Circus作品のエロ小説 その7

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773エロじゃなくてごめん
DCU 杏シナリオ脳内補完
杏シナリオ「ありがとう」序盤から

「じゃあな、元気でやれよ」
俺は踵を返した
これで心残りはない。
あとは振り返らずに帰るだけだ。

(さようなら、杏――)

心の中でそう呟くと、俺は歩き始めた。
一歩、二歩……どんどん足を進める。

まだ杏は俺の後姿を見送っているだろうか?
そんな淡い機体に一瞬、振り返りそうになったけれど、
我慢して前に進む。
そう、前に――。
二度と振り返らないように

バカ――。泣くな、俺
零れそうになる涙を必死の思いでこらえて
また一歩前に進む
「…っ」
背後で少女が息を飲む気配を感じながら

別離の為の一歩一歩を
折れそうになりながら
潰れそうになりながら
鉛のように重たいその足を
俺は踏み出して

――目の前が暗い
予感は――あった。
これは確信に近い
多分、今度意識を無くしたら
    
俺はもう「戻ってはこれない」のだろう

いいさ
それでいい
それでもいい
俺がいなくなって
杏を苦しめるモノがこの世から消えて
それで杏が幸せに生きていけるなら、それでも――いい。

だからせめて
彼女の視界から消えるまではがんばらなくっちゃ
その思いだけで踏み出す足に力をこめる