【濱中アイ】氏家ト全総合 14時間目【妹は思春期】

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1名無しさん@ピンキー
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【濱中アイ】氏家ト全総合 12時間目【妹は思春期】
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【濱中アイ】氏家ト全総合 11時間目【妹は思春期】
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【濱中アイ】氏家ト全総合 10時間目【妹は思春期】
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【濱中アイ】氏家ト全総合 9時間目【妹は思春期】
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【妹】氏家ト全総合 8時間目【濱中アイ】
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【濱中アイ】氏家ト全総合 7時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1120910446/
【濱中アイ】氏家ト全総合 6時間目【思春期】
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【女子大生】氏家ト全総合 5時間目【思春期】
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【家庭教師】氏家ト全総合 4時間目【思春期】
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【カテキョ】氏家ト全総合 3時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1109699736/
【濱中】氏家ト全総合 2時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1106563195/
家 庭 教 師 濱 中 ア イ
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古田氏作のSS保管庫
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【お願い】
作品の投下は以下のようにしてくれると助かります。
(1).投下します宣言
(2).本編投下
(3).ここまでです宣言

また、作品のタイトルは上記の(1)、(3)のどちらでも良いのですが、
1行独占で書いてくれると助かります。本文に紛れると見落としてしまうことがあるので。
↓こんな感じ
タイトル:「?????」
名前欄はこれまで通り作家さんのコテでよいです。
2名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 16:05:44 ID:wZrUSLiq
test
3名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 16:14:27 ID:SodL6c+X
乙!
4名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 16:55:08 ID:GMRbruo5
>>1
乙パイ
5名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 17:49:00 ID:d8i9wAMt
乙でございます
6160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 18:59:21 ID:z6j2Cz3y
160です。 スレ立て人様、乙でした。
久しぶりに一本投下させていただきます。
前作と微妙にリンクしてる世界設定ですので拙作【少女と偏愛の行く末】をお読み頂いていると、
ちょっとだけ幸せになれるかもです。 ま、内容は「またかよ」みたいなノリですが。

題名は「あなたをハグハグ」とでも。
7160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:00:09 ID:z6j2Cz3y
その脱線は唐突に訪れた。

「マ〜サヒコくんっVvvVv♪」
いつもの面子とアヤナを加えた勉強会の中休み中、急に何かを思いついたかのように、アイがトテトテと
マサヒコの後ろに歩いて回り、その背中に抱きついたのだ。
ハグハグ…ハグハグハグ…
「ちょ? アイ先生!?」
予期せぬアイの行動と、背中へ感じる男子中学生には羨ましすぎる感触に、困惑の声を上げるマサヒコ。
「ん〜? なんか違うのかな? それともやっぱりマサヒコ君は満たされてるのかな?」
ハグハグ…ハグハグ…
なおもマサヒコを離さぬアイの動きに興奮したミサキが抗議の声を上げる。
「はっ、はまっ、濱中先生っ! マサちゃんに何してるんですかっ!!!!!」
猛然と立ち上がり、アイとハグハグされるままのマサヒコの方に向かうミサキ。
これまでにもアイのマサヒコに対する、親愛の情や世話焼きに少なからずジェラシーを感じてきたミサキだが
いくらなんでもこんな行為を見逃すことはできない。 
「わ〜小久保君、いいなぁ〜」
「ちょっと! これは風紀が乱れそうなんじゃないのっ!?」
リンコやアヤナの声を背にしてマサヒコの背中からアイを引き剥がそうとするミサキに、アイは特に抵抗する
ようなこともなく、マサヒコの体に回していた腕を解き、申し訳なさそうにペロリと舌を少し出した。
「ごめんね、ミサキちゃん。 マサヒコ君使っちゃって」
「え? 使う? じ、じゃなくって! ま、マサ君は関係なくて、勉強中にそんな卑猥なことをしないで下さいっ!」
しどろもどろな抗議をするミサキにマサヒコを除く、他の面子が少しニヤリとした。
「あっはっはっ〜! アイ、あんた、マサは犬じゃないんだからハギングなんかしてどうすんのよ」
「あ〜。 私もナナコが良い子にしてると、ぎゅーって抱きしめちゃう。 そうするとナナコとっても嬉しそうで…」
笑うリョーコやリンコにアイが慌てて反論を始めた。
「ちっ、違いますよ〜、先輩! 小さい子供の情操教育には抱きしめてあげたりとかチューしてあげたりするのが
良いって言うし、マサヒコ君、最近頑張っているから…」
「俺は犬でも小さな子供でもないんだけど…」
結局アイの気まぐれに翻弄されただけなのかと、ため息をつくマサヒコ。 つーか、マジで勉強してくれよこの人は。
などと思ってしまう。
「でも最近確かにそう言ったスキンシップの重要性って言うのが叫ばれてますね。 小久保君には思いっきり不要
だと思いますが」
さすがに保母さん志望らしくまともな意見を口にするアヤナ。 後半にマサヒコへの皮肉ととれる言葉が入るの
は不可抗力でマサヒコとスキンシップしまくりなのが原因かもしれない。
8160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:00:41 ID:z6j2Cz3y
「そうね…、よし。 決めた!」
少しの間、考えているような表情をしていたリョーコが突然声を上げる。
「「「「「??」」」」」
「確かにハグとかのスキンシップは女にとっては将来重要だわ!」
いきなりその場で立ち上がり拳を握って話し始めるリョーコにマサヒコが心底嫌そうな顔を浮かべ始める。 
この状態のメガネから生まれる事態がロクでもないことでしかないことが分りきっているからだ。
「そこで!」
「「「「「そ、そこで?」」」」」(ゴクリ)
「第1回! 愛のハグハグ大会〜! ドンドンドンドンドン! パフパフゥ〜♪」
リョーコの言葉に、激しくズッコケて目立たない場所で痙攣し始めた少女が一人いるが、一応見なかった事にしておく。
「愛の?」
「ハグハグ?」
「大会?」
「ドンドンパフパフゥ〜?」
最後のリンコの問い返しに転がったままビクゥッ!と大きく震える先程の少女……は、見なくて…いや…、見ないでやって。
「お、お姉様? それは一体どんな大会なんですか?」
「アヤナ。 あたし達はね、いつか結婚することになるの。 当然子供も生まれるだろうし、若いうちにスキンシップを
練習しておくのは悪いことではないわ」
慈母のような微笑みを浮かべるリョーコと中村時空に引き込まれ始める5人。 と言うか、いい加減学習したほうがいい。
「そこで…ここにいるマサを相手に」
「ちょ!? 何で俺の名前・・・?」
「アタシを除く4人が、順番にハグをしていって……、誰のハグが一番良かったかをマサが決める。 アタシがもし参加
したらマサなんて、受験失敗しちゃうのは目に見えてるから、進行役で参加するわ」
そうですか、マサヒコの抗議は無視ですか。 と言うか、このメガネ、完全に面白がってるだけだ・・・。
「なっ! お姉様!? なんで小久保君って言うか…男子なんかに!」
「あのね、アヤナ。 貴方は保母さん志望よね? おまけに来年はアメリカよね? ハグに慣れておかないと・・・」
「あ…」
リョーコの言わんとしていることにグラついたアヤナへさらに耳元で囁きとどめの一撃が加えられる。
「ミサキちゃんと色々勝負してきたようだけど、これならアンタ……、多分勝てるんじゃないの?」
「……? …そうですわねっ! 保母さんですからっ!…アフリカですからねっ! お姉様最高!」
即座に自分の総合的な魅力であればミサキに高確率で勝てそうだ、と興奮し最早、自分が来春に旅立たなくては
ならない場所すら正しく言えなくなっているアヤナ。 こんな少女にパスポートを発給するのはあまりに危険だ…。
こうして障害が取り除かれた。
他の面子を見てみると、リンコは単純に楽しそうなイベントだと既に乗り気そうで、アイは『そうよね…、マサヒコ君と私の
仲だもの…』などとブツブツ言っており、少し顔を紅潮させながらモジモジしている。
ミサキは………と見ると既にエヘラエヘラしており、口の横から唾液が垂れ『エヘヘ…マ、まさchあnと…抱き…牛…』
あ…ダメだ、この娘…。 人として…。 
9160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:02:36 ID:z6j2Cz3y
部屋の中に澱み始めた嫌な空気を敏感に察知したマサヒコが最後の抵抗を試みる。
「ちょ…!」
「「「「なに!?」」」」
リョーコを除く女性陣のあまりの剣幕に、両目から涙が溢れるのを止める事が出来ないマサヒコ。 
そういえば子供の頃アニメで見た悲しい最終回でもこんなことが…。
「まあ、マサにはさ。 優勝者が来週発売の例のゲームだっけ? あれ行列してあげるわ」
来週の土曜日に発売される予定のゲームの長い長い行列を回避できる、と聞いたマサヒコはそれでも、釈然としない
ものがありながらあきらめの早い典型的現代っ子として、そして他の女性陣に今すぐ恐ろしい目に合わされることを恐れ
大会に参加することになった。

「それじゃルールを説明するわ。 コラ、マサ。 アンタも涙流してないでちゃんと聞け」
「「「「ハイ!!」」」」
「……」
一人を除いた元気の良い返事にリョーコがとくとくと始めた説明によるとルールの概要は、以下のようなものであった。
1.制限時間は一人5分
2.マサヒコに好きな姿勢を要求できる(卑猥な姿勢禁止)
3.前から後ろからどっちでも
4.トークおk
5.マサヒコもきちんと相手に腕を回す事(変なところ触るの禁止)
6.脱衣禁止
7.男女、同性間における愛を語らう事なかれ
8.器具および薬物ならびに銃砲刀剣類の使用禁止

「あの…? 何かあからさまに変な条件が二、三入ってるようなんだけど?」
当然と言えるマサヒコの疑問にも平然としているリョーコ。
「ふ…、これはね。 アメリカで広く行われているハギング大会での公式ルールなのよ。 だから日本人が聞くとおかしい
ところもあるかもしれないけど、きちんとしたルールの存在は必要でしょ?」
「「「「「ル、ルール!?」」」」」
本当なのだろうか? そんな大会があるなどリョーコ以外の誰もが聞いたこともない。
「全く、アンタたちは…。 ゲームだの、どこそこのケーキが美味しいだの、バストアップに効く体操だの…。 そんな事
ばかりに関心を向けていちゃダメよ? 1960年代後半だったかな? ベトナム戦争とかで精神的に荒んだアメリカに
おいて母性愛の復活と、それによる平和を目指してワイオミング州の田舎町で行われていたローカルな大会が、
全米で脚光を浴びたのよ…。 この大会が全米に広がりかけた頃、USoAHA(アメリカ合衆国ハグ協会)が設立されて
公式ルールが生まれたってワケ。 で、ほら。 アメリカ人のやる事だから、ゲイ行為に使われたりとか淫らな目的に悪用
されないように、一見変な項目があるのよ」
スラスラと説明するリョーコ。
10160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:03:41 ID:z6j2Cz3y
「へー、そうなんですか。 先輩、やっぱり物知りですね〜」
「お姉様、さすがです!」
「わーい。 ハグハグしちゃいますよー」
「そんな大会にもちゃんと公式ルールなんてものがあるのが、アメリカらしいって言うんでしょうか? 面白いですね」
そしてコロリと騙されている人たち。 人のウソと言うものは意外とばれるものだが、リョーコのはウソと言うより
四月一日の類に属する「ホラ」である。 日々の食事を取るかのように法螺を吹く女、リョーコ。 人はこういう法螺には、
真贋入り交じった精神状態になってしまい、逆にバレにくい。
後日、渡米したアヤナがこの話をハイスクールのショーン・コネリーみたいな先生に授業中、聞いてみたところ一瞬、
教室が静まり返り…
「いかにも…ウホン! 我が合衆国民が大真面目な顔をしてやりそうな事だ! だがアヤナ…、実に残念だが…。
それは担がれた…としか言い様がないな。 よし、それなら今度ボクがキミをハグしてあげよう! HAHAHA!」
「なっ!? けけけ結構ですっ!」
と教室中に大笑いの種を提供するハメになったのは、また別の話である。
リョーコの法螺にすっかり騙された面子は期待と不安を入り交じらせ、即席で作ったくじ引きでハグをしていく順番を決め、
結局… 1、リンコ 2、アイ 3、アヤナ 4、ミサキの順となり、早速競技が開始される事になった。
11160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:04:39 ID:z6j2Cz3y
1、的山リンコ
『小久保君  小久保君はいい人です。 多分男子の中では一番好きかな? 優しいし、私が変なことをポロリと言っちゃっても
からかったりしないし。 クラスの中にいる(リンコタソハァハァ)とか話している男子はちょっとキモいです。 私の事が好きなら
普通に話しかけてくれれば良いのに。 ミサキちゃんは小久保君の事が昔から好きみたいで、小久保君の話になるとハッキリ
言って、変な人にしか見えません。 ゆがんだあいじょうはいつかみをほろぼすとおもいます。 アヤナちゃんも多分、小久保
君が好きなんだと思います。 でもアヤナちゃんはツンデレじゃなくてツンツンなので、小久保君に怖がられているようです。
アヤナちゃんはデレの使い方を知らないみたいです。 はっきりいってこのまましんてんしないとおもいます。 アイ先生も
(弟みたいな)とか言ってますが小久保君の事が好きなようです。 この人の心の闇はミサキちゃんより深いと思います。
どうやら立場的にハッキリと行動に出られないので、心の中に色々な感情がドス黒く渦巻いてしまっているようです。
わたしはこどもでよかったなとおもいます。 でもやっぱり男子とお付き合いとかするんだったら小久保君がいいです。
小久保君、誰か好きな人とかいるのかなー?』(的山リンコ 2005年日記 11月×日分より抜粋)

「じゃー小久保君。 こっち向いて♪」
「あ、ああ…」
考えてみれば年頃の男女が抱き合うなどと言うのは、卑猥な行為に他ならないのだが、トップバッターがこういう能天気な
人物だと弾みがつく。
「それっ!」
「「「「おおっ」」」」
未だ少し戸惑っているマサヒコに正面からいきなり抱きつくリンコ。 その勢いの良さに他の3人の挑戦者が感嘆の声を上げる。
「あ、小久保君。 なんかこれ気持ち良いかも…」
背も伸びたマサヒコより頭半分低いリンコは早速、マサヒコの首から胸元あたりまで頬をスリスリし始める。
「おい、ちょっと的山…?」
なんかこれではマサヒコがリンコにハギングしてやっているようじゃないか。
「むー、小久保君もちゃんと腕回すの!」
その声に仕方なくリンコの背中に腕を回すマサヒコ。 その瞬間にミサキ、アイ、アヤナの目つきが変化する。 羨望と苛立ちと
小さな怒りが複雑に入り交じっているようだ。
(ずるい!的山さん。 自分のキャラを活かしているわね。 私はあんな態度を男子にとる事はできない…)
自らのキャラをよく判っているアヤナ。
(ふふっ。 リンコちゃんったら。 でも、私とマサヒコ君の仲なら…)
だからその『私とマサヒコ君の仲なら』って言うのは何なんだよ。 と言うアイ。
(わ、私だってマサちゃんとあんな事してみたいっ! そ、そそそれだけじゃなくって…ウヘヘ)
とりあえず落ち着けミサキ。 順番はきちんと回すから。
12160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:05:24 ID:z6j2Cz3y
一方マサヒコはさすがにドキドキ感を隠す事ができそうになかった。 何しろ同世代の女の子と抱き合うなんて経験はさすがに
皆無だし、そのマサヒコのファーストハグの相手はクラスの男子間でも可愛さと性格の良さで評判の曰く…『猫耳本気メガネ少女』
または『いけない!リンコちゃん』若しくは『ごくあく☆いやしけい』ならびに『ナチュラルボマー』の的山リンコなのだ。
なんて言うのだろうか? クラスの野郎共とふざけて相撲を取ったり(取るのかよ)するときに感じる、感触とは全く違うこの感じ。
さすがに貧弱としか形容し難い体格なので全体的に硬さはあるのだが、所々柔らかさがあり男子とは全然違う…。
そ、それに的山さん? 貧乳という話でしたが、俺の胸板に感じるこの二つの微かな感触は間違いなく、む、むむ胸ですよね?
マサヒコが変な妄想に走り始めようとした頃、続いての攻撃がマサヒコに加えられる。
それまで完全に密着していた上半身を少し離し、上目遣いでマサヒコを見つめるリンコ。
「えへへ♪ なんかこんな風にしてるとさすがに恥ずかしいよね」
好奇心満々だけどちょっと恥ずかしさの入った瞳で上目遣いにリンコに見つめられたマサヒコ。
どうしたものかと思ったその瞬間、マサヒコの目に飛び込んできたのは、それはそれは目に毒な光景だった。
季節は12月に入ったばかり。 冬にしてそれは無いだろうと言う的山の襟元の深いロングスリーブな格好。
でもって自分の位置からリンコを見下ろすと…、少し体から余った服の胸元に、た、谷間と言うにはあまりになだらかな、
でも両側にはきちんと膨らみがあって、そそっそそその先には…。 残念…そこまでは見えないようだ。
「…? 小久保君、どうしたのー? やっぱり貧乳なワタシに抱きつかれても嬉しくない?」
「い、いや、問題はそこじゃなくて…」
なんでこんなに的山の瞳はウソが無いのだろうか? 逆に言えば見つめられたら何でも喋ってしまいそうな、その小さなメガネ越しの
無垢な瞳。 それになんかいい香りが…。 お日様をたっぷり浴びた『ミルクみたいな』香りがする娘っているのか!
思わず『的山っ!』とか言って、リンコを抱きしめてしまいそうになるマサヒコに更に一撃が加えられる。
「そうだっ! 小久保君に抱っこしてもらったときの格好!」
ちょっと待て、これはハギングの大会で…。 能天気がトップバッターだと弾みは付くが、また脱線の度合いも激しくなる。 と言うのが
実証される。
13160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:06:01 ID:z6j2Cz3y
リンコは『ぴょむっ』っと、ぅι"ぃぇ風に擬音を響かせマサヒコに飛びついた。
飛びつかれて思わず的山を床に落とす事を避けようと、マサヒコが腕を回したところは、もろにリンコの控えめなお尻のあたりで
手のひらが完全にそこを包み込むような形になっている。
「ちょ、的山?」
「うーん。 大会とかはどうでもいいかも♪ コンタクト壊しちゃった時…、これで家まで送ってもらったよね」
マサヒコの首に両手を回し、マサヒコを見つめながらのリンコ発言にリョーコを除く他の女性陣の目が禍々しく光を放つ。
((なにそれ? あの二人って?))
アイとアヤナに軽いショックが走る。 そんな事になって(あっ)たとは初耳だ。
(ななな、あの後二人ってば、そんな事になっていたの!? チクショー!)
キュッと拳を握り締めるミサキ。
「おい、的山…。 それマズいよ」
「ん〜。 ちょっと収まりが悪いかな?」
などと言いつつ、マサヒコの微妙なところに密着している腰を振り始める。
これはヤバい。 ひ、ひぢょうにヤバい。 そんな事されたら俺の分身が…。
「うん、やっぱりなんか安心するー。 またこの格好で家まで送ってね。 小久保君?」
「あ、ああ…」
って思わず、お、俺は何を言ってるンだー。
マサヒコの発言に『禍々しい』から『肉食獣』のような瞳に変わった、アイ、アヤナ、ミサキの怒りがついに爆発かと思われた瞬間、
進行役のリョーコの声が響いた。
「はい、そこまでー」  
「エへへー。 楽しかったね小久保君。 今度は二人きりでやろうね♪」
「勘弁してくれ…」
自分の背中からヒシヒシと伝わってくる殺気と闘気に気圧されたマサヒコは、惜しいかなと思いながら、そう返答する事しかできなかった。
どっちにしろ、この大会が終わったら俺、ボコられるんだろうな〜。 と思いつつ・・・。
14160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:06:43 ID:z6j2Cz3y
2、濱中アイ
『マサヒコ君とはもう結構長い付き合いです。 最初は私の意気込みが空回りしたり、マサヒコ君の反応の無さに戸惑ったりもした
けれど今ではすっかり打ち解けて、本当に可愛い弟のような存在です。 そんなマサヒコ君だけど、来年の春にはもう高校生。
出会ったばかりの頃と違って、体も大きくなってきたし。 なんて言うか少し頼りがいが出てきたかのようです。
これも私の指導によるものなのかしら・・・ナンチャッテvVVVvvV  とにかくマサヒコ君が高校生になったとしても、何らかの形で彼に
関わって行きたいな、なんて思っている私は、イケナイ先生なのでしょうか? でも…、もし、もし、マサヒコ君と今後も良い関係で
お付き合いできたら、それはとてもとても素晴らしいことだと思うのであります(キャー☆) 別にマサヒコ君の事を男性として見ている
訳ではありません! 彼がミサキちゃんとお付き合いしたりするならそれはそれで構わないし(本当です!)、何たって彼は私の
可愛い可愛い弟のような存在なのですから…。 先輩は私の事をショタコンだと言いますが、それは違うのです。 しつこいですが
私は本当にマサヒコ君の事を弟として……すいません。 今日はもう寝ます』(濱中アイ 2005年カテキョ日誌 11月○日分より抜粋)

と、どこからどう見ても、変な人です。 と言う妄想日記を毎日書き連ねている小久保マサヒコの家庭教師、濱中アイは今、思う存分
マサヒコにハギングしていた。 そう、他の誰がなんと言おうとこれはハグなのです!
正面から軽く腕をマサヒコの首に回して髪と髪が触れ合う感触を楽しんだり、逆に力強く抱きしめて、線は細いけど逞しさも出てきた
マサヒコの体の硬さをしっとりと味わったり、後ろから抱き付いて背中に頬擦りしてみたり、ちょっと大胆だが自分の胸元にマサヒコ
の顔を埋めさせ、そのドギマギしたりする反応を楽しんでみたりとか、もうやりたい放題である。 白々しくも『マサヒコ君、テスト頑
張ったね〜』などと言いながらの行為なので、他の面子も文句を言うことが出来ない。 と言うか、ドン引きしていた…。
(アイ先生、あんな感じになっちゃうんだ…)
(ちょちょちょっと、これは卑猥に見えるかしら…)
(あー、アイ先生いいなあ。 私もあんな風にすれば良かった)
(全く、あの娘は何やってるのよ。 バカ丸出しじゃない)

やっぱりマサヒコ君は素晴らしい! この感触! この手触り! あああ〜、もうこのまま自分のマンションに連れて帰って、すぐに
二人で生活したい! でも、でも、男女間のホニャララとかって言うんじゃなくって、いつもマサヒコ君が隣に居る感じっていうの?
再来年だろうか、就職した自分が慣れない職場に疲れて家に帰ってくると『あ、先生お帰り〜。 メシ出来てますよ』みたいな?
でもって、でもって、流石にお風呂は一緒に入らないけど、一緒にお布団の中で今日あった事とか、話したりして。 うんうん。
二人ともパジャマも着ないの! 裸で乳繰り合う…、じゃなくって、ただただその肌触りを楽しむだけで、セ、セセセックスとか
そう言うんじゃないの!
はっきり言ってタダの変態さんである。 この人。 つか、マサヒコどうこうじゃなくて小型犬でも飼ったほうがいいんじゃないだろうか?
15160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:07:30 ID:z6j2Cz3y
そしてアイにハグされているマサヒコも間違いなく、初めての感触に感動を覚えていた。
(う…、的山はあれはあれで良かったけど、アイ先生は全然違う…。 やっぱり大人の女性って言うのかな。 硬さが無くってふにふに
かつポヨポヨしてて、うーん、…大福に抱きつかれている感じ?)
思わず自分も、アイの背中に回している腕に力をいれてしまいそうだ。 何というか、自分におっとりとした優しい姉さんがいたらこんな
感じなのだろうか。 漂ってくる香りも的山とは違う。 的山のそれがお日様を浴びた地球の香りだとしたら、アイの香りはお月様の
香りと言うのだろうか? 両方とも太陽に関係する香りなんだけど、的山の直接的な香りとは違いあくまで控えめな、でもしっかりと
自分の存在を主張するかのような…。 これ、別に香水とか付けてる訳じゃないよな? 
そんな事をらちも無く思っているマサヒコと、自分の頬とマサヒコの頬をすり合わせていたアイが少し顔を離し、視線と視線が絡み
合った。
「マサヒコ…くぅん…」
とろん、としたような。 でもマサヒコのことをしっかりと見つめているアイの視線にマサヒコの声は裏返ってしまう。
「は、はひっ」
「受験頑張ってね…。 私も一所懸命頑張るから…」
「ア、アイ先生…」
「受験…合格したら…その時は私…」
「そ、その時は…?」
部屋の中にゴ、ゴクリ・・・と言う息を呑む音がした瞬間『スパコーン!!!』と言う大きな音がマサヒコの部屋に轟いた。
リョーコがいつの間にか作成していたハリセンでアイの頭を引っ叩いたのだ。
「う?うあ…? あれ?私・・・?」
ハリセンによる刺激に意識が戻ったアイ。
「はい、そこまでー。 って言うかアイ。 アンタ私が止めてあげた事に感謝しなさい?」
このままリョーコが止めなかったら、多分アイはマサヒコに言ってはならないことを言ってしまったかも知れない。
「全く、アンタ達は…。 リン、アイ? これはハグの大会だって言ってるのに、アンタ達は何もかも間違えてるわね」
「私は別にいいで〜す♪ 小久保君の感触を楽しめたし」
「すっ、すいません。 大会だと思うと、つ、つい熱くなっちゃって」
その後ろではアヤナとミサキがマサヒコにジト目で嫌な感情の混じり合った視線を向けていた。
(小久保君ったら! 去年の合宿のとき、私と一緒の布団で寝ていたのに気づいた時と全然違う!! あの時だって
そ、そその、だだ抱き合って寝ちゃっていたって言うのに…。 やっぱり大人の女性の方が良いって言うの!?)
(マ、マサちゃぁん! なんで濱中先生相手であんなになっちゃうの? これはもうマサちゃんを殺して私も…)
と、目で言っているかのような二人にマサヒコは、視線を合わせないようにして空々しく音の出ない口笛を吹いて
誤魔化そうとしていたが(あ〜、これはもうボコられるの決定ですね、俺? あまり痛くないといいな〜)などと、男子中学生には
羨ましすぎる体験の代償を払わなくてはいけなさそうな成り行きに身震いが止まらなかった。
16160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:08:26 ID:z6j2Cz3y
3、若田部アヤナ
『小久保君? どうして貴方はそう私の事をひどく悩ませるのかしら? 貴方と行動しているとどうしても調子が狂ってしまう。
知的で大人びた雰囲気な少女。 と言う私のイメージを保つ事ができないのよ。 別に貴方のことを好きだとかそういうんじゃない。
ただ単にハプニングで色々と密着したりしてしまったけれど、それで貴方をどうこうと言う感情はないのよ。 …でも、小久保君は
他の男子とは確かに違う。 クラスの男子の私に対する態度は二つに分かれている。 ひとつは女に舐められてたまるかって言う
子供みたいな感情から私に対し尊大に振舞おうとする人たち。 そして私の事を女王様みたいに仕立て上げ、やたらと下手に
出てくる人たち。 そのどちらの人たちも私は嫌い。 その感情の下には私の胸に対する卑猥な感情が滲み出ているから。
まあ、そう言う人たちは逆に扱いやすいんだけど小久保君は違う。 朝、出会ったとしてもあくまで自然に「よっ、若田部。 おはよう」
なんて気軽に声を掛けてくるのは彼だけ。 そしてそんな彼との会話が、最近少し楽しくなってきている…。 これは別に貴方の
事が好きだとかそう言うんじゃないんだから…』(若田部アヤナ 2005年随筆帳 11月△日分より抜粋)

「別にっ! 貴方がどうとかって言うんじゃないんだから! お姉様が言うから貴方にだだ抱きつくんだからねっ! 勘違いしないでよっ!?」
そう言って正面からマサヒコにハグを開始するアヤナ。 はい、見事な『ツン』です。 満点に近いです。 ただ、この少女の弱点は『ツン』を
活かす『デレ』を出す事が出来ないということ。
マサヒコは圧倒されていた。 一体何に? そう、アヤナの体にだ。
(うわ…、すげ…。 若田部の体って…)
ああ、もう何ていうのだろうか? 的山が旧軍の九七式中戦車(所謂チハタン)だとしたら、若田部は英軍のチャーチル歩兵戦車だ。
え?判りにくい? じゃ、じゃあ的山が熱帯魚店から買ってきたばかりのネオンテトラだとしたら、若田部は2-3年飼って水槽の中でむっちり
と育ったカージナルテトラだ。 むー、まだ判りにくいか。 はいはいガンダム的にね。 えーと、アイ先生がザクレロだとしたら、若田部は
ビグロみたいな感じだよ。 そう。 グラブロとかビグザムとか言ったら絶対殺されるから。 あ、ちなみに的山とミサキはパブリク突撃艇だな。
うんうん丁度いい表現だよ! と、一人納得し頭の上にピコーン!と白熱灯が点灯したかのようなマサヒコ。
アヤナの体にはそれだけの迫力があった。 そして体だけではなく、顔だってもの凄く綺麗な娘なのだ。 クラスの男子でも的山やミサキと
人気を三分…、いや人気なら若田部が一番だろう。 クラスの男子曰く『アヤナ姫』また曰く『男たちの山城』(なんで大和じゃなく山城?
スリガオ海峡で沈むのかよ)あるいは『スコッチウイスキー』とか『ボグワーツ女体学校』(この辺になると最早、意味不明)と褒められて
るんだか、どうなんだかと言う数々の二つ名を誇る若田部アヤナの圧倒的な体の質感を今マサヒコは味わっている。 何たって、抱きつか
れたときに比喩じゃなく、本当に『ムギュ』って音が聞こえたんだよ(俺だけに)! と、既に怪しい精神状態に入ってきているマサヒコ。
(ぁ…若田部…。 香水か何か付けてるのかな?)リンコやアイとは違う、人工的な香りが若田部の体から漂ってくる。 それが嫌だと言う
のではない。 ん?ミスマッチかなって言うちょっと甘い香りで、むしろ若田部の魅力を引き立てている。
そして当然の如くマサヒコの胸板に感じるアヤナの胸の感触も素晴らしいのだが、それ以上に驚いたのはその肌のパッツンパッツンさだ。
アイ先生はしっとりとしていたけど、若田部のは『これが若さというものだよ!』という感じのはちきれそうな肌で、押せば押すほど跳ね返って
くるようなこの感触。 肌に一つ水滴を落としたら、その形状を保ったままコロコロリンと床に落ちてしまうような…。
17160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:09:17 ID:z6j2Cz3y
「…ちょっと? こ、小久保君! 貴方もちゃんと腕を回しなさいよ!」
マニアックな女体分析を咎めるようなアヤナの声にマサヒコは我に帰る。
「あ、ああ…」
アヤナの顔を見ると、もう真っ赤だ。 やはり男子とこんな事をするのは大人びて見える若田部でも恥ずかしいのだろうか?

一方アヤナの方は、と言うと非常に危険な精神状態にあった。 もちろん同世代の男性に抱きつくなんていうのはアヤナにとって初めての
体験で、相手は自分が複雑に入り混じった感情を持っているマサヒコ。 小さい頃お父さんや兄さんに抱きついた感触なんかとは全然違う!
しかもマサヒコが自分に抱きつかれて、妙な感情を持ち始めている事に気づいてしまった。 男から向けられるこんな感情には慣れている
自分だが、相手がマサヒコとあって、非常に新鮮な『こ、小久保君もこんな感じを抱く事があるんだ』と言う驚きと、その感情が自分の魅力
によって生まれてきているのだと思うと、体の芯から変な感覚が滲み出てくる。 これはまずい。 さっさと終わらせないと、どうにかなって
しまいそうだ。
「…ちょっと? こ、小久保君! 貴方もちゃんと腕を回しなさいよ!」
そう言ったのが失敗だった。 『やっぱり男子と抱き合うなんてイヤです』とでも言って、マサヒコから自分の体を離せば良かったのに、
ムキになって強くマサヒコを抱きしめたら、マサヒコがそれに応えるかのようにアヤナの後ろに腕を回してきた。
ああ、もう心臓がバクバク言ってるのが自分でよく判る。 これ、小久保君にも気づかれているのではないだろうか?
しかも自分の後ろに回ってきたマサヒコの手は、ウエストの一番細いところからちょっと下。 腰かお尻かという所に、照れて『ガッ』とでも
乱暴に掴んでくれれば良いのに、この男、遠慮からか『そ っ と 力 を 入 れ て き や が っ た !』
「あ…、バカぁ…。 そんな風にしたら…」
ヤバい、ちょおヤバい! こっこれは、私感じてきちゃってる!?
「え? 何かまずかった?」
マサヒコはそう言うと、触り方が不味かったのかと手指を、アヤナの腰の上で少し動かした。
「くぅ…。 や、やめ…」
意地悪なのか自らの腰の上で踊る(と本人は思った)マサヒコの指の動きに、思わず悲鳴にならない声が出てしまう。
無意識のうちにマサヒコを突き飛ばそうとしたアヤナだったが、マサヒコが驚いたのか離れかけた体と体を元に戻すかのように
アヤナの腰の上にある手に力を入れたので、また二人の体は密着してしまった。 更にアヤナの首筋に掛かるマサヒコの吐息。
「や…! いやぁっ!!」
今度こそマサヒコを突き飛ばし、自らは腰から床に崩れ落ちてしまう。 崩れ落ちた後も足の小刻みな痙攣が治まらない。
「お、おい、若田部?」
とアヤナの髪の毛にマサヒコの手が触れたところで、アヤナは……。 軽い絶頂に達してしまったようだ。
((((ちょ、ちょーーーーー!))))
マサヒコを除く他の女性陣にもそれは驚きの光景だった。
(((うそ…アヤナちゃん、イッちゃたんだ…)))俄かには信じ難い光景を見せられたアイ、リンコ、ミサキの素直な感想。
(アヤナがねぇ)とニヤニヤとしているのはリョーコ。
その横ではマサヒコが見せつけられても、何のことなのかさっぱり判らないアヤナの姿にオドオドしていた。
(あー、俺、子供だから良くわかんないけど、今日が命日なんだな〜)と、変な心配をしながら。
18160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:10:07 ID:z6j2Cz3y
4、天野ミサキ…そして
『マサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃん
…(5行中略)マサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃんマサちゃん
世界で一番好き。 本当に大好き。 マサちゃんさえ隣にいてくれたらあとは何にもいらない。 いやそれじゃダメ。 なんで
マサちゃんと私は別の人間に生まれてしまったのだろう? いつもいつもいつもいつも一緒にいたいのに。 そうだ、二人の
体を薬品で溶かしあって一つの液体にすれば良い! マサちゃんも、きっとそれを望んでいるはず。 でも私がこんなにマサちゃん
に魅かれるのは多分、いや絶対絶対前世でもマサちゃんと一緒だったから! あれは56億7千万年前、前地球文明華やかり
しその頃から二人は何時も同じ時代(とき)を生きてきたの! その時のマサちゃんの名前はアンセール。私の名前はリーセルン!
勿論二人は夫婦で一生を添い遂げて…。 次に二人が天界での長い休息から生まれてきたのは、中世ヨーロッパのナヴァーラ
王国。 マサちゃんは私に絶対の忠誠を誓う、凛々しい竜騎士…』(天野ミサキ 「マサヒコDay by day-第1827日目」より一部抜粋)

と、まあ一般的な女子中学生なら誰でも一度は書いた事があるような……ウソです、どうみてもメンヘラーです。 頭の中は
咲き乱れるお花畑で12月中旬くらいまでが見所です。 と言う年季の入った妄想日記を垂れ流しているミサキは、極度に
緊張していた。 今まで、妄想の中でしか味わうことの出来なかったマサヒコの体の感触をこれから堪能する事ができるのだ。
何度夢に見た事か。 何度自分の怪しい妄想を実行に移(そうと)したことか…。 何も判ってはいない小さい頃の二人とは違う、
そう…10年ぶりくらいだろうか。 マサヒコと抱き合うなんてことは…。
「まっ…マサ君!」
「お、おう…」
ミサキの極度の緊張が移ったのかマサヒコも緊張しているようだ。
『ま、マザぢゃんだいずぎぃいいい!』などと言ってマサヒコにむしゃぶりつきたいところだがここは我慢。
「じゃ、じゃあ」とか言ってマサちゃんに自然に、あくまで自然に抱きつく事ができた。 うん、偉いぞ自分!
「「あ…」」
二人が同時に声を上げたのは、よく二人で無邪気に遊んでいた、あの甘酸っぱいような幼い日の思い出が蘇ったからなのか、
それとも前世での遠い記憶が覚醒したからなのか(いや、それは絶対無い)。
ミサキは今、ここで短銃で頭を撃たれて死んでも良かった。 いや、本当に。 今、自分の腕の中にマサヒコの体がある!!
ああ、何て言う感触なのだろう。 今まで手に入れようとして絶対に手に入らなかったモノが、自分のモノに(激しく勘違い)。
そしてマサちゃん…。 成長したんだな…って思う。 自分の部屋に備え付けてある怪しげな機器(まだ撤去してない)では
味わえないこの質感! 今日だけは中村先生に激しく感謝だ。
19160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:10:41 ID:z6j2Cz3y
マサヒコは思い出していた…。 前世の自分の「アンセール」としてのきお…じゃなくて、ミサキとよく遊んだ幼い日の事をだ。
そしてリンコやアイ、それにアヤナとは質が違うこのフィット感に素直に感動していた。
ミサキがどうやら自分の事を好いていると言うのには、さすがに気づいている。 でもまだ受験中だし、皆とワイワイやっているのが
楽しい自分としては『もうちょっとだけ待ってくれ』と身勝手な感情を抱いてしまう。 あと、ここ2−3年のミサキはちょっと怖い。
怖いと言うか何か変だ。 ま、それは置いといて…。 アヤナやアイにはさすがに敵わず、まあ的山とトントンかと言う位なミサキ
の体なのだが、いやに自分にフィットする。 顔だって幼なじみの贔屓じゃなくて可愛い顔なのは間違いない。 クラスの男子の
間でも(またかよ)曰く『なんちゃってアイドル』また曰く『ミサキかわいいよミサキ』さらには『Marshmallow☆』だの『手が届きそう』
(届くわけ無いだろう)などなど、アヤナよりは幾らかマシな異名を誇るミサキなのだ。
何時の間にやら二人は激しく抱き合う事も無く、見詰め合ったまま妙な展開に入り始めていた。
「マサ君とこんな事するの…久しぶりだね」
「あ、ああ。 ガキの頃以来かな」
「あの頃は良かったよね。 男とか女とか無くって」
「そうだな…今思い出してるところだよ」
「でも、マサ君の体、昔と同じであったかい♪」
「な、何言ってんだよ。 これはお前が相手で緊張して…」
もしもし? おーい? と二人のスゥトゥロゥベィリィでピロゥでメロゥリングなイチャイチャぶりに、他の面子が問いかけようとした
その時、予想もしていなかったその凶悪な人物がマサヒコの部屋に突如来襲したのだ。
20160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:11:30 ID:z6j2Cz3y
「お茶の時間よー!!! ん?」
「うわっ、母さん!」
「あぅっ! こっこここれは…」
ママンの襲来に慌てて抱き合っていた体を離し弁解を始めようとするマサヒコとミサキ。 きっと『やーねぇミサキちゃんったら、
おばさん、貴女なら大歓迎よっ♪』とか言ってからかってくるに違いない…。 ところが…。
「懐かしいわぁ…。 この子、小さい時は弱虫でね。 犬に追いかけられたーって言っては泣いて帰ってきて、ドブに片足落としたって
言ってはこれまたピーピー泣いて帰ってきてねぇ……ほぅ」
昔を思い出しのか、軽い嘆息をあげるママン。
「い、いや母さん! …ほぅ。 じゃ無いよ! そんな昔の事」
思い出したくも無い昔の思い出を穿り返されうろたえるマサヒコ。
「なに格好付けてるのよ。 私にとっちゃアンタはまだまだ可愛い子供………なんだからっ♪」
とママンがマサヒコをいきなり抱きしめた。 その瞬間マサヒコに蘇る遠い日の思い出の数々。 そういえば母さんに良く抱きしめられ
たっけ…。 ハグって言うのもそんなに悪いもんじゃないんだな…と、そこで変に口を開かなければ良かったものを…。
「ママ…」
開いたばかりに…、無意識のうちなのだろうか思わず口走ってしまったのだ。
「「「「「マ、ママ?」」」」」
自らの体を使ってまで栄冠を勝ち取ろうとしていたのに、マザコンが標準仕様のイタリア男じゃあるまいし、マサヒコはあっという間に
母親の手によって陥落してしまった。 これじゃ、自分たちがバカみたいではないか? 心の底に沸々と怒りが沸いてくる4人。
「ちょ! い、今のなし! ノーカン! ノーカンね!」
慌てて弁解を始めようとするマサヒコだったが
「あら、たまにはこうしてあげるのも良いモノねえ! マーくん、今日のご飯は何にちまちゅかー? 何でもママが好きなモノつくって
あげまちゅよー♪」
ノリノリの笑顔で自分の胸にマサヒコを掻き抱いたママンが今日の勝者だという事を、やっと本来の大会の目的を思い出した
ほかの面子は認めざるを得なかった・・・。
21160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:12:56 ID:z6j2Cz3y
5、エピローグ
「う〜寒む寒むっ!」
何故自分が、冬の土曜日の朝早くからゲームソフトの店の前でガクブルしながら行列に並んでいなければならないのか?
そして何故、この行列をして手に入るゲームを本当に欲しがっている者は、この瞬間、布団の中でぬくぬくと寝ているのか・・・。
周りの視線もなんだかイタい。 子供のゲームを並んで買ってあげるような思いっきり過保護な親だと思われているに違いない。
あの後、マサヒコは理由は判らないが女性陣にボコられていた。 まあきっとマサヒコが悪い事をしたのだろうと思い、止めることは
しなかったが、マサヒコが意識を失った後、リョーコを除くほかの4人に怖い目で睨まれ『それじゃ、行列お願いしますね。 これ
ルールですから!』と、この行列に参加せざるを得なくなってしまったのだ。 どうやらあの日行われた何かに自分は勝利し、その
代償としてこの行列を手に入れたようだ…。
(まぁ、マサヒコに久しぶりにママなんて呼ばれて悪い気はしなかったし、いいか)
などと思ったところ、あまりの寒さに『へくちんっ☆』と年齢の割には可愛いくしゃみが一つ出てしまい、やっぱりマサヒコに対する
殺意が沸いて来るのを抑えられないママンだった。
22160 ◆QopnZPsFt6 :2005/12/30(金) 19:14:22 ID:z6j2Cz3y
以上です。
「スッキリ」とか「短く」とか、全然守れていませんね(笑。
皆さんも大切な人がいたら恥ずかしがらずにハグしてあげましょー。 と言うお話でした(いや、全然違う)

1年間このスレをROMっていて、まさか自分が投下する側に回るとは思ってもいませんでした。
それもスレの作品の面白さと職人の皆様や住人の皆様の活気に惹かれてのことだったと思います。
それと古田氏の保管庫を見て自分の作品がのっているのを見て感慨深いものが…。
古田氏、色々お疲れだとは思いますが、ありがとうございます。

次の作品は人気の高いマサ×アヤナになるかと思います。 でもやっぱり変化球になりそうな訳で…。
それでは皆さん良いお年を!
23名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 20:13:06 ID:GMRbruo5
160氏GJ!!
ミサキチテラヤバスwwwwwwwwww
24名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 20:56:38 ID:WB+YmCN0
160氏、、、ナ、なんすか、コレ。頭大丈夫?(褒め言葉)

四人四様の日記の内容も笑えるけど、文章中に散りばめられた無駄にマニアックな例えの数々に爆笑しました。
リンコのチハタン。。。制服兵器兵站局の画像板に置いてあっても不思議じゃない!
25名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 21:22:32 ID:QjR3qKZY
ミサキ…ミサキが怖いよママン…
26名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 22:47:00 ID:s/j/YLEz
160氏GJ!!
ミサキ!今ならまだ帰ってこれっ……もう無理か…

前スレ埋めの518氏もGJ!おれもアイに犯されたい
27名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 23:01:20 ID:iShkG0c0
160氏乙!
前スレ埋め立ての102氏と518氏も実にGJ!
しかし518氏の話はマジエロカワハァハァだなぁ…
28名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 23:10:49 ID:tDnfFtw0
あ〜160氏のミサキはいっちゃってて凄くおもろいっす
29名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 00:39:42 ID:1z32jGRJ
うは、ミサキいっちゃってるな〜。
個人的にはアヤナがエロ可愛くていい〜。
30白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:50:35 ID:N8/2YpnW
こんばんわ、白帯侍です
今回もマサ×アヤナの未来モノです
エロ入れようとしてたんですが意外と長めになってしまったので
とりあえず今回は前編ということで投下させていただきます
タイトルは『Warp 君のためにできること』です
31白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:51:03 ID:N8/2YpnW
とあるアパートの一室。
2人の男女、小久保マサヒコと若田部アヤナは向かい合って立っていた。
目の前に2人を隔てるものはない。手を伸ばせば顔に手が届く距離だ。
マサヒコはある決意をしていた。
今日こそは、この関係に決着をつけるという決意を。
腹はすでに括った。あとは言葉にするだけだ。
「若田部・・・・俺、お前の事が・・・っ!」
意を決して口を開いたマサヒコの前に、いきなり白い手が現れた。
それはアヤナが手を突き出したものだった。
彼女のしなやかな手はマサヒコの目の前にかざされ、マサヒコの視界を完全に遮った。
「わか・・・たべ・・・?」
突然のアヤナの行動に戸惑いを隠せないマサヒコ。
目の前に突き出された手がゆっくりと下げられる。
するとそこには、制服姿の少女——中学時代のアヤナが立っていた。
「小久保君、それ以上は・・・言わないで」
愁いを帯びた少女の眼差しは、マサヒコの瞳に真っ直ぐと注がれていた。
そして次の瞬間。
マサヒコの部屋だったはずの空間が、闇に覆いつくされていった。
周りが完全な黒に化す。そこにはマサヒコとアヤナだけが残された。
「それじゃあね、小久保君」
そう言って振り向いたアヤナは、ゆっくりと闇の向こうへ歩いていく。
彼女を引きとめるためにマサヒコは手を伸ばそうとする。
が、突き出した手は押し寄せる闇に取り込まれた。
闇は腕の方からどんどんとマサヒコを侵食していく。
どんどん闇に包まれていくマサヒコは、小さくなっていくアヤナの背中へと声を張り上げた。
「若田部!待ってくれ!若田部!」
しかしアヤナは振り向く事もなく、少しずつ、だが確実に小さくなっていく。
そしてマサヒコは完全に周りの闇と同化した。
薄れていく意識の中で、マサヒコは遠くに消えていくアヤナの名を呼び続けた。

眩しい光を顔に受けて、マサヒコは目を開けた。
ぼんやりした頭のまま、目の前に手をかざしてその光を遮る。
窓から入ってきた日光が部屋に差し込んできていたようだ。
軽く周りを見回す。そこは、紛れもなく自分の部屋の朝であった。
結局昨日はビールを全部開けてから呆けているうちに眠ってしまったのだ。
テーブルに突っ伏していたらしく、目の前には涎と思しき液体が。
マサヒコは散らばっていた缶を集めて、テーブルの上の涎をティッシュでふき取った。
(それにしても・・・・)
マサヒコはすっきりしてきた頭で、先ほどまで見ていた夢のことを思った。
シノブと話したその日に、この夢だ。シャツが汗で濡れたせいで背中が冷たい。
どういうつもりで言ったかは知らないが随分残酷なことをしてくれたものだ。
本来ならば、それを怒ったり恨んだりするべきなのかもしれない。
しかしマサヒコの胸には、そのような気持ちなどは欠片も湧き上がってこなかった。
そんなものはこの悩みの解決に全く役に立たないのだから。
自分の選択を、誤りに導いてしまうだけだろうから。
32白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:51:37 ID:N8/2YpnW
「久しぶり。元気でやってるか?」
スタンドが仄かな明かりを放つ薄暗い一室。
電話の向こうにいる人物に対して、シノブは明るい声で話しかけた。
『まぁそれなりに。兄さんは相変わらずみたいね』
受話器の向こうから返ってきた声は、対照的にどこか固い雰囲気だった。
「そうか?まぁお前の元気そうな声を聞けて良かったよ。
前に電話したときから結構経ってたからさ」
『・・・・そんなこと聞くために電話したんじゃないでしょ。用件は何?』
先ほどより一際低い声が受話器から聞こえる。
率直な質問にシノブは先日に会ったマサヒコのことを思い出した。
微妙に彼らは似たところがあるらしい。
受話器の向こうで顔をしかめているだろう妹のことを想像しながら、シノブは口を開いた。
「もうちょっと世間話に付き合ってもいいだろ。そんなに怖い声出すなよ」
受話器からは沈黙しか返ってこない。
シノブはやれやれといった感じで首を振った。
「・・・・久しぶりに直接会って話がしたいと思ってな。ダメか?」
再び沈黙。
しかし数秒後、受話器の向こうから返答が返ってきた。
『・・・別にいいわよ、私も言いたいことあるし』
「そりゃ良かった。断られたらどうしようかと思ったよ。
じゃあ金曜日にでも。今週はその日くらいしか暇できなさそうだから」
『・・・・・・』
3回目になる沈黙。
だがこの沈黙が、先ほどまでのものとは違ったものであることをシノブは知っていた。
「もしかして、用事でも入ってるか?」
『え!?う、うん・・・・その日は・・・友達と、食事の約束が入ってて』
歯切れの悪い答えが返ってくる。やっぱりな、とシノブは思った。
「じゃあ日を改めて、ってことか。まぁいいや、急いでるわけじゃないし」
『うん・・・ごめんなさい』
沈んだ感じの声が返ってくる。明らかな態度の変化にシノブは微笑を浮かべた。
「だからいいって。じゃあまた電話するから」
そう言ってシノブは通話を切る。
いったん息を吐いて、再び電話をかける。もちろん妹のところではない。
「もしもし、母さん?俺・・・・・うん・・・・大丈夫、意外とすぐ戻ってくれると思うよ。
そっちはアイツを上手く受け入れる準備でもしたら?・・・・うん、じゃあな」

電話を切ったシノブはパソコンの電源をつけた。
低い駆動音が暗めの部屋に響く。
今できることは一通り済ませた。あとは他で勝手にやってくれる。
そして最後に自分が仕上げをすればいい。それでこの仕事は終了だ。
シノブはコキコキと首を鳴らしてパソコンの前に座る。
そして息を大きくついて、作成中の企画書を睨み付けた。
キーボードを打ちながらシノブはぼんやりと今週の金曜日のことを思った。
その晩には、大切な取引先との接待が入っていた。
33白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:52:31 ID:N8/2YpnW
シノブとマサヒコの出会いから早くも3日が過ぎた。
つまりそれは、アヤナがマサヒコの家に来るまであと1日しかないことを意味していた。
この3日間マサヒコは、アヤナとの関係をどうするかということだけに思考が支配された。
講義の内容は頭に入らず、友人の呼びかけに対しても生返事ばかり返していた。
バイト先でも失敗を連発し、いつもそつなく仕事をこなすマサヒコは皆からひどく心配された。
あれからシノブから連絡はない。
喫茶店で言ったとおり、マサヒコからの連絡を待つつもりなのだろう。
あの日言ったシノブの言葉は、日に日にその意味を深くさせていった。
『アヤナのことをよく考えてもらいたい』
これだけの言葉だというのに、それはマサヒコにとってどんな難題よりも複雑であった。
単純だからこそ、それは無限ともいえる思考の連鎖を生み出す。
マサヒコの思考はすでに幾度となく行われた葛藤で疲弊しきっていた。
一週間前に告白を決心したのが嘘のようだ。
あんなに呑気に過ごせたこと、それ自体が夢のようであった。

木曜日の夜、バイトが終わったマサヒコは電車のホームでベンチにもたれかかっていた。
電車を待っているわけではなかった。この駅から少し歩けば彼のアパートだ。
ただ、家にはまだ帰りたくなかった。
帰って、食事を済ませ、身体を休ませれば、すぐにアヤナはやってくるのだ。
線路の向こうから光がホームへと近づいてくる。
電車は駅に止まらずホームを走り抜けていく。
電車の中から外を眺める子供と目が合った。
が、次の瞬間には少年は遥か前方へと消え去っていった。
電車が完全にホームを通り抜ける。
マサヒコは走りすぎた電車の後ろ姿を見つめる。
それが見えなくなるとマサヒコはまた正面に虚ろな視線を向けた。

正直、自分の心の中では答えは出ようとしていた。
やはりどう考えても自分と彼女はかけ離れすぎている。
大体アヤナを諦めるからといって何が変わるというのだ。
ただ、またアヤナのいない毎日に戻るだけだ。
心穏やかに過ごせる日々に。
変わりばえの無い、ただ繰り返されるだけの日々に。
34白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:53:13 ID:N8/2YpnW
そんなことをぼんやりと考えていると、ポケットの中から軽快なメロディが飛び出した。
携帯を取り出して誰からの電話かを確認する。
『中村 リョーコ』
マサヒコは思わず顔をしかめて明滅し続けるライトを見つめた。
なんというか、実にタイミングの悪い女性だ。
いつもは渋々付き合っているが、今はとてもじゃないが付き合う気分ではない。
後でうるさいだろうが今日は断らせてもらおう。
携帯を開いて電話を切ろうとキーに親指をのせる。
が、指に力を入れようとして、そこで止まった。
やかましく鳴り続ける携帯をじっと見つめる。
何秒か経ってから通話ボタンへと指をずらし、キーを押す指に力を入れた。
静かに携帯を耳に押し当てる。聞きなれた女性の声が向こうから聞こえてきた。
「もしもし・・・・すみません、ちょっと他のことしていて。
・・・・・違います、握ったりなんかしてません・・・・・はい、すぐ行きます。
・・・・・そうですか?まぁ、いいじゃないですか。じゃあ切ります」
話を終えたマサヒコは電話を切り、ポケットの中へと携帯を突っ込んだ。
大儀そうに腰を上げて、大きく身体を伸ばす。
予想以上に身体が固まっていたのでマサヒコは思わず呻き声を漏らした。
目を瞑ってその場で大きく息を吐く。そして静かに目を開けて足を進めた。
ホームを歩きながらマサヒコは何気無しに想像した。
生きる事に疲れた囚人が死刑台の階段を上るときの気持ち。
今の自分の気持ちは限りなくそれに似ているのではないかと。

「お邪魔します」
「おう、来たわね。さっさと上がりなさい」
マサヒコが玄関で声を上げると、奥の部屋から女の声がそれに答えた。
リビングに入るとちょうど今持ってる缶を飲み干したリョーコの姿が目に入った。
「お、結構買ってきたじゃない」
すでに何本か空けた缶をテーブルに転がしていたリョーコは
すぐにマサヒコが買ってきた次の獲物へと目を向けた。
苦笑いを浮かべながら、マサヒコはテーブルに買ってきた酒を置く。
リョーコは断りもしないで袋の中からビールを取り出し、プルタブを引いた。
「アンタも座りな。ほら」
まだ立ったままのマサヒコにリョーコは開けた缶を差し出す。
戸惑いながらもマサヒコはそれを受け取り、腰を下ろした。
マサヒコが座るとリョーコは新しい缶を取り出して自分の分をまた開けた。
「それじゃ、とりあえず乾杯」
「‥‥はい」
マサヒコとリョーコは軽く缶を合わせて、一缶目を豪快に呷った。
35白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:55:01 ID:N8/2YpnW
リョーコは月に1、2度マサヒコを飲みに誘っていた。
これが始まったのはマサヒコが高校1年の時からだった。
部活の練習を終えたマサヒコは、ある夜偶然リョーコと再会を果たした。
マサヒコは半ば強制的にリョーコの家に連れられ、言葉の如く浴びるように酒を飲ませられた。
暇潰しにこのような行為に及んだリョーコはこの時マサヒコの酒の強さを知り、
それ以来こうやって彼を呼んで酒に付き合わせていたのであった。

酒の席での話は様々だったが、大抵はリョーコの愚痴だった。
そして今日の話の内容もその例に漏れないもので。
リョーコはたらたらと愚痴をこぼし、マサヒコはひたすらそれの聞き手に回っていた。
「今の職場は生真面目すぎるっつーか、固いっつーか・・・とにかく私に合わないのよね。
一発抜いて萎えさせてやろうと何度思ったことか・・・・」
「あなたみたいな人に合う仕事なんて夜の仕事くらいです。
こんなこと言う人がよく今まで仕事してきましたね」
「一応ストレス発散のはけ口があるからね。猫かぶるのも楽じゃないわ」
足を投げ出しくつろぎながら毒づくリョーコ。
マサヒコは乾いた笑いをあげながら、かつての恩師のことを思った。
リョーコの言ったはけ口、それは豊田セイジのことだ。
中学時代から唯一変わらずに続いている関係。
それは当時偶然の再会を果たしたリョーコとセイジだった。
マサヒコが聞くところによると、案外2人はあの頃より上手くやっているらしい。
「さっさとくっついたらどうですか?お互いもういい歳でしょ」
「うっさいわね。アンタにゃ関係ない」
ムスッとしてリョーコは缶をグビッと呷る。
彼女は人をからかって遊ぶ質があるが、自分のことに踏み込まれるのを嫌っている。
セイジとの関係があと一歩のところなのもきっとその考えが
根底にあるからなのかもしれないな、とマサヒコは思った。
「ところでアンタはどうなのよ?」
「俺ですか?」
「そう。アンタ今アヤナとよろしくやってんでしょ」
「なっ!?」
突然アヤナのことを言われて、あからさまに驚くマサヒコ。
リョーコはニヤニヤしながら困惑しているマサヒコを見た。
「アヤナこっちに帰ってきてるでしょ?それ以来何回か会ったりしてるんだけどね。
ちょっと突いてやれば面白いくらいに話してくれるわけよ。
見せてやりたいわね〜アンタのこと話すアヤナのこと」
フフフフと怪しい笑みを浮かべるリョーコ。
マサヒコのリアクションに随分満足しているご様子だ。
(そっか・・・もう知ってんのか・・・)
リョーコの反応にマサヒコは気恥ずかしさを感じると共に、少しの安堵感を覚えた。
これなら話を切り出しやすいし、より的確な意見を得られそうだ。
マサヒコは苦笑いを浮かべたまま、空になった缶をテーブルに転がした。
36白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:56:11 ID:N8/2YpnW
夜が更けていくにつれ、次第に和やかな空気がすっと消えていった。
自然と会話がなくなり、2人は黙って酒を口に運ぶようになる。
笑みを浮かべていたリョーコの顔はすでに口を一文字に結んだようになっていて、
マサヒコも強張ってしまった顔を俯きがちにしていた。
「ねぇ・・・」
沈黙にリョーコの言葉が浮かぶ。
マサヒコは顔を上げずに小さな声でそれに答えた。
「何ですか」
「今日は随分すんなり誘いに乗ったわよね」
「そう・・・ですかね」
「アンタさ・・・そろそろそっちの用件言ってもいいんじゃない?」
リョーコはとっくに分かっているとでも言うように口を開く。
俯いていたマサヒコはリョーコの言葉に静かに顔を上げた。
「アヤナのこと、よね」
詰問というよりも確認といった方がいい口調だった。
マサヒコは神妙な顔つきで頷く。これ以上の沈黙には意味が無いと思った。
「一発決めるタイミングが分からないとか?」
「・・・違います」
「やりたくても持病のせいで事に及べない?」
「当てる気全く無いですね」
どこか重い雰囲気だというのにいつも通りのくだらない戯言。
マサヒコはこれに思わず苦笑いを浮かべた。
リョーコなりに自分の背中を押してくれているのだ。
マサヒコは心の中で軽く礼を述べて、聞きたいことを尋ねる決心を固めた。
「先生、正直にお願いします。俺って・・・若田部と釣り合う男でしょうか?」
マサヒコは静かに、はっきりと言の葉を紡いだ。
リョーコの瞳の中心を食い入るように見つめる。
それに対してリョーコは顔色も変えずに注がれてくる視線と向き合った。
あまりの変化のなさにマサヒコは顔を背けたくなったが、なんとかそれに堪える。
遠慮した意見など聞きたくないからここに来たのだ。
変に勘ぐられて心にもないことを言われては意味がない。
しかし、それは全くの杞憂だった。
「・・・正直に言えばノーね。容姿、経済力、生活能力。
どれをとっても及ばない。まさに高嶺の花。月とすっぽん」
リョーコはマサヒコから視線を外さないまま、いつも通りの口調で答えた。
それはまさにマサヒコが望んだ、忌憚のない回答だった。
心の中でかすかに燃えていた火が消える。
マサヒコは一人で頷いて笑みを作ってみせた。
「そう・・・ですか。うん、そうですよね」
意味分からないこと聞いてすみませんと、マサヒコは頭を掻く。
自虐的な笑みではなかった。予想通りの答えを生徒が答えた時に見せるような、そんな笑顔だった。
「・・・・ん」
黙ってマサヒコの笑顔を見ていたリョーコが、缶を差し出す。
マサヒコは苦笑いを浮かべて、それを黙って受け取った。
37白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:57:34 ID:N8/2YpnW
それから2人はまた宴を再開した。
マサヒコは湿った空気を入れ替えようと、必要以上に自分から話題を振った。
リョーコもそれを感じ取ってくれたのだろうか、
マサヒコの言葉にいつも通りのくだらない相槌を打った。
だが、本当にそれだけだった。
それはただ空間に言葉が投げ出されて、相手がそれを返すだけの器械的な会話だった。
十数分後、用意された酒は二人の酒豪に飲み干された。
マサヒコは最後の一缶を一気に飲み干して、静かに腰を上げた。
「じゃあ帰ります」
それだけ告げてリョーコに背中を向ける。
もうマサヒコは家に帰ることになんら抵抗を感じなかった。
リョーコの意見に背中を押してもらってよかった。
もう自分を悩ませるものは何もない。明日は毅然とした態度で彼女を迎えよう。
リビングから足を踏み出そうとする。
が、それは背後からの声に止められることになった。
「マサ、ちょっと待ちな」

「別にこっち向かなくてもいいから黙って聞きなさい」
ピシャリとした言葉がマサヒコの後ろから放たれた。
マサヒコは怪訝に思いながらも、そのままの姿勢で耳を立てる。
リョーコは少し間を空けて、いつものぶっきらぼうな口調で言った。
「恋愛なんてさ、本来当事者以外が口を挟むもんじゃないのよ。
相手の立場なんか分からないんだから。どんなことを言おうと、そんなもん嘘っぱちよ」
「・・・・・・」
「さらに言えば。その恋愛の当事者だったとしても、相手の気持ちまでは分からない」
「何が言いたいんですか?」
マサヒコは静かに後ろを振り向く。
彼の目に、何も無い空間をぼんやりと見つめているリョーコの姿が映った。
「・・・・アンタさ。アヤナのこと、どうするわけよ」
「何でそんなこと言う必要が・・・」
「はっきりいいな。どうするの?」
「・・・ちゃんと考えてますよ。もちろん若田部の立場からも。
アイツのこれからとか・・・・何ですか」
マサヒコは言いかけていた言葉を切った。自然と握られた拳に力がこもる。
リョーコが、マサヒコの話を聞いて鼻で笑ったのだ。
刺さるような視線を受けながら、リョーコは再び口を開いた。
「はっ・・・マサ。アンタ、私が普段どんなこと考えているか分かる?」
「・・・・分かるわけないじゃないですか」
不機嫌さを隠す気もない様子で答える。リョーコはそれに当然といった顔で頷いた。
「そうね。じゃあ質問を変えるわ。アンタ、アヤナの気持ちは分かる?」
「っ・・・!それは・・・・」
「分かるわけない。でしょ?」
よっこいしょと立ち上がるリョーコ。
そして彼女は話し始めてから初めて、マサヒコを正面から見た。
向かい合った時に見せたリョーコの顔は、今まで見たどんな顔より穏やかだった。
38白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 00:58:44 ID:N8/2YpnW
「人の立場に立ってものごとを考える。確かに聞こえはいいわね。でもそれって傲慢よ。
自分のことは自分しか分からない。アヤナのことはアヤナしか分からない。
もちろん、アンタのこともアンタしか分からないわ」
「・・・・・」
真っ直ぐマサヒコへと注がれる視線。マサヒコの拳はいつのまにか解かれていた。
「マサぁ・・・アンタもっと正直になりなよ。そんな一歩引いたとこから見るんじゃなくてさ。
アンタがアヤナに抱いてる気持ち、正直に見せてやりなさいよ」
「でも・・・」
マサヒコは弱々しくリョーコから視線を外す。
リョーコが言いたいことは分かる。もっと自分の気持ちのままにやれと言っているのだ。
自分は確かにアヤナのことを考えすぎているかもしれない。
しかし、だからといって簡単にそれをよしとする事もできないのだ。
「でも・・・もし、俺の気持ちが若田部に迷惑をかけるとしたら・・・」
「アヤナの決断、信じてみなさいよ」
「え・・・・?」
リョーコの言葉に顔を上げるマサヒコ。
が、そこで思いもよらない衝撃。いきなり頭をがっちり両側から掴まれた。
リョーコはあと少しで唇がくっつくくらいまで顔を近くまで寄せる。
そしてマサヒコの心に刻み付けるようにはっきりと語りかけた。
「アンタは後ろ向きな考えしたり、甲斐性もありゃしないED野郎だけどさ」
「・・・・最後は余計です」
突っ込むところは突っ込むマサヒコ。リョーコは構わず言葉を続けた。
「もしアヤナがアンタといることに幸せを見出してアンタを選ぶんならさ。
それはアヤナの選択は間違いじゃないってことよ、少なくともあの娘にとっては。
アンタがすることはアヤナの気持ちを考えることじゃなくて、信じてやること。
信じてやりなよ。あの娘が下す、決断ってやつを」
「考えるんじゃなく・・・信じる・・・・」
ポツリとマサヒコが呟く。今までに考えた事もないことを、本当にただ呟いた。
リョーコはそれを見て、不敵な笑みを浮かべる。
それは、彼女がくだらないことをする時に決まってみせる笑みだった。
「さぁ、ここでクエスチョン。今、小久保マサヒコのするべきことは何でしょうか?
A、嫌な事を忘れるため素敵な大人の女性と夜を過ごす。
B、さっさと帰って最後まで足りない頭を働かせる。
さぁ、どうする?」
39名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 01:05:52 ID:OpL2w8Wq
支援
40白帯侍 ◆bhH/AtH.kc :2005/12/31(土) 01:11:46 ID:N8/2YpnW
今回はここまでです
というかマサ×アヤナと言っておきながらアヤナの出番は声だけ・・・orz
後編はマサ、アヤナばっかり出ると思います。自分の気がふれてAの結末を書かない限りは・・・

自分の今年の作品投下はこれで最後となりました
来年も思いつくネタがなくならない限りマイペースで投下したいと思います
それでは皆さん、良いお年を!
41名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 01:15:27 ID:OpL2w8Wq
あれ、支援いらなかったですか?
とにかくリアルタイムGJ!次回期待してますよ!
そして前スレ未読分からそら氏・ペピトーン氏・541氏・トマソン氏・102氏・518氏・今スレ160氏
みーんなまとめて拍手&乙&GJだ!来年も粋で萌えでエロチカなSSをよろしく!
42名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 12:19:39 ID:Qa54OMPO
白帯侍氏GJ&乙です!後半もマジ期待してますよ


160氏と白帯侍氏、キャラ破壊とシリアス
この並びもヨカタwww
43クロム ◆IQnpwvmuPA :2005/12/31(土) 15:35:57 ID:+mzAbNx7
クロムです。
職人の皆様、お疲れ様です。
新スレ立ってるのに気付いてませんでした。ここは本当に進行早いですね。

今、前スレで話が出てた重婚モノを書いている途中です。
面白そうだと思って書き始めたのはいいんですが、実際のところ重婚ってどんなのなんでしょう?
一つ屋根の下、複数の男女が集まって暮らしてるのか、それとも妻訪い婚みたいになるのか。
一応どちらのパターンも考えてるんですが、どっちが宜しいでしょうか?
可能ならお知恵を拝借させてください。

一月頭から、二週間で三箇所に飛ぶありえない出張が待ってますので、
できればそれまでに投下できるよう頑張ります。
44名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 15:47:21 ID:6yBlp/yX
>>白帯侍氏
GJっ!!
後半楽しみに待ってます!
>>クロム氏
…まさか自分の希望が採用されるとは…((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル!
自分としては一つ屋根の下で皆が暮らしてるのが理想でしたが、通い妻みたいのも言われてみれば中々…。
一部何らかの理由で通い妻状態の方はいるけど、他は一つ屋根の下で皆生活ってのはどうでしょうか?
下手に混乱させてたら御免なさい。
45名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 00:03:55 ID:xnBPRsVR
場違いかもしれませんが、あけましておめでとうございます。
今年もこの氏家スレが繁栄することを祈りつつ・・・
職人様も住人の皆様もお体に気をつけてこのスレを盛り上げてイキましょう!
46名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 00:24:56 ID:aafmWQMQ
おうよあけおめ
昨年のMVPの発表だ
職人全員&古田氏&住人全員だ!今年もヨロシコ!
47名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 01:16:01 ID:24Y2Irfz
住人&職人さん&古田氏、あけおめ!
今年もこのスレ盛り上げてくれ!
あと古田氏、新年早々保管庫更新乙です!
48名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 01:56:51 ID:RY9L/j3r
あけおめです!
職人の皆様今年も宜しくお願いします!

古田氏更新乙です!
1月6日で保管庫がオープンして1周年ですね。
1年間ありがとうございましたm(__)mこれからも宜しくです!
49541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:08:22 ID:Cyzp/Gkc
明けましておめでとうございます。
朝ナマ見ながらだらだらしていたら、
こんなのが出来上がってしまいました。

タイトル:戸川ユキが悩み相談
舞台:113 恋文
内容:戸川さん、魁!!クロマティ高校コラボ、エロなし
50戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:10:40 ID:Cyzp/Gkc
§戸川ユキが悩み相談

名前:ユキさん
----------------------------------------
恋愛番長さん

ここで

相談しても

いいですか


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさん、こんばんは。
どうぞ気楽に相談してください。


名前:ユキさん
----------------------------------------
気楽に

といわれると

逆に

緊張します


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさん、リラックスして相談をどうぞ


名前:ユキさん
----------------------------------------
ごめんなさい

ドキドキ

します


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
…そろそろ本題に入ってください
51戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:12:08 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
私の憧れの人

若田部さんは

エリート一家

すてきです

スポーツ万能

あこがれます

学年トップクラスの成績

すごいです

クールな雰囲気

かっこいいです

するどい視線

ぞくぞくします

容赦のない言動

しびれます

好き好き好き好き好き

若田部さん好き好き好き

好き好き好き好き好き

若田部さん好き好き好き

好き好き好き好き好き

若田部さん好き好き好き

好き好き好き好

<行数オーバです。省略されました>


名前:名無しさん
----------------------------------------
なんだ、こいつ。痛すぎ〜〜〜〜


名前:名無しさん
----------------------------------------
今北産業
なになに、どうなってる?
52戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:13:42 ID:Cyzp/Gkc
名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさんが、若田部さんのことを好きなことはわかりました。
では、相談をどうぞ。


名前:ユキさん
----------------------------------------
私の若田部さんには

ライバルがいます

若田部さんが

立候補した

委員長の座を奪いました

若田部さんより

成績が良い

それだけなのに

一般市民なのに

顔もたいしたことないし

スポーツもできるわけじゃないし

身長も負けてるのに

スタイルだって完敗なのに

たまに変なオーラを出すだけなのに

私の若田部さんを負かすなんて

許せないです

私が若田部さんにかわって

罰を与えたいです

どんな罰がいいですか


名前:名無しさん
----------------------------------------
テラヤバス
53戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:16:37 ID:Cyzp/Gkc
名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさん、そういうネガティブな考えはやめましょう。
ユキさんと若田部さんの関係に絞って相談を進めましょう。

ユキさんの気持ちを、若田部さんは知っているのですか。


名前:ユキさん
----------------------------------------
若田部さんは

私の想いを知りません

私のような女は

若田部さんには似合いません

だから

遠くから見ているだけで

満足です

それなのに
54戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:17:25 ID:Cyzp/Gkc
名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
それなのに? 続けてください


名前:ユキさん
----------------------------------------
ごめんなさい

興奮して

途中で送信してしまいました

若田部さんは

高貴な人だから

一般庶民は

名前で呼んではいけないのに

的山さんは

馴れ馴れしく

名前で呼んでいます

ずうずうしい

天然女です

しかも「ちゃん」付けです

信じられない
55戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:18:14 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
だから

罰を与えました

的山さんが持ち歩いていた

忘れ物防止の

メモ帳を

ゴミ箱に

捨てました


名前:名無しさん
----------------------------------------
古典的な嫌がらせキター


名前:ユキさん
----------------------------------------
それから

的山さんの

縦笛を

男子の

縦笛と

すり替えました

的山さんは

気付かずに

咥えて吹いていました


名前:名無しさん
----------------------------------------
エロイ罰キターーー
56戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:19:07 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
私が罰を

与えているのに

的山さんは

天然だから

ぜんぜん

弱りません

どうしたら

いいでしょうか


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさん。
罰を与えるという発想が間違っています。

ユキさんが若田部さんへの愛情を抑えているために、
行動が歪んでしまうのだと思います。

やはり、若田部さんへ想いを伝えるべきでしょう。
直接言うのが怖ければ、手紙で伝えてはどうですか。


名前:ユキさん
----------------------------------------
わかりました

手紙を

書いてみます


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
よかった。応援しています。
57戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:36:30 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
手紙を

書いて

若田部さんの

机に入れました

今、視聴覚室で

待っています


名前:名無しさん
----------------------------------------
もしかして、実況っすか


名前:ユキさん
----------------------------------------
携帯から

打っています

もうすぐ

私のために

若田部さんが

きてくれます


名前:名無しさん
----------------------------------------
ワクワク


名前:名無しさん
----------------------------------------
どうした、続きカモーン


名前:名無しさん
----------------------------------------
ぽまいら、もちつけ
58戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:39:42 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
ひどいです

若田部さんとの

大事な時間を

小久保くんが

邪魔しました

しかも

若田部さんと

手をつなごうと

しました

許せません


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
ユキさん、ちょっと待ってください。
ユキさんは女性で、
若田部さんは男性ですよね。
小久保くんって誰?男性ですか。
59戸川ユキが悩み相談 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:40:36 ID:Cyzp/Gkc
名前:ユキさん
----------------------------------------
違います

私も

若田部さんも

女です

小久保くんは

男です

若田部さんに

手をだした

小久保くんには

罰を与えなければ

なりません


名前:恋愛番長さん
----------------------------------------
百合なのかよ
罰って、だから違うだろーーーーっ

(END)

天野ミサキ編が妙にウケたので、
調子にのって第二弾を書いてみました。

戸川ユキをヤバイ性格にしてしまいました。
戸川さんファンの皆さん、ごめんなさい。
60541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/01(日) 06:43:53 ID:Cyzp/Gkc
以上です。
投下途中で、連続規制(8回)にひっかかってしまいました。
61名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 07:37:12 ID:b7Sv7RN/
戸川さんテラヤバスwwwwwwwwww
先ずはネットでは実名を伏せる所から覚えて徐々に社会復帰してくださいwww

2006年初笑い乙&GJでした>541氏!
62名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 10:00:05 ID:/LskONR8
またクロマティネタwwwwwww







乙だ( ゚∀゚)ノよぅ!
あけおめ(゚∀゚ )ノへぃ!
63名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 11:47:52 ID:BNxkwPp8
541氏朝っぱらから何を書いてるんですか!!GJ!!
そして古田氏、元日の更新お疲れ様です!!
64102:2006/01/01(日) 20:04:48 ID:B4hQjH6A
常夏の日差しを全身に受けながら、少女はその地へと降り立った。
「ハワイ…。見なれた土地のはずなのに、なんだか今日は違って見えるわね」
少女…若田部アヤナは、目を細めてそう呟いた。
その背中に、初老の男が穏やかな声を掛ける。
「…自分の決断を後悔しているのかね?」
アヤナは苦笑して小さく首を振った。
「そういう風に見えて?」
「いや。…だが、止めてもいいんだぞ?」
「…大丈夫。自分で決めたことだもの。やり遂げてみせるわ、必ず」
自らに言い聞かせるようにそう言うと、やあやって、アヤナは力強く歩き出した。
彼女の熱い一週間がこれから始まる。
65名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 20:36:44 ID:b7Sv7RN/
そしてイデが発動したw
66名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 22:05:44 ID:0Gy2RTBo
>>64
続き物?
楽しみです
67102:2006/01/01(日) 22:12:59 ID:Q5emlBby
時は遡って十一月下旬。
三年一組の生徒たちは浮き足立っていた。
確実に迫りつつある高校受験に焦燥感を感じているのだ。
授業も入試を意識した模擬試験が中枢を占めはじめ、それに伴って教室の緊張感も日に日に高まっていく。
そんな中でアヤナは、自分が周囲から浮いた存在になっていると感じていた。
中学卒業後は渡米し、向こうのハイスクールへと通う事になっている。
編入試験があるにはあるものの、そんなものはアヤナの才覚からすれば無いに等しい。
級友たちよりも一足早く進路が決定してしまい、これといった目標を持たずに卒業までの数ヶ月を過ごすことになってしまったのである。
何の非があるわけでもないのだが、皆が必死で努力している横で無為な時間を過ごすことに彼女は強い罪悪感を覚えていた。

そんなある日の放課後。
「若田部、ちょっといいか?」
男嫌いのアヤナが親しく接している稀有な少年、小久保マサヒコが声を掛けてきた。
「あら、何かしら?」
アヤナの反問に、小久保少年はバツの悪そうな顔をした。
「いや、悪いんだけどさ、ここの問題が解けなくて。ちょっと教えてくれないかな?」
「そういうことなら、天野さんに頼んだ方がよいのではなくて?」
「うーん。ミサキは的山の方を相手してるんだよ…」
言われて、アヤナは天野ミサキの方をチラリと見やった。彼女と目が合う。
ミサキは申し訳なさそうな表情をしながら、ポリポリと頬を掻いた。
苦笑しながら嘆息するアヤナ。
「…仕方ないわね。ほら、見せてみなさい」
「悪いな」
「ホントにね。…あら、なに? こんな問題も解けないの? …アナタ、こんなことで受験大丈夫?」
そう口にした後、アヤナはハッと息を呑む。
そんな気はないのに、ついキツイ口調になってしまった。
自分の悪い癖だ。分かっているのに直せない。
「ゴ、ゴメンね小久保君。キツイ言い方をしてしまって」
慌てて詫びるアヤナ。
だが、マサヒコの方は気にも留めていないようだ。
「いいって。本当のことだし。オレのこと心配して言ってくれたんだろ? …ありがとな」
「え、でも、私…」
「それにさ、お前はオレ達よりも何倍も大変なんだろうし。不甲斐ないオレに苛立ったとしても仕方ないよ」
「何倍もって…」
「外国の高校へ行くための準備ってすごく大変だろうけど、あんまり無理するなよ」
「…うん…」
マサヒコの優しい言葉に、アヤナは何とも言えない後ろめたさを覚えた。
68102:2006/01/01(日) 23:01:43 ID:Q5emlBby
夕刻。
ボンヤリとTVを眺めながらアヤナは思案に耽っていた。
(小久保君に天野さん、あの的山さんまでもが大きな目標に向かって日々精進しているというのに、私は何をしているのかしら…?)
ゴロンとソファーに寝そべり、天井を見上げてみる。
当然、彼女の自問に対する解答などは書かれていない。
「…ふぅ」
大きく息を吐く。
(卒業後の進路がすでに決定済みとはいえ、それにあぐらをかいて何もしないというのは時間の浪費だし、何よりも精神衛生上よくないわね、やっぱり…)
渡米後の生活に備えて何かすべきだ。それは分かっている。
(うぅーん、でも、具体的に何をすればいいのかしら?)
意味もなく床をゴロゴロと転がりながら熟考してみる。
(英会話の練習? …別に今でも出来るし…。 
向こうの法律の勉強? …それも違う気がする…)
ゴロゴロゴロゴロと部屋中を転がり回る若田部アヤナ15歳。
年頃の乙女の行動としては、やや問題がある気がしないでもない。
と、長時間持続されていたアヤナの連続横転運動がピタリと止まった。
その双眼はTV画面に映し出されたニュース番組を見据えている。
「…アメリカ合衆国における発砲事件の件数は過去最悪を更新し…」
どうやら、アメリカにおける銃犯罪は増加の一途を辿っているらしい。
「…これだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
アヤナは絶叫すると、両拳を握り締め、興奮した面持ちで立ち上がった。
「私が移住するアメリカ合衆国は、国民全てが帯銃している無法地帯にして犯罪天国!(※かなりの誤解があります)
そんな国に、平和ボケした日本で生まれ育った私が踏み入れたら、たちまち犯罪者たちの餌食になってしまうわ!! (※ かなりの誤解があります)
そうならないための強さを身に付けなくては!アメリカでは力無き者は死あるのみなのだから!! (※ かなりの誤解があります)」
「よくぞ言った!」
突如として、場に拍手が鳴り響いた。
目を向けると、立っていたのは初老の紳士。
「…お父様!?」
69102:2006/01/01(日) 23:24:32 ID:Q5emlBby
「私は嬉しいぞ、アヤナ!
 よくぞその結論に辿りついた!
 左様、アメリカは厳しい国。…いかにお前といえども、今の力では太刀打ちできないだろう!!」
「お父様…。私…、強く…強くなれるでしょうか?」
悲痛な表情で尋ねてきた愛娘に、父親は力強く頷いた。
「もちろんだ!だが、その為には過酷な修練を積まねばならんぞ?」
「…!!」
修練という言葉を聞いたアヤナの脳裏に、必死に受験勉強をする友人達の姿が浮かぶ。
「承知の上です!…むしろ望むことですわ、お父様!!」
「それでこそ我が娘!よろしい。ではさっそく、年末年始のハワイ旅行を修行へと切替えよう。
お前をかの国でも生き延びられる戦士とするべく、考えうる最高の師を召還しようではないか!」
「はい!ありがとうございます!!」
そう応えたアヤナの目には、闘志の炎が熱く燃え盛っていたという。
かくして、若田部アヤナは2005年12月末、年を跨いでの修行を行うべく、大いなる決意と覚悟を胸に抱いてハワイへと旅出っていった。
70102:2006/01/01(日) 23:28:47 ID:Q5emlBby
つづき(があるなら)は、そのうちに…。
71名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 23:34:35 ID:0Gy2RTBo
102氏、GJです
アヤナすげぇ偏見???いや、そうでもないかw
72160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:02:26 ID:NZDRCu+V
皆様あけおめで160です。
新年から投下された職人の皆様GJ!でした。 また、ヨゴレばっかりの作品を見てもらっている住人の皆様、
それに元旦から更新して下さった古田氏。 今年もよろしくお願いしますね〜。 
では前回の予告らしきもののとおりアヤナもので一本投下します。
例によってエロは無しです。

題名は「男の子」とでも
73160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:03:06 ID:NZDRCu+V
中学2年の春、私はついに行動に移る事にした。
「あらあら まだ委員の割り当ても決めてないのにもう委員長気取り?」
「久しぶりね」
「あなたは…」
ええ…。 本当…本当に久しぶり……。


初めての冒険…というものだったのだろうか?
小学3年生の夏、私は親に買ってもらったばかりの自転車で、自分の力では今まで行ったことの無い場所に向けペダルをこいでいた。
たかが隣町とは言え、初めての風景。 初めてすれ違う人たち。 同世代の子供たちともすれ違ったりするのだけれど、その誰もが
知らない顔。 すれ違った後に『ねぇねぇ今のコ見た?』『うん、見た見た! すっごく綺…』なんて女の子たちの会話が遠ざかっていく。
自分の顔のことを言っているのだろう。 こんなのは慣れっこだ。 父親には『アヤナは将来、物凄い美人さんになるぞー』と
言われ続け、珍しく父親が家に連れてきた部下らしき若い男の人に挨拶しても『若田部部長のお嬢さん…将来…ボクに下さい!』
などと世迷い事のようなことを言って父親にグーで殴られている人もいた。 そんな自分の顔がキライなのでは無いけど、
学校でもみんなに特別扱いされるのにはちょっと嫌気がさしていた。
『お人形さんみたい』
『お姫様役は絶対アヤナちゃんだよね!』
『アヤナちゃんみたいになりたいなー』
こんな事を日々言われ続けていると、迂闊なことが出来なくなってしまう。 勉強が出来ないなんてもってのほかだし、運動だって
さらりとこなし、楽器の一つもひけて、他人にはいつもやさしく…………そう言う風に努力しないといけない。 頑張らないといけない。 
でもそれは非常に疲れる毎日。 そんな日常から逃げたくてあの場所まで行ったのかもしれない。
74160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:03:50 ID:NZDRCu+V
「きゃぁっ!!」
突然、私の体は悲鳴と同時に自転車から地面へと転がっていた。 要するにタイヤが何かを踏んでバランスを崩して転んだのだ。
「ふ…ふぇぇ…えぐっ」
小学生の私は転倒の痛みに耐えることが出来ず、当然の如く泣き出した。 知らない場所で。 一人きりで。 心細くて…。
ヒザを擦りむいて泣きべそをかいている私に容赦なく照り付けてくる日差し。 転倒した時に帽子も脱げてどこかに飛んでいって
しまったから、その日差しのキツさは、とても苦しかった。 でも、突然頭上に日陰が戻ったかと思うと、言葉が私に投げかけられた。
「どうしたの?」
男の子の声だ。 同い年くらいの男子だろうか? と言う事は、隣の小学校の男の子? 私は慌ててその場を取り繕おうとした。
こんなところで泣いてちゃダメだ。
「なっ、何でもないのっ! 気にしないでよっ!」
そう言うと同時にいつもの私の凛とした表情を作って、声を掛けてきた男の子を見つめる。
「気にしないでよ…って言われてもなー」
その男の子はいつの間に拾っていたのか、私の帽子を頭に軽く被せてくれると、腰を落として私と正対する形となった。
「あ…ありがと…」
こういう場合きちんとお礼をしなければならないのは、常識の一つだ。 でも、今は放っておいて欲しい。 自転車で転んで泣きべそを
かいているなんて私にとっては耐えがたい屈辱なのだから。
「ヒザ…」
「え…?」
「ケガしちゃってるよ」
男の子が私のヒザにこびり付いている石や泥を落とそうとしたのか、その手が私のヒザに触った。
「ばかばかばかばかっ! いきなり触らないでよっ! 女の子に失礼でしょっ!」
触られたことによる傷の痛みからなのか、私は思わず怒鳴ってしまう。 心配してくれてこその行動に違いないのに。
「自転車…」
「え…?」
「起こさないとな」
私の言ったことを聞いているのかいないのか、男の子は立ち上がると私の後ろで倒れたままになっている自転車を起こしている。 
どうも調子の狂う男の子だ。 同じ学校の同学年の男の子が、もし私に今みたいに怒鳴られたとしたら、それこそ平伏しかねない。
75160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:04:34 ID:NZDRCu+V
「ちょっとだけごめんな」
自転車を起こした男の子は、そう言うと、持っていたペットボトルに入っている水を、いきなり私の擦りむいたヒザに掛けた。
「……! ばかばかばかばかばかばかばかぁーっ! 痛いでしょーっ!」
「母さんがさ…」
「え…?」
さっきからこの展開ばかりだ。 この男の子は私の話を聞いてるのだろうか?
「日射病にならないように持ってろ…って」
男の子は、空になったそのペットボトルを少し振ってから持っていたバッグのポケットに収め、今度はハンカチを取り出して
私のヒザにあててくれた。
「ぁ…ありがと…」
こんな事をされたらお礼を言うしかない。 いきなり断りもなしに体に触ってきて、いきなり液体をぶっ掛けてきて。
凄い失礼な男の子で、私としてはまだまだ怒鳴り足りないのに、これ以上責めれらない状況だ。
「じゃあ…これでだいじょうぶかな? 俺、そろそろ行くけど」
失礼な男の子は更に失礼な言葉を私に投げかける。 このまま私を放っておくというのだろうか?
「大丈夫…なわけ無いでしょ! ケガした女の子を暑い中放っておくつもり!?」
やっと自分の調子が出てきたようだ。 こんな同い年くらいの男の子の一人や二人、私ならどうにでもなるんだから。
「まいったな…」
ま、まいったなですって!? ケガをしているのはこの私、若田部アヤナだと言うのに、この男の子、一体何様のつもりなの?
「こう言う時はどこか涼しいところにでも連れてって、冷たい麦茶の一つでも出しなさいよっ! 麦茶には砂糖を入れなきゃダメ!」
なんと言っても夏は砂糖入り麦茶に限る。 あの甘さでこのケガの痛みも忘れられると言うもの。
「麦茶に砂糖? プ…」
「なんですって!?」
この男の子は砂糖入り麦茶の美味しさを否定しようと言うの? それは私に対する挑戦と受け取って…
「麦茶は無いけどさ…」
「え…?」
「涼しいところならあるけど、来る?」
76160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:05:21 ID:NZDRCu+V
数分後、私はなぜかプールのそばにいた。 まだ少しだけ痛む足を引きずりながら男の子について自転車を押して歩く私を
男の子が案内してくれたのは、どういうわけだか住宅街の中に存在しているプールだった。
「ここ、週に何回も使われていないプールなんだ」
どうやらその男の子が話すには、このプールはどこかの会社の保養施設と言うものらしく、夏になると何日かに一回、
泊まりにきたそこの社員が泳ぎにくるくらいで、泊まりに来る社員がいないと管理人もいないのだと言う。
コの字型の建物に囲われた中庭にあるプールなので、この時間だと確かに日差しは無く、少し涼しい。 ただ…。
「女の子にふほーしんにゅーさせるなんて、あなたどういう神経してるのよ?」
破れた金網を四つんばいになって潜り抜けるなどと言うのは、今日の私の予定には入っていなかったことだ。
「結局付いてきてるじゃん」
「あなたがいなかったら、私はこのあたりの事全然知らないのよ? ついてくるしか無いじゃない」
「そういえばキミ、どこの子?」
「私は、と… な、内緒よ。 パパが知らない人に名前とか教えちゃいけない、って」
危ない危ない。 この子と話しているといつもの私じゃないみたいに口が軽くなってしまう。
「そっか。 じゃあ俺も言わないけどいいよね?」
「きっ、聞きたいとも思わないからっ」
その男の子とはその後、色々なことを話した。 もちろん名前とか住所とかって言うことは話さなかったけれど、好きな事とか
この夏休みにどこに連れてってもらうだとか、夏休みの宿題の事とかだ。 いつもの私を知らない男の子だったからだろうか?
私はいつに無く小学3年生らしい口調で、楽しいお喋りの時間をすごす事が出来たのだった。
77160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:06:17 ID:NZDRCu+V
「さーて。 そろそろ…」
「なにがそろそろなの?」
もしかしてこの男の子は帰ってしまうのだろうか? 淋しさが私の胸の中で急速に膨らんでいく。
「泳ぐんだって。 何のためにここまで来たと思ったの?」
そう言うと男の子は、おもむろに服を脱ぎだした。 どうやら水着はあらかじめ着ていたようで、私が本日3回目の怒鳴り声を
上げるようなことはなかった。
水着姿になった男の子は、小学生にしては綺麗なフォームでプールに飛び込んだ。 跳ねた水がこちらに飛んできて
私の服を少し濡らす。
「あ…」
服に水が掛かった事はどうでも良く、水の中から再び頭を出した男の子の姿に私は不覚にも涼しそうで羨ましいと言う
感情を持ってしまった。
「…ずるい」
当然、水着など持ってきているわけが無い。 そんな私の感情を見越してなのか、男の子がとんでもない事を言って来た。
「キミも入る? プール」
「バカっ! 水着も無いのに入れるわけないでしょうっ!」
どうして男の子っていうのはこう…。
「パンツで泳げばいいじゃん」
ぱ、ぱぱぱんつ〜!?
「え、ええエッチ! 変態! 何言ってるのよ!」
「小学生同士で何言ってるんだか…別に同い年くらいのペタンコの胸なんか見てもどうって事ないし」
この男の子、全然わかってないっ! お、おお男の子の前で裸になれるわけ無いでしょっ! そ、それに私…の、胸…。
「全く…女の子はみんな『じいしきかじょー』だよなー」
その言葉に私は思わずカッとなり
「バカバカバカバカバカぁ!! あなたデリカシーってものがな…アレ?」
怒鳴りながら男の子に向けて走る私は…運の無い日と言うのはこういう日のことを言うのだろう。 プールサイドの床面に
思いっきり足を滑らせプールの中に飛び込むハメになった。
78160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:07:12 ID:NZDRCu+V
当然の事だが、頭のてっぺんからつま先までずぶ濡れになった私は水の中で呆然と立ちすくんでいた。
こんな事になったのも、全部全部あの男の子のせいだ。
「ちょっと! あなたが変なこと言うからっ!」
「服…」
いや、もう、そういう人を惑わせるような口調には乗らないわよ…。 と、男の子を見るとなんだか顔が赤くてモジモジして
いる。 その視点の先を見てみると…。 私のフレアのワンピースが、かなり、本当にかなり花びらのように水の中に
広がっていた…。
「ううぅ…。 もぅやだぁ…。 えぐっ…えぐっ…」
その光景の間抜けさに私は本日二回目の泣き声を上げるしかなかった…。
「ごめん…」
「ひっく…えぐっ」
「本当にごめん…」
「うう…うぁ…」
「ごめんってば…」
泣き声を上げる私と、謝罪にならない謝罪をしている男の子。 私は女の子として大事な事を一つ確認する必要があった。
「…見た?」
「…ごめん」
どうやら見られていたようだ…。 本当に大きな声で泣きたくなる。
「無神経な事言っちゃったな…」
「え…?」
「さっき、『パンツで入れ』…なんて。 その…、胸がゴニョゴニョ…なんて知らなくて…」
本当にたった今も無神経なことを言っている男の子。
「私は…。 自分のこの体がキライ…。 ほかの子と同じような体が良かった。 ジロジロ変な風に見られるだけだし」
思わず、男の子に愚痴ってしまう。 こういう話はたとえ女の子同士でも迂闊に愚痴る訳にはいかないから。
「なんで? 格好良いじゃん?」
「は?」
何を言ってるのだろう、この男の子は。
「早く大人になれるみたいでさ。 俺も早く大人になりたいけど…まだまだガキじゃん?」
「そっそんな事ないっ! ちょっと胸がゴニョゴニョ…だって良いことないもん!」
「まあ、慌てる事ないって言うのは分ってるんだけど…」
「……」
そういえば、この男の子。 背もあまり高くない、って言うか私よりも背が小さい? だからなのかな?
私は早く大人にはなりたくない。 この男の子は早く大人になりたい。 どうして世の中はこうなんだろう…?
79160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:08:09 ID:NZDRCu+V
「…上がろうか? 今のうちに上がっておけば、服もすぐ乾きそうだし」
二人の間の沈黙を打ち消すかのように、男の子はそう言うとプールから上がり、続いてプールサイドに上がった私に
バッグから取り出した大き目のバスタオルを渡してくれた。 
着たままの服を絞って、髪の毛をタオルで拭きあげた私は男の子にバスタオルを返すと、その男の子は軽く体を拭い
ただけですぐに服を着てしまう。
「服…、大丈夫?」
どうやら今でもずぶ濡れに見える私の事を心配してくれているようだ。
「ええ。 家に帰るまでには乾く…と思う」
プールに飛び込むハメになったのは、結局自分のせいだし、ここでこの男の子をこれ以上責めても仕方が無い。
「でも、このまますぐに帰るわけにもいかないから、なにか話し…してよ」
「話し?」
「話し相手になって…って言ってるの」
「あ、うん」
それからまた、その男の子との間でお喋りをする事になった。 一度恥ずかしい目にあって開き直ったからなのか、
先ほどのお喋りよりも楽しく、そして自分の学校では絶対にする事の出来ない、私にしてはちょっと「エッチな」話を
向けてみたりもして、男の子が真っ赤になるところを楽しんだりもした。
ああ、ウチの学校にもこういう男の子がいたら楽しいのにな…と、思いつつ。

男の子と一時間も話したところだろうか、そろそろ服も夏の日差しと気温で乾き始め、このままであれば家に帰る
までには充分乾きそうな感じで…。 そして男の子との、この楽しい時間も終わり、と言う予感がしてきた…。
「今日はありがとう…」
「い、いや。 こ、こっちこそ」
「なんか一人でドジばかりして、あなたを困らせたみたいだけれど」
「こっちも楽しかったし」
話しながら、男の子の視線と私の視線が一本の糸に織り上げられていく。 最初は私の視線を感じると私を見ていた視線を
外すかのようだった男の子の視線も、今はしっかり私の瞳を差している。
「この夏はここにいるの?」
…? もしかして夏休みの間だけこちらに来ている女の子と勘違いされたのかしら?
「どうして? もしかしてまた私に会いたい、とか思った?」
からかうかのような私の言葉に男の子はドキリとしたようで
「……正直、…また会いたいかも」
って、今度は私がドキドキする番か…。 なぜか上手く返答をする事が出来ない。
ここは一つ大人らしく『ふふっ…あなたがそう思うならばまた会えるかもね』とか、言えるくらいの機転は利く私なのに…。
何故か顔と顔が接近していく二人。 ちょ、ちょっと待って! これは全然予定に入ってない! …でも私も何故か体が
勝手に…。 ふ…、何ていうの? 小学生にはまだ早すぎるっていうのかしら…。 でもでも、体が勝手に動いちゃうよぉ…。
80160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:09:08 ID:NZDRCu+V
「マサちゃぁああん?」
迫力のある声に、金縛りが解けたかのようにビクっとする二人。 い、いいところだったのに!! あのままキス寸前まで
行って『ウ・ソ♪』とか言って男の子をからかうつもり、本当につもりだったんだからっ!! 誰よ? 邪魔するのはっ!!
ああ、そういえばこの男の子『マサ…なんとか』って名前なのね…。
声のした方を見てみると、薄い色の髪の毛を後ろで二つに縛った女の子。 顔は…可愛いけど私の敵では無いわね。
「あ、あま…っ!」
「そちらの可愛い女の子は誰なの?」
「い、いやっ! この子は俺の知らない子でっ! じゃなくって、き、今日知り合って!」
「ふ〜ん。 知らない子と秘密プールで遊ぶんだ。 マサちゃんは…」
何なの? この子? 随分とこの男の子と仲が良い様じゃない。 売られたケンカは買う女よ?私は。
「ちょっとあなた? その『マサちゃん』は今、私と遊んでいるの。 邪魔しないでくれない?」
ワザと今知ったばかりの男の子の名前を呼んで挑発してみる。 
「な!? マ、マサちゃんですって?」
その女の子が敵意をむき出しにして私を睨みつけるが、そこで引くような私じゃない。 さらに追い討ちをかける。
「ああ、この子? マサちゃんが言ってた『ペタンコ』な子って?」
「ちょ! 何言って?」
男の子が慌てる。 いや、慌てると言うより狼狽しているようだ。
「昼間から洋服ずぶ濡れの女の子なんてちょっと変だよ。 いこ、マサちゃん」
その女の子は、強引に男の子の手を取って立ち去ろうとする。 ふ…、この若田部アヤナを捕まえて『変な女』呼ばわりとは
良い度胸しているじゃないの。 このペタンコ。
「ずぶ濡れになっちゃったのは、マサちゃんと楽しく遊んだおかげなんだけれど…。 えっと…ペタンコさん?…その手
離してくださらない?」
私も男の子の手を強引に掴み、それ以上立ち去れないようにする。
「ちょっと! ペタンコ、ペタンコってどうせあなただっ…」
「〜♪」
そんな反応は予想済み。 私は、生乾きの服でラインが強調された胸を反らし、その『ペタンコ』の能書きを最後まで喋らせない。
「くっ…」
ふふ…、悔しがってる悔しがってる♪ それじゃそろそろトドメの一撃と行こうかしら…。
「と、言うわけでマサちゃんは、今日は私と遊・ぶ・わ・け。 悪いけど引っ込んでいてね」
「なっ!?」
あら? 何かこの『ペタンコ』の体の周り、白いモヤのようなモノが…。
「わ、わー!! あ、天野っ! それじゃ行こうか!」
いきなり響く男の子の声。 それと同時に女の子の周りを包む白いモヤが女の子に吸い込まれていくかのように消えていく。
一体何だったのかしら? あれは。
「と、言うわけで…ごめんね? マサちゃんは私と遊ぶって…」
一転して勝ち誇ったような顔をする『ペタンコ』  あ!いまこっち向かってニヤリとした! なにこの女の子!
それ以上、文句を言う暇すら与えられずに、その男の子は『ペタンコ』に引きずられながら敷地の外へ出て行ってしまっ…
と思うと、走って引き返してきて、
「またいつか会おうね」
と一言だけ言って、私の前から今度は本当に消えてしまった。
私は自分があの女の子に負けたことに釈然としないものがあった。 何もかも私のほうが勝っているはずだった…。
『試合に勝って勝負に負けた…というやつなのかしらね…』
そう自分を納得させ、楽しかった(最後は不愉快だったが)一日を振り返りながら家路についたのだった。
81160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:09:59 ID:NZDRCu+V
あの強烈な印象を残した真夏の一日、私はその後、随分とあの男の子の事を調べようとした。
『またいつか会おうね』
その言葉は、自分の手で実現させる! と行動に移したものの、結局その夏での再会は叶わず。 その次の夏も会えず。
私が通っていたピアノの教室にいた、隣の小学校の女の子にも聞いてみたのだが、その正体は分らないままだった。
結局私は、私立中学への進学話もあったのだが、別に私立でなければ良い高校にはいけないと言う事も無いだろうし、と、
地元の中学校に入学した時点で、あの男の子…。 そして『ペタンコ』との再会を果たしたのだった…。 だった…。
だった…が…、あの二人はすっかり昔の出来事など忘れているようで、しかもクラスも違ったために変に話しかける訳にも
行かず『ペタンコ』とは、クラス委員の集まりで一緒になることはあったが、結局1年間を無駄に過ごしてしまった。
だけどこの学年からは彼とも『ペタンコ』とも同じクラス!

さ、行くわよ…アヤナ。 『ペタンコ』との勝負を付けに。 …そしてあの「男の子」を奪い返すために。
82160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/02(月) 12:10:58 ID:NZDRCu+V
以上です。
ん〜。 予定に無かったパートを入れてしまうあたりが悲しい芸風なのでしょうか。
と言うか、こんな冷静な視点を持つ小学生がいたらコワスwww

それでは。
83名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 12:23:49 ID:Z2EOPLQa
『ペタンコ』・・・いいですねえ、このフレーズ
84名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 13:15:31 ID:I/mkiLrQ
幼いころの思い出キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
85名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 13:43:28 ID:8SK8WSsN
160氏乙とGJ
それにしてもこれだけ賑わっていながら
論評合戦も格付け大会も人気投票も行なわれないとはなんと大人なふんいきのスレか
それがこのスレの一番すごいとこだと思う
86名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 13:44:05 ID:ALrpqX5L
小3にして胸がゴニョゴニョのアヤナハァハァ…
知らない男の子にいきなり体を触られ液体をぶっかけられるアヤナハァハァ…
160氏GJ!!
87名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 13:49:52 ID:+gim5f54
正月からなんてGJなものを…乙!
88名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 15:33:55 ID:HW0nVG65
夏の思い出キタコレ
89トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/02(月) 23:16:37 ID:Q9tE12f6

トマソンです。皆様あけおめ。

541氏、102氏、160氏、新年早々から乙です。
そして古田監督殿、いつもながらGJ。 このスレの興隆は監督のおかげですな。

さて、初詣、カオルネタでひとつ。とりあえず導入だけです。

90トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/02(月) 23:18:15 ID:Q9tE12f6

(うおっ、すごい行列……)
 2006年の元旦。シンジは一人、近所の神社に初詣に来ていた。
カナミはマナカやアキ達と連れ立って少し遠い有名な寺に行ったため、近場で済ませた
いシンジは一人、人ごみの中に身を投じていたわけである。

 それにしてもすごい賑わいだ。出店もたくさん出ているし、参拝客の行列もずらりと
並んでいて、本殿目指してゆっくりと進む、というより行列の中に身を置いて流されて
いくのが精一杯だ。
 ようやくのことで本殿にたどりついたシンジ。賽銭を投げ、カランカランと鐘を鳴ら
して両手を合わせる。
(一家安泰、学業成就、健康、それと、無駄にエロい妹が普通になりますように……)
 最後の願い事がシンジらしい特殊事情ではある。
さて、後ろにも人がずらりと並んでいる。シンジはお祈りは早々に切り上げ、帰る人の
列に加わった。

 そのころ、本殿へ向かう列の中に栗色のロングヘアの少女が一人いた。
(お祈りすることは……今年こそ先輩が、私の気持ちに気づいてくれますように……)
そんな願い事を心の中で繰り返しながら、本殿へ次第に近づく。
 その矢先、反対側の列に憧れの男性たるシンジを見つけ、少女の心が跳ね上がった。
(あ、あれは先輩……チャンス! この流れを利用してぶつかって……わああっ?!)
とまあ、シンジに接近しようとして人ごみに流されていったいたいけな少女がいたの
だが、当のシンジは知る由もなかった。

 帰り道を歩くシンジの鼻を、そこはかとなく甘い匂いがくすぐった。見ると、参道の
傍らの建物に、赤い袴の巫女さんが数人詰めており、参拝客に甘酒を振舞っている。
(お、甘酒はサービスか……体も冷えてるし、飲んでいくか……)
と、シンジはそこへ向かった。
 ここも人が多いが、初詣客の行列よりはましだ。甘い香りのする紙コップを受け取り
口へ運ぼうとするシンジだったが、体を向き直った瞬間、人ごみの中にひときわ目立つ
長身の女の子を目にして手を止めた。
 ボーイッシュな顔立ち、太めの眉毛。ジャンパーにトレパン姿で、腰に手を当て、甘
酒を一気に飲み干す豪快な飲みっぷり。なんと、ご存知のピュアピュア娘、金城カオル。
「そんなに飲んで大丈夫ですか?」
 巫女さんの心配も何のその、お代わりを手にするカオル。
「えへへ、おいしゅしいもん。じゃいじょーびゅ、じゃいじょーびゅ」
 大丈夫と言いたいのだろうが呂律が回っていない。
91トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/02(月) 23:20:06 ID:Q9tE12f6

 その姿にびっくりしていたシンジだったが、ついカオルと目が合ってしまった。
これでは他人の振りをするわけにもいかない。
「か、カオルちゃん? 珍しいところで会うね」
「あ、シンジしゃん。あけましゅておめでとうごじゃいま〜す」
「あけましておめでとう……って、ちょっと飲みすぎじゃないか?」
「え〜酔ってましぇんよ〜まだまだこれからじぇしゅ〜」
 シンジは、カオルとは夏に一緒に海に行ったくらいで、さほど親しいわけではない。
 あの時は声をかけるだけでカオルのほうが顔を赤らめてしまい、ウブな娘だな、位に
しか思わなかったが、アルコールにぽっと頬を染め、トロンとした目をしているところ
は結構ドキドキものだ。というか、この娘が酔っ払うというのが信じられない。
「カオルちゃん、お酒好きなの?」
「普段は飲まないけじょ、甘酒はおいしゅいでしゅね〜」
そんなやり取りをしているところに、巫女さんの一人がシンジに声をかけてきた。
「あの、お知り合いですか?」
「? ああ、まあ……」
「それじゃ、お願いが……この人を家まで送っていただけませんか。もう甘酒を八杯も
飲んでしまって、ご覧のとおりの有様で……」
「どんにゃありしゃまだよ〜、酔ってなんかにゃいじょ〜」
 酔っ払いカオルが絡んでくるのは無視して、シンジと巫女さんの話は続く。
「でも、住所を知らないので……」
「あ、私、この人と同じ高校に通っているんです。住所は……えっと、これです」
 どうやらこの巫女さんは、白百合女学院に通うカオルの同級生らしい。普段から凛々
しいカオルに憧れていた彼女、巫女さんのアルバイトをしているところにカオルが初詣
に来て、つい飲ませたはいいが、カオルのほうが酔ってしまったわけだ。

てなわけで、巫女さんがカオルの住所をさらさらと書き付けたメモを受け取り、カオル
を連れて帰ることになったシンジ。ひょいとカオルの腕を取る。
「さ、帰ろうカオルちゃん」
「え〜もうじょっと、飲みたいにょ〜」
「おうちに帰ってお屠蘇を飲もうよ、うん」
 とにかく家に送って、親御さんに引き渡せば用は済む。シンジのこの考えは少々、
甘かったのだが、神ならぬシンジには分かるはずもなかった。
92トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/02(月) 23:22:09 ID:Q9tE12f6

 金城邸はさして遠くなかった。シンジはふらつくカオルに肩を貸し、
「えへへ〜シンジしゃん、早く帰って飲みましょ〜」
などとからんでくるカオルを支えつつ、カオルの自宅に到着した。
 呼び鈴を鳴らそうと手を伸ばすと、カオルがそれを止める。
「私の家なんじぇすから〜、遠慮はいりましぇんよ〜、さあ」
と、ふらつきながらドアを開けて家に入っていくカオル。
「それじゃ俺はこれで……て、ちょっとカオルちゃん」
「じゃめれすよ〜一緒に飲みゅんでじょ〜」
 カオルが腕を離してくれないため、シンジもやむを得ず金城邸に入り込んでしまった。
「たらいま〜」
「お邪魔します……」
 酒臭い娘と、若い男性を迎え、台所から出てきたカオルの母親は目を丸くした。いか
にもカオルの母親らしい飾り気のない、実直そうな女性だが、少々早とちりらしい。
「こんにちは、実は……」
 シンジが訳を説明しようとするが、カオルママは聞いちゃいない。
「まあまあまあ。ウチの娘が男の子を連れてくるなんて大変大変。今夜はお赤飯炊かな
くちゃ〜」
 事情も聞かずにこのノリ。まあ、確かにあのウブなカオルが男をいきなり連れてきた
ら驚くだろうが。
(こんな感じの母親がこの前読んだ漫画に出てきたよな……)などとつまらないことを
思い出すシンジをよそに、カオルママは財布を手にコートを着込む。
「今夜はご馳走作りますから、お買い物に行ってきます。三時間くらいは家を空けます
から、その間はしっぽり、いや、しっかり留守を頼みますね」
「あ、あのお母さん……」
「あら、お義母さんだなんて」
(やっぱり、あの漫画に出てきた母親そっくりだ……たしか、何とか家庭教師、何とか
アイ……だったっけ?)
 シンジの抗議などどこ吹く風、カオルママはウインクを残して出て行き、カオルが
シンジの腕を引っ張ってコタツへ座らせる。
 ご丁寧にコタツの上にはみかんの山と、お屠蘇に日本酒まで用意されていた。
「えへへ〜、さあシンジしゃん飲みましょ〜」
(まいったな……)
 少々困惑するシンジだったが、ポッと顔を染めたカオルに杯を差し出されてはもはや
逃げられそうにない。さっき腕をつかまれた感触では、腕力ではカオルのほうが強そう
ですらある。
(俺も、体鍛えたほうがいいかなあ……?)
 男として少々情けない感想だが、ともかくそんなことを考えても状況は変わりそうに
ない。シンジは杯を受け取り、甘いお屠蘇をごくっと飲み込んだ。
「わ〜、いい飲みっぷりでしゅね〜私にも〜」
 カオルもまた杯をシンジに差しだし、酒を注ぐようトロンとした目で催促する。
「カオルちゃん……あの、控え目にね……」
 しょうがない、少々付き合うか。シンジはお屠蘇の容器を手にした。

93トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/02(月) 23:23:20 ID:Q9tE12f6

 申し訳ないがとりあえずここまで。
とりあえず三が日の間にさわりだけでも投下したかったので。

しかしなかなか筆が進みません。
続きをうpする頃には賞味期限切れかな。

タイトルは「初詣と酒とピュアピュア娘」とでも。
94名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 23:26:51 ID:ALrpqX5L
GJだけど生殺し!!
激しく期待しておりますトマソン氏♪
95名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 01:54:56 ID:TWcYxxAH
デジャヴワロス
カオルテラカワイス
というわけでトマソン氏乙
マターリと続き待ってます
96名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 04:31:08 ID:aRrNWAoB
生殺しGJ。
失礼ですが、早めの蘇生処置をお願いします。
ただ待つのは辛いぜ…
97名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 04:47:42 ID:dG1mULH8
トマソン氏GJ!!でもすん止めはキツイっす
続きごっさわくわくしながら待ってます!!!
98名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 10:31:00 ID:HIDhZ7VQ
99名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 11:17:18 ID:bnjgjtb2
さすがは正月だ…

神が舞い降りられた!

全職人様
G J !!
100名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 13:05:12 ID:M3LhsrUm
100へとー
101名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 16:54:02 ID:G/Fi3KyV
正月を祝ってまた祭りを開きませんか?
神々さえ良ければ準備します
102名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 17:16:13 ID:6+qRKMKI
職人さま各々のペースでいいんじゃないかと思います
クリスマス前後も自然に祭り状態になってたし
新年はいろいろ忙しい職人も多いのでは?

でも(こちらも忙しい時期ですが)3月に卒業祭りは開催してもらいたいと思います
103名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 18:01:01 ID:8qwW6Z10
大きな行事の度に祭りしなくてもいいんじゃない?
梅雨の時みたいに誰かが時事ネタ書いたら同じテーマで他の神も書いてくれるかもしれないし
104117(´_ゝ`):2006/01/03(火) 18:13:08 ID:XfvThWne
どーせ、濱中は連載終わるんだし、終わったら此処は過疎になると思うし、
祭をやるだけやってもいーんじゃねーか?

てゆーか、新スレなってからエロが足りないなw
105名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 19:27:01 ID:ebMBaqtX
>>104
やった!濱中終了後はあなたは来ないんですね!?
106名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 20:46:02 ID:RKZiyj/e
マターリいきましょう
107郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:37:17 ID:qC//KslX
皆様、明けましておめでとうございます&今年もよろしくお願いします!!!
しかし最近埋まるのが早すぎませんか?500番台で終了って……すげえ。
個人的に1スレ3SS投下が目標だったのに、最近追いつきません。てなわけで、
13時間目>>245の続き。
108郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:38:14 ID:qC//KslX
「?若田部、ミサキの奴、なんて………」
「手伝いなさい、小久保君」
「は?」
「ミサキちゃんはね、これからお姉様たちと一緒に的山さんちに遊びに行くんだって」
「ひ?」
「そんで貴方は、私の引っ越し要員として貸して頂けることになったの」
「ふ?」
「さて、と……それじゃさっそく朝ご飯を作るから、軽く腹ごしらえを済ましたらさっそく荷造りをしましょうか」
「へ?」
―――訳が分らない、そんな表情で呆然としている小久保君を尻目にキッチンに向かう。
リビングやベッドルームは壊滅的な状況だが、ここだけは清潔に保たれているのが救いだ。
二日酔いから完全に回復したわけじゃないから、味の濃いものはお互いちょっとムリだろう。
パスタを茹でる間にニンニクと唐辛子を少量刻んでオリーブオイルで炒め、
茹で上がったパスタとベーコンを加えて薄く塩胡椒で味付けして皿に盛ると軽く粉チーズを振った。
コーンポタージュスープを温め、トマトとレタスをカットしてさっさとサラダボウルに盛りつける。
「はい、小久保君……食欲は無いかもしれないけど、とりあえず……」
「ああ、わりいな……若田部……」
私が料理している間、なんとか自分の衣服を見つけたらしい小久保君が
クシャクシャになった白いワイシャツとスラックスという姿で情けなさそうにテーブルに座った。
…………ズルイ。
素肌にクシャッとしたワイシャツ、それだけなのに、すごく色っぽい。
あの頃の小久保君にも、大人になりかけのなんとも言えない色気があったけど……
今の小久保君には、大人の男の色気があった。
…………ズルイ。
「ん、旨い。久しぶりに若田部の手料理食うけど、相変わらず旨いな」
「………止めてよ、昔同棲してたカップルみたいな言い方」
「ああ、わりい。でもさ、中学生の頃若田部、俺にクッキーとかくれたじゃん?
それになにかあるとお前んちでパーティーやったり………そんときのことなんてもう覚えてないんだけど、
若田部の料理が旨かったってことだけはヤケに覚えてたりするんだよな。
はは、食い物の記憶って案外一番残るものなのかもな……」
………覚えていて、くれたんだ。そう、あの頃は……お礼だとかなにかにかこつけて、
小久保君にお菓子をプレゼントをしたりしてた。素直に……好きだって言えなかった私が、
それでも好意を示そうとした、切ない思い。でもそれは……気付かれることは、なかった。
「不思議だよね……」
「ん?なにがだよ?」
「普通あれくらいの年頃なら、私のプレゼントとか、ミサキちゃんのこととか、
周りもみんなそういうお年頃なんだから、噂になったりからかわれたりしても不思議じゃないのに。
全然みんな当たり前みたいにしてたよね。小久保君はどう思ってたの?」
「………?俺は単純にありがたいなと………」
………ダメだこりゃ。
「はあ、多分……男の子たちもそう思ったんだろうね」
「?あのさ、若田部、どういう………」
「小久保君本人がそれじゃ、周りもからかいがいが無いっていうか……そう思ったんだろうね」
「???」
今年で三十歳になろうとしてるってのに……小久保君の鈍さは全く変わってないみたいだ。
「ふう……これじゃミサキちゃんも苦労するよね………」
「??……良く分らないけど、とにかくゴメン」
それだ。素直に謝るから、こっちもそれ以上追及できなくなる。やっぱり、小久保君は、ズルイ。
「……ま、いいよ。朝ご飯の後かたづけ手伝って。それから、荷造り始めようよ」
「あ、ああ……」
パスタ皿、サラダボウル、フォーク、それにたまっていた食器etcを洗うのを小久保君に任せ、
私は食器の水気をタオルで拭き取ると食器棚の中へ納めていった。
なんだかこんなことを男の人とするのも久しぶりだ。
「意外に手際いいね、小久保君」
「ああ……普段手伝ってるからな」
§
109郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:50:34 ID:qC//KslX
「へえ……エライじゃない、でも共働きならそんなもんなのかしら?」
「ん〜〜〜、その代り料理とかはほとんどしないしな。
食器洗うのは学生時代バイトでやってて慣れてるし、嫌いじゃないからやってるんだけど」
「へえ〜〜、私は逆だなあ。作るのは好きだけど、洗うのは大嫌い」
そんな話を続ける。ちょっとずつギクシャクした空気がなくなっていった。
「よし、終わったね……それじゃ、小久保君、悪いけどお願い」
「ああ……でも荷造りってどうすりゃいいんだ?」
「安心して。実は要るものはほとんどベッドルームに運び込んであるの。
君が寝ていたリビングは全部捨てていいものばっかりだから。段ボールと紐はもう用意してるし」
「そう言えばここ、古雑誌とか切り抜きとか、そんなのばっかりだな」
私がだらしなくてただ単に散らかっていたわけじゃ……いや、それもちょっぴりあるけど、
ここしばらく少しずつ引っ越しの準備をしていたうちに部屋がこんな風になっていたのもあるのだ。
「それじゃ、私はベッドルームの整理に取りかかるから……
あ、でも小久保君のスーツ、汚れちゃうよね?今ジャージを出すから着替えて?」
「いや、いいよ。どうせこのスーツもここまでシワクチャになっちゃったらクリーニングに出さないとだし」
「いいから、ちょっと待ってて……えっと、多分小久保君のサイズなら入ると思うけど……」
クローゼットの奥からちょっと防虫剤臭い男物のジャージの上下を見つけてぽい、と手渡した。
「ああ……ありがとう、若田部。汚しちゃうかもだけどゴメンな」
ジャージの来歴について何も聞かないのは、小久保君らしい優しさなのか、鈍さなのか。
確かあれを置いていったのは………英智だったっけ?太陽だったっけ?
どちらにせよ、今回小久保君が汚したらそのまま粗大ゴミ行き決定だ。
自分自身もジャージに着替え、ベッドルームに散乱している荷物の分類、荷造りに精を出した。
ただその前にファンデを軽く塗ってリップを薄く引いたのは……別にその、スッピンに自信がないとか、
なにかに期待してるとかじゃ……ない、と思う。……………そんなんじゃないってば……
「なあ、若田部……ちょっと聞いてもいいか?」
「ほ!………ななな、なによッ!」
「いや……こんなこと、聞いて良いものかどうか分らないから、答えたくなけりゃそれでいいけど。
このマンション結構新しいよな?それに賃貸じゃないんだろ?引っ越しってなんか不満でもあるのか?」
「………不満はないけど。アレ?小久保君、ミサキちゃんに何も聞いてないんだ?」
「?イヤ、あいつからはなにも………」
「そっか。実は私ね、今の会社来年で辞めるつもりなんだ」
「……引き抜きとかか?」
「ううん、違うの。え〜〜っとね、中2の夏休みにみんなで私の叔父さんの旅館泊まったの覚えてる?」
「?……あ、そういやそんなこと、あったかもな」
「その叔父さんなんだけど、子供がいなかったせいか昔っから私のことをすごく可愛がってくれてて……
ちっちゃい頃なんて、私を養女に欲しいって真剣にお父さんに言ったくらいだったんだって」
「へえ………もしそれが実現してたら、今頃若田部は旅館の若女将だったんだ?」
「ふふッ、かもね。結構歴史のある旅館なんだけど叔父さん夫婦ももう年だし、もう引退したいらしくて。
それでこの前頼まれたんだ。経営者としてで良いから旅館を私に継いで欲しいって」
「……それで若田部は?」
「悩んだけどね。今の仕事にもやりがいは感じてるし。でも……ここくらいが引き時かなあ、って。
ウチの業界ってさ、勤続年数短いうちにセミリタイアして、次に会社起こすとか普通なんだよね。
それだけのハードワークだし……私もそろそろちょっと一息つきたいとは思ってたし」
「ふうん……でも、旅館ったってどうなの?経営状態とかは大丈夫なのか?」
「ああ、そのへんは抜かりないよ。一応叔父さんたちからも資料を見せてもらったし、
それ以外にも個人的なコネクション使って少し調べさせてもらったんだ、実は。
収支的には超優良物件ってわけにはいかないけど、しっかりとした常連客がついてるし、
立地条件も良いし、まずまず今後の集客も見込めそうな感じで悪くはないよ。
温泉とか厨房なんかの設備投資もほぼ一段落しててムリをする必要もないしね」
「はあ……さすがだな、若田部……」
「ふふ、私だって不良物件押しつけられて、首が回らなくなるなんてゴメンだよ。
貯金もちょっとはあるし、最初は旅館経営に専念して、落ち着いてきたらゆっくりするつもりなんだ……」
§
110郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:51:31 ID:qC//KslX
小久保君にそんな話をしながら、でも私はなぜか妙な違和感を覚えていた。
(?……確か昨日、ミサキちゃんともこの話をした後で……)
そうだ、間違いなく……同じ話をして、その後で、私がなにかを言って、
ミサキちゃんがひどく驚いた顔をしていたんだ。私は怒るかな、と思ってたんだけど、
………あれ?確か?あれ?………どうしてもその後が………それで、ミサキちゃんは?

「……わかったよ、アヤナちゃん。あなたがもし本気でそう思うんなら、私は大丈夫。
だって私たちは友達だし、あなたの気持ちも良く分るから。でもあの人の気持ちも確認しないと……」

……ダメだ、肝心なところが……でも確か、その後……ふたりで小久保君に……
「???なあ、若田部……大丈夫?」
「ひッ!え、ええ……大丈夫よ」
またも妄想状態になっていた私を不審に思った小久保君が声をかけ、飛び上がる私。
でも……あれ?私、本当になにか重要なコトを?
「よし……だいたい荷造り終わったよ、若田部。どうしよ?部屋の掃除にかかる?
それともそっちの荷造り手伝おうか?」
「……こっち手伝って」
思い出しそびれたまま、私と小久保君は荷造りを続けた。
「そうそう、そこのチェアは傷つかないように新聞紙で包装して………」
「若田部、鏡や布団はまだ使うだろ?これはあとでだな?」
「そうね、そうするわ。……ふうん、結構引っ越し慣れてるじゃない、小久保君?」
「ああ……実は引っ越し屋のバイトも短期だけどやったことあるんだ、俺」
「!へえ、いっが〜〜い。でもそれは頼もしいわね」
「はは、こんなとこで役に立つとは思わなかったけどな……」
テキパキと小久保君が私の指示通り動いてくれたおかげで、悲惨だったベッドルームもかなり片づいた。
「よし、ここの部屋はまだとして、あっちのリビングの掃除機をかけて軽く雑巾がけしとこうか?
それにいくつもできたゴミ袋はどこに置いておけば………」
と言うか、彼は私の予想以上に出来る人だった。ふたりで夢中になって作業をしていたけど、
気付けば五時を回っていて……引っ越しのおおまかな準備は、ほとんど終わってしまっていた。
「………今日は無茶言って、手伝わせて……本当にありがとう、小久保君」
素直に……あの頃なら、なかなか言えなかったはずの感謝の言葉が口をついて出た。
「はは、別に良いんだよ……若田部の人生の新しい第一歩の手伝いができたんだ、光栄に思うさ。
……正直俺、お前に嫌われてたのかと思ってたから、なんだか嬉しいし」
「?!?き、嫌われてるって……なんで……」
「ん?いや、昨日久しぶりに会ったのに若田部なんだかヨソヨソしかったしさ。
それに……なんだかんだでミサキたちとは会ってたみたいなのに、俺とは昨日まで会ってくれなかったし」
違う―――会わなかったんじゃない、会えなかったんだ。嫌いになったわけでももちろん、ない。
「そんなんじゃ、ないよ……私は………」
ああ、どうしてだろう……頭の中で溢れ出てくるくらいなのに……
どうしても、それ以上………言葉が、出てこなかった。
「?……若田部、ゴメン、冗談だって……ちょっとミサキに電話していいかな?」
私が無言で頷くと、小久保君は決まり悪そうに携帯を取り出して話し始めた。
「うん……ああ、そう。もう終わり。で、ミサキは今どこ……?え?は?なに?」
………?なんだかもめてるみたい……?
「あの……若田部、ミサキの奴お前に代わってくれって……」
「?ミサキちゃんが?」
首をひねりながら小久保君が携帯を手渡してきた。受け取って、ミサキちゃんに話しかける。
「ミサキちゃん?私だけど……」
「あ、アヤナちゃん?どう、ウチの人?役に立った?」
「ウン、ありがとう。本当に……大感謝だよ。そろそろミサキちゃんも帰ってくるんでしょ?
お礼も兼ねて食事くらいふたりにご馳走したいんだけど……」
「ああ、いいのいいの、そんなこと。今日はリンちゃんちに泊まる予定だし」
「え?ちょ、ちょっと?なら、小久保君は……」
「その口ぶりだとまだしてないんだね?」
「?だから引っ越しの準備なら……」
§
111郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:52:20 ID:qC//KslX
「そうじゃなくて……まだマサちゃんとセックスしてないんだね?」
「(%'T)'&=?L`&A>ななんなななななななななななななななななな」
「落ち着いてアヤナちゃん、日本語になってないよ?」
「落ち着けるわけないでしょうがあああああ!!!!!!!!!!!!!ミサキちゃん、あなた今何を……」
「あっれ〜〜〜、一日かけたのにまだ思い出せないんだ、昨日の約束?」
(…………昨日の、約束?やくそく?ヤクソク?)
ぐわんぐわん、と記憶が蘇ってきた。

「れね、旅館の経営に専念して、あとはもうゆっくりとするつもりなの……」
ロレツがかなり怪しくなってきた私の前には、ニコニコしながらお酒を飲んでいるミサキちゃん。
「そうなの〜〜、いいな〜〜〜、アヤナちゃん……もう三十歳で隠居状態なんら〜〜」
……彼女もかなりベロンベロンだったようだ。
「ふふ、そりゃあね、結婚もせずに仕事を頑張ってきたんだから。
それに株とかでちょこちょこ儲けたりして、なんだかんだで3億くらい貯金もあるし」
「うわああ……スゴイねえ……さすらはアヤナちゃんだよ〜〜〜!!」
「ただねえ……今にして思うと、結婚はともかく子供は欲しかったのよね……」
「何言ってるの、まだまだこれからじゃない、アヤナちゃん!」
「……本当はね、羨ましかったよ、ミサキちゃんが」
「?」
「学生時代や……社会人になってからも、何人か男の人とお付き合いしたけどね、
小久保君みたいな男の人ってつくづく貴重だったんだ、ってそのたびに思ったもん」
「……そう言うけど、あれでマサちゃん結構だらしないし……だって初恋だったんでしょ?
だからアヤナちゃんの中で、あの人のことが美化されちゃってるんじゃない?」
「……ううん、そういう意味じゃないんだ。あのね、ミサキちゃんは……最初っから彼のことが好きで、
ずっと一緒だから分らないのかもしれないけど……人の悪口や愚痴を言わなくて、
口先だけじゃなく女と対等の立場で考えることができて、卑屈になることもなくて、
相手の言うことに耳を傾けることのできる男の人って、超貴重なんだよ?」
「…………そんなに……マサちゃんは、立派なひとじゃ……」
「立派じゃなくて良いのよ。最近つくづく思うんだけど、男で重要なのは財力でもルックスでもなく、
人間として大丈夫な人かどうかなのよね……小久保君の良さってさ、そういうことなんだよね」
「………アヤナちゃん、もしかして今でも……」
「あは、大丈夫。さすがに未練はもう無いから。でも……惜しかったかな。
せめて小久保君の子供は欲しかったかもね……シングルマザーでもいいからさ。
育てる自信もあるし。ふふ、なんなら今からでも小久保君の種を頂いて育てたいくらい」
酔った勢いに任せて、かなりキワドイ発言をしたもんだ。うつむいて、黙り込むミサキちゃん。
さすがにちょっと調子にのりすぎたか、と思って謝ろうとしたそのとき――――
「…………ねえ、アヤナちゃん?アヤナちゃんさえ良ければ……私、いいよ?」
「?いいって……」
「マサちゃんも良いって言うなら……私、アヤナちゃんがマサちゃんの子供を産んでも、大丈夫」
「!!!ちょ、ちょっとミサキちゃん、やあねえ、冗談よ、冗談……」
「………アヤナちゃんは美人だし、言い寄ってくる男の人もこれからいっぱいいるかもしれないけど。
でも、家族って恋人とはやっぱり違う。それに……ひとりは寂しいよ?
アヤナちゃんのことはマサちゃんも好きだと思うし、変なところで浮気されるよりずっとマシだよ」
「あ、あのね……でも……」
「そのかわり、あくまでマサちゃんが私を大事にして、アヤナちゃんも大事にするっていうのが条件。
あのね、言っておくけどアヤナちゃんへの同情とかじゃないよ?
だってアヤナちゃんがまだマサちゃんのこと引きずってる以上、そうするのが一番いいんだもん」
ずばり、と彼女は私の一番痛いところをついてきた。口では未練がないとかなんとか言っておきながら、
私がいまだに小久保君の幻影を振り払えていないのは、やっぱり事実だった。
それを、この日、イヤと言うほど実感していたのだった。
「………でも、それってやっぱりミサキちゃんの余裕だと思うよ。一番小久保君に愛されていて、
必ず彼は自分の元に戻ってくるっていうのが分っているから……そういうことが言えるんじゃない?」
「うん、そうだと思う」
憎々しいほど、あっさり彼女は私の言葉を肯定する。
「でもね、アヤナちゃん?私は……傲慢かもしれないけど、それがアヤナちゃんにも良いと思う」
§
112郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:53:09 ID:qC//KslX
その後……どんな話をしたのかは、やっぱり思い出せない。
ただ、結局ミサキちゃんと合意に達したっていうか……小久保君を今日一日貸してもらって、
ついでにそのえっと……子作りっていうか……その、セックスをするって話に、確かなったような気が……

「あは〜〜〜思い出した?アヤナちゃん?」
「………なんとなくね。あのねえ、ミサキちゃん、でもやっぱり……」
「ダメだよ、自分に落とし前つけるって……そう言ってたじゃない」
「………親友に、その旦那との浮気を勧められるなんて普通有り得ないよね」
「浮気じゃないよ」
「………」
「浮気だったら、私は許さない。アヤナちゃんも、マサちゃんも」
「………これが、浮気以外のなんなのよ………」
「このままアヤナちゃんがね、マサちゃんのことを引きずるのイヤなんだ、私。
アヤナちゃん、私とマサちゃんのことを……いつまでたっても祝福してくれないじゃない?
それはね、アヤナちゃんがマサちゃんとキチンと一回お話して、それで気持ちの整理をつけることでしか
解決しないと思うの。その結果として……ふたりがセックスするんだったら、それは浮気じゃないよ」
「…………」
強い、と思った。初めて会った頃から、彼女は強かった。
可愛らしくて、女の子らしくて、思わず守ってあげたくなる――
そんな風に同級生の男の子たちはミサキちゃんのことを言っていたけど、私は知っていた。
彼女は、強い子だ。小久保君とのことも……学校での成績も、結局その強さに、私は負けたんだ。
「……分ったよ、ミサキちゃん?ただし、小久保君がOKするかどうかだから、そのあたりは……」
「うん、だからマサちゃんと代わって……」
再び携帯を小久保君に手渡した。
「は?え?☆#'%はああああ※!!?!?みみみみ、ミサキお前!!!!」
くるくると、青くなったり赤くなったり……小久保君の顔色が変わるのを眺めていた。
なんだか、妙に可笑しい。そんな風に思えるってことは、私もこの状況を楽しむ余裕が出てきたのか?
「あの……えっと、若田部……ミサキの奴が、変なこと言ったみたいでゴメンな」
携帯を折りたたむと、申し訳なさそうな顔をして……小久保君がそう言った。
「ふふ……良いのよ、始めは私がミサキちゃんにお願いしたんだし……」
「え?そ、そうか……アイツ、お前の冗談を真に受けて……しょーがねえな、まったく……」
「………冗談じゃないのよね、コレが」
「へ?」
「小久保君……ずっと、ずっと好きでした」
「は?」
「中学生の頃、ずっとあなたを見てた……初恋だったの、私の」
「??あ、あの……若田部?」
「さっき小久保君、私があなたと会わなかったって言ってたじゃない?
確かに私、あなたたちの結婚式にも出なかったし……アレね、やっぱり悔しかったんだ。
ミサキちゃんにあなたを取られて。でも……ミサキちゃんは一番の友達で。
だからもしあなたと会ってしまったら、自分の気持ちを抑えられるか自信が無くて。
あれから十五年もたったし、さすがにもう大丈夫だろうと思って昨日の同窓会に行ったんだけど……
やっぱり、全然ダメだった。私は今でもあなたのことが好きなの。
あの頃と同じように……ううん、あの頃よりずっと」
「………」
「だからね、小久保君…………あなたのことが好きだった15年間の、思い出が欲しいの。
あなたの……子供が、私……欲しい」
「……ちょ、ちょっと若田部……でも、それって……第一、子供って……」
「ねえ……小久保君?君はミサキちゃんのこと、愛してるよね?」
「……そりゃ、まあ……そうだけど」
「ふふ、そうなんだよね。ちょっと悔しいけど、それが現実なのは私も分ってる。でも……
ミサキちゃんがあなたを愛してるのと同じくらい、私があなたをずっと愛してたのも現実なんだ。
だからもしあなたが私のこと、昔、ほんの少しでも好きでいてくれたのなら……私を……愛して欲しい」
「若田部……でもさ、あの……子供をつくるって、その子に責任とか……」
「安心して。私がシングルマザーとして育てるよ。小久保君が会いたくなければ、会わせないし」
§
113郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:53:50 ID:qC//KslX
「でも………」
反論しようとして、でも言葉にできずに……迷ってる、小久保君。
そんな表情もすごく可愛い。ああ、やっぱり私は彼のことが好きなんだ。15年前と同じように。
「えい!」
「わわわわ、若田部?」
勢いをつけて彼に抱きつく。引っ越しで体を動かしたせいか、彼の首もとからはほんのり汗の匂いがした。
―――お互い様だ、今の私のカラダもちょっと汗くさいんだろう。
「ねえ?小久保君は、あの頃私のこと……あなたは、どう思ってた?」
「ど、どうって……」
「怖い女だとか、殴る女だとか、そう思ってた?」
「いや……なんつーか……その……うんと……高嶺の花っていうかさ、
俺らみたいな平凡な野郎には手の届かない女の子っていうか……」
「ふふ、そんな風に思ってたんだ?でも、ホラ……手の届くとこにいたじゃない、小久保君は?」
「そう言う意味じゃないんだよ。距離的には近くても……多分、若田部は……俺なんかじゃ」
「………私ね、本当は待ってたんだよ?もしかしたら……小久保君はミサキちゃんじゃなくて、
私を選んでくれるんじゃないのかな、って。ずっと、アメリカに行ってからも……淡い期待を持ってたんだ」
「……ゴメン若田部、俺……お前がそんなこと考えていたなんて、全然……思ってなくて……」
「うふ、良いんだよ?でも、そう言ってくれるってことは……あの頃、
小久保君も私のこと嫌いじゃなかったって……そう、都合良く思っちゃっていいのかな?」
「あ、ああ……俺……正直、お前が眩しくて……それで、自分に言訳して……
なにも言えなかったのかもしれない。……本当は……俺……」
あの頃の思い出は、ちっとも褪せることがなかった。
いくら言葉を尽くしても、あの頃に戻ることはできないかもしれないけど……
それでも私たちは、お互いを確かめ合うように……言葉を紡いでいた。
「ねえ、小久保君?キスして……」
「………ああ………」
"ちゅ……"
迷いながら……躊躇しながら……小久保君が、唇を押しつけてきた。
彼の唇は、少し冷たくて、柔らかくて、心地よかった。
いったん小久保君が唇を離すと―――それでもまだ、不安そうな瞳を私に向けて言った。
「……なあ、若田部?あのさ、でも……本当に……いいのか?」
「うん……もう、あの頃には戻れないのは私も分ってるけど……今日だけは、
15歳の頃の小久保君と、私に戻りたい。あの頃みたいにふざけ合って……
あの頃はかなわなかった望みを……あなたを、手に入れたい。お願い……小久保君」
「あ、ああ……お前が……そこまで言ってくれるなら……」
もう一度唇を重ねる。さっきより、ほんの少しぎこちなさがなくなって、ちょっと大胆に……重ねる。
「ん……んう……」
小久保君が私の唇を吸う。舌先が口の中に入ってくる。私の手を柔らかく握りしめる。
ぷちゅぷちゅと、口の中から互いの舌が絡み、泳ぎ、ほどける音が漏れる。
「若田部……いい?」
「うん……」
小久保君が、私を抱きかかえてベッドの上に横たえた。
「ふふ……でもお互い、ジャージのままって……」
「………色気無いか?」
「ううん……ちょっとこれも中学生の頃みたいでいいかな、って」
私の言葉を聞くと、苦笑してボリボリと頭をかく小久保君。そんな仕草も、やっぱり可愛い。
「その前に……ちょい自己申告、若田部」
「?なにそれ、小久保君?」
「えと……実はさ、俺、あの……ミサキとしか、こういうことしたことないんだよね。
んでミサキも多分俺としかしたことがないし……だから多分その………上手くないと思うんだ。
なんであんまその……期待しないで欲しいっつーか……」
「…………馬鹿」
真剣な顔をしてそんなことを言うもんだから、可笑しくなった私は彼の両耳をつまんで引っ張った。
「イテ!痛て!つつ、止めろよ、若田部!」
「ほんっとに女心分ってないよね、君は………あのね、小久保君?」
§
114郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:54:36 ID:qC//KslX
「いたたたた、だから離せって!」
「女の子はね、セックスが上手くても、そいつがイヤな奴だったら全然気持ち良くないの。
好きな人が一生懸命愛してくれるなら……それが、どんなセックスでも嬉しいんだよ?
もう……こんな恥ずかしいこと女に言わせないでよ、ドンカン!」
「わかりました、すいません、若田部さん、降参です、参りました、俺が悪かったです……」
情けない顔で両手を合わせる小久保君が愛おしくて、私はそのまま彼の頬にキスをした。
「それに、私だってそんな何人もしてきたわけじゃないもん……今でも、本当にイクって良く分らないし」
「……そうなの?」
「そうだよ……だから……えっと、乱暴にしないで……大事に、して下さい……」
照れてしまって、なぜか最後の方は………少女の頃みたいな、お願い口調になってしまっていた。
「……それくらい……分ってるよ、若田部は……大切にされなきゃいけない人だってことくらいは」
そう言うと、小久保君は優しく私の頬にキスをして、ゆっくりと耳に舌を這わせた。
「きゃん!!ダメ……そこ……」
「……へへ、弱点はあの頃から変わってないね?若田部」
「もう……でも、覚えてたんだ?小久保君……」
「うん……薄くて、形が良くて……キレイな耳だよね、若田部の耳。あの頃も……そう思ってた」
吐息を吹きかけ、耳たぶを甘く噛んだり、口に含む小久保君。
「あ……きゃ……あん……イヤ……」
くすぐったくて……気持ちよくて……むず痒いような……
今までの男の子たちには教えずにいた急所を嬲られているのに、少しも嫌悪感はなかった。
むしろ心のどこかでそれをずっと待っていたような――そんな気がしていた。
「色っぽくて……キレイだよ、若田部……」
「あ……はあッ………もう……だめ、許して……小久保君」
「若田部、ココ以外にも弱いトコあるの?」
「……やだ、教えない。だって言ったら小久保君また私をいじめるもん……」
「教えてくれないなら見つけるしかないな?じゃあ……」
「!?きゃ……」
小久保君がジャージ越しに胸を擦るように触れてきた。
ブラはしていたけど、ジャージの上から触られるのは思っていたよりずっと生々しくて、
直接触られるのとはちょっと違った感触だった。
―――小久保君の手のひらの動きにあわせ、ゆるやかに……柔らかに……私の乳房が揺れる。
「うわ……でも、やっぱり大きいよな若田部……」
「そのせいで、もう最近じゃおっぱいも少し垂れ気味のおばさんですよ〜〜〜だ」
「いや……すげえよ、柔らかくて……おっきくて……気持いい……」
小久保君が、私の胸の谷間に顔を埋めてくる。どの男でも一回はこれをしてくるけど……
これをされると、男って可愛いって思えるから不思議だ。母性本能が刺激される、ってやつかな?
「うふ……赤ちゃんみたいだよ、小久保君……」
「いや……その、ゴメン……若田部」
また照れる小久保君が可愛くて、彼の頭を抱きかかえてつむじのあたりにすりすり、と顎を押しつけた。
「可愛い可愛い小久保君、私の可愛いマサヒコ君……」
小久保君の吐息が私の胸にかかる。幸せな体温を感じる。
「若田部……あの……じかに、いいかな?」
「うん、いいよ……」
小久保君の手が、私の背中に回ってくる。ぱちり、とホックが外され、ブラがするすると脱がされる。
ジャージの上着がめくられ、私の裸の胸が小久保君の目の前にさらされる。
「キレイだよ、若田部……すごく……」
「………だから垂れかけてるし……」
「どこがだよ……すげえって」
そう言うと、小久保君が私の胸にむしゃぶりついてきた。
指で乳首をいじられ、谷間に舌を這わされ、おっぱいを揉まれた。
「あん………あッ……ううん……」
今までに何度も男の子にされたことのあることなのに……
やっぱり相手が小久保君だからなのか、それとも単純にセックスそのものがご無沙汰だったせいか……
私のカラダは今までに感じたことのないくらい、敏感に反応してしまっていた。
「小久保君も……脱いで……」
§
115郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:55:07 ID:qC//KslX
ちょっと感じすぎてしまっている自分が恥ずかしくて、小久保君におねだり。
「あ、ああ……じゃあ……」
うっとりと、小久保君の裸を見つめる。やっぱり何度見ても、彫刻みたいにキレイだ。
「キレイよね……小久保君って………」
「?はへ?いや、そんなこと言われたの、初めてなんだけど……」
「ミサキちゃんとしかしてないってことは……この裸を自分のものにしたことがあるのは、
ミサキちゃんと私だけなんだよね……うふ、嬉しい……」
"ちゅッ"
小久保君の肩にキス。そこから腋に舌を這わすと、男の人のむっとした匂いがした。
「わ、わわ、やめろって!汗くさいだろ、若田部……」
「ふふ……小久保君の汗の匂い、好き……」
………そう、誰にも言ったことがないけど、実は私は匂いフェチの気があったりする。
特に男の人の匂いは、大好物だ。とは言っても、太った人の腋臭じゃなくて、
痩せ気味の人のちょっと枯れた、蒸れた汗の匂いが好きなんだけど。
ぷちゅぷちゅと、小久保君の腋から肩から乳首を舐め続ける。
「わ……ちょ、くすぐったいって、若田部!いへ……」
むずがるように、小久保君がカラダをひねる。情けない顔の小久保君、すごく可愛い。
もっともっとイタズラをしたくなった私は、そのまま彼のカラダに抱きついたままキスを続けた。
「わ、や、やめ……わかた、わ……」
「許してあげないんだから」
「へ?」
「ずっと私の気持ちに気付かないで、知らないふりをして15年も放っておいた小久保君なんて、
これくらいじゃ済まないんだから。えへへ……今日は私がたっぷり小久保君を愛して、
その代り小久保君もいっぱいいっぱい、私を愛するんだからね?ふふ……許さないゾ?」
にっこりと彼に笑いかけると、脇腹にも、お臍にも、胸板にもたっぷりとキスをしてあげる。
もう観念したのか、小久保君は私のなすがままになっていた。
調子に乗った私は、もぞもぞと彼の股間をまさぐった。
「ど!ちょい、若田部……それはその……」
「ねえ、小久保君?ミサキちゃんってフェラチオしてくれる?」
「!!い、いや、それはその……」
「答えなさい、イエスなの、ノーなの?」
「……………その……たま〜〜〜〜〜に」
「たまにってどれくらい?」
「…………え〜〜〜と、あの……半年にその……十回くらい……いや、もう少し多いかも……」
「へ〜〜〜、意外にヴァリエーション少ないのね、夫婦なのに」
「いや、その……そんなもんじゃないかと……」
「あのね、小久保君……私ね、コレするの、初めてなんだ」
「え?」
小久保君の下のジャージとトランクスを脱がすと、ぴょこん、とおちんちんが顔を出した。
愛しくて、可愛い。ちっとも汚いなんて思えない。ちゅっ、と先っちょにキスをした。
「今まで……他の男の人には、なんだか恥ずかしくて……汚く思えちゃって、出来なかったんだ。
あのね……もう、ヴァージンじゃないけど……お口は、初めてだから…特別だよ?小久保君」
かぷり、と小久保君のを口に含む。あったかくて、ちょっと匂いがして、好き。
「うッ……いいの?若田部……でも、そんな……ムリしなくても……」
「ムリじゃないもん……小久保君の、おちんちん、好き……可愛い……」
そう言ってもう一度口に含むと、舌先でちゅりちゅり、と彼のをくすぐった。
「う……わふ……お、おい……そんなされると……」
切なげな表情で身悶える小久保君が愛しくて、そのまま舌先で先っぽからその周りを舐め回した。
口の中に、ちょっと苦っぽい味が広がる。たっぷりと唾液が溜まって、一緒に混ざる。
それを潤滑油にして、私はゆっくり、ゆっくりと上下に小久保君のを口の中で動かした。
"くちゅッ、ぬるッ、ぷちゅッ"
小久保君のが私の口の中で大きくなる。ぴくぴくと、小さく震えるように動いている。
唾はいっぱい溜まっているのに、なぜかひどく喉が渇いていた。
だらん、と伸びたふくろみたいなのに指先を伸ばして、むにむに、と揉む。
「う……ふぁああ、ゴメン……若田部、もう俺……お願い、出ちゃうから……」
§
116郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:55:57 ID:qC//KslX
口の中で出してもらっても良かったけど……でも、今日は赤ちゃんが出来るまでしてもらわなきゃ。
ちょっともったいないけど、口から彼のを離した。
「えへ……どう?小久保君、私とミサキちゃん、どっちが上手だった?」
「う……それは、その……」
「今日が初めての私と、いっつも小久保君のおちんちんを好きに出来るミサキちゃんなのに、
迷ってるんだ〜〜〜。ふ〜〜〜ん、ミサキちゃん、意外に耳年増の割に……」
「………いや、いつも好きに出来るわけじゃ……」
「うふ、でも初めてにしては結構上手だったでしょ?」
「…………うん」
「じゃ、次は……お願いね、小久保君?」
「あ、ああ………」
小久保君が私の下のジャージとショーツを脱がす。
ぴっちりと太腿を閉じてしまっていたけど、自然と両脚が開いてしまう。
「若田部……触るから、もう少し力抜いて……」
「うん……」
"くち……くちゅ"
さっきので実はちょっと濡れてしまっていた私のあそこから、小さな、湿った音がした。
恥ずかしいけど、小久保君の指は細くて、長くて、気持ちよくて……嬉しい。
「若田部……結構、敏感なんだね……もうこんな濡れてる……」
「……そう?あん!……うふ……でも小久保君も上手、くッ!だよ……」
「………そうなの?どうも自分だと分かんないんだけど……」
のんびりとした口調だけど、そう言いながら小久保君はもう一本指を増やしてきた。
「あん……もう……もっと……ゆっくり、優しくして……」
「ゴメン……若田部が可愛くてつい……」
言葉と裏腹に、私の中を掻き混ぜるのを止めない小久保君。
……ズルイくらいに、私のポイントをさわって、撫でて、擦っている。
「うん……きゃ……ふわぁあああ……小久保君……私、もう……お願い……来て……」
「あ、ああ……あの……本当に、良いんだよな、若田部、その……ナマで……」
「ウン……私……欲しいの。小久保君の赤ちゃん……お願い……」
彼の首に両腕を巻き付けて、切なげな顔のままおねだり。
まだちょっと迷ってた小久保君も、覚悟を決めて私をぎゅっと抱きしめる。
そして自分のを私のあそこにちょこん、とつけてきた。
「好きだった……若田部」
「小久保君……」
「今まで……ずっと言えなかった。あの頃……俺は……でも……ゴメンな、今は……」
本当に、バカがつくくらい正直な人だ。でも私は……そんな彼の誠実さが、大好きだった。
「いいよ……私も、大好きだった。十五年間本当に、ずっと忘れられなかったくらい……好きだったの」
「若田部………」
「小久保君………」
"ちゅ"
小さく、軽いキス。でも思いは重くて、深くて………かけがえがなかった。
「いくよ……若田部」
こくん、と私がうなずいたのを合図に、小久保君のが私の中に入ってくる。
痛みとも痒みとも知れない、鈍い電流のような疼きが私の頭から爪先までを貫く。
私は小久保君に挿れられながら、なぜか彼に優しくねじられているような気分になる。
痛くはないけれど、少し胸苦しいけれど、すごく気持ち良い。
息が詰まる。気が遠くなる。小久保君のがゆっくり私の中で動くのを感じる。
なにか………鋭い音が、ずっと耳の奥から頭の中にこだましている。
からだが、気持ちが、熱くなってくる。自分がとろり、と溶けてバターになってしまうような錯覚を覚える。
小久保君のが私の奥を突いて、撫でて、かき回す。
それは大きくて、滑らかで、私の中をいっぱいに満たしてしまう。
首の真後ろらへんに突然疼きじゃなく、痺れが襲ってきて私は目を見開く。
両脚が思わずぴょん、と跳ね上がる。
(や……ヤダ……もしかして、私………これが……イクってこと?)
虚脱感が一瞬心に訪れるけど、小久保君はまだ許してくれない。
§
117郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:57:24 ID:qC//KslX
私のカラダも……私の心と裏腹に、まだ小久保君のをしっかりとつかまえて離そうともしない。
貪欲に……淫らに、彼を貪りつくそうとして、自然に腰が動いて、彼に密着しようとする。
痺れる。欲望に抗うことすら考えられず、夢中になって小久保君の動きに合わせる。
小久保君のが優しく私の中を掘り起こす。私の中の熱いのがぐしゃぐしゃに混じり合わされる。
小久保君が角度を変えて、少しだけ掻き出すように私を突いたとき―――
ぐしゅり、という鈍い湿った音が頭の中で響いた。
私の中に……彼の熱い精が何度も、何度も、爆発するように解き放たれ、溢れてくるのを感じる。
膣の、子宮の、内臓の奥の奥まで小久保君の精液で埋め尽くされるような幻覚を見る。
「あ……ああ……あ……」
小久保君の口から、言葉にならない声が漏れる。
ずるり、と小久保君が私の中から自分のを引き抜く。私の中から、熱いのが溢れ出る。
「まだ……ダメ」
「え?」
「小久保君……すごかった。私……セックスで、頭の中が真っ白になって……からっぽになるなんて、
はじめてだった。お願い……まだ、ダメ……赤ちゃんが、できるまで……今日は……何回も、して」
こんな淫らなことを言っている自分にもう一人の私は驚いている。
でも、現実の私は涙目のまま彼に顔を向け、彼の肩をつかんだまま懇願し続けている。
「若田部………そう言われても、男ってのはそんなにすぐには……」
「なら……小久保君が出来るようになるまで……つながっていて……」
「あ、ああ……」
彼が一回抜いたおちんちんを、私の中に挿れてきてくれた。
さっきと違って固くなくて、大きくなかったけど……それは、気持ちよく私の中に収まった。
「好き……小久保君。大好き、小久保君……」
ちゅっちゅっ、と小久保君の頬に、瞼に、顎にキスを続けた。くすぐったそうにする彼の、
顔を舐め回すみたいにキスをした。段々と、彼のが私の中で大きくなってくるのを感じていた。
「若田部……俺、もう大丈夫で……その、もう出来そうだけど……」
「うふ……いいよ……今度は、あなたの好きなようにして……」
「えっと……なら、若田部……よつんばいになって、後ろを向いて……」
一回も許したことのない、屈辱的な体位。でも私はもう、彼の言葉にも、自らの欲望にも……
自分が逆らうことができないことを知っていた。その言葉通りの体勢になった。
私の中から、さっき彼が出した精液が漏れて太腿を伝うのを感じた。
恥ずかしさより、彼の到来が待ち遠しかった。早く、貫いて欲しかった。
"ぐッ………ぬちゅッ……"
お尻の両側がつかまれ、開かれると私の中に濡れた彼のが突き立てられる。
私をまた、強烈な疼きと痺れが襲う。背中の中心を、稲妻が走るような感覚。
「あ……あああッ……くぁ……」
後ろから小久保君が私の中を掻き混ぜる。逆らえない。もう、なにも考えられない。
(子供………赤ちゃん………小久保君の……私と、小久保君の……)
欲望の渦に身も心も沈めながら、私は子供の名前を必死で考えていた。
―――きっと可愛い女の子が生まれる。なぜかそんなことを思いながら。

END
118郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/03(火) 21:58:26 ID:qC//KslX
以上。
タイトル:「再会の時〜十五年後の思い〜」でお願いします>>古田氏
クリスマスオチにするつもりが間に合わなくて没りましたよ、あちゃ〜〜〜って感じです。
あと、イントロだけ出来てるカオル×シンジですが……トマソン氏とモロ被り。またあちゃ〜〜〜。
では股。
119名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:21:27 ID:HIDhZ7VQ
神いっぱい
いいよねここ
すばらしかあ
120名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:23:13 ID:aRrNWAoB
GJぉ───────────っ!!
他の職人様には失礼ですが、今年に入ってからのナンバー1ですよ!!!
アヤナ可愛いよアヤナ(*´Д`)ハァハァ
121102:2006/01/03(火) 23:36:21 ID:qPOMeHeg
続き。
122102:2006/01/03(火) 23:37:40 ID:qPOMeHeg
ハワイ諸島のはずれにポツンと浮かぶ、名も無き小さな無人島。
その無人島の入り組んだ入江にアヤナ達を乗せた小型船(なぜか迷彩)は到着した。
滑って海に転落せぬようにように注意しながら、ごつごつした岩場へと降り立つ若田部親子。
「では、一週間後にお迎えに参りますので…」
「ああ、頼む。…わかっているとは思うが、くれぐれも悟られぬようにな」
「はい。承知いたしております」
父親と船長が帰港の段取りを決めている傍らで、アヤナは自分が連れてこられた島の様子を興味深く観察している。
「……」
見事に何もない。
島の周囲は2、3kmといったところだろうか。
島の中央部に僅かな林があるだけで、あとはすべて岩場だ。その岩の質から、海底火山の噴火による隆起で誕生した島だということが分かる。
近くに他の島の影は確認できない。人里離れた孤島といった風情である。
船が島を離れていくのを見届けた父親が、アヤナの胸中を察したかのように微笑を浮かべた。
「ふふ、何もないところだろう? 波の音しか聞こえぬ。まさに秘境だ」
「あの、差し出がましいとは思いますが、こんなところで修行ができるのでしょうか?」
「…まぁ、付いてきなさい」
そう言って、父親はゆっくりと林の方へ歩み出した。困惑しきった表情を浮かべながらもアヤナがそれに続く。
「ここだ」
島の林の中心部、一本の大きな樹の前で父親はその歩みを止めた。
123名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:40:57 ID:6+qRKMKI
果てしなくGJ!!!!!
さすがは黄金バッテリー!
中学生のアヤナもいいけど30才のアヤナは妖艶でハァハァ…(*´д`)

124102:2006/01/03(火) 23:41:04 ID:qPOMeHeg
「この樹が…いったい?」
娘のその質問には答えず、父親は無言で樹の幹の部分を強く押した。
と、音も無く樹皮が割れ、中から一目で新しいものと判る複雑な機械が姿を現す。
「こ、これは!?」
驚愕しているアヤナを尻目に、父親は指紋と網膜、声帯による個人照合を手際よく済ませていった。
何重にもチェックがあるらしい。最後に暗証番号を入力する。
「5・5・5…9・1・3…3・3・3」
「complete!!」
機械的な音声が鳴ったかと思うと、突如として辺りが紅い輝きに包まれた。
「きゃあっ!?」
思わず目を閉じて悲鳴を上げてしまったアヤナ。
光がおさまったとき、そこには「何か」への入り口が存在していた。
地面から隆起して現れたらしい。
予想を超えた事態の推移に茫然自失としているアヤナとは対照的に、父親は落ち着き払った足取りで「何か」の中へと入っていく。
「さ、行くぞ」
「あ…。は、はい…」
その声でわれに返ったアヤナも慌てて後を追った。
足音を反響させながら親子は通路を歩いていく。その傾斜から地下へと降りていることが分かる。
「お父様…。ここは…?」
「まぁ、倉庫みたいなものだよ。取引のための物資なんかを保存しておくんだ」
「倉庫…ですか。それにしてはセキュリティが厳重でしたけど…」
「貿易の世界というのも大変でね。なにかと物騒だからこういう施設も要るということだな」
「はぁ…」
腑に落ちない様子のアヤナを見て、父親はニヤリと笑った。
「お前も大人になれば分かるさ…」
そんな会話を交わしながら5分も歩いただろうか。二人は目的地とおぼしき広い空間へと到着する。
そこでは二人の人物がアヤナを待っていた。
「…遅かったな」
葉巻を吸っていた男がゾッとするような感情のない声を発した。
その鋭い眼光から、彼が只者ではないということはすぐに分かる。
「待たせてしまってすまない。予想より波が高くてな」
「……」
父親が謝罪する。男は無言で煙を吐いた。
その姿を見て父親は軽く苦笑し、もう一人の人物にも言葉をかける。
「よく来てくれた。今回は無理を言ってしまって本当にすまないと思っている」
「いえ、私が貴公から受けた御恩を考えれば当然のことです。…後ろにいらっしゃるのがお嬢様ですね?」
「ああ。…アヤナ、こちらに来てご挨拶しなさい。今回はこちらの御二方がお前を指導して下さる運びとなっている」
「お初にお目にかかります、アヤナお嬢様。まだまだ未熟者ゆえ至らぬ点もあると思いますが、精一杯ご指導させていただきます」
にこやかにそう言って手を差し伸べてきたのは、アヤナと大差ない年頃の可憐な少女であった。
「あ…。は、はい!私の方こそよろしくお願い致します…」
緊張した面持ちで若き師と握手を交わすアヤナ。
父親が説明をする。
「彼女は年こそ若いが、古武術の達人だ。名前は…そうだな…、『Miss.T』ということにしておこうか。お前は男嫌いだから、護身術は女性に指導してもらうことにした。同じ日本人で年齢も近いから気も合うだろう」
「そこまで考えて…。ありがとうございます、お父様!」
125102:2006/01/03(火) 23:41:59 ID:qPOMeHeg
「さて、もう一人の方だが…。こちらは『Mr.T』と呼ぶことになるな。彼には射撃術の指導をしてもらう。雰囲気からも分かるように、その道で知らぬ者のない達人だ。この方から教えを受けるというのは最高の贅沢なのだぞ」
「はい!…先生、よろしくお願いします!」
そう言って、アヤナは恐る恐る『Mr.T』に手を差し伸べる。
だが、彼はそれには応じようともせず、横目でアヤナを見やりながら低い声で静かに言った。
「…俺は本来、こういった依頼は決して受けない。だが、お前の父親には大きな借りがある。今回は特別だ。…だが、引き受けるからには容赦はしない。この一週間で、お前にスナイパーの心得を叩き込む。俺のやる仕事だ。甘えなどは一切許さんから、そのつもりでいろ…」
「…もちろんです。そのためにここへ来ました。どんな試練にも耐えてみせます」
鋭い眼光に威圧されそうになりながらも、アヤナは毅然とした口調で誓いを立てた。
それを聞いた『Mr.T』の片眉がピクリと動く。
「…口だけでないことを期待する。…時間が惜しい。…始めるぞ」
「はい!」
こうして、名も無き無人島の地下施設を舞台にした地獄の特訓は始まった。
昼も夜もなく、睡眠と食事以外の時間はその全てが修行に充てられる。
あまりの過酷に、さすがのアヤナも幾度か心が折れそうになった。
だが、その度に自分への誓いを思い起こし、歯を食いしばって立ち上がる。
「負けないわ!私は強くなるのよ!…そう。イデの巨神のように…!!」
そして、嵐のような一週間が過ぎた・・・。
126102:2006/01/03(火) 23:42:53 ID:qPOMeHeg
・・・つづく?
127名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:47:46 ID:6+qRKMKI
>>123です 割り込み申し訳ありませんでした…orz
128名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:56:29 ID:CvLQY9sq
郭×伊東さま

なんとゆうか、激エロいのにせつない。
せつないのに、さわやかな気持ち。
さわやかなのにせつない。
この読後感はなんなんだ!エロいのになんだか涙が・・・

原作とはまったく別のアナザーワールドな物語なのに、
まるで原作の連載最終回を読んでるみたいな錯覚に
陥ってしまって、せつない気持ちになってしまったよ。

ちくしょー、エロパロなのに俺をこんな気持ちにさせおって〜!!
アンタら夫婦そろってスーパーGJ!!
129ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/04(水) 02:39:16 ID:Fb+e+SLV
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。そしてあけましておめでとうございます。
新年一発目、軽めでいきます。
スルー対象ワードは「リョーコとセイジ、正月ネタ」「本番無し」です。
題は「ご主人様と奴隷の幸せな関係エピソード5・犬が迎えた明るい戌年」です。
では投下↓
130ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/04(水) 02:40:54 ID:Fb+e+SLV
『では次はガチョウ倶楽部の皆さんによる隠し芸です』
『これは期待出来ますね、何せ去年の夏からこの日のために稽古をしてきたという話ですから』
『とても気合が入っています。現在白組が僅差ですが負けているので一発決めてほしいものです』
『あっ準備が出来たみたいですね。それでは、白組のガチョウ倶楽部の皆さんです、お題は……』

「あっはっは、おもしろいおもしろい」
 中村リョーコはケタケタと笑い声をあげた。
今、彼女が見ているのは、【新春恒例芸能人大集合マル秘ドッキリ10時間駅伝隠し芸大会】だ。
「やっぱお正月といったらコレよねー」
「……は、そうっすね」
「やー、スベってやんの。これで半年準備したってウソじゃん」
「……は、そうっすね」
「やっぱ今年も紅組の勝ちかねー」
「……は、そうっすね」
「ちょっとセイジ」
「……は、そうっすね」
「アンタ、その気の無い返事ヤメてくんない?」
「……は、そうっすね」

 場所は中村リョーコのマンション、その居間。
家主のリョーコと、そのこいび……もとい、奴隷の豊田セイジがコタツを挟み、向かい合って座っていた。
そのリラックス度には天と地程の開きがあり、
リョーコは座椅子に缶ビール、つまみと万全の体勢だが、
セイジはといえば正座で、その膝の先をちょっとコタツに入れている程度だった。
「正月よ正月、もう何度言ったか忘れたけどさ、気を緩めなさいよ」
「……は、そうっすね」
「アンタ、もしかして喧嘩売ってる?」
「……いえ、別に」
 そう、セイジは不機嫌ゆえにこのような態度を取っているのではない。
喧嘩を売るも何も、力関係のハッキリとした現在、そんな後が怖い行為に出るわけがない。
「だったらそのボソボソッとしたしゃべりやめてよ」
「……はぁ」
 ぶっちゃけ、セイジは疲れている。心も体も疲れている。
今、彼の頭を支配しているのは、“早く家に帰ってぐっすり寝たい”というささやかで哀しい欲望だ。
大晦日から元日朝にかけて、濃密でハードな時間を過ごし(強制)、
精を搾り取られた体で車を運転、臨海公園まで初日の出を見に行き(強制)、帰りに神社に初詣に行き(強制)、
リョーコの部屋に戻ってきて坊主めくりやらババ抜きやらオセロやらにつきあい(強制)、
やる気も起こらず適当にプレイしてたら全敗、正月三が日完全奴隷契約を結んだ(当然強制)のだ。
これで疲れ果てない男がいようか、いやいない。
「さっきから全然ビールが進んでないじゃない。ほら、飲みなさいよ」
「……いえ、もう限界っす」
「こら犬、ご主人様の命令がきけないっての?」
「……はい、いただかせていただきます」
 彼に想いを寄せている女子生徒がその姿を見たら、間違いなく幻滅するであろう。
文字通り、今のセイジはリョーコの犬だった。
「この番組が終わったら楽しい楽しい調教の時間が待ってるんだから、しゃきっとしなさい」
 どこの世界にそんな言葉で背筋を伸ばす人間がいるのか。
まったくもって無茶苦茶としか言いようがない。
「……」
 だがセイジは抵抗しない。
三が日完全奴隷契約以前に、逆らうことの無意味さを骨の髄まで染みて理解しているからだ。
131ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/04(水) 02:44:28 ID:Fb+e+SLV
「……はぁ」
 セイジは精気の抜けきったため息をついた。
今夜もあの地獄の責め苦があるのかと思うと、まこと暗澹たる気持ちにならざるをえない。
セイジは思う。もし今、他の男性がこの場にいたら、自分を羨ましがるだろうか、と。
リョーコは美人だ。これは間違いない。
スタイルもいい。これも間違いない。
そしてとてもエロい。リョーコの気が乗ればきっとあんなこともこんなこともしてくれるだろう。
「……」
 代わりたいと思う奴がいたらいつでも出て来い。大喜びで交代してやる。
女の性格は多少、いや相当悪いが、それさえ我慢出来ればオッケーだ。M男君気質の持ち主なら申し分ない。
ローソク責めやムチ責め、ピアッシングなどという度の超えた変態行為までは及ばないから安心しろ。
いや望めばそれすらもやってくれるかもしれん……。
「ちょっと、セイジ、セイジ!」
「……はっ、ひゃい」
「アンタ、大丈夫?虚空見つめてボーッとしちゃってさ」
「……」
 セイジは頭を振った。願望から妄想に入りかけていた。かなり危険な兆候だ。
「いや、大丈夫だ……です」
「そう?それならいいけど。アンタ、受験生の担任だからって頑張り過ぎなんじゃない?」
「……」
「休むときはきちんと休みなさいよ」
「……」
 セイジは返事をせず、曖昧な表情だけをリョーコに返した。
言葉だけ見れば、慰労と取れるのだが、セイジの休日を奪っている本人の口から出たものなので、
彼にしてみれば説得力の欠片なんぞ1ミリグラムもありゃしない。

                 ◆                     ◆
132ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/04(水) 02:45:31 ID:Fb+e+SLV
「はー、終わった終わった。おもしろかったわー」
「……」
 リョーコはリモコンを手に取ると、テレビを消した。
「さーて、ひとっ風呂浴びてくるかなっと」
「……」
「セイジ、私が入ってる間にその空き缶片付けといて」
「……」
 セイジ、もはや声を出す気力も無し。
隠し芸大会がテレビから流れてくる最中、セイジは睡魔の誘惑に抗しきれず何度も瞳を閉じそうになった。
だが、ウトウトする度にリョーコが割り箸の先で頬を突っついてきて寝かせないのだ。
それを延々繰り返した結果、既に底が見える程に乏しくなっていたセイジの体力気力は、
完全にカラッカラになっていた。
「じゃーねー」
 一方、リョーコはどこに貯蔵してあるのかという程元気。
セイジと同じ流れで時間を過ごしているのに、だ。
振り回す方と振り回される方の違い、と言ってしまえば、確かにそれまでなのだろうが。
「……」
 セイジはノロノロと手を動かして、こたつの上とその周りに散らばった空き缶とゴミを片付け始めた。
バスルームからは、バシャバシャという水音とリョーコの鼻歌が聞こえてくる。
今がチャンス、逃げよう……などとはセイジは決して思わない。衝動すら起こらない。
一時的に脱出出来たとて、永久にリョーコと縁が切れるわけではないのだ。
「……」
 セイジは片付けが終わると、絨毯の上にドサリと身を投げた。
永久に縁が切れるわけではない、逆を返せば、永久にこの関係のまんま。
セイジは一瞬、背筋に薄ら寒い何かを感じた。
「……」
 ……どこで俺は人生を踏み間違えたんだろう。あの時、リョーコをナンパした時からか。
いや、あの時は正直深く考えてなかったんだ。軽い気持ちだったんだよな……。
「……、……」
 セイジの全身を疲労感が覆っていった。
ちょっかいをかけてくる悪女は、幸いバスルームの中だ。
すぐに叩き起こされるとしても、今は一分でもいい、穏やかな眠りが欲しい。
「……ふぁ、あ……」
 眠りの神の掌が、セイジの顔の上を一撫でしていく。
アクビをひとつ、セイジはした。



 セイジは夢を見た。
富士山のてっぺんで、鷹を腕にとまらせたリョーコが笑っている。
鷹がとまっているのと逆の手には、ブルブルと妖しく震動するナス型のバイブが握られている。
リョーコは笑う。ただただ笑う。
その笑みは、不敵にも、幸せそうにも、何かを企んでいるかのようにも見える。
何も喋らない。
セイジの方を見て、ただ、ニコニコと笑うだけなのだ。
ニコニコ、ニコニコと。




 結局、セイジが目覚めたのは翌日の朝だった。
リョーコはセイジを起こさなかったのだ。
代わりに、セイジの体には、毛布と布団がかけられていた。
寝ぼけ眼で顔を洗いに行ったセイジは、その後リョーコにまた無理難題をふっかけられるのだが……。
 それはまた、別の話。
133ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/04(水) 02:47:10 ID:Fb+e+SLV
ここまで。
誤字脱字はスルーしてやってください。
考えれば、マサヒコたちの卒業(連載終了?)までもう三ヶ月足らずなんですね。
とにかく、そこまでは頑張って投下を続けたいと思います。

今年もよろしくお願いします。
134名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 03:11:12 ID:255cw7D2
>>118
ヤバい。こんなの書けるなんてすごすぎる。
135名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 03:41:43 ID:8YYHdrZJ
郭神は今年も不動のエースだな
まちがいない、飛び抜けてるわこれは
136名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 04:34:56 ID:u2zx8NHE
もうね、GJとしか言えないよ。

ここ来ると…物書き目指してた熱が再燃するんだよなw
つかエロパロでここまでハイレベルかつSSが大量に投下され続けてるスレって、過去見返しても無いのでは?

兎も角、GJの一言につきまする。
(以上感想、以下チラ裏)



マサ×リンとか、リンコメインのSSに挑戦したいが、頭の奥から「やめておけ」と警鐘が鳴り響いてる…ww
137名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 05:26:09 ID:YG4rA2Nm
>>136
ぜ ひ や っ て く れ !
138名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 10:17:31 ID:SOzZrw4l
ピンキリ氏GJです!
散々苛めておいてさりげない優しさを示す
リョーコの飴と鞭の駆け引き、いや「躾」が絶妙ですwこりゃ犬は逃げれないわww
できれば濱中終了後もゆっくりとした投下ペースで現役続行していただきたいと心から思います
139名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 12:49:04 ID:d6iU5zHR
皆なんか濱中アイが終わったらこのスレも終わりみたいに言ってるけど…
まだ普通に思春期の連載があるじゃない!
140名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 12:56:25 ID:Y+UUGwqe
濱中でそこそこ人気が出たからまたマガジンで新連載すると思う
141名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 16:57:46 ID:Bpln9dJs
ピンキリ氏乙&GJ!!!
セージが8割カワイソスで2割ウワヤマシス…

>>136
>マサ×リンとか、リンコメインのSSに挑戦したいが、頭の奥から「やめておけ」と警鐘が鳴り響いてる…ww
しかし心の奥から熱いものがこみ上げ、さらに住人の期待を感じ俺は書き始めた
…まで読んだ  がんばってください!!!
142160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:24:41 ID:AYfB6xmE
160です。 一応、季節モノ書いてみたのですが案の定、激しくヨゴレ作品になってしまいました。
縁起物と言うことでエロ無しとかそういうのダメなかたは鰈にスルーでお願いします。
作中、新年早々大笑いさせてもらった541氏のフレーズを一部使わせて頂きました。 御礼申し上げます。

題名は「あなたに見せたい」とでも
143160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:26:02 ID:AYfB6xmE
「第一回!新春艶姿!晴着大会〜! ドンドンドンドンドン! パフパフゥ〜♪」
「まてまてまてまて〜!!!!」
正月四日、ここ小久保家ではリョーコの悪夢を思い起こさせるような言葉に、マサヒコの悲鳴が上がっていた。
「ちょ? 中村先生! どう考えてもおかしいでしょ! 大体、アンタしか今いないし!」
マサヒコは今回はどんな事があろうとも徹底抗戦する考えだ。 昨年行われた「ハグ大会」後に自分の身に降りかかった
あの悪夢…。 年末に掛けてまでアイ、アヤナ、リンコ、ミサキからは『マザヒコ』なる異名まで頂戴してしまったのだ。
「マサ…、アンタね。 せっかく人が晴着を着て来て上げたのに、ちょっとそのノリは無いんじゃない? 普通はこういう時、
他人の着ているモノとその趣味の良さを褒めるべきではなくて?」
「いや、そのりくつはおかしい。 …と、とにかく! 絶対俺は嫌ですからね!」
本当に、もう御免なんだよ…。 俺の身がもたない…。 と、真っ当な思いを抱くマサヒコ。
「まあまあ、聞きなさいよ。 他の4人にも今日、初詣前にここへ来るときは着物を着てきなさいって言ってあるから。
で、別に大会をやっているなんて大げさには言わなくても、女の子が複数いて、その皆が着物を着ていたら…、
どういう事が起こると思う?」
「…?」
「アンタがどんなに嫌がろうと…女の子同士での目に見えない戦いが始まっちゃうってわけよ♪」
「だ、だからそれは俺には関係の無い事でっ!」
「アンタが審判をしなければ、多分…決着が付かないわよ。」
「そんなバカな!」
「晴着になると女の子はムキになるからね…。 私もね…そんな経験あるから分るんだ……」
「え…?」
だからそれが中村時空に引き込まれているんだ。 と、言う事を未だに学習できていないマサヒコ。
こういう戯言は無視するのが最良の手段であるのに、ついつい受け答えをしてしまうのがマサヒコの優しさというべきなのか。
「多分、皆すごい服を着てくるわ…。 目と目で始まる無言のバトル…。 そして一見仲の良さそうなあのコ達の間に
走る鋭い亀裂! あ〜あ、マサが止めなきゃ、これはもう殺し合いだね。 うんうん」
「そ、そんなものなんですか…」
いや、絶対そんなことないって! と、言ってももう遅いんだろうな…。 哀れマサヒコどこに行く…。
144160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:26:39 ID:AYfB6xmE
1、中村リョーコ  -附下海老茶地草花更紗紋様-
『五葉くずし』(中村リョーコ書 2006年 元旦書初めより)
まあ、ある意味予想できるような卑猥、かつちょっと捻ったがあまり面白くも無いギャグになっている単語を新春の最初に書き
散らしたリョーコは、冒頭を見れば分るとおり、本日一番最初に小久保家へ到着していた。
その時のリョーコを玄関に迎えたマサヒコは、一見平静を装いながら華麗に変身したリョーコに見惚れてしまっていたのも、また
事実であった。 リョーコのイメージに良くあった黒味の強いえび茶を基調とした生地とその裾の方に美しく散りばめられた
エキゾチックな草花模様の数々。
『正月に着るようなものかと迷ったんですけどねー』
『あら、そんな事ないじゃない。 とっても素敵よリョーコちゃん。 別にウチに来るのにそんなに畏まる必要はないんだし』
『ま、ちょっと変化球と言う事で』
『それ、まさか生地も更紗って訳じゃ無いわよね?』
『いやー、おば様。 さすがにそれは冬にはちょっと…。 紋様だけ更紗風なんですよ』 
訪問時のリョーコを一目見たママンとの会話にはさっぱり付いていく事が出来なかったが、どうやら正絹の生地に更紗紋様をあしらった
着物らしく、色からはシックに。 模様からは艶やかにも見る事ができる素敵な着物だ。
「で? どーよ?」
こたつの中に入りつつ、投げやりな態度でマサヒコに審査を要求するリョーコ。
「いや、どーよ。 って言われても…。 着物の事なんてさっぱりわかんないし」
「バカね…。 中身を併せて見ろ、って言ってるのよ」
髪をアップにし、メガネをコンタクトにして、いつに無く妖艶な雰囲気を漂わせているリョーコの危険な発言に、マサヒコはもうドキドキである。
「そ、そりゃ…、き…綺麗だと思いますけど…」
中村先生って、うわ…こんなに綺麗な人だったっけ? おい、ちょっとメガネ…は今日はしてないのか…なんでそこで俺の手を握るかな。
「ふふ…、アンタも中々言うようになったじゃない」
リョーコはそういうと、マサヒコの頬に軽いキスをした。
「な!」
「これは純粋に褒めてくれたお礼…。 そして、マサ…受験頑張んなさいよ♪」
新春早々、ぶっちゃけありえない体験をしているマサヒコは(全くこの人には…かなわないな)と思いつつも、リョーコが応援してくれた
事に対して(こりゃ今年もいい年になるかな)などと思ってしまうのであった。
145160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:27:27 ID:AYfB6xmE
2、的山リンコ -本染白地吉祥紋様縮緬振袖-
『小久保君と一緒に』(的山リンコ書 2006年 元旦書初めより)
『…合格したい』と、書きたかったがどう見ても書ききれなかったので、更に微妙な内容となってしまう書を記したリンコが、次の訪問者だった。
「あけましておめでとうございま〜す♪」
新春早々、能天気な声でマサヒコの部屋に入ってくるリンコ。 だが、その姿を見て二人は驚きを隠せなかった。
着物はもちろん素敵なものなのだが…
「リン? アンタその髪の毛…」
的山→ちょっとショート、と言う慣れきったスタイルでは無く、髪留めで少し纏めつつも真っ直ぐに伸ばした髪の毛。
何か非常に新鮮だ…。
「えへへ〜♪ 今日着物着ていくっていったら、お母さんが張り切っちゃって付け毛付けられちゃいました〜」
発言から中身は変わっていないなと分るのだが、こちらもメガネを外しコンタクトなので、見慣れぬ髪型と併せるとまるで別人…、
で、妙に大人っぽく見えてしまう。
着物の方も、いかにも七五三に見えそうだと思いきや、白生地で正月に相応しく吉祥紋様の入った華やかな振袖を見ていると、
こちらの気持ちまで晴れやかになってきそうな気がする。
「くっ! リン…アンタなかなかやるわね…」
リョーコが悔しがっている。 女の競争意識と言うヤツが出てきたのだろうか。
「お茶ー!」
と言って部屋にリンコの分の飲み物を持って入ってきたママンもが、リンコの変身振りに嬉しそうだ。
「あらあらまぁまぁ…。 リンコちゃん、随分と可愛らしくなっちゃって♪」
「えへへ♪ おば様、ありがとうございます。 今年もよろしくお願いしま〜す」
「あらぁ、今年と言わずに今後、ずっとマサヒコ共々よろしくしても良いのよぉ。 リンコちゃんだったら♪」
変なところのスイッチが入ってしまったのか、とんでもない事を言い始めるママン。
「なっ! 何言ってんだよ母さん!」
「なに照れてんのよっ♪ ささ、ささ、リンコちゃん。 おこたに入って」
「は〜い……きゃぅっ!」
お約束と言うか、天然の成せる技と言うか着物に慣れているわけも無いリンコはコタツ布団に足を絡ませて、マサヒコにダイブを
敢行したのであった。
「お、おい。 的山。 大丈夫か?」
「えへっ。 こんなドジだと、ホントに小久保君によろしくされちゃうかもねっ♪」
腕を絡め抱き合いつつ、上目遣いでドキリとするような天然発言をするリンコに、マサヒコは(あ〜。 今年もコイツに…一緒に英稜に
合格したりしたら散々振り回されるんだろうな〜)などと思いつつ、何故か嬉しいような気分になってしまうのだった。
146160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:28:04 ID:AYfB6xmE
3、若田部アヤナ -友禅鶸茶地金銀摺箔花弁散文振袖-
『流されない』(若田部アヤナ書 2006年 元旦書初めより)
何に流されたくないのか、まあ多分マサヒコとの密着が多かった去年を反省し、今春に渡米する事もあり自分の性格を変えたかったのかも
知れないが、書初めとしては少々不安なことを書いた若田部アヤナが3番目の来訪者であった。
「あけま…」
「「おおっ!」」
新年の挨拶もさせてもらえず、アヤナはリョーコとリンコの感嘆の眼差しと嘆声を向けられる。
「あの…? あけましておめでとうございます?」
「アヤナ、それ…」
一目で分るよそれ! なんか格が違うよその着物! リョーコやリンコの着物だって少なくとも「年末着物市! 95%オフ!大バザール!」とか
で買ったものでは無い結構な着物なのだが、アヤナのそれは発しているオーラが違った。
茶色とは言うが、かなり色の薄いオレンジ色に見える生地に、金や銀で箔を押された線で鮮やかに書かれた花びらが散ろうとしている紋様。 
正月なのに散らすのは如何なものかとも思うが、ちょっと年代の入ったかにも見えるそれは誰にも文句を言わせないかのような迫力がある。
服の豪華さにも負けず、髪を後ろでシニョンにまとめたアヤナはとても綺麗で…。 
「これですか? 母方の実家に伝わるもので、何故か親戚中で『アヤナが着なきゃダメだ』って。 それで着てるものなんですが…」
「アンタそれ、物凄く高いんじゃない?」
「さあ?どうでしょう? 『ゆうぜんひわちゃじきんぎんすりはくはなびらちらしもんふりそで』…って言うものらしいんですけど。
今日、着て行くっていったら家族が慌てふためいてるんですよ。 父が『絶対、傷付けるな』…って。 こんなに古い着物なのに…。
ふふっ…おかしいですよね。」
「あー、アンタ。 一応、言っておくわ。 それ、値段が付けられるかどうか分らないけど、多分ベンツが買えるわよ。 Sクラスでも。 楽勝で」
「「ベ、ベンツ!?」」
驚きの声を上げるリンコとマサヒコ。 まあ真っ当な反応だろう…。
「ベンツ…そういうものなんですか…」
外車の一台や二台なら父と兄が乗っているのでアヤナの家の車庫にあるからだろうか…まだ浮世離れした感想を漏らしている。 
「全く…これだからお嬢は…。 アンタはもうそれ着るな。 今すぐ脱げ!」
襲い掛かるリョーコの手が、これまたイタリア製大型バイクが一台買えちゃうくらいなアヤナの袋帯へ届こうかと言う時、
身の危険を感じたのか、アヤナがするりと身をかわし、マサヒコの隣にすっと腰を下ろした。
「小久保君? 隣、いいわよね?」
「あ、ああ」
「そ、そんなに見つめないでよ。 はっ…恥ずかしいから」
「ご、ごめん。 でも若田部、すげー綺麗だ…」
「…。 馬鹿…」
何やらいい雰囲気になっちゃってる二人。 その二人を見て脇役に成り下がってしまいそうな二人が物騒な会話をしていた。
「むー。 中村先生…、正月早々ですけど何かムカムカしませんか?」
「ん〜。 その気持ちよく判るわ…」
「私…天然装って、転んでアヤナちゃんにお茶でもぶっ掛けましょうか?」
「いや、それはさすがにやめとけ…」
147160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:28:48 ID:AYfB6xmE
4、濱中アイ -繻子織黒地午餐会服-
『絶対合格』(濱中アイ書 2006年元旦書初めより)
半天然ではあるが一応、常識人であるアイの書初めは、確かに常識的なものと言えた。 しかし…、小久保家のインターホンを押す段階になっても
彼女は心の迷いを中々打ち消す事が出来なかった。
「中村先生…、これじゃアヤナちゃんの一人勝ちなんじゃないですか?」
「そうねぇ。 悔しいけど…いくらなんでも私らがアレに対抗するのは難しいかもね」
「先生、やっぱりお茶…。 むー、もう小久保君にも一緒にぶっ掛け…そう、最近ツボに入った『罰を与える』ってヤツですよ♪」
「まあまあ、落ち着きなさいって。 いや、まだ望みはあるわよ…」
未だ見詰め合っているマサヒコとアヤナに聞こえぬようにボソボソと小声で話す二人。
「アイの実家ってさ、結構な旧家でね。 成人式の時にもかなりいい服着てたんだわ。 褒めたら『そっ、そんな事無いですよ〜』って言ってたから、
今日なんかはかなり気合の入った格好してくるかも…、いやあの子の場合、相当なモノを着てきそうなんだよね」
「でもそれじゃアイ先生かアヤナちゃんかって事じゃ…」
「一人勝ちされるよりはまだマシでしょ…」
段々、話がみみっちくなってきている。 …が、ここはアイに期待の一翼を向けるしかない訳で…。
インターホンの音が鳴ると同時に階下でママンの嬌声が上がる。 どうやら誰かが…、聞こえてくる話の内容からするとアイが到着したようだった。
「来たようね…。 しかも、おば様の反応からすると、かなりの服を着てきたみたい」
「ちょっとワクワクしちゃいますね〜。 んー、どうかアヤナちゃんに罰を与えて下さいっ!」
「それ、少し用法違うかな…」
ドアノブを回す音と同時に部屋の中に入ってくるアイ。 その姿を見て、中村は……頭を抱えた。
「素敵な服…着てるじゃない…アイ」
「えっ、ええ。 お褒めに預かり光栄です」
リョーコの鋭い視線に併せ投げつけられるかのような言葉に、紫色になりかけた唇を震わせてアイが返答する。
148160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:29:25 ID:AYfB6xmE
「しびれちゃうわね…」
『コクコク』…本当に唇が痺れているアイは首を縦に振るだけだ。
「ぞくぞくしてきちゃうじゃない…」
『コクコク』…本当にぞくぞくしているようだ。
気まずい雰囲気にアイがついに口を開く。
「あっ、あのっ! 着物はあんまり着ないから、実家に送り返しちゃってて、これしか今無くてっ!」
「ふんふん。 で? そんな格好してきたワケね?」
『コクコク』…。
リョーコの『使えねぇ女だな』的な視線を受ける、アイのその格好は…。 しなやかな光沢を持つ黒地のサテン生地が目にも眩しく、
女性としてはほぼ完成されつつあるアイの魅力をよく引き出している丈の短めなイブニングドレスだった。 
「アンタ、それ寒かっただろ?」
『コクコク』…。
リョーコの攻撃は未だ続いている。 さすがに防寒のために、併せてしつらえた黒ベルベット生地のスペンサーを上に着てはみたものの、
そんなもので日本の冬の屋外気温に対応できるわけも無く。 徒歩で小久保家まで来たアイの体は寒さでガクガクと震えていた。
「んで? なに? アンタそれで社交界にでもデビューするつもりなワケ?」
「あ、そう言うときはデビュタントドレスって言う白いドレスを着るのが一般て…」
「もういいわ、アンタそこに立ってなさい。 罰として」
「うぅ…」
意気消沈するアイにマサヒコが助け舟を出す。
「ちょ、先生。 唇紫色じゃないですか。 大丈夫ですか?」
「マ、マサヒコくぅん…」
アイはそう言うとコタツの中に入ったままのマサヒコに、ひし、と抱きついた。
ああ、マサヒコ君の体、温かい…。 このまま私を解凍処理(?)して…。
露出が少ないとはとても言えない格好のアイに抱きつかれたマサヒコも、ドキドキして…(こりゃ、今年もいい年になるか…)などと言う甘っちょろい
考えは今度は起こせなかった。 無言でアイをマサヒコから引き剥がしたリョーコが、アイの首から『私は空気の読めない露出狂娘です』と書かれた
プラカードをぶら下げ再び部屋の隅に立たせたからだった…。
「ちっ…、考えが甘いんだよ…全く…」
リョーコの荒みように、再び立たされコタツで体を温められずにでガクブルしているアイのことを助けられる者は居なかった。
149160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:30:09 ID:AYfB6xmE
5、天野ミサキ -五衣雲立涌紋並桜襲裏無地生絹他-
『今年こそ』(天野ミサキ書 2006年元旦書初めより)
とは、書いたもののどうなる事やら…。

「うそ…皆、凄すぎる…」
ミサキは自室でマサヒコの部屋を対戦車ミサイルの照準/誘導ユニットのファインダーで覗きながら、顔面蒼白になっていた。
なんで全天候型カメラじゃなくて対戦車ミサイル? と言う疑問が出るのは当然だが、遠距離から敵戦車を迎え撃つ対戦車ミサイルの
照準ユニットは望遠機能がついているので、実用には充分。 さらには目標(既にこのような単語が出てくる事が怪しい)
に対してミサイル誘導の為の測拒や、コードさえ一致させて貰えればLGB(レーザー誘導爆弾)を誘導するためのレーザースポッティングも
出来るのでオトクなのだ。 ミサキの心中を嫉妬からか一般的な女子中学生にしてはイケない考えが占めてくる。
(ああ! 今、あの部屋を石器時代に戻して…いや丸ごと消滅させてやりたい…)
ミサキが今、手中にしているVHF帯無線機で航空支援(ち、ちょっと待て)を要請して…、そう…こんな感じだ…。
『こちらケープ339。 ディープスロート45どうぞ』
『ディープスロート45。 ターゲットから8マイル。 レーザーバスケットの形成は良好。 いつでもOKだ』
『ケープ339。 スポッティング継続中。 目標周辺のAAA(対空砲火)の動きは無し、投下よろしく』
『OK! ドデカいヤツを叩き込んでやるぜ』
『ケープ339。 スポッティング引き続き継続中…』
『Launch(投下)!Launch!』
『……』
『…命中! 命中! あー!今、火が上がっている…。 目標は破壊された。 生存の可能性はネガティブ。 繰り返す…』
『イャッハー! サダムのケツをぶっ叩いてやったぜ!』
あの…オペレーション・イラキ・フリーダムはとっくに終わってますよ……。

「ハッ…いけないいけない。 本当に無線機のプレストークボタン押しちゃうところだった…」
まあ、新年の余興みたいなモノとは言え、それほど凄い事にはならないだろうと思っていた自分の考えの甘さを呪っていた。
自分としては、大振袖を着るのも大げさだし、シンプルに茶屋の看板娘みたいに見える格好でもすれば、マサちゃんの私に
対する株も上がると言うものね。 などと思っていたのだ。 
それがなぜ、正月早々バグダッドの中心部に潜入して目標に2000ポンドLGBを叩き込む為のレーザー照射役潜入工作員のような
妄想をしなければならないのか…。
(私はデルタでもシールズでもフォースリーコンでもないわよっ! いい加減にしてっ!)
妄想後によくある感情の爆発がひとしきり終わると、ミサキの心の中を寂寥感が占めていく。 それもこれも自分の気持ちに
気づいてくれないマサヒコが全部悪いのだ。
(でも…私はやっぱり…マサちゃんが好き…)
ミサキの両の瞳から落ちていく涙。 どうして人は恋をすると泣いてばかりになってしまうのだろう?
我慢できなくなったミサキは、部屋から駆け出して母親のいる台所へと飛び込んでいった。
150160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:30:57 ID:AYfB6xmE
「う"―― 」
「どっ! どうしたのっ!? ミサキっ!」
正月早々、ボロボロと両目から涙を溢れさせているミサキを見て驚くミサママ。
「マ…………………………………………………………………………………………………………………………も………………………
…………………じ……………… ………………………………れ………〜」
ミサキの言いたい事は、もう言葉にもなってくれない。
「えぐっ…えぐっ…」
「ふむふむ………」
今もえぐえぐと泣きじゃくる娘を助けてやりたいのは母親として当然の愛情だ。
「『マサちゃん家で今日やっている晴着を見せびらかす大会にアヤナちゃんやリンちゃんや濱中先生や中村先生までもが凄い晴着を着てきて
私の今日の格好じゃ負けちゃう… マサちゃんが変態どもに取られちゃうよ〜』そうねっ! そうなのねっ!ミサキ!!」
ちょwww判るんですか?それ? としかミサママには言い様がないが、これが母娘間の愛情と言うヤツなのか…。 いや、血なのか?
『コクコク』…母親の愛情を今、一身に浴びる事の出来たミサキは大きくうなずいた。
「ミサキ! シャンとしなさいっ! こういうときのために親は存在するの…。 良い?二階のクローゼットの中に桐の箱があるから……
いや、ここじゃダメね。 付いてきなさい!」

数分後、二階のクローゼットの中では、ミサキが感嘆の声を上げていた。
「お母さん…これ?」
ミサママに質問するミサキの瞳からはもう涙は溢れていなかった。 箱の中に納められているものからは着物に詳しいはずもない、
中学生でも一目で判るほどに生地の良さが伺える。
「これはね…ミサキ。 天野家に代々伝わる由緒あるモノでね…可愛い一人娘のピンチとあっては、出さざるを得ないでしょう…」
「お、お母さんっ! ありがとうっ!」
感極まってミサママに思いっきり抱きつくミサキ。
「さ、早く着付をしちゃいましょう? それに涙も拭いて。 可愛い顔が台無し…。 マサヒコ君に嫌われちゃうわよ♪」
数十分後…、娘と同じで家事全般ダメダメだが、天野家に嫁いでからと言うもの、この服の着付け方だけは姑から叩き込まれてきた
ミサママは手早くミサキの着付けを終わらせると、愛娘を小久保家に送り出したのであった。
151160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:31:35 ID:AYfB6xmE
「ミサキちゃん、遅いですね…」
「全く、時間遅れちゃうわよ…天野さんったら」
「まさかあの子、自分で着付するなんて無謀な行為してるんじゃないでしょうね?」
「う…う…さ、寒い…お願い…男棒…じゃなくて暖房…いれてください」
マサヒコの部屋で、時間になっても現れないミサキにいらだち(一部違う)の声が上がり始める。
小久保家と同程度の住まいに居住するミサキが、アヤナほど凄い着物を着てくる可能性は余りないし、これはもうアヤナの一人勝ち
で勝負が付いてしまうのではないか、と言う空気が部屋の中に充満している。 それだったらさっさと初詣を終わらせちゃって…。
などと言うところで玄関のインターホンが鳴り響いた。
「やっと来たようね…」
だが、階下でミサキを迎えた筈のママンの声は『驚き」と『困惑』とが混じりあったもので、どちらかと言うと絶句しているかのようだ。
「あら、おば様を唸らせるようなモノでも着てきたのかしら?」
ミサキが凄い着物を着てくるのであれば、それはそれでダークホースとして面白い。 などと思い始めたリョーコの耳に入り始めた
音は…、いや、誰もが聞いたこともないような音質のそれであった。
「これ、天野さん…が階段上がってくる音…ですよね?」
「みたい…だけど…これ何の音?」
「な、なんか変な音ですよぅ」
ゆっくりと、しかし確実に階段を上がってくる音。 その音の正体に部屋の中の疑問が最高潮に達する。
ガチャリ…。 ドアノブが回される音と同時にミサキの大きな声が、そう…勝利を確信したかのような彼女の声が部屋の中に響いた。
「あっ、あけましておめでとうございますっ! マ、マサ君っ! おめでとうっ」
「「「「「…………… ・・・ ・ ・ ・」」」」」
アイとリンコの口は『◇』になっていた。 アヤナの口は『△』になっている。 マサヒコのそれは『□』だ…。

…寒さ厳しく花の無い冬でも匂い立つかのようなその姿、襟掛のついた萌黄の単、紅の無地袴。 桜襲の五衣からは幾重にも重ねられた
袖口から見えるグラデーションと表の白い生地にすかして映る赤花の色が、桜が咲くのを今か今かと待ちわびているかのよう…。
打衣と唐衣に複雑に織られた菱の地紋は千年の時を経てもなお鮮やかで、これが本当に一色で織られた布地なのかと思うほどで…。
腰の辺りから後方に優雅に広がる裳にはきちんと引腰までもがフルセットで備えられ…。 ……。 …。

「…んで? 天野の姫君は今日は牛車でお越しってワケですか?」
「いっ、いえ。 この距離ですから徒歩(とほ)ですが」
「ははぁ、徒歩(かち)ですか。 って言うかアンタ、今日これから初詣行くって知ってるわよね?」
「えっ、ええ。 あ、それよりそれよりマサ君っ。 どっ、どうかな? これ?」
「………」
(ああ、分った…。 俺が最近怖いのはこういう時のミサキなんだ…。 暴走って言うか…正直…キモイ…)
マサヒコは自分の目の前に居る『私を見て見て〜! そして、いいコいいコしてーっ!』と言う褒められるのを待っている子犬の瞳ような
目から、光線を出している少女に言葉を掛けてあげることが…。 どうしてもできなかった…。
152160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:32:28 ID:AYfB6xmE
6、エピローグ
マサヒコ、リンコ、リョーコ、アヤナの4人は和気藹々と神社への詣でを済ませ、かつその女性陣の華やかさは道行く人々の注目を
浴びていた。 お参りの後には出店で甘酒など楽しんじゃったりして、間近に控えた受験本番への決意を新たにすることが出来、
アヤナは渡米前最後の日本ならではの雰囲気を味わっているかのようである…。

一方…。
『ちょっと何あれ〜。 何かの撮影〜?』
『やだやだ、マジ凄くな〜い?』
『おい、見ろよあれ。 凄くね?』
『うはwww巫女よりテラスゴスwwww』
『つか、隣の女は何でドレス?』
『ドッキリじゃねぇの?』
『ワンワンッ』
参道にざわめく嘆声、そして犬までもが吠えあがっている。
日本古来より伝統の服とは言え『それは間違っている』としか言いようがない十二単を着たミサキと、やはり『それも間違えている』と
しか言いようが無いドレスを着たアイは、道行く人々にジロジロ見られているかのような(実際見られているのだが)視線に、恥ずかしさを
隠す事が出来ない。
「うぅぅぅ…人に視姦されているって言うのはこういう感じなのね…って言うか…さ、寒い」
「視姦されてるのは濱中先生だけじゃないんですか?」
「ああ、ミサキちゃんのは『憐れみを受けている』だもんね』」
「……」
「……」
「濱中先生…、何がイケなかったんでしょうか?」
「う〜ん、ミサキちゃんのは…全部…かな…って言うか…本当に寒い…」
「…先生こそ、そのプラカード…、似合ってますね…」
「ミサキちゃん…私の事嫌いだったりする…?」
「……」
「……」
晒し者同士との生産性の無いやりとりを続けることの空しさに気づいたミサキは、書初めで書いた『今年こそ』について、『告白する』を
頭の中から一度退場させ『社会復帰する』若しくは『怪しげな機器は捨てる』と、付け加えたほうがいいなと、またもやガチで思うのであった。
153160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/04(水) 18:33:21 ID:AYfB6xmE
以上です。
すいません…ちょっと反省。 短くしようとしたのですが、ミサキのところで水増ししたのがよく判る作品ですね。
いくらなんでもしつこいのでミサキでオトすのはしばらく止めときます。
でも結局、自分の好きなモノを書いちゃいそうですが。 いい加減エロいのも書かないと。

神作品はどれも相変わらず「うーむ。 読ませるなぁ」と思っちゃいました。
自分のはサラっと読んで終わりっ って言うスタイルだし。 神作品は読み返してもやっぱり読み応えがあるんですよね。

次回はリンコかアイものになりそうな感じです。 
154名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 19:50:33 ID:vqOxZPAo
>>153 160氏
いえいえGJですよ!ミサキオチを止めるなんてとんでもない。
貴方の書かれるミサキが私は大好きですよ。相変らず独特のキャラ描写が素敵すぎですw
これからもSS執筆頑張ってください、次作品も期待しております。
155名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:08:22 ID:s9Yxjpsd
はうう〜 GJです!!

ミサキがまたもやイッちゃってるのがまた萌えなわけで・・・

次も期待しております!!
156名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:16:22 ID:6SYP2DH2
暴走王160氏キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━
毎度暴走お疲れさまですw
157名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:21:28 ID:7C2YkGOv
160氏、GJです。「5人個別編+オチ」の形式が定番になってきましたね。

160氏が書く天野ミサキは、「NHKにようこそ」の中原岬のような、キティカワイさがあって好きだな。
今回も、着物や軍事の無駄知識が詰め込まれてるのもイイ。

というか、前回作でも思いましたが、かなりの軍オタっすね。
でも、着物の知識なんて、いったいどこから仕入れてくるのやら。
158名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:39:50 ID:SOzZrw4l
ちょwwwwwwwwwwミサキチ&ミサキチママンテラスゴス&ヤバスwwwwwwwwww
そして160氏テラGJwwwwwwwwww
159名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 20:44:04 ID:NNELEgV7
リンコ黒いよミサキ怖いよGJ!!

>なんで全天候型カメラじゃなくて対戦車ミサイル? と言う疑問が出るのは当然だが、
いや、疑問はそこじゃねえって
160名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 21:41:32 ID:8YYHdrZJ
郭神のエースの牙城に挑む一番手は160氏なのか
少なくともオレは160氏がいっちゃん好き

新年あけて間もないのにハイスパート&ハイグレード職人神みなさん乙
161名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 22:06:49 ID:vqOxZPAo
>>160 イヤ、むしろ”トリック・スター”アカボシ氏の後継者という位置づけではないかと…

正統派の大エース郭氏、奔放な気鋭の160氏…どちらもGJ!です。
ホントにこのスレは後から後から神クラスの職人が出現してくるなww
162トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:30:57 ID:ly0FYeyS

トマソンです。

160氏、郭×伊東氏、ピンキリ氏、102氏、乙です。


>90-92 の続き。

結構エロいですが本番はなし。コタツの中の秘境プレイ……かな。

では投下。
163トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:33:04 ID:ly0FYeyS

「えへへ〜、しゃあシンジしゃん」
 カオルが日本酒のお銚子を持ち、シンジの杯に注ぐ。金城邸で飲み始めた二人は既に
お屠蘇をきれいに空にして、日本酒を飲み始めていた。カオルはもういい加減に酔っ払
い、顔が真っ赤だ。シンジもほんのり顔が赤くなりつつある。
 さらに、アルコールに加えもうひとつの刺激がシンジを襲っていた。
「あ、あのさカオルちゃん……脚がさ」
 シンジとカオルは居間にある小さなコタツに向かい合って座っていた。コタツ布団の
中で二人の足が絡み合い、ジャージとジーパン越しにむっちりしたカオルの太股を感じ
て、シンジは少々居心地がわる……いや悪いわけではない、むしろ気持ちいいのだが、
思春期の男にはちょっと刺激が強い。
(というか、この脚の格好はどこかで……あ……)
 この絡み具合は、先日妹のカナミに教えられたあれと同じだ。
(確か、コタツ隠れ……だったかな。こんなんじゃ挿れられないだろうに。コタツが邪
魔で接近もしにくいし、無理やり接近したら角度が合わねえし)
 それ以前に、どうしてこんな知識を妹に教えられなきゃならんのかを突っ込むところ
なのだが、さすがのシンジも、もはや麻痺したか。
「脚なんかどうでもいいでしゅ〜、さあ、飲みまじょ〜」
 カオルの圧力に耐え切れず、杯を口に運ぶシンジ。二人のどちらかが身動きするたび
にシンジの脚とカオルの脚とがかすかにこすり合わされ、暖かい摩擦がシンジをくすぐ
る。トロンとした目をしたカオルと脚を絡め合わせて酒を飲んでいるうちに、シンジも
だんだん怪しい気分になってきたりして。
「しゃあ、私にも〜」
 カオルが空の杯を差し出す。シンジがそれに控えめに酒を注ぐと、カオルはそれを
グイと一気に飲み干してしまった。
「あの、カオルちゃん……ほどほどに……」
「えへへ〜シンジしゃん、私ってずっと女子高だったきゃら、あんみゃり男の人と話し
たことなくって……父さん以外の男の人とおしゃけ飲むの、初めてなんでしゅよ〜」
 高校一年のくせに酒を飲むのが問題という意識はないらしい。いやそれより、父親と
は一緒に飲んでるのか?
「ハハ、そうなんだ」
 というか、シンジも未成年なのだが。
「あ、そーだ。シンジしゃん、ひとつお願い聞いてもらえましゅ?」
「ん? なんだい?」
 カオルは何を思ったか、さらさらとメモ用紙に何かを書き付けると、それをシンジに
渡した。
「このシェリフ、私にしゃしゃやいてくだしゃ〜い」
「……これは?」
(『いつまでも変わらないキミでいて』? なんだ、こりゃ)
 シンジがメモ用紙を見ると、そんなキザな台詞が書かれていた。アルコールで真っ赤
な顔をさらに赤くして、カオルがテレテレしながら話を続ける。
「えへへ……私、あんまり男の人と話しゅたことなくて、こんな台詞をしゃしゃやいて
もらうのをいつも夢見てるんでしゅ」
 ちなみにカオルが心の中でこういうシーンを夢見るとき、男性のモデルは常にシンジ
である。というか、ほかに年頃の男性の知り合いがいないというのが真相だ。それはそ
れで非常に情けない事態ではあるのだが、今はこの酔っぱらいの話を続けよう。
「だかりゃお願いでしゅ、私の夢、ひとつだけかなえてくだしゃ〜い」
(ふーん、女の子らしい頼みだな。まあ、これ位ならいいか……『愛してる』とか、
『結婚してくれ』とかだったら考えちゃうけど)
 と、シンジも割と軽い気持ちでリクエストに応じてしまった。
 ぽーっとした表情をしているカオルの、ほんのりと上気した耳にシンジが顔を寄せ、
やさしく囁く。
「いつまでも変わらないキミでいて」
 ばったーん。
 カオルはその台詞に天にも昇りそうな表情になったかと思うと、一瞬のちには後ろに
ぶっ倒れた。
164トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:34:19 ID:ly0FYeyS

「え?! カオルちゃん?!」
 さすがのシンジも少々慌てたが、カオルの気を失いながらも幸せそうな表情を見て、
ようやく得心した。
 この娘のピュアぶりからして、刺激が強すぎて卒倒しただけだろう。頭は座布団の上
に落ちたし、怪我はしていないはずだ。
(なんというか……リクエストしてきたのはこの娘だし、自爆……だよな)
 とりあえず自分に非はないはずだ。シンジはちょっと気を楽にした。
(でも、このままではカオルちゃん、風邪引きそうだよな。何か、毛布でもかけてやら
ないと……あ、あれ?)
 コタツから這い出ようとしたシンジだが、カオルと脚が絡まって思うに任せない。
 力任せに脚を引き抜くと……ずるり。
「……え」
 シンジの脚はコタツから抜け出たが、今の、何かを引きずったような感触は一体? 
 彼は思考を巡らせた。アルコールが染み込んだ脳みそで回転が鈍いが、一歩一歩、
推測が進む。

その1。カオルちゃんはトレパンを穿いていた。
その2。トレパンといえば、腰はゴムで止まっているのみ。
その3。絡みついた脚を強引に抜いた結果、何かを引きずった感触がした。
結論。 カオルちゃんのトレパンを俺が引きずり下ろした。

(……や、やばい!)
さすがのシンジも動揺しまくった。
(えーと……どうしよう)
 どうするといっても、このままではどう誤解されても言い訳は利かない。もう一度、
穿かせるよりないだろう。
 (仕方ない……よな、これは。カオルちゃんはよく寝てる……)
 くか〜、すぴ〜。
 カオルはもう安らかな寝息を立てていた。
 それを確認したシンジは、もう一度周りを見回し、誰もいないことを確認すると、
頭からコタツの中に忍び込んでいった。

165トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:36:58 ID:ly0FYeyS

 シンジがコタツ布団の中にそっと頭を入れていくと、そこは発熱器からの赤い光が薄
暗く辺りを照らす小さな世界だった。あらゆるものが赤みを帯びて、奇妙な感じだ。
 その中で、カオルの膝の辺りまでトレパンのウエストがずり落ちているのがシンジの
目に入った。縁ぎりぎりのところに、可愛い膝小僧に貼られた絆創膏が覗いている。

 眠っている女子高生のわずかに開いた両脚の間に、俺は首を突っ込んでいる──。
 そのことに改めて気づき、シンジの心臓が跳ね上がった。見ちゃいかんとは思いなが
らも、欲望が抑えきれず、シンジが視線をつい前に向けてしまう。
 バスケで鍛えたカオルの太腿が、シンジの目の前にかぶりつきで広がった。筋肉質で
むっちりと引き締まった、本来は真っ白であろう太腿だが、今は赤く照らされている。
(見てえ……もっと……)
 呼吸を荒くしながら、シンジが脚の付け根のほうへ視線を滑らせていく。やがてシン
ジの視線は、カオルの股間に吸い寄せられた。
 そこを覆っているのは、飾り気のないスポーティなデザインのパンティ。これも純白
なのだろうが、この小さな赤い世界の中ではやはり赤く染まり、熱く燃えているかのよ
うだ。
(う……やべえ……)
 少女の秘奥を頼りなく覆い隠す、薄い布切れ。その中心に息づく、かすかな盛り上が
り。シンジはそこから視線を外せなかった。頭に至近距離から赤外線が当たって熱いが、
そんな熱さなどなんのその、魅惑的な眺めにシンジの理性が次第々々に溶けていく。
 ごくり。
 トレパンを穿かせる使命も忘れ、シンジは生唾を飲み込んだ。嘗めるような視線を
しばらくカオルの下半身を注いだ末、ついに我慢が出来なくなったシンジは手を伸ば
して、そっと太股の内側に触れてみた。
(あ、暖けぇ……それにすべすべ……)
 少女の肌のぬくもりと、柔らかく張りのある手触りが返ってくる。
(ごめんカオルちゃん……でも、止まらねえ……)
 シンジはさらにコタツの中にぐいと体を入れ込んだ。目の前に広がるカオルの太股の
吸い付くような手触りを楽しみつつ、その内側をそっと両手で撫で上げていく。両脚の
付け根を覆う、赤く照らされたパンティにシンジの視線は注がれ続けていた。
 その中には、誰にも見せたことがないであろう、カオルの秘肉が息づいているのだ。
 喉がカラカラであることに気づき、もう一度生唾を飲み込むと、シンジはそっと指を
伸ばし、両脚の間、布地の幅が一番狭くなっているあたりに軽く触れた。
「……!」
 指先にごく軽く柔らかい布切れを感じた瞬間、シンジは指を引いた。緊張のうちに
数秒間が過ぎたが、幸いカオルが起きる気配はない。安堵の息をついたシンジは、再び
指をそこに忍び込ませていった。
 割れ目の辺りを、シンジが優しく上下に撫でつける。
 軽く押してやると、薄い布を通してくにゅっと柔肉が形を変え、指が食い込んだ。
(や……柔らけえ……)
 今度はその凹みの内側をゆっくり押し広げるように撫で回してやると、次第々々に
凹みが広がり、パンティになんとなく淫靡なくぼみが浮き出していった。
 シンジは一旦指を引き、カオルの反応をうかがう。ここまでしてもカオルが動かない
ことに力を得たシンジは、酒が回ってズキズキし始めた頭をこらえて指を伸ばし、パン
ティの幅がもっとも狭いところ、クロッチの横の縁にそっと指を掛けた。
166トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:38:22 ID:ly0FYeyS

 ごくり。
 もう一度生唾を飲み込むと、シンジは心臓が今にも破裂しそうに脈打つのを感じなが
ら、震える指で布地をそっと横にずらしてやった。だんだんとあらわになる、少女の体
の芯を目を血走らせて見つめつつ、パンティの細い部分をすっかり寄せてしまうと、シ
ンジの眼前に、とうとう隠すものとてなくなったカオルの秘奥が広がった。
(?!……このコ、生えてない……)
 カオルのそこには、成熟した女性にはあるはずの陰毛が生えていなかった。まるで幼
女のような、縦筋一本に見えるそこにシンジの淫靡な視線が注がれ、這い回る。
 赤く照らされて色はよく分からないが、ぷっくりした大陰唇は周りの肌とほとんど
変わらぬ色に見える。シンジの指が割れ目を優しく上下になぞると、しっとりと湿りを
帯びた、熱く柔らかい肉の感触が感じられた。
 そっと割れ目を押し開くと、中に息づく襞が恥ずかしげに覗き、シンジの欲望を掻き
立てる。まだ未成熟さを思わせるそこを、丹念に丹念に、ゆっくりと襞々をめくり上げ
ていくと、少女の体が次第々々に奥まであらわになっていった。
 
 シンジは、この辺かと思われるあたりを丹念に探索し、入り口を探し当てた。
(ここか……)
 シンジが優しく、わずかに指を前に出す。にゅるりと、ようやく第一関節まで女体の
中に忍び込んだシンジの指を、カオルの柔肉が暖かく包み込み、締め付けてくる。その
感触にシンジは陶然となった。性知識など全くないであろう、穢れを知らない少女の秘
奥を、今まさに指先で犯しているのだ。
 シンジは一旦手を引き、胸のポケットから携帯を取り出した。カメラに切り替え、接
写モードにすると、左手でVサインよろしくカオルの媚肉を開き、右手で携帯を構え、
カオルの股間に向けた。
 カシャ。
 赤く染まる小さな世界の中でフラッシュが光り、恥ずかしく開かされた少女の媚肉が
画面に写し出された。
(これで……いつでも、見られる……)
 シンジもそろそろ熱にやられて頭がぼーっとしてきているが、欲望に囚われた思春期
の男子がここで止まるはずがなかった。


167トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:40:30 ID:ly0FYeyS

(次は……)
 携帯を胸ポケットに収めると、シンジは再び指先をカオルの体に伸ばして思うがまま
に探索し、ついに小さな肉芽を探りだした。
(これが……クリトリス……) 
 ひそやかな突起に指を触れた瞬間、少女の体がピクンと震えた。ついで、いやいやを
するようにカオルがかすかに身をよじる。
 シンジの心臓が跳ね上がった。指を引っ込め、体を固くして、最後の審判を待つよう
な気持ちで天に祈る。もしも今、カオルが目を覚ましたら、一体どうなるのか?
(……起きないでくれ……)
 永遠とも思える数秒間ののち、カオルはそのまま動かなくなり、元のように規則的な
寝息を立て始めた。シンジは再び、大きく安堵の息をつく。
(さすがにクリトリスは危険か……じゃ、せめて……味わってやる……)
 これだけいじっても、カオルのそこにはっきりとした液体は感じられない。ごく僅か
にぬめりが感じられるだけだ。やはり意識不明では、十分に濡れるには至らないようだ。
 シンジは両手を床につき、顔をカオルの股間に埋めた。くんくんと匂いを嗅ぐと、奇
妙な匂いがシンジの鼻腔をくすぐる。
(これが……カオルちゃんのアソコの匂い……)
 処女のそこは臭いと聞いたことがあるが、シンジにはさほどの嫌悪感は湧かなかった。
いや実際に臭いといえば臭いのだが、嫌というほどではない、微妙な匂いだ。ついでシ
ンジは目前の秘裂の合わせ目にちゅっと唇を合わせ、そっと舌を出して媚肉をペロリと
嘗めた。
 カオルの体が再びピクンと震える。だがもうシンジはそれすら気にかけず、かすかな
ぬめりを掬い取り、舌の上で転がした。
(これが……カオルちゃんの蜜の味……これまた微妙な……)


 と思った瞬間、シンジの中で胸から何かがこみ上げてきた。
 アルコールをしこたま飲んだ上に、熱く赤い小さな世界に閉じこもり、至近距離から
頭を赤外線で照らされ続けた上、頭にたっぷり血が昇るような行為にふけったのだ。
 さらに、処女の匂いを嗅ぎ、蜜の味を味わったのが最後の引き金になったらしい。
 胃からすっぱいものが逆噴射してきて、シンジは口をおさえてトイレに駆け込んだ。
「う、うげえええええっ……」
 (以後、しばらくの間の描写は省略)
168トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:42:42 ID:ly0FYeyS

 出るものは全て出し、うがいをしてさっぱりしたシンジはようやく冷静に戻った。
(俺、結構すごいことしちまったな……)
 居間に戻ったシンジはかすかな悔恨の念にとらわれたが、後の祭りとはこのことだ。
 なんにしても、このままではまずい。カオルがまだ寝息を立てていることを確認する
と、シンジは再びコタツの中に忍び込み、横に思うさまずらしたパンティを名残惜しく
も元に戻し、トレパンの縁を持ち上げてカオルの豊かなヒップを苦心してくぐらせ、
きちんと腰まで着せた。
(……ふう)
 カオルママもぼちぼち戻る頃だ。シンジは一息ついて、まだズキズキする頭をふって
痛みをこらえ、みかんに手を伸ばした。が、重大な心配事が一つあった。
(……しかし……あれでも勃たないとは、俺、もしかしてED?)
 コタツの中に頭をうずめ、カオルの体に悪戯をしていたあのとき。あれだけ興奮しな
がら、シンジの股間は怒張はしなかった。若さに似ないこの鉄の自制心。シンジこそ、
仙人と呼ぶにふさわしい、わけはない。
(いや、ビデオではアレだけ抜けるんだし、EDなわけはない……結局、飲みすぎ?
それとも急にEDになったとか……いや、まさか……)
 何事も過ぎたるは及ばざるが如し。アルコールの摂りすぎがポテンツに悪影響を及ぼ
すことを、身をもって体験したシンジであったが、内心ではEDの不安を払拭すること
は出来なかった。
(あ、でも……もし勃っていたら、俺はどうしたろう?)
 シンジはそんなことを思いながら、カオルの安らかな寝顔を眺め、みかんを口に放り
こむ。みかんの汁が口の中に弾け、さっきの淫靡な眺めがシンジの脳裏をよぎる。
 カオルのほうは、少しはエッチな夢でも見たのだろうか? 目を覚ましたとき、この
コはいったいどんな反応をするだろう? 

 そんな思いを巡らせるうち、カオルの母親が帰ってきた。
「ただいま〜、あら、カオルは寝ちゃってるの? 飲みすぎたかしら」
 シンジに向かい、ピシ!と親指を立てるカオルママ。
「このコが寝ている間に、たっぷり楽しんでいただけたかしら?」
「い、いいいや、ととと、とんでもありませんはい。おいしい酒をご馳走になりまして、
はい」
 ずばりと言われたシンジ、心臓が跳ね上がり、顔は真っ赤だ。必死で言い繕うが、
挙動不審すぎ。
 さすがにこのままではまずい。シンジは深呼吸をして心を鎮め、再び口を開いた。
「……というか、あのお母さん」
「あら、お義母さんだなんて」
 このネタはさっきも言われたが、ここは突っ込む前に説明が先だ。
「カオルさんを連れてきたのは、かくかくしかじか、こういうわけで、カオルさんと僕
はそういう仲では……」
「あら、そうだったの? 残念ねえ。でも、カオルが初めて家にボーイフレンドを連れ
てきたんだもの、今日はおめでたい日なの」
 そりゃまあ、元旦ですからおめでたい日ですが、その理由づけはどうかと。
「いやあの、だからボーイフレンドでは」
「いいから、今夜はご馳走を食べて、しっかり体力つけてね?」
 シンジの反論など聞き流し、カオルママは買い物袋を下げて台所に消えていった。
 (……ていうか、何で体力?)
 シンジは溜息をついた。やはりこの母親もエロボケキャラらしい。
169トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:44:53 ID:ly0FYeyS

 やがて食卓にご馳走が並んだ。
「さあ、夕食の用意が出来たからいらっしゃい」
 ちらりと食卓を眺めたシンジ。
「わあ……すごいご馳走ですね」
 それにしても、赤飯、タイの御頭、うなぎまではまあいいとして、すっぽんに赤マム
シドリンクとはあからさまですぜ奥さん。
「今日は父さんは田舎に行って親戚周りをしているから、遠慮しないでね?」
 というかこの男、父親がいたら殺されそうなことをしてます。
「それじゃ、カオルさんを起こしてきます」
 シンジは居間に戻ると、まだ安らかな寝息を立てているカオルを揺り起こした。

「カオルちゃん、起きて。もう晩御飯だよ」
 ぼんやりとカオルが目を開き、ついで体を起してひとつ伸びをした。
「んーっ……あう、頭いたい……あ、シンジさん……」
「カオルちゃん、目が覚めた?」
「え……どうしてシンジさんがここに? なんで私、シンジさんの前で寝ているの?」
「覚えてないの? 神社で散々甘酒を飲んで酔っ払っていたから、家まで送ったんだよ。
なぜかその後も二人で酒を飲むことになって、君はそのまま寝てしまったんだ」
「えっ……そうですか……あ、あの……何か、しました?」
 まだズキズキするのだろう、こめかみを押さえながら、ぽっと顔を染めるカオル。
 シンジの心臓は再び跳ね上がった。
「い、いや、何も……」
 カオルを直視できず、虚空に視線をさまよわせながら必死で否定するシンジ。またし
ても挙動不審すぎ。
「そうですか……」
 カオルはそこはピュアピュア娘、シンジがしたようなことは夢にも思わないし、知り
もしない。シンジにとってはもっけの幸いではある。
「さあ、お母さんがご馳走を作ってくれたから食べよう」
「は、はい……」
(キスぐらい、してくれても良かったのに……あ、でも私のほうが眠っていたら、折角
の甘ーいキス、味わえないじゃん……)
 そんな乙女らしいことを思うカオルだったが、酔っていればともかく、素面ではこん
なことを言えるはずもなかった。というかこの娘、実は下の唇にはキスされてますが。
「あれ? ゴム、伸びちゃったかな……」
 立ち上がったところで、トレパンの腰がなんとなくゆるいことに気づいたカオルが
つぶやく。またしてもシンジの心臓が跳ね上がった。ビクっと身を震わせたシンジを
カオルがいぶかしむ。
「……シンジさん、どうかしました?」
「してないしてない! トレパンのゴムなんか知らないっ!」
「……?」

170トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:47:39 ID:ly0FYeyS

 カオルママに散々からかわれながらも、うまい夕食を取ったシンジ。
 今は満腹の腹をさすりつつ、自宅への帰途を歩いていた。
(それにしても、夢のような一日だったな……って、まさか夢じゃないよな……そうだ)
 夜道を歩きながら、シンジは携帯を取り出す。
 いつのまにか、カナミからの着信があったようだが、それはとりあえずほっといて、
データフォルダを確かめた。
 そこにはまぎれもなく、さっきコタツの中で撮った写真が残っていた。周りを見回し、
人気のない物陰に入り込むと、それを画面に表示する。
 寒空に似合わない、カオルの押し開かれた秘奥が大写しになった。
(やっぱり、夢じゃない……)
 当分おかずには困らない。が、これがカナミに見つかった日には、首でも吊らなけれ
ばなるまい。
(さて、どうやって隠そうか……)
 そんなことを考えながら画面を眺めるうち、シンジの下半身が急速に鎌口をもたげた。
(あ……よかった、俺、EDじゃなかった……)
 不安に囚われたり安心したりと忙しい一日のシンジだったが、これが本日一番の安心
ごとであったりする。

 改めて家に向かって歩きながら、シンジはカナミから着信があったことを思い出した。
何の用だろう? シンジはカナミの携帯に電話をかけた。
「……あ、カナミか? 俺だけど、電話くれたみたいだけど?」
「お兄ちゃん? ちょっと聞きたいんだけど……カオルちゃんとどこまで行ったの?」
「!”#$% な、なな?! 何のこ、こここ、ことだ?」
 シンジ、声が裏返ってます。
「とぼけても駄目だよ。ショーコちゃんの彼が白百合女子学院の先生ってことは知って
るでしょ? カオルちゃんと、○×神社で巫女さんやってた女の子もだけど、知り合い
なんだって」
「%&$#@! あ゛、う゛……」
「で、事情を聞いたショーコちゃんが、巫女さんしてた女の子に持ってたお兄ちゃんの
写メールを見せたら、ビンゴ!って」
「……」
「もう家に帰ってくるんでしょ? どうなったか、詳しく聞かせてね?あ、マナカちゃ
んとショーコちゃんも来てもらってるけど、遠慮しないで、全部話してもらうからね」
 ぷちっと電話が切れた。
(…………)
 しばし固まり、顔面を蒼白にして立ち尽くすシンジ。
 カオルとカオルママはともかく、あの三人組の追求をかわすのは、さすがのシンジに
も難問である。完璧なストーリーを用意したうえ、ヤバい証拠など毛一本残してはなら
ない。
 と、いうことは……。
(あ〜、もったいねえ…………)
 とりあえず、マジ泣きしながら例の写真を削除したシンジであった。

171トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 22:49:28 ID:ly0FYeyS

以上。

オチがちょっと弱かったかな。
皆さん、酒は飲んでも飲まれるな、ですぞ。

あ、ちなみに、
「あら、お義母さんだなんて」のオリジナルは多分518氏です。
>518氏、すみません。


ところで、申し訳ないが題名変更させてください。

>90-92とあわせた全体で、

旧)「初詣と酒とピュアピュア娘」を改め、

新)「コタツの中の夢幻世界」 でお願いします。


というか、一週間足らずで200kB超のこのスレ、とんでもねえっす。
172名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 22:53:30 ID:YG4rA2Nm
リアルタイムキタ━━━(゜∀゜)━━━!
173名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 23:03:14 ID:SOzZrw4l
リアルタイムGJ!
それにしても今回といいアキの苦手克服といい…
最近のトマソン氏はオレのツボを刺激し過ぎですパイパンカオルハァハァ…

郭氏ピンキリ氏160氏541氏そしてトマソン氏素晴らし過ぎる正月をありがとうございます♪
174名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 23:28:58 ID:OjigJKRN
前スレやっと埋まった
175トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/04(水) 23:48:58 ID:ly0FYeyS

ぐお、しまった……

:古田監督殿
>91 と >170 で
「白百合女子学院」は、「紅白百合女学院」でした。
保管の際、訂正願います。
お手数おかけしますm(__)m


それといい忘れてました。
:郭殿
邪魔してしまったようですみません。こちらは終わりましたので、遠慮なくどうぞ。
郭流のシンジxカオルに激しく期待してます。
176名無しさん@ピンキー :2006/01/05(木) 00:24:16 ID:/a6ErSgi
ここがにぎわう理由を考えてみた。

1.住民が大人※ただし117(´_ゝ`) というバカタレがいるが。皆マターリと良い雰囲気

2.職人が大人 神職人、トマソン神、郭神らが新人を優しく見守る。古田氏が監督とするなら、
ヘッドコーチ→郭神 投手コーチ→トマソン神、打撃コーチ→518神、走塁コーチ→ピンキリ神か?
神同士の連携プレーも凄い。正に荒木・井端の二遊間並だ。

3.他スレも羨む多投主義 KBより進行が早いのはここだけですw
177名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 00:47:22 ID:e2S8Abyz
>>176
わざわざ寝た子を起こさなくてもいいじゃないですか。もちっと穏便に頼みます。
178名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 01:08:50 ID:TvvlbnGk
さて、正座して処女アヤナを待つか。
179名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 01:14:05 ID:PbNV0LCk
まあマターリといこう
荒れない・エロありもエロなしも楽しめる・職人多い・多投主義
いうことないない、これで文句つけたらバチがあたる
それでも強いていうならアブノ系がないことくらいだが、これはスレの空気にあまりあわないからな
180名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 01:32:25 ID:Vrxq00k7
まぁまったりじゃない投下だけど
まったりが心情のスレということで…
これからもまったりいきましょ
181名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 09:04:45 ID:Z2dLksno
結局のところ、このスレは超素晴らしいところと言うことですな
皆様 GJ&乙です

>160氏
あなたは私を笑い死にさせるつもりですかww
あまりにも切れのありすぎる変化球最高すぎです

>トマソン氏
やっぱりカオルはいいです
酔っ払っているところがマタなんとも・・・
コタツの中の秘境プレイ堪能させていただきました!!

>郭氏
奥様とのコラボお疲れ様でした
大人な雰囲気の二人がよかったです
氏のシンジ×カオルも大いに期待しています!
ピュアでラブラブな二人を楽しみにしております!!!!!
182名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 12:43:51 ID:Tn52U97k
まあ誰が何というわけでなく皆がそれぞれにたいしたものであるよ
レスの多少もタイミングの関係があるしな(良い悪いでなくたまたまレスがつきにくい職人さんもいるかもしらんが)
次回の祭りは卒業式のときかな?
個人的には大リクエスト大会をやってほしいところだが(我が儘でスマソね)
183名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 13:26:41 ID:0OKYk+vr
祭ネタとしては入学試験、合格発表、バレンタイン、卒業式などですかねー。
高校教師濱中アイで続いたりしないかなー。なんてねー。
184名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 17:50:36 ID:0OKYk+vr
ところで160氏は軍ヲタで呉服屋の若旦那?
185名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 19:31:27 ID:XpX7q/Ft
着物マニアでミリタリーショップ店長とも考えられるな。
186名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 02:21:24 ID:Camt5RZA
マサ×アイキボンヌ。
187名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 03:31:34 ID:SMoN4TMS
マサ×アイと
ミサキ×アヤナ×マサの3Pキボンヌ
188136:2006/01/06(金) 08:47:32 ID:9BpzcdHB
ちょい前にここでマサ×リンかリンコメインを書いてみたいと言っていたものです。
数名の方が「やってみろ」とレスしてくださり、ちょろっと書き出した矢先…

 携 帯 ア ボ ン

実は私、PCが現在自宅に無い状況でして…携帯のメモ機能にちょこちょこ書いておったのです(およそ五千文字位スかね)。
で、ちょっと目処がたったかなぁ〜…て時に、仕事中に線路内に落としまして…
データ全部アボンしました(´・ω・`)

一応内容的には、現在の時間軸より一年後の大晦日、マサとリンコが付き合っている、という設定で、二人が思い出を振り返るのをSSにする予定。
携帯からの短い文の量、さらに完成の目処は不明という状況ですが、皆さんさえよろしければ頑張ってみたいと思います。
長文のチラ裏、失礼しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
(チラ裏の端)
まとめサイトのSSを漫画喫茶で改めて読み直しながら、合間に単行本を読んでたら…脳の許容量超えかけたwww
189名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 11:06:06 ID:hQJBJoyC
>>136ガンバ!
応援しかできないけど、頑張って下さいな。
190名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 17:16:18 ID:9O/qQs7L
あえて孕ませネタに挑戦する神職人キボンヌ
191名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 18:21:49 ID:sJzXUBt+
>>190
アイ「おかえりなさ〜い、アナタ」
ミサキ「手遅れだったのか――ッ!」
…ていうオチ?
192名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 18:29:23 ID:Camt5RZA
マサなら一週間で5人孕ませるだろ。
193117(´_ゝ`):2006/01/06(金) 19:16:03 ID:eBbFEtcr
凌辱・排泄・孕ませるなど展開を書けるSS職人はいないかね?ww
194郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 20:40:33 ID:7SdmuzbY
テスト
195郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 20:42:24 ID:7SdmuzbY
では、シンジ×カオルのイントロを。
NGは「エロ無し」「無意味にミクスチャ」
では、投下。
196郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 20:43:17 ID:7SdmuzbY
「ばいば〜〜い、天野さん」
「ばいばい、石橋さん」
放課後、天野ミサキは友人と校舎を後にしようとしていた。
ただ……今日はこの後、ちょっとした用事で待ち合わせをしていた。
――学校近くのコンビニの雑誌コーナーで、その"待ち人"は立ち読みをしていた。
暇つぶしのつもりが、夢中になってしまったのか…ミサキがコンビニの前に来ても、気付くそぶりもない。
(まったく、相変わらずなんだから〜〜)
少々呆れながらも、恋人に会えたということには嬉しくなるミサキであった。
友人に直接マサヒコを紹介したことはまだないが、何度か写真を見せたことはあった。
彼女と一緒にコンビニに入ると、興味津々といった表情で初対面となるマサヒコの姿を探している。
「マサちゃん、ゴメンね、待った?」
「あ!わりい、ミサキ…もう学校あがりだったんだな」
「も〜〜う、立ち読みに夢中になっちゃったんでしょ?」
「ああ……ゴメン」
そう言って苦笑するマサヒコ。そして目敏く彼のことを見つけると、
友人がミサキの後ろからはしゃいだように言った。
「うわあ………ねえねえ、写真通りカッコイイんだね、ミサキのカレシ!!」
「そんなことないよ。これでニブチンだし、結構だらしないんだから。今日だって役に立つかどうか……」
「……初対面の人の前でいきなり俺の欠点を並べ立てるのはどうかと思うぞ」
再び苦笑するマサヒコだが、挨拶を忘れないあたりが彼らしいところで。
「あ、初めまして。いつもミサキがお世話に……」
柔らかい微笑みを彼女に向け、そう言った。
「初めまして!私、ミサキ……ちゃんのクラスメイトで、金城カオルです」
マサヒコと目線がほとんど変わらないくらいの長身にスレンダーな体躯。
いまどき珍しい、くっきりとした眉毛がちょっとボーイッシュな感じだがなかなかの美少女である。
「それじゃ、マサちゃん?駅の近くのモスで……」
「ああ、じゃあ行きますか?金城さん」
「はい!悪いけど今日はお願いします!」
三人は、連れだってモスへと向かった。
「………それで金城さんの気になってる人ってのは、友達のお兄さんなんだよね?」
ちょっと恥ずかしそうに……こくこく、とカオルが頷く。
「そうなの。カオルちゃんの友達の友達っていう関係で仲良くなった、カナミさんっていう人の
お兄さんなんだけど、そのカナミさんのお家に何度か遊びに行くうちに仲良くなったんだって」
「ふうん……で、そのシンジさんって人に付き合ってる人がいないってのは確かなんですね?」
「……一応、カナミにも確認したから大丈夫のはずなんだけど……」
ちょっと自信なさげに、カオルが呟く。
「なんでもね、シンジさんって本人は無意識らしいんだけど、
いっつも周りに女の子がいるタイプなんだって。……大変なんだよね、そういう男の人を好きになると」
少々棘のある目でマサヒコを見るミサキだが、マサヒコ本人はいたって脳天気なもので。
「うんうん、いるよな。そういう自分が羨ましいポジションにいるのに気付かない奴……あ痛てッ!」
顔はにこやかなままだが、テーブルの下でミサキが思いっきりマサヒコのつま先を踏んづけた。
「ま、まあそれはともかくさ。どうだろ?その妹のカナミさんって人に、
さりげなく協力をお願いしてみるとか?ホラ、将を射んと欲すればまず馬を射よ、って言うし」
「……それは私も考えたんだけど。実はその、カナミって子が……ブラコンっぽいっていうか」
「兄妹ふたり暮らしのせいか、ものすごいお兄ちゃんっ子らしいんだって。
それに、周りにいる子たちも多かれ少なかれシンジさんに気がある感じらしくて」
「セーフなのはショーコ……一番最初に友達になった子でカレシ持ちだから、
この子くらいなんだけど、どうもショーコだとからかわれて変な方向に行きそうで……」
(それって……)
(中村先生っぽいってこと?)
ミサキとマサヒコの頭の中に、ふたりの仲をとりもつ気だったのか、からかう気だったのか、
とにかく茶化しまくった某変態家庭教師の顔が浮かんでいた。
(それは確かに……)
(……相談しづらいよな)
顔を見合わせ、苦笑するふたり。
§
197郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 20:47:12 ID:7SdmuzbY
「とにかくさ、協力してくれそうな人がいないんだったら、いっぺんふたりっきりで会うなりして、
シンジさんの気持ちを確かめた方がいいんじゃない?」
「でも……そうすると今の、友達としてのシンジさんまで失っちゃいそうで……」
「気持ちは分るけどね。結局どっちかを選ぶしかないと俺は思うよ。
友達として良い関係を続けるか、それとも……自分の気持ちを素直にぶつけるか。
それを選ぶのは金城さん以外の人間にはできないんだし」
「もう!男の人はすぐそうやって話を済まそうとするけど、そんな簡単な話じゃないよ!
私、カオルちゃんの気持ちすごく良く分るもん。……自分の思いが通じればいいのに、
って毎日切ない気持ちになのに、でもみんなと一緒にいる時間も大切で……だから迷うんじゃない」
「……わかるよ、お前の気持ちは。でも、気付けなかった俺の言い訳じゃなく……
周りの人間をもし傷つけたとしても、自分の気持ちを言わなきゃ……伝わらない、って思うんだ」
「それは……そうだけど……」
「ねえ、ゴメン、私のせいでふたりがなんだかケンカしたみたいになって……」
相談をもちかけた当事者を完全においてけぼりにして、
白熱するミサキとマサヒコになぜか申し訳なさそうにカオルが言った。
「あ……ゴメンね、金城さん。なんだか俺らの言い合いみたいになっちゃって……」
「ゴメン、カオルちゃん……」
しょぼん、としてしまうミサキと、ちょっと気まずそうなマサヒコ。
場の雰囲気を変えようと、マサヒコがカオルに話しかけた。
「金城さん、で……シンジさんの写真とかあるかな?一応、イメージしといた方がいいと思うし」
「う、うん、今年みんなで一緒に海に行ったときの写真があるんで……」
ごそごそ、とカオルがカバンの中から写真を取り出した。
「へえ〜〜、シンジさんってカッコイイじゃない…背も高いみたいだし……」
その写真は、カナミたち一行にボディガードとしてシンジがついて行った、夏の日の写真だった。
「この人がカナミさんかあ……結構可愛いな、っ痛てッ!」
……小久保マサヒコ、意外に懲りない男である。
「でも……カオルちゃんが心配するの、わかるよ。
4人が4人ともタイプは違うけど、可愛い女の子ばっかりだし……」
(そう思うなら、蹴るなよ……)「き、金城さん、でもこのときはちょっと表情が固いね?」
「実は……このときが初めてだったんだ、シンジさんに会ったの……」
「あ………もしかしてカオルちゃん一目惚れだったとか?」
「そういうのとは……違うけど、でも……」
「でも?」
「私、初等部からあの学校で、お父さん以外の男の人と話すの苦手だったんだ。
シンジさんは、確かに最初少し緊張したんだけど……でも、すぐに大丈夫になって。
だから……ミサキの言うとおり、あの頃から私、シンジさんのことを好きだったのかも……」
「そうだよね。シンジさんに会ってから、カオルちゃん変わったもん。
前はほとんど男性恐怖症だったのに、最近は平気みたいだし。
今日もマサちゃんと普通に話せてるでしょ?前だったらガチガチになってたのに」
「ふうん……そうか、金城さんもしかして……初恋なんだ?」
「……………………………………………………う、うん」
初々しく、真っ赤になって頷くカオル。
「それを聞いちゃうと余計なおせっかいかもしれないけど、上手くいって欲しいって思っちゃうな。
う〜ん、どう、金城さん?やっぱり告白とかしてみない?」
「!」
「いや、聞いた限りだけど、シンジさんはもしも……もしもだけど、金城さん以外に好きな人がいても、
態度が変わったりする人じゃないと思うんだ。だから、試してみる価値はあるんじゃないかと……」
「マサちゃん……でも、カオルちゃんは………」
「う、ううん……分った。そうだよね、自分から言い出さないと……変わらないもんね……」
「カオルちゃん……いいの?」
「うん。ミサキだって、頑張ってマサヒコ君に告白したから……自分の想いを伝えたから、
今みたいに恋人同士になれたんだよね?私……シンジさんと、もっと一緒にいたい。
だって、このままもしシンジさんが卒業してどこかに行っちゃったりしたら、自然消滅になっちゃう。
そんなの……イヤだ。私……私……」
話しているうちに感極まってしまったのか、カオルは涙目になってしまっていた。
§
198郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 21:02:30 ID:7SdmuzbY
「大丈夫……大丈夫だよ、カオルちゃん。大丈夫……きっと上手くいくよ」
そんなカオルの手を、強く握りしめて励ますミサキ。
「ご、ゴメン……金城さん、俺……もしかして無神経なことを……」
「そうだよ、マサちゃん!無責任にカオルちゃんの初恋を……」
「いいの、ミサキ。私……マサヒコ君に感謝してる。背中を押された気持ち。
あの……もうひとつ、ふたりにお願いがあるんだけど……」
「う、ウン。なんでも協力するよ、金城さん……」
「……あのね……シンジさんに告白するときに……付き添いっていうか、
近くにいて欲しいんだ。くじけそうになったとき、励まして欲しいんだ」
「わかったよ、カオルちゃん。それくらいなら、全然大丈夫だよ!」

そして三人は、具体的な告白の場と時について話し合っていった。
都合の良いことに近々城島家でクリスマスパーティーがあり、カオルも招待されているらしい。
シンジにパーティーの準備について話があるとその場から携帯をかけて話し、
(緊張したカオルがとちらないかふたりはヒヤヒヤして聞いていた)
今週の土曜日にここのモスで会うことをなんとか約束できた。
「こんないきなりで良かったの?カオルちゃん……」
「いいんだ。自分を追い込まないと出来ない気がするから。あはは、あ、安心してよ、ミサキ。
こう見えても練習より試合で結果を出す、本番に強いタイプだって部でも有名なんだから……」
ぎこちなく話すカオルを見てむしろ不安になるふたりではあったが、
事ここに至っては彼女の言葉を信頼するしかなかった。

「……でもいい人だな、金城さんって」
「でしょ?マサちゃん」
帰路が反対方向となるカオルと別れ、電車を乗り継いで帰ると既に夕方だった。
ふたりはマサヒコの部屋でカオルの告白について話し合っていた。
「小学校からあの学校ってことはさ、結構お嬢様なんだろ?
その割に全然サバけてる感じだし、それに話しやすいし……上手くいって欲しいな、マジで」
「ウン……あのね、マサちゃん?ちょっとイヤなこと言っても良い?」
「?なんだ?」
「ウチの学校ね、付属の初等部上がりのコや中等部から上がったコって、『内部生』って呼ばれて、
マサちゃんの言うとおりお金持ちの家のコが多くて……結構ね、派手だしプライド高いコが多いの。
私みたいに公立中学から受験で入ったコは、成績が良いだけの……変な話だけど、
『進学率部隊』なんて内部では呼ばれてるんだ……」
「……なんかよく分らないけど、ひでえ話だな、ソレ」
「本当にね、ひどい話なの」
そう言って、ミサキは苦笑した。
「……そんなだから私、最初はなかなかあの学校に馴染めなかったんだけど……
カオルちゃんと友達になって、すごく救われたっていうか……ホラ、カオルちゃんも内部生なんだけど、
あのとおり裏表がなくて、誰とも仲良くなれて……だからみんなに好かれるんだよね。
本当の、友達なんだ。だから……カオルちゃんの初恋は、全力で応援したいの……」
「……大丈夫だよ、ミサキ」
ミサキの頭の上に手をのせ、安心させるように撫でまわすと、マサヒコが微笑んだ。
「ミサキにそんなに好かれて信頼されてる金城さんならさ、シンジさんもOKするに決まってるよ。
もしダメだったとしても……それはさ、金城さんにとってもマイナスじゃないと思う。
少なくとも、初恋をなにもせずに終わらすことにはならないんだから」
「……でもね、私も……カオルちゃんを見てると、思い出すの。
あの頃、マサちゃんの言葉や態度を気にしてばっかりで何もできなかった……私を」
「…………」
無言のまま、マサヒコがミサキを抱きしめた。
しばらくそうしてふたりは何も話さなかったが……やがて、マサヒコが口を開く。
「………ゴメンな、ミサキ。お前の思いに気づけなくて……不安にさせて……」
「マサちゃん……」
「でも、大丈夫だ。俺は……このままずっと、お前の隣にいる。絶対に離れない。
……金城さんとシンジさんも、そうなってくれると、いいな……」
§
199郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/06(金) 21:04:01 ID:7SdmuzbY
今回は以上。次回はエロ有りの予定です。
次作予定のミホ話が思い浮かびません。彼女は難しいですね。
では股。
200名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 21:13:27 ID:ots+xDDs
郭氏リアルタイム乙&GJ!次回心待ちにしてますよ




孕ませや凌辱系はそれこそ職人の筆先ひとつだろう
幸いスルー用のキーワードを投下する前にカキコするシステムになってるわけだしこのスレは
それで投下して読み手がどう反応するかだが…個人的には怖いもの見たさという気持ちは正直ある
201名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 22:54:58 ID:+6ev5qbQ
>郭氏
GJ!
もしこの作品の続編をお書きになるのでしたら、マサ、シンジ両カップルのWデートものを読んでみたいですね。


凌辱系はレイプスレの方が良いのでは?
孕ませ系でも愛のあるものだったら無問題かと。
202名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:17:18 ID:pp0z8p7j
半角スレでこれのセリフ考えてるんですが・・・こちらのほうでもやってくれないでしょうか
あわよくば付け加えてSSにしてくださっても構わないので・・・

ttp://tozen.s10.x-beat.com/upload/src/uji0017.jpg
203名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:18:00 ID:Camt5RZA
愛があれば大丈夫だな。もしくは女性側が狙ってやるとかw
とにかくGJ!
204160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:40:43 ID:UrdQNnsQ
こんばんわ。 『心の闇鍋』『頭だいじょうぶ?』『暴走王』などなど、嬉しい異名を頂戴している軍ヲタで着物マニアで
頭の中がゴニョゴニョ…でハァハァな160です。
スレの流れを見ていて『そういうのもありなのか…』と思って一本仕上げてみました。

私にしては少し重いです。

題名は「あなたの言葉に」とでも
205160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:41:25 ID:UrdQNnsQ
「おろせよ…」
「そ、そんな…ウソ…ウソだよね? マサ君…」
ミサキは今、マサヒコに言われた事がどうしても信じられなかった。
なぜ? 卒業を控えたこの時期に…どうして…こんな…事になってしまったのだろう?
「あのな、ミサキ…。 俺達、中学生だよな? どう考えたってこれは無理だろ…」
「で、でもっ! マサ君っ! 二人でバイトとかっ…頑張ればきっと大…」
「ミサキッ!!」
マサヒコの怒声にミサキの体がビクリと震える…。 なんだかんだと言いながら、いつでも自分には優しかった…。
そう、中学生になってリンコやアヤナが友達として加わっても『自分が一番大事にされている』と言う事だけは、
マサヒコの態度や自分への接し方から確信していたのだ。 そんな優しいマサヒコが好きで…好きでたまらなくて…。
ところが今、自分の目の前に居るマサヒコはどうだろう? こんな怒声を張り上げる幼なじみの姿はマサヒコとの
つきあいが長いミサキですら見たことが無いのだ。 
「マサ君…。 いや…いやだぁ…二人の…マサちゃんと私の結果がこんな事になるなんて…」
「ミサキ…。 俺達…ガキじゃないけど…まだ親に食べさせてもらってる身なんだ…バイトなんかでどうにか
なるもんじゃないって頭のいいお前なら分るだろ? 時間は?勉強はどうするんだっ!?」
「……」
「……」
部屋の中を重い沈黙が覆う。 今までマサヒコと二人きりで話したとき…いつでもミサキにとって、それは
楽しく…そしてマサヒコへの愛情を確かめる時間だった…。 それが…今日は…。
頭ではマサヒコの言う事が正しい、と自分でも分っているのだ。 でも…それを認めたくない。
それはあの日の…二人の行為を無かったことにしてしまう行為なのだから…。
206160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:42:24 ID:UrdQNnsQ
「マサ! ミサキちゃん!」
ノックもせずに部屋に入ってきたのはリョーコだった。
「な、中村先生…」
「悪いけど話は外で聞かせてもらったわ…。 いや、聞こえてきたって言うのが正しいわね…」
「人の話を部屋の外から盗み聞きですか? 良い趣味ですね…」
リョーコもまた、いま自分の目の前にいるマサヒコのことが信じられなかった。 自分の知っているマサヒコは、
こういう類の皮肉を言う少年ではなかったはずだ。
「マサ…、アンタ最低ね…。 『おろせよ』なんてアンタ…体のいい責任逃れじゃない? アンタは良いけど
ミサキちゃんはどうなるの?」
「中村先生…いい…いいんです…。 マサちゃんだけが悪いんじゃないんですっ! 私がっ!私が悪いんですっ…!」
最後の方はもう泣き声になってしまっているミサキ。
「ミサキちゃん…あなた…。 マサっ! アンタこんなミサキちゃんを見て何とも思わないの?」
けなげにも自分に責任があると言うミサキの言葉に思わずマサヒコをなじる。 しかし、マサヒコから返ってきた言葉は
信じがたいものであった。
「別に…一人でこんな事出来たわけじゃなし…それにミサキの言うとおりで俺一人に責任があるなんて言い方は
おかしいんじゃないですか?」
ニヤニヤと笑いながらとてつも無い事を言うマサヒコ。 これは最低な種別の男の笑いだ…。 こんな笑い方をする男を
リョーコは何人か知っている…。 そして、そう言う男には自分は絶対に近づかない…。
「マサ…あんた…」
リョーコに絶望が…そう、あのリョーコに絶望感が生まれているのだ。
「ミサキ…分っているよな?」
「うん…………」
最後の審判を下すかのようなマサヒコの声に、全てを諦めきった様なミサキの返答が部屋に重く響く。
「マサ…ミサキちゃん…。 そんなのはダメ。 私はそんな事、認めない…」
そんな馬鹿げた事が二人の出した答えだと言うのか? 最後の力を振り絞り二人に抵抗を試みるリョーコ。 
中学生が、いま性急に出そうとしている結論を二年以上ふたりの淡い仲を見てきた自分が認めるわけにはいかない。
「ミサキも良いって言ってるんだし、これで…この話は終わりです」
「バカァッ!! 何言ってるのよアンタ達っ! ミサキちゃん、まだ中学生じゃないっ! 体の事、考えてあげなさいよっ!」
堪えきれなくなったリョーコの怒声が部屋に響いた。 もう、皆で楽しくやっていたあの日々には戻れないかも知れない。
アイも、リンコも…そしてアヤナだってもうすぐこの部屋にやってくる。 リョーコにはその瞬間がとてつもなく怖かった。
207160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:43:15 ID:UrdQNnsQ
「…………」
「…………」 
「中絶なんて、そんなのは絶対ダメ! とにかく親御さんに相談して…」
「「……は?」」
頼れるお姉様。 就職間近の女子大生リョーコの言葉にマサヒコとミサキの声が間抜けっぽく部屋の中にこだまする。
「アンタ達…いい? マサ、とにかくアンタは働け! ミサキちゃん…アンタは数年遅れちゃうかもしれないけど、アンタ
くらい頭が良ければそんなブランク関係ないでしょ? 生んであげなさい?」
「あ、あの…中村先生…?」
「マサ…心配する事無いわ。 仕事なら多少心当たりがあるから、私が紹介してあげ…」
「な…中村先生?」
「ミサキちゃん…ああ…あなたは心配する事無いのよ? 親御さんだって子育て手伝ってくれるだろうし、それに…
ちょっと早かったかもしれないけど…これはこれで二人の親御さんも喜ぶかも知れないわね。 マサとアンタの関係を
知ってるんだろうから…しっかしまあ、アンタらいつの間に…」
二人のことを叱咤し、また祝福するかのようなリョーコ。 最後の方は声の質が浮かれている。
「体の事とか、中絶って…あの?」
「なによ? まだそんな事言ってるの? これがベストでしょ…うんうん」
ここに至ってマサヒコとミサキはリョーコのしている勘違いの内容に気が付いた。 しかし…それを今言ったらどうなって
しまうのか? 確かに先ほどの二人の会話を思い浮かべてみれば非常に勘違いが起こりやすいモノだった言う事実に
二人の体に戦慄が走る。
「マサ君…どうしよう…?」
「あ、ああ…。 責任…取るよ…」
「あらあら、やっとマサも観念したのね。 さっきの態度は男としていただけないけど、ま、アンタも中学生だし、取り乱して
いたのよね?」
未だ勘違い継続中のリョーコ。 ついにマサヒコは本当の出来事をリョーコに告げなければならないようだった。
208160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:44:01 ID:UrdQNnsQ
リョーコはうろたえていた…。
マサヒコが申し訳無さそうに語った真実…。 そしてそれを勘違いして先ほど繰り広げてしまったワンダホーな青春絵巻。
あんなに熱っぽく語ってしまった自分…。
「弁償? フライドチキン? コロネルサンダーズおじさんの人形? ちょっと…ワケ分んないわよ…」
「ミサキとこの間、駅の方に買い物へ行ったんですけど、俺がちょっと待ち合わせに遅れちゃって…そしたらミサキが
なんか良く分んないんですけど、コロネルサンダーズの人形に絡んで、腕、へし折っちゃったんですよ」
あの人形の腕をへし折るなんて、ちょっと穏やかではない事をしたというミサキを見てみると、真っ赤になって顔を伏せている。

ミサキはとても言えなかった。 あの時、事もあろうにコロネルサンダーズ人形をマサヒコに見立てていたら、あちらの世界へ
トリップしてしまい、サンダーズおじさんと、そっと手をつないでみたり、大胆に腕を組んでみたり。 更には人形に話し掛け、
自分で返答しその答えにまたもや体をクネクネさせていた自分…。 これじゃ『集い』の公開収録会じゃないか。
人通りの多い駅前の道の通行人が『群集』に変わろうとしたころ、ミサキは顔を引きつらせたネブラスカ・フライドチキンの
店長の声で、こちらの世界にカムバック。 自分に向けられている憐憫の入った視線に気づき…ひどくうろたえて…
『ちょっと』腕に力を入れたところコロネルサンダーズの腕が根元からへし折れてしまったのだった…。

『しまった…今日、シアクリ系の接着剤しか持ってきてない…』
恋する乙女の待ち合わせに接着剤は必需品。 嗜みの一つとしてミサキだって当然、持ってきている。
でもでもまさか、こんな人形に使うことになるなどとは夢にも思ってもいなかった為、恋する乙女にも手軽に使える
シアノアクリレート系…いわゆる瞬間接着剤(但しミサキのは一般に市販されていない取寄せ品)しかカバンに入れて
こなかったのだ。 こんな事だったら、エポキシ系の構造用接着剤を持ってくるべきだった…でもあれアメリカから個人輸入で
手に入れたから2ガロンセットとか日本のことをちっとも理解していない…エポキシ系だから当然二液だよ! 一つのボトルが
1ガロンもあるんだよ! もうバケツだよ!バケツ! バカ!バカ! あんなありえない量を買わされて! …ま、まあ何だかんだと
使ったから殆ど残ってないんだけど……。 などと、どうでも良い回想に浸り始めるミサキに店長が冷たい声を掛ける。
「これ…壊しちゃいましたよね?」
「あっ…あのっ! すいませんっ! すぐにっ! 何事も無かったかのようにくっつけますからっ!」
止めようとする店長を無視し、慌てて下地処理もせずに接着剤を破断断面に塗りたくり、腕を強引に付けようとしたのが失敗だった。
コロネルサンダーズおじさんの腕は『うん、これは肩の根元から脱臼した人ですね。 実に痛そうです』と言う風にしか見えぬ、
ありえない方向にくっついてしまい、しかも接着しにくいと思っていたのにガッチリ張り付いてしまったのだった…。
209160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:45:10 ID:UrdQNnsQ
「…んで? 店先でえぐえぐ泣いてたミサキのところへマサが行ってやって? それが何で『おろせよ』につながるのよ?
部屋に入ろうと思ったら、そんなフザけたマサの言葉が聞こえてきたから勘違いしたんじゃないの…」
コタツに入りながら苦虫を噛み潰したかのような顔をしているリョーコ。
「その…預金があるんですよ」
「預金? ますますワケ分んないわ…」
「こ…子供の頃、子供の頃ですよっ! マサ君と私が仲が良くって、そ、そんな私たちを見ていた私とマサ君のお祖父さまと、
お祖母さまが口座を作っちゃって…その…し、将来二人で使いなさいって…お金を」
なんでそんな事をしているんだ、両家の祖父母よ…。
「弁償っつても父さんや母さんに迷惑掛けるわけにも行かないし…。 待ち合わせに遅れた俺も悪かったから、それを使うしか
無いかなって言ったら、何だか判らないけどミサキが異様に嫌がって…」
「ふんふん、そりゃミサキちゃんはおろすのイヤだったろうね」
「?」
やはりミサキの気持ちに気づいてあげられないのがマサヒコのダメさと言うか…。
「まあ高校に入ったらバイトでもしてさ、俺が元の金額にしておくよ」
「マサ君…」
なし崩し的に目と目があって見詰め合う二人…。
「やっぱり…優しいんだ…」
「な、何言ってんだよ…いきなり…」
「もしもーし。 二人とも?」
ピアってる二人を心配した自分が只のバカだったのか? それともこのコ達の保護者気分に少しだけ浸れて嬉しかったのか。
まあ卒業も近い事だし…。 今日は許し…
「いや〜。 ほんと参っちゃうよな。 中村先生の早とちりは。 おっちょこちょいって言うか」
ピキ…。
「マ、マサ君っ! 中村先生は私たちのこと心配してくれ…」
「『中絶なんてダメエエェエっ!』とか、マジになってたよ」
ピキピキ…。
「俺とミサキがそんな事……アレ?」


小久保家の前で偶然出くわしたアイ、リンコ、アヤナの3人は、家の中から聞こえてくる悲鳴とそれを凌駕する憤怒の叫び声に
薄ら寒いものを感じ、インターホンを押す事が出来なかった。
210160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 00:45:51 ID:UrdQNnsQ
以上です。 
…すいません。 リンコものが5行も書けずにムリヤリ書いてしまいました。
急いで書いたので誤字脱字はスルーでお願いします。
次は……頑張りますっ!
211名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 00:47:37 ID:7mWKP8i9
リアルタイムで読ませてもらいました。ミサキツヨスw
212郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 01:02:11 ID:6fBvVzA1
>>160氏 GGGJJJ!!!しかし色んな知識が豊富で羨ましいです。
氏にはいくつ引き出しがあるのか見当もつきません(笑)。
原作でもあり得そうな言葉イジリのライトコメディで面白かったです。

>>202氏、ではやっつけ仕事ですが。タイトルは「卒業式」で

一コマ目
アヤナ「ねえ……小久保君、やっぱり学生服のボタン、天野さんにあげるの?」
マサヒコ「?学生服のボタンって?」
二コマ目アヤナ
「ウチの中学、卒業式が終わったら男子は好きな女の子に第一ボタンあげるって言うの、あるじゃない?」
三コマ目アヤナ
「だから………天野さんにあげるのかな、って……思って……」
六コマ目マサヒコ
「?そんなのまだ全然決めてないけど……そうだ、良かったら若田部、俺のもらってくれる?アメリカ行く記念にさ」
8コマ目アヤナ
「べべべべ、別にアンタのボタンなんか全然……欲しくなんかないんだからねッ!」
「でも……記念に、どうしてもって言うなら……もらってあげなくもないけど……」

しかし今でも学生服のボタンを女の子にあげる風習ってあるんですかね?ていうか今はブレザーが主流かな?
私が中学の頃は仲良かったマネージャーの子にあげたしょっぱい思い出がありますが(苦笑)
213郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 01:11:14 ID:6fBvVzA1
今気付いたけど、6コマ目のマサのセリフが大きさ的にオーバーかな?
214名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:20:37 ID:OQbQn2BU
>>213
たしかにオーバーして実際には打ち込めませんが、わざわざ考えてくれて
本当にありがとうございました
215名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 01:25:26 ID:6I9MqDxP
160氏、GJです。

黒い話に挑戦?と身構えて読み進んでいたら、
いつものパターンに持ちこまれてニヤニヤしました。
今回はエポキシ系接着剤の無駄知識、ありがとうございました。やはり、モデルガンの補修には必要っすね。

>>204 『心の闇鍋』『頭だいじょうぶ?』
ああ、その2つは私が書いた感想だw 失礼なことを書いてごめんなさい。

白状します。「集い」というか「一人実況放送」、実は小中学生の頃にやっていた記憶があります。
160氏のSSは、封印した恥ずかしい思い出、心の琴線に触れまくりです。

ハイペースな連作を続けていますが、くれぐれもご自愛ください。
216名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 02:25:31 ID:0E8WgFss
>>160
>>シアノアクリレート系…いわゆる瞬間接着剤(但しミサキのは一般に市販されていない取寄せ品)しかカバンに入れて
>>こなかったのだ。 こんな事だったら、エポキシ系の構造用接着剤を持ってくるべきだった…でもあれアメリカから個人輸入で
>>手に入れたから2ガロンセットとか日本のことをちっとも理解していない…エポキシ系だから当然二液だよ! 一つのボトルが
>>1ガロンもあるんだよ! もうバケツだよ!バケツ! バカ!バカ! あんなありえない量を買わされて! 

心の底からどうでもいいーーーーーーーー!! GJ!!
217名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 03:08:56 ID:pJ9sfkp/
黒い話と見せ掛けてやっぱり暴走キタ━━━━(゚∀゚)━━━━
郭氏のピュアで真面目なミサキと対照的なのがきてハゲワロスwww
どちらもGJw
郭氏は続きに期待してます

あぁ160氏に暴走王って言い始めたのはオレっすwww
218名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 03:14:05 ID:7iqZxyRW
郭氏GJ!!

>>212
いつもながら仕事の速さに頭下がります。
 
カオル×シンジもwktkしながら待ってます!

160氏もGJ!!
ミサキの壊れっぷりはもういつもの流れですね!!
219117(´_ゝ`):2006/01/07(土) 04:23:30 ID:3j0Qc2YR
>>160氏、頭は大丈夫すか?w
暴走はかまわねーけど、エロも書けよなwま、乙です
>>郭氏、いつも投下お疲れ様です。GJ!です。
氏家スレの神!流石ですw貴方のSSはエロ有り、無しでも楽しみに読んでいますよ♪
では、オヤスミ〜(^-^)/
220名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 08:28:42 ID:csQX/SXw
160氏の二つ名はもう『暴走王』で決まりですなw
郭氏『不動のエース』、アカボシ氏『トリックスター』くらいしか二つ名持ってる職人さんいないのでこれは快挙だ
孕ませ系は小久保父母、妹とひまわりの結婚組くらいかな、穏便なネタになるのは
あとは小宮山とかリョーコだろうが…リョーコはセイジ絡みでそのうちピンキリ氏あたりが書きそうだな
221ドミンゴ ◆WBRXcNtpf. :2006/01/07(土) 15:21:19 ID:qrqrzEIh
次回登板はいつか・・・
222名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 15:38:33 ID:Xx0mc2DI
ドミンゴ氏激しく期待しております!!
がんばって下さい!!
223名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 16:29:34 ID:lpLzcd4U
期待大
224ドミンゴ:2006/01/07(土) 17:53:08 ID:qH/CHBEF
 160さんへ

GJ!!
作品を読んだ他の方々もやはりそうだったみたいですが、冒頭のマサヒコとミサキのやり取りには完全に引っかけられました。
ご本人の前書きで、私にしては少し重いです、なんて書いてあるのも加わって、ミスリーディングの巧みさにもしてやられた気分ですw
接着剤の件は正直意味がわからないことだらけでしたが、それでも勢いで読ませ笑わす力は物凄いものがありました。
褒め言葉として誰が呼んだか『暴走王』というのは、ベストチョイスな異名だと、改めて今回のSSで実感させられますw
中村リョーコの熱血ぶりも、彼女は普段はおちゃらけですが、きっと誰が困った状況になっても、あんな行動を取ったでしょう。
それを恥じたりするのが可愛かったりして、原作でもタマにある中村のこういうとこが好きなので、思わずにやにやさせられました。

ただマサヒコの表現にちょっと辻褄が合わないところがあったりします。
まあそれは必死になってるリョーコには、勘違いしてる彼女にはそう見えただけ、ってことで、詰まらない揚げ足取りみたいなんですが、
もったいないかな、なんて思ったりしました。

最後は生意気なこと言っちゃいましたが、次の作品も愉しみに期待してお待ちしてます。


次回登板は多分かなり先です。申し訳ありません。話の着地点をどこにしたらいいのか、現在まったく全然見えない状況です。
225名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 18:56:13 ID:6I9MqDxP
>>224
> 次回登板は多分かなり先です。申し訳ありません。
ドミンゴ氏の野球拳シリーズ、すっごく楽しみにしています。

> 話の着地点をどこにしたらいいのか、現在まったく全然見えない状況です。
あ、やっぱり。
ストーリーがどんどん暴走していくので、どうやって話を〆るつもりなのか想像もつかないや、
と感心して読んでいたのですが、書いてる側も考えていなかったのですね。
あははは、いけるところまでいっちゃってください。ついていきます。
226160 ◆QopnZPsFt6 :2006/01/07(土) 20:07:41 ID:UrdQNnsQ
160です。 拙作に色々な方から、またもや過分な評価を頂きましてありがとうございます。
次も頑張ろう、って言う浮かれた気分になっちゃいます^^。
こんな作品ばかりですけど、今後も宜しくお願いします。

>郭氏
郭氏の作品は、読み手としていつも作品内に自然に感情が入って行けるのが羨ましいです。
私のは導入部に(いや全部か)無駄な場面が多いと言うのが自分でも分っているので^^;
続きも正座して期待してますっ。

>ドミンゴ氏
うわ、ドミンゴ氏にコメントもらっちゃった。
えーと私が投下を始めたのは、実はドミンゴ氏の作品を読ませてもらった後の読後感からなんです。
このスレには神様が沢山いて、皆さんそれぞれが、お気に入りの職人さんや作品があると思うんですが、
自分に取っての神様は間違いなくドミンゴ氏です。 野球拳、もちろん期待してお待ちしてます。
ドミンゴ氏から指摘頂いた箇所は、多分、自分でも投稿して読め直してみた後に『う、ここ変だな』って
思っている箇所(しかも複数…)だと思います。
次回は皆様の脳内補完に甘える事のないよう注意します^^;


正月気分も抜けて少し忙しくなってきたので、さすがにペースが落ちるかと思いますが
頭の中はいつも並列進行させていますので、気長にお待ち下さい。
それでは。  
227郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:27:50 ID:6fBvVzA1
ちょっと思いついてササッと書いた中編。
NGワードは「孕ませbutエロシーン無し」……なんだそりゃ。では、投下
228郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:28:40 ID:6fBvVzA1
○月×日
今日、お母さんが勝手に申し込んだ家庭教師が来た。あじさい大学の男の人だそうだ。
全然気が乗らないし、もしスケベな人とか変な人が来たら張っ倒してやろうと思ったけど、
ちょっと気弱そうな、良さそうな人なんで我慢してやることにした。
上京してまだ半年で一人暮らししてるらしい。靴下に穴が空いていた。正直、ちょっとダサいかも。

「じゃあ、次は漢文だね。ここの書き下し文を……」
「先生〜〜〜、彼女っているの?」
「『論語』っていう、中国の大昔の本なんだけど、孔子っていう人が……」
「無視するんなら勉強しな〜〜い。もう寝る」
「……勘弁してくれよ、吹石さん。お願いだから授業を……」
「いつまでたっても私のこと名字で呼ぶよね、先生?家庭教師になってもう半年なのに……」
「あのねえ……ウチの家庭教師センターでは、特に男の先生は気軽に女子生徒の
名前を呼ばないように、って指導されてるんだよ。なれなれしいって嫌がるコもいるだろうし……」
「でも私が良いって言ってるんだも〜〜ん。だから名前で呼んでよ〜〜〜」
「でもね、それは一応規則だから……」
「名前で呼んでくれないなら勉強しな〜〜〜い。もう止める〜〜〜」
「……子供じゃないんだから……」
「ぶ〜〜、私、中学生だけど、カラダは結構お・と・な・だ・よ。ホラ……」
「#$&%!!!!!!!!!!!!!ここここ、コラ―――!!!」
「先生、か〜〜わ〜〜いい〜〜、真っ赤になっちゃって〜〜。
あ、もしかして先生って女の人と付き合ったことないんだ〜〜?だから私も名前で呼べないんだ〜〜」
「だからなあ、そういう問題じゃ……」
「名前で呼んでよお……先生……」
「………ガキのくせに、流し目を使うな、似合わないから……」
「さっきは子供じゃないって言ってたクセに〜〜」
「……わかったよ、○○○さん……」
「ちゃんの方がいいな〜〜、私」
「……頼むから勉強しようよ、○○○ちゃん」
「は〜〜い、先生〜〜」

□月●日
どうも最近○○○ちゃんに振り回されっぱなしの気がする。やればできるコなのは分ってるけど……
なんというか、先生と生徒って感じの関係じゃない。俺が今付き合ってる女の子がいなのも事実だが、
こうもからかわれるのはちょっと……彼女がなかなか可愛くて魅力的な女の子なのも事実だけど、
さすがの俺もいくらなんでも中学生は………い、いや、そうじゃなくて!!!と、とにかく……
志望校受験も近いし、なんとか彼女にヤル気を出してもらえるよう、今日も頑張ろう。

「聖光の問題の傾向は大体つかんだかな?英語は特に長文が基本だけど、
実はそんなに難解なわけじゃないんだ。単語問題も毎年3問以上は確実に出るし……」
「ふ〜〜ん……意外にしっかり調べてきてるんだね、先生」
「……これが仕事だからね」
「仕事って言ってもバイトじゃん。なんでそんな頑張るの?先生にしたら、
本当は私が落ちようと受かろうと関係無いじゃん。それとも特別ボーナスが出るとか……」
「○○○ちゃん、なにかイヤなことでもあったのか?」
「……別に……なんだか最近良い高校に行けとか親が言うのがウルサイだけ〜〜」
「あのね、ほんの少し年上なだけの俺が偉そうな事言えないけど。努力した結果が報われる、
ってのは結構いいもんだよ?それに○○○ちゃんだって合格したらやりたい事とかあるんだろ?」
「やりたい事なんて、そんなの無い〜〜。あ〜〜あ、学校の先生や親もみんなそんなこと言うけど、
やりたい事の無い私みたいな人間は、どうすればいいんだろうな〜〜」
「やりたい事はさ、ある日突然空から降ってくるもんだとか思ってるの?」
「…………なによ、いきなり訳の分らないコトを……」
「やりたい事ってのはさ、自分で見つけるんだよ。少なくとも今それが無いんなら、
中学卒業してすぐ働くとかフラフラするよりは高校に行ってみて、色んな人とあったり色んなことをして、
見つけるんだよ。きっとね、○○○ちゃんのやりたい事は見つかるから……」
§
229郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:29:46 ID:6fBvVzA1
「……先生って、真面目だよね。そんな事言う人、私の周りにいない……」
「ついでに言うと、ウチのセンターは生徒が合格しても特別ボーナスなんて出ない。
俺はさ、せっかくこんな風に知り合ったから○○○ちゃんの喜ぶ顔が見たいって……そう、思ってる。
なにもせずに諦めるより、後悔しないように頑張って欲しいって思ってる」
「…………分ったよ、先生。私……やってみる……」
「ありがとう。大丈夫だよ、○○○ちゃんは結構飲み込みも早いし、きっと聖光だって合格するさ」
「ウン。ねえ、先生?」
「?なに?」
「私ね……本当はやりたいことが、ひとつあるんだ」
「ははは、ホラ、君だってやりたいことがあるんじゃないか……」
「先生と、デートしたい」
「………………へ?」
「ねえ……高校受かったら、私とデートして……先生」
「………あのなあ、あんまり人をからかうもんじゃ……」
「ずっと好きだったの。でも、今日初めて分ったんだ。私は、先生が好き。だから……」
「………冗談だとしたら、ちょっとしつこいぞ」
「冗談じゃ、ないの。お願い、約束して。合格したらデートしてくれるって。
そうすれば私、今よりきっと頑張れると思うんだ」
「……マジで?」
「マジで」
「………………………………………分った。その代り、その……勉強、今より真面目に……」
「!!わ―――い!!やった!約束だよ、先生」
「こここここ、コラ―――!抱きつくな!おい、だから止めろって………」

△月※日
今日は合格発表だ。お母さんとお父さんも一緒に行くとか言ってたけど、
恥ずかしいから断った。落ちてたらどんな顔して良いか分らないし………先生と一緒に行くから。
先生と、ふたりだけで行きたいから。合格したら、本当にデートしてくれるのかな?

「あああああ………あった!あったよ!先生!072番!」
「落ち着いて、○○○ちゃん!おめでとう!!すごいじゃん!」
「へへへへ〜〜〜、あはあ……本当だね、先生!」
「?」
「先生の言うとおり……努力した結果が報われる、ってのは悪くないねッ!」
「……なんだ、覚えてたのか……」
「えへへ……悪くない、悪くないよッ、先生!!」
「こ……こら、抱きつくなって!人が見てる……」
「忘れないでね?先生?」
「…………あのな、くすぐったいから耳元で話すのは……」
「で・え・と!約束したんだからね?」
「………あれやっぱマジなのか?」
「先生が生徒にウソ言っちゃダメだよね〜〜〜??じゃ、日曜日の朝九時に迎えに来て!
サーパス遊園地に行こうよ!私、お弁当作っていくから!」
「…………わかった」
「こんな可愛い子からデートのお誘いなんだから、もっと嬉しそうな顔してよお……それ!」
「ここここ、コラ――ッ!ホッペ引っ張んな!!!!」

◎月▽日
………しかし、本当に良いんだろうか?今でも狐につままれた気分っていうか……
今日のことはバイト先のセンターには内緒だ。当たり前だ。言えるわけがない。
生徒との恋愛は一応厳禁なんだから。……しかし厳禁に一応ってのは日本語としておかしいな。
でもま、これで○○○ちゃんの家庭教師も終わりだと思うと俺もそれなりに感慨深いもんがある。
中学一年の頃からずっと付き合って……って、そういう付き合いって意味では勿論無くて……
ああ、もう!……そ、それはともかく。明日で先生と生徒という立場で彼女と会うのも最後だ。
お互い良い思い出として終れるよう、努力しよう。
§
230郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:30:54 ID:6fBvVzA1
「へへへ、高所恐怖症だったんだね、先生?あんなに観覧車乗るの嫌がってたから、
もしかしてと思ってたけど……」
「……俺が悪かった。認める。だから勘弁して静かにしてくれ」
「や〜〜〜だ〜〜〜!へへ、私ね、感謝してるんだよ?先生のおかげで頑張れたんだし……」
「ありがたいけど、出来たら地上でそれ言って欲しかったな。こんなとこじゃなく」
「そんな怖いの?ねえ、先生?上見るんじゃなくて、目を閉じれば怖くないんじゃない?」
「あ、ああ……そうかもな。うん、確かにさっきよりマシだ。じゃあ、下に着いたら教えてくれ………」
"ちゅ"
「???え?ええええええええええええ?????」
「………私のファーストキスなんだから、もっとゆっくり味わってよ、もう!」
「じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ、そうじゃなくて!おい!」
「観覧車とキスってのは定番だよね〜〜〜へへ、少女マンガみたい……」
「あ……あのなあ……」
「ねえ、先生?先生は……私のこと、好き?」
「………好きとか嫌いとか、そういうのは……」
「嫌い?」
「………嫌いじゃないさ。好きだけど……6つも年が違うんだし、妹みたいなもん……」
「ヤダ」
「…………」
「このまま、会えなくなるのなんて、ヤダ。先生……好きです。付き合って下さい」
「……そんなこと言ってるけどな、そのうちお前にも同いどしくらいで好きな男の子が……」
「たった6つじゃん……それに、結婚するのも男の人が年上なのがほとんどだし」
「……そうかもだけど……」
「先生、彼女とかいないんでしょ?ねえ……お願い。私……私……」
「泣くなよ………あのな、本当に……良いのか?俺で?」
「ウン……先生が、好き。先生だけが、好き」
「…………知らねーぞ」
§
「……?」
「そのうち、お前に好きな男ができたとしたら、俺、結構未練たらしいから、
キレイに別れてなんて、やらねーぞ?まったく……なんでこんな男を好きになったんだか……」
「!……ってことは、先生、私のこと……」
「もう来年は就職活動だし、そんないっぱいお前に構ってやれねーけど。それでも、いいんだな?」
「はい!大好き!先生!」
「!#"」@=」&だ、だだだだだから、抱きつくなあ!!!!!!」

◆月☆日
………なんで先生は私に手を出してこないんだろう?もう付き合って3年もたつのに……変だ!
ショーコやマナカが言うには、男ってのはオサルさんで、付き合ってすぐに襲ってくるもんのはずなのに。
私に魅力が無い?結構胸だってあるし(アキには負けるけど)、それなりに可愛いほうだと思うけど……
でも明日はチャンス、と〜〜〜〜らいッ!!!!久々に先生とデート、
しかも仕送り直前の日だから多分すぐにアパートに行くはずだ。
得意の手料理と一緒に今度こそ私を頂いてもらうのだ!!!!大丈夫、
この日のためにカナミお勧めの超セクシー下着も準備したのだ。決戦は日曜日!!!!

「………それで、そのカナミってコにもらったんだな?」
「………ハイ」
「あのなあ………そういう男も世の中にいるかもしれないけど。
こんな真ん前に穴のあいた下着を見て、その気になる男はむしろ少数派だと思うぞ」
「……でもカナミが言うには、男がこの下着を装着した女の子を見れば、
百発百中ムッシュムラムラ状態だって……」
「……一応聞くが、そのカナミってコに彼氏はいるのか?」
「…………いない………」
「その時点で気づけ」
「…………ごめんなさい……でもそんな私魅力無い?先生?」
§
231郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:31:41 ID:6fBvVzA1
「………お前は十分可愛い。それは何度も俺が………」
「ならなんで手を出してこないの?結構誘ってるのに………」
「………あのなあ、そういうのは、お前に俺がキチンと責任を取れるようになってから……」
「もう責任取れるじゃん……あ、やっぱり先生、私とは遊びなんだ。結婚する気なんて……」
「そういう意味じゃなくて!そういう事するとな、100%じゃないけど、
妊娠の可能性があるってことはお前だって知ってるだろ?まだ18なんだし、
成績も悪くないんだし、進学とか考えたら………」
「………責任取って」
「は?」
「お願い。こんな好きなんだから、責任取って。私……先生の赤ちゃん、欲しい……」
「………俺の話聞いてなかったのか?だから、お前にはまだ未来があるんだから……」
「要らない」
「………」
「先生と一緒にいられないんなら、そんな未来……私、要らない。
お願い、先生……私……先生の、奥さんになりたい。」
「………いいのか?」
「うん……」

「?どうしたんだ、そんな古い日記見て………」
「懐かしくってさ、ふふ……あの頃は、ホントいろいろ面白かったよね、小久保先生!」
「???なんだよ、そんな昔の呼び名で……」
「あのときの初めてのセックスが正に大命中してできたのがマサヒコだもんね〜〜。
いや〜〜〜、感慨深いわ〜〜〜〜」
「………だから、大命中とか言うな」
「ふふふふ……ねえ、あなた?今日………いい?」
「………昨日したばっかだろ。まあ、いいけど……」
小久保家の夜は、こうして更けてゆくのであった………

END
232郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:32:55 ID:6fBvVzA1
以上。いや〜〜〜我ながら急ごしらえだわ。苦笑。
タイトル:「思い出の日記帳」
でお願いします>>古田氏
233郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 22:36:37 ID:6fBvVzA1
あ、早速ミスった。
>>230、28行目、
§
は無意味です。失礼しました!保管庫収録の際は削除して頂けるとありがたいです。
234名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 22:48:11 ID:Xx0mc2DI
郭氏GJです!
十代のママンがかわいすぎ

でもママンに下の名前付けて欲しかったかも
235名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 22:52:20 ID:7mWKP8i9
いやぁ、一瞬オリキャラかと思いましたよ。相変わらず上手いですねー
236名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:08:09 ID:z57PvvIT
郭氏乙&GJ!!
受験番号が072とはさすがママンですなwww
237名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:14:31 ID:qneDgyrr
ん〜?
マサママンがカナミ達と同年代って事は…
アキオにも子供が居てもおかしくないって事で…


アヤナママン=アキオ成立?
238名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:18:28 ID:csQX/SXw
郭氏GJ
マサママンの過去物ってありそうでなかなかないスよね
今までに2・3作品くらい?
239名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:19:15 ID:VQR61i7I
GJ

しかしなぜカナミやアキが出てきてんの?

同性同名?
240ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/07(土) 23:31:37 ID:k4L8dtEG
ようやく年末からの仕事が一段落して、久々にここを覗いたら…
相変わらずすごい投下量ですね。
私はというと、出来るのはエロ無しの短編ばかりなり。
長編(あくまでも私レベルの話)はアイデアはあれど、筆は進まず。
おそらく仕事の関係もあって来月になるとおもいますが、完成次第投下させていただきます。

最後に、各職人さま乙&GJ!!
241郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/07(土) 23:55:38 ID:6fBvVzA1
ああ、オートリロードにしてると見逃すな・・・
ドミンゴ氏、お久しぶり&あけおめ&ことよろ
です。氏の新作、心待ちにしております。

ペピトーン氏も新作を待っておりますよん。

>>239
混乱させちゃいましたか(苦笑)実はこのSS、2倍とはいかないまでもこの1.5倍くらいありまして。
当初はマサヒコママ=ショーコに設定して、妹とミクスチャーにしたうえ、本番もあったんですわ。
カナミ、マナカ、アキも名前だけでなく、物語中に登場してたんです。
ただ私の悪癖、ダラダラ感満載になったんでいったん没にして削った結果なんですよ〜〜〜。
今更ながらSSは難しいと実感した次第。失礼しました!
242名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 23:59:05 ID:UhUthlRs
>>239
エロパロの世界は何でもありですw

郭氏GJ!面白かったよ!
243名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 00:29:17 ID:UkZCb1P5
郭氏GJ!!
>>241のボツになったSSにもかなり興味があります


早くも253KBか…テラスゴス
244名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 00:39:35 ID:vfvXytgr
このスレでSSを読んでたら感化され、自分でも書いてしまいました…
初めてのSSで誤字脱字、文法ミス、おかしな段落があるかもしれませんがご了承ください。

マサヒコ×ミサキ
NGワードは「エロなし」です。
245名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 00:40:17 ID:IvPu7Fpu
246マサヒコ×ミサキ:2006/01/08(日) 00:40:43 ID:vfvXytgr

ミサキside


雪とうっすら出た光が綴る幻想世界。まだ夜の長い冬が続いている。
受験まであと一ヶ月もない。
私達、そう受験生にとってはどれだけこの時期を活用できるかによって結果が左右される。
(あ〜あ、また徹夜しちゃったよ…)
名門校である聖光は学校で上位の成績にいる私でも正直厳しい。
この大事な時期なんだからといつも以上に集中してやっていたらいつのまにか5時を
向かえてしまった。
(どうしよう…これで寝ちゃったら遅刻しちゃうかもしれないし…)
ここで寝てしまって遅刻したら内申に響く。そしたら大変だ、と思い眠気覚ましに
お風呂に入る事にした。ちょうど出る頃にはお母さんも起きているだろう。
そう思い、着替えとタオルを持って脱衣所に向かった。


ちょうどお風呂から出るとお母さんの朝ご飯の支度が終わったようだ。
本日はご飯、味噌汁、焼き魚、御新香と和食のメニュー。
徹夜したせいか食欲が無い。だけどちゃんと栄養付けなきゃとお母さんが心配するので無理やり食べる事にした。
自分の部屋に戻るとちょうど時計は7時を指していた。
ずっと暖房を付けていたせいであろう、部屋に熱がこもっている。
(どうしよう…また眠くなってきた……)
暖かさと満腹感のせいかまた眠気が出てきた。
(ここで寝てはダメだ。起きろ、ミサキ!)
目を瞑ると幼なじみの彼が私に向かって必死に叫んでいる。
(ダメだよぉ、マサちゃん。私はもう疲れたよ…)
たとえパ○ラッシュでさえ○ロは起こせなかったようにマサちゃんでは今の私を
起こせそうになかった。


247マサヒコ×ミサキ:2006/01/08(日) 00:44:44 ID:vfvXytgr

私にはリンちゃん並にうっかりの盲点があった。
まず1つはお母さんが寝坊したら起こしてくれるだろうと思っていた事。
しかしお母さんは朝早くからマサちゃんのお母さんにカラオケに連行され不在。
なんでも10時前までは早朝割引があると言っていたのが覚えにある。
そしてもう1つ、お風呂に入った後、良く髪を乾かしていなかったのだ。
おかげでありとあらゆる方向に寝癖が向いている。
(あ〜、もうどうしようっ!時間が無いのに…これじゃ直している時間がないよ〜)
女の子にとって寝癖をつけたまま学校に行くなど死活問題なのだ。
考えている時間はない。
今の最優先事項は洗面所に向かい寝癖をなおす事なのだ。

「あの時の私は陸上部に入っていたらスポーツ推薦を貰えたんじゃないかと思えるくらいの速さでした」
後の私はこう語っていた。

寝癖をカール・ル○スのごとく素早く解かし、ハ○テのごとく身支度を整えたのに9時を回っていた。
もう今更急いだ所で1時間目には間に合わない。
なら急がずにゆっくり行こう。
そう思って雪の中という真っ白な戦場へと足を向けた…
248マサヒコ×ミサキ:2006/01/08(日) 00:53:05 ID:vfvXytgr

外に出ると銀幕の世界が広がっていた。
(う…寒すぎだよ……)
気温は氷点下が続いているそうだ。この雪もしばらくは降り続けるだろう。
雪というのは受験生にとって天敵となる。もし滑って転んだりしたら縁起が悪い。
昔はマサちゃんと一緒に雪だるまを作ったり、幼稚園で雪合戦をしたりと楽しい事がたくさんあった。
小学生の頃までは毎年、雪が降るのを楽しみにしてた記憶がある。
それもいつのまにかおっくうに感じるようになってしまった。
(は〜、リンちゃんなんかは嬉しいだろうな〜)
童心が懐かしい。だけど寒いのは嫌なのだ。
(沖縄はこの時期もあったかいんだろうな〜。受験が終わったら2人っきりで行きたいな〜
2人っきりでいっぱい遊んで、2人で1つのジュースを飲んで、2人で同じベッドに寝て……以下長いので略)
私の妄想で2日目の夜が終わった所でマサちゃんの家の前まで来た。
お母さん同士で出かけたのだから今、家には誰もいないだろう。
だけど…おかしい。

「なんでマサちゃんの部屋の明かりが点いているんだろう…」



続く……のかな……
249マサヒコ×ミサキ:2006/01/08(日) 00:55:56 ID:vfvXytgr
ここで終了です。
短編にしようとしたら長くなっちゃって…
キリがいいところで終わらせたら短くなってしまった…orz
初SSなのでスレ汚しスマソ……
250名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 01:05:42 ID:VfPX9HyB
>>249 問題無。そしてGJ!
>>247 ハ○テのごとく身支度を整えた←ワロタw
251名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 02:43:48 ID:y2XLc+3p
本当にどんどん職人が生まれるスレですね
濱中終了後に過疎るとか言う人もいるがそんなことにはならないだろうな
252名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 06:07:08 ID:FrIq0l3f
このスレ神すぎる、1から読んでたらこんな時間に…
受験生なのに…いや…受験生の今だからこそ、マサ達の気持ちが分かる気がする
253名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 07:21:19 ID:kXu/IHBe
>>252
マサ達の気持ちがリアルタイムでわかる受験生ならば『年齢的』にエロパロ板はアウトだろ

今すぐこのスレから退出し、直前にせまった受験(高校受験か大学受験か分からないけど)
に備え勉強すべきだと思います
254名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 08:03:13 ID:ogGRpHIz
>>253
21歳の浪人生って説もあるでよ…というわけで>>252は勉三さん。
255名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 09:50:25 ID:Oh9K54gF
>>251
私もそうなることを願っているが、多少なりとも影響が出てしまうだろうな・・・
まあ、なるだけ新連載が早めに始まることを祈ろう

とりあえず職人様方、吉田氏 GJ&乙です
256名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 11:18:40 ID:qRc5EBki
ミサキとリンの百合萌え
257名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 12:57:26 ID:w05ILycG
東大とか芸大ならまだしも21まで浪人してるくせにこんなところに来るなよ。
そんな半端な気持ちだからいつまでたっても受からないんだよ。
258名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 14:31:48 ID:GwjHYXGs
はい、口論や中傷は止めましょうね
せっかくいいスレなんだから
259名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 17:39:06 ID:KqpVAoMZ
このスレほど神に恵まれたスレもないよな。ありがたやありがたや
260名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 20:38:03 ID:mB8rNqud
あんまりそういうのは・・・
このスレは、とか
261ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/08(日) 22:52:40 ID:43l9befS
それにしても今年は寒いですね。そんな寒い時期の小ネタを投下させて
いただきます。短いので同時に二作投下します。
NGワードは「エロ無し」
まず一作目のタイトルは「熱くなれ」
262ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/08(日) 22:54:40 ID:43l9befS
ある冬の日−
シンジとカズヤは町に遊びに来ていた。日中だというのに気温は全く上がらず、
その上強風が吹きつける。
「うー寒みぃ。なあ、シンジ、どこか建物の中に入ろうぜ」
「ああ、そうするか」
シンジとカズヤは近くのゲームセンターに入る。
シンジはシューティングゲームのコーナーに、カズヤはというと…
脱衣麻雀のコーナーに向かう。

約30分後−
「ちっ、やられちまった」
GAME OVERの文字が画面にうつる。シンジは席を立ちカズヤの姿を探す。
すぐに台に向かっているカズヤの後ろ姿を発見した。
「おい、カズヤどうだ?」
「おお、これが絶好調だよ。もう4人制覇したぜ、これが最後の1人だよ」
カズヤは早速最後の1人に勝とうと気合を入れる。が、そうは甘くない。とうとう負けてしまった。
「くそっ、やられちまった。ようし、今度こそ」
そういうと百円玉を台に投入する。かなり熱くなってきたようである。カズヤは着ていたジャンパーを脱ぎ
気合を入れる。

数分後−
「ああー、ちぐしょー」
その気合もむなしくまた負けてしまった。
「まだまだ!」
今度は着ていたトレーナーを脱いでTシャツ姿になり更に気合を入れ、また百円玉を投入する。
さらに熱くなってきたようである。

その近くを通りかかった女子学生二人組がカズヤに冷たい視線を送る。
「なに、あの男、負けたら自分から服脱ぎだしているわよ」
相変わらず熱くなっているカズヤをよそにシンジはあらかじめその場からこっそり
離れていたのは言うまでもない。
263ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/08(日) 22:56:00 ID:43l9befS
一作目以上です。続いて二作目、
タイトルは「小宮山的危険回避」で。
264ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/08(日) 23:00:43 ID:43l9befS
ある冬の日の夜−
小宮山、加藤、マリアの女教師3人が歩いている。3人での飲み会の帰りである。
いろいろ話しながら公園の中を通った時だった。小宮山が突然、
「ねえ、私トイレに行きたくなっちゃった」
「ここからだと…コンビニも無いし…あ、あそこに公衆トイレがあるわ」
限界が近づいていたのだろう、急ぎ足でトイレに向かいドアを開けて中に入った。が、小宮山は何を思ったのかすぐに
中から出てきて、すぐ近くの草むらに行き、パチパチと静電気の音をさせながらパンストごとパンツを下ろした。
「ちょ、ちょっと、何やっているんですか!?」
加藤の問いかけには答えず、そのままシャーッと勢いよく放尿を開始した。草むらには隠れているが、その様子は
加藤達からは丸見えである。
「ああ、もう…」
あちゃー、という感じで目をそらす加藤。
「OH〜」
興奮した様子でマジマジと眺めるマリア。今にも小宮山に飛びつきそうだったが、
襟首を掴んで制したのはさすが加藤である。

「ふう、お待たせ」
用を済ませ草むらから小宮山が出てきたが、加藤は無視してそのまま小宮山から早足で去って行った。
かなりご立腹の様子である。
「ちょっとぉ、無視しないでよー」
「いい大人が人前でおしっこなんかして!しかもわざわざトイレから出てきてまで…」
「そうデスよ。私に一言言ってくだされば全部飲んであげましたノニ」
「あなたは黙ってなさい」
「そんな事言ったってあれは私なりの危険回避だったのよ、しょうがないじゃない」
「何が危険回避なんですか!?」
「いや〜パンストの静電気がトイレの中のメタンガスに引火したら危険だと思ったのよ。
私真っ黒焦げになりたくないし…」
「考えすぎです!!」
265ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2006/01/08(日) 23:06:53 ID:43l9befS
二作目、以上です。相変わらず短い上、エロ無しですがご容赦願います。
長いのは早くても来月になります。
アイデアはあるので、後は自分の筆の進み具合如何なのですが…
では、短い間のお付き合いありがとうございました。これにて失礼します。
266名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 23:19:38 ID:kXu/IHBe
ペピトーン氏乙です!
長編も期待しております
267名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 00:22:18 ID:Yp926tQH
オレね、もともと週マガの濱中アイのファンであって、
妹は思春期はまったく読んでなかったし、
たまにヤンマガを立ち読みしても
特になんとも思わなかったのですよ。


ところがここのスレに入り浸ってるうちに
妹系のSSにも興味が出てきてしまった。
気がつけば、妹の単行本も集めつつある今日このごろ。

ああ、このキャラがあ〜んなことやこ〜んなことを
したりされたりさせられたりしてるんだな〜ウヒョヒョ、と
本末転倒な楽しみ方をしております。
268244:2006/01/09(月) 00:31:18 ID:CRWqMYmR
昨日の>>244です。

ベビトーン氏乙、そしてGJです!
1作目の方はかなりツボにはまりました…長編楽しみにさせていただきます!

昨日の続き投下させていただきます。あいかわらず短いですが…
マサヒコ×ミサキでNGワードは「エロなし」、「ミサキ出ない」です。
269244:2006/01/09(月) 00:33:46 ID:CRWqMYmR

マサヒコside

まったくこんな大事な時期にオレはなにをしているのだろう…
頭の中に先日聞いた除夜の鐘が間近で鳴り響いている。
たぶん風呂に入ったあとでよく髪を乾かさずにコンビニに行ったのが原因だ。
まったく、我が事ながらホントにバカをした…
頼みの綱である母さんはなぜかいない。
昨日の夜、明日はカラオケと張り切っていたからもうきっと出かけたのだろう。
(あ〜、オレってついてないな…)
あの人の事だからカラオケいったあと喫茶店でお茶して帰ってくるに決まっている。
そうなると夕方までは絶対に帰って来ない…
気だるく上を見つめる。
視界には無機質な天井が映っているだけだ。
最低限、今やらなくてはいけない事。そう、それは…
(せめて学校には連絡しないと…)
これではサボりあつかいになってしまう。そんな事では内申があぶない。
なんとか動かそうとするが身体は思うように動かない。
何度やっても身体はまったく動かない。中村先生に縛られた時のような感じだ。
風邪で体力がないのに身体に強制労働をさせたため意識が朦朧としてきた。
(あ〜、もうダメだ…。やべぇ、天使が降りてきた…パ○ラッシュ、僕はもうつかれたよ…)
こんな所でパ○ラッシュが見えるあたりが幼なじみなんだろう。
もう抗う気力もないので素直に寝る事にした。


(ん…少し寝ちまったのか?)
時計を見ると9時を回っている。
おおよそ2時間寝たという事だ。
(少しは身体が動くようだし、今の内に学校に電話しとくか。)
這い出るようにベッドから抜け、歩伏前進っぽい事をしながら電話の所に向かった。
270244:2006/01/09(月) 00:34:26 ID:CRWqMYmR

たぶんオレは風邪で考える事が出来なかったのだろう。
目の前には階段がある。
だけど今は立つ気力なんて微塵もない。
元気だった時はなんかしら考えて下におりていた。
だけどオレは何を考えたか歩伏前進のまま降りてしまった。

ドンッ! バキっ! ズゴッ!

まあ、当たり前の結果だろう。
雷○やス○イクならともかく、オレはそんな特殊な訓練されているでもないし、
風邪で平行感覚がない今なら階段を転げ落ちるのは当たり前だった。
顔を上げると上から生暖かいものが垂れてくる。
(やべぇ…落ちた時に額を切っちまったみたいだ……)
一気に落ちたおかげ(?)か目の前にはもう電話がある。
死力を尽くし進もうとしたが腕に鈍痛が走りだした。
(腕まで打っちまったのかよ…もう前に進めないじゃん…)
頭からは血、もう進行不可能。しかも毒(風邪)にかかっている。
ゲームだったらとっくにゲームオーバーで誰もがコンティニューしているこの状況。
(まったく…オレにどうしろと??)

何もする事が出来ず血の気が引いて意識を朦朧としてきた。
(ヤバイ、このままだと死ぬ!や、薬草を探さなきゃ!あ、もうダメだ…zzz)
風邪でこの時はネガティブな思考だったと思いたい…
だが所詮、オレは○トの血を継ぐ者ではなかったのだ。
薬草もア○ールの水もない。もう絶体絶命。
そしてとうとうオレの意識は混沌へと落ちていった。


つづく…というかやっと本編へ……
271244:2006/01/09(月) 00:42:22 ID:CRWqMYmR
あいかわらず短くて申し訳ありません…
ホントはここまで昨日の投稿分として予定していたんですが、wordでやってるので
改行などがうまくいくかどうか不安でして…
次からやっとエロをいれて長編へと行けると思います。
初心者なのでおかしい部分は多々あると思いますがよろしくお願いします。
272郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 00:54:27 ID:JPDY+tf5
>>ペピトーン氏&244氏
共にGJ!ですよん!

ペピトーン氏はやっぱり短編が上手いです。自分はいつも短編のつもりがダラダラ書いちゃうので(苦笑)、
短くまとめられる力量が欲しい……とにかくGJ!

244氏、初々しいです。ここからの展開が面白くなりそうなので期待してますよん。

>>201
>マサ、シンジ両カップルのWデートものを読んでみたいですね。

それ、いただき!次回の投下で反映させます。
273201:2006/01/09(月) 01:41:23 ID:/hGTwdJJ
>郭氏
本当ですか!?
光栄です。
楽しみにしております。
274ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:18:59 ID:qZZCbbao
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
スルー対象ワードは「陵辱ネタ」「オチあり」です。
誤字脱字があったらごめんなさい。

では投下↓
275ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:20:10 ID:qZZCbbao
 人は常に人生の表通りを歩いているわけではない。
人生の裏道はある。裏の顔がある。誰にでも。
 裏道に行ったまま、表通りに戻ってこない者がいる。
ほんの少ししか、裏道を通らない者がいる。
裏道が表通りになってしまった者がいる。
 人生は、表通りと裏道を行ったり来たりしながら、前に進むものだ。
表通りと裏道、どちらが本当の“その人”なのか。
行き帰りする度に、人は全てを変える。全てが変わる。
本当の自分を晒すのか、それとも仮面を被るのか。どっちなのか。
それは本人にしかわからない。

 深夜の繁華街というものはどこかいかがわしさを感じさせるものだ。
太陽が昇っている間には絶対に発せられることのない、開放感を伴った猥雑な空気。
それでも、表通りはまだ正気を保っている。ラーメン屋や飲み屋など、“一般人”の世界だ。
だが、一歩裏通りに入ってみればどうだろうか。無論、住宅街ではないほうだ。
道は細くなり、街灯以外の灯りが減り、倒れたゴミ箱を野良犬が漁っており、風俗やパチンコのチラシが風に舞う。
小さなバーやラウンジ、自動販売機が存在感を必死に訴えている。
 さて、ここに一人の女がいる。少女ではない。
闇に同化するような黒いコートを羽織っている。
彼女は今、まさにその裏通りを歩いている。
周囲に人影はない。物音もない。
ただ彼女のハイヒールのコツコツという音だけが、アスファルトの上に響いている。
 彼女は裏通りを進み、その突き当たりにある建物の入り口の前に立った。
建物は三階建ての小さなビルのようなものだったが、そのどの窓からも灯りは漏れていなかった。
彼女は扉の横にある、小さな呼び鈴のスイッチを押した。
次に、扉の右斜め上を見上げ、小さく手を挙げた。
ひさしに隠れるように、小型カメラが設置してあるのだ。
十数秒程してから、ギギギと耳障りな音がして、扉がゆっくりと開いた。
中から男が出てきた。まだ若い。二十代の半ば辺りだろうか。その顔は凍ったように無表情だ。
「……お待ちしておりました。どうぞ」
 彼女は頷くと、男の脇を通って建物の中へと入った。
姓名の確認は必要ではなかった。
彼女はこの建物に、過去何度も出入りをしていたからだ。言わば顔パスだ。
彼女は扉の先の通路を進み、下へと続く階段に足をかけた。
そう、この建物に灯りがついていないのは、深夜だからではない。
建物の本当の“中身”は、地下にあるのだ。
ハイヒールがコンクリートを踏む音が、まるでホラー映画のワンシーンのように壁に何度も反射する。
二十段程降りただろうか、彼女の行く手をまた新たな扉が塞いだ。
彼女は手を伸ばすと、ノブを回して、扉を押し開けた。
その瞬間、異様な臭気が扉の向こうから漏れ出し、彼女の全身を包んだ。淫らな臭いだ。
彼女は、それにまったく臆することなく、昂然と中へと入った。
276ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:22:04 ID:qZZCbbao
「ああ……あはぁ」
「ひっ、いい、いいの、もっとぉ、もっとシテえ」
「お尻、お尻がいい、いいんです」
「ほら、もっと泣け、いい声で泣け」
 そこは、完全に常軌を逸した空間だった。
裸、裸、裸。
布を身にまとっていたとしても、糸か紐か分からない程に面積が狭い。
そんな男女が十数人、汗と淫液に塗れ、
ソファーの上で、床の上で、テーブルの上で、体を重ねあっていた。
その中を、彼女は歩を進めた。まだ、彼女の目的の場所は先だ。
「ひい、ひいい……」
 彼女の横で、まだ二十歳を越していないと思われる若さの少女が、
太った中年男性に背後から刺し貫かれていた。
しかも、普通のセックスではない。
少女の白い背中には赤い斑点がいくつもあった。蝋だ。
中年男性は、腰を振りながら、少女に蝋を垂らしているのだ。
「ひぐっ、ひい、ぐうっ」
「ほおれ、もっといい声で泣かんかぁ、でないと、もっともっと熱い目にあうぞぉ」
「ぐふぅ、ううっ、あうっ、ああんっ、あう」
「ふふはは、そうそう、そうだ。おほ、いいぞ、しめつけがキツくなってきたわい」
 中年男性は嬉しそうに吠えると、腰の速度をより速めた。
「ぐふぅ、ふう……」
 彼女はちらっと二人を見たが、気にする風もなく、すっとその前を通り過ぎた。
「あふぅ、あふぅう」
 少女は苦痛を感じているようだった。だが、その表情は笑っていた。
そう、虐められながら、屈辱とも言える犯され方をされていながらも、少女は悦んでいたのだった。
周りの男女は、皆そんな状態だった。
少女と中年男性の向こうでは、若い男がケバい化粧の女に絡みついていた。
両手を後ろで縛られ、目隠しをされ、ただ舌のみで女の全身を舐めている。
 そんな異常過ぎる部屋の真ん中を、まるで何事も起こっていないかのように、彼女は歩いていった。
彼女の目の先には、扉がある。建物の入り口を含めて、これで三つ目の扉だ。
まるで飾り気のない、金属製の扉。
彼女はその扉の前に立つと、さっきと同じように押し開けた。

 その中は、彼女が通ってきた部屋とは違い、まだ空気は清浄な方だった。
「お待ちしておりました」
 入り口にいた男とは、また別の男が部屋の奥から進み出て、彼女の前で頭を下げた。
「準備は整っております……小宮山様」
 そう言うと、男はより深く頭を下げた。
「ありがとう」
 彼女―――小宮山は男に礼を言った。
そして、赤い舌をチロリと覗かせると、唇をレロッと一舐めした。
「後からもう一人連れが来るの。入り口に来たら、ここに通して」
「はい」
 男は再度礼をすると、扉を開けてその向こうに消えた。

                 ◆                     ◆
277ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:23:49 ID:qZZCbbao
「ふふ……」
 小宮山は笑った。
今、彼女の目の前に、一人の少女が立っている。
明るい色の短い髪、そして大きな胸の少女が。
「よく来たわね、矢野さん」
 名前を呼ばれて、その少女、矢野アキはビクリと体を震わせた。
「こ……みやま、せんせい……」
「うふふ、この場所、わかりにくくなかったかしら?」
 それには応えず、アキは小宮山の方へ一歩進み出た。
小宮山は豪奢に椅子に足を組んで座ったまま、動かない。
「返して下さい、あ、あの写真を」
 アキは顔を赤らめ、だがはっきりとした口調で小宮山に迫った。
「これのことかしら?」
 小宮山はコートのポケットから、数枚の写真を取り出した。
「あ……!」
 アキはそれを取ろうと、小宮山に踊りかかったが、背後にいた黒服の男に押さえ込まれた。
「それ、それを……っ!」
 じたばたと暴れるアキ。だが、さすがに男を払いのける程の力は無い。
「ふふっ、よく撮れてるでしょう?」
 写真をヒラヒラと、アキに見えるように小宮山は振ってみせた。
「あなたってホント、イヤらしいのねぇ……」
 その写真には、アキの自慰に耽っている姿が写っていた。
場所は放課後の学校の更衣室、床にだらしなく尻をつき、
制服を乱し、大きく開脚して、秘所を弄くるアキの姿が。
「やああっ、いやあ」
 アキの悲痛な声が地下室中に響いた。
「うふふ、気持ち良さそうな顔よねえ」
「やめて……いや……ぁ」
「学校の更衣室で、いけないことをして……ああ、何てイヤらしい娘なのかしら」
 アキは首をふるふると振った。
涙が流れ、頬から落ち、床を濡らす。
「こっちの手に持っているのはハンカチね?」
 小宮山は椅子から立ち上がった。
同時にコートをハラリと脱ぎ捨てる。
アキは目を瞠った。コートの下、小宮山は信じられない格好をしていた。
ボンテージルック、妖しいマンガに出てくる女王様といった感じだ。
「想い人のハンカチに鼻を押し付けてオナニーするなんて……淫乱少女ね」
「ううっ」
 アキは小宮山から目を背けた。
小宮山はアキに近づき、しゃがむと、アキの髪を掴んで自分の方を再度向かせた。
「ひいっ!」
「目を開けなさい、これに写っているのはあなた。イヤらしいあなたよ」
「うう、ううう」
 小宮山は立ち上がると、手を振って男を下がらせた。
解放されたアキだが、小宮山から写真を奪い返す力も気力もすでに奪われていた。
ただ、床に突っ伏し、「イヤ、イヤ」と涙を流すのみだ。
「うふふ……」
 小宮山はピンヒールの音をたてて、アキの周りをぐるぐると回った。
そして、追い討ちの言葉を次々を浴びせかけた。
「まさか、アナタがこんな性癖の持ち主だったとはね」
「ほら、この顔……うっとりとしてて、何て淫らなのかしら」
「それに足もこんなに開いて、しかも学校の更衣室で」
「本当、変態ね」
 小宮山の言葉の槍は、アキの背中を容赦なく突き刺す。
アキはそれに反論出来ず、ただ床を濡らして泣いた。
278名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 02:23:58 ID:2o7WS5h7
支援
279(^ワ^)ポッポー:2006/01/09(月) 02:24:29 ID:IGgo1qZl
gj
280ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:25:09 ID:qZZCbbao
「矢野さん、起きなさい」
「ううっ……」
「起きなさい、と言っているのよ」
「ひぐっ!」
 小宮山はピンヒールの爪先で、アキの脇腹を軽く蹴った。
アキは電気でも流されたように、上半身を跳ねさせた。
「ほら、ほらほら」
 アキの首筋を小宮山は両手で掴むと、思い切り引っぱり上げた。
糸の切れた操り人形のように、フラフラとアキは立ち上がった。
「何、立てないの?情けないわね」
 小宮山はアキの首から背中に手を回し、抱え上げた。
「堂々とあんなことをしておきながら、結構弱い心なのね」
 部屋の端にあるベッドに近づくと、小宮山はアキをその上に投げ捨てた。
「ふふっ」
 次に小宮山はロープを手に取った。アキの両手を縛り、ベッドに固定する。
「あ……うう……」
 アキはまったく抵抗しなかった。いや、出来なかった。
手を動かそうと思っても動かない、足を動かそうと思っても動かない。
心に鎖をかけられた。そんな状態だった。
「矢野さん、あなたはイヤらしい女の子だわ」
「……ぅ」
 口も、舌も動かない。
アキの体で動いているのは、涙を流す目だけになっていた。
「あの写真に写っている姿、それがあなたの本当の姿なのよ」
 小宮山は一度ベッドから離れると、部屋の隅にある棚から、容器をひとつ取り出した。
そのラベルの貼られていない容器を開け、人差し指を突っ込んだ。
「そして、今あなたの目の前にいる女、小笠原高校化学教師の真の顔がこれ」
 小宮山の人差し指には、ドロリとした灰色のクリームがついていた、あむ。
そして、アキに圧し掛かると、アキの股を開かせ、下着の横から秘所にクリームつきの人差し指を差し入れた。
「くう、うう!」
 力を失ったアキは、その侵略を受けるしかない。
小宮山はクリームを、クリトリスと陰裂に刷り込むように塗り付けた。
「あう、ああっ、ん、んん!」
 身体は残酷だ。
動かす力を無くしたというのに、感覚を伝えることだけは忘れないのだ。
「ふふ、矢野さんって濡れ易いのね」
 小宮山は指を離した。
指を自分の顔に持っていくと、くんくんと臭いを嗅ぎ、そしてペロッと口に含んだ。
「マリア先生に悪いことしたかもね……先に矢野さんのアソコを征服しちゃった」
 いたずらっぽい笑いを小宮山は浮かべた。
子どものようなそれではない。魔女のものだ。
「ねえ矢野さん、イヤらしいのは悪いことじゃないわ」
 今までと一転、小宮山は優しい口調でアキに語りかけた。
「私が、あなたの本当の姿を暴いてあげる。解放してあげるわ」
 その言葉は、アキの耳に届いていたが、アキはそれを言葉として理解出来なかった。
「うう……あはぁ……」
音は聞こえているのだが、声ではない。意味を成さない。考えられない。
小宮山に蹂躙された秘所が異様に熱い。疼くように熱い。
腰の奥が痺れる。
太股が揺れる。
「さっきのクリームは即効性……」
 部屋の中央にある円卓、小宮山はその上にあるベルを手に取ると、二度リンリンと振って鳴らした。
「別世界に連れて行って、いいえ……本当の自分を教えてくれるわ」
 ガチャリ、と入り口の鉄製の扉が開いた。
両脇を黒服に支えられ、一人の男が部屋に入ってきた。
「あ……」
 モヤがかかった目で、アキはその男を、少年を見た。
「あ、ああ、ああああ……ぅ」
 それは、彼女の想い人。城島シンジだった。
281ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:27:00 ID:qZZCbbao
「あう、ああう……」
 ヨダレを垂らしながら、アキは呻いた。
それは悲鳴か、恨み言か、それとも歓喜の叫びか。
「ふふっ」
 小宮山は黒服を下がらせると、シンジに近寄った。
その目は虚ろで、生気が無い。
「今、彼は暗示にかかってるわ」
 そう言いながら、小宮山はシンジの服のボタンを外し始めた。
「私の言うことは何でも聞くの」
 上の次は、ズボンのチャックに指をかけた。
ジジ、ジジッと、時間をかけてチャックを下に降ろしていく。
「うふっ」
 チャックが完全に開ききった時、その中から勢いよく、ペニスが飛び出してきた。
すでにそれは固く、そそり立っている。
「さっきからずっとカチコチにしてるのよ、彼……」
 小宮山はシンジのそのペニスをそっと握った。
シンジは一瞬ビクリとしたが、表情は変わらずに固いままだった。
「今からこれが、あなたを天国を与えるのよ」
 シンジの頬に顔を寄せ、小宮山はペロリとそこを舐め上げた。
「…………」
 アキはしゃべれない。
体が熱い。ひたすらに熱い。
シンジがいる。好きな人がいる。
シンジのペニスが、想像の中でしか見たことのないそれが、今、目の前にある。
欲しい。欲しくない。いや、欲しい。
私はいやらしい女。淫乱な女。
犯してほしい。初めてをあげたい。
熱い。我慢出来ない。アソコが、その奥が、熱くて熱くてたまらない。
「……う」
 アキは首を上げ、舌を動かした。
言葉は出てこなかった。
「欲しい」と言ったつもりなのか、「好き」と言ったのつもりなのか。それとも別の言葉なのか。
アキのだらしなく開いた唇からは、声でなく、ただ唾液しか出てこない。
「ふふふ、矢野さんはやっぱりイヤらしい娘ね」
 小宮山はシンジの背中を押した。
「さあ城島君、矢野さんを犯しなさい」
 そして“命令”した。
「服をビリビリに破いて、アソコをグチョグチョに突いて、溜まった欲望をその中に出してあげなさい」
 シンジはゆっくり、ゆっくりとアキの寝ているベッドに歩み寄った。
まるで、ホラー映画のゾンビのような足の進め方だった。
「これで……城島君と矢野さんは、私達と“同じ”になる……」
 小宮山は声高く笑った。
282ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:28:11 ID:qZZCbbao
「……どう?私の小説もなかなかのモンでしょ?」
 小宮山は胸を張ってそう言った。その目の下には、薄っすらとクマが出来ている。
 ここは妖しいビルの妖しい地下室ではない。時も真夜中ではない。
小笠原高校というれっきとした学校の教室で、放課後になってから三十分程経った頃合だ。
「……これを全部、一晩で書き上げたというわけですか」
 長い黒髪の少女、黒田マナカはジト目でそう言葉を返した。
教室にいるのは、小宮山の他、マナカ、アキ、カナミ、ショーコのいつもの四人組だ。
「確かに、『私の小説にケチをつけるのなら、貴女も一度自分で書いてみたらどうですか』とは言いましたが」
「ふふん、畑違いとはいえ、私も教師よ。官能小説くらい書けないでどうするの?」
「仮にも教師たる人間が、徹夜してまでやることと思えませんが」
 “官能小説くらい”という言葉にカチンときたのか、マナカの口からは皮肉たっぷりの台詞が出た。
「あら?書いてみろと言ったのはアンタじゃなくって?」
「ええそうです。で、十歳離れた小娘の言葉を流せず、目の下にクマまで作って書いたのはあなたです」
 二人の間に見えない火花がバチバチと飛び散った。
「おい、ちょっと待て」
 吸血鬼も避けて通るであろうその緊迫した空間に、第三者が乱入した。アキだ。
「あーら、そういう返し方は逃げじゃないかしら?」
「逃げではありません。あきれているだけです」
 だが、土俵中央でがっぷりぶつかった二人は、その存在を完全に無視した。
と言うより、ハナから眼中に入っていない。
「さあ、読んでみてどうだったか、御高説を伺いたいわね」
「……主人公の名前が書いた本人と同じというのがいただけません。同じにする必要は無いはずです」
「おい、待てコラ。それ以前に何で私が陵辱されてるんだ」
「あーらごめんあそばせ。完全に空想で書いているアナタには理解出来ないかしら?」
「……どういう意味ですか」
「だから待てと言っとる、おい」
「私はどこぞの貧乳処女と違って、経験豊富なもんだから。ほら、実体験が反映されてるのよ」
「たいした体験ですね。教師以前に、人間として腐ってます」
「私の話を聞けや」
「高校一年で官能小説に手を染めてるアナタが言えた義理かしら?」
「官能小説は文学です。感性が低俗の谷底を突破してマントルまで行っている人には理解出来ないでしょうが」
「コラマナカ、コラ小宮山先生」
「おほほ、虚偽の内容よりは実体験に裏打ちされたもののほうが説得力があるのは間違いないのよ」
「ええ、それは否定しません。私が否定するのは貴女の人生と思考です」
「いい加減にせいや、お前ら!」
283ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:29:58 ID:qZZCbbao
 陰と陽、SとN、水と油。徹底的に相容れない小宮山とマナカ。
真正面から切り結ぶ二人にアキが加わり、放課後の教室は荒れ狂う感情の坩堝と化した。
カナミとショーコはといえば、嵐が過ぎ去るのをただじっと待っていた。
最初は『小宮山の小説に自分達が出てこなくて良かった』と安堵していたのだが、
今はただ教室の隅で体を寄せ合い、事の推移を見守るだけだ。介入のしようもない。
「そう、どうしても負けを認めないって言うのね」
「少なくとも、コレが私の書いたものよりも優れているとは思えません」
「こら、コラこらコラ」
「なら、他の誰かに読ませて、公正な立場で判断してもらおうかしらね」
「……そうですね。この際、白黒ハッキリさせた方がいいかもしれません」
「な、ちょ、おま、待て待て待て待て」
「読むのは、そうね、やはり男性の方がいいわね。じゃあ城島君ではどうかしら?名前使った手前もあるし」
「望むところです。あの人ならこういう眼識に長けていると思われますから」
「ダメ、だめダメだめダメだめダメーッ!」
 止めるアキを突破し、教室の外へと向かう二人。
カナミとショーコは離れて見送ることしか出来なかった。
本来ならカナミは悪ノリして小宮山とマナカの応援でもするところだが、さすがに今回は空気がそれを許さなかった。
「だめ、ダメ、だめ、お願いやめてとめてやめてとめて」
 アキは小宮山とマナカにしがみついた。
だが、二人はまるで気にしない。この争いに決着をつける、二人の頭にあるのは、ただそれだけだった。
他の何かが入る余地は一片のカケラ程も無い。
「さあ、城島君の教室まで行くわよ。彼、掃除当番だからまだ残ってるはずだわ」
「ええ、行きましょう」
「いやー、いやー、勘弁してぇぇぇ」
 半泣き状態のアキ。
他人が書いた文章の中とはいえ、自分が痴態を晒しているのだ。
そんなもん見られたくない。恥ずかしいとかそういう次元ではない。
だが、彼女の心の叫びも、二人には届かなかった。
ガラガラと教室の扉が開けられて―――

「おーいカナミ、今日の晩御飯のことなんだけど」
 嗚呼、何とタイミングの良い、いや悪いことか。
小宮山が扉を開けようとしたまさにその時、件の城島シンジがこの教室にやって来ようとは。
望むべきことは聞き届けてくれず、望まざることは勝手にゴーサインを出す。
この世界を統治する神とはおそらくそんな奴なのであろう。
「へ……小宮山先生、マナカちゃん?」
 シンジは二人の姿を見て、一歩後ろに下がった。
普段鍛えた(鍛えられた)危険察知レーダーが反応した……のもあるが、
それ以上に目の前にいる小宮山とマナカの異常な様子に怯んだのだ。
小宮山とマナカ、二人の目は獲物を狙う猛禽類そのものだった。
「ふっふっふ、これは丁度良かったわ」
「お兄さぁん、お兄さんに会いたかったんですよ」
 妖しい手つきで、ジリジリとシンジに迫る二人。
その体から形容し難い謎のオーラが出ている。
「うわ、うわ、うわわわわ、わわあわわわわわわわわあああー」
 シンジは回れ右をすると、脱兎のごとく逃げ出した。
ま、当然だろう。経験上、ロクなことにならないのは目に見えている。
「逃げてぇぇぇぇ、お兄さん逃げてぇぇぇ!」
 その背中に、アキが必死に言葉を投げかけた。もっとも、格好は情けない。
何しろ、シンジに追いすがる小宮山とマナカに引き摺られているのだから。
「マナカァ、小宮山先生ぃ、待って、お願いだから待ってぇぇ」
 満身の力を両手の指に込め、二人の服の裾を掴むアキ。
二人はといえば、アキに視線を送ることなく、ただシンジのみを求めて廊下を走る。
しかし小宮山の白衣とマナカの制服、よく破れないものである。
「あわわわわ」
「待てぇぇ」
「止まれぇぇ」
「逃げて待って止まってぇぇぇ」
 全力で廊下を駆ける三名(プラス引き摺られる一名)。
途中生徒や教師が何人か引かれたようだが、追いかけっこは止まりはしなかった。
284ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:31:11 ID:qZZCbbao
「……」
「……」
 かくて教室には、カナミとショーコの二人が残された。
数分程自失していたが、やがて復帰すると窓に近寄り、開放すると下を恐る恐る覗き込んだ。
「ああ……」
「……おお」
 三名プラスワンによる白熱の追撃戦は、丁度校内から外へと舞台を移したところだった。
校門の辺りに、彼らが残した、まるで西部劇のワンシーンのような砂埃がもうもうと立ち込めている。
「……ショーコちゃん」
「ん、なあに?」
「……帰ろっか。私、晩御飯のお買い物に行かないと」
「あー、私も彼氏と予定があったんだっけ」
 二人はいそいそと帰り支度を始めた。
追いかけっこは、既に二人の手の届かないところに行ってしまった。
おそらく、カナミが家に帰り着く頃には、何らかの決着がついているであろう。
「じゃ、校門まで一緒に行こっか」
「うん、そうね」
 カナミとショーコは廊下に出ると、下駄箱を目指して歩き始めた。
途中、騒ぎに巻き込まれたのだろう、廊下に坪井先生やら新井カズヤやらがズタボロで転がっており、
さらにどう関わったものか、栗色の長髪の少女も消火器の横で昏倒していた。
二人はそれらを避けて通ると、下駄箱で靴を履き替え、校門をくぐり、表に出た。
「また明日ね、ショーコちゃん」
「またね」
 二人は別々の方向に足を進めた。
カナミは晩御飯の買い物に、ショーコは彼氏と会いに。

 その日の夜遅く、シンジは家に帰ってきた。
カナミ手作りの御飯を食べることなく、玄関で力尽きて倒れてしまった。
いったいどれ程走ってきたのか、靴は磨り減ってボロボロになっていた。
 
 翌日、疲労困憊のシンジは学校を休んだ。
小宮山、マナカも同じく学校を休んだ。疲労と足の痛みを理由に。
ただアキだけが登校した。
どうやら早い段階で振り落とされたらしい。
肘や膝にシップを貼り付けていたが、その程度で済んで幸運だったということだろう。
しかしやはり疲れは取れなかったようで、授業中ずっとアキは机に突っ伏し、居眠りし続けた。
昼休み、カナミとショーコはアキに前日の追撃戦の仔細を尋ねたが、アキは力無く首を左右に振るだけだった。
シンジがどこまで逃げたのか、小宮山とマナカがどれくらい走ったのか、アキもわからなかったのだ。
アキは自分が覚えていることを、ぽつりぽつり、カナミとショーコに告げた。
小宮山の小説は、走っている最中に小宮山の手から離れ、校門横の川に全部落ちていった―――と。
カナミとショーコは目を合わせ、ひとつだけ頷くと、それ以上アキに聞くのをやめた。


 これ以後、小宮山は官能小説を書こうとはしなくなった。
マナカも、無理に人に読ませることが少なくなったという。


    F       I       N
285ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/09(月) 02:32:13 ID:qZZCbbao
ここまでです。
えー、またやってしまったかもしれません、反則を。
モノホンの陵辱はやはり書けず、このようなオチにしてしまいました。
最初、小宮山小説部分は小宮山とマリアによるアキ陵辱、
マリアがアキと絡んでいる間に小宮山は催眠シンジとまず一発やり、
最後に小宮山の命令で催眠シンジが堕ちたアキとセックスという流れにするつもりでしたが、
とてもじゃないけど長い上に濃すぎて半分近くバッサリと切りました。と言うよりそこまで書けませんでした。
おまけにちょっとギクシャクしてしまったかも……読みにくかったらゴメンなさい(言い訳ですね、すいません)。

あと、孕ませですが、実は一本ネタがあります。濱中の方で。
誰の話かというとリョーコとセイジの話です。『ご主人様と奴隷の幸せな関係』の最終話になりますね。
書き上げ&投下は……多分連載終了後になると思います。
マンガ本編で一応の関係の決着がついてから、ですね。

長々とすいませんでした。
では、また。
286名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 02:35:58 ID:2o7WS5h7
お…お…お…おもしれ〜!!!!!
エロもさることながらその後のやりとりも最高です

いや〜いいもんみましたわ
287117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 02:38:07 ID:L+9vd0W9
(´_ゝ`)小説オチかよ
288名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 02:51:19 ID:sLSBvctA

しかし昨年日本シリーズあたりからピンキリ氏迷走気味じゃないすか、なんかむりやり小説オチにしたっぽい
エロコース萌えコースにキかつてのキレキレ変化球ぶりを復活期待
289117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:12:23 ID:L+9vd0W9
ぬるぽ
290117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:18:53 ID:L+9vd0W9
小説オチに絶望したw

ぬるぽ
291117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:20:03 ID:L+9vd0W9
ぬるぽ
292117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:23:14 ID:L+9vd0W9
ぬるぽ
293117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:25:25 ID:L+9vd0W9
ぬるぽ
294117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:32:44 ID:L+9vd0W9
エロパロなのにエロ無しのエロパロに絶望した!w

エロ無しをNGしたら此処は過疎スレみたいだなw
295117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:34:54 ID:L+9vd0W9
さて、寝るか
296117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:50:11 ID:L+9vd0W9
ピンキリ氏!神!!GJ!!!!!……

小説オチが来る前はね…

(´・ω・`)カナシス…
297117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 03:58:21 ID:L+9vd0W9
(´ω`)
298名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 06:11:42 ID:BfqSpzdh
天使と悪魔が同居しているようなスレでつね
299名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 08:57:32 ID:jlDf3hBn
すごい…全職人GJ!!
300名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 09:27:24 ID:BB7vxdvo
300Get。
301名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 09:42:13 ID:144/xFFF
ピンキリ氏GJ!
オチがけっこう長くてよかったです
302117(´_ゝ`):2006/01/09(月) 10:45:41 ID:L+9vd0W9
ぬるぽ
303名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 13:36:22 ID:SRPdpEmu
そろそろ削除依頼出してくるわ。
304名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 13:55:52 ID:DK8PKOz9
まあ落ち着いて、マターリ行きましょう。
305名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 14:06:44 ID:QIg4/p4A
875 :カル :2006/01/09(月) 13:46:20 HOST:d-210-236-73-170.d-cable.katch.ne.jp
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135925974/289-297

ぬるぽを連発したり、ageたり、明らかに煽る発言をしています。
レスを大量にしているので、荒らしと認定しました。
こいつの発言は全部煽りなので、宜しければ全て削除願います。
117(´_ゝ`) という名前です。


879 :削除屋X ★ :2006/01/09(月) 13:55:09 ID:???0
874さんのは処理。
875さん、削除要請板であつかうものではありません。
306名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 14:12:15 ID:QIg4/p4A
Domain Information: [ドメイン情報]
a. [ドメイン名] KATCH.NE.JP
b. [ねっとわーくさーびすめい] きゃっちねっと
c. [ネットワークサービス名] KATCH-NET
d. [Network Service Name] KATCH-NET
k. [組織種別] ネットワークサービス
l. [Organization Type] Network Service
m. [登録担当者] NK2872JP
n. [技術連絡担当者] MO6056JP
n. [技術連絡担当者] NK2872JP
p. [ネームサーバ] ns.katch.ne.jp
p. [ネームサーバ] ns2.katch.ne.jp
[状態] Connected (2006/11/30)
[登録年月日] 1997/11/27
[接続年月日] 1997/12/05
[最終更新] 2005/12/01 01:05:41 (JST)

http://katch.ne.jp/inet/01_06_area.html
サービスエリア
●碧海5市(刈谷市・安城市・高浜市・知立市・碧南市)/全域
●西尾市/全域
●幡豆町/寺部、鳥羽・西幡豆の一部、東幡豆、中電共聴エリア
●一色町/中電共聴エリア
●吉良町/中電共聴エリア・宮崎地区
307541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:09:45 ID:A/jLAHsG
なんか荒れていますが、スルーして構わず投下します。
前回の「始動」と「逢瀬」の間の話です。保管庫収納の際には間に入れてください。

タイトル:リョーコ14歳/初夜
舞台:単行本1巻「014 乱入」の6年前
内容:過去、リョーコ×関根先生、初体験
308リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:14:36 ID:A/jLAHsG
§ 初夜

関根はパニックに陥っていた。

まずい、これはまずい。非常にまずい。
家族不在の教え子宅に上がり込んで飲酒、まあこれはいい。
いやいや、ぜんぜんよくないのだが、問題はこっちだ。
関根の腕の中で、肩を震わせてすすり泣いている女生徒。

中村リョーコ、中学二年生。
容姿端麗、学業優秀、ただし生活態度に難あり。
家庭に問題を抱え、夜の街で怖い目にあい、情緒不安で要注意な生徒。

生活指導担当の関根にとっては、ありがちな生徒の一人にすぎない。
ただの生徒の一人じゃないか、と関根は自分に言い聞かせた。
しばらく抱きしめてやって、落ち着いたらそっと離せば問題ないはずだ。
関根に対して「大好き」とか「エッチしよう」とか口走っていたが、この年頃
特有の気まぐれだ、本気にする必要はない。

まて、ちょっとまて、まて自分。
俺はなぜ、中村の髪を撫ぜているんだ。うわ、無意識に尻も触ってるし。
さっきから、中村の胸が腹に当たって、柔らかい感触が伝わってくる。
ガキのくせにいい体…いかんいかん。

お、おーっ?
落ち着け、落ち着け、俺の下半身。
そ、そういえば、もう3ヶ月も風俗にいってないな。
こんなガキに欲情してしまうのはそのせいだ。うん、そうだ。

中村、おい、そんな色っぽい目で俺を見るのは止めろ。

まずい、まずい、非常にまずい。


「先生…」

リョーコは自分の髪を撫ぜている関根の手をとると、ゆっくりと自分の胸元へ
引き寄せていった。

「こっちも触って…」
「な、中村、やめ、」
「お願い、先生に迷惑はかけないから」

リョーコは関根の掌を自分の胸に押し当てた。服を通して、関根の掌の体温が
乳房に伝わってくる。暖かくて心地よい。たったこれだけの事なのに幸せな気
分が満ちてくる。もっと直に触れて欲しい。リョーコはそう願った。

「先生、今度はこっち…」

リョーコは関根の手を取ると、スウェットセーターの襟首に導いていった。
309リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:17:49 ID:A/jLAHsG

だめだ、だめだ、だめだ。
俺は何故、中村の服に手をかけているんだ。襟首のジッパーをジジジと、、、

オイ、オイ、オイ。
中村、おまえスウェットの下は裸なのかよ。。。あ、ブラはしてるのか。
真ん中の赤いリボンが可愛らしいじゃないか。。お、そこがフロントホック?
前開きブラとは生意気なものを着やがって。。カチリと、はい外れましたよ。
お、さすがに恥らうか。胸を隠して座り込んで、可愛いところあるな。

ーーーって、待て、待て、待てーーーーーっ。
脱がせてどうする。生徒だぞ。中学生だぞ。淫行だってーの。
青少年保護育成条例違反で懲戒免職だ。クビ決定だよ。

あ、おい、やめろ中村。ブラを脱ぎ捨てて、恥じらいはどうした?
というか、おっぱいを握らせるなよ。。なんだこの感触は。
蕩けるような柔らかさじゃないか。。。それにこのすべすべした感触。
さすがに若い娘は肌の艶が違うな。。。瑞々しい色しやがって。

え、中村、なんて言った?
吸うってどこを?
ああそこか。

うん、綺麗な桜色をしてるな。
こんな色の乳首は久々に見たよ。
ほら、こうして舌で転がすと、気持ちいいだろ。

ーーーーって、何やってるんだ俺は。生徒の乳首に吸い付いてちゃ駄目だ。
だめだ、だめだ、だめだ。


リョーコは跪き、関根の頭を包み込むように抱いた。
関根の舌先が乳首に触れる。甘い疼きが背中に走り、ため息が漏れる。

「はぁ、ん」

リョーコの艶声に応ずるように、関根の舌が乳首を這う。
リョーコは快感に酔いながら、音楽教師の三浦に抱かれた時と較べていた。

(三浦先生の方が上手だった、でも…)

心を満たす安心感と幸福感。
三浦の時には決して感じなかったものがここにはある。

技巧だけのセックスがいかに虚しいものか、
愛のあるセックスがいかに素晴らしいものか、リョーコは本能的に理解した。

(この人に、私の初めてをあげたい)

リョーコは心から望んだ。
310リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:24:07 ID:A/jLAHsG

やめろ、やめろ、これ以上はやめろ。
今ならまだ引き返せる。たぶん、まだ大丈夫だ。ぎりぎりセーフだ。

おい、スウェットパンツに手を掛けさせて、何をさせるつもりだ、中村。
俺に脱がさせようとしたって、そうはいくか。
俺はやらないぞ。やらないからな。絶対やらない。

って、こら、そこで立ち上がるな。
スウェットパンツをズリズリと下げちまったじゃないか。
つーか、俺は何もしていない。手を掛けていただけだ。

あ、ピンクの横縞パンティー、こっちも赤いリボン付き。初々しいな。
ん、パサリって何か音が、あー髪を解いたのか。何?感想?

ああ、お前は端正な顔立ちしているよ。将来きっと美女になるよ。
だからな、もうやめよう。今こんなことをするのは、、、

こら、スウェットパンツを足元まで下げるな。おい、よろけて、、危ない!
足を挫いているのを忘れてたろ。バカだな。

ん、歩けないから寝室まで抱えて連れていけ?
よ、よし。連れていくから、これで解放してくれ。
なに、お姫様抱っこだと?そんな恥ずかしいことは…
わかった、やる。やるから泣くな。

結局、スウェットパンツも脱いでしまいやがって。
パンティーだけじゃんか。これでお姫様抱っこかよ。冗談じゃないよ。
どう考えても新婚夫婦です。本当にありがとうございました。
311リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:27:35 ID:A/jLAHsG

関根に抱かれて寝室に運ばれたリョーコは、ベッドにそっと降ろされた。

「さあ着いたぞ。じゃあ、俺は…」

関根は体を離そうとしたが、リョーコは関根の首に両腕をまわしたまま離さな
い。関根がバランスを崩したところを狙い、体を捻って関根をベッドの上に投
げ落す。

「中村、見事な投げだったな」
「うん」

関根の護身術指導は無駄ではなかった。リョーコは見事に体得していた。
関根は弟子の成長を素直に喜んだ。関根はこの師弟関係が気に入っていた。
だが、リョーコは師弟関係とは違う関係を望んでいる。関根は困惑していた。

「なあ、中村。いったいどうしたんだ」
「私、女として魅力ない?」

関根は、ベッドの上のリョーコに目をやった。
解いた髪が肩を越えて、形の良い乳房にかかっている。
肩から腰への綺麗なライン、華奢な腰から伸びる引き締まった脚。

「魅力あるよ。しかし、お前は俺の生徒なんだから」
「女として見ていないってこと?」
「そうだ」

リョーコは関根の下半身に目をやる。
ジャージの布地が、いきり立ったモノで大きく膨らんでいた。

「嘘つき」
312541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/09(月) 16:33:17 ID:A/jLAHsG
途中ですが、ここまです。続きは後日投下します。

今回、少し実験的な文体に挑戦してみたのですが、読み難くなかったでしょうか。
問題ありそうなら軌道修正します。

P.S. >>142 160氏、フレーズを使っていただき光栄であります。
313名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 17:25:09 ID:jQdCSsqp
541氏GJ!!
リョ―コ続編そして悩み相談シリーズも期待してますよ♪
314名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 18:37:06 ID:YIx9iips
今回の文体もいい感じだと思いますよ
GJです!
315郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:30:37 ID:JPDY+tf5
>>541
純情リョーコが可愛いです。新文体は関根先生のモノローグですよね?
ひとりノリツッコミというか、ひとりボケツッコミが良い感じです。

さて、ひとつ>>273の201氏にお詫び。>>198の続きなのですが、
Wデートというよりなんていうか……微妙にちょい違う感じになりました。
まあ、一応シンジ・カオルとミサキ・マサヒコのカップリングなんですけど……
ま、判断は皆様に仰ぎます。では、投下。
>>198の続き
316郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:32:07 ID:JPDY+tf5
そして当日、土曜日のモスバーガー。カオルは緊張しまくった表情で席についていた。
マサヒコ・ミサキはそのひとつ後ろの席で、いつでもサインを送ることの出来る状態でスタンバイしていた。
(小声で)「ねえ……マサちゃん、早く来過ぎちゃったかな?」
(小声で)「しょーがねーだろ、だって金城さん、まだ大丈夫って言っても聞かないんだから……」
まだシンジが来ていない以上、別に小声で話す必要はどこにもないのだが……
なぜか顔をつきあわせて話すふたり。それはそれで、仲の良い恋人同士の風景ではある。
そうこうしている内にシンジらしき男性が店内に姿を見せ、微笑みをカオルの方へ向けると手を振った。
(へええ……シンジさん、優しそう……写真やカオルちゃんの話どおりだ……)
(ふうん……やっぱり、良さそうな人だな……落ち着いた感じの……)
自分がマサヒコとミサキに品定めされているなどとは当然夢にも思わないシンジは、
カウンターで手短に注文するとカオルの前へと移動していった
「やあ、待った?カオルちゃん……」
「あ!しししししし、シンジさん!ど、どうも!!」
あからさまに噛みまくるカオル。しかし既に彼女のピュアっ娘ぶりに
慣れっこになってしまっていたシンジは、その様子を怪しむこともなく席に着いた。
「あはは……やっぱりまだ俺とふたりっきりだと抵抗ある?緊張しちゃう?」
「いいいい、いえ!!!そんなこともありましぇんッ!!!」
(落ち着いて、カオルちゃん、リラックス、リラックス〜〜〜)
後ろの席で、ミサキが両手を水平に小さく振ってカオルにアピールした。
ようやくその様子に気付いたカオルが、無言で何度も頷く。
「……?どうしたの、カオルちゃん?」
「い、いえ!なんでもないんです!」
「ふうん?……じゃ、パーティーの準備についてだけど……」
その後はシンジとカオルの確認作業が続いていった。
「うん、飾り付けはカナミとマナカちゃんがしてくれるから、
会場準備はアキちゃん、んで買い出しは俺とカオルちゃんだよね?」
「は、はいッ!」
ただ単に"ガタイが良いから"という、考えようによっては酷い理由で
力仕事要員に回されたカオルだが、今回はそれが幸いしたようである。
「で、買い物の場所は……近所のココ、シーレックスマートって考えてる。
結構量が多くなるだろうから、出来たらもうひとりくらい人手が………」
「しししししし、シンジさんッ!」
「?なに、カオルちゃん?」
(落ち着いて、カオルちゃん、いきなりすぎだよ、セーブ、セーブ)
カオルの勢いを抑えようと胸元を手で押えるジェスチャーを繰り返すミサキだったが、
動転しまくっていたカオルにはなぜかミサキのジェスチャーが、
競った試合展開の中での打て!打て!の指令に見えていた。……そして、打った。
「し、シンジさんは………あああ、アキと付き合ってるんですかッ!?」
「は?」
あまりの不意打ちに、ポカン、と口を開けカオルの顔を眺めるシンジ。
「だって……ふたり、いつも仲が良いし……そ、それにアキって結構可愛いし、胸もあるし……」
「………?いや、俺とアキちゃんは別にそんな仲じゃないよ?確かに一緒にいると楽しいけど……」
「……私は、どうですか?」
「え?」
「シンジさん、私といると……つまんないですか?」
「そんなことないよ。カオルちゃんも一緒にいると結構面白いよ。
ははは、多分自分では気付いてないかもだけど……」
悪気無く笑うシンジ。カオルのピュアっ娘ぶりはカナミやマナカやアキとはまた違う面白さがある、
その程度の意味のつもりだったのだが、カオルはシンジのセリフに完全に舞い上がってしまっていた。
「ななななな、なら、シンジひゃん!」
「?なに?」
「わわわわわ、私と………付き合って下さい!」
「……………え?」
「私の………彼氏になって下さい!」
店内に、突然の静寂が訪れた。
§
317郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:32:51 ID:JPDY+tf5
それまでのやりとり(なにせ緊張しまくっていたカオルの声が結構デカかったのだ)
でも店内の耳目を集めるのに十分だったのだが、さすがにこれだけ派手な告白である。
マサヒコやミサキ以外の客もあからさまに好奇の目でシンジとカオルを見ていた。
「…………えっと……カオルちゃん、それってなにかの罰ゲームとか余興じゃないよね?」
「ちちちち、ちがいまひゅ!」
「…………ゴメン、俺…」
「や、やっぱりダメなんですね。分りました。そうですよね、私みたいに背が高くてガリガリで、
胸もなくて女っぽくなくて可愛くない女じゃ、イヤですよね。う……ごめんなさい、ううう……」
目に涙を浮かべて席を立とうとするカオルだったが、シンジが慌ててその手をつかんだ。
「ちち、ちょっと待って!違うんだよ、カオルちゃん……」
「いいんです、シンジさん……もう、大丈夫、うッ、ですから……」
「あの……俺でいいの?って聞こうと思ったんだけど……」
「え?」
「……俺なんかで、いいの?カオルちゃん。もし、俺で良かったら……その、喜んで」
「!!!!!」
「?!?!かかかか、カオルちゃん?ちょ、ちょっと、カオルちゃん?」
「わ〜〜〜い、良かったね、おめでとう、カオルちゃん……アレ?」
大喜びでカオルのもとに駆けつけたミサキだったが、そこで彼女が見たものは―――
シンジの腕の中で、幸せそうな顔のまま気絶したカオルの姿であったという………

「ふふ、結構カオルちゃんも大胆だよね。告白の次の瞬間にはもうシンジさんに抱き付いていたんだから」
「だだだ、だからあ、あれは……その、不可抗力っていうか……」
「なるほど……天然を装った完全犯罪といったところですか」
「確かにおにいちゃん、天然っ子好きそうだもんな〜〜〜」
そして時は少々過ぎて冬休み……カオルとミサキは、城島家で冬休みの計画を練っていた。
いつの間にかミサキもカナミやマナカと仲良くなり、カオル+ミサキ+カナミ+マナカ+シンジ+マサヒコ、
の計6人でスキー旅行に行こうという話になっていたのであった。
「ショーコちゃんとアキちゃんは彼氏と遊びに行くんだって、いいな〜〜〜」
「全く……想像の世界でこそ、人は修練されるというのに……」
シンジとカオルが付き合うようになり、実は一時期落ち込んでいたアキだったが……
通学途中で会って、一目惚れされたという英稜高校の男子
―――この生徒が偶然マサヒコの友人だったため、話は急展開したのだが―――
に告白されて付き合うようになり、今ではラヴラヴ状態らしい。
よって、今回のスキーはマサヒコ&ミサキ、シンジ&カオルの2ペアに、
ひとりもの同士のマナカとカナミがくっついていくという形になっていた。
「まあまあ……それはともかく、ここのホテルで良いんだよね、カオルちゃん?」
「ウン、ここならおじさんが勤めてるから、家族割引で安くなるし……」
「うわあ……すごいよ、温泉もある。わ〜〜、湯煙お色気殺人事件だ〜〜」
「………勝手に殺人事件にしないで、カナミちゃん……」
「ふうむ……殺人事件は無しにしても、温泉で若い男女がくんずほぐれつの展開というのも……」
「………お願いだから、小説のネタ探しにするのは止めて、マナカちゃん……」
(どうにも……最近私、気苦労が多いんだけど……)
アキが欠けた今は、ミサキがこのグループの主なツッコミ役となっていた。
「でもミサキちゃんとカオルちゃんはやっぱり夜の部もあるんだよね〜〜、いいな〜〜。
なんならマナカちゃんと私もお手伝いを……」
「……要りません」
(はあああ……中学の頃、マサちゃんはこんな風だったのかな……)
今更ながら、自分の恋人をちょっぴり偉いと見直したりするミサキであった。
しかし、そんなエロトークを分っているのかいないのか……カオルは、ニコニコとしたままだ。
「………実は気になっていたんですが、カオルさん?」
「なに?マナカ?」
「カオルさん……シンジさんとは、どこまでいってるんですか?」
「?映画館や、レストランとか、買い物とかだけど?」
「………カオルさんのピュアっ娘ぶりからすれば、予想の範囲内の答えですが……ならば、キスは……」
「ええッ!だ、だってキスしたりしたら、子供できちゃうし………」
§
318名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 20:34:09 ID:jlDf3hBn
541氏GJ!
やはり文章の組み立てが上手いですね〜
(この頃は)素直で(割と)純情なリョーコも萌えです
これからも頑張ってください
319郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:34:10 ID:JPDY+tf5
「しかしここまでとは………」
「思わなかったわね、あのエロ魔神のおにいちゃんが手を出してないなんて……」
「………あのねえ、カナミちゃん、マナカちゃん……」
もはや疲労困憊、といった表情のミサキ。
「ミサキさん?いかがです、今回は友人としてカオルさんを助けてあげては?」
「え?」
「ダメだよ!マナカちゃん、これはその場でのドッキリなんだから」
「ああ、そうですね。あまりにもじれったいのでつい……」
「………ふたりして、なにを………」
「お気になされずに。計画はこちらでみっちり練っています…………うふふ、お楽しみに………」
ぞくり、とするような怪しい笑みを浮かべるマナカとカナミ。
特大級の嫌な予感がしつつも、その不吉な笑顔になにも言えなくなるミサキであった―――

「ああ、カナミさん……ボードでスピードを殺すにはもっと腰を落とさないと……」
「や〜〜ん、こうですかぁ〜〜?」
そして数日後の某スキー場―――
そこでは、さとう珠緒もかくやとばかりにブリブリモードで嬌声をあげるカナミと、
彼女を優しく助け起こすマサヒコ、そして無言のまま闘気を出しながら、
ふたりを鬼の形相で見つめるミサキの姿があった。
「しかし……案外役者ですね、カナミちゃん……立派なものですわ……」
「ま、マナカちゃん……あれって……どういうこことぉ〜〜〜〜?」
「……落ち着いて下さい、ミサキさん。こめかみに青筋が浮かんでピクピク動くのが怖いです」
「………あのね、確かに私はシンジさんとカオルちゃんの仲をもう一歩進めるってことには同意したよ。
だけど、それでなんでカナミちゃんとマサちゃんがイチャイチャしなきゃならないわけ?」
「………嫉妬は愛情のスパイスと言います。これが後々ボディブローのようにじわじわと……」
「…………ストレートを顔面に喰らうみたいに今効いているわああああ!」
そんなふたりの姿はとりあえず置いておいて……シンジとカオルはごくごく健全にスキーを楽しんでいた。
「へええ……運動神経良いってのは知ってたけど、スキーもかなりの腕前なんだね、カオルちゃん」
「えへへ〜〜〜、ウチ、ちっちゃい頃から毎年10回くらいスキーに来てましたからね。
こう見えても結構得意なんですよ……でも、シンジさんも上手じゃないですか」
「あははは、でもカオルちゃんについていくのがやっとだよ………わッ、と!」
「あ……大丈夫ですか、シンジさん……きゃッ!」
コケかけたシンジを助けようとしたカオルだが、そのまま折り重なるようにして抱き付いてしまっていた。
「ご……ゴメン、カオルちゃん……」
「い、いえ……こちらこそ、シンジさん……」
頬を赤く染め、すぐに離れてしまうふたり。初々しい風景である。
(でも………もう少し、シンジさんに抱き付いていたかったかな………って、なに考えてるのよ、私!)
「あの……本当にゴメンね、カオルちゃん……」
「ひッ!ひええ!だ、大丈夫ですよ、シンジさん……」
(……悪いことしたかな……でも、カオルちゃん、可愛いな……)
そんなことを繰り返しながら、ふたりは楽しくスキーを続け……夕方が迫る頃、
他の4人と合流してホテルへの帰路へと着いた。しかしそこでカオルとシンジが目撃したのは――
「………マナカ、あの三人なにかあったの?」
「……いえ、なんと言いますか……愛情の掛け違いというのはこうも恐ろしいものかと……」
「うふふふ〜〜、じゃあ明日はあそこで滑ろうね、マサヒコ君?」
「良いですけど、もう今日みたいに何回もコケないで下さいよ?まったく……腰が痛いでしょう?」
「うん、いた〜〜〜い。だから後でたっぷりマッサージして、マサヒコ君!」
「………遠慮します」
「あ、照れてる〜〜〜可愛い〜〜マサヒコ君たら〜〜〜」
マサヒコにべったり状態のカナミ、そして終始無言だが闘気を隠せない……
いや、隠そうともしない、獰猛な獣と化したミサキの姿であった。
「コラ、カナミ……あんまりマサヒコ君を困らせるなよ……」
さすがにその場の雰囲気の険悪さに気付いたシンジが妹をなだめにかかるが、
「ふ――――んだ!おにいちゃんなんて、カオルちゃんとチョメチョメすることだけ考えてればいいんだから、
人の恋路の邪魔しないでよ!」
§
320郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:35:29 ID:JPDY+tf5
「あのなあ……大体チョメチョメってお前、古すぎ………」
「なら、ズッコンバッコン……」
「露骨過ぎるわああああああああ!」
………どうにもままならぬのであった。そんな会話を繰り返しながら、6人はホテルに着いた。
スキーウェアを着替え、男女に分かれるとマサヒコとシンジはそそくさと温泉へと向かった。

「ふう〜〜〜あったまりますね、シンジさん……」
「ああ……そうだね、あの……悪いね、マサヒコ君……」
「?なにがですか、シンジさん」
「いや……妹のカナミなんだけど……どうも、君が気に入ったって言うか……ミサキちゃんっていう、
可愛い彼女がいるのになんだかベタベタしてきちゃって……本当に、悪い」
「……シンジさんに謝られることじゃないですよ。俺が優柔不断なのも悪いんですし……」
「恥ずかしい話なんだけど、アイツが同年代の男の子に興味を持つのは珍しいんだよ。
だからさ……その、あまり邪険にもして欲しくないっていうか……でも、ミサキちゃんのご機嫌も……」
「………わかってますよ。なるべく傷つけないように……」
「悪いね、マサヒコ君……」
男と男が裸の会話を続け、ほのかな友情らしきものが芽生えてきた頃、隣の女湯では―――
(小声で)「でも、カナミちゃん、ちょっとやりすぎだったんじゃないですか?」
(小声で)「ふふ〜〜ん、マサヒコ君って可愛くてさ〜〜思わずノリノリになっちゃった〜〜。
マジでミサキちゃんからもらっちゃおうかしら〜〜」
そしてそんなふたりの後ろ姿を見つめているのは――もはや説明は不要だろう、
なぜか彼女の周りだけお湯が派手に沸騰しているような気がするのは……錯覚だ、絶対錯覚だ。
「………ねえミサキ?なんでそんな怒ってるの?」
「おこってなんか、な、い、わ、よ〜〜?」
さすがにカオルの目の前で怒りを爆発させるわけにもいかず、無理矢理に作り笑顔を向けるミサキだが、
その表情は、カオルのいつも見知ったミサキのそれではなく……ぶっちゃけ、ムチャクチャ怖かった。
「あのね、ミサキ?カナミって結構天然だから、あんまり気にしない方が……」
天然お嬢様系ピュアっ娘にこんなことを言われてしまうカナミもなんだが、
そんな言葉が今のミサキに入るはずもなく。
「……どうして……カナミちゃん、胸なら私と同じくらいなのに……ブツブツ……」
完全に、自己完結の危ない世界に入りつつあるミサキ。
首を左右に振って友人を正気に戻すのを諦めたカオルは、
とりあえずこの場では一番マトモそうなマナカのそばへと移動した。
「ねえ、マナカ……カナミに言っておいてよ。ミサキがちょっとご機嫌斜めなんだけど……」
「私もあまりやりすぎるなとは言っておいたんですが、予想以上にカナミさんがノリまくっていて……」
「?……やりすぎるな、って?」
「@%$、い、いえ、なんでもありません!」
慌てて口をつぐむマナカを、カオルは不思議そうに見つめた。
「それより……そろそろ上がりませんか?お腹も空きましたし……」
「?うん、そうね……」
(しかし……今回は、貧乳だらけの温泉天国でしたね……)
秘かに失礼なことを(まあ自分も含めてなので多少自虐的でもあるが)思ったマナカだが、
頭の中では作戦が着実に進みつつあることにほくそ笑むのであった―――

「いや〜〜〜、やっぱり女の子は長風呂だね〜〜」
「悪い、先にシンジさんとはじめちゃったけど……」
「ああ、別に良いんですよ、マサヒコ君……」
部屋に戻ると、既にマサヒコとシンジは酒が入り、顔を軽く赤くしていた。
無論、マサヒコにしてみればシラフで今のミサキと向き合いたくないという思惑も働いていたのだが。
「それじゃあ……マサちゃん、どうぞ?」
「あ、ありがとう、ミサキ………あ、あのさ、ミサキ?」
「なあに?ま・さ・ち・ゃ・ん?」
「………なんでもありましぇん……」
酔った勢いで謝ろうと思ったマサヒコだが……般若のようなミサキの笑顔を見て、
それが不可能だと悟った。黙々と、ミサキにつがれるままビールを飲み干すしかなかった。
§
321郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:36:51 ID:JPDY+tf5
そして宴も進み………
「は〜〜い、もういっぱりいこ〜〜〜、マサちゃん………」
「……あのなあ、ミサキ……もういい加減……」
「なによ、ワタシの酒が飲めない、っての?うぃっく。
そう……ならカナミちゃんのとこでもどこでも行けばいいじゃない……」
「………頂きます」
完全に酔っぱらい目がすわってしまったミサキを泣く泣く相手するマサヒコ。
「しかし……ミサキちゃん、あんな風になるんだね……」
「………私も初めて見るんですけど……」
傍目でみているシンジとカオルは気の毒そうにふたりを見ていた。一方、張本人のふたりは……
「いや〜〜、良い感じだね〜〜、マナカちゃん」
「そうですね……しかし、マサヒコ君ってお酒すごく強くありません?これは予想外かも……」
既にふたりの前にはビールの大瓶が7本、さらにお銚子も4本ほど空になっていた。
ミサキはビール瓶半分もいかないうちに早々と酔っぱらってしまったので、
ほぼマサヒコひとりで飲みほした計算となる。
「ふ〜〜〜む……でも、ミサキちゃんがあんなにベロベロなら、大丈夫じゃない?」
「ええ……心配なのは、ふたりっきりになったと同時にミサキさんが潰れてしまわないかだけですね……」
「………お前ら、さっきから何を話している?」
「?!あ、おにいちゃん?いや〜〜、あのふたり、仲いいな〜〜って思って。
おにいちゃんたちもあんな風に……」
「嘘つけ。………なんか企んでないだろうな、お前?」
「なな、なんのことかしら?」
長い付き合いだけあって、妹の性格を把握しているシンジは疑惑の目で見た。
「じゃあ、私カオルさんと話があるんで……兄妹おふたりでどうぞ……」
「ん?ああ、悪いね、マナカちゃん……」
「!!ひどいよ、マナカちゃん!おにいちゃんとふたりっきりにしないで―――!!犯される――!!」
「アホなことを叫ぶな!」
しかし、マナカの巧みなパスワークに気を取られ、彼女からマークを外したのはシンジの失敗だった。
「ささ、どうぞ……カオルさん……」
「でで、でも……お酒は二十歳になってからって……」
「お酒やたばこが良くないのは、成長ホルモンの分泌を妨げるからですよ。
私たちみたいにもう成長の見込めないくらいになれば大丈夫です!ささ、どうぞ……」
「そ、そうね……バスケの選手としてはもう少し身長が欲しいけど、
これ以上大きくなったらシンジさんと並んで歩くのもちょっと釣り合わないし……頂きます!」
「あらあら♪カオルさん、見事な飲みっぷり♪では、もういっぱいどうぞ♪」
「ううう、ウン。ぷはあ……ビールって、苦いだけで苦手だったけど……
体動かした後だと、結構美味しいね。甘酒やお屠蘇くらいしか飲んだことなかったけど……」
マナカの怪しげなトークに引っかかり、杯を重ねるカオル。
「れね、マナカ。ミサキちゃんに聞いて、ばすとあっぷたいそうやっれるんらけろ、
れんれん効果がないのよ〜〜〜、同じ貧乳として、わかるれしょう?この苦しみが……」
気付けば頬は赤く染まり、呂律も怪しくなってきていた。
(よし……準備はほぼ整いましたね……では……)
「シンジさん……すいません、カオルさんが……」
「?……あ!カオルちゃん!どうしたの、顔真っ赤……」
「あへへへへ〜〜〜、しんりさん、だいすき〜〜〜」
「%"'!¥+かかかか、カオルちゃん?」
心配して側に来たシンジに、いきなりカオルが抱き付いた。
普段のピュアっ娘ぶりは考えられない彼女の大胆な行動に、驚くシンジ。
「まままま、マナカちゃん……まさか、カオルちゃんに酒を……」
「ええ………思ったより、くいくい飲むものですから、てっきり平気かと……」
嘘である。あらかじめカオルの酒の弱さをしっかりリサーチ済みの上での行動である。
「あ〜〜〜いいら〜〜、カオルちゃん〜〜〜、ならわらしも……えい!!!!」
「'&'W〜!!U#{}〜Fみみみ、ミサキ!!!」
同じく、ミサキもマサヒコの胸の中に飛び込んだ。
――部屋の中は、二組の恋人同士がじゃれあう……なんとも濃密な空間となった。
§
322郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:37:44 ID:JPDY+tf5
「うふふふ〜〜意外に筋肉質なんれしゅれ〜〜〜、シンジさん……」
「マサちゃん……気持ち良いよ……大好き〜〜マサちゃん」
「……どうやら、お邪魔のようですね、カナミさん」
「そうだね〜〜、マナカちゃん」
そんな両ペアを冷たく一瞥すると、マナカナコンビはそそくさと席を立った。
「ちちちち、ちょっと待て!カナミ!お前らどこへ……」
「お邪魔者は退散しま〜〜す。これからマナカちゃんともう一回温泉にでも……」
「待って下さい!マナカさん!俺たちをこの状態で見捨てるのは……」
「一応申し上げておきますがこの部屋は私たちの部屋ですので……続きをなさるなら、
自分たちの部屋でどうぞ。そのご様子ですとこの部屋の後かたづけは無理でしょうから、
そちらについては私とカナミちゃんにお任せ下さい。では……」
普段の無感情な表情を一層押し殺し、冷たく言い放つマナカ。
シンジとマサヒコはそれ以上なにも言えず、ただふたりが部屋を後にするのを見つめるしかなかった。
「………」
「………」
無言のまま、見つめ合うマサヒコとシンジ。
「むふふふ〜〜、続きは隣の部屋れしゅよ、しんりさん……」
「今日は寝かさないかられ〜〜〜、マサちゃん……」
(これはもう………)
(仕方ないですね………)
似たもの同士、相通ずるものがあるというのか……アイコンタクトをかわすと、
ふたりは無言で頷きあい、それぞれの恋人を抱きかかえて移動していった。

「あのなあ……ミサキ、だから……」
「………なにかいいわけがあるろ〜〜?う、浮気者のくせに……」
「だから、カナミさんとはそういうんじゃ……」
「『お前の隣にいる。絶対に離れない』とか言っておいれ……ちょっと可愛い女の子が現れると、
すぐにデレデレして鼻の下伸ばして……むかしっからそうじゃない。
若田部さんとも、リンちゃんとも、アイ先生とも!」
「………それは、違うって……」
既に布団が敷いてあったマサヒコ×ミサキ部屋では、正に修羅場が繰り広げられていた。
「………いいよ、マサちゃん……なら、私が……忘れさせてあげる……」
「だから忘れるも忘れないも……#▲〒!!!!!!!!!!!!!えええ?」
するすると、布団の上で浴衣の帯をほどくと……ミサキは、下着をつけていなかった。
―――全裸、だった。
「………しよ、マサちゃん……」
「ちょっと待て、なんでいきなりそういう流れに……」
「もう……私のカラダに飽きた?マサちゃん……」
「だから、違うって。そういうんじゃなくて……」
「あのね……マサちゃん?バストアップ体操だと全然おっきくならなかったんだけど……
マサちゃんとね、セックスして、触られたり、揉まれたり、舐められたりするようになって……
私、少しおっぱいおっきくなったんだよ……ほら……」
「………(ごくり)」
マサヒコは無言のまま唾を飲み込んだ。
確かに……ミサキのそこは、明らかに中学生の頃よりヴォリュームを増していた。
少女から、女としての肉体に近づき、花開きつつあった。
「だから……お願い……しよ、マサちゃん……」
「で、でも……今日は俺、ゴムも持ってきてなかったし」
「大丈夫……私、持ってきてるから……ほら……」
「!!!ぐ……お前……いつの間に……で、でもさ。
と、隣のシンジさんと金城さんの部屋に聞こえるかもだし……」
「うふ……いいじゃない……聞かせてあげようよ、マサちゃん……」
「!!∋!∇P√みみ、ミサキ?」
「多分あのふたり……まだ、したことないよ……だからさ、マサちゃん?」
マサヒコは、ミサキに見つめられ……背筋がぞくり、とするのを感じた。
§
323郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:38:42 ID:JPDY+tf5
幼馴染みとして、恋人として――今まで長年付き合ってきた少女が、
初めて見せる表情だった。蕩けるほどに美しく、魂が抜かれるほどに妖艶な微笑みだった。
「思いっきりセックスして……聞かせてあげようよ……うふふうふふ……」
「…………だ、ダメだって……ミサキ、ちょっと正気にもど……うわ!」
妖しい笑顔を浮かべたまま、ミサキがマサヒコに覆い被さってきた。
酔ったためか、興奮のためか、湯上がりのためか……ミサキの肌は、灼けそうなほどに熱かった。
「好き……マサちゃん……世界で……誰より、すきぃ……」
"ちゅ……"
ミサキの小さな唇がマサヒコの唇を塞ぐ。
「…………」
もう諦めたのか……マサヒコは、ミサキのなすがままになっていた。
"ちゅ……ぷちゅ"
ミサキは齧り付くように……貪るように、唇を重ねた。
キスをしながら蹴散らすような勢いでマサヒコの浴衣を脱がすと、そこは既に固く屹立しはじめていた。
「うふ……なんだかんだ言って、マサちゃんだって……ほら、こんなになってる……」
「あのなあ……こんだけされりゃあ、普通男は……」
「コレは、私のもの……誰にも渡さない……
カナミちゃんにも、若田部さんにも、リンちゃんにも、アイ先生にも……絶対、誰にも渡さない……」
そんな言葉を呪文のように繰り返しながら、マサヒコの下着をミサキが剥いでいく。
"ちゅ……"
「あ……ミサキ……」
露わになったマサヒコのペニスを愛おしそうに口づけし、マサヒコが一言呟く。
「好き……マサちゃんが、好き……マサちゃんの、カラダが、好き……
マサちゃんの、おちんちんが、好き……」
"ちゅッ、ぷちゅッ、くちゅッ……"
マサヒコのペニスを祈るように……両手で挟みながら、ミサキは含み続け舐め続け吸い続ける。
固さを増してきたそれをしゃぶり続けながら袋に手を伸ばして揉むと、
「んあっ……」
マサヒコが少女のように愛らしい声を上げ、身を捩った。
"ちゅ……ちゅく、つっぷ"
カリの部分に唇を密着させ、亀頭をくわえたまま舐め回す。竿の筋に沿って舐め上げる。
風呂上がりとはいえ、アルコールの入ったマサヒコの体からは生々しい匂いが放たれていたが、
それすらもミサキは愛おしかった。そのまま恍惚の表情でマサヒコのペニスを貪り続ける。
"ちゅ……くぅッ……"
そして肉棒を深くくわえこみ、喉の奥で締め付けたとき……
「ダメだよ……もう、俺……ギリ……ミサキ……」
マサヒコの情けない声がして、ミサキはひくひくと小さく脈打つペニスから名残惜しそうに口を離した。
ポーチの中から小さな正方形の包みを探し当てるとそれを破り、
コンドームを取り出してマサヒコのペニスに装着した。
そしてマサヒコに跨ると――そのまま前戯も無く、自分の膣の中へそれを挿入させた。
「あ……ああ……ミサキ………」
既にぐっしょりと濡れていたミサキの中はするり、とマサヒコのペニスを呑み込んだ。
「ん……う……んんう……マサちゃん……マサちゃん……」
全裸のまま、ミサキが騎乗位で腰を振り立てる。
"くちゅッ、むちゅッ、ぐしゅッ"
微かに淫らな水音がふたりの結合部から漏れる。亀頭が子宮を擦り上げ、
ミサキの愛液でぐしょぐしょに濡れたペニスの付け根が幾度も幾度も彼女の肉の芽をさすった。
「あ……ああ……いい……いい……ミサキ……」
「あん……すごい……いいのぉ……マサちゃん……」
お互いに、言葉にならない言葉しか口にできなかった。
快感で体が崩れ落ちそうになるのをミサキは必死で耐える。
控えめに揺れる小さな乳房に、マサヒコの指が這い回る。乳首を強く摘む。
「あッ……うッ……ぐッ……」
ミサキの頭の中が真っ白になり、熱い吐息が漏れ、呻き声が口の中にこもる。
痛みと快楽に我慢できず、マサヒコに抱きついた。マサヒコのペニスの形を記憶させるかのように……
§
324郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:39:35 ID:JPDY+tf5
膣口でくわえこむように、ねっとりとペニスを抜き差しする。しがみついた格好のまま、啜り泣く。
「好き……好きなの……お願い……マサちゃん……好き……」
そして腰の動きを止めると、膣を思いっきり引き絞った。
「あ……ああ……好き……俺も、好きだ……ミサキ……」
マサヒコは、自分のペニスがミサキの中で引っ張られ、埋め込まれ、溶けるような幻覚を見る。
ミサキの全身が、魂が、カラダが……ぎゅうっ、と自分のペニスに張り付くような錯覚を。
「あ……ああ……」
「ん……んくぅ……あッ……きゃく……」
ふたりの口から、快楽の熱い喘ぎ声があふれ出す。
マサヒコが両腕で、ミサキのちんまりとした真っ白なお尻を抱え込むと、
子宮を貫くかのような勢いでペニスを突き上げた。
"ぐじゅッ、ずるッ、ぬるッ"
「あ……いい……あッ……マサちゃん……マサちゃん……私…」
目を閉じ、半開きになったミサキの口の中に、ちゅるり、とマサヒコの舌が侵入してくる。
「ふぁああ……」
ミサキがマサヒコの口の中に恍惚の吐息を吹き込む。
「いく……私……いく     マサちゃん……   」
ミサキの中が痙攣を始め、ほぼ同時にマサヒコのペニスが膨れあがり、
どくどくと脈打って蠢動する音を――ふたりは、確かに、聞いた。
"ぷッ……ぴゅッ、どぷっ……"
「好き……マサちゃん……あなたが、好き……」
"ちゅ……ちゅ……"
ミサキはまだ射精の終わらない、マサヒコのペニスを自分の中から離さぬまま……
舐め回すように、マサヒコの顔面をくまなくキスした。
「俺も……好きだよ……ミサキ……」
そしてマサヒコも……充足の声をあげ、そのキスに答えた。
"くちゅ……ちゅ……"
部屋の中に、ふたりが舌を絡め、吸い、唾液を飲みあう音が響いていた。
§
325郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 20:40:23 ID:JPDY+tf5
今回は以上。次回、カオル×シンジの本番シーン+オチで終了の予定。
若干(かなりか?)ムリヤリ感・マンネリ感が強いのはご容赦を。
では股。
326名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 20:52:55 ID:jlDf3hBn
郭氏へ
318は自分です 作品の投下中に書き込んでしまいました 申し訳ありません
それとミサキ×マサヒコGJです 次回投下と思われるカオル×シンジも期待して待っております
327名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 20:54:30 ID:ONyBdaQS
すごいな、1日で書いてしまうとはさすが…
328郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/09(月) 21:02:22 ID:JPDY+tf5
あ、忘れてた。

>>ピンキリ氏
GJ!夢オチか小説オチかな〜〜、と思ってたら小説オチだったけど、その後の展開が笑えました。
迷走気味とかいうより、多分氏のSSの場合パロの比重が大きいから、
エロ比重の大きいSSを求める読者には厳しい評価がつくんでしょう。私は好きですけどね。
329136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:06:52 ID:OeJmWHT3
すげ…何かもう神々の皆様超GJです!!!
神がしこたまいるスレだなぁ…

そんな中…
ども。覚えてる方いらっしゃいますでしょうか、携帯クラッシュからようやく立ち直った136です。
マサ×リンの導入部というかOPだけ出来ましたので投下させて頂こうと思います。
始めに…かなり分かりにくいスタートですが、それは後々何とかします(;´д`)
NGワード:エロ無し、ミニコント

タイトルは…「前に進む事、その場に居続ける事」とでもします。

330136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:08:17 ID:OeJmWHT3
3月。一般的に春とはいえ、まだまだ寒い日は続いている。
それでも冬場より寒さは和らいでいるのだが…寒さに弱いマサヒコは、未だにコタツの世話になっていた。
「ゔ〜…寒ぃ…春先だってのになんだってこんな寒いんだ…」
コタツの中でぶつくさ言いながら窓の外を睨んでいた。
その時だ。マサヒコの部屋のドアがノックも無しに開かれる。
「こんにちわ〜っ♪……ってマサっち、またコタツ虫になってるぅ!」
「ノックしろ。それとマサっちはよせ。あとコタツ虫ってなんだ」
いきなり現れた眼鏡の少女にも、慌てず騒がず冷静なツッコミをする。彼の特技は、ここ数年さらなる磨きをかけていた。
「むぅ〜…小久保君冷たい〜…」
眼鏡の少女はふくれながらも、いそいそとコタツに潜り込んだ。
「あったかぁい…」
「なぁリン…制服がシワになるぞ?」
マサヒコに言われた少女…的山リンコはハッとした顔をした後、「えへへ…」と照れ笑いを浮かべた後、コタツから出て…おもむろに制服を脱ぎだした。
「…うちに着替え置いてあるのはわかるし、俺ももう何も言わん。だが目の前で着替えるな」
「何でぇ?…はっ!まさか…」
「欲情はしないから恥じらいは持て」
「欲情しないのかぁ…
331136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:09:19 ID:OeJmWHT3
それはそれで寂しいなぁ…私まだ子供体型だからなぁ…胸もそんなに…」
段々とションボリしていくリンコに、マサヒコは『まずいっ!』という顔をして、大慌てで
「ち、違う!そうじゃないんだ!リンコは今も魅力的だから!泣くなっ!」
フォローをする。
「…ホント?」
「ホント!」
「…」
「信じろ」
「…うん、信じる♪」
すぐに明るい笑顔に戻ったリンコは、マサヒコを見つめる。
「?」
「じゃあやっぱり欲情しちゃうのかぁ…」
「あれー何このループはー」



マサヒコ達が中学を卒業してから二回目の春を迎えていた。
二人は、それぞれ有能な(脱線に関しても有能だったが)家庭教師のおかげもあってか、志望校である英稜高校への入学を果たした。
マサヒコとリンコは違うクラスになってしまったのだが、リンコの家庭教師だった中村リョーコに、
「あの子はしっかりしてるようで、天然だ。いや、やっぱり天然か…」
「どっちだ」
「まぁそこが萌え要素でも」
「…就職一年目の忙しいあんたが、同じく高校一年目の忙しい俺を呼び出した理由はそれを伝える為か」
「…アンタ、ツッコミが段々キツくなってきたわね」

332136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:18:38 ID:OeJmWHT3
「誰のせいだ」
「さぁ?」
「あー…本当に誰のせいだっけ〜…て、あんただ!あんたのせいだよっ!中村先生!」
「ノリツッコミまで身につけたのね、先生嬉しいわ」
「…要件は?」
「泣かなくてもいーじゃないの。…リンコの事よ。何かクラスに知ってる子がいないらしいの」
「?それが…?」
「鈍いわね、だから『ED戦隊タタナインジャー』のタタナインジャーレッドなのよ」
「サラッと意味不明な事を言うな」
「初めては緊張するし不安になるものよ?どういうものかわからないし、頼れる相手じゃなきゃ辛い思い出でしかなくなるの」
「何か説明が怪しいんですが、つまりクラスに知り合いがいないから不安になっている。だから俺が出来るだけ気にしろ…と。そういう事でよろしいですね?」
「ノれよ、もっとさぁ」
「真面目な話だったんでしょ」
「…まぁそういう事。マサ、あんたは気遣い出来るし、優しい子だからわかると思うけど…リンコはあれで凄く脆いの。純粋過ぎるから、壊れやすい。だから…」
「わかりました。俺も実は気になってたんですよ」
「じゃ、お願いね。ここは私が奢ってあげるから」
以上、入学式から一週間後に中村リョーコの就職先近くの喫茶店で繰り広げられたミニコント…もとい、リンコに関してのリョーコからのお願いだった。



『あの頃から…リンとは毎日話してたなぁ…』
マサヒコはボンヤリと思い出していた。
中学卒業後、当時仲の良かった面子とは疎遠になっていた。
自分の家庭教師をしてくれていた濱中アイは就職活動に必死だったし、若田部アヤナは渡米、中村リョーコは就職一年目で、いくらあの最強(狂?)超人でもやはり覚えなきゃならない事、社会人特有の世界でのストレスやらで、余裕はなかった。
333136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:20:22 ID:OeJmWHT3
天野ミサキは…中学卒業式の日に告白されたが、マサヒコの答えは「ノー」だった。薄々は気付いていた。けれど、仲の良い友達の関係は崩したくなかった。
でも、告白された以上は関係は変わる。良くも悪くも、絶対に今まで通りの友達に戻る事はない。
「…どうして?」
あの時、流れる涙を拭き取ろうともせずに問い掛けてきたミサキの顔は、多分マサヒコの心からは一生消えない。
何故彼女を受け入れなかったのか?
自分でも良くわからない。
ただ…彼女に恋愛感情は持てなかった。付き合うとか…そんな感じは無くて、ただずっと友達でいたかった。
そんな事があって、天野ミサキとは一番疎遠になっていた。
 
「……ぼ……ん……くぼ…」
「……」
「小久保君!!」
「ほ!?」
リンコの大きな声に、マサヒコは回想から引っ張り戻された。
「…あ、あぁ、リン。着替え終わったのか」
驚きでまだバクバクと早い脈をうつ胸を抑えながら、マサヒコはリンコに答えた。
リンコは、いつの間にか制服を脱ぎ、トレーナーとスカートに着替え終え、制服がシワにならぬようにたたみ終えていた。
「…小久保君、またあの顔してた」
リンコは悲しそうな顔で俯く。
あの顔…中村リョーコからリンコの事を頼まれた頃、マサヒコはミサキからの告白を断った事で自らを責め続けていた。
友達と話していても、授業中でも、食事の時も風呂に入っていても…浮かぶのはその瞳に涙を浮かべて、こちらを真っ直ぐに見つめるミサキの顔。
その顔を、その瞳を思い出す度にマサヒコの心はざわつき、苛立ち、答えの出ない自問自答に傷付き、荒んだ。
そんな時、マサヒコは悲しみと諦めと怒りの入り混じった、実に複雑な表情を浮かべる。

334136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:30:40 ID:OeJmWHT3
年相応とは言い難いその深い感情を持った表情は、言い知れない近寄り難さを醸し出しており…当時はクラスの男子からは
「コイツは俺達の計り知れない何かを持っている」
と噂され、女子からは、元々が中性的な顔立ちな上にあまりにも大人びた憂いを浮かべた表情が密かに大人気だった。

「ご、ごめん。つい昔の事思い出してたら…」
マサヒコは思わず立ち上がり、俯くリンコに謝る。
「…まだ…辛いんだね、小久保君は」
リンコが僅かに顔を上げ、上目遣いでマサヒコを見た。曇りも無く、ただ純粋な瞳に、
「…そう…なんだろうな」
マサヒコは少し呻くように答える。
「やっぱり優しいな、小久保君は」
そう言って、リンコは優しい笑みを浮かべてマサヒコを抱き締めた。
「リン…」
「ミサキちゃん…ね、この前話したら…彼氏出来たんだって」
「そっか…」
「…だから…もう私が小久保君を『マサちゃん』て呼んでもいい?」
「?あ、あぁ…」
「そっか♪良かったぁ…マサちゃん、て呼ぶのはミサキちゃんの事思い出しちゃうんだろうなぁって遠慮してたんだ…」
「リン…ごめんな、ありがとう」
リンコの優しさに触れ、マサヒコは素直に嬉しく、リンコの体を強く抱き締める。
335136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:32:25 ID:OeJmWHT3
「ふぎゅ…苦しいよぅ…」
「あ、ごめん…」
「ん…大丈夫♪」
二人の間に急に静けさが訪れ、見つめ合う。そのまま二人の顔は近付いていく。
 
 
(ガチャ)
 
 
「おーいマサヒコ。お茶持ってきてやっ…」
「「!!?」」
お互いの吐息が感じられる位まで近付いた辺りで、突如開かれた小久保マサヒコの部屋のドア。
ノックされないこの部屋に、プライバシーはあまり無いように思える。
開かれたドアの向こうにはマサヒコママ。
「あ、お邪魔しちゃったかー。ごめんごめん…て、それで済むかこのマセガキがぁぁぁっ!!!女泣かすなって何度言わせんだぁぁぁっ!!!」
「いきなり人の部屋のドア開けて、何言い出すか!しかも泣かせて…いや泣かせちまったけど、決してオフクロの考えt…」
336136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:35:15 ID:OeJmWHT3
「そぉぉぉい!!!」
マサヒコ、瞬時にリンコを突き放す

ママン、熱々のお茶の入った湯呑みをマサヒコに全力でブン投げる

リンコ、倒れていきざまにマサヒコの両手を掴む

「ヘイ、ミス・リンコ。両手掴んで倒れられたら、俺はどうやって顔をガードするんだい?HAHAHAHA」とか頭に浮かぶマサヒコ

でも出た言葉は「ちょ…えぇぇ」

ガゴッ!(湯呑み顔面直撃、さらに真上に上がる湯呑みと真上を向くマサヒコ)↓
バシャーッ(真上を向いたマサヒコに降り注ぐ熱々のお茶)
この間5秒

「超熱ぃぃぃぃぃ!!」
マサヒコ絶叫。まぁ熱々だしね。
「マサちゃん…顔射だね♪」
「だね♪じゃねぇっ!」
「リンコちゃん。ナイス表現」
「誉める事じゃねぇ!痛ぇし熱ぃ!!」

3月終わりの暖かいとは言い難い日。
高校二年の終わりになっても、マサヒコは不幸である。
ただ、ちょっと(いや、かなり)天然の少女がいつも寄り添ってくれていた。
それは幸せな事であり、色々な思い出も出来た。 
 
「マサちゃん、濡れ濡れだね…あ、男の子だから濡れるって表現は変?」
「いやいや。いい?リンコちゃん。うちのタタナインジャーレッドはどうかわからないけど、先走るのは濡れるとも表現するし…あながち間違いではないわよ」
 
「んな事はどーでもいい!つかタタナインジャーレッドって言うなぁぁぁぁっ!!!」
337136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/09(月) 22:36:43 ID:OeJmWHT3
どう見ても我ながら良く解らない文章です。
本当にありがとうございました。
 
誤字、脱字は本当にすいません。スルーしてくだされば幸いです。
ちょっとまだ分かりにくい状況でしょうが、これから過去に遡りながら状況を解いていこうかと。
何か書き出すとミニコントに力が入ってしまうorz
中村やママンとの掛け合いを書くのがこうも楽しいとは…w
えと、正直拙い文章で読みにくいとは思いますが、頑張っていきたいと思います。
「リンコのキャラちげーよ!」という方、本当にごめんなさい。
「リンコにまで「マサちゃん」て呼ばせんな!」という方、すいません、今回はこれで行きます。
「エロティックな展開は?(*´Д`)ハァハァ」という方、実はエロティックな展開は苦手なんですが…頑張ります。超頑張ります。
次回投下は…早めにしたいなぁと。気長に生暖かく見守ってやって下さい。
…何かエラー出まくりで何かぶつ切りに(涙)
2ちゃんへのSS投下は初めてなんで良くわからない(涙)
338名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 23:12:26 ID:pVLcOlty
乙&GJ!
頑張ってな!
339117(´_ゝ`):2006/01/10(火) 01:34:18 ID:GHSu0Rcl
郭泰源氏、乙で〜す。

郭氏のSSは最高の息抜きですよ、癒されるwGJ!
満足した!オヤスミ〜(^-^)/
340名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 01:47:45 ID:fK/As456
郭氏のSSに出てくるキャラは本編以上に魅力的ですなw
ミサキもカオルもカナミもマナカもカワイス
もうこの際お酒の力で6Pでも何でもw
341名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 01:56:18 ID:2dk4UAnj
541氏、郭氏、136氏みなGJ!そして乙!
しかし郭氏はほんとスゲエなあ…しかも他の職人のフォローまで…
342名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 02:16:59 ID:MF/S9FGA
ちょいと質問があります。
このスレ的にオリジナルキャラって有りなんでしょうか?
シンジやマサを竿師にするの嫌なんですよ、個人的な嗜好として。

あと、陵辱・鬼畜系とかうpしにくい空気なのですが、避けた方が良いのでしょうか?

これから書くので、よしんば上記2点がOKでも、完成はいつになるか分からんけど・・・。
343名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 02:31:09 ID:uQu8+e2M
>>136氏 ぐっじょぶ!!

オチはまとまっていなかった気がするが、他はとてもワロタwww

特に『あれー何このループは』がテラワロスwww
344名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 02:38:04 ID:VtJJIBQz
>>342
俺は職人さんが増えると嬉しいよ

がんばって!
345名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 02:58:52 ID:m7rxfTem
>>342
どっちも止めといたほうがいい。
346名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 03:24:55 ID:tLuNNJph
注意書きしたらいいんじゃない?
別に職人さんが増えることを阻む理由もないでしょ
347名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 03:27:15 ID:F7AQI5Iq
オリキャラはスレがあるだろ。そこに書いて宣伝すれば?
348名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 04:15:57 ID:yqkLAYTW
要するにオリキャラでアイ達をレイプしたいんだろ?
いいんじゃないか?
俺はスルーするし。
349名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 04:28:05 ID:MRYmT5Ka
鬼畜陵辱スレの方が喜ばれるんじゃないか?

おれはどっちでもいいけど
雰囲気的にこのスレに投下を躊躇う気持ちも分からんでもない
350名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 05:03:13 ID:mbKYk2hP
躊躇うかもしれんが誰かやれば他の人も書きやすくなると思うよ
ひとつ投下されれば需要があるかもわかるし
あとオリキャラでレイプは大丈夫だと思う
351名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 05:31:21 ID:ymBaZ/Mg
>>342
ハッキリ言っておくと、止めておいた方がいいです。
このスレはそういうのをほとんどなしでもここまで伸びているのだし
逆に未遂や小説オチでも微妙な雰囲気が流れるのだから
ここに投下するのは正直、嵐と同類だと思う。ほんの一日前の惨状を見返して欲しい。

現時点では鬼畜凌辱スレあたりに投下するのが双方の為にいいと思う。
352136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/10(火) 06:01:08 ID:5PBsWslh
>>338
>>341
>>343
お三方、GJありがとうございます!
オチについて…実はガッスリ削った結果尻すぼみになりまして(汗)
一応このまま続編を書いていくにあたっての課題にして励みたいと思います

>>342
オリキャラを使い、メインキャラを陵辱する…
このスレではかなり高い敷居かと。
個人的な気持ちとして、「マサが誰かを」「シンジが誰かを」というのは何となく大丈夫ですが、オリキャラ絡ませるのは何か違うかな…と。

批判みたくなってしまいましたが…少なくとも俺には書けないなぁと。
好きなキャラが他人のオリキャラに色々されるのは、やはり嫌な人も多いのかなぁ…と感じた次第。
長文すいませんでした。次回作作ってきます

自室]  λ...
353名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 07:25:18 ID:2dk4UAnj
一昨日の微妙な空気は別に職人のせいではないと思うが…
まあ最終的には書き手次第ということだろう
スレの空気を読めば本人がためらう気持ちも当然だし住人がとめる理由もわかる
しかしここはエロパロ板であるわけで、あえて投下すり勇気も必要かと思うわけで
あとは読み手がどれだけ大人な対応ができるかという点が大事ではないかと



もーしわけない、何言ってるかわからんよーになってきたorz
354名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:19:27 ID:EehSOx73
いかにエロパロ板とは言え、スレの空気を読まずにそういうのを投下するのは荒らしと同じでは?
自分の作品を読んで貰いたいという誘惑を、スレの空気を読んで抑えるというのが
書き手の側の「大人の対応」というものではないかと…
355名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:21:12 ID:gg67UT2i
俺も同感だな。
鬼畜系だろうと凌辱系だろうと、本当に支持される作品ならこのスレに必ず残っていくだろうし、それをきっかけに新しいジャンルが開拓されるかもしれないし。
逆にそうはならなかったとしても、それを華麗にスルーできないほど、このスレの伝統はヤワじゃないと思うんだが。
まあ、なんだ。俺は匂いフェチだってことだ。
356名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:30:14 ID:gg67UT2i
スマソ、アンカーつけ忘れてた。
上のカキコは>>353と同感ってことだorz
357名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:39:58 ID:9rLzH9ka
この前の微妙な空気を呼び込んだのは小宮山官能小説のせいだと思うんだが
やはり空気読むのは大事では
358名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:42:11 ID:9rLzH9ka
って俺のカキコ、職人叩きになるな
ゴメン、空気読んでないの俺のほうだわ・・・
職人さん住人さん、スルーしてください、考え足らずでレスして悪かった
359名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 08:43:13 ID:eRvLm51b
マサヒコと喋る委員長の男が絶倫だったら
360名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 09:29:24 ID:4xXVsXug
NGワードにその手のものが入ってればある程度は問題ないと思ってるけどね
そうすれば読みたくない人は完全スルーできるわけだし

まぁでも漫画の雰囲気からあまりに離れすぎた作品の投下は
NGワードを知りつつ読んでも毎回問題になるわな
361342:2006/01/10(火) 09:38:26 ID:MF/S9FGA
皆さんありがとうございました。
総合的に考えると、うpしない方が無難なんでしょうかね?
今書こうとしてるのは陵辱系ではなく、
『マサママがマサの友達の筆卸しする話(ややフェチシチュ有り)』なんですが、
但し書き付けて、うpするだけしてみようかなぁ・・・。
幸いながら、他に自作発表の場がありますので、そっちでやるべきかもしれませんが。

まあ、何よりもまず書き上げるのが先決ですので、完成した折にまた考えようと思います。
皆さんお騒がせして申し訳ありませんでした。
362541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/10(火) 09:59:34 ID:ejc/Rfo1
陵辱ものとオリキャラについてですが、

このスレの初期には陵辱ものも数作品あったし、特に拒否感なく受け入れられていました。
私がやっているリョーコ物も暴行未遂事件から話を始めていますし、犯人は無名のオリキャラです。

オリキャラは脇役とし、氏家キャラを主役に据えるなら、このスレで問題ないと思います。
363名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 10:22:39 ID:EehSOx73
>>362
初期の数作品についても「相手がマサだし…」とか「未遂だから…」「小説オチだから…」とかいう注釈つきで
やはり受け入れがたい微妙な雰囲気があったと記憶してます。(郭氏のアヤナ凌辱未遂のときですら…)
その後、そのテのジャンルが定着してないのがこのスレなりの「答え」ではないでしょうか?
364541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/10(火) 10:41:06 ID:ejc/Rfo1
>>363
> 受け入れがたい微妙な雰囲気

そうでしたっけ。積極的な支持はないけど、拒否される感じでもなかったような。
拒否されちゃうと辛いな。リョーコ物の結末はそっち系の話を予定しているので。
365名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 10:50:47 ID:2dk4UAnj
まあまあ、平日の午前に議論してもしかたないわな
結論を急ぎすぎてもイクない、そもそも結論があるのかどうか
究極のところでは職人と読む側では細かい部分でズレが出てくる、人なんだから
やりすぎに注意して、双方の許容範囲を広げていくのが21歳以上の大人のエロパロスレというもんではなかろうか
いずれ吹き出す問題だっただろうから、今認識できたのはよかったんじゃないか、今回は誰が悪いというものでもなかろうて

俺が自治きどって偉そうにいえた立場ではないが
しかしまたよくわからん文になっちまった、長々とゴメンナサイ
366541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/10(火) 11:02:35 ID:ejc/Rfo1
そうですね。
コテで長々議論するのもどうかと思うので、これで議論からは引っ込みます。
367363:2006/01/10(火) 11:11:28 ID:EehSOx73
>>364
…まあ、その辺の受け止め方は個人によって違うのかもしれませんが…
私の言いたい事としては>>363の三行目が全てです。

541氏の創作意欲に水を差すようなマネをしたのでしたら、申し訳ありませんでした。
368363:2006/01/10(火) 11:13:23 ID:EehSOx73
すみません、私もこれで引っ込みます…失礼しました
369名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 12:26:55 ID:9rLzH9ka
えーっと、もう一回謝っとこ
>>357で失礼なこといってピンキリさん、職人の皆さん、住人さんゴメンなさい
以後気をつけます

で、そんな俺がどの口でというのはあるんだがやっぱりバランスの問題ではないかと
職人が何をネタに書くかは職人の自由、読者が何を選んで読むかは読者の自由
その上でスレの雰囲気を良くする、空気を保つのは両方の努力ということではないかと
いや、失礼なカキコした俺がいえたもんではないかもしれないけれど
では俺も引っ込みます

ゴメンね
370名無しさん@ピンキー :2006/01/10(火) 12:27:45 ID:90h99+/J
議論そのものは悪くない。
ただ、あんまり長引くとまたアレがわいてでてきて荒らしにかかりかねないので、
  ∬
つ旦 まあ マターリいきましょう
371マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:43:23 ID:4bFruPDn
はじめまして。ずっと読み手&感想だった者です。
凄腕の職人さんの揃うところで恐縮ですが、投下させてもらいます。
ちょうどまったりしてきたところなので、箸休めにどうぞ。

マサヒコ母×アイ先生ものです。
百合物が苦手な方はお気をつけ下さい。
372マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:44:17 ID:4bFruPDn
「濱中先生、明日は大事なお話があるんですけど」
と、『先生』に言われたのは昨日の帰り際。
アイはいつものように教え子のマサヒコとの授業を終え、夕食もご馳走になり、
さあ帰ろうと玄関に向かい、マサヒコとその母に見送られていたときだった。
自分が『先生』と呼んでいるマサヒコの母は、パタパタと走って追いかけてきた。
「大事な話――ですか?」
「そう。明日、お暇だったら家にきてくれない? マサヒコも友人との用事でいないし、
 せっかくのお休みですまないんだけど……なにか用事は?」
明日はマサヒコの用事を知っていたので、家庭教師としての仕事は、スケジュールには入ってない。
大学も休みだったから暇なので、中村を誘ってどこかに出掛けようかと考えていたところだ。
「んー……御前はレポートを書かなきゃいけないので、午後からは大丈夫ですよ」
「あら本当? うれしいわあ。本当に大事な用事だったから」
「へぇ、どんな話なんですか? お家で言ってくれたらよかったのに」
「いや〜ちょっと……マサヒコの前ではしにくい話なのよね〜」
そう言うとマサヒコの母は頬を染めた。
「そうなんですか? じゃあ、明日までに期待しておきますね」
「うん、そうね。じゃあ、来れる時間になったら連絡して。ごめんね引き止めちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ。それじゃ、『先生』。また明日!」
「はいはい、また明日ね」
夜道でアイは考えた。あの『先生』が真剣な話があるなどと……やはりマサヒコ絡みの話題だろうか。
(最近成績も上がり調子だし、プライベートのほうも乱れた様子も無いし……)
もしかしたら自分の知らないところで、マサヒコのほうに悪い影響がでているのだろうか。
何かマサヒコに悪いことをしただろうか。思い当たる節といえば――――山ほどある。
もしマサヒコに原因がなければ、自分の方になにかしら粗相があったと、そう考えるしかない。
(何が悪かったかな……あれとか、これとか、それとか……)
思い返せば、マサヒコに負担をかけたことも一度や二度じゃなくあったかもしれないが、
それまで普通に(?)やってこられた今になって、マサヒコ抜きでしたい大事な話があると、
大抵のことは笑っていたあの『先生』が、急にシリアスに話してくるので、アイとしては心配だった。
(とりあえず明日、気を引き締めて行こう――)
373マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:45:24 ID:4bFruPDn

翌日の小久保家のダイニングでは、テーブルの上に煎れたての茶が二つ。二人の女が向かい合って座っていた。
「お休みのところごめんねぇ、先生」
「いえ、いいんですせんせ……お母さん」
さすがにこんな場面でふざけるわけにもいかない。アイは口を結んだ。
「こうして二人でお話するのも久しぶりね、マサヒコは手のかかる子じゃない?」
「いえいえ、そんなこと、かなり、本当に、相当ないですよ」
「あらそう? あの子父親に似てるから、変に縮こまったり、変な色目とか使ってこない?」
「心配無いと思いますよ〜……本当に」
それから女二人、ただの世間話に花を咲かせた。話が盛り上がっていくにつれ、アイは本題が存在することを忘れていった。
世間話もきりのいい所でとまり、二人が一服したところで、マサヒコ母は急に切り出してきた。
「それでね、今日濱中先生を呼んだ理由なんだけどね」
「あ、は、はい……!」
ついにきた……アイは姿勢を正し、気を引き締めた。
「や、やっぱりマサヒコ君のことですか?」
「察しがいいわね〜。まあその通りなんだけど……」
(や、やっぱり……)
アイはお茶の残りを飲み干し、マサヒコ母の目を見据えた。
「あのね、濱中先生……あなたはマサヒコのこと、どう思ってるの?」
「……はあ」
「正直に言うけど……あなた、マサヒコの事が好きでしょう」
しばらくぽかーんとしていたアイだったが、すぐに鈍器で殴られたような衝撃が脳を揺さぶった。
「な、な、何を……!」
「はっきり言って、愛しているわね!」
マサヒコ母は不適な笑みを浮かべている。赤面しているアイは返事に詰まり、せわしなく視線を泳がせている。
「そんな、そんなこと……どうして」
「これでもそこそこいろんな恋を重ねてきた女なのよ。恋をするメスの匂いには敏感にできているの」
「えーっと……そういうものなのかな……でも……」
自覚は怪しいものだが、そう言われるとそのような気もしてきた。それは、自分に経験が足りないからだろうか……。
「でも……自分じゃよくわからないんですよね」
「それは仕方ないわね。相手はかなり年下だし。でも私は濱中先生のマサヒコを見つめるその目が
 濡れていることに気付いてしまったのよ。これはもう隠しようがないわね」
「ぬ、濡れてる……」
適当なことを言ったマサヒコ母だったが、アイの気持ちを見透かしているということは事実だった。
マサヒコ母のそれらしい発言に、素直に驚いているアイ。
もしかしたらそうかもしれない。ただの教え子のような気はしないと自分でも思うし、
自分自身が気付いていないだけで、本当はそうなのかもしれない。それにだんだんそう思えてきた。
「あー……もしかしたらそうかもしれません」
アイは顔を真っ赤に染めて、どうすればいいかわからずただ俯いていた。
「すみません、なんか、大事なマサヒコ君に……」
「ああん、別にいいのよ。今日それを応援していることを伝えるために呼んだんだから」
374マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:46:46 ID:4bFruPDn

「そうなんですか……へ?」
マサヒコ母はやはりニヤニヤと笑って、アイの両手をとり、しっかりと握った。
「私、濱中先生ならマサヒコを任せてもいいと思ってるのよ」
「そ、そうなんですか……でもどうして?」
マサヒコ母は明後日の方向を向いて、深くため息をついた。
「あの子、あんなに女の子の友達が多いのに、浮いた話が聞けないのよね。きっと恋愛に対する免疫が他の人より少ないのよ。
 ほら、お父さんに似てるから……って知らないわよね。このままじゃいつまでも彼女のひとつもできないじゃない?」
「ん〜……そういえばそうかも……」
確かに、一度自分達に対して「女として意識していない」と言ったこともあったが、
そうとはいえ色恋沙汰の話題があまり振られないというのは確かだ。
これだけの花に囲まれていながら、思春期の少年なのに少しおかしい。まあそれ以上の話題には事欠かないが……。
「そこであなたよ。ちょうどマサヒコのことが好きだし、私もよく知ってて信頼も置いてるし。
 よく知っている濱中先生だったら、安心してマサヒコのことを任せていられるからね」
「はあ……ありがとうございます」
そこまで言われると悪い気はしない。なんにせよ評価されているということは嬉しい感じだ。
「それに年上だったら、マサヒコみたいに鈍感なやつでも、経験の差でリードしてくれるしね。
 ああいうのは誰かが引っ張ってはくれない限り無理だからね、大助かりだわ」
「えっ……! は、け、経験ですか……」
とたんにバツが悪そうに、アイはマサヒコ母から目をそらした。
「なあに? 濱中先生だっていい大人なんだから恋愛のひとつやふたつ……」
「ごめんなさい……」
うっと声を漏らすと、涙目になったアイは震えていた。
「ごめんなさいって……はは、まさか」
「ないんです……経験」
瞬間、マサヒコ母の脳裏に「やべっ」という言葉がよぎった。
「ねえ……それ、本当なの?」
「はい、恥ずかしながら……」
「う〜ん……濱中先生、顔もスタイルも悪くはないんだし、まあ性格はやや天然だけど、
 経験は少ないだろうとは思ってたけど、ゼロとはね〜マサヒコを引っ張ってもらうにはちょっと心許無いかな〜」
「す、すみません……」
なぜ自分が謝っているのかは深く考えないことにした。
「これはちょっとマズイわね〜……ああ、何も濱中先生を責めているわけじゃあないのよ。
 でも相手がマサヒコみたいなニブチンとなると、ちょっと心配になってくるわね〜」
反省した。やはりなぜ反省したのかは考えないことにした。
「まあ、経験の無い者同士っていうのも悪くは無いと思うんだけどね。
 マサヒコがもうちょっと積極的だとよかったんだけど……」
「あの……色々勉強しますから……」
「う〜ん……あ、そうだ」
何か思いついた、というような顔をすると、マサヒコ母は椅子から立ちあがった。
そのままパタパタとアイの後ろに進む。
「ねえ、濱中先生? イメージトレーニングしてみない?」
「イメージトレーニング?」
「そう、経験の差を埋めるのは、やっぱり知識と実践よ。私をマサヒコだと思って、イメトレしておくのよ。
 そうすれば、濱中先生にも自信がつくし、マサヒコも安心するし、イザというときバッチリよ」
「で、でもイメトレって……」
「何、私は『先生』よ。何でも教えてあげるから!」
「でも、えっと」
「大丈夫大丈夫、私に任せておきなさいって!」
「え、いや、でも、あー……」
375マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:48:51 ID:4bFruPDn

ソファの上に恋人のように並んで座る二人。
「いい、濱中先生、私をマサヒコだと思って練習するのよ」
「は、はい、頑張ります」
「どうしたの? マサヒコを悦ばせてあげたいんでしょ?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
「それでは、はじめ!」
始まりのコールと同時に、アイの心臓が高鳴る。
「濱中先生……」
「は、はい!」
マサヒコ母は声のキーを落として、アイの目を見つめ囁いた。
アイの手にそっと、マサヒコ母の手が添えられる。アイの身体がびくっと震えた。
「あ……小久保君……」
「マサヒコ君って呼んでくれって言ったでしょう?」
(そんなこと言ったかな……)
なかなか堂に入った演技だった。
「先生は僕になんて呼ばれたいんですか?」
くすぐったくなるような甘い声だった。が、マサヒコ母の真剣な演技に対して、自分も真剣に答えなきゃと思った。
「私は……先生のままでいいな……」
「先生……」
マサヒコ母の指が、アイのあごをくいっとあげる。アイは唇を突き出される形になる。
「あっ……」
この形だと、マサヒコ母の顔がよく見える。その顔にはどこか、マサヒコ本人の面影があった。
(そっか……性格はお父さん似だけど……顔はお母さん似なんだ……)
まるで本当にマサヒコを相手にしているように錯覚してしまう。アイは自然と目を瞑ってしまった。
(あちゃー……濱中先生、目ぇ瞑っちゃった……まさかキスまでファーストじゃあないわよね……。
 さすがにファーストキスぐらいは息子に譲ってやるか……じゃあ私は失礼して)
マサヒコ母は唇をそっと、アイの耳元に運んだ。唇が耳に触れた瞬間、アイの身体はぴくんと震えた。
「あっ……」
「かわいいですよ、先生……」
耳元でそう囁かれると、アイの顔はトマトのように真っ赤になった。
「マ……マサヒコ君……」
マサヒコ母はそのまま、アイの首筋に沿って唇を這わせる。その間、アイの髪に手櫛をかけてあげるのを忘れなかった。
慣れた手つきだった。マサヒコ母の指の滑らかな動きは、アイの頭皮を刺激して、官能を高めていった。
「マサヒコ君……くすぐったいよ……」
「先生……もういいですか?」
「えっ?」
気がつけばアイの身体はマサヒコ母に組みしだかれて、ソファの上に倒れていた。
アイの官能に火がつく前に、マサヒコ母のほうが燃えてきたようだった。明らかに艶やかな目をしている。
それがマサヒコに見詰められているようで、アイは自然と抵抗する気持ちを無くしていた。
「先生……」
「マサヒコ君……」
アイは身を固くして、きゅっと目を瞑った。
376マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:50:36 ID:4bFruPDn

マサヒコ母の手が、アイのシャツの下からそうっと侵入する。へそをなぞり、シャツが徐々にめくれ、お腹が露わになる。
やがて、やや大きめな胸を包んだブラが露わになる。子供っぽさを残す、水玉模様のブラだった。
アイは恥ずかしさで泣きそうになっていた。
「それじゃあ、いきますよ?」
「う、うん」
「じゃあ、失礼して」
マサヒコ母の右手がブラの隙間から胸に伸びる。
手のひらに少しはみだす程度の十分なふくらみに、マサヒコ母の手は吸い付くようにぴたりと張りついた。
「苦しかったら言ってくださいね」
弾力を楽しむように、手のひらで円を描く様に胸を撫で回した。左手はアイのへその下に置かれている。
こね回すようにしてマサヒコ母は胸の感触を味わっている。もう片方の手もアイの下腹部を優しく擦っていた。
「ふ……」
アイが小さく息を漏らした。
「ん……なんかくすぐったいよ……」
両足を擦り合わせながら、アイは目を閉じて身体を強張らせたまま、マサヒコ母の手の動きを感じている。
しばらく続けていると、アイの顔が紅潮してきたことに気付いた。
息を漏らすペースも少しづつ早くなっている。
「先生、気持ちいいですか?」
「わかんないけど……ぞくっとする」
しかし、マサヒコ母にはアイが確かに感じてきていることがわかっていた。
マサヒコ母の手が、アイの水玉ブラを外すと、二つの丘がぷるんとこぼれて外気に晒された。
アイは顔を両手で隠す。
「先生……乳首が立ってきましたよ」
「うそ……恥ずかしい」
マサヒコ母は手の動きを止め、人差し指と中指でアイの小さな乳首を挟み、そのままくりくりとこね回した。
アイは身体をひくつかせ、くねくねと動かしながら、ぞくぞくとした感覚に耐えている。
時折マサヒコ母の指がアイの乳首をはじく。ピンク色した小さなしこりがぷるんと震えた。
「先生の心臓、ドクドクいってます」
「だって……恥ずかしいもん……」
「次、こっちいきますよ……」
マサヒコ母の手がスカートへと伸びた。ぴたりと合わせられたアイの太ももを擦り、ゆっくりとスカートを捲りあげていく。
すぐにブラとおそろいの、水玉模様のショーツが姿を見せた。太ももは以前閉じられたままだ。
「可愛い下着ですね」
「う、うん、ありがとう……」
こうなるなら中村からもらった勝負下着をはいていけばよかったとも思ったが、その言葉に少し救われた。
「足、広げてもらえますか?」
「えっ……? う、うん……」
恐る恐る、固く閉じたままの足をゆっくりと広げる。凄まじいまでの羞恥だった。
太ももにあてられていたマサヒコ母の手は、アイのショーツのラインに沿って、ゆっくりとスリットの部分に伸びてゆく。
そこはもうだいぶ湿り気を帯びていた。目をこらしてみると秘裂のラインがくっきりと浮かんでいる。
「……先生、濡れてる」
「えっ、うそっ!?」
「本当ですよ、ほら」
マサヒコ母の指が秘裂のラインを撫でると、湿りのある感覚がアイに伝わる。
377マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:51:54 ID:4bFruPDn

「やだ……」
「先生、興奮してるんですか?」
「言わないでよ、マサヒコ君……」
マサヒコ母はその部分を優しく擦りつづける。時折爪でひっかくように擦りあげる。
「んっ……あふぅ……」
「先生、気持ちいいですか?」
アイの吐息にだんだん甘い声色が混じってきたのが分かった。愛撫を続けるほどに下着に水分が含まれる。
「先生……下着とりますね」
「えっ、ちょっと、まっ……」
アイの言葉を最後まで聞かず、マサヒコ母の手はすばやくショーツを取り払った。
秘部からショーツにかけて愛液が糸を引いていた。
「すごく濡れてますね……」
アイは何も言わず、ただ顔を赤らめている。太ももがまた、ぴたりと閉じられたままだ。
「先生、足……」
アイは最初戸惑った顔をみせたが、すぐに言われるまま震える両足を開いた。
マサヒコ母の眼前に、アイの濡れた秘部がなにひとつ隠すことなく晒される。
陰毛は標準よりやや少ない。ピンクに染まったその部分は、つやつやと怪しい光を帯びていた。
「とっても綺麗です、先生……すごくひくついてる」
マサヒコ母はそう言うと、アイの股間へと顔をうずめた。そのまま舌を伸ばし、アイの愛液をすくいとるように秘部を舐める。
「ひあっ!」
アイの身体が跳ねた。マサヒコ母はアイの腰を両手で掴み、逃げられないように固定する。
そのままアイの小さな肉芽をちろちろと舐め上げる。その度にアイの身体に電撃のように甘美な衝撃が走る。
「あっ、ひあっ、ふっ、あんっ!」
(私の熟年の絶頂テクで昇天させてあげるわ……)
アイにとっては初めての衝撃に、腰がびくんと何度も跳ねあがる。
マサヒコ母は肉芽を刺激しながらも、どんどん溢れてくる愛液を啜って飲みこんでいた。
「んぷ……おいしいです……先生……」
「うああっ、マサヒコ……くんっ……ふやぁ……!」
舌で舐めるだけではなく、唇ではさんで吸い上げたり、また小陰唇にも舌を這わせ、
その小さな秘部に絶えることなく刺激を与えつづける。その度に愛液はとろりと溢れつづける。
「ああっ……んっ……くぅ……いやぁ……」
アイは瞳に涙を溜めていた。がくがくと身体を震わせ、とまることない刺激に耐えている。
マサヒコ母は舌の動きを早めた。アイの肉芽は小さいながらも、ぷっくりと充血している。
ぴちゃぴちゃとした隠微な音が響く。
「あっ、くぁっ、んんっ……」
「先生の……びしょびしょに濡れていて……とってもいやらしいです」
マサヒコ母の口もまた、アイの愛液でぐしょぐしょになっていた。
アイの息がどんどん荒くなり、喘ぎ声の感覚も狭まってくる。
「マサヒコくぅん……なんか変だよぉ……なんか……きちゃう……」
アイの頭の中にもびりびりとした衝撃が走り、下腹部に尿意に似たものを感じてきた。
マサヒコ母は止まることなく、舌を動かし奉仕を続ける。
378マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:53:06 ID:4bFruPDn

「あっ、もう、もう……あっ、あっ、あっ」
すでに言葉になっていなかった。襲いくる未知の衝撃に耐えかねなくなり、アイは両太ももでマサヒコ母の頭を挟む。
「あっ、あっ、あっ、ふぁ、ひっ、ひぁぁぁん……!」
アイの腰が浮き、身体は今までよりも大きく跳ねあがる。秘部から飛び散った愛液がマサヒコ母の顔にかかった。
初めての絶頂を感じたアイははしたなく涙と唾液を垂らしたまま、荒い息を吐いていた。
身体にはまだ電撃のような刺激が残り、下腹部には熱い痺れがじんじんと動いている。
「先生、イッちゃったんですか……?」
「わ、わかんない……けど……き、気持ちよかった……」
(たしかこの辺に……)
マサヒコ母はソファの下に手を差しこんだ。
たしか昔お遊びで買って、一度も使わないまま放置していたペニスバンドがあったはずだ。
(あったあった。これで……)
「先生、いいですか?」
「え……あっ……」
ここまできての「いいですか?」と言えばひとつしかない。それはアイにもわかっていた。
アイの中ではすでにマサヒコ母ではなく、本物のマサヒコを相手にしている状況になっていたので、
本来ありえるはずのない「いいですか?」にも自然に対応していた。
「う、うん……大丈夫だよ」
「ありがとう先生。優しくするから……」
(アイ先生の処女、イタダキマス)
すでにペ二バン装着済みのマサヒコ母だった。その先端をアイの秘部にあてがおうとする。
「うん……ありがとう、マサヒコ君。やっぱり優しいね」
「……え?」
顔の半分を両手で隠し、羞恥と緊張で目を合わせないアイだったが、その口調ははっきりとしていた。
「私達がどれだけ騒いだり迷惑をかけてても、マサヒコ君は優しい人だから、許してくれるんだよね。
 自分が大変なのに他の人のことを気遣ってくれることも多いし、私、マサヒコ君の先生でよかったなって思うの。
 マサヒコ君に抱かれてることが嬉しいな。マサヒコ君にだったら、安心して身を任せていられる……」
「せ、先生……」
マサヒコ母はアイの突然の告白を、途惑いながらもきちんと聞いていた。
「だから私マサヒコ君のこと好きだったんだと思うんだ……私は大丈夫だから、マサヒコ君の好きなように……」
「あー……はいはい! ストップストップ!」
「え?」
マサヒコ母が両手を叩き、ペニスバンドを脱ぎ捨てた。
「はいはい、イメージトレーニングはこれにて終了ね!」
「あっ……えーと……お、お母さん?」
「いやー大変よ。急に愛の告白なんて聞かされて、母親としてはもうたまったものじゃないわ」
「えっ! あ……す、すみません! 私つい本気になっちゃって……」
アイの顔がまた、耳まで真っ赤になった。
「いいわよ。こっちとしても、アイ先生の真剣な気持ちが聞けたわけだし、それに……」
「そ、それに?」
「うちの息子が結構、たいした奴だったって教えてもらったからね。
 ちょっと息子が誇らしくなったわ。なんていうのは、親バカすぎるかしらね?」
二人は顔を合わせて、クスっと笑い合った。
379マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:54:17 ID:4bFruPDn

ギリギリセーフだった、マサヒコ母は思った。もう少しで本当に、アイの処女を自分がもらうところだった。
大事な息子のために残しておくことができて、本当によかったと思っている。
マサヒコ母は少し涙が出てきた。自分の考えに間違いは無かった。
マサヒコへの株も上がったが、一番株をあげたのはアイだったからだ。
自信が確信へと繋がった。濱中先生なら……きっと自分が心配するでもなく、マサヒコとうまくいくだろう。
「でもまあ、アイ先生の意外な一面も見られたから、今日の収穫はありね」
「すみません……あらぬ痴態をお見せしてしまって」
「いいのよ。わりとこういうの嫌いじゃないんだとわかったし」
またも下卑た笑いを浮かべるマサヒコ母。
「それで、その……トレーニング通りいきますか?」
「ん……それは……まあ、想像と違うだなんて初めてではよくあることよ」
「嘘!? 無駄骨!?」
「……とりあえず、お互いに服着ましょうか。それともお風呂借りる?」
「……あ、はい。じゃあ、借りますね」
アイはとりあえず自分の下着を持って、浴室へと向かう。
「着替えは適当に用意していくから」
「ありがとうございます。それじゃお先に失礼して……」
「あ、それと先生」
「は、はい?」
アイが踵を返して振り向いた。
「……息子のこと、よろしくね」
「……はい!」
シャワーの音を聞きながら、ひとりぼんやりとソファーで、物思いに耽るマサヒコ母。
(……女同士っていうのも、たまには悪くないかもね。クセになっちゃいそうかも。またアイ先生誘っちゃおうかしら。
 でもそうなるとマサヒコがセットでついてくるわけだから、うそ、3Pで近親相姦? ちょっと二人にはハードよね〜)
よからぬ事を考えては、ひとりでクックッと笑っている。
「ただいま〜……母さん、なんか食い物ある……ってキモッ!」
「おかえり。キモってなによ。今あんたのこと考えてたのよ?」
「うわ〜ん本当にキモいよ〜」
「マサヒコ……」
「な、なんだよ」
「……頑張りなよ」
今日は吉日かなにかだろうか、とマサヒコ母は思った。
今日は厄日かなにかだろうか、とマサヒコは思った。
380名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 14:55:45 ID:sfUaKtRX
支援?
381マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/10(火) 14:56:21 ID:4bFruPDn

以上です。
百合やレズしか書けないものでこんな作品になりました。
少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。
382名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 14:59:04 ID:sfUaKtRX
マリリスト殿
なかなかGJっした。
十分に鑑賞させて頂ました。

続編をとても期待したい所です。

383117(´_ゝ`):2006/01/10(火) 15:11:17 ID:GHSu0Rcl
マリリスト氏、GJ!

うぜぇ議論の流れを洗い流すような素晴らしいSS投下にGJでした。

百合でも全然おけ!
384名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 18:06:10 ID:CGZrObQu
 マリリストさんへ

SS愉しく読ませていただきました。
喰わず嫌いというか、このスレ風にいうなら球を選びすぎというか、これまで百合物は結構敬遠していたんですが、目覚めましたよw
マサ母とアイの組み合わせも良かったと思います。
目的と手段が完全に入れ替わるマサ母の暴走っぷりと、その場の勢いに流されるままに流されるアイ。
どちらのキャラの描写も大変GJ!!でした。
ファーストキスは息子に譲ってやるかとなったのに、ペニバンを装着したときは、あれれ? とオチがちょっとだけ不安になりましたが、
アイの萌えを投入しつつ綺麗に纏まってて、終わりまでの流れも非常に良かったです。

エロも強引さはあるんだけど、男性みたいに乱暴じゃなく、女性らしい優しくソフト、だけど的確で容赦ないって感じが良かったです。
まあ何にしてもマサ母は、息子よりも男前ですなw ただお嫁さん候補はまだまだいるので、さらにもっともっと頑張ってほしいw

次の投下も愉しみに期待してお待ちしてます。
385名無しさん@ピンキー :2006/01/10(火) 20:59:54 ID:90h99+/J
>>ママリスト氏GJ!

ところで改めて読んで思ったのだが、ピンキリ氏の小宮山陵辱小説SSは
ここの雰囲気ではギリギリOKなレベルでの陵辱SSとして良くできていると思う。
>>193
こいつがそもそも陵辱とか言い出したあたりからおかしくなっている。自分で言い出しといて思い通りにならないと
>>287 >>289-297 >>302
みたいに荒らしにギリギリ引っかからないことやって、住人を不快にさせてるわけだし。
しかもここの悪口を他スレで発言したりしながら寄生虫みたいに居着いていて本当にタチが悪い。

>176 117 2005/09/04(日) 02:27:28 ID:0tMqEF60
>あの〜、すみませんが。
>此処は21歳以上エロパロスレでして、週漫の雑談スレでは無いのですよ。

>解りますか?雑談でスレの消費が激しいので、
>少しは控えて下さると有り難いです。

>雑談は週間漫画の濱中スレでお願いしますね。

>なんか、偉そうな事を言ってスレの雰囲気を悪くしたらお詫び申し上げます。
>m(__)m

↑はじめはこんなこといってたくせにな。お前のしていることはなんだ?

>>361
他の発表の場があるなら陵辱もの投下についてはリンク張る程度にとどめておいたら?

>>363
郭氏のあのSSで一部拒否反応が起きたのはレイプ犯の男子生徒を中村が逆陵辱したオチが原因だから、
純粋な陵辱ものに対する反応よりもソフトだったと思う。

・・・マターリしようと思ったけど、>>303氏が気の毒でつい熱くなってしまった・・・逝ってくるわ・・・
386ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/10(火) 22:21:23 ID:AUmJywhy
どうも私のSSが原因でスレの空気を悪くしてしまったようで、実に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
言い訳になるかもしれませんが、投下する前に住人の皆さんの気持ちや思いを考えるべきだったと、
自分の気づかいの足りなさを悔やんでいます。
次回からあの種のSSを書く時には、事前に許可を取らせてもらってから投下したいと思います。
雰囲気を壊してしまって本当にすいません。次回からは気をつけます。
387名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 22:27:36 ID:2xWspRJW
深く気になさらない方がいいと思いますよ。
今回はタイミングが悪かったような気もしますし。
ピンキリ氏の次回作期待しております。

まあ>>1にもあるとおり、まったり行きましょう。
388名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 22:58:51 ID:tLuNNJph
俺は問題になったピンキリさんのSS、すごい楽しめましたよ
気を落とさないでマターリといきましょうよ
389名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 07:07:20 ID:7ZeX4lFW
こういうのは「すんませんした」の一語でいいんですよ
あんまり長々と書くと傷口を舐めてもらいたがってるように見えてしまいます
謝罪や愚痴よりも、次回の投下分をよりエロくよりハァハァできるものにする、それが一番ですよ
390名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 08:36:08 ID:JAw/jikh
まあもうイイジャマイカ
ではそろそろ例の一言を次の椰子頼む↓
391名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 08:37:30 ID:atE79CiS
痴女はイイ!
392マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/11(水) 10:11:06 ID:PWJtvOf0
>>382-385
感想ありがとうございます。
百合にも案外需要があることがわかって安心しました。
>>384お褒めの言葉感謝。目覚めたのなら幸いです。
393名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 10:32:28 ID:atE79CiS
マリリスト氏>>

    続編!続編!
  _, ,_ ∩
( ゚∀゚)彡☆
  ⊂彡
ママン女喰いシリーズ。
知らぬはマサヒコだけ。
394名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 10:41:44 ID:7ZeX4lFW
そうだマリリスト氏にお礼いうの忘れてた
改めてGJと乙!本格的な百合モノは氏が初だろうからがんばって!シリーズ化キボン!
395名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 10:48:18 ID:oQihoaGv
昔スカでもOK牧場って大暴れした奴いたな。
396名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 11:29:16 ID:+ckuryh7
>>ママン女喰いシリーズ。
知らぬはマサヒコだけ。

それいいな!!ミサキあたりはマサをちらつかせりゃ簡単におkしそうだ
397名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 13:49:30 ID:atE79CiS
>>ママン女喰いシリーズ。
心はマサヒコloveなんだけど体はママンにどっぷりに。
398名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 14:03:56 ID:pC1/W/B2
アヤナは真性百合になりそうだ
399名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 15:02:43 ID:JTi5ipyJ
大抵マサをちらつかす訳か。
400名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 15:09:20 ID:atE79CiS
マサをネタにして次々に喰うてのは鬼畜っぽくていかんよ。
アイを喰う時にその手は使ってるし。
401名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 19:18:32 ID:RFiaC/bs
ミサキをおっぱい体操をネタに責める気か
402トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/11(水) 21:38:48 ID:xBXIY6IV

トマソンです。

ピンキリ氏、541氏、郭氏、136氏、いつもながら乙&GJ!です。
そしてマリリスト氏、GJ! これは新しい切り口ですな。
続編に激しく期待です。



今週号の濱中アイを読んでちょこちょこと書いた、少し恐怖系の小ネタ。夢オチ。

では投下。

403トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/11(水) 21:40:08 ID:xBXIY6IV

 自室で安らかに眠っていた中村リョーコは、浅いまどろみからかすかに意識が戻って
きたところだった。
(んーっ……なんだか寒い……あ、そっか、シャネルの5番だけで寝たんだっけ……
気取りすぎたかなあ……)
 布団を掛けなおそうとしたリョーコだったが。
(……動けない?! それに何かが口に食い込んでる……)
 リョーコの体は、ベッドの上に大の字になって横たわっていた。両手両足を何かに
絡み取られがっちりと締め付けられており、身動きが取れない。
(一体、これは……)
 リョーコはこわごわ目を開けた。明かりを落とした薄暗い自室の、見慣れた天井が
目に飛び込んできたが、手足が動かないのは相変わらずだ。ひんやりした何かが絡みつ
いているらしい。暖かい羽毛布団は、ベッドの下に滑り落ちているのだろうか、体の上
にはない。
「んー……むうーっ……」
 声を上げようとしたが、手足に絡みついたものと同じような、冷たいつるりとした
細長いものが口に食い込んでおり、くぐもった声しか出なかった。
(……これは一体……まさか、泥棒に縛り上げられた、とか……)
 力を入れれば、なんとか首だけは動かすことが出来た。力任せに首を回し、左腕に
視線をやると、そこには得体の知れない、太く冷たい何かが絡みついていた。直径は
約4センチというところか。茶色と緑色の迷彩模様を帯びた、長くて柔軟な何かだ。
(……な、何よこれ……)
 首を回して右腕を見る。こちらも全く同じ状況だった。
(両脚も一緒なんだろうな……どういうこと……?)
 リョーコは身動きも出来ず、腕に絡みつく奇妙に冷たいものを恐怖のうちに眺めた。

 そのとき、下半身のほうからかすかな音がした。衣擦れのような、つるりとしたもの
が床を滑るような、ごくわずかな音だ。
 リョーコは力を振り絞って首を起こす。
(……?!)
 左右に割られ、絡み取られた両脚の間で鎌口をもたげているのは……。
(……へ、蛇?)
 では、両手両脚に絡みつき、口を塞いでいるのは、蛇の胴体なのか。
「──?!」
 女の口から、声にならない悲鳴が漏れる。蛇の冷たい眼と視線がぶつかったような気
がして、リョーコの美しい顔が恐怖にゆがんだ。
 彼女はパニックに陥っていた。自室にこんな大きな蛇が居るはずがない、などという
真っ当な思考が働くはずもない。大蛇の、冷たいツルンとした長い胴に両手両脚を絡み
取られ、均整の取れた美しい全裸の体を大の字に固定されて身動きもとれず、声も上げ
られずにいるのだ。
 一体、何をされるのか? それとも、時間が経ち、誰かに気づいてもらえるまで、
このままで居なければならないのか? もし、誰にも気付いてもらえなかったら? 
 薄い闇のなか、蛇が細長い舌を突き出しては引っ込めるのがぼんやりと見えていた。

404トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/11(水) 21:41:42 ID:xBXIY6IV

 蛇のもたげた鎌首が、リョーコの股間に音もなく近づいてきた。
(い、嫌……誰か……)
 無残に開かれたリョーコの秘奥に、蛇の冷酷そうに光る眼が注がれている。ぞくっと
冷たいものが彼女の背筋を走った。
「──!?」
 蛇が音も無く突き出した細長い舌が、リョーコの媚肉に触れた。女の体がピクンと
跳ね上がり、再び声にならない悲鳴が漏れる。もう一度。そしてもう一度。
(い、嫌……なんで蛇がこんなエッチなこと……蛇って卵生よね……)
 自分の知識では説明のつかない蛇の行動に、頭が混乱するリョーコ。そうしている間
にも、細長い、赤くテラテラと光る舌がリョーコの柔肉に触れては引っ込み、彼女の性
感をくすぐった。
 次に突き出された蛇の舌は、リョーコのもっとも敏感な小さな豆をつついた。
「むーっ……」
 再び女の体が跳ね上がった。必死の思いで悲鳴を上げようとするリョーコ。だがそれ
でも、くぐもった声がわずかにあがるばかりで、助けを呼ぶには程遠かった。

 秘裂まであと数センチというところで舌を出しては引っ込めていた蛇の頭が、再び
前進を開始した。それはゆっくりと接近し、ついにひんやりと冷たいツルンとした鎌首
の先端が、リョーコのそこをつついた。
「───!?」
 蛇の胴体で猿轡をかまされた形のリョーコの顔がゆがみ、またしても声にならない
悲鳴が漏れるが、蛇の前進は止まらなかった。
 冷たい大蛇の鎌首が、媚肉を割り、侵入してこようとしている!
(い、嫌あああぁぁぁっ! なんで、蛇がそんなところに入りたがるのよっ!)
 リョーコは必死で腰をもがき、避けようとしたが、両手両脚を固定されていては、
悲しい程に無力な抵抗しかできなかった。かすかに揺れるリョーコの腰の動きに、蛇は
やすやすと追従した。鎌首をわずかに振るだけで、それは熟れた割れ目の正面に再び位
置を占め、割れ目に先端があてがわれるのだった。
「んーっ……んふっ……」
 散々腰をもがいたため、リョーコの息は荒くなっていた。蛇の胴体の、リョーコの唇
に食い込んだ部分は、既に女の体温で生暖かくなり、唇と蛇の胴体とのわずかな隙間か
らは、唾液がつーっとすべすべした頬に垂れていた。
(い、嫌……濡れてもいないのに、そんなのが入ってきたら痛いんだから……)
 ゆっくりと、冷たくツルリとしたものが侵入してくる。意外なことに痛みはない。
(……まさか……アタシ、濡れていた……の? )
 自分は蛇の舌に責められて愛液を漏らしたのか? リョーコは愕然とした。
 さらなるパニックに陥るリョーコにはお構いなしに、蛇はゆっくりと女体への侵入を
深めていった。

 とうとう鎌首の太いところまでひんやりした蛇の頭を受け入れ、リョーコの体から
がくりと力が抜けた。
(い、嫌、嫌ぁ……そこに入っていいのは、熱いアレだけよ……冷たい……)
 蛇の頭が、さらに体内深くまで侵入してくる。
 それが体の芯、一番奥をつついたとき、美しい女の体が痙攣し、リョーコの意識は
ふっと消えた。
405トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/11(水) 21:45:02 ID:xBXIY6IV

 時は一月二日の深夜。というか三日の早朝。
 中村リョーコは全身にびっしょりと汗をかいて目を覚ました。
(……夢、か)
 それにしても、まさか初夢で蛇に犯されるとは。
(アタシってば、欲求不満がたまっているのかなあ)
 しっとりと濡れた股間を指先で確かめ、溜息をつく。
 確かにこのところ、引越しの手続きだの、卒業前の挨拶周りだの、入社前研修だのと
面倒なことが多く、少々疲れてはいたが……。
(だからって、裸で寝ただけでこれじゃあ困るわね)
 というか、この寒い季節にモンローごっこもないものだが。

(これはやっぱり、思いっきり発散してやるしかないわねえ)
 リョーコは携帯を手にしてMAILボタンを押した。
(新規作成、と……)

『TO: 豊田セージ
姫初めさせてやるからすぐ来い』

 ぽちっと送信。

(……やっぱり、冷たいのは嫌。お熱いのが欲しいわよね)
 と、心の中で考えたとき、なぜかリョーコの脳内にマサヒコの声が響いた。
『中村先生、蛇は変温動物です。冷たいのは当たり前です』
 さすがマサヒコ、脳内にさえ突っ込み役として登場とは。
(そうじゃなくて、蛇は嫌なの! いいのは亀の頭だけよ! 熱くてふっといやつ!)
 中村的ギャグを頭の中で飛ばしたところで、今度はなぜかアイの声が脳内に響く。
『あのう、先輩。亀もやっぱり爬虫類で変温動物ですから、冷たいと思いますけど』
 アイは脳内でもやはり半天然だった。

(……って、そんな漫才はどうでもいいわよ! もう、セージ、早く来なさいよ!
来たらすぐできるように、綺麗にしといてやるから!)
 彼女はベッドから全裸の体を起こし、バスルームに向かった。

406トマソン ◆sZztcRmPbc :2006/01/11(水) 21:47:52 ID:xBXIY6IV

以上。
 今週号の濱中アイを読んでの、蛇に獣姦される中村リョーコの夢オチ小ネタでした。
一部の方にはネタバレかも知れませんね。失礼。


>ピンキリ氏、342氏、541氏。
 これだけ職人さん方がいて、多くの作品が投下される中で、リアル陵辱で最後まで
行く作品を書いたのは、今のところ私だけのようですが。
 この事実がつまり、このスレそして原作の雰囲気に、レイプものがいかに合わないか、
ということでしょうね。
 投下しても、反応は限られたものになりがちでした。
 しかしそれでも書きたいのなら、それは自由だと思います。

 勿論、職人も人間ですから、反応があったほうが嬉しいし、けなされるより褒めても
らえるほうが嬉しいですが、そのために書いているわけではないのです。
 職人は書きたいように書けばいいと思います。というかそれしか出来ません、はい。
 投下する際、注釈をつけておけば、その後は読み手が判断することだと思いますよ。


タイトルは「濡れた初夢」とでも。
407名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 22:58:49 ID:sxz5+6Wr
いいなぁ
しかしセージカワイソ
408郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/11(水) 23:16:17 ID:sCGRm7d9
ママリスト氏GJ!
お初です、いや、初投稿とは思えぬレベルの高さに感心しきり。
レズものは私は無理(なにせ嫁が…)なので続編期待です。

トマソン氏GJ!
いや〜〜〜、さすがは筆が速い。私も今週号で書こうかと思ってましたが、
アタマ書いてエロシーン行く前に詰まって結局没りました(マサヒコ×アイの幼児プレイ)。
ところで、氏は割と陵辱系は投稿されてる方だと思いますよ。
「二人の秘密」「二人のスタイル」「享楽的進化論」「愛と欲望と麻酔薬」とか。
うち2作品はレイプで始まって和姦で終わる、というほのぼのスタイルですね。

実は私も没作品ですが陵辱系、ただし本番無しの(?)超バッドSSがあります。
嫁に読ませたら、「これ、ダメ。田口ランディっぽいし、アヤナちゃんが可哀想」ってので日の目を見ていませんが。
レイプor陵辱系は難しいですね。濱中ってキャラクターに比重がすごく思いマンガだと思うので特に。
409名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 23:23:57 ID:JTi5ipyJ
まぁ確かに氏家で凌辱は似合わないな。
てかマサ×アヤナキボンヌ
410名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 01:19:24 ID:IGHchawO
ちょっと色の違う作品だと乖離氏のアヤナだが最近乖離氏こないな
411名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 08:27:56 ID:sS/KeuXQ
陵辱は要らんが、両名の同意に基づいて行われる羞恥責めはあっても良いのでは、と思う今日この頃。
てーかマサ×アヤナキボンヌ
412名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 09:44:43 ID:iC1kxXvf
アヤナと戸田の百合だな
413名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 10:35:09 ID:gqTZiUty
>>412 戸田? 戸川ユキ のことか
414名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 10:36:48 ID:Y1rVFmRw
凌辱は個人的には問題茄子なのだがスレの空気には確かにあわないかもな
もし濱中と妹が下ネタマンガからよりエロマンガに近いテイストだったらスレ的に受け入れられてたかもしらんね
原作からあまりに逸脱した描写で、原作のふんいきを壊すようなエロ話はさすがにみな敬遠するということか
それはそれとして、アヤナスキーとしては最近アヤナ色少なくてサビシス
ここは巨乳コンプレックスを知りながらあえて「大きくていやらしいおっぱいだね」と言葉責めするマサ、
恥ずかしながらも言葉と愛撫に感じてしまうアヤナな話とか(ラブ風味なら凌辱にならんでしょ)、
リョーコ(攻めオンリー)×戸川(攻め&受け)×アヤナ(受けオンリー)な百合モノとかをキボンヌ
415名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 11:16:58 ID:tQDSkzhS
>>414
そこまで出来てるんなら自分で書いてみたらいかがかと小一時間
416名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 12:07:29 ID:Qp4PpueW
やっぱりアヤナは凌辱対象キャラなのかw
417名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 12:22:17 ID:Y1rVFmRw
>>415に脳内で小一時間説教されてきますた
いや、当方妄想はできても文は書けませぬ
マサに騎乗位で乳をばるんばるん揺らすアヤナ、マサに腰をつかまれて焦らされ
「お願い、動かさせて」と顔を真っ赤にしてお願いするアヤナとか、
バイブの本当の使い方をリョーコ直々に教えこまれ病み付きになるアヤナとか妄想はできても
それを系統だてて文章化するなんざとてもとても、偉そうなことを言ってまことにすんまそんですた、吊ってきます


てかこんな妄想してる時点でオーバー21エイジとしてダメ人間でしょうか
418名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 12:53:52 ID:sS/KeuXQ
オーバー21エイジがダメならオーバー31エイジはもっとダメじゃんorz
419マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:14:47 ID:Ws24pOrp
>>トマソン氏GJ!
実はマガジンが3,4日遅れで入荷する田舎住まいなので
今週号はまだ読んでないのですが
やはり初夢までリョーコはリョーコなんですねw

ここらへんで投下したいと思います。
マリア×アキの百合です。
百合が苦手な方はお気をつけ下さい。
420マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:16:13 ID:Ws24pOrp

「……ったく、なんで私がこんなことに」
アキは機嫌が悪かった。朝も早くから水を張ったバケツを持ってよたよたと階段を上っている。
昨夜は遊び疲れてぐっすり眠ったせいか、今日は珍しく早起きだった。
まだ登りかけの朝日を眺め、せっかく早く目が醒めたのだから、早めに登校してみようと思った。
早起きは三文の得という、きっとなにかラッキーな出来事があるに違いない、そんな不純な考えもあった。
「こんなことになるんだったら……早起きなんかするんじゃなかった」
まだ誰もいない教室に着き、ひとりボウッとしていたら、後ろから声をかけられた。
体育の担任が、掃除用具を持って立っていた。
「よう、感心だな! どうだ? 早起きはいいものだろう? 健康的だぞ!」
「はあ……」
「そうだ! お前掃除を手伝わんか? 早朝の掃除は先生の習慣なんだがな、朝から清潔な学校は気持ちがいいぞ!」
「いや、その、私は……」
「そうだそうだ! 子供は健康が第一だもんな!」
そしてこれである。気がつけば流されるがまま、水を張った重いバケツをひとりで担いでいる。
「なんで私がこんな目に……早起きなんて損しかないじゃない……」
朝早くからイライラを募らせた方が健康に悪いのではないか、バケツを置いて教室に帰ろうかとも思ったが、
さすがにそれは一度ひきうけていながら、無責任にも程がある。泣く泣く運ぶ。
「この階段何段あるのよ……これじゃトレーニングじゃない。こんなところ人には見られたくないな……」
「オウ、アキさん、どうしました?」
「わひゃっ!?」
急に後ろから声をかけられ、アキの身体が跳ねる。拍子で、バケツを持つ手が離れた。
(マズっ――――!)
落下していくバケツ。パシャーンと派手に水の飛び散る音がした。
「えと……あー……やっちゃった……」
恐る恐るバケツの落下した方を見る。
「……あっ! ご、ごめんなさい!」
これは大変とばかりに、アキは走ってそこと向かった。
階段の下には、頭からバケツ一杯の水を被って濡れ鼠になってしまった、英語教師のマリアが立っていた。
「マ、マリア先生……ごめんなさい! 大変……どうしよう……」
混乱したまま、おろおろとするアキ。マリアは濡れた髪をかきあげた。しずくがぽろぽろと零れ落ちる。
「アキさーん……ワタシをここまでビショビショに濡らせるだなんて、意外とテクニシャンデスね」
「何言ってんですか! あ〜大変……急いで拭かないと……」
「HAHAHA。このくらいだいじょうぶデ〜ス。すぐ乾きマス」
「でもほら……あ〜本当にごめんなさい……」
「大丈夫デスよ」
アキはハンカチを取り出して、マリアの顔を拭おうとする。
「アキさんってば積極的デスね」
「な、何いってるんですか! 早くしないと風邪ひいちゃ……」
そのとき、アキがマリアの身体にささやか衝撃を加えたせいで、マリアは水溜りに足をとられた。
「あ」
「あっ!」
転がっていくマリアの身体。アキはただ呆然とそれを眺めていた。
すぐに我に帰り、水溜りの上に倒れたマリアに駆け寄る。
「だっ、だいじょうぶですか!?」
「イタタタ……ハ、ハイ。たいした怪我はないみたいデス……痛ッ!」
身体を起こそうとしたマリアは、とっさに右手首を庇った。その部分が、徐々に腫れあがっていく。
「やだ、どうしよう! ひねっちゃったかな……ごめんなさい!」
「気にしないデ……すぐ保健室に行けば……ウッ!」
起き上がろうとして、また尻餅をつくマリア。今度は右足首を庇った。
「あ、足もくじいちゃったのかな……ごめんなさい……」
アキはどうしようといった感じで、瞳に涙を浮かべている。
「心配無いデスよ。それよりアキさん、保健室につれていってくれませんカ?」
「は、はい」
マリアはアキの肩を借りて保健室へと向かった。
マリアは右手首と右足首をひねっていた。万が一に捻挫の可能性もあるということで、保健室で休むことになった。
アキは授業に出るよう、保健室医とマリアに促されたが、授業中もマリアの様態のことが気にかかっていた。
(悪いことしちゃったな……授業終わったら保健室に寄って、ちゃんと謝ろう)
421マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:17:03 ID:Ws24pOrp

ところが、授業が結構ドタバタしていたせいか、落ち着いて保健室に向かえるようになったのは放課後のことだった。
「マリア先生……まだ保健室にいるかな?」
友達の帰宅の誘いを断って、アキは保健室へと向かった。
「失礼しまーす……あ、空いてる」
カラカラと音を立てる保健室の戸。すっかり日が暮れていて、薄明かりがついただけの保健室には、窓から夕焼けが差している。
「空いてるってことは誰かまだいるのかな……ん?」
机の上に手紙とカギが置いてあった。アキはそれを読む。
『矢野さんへ マリア先生が寝ています きっと様子を見に来ているでしょうから 
 起きたら保健室の戸締りと マリア先生をよろしくお願いします ごめんなさい』
「なんつー……まあ、いいけどさ」
しんと静まり返った保健室。窓の向こうの校庭から、野球部員達の声が聞こえる。
「マリア先生……大丈夫ですか?」
ベッドのほうを見ると、マリアが静かな寝息を立てている。捻った手足には痛々しく包帯が巻かれていた。
「ごめんなさい、先生……」
せめてマリアが目を覚ますまではここにいてやろうと思った。思えば水をかけたときも転ばせたときも、
マリアは何一つ取り乱すことなく、また一切アキを責めることもなかった。
それを考えたら、自分は案外救われたのかもしれない。責められていたらさらに落ち込んでいたろう。
少しでも邪険な態度をみせればいいのに、アキのことを考慮してくれたのか、緩和な姿勢を見せてくれたマリア。
感謝すべきだと思った。自分に出来るのは今日、最後まで付き添ってやることだろう。
マリアの瞳がぱちりと開いた。
「あ、起きましたか先生」
「Ah……おはようございマス、アキさん」
アキはくすっと笑った。
「今何時デスか?」
「えと……もう6時になりますね」
「そんなに寝てましたカ。アキさんは帰らないで大丈夫なんデスか?」
「あ、私は大丈夫です。今日はマリア先生のそばにいたいんです」
「アキさん、そんなにワタシと密着……痛ッ」
「あ、先生……無理をしないでください」
アキはマリアの手首に優しく触れる。ごつごつした包帯だった。
「今日はごめんなさい……私の不注意で」
「オ〜……全然気にする事ないデスよ?」
「先生は、どうして怒らないんですか?」
「ん?」
「いや……本当は、もっと怒ってもいいし、そうでなくてももっとつっけんどんにしてもらっても、
 私は構わないのに……全然そんな素振りも見せないし、ずっと優しいままですし……」
マリアは考えた。そんなに難しい問題だろうか……そんな顔をしている。
やがて優しく微笑むと、アキの顔に手を伸ばした。
「それはきっと……アキさんの悲しむ顔が見たくないからデスね。他の人じゃきっと、こうはならないかもしれまセン」
マリアの指が、アキのショートヘアをさらりと撫でる。
「だから今も、そんな哀しそうな顔をしないでくだサイ」
マリアの瞳が、まっすぐにアキを見詰める。アキの心臓が、ドキンと鳴った。
よく見ると整った顔立ちである。外人であるということを考慮しても、美人の部類だと思われる。
鼓動が高鳴った。アキは顔を耳まで真っ赤にした。
しばらく見惚れていたアキだったが、やがてマリアの性癖と、自分を抱きたいと言っていたいつかのことを思い出し、警戒した。
しかし、そんな不純な動機だけで、ここまで優しくなれるだろうか。あんな瞳でまっすぐ見つめ、優しい言葉をかけるだろうか……。
マリアの本心がわからず、アキは目をそらした。また失礼なことをしたと思いながら。
「アキさん、お願いがあるのデスが……」
「は、はい」
「冷蔵庫に頭痛用のアロエが入ってると思うので、もってきてもらえまセンか?」
「あ、はい」
422マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:18:32 ID:Ws24pOrp

頭痛がするのだろうか。まだ肌寒さの残る朝早くから水をかぶって風邪をひいたのかもしれない。
保健室に据え置きの冷蔵庫を探ってみたが、アロエがなかなか見つからない。
チルドケースのところでようやく見つけ、マリアの元に戻る。
「先生、持ってきました……せ、先生?」
アキはすぐにマリアの様子の変化に気付いた。頬を紅く染め、息を荒くしている。
「先生、やっぱりあのときのせいで……わ、すごい熱っ……!」
「あ〜……気にしないでくだサイ。単に興奮しているだけですカラ……」
「こんなときになにふざけてんすか!? ど、どうしよう、私のせいで……救急車呼ばないと……」
「ア、アキさん……」
マリアの左手が、慌てるアキの手をぎゅっと掴んだ。
「お願いします……ここにいてくだサイ……」
「せ、先生……」
どうしようかと迷ったアキだったが、とりあえず氷水とタオルだけを用意してマリアの横に座った。
すでに外は暗くなっている。野球部も帰ったようだ。
「スミマセン、引き止めちゃって……」
「いいんですよ、先生がこうしたいっていうんだったら」
いつものマリアとは思えない弱々しさだった。身体が弱れば、誰だってこうなるのかもしれない。
さっき自分が取り乱そうとしたときも、ジョークを飛ばしてなんとかしてくれようとしてくれた。
やっぱり、本当に自分の事を想ってくれているのかもしれないと思ったアキだった。
「マリア先生、何かしてほしいことはないですか?」
「そうデスね〜……その身体で温めてくれタラ……」
アキの顔が耳まで真っ赤になる。だがいつものように的確なツッコミをいれず、俯いたままだった。
「あ〜……ごめんなサイ。嘘デス、ジョークデス……」
アキのまさかの反応に、笑って取り繕うマリアだった。
「コンナ風邪……いつもならすぐに吹き飛ばしてヤルのに」
「マリア先生はなにか、とっておきの治療法でももってるんですか?」
「オナニーデス」
アキは盛大にずっこけた。
「オ、オ……!」
「知らないんデスか? 一回イッとくと驚くほど熱がひいていくんデスよ」
「知らないですよ……それ別の熱引いてん
じゃないですか」
「でも残念ながら、しばらくはできそうもないデスね」
「あ、すみません、私のせいで……」
「気にしないでくだサイ。いざとなれば道具頼りで……」
何の話をしているのか。
そう言いながらも、マリアの息は徐々に荒くなっていく。身体も震えてきた。熱が徐々に高くなってきて、寒気も出ているようだ。
「大丈夫ですか? やっぱり救急車を……」
「そんなことしたらアキさんに迷惑がかかりマス。ワタシは風邪薬も持ってイルので、それを飲んで安静にシテいれば……」
「……せ、先生」
アキはそっと、マリアの左手を握る。そして決心したようにそれを口にした。
「先生……ち、ちょっとくらいなら……お手伝いしてもいいですよ……」
「ん?」
「その……そ、『そういうこと』です……元はと言えば、わ、私のせいでこうなったんですし……」
アキの身体が震えている。マリアは黙ってそれを聞いていたが、やがて小さく首を振った。
「駄目デスよ。そんなつもりでいったんじゃありまセン。ワタシは好きな人には本当に大事なときに、望まないことをしない主義なんデス。
 女の子が好きだから言いますケド、女の子は自分を大事にしないといけまセンよ。そんなに気負うことはありまセン」
「ち、違うんです……その……」
マリアの左手を握る力が、ぎゅっと強くなっていく。
「今は……私が、先生にしてあげたいんです……先生としたいんです……」
熱が移ったのだろうか、自分でも意外な台詞を口にしていると気付いている。
しかし、悪い気はしない。決して狂気の沙汰ではないと、アキはわかっていた。
マリアは目を丸くしてアキの姿を見ている。
アキの決心を理解すると、ここまで言った少女に恥をかかせてはならないと思った。
「わかりまシタ。でもイヤならイヤと言ってくだサイ。優しくしてあげますカラ」
423マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:19:36 ID:Ws24pOrp

外はすっかり暗くなり、保健室の薄明かりの中、ベッドに腰掛けたマリアを、アキがまたいで膝で立つ形になった。
マリアの指がブレザーのボタンをひとつずつ外していく。ピンク色に赤い水玉のブラが姿を見せてきた。
(どうしよう……すごく恥ずかしい……)
アキはきゅっと目を瞑った。
「綺麗ですよ、アキさん。思っていた通りデス」
マリアが首筋に唇を這わせると、こそばゆさがにアキは身をよじった。
そのまま剥き出しになったアキの肩に、鎖骨に、マリアは何度も口付けてゆく。
「んっ……くすぐったい……」
「アキさんの肌、柔らかいデスね」
マリアの左手で、アキの太ももを擦っていた。ささやかな愛撫を与えることで、
経験がなく怯えるアキの緊張をほぐし、また互いの官能を高めていく。
ブラに口付けると、アキの目を見つめ、確認をとる。
「いいデスか? アキさん」
「え……あっ……は、はい……」
マリアの指が非常に手馴れた様子で、パパッとアキのブラを外した。
アキのやや大きめの乳房が、ぷるんと震えて姿を見せた。アキは目を閉じて羞恥に耐えている。
「アキさん、大きいとは思ってましたが、形も素晴らしいデス。100点満点のおっぱいデスよ」
マリアの手がふにふにと、アキの胸の感触を確かめる。指からこぼれそうなほど、大きく、柔らかい乳房だった。
「先生……」
「大丈夫デス。気持ちよくしてあげマスよ」
マリアの舌がアキの乳首に触れると、アキの背中にぞくっとした感覚が走った。
熟練した舌使いで、乳首をちろちろと舐め上げる。時折乳輪に沿って舌を這わせる。
マリアの左手はまた、アキの太ももを擦り出した。ただ擦るだけではなく、指でつうっと撫でるように。
「んっ……はあっ……あっ……」
しばらく続けていると、アキはこそばゆい感覚の中から、それとは確かに別のものを感じていた。
吐息の中に、甘い声が漏れ出す。
マリアは思った。初めてのアキだからこそ、自分の技術を駆使して、後悔することの無いよう接してあげたいと。
アキが快感を得るためなら、自分はいくらでも奉仕できる。
「ん……アキさんのおっぱい……おいしいデス」
「はあん……くぅ……せんせぇ……」
まだ胸による快感を知らないアキに、マリアの熟練された舌使いはレベルが高かった。
身体中に走る微電流のような痺れに、アキはすぐに身を寄せていた。
「あっ……んんっ……!」
アキは両手をマリアの首筋に回す。マリアは以前、乳首と太ももへの愛撫を続けている。
やがてアキの下腹部に、内側から熱がこもってきた。その部分からも、甘い痺れを感じていた。
「あっ……ああん……」
アキの吐息が徐々に荒くなってきた。身体中から汗の粒が浮かび上がる。
「せんせぇ……なんか……変な……」
「気持ちいいんデスね? 大丈夫デスよ、そのままで……」
下腹部の痺れが強くなるにつれて、アキは自分がどのようになっているのかがわからなくなってきた。
「あっ、あっ、せんせぇ……くぅ、んっ、あんっ、ふあぁぁっ!!」
アキの頭に電流が走ると同時に、身体を二、三度震わせた。
軽く絶頂に達したようだったが、アキに絶頂は初めての経験だった。
くたっとマリアにもたれるアキ。肩を弾ませ、荒い息を吐いている。
「イッたんですね、アキさん。大丈夫デスか?」
「ん……はい……はあっ……」
「どうしマス? 続けマスか? もうやめたほうが……」
「……だいじょうぶです、まだ、先生が気持ちよくなってないから……」
「……ありがとうございマス」
424マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:20:26 ID:Ws24pOrp


アキは荒い息を整えた。しばらくして互いに落ち着くと、目をくばせ、次の段階に進むことにした。
「……それじゃ、いきマスよ?」
アキは頷く。
マリアの手がアキのスカートを捲る。リボンのワンポイントがついた純白のショーツが姿を見せる。
股の部分が湿っていた。そこはもう愛液によって十分な湿り気があるに違いない。
ショーツを太ももの部分まで引き下げると、愛液が糸をひいて滴り落ちた。
「アキさん、濡れていマスよ。これなら何とか……」
マリアは自分の指を舐め、唾液をつけてしっかりと濡らした。
秘部に触れると、アキは身体をぴくんと跳ねた。
「アキさん、力を抜いてくだサイ」
「は、はい……」
アキの膣内に、マリアの指がするっと、第一関節まで挿入される。
「痛っ……!」
「あ……スミマセン! 大丈夫デスか!?」
「くぅ……はい……続けてください……」
これ以上深く入れるのは止めた。第一間接の部分だけを、ゆっくりと出し入れする。
アキの中はすでに熱く濡れぼそっていた。マリアの指を痛いほど締め付けてくる。
しばらく続けていると、慣れてきたのか、アキは痛みを訴えなくなった。
異物感こそ感じえなかったが、出たり入ったりを繰り返す指が、アキの膣内を刺激すると、
アキは再び訪れたぞくっとする快感に、息を荒げていた。
「アキさん……お願いがありマス」
「ん……はい……」
「ワタシのほうも……触ってくだサイ……」
アキの手がすっと伸ばされ、マリアのジーンズのボタンを外し、ジッパーを下ろす。
ショーツに手を差しこむと、むわっとした湿り気を感じた。アキを奉仕しながら、すでに濡れていたらしい。
アキの人差し指が、マリアの膣内に侵入する。テクニックも何もないアキは、ただがむしゃらに指を動かした。
「アウ……気持ちいいデス、アキさん。ずっとあなたとこうしたかった……」
「先生の膣内……熱い……」
それから二人は何も言わずに黙々と指を動かした。
互いに少しづつ快感を蓄え、夜の静かな保健室に、喘ぎ声混じりの二人の荒い息だけが響いている。
「あっ……気持ちいい……せんせぇ……」
「ワタシも……デスっ……んっ……!」
アキはまたも涙を溜めていた。二人の指を動かすペースが速まり、その度愛液の淫靡な音が激しくなる。
「あっ、ふあっ、くぅん……!」
「アキさん、んっ、かわいいデス……」
相手に刺激を与えると共に、双方共指の動きでは飽き足らず、自ずと腰を動かしていた。
愛液が止まることなく溢れつづけ、シーツをぐしょぐしょに濡らしてゆく。
そんなことには目も向けず、ただ快感を受け止めることにのみ必死になっていた。
互いの秘部からは、どくどくと絶え間無く愛液が溢れている。
気付けば二人は抱き合う形で、共に絶頂を迎えようとしていた。
「あっ、せんせぇっ、ふあっ、ひあぁ……」
「アキさん、一緒にっ、一緒に……」
「あっ、ひあっ、ふあっ、ふあぁぁん!」
アキの脳内で何かが爆発したような感覚が起きた瞬間、全身に強烈な快感が走った。
全身を大きく仰け反らせ、マリアの指を強く締めつけながら、絶頂を迎えた。
「アウッ、あっ、んんっ……!」
マリアもまた、ガクガクと身体を震わせ、頭を激しく揺さぶり、達した。愛液がとろりと溢れてくる。
愛液と少量の尿液とで、シーツの大きな染みが広がっていった。
アキはまだ身体をふるふると揺らし、快感の余韻を味わっていた。
「あっ、あっ、あっ……」
「はあっ……。アキさん……」
「せ、せんせぇ……」
身体中に痺れを感じながらも、二人はしっかりと抱き合っていた。
425マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:21:47 ID:Ws24pOrp

「あ〜……ゴホゴホッ!」
「なに、アキ。風邪引いちゃったの?」
「ん……まあね」
どうやらマリアにしっかりと移されてしまったらしい。翌日アキはマスクをつけて鼻水をすすりながら登校していた。
昨日のことを考えると、風邪とは違う意味で顔が熱くなる。
「オウ、アキさん! 風邪デスか?」
「うわ〜本当に元気になってるよこの人」
マリアは上機嫌で登校してきた。
「アキさん、昨日は大変デシタね!」
「あ〜あんまり言わないでください、恥ずかしい……」
「よかったらワタシが昨日のアキさんのように、つきっきりで看病してあげても……」
「少し、黙ってください……」
このままじゃ風邪は悪化する。そうなる前に釘を差しておく必要がある。
「先生……昨日はすみませんでした」
「……いえ、コチラこそ、ありがとうございマス。アキさんの気持ち、とても嬉しかったデス」
「それでですね……もし何かあったら、その……」
アキは言いたいような、そうでないようなという感じでくちごもっている。
マリアから目をそらすと、ぽつりと呟いた。
「昨日のようなこと……してもいいですから」
「……アキさん、嬉しいデスけれど、正気デスか? 病気だからといっても言っていいコトと悪いコトが」
言わなきゃよかったと思うアキだった。
426マリリスト ◆xQ7Due/8lc :2006/01/12(木) 13:24:31 ID:Ws24pOrp

以上です。

ママン女喰いの続編の要望があるみたいなので書いてみようと思います。
ユキ×アヤナも書いてみたいですねぇ。
427名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 13:30:38 ID:sS/KeuXQ
マリリスト氏GJ!
いやーすごい表現力ですね。
実用的な作品を楽しまさせてもらいました
家でまたじっくりと読ませてもらいます。

ママン女喰いシリーズ続編を書いて頂けるとか。
次はミサキかリンでしょうか。
楽しみにして待っております。
428クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:36:07 ID:r5pzLgOd
クロムです。
職人の皆様、本当にお疲れさまです。
久しぶりに来てみたら、もう400超えてますね。相変わらず進行早いです。

以前宣言致しました通り、重婚ネタを投下しようと思うのですが、正直何がなんやら・・・
かなり苦しい作品になってしまいました。

NG:重婚 設定無理あり
タイトル「Sweet&Hot Night」
429クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:37:10 ID:r5pzLgOd
妻に「どうしても離婚すると言うのなら、貴方を殺して私も死ぬ」と言われ、
愛人には「結婚してくれないのなら、貴方を殺して私も死ぬ」と迫られる。
あるいは、二股をかけていた恋人の両方から、相手と別れて自分と結婚するよう迫られる。
このような事態の回避を目的として、201X年、日本で重婚を認める法律が制定された。
その背景には、まさしくその立場に立たされた大物政治家の圧力があったと噂されるが、真偽のほどは定かでない。
当初は公序良俗に反する悪法との批判が後を絶たなかったが、それもやがて鎮火した。
口では不道徳を叫びながらも内心はこの新法に賛同する人間が、主に男性に多くいたためだと思われる。
まあいつの世も、ハーレムという言葉は男性にとって絶対の憧れなのであろう。
だが、実際に重婚を行っている世帯の数は、実はそれ程多くもない。
考えてみれば当然のことで、金銭面から人間関係まで、問題は山積みなのだ。
なので、先の例の様な事態に立たされた人間が、最後の手段としてこの法を用いるというのが現状らしい。
その証拠に、重婚家庭では家族全員が一つの家に同居する例は極めて少ない。
男性が女性の所に通う、所謂妻訪い婚のスタイルが主流である。
それ故、従来の正妻・愛人の関係と何等変わらないとの声もあがっているほどだ。
もっとも、何事にも例外があるのが世の常なわけで…オレ達も、その例外の一つだった。


「ただいま〜」
「「お帰りなさ〜い」」
土曜日だというのに仕事に駆り出され、クタクタになって帰宅したオレを、二つの声が出迎えた。
玄関に並ぶ、二人の美女。
一見少女のようだが、時折見せる仕種は完成された大人のそれで、そのアンバランスさが逆に魅力的な女性。
――旧姓天野ミサキ。
完璧なプロポーションを誇り、どこか冷たい印象を覚える顔立も含め、美そのものを体現したかのような女性。
――旧姓若田部アヤナ。
このタイプの異なる二人の美女は、今はどちらも小久保姓を名乗っている。
つまり、この二人はオレの――小久保マサヒコの、妻である。
オレ達三人が結婚したのは今から三か月ほど前、まだ新婚といって差し支えないだろう。
そこに至るまでの過程は、思い出すのも恐ろし…じゃなくて。長くなるので省かせて頂く。
だが、もしあの法律がなかったら、オレは昼ドラ並みの修羅場に立たされていたことは間違いないだろう。
まあ兎にも角にもオレ達は結婚し、重婚家庭には珍しく一つの家で生活している。
なにしろ中学時代からの長い付き合いだし、お互いのこともよく知っているのだ。
それならいっそ一緒に住もう、その方が経済的だ、というのが女性陣の決定だった。
ちなみに、ここにオレの意向は含まれていなかったりするのだが…。
閑話休題。
このようにして、オレ達の生活はスタートしたのであった。

430クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:37:53 ID:r5pzLgOd
「マサ君、先にお風呂にする?それともご飯にする?」
「ん〜、先に風呂に入ろうかな」
新婚さんの定番トーク。しかし我が家はここから先が違う。
「あら、じゃあ私が背中を流してあげましょうか」
アヤナが言う。これも新婚家庭では珍しくないのかもしれないが、何しろ妻は二人いるわけで…
「えっ!?…マ、マサ君!!私が流してあげる!!」
とこうなるのだ。
「なっ…ちょっとミサキちゃん、何で急にしゃしゃり出てくるのよ!!」
「だ、だって…この役は妻の特権っていうか、譲れないっていうか…」
「あのねぇ…私だって妻なんだから、私にもその権利はあるはずでしょっ!!」
「それはそうだけど…で、でもダメ、これだけは譲れない!!」
「なに子供みたいなこと言ってるのよ!!」
当事者(?)であるはずのオレを無視して口喧嘩を始める妻たち。
毎度のことだが、なんだこりゃ?夫婦漫才ならぬ婦婦漫才である。
別に彼女達は仲が悪いわけではない。むしろ、普段はまるで仲の良い姉妹みたいに振る舞っている。
それが何故かオレのことになると、互いに引くに引けなくなるらしい。
それだけ愛されているということなのかも知れないが、こう毎度だと逆に疲れてしまう。
「だいたい貴女はいつも…じゃない!」「そんなこと言ったって…でしょ!」
漫才、もとい口喧嘩は一向に止む気配を見せない。
(やれやれ…)
オレは心の中で溜息を吐くと、妻達に気付かれないようそっと移動し、風呂場に向かった。
いろんな疲れを、癒すために。


風呂から上がったオレは我が目を疑った。呆れたことに、彼女達はまだ漫才を続けていたのだ。
「なによ!昔は告白もできなくてウジウジしてたくせに、今じゃマサ君マサ君って!!」
「そ…そっちこそなによ!ちょっと顔が綺麗で、すっごく胸が大きいからって!!」
何かおかしな方向に進んでないか?確か、どちらがオレの背中を流すかで揉めてたはずなんだが…。
まあなんにしても、このままにしておくとどんどんエスカレートしてしまいそうだ。
「あのさ、二人とも…」
「「なによ!!」」
四つの眼に睨み付けられ、その気迫に圧倒されそうになる。が、引き下がるわけにもいかない。
「いや、オレもう風呂済んじまったんだけど」
オレは彼女達の言い争いが無意味なものであることを告げた。
「「えっ…!?」」
正気に戻ったのか、険しかった二人の表情が理性の光を取り戻していく。
かと思ったら、ホッとしたのも束の間、より一層険しい顔付きになった。
「ちょっとマサヒコ君、何で勝手なことするのよ!」
「いや、勝手って…」
「そうだよ!何の為に私達がこんなことしてると思ってるの!?」
こんなこととは、この漫才のことを指すのだろうか?というか、オレには風呂に入る自由すらないのか?
「「ないわよ!!」」
「……」
何故だろう、物凄く理不尽な気がする。それに、いつの間にか矛先がこっち向いてるし。
「いや、それよりメシを…」
「そうだ!マサ君がもう一回お風呂に入ればいいんだよ!」
オレのささやかな抵抗は、突然あがったミサキの声にかき消された。
「は?」
「だから、マサ君がもう一回お風呂に入って、私とアヤナちゃんが一緒に背中を流してあげればいいんだよ」
「いや、オレ風呂はもう…」
「うん、それは良い考えね。それなら喧嘩する必要もないし。じゃあマサヒコ君、行きましょうか」
「いや、オレはメシを…」
「「文句あるの?」」
「…ありません」
『妻には逆らうな、逆らえば死あるのみ』
オレがこの三か月で身を以て体得した教訓だ。
「じゃあ問題ないわね」
右腕をミサキに、左腕をアヤナに掴まれ、オレは風呂場へと連行されていった。
両の目いっぱいに、大粒の涙を浮かべながら。
431名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 15:38:34 ID:+HGuCLGS
マリリスト氏GJです!
まさかアキの方から誘うとは…スバラスィ
百合専門職人の誕生ですね


今岡×ケイとかみたいなぁ…とか言ってみたり
432クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:38:37 ID:r5pzLgOd
「つ、疲れた…」
自室に下がったオレは、そのままベッドに倒れ込んだ。
あの後二度目の入浴で妻達が満足するまで身体を洗われ、
漸く着いた食卓でも、両サイドに陣取った妻達によって、
「はいマサ君、アーン」
「くっ…マ、マサヒコ君、こっちもおいしいわよ!はい、アーン」
「うっ…マサ君、これも食べて!」
と、不毛な意地の張り合いが繰り広げられたのだ。おかげでドッと疲れが出た。
何が悲しくて自分の家でこんなに疲れにゃならんのだ。
『羨ましいよな、小久保は。こんな綺麗な奥さん達がいてさぁ。両手に花って感じだよな』
以前友人達を我が家に招いた時、その中の一人がそんなことを洩らしていた。
確かに両手に花という言葉は間違っていないし、その通りだと思う。
ただ、実際に手に持ってみなければ、その花に棘があることには気付かないのだ。
「やれやれ…」
ふと時計に目をやると、八時半を示していた。
「今日は土曜日だよな…あと二時間か」
その時、急な睡魔に襲われた。週の終わりにアレでは、致し方ないだろう。
「あー、ちょっと寝とくか…」
どうせあと二時間すれば、イヤと言うほど消耗させられることになるのだ。
それまでに、少しでも体力を回復させておかなくては。
オレはその格好のまま目を閉じると、一瞬で深い眠りに落ちていった。

オレ達の生活において、曜日は重要な意味を持つ。
結婚している以上当然夜の夫婦生活というのもあるわけだが、ウチではこれを曜日で決めているのだ。
月・水はミサキ、火・木はアヤナ。安直だが、これが一番揉めなくて済む。
曜日ごとにオレがそれぞれの部屋に赴き、そこで一晩を共にする。
言い方は悪いが、家の中で妻訪い婚をやっているようなものだ。
ちなみに、金曜日と日曜日は休養日となっていて、オレ一人でこの部屋で寝ることにしている。
実は結婚当初は休養日などなかったのだが、二週間で体力の限界をむかえてしまった。
このままでは夜の夫婦生活どころか、日常生活や職務にも支障を来してしまう。
そう考えたオレは、渋る妻達に頭を下げ、やっとの思いで自由な時間を手に入れたのだ。
世の男が聞いたら『贅沢言うな!』とお叱りを受けそうだが、キツいものはキツいんだから仕方無い。
では何故こんな中途半端な位置に休養日を据えているかと言うと、原因は間に挟まれた土曜日にあるわけで…

ガチャッ…
ドアの開く音でオレは目を覚ました。
「あれ、マサ君寝てるの?」
ミサキの声で完全に覚醒する。
「いや…今目が覚めたよ」
ノロノロと身体を起こし、声のした方に顔を向ける。入口付近にミサキとアヤナが並んで立っていた。
次に時計に目を移すと、十時半を少し回っている。
(もう時間か…)
結局まる二時間眠ることができた。まだ疲れは抜け切ってないが先程と比べればだいぶマシだ。
もう一度妻達に視線を戻す。どちらもパジャマを身に着けており、湯上がりなのか頬がほんのり赤い。
「マサヒコ君…じゃあそろそろ…」
「ああ、そうだな…」
妻達はオレの返事が終わらない内に部屋の中に入り、徐に服を脱ぎ始めた。
そして、それを受けてオレも服を脱ぐ。
そう…これが、金曜日・日曜日という半端な位置に休養日を据えている理由である。
土曜の夜、夜十時半。三人でその…あー、早い話が、一対二でいろいろすることになっているのだ。
そのため金曜日に身体を休めて体力を温存し、日曜日には前の晩に使い果たした体力を回復させる。
この図式は変わらない。というか、変えさせてもらえない。オレがどんなに疲れていようとも。
しかし哀しいかな、美女二人を目の前にして、その魅力にオレの男の部分が抗えないのもまた事実。
結果いつものように、この狂宴が幕を開けるのであった。
433クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:39:37 ID:r5pzLgOd
ギシッ…ギシッ…
服を脱ぎ捨てたミサキとアヤナがベッドに上がり、オレの方に擦り寄ってくる。
(あー、やっぱりコレは反則だよなぁ…)
タイプは違うが、妻達はどちらも男を狂わせるのに十分過ぎる魅力を備えていのだ。
一人でもそうなのだから、二人揃えば破壊力は二倍、いや二乗である。
かく言うオレも、妻達の裸身を目にして既に全身の血液が下半身に集まり始めていた。
「マサ君…」
ミサキがオレの首に腕をまわし、唇を押しつけてくる。そして、やや強引に舌を捩じ込んできた。
オレの口腔を、柔らかな舌が這い回る。
「ん…む、ン…んんっ…」
押し付けられたミサキの唇から甘い吐息が漏れ、鼓膜を刺激する。
唾液を啜る音が響き、それに応えるようにミサキの舌の動きも激しさを増していった。
「ミサキちゃん…ずるい…」
アヤナの呟きが耳に入り視線だけをそちらに向けると、何か言いたそうにこちらを見ている。
オレはミサキと唇を重ねたまま腕を伸ばしてアヤナを抱き寄せ、その髪を指で軽く梳いた。
そしてミサキからそっと顔を離すと、そのままアヤナの唇を塞いだ。
意外だったのだが、セックスになるとアヤナの性格はガラリと変わる。
普段は手厳しくやや攻撃的な面を持つ一方で、肌を重ねる段になると急におとなしくなるのだ。
受けにまわる方が好きであるらしく、キスなども自分からはあまりしてこない。
逆に、普段おとなしいミサキは、先程のキスでもわかるようにかなり積極的になる。
どちらも普段とのギャップが激しく、それはそれでそそられるものがあった。
オレはアヤナの上唇を舐め、そっと舌を挿し入れた。
舌同士が触れるとアヤナの身体がビクッと振えたが、構わずその舌を吸う。
「ンっ…ハァ…んン…」
オレの舌の動きに合わせて、くぐもった声が漏れる。
しばらくするうちにスイッチが入ったのか、オズオズとではあるがアヤナも舌を絡めてくるようになった。
「マサ君…私にも…」
待ち切れなくなったのか、ミサキも割り込むようにキスをしてきた。
三人一度のディープキスだ。
競うように侵入してくる二人の柔らかな舌を同時に味わい、送り込まれてくる唾液を嚥下する。
混じり合った吐息が鼻腔をくすぐり、オレの興奮をどこまでも高めていく。
三人でピッタリと唇を合わせ、舌を吸い合い、長い長いディープキスを重ねていった。
どのくらいそうしていただろう。甘い感触を存分に味わい、漸くといった感じで二人の唇が離れた。
どちらも目をトロンと濁らせ、口の端から滴る涎を拭おうともしない。
「二人とも…横になって」
オレはミサキとアヤナを並べてベッドに横たわらせた。
どちらも両手で身体を隠してはいるが、その表情は羞恥というよりもむしろ恍惚に近い。
「アヤナ…手、どけて…」
先にアヤナの手を外し、白い胸を露出させた。
中学の頃もう既に大人と変わりない大きさだったアヤナの胸は、年齢と共に更に成長していた。
オレは膨らみに掌を這わせ、片方の乳首に軽く吸い付いた。
乳首は早くも固くなり始めていて、舐める舌の圧迫を弾き返すほどだ。
「あン…、アぁっ…んンッ…」
アヤナが熱い喘ぎ声を洩らし、快感に身体を捩る。じっとしていることができないようだ。
乳首を舌で転がし、指で弄び、その反応を楽しむ。
だが、もちろんアヤナだけに専念するわけにもいかない。
アヤナの胸から口を離すと、今度は隣に横たわるミサキの胸にも同じように舌を這わせた。
434クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:40:52 ID:r5pzLgOd
「ん…あッ…あぁ…んんゥ…」
鼻先に抜けるような甘い声。アヤナに比べて胸は小振りだが、その分感度は良いようだ。
上目遣いにミサキの顔を窺うと、何とも言えない艶かしい表情を浮かべている。
それを見て、オレの中で理性が弾け飛んぶ。
オレは二人を抱き起こすと、更に激しくその肢体を弄んだ。
ところ構わず舌を這わせ、指で弄り、柔らかな肉体の感触を楽しむ。
「ふぅっ…あぁ…はぁ…」
「アッ…ンん…んッ…」
二人の喘ぎが室内に官能的な響きをもたらし、それがオレの行為に拍車をかけていく。
オレは二人の股間に手を潜り込ませ、濡れそぼった二人の秘所を指で掻き回した。
「あッ!!…あ、あ、んッ…!!」
「ぅ…んンッ!!ひッ…アッ…!!」
二人の声がより大きく、より甲高くなる。それに合わせて、二人の秘所から溢れ出る愛液の量も、明らかに変化していた。
指を動かすたびにクチュクチュと卑猥な音が立ち、オレの手を濡らしていく。
「マサヒコ君…ッ!!ダ、ダメッ…も…イっちゃ…あああぁぁぁッッ!!!」
先に達したのはアヤナだった。身体を大きくのけ反らせ、そのままベッドに崩れ落ちた。
「マサ君…私も…んッ…イきそ…ああッ…!!」
ミサキも限界が近いようだ。
オレは体の向きを変えると、ミサキの秘所に顔を近付け、溢れてくる液を舌で掬い上げた。
「あうッ…!あ…アアッ…い…くッ、あッ、アアアーッ!!!」
絶頂の瞬間大量の蜜が噴き出し、オレの顔を濡らす。
よほど深く達してしまったのか、ミサキは動くのも億劫そうだ。
部屋に、二人分の荒く乱れた息遣いが響いていった。


「マサ君…今度は私達がしてあげるね」
漸く息を整えたミサキは、起き上がるとそう言ってオレのモノに手を添えた。
そして、先程から十分過ぎる固さになっていたオレのモノに、可愛らしい舌を這わせ始めた。
アヤナも、初めは躊躇していたようだが、すぐにそれに加わった。
ピチャ…クチュッ…ピチャッ…
二人の舌がアイスキャンディーのようにオレのモノを舐めあげる。
オレのモノが見る間に唾液に塗れ、テラテラと妖しい光沢を帯びていく。
「マサ君、気持ちいい…?」
「ああ…」
竿を、袋を、雁首を、アヤナの舌が、ミサキの唇が、執拗に這い回る。
その刺激に、オレのモノが更に怒張する。気を抜くと一気に達してしまいそうだ。
「マサ君、もう…いいよね?」
意を決したようにミサキが呟く。答えを待たず、オレの腰にまたがってきた。
そして、ゆっくりと腰を下ろしていった。
温かく、柔らかく、ザワザワと絡み付くような感触が、オレのモノを包み込む。
ミサキが静かに上下運動を始めると、彼女の全身は瞬時に紅潮した。
「はぁ…んっ、くぅ、あっ…」
間を置かず、ミサキの喘ぎ声が室内の空気を震わせる。
その淫らな響きに煽られて、いつしかオレの思考は麻痺し、腰は無意識のうちにミサキを突き上げた。
「ひあッ、うぅ…ふわぁ、マ、マサ君ッ…アアァーッ!!」
ブルブルとせわしなく首を振りながら、ミサキは追い詰められた喘ぎ声をあげる。
「ああッ…ふあぁ…いいッ!うぅぅーんッ…!」
やがて最初の絶頂を迎えたのか、声を上げながら背中を大きくのけ反らせる。
だが、ミサキから引き抜いたオレのモノは、まだ痛いくらいに張り詰めたままだ。
435クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:41:40 ID:r5pzLgOd
グッタリとしたミサキをベッドに寝かせると、アヤナを乱暴に引き寄せた。
「えっ…きゃっ!」
バランスを崩してベッドに倒れるアヤナ。オレは彼女を横たわるミサキの上に重ねた。
「ちょっ、マサヒコ君、何を…」
そして、抗議の声を上げようとする彼女の女陰を、後ろから一気に貫いた。
「あっ!ああああ…!」
半ば驚いたような、アヤナの絶叫。しかし、苦痛の響きはない。彼女もすっかり準備ができていたようだ。
「あぁッ…あっ、ぅん…くぅう…ああッ!」
アヤナはシーツを握り締め、内側を掻き回される圧迫感と快感を、必死に耐えているようだ。
彼女の、ミサキとはタイプの異なる締め付けが、オレのモノに絡み付く。
その感触をしばらく楽しんだ後、オレは前触れなく、アヤナから自分のモノを引き抜いた。
「あっ…ふぅぅっ…はぁ、はぁ…」
ホッとしたような、それでいて残念そうな溜息。
オレはそれを聞きながら、アヤナの下で気持ちよさそうに横たわるミサキに、自らを挿入した。
「…ああっ!ふぁ…」
一休みのつもりで油断していたミサキが、突然の侵入に悲鳴に近い声を上げる。
オレは込み上げてくる射精感を堪え、二人の妻の間を何度も往復した。
「はぁっ、はっ…あンッ!」
(ヤベ…そろそろ限界…)
押し寄せてくる波に耐え切れなくなってきた。オレはアヤナの腰を掴むと、思いっきり突き上げた。
「アアッ!!あっ、あっ…イクッ、あ…んあああぁぁぁッ!!!」
アヤナの腰が痙攣し、その刺激でオレも達してしまった。アヤナの中にドクドクとオレの精液が注ぎ込まれる。
アヤナから自身を引き抜き、身体を離す。オレのモノは、自分の精液とアヤナの愛液で汚れていた。
ミサキが起き上がり、何も言わずにオレのモノを口に含む。
付着した体液を、ミサキの口がキレイにしていく。
その温かな感触に、出したばかりにも関わらず、オレのモノは再び固さを取り戻していった。
「マサ君…私にも…ちょうだい…?」
ミサキを押し倒し、正面から突き入れる。
「くぅうンッ…うぅッ…あぁ、あンッ!」
何度も焦らされ、ギリギリまで高まっていたようだ。内部が細かく震え、絶頂が近いことを知らせる。
「あああぁーッ…マサ君ッ…イクッ…また、イッちゃうぅーッ!!!」
ミサキの身体がベッドの上で跳ね、三度目の絶頂を告げる。
「クッ…!」
ほとんど同時に、オレも二度目の射精を迎えた。
ミサキの身体を抱き締め、その中に最後の一滴まで、搾り出していった。
436クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:42:12 ID:r5pzLgOd

「あ〜、マジで疲れた…」
妻達との行為を終え、オレは一人呟いた。
ミサキとアヤナは、どちらもオレの隣で規則正しい寝息を立てている。
その寝顔を交互に見比べながら、オレはもう一度溜息を吐いた。
なにしろこっちは二人分疲労しなくてはならないのだ。もうあまり若くもないというのに。
とりあえず、今すべきは体力の回復だろうか。
「オレも寝るか…」
そう思い、目を瞑ろうとした矢先のこと。
「おー、お楽しみだったみたいねぇ」
ドア付近から声が聞こえ、慌てて起き上がった。そこにいたのは…
「リ、リ、リョーコさん!」
「オッス、マサ」
「オッスじゃなくて、なんでここにいるんですか!?」
そこにいたのは、旧姓中村、現豊田リョーコだった。ただし、もう一捻り…
「何よ、妻が夫の家にいちゃ悪いっての?」
そう、重婚は別に男だけがするわけではない。当然その逆もあるわけで。
この人は、二人の夫を持っていたりする。そして、その片方がオレだったりする。
つまり、オレの妻は二人ではなく、三人だったりする。
ただ、普段この人はオレの元担任、豊田先生と二人で暮らしているはずだ。それが何故?
「それがねー、セージの奴昨日から出張でさぁ。暇なのよね。
 そんで、アンタと遊ぼうと思ったってわけ」
それを聞いて、背筋に嫌な汗が流れるのを感じた。
「あの…遊ぶってのはその…ゲームとかトランプとか…」
「んなわけないでしょ。分かりやすく言い直そうか?アンタで遊ぶのよ」
「あああああ〜〜」

この甘くも辛い夜が明けるのは、当分先のことらしい。合掌。

FIN

437クロム ◆kHmN5IXjEo :2006/01/12(木) 15:51:08 ID:r5pzLgOd
以上です。
突っ込みどころは多々あると思いますが、その辺はスルーして下さい・・・。
オチの部分、本当は>>44氏に頂いた案を使おうと思ったのですが、生かし切れず。
というか、最後急ぎすぎてグダグダですね。自分でも何書いてるのか分からなくなりました。


気を取り直して、次回作。シンジ・ケイのバカップルものをとか考えてたんですが、
もうネタ切れな気もしまして・・・。
他にアイディア浮かばないんですが、見たいカップリング等、リクエスト頂けたら幸いです。
438431:2006/01/12(木) 16:21:34 ID:+HGuCLGS
>クロム氏
乱入申し訳ありませんorz反省しております

そして激しくGJです!マサウラヤマシス
439名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 17:51:10 ID:vpd2Gz2/
クロム氏すごすぎ!い良いもの読ませて頂きました
アイとリンコが出てこなかったのが残念ですが…
これ以上はマサヒコ死んじゃうかw
440名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 19:07:33 ID:d3HpcLnL
クロム氏、GJ です。
ミサキはばっちりだけど、アヤナの描写が薄めなのがちょっと残念。

重婚って、冷静に考えると快楽付きの拷問だな。
早死にしそうだよ。
イスラムの連中はどうやって複数の妻を相手にしてるのだろう。
441ドミンゴ:2006/01/12(木) 19:17:15 ID:OQ41kXaG
常連の職人の方々、それと新規の職人の方々、どちらも大変GJ!!でした。いつも愉しく読ませていただいてます。

わたしも久々に続きを投下させていただこうと思います。

タイトル:デュエル
442ドミンゴ:2006/01/12(木) 19:18:16 ID:OQ41kXaG
 それでも何とかいつもの、今風の中学生にありがちな、醒めた表情を保とうとするのだが、上げた顔は頬の筋肉がひくひくしていた。
 これを見てクールというやつはいないだろう。
「開き直りゃいいのに」
 リョーコはそう言うがそれは無理だ。多分人生の中でこの五、六年が、もっとも自分に素直になれない年頃だろうから。
 そのくせ異性に対する好奇心と欲求は、メチャ耐え難いというのだから困りものだ。
 だがまあそれはそれとして。
「運命の十三回戦…………イッてみようか」
 どんな運命が待ってるのか、マサヒコにはわからない。誰にもわからない。
 しかし少年はどんな運命でも、甘んじて受け入れるつもりだった。要は野球拳続行だが、微妙に格好いいっぽい物言いだとこうなる。
「ジャンケン、ポンッ!!」
 出した手はグーとパー。
 ついさっきまでならばマサヒコは、勝とうが負けようが同じことだった。
 でも導入されたばかりの新ルールによって、少しばかり勝負が終わった後の余韻に違うものがある。
「……いきなりか」
「そいじゃ〜〜ねぇ〜〜 マサヒコ、とりあえず〜〜パンツ脱い――ん?」
 最後まで言葉を綴らなくとも、もちろんパンツなんてワードが出てくれば、マサヒコは自分が一体なにを望まれているのかはわかるが、
リョーコは皆まで言わずに途中で切ると、ジーーッと腕の中にいるアヤナを見ていた。
「……そりゃそうか。酔ってるったってなぁ。ここまでされてんだもん……そりゃそうだよなぁ、うんうん」
 一人で頷いて得心いった顔をすると、ゆっくりとアヤナからミサキへと視線を移して、リョーコはキラリンッと目を光らせる。
 人間を辞めなきゃいけないような特技。なにもマサヒコの専売特許ではなかったようだ。
「なるほどなるほど。そっちもか。いい感じで酔ってるとはいえ、こりゃお姉さん、一本取られちゃったよ」
「はぁ?」
「あんたはわかんなくていいの。……どれどれ、そうするとこっちもやっぱり――」
“バサッ”
「濡れてるのかな?」
 さらに目元を鋭く愉しげに細めると、リョーコは何の予備動作もなしに、いきなりミサキのスカートを捲り上げる。
「ぶっ!?」
 悲しい牡の習性に衝き動かされ、反射的に覗こうとした少年を、またしても張り手でブロックしながら、スカートの奥に可憐に息づく、
まだまだ幼さが残るほころびを、リョーコはしげしげと熱心に観察した。
443303:2006/01/12(木) 19:19:09 ID:cloXlgFy
オチがとてもよかった。GJです。

亀だが>>385殿
荒らしには大人の対応をしますから気にしてませんよ。
串通してない時点で逆恨みしたお馬鹿がIP抜く事ぐらい分かってましたし。
でも抜いたところで所詮何も出来ないですから。晒しの目的の大部分は晒された側の怒りを誘う事にありますしね。
だから私が涼しい顔をしてる限り向こうがやってる事に意味はありませんw

雰囲気変えて申し訳ありませんでした。以下何事もなかったようにお楽しみ下さい。
クロム氏重ね重ねGJです。
444ドミンゴ:2006/01/12(木) 19:19:28 ID:OQ41kXaG
「………………………………………」
 スカートを捲られた瞬間“ぴくりっ”と、少しだけ内腿を揺らしてしまったものの、健気に下手くそな寝たふりを続行するミサキ。
 おそらくは二人とも、最初は本当に寝ていたんだと思う。
 じゃなかったらこんな、睫毛をふるふるとさせている茶髪の少女や、オバケにでも会ったみたいにぎゅっと目を力一杯つぶる少女に。
「このあたしが騙されるわきゃない」
 伊達に女をやってないのだ。
 これからそうなるだろう青い果実に、ラッキーで一本はくれてやっても、気前良く二本もやるほどには甘くない。
 とはいえ中村リョーコは厳しくはあっても、話のわからない女性ではなかった。
 確実に目を覚ましているのに、起きてます、という意思表示をしない恥ずかしがり屋の二人の為に、人肌脱いでやろうと心中決意する。
 うん。
 話はわかるがその解釈には、大いに問題のある人なのだ。
「ほらマサヒコ、あんたは早くパンツを脱ぎなさい。そしてミサキを右側にして寝かしたら、そこに男らしく堂々と勃ちなさい」
「……えっ? すいません、もう一回言ってくれます」
 リョーコの指しているのは部屋のど真ん中。
 ちょうどミサキとアヤナの位置からは、マサヒコのオールヌードを見るには、遮るもののない狙ったようなベストポジションだ。
 もちろん狙ってるだろうけどさ。
「そ・こ」
「……やるんですか? マジで? どうしても?」
 リョーコとデュエルし始めてから、もう彼此どのくらい時間が経っているのか、脳がとっくに麻痺しているマサヒコにはわからない。
 だがこれがマサヒコにとって初めての、己の身体に降りかかる直接的なピンチだった。
 パンツ一丁くらいならば、結構あっさり納得できるが、これ以上となると抵抗の度合いが違う。
「あんた同級生散々剥いといて、まさかいまさら男のくせに、ぼく恥ずかし〜〜〜〜ん、…………とか言わないよね?」
「うっ!?」
 でもそれを言われたら、とてもじゃないが、脱がないわけにはいかなかった。
 よ、よしっ!! お、おれも男だっ!! やったろうじゃん!!
 そんないつかどこかでしたような決意をすると、マサヒコはミサキを指示された通り寝かし、そ・こ、に立ってパンツに手を掛けた。
445ドミンゴ:2006/01/12(木) 19:20:39 ID:OQ41kXaG
「……やっぱし……どうしてもその……見せないとダメ?」
「ダメ」
 未練がましいマサヒコの言葉を、リョーコは短く簡潔に跳ねつける。
「あんたズバッといきなさいよズバッと。いつまでもウジウジしてたら男を下げるよ。そうは思わない小久保マサヒコくん?」
“バッ!!”
 思った。
 そして思った瞬間に身体は動いて、ズバッと足首までパンツを下げていた。
 リョーコと薄目になってる他二名の視線が、鋭くマサヒコの股間に、ババッと、パンツを下げた勢いにも負けないくらい突き刺さる。
「なぁ〜〜だ立派立派。それだけのもんを持ってるんなら、別に恥ずかしがることないじゃないの。胸を張りたまえ小久保マサヒコくん」
「はぁ……どうも」
 それが人よりたとえ大きかろうが小さかろうが、それで人としての、男としての価値が決まるわけじゃない。
 だがそれでも拘ってしまうのが牡としての悲しい性だ。
 ふいっと赤い顔で目を逸らしてはしまうが、マサヒコもそう言われれば悪い気はしない。
 実際マサヒコの期待と興奮で膨らんでいる勃起のサイズは、中学生平均でいえば可もなく不可もなく、まずまず合格点のものだった。
 きちんと剥けてはいるものの、まだ粘膜の味を知らないピンクの亀頭も、ぴくぴくしている様が中々にプリティである。
 ただ……それはあくまでも、経験豊富なお姉さんの場合であって。
「………………………………………」
 顔は動かさないまま、リョーコは目の端で隣りを見た。
 幼馴染というオイシイ属性を持つ少女の目は、寝たふりをしていることも忘れたように、はっきりと大きく見開いている。
 腕の中にいるアヤナの顔は俯いていて見えないが、身体が微かにではあるが後ろに引いたのは、ばっちりかっちりきっぱり感じられた。
 こちらも少年と同じくで、その蒼い身体に勃起の味を知らない二人の少女には、強烈すぎるインパクトだったようである。
「そいじゃそのまま……オナニーしてみて」
「はい?」
「人前でするの初めてでしょ?」
 当たり前だ。
 そんな特殊な経験をするには、中学生はいくらなんでも早すぎる。――――大人になったからってできるわけじゃないけど。
「こんな可愛い娘が二人も、それもあられもない格好で寝てるんだから、ズリネタには困らないし、第一こんなチャンスそうないよ?」
 当たり前だ。
 こんなチャンスが二度も三度もあったら、毎日毎夜、チンチンが痛くなってもしている中学生男子にはパラダイスである。
 1+2=パラダイスである。
446ドミンゴ:2006/01/12(木) 19:21:42 ID:OQ41kXaG
「他に人がいると出来ない恥ずかしがり屋さん、って言うなら、ちょうど肴もないことだし、一時間くらいなら席を外してもいいよ?」
 それだったらあまり抵抗はない。
 オナニーという行為は、それはそれはとてつもなくプライベートなもので、他人に見られるのはメチャメチャ屈辱的だ。
 まあ世の中には、それがいいんじゃないか、という人もいるが、マサヒコにはそういう特殊な趣味は……まだいまのところはない。
「………………………………………」
 しかしそれだと人前でする、という条件をクリアーしてない気がするのだが。
 そんなことをマサヒコが、ラッキーチャンスが手の届くところに転がってる中学生男子が、もちろん自分の口から言い出すわけがない。
「そうそう。それでいいのよ男の子は」
 抱きかかえていたアヤナをそっと、ミサキと線対称に寝かせると、意味深な笑みを浮かべながら、リョーコはゆらりと立ち上がる。
 何だかそこには妙な迫力が、あったりなかったりした。
「そいではあたしは一時間ばかり消えるから。……お姉さんの好意を無駄にしてくれるなよ少年少女達、じゃっ!!」
 足取りはスキップ一歩手前、上機嫌の鼻歌混じりで、リョーコは部屋を出て行く。
「………………………………………」
 でもマサヒコは。
“パタンッ”
 と静かにドアが閉まり、トントンと軽やかに階段を降りていく音がしても、その場から微動だにしなかった。
 全神経を耳へと集中させる。
「………………………………………」
 マサヒコは聴覚には自信があった。
 ED疑惑がどこから出るんだというほど、毎日毎夜プライベートな時間を愉しんでいるわけだが、そういうときに限って図ったように、
母親がこっそりと足音を忍ばせてやってくるが、マサヒコは察知できなかったことはない。
 その鍛えられてる聴覚は、リョーコが完全に家から出たのを確認したが、それでもしばらくは動かなかった。
「………………………………………」
 否、動けなかった。
 意識がどこで切り替わったのかは、マサヒコ本人ですらまったくわからない。
 目がキョトキョトと右に左に、シャツが肌けたたままの乳房に、剥き出しの太股にと、ミサキとアヤナの間を行ったり来たりしていた。

今回はここまで。

とりあえずなんとか停滞は、かなり強引ですが脱出できました。
待っててくださった方、本当にありがとうございます。物凄い嬉しかったです。次の投下は少しでも早くできるように頑張ります。
447名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 20:00:14 ID:d3HpcLnL
ドミンゴ氏もキター、待っていた野球拳キター、GJ

ミサキ・アヤナを剥いてしまうか、アイ・リンコへ移るのかと思っていたら、予想を裏切る急展開。
めっちゃ面白いです。続きが気になる〜

アイとリンコもストーリーに絡んできてほしい。
44872 ◆jQvWLkj232 :2006/01/12(木) 20:18:33 ID:nlXoIatx
気づけば昼間なのに3作品も投下されてる…。
マリリスト氏、クロム氏、お久しぶりのドミンゴ氏GJ&乙です。
今からじっくり読ませていただきます。

それにしても最近流れが早い…
…今スレでの投下は無理そう…
449名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 20:31:54 ID:4Nfw8oEx
楽しみにしています72氏!

それにしても本当に流れ早いですね・・・
ここってエロパロスレで何番目くらいのスレ消費なんでしょうか?
450名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 20:40:26 ID:UvQyll2M
1位かどうかは知らないけど、間違いなくトップクラスだと思う
451名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 20:41:27 ID:wAwqoDVi
俺が知ってるスレの中ではここが一番早い。ダントツで。
452名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 21:40:37 ID:ASV7MAh0
ドミンゴ氏、待 っ て ま し た ! GJ!
めっちゃおもしろかったです!

後この前読んだイスラムの記事によると最近、重婚は親族に猛反対されるらしいね
ものすごい嫉妬を受けて、ギクシャクするのが理由だそうだ

ついでにトリビア。なんでイスラムで重婚が認められてるというと、
ムハンマドの時代に戦争の未亡人がかなり多くて、彼女らを保護するのが目的だったそうです
453名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 22:09:20 ID:OcxtNLCv
>>452
重婚が認めれてる代わりに、一生女性に触れられないどころか
生の顔を見ることも出来ない完全な負け組の男もいるとか…ニホンジンデヨカッタヨ…orz
454名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 00:23:25 ID:d7CrHQYt
神々の国はここでつか?
455名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 00:43:45 ID:MD9t7Vh7
全職人に乙&敬礼


>>453
女に囲まれてるマサヒコとシンジは幸せ者だな(自覚は無いが…というより迷惑がっとる場面もあるが)
カズヤも妄想キングである意味幸せ者、マサパパンはママンと結婚してんだから当然幸せ者
セイジは…微妙だな、坪井は出番の少なさからしてだめぽ
45644:2006/01/13(金) 00:59:14 ID:D+CXyiEg
ドミンゴ氏、ありがとうございましたっ!!!
GJっすよ…震えるぞハート、燃え尽きる程ヒートォォッ !!
また機会があれば是非、違う組み合わせでの重婚ネタをば…他の職人さんもいかがすか?
 
…スンマセン、調子乗りすぎですね。でも、読んでみたいのです!
457名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 01:11:58 ID:FjWQphNV
>マリリスト氏
あなたのおかげで百合が食わず嫌いだと分かりました♪マジ感謝してます

>クロム氏
ベッドの上ではおとなしくなるアヤナに(*´д`)ハァハァ…
リクエストはミホをハッピーエンドでお願いします
あとバカップルシンジ×ケイも当然見たいので期待しております

>ドミンゴ氏
さすが…予想できない新展開!!
続きが気になり過ぎます!!マサと同じく全裸で待機!
458117(´_ゝ`):2006/01/13(金) 04:41:33 ID:RssrhITE
ドミンゴ氏、お久しぶりですね。
もう続きが見れないかと思いましたよwGJ!

マリリスト氏、ぜひ戸川とアヤナの百合を書いて欲しい。GJ!

クロム氏、重婚はイイ!!マサが大変だなw気の毒だよwwエロおもしろかったGJ!でした。
459名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 05:01:38 ID:RXopT/7R
クロム氏、GJ&乙!! 重婚は新鮮でよかったですv
シンジ×ケイのバカップル編もハアハアしながら待っております。

ドミンゴ氏、復帰されて本当に良かったです。
続きも楽しみにしております。
460名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 08:37:56 ID:AYMlLuD+
ミサキとアヤナとの3Pは凄杉
461名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 13:17:13 ID:MD9t7Vh7
実際ここは最初期からいったい何人の職人が舞い降りたんだろう
462名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 15:48:39 ID:hYeXY5IC
>>461
相当な人数になるだろう
いや、数えたわけじゃないが
463そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 19:54:45 ID:zlcoZiQf
こんばんわ、久々のそらです。しばらくぼーっとしてたらもうこんなに・・・
全職人様に乙です。
さて、今回の話ですが元々の話を考えていたんですが、その話の前を考えていたら
どんどん話が大きくなってしまって・・・今回は連載という形になります。
完成は未定ですがよかったら読んでください。ごちゃごちゃしてるかもですが・・・
作品全体のタイトルは「もう一度、自らの足で」で今回投下するのは
「エピソード1 マサヒコとミサキ」です。
464そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 19:56:42 ID:zlcoZiQf
マサヒコとミサキが中学を卒業して早7年の月日が流れていた。
中学の卒業と同時に付き合い始めた二人は長い交際を経て先日大学を卒業と同時に結婚。
さらに、ミサキのお腹には二人の愛の結晶が宿っていることが発覚。二人は幸せの絶頂にあった。
しかし、出産予定日を間近に控えたある日ミサキの体調が急変する。
医者に言わせれば今まで見たことのないウイルスとのことで、このままミサキの体を蝕んでいけば
出産の体力消費に体がついていかず子供は無事でも母体のほうは悪くすれば・・・死・・・
マサヒコは説得を試みたがミサキは決心を変えることはなかった。
そんなある日ミサキの友人達が病室を訪れる。友人たちと談笑を楽しむミサキ。しかし、友人達の表情は
どこか曇りを見せていた。すっかり痩せてしまったミサキを直視できなかったのだろうか。
そんな空気を察してかミサキが口を開く。
「アイ先生。」
そう呼ばれてミサキを見たのは城島、旧姓濱中アイ。
「アイ先生、もうすぐ教職にお戻りになるのですよね。この子が小学生になったらよろしくお願いしますね。」
現在は育児休暇で仕事はしていないが、小学校の教師になったアイ。お腹を撫でながらお願いする
ミサキに、アイはただうんうんと頷くコトしかできなかった。
「豊田先生・・・うちの子に変なこと教えないでくださいよ?」
「うん・・・ちゃんと役に立つこと教えるわ・・・立派な子にしてあげるから・・・・」
そう言って豊田、旧姓中村リョーコは背を向ける。その目には涙が宿っていた。
「リンちゃん。この子とたくさん遊んであげてね。リンちゃんならきっとイイお友達になれるから。」
リンコはそのお願いに答えることはできず溢れる涙をこらえるしかできない。いや、こらえれてもいない。
「そして・・・アヤナちゃん。マサちゃんのこと・・・・よろしくお願いします。」
表情を変えないアヤナにニコッと微笑んでお辞儀をするミサキ。少し表情を崩してアヤナは言う。
「嫌よ。だいたい、彼の奥さんはあなたでしょ?彼の面倒は一生あなたが見なきゃ。」
そう言い放つアヤナに再び笑みを返すミサキ。
「うん・・・そうだね。そうだよね・・・・ごめんね。変なお願いして。」
そう言って窓の外を見るミサキ。そして友人達に言う。
「今日は本当にありがとうね。みんなに会えて・・・・本当によかった・・・・」
そして、ミサキは友人達に再び笑顔を見せる。友人達は思っていた。きっとこの子は
もう分かってるんだろう。自分の体の事だ。一番分かってるに決まっている。
それを思うと何も言えなくなり友人達は病室を後にした。

465そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 19:57:37 ID:zlcoZiQf
出産予定日当日。手術の可能性もあるので病室に立ち入れないマサヒコと、ミサキは話していた。
「いよいよ予定は今日だね・・・きっと元気な子が産まれるよ。マサちゃん名前考えておいてよ〜?」
そう言って楽しそうにはしゃぐミサキ。ただ、体は思うように動かないようだが。
「ミサキ・・・後悔はしてないか?」
沈んだ表情をしたマサヒコがミサキに言う。
「マサちゃんとの子供産むのに後悔はしてないよ。ただ・・・理由も、原因も分からないこの病気に
かかったのだけは残念かな。本当はみんなもっと喜んでもいいはずなのに、これのせいで・・・・」
そう言って俯くミサキ。しかしすぐ笑顔をマサヒコに向ける。
「でも・・・それでも私はこの子産みたいから・・・大丈夫だよ。絶対マサちゃんの元に帰って来るから。
楽しいのはこれからなんだから。マサちゃんとこの子育てて・・・いつかこの子も大人になって・・・
子供と孫に囲まれて余生すごして・・・だから・・・私頑張るから・・・・」
そう言われるとマサヒコは何も言えなかった。そして、運命の時間を迎える。
「それじゃあ・・・行って来るから・・・マサちゃん・・・・」
「ああ・・・頑張ってこい・・・ミサキ・・・・」
ミサキは少し不満そうな顔をしたが、静かにキスをして別れた。
マサヒコが待合室に戻ると二人の両親、そしてお馴染みの面々が待っていた。
それぞれが祈るように両手を組みミサキの無事を案じていた。そんな中リョーコが話しかけてきた。
「マサ・・・愛してるくらい言ってやったか?」
「言いませんよ・・・分かりきってることですから。」
そう言うとリョーコは不満そうな顔を向ける。
「お前駄目だなぁ・・・ミサキはきっとそれを求めてたってのに・・・ほらあんたも祈れ、甲斐性なし。」
なんだかひどい言われようだが、みんなと同じように祈るマサヒコ。
神様なんか信じたことはないが、今だけは信じる。ミサキを・・・お腹の子を無事に・・・・
どれだけ時間がたっただろう・・・一瞬だった気もすればめちゃくちゃ長くも感じた・・・・
マサヒコが手術室のドアを見る。と、同時に産声があがる。それを聞いてマサヒコは手術室へ駆け込んだ。

466そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 19:58:29 ID:zlcoZiQf
「ミサキ!ミサキーーーーーーーーーーーーーー!!」
声を張って中に入ったマサヒコ。医師達もほっとした表情。つまり・・・・
「駄目だよ・・マサちゃん・・・この子がびっくりしちゃう・・・」
弱弱しい声。しかし、その目にはしっかりと命が宿っているミサキ。
「男の子だって・・・・マサちゃん・・・名前考えて・・・くれた?」
ミサキに言われハッとするマサヒコ。
「あ・・・すっかり忘れてた・・・ミサキの事しか頭になくて・・・」
マサヒコがそう言うとミサキはクスッと笑う。
「駄目だなぁ、マサちゃんは・・・じゃあ・・・私が考えた名前でいいかな・・・?」
「何だ、ちゃんと考えてたのか・・・もちろんいいよ。」
「ううん・・・出産中に思いついちゃったんだ・・・私とマサちゃんの子供で男の子だから・・・マサキなんてどうかな?マサヒコのマサとミサキのサキ・・・なかなかいいでしょ?サは・・・私とマサちゃんが繋がってる感じで・・・」
そう言って赤子の方を向くミサキ。
「マサキか・・・いい名前だな。よし、この子の名前はマサキだ!」
看護婦からマサキを受け取り抱っこをするマサヒコ。
「ふふ・・・よかった・・・マサちゃん・・・マサちゃんをお願いね・・・私はちょっと・・疲れ・・・ちゃ・・った・・・」
「!?先生、患者の容態が!」
「ミサキ!?ミサキしっかりしろ!ミサキ!!!」
安息もつかのま、再び戦場となる手術室。そんな様子は外で待ってる人にも異変を悟らせる。
「ちょっと!私達も入れなさい!中がおかしいのよ!」
鬼の形相で看護婦につめよるリョーコ。
「お願いします!友達が!ミサキちゃんが中で戦ってるんです!私達もそばにいさせてください!」
軽い乱闘でメガネを吹き飛ばしながらも、涙でグシャグシャの顔で必死に懇願するリンコ。
「この子達は・・・そう!私の隠し子なの!だから一緒に入れなさい!無理にでも入るわよ!」
無茶苦茶な理屈で無理を通そうとするマサヒコママ。看護婦達もこの猛攻に耐えられるはずもなく
ドアが開かれる。そしてなだれ込むみんな。しかし、すでにそこは静かな空間だった・・・・
ミサキの、今にも消えそうな声だけが響いていた。
「マサちゃん・・・泣かない・・で・・・最後に・・・えが・・おを・・・覚えて・・おき・・た・・いから・・・」
神はなんて意地悪なんだろう。実らないといわれていた初恋を実らせた少女を・・・
こんな形で実らせなくしてしまうのだから・・・・・
マサヒコは必死に涙をこらえて笑顔を作る。後で見ればそれは笑顔になっていたかも分からない。
それでも、精一杯に笑顔を作り、ミサキの手を精一杯握る。手に感じる暖かい感覚。
ミサキはまだ生きている。ミサキからも感じるか感じないかの力を感じる。
「マサちゃん・・・・・」
見える・・・好きな人の笑顔・・・感じる・・・・好きな人の体温・・・・最後に感じた最高の幸せ。
ミサキは笑顔を見せる。それはきっと、彼女の親も、マサヒコさえも見たことがないくらいの最高の笑顔。
ミサキは目を閉じ。ゆっくり口を開き、聞こえるか聞こえないか位の声で・・・それでも・・・
みんなの耳に残る声で最後の言葉を言った。
「・・・好き・・・・」
瞬間、マサヒコはミサキの手から力を感じなくなる。周りのよく分からない機械も無機質な音を立てる。
医師は目を伏せる。両親は崩れ落ちる。アイの目から止まることなく涙が溢れる。
人前で涙を見せることなどないだろう、リョーコもミサキを直視し泣いている。そんなリョーコに
抱きつくような形で泣きじゃくるリンコ。立ったまま、ただ呆然としているアヤナ。
ミサキは・・・・遠く・・・きっと生きている間は追いつけないくらい遠くへ・・・旅立っていった。
マサヒコとの絆、マサキを残して。
467そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 19:59:28 ID:zlcoZiQf
傷も癒えぬまま、告別式になる。それぞれがどん底のような面持ちをしている。写真の中のミサキを除いて。
当然のことながらマサキはまだ病院だ。もっとも、マサキにはさっぱり分からないだろうが。
火葬に赴く際、それぞれが最後の別れをする。そこには執刀をした医師もいた。
「我々医者は無力だ・・・・新型だろうがなんだろうが命を救うのが医師の務めなのに・・・誓おう・・・
君の命を奪った病気・・・必ず解明しこれ以上犠牲者を出さぬように・・・・」
そう言って花を入れる。未知のウイルスとはいえ、むざむざ患者を死なせたのはこれ以上ない屈辱だろう。
続いてアイが近づく。
「ミサキちゃん・・・初めて会った時は私のこと淫乱家庭教師なんて言って敵視してたよね。
仲良くなってからは本当に色々あって・・・・っう・・・」
最後まで言えずに言葉につまるアイ。結局いえた言葉は
「っうう・・っあ・・ばい・・ばい・・・」
だけだった。次はリンコのはずなのだが・・・今の彼女に別れの言葉など無理だろう。飛ばしてリョーコ。
「ミサキ・・・確かあんた成績はトップクラスだったわよね・・・でも・・・・こんなことまで
トップじゃなくていいんじゃないのかしら?まだまだ・・・早すぎるわよ・・・」
おそらく、これがリョーコの精一杯だろう。そして、アヤナ・・・
「天野さん・・あなたと私は一生のライバルだったのよ?なのに・・・ひ・・卑怯よ・・・
勝ち逃げなんて・・されたら・・・私は・・・もう追いつけない・・じゃ・・ないの・・・!!」
そこまで言うとアヤナは声を上げて泣いた。そんなアヤナをリョーコは抱きしめる。そして、マサヒコ。
今になって思う。手術前リョーコに言われた言葉・・・愛してるくらい言ってやったか?
きっとミサキは言って欲しかったんだろう。きっと・・最後に聞きたかった言葉んだろう・・・
どうして・・・愛してるって・・・たった一言なのに。言えなかった・・・本当に・・馬鹿だ。
頭に色々な言葉が去来する。しかし、うまく口に出ない。ただ、一言だけ・・・
「さよなら・・・大好きな人・・・・」

ミサキを伴った煙は空へあがる。ミサキも天へあがる。それを見送るとリョーコがマサヒコに言う。
「マサ・・・分かってるだろうけど本当に大変なのはこれからよ?まぁ、私達も出来る限り協力するわよ。」
「そうだよ、マサヒコ君。何かあったら言ってね。子育ても教えてあげるから。それが家庭教師の務めだからね。」
そう言って微笑むアイ。リンコも続く。
「マサキ君の遊び相手には私がなるからね。遠慮なく遊びにきてね。お洋服とかも選んじゃうんだから。」
そして、アヤナも。
「シャンとしなさいよ!あなたの事は天野さんに頼まれてるんだから。私は・・・いつでも・・・・」
そこまで言うと口をつぐむ。そして、ようやくマサヒコが口を開く。
「みんなありがとう。正直・・・まだまだ立ち直れそうにないけど・・・それでも俺はミサキの願いを
叶えなきゃいけないからな。俺は・・・マサキと一緒に生きていく。」
マサヒコは空を見上げる。空には一筋の飛行機雲が走っていた。まるでミサキを天に送るように・・・
468そら ◆nZAjIeoIZw :2006/01/13(金) 20:04:16 ID:zlcoZiQf
1話目は以上です。NGワードは「どんな病気だよw」と「歌の歌詞じゃねーかw」です。
病気はおいといて、所々ある歌詞は高校の時に流行った歌でして
頭に浮かんだのでついつい使っちゃいました。
それからミサキ好きな方には申し訳ないです。ポジションは重要なんで許してください。
さぁ、上手くまとまるか分かりませんが気が向いたら最後まで読んでください。
469117(´_ゝ`):2006/01/13(金) 21:02:25 ID:RssrhITE
そら氏、お疲れ様です。

さて、これはマサと子供の成長のストーリーになるのかな?…

最後まで完成を目指して書いてほしいです。

それから、SS職人にお願いですが…

誰かが亡くなる展開SSは書かないで欲しいです

本気で辛い!悲しい……
すみません…
濱中キャラ全員が大好きなだけにショックが大きくてね…
470名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 21:33:07 ID:FjWQphNV
そら氏乙&悲しすぎます!!!これからバイトなのに大泣きしました
展開が読めないけど続きを期待しております
471名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 22:29:11 ID:IPmwpsoA
陵辱モノすらめったに落とされない(マサヒコはよく陵辱されてるけど)スレだし、
NG指定できるよう事前に一言入れるべきでございましたね。
472名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:08:23 ID:VpgQYAt0
死亡させても俺はオーケー
いい物語を完結させてください
473名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:34:29 ID:9CkD74aG
>>468 そら氏、GJです。

単にそのシーンが書きたいだけというのは萎えるけど、
ストーリー展開の上で必然性があるなら、死亡も陵辱もOK。
良いストーリーを期待します。

ただし、>>471 が指摘したように、NGワードは投下開始時点で
宣言してくれないと意味ないっす。
474名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:44:49 ID:ZKtCNVMm
>そら氏
GJっす!
やべえちょっと泣きそう…

あなたは話のためとはいえミサキを死なせた…
なら貴方はこの物語を書き切る義務がある!
続き期待してます!
。・゚・(ノД`)・゚・。
475名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:12:42 ID:l6k3RoPF
ちょうど去年に父が死んだ時を思い出した。

運良く、といっていいのかはわからないけど、父の死を看取ることができた。
衰弱しきって、全然声になってなかったけど、
最後に多分「ありがとう」と、酸素マスク越しに言ったんだと思う。

ついこの間、母と「最後に酸素マスクを取ってあげていたら良かった」と話した。
唯一の心残りです。
476名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:29:09 ID:uQbJlAcO
そら氏乙
キャラ死亡話は確かこれを含めてたった二つ、さて、多いか少ないか
まあ色々な話が投下されて、それに対してどうのこうの言えるのは幸せであり贅沢であることよの

で、「いったい何人職人が足跡を残していったのか」を古田氏のまとめをもとに大雑把に計算してみた
思わず笑ってしまうぞ、60人オーバーだ
投下されたSSが全部で何話あるのかまでは計算してない(しんどい)


いやあ…改めて言おう、言わせてもらおう
全職人様、まことにありがとうございます
477名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:53:24 ID:xoygqK01
>>475
心中お察し申し上げるが、このようなエロパロスレで、作品の感想より優先させて書くべきことではないのではないか?
478名無しさん@ピンキー :2006/01/14(土) 00:53:25 ID:OiAfRjYB
>>476
一話で消えた神、伝説と化したままのトモコト神・ミセリ神、
もちろん”不動の大エース”最多勝の郭神に、それに並ぶ左右の両輪・トマソン神、
引退したものの未だ人気高い”トリック・スター”アカボシ神、
ベテラン518神・ドミンゴ神、賛否両論をいつも巻き起こすが刺激的なSSを投下し続けるピンキリ神。
若手の有望株そら神・クロム神・マリスリト神、乖離神、それに”暴走王”160神。
漏れた神には謝ります。意図的ではありません。

つ大感謝

この言葉しかありません
479名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:57:09 ID:Wtw1QnTg
さて、もう一人投下したら次スレかな・・・
480名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 01:09:50 ID:xQgteHmT
マリリスト氏は結構名前を間違えられるな
481名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 01:22:10 ID:DAkWJ1Bs
そら氏を批判する訳ではないが、職人の誰か様。
この悲しい空気を吹き飛ばすような明るい馬鹿話をだうか一つ投下をお願いします!
482名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 02:29:08 ID:I1qq5cEV
そら氏GJ!!

>>478
82氏も忘れられない
もう一回投げてくれないかな

>>480
古田氏も結構間違えられてる
483541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:01:57 ID:QBKHDWlk
>>307-312 の後半です。では投下。

タイトル:リョーコ14歳/初夜
舞台:単行本1巻「014 乱入」の6年前
内容:過去、リョーコ×関根先生、初体験
484リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:02:33 ID:QBKHDWlk

中村、もうやめてくれ。これ以上は勘弁してくれ。
お、俺の体に触るな。やめろ。

ちょっ、シャツをめくるな、抱きつくな。
中村のおっぱいが、肌に直接当ってきて、、くそ、気持ちイイじゃないか。
これ以上迫られたら、俺は、俺は、、、、、ああ、完全に勃起しちまった。

なんだ、そのとろんとした表情は。エロ過ぎるぞ。
うあ、パンティーに手を突っ込んで、、こいつ、オナニーしてやがる。
なんてことだ中村、見損なったぞ。まるで盛りのついたメス猫じゃないか。

清純そうな顔して、裏ではいつもこんなことをしていたのか。
男とずいぶん遊んでいそうだな。
きっと、ナンパ野郎とハメまくっているに違いない。

まったく近頃の中学生は乱れてる。安易にセックスしやがって。
中村、お前はそういうとこは堅いやつだと思っていたのに、騙された。

畜生、畜生、畜生、
ナンパ野郎は中村を好きなだけ抱けるのに、
どうして俺は金を払って泡姫を抱かなきゃならんのだ。
世の中、間違ってる。間違ってる。

なんだ?触って欲しいだと?
おい、そんなところへ俺の手を…うわ、グショグショじゃないか。
濡れすぎだってーの。加減を知れ。

くそ、くそ、くそ、
もう我慢できない。やる、やってやるーーーっ。
淫行?免職?なーに、バレなければ問題はない。
中村もあそこを濡らして待ってるじゃないか。据え膳食わぬは男の恥だ。

よーーーし、中村。お望み通りにしてやるよ。
なんだ、その嬉しそうな顔は。このメス猫め。
大人のセックスを教えてやる。ヒーヒー言わせてやるから覚悟しろ。

さあ、腰を浮かせろ、パンティーを脱がせてやるよ。
うあ、マン汁が糸ひいてるよ。エロいな。

では味見を…ちっ、小便臭い。やっぱりガキだな。
さあ、中を見せろ。開くぞ。

これは、、、凄いな。壷に本気汁がねっとり溜まってやがる。
んー、しょっぱい味だ。このままクリに擦り付けてやるよ。
おいおい、なんて声で鳴きやがる。

あーーもうたまらん。入れたい、入れるぞ。いいな。
485リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:04:52 ID:QBKHDWlk

関根がリョーコの上にのし掛かり、ペニスの先端を膣口にあてがった。

「いくぞ」
「あっ、ダメ。待って」
「ここまできて、待てるか!入れるからおとなしくしろ」

リョーコは関根の下から逃れようとしたが、関根は許さなかった。
リョーコを乱暴に押さえつけて、強引に挿入しようとする。

「ま、待ってよ、先生。…コ…」
「こ?」
「…コンドーム、持ってる?」
「あっ」

関根が持っているはずがない。関根の頭の中で欲望と理性が葛藤する。
確かにナマはまずい、生徒を孕ませでもしたら身の破滅だ。
しかし、ここまできて止めることもできない。

「なあ、外出しするから、このままでもいいだろ」
「だめよ。ほら、コレを使って」

リョーコは、ベッドサイドの小物入れから小箱を取り出した。
関根との夕食前に、もしもに備えて母親の部屋から拝借しておいたものだ。

関根は何か言いたげな様子だったが、結局、欲望を満たすことを優先した。
小箱の中からパッケージを取り出して開封すると、急いで装着した。
486リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:05:47 ID:QBKHDWlk

はぁ、はあ、はぁ、
よし、ゴムを着けた。これで文句ないだろ、中村。

さあ、中村、両手をここへ。
何をすればいいか、言わなくてもわかるよな。

そうだ、いい子だ。両手でぱっくり開け。
今から、俺のチンポを入れてやるからな。
くそっ、勃起しすぎて、うまく狙いが定まらない。。。よし、ここだ。

「さあ、入れるぞ」
「いいよ…きて」

んーんん、きつい。なんだ、この狭さは。

「力を抜けよ、入らないじゃないか」
「だって…わたし…」

勘弁してくれ、お前がリラックスするまで待てというのか。もう待てないぞ。
俺のチンポはもう限界だよ。勃起しすぎて痛いんだよ。カチカチなんだよ。
早く入れて、突きまくりたい。奥までかき回したい。

もう、強引に入れてしまえ。
これだけ濡れていればなんとかなるさ。

こうやって腿を、がばっと左右に開いて、
体重をのせて、
一気にぐいっと…ほら、入った。


その時、リョーコが叫び声を上げた。
487リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:07:14 ID:QBKHDWlk

「ヒッ、イ、ィ、、痛いーーーー痛いーーー痛いよー」

関根は、驚いてはじかれたように腰を引く。
関根のペニスに絡みついた粘液には、赤い筋があった。
血の色だ。

「お前、初めてなのか」
「…うん」

関根は頭が混乱した。処女だとは思いもしなかった。
先程まで、関根を支配していた性欲は一気に消し飛んだ。

「中村、こんなことは、もう止めよう」
「いやよ。最後までして」

リョーコは跳ね起きて、関根にしがみつく。

「駄目だ。俺は、その…処女としたことなんて…どうしたらいいのか」
「お願い、止めないで。私の初体験を中途半端に終らせたくない」

関根はリョーコの頭を撫ぜながら、問いかける。

「こういうことは、心から好きな相手とするものだろう?」
「そうよ」

リョーコは関根の鈍さに呆れた。
この人はこういう人だ、全部説明しないとわかってくれない。

「パパもママも、友達も学校も、みんな信じられない。
 誰も私のことをちゃんと見てくれない。
 あの人たちは自分に都合の良い部分しか見ないわ。

 でも、先生は違った。ちゃんと全部を見てくれる。
 先生なら信じられる…と思う。

 でも、このままでは不安なの。
 ただの生徒のままではいや。もっと深い絆が欲しいの。

 だから私をちゃんと抱いてほしい」
488リョーコ14歳/初夜 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:08:13 ID:QBKHDWlk

今夜のリョーコの行動を、関根はようやく理解できた。

少々シニカルに構えているが、内面は真面目で純情な娘だったのだ。
ありったけの勇気を振り絞って関根に迫ったに違いないのだ。
恥ずかしさを堪えて関根を誘ったに違いないのだ。

今夜は、彼女の人生にとって記念すべき夜だった。

それなのに、関根は彼女をメス猫と見なして弄ぼうとした。
関根は罪の意識から、つい言い訳が口に出た。

「すまん中村。お前は男を知っているものだと…遊びのつもりだと…」
「ううん、こんな誘い方をした私が悪いの」

賢い娘だ、それに較べて自分は何も判っていなかった。

「中村、俺はお前の気持ちを知ろうともしなかった」
「今はわかってくれた?」
「よくわかったよ」

関根はリョーコをきつく抱きしめた。
この少女を幸せにしたい、護ってやりたい。関根は心の底からそう思った。

「中村、続き…しようか」
「うん」
489541 ◆05jvyNSqBM :2006/01/14(土) 03:18:32 ID:QBKHDWlk
「初夜編」は、まだ少し続きますが、今夜はここまでです。
続きの投下より先に、このスレが終わりそうですけど。

リョーコをクールな性格に描きたかったのですが、
書いているうちに自分でリョーコに萌えてしまって、妙に可愛い少女になってしまいました。
少しづつ、今のリョーコの人格に近付いていくように描きたいのですが、難しいです。
490名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 04:18:16 ID:jPQsaHie
>そら氏
あんた、なんて上手い小説を書くんだ。小説で泣けるなんて久しぶりだよ
491136  ◆Vj0EsPc1Zg :2006/01/14(土) 04:38:47 ID:ms0XvK32
お久しぶりです。
第1回目の投下から間隔空きすぎな136です。
 
まずは…
神の皆様GJ!超GJ!
「こういう使い方があるのか…」とか「あ、この場面はこういう表現の仕方があるのか…」とか、日々勉強させていただいておりますm(_ _)m
 
で。
私の第1回目の投下の際でのミスを。
ちょっと手元に資料が無いので未確認なのですが…
マサヒコ達の年齢とアイ、中村の年齢(というか、学年という方が良いのかな)が、丸々一年ズレている
こんな単純かつ馬鹿丸出しなミスしてしまいました_| ̄|○
あと、続きなんですが…投下はいつになるか…
まさか第1回目の投下前後から、いきなり
昼→夜→昼→夜→(半日空き)→夜→昼→夜
という地獄のような連勤をくらうとは思いもよりませんでした(汗)
現在、過労と風邪で完全ダウンしております…。
出来るだけ邪魔にならぬよう…でも頑張って投下していきたいと思います。
492名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 12:29:27 ID:mo6XQyQd
とりあえず、職人様お疲れ様です。
本当にお体に気をつけてください。

>クロム氏、
重婚GJ!!!
やっぱり3Pはいいです。興奮しまくりました。
これを見てしまった結果、シンジ編の重婚物も見てみたくなりました・・・。
ネタがなくなれば考えてみてくださいませ。

>ドミンゴ氏
デュエルの続きどうなるかと思ってましたけど、このような切り返しでくるとはさすがです!
確か12回ぐらいやった後、どう場面を展開させるか非常に難しそうでしたしね
続きもワクワクシツツGJです!

>そら氏
もはや純粋に感動してしました・・・GJ!
皆様はどーかわかりませんが、とりあえず俺はBAD平気派なんで続き待ってます
493名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 14:34:56 ID:tHmYTgaK
あいかわらず神が多いな。
キョウSS書いている夢を見たんだけどこれは何かの暗示かな?
494名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 19:07:39 ID:jnydsL4x
541氏GJです!! 純情なリョーコは新鮮ですね
リョーコものの長期連載期待してます
495名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 19:32:40 ID:1jBUglnD
早く高校生富田みたいなぁ
GJです
496名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 20:02:33 ID:5ObPMEGW
541氏GJ!
できればアイやリンコとの出会いまで書いてほしいなぁ 期待してます

>>495
つ【豊田】
497名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 21:21:58 ID:8xAWuNZN
>>496
富田はたぶん豊田じゃなくて「よみた」のタイプミスと思われ
tってyの横にあるし・・・
498名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 23:08:04 ID:njmDl+pv
白帯侍氏の続きマダー?
499ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/15(日) 00:59:36 ID:FgDMMq7H
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
埋めとして小ネタを投下します。
スルー対象ワードは「アキの乳ネタ」「本番なし」です。
無題でお願いします。

では↓
500ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/15(日) 01:00:08 ID:FgDMMq7H
 女三人寄ればかしましい、という。
三人で十分賑やかなのだから、五人も集まればその騒々しさは推して知るべしだろう。
 さて、そこで城島邸だ。
普段はシンジとカナミの兄妹二人だけが暮らしているのだが、よくカナミの友人が遊びにやって来る。
今日もそうで、矢野アキ、岩瀬ショーコ、黒田マナカ、金城カオルの四人が集まっていた。
明日は休日ということで、お泊まり会をすることになったのだ。
いつもはカナミ一人の部屋だが、今日は五人もいて少しばかり窮屈な状態だ。
 それで、だ。
普通なら、恋の話とか好きなアイドルの話とかになるところだが、
この面子でそうならないのは火を見るより明らかなわけで。
そいで、こういう場合に標的になるのは、大抵アキなわけで。
「アキちゃん、こうして見るとやっぱり胸おっきいねー」
 またその話か、とアキはやれやれという感じに首を振った。
返事はしない。迂闊に答えようもんなら、何をどう突っ込まれるかわかったもんではないからだ。
「腹が立ちますね」
「1cmでいいからわけてくれないかしら」
「アキずりぃー」
 腹が立つもずるいも何も、発育は個人差によるものだ。
そんなんで責められても、アキにはどうしようもない。
「何を食べたらそんなに大きくなるのかなあ」
「カナミちゃん違いますよ、アキさんはきっと夜な夜な自分で揉みしだいて……」
「でも私、彼氏にいつも揉まれてるけどこの大きさだよ」
「サンタさんに『もっとバストをおっきくしてください』ってお願いすれば良かったなー」
 アキは成長した。
や、胸の話ではない。精神面のことだ。
これぐらいのボケではいい加減キレたりしなくなった。
キレて突っ込むから、余計にいじくられるのだ。
「ねえ、マナカちゃん、ショーコちゃん」
「……そうですね、ここはやはり」
「……そうね、ちょっと」
「どうした、三人とも?」
 出た、秘術アイコンタクト。
カナミ、マナカ、ショーコの間に、電波がビビビと飛び交う(一名置いてきぼり)。
「……?」
 アキは体を退いた。
何かある、企んでいる、そう勘が告げている。
経験上、連中がこんな態度を取る時はたいていとんでもない目にあう。
「じゃ」
「剥いちゃいますか」
「そーれ」
「あ、え、ほえ?」
 逃げるヒマも無かった。あっという間に三人に飛び掛られ、アキは絨毯の上に押し倒された。
変にいじくられたくないから無言の行を貫いていたのだが、まさか実際にいじくられることになるとは。
「ちょ、ま、な、ひえええええ」
 何と言う連携プレー。
サッカーのワールドカップ、ドイツ大会の本命と噂されるブラジル代表とて、このようにスムーズに動けただろうか。
ショーコがまずアキの足を押さえた。
続いてマナカがアキの右手を押さえ、そしてカナミがアキの腰の上に飛び乗った。
まさに流れるような動き。
ジーコが見ていたら『素晴らしい統一感だ』と絶賛したに違いない(嘘)。
「ぐふぇ」
 アキは一瞬息が詰まり、抵抗する力を奪われてしまった。
「むっふっふっふ」
 親父臭い笑い声をあげて、カナミはアキの服のボタンに手をかけた。
「ぐふっ、ちょ、ま、何をするぅぅぅぅ」
 残された左手でカナミを払いのけようとするアキだったが、それをカナミはいとも簡単に封じ込める。
カナミレベルになれば、避けつつ片手でボタンを外していくことなど朝飯前のちょちょいのちょいだ。
501ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/15(日) 01:02:08 ID:FgDMMq7H
「ふっふっふっふ、さーて御開帳〜」
 親父臭いというより、親父そのものの発言のカナミ。
「体育の着替えの時に見たことはありますけど」
「一度ナマでじっくり拝んでみたかったのよね、この年齢不相応のおっぱい」
「うげ、こ、たい、体重がモロに、ぎっ、こ、腰が痛い、あぐ、か、カオル、助けてぇぇぇ」
 残念、カオルは呆然自失中。
女が女の服を脱がすという異常事態に、カチコチの石になっております。
仮に動けたとしても、この三人相手には勝てません。
これがスポーツならカオル一人で圧勝出来るだろうが、これはまったく別の“競技”なわけで。
「わ」
「……むっ」
「おお」
 左右に割り開かれたシャツの間から、白い清楚なブラジャーに覆われた二つの肉の丘が姿を現した。
「いやあああ」
 嗚呼、何ということだろう。
こんな日に限って、フロントホックのブラジャーをアキがしていようとは。
「じゃ、次はいよいよ」
 妖しくワキワキと手を動かすカナミ。
「こっからが本丸ですね」
 ムカツき半分、興味半分という表情のマナカ。
「ババッと一気にやっちゃった方が後腐れ無いわよ」
 一番実体験を積んでいるせいか、妙に落ち着いているショーコ。
「やめてくれぇぇぇぇ」
 暴れたくとも動けないアキ。
「………………」
 そして固まっている石像、もといカオル。
「じゃ、いくよ……」
 今、陵辱(?)は本番を迎えようとしていた。
カナミの指が、アキのブラジャーに伸びて、ホックを―――

「おーい、カナミー、みんなー、晩御飯どう、す、っ……る……」
 アキの乳房が空気にさらされた、まさにその瞬間だった。シンジが部屋のドアを開けたのは。
さて、シンジの名誉のために弁解をしておこう。
彼はドアの前で聞き耳をたて、機会をはかっていたわけではない。
そももそ、シンジは風紀委員の仕事があったので、帰ってきたのはついさっきだ。
で、今日の夕食の当番はシンジなわけで、皆が泊まるのは知っていたわけで。
ほいでまあ、親切心から夕食のリクエストを聞こうと、帰宅早々にカナミの部屋にやって来たわけで。
タイミングが悪いのは、何と言うか、シンジ自身が生まれ持っている運みたいなもので。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
 石像が六体になった。一秒、二秒、三秒、時間だけが過ぎていく。
「……お取り込み中失礼しました」
 最初に動いたのはシンジだった。
ペコリと頭を下げると、180度回れ右をして、ドアの向こう側へと消えた。その際、足と手の同じ側で歩いていた。
まあ、ノックをしなかったのは確かにシンジが悪い。
だが、ドアを開けて、まさか生乳が目に飛び込んでこようとは、誰が想像しえるだろうか。
「ちょ、ちょ、ままままままま!」
 火事場の馬鹿力か、ガバッとアキは跳ね起きた。
ふひゃあ、と振り飛ばされるカナミ、マナカ、ショーコの三人。
「まままま、待ってください、これは違うんです、待ってー!」
 そして蹴破らんばかりの勢いでドアを開けると、アキはシンジの後を追いかけた。
「まままま」
 ままま、という声がドアの向こう、廊下の奥へと遠くなっていく。
後に残された面子は、無言で顔を見つめあった(まだ石のまんまの一名は除く)。
やがて、「ぎゃあああ」「うわぁぁぁ」という叫び声が、階下から部屋に届いた。
502ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/15(日) 01:03:22 ID:FgDMMq7H
「あ、やっぱり」
 カナミはボソリと呟いた。
そりゃ叫ぶわな、という感じにマナカとショーコが頷く。
アキはカナミに襲われた時の格好でシンジを追いかけていった。
つまり、乳をモロにほり出したまんまというわけで。
「……どうだった?二人とも」
「……憎い」
「……妬ましい」
 この事態を引き起こした責任を感じているのかいないのか、
ジト目でアキのおっぱいの感想を述べるマナカとショーコ。
カナミもその言葉にうんうんと頷いた。
「アキちゃん、いいなあ……」
「……憎い」
「……妬ましい」
 どこまでもしつこい三人である。
「……何か、ドタバタしたらお腹空いてきちゃった」
「そうですね、私も」
「何か、肉まんが食べたいなあ」
 巨乳=肉まん、わかり易いというか何というか、露骨というか。
「じゃ、買いに行こっか」
 そう言ってカナミはよっこらしょと立ち上がった。
この分だと晩御飯は期待出来ないし、という言葉はあえて飲み込んで流す。
「では角のコンビニに行きましょうか」
「私も行く」
 三人はコートを手に取ると、部屋から“そっと”出て行った。
“そっと”というのがポイントだ。
堂々と出て行こうもんなら、揉めている(乳がではない)シンジとアキに見つかってしまう可能性があるからだ。
「…………」
 かくて、部屋にはカオル一人が残された。
まだカオルは固まっている。
ペタンと腰をつき、目を大きく見開き、口をまん丸にしたまんまで。
しかしなんとまあ、激動の数分間であったことか。

 カナミたちがコンビニに行ってから数分が過ぎた。 
まだ三人は帰ってこない。
アキも戻ってこない。
部屋の中にはカオル一人。
ポロンポロン、とかわいらしい音が時計から流れてきた。
「……」
 石像と化していたカオルが、ようやく体を動かした。
フラフラと立ち上がり、四人が組んずほぐれつしていた場所と、自分の胸と交互に見て、ボソリと一言。
「……アキ、ずりい」
 女一人では、かしましくなるはずもなく。
「肉まん……」
 固まっていたとはいえ、どうやらカナミたちの会話は耳に入っていたようだ。
「肉まん……胸……憎まん……」
 わけのわからんことを口にしつつ、ハンガーからオーバーコートを外して羽織った。
「お腹減った……。私も肉まん……」
 財布の中を確認し、ややよれる足でカオルは部屋から出た。
「肉まん食べたら、腹は出るけど胸は出ない……」
 と、ぶつぶつ呟きながら。

 そして、部屋には誰もいなくなった。
騒がしかった部屋は、静かになった。


       F     I     N
503ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2006/01/15(日) 01:06:31 ID:FgDMMq7H
以上です。
では、また。
504郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/15(日) 01:14:30 ID:n9QwAAfw
ピンキリ氏GJ!
さあすが、小ネタは氏の独壇場。上手いです。
ところで…………もう470k越えって………実はカオル×シンジSSの完結編が
完成間近なのですが……怖くて投下できませんよ……なんなんすか、この最近の早さは?

えー、まあとにかく………古田氏、乙です。
505名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 01:32:05 ID:9opYTaqV
ピンキリ氏乙
できればカナミたちに胸を責められて心ならずも乳首を勃ててしまうアキの痴態も書いてほしかった
でもまあ小ネタ扱いだからこれはこれでいいか

しかし半月でもう残り20KBちょっとかよ…
俺、某過疎スレの住人でもあるんだが、誰かレンタルでもいいから移籍してきてくれんかのう…
506名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 02:17:55 ID:mULwovra
少し早漏気味だけど立てますた

【濱中アイ】氏家ト全総合 15時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137258988/
507名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 05:27:51 ID:/oy7ILwB
ピンキリ氏GJ!!!
胸を憎んでアキを肉まんって感じwww
508名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 18:39:28 ID:W+kr1qPc
産め
509名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 19:45:19 ID:zLv618la
古田氏の保管庫収録が終るまで、埋めは控えようぜ。
未完成分や小ネタの投下もありそうだし、慌てて落してはもったいない。
510名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 19:59:11 ID:KJzfki4j
とりあえず小ネタ待ち
511名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 00:52:39 ID:zuDREZhW
郭氏が新スレに投下されたから皆そっちに行くだろう
タイミング悪くなるし無理してこっちに埋め小ネタ投下する職人さんがいるとは思えん
こっちは古田氏が更新されるまで普通に保守ればいいんでねえべか?
512名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 13:12:15 ID:+jZFY6et
じゃあそれで保守
513名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 00:12:51 ID:SbFyrOrl
古田監督が更新したみたいだからこちらはもう保守しなくて良いのかな?
514名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 00:33:39 ID:MnthZgyz
埋め
515名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 00:35:01 ID:dVp84fLH
さあ、毎度御馴染みとなりましたこの時間!

淫猥しりとり!いってみよ!
516名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 00:37:43 ID:caE+ZJG/
オオイヌノフグリ

「リ」
517名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 00:38:50 ID:dVp84fLH
リンビョウ

「ウ」
518名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 01:33:46 ID:pJC/pUxw
ウワメヅカイ

「イ」
519名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 04:11:49 ID:Olg1Q1Br
インポータント

「ト」
520名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 05:31:38 ID:nA7TU+I/
トショカンシショ

「ヨ」
521名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 07:06:09 ID:pi1zgmVs
ヨウエンナヒトヅマ

「マ」
522名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 08:51:06 ID:l4VGkzlP
マナカ×アキ

「キ」
523名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 09:32:10 ID:0qB2+Gf+
キッチンデノプレイ

「イ」
524名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 09:54:32 ID:GUie2DRA
インワイ

「イ」
525名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 10:04:44 ID:dVp84fLH
イチヂク

「ク」
526名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 10:36:23 ID:xv3UpMcc
クリ×リス

「ス」
527名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 10:40:13 ID:0Z+4XGL4
スキモノ

「ノ」
528名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 12:49:57 ID:apExhG90
ノーマルプレイ

「イ」
529名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 12:53:18 ID:dVp84fLH
インギーオブジョウトウ

「ウ」
530名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 13:09:20 ID:xv3UpMcc
ウシロヤグラ

「ラ」
531名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 15:38:17 ID:MJEi9+xQ
ラブジュース

「ス」
532名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 16:23:57 ID:pi1zgmVs
ストリップ

「プ」
533名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 17:39:43 ID:GUie2DRA
プンプンデレデレ

「レ」
534名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 21:15:21 ID:l4VGkzlP
レンタルエロビデオ

「オ」
535名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 21:31:35 ID:6Z0O8IX1
オナペット

「ト」
536名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 21:58:30 ID:a4Foy9oO
トガワユキ

「キ」
537名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 23:33:07 ID:2v4536ns
キグルイピエロ

「ロ」
538名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 00:20:03 ID:68f2stYe
ロシュツキョウ

「ウ」
539名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 00:39:36 ID:D5HZhgb3
ウシロノアナ

「ナ」
540名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 09:07:16 ID:3nYhguQ7
ナ・・・ナメテ・・・

「テ」
541名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 09:22:52 ID:SD2Yt/fr
テコキ

「キ」
542名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 09:41:36 ID:3nYhguQ7
キスマーク

「ク」
543名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 09:45:01 ID:9gPd22nh
クンニ

「ニ」
544名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 12:04:00 ID:Cg2n+tlL
ニンプモノ


「ノ」
545名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 12:18:44 ID:fQ0BgkoW
ノーセックス ノーライフ

「フ」
546名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 12:41:16 ID:3nYhguQ7
フリーセックス

「ス」
547名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 12:56:39 ID:tmzUkGXO
スジ

「ジ」
548名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 13:10:16 ID:Cg2n+tlL
ジラシプレイ

「イ」
549名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 14:35:20 ID:SD2Yt/fr
インニョウ

「ウ」
550名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 16:09:33 ID:bRrc4Yf+
ウナギパイ

「イ」
551名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 16:20:26 ID:9gPd22nh
インワイノウタゲ

「ゲ」
552名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 20:27:47 ID:DYccRiXO
ゲッケイ

「イ」
553名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 20:34:48 ID:4LFOJmbu
イ、イクーーッ

「ツ」
554名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 21:54:47 ID:tyvgts7m
ツンデレ

「レ」
555名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 22:04:09 ID:tmzUkGXO
レロレロレロレロ

「ロ」
556名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 23:02:44 ID:XvdC+RE7
ロシュツチョウキョウ

「ウ」
557名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 01:23:44 ID:Bf7AdQTk
ウシパジャマ

「マ」
558名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 01:25:54 ID:SEgZZPZC
マンピーノジースポット

「ト」
559名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 02:23:05 ID:kDTY/LZm
トップレス

「ス」
560名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 03:08:06 ID:sybDD3z5
スマタ

「タ」
561名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 13:11:25 ID:FWW2TIUf
タチバック

「ク」
562名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 18:01:38 ID:LKw9mDXV
クロダマナカ

「カ」
563名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 19:04:55 ID:Bf7AdQTk
カナミルク

「ク」
564名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 19:42:50 ID:SEgZZPZC
クリクリクリクリ

「リ」
565名無しさん@ピンキー :2006/01/19(木) 23:46:25 ID:m6asqh1e
リョーコ

「コ」
566名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 01:12:24 ID:7OfwkNLH
コーマン

「ン」
567名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 01:29:18 ID:p3zchtW9
…ン?……ヤベッ!!ムセイシテル…orz

「ル」
568名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 01:35:20 ID:H3RHCZl6
ルンp(ピーーーーーー…只今不適切な発言がありますた…
では、このあとも引き続き卑猥なしりとりの続きをお楽しみください。

「い」
569名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 01:45:36 ID:gH2ig/ZD
イングリモングリ

「リ」
570名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 16:21:17 ID:qZFPeacX
リング

「グ」
571名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 16:51:06 ID:J2VTUcD6
グチョグチョ
「ヨ」
572名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 17:16:32 ID:x4waqIjM
ヨガリゴエ

「エ」
573名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 18:53:09 ID:p3zchtW9
エロリストテンゴク

「ク」
574名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 18:56:34 ID:+GsDdinX
クロチクビ

「ビ」
575名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 19:19:03 ID:ICbnfe0v
ビキニヨリスクミズ

「ズ」
576名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 21:56:54 ID:V2Sg9IT7
ズルムケオティンティム

「ム」
577名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 21:58:20 ID:jzGpZrPs
ムセイ

「イ」
578名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 22:11:21 ID:A0ge3dk9
インランヒトヅマ

「マ」
579名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 22:36:49 ID:Jc9xb03H
マラドーナ

「ナ」
580名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 22:38:58 ID:Oy/xstVg
ナス

「ス」
581名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 23:06:18 ID:A0ge3dk9
スペルマ

「マ」
582名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 23:41:47 ID:V2Sg9IT7
ママンハヘンタイ

「イ」
583名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 00:21:01 ID:6bZGiHCd
イイオナニー
「ニ」
584名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 00:51:36 ID:w75iaMfx
ニードリング

「グ」
585名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 01:05:58 ID:0JDqTNUJ
グッショリダワ

「ワ」
586名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 01:08:52 ID:w75iaMfx
ワンワンスタイル

「ル」
587名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 11:11:32 ID:J2KRrnyI
ルールは守ってくださいよ、お客さん・・・。
中出しはダメって言ったのに・・・。

「に」
588名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 11:47:51 ID:w75iaMfx
ニーソックスデアシコキ

「キ」
589名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 13:11:25 ID:11tLgZ9j
キ、キスナンカサレテモウレシクナインダカラネ!!!!!!!!

「ネ」
590名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 14:25:51 ID:J2KRrnyI
ネエ・・・モウガマンデキナイヨォ・・・。
ハヤク・・・シテェ・・・。

「エ」
591名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 15:42:54 ID:0JDqTNUJ
エエノンカ、ココガエエノンカ、グヒヒ

「ヒ」
592名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 15:45:15 ID:mB+mj3Sj
ヒクツよー!!

「よ」





アレ?
593名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 18:14:22 ID:dzXXYtfs
よしよし、可愛がってやるゼ

「ゼ」
594名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 19:21:12 ID:KnyMjw8h
絶倫ミサキ
595名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 19:49:53 ID:dzXXYtfs
キスしたら赤ちゃんできちゃう

「う」
596名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 22:14:31 ID:J2KRrnyI
うん・・・・はうぅ・・・・やあぁ・・・・・。
早く・・中に出して・・・。

「て」
597名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 23:35:29 ID:mh01/qFz
手、 つないでも……いい?



「イ」
598名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 23:47:03 ID:oxUp3yl6
イった

警察に。

「ニ」
599名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 23:52:18 ID:dzXXYtfs
いいよ、はい。私達、恋人同士に見えるかな

「な」
600名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 00:27:23 ID:u8kwafQO
ニナャーとキンタマがサカっている

601名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 00:30:39 ID:TYYupMY5
ルマンコ


「コ」
602名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 13:49:02 ID:2G4gpCSW
こかん

603名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 14:29:01 ID:nxP2v6En
んな馬鹿な! THE有頂天ラブホテル

「ル」
604郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/22(日) 15:22:55 ID:N1QMJ/eL
流れ切ってすいません!72氏に影響受けて書きました、
埋め用小ネタ、タイトル:「甘い会話」

「どうしたんだ?若田部、ボ―――ッとして」
「あ……小久保君。ううん、なんでもないの。もうすぐ中学も卒業なんだなって思って……」
「ああ、そうだな……来年の今頃は、若田部アメリカだもんな」
「ウン……」
「もしかして、不安なの?」
「……少しね。だって観光とかで行くんじゃなくて、住むんだもん。
勉強してるけど言葉だって完全に通じる訳じゃないし……」
「そうか………俺なんかはさ、もっとお気楽に外国に行けていいな、なんて思ってたけど。
そうだよな、大変だよな……」
「ふふ、でもその方が小久保君らしいよね……小久保君でもアメリカとか憧れるんだ?」
「まあね。映画やテレビで見るじゃん?ニューヨークとかハリウッドとかさ。
単純に、カッコ良いなって思ってたけど……やっぱりそれって観光気分だもんな」
「………ねえ、小久保君?私がアメリカに行ったら、手紙書いてくれる?」
「うん。……でも俺、字汚いし、文章書くのヘタだから、その……」
「……良いの。気持ちがこもってれば。汚い字でも、短い文章でも。……約束だよ?」
「ああ、それでいいなら……約束するよ」
「それと……いつかは、遊びに来てよ。アメリカに……」
「え?で、でも……」
「いいでしょ?行きたいって行ったじゃない」
「あ、ああ………」
「ふふ、安心してよ。しっかりガイドしてあげるから。そうね、行きたいところとか、ある?」
「う〜〜んと……ゴメン、あんまり地名知らないし……」
「しょうがないなあ………ビバリーヒルズにワシントン、シアトルとかはどう?」
「……えっと映画とかで見たことあるような気がするけど……そうだね、行ってみたいかも」
「なら、行きましょ、すぐに……ふたりっきりで」
「え?」
「じ・ょ・う・だ・ん・よ」

END
605名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 15:59:06 ID:Nqv/uOfc
全米が萌えた
606名無しさん@ピンキー:2006/01/22(日) 19:35:57 ID:0ReiW0Zd
アヤナいいなぁ
607郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/23(月) 00:37:18 ID:NVNb3nDL
はい、続いて小ネタ。

"ズルッ、スッテ〜〜〜〜ン"
「わ!大丈夫?マサ君?今頭からコケ……」
「痛て……??うう………ダメだ、なにも思い出せん……」
「え?」
「まさか!」
「記憶喪失?」
「今のでマサが全てを忘れた……ありがちだけど、ギャグマンガなら定番ね!」
「わ〜〜ん、マサヒコ君、私の名前も?四十八手のうち、あと四十六手も残ってるのに!」
「………誰なんですか?あなたは……」
「マサ君!幼馴染みで浴衣の帯クルクルの悪代官プレーをされて、
2回もふわ〜り下着を見られた上に小さい頃け、結婚の約束をした私は……」
「………あの、悪いとは思うけど誰?」
「小久保君……まさか私の名前まで!?水着をはぎ取られていつの間にか布団で一緒に寝て
白い絵の具を顔射されて雪の日に押し倒されて水着で駅弁された私を!」
「…………すいません、名前は思い出せませんがそれ以上は勘弁して下さい」
「え〜〜ん、メガネを壊したときにだっこでお尻触りながら家まで送ってくれた私は……」
「あ!ああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「あ!待て、人格崩壊を起こすな、マサ!私は大丈夫よ」
「ほ、本当ですか?」
「そうよ。で、昨日私の処女を奪ったこと、覚えてる?」
「「「「アンタが処女のわけないだろうがああああああああ!!!!!!」」」」
「あ、あは、あははははっはははははあはははははははは!!!!」
「壊れた……マサ君が、壊れた……」
「ん?どうしたの?アンタら?」
「ああッ!これまたご都合主義で通りがかりのお母様!実はマサヒコ君がかくかくしかじかで」
「なるほど、マサヒコ?私の顔、分る?」
「誰なんですか?この若作りのおばさ………」
"ボスッ、ドシャッ、バキッ!!!!!"
「あの………お母様?」
「ショック療法って奴よ。壊れかけのテレビは叩けば直るって言うでしょ?」
「………か、母さん……思い出したけど……その前に、病院……」
「「「「「って思いだすんかい!!!!!!!!!!!!!」」」」」

END

タイトル:「記憶喪失で思い出したモノ」でお願いします>>古田氏
608名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 03:00:16 ID:5j50j3ik
じゃあ続きはミサキが頭打って幼児退行ネタで
幼稚園児のつもりでマサにじゃれつきまくる、と

リンとかぶるか
609名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 20:18:50 ID:fiZOnTMa
>>604,607
GJ!

それにしてもアヤナは素晴らしすぎる・・・。
610名無しさん@ピンキー :2006/01/24(火) 07:49:47 ID:f2Jpi/su
WGJ!
>>603では淫語しりとり続き

ルームライトケシテ・・・

「テ」
611名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 09:22:12 ID:VQ/0aIIB
テコキ

「キ」
612名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 15:51:45 ID:7pz2KjIT
キンタマナカ

「カ」
613名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 18:13:14 ID:z5itbA/5
カタチチポロリ

「リ」
614名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 19:18:09 ID:gpRwegIv
リンコト メスイヌ プレイ

「コ」
615名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 20:01:17 ID:GwJ5Hhlh
コジアケラレタ ソノブブンカラハ

「ハ」
616名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 20:11:56 ID:y9VioSLj
ハミチチ

「チ」
617名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 22:16:06 ID:7pz2KjIT
チカです…ハァハァ…

「ア」
618名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 22:20:07 ID:DjPTXLiK
アーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イクーーーーーーーーーーーーーーーー

「ク」
619名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 22:22:24 ID:Q4HSBQ5r
クマー
620名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:36:24 ID:lkEasWE9
マングリガエシ

「シ」
621名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 23:43:41 ID:D+5OmQ0C
シル

「ル」
622名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 20:22:57 ID:jDs0v63L
ルーズソックス

「ス」
623名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 21:26:33 ID:IjXlO3tO
スカトロズキノアニ

「ニ」
624名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 22:40:37 ID:E7StAoX+
ニクベンキ

「キ」

ってか>>614が「イ」で終わってるのに次の文字が「コ」になってる事に誰もツッこまないこのスレが好きだ。
625郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/25(水) 22:46:49 ID:stavp4J/
「きゃッ!!!」
"ズルッ、スッテ〜〜〜〜ン"
「だ、大丈夫?ミサキちゃん、今モロに頭から……」
「おい……ミサキ、ケガは……」
「う、うわあああん!!!!いたかったよぉ〜〜〜、マサちゃああん!」
「△※◆みみみみ、ミサキ?おい、いきなり抱きつくな!!なにやって……」
「……マサちゃん?なんでいきなりそんなにおっきくなっておにいさんになったの?」
「は?」
「ちょっと!天野さん!風紀が………」
「???このツリ目でおっぱいおっきくてせいかくわるそうなおねえさんはだれ?マサちゃん?」
「つつつ、ツリ目で胸が大きくて性格悪そうですってええええええ!!!!」
「これは……頭を打ったことで幼児退行したのかしら?今の様子だと、小学生くらいの感じね…」
「先輩!てことは、もう一回ショックを与えれば直るってことですか?」
「その可能性は否定できないけど、ただ頭を打てばいいってもんじゃ……」
「ものは試しですぅ〜〜♪えい♪」
「え?なにするのよ、的山さん………イタッ!」
"ガンッ☆"
「リンちゃん、意外に残酷……」
「あ痛……リンちゃん、ひどいよお……もう、いきなりなにするの……」
「で、都合良く直るわけだ……」
「なにするのよ!メガネでペタンコのおねえちゃん!」
「って今度は若田部かよ!!!あ〜〜あ、大丈夫か?」
「………ありがとう、やさしそうなおにいちゃん……」
「いいって……ホラ、立てる?若田部……」
「おんぶして、おにいちゃん……」
「……ちょっと、なに馴れ馴れしくしてるのよ、若田部さ……」
「ペタンコ2号のおねえちゃんがいじめる!たすけて、おにいちゃん……」
「ぺぺぺぺぺぺ、ペタンコ2号ですってえええええ!!!!!」
「語彙がちょっと貧弱ねえ……アヤナは幼稚園児くらいに退行したのかしら?」
「こうなったら………えい♪」
「うわわわ、り、リンちゃん?なにするの!?」
"ゴツン☆"
「心なしか、さっきより強くなかったか?リン」
「気のせいですよ〜〜〜♪中村先生♪」
「いたたたた……さっきからひどくない?的山さん?」
「でまた都合良く記憶が戻るわけだ………」
「うわあん!ひどいでちゅ!!!」
「………さっきからぶつかるたびに幼児退行がどんどん進んでいる気がするんだが……
大丈夫ですか?濱中せんせ……」
「うわあああん!ぐすッ、くすん……いたかったでちゅ、おにいたん……」
「前に幼児プレーやったのがクセになってるのかしら?こりゃ3歳児くらいって感じね」
「あ〜〜、よしよし、良い子良い子」
「ぐすっ、ふにゃあ……おにいたん……」
「………小久保君に甘えてても全然違和感がないのがムカツキませんか?お姉様」
「今年で22歳の女がやると普通はキモいはずなのに妙にサマになってるのが………」
「………なんでもいいから、元に戻す方法を……」
「じゃあ仕方がないわねえ……アンタも散々楽しんだみたいだし、ホレ、リン?」
「え?わわわわ、せんせえ………」
"☆ゴツン"
「いたたたたたたた………先輩、イタいんですけど……」
「戻ったか……しかし、さっきのアンタの様子の方がよっぽどイタかったけど……」
「ひどいですよぉ〜〜〜!!!せんせえ!」
「お前は変化無しか、リン。元々セリフは平仮名だらけだし性格もアレだからな……」
「ふわ〜〜ん、小久保く〜〜ん……たすけて……アレ?」
「…………マサ君、呆れて帰ったみたい」

END
626郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2006/01/25(水) 22:48:11 ID:stavp4J/
はい、>>608氏のフリを元に小ネタ。「キ」で始まります。
タイトル:「幼児退行対抗戦」でお願いします
「イ」
627名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 23:06:30 ID:i+sitwNl
イイもんを見せてもらいました。グッジョブ!!

「ぶ」
628名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 15:24:21 ID:kKCHk6NO
ぶつかりながら萌ころがらしてもらいました。グッジョブ

「ブ」
629名無しさん@ピンキー :2006/01/27(金) 21:28:42 ID:DCqvXRxI
ブラスケ

「ケ」
630名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 22:37:12 ID:BQs3t3F/
ケイかわいいよケイ

「イ」
631名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 23:23:28 ID:4J2g9hi/
イッた。警察に。

「に」
632名無しさん@ピンキー :2006/01/27(金) 23:30:46 ID:DCqvXRxI
ニンニクで精力つけて

「テ」
633名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 02:43:55 ID:g0Re6uKp
ティムポコイジリ

「リ」
634名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 03:31:41 ID:SVQVHRSB
陵辱されるわね

「ネ」
635名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 19:10:09 ID:CienBHYn
ねぇ、中に出して・・・。
私の膣内(なか)、白いのでいっぱいにしてぇ・・・・・。

「え」
636名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 21:13:46 ID:HobmppSK
えっ!?膣内に出さないでぇ
出来ちゃうよぉ…

「お」
637名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 01:08:45 ID:oZxS0Rwl
オンドゥルルラギッタンディスカー

「カー」
638名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 07:19:55 ID:rNXjX0qS
カーセックス

「ス」
639名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 11:09:40 ID:0XLBI0ct
スペルマ

「マ」
640名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 13:38:18 ID:fUOQ5r/+
マサヒコ君は絶倫だねぇ
641名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 00:19:35 ID:SfraAXbh
ええっ!?反応生々しいよ!!
いっそぶってよ!!

「ヨ」
642名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 15:41:09 ID:K/ukuuki
ょぅι゛ょ

「ヨ」
643名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 15:47:30 ID:iXs6/QR+
よくってよ!よくってよ!

「よ」
644名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 20:47:56 ID:VWhtArpk
よい声で鳴かせてやるよ

「よ」
645名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 21:19:52 ID:DBQTreST
よ、4P!?
初めてなのに

「に」
646名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 22:04:14 ID:tmLV49yv
にん しんッッ・・・!!

「ツ」
647名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 22:18:36 ID:VWhtArpk
突いて、もっと奥まで

「で」
648名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:40:18 ID:tTulNkBr
電動コケシ

「シ」
649名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 08:35:59 ID:3Tv7CQpi
しゃぶってくれ・・・ああ、うまいな・・

「な」
650名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 12:06:41 ID:7AX2Fhhn
なかに出して

「て」
651名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 17:02:48 ID:WMvdME+H
手よりも足の方がいいの?
あなたってば変態さんなのね・・・。

「ね」
652名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 18:47:06 ID:zWCMrNAg
ねっとりとした本気汁が溢れてくる

「る」
653名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 21:40:25 ID:AYSKrStf
ルール工業痴態

オイッ!

「ッ」
654名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 23:46:10 ID:Dfn4gCT0
ツンデレアヤナの初めてのアナルセックス

「ス」
655名無しさん@ピンキー :2006/02/01(水) 18:12:58 ID:IVP1Jgyf
すぐにイクッ!

「ツ」
656名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 18:45:32 ID:XFFMxjE/
ツルペタ

「タ」
657名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 19:22:51 ID:CbtYM+YL
タンポンのひも
658名無しさん@ピンキー :2006/02/01(水) 19:40:47 ID:IVP1Jgyf
もっと・・・お願い、もっとお!

「オ」
659名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 22:06:39 ID:N5+b2tgb
「おっぱい」は数字で表す場合「0281」となる

「ル」
660名無しさん@ピンキー :2006/02/01(水) 22:28:25 ID:IVP1Jgyf
ルーズソックスを口でくわえて脱がせて

「テ」
661名無しさん@ピンキー
                          手コキしてよ…ハァハァ  
               ,-、             ,. -─‐- 、
           , -─‐ ! ! 、             /::::,、:、:::::::::::::\
        / , ヽ.  | l ヽ  _,.--、〃  ーァ':::// ヽ\:::::::::::::ヽ
       〃 /lト、 |l ! l  !  i { (⌒)   /:::/_j_,  、!__ヾ::::::::::::l       / )
  ( ヽ    !| ム┼'ヽ! H-l  lミ j /ラ  ノ   lハ:} -‐'  ー- |::i,ニ、::,ヽ     /./
  ヽ \  V1-r‐'  ー- l  Vミジヽ.  ゙、    !   r-┐.ノ( レ' Zハ!`    / /
    \ \  !  r‐┐  l   V   \ \   l  l  j ⌒ ,1N  ,...、/ /
     \  `ヽ  |_|  >ー'⌒!   \ 77ー` ‐゙=、′r≦-r<´ `! `!/
       \  i:.` ‐--‐ く::::::::::::〈       `1 |   ヾ、____ノノ    | |
        Y´:::::::::ヽ____)::::::::::|      | |   l `ー─''´     |_」
        ‘ー-、:::::::::::::::::::::::::::::|      Ll____!         r''´
            l::::::::::::::::::::::::::::ヽ           |         ゙、
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