「なぁんだ、天使か。
でもぉ、おねえちゃん、なんだか弱そう」
値踏みするような視線を向けられただけで、背筋にぶるりと震えが走る。
それを武者震いなんだと自分に言い聞かせ、私は腰に下げた矢筒から矢を引き抜いて狙いを定めた。
けれど鋭利な鏃が向けられているのに、悪魔は全然動じていない。
完全に舐められていた。
「大人しくしているなら、苦しまないよう一撃で終わらせてあげます」
声にまで震えが混ざらないよう、細心の注意を払わないといけなかった。
そんな私の内心を見透かしたように、幼い悪魔がさもおかしくてたまらないとばかりにくすくす笑う。
「天使って、どぉして皆、同じことしか言わないのぉ? それに、こんな森の中で弓矢はないんじゃないかなぁ?」
自分の衣装を棚に上げ、そんなことまで言ってくる。
そして、それが私たちの戦闘開始の合図になった。
これだけ木が密集していると下手に飛ぶわけにもいかず、2本の足で木々の間を疾走する。
もう足音を気にする必要はなかった。
「あは、まぁた、はぁずれ」
踊るような軽快なステップで、何本目かの矢が易々とかわされる。
相手に指摘されるまでもなく、この場所が弓矢に向いていないことぐらい理解していた。
だけど全てが全てマイナスなわけでもない。
たぶん、爪や尾、羽あたりを武器とする接近戦タイプなんだろう、向こうが何らかの武器を持っている様子はない。
それなら近づかせなければ攻撃はないんだ。
木々たちは私の射線を遮る一方で、接近しようとする相手にとっても障害物になった。
相手の動きは決して鈍くはない。
それでも、私にとっては十分距離を保てるレベルだった。
何とか隙を見て接近しようとする彼女と、距離を維持しながら時折矢を放つ私。
最初の内こそそんな構図が続いたもの、いつしかそれにも変化が訪れていた。
向こうは無理に近づこうとせず、あからさまに有効射線上に躍り出たかと思うとすぐに木の影へと姿を隠す。
その動きからは、こちらの消耗を狙っているのが見え見えだった。
そんなものに付き合う義理はない。
私がその作られた隙をわざと見逃すと――、
「どぉしたのぉ? もう撃たないの?」
あろうことか足を止めて挑発してくる始末だった。
(馬鹿に、して――っ!)
乗せられる形で一射。
当然かわされた。
そんなことがそのまま何度か繰り返され、徐々に矢筒は軽くなっていく。
「今度はぁ、ここ」
またしても戦闘中だというのに足を止める幼い悪魔。
当然そこは私との間に遮るものがない、絶好の射撃スポットだった。
「いい加減にしなさい!」
偽りの激昂を叫びに乗せて矢を放つ。
放たれたそれは、狙い違わず相手の胸元めがけて空気を切り裂いていった。
「あはは、こわ――ぇ!?」
気に障る哄笑だけを残して飛び退こうとした悪魔の動きがガクンと止まる。
驚いたように足元に向けられた視線の先、ドレスの裾からちらりと覗いた真紅の靴に、何本もの下草が絡みついていた。
それまでずっと余裕を湛えていた悪魔の顔に、初めて焦りの表情が浮かぶ。
(――もらった!)
それを見て取った私は、心の内に自分の勝利を確信したのだった。
「そんな!?」
次の瞬間、私の視界から悪魔の姿が掻き消える。
それはまるで、あの悪魔がただの幻だったと思ってしまうほど突然の消失だった。
背後から声が聞こえたのは、さっき放った矢が直前まで悪魔がいた空間を空しく通り過ぎたのとほぼ同時。
「つーかまえたぁ」
「きゃぁ!?」
いきなり胸のあたりを触られて、不覚にも悲鳴をあげてしまった。
込み上げる後悔と自己嫌悪。
背後に悪魔がいる。
それを頭で理解するよりも早く、反射的に右腕で背後をなぎ払うように体を捻っていた。
「あっはは」
振り返った視界の中、悪魔の体が遠ざかっていく。
そこでようやく、何らかの手段で敵は私の背後に移動していたという事実に頭が追いついてきた。
(……向こうの力は空間転移?)
私の力は植物の成長を操作するもの。
それを受けたあの場所の草は、狙い通り確かに悪魔の足に絡み付いていた。
力によって多少は強化されているとはいえ元は普通の草だから、時間があれば切断するのは難しくない。
でも、あの瞬間、瞬きすらせず注視していたけどそんな動きは全くなかった。
いきなり消えて、次の瞬間には背後にいたんだ。
一瞬とはいえ触れられた胸を中心に悪寒が全身に伝播していく。
触れるだけじゃなく爪を突き立てられていたら、今こうして立っていることすらできなかったかもしれない。
それは紛れもない恐怖。
だけど、それと同時に恐怖にも負けない強さの怒りが、ふつふつと沸き立ってくるのも自覚していた。
一度は詰めた距離をあっさり放棄したのは、いつでもまた近づけるという自信の表れなんだろう。
こうなってしまうと、今までの戦闘は茶番としか言いようのないものだったことに気づかざるをえなかった。
「ちょっとだけ、びっくりしちゃったぁ。
でもぉ、草で足止めして矢でとどめなんて、なんだかずるいんじゃないかなぁ?」
ゆっくりとしたしゃべり方が苛立ちと焦りを募らせていく。
言葉通り、こちらの力も相手を一瞬驚かせる程度のことはできたかもしれない。
だけどこちらが相手の力に受けた衝撃は、それとは比べ物にならないものだった。
(――どうする?)
客観的に見て、相性は最悪といってもいいほどだった。
跳べる距離と頻度にもよるけど、ある程度以上の距離を維持することが必須の私ではあまりにも分が悪い。
自在に転移できる相手をどうにかできる手がないわけじゃなかったけれど、それはかなりリスクの大きい、いわば一か八かの賭けだった。
力のほとんどを使い切る大技。
万が一外せばもう逃げるだけの力もなくなってしまう。
(――逃げる? 私は何を考えて……)
思考を掠めた弱気な考えを懸命に振り捨てようとする。
「そろそろぉ、逃げようとか考えてる頃かなぁ? いいよ、ビックリさせてくれたご褒美に、今なら見逃してあげるぅ」
「くっ、ふざけないで! 誰が――」
屈辱的過ぎる提案をのんでしまいそうになる自分を叱り付けるようにことさら声を張り上げる。
それは向こうから見たら滑稽な虚勢に過ぎないのかもしれなかったけれど、なんとなく心の奥から力が湧き上がってくるような感じがあった。
「あはは、まだ力の差がわかんないなんて、おばかさんなんだ」
馬鹿にしきった笑いをあげる悪魔の姿に、悔しさで胸が詰まりそうになる。
その悔しさを噛み砕くように、私は奥歯を強く強く噛み締めた。
そんな私を楽しそうに眺め、再び悪魔がその真っ赤な唇を震わせる。
「じゃあ、鈍感なおねえちゃんにもわかるように、もうちょっとだけわたしの力を見せてあげるぅ」
その言葉に私の全身に緊張が走った。
次の瞬間には相手の姿が掻き消え、すぐそばまでやってくるかもしれない。
私はいつ相手が転移しても反応できるように、そしてあわよくば転移の前兆のような何かを発見できればと考え全神経を悪魔に注いでその瞬間を待った。
「――ぇ?」
何が起きても驚かないつもりだった。
けれど全く予想していなかった現象に、またしても間抜けな声を漏らしてしまう。
今度は、いつまで待っても悪魔の姿が消えることはなかった。
反対に、現れたのだ。
彼女の手に、白い布が。
全身の肌の上を、ぬるい微風が通り過ぎていく。
「――!? きゃああ!」
一瞬戦闘中であることも忘れて、地面の上にへたり込んでしまった。
お尻の下に直に感じる下草の感触。
自分の体を抱くように回した両腕の内側には、直接触れる肌のぬくもりが感じられる。
「あははは、かぁわいい声」
羞恥で顔が熱くなる。
いつの間にか、私は身に着けていたものの全てを奪われていた。
弓も矢筒も服も、下着に至るまでその全てをだ。
「それにぃ、すっぽんぽんでわたしを睨んでるおねえちゃん、最高だったよぉ」
おかしさも極まったとばかりにお腹を抱えて大笑いする悪魔に目頭が熱くなる。
それがどの感情によるものなのか、私にはもうわからなくなっていた。
自分が跳ぶだけじゃなく、離れた場所にある物を引き寄せることもできる。
頭の中、嵐のように吹き荒れる羞恥の中で、一度は細切れになった思考を掻き集めて相手の力を分析する。
転移を見た時点で空間を操るということはわかっていたはずだ。
だからこの力も予想してしかるべきだった。
そう自分に言い聞かせて、何とか戦意を奮い立たせようとする。
「ばぁ」
「――ひぃ!?」
そんな私をあざ笑うように、悪魔の顔が目の前に現れる。
転移を見るのは2度目のはずなのに、それだけでせっかくまとまりかけていた思考があっけなく散り散りになってしまう。
またしても反射だけで腕を振るけど、そんなの当たるはずもない。
「隙ありぃ」
軽やかにかわした悪魔は逆に、その細い腕を私の体に伸ばしてくる。
「――!?」
股間の1点から電流を流されたような衝撃が全身を駆け抜け、声にならない悲鳴がほとばしる。
何をされたのか理解ができず、ますます私はパニックに陥ってしまう。
「あははははは、おねえちゃん、頭は鈍いけど体の方は敏感なんだぁ」
耳障りな笑い声が遠ざかっていくことでかすかな安堵が込み上げてくる。
だけど、いつまたそれが近づいてくるのかわからない。
わずかに残った理性は立ち上がって戦えと命令してくる。
だけど、今の私は立ち上がるどころか、俯けた顔を上げ、相手を見ることすらできなくなっていた。
怖かった。
短い時間とはいえ完全に手玉に取られ、私の心は完全に打ちのめされていた。
涙があふれ頬を伝っていくのを拭うこともできない。
2本の腕で自分の体を掻き抱き、ただ身を縮こまらせて震えている。
むきだしになった太ももに落ち、周囲に散っていく小さな飛沫。
それは、今の私の心そのものだった。
「あーぁ、だから逃げればいいっていったのになぁ。
さってと、おねえちゃん大人しくなっちゃったし、そろそろ終わりにしよっかなぁ」
聞こえよがしの呟き。
その中の終わりという言葉に心が震えた。
これまででも、向こうがその気なら私は何度死んでいたのかわからない。
完全に生殺与奪の権利を握られた状態。
だけど、限界まで追い込まれた瞬間、私の中で何かが吹っ切れた。
もう迷っていられる段階じゃなかったんだ。
ずっと俯けていた顔を上げると同時に、残された力の全てを地面を介して周囲の木々に流し込む。
変化はすぐに訪れた。
生い茂る木々の幹といわず枝といわず、至るところに数え切れない瘤が生まれて育っていく。
「あは、まだ何かする気なんだ」
嬉しそうに周囲を見回す彼女は完全に油断しきっていた。
どんな攻撃からも転移で逃げられる、そう思っているんだろう。
(でも――そうはさせない!)
心の中、仮想的に作り上げた弓。
限界まで引き絞ったその弦を離すイメージが、わたしにとって最後の大技発動の引き金だった。
一斉に瘤が割れ、中から飛び出した無数の弾丸が周囲の全てを打ち砕こうとする。
上空を含め、この森にいる限り逃れる術はない。
それだけの密度を持った弾丸の嵐が私の正真正銘切り札だった。
本来なら、私のいる場所だけが唯一安全になるよう狙いを調整する。
でも、相手が空間を操る以上私と相手の位置を交換される恐れがあったから、今回はそれすらしなかった。
負ける恐れのある賭けよりも、確実な相打ち。
それが私にできる精一杯だった。
「勝てないなら心中ぅ? だから天使って嫌いなんだぁ」
確実な死が目前にまで迫ったせいか、逆に恐怖という感情を喪失した私の鼓膜を振るわせたのは、初めて聞くつまらなさそうに吐き捨てられたそんな言葉。
その声の主が誰なのか理解する暇もなく、私の意識は闇に包まれたのだった。
闇に落ちる直前、覚悟していたような痛みはなかった。
五感の全てを失った状態で、闇の中に意識だけを漂わせる時間がただただ続く。
圧倒的な孤独感。
これが死ぬということなんだろうか。
もしこの状態がこれから先永遠に続くというなら、そう時を待たずして気が狂ってしまうんじゃないか。
そんなことを考えていると不意に世界が光を取り戻した。
濃密過ぎる闇が拭われた時、目の前にあったのは私自身の体だった。
一糸纏わぬ姿で地面に座り込んだ自分の額に、私はその手を伸ばして指先だけで触れている。
にもかかわらず、目の前の私自身の両腕は自分の体をかき抱くように胴体に回されていた。
「おねえちゃんが今見ているのはぁ、わたしが今見てるもの」
私の口が勝手に動き、私のものではない声を紡ぐ。
(この声……あの悪魔?)
少し声の高さが違う気はするけれど、それでもこの声は確かにあの悪魔のもののように私には感じられた。
「普通なら、おねえちゃんにこの世界を知覚することできないんだけど、最後だから特別に、意識だけ止めずにおいてあげたんだよぉ。
でも、それだけだと肉体が止まっているせいで何も感じられないから、今はわたしの感覚を流し込んであげてるんだぁ」
首が勝手に動いて周囲を見回す。
(――止まってる)
瘤から放たれた弾丸、その全てが空中で制止していた。
「これがぁ、わたしの力。
時間の流れを止める、停滞の力」
敵の口から解説されて、そこでようやく私は相手の力の本質を悟る。
同時に、自分がどれだけ無謀な戦いを挑んでいたのかも思い知らされていた。
彼女が屈み込み、それに合わせて視点の高さと、私の額に当てられた指先の位置が移動していく。
私の体の中心線をなぞるように下りていった指先がたどり着いたのは、ぴたりと閉じられた内股の奥。
(――や、やめて!)
他人に、しかもよりにもよって憎むべき悪魔に、その場所を触れられる。
必死に張り上げる心の声が聞こえているのかいないのか、彼女の指先がその奥にある何かを的確に探り当ててくる。
「さっきちょっと触っただけでぇ、あんなに反応してたもんねぇ? あぁ、さっきより大きくなってるかもぉ」
薄い皮に包まれた小さな硬い突起物。
それを悪魔の指先がクニクニと押し潰している。
それでも私が感じているのは彼女の指先の側の感覚だけ。
敏感すぎる場所を弄ばれているのに微動だにせず、ただただ彼女のなすがままにされている。
この世界では、むしろ私の方が1体のお人形さんに成り下がっていた。
「これぐらいでいいかなぁ」
(いったい何を……)
ここまでされても、私には悪魔の意図が完全に掴めているとは思えなかった。
ただ、ひどく嫌な予感だけが心の奥底にわだかまっていく。
動けない私の体を弄ぶ様を見せ付けて羞恥を煽る。
たぶんそれも間違いじゃないんだろうと思う。
だけど、この悪魔はそれ以上の何かを企んでいるんじゃないか。
それは漠然とした予感だった。
「さっきも言ったけど、本当ならこの世界で起きたことはおねえちゃんには知覚できないの。
服を脱がせてあげたのも、最初は全然気づかなかったよね?」
その時の滑稽さを思い出したのか、彼女は悪意のこもった笑みを漏らした。
確かに、あの時気づいたのは、肌を直接撫でた風によってだ。
それはつまり、脱がされた時に肌と服の間にあったはずの摩擦は全く感じられなかったと、そういうことになる。
「でも、今度は違うんだよ。
意識まで止まっていたあの時と違って、今のおねえちゃんにはわたしに触られたって記憶があるでしょ? じゃあ、これで時間が動き出したらどうなるのかなぁ?」
(……まさか)
恐ろしい可能性が頭を過ぎる。
「ぴぃんぽぉん」
楽しそうな悪魔の声が、今まで一番嫌らしく頭の芯にこびりついてくる。
「時間が動き出した瞬間にぃ、意識と肉体がぁ、帳尻を合わせようとするんだよ。
ちょっと触っただけでもあんなだったのに、これだけ念入りにしたのが全部一辺にきたら、おねえちゃんどうなっちゃうのかなぁ?」
心底楽しそうな悪魔の声音と対照的に、私の意識は一秒ごとに絶望の色一色に塗り潰されていく。
もし体が動いたら、きっと奥歯がガチガチと鳴ってうるさかっただろう。
「じゃぁね、わたしそろそろ行かないと。
おねえちゃんがイッちゃう瞬間を見れないのは残念だけど、ここにいたら痛そうだもんね」
(ま、待っ――)
彼女の指先が私のそこから離れると、またしても私の世界が闇に包まれる。
意識だけがあって、でも肉体の時間は止められているせいで何も感じられない闇の中。
(や、やだ……)
今の私にできるのは、この世界に再び光が差し込むその時を待つ、それだけだった。
その直後に訪れる経験したことのない、予想すらできないその瞬間に怯えながら――
以上です。
直接的な描写は少ないのに何でこんなにエロいんだろう。
GJ!
悪魔の能力はアレか。
ザ・ワールドとクラフトワークの合成発展型。
すさまじくエロくて感動した。
821 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 01:04:38 ID:yyB8ek90
最後の攻撃が…花京院vsDIOみたいだ…。
【魔王】の紹介文
本格焼酎「魔王」は天使を誘惑し魔界へ最高の酒を調達する悪魔達によってもたらされた特別のお酒です。
読んでてこのスレ思い出した。
>>822 天使のえちぃエキスがたっぷり含まれているわけですね。
文才のある人これネタに1つ書いてくれw
「あっ・・・駄目ですっ・・・やめてっ!?」
「今さらだろ?さぁ・・・たっぷり貰って帰るからな・・・」
そういうと悪魔は天使の誰にも触れられたことのない場所を・・・
断念_| ̄|○
誰か任せた
スレが沈む前に。
>52-55みたいな解説は 大 好 き だ 。
浮上させておけばいいのでは
いや、とっとと埋めようよ。次スレも立ってるんだし
容量もうヤバス?
あと17k前後。
とりあえず7kで落ちるか?
今なら改行Uzeeeeeなレスも歓迎
むしろちょうど埋め切るくらいのSSも大歓迎
保守
せんでいいw
じゃあ、思いくそ改行するか
早く埋まらんかなぁ
こ
こ
で
あ
え
て
空
白
改
行
な
し
で
す
よ
うわ、なんか歪んだ背骨みたいに見える…。
改行したって別に容量食うわけではないだろう。
改行コードは普通の一文字と同じバイト数だったはずだし。
こういう時こそ小ネタ投下のチャンス!
……いや、すぐにと言われても思いつきませんけどねorz
じゃキーボードめちゃうちで
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「……我、汝の召喚に応じ姿を現さん。いざ契約を……、ってなんでアンタがっ!」
「まあまあいいじゃん、いっつも君がつれない態度を取ってばかりいるからね、
こうして二人きりでじっくり話し合いたいと思ってさ」
「黙れこのスケコマシが!だいたい、アンタとアタシは敵同士でしょーが!」
「スケコマシは酷いなぁ、僕は世の女性に等しく愛の素晴らしさを説いているだけだよ?」
「この鬼!悪魔!……じゃなかったエロ天使!」
「何とでも言ってくれ。……でもね、本当に君の事を愛しているんだ。信じてくれ」
「う……急に真面目な顔して言われても……アタシにも立場って物が……。
その、嫌じゃ、ないけど……」
「……なーんてね。柄にもなく顔を真っ赤にしちゃって、やっぱり君は素直だなぁ」
「だ、騙したな!この馬鹿!やっぱりアンタなんか大嫌いだ!」
「いた!痛い!力任せに翼を引っ張るなって!いたたっ!」
そんな小ネタ。……スレタイと合ってないね、ごめん。
入りきるかちょっと微妙ですが埋め用にもう1本。
焼酎じゃないですが元ネタは
>>822の魔王です。
「ねえ、ねえ、どう?」
まっすぐな瞳でそう尋ねてくる少女リリィに対し、天使であるルエルは返答に詰まっていた。
2人が出会ったのは今から1時間ほど前のことだ。
夕暮れ時、一日の仕事を終え天界への門に向かっていたルエルは、その途中で森から聞こえるかすかな泣き声に気がついた。
そして声を頼りに降り立った場所で、この少女リリィを発見したのだ。
当初は彼女のことをただの迷子だと思い、家まで送っていけばそれで済むと考えていたルエルだったが、すぐにその考えを捨てざるを得なくなった。
リリィは父親からお使いを頼まれており、その帰り道でそのお使いの品である祖母の作った果実酒をなくしてしまったというのだ。
結局ルエルも手伝って探し回った挙句、ようやく発見することができた頃にはすでに日はすっかりと落ちてしまっていた。
※
リリィがお礼にと分けてくれたワイン。
それは確かに悪くない出来ではあった。
(でも……何か一つ足りない気がするのよね)
それがルエルが抱いた正直な感想だ。
けれど感想を求めてくる少女の瞳からは、祖母が作ったその果実酒に対する絶対ともいえる自信がうかがえる。
それだけに、それを否定するようなことを口にするのはルエルにとって、いや誰にとっても胸の痛むことだった。
かといってルエルは神に仕え、人々に誠実であることを説く天使の1人。
嘘をつくことにも極めて強い抵抗がある。
結果、ルエルは少女の問いに対して返答に窮しているというわけだった。
とはいえ、あまり沈黙が長く続くのもまずい。
どちらにするにせよ、早く選択しなければ少女に怪しまれてしまう。
「……おいしくない?」
それでも決断できずに迷っている内にルエルの危惧は的中してしまったらしい。
出会った時は涙に濡れていた、けれど失せ物を発見してから今まではせいぜい10歳を越えたばかりだろうその年齢に相応しく無邪気な喜びを湛えていた鳶色の瞳が再び曇り始める。
それを見て、ついにルエルは決心することができた。
(この子を悲しませないための嘘だったら、きっと主もお許しくださる)
「ううん、そんなことないよ。
すごく美味しかった」
小さな罪悪感を胸の奥に隠しつつ、リリィに告げる。
その答えに、少女はきっと喜んでくれる。
そう信じての偽りの言葉だ。
だが、実際の少女の反応は、ルエルが予想とはかけ離れたものだった。
「ふぅん、おいしかったんだ?」
「――え?」
一瞬、目の前にいた少女が別の何かに入れ替わったかのような錯覚に陥る。
それぐらい、劇的な変化だった。
出会ってから今まで、ずっと纏っていた純真無垢な少女の雰囲気が一瞬で取り払われ、全く逆のものへと塗り替えられる。
すっきりと通った鼻筋の下、小さく咲いていた桜色の唇がにぃっと横に長く伸びる。
それは同じ笑顔ではあっても、果実酒を発見した時の見ている者の心まで一緒に明るくしてくれるものとは正反対のものだった。
ルエルの背筋を、ぶるりと震えが走り抜けていく。
「うふふ、天使様でも嘘ってつくんだね」
ルエルの心の奥底まで見透かしているような真っ赤な瞳。
(――目の色が!? まさか悪魔!?)
その身体的変化に、ようやくルエルは目の前にいる少女の正体を悟る。
(私としたことが、見抜けなかったなんて)
けれどそれを後悔している暇はなかった。
今この瞬間にも目の前に悪魔がいるのだ。
反射的に背後に飛び退き距離を取る。
「――くっ!?」
だが着地した瞬間、意思とは無関係に膝が折れ地面に片膝を付いてしまう。
同時に、胃の中が燃えるように熱くなっていることに気がついた。
正体を隠した悪魔に勧められるがまま口にした果実酒。
考えられる原因など、他にありはしなかった。
「ひ、卑怯な……」
「あはは、騙される方が悪いんだよ……って、この台詞も何度目だろ。
ホーント、天使って馬鹿ばっかなんだから」
にやにやと嫌味な笑みを浮かべながら近づいてくるリリィ。
それに対してルエルの側は、立ち上がるどころか一瞬でも気を抜けばそのまま地面に倒れこむのを避けられないほど体が言うことを聞かなくなっていた。
それを悟っているのか、リリィの足取りに警戒心はない。
そのことがルエルのプライドをより一層傷つけていく。
「正面から戦いさえすれば、とか思ってるんでしょ、天使様?」
天使様。
それはリリィが正体を隠していた頃から何度も向けられている呼び方だ。
けれど以前そこに込められていた尊敬や憧れの感情は完全に失われ、今そこに込められているのは嘲りだけ。
そしてその言葉は確かにルエルの図星を突いたものだった。
正体を現した今になっても、少女からそれほど強い力は感じられない。
というより、元の力が弱いからこそ、あれだけ完璧に悪魔の気配を隠し通せていたと言ったほうがいいだろう。
(と、とにかく、今は毒を浄化しないと……)
屈辱にきつく唇を噛み締めながら、全身に天使の力を循環させていく。
先ほど飲まされたのは、少なくとも即効性の致死毒ではない。
それが今のこの、敵の目の前で体の自由を奪われるという最悪の状況にあって唯一の希望だった。
本来、殺すだけなら彼女が油断しきっていた先ほどの段階でもっと強い毒を飲ませてやればそれで済む。
(それをしなかったのは、どうせ動けなくなった私をいたぶるつもりだったんだろうけど、そうはいかない)
体は動かせなくとも、彼女の体を常に守っている神の加護は有効なのだ。
それは悪魔としては大して強くないリリィがむりやり破ることなどできるはずがない強さのもの。
それ故、幼い悪魔がその手を伸ばしてきても、ルエルの心に恐怖の感情は生まれたりしなかった。
「ひぅっ!?」
けれどそのことが油断に繋がってしまったのか、不意打ち気味に敏感な首筋を撫でられて、思わず情けない声を漏らしてしまう。
リリィの手が自分の首に伸ばされてくるのは、もちろんわかっていた。
とはいえ、まさか優しく撫でられるとは思っていなかったのだ。
「ご自慢の神の加護も、こうして触れるだけなら反応しないのよね」
またしてもルエルの心を見透かしたようなその言葉に、不覚にも驚きを顔に出してしまう。
「何驚いてるの? あなたみたいな天使を今までに何人も相手にしたって言ってなかったっけ?」
そしてそれを見て取ったリリィにまたしても馬鹿にしたような笑みを向けられて、ルエルは慌ててそれを抑え込んだのだった。
「く、うぅ……」
悪魔の力に操られた蔓が頭上から伸びてきて、ルエルの両腕に巻きついていく。
為す術もなく、地面に膝を付いたまま万歳をするような体勢を取らされた囚われの天使。
せめてもの抵抗にと目の前の悪魔に鋭い視線を投げかけるが、そんなものはそよ風程度にも感じていないのか、リリィが余裕の笑みを崩すことはなかった。
加護が反応しないようにだろう、両腕の蔓は締め付けるというよりもあくまでルエルが倒れこまないよう支える程度に巻きついている。
腕さえ自由に動けば造作もなく振りほどけるほど。
そのことに、今の自分の無力さをより一層強く思い知らされた。
「ねぇ、もう1回聞くけど、本当にこれ、おいしかった?」
リリィが左手に持ったワインの瓶をかざしながら、先ほどの問いを繰り返す。
「いつまでも反抗的な態度だと、ひどいことしたくなっちゃうんだけどなぁ」
自分の質問にルエルが答えないことを確認すると、その笑みをさらに残忍なものへと変えてあからさまな脅しの言葉を口にする。
けれど――、
「あ、でも加護があるからひどいことはできないんだっけ? 殺そうとしたら、あたしの方が焼き殺されちゃうんだった」
すぐにそんな風に無邪気に笑い始めるリリィ。
いくら悪魔には気まぐれなものが多いとはいえ、その態度にはさすがにルエルも面食らってしまう。
そんな彼女の口元に、リリィはワインの瓶を突きつけてくる。
今ルエルの体を蝕んでいる悪魔の毒。
瓶が傾けられあふれ出したそれをこれ以上飲み込まないよう、彼女は必死に口を閉じて抵抗した。
結果彼女の口の中へと流れ込めなかった深紫の液体は胸元へと零れ落ち、周囲に鼻腔を刺激するアルコールの香りを振りまいていく。
「あーあ、もったいない。
いくら未完成でも、ここまでするのにも結構苦労するのになぁ」
言葉の内容とは裏腹に、リリィの口ぶりに気を悪くしたような様子はない。
だがその悪魔の言葉には、その態度以上に気になる単語が含まれていた。
「……未完成?」
一旦瓶が口から離されたことによる安堵もあって、ついその単語を繰り返してしまう。
「そうだよ、だから味はいまいちだったでしょ?」
そう言ってリリィはワインの瓶を今度は自分の口にあて、ラッパ飲みの要領でその内容物を口に含む。
そこからの展開は、ルエルには予想はできても抵抗ができるものではいそれだった。
リスのように頬を膨らませたリリィが顔を近づけてきて、そのまま唇を重ねられる。
2人の身長差は、ルエルが膝を付いていることで逆転し、むしろ彼女の方は上を向く形になってしまう。
(駄目……これ以上飲まされたら……)
前に飲んまされた分もまだ浄化できていないのに、そこからさらに追加されたら浄化にいつまでかかるかわからない。
加護があるだけにすぐさま命に関わることはないだろうが、攻撃的な行為でなければ反応しないという加護の弱点も熟知されている。
動けない間に悪魔の巣窟へと連れて行かれたりした場合、その後の脱出は極めて困難になるだろう。
けれど、手足のように全く意思に反応しないというほどではないが、口のあたりにも毒は回りつつある。
まるで一個の生命のように蠢くリリィの舌に、ルエルの懸命の抵抗はそれほど長くは持たなかった。
閉ざされていた門を巧みに破った悪魔の舌に先導されて、ワインが口の中に流れ込んでくる。
(駄目……駄目なのに……喉も……)
心の中では拒んでいるのに、ルエルの喉は意思に反して流し込まれた液体を素直に飲み込んでしまう。
再び湧き上がる胃の中の灼熱感。
天使と悪魔のディープキス。
その淫靡な行為は、瓶が完全に空になるまで続けられた。
このスレには収まらなさそうなので次スレに続きます。
847 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 20:39:31 ID:GY3psya1
なんだか余計なことをしてしまったようだね…(埋め参加)
埋めないと
埋めないと
産め
852 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 23:10:44 ID:TI3gsEJd
♪ワーワワー
⊂⊃ ♪ワワーワワー
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//ノ⌒((\ 皿 / \_| ▼ ▼ |_/ヽ\
| |ソノノソヾ/⌒ヽ mm=<() \ 皿 /ノノソヾヽ\\
ノノノ)ソノ ノ ヽ ソ ノ ()>==mm ⌒ヽ ヾヽ\ヾヽ\
( (ヾソヾ / `- ´ ヽ ヽ ノ 人 ヾヽヾソノ )
しソノソ( / \` / \ ソソノ丿
__ノ ノ 丿 埋め 埋め☆  ̄\ ) ) しソノ
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し´し´ ̄ ヽ  ̄ `ヽ`ヽ
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レ\ |-─ --─--.| | ソ''
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うまったのかな?
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あと1kだからコレでちょうど500になってくれると嬉しいぞ。