ミスフルエロ総合スレ3

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1名無しさん@ピンキー
ドンドン書いてください。
♂×♂は禁止
女体化可

前スレ
ミスフルエロ総合スレ2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110370746/
前々スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1058811470/l50
2名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 23:05:03 ID:1pcyFPNq
とりあえず、
裏天国劇場への感想。

おつかれさまです。
もみじツンデレかよ。

それにしてもコロッケってそんな苦労していたのか。
3名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 00:26:26 ID:OoMyrVTh
age
4名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 06:45:07 ID:AQJO1g5K
裏天国さん、ユタ凪さん乙です。首を長くして続き待ってます。
5名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 18:44:49 ID:4O/c9ySR
>1
スレ立て乙。
このまま行くと猿×もみじになるのか?何はともあれGJ!裏天国氏続き待ってます。
ユタ凪もガンガレ
6あぼーん:あぼーん
あぼーん
7名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 17:39:33 ID:UUMyZ/xX
神降臨期待
8名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 19:39:25 ID:FtonsP59
>579
10分の1っつーと18cmくらいか。バービー人形みたいなサイズになんのか?
まずはうっかり土本に喰われないように気をつけねーとな。
それからどうすっかねー。小せぇとナンパもできねーし、元に戻る方法を
必死に考えると思うぜ。

>580
なんだ、それなら簡単だぜ。オレ様と一緒に帰ればいい。
どんな変質者が出てもキミを守ってみせるぜ、ニャハ。

>581
ああ、猿野だな。テレビ取材の時もすげぇ変態っぷりを晒してたしな。
あれが放送されなくて良かったな十二支の連中。

>582
ガムスレのあいつは常にブラブラさせてるから気をつけろ。
あいつどっからガム出してんのかねえ。
9名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 00:03:25 ID:QsmTtcpr
1なんだが、職人さん方、このスレに気がついていてくれてるか心配だなあ。
10名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 01:14:13 ID:TyGG1tB9
ここの前スレ読んで見たんだけどかなり良かった。これからも頑張って欲しいです。てか読んでてSS書きたくなったよ…。
11名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 17:07:42 ID:TyGG1tB9
ネ申現れないなぁ…書いてみてもいい?意見聞かせて。
12名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 17:56:15 ID:6rmiVD9m
どうぞどうぞ
キチンと見るし感想も書くよ
13名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 18:00:01 ID:RFacvzXx
あれ?
前スレは容量オーバー?
携帯からなんでわからん。
何にせよ乙
14名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 18:15:04 ID:RFacvzXx
>11
書いてみて。
待ってます。
ちなみにカプは?
15名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 19:42:21 ID:TyGG1tB9
解答ありがとう。
カプっていうか前スレで需要ないって言われてたうどん先輩なんだけど…どうかな?てか携帯からだと「うどん」て変換できなくて困る…ι
16名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 19:46:39 ID:RFacvzXx
つ 勇(うどんの下の名前)

携帯からでも全然大丈夫だよ。工夫次第。
17名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 20:07:15 ID:7dAACkp2
>>16
知ってますよ;でも名字の変換が出来なくて・・・。
今はパソコンからなので大丈夫です。

自分、タイピング遅いので心配ですが頑張ります。
のろいですが近々うpさせてもらいますね。

ちなみに相手なんですが、本編だと黒撰が共学か分かりませんが
1つ下の女マネです。
・・・いかがでしょうか??;;
18裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/11(日) 21:00:20 ID:szui8VN0
どうも、前回の私の最後の投下でちょうど容量オーバーとなり、
新スレを建てようとしたらホスト規制に・・・
というわけで、そのうちまた
19名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 21:02:45 ID:6rmiVD9m
イイヨイイヨー焦らず自分のペースでじっくり書いてくだせえ
他の書き手さんたちの投下もワクワクして待っとります。
20名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 21:18:06 ID:7dAACkp2
>>18
裏天国さん、楽しみに待ってます。

>>19
この後、少しですが投下してみようと思います。
うpは1日1回出来るか・・・という感じです。
ノロくてすみません;;
21名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 21:22:38 ID:0qJ12Ilt
22小饂飩小説1 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 21:48:17 ID:7dAACkp2
*side he*

「よっしゃああああッ!!今日も決まったぜ!!!」

ここは黒撰高校。んで、俺はこの高校の野球部に所属してるぜっこーちょー☆な歌舞伎男、小饂飩勇様だ。
今、ホームラン決めたとこで絶好調にいい気分でいるワケよ。
やべ、カイちゃんに見られてる;まだ何にもしてねぇぞ?;

小「どーしたよカイちゃん??」
魁「?いや・・・何がだ?」
小「・・・(良かった、何にもないのかよ;てっきりこっち見てっから、また何か言われるのかと・・・;)
なんだぁ?もしかしてカイちゃん、ピーでも堪ってんじゃねえのか?」
魁「!!!・・・もういいから倉庫から球を持ってきてくれッ;;」

何だよ、やっぱカイちゃんてムッツリなんじゃね〜の?;;
高2にもなってまだピー本読んだことないなんて嘘だろ!?ピー過ぎんぜ。
そう考えながら歩いていくと、俺が最近よく話すマネージャーが倉庫からでてきた。
23小饂飩小説1 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 22:19:06 ID:7dAACkp2
 「あ、先輩お疲れさまです。今日もよく飛ばしましたね〜」
小「おうよ!!ピーッとカッコイイ俺様に惚れただろ!!?」
 「ははっ☆一応見てただけですよ」
小「一応かよ!!」

この子は今年から入ったマネージャー。うちの野球部にマネ志望で入って来てくれた1年生・・・っていうか他の学年もだけど、マネージャーはこの子しかいない。
まぁあの監督に代わってから練習もキツくなって、マネの仕事も増えたからだろうな。
そんでマネ1人って・・・かなり厳しいよな;;

 「うどん粉先輩、何か用事で?」
小「だからそのアダ名やめろって・・・;カイちゃんの弟、それ聞いてから遊びに来る度に
”うどん先輩”って呼ぶんだぜ?」
 「いいじゃないですか、”うどん粉”先輩・・・プ」
小「今、鼻先で笑ったろ!!;」

まぁこんな会話を毎回やってるんだが、彼女は普通の女の子より絶好調にピーなトコがある。

(饂飩が言いつけられた球の入ったカゴを持ちながら)
 「そういえばこの前初めてメガストア読んだんですけど、何でアナル多いんですかね?」
小「・・・その話、カイちゃんの前ですんなよ?」

そう、絶好調にエロいのだ。しかも、俺より。
24名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 22:26:14 ID:7dAACkp2
こんな感じで始めてみました。
まぁまだエロシーンには突入しませんが・・・。
ちなみに設定ですが、小饂飩や魁が2年生、マネが1年生ということで書いてます。
この話が完結したら1つ学年が上がったらの話も書きたいと思ってます。
25名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 22:31:31 ID:8eEGRuw3
読ませてもらいました。
マネージャーもエロイなら明るいけど濃いのが読めそうですな。
ゆっくりでいいからがんばってください。
26小饂飩小説3 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 22:51:01 ID:ByKr6Sga
 「しませんよ〜!カイさんだと語り甲斐ないですから。まぁ俳句とかならあたしも詠むんで、話合いますけど」
小「ぜってーカイちゃんムッツリだな。俺がピーなこと言うとすぐに真っ赤になんだぜ?」
 「うどん粉先輩は歩く放送禁止男ですからね」
小「・・・ところで気になってたんだけどよ、重いって思わねぇの?結構あんぞ、これ」
 「何言ってるんですか、余裕ですよ。埼玉に来る前は宮城で兼業農家してましたから、毎年米袋担いでましたし。
それにテニス部に入ってたんで、握力が一般女子より強いですよ、無駄に」

俺は一瞬、彼女のテニスウェア姿を想像したが、球の入ったカゴを運び終えたのと同時にカイちゃんが呼んでいるのに気づき、
思考をストップさせた。
彼女に礼を言い、また後でと言い交わし、その場を離れた。
27名無し ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/11(日) 22:56:49 ID:ByKr6Sga
感想ありがとうございます。
てか自分、番号変えんの忘れてた・・・orz段もずれてるし;
今日は気分が乗ってきたので、一旦フロ入ってきてから又書きたいと思いますノシ
28名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 23:17:51 ID:XvvhRdAf
異常にスレが伸びてると思えば、神が降臨してるわぁ。
続き正座して待ってます。
裏天国氏もガンガレ
29名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 23:22:19 ID:XvvhRdAf
>27
後コテつけてもらえると呼びやすいんですが。
30嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 00:13:59 ID:1yDVOlPY
遅れてすみません;;

>>28
読んで頂けて嬉しいです。
今日はもう少しうpしたいと思います。

>>29
これでいいですかね??
31嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 00:33:27 ID:1yDVOlPY
小饂飩小説4

毎日の部活中はこんな感じで、俺は毎日を(ある意味)有意義に過ごしていた。
学校の友達も部活の仲間でもこんなにエロい話できる奴なんていなかったし(てかカイちゃんもヒジカタも論外・・・)、
自分より1つ下の女の子ってことで最初は気が引けたが、話していく内に彼女はそういうのは関係ないように思えた。
初めて話したときに、俺がいつものノリで「お前のピー、何カップあんの??」って聞いたときも、真顔で「Cです。」
ってキッパリ一言。挙げ句の果てには「でも成長期なんで、揉めばEになるかもしれませんね」なんて・・・。
極めつけには「あたしの胸見るより、別の娘見てた方が目の保養になりますよ」って、どっか遠いトコ見てるし。
逆に意識するっつうの。
3229:2005/12/12(月) 00:33:57 ID:x0z62xlj
>30
下らない要望に…わざわざすみません。うどん先輩の雰囲気も出てていいと思います。続き待ってます。
33嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 00:57:45 ID:1yDVOlPY
小饂飩小説5

あと、話の内容から彼女のわかったこと。
・男性経験はあるらしい。←これ聞いたとき死にたくなった。俺なんて未だに童)ty・・。
・エロ本を初めて読んだのは小2の時(家族が性教育?に関してはオープンらしい)。
・加えて小5の頃には成年コミックを読んでいた。
更にエロ知識は広く、自分で「エロ神が光臨している」とか言うし。あながち嘘じゃないと俺は思ってるけどな。
俺としては、ようやく「心友」って呼べる奴が出来たと喜んでいる。でも頭の片隅じゃ、俺を男として見てほしいって考えてる。正直に言うとだけど。
あっちはただのエロい先輩位にしか思ってないんだろーな。
34嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 01:18:57 ID:1yDVOlPY
>>29、32
いえいえ、ちなみに読み方は「かし」です。
では、続きをどうぞ。

小饂飩小説6
*side she*

ここ、黒撰高校野球部で、あたしはマネージャーをしている。
今年3月に父親の転勤で宮城の田舎(多分)を離れ、4月にこの高校に入学した。
野球部マネになった理由は「野球がどんなものか興味があった」からっていうのは建前で、本当の理由は
「テニス部がなかった」から。てかテニス部ない学校なんてあるんだね・・・今時。
まぁ制服が袴って時点でなさそうな気はしてたけどさ。
テニスやりたかったな・・・せっかく県大会でベスト4(フォーだよ、フォー!?)に入ったのに・・・。
自分で言うのも何だけど、宝の持ち腐れだっちゃ・・・。←思わず方言?
35名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 19:37:25 ID:1MKY8aHl
◆dRwnnMDWyQ

【オリキャラも】球児総合スレッド【版権も】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1133099663/
このスレでミスフルのオリキャラをすごい人数兼用でやり、sageもトリップも知らない上に>>1の忠告も聞かず自己中なロールを繰り返す。結局スレを荒らしただけでちょっと叩かれたらすぐ蒸発した糞腐女子。
36あぼーん:あぼーん
あぼーん
37嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 20:40:55 ID:AZ+zbukd
35

今スレ覗かせて頂きました。こういうことはあまり書くべきではないと思いますが書きます。
我が家ではパソコンは皆共通で使っていて、兄弟でもそうしています。2chへの書き込みもトリップなど同じにしています。皆さんにご迷惑かけてすみません。兄弟にはよく言っておきます。
38嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/12(月) 20:50:20 ID:AZ+zbukd
それとこのようなことがあった後で申し訳ないのですが、自分は小説の続きを書いてもよろしいのでしょうか?意見を聞かせて下さい。
39あぼーん:あぼーん
あぼーん
40名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 00:30:03 ID:yZSh2wRa
>37
どんどん投下して下さって構いません。むしろお願いします。
41嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/13(火) 01:01:32 ID:39x/+ba1
40

返事ありがとうございます。励まして頂けると、支えに頑張れそうです。
今週末にはうp出来るようにしますね。裏天国さんのも楽しみにしています。
42名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 01:09:09 ID:zxfHCu/+
家族で大変ですね
ガンガレ
43あぼーん:あぼーん
あぼーん
44ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2005/12/13(火) 23:19:52 ID:zgZ1+Gl3
やっと新スレ発見しました……。
いやー焦った。

さてSSのことですが、前スレにて投下しようと言っていた数名の神々はまだ執筆中でしょうか?
ワクテカしながら待ってます。
ユタ凪の方は現在次の展開を構想中……なにかネタありますか?
45名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 23:38:58 ID:FBdqEqjm
屑桐と屑桐母の近親そ…いや、なんでもない。
46ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2005/12/14(水) 00:09:58 ID:kqNw5jPH
いや、できればユタ凪でww
47嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/14(水) 00:16:50 ID:5igoukwl
>42

励ましありがとう。がんがります。

>44(ユタ凪の人)

お疲れ様です。ネタになるかは分かりませんが、魁と緋慈華汰&十二支の桃&栗のグループ交際?なんか面白いかと。
単に栗さんが宝塚好きってプロフにあったので、オスカルぽいしな…と思ったので。

48名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 00:20:44 ID:CCBFnuQ2
49あぼーん:あぼーん
あぼーん
50嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/14(水) 15:09:52 ID:5igoukwl
〉46・48

厨房でしたね、すみません(T_T)

今日は風邪をひいてしまったので学校を休みました。

やべ、眠ぃww
51あぼーん:あぼーん
あぼーん
52名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 21:28:24 ID:J1IeD7Di
新スレおめ

>45
おまwwwwwwww
53名無しさん@ピンキー:2005/12/14(水) 22:38:03 ID:DHOI6wjU
〜禁断の母子相姦〜
屑「お袋、オレもう我慢できないんだ…!」
母「あ…無涯、駄目よ…」

ギシギシアンアン

(以下次号)

こんなんでどうだ?
54あぼーん:あぼーん
あぼーん
55名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 22:59:31 ID:A2qBxPyo
新スレ立ってたのか、乙。見付からなくて焦ってたw
今週は屑桐の妹に萌えた(´Д`;)屑桐×菊花(だっけ?)とかどうなんだろう
56B ◆x.7imV2WLo :2005/12/15(木) 23:16:43 ID:c6x8wD2G
新スレ乙ですー。
前スレで沢梅とか投下したものです。
裏天国さん、ユタ凪の人さん、嘉祠さん、続き楽しみにしています! 頑張ってください!

>>55
名前はまだ不明……ですよね?>屑桐妹
実は書けたら投下しようと考えてます。屑桐×屑桐妹。むが兄ちゃん、に萌え。
10歳なら何とか(ry
57名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 12:18:09 ID:i7Bq/g6R
新スレ乙ですー。
前スレで沢梅とか投下したものです。
裏天国さん、ユタ凪の人さん、嘉祠さん、続き楽しみにしています! 頑張ってください!

>>55
名前はまだ不明……ですよね?>屑桐妹
実は書けたら投下しようと考えてます。屑桐×屑桐妹。むが兄ちゃん、に萌え。
10歳なら何とか(ry
58名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 00:31:07 ID:h86SZBfH
>55
「菊」しか目に入ってなくて2軍の菊尼が出てきた件
59嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/17(土) 01:13:41 ID:un6ggaZh
今晩和。今夜は投下できませんが、明日の午後に予定を組んでいます。
今週号、ようやく読みました。手術成功して良かったです。

>>56のBさん
ありがとうございます。
午後にまた来ますね。
60名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 05:15:09 ID:EYGQCUVM
今晩和。今夜は投下できませんが、明日の午後に予定を組んでいます。
今週号、ようやく読みました。手術成功して良かったです。

>>56のBさん
ありがとうございます。
午後にまた来ますね。
61名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 20:40:36 ID:4LpMElbJ
>56-57
>59-60


時間差二重投稿?
62名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 20:55:08 ID:H3HGLdpC
>>56
あれ本当だ名前出てないな…俺はどこで屑妹の名前を
本スレのネタとかで誤解してたかなスマソ
>>58
菊尼エロ…それなんてグロ?w

>>61
鳥ついてないし嵐じゃね?
63嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/17(土) 21:26:56 ID:KT/u5Xgj
》61・62
確かについてないんで嵐じゃないすかね?
午後に投下するとか言ってまだしてないし…OTZ
64B ◆x.7imV2WLo :2005/12/17(土) 21:36:22 ID:Jkflnc//
同じく……鳥なし投稿の時刻は仕事してましたし。

屑桐妹も、名前に無がつくんかな。
65嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/17(土) 21:41:51 ID:KT/u5Xgj
》64
確かに。
自分は勝手に「ゆりねちゃん」と名付けてました;
妹には無付くのかな。
66名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 22:10:51 ID:4LpMElbJ
>62-64
嵐か。d、変なレスしてスマソ

作品投下期待してマッスル
67嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/17(土) 22:23:45 ID:KT/u5Xgj
》66
がんがって書きたいと思います。
もしかしたら1時位になるかもです…。
68名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 23:30:25 ID:NKsoEL64
期待してますよw
あと前スレの最後の方にいた、猿×もみじの人はこのスレに気づいてくれたのかな?
69嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/18(日) 00:27:16 ID:JBGwOs3v
小饂飩小説7

まぁともかくマネージャーになったからには、仕事はキチンとしないと。
あたしは大体のスポーツは大丈夫なんだけど、苦手なのが、野球とバスケ。野球はシーズン中になると
好きな番組がなくなったり延長するから嫌い。バスケは体育で苦手意識強すぎて・・・。走りながら球付き
なんて無理。その結果、振り切りの仕方が似てるっていう安直な考えで、野球部マネになったんだよね。
でも実際入ってみて分かったのは、テニスの振り切りが腰で安定させながら下から上にラケットをスイング
するのに対して、野球は上から下にバットを振るっていうこと。似てるようで違うんだね・・・。当たり前か。

あたしはふと、タオルを片付け忘れていたことに気づいた。ベンチに取りにいくと、洗濯が終わってたたまれた
タオルと、その横のカゴには大量に使用済みのタオルが入っていた。
70あぼーん:あぼーん
あぼーん
71嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/18(日) 21:44:49 ID:gPNBopPg
その大量のタオルの入ったカゴを持って、中身を洗濯機にぶち込んだ。ベンチに再び戻り、たたまれたタオルを片付けに、
今度は部室へ向かう。ドアを開けて中へ入ると、長いこと使われていたロッカーは所々がサビていた。ロッカーの一つひと
つに、部員の名前が書かれたシールが貼ってある。今思えば、あたしは黒撰に来て本当に良かったと思っている。あたしは
宮城の田舎から越してきたワケだが、今まで自分が住んでいた場所を離れるのが、本当に嫌だった。田舎だから人数が少な
くて、小学校のころは1クラス30人満たなかった。中学校で他校の同級生と合わせても3クラス。一学年は100人に満
たない。しかしその分仲が良かった。世間のニュースで騒いでる学校問題なんてほとんどなかった。あたしの所属していた
テニス部は学年でも「不良」に分類される子達が集まっていたが(それでもあたしを含めて同級生は6人しかいなかった)
、彼女たちは明るく接してくれた。自分たちの問題には責任を持っていたし、喧嘩が原因の退部の問題にも、真剣に相談し
合ってくれた。クラスの壁なく仲良くて、学年の主導権は女子が握っていたから、しっかりまとまっていた。仲がいいみん
なと離れるなんて、考えられなかった。
72嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/18(日) 22:06:21 ID:NLegncMR
小饂飩小説9

だから、あたしには埼玉の学校が凄く都会に思えていたし、男女間の雰囲気の悪い学校になんて
行きたくなかった。でも黒撰高校はいい学校だった。あたしが予想していたより全然いい。クラ
スも、部活も文句ない。あたしはこの学校にいれることを凄く嬉しく思う。高校の部活って言う
と、上下関係が激しくて、精神的にも辛いもんだと思ってたけど、まったく心配いらずだった。
野球部に入って練習が厳しいのは承知の上だったけど、先輩達も同級生もいい人達ばかりだし。
マネージャーっていうポジションも悪くない。やりがいがある。部員があたしを頼ってくれるの
が、中学の頃と変わりない気がする。あの頃から、あたしは男子の相談役員をしていた気がする。
73嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/18(日) 22:23:37 ID:NLegncMR
小饂飩小説10

年頃の彼らは女子のこと、性に関する情報に敏感で、よくあたしに話を振ってきた。話しやすい
ということもあるが、あたしは当時では「あらゆるエロに精通している女子」として、男子には
重要な相談役だったらしい。確かにあたしは小さい頃からエロ本は読んでたし、それなりに経験
もあった。家庭も性には明るくオープンで、エロ本の出所が母の本棚だった。男子と語り合うの
も、本やビデオを交換し合うのも当たり前だったから、あたしは一般女子の感覚をもっていない
。元々我が家でも女として扱われていなかった。母親はあたしに「あんたは女としての感覚がな
さすぎる」と言われた。君にも原因が一理あるんだよ?と言ってやりたいが、否定するのがめん
どくさかったので言わなかった。あたしが持っている「違う感覚」。あたしはこれにだいぶ前か
ら気づいていた。
74嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/18(日) 22:40:40 ID:NLegncMR
小饂飩小説11

それは「いつも男子の視点でみている」ということ。例えばAVも、ヤられてる女じゃなくてヤって
る男の感覚で観てる。本の綺麗な女の子にもそういう感じ。でも女として感覚がないってワケじゃな
くて、男子の反応の女ver.があたしって考えた方が分かり易いかも。オナなんて毎日だし。やんない
と次の日大変で、授業中も悶々とヤることばっか考えてしまう。でも部活になるとうどん粉先輩がエ
ロい話してくるから、夢中になって話してる内にスッキリしてたり。結構先輩には(そういう意味で
)助けられてる。あたしは色んな趣味持ってるから(エロ以外でも。幅広くて小・中と趣味合う人い
なかったし)、いつも最近の女の子と合わないってこともあったんだけど、部活の先輩だと結構合う
人いるから嬉しい。
75名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:10:14 ID:tiTO0oPp
一学年100人とあったが、漏れが通ってた中学は全校120人くらい。一学年40人の計算。
76名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:15:13 ID:zmLEgELf
ワクワクテカテカ

>75
全校120って少なくね?
うちは40人弱×4クラス×3学年だった@田舎の中学
77名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:20:35 ID:UUhBZO0g
40人前後×7クラス×3学年@同じく田舎

うちはこんなんだったし、まあ地域によって違うだろうな。
78名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 23:32:11 ID:rWbez9P3
GJ!続き待ってます。裏天国氏も続きマダー?
79嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/19(月) 00:14:45 ID:N0yFOgQA
小饂飩小説12

特に話が合うのがうどん粉先輩。って言ってもほとんどエロい話だけど。
同級生とはよく話したけど、先輩とこういう話するほど中学ん時は接触なかったから、余計に
楽しく感じる。あと、先輩って「先輩」っぽくないし。もちろん馬鹿にしてるんじゃなくて、
そういう人柄が親しみやすいってこと。うどん粉先輩って初々しいんだよね、ああ見えて。前に
「胸揉んでみたい」っていうから、「あたしので良ければ揉みますか?」って言ったら、顔真っ
赤にして俯いちゃったことがあってさ。そん時の先輩は凄く可愛く思えて、思わず犯りたくなっ
てしまった・・・先輩いつも半裸だし。悶々するさ。でも男の人ってそういう可愛いとこ結構あ
ると思う。自分にコンプレックス感じてるとことか、意外に傷つきやすいとこもあるし。そうい
うとこ、女は結構タフだから、余計に可愛いって思うのかもしれない。こんなこと考えてるから
、女として〜って言われるのかもね。あたしは妄想すんの楽しいから気にしないけど。
80嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/19(月) 00:50:42 ID:N0yFOgQA
小饂飩小説13

そんなことを考えていると、監督から備品の買い出しを頼まれた。今日はまだ部活が終わる
まで時間があるし、部室の鍵当番もあたしの仕事だから、すぐに支度をしてでかけることに
した。財布を取りに部室に戻り、ジャージは脱がずにブラだけ外した。最近また胸が成長し
たみたいで、ブラがキツイし、脇に擦れて痛い。ついでに近くのファッションセンターの下
着コーナーにでも寄って、いいのがあったら買ってこよう。
あたしはロッカーにブラを入れて、胸のあたりの何となく無防備な感じに不安と感動を感じ
つつ、学校を出た。
81嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/19(月) 01:09:06 ID:N0yFOgQA
小饂飩小説14
*side he*

部活も無事に終わった。後はトンボ掛けして帰るばかりだ。今日は烏兎休んでっから、カイちゃんに
代わりを頼まれたんだよな。マネージャーも買い出しでまだ帰って来ねぇし。時間潰しにはいいか。
今日はまだピー話してねぇから、帰る前に一花咲かせねぇとな☆

魁「小饂飩、まだ帰らぬのか?」
小「おー、マネと話てから帰る。何かしたのか??」
魁「いや、実はまだ日誌を書いていなくてな・・・。親父殿の所に取りに行かなくてはならないのだ
が、今日は由太郎と用事があるのだ・・・。すまぬが代わりに行って、日誌を書いておいてくれない
か?」
小「いいぜ〜。ユタによろしくな」
魁「む・・・かたじけない。では。」
小「じゃ〜な〜」

そういうと、カイちゃんは早目に帰っていった。
俺は見送った後、そのまま監督のいる職員室に向かった。
82嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/19(月) 01:24:10 ID:N0yFOgQA
小饂飩小説15

監督から日誌と鍵を預かった。鍵はマネージャーも持ってるらしいけど、まだ帰ってきてねぇから、帰り次第
戸締まりして帰れって言われた。今日は監督も早く帰るらしい。家族サービスだと。だからカイちゃん、早く
帰ったのか?鍵と日誌は明日でいいって言って、監督も帰っていった。
俺はひとり、部室に戻った。ヒジカタが残ってて、どうやら番をしていてくれたらしい。二言三言交わすと、
あいつも帰っていった。俺はその辺に転がっていたペンを掴んで、日誌を書き始めた。しかしすぐに書き終わ
ってしまい、することもないので着替えることにした。椅子から立ち上がり自分のロッカーを開けたが、すぐ
に閉めた。もう一度ゆっくり開け、やはり閉めた。俺のロッカーに入っているはずのないものがあった。
83嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/19(月) 01:39:08 ID:N0yFOgQA
>>75.76.77.78
そうですね、地域によって違うみたいです。自分のいた学校を題材に書きましたので・・・。
ワクテカして待ってて頂けると嬉しいです。また夜にうpしに来たいと思います。
いよいよ(?)エロ突入ですので・・・。意外な展開?になるので。
それと、前にも言っていた通り、続編みたいな感じで2人が1学年上がってからのSSも書き
たいと思います(気が早いですが・・・)。
自分も裏天国さん、楽しみです。
84名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 04:24:35 ID:QLFeyrQY
小饂飩小説10

年頃の彼らは女子のこと、性に関する情報に敏感で、よくあたしに話を振ってきた。話しやすい
ということもあるが、あたしは当時では「あらゆるエロに精通している女子」として、男子には
重要な相談役だったらしい。確かにあたしは小さい頃からエロ本は読んでたし、それなりに経験
もあった。家庭も性には明るくオープンで、エロ本の出所が母の本棚だった。男子と語り合うの
も、本やビデオを交換し合うのも当たり前だったから、あたしは一般女子の感覚をもっていない
。元々我が家でも女として扱われていなかった。母親はあたしに「あんたは女としての感覚がな
さすぎる」と言われた。君にも原因が一理あるんだよ?と言ってやりたいが、否定するのがめん
どくさかったので言わなかった。あたしが持っている「違う感覚」。あたしはこれにだいぶ前か
ら気づいていた。
85名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 12:22:22 ID:QLFeyrQY
部活も無事に終わった。後はトンボ掛けして帰るばかりだ。今日は烏兎休んでっから、カイちゃんに
代わりを頼まれたんだよな。マネージャーも買い出しでまだ帰って来ねぇし。時間潰しにはいいか。
今日はまだピー話してねぇから、帰る前に一花咲かせねぇとな☆

魁「小饂飩、まだ帰らぬのか?」
小「おー、マネと話てから帰る。何かしたのか??」
魁「いや、実はまだ日誌を書いていなくてな・・・。親父殿の所に取りに行かなくてはならないのだ
が、今日は由太郎と用事があるのだ・・・。すまぬが代わりに行って、日誌を書いておいてくれない
か?」
小「いいぜ〜。ユタによろしくな」
魁「む・・・かたじけない。では。」
小「じゃ〜な〜」

そういうと、カイちゃんは早目に帰っていった。
俺は見送った後、そのまま監督のいる職員室に向かった。
86名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 02:28:03 ID:VRPd8PjN
>>75.76.77.78
そうですね、地域によって違うみたいです。自分のいた学校を題材に書きましたので・・・。
ワクテカして待ってて頂けると嬉しいです。また夜にうpしに来たいと思います。
いよいよ(?)エロ突入ですので・・・。意外な展開?になるので。
それと、前にも言っていた通り、続編みたいな感じで2人が1学年上がってからのSSも書き
たいと思います(気が早いですが・・・)。
自分も裏天国さん、楽しみです。
87名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 16:24:34 ID:ttha1aSU
>84>85>86
うざい
88警報:2005/12/20(火) 19:50:23 ID:lXwgZZu7
ミスフル関連スレ全板にまたがって
びみょーに粘着な荒らしが出没しております。

頻度は低いのですが
1ヶ月間に渡って荒らしておりますので
御留意を。
89名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 21:19:57 ID:9U6mvcHV
ということで気にせず続き書いて下さいね。
90名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 21:39:51 ID:XVwI54Bq
職人さん達おつ&ほっしゅ
91名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 04:26:20 ID:IWg/+C6M
小饂飩小説14
*side he*

部活も無事に終わった。後はトンボ掛けして帰るばかりだ。今日は烏兎休んでっから、カイちゃんに
代わりを頼まれたんだよな。マネージャーも買い出しでまだ帰って来ねぇし。時間潰しにはいいか。
今日はまだピー話してねぇから、帰る前に一花咲かせねぇとな☆

魁「小饂飩、まだ帰らぬのか?」
小「おー、マネと話てから帰る。何かしたのか??」
魁「いや、実はまだ日誌を書いていなくてな・・・。親父殿の所に取りに行かなくてはならないのだ
が、今日は由太郎と用事があるのだ・・・。すまぬが代わりに行って、日誌を書いておいてくれない
か?」
小「いいぜ〜。ユタによろしくな」
魁「む・・・かたじけない。では。」
小「じゃ〜な〜」

そういうと、カイちゃんは早目に帰っていった。
俺は見送った後、そのまま監督のいる職員室に向かった。
92名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 23:38:11 ID:qosB+65e
そろそろ荒らしウザイ。気長に投下待ち。
93名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 02:16:09 ID:7solt420
小饂飩小説13

そんなことを考えていると、監督から備品の買い出しを頼まれた。今日はまだ部活が終わる
まで時間があるし、部室の鍵当番もあたしの仕事だから、すぐに支度をしてでかけることに
した。財布を取りに部室に戻り、ジャージは脱がずにブラだけ外した。最近また胸が成長し
たみたいで、ブラがキツイし、脇に擦れて痛い。ついでに近くのファッションセンターの下
着コーナーにでも寄って、いいのがあったら買ってこよう。
あたしはロッカーにブラを入れて、胸のあたりの何となく無防備な感じに不安と感動を感じ
つつ、学校を出た。
94ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2005/12/24(土) 17:47:55 ID:hXLCqlKu
スレの皆さん、メリークリスマス!
本当はクリスマスネタうp出来れば良かったんですけど……そこまでするとスレの皆さんにウザがられそうで怖いので控えますw
さて、ユタ凪ですが、今年中か来年の始めに続きうp予定です。お待たせしてすみません……。
95名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 18:33:00 ID:6xTDYAZk
部活も無事に終わった。後はトンボ掛けして帰るばかりだ。今日は烏兎休んでっから、カイちゃんに
代わりを頼まれたんだよな。マネージャーも買い出しでまだ帰って来ねぇし。時間潰しにはいいか。
今日はまだピー話してねぇから、帰る前に一花咲かせねぇとな☆

魁「小饂飩、まだ帰らぬのか?」
小「おー、マネと話てから帰る。何かしたのか??」
魁「いや、実はまだ日誌を書いていなくてな・・・。親父殿の所に取りに行かなくてはならないのだ
が、今日は由太郎と用事があるのだ・・・。すまぬが代わりに行って、日誌を書いておいてくれない
か?」
小「いいぜ〜。ユタによろしくな」
魁「む・・・かたじけない。では。」
小「じゃ〜な〜」

そういうと、カイちゃんは早目に帰っていった。
俺は見送った後、そのまま監督のいる職員室に向かった。
96嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 19:27:39 ID:p8zAiwei
>94 ユタ凪の人
乙です、そしてメリークリスマス。今年は家族で過ごす、最後(?)のクリスマスでした。
3・4月辺りから家をようやく出るので・・・。
小説、楽しみにしてます。

>89・90・92
ありがとうございます。
今日はこれからうpさせて頂きますね。
97嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 20:01:23 ID:p8zAiwei
小饂飩小説16

そう、そこにあったのは紛れもなく女物の下着(というかブラジャー・・・)。
俺は事態が飲みこめずにいた。ロッカーの中のソレを凝視する。
ってか、何でこんなのが俺のロッカーにあんだ??;持ってきた覚えねぇ・・・ってか、あったら
おかしいよな・・・・・・最近の下着っていい色してんな・・・母ちゃんのなんて茶色か肌色だし
・・・こんなん着て迫られたらピーしちまう。
その下着を触ろうして、俺は自分の手を止めた。
待てよ。もし今この状態で誰かに見られたらどうする?窃盗罪の疑いかけられてピー行きだ。
監督と守衛さんが来る可能性はねぇな。監督は帰ったし、見回りは8時過ぎてからだし・・・。
いや、マネージャーがもし帰ってきたら・・・俺、確実に変態扱いされる!それは避けねぇと!!
「マネージャー」という単語が、俺のロッカーの左側のプレートに気づかせた。
俺の隣のロッカーは、マネージャー、つまり彼女のなのだ。
98嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 20:22:01 ID:Kxz256Ns
小饂飩小説17

数ヶ月前、ついに部内のマネージャーが一人になった時、ここに移されたのだ。監督も俺たちも気ぃ使って、更衣室
用意しようとしたけど、他の部で人数多いからってそっちに回されちまったんだよな。本人は「めんどいし、見られ
ても減るもんじゃないから構わない・・・って言って。俺らが着替えの時は大体片付けとかしてたけど、最近は普通
に入ってきても皆慣れたから何とも言わねぇし。最初、マネより俺らのが恥ずかしくて着替えらんなかったし。でも
彼女は見慣れてるみたいで、さして気にしてなかったけどな。・・・ってそうじゃなくて;、これ、もしかしてアイ
ツのなんじゃねぇのか??いや、でも・・・だとしたら、アイツは今、ノーブラってことになる。ありえねぇ!さす
がにアイツでもそこまではしねぇだろ・・・。じゃあ置き勉ならぬ置きブラか!?いや、下着は置いてかねぇだろ・
・・。でも少なくとも、入れ間違えた可能性はあるな。うん。
99嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 20:42:44 ID:Kxz256Ns
小饂飩小説18

そう考えると、俺はこれをこのまま放置プレイするか、それともバレないようにロッカーに戻すか、迷った。
でも勝手にロッカー開けられんのなんて、誰でも嫌だよな・・・。俺も中に入ってる紙袋にピー本入れてるし・・・。
でも戻さねぇと着替えが・・・うんぬん。考え込んでる内に、俺は無意識にそれを手に取ってまじまじと眺めていた。
思わず周りに注意を払う。もちろん誰もいない。
ホッとして、自分が持っているソレを見つめる。数秒間の自分の中での沈黙。
俺はさっき自分が座っていた椅子に座り、ソレを机に置き、時間を確認した。
・・・欲に勝てなかった。
100嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 21:07:32 ID:Kxz256Ns
小饂飩小説19
*side she*

予想以上に時間がかかってしまった。備品の買い物はすぐに済んだけど、自分の買い物に迷ってしま
った。結局何も買わなかったし。サイズはあったけど、デザインが気に入らなかったんだよね。
先輩いるかな・・・もう部活終了時間、30分も過ぎてるし;
あたしは事務の先生に借りた自転車を駐輪場に止め、部室に向かった。
部活は終わっていた。グラウンドには誰もいない。でも、部室から人の気配はする。
あたしは少し開いていた部室の窓から中を見た。先輩の姿が見える。
あたしにとって、凄く卑猥な姿で。
101嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2005/12/24(土) 21:41:27 ID:Kxz256Ns
小饂飩小説20

先輩は凄く気持ちよさそうにシている。時々口から漏れる小さな声が、あたしを刺激する。
顔を紅潮させて、少し苦しそうで、でも止められない、手が止まらない。先輩の気持ちがダ
イレクトに伝わってくる。唾を飲み込む瞬間に、喉仏が上下する。あたしは先輩の、あの喉
元に首を埋めてみたい、と衝動的に思った。先輩を犯してみたい、あの紅潮した顔を、四肢
を、彼自身を。あたしの中で何かが弾けた。脳と精神は、長年隠してきたソレに支配され、
それに従った。自然と足は部室に近づいていた。
た。
102名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 23:52:17 ID:ZQ89tolT
ついに…うどん…
乙GJ
103名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 03:35:34 ID:9CRuS1Un
小饂飩小説17

数ヶ月前、ついに部内のマネージャーが一人になった時、ここに移されたのだ。監督も俺たちも気ぃ使って、更衣室
用意しようとしたけど、他の部で人数多いからってそっちに回されちまったんだよな。本人は「めんどいし、見られ
ても減るもんじゃないから構わない・・・って言って。俺らが着替えの時は大体片付けとかしてたけど、最近は普通
に入ってきても皆慣れたから何とも言わねぇし。最初、マネより俺らのが恥ずかしくて着替えらんなかったし。でも
彼女は見慣れてるみたいで、さして気にしてなかったけどな。・・・ってそうじゃなくて;、これ、もしかしてアイ
ツのなんじゃねぇのか??いや、でも・・・だとしたら、アイツは今、ノーブラってことになる。ありえねぇ!さす
がにアイツでもそこまではしねぇだろ・・・。じゃあ置き勉ならぬ置きブラか!?いや、下着は置いてかねぇだろ・
・・。でも少なくとも、入れ間違えた可能性はあるな。うん。
104名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 22:00:06 ID:WLCb8CzQ
高野連のじじいども×白雪(女体)キボンヌ
105名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 02:46:24 ID:48jbZPZ9
保守&応援age
106名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 21:35:38 ID:XXumdj5X
ほっしゅ

暇だからまとめようとか思うんだが、勝手にやったらだめだよな
107名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 01:41:48 ID:e3/b5MhO
クオリティ低い小説ワロス
108裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:17:33 ID:acRzYyzi
>>嘉祠氏、
SS投下、乙です。

>>ユタ凪の人
SS、期待して待っています。
109裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:19:27 ID:acRzYyzi
裏179.4発目   謎の中国茶
 セブンブリッジ(7B)学院の校内の片隅に、表向きは『女性専用』と銘打って建てられた
紅印専用の… 普段は更衣室として使われているプレハブ小屋があった。
 その建物の中ではときおり、紅印の趣味による『恋愛相談』が行われており、
鋭い直感と経験豊富な偏愛歴を持つという隠れた名カウンセラーとして相談者に慕われ、
彼女(?)の噂は密かに校外にまで知れ渡りつつある。
 そして、全寮制で校内から外に出ることの少ない男子校・7B学院生のひとりである紅印に
アドバイスを求めて、口づてに話を伝え聞いた多くの相談者達が、 ――“恋愛相談の
依頼者は専ら女性が多い”というのは古今の定理なのだが――  相談所に予約を入れ、
7Bの敷地の勝手口から直接に、『女性専用』の小屋の奥の部屋に招かれて相談を受けていた。
 そしていま、そのプレハブ小屋の最奥の部屋…、 シャワー室・洗面所と隣接した、
4人掛けの机と椅子の置かれた部屋において、凪ともみじは紅印の語りかけを受けて
驚愕する。
「な…、 そ、そんなバカなことが、あるはずが…」
 思わずもみじがそう叫んでしまうほどに、紅印の投げかけてきた言葉は衝撃的なものだった。
 もみじが本当は、牛尾ではなく猿野に対して深く心を惹かれている…。全く持って、
成り立ち得る範囲の予想を大きく外れたその語りかけの意味するところを、紅印は具体的な
事象をもって裏付けようとする。
↑1
110裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:20:06 ID:acRzYyzi
「隠したって駄目よ。そのことの徴候は、一度意識からは追い払ったとしても、
 アナタが無意識にとる行動や態度の節々に現れてしまうの…。例えばアナタは、
 自分の成熟したカラダのことを男の子からストレートに指摘されたとき、
 嫌悪や怒りを感じるよりも早く、反射的につい顔を赤らめてカラダの芯を
 熱くしてしまう…。そんなことが実際に、何度かあったんじゃないかしら?」
 紅印の右手が、左腕の肘に当てられ、別々に折り曲げた左の指を眼前にかざしながらも、
まるで見てきたかのように的確になされたその問いかけに、もみじの目が大きく見開かれる。
「それとも、あなたのカラダに関するストレートな指摘だけではなく、その男の子…
 猿野くんの口から色恋に関する話が出ただけでも、場合によっては取り乱してしまうとか…?」
 そこで凪は、心中で記憶の糸をたぐる。自分が猿野と交流していることについて、
ことあるごとに口を挟んで論難し、「凪を猿野から守る」という名目で猿野への監視を
続けていたもみじの、深層での心の想いとは、もしかすると――
「き、聞いて… られねえ… よ…  ぜんぶ ハズレちまってる し…  お、俺は…
 ここらで退散して、さっきの部屋で… 待ってることにすっから よ… あとは凪…
 お前が ゆっくりと… 相談を受けて おけよ……」
 紅印と凪に背を向けた状態でとぎれとぎれに、それだけの言葉を絞り出し、
もみじは早くもその部屋を出ようとする。
「あら… ハズレだったかしら、ごめんなさいね。アタシの今言ったことはあくまでも、
 直感的に浮かんだことを口に出しただけだから、どうか気を悪くしないで…。
 恋愛相談にも相性というものがあるのよ。となれば今日はこれ以上、特にアナタに
 アドバイスすることもなさそうだし、あとは待合室でゆっくりとお友達を待っていてね」
 左手の指の、マニキュアの爪を耳に当てるように近づけ、首を傾げるような仕種を
しつつも小さく微笑み、紅印はそう言って、ドアを開けて部屋を出ていくもみじを見送る。
↑2
111裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:21:05 ID:acRzYyzi
「そんな…、もみじちゃんが、まさか……」
 肩を小さく震わせ、そうつぶやく凪の前で、紅印は言う。
「アナタが驚くのも無理はないわ…。さすがに本人も、こんな話を突然切り出されて
 耐えられなかったようね。でもあの子の中に鬱積している黒々としたモノはもう、
 限界近くにまで達してしまっている… 自分の本当の心を無意識下で押し殺して、
 その猿野くんって子とは全く別のタイプの子を好きになろうとしてみても、どこか
 釈然としないモノが心の底で残って踏ん切りがつかず、右往左往することにも
 なりかねない…」
 ドアをひとつ隔てた待合室で、もみじは自問自答を繰り返していた。
(俺の、心の底の声…? それに、『表に出てきてしまう徴候』ってのは、一体……
 いや、確かに俺は、エロ猿なんかとは正反対の… 礼節に溢れた立派な人のほうが
 ずっと信用ができて、いいと思ってたはずだ… でも……)
 そこでもみじが思い出したのは、5月のゴールデンウイークを利用して組まれた
部の合宿での出来事。
 伊豆の山中で行われた『エスコート肝試し』のイベントで、もみじの男女でのペアの
相手となったのは、三年の一宮だった。
 あのとき、闇夜の森の中で一宮がもみじに対して言った『口説き文句』とは……
 もみじ自身はそのとき、一宮が何を言ったのかは全く覚えていなかったが、猿野に比べて
はるかに端正に思えたその顔立ちと、終始に渡って紳士的に、怖がる素振りなど
微塵も見せてはいなかったもみじを丁寧にエスコートしてくれたその態度を見てつい、
もみじは二年年上の一宮に心を許してしまいそうになる。
↑3
112裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:22:08 ID:acRzYyzi
 合宿の旅行先の、大自然の山の中に来て開放的な気分になったのか、いつになく
普段の衣服よりも薄手の格好――  タイトな小振りのノースリーブのTシャツと、
脚周りのカットされたライトなデニムパンツを身につけただけの活動的な姿で、
並の男以上に男らしかったもみじの言葉遣いがだんだんと、闇の中での一宮との
会話の中で柔らかくなっていく。
〜「そ、そうっ… すね…。 俺… いや、あたしが… 野球部に入った理由は…、
 本気で甲子園を目指す… 野球部の漢の世界ってやつに、関わってみたかったから……」
〜「ああ、そうなのか… 君みたいな勇ましい子だったら、女子野球のチームに入れば
 日本一を目指せるのに なんて思ってたよ。…いや悪い、考えてみればマネージャーも、
 オレたちと同じ野球部の一員だったか。しかし、甲子園を目指して闘いたくても、
 直接闘うことができない子もいるんだから、オレだって負けてはいられないよな……」
 そこで一宮の身体が、もみじに向き合う。
〜「まあ… いちおうルールだし、ってことで… あまり真に受けずに聞いといてくれ」
 一宮の口が開き、言葉が紡がれていく。
〜「…一宮、先輩……」
〜「ん。 ど、どうした?《ま、まさか、 本気にしてたりするのか!?》」〔ドキドキ…〕
〜「ダメだ… よくわからねぇけど、 なんか違うような気がして… お、俺…
 今日はどうしちまったんだ… す、すいません先輩。俺、自分でも自分のことが……」
 そこまで言い、夜道を走りだしたもみじだったが、後を追おうとした一宮が足をつまづき、
その場に膝をついて屈み込む。それに気付いて後ろを振り返るもみじ。
↑4
113裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:22:50 ID:acRzYyzi
〜「せ、先輩… 大丈夫……」
〜「うぐっ… へ、平気だ、このくらい…」
 しゃがみ込み、手を伸ばそうとしたもみじだったが、一宮がなぜかそのとき持っていた
紐(ひも)で結んだ辞書が地面に落ちてしまっており、それを誤って踏んだもみじは
一宮の方に倒れ寄りかかってしまう。
〜「ギャー! こんな暗いトコで胸が… 胸がー!?」
 バキッ ボコッ ガスッ ベキィッ
 暗闇でもみ合い状態となり、相手の身体に胸が当たって混乱してしまったもみじは、
ついその場の勢いに任せ、てっきり相手が猿野か何かだというような錯覚を起こして
一宮に漢アッパーや漢・崩拳(おとこ・ぽんけん)を決めてしまう。
〜「…一宮・清熊組、逆エスコート、0点。《ま、こーなると思ってたけどな》」
 済まなそうな表情で、ダウンした一宮をおぶってゴールしたもみじだったが、
仏頂面で淡々と採点を記入していく監督・羊谷の前で、一宮は息絶え絶えに呻く。
〜「な、なんでオレって、炎上したりボコられたりする役回りばっかり……
 もう目立つのは こりごりだ……」〔ピクピク〕

「凪ちゃん、あのもみじちゃんって子… 夏なのにあんなに極端に肌の露出の少ない
 服装をして、少し不自然だとは思わなかったかしら?」
「え、そ… そうでしょうか。 もみじちゃん本人は、ヒラヒラした女の子らしい服装が
 苦手で、特に制服のスカートが馴染めないとかで、足回りを布地で覆うような格好を
 普段からしていると言っていましたが」
↑5
114裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:25:08 ID:acRzYyzi
「そう… どうも胸回りとスカートの部分を、どこかヘンに意識しているところが
 あの子にはあるみたい。それ以外の部分はそうでもないんだけど―― どうやら彼女、
 自分自身の発育したカラダに男の子の視線を受けて戸惑いながらも… つい意地を
 張って、男の子のカラダとの差異を生み出しているところを隠そうとしてしまう…
 そしてそうしながらも本当は、厚いガードを少しづつ剥がして、雄々しい男の子に
 その中にまで入ってきて欲しいと考えている…。 でも勘の鋭い男の子は何となく
 それに気付いて、一線を越えることをどうしてもためらって、距離を置いてしまうわ…」
 と、そこまで言うと、紅印は制服のズボンのポケットからおもむろに
携帯電話を取り出し、ボタンを押して誰かを呼ぶ。
「雀…、いまどこにいるの? そうなの、近くで良かったわ。ワンタンもそこにいる?
 申し訳ないんだけど、今日こちらに来ている『お客さん』のことで……
 彼女たちに、ワンタンの『アレ』を振る舞ってあげてくれないかしら…」
 そうして通話を終え、携帯をたたんでしまい込んだ紅印に対し、凪は問いかける。
「ど、どうかなさったのですか?」
「あ、ちょっと失礼したわね、なんでもないのよ。あのもみじちゃん、このままだと
 ちょっと心配だから、少々荒療治でも、アタシがなんとかしてあげようと思って」
 
 すると程なく、待合室の椅子に腰かけて黙り込んでいたもみじの前に、
プレハブの相談所の表の扉を開けて、王 桃食と霧咲 雀が姿を見せる。
「称好(ニーハオ)! 今日は遠路はるばるよく来たヨ。朕たちは剣菱と同じ、
 この学校の野球部の三年生で、ちょっと様子見にここまで来てみたネ」
↑6
115裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:27:57 ID:acRzYyzi
 右手に湯沸かし器のポットと、左手に箱型の手提げ鞄(かばん)を持ち、
入ってくるなり明るい笑顔でそう挨拶をした王の後ろで、霧咲は不愛想に
ドアに背を預けてもたれかかり、こちらから顔を背(そむ)けている。
「時刻… 尚早…(ジコク、ショウソウ…)」
 ひとことそうつぶやくと、霧咲は制服のシャツの胸ポケットから丸いものを取り出し、
それの封を解いて包み紙をほどき、口に咥える。小さなその棒つきキャンディーを
口に入れると、そのまま霧咲は顔を伏せて黙り込んでしまう。
「は、はぁ、わざわざ、 どうも…… 一年の清熊 もみじと、いいまし… て」
 目の前にいる二人の相手が年上だと知ったもみじは、通り一遍の挨拶をして
その場に合わせる。
「…朕の名は王 桃食といって、こっちのは霧咲 雀というヨ。この雀は、普段から
 いまみたいに無口だから気にしないでやって欲しいネ。で、それはさておくとして、
 朕たちがこの建物に来た理由は他でもないヨ。いまから朕が特別なお茶をたてて、
 今日の二人の客人にご馳走するネ」
 そう言うと王は、なにやらいそいそと手提げ鞄の蓋を開け、何かの準備を始めていく。
鞄の中からとりだした竹の容れ物の蓋の栓を外し、茶色をした正体不明の粉をサラサラと、
複数の種類を組み合わせつつも「調合」している。
「これ朕の実家に伝わる、中国四千年の漢方を調合して湯で割って飲む、特別な中国茶ネ。
 『心に秘めた願い事』をかなえてくれるというまじないが籠められているヨ。これぞ
 中華球雀・調合の局、秘伝の漢方茶… その名も『混老頭(ホンロウトウ)』いうネ」
(ま、まじない って… 悩み相談だのまじないだの、この学校はなんか怪しいモンが
 いろいろよく出てくるよな……)
↑7
116裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:28:56 ID:acRzYyzi
 やがて、ポットから出したお湯を注ぎ、茶碗につがれた中国茶を机に出し、
王は無邪気な笑みを顔に浮かべている。
「さ、冷める前にいただくよろし。これ飲むと客人がとってもスッキリする言って、
 紅印がときどき電話で、朕に調合を注文してくるヨ」

「では凪ちゃん。そろそろこちらも、本題に入りましょうか」
 そう言った紅印は、あらためて、といった風情で凪に向き合う。
「アナタが気になっているという、その猿野くんってコだけど… アタシも覚えてるわ。
 一回戦の時に目立ってた彼だったわよね…。さっきのもみじちゃんといいあなたといい、
 ついあの子に惹かれてしまうというのも、何となく分かる気がするわ」
 そして紅印は不穏な目つきで、凪の瞳を見上げてくる。
「いわば彼は、アナタのお兄さんの剣ちゃんと同じタイプの人よ…。情熱を傾けて愛した
 思い人に対して、自分の身体を張って… 何かを犠牲にして尽くすことでしか
 その想いを表現することのできない、どうしようもなく不器用な人……」
 凪はその紅印の、慈愛と焦燥を深くたたえた眼差しの持つ意味を理解することができずに、
ただただ紅印の表情を見つめ返して不思議に思い、目を瞬く。
「いまはまだ、その猿野くんと剣ちゃんのどこが似ているのか… アナタには分からない
 でしょうけれど、いずれ知ることになるわ… お兄さんがアナタのためにどれほどの…
 いえ、これ以上はやめておきましょう。それで、単刀直入に聞くけれど、
 アナタは猿野くんのこと、どう思っているの?」
↑8
117裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:29:42 ID:acRzYyzi
「は、はい、それが…」
 そのことの話題となると、途端に凪は気むずかしげな表情となり目を伏せる。
そうしたあと、凪は紅印に改めて、自分が猿野のことを決して悪くは思っていないのだが、
恋愛関係と言うには何かしら違和感の残る関係であること。自分は猿野に対して
家族か何かのような親近感を持って接するようになりつつあるが、猿野は相変わらず
自分にだけは他の女子とは違う、畏敬の念さえ感じさせるような丁寧な態度で
接してくるために『心の内を量りかねている』ことなどを、淡々と説明していく。

 勧められたお茶を少しづつ飲みながらも もみじは、待合室の机を挟んで桃食と、
二言三言会話を交わしている。誰とでも気軽にうち解ける人好きな桃食に、
もみじもようやく緊張を解きはじめ、相変わらず無言のままの霧咲をよそに
話はにわかに弾んでいく。
「そうっすか…、中国から留学してきて、野球やってて、今日は漢方の調合に……
 で、帰りは俺たちをタクシー乗り場まで送ってくれるって… そりゃまた、どうも…」
「今日はもう一人分、『混老頭』を調合するヨ。朕は料理も得意としてるけど、
 料理は他の部員でもうまい奴いるネ。でも漢方茶作りは朕だけのレパァトリィ ヨ」
「変わった言葉遣いだよなぁ、そういやぁ。自分のことを言うのに『朕』だなんて……
 俺の知り合いに、言葉の終わりとかにたまに『チン』ってつけるヤツがいるけど、
 それと似たようなモンかな……」
 独り言のような口振りでそう言ったもみじに対し、桃食の顔色がひときわ明るくなる。
↑9
118裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:30:33 ID:acRzYyzi
「哇(ワァ)! お前の学校に、朕の他にも中国人がいるカ?」
「い、いや… そいつは普通に日本人だし…」
「そうカ、残念ヨ… 日本に留学してきて、学校でも中国人は朕ひとり…。仲間がいたら
 ぜひ友達になりかったネ… でも日本にはうまい中華マン売ってる“こんびに”言う
 夜店もあるし、さみしくはないヨ。で、それはおいといて雀、そろそろこの茶の調合も
 完成するネ。奥の部屋に持っていってやって欲しいヨ」
 ちょうど、棒つきキャンディーを舐め終えた霧咲に、王はそう声をかける。

 そのころ、凪からの説明を聞いた紅印は――
「それにしても… あの、元気の有り余りすぎたような子が、アナタに対してだけは
 慇懃このうえないほどの立ち振る舞いをしてくる…、 以外と言えば以外ねぇ。
 でも凪ちゃん、それは『プラトニズム』といって、別に不思議なことでも何でも…」
 そこまで紅印が言ったとき、部屋の扉がノックされる。扉を開けて入ってきたのは、
中国茶を入れた盆を片手に持った霧咲だった。
「あ、来たわね雀。ここの机に、置いといてくれるかしら」
「粗茶……」 …コト
 ひとこと述べて茶碗を置き、その場を去ろうとする。
「あ、ありがとうございます…」
「……」
 礼を言った凪だったが、霧咲は返事をせずに顔を凪から背け、俯き加減に扉の方に歩き、
部屋から出ていこうとする身振りを見せた。が、そのとき……
↑10
119裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:32:35 ID:acRzYyzi
「ありがとうね、雀。ところでアナタにひとつ、言づてをしておきたいんだけど…。
 待合室で待っていて、今日これからなにか変わったことが起こっても、
 できるだけ穏便に対応するように、して欲しいの……」
 不意に霧咲を呼び止めた紅印は、そのような不可思議な頼み事をするのだった。
「………  ……威(い)」
 紅印からそう言われ、しばらくはその意図を理解しかねて黙り込んでいた霧咲だったが、
やがて承諾を表すその返事をして、部屋から去っていく。
「…ごめんなさいね。彼、不愛想だけど、ああ見えて性格が悪いワケじゃないから……」
「はい、そういったことは、何となく分かるような気がします…。私のいる学校の
 同学年にも、とても物静かな方がひとり… きっと本当は、とても繊細で感受性が
 豊かな人なんだと思います」

「やっと全部飲んだネ。うまかったカ? 生薬漢方を混ぜ込んだ特別製の…
 自家調合の中国茶、『混老頭』は、腹の内に溜め込んでいる心の“こり”によく効くネ。
 飲むと、何もかも吐き出したような、なんとも言えない気持ちになって
 スッキリできるヨ」
「は、はぁ… スッキリもなにもこの中国茶、なんか苦みの混じった養命酒みてえな
 味がして… 一気に飲んじまったけど、すげぇ喉にもたれる……」
「気にしない気にしない、『良薬口に苦し』ヨ。 …ところで雀、中の紅印が
 さっきトランシーバァで、お茶の持ち込み係にお前を指名してたけど、
 中で何か言われたカ?」
「別段…」
「なんだ… こ、この中国茶… 飲んだ途端に体の中が熱くなって… なんだか
 眠くなってきたような…… ふぁ〜あ…」

「ところで凪ちゃん。 お話を聞いていると、その猿野くんのことを、『心に決めたひと』
 とまではまだ、アナタには思うことができていないみたいなんだけど…
 その最後の一線、なんらかのためらいが残っているのは、いったいなぜなのかしら。
 他に気になる男の子が、いるわけでもないのに……」
↑11
120裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:33:29 ID:acRzYyzi
「そ、それは… 私には、よくわかりません……」
「でしょうね… アナタくらいの年頃の子は、自分自身でもよく分からないような
 踏ん切りのつかなさを感じて、最後の一線を越えることができないケースだって
 よくあるものよ。あとは思い切りの良さと、一歩踏み込む勇気があれば問題ないわ。
 猿野くんがいつの日か、アナタに本格的にモーションをかけてきたときの心の準備を、
 いまからしておかないといけないわねぇ…」
 さきほどまでと同じ妖しげな雰囲気の中にも、にわかに怪しげな、なにか裏の意図の
存在を匂わせるような顔つきを見せて、紅印は凪にそう語りかける。
「と、いいますと… それは、どういうことでしょうか…」
 だが、人を疑うことを知らない凪には、そんな紅印の素振りの変化が
読みとれるはずもなかった
「要するに、よ…。 猿野くんにある日突然、どこかに呼び出されて告白されたとしたら、
 アナタはどういう態度で彼に向き合って、どういう返事を返すのか、それをいまから
 考えておかないといけないってこと…。 女の子はそういうときのことを常に意識して、
 心構えをしておかなくてはならないわ…」
 そう言われて、凪は困惑する。
 ――思えば過去、虎鉄に大仰な口説き文句を囁かれたときにも、凪は
どうしていいかわからずにその場で立ちつくすしかなかった。やりかたの巧拙はあれど、
いつか猿野に同じようなことをされたとしたなら、そのときはどうすればよいのか…
 難題につき当たった凪は、出された中国茶に口をつけることも忘れて胸を熱くし、
目を伏せて考えこんでしまう。
↑12
121裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2005/12/30(金) 18:34:43 ID:acRzYyzi
「だったら… アタシで練習なさいな。アタシは、カラダはまだ余計なモノがついていて
 男だけれど、心の中身はもうとっくに純粋なオンナなの。だからアタシがその、
 “オトコの人に告白されたときにどうすればいいか”を決める、練習台になってあげる」
 黙りこんだ凪の前で、紅印はそう言って椅子を立つ。
「アタシの上背なら、きっと立派なオトコの人の役を務めることができると思うわ……」
 兄の剣菱と同程度の、身長183センチの長身を持つ紅印は、自身の胸に手を当てて
そう言う。つまり紅印は、凪が猿野に告白をされたときのことを想定した『リハーサル』
を、いまからこの場所で行おうという提案をしてきたのだった。
 驚いた凪は紅印を見上げ、とっさにこう答える。
「で、でも、その… 匂いが… ちょっと……」
 紅印を男に見立てるためには、かすかな芳香を漂わせる、フレグランスのパフュームの
存在が違和を生み出す。そのことの指摘を受けた紅印は慌てて洗面台に駆け込む。
「なんですって…、アタシの香りが、シチュエーションに馴染まないっていうの…。
 ちょ、ちょっと待っていなさい!」 バタバタバタ、バシャバシャ ガーガー、ブオー
 水道の水とドライヤーの音をしばし鳴らせ、程なく紅印は洗面所から出てくる。
「ふう、お待たせ……  さあ、これでもう違和感はないでしょう」
 凪の前に現れた、すっかり化粧をぬぐい去った紅印の姿は、もはや妖しげな艶を
たたえた麗人のそれではなかった。急いで後ろへと集めた髪を背に垂らし、
切れ長の瞳を細めて凪に微笑みかける。
〈*イメージイラスト・単行本14巻のキャラクタープロフィール36の上から二番目の絵〉
 続く
122名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 21:49:53 ID:a09Sv7UX
裏天国氏来てたーーーー!!
な、凪さんテラカワイス(;´Д`)
律儀に化粧落としてくれる紅印にワロタw
123名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 23:17:33 ID:9q6fgOM6
裏天国氏降臨、投下乙。
次回作希望。
124名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 00:38:09 ID:EqpuEg7s
なんだこのクソ小説は…
125ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2005/12/31(土) 18:34:27 ID:DztEcg0r
お久しぶりです。
>>嘉祠神
SS乙です。
俺も黒撰好きなので、読んでて楽しいですw
女性の書くSSはちょっとテイストが違うので、参考になります。

>>裏天国神
いつもSS乙です。
紅印姐さんモエス……
七橋のSS初めてなので、期待して待ってます。

>>スレの皆さん
結局年内に続きうp出来なくてすみませんorz
とりあえず年末のご挨拶だけでもと参上致しました。
来年もよろしくお願いします、良いお年を!
126名無しさん@ピンキー:2006/01/01(日) 22:36:13 ID:0H2KLbbd
ほしゅ&あけおめage
127名無しさん@ピンキー:2006/01/02(月) 01:14:07 ID:LMQGdRmb
キモ小説晒し
128名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 21:39:43 ID:cUG8jo35
小説の質下がったな
129名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 23:32:46 ID:EE7TORDM
いや、SSの質は下がってはないと思うけど。
たぶん、導入部分が長いせいかな。でも導入部分も大事なわけで、そこをしっかり書けるのも文章力求められるし。作者さん達には今まで通り書いて欲しい。エロのみなら同人誌だしね。
裏天国氏、ユタ凪の方、うどんの方続き投下待ってます。
130名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 14:45:58 ID:zN3cVjxC
>エロのみなら同人誌だしね。

これはおかしくないか
131名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 15:25:45 ID:7ZAnsxDH
SS書きの控え室スレ覗いてみるといいよ。参考になる。
132ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:09:14 ID:hxCq+who
「……」
どこかから、水滴の落ちる音が聞こえる。向こうの浴槽だろうか、それとも目の前のシャワーだろうか。
由太郎に抱き締められた凪のその目線は、抵抗を諦めたようでもあり、由太郎を受け入れたようでもある。
由太郎も気を落ち着かせたのか、凪から手を離すと、どたりとそこへ座りこんだ。
「……ごめん、凪……」
凪も、へたりと力無く座る。
「……ごめんよ、俺……その……」
謝ろうと言葉を探すが、自分のこの状況をどう説明したらいいのか由太郎にはわからなかった。
133ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:11:21 ID:hxCq+who
「あの……、失礼します……っ」
「え……」
凪は急に立ち上がり、風呂の戸に向かって走り出し、そのまま外へ出ていく。
「凪っ……」
凪を呼び止めようと走った由太郎の声は、情けなく響いた。

「あの……なんでしょうか?」
凪が向かった先は風呂場の前の脱衣室。
タオルを巻いた状態の凪の前にいたのは、村中紀洋、魁の二人である。
凪は、由太郎を嫌いになってその場を去ったのでは無く、二人が手招きをしているのを見つけたのであった。
「突然呼び出してすまない。実は、今回の『頼み事』の内容を話そうと思ってな」
「は……はい」
凪は、二人が自分達の考えを話すのを黙って聞いていた。
時々、二人の目線が凪の身体を行き来しているような気がしたが、あまり気にとめないようにした。
134ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:12:06 ID:hxCq+who
「由太郎さんの、性的……欲求……」
「ああ。我々は本当に困っているんだ。君にしか頼めないんだよ」
「はあ……」
正直、凪にはどうしていいかわからなかったが、二人の困っている様子を見ると断るに断れなかった。
……もちろん二人とも、凪のそんな性格をよく理解した上で頼んでいるのだが。
「……わかりました、うまく出来る自信はないですけれど、やってみます」
「そうか!……では、早速やってほしいことがあるのだが」
「……はい」
135ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:13:32 ID:hxCq+who
由太郎は風呂から上がると、タンクトップに短パンという涼しげな格好で居間に来た。
「オヤジー、飯まだぁー?」
どこかうなだれた声で、夕飯を催促する。
しかし、帰ってきた声は、由太郎の考えていたものではなかった。
「はい、今出来ますので待っててくださいねー」
「……え!?」
驚いて振り返ると、台所では凪が、浴衣にエプロン姿で夕飯を作っている。
「ゆ……夕飯まで凪が作ってくれるのか!?」
「はい、お二人に頼まれまして……」
「その浴衣は?」
「これもお借りしたものです。客人用だそうで」
「……何考えてんだよ、あいつら……」
凪が夕飯をテーブルに並べていく。
見た目こそ質素なものであったが、美味しそうな匂いがたちこめている。
136ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:16:57 ID:hxCq+who
「いただきまーす!」
やがて全員が食卓につき、食事を始めた。
「うめぇなー。凪、料理得意なんだ」
「いえ、そんな……ありがとうございます」
笑顔で会話が出来るところからすると、もしかすると凪はあまり風呂場でのことを気にしていないのかもしれない、と少し安心する。
味噌汁をすすると、ちょっとしょっぱかった。
137ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:17:40 ID:hxCq+who
「ごちそうさまでしたー」
食事を終え、部屋に戻る。
大の字に寝そべって天井をみると、なんだか視界がぼやける気がした。
「あ……あれ?おかしいな……」
なんだか不思議な感覚が頭の中を巡る。
身体が熱くなるというか、息が苦しくなるというか。
……風呂に入ってるわけじゃないのに。
「由太郎さん……ちょっと、よろしいですか?」
「ん……凪ぃ?」
ちょうどいい。由太郎も今まさに、凪のことを考えていた。
「凪……おれさ、身体、変なんだよ……。なんか熱くて……。で、凪ならこれ、治せる気が……するんだよね……」
「由太郎さん……」
138ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:18:30 ID:hxCq+who
「効いているみたいですね、親父殿」
「そのようだな、魁」
モニターを観ながら、二人は笑って話す。
脱衣室で二人が凪に頼んだこと……それは、由太郎の夕飯の中に『秘薬』を入れてほしいということであった。
言われるままに凪は由太郎の味噌汁の中に渡された秘薬を入れ、見事に由太郎にはその効き目があらわれているのだ。
「作戦其ノ壱があまりうまくいかなかったからな……少し強攻手段だ。作戦其ノ弐……今度こそ成功させるぞ」
139ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:19:27 ID:hxCq+who
「なぁ、凪……おれさ、熱いんだよ…服、脱いでも……良いかな」
「……はい」
凪自身、興味が無いわけではない。
服を脱ぎ始める由太郎の身体を、じっと見つめていた。
「おれ……なんか今、すごい変な感じだ……。凪のことでさ、頭、一杯なんだよ……」
やがて由太郎は、パンツのみを着用した姿となる。
トランクスの下から、それは大きく立ち上がり、由太郎の呼吸に合わせて時々跳ね上がる。
「……」
「なぁ……凪?おれの身体……どうしたら治ると思う?」
ゆっくりと、由太郎は凪へと近付く。
顔を寄せると、そのままキスをした。
「んっ……」
140ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:20:17 ID:hxCq+who
「ねぇ、凪の服……見てると熱いよ……。脱いで……っ」
もはや、由太郎の目つきはそれまでのものとは違っていた。
凪の着ている浴衣に手をかけ、胸元あたりからゆっくりと開いていく。
「ん……やぁ……っ」
段々と凪の胸が露になっていく。
綺麗な曲線を描いて膨らんでいるその頂点は、緊張しているのかピンク色に突起していた。
「へへ、風呂にいるときから思ってたんだけど、凪って胸おっきいよな……」
「あんまり、見ないでください……」
恥ずかしそうに顔を赤らめる凪をよそに、浴衣の肩をはずし、帯を緩める。
「へへ、すごい格好だな……。凪、触ってもいい?」
「……はい」
由太郎はまず、凪の胸へ手を伸ばした。
柔らかな感触と同時に甘い匂いが由太郎を更に刺激する。
「あ……ぅん……」
「おれ、凪の胸、好きだ……」
谷間に顔を埋め、両側から手で挟む。頬に当たる胸の感触が気持ち良い。
141ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:21:10 ID:hxCq+who
由太郎はやがて、突起しているその部分を舌で舐め始めた。
胸がぷるんと揺れると同時に、凪は大きく反応する。
「ひゃあんっ!!やっ……ぁあ……」
「へへ、きもちいいか?」
凪の反応が面白くて、何度も舌を往復させる。
その度、凪は呼吸を早めたり声をあげたりして、更にその部分をかたくしていた。
「いいなあ……凪の胸、すげぇきもちいいよ。やわらかいし、きれーだし……」
由太郎は凪の眼鏡を外し、もう一度キスをする。左手で凪の胸を触りながら、時々「へへ」と笑って、何度もキスを浴びせた。
「んっ……はあ、ぁん……」
凪も大人しくそれを受け入れる。
一切の抵抗もしないのは、頼まれたからだけではなさそうである。
142ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:22:12 ID:hxCq+who
「凪……おれ、凪の胸いじってたら、もう……ここが痛くなっちゃって……脱いでもいい?」
由太郎が指差す先は、もうすっかり大きなテントを張っている由太郎のトランクスである。
由太郎はそれに手をかけると、一気にずり下ろした。
「……!」
初めて凪が目にしたそれは、薄く毛が生えており、皮は剥けていないが、(村中の血なのか)大きさはなかなかのものであった。
「へへ、女の子の前で裸になるのなんか、初めてだよ……」
由太郎は恥ずかしそうに笑った。
「私も……ですよ」
「なぁ、凪……。どうしたらこれ、元に戻るかなあ……」
「ちょっと……失礼します」
今度は凪が、由太郎の上に馬乗りになった。
下から見上げると、胸がさっきより大きく見えて余計にいやらしい。
由太郎はまた凪の胸に手をのばそうとしたが、そのまえに凪はその体勢のまま後ろに下がってしまった。
「……凪?」
143ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:23:14 ID:hxCq+who
「上手くできるか……わからないですけど……っ」
言うや、凪は由太郎のそれを口に含んだ。
「ひゃっ!?凪……っ!」
由太郎は驚いて、甲高い声を上げる。
音をたてて吸い上げられる自分のそれが、たまにびくんと大きく震えて同時に快感が走る。
「凪ぃ、それ……ぁ、すげぇきもちいい……っ!」
口を上下させたり、時々口から出して舐めたりして由太郎の快感を誘う。
「凪、おれ……も、だめぇ……ぅ、なんか、なんか……来る……っ」
漠然とした限界感を凪に伝えると、そのまま凪の口に初めての精を放った。
「ん……っ!!」
凪の口内が、途端に熱くなる。
しかし凪は目を閉じると、そのまま全てを飲み込んだ。
「はぁ……っはあ……凪ぃ……すげぇ、きもちよかったよ……」
「はい……」
「でも、まだ……おれ、治ってねえんだ」
144ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:32:16 ID:hxCq+who
依然、由太郎のそれは大きく反り起ったままである。
「どしたら、いいかな……」
「……仕方ない、ですね……」
凪は、ゆっくりと由太郎の上に跨った。
「凪?……どうするの?」
由太郎の先端を凪の秘部へと近付けると、少しずつ腰を落としていく。
「ん……っ、痛っ……」
「凪?……大丈夫?」
やがて由太郎のそれは根元まで飲み込まれ、騎乗位の体勢で完全に繋がった状態となった。
「うわ……凪のが、すごい締ってて……きもちいい……」
「由太郎さん……動きますよ」
145ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:33:13 ID:hxCq+who
言うと同時に、凪が腰を上下させる。
「んっ、あっ、ぁあっ!」
凪の腰が動く度に、由太郎の身体中に快感が走る。
何度も上下させられ、快感を我慢出来なくなった由太郎は、
「凪、おれ……上でも、いい?」
「……はい、どうぞ」
そのまま凪の上に乗り、今度は凪に覆い被さる形になった。
146ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:35:05 ID:hxCq+who
「行くよ、凪……」
密着した状態から、由太郎が腰を上下させる。
殆どの部分が密着しているので、腰を上下する度についたり離れたりする凪の胸の感触がきもちいい。
「あっ、やっ、あぁっ!」
筋肉を鍛えているためか、由太郎の方が腰を動かす速度は断然早く、二人の快感は更に増していった。
147ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:44:26 ID:hxCq+who
「はぁ、はぁ、凪……っ、さっきのが、また……きたよぉ……!
凪の、この中で……出しても、いい……?」
「はい……っ!全部、出して……ぇっ!!」
凪の返事を聞くと、由太郎は腰を動かす速度をいっそう早めた。
「あっ、あっ、あっ、あああ……っ!!!」
一際大きい声を出すと、由太郎はそのまま凪の中に全てを放出した。
148ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:45:49 ID:hxCq+who
「っへへ……、治った……。ありがと、凪……」
「……はい……」
「すっげえきもちよかった……けど、なんか疲れたな。へへへ」
「そうですね……」
「凪……」
「はい?」
「また……やろうな、こういう……えっちなこと」
「……機会があれば、ですけどね」

「どうやら成功のようだな、魁」
「そのようですね、親父殿」
「いやあなによりだ。彼女にも感謝せんとな。……魁、ティッシュ持ってきてくれ」
「……只今」
149ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:47:26 ID:hxCq+who
翌日。
凪はいつも通り、部活の朝練に来ていた。
「おはようございます、もみじちゃん」
「お……おはよう、凪!」
凪はいつも通り、普通の挨拶をしたつもりだったが、もみじの返事はなんだか、いつものそれとは違っていた。
「?……どうかしたんですか?」
まさか昨日のことを知っているのだろうかと、凪は少し不安になった。
「いやいや、なんでもねぇよ!!さあ、朝練始めようぜ!!」
「あの……もみじちゃん」
「…ん?」
「あの、昨日のことなんですけど……」
「え!?……凪、お前やっぱり昨日……」
どうやら、まだ確信までいっていなかったらしい。恐らく、誰かから聞き及んで半信半疑といったところだろう。
しかし、もみじに隠し事をしたくなかった凪は、正直に話すことにした。
「はい、昨日……由太郎さんと……」
「あのチビとぉ!?クソ、あの野郎……今度会ったらぶっ殺す!!」
「……も、もみじちゃん、落ち着いて……」

150ユタ凪の人 ◆CB9gsHr0N. :2006/01/05(木) 07:50:41 ID:hxCq+who
長ったらしい上につまらんSS読んで頂いてありがとうございました。
書き終わったので俺も名無しに戻ります。次投下することがあっても、名無しで投下すると思います。
ではー。ありがとうございました。
151嘉祠 ◆dRwnnMDWyQ :2006/01/05(木) 11:39:13 ID:TvS/A82E
遅くなりましたが、あけおめです。
いつの間にか皆さん投下されていて・・・。年末年始は(特に元日)忙しかったのでうpできませんでした。
10日も空けてしまったので、今日の夜にまた来たいと思います。

ユタ凪の人、乙でした!裏天国さんの続きも楽しみです。
152名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 11:59:56 ID:2UjCGLoE
ウザ小説終わった?
153名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 15:10:27 ID:MqBu5SpR
糞粘着嵐乙
154名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 00:33:16 ID:BHKoi6Xe
>>ユタ凪の神
乙でした!つまらんなんてとんでもない!ユタ凪さんの凪可愛すぎるよ凪
次回作もかなり楽しみです(´Д`*)
>>裏天国氏
乙です。紅凪と王霧もみじかなり良いな(´Д`*)ハァハァ
紅印の妖しさがエロスだw
続きがかなりwktk
>>151
おめ。続き待ってる(´Д`*)

てかここといい、単行本といい凪萌えがかなり補充された。アシ達の凪エロテラカワユス
155名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 19:19:30 ID:ZCHo2xGH
凪でたこれ(´Д`;)age
156名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 18:22:42 ID:0TT+NXJR
凪可愛いよ凪…(´Д`*)
157名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 23:27:13 ID:5uhjlNdm
職人さん達
期待しているが、
気長に待ってるので
いつか投下してくれ。
158名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 23:54:40 ID:vy2Q9Jww
キモ小説あげ
159名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 08:55:57 ID:OkldSRg1
クソですね
160名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 21:10:25 ID:0qafDXQI
↑のあとに書きづらいんだが、
柿枝姉さん×いのりんを今書いてる。
投下はいつになるかわからんが、待っててくれると嬉しいです。
161名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 21:36:56 ID:S9MJbo5u
>160
裸になって正座して待つ。
裏天国氏、うどんの方も続き待ってます!
162名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 15:51:39 ID:HcPoqhPW
SSが激しクソな件
163名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 17:18:13 ID:UPwT0Ktf
文句言う奴が書け
164名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 18:25:44 ID:gI5POCKw
♂♂はダメだけど、♀♀は可なんだっけ?
165名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 18:30:06 ID:UPwT0Ktf
♀♀はあり。
バッチ恋です。
166名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:15:09 ID:mMhYUHkv
>160
裸になって正座して待つ。
裏天国氏、うどんの方も続き待ってます!
167名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 23:21:56 ID:9b2h8b3T
文句をつけているのは
ただの荒らし。
少し前にやたらとコピペしてた奴と同一

まともに読んでもいないから
職人さんは気にしないでいただきたい。
168名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 02:04:56 ID:ZzT8oIyF
クオリティーは下がってるよな
169名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 20:22:10 ID:rLrCKqqz
>>167
しかも粘着だな
職人さんは気にせずガンガレ
>>160
つぐみキタコレ!!激しくwktk
170名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 01:04:06 ID:7kZkV0lo
猪里ちゃんキタコレ!
ティッシュ小脇に抱えて待ってます。
171名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 03:18:45 ID:4TBD/I2a
ヘタな小説なら書くなよ
172名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 12:40:55 ID:9GY7B+UH
↑粘着
173名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 02:25:45 ID:cjfT4M33
実際読んでるの2、3人だろーな
174名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 02:30:37 ID:WWT4ZpnR
↑粘着
175名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 04:17:16 ID:CpSf3IR+
もっと文才ある奴カモーン!
176名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 12:12:38 ID:MJ1ysA9f
↑粘着 
177名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 15:25:04 ID:4Iemf+uB
プロじゃないんだし、このレベルで我慢しろよ
178名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 17:17:52 ID:5qMXVx/s
やっぱレベル下がった?
179名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 19:59:54 ID:jN4osYt2
粘着自作自演
180名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 06:30:16 ID:SRLbt2kY
↑粘着
181名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 12:10:08 ID:EVSWFQau
各板まわって批判書き込みが全て粘着の仕業ということは理解した。

職人さんがやる気なくさなければそれでいいや。
182名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 16:08:18 ID:lVXL1iA7
↑粘着
183裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:40:05 ID:jSIuscRW
できているところまで投下してみます。
184裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:40:42 ID:jSIuscRW
179.5発目   仮面の告白
「なんですって…、アタシの香りが、シチュエーションに馴染まないっていうの…。
 ちょ、ちょっと待っていなさい!」
 紅印が男の役となり、凪の相手として“告白をされたとき”の予行演習をしようと
提案した矢先だったが、化粧と香水の匂いがその邪魔をすると知り慌てて、洗面台に
駆け込んでいく。
 バタバタバタ…  バシャバシャ ガーガー、ブオー
 水道水とドライヤーの音がせわしなく響く間、凪はどうしたものかと懊悩しながらも、
椅子に座ったままで小さくなって縮こまる。気晴らしに恐る恐る、霧咲の持ってきた
中国茶に手を伸ばし、奇妙な味に戸惑いながらも一口づつ飲んでいく。
「ふう、お待たせ……  さあ、これでもう違和感はないでしょう」
 そう言って、洗面所のカーテンを開けて出てきた紅印の顔からはすっかり化粧が
落とされ、端正な素顔にかすかな笑みを浮かべて凪の前に立つ。
「言葉遣いもなんとか、オトコの人に近くなるように努力してみるから、
 アナタはアタシを猿野くんだと思って、ね」
「で、でも そんな… 突然、そう言われましても 心の準備がまだ…」
「あらぁ、まだそんなコト言っちゃって、 恥ずかしがりやさんなんだから…
 現実の告白タイムだって、突然振って沸いたようにやってくることも珍しくないわ。
 女の心を持つアタシにさえ、そのときの自分の心をきちんと表現できないようじゃ、
 この先いつまでたってもアナタは… はっきりとした態度のとれない女の子のままよ」
↑1
185裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:41:33 ID:jSIuscRW
 そう言われ、凪の表情が一瞬こわばる。
「! そ、それは……」
「いまのままの関係から一歩、前に踏み出すには… そう特別なきっかけは必要ないの。
 ごく自然に、素直に今のアナタの気持ちを言葉にして表せばいいのよ」
 紅印の身体が凪に近づき、肩を優しく抱く。もはや、逃げることの叶わない状況―― 
「くっ… うぅ」
 その腕に徐々に力が込められていき、下唇を噛んだ慎ましやかな表情がわななく。
「さぁ、逞しい男の子の腕がアナタの背中にまわって、日頃からアナタに対して
 向けていた たぎるような熱い想いを伝えようと、無心に強く抱きしめてくるわ…」
 紅印の中での、予測しうるそのときの状況を克明に言葉で表現しつつも、凪の内面に
猿野による、ひたすらに情念を込めた拙(つたな)い腕の抱擁を思い起こさせていく。
「そっ んな… に つよ… く ……抱きしめられたら あたし――」
「…男の子は誰でも、心の中で沸き起こるこんなに強い衝動を抑えながら、普段から
 女の子と接しているのよ… そのことから逃げちゃダメ。目を逸らさないで、そう……」
 言われるままに瞳を合わせ、潤みついた目を震える睫(まつげ)に縁取らせて、
透明感を帯びた眼鏡のレンズの奥で視線が、捕らえられた蝶を思わせる儚げな瞬きを見せて
収縮し、どうすればいいのか分からないといった戸惑いを伝えてくる。
「――アナタと初めて会った日から… ずっと、アナタの優しさと微笑みに支えられて
 これまで… アナタのことが どうしようもなく愛おしくて もう、離れたくない……
《さあ、凪ちゃん。 ここからどうするの? 告白を受けた女の子は、男の子に
 恥をかかせてはいけないわ。思ったままの言葉を、猿野くんにかけてあげて…》」
↑2
186裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:42:21 ID:jSIuscRW
 恋煩(こいわずら)いにも似た、愛を囁く台詞を低めの声で投げかけた後、
紅印は元の声を小声にして凪に、何らかのリアクションを返すようにとつぶやく。
「うぅっ あ、あたし… あたし…… 猿野さんとふたりきりで、…突然そういうふうに
 言われたら―― ご、ごめんなさい… やっぱり、なんと言えばいいのか……」
 固く目を閉じ、そう言って震えつくままとなってしまった凪を見て、
紅印は困りはてたという顔で腕を解き、悲嘆にくれた仕種を見せる。
「弱ったわねぇ。ここまで来てどうして、最後の一歩を踏み出す決心がつかないのかしら。
 でも、言葉が思い浮かばないのは仕方がないわ。少し間をおいて、もう一度…」
「す、すいません、ここまでしていただいているのに… でも、あたし… なぜかいま、
 心が強く締めつけられるような感覚に襲われて… それに、なんだか急にねむく……」
「あのお茶を、全部飲んだのね…。じゃあ 簡単よ。あのお茶は心をリラックスさせて、
 とっても素直にしてくれるから、 アドリブを効かせてこの訓練も、勢いに任せて
 乗り切っちゃいなさい。きっともうひとりの、自分と出会える心地がするはずよ」
 なぜか、にわかに鋭さを帯びた微笑を浮きあがらせ、紅印はゆっくりと言うのだった…

 時は少し戻る。凪がまだ、シャワー室に駆け込んだ紅印をあわただしげな物音の中で、
おずおずとお茶を飲みながら待っていたそのとき…… 手前の部屋では、
上体を机に寄りかからせて俯(うつむ)いたもみじが、顔を伏せて深い眠りについていた。
「雀。この客人、頭をうとうとさせてたかと思うと、突然眠り込んでしまたヨ。
 いつもは客人ひとりにこの中国茶を調合して、奥の部屋に持っていった後でそのまま
 朕は出ていくが、今日だけは奥の“相談”が終わるまでここで待っていなければ
 いけないんだたネ。たしかそう紅印が、トランシーバァで雀に言ったってさっき…」
「同上。 紅印 思惑、 推察 不可能…」
↑3
187裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:43:43 ID:jSIuscRW
「それにしても、見事な熟睡っぷりヨ。もしかして、朕の調合した中国茶の効果で
 こうなったなんてことは…」
「桃食、中国茶主成分…」
「ああ、あの漢方茶にはドクダミに月見草に朝鮮人参、そのほか諸々の生薬に
 老酒(ラオチュゥ)を天日で干して粉末にしたものを少々… 唖(あ)、それが原因カ」
 中国では『医食同仁』といい、酒類をも含めて身体の健康を保全するための目的で、
それらは摂取されている。桃食は日本で、未成年はアルコールの類を普段採りはしない
ものだということをすっかり忘れていた。
「実のところ、朕の中国茶は本来、勝負事に臨んで杯を交わした男達の客人に
 振る舞われるまじないの漢方茶ヨ。女の客人に出したことは日本に来るまでは一度も
 なかたネ。でもこの分だといつも、紅印の客人は奥で寝てしまってたはずヨ。
 そんなので相談になるカ?」
「…皆目、 見当不能」
 そこまで話が進んだところで、もみじは弾かれたように、突然目を覚まして起き上がる。
「はっ! うぅ〜んん… 俺いったい、どうしちまったんだ?……」
「おや、気がついたみたいヨ。でもそのまま寝てても別に……」
 だがもみじは、桃食のほうを向くと、奇妙に澱(よど)み沈みこんだような瞳を見せて
頭をもたげ、何やら不可解なことを言い始める。
「う… うぅ〜…… ここはいったい… お前はたしか… 兎丸。兎丸だよな?
 おかしいなぁ さっきまで俺…、あれ? 思い出せねえや… ワケわから ね…」
 よく見るとその目は、瞳孔が拡大して瞼(まぶた)の皮膚がやや弛緩しており、
正気であるとはとうてい言い難いほどの怪しげな色合いとなっている。
↑4
188裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:44:21 ID:jSIuscRW
「い、いったい何が起きたのカ? この客人、さっきまでとはうって変わって、
 目が据わってるヨ、なんか朕の国の武術、酔拳の使い手みたいな目つきで…」
「おいおい兎丸〜 こんなとこで何やってんだよ。ここってたしか、女専用の小屋
 だったよなぁおい。さてはお前 ガキのクセしていっちょまえに、この部屋に覗きに…」
「な、なにを唐突に…、この小屋が『女性専用』だのなんだの、それはあくまで
 名目上のことヨ、男子校の中でも『女の子の出入り自由』というだけの意味合いネ」
「あぁ〜ん、なんかよくわからねぇな うう… んん〜 ……。 ま、いいや。
 どっちにしてもお前は女みてぇなモンだしな。ちょっとこっちに来いよ」
 酩酊しているという割には明朗な立ち振る舞いで、しかし明らかに通常の意識を
どこか麻痺させた言動を見せて、もみじは無理矢理に桃食の肩に手を置いて、
自分の方へと引き寄せようとする。
「い、いつつつつ… この客人、すごい怪力してるヨ。じゃ、雀! 朕を助けるよろし!」
 その様子を見て霧咲は、さきほど奥の部屋で紅印に言われたことを思い出す。
〜「待合室で待っていて、今日これからなにか変わったことが起こっても、
 できるだけ穏便に対応するように、して欲しいの……」
「桃食…… 暴力禁止、穏便解決」
「そ、そんなこと言っても… イタタタタタ! もみじとかいったカ! お前朕を
 どうするつもりで… むぎゅぅぅぅ――!?」
 ベシャッ と音をさせて、桃食の小さな身体が机の上に横たえられ、押しつけられる。
↑5
189裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:45:38 ID:jSIuscRW
「ククッ るせーなこの野郎。このもみじ様が、日頃野球稼業で疲れてる てめぇの
 肩を揉んで、こりをほぐしてやろうって言ってんじゃねーか。ありがたく思いやがれぇ」
 ときおり、呂律(ろれつ)の回らない高低の発音を交えながらも、机上に押さえつけた
桃食の肩に手をやり、肩のツボと思しきところを指でひねりしごこうとする。
「よ、余計なお世話ヨ! 朕は自分の肩の『経穴』くらい自分で知り尽くして… って、
 やめるネ! 乱暴はよし… ンムムムググウ!?」
 もみじの手が、桃食の口を塞いで言葉を奪ってしまう。突然のことに呆気にとられ、
霧咲は何事も口に出せずにその場に立ちつくす。
 そして、そんな霧咲のほうを、もみじの顔がゆっくりと振り向いていく。
「あぁん… そこにいるのは… まさかエロ猿か? ったくよ、テメェはどこにでも
 現れやがんな。兎丸と連れだってまた覗きに来やがったのかぁ?《また凪に
 いいつけちまうゾこんにゃろー って、ウケ狙いはツラだけにしとけっつーの ブツブツ》」
 と小声の小言も交えてそう呼びかけられると、霧咲の顔色が少しばかり変わり、
驚きの表情を見せる。
「……でもよ。お前なーんか、いつもと違う感じだよな。今日はヤケに無口で… あ、
 そうか。ちったぁ殊勝になって、いつもの変態振りを反省してやがんだなぁ フフ」
 霧咲は、まさか目の前の年下の他校生が自分のことを、十二支高校の第一回戦の
武軍戦を視察に行ったときに見た騒がしい男、猿野と取り違えて認識しているのかと
思うに至り、そのナイーブな感性に尋常ではないほどの衝撃を受けてしまう。
 霧咲が最も苦手とする人間の類型である『テンションの高い人間』と、いったい
対極の性質を持つ自分をどうやったら間違えられるのかと小一時間、相手に問いただして
反省を促したいような忸怩(じくじ)たる思いに駆られる。
「《理不尽… 不本意……     元凶理由… 身長?》」
↑6
190裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/20(金) 20:46:53 ID:jSIuscRW
ではまた近いうちに
191名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 21:51:28 ID:lVXL1iA7
結構です
192名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 23:23:46 ID:Et3G2ykx
>190
お待ちしています。
193名無しさん@ピンキー:2006/01/20(金) 23:26:36 ID:HhcOqMOA
凪も良かったが
猿野に間違えられて落ち込む雀にワロタ。

そりゃ落ち込むわw
194名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 11:14:12 ID:DidAetkg
>>裏天国氏
凪可愛いよ凪(´Д`*)もみじエロいよもみじw
>>193と同じで落ち込む雀ワロスwww
195名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 12:19:09 ID:oC2hImxi
今週の展開で
凪フィーバーが来てたところに読んだので
余計萌える。

続き待ってる。
196名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 22:25:24 ID:GG7o2022
>>195
はげどう。凪てらもえす!!!
続き期待してます。半裸で。

前に柿枝といのりん書くと言った者ですが、
皆さんはいのりんは柿枝になんと呼ばれてると思いますか?
猪里、猪里くん、猪里ちゃん、いのりん、猛臣、猛臣くんetc...
スレの皆がコレ!と思う呼び名をSSにもそのまま使いたいです。
なにぶん柿枝って出番少なすぎてキャラ掴みづらくて……orz
197名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 22:42:57 ID:PSA/Nmlr
裏天国神乙。もみじワロスw
凪可愛いよ凪…(´Д`;)今週はなんか幸せそうで良いな
>>196
「猪里くん」か「猪里」だと思ってる。細かいが茶化したりする時は「猪里ちゃん」みたいなw
冬だが下半身露出で神作品達を待つ
198名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 00:51:00 ID:QZhWzmJX
>>196
自分も「猪里」呼び捨てがいいと思う。
柿枝さんは後輩は皆呼び捨てで呼んでそう。
199裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:02:33 ID:wkqb7zJ0
>>196
猪里だと思います。

では続きを
200裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:03:06 ID:wkqb7zJ0
 霧咲の『テンションの高い人間』に向ける苦手意識と忌避感は、骨絡みのものだった。
武軍戦の直後、自チームの主将の剣菱に、猿野に対して挨拶するよう言われたときも、
とうていその『一発ギャグ永久機関』を前にして口をきくことが出来ずに、捨て科白を
残して足早にその場を立ち去ったほどだった。
 霧咲がそうしている隙にもみじは、口を塞がれてもがき続ける桃食の頭を
ガシガシと掻き、耳元に口を寄せて声を潜め、胡乱(うろん)な目をしたままで囁く。
「ヘヘッ やっと大人しくなったなぁ。ちんちくりんのガキのクセに薄茶だのピンクだの、
 漢の風上にも置けねぇような色に髪 染めて来やがって。根性叩き直してやっからよ」
「むぐぐぐ… んん〜っ  むんんんん〜――…  ぷはぁぁぁっ! お、お前朕を…
 朕を窒息死させる気カ〜! この髪は雑技団のように観客を魅了する朕の中華球雀の
 流儀のためにあえて…」
「あ〜? さっきからチンチンうるせぇんだよ。か弱い乙女の前でそんな言葉遣い
 してっと…… 剥(む)いちまうぞォ〜 っと!」  …ズルゥゥゥッ!!
 意地悪な笑みを浮かべながら、そう言うと同時にもみじは突然、桃食の穿いていた
袴を一息にズリ降ろしてしまう。
「ああっ!! 何をするカ!?」
 顔を真っ赤にして、慌てて袴を押さえる桃食の横では、霧咲はまだ呆然と、
何かを一人でブツブツとつぶやいている。
「ふぅ〜 このクソ暑いのに、こんなヒラヒラした服着てられるかってんだよ――」
 するともみじは、今度は身につけていたセーラー服に手を掛けるとゆっくり、
その場にいた二人に見せつけるように脱ぎ降ろしていく。
↑7
201裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:03:56 ID:wkqb7zJ0
「なんだよてめぇら〜 なぁ〜に見てんだー? こいつはただの部屋着だからなんでも
 ねーっての ったく男共はつくづくいつもいつもスケベな目で俺を見やがって…」
 ――セーラー服の下には、もみじがいつも着用している紺のリブニットのスパッツと、
アンダーウェアのような胸回りを覆うボディウェアがあった。とくに上半身の青のそれは、
十二支高校野球部のユニフォームのアンダーシャツの意匠を模してでもいるのか、
首元にまで布地が伸びたハイネックタイプのデザインとなっており、その下に大きく
張りつめたバストラインを完全に隠している。
 にも関わらず、ウエストの鍛えられた臍周りのラインは、ありのままに開放されて
ウェアの切れ目から露出しており、適度に薄い肉ののった健康的な躍動美を主張している。
「ん、なんだぁ どーしたよエロ猿ぅ?  俺が兎丸ばっか可愛がってやるモンだから
 ふてくされてやがんのかよ。 ちっ しょ〜がねぇなぁ わかったからよ。真面目に
 黙り込んで反省してるのに免じてお前も俺が特別に、マッサージして身体をスッキリ
 させてやっからよ。大人しくしてそこに寝っころがれよ。ほら、はやくしろって」
 一方的に頭ごなしな物言いをされ、霧咲はやにわに鋭い目つきとなりもみじを見据える。
「あぁ〜ん? なんだおい、普段あれだけ俺から逃げ回ってるクセして、
 今日は真っ向からガンつけてくんのかよ。いい度胸してんじゃねぇか、男は根性ってな。
 いつでも相手になってやろうじゃねぇか フフ」
 こちらに近づき視線を間近で合わせてきたもみじを見て、霧咲は怯(ひる)んでしまう。
その男勝りの言動とは裏腹に、その顔つきはほのかな酔いからくる頬の紅(あか)みを
見せて蕩(とろ)け始めており、にも関わらずにこちらに向けられた場数を踏んだ、
恐ろしいまでの眼力による殺気を浴びせられ、心のどこかが倒錯し、萎縮する。
↑8
202裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:05:06 ID:wkqb7zJ0
 こうなればもう霧咲は、もみじに呑まれてしまったも同然だった――

 机の上に、霧咲と桃食の身体が横たわっている。
「フフフッ そうだよエロ猿。そうやって素直にしとけば、手荒なことはしねぇからよ。
 大人しくしてりゃだんだん疲れがとれてリラックスしてくるぜ。俺ってほんっとうに
 親切な女マネだよなぁ… なあそう思うだろ兎丸?」
「そっ そのとおりネ! お前、親切で頼りになる優しいマネージャーヨ!」
 恐る恐るもみじにそう答え、桃食は霧咲のほうを見る。
「《ここは逆らったらこちらの負けヨ雀。しばらく様子を見るに越したことはないネ》」
「《本来学内、教師以外女人禁制。 喧嘩、騒動惹起不利》」
 二人のヒソヒソ話を気にもせず、もみじは交代で、寝かしつけた両者の間を
行きつ戻りつして肩をもみ、背中を押し、体のこりをほぐそうと息巻いている。
「《これ、本当にあの漢方茶でこうなったカ? だとすれば奥の部屋ではいったい…》」
 …カチャ
 そこまで桃食が考えたとき、奥の扉が開き、中から化粧を落とした紅印の顔が
ゆっくりと… あたりを覗き見回しながらも突き出されてきた。
「え、影州!!?  ……いや、紅印カ! ビックリさせるネ なんでいきなり
 スッピンで顔出して…」
「あ〜? ――もしかして 蛇神センパイ? う、うぃ〜っす、いつもお疲れさんっす!」
 紅印は、机の上に寝そべることを強制されつつもこちらに声をかけてくる桃食たちと、
何気に不穏な様子を見せてかしこまり、挨拶をしてくるもみじを見るやいなや、口を開く。
↑9
203裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:07:08 ID:wkqb7zJ0
「どうやらその子、完全にできあがっちゃってるようね。いままで黙ってたけどワンタン、
 アナタの作る中国茶は女の子に呑ませたとき、その子に一時的に大きな変化を
 もたらしてしまうのよ」
 密やかにそうつぶやいてきた紅印は、さらに続ける。
「いま、こちらの部屋の凪ちゃんは、ちょうど深い眠りについたところ…。 あと1分も
 すればそのもみじちゃんと同じように、『常日頃から心にため込んでいた本当の想い』
 が開放されて、無意識に封じ込めていた行き所のない鬱憤が“完全に”解き放たれるわ」
 事情の説明を受けて、霧咲は疑問を呈する。
「就中(ナカンズク)、 困惑甚大。 人物錯誤 諒解不承(リョウカイフショウ)」
「ああ、それはね雀。開放状態になったその女の子は目の前に映った人物を、
 “身体的特徴の許す範囲内で、最も理想化した人のイメージ”に照らし合わせて、
 その理想の人を別人に対して投影してしまうの」
「無意識 潜在欲求、顕在化 現象…」
「とはいっても、ほとんど投影の基準は相手の身長に依存するみたいだけれど。たぶん
 もみじちゃんは雀のことを見て、心に理想として描いている雄々しくて逞しい誰かさん
 としてフィードバックをしてしまうと思うわ。そして夢の国をさすらうシンデレラは、
 鬱憤が完全に晴れたときまた眠りに落ち、しばらくあとに正気となって目を覚ます――」
 あくまでも、もみじが理想としているのは寡黙にして、鋭い視線を投げかけてくる
凛々しげな猿野の像だということを、紅印の慧眼は目ざとく見抜いていた。
「開放状態になっていた間の記憶は、目を覚ましてしまえば残らないから、アナタたちは
 もみじちゃんの心に巣くってしまった途方もない矛盾と悲哀を、どうにかして
 晴らしてあげてほしいのよ… このままじゃその子、どうなっちゃうか分からないほど
 追い詰められてしまうことになるかも知れない。 …頼まれて、くれないかしら?」
↑10
204裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:08:31 ID:wkqb7zJ0
 そこで口を開いたのは、桃食だった。続いて霧咲も同意を示し、意を共にする。
「そうだたカ… この客人、なにか大きな悩みを抱えて思い詰めているいうことネ…。
 回りの皆の心に幸せをもたらして笑顔を呼び込むことが、朕の中華球雀の本道ヨ。
 ここはなんとか踏ん張って、人助けだと思って頑張てみるヨ! で、どうすればいいカ?」
「一蓮托生。最早 言葉不要」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。…そうね、ひとまずその子の様子を注意深く見ながら、
 ‘彼女が本当に望んでいるのはいったい何か’ということを理解するようにしてみて。
 あとこの部屋と奥の部屋には軽い防音設備が施されているから、少しは声が出ても――」
 とそこまで述べると、それじゃ… といって紅印は扉を閉めてしまう。どうやら奥の
部屋で寝息をたてていた凪に、目を覚ます兆しが感じられたようだった。
「おぉ、危ねぇ危ねぇ〜 蛇神センパイに目ぇつけられちまったらかなわねぇからな。
 でもどうやら助かったようだし… ってコトで兎丸。こんだけ肩もみしてやったんだし、
 今度はお前が俺に‘お返し’する番だよなぁ? そう思うだろ、もちろん」

「あの中国茶、これまでアタシから桃食には、『せいぜいおまじないくらいの
 効果しかない』とさんざん言い聞かせてたけど本当は… 女の子がこれを呑むと、
 心の奥底が怖いくらいに裏返って際限なく表に出てきてしまう。凪ちゃんならきっと…」
「う、うぅ… うぅ〜 …んっ」
 軽く頭を押さえて目を覚まそうとする凪の様子を、紅印は注意深く見守っている。
「うっ… う゛っ うぅ゛ぅっ ん゛んっ… ――うぅぅぅ゛ぅ゛〜… っ」
 すると凪は、目を覚ますと同時に両手で顔を覆ってうめき、苦しげな声を出しはじめた。
「《どうやら… ちゃんと効いているようね》」
↑11
205裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:09:15 ID:wkqb7zJ0
 あらかじめ、何か思うところがあったのか紅印は、凪のその反応を見て
予想通りとばかりに、舌を小さく舐める。
「う、ううっ… お兄… ちゃん……」
 その言葉を聞いて、紅印の目がかすかな煌めきを帯びる
「あたし… 本当は……    お兄ちゃん と――  結ばれたかった…………」
「――やっぱり、そうだったのね…  アナタの心の中には、小さな頃から
 ずっとずっと… 想い続けていた人がいた…」 
 そう小さくつぶやきながらも… 紅印はポケットに手を入れ、何かを探してまさぐる。
そして夢見心地となった凪は、とぎれとぎれに口を開き、告白を始めていく。
「お兄ちゃん… お兄ちゃんは 病気が治ってから―― あまりあたしには
 構ってくれなくなって…  でも、いつかあたし、お兄ちゃんとふたりっきりのときに
 約束したことがあったよね……」
 まるで兄、剣菱が目の前にいるかのような口振りで、凪は心の中で投影した
誰かに向かって話しかけていく。
「――あたし、大人になったらお兄ちゃんのお嫁さんになる、 って…
 そしたらお兄ちゃんは、笑ってうなずいてくれた……」
 年端もいかぬ幼い日に交わした 他愛もない口約束が、それがかなわぬ想いであると
理解した凪の心にいまもって、一握りの愁傷を残し暗い影を落としていたのだった。
「《いくら実の兄妹とはいえ、アナタが幼心に恋煩いを覚えてしまったとしても、
 それは仕方のないことだわ…… いつも目の前にあれほど魅力的なオトコの人がいて、
 アナタのためなら何事もいとわないほどに、深く思ってくれているんですもの》」
↑12
206裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:10:26 ID:wkqb7zJ0
 心中でそう、優しく凪に語りかけながらも、紅印はポケットから取り出した紐を使い、
自らの流れるような髪をまとめて後頭部でくくりつけ、あつめたものを指でかき分ける。
「お お兄…  ちゃん?」
 目をおぼろげに霞ませた凪の目の前には、180センチを超える長身から
こちらを見下ろしてくる、はにかみがちな兄の笑顔があった。
「《さあ、なにも遠慮せずに――  いまだけはふたりで、  一緒に……》」
 そう心の中で凪に呼びかけ、暖かな腕を差し出す。理性による抵抗を失った状態の
兄を慕う妹は、その誘いにつられて我を忘れ、椅子を立ちあがると一直線にその胸へと…
鍛え上げられた引き締まった身体に自らの肢体を預け飛びこんでいく。
 セーラー服の背に指が食いこむほどの、強い力を宿らせて一心に凪を抱きしめた
紅印の腕の中で、久しく幾年月もの間遠ざかっていた兄の胸の感触を感じた瞬間、
凪は身も世もなく肩を震わせ、忍び泣きの声を自らに禁じることが出来なくなっていた。

 もみじは、桃食と霧咲を机から立たせると、自身が身につけていた『部屋着』をも
邪魔だとばかりに、身体から剥がして脱ぎさってしまおうとする。
「フッ… フフフ… おまえらそんなトコで… つっ立っててもいいのかよ〜
 女マネのナマ着替え中だぞぉ〜 これ以上覗いてっと鉄拳制裁だぜぇ〜 ったくよぉ」
「ま、またワケのわからないコトを… 『そこで立ってよく見とけ』って言ったのは
 お前の方ヨ。 いったいどういう料簡(りょうけん)でそんな破廉恥なマネを…」
 早くも服を脱ぎ出された途端に気圧(けお)され、服の袖を当てて顔を隠しつつも
少し後ずさりをして、恥ずかしそうに言い返す桃食。
↑13
207裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:13:54 ID:wkqb7zJ0
↑13
「うっせーうっせー〜 んなの決まってんだろバカ〜  服脱がねぇとちゃんと
 マッサージさせられねーからって言ったろぉが……  いいかエロ猿てめぇもだ〜」
 特にもみじは、霧咲に対しては見せつけるように時間をかけて、ねっとりとした視線を
ときおり送りながらも身体を揺らせて焦らすように衣服に手をかけている。
 が、『混老頭』を飲んで酔いがまわっているせいか、その顔は頬に紅をさしたような
赤らみを交えて全体が紅潮し、服をめくろうとする指はわずかに逡巡を見せてもいた。
「視線 遣場、  困惑……」
 目を逸らしてそうつぶやく霧咲は、あまりのことにもみじと同じように赤面している。
だがその目線は、ついちらりちらりともみじの方を向いてしまい、上半身のウェアが
両手でめくりあげられて持ち上がり、顔を隠したときに思わずそこを凝視してしまう。
 紺の裾がゆっくりとズリあげられていき、ぶるんと弾みをつけて双弾を飛び出させる。
フルカップの機能的な形状をした、胸を覆う薄いグレーの下着が露わとなり、
タイトなウェアから開放された91センチのバストがひたすら目を引いてくる。
 ハイネックの首まわりが最後まで顎に引っかかり、めくりあげた衣服の中の空間からは
相手二人の目線と表情をまったくつかむことができない。
 かすかな羞じらいに表情を澱(よど)ませながらも、もみじは夢に浮かされたように上を脱ぐと、
今度は下半身のスパッツを、ふるふると震えるたどたどしい手つきの指で降ろしていく。
  その下には、上のそれと同じ薄いグレーのものが身につけられていた。
「さて… と。 そんじゃさっき言ったとおり、兎丸から俺にマッサージの奉仕に
 精を出してもらおうじゃねぇか。サボりやがったら承知しねぇからなぁ〜」
  続く
208裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/01/24(火) 20:16:23 ID:wkqb7zJ0
猪里×柿枝のSSの人のほうも期待していますので、
どうか自身のペースで頑張ってください
209名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 20:28:59 ID:n5Ivmmx8
もみじますますワロス
テンポいーな。
210名無しさん@ピンキー:2006/01/24(火) 22:32:54 ID:3bKv/RKx
うわ・・・・・・・・・・・
211名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 01:09:54 ID:n9g21H2R
凪ハゲモエス!!!
続き期待してます。
212名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 07:34:20 ID:eGtMuRAM
……。
213名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 16:07:27 ID:NK81S76a
近親(?)キターーー!
全裸で続き待ってます。
214名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 21:39:52 ID:AM95+cQf
裏天国氏にGJ送りながら猪里×柿枝に期待age
215名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 01:43:24 ID:uLejMhIc
これはひどい
216名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 01:52:17 ID:6jdDgyjl
雀カワイソス
でもワロスw
217名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 01:44:45 ID:kRiezJoE
本誌読んでここに来たら
ここでも雀がひどい目にあってたw
218名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 19:30:39 ID:SNWCvKvk
職人さんを待ちつつ捕手
219名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 16:23:32 ID:h9Ouo+b3
何か移動しててここ見失ってた
>>裏天国氏乙。
紅印が蛇神様て、もみじエロバロスwww
凪モエスだけど切ないな。剣凪好きだ

猪柿の方もwktkしながら待ってます
220名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 20:54:14 ID:piGxpP0J
うわ・・・・・・・
221名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 19:14:47 ID:5KHxJh3s
hosyu
222名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 23:19:09 ID:WPKXswcG
捕手
223名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 19:34:56 ID:L0SmVEvo
wktk
224裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 19:55:59 ID:79JmVdsN
ではつぎを
225裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 19:57:17 ID:79JmVdsN
179.6発目   真夜中の決闘
 霧咲と桃食を前にして、謎の中国茶によって潜在意識での願望を解放されてしまった
もみじは、理性を完全に喪失(そうしつ)してしまう。
 日頃から、心の奥底でくすぶり続けていた抑圧された欲望を解き放ったもみじは、
ほろ酔い加減の挙動となりながらも男二人を手玉にとってかしづかせ、
自らは身に纏っていた衣服を次々と脱ぎ降ろし下着姿となってしまう。
 フルカップの機能的な形状をした、胸を覆う薄いグレーの下着が露わとなり、
タイトなウェアから開け放たれ弾け出たバスト91の胸が、ひたすら目を引いてくる。
 中身がみっしりとつまった、量感豊かな胸回りの躍動美が魅惑的に震えつき、
天を向いてこれ見よがしに上向き突きあがった二つのバストトップはまさしく、
この年代の女子学生としては規格外の代物であり、同じ高校生の桃食と雀から見ても
耐え難いほどのインパクトと憧憬の劣情を呼び起こさせる。
 かすかな羞じらいに表情を澱(よど)ませながらも、もみじは熱に浮かされたように
上を脱ぐと今度は下半身の青のスパッツを、ふるふると震えるたどたどしい手つきの指で
降ろしていく。
 その下には、上のそれと同じ薄いグレーのものが身につけられていた。
 下着のようでいて、部屋着のようにも見えるごくシンプルなそのスタイルは、それを
他人が見てよいものなのか、よくないものなのかという微妙な一線を戸惑わせた。
「さて…… っと。 そんじゃさっき言ったとおり、兎丸から俺に マッサージの奉仕に
 精を出してもらおうじゃねぇか。サボりやがったら 承知しねぇからなぁ〜」
 そう言ってもみじは、今度は自分が机の上によじ登り腕を前にしてうつぶせに寝転がり、
見上げる目線で桃食のほうをねめつけて舌を小さく舐めながら、手招きをする。
↑1
226裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 19:59:24 ID:79JmVdsN
「最初は背中から順番に 身体のいろんなトコを押して、気持ちいいところを見つけたら
 集中的に揉みほぐして いくんだよ。 どこがイイかは俺が教えてやっからよ… フフ」
「な、なぜ朕が、そのようなことを…《しかし最初はいきなり脱ぎだして驚いたものの、
 単にこの部屋が暑いからいうだけで、これも普段の生活着に違いないはずヨ。きっと》」
「なんだよ兎丸〜 なぁーにグダグダ文句いってんだ? とっとと俺の身体の後ろに
 馬乗りになれよ。おまえはチビっこいから立ってたら肩もみできねぇだろ〜」
 急かされて桃食は、いそいそと机を登ってもみじの背後に回り、 背中を見下ろす。
「うっ…」
 改めて、間近でその光景を見下ろして桃食は、顔全体を熱くして湯気が出るほど赤くし、
その布地が部屋着と呼ぶにはあまりにも薄手で、肌の暖かみを素通しで伝えてくるほど
のものだということを知る。
 しかも発育途上とはいえ、下半身の下着の線からはうっすらと、肉ののった柔らかな
餅肌がはみ出し、引き締まった健康的な肉体美とともにほどよく男心を酔わせる色気が
感じられた。
「《朕なんだか… あ、頭がクラクラしてきたヨ。 でも辛抱して、なんとか――》」
「《桃食、女人訪校 露見阻止…  背筋 按摩 奮闘。 》」
 かすかに上気し、熱を持った格闘少女のグラマラスな肉体に、桃食の指がそろそろと
這わされていく。
「うぅ… っくぅぅ〜――  …そうだ、やればできんじゃねぇか兎丸。いい具合だぜ…
 そうそこだ… 背中の固くなった筋と筋の隙間に指を入れて、ゆっくりと押 し……」
 そこでいったん言葉を切り、もみじは気持ちよさげに頬を緩める。
↑2
227裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:00:54 ID:79JmVdsN
「あぁ、これいいや、すげぇいい〜。 おい猿野〜 おまえもそこでボサッと見てねぇで
 こっち来て手伝えよ。 足のトコがお留守になってんだろ〜 ふくらはぎとかよ〜」
 てっきり桃食と同じように、背の筋を按摩することになるとばかり思っていた霧咲は、
意表を衝かれて目を点にする。

 ――場所は変わって、夜九時前の十二支高校の裏手では、遠くから何やら不思議な音が
こだましてきていた。
 すると瞬く間に、夜の闇をかき分けて突然竹馬が現れ、その竹馬に乗った
猿野の女装モード、チャイナドレスの明美の姿を露わとする。
 明美はそのままの勢いで、二本の竹馬の棒を揃えて地面に突き立てたかと思うと、
何の素材で出来ているのかも定かではないその棒をグニャリとしならせて一気に、
棒高跳びの要領で学校の構内へと、塀を乗り越えて侵入してしまう。
 そして、持ちこんだ二本の棒を揃え直してかついだ明美は小さくつぶやく。
「《よし… ここに来るまではともかく、いま学校に侵入したところは誰にも
 見られなかったようね。 ったく、あのコったら、なんでまたこんな時間帯に
 アタイと決闘(果たし合い)だなんてブツブツ》」
 あくまでも男ではなくオカマとして、遊神の猿野に対する未練を断ち切ってしまおうと
考え、猿野は家を出るときから明美となって竹馬を駆り夜の街を疾走し、
完全なる人格のシフトチェンジを固めていた。
 その足で、間もなく空手部の道場へとたどりつく。カラカラと扉を開け、中に入ると
そこにはすでに遊神が来ており、空手着姿で正座で目を閉じて待ちかまえていた。
↑3
228裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:03:48 ID:79JmVdsN
 いくつもの蝋燭の燭台に火が灯され、道場内は日頃とは違った風情の色を見せる。
そんな周りの灯火に囲まれて楓は、ゆっくりと目を開き眦(まなじり)をあげ、口を開く。
「来たね、待ってたよ。こんな時間にここまで来てくれたということは、
 ボクと一騎打ちでとことん勝負をつけるつもりってことなのか、それとも…」
 楓の瞳が、切なげに揺れて一瞬、仄(ほの)かな期待にうち震える。
「それともボクと、女の子同士の関係でもいいから付き合ってくれるって、ことなのか…」
 ためらいがちに絞り出された言葉に、明美が返事を返していく。
「申し訳ないんだけど、アナタにはもっと向いてるヒトがいるんじゃないかしら。
 アタイ以外にも強いヒトは学校にはたくさんいるんだし…   な、なんだったら、
 誰かオトコを紹介してあげてもよくってよ。例えばプロナンパ師のキザトラとか…」
 焦りがちに目をそらせて、そのように話を進めようとする明美を楓は制していく。
「キザトラ… あぁ、ナンパばっかしやりつけてるって噂の二年の虎鉄センパイのこと?
 あのヒトだったらボクに入学早々絡んできて、ミドルキック一発でフッ飛んでったよ」
「そ、そう… だったらしょうがないわね。どっちにしてもアタイのことは、今日限りで
 あきらめてもらうしかないから。《でねーともみじ様に本格的に制裁喰らっちまうし…》」
 言いつつも拳を叩く明美に、楓は瞳を潤ませて訴える。
「ど、どうしてなの? つい最近までは女の子に興味もあったんでしょ!? なのに……
 ボ、ボクと付き合ってくれたら、毎日お弁当作ってきてあげるし、腕を組んでふたりで
 いっしょに、いろんなとこに遊びに行ったり、お話ししたりして…」
 その言葉を聞いて猿野は、一瞬動揺してしまう。こちらを見上げてくる楓のその目は、
学校中の男たちの心を軒並みに虜にし、夢中にさせてしまうに十分なほどの、妖しささえ
漂わせた大人の彩りを持ち、高校一年にしてすでに早熟の明眸の相を浮かばせている。
↑4
229裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:05:16 ID:79JmVdsN
 大きく見開かれた瞳の印象はある種、キャンペーンガールやコンパニオンといった、
多くの男の目に触れて熱情をかきたて本能を刺激する類の、『選ばれた女の華やかさ』を
見て取らせた。
(…さ、さすがは、「学園一のマドンナ」っていうだけのことはある、よな――
 アイドルか何かみてぇに、目がキラキラ輝いて見えて… 控えめでおしとやかな
 凪さんとはまた違ったタイプのカワイ子ちゃんってとこか…)
 が、わずかに朱に染まって上気した伸びやかな切れ長の目尻と、華美な化粧の気とは
およそ縁遠い天然の頬の色白の素肌は、一本気で家庭的な気性を持つ、15、6才の年齢に
相応の健康的な少女の魅力として、同時に矛盾をすることもなく相貌の中で同居している。
「……す、すべては、愛のために…――《お、落ち着けオレ… よく思い出せ。凪さんに
 彼氏がいるかと思ってマジに落ち込んでたあのとき、鬼井さんがお義兄さんだったと
 知って胸をなで下ろした巡り会い宇宙……  凪さん、どうかオレに… 力を!》」
 必死に目の前の、こちらに色目すら使って歓心をかおうと様子を伺ってくる少女の、
絡みつくような視線を振り払い、明美は戦いに望む決意も新たに拳を握る。
「そう、じゃぁ仕方がない か。こうなれば、普段学校では封印してるボクの本当の武術、
 『遊神流武術』の技でもって、ボクのことを認めてもらうしかないってコトだよね」
 ゆらりとそこを立ち上がると楓は、いつもとは少し違った構えを取って身構える。

 ようやく凪の様子は落ち着きを取り戻し始め、すすり泣きの声はなりを潜めはじめる。
 切れ切れに嗚咽を漏らしながらも、紅印の腰を抱き締めていた細指がその場を離れ、
自らの頬へと伸びていくが……
↑5
230裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:07:26 ID:79JmVdsN
(フフ… アナタはそのまま、じっとしていればいいのよ。アタシが今日は、
 アナタのお兄ちゃんなんだから――)
 脳裏で艶(つや)やかな囁きの声かけ、紅印の繊細な指先が、涙を拭おうとした
凪の指よりも早く凪の頬へと沿わされ、涙をぬぐいとり優しく髪へと這い、
流れそよいでいく。
(そうだったのよ。アナタが猿野くんに対して、何かしら踏ん切りのつかない、
 ほんのわずかな恋のためらいを覚えていたことは… 優しくて逞しかったお兄ちゃんと
 過ごした時間が忘れられなくて… 最後の未練を残していたせいだったの。アナタも
 もみじちゃんと同じ、悲恋のあきらめをつけられずに心に仮面をつけて、いまこうして……)
 そうしながらも、少しづつ凪の小さな身体は押され、壁際へと後退する。
そこで、慈しみをたたえていた紅印の目が突然に、不穏な色へと変化していく。
(――この子だけじゃない、アタシにだって、本当は、自分に隠していた鬱憤が…
 この子、アタシと剣ちゃんがめぐり遭うずっと前からいまでも、剣ちゃんの愛情を
 一身に受けて、独り占めにして… なんて、罪な子なのかしら…)
 凪の肩を見下ろし、うっとりと細めた目に悋気(嫉妬)を帯びた光を宿し……
 本性を垣間見せた紅印の手が扉の横へと伸び、蛍光灯の照明を消してしまう。
「《…あっ お兄 ちゃん―― 》」
(今夜はアタシが、 アナタのことを身も心も愛(め)でて、慰めてあげるわ…。
 でもついやりすぎて、悶え狂わせてしまうことになるかも 知れないけどねぇ――)

「桃食背筋按摩、兼 同時進行、  我 脚筋……?」
↑6
231裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:09:23 ID:79JmVdsN
「あぁ〜? なぁにワケわかんねぇこといってんだ猿野〜、 さっさとしやがれよ。
 あいかわらずいつもみてぇに、まだ俺にビビッてやがんのか」
 身体中を凝固させたまま、しばらく身の振りようを迷い、立ち往生する霧咲に対して、
苛立ちを露わにしたようなもみじの科白(せりふ)が投げかけられる。が、その直後…
「お前は… いつもそうなんだ――  俺のことをいつもスケベじみた目で見て…
 セクハラまがいの下ネタ飛ばしたかと思うと、あとはそこで立ち止まって、
 知らん振り決めこんで… お前は俺に、いったいどうして欲しいってんだ……
 俺はいつも、振り上げた拳のやり場に困ってお前をそのままボコッちまうけど、
 本当は… 本当は…」
 霧咲のほうは見ずに、ただもみじは顔を伏せて言葉を絞り出していく。
「二度は、言わねぇからよ…  俺の 脚を、 触って… 触って も、いいんだぜ……」
 そこで霧咲は、紅印が自分たちに向けた最後の言葉を思い出し、目前のもみじのとる
不可解な態度の意図を知る手がかりとしていく。
〜〈アナタたちは、もみじちゃんの心に巣くってしまった途方もない矛盾と悲哀を、
 どうにかして晴らしてあげてほしいのよ… このままじゃその子、どうなっちゃうか
 分からないほど追い詰められてしまうことになるかも知れない――〉
「矛盾、悲哀 。  ……僅少(キンショウ)、理解展望、光明。  暫(シバシ)、揺動 試行」
「雀、なにかこの客人の… 心中を見抜く糸口をつかんだカ? 朕が思うに、それは……」
 霧咲のしていた推測のあらましとは… 桃食にもおおよそのところは、見て取れていた。
中国茶を飲むことで潜在意識下の欲求が完全に解放されたとして、兎丸や猿野といった
同じ部の男子部員に見立てた者の前でいきなり衣服を脱ぎだし、自らの身体への接触を
積極的に求めていく… つまりはそれは、極度の性的な劣情の抑圧から来る態度だと――
↑7
232裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:13:07 ID:79JmVdsN
(どうやら雀も、考えるところは同じのようネ。確認のためにもここはひとつ、
 こちらからも仕掛けてみるヨ)
([ 闇技・蜘蛛糸絡―― ])
 桃食から指示が出るまでもなく、霧咲の目の瞳孔はみるみる開いていき、対象者の
わずかな身体的反応、態度変化を寸分たりとも見逃さないための、審眼が発動される。
 その状態のまま、霧咲のしなやかな指がもみじの腿のあたりへゆっくりと降りていき…
「――くぅぅ… っ! い、いきなり そんな… い、いや それでいい… そのまま…
  下に指を降ろし て… うぅぅっ すこしづつ 揉んで… ほぐしてぇぇ… っ」
 予想外の繊細なタッチをあてられ、もみじの、日頃の猿野に対する印象とは
あまりに違うその手つきを背後に感じ、腿のきめ細やかな皮膚はひくひくと震えついて、
驚きを示す。
「ど、どういう つもりで さる の… なんで… そんなに やさしく…  くふぅっ
 もっとふつうで… ふつうで いいからぁぁ… っ ヘンな 手つきはぁっ や め…」
 言葉では拒絶を表わすも、下着からわずかにはみ出た尻から腿にかけての柔肌までを
ふるふるとたわませながら、両の脚線全体をよじりたてて反応していく。
 もみじは霧咲のほうを、振り向くことができない。だが、真上の位置にいる桃食からも
はっきりとわかるほど、顔色をさらに赤く紅潮させ、小さく頬肉を蠢動させつつ、
優しくうねる指が左右別々の動きで内腿のあたりにまでに回りこみ、軽く撫で、
這わされて通り抜けたときには…… 腕に顔を埋(うず)めて震わせていた上体が
一転して、滑稽なほどの背筋の反りを起こして頭を真上に突き上げ、全身を硬直させてしまう。
「んんんんんん――っ!!  うぅっ… くむううぅぅぅっ! …はぁ はぁ はぁ はぁっ」
↑8
233裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:14:47 ID:79JmVdsN
 すっかり、のぼせついてしまったように目を濁らせて、ようやく頭を降ろしたもみじは
荒い息をつきながらも、肩の震えを必死に抑えるよう深呼吸して、心を落ち着けようとしている。
「エ、エロ猿… めぇっ 俺が、マッサージして… す、すっきりさせてやったのにぃっ
 今度は立場が 替わったからってぇぇ…  こ、こんなセクハラを 堂々とぉぉ… っ」
 この事態を、自分自身で招き寄せておきながらも、もみじは相手を悪しざまに
ののしりつづける姿勢を崩しはせずに… だがその身体は正直な反応を見せて全身を
火照らせこわばりを弛緩させて、その脚は少しづつゆるみたわみ、おずおずと開いていく。
「お おまえ みた い な…  変態の ろくでなし野郎に ぃぃっ  誰が…
 感じてやったり … する もんかよぉぉっ  お、大バカ… やろぉぉぉ… ッ」
 言っていることと、やっていることが、まったく噛み合っていない状態――
ひじで腰から上を支え、持ち重りさえするムネを弾ませて震わせながらも腰から下を脱力させ、
後ろをゆっくりと振り向き、憎まれ口を叩き、頬を紅(くれない)に染めて、涙ぐむ。
「罵倒 雑言(バトウ ゾウゴン)…  且(カツ)、  赤面 感涙……? 不可解、 理解 困窮」
 いったん審眼での微細にわたる観察を解き、元の目に戻った霧咲は、ますます理解の
しようがないといった表情で困惑を露わとする。

 立ちあがった楓は左脚をあげ、呼吸を整えながらも空手着の裾を揺らせて拍子を取り、
手刀を構えてポーズを固める。
「そ、その構えって… なんか、中国の拳法っぽい感じが、入ってるみたいな……」
 不意にそのような印象を受け、明美はそう楓に問いかける。
「そぉだよ、察しがいいね。 門外不出の真の遊神流武術は、ボクのパパが昔 大陸に
 武者修行に出て戦いに明け暮れてたときに異種の武芸の交流が起こって…
 いまのカタチに落ち着いたっていうよ」
 そう言われて明美は、思い至る。遊神が普段、学校で身につけている特異な形状の
制服のスタイルには、どこか中国の衣装のような雰囲気が、混じりこんでいたような……
↑9
234裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:21:31 ID:79JmVdsN
「うちの道場で教えてるのは普通の空手だけど、同じ空手ベースでも本当の遊神流は
 ひと味違うんだから。今夜はパパに、こっちの技を出す許可ももらってるし…
 たっぷりと見せて アゲチャウっ!♥」
 徐々に、猿野が最初に遊神を見たときのような妙なテンションを取り戻しながらも、
目の前の片脚立ちの少女の目が妖しげな殺気を帯び、一瞬のステップとともに
ムチのようなしなりをくれて、揺らせていた左足が伸びあがって明美を襲いはじめる。
 ビシュウゥゥゥゥゥゥッ!!
 凄まじいまでの蹴撃が見舞われ、目と鼻の先でかわした明美のカツラが飛び、
元の猿野の髪型が露わとなった。
「…ウッ!? 《完全にかわしたってのに… ほ、頬に鋭い風が走り抜けて……》」
「もう一度君と、今度はボクの本気の技で戦えるかと思うと、うれしくなってきちゃうよ。
 最初は小手調べ。今日は存分に殺らせてもらっちゃうからね〜 チン…♥」
 不敵な笑顔を見せながらも、愛想よく片目を閉じて楓は期待を弾ませる。
「《くっ! まさか、今日の昼休みまでのは、全力じゃなかったってのか…
 い、いったいどんな角度から攻撃が来るのかてんで予想ができ―― …!!?》」
 気づいたときには、遊神の上体はすぐ前にまで来ていた。複雑な動きを見せる
左のくるぶしが空を切り、明美の身体を正面から切り刻もうとする。
 …二段階の軌道の変化をして襲い来る、白い疾風が横薙ぎに払われるが、
猿野はこの動きに関しては、以前に似たモノを見た経験があった。
(この、剃刀みたいにカクカクして奔(はし)ってくる足先の蹴り… ほっぺ先輩の投げる
 カーブの球筋に似てる… ような―― あの硬球凶器には苦労させられたがよ…)
 バシッ バシィッ! バシィィッ!!
 すでに剃刀カーブ攻略の試練をくぐり抜けた猿野にとって、目の前の遊神の
生身の片脚での蹴りは決して、対応しきれぬほどの脅威ではなかった。
右手で打ち払い、受け流す。それを見た楓は感心してみせ、うれしそうに言う。
↑10
235裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:27:41 ID:79JmVdsN
「わぁ すご〜い♥ ボクの左の二段ミドルがもう見切られちゃったぁ〜 やっぱし
 本気のボクと互角の戦いをするなら、これくらいは軽く受けてもらわなくっちゃだね。
 そんじゃつぎいっちゃうよぉ」
 この攻撃でさえ、楓にとっては様子見でしかなかった。続いて楓の身体は、
ふわりと中空に舞いあがり、今度は左脚を真下に伸ばし軸とした右の横蹴りが繰り出される。
 …ピタリ
 だがその蹴りはフェイントで、猿野の構えていた左手に楓の右足の指がかかっていく。
――中国拳法の一部の流派では、10本の足の指は重要な武器として認識されている。
 限界にまで柔軟性と、自在な指の動きを鍛錬したその足指は、ことごとく猿野の腕を伝って
這いあがり、二の腕をを軽く蹴って真上へと身体を浮かびあがらせる。
 黒帯を翻して、そこから強烈な右の真空踵落としがうち降ろされていく。狙いは右の肩口。
 まさに頭上から降り落ちるような角度で殺到するその攻撃を見て、猿野は……
突如として脳裏に、過去の‘ある瞬間’の壮烈な映像を招来させた。
〜「オレは… 死なねえぞ〜!!」
 武軍の塔・ピッチャー大和の繰り出した、猿野の脳天を狙った大弩砲(カタパルト)投法の
死を呼ぶ一球を、真正面から垂直にバットを振り下ろし、叩き返したときの記憶を呼び起こし、
いままた猿野は両手を交差させてその踵落としを見事に受け止め、真上に弾き返した。
 …ガシイィィィッ!!    ブ オ ンッ
 その反動にあてられ、楓は空中で一回転すると錐もみ状に態勢をととのえ、
道場の床に着地する。
↑11
236裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:29:16 ID:79JmVdsN
「…へぇ、今度はちょっと本気で驚いたよ。完全に裏をかいたつもりだったのに。
 君さぁ、いままでそうとうに修羅場をくぐってきてるよね?」
「ハッ、たりめーよ。凪さんのためにも、オレはこんなところでくたばるわけにゃいかねーって…
 ありゃ?」
 そこでつい、元の素の自分が出てしまっていることに気づき、慌てて落ちていたカツラを拾い、
被り直す。
「なぎ? なぎって… 誰?」
「そっそぉよ! 華武高校の野球部のミヤナギサンってカックイ〜 って、アタイの仲間内で
 噂になっちゃってたりして、アタイもミヤナギキュン命なんだも〜ん!《危ねー危ねー!
 あやうく凪さんの名をこの子に知られちゃうとこだったわ! そーはいかなくってよハアハア…》」

「なあ、オレとここらでいっちょ、面白れー賭けでもやってみね?」
 懐から取り出した、黒のダイスをチラつかせながら、黒目がちな瞳の奥がキラリと輝く。
「なによ、いきなりタメ口になって。あたしとなにを賭けようっていうの」
 『あどけない年下の少年』を演じて年上の遊び慣れた女に近づき、徐々に本性を現して
口説き落としていく。ホームグラウンドである華武高校周辺とは幾分の距離を置いた
路地裏の盛り場での、御柳の週末の行動パターンは今日も踏襲されていた。
「このサイの出目で、賭けをやろーって言ってんのよ。オレが負けたらここの飲み代、
 全部オレ持ちでアンタのことも忘れてやっからさ、そのかわり、オレが勝ったら――」
「キミが勝ったら、どうするっていうの? …あたしがキミをここに誘ってあげたこと、もしかして
 飲み代目当てだと思ってるの。 なのに賭けだなんて…… 本気で…」
↑12
237裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/02/22(水) 20:31:32 ID:79JmVdsN
「――オレが勝ったら、オレが… アンタの怒った顔をつい見たくなっちまったこと、
 許してくれよ」
 バーのカウンターで隣り合わせに対面した位置から、ひときわ顔を近づけて…
御柳は殺し文句を女の耳元に囁いていく。
「…――。 いいわよ、許してあげる」
「そーかい。でもアンタのその目、 ――その様子じゃもう、 賭けにもなにもならね…
 うっ!?…… 《ゾクッ――》」
 そのころ、いままさに狙いをつけた『年上のお姉サマ』を完全に落としにかかろうとしていた
御柳は、背筋に正体不明の、冷たい悪寒を感じて凍えつき、言葉を失ってしまう。
「?… どうしたの」
「い、いや、なんでもねぇよ。賭けはもう成立してねぇかも知れねーけど、オレは欲しいモノは
 実力で手に入れる主義なんだぜ… じゃオレは『二以下』で、アンタは?」

「フフッ でも明美チン… 猿野くんだったっけ、だんだん男の子の顔に戻ってきてるような
 気がするよぉ? もうそろそろ、ボクのこと認めてくれてもいいんじゃないのかなぁ」
「じょ、冗談…。アンタ程度の殺人技の使い手なら、これまでに幾度となく手合わせして
 きたわ。そうやって殺りあった男達はみな……」
 こちらにゆっくりとにじり寄りながらも、明美の表情を伺うように声をかける楓に向かって、
巧みに注意をそらせようとしていく。
「『ボケ・驚き顔要員』になって帰っていったわ」
「えぇっ、なんで!? どーして一度戦っただけでキャラが変わっちゃうの?」
「さあ、アタイにもどうしてだかわからないけど。アナタも注意した方がいいかもね、
 深みにハマっちゃう前に尻尾巻いて逃げ出した方が……」
「ボクは…、 君とお付き合いできるんだったら、どんな目に遭ったっていいし…
 それにどんな手段でも使うつもりでここに来たんだ。どんな手段でも…」
 そう言って鋭い眼光を向けてくる楓の目には、並々ならないほどの決意が見て取れた。
 続く
238名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:58:57 ID:2ucUhoIw
裏天国氏乙!
ミヤ凪さんにワロスw
239名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 06:35:50 ID:FyrJL9L/
保守
240名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 12:53:40 ID:YZ9LOStd
裏天国氏キテター!!!
もみじエロス…(´Д`;)ハァハァ
御柳と明美の登場に吹いたw
241名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 19:38:05 ID:okuqVYoq
御柳カンいいなw
凪さんをつい呼び捨てにしてしまって
御柳の名前でごまかす猿野とかも
見てみたいw
242名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 19:28:58 ID:Ww3fRaRd
遅れたけど凪誕生日おめ
243名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 17:21:15 ID:DQWFDKE5
うわ、かなり遅れたけど凪おめ。
裏天国氏GJです(´Д`*)
244名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 05:37:43 ID:wQAJNwK1
捕手
245名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 19:27:39 ID:0F+vUaVw
裏天国氏来ないなぁ
246裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:10:52 ID:81gYlbn8
ではできてるとこまでを
247裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:11:27 ID:81gYlbn8
179.7発目   牙をむく底意
「ボクは…、 君とお付き合いできるんだったら、どんな目に遭ったっていいし…
 それにどんな手段でも使うつもりでここに来たんだ。どんな手段でも…」
 そう言って鋭い眼光を向けてくる楓の目には、並々ならないほどの決意が見て取れた。
「とっ、とにかくっ まずは君をノックダウンして動けなくしちゃえば… っ 最初の約束通り
 ボクの話を聞いてもらえるんだから―― まずは全力で、『突き合って』もらうよぉ!…」
 一瞬の沈黙の後、元のテンションとなった楓は肩に力を込め、拳をかざして明美を睨む。
「あらそう、弱ったわ… 意地でもアタイを倒して、言うことを聞かせようって腹のようね。
 (ぐぐっ… なんかだんだんオレ、この子のペースに乗せられてきてるような気がするぜ。
 そういえばオレも、つい三ヶ月前かそこらにゃ、こんなギラついた目で彼女ゲットのために、
 ありとあらゆる悪事に手を染めてたような…)」
 そんな猿野の、男としての心の声を必死で押さえこんで、いまはひたすらに無心となって
構えに入り、明美は楓の次の攻撃に備えようとする。
「フフッ、これまでに殺りあった誰よりも、君はボクを楽しませてくれたから… お礼にボクの
 『エアリアル必殺技』を、特別サービスで見せてあげちゃうよん。覚悟はいいかなぁ〜♥」
 『どんな手段でも使う』と公言した楓は、そう言うと同時に身体を縮めこませ、距離を置いた
状態から全身を側転の要領で横回りに回転させ、凄まじい勢いをつけて明美の方に突進してきた。
「!!?」
 驚く明美の手前で、楓は錐もみ状に身体をスピンさせながらも側転の猛回転を並行して継続し、
空を切る左右の両手両脚からなる肘打ちと掌底、そして膝蹴りと蹴りの8段攻撃を続けざまに
繰り出してくる。
↑1
248裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:12:37 ID:81gYlbn8
[『中華蹴雀・『双龍争珠(そうりゅうそうしゅ)』!!』]」
 左脚での二段蹴撃と左腕での二段連撃の直後に、側転からの右の連続攻撃が降りそそぎ、
まるで双頭の龍の猛追にあてられたかのような錯覚すら思い起こさせる。
「〔ぐううっ、こんなのとても防ぎきれない… でも後ろに退いても、すぐに逃げ道は…〕」
 またたく間に、壁際が背を押す感触に気づく。覚悟を決めた明美は、眼前に迫り来る
嵐舞の中へと飛びこんでいった―― 

 暗闇の中、壁際で『妹』を抱き寄せた妖かしの紫の瞳が、夜目を効かせようと
しつつも凪に対して愛撫の指先を、執拗に滑らせていく。
「《んっ―― っく うっ うぅぅっ んん… っ  あ、お兄ちゃん… だめぇっ …そんなにっ
 上にまで指を 動かしたら……》」
「《フフフ… まだまだ、 アナタは『お兄ちゃん』に完全に心を許してはいないようね…
 こうやってキツく脚を閉じ合わせて、捨てられた子猫のように、身体中を小さく震わせて――》」
 プレハブの小部屋の窓のカーテンから、屋外の街灯のかすかな光が薄明かりとなり、
室内に漏れ届いている。
 白磁のような描線をもって浮かびあがる、凪の脚の腿から下へと続くラインを目の当たりにして、
紅印はさらなる屈折した欲情を呼び起こされ指を走らせて、ひたすらにその肌に誘惑を与え続ける。
「《アナタが『お兄ちゃん』に対して、身も心も許してカラダを開いてしまえば もうオシマイよ…
 そうなったら、アタシももう耐えきれなくなって、アナタのことを狂うほどに愛してしまうわ……》」
 汚れを知ることのない、神々しいまでの輝きを放つ双脚の素肌を甲斐甲斐しく撫でさすられ、
その触覚に忍び耐えて下唇を健気に噛みしめ、『兄』の胸に必死にしがみつく凪の手指が、
不意に紅印の耳に触れた。
↑2
249裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:15:34 ID:81gYlbn8
「――あンっ&hearts:」
 そこは紅印の弱点ともいえる、『性感帯』だったために、思わず兄を演じていることも忘れた
その口から、くぐもった嬌声があがる。
「《…え お、お兄ちゃん、いったい どうしたの?》」
「《え、 な なんでも な い… ちょっと、苦しくなった、だ け……》(ダメよ… そこは
 アタシの感じるところなんだから―― もう… ほんとにいけないコ… フフ、
 お返しに、もっとひどくしてあげる……)」
 性感帯に手をかけられ、さらに気分を出して劣情にうち震え、目を細めた紅印はいよいよ…
薄く柔らかな地肌の張りつめた腿に伝わせた指を密やかに這わせ、縦横(じゅうおう)に
プリーツの走る制服のスカートの内側へと、両手を滑り込ませ跪(ひざまず)いていく。
「《あ あぁ―― ふ… んんっ うぅ ん…  だ、だめ お兄ちゃん… そんなふうに…
 手を… っ くうぅっ! むぅ…  んん… っ……》」
 ゆっくりと紅印は、左右の五指を潜(くぐ)らせてスカートをたわませていく。するとそこには――
ごく小さな純白のリボンの飾りつけが数カ所になされた、同じく目の醒めるような白の、
オーソドックスな形状の暖かく柔らかななショーツの感触が、繊細な指の知るところとなり…
同時に紅印の瞳に、かすかに映る白の闇の中での仄(ほの)かな姿を垣間見せる。。
(さあ、凪ちゃん… 『お兄ちゃん』に、なにもかもを委(ゆだ)ねて身を任せてしまいなさいな…
 これ以上ないほどに、うんと可愛がってあげるんだから……)
 制服のスカートを剥きあげられてほんのわずかに、外気に触れた腰回りの下着の表面に
指をあててたわませ、指先を沈みこませながらも……
 身体中をすっかりと上気させ、胸を上下に弾ませた凪の小刻みに荒げた吐息を
間近に感じた紅印は、いよいよ相貌を濁らせて膝の上に抱えた小さな身体を軽々と持ち上げ、
ゆっくりと床の上へと寝かせ自らをよりかからせていく。
↑3
250裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:17:17 ID:81gYlbn8
「《あぁ……   だめっ、お兄ちゃ ん――  いまならまだ、間に合うからっ  許して…》」
 そういいながらも凪の上体に、抵抗の力が入ることはない。ただただ腰から下の部分、
膝裏から足先までを内股の形に強く締めつけ、一握りの抵抗を残すのみとなっている。
(アナタが心の中で、本当は何を考え、何を想っているのか… アタシはもうとっくにお見通しよ。
 猿野くんに対して一握りの気まずさを感じてしまうほどに、アナタは剣ちゃんのことを焦がれて、
 未練を残して、 ついには愛を捧げて添い遂げたいとまで、…思いつめてしまっているのよ)
 そのことの最後の告白は、凪自身の口から言わしめなければならない―― それをもって、
凪の自己への言いようのない違和の本性の規定が、自身によってなされることになる。
 紅印はそう考え、もはや風前の灯火となったかに見える凪の、自制心の崩落を手ぐすねひいて
待ち構えていた。が、しかし… 
「《やっぱりっ、 だめ… だめなの――  あたしは、お兄ちゃんのこと……》」
 潜在意識が完全に解き放たれてしまうという、「混老頭」の幻惑の中にあってなお、凪は最後の
理性を振り絞って自らの情念を押さえこもうとしていた。
「《驚いたわ。この状況でまだ頑張るだなんて、 よっぽど羞恥心と自制心の強いコなのね……
 でもそれならばいっそうのこと、堕とし甲斐があるというものよ。どこまで耐えられるかしら、フフ》」
 ようやく闇に目が慣れ、凪の姿を網膜に捉え目視をし始めた紅印は、夏の夜の熱を残した
床の上で身体をうごめかせ、手探りで獲物の腰をまさぐり少しづつ下着を降ろしにかかろうとする。
「《ふぁうぅぅっ! く… んっ……  そ、そんな そんなこと――… や、やめ てぇ… っ》」
 兄を偽り妹の油断を誘う、悪魔のような指先が… 眼鏡の限られた視界に遮られいまだ夜目を
効かせることのできない凪の抵抗をものともせずに細腰を這い回り、膝へと滑り降りていき――
ついにはその目的を果たしてしまう。
↑4
251裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:17:58 ID:81gYlbn8
(凪ちゃん。アタシはこのとおり、心は完全に女だけど… アナタのことがどうしようもなく、
 愛おしくて仕方がないの。 これは恋敵を奪われた嫉妬から来る… いや、ちがうわ。
 女同士でも愛してしまうことはある…… こんなに綺麗で穏やかな肌触り、うらやましい…)
 よじれて細くなったショーツを、膝元にまでずり降ろし―― 中心部の敏感な部分へと
指を移動させて撹拌し、生まれて初めての異物の侵入となるであろうその指での、こわばりを
解きほぐすための悩ましげな動きをイメージしてしまい、凪と紅印の両者は共に胸を熱くする。
(うらやましくて… そしてめいっぱいに狂わせて、泣かせたくなってきちゃう。 …まさかアタシ、
 まだ男だった頃の欲望の名残が残って…… でもいまはそんなこと、どうだっていいのよ。ただ
 目の前のいとおしい女の子のカラダを可愛がって、気持ちよくしてあげるだけ)
 禁断のイメージを実現してしまわんとする紅印の右の5本の指が、いよいよ膝を伝い欲望を
果たそうと細やかなビブラートを効かせて、狙いを定める。

 その手前の部屋で、もみじはいまだ霧咲に対して、罵倒の言葉を並べ続けていた。 
「ちくしょぉ… ちくしょぉっ…… お前なんかに誰が… くぅぅっ  いつもいつも凪にだけは
 優しくして、俺にはそっけなくしやがってぇ… っ  どうせ俺には、カラダ目当てでっ…」
 つぶやきながらも突然、桃食のほうをキッと睨みつけると、机の上にあがるよう命令する。
「おい、兎丸… っ ちょっと机に乗って、そこに寝転がれよ。そうだいいぞ、仰向けでなぁ」
「!? お前… ち、朕をここに寝かせて、いったいどうするつもりカ? まさか… な、なに…
 なにをたくらん で… やっやめぇ… っ あううううぅぅ〜っ!?」
「今日は特別に俺がお前に、イイこと教えてやんぜ… フフ、フ、フフ――」 
 そう言って苦し紛れな表情となり、艶めいた目つきと口調で桃食を誘い、その場に
押し倒してのしかかっていく。袖を振り回して暴れようとする桃食の抵抗をものともせず、
またも袴を乱暴に引きおろし、はぎ取りにかかる。
↑5
252裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:19:22 ID:81gYlbn8
「どうだ猿野っ お前の目の前で… 俺が… こんなことしてて、 ――てめえは何とも
 思わねえのか… よぉぉっ」
 もみじは、‘内に秘めた嫉妬から、つい他の男の袖を引っ張ってしまう’ と、
紅印に言われていた通りの行動をとってしまう。
「――こっこんな、こんなこと…… やめるネ!  だめヨ… ま、また朕に対して…
 そんなふしだらなことを… っ」
 仰向けとなった上体に後ろ向きに腰かけられて身体の動きを封じられ、されるがままの
態勢となった桃食は実のところ、紅印に頼まれてもみじに対し『荒療治』を試みようとした
ときから心のどこかに、かすかな甘い期待を潜ませていた。
 虚ろに上気させた淫らな瞳でねめつけられ、一方的に襲われて衣服を奪われ乱暴に
組み伏せられながらも、性的な手管で惑乱されて弄ばれるという受け身の欲求――
 今日一日限りで消えゆく相手の記憶の中で、初めてのめくるめく戯れに酔ってみたいと
密かに欲していた桃食に、想像を超えるほどの淫蕩なアプローチがなされていく。
「ヘッ 兎丸よぉ  いかにもイヤそうな身振りでジタバタしてやがるが、ほんとのとこは…
 俺にこぉんなコトされたら、嬉しくてしょうがねぇんだろ?」
「…ン、ンン〜っ!?  くひいいいいぃぃぃぃぃぃいぃ――!!」
 側面から身体を、両手と胴体でホールドされた状態で桃食は、剥き出しになった下着の
柔らかな布の上から、もっとも感じるところを掌でわしづかみにされてしまう。
 もみじは桃食の、膨らみを見せていたものをさすりながらも妖しい目線を相手の目に向け、
酩酊したままの風情で意地悪な表情を浮かべて得意げに、その部分を勢いよく揉みこんでいく。
 そのような絶無の可愛がりを受けて、桃食はときおり目を上向かせて身体全体をビクンビクンと
震わせ、すべての抗いの力を失わせてもみじの鍛えられた肉体からの圧迫を直に受け続ける。
↑6
253裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:21:49 ID:81gYlbn8
「フッ、ククッ… ここを握ってやったら、途端に大人しくなっちまいやがって。この際だから
 今日はこのまま気持ちよく… お前を泣かせて失神させてやるぜ―― 覚悟しろよな」
 何気に恐ろしい言葉をかけられながらも、腰回りに押しつけられたもみじの弾みたわむ胸と
両腕の圧力にも翻弄され、いかなる反応も返すことが出来ない桃食を見て、霧咲は戸惑う。
 一見本気でもみじの乱暴を嫌がり、こちらに助けを求めているようにも感じられるが、
そこはかとなく口元に笑みを浮かべたような表情で赤面し、四肢の痙攣を繰り返す桃食の様子は
どこか嬉しそうだ―― それにいまは、もみじの『隠された本当の欲求』とやらを観察して見抜く
ことが先決だともいえる。そんなうろたえるままの霧咲に、もみじは背を向けたまま声をかける。
「おい、猿野〜… 俺はこのとおり兎丸とよろしくヤッってっから、お前はジャマだてせずに
 そこでジッと見てろよぉ。こっちに来やがったら、わかってんだろうな〜……」
 そんな中、霧咲は注意深くもみじの本意をつかもうと様子をうかがい続ける。
(桃食…。 今暫(イマシバシ)、囮捜査継続。 唯今(タダイマ)弱点解析中)
「兎丸ぅ〜、こうやって押さえつけてみりゃ、お前ってけっこう可愛げあるんじゃねぇか。猿野なんか
 より断然弄(いじ)り甲斐があんぜ。じっとしてろよな、すぐに終わるからよぉ〜 ククッ」
 ぐったりとなって動かなくなった桃食の身体からゆっくりと起きあがり、ますます淫らな色合いを
深めていくもみじの瞳の色だったが、その心の内では兎丸に対して、現実には他校の上級生、
王 桃食に向けて―― 日頃はとてもできないような行為でもって悶えさせ、絶叫させた末に
寝かしつけてやろうとの魂胆を剥きだしにしつつあった。
「ホレ、足上げろ。両脚揃えて真上に掲げるんだよ、脱がしやすいようになぁ。フ、フフ…」
 もみじは床に脚を降ろし、寝かせたままの桃食に側面からのしかかっていく。
そんな状態で桃食の上体を見下ろし足を天に向けて掲げ上げさせると、手荒に揉みこまれ
膨らみはじめていたものを下着から解き放ち露出させてしまう。
↑7
254裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/23(木) 18:22:58 ID:81gYlbn8
&hearts:→♥

か。今回はここまでで
255裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 20:58:10 ID:fdel8mGL
 穿いていたものを一気に引き脱がされ、桃食はびくりと腰を跳ねあげておののきを表現する。
落ちてきた腰と震える脚にはもみじの手が掛かり、正面に回ると同時に身も世もなく、
力を込めて押し拡げられる。
「ほ〜お。 思ったよりはあんじゃねぇか、コイツはコイツでなかなのモンだぜ。フ、フフ…」
「うひいぃぃぃぃぃぃっ!  そっその手を離すネ! 朕のこれは見せ物じゃないヨ!」
「へへっ、ざまぁねぇな。顔真っ赤にしやがって、男の大事なモン見られて興奮してやがんのかよ。
 見せもんじゃねえってんなら、もしかして、咥えるモンかよ? こーやって… んむっ はぷぅっ」
 ついにはもみじの熱く潤いを帯びた唇が、桃食のものを勢いよくぱっくりと咥えこんでしまう。
衣服を剥いてからというもの、ここに来るまでに十秒とかかっていない。まさしく
目も止まらないほどの早業といえた。
「ンッ!!? むふううううぅぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅ〜… ンンンン゛ン゛ン゛ッン゛――!!  くあああああっ…
 くっ口… 口で朕のものをぉ… っ…  こんなことまでぇ〜 っ」
 刺激の強すぎる口唇での接触を受け、のぼせたように全身を脱力させて涙目となっていく
桃食をなおも押さえつけて、もみじは咥えたものを舌をからめて舐めあげていく。
「んふむぅぅっ!  ねじゅっ んじゅるぅっ…  あむっ むぢゅぅぅ… んじゅるるるぅぅっ!」
「ぬひぃぃ〜っ  きひぃぃ――っ!……  くっ口が〜っ 舌がぁぁーっ… こっこれぇぇっ、
 おかしく… おかしくなりそうヨぉぉっ! 朕のものがぜんぶ吸い込まれてぇぇ〜っ」
「んっ んむぅぅぅんっ!?  んじゅぅぅっ ぢゅちゅぅぅっ!…  おいおい、なにいってやがる。
 吸い込んだのはぜんぶじゃねぇよ、ククッ。 ぜんぶっつったら、タマも入れてだろぉがぁ〜
 んなろぉ、そんなにぜんぶ可愛がって欲しいんだったら、シてやろぅじゃねぇか。 んむぬぅっ」
「おひぃぃぃぃ〜!!?  こぉっ今度は… タマのほうまでぇぇっ! そこっ そこだけはぁ… っ」
「はむぅっ んぬむむぅっ… ほひぃ、ほんはひふんはぁ、ひっへひほぉぉ ふむっ んふむぅっ」
 桃食の言葉をきっかけとして、もみじの攻撃の標的は、そそり勃ついきりたったものから、
くりくりとした可愛いふたつの袋、陰嚢へと移ってゆく。片方のタマに吸い付き口内で唾液をまぶし
甘く舐めあげながらも、もう片方を指で転がしてあやし屹立の方にも指での愛撫をくれてやる。
↑8
256裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 20:58:56 ID:fdel8mGL
 もみじとしてはそこで、“おい、どんな気分だ? 言ってみろ”と喋ったつもりだったのだが、
セリフもままならない状態でそのようなことを言っても、それは桃食の急所を徹底的に刺激し
さらなる快美を湧きあがらせる以外の、いかなる効果をも持ち合わせてはいなかった。
 だがもみじは、そのような男の急所の生理について寸毫も思慮というものを見せず、
ただ荒々しく… 柔らかくヌメらせた唇をうごめかせてタマを両方とも呑みこんでしまい、
さらにもごもごと口内を動かしては舌をくねらせ、息の詰まるようなセリフ責めを続行していく。
「ほへ、ほぉひゃっへぇはまはめはへへぇ ひほはへはは… はまわはふはっへふふはほぉは
(ほれ、こうやってぇ タマ舐められてぇ しごかれたらぁ… タマらなくなってくんだろぉがぁ)」
「ヒッ… フヒィぃぃ… っ いひぃっ ひっ ひっ…  しっ死ぬぅっ 死ぬうぅ〜っ」
 瞬く間に追い詰められてしまった桃食は、みるみる呼気を荒げて虚ろな目つきとなり、
腰をカクカクと小刻みに揺すりたてて完全な無抵抗状態となってしまう。
「んちゅっ… んむむぅっ…… よぉ〜し、 もう抵抗する気もなくなっちまったか。
 そうカンタンには眠らせねぇぜ、兎丸ぅ… もっともっと焦らしに焦らして、狂う寸前まで
 追いこんで泣かせてやるからよぉ―― …コイツで、決めてやんぜ」
 ふと桃食が、霞む視界のうちにもみじの姿を見たとき、その上体のグレーの極薄の
インナーウエアの下はすでに、汗にまみれたふたつの尖端が浮き出し存在を主張している
ことが分かる。
「兎丸よぉ、お前、『パイズリ』って聞いたことあるかよ? オレも最近知ったんだけどよ。
 でも俺のムネで挟みこんで… 激しく上下にしごいてやったら一分と持ちそうにねぇよな。
 今の時点でもう完全におっ勃っちまってるし…  なっ! と」
↑9
257裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 20:59:50 ID:fdel8mGL
 ばすん、と小気味よい音をさせて、インナーウエアの奥の谷間の底の底… 密集された
ふたつのバストの柔肉の縦に入ったスリットの下の隙間を、桃食の昂(たかぶ)りの上に直に
覆い被せ勢いよく填めこんでしまう。だが乳肉に挟みこまれ締めあげられた桃食のものは、
最奥にまで串刺し状態となっているにも関わらずもみじの爆乳に呑まれて埋没し、その頭を
谷間から覗かせることはなかった。
 白い喉を見せて 桃食は背筋を反り返らせる。再びドスンと反動をつけて、もみじの
ふたつのムネが挟み撃ちにしたモノを締めつけ、みっしりと中身のつまった柔らかく
たわわな柔肉を振りたてて打ちつけられ、狂わせようとしてくる。
「あ、あうぅぅ… っ…… ふぐぅっ うぅっ ん… っ  ち、朕の… 朕の大切なモノが…
 肉饅頭に 呑みこまれてしまたヨ… でも、これ… この肉饅頭、すごく… すごく……」
「っふぅ〜、 うまく入ったぜ。 これが『パイズリ』でいいんだよな。俺のサイズだったら
 コイツができるって、エロ男子どもが噂話してんのを聞いちまってよ〜。そいつら
 には鉄拳制裁喰らわしてやったけど、お前にはこれから悲鳴をあげさせてやるぜ」

 一方、深夜の空手道場では明美と楓の勝負が、クライマックスに至ろうかという
気配を見せている。
『闘う女性のしたたる汗の美しさ』を存分に発揮した楓の連続攻撃が、矢継ぎ早に明美を
襲い繰り出されていく。
(ものすごい数の攻撃の残像… でも本命の攻撃はこの中でもたった数発のはず。
 それを見極めるのよ)
 明美の見立ての通り、無数の肘、膝、蹴りの嵐のほとんどはフェイントに過ぎなかった。
↑10
258裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 21:00:40 ID:fdel8mGL
ギリギリにまで懐に敵の接近を誘い込み、寸分のタイミングを見切って本命の攻撃を見切り
受け止める… その試みは功を奏し、連続攻撃の合間を縫って飛び出し直進してくる、
殺気をまとわせた右の肘打ちを見切った明美はその攻撃をも、同じ右手の掌で受け止めて
捌いてしまう。
(――甘いっ!!)
 が、間髪入れずに打ち出された二弾目の蹴撃が、今度こそ明美の隙をついてガードを
乗り越えて突破し、受け手で塞がった右手の下の脇腹へと吸い込まれていく。
 一瞬… ‘しまった’と観念する明美と、‘入った’と確信をする楓だったが、その両者の
思惑を超えた現象がこの後に待っていたのだった。
 打ち出されたミドルキックは、獄楽島での過酷な生き残りの試練に耐えた猿野の
鋼の筋肉に遮られ、いとも簡単に弾き返されてしまう。
 覇竹の大竹を振り続けた猿野の左右の膂力(りょりょく)は、同時にその下の脇腹の
筋にまで驚異的な耐荷性を与え、瞬間の硬直により鋼鉄以上の剛性を発揮したのだった。
(あ、なんかゼンゼン痛くない… しかも脚抱えて捕れちゃったし…)
(え!? バットも砕くボクのキックでも、ダメージが通らないなんて… どういう鍛え方したら
 こんな―― まるでダンプカーのゴムタイヤを蹴ったような感触で… ――でも!)
 衝撃の殺されてしまった蹴りの脚を抱え込み、膠着状態に持ち込もうとした明美だったが、
残された左の掌底突きが今度は顔面を狙って飛来しようとする。
(や、やばっ――)
 驚いた明美は、とっさに脚を抱えたままで体を回して、楓の身体と攻撃を振り払おうとする。
すると……
 ギュンッ ギュンッ ギュンッ ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン……
「ううっ! くぅうぅぅぅぅっ――   ああああああ… っ うあああううううぅぅぅぅぅぅ〜ッ!!」
↑11
259裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 21:02:09 ID:fdel8mGL
 ハンマー投げの要領での明美の高速の回転運動が、楓の全身に強烈な遠心力を与え、
身動きの自由を奪ってしまう。それだけでも楓は、顔中に風圧を受けて振り回され叫び声を
あげるままとなってしまうが、抱えられていた膝にかかった明美の手が、空手着の裾を少しづつ
ねじりよじらせてずらし、ついには帯で締められた部分を越えて脱げようとしていく。
「い いいっ!!?  …きゃああぁぁぁぁぁぁ〜――― いっいやぁぁぁぁぁ――!!」
 それに気づいた楓は強く目を閉じてかぶりをふりたて、上着の裾(すそ)を両手で持ち
穿いたものにも手を伸ばし、必死にズリ落ちることを阻止しようとする。
(う゛っ――  これはこれでおいしいかも知んないけど、こりゃシャレになんないわ!
 楓ちゃんっ、すぐに緩めるからっ…)
 鼻水を垂らさんばかりに驚いた明美はその回転を緩め弱めようとしたが……
 ズルリと脱げ落ちてしまった空手着の履き物が明美の腕に残り、楓は遠心力の向く方向に
吹き飛ばされてしまう。弱まりかけた回転運動の威力とはいえ、10メートル弱も飛んだ楓は
空手着の裾を押さえた姿のままで畳を滑り部屋の隅へと打ちつけられて苦しげにうめく。
「か、楓ちゃん! 大丈夫っ!?  今助け――    って… キャ゛ア゛ア゛アアアア――」
 慌ててそこへ駆け寄ろうとした明美だったが、脱げた楓の空手着が明美の脚に引っかかり、
明美は楓の上からのしかかるような態勢で、飛びつき腕をついてしまう。
 ド サァッ――
「《うっ… こ、これは……》」
 カツラの再び脱げた猿野の腕の下で、楓は息をつき頬を朱に染めて、両手で衣服の裾を
押さえたままで脚を寄せて全身を左に向けて折り曲げ、顔を俯(うつむ)かせていた。
(うぅっ…… やっぱりこのヒトにはボク、敵わないよ… でも猿野くん、こんなふうにボクを
 押さえてとどめもささずに、顔を近づけて―― これって、もしかして…)
↑12
260裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 21:03:08 ID:fdel8mGL
 女の子への関心が、甦りはじめているのではとかすかな期待を胸に秘めて、
楓は猿野の表情を伺おうと、顔を少しづつあげていく。
 お互いの顔は、唇と唇が触れ合おうかというほどの近さにあり、楓の頬はさらに紅潮する。
(ボクの、はじめてのキス… まさか彼に、ここで奪われちゃうの……? でも、
 君さえ良かったら、ボク…  ここで君にあげても――)
 しかし猿野は、予想外の展開に五体を完全硬直させ、少し身体を上に浮かせては
痙攣して泣き顔となって震え、次の行動を起こすことなど到底望むべくもなかった。
「こ、この勝負、ボクの… 負……  《ってなにこれ!? スキだらけで白目剥いて
 震えちゃって。負けを認めるよりも、ここはどんな手を使ってもチャンスをものに…》」
 切なげに眉根を寄せ、武術家として礼節から負けを認めようとした楓だったが、最後の
チャンスと見るや、行動に移る速さは迅速だった。
[中華蹴雀・床術… 『河底撈魚(ホウテイラオユイ)』!!]
 遊神流に伝わる関節技。猿野の両の脚に対し自らの脚を複雑な形に絡め合わせて捕り、
鍛えようのない部分の筋を痛めつける荒技を繰り出されて、猿野の上体は宙に浮き大回りし
背中から地面へと打ちつけられる。その時点でようやく意表を衝かれ我に返るが、すでに遅かった。
「ぐ、ぐあああああああっ! し、しまっ…」
 完全に身体の動きを固められ身動きがとれなくなってしまうのだったが、猿野はそれでも
両者の身体が天井を向いた状態で視線を下向かせてつい、楓の手が離れ剥きだしとなった
ナマの脚線に目を寄せて注視しようとしてしまう。
「《うぅっ… ダメだ、ギリギリのところで奥が見えな…  うおおおおぉぉぉ… っ!!》」
 メキメキと脚筋が悲鳴を上げ、次第にそれどころではなくなってくる。
そんな中、関節技を継続しながらも悠々と上体を起きあがらせ、いそいそと腰の黒帯を
申しわけ程度に締めて結び直しながらも楓が、得意げに言う。
↑13
261裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/03/27(月) 21:04:45 ID:fdel8mGL
「うふぅ〜ん♥ ざんっねんだったねぇー。あいにくとボクの遊神流は空手と違って
 ‘なんでもあり’でさぁ。この関節を外すのはグレイシーでもムリだと思うよん」
 本来ならば、交差状に絡みついた楓の脚の素肌の感触に我を忘れ、鼻の下を伸ばして
悦に入りまっくってしまう猿野だったが、今度ばかりはあまりの締め上げの凄まじさに
歯を食いしばり、なんとかもがいてその関節蟻地獄からの脱出を図ろうとする。
「ぬぎぎぎぎぎぎ…  こんなところで… っ オ、オレにはやらなきゃならねぇことが…」
「潔(いさぎ)よく…  観念しなよっ!」  メキメキメキメキミシィィィィィィッ
「うがあうぅぅぅ――… っ!! も、もっと… もっと締めて――! っじゃなくってっ!!
 わ、わ、わかったっ こんなとこで脚をやられちまったら元も子もねぇ… ぐおうぅっ!
 オ、オレの、負け… だから… 離して… いや…離さな い で…  ガクッ」
 倒錯したMの気性でもって、さらなる脚筋の締め上げに際して思わず、持ち前の
往生際の悪さを見せてしまうも… 攻撃に耐えようと力んでいた猿野は根負けして折れ、
勝負の敗北を認めてしまう。
 そしてそのまま事切れた猿野を見て、楓は小さく舌を舐めて微笑を浮かべる。
「フフフッ、ついに猿野くんをボクの技で大人しくさせちゃったぁ♥ しかもなんか
 気絶する前には、どさくさ紛れにボクの脚のほうをチラチラ見てたような気もするし…。
 こうなったらあとはもう、彼がボクの意のままになるのも時間のモンダイだねっ」
 まるで獲物を仕留めた女郎蜘蛛のように、猿野の脚を固めたままの態勢で楓は、
ズルズルと床の上を引きずって這い進み、奥の部屋へと移動していこうとする。
続く
262名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 19:36:01 ID:7z3x57qq
もしやこれは逆(ry
263名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:36:20 ID:Ezeh/ZEK
スレ見失ってしまってて焦った

裏天国神乙!!
毎回ハァハァさせて貰いながら読んでる(´Д`*)
264名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 18:18:29 ID:R6oxONhY
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            いままで2chのご利用  感謝します
265名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 18:25:15 ID:A7C/ydcG
凪可愛いよ凪
266名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:23:05 ID:b4O8XXTN
ほしゅ
267名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 23:04:18 ID:VYluBnGt
凪さんのオナニーが見たい
268名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 22:43:09 ID:1t8l0XDU
猿受けの方々は我々が想像もつかないほど固い結束で
結ばれているのではないだろうか。
なぜそう思うのかというと、どの猿受けサイト様でも
「猿は学年トップ」なんですもの。
そう決まってるの?

私は猿ファンだが、ぶっちゃけ、
彼にテストの成績で負けたらすごくいやな気分になると思います。

勉強なんかできなくていいの。
彼は十分頭がいいし、その頭をもっと大事なときに使える男なんだから。
(それはたんに私の好みだ。成績にこだわる男なんていやだ)

でも、なんで学年トップなんだろ。
受けの子は少々おばかなほうがかわいいと思うけどな。
まあ、あのキャラで「ちょっとおばか」だったら
ホンマモンになっちまうからかな。(ひどい)
269名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 22:45:06 ID:1t8l0XDU
ミスフルアンソロジーのカップリング傾向、いってみよう。
かっこ内は私の私情です。

猿→犬猿圧倒的に強し
ほか、芭猿やら、かなり総受け気味
(受なのは仕方ない。ジャンプ主人公の宿命だろう
だが、ちょっとでも猿を男前だと思っている人間には耐えられないほど
女々しい受け猿を描かれる方が頻繁に載っておられるのが痛い…
ほんと勘弁してくださいよ……)

犬→やはり犬猿
それと猿犬やら辰犬がちらほら
意外にも芭犬はすくなめ
(芭猿よりすくないのは納得いかん。そもそも接点ないし…このふたり…。
それだけ猿受けが需要あるってことなんでしょうね…)
270名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 22:52:14 ID:1t8l0XDU
「腐女子の方ってこんなに凪さん好きだったのか」ってこと。
そりゃあ、嫌いになる要素はない。良い子だ。それは間違いない。
でもね、だからこそ、
「そんなに絶賛したいほどのキャラかなあ…」
と思ってしまうのですよ。邪悪な気分になってしまうのですよ、私のような人間は。
ケチの付け所がないからかえってむかつく。
(せいぜい「スタイルが良くない」、「髪型が適当」くらいだよな。
 でもそれも信也先生的には好みなのかもしれないし)
あいや、凪さん嫌いじゃないんだ、いい子だし。
嫌いじゃないんだけど、
「まったくもって怒ったり生意気な口を利いたりしない理想の女だよな」
と思ったりもする。
「なにがありがとうございますだ、ケッ」と思わないでもなかったりする。
そしてやっぱりこの子はあんまりぱっとしないなあ、とも思った。
(スタイルのいい、サバサバした子が好みなんだ)
そんな私は嫉妬深い女ですとも、ええ。
271名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 22:53:40 ID:1t8l0XDU
しかし、お嬢さん方は少年漫画のヒロインに感情移入できるのでしょうか。
私はできませんね。
ヒロインって何考えてるかわかんないし、
ぶっちゃけ、なにも考えてないっぽいですもん。
(男の理想なんだから当然だけどね)

少年漫画のヒロインって没個性でないとダメってトコロがあるじゃない。
あのエイケンでさえ、ヒロインちはるは超ありがちキャラだ。(乳以外)
たとえばるろ剣の薫と幽白の蛍子を取り替えても支障はないと思う。
どちらもキャラとして超うすっぺらだ。
和月先生はせめて薫がどんな生い立ちなのかくらい書いてあげるべきだったと思う。

でも、薫も蛍子もそれなりにファンはついているらしい。
こんなの(失礼)に魅力を感じるお嬢さんがいるのが不思議だ。
最近の若い子は考え方が柔軟なんだなあとしか思えない。

(余計なお世話だが、和月先生はちゃんと現実の女を
 見ていらっしゃらないのではないだろうか。
 勘違いしているとしか思えないんだよな。
 ゲームや漫画の女をそのまま持ってくるのを止めろとは言わないが、
 せめてご自分が「可愛い」と感じるキャラを書いていただきたい)

しかもヒロインってぶっちゃけ、いてもいなくても話に支障はない。
今のジャンプ作品で絶対必要なヒロインといったら
「ボーボボ」のジュディくらいではないだろうか。
あ、忘れてた。凪さんは必要です。
でもあの髪型はやめたほうがいいと思います。
ポニーテールなのかお団子なのか、リボンなのか鉢巻なのかはっきりしてほしい。

(凪さんについては「キライになる要素がない」くらいですね。
 薫ははっきり「嫌い」ですが。)
272名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 23:26:16 ID:1t8l0XDU
最近、あまりに女々しい猿ばかり見過ぎて、
ミスフル自体嫌いになりそうだったから精神衛生のためもう見ないことにします。
(見なきゃいいんですがアンソロ三分のニくらい猿受けなんだからある程度仕方ない)

私、今の今まで

「カップリング違いで喧嘩なんてばっかじゃーん」

と思っていたのですが、
すみません…ある方の書かれる犬と猿のカップルには、
マジで石投げたくなりました…。

猿、お前はそれでも男かあああああ。許せん許せん許せん。

ああ、四半世紀生きてきた甲斐もない…。
ほんとうに…はあ。
273名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 23:43:09 ID:1t8l0XDU
しかし、ここだけの話、猿受け派の方ってドリーマーですよね…。

猿野天国は女装していなくても男にナンパされるようなルックスで、
もちろん明美は超美少女で、
十二支、他校問わず男にモテモテで、
成績は学年トップ、
女の子が苦手でエロ本なんかもちろん見ない。
恋人がこっそり持っていたら怒って罵りまくる、と。
(てめーに言われたくないっての)

…すみません。ほんと耐えられませんから。

どうして私って世間の猿ファンの方と萌えの方向性が逆なんだろう…。
むしろ虫唾が走るよ。マジで。潔癖症の乙女って年でもないんだけどな…。
きっとそれだけ猿好きなんだな…異性として。
好きだからこそ、愛してるからこそ、男前でいてほしいよ私は…。はあ。

ところで「天国カワイコ天使ちゃん」系のドリーム持っていらっしゃる方は
「猿野天国インデシブル」をはじめとする数々の下ネタは
スルーしているのかと思ったら
すべて萌えに変換されているようですね。

彼、スネ毛はギャグなのかもしれませんが、
お尻の毛穴が汚いのはマジっぽいですよね。
いつ見てもキタナイもの。
私だったらこの時点で萎えます。
あんな汚いケツなんぞに…(以下自主規制)。

強いわ…。
274名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 23:57:19 ID:1t8l0XDU
他校サイトの管理人様がドラマCDに興味ないと知り、
おとなげなくもちょっとがっかりしてしまいました

他校サイト様の作品は原作とはほとんど別世界になってるもんなあ
(原作で台詞どころかフルネームさえ出てきていないキャラがすごく重要な役だったりする)
でもこの作品が好きなんでしょ
好きな作品がメディア化したらそりゃあ指折り数えて待つのかファン心理だと…
「十二支興味ない」って…はあ
(ミスフル読む意味あるのだうか…)
てのは偏見だってわかってますけどね
メディア化反対の方もおられるでしょうし

でもやっぱり、ちょっとがっかり
まるでキャラ>原作みたいなんだもの

あと、猿受けの方の感想を読みたくてまわってみましたが意外に見つからない。
でもはやり猿の喘ぎ声や猿VS犬のシーンに萌えを感じている方が多めの御様子。
275名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 00:04:31 ID:1t8l0XDU
ひさしぶりにCD購入。
『犬受け百質』に「『シーソーゲーム』は猿犬テーマソング」と書いたので
聴き直したくなりました。
やっぱり猿犬。完璧猿犬。桜井さんラブ。

しかし、ある犬猿サイト様でこの歌が「犬猿テーマソング」に上がっていたのを発見。

どう聴いても猿だよ。
「無愛想でワガママな恋人」って言ってるじゃん。このキャラクターなら絶対美人だって。
それに、主人公恋愛経験ありまくりじゃん。

で、もう一度聴く。

なるほど、やはり細かいところは気になるが、(犬飼は絶対初恋)、
犬の語りでも無理はない。

よし。
『この歌は猿と犬の歌』ということで譲歩しよう。
276名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 00:05:52 ID:95uCWi7I
基本的に十二支だけで満腹だ。
ていうか、ここだけの話、やたら人気の有る他校キャラには憎しみさえ覚える。
ぶっちゃけ、買ったアンソロの内容が半分くらい他校だったりすると
叩き返したくなるね。
嫌いじゃないのよ。嫌いじゃないんだけど、そればっかりじゃ…。
どのジャンルでも主人公とその周辺のキャラが好きなのよ。

そんな私ですが黒撰はいいと思う。

まあ、積極的にサイト様巡りしようとは思わないのですが。
これだけは自信を持って言える。

由太郎は攻めだ。

これほど攻にしか見えないキャラははじめてかもしれない。
ベスト・攻台詞は「そんなにおれと戦りたかった?」(←犬飼に向かって)
犬受け派の方なら思ったはず。
ユタ犬キターーーーーー!!!!!、と。
こいつは容姿も口調も子供なのに、表情と中身が男だ。
めっさお姉さんの好みのタイプですよ。
ユタの身長は155cmくらいが良かったですね。
猿とじゃれあっているコマなんかそれくらいに見えるけどね。
277名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 00:13:33 ID:95uCWi7I
前にも言いましたが、猿受けの方は感想が面白い方が多いのです。
そんな方は(少々自嘲気味に)やつの奇行を無理矢理萌えに変換されていて、
その力技とオトコマエな姿勢に痺れるのです。
(CDの明美に萌えるにはそうとうな力技が必要だと思います…)
しかし、かなり本気で
「天国激プリ…天使ちゃん…ハアハア」
と思っていらっしゃる方の感想は、
申し訳ありませんが、
はっきりいって、ちょっとキモいです。

私、なにがキライと言っても
「オレ、お前の子ども、産めないし…」
などといって泣く受け猿ほどキライなものはないのですが、
めいたんが同じこと言ってるとこいつむちゃむちゃかわええ…ハアハア
となってしまいます。

はい、えこひいきの塊のような女ですとも。
278名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 00:18:28 ID:95uCWi7I
また大量にアンソロ買いこんでしまった…。
しかし、こうも犬猿ばかり読むと、私まで犬猿が正しいのかという気分になりそうだよ。

  な  ら  な  い  け  ど  な  。

身長差がなんだ。そんなものは天国さんのパワーで軽くクリアだ
障害なんて軽ーく乗り越えられる、そんな彼が私は好きなんだ
(そして私も世間様が黒なら迷わず白を選ぶ女だ)
あ、でも障害=心の葛藤なら、突っ込むほうより突っ込まれる側のほうがより深いよな…
それを超える天国さんも男らしいかも…
いや、我らが猿野天国さんが突っ込まれてるなんてありえないし
彼は攻めだ
誰がなんと言おうと私の中では攻めキャラナンバーワンなんだ
279名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 00:20:09 ID:95uCWi7I
猿犬派の人間にとって一番痛いのは身長差などではない。
ていうか、それはむしろ萌え要素だ。
凪さんの存在。これが一番痛い。

猿のプチ退部はなかったことにしてほしくてたまらないエピソードナンバーワンだ。
最低だよ猿。こればっかりはフォローできないよ。
ネズッチュを泣かせて(兎さんも泣いていたがこれは…ごにょごにょ)、
冥さんを怒らせてそれでも去っていくんだからさ。
凪さんに彼氏がいるかも…なんてつまんない誤解のためだけに。
やっぱりひどい。猿犬的にも猿子的にも猿馬的にも、
もうぶっちゃけ、猿絡みのカプやっている方すべてにとって最痛エピソードだね。

(あ、でも犬猿的にはそれほどでもないかもしれない。
 犬が一方的に迫っているだけなら「ハイ、サヨナラ」も仕方ないかも)

このエピソードをどう処理するかが萌えパワーの見せ所ではないだろうか。

…猿犬的に昇華できたらいいなあ。
ネズッチュはマゾっぽいから猿子的にはわりと簡単にいけそうだな…。
でも冥さんは甘くない。
猿、男らしくボコボコにされなさい。
いや、されたって言ってたな16巻で。そうか。それでチャラになったわけね。
てか、冥さん甘過ぎっっっ。
そんなに好きか?
そうか。良し。(いいのかっ?!)
280名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 12:41:55 ID:VrGFBZkS
801キンシダロ?
281名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 22:28:09 ID:S4jC3ZyH
荒らしのコピペだよ。
282名無しさん@ピンキー:2006/04/12(水) 19:48:50 ID:Zu9UcipN
test
283名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 00:35:55 ID:M5pv+zre
なにこの痛いの
284名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 12:00:47 ID:s45Ji7bh
裏天国光臨待ち
285名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 12:02:03 ID:eqaFtY9Z
もみじたん(´Д`;)
286名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 12:36:26 ID:VgKJEQVf
ひのきたん・・・
こきりたん・・・
屑桐の妹たん・・・
287裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:18:48 ID:KHjktC4V
次の分、投下させていただきます。
ただし途中までだけど
288裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:19:29 ID:KHjktC4V
179.8発目   双頭の悪魔
「こっこの、ふたつの… 肉饅頭みたいなモノがっ…… 朕の気持ちいいところを
 挟んで… 挟ん で… んんんんん―― っ」
 王 桃食は、下半身を露出させたままのあられもない姿で机に脚を投げ出し、
その上からはもみじが、胸の間に桃食のものを挟み込むという、いわゆる「パイズリ」
と呼ばれる形でのしかかっていた。脚を地に着け、もみじはトントンとリズムをつける
余裕をさえ見せている。
「っふぅ〜、 うまく入ったぜ。 これが『パイズリ』でいいんだよな。俺のサイズだったら
 コイツができるって、エロ男子どもが噂話してんのを聞いちまってよ〜。そいつら
 には鉄拳制裁喰らわしてやったけど、お前にはこれから悲鳴をあげさせてやるぜ…
 このままリズムをつけて何度もこすりたててやれば……」
 桃食のものが抜けないように注意深く、もみじは両胸を抱えて持ちあげると一息に、
持ち重りすらするまろやかなふたつの円錐を鈍い音をさせて弾み落とす。
 ばちん! とすえた打擲音(ちょうちゃくおん)を鳴らせて、桃食の中の快楽が泡立ち
千切れ飛んでいく。ムネの谷間の溝の中は汗にまみれ、上下動の滑りを助けていた。
「ンむぅ〜っ… ふむむうぅぅぅ――ッ!!  そっ そんなコトされたらぁ… っ この肉饅頭、
 こんなに柔らかく弾んでぇっ… 叩きつけられるとヌルヌルして気持ち、いいネ――…」
 泣き喘ぐ獲物をじわじわと揺すりたてては揉みこみ、頃合いを見ては反動をつけて、
桃食の下腹部に双弾を叩きつけいたぶり続ける。
「そうかよ、そりゃそうだよなぁ。男は女のムネで身体触られたり、チンポこすられたりすると
 たまらなくなるっていうからな。猿野は放っといて、お前はコイツでさっさとイッちまえよ」
↑1
289裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:21:11 ID:KHjktC4V
 そのままもみじは背筋の腰のスナップを効かせ、桃食の下腹部に何度も何度も、強烈な
バストのストロークを叩きこんでいく。乳肉の爆ぜる音が響き、桃食は文字通り絶叫する。
「んひいぃぃぃぃぃ――!!?  こっこれっ すごくおかしいヨっ!? なんだか アソコが
 浮きあがってっ…  ひゃうぅぅぅぅぅっ! ふひぃぃぃぃぃっ!? いひいいいいぃぃっ!」
 間断なく腰を浮き上げ、桃食はひとたまりもなく絶頂にまで追いあげられようとする。
「《畜生… 猿野めっ…… これで俺に、半端に手ぇ出そうなんて魂胆はなくなったろ…
 俺はお前なんて、眼中にねぇんだからよ… 凪とでも誰とでも、くっついちまえっ…》」
 そのとき、言葉にならぬ声でのフレーズ。かすかに聴こえたもみじの言葉を、霧咲は
聞き逃さなかった。独り言を小さくつぶやきながらも、勢いを増した胸奉仕の上下動の
動きは猛威を振るい、もはや桃食は無意識に腰全体を断続的にビクンビクンと痙攣させ、
最後の時を待つばかりの状態にある。
「ひっ ひっ ひいぃっ… に、に く… にくまんじゅう に… ち、朕… 朕が…
 このままでは 逆に… 食べられてしまう ネ――」
「本心…  露見……。 様子見雌伏揺動、結実」
 霧咲の目が輝き、再びその蜘蛛の瞳孔は漆黒に染まり虹彩を露わとしていく。
「桃食 御苦労、此依(コレヨリ)救助開始」

 その頃、もう一匹の蜘蛛は…… 猿野を仕留め昏倒させたうえで、何らかの手段でもって
どうにかしてしまおうと画策する女郎蜘蛛が、巣へと獲物を運ぶかのように奥の部屋へと、
両脚を使った関節技で相手を絡め捕ったままの態勢でずるずると引きずり去っていく。
↑2
290裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:21:51 ID:KHjktC4V
「ウフフフ… 予定よりもかなり時間くっちゃったけどぉ、なんとか猿野くんを気絶させて
 この部屋にまで連れてくることが出来たワケだし♥ さっそく準備準備っと♪」
 空手部の道場の『奥の部屋』は、部で唯一人の女子部員である遊神 楓専用の
更衣室として使われている。
 ギシギシとときおり木の床に音を鳴らせて進む二人分の重みを持つ身体は、
こぎれいに片づけられたその部屋に用意されていた何本かの荒縄の前で止まる……

 そうしてしばらくの後、猿野が目を覚ましたとき、道場内と同じく燭台の蝋燭の灯のともる
小部屋の中、猿野の二本の腕は荒縄でくくられた上で柱の根元に、そこからさらに
荒縄が結わえつけられて固定されてしまっていた。
「…うっ んんっ こ、ここはいったい…」
 天を向く姿勢で気を確かとした猿野は頭を上げ、目の前の光景を見て愕然とする。
 そこにはベッドのシーツのような、白く大きな布がカーテンのようにかけられて奥との
境をなしており、その向こうの部屋… 小さな浴室では楓がシャワーを浴びていた。
「――ふんふんふ〜ん♪」  ……シャアァァァァァァ――
 向こうへの視界を遮る薄布にははっきりと、楓のすらりとした伸びやかな肢体の
シルエットが浮かんでおり、悩ましげな水音とともに上からは湯気が立ち昇っている。
 そして心持ち低めの高さにとりつけられたそのシーツのカーテンからは… 楓の
髪を解(ほど)いた頭と、気持ちよさ気に目を閉じて温水に快を委ねる顔の部分だけが
見えてはみ出しており、ふとこちらの方を振り向いてきた楓の目線が、猿野のそれと
一瞬合ってしまう。
↑3
291裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:23:26 ID:KHjktC4V
「!!…――」
 が、明らかに猿野の視線に気づいたはずの楓は、すぐに目線を逸らして目を閉じ、
そしらぬふりでそのままシャワーを浴び続けている。髪だけにはなるべくかからぬよう
注意して浴びていた温水のシャワーを止めると、その場で身体を拭いたあと屈み込み、
衣服を身につける素振りを見せ始める。
 いそいそと、これから下着を身につけようとしているらしい不穏な動きを一瞬見た猿野は、
いつもの変態ぶりはどこへやらつい目を背けて顔を俯かせてしまう。猿野にとって日頃の
変態セクハラ行為とは、飽くまでも相手がキャーキャーと騒いでイヤがる素振りを見せて
はじめてなりたつという、いわば猿野なりの‘スキンシップ’にも似たお約束の行動だった。
 するとほどなく、普段学校で身につけている特異なアレンジのされたセーラー服を身に
つけた楓が椅子に座り、極薄のカーテンの裏で、軽く櫛を当てドライヤーをかけたのち、
解いた髪を再び元の髪型にまとめようとしている。
(猿野くん… こっちのほう、ずっと見てたのかな…… ずっと見られてたかと思うと
 恥ずかしいんだけど、逆にボクのこと、女の子として全然意識せずに平気で見てたん
 だったらそれも困るな…)
 不安と期待に胸をどぎまぎさせながら、ことさらにに簡素な造りをしたプラスチックの、
薄桃色の髪留めを頭に止めつつも楓は、ちらりと横目でカーテンの向こうの猿野を見やる。
〈*イメージイラスト・単行本20巻のキャラクタープロフィール51の一番下の絵〉
 そして楓は立ちあがり、シュッ… と音をさせてカーテンを開き簡易浴室から出てくる。
「気がついてたみたいだね猿野くん、ここは空手部の道場の隣にあるボク専用の
 部屋なんだけど。 どうかな、君と殺りあう前に決めてた決闘(果たし合い)の条件…」
 楓はにこやかな表情のまま近づいて来、猿野に微笑みかけ本題を切り出す。
↑4
292裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:25:14 ID:KHjktC4V
 腕を柱の根元で固定されたまま、立場苦しげに猿野は弁明しようとする。
「条件… そ、そうだったわね。たしかアタイが負けたらアナタと付き合うかどうか考え直す
 とかナンとか、言ってたような気もしてよ。で、でもそれはただ“考え直す”ってだけで…」
 元の猿野の頭のままで、なおもオカマ言葉でシラを切ろうとする先、楓はそんな
チャイナドレス姿の憧れの人の傍らにしゃがみこみ目を細めて、すぐ横に置いてあった
‘明美のカツラ’を被せてやる
「やっぱり、たぶんそういう返答がくるんじゃないかと思ってたよ。でも、考えるって言うだけで
 何もしなくていいんだったら、国会で苦し紛れの答弁してる政治家さんとおんなじだよね…
 でもまあボクは君とのこと、女の子同士の関係でもいいと思ってるんだよ。性別を越えて
 好きだという気持ちも世の中にはあるし、でも最後にはそれでも君はきっと、ボクの魅力に
 夢中になっちゃうんだぁ♥ もみじチンだってボクがその気になったらいつだって、
 また仲良くなって空手部で一緒にがんばれるようにもってっちゃう自信はあるしね。フフ」
 そこまで言ったあと楓は、目元をさらにほころばせ、眼前に横たわる『明美』に話しかける。
「君の心の中身が男の子でも女の子でも、君をノックダウンさせちゃったほどのボクの強さと
 このカラダには正直言って、興味あるんじゃないかなぁ? 君ほどの手練れならなおさら」
「うっ… じょ、冗談もやすみやすみに…… それにしてもアタイとしたことが、しくじったわ」
「――ふぅん、 ここまでいっても動かないだなんて、かえってなにか裏がありそうな気も
 するけど… まあいいや。 ところで明美チン、さっきボクがシャワーを浴びてたとき、
 途中でボクと目が合ったよね? もしかしてボクのこと、 ……ずっと見てたのかなぁ?」
 ひときわ目を光らせて、楓はなにやら妖しげな口調となりながらも仕掛けはじめる。
↑5
293裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:25:52 ID:KHjktC4V
「み、み、見てたって… そ、そんなわけ…  アタイはずっとよそ見して……」
 思わずそう答えてしまった明美に対して、その行動の矛盾を巧みについていく。
「え? 早くから気がついてたのに、ボクがシャワー浴びて服を着るまでのあいだ、ずっと
 こっちの方を見てなかったの? おかしいなあ、同じ女の子なんだったら平気だよねぇ。
 するともしかしてボクのこと、女の子として意識しちゃってるとか?……」
 まるで誘導尋問のように、本音を探られる。
「ギクッ!? い、いや… ほ、ほんとは見てたわよ! 見てたけどアタイは、
 身体はオトコでも心は女だから、そんなの平気で何の感慨もなしにどこ吹く風って
 カンジだったわ!」
「ふぅ〜ん、そう… それじゃ確かめてみようかな?  ――ボクのこのスカートの中、
 いまどんなふうになってるか… カーテン越しにでも着替えてるトコ見てたなら、
 明美チン、とーぜんわかるよね」
 突然、訳の分からないことを言い出されて、明美は激しく動揺する。
「え!? な、なによそれ! ス、ス、スカートの中だなんて… いったい……」
「あの薄いカーテンの向こうで、ボクがどんな下着をどんなふうにして着てたか、
 見てたんだったらとうぜん答えられるよね。 ……って、言ってるんだよぉ♥」
 そう言いつつも、楓はその場に腰を下ろして座り込み、こちらに二本の脚を揃えて
投げ出したあと、ゆっくりと明美の目の前でその両脚を開き、伸ばしていこうとする。
 積極的な動作を自分から仕掛けながらも恥ずかしいのか、目を伏せて顔を赤らめ、
スカートの右側面に入った深い切れ込みの、白く透き通ったナマの脚線から徐々に、
腿がせり出し初めて露出し、スカートをめくりよせたくしあげようとした時点で明美は
混乱し、どういう反応を取ればいいのかまるで分からなくなってしまう。
↑6
294裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:27:08 ID:KHjktC4V
「あ、あわわわわ… いったいなんのつもりで…  楓ちゃん早まっちゃダメよ!
 ってオレ、いやアタイなに言って… いやこれすごくオイシ… ってダメよ ちょっと…」
 その言葉も空しく、ガバッ… と弾みをつけて、勢いよく両の脚が割り開かれて
スカートが払いのけられる。その瞬間、思わず開かれたその部分に目を奪われ、
釘付けにしてしまった‘猿野’は、危うく鼻血を噴くかと覚悟したのだったが……
 楓はその中には水着のような、紐で結ぶ白いビキニタイプのものを身につけていた。
「うふふっ… やぁ〜っぱり猿野くん、ボクの着替えてるトコ、恥ずかしくてずぅーっと目を
 逸らして、見てなかったんだねっ♥ さっき下着をつける動作を二回もして、
 しかも二度目は紐を横で結んでたんだから水着しかないじゃん。いつもボク、こぉんな
 切れ込みの深いスカートで登校して一日中脚振り回してるんだから、これ着けてないと」
 頬を染めて嬉しそうに言う楓に、肩すかしを喰った猿野だったが、なんとか正気に返る。
「こっこ、こ、こ、これはつまり… アタイ身体はとりあえずオトコだったりするから、それで
 アナタのことを気遣って、でもって…@「」:・¥:」−。、」
「もうゴマかしたってだめだよん♥ どんな理由があってシラきってたのか知らないけど、
 ちゃんとした男の子だって分かった以上、勝負の落とし前はキッチリつけてもらうんだから」
 人差し指を舌でぺろりと小さく舐め、楓は暴き出した相手の本性を前にし闘志を露わとする。

「弱点… 発見……。  同、本心 露見」
 長らくの様子見の揺動作戦を経て、ついに何かをつかんだのか霧咲は、目を漆黒に染め
煌めかせながらもこともなげに、もみじの背後へと近づきその背に取りついていく。
「ふっく… うううううぅぅぅぅぅ〜っ!!?  さっ猿野ぉっ! て、てめぇこんなタイミングでぇっ…
 俺をジャマしに来やがったの… かよおぉっ――」
↑7
295裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:28:14 ID:KHjktC4V
 もとより無理な体勢のもみじは、身体の動きがままならない。もみじが振り向くよりも早く、
その艶やかな黒髪に霧咲の唇が触れ、そこに顔を軽く埋め耳へと媚言を囁いていく。
「――微熱… 芳香…」
「うむううぅぅ〜… っ!?  あ、あぁ、あっ あぁっ… ち、ちか ら、が… 抜けて…」
 三本のピアスがはまった口元から、こころもち低めの声での情熱的な言葉と、
熱い吐息を吹きかけられたもみじはそれだけで全身の力を抜いて蕩ろけさせてしまい、
心の中で理想として描く寡黙にして鋭利な視線を持つ猿野の存在を間近に感じて震えつき、
その場で肩で息をついて弾ませる。
 その隙に、やっとのことで意識を取り戻した桃食が霧咲の救援を知り、言葉をかける。
「ひっ ひぃぃ… っ はひ… いぃぃ  んんっ!?  じゃ、雀… やっと朕を
 助けに来てくれたカ… もう三度くらい死ぬかと思たヨ。いままで様子見してて助けに来た
 いうことは、もしかして、決定的な何かをつかんだカ?」
「問題皆無、絶頂確実。 桃食 今一度、胸淫続行。 我、挟撃補助… 決定的進行打」
 霧咲は、いつも身につけている薄手の、ライトグレーの手袋を外しながらもそう言う。
「お、お、お前なんか が… いまさら来たところで… 何が… って、 や、やめぇっ…
 おうっ ぐっ!  ――ふぐううぅぅぅっ!!?」
 手袋の下から現れた、白蝋のように艶やかで怜悧な色合いをした指が、その肌の
血色からは想像もできないほどの熱感を帯びていま…… もみじの首筋に触れ優しく伝い、
肩から脇腹、そして中腰となり後方に突き出された腰の尻周りの部分へと這い降りていく。
 ――粘り拡がる、蜘蛛の巣の木々を縫う糸のように、もみじの下半身を覆っていた下着が
指をかけられ、膝のあたりまでゆっくりとずり降ろされてしまう。そしてその後間髪を入れず、
流れるような無駄のない動きでゆらめく霧咲の右の指が、腰をわずかに下ろし桃食に
覆い被さっていたもみじの… 脚と脚の間の隙間へと横溢し、見る間に入りこもうとする。
↑8
296裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:29:03 ID:KHjktC4V
「ふむぅぅっ ぐ……  むむむぐぐぐぐぅぅぅ〜――ッ!!」  《ギシッ… ギシィィッ!――》
 その指の侵入を感じたもみじは汗を飛び散らせ、膝を硬直させて折り曲げ力を掛け、
毛足の短い絨毯の床をさらに強く踏みしめようとする。体重を乗せられた机には
負荷がかかり、小さくきしむ音があたりに響く。

 奇しくもその頃、手前の部屋のもみじとほぼ同じタイミングで下着を優しく
脱ぎ降ろされ、繊細にして酷薄なタッチを効かせた指による奥への撹拌を
待つばかりとなった凪は、床上で必死に目を閉じて身体を小刻みに震わせ、
両の脚の腿と腿のあいだをきつく閉じ合わせて抵抗の意思を示していた。
 そして凪を間近に抱き寄せた紅印の背には手が回され、ひくひくとおののき
幻の兄に哀願を訴え、許しを求める。
「《お おぉっ… お兄ちゃ …んっ  お願い… お願いだから――
 こんなこと… だめぇっ……  だめだからぁ… っ  その手を… 離して…
 もう 許して…  あたしに… 優しくしないでぇっ…》」
(フフ… 随分と耐えるのねぇ…… でも我慢を重ねれば重ねるほど、決壊した
 理性は快楽の蕩尽を呼び込んでアナタの身体は… 身の毛もよだつほどの
 法悦の波に呑みこまれすべてを押し流してしまうわ―― なにも、かも…)
 だが紅印は、そんな凪の懇願の意を表すひくつきをも、まるで意に介そうとはせずに
瞳の奥をを輝かせ、閉められたカーテンの隙間から入り始めた月明かりの残光を透過し
淡く浮き出した、下腹部から腿のまわりの柔肌へと指を無尽に這わせなぞりたてる。
↑9
297裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/04/17(月) 12:29:46 ID:KHjktC4V
ではまた今度
298名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 14:26:13 ID:wnPmI8+W
油断してたら投下されてたw

299名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 23:00:05 ID:fYLlBaOA
パイズリマンセー乙。
300名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 11:19:59 ID:EHQ7/dzF
続きを期待age
301名無しさん@ピンキー:2006/05/01(月) 11:22:08 ID:r2oIr3cQ
期待期待
302裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:16:11 ID:2gVnbPvE
では続きのほう、
303裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:17:28 ID:2gVnbPvE
「《ん、んん――…… っ!?》」
 唇を噛みしめひたすらに瞑目した凪の手の指が、紅印の背から… 一つにまとめられた
髪の結び目へとかかり、わなわなと震えざわめく。
 そのとき、紅印の髪の紐は指にかかって取れ、結われていた髪がほどけて弾け散る。
瞬間、紅印の指はさらに熱を帯びて、優美な双臀の回りから内股の間を執拗に往復し
愛撫する動きと化し、いよいよ秘められた部位の開放を求めてその指は徘徊を重ね――
「《うぅんっ…!? あっ はうっ! くっ むぅんっ―― …そ、そんなぁっ や め…》」
 籠められた力の、最後の抵抗とばかり、悪寒めいた硬直の瘧(おこり)を誘発させつつも、
指は柔らかな腿から尻肌の隆起にかけてを何度も行きつ戻りつする。
(これで 終わりね。 アナタが心の中で本音として、「お兄ちゃんに優しく愛されたい」
 と思っている限り、アナタはこの指の誘惑を決して突き放すことはできない… フフッ)
 だが、その紅印の意図に反し、本腰の入れられた籠絡の魔の潤いに対して次の瞬間、
とっさに凪が返した反応は意外なものだった。
「やっぱり だめ――  だめなのお兄ちゃん…  あ、あたしは こんな… こと……」
 理性から隔絶された環境下での、抵抗不能と思われた誘いを受けた末に、なおも
とぎれがちながら拒絶の意を示す言葉を発しはじめた凪を見て、紅印は目を見開いて驚く。
「あ、あたしが… お兄ちゃんに求めてるもの は…… こんな ことじゃ なくて……
 もっと べつの、ことなの… そ、それは――」

「ウフッ… ボクがこんなに猿野くんのことを想ってて、ここまでしてお付き合いしてほしいって
 頼み込んでるのに、どぉしてイヤがっちゃうのかなぁ〜」
↑10
304裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:18:26 ID:2gVnbPvE
 ふつふつとわき上がる情念によって楓は、上気した双眸の目尻をかすかな朱赤に染めていま、
自分を遠ざけようとする理由の判然としない相手の態度を不服とし、自らの意を通そうと色めきだつ。
「まさかオカマさんで通ってるヒトに彼女なんているわけないし、 もしかしてボクみたいに
 家の掟で、男女の交際を禁じられてたりするのかなぁ〜 それとも」
 楓は、猿野のすぐ近くにまで膝を折って近づいてくると、何気に反応を伺いながらも……
「とぉ〜ってもシャイな恥ずかしがり屋さんで、女の子のことがニガテだったりするとか♥」
 ここまでの猿野の、楓に対する対応を見て、ふとそのようなことを想像して口に出してみる。
確かに、猿野は同世代の女子学生に対し、自然な立ち振る舞いで接することを
奇妙に苦手としていた。『結論を急ぎすぎる』かの如くセクハラまがいの暴挙に及んでしまったり、
逆に緊張に緊張を重ねた態度で不審に思われたりの繰り返しだった。あるいはそれは、
猿野自身を長いあいだ女手ひとつで育ててきた母親に対する屈折した思念の関わるところが
大であったかも知れないのだが…… ともかく、乱暴でもなく慇懃でもなく、ごく普通に女の子と
接することに戸惑いを覚えてしまうという猿野の特質は、本人が一番よく理解していた。
「うぐっ… そ、そんなこと、あるワケないわ… 女の子なんて、苦手でもなんでも ない…」
「ふぅん、そのオカマさんの猿芝居、まだ続けるんだぁ。あくまでもボクの前では、男の子の
 仕種は見せたくないってコトなんだね。 それならそれで仕方ないけど  けど…」
 そこでまた急に、楓の態度が変わる。切なげな、それでいて歯噛みするかのような表情。
「いつまでも恥ずかしがってなんかいないで、君を縛りつけてるものを解き放っちゃえば
 いいんだよ… 実は ボクも… 男の子のこと、好きで好きでたまらないのに、
 これまでずっとそれを、男の子の前では隠しておくしかなくて…」
 目を逸らせ俯(うつむ)き、頬を真っ赤に彩らせつつ… 遊神は驚くべき告白を始めていく。
↑11
305裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:19:34 ID:2gVnbPvE
「ボク本当は、普通の女の子よりもずっと、男の子のことに興味があって… 男の子の体も、
 男の子の声も、汗も、匂いも、全部――  か、空手部の部活が終わった後、ボク…
 いつもひとりで、道場に残った男の子の匂いを胸一杯に吸いこんで、その場に手をついて
 伏せて、しゃがみこんで しまうんだ… それで……」
 そうして遊神は、誰も見ていないときを見はからっていつも、道場の床に色濃く残された
‘男の汗の匂い’に惹かれて跪(ひざまづ)き、はしたなく匂いを嗅ぎ頬を擦りよせて瞼(まぶた)
を熱くし、束の間の感慨にさえ耽(ふけ)ってしまうことを包み隠さずに、猿野にうち明けてしまう。
「とっても おかしいよね… 学校ではいつも男の子を挑発して喧嘩ばかりしてるボクが…
 ほんとうは男の子の肌に頬を擦り寄せて、抱きしめて、甘えたくてしょうがないだなんて――」
(うぅぅっ こ、こいつはやべぇ、ヤバすぎる… この子、オレと一緒でちっとばかし、
 保体の教科書でいう‘異性への関心’ってヤツが成長し過ぎちまってるようだぜ…)
 そのような、いささか過剰のきらいのある劣情めいた性衝動を持つ者同士が、
いまここでこうしてこのような形で対峙していることからはさながら、‘運命の悪戯’とでも
いうべき因縁めいたものを感じ、想起させられる。
「でも… 男の子をこんなふうにして、ボクの虜にしてしまおうなんてことするのは、
 これが初めてだけどね。 そう、これが最初で最後… きっと、そうだよ」
 つぶやきながらも、猿野と同じ高さにまで位置を下げた楓の小さな顔が、猿野の瞳を射抜く。
その目つきはまさしく、男のエキスを吸い尽くし絞り取ろうとせんばかりの好色の視線と化していた。
「ボクが日頃から… もっと小さな時からずっと、男の子のことが気になってしかたがなかったことを…
 つい弾みでもみじチンに話しちゃったことだってあったよ。と言っても昔のことだから、
 もみじチンにはなにがなんだかよくわからなかったみたいだけど」
↑12
306裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:21:12 ID:2gVnbPvE
 もみじと楓。二人がまだ小さな時分から、お互いの空手でのライバル関係は長く続いており、
もみじはその腐れ縁とでもいうべきものから、楓の性向についての話を一度だけ聞かされていた。
 「楓は決して、男嫌いなどではない」。男女交際を禁じられ、その反動からか男に挑発的な態度で
接し臨む楓が実は男嫌いどころか、まったく逆の鬱積した欲望を心の中で滾(たぎ)らせていたことは、
もみじにとっては密かに、自分の心の内だけにしまいこんでおくべき事柄だった。
「さぁ猿野くん。 そんなチンケなチャイナドレスなんてさっさと脱いじゃって、 …はぁ …はぁ
 ボクにその中のモノを見せて、思う存分 匂いを嗅がせて、頬ずりさせてよぉ ねぇ…♥」
 極度の興奮からか、呼吸を荒げ目をギラつかせてそう言う楓を見て、猿野は柄にもなく
焦りまくる。
「は、は、はわわわわ か、楓 ちゃん… オレのここって実は、ちょっとばかり、いやちょっと
 どころじゃないかもしんないけど、レイザーラ●ンばりのギャランドゥなウェットスメルだから…」
「え? ニオいがするから良くないっていうのぉ? そぉんなのぜぇんぜんへいきだよぉ♥
 ……ボクってば、学校の社会見学で、『港の怪しいコーヒー飲料加工工場』に行ったとき、
 コーヒーの絞りガラの腐ったのがかたづけられてなくて、うっかりその匂いを嗅いでクラスのみんなが
 次々と卒倒する中でボクだけ最後まで平気だったほどだから♪」
「ちょ… なんでそんなトコに社会見学に行かされんだよ!?《3Kの社会の底辺ゾーンじゃねぇか!》」
「でぇ、それだけじゃなくて、ウチの道場の門の前ではパパがいつも、くさやをこれでもかってほど
 天日干しにしてお隣さんに臭気のお裾分けをしてあげたりするほどだし♥」
「それ地上げ屋に雇われてやってんだろ!!《地方の条例ではニオイの迷惑は取り締まれねぇし》」
「――っていうか、くさやの話は冗談としても… ボク、男の子の匂いだったらどんなスゴいのだって
 大好きだから。安心して嗅がせてくれちゃって いいんだよぉ?」
 明美のカツラを被りつつも、ときおり男言葉が顔を覗かせ出した猿野のチャイナドレスの腰に、
目を大きく見開き指を震わせた楓の、ほっそりとした両手がおずおずとかかる。
↑13
307裏天国劇場・その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/02(火) 16:23:16 ID:2gVnbPvE
「イヤーーーーーーーー!! お助けーーー! 《奪われるーーーー!!》」
 がしかし、昔から匂いには平気であっても、年頃の思春期を迎えた女子高生としての羞恥心が、
ここでは自制心となって楓の欲情を寸前のところで押しとどめようとし、『意中の人』を前にして
慎ましやかであり、可憐であろうとするせめてもの、初々しさに満ちたためらいを覚えさせたのだった。
「うっ そんな… ここまできて、どうして――  こんなとこで足踏みなんか、してちゃいけないなのに、
 それなのに、ボク… 彼の恥ずかしがってイヤがる顔を見るともう… ダ、ダメだ。これ以上、
 手が 動かなくなっちゃってぇ… っ」
 そこでそれ以上、前へ進めなくなってしまった楓を見て猿野は、おっかなびっくりとばかり
間近の少女の赤面の、とまどいの表情を仰ぎ見る。
「あ、あれ? 楓ちゃん、どうしちまった… まさかとっさに羞恥心ってやつが戻ってきて…??
 (そ、そうだ、やっぱりオレ、凪さんのために立てた志は守り通さねぇとだよな… うんうん)」
 困り果てた楓はついそこから身体を離し、弱気になってしまう。だがそのとき同時に脳裏に、
その日の午後に父親から聞いた言葉が突然去来し、甦ってくるのだった。
〜「よかろう、『どんな手を使ってでも』その男をモノにするとな。では儂が大陸に武者修行に
 渡った折り持ち帰った秘伝の丸薬をひとつ、お前に授けてくれるわ。その名も『清老頭』…
 その者に呑ませればすぐにでも、その者の欲望を解き放ち真の心の姿を露わとしてくれよう」
(そうだ 彼の恥ずかしがるところを見て、こっちまでとまどっちゃうんだったら… これを彼に
 呑ませて恥ずかしさを無くしちゃえば、きっとボクだって… もっと素直に、なれるはずだよ)
 楓は、その薬を今こそ猿野に呑ませるときと腹をくくる。
 だが、そのことが思わぬハプニングを引き起こし、眠れる“双頭の悪魔”を目覚めさせることに
なってしまおうとは… このときはまだ、その場にいた両者の気づくところではなかった。
 続く
308裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/07(日) 19:00:06 ID:C/p8IKzy
保守
309名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:10:03 ID:0yWuXo9u
「双頭の悪魔」…

ガクガクブルブル
いつもお疲れさんです。本編クライマックスだけど、がんばってください。
310名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:15:55 ID:oUcBkPmE
連載終了ですか・・・orz
311名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 12:18:05 ID:yQlEyZUo
保守。
312名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 01:23:31 ID:ZL74V+B+
hoshu
313名無しさん@ピンキー:2006/05/21(日) 17:22:57 ID:iYWChTwv
裏天国氏いつも乙ー
信也のコーヒー加工工場話使われててワロスwww

またミスフル読み返して思ったんだが、バレンタインの凪可愛くてたまらんな
314名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 00:09:39 ID:U4NaVoj/
age
315裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:20:14 ID:eSBvOSyx
では次の分を
316裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:26:22 ID:eSBvOSyx
179.9発目   畏怖の床技
 楓はとっさに、事前に父親から与えられていた秘伝の丸薬・『清老頭(チンロウトウ)』を猿野に
呑ませることを思いつき、覚えていた廉恥(れんち)の、躊躇の心を乗り越えようと意を決する。
(そうだ 彼の恥ずかしがるところを見て、こっちまでとまどっちゃうんだったら… これを彼に
 呑ませて恥ずかしさを無くしちゃえば、きっとボクだって… もっと素直に、なれるはずだよ)
 だが猿野はそこで、よりにもよって… 凪に対して立てた誓いのためか、あるいはそれとも
明美としての悪戯心が働いたのか、楓に対して挑発ともとれる言葉のカマをかけたのだった。
「あらあら …どうしたのかしら楓ちゃん? もしかして、ここまで来て怖じ気づいちゃったのかしら。
 やっぱりまだまだケツの青い小娘ちゃんには、夜の世界は早すぎたんじゃなくって?」
 明美の心の中では十中八九、ここで楓はあきらめをつけて猿野を開放し、このままその夜は
終わりを告げて日常へと戻るはずとなっていた。
「うっ  よ、余計なお世話だよ! 怖じ気づいてなんか… っ  君なんてこうしちゃったら、
 そのよく回る口はいっぺんに大人しくなるんだからっ」
 楓は、次の瞬間に怒りとも意地ともとれる返事とともに、一度猿野をノックダウンした関節技、
互いの足首を交差させるように絡みつけ相手の動きを封じる『足首交差固め』の態勢に再び…
今度は衣装を着た明美の身体を横にねじり倒した形で捕らえエビ反り状に締めあげていく。
 今度は互いが上を向く形での対面の角度ではなく、双方が左右を向く形での、足の角度の
反転した技の入り方をしていた。
「うげええぇぇェェ… ッ!! な、なんでここでまた足首を攻め… っていまのっ いまの
 は取り消すからっ! ぐ、ぐ、ぐるじっひ…… ゆるし… んぐぐぐうう゛ゲゲゲゲェェ〜…」
 猿野の腕をまとめて拘束した荒縄の結び目がギシギシと軋み、少しだけ余裕を持たせて
柱に結わえつけられた縄の延長がねじれてよじれ、それと同時に横にされた猿野の腰が
ミシミシと音を立てて、異様なまでの角度に曲がり反り返っていく。
(こうしてっ! 足を固めておいてから手を、彼の口元にまで伸ばして薬を呑ませちゃえば…)
 楓は切れ込みの開いた、丈の長い制服のプリーツスカートの側面についたポケットの中から
白いものを取り出し、たった一粒の黒く小さな丸薬を包むその白い紙をほどいて右手に持ち、
左手は明美のカツラの頭のほうへと伸ばして必死に、口元を押さえ身体をもっと近づけ、
明美の足首を極めたままで背後から、無理矢理に薬を呑ませてしまおうと狙いを定める。
↑1
317裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:27:51 ID:eSBvOSyx
[中華蹴雀床技・… 嶺上開花(リンシャンカイホウ)!!]
 ググググググッ…!!
「うぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぉぉぉぉお〜――!!!」
 やがて猿野の身体は、胸板だけを支えとして地面に直立し、まるで‘しゃちほこ’のような
姿勢で背後からの、楓ののしかかりを受ける格好となっていった。
(も、もうすこし もうすこしで手が、  猿野くんの口元に届いて押さえられ…)
 ようやくのところで、楓の左手が明美の髪を越え喉元に回ろうとしたそのとき。
 くにゃ〜――
 なぜか突然、ニコニコ顔の表情で猿野は腰を、気味が悪いまでの角度でそのまま
エビ反らせて、足と頭がつくほどに曲げてしまう。すると、意表をつかれた楓は勢いよく
顔面を床に打ちつけ、蛙の潰れたようなうめき声を漏らす。
「―― う ぶ ぅ゛ ぅ 〜!!?」  ベシャアァァッ
 猿野は普段から、一発ネタである沢松との合体技を宴会芸で披露するため、
腰の逆反りの筋だけは… ガチガチに筋肉で固めただけの他の箇所とは違い、
徹底して柔らかくなるよう昔から努力に努力を重ねていたのだった。
「いや〜 やっぱ日頃から努力はしとくもんですなー。宴会芸の『二神合体猿松ロボ』
 のために柔らかくした腰が役にたつなんて、昔取った窪塚くんってやつですな〜」
 それを言うならば『昔取った杵柄(きねづか)』なのだが… ともかくも、猿野に薬を
呑ませるという楓の作戦はひとまず失敗となる。そして、足を絡めたままで顔を起こし、
我に返った楓はあることに気づき目を点にし、呆気にとられて驚く。
「あ…… 呑んじゃった――」
↑2
318裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:29:07 ID:eSBvOSyx
 なんと自分自身が、相手に呑ませるはずだった丸薬を呑んでしまっていたことを、
楓ははっきりと認識する。するとすぐさま、ドクン… と体内で、何らか不気味な鼓動が
急激に発生し、楓は足を放すと同時にもんどりうって床上に倒れ込み、苦しげに呻く。
「うぅぅぅっ!!?  むぐぐぐう… っ  うぅう〜っ!――」
 異変に気づいた明美は不自由な体ながらも、楓の方に顔を向け声をかける。
「か、かえでちゃ… い、いったいどうしたのよ! 突然苦しそうにして倒れ込んでっ」
 すると間もなく、何事もなかったかのようにゆらりと肩を揺らせ、楓は腰を起こす。
だがその目つきはさっきまでとは別人のように、悪酔いしたかのような蒼白な顔色の中で
殺気だち据わりきっており、眼前の明美を認めるや鋭く睨みつけ、声を潜めてつぶやく。
「…あれ もみじチン、なんでこんなとこで両手縛られて転がってるのぉ? ボクたしか、
 さっきまで猿野くんを捕まえて、そこに寝かせといたのに・・・」
 明美を最初に見たとき、正体が男だとはまるで気づかなかった楓はその当初の如く、
丸薬の特殊効果によって記憶を狂わせてしまい、明美を見てもみじだと錯覚する。
「え!? ア、アンタなに言ってんのよ! もみじちゃんはこんなスネ毛ボーボーじゃな…
 ってそれ以前にこれはちょっとフツーじゃないわ! どーしちゃったの一体!!」
 驚く明美を無視して、楓はますます倒錯した事ごとを口にしはじめるのだった。
「…もしかして君が、ボクの猿野くんをどこかに隠してすり替わっちゃったのかな?
 そっかぁ、実は君も猿野くんのコトが好きだったりするんだ… でもどうしてもボクの
 ジャマをするんだったら、悪いけど君には亡き者になってもらうよ」 コオオォォォォォ…
 殺気に満ちた瞳の目線が、凍てつく呼吸と共に楓の表情を悪魔のそれに変えてしまう。
↑3
319裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:30:54 ID:eSBvOSyx
(な、なんか知んないけど、どう見ても完全に酔っぱらっちゃってるぅぅ〜… 〔なんでいきなり…〕
 し、しかもコレ、いわゆる怒り上戸(じょうご)ってヤツですかぁぁぁ――)〈ガタガタ ブルブル〉

 秘められた箇所が、背後から霧咲のしなやかな指の侵入を受け… 熱い言葉をかけられて
身動きができなくなってしまったもみじは、その場で汗を飛び散らせて腰を震わせる。
「ぬぐぐぐうぅぅぅ――っ…  くふうぅぅぅぅぅぅ〜……」
 鍛えられたその足腰が、中腰の姿勢のままでギシギシと床を踏みしめ机に荷重をかけ、
突き出されたままで硬直した尻まわりの柔らかな丘を頂点として戦(おのの)きを、
ざわめきを伝えていく。
(雀の指のせいで… この客人の“肉饅頭”のとんでもない動きがさっきから止まってるネ!
 で、でも もしここでまたこの客人が持ち直して、朕が狙われたらと思うと……)
 絶え間なく襲い来た、もみじの乳肉での叩き落としの、寸止めの責めを思い出し桃食は
怖れ震えつくが、どうやらその心配は、もはや不要のものとなっていたようだ。
 つぷぅ… ちゅくっ くにゅぅぅ… っ   にゅっ りゅっ むりゅぅぅっ
 その部分の頂点に位置する、もっとも敏感なところから、下部に下り降りたあたりまでを
優しく、だが執拗な指の動きがせめぎいってゆき、もみじは睫(まつげ)を飛び散らせてうめく。
「くあああああぁぁぁ〜… っ!! そっそれっそれぇっ そんなふうにされたらぁっ……」
 すっかりと前の、桃食のことがお留守になってしまい、腰から尻にかけて総身を揺すりたて、
熱を帯びた汗を吹き出させて目を上向かせるもみじだったが、そんな様子を見た桃食の瞳に、
少しづつ心の余裕が戻っていく。
「お、お前、もみじとかいったネ… たしか今日は、朕に気持ちいいこと教える、言ってた
 気がするヨ。さっきからこっちが手つかずになって… それなら、朕のほうからこれを――」
↑4
320裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:32:03 ID:eSBvOSyx
 限界にまで高められた愉悦をさらに蕩ろけさせようと、目を鈍く潤わせた桃食は手を伸ばし、
もみじの双乳を左右から添えるように持ち、支える。
 汗まみれの下着の上から、当てた両手での圧迫が加えられていき… 深々とした
谷間の深淵に挟まったままの自らのものを欲情させるために細腰が、拙いリズムを
刻み始めようとする。
「ぐっう! うぅ〜っ…  こ、こっちまでっ… ムネまで変なふうに動かされてえぇ… っ
 さっきまでは なんでもなかった のに…  だんだん… おかしく  なっ て」
 言葉が、潰(つい)える。もっとも感じる箇所を後背位の態勢から、表面だけを柔らかく
あやし愛おしむかのような動きをする指が何度も何度も通り過ぎていき、紅(くれない)に
鼓撞(こどう)した吐息が吐き出される。と同時に胸までが、快美の波状膜に包まれ
性感帯と化してしまい、桃食の腰の細かに揺れる前後動とともに乳肉がうねり、
たわまされて媚香を発していく。
「おほぉ… おぉぉっ!  はぁぁっ はぁぁっ はぁぁぁ〜っ―― さっさっ 猿野ぉぉっ
 俺… 俺、本当はぁっ  おま えの… 事ぉっ……  ぐぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅ〜ッ」
 気づけばもみじの頬は涙に濡れ、伝い流れた想いの結晶がこぼれ落ちていた。
 固定された下半身と上半身を残し頭だけを、左右に揺すりたてて… 両腕を拡げて
机の双方の端を握り締め、身体をされるがままに投げ出しながらも言葉だけが、
隠された本心を露呈する悲痛な告白となって口をつき、出てくるのだった。
「――お前の目が… 最初から凪のほうばかり向いてた ことは… わかってる……
 でも俺は そんなお前を見ると ついジャマしたくなっちまって… それに…、
 それに凪のことだって…  だんだん、どこかうとましいとさえ、思うようになってた…」
↑5
321裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:32:49 ID:eSBvOSyx
 やっとのことで寸止め地獄から開放され、めくるめく頂点へと駆け昇ろうと自制が
効かなくなりはじめていた桃食だったが、その言葉を聞くと同時に動きが止まる。
「お前とのことを邪魔して、仲をどうにかしちまおうって思ってたんだ… でも凪は、
 俺に小言言われても、お前との仲を邪魔されても、嫌な顔ひとつせずに… っ
 俺にも優しくして  だんだん… 凪にそこまで思われてるお前のことを考えて…」
 その告白の内実、意味するところを、予(あらかじ)め予測してはいた霧咲でさえ、
いざもたらされたその本心からの、魂の声を前にして目を見開き、唇を震わせている。
「必死になって 凪に想いを向けていく… お前を見ていて、俺の中の何かが…
 変わってきた んだ…   俺、本当は お前のことが――」
 またも言葉が止まったところで、つい霧咲は口を開き、心の声に共鳴するかのような
呟(つぶや)きを挟んでしまう。
「其(その)、心情、憧憬… 即(すなわち)、恋慕」
 もうそこまでいけば、もみじは本心を最後まで言ってしまったも同然だった。
心の中の猿野から返されてきた応えを、その胸に刻み込んだもみじは、吐き出すものを
吐き出してしまった後の憑き物が落ちたかのような表情となって、告白を続ける。
「俺は… お前らを初めてみたときからずっと、 気づいてたんだ… 俺がお前を覗きのことで
 責めてたときに、お前をかばう凪を見て、お前と凪はもう、お互いに好きあってるんだって…
 それを、認めるしかないって思ってた…  心の中ではあきらめなきゃって、
 ずっと思ってて… でもあきらめきれなくて いまも… で、でも」
 しばしの間、その場を沈黙が支配する。するとやがて、もみじは肩を小刻みに揺すらせ……
↑6
322裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:33:26 ID:eSBvOSyx
「結局、俺は… 凪のことだけが好きなお前を、好きになったんだ… も、もう邪魔は しねぇ…
 迷ったりも、しねぇ から… 俺のこと  ゆるし て… 許して、くれ…… っ」
 涙ながらに背後の思い人に向けて、許しを求める言葉を傾ける。
 実にもみじが、心の底で猿野に対して求めていたものとは‘赦(ゆる)し’であった。
凪への想いを猿野が、もう後には引けないところにまで開化させていることを知ったもみじは、
ついそれを認めることを最後まで躊躇(ちゅうちょ)し、心の隅へと追いやって猿野への、
決して満たされることのない愁(うれ)い焦がれる訴えを別の形で表現しようと心を砕いていた。
 不器用に過ぎる、まるで自らが猿野と同じ男であるかのような身振り口振りでもって、
凪よりも幾分は身近な場所から、ある種の‘親しみ’を籠めて。
〈――いいぜ… ……〉
 そんなもみじの心に、背後に近接した者からの声が返され、こだまして響いていく。
それと同時に、もみじの身体を快美で包みこむ魔性の指の動きが、再び開始される。
「うっ ここでまた それ されたら…   も、もう俺っ い くっ  いくぅぅっ――
 くぅぅ〜っ むむぅうぅ〜… っ ううんっ  さ、さる のぉぉっ… おま え……」
「――唯々(いい) 是(ぜ)… ……」
 霧咲は、もみじに対する赦しの言葉をうわごとのように続けながら、熱に浮かされたように
もみじの首筋に顔をうずめ、額を、頬を、そして唇を沿わせて愛おしみ、慈しむ。
 ギシィィッ…  ギッシイィィィィ… ッ
 さらに強く床に、脚の力がかけられていき、脚筋の筋は浮きあがってひくひくと奮え
盛りあがり、最後の絶頂へ向けての痙攣をともなう、媚態を形作ろうとする。
「むぐぐぐうぅぅぅぅぅぅ〜っ!  ……ダ、ダメだ、 さる のぉっ  もうお前は、
 俺なんかに、構ってちゃ い、いけねぇん だ よぉぉ… っ」
 正体不明のある種、場慣れした動きとともに優しく、妖しげな指技を見せられて、
もみじは最後の理性を振り絞って首を振りたて、その指奉仕を止めるよう哀願する。
↑7
323裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:34:15 ID:eSBvOSyx
 が、その訴えが無駄だと知るや必死の表情で、今度は前の桃食に声をかけていく。
「ふっくぅぅ゛ぅ… う゛… うぅ… ッ  お、俺 は…… お前にそれ されて…
 感じてるんじゃ ね え…  と、兎丸ぅっ! 俺は、おまえのほう に…」
 せわしなく吐きだされる吐息とともに、遊び相手を誘うかのような目線が桃食の
瞳を射抜き、しばらく動きを止めていた桃食の動きにもまた、スイッチが入ってしまう。
「そ、そうヨ、 何も気にすることはないネ……  ここは夢の世界…、目が醒めたらまた、
 何事もなかったかのように元に戻るだけヨ。 も、もうちょっと、もうちょっとで――」
 思い出したかのように、もみじのずっしりと量感に溢れた左右の胸を寄せるように
持ちあげ、自身の勃ちあがったものをその谷間へとこすりつけていく。
「うっ… ち、朕ももう…… なんとも心地よい気分に なっ て…  くううぅぅぅ〜っ」
 すぐさま限界が訪れ、密閉されたムネの谷間の真空状態となった空間で、
快楽の飛沫が、ひとたまりもなく絞り取られてしまう。桃食の細腰がビクン、ビクン、と跳ね、
夢見心地の醒めやらぬそそり勃ったものが、乳肉に埋め込まれた中から谷間の上へと、
蕩ろけきった欲望の証を登らせ溢れかえらせていく。
「くおおぉぉぉぉ… おぉ …ぉぉぉっ――  イ、イクぅぅぅっ イクぅぅ――…… ッ
 むっ胸でっ 胸で… イッ て…… い ま……  んううぅっ  ふむうぅぅぅぅぅぅっ!」
 谷間からあふれ出てきたその、妖しげな香(かぐわ)しき欲望の魅惑にあてられ、
同時に絶頂を極めたもみじは、わずかに脚を曲げて硬直させ、床を踏みしめた姿勢のままで
髪を振り乱し… 熱に浮かされた表情のままで目を閉じてその場に、崩れ落ちていく。

 一瞬、もみじと目した明美を見て目元を、冷たく輝かせた楓はその場ですっくと立ちあがると、
部屋の奥へといったん引っ込み、カーテンの向こう側から薄桃色のタオルを持ってくる。
「もういちど言うけど、もみじチン。ボクの猿野くんをどこにやったか正直に言わないと、
 いくら君でも手加減はできないよぉ …で、声が出ちゃうといけないから、これをっと」
↑8
324裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:35:08 ID:eSBvOSyx
 一見静かで穏やかな口調とはうらはらに、恐ろしいまでの勢いでその淡いピンクのタオルが、
勢いをつけて明美の口の中に、丸めこまれて押し込まれる。
 ガボオォォォォォッ!
「《グォォオウゥゥゥゥゥッ!? んぐぐぐグゴゴゴ… ムグッ んぐうぅ〜――…》」
 楓がいつも愛用しているタオルは、今日は勝負で流した汗を拭きとったあとシャワーによって、
わずかに濡れた髪を拭いてその芳香を帯び、まといつかせていた。
 そんな薄桃色のタオルがいまは固く小さく丸められ、目を白黒させて動転する明美の口の中で
言葉を封じる轡(くつわ)として、非情にもねじりこまれ噛まされている。
 一瞬、そこから漂ってくるほのかな香りに気を陶然とさせ、うっとりとしかけた猿野だったが、
その夢見気分も次の瞬間には、絶無の恐怖にとってかわられる。
「君には遊神流とは違った、ボクの考えたオリジナルの関節技を受けてもらうよぉ…… 前々から
 思いついてたとっておきの技なんだけど、なかなか誰かにかける気にはなれなくってさぁ。
 これを喰らったらすぐにでも… 隠し事を洗いざらい白状したくなってくるから… ねっ!」
 楓は目を見開いて殺気を露わとし、人差し指を小さく舐めると、途端に明美に襲いかかった。
 ぎしぃぃぃぃっ… シュルルルルッ……  ガシイィィィィィィッ!!
 仰向け状態の猿野の右脚を軽く持ち上げ、楓は後ろを向いてその脚をまたぐ。そして巧みに
足首を手で固めながらも相手のその片脚に、楓の両脚が器用に巻き付き絡みついていく。すると…
楓は絡めた脚からわずかにこぼれはみ出た自身の裸足の右足をつま先立ちにして床に着け、
地に直立する。
「《うんぐぅぅッ!!  んんっ んんん゛〜―― んっ…  ふむ゛うぅ… う゛ むうううぅっ?》」
 少女の両腿の色白の、適度に肉ののったなんともいえない感触が、暖かな地肌の接触を通じて
ダイレクトに感じられたが、やはり鼻の下を伸ばしたままではいられない。
 足首に力をかけられるなどの攻撃はされていないものの、床に背をつけた態勢で右脚だけを
垂直に立て、左は曲げ伸ばしたままという今の状態からは、何やら不穏な気配がありありと感じられる。
↑9
325裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:35:46 ID:eSBvOSyx
「遊神流は実戦拳法だから、相手を効率よく倒すための技ばかりなんだけど… ボクのこの技は
 ちょっと違っててさぁ。 ボクと同じ女の子の敵を苦しめたり、口を割らせたりするとき用の、
 専用の技なんだよね… どうして女の子専用なのかって? それはね …こういうことだよ」
 背を向けて発された、冷徹にして酷薄な口調とともに、その楓のつま先立ちの脚が軽く床を蹴る。
すると突然、後ろ姿が明美の方へと向かって近づき、自らの脚の強烈な圧迫感とともに迫ってくる。
 ググググググググッ…  ドスウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
「《ぐおごぼおおおおぉぉぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛〜――…!!》」
 次の瞬間明美の脚は、楓の全身の体重を絡みつけられたままで明美本人のほうへと引き倒され、
わずかに腰を持ち上げ浮かせた態勢で明美は、強制的な変則開脚の姿勢をとらされてしまう。
「どうかなぁ もみじチン。 とぉっても、苦しいよねぇ この体勢ってさぁ…」  ギリギリギリギリ…
 猿野のもう片方の左脚は、極端な「く」の字に折りたたまれた状態となりその足先は天に向けて、
力無くピクピクと震えながらも足の筋を引きつらせ、固定される形となっている。
 もしタオルが口に噛まされていなくとも、この姿勢では大きな叫び声をあげることなどとうてい
できそうにない。くぐもったうめき声とともに苦悶の形相を浮かべ、気持ちいいのか苦しいのか
訳の分からないような目をして悶絶する明美の、すぐ隣にまで来た楓の顔が追い打ちをかけてくる。
「ねぇもみじチン。たとえ誰も、ここを見ていないにしてもだよ。 女の子がこぉんな恥ずかしい、
 スカートの中を丸出しにした格好で床に固められちゃったら、相当に屈辱的だよねぇ?」
 確かにそのとき、明美は超ミニのチャイナドレスのミニスカートを持ち上げて脚を広げきるという、
宴会芸の罰ゲームかなにかかというような情けない格好にされてはいたが……
「技をかけてるボクからは、スカートの中なんて見えやしないんだけど… でもこんな体勢のまま
 じわじわと攻められたら、さすがのもみじチンでも音をあげちゃうよねぇ。この技は名付けて、
 『垂直開脚くの字固め』っていうんだよぉ♥ でもまさか、実際に使うときがくるなんて」
↑10
326裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:36:41 ID:eSBvOSyx
 猿野は男であったため、それほどの精神的ダメージを受けるところまではいっていなかった。
 だがこの技を、もみじのようなれっきとした女子がショートパンツ着用時にでも受けたとすれば、
確かにそれによって受ける羞恥による屈辱感は計り知れないかと思われた。
 しかも凪のような、格闘の‘か’の字も知らない大人しく可憐なただの女の子が制服の、
セーラー服姿でこの技を受けて、脚筋を限界にまで引き伸ばされて苦しめられたとしたならば……
 猿野との関係を問いつめられ、我を忘れた楓に技をかけられて涙ながらに泣き叫ぶ凪の姿が
一瞬頭をよぎり、明美は悪寒めいた恐れとともに背筋を凍えつかせ、なんとしても凪のことだけは
楓に知られてはならないと思いを新たにする。
 そうこうするうちに楓は、いつも通りにまとめた髪から伸びる二本のテールを床の上へと、
まるで悪魔の双頭の角にように真上へと垂らした状態のままで微動だにせず、淡々と言う。
「こうなった以上君とボクは、恋のライバルってわけだね。でもどうあっても、君には今日限りで
 猿野くんのこと、きっぱりとあきらめてもらうんだから… あ、念のために言っとくけど、
 この技から逃げようとしてもムダだからね」
 無意識に上体を揺すりたて、圧迫を受けた腰の屈曲の角度をずらそうとしていた猿野の頭を、
右横から伸びてきた楓の左手がガシリとつかみ、巧みなロックをかけられてしまう。
「もみじチン、君も彼みたいなタイプが好きだったんだぁ。幼稚園のときから空手ではライバル関係
 だったけど、今度は猿野くんを巡って君と戦うことになるだなんて、運命って皮肉なものだよね…」
 横並びに並んだ楓の口から、生涯の好敵手として理想化したもみじに対する感慨に満ちた、
決してこの勝負に負けはしないという決意の言葉がかけられる。
 思えば楓は心のどこかでもみじと、何らかの理由で正面だった対立関係となり徹底した、
完全なる決着をつけてしまいたいと考えていたのかも知れない。
「そういえばもみじチン、女子更衣室を覗いてた猿野くんを捕まえていびったりしてたそうだねぇ。
 それじゃたまには、こうやって苦しめられる立場にまわってみるのもいいかも知れないよぉ?」
↑11
327裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:37:22 ID:eSBvOSyx
 なおもギリギリと、ロックされた頭と固められた右脚が近づけられていき、軋轢が強められる。
「《んごぐぅごごごっご… ぐむぅごごぉぉぉ… っ  んん゛〜っ… むむ゛む゛ん〜ッ!!》」
 ピンクのタオルを噛みしだき、いよいよ冗談では済まなくなってきた苦しみに猿野は呻く。
「じゃあもみじチン、早いトコ猿野くんを、いったいドコに隠したのか正直に答えてもらおうかなぁ」
 じりじりと明美のほうへと顔を回してよせていき、得意げにそう語りかけた楓だったが…
 そのときには明美の頭は、技を強められた衝撃でカツラがズレて脱げ落ち、元の猿野の頭へと
戻ってしまっていたのだった。
「えっ あれ? 猿野くん… いつの間にか、もみじチンと入れ替わっちゃったの? ヘンだなぁ」
 大して驚く素振りも見せずに楓は、相手がもみじではなく猿野だと認識するや技を解き、
右脚に絡みつけていた自らの両脚をほどいてその場に立ちあがる。普通であれば、相手を間違えて
拷問目的の関節技などをかけてしまった場合、驚いて自身の過ちを詫びるのが常識的な態度だが…
(うぐうっ!!……  な、なんだ… 楓ちゃ…… いきなり、 技を 解いて… やっとオレが、
 もみじ様じゃねぇって気づ… いたのか!?  にしても… やけに落ちついて… ハァッハァッ…)
 苦悶から開放され息をつく猿野に対して楓は、なぜか嬉しそうに、だがどこか不審な態度で続ける。
「そっかぁ、またボクに会いたくなって、戻ってきてくれたんだぁ♥ でもさんざんボクが
 頑張って一生懸命、君にお付き合いをお願いしてるっていうのに、君ときたら……」
 ここからも楓の、理性を喪失し危険な欲望に我を惑わせた異常事態を垣間見ることができた。
「こうなったら、このまま徹底的にイジめて最後まで通しちゃって… ボクに二度と逆らえないように
 しちゃったほうがいいよね。  ウフフ… フフフフフフ――」
(ひいいぃぃぃぃぃィィィィ〜ー!!  途中で間違いに気づいてもそのまま最後まで通すって…
 頭のネジが、 完璧に飛んじゃってるぅぅ〜!!  しししかも… イジめるっていったい何を…)
↑12
328裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:41:17 ID:eSBvOSyx
「これから君を無理矢理にひん剥いて…、 イジめて、泣かせて、悶えさせて… なんでも
 言うこと聞くからやめてくださいって言うまでいぶり倒してあげちゃうんだからぁ♥(ニヤリ)」
 今度もまた、冗談めかした口調とはうらはらに、楓の目はまるで笑っていない。
(こ、こんどはいわゆる、イジめ上戸にヘンシンって感じですかぁ〜!!?  こ、このままじゃ殺される…
 神様仏様蛇神様… 日頃のボクの行いに免じてたしけてくだちゃい、 一生のお願い…)
 白目を剥いて涙をにじませ、助けてくれるはずもない誰かに対して御利益の伺いをたてる
猿野だったが、その間にも楓の身体は猿野に近づき、ゆっくりと腰に両の細腕がかけられていた。
「ふぅぅ〜… ふぅぅう〜っ… さぁてっと、ひとまずココをめくりあげて、中のモノを晒しちゃおっか」
 先ほどと同じ態勢となり、かぶりを振る猿野だったが、今度は楓の手は途中で止まらなかった。
呼吸を荒げた興奮のたかぶりとともに、不意に息を止めたかと思うと… 一気にその手は
チャイナドレスのミニスカートの裾をまくりあげる。
 ズルリと勢いよく裾が引きあげられ、その中身が楓の目に開け放たれた。
(み、見られちゃった…………。  ガクッ 〔猿野、一瞬エクトプラズム放出〕)
 猿野はスカートの中には、水泳の時に水着の下に着用するような黒く薄い、サポーターの
ようなものを身につけていた。
「《うっ!? す、すご……》」
 すでに丸薬によって理性を失い、酩酊状態となっていた楓だったが、そのサポーターを
上向きに持ちあげていた中身の逸物を見た瞬間、呼吸を止めたままで目を見開き驚いてしまう。
「《そ、想像してたのより、男の子のここってものすごく大きいんだ… 猿野くんのサイズが特別な
 だけかも知れないけど…》」
 しかもそのサイズのものが、反り返るほどの角度でそそり立ちサポーターに押さえられ、
腹の上を走りへその近くにまで伸びてしまっていることを知る。
↑13
329裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/05/29(月) 21:46:04 ID:eSBvOSyx
「《でもなんで… それがこんなに固く勃起しちゃってるの…? もしかして、技をかけられて
 苦しめられたときの苦痛よりも、ボクに脚を絡められた気持ちよさのほうが強かったとか…
 それともまさか、彼ってば案外、イジめられると余計に興奮しちゃうタイプだとか……》」
 ともかくも、この状況で猿野が感じてしまっていることを知った楓は目を細め、止めた息を
限界にまで吐き出していきながらも一気に、男の部分の素直な匂いを生まれて始めて直接に
間近で吸い込もうと、鼻先をそこに近づける。
(そっ、そんなとこのニオイ… そんなに思い切り吸い込んだら…… 〔ガクガク〕)
 そして、楓の鼻腔は全身を震わせるほどの勢いで、息を吸い込んで匂いを嗅ぐ。
 死力を尽くして楓と戦った猿野の、男の汗と勃ちあがったモノのあまりにも正直な匂いが
楓の鼻を通り抜けていき…… さすがの楓も意識をうつろわせ、目をしばらくの間上向かせ、
頭を左右に揺らめかせて薄笑いのような表情を浮かべ、気絶寸前の境をさすらう。
「あ… くぁ… はああぁ〜♥    あ゛…  んふふぅぅぅぅぅぅうう〜…」
 その‘匂い’にあてられ、鼻腔をマーキングされて悩乱してしまった楓は、なおも虚ろな
目つきで上半身をくらくらとフラつかせながらも、やっとのことで口を開く。
「た、たまらない匂い……  やっぱり、ホンモノは スゴいよぉ… やみつきなるぅぅ〜
 もっと… もっとこの匂いを 深いところで嗅いでみたくなってきちゃった…♥」
 もはや重度の“匂いフェチ”と化した楓の魔の手が、目の前のサポーターをも脱がせて
最奥を露出させ、「イジめて、泣かせて、悶えさせる」との宣告を忠実に履行して猿野の、
隠されたMの本性を暴き出して従順なペットにまで躾けてしまおうとの意図を示していく。
  続く
330名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 00:14:24 ID:PQD0mzlN
楓はSか。オメガオソロシス。
裏天国氏GJ.
331名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 01:37:32 ID:TrB+ZbLU
裏天国氏乙
何気に複雑になっている人間関係に萌え

でも猿野のMはあまり隠されてないと思うw(本編でも)
332裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/08(木) 16:11:52 ID:cBPxg+HQ
>>331
たしかに…
まあ、
>隠されたMの本性を暴き出して
の描写が本編と不整合が起きないように調整します。
333名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 21:15:21 ID:hALvkvJ6
職人さん待ち捕手
334名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 11:03:33 ID:zxM/RfwB
喪主
335裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/23(金) 18:49:12 ID:wPqlvnYt
もうしばしお待ちを・・・
336裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 17:57:00 ID:6r8fBcsh
あまり進んでませんが、できてるとこまで投下。
337裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 17:57:34 ID:6r8fBcsh
179.91発目   七色上戸(なないろじょうご)
「た、たまらない匂い……  やっぱり、ホンモノは スゴいよぉ… やみつきになるぅぅ〜
 もっと… もっとこの匂いを 深いところで嗅いでみたくなってきちゃった…♥」
 もはや重度の“匂いフェチ”と化した楓の魔の手が、目の前のサポーターをも脱がせて
最奥を露出させ、「イジめて、泣かせて、悶えさせる」との宣告を忠実に履行して猿野の、
隠されたMの本性を暴き出して従順なペットにまで躾けてしまおうとの意図を示していく。
「これからじ〜っくりと、キミがもともと持ってるMの本性を徹底的に開発して、引きずり
 伸ばしていって、ホンモノのM性感で悶え狂うほどにまでして最後には、フフッ。
 ボクのいいなりの愛玩ペット君に躾けて… アゲチャウ♥」
 それは普段に猿野がときおり見せる、お遊びのようなMの気質など問題とはならない
ほどの、性的な快美を強制的に与え弄び苛むという、問答無用の淫獄責めへと
誘い落としこもうという意図だった。
 握り拳をかざしてそう宣言した楓は、今日この日の朝に見た挑発的な口ぶりに…
そのほか大勢の男に喋っていたときとまるで同じ敵愾心に溢れた口調を甦らせて続ける。
「よぉく考えたら、生意気なキミだけさっさと殺っつけちゃえば、そのあとに残ったキミを安心して
 可愛がってあげられるんだよね。何度も何度も泣き叫ばせて、M男クンとしてカタにハメて、
 ボク以外の女の子では満足できないような‘素直なオトコの子’に仕込んであげるよ」
 そう言いつつも楓の腕は、猿野の黒く薄い履き物のフチにかかり、ゆっくりとずり降ろし
の動作を開始させつつあった。
 ぶるん……
 その下からは長大な、半ば最硬度へと固まりかけたモノが勢いよく飛び出してくる。
「んふふふぅ〜♥  ほぉ〜ら、これでキミの下半身は生まれたまんまの…
 文句ナシのすっぽんぽんになっちゃったんだよぉ〜♪」
↑1
338裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 17:59:05 ID:6r8fBcsh
 通常の状態のそれではなく、何らかの性的な刺激を受けて はちきれそうになったものを
間近で、同学年の女の子に生まれて始めてまじまじと見られるという、超絶の経験を経た
猿野の、心の底でくすぶりはじめていた恥辱を煽りたてるかのような言葉がまずは、
軽く繰り出されていく。
 そうやって辱めながらも、楓は猿野の黒い下着を引き降ろしてなしくずしに脱がせ、
再び‘極部’へと鼻先を近づける。
「くぅぅ〜… っ  もうダメ、ダメなんだからぁ♥  普通の女の子にとってこんな、
 一生モノのトラウマになりそうなもの見せられてぇっ、あげくのはてにこれ、なんだか
 ますます大きく膨らんで硬くなっていってるみたい… 見られて、興奮してるんだねっ…」
 自分でやっていることを、まるで猿野のせいだと言わんばかりの無茶な虚言をほしいままに
しつつも、またしても見開き澱んだ瞳で深呼吸を繰り返し、鼻腔に匂いを蓄積しようとする。
「すうぅ――っ! ふうぅぅ〜っ…  すううぅ―― っ!  んっ うっ …くっはあぁぁ〜っ!
 こんな強烈なニオいさせてぇぇっ さっきよりもっとキツくなってて… ふうぅっ ふうう――っ」
 普通の女子高生ならば確実に卒倒しているほどの状況で、逆にうっとりとした目つきと表情で
その匂いに、欲情するほどのやるせなさを覚えた楓は、倒惑の笑みでそこを指さして言う。
「本当なら… ヒモでも使ってここを絞りあげちゃえば一発で泡吹いてノックダウンだけど、
 キミをカンペキにボクに従わせるにはイジめるだけじゃなくて… 適度にキモチよくして
 あげなくちゃ、なんだよね…」
 鋭く酷薄な意思を伝えながらも、奇妙に情熱を帯びた目をした楓はまず、瞳を潤ませて
目を閉じたかと思うと、小さく唇を突き出しておもむろに目の前のモノへと顔を近づけていく。
「《…!? ふぐっ んんうむうぅ〜っ!!?  んんっ んんんん――ッ!》」
↑2
339裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 18:00:01 ID:6r8fBcsh
 その仕種の意味を察し、首を左右に振って身悶えしようした猿野だったがその甲斐もなく、
楓の唇は隆々と勃ちあがったものの先、亀頭部分へと熱い口づけを重ねていた。
「ん… ――ちゅ♥  フフ、んふふふッ  ファーストキスがオチンチンだなんて…
 ボクにこんなコトさせて、ゼッタイにただじゃおかないんだからっ 覚悟してもらうよぉ」
 どうやら楓は、「ここまでのことをしたのだから、その代わりとして恐ろしく悲惨で屈辱的な
目に遭わされても文句は言えない」という一種のメッセージとしてこの行為に及んだと、およそ
そのようなつもりのようだった。ということは、さきの恐ろしい関節責めをも超える恐怖の責めが、
この先に待ちかまえているということなのか――
 本来ならば急所へのキスを受けた瞬間、頭が弾けてスパークしてしまうはずの猿野だったが
今度ばかりは、轡によって酸欠気味だったこともあり朦朧状態で思いに耽っている。
(さ、さっきからもう、なにがなんだかワケが…… もういっそ殺して… ってまさかこれから、
 死ぬよりもヒドい目に遭わされちゃうなんてことは… まさしく実験台の木偶人形のキモチ…)
 勝手に奪わせてきた倒錯的なファースト・キスの仕返しに、いったいどんな仕打ちをされるか
気が気でならない猿野をよそに、楓は目を爛々と輝かせ、両腕の指をポキポキと鳴らしながら、
唇から舌を覗かせてこちらを見下ろしている。
 舌が唇を小さくなめずり、ゆらゆらとゆらめく楓の10本の手の指が、最高度寸前のところで
熱を帯びながらもだらりと鎌首を垂れてもたげたものへと伸び、手指をまとわりつかせる。
「ふふ、フフフフッ 挨拶代わりのキスでカチンカチンに固まっちゃったこれを、まずは
 手でコイて… どうしようもなくキモチよくなるまで、しごき倒してあげるよぉ♥」
 そう言うと同時に、目を見開きこちらを見たままの楓の瞳が硬化し、ほんのわずかな笑みを
唇に浮かべただけの、表情ひとつ変えないままの右手での手しごきがはじまる。
↑3
340裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 18:01:03 ID:6r8fBcsh
 シュッ… シュッ…  シュッシュッ シュッシュッシュッ シュ シュ シュ シュ……
「《むぅンッ… うむっむうぅっ ふんむむぅぅぅんッ》」
 最初は優しく、だが徐々に速く激しく上下動が加速していく。かつてない膨らみを
見せはじめたとば口から漏れ出てくる暖かな涙液にその手が触れ、流れ出た汗と
混じり合い、みる間に肉棒全体にゆき渡った粘性の滑りが快楽を泡だてていく。
 ズシュッ ズシュッ ズシュシュシュッ ヌジュッ ジュッ ジュッ ジュリュリュリュリュ…
「《む〜――っ…  ぬうぅっ くうぅぅぅっ  ンンンッ ンンッン゛ン゛ン゛ン゛ン〜……》」
 その間にも左手は甲斐甲斐しく、ふしくれ勃ったモノの根元に添えられ充てられており、
やわやわと周りを揉みほぐしては弛緩のひとときへと導こうとしてくる。
 いつしか猿野はすべてが未知なる、同年代の女の子からの鋭利な目線で射抜かれての
ノンストップ手コキ攻撃という強烈な体験、その腰が抜けてしまうほどの感覚に我を忘れ、
腰を前後に小刻みにビクビクと揺すらせて律動を刻んでしまう。
 しかし、その震律がだんだんと大きくなり終着へと達しようとした瞬間に楓の、
こちらをじっと見つめ瞳を合わせていた生硬の表情の眼光がひときわ輝き、
悪魔を思わせる冷笑とともに寸分違わず、男の快美の臨界を見極め寸止めをくれる。
「《ンン゛っ……!!?  うっ、 むうんっ…  うぅぅっ くぅっ ふむぅ゛〜――…》」
 あまりにも非情なそのタイミングに、身体は意識を離れて痙攣を伝え暴れ出そうとする。
「ンフフフフッ… せっかく女の子に手でイカせてもらえるトコだったのに、ギリギリで
 止められちゃうと、とぉ〜っても苦しいよねぇ? でも暴れていやいやしたってダメだよぉ」
 臨界の衝動の根元に添えられていた左手が下腹部を押さえつけ、その間にも右手は…
楓自身の頭から伸びた、くくり留められた二本の髪の尾のひとつをつまみ、伸ばしていく。
 しゅるるるるる……
↑4
341裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 18:02:18 ID:6r8fBcsh
 心底楽しげな楓の笑みが、暴発寸前のものに巻きつけた髪の尾を撫でて、左右に軽く
ねじりたてる。
「《ンッ…!!!  むぐううううううぅぅぅぅぅぅ―― っ!!》」  ギュシイイィィィィッ
「ほぉ〜ら、 ボクがその気になれば、ちょっと絡めたこの髪を両手でくくりつけて思い切り
 引っぱるだけで… キミはホンモノのオカマさんになっちゃうんだよぉ♪ うふ フフフ…」
 ただそれだけで、快悦にかすかに濡れ光る切っ先は髪によってこすりたてられ、
締めあげられて悲痛な鳴動を知らせる。が、本気になって力は加えずに適度な加減をして
すぼきたてられだした淡い栗色の髪の、芳香を漂わせたほのかな刺激は肉の棒に
新たなる快楽をもたらすのだった。
 相手に自分の決定的な弱点を握られつつ、性的な籠絡の弄玩(ろうがん)を受けて弄ばれ
追い詰められることに対してはじめて… えもいわれぬほどの衝動を生み出させて
受容器の持ち主に、一度恐怖によって冷まされた欲求が再び湧きあがってくる。
「フフフ… 出したい? もう出しちゃいたい? 男の子が限界までキモチよくなると、
 オチンチンのさきからびゅるびゅるって、出てくるっていう… 白くて濃いモノを出したいのぉ?」
 謎の丸薬によって酔いつぶれる前まではあれほど、男の着た上の服を脱がせることさえ
恥ずかしがっていた楓が、ごく素朴な素性の16歳の女子高校生とは思えない口振りで問う。
「それってきっと、とぉっ〜てもスゴくて、ヒドい匂いがするんだろーなぁ♪ どうなのキミ、
 そ う な ん だ よ ね ぇ ? 」
 言葉の妖しさとはうらはらに、サディスティックに眉根を引き絞り、強制的に同意を求めてくる
楓の迫力に、轡を噛まされ涙目となった猿野は促されるままに首をカクカクと縦に振る。
「なぁ〜んだキミ。いままであんなに首を横に振ってボクの言うことに逆らってばかりいたのに、
 ちょっとイジめてあげたらもう素直になっちゃって… もっとはやくこうしとけばよかった♥」
↑5
342裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/06/25(日) 18:04:13 ID:6r8fBcsh
次のところで詰まってまして、なんとか続きを絞って書きます。
343名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 21:43:31 ID:9EpszfFk
>>342
乙。
自分だったら、猿野にも反撃させて、
野猿VS雌豹の快楽を貪るような激しいのにもって行こうとか考える、と言ってみる。
(猿野Mの縛りが崩れるが。)
344名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 05:09:13 ID:k4u4voWo
信也先生は、ミスフルが腐女子ファンによって支えられていることを完全に自認し、
開き直ったといえる
確かにミスフルは他校ファンの方が多いし、同人誌でしか見られなかったであろう、
各校美形を集めしかも一つ部屋で寝泊り合宿展開の方が、普通に華武VS十二支
やるよりもファンは悦ぶ。(腐女子ファンはね)
しかも、この方が、他校と十二支のカップルを作りやすいし、実際、黒撰とセブン、
十二支が入り乱れて会話しているシーンは、今まで同人誌でしかありえなかった一コマだ
「各校美形が集まって合宿」なんてこういう同人誌あるよ、絶対に
各校の人選もファンのことをよく考えた(人気アンケートを参照したんだろう)
人選だし、「一部入れ替え可能」だから、今回漏れたキャラでも最終的には合流する可能性も高い
(ただし美形限定だ、帥仙と墨以外の華武の二軍は無理だ)
この選抜チームは実力よりも人気、ルックス(具体的には同人(エロ)遊びしやすいかどうか)
で選ばれたチームだな
信也先生は、同人遊びしやすい状況を作者自ら提供してくださった
この選抜展開、ありがたく遊ばせていただきます!
(この状況を使って小説書くかも。妄想がとめどなく湧く。)
いろんな他校×十二支CPがこの合宿で絡むこともあるだろうし、
マイナー派にとってはビッグチャンスだ。
(メジャー派の方にもビッグチャンスなのはもちろんだ。受けキャラと攻めキャラに
他校の恋敵がひとつ屋根の下でお泊りなんだから。いろんなCPの恋模様が飛びかうだろう)
おそらく今後のイベントやコミケでは、この合同合宿ネタを使った御本が増えると
思われるが大歓迎だ
信也先生の清々しいまでの開き直った腐女子煽り、むしろ臨むところだ
345名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 11:22:50 ID:bAEJXVUn
ほしゅ
346名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:25:15 ID:seV/VL8w
>>344
オッサン何言いたいの?
347名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 14:11:20 ID:WMKnprfv
とりあえず沢梅が読みたい
348名無しさん@ピンキー:2006/07/16(日) 14:26:32 ID:zvtF7whO
hosyu
349名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 17:00:09 ID:92X3Y8dO
hosyu
350名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 16:14:29 ID:l8Nw8JyI
ほしゅ
351名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 16:40:58 ID:Fp3ikAfR
保管庫無いの?
352裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/07/26(水) 20:19:37 ID:VlM6qxjR
今月はあまり書けなかった…
でもぼちぼち書いてますんで、すんません
353名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:07:49 ID:PDVXdzfu
気長に待ってるから
焦らず書いてくれ。
354名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 10:47:12 ID:eJ6mvFxm
乙。
楽しみにしてるよ。
355名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:53:02 ID:Kvwuufv9
hosu
356名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 23:08:27 ID:WcNsmJO6
>>352
楽しみにしてます

ところでここは♂×♂禁止なんだけど♂×♂ネタのスレはないの?
801板行ってもミスフルスレなかったし
357名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 18:49:06 ID:q5Gi9/Ny
801板にミスフルスレあったんだけど、今は落ちてるみたい
つい最近VIPが801板に突撃掛けた→
糞スレ乱立→圧縮→スレ落ち
こんな感じ
事情が事情なんで復活要望があった既存スレは復活させてくれるみたいだけど
復活要望出てないのかな?
358名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 21:48:16 ID:iWXn8DNa
>>357
そうだったんですか…
まだ立ってないみたいですね
♂×♂の方がミスフルは人気あるのかと思ったらそうでもないのかな
359名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 12:58:11 ID:mvnIoqyV
いや、男同士の方が人気だと思うよ。
立てないのは住人がものぐさだからか?w
360名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 19:54:32 ID:3gZ2qJHb
書き手がいないからでは?
361名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 21:31:00 ID:/Xr7jM2g
人気あっても書き手がいないのか、それじゃ仕方ないな…

>>351
保管庫いいね
最近このスレに来たから昔の話も読みたい
362名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 14:58:41 ID:onPl01gb
前にのぞいたけど、801板はSS投下なしだよ。
SS見たいんなら同人サイト回ったほうが早いと思う。
363裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:29:17 ID:UAQR1Eof
できてるところまで投下します。
364裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:31:13 ID:UAQR1Eof
↑5
 すると楓は、そこに巻きつけ絡めていた髪をほどいてその場で、すっくと立ちあがる。

 その頃、セブンブリッジ学院構内の奥まった部屋で凪は、暗く澱み潤みついた瞳を
切り結びながらも… ひとつにまとめていた髪を弾け散らせ、驚きの表情となる紅印を見る。
「あ、あたしが… お兄ちゃんに求めてるもの は…… こんな ことじゃ なくて……
 もっと べつの、ことなの… そ、それは――」
 心の抑圧をはねのけ、欲望を解き放つというこの特殊な状況下で、凪が顕(あら)わした
確たる意思の表現は… 彼女がずっと以前から内面の世界で、兄への屈折した想いとは
別の、もうひとつの観念を持ち続けていたことを示していた。
「ゆ ゆるして ほしいの…… もうしばらく、ここで お兄ちゃんと一緒に過ごしていたい…
 あたしが中学まで、ずっとソフトボールやってて ふと気づいたらお兄ちゃんは野球に、
 夢中になってた… お友達との約束で、全寮制の男子校に入学してからは、ずっと――」
 紅印の目が曇りを帯びる。少年時代の夢を追い新設校の野球部を目指して受験しようと
仲間に呼びかけたのは、他ならぬ剣菱だった。そして、あえて彼がそうした理由を紅印は
知っている。
 全寮制の男子校に進学すれば、凪は自分とは確実に離ればなれになる。凪にだけは
決して知られたくない秘密も、そこならば守り通すことが可能だろう…… 新規に赴任してくる
監督を生徒達が指定し易かったというような理由以前に、この学校を進学先とした剣菱の意図は
痛いほどに理解できた。
「病気が治ったら、ずっと一緒にいようね、って約束してたけど… でもお兄ちゃんは
 病気が治ってすぐに、野球に熱心に打ち込み始めて、話をする機会はこれまでよりも減って……
 お兄ちゃんと約束してた、一緒の時間を過ごせなかったことが、心残りだった――」
↑6
365裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:32:39 ID:UAQR1Eof
 静寂が時を支配し、呼吸さえもが止まる。そしてそのまま凪はつづける。
「だからもうすこしお兄ちゃんと、いろんなことしたり、いろんなところに行ったりしてみたかった。
 だんだんと少しづつ、このままお兄ちゃんがあたしとは違う世界に、行ってしまうような気がして…
 あたしとお兄ちゃんは違う人間なのに、でもどうしても割り切ることができなくて それで いま…」
 今日を最後として、あきらめをつけるから許して欲しい… そのように凪が考えているように、
紅印には看て取れた。
(このままどこかに、だなんて それは余計な心配というものよ凪ちゃん。剣ちゃんには今年が最後、
 この長い夏が終わったら、もうスポーツなんてできなくなっちゃうんだから…)
 情熱を帯びた指が、さらなる触媒を求めて秘蜜に忍びよる。
(アタシが剣ちゃんを導いて、甲子園の夢をアナタにプレゼントしてあげるわ。そしてもうひとつ、
 お兄ちゃんとの熱い夜を、いまここで与えてあげるんだから… いいかげん素直に心を開いて、
 アタシに何もかも任せてしまえばいいのに  フフッ)
 閉じ合わされた腿の間をなぞりたて、いよいよ指の動きは佳境を示すわななきを見せる。
「くうっ、 そ、それで いま……  あたし、お兄ちゃんに 言わないといけないの…。
 お兄ちゃんと一緒には、甲子園に行くことができないって…」
 くぐもったその言葉を聞いて、紅印の指が静止する。
「ゆ、許して… 許してお兄ちゃん――  あたしはもう、十二支の人間だから… もし
 お兄ちゃん達が勝ったとしても、だからってあたしだけでお兄ちゃん達と一緒には… 一緒には…」
(そんな… たとえ剣ちゃんが勝って甲子園行きを決めたとしても、この子は最後まで
 負けた側について悲しみと共に、残りの夏を過ごすつもりだなんて……  剣ちゃんは
 あなたのためにここまで戦ってきたっていうのに でも…)
↑7
366裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:33:57 ID:UAQR1Eof
 しかし紅印には、なぜこの凪に剣菱がここまでして尽くしてやりたくなるのかが
分かったような気がする。
 秘密を妹に隠し通すためにあえて別の道、進学先を選び甲子園を目指した剣菱は、
そうしたがために甲子園の夢を、妹と共有することができなくなってしまった――
にも関わらず、剣菱は凪のためにその道を選び仲間を導いたことに後悔をするとは
思えなかった。この兄妹の絆とは、そういうものだと確信できる。
(でも剣ちゃんは、それでもあなたたちの高校を倒して甲子園への道を手にするわ。
 そしてアタシも…)
 そして、そうと分かればなおのこと、欲しいままに想い人の愛を受け続ける目の前の恋敵を
自分の手で、どうにかしてしまいたいと思う自分の心を、紅印は偽ることができない。
(かわいそうな子… せめて夢の中で、お兄ちゃんと結ばれるがいいわ… フフ、フ――)
 再び、その指が魔性の動きを取り戻す。
「《う… むうぅぅっ  そんな、 お に いちゃん――っ……》」
 膝をとじあわせ、兄にすがろうとするかのように固く震える凪の心を紅印は、何が何でも
籠絡し陥(おとしい)れてしまおうと焦(あせ)る。
(そうよ、このまま堕ちてしまいなさい… ここまでくればもう、あとはアタシの方の問題
 だわ…… あなたの心が、欲しくてたまらない、そう思ってしまったアタシのね)
 夏の夜の夢に浮かされた瞳が危険な輝きをはらみつつも、目の前の獲物を狙い
指の動きを加速させていく。
「《くうぅぅっ だ、だめ だめぇぇぇっ!    …んんっ、くううぅぅぅ―― っ!!……》」
 だが凪は、そのまま膝の力を緩めることもなく意識をうつろわせ、全身をびくんびくんと
痙攣させて絶頂をきわめたかと思うとそのまま、くずおれて深い眠りについてしまう。
 完全に事切れて喪心(そうしん)した凪の様子を見て、紅印は自らの凪の心に対する
見立てが誤りであったと認めざるを得なくなり――
↑8
367裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:35:55 ID:UAQR1Eof
 そしてしばらくの後、自らの胸の中でうなだれて寝息をたてはじめた凪を見てひとこと、
紅印は自嘲する。
「……どうやら、フられちゃったみたいね… やっぱりアタシじゃ、お兄ちゃんの代わりは
 ムリだったみたい。それとももうこの子は、言いたいことを言って満足しちゃったのかしら…」

 楓は立ちあがると腰に手を当て、かすかに潤ませた目線でこちらをじっと見つめてくる。
 よくよく見れば、朝に男子生徒達を蹴散らしていたときと同じ衣装と目つきをした楓は、
左腰に片手をあてて右脚に重心を置きこちらを見下ろしてくる表情から いずこともなく、
攻撃的な挑発の視線に隠れた性的な、男への関心を示す淫蕩の色合いを漂わせていた。
 裾を短くカットされた変則的なセーラー服の、上着の下からわずかに覗くサラシのような
白を帯びた布巻きは楓の上半身をタイトに絞り… 深く入ったスリットを持つ制服の
長いスカートから伸びた、細く引き絞られ鍛えあげられた腿と足首のラインを強調している。
「オトコの子を思うままにいじって遊ぶのって、ほんとに気持ちいいよ、中でもキミは フフ…。
 じゃあそろそろ最初の一番絞りを、派手に噴き出させてあげちゃおうかなぁ」
 純粋無垢な格闘少女としての顔と、男を小馬鹿にしたようにからかい毒づく顔という、
天使と悪魔の表情を共存させた楓の瞳には常に、奇妙に男を惹きつけ虜にさせるなにかが
その内に隠れていた。
 そしてそのなにかは、いまこうして催眠状態となり猿野を陥れることではっきりと浮かび上がり、
淫猥にして加虐を旨とした手管を男に与え悦びにうち震えるという好色の相を示していく。
 すぅ……
 楓の上体がゆっくりと位置を下げていき、両手が床へとついて全身を浮かせて支える。
 続いて器用にも、楓の両の美脚がゆっくりと、続けざまに割り広げられて左右に開ききる。
「《ん、 ん゛ん゛ん゛ん〜っ……!!?》(なっ なにを するつもりなのか、さっぱりわからな――)」
↑9
368裏天国劇場その4 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:40:16 ID:UAQR1Eof
 スカートがめくれてたわみ、一度見せたビキニ紐タイプの白の水着を中心とした透き通るような
素肌の、腿と脚と裸の足指からなるたわわな宙空のオブジェが、口元には笑みを見せたままでの
相貌のすぐ下で咲き誇るのだった。
「ボクにこれを喰らったらたぶん、ひとたまりもなくキミは意識を飛ばして、情けなく股を開いたまま…
 白くて粘っこいモノをドクドクと、その大きなオチンチンのさきから漏らしてしまうハズだよぉ♥」
 そしていよいよその姿勢から、安定した体勢を維持したままでの二本の脚が進み出てきて
猿野の… 寸止めを入れられてうなだれかけた部分にとどめを刺すため忍び寄ろうとする。
 うねうねと異様なほどに蠢く10本の足指が、少しづつ亀頭と本体の部位へと近づいてきた
次の瞬間、かすかに汗に濡れたうねくる柔突起が優しく男性器を包み込んでいく。
「《ぬぐっ… くむうぅぅぅっ…… ふむぐぐうぅぅ゛》」
 ヒタヒタと間断なく自身を撫で回し、踏みしだくかのように揉みこみをくれてくる足指は、
まるでそこにある何か探るような様子を見せて左右両側から挟み込まれ、握り込まれる。
「遊神流の武術は足の指を限界まで鍛えあげて器用に操れるようにするから、ボクのこの
 指にかかればオチンチンの… 一番感じるところを探し出すのなんてワケないんだから」
 楓の下半身を、よく掃除された木の床から浮かせていた両手が力を抜いてゆっくりと、
下に垂れたわみ重なったスカートの布の上に尻から着地させた。
 無邪気な少女の、水辺の水遊びのような光景。左右の脚を開いてしどけなく奥の白を
表に晒し、うねらせた足指でもって先のものの一点を目指して夢中でいじり倒す寡黙な作業。
 唐突にその作業に、終わりが訪れた。
 にゅるぅぅぅっ… にゅるる にゅるっ ぬむるるるぅぅ  ぐにっ ぐにいぃっ ぐにぐにっ♥
「《くうっう!!? むぅっ うぅ゛ぅ゛っ! くむうぅぅんん――》」
 足指の動きがその趣を変え、目前の受動器のもっとも感じてしまう点を巧みに読みとり
覚え込み、凄まじいまでの性感攻撃を繰り出してきたのだった。
↑10
369裏天国 ◆GjmA2ywlZw :2006/08/05(土) 21:41:20 ID:UAQR1Eof
あとの続きは、もう少し推敲を入れてみたいと思います。
370名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 23:54:47 ID:AA3gMbRC
ktkr!続きwktkして待ってます!

>>362
どっちにしても投下ナシだったんですね
同人サイトか…見てみたが求めてるものがないんだよな…
371名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 00:46:46 ID:p97YAu/0
裏天国氏待ち捕手
372名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 03:01:08 ID:A5QmjAf9
ミ ` ・´ミ「魔王FOX★」

 ∧,、∧
ミ ` ・´ミ「2行で」

>>351こんなのどうかな。
373名無しさん@ピンキー
ここに書き込まれてたのかorz
誤爆です。