと鉄柵を抱きしめるユナ様。それでも小さな
お尻をクイクイと振って、更なる快楽をむさぼる。
「あんっ、あっ、ひあっ、あんっ、すごいですの、こんなの・・・こんなのぉ・・・」
ぼくも腰の奥が熱くなる。『じゅぷ、にゅちゅ』と接合部の卑猥な音が高まる度に
最後の時が近くなる。
『くっ・・・ぼくの方が先にイカされちゃう・・・ユナ様を満足させなくちゃいけないのに・・・』
ぼくは奥の手とばかり覆い被さり手を前に回す。ユナ様の異性にまだ触れられる事の
なかった可憐な胸の先端をきゅっと強く摘む。そのままステレオのボリュームを操作するように
クリクリと愛撫。同時に、息を吹きかけられただけでメチャクチャに感じるネコ耳の中に舌を入れ、
敏感な柔毛をいきなりかき回した。
「に゙っ・・・!!!?!!!!!」
最後の理性の壁が決壊したのか首を激しく振り、涎をふきこぼしながらすすり泣く。
そして絶叫する。
「ひみゃ―――――っ!! あっ、ああっ・・・あ・・・ユ、ユナ・・・来るです、来るですのっ・・・
キワまるの、キワまりますの―――っ!! 」
大量の蜜が吹きこぼれ二人の太ももをつたい落ちてシーツの上にいくつもの点と線を描き出す。
「あ、ああっ・・・あっ・・・ふああぁ・・・」
がくがくと崩れ落ちるユナ様。シーツに隠れてしまったけれど胸にはクッキリと唐草模様の
鉄柵の跡が付いてしまったに違いない・・・
そして・・・
「ひゅ、ひゅごいですの・・・これがホントの『イク』ですの・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
頬についたシーツに涎のシミを広げながらふわふわと呟くユナ。長い睫毛についた
汗の粒を震える指ではらいつつ、まだ太い物が挟まっているような太ももをモジモジと
擦り合わせる。時おり快楽の余韻が未熟なカラダを駆けめぐり勝手に全身がわななく。
「これでユナもオトナの女ですの・・・」
と、虚脱感と充足感に浸って言ったとき・・・
「ユナ様・・・」
召使にそっと後ろから抱き起こされる。やさしく起伏に乏しいロリータなボディを
撫でまわす手は、快楽のあまり引き付けを起したようになった体をほぐすように動く。
気持ちに余裕の出来たユナは映画のヒロインのように手をバンザイさせ、後ろ手に
召使いの頭を抱き寄せて言う。一人で鏡の前で練習したポーズである。
「あんっ・・・おいたはダメですの・・・もう・・・んっ・・・ちゅ・・・」
洋画の女優のようにスラリと伸びた背筋の替わりに肋骨が浮いたり、無い胸がさらに
薄くなったりしたがユナは概ね満足してる。熱い体のせいか、絡まる舌が逆に冷たく感じる。
昼前はウブな自分だったのに、今はいやらしく唾液をせがみ味を確かめたりしている自分が
信じられない・・・
膝立ちで重なった汗ばんだカラダが密着するが、後戯に夢中のユナはそれさえも
じんわりとした快楽に変換させている。しかしそんな夢見ごこちのユナのネコ耳に囁かれたのは・・・
「それじゃユナ様・・・今度はぼくがイク番ですね・・・ちゅ・・・」
『ビクン!! 』驚愕に引き攣るユナ。理解できなくて間抜けな問いを発してしまう。キラリと唾液の
アーチがかかり切れ落ちた。
「え?だ、だってユナ、今イッたばかり・・・」
そろそろと胸をさ迷っていた手は知らないうちにユナを羽交い絞めするように回されていて・・・
「でもやっぱりユナ様といえば『イキ癖』ですから・・・ちゃ〜んと付けておかないと10年後と
未来が変わっちゃいますから・・・ね・・・」
ユナはふと下を向き、目を剥いて驚愕する。自分の股間に雄雄しくそそり立つペニスが
生えていたからだ。もちろんそれは膝立ちのユナの足の間から召使いのシャフトが
そそり立っていたからという事だが、それよりも底なしの召使いの勢力に驚く。きっと10年後に
この召使いの主人となるネコ姫は悪魔のような淫乱絶倫に違いないとユナは思う。
「イ、イキ癖ってなんですの?そんな10年後関係ないですの――っ!! は、離すですのっ!! ・・・
こ、こらっ・・・」
ふわふわして力の入らない体で抵抗するユナ。しかし暴れるほどユナのスリットに擦り付けられる
ゴリゴリのシャフトが抵抗力を奪っていくのを感じた・・・
「せ、せめて休ませてですのっ・・・ユナ、またあんなに感じたら心臓止まっちゃう、頭がおかしく
なっちゃうですのっ!! お、お願い・・・な、何でもするから――」
しかしそれは問答無用。
『ズンッ!! 』
「ひああああ―――っ、ああああ――っ!! ひいいいっ!! 」
哀願の途中に割り込む灼熱のシャフト。イッたばかりの敏感なカラダと、後戯によって完全に
消え去る事のなかった欲情の炎が再び一気に燃え広かる・・・いや、爆裂した。
・・・つづく
はい、おそまつさまでした。
良く構成をみれば、前回と同じなんです。楽してますよね・・・
というわけで、ユナ様の濃ゆい目はさらにレベルアップ・・・
すればいいな〜なんて書いてます。
『今宵はこれまでにしとうございます・・・』
それでは次回は明日!! もっともっと濃ゆく!
さすがあしたらだ
連日GJでもなんともないぜ
火曜日時点で「明日」と予告しているわけだから・・・・・・今日来るのかな?
ユナは窓が震えるほどの絶叫と共にいきなり絶頂に達し、そのまま理性と意識が
半分消し飛んだ。立てひざだったはずの両膝が中に浮く。火を噴くように逞しいシャフトが
ユナの全体重を丸ごと支えるかのよう。
「ひいっ、あひっ!! だ、ダメですのぉ〜・・・あ、イッたばかりなのにっ・・・あ、またイク、
キワまるっ・・・いやあ・・・あ、ああっ、きゅふぁああっ!! 」
ガクガクと倒れ込むユナ様。上体を振り頭を叩きつけるようにシーツに何度も打ち付ける。
本当に柔らかなシーツの上でよかった。ぼくは汗でぬめるユナ様のカラダを引き寄せバックで
犯すしていく。やっぱりさっきまでの交わりでほとんど体が開発されていたのか、ユナ様の
特徴の『イクと止まらなくなる』と言った特徴が出始めている。
「ひいっ、突かれるたびにキワまりますのっ、やめて、やめてっ!! 休ませて、狂っちゃうの、
狂ってしまいますの――っ!! あ゙あ゙あ゙っ、い、イクううぅぅ!!」
もう何度目か判らない絶頂。突く度に『ぶちゅ、ぐちゅ』と音がしてシャフトのカリ首が透明な
蜜を掻きだす。もうシーツの上には水溜りさえ出来そう。そしてユナ様の接合部からは新たに
止めどなく蜜がふき出し、摩擦熱が出そうなほど激しく抽送を行うシャフトに潤滑油を補給する。
もうアソコは引っ攣れるような感触はとうになく、確実に大きなシャフトを受け止め、なおかつ
いやらしく締め付けてくる。
「んっ・・・ユナ様、すごくイイです・・・はふ、んっ・・・ちゃんとユナ様のイキ癖、体に教えてあげますね」
使命感に燃え、腰を突き出すぼく。ユナ様も半分意識を混濁させながら叫ぶ。
「そ、そんなクセ、いらないですの――っ!! あっ、そこダメダメダメダメ――!あっ、あっ、
ア―――っ!!!!」
さらにもう2、3度気をやり、一段と内部を『きゅきゅきゅ』と絞り上げるユナ様。ぼくは歯を
食いしばって放出をやり過ごす。
ユナ様は白目を剥いてガクガクと涎が落ち、大きなシミとなった場所に顔を突っ込むようにして
半失神する。まだイッていないぼくはユナ様に情容赦なく声をかける。
「あ、だめですようリナ様。まだ終わってないのにぃ・・・」
「い、いやぁ・・・もうひんじゃう、ひんじゃうのぉ・・・もう腰がカクカクなんれすのぉ・・・」
弱弱しくイヤイヤをしながら言うユナ様。ぼくは考える。
『う〜ん・・・10年後はもっと激しくイッてたような気がする・・・かも』
「ユナ様、じゃあぼくが支えてあげますから、もう少し頑張りましょうね・・・よいしょっ・・・と」
ぼくはぐったりしているユナ様の膝裏をすくい上げるようにして一気に持ち上げる。この頃は
リナ様だって抱えられるようになったぼくだから、ユナ様なら軽いモノ・・・だと思う。
「ああっ、らめ、らめれすの〜・・・ひいっ、あ、入って行く、ずぶずぶ入ってくれすの〜もう、
もうイキたくないれすのにぃ・・・ひ、ひあああぁぁ・・・」
体操座りのようにユナ様を抱えたぼく。そのまま、ぷりんと突き出したお尻に狙いを定めて
ユナ様をゆっくり抱え落としていく。そしてまだギチギチに天を向いたシャフトがユナ様を
迎え撃っていく。シャフトの先端がユナ様のスリットの入り口を割り広げ、ゆっくりと入る。
今まで、ぴったり閉じていた固い蕾のようなスリットは激しい抽送ですっかりほころんでいて、
ぼくのシャフトを嬉々として受け入れていく。
「ひっ・・・ひいいぁああ・・・」
シャフトの先端からぼくの脳にビリビリするほどの快楽が届くと共に、目の前のユナ様からは息を
搾り出すよな舌足らずな悲鳴が響く。半失神のユナ様はもうお尻を振ってそれを逃れる事も
出来ない。ぼくは3分の1ほどシャフトが入ったところで抱えたユナ様を『ぱっ』と離すようにした。
ユナ様を快楽の淵に叩き込むために・・・
重力に引かれて落ちるユナ様。
『 ズ ン !! 』
今日一番の強さでめり込むシャフト・・・
「!? ・・・!!!!!!!!!!!!ッ!!」
可聴音にならない絶叫。召使は体操座りのように抱えたユナを落としては持ち上げるを
繰り返す。二つのツインテールが激しく跳ね回る。
「ひっ・・・あっ、イク、またイク・・・・・・あ、・・・らめらめらめ――っ!! また、
またいっひゃふぅぅぅ〜!!!!!」
ユナは荒々しく子宮をノックされて失神し、シャフトの出っ張りが内壁を引っかく凄まじい
快楽の奔流で強制的に覚醒させられるといったのを3セットほど繰り返す。そして幾度目かの
ピストンで何とか失神はしなくなったが、逆にドロドロとした強烈な快楽強制的にに受け止め
続けることになってしまう。
「ゔあっ、アンっ、アンっ、ああああああっ、ひゅごい、ひゅごいの〜お大事一突きごとに
ひゅごいの〜っ!! イキしゅぎて、イキっぱなしれユナおかしくなっひゃううううううっ、
あ゙あ゙あ゙あ゙っ!チ○ポ、チ○ポだいしゅきっ!! もっと〜もっろひょうだい〜!!!!!」
恥かしい格好のまま、足を拘束する召使いの手をほどこうと、力の入らない手でポカポカと
叩いたり、手で頭を掻き毟ったりするユナの様子はまるで前衛的な踊りを踊っているよう。
そしてその狂乱のせいですやすやとベッドで眠っていた二人の姉も目を覚ます。
「ユ、ユナ・・・」
「にゃ、にゃっ!! い、いつの間に・・・」
目をこすりながら起きたマナとリナだがいきなり激しすぎる交わりを目の辺りにして一気に覚醒する。
ベッドの上では膝立ちの召使がユナをバックの変形駅弁スタイルで犯している。まさに二人の
位置から二人の繋がっているところが丸見えだったりする。
ユナのアソコに手首ぐらいのが突き刺さってそれがすごい速さで出たり入ったりしている。ユナの
幼いスリットはそのたびにひっつれ、巻き込まれながらも白っぽいピンクの秘肉はぴっちりと
シャフトに巻き付いていた。そしてそれはキラキラかつ、ぬっとりした密で濡れ光っている。
激しいピストンで召使いの先走りとユナの愛液がミックスされ、泡立っていく。シャフトの根元に
出来たムースのような白い輪っかが生々しくリナの目に刺さる。
「あ、あんなにいっぱい広がって・・・それに激しく突かれて、ユナのエッチなオツユが泡だって・・・
でもユナ、喜んでるのだ・・・」
あわわわ・・・とうろたえつつも、目が釘付けのリナ。
『でも・・・ユナ、わたしより気持ちよさそうにゃ・・・』
オモチャのようにシャカシャカと体ごと振りたくられるユナはそれを嬉々として受け入れ。
自分が聞いたことないようなよがり声を上げていて・・・
「ひ、いやぁ〜みないでみないでれしゅの〜っ!! ひきぃっ!! また、またキワまるっ、ひん、
あひっ・・・たしゅけてっ!! ユナしんじゃう!しんじゃうれすの〜っ!! ま、またっ・・・
あああああああああっ!!!」
『プシャーッ!! 』
顔を覆ったユナの股間から透明な液体がしぶいた。マナはそれを見て微妙に安堵する。
『ユ、ユナもお漏らししたにゃ・・・イクとお漏らししちゃうの普通にゃんにゃ、きっと・・・』
しかしその透明な液体は恐ろしいほどの粘度を持ち、召使いのシャフトを伝い、その根元の
袋に到達すると膜状に糸を引きネットリとシーツに染み込まれて行く。それは単なる失禁ではなく、
どう見ても愛液・・・。それを見て完全に打ちのめされるマナ。
『にゃっ・・・ユナ、ホントに感じてるんにゃ・・・』
自分のカラダがまだコドモということを思い知らされるマナ。助けを求めるユナを前に呆然と
立ち尽くす。
二人の姉に恥ずかしい所を見られてしまったユナ様はさらにタガが外れたように乱れ、
叫びだす。
「あっ、あっ、イクイクイクイクイク、イッちゃうれす!ああっ、おあっ!ひゅ、ひゅごいっ、
ひゅごいのが来てるれしゅの〜っ・・・ああ゙っ、ひきっ・・・あ゙・・・」
自らの手で薄い胸を引き剥がすように揉んだり、クリトリスを掻き毟るように愛撫していく。
泣き叫ぶユナ様の顔は涎と涙でべしょべしょになっている、というか、体で分泌される液体は
全てだだ漏れという感じ・・・
「あっ、あああっ!! ユナ様、ユナさまっ!! すごいですっ、んっ、んっ!ぼくもスゴイの来ちゃう、
ユナさまの中に、中に、中に――っ!! 」
ぼくもさっきから何回もイッてるはずなのに余りにもキツイユナ様の締め付けが放出を許さない。
止めどない快楽の行く先がないぼくはそれを全て幼いユナ様のカラダに叩き付けていく。
小さなカラダが壊れてしまうほどに腰を叩きつける。いくつもの射精を締め付けで封じられたが
最後に大きいのが腰からせりあがって来るのが判る。ぼくはそれに合わせユナ様の足を離すと
羽交い絞めするようにユナ様を下方に押さえつける。それにより限界までユナ様の膣奥に入る
シャフトに熱いトロミが駆け上って・・・そして、そして・・・
・・・つづく
お粗末さまでした・・・
次回が最終回、そしてエピローグとなります。エピローグは勿論10年後のフローラ女王が
どこに落ちたのかの話になります。
自分で書いていて初めて判ったのですが、『召使攻め』より『召使受け』の方が
得意みたいです・・・。皆さんが退屈していないか本当に心配です・・・
あと今回、ユナ様をメインに持ってきましたが、
『ユナ様、イキっぱなキタ――』のAAを書いてくれた人に捧げます。
さて、次回は未定・・・10日後までには何とかしたいと思ってます・・・
取り留めない話になりましたがそれでは・・・
なんつーか
孕まそうとしてない?w
GJ!
息を潜めて待ってただけw
いや、堪能させていただきましたGJ
それより前から分からんかったけど、ユナ様AAとか何モノ?
/''⌒\
,,..' -‐==''"フ + . .*
゜(n‘∀‘)η .+ キタワァ!!
や、ほかの二人はともかくユナ様は受けがよく似合うw
97 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 08:58:05 ID:ngSwfriL
昨日ようやくこちむい全話読み終えました
キタ━(゚∀゚)━!!って気分です
98 :
ピューマ担当:2006/01/29(日) 22:45:11 ID:RYWVFKTY
ぐっじょぶ!
「ユナ様っ、あああああああああああっ!! 」
「ひゃ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ああああああああっ!!!!!!!!!」
白濁がユナの膣奥で弾けると同時にユナも絶頂を迎えた。激しく痙攣するはずの
身体は召使に羽交い絞めにされているため、5秒ごとに『ビクンビクン』と薄い胸を
反らしてはガクガクと首を振りたくり絶叫を撒き散らす、というのを繰り返す。『ドクン、
ドクン』と召使いのシャフトが脈打つ度に『ぶじゅっ、ぶぴゅ!』と卑猥な音と共に
二人のミックスジュースが泡だってぼたぼたと落ちた・・・
「ひっ、ふあっ・・・こんなの、たくさんイクの、クセになっちゃいますの・・・」
呟くように言うと、完全に白目を剥いたユナが自分の体液にまみれたシーツの上に
糸が切れたように倒れ込んだ。
「はあっ、はあっ・・・」
汗びっしょりのぼく。快楽のあまり、普通以上に力が入っていたのか、手が、腰が
フルフルと震えた。でも、一仕事成し遂げた気分なのでその疲労も心地よい。
「はぁ、はぁ・・・こ、コレで未来を変えないですんだかな・・・」
なんてコトを考えていると汗まみれのぼくよりも熱いカラダが二つ、ぼくにしがみ付いて来た。
「にゃ、にゃぁ・・・わたし、まだ今日は入れてもらってにゃいにゃ・・・にゃぁ・・・」
「こ、今度は強引じゃなくて・・・やさしくして・・・お、お願いなのだ・・・」
細いカラダを押し付けてくるエッチなネコ姫様。ユナさまより二人とも薄い胸だけど、
その分尖った乳首の存在をありありと背中に感じてしまう。力を失いかけたシャフトは
急速に復活していく。今日は眠れないみたい・・・。
というか、こんなコトしてるからご主人様たちは10年後あんなエッチになっちゃったのかな?
なんて事にいまさら気がつくぼく。
もう遅い・・・でもぼくは大好きなご主人様たちに言う。
「今日だけですよ・・・そのかわりイヤってほどイカせちゃいますからね・・・」
ぼくは嬌声を上げる二人の腰を引き寄せ、黒いネコ耳、紅いネコ耳、とかわりばんこに
優しくキスをした。唇にしろとにゃあにゃあ抗議する二人。そのまま倒れこんで・・・
多分、きっと未来は簡単に変らない。でもここでのどんな些細な出来事も
10年後のご主人様たちとぼくに関わる大事な出来事になるに違いないと思う。
今日も10年前の夜は更けていく・・・明日会えますように・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・む・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここは?
・・・・・・わたしは?・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・あの頃に・・・・・・・・・
・・・・・・!!
・・・
ネコの国の城下町。深夜かつ年末のせいで人影はないが、王城により近いため
スラムのように荒んだ雰囲気はない。
その誰もいない道端の暗がりから身を起した人影・・・。全裸である・・・
ホームレスだろうか・・・いや、ホームレスとは対極の身分の人物・・・。その人物は
暗闇に溶け込むシュバルツカッツェ城を透かし見て言う。
「ここは・・・む・・・シュバルツカッツェ・・・すでに改装済みのようだ・・・」
そう、寒空の下惜しげもなく歳を感じさせない全裸の姿を月光の下にさらしている
のはフローラ。
キラリとグリーンの瞳を細め、遠景の自分の城を見上げるとすぐに視線を近くに
さし戻し散らばった服を身に着けた。幸い妹達の着衣も飛ばされていたため、
コーディネイトはともかく、上から下まで全部着るものを身に付ける事ができた。
わびしくはためく店先の剥がれかけたポスターを見て正確な年代を知る。およそ10年前・・・
『ふう・・・』
白く息を吐き出し、ひとりごちる。
「10年前・・・あの召使より、このフローラの想いが強ければ200年前に落ちたものを・・・」
胸に手を当てて言ったその姿はいつものフローラと違い、いつになく情味にあふれていた・・・
「さて・・・どうするか・・・」
とりあえず城の方に歩く。文無しだが宿の心配はしていない。女王ともなれば
城への抜け道の一つや二つ知っているからだ。そして城に向かいしばらく歩くと
辺りに違和感を感じ立ち止まる。
「む・・・魔洸の気配・・・」
違和感を感じる方、自分の横の壁に手の甲を突き出す。指につけているたくさんの
指輪の中から青の輝石を壁に触れるか触れないかの所でかざすようにし、
手を探るように動かす・・・
不意に『パシュ』と小さな音と共に青の輝石から火が走る。同時に術が破れたため、
壁に貼り付けたお札が出現すると同時にみるみる燃え尽きていく。すると何も
なかったはずの壁に路地が現れた。
「雲散護符・・・ふむ・・・誰がこんなものを・・・」
通称『人払いの護符』。これを貼ると気配が消え、誰にも邪魔されないという
護符である。ほとんどの人間は気にも止めないはずだが、さすがにこの護符の
製作者には分が悪かったようだ・・・。
興を持ったフローラが隠された路地を進むと、どん詰まりに現れたのは赤提灯の店。
「ふむ・・・」
お金もないのに全く悪びれず暖簾をくぐるフローラ。この国の草木の一本まで
自分の物という事を確信しているのだ。
『カラカラ・・・』
「へい、らあっしゃい!! 」
客のいない店内に店主の威勢のいい声が響く。フローラは何も言わず、いい感じに
古びたカウンターの席に座る。
「酒だ・・・冷やでいい」
言うが早いか、城で使っているのとは対極のビール会社の宣伝が入った実用優先のコップに透明の酒がなみなみと注がれてコトリと置かれる。半分ほど一気にあけておもむろに言う。
「客商売のクセに雲散護符か・・・?」
冷えた体に酒精がゆっくりとまわる。白い割烹着の店主はごりごりと頭を掻いて言う。
「へへ・・・こうすると本当に来たい人間や、ここに来るべき人間しか来ないんでね・・・」
「この私が来るべき人間だったというのか?」
「前がハッキリ見えてる人間にこの店は見えませんぜ・・・おっと、料理は勝手に見繕わせてもらいますよ・・・」
答えにならない返答をしてから煮込み、焼き物、お造りと手際よく並べる店主。先ほどまで自分の娘の召使と激しい交わりをしたばかりだったのでフローラは文句も言わずにいい匂いのする料理に手をつけて行く・・・ふと、何かに気がついたように顔をあげるフローラ。
「下々の料理ながらこの味・・・久しいな、『元』王宮料理長・・・いや、今は『食神』と
呼んだ方がよいかな・・・」
「お、判りますかい・・・へへ、あそこはあっしの料理を理解できない人間ばかり
なんですがね・・・と、すると・・・フローラ姫様ですかい・・・」
照れたように言う店主。すっかり老けていたがフローラは昔の面影を感じた。
「ふん、先代女王は見栄ばかり張っていた凡愚だからな、結局お前を理解
出来なかった・・・言っておくがお前が人払いの護符を使っている200年のうちにネコの
女王は代替わりしているぞ・・・王宮に戻らぬか?あの先代の凡愚はすでに
処分してある・・・物のわからぬ王女はいずれ、いなくなる運命だ・・・」
顔色変えずに言うフローラ。わずかにキュッと唇がつり上がる。
空のグラスを置くとすぐさま新たに注がれる。
王宮を下野し、ネコの国、いや世界の人々から『食神』とまで呼ばれるように
なった男はおどけて言う。
「くわばらくわばら・・・イキがってた時期もありましたが、もうあっしはここで好きな
料理をつくって死ぬ事にきめましたんで・・・」
と、やんわり断る店主。思い出したように言う。
「あっしじゃなくて、直弟子が表通りに店を出してますよ、たしか『山猫亭』とか
言いましてね・・・」
「お前の弟子ならお前と同じ事をいって断られるだろうよ・・・ふむ、お前の孫弟子なら
心当たりがある・・・」
「孫弟子〜だって?ちっ、あのバカ10年早いぜ・・・」
「ふふ、それは問題ない・・・」
娘の所有物である、料理の得意なヒト召使を思い出すフローラ。料理もそろそろなくなる・・・
「さて・・・代を払わなくてはならなくなったな・・・決めた・・・年明けに城に取りにこい、
過分のものを渡せることになっているはずだ・・・」
席を立ちながら言うフローラ。いきなりのツケ宣言にとがめだてすることなく店主が言う。
「ずいぶん日が開きますなあ、何かすべきか判ったんですかい?迷いのない目をしてなさる・・・」
「ふふ、そうだ・・・確かに迷っていた、ここに入る前はな・・・生くるもの全ての上に立つ者は
つねに一人、このフローラは二人いらぬのだ・・・」
後半は小さく呟くように、自分に言い聞かせるように・・・
「ま、自分の好きにしなせいよ、さてと・・・この帳面に一筆入れてってもらえませんかい?」
分厚い大黒帳を差し出す店主。フローラはサラサラとサインすると店を出た。
自分を殺すために・・・。
おしまい
ありがとうございました。
そしてごめんなさい。前回、ヒキを入れといて全然エロがなかったでした・・・
あと2〜3話でこの世界の話は終了。『ぼく』は元の時代にもどるか、
人間界に戻るかする予定です。放置期間を少なくし、手際よく頑張ろうと思います。
>>ピューマ担当様、GJでした。
>>95様
全くたいしたモノではありません。ただ、このレスを見て、妙にツボに入り・・・
703 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 03/12/10 00:34 ID:XfMC0HTv
ユナ様イキっぱなキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
・・・ユナ様はもう『出てくるたびにメチャクチャ犯られてしまう担当』にしてしまいました。
ええ、それだけなんです、期待してたみたいで申し訳ありませんね。
それではしばらくお別れです。だらだらとありがとうございました。
次はもっと面白い物をうPいたしますので宜しくお願いします。
あしたらさんキタ━━━━━ヾ(>ワ<)ノ━━━━━!!!!
っていうか店主 (;゜Д) ェェェェエエエエエエエエエエエエエエエエ!?
ああ、”ぼく”は人間界に帰ってしまうかもしれないのですか……寂しいです。・゚・(ノД`)・゚・。
でも何であれ、続きは大いに期待してます!!
あ・・・ごめん
判っているヒトは判りますが
このエピローグは『こちむい10』と対になっていますので
先に『こちむい10』を読んでいただけると、楽しさも倍増する・・・かも。
人間界に三姉妹が一緒に来てしまうというシチュなら期待。
年末投下といいながらやけに遅くなりました。
このタイミングでの投下というのがかなり空気嫁てないとは承知の上で、岩と森の国ものがたり10を投下します。
─────────────────────────
ふと、窓際のカーテンが揺れる。
扉が音もなく開き、そこから一人の女性が姿を現した。
褐色の毛並みを持つイヌの女性。その女性に、フィリーヌは見覚えがあった。
「……ベリル?」
「久しぶりね、フィルちゃん」
「……ちゃん付けはよしてよ」
「ふふ。ごめんなさいね」
多種族混成部隊のエグゼクターズには、当然カモシカやヒト以外の種族も多く入っている。
この女性……ベリルもまた、そんな中の一人。
主に調査偵察を担当しており、フィリーヌ、そしてリュナとも割と以前から面識はあった。
「どうして、ここに?」
フィリーヌの問いに、微笑を浮かべるベリル。
「お仕事。中身までは言えないわ。たとえフィルちゃんでもね」
「…………そうよね」
諜報担当者として当然の守秘義務。うなずくしかなかった。
「それともうひとつ。フィルちゃんにお知らせ」
しかし、続けてそう言うと、ベリルは不思議な微笑を浮かべる。
「私に?」
「そうよ」
「何?」
「リシェル・ルークス……リュナちゃんの奥さんのことよ」
「リシェルちゃんがどうしたの?」
その言葉に、ベリルがくすりと笑う。
「もう。自分はちゃん付けを嫌がるのに『リシェルちゃん』はないでしょう」
「あ……」
はっと、口に手を当てる。
「ふふ。でもいいわ。そんなことより」
「何?」
「リシェルちゃん、さらわれたわよ」
「えっ!?」
驚くフィリーヌの口に、ベリルが人差し指を当てる。
「大声上げちゃだめ」
「……ごめんなさい」
「場所は太陽の都。実行したのは……エグゼクターズよ」
「どうして?」
「そこまではわからないわ。何が目的なのかまでは私には届かないから」
「じゃあ、リュナに……」
伝えなきゃ、と言おうとしたとき、ベリルの人差し指がそっと唇に押し当てられる。
「伝えてもいいの?」
(……え?)
「このことは、まだリュナちゃんは知らないわ」
「…………」
「リュナちゃん、大切な話し合いの途中なんでしょ?」
「……うん。でも……」
言わんとすることはわかる。国の行く末がかかっている時に、心を乱すことはするべきじゃない。
それでも……
「それにね」
ベリルが続ける。
「リシェルちゃんがいなくなったら、リュナちゃんはフィルちゃんのものよ」
「…………!」
悪魔のささやき。
「大事な話し合いの途中だから言わなかった。ううん、知らなかったって言い張ってもいいわ。手遅れになっちゃえば、どうなるかしら」
「……そんな……それって……」
フィリーヌの言葉をさえぎるようにして、ベリルが言う。
「フィルちゃん、いまのままでいいの?」
「いまのまま……って」
「リュナちゃん、ほしいと思わない?」
「ほしい……って」
「いまのままじゃ、いつかリュナちゃん、フィルちゃんから離れちゃうわよ」
「!?」
ぐさりと、胸に言葉が突き刺さる。
「かわいい奥様よね、リシェルちゃん。リュナちゃんも、リシェルちゃんといると幸せそうにしてるし」
「……それは……いいことじゃないですか」
消え入りそうな声。ベリルが追い討ちをかける。
「戦争が終わったら、リュナちゃんはたぶんどっかの領主くらいにはなるわね。そうなったら、フィルちゃんとの接点もだんだん薄くなるわ」
「…………」
「フィルちゃん、一人で生きていけるの?」
「……それは」
返事がうまく出ない。
昔は、何とかできると言えたような気がする。
でも、今は。
多分、リュナのいない人生に耐えられそうにない。
パートナーだから。
二人でひとつだから。
そうやって、ほとんどの時間をすごしてきたから。
(……でも)
不安が、心をよぎる。
リュナは、一人で生きていける。
正確には、フィリーヌがいなくても生きて行ける。
それは、リシェルがいるから。
「私は……」
「無理、でしょ」
やさしい微笑を浮かべて、ベリルがいう。その言葉が鋭く胸をえぐる。
「……わかってて、どうして……」
「何?」
「どうして……私にそんなこと言ったんですか」
「どうして、って?」
「リシェルちゃんがさらわれた、なんてこと……」
泣きそうな声のフィリーヌ。
「そうねぇ……」
いたずらっぽい表情を浮かべながら、フィリーヌを見つめる。
「ひ・み・つ」
そして、そういい残すと、再び音もなくドアの向こうへと消える。
「待って……」
返事はなかった。
再び、静まり返る部屋。
「……どうして……」
部屋に取り残されたフィリーヌは、両手で顔を覆った。
「……ありがとう。ここでいいよ」
リュナは、そう言ってアルヴェニスの肩から手を下ろした。
「大丈夫か、おい」
「ああ。あとはフィルに慰めてもらうとするよ」
そう言って、おどけたように敬礼する。
「……へいへい。いいねえもてる男は」
「そう言うな。フィルとはガキの頃からの腐れ縁だ」
「じゃあ、お邪魔虫は向こうで一人さびしく夜を過ごしますよ」
「拗ねるなって」
軽口をたたきながら、ノブを開ける。
「ただいま」
「あ……」
リュナを見上げるフィル。目元に、泣いたようなあとがある。
「どうした?」
フィリーヌの傍らに腰を下ろす。
「……なんでもない」
そう言って、かすかに顔をそむける。
「……そっか。まあ、何か言いたくなったらいつでも言ってくれ」
「……うん」
「僕は、フィルの味方だ」
そう言って微笑むリュナの笑顔がつらい。
(……リシェルちゃんが……)
言うべきかどうか、心の中が揺れる。
「…………」
「…………」
沈黙だけが、ずっと続く。
「寝るか?」
「え?」
とつぜん、リュナが声をかけてきた。
「一晩たてば気持ちも落ち着くさ。フィルは先に寝たらいい」
「……でも」
「安心しろ。何があっても僕はここにいるから」
「…………」
人の気も知らずに、優しい言葉をかけてくる。
「……リュナは」
「ん?」
「私のこと、どう思ってるの?」
ぽつりと、そう聞いてみた。
「フィルのこと?」
「うん」
「パートナー」
一言で答えが返ってくる。
「ぱーとなー……」
「フィルとはもう、ずいぶんな付き合いになるからな。そばにいて当然、みたいな感じだな」
「そばにいて当然……」
「僕の分身だな」
そう言って、にこやかに笑う。
(……分身)
フィリーヌが、数時間前にアルヴェニスに言った言葉。
──そうでもないわ。……何ていうか、わたしとリュナはね、恋愛とか色恋とか、ましてや結婚とか配合とか関係ないのよ。
──腐れ縁、って言うか……離れようがないっていうか……リュナは、私にとってはもう一人の私だし、リュナも、私のことをもう一人のリュナだって思ってる。私たちってそういうものなの。
──だから、お互い自分の分身みたいなもの。……結婚、という話で言えば、自分自身とは結婚できないでしょ? そんなものなのよ。
それでも。
自分で言いながら思っていた奇妙な違和感。
リュナの口からそう言われると、はっきりとわかる。
(……それ以上には、必要とされていない)
言葉とは裏腹の、二人の間にある障壁の存在。それがはっきりとわかる。
「…………」
「フィルもそうだろ?」
「えっ?」
突然、リュナに尋ねられて、はっと我に返る。
「フィルは、僕のことをどう思ってるんだ?」
「それは……」
言葉が出なかった。
パートナー、という言葉のなんとも言いようのない嘘っぽさを、自分の口からはどうしても言いたくなかった。
そんな時。
再び、扉が開いた。
「ベリル?」
リュナが、声をあげた。
「あら、覚えててくれたのね」
「失礼だな。忘れてたまるか」
すこし皮肉っぽい口調。しかし奇妙な親しさもある。
「それは光栄だわ」
リュナとベリルが、打ち解けた挨拶を交わす。そのとき、フィリーヌの心にいいしれぬ不安がよぎっていた。
「で、こんな自分に何の用件だい?」
何気なく、当然のように尋ねるリュナ。その瞬間、フィリーヌの心にずきんと痛みが走った。
「そうねぇ……」
いたずらっぽい表情のベリル。やがて、ちらりとフィリーヌを見てからリュナに聞いた。
「フィルちゃんからは何も聞いてないのね」
(…………!)
さっと、フィリーヌの顔から血の気が引く。
「……ん?」
(……まさか……最初から……)
破滅。ふとそんな言葉が脳裏をよぎった。
青ざめた表情のフィリーヌを見下ろしながら、ベリルが言った。
「リシェルちゃん、さらわれたのよ」
「な!?」
とっさに寝台から立ち上がりそうになるリュナ。
「フィルちゃんには先に言っておいたんだけど、やっぱり黙ってたのね」
「……それはっ……!」
何か言いかけて、フィリーヌは口を閉ざす。
「……どういうことだ、ベリル」
「どういうこと、っていってもねぇ……太陽の都で、エグゼクターズのちょっと血の気の多いのが先走ったってことしかわからないわ」
「リシェルが……」
「フィルちゃんは、言いたくなかったみたいね」
「…………」
恨みがましい目つきでベリルを睨む。そんなフィリーヌを、ベリルはあの微笑のまま見下ろす。
「そんな目で見ないでよ。私が言わない、とは一言も言ってないでしょう?」
「でも! あなたが余計な……」
「言わないって決めたのはフィルちゃんでしょ?」
「だって……」
「リシェルちゃんがいなくなればリュナちゃんは私のもの。そう思っても不思議はなかったわね」
「…………!!」
リュナの前ではひた隠しに隠していた心の闇。それを、容赦なく言葉にして暴露される。
「リュナちゃんがほしかったのよね。邪魔なリシェルちゃんがいなくなればよかったんでしょ」
まるでリュナに言い聞かせるように、ゆっくりと一言一言話すベリル。
「リュナちゃんを自分のそばにおいておきたかった。できることなら、リュナちゃんのそばには自分以外の女の子なんていないほうがいい」
「違うっ!」
立ち上がる。その手を、誰かがくいとつかんだ。
「りゅな……」
見つめるリュナの目。あわてて目をそらす。
「落ち着け。言ったろう、俺はフィルの味方だって」
リュナの声。やさしかった。
「あら」
ベリルが驚いたような声を上げる。
「ありがと、ベリル。重大なことを伝えてくれたことは感謝するよ」
ベリルのほうを振り向き、そう言って軽く礼を言う。
「へぇ……ずいぶん落ち着いてるのね、リュナちゃん」
「おかげさまで。誰かさんにはガキの頃、さんざん鍛えられましたから」
「そうだったわね」
微笑するベリル。
「でも、フィルちゃんを嘘つきにしたのはリュナちゃんのせいよ」
「私はっ……!」
何か言おうとするフィリーヌを、軽く手で制すと、ベリルは再び扉の向こうに消えた。
「…………」
後には、再びフィリーヌとリュナが残された。
「…………」
「フィル」
「ごめんなさい……」
ベッドに崩れ落ちるように座り込むと、フィリーヌは嗚咽をもらしながら謝りつづけた。
「気にするなって」
そう言って、肩を抱き寄せる。
「どのみち、脅迫状さえ来てない。情報が少し早く伝わってきただけさ」
「…………」
「あの程度で、僕とフィルの仲にヒビが入ったりするものか」
「………………」
返事はない。嗚咽だけが続く。
「明日には和議の内容をまとめて、そのまま一気に首都に向かうか、途中で太陽の都に向かってリシェルと……多分レイマ君にアンチェルちゃんも一緒だろう、助け出すか」
静かな口調。なだめるように続ける。
「どのみち、リシェルってカードは向こうさんには切り札だけに軽々しく無駄にはできない。僕らが変に慌てたらかえって思う壺さ」
もちろん、多少の不安はある。しかし、いまはそれをフィリーヌに感づかせたくはなかった。
「だから、安心すればいい。僕はフィルの味方だ」
少しでも、フィリーヌが安心するようにと、そう耳元でささやく。
しばらくして、フィリーヌが尋ねた。
「リュナは……」
「何?」
「私のこと、どう思ってるの?」
さっきと同じ問い。
「さっきと変わらないよ。フィルは僕のパートナーだ」
「もし……」
「ん?」
「私とリシェルちゃんの立場が逆だったらどうしてる?」
「逆?」
「今、さらわれてるのが私で、リュナに黙ってたのがリシェルちゃんだったら……リュナはどうしてる?」
「変わらないだろう。最善の手を尽くすだけだ」
「……いま、さらわれてひどい目にあってても? すぐに助けには来ないの?」
すこしおびえたような目。捨てられることを恐れるような表情。
「難しいことを聞くなぁ。少なくとも、今の状況下においては、リシェルをひどい目にあわせるのは向こうにとって自殺行為だ。僕を完璧に敵に回すことになる」
「……助けてくれるって……きっと信じて待ってるのに」
「助けないとは言ってない。これでも、考えた末の結論だ」
「リュナにとって……リシェルちゃんって何?」
「えっ? そりゃあ……最愛の妻だけど」
「最愛……じゃあ、リシェルちゃんと私と……大切なのはどっち?」
「両方」
即答する。
「二人とも失いたくはない。だからそのための最善の手を僕は打つ」
「…………」
その言葉自体は嘘じゃないと思った。
リュナは今まで、フィリーヌに嘘をついたことだけはない。
それでも。
漠然とした不安。消えない恐怖は、ずっと心の中でくすぶり続けてきた。
(今、言わないと)
心の中で、もう一人の自分が叫んでいる。
ずっと昔から、漠然と抱いていた不安と恐怖。それを伝えられるのは、今しかない。
リュナが、すぐ近くにいる今なら、そして他に誰もいない今なら、それを言える気がする。
「……ぱーとなー」
「えっ?」
「ぱーとなーって……リュナは言ったよね」
「ああ」
「でも……違う」
「え?」
問い返すリュナ。
「私たち……パートナーなんかじゃない」
「何を……」
「だって……わかるもん」
悲しそうな声。
「リュナは、いつも私を守ってくれてる。何か大変なことがあるときは、いつも一人で前に立ってる」
「……それは」
「リュナ、私なんて必要としてない」
「それは違う!」
思わず、声を荒げる。そして、はっと気づく。
「……いや、ごめん……続けてくれる」
「今だってそう。リュナは、絶対に私を怒らない。どんな時だって、私を守ろう、守ろうとしてくれてる」
「…………」
「それはすごくうれしい。でも、それってパートナーじゃない」
リュナを見つめる目に浮かぶ涙。
「不公平だもん。私は、いつも守られてばかり。リュナは、守ってばかり。私はリュナを守れない」
「……いや、それは……」
ヒポグリフ種だから。女の子だから。だから守って当然。……そんなことは言えるはずはなかった。
ましてや。
──好き、だから……なのか?
そんなことは、言えるはずもなかった。
八年も前からの腐れ縁。そういう感情を抱かなかったといえば嘘になる。それでも、それを認めるわけにはいかなかった。
なぜなら、二人はパートナーだったから。任務というもので繋がれている以上、私情を挟める関係ではなかった。
必死になって消し続けてきた感情を、いまさら認められるわけがない。
「私は……そんなのやだよ」
フィリーヌの訴えは続く。
「私も、リュナを守りたいし、リュナの力になりたい」
「今だって十分……」
「やだよ!」
リュナの言葉をさえぎるように、叫ぶように訴える。
「私は、もう一人じゃ生きていけないのに! リュナがいないと生きていけないのに! 私にはリュナをつなぎとめる力さえないなんて!」
言いかけて、また泣きそうになる。
「……私、リュナに必要とされたいよ……リュナがいないと生きていけないのに、リュナはいつだって私を離れていける……」
「……離れるわけないだろう」
「でも! 私、そんなに強くないもん……リュナを……ただ何もないのに信じていられるほど強くない……」
涙がこぼれる。
「リュナにとって……私って何? ただ、守って、そばにおいておきたいだけのお人形さん?」
「そんなわけないだろう……」
返事がうまくいえない。
「リュナ……私がこんなにひどいこと言っても、わがまま言っても、それでも怒らない……どうして? どうして怒らないでいられるの?」
「……それは……そんなことで、フィルを失いたくないし、傷つけたくもないから……」
「傷つけてるよ! 私、リュナのせいですごく苦しんでるのに!」
「…………」
「リュナは、私のこと……」
言いながら、胸にしがみついてくる。そしてそのまま、泣きじゃくるように言葉をぶつけてくる。
「全部リュナのせいだもん! リュナがわたしのこと、ちゃんと信じてくれないから! 全部苦しいこと飲み込んで、私を守るばっかりで……!
リュナが苦しんでるのを見るだけで、何もできないし……何もさせてくれないなんてひどいよ!」
フィリーヌが、そんなに感情をあらわにぶつけてきたのは、初めてのような気がした。
「私が、こんなにリュナを必要としてるのに……リュナは私を必要としてないから……だから!」
「……悪かった」
「リュナ……強いよね」
見上げるようにして、フィリーヌが言う。
「…………」
「リュナは、いつもそう。こんなに言っても怒らない。全部、自分で飲み込んで、私のわがままも聞いてくれて」
「……わがままじゃないだろ」
「ううん……わかってる。わかってて、リュナを困らせてる。ほんとは、私がもっと強くなればいいだけなのに」
「僕だって、強くなんかない」
ぽつりと言う。
「自分の弱さを認めることもできないくらいに弱くて脆かったから、強いふりをするしかなかった」
「え……」
「まだ年端もいかない子供がさ、右も左もわからない世界にいきなり放り込まれたんだ」
ゆっくりと語り始める。
「頼るものもなくって、すがりつくものなんて自分自身しかなくてさ。自分は強い、そう思い込まなきゃやってられなかった」
「…………」
「昔読んでた英雄譚の主人公とかいろい思い出しながら、強い自分ってのを演じてた。壊れかけてる精神を守るためにはそれしかなかったから」
運命の豹変というものを受け入れられるほどには、当時のリュナは成長してなかった。
「で、いつの間にか……そうやって自分を演じ続けてきて、ふと気づくと……それがフィルを傷つけてた」
苦笑いを浮かべる。
「そしてはじめて、自分が理想像にしていたはずの強い理想像ってのがどこがで根本的に間違ってるって気づいて、でもそのとき、自分の心を振り返ってみたら……」
「…………」
「何のことはない、そんなお芝居という殻だけ残って、守ろうとしていた自分自身なんて見つかりもしない」
そして、再び笑う。
「とんだ笑い話だけど。でもさ、今の僕が、それしかないんなら……そうやって僕はこれからもフィルを守り続けるしかないし」
ひとつ息をつくと、にこりと笑って続けた。
「僕が、どうしてフィルを守ってると思う?」
そして、続けた。
何も知らない子供がさ、右も左もわからない場所に放り込まれて、そのままだと死ぬしかないって時に、まあそうやって強がってたときに。
僕が生き延びることができたのは、フィルのおかげだと思ってる。
フィルと出会って、何も知らなかった僕に何もかも教えてくれて、僕が生きてゆけるようにしてくれたから、僕は今こうやって生きている。
だからフィルは、僕の命の恩人だと思ってる。
いつの間にか、二人で一緒に仕事をするようになって。
……正直な話、少しづつ異性として気になりかけてた。
まあでも、そんなことを言える立場でもなかったし。
パートナーだから。仕事仲間だから。そうやってそんな気持ちは押しつぶしてきた。
でも、せめて。
フィルを守りたいって気持ちだけはあったし。それは隠すことじゃないと思った。
いつの間にか、少しづつ、自分が強くなってるってわかった。
それはきっと、フィルを守るって目的があったからだと思ってる。
まあね、隠して押しつぶして、その結果がフィルには辛いことになったのかもしれないけど。
どうして、僕がフィルを守り続けてるかっていうと……
「……リシェルには秘密だぞ」
そう言って、こつんと額をぶつけてくる。
「うん」
フィリーヌの目が、リュナを見つめる。
「これでも、フィルのことは好きだったし、今だって好きだ」
「浮気者ね」
「失礼だな。二人同時に愛しちゃいけないなんて法はない」
「……もう」
フィリーヌが、そっと目を閉じる。
「ベリルに、二人してまんまとはめられたな」
「そうね。でも……」
「ん?」
「はじめて合った時は、泣き虫で何もできなかった男の子が、いつの間にか私より強くなってることに気づいたときね」
「……」
「……その、ずっと我慢してたのよ」
「悪かった」
「なのに、私のことほっといて結婚するなんて」
「いや、それは……」
「リシェルちゃんのこと、ちょっとだけ妬いてた」
「今は?」
「そうね……」
「横盗りしちゃおうかな」
そう言って、キスをねだる。
「洒落にならないことをさらっというな」
そういいながらも、軽くキスをする。
「もちろん、正々堂々と、ね。リシェルちゃんのことをちゃんと助けてから」
「だな」
そういいながら、フィリーヌの服に手をかける。
「あ、ちょっと……」
「言ったろう。最善の手を尽くしてるって。今はフィルとの関係を取り戻したい」
「でも……」
「フィルを必要としている証ってこと、そうだろ?」
「もう……」
頬を染めながら、それでもリュナのなすがままに任せるように、フィリーヌは再び目を閉じた。
「あ……」
フィリーヌの口から、かすかなあえぎ声が漏れる。
リュナに背後から抱き寄せられ、両の手で豊かな胸のふくらみを愛撫されるたび、その唇から声が漏れる。
全身の力が抜けたように、くたりとなっているフィリーヌ。その瞳だけがやけに熱っぽい。
「どうだい、フィル?」
右の手でやわらかく揉みつつ、左の手が下乳を軽く爪で掻くように愛撫する。
「……はぁん……」
甘い声。さっきまで泣いていたとは思えないような幸せそうな表情を浮かべている。
ちゅ。
首筋にキスをする。そして、足を絡める。
汗のぬるりとした感覚と、熱いくらいの体温が伝わる。
両の指が、左右の胸の突起をこりこりと転がす。
「りゅなぁ……おっぱいだけじゃ……やだよぉ……」
駄々をこねるようなフィリーヌ。尻を背後に押し付けるようにしてねだる。
そんなフィリーヌに、リュナは絡み付けた脚で、フィリーヌの脚を左右に広げながら言う。
「自分でやってごらん」
「えぇ……そんなのやだぁ……りゅながいいのぉ……」
「だぁめ」
そういいながら、こりこりと乳首をいじめる。
「あんっ……やぁんっ……りゅな、ひどいよぉ……」
あえぎながらそう抗議するフィリーヌ。
「ちゃんと一人でできたら、入れてあげるから」
さわさわ。
左の指が、乳房を離れ、茂みの中を軽くまさぐる。
「あ……そこ……もっとぉ……」
背中にしなだれかかってくるフィリーヌ。
「ほら、こんなに濡れてるくせに」
ちゅぱ、ちゅぱとわざと音が出るように、指を上下に動かす。
「やぁん……」
とろんとした目つきで振り向くフィリーヌの頬にキスをする。
「もっと……もっとしてよぉ……」
そういいながら、背中をこすり付けてくる。
「自分でしてごらん」
「やだぁ……りゅなじゃなきゃやだよぉ……」
そう言って、フィリーヌはリュナの両手首をつかんで、肌に押し付ける。
「仕方ないな」
くすりと、リュナが笑う。
そういいながら、くいと手首をひねる。
「え……?」
いつの間にか、フィリーヌの手首をリュナがつかんでいた。
「ほら、やってごらん」
そういいながら、フィリーヌの手を秘所へと誘導する。
「あっ……やだ、やだよぉ……りゅなぁ……」
言いながらも、指が勝手にそこをまさぐる。
「あ、や、やだ……こんなの……」
「指は正直だね」
意地悪っぽくそう言ってみる。
「あ、やだ、おさえないでよぉ……」
「自分で動かしてるくせに」
「ちがうよぉ……ちがうんだから……」
そういいながらも、フィリーヌの指は本人の意思とは離れて自慰を続ける。
「あ、あん、んんっ……」
そんなフィリーヌを、背中から抱くリュナ。もう少しでフィリーヌがイくというところで、少々強引に指を抜く。
「ふぇ……?」
わけがわからないといった感じのフィリーヌ。その体を仰向けにして、その上にリュナが覆いかぶさり、そしてフィリーヌの脚を左右に広げる。
「あ……」
まるで初めての相手にするように、リュナが優しく挿入する。
「あっ、あっ、やだ……」
さっきまで我を忘れて求めていたくせに、いざ挿入されそうになって、急に恥ずかしがって身をよじるフィリーヌ。
そんなフィリーヌのかすかな抵抗を無視するように、ぐっと肉棒を奥まで挿しいれる。
「あぁっ……」
大きく身を反らせる。
「動かすよ」
そう言ってから、腰をぐいと動かす。
「あっ、あん、やだ、まってっ!」
かすかな拒絶の声。それを無視して、無理やり腰を動かす。
「あっ、いや、いっちゃうっ、だめっ!」
シーツを両手でつかんだまま、がくがくと痙攣するフィリーヌ。
「大丈夫?」
一度、腰を止めてから聞く。
「はぁ……はぁん……りゅなぁ……」
「なに?」
「こんなの……ずるいよぉ……」
「どうして?」
「だってぇ……」
くたりとしたフィリーヌが言う。
「こんなの……こわれちゃうよぉ……もっとやさしくしてよぉ……」
「そっか、ごめんな」
そういいながら、今度は少し優しく動かす。
「はぁん……やぁ……」
まるで寝息のように、柔らかな声を上げるフィリーヌ。
目を閉じて、本当に眠っているような安らいだ表情を浮かべている。
その頃。
「……そろそろ行きますか、アンシェルさま」
レーマが、眠っているアンシェルを起こす。
「……そうだな」
かすかにうなずき、服を着替えると得物を腰に差す。
時刻は、夜の三時。
ひんやりとした夜風の中で、二人は静かに外に出た。
「大丈夫ですか、アンシェルさま」
心配げに問うレーマ。
「案ずるな。おまえが横にいる限り、私が遅れをとることはない」
にこりと、アンシェルが微笑みかえした。
(つづく)
遅くなりましたけど、岩と森の国ものがたり10です。
フィリーヌの濡れ場を一度ぐらい書きたいなと思ってたんですが……アレですね。
ピューマさんとあしたらさんの後に投下というのがいかに自殺行為かよくわかりましたw
ちょっとだけチラシの裏。
えと、今回の話、アンシェルと
つまり子供の頃「女の子>>>男の子」だった力関係とかイニシアチブが、やがて成長する中で少しづつ逆転していって。
やがて、主導権が「男の子>女の子」になる中で、お互いに心境の変化が現れてきて。
女の子は立場の逆転を受け入れる気持ちと、ちょっとした抵抗感を持つようになって。
男の子は立場の逆転に戸惑いと、ちょっとした相手への責任感を持つようになって。
で、おたがいに知らず知らず相手を異性として気にするようになっちゃって。
みたいな心境の変化を書きたかったわけです。……文章になったのはアレですけどねorz
まあそんななかで、リュナがちょこっとだけ人生の先輩面できたら格好いいかなとか思ったり思わなかったり。
>>123 ぐは、推敲中に書き込みやがったorz
チラシの裏は特に気をつけなきゃならないのに。
えっと、チラシの裏だけ書き直しますね。
>>123は忘れてくださいw
ちょっとだけチラシの裏。
えと、今回の話、リュナとフィリーヌの関係はレーマとアンシェルにもかぶせてたりします。
アンシェルとレーマってのは、「幼馴染」っていう、少々特殊な属性持ちにしてますけど。
子供の頃、力関係が「女の子>>>男の子」だったのが、やがて少しづつ男の子が成長していって、いつのまにか主導権が「男の子>女の子」になる中で、お互いに心境の変化が出てきて。
女の子は立場の逆転を受け入れる気持ちと、ちょっとした抵抗感を持つようになって。男の子は立場の逆転に戸惑いと、ちょっとした相手への責任感を持つようになって。
で、おたがいに知らず知らず相手を異性として気にするようになっちゃって……みたいな話をあの二人で書きたかったんです。……結果はアレですがw
とはいえ、あの二人の場合、精神年齢的にはこちむいワールド屈指のお子様ですからw
この先、相手を大切に思うことを思いっきり勘違いしてあさっての方向に突っ走る可能性があるわけで。
で、そんな場面でリュナを格好よく使いたいわけですw
……今回のぐだぐだの展開でどうやってリュナに説得力持たせるんだといわれたらアレですがorz
ともあれ、次でやっとその二人の話を書ける訳です。
よおし、がんばるぞぉw
ごめんなさい。
返す返すで何ですが、
>>123-124、まとめて忘れてくださいorz
何をわけわかめな寝言書いてるんだよ俺……
>あしたらU
>食神
( ゚д゚)ェ?
>直弟子が表通りに店を出してますよ、たしか『山猫亭』とか
( ゚д゚)ェエ?
すごいな、「ぼく」
>自分を殺すために・・・。
( ゚д゚)ェェエエ工工!?
そいつあタイムパラドクスですぜ旦那!?いや、女王様!!
あ、いや、そう言う概念がないのか。
>『ぼく』は元の時代にもどるか、人間界に戻るかする予定です。
それはつまり・・・・・・いや、だからこそ、か?
期待してます!!
>>125 大丈夫、そのための削除依r・・・・・・
お疲れ様です。
しかし、これでレーマ達が救出成功したらリュナ卿微妙に立場無いなw
投下したあとってけっこうナーバスになるって話あるよね。
だから気にせんでいいと思うよー。
陰ながら応援してます。えーと、なんだ。リュナ卿のえっち!GJ!
夜空に星が瞬く。
まだこの季節、夜はうっすらと寒い。
ぶるっと、アンシェルが小さく震えた。
「大丈夫ですか?」
「あ……」
レーマが、そっとアンシェルの肩を抱き寄せる。
「だ、だいじょうぶだ……」
声が上ずっているのが、自分でもわかる。
鼓動が、妙に早くなっている。
「……建物の近くに行くまで、ずっとこうして行きますか?」
レーマの優しい声。白い息が、月明かりの下でうっすらと見える。
「ば、ばかを言うな……」
そういいながら、言葉とは裏腹に、無意識のうちに体をレーマに寄せる。
あったかい。
本当は、今こんなことをしている場合ではないのに。
妹を助けるという大切な目的があるというのに。
それでも、体が勝手に動く。
心の中で、言い訳をいろいろと並べる。
体が冷えては、いざというときにうまく動かないから。
不審に思われないように、カップルのふりをしておいたほうがよいから。
それから、それから……
まるでやましいことをしているように、顔をうつむけて自分に言い聞かせる。
くいと、レーマの手が強くアンシェルを抱き寄せる。
「あっ……」
考え事をしていたせいで、無防備に引き寄せられる。
「万が一なんて、考えないでいきましょうね」
「え……」
「きっとうまくいきます。うまくいかないはずがない。アンシェルさまには、僕がいるし、僕にはアンシェルさまがいて、それで失敗するはずがない」
励ましてくれているのだと気づいた。
「……そうだな」
アンシェルが、まるで関係のないことで悩んでいたのを、レーマは、彼女が不安に思っているのかと心配したんだと思うと、ふと心が痛んだ。
それと同時に。
そうして、抱き寄せて励ましてくれるレーマが、とてもたくましく思えた。
──いつから。
レーマは、こんなにたくましくなったんだろう。
そんなことを思った。
初めてであったのは、7歳の時だった。
草原でリシェルと遊んでるときに、一人で泣いてる子供がいた。
小さくて、角も尻尾もなくて、見たことのない服を着ていた。
レーマっていう名前のその子供が泣いているのがかわいそうで、仕方なく二人で家につれて帰った。
ヒト、という生き物だとお父さんが教えてくれた。
ペットとして飼ってもいいよといってくれた。
そのころは。
こんなに大切な存在になるなんて思ってもいなかった。
はじめに仲良くなったのは、リシェルの方だった。
子供同士で明るく楽しくはしゃいでいた。
──そのころ、私は。
剣の稽古や礼儀作法や勉強や、いろんなことを必死になって学んでいた。
つらいこともあった。
そんなときに、リシェルと遊びながら無邪気にはしゃぐレーマをみて、意味もなく怒ったり、むりやり修行につき合わせたりした。
首輪を引っ張って、山道をむりやり走らせたり。
そうやって、レーマをいじめて、泣かせるのが数少ない楽しみだった。
自然と、レーマはおびえて、余計にリシェルと近づくようになっていった。
それが、わけもなく腹立たしかった。
なぜかわからない。
ただ、このペットは自分だけのものだと意味もなく思い始めた。
遊んでるときに無理やり、リシェルから引き剥がすように首輪を引っ張り、稽古や修行や勉強につきあわせた。
横で、べそをかきながら、それでもレーマは一生懸命がんばっていた。
頑張って、一生懸命小さい体でついてくるレーマの姿が、とても可愛らしくて、そんなレーマを見ると、自分がレーマの「ごしゅじんさま」なんだと実感できて嬉しかった。
レーマの所有権をめぐって、リシェルとも時々けんかをした。
初めて見つけたのは私よ、いや私だと、お互いにレーマの片手を握って引っ張りながら。
仲のよい姉妹だったけど、けんかをするときはいつもレーマをめぐってのことだったような気がする。
そうして。
昇格試験に合格して、騎士となるために家を離れた。
もちろん、レーマとも。
不思議な寂しさがあったけど、きっとそれは家族と別れる寂しさだと思っていた。
家族ではなく、レーマと別れることが寂しかったのだと気づいたのは、ずっと後のことだ。
一人きりになった後、修行を重ねて正式に軍属となり、戦場に立つことになった。
まだ幼くて、引き際というものを知らなくて。
ある時、戦況の悪化を見切れず、逃げ遅れ、敵に捕らわれた。
牢屋に閉じ込められ、尋問という名のもとに兵士たちによってたかってなぶり者にされた。
地獄のような日々の中で、ふと幼いころのペットを思い出した。
理由もなく、思った。
あいつが、いつかきっと助けにきてくれると。
地獄から抜け出せたのは偶然だった。
妹のリシェルが、たまたま王弟派の有力者と結婚していたことで、釈放の力が働いた。
そして、久しぶりに家族と……父母はもういなかったが……再会した。
そして、あいつとも。
どきりと、胸が高鳴った記憶は今も残っている。
久しぶりに見たレーマは、幼さも残っていたが、ずっとたくましくなっていた。
地獄の日々の中で想像していたのと同じくらい、肉付きもしっかりして、腰には一人前に剣なんか差していた。
ただ、離れていた時間が余りに長すぎた。
すっかり、レーマはリシェルの所有物となっていた。
それが歯痒くて、でも今の立場ではどうすることもできなくて。
ときどき、レーマが妹の指示で世話を焼きにくる。
朝、起こしに来たり、食事の準備ができたり外に出かけるときに呼びに来たり。
そのたびに、わざと困らせるような態度を取るようになっていた。
そうすることで、少しでもレーマと一緒にいる時間を共有したかったのだと思う。
そうやって、困らせるとレーマは昔のような可愛らしい困った表情で何とか機嫌を直してもらおうと頑張る。
それが、本当に可愛らしかった。
でも、それはレーマの自業自得。
人の気も知らずに離れていったりするから。
リシェルばかり見て、私を見ようとしないから。
ぜんぶ、レーマが悪い。
レーマが悪いんだから、レーマには何をしたっていい。
やめてほしかったら、私のものになればいい。
自分勝手だとはわかっていたけど、そんな気持ちだった。
強い自分を演じていた。
強くなかったら、レーマは離れていくという恐怖があったから。
レーマには、ずっとひどい目にあわせていたから、レーマは私を嫌っているんだという恐怖があった。
レーマをつなぎとめておくには、レーマと一緒にいるためには、昔のように、強くてレーマを上から押さえつける圧制者でいるしかなかった。
本当は、とっくにそんなことはできなくなっていたのに。
だから。
たかが山賊ごときに恐れて剣を落としたとき、本当に怖かったのは。
レーマに、弱さを見られたことだった。
軽蔑されて離れてゆかれるのが怖かった。
そんな時に。
子供のころに読んだおとぎ話に出てくる騎士のように。簡単に山賊を斬り伏せて、レーマは優しく慰めてくれた。
たぶんそのとき、何かが変わったんだと思う。
それとも、もしかしたら。
初めてであったときから、いつかこうなってほしいんと思っていたのかもしれない。
昔読んだ御伽噺。
何千年も前に、世界中に戦争をおこしてみんなを苦しめたとても悪い王様をやっつけた勇者様のおはなし。
そこに出てくる勇者様は、天のかなたから落ちてきた。
角も牙もしっぽもないけど、とても強くて優しい男の子のものがたり。
……まぁ少々、それに比べると頼りないけど。
「れーま……」
顔をレーマの肩によせたまま、アンシェルはレーマの名前を呼ぶ。
「はい」
優しい声。すぐ耳元から聞こえる。
「おかしいな。こんなときというのに、とても心が落ち着いている」
「いいことじゃないですか。平常心が一番ですよ」
「そうだな」
正直、平常心かどうかはよくわからない。
が。
不思議と、今は負ける気がしない。
いや、不思議なことではない。
理由ははっきりしている。
そばに、レーマがいるから。
だから、負けるはずがない。
後れを取るはずがない。
誰が相手だろうと、相手になるはずがない。
体を、きゅっとレーマに押し付ける。
「寒いですか?」
「いや……暖かい」
「ふふっ」
すべてわかっていて、そして受け入れてくれる声。
「近づくまで、こうしていていいか?」
「どうぞ」
その言葉に、できるだけ甘えていようと思った。
レス乗っけるだけじゃ味気ないかと思って、ちょっとだけ書いてみました。
……しかし、これは猛烈に恥ずかしいなw
ある意味エロシーン書くより恥ずかしかったりw
>>127 それだぁっ! と思ってふと見たら、自分でアンカー打って台無しにしてましたorz
>しかし、これでレーマ達が救出成功したらリュナ卿微妙に立場無いなw
まあ、そこはそれです。
あと一歩ってところで人質の命を盾にされて武器を捨てたり、まあいろいろと……ごにょごにょw
>>128 >だから気にせんでいいと思うよー。
はい、ありがとうございます。なんだか気が落ち着きます。
>えーと、なんだ。リュナ卿のえっち!GJ!
あはは……
その、まぁ、リュナ卿ていうか、カモシカの民は好きな人とならえっちぃことをやることへの罪悪感がかけらもない種族ですからw
……小悪魔系ボクっ娘な中華猫耳娘いらんかね〜(ぼそっ
>>133 お父さんっ、僕が一生幸せにします!!!
モンプチ 吟上海鮮ふかひれ風味を用意して、お待ち申し上げております。
そんなら俺の書いたのも十分ハズイなw
ん〜・・・そうだ! そういうときは開き直るといいってばっちゃが言ってた!
中華娘もおいしく食べたらええって言ってた! 食べたいです!
>>134 >モンプチ 吟上海鮮ふかひれ風味
「海鮮でないフカヒレ風味ってどんなだ。
たとえば十勝平野フカヒレ風味とか
大地の恵みフカヒレ風味とか
本格インドガラムマサラフカヒレ風味とか
100%野菜フカヒレ風味とか
はちみつレモンフカヒレ風味とか
じゃパン28号フカヒレ風味とかあるのか」
「御主人様。どうしてそんな字面を
よだれ垂らしながら言えるんです?」
「え?だって美味しそうだろ?」
こねこねこねこね。
で、何故に俺は料理の手伝いまでしなきゃならないのだろうか。
「そこ、口より先に手を動かす」
へいへい。
饅頭の生地……ていうかなにか白くてでかい小麦粉の塊を前に、俺はずっと悪戦苦闘している。
大体、生まれてこの方料理なんか学校の家庭科くらいしかやった覚えがない。
「どーなった?」
ご主人様が、饅頭に入れる中身の仕事をひと段落させてこっちに来る。
「見てのとおり」
「ん〜」
ぐにぐにと、ご主人様がその塊を押さえる。
「ちょっと固いね。もうちょっと水を足したほうがいいよ」
「どれくらい?」
「ん〜とね、大体これくらいの柔らかさがいいんだよ」
むに。
「うわあっ!」
いきなり、背中に抱きついてくるご主人様。首に腕を絡ませて、思いっきり密着する。
「ねぇねぇキョータくん、この感じ、わかる?」
「わ、わかるもなにも……と、とりあえず離れろって!」
「ふ〜ん、ゴシュジンサマにそんなこというんだ。せっかくアドバイスしてんのに」
そういって、すりすりと背中に柔らかいものを押し付けてくる。
「そ、それのどこがアドバイスだよっ!」
「ほら、生地の柔らかさ。だいたいこれくらいの柔らかさがいいんだよっ♪」
むに。
人の態度を楽しむように、にんまりと悪戯っぽい笑顔を浮かべて背中に胸を押し付ける。
「わ、わかった、わかったから離れろって!」
顔が赤くなってるのが自分でもわかる。
ぱく。
「うわあっ!」
人の言葉を無視して、後ろから人の耳たぶをくわえるご主人様。
「わかる? 生地の固さは、大体ボクの胸とか唇くらいの柔らかさがいいんだよ♪」
絶対、人をもてあそんで楽しんでやがる。
「わ、わかった、だいたい……」
どぼどぼどぼ。
「のわあっ!」
水がこぼれる。
「もぅ〜なにやってんのよ、キョータくんったらぁ」
背中からご主人様の声。
「ほんっと、ボクがいないとなんにもできないんだから」
それを言うなら、ご主人様がいなければもう少し落ち着いて作業ができるんですが。
「仕方ないなぁ」
そういいながら、背中を降りて俺の横に立つご主人様。
「ボクが、キョータくんにもわかるように、ちゃんと教えてあげるよ」
そういいながら、ご主人様は俺がさっきまで悪戦苦闘していた小麦粉の塊を横のバケツに移し、空のボールに小麦粉と膨らし粉、その他もろもろを入れる。
「まず、生地を混ぜる塩水の温度は人肌」
そういいながら、人の体を引き寄せて、すりすりとほお擦りする。
「って、おい!」
「このくらいの温度だよ」
小悪魔モード全開の流し目を送りながら、そう言うご主人様。
わざとやってる。ぜってー、人が困ってるのを見て楽しんでやがる。
「ふぅ〜ん、キョータくん、体温高いね」
すりすりすり。流し目を送りながら腕を絡み付けてきて、体全体をすり寄せてくる。
「わ、わかったからもう離れろって……」
「仕方ないなぁ。キョータくんって、ほんっとにウブなオトコノコなんだから」
そう言って笑いながら、やっと体を離したご主人様が、さっきまで具を作っていたあたりから水瓶を持ってくる。
「いい? だいたい、これくらいの温度」
そう言って、今度は指を水瓶に入れさせる。
最初から水瓶に指入れるだけでよかったじゃないかと、まだ鼓動が収まらないなかで思う。
「で、量はこれくらい」
そういいながら、ボールの横を見せる。
擦り切れてほとんど見えなくなっていたけど、よく見ると目盛りがある。小麦粉も、ちょうど目盛りぴったりになっている。
「気づかなかったでしょ」
「……あぁ」
「ほんっと、キョータくんってニブいんだから」
そういいながら、水を流し込む。
無造作に入れているようで、きっちりと目盛り通りの場所で止まっていた。
「で、これをこねるんだよ」
「ああ」
大きなボールの中の小麦粉と塩水の塊を、俺とご主人様の四本の腕で練る。
「こういうのをやってるうちに、オンナノコの扱いもうまくなるんだよ」
「っっ!」
思わず前につんのめりそうになる。
「力の入れ方、抜き方、そういうのがだんだんわかってくるようになってきたら、キョータくんも晴れて一人前のドレイ」
それ、あんまり嬉しくない。
「ほらほら、顔が赤いぞぉ」
意地悪な笑顔で、つんつんと俺を肘でつついてくる。
「誰のせいだ」
「キョータくんのせいだよっ♪」
無邪気な声。ほんとに、俺はこうやってずっとこいつに振り回されていくんだろうなと思う。
まあ、別にいいけど。
「ほらほら、そろそろおっぱいの柔らかさでしょ」
「その言い方はやめろ」
「じゃあ、唇の柔らかさ」
「…………」
「それとも、こういった方がいい?」
そう言って、人の耳に顔を近づけると。
「ボ・ク・の・柔らかさ」
「だああっ! 耳に息吹きかけながら変なこというんじゃないっ!」
頭の中にいろいろと思い浮かんできて、慌ててそれを振り払うように生地をこねまくる。
「あははっ、キョータくん真っ赤だよ」
「るさいっ!」
「そんなに照れてたら、もっとイジワルしちゃくなっちゃうんだけどな〜」
「!」
ぴと。
また、横からご主人様が抱きついてくる。
「ほらほら〜」
すりすりすり。
「ち、ちょっと、いいかげんに、やめろって……」
「そんなに真っ赤に照れながら言っても、説得力ないよ」
全身でしなだれかかりながら、ご主人様が息を吹きかけてくる。
「……ひ、人の気も知らねぇで……」
「知ってるからやってるんだよ」
「…………」
「ほらほら、もっと力入れて練らなきゃダメだよ」
この小悪魔め。
いつか絶対ひん剥いて泣かす。
……俺がそこまで保てばの話だけど。
キョータくんのほうが可愛いのは仕様ですか?
141 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 22:31:08 ID:nG7RDNo6
こっちはもう花粉の季節だが、あちらは花粉症に悩まされないのかね?
>>141 1.花粉は現代病なので、向こうは関係ない。
2.特定植物ばっかりの森とか地面をくまなく覆うアスファルトとかないから、花粉が飛ばない。
3.花粉症よりも怖い病気がデフォで多いので、花粉症=風邪っぽい位にしか認識されてない。
4.眠り花粉とか麻痺花粉とか発情花粉とかを吹き出す触手を生やした植物がいる。
・・・・・・どれがいい?
ノリとパッション、それから物語の都合上ヽ(≧∀≦)ノ
4がいい!
5.花粉を出す植物系の種族がいる。
とかは?
キョータくんとご主人様をみててふと思い出した。
……タコの人、まだこのスレみてるんだろうか……
最近、このスレなんかシリアスな話が多いから、ああいう明るくえろっちぃ話もタマには読みたかったりw
>>144 4.にはなぜに触手が必要ですかw
>>145 その場合、花粉を出すのはおしべだったわけだから……
ふむ、花のような美少年の男の子しかいない種族なわけか。
で、子孫を残すためにはヒトのおにゃのこに種付けして……
そもそも、
>>3の膨大なリストのうち今でもこのスレに残っている職人さんが何人いるのかという疑問も(´・ω・`)
スレをみてることは見ているけど、書く余裕がない(´・ω:;.:...
今は書く気力が……。ごめん。・゚・(ノД`)ノ・゚・。
書いてるぞ。
進まないだけでorz
で、出来てるんです……次のプロットは。
はい。
す、すみません……
すいません、時間がないんです。
自分が二人いればなァ……。
最初と最後はできてます
キャラもできてます
キャラが思いどうりに動いてくれません
どうやって誘導すればいいんだろうか
押せ
もしくは引け
キャラが勝手に動くなら俺たちは偶然を動かせ、状況を動かせ、黒幕を動かせ。
>>153 むしろそのままキャラを暴走させたらかえってぐるりと一周して元の鞘におさまることもあるぞ。
このスレ用に話を書くときには、まとめwikiなんかを見て
設定をふまえた上で書くべきなのかな。
つまりテンプレに書かれていることだけではなく、
より詳細な意味でのワールド・シェアリングが成立してる?
>>157 最近は世界観がかなり煮詰まってきたから、結構あちこち見てから書いたほうが無難かも。
wikiは便利だけど、中には頻繁にSS投下するのにwikiは更新しない人もいるのが難点。
>>157 とりあえずこちむい〜あしたら全部読んだ上で矛盾しなけりゃ大丈夫じゃないかな。
大陸については色々使われてきたので、新しい国を出す時は「大陸のどこか」とか
「あれくらいある大陸の南方に位置する種割れた島、モッコス(仮名)」でも良いと思うし。
矛盾とかあってもそれはあらたなSSのネタとして使えるわけだし、あんま気にしなくてもいいのでは。
流石に、「世界が滅びました」「フローラは俺が殺した!」とかはどうかとおもうけどさw
まあ誰かの国の設定使いたい時は作者さんに聞いてみるのが一番では?
160 :
虎の子:2006/02/11(土) 12:29:21 ID:pbbEqHtf
大陸の地理ってどうなっているのでしょうか?
一時期、皆さんが色々言ってたようですが、それをまとめてある場所はないのでしょうか――
>>160 むかし、見聞録の人が大まかな地図を作ってくれた記憶もあるけど……種族配置図としてはこんな感じじゃなかったかな。
記憶違いもあるだろうからあとは職人さんの自己申告で。
熊
兎 狼
狐 豹
犬
ピ 鹿
猫 虎
獅
蛇
魚
とりあえず大まかに分けてみると。
平原……猫、狐、獅子
荒野……犬
草原……豹
山地……狼、虎、カモシカ
森林……ピューマ
砂漠……蛇
雪原……兎、白熊
海中……魚
>>161 しかしこうしてみると……
近隣をぐるりと肉食動物に包囲されてるカモシカとか、真横に狐と狼がいる兎ってテラヤバスだよなぁw
いつ食われてもふしぎじゃないというか。
まって。こうじゃなかった?
猫の東に狐、猫と狐の間に虎。あと白熊の位置がわからない。
熊
兎 狼
豹
犬
ピ 鹿 狐
猫 虎
獅
蛇
魚
ごめん。兎→狼→犬→猫→魚はほぼ一直線に並んでたような記憶がある。
兎
熊
狼
豹
犬
ピ 鹿 狐
猫 虎
獅
蛇
魚
人によって微妙に解釈が違うね。
・・・・・・確認もせずに獅子の国を東の方だと思ってたな。
完成前で良かった。修正しておこう。
Wiki見る限りでは獅子の国は蛇の国のすぐ上のようだが。
やっぱりアラビアと中華の間には楼蘭王国のような交易を主とする民がいたりするのだろうか?
つか、カモシカの国って大陸の西の方なのな。何となく東だったような印象があった。
地理のデータが判明している国(wiki+避難所などでの製作者の発言から)
ネコ・・・扇形をした大陸の要。南に海。街道・港が集中
イヌ・・・北に狼の国、南にネコの国。国土最大
ヘビ・・・大陸南西部、砂漠地帯
トラ・・・イヌの国の南東、海沿い
キツネ・・・大陸東方、ネコの国と接している
ウサギ・・・大陸北方、寒冷、都市国家
オオカミ・・・イヌの国の北、イヌの国とウサギの国に挟まれている
カモシカ・・・イヌの国と西側で隣接
東南から山岳の街道でネコの国へ
南西に獅子の国、南に蛇の国、西はピューマ
話は変わるが、SS保管庫が動いてないな。猛烈に心配なんだが・・・
形式に則って依頼すれば保管してくれる可能性が高くなるらしい。
>>168 とりあえず申請はしました。
……保管人の人、かなり忙しそうでしたけど。
>>169 多分そんな感じだと思います。
豹の国が虎の国の近くにあるのかな。熊は多分北方のどこか。
こうしてみると案外空白地多いなぁ。
なんとなく個人的には、犬の国と猫の国がもう少し国土が大きくて隣接してるイメージもありますけど。
そういえば各国の交流ってどうなってるんだろう。わかる範囲だと……
・猫の国は各国と商業的関係がある。
・犬の国はほぼすべての国と仲がよくない。ただしカモシカの国と多少の国交がある。
・狼の国と兎の国は険悪。
・ピューマの国、狐の国は半鎖国状態。
・獅子の国とカモシカの国に交流関係。
・猫の国は関税と通行税で莫大な利益を得ている。魔洸機器も生産。
・犬の国は魔剣等を輸出。裏世界でもいろいろやっている可能性がある。
・虎の国は裏社会で各国に武器供与。麻薬とかやばいものも扱っている。
・狼の国は良質の金属器を生産。
・カモシカの国は香辛料、コーヒー豆等を輸出。金銀産出国だが金暴落により停滞。
・蛇の国では毛織物を生産。精霊使いが大陸各地にいる→傭兵業?
・狐の国は工芸品を生産。
・ピューマの国はほとんど他国との輸出入なし?
・獅子の国は陶器や絹、漢方薬を輸出。
なんか、あれだな
ほら、中学のときの地図帳の最後の方に載ってる
「日本と各国の輸出・輸入の相関図」みたいなのがあると分かりやすい
さりげなく
>>166にwktk。
さて、明日は忌まわしき呪いの日だが、異世界にもあの黒い凝固物を渡すという呪いの儀式は浸透しているのだろうか……
チョコって犬には毒なんだよね。
はっ!ズィーキュン逃げてー!
>>172 そもそも黒い凝固物があるかどうかが問題と思うが。
>>170 >交流
各作品の時代が同じとは限らないのであんま詰めないほうが良いと思う。
176 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 00:51:09 ID:o1Upl0DU
蛸のことか
やべ、しょうもないレスであげてしまった
すいませんorz
178 :
蛇担当:2006/02/16(木) 21:23:52 ID:DqErexmZ
その夜、秋葉原駅前「肉の万世」の看板に一人の少年が突き刺さった。
「お、おおお。い、生きてるのか?俺」
「お疲れ様です。まずはその疲れをいやして下さい」
その少年がそこに突き刺さるのを予期していたのか、近くに作ったバリケードの中から少女が出てきて少年を出迎えた。
同時に仮面を付けた白いダブルのスーツを着た紳士がティーポットからカップへ紅茶を注ぎ少年へと差し出す。
「いらんわっ!!つーか、何で戻ってくるだけなのに大気圏外から落下せにゃならねえんだ!!」
「いえ、余剰魔力が反重力として使われたようでこのような結果になってしまっただけです。我々も予測出来ませんでした」
「予測しとけよそれぐらい」
「そうは言いますが、あなたはあそこで彼と同じことを選択するんですか?」
「・・・・・・」
少年が看板から身体を引きずり出しつつ少し考える。答えは程なく出た。
「前提が違うだろ」
「前提?」
「俺の選択の理由が、あいつにはあそこにあるって前提が」
何となく振り向いたアキバの電光掲示板には、広告のURLが浮かんでいた。
ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/771.txt
>>178 うpろだは、一行が長いとき自動改行してくれないのが問題にゃ。
口調が似たのが二人いる場合の長会話モードは、ときどき主語がわかりにくくなるってのがわかった。
他山の石にしよう。
でも、それはさておきGJです。
>>179 DLして折り返しのあるテキストエディタでみれば問題ないと思う。
ひ、柊……
いろんなとこに飛ばされて(´・ω・)カワイソス
失礼、蛇担当者の「少年」(柊?)ってどこの作品の方?
柊というのは葉っぱがとげとげの常緑樹じゃよ。
植物事典に載っておる。
184 :
182:2006/02/17(金) 23:46:47 ID:GZKv9qsI
ハイパー化したクシャスラを味わえたゲボク一号テラウラヤマシス
蛇の人GJ!
>>179 や、スイマセン。普段ワードパッドで書いてメモ帳にコピペしてるもんですから。
口調に関しても悩んだんですが、むう。
やはり、カルロの語尾に「ござる」か「りゅん」か「脳髄グシャー」をつけるべきだったか。
(人、それを大惨事という)
>>180 そんな事言う子は、先生大好きだな。
>>181-184 柊蓮司って誰のこと?僕全然わかんなーい。
>>185 は、意外とむちむちプリンがいないので成分追加してみました。
皆様には楽しんで頂けたようで何より。
さて次回の放浪女王と銀輪の従者は?
「サーラ様、海老を食う」
「船上での再開」
「ぬるぬるスライム及び陵辱触手責め」
の三本です。また見て下さいね!ンがググ
>>186 知らないのに良く下の名前(蓮司)を当てましたね。書かれてないのに。
(・∀・)ニヤニヤ
GJであります!
GJ!
こちむいの作品、最初から読み直してふと疑問を感じた。
こちむいの3でユナが「もう20年もシテいない」という発言に対し、
あしたら6でそこが10年前だというのがマナの発言から取れた。
それからユナ達にドロドロな事しておきながら、未来が変わると言っていたが
ユナ襲った時点でもう未来が変わってるのだな。このまま現代へ帰ると、どうなるか楽しみかも。
>>191 いままで我慢していたが、これを見てどうしても言いたくなった。
見聞録、完結マダー?
いや、ごめん。
聞き流して下さい。諦めずに待ち続けます。
ジャガーにはまってしまった。
ピクェロ!キオ! ピクェロ!キオ!
なら、縦笛を吹くんだピヨ彦
チタラ「やるじゃないかキオ! あのオグマを倒すなんて!」
キオ「フフフ……
バッカだなチタラ! ウソだよウ・ソ! ホントに倒せるわけねーっての!」
チタラ「ええーウソって何!? 何言ってるの!? (ガビーン)
さっき倒したじゃない、ウソって何それ!?」
キオ「だからあれは冗談で倒したんだよ…
普通にやったら倒せねぇよ〜(ハハハ)」
チタラ「冗談で倒せるなら普通にも倒せるでしょ!? またワケの分からないこと言って……」
キオ「何だよチタラ!! ムキになるなよ
冗談だって言ってるだろ!?」
チタラ「…………ご……ごめんなさい……」
なぜか謝るチタラだった
>>194 これでいいかい?
ズィーキュン「お前はっ、 一生っ、 俺の、モノだ!」
あたし「イヤだよキモい お前洗ってない雑巾の臭いがすんだよ!」
調子にのって書いた。今は反省している
お前等大好きだ
そーいや、見聞録のヒロインって名前ないんだ。
>>196を見て、漸く気付いた自分って…?
199 :
『あしたら』:2006/02/23(木) 01:40:51 ID:quOs/fpf
>>190 さま。こちむい読んでもらえてすごく嬉しいです。さて・・・
こちむいの3でユナが「もう20年もシテいない」という発言に対し、
あしたら6でそこが10年前だというのがマナの発言から取れた。
このような指摘ではありますが・・・ 『黙ってればばれないと思ってました〜!! 』
申し訳ありません。はっきり言って、設定はしっかり考えているのです、これでも・・・
こちむい2、辺りからもう『ぼく』は過去の世界に跳ばされるのが決定していました。
ただし、20年前・・・それならご主人様たちは丁度10歳前後で、『あしたら』のご主人様達の
いささか不自然な成長の設定も必要なかったのですが・・・
少し、方向転換しました、20年から10年に変更したのは、ネタバレをしますと・・・
過去の世界で生活する『ぼく』は未来の皆を懐かしく思っているうちに気がつきます。
そうです、この世界にはまだソラヤ君がいないのです。『ぼく』はソラヤ君と以前した会話から
ソラヤ君があと、一ヶ月ほどでこの世界に落ちてくる事を思い出します。そしてその時に出来る
時空のひずみの場所さえも正確に判っているのです・・・
しかし、『ぼく』は悩みます。時空のひずみに飛び込みさえすれば10年後はおろか、元いた自分の
世界に帰れるからです・・・。ご主人様に再開するのか、元の世界に帰るのか、苦しむ『ぼく』・・・
そして、その事実を子供ご主人様に秘したまま、否応なしにその時はやってくるのです・・・
と、いうのを大元に、次からの『あしたら』は進んでいく予定です。
ホントはソラヤ君は一回だけ登場の予定だったけど、作者的に捨てがたくて・・・
皆さんもそうだとうれしいんですが・・・
それに『ぼく』の相手が一巡すると、必ず『ぼく』×『ソラヤ』を書きたくなるし・・・うわ、なにをす(r
というわけで鋭意作成中ですので少々お待ちを・・・
次回は『あしたらV』か、『こちむい』テイストの番外編、同時に書いてますのでどっちかを・・・
uぷもしないのに、長々とすいませんでした。それでは・・・
10年前の世界でぼく×ソラヤ?
乳児801プレイはさすがにやbうわなにすr
冗談はともかく期待してます!
主にねっちょりいじられる「ぼく」を!<そこかよ>
ば、番外もクル─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !?
>>過去の世界で生活する『ぼく』は未来の皆を懐かしく思っているうちに気がつきます。
>>そうです、この世界にはまだソラヤ君がいないのです。
この2文を続けて読んだところで『お尻がさびしいのか!?』と真っ先におもってしまった私はどうすれば…Orz
まぁ、新たなエピソードの発表を楽しみに待たせてもらうことには変わりないわけですが(w
期待しております。
いやほんとマジで。
チラシの裏。
「もし自分が落ちたら」
と考えると、正直猫の国にだけは落ちたくないかもw
身が持たないというか、たぶん精神が狂う。
かといって生き残ることさえヤバそうな犬の国や蛇の国やピューマの国もつらい。
平和そうで、かつご主人さまがアブノーマルじゃないのは……
……どこにもないのか?w
>>204 命の危険が少なくて、かつご主人様が比較的まともというと……魚とか獅子あたり?
猫の国でも、不眠症のお姫様とかならアリじゃないかな。
……個人的にはアンシェル様の召使になれるのなら落ちてもいいかもとか思っているのは秘密だw
>>202 きっとそれは、落ちたいという潜在願望のあらわれなのではw
>>204 「落ちもの様だ!」
「落ちもの様あぁぁ!」
人々の叫ぶ声が聞こえる。落ちもの様、それは僕に向かって発せられた言葉だ。
僕は今、ヴィクトリア式の馬車、いわゆるウェディングワゴンに乗って、ゆっくりと街路を移動していた。沿道には大勢の人が押し寄せ、皆競うように落ちもの様と叫んでいる。
そして僕の隣には一人の少女が座っていた。ふと隣を見ると、彼女はぽっと顔を赤らめて、きゅっと僕の手を握りしめてきた。
何だかなぁ。話は一週間前に遡る。
こんな風に始まる、暮らすのがすごく楽な国のSS書いてみたけど、
よく考えたらこれ召使いの物語じゃないや、と思って断念。
>>204 兎は? まあ、あのペースだと腎虚で死ぬと思うけど。
>>205 魚は落ちるとこ次第では即死するだろ。海だし。
ついでに中華の房中術はステッキーレベルだと烈海王先生もおっしゃっております。
多分纏足とか盲妹とかあるんだぜー。(推測です。実際の獅子の国とは若干の違いがあります)
無駄にリアルな話をするなら「アブノーマルプレイ」なんて道楽が流行るには、
ある程度の政治的安定・安全保障が必要だろうねえ。
図らずしてその二つは両立しない訳だ。
たあいえ、道楽の極北を支える為には大量の「並」が必要な訳で、
平和な国にフツーのエッチが存在しない訳でも無かろう。
>>207 「落ち物信仰」とかのある、他国と没交渉の国ではそーゆー光景も有り得るのかなー。
神の巫女に捧げるものとして「落ち物」が献上されるってことはあるかも。
この場合、神聖な供物と言うことで「落ち物様」とか呼ばれそうだ。
アステカの心臓捧げる儀式に似たようなものがあったはず。
>>208 兎も落ちるとこ次第では即死する予感。雪原だし。
…… 一番まともなのは、多分ソラ様のところ。落ちるのならそこに落ちたい (T-T
日本人としては狐の国が一番馴染みやすかろう
まあ、語られてない難点があるのかもしれんが
>>210 狐か……そういえば華蝶楓月の人、元気にしてるかなぁ……
とか言いつつ、俺も景佳くんと剣術少女の短編、いい加減完結させなきゃなorz
>>208 >アステカの心臓捧げる儀式に似たようなものがあったはず。
((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
>アステカの心臓捧げる儀式
はるか昔のピューマの国やカモシカの国あたりでやられてそうだなー……
つーか、現在進行形でやってるような閉鎖的な集落もあるんじゃないかね。
ミクロネシアとかポリネシアには近代まで葬儀としての食人があったりするし
ついでにいえば、人身御供の儀式が迷信ではない物理力を持っている可能性もあるしな。
魔法があるんなら、そーいうことも有り得ると言えば有り得る。
まあ、「あるかもしれない」ってだけで、別に本当にある必要はないけどさ。
ついでにいえばエロには結びつきづらいので、どーでもいいといえばどーでもいいしw
いやまて、「神聖な神の供物である所の落ち物を生き神様が下のお口でパックンチョ」というのはありか?
最後の行でシリアス台無しww
215 :
虎の子:2006/02/27(月) 00:36:09 ID:5++nTUK1
頭の中に構想が浮かんでいるのに、それを上手く文にできない時皆さんはどうしていますか?
ぜひ、教えてください。
無茶苦茶切実かつ、テンパッてますので――
そのせいでストレスがたまり、余計まともな文が書けなくなっています。
て言うか、未だ本編に入ってない小説は余計な文ばかり肥えて増えて、エロくなるのはいつの日か――
>>215 1・最初と最後を決める(ト書き)
2・その間に起こしたいことを決める(ト書き)
3・そううまく行動するように誘導する(ト書き)
4・間を埋める(文章を書く)
5・要らない部分を削る
で、どうでしょうか
3が地獄ですが
>>217 その部分で書く目的というかテーマをはっきりさせたらいいんじゃないかな。
例えばエロSSだったら一番重要なことは「抜ける」ってことで、
それ以外はぶっちゃけどうでもいいと言ってもいいと思う。
エロを盛り上げる効果を生むもの以外は、良い設定や文章を思いついても
容赦なく切り捨てるようにすればいいんじゃないかと。
構想をざっと粗筋にして、それを見つつシコシコと。
どっちかっていうと出来事より見せ方の方がむずいですね。
(そして見せ方にこだわりすぎてわかりにくく…)
何も考えずにできる動作をこなしながらぼーっと考えたりも有効です。
書けなかったら寝かせておく、ってのもありだけど…。
>>192 作者さんもういなくなっちゃったんだっけ?
ああ…あの終わり方じゃ続きが気になって仕方がない
ROMってるだけかもしれん。
漬物つまみに酒でも飲みながら待つがよかろうよ。
>アステカの心臓捧げる儀式に似たようなものがあったはず。
マチュピチュ、インカ帝国では 岩や祭壇に括り付けた後、
斧の様な刃物で胸を切裂いて心臓をえぐり出した後 太陽に掲げて握りつぶす。
エジプト辺りでも一時期流行ったらしい。
アステカはこれ系の中でかなりグロエグので、想像に任せます。
四肢を斬りと・・・
アステカの場合、捧げる神あいてによってビミョーに「処理」の仕方が違うから…
イヤ系ばかりなんだけど orz
生贄っていわれて始めに思い付いたのが
藤子不二雄の「ミノタウロスの皿」。
あれも結構凹む話だった気が。
225 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 13:07:10 ID:FmjgonW0
私には、彼氏がいます。彼とわたしは、デートの時、どちらかの家に行き、だれもいないとき
、部屋で横になって裸でだきあいます。それがだんだんエスカレートしていって、学校の体育倉庫で
服をぬがされ、まだ3年生ですが学年で1番大きいおっぱいを、つかむように触られたり、しゃぶった
りされます。最初は、苦手だったんだけどだんだん気持ちよくなりサイコーです。しかも、わたしは
、学年1美人でもてます。彼も同じで、美男美女でよくみんなにうらやましく、思われます。
: : このカキコ見たあなたは4日後に不幸がおとづれ44日後に死にます。それがイヤならコレをコピ
ペして5ケ所にカキコして下さい。私の友達はこれを信じず4日後に親が死にました。44日後友達は
行方不明・・・・。いまだに手がかりもなく私はこのコピペを5ケ所に貼り付けました。すると7日後
に彼氏ができ10日後に大嫌いな人が事故で入院しました。
: : 信じる信じないは勝ってです
226 :
カモシカ担当:2006/03/02(木) 17:37:09 ID:clUxbxWY
何でこんなところにコピペがw
えーと。
いわゆる生贄とか、血を見る儀式ってのは南米文明モチーフならいやでも触れなきゃならない部分ではありますが。
でもエロパロ板で、あんまりグロい描写とかするのも問題ですし。
とりあえず、「岩と森〜」の時代にはすでに過去の遺物ってことになってます>生贄
猫の国とか犬の国とかからの文化や自然科学の流入とかもあって、近代文明への憧憬の中で次第にそういった部分が失われていったといいますか。
かつてのそういった、血なまぐさい儀式とか伝統の欠片は、ヒポグリフ種の研究とか表沙汰にできない人体実験とか、
あるいはアレ系の復古主義教団とかそういう方面に残ってはいますが、表向きはそういう古い伝統はなくなっています。
もっとも、昔でも生贄に「落ちもの」を使うということはなかったと思います。
ヒトを人間とみなしていない以上、神への供物としてささげるにはふさわしくないと思われていたのではないかと。
生贄の儀式で殺されるのは、やっぱりカモシカの民だったのではないでしょうか。
……とまあ、これは自分の見解。
ピューマの国だとまた違うかもしれません。
ちなみに、生贄関連なら個人サイトだけど↑(目欄)なんか見てもいいかも。
見た後はかなり欝になりますけどw
227 :
カモシカ担当:2006/03/02(木) 20:13:28 ID:clUxbxWY
……とか書いておきながら、実は自分が上のサイトを発見したのが「岩と森〜」を書き始めて半年以上してからってあたりがもうぬるぽw
∩ ∧_∧
\ヽ_( )
>>227 \_ ノ
∩_ _/ /
L_ `ー/ / /
ヽ | |__/ |
| ̄ ̄ ̄\ ノ
| | ̄「~| ̄( 、 A , )
| | | | ∨ ̄∨ ガッ
し' し' . 人
. (_.)
. (__)
230 :
ピューマ担当:2006/03/05(日) 13:44:12 ID:EXs96fEK
保守がてら。
「んっ、んあ! そ、そこ、そんなとこ、マチュピチュしないでぇっ!」
「ふふふ……ここがインカ? マンコ・カパックしてるぞ?」
「あんっ! クスコでなんか・・・・・・ん〜〜っ!」
「そろそろこのキトーが欲しくなってきたんじゃないか?」
「もう、いじわる・・・・・・ね、ウチュ・・・して欲しいの」
インカは素でエロいと思います。
さ、がんばるぞっと。
どんな保守やねんw
>>230 予想だにしない一面だなあ・・・・・・w
>>230 失礼ながら、この言葉を捧げたい。
「お前は誰だ?」
保守
ちょうど今、TBSあたりの妙に胡散臭い番組を見てる。
エロパロから南米に興味を持ち始めるというのも珍しい例かもw
237 :
ピューマ担当:2006/03/07(火) 00:09:14 ID:xK6Z1dFb
uhhyo-
べ、別に・・・甘い展開が恋しくて禁断症状におちいった訳じゃないんだからねっ
エロい光がやっと見えてきたんだからっ
あ、自分で言っててキモイですね。正気に戻ります。
>>236 俺も見てました。オンダ(投石紐)が出たときは妙に嬉しかったり。
>>226 インカモチーフと言いながらアステカの神様パクったのばれてーら!
簡単にピューマの国の代表的な神様紹介?
(月 ママキヤ 雨 ショロトル 雷 マチャクアイ)
(陽 ウィラコチャ 火 アウカヨック 虹 イプラ)
(金 アウキヤ)
(地 アプ 木 ピルイ 草 パチャカマ)
(氷 パリアカカ 風 サカカス 石 アウチャ)
(人 コノパ)
( )内で身内みたいです。いずれWikiにも乗せます。
最近このスレに来たものですが、ちょっと質問してもよろしいでしょうか?
一応今は「こっち向いてよご主人様」シリーズは読破したのですが、
ヒト召使いは猫の世界で「男」が需要が高いのはわかったのですが、
異世界に「女」が落ちてくることはないのでしょうか?
もしかして読み飛ばしてたならすいません。
>>238 狗国見聞録などには女の子が落ちてますよ
ほかの作品も読んでみては如何?
魚もメスですよ〜
あと狐の一部も…
今のところ、猫国と犬国に女のヒトが落ちてくる話があったはず。
とくに狗国見聞録読めば、何で女が少ないのか分かる……ハズ。
どうもありがとうございます。
今から読ませていただきます。
>>242 それはつまり、女の子はほとんどがごろつきに輪姦されて殺されてるって意味ですか?
>>244 読めばわかるけどごろつき相手じゃなくても
人間の女子という存在はとてもひ弱いから。
獣人あいてじゃ体力差がありすぎてあまりもたない。
ネタのつもりならごめんよ。
今更ながら、落として保存してた>178読了。
……サトル君は流石としか言えません。かなり憧れるキャラっす。あの卑劣っぷりに憧れるというのはどうかというのは置いておいて!
あとサーラ様カワイカッコイイ。痺れますた。
そしてカルロ&エリーゼが今後も出てくることに期待してみるテスト。なんか奴らスキです。
そういや、SSを書くときってだいたい一行何文字を意識して書いてるんでしょうかね、皆様。
SS書きでない名無し三十七号(仮)ですが、なんとなく気になって。
>>246 えっと、うpろだ使ってない書き手ですが、
ギコナビなら大体一行70字くらい出るんで、なるべくそれ未満になるよう意識してます。
ちなみに行数は一回に大体30〜40行くらい。
一回に大体10レスくらいで前フリ7レス、エロ3レス……って、そこまでは聞いてないですか。
……暖かくなってきたし、そろそろ新規の職人様が降臨してくる時期だなぁ……(ぼそっ
>>246 > 今更ながら、落として保存してた>178読了。
> ……サトル君は流石としか言えません。かなり憧れるキャラっす。あの卑劣っぷりに憧れるというのはどうかというのは置いておいて!
> あとサーラ様カワイカッコイイ。痺れますた。
> そしてカルロ&エリーゼが今後も出てくることに期待してみるテスト。なんか奴らスキです。
>
やや、お褒めにあずかり光栄の至り。
あのアウトローコンビは実は最初は殺そうと思ってましたが、書いてるうちに楽しくなってきてしまったので、
わざと生死不明にしましたw
これでいつでも再利用可能だぜーw
> そういや、SSを書くときってだいたい一行何文字を意識して書いてるんでしょうかね、皆様。
> SS書きでない名無し三十七号(仮)ですが、なんとなく気になって。
他のスレで落とすときは大体ギコナビスレエディタの長さに合わせてますね。
>>247 季節で増えるもんなのか、それはw
虫か、俺たちw
>>248 そう、それはたとえるなら美少女の蜜にむらがる毒蛾のごとし……w
新作といえば、地下集落で生活するプレーリードッグ娘(モグラっ娘じゃ萌えないw)とか思いついたけど、よく考えると地下以集落の場合、落ちる前に地面に激突するんだなw
むしろ
い し の な か に い る !
な悪寒。
>>249 そこで空気穴の出番ですよ。
|川|
|人|
| |
| |
| |
| |
| ____________________
|
| 獣人
|
落ちものって空から落ちてこなければならないのかやはり……
んなこともないと思いますが、いきなり建物の中に「落ちて」も良いわけですし。
十六夜賛歌なんかはそうでしたし。
てか、数百b上空から降ってきたら飛行石の首飾りでもない限り
ヒトも落下地点も大惨事ですがな。(笑)
第2次大戦中、チェコかどこかで爆撃機が攻撃されて炎上、搭乗員の一人が
パラシュート無しで高度5000mから飛び降りたら下が雪の積もった針葉樹林で
奇跡的に助かった、って話をどこかで読んだ。
体中トゲまみれになったそうだけどw
飛行機の気密が破れてスチュワーデスが放り出されたけど足の骨を折った以外は無傷だったってこともありましたな
竜巻で上空に吹っ飛ばされたけど、上昇気流のおかげで生きてたって話もありますな。
何にしろ奇跡的偶然でもない限り地面にケチャップの染みが出来るとは思いますが。
つか、落ちても死なないと飛び降り自殺が成立しなくなるし。(嫌な理由だ)
しかし、ヒトだったらまだ良いような物の、ガソリン積んだタンクローリーとかが大都市に落下したら落差が10mでも
えらいことに。つかタコさんとこの人型戦車なんか無事な部分の方がすくないだろーなー。
まあそんなことがちょくちょく起きているわけでもないとこをみると、「落ち物は地表すれすれに現れることがほとんど」
ってことでしょうね。
このスレは雑談にも知識のかけらがあるわー
さあ、そのおむつを活かして新たな書き手となるが良いわー
>>246 TeraPadというツールを使ってます
一行50字が基準、一文が二行にわたるときは直前の読点で改行してます
読みやすくてテンポのよい文って、なかなか難しいですよね
俺も知識のきらめきを!
ドスを片手に戦闘中で、ふんどし一丁で崖から落ちるんだけど
上昇気流で間一髪助かるんだよね。
民明書房の本に載ってたよ。
>>258 そんな連中ばっかきたら獣人は絶滅危惧種になるな
>>257 >そのおむつを活かして新たな書き手となるが良いわー
おむつ吹いたw
乳児プレイはさすがに書けない、と言うか書いたらドン引きされそうだ…
>>260 別に当人でなくても、子沢山の後家さんのところに落ちてきたもんで、オムツを替える合い間にとか、オムツを替えてる時に後ろからとか…
…このスレ向きの雰囲気じゃないな orz
ふと疑問に思ったんだが、あちらの世界にはこっちの世界みたいな四足歩行の犬や猫はいるのか?
馬はいるしラクダもいるし牛もいるし魚もいるし
山猫亭って屋号もあるならふつーの犬猫もいるだろ。
>>262 います。
こっちの世界にも猿がいるようなもの。
毎日携帯で見て今素
とりあえず見てるよアピール
ところでエロパロ板って獣姦専用スレはないんだよな?
八犬伝とハム太郎のならあるがな
なんか哲学っぽいな
271 :
266:2006/03/13(月) 21:02:57 ID:Kp7LFtCt
>>268 一度立ててみようかと思ったんだけど需要ないと思って結局やめた…
だが需要がないことを恐れていてはこのスレには投下できない罠。
クラゲ少女は透明なんだろか。
275 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 12:40:44 ID:5gz3pDCj
服が
内臓が見えるようなのは勘弁。
このスレのひとたちは普段どんな本読んでるのかね
おしえてくれ! たのむ!
>>277 普段と言われても難しいが…、ラノベも読むし
一般向けの科学書(宇宙とか物理とか)も読むから。
今日は古本屋で村上春樹のカンガルー日和を買ってきた。
>>277 本というか、色々なサイトの小説なんかを読んだりしているね(特に異世界FT)。
本はラノベや流行の本なんかを読んでる。
18禁系はあまり読んでいないのでエロい文章が書けないorz
最近読んだ本ということで
アメリカの奇妙な話1 巨人ポールバニヤン
タツモリ家の食卓(部分的に再読)
ラヴクラフト全集7
A君(17)の戦争(部分的に再読)
地を穿つ魔
超妹大戦シスマゲドン@
この世界ってセイウチンとかガゼルマンとかバッファローマンとかスニゲーターみたいな超人はいるのだろうか?
>>277 自分は……じつはラノベ読まない方だったりするから、ネタ探しに四苦八苦してたりしまつ。
SSのネタになるような本をあまり読んでないというか、ビジネス書とか時代劇とか歴史小説とか……
個人的に好きな作家さんといえば……そうだなぁ、戸部新十郎、北方謙三、陳舜臣……って、やけに年寄りじみてるなぁw
>>281 えっと、少なくともカモシカの民はガゼルマンじゃあないですw
>>277 雑誌だとネタ集めにニュートン
あとは趣味の雑誌
ラノベだと秋田禎信、時雨沢恵一
リプレイ本はほぼ全て
池波正太郎とかもたまに読む
あと、漫画
立ち読みも含めていろいろ
最近はほとんどラノベばっかだなあ
古典も読まなければとは思うんだけど
ちなみに、質問の意図とあなたの普段読んでる本を聞いていいスか?
>>281 いや、その超人の共通点って「出鱈目レスリングが出来る」ぐらいしか無いような気がする・・・・・・
>>277 今読んでいるのは唐詩選。
こんなの読んでるの自分だけな気がする…。
285 :
277:2006/03/18(土) 22:02:23 ID:ZM6v2Hwb
雑談程度に聞いてみたかっただけなんですけどねアハハ
みなさんお答えいただきどーもでした。地元の図書館で探ってみます。
ま、本当のところは…結構な量が書きあがったものの欲が出てきたっつーか良いものにしたくて、
読んだことない本読みながら、ちょいと間を置いてみようと思っただけなのよう。
エロス三昧のお話も書いてみたいし…
ちなみに田中芳樹作品とか好き。森岡浩之も。
最近のお気に入りは司馬遼太郎と平岩弓枝。「功名が辻」と「御宿かわせみ」は読んでてさりげなくもっきした。
あとは…心理学系統の本とか参考にしてる国の歴史の本とか。あ、上野の国立博物館は近いうち行きたい…。
あ、それと追加>>蛇さん 避難所で質問されてます。すでにお気づきでしたらゴメンナサイ。
なんかすげ、ラヴクラフト全集は予想してたけど
田中芳樹と池波正太郎までカブった。
他に式貴士、井上ひさし、大藪春彦、
ラノベはなぜかあかほり作品が数冊…
まあメジャーだからねえ>田中芳樹と池波正太郎
考えてみたら「平凡な日本の少年が異世界に飛ばされる」ものの小説とか漫画とかほとんど読んでないな俺。
かろうじて読んだのが聊斎志異に唐代伝奇ってのは何か間違ってる気がするw
そう言えば今やってるナルニア国物語も「異世界に飛ばされた少年少女が〜」だな。
>>288 いや、たぶんそっちが原点だから、間違ってるわけでもないような…
「平凡な日本の少年が異世界に飛ばされる」というのは以外に少ないかも
>>291 アニメだと結構あるけどね。
ワタルとかシュラトとかラムネ&40とかレイアースとか。
最近の漫画だとサンデーのMARかなあ。
神坂一の日帰りクエストシリーズなんかはこのスレと雰囲気近いかも。
>>291 ストレートなところでは、高千穂 遥 の「異世界の勇士」
1979年発行だから、今読むとかなり時代を感じると思う。
ほかにもジュビナイルSFではたくさんあるよ。
「ここでは無い何処か」への漠然としたあこがれと、
「主人公へ自己投影したヒロイックファンタジー」の融合ってのは、
ジュビナイルSFの王道だと思う。
ジュブナイルではないのか
男はそう思った
ジュビナイル の検索結果 約 521 件
ジュブナイル の検索結果 約 364,000 件
byググる先生
Wikipediaでは「ジュブナイル(ジュヴナイル)」となってますな
因みに「ジュビナイル」は、モダンダンスの用語の一つだったり、
競馬のレースの一つだったりしてますわな
ttp://www2.sala.or.jp/~dst/page010.html ここの下の方に用語として載ってた
まあ、落ちた所で勇者でもなんでもないのがこのスレの特徴か。
>>296 なんだかんだあっても、こちむい界は勇者を必要としない程度には平和な世界だしねぇ。
サトル君とかキオっちみたいに、獣人とタイマン張れるヒトなら、勇者の素質はありそうだけど。
>>296 勇者どころか落ちた瞬間に問答無用で性奴隷確定だもんなぁw
年齢的に性奴隷にはなりえない人が落ちてきたらどうなるんだろう。
赤ちゃんだったらまだいいけど、すごい年寄りが落ちてきたりしたら…。
>>299 見聞録で、四十過ぎた落ちもののおっちゃんが出てきてたけど、そういう人はこっちの世界の知識を教えながらそれなりに生活してたっぽいね。
>>299 赤ちゃんのときに落っこちてきて、元の世界の記憶はないのに
異世界人として育てられたら、なかなか面白い自我を形成しそうだな。
302 :
虎の子:2006/03/26(日) 13:42:25 ID:mYHfMi7G
世の中には、知らない方が良い事、聞かない事が良い事が多数ありますが、あえて私は聞きます。
このスレでの、猫や虎の耳の扱いはどうなっているのでしょうか?
獣耳じゃなくて、人の耳の方です。
耳が四つあるのか、それとも獣耳のみなのか――
エロを書いてるんですが、耳への攻めの部分でこの問題にぶち当たりました。
皆さんのご意見を聞かせてください。
>>301 レーマ君はそれに近いかも。
たしか五歳で落ちてきて親の顔も覚えてないとかいう設定だし。
あと、ソラヤ君はどうだったっけ。
最初からこっちで生まれたのか、赤ん坊のときに落ちてきたのか……
いや、赤ん坊のときに落ちてきたら……首が固まってないから落ちた瞬間に即死するよなw、
>>302 耳が四つだと思います。
その辺は見た目優先で良いような気が。
獣顔ならまだしも、人間の顔なのに顔の横に耳がなかったら非常にバランスが悪いというか不気味というかw
獣耳だけ、っていうほうに一票。
人間で耳があるべきところには、普通に髪の毛が生えているだけで。
耳が4つってのは、獣耳の方がどうにも付け耳っぽくなるから嫌。
その話題は永遠のテーマ。
猫耳オンリーに一票。
だからこその「猫耳少女」じゃないか?
>>303 落ちるというのは一種の表現であって、ドアを開けたら異世界にいたとか、
消防活動中に気付いたら異世界にいたとかそんな感じなので、赤ちゃんがいきなりポツンと現れても問題無し。
>>301 ソラヤきゅん忘れたか?
>>302 猫耳だけだったような。
「ヒトの耳って変な形」とかいう台詞がどっかにあったよーな。
あと、ヘビには耳がないという描写がたしかにありました。
そういえば。
猫耳は生えてても猫ヒゲが生えてるのって聞いたことがないな。
他の種族は知らんが、ネコに関しては生え替わり期の時に生えてるやん
>>309 ひげが生えると猫耳少女ではなく猫娘になるからだとおもわれ
そういえば、髪の毛や陰毛も、種族によって色や質が人間に近いタイプ(蛇、魚、カモシカ、虎)と、もろ獣毛(猫、犬、兎)タイプがいるような。
>>312 人に近いタイプはマダラとか言うんじゃなかったっけ?
>>309 あしたらでひげ生えるはなしなかったっけ?
>>310の言うように。
しばらく静かだし、再読してみるのもいいかなぁ。
しかし、あまりの量に明日寝不足。
耳はファンタジーということで
きっちり描写せずぼかすに一票
マターリした空気をかけらも読まずに投下してみたり。
────────────────────────
季節の変わり目となる今の季節は、ちょうどネコ風邪が流行る時期だったりする。
正式名称はなんかあるらしいけど、俺らは簡単にネコ風邪と呼んでる。
読んで字のごとく、俺やミコトちゃんみたいなヒトは感染しないのに、ご主人様とかだけが感染する謎の風邪。
主な症状は熱と関節痛と倦怠感と肉体疲労。ついでに咳。
まあ、そういうわけだから……
近頃は、とかく俺もミコトちゃんも忙しい。
なにしろ道場もほとんど開店休業状態で、元気なのはヒトと数人の獅子……と、なぜか少し前から居候してるネコの女の子。
「なんでネコ風邪なのにサーシャさんが元気なんですか」
「だって私、獅子の民じゃないもん」
「いや、だってネコじゃないですか……」
「うーん……だってネコの国じゃ、こんな変な風邪はないし」
「…………」
世の中って不思議だ。
まあ、それはともかく。
そういうわけだから、こっちは薬を作ったり料理をしたり洗濯をしたりと大わらわ。
ミコトちゃんも、最初に出会ったころは儚げな美少女って感じだったけど……ああ見えてしっかりしてる。
「キョータさんのお仕事は、こっちに書いておきました」
「……多くね?」
「体力と身体特性に合わせて的確に配分しました」
「……さいですか」
つくづく、俺らって奴隷なんだなと痛感させられる。
「はいはい、お洗濯終わったからこっちも干しといてね〜」
そこに、サーシャさんが持ってきた洗濯物の山。
「…………」
「ほらほら、元気良く返事返事。『はい』とか『わかりました』とか『喜んで』とか」
……つまり、拒否権はないんですね。
とまあ、日暮れまでそんな感じ。
夜になったら何とか開放される。
……わけがない。
夜は夜で、ご主人様の世話が待ち構えてる。
「はい、あーんしてください」
「はむはむ……」
病気のせいか、妙にしおらしい。
「……甘くておいしいね」
地黄のせいかも。
どんな突然変異を起こしたのか、こっちの地黄はやたらと甘い。
「ねぇ、キョータくん……」
「何ですか?」
妙にいたずらっぽい流し目でこっちを見る。こういうとき、ご主人様はたいていロクでもないことを考えている。
「口移しで食べさせてくれないの?」
「しませんっ!」
襲うぞ、しまいに。
「……つまんない」
「病人はおとなしく寝ててください」
「む゙〜……」
こっちを不満げに見るご主人様。
「キョータくんが病気になったとき、十倍返しで返してやるんだから」
怖いことを言わないでください。
「治ったら何でもしてあげますから」
そう言ってなだめる。
正確には、何でもしてあげるというか……力づくで何でもさせられるというか……
「……じゃあ、今して」
「あのですねぇ……」
頼むから、人の理性を叩き壊すような潤んだ目で見ないでください。
「据え膳食わぬは男の恥だよ」
この場合、それは違う様な気が。
人が困ってるのを見て、ご主人様はさっきから笑いをかみ殺している。
「ほんっと、キョータくんって、いつまでたってもウブだよねぇ」
「病人を襲うような真似が出来るか」
「ふーん……」
また、いたずらっぽい目つき。
「じゃあ、ボクの看護ならいいよね」
「…………?」
「ボク、熱っぽくて身体が汗ばんでるんだ」
「……拭けと?」
「ご名答♪」
そう言って、また俺の目を覗き込んでくる。
「ねえねえ、ボクの身体拭いて」
「……あのなぁ……」
「もし、キョータ君がボクを見捨てて、そのせいで汗で身体が冷えて風邪が悪化して肺炎で死んだら、キョータくんのせいだからね」
「…………」
「そうなったら夜な夜な化けて出てやるんだから」
何で俺は病人に脅迫されなきゃならんのだ。
ご主人様の布団を横にずらす。
寝巻きの帯を解き、前をはだける。
ご主人様の肌は熱っぽく火照り、汗が浮いている。
「きょーたくん……」
こっちを見ているご主人様。さっきまで元気そうにはしてたけど、こう見ると正直病状は良くない気がする。
「よっ……と」
手桶の水で手ぬぐいを洗い、絞る。
それで、ご主人様の身体の汗をぬぐう。
「んっ……」
ご主人様が、目を閉じて小さく声を上げる。
すぅと、肌をなでるように拭く。
「ん……」
ひんやりとした刺激に、小さく身体が動く。
首筋からわき腹、手、おなかの汗をぬぐう。
そのたびに、小刻みに身体が震える。
それから、胸に向かう。
むきだしの火照った乳房が、汗ばんで上下に動いていて、それが妙になまめかしい。
濡れ手拭で、円を描くように乳房の汗をぬぐう。
「あっ……」
ご主人様がかすかに、身をよじらせる。
「あれ、感じちゃいました?」
わざと、聞いてみる。
「ち、違うもん……」
横を向いてそう答えるご主人様。
否定はしても、桃色の乳頭は少し固くなっている。
まあ、いまはそれ以上責めたりせずに、別の部分をぬぐう。
足のつま先から上へと、舐めるように全体をぬぐっていく。
「…………」
つま先からふくらはぎ、ふくらはぎから太ももと、手拭いが上に向かうにつれ、ご主人様の身体がこわばっているのがわかる。
ちょっとだけ、悪戯心がわいた。
手ぬぐいで太ももの辺りをぬぐいながら、もう一方の手で、その先にある繁みをかるくまさぐってみた。
「ひゃんっ!」
悲鳴を上げ、大きく身体をそらすご主人様。
が、すぐにまたへたりこみ、苦しそうな息で胸を上下させる。
「い、いまの……反則だよ……」
「ごめんごめん」
「キョータ君のばかぁ……」
すねたような声が返ってきた。
身体の前面の汗をぬぐい、そしてうつぶせにしてから背中の汗もぬぐう。
力のない尻尾を片手で持って、お尻を触る。
それから、汗で濡れた寝巻きはたたんで洗濯籠に。
残ったのは、病気で動けない、裸のご主人様。
「鍵……閉めた?」
「閉めてます」
「……そっか」
俺の方を、じっと見ている。
「なんだか……ボク、ドキドキしてる」
熱っぽい瞳と、桃色の肌のご主人様が言う。
「ボク、動けないから……キョータくんに何されても抵抗できないから」
普段の元気な声とは違って、病気のせいか苦しそうにしている。
「だから……キョータくんの好きにしていいよ」
そう言って、目を閉じる。
「キョータくんになら……何されてもいいから」
全身を、掌と指で愛撫する。
「っ……」
声を漏らさないように、唇を閉じて我慢しているご主人様。
全身がこわばり、快感に耐えているのがわかる。
「がまんしてると身体に悪いよ」
そういいながら、全身を指先でくすぐるように責める。
「んっ、んんっ……」
目を閉じ、顔を向こう側に向けるご主人様。
ぴくん、ぴくんと小刻みに震えている。
でも、いくらがまんしていても、病気になっている今は身体の方が持たない。
すぐに耐え切れなくなって、ご主人様は大きく息をする。
そのタイミングにあわせて、指をうごかす。
「あっ、いや、まってよっ……」
ご主人様が口を閉じようとするたびに、敏感な部分をくすぐって抵抗できないようにする。
「だ、だめ、ちょっとまっ……あんっ」
しばらく愛撫すると、それだけで体力を消耗したご主人様は、ぐったりと横たわって荒い息をついていた。
「はぁっ……はぁ……はぁ……」
その息を邪魔するように唇を吸う。
「んっ……」
少し苦しそうなご主人様。
だけど、今のご主人様に抵抗する力はない。
首に手を回して逃げられなくしてから、舌を絡ませると、抵抗らしい抵抗もせずになすがままに任せてくる。
少し、薬のにおいがするけど、まあそれも悪くはない。
そして、キスをつづけながら、右手をご主人様の下腹部にもぐりこませる。
「んっ……」
少しだけ抵抗して、唇を離そうとするけど、衰弱しきったご主人様の力ではどうにもできない。
「んん……ん〜っ……」
声にならない声が漏れるけど、無視してキスと愛撫を続ける。
ご主人様の陰肉が、指でもてあそぶたびにひくひくと蠢き、蜜を吐き出す。
太ももを閉じて拒もうとするけど、その中に無理やり指をねじ込むと、抵抗した分だけ大きく指を動かす。
「ん〜っ……」
拒絶しているのか、喘いでいるのかわからない声がする。
しばらく反応を楽しんでから、俺はご主人様を解放した。
「……キョータくん……ひどいよぉ……」
「そんなこといいながら感じてたくせに」
「違うもん……感じてなんかないもん……」
小さな声で抗弁するご主人様。
「本当に?」
そういいながら、顔を近づける。
「こんなの……感じたうちに入らないもん」
強がるご主人様。
「じゃあ、ここは?」
そういいながら乳首を指で責める。
「んっ……」
目を閉じ、かすかに身をよじらせる。
「気持ちよくなってきた?」
「違うもん……」
「ここは?」
胸を責めながら、同時にうなじから鎖骨に向けて指を動かす。
「あっ……」
ぴくんと、反応が返ってくる。
「気持ちいい?」
「ま、まだだもん……」
「じゃあ、これなら?」
ちゅっと、口で乳房を吸いながら舌先で桃色の乳頭を転がしながら、左右の指で別々の場所を攻める。
左の指がうなじと鎖骨を愛撫しながら、右の指がおへそと腹部をまさぐる。
「あっ、ま、まってよ、そこは……」
「感じる?」
「ち、ちがうもん、感じてなんか……あっ……」
口では強がっているけど、身体の方はすっかりとろけてしまってほとんど抵抗しない。
念を入れて、もう少し十分に蕩けさせておいてから、舌と指を離す。
「……はぁっ……はぁ……はぁん……」
抵抗する力もなくなったご主人様。
「そういえば」
医療函の中から、包帯を取り出す。
「一度、こういうのやってみたくて」
そういいながら、ご主人様をうつぶせにして、後ろ手にまわす。
「……キョータくん、それって……」
「一度、ご主人様を縛ってみたくて」
「ち、ちょっと、そんなの、ボクは……」
「ものはためしって言うし」
ご主人様の抗議を無視して、包帯をくるくると巻きつける。
後ろ手にまわして手首を拘束すると、衰弱したご主人様は抵抗も出来ずに縛られてしまう。
さらに、くるくると包帯を巻きつけ、完全に両腕の自由を奪ってしまう。
「ん゙〜……」
拗ねたような顔のご主人様。
「ボク、こんなことまで許してないもん……」
「何事も体験」
そういいながら、ご主人様を抱きかかえて乳首に舌を這わせる。
「んっ……」
抵抗できないご主人様。どんなことをされても、身を捩じらせて悶えるしかできない。
「気持ちいい?」
「そ、そんなの……ボク、こんなので感じるようなヘンタイじゃ……」
「ないとは言わせないぞ」
そういいながら、無抵抗なご主人様の全身を責める。
「あっ……」
責められるたびに、かわいい声を上げて喘ぐご主人様。
病身を無理に悶えさせているせいか、すぐに肌は火照り、全身に汗をかいている。
その汗を、時々舌でなめたり指でぬぐったりしてみる。
「そ、そんなの……ダメだよ……反則……」
力なく抗議するご主人様。
口ではいくら強がってみても、ご主人様の性感帯はほとんど全身にあるから、どこを責めても新鮮な反応が返ってくる。
半刻ぐらい、そうやってご主人様を転がしてから。
「挿れていい?」
やっぱり、病人だし。
挿れる時くらいは聞いた方がいいかと思う。
「……嫌って言ってもやめないくせに」
「そんなことないって」
「じゃあ、嫌」
「……わかった」
まあ、病人だし。
包帯を解こうとすると、驚いたようにご主人様が言う。
「ほんとにやめないでよ」
「って」
「もぉ……こんなにしたんだから、嫌がるボクを無理やり押し倒してリョージョクするのが男じゃないかぁ」
「いや、それは違うだろ」
ご主人様の男性観というのが、時々わからなくなってくる。
「じゃあ、挿れていいのか」
「嫌って言うけど、挿れていいよ」
「…………わかった」
寝台の上に上がる。
さすがに病人に騎上位とか後背位は危険だろう。
そうでなくても包帯でぐるぐる巻きにしてるし。
仰向けにして、ご主人様の両脚を広げる。
「……キョータくん」
「ん?」
「ボクね、ほんとはこんなのもやってみたかったんだ」
「だと思った」
「こーいうのも、悪くないね」
「病み付きになる?」
「キョータくん以外の人はお断りだけどね」
「そいつぁ光栄です、ご主人様」
言いながら、肉棒を入れる。
絡みつきながら締まってくるような肉の感触。
少し力を入れて、腰を動かす。
「んっ……」
少し涙目のご主人様。
「はあっ……んはぁ……ひうっ……」
腰を動かすと、それにあわせてご主人様の口から声が漏れる。
「あっ、あん、キョウタくん、そこっ……」
弱弱しい声だけど、衝くたびに淫声を上げて乱れる。
「気持ちいい?」
「いい……気持ちいいよぉ……」
泣きそうな声で、そう答えてくるご主人様。
縛られたまま何度も絶頂を迎え、それでも半泣きになって次をねだってくる。
こっちの腰が持つのかどうかものすごく疑問だけど、正直ご主人様が潤んだ瞳でおねだりしてきたら、それでも断れるほど俺は禁欲主義者じゃない。
──しかし……
我を忘れて乱れているご主人様を見て、俺はふと不安になる。
──ミコトちゃんの見つけてきたあの薬草……アレってなんだったんだ?
そのころ。
「……ミコト……これは似てるけど違う」
フェイレンが、困ったような顔をして二つの薬草を見せながらミコトに説明している。
「こっちが大命(タイメイ)。これは大犀(タイサイ)って言って……まあ確かに、滋養強壮の特効薬だけど……」
「だけど?」
「なんというか……媚薬だ」
「びやく?」
「……賭けてもいいけど、明日はキョータくん、足腰立たなくなってると思うぞ」
「…………」
「まあ、明日は僕がキョータくんの仕事はやるとしよう」
「もうしわけありません……」
「まあ、キョータくんにとっては役得かもしれないけど……」
心の中で、そっと手を合わせた。
「マスター、いつものを」ここの常連らしく慣れたようだった。
「そちらの方は?」
ちらっと俺に目をやり
「じゃあ同じ物を…」
少しするとグラスが運ばれて来た。
「で、どうしたんだ?」
「いや…最近落ち込んでてね………」
落ち込んだ様子で言う。
「あぁ〜、しょうがねぇな、愚痴、聞いてやるよ」
「ありがとう!」
嬉しそうに礼を言う。
それから智恵は色々と語りだした。
>>323 ゴメン、間違えた
これはスルーでお願いします。
キョータくんに風邪が移ってるに一票
キョータくんがうつされるのはもっと別のビョーキでは。
『地竜』煎じて飲ましとけ>>キョータ
……地竜といえば聞こえはいいけど、要はミミズなんだよなぁ……w
地竜というと真っ先にアータを思い出す私はきっと板違い……
>>330 ナカーマ!
ロービィとか、かーいいよねw
板違いスマソ
>>330 ナカーマ!
ロービィとか、かーいいよねw
板違いスマソ
連投さらにスマソ
吊ってくる
人丸さんのところの小説「とある騎士団の日常」に乾燥ミミズを食べさせて主人公がボコられるシーンがあったな
猫耳少女出てるからスレ違いとは言わせない 言わないで…
ROMってるだけなのにこんなことを書くのはなんなんだが、こち向いワールドには、地竜少女(&種族)は出てきて欲しくないなぁ。
土竜少女なら無問題だけど(w
あ、だけど記述はないかもしれんが、土竜千匹なキャラはすでに既出だったりして(w
地竜といえば、子供の夜尿症(おねしょ)にも効くとか
マナ様には飲まさなくても良いからね、ボク
>>336 >>土竜千匹
可愛いのか不気味なのか、いまいち微妙なキャラだな、おい
339 :
336:2006/03/31(金) 17:00:17 ID:K0KPaRh0
>>337-338 >>土竜千匹
地竜だっつーの…Orz
この落とし前は、地竜少女千人切りということで(w
>>339 落ち着け。
ミミズっ娘を千人斬りしてどうするw
想像が一切出来ん……
触手付き少女……、でいいのだろうか……?
>>335-341 ぽまえら、職人をさしおいて輝きすぎですよ。
思わずキーボードに雪印コーシー吹いた。
>>341 こんな感じか?
・良く肥えた土のある庭とか畑とか耕していると、その下にあるトンネルの中を全裸で這っている。
・必然的に種族全員スレンダー。
・アソコは当然ミミズ千(ny
・さりげなく毛深い。
・悪食っていうか土の中にうめられた残飯やら肥料やらが大好き。スカトロプレイも無問題(w
・上半身と下半身が真っ二つになっても死なない、というか、両方とも、1人に再生。
・実は両性具有(w
まぁ「少女」が存在するなら、ミミズの「男性」がいないことになるってのがせめてもの救いか(w
それなんて化け物?
>>342 よく見ると投下後にGJレスが一つもない件についてw
>>343 ……あまり仕えたくないご主人様だな……w
>>345 >>……あまり仕えたくないご主人様だな……w
カモシカの国にでてきたカタツムリな娘みたいな扱いなら…やっぱやだな(w
そういえば、たしか本当のカタツムリも両性具有(w
>>345 >よく見ると投下後にGJレスが一つもない件についてw
いや、GJと思ってない訳じゃないんだ。実はむしろカモシカより好・・・・・・ゲフンゲフン
まあ、天地を巡る気にもスレにも虎眼流にも流れという物があるからな。
こんな事もあるさね。
>>343 伊藤潤二に漫画化して欲しいね
投下するなら今のうち。
太古、"落ち物"の技術と魔法により高度な文明を築いていたトリたちがいた。
彼らは星々の輝きさえ自らの手に収めていたが、
しかし、ヘビとの大戦争の末に衰退し、滅んでしまう。
そして、この世界のどこかには、彼らが残した主無き沃野が今も広がっている。
それは、鳥たちの間に伝わる神話の一節。
隠れ里に住み、自らの存在をひたすらに隠しつづけるトリの一族。
滅びた文明の末裔として、斜陽だが平穏な日々を過ごす彼ら。
だが、その平穏を脅かすものがあった。
太古のテクノロジーを求め、失われた沃野への道を探る組織"ヘカトンケイレス"
その手が、ついに隠れ里にまで届き始めたのだ。
そして、"エンシェント・フォール"の再来。
訳者が揃い、情勢は一変し、事態は加速を始める――
製品概要
タイトル :Sky Forever (仮称)
ジャンル :シューティング
プレイヤー数 :1人
メモリーカード :1ブロック(予定)
周辺機器 :アナログコントローラ対応
希望小売価格 :3セパタ
(C)キャットウェルエンターテインメント
>>331-333 ( ・∀・)人(・∀・ )ナーカマ
エリーゼとの仲がどうなるのか非常に気になります(笑
さて、板違いなのでこれにて終了。
そう言えばコーセルテルスレってあるのかしら……。
>>348 やりたい放題やりやがったなあ・・・・・・(といいつつ笑顔でサムズアップ)
>>348 >>訳者が揃い
つー事は、「フルヘッヘンド」を口ずさみながら巳の刻から申の刻まで考えぬくようなゲーム?
……う〜ん、奥が深い……
>>352 何でフユキが出てくるのか、素で三十秒悩んだ。
……なるほど、翻訳家ね。
>(C)キャットウェルエンターテインメント
キャットウェルって……
猫井技研、ゲームも手がけてたのね。
>>353 ずんずん ずんずん
「にゃー」(なんだー!?フユキのおどりがでたー!!)
はー! はー! はー!
「朱奈!僕は一仕事終わったぞ!」
「にゃっ」
「それっ朝メシだー!!」
「にゃー!」
朝飯後
「さて朱奈。僕は何日もあまり寝てない。きのうも全然寝てない」
「にゃー」
「だからぼくはもうだめだ。もうねる・・・あとはたの・・・む・・・」
「にゃーにゃにゃにゃ、みゃあごにあにあ・・・・・・にゃー!」
(わかった!!フユキはわたしがねむりさして・・・ねむららせ・・・ねむさらし・・・ねむ・・・・・・ねろ!!)
「しずかにしてくれ・・・・・・」
おそらくこのような大惨事が繰り広げられるに違いあるまい。
自分は訳者と聞いて真っ先にサトルを思い出したけど……
職業で訳者なのはフユキの方か
ディープすぎてついていけない
>>357 他の人の話についていけないときは、自分で新作を書いて投下するんだ。
>>359 馬鹿、か・・・・・・
そんなにほめるなよ
たまには♂獣と♀人との絡みを希望してみる…
>>361 ……ショタ獣人×ヒト少女でもいいなら、書きかけで放置したままなのが一本あるけど……
見聞録とか蠍魚みたいな感じの、ガチの獣人と落ちもののエロが希望なら、たぶんご期待には添えないんで、誰かにパス。
363 :
ピューマ担当:2006/04/09(日) 23:28:20 ID:HFsUHuHm
完全に即興なので、無題です。流れ豚義理。
364 :
1/6:2006/04/09(日) 23:29:07 ID:HFsUHuHm
▽
思うより、大変かもしれない。
手元にゴムのグリップらしき物がついているとはいえ、この羽筆は握りが細い。
キーボードでは無くなって久しいが、いつかこれも慣れてしまうのだろうか。
ただ、淡い黄緑色の蛍光は液晶ディスプレイと違って目に優しい。
『落ちて』からずっと、目薬いらずだ。
「フユキ、お茶が入りました」
「ああ。そこ置いといて」
後ろに目を向けはしない。
彼女がそこにいるのは分かり切っている。
でも、
「ありがとう、朱奈」
その時ばかりは、まだあまり上手くない表意文字【トカプ】を頭から追い出す。
彼女を脳裏に想えば自然と声は優しくなれる。
どんな仕草で、君は笑うのか。どんな調子で、君は口を開くのか。
そして、一緒に暮らすようになって分かることがあった。
目と目を合わせた方が良い時と、合わせなくても良い時と。
近さを確かめたい場合と、ただ近くにいられればいい場合と。
▼
思うより、弱いのかもしれない。
彼は自分に「名付け」、愛しい良人(おっと)になったとはいえ、小さな嫉妬が胸を焦がす。
幼子の館【エルクェ・ワシ】に勤める肉親や親戚たちにフユキは振り回されて、
いつかこれも慣れてしまうのだろうか。
ただ、彼はやっぱり優しくて甘い。そう、誰にでも。
『落ちてきて』からずっと心はぷかぷか浮き沈み。
「今日も妹たちのところでした?」
「ああ。ヒト使い荒いよ」
またも妹たちは策を練り、フユキが良人たりえるか、あれこれと試している。
そして彼も付き合ってくれているのは分かり切っている。
けれども、
「…残業手当ては出ましたか? フユキ」
この時ばかりは、胸がちくりと痛む。
知らないところにいる彼を脳裏に想えば自然に問い詰めてしまう。
どんな仕草で、笑いかけるのか。どんな調子で、語りかけるのか。
一緒に暮らすようになって分かってはいるのに。
恋人としてふるまう時と、家族としてふるまう時と。
一人の男と一人の女である場合と、良き良人と良き妻である場合と。
365 :
2/6:2006/04/09(日) 23:29:54 ID:HFsUHuHm
▽
はっとして、顔を上げる。羽筆を墨壺に突っ込んで振り返る。
こんなことをしてる場合じゃないって気付く。
まだまだ、至らないところばかりだ。
「手当てだなんて、そんな。
あれから直ぐにこっちに…朱奈といさせてもらえることが、何よりの報酬なんだ」
むしろ逆に、朱奈の妹たちにはどれだけ支払ってもいい。
どう見ても、彼女たちから一人の大好きな姉を奪ってしまったのだから。
「だから…手間賃がわりのお菓子も持って帰ってきた。いっしょに食べようと思って包んでもらった」
でもそれはまったく自分の都合であって…朱奈の心を慰めはしない。
今手がけている論文もどきも物語もどきも、したいと思ってやっているだけであって…
朱奈の寂しさを埋めはしない。
だから、その役目は自身の言葉。
「隣、行くよ。休憩」
そして自身の温もりも。
自惚れと思うことは、もうなくなった。
▼
きゅっとして、身体が強張る。フユキが目の前を横切り隅にある棚へ向かう。
腰を浮かしかけて、仕草で抑えられた。
まだまだ、彼に気を使わせてばかりだ。
「どうぞ続けてください、フユキ。わたくしに構わないで…」
むしろ逆、自分だけを見ていて欲しい。
誰に何を言われても、良人から一番に愛されたいと願うことは譲れない。
「あははっ、俺にも休ませて欲しいな」
「それは…はい、そうですね。ところで、何を頂いたのですか?」
でもそんな小さな嫉妬はまったく自分の都合であって…フユキの心を軽くはしない。
身体全部で想いを訴えても、「好き」と言いたいだけであって…フユキの拠り所を新たに創りはしない。
だから、その役目は自分以外のもの。
「どうぞこちらに、フユキ」
親族ぐるみで彼にさせている仕事。
いつか公に手をつないで夫婦と言えるような「箔」を、フユキにつけさせるため。
366 :
3/6:2006/04/09(日) 23:30:49 ID:HFsUHuHm
▽
朱奈の歯切れを悪くしているそれを、かわいいと評したら怒られるだろうか。
遠慮するように身体をずらした彼女。
「隣って言ったよね?」
そしてやや強引に、左肩を擦るように座り込む。
持ち出してきたクッキーの封を切り、とろりと蜜を垂らした。
そのうちの一つを手渡しながら、
「今日の朱奈先生は、子供たちといっしょにお昼寝してしまいました」
一日とて同じではない今日という日に思いを巡らせた。
「いつまでたってもおしゃべりをやめない子たちを寝付かせてるうちに。
なんかもうすごい平和な眺めで…ずっと朱奈の寝顔を見てた。
不思議だよね。寝てるってすぐ分かるのに、その深い呼吸から目が離せない」
あの朱色の仔ピューマと過ごした時と同じ、感じた彼女のあどけなさ。
「…お行儀が悪くありませんか?」
「ちっとも。やましい考えなんて一つもないから。ただ純粋に…気持ちよさそうだな、て」
弛んだのは、自分のしまりのない頬だけでなくて、張りがちになってしまう気分も。
今日という日も終わっていないというのに、明日もがんばろう、ついそういう気持ちになれる。
▼
フユキはいつの間にか、
「何て言ったらいいか、その…」と迷いつつ照れてしまうことがなくなった、と評したら怒られるだろうか。
彼の左肩に頭をことりと預ける。
「もう。フユキだって時々寝てます」
そして二人同時に指が触れて、絡め合う。
空いた方の手で、玉蜀黍の粉を練って焼き上げた【ミルホ】をかじりながら、
「今日のフユキ先生は、泥だらけになりました」
百日あれば百通りの風が吹く。
自由を司り、子供たちの守護神たる彗星神サカカスはそう説く。
「女の子たちに懐かれておままごとばかりしているところを、女男と男の子たちにからかわれて。
ふふふ…「勝負だ」など、どっちが子供か分からないくらい遊んでいましたね」
ヒトの世界で朱色の仔ピューマとなって見た時と同じ、
翻訳の仕事に独りで笑い、怒り、悲しみ…感情移入するフユキの無邪気さ。
「あれで男の子、女の子が少しでも仲良くなれたらそれでいいさ」
「最後はどちらも一緒に楽しく交ざっていましたから」
感じたのは、まぶしくて細める自分の瞳だけではなくて、どこか誇らしい気持ちも。
今日という日が、のどかで穏やかな毎日のほんの一つであって欲しい、ついそう願ってしまう。
367 :
4/6:2006/04/09(日) 23:31:54 ID:HFsUHuHm
▽▼
溶かしたい。些細でも、わだかまり。
「朱奈先生は、みんなのお母さん」
いくつもの想いを一まとめにして、彼女の顔に影を落とす。
溶かされていく。透き通るような、温もり。
「フユキ先生は、みんなのお父さん」
夜空に月をはっきりと見るように、彼を待ち受ける。
▽
甘い。
唇に舌にざらざらとするのは、さっき食べたクッキーの粉。
朱奈も同じ感想を持ったのだろうか。
朱く濡れた唇を意味ありげにぺろりと一なめすると、もう一度、切れ長の瞳を閉じた。
少しだけ悪戯心が沸く。
「朱奈、びっくりしないように」
クッキーに付いていた楓の蜜を指ですくう。
す、と蜜色の紅を唇に差す。光にきらきらと反応して、際立つそれに自然と吸い寄せられた。
べたつきもやがて深くなって交換するにつれて気にならなくなっていく。
残るのは最後まで甘さ。
そして例え薄くなったとしてもまた足せばいい…幸い、蜜はいくらでもある。
▼
ひたむきに。
蜜がまとわりついて、むずむずと舐め取ってしまう本能。
これはいつぞや…全力で風邪薬を嫌がる彼に、口移しで飲ませた時の仕返しだったりするのだろうか。
恥ずかしいと思わないではないけれども、彼は一向に照れる気配を見せていない。
少しだけ微笑ましい。
「ん…フユキ、もっと」
入ってきて欲しい。
ふ、と真面目ぶった容貌が柔らかく崩れる。彼の左腕を抱え込むようにして、差し出した。
小骨のようにしつこく残っていたもやもやも、蜜の絡んだ舌で拭われていく。
残るのは最後まで甘えたくなる優しさ。
そして例え不安が再び押し寄せてきてもまたこうして…そう、浅ましくも頼ってしまう。
368 :
5/6:2006/04/09(日) 23:33:12 ID:HFsUHuHm
▽
唇を触れるより離す方が、どちらかといえば照れくさい。
自分がひどく間抜けな顔をしていそうで…
ちょっとした舌の動きにしても、それぐらいのキスをいとも簡単に朱奈はしてくる。
だと言うのに彼女は楽しそうに微笑んでいる。
いつもこうだ。
自分を抑えられなくなる。
「少しだけ、離して? うん、そう…」
疑いようもなく幸せそうな顔をされては、黙っていられない。
可愛いとか、好きとか…それ以前のところで朱奈がいないとダメ、なのだ。
ただ、触れていたい。
「…いいですよ。あ・な・た」
「くっ…朱奈ぁ…」
…溺れても、離したくない。
▼
余裕を見せるフユキより切羽詰ったフユキの方が、どちらかといえば嬉しい。
自分が彼をひどくその気にさせていて…
ちょっとした悪戯でも、実は望んでいたのではないかと思うぐらい簡単に引っかかる。
だと言うのにそんな自分が情けないとでも言うようにひくついている。
いつもこうだ。
抑えることはないというのに。
「強く…ぎゅ、って…」
押し倒されてしまったら、切なくて止まらない。
ごめんなさいも、ありがとうも…全てまとめてフユキに返してあげたいのだ。
ただ、気持ちよくなって欲しい。
「すまない。いや、分かってると思う、けど…」
「はい、フユキ。熱くて、大きく…」
…何度でも、そう、何度でも。
369 :
6/6:2006/04/09(日) 23:36:11 ID:HFsUHuHm
▽
それでも主導権は朱奈の物。
前戯もそこそこに反転してのしかかられる。
「ちょっと待っ」
「今、楽にして差し上げますね…」
口をもぐもぐとさせたかと思うと頭を下げ、いきり立ったものを躊躇なく含む。
そうして二、三度上下させ、始まったときと同じく唐突に解放される。
「ふふ…」
残念に思った顔を消しきれなくて気付かれた。
「駄目ですよ、フユキ。お口は…わたくしが月の障りの時だけ」
「う…」
入れやすくするために濡らすだけなら、何もそうしなくても。
そう思うのは隅の方だけですぐに感覚を横取りされる。
粘膜ごしの熱い潤いを感じて、苦しいくらいに気持ちよく。
「それでもして欲しいのなら、わたくしにも考えがありますよ?」
そう耳にした途端、答えの代わりに温かな彼女へと突き入れた。
そんなに口戯がいいのかと拗ねられて朱色の尻尾を後ろに刺されるよりは、数倍いいはずだ。
▼
やがて主導権も何もなくなる。
煮詰まりすぎて、もうそこにはただ一つしかない。
彼の名を呼んで。
自分の名を呼ばれる。
そのたびに生まれる、苦しいくらいの切なさ。
付けられた名で求められる幸福は…本当に、自分だけのもの。
火照った頬と潤んだ瞳で口を開いたかと思うと、力強く抱きしめられる。
そうして深く唇を吸われて、位置を変え深さを変え何度も求め合う。
「ん…」
「あっ…」
耐えて耐えて、解き放たれる。
ぴしゃぴしゃと迸りが貯まって行く感覚に、愛しくてついお腹をさするのが癖になった。
丁寧に上下させて最後の一滴までと促すうちに、少しだけ遅れて自分もふわりと白い霞がかかった。
▽▼
彼女の寝息が聞こえる。触れる肌に、吐息がこそばゆい。
「朱奈…?」
はかない肩が深く安らかな呼吸を刻む。それならば、
「あ――」
耳元で囁くぐらい、いいだろう。
彼の低く、こちらを憚るようなささやき。
「――る」
間近に吹きかけられて、くすぐったくならないわけがない。それならば、
「…わたくしも、――」
寝たふりを解いて、彼を困らせてみよう。
370 :
ピューマ担当:2006/04/09(日) 23:37:11 ID:HFsUHuHm
書き終えてみるとハズカシイことこの上ないっすねこの二人。
フユキたちもキオたちもいっぱいネタにしてもらって幸せもんです。ありがたいです。
『木登り〜』もこれ以外に番外っぽいものがないでもないし、
『夜明け〜』は今削ってる最中だったりします。
いつになるやら知れませんが時間の許す限りがんばります。
甘い、甘いよ
MAXコーヒーよりも甘いよ
いいものを拝ませていただきました。
ピューマさん乙
ヤバイね、かなり甘かったよ〜
いちごに練乳をかけたのより甘かったよ〜
乙!でした!
甘かったですね〜
狐国印、ゆき〇だいふくより甘かったですよ
この甘さは、和菓子のようなしっとりとした甘みですな。
さっぱりとした緑茶に良く合った心地よい甘み。
らぶいずさいきょうのちょうみりょ〜
375 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 23:37:53 ID:qAY2JMci
まとめサイト熟読し終えたら投下しようかな?
かもーん!
>>375 がんがれ。
最近、新規参入が少なかったし。
>>375 おぉ、よろしくおねがいしますだ。
そういえば
wiki斜め読みしたけど、鳥ってまだあんまり出てきてないよね?
『不眠猫のお嬢様』で鷹子さんがでてきたぐらいだし。
鳥♂と人♀であんな事やこんな事ができたらなぁ……。
つまり時男さんか……初めて出てきた時はシュールだったなw
>>380 文才とは書いてるうちに後からついてくるものだと信じてる。
382 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 20:05:14 ID:3P4m3W/A
とりあえず国の設定は見ました!
各話は見てませんが、とりあえず書き始めます。
熊の国でも。
位置は犬の国の西の山の外側のふもとです
>>380 個人的な思いこみだが、
文才とは、夜書いた手紙を朝読んで何喰わぬ顔で推敲できる面の皮の厚さだと思っている。
>>382 がんがれ〜
385 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 20:35:52 ID:3P4m3W/A
カモシカの国は位置不明なのでは?!??
今からそこ見てみます
386 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 20:46:23 ID:3P4m3W/A
ホントだ!!
では犬の国の東の山の外側のふもとですね。
387 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 21:23:32 ID:3P4m3W/A
出だしを投下しますね。
続きはなるべく早く書きます。
大量のダメ出しキボン
388 :
鳥って付けるべきなんでしょうか? ◆vq263Gr.hw :2006/04/11(火) 21:25:32 ID:3P4m3W/A
出だしを投下しますね。
続きはなるべく早く書きます。
大量のダメ出しキボン
夕暮れ………
半袖にマフラーの少年が呟く
「…………楽しくねぇな……。」
意味のない宿題も、話を聞かない教師も、ファッションとしてのマフラーを否定するやつらも、彼は嫌いだった。
『意味のある勉強をさせてくれ、人の話を聞いてくれ、マフラー流行ってたんじゃねぇのか?少し標準とズレたらこれか……』
黒髪が耳とうなじをくすぐる、ワックスいらずのツンツン髪。1人の人間というよりも大量の制服がアスファルトの上を歩いている。高校……世の中という1つの生き物。
その生き物のカケラが、鋭い犬歯を限界まで見せ、幼なさの残る目を見開き、しかし誰にも気づかれぬまま陽炎の中に消えた。
389 :
鳥って付けるべきなんでしょうか? ◆vq263Gr.hw :2006/04/11(火) 21:28:18 ID:3P4m3W/A
夕暮れ………
半袖にマフラーの少年が呟く
「…………楽しくねぇな……。」
意味のない宿題も、話を聞かない教師も、ファッションとしてのマフラーを否定するやつらも、彼は嫌いだった。
『意味のある勉強をさせてくれ、人の話を聞いてくれ、マフラー流行ってたんじゃねぇのか?少し標準とズレたらこれか……』
黒髪が耳とうなじをくすぐる、ワックスいらずのツンツン髪。1人の人間というよりも大量の制服がアスファルトの上を歩いている。高校……世の中という1つの生き物。
その生き物のカケラが、鋭い犬歯を限界まで見せ、幼なさの残る目を見開き、しかし誰にも気づかれぬまま陽炎の中に消えた。
途中で書くのもあれだが、とりあえずsageれ
とりあえず落ち着いて投下したほうがいい。
あと、文章はちと懲りすぎかも。
sage忘れごめんなさい
気がつくと森の中に居た。体はだるくて起き上がれないし、まだ目が開かないから確かめたわけじゃないが木の匂いがするから多分森の中だ。一度だけ森の中に入ったことがあるからなんとなく分かる。
あとは………水が流れる音が聞こえる。
ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ
一定の間を開けて腹になま暖かさと湿り気を感じる。そのなま暖かさは水の音とリンクしていた。
木の葉から滴でも落ちているのだろうか?
水滴にしてはやけにでかい。
『違う!!獣だ!!!!何かが腹を舐めてるんだ!!!!』
頭の中がぐるぐると回り出す。
落ち着けおちつけオチツケオチツケオチツケオチツケ
『一度、落ち着いて深呼きゅ……ダメだ!!!!今深呼吸したら意識があるのがバレる!!!!いや、バレてもいいのか?!』
体から冷や汗が流れ出す、心臓の音がやけにでかい。
同時に、獣の小さな舌が顔を舐めた
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
俺はこの世界の全てがおそろしくなり必死に逃げ出そうとしたが、体は動かない、目が開かない、気力を振り絞り四つん這いになると目が開いた。
目の前にあるのは巨大な木の幹だった。
前には逃げられない
終わった……
俺は……気を失った。
次に気が付くと藁のようなベッドの上にいた。
横には
「うわ!!」
俺の叫び声に驚いた顔をしている美少女が。
背丈は自分より10cm程低く、髪は茶色でシャギーカットになっていた。目は綺麗な深い青で大きく、眉が下がっ
ているために泣きそうにみえる。耳は……
『?!』
人間の耳がある場所あったのは人間の耳ではなく熊のような耳だった。
服も普通じゃない。
石器時代の素材で今風に着こなした感じだ。長袖の茶色い毛を編んだシャツ(?)の上に袖のない服。ズボンも毛を編んだもの。コンバットブーツのような靴もだ。
人のファッションを否定する気はないが、流石にその姿を見て冷静ではいられなかった。
自分は昔にタイムスリップでもしてしまったのだろうか?
昔の人は熊耳だったのか?
目を見開き思考が訳の分からないことを考え始めた時、少女が口を開いた。
「あの……。」
「?!」
少女というより少年のようなやや低くめの声だ。勿論俺よりは高いが。
「…大丈夫?」
「…え?」
その一言で一気に頭が冷えた。今するべきことは、現状の把握。
まず、自分の体を見たい。
体を起こそうとすると腹部に痛みがはしった。
首だけを傾けて見てみると、15cmもある切り傷がへその下を横方向にのびていた。いつ切ったのだろう?
「……、やっぱり痛む?」
そういうと彼女は俺の傷口を舐め始めた。俺はその光景を見ながら、『あぁ、この子は俺を助けようとしてくれてたのか……さっきは悪いことをしたな』と思った。不思議と舐められたことには驚かなかった。
「……ありがとう。」
「………。」
ただ、笑顔だけが返ってきた。
これが、俺とクゥの出会いだ。
ふぅ……。
今回はここまでです。
落ち着いて書かないとキャラのしゃべり方がめちゃくちゃになってしまいそうです、気を付けなければ。
>ちと、懲りすぎ
文章が堅いということですか?
ん〜……。
次はもう少し笑いを織り交ぜた文章にしてみますね!ご指導ありがとうございます!!
美少女、で片付けると二流に見られるから
なるたけ人物は細かに描写したほうがいいかも
>>395 やろうとしている表現に技術が微妙に追い付いてないようにみえる。
多分笑いとかは関係ない。推敲の問題かと。
もしかして、スレに直接書き込んでないか?
一度メモ帳かなんかに書き出して、全体を見なおしたうえで手直しするとだいぶ変わると予想する。
>>395 状況説明がちょっと甘い……だろうか。
説明くさくなるのももちろんよくないけれど。
>>397の言うとおり、メモ帳に書いて手直し→コピペがおぬぬめ。
あともう一つ。改行の位置。
今現在自分の環境で見ると、改行位置がちょっとおかしな一で飛んでいる。
。や、で改行したり、会話のリズムを区切るように改行したりするとイイと思うよ。
偉そうでスマソ。
ご指導の程、感謝感謝!!
…………なのですが、勉強についていけそうにないのです。
さらに今は学校の仕事が予想以上に多いのです。
また日を改めてここに来ます!!
投下はしばらく出来ませんがスレにはいますので、皆々様がんがってください!!
落ちものの自治組織があってその組織のトップの奴等は
身分の低い獣人をはべらしていたりしないだろうか。
と、シグルイ読んでて検校と当道座の話から思いついた。
大学生も、わりと 『学校』 という単語を使う罠。
・・・・・・だよね?
そういう自治組織っつーとマフィアとかギルドとかそんな感じかねえ?
と、シグルイ読んだ事無いけど
>>400さんに乗ってみる。
406 :
カモシカ担当:2006/04/12(水) 22:22:31 ID:7HnXZULb
>>385 ……ごめん、考えてみたらまとめwikiの方、もう一年も放置してたorz
正直、ああいうのは苦手……
>>399 しまった。
も、もう釣られないぞ。
今はまだ4月上旬。
高校、短大だったら今の時期に学校の仕事が多いはずがない。
今の時期に忙しいのは、オリエンテーリングとゼミの新歓に追われる大学生のはず。
……それとも、やっぱり先生の方なのかな。
>>400>>404 落ちものがある程度の自治権を持って集団生活をしているというだけなら、フロミアのヒト居住区なんかはあてはまるかもしれないです。
身分の低い獣人……の方は難しいけど。
マイマイとかの愛玩種は都市部にしかいないし。
とはいえ、フロミアのヒトは陰で心無い獣人たちにワクチャ(孤児)呼ばわりされてるのが現実だったりするわけで……
……考えてみたら、そもそも「身分の低い獣人」って言うのがいるのかどうかというのもあるなぁ。
今のところ、他種族に仕えている獣人っていうと時男ちんとミーナたんぐらい?
見聞録なんかでは、イヌの出稼ぎ労働者とかはいるみたいだけど。
やっぱり、新作待ちになるのかなぁ。
ヒトが自治組織を持つとなると、ある程度の数と、生活できるだけの土地、そして多少の力が必要になるし。
408 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 22:42:16 ID:O25X7GeH
学校の仕事がとにかく多いんです
皆様高校か大学か教師かで悩まれていますがどれかは秘密ですよ
新作投下おkの空気だよね…?
ペンギンとかどーかなーなんて…
(´・ω・`)
いいね!
投下しちゃえば楽になるさ
ここには読みたいヤツが集まってるわけだし?
ペンギンのセックルは濃厚らしいです
ヒトのどの部分がペンギンになってるんだろう?
まぁ、何にもないところだからねぇ
形状として真っ先に、「GLOVE ON FIGHT」版のエココが頭に浮かんだ私は、たぶん間違っている(w
ペンギン♂のショタっこ×人♀お姉さんだったら
テチテチテチテチ
「まってーーーーーーーーーっ、あうっ」
ドテッ
「ご、ご主人様!?」
とかいって泣きそうなところをお姉さんが母性本能くすぐられながらも
起こそうとするのが萌え。
てかこの場合ペンギンの方に萌えてしまうorz
416 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 12:34:33 ID:TnItAxH8
エコアイス漏れもオモタww
なんていうか、ペンギンの気ぐるみから顔だけ出したロリっ娘を想像したw
よし、来月までには書く!
ペンギン…資料集めてこようorz
<チラシ裏>
ROM組だった漏れ
しかしこの過疎鰤を少しでも…無理か…('A`)
</チラシ裏>
新しいのが出そうな流れに便乗。
現在、「かくれ里に住んでいる鳥のお姫様と落ち物」で話を考えてみてたりする。
ある程度分量溜まったら、投下予定。
<チラシ裏>
久しぶりにスレ読んで、少し創作意欲が沸いて来た。
このスレに投下した事はまったく無いけど、
投下出来るような物を書き上げられたら嬉しいな、と(´・ω・`)
</チラシ裏>
>>378 鳥♂は、頭を鳥にしてしまうと前戯のバリエーションが減ってしまうというエロ的弱点があります。見た目は恰好良いんだけども。
421 :
378:2006/04/13(木) 18:44:14 ID:bITlFDll
そうかな……。あのくちばしで乳首突っつかれたりかまれたりしたら
結構エロい気がする……ついでにいうとくちばしで挟んで舌でなめてみたりな。
ここh基本的にご主人様と奴隷、の構図だが、世間体とかしきたりとか体裁抜きで
奴隷ではなくパートナーとしてご主人とエロ生活を送る・・・
というのを考えてみたがこのスレの趣旨に合わないっぽいな
スレ汚しスマン
何も問題ない。ご主人様が「パートナーとして」を望めばいいんだ。
>>422 見聞録の前半なんかそれっぽいぞ。エロはないが、愛がある。
>>422 つ【シュナたんとフユキ】
ていうか、そもそも「ご主人様と奴隷」というパターンのほうが最近は少ないような。
最近、このスレで連載されてるのって……
ご主人様と召使の立場がすっかり逆転してる「あしたら」に虎の子さん。
レーマ依存症のアンシェルたんに、キュータくん依存症のファリィ。
ピューマさんの二作も純愛ものだし。
……奴隷らしい奴隷って、サトルくんぐらいじゃない?
「よかったな、ほめられてるぞ」
「誰がですか。つか、誰のせいですか」
「本人の資質だろう」
「誰が・・・・・・ええ、
>>425氏のおっしゃるとおりで。そのご慧眼にはまっこと感服つかまつります」
でも、ヒトの中ではサトルとキオって最強なんだよな。
各種族の軍人、それも、かなり強い方と張り合えるし。
ハードな訓練をこなす消防士だったキオが強いのは順当だが、
サトルはいったいどこであんな見切るだけの動体視力他を身につけたのやら……
………愛の力?
ヒント:地道な努力
ヒント:生き抜くための必死さ
いったいサトル君の明かされてない一年になにがあったのか。
読みたいぜコンチキショー。
殺人歴でいうなら、プロの軍人のカズヒロくんや、野盗を20人斬り捨てたレーマくんもお忘れなく。
今までの作品はエロパラ板まとめ全部保管されてる?
>>433 全部ではないと思うけど、ほとんどは保管されてるはず。
序盤だけで続きが書かれなかったのとかの中には、保管されてないのもあるはず。
あとは、最近投下された分もまだ保管されてないかな。
サンクス
まとめてる人大変だな
ペンギンマーダー?
>>437 早いなら 数で勝負を すればいい
詠み人名無し
>>437 つまり、ショタっ子ペンギンのご主人様をお姉さまなヒト召使いが早漏とか短小とか言葉責めして泣かせるんですね。
(;´Д`)ハァハァ
>>437 人間様が「スキンシップ」を教えてやれば良い。
こっちが普通と思ってる時間でも相手は数十倍の時間を経験する事になるんだから。
ペン娘たんにとっては忘れられない経験になるに違いない。
>>437 調子に乗って調べてみた。
鶏交尾時間、3秒。
orz
1日30回はいけるそうですが。
人が混じってる部分を考慮しても、まあ、あれだな…。
ファンタジーですから!で乗り切りましょう。
あれだ。
早いのはペンギンの雄のせいなんだよ。きっと。
>>440 残念ながら人♂です
書いたら1日寝かせておいて、朝起きたら何も入っていない頭で読む。
それで違和感なかったら透過して大丈夫なんですよね?
>>444 それは一つの方法であって絶対ではないぞ。
まあ、俺もやってるが。
>>交尾
必ずしもこっちの世界に準拠しなくてもいいんじゃないか?
…二次射精でロックされるもんで、30分間抜きたくても抜けなくなる犬♂×ヒト♀とか、26時間のレコード保有の蛇♀に挑んだヒト♂召使の死闘、なんてのも見てみたい気はするが(w
>>446 おまえは狗国のアレをみたのかと小一時間。
もし動物の名残がある雄や雌をだすなら、
身体的特徴だけでなく、特性も考慮して書いてほしいなと思う
今日この頃な訳で。
そういえばアルバトロスってどんな鳥?
アルバトロス=アホウドリ
人を見たことが無かったため、恐れ逃げる事が出来ないでっかい鳥。
そのトロさに漬け込まれ羽目的で乱獲されたため、あっという間に絶滅寸前になった。
向こうの世界にもヒトを知らない種族がいたら、人間扱いしてくれるのかな?
>>447がさりげなく「こちむい」を全否定してくれやがったw
>>447 26時間は書けないなあ・・・
未熟者で申し訳ない。
ちょっと興味深い話になってるみたいなんで、へたれ書き手の一人としての意見をば。
えーと、自分の場合、作品内でセックスは書いてますが「交尾」という認識は持ってないです。
まあ、理由はと言われると、個人的に交尾には欲情できないというのもありますが、それはさておき。
「獣っ娘」において、人間と獣のどちらの要素を重視すべきかと考えた場合、人間としての要素の方が大事なんじゃないかと思ったりしてます。
獣っ娘と人間の性行為というものが、果たして獣姦ないし異種姦なのか、それとも人間どうしの性行為なのかと考えると、自分は後者と思ってますでつ。
極端な話、猫耳や尻尾は「萌えっ娘」を形成する一パーツにすぎない、くらいに割り切ってたり。
……いや、そんな認識でいるから自分のSSが微妙な出来なのかもしれませんがw
それで、ペンギン担当さんがこれからどのように書かれるかはわかりません。
でもまあ、自分の認識では、ペンギンの特徴にそこまで忠実でなくても、エロという至上命題をクリアできれば問題ないんじゃないかと考えてるわけです。
452 :
ぺんぺん:2006/04/18(火) 00:29:56 ID:4JCneTVo
本日、読み返してみたら誤字脱字表現おかし杉此処深くアァモットツヨクがいっぱいなので
時間かかりますですです・・・。
>極端な話、猫耳や尻尾は「萌えっ娘」を形成する一パーツにすぎない、くらいに割り切ってたり。
御言葉有難う御座います。
人間Baseに頑張ってみます・・・
<チラシ裏>
エロより萌えが多いのは大丈夫だろうか
以前、書いてたことがあるのは全て 萌え>和み>エロ だから難しい・・・
</チラシ裏>
投下するのかしないのかハッキリ
454 :
447:2006/04/18(火) 02:52:47 ID:2tOcNyx9
>>449 ごめん。もちろん「こちむい」的な流れは好きなんだがな。
一つの意見として聞いてほしい。
というかね。ぶっちゃけ漏れは「獣耳」ではなく「獣」自体が大好きな変態なので
こんな意見を書いたんだと思う。
>>451で言ってる通り、「獣」の習性とかも「萌え要素」の一つであるわけで。
とにかくそういうことです。はい。出しゃばってゴメンコ。
>>452。がんがれ。
455 :
447:2006/04/18(火) 02:54:28 ID:2tOcNyx9
>>454に間違い発覚。
>>451で言ってる通り、「獣」の習性とかも「萌え要素」の一つであるわけで。
↓
>>451で言っている事と同じように「獣」の習性ってのが自分の「萌え要素」の一つであるわけで
だった。逝ってくる。
「萌え」と「エロ」の比率や「獣分」の要素配分やらは、作者の皆様方が書きたいもの書けば無問題!って気が
まぁ、一読者にすると時々番狂わせがあったりすると、とうれしかったり(例:「こちむい」の実は毛が生えてた話)
>>452 そのチラシ裏ってはやりなんだろうし
なれあいの雑談スレとかでは楽しいだろうけど
作品を投下するのに言い訳がましい自分語りを際立たせるのは
普通に書くより嫌な感じが増していないか
459 :
ぺん:2006/04/19(水) 00:58:42 ID:4VjGD3c1
今日は私立高等学校の卒業式。
友達もそこそこできて、当たりと言われた先生に
3年の担任をしてもらえたのはとても楽しかった。
友達と馬鹿し合いをして、カラオケいって、大学受験に奮闘して…。
あっという間にすぎた高校生活がフラッシュバックしてくる。
こうして、卒業証書が入った黒筒を掲げながら騒ぐクラスメイト達。
あ、やべ。 うるんできた。
教室の窓際、一番後ろにて頬杖をしながら教室を見渡している。
ここから見えるのは、泣いている者、背中をたたき合い友情を確かめ合う者、
感傷に浸っている者。
今日が終わればここにいる全員、離れ離れになっちまうんだよなあ。
泣きながらお別れは悲しすぎる・・・。 ここいらで一発、みんなに喝を入れてやるか!
思ったら行動、大袈裟にイスから立ち上がり、少し高くなっている教壇の上へ向かう。
教室の目が俺に集まる、ざわめきも静まる、俺の声を待っている…。
教壇の上に降り立ったとき、目に溜まった涙を溢さないように、声を張り上げた。
「てめぇら! 卒業したぞおおお!」
460 :
ぺん:2006/04/19(水) 00:59:32 ID:4VjGD3c1
オォー!!
泣いてた奴も、ふざけ合ってた奴も、声をそろえて拳を教室の天井へ打ち放つ。
その顔は、みんな笑顔だ。
先生だけが、男のくせにうじうじ泣いている。
あーもぅ、みんな笑ってるのにそんな顔したらまた全員が泣くじゃねーか。
「ほら先生! みんな笑ってるから先生も笑えって!」
そう言いながら先生の肩を叩くべく、教壇から降りようとした。
「あれ?」
手が、見えない。
いや、真っ黒といったほうが正しいか。
先生の肩を叩こうとした手すらも見えない漆黒の闇。
目に見える全ての範囲が黒で塗りつぶされ、教室の騒音も聞こえない。
視覚がいきなり奪われて、重力すらも感じない。
足の裏の指が上履きを伝っての感触を伝えていない。
いや、これは宙に 浮 い て い る ?
「いったいなん・・・」
咄嗟に口から出た言葉を何とか自分の耳で聞き取れた瞬間、
停電が起きたパソコンのように意識が消えていった。
461 :
ぺん:2006/04/19(水) 01:01:38 ID:4VjGD3c1
「卒業、おめでとう・・・!」
その涙目の先生が発した一言で、緊張の糸が切れたように
周りが一斉に泣きだした。
(あぁ、俺もついに卒業しちまうのか・・・)
↑
('A`)これ一番最初にいれてくださいですです
本当の導入部分だけ書かれても反応に困るんで
もうちょっと量多めにまとめ&推敲してから投下した方が
プロローグかい?
>>462 書き出しで止まってるものなんていまに始まったことじゃないし
中々難しいよな、ss書くのって
……初めてこのスレに投下しようとした時、出会いのシーンがなかなか思い浮かばなくて、仕方がないからSSの一行目の段階ですでに落ちててご主人様と出会ってることにした記憶が……w
しかも、いまだにご主人様と主人公が出会った時の話を書いてないw
だから
>>459たんみたいに、きちんと導入部を書ける人は偉い。いやマジで。
一番偉いのは話としてきちんと管制させられる人間だと思うが……
普段、どこに常駐しているかモロバレな誤変換だw
470 :
ぺん:2006/04/19(水) 18:19:11 ID:4VjGD3c1
〜
う・・・あ・・・、頭がいてぇ・・・。
なんだか知らんが、体中が痛い。
殴られた痛みじゃなく、体の内側から引き裂かれるような。
ついでに言うと、体が重い。
頭だけは動かせそうなのに、首から下が妙に重いのだ。
どうやら仰向けに寝ているらしいが、動けないのは流石に息苦しい。
右手の指を動かしてみる。
・・・腕全体が激痛と共にしびれて、まともに動けない。
左の足を動かしてみる。
・・・蹴り上げるように力を込めると微弱だが持ち上がった。
目を開けてみる。
全神経を顔に集め瞼へと集中させる。
久々に目の中にある水晶を通る光の筋、その感触を確かめる。
重いまぶたが錆びた鉄扉のような途切れた音を出しながら、ゆっくり開く。
眩しい。
さっきまでの黒い世界が、白い世界に変換されていった。
先程まで光を遮断していたせいか、突然の光の訪問に目の奥が痛い。
その白い世界は次第に色が薄くなって、色が見え始めた。
「白・・・?」
471 :
ぺん:2006/04/19(水) 18:20:11 ID:4VjGD3c1
瞳孔が狭まっても、また白。
だが僅かに違う、少し碧が入っているようで。
そのまま視線を下に降ろす。
「・・・なん・・・じゃ・・・・・・こ・・・りゃ・・・」
なぜか声が掠れて独り言が聞こえない。
そんなことはどうでもいい、目の前の状況だ。
動けないはずだ。
何十枚という毛布という毛布が体の上に被さっている。
その厚みは30cmを越えているんじゃないかと思う程。
なんだかよく分からないが、布団に寝かせられているようだ。
訳の分からないまま、視線を上へと持って行く。
額の上には革袋みたいのが乗っていた。
頭を横にずらしてみると革袋から氷のぶつかる音がした。
どうやら、額を冷やしているようだ。
また視線を真上に戻す。
少し碧が入った白い天井は、光を微量だが反射していた。
眼球に力を込め、周囲を観察する。
472 :
ぺん:2006/04/19(水) 18:20:43 ID:4VjGD3c1
「・・・・・・かまくら・・・?」
白い天井、というよりこの部屋自体はまるでドーム状。
高さは6m、円の形をしている部屋の半径は8mはあろうか。
頭を右に傾けた方に、より蒼い色の扉がある。
かなり大きい『かまくら』だ。
その中央に自分がいる。
首が大きく動かせないため見えないが、何かのベットで寝かせられているらしい。
お世辞にも背中に当たる感触はふかふかとは言えない。
申し訳なさそうに敷かれたマットに寝っ転がっている感覚に似ている。
「まだ寝てなきゃ! だ、だめだよ!」
いきなり頭に響いた音程の高い声。
左に向けていた頭を、痛みをこらえながら右に頭を傾ける。
背の高い、真っ黒な髪を、真っ黒な目を、雪のような白い肌を
扉の内側に晒して、立っていた。
473 :
ぺん:2006/04/19(水) 18:28:34 ID:4VjGD3c1
過疎だから1日毎に投下したら少しはと思っtうわなにをすr
>申し訳なさそうに敷かれたマットに寝っ転がっている感覚に似ている。
↓
申し訳なさそうに敷かれたマットに寝っ転がっている感覚が
鈍い痛みがある背中(痛みは体中だが)から伝わってくる。
これが噂の焦らしですか?
いいえ、新手のスタンド攻撃です。
狗国見聞録のさ、ジークと落ち物少女との間には100%子供は生まれることはないの?
>>476 フツーにヤってる限りは。
ところであの世界には魔法とか魔法とか魔法とかあるって知ってるか?
確認させてください
落ちてきた → ヒト と呼ばれる
落世界住人 → 人間 と呼ばれる(?)
こんがらがってきました
「ネコ」「イヌ」などの落世界住人に加え、落ち物の「ヒト」を全部総称すると「人間」
ただ、ヒトが人間扱いされることって少ないかも。
480 :
476:2006/04/22(土) 02:43:02 ID:bt/FznNd
>>477 もちろん、知っているさッ!
つまり…魔法でどうにでも出来る…ってこと?
>>480 ヒント
1・カモシカの国には、ヒトと獣人の遺伝子を併せ持つキメラっ娘がいます。
2・そのキメラっ娘は魔法でヒトと獣人を体外受精させることで生まれます。
3・その技術は500年前にイヌの国から流入してきました。
>>480 やりたいことがあるんなら、魔法という言い訳を使えってこと。
483 :
476:2006/04/22(土) 12:25:37 ID:bt/FznNd
シーパラいてきました
ペンギンのショーケースの横で
アザラシがセクロスしてました
一目を憚らず、ズバズコしてました
当たりがハズレか分からないとです
周りの人間はその諸事に固まっていましたよ、えぇ。
ttp://r.pic.to/28hed
画像はぬいぐるみかよw
(´-`)。o O(最近来たばっかりなんだけど、だいぶ前の蛇短編が凄い好きです。って言っても作者さんいないだろうな…)
(´-`)。o O(狗国の『彼女』の名前が知りたい……。作者さんは元気にしておられるのかなぁ……。)
489 :
こちむい番外:2006/04/24(月) 01:18:48 ID:hxxMXjzd
投下予告。
火曜日までに・・・
あした会えたらは一回お休み、ちょっと別の話を・・・
万が一、期待してた人が居られましたらすみません。
>>478 人間単体をさす時には『ヒト』を使ってます。
『ヒト召使』とか「ヒトの分際で――っ!! 」とかで使っています・・・
それ以外は『人間』です。ミルフィ姫も「人が下手に出ていれば!」とかマナ様に怒ってます。
ネコもヒトも同じように『人間』ですね。ことわざのセリフが圧倒的に使いやすくなるので・・・
>>482 そうですね。上手く『魔法』や『魔洸』を使って破綻させずにいけるといいと思います。
ちなみに、『ネコ』と『人』の間に子供は絶対に出来ない事がこちむい世界のルール。
ユナ様が、
「いやああああっ!! やめて、やめて――っ!! 抜いてですのっ!イケナイ赤ちゃん
出来ちゃうですの――っ!! 」
と言っていますが、そのセリフは無性に書きたくて書いた、今は(ry
>>488 最後に投下されたのってけっこう昔なんだっけ
なにか言ってくれたらなぁ
というより、こちむい番外キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
狗国の続きがほしい。ジークの処遇とか。
493 :
名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 19:32:27 ID:lB0Q28vx
楽しみ
使い方が良く分からない他人の携帯から支援
>>489 わーい!明日に新作クルーっ!!
>と言っていますが、そのセリフは無性に書きたくて書いた、今は(ry
反省しなくて結構ですのでユナ様はヤラレofヤラレ’sの方向でどうかおながいします。
そろそろ俺も続き書かんと・・・・・・GW中にどこまで進むかな・・・・・・
>>495 本編ほったらかして勝手に三次創作書いてる俺の立場はどうなるw
……ていうかこれ、完成してもぜってースレ住人には見せられねぇw
どう見ても自己満足です本当に(ry
>>497 見せられないなら詳細語っても問題ないよねえ?
【馬鹿は詳細聞いたあと持ち上げてうp要求する気満々だ】
『なぜなにこちむい!! からだのヒミツ T』
ネコの国、シュバルツカッツェ城は皆平等にお昼時。ぼくは部屋の掃除をしたり、
お鍋をかき回したりで忙しい。ちなみにご主人様の私室兼、寝室兼、実験室の掃除は
あんまりキッチリ掃除すると、『ちゃんと置いてる場所を把握してたのに勝手に
棚に戻すにゃーっ!! 』とか『無断でわたしの『美少年通信』をちり紙交換に
出すにゃーっ!! 』とかいろいろとうるさくて面倒なので掃除には細心の神経を
払わなくてはならない。
とりあえず掃除にキリをつけてキッチンの寸胴の前に復帰する。3日間ご主人様の
つまみ食いから奇跡的に免れたビーフストロガノフがいい匂いの泡をゆったりと
弾けさせている。
ちょっと味見をして、思わず我ながら感激・・・
「上出来・・・肉は安物だけど、山猫亭直伝のドミグラスソースはかなりいい感じ・・・
早くご主人様、帰ってこないかな〜」
と鼻歌混じりに大しゃもじをかき回すぼく。そのときチャイムが『ポーン』と鳴った。
ちなみに『ピンポーン』じゃないのはご主人様が朝寝坊して、ユナ様とリナ様に
起された時、連打されるチャイムに逆ギレして、目覚ましを投げつけてチャイムの
鉄琴を一枚壊したからだ。
「あっ、来たっ!! 」
手をすすぎ、エプロンで拭きながら玄関へ。
「は〜い、開けますよ〜」
とびきりの笑顔でドアを開けるぼく・・・。しかし、昼休みという事はここに来るのは
お姫様であるご主人様だけでなくて・・・。そう、このドアを開けたのがぼくの不幸の始まり・・・
500 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:29:30 ID:r0FhFTJf
「ほ〜、今日はビーフシチュー・・・いやビーフストロガノフでっか?いいでんな〜
あの『山猫亭』がポシャってから本物のデミグラスソースにお目にかかったこと
ないんですわ〜」
「ご主人様たちの分しかありませんのであしからず。借金取りさん・・・はい白湯」
ぼくはペラペラと喋る黒服の借金取りの前にお盆にのせた湯のみを置く。湯飲みには
どこの寿司屋からくすねてきたのか青地に白抜きで『48の殺人技』の名前が書かれている。
「なあに、話しつきましたらすぐに帰りますよってに・・・なぁ?」
と、隣のネコに顎をしゃくる。すると隣の妖艶な女性が柔らかく頷いて言う。
「ええ、あのマナ姫と直にお会いできるなんて・・・愉しみ・・・うふ」
ぼくは首をかしげる。借金取りの相棒の二人組には全然見えなかったからだ。
二人の服装、雰囲気どれをとっても天地ほど違う。
かたや、すらりとしたスレンダーな体にきっちりとしたブラックスーツをまとうのは
いつもの借金取りの女ネコ。くすんだ灰色の髪をワックスで荒っぽく散らし灰色の耳の間に
黒いソフト帽をのせている。そしてその借金取りが顎をしゃくったのは今回初対面の
借金取りより10倍は色っぽい女のネコ。
茶色のロングヘアに、肉感的な体をつつむドレス。ドレスのデザインはこの城の
お姫様よりも垢抜けてはいないが、胸繰りの空いた襟口や、クッキリとしたルージュの
使い方といい、昼間よりも夜中の歓楽街の住人といったところ。一歩間違えれば商売女に
間違えられそうなほど色気過多の女性である。
「借金取りさん、この方は・・・」
なるべくこれでもかと強調している胸の谷間から目をそらしつつ、一脚しかない白磁の
ティーカップにハーブティを入れて勧めるぼく。すると対応の差に不本意そうな表情の
借金取りが何故か意味もなく口ごもりながら紹介した。
「あ、ああ・・・コイツはウチのアダ・・・い、いや・・・し、商品販売部門の責任者や・・・今回の
取引はあんさんの姫様が6ヶ月も滞納した挙句、『物納』って言いよるんで連れて来たわけや!! 」
「うふふ、『責任者』だなんて・・・『店長』でけっこうよ・・・」
フワリとぼくに手を出す。
「は、はいっ・・・あわわっ!? 」
反射的に手を握ってしまうぼくだが、その手はしっとりと柔らかくぼくの手を捕え、細く長い指が
ぼくの指の股をネットリとくすぐる。思わず声が出そうになって慌てて引っ込めた。そんなぼくを
上目ずかいに薄っすらと微笑みながら流し目でぼくを見る店長さん・・・この人もどうやら別の
ベクトルで一筋縄ではいかないネコみたい・・・。握られた方の手をお盆に隠しながらぼくは妖しい
空気を換えようとしゃべる。
「でも滞納なんて・・・そんなに無駄使いしてない・・・いや、させてないと思ったのに・・・」
首をひねるぼく。しかしその答えはソファの人物達からではなく廊下からやってきた。
501 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:30:39 ID:r0FhFTJf
いきなりバタバタと足音。いきなりチャイムも鳴らさずに飛び込んできたのは
ご主人様。
「にゃは――っ!! 猫マテ(猫井マテリアル)に品物取りに言って遅くなったにゃ〜っ」
「あ、あっ・・・ご主人様!! 」
事態の報告をする前に、ハイなご主人様は一方的にしゃべりまくる。
「にゃにゃ、リナ!! 商品のダンボールはここに置くにゃ。ユナは小切手用の
キーパンチャー、忘れずに持ってきたきゃ?」
あとから出てきたのは妹二人。背の高い赤毛のリナ様は重そうなダンボールを
軽々と3つも重ねて持っている。でも前が見えないので少し足元がおぼつかない。
ツインテールの末妹のユナ様は力仕事は次女の仕事とばかり姉を手伝う事もなく
巾着袋から小切手帳やら、そろばんやらを取り出してソファにさっさと座っている。
一段落してぼくはご主人様に急いで言う。
「ご、ご主人様っ!! あ、あの借金取りの人が『物納』って、ちゃんと借金、返済して
ますよねっ!? おかしいですよねっ・・・?」
イヤな予感がうすうすしつつも、半泣きで訴えるぼくだがその予感は的中・・・
「にゃふ、もうチマチマと20年ローンなんて真っ平にゃあ、今までの半年分の返済を
全部使って発明品を作ったんにゃあ・・・」
バンバンと応接テーブルの横の床に置いたダンボールを自信満々に叩きながらぼくを
見上げるご主人様。予想通りその顔の表情には悪気のカケラさえ見えない・・・いつもそうなんだ・・・
「これで一気に借金返済にゃあ!! お前も喜べにゃ!! 」
「うっ、うっうっ・・・」
502 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:33:18 ID:r0FhFTJf
「にゃふ・・・?歓喜の涙はまだ早いにゃ・・・にゃにゃ!? 」
「ち〜が〜い〜ま〜す〜!! 呆れてモノも言えない涙です〜!! だいたいぼくに内緒で
勝手なことしてっ!! だいたいご主人様の発明品でお金になったどころか、無事に済んだ
事だって滅多にないじゃないですか――っ!! 借金なんてコツコツ返すしかないんです〜!! 」
と、ご主人様の黒色の耳を指で摘んで持ち上げると、その耳の中に一気に文句を
叩きつけるぼく。ご主人様はくわんくわんしてる。やっぱり化粧料の振り込まれる通帳は
ぼくが預かっておくしかないと固く誓うのであった・・・
「・・・というわけで、多少のゴタゴタはあるものの商談を始めるにゃ・・・にゃふ、
まだ耳がキンキンするにゃ・・・」
一つのコップにストローが三本ささった水道水を前にポンポンと頭を叩きながら
言うご主人様。コップのビール会社のマークが侘しい・・・。ご主人様の両隣には
妹二人。ちょっと離れたところにふくれっ面のぼくが立っている。
「さて、肝心の品物を拝見したいですわ・・・」
店長さんが言うとご主人様はリナ様に言えばいいのに、いそいそと体を伸ばして
ダンボールをべリべりと破り開けた。中には目の痛くなるようなピンクと黒のストライプ柄の
小箱がぎっしり詰まってる。おもむろに一個取り出してテーブルに置いた。
「これにゃっ!! 名づけて『腰ふりよがり姫『まな』イケナイ12歳(仮)』にゃっ!! 」
なんか猛烈にイヤな予感がしてきた・・・
「拝見しますわ・・・」
手に取る店長。なぜか逆に借金取りは顔を赤らめて足を組みソッポを向いている。
『・・・・・・・・・』
センスのない小箱を開けて店長が取り出したのはヘンな物体。円筒形のブヨッとした
質量を持っており、材質が透明なせいで細工がのっぺりとした表面よりも内部にあるのが
薄っすらとわかる。
店長はご主人様の発明品なのに恐れもせずにそれを手に取ると、押したり、ぶにゅりと
引っ張ったり、片方に穴が開いるらしく、そこから目を当てて覗き込んだりしてる。
「なかなか・・・今までにない感触ですね・・・特有のイヤな匂いもしませんし、本物に
かなり近いかと・・・」
「にゃん、にゃ――んっ!! ちゃーんとわたしが方術合成した会心の作にゃあ。
コロイド半透膜を使ってるから吸い付くような柔らかさと反発力を併せ持ってるにゃ・・・」
いいながら『商談を開始せよ!』とばかりにドムドムと肘でユナ様をつつくご主人様。
「・・・ご、ゴホン・・・とりあえずダンボール1グロス360セパタですの。初回は3箱
1080セパタのところ1000セパタですの・・・後は一ヶ月毎に1グロスの出荷を2年・・・
合計9640セパタですの――っ」
そろばんをバチバチと弾いてみせるユナ様。なかなか堂に入ってる。
503 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:37:10 ID:r0FhFTJf
いきなり『半年分の返済金で開発』といっておきながら吹っかけたものだが、
店長は顔色も変えずに言う。
「値段が張りますね。商いは水物・・・品物は良くても実際、売れるかどうかは
なかなか判りません・・・1ダースを引き取らせて戴いて、1ヶ月ほどモニターした
後ではいかが?」
至極まっとうな意見である。ぼくだってこんな良く判らない石油化学製品っぽい
ナマコに対し、円に直して約2000万円の契約をいきなり結びたくない・・・
「にゃっ!? じ、じゃあ継続契約は省いて、今ここにある3箱・・・1000セパタ分でも
いいにゃよ・・・」
いきなり弱気なご主人様。代わりに元気になったのは借金取り。水を得た魚のように
ソファから立ち上がるとぼくの手首を掴んで言う。
「待ちに待たせてもらった6か月分の返済、出来なかったら・・・」
スーツの内懐からパラリと取り出す契約書。どうやら無利子で返済を6ヶ月待ってもらう
契約書らしい。黒々とご主人様のサインの書いてあるそれを3人のネコ姫様に突きつける。
「違約事項の通り、召使が代わりに働いて返して貰いまひょか」
「ええ〜っ!! そ、そんな勝手ですっ、ぼく何も知りませんっ!! 」
抗うぼくに、借金取りは言い聞かせるように言う。
「ええやないか、1ヶ月でいいんや・・・そしたら6か月分の返済、チャラになるんやで・・・
な、やんごとなきお方のところで1ヶ月召使するだけでいいんや・・・」
「にゃ!! そうにゃのか!! それにゃら2ヶ月ぐらい・・・ぐばぁ!? 」
「姉上っ!! 」
「マナ姉っ!! 」
喜色満面のご主人様。同時に左右の妹達からボディブローを喰らう。ちなみに運悪く
右に位置していたリナ様のパンチはモロに肝臓に入ったらしくグロッキーのご主人様。
ぼくは懸命に借金取りの手を引き剥がそうとしながら叫ぶ。
「イヤですっ!! ご主人様と一ヶ月も離れるなんてイヤですっ!! ぼくのご主人様は
一人だけなんですっ!! ぐしゅ・・・ご主人様あっ・・・」
半べそで視線を見やるとばつが悪そうにほっぺを掻きながら立ち上がるご主人様。
「にゃ、にゃ・・・借金取り、わたしの召使からその手を離にゃすにゃ・・・」
この世界に悪名を轟かすご主人様の一言で借金取りはぼくの手をビビリながら
がっちりと掴んでいた手をあっさりと離した。
504 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:39:24 ID:r0FhFTJf
「ご主人様・・・」
ご主人様は妹たちに小銭は借りても、なぜか借金まで世話にならない。これはぼくも
他の姉妹も尊敬する最大の美徳だと思う。腕をさすりながら惚れ惚れとご主人様を
見つめるぼく。でもご主人様はぼくと目を合わせようともしてくれず下を向いていて・・・
「姉上・・・なぜニヤニヤ・・・ぐあっ!! 」
「マナ姉、照れてるですの――っ!! ・・・ひんっ!! 」
マナは両方の妹に同時に裏拳をぶち込んでからおもむろに店長に言った。
「『プッシーキャッツ』の店長・・・ものは相談にゃ、一ヶ月のモニターを今すぐやるのは
どうかにゃ?」
思わせぶりに色気過多な店長を見るご主人様。なぜかネットリとぼくを見る店長。
「ええ・・・いいですわ、来たかいがありましたわ・・・」
チロリ、と紅い舌が唇を這う様子に思わず後ずさるぼく。
さらにイヤな予感は膨らんで・・・。でも、『プッシーキャッツ』ってどっかで聞いた店名の
ような・・・たしか『山猫亭』でバイトしていたとき・・・裏通りに・・・
などと取りとめのないコトを考えていると肩を叩かれた。
「へっ?」
目の前にイヤに嬉しそうなリナ様とユナ様。
「ささ、こっちへ来るですの――っ!! 」
「モニター、がんばるのだぞ、姉上の借金が君にかかっている・・・」
「モ、モニターなんてぼくにはさっぱり・・・」
トンと押されてソファのテーブルの前に押し出されると不意に背後からリナ様とユナ様の
爪がぼくに襲い掛かった。
『ビリビリビリッ!! 』
「ひゃあああっ!! な、なんでっ、どうしてっ!? 」
爪はぼくの皮一枚傷つけることなく着ていた服をウエスの集合体にしてしまう。慌てて
全裸に限りなく近くなった体を腕で覆い隠ししゃがみ込みながら、舞い散る布片の中で思った。
『ご主人様の発明なんて、発明なんて・・・だいっきらいだ――っ!!!!!!』
505 :
なぜこち:2006/04/25(火) 01:45:00 ID:r0FhFTJf
つづく・・・
お待たせしました。シリアスもどきの話を書いていると時にはあほうな
話が恋しくなります。
召使はこれからどうなるのか?
果たしてあの未知なる商品はなんなのか?
全然分かりませんね! などと白々しく言ってみたり・・・
この話は時間軸は『あしたら』のちょい前の状態だと思っていただければ・・・。
それでは・・・もう落ちます。また宜しくお願いいたします。
面白かったです!!
と、深夜組
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!
続きにワクテカ
もうすぐGW。春の大量投下週間だけど、きっと職人さんはみんな大型連休を利用して一気に書き上げて投下してくれるに違いない。
絶対に間違いない。
職人様がいたいけな読者を裏切るはずなんてないよね。
>>499 ひさびさのこちむいキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
大期待しながら、正座して待ってます。
>>498 そ、その手にはのらないんだからねっ!
と、お約束のレスをつけておこうw
まあ、よっぽどネタ切れして、投下せざるを得ないことがあるにしても、その時はキャラクター入れ替えて自作品の外伝みたいな形になるんじゃないかなと。
やっぱり三次創作の場合、一歩間違えたらその作品の原作者にも読者の方にもものすごく失礼なことになると思うし。
>>499 ○| ̄’\
↑
(久々の「ぼく」受けに思わず腕立て伏せで喜びを表す俺)
しかし、”ぼく” …… 一か月分、絞られるんだろうか (;´Д`)
借金取りにまで……
さて、いよいよGWに突入するわけですが、職人の皆様はそろそろ万難を排しての執筆モードに入ってくれていることでしょうか。
……俺はかなりやばげですがorz
まあ、なんとかGW中に一本は投下できるようにします。
>>510 【石布団】
<○√ しまった、これは石布団だ!
‖ 僕が支えてるうちに御主人様は逃げて!
くく 早く早く!僕にかまわず逃げて下さい!
515 :
SS保管人:2006/04/28(金) 22:52:37 ID:o1iEcQLH
>>514からの流れがツボにハマって腹がよじれた
…うまく話が繋がらないからって、俺、疲れてるのかあn
GWに休みが欲しひです。
ところで。
長めの話を書き出すときに、結末って考えてから書いてます?
最終的にその結末に持っていくかどうかは別の問題として、ですが。
519 :
SS保管人:2006/04/29(土) 01:59:21 ID:nIQ0S8sa
>>518 んっと、具体的な結末というのは決めてないけど、まあいくつか、自分の中で決めてることはあるかな。
・最終回はハッピーエンドにする。
・毎回一度はエロを入れる。
・こっちの世界には帰さない。
とりあえずコレが自分の中で決めてること。でも具体的な最終回の形というのはできてない。
そもそも一年少し前に書き始めた頃のプロットなんて、もはやハズれまくってるしw
・書き出しさえ決めれば後はご主人様と召使が動いてくれるかも
・一話ごとに喜怒哀楽をなるたけ入れる
・情景描写≦セリフ描写
・萌ゆる炎
>>518 最終回のイメージは既にある。
思いっきりあざとくやるつもり。
畑荒しが出るというので、徹夜で見張っていた朝。
カランカラン
む、鳴子がなった。
林から飛び出す黒い影。
「待てっ、ってご主人様?!」
「なんだ、こんなところにいたのか」
土を掘り、おもむろに野菜を口にくわえながら喋るご主人様。
「見張りに行くっていったじゃないですか。ていうか、いくらご主人様でも、畑荒しはさせませんよ。食卓にあがってから召し上がって下さい」
「腹が減った」
ああ、収穫前の小さいのまで掘り出して…。
「だめですってば」
止めようとする俺を逆に押し倒すご主人様。
「腹が減った」
って、なんで俺のズボン下げてんすか。
「朝立ちがもったいない」
いや、さっきまでニンジン食ってた口で俺をくわえないで…。
抵抗虚しく土の上で野菜と一緒にいただかれる俺。
満足げに肌をつやつやさせるご主人様。
家に帰って、朝ご飯はこれから。
野生児みたいww
GJ!!
ようやく自分の携帯を取り戻したのでタイプが楽々です!!
GWを利用して書きたいっス!!
空が白くなってから寝るのは落物世界では常識だよね!
527 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:46:48 ID:hhOfM4An
忘れられていない事を祈って投稿させて頂きます。
528 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:48:28 ID:hhOfM4An
(やっぱり、手を付けるなら運輸と兵器だね)
王都へ向かう汽車に揺られながら、セリスは今後の事を考えていた。
この国は広大な国土に比べて、物資の移動はそのほとんどが蒸気機関車や馬車などと言う原始的な運輸方法を頼るしかない。
元々、トラはその身に絶大的な身体能力を持っているため、大抵の生物は素手で倒す事が出来るし、この国の豊かな国土は国民達が飢える必要のない十分な作物を作るだけの力を持っていた。
そのため科学の発展の必要性、つまり外敵から身を守るための武器や技術、また食料の効率的農作や病気に対する予防治療法などがそれほど必要とされていなかったのだ。
文明発祥からまもなく、バラバラに暮らしていた部族が一つの部族に統一されたのも理由の一つだろう。
それ以来この国は部族から国家に名を変えた物の、統一した部族の子孫達が脈々とこの国の王位を受け継いでおり、長い歴史の中で目立った反乱もなく今日までその歴史を刻んでいたために、武器の発達もそれほどしなかった。
一時期狼の国に占領され掛けたりしたが、あまりにも広すぎる国土のその全てを占領される事はなかった。
端的に言えばこの国は平和なのだ。
余るほどの食料に、安定した政治と経済―――
戦争などしなくても、内乱など起こさなくても皆幸せで笑って暮らせる。
(まあ、中身はわかんないけどね)
現国王はトラのくせに狸と有名な人物で、自分以外の王位継承者を全て陥れて今の地位を手に入れたらしい。
無論何の証拠もなく、全てが噂程度の物だが―――
(王位か――)
魔王である自分とて、安寧の道を歩いて王位を手に入れた訳ではない。
その生まれ故敵が多く、幾人もの敵を倒してきた。
その度に戦争が起きた。
自分の世界は文明が進み、一度戦争となればそれは星々または星系間で行われる。
星一つを丸々砕け散らすエネルギー兵器や、一個の生物だけを限定して殲滅するウイルス兵器などが発達して一度戦争が起こればそれは恐ろしい物になった。
戦争の被害も、一つの大陸で争っているこの世界の規模ではない。
一度の攻撃で失われる命は、十、百単位ではなく、億、兆単位だった。
おそらく、この世界ではどこの国の法律に照らし合わせても自分が一番の罪人だろう。
なにせ、この世界のバクテリアのような細菌から二足歩行型の高等生命体、おおよそ生物と言われる者の全てをひっくるめた数と、自分があちらで殺した数に比べれば恒星と素粒子の大きさぐらいの比率がある。
もっとも、セリス自身そのことに対して罪悪感を持ったり後悔したりはしていない。
彼の種族は魔族と呼ばれる存在で、物質世界の住人ではなく精神世界の住人なのだ。
それゆえ、熱や衝撃などの単純な物理エネルギーによる影響はほぼ完全に無効化してしまうし、上位世界である精神世界からエネルギーを抽出して途轍もない奇跡を起こしたりする事が出来る。
それだけ強靱な生命体となると脆弱な生物が群れて暮らすための社会と言う型枠が不要なり、それを安定させ補強させるための法や道徳も不要となった。
集団で生きる必要がないため極端な個人主義に染まり、同じ種族でも利害や感情で簡単に裏切り合い、殺し合う。
同じ仲間の命にすら軽んじる種族が、他種族の命を重要視する必要など欠片もない。
529 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:50:18 ID:hhOfM4An
端から見れば年がら年中、身内同士で争っているアホでキ○ガイな種族なのであるが、それをまとめ上げるのが魔王という存在なのだ。
その座に着くためには、身勝手な同族達を力でねじ伏せ認めさせなければいけない。
他の種族が王を選ぶのに、人柄や人望や能力、血筋などを求められるのに対して、魔族の王に求められるのは能力だけなのだ。
そうすれば自分のような混ざり者でも王位に着ける。
「ま、どうでも良いけどね」
本音を言えば魔王の座などどうでも良い。
それを手に入れたのも、他にやる事がなかった上に他の魔王の座を狙う者達が自分に襲いかかってきたからだ。
まあ、多少は面白かったが―――
ある者は真っ正面から力で挑み、またある者は策と奸計を巡らせ、またある者は色仕掛けまでしてきた。
正直、死にかけたのも二、三度ではすまず、それを全て撃退尽くした時には自分は魔王の座にいた。
魔王になってからも暗殺やら何やらのごたごたが続いたが、慣れてしまえばどうと言う事はなくただ面倒で鬱陶しかっただけだった。
そして最後に残ったのは退屈だけ―――
魔族にとって退屈とはもっとも恐ろしい物の一つだ。
彼らは物理の時間的劣化に影響されない故に理論上不老不死であるが、物質という拠り所がない以上、精神の時間的劣化は凄まじい。
どんな大魔族であっても、生きる熱意などが失われると、その精神の影響が即座に存在その物を弱体化してしまう。
生きる熱意とは即ち欲望であり、快楽であり、自己満足である。
その特殊な生理のため、魔族は個人主義の享楽主義者が多い。
無論セリスもその一人である。
(―――しばらくは退屈する事はないと思うけどね)
自らが選んだ主、愚かで脆弱で色気も何もない小娘は非常に面白い。
後数百年は退屈の心配はあるまい。
そんな事を考えていると汽笛の音が駅への到着を知らせた。
530 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:50:55 ID:hhOfM4An
正に観光地って感じだな)
レンガ敷きの道にレンガで造られた建物が建ち並んでいる。
他国と比較した場合、虎の国の文明レベルは中の下と言った所で狼などより上、犬や猫より下のあたりにある。
(少し手間がかかるかもね)
武器や運輸産業を発展させるための知識はセリス自身が持っているのだが、それを理解出来る者はこの世界にはまずいない。
セリスの世界とこの世界の文明レベルはあまりに隔絶しすぎているため、彼の発展しすぎた知識は文字通り御伽話の様な物だ。
例えば、エネルギー一つとってもこの世界には永久機関は存在せず、また作成も不可能と概念的にも存在を否定されている。
物質世界に置いてエネルギーの総量は決まっており、熱エネルギーが光エネルギーに変化したりはする物のエネルギー自体の減少や増加はあり得ないのだ。
唯一の例外が魔法使いであり、彼らはエネルギー保存の法則を無視してあらゆる現象を引き起こすが、それは特定の者だけが使える能力であって、誰もが使える技術ではない。
それに比べセリスの世界には永久機関が存在するし、その作成の方法もセリスは知っている。
しかし、概念的に否定されている知識を教えた所で、それは存在しないと言う事を前提に組み立てられた技術体系ではそれの理論や技術を理解できるわけはない。
なぜならその概念を認めた途端、古い技術体系は崩壊してしまう。
そのため、その技術体系に所属していた者達はその概念を認める事を極端に嫌うのだ。
特に学会やお偉い学者達は、その技術体系によって自らの権威や偉大さを保持しているため、そう言う常識を越えた考えには否定的だ。
自分達が今まで信じてきた物が崩壊するのが耐えられないのは、宗教だろうが政治形体だろうが技術体系であろうが同じである。
(まあ、ゆっくりやればいいか―――)
有能な新人を連れてきて一から教育すれば百年ぐらいで物になるだろう。
幸いこの世界の種族は寿命が長いので、百年やそこらは大丈夫だ。
531 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:51:45 ID:hhOfM4An
王立総合研究所と書かれた看板が掲げられたのは要塞のような建物だった。
周りをレンガの高い塀で囲まれ、周りを憲兵が巡回している。
何かと物々しいのは国家機密クラスの技術開発を行っているからだろう。
もっとも、この程度の警備で魔法や科学に優れた猫や犬の秘密工作員を防げるとは思えないが―――
「あのー、すいません。メーデル子爵領より使いに来た人奴隷のセリスですが、所長にお会いしたいんですが」
門番らしきがっちりした虎人にセリスは自分の首元を指し示す。
そこには細い首筋に似合わないごつい皮の首輪が嵌められていた。
この国では誰かが所有している人奴隷は首輪を付ける事が義務付けられており、それは同時に奴隷の身分証明書にもなるのだ。
首輪には金属のタグが付いており奴隷本人の名前と所有者の名が刻印されている。
またその材質も一般市民の持ち物なら銅、貴族なら銀、王族ならば金と定められており、貴族や王族の物ならば名前と共に家紋が刻印されており、どこの奴隷だか一目で分かるようになってもいる。
門番の虎人がセリスのタグを確認して書類を差し出す。
『入所許可申請書』と書かれていた。
あまり知られていないが、このような施設に入るためには事前に申請して許可を取る必要があるのだ。
セリスは事前に用意していた許可書を取り出し門番に差し出す。
門番はそれを受け取って一通り確認すると、無言で詰め所に入って行った。
やがて巨大な鉄扉が開き、セリスをその中に迎え入れる。
532 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:53:13 ID:hhOfM4An
セリスが研究所の最高責任者の部屋に来るまで五時間かかった。
無論それは五時間分の距離歩いたと言うより、五時間待たされたからだ。
受付で二時間またされ、そこから所長が居ると言われた部屋に行ったら手が離せないから待っていてくれと言われ、三十分後に他の部屋に行ったと告げられた。
その後、応対に出てどこに行ったか分からないという研究員に軽く殺意を抱きながら受付にとって返し、さらに三十分待たされあげく一時間ほどあちこち歩き回らせられ、此処に辿り着き結局受付に戻り一時間待たされ此処に辿り着いた。
ちなみにここに来たのは朝の八時でちょうど今は昼時である。
さらに所長室の入り口が開いたのはそれから三十分後だった。
「子爵領から来た人奴隷とは君かね?」
長身の虎の男が、あらか様に見下した視線でセリスの前に腰掛ける。
「ええ、メーデル子爵領の、シルス・メーデルより命を承って来たセリスです。よろしくお願いします」
笑顔で指しだした手を無視し、男は煙草を銜えた。
「それで、貴族の方が一体何のようでしょうか?」
「その前にお聞きしたいのですが、あなたが此処の所長ですか?」
「私の質問に答えたまえ」
自分の意見を一方的に言う男にセリスはさらに笑顔を深めた。
それは彼の主が見たら一も二もなく逃げ出すぐらいの笑顔だった。
「と言われても、あなたが誰だか分からない以上、僕も迂闊な話は出来ませんからね」
セリスの言葉に長身の虎人は不快そうに鼻を鳴らす。
「………………私はここで研究をしている研究員のガルポと言う物だ」
「おかしいですね、僕は所長にお会いしたいと伝えたはずですが――」
「所長はお忙しい。私が代わりに用件を聞こう」
笑顔のまま首を傾げるセリスに、ガルポは鬱陶しそうに答える。
「それは出来ません。非常に重要なお話でして――」
「だったら、出て行きたまえ。我々は暇ではないのだ。たかが田舎貴族の人奴隷に構って居る暇はない」
そう言いながら、出口を指さす。
その時点でセリスの表情は、主をいたぶる時の笑顔になっていた。
「そうですか、分かりました。お忙しい所、失礼しました」
そう言って立ち上がり、横に置いてあったジュラルミン製のトランクを持ち上げる。
しかし、ちゃんと蓋を閉めていなかったらしく中身がこぼれ落ちてしまう。
甲高い金属音と共に、翡翠色の金属が絨毯に落ちる。
それを目にした瞬間、ガルポの目が見開かれた。
「そ、それは――」
「ああ、これは今回の話し合いに関係する物だったんですが、必要ありませんでしたね」
驚愕するガルポにセリスはにこやかに言う。
この世界には無垢なる金属と呼ばれる物質が存在する。
未加工のその金属には特に秀でた性質はないが、加工の仕方によってその性質が千変万化するため、科学者や魔法使いの間ではとても重宝されている。
無論、希少性がとても高く並の貴金属より遙かに高額で売買されている金属だが、トランクの中にはそれのインゴットがずっしり詰まっていた。
これだけで一般市民が一生の内に得る生涯賃金の同程度の価値があるだろう。
セリスはそれを素早くトランクに仕舞い込む。
533 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:53:53 ID:hhOfM4An
「それでは、お邪魔しました」
「ま、待ちたまえ、少しの間この部屋で待っていてくれ――」
笑顔で退出しようとしたセリスをガルポは慌てて引き留め、転がるように部屋から出て行く。
セリスはそのまま笑顔で待っていた。
やがて、デップリと太った虎の男とガルポが転がるように部屋に入ってくる。
「これは、これは私はこの研究所の所長を務めさせている。ノーコス・ガルベットと申します」
「いえいえ、自己紹介など結構ですよ。もう失礼させて頂きますから――」
握手を求めてきた所長の手をにこやかに無視して、セリスは席を立つ。
「き、君は私達に話があったのではないのかね」
「所詮田舎貴族の人奴隷の戯れ言ですから、気にしないでください。皆さん、お忙しそうですし」
ガルポに向けてにっこり微笑みセリスは部屋を出ようとする。
「ま、待ちたまえせめて話だけでも――」
必死で引き留めるノーコスに笑顔のまま、セリスは首を振った。
「いや、結構です」
トランクに向けられている所長の視線に気付かないふりをしながら、セリスはふと気付いたように懐から懐中時計を取り出す。
「そう言えば、ここら辺で美味しいレストランって知っていますか? そろそろ昼時なので―――」
「そ、それなら、此処で食べていきたまえ。此処の食堂は和洋中のどんな物でもそろっているからね」
ここぞとばかりに所長が食いついてくる。
「いいんですか?」
「ああ、もちろんだとも―――」
所長の返事にセリスは心の底から嬉しそうに微笑む。
表面的には―――
534 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:55:27 ID:hhOfM4An
「それでは、僕はこれで―――」
ラーメン十人前、カツ丼七人前、鰻重五人前、ステーキ八人前、ワイン七本、その他諸々の食事を終えたセリスは唖然とする所長達を横目に席を立つ。
さんざん飲み食いしたが、そんな事を欠片も意識せず部屋を退出しようとする。
「ちょ、ちょっと待ちたまえ―――」
「何かご用ですか? 僕は早々に主の元に帰還しなければならないんですけど」
引き留めようとする所長にセリスは真顔で答えた。
「い、いや、さんざん飲み食いしたのだから、せめて話ぐらいは―――」
「そんな約束しましたっけ?」
罪のない笑顔でセリスは首を傾げる。
「と言うか、僕は疲れているんですよ。このクソ重い荷物を持ちながら五時間以上歩いたせいで――」
皮肉ったセリスの言葉に所長達は顔を引きつらせる。
「このまま領地に帰って猫の国まで足を伸ばさなきゃいけないんですよ。此処での話がおじゃんになりましたから、猫井技研あたりに話を通そうと思っているんですよね」
まるで相手の反応を楽しむかのようにセリスは言葉を続ける。
「何せこの十倍以上の量を持ってこないといけないので」
「じゅ、十倍――」
所長は、まるでセリスの体が黄金製であるかのような表情になった。
「それでは、僕はこれで」
「ま、待ってください。この研究所は猫如きが作ったえせ研究機関になどより、遙かに洗練されています。あなたのご希望に添えるのは、世界各国でも此処でしかないはずです」
いきなり敬語になり、揉み手をしだした所長にもセリスの笑顔は変わらない。
「いえ、よく考えたら科学技術は猫か犬の方が進んでいますよね。うん、やはりそちらに行った方が良いでしょう」
「いえいえ、そのような事はありません。この国にはダンジョンがありますから―――」
「ダンジョン?」
無論の事知っていたが、ワザと知らない振りをする。
交渉に置いて相手に安く見られては論外だが、畏怖や恐れをもたれても厄介だ。
適当に弱みや無知さを演技してやるのが、相手を思い通りに誘導するコツだ。
セリスの思惑通り、所長はまるで相手の付け込むべき隙を見つけたかのように目を輝かせる。
「ええ、そうです。この国には他の国には類を見ないほどの古代遺跡の宝庫でして、そこで発掘される物には、今の技術を遙かに超えた品々が多数発見されているのです。ここでは、その解析をやっておりまして、その手の技術に関しては我が国が世界一を自負しております」
「そう言われると実に魅力的なお話ですね」
非常に興味深そうな表情を作り、セリスは鷹揚に頷く。
そして引き返して再びソファーに腰を下ろした。
535 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:56:56 ID:hhOfM4An
「確かにそれなら、我が主も満足する事でしょうね。ふむ、少々お時間をいただきたいのですが構いませんか?」
「ええ、構いませんよ。もちろん―――」
これは脈ありと感じたのか、所長もソファーの間のテーブルに身を乗り出してくる。
しかし、その顔色はセリスの言葉を聞いた瞬間一変した。
「実は、此処の研究員の方達を貸し出して欲しいんですよ」
「そ、それは――」
言い淀む所長にセリスは顔を寄せた。
「ええ、もちろん。そのような事は禁止されているのは知っています。しかし、我が主には是非とも、此処の優秀な研究員の方々をご所望でして――何とかならないでしょうか?」
所長の顔が欲望と危機感の葛藤に歪むのは少々面白かったが、提案を拒否されてはたまらないので少ししてから口を挟む。
「例えば、例えばですよ。僕達の領地にそのダンジョン―――でしたっけ? それがあるとしたら、そこに研究員や発掘隊を発見する事は珍しいことじゃありませんよね」
一瞬の虚を突かれたような所長の表情であるが、即座に理解したというように嫌らしい笑みを浮かべた。
「え、ええ、そうですね。もしもそこに、あるとすれば――」
「例えばそこでの研究が長期化して、その領地に研究所を建ててれば研究員を置いても不自然じゃありませんよね」
「ええ、それはもう全くの自然です」
そこまで話を続けてから、セリスは唐突に思い出したように手を叩いた。
「そう言えば、こちらの領地にダンジョンらしい遺跡があるらしいのですっ!! 是非とも調査員を派遣して欲しいのですかっ!!」
朗らかな笑顔を浮かべるセリスに、所長も笑顔を浮かべる。
もっとも、所長本人は愛想笑いをしているつもりだろうが、欲望丸出しの下品な笑いになっているため、それを直視したガルポの表情は引きつっていた。
「では、派遣する研究員を選んでもらえないでしょうか? できるだけ優秀な方を―――」
「ええ、もちろん」
セリスの言葉に所長はこくこくと頷く。
「では行きましょう。善は急げと言いますしね」
「え、ええ、そうですね。それでその時の研究費用は―――」
いきなり下世話な話になっても、セリスは朗らかな笑顔を崩さない。
「こちらが持たせて貰いますよ。もちろん、あなた達にも個人的なお礼をご用意します」
あなた達と言われ、そこで初めて所長はガルポが部屋にいる事を思い出したようだ。
「何をしているっ!! さっさと、この方をお連れしないかっ!!」
「え、あ、はいっ!! ただ今っ!!」
所長に言われてガルポは慌ててセリスの前に出る。
そんな様子をセリスは始終朗らかな笑顔を向けていた。
536 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:57:28 ID:hhOfM4An
「ここがこの研究所で今現在、最新の研究をしている研究室です」
「…………大分想像していた物と違いますね」
セリスの言葉は皮肉でも何でもなく偽らざる本音だった。
彼の前にあった風景は、試験管やビーカーを前にして実験結果を記録する研究者達の姿ではなく、土や砂に汚れた石版や剣や盾、その他の良く分からない形の物を洗浄して資料らしき物と付き合わせている研究員達の姿だ。
何というか科学や魔法の研究と言うより、考古学の発掘のような雰囲気がある。
「え、ええ、ここでは主に発掘された遺物の分析を行っていて、開発と言うよりそちら側の方に重点を置いています」
「…………原理の解明は可能なのですか?」
「い、一応いくつかの物品に関しては解析は可能です」
(つまり、それ以外は解析不能と言う訳なんだね)
ようするに、発掘された遺物は実際にそれ自体は使用出来ても、その原理を解明して同様の物を作る事は出来ないのだろう。
(…………本気で来る場所を間違えたかな)
政治的外向的手続きが面倒な上に機密保持の観点で問題があったため、人員の確保は可能な限り自国内ですませようとしたが、どうやら考え直さなければならないらしい。
「…………それで、ここの責任者はどなたですか? 紹介して欲しいのですが」
「ええと、それは―――」
セリスの要請に何故かがルポは言い淀む。
「一体何故、ここにヒトが居るんですか?」
背後から掛かった声には、あらか様に侮蔑の意志が含まれていた。
「…………それはこちらが聞きたいのですが、なぜここにイヌの方がいらっしゃるのでしょうか?」
背後を振り向いたセリスが見たのはイヌの少女だった。
少女という割には長身の均整の取れた体付きをしており、そのどこか幼さが残る表情がなければ一人前の女性で通るだろう。
銀縁のフレームで出来た眼鏡を掛けているため、多少の幼さは緩和されているがセリスの目は誤魔化されない。
年上の学者達に囲まれて居る事を差し引いても、その白衣姿は浮いている。
537 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:59:20 ID:hhOfM4An
「ええと、彼女がここの責任者です」
「ヴィグリアさん、もう一度聞きますが何故ここにヒトが居るのですか」
どこかバツ悪そうな表情のガルポに少女は侮蔑の視線を露わに問いただす。
「いえ、ガルポさんは私が頼んで案内して貰ったのですよ。申し遅れましたが、メーデル子爵領より、シルス・メーデルの命によりやって来たセリスと申します。以後お見知りおきを――」
値踏みするような視線を向けてくるイヌの少女に、セリスは友好的な笑みを浮かべる。
「それで、その貴族の方が何の用で?」
侮蔑の割合が五十パーセント程増した表情で、少女が再度問いただす。
しかし、その程度の事でいちいち目くじらを立てるほどセリスは可愛くない。
「じ、実はこの方の主の領地でダンジョンが発見されて、そこに何人かの研究員を送る事になったんだが、その選考をしている所でね」
自分より一回りは年下の少女に遠慮がちに話しかけるガルポの姿は、情けないのを通り越して滑稽ですらあった。
ちなみに少女の瞳はあらか様に『金でも積まれたな』と言う視線をガルポに向けている。
「そ、それでここにいる研究員を何人か送ろうかと思ってね」
「――情報は確かなのですね?」
「ええ、勿論ですよ。我が主の領地には未だ未発掘の遺跡が眠っています」
少女の疑わしい視線を受けて言いあぐねているガルポの代わりに、セリスが言葉を引き継ぐ。
ガルポ達は知らないが、実際にミリア達の領地には小さいがちゃんとしたダンジョンが存在するので嘘ではない。
「それに研究施設などについてはご安心を、費用はこちらが全額負担させて頂きますし、必要な物があるなら、仰っていただけばそのつど可能な限り速くご用意させて頂きますよ」
そう言いつつ、手にしたトランクを開く。
中身から溢れ出たインゴットに、その場にいた研究者達が息を呑む。
「無論、こちらに来て頂いた方々にはここの研究員としての賃金の代わりに、それなりの報酬もご用意しております」
セリスが誇る財力から、その報酬が決して低くない事は世事に疎い研究者達にも明らかだった。
「さて、こちらの自己紹介は終わりました。よかったら、あなたのお名前をお聞かせください」
「………研究主任のウィネッサ・プレリーズです。ル・ガル王国第六研究所より派遣されてきました」
「成る程、国家機密の研究に他国の協力を仰ぐとは、いやいや僕ら凡夫にはとてもまね出来ないですね。さすが、ここの研究者の方々は発想が違う」
さすがに丁寧に応対した方が良いと考えたウィネッサが手を差し出したが、セリスはあえてそれを無視しそう皮肉った。
「い、いえ、これはそのですね」
「まあ、こちらに来て頂く分には優秀であればどこのどなたであろうと関係ありませんがね」
急いで言い訳を考えているガルポの答えを待たず、セリスは横目でウィネッサを観察していた。
傍目には無視された腕を静かに引っ込めるその表情に変化はなかったが、セリスはその微妙な変化を読んでいた。
見下していた者に無視され、その瞳が怒りに染まっている。
(………うわ、かなりお怒りだね。これは――)
自らが対峙した者の正体も知らず、見た目だけで相手を判断し、ましてや自分が間違う事など微塵もないと確信している目だ。
セリスは八割方この娘を連れて行く事に決めた。
わざわざ他国から呼ばれる程の頭脳もさることながら、この娘は教育のしがいがある。
無論、教育とは自分の立場をわきまえさせ、自分が何をしたのか、自分の身の程を知らしめてやるためだ。
こう言う、プライドの高い相手程、嬲りがいと壊しがいがあるのだ。
ミリアの家庭教師としては不向きかもしれないが、そのあたりは耳の穴から脳味噌が垂れ流れるぐらいの努力を主に期待する事にする。
「では、詳しい事は後日ご連絡しますので私はこれで―――」
正に慇懃無礼の体現の如くセリスはウィネッサ達に会釈した。
538 :
虎の子:2006/05/01(月) 00:59:51 ID:hhOfM4An
(さて、準備はこれぐらいで良いかな)
ウィネッサの他にも、それなりに物になりそうな研究者を見繕いながらセリスは研究所内を歩いていた。
こうして見ると虎の科学力は決して高いとは言えない。
と言うか、ウィネッサ達の研究を横目で見ていたが、発掘品の解析について主な所はイヌの彼女がやっているのだ。
これでは機密も何もあった物ではない。
確かにダンジョンから発掘されるアイテムは凄いが、虎の国はそれをもてあましているようだ。
(ま、その辺に漬け込む隙がありそうだけどね)
これからの事に策を巡らせながらセリスは上機嫌に廊下を歩いていた。
「ちょ、ちょっとすいません」
掛けられた声に背後を振り向けば、そこには本の山があった。
分厚そうな辞典が何冊も積み重なっている。
よくよくみれば、その本の山の影に小柄な体が隠れていた。
よれよれの白衣とシャツとタイトスカートを着た少女が、よろよろと危なっかしく歩いているのだ。
その手の上には、分厚い辞典が今にもバランスを崩しそうな形で乗っている。
その先には下りの階段が続いており、そんな状態で降りようとするのは勇気と蛮勇をはき違えているとしか思えない。
当然、セリスは横目でその少女を避けた。
「うわっ、あっ!!」
やはりというか何というか、階段を下りようとした瞬間叫びと共に少女がバランスを崩し、盛大にすっ転ぶ。
しかし、セリスは見向きもしない。
さらに降り掛かる本を平然と避け歩み去ろうとする。
が、
ガシッ
「へ?」
いきなり伸びてきた腕がセリスの腕を掴んだ。
その手の持ち主は転んだ少女であり、当然セリスも転倒に巻き込まれる。
「ちょっ、嘘!!」
派手な音と共にセリスと少女は縺れ合って階段を転げ落ちた。
539 :
虎の子:2006/05/01(月) 01:00:47 ID:hhOfM4An
設定
幼智賎無鋼【ペルゴラス】
別名無垢なる金属で精製された物は翡翠色の金属となる。
加工の仕方で性質が千変万化すると言う特徴を持つ。
理論上はあらゆる金属の性質を持つ事が出来るが、特殊な金属の場合は、
1、やったー、加工で輝黒鋼の性質手に入れたぞ。だけど作るのにベラボーに手間と時間と費用がかかったから、買った方が早かったかな。
2、どうやったら思った性質の金属になるのかな、アハハハハ分かんない。
1、2のような事が多々ある上、採掘量が希少、さらに言うなら精製、加工には高度な専門知識と設備が必要で、まず一般では使われない。
ただ研究機関などでは、思い通りの性質を持たせる事の出来るこの金属は非常に重宝されており、またその色などから装飾品としての価値もあり、貴金属相場でも取引される。
540 :
虎の子:2006/05/01(月) 01:01:17 ID:hhOfM4An
話が進んでいない。
前半は理屈とおっさん達の描写で、最後にちょこっとエリスが出てきただけって何だよ。
華がない、色がない、エロがない。
エロパロ失格のような気が―――
次回こそはがんばってエロに到達する事を願います。
約束出来ない所が不安な感じで――
541 :
虎の子:2006/05/01(月) 01:03:13 ID:hhOfM4An
sage忘れました。
すいません………
ちなみに題名は嘲笑われた常識3でお願いします。
乙
乙。やはりセリス君はガチサドだな……
全身にまとわりつくような、ぬるりとした鮮血の感触。
いったい何人を斬ったか、もう覚えてもいない。
「ここまで来たというのにッ……」
悪態をついたところで、事態が良くなるわけではない。
今の居場所は、建物二階、廊下のど真ん中。
前後から挟み撃ちにされ、切り結びながら血路を探している状態。
つまりは、逃げ場がない。
窓は鉄格子が入っているし、そもそも二階から飛び降りて足を挫かない自信はない。
あまり広くない廊下。斬り込んで混戦に持ち込めば、少なくとも銃や飛び道具、ついでに魔法という「避けようがないもの」の脅威からは解放される。
しかしその代わりに、まるでキリのない白兵戦が延々と続くことになる。
──こんなところで……
死んでたまるかと思う。
こんなところで死んだら、まあ自分自身が悔しいというのもあるが、それよりも先に申し訳ないという気持ちがある。
十年。
短くはない時間、ご主人様と過ごしてきた。
右も左もわからない場所で、どう考えても一人では生きて来れなかったであろう自分が、それでも今まで生きてこれたのは誰のおかげかということぐらいはわかっている。
その命の恩人を残して死ねるわけがない。
左。
突き出してくる剣がある。
身体をひねるようにしてかわしながら、左手を横に振りぬく。
4本目の飛刀。狙いたがわず、相手の喉元に突き刺さる。
残りは一本。さすがに、最後の一本はもう少し残しておいた方がよさそうに思う。
前から、二人。
先に踏み込み、下から斬り上げる。
そして、その男を盾にするようにして逆に回りこみ、さらに背後を取る。
突く。
背後にぞくりとする感触が走る。
振り向きもせず、さらに横に回り込む。
一瞬前に自分がいたところで、剣がむなしく空を切る。
その隙を逃さない、横薙ぎの一閃。
悲鳴と鮮血を残して、その場に倒れる。
さすがに、少し身体が重くなってきた気がする。
痛みはそれほどでもないが、少々傷を負いすぎたような気もしないではない。
──まだまだ……
身体は、動く。
ならば、まだなんとかなる。
右前方。
大槍を持つ兵士。
突き出してくる剣を左手でつかみ、引き寄せる。
間合いをつめて、がら空きの胴を貫く。
抜こうとした剣が、肋骨に一瞬だけ引っかかる。
──しまっ……
背後の敵。
ぞっとする殺気と剣の気配。
間に合うか。
身体を反転させるようにして剣を抜く。
が、間に合わないかもしれない。
その時。
剣を振り下ろそうとする敵が倒れた。
背後に、アンシェルがいた。
「何をしている!」
叱咤が飛ぶ。
「この程度で遅れをとるような鍛え方をした覚えはない!」
──確かにな。
場違いな苦笑が浮かびそうになる。
十年。
それなりに長い時間、このわがままなご主人様に付き合ってきた。
それなりの鍛え方はしてきたつもりだ。
ふと、前方を見る。
ご主人様が剣を振るっている。
切りかかる兵士たちが、一合と剣を合わせることなく、ことごとく斬られ、倒れてゆく。
──相変わらず、情け容赦ないというか……。
風勢剣と呼ばれる、異国の剣技。
氷凌上を走るとも、人智を超えた太刀とも呼ばれ、触れるものは薙ぎ倒さずにはおかぬ剛剣。
文字通り、止めるものがない勢いで次々と斬り伏せている。
──こっちも、たまにはいいところ見せないとダメかな。
妙に落ち着いた気持ちで、剣を鳥居に構える。
周りを囲む敵が、妙にゆっくりと見える。
一歩踏み出し、そして剣を振った。
その声は、妙に場違いに聞こえた。
静かで、透き通り、およそ血なまぐさい眼前の光景とは不似合いに思えた。
「チュキイリヤの投網」
その声は、確かにそう聞こえた。
そして、一瞬の後に。
前触れもなく閃光が走った。
視界を失った中で、剣を振るう。
だが、手ごたえはない。
ようやく視覚が元に戻ったとき、周囲の状況がわかった。
痙攣しながら、血の海に重なり合って倒れる兵士。
そこに立っているのは、二人。
レーマと、アンシェル。
いや、もう一人。
小柄で、頭からフードをかぶった人影。
口元だけが、フードの下から見えた。
「はじめまして」
女性の声で、そう話しかけてきた。
「……は、はじめまして……」
わけもわからず、返事を返す。
人影は、アンシェルの方を向き、語りかける。
「はじめまして。アンシェル・クレファン」
「……私を知っているのか?」
「知ってるから、こんなところまで来たのよ」
「……それはありがたいのだが、私には正直心当たりがない」
「それは当然よ。初めて会ったんだから」
そう言って、フードを外す。
とがった猫耳を持つ、ショートカットの女性が微笑んでいた。
「ニュスタと呼んで」
女性は、そう言った。
「ニュスタ……古代語で確か聖女だか巫女だかをあらわす単語だな」
「残念ながら、古代後じゃないわ。どこかの国は自国の言葉まで捨てちゃったけど」
「耳が痛い話だな」
そう口にするアンシェルに、ニュスタは続ける。
「耳が痛いついでに、とかく自国の文化を省みないという悪癖は直した方がいいわね」
「その言葉は、妹の亭主様に言ってほしいものだ」
アンシェルの言葉に、ニュスタはようやくくすりと笑う。
「その通りかもね。リュナにはいろいろと教育が必要だと思っていたし」
「……なんだ、ルークス卿の関係者か」
「関係者……正確には保護者といいたいところだけど」
「保護者ぁ?」
レーマが、声を上げる。
「保護者。支配者。所有者。どれが適当かはわからないけど」
「……ひどい言われようだな」
「そういう関係なんだから仕方ないでしょ」
当然のように、そう返事をする。
「で、結局のところ、なぜここに?」
「当面の目的は同じよ。リシェル・クレファンをこちらに拝借する」
「救出する、とは言わないんだ」
「別に慈善活動をしているわけではないから」
「なるほど」
「しかし、いつまでもここに居てよいのか。第二陣がこな……」
「来ないわ」
はっきりと言うニュスタ。
「殺害はしてないけど、すでに戦闘可能な状態にはない」
「……一人で、か?」
「そうね。主力が残っていたならばともかく、実戦経験もロクにない後詰など、一人で十分」
「……すさまじいな」
「魔法、か」
ぽつりとアンシェルがつぶやく。
「畏怖すべきものだな」
「確かにね。でも、今はそれよりも大事なことがあるわ。……貴重な手札は早いうちに手に入れておきたい」
「やれやれ、大惨事だな」
一階。目の前の光景に肩をすくめるアルルス。
「大惨事どころの騒ぎなものか。ここに基地を立てて以来最悪の事態だ」
その横で吐き捨てるようにつぶやく猫の女性。
「医療班の手配は済ませた?」
「とっくに。そっちこそ、始末書の準備は済んだのか?」
皮肉のつもりだったが、アルルスはあっさりという。
「一月も前から用意してある。あのお姫様だけはいつ何が起きても不思議じゃない」
「……出来れば、始末書以外の対策も考えてほしかったものだが」
「……それが出来れば苦労はしない」
「なるほど」
「とはいえ、大切な手札を持ち出されちゃあかなわない」
そういいながら、ジャケットの裏を探る。
「……少々心もとないけど、無下に逃すのも沽券にかかわるし」
「助太刀は必要か」
「三対一で勝てると思うほど傲慢じゃない」
「本気出してもいい?」
「出してくれないとこっちの身があぶない」
「OK」
「あーあ、べっとべと……」
返り血でどろどろになった服を見ながら、レーマがぼやく。
「帰りは人目につかないようにしないと、厄介なことになるかもしれませんね」
「明らかに、言い訳が通用する状態ではないな」
アンシェルが答える。
「ふうん」
ニュスタが、少し意外そうな声を上げる。
「何?」
そう言って声の方向を向くレーマに、ニュスタは言う。
「ヒトというものは、元来残忍な性を持つというが」
「……」
「この地のヒトがその性をあらわにせぬのは、数が少なく、力が弱いからに過ぎない」
「…………」
「残忍でありながら、かつ臆病。ゆえにこの地では残忍の性を隠して生き延びている。臆面もなく残忍の性を露にし、奪った無数の命より服を心配するようなヒトは始めて見るわ」
「身も蓋もない言われようだな」
「否定は出来ないでしょう」
力なく笑うレーマ。
「……正当防衛…………とはいえないか」
「ヒトの地はいざしらず、この地は勝手によその建物に忍び込んで正当防衛が成り立つ世界ではないのよ」
「……いや、向こうもたぶんそうだろうけど……」
話しているところに、横からアンシェルが口を挟む。
「申し訳ないが、私の召使をあまり愚弄しないでいただきたい」
「褒めているつもりよ」
「どこがだっ!」
ニュスタの返事に、すかさずレーマが言う。
ニュスタは、そんなレーマを見て語る。
「腹の底が見えぬ輩に比べればよほどいいわ。残忍かつ臆病なのは種族のサガだからやむを得ぬが、その中でも正直なほうが良いに決まっているでしょ」
「……褒められてるんでしょうか……」
「半分はからかわれていると思う」
「そもそも、命の危険を前にして風呂でいちゃつくなど、並の神経じゃ考えられないし」
「!!!」
予期せぬ言葉に、心臓が止まりそうになる。
「のみならず、その後も寝台の中で……」
「って、どこで見てたっっっ!!」
思わず大声を上げるレーマ。
「あら、図星? 少しカマをかけるだけで動揺するあたりは、まだまだね」
「…………」
「レーマ」
うつむいて黙り込むレーマに、横からアンシェルが言う。
「お前は感情が顔に出すぎる」
「…………」
「人のことは言えないけどね」
「「誰のせいだっっっ!!!」」
同時に、二人が叫んだ。
「……なんだ、来るじゃないか」
近づいてくる気配に気づき、ニュスタに言う。
「……なんだ、いたんだ」
ニュスタも振り返り、つまらなさそうにつぶやく。
「二人来るな」
「アルルスとフィオール。知らない奴じゃないわ」
「強いのか?」
アンシェルの言葉に、少し笑ってニュスタが答える。
「巻き込まれない程度には下がっておいたほうがよさそうね。どうせ、私が狙いだろうし」
「……お言葉に甘えた方がよさそうだ」
「だが、上にも待ち伏せてる相手がいるだろうから、先走るのも危険よ。冷静に見て、私抜きのあなたたち二人ではどうにもならない」
「なるほど」
話しているうちに、その二人が姿を見せる。
「久しぶり、ニュスタ」
「久しぶり」
わざとらしい挨拶を返すニュスタ。
「どーしてまた、こんなことになっちまったんだろうねぇ……」
「わざとらしいこと。互恵の約定に背いたのはそっちでしょ」
「ごけい?」
小声で、レーマがアンシェルに尋ねる。
「一言で言えば、一方が物資を提供し、一方が戦力を供給するということだ」
「……つまり、もとはあの三人は同じ……」
「ニュスタが裏切ったのだろうな」
「そこ。裏切ったのは向こうよ」
振り返りもしないでニュスタがいう。
「そもそも、互恵とは主従の関係ではないわ。向こうがこちらに適当の物を献じ、こちらがそれに対して相応の力で応えるものよ」
「……まあ、正論だ。そして互恵の約定が守られないときの撤退は非難されることではない」
アンシェルが、レーマに説明する。
「だからといって、いきなり百人も吹き飛ばすことはないだろう」
アルルスが向こうからニュスタに言う。
「この程度で使い物にならなくなるようなら、どうせ役に立たないでしょ」
あっさりと答えるニュスタ。
「……それもそうだけど」
アルルスが、しぶしぶうなずきながら、すらりと剣を抜く。
「彼らはともかく、三階のやんことなき姫君は持っていかれたくないな」
「……リシェルさまって、やんことなき姫君なんでしょうか」
小声で、レーマがアンシェルに聞く。
「まあ、そういうことにしておこう」
アンシェルが、奇妙な微笑を浮かべて答えた。
元は同僚であったらしい、奇妙な三人が入り混じっての戦いが繰り広げられていた。
二対一。ネコの魔術師が背後から魔法で援護する中を、アルルスが剣で接近戦を挑む。
が、すばやい。
ニュスタはくるりくるりと魔法の爆風の中をかいくぐりながら、せいぜい二尺ほどしかない短刀で逆に切りつける。
それを、むしろアルルスが受け身になって避け、受け止めている。
「……優れた腕だ」
アンシェルが言う。
「あの男も、腕は立つだろう。が、一つ一つの動きがかすかに遅い。小太刀の利というだけではない。あの女、おそらくは剣を取っても私より強い」
「…………」
「さらには、魔法」
アルルスの背後からは、猫の魔術師が唱える魔法が降り注ぐ。
屋内で、かつアルルスとニュスタが切り結んでいる最中ということもあって、広範囲魔法は仕えないが、それでも連発するマジック・ミサイルは傍目には厄介そうに見える。
それをくるりくるりと避けるニュスタ。一発の被弾もない。
もともと、魔法弾には多少の追尾性能がある。それを、切り結ぶ最中でさえことごとくかわすというのは、普通ではまずできない。
「避けきれないものは、即座に魔法障壁を張り、弾いて別方向に着弾させている。が、その着弾の具合が気になる」
「気になる……って」
「着弾方向が一つとして重なっていない」
「……そりゃあ」
「偶然、と思うか? 魔法を打つ相手は一点から変わっていない。そして、あの男とニュスタが切り結んでいる場所も、場所だけを見るとさほど大きく動いてはいない」
「だとすると、普通は着弾位置もある程度重なる……」
「それが普通だ。しかし、目の前の光景は違う」
「でも、その理由は……」
「ここが二階ということが一つ。一箇所だけに着弾を集中させると穴が開き、ひいては床全体が崩れかねない」
「……それだけ、なんでしょうか」
「いや……何かはわからないが、他にも狙いはあると見たほうがいいだろう」
「正解」
ニュスタが、振り向かずに声をかけてきた。
「えっ?」
「ほんとは、この程度なら使うまでもないんだけど」
「……何だ?」
「ちょっとは痛い目にあってもらわないと、こいつら目が覚めないから」
「目が覚めないって、ひどい言い草だな」
これはアルルス。力任せに、少し強引に攻勢に出る。
それを、軽々と短刀で受け流すニュスタ。
「ん〜……あまり上達してないなぁ。アルルスも獅子の国に修行に出たほうが良かったんじゃない?」
「幹部候補生にはそれなりの仕事ってものがありましてね。誰かさんみたいに気ままに動けないんですよ」
「未熟な上司ほど、部下にとって迷惑なものはないけどね」
いいながら、軽々とアルルスの剣を受け流すニュスタ。
が、次の瞬間に異変が起きる。
ニュスタの身体が、何の前触れもなくふわりと浮いた。
一瞬の後。
銃声が、鳴った。
アルルスの左手に、いつのまにか拳銃が握られていた。
接近戦の中の一瞬を見計らっていたのだろう。
が。
ふわりと浮いたニュスタは、そのまま何事もなかったかのようにアルルスの背後に回りこんでいた。
そして、背後からの一閃。
かろうじて向きなおったアルルスが、剣でそれを受け止める。
フィオールに背を向けた形のニュスタ。背後から、手当たりしだいと言わんばかりの魔弾が降り注ぐ。
まるで背中に目があるかのように、至近距離に近づいたところですっと身を避ける。
あとに残されたアルルス。前方から降り注ぐ魔弾にあわてて飛びのく。
二人がかりで挑みながら、まるで相手にならない。
それが、現実だった。
銃弾は、むなしく壁に当たり、転がっている。
「…………」
あきれたように顔を見合わせるアンシェルとレーマ。
「あの距離から撃たれて避けられる自信があるか、レーマ」
「無理です」
「私もだ」
「……はじめてみる種族ですね」
「小柄で、あれだけの魔力と瞬発力を兼ね備える。耳の形状はネコの一種なのだろうが、剣の形状、戦闘術はネコの国のものとはやや異なる」
「……ニュスタっていうのは、どこの言葉なんですか?」
「われわれの国で、はるか古に使われた言葉……今でも使われているとなると……」
「なると?」
「いや、証拠もなく仮説を立てるのは無意味だな」
かすかに、首を横に振った。
「そろそろ諦めはついた?」
「……ぅるさぃっ」
余裕の表情のニュスタとは対照的なアルルスの返事。
「時間というものは無駄にすべきではないと思うのよねぇ。この程度の力しか持ち合わせていないのなら、早急に終わらせたいんだけど、どう?」
「どうって聞かれても困る」
「……それもそっか。一応、キミの地位と体裁としては、無様に降参するわけにもいかないしね」
「……あのなぁ」
切り結ぶ音。そしてその合間を縫って降り注ぐ魔弾。そんな中での会話とは思えないような口調でニュスタは言う。
「だったら、少々乱暴だけど勝手に終わらせてもらうわ」
そして、ただ一言発した。
「プルラウカの石兵」
「……なんだと?」
驚いたように口走るアンシェル。
その目の前で、弾き飛ばされた魔弾で砕け散った床や壁の破片が、まるで意思を持つかのように数箇所に集まり始めた。
それは、たちどころに人の形を取って立ち上がる。
ニュスタの周囲を囲むように立つ、4体の石人形。
「あれは……?」
「信じられぬが……本当にあのプルラウカの石兵か?」
呆然とするアンシェルに、ニュスタが答える。
「そうよ。正真正銘、まごうことなきプルラウカの石兵。表向き、使い手は絶えて久しいようだが」
「……少なくとも大戦以来、その使い手は消えたことになっている」
「……でしょうね。でもまあ、そんなのはどうでもいいわ。まずは、この二人を締め上げてから」
言うなり、石の塊がゆっくりと動き出す。
「って、まておいっ!」
さすがに、アルルスがあせった表情で叫ぶ。
「出すものを出せば待たなくもないけど」
「いや、だから、俺が死んだら出るものも出ないだろう!」
「生きていても出す気があるかは疑わしいからね。だったら殺した方が手っ取り早いし」
「いや、そういうもんだ……」
言い終わるより早く、石兵が力任せに殴りつける。
あわてて飛びのくアルルス。さっきまで居た場所が、大きく砕けている。
そして、さらにその破片が石兵の身体の一部となる。
10メートルほど向こうから、フィオールが手当たり次第に魔法を放つ。
が。
魔法を受けた直後は砕け落ちるが、すぐに元通りに再生する。
少しあせりの色を見せて、聞きなれない呪文を詠唱する。
一瞬だけ、石兵が光に包まれたように見えた。
しかし、それだけだった。
眼前の光景をただ見るだけしかできないアンシェルとレーマ。
「いまのはおそらく、ディスペル……解呪魔法だろう。さっきまであれだけ手当たり次第に魔弾を撃っていて、まだ魔力を残していたというのは、かなりのものなのだろうが……」
「あろうが?」
「……相手が悪い。いわゆる、一般的なゴーレムならばそれで動かなくなったろうが……プルラウカの石兵の場合、そもそもゴーレムとは基本の魔法理論が異なる」
「……って、ことは」
「すなわち一般的な解呪はまず通用しないということだ」
「……なんですかそれ」
「しかも、プルラウカの石兵は、石がすべて粉みじんになり、砂になっても砂が石兵の形を形成して動く。すなわち、石兵を止めるならば術者を討つか、あるいは次元の彼方に吹き飛ばすか……なんだが、どちらも無理っぽいな」
「…………反則ですよね」
「リュカオンの乱においては、アレが登場したことで西部山岳戦線の戦況は一変した」
アンシェルの言葉に、無意識のうちにかすかな高揚が混じっている。
「その上、石はどこにでもある。なければさっきのように建物を崩せばいい」
「………………」
「今の時代にこの世界で使われている魔法は、おもにリュカオンによって系統化されたものだ。だが、いわゆる遺失魔法の中には現在の魔法理論では解明できないものがいくつもある」
「……って、それなら勝てないじゃないですか」
「そうだな。少なくとも私ならこの場合、何を差し置いてもとりあえず逃げる」
そう語るアンシェル。
「それが賢明ね」
ニュスタが、振り向きもせずに言う。
「が、こちらの二人はもう少し血の巡りが悪いのかな」
四体の石兵に追い詰められているアルルスとフィオール。どうみても万事休すといった感じに見える。
「出すものを出せば、命までは取らないというのに」
石兵は砕けた石を巻き込みながら、いつの間にかさっきより一回り大きくなっている。
石兵は巨体に似合わない速度で動き、情け容赦のない拳を打ち下ろす。
飛びのいて避けた先に、別の石兵。
転がるようにして避けたのが、石兵の足元からかすかに見える。
「……敵に回したくないな」
「同感だ」
「ちょっと待て! わかった、出すもの出すからとりあえず止めろ!」
もはや恥も外聞もないといった様子の声。
石兵が、動きを止める。
「出すのだな。ごまかしたら命はないぞ」
「出す! 出すからもういいだろう、これ以上人の居場所をぐちゃぐちゃにしないでくれ!」
声が半分泣きそうになっている。
「まあ、ここは信じてやるとしよう。だが今度裏切ったら……」
「わかったって言ってるだろう!」
「……人前で泣くな、無様だ」
「誰のせいだっ!」
「どう考えても自業自得だが」
「…………」
「まあ、目の前で人が握りつぶされる事態だけは避けられたわけか」
「そういうことですね」
すこしほっとした声のアンシェルとレーマ。
「あら、そうとも限らないわよ」
ニュスタが、こちらを振り向いていた。
「互恵の約定が行使されるのならば、私もその盟約に従わざるを得ないし」
「……って、まさか」
「この場で降伏しなさい。そうすれば命までは取らないから」
指をこちらに向けて、ニュスタは言った。
「って、ここまできてそれはないだろ!」
抗議するレーマにニュスタが冷ややかに言う。
「もともと、あなたたちとは縁もゆかりもないわ。一時期において、たまたま利害が重なっただけ。現在において、あなたたちを救援する必要はないから」
「……いや、それはないだろう!」
「……レーマ」
後ろから、アンシェルが小声で話しかける。
「はい?」
「逃げるぞ」
「ですね……っっ!!」
背を向けた次の瞬間、電流が全身を駆け抜け、そして意識が途切れた。
「チュキイリヤの投網。……逃げられるとでも思ったのかしら」
「……っっ」
目を覚ましたとき、レーマとアンシェルは同じ部屋にいた。
粗末な寝台と、やたらと頑丈そうな壁。窓には鉄格子。
いつの間にか、武器はなくなっている。
「やっと目が覚めたのね」
固い鉄の扉。その扉の小窓が開き、聞きなれた声がした。
「ニュスタ!」
「大丈夫。命に別状はないわ」
「……これって、捕まってるってこと?」
レーマの問いに、ニュスタは答える。
「見ての通り。あ、そうそう、リシェル・ルークス嬢は別の場所よ。今のところは一箇所にまとめるのは不適当と判断したから」
「……おに」
「それは逆恨みよ」
「……一瞬でも仲間と思った私が愚かだった」
不快感を露にするアンシェルの言葉を、ニュスタは軽く受け流す。
「これでも、命だけは助けてやったのだから感謝してもらいたいところだけど」
「……それはそうだけど」
しょんぼりするレーマ。
「それよりも」
「それよりも?」
「最後の逢瀬になるかもしれないのだから、今夜ぐらいは愛を確かめておく方がいいと思うわ」
「「なんの話だっ!!!」」
平然と続けるニュスタ。
「文字通りの話よ。敵の手に落ちた女囚がどういう目に合うか、知らないわけでもないでしょ? ……アンシェル・クレファン」
「!!」
「奪った命の償いは、身体で支払ってもらうことになるわ。……アルルスの奴、自分より弱い奴にだけは態度でかいのよねぇ」
「ニュスタ! それは……」
抗議するレーマに、ニュスタが言う。
「軍施設への不法侵入、および死者48人、重軽傷82人。首を切られないだけでも幸運と思うべきよ」
「でも、それは!」
「……リシェル・クレファンの件ならば法的には問題にはならないの。道義的責任はともかくな」
「……納得できないよ!」
抗議するレーマに、ニュスタが首を横に振る。
「それは同感。私も納得しかねるしね。でも、決まったことだから」
「っ……」
「生きてさえいるならば、いつの日か再び出会える日が来ると信じて、これからの日々を生きることね」
そう言いのこし、ニュスタは扉の窓を閉める。
足音が、徐々に遠ざかっていった。
「………………」
重い沈黙。
やがて、アンシェルが口を開いた。
「お前だけでも自由にしてやりたい」
「アンシェル様?」
「私など……もはやどうなろうとかまわぬが……お前だけは守ってやりたいと思っている」
「バカ言わないでください!」
さすがに、レーマが強い口調で抗議する。が、アンシェルは力なく首を横に振る。
「本気だ。お前さえどこかで自由に生きているのならば……私はどんな目に遭おうと耐えられる。私は、それだけでいい」
「……そんなの、僕のほうが耐えられない」
力のない声で、それだけを言うレーマ。それを見て、アンシェルも微笑を浮かべて言う。
「……それもそうか。おまえは、優しいからな」
「…………」
「私なんかには過ぎた男だと思っている」
そっと、身体を寄せてくるアンシェル。
「これから先、どのような日々が待っているのかはわからぬが……今日の日を忘れないでいたい」
「アンシェルさま」
「アンシェルでいいといったろう」
「……でも」
「お前と出会えたことは幸せだと思っている」
いいながら、帯を解く。
「明日からの日々がとうなるのかはわからぬが……今日だけは……」
消え入りそうな声で、アンシェルは言った。
「最後に今日だけは、もう一度だけ……お前に抱かれたい」
洗い場から戻ってきたアンシェルの肌は、透き通るように白かった。
よく見ると、あれだけの修羅場を潜り抜けたばかりというのに、かすり傷一つない。
それは、アンシェルがこれまで積み重ねてきた日々を物語っている。
寝台の上に、そっと腰掛ける。
そしてじっと、レーマを見つめる目。
いつもは、恥ずかしがってすぐに目をそむけるのに。
レーマも横に腰掛けると、くいとアンシェルを抱き寄せた。
冷たい肌の感触が伝わってくる。
肌が触れ、かすかに鼓動が伝わってくる。
「アンシェルさま」
「アンシェルでいい」
「だめですよ」
そういいながら、あごに手をかけ、唇を吸う。
軽いキスのあと、そっと離す。
「二度と会えないってわけじゃないんですから」
「……そうだな」
今度は、自分から唇を重ねてくる。
首に両腕を巻きつけて、強く舌を絡めてくる。
そのまま、ベッドの上に転がるように倒れこむ。
ランプの代りにでもしているのだろうか、ベッドの上に光る怪しげな水晶球の光が二人を照らす。
腰と首に手を回して、アンシェルを抱きしめる。
自分から身体を求めてくるアンシェルのなすがままに任せながら、やさしく抱き続ける。
「れーま……」
うわごとのようにレーマの名前を呼びながら、白い裸身を摺り寄せてくるアンシェル。
きゅっと、少し力を入れて抱く。
「あ……」
ぼうっと上気した顔が、レーマを見つめる。
「ねえ、アンシェルさま」
「ん……?」
「もしも、好きだって言ったら、怒りますか?」
「……怒るわけ……ない」
「じゃあ、言っちゃいますよ」
「え……」
「ご主人様のこと、好きです」
「…………」
急に、恥ずかしそうに目をそむけながら、それでも身体を摺り寄せてくるアンシェル。
「……私も……わたしだって」
「よかった」
頬に、軽くキスをする。
「今すぐとは言わないけど、いつか絶対に助け出しますから」
「うん……それでいい。れーまがそう言ってくれるんなら……私はいつまででも待つ。何があっても耐えてみせる」
「頼りない召使だけど、いつかきっと」
「うん……」
アンシェルの瞳が、またレーマを見つめている。
その目に、かすかに涙が浮かんでいた。
抱きしめていた腕を緩め、アンシェルを仰向けに寝かせる。
その上に覆いかぶさるようにして、レーマは少し汗ばんだ乳房を口に含み、軽く吸う。
「ん……」
ほんのすこし、身体がこわばる。
くちゅ……ぴちゅ……と、口の動きに合わせて湿り気のある音がする。
「んんっ……」
アンシェルの両腕が、レーマの頭を押さえ、強く抱き寄せる。
「あっ……れーま……そこ……ぁんっ……」
うわごとのような矯声。手脚を絡みつけるようにしてレーマを抱き寄せようとする。
汗とともに鼻腔を衝く、かすかな牝のにおい。
それが、少しづづ理性を麻痺させてゆく。
何かを言おうと思っていたのに、その言葉が出てこない。
今夜のうちに言っておきたかった何かがあったはずなのに。
それが、濃い霧の向こうに隠れてどうしても思い出せない。
身体だけが、そんな気持ちとは裏腹に動きをやめない。
舌が、ご主人様の柔肌をなぞる。
腕はがむしゃらに抱き寄せ、少しでも肌を触れ合わせようとする。
まるで、初めて夜をともにした時のように、がむしゃらで下手糞な求愛を続ける。
──もう少し上手く抱かなきゃいけないのに。
そんなことが、一瞬だけ脳裏をよぎる。
でも、身体の方が言うことを聞かない。
それはたぶん、アンシェルも同じなのだろう。
がむしゃらに身体を求め、手脚を絡み付け、そして涙を浮かべた目でただひたすらにキスを求めてくる。
汗ばんだ肌が触れ合う中で、ふっと思う。
──そういえば、こんなに求め合うのは……はじめてだな。
今までは、恥じらいとか遠慮とか、やっぱり主人と召使という体裁とか、まあその他にもいろいろあったのかもしれないけど、どことなくお互い、心の奥底までさらけ出してはなかったような気がする。
そう思えば、今日のこの夜は。
最初で最後の、愛を確かめ合った日なのかもしれない。
──って、そうじゃないだろう。
あわてて、思ったことを否定する。
そりゃあ、もしかしたら最初の、かもしれないけど。
──最後の日なんかで、あってたまるか。
ちょっと乱暴に、アンシェルを抱く。
「あっ……」
少し驚いたような表情をみせるアンシェル。
それ以上何も言わせず、唇を奪い、舌をからめる。
「んっ……」
強引で乱暴なキスの中で、アンシェルの肉体に、自分の証を刻みこもうとする。
この人は。
僕のものだ。
これから先、誰がこの人を奪い、自分のものにしようとしても。
この人は僕だけのものだ。
誰にも渡さない。
たとえ一時、誰かに奪われたとしても、いつか絶対に取り戻す。
そう、お互いに言い聞かせるように。
「れーま……」
ようやく唇を離したところに、アンシェルが呼ぶ。
荒い息。汗ばんだ肌。白い肌は紅潮してほんのりと桜色に染まっている。
「れーまが……ほしい」
小さな声。
「ぼくも」
にこりと、笑顔で返す。
「アンシェルさまがほしい」
言いながら、アンシェルを抱き寄せる。
そして、そのまま挿入する。
「っ……」
少しだけ、アンシェルが顔をゆがめる。
「痛い?」
「ううん……だいじようぶ」
少し強がったような返事。
「あぁ……」
ゆっくりと蠢動させると、アンシェルの口から喘ぎ声が漏れる。
「れーま……あっ、ああんっ……」
いつもは、少し恥ずかしがって声を我慢しているけど、今日は声が出るのを隠そうともしない。
「そこ……あんっ、そこ、もっとぉ……」
まるで別人のように肉棒を求めてくるアンシェル。
お互いを抱き寄せる腕が、まるでそれだけ別の生き物のように、しゃにむにお互いを求めて抱き寄せる。
肉体のすべてが、お互いを求めて激しく絡み合う。
ぐちゅびちゅという、淫靡に湿った音。
粗末なベッドが、二人の動きに耐えかねてきしむ音。
濃厚な汗と蜜の芳香。
もはや言葉としての意味を成していない、喘ぎ声と嬌声。
なんだか、二人だけで別の世界に来たような奇妙な錯覚。
すべてが、ひとまとまりになって二人を包み込んでゆく。
「っ……」
きゅっと、肉棒を締め付けてくる秘肉の蠢き。
ほんの少し動かすだけで、ざわりと全身を覆うような刺激が襲う。
それは、アンシェルも同じなのだろう。
腰を動かすたびに、アンシェルの両腕がきゅっと強く抱きしめてくる。
「んんっ!」
アンシェルの口から漏れる、悲鳴にも似た声。
強すぎる刺激のせいか、裸身を押し付けてくる。
顔の前に押し付けられる、小ぶりな胸のふくらみ。
無意識にそれを口に含み、先端を舌で転がす。
「ひぁっ……」
のけぞる裸身を、無理やり両腕で抱き寄せる。
そして、乳房を口で弄びながら肉棒を動かす。
「んん……」
涙を浮かべた目。
「もっと……もっとほしいよぉ……」
快楽に告ぐ快楽の中で、時々意識が遠のく中、途切れ途切れにレーマを求める声。
意識が白濁して溶けそうになる中で、それでももっとレーマを求めようとする。
返事の変わりに、動きを早くする。
「あぁっ!」
がくがくと全身を痙攣させるアンシェル。
それでも、抱き寄せる手の力だけは緩めようとしない。
後から後からあふれて、ベッドの上までこぼれる愛液。
ぐちゅぐちゅという肉の淫靡に蠢く音と、嬌声が部屋を覆う。
蜜とともに絡み付いてくる淫らな悦びが、じわじわと全身を侵食してゆく。
自分から乳房をおしつけるようにして、レーマの首を抱き寄せるアンシェル。
肉棒に突き上げられるたびに、びくんと大きく跳ねる。
「あっ……あんっ……あっ、ああぁぁぁっ!!」
やがて、ひときわ大きな声を上げると、糸の切れた人形のようになってアンシェルは果てた。
「…………」
「…………」
寝台の上で、並んで天井を見上げる二人。
「……明日から、どうなるんだろうね」
「どうなるんでしょうね」
「……リシェルには悪いことをした」
「そうですね」
「でも、お前がいるから……」
「僕には、アンシェルさまがいるから」
「ふふ……」
「あははっ……」
意味もなく、二人で笑った。
そこに、突然あきれたような声が聞こえた。
「はいはい、ごちそうさま」
扉を開けて、入ってくる人影。
「ニュスタ!」
「……まったく、いい絵が取れたのは感謝するけど……あなたたち若すぎ」
「……って、見てたのかよ!」
その言葉に、あわてて叫ぶレーマ。
「はいはい、話は後。とりあえず服着て」
ばさりと、真新しい服を二人分投げるニュスタ。
裸であることを思い出して、いそいそと服を着替える。
「確かに、高く売れそうだけど」
ぽつりと口にするニュスタ。
「高く……売れそうって?」
顔を見合わせるレーマとアンシェル。
「ん、つまりね」
踏み台を持ってきて、天井から吊り下げられた水晶球を外しながら、ニュスタは言う。
「今の全部、画像に残しといたから」
悪魔のような言葉。
「なんだってえぇぇぇぇっ!」
「貴様、どういうことだそれはっっ!!」
動揺するレーマとアンシェルを見ながら、ニュスタは平然と言う。
「ん? だってほら、最近何かとお金がいるから」
「お金がいる……って」
「最近、猫の国ではやってるのよ。『あだるとなんちゃら』ってのが。質のいいものだったら結構な値がつくのよ」
「って、待ておいっ!!」
「もちろん、水晶球から『びでおてーぷ』ってのに転送しなきゃなんないけど、その辺は専門の技師がいるから」
よくわからない言葉を次々と口にするニュスタ。よくわからないが、とりあえず人の恥ずかしい行為がさらしものになることだというのはわかった。
「ちょっと脅かしたらひっかかるかなって思ってたけど……コレは予想以上ね」
「…………」
がっくりと肩を落とすレーマ。
「念のために言っておくと、さっき脅しをかけたのは、ぜ・ん・ぶ・ウ・ソ・よ。このニュスタさんがいる限り、性的虐待なんて絶対に許さないもん」
「……コレは性的虐待とは言わないのか……」
「あら、すばらしき愛の結晶じゃない。誰に見せても恥ずかしくないと思うわ」
「恥ずかしいに決まっているだろうっっ!!」
レーマの拳が、小刻みに震えている。
「まあ、死傷者130人の代償と思えば安いものよ」
「そういうあんたは何人殺した!!」
「ゼロよ。チュキイリヤの投網には一撃で人を殺す威力はないわ。手当てが遅れなければなんとかなるんじゃないかしら」
「…………」
「明日からだけど、たぶん近いうちにリュナ・ルークス卿が殴りこんでくるまではこの部屋で過ごしてもらうから。もちろん、二人きりで、ね」
「…………」
「じゃあ、幸せな愛の日々を」
そういい残し、ニュスタはまた扉の向こうへと消えた。
「……レーマ」
怒りを押し殺したアンシェルの声。
「私は、もう二度とあの女は信じないと心に誓った」
「同感です」
力が抜けたように、湿ったベッドの上に腰を下ろした。
ゴールデンウイークにあんまり湿っぽい話もどうかとおもいつつ、岩と森の国ものがたり11です。
まあそもそも、猫の国にAVとか素人投稿なんてものが存在しているのかは謎ですが、猫の国ならそういうのがあっても不思議じゃないかなぁとか思ったりw
さすがにエロDVDとかはさすがの猫の国でもまだ存在しないと思いますが。
今回、いくつか単語が出てますけど、実は全部、元ネタたどると「お前、それ違うだろ!」みたいなのばっかりです。
たとえばプルラウカってのはストーンゴーレムというよりは、ガラモンとかギャンゴみたいなイメージのほうが近いと思うんだけど、思いっきり捻じ曲げてあんなのにしましたし、他もそんな感じで名前だけ借りて中身別物にしたものがいくつもあります。
……ちなみに、
>>552で捕まってから目を覚ますまでの間でまる一日立ってます。
僧でないと、アンシェルとレーマが一晩で三回やったという恐るべきことになってしまうしw
>>558 >僧でないと、アンシェルとレーマが一晩で三回やったという恐るべきことになってしまうしw
え?何が恐るべき事なんだ?【馬鹿は感覚が麻痺している】
乙。
>>559 >え?何が恐るべき事なんだ?
まったくだ。
何の問題も無さそうに思えるのだが。[馬鹿がもう一人]
それはそうと。
兎の人、もし見ていたら避難所の方へ。
蛇の人から質問が上がってますよ。
561 :
獅子国短編:2006/05/03(水) 12:32:49 ID:rj9A823k
「キョータくんキョータくん、ちょっとこっち来てくれる?」
満面の笑みで俺を呼ぶサーシャさん。
こういうときに、大抵ロクなことがあったためしがない。
「はいはい、いま行きまーす……」
洗濯物を一通り干し終えてから、声のほうへと向かう。
「あ、きたきた。ねえねえ、ちまきってこんな感じでいいのかなぁ」
サーシャさんの目の前には、茶色い笹の葉で包まれたおにぎりのような物体が。
「…………」
中華ちまきつくってどうするんですか、サーシャさん。
「……だめだった?」
「……いや、その、まずは味見をしてから……」
そういって、一個手に取る。
「ぅあちちちちちっ!」
落としそうになったちまきを、横からひょいと取り上げる手。
「もぅ、食べ物を粗末にしない」
「ご主人様?」
いつの間に横にいたのか、ご主人様がちまきを手にとっている。
「大体、ボクより先に味見なんて生意気だ」
そういいながら、器用に笹の葉をむいてゆく。
おいしそうなにおいが、ふわっと漂う中でご主人様は一口ちまきを食べる。
「ん、おいしいよサーシャ」
「そう? よかったぁ」
「キョータくんも食べる?」
そう言って、食べかけのちまきを渡される。
「ん、じゃあ俺も……」
ぱくりと一口。
うん、確かにおいしい。蒸し加減、材料の味付け、食感に匂い、全部特上。
……なんだけど。
五月五日に中華ちまきを食べるのはやっぱり、ちょっと違和感がある。
「おいしくない?」
サーシャさんがうるうるした目つきでこっちを見る。
「え、いや、おいしいけど」
「ほんと……?」
ぎゅっと、ご主人様が足を踏んづけてくる。
「あだだだだっ!」
「キョータくん、おいしいときはちゃんとおいしそうな顔をするの!」
横目で睨みつけてくるご主人様。
「は、はぁい……」
かかとで思いっきり踏みつけることないじゃないか。
「キョータくんのために、ちゃんと準備したんだから感謝してよね」
胸を張ってそう言うご主人様。
「はいはい、感謝してます」
「はいは一回」
「はぁい」
「ほんと、出来たご主人様だよねぇ、ボクって」
自画自賛するご主人様。
気持ちはありがたいんだけど、どっか根本的に間違ってるとおもうんですが。
そんなことを心の中でつぶやく俺の目の前にあるのは、狐の国から直輸入してきたらしい、本物の鎧兜。
鍬形が光り輝き、鉄鋲も真新しい、いわゆる大鎧ってやつ。
「さ、早く着て」
「……やっぱり」
雛祭りの時のことを思い出す。
あの時も、何を勘違いしたのか巨大な雛壇を作って、俺とミコトちゃんに平安貴族のコスプレさせて丸一日座らせてたっけ。
で、今度はコレですか。
目の前の見るからに重そうな大鎧を見て、げんなりした気分になる。
日本史の授業で習ったのは、たしか総重量40キロ……
「ほらほら、早く早く」
後ろでせかすご主人様。
「……わかりました」
すべてを諦めて、運命に身をゆだねることにした。
ずし。
……むちゃくちゃ重たい。
「ん〜……やっぱり、絵になるなぁ」
「やっぱり、餅は餅屋ねぇ」
満面の笑みで眺めているご主人様と、その横で機嫌を直したっぽいサーシャさん。
こっちは腰が砕けそうになってるというのに、情け容赦ない。
「んーと、もうちょっとポーズうまく取れない?」
「 無 理 で す 」
立ってるだけでも割と大変なんですが。
「んもぅ……だらしないぞ、キョータくん」
ちょっと怒ったようにこっちを見るご主人様。
「そんなんだからいつまでたってもボクをマンゾクさせられないんだよ」
「なんの話だっっ!!」
大声を上げたとたんに、バランスを崩して腰から崩れ落ちる。
ぐき。
「……っっっ……」
ちょっと、おかしな落ち方をした気がする。
「あらあら、大丈夫?」
駆け寄ってくるサーシャさん。
「だ、大丈夫……じゃないかも」
わりと痛い。
「もぅ。キョータくん、サーシャにはすぐデレデレするんだからっ」
げし。
「あだだだだっ!」
人が動けないときに蹴り入れないでください。
「じごーじとくっ!!」
腕組みしたご主人様が、怒ったように言った。
結局、そっから先は床几に座らせてくれた。
けど、このクソ重い鎧は脱がせてくれないわけで。
「大丈夫ですか」
水干に烏帽子の白拍子姿をしたミコトちゃんが聞いてくる。
無感情な声は相変わらずだけど、少しは心配してくれてるらしい。
「……な、なんとか」
「そうですか。ならばいいのですが」
そう言って、また向こうに行く。節回しのいい唄声が聞こえる。
「♪祇園〜精舎の鐘の声〜」
いや、それ白拍子じゃないよ、ミコトちゃん……
ていうか、端午の節句に白拍子は関係ないんじゃ……?
「ふぅ」
夜になって、ようやく重たい鎧から解放された。
「だいじょぶ?」
元気いっぱいのご主人様。
ほんとに、子供っぽいというか元気というか。
今日は道場に通ってきてる子供たちと一緒になって、朝から遊んでたというのに疲れの気配さえ見せない。
「今日はキョータ君のおかげで、子供たちすっごく喜んでたよ」
「さいですか」
たしかに、人が動けないでいるのを子供たちが見てわいわいと喜んでいたのは覚えている。
「ミコトちゃんも綺麗だったし」
「確かに」
いつもは色気の欠片もない作務衣を着ていたから、白拍子姿があんなに似合うとは思わなかった。
姿勢も伸びていたし、足使いも静かで、絵に描いたような大和撫子……
なんてことを思っていると。
げし。
「あだだだだっ!」
「キョータくん、また浮気してる!」
ご主人様の蹴り。
「いだいいだい、痛めてる腰を踏むなっ!!」
「キョータくんが悪いっっ!!」
「ちょっとまて、逆エビは腰に……いだだだだっ、ギブアップ、降参、俺が悪かった!!」
……ご主人様は、もう少し優しくなってくれてもいいとおもいます。
「反省した?」
顔を近づけて、そう聞いてくるご主人さま。
「思いっきり」
「もう二度と、ボク以外の女の子にデレデレしちゃだめだよ」
そういいながら、頬をつねってくる。
「いたいいたい、わかったからやめろって!!」
「やめてください、でしょ」
「わ、わかった、やめ、やめへふらはひ……」
ようやく手を離す。
「キョータくんは、ボクだけのキョータくんなんだから」
ちゅ。
ご主人様が、頬にキスをする。
「ボク以外の子に浮気するなんて、許さないんだぞ」
上に覆いかぶさってくるご主人様。
そして、唇を重ねてきた。
なんていうか、ご主人様はいろんな面を持っている。
子供っぽかったり、妙に大人びてみたり、拗ねたり、怒ったり、笑ったり。
感情の起伏に正直で、嘘がつけない。
そんなご主人様だから、いつの間にか俺も惹かれたのかもしれない。
こんな山奥で、子供の頃から修行ばかりしてきたせいか、本当に世間擦れしていない。
悪く言えば子供っぽいけど、よく言えば本当に素直だ。
まあ、度が過ぎるほど正直で自分に嘘が就けないご主人様だからこそ、こっちも時々ひどい目に合うけんだけど。
「腰、痛いんだよね」
「かなり」
「じゃあ、今日はボクがキョータくんの世話をしてあげる」
軽々と俺を寝台の上に乗せると、するすると下帯を解く。
「キョータくんは、じっとしてていいからね」
そういいながら、ご主人様が肉棒を舌でなぞる。
「……っ」
筋を下から上になぞり上げる舌の感触が、ぞくりとした気持ちよさを送り込んでくる。
「ダメだよ」
こわばった俺の下半身を指で押さえつけながら、ご主人様が悪戯っぽく言う。
「すぐには終わらせないんだからね」
そう言って、まるで玩具をいじるように、人の下半身をじっくりと責めてくる。
肉棒の先端を指の腹でつまんで、軽くこすりながら、舌で裏筋を丹念に舐める。
「く……ぅっ……」
さすがに声が出る。
「だぁめ。浮気したバツなんだから」
そういいながら、ちゅぱと口で肉棒を含み、口を上下に動かす。
唾液で滑らかになった先端部に舌が絡み付き、不規則な動きで舌をこすり付けてくる。
そのたびに、しびれるような快楽が脳に走る。
「っっ……ご、ご主人様、その……」
「だぁめ」
口を離し、意地悪っぽいウインクをしながらこっちを見るご主人様。
「ボクがいいって言うまで、出しちゃだめ」
「って、いつまで……」
「ボクがいいって言うまで」
そういいながら、また俺を口にくわえて上下に動かす。
「んくっ……」
いくらなんでも、そろそろ限界のような気がする。
ちゅぱ、ちゅぱという湿った音だけがさっきから続いている。
軽く噛んだり、喉の奥で亀頭をこすったり、いろんなやり方で人を弄ぶご主人様。
指で付け根の部分を押さえつけているあたり、意地悪だと思う。
「んふふ〜♪」
嬉しそうなご主人様。
「気持ちいいときのキョータくんって、泣きそうな顔するよね」
「泣きたいんだよ」
「だぁめ。泣かせてあげないからね」
そういって、また舌でぺろりと先端をなめる。
「んっっ!」
声が出そうになるのを、かろうじて耐える。
「キョータくんはボクのドレイなんだから、ボクはなにしてもいいんだよ」
そう言って、またぺろりと。
「い、いいかげんに……」
「や〜だよ。今日は許してあげないんだからね」
いたずらっぽい笑顔。
「キョータくんが泣くまで、ぜったいに許してあげないんだから」
「……ねえ、キョータくん」
夜遅く。
月明かりだけが照らす夜の闇の中で、疲れ果ててぐったりとなった俺の耳元に、ご主人様が話しかけてきた。
けっきょく、それからも俺はご主人様が満足するまで玩具にされてしまい、解放してくれたのは一刻半もたってからだった。
おまけに、大鎧のせいで腰が痛いというのに、そこからさらに騎上位で二回。
そろそろ下半身不随になるんじゃないかって気がする。
「……ん?」
けだるそうに返事をする。
「ごめんね」
そう言って、俺のそばに身を寄せてくるご主人様。
「ボク、キョータくんにひどいことしてるよね」
「……別に」
まあ、確かにひどい目には合ってるのかもしれないけど、ひどいことというならもっといろいろあるわけで。
「キョータくんにしか、こんなことしないんだよ」
そういいながら、身体を寄せてくる。
肌の感触が、じかに伝わってくる。
「ねえ……キョータくん」
「何?」
「ボク以外の人と浮気したらダメだよ」
「しません」
「ホントに?」
「ホントに」
「信じちゃうよ」
「信じていいよ」
「よかった」
腕を絡め、抱きついてくるご主人様。
「こんなボクだけど、いいよね」
「いいよ」
正確には、こんなご主人様「だから」いいというか。
俺がいなきゃ、ホントに先行き不安なご主人様だし。
まあ、召使兼保護者、ついでに恋……いやその、とにかくまあそういう身分として、それなりの責任はきっちりと果たさないとな。
「明日も、道場は休みだから」
そう言って、ご主人様が俺を引き寄せる。
「キョータくんとなら、ずっとこうしてたいな……」
そう言って、すぅと眠るご主人様。
確かに。
ずっとこんな日々が続くのも、案外悪くないかもしれない。
えっと、二日ばかり早いこどもの日ネタです。
向こうにこっちの世界の風習がかなり歪曲して伝わってることもあるかなとか、ちょっとそんなことを思いつつ。
菖蒲湯の中でいちゃつくのもいいかと思ったんですけど、さすがに腰痛の後の菖蒲湯は危険だろうということで。
そんなこんなで、GW二本目の投下です。
いい加減、エロがワンパになってきてるし、しばらく筆休めしたほうがいいんだろうとは思ってはいるんですけど。
乙。
>腰を痛めた後
そこで氷プレイですよ(ぉぃ)
いま、勢いがあるなと思ったら書いておくがよろしかろうよ。
投下するかは出来と度胸の相談さ。
つい昨日ここに来たばっかで某所で狗国見聞録(だけ)をみた者だが。
こ こ で 絵 は 受 け ま す か 。
指揮者は本気でかっこいいと思う。(ぁ
もしも描けたなら……そなたはこの続く物語が墜ちゆく場所の……
神の一人に……なれるだろう。
>>568 もちろん、絵も大歓迎。
ただし見聞録はこのスレでも固定ファンが多いから、それなりの覚悟を決めておいた方が吉。
文章に負けないと自負できるだけの画力があることを願います。
虎の子さんもカモシカさんもぐっじょー!
開き直った書き手のほうが見てて安心できるな、個人的に。悩まれるとこっちも心苦しいというかw
>>568 へいらっしゃい!他にもいろいろ取りそろえてありやすぜ!
こどもの日といえば。
そろそろフユキとシュナたんは子供たちと一緒にこいのぼりの鱗を描いてるんだろうか。
こいのぼりを書いてたはずが、いつの間にかアロワナやピラルクが空を泳いでたりするのかな(ぉぃ
>>571 >開き直った書き手のほうが見てて安心できるな、個人的に。悩まれるとこっちも心苦しいというかw
だって、一年悩んでも文章レベル上がってないしorz
どうせ神レベルにはなれないんなら、いっそ自分の好きなもの書いて楽しんだもん勝ちじゃないかな、とw
>>570 それがそうなんだよなぁ……見聞録はとてもすごい作品だと思うから、
自分ではそれに追いつかないとも思います。並ぼうとは思っちゃいけないということです。おごがましいw
でも、やはり見聞録は一応物書きとしても絵描きとしても見習いである自分にとって、
とっても衝撃をうけた作品だから、『自分なりの見聞録』みたいなものが描けたらいいなぁ、と。
何はともあれ見聞録は神。他の作品も随時見てますが本気ですばらしいと思ふ。
新しいpc、txtを倉庫ジオにうpして取り込み
書き込もうと思ったら
「リファラ情報が変です(res1)」
初めに読(ryを見ても解決策が不明…
どうしたらいいですか…?
画像に関してだが
メリット
・想像しやすい
デメリット
・逆に想像が限られる
まぁこんな感じだな。やるならここに載せるんじゃなく
作者の許可もらって小説写して挿絵入れたページを作りURLだけ
ここに載せるのが吉だと思うが。
>>574 えっと……一から書き直すとか…・・・ダメ?
>>575 問題はその作者の人が消息不明なことなんだよねぇ。
あっちの世界に落ちちゃったのかなぁ。
>>574 素敵に痛すぎて…!
えと、とりあえず頑張って下さいとしかいえない自分がいる。
>>575 画像は確かにそうなんですよね。
自分のつたない画力で表現出来るとは思ってもいないが、
想像が限られるのは。でもやってみたくなる矛盾なダメ自分。
>>576 作者さんとコンタクトとりたくてもこの板にいないと出来ないのがなぁ。
あっちの世界にいっちゃったかな。いい人に拾われてるといいな。
とりあえず鯖でも借りてくるかなー。
>>574 ィ`
>>577 とりあえず別の作品とかの絵を一本落してみてスレの反応伺ってみるのはどうだろう。
>>574 ノートン先生が嫉妬してる予感。
とりあえず、ノートン先生を一時無効にしてみたら?
580 :
ぺん:2006/05/04(木) 22:47:31 ID:IR8gUlw0
sakura03.bbspink.comをwebコンテンツを許可してみた・・・
できるかな・・・
新しいパソだから気分一新! さぁがんばる
>>572を書いてから、なんか妄想がもくもくとわいてきたw
ピューマの国のこどもの日は、きっとこんな感じなんだろうな〜とか。
────────────────
「フユキ、なにをしているのですか」
「ああ、これはこいのぼりって言ってね」
「こい……のぼり?」
「鯉っていう魚には滝を登って龍になるっていう言い伝え……正確には迷信だけど……があって。それで、向こうの世界ではこの季節には鯉の姿を描いたのぼり……筒みたいな旗を掲げて、子供の成長を願うんだ」
「そうなのですか」
「鯉のように、この子達も大きくなって龍のように天を駆けるような大きな人間になるようにって言う親たちの願いが込められているんだ」
「せんせー、こっちかけたよー」
「ん? あぁ、すごいすごい。綺麗に描けたじゃないか」
「この子達も、いつかは……」
「ん?」
「いえ、いつかはこの子たちも、大きくなる……」
「うん。大きくなって、いつか滝を登り、もっと大きくなって旅立ってゆく」
「……フユキは」
「なに?」
「フユキは、さびしくはありませんか」
「……そうだな。そのときが来ると、きっとさびしくなるかもしれない。でも」
「でも?」
「たとえ離れる日が来ても、俺たちとこの子たちとの絆は、きっと……いや、絶対に消えない」
「……」
「そうだろ。だって、俺たちがそうだったじゃないか」
「!?」
「だから、さびしいかもしれないけど、きっと悲しくはないと思う」
「……そうですね」
「せんせー、なにはなしてんのー?」
「ん? ああ、ごめんごめん」
「せんせー、ぼくきれいにかけたんだよー」
「あら、本当に。よく描けたわね」
「えへへー、しゅなせんせーにほめられたー」
「よし、それじゃあ全部出来たら少し乾かして、いよいよ揚げるぞぉ」
「わーーいっっ」
「みんなで作ったこいのぼりだからな、きっと綺麗だぞぉ」
「うんっ」
「ねえ、フユキ」
「ん?」
「わたくしも……筆を加えてよろしいですか?」
「え?」
「『みんなで作った』こいのぼりでしょう?」
「ああ、そうだな。じゃあ……おーい、朱奈先生に手伝ってもらいたいやつ、みんな手を挙げろー!」
「「「「はーい!!」」」」
「おいおい、いくらなんでも多すぎないか?」
「いいのですよ、フユキ。私も、少しでもたくさんこの子たちと同じ時間を持ちたいのですから」
「……そっか」
────────────────
……って、これで本物のピューマ担当さんがこどもの日ネタを投下したりしたら、俺は救いようのないバカってことになっちまうなw
まあ、そのときはとっとと土下座して謝ってから逃げよう。
どうせこのスレで恥をかいたのは一度や二度じゃないw
>>582 行くのか。なら持って行け。
つ【GJ】
重いが便利だ。
>>578 >とりあえず別の作品とかの絵を一本落してみてスレの反応伺ってみるのはどうだろう。
それはこのスレ内でできた作品の絵ということなのかな?
それとも何でもいいからまじめにかいた絵なのかなぁ。
どっちにせよ一度あげたほうがいいことにかわりないか…。
>>582 買ってきた柏餅食いながら微笑ましく読ませていただきました。GJ。
こういろいろみてると自分も創作意欲は湧くが何を書こうと…
新しい種族で参入、ってほど知識ないしな自分。あるのはいつだって衝動。
>>584 どこか印象に残っているシーンとかを試験的に書いてみては?
絵、がんばってください。
>>583 それ漫画のセリフのパロ?
侍とか出てくる
>>584 とりあえずでていないっぽいのを。
熊(白熊あるけど山Ver?)、蜘蛛、パンダ(難しいカモ)、カンガルー、ゴキブリ(コラ
うん、ネタ切れです
鹿・牛・馬は残ってなかったっけ?(カモシカは鹿とは別種)
あと、鯨とかイルカとか。
馬って、ガリバー旅行記の萌え版になるのか?
カモシカは、牛科。偶蹄類。
>>585 ありがとう。
ただ描きたくて描いたやつですがちょっとぐらい見栄えよくしてからあげたいです。
>>587 鳥とかはもういたのかな。あと虫かぁ・・・。
熊というと夜になると人間に変身するのがこびりついちゃってもう。
>>588 そういえばガリバーってそんな最終回(?)だったか・・・。
萌え版になるんだろうなぁ。
GWもあと二日だし、そろそろ投下ラッシュが始まる頃合かなぁ。
>>591 少し前に、鳥は「書きます」って手を上げたのが三人くらいいたんだけど、何と全員手を上げたっきりで誰も投下していないというのが現状。
あと、意外と草食動物は書いてる人が少ない。
カモシカと兎とカタツムリ(?)くらい。小ネタでイノシシ。
リスとかビーバーとか鼠とかプレーリードッグとかがまだ手つかず。
投下ラッシュ…読み手には嬉しいお祭り騒ぎ。
ちょっと期待して待ってみよう。
>>592 やっぱりかー。過去ログ読み直したりして書くっていった人はいたなぁ、て
思ってたけど、実際に書く人はまだいないんだ。草食動物も意外と少ないなぁ。
まぁ女の子はさておき、男性型の鳥人って難しそうな気がしないでも。いや、キスが。
>593
フレンチはクチバシで。
ディープは舌だけ横から出して。
……正面から向き合ってキスできないのは、ちょっと寂しいかもしらんね(´・ω・`)
トリの女性型って、やっぱり腕と翼の両方がついてるのかな。
>男性型の鳥人のキス
嘴で相手の頭ごとくわえて、顔中を舌でぐりぐりと。
……ナウシカのオープニングにそんなシーンがあった気が。
>>592-593 ペンギンの人がいるじゃないか。
596 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:42:21 ID:gSP3PFpf
「まだか、身体が治ってないから! ね、寝てて!」
扉に立っていた人(?)は小走りに向かってくる。
肩まで伸びた黒いストレートの髪が舞う。
あれ、耳が有るところに耳がない・・・?
「まだ落愕病が直ってないから!」
ラクガクビョウ?
なんだソレ、聞いたことがない病名だな。
あーまだこっちに向かって走ってるよ。
「無理に体を動かすと死んじゃうよ!」
変な病名を喚き散らしながらこっちに向かってくる耳無し女性。
ていうか身長、小さくて走っても大して速くない。
ていうか目、大きくて可愛いし涙目になっているのは反則ですよ。
ていうか瞳、少し碧が入っている。
ていうか髪、やっぱり長すぎるよ腰まであるって。
ていうか服、ワイシャツを軽く羽織って神々の渓谷(=おっぱい)が強調されてる。
極めつけに背、お伽話にある天使の羽が生えてそうな所から黒い艶のあるヒレみたいのが・・・。
「寝てって!」
597 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:43:13 ID:gSP3PFpf
キョトンとしている俺を無視して「寝て!」を連発してる目の前の女の子。
いきなり肩を捕まれた、顔が接近。
蒼い目がある顔から少し視線を下へずらすと、おぱい・・・おぱいが・・・。
そのまま体重をかけてくる、腕に力を込めたらしい。
あの、ちょっと、その胸が大きく前後運動してます。
いまだに体重をかけてくる、あまり力はないみたい。
隊長! 我が人生で初めて女体の神秘の一つを今間近で視認しております!
目の前の光景にのぼせてしまい、つい上体を持ち上げている力を抜いた。
ゴツッ
「あ・・・。」
「ぐふぁ・・・。」
急に力を抜いたから、上体は勢いよく地面へ押し戻され
急に力を抜かれたから、体重を退かすにも間に合わず
急に力を抜いたせいで、後頭部を地面に打ち付けた。
〜〜
598 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:43:44 ID:gSP3PFpf
「イタイ・・・イタイヨ・・・。」
「ほ、ほんとうにごめんなさい!」
俺は顔を横のまま、虚ろな目で一筋の涙を創っていた。
対する目の前の女の子は、蒼い目で涙目になりながら謝っている。
本当に小さい、身長は小学生ぐらいしかないだろうか。
ぺこぺこ頭が下がるのを気にせず、涙で濡れた目でその背中を見る。
羽がある・・・。
空を飛ぶ鳥のような翼ではなく、光沢のある黒い一枚羽が二対。
そう、例えるならイルカのヒレが肩胛骨からアンバランスに垂れている。
そしてそのヒレは髪よりも長く、小さいお尻の頂点まで伸びてると見える。
「で、ここは何処? ワタシハダレ?」
前半の部分はマジメな質問だがコレを言ってしまうと、
後半部分は定型文で付け足さなくてはいられないという人間の悲しい性。
「ここは・・・プンムグンム島で、この家は私の別荘です。
あなたは別世界から落ちてきました。」
「は?」
オーケー、少し落ちつこうか。
ここが名前の聞いたことがない島で名前も知らない人の家は、まぁどうでもいい。
問題は彼女が言った『別世界から落ちて』という部分だ。
ベツセカイ? 俺がいるところは地球という銀河系第三惑星の・・・
「あなたはこの世界では力も権利もありません。 そこだけは解ってください。」
「よくわからんが一つだけ聞きたいことができた。」
「なんですか?」
「頼むから、この毛布を退かしてくれ。」
未だに俺の体は巨大な毛布の岩に押しつぶされ、
たんこぶができた後頭部をさすることもできない。
彼女はあわてて岩を一枚一枚を剥がしに掛かる。
30cmも重なっている毛布を全て取るのに10分はかかった。
599 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:44:17 ID:gSP3PFpf
「もう落愕病は直ったみたいですね・・・。」
目の前の黒羽小学生が、毛布の重なるベットに
腰掛けている俺に向かって、軽く息を吐きながら言う。
「さっきから言ってる、その、『ラクガクビョウ』ってのは何?」
「それは・・・、『ヒト』が落ちてきた時、この世界の空気に、順応できなくて一時的に発症する病気だそうです。」
「病気?」
「はい。 感染する『ヒト』によって症状は色々で千差万別です。 あなたは高熱にうなされてただけみたいですけど。」
「高熱?」
「・・・覚えて、ないんですか?」
覚えているも何も、暗闇になって次に目を覚ましたらここにいて・・・。
あれ、どこから暗闇になったんだっけ?
つかさっきから俺、疑問符を使いすぎか?
「・・・落愕病は一時断片的、又は永久的な記憶喪失も伴うそうなので。」
不思議そうな顔を見て察したのか、そう付け加えてくれた。
少し目を閉じて記憶を遡ってみると、思い出せそうな気がする。
記憶喪失は心配ないだろう。
それより、
「お前は何者だ? それと背中に付けてる物は?」
「あたし・・・、ですか?」
質問を質問で返すのは感心せんな、と。
いや、このネタはどこかで聞いたことが・・・。
「あたしはこの島の、娘のエルステッド・フィルといいます。
長いので『フィル』と呼んで下さい。」
ニコッと笑顔で返される。
そんな純粋な可愛らしい笑顔で見られても・・・。
600 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:44:48 ID:gSP3PFpf
「それで、要約してもいいか。」
「? はい。」
・ここはペンギンの島です、かなりでかいです
・あたしはこの島の第一王位継承者です、偉いんです
・背中のは海羽(カイハ)といってペンギン族の証です、おもいです
・あなたはあたしの所有物、つまり物として扱われます、高価です
・元の世界には戻れません、どんまいです
・あなたは三日三晩、落愕病で寝込んでいました、寝顔可愛かったです
またニコッて返された。
そんな笑顔で言われても現実味が湧かない。
「ふざけんな。 いますぐ返せ、現実に戻せ。」
「そんな事いわれても、あたしの・・・グス・・・ものですから・・・。」
あーなんでまた涙目になるんだよ。
もう知るか、構ってられん。 俺はロリ属性ではないのだ。
いや、ショタでもシスでもないぞ。 念のため。
「じゃ、その落愕病とやらも治ったならばここにいる必要もない。」
「え? あの!」
「じゃあな。」
脇役のようなセリフを吐きながらベットから降り、
おろおろするフィルを尻目にかまくらの出口へ向かう。
まだ右腕と左足が痛むが、仕方がない。 無視して歩く。
「あの、待ってください!」
「煩い。 俺は帰る。」
「そうじゃなくて外には・・・。」
「知らん。 とりあえず我が国に帰る。」
痛む右腕の代わりに、左手で扉の取っ手に手をかける。
ひんやりとする・・・、鉄より冷たいみたいだ。
とりあえず思いっきり引いてみる。
扉が開いて、喜んだのも束の間。
目の前の光景に固まった。
601 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:45:19 ID:gSP3PFpf
で、出て来たわ!
おぉ、あれがヒトなのね!
初めて見るわねぇ!
おかーさん。 あのヒト、カイハがないよー?
それがヒトらしいわよぉ、へんよねぇ。
かまくらから覗いた光景は、まさに大群。
入口半径3mの所から数十にも円を描いて囲まれている。
ざっと見ただけで、500人は居るんじゃなかろうかと。
その皆が背中から黒い羽、海羽をもってるし。
ばーさん、子供からお母さんみたいなのまで。
俺が出たと同時に、海羽の大群と目が合った。
「えっと、あの・・・。」
「・・・。」
両者、数秒の沈黙。
かまくら周辺の野次馬と当事者みたいな俺は、共に動けない。
このままずっと硬直しっぱなしは辛いか?
そう思ってたら助け船が来てくれた。
「だ、だから外に出ないでっていったのに!」
「え、あ、ちょ・・・。」
後ろから両手が伸びてきて腰の部分に絡みつく。
そのまま後ろに引っ張ってまたかまくらに戻されると、外に出てった。
引っ張られた勢いで尻餅をつきながら、キョトン顔で見送る。
途端に、外が騒がしくなる。
あのヒトはわたしのものっていってるでしょー!
けど一目見るだけでも宜しいではないですか!
だーめー! おどろくといけないでしょー!
しかしヒトなんて滅多に見られないですし・・・
だめったらだめー! みんな帰ってー!
当分、かまくらから出ることは出来なさそうだ。
〜〜〜
602 :
ぺん:2006/05/06(土) 21:47:11 ID:gSP3PFpf
599と600の間に「〜〜〜」を入れて、601の最後は「〜〜〜〜」とお願いしますorz
>>602 ぐじょぶ。なかなか萌えな感じ。
……でも、このふたりが、その、板名に忠実な路線に走ったら、なんていうか犯罪だよなぁ……w
604 :
ぺん:2006/05/06(土) 22:37:29 ID:gSP3PFpf
※落愕病 [ ラクガクビョウ ]
ヒトがこの世界に落ちて来、ある気体分子がヒトの皮膚や肺から侵入。
細胞の核と接触をおこして皮膚から内臓まで色々な症状を引き起こす。
※海羽 [ カイハ ]
読んでそのまま海の羽。 黒くて光沢がある。
手と同等の神経が通っていて、感度良好。 上に下にぱたぱた動く。
思ったよりぷにぷに
>思ったよりぷにぷに
やべそれ反則www
wktk
次でエロが入ると予想
俺さ、小さい頃に家族で行った水族館の土産物屋で、ペンギンのぬいぐるみを買ってもらったんだ。
帰り道、カバンからそのぬいぐるみの頭だけ出して「外の世界を見せてあげる」って気分に浸ってたんだよな。
ああ、まだ家にいるよその子は。元気にぼーっとしてる。
それはさておき、続き期待してます。全裸で。
GJ。微笑まし。次も期待してます。
そして少し遅いが、
>>595 鳥の女性でも男性でも腕だけがいいかな。バランス的に。
でも飛ぶ(滑空)能力があるとかそういうのだったら背中がいいよね。
>……ナウシカのオープニングにそんなシーンがあった気が。
そうか!それなら真正面からできる!ナイスだジブリ!
全く違う話を切り出して申し訳ないが、地理記載のある各国の位置関係の図って無かったっけ?
そこの>169ですがな・・・
ん〜……
今年のGWは、思ったより職人様が少なかったな。
去年のGWは、確か5〜6人くらいが一斉に投下したんだけど。
今年は虎、獅子国、なぜこちの3つ。
そして新人1人。
無いよりは収穫有りのほうがうれしい、とプラス思考。
615 :
ピューマ担当:2006/05/08(月) 19:14:54 ID:O7atLec/
滑り込んでもよろしいでしょうか!
シュナとフユキとの子供ネタということでがんばってみました。
あ、そうそう陛下より言伝がございました。
「
>>582よ、同好の輩がそちらの世界にもおると耳にし、驚嘆と歓喜を禁じ得ぬ。
ヒトの世界における盗ちょ…何? これが妄想とな? この絶妙な二人の間が想像にすぎぬと!
む、む…誤解であったか、許せ。
詫びと言っては何だがここにまた話があってな、これで収めてくれるかの?」
俺の方からも
>>582さん、ありがとうございます。旅行中に嬉しさに身悶えてヘンな目で見られました。
これからも二人をよろしくお願いします!
それでは9レス投下になりますが、万一気分を害されましたら…すいません、前もって。
彼らもまた迷いやすい人間だということでひとつ勘弁してつかーさい。
もう、日付は変わってしまっているだろう。
もてなされるままに食べ、飲み…眠たくなる頃合だ。
こうして朱奈と連れ立って歩きながら聞こえてくるその自然の寝息。
森はすやすやと、その住む者たちの深い安らぎ。
だからいくらゆっくりと歩いていても二人分の足音をはっきりと耳にする。
深夜の帰路。
俺と彼女だけが、このほの赤い夜空を仰いでいる。
▽
このキンサンティンスーユに落ちてすでにいくらか過ぎた。
不思議な翻訳能力も筆記の方までとはいかなかったわけで、
それでも言語に関することについてはプライドらしきものがある。
何でもないような顔をしながら──おそらく朱奈は「気付かない」優しさをもってくれていた──
テキストの類をやっつけていたその日。
一通の手紙が我が家に届けられた。
どうにか読み解けばそれは招待状。
そしてなんとか読み終えればもう一度最初から読み直した。
この俺が朱奈と並んで招かれているという事実がちょっと信じられなかったのだ。
名目上は主人と召使い、なのだから。
なんと送り主は朱奈の実姉だった。
ナコトさんと言い数年前まで【サヤ・イスカイ・ピュマーラ】として「二番目のお姫様」をやっていらした方。
現在では旦那さんとの間に、二人目の子を産んだばかり。
そして今度、一日だけナコトさんの友人の子を一人預かることになってしまったらしい。
ただでさえほにゃほにゃの赤ん坊で忙しく、さらに二人の幼子の館【エルクェ・ワシ】通いの子の相手は難しい。
そこで俺たちの出番が来た、という次第だ。
ナコトさんの旦那さんがお仕事から帰ってくるまで…
無論その後もお話があるだろうし、楽しい一日になりそうだった。
▽
かさ、かさ、と足裏が音をたてる。隣を行く朱奈も。
歩幅が違えば靴音は重ならない。
その少しアンバランスな伴奏は普段気にならないはずなのに。
手をつないで歩いたのは数えるまでもなく日常の一部になったはずなのに。
──カサッ
互いの右足が同時に地に着いたとき、二人して歩みを止めていた。
「……」
「……」
しばらくそのまま声もなかった。
俺は考える──二人「とも」止まったということは、
不揃いの足音が完全に重なるタイミイングを彼女もそれとなく計っていたのだろう、と。
「…どうした?」
前方に広がる薄闇とそれに溶け込む道を見透かしながら問いかける。
「…フユキこそ」
朱奈はわずかに震えた、だろうか。つないだ手を握りなおして振り向いた。
同じく朱奈もふと見つめ返してきた。
視界は暗く、悪い。しかし彼女の美貌を作るどのパーツも俺の中では色あせずに見えてくる。
指で掌で、唇で頬で何度だった確かめた。
「朱奈が欲しい、今」
何の引っ掛かりもなく声帯が震えた。
応じるようにしっかりと手に力が入っていく。
「…家まで、もう四半刻もかかりませんよ?」
彼女はそう言って見つめてくるばかりで寄りかかってこようともしない。
ただ、指が強く絡む。
「もう待てない」
「…?」
「だいたい、ここまで遠回りの道を選んだのは…朱奈じゃないか」
腹ごなしの運動にしてはかなりの距離を歩いている。
「それはあなたと二人きりで…散歩でもしていたくて…」
「ははっ」
俺はおかしくて笑った。聡い彼女らしくない、月並みな言い訳だった。
中学生の恋人同士の微笑ましい部活帰りじゃあるまいし。
でも、手を引かれるままに反抗もしなかったのは他でもないこの俺でもある。
「家へ帰っても、俺と朱奈、二人きりだ」
朱奈の弁解が下手なのはきっと何か隠そうとしている。
もしくは、気付いて欲しい、けれど言い出せない…そんなところだろうか。
「……」
じっと視線を逸らさないでいれば、ほのかに灯る切れ長の瞳が右に少しだけ泳いだ。
「家に帰りたくない?」
俺は切りこむ。
正直、ちゃんと向き合って朱色の髪を梳いてやりたい。
腕の中に抱きしめて安堵を覚えて、互いに吐息を深くしてしまいたい。
しかし右足が地に吸い付いている。動かしたくない。この胸のざわつきを落ち着かせてしまいたくはない。
「俺たちの家が見えてきて…玄関に回って…入り口をくぐったら、また──」
「フユキ」
大きくはないが平坦な声に遮られる。
その思いを口に出してしまうことが、俺たちにとってこれまで一種の「禁忌」だったから。
でもそうじゃない。なくなってしまった。
俺たちは家路を延ばしに伸ばして、こんなにも迷っているじゃないか。
「言葉にしたくない? 朱奈、だとしたら簡単だ。俺の方はもう、準備できてる」
「……」
一度揺れてしまったら元の位置に戻っても揺さぶられた感触はいつまでも残る。
だったら、揺れきったところを確かめておくことも場合によっては有効なのだと思いたい。
「一応もう一回言っておく。…朱奈、君が欲しい、今ここで」
そして、こういうときに彼女の──もっとも、忘れがちではあるが──
「元お姫様の分別」というか「優等生の分別」みたいなものをどうにかしてやりたいと思う。
もっとスマートに口説くという行為をしてみたいが、経験の浅い俺にはまっすぐ行くしか思いつかない。
「物分りが」
「ん?」
「物分りがよすぎると姉様に叱られてしまいました。
ふふっ…このような理由で叱られるとはおもしろいことですね」
紅を差した艶やかな唇が月明かりを受けてきらめいた。
「あの【ニヤトコ】のあらましを耳にして、わたくしを心配して下さったのです。したがって…今日は」
今度は、ほう、と息を接いだ。
月の光に力を取り戻したように朱奈の瞳が意思を浮かべる。
何度覗き込んでも綺麗だ、俺は毎度のごとく惹きこまれる。
「とても、いろいろと教えられてしまいました。
幼子の館【エルクェ・ワシ】での使命とは別に…あの先輩夫婦の営みを間近にして」
綺麗だから夜の闇の中でも見えてしまう。
彼女のほうがよほど我慢している、と。
正しい位置を探すように絡みなおされる柔らかな指も俺にそうだと明かしてくれている。
落ち着きがなくて、そうなってしまうほどに強く、激しく。
「ぶっちゃけると俺も言われた。「つまらん、その年で達観してどうする、ハメを外せ、この野郎」ってさ」
今日初めて会ったばかりだが、早口なあの人の物真似は割りとしやすい。
ようやく朱奈が小首をかしげながら頬を緩めた。
そしていかにもあの人らしいと言った顔を見せている朱奈。
まあ、義兄上のために言っておくとがさつな人柄ではなく、こんなことも。
――何も教え子たちをそう見なすことをやめろとは言わんよ。
――ただしそれは家まで持って帰ってまですることじゃないだろう。
――要するに、週何回なんだ? 淡白なタチとか言ったらうちのかみさんが黙っちゃいないぞ?
……最後はちょっとお酒が入りすぎていた、だろうか。
「幻想でも、夢でも、欲しいってやっぱり思う。欲しくないって言ったら絶対嘘だから。
ムリに触れないのも不自然だし、何より俺たち夫婦……だろ?」
そして、隣に並んでいてくれる朱奈。彼女は微笑みをとびきりの笑顔にしてくれた。
うん、後ろめたくない。押さえつけて、いつかがつんと反動をくらってしまうよりは断然いい。
「欲しい、とは」
「うん」
「二重の意味でした」
「やることは同じ、だが」
「…そういうことをさらりと。まったく、フユキの恥ずかしいの基準が分かりません」
ふと気付けば、止まったままの右足は破裂しそうだ。
限界までぐっと溜めておけばいい。
もう少しはっきりと「はい」と言ってもらったら、いつでも朱奈をさらってしまえるように。
「わたくしは思ったのです、フユキ」
感情に、喜びに満ち溢れている。こういう時の朱奈の目も好きだ。
自分の心の中で「これ」という何か良いものを発見したときに、嬉しそうに伝えてくれるその時の光が。
君は俺のことを子供っぽいとでも思っているのだろうが、
朱奈だってずっとあの子ピューマの愛らしさを残して、俺の──彼女が言うには真面目ぶった──
顔に締まりがなくなってしまう。
「男の方と女の方が出会うのは、この延々と伸びる家路と、わたくしたち二人の足の運びのようなものだと。
長い道のりで…ばらばらの踵がある時ぴたりと出会って、重なって、抱き合って」
「…朱奈、それ分かって言ってる?」
一応、迷っていた彼女に強引に迫りはした。
でもそれはいかにも俺に押し切られて仕方がなく、
といったほうが朱奈の抵抗が薄くていいだろうと俺が判断したからだ。
「俺が「今欲しい」って言ったその意味、分かってくれてるんだよね?」
だから間違いないくらいはっきりとした例えを持ち出されたら、俺自身が止まらなくなる。
朱奈もそれと察したらしく切れ長の瞳を丸くして──急におたおたと三角の耳を動かし始めた。
「あ、あの、フユキ。その、ここ、ということは、そっ、外っ」
ああ、そうか。
てっきりそういうところまで気にしているはずだと思ったのに。
これまでの道のりで、いかに彼女がぐるぐると考え込んでいたのかが分かる。
「どう? 誰もいなそう?」
「フユキ…っ!」
小声で叱られてしまった。
おかしいな、耳を動かして周りを探っていたと思ったが。
「とりあえずこうして並んで立ってるだけなのは、辛い」
「それは、そうですけれども」
「それに朱奈の返事を聞いてない」
「……あ! すいません、フユキ。わたくしの悪い癖です。
自分の思っていることがそのまま相手にも伝わっている気になって、いつも──」
「朱奈」
大きくはないが、自分の精一杯をのせた言葉。
我ながら熱をこめた視線を投げかけるうちに俺自身の体もどんどん熱をもっていく。
「ここでする」ことの返事を「するかしないか」まで拡大させてしまった罪悪感は…少しだけ。
「…わっ、わたくしも欲しい、です!」
でも俺たちはこういう関係なのだから償いはそれらしく。
耐えに耐えた右足の踵で強く、俺は路を蹴った。
朱奈の手を握ったまま引っ張るように、道の脇の暗がりに突き進む。
それこそ林立する木々をくぐりぬけて森の眠りを荒らしていく。
手頃な太さと、街道からの距離を確認すると、
「ん、んぷ、んっ!」
彼女を樹に押し付けて唇を重ねる。朱奈からの抵抗はない。本当に周りには誰もいないようだ。
急ぎすぎたせいで歯がかちりとぶつかるのも、このときばかりは気にならない。
野外でしてしまうことが普通に考えてありえない。
でも俺が欲しいように、朱奈も欲しいと言ってくれた。
義姉夫婦とその可愛らしい子供たちをこの手で触れたその温かくてくすぐったいような感動を、
このまま家に帰って日常に紛らせてしまうのが惜しすぎたのだ。
子をなすことができないから。
あの日あの時、誓いを立てたつもりの気にはなっていた。
しかしあの人の物言い、すなわち義姉夫婦が俺と朱奈を招いたその目論見どおりもまた正しいのだろう。
今この時、この場所だけは願っても構うものか。
日常は我が家にある。
だからこの中途半端な家路、森の木々ですら眠るこの場所でだけ欲望を吐き出したい、受け入れたい。
▽
今日のキスは短めだった。しかし幾度も唇を離しては互いに目を配り、再び舌を吸いあう。
この期に及んで相手の瞳を覗いて、本当に求めてもいいのか、探り合っている。
いや、求めているのが自分だけでないのかを確かめている。
「ふ、んっ…あ、フユキ…」
朱奈の腕がぎゅうぎゅうに俺の首を締め付けてくる。
全力で抱き寄せて、唇を押し当ててくる。
「朱奈っ…」
彼女の腰をがっちりとつかみ、後ろの樹に押さえつける。
実のところお預けをくっていたようなものだ。唇だけで満足できるわけがない。
「…はぁ…は、ぁ」
最後に口を強く吸ったあとするりと唇を朱奈に滑らせる。徐々に下に下りていって、
「はあ、ん、フユ……ぇっ?」
服の上から胸の谷間の香りを嗅ぎながら、一気に下腹部へとしゃがみこむ。
彼女の子宮があるところ。
上目遣いに朱奈を見やる。
「今日はせっかちさんですね、フユキ」
そう言いつつも満更でもなさそうに笑み、くしゃりと俺の頭に指を差し込んできた。
最近はどちらかというと初体験のときのような激しさは鳴りを潜めて、
俺がいろいろと教わっているようなものだから──不慣れは自覚しているから気にもならない──
こうやって俺から迫るのは久しぶりかもしれない。
「そうかもしれない、開き直ってるから」
腰から下にすとっと流された衣の合わせ目をなぞるように、そして下半身にも手をすべらせていく。
上からほんのちょっとの緊張が漂ってくる。
速くなり始めの吐息を耳にしながらできるだけ優しく脚の間を広げ、ささやかな下着をはぎ取る。
「ふ…っ」
お尻を下からすくい上げて、両手の親指を使って朱奈の中心を横にくいっと開く。
野外で服を脱がせるのは抵抗があるわけで、すでに頭ごと衣の中に潜り込んでいる。
朱奈のそこは暗くてぼんやりとしか見えない蛾、ふと彼女の匂いがした。
恥ずかしくないといえば嘘になる。恥ずかしいと思う根拠をあげればきりがない。
そして実に…二人きりの一室で何も纏わないことがどれだけ便利か思い知る。
「ぁ、はぁ…あぁ…」
軽く一息、挨拶代わりに吹きかけて、
「は…っ!」
あてがうように舌全体を使い、熱くなり始めている秘処を覆う。
途端に腰がかく、と抜ける。
直接お尻に食い込んだ指がさらに朱奈の弾力を伝えてきた。
口の中に滲みつたって来る彼女の愛液を夢中で貪る。
お返しにぐりぐりと鼻先を埋め、中に空気を吹き込み、舌先をでたらめに出し入れする。
「フユキ…ん、ふぅ、っ、フユキ…フユキ…」
朱奈が俺を呼ぶ。
「朱奈?」
軽く音をたててキスを繰り返しながら問い返す。
「いいえ、いいえっ…ただ、あなたの名を呼んでいるのです。あ、ぁ、そ、それが何より心地、いいのです。
──やあっ! フユっ、うっん!」
無性にこみ上げてくるものがあって、朱奈の嬌声が高くなるのも構わず俺は動いた。
親指をずらし、まだ立ち上がりきっていない小粒の包皮を剥き下ろす。
「ひっ…っふ、ふぅっ! ふあぁ…」
愛液と唾液のブレンドをたっぷりと口先に集め、吸いつく。
口をゆすぐように細かく震わせながら、右手を潤う膣口へと潜りこませた。
俺はここにいるというのに、そんな物欲しそうに求めさせたままにさせたくはなかった。
こんな一方的にするべきではなかった。「二人で」求め合うとさっき確かめたはずだった。
でも…謝ってはいけないとだけは分かる。
他でもない、これは俺から求めたことだ。
優秀な教師のおかげか、淀みなく口は指は動いてくれる。
表からくるくるとぬめらせ、転がし、裏から根元があるはずの部分を小刻みに押し上げる。
「あ――! あ、あ──! ひぁ――!」
追い詰められた末のような喘ぎを掠れさせて、挿れていた二本の指が断続的にく、く、と締めつけられる。
離した唇で朱色の和毛を探ればそれだけで朱奈はひくひくとお腹を波打たせた。
衣を払って立ち上がると、
「お…っとぉ」
朱奈が幹を背にずり落ちてしまうところだった。慌てて支える。
かすかに触れた朱色の尾は毛が逆立っていて、それが嬉しい。
「…ぁ、ふぁ…」
ゆっくりと彼女の両腕が持ち上がり、首の後ろで組み合う。
再び至近で見る切れ長な瞳はさらに細まり、独特の、情事のときにしか見られない風にきらめいていた。
誘われて、切りそろえられた前髪から鼻筋を下り、小さく開いたままの紅の唇に自分のそれを合わせた。
「んぐ!」
と思ったら舌を噛まれた。
「それは、ぁ…駄目です、と言いまし、たっ…よね?」
拗ねてしまったように叱られる。
うなじの部分にいくつもの爪が引っ掻いてきてもいる。
陰核を外と中から責めてしまうのは、あまりにも感じすぎてしまうらしく「禁じ技」だった。
実際、足腰があやふやなようだった。
「ははっ」
俺は軽く齧られた舌を湿しながら笑った。
「それじゃ朱奈もひとつ「技」を使ったらいいよ」
好きな女を高みまで導いてあげられて喜ばない男はいない。
それと…好きな女に叱られるのも、全然嫌じゃない。
「フユキ、後悔しますよ?」
かなり呼吸も落ち着いてきた朱奈を持ち上げるようにしながら、彼女の下衣の前部をはだける。
広げてくれている脚の間にこっちの体もねじ込んでいく。
「その後悔ならいくらでもいいよ」
それと察した彼女が組んだ両手をほどき、隙間から股間に手を入れてきた。
ひんやりとした感触に自分の熱さを思い知る。
もう全開だと思っていたのに、さっきまで手をつないでいたやわらかな指に先端のにじみを広げられて、
さらに膨れ上がってしまったような気さえする。
「だって──」
そうして朱奈に導いてもらって、互いに立ったまま熱と熱をようやく出会わせる。
朱奈が、ん、と小さく呻き、しやすいように位置を整えてくれる。
「されたらされただけ…出るから、朱奈のここに。欲しいって言ってくれたのが、たっぷりね」
びくりと朱奈が見つめてきた。
物真似にすぎない俺たちの営み。どれだけうまくいっても誰も褒めてはくれない。ご褒美も出ない。
だから──俺は何ができるか考えた。
昼間は言うまでもなく、園児たちをそれこそ俺たちの子供のように。
そして二人だけの夜、二人きりの我が家は。
「だからたくさん…手伝って欲しい、朱奈」
情けないことだが答えは出なかった。しかし言うなれば、
「愛してるよ、朱奈」
ただ誓ある限り、精ある限り。生ある、限り。
にち、と粘つく水音が生々しい。ゆっくりと挿しこんでいく。
肺の中身が自然と吐息になって減っていく。
そのとき朱奈の中が蠢いた刹那に──あまりにも速い電流を走らされてすかさず前進を止めた。
「えいっ」
やけに楽しげな朱奈のかけ声とともに、両腕がするりと回り、両脚が巻きついた。
「ちょっと、待っ…!」
残り半分の道のりを一息で詰め寄られ、先端が行き当たって弾けた。
「ふふっ、一回目、です、フユキ」
俺は歯を食いしばって木の幹ごと彼女に抱きつくしかなかった。
精の出口を塞いだ膣壁を破るような勢いでどくどくと噴出すのがありありと感じられる。
「…参った、参りました、降参だ、よ…」
髪をまさぐり、背中を撫で続けてくれている朱奈に俺はそう返す。
心地よい脱力感に目の前すぐにある三角の耳に頭をもたれた。
ふわふわと漂う朱奈の香りを空いた肺の中に深々と取り込む。
またあの人たちに何か言われるか知れないが、俺たちはいつまでもこうなのだろう。
俺が朱奈に何をしたって──結果的に彼女の尻にしかれてしまうだろう、この関係。
「でも、「技」をもう使っていいのか?」
再びお尻のほうに手を回して支えてやる。そして密着を解こうと力を入れるが、叶わなかった。
「朱奈?」
「どうして、どうしてフユキはそうなのですか」
首筋に、唇の熱さと吐息の熱さを素早く交互に感じる。
腕と脚に入った力は緩まることがない。
「わたくしを…わたくしが考える幸せを飛び越えて、どうして、わたくしをこんなにしてしまうのですか」
朱奈の声が感極まっていると認めれば、伝わってきてしまう。
胸の高い鼓動にこちらもどんどん調子を合わせていく。
「今この瞬間に、わたくしがフユキの精を受けたかった、ただ、それだけです。
あなたの素晴らしい言葉を受けて…それと同時に…あなたの証を受けたかったのです。
わたくしは堪え性がありませんから」
走り始めた昂ぶりは隅々まで巡っていき、俺もなぜだか目頭が熱くなった。
「あとから、あとからあふれてしまって」
じっと目を閉じて朱奈の言葉を待つ。
「わたくしもあなたを愛して、愛しています、フユキ」
ああ、と彼女は祈りを捧げるように天を仰いだ。
「サークァちゃんの、指がまたいいと思ったな。爪なんてさ、あんなにちっちゃいのに、ちゃんとあるんだ」
「フユキはもっとあの可愛らしさを直に触れるべきでした」
朱奈のお尻をがっしりとつかんで固定している。
またこれほどにまで充血した幹で彼女の中を一心不乱にかき回す。
「とんでもない。壊しそうで、怖い。朱奈はよく抱っこできる」
「簡単ですよ。壊してしまいそうなのは、わたくしも同じです。
ですから、大切に、丁寧に抱いてあげるのです」
出したばかりで、気持ちいいというより苦しい。
長々としゃべっているようで、実のところ会話が成立しているのが不思議なくらい切れ切れ、だ。
「なるほどね。今度はお誕生日にでもこちらから伺わせていただこうか」
「良い案です、フユキ。
ユークァちゃんのお誕生日が確か、再来月ですから今度のお休みにお買い物に行きましょう」
というのも朱奈がひどく気合が入っていて「一筋も零させはしません」との宣言の通り、
ぎちぎちに締めつけて俺の快感を煽っている。
もちろん実際は抜き差しの際に、互いの混ざり合ったものが垂れているはず。
しかし俺たちはひたすらに互いの伴侶を見つめ、隙あらば唇を合わせ、繋がったところなど見向きもしない。
この体位は癖になりそうだった。動くに動けなくても、自由にならなくてもきちんと良い点がある。
密着が深すぎてやることがシンプルに、ただ一つを願って求め合える。
「そして大きくなったらユークァちゃんとナミィミちゃんみたいに、元気に動き回──あ、っく…」
「ああ、あ、あっ! …かかって、います。フユキの…元気に跳ね回って、んん、ぅん!
…ぅ、あ、フユキ、わたくしもっ、飛びそ…っ、はぁぁあぁああっ!」
確かこれで四回目になるだろうか。
三回目の途中から朱奈も余裕がなくなってきて、ずい分と息が荒い。
彼女のほうも小さいのを含めれば俺の倍くらい達してくれているから、無理もない。
…ちょっと最近忙しくてご無沙汰だったのもあるかもしれない。
寝台にもぐりこむ前に、素早く二人で手を使って補うのでは感じられないものがある。
「それで、あの仲良しの二人が…何だった、かな」
「はい、元気に…わたくしの中で泳いで…」
「そ、そうだ、向こうの世界でビニールプールっていうのがあって…いいや、今度頼んで作ってもらおう」
「はい、フユキ。作ります、わたくし、がんばって作ってみせます」
「水鉄砲なんかも、できるかな。こう…細い筒の先から水がぴゅって出るおもちゃなんだが」
「そうです、フユキ。何度でもぴゅっぴゅって、わたくしが受け止めますから、大丈夫なのですから」
「朱奈、ちゃんと聞いてる? って、ああ、もう、こら、またしたくなるから…」
「それほどお疑いでしたらここ、わたくしのお腹に耳を当てて聞いてみてください。
フユキの精がお腹ごろごろするほど…もう! わたくしにそんな趣味はありませんのに!」
…それから俺たちがようやく収まったのは、夜明け前。
ユークァちゃんとそのお友達のナミィミちゃん合作の、
「フユキおじちゃん専用ピューマの耳」をつけた俺に異常に興奮した朱奈が、
草むらに俺を押し倒した騎上位。
その後一応落ち着いたものの、ふらついた朱奈が近くの樹にすがりつき、
突き出された豊かなお尻──くびれが際立って俺は好きなのだが、朱奈は大きめなのを気にしている──
に勘違いして欲情した俺が上から被さった後背立位。
…気づけば二人ともどろどろのしわくちゃで、夜が明けそうなのに気づくと、
ぎしぎしと軋む体をかばいあいながら長い長い家路の最後を締めくくったのだった。
▽
付け加えるならば、それから。
なぜか家の郵便受けに一枚の紙がこれみよがしに差し込んであったことを記しておくべきだろうか。
「私の方から昨日のうちに病欠届けを出しておきました!
今日は一日ゆっくりと、疲れた体を癒して欲しいと願う、姉心かな。 あなたたちの愛する姉より」
とっさに俺は手紙を隠し、そして朱奈が目ざとくそれを見つけ…
「あれほどに素敵な言葉をかけてくださったあなたが、わたくしに隠し事──
ま、まさかフユキ! わたくし泣きますよ! 言いなさい、その○×◇※(自主規制)の名を! フユキ!」
うん、徹夜明けってテンション高いよね。
朱奈が暴言吐くところ初めて見た…恐ろしい娘!
…すまない、俺もどうかしている。
できれば、ナコト義姉様。母親を選べとはいいません、尊いつながりですから。
しかし願わくば、ユークァちゃんたちをその毒牙にかけないでいただきたい、と。
嵐を鎮めるのはこの愚弟なのですよ?
某日某所──
「おお、善き哉、善き哉。報告の品をこれに、ナコト」
「はい、陛下。うまくいきすぎて、臣は一抹の罪悪感を覚えるのでございます」
「何、これが初めてではあらぬでな。それにこれは妾一人で楽しむものよ。
…しかし、そなたも悪よのう。"お役目"をこれほどまでに昇華してのけるとは」
「いささか語弊がございます…"悪趣味の片棒"が最も妥当だと思われますが」
「妾もついぞ思いつかなかった。もてなしの膳に精力剤を混ぜるなど…それどころか、
孫どもに「フユキおじちゃんは耳がないの、どう思う?」などと導いて…
そなたも十二分に乗り気ではないか!」
「…言葉もございません」
「トにもカクにもでかしたぞ、ナコト! …で、だな。もそっと近う寄れ」
「……は」
「そなたらも、燃えたであろ?」
625 :
ピューマ担当:2006/05/08(月) 19:23:12 ID:O7atLec/
読んでくださった方、本当にありがとうございました。
いつの間にかこの二人、覗かれキャラ改め聞かれキャラが俺の中で定着してしまいました。
この調子でいけたらな、と思っています。
それと絵について私見を。避難所とかWikiを活用するのはどうでしょうか?
個人的にとても楽しみにしています。それではまたの機会を。
乙です!
今回は危険な甘さですね〜
覗き人、結構すきです
頑張りすぎだw
GJ!
流れ切りですいません
種族ごとに魔法の定義って違うんですよね?
見聞録に色々あったけど訳が解らなく…
>>628 ほかの種族がでてくる作品で、物語で読んでみるんだ
きっと「漫画で読む〜」みたいにわかりやすいと思う
見聞録の人がすべてを考えたわけなく
すでに発表されてるものを見聞録の人が
そう取り込んでいるというものだから、
そもそもそれを下地にするのは危ない
つーか、Wikiみれ。
>>630 wikiは以外と書いてないぞ。
なにしろ項目すら立ってない作品だってあるくらいだw
……wikiはほんとに書いてないなぁw
今から書いてない設定を全部書き込むとなったら、一体どれだけ書かなきゃならないんだろう……orz
>>628 えっと、魔法についてわかる範囲だと、とりあえずこんな感じですか。
猫の国:魔洸エネルギー、魔法、錬金術
犬の国:魔法、エンチャント、死霊魔法、キメラ合成
蛇の国:精霊魔法、ザッハーク帝の遺失魔法、錬金術
ピューマ三国:神聖魔法
狼の国:治癒魔法
兎の国:因果律
魚の国:ファルム様の御力
虎の国:魔王の力(セリス君限定)
狐の国:シャーマニズム
獅子の国:仙術(ただし使える人はほとんどいない)、気功術
ジークきゅんに施された「魂のエキス」の魔法はとりあえず死霊魔法かなと想像。魂を弄ぶのならそれが一番近いかなと。
一応、出会いのシーンまで書けたので投下。
エロ無し。
登場人物の一人称&ザッピング形式。
この日、俺は落ちた、らしい。
志望校の合格発表を見に行く途中で、先に着いた友人からメールが入って。
『俺のもお前のも、番号無かった。残念だけど、また来年頑張ろうぜ』
そんな内容で。
丁度駅を出たばかりの俺は、がっくりしながら、それでも自分で確認しようと、
第一志望の音大へ向かって歩き出して。
そして、暗転。
「ですから、一人で外出なんて駄目です! 危険です! 認められません!」
気晴らしに出掛けようと歩き出したアタシの後ろから、
ちゃっちゃかちゃっちゃか言う足音と共に、お説教の声が追いかけてくる。
つやつやに磨かれた石の廊下だから、鈎爪が当たってこんな音がするのよね。
「だって、アタシの翼じゃ、皆と行ったって追いつけないし!」
4枚羽のアタシと、2枚羽の他の人達。2対4枚の翼を同時にはばたかせると、
どうしても空気を上手に掴めない。
小回りは利くけど、どうしてもスピードは出ないのよね。かと言って、2枚だけを動かすのって、結構難しいし。
「他の者が併せれば済む話でしょう!」
「それで、皆が落ちてくの見てろっての?!」
2枚羽の人達は、ゆっくり飛ぶってのが苦手みたい。
ちょっとバランスを崩しただけで、ぽろぽろ落ちる。
ある程度のスピードなら、まずそんな事無いし、遠くまで飛べる。
・・・・アタシが追いつけないけどね。
今、アタシと口論してる相手が、海に落ちかけて岩にぶつかって、怪我をしたのは半年前。
やっと怪我が治って出仕したと思ったら・・・・、これだもの。
口やかましいのは前からだったけど・・・・、ここまでだったかしらね?
「あれは私の未熟で・・・・」
「そ、れ、に! 皆忙しい時期だってのに、アタシに誰を付ける気?」
もごもごと口ごもる相手の言葉に、黙らせるダメ押しのつもりで言葉をかぶせた。
潮の関係なのか、それとも空か、もしかしたら里の位置の関係か、
この時期は落ち物が多いの。で、それを拾って他の国に売って、里じゃ手に入らない物を買ったりする。
出来るだけ多くの落ち物を回収する為に、皆、船やら徒歩って言うか羽とかで出かけているのよね。
王宮の衛視や侍女達まで駆り出されて、良く声の響く回廊で口論しているってのに、誰も見に来る様子が無い。
「神楽(かぐら)? それとも穂積(ほづみ)? 神楽は4枚羽の貴族だし、穂積は飛ぶのはもう厳しい年よね?」
今の時期で手が空いてるのは、せいぜいこの二人くらいよね。後はアタシ自身か、病み上がりの白羽(しらは)?
「それとも、貴女が一緒に来る? 戦鳥(いくさどり)族の白羽?」
「それとも、貴女が一緒に来る? 戦鳥(いくさどり)族の白羽?」
回廊をずんずん進んでいた姫様の歩みが、ぴたっと止まりました。
しっかりした作りの、靴のかかとを鳴らして振り返る姫様。
ぶつかったりしないように、慌てて私も足を止めます。
BGMのように鈎爪が立てていた私の足音が途絶えて、回廊が一瞬静寂に包まれました。
かかとを鳴らして、くるりとこちらを振り向いた姫様の空の色の青い瞳に、私の緋色の瞳が映りこんでいます。
・・・・こうやって見ると、やっぱり似てますよね。
いや、似てないといけないですし、似ていて当たり前なんですけどね。私は姫様の影ですし。
「判りました、お供しますから!」
私が数秒考えている間に、再び歩き出した姫様の、鮮やかなカナリア色の翼に向かって声を掛けました。
急いで後を追う私の足元からは、再び硬質な爪の音が響きます。
「良いの? 半年前みたいに事故でも有ったら、神楽がまた荒れるわよ?」
・・・・何故ここで、この文脈で神楽様の名前が出て来るのでしょう。神楽様は、姫様の許婚だと言うのに。
「神楽様はどうでも良いんです! 私は、姫様付き武官で・・・・」
私の立場で、他にどう答えろと?
王家の、歌鳥(うたどり)族の血筋を絶やさない為にも、御二方には子を成して頂かなくては参りませんし、
それを後押しするように動け、と命じられておりますのに。
「あ、船出してる。やっほー!」
2、3人乗りの小さな船が、里から離れた所に浮いているのを見つけて、アタシは大きく手を振った。
船に乗っている里人が、手を振り返してくれる。
そんなアタシに、白羽が呆れたようにため息をつくのがちらっと見えた。
何かを呟いたようにも見えるけど、結構遠いのよね。何を言ったのかまでは聞こえなかった。
この季節、微妙に風強いし、白羽、アタシの周りぐるぐる回ってるし。
確かに、アタシに併せて飛ぶのなら、スピードを落とすんじゃなくて、飛行距離稼ぐ方がやりやすそう。
・・・・考えたわね。
アタシは、久しぶりに感じる潮風を、いっぱいに翼に受ける。
羽根や髪の間をすり抜けていく風が気持ち良い。
後で、ちゃんと水浴びしないとガサガサになっちゃうんだけど。
でも、気持ち良い物は気持ち良いよね。
だから、侍女に嘆かれようが、白羽に怒られようが、アタシは気にしない。
「姫様、上!」
いつもは冷静な白羽が、アタシに対するお説教以外で慌てたような声を出す。
珍しい事もあるわねー、何て思いながら上を見上げたら、何か黒っぽいものが落ちてくるのが見えた。
「な、なななな何っ!?」
慌ててアタシは翼を閉じて落ちる。落ちてくる物との距離は変わらないけど、でもそれだけ。
「横へ!」
白羽の声に、閉じた翼を思い切り広げた。斜め下に、滑るように抜ける。
うん、実際には避け切れなかったみたいだけど。
頭の上に、細長い、箱? みたいな物が落ちてきたから。
頭に当たって、更に落ちていくその黒い箱を慌てて捕まえる。
白羽や戦鳥族みたいに、物をつかめる足じゃないから、太ももに挟んでだけど。
・・・・こらそこ、ハシタナイとか言わない。
目の前を、何とか避けた本体が落ちていく。濃紺の、見慣れない形の服を着たそれは・・・・。
「白羽、その人間捕まえて!」
姫様の周りを警戒しながら、ぎりぎり安定するくらいのスピードで空を翔けてみました。
やっぱり、姫様を追い越してしまいますね。ゆっくりと弧を描いてみたら、丁度良い感じになるのでしょうか。
あ、これは周りを見渡すのに都合が良いかも知れません。
王家の方々は、背の翼自体が小さいし、安定を保つには半分腕になっている翼を広げる必要があるんですよね。
飛ぶ時には、胸の前で腕を交差させるか何か持ち運ぶ私達戦鳥とは、大違いです。
ほら、飛んでる時にぶらぶらさせてると、みっともないじゃないですか?
上から何か、風切り音がしたような気がして、私は上を見上げました。
何やら、黒っぽい物が二つか三つ、落ちて来るのが見えます。
「姫様、上!」
私の声に、姫様が上を見上げ・・・・。落ちてどうすると言うのでしょうか。
落ちてくる物の真下から退けば良い話なのですが。
「横へ!」
今度は、姫様もその通りに動いてくださいました。
・・・・小さい物がぶつかってた気もしますが、飛び続けられているなら大丈夫かと存じます。
「白羽、その人捕まえて!」
ひ、人ですって?!
翼を一瞬たたんで、体をひねって強引に向きを換え、真っ直ぐに落下物の方へ向かいました。
確かに、人ですね。交易相手の猫のような耳も無く、私共隠れ里の住民のような翼も無い、奇妙な姿ですが。
姫様の命ですし、海面に叩きつけられる前に回収しましょうか。
多少手荒にはなりますが、網も何も用意して居ないのです。
・・・・まぁ、仕方御座いません、よね?
足元にぽっかりと穴が開いたような感覚がして、俺は唐突に、青の中に放り出された。
空の青と海の青、突き刺さるような冷たい暴風が、カバンを抱える俺の手を凍えさせる。
カバンの中に納まりきれなかったフルートのケースが、ぽろっと上に向かって落ちた。
いや、俺が逆さになってるのか・・・・って。
「何だってー!」
このままじゃ死ぬ。絶対死ぬ。つーか、人間いきなり空を飛ぶようには出来てねぇ!
落ちていく先に、鮮やかな黄色と白。
フルートにぶつかって、それでもキャッチしたらしい黄色と目が合った。
ひどくびっくりしたような青い目。
東欧系のグラビア誌からでも抜け出て来たような、
とびっきりの美少女の姿が強烈に脳裏に焼き付けられる。
背中に鳥みたいな翼があるとか、腕にも羽が生えてて腕広げて空飛んでるっぽいのは脇に置いとく。
最後に良いモン見れたかな、と思ったのもつかの間。
空に放り出された時みたいに唐突に、足首の辺りが痛くなる。
何ていったら良いのかわからないけど、締め付けられるような感じ?
「持ち物も!」
あっという間に通り過ぎた黄色い美少女が、やっぱり黄色い声で言った。
に、日本語?
「あぁ、これはいけませんね」
場違いな程穏やかなアルトが聞こえた。ぐるん、と景色がひっくり返った。
すっぽ抜けかけてたカバンが、あっさり宙を舞う。
すっと伸びて、カバンを捕まえる白い腕。先に鋭そうな鈎爪が生えている。
空中で強引に仰向けにされた俺の背中に、クッションのような物が当たる。
と思ったら、ベルトか何かの拘束具の類が、しっかりと俺の胴体を固定する。
それと同時に、足が自由になった。
再び、景色が反転する。真っ直ぐ前を見れば青い海。
腹の辺りを押さえてるベルトかと思ったのは、カバンを捕まえたのと同じ白い腕で、
ちょっと横を向けば同じく真っ白な翼が、音を立てて羽ばたいている。
「姫様、この状態では長く飛べません。帰りましょう」
耳元でアルトの声。
・・・・何が起こったんだか見当も付かないが、どうやら、ここは俺の知ってる日本、いや地球じゃ無いっぽい。
だって、地球には翼持ってて空飛ぶ人間なんて、居ないだろう?
以上、6レス。
主人公&ヒロインA&B。
読みにくかったらごめんなさい(´・ω・`)
今年は少ないなんてとんでもないじゃん
みんなすげえがんばってるじゃん
やるじゃん
>>読みにくかったら
前もってザッピングて書いててくれたからそうでもなかったよ
GJはエロいとこまで大切にとっとくから、まじで続きまってるから!
>>615 いつもながらGJでございます。
この二人はほんと、いいなぁと。
なんていうか、読んでる方も想像力……というか、妄想力をかきたてられます。
えっと、それから陛下じきじきのお褒めに預かり、光栄至極に存じます。
>>582は臣の妄想にてございますが、臣もまた盗聴、盗撮はなかなかの好物にございますれば、陛下より賜りし此度の話もまた、実に楽しませて頂きましてございます。
>>634 あ、なかなか新鮮なご主人様かも。
まだ導入だけなんで感想とまではいかないけど、もしかしたら、割とハーレム系になんのかなとか思いつつwktkしてまつ。
>>641 だねぇ。まあ自分のはともかくとしても、いろんな職人様の力作が並んだなぁと。
>>625 今更ですがGJ!個人的にツボでw
あと、絵に関するコメントありがとうございます。
期待通りの絵柄ではないかもしれませんが、当方頑張っては見たいと思います。
wikiかぁ……。
>>641 自分はつい最近ここにきたばかりだから去年は知らないけれど、
少なくても一人ひとりが頑張って作品を書いている雰囲気がひしひしと伝わってきます。
自分もかきたいなぁと思ってたけど、いつのまにか鳥は素敵な作風で始まっちゃったw
>>634 受験に「落ちた」と、あちらに「落ちた」をかけているのかな、その始まりがなんか好きだ。
自分も
>>642と同じく、明確なコメントは出来ませんが期待は膨らみます。
とりあえず本当に楽しみ。GJといえる雰囲気です。
644 :
ぺん:2006/05/09(火) 22:58:03 ID:BtjIIyzZ
だーめー! みんな帰って帰ってー!
見せてくださいな王女様! そう我が侭を仰らずに!
僅かに開いていた、かまくらの扉から聞こえてくる口論。
我が侭はあんた達だと思うのは気のせいか。
珍しい物見たさの野次馬と、我が宝とばかりに見せない小学生。
扉が閉まっていたときは、こんなざわめきが全く聞こえなかった。
このかまくら、思ったより防音性がすごいのか?
帰らなかったら怒るからね!
お、王女様! そうお怒りにならずに・・・。
うるさーい!
ひ、ひぃ・・・
僅かに開いていた、かまくらの扉から覗いてみる口論。
腕を振り上げ、大音量で叫んでいるお前が煩いと思うのは滑稽か。
海羽を限界まで引っ張り上げるフィルと、蜘蛛の子を散らす様子の野次馬共。
小学生が片手を上げた瞬間に野次馬は血相を変えて逃げていく。
何をそんなに脅えて・・・
『みんな帰ってー!』
フィルが叫ぶ。
天に掲げた手のひらから小さな、小さな氷が現れる。
それは次第に大きくなっていく。
涙目で逃げる女子供、怒り涙でマジ顔な小学生。
手のひらの氷はどんどん大きくなっていく。
バレーボールよりも、テレビよりも、雪だるまの胴体よりも。
最終的に、気球みたいになって・・・。
『帰れえー!!』
大きく振りかぶってー・・・。
フィル選手、投げたー!!
645 :
ぺん:2006/05/09(火) 22:58:33 ID:BtjIIyzZ
「ちょ、おま! 危ないだろ!」
そう叫んでも最早、後の祭り。
投げられた球、否、隕石と化した巨大な雹は目の前のご老人に向かってく。
大きさ故に弾丸の如し、とんでもないスピードで80m先に着弾する模様。
おばあちゃんは後ろを見ずに走っているので、隕石が迫っていることに気づいていない。
迫る隕石、嗚呼、もうあれは助からな・・・。
「まったく、方向指定もせずにただ力を使って。」
ぴたっ。
「・・・と、止まった? あのデ○スターが?」
心臓がバクバク、もう諦めかけた顔でつぶやいてみた。
止まってる、止まってるよおい。 あのデス○ターが止まってる。
それにさっき聞こえた声は何? 妙に優しい声だったが。
ピキ
しばらく凝視していると、隕石にヒビが入る。
ピキピキ
ヒビは隕石全域に広がっていく。
パリン、と小気味いい音を響かせて、巨大な雹は氷の霧と化した。
光が霧に乱反射して幻想の世界を作り出す。
霧の塊は風に揺らぎ、少しずつ空気中の水分へと昇華する。
ダイヤモンドダスト、宝石の霧と謳ったのはどの人か。
紅に、蒼に、翠に光り、霧は徐々に晴れていく。
その中心に、巨大な雹を砕いてくれたのが一人。
霧の中心、頭を抱えてうずくまる老人を背に
左手に握った真っ白な杖を地面の氷に突き刺し
右手はフィルがやったように天へ掲げ
こちらに向かって歩きながら
女神のような笑顔でにっこり笑う
不思議な練乳色のローブを着た大人の女性。
「あ、我が娘をはっけーん。 やっほー。」
フィルにそっくりな大人の女性がいた。
646 :
ぺん:2006/05/09(火) 22:59:33 ID:BtjIIyzZ
「風の噂で聞いたけど、まさかフィルがヒトを拾うなんてねー。」
「あたしの物だからね! 母様にはあげないんだからね!」
「けどぉー、猫とか他の国に売れば結構なお金になるわよぉー。」
「売らないし、あげないし、どこにもやらない!」
あの雹を砕いたのはフィルの母様、らしい。
現プンムグンム島第14代女王位、エルステッド・シェルン。
噂で俺を拾ったことを聞きつけ、忙しい政治からわざわざ来たとか。
かまくらの中央右、テーブルの上に細かい模様が入ったティーカップが3つ。
中身は紅茶と思いきや、6分目まで注がれたホットミルク。
いただきます、と程々に暖かいミルクを啜りながら横目でフィルの母親を見てみる。
女王シェルン、右手はまるでアフタヌーンティーを楽しむ貴族のような動作だが
左手はとても高価そうな杖を、まるで孫の手のように使い、ローブに埋まった背中を掻く。
つか何、あの軽いノリと、このギャップ。 霧の中から現れた時の威圧感が全く無いし。
端から見てると、少し怒り気味に夢を話す子供、それを軽く受け流す母親。
ニヤニヤしながら時折、こっちに向かって熱い視線を送ってるし。
「あのー・・・。」
「ん、なーに? オスヒト君。」
「オ、オスヒト・・・。 えと、さっきのはナンディスカ? いきなり氷が出て来たり。」
「あれは、あ、あたしがちょっと頭に血が上ってそれで・・・。」
「暴走を起こしかけたのよね。」
「はい・・・、ごめんなさい・・・。」
ぼ、暴走?
「この世界には魔法ってのがあって、私達ペンギン族はその系統を使えるの。」
「はぁ・・・。」
「で、ペンギン族は『動異魔法』。 まぁ簡単にいっちゃえば物を自由に動かせるってことね。」
「物を、自由に、動かす? 簡単に、というのは?」
「オスヒト君、いー質問。 動かすというより運動中物体のベクトルを強制的に指定するって事かしら。
『物質そのもの』に働きかけるんじゃなくて『移動する方向とエネルギー』を無理矢理にするの。」
「つ、つまりあたしが氷を出しちゃったのは、空気中水分を一点に集中させてしまったからです・・・。」
647 :
ぺん:2006/05/09(火) 23:00:05 ID:BtjIIyzZ
訳が分からない。
いきなり「魔法だ」とか「自由に動かせる」とか発言されても対応に困る。
た、確かにあの不可思議な現象はそれで立証し得るかもしれないけど・・・。
魔法だ何だと言われても信じられない、頭イカれてるんちゃうかと、このオバサンは。
「でねー、そこのオスヒト君。」
「は、はい?」
急に話を振られたからすっとんきょんな声を出してしまった。
「私達の力は、脳信号パルスを波に変換して自らの脳に伝えることも出来るのよ。」
「え、それはどういう・・・。」
「あの、あまりに単純な考えを続けていると、あ、あたし達にはそれが読めてしまって・・・。」
考えを、読む?
フィルは怯えながら俺の顔と、母様であるシェルンの顔を見比べる。
対するシェルンは、頬杖を突きながら笑顔で微笑むが・・・。
隊長、大変です! こめかみに怒りマークが見えます!
頭イカれてるんちゃうかと、このオバサンは。
このオバサンは
オバサン
「殺す。」
笑顔のままキル・コールをしないでください!
648 :
ぺん:2006/05/09(火) 23:00:38 ID:BtjIIyzZ
==
「じゃ、またくるからね〜。」
「母様、今日は本当にありがとう・・・。」
「オスヒト君も、ま・た・ね。」
「ひぃ! はいぃ!」
シェルンがまだ怒りの焔を灯しながらこっちを睨む。
かまくらの外、親子の別れの言葉を交わしていたのを、
僅かに開いた扉から盗み聞きしていた俺は縮こまった。
あの禁句(ときめた)を言った時、俺は光の速さで土下座をし、風の如くに頭を地面に垂れた。
ヒトの標本としてヒト氷柱花になるか、ここで赤いカーペットを染め上げるか
選ばさられたのを何とか許して貰ったが、まだお怒りのご様子。
「もうあんな暴走しちゃ、だーめーよ?」
「は、はい・・・。 気をつけます・・・。」
「そうそう、これあげるわねー。」
「これ、何ですか?」
「それはねー、ごにょごにょ・・・。」
母親が娘に耳打ちをしていて、俺には全く聞こえない。
耳打ちをしながらシェルンはローブの中から何かを取りだし、フィルに手渡した。
女王シェルンの海羽は、楽しそうに規則正しく揺れている。
対するフィル、最初は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
が、最後の言葉を聞いたときにびっくりしたらしく、
顔を真っ赤にさせながら手の内の物を凝視する。
その驚きようを見て、更に楽しそうな顔になった母親。
「後は頑張ってね〜。 さて、と・・・。」
そういうと、右手を広げ天に掲げ、威圧感が立ちこめた。
シェルンの海羽が風を纏う、空気の温度が下がる。
あまりの静けさに、耳が痛い。
数瞬、卵が割れたような音がした。
649 :
ぺん:2006/05/09(火) 23:01:09 ID:BtjIIyzZ
パリ
空気が震える
パリリ
空間が割れる
パリリ、パリ
女王の目の前に、人一人が入れる裂け目が出来た。
裂け目は時々、静電気が火花をあげてパリパリ鳴っている。
掲げていた右手を下げて、女王はその空間に飛び込む。
「またね〜。」
そういうと、裂け目が縫い合わされるように閉じていく。
中の女王は振り返らずに歩き続け、裂け目も消えていった。
見えるのは、ぽつんと立ちつくすフィルだけ。
俺は扉をそっと開け、一歩も動かない小学生に近づく。
「今の・・・、何なんだ?」
「大気を限界まで引っ張り上げて次元をねじ曲げ、別の場所へ移転させる動異魔法。」
特に感情も入れずに、じっと手を見つめながら機械のようにつぶやくフィル。
「転移・・・、つまりワープの事? ところで何でさっきから手の平ばかりを見てる?」
「! あ、あの! な、なんでもありません! ちょっと考え事に耽ってしまって・・・。」
さっと隠したけど、ちらっと見えたのはどうやら布袋。
ちゃぷん、と音がしたから水分のようだ。
フィルは貰った物を抱え、顔を真っ赤に赤らめながら駆け足でかまくらに戻る。
「お、おい・・・、ハッ!」
背後から視線を感じる。
そっと振り向くと、俺が居たかまくらとは別の、
一回り小さいかまくらから目だけが不気味にこっちを睨む。
しかも一人や二人じゃない、複数。
じー。
俺はその視線に怯み、フィルに続いてかまくらへ駆けていった。
===
650 :
ぺん:2006/05/09(火) 23:09:24 ID:BtjIIyzZ
>>640 ハジメマシテ
鳥ですが・・・情景描写がとても上手で尊敬します。
もうちょっと本、読みます(´・ω・`)
話を切って済みませんが、現在のスレ容量が468KBです。
そろそろ容量オーバーにご注意ください。
良くて後三本投下できそうだね
職人さん達がんばれ
うわーお、しばらく来ない間にエライ大量に投下されてる。
>>カナリヤ(仮)
主従おにゃのこって結構新機軸かも。
>>ピューマ
このおしどり夫婦はどこまで行くつもりでしょう。w
>>ぺん
女王様かーいーよ かーいーよ女王様
最近気づいてしまったこと。
……このスレ、別にエロがなくても問題ないよなぁ。
>『元の世界に帰る方法は知らないにゃ。知っていても絶対帰さないにゃあ……』
>なんて言われて押し倒され、エロエロどろどろ、けっこうラブラブ、
>時折ハートフルな毎日を過ごすことを強要される者もいるわけで……。
エロがない御主人様なんて落物世界じゃない
>>654 気づくべきは654がエロにいたるまでの
前振りに耐えられないってことじゃないか?
>>656 「エロがなくても問題ない」と「前フリに耐えられない」って、まるで正反対のように思うけど……
エロがなくても問題ないよな。こちむい0とか。
・・・・・・・だけど!だけどっ!!。・゚・(ノД`)・゚・。
うん。やっぱりベースはエロであって欲しいなw
いろいろ意見あると思うが書き手さんには「ふーん」ぐらいで聞き流して好きなように書いてもらいてぇ
へっ、どうにもいけねぇや
つい余計なおせっかいがつい口を突いちまう
ところで
>>3追加分はこれでよかったですかねぃ
30:タイトル不明 <◆vq263Gr.hw 7th-388 >
31:ペンギンの国 < ぺん 7th-459 >
32:こちむい番外 なぜなにこちむい < なぜこち(=あしたら=こちむい) 7th-499 >
33:タイトル未定・カナリア他 < ◆/oj0AhRKAw 7th-633 >
それとも連載、停滞で分けたりしてみましょうかねぃ?
>>660 キョータくんと獅子国のこと、ときどきでいいから(ry
だ、ダンナすまねぇ
平行世界ってもんをすっかり忘れてやした
作品群にもう含まれてるもんだと早合点・・・
29:獅子の国 < カモシカの人 7th-25 >
30:タイトル不明 <◆vq263Gr.hw 7th-388 >
31:ペンギンの国 < ぺん 7th-459 >
32:こちむい番外 なぜなにこちむい < なぜこち(=あしたら=こちむい) 7th-499 >
33:タイトル未定・カナリア他 < ◆/oj0AhRKAw 7th-633 >
エロは最初から無理していれようとするより、
書いていくうちにだんだん仲良くなってーがいいかなぁ。
それはそうと、トカゲはいけますか。
蛇行けたしな
海老行けたしな
蝸牛行けたしな
667 :
バキ:2006/05/12(金) 22:02:59 ID:hOzGh9JV
蟷螂戦れたしな
もう何処から突っ込んでいいものやら。
蜥蜴行けたしな
とりあえず蜥蜴と蛇が、外見上あまり変わらなさげに思えるところから
突っ込んでみよう
あ・・・・・・・・・ごめん(´;ω;`)
ラミア(っぽい蛇女王)のこと忘れてるぞ。
ついにご主人のバリエーションも小動物か…
リスとかかわいくね?
ふわふわの大きいしっぽで
すぐ頬袋にためるんだ
ハムスターはリスの仲間だよな…
テントウ虫、蜘蛛、蝉、ダニ、蝶、蜂ぐらいかな
話題に挙がってないのは。
全部小動物というより完璧虫じゃねえかorz
>とりあえず蜥蜴と蛇が、外見上あまり変わらなさげに思えるところから
突っ込んでみよう
あんまり変わらないのがネック。
尻尾がついてるだけの違いか。切れたら完全同じだし。
>リスとかかわいくね?
かわいいぞ。あまりのかわいさに餌やりすぎて丸くなりましたとも。
いや、知り合いのペットがな。
どうせ新しくやるなら虫がいいんだろうか。個人的に、
テントウ虫、蝶、蜂>女ご主人様
蜘蛛、蝉、ダニ>男ご主人様
なイメージがある。ありきたりすぎ?
猫耳テンプレ案(仮)をWikiに作ってみた
大体分かるだろ? 最近の更新、のところから見てくれ
好みあるかもだけど、特に
>>3あたりをいじったから意見欲しい
きつきつか・・・やっぱずれるよな?元に戻す?
wikiはどこだろうなんていえない
と、おもったら今までつながらなかった
>>2のURLにつながった
と、思ったらつながったりつながらなかったり
エロパラ板まとめに 俺とクゥ って題名で保存されていて変なテンションになりました
なんだかやる気が出ました!!
牛っていないの?
ってカモシカか…。
違うんだ、うしちちが見たいんだよ…orz
684 :
ペン:2006/05/14(日) 14:43:52 ID:/vG+uOd6
ルーターが物故我間詩他
しばらく投下できません
by携帯
>>684 だがこのスレには、HDがぶっ壊れたことにもめげずに、近くの漫画喫茶で書き下ろしてそのまま投下してた奴だっているw
ガンガレ。いろんな意味で。
>>683 さぞ見事な巨チチなんだろうな
母乳もついてくるのか、最高だ
>>686 そういえば、今までに出てきたご主人さまはひんぬー系が多い気がするなぁ。
>>686 乳牛の乳房がでかいのも、牛乳が出るのも、妊娠してるせいじゃなかったっけか?
ひんぬーなのは獣っ子=活発=ひんぬーだからじゃないかな?
もしくは獣=ひんぬー=獣っ子=ひんぬー
直リン・・・
S級の人か……。鳥肌立った……。
携帯だと見られないからPSPで他人の家から電波を拾っt(ry見れました
見聞録を思い出すけど違うような我儘と心苦しさ、これって恋?
>693
――逃げられない。そう、思った。
イラストにコメントとかしたことないから分からんけどこれからも描いてほしーと思った
それと
>>700あたりに次スレたのんでみよう
そっか、もう次スレの季節なんだな。
日曜日くらいには投下できるかな。
たぶん、こちむいの「ソラヤきゅん×ぼく」以来の「落ちもの×落ちもの」のエロになると思う(一応♂×♀)。
……それもこれも、こちむい氏が最初にいろんなエロの形を見せてくれたから、後発組が好き勝手やれるんだよなぁ、といまさらながらこちむい氏に感謝。
699 :
>>693:2006/05/16(火) 21:40:29 ID:MqjPYIuG
予想外で叩かれないのが驚きでなりません。みんなありがとう。
とりあえず初めて投稿させていただきました、S級のゔみっ様ですた。
本当はゔみっ様の使い魔のムカデも書きたくてググったんだが、
あんなの直視できませんでした。好きなのにな黒白ムカデ!
また次も頑張って書いてみたいと思います。よしなに。
>見聞録を思い出すけど違うような我儘と心苦しさ、これって恋?
描いていて彼を表現するのは難しいなぁ、と思いました。
とりあえずショタ猫は見下ろす構図が似合うと思います。
>>698 俺はてっきり
>>695は北方謙三だと思った……。
俺のSSで句読点と倒置法が増えたのはぜってーあの人のせいだw
>>696 ごめん、スレ立て失敗した。
>>699 いや、これなら叩く理由は全然ない。大まじでいい感じだと思う。
なあんてことだ……
大きな性欲をもてあます
アニメ うたわれるもの = このスレ で FA?
ネタバレになるからあまり言えんが全然違う
保管所の蛇の話5-1が消えてる気がするんだが
見聞録の人氏の狗国見聞録って停滞中か?
>>706 停滞中というか……昨年六月に避難所に書き込みがあって以降、書き込みがないのよ。
避難所ではいろいろ参考になる書き込みやアドバイスがあって、へたれ書き手としてはほんと助けられたんですけど。
昔の職人様はほんといなくなっちゃったねぇ……狐とか兎とか狼とか豹とか蛸とか。
自分より前からの書き手で残ってるのはこちむい氏、蛇の人さん、虎の子さんくらいのような。
スレは見てるけど書く時間がないです・・・orz
(注.見聞録の人氏ではないです)
次スレ立ったか。
では埋めるか。
512?それとも500?
711 :
706:2006/05/18(木) 22:32:21 ID:nii/vYAw
そうか・・・淫の事の続きが読みたいんだが・・・忙しいなら仕方ないけど・
712 :
706:2006/05/18(木) 22:33:47 ID:nii/vYAw
あげちまった、すまん
>>711 俺だって見たいよ('A`)
作者さんはネタが浮かばなくなったのかな、まさか事故にっ!
あっちの世界に落ちたという可能性も……
落ちるなら虎に…
ひとあにあ?
なんとなく
>>667見て思ったんだ
バキみたいに「全御主人様入場ッ!!」ネタを誰かやらないか
梅ついでにちょっとしたテンプレみたくさw
全作品入場!!
作者さんは生きていた!! リアルでは急がしいっぽいがちゃんとスレは覗いてた!!!
兎耳!! 十六夜賛歌だァ――――!!!
海の国の基本設定はすでに我々が完成している!!
海洋国家 魚の国だァ――――!!!
組みふせしだい絞りまくってやる!!
無脊椎動物代表 草原の潮騒だァッ!!!
素手の殴り合いなら我々の歴史がものを言う!!
素手の拳法 武侠物 獅子国伝奇!!!
真のネコ○○○を知らしめたい!! トトロタイプの御主人様 御主人様とぼくだァ!!!
ボクシングはヒットマンスタイルだがケンカなら25Lvの<脱水>だ!!
消防士の鉄拳 夜明けのジャガーだ!!!
前振りだけは完璧だ!! どの動物かも判らない 鏡明 共鳴!!!!
全性別のベスト・○。○スは私の中にある!!
TSの神様が来たッ scorpionfish!!!
レズ物なら絶対に敗けん!!
女同士の恋愛見せたる 初めての女性落ち物 火蓮と悠希だ!!!
バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!!
魔界のピュア・魔王 最高で最低の奴隷だ!!!
ヘビの国から二股のアレが登場だ!! 小ネタ 蛇!!!
ルールの無い稼ぎがしたいから密売組織になったのだ!!
青カンHを見せてやる!!ネコとまたたび!!!
メイドの土産が逆レ○プとはよく言ったもの!!
達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! 変則的小ネタ 流石家だ―――!!!
世界ヘヴィ級チャンプこそが地上最強の代名詞だ!!
まさかこの男がきてくれるとはッッ アイアン・マイケル!!!
埋めたいからここまできたッ 作者一切不定!!!!
スレ末の不定期連載 リレーだ!!!
オレたちはこのスレ最萌ではない獣耳で最萌なのだ!!
御存知ネコの国 ソラとケン!!!
ネコの本場は炬燵にある!! 蜜柑を剥いてくれる奴はいないのか!!
こたつでみかんだ!!!
(容量が)デカカァァァァァいッ説明不要!! 一気に8話!!! 微妙に未完結!!!
狗国見聞録だ!!!
ヒト奴隷は実用で使えてナンボのモン!!! 超実用SS!!
本家イヌの国からIBYDの登場だ!!!
畑の野菜はオレのもの 邪魔するやつは思いきり押し倒すだけ!!
畑荒らし統一王者 イノシシっこコネタ
自分を試しにこのスレへきたッ!!
人様から設定もらった シロクマの国!!!
ゼキ様に新たな設定をつけ ”調教もの?”狼モノ@辺境が帰ってきたァ!!!
今の自分に触角はないッッ!! 海の国から From A to B...!!!
中国四千年の閨房術が今ベールを脱ぐ!! 獅子の国から 獅子の国短編だ!!!
半年に一度だがオレはいまでも連載中だ!!
燃える戦国 放浪女王と銀輪の従者 ごくたまに登場だ!!!
寝かしつける仕事はどーしたッ 青春の炎 未だ消えずッ!!
二股も三股も思いのまま!! 不眠猫のお嬢様だ!!!
特に理由はないッ 猫耳に萌えるのは当たりまえ!!
フローラ様にはないしょだ!!! 借金取りも乱入!
なぜなにこちむい!! からだのヒミツ Tがきてくれた―――!!!
サバンナで磨いた健脚!!
最前線のデンジャラス・チーター 黄金の風〜出会い〜だ!!!
新人だったらこの人を外せない!! 超A級クマ―!!! 俺とクゥだ!!!
超一流萌え動物の超一流の擬人化だ!! 生で拝んで萌え死にやがれッ
南極のド天然!! ペンギンの国!!!
鳥の国設定はこの作品が完成させた!!
鳥の国の切り札!! タイトル未定・カナリア他だ!!!
超名作が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ
俺達は君を待っていたッッッこっちをむいてよ!! ご主人様&あした会えたらの登場だ――――――――ッ
あ、岩と森の国ものがたり入れ忘れたorz
獅子国二回も入れてんのにorz
×自分を試しにこのスレへきたッ!!
人様から設定もらった シロクマの国!!!
○レーマとHしに妹夫婦の家にきたッ!!
ツンデレ全スレチャンプ 岩と森の国ものがたり!!!
で一つ orz
アイアン・マイケル普通に混じっとるwww
めちゃめちゃGJだなぁ・・・すげえよあんたw
じゃあアイアン・マイケルをシュナたんにすれば完璧じゃね?
つーか、作品だけで32埋まるってすげーな。
>>723 ん、こんな感じか。
世界ヘヴィ級バカップルこそがおしどり夫婦の代名詞だ!!
まさかしているたびに覗かれてるとはッッ 木登りと朱いピューマ!!!
726 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 22:05:47 ID:lkMcuImx
チラシ裏
再開するか書き直すか検討中
>>727 ,、‐ ''"  ̄ ``'' ‐- 、
/イハ/レ:::/V\∧ド\
/::^'´::::::::::::i、::::::::::::::::::::::::::::\
‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ハ::|ヽ:::;、::::::::::::丶
/::::::::::::::/!i::/|/ ! ヾ リハ:|;!、:::::::l
/´7::::::::::〃|!/_,,、 ''"゛_^`''`‐ly:::ト
/|;ィ:::::N,、‐'゛_,,.\ ´''""'ヽ !;K 好きにすればいいと思うよ
! |ハト〈 ,r''"゛ , リイ)|
`y't ヽ' //
! ぃ、 、;:==ヲ 〃
`'' へ、 ` ‐ '゜ .イ
`i;、 / l
〉 ` ‐ ´ l`ヽ
/ ! レ' ヽ_
_,、‐7 i| i´ l `' ‐ 、_
,、-‐''"´ ノ,、-、 / 、,_ ,.、- {,ヘ '、_ `ヽ、_
/ i ,、イ ∨ l.j__,,、..-‐::-:;」,ハ、 '、` ‐、_ ,`ヽ
/ l ,、‐'´ // ',/!:::::::::;、--ァ' / `` ‐ `'7゛ ',
/ l i ´ く ';::::::l / / / ',
/ ! l \ ';:::l , ' / i/ ',
テスト
tp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/index.html
放置されているのがもったいないので書いた。
許可も取らずに書くのはヒトとしていけないことだと知っている。
後悔はしてない。
でも乙
埋めたほうが良いのかしら
埋めネタがあれば・・・
「逆転ホームラーン!変身改造ライカンスロープなんてどや?」
「どんなだそれは」
「それは逆転じゃありません」
「つまり、ヒトがイヌとかフローラ様に改造されて・・・・・・みんな死んでる」
「我が国の総力をあげてきみを改造した」
「ええっ!?」
「まずふたなりにして、次に各種粘膜と免疫系の強化。これによりあらゆるプレイに耐えられる」
「わあっ?なんか生えてる!」
「それからあらゆる感覚点を快楽中枢に繋げた。風が吹いても感じるだろう。そして体液の分泌量は通常の五倍だ。脱水症状には気を付けろ」
「ひゃあん!」
「最後にきみの性器から性フェロモンを常時分泌するように処置した。だから、私ももうたまらーん!!」
「きゃううん!!」
かくて生まれた改造人間は、今も所長のペットなのです。
(頼れる仲間は)みんな(目が)死んでる
リナ将軍はすぐどこにでもシールを貼るのさ
召使くんのあと風呂に入ると変なもの浮いているのさ
フローラママは鍵だらけ、どうしておまえに鍵がいる
ああ、エキセントリック幼女
マナ姉のアネキ また金借りにきた
でも言えない マナ姉には言えやしない
悲しくなるだけだから
埋めネタ。
>>348参照
英語が怪しいのはご愛嬌という事で。
"Sky Forever"
Stage Title & BOSS Name
1st
Beyond The Blue
"Sunctuary Guard"
2nd
Under Crimson
"Hecatonchires"
3rd
Fling Clouds
"Leviathan"
4th
Artificial Moon
The Evidence "Pinion Black"
5th
Silver Bullet Discharger
"Hecatonchires II"
6th
TLtTLoTD.
"Ancient Fall"
7th/A
Storm
"Their Land"
7th/B
Their Land
"Storm"
せっかくだから、漢字で纏めてみた方も。
ツッコミお待ちしております。
壱/彼方・守[カミ]
弐/夕緋・八岐[ヤマタ]
参/曇天・五十頭[イガシラ]
肆/戯月[ザレツキ]・褄黒[ツマグロ]
伍/銀槍・五十魂[イガシラ]
陸/黄泉路・祖鉄[オヤガネ]
漆-甲/嵐・彼方[カナタ]
漆-乙/彼方・嵐[アラシ]
ではまた何れ。
言い忘れ。
狗国の人とヘビの人には最大級の感謝を。
激痛
だが、それがいい。
この感覚は痛いというより「痒い」だな。
745 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 12:57:54 ID:tRsgtLzc
思いつき。ネタのみ。誰か活用してくれるが吉。
内容 ご主人様がチスイコウモリのエッジプレイ。
ご主人様満腹かつ性欲満たせて大満足。奴隷さんいつも貧血気味。
設定(誰か蝙蝠の設定書いていたら申し訳ない)
コウモリ
・一昔前のジプシーみたいなもの。基本は流浪の民。その代わり、諸国に点在しているので情報網はすごい。
・普通の会話も出来るが超音波による会話も可能。今のところ、魔法をもってしてもその超音波を聞き取ることは不可能。
・諜報員などにもよく用いられるが、便利な反面使い捨てられる。つまりその能力ゆえ種族レベルで信用されてない。(切れすぎる鋏は逆に危険、という感じ)
・目は見えなくもないが、退化しているのかド近眼。超音波による補助もできるが、街中では危ない(←後に記述)ので種族全体で眼鏡は必需品。
・街中で超音波を使えない理由。それはつまりHzが高すぎるから。超音波のみでは無害なのだが、その高すぎる振動に空気中の微粒子が反応、窓ガラスが割れたり下手したら人体切断もあり。
よって街中での使用は極力控えている。また、戦争でその能力が使われ、大惨事(敵味方まとめてすっぱり)が起こったことがあり、疎まれる一因。
・姿はハーピーに似た感じ。羽根は皮膜。下半身の毛は無し。羽根には産毛が生えてはいる。というか、Blood(Blood+)の翼手の羽根みたいな感じ。
男性の場合、顔から続く感じに上半身に毛がある。女性の場合、コウモリ耳がヒトと同じ所についている
・寿命はヒトに近く、120年くらい。
キャラ
奴隷(名前未定、一人称ぼく、男)
ノーマルな人。未成年。そのくらいしか決まってないので。
ご主人様(名前未定、一人称私、女)
S気質な人。Sと少しSっぽいの中間。胸は普通。上と同じく。
参考 エッジプレイとは。相手の体に剃刀で薄く傷をつけて、出てくる血を舐めながらヤるというSMプレイ。
チラシ裏
ようやく半分
これからだ 触手はスライムはこれからだ