ファイアーエムブレム&ティアサガ第20章

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518ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :2006/02/01(水) 03:07:47 ID:0ixtRc/6
「あ、あの、わし・・・・・・どうなってしまうんじゃろか?」
びくびくと脅えるマリナス。彼は今、飛竜の鞍に仰向けにくくり付けられていた。
両腕は、手首を後ろ手に縛られて、飛竜の首筋にしっかりと固定されている。
同様に、両脚も同じように縛られて、鞍から落ちないようにしっかりと固定されていた。
そして・・・・・・
「さあアンブリエル。準備はいいかい?」
その飛竜の主人が姿を見せると、飛竜はけたたましく鳴いた。その獰猛な鳴き声に、マリナスはさらに脅えた。
「ど、どうか、命だけは!命だけはあ!!!」
思わず命乞いをするマリナスを、飛竜の主人・ヴァイダは睨みつけて、そして笑った。
「さあね。死にたくなかったら、まあ、がんばるこった。」
「ヴァ、ヴァヴァヴァヴァイダ様あ〜!」
「情けない声を出すんじゃないよ!あんたそれでも男かい!」
そう言うとヴァイダはマリナスの下腹部をぐいっと掴んでおもいっきり引っ張った。すると、彼のズボンがビリビリに破けて、
恥ずかしい部分が剥き出しになる。
「ほお、なかなか立派なもん持ってるじゃないか。さあ、立ててごらん。」
ヴァイダは素早く飛竜の背に飛び乗り、鞍の鐙に両足を掛けた。すると、マリナスのちょうど真上にヴァイダの股間が来る。
「ヴァ、ヴァイダ様・・・・・・」
彼女のスリットの隙間から見える股間・・・そこには、一片の布地もない。しかも、マリナスの頭の位置からは、はっきりと見える。
当然、マリナスの海綿体は急激に充血し、その陰茎は真上に向けて持ち上がる。
「ほお・・・、あたしのここで大きくなるのかい。悪い気はしないねえ。」
ヴァイダはやや嬉しそうな顔をすると、マリナスのその男根の上に腰を掛けていく・・・・・・
「う・・・んふ・・・いいじゃないか・・・なかなか・・・」
ヴァイダの股間がマリナスのモノを根元まで咥え込むと、ヴァイダはすぐさま飛竜に命令する。
「さあアンブリエル!飛び上がるんだ!」
咆哮一声。飛竜が羽ばたき、今までいた場所が次第に下の方に遠ざかってゆく・・・・・・
そして、高度8,000mほど行った場所・・・・・・
「ふっふっふ。それじゃあ、始めるかねえ♪」
「ヴァ、ヴァイダ様、一体何を・・・?」
「決まってるじゃないか。さあ、アンブリエル、急降下だ!」
ヴァイダの号令と共に、アンブリエルはその大きな翼を小さく折りたたみ始めた。そしてアンブリエルの頭部が真下を向いたそのとき・・・
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

おしまい
519名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 18:43:24 ID:2/43UrRy
(゚∀゚)「シゲンでーす」
(^ヮ^)「カトリです」
(`Д´)「イストバルでござ」

   ::。゚+:。   。:*゚。::
(゚∀゚)=◯)`Д´(◯=(^ヮ^)

埋め。
特にオチはない。
520988%マシン ◆ka5BrNUzcE :2006/02/02(木) 20:15:09 ID:M0yrcf4Y
ども、マシンっす。
埋め立て代わりに聖戦のアサユリ投下します。

怪匠・石井聰亙の映画に影響されている恐れがありますので、
原作汚しの予感を覚えられた方は充分ご注意下さい。
本作品で用いられる度量衡の単位は、SI単位系に揃えてあります。
FE世界にそぐわないと思われる方はご注意下さい。

では投下開始。
521君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:15:47 ID:M0yrcf4Y
盗み食い、他愛も無い悪戯、友達への苛め――
幼い彼がそんな悪行に走った末に受けるお仕置きと云えば、いつも雷だった。
笑顔を絶やさぬ優しい母親が恐ろしい雷神へと豹変し、彼を見下ろして仁王立ち。
雷神トールの末裔だった母親の雷撃は、もはや幼子に浴びせる代物ではなかった。
八万ボルトにも及ぶ強力な電撃。筋肉の硬直に伴う激痛と、肌を灼く痺れ。
生命の危険を本能的に感じながら、彼は涙と洟を垂れ流しながら必死で謝る。
「ごめんなさいもうしませんだから許して――」

母は雷撃を止めると、普段と変わらぬ優しい笑顔で彼を抱き締めたものだった。

やがて父が死に、母と妹と共に幸せな日々は彼から去った。
天涯孤独な身の上となっても、彼の身体は母の思い出をしっかりと記憶している。
激しい怒りや興奮を感じると電撃が抑えられない。子供の頃頻繁に浴び続けた
八万ボルトの電撃が、血筋と相まって彼を放電体質へと導いたのだろう。
誰もが恐れて避けた彼の体質は、しかしセリス皇子の解放軍にあって重宝された。
リボーのダナン王、イード砂漠のクトゥーゾフ――
そして従兄弟であるメルゲンのイシュトー王子――
解放軍の命運を分ける主要な戦いにおいて、彼はいつも最前線にその身を置いていた。
母と別れて後の人生はただのおまけに過ぎない。彼に取っては惜しくもない命だった。
思う存分戦い、本能の侭に八万ボルトの電撃を解放し、

そしていずれは戦場に死ぬ。
なんともシンプルな生き様ではないか、と彼は思っていた。
アルスターから解放軍を討つべく駆け付けた、一人の魔法少女と出会うまでは。

フリージ特有の豊かな銀髪を、赤いリボンでツインテールに結い上げた小柄な少女。
彼女が首から下げていたペンダントは、間違いなく彼と揃いの品。
しかし彼女が肉親であると本当に実感したのは、雷撃魔法を浴びた後だった。
筋肉の硬直に伴う激痛と痺れ。肌から背筋を通って脳髄まで灼ける感覚は、
正しく彼の記憶に生き続ける、八万ボルトの雷撃魔法だった。
「ティニー?ティニーか?!」
「……兄さま?!」
八万ボルトの人間同士は、彼らが家族であったと直ちに理解する。
敵味方の立場よりも家族愛の方が大切。アナキン=スカイウォーカーだってそうだ。
アナキンはパドメの為に暗黒面に堕ち、ルークの為にジェダイへと戻ったのだから。
閑話休題。
八万ボルトの兄妹は戦場のど真ん中でひしと抱き合い、涙を流して再会を喜ぶ。
彼らの周囲は血飛沫や肉片や断末魔が飛び交う、阿鼻叫喚の地獄絵図と化している。
しかし兄妹を邪魔する者は誰一人いなかった。
なぜなら感情の高まった二人が放つ八万ボルトの電撃が、不用意に近づく者全てを
黒焦げの消炭へと変えてしまっていたから。

もう一人ではない。二度と捨て鉢な戦い方はしないし、自分勝手な行動は取らない。
自分が死んだら悲しむであろう妹が、これからは彼の傍にいてくれるからだ。
そう、彼こそは――
522君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:16:40 ID:M0yrcf4Y
――電気と感応し!!




――妹と心を通わせる!!




――少年!!






ア ー サ ー ! !
523君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:17:18 ID:M0yrcf4Y

ついにアルスターから帝国の勢力を駆逐した解放軍。激しい戦いで負傷した兵も数多い。
ある者は背中に大量の矢を浴びせられ、ある者は鎧の上からヘヴィランスで胸を貫かれ、
またある者は斧で腕を盾ごと切り落とされ、病院代わりに接収されたアルスター城下の
大きな屋敷の中でうんうん呻いていた。
夏の暑い盛りともなれば、手当ての不十分な傷口が化膿して独特の臭いを放つ。
高熱が出て、それが怪我人の体力をさらに奪う。マナのような普通のシスターでは、
例え夜を徹してライブの杖を振るった所で彼ら全員を救うのは難しい。
しかし彼女は違った。
魔力が高いおかげか適正があるのか、扱い辛いはずのリライブの杖を振り回して、

♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜

ただのたんぱく質の塊と化しかけた重篤な怪我人でさえ、たちどころに治してしまうのだ。
それは治療と云うよりも、修理と呼んだ方が適切な表現だった。彼女は傷病兵の苦痛を
和らげるとか彼らを励ますといった情感の、まったく伴わない修理を淡々と捏なしてゆく。
にも関わらず、怪我人は彼女を神のように崇めて感謝する。
「ありがたやありがたや――」
何か得体の知れない、けれども神々しい聖光が、彼女の背から差しているように見えたからだ。

今日もまた一人、五体を引き裂かれた傷病兵が完癒して、足取りも軽く屋敷を去ってゆく。
彼女がその背を目で追ってゆくと、兵の行く手に聳え立つのはアルスターの大きな城。
コノートに逃れたフリージ軍が、レンスター再奪還を目指して進軍を準備していると聞く。
解放軍としてはそれを撃退し、勢いを付けてコノートまで攻め落としたい所だ。
怪我を治したこの兵も所属する部隊へと戻り、そして戦いの舞台へと戻るのだろう。
再び彼を治す事になるのだろうか。
そうなったら――
戦死よりは喜ばしいが、無事に戻るよりは悲しいだろうな、と彼女は思う。

何かが突然彼女の心に触れた。
普段のおっとりした目付きから、不安に満ちた険しい表情へと変化を遂げた彼女は、
息せき切って城へと駆け出す。
番兵への挨拶もそこそこに門を潜り、鎧や戦闘服に身を包んだ仲間に目もくれず、
彼女は最上階に設けられた城主の執務室へと駆け込む。

「……セリス、気をつけなさい」
「セリス?」
解放軍の盟主であるセリス皇子は、聞き慣れた声による聞き慣れない口調を耳にして
闖入者を確かめる。普段の彼女ならば、自分の事を「セリス様」と呼ぶはずではないか。
いったい彼女に何が起こったのだろう。
セリスは出撃命令の書類から目を離し、よくよく彼女を観察してみた。
変わっているのは口調だけではない。
表情から物腰まで、まるで人格が入れ替わってしまったように見える。
彼女はうつろな目でセリスの視線を捉え、なおも彼に注意を促す。
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
確かにセリスとしては、雷神の異名を持つフリージの姫君とは戦いたくない。
彼女の言葉はセリスも同意する所ではあったが、しかしもしイシュタルの方から解放軍に
戦いを仕掛けてきたらどう対処するのか。軍を束ねる指揮官としてセリスは彼女に問う。
彼女はセリスの言葉など耳に入らぬように、ただ同じ言葉を繰り返した。
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」

――電波だ。紛う事なき怪電波そのものだ。
それがセリス皇子の、彼女に対する正直な感想だった。
そう、彼女こそは――
524君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:18:06 ID:M0yrcf4Y
――兵士を修理し!!



――怪電波をキャッチする!!



――謎の少女!!





ユ リ ア ! !
525君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:18:37 ID:M0yrcf4Y
そんなこんなでコノートから出て来たファバルは街道側に、イシュタルは上手いこと
森に誘導して足を止めつつ十二ターン目をやり過ごす。
トールハンマーを持たないブルーム王など、合体を阻止された勇者特急隊ほども怖くない。
あっという間にコノートは陥落、解放軍は勢い付いて南へと軍を進める。
そして押さえたのはトラキア半島最大の都市マンスター。
「トラキアの臍」と呼ばれた交通の要所たるこの街が舞台となる。

ユリアは魔力において、また魔術において、解放軍のどの面々よりも優れていた。
治療の杖のみならず、数多の魔道書を簡単に使いこなす。それどころか先読みにも
その能力を遺憾なく発揮し、占い屋の真似事まで始めたのだ。
これが解放軍に参加した女の子の間で、よく当たると評判になった。しかも無料。
占い屋の爺様は飲んだ暮れの日々。たまたま酒場に寄ったアーサーにも愚痴をこぼす。
「商売上がったりだから、こうやって酒飲んで暮らすしかないんだよ」
爺様は卓上の花瓶に手を伸ばし、真紅の花に触れようとする。
茎の棘が指先に刺さり痛い、と爺様は顔を顰めた。
「結構優雅な暮らしじゃねえか。引退して『酒と薔薇の日々』だなんて実に洒落てるよな」
くくく、と忍び笑いを漏らしたアーサーを、爺様は不愉快だとばかりに睨み付けた。
「冗談じゃないぞ若僧。あの小娘は儂みたいな玄人の常識を超えた占いをしやがるんだ」
アーサーは明後日の方向を見ながら聞き流した。自称玄人にロクな奴はいないのが常識だ。
「あの小娘、今までどこで何してたか知らないが、ありゃちょっと神掛かってるぞ。
信じられないなら一度見て来い。とんでもない事がきっと起こるはずだ」
「別にいいよ。俺占いには興味ないし」
爺様は立ち上がり、アーサーの胸倉をぐいと掴んだ。見て来い、と威圧しながら繰り返す。
アーサーはその剣幕に思わず頷いた。

頷いてはみたものの、爺様との約束を守る理由などアーサーには全くない。
ユリアの占い屋を覗いてみるにせよ、他の用事を片付けるついでで充分だろう。
ぶらぶらと城下の市街地を探索しながら、アーサーは首に懸けたペンダントを弄ってみる。
可愛い妹と揃いの品だ。今頃は昼食を終えて、友達と仲良く話し込んでいる所だろうか。
解放軍の女の子は親切で気さくな人間が多い。ティニーも周囲の明るい空気に感化されたのか、
引っ込み思案だったのが最近ではよく笑うようになった。
それはアーサーにとっても喜ばしい事ではある。ただし――
妹が自分の事を頼らなくなってしまうのは、矢張り寂しいものだ。
少しぐらいは自分に甘えてくれてもいいのに、とアーサーは思う。
新作の雷魔法でも出ていないかと本屋に足を踏み入れるが、目当ての品は棚から姿を消していた。
一つだけ残っていた電撃魔法の表紙には、『Sold out』の無情な貼り紙。
「何で売り切れなんだ?」
店主の胸倉を左手で掴み、八万ボルトを纏った右手をグーパンチに握る。
危険ですので良い子は絶対にアーサーの真似をしないで下さい。食らったら死にますから。
死にたくはないので、店主は実に正直な態度で怒り狂う客の質問に応じた。
「昨日女の子がふらっとやって来て、ありったけの雷系魔法を買い込んで行ったんですよ」
アーサーの剣幕に、店主が恐れ戦きながら答える。そりゃ八万ボルト食らったら普通死ぬってば。
「どんな子だ?髪の毛は銀色だったか?」
ティニーが買ったのならば文句もない。元々雷魔法の得意な妹に買ってやろうと思っていたからだ。
けれども店主の答えは彼の希望的観測と少し違っていた。
死への恐怖が強過ぎたのか、店主は言わずとも良い事までべらべらとバカ正直に話してしまう。
「ええはいそうです。長い髪の毛を真っ直ぐに下ろした、優等生みたいな大人しい女の子でしたよ。
高価そうな衣装を身に着けていたけど、あれってやっぱり巫女さんの装束なのかな――」
――ユリアだ。

黒焦げになった本屋の店主を捨て置いて、アーサーは一目散に城へと駆け出した。
526君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:19:12 ID:M0yrcf4Y
城の正門から玉座へと真っ直ぐに伸びた回廊の一部はサロンになっており、そこに解放軍の
女の子連中が押し寄せていた。皆ユリアの無料占いがお目当てだった。
占い屋さんの社会的な機能とは、率直に言ってお悩み相談室である。女の子の側にとっても、
相談相手が同性だからこそ打ち明けられるという、本職の爺様にはないメリットがあった。
二股、三角関係、不倫――
そういう女の子のドロドロした恋愛感情に対して、ユリアは淡々と的確なアドバイスを送る。
シャナンを巡っていがみ合っていたラクチェとパティが、相談を終えて仲良くその場を後にする。
ティニーの順番が訪れた。
ユリアと向かい合って、しかし彼女は何も話せない。元々極度の引っ込み思案で口下手なのだ。
「あ、あの――」
それだけ言ってもじもじと俯くツインテールの少女。引っ込み思案だけど毒舌メールは打たないよ。
いつまで経っても口を利く気配を見せないティニーの態度に対し、行列の後ろに並ぶ女の子たちの
表情が苛立ちを増してゆく。それらを一通り見渡してユリアが尋ねた。
「貴女の悩み、私が読みましょうか?」
「は、はい――」
ユリアの提案に、ティニーはこくこくと頷いた。ユリアは深く息を吸い瞑目する。
再び瞼を開き、ユリアは読めましたよ、とばかりに声を張り上げた。

「私はっ、 貧 乳 で困ってます!!」

女の子ばかりで占有されたサロンの空気が凍り付く。
互いに囁き合う声がざわざわとサロンの天井に反響する。
――そりゃペッタンコだしね。
――詰め物してるけど、バレてないと思ってたのかな。
――しっ、そんな事言っちゃダメだよ。ティニーがカワイソウでしょ。
空間に渦巻く同情と哀れみの感情を一心に浴びて、ティニーがめそめそと泣き出す。
誰も彼女を慰めようとはしない。不用意に近付けば、彼女の体表を覆うように展開した
八万ボルトの電撃で黒焦げにされるからだった。
そこに突如迷い込んだ銀髪の少年。
ティニーが彼の存在に気付き、兄さまと泣き叫び青白い雷を撒き散らしながら駆け寄る。
自分の胸に顔を埋めた妹の頭を掻き抱く。ティニーの悲しみはアーサーの悲しみでもある。
取り囲むように距離を置いた女の子たちの先に、妹を泣かせた張本人が立っていた。
使えもしない雷魔法を買い占めて、その上大事な妹まで泣かせて、それでいて平然としている。

――許せない。

八万ボルトの血流パルスが、アーサーの内在している様々な感情を叩き起こす。
それらは干渉して強め合い弱め合い、雑多な感情はノイズと共に平方根の速度で自由誘導減衰し、
やがて一つの純粋な感情が明瞭なシグナルの形で増幅してゆく。
アーサーが八万ボルトの怒りをもって睨み付け、ユリアは彼の視線に対してにこりと会釈する。
その途端に感情が閾値を超え、アーサーは獅子のように咆哮した。

電気と感応し、妹と心を通わせる少年。
兵士を修理し、怪電波をキャッチする謎の少女。
決して出会ってはならない危険な二人が、ついにこの瞬間邂逅を果たしてしまった!!
527君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:20:32 ID:M0yrcf4Y
――何で!!



――俺を!!



――怒らせた!!





強引に手を取って自分の部屋に連れ込んだユリアに、アーサーは怒りも露に問いかける。
けれどもユリアはあくまで冷静な態度を崩さない。落ち着いた口調で答える。




――怒った



――貴方に



――逢いたかった
528君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:21:03 ID:M0yrcf4Y
ユリアはそれが為に、使えない雷魔法を買い占めてティニーを泣かせたという。
全く理由になっていないではないか!
けれども怒りとは理屈ではない。どんな小賢しい理屈を捏ね造り上げ聞かせた処で、
アーサーの怒りを収めることは不可能な仕事だった。

「うおおおおおおおおおおおぉっ!!」
全身に青い雷精を走らせ、アーサーはユリアめがけて突進する。
体当たりが決まり、ユリアはアーサーもろとも寝台へと亜音速で吹き飛ばされる。
敷布が波打ち、ユリアの華奢な身体が八万ボルトを帯びたまま仰向けに横たえられた。
妹を泣かせ自分を怒らせた憎い憎い相手ではあるが、ユリアもやはり年頃の女の子。
彼女に圧し掛かれば鼻腔を擽る甘い匂い。懲らしめてやろうと、アーサーは唇を強引に奪う。
いやいやと首を振って抵抗するユリアの身体を、アーサーは乱暴な手付きで弄った。
少女らしい肉付きが、高価そうな薄地の衣越しに柔らかく暖かくアーサーの掌を押し返す。
ユリアの肌を直に触れたくなって、アーサーは彼女の衣装を乱暴に引き剥がす。
八万ボルトの電気を帯びた手で襟元を両に引き裂くと、
お椀形状をしたユリアの乳房がぷるんと揺れながら姿を現した。
アーサーが掌に包み込むと、それは誂えたようにすっぽりと収まった。
ぎゅうと鷲掴みにした胸の先端に、アーサーは食らい付く。食らい付いて吸い上げる。
もう片方の乳房に吸い付き、舌先で乳首を舐め転がしながらユリアの衣服をさらに裂く。
露になってゆく。
贅肉のほとんどない腹部。綺麗に窪んだ臍。括れの少ない子供のような腰周り。
雷精を帯びた青白いユリアの肌は、掌を這わせればさらりと乾いていた。
けれどもアーサーが唇で触れれば、しっとりと彼女のほうから吸い付いて来る。
駄々を捏ねるようなユリアの抵抗が徐々に止んで、アーサーの為すが侭になってゆく。
そして――
ふっくらとした尻を撫で回していると、ユリアが両の脚を無意識の内に開いてくれた。
逆三角形をした縮れの少ないユリアの陰毛は、毛質の細さと銀色とが相まって実際より薄く見える。
その下に秘められた彼女の陰部は桜色に染まり、中心からはみ出ている赤みを帯びた肉厚の陰唇が、
濡れそぼってアーサーを誘惑するようにひくひくと蠢いていた。
軽く触れただけで、指先にねっとりとした粘液が絡み付く。前儀の必要さえ無さそうだ。
アーサーは八万ボルトの起電圧で大きく反り返った自分自身を取り出し、ユリアをうつ伏せに
寝転がすと、色白で丸い尻を掴み強引に中へと割り入った。
529君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:22:18 ID:M0yrcf4Y
「ふふ、ふふふふふ」
アーサーの侵入を易々と許したはずのユリアが、不意に勝ち誇った笑い声を上げた。
陵辱の動きをぴたりと止め、アーサーは彼女の様子を確かめる。
長くて真っ直ぐな髪を耳の後ろへと掻き上げながら、ユリアはゆっくりとアーサーを振り返った。
「怒った貴方に抱かれて、八万ボルトで逝かせてもらおうと思ったんだけど――」
妖艶で不敵な笑みを向けて言う。
「――がっかりだわ」
その言葉にアーサーは云い知れぬ戦慄を味わった。
考えてみれば、ユリアはずっと八万ボルトの電気を受け続けている。
押し倒されてから身体の中にアーサーを迎え入れた今まで、ずっと。
そして彼女は膣内に八万ボルトの電撃を流され、それでも平然としているのだ。
ユリアは自分の尻をアーサーの下腹へとゆっくり打ち付けながら口を開いた。
「貴方は子供の頃のお仕置きで八万ボルトの電撃を放てるようになったみたいだけど――」
アーサーは答えなかった。にゅるにゅると蠕動を始めた膣の動きに翻弄されて奥歯を噛み締める。
「私が得意なのは、実は杖よりも光魔法だったのよ。子供の頃の記憶が殆どないのだけれど、
それでも眩しくて身体が融けそうな強い光だけは覚えているの。それも――」



――光量子一個当たり二千万電子ボルトよ
530君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:23:22 ID:M0yrcf4Y
「二千万電子ボルトだって?!」
驚愕の事実に、アーサーはそれだけで射精しそうになった。ぐっと堪える彼にユリアは云う。
「そうよ。貴方の電撃の更に二百五十倍にもなるの。想像できるかしら?」
アーサーの二百五十倍にも及ぶエネルギーを常に帯びていたからこそ、ユリアは八万ボルトの
電撃を浴びていながら何も感じないかのように振舞えたのである。
ただし、今は違う意味で感じていた。
二人の結合部がくちゃくちゃと淫猥な音を立てる度に、ユリアは甲高い嬉声を上げる。
内部へと飲み込まれるような感覚に、アーサーは堪らず顔を顰めてユリアの背に覆い被さった。
アーサーの腕がだらりと下がる。一方のユリアは余裕綽々といった様子で円を描くように腰を振る。
内部に入り込んだ熱い肉を、その形状を確めるように無数の襞で撫で上げる。
「八万ボルトの貴方が、二千万電子ボルトの私に勝てる訳なかったようね。
レスターやデルムッドと同じように、貴方も骨抜きにしてあげるわ」
んっとユリアが軽く力み、アーサーの身体がそれに合わせて軽く痙攣した。

朦朧とする意識の中、アーサーはユリアが巨大化したような錯覚に陥った。
体積比で二百五十倍。二百五十の三乗根はおよそ六.三。
普段の身長を百五十センチ強と仮定すれば、身長約九メートルの巨大ユリアである。
丸みを帯びた尻の肉がまるで丘陵のように聳え立ち、その谷間の割れ目から顔を出した
自分の身長の半分ほどもある割れ目に挿入している。
ひくひくと動く彼女の陰唇が、その周囲に生えたまばらな銀の陰毛と合わさって、
まるでキングコングの映画に出て来る巨大なイソギンチャクか何かのように見えなくもない。
当然の事ながら膣内も二百五十倍。ただしサイズではなくアーサーを締め付ける強さが。
千切れそうになるアーサーの一物を、ユリアの膣が容赦なく捩じ上げる。捩じ上げて彼女は叫ぶ。
トゥイスト・アンド・シャウト。
彼女がとても愉しそうに見えるだろう。
ユリアから逆流するような痺れに耐えながら、アーサーは状況を打破する方策を必死で考える。
陵辱するつもりが、逆にいいように弄ばれてしまっている。

――どうすればいいのか

このまま良いように射精してしまってはユリアの思う壺である。それだけは避けたかった。
けれども核兵器並みの威力を持ったユリアに対し、電撃しか持たぬ身でどう対抗すればいいのか。
射精感が首筋まで辿り着いた。頭頂部まで到達すれば射精してしまう。
妹を苛めた彼女を絶頂に導く事なく――

――どうすれば、いいのだろうか
531君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:23:59 ID:M0yrcf4Y
呆気なく果ててしまう、と思ったその瞬間――
アーサーの脳内に閃きが走った。しかも八万ボルトでは到底説明の付かない輝きを持った光だ。
その光に導かれるまま、彼は千切れそうな締め付けに抗って猛烈な勢いで抽送を再開した。
「ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんっ!!」
その回転速度、実に一秒当たり二百五十六回!!
コムネット世界のタイムスケールで動き出した胎内に、ユリアは途惑いを隠し切れなかった。
最早ユリアはアヤナミのごとく巨大化したヒロインではなかった。
華奢な身体つきをした普通の女の子に戻ったユリアが、長い銀髪を振り乱してアーサーに問う。
「な、何なの?!何なの一体?!」
賢明な諸君には既に理解して頂けたはずなので、今更説明も蛇足とは思われるが――
ユリアに聞かせる為だけにアーサーは叫んだ。



「八万かける二百五十六は二千四十八万、これで二千四十八万ボルトだああああああっ!!」



たった一.五ボルトの電池ですら、数多く直列に繋いで電流を流せば鉄をも溶かす事すら可能となる。
それと同じ原理によって二百五十六倍の力を得たアーサーが、ユリアの力を僅かに上回った。
ジョイント・ドラゴン・ファイアー。いやファイアーじゃなくてサンダーが正しい。
「やぁあ、――しび、れる――、こんなの、はじめて――」
下腹部に生まれた熱電流が、アーサーから逆流してユリアの脳髄を灼く。
ぐいと背中を仰け反らせも、敷布をぎゅっと掴んでもその痺れは一向に止まらない。
今までユリアが肌を重ねたどの男とも、アーサーは違っていた。
膣内がアーサーの電気によって興奮状態へと励起される感覚に、ユリアは子供のように泣き叫ぶ。
それでもアーサーは反撃の手を止めなかった。
崩れ落ちたユリアの手を取り、自分へと引き寄せながらさらに深くユリアの内部に侵入する。
二千万電子ボルトと二千四十八万ボルトとの激突により生じた凄まじいエネルギーが、
太陽光にも勝る青白く眩い光となって、互いに交わい絶頂を目指す少年少女の身体を包んでゆく!
「あ、ああ、おくに――奥にあたる――やだぁあああああああぁっ!!」
「ぬぅおおおおおおおおおおおぉっ!!」
ユリアの肩ががくりと敷布に落ちる。アーサー自身もほぼ同時に限界を迎えつつあった。

青白いチェレンコフ光が消失すると共に、アーサーはユリアの膣がふっと弛んだのを感じ取った。
ユリアのしなやかな背中にもたれ掛かり、絹糸のように細くて手触りの良い銀の髪に顔を埋める。
その僅かな軋みだけで、二人の交わっていた寝台の脚がポキリと折れた。
通常の二百五十六倍にもなる往復運動と、合計四千四十八万(ボルト?それとも電子ボルト?)
にもなるエネルギーの激突を受け続けたのだから、当然の結果と云えるだろう。
むしろこんな危険な情事によくぞ持ち堪えた物だと、筆者は寝台に対して賞賛の言葉を惜しまない。

着地の衝撃と同時にアーサーは遠慮なくユリアの中に熱い塊をどくどくと放つ。
荒く熱い呼吸をしながら、アーサーはユリアの撫肩を指先でつんと突付く。
それだけで達してしまったのか、ユリアの内部がきゅうと優しくアーサーを抱き締めた。
中に注ぎ込まれたアーサーの精を、一滴たりとも溢すまいとするかのように。
呼吸が収まるに連れ、局部で繋がったままの二人へと心地よい睡魔が訪れた。
532君の怒りは八万ボルト 〜 ELECTRIC DRAGON 80000V:2006/02/02(木) 20:25:06 ID:M0yrcf4Y
翌朝――
アーサーが目覚めた時には、傍らで眠っていたはずのユリアは既に姿を消していた。
寝起きの頭で回想すれば、彼女と交わった事そのものが幻であるかのように思われる。
けれども――
乱れて皺の寄った敷布、腰の近くに残されたまだ性の匂いを放つ湿った染み、
それから自分の隣に残るもう一人分の温もりは現実のそれに間違いない。
壊れた寝台から見て部屋の対角線上に鏡があった。アーサーは鏡面に何気なく目を遣る。
大きく紅で書かれた文字を、アーサーは声に出さずに読み上げる。

――妹さんを泣かせてしまった事、本当にごめんなさい。
――こんな私で宜しければ、また愛して下さいませ。
――貴方のユリアより〜

「『ルージュの伝言』って奴だな――」
例えユリアが妹を泣かせた性悪女だとしても、アーサーは彼女への敵意を不思議と感じなかった。
自分の欲望と共に彼女の中へと悪意を吸い取られてしまったのだろう。だがそれでいい。
抱いた相手が洒落の分かる女だと知って、アーサーは彼女との間に生まれた関係が誇らしくなった。
満足の笑みと共に敷布を跳ね除け、半身を起こそうと彼が試みた途端――

腰を襲った通常の二百五十六倍もの痛みに耐え切れず、
アーサーが上げた通常の二百五十六倍にも相当する悲鳴によって。

マンスターの街に地響きがした、と思って戴きたい。

<<終劇>>
533988%マシン ◆ka5BrNUzcE :2006/02/02(木) 20:30:03 ID:M0yrcf4Y
書けたら書きます。
お読み頂き有難う御座いました。ではまた。

あと36KBか…
534 ◆Z9Z6Kjg2yY :2006/02/03(金) 00:24:10 ID:05hvEGnp
GJ!何とか今週を生き抜く活力を頂きました(´∇`*)

スレ埋めがてら、烈火モノをひとつ。プリシラ×ルセアです。
36kbには到底足りませんがOTL
535名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:24:49 ID:05hvEGnp
その日は、季節外れの大雨だった。
数日前まで乾いていた空が、今や鈍色の雲に覆われて、降りしきる雨が街道を激しく叩いていた。
その音以外に、難攻不落と謳われたオスティア城の回廊を響く音は無い。
あるいは、長く広いその床を歩く人影の足音ぐらいは、誰かの耳に入っていたかもしれないが。

陰鬱な昼下がりだった。

脇目をふることも無く、それでいて急ぐ様子も無い。
淡々と歩みを進めるは、全てが無骨さに内包されたこの城にはおよそ似合わない少女の姿。
ただ外見は可憐でも、昨夜秘密裏に侵入してきた暗殺者集団相手に理魔法で渡り合った戦乙女でもある。

オスティアの城の中のいつも誰かに見られているような空気が、プリシラは好きではない。
ような、と言っても見られているのは事実である。通路の要所には、監視の目が光っていた。
オスティアが主力とする重騎士、けれどもその堅牢さだけでは難攻不落とはいえない。
重騎士は鎧のせいで移動に時間がかかってしまう。そのままでは相手に機先を制されてしまうので、侯爵家お抱えの密偵達も警備に当たっていた。
もっとも今は特別――昨夜の黒い牙の残党の襲撃により死者まで出してしまっており、警戒のレベルも最大のものであった。

(自意識過剰……だとは思うけれど)

理屈では分かっていても、背筋に感じる圧迫感のようなものは消えないままだった。
かつてプリシラのコンウォル家が、オスティアを盟主とするリキア同盟によって取り潰し、一家離散に追い込まれたことを知る者は少ない。
プリシラ自身は最早そのことを恨みに思ってなどいないが、彼女の内心を知る者は更に少なく、ましてオスティアの人間が知る由も無い。
そんな背景が、些細な気配さえ煩わしくさせていた。

幾度も戦場を乗り越え鋭敏になった感覚は、絶え間無い雨音の中でもわずかな変化を拾うことが出来る。
いちいち取り留めの無い考えをしながらも、歩みは変わらず回廊を進んでいった。
勝手知ったる――というわけではないが、城の構造は大まかに把握している。
プリシラの目的地は決して秘密の部屋などではなく、むしろ城内の人間なら誰でも知っているような場所であった。
いつもは騎士達が訓練を積むのであろう修練場も、同僚の死を悼むように静まり返っていた。
ひたすら広いその床を横目に、プリシラは歩き続けた。もうその場所は近い。

視界の先に入ったステンドグラスは、特に豪奢ということもない平凡な造りだった。
それを包む重々しい白亜が、オスティアの質素剛健を主張しているようにも見える。
磨きぬかれた木の扉に手を掛ける。一瞬辺りを窺い、細く扉を開けて中に踏み込んだ。

そこはオスティア城に併設された、エリミーヌ教の教会だった。プリシラも伯爵令嬢の嗜みとしてその教えを受けたことがある。
奥の広がった空間には、大きな石を切り崩し彫ったのだろう聖女の像と、それに向き合って軽くうな垂れているような後姿。
聖職者の法衣、流れるような金髪、プリシラはおもむろにその名を呼んだ。

「――――ルセアさん」

536名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:25:48 ID:05hvEGnp



「プリシラ様」

不意の呼び声にやや慌てて振り向き、ルセアは主君に歩み寄った。

「少し……待たせてしまったようですね」

「い、いえ、とんでもありません」

ルセアがここに呼ばれたのは、昨夜の暗殺者達の襲撃による負傷者の治療が一段落した頃だった。


“ルセアさん、今日……少し時間はあるでしょうか?”

“わたしですか……ええ、これから、亡くなった方の弔いをしなければなりませんので、その後ならば”

ルセアもプリシラも治療の杖は使えるが、弔いに参加するのはルセアを始めとする聖職者のみ。
その準備に追われる彼らに代わって、プリシラなどの聖職者以外の杖使いは弔いの直前まで治療にあたっていた。

“構わないです。弔いが終わりましたら、後ほど私が教会に参ります”


半ば一方的な待ち合わせの約束。ちょっとした用事なら、彼女個人に護衛として仕える魔道士の少年に言えばいいものを……と思いつつも、
ルセアはそういったことには慣れていたし、主君の意向をいちいち詮索する従者でもなかった。

彼も最初は、あまりプリシラに好印象は持ってはいなかった。
彼がコンプレックスとしている、男でありながら女性的な容姿や物腰を、事あるごとに揶揄してくる彼女の態度に内心では辟易していたものだ。
もっとも、今ではそれも少なくなり、逆に彼女に感謝するところも大きくなった。
プリシラは彼の主君の妹、今となってはただ一人の、近しい絆を持つ血族。ゆえにレイヴァン――レイモンドにためらいなく直言出来る。
ルセアにはたとえ心で思っていたとしても出来ない真似であった。
彼にも主君と生まれてから人生の殆どを主従として生きて来た自負がある。が、それも主が正道に帰れるのなら些細なことだった。

「それで……何かわたしに御命でも……」

「何か用が無ければ、私はあなたに会ってはいけないのですか?」

「そんなことはありません。……しかし、その」

「別に用が無いというわけでもありませんが」

言いよどむルセアの声をプリシラは遮る。二人の間に沈黙が降り、ただ雨音が広い教会に染み渡った。
ルセアは余程のことがない限り、主君から一歩引いた態度は崩さない。
それが孤児院より拾われてから叩き込まれた彼の従者像だから。そのことに、特に不満も無かった。ややあってプリシラが言葉を継ぐ。

537名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:27:19 ID:05hvEGnp

「確かに、私のような人間が、こんな人気の無い所で男性と二人きりで会うなどという行動は、軽率と言われてもおかしくないでしょうね」

「でしたら――――」

「けれど、私はあなたを信頼しています。それにあなたは臣下であると同時に聖職者で、ここは教会。何か、おかしいですか?」

歌うようなプリシラの声は、嫌味なぐらい楽しげだった。

「わたしが僭越でした」

「許します。……間違っていることでは、ありませんから」

主従二人の間は、足の一歩分離れたまま硬直している。
翡翠色の虹彩に目を向けても、ルセアには彼女の真意は読み取れなかった。

「それに、あなたのそういったところは……嫌いではありませんよ」

プリシラはまた、静かに微笑んだ。

(一体、何故わたしは呼ばれたのだろう……)

口にこそ出さなかったが、ルセアはますます疑問を深める。
それでも同じ質問を繰り返すのは賢明ではなく、彼女の顔から察するしかないのだが、その微笑に思わず目を奪われる。

そこはかとない、優雅さ。内から滲み出るそれを感じる度に、彼女との育ちの違いを思い出させる。
いたいけな少女の風を残しながら、仕草や表情の端々に見え隠れする艶やかさが、奥床しさと相俟って……
……今までどれだけの男性が釘付けにされたか、容易には想像しかねた。
ルセアには以前、エトルリアの貴族と勘違いされたことがあったが、彼女の纏う空気が本来のそれならば、自分にそんなものは無いと彼は思っていた。
それに淡い色のくちびる、白い頬にあるかないかの紅さ、そして――――ルセア自身は良識を十分に持っていたので不躾に目線を下げることはしなかったが――――
女性らしい形を描き始めている肢体を意識する度に、やはり女性とは彼女のような存在であって、
自分は誰が何と言おうとそうはなり得ないという、安堵にも似た感慨を抱くのだった。

「ルセアさん」

半ば自分の思考の中に沈みかけたルセアの意識は、ただの一言で湿っぽい教会の中に引き戻された。
またも不意を突かれたが、今度は返事すらまともに返せなかった。

「何か……考え事でもしていたのですか?」

「いっ、いえ……そのようなことは……」

その瞳に正面から見据えられ、おまけに図星まで突かれて、彼は思わず口ごもった。
プリシラはそのまま目線を外さず、彼もまたそれに応じた。そうしないわけにはいかなかった。
ここで目を反らしては、己が不実をむざと晒してしまうようなものだ。

再び、プリシラが口を開く。

「懺悔を――」

「プリシラ様?」

「懺悔を……聞いてくれますか?」

彼女の顔から、微笑みは消えていた。
538名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:28:16 ID:05hvEGnp

ようやく、ルセアはプリシラの態度に合点がいった。
あの唐突な言葉も彼女なりに思いつめていたのだろう――それを察せなかったことを、彼は臣として恥じていた。
戦乙女となってから、暗殺者相手とはいえ人を殺め続けた……そのことが彼女の心に暗い影を落としていても、何ら不思議ではない。
ルセア自身もかつて同じ悩みを抱えたことがあった。
畏れ多いという気持ちもあったが、ひとりの聖職者として、それに共に向き合うのを放棄する理由にはなるべくもない。

「……分かりました……それでは、エリミーヌ様の、御許へ参りましょう」

彼はそれが早合点だったということに気付いていなかった。








(最初は、あまりにも綺麗だからだと思っていた)

彼はプリシラに背を向けて、プリシラが教会へ足を踏み入れたときとは逆の方向に、コロネードを歩いていく。

(そう……それもただ綺麗なだけじゃない……よもや男性が持つとは考えもしなかった存在――)

その背中の後に、プリシラも続いていく。
足音は絨毯に飲み込まれていて、相変わらずの静けさが場を埋めていた。
弔いの儀式の時も今と同じくらい静かだったのだろうかと、瑣末なことさえ浮かび上がった。

(けれども、それを強く意識したのも最初だけだった)

両手を組み、固く目を閉じて祈りを捧げる聖女の石像。醸しだされる神聖さは、まるで波紋一つ無い水面のよう。
それに向かって一歩一歩足を進めるごとに、感情もまた深いところから湧き出てくる。

(私はかつて、誰よりも兄様のそばにいた。兄様の姿は、仮初めの家族の中でも決して色褪せず、却って月の光でも浴びているように輝いて見えて)

金色の髪は、わずかばかり揺れてついに歩みを止めた。

(幾千の昼夜に私と兄様が隔てられている間、あの頃の兄様の面影を守っていたのが、他ならぬあなたの存在であることを、私はどうしても否定出来ず)

かすかに吐息が漏れ出る音が聞こえる。やがてゆっくりとプリシラに向かい合ったルセアは、粛々として神々しささえ感じさせた。

(――――ゆえに、あなたが妬ましかった)

閉じられたルセアの秀眉を見つめながらプリシラは声を出さずに語りかける。
心の奥底に燻っていたものが、陽炎のように立ち昇っていく。
539名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:29:43 ID:05hvEGnp
(そして……)


“――――いいえ! 今日こそ言わせていただきます!!レイモンドさまは、復讐などを考える方ではありません!”


(華奢で折れそうな外見に宿った、清らかで侵し難くさえある凄烈さに)


“いやです! もういやです!!どうして、変わったふりをなさるのですか!?
 それを教えてくださるまで、わたしはここを動きません!!私のことが気に障るなら、このまま放っておいてくださればいい!”


(私は誰にも抱いたことの無い――――憧憬を禁じ得ない)

音を立てずにプリシラは踏み込む。ルセアとの距離は、もう半歩ほどしかない。

(そんな自分を目の当たりにして、やっと、私は気付いた)

「神よ、御前での無礼をお許しください……」

その声が消えるか消えないかのうちに、プリシラはルセアにくちづけをしていた。









「……っ……!……ふ……っ……」

ルセアは咄嗟に自分に身に何が起きたか理解出来なかった。
思考が凍り付いて、全く用を為さない。反応らしい反応が返せない間にプリシラはルセアの首に手を回し、そのまま足払いをかけた。
たまらずルセアはバランスを崩し、床の上に倒れる。

「言葉にするだけなら、本当に簡単なことなんですけれど」

プリシラの手がたどたどしいながらもルセアの法衣にかかる。
やっとプリシラの意図を感じ取ったルセアも、相手が相手なだけに無理矢理引き離すのをためらってしまう。

「やっ、やめて下さい……プリシラ様っ」

「どうしてですか?」

あまりに不思議そうな顔で即答され、思わず返事に窮する。そこに濡れた瞳で見つめられると、縛り付けられたような錯覚まで覚えた。
その中に、危ういほどの揺らめきを見つけてしまったからかもしれない。

「私はあなたを信頼しています……そして」

いつの間にかあらわにされたルセアの上半身に縋りついて、呟く。

「それ以上に、あなたを愛してしまった」
540名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:30:03 ID:2sGysngl
>マシン氏
埋め立て乙!!
毎度ながらGJです。大変笑わせていただきました。
そして肝心なところの描写はエロい…(;´Д`)
また気が向いたら宜しく。お待ちしてますよ!
541名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:30:43 ID:05hvEGnp
歯痒かった。
従者、聖職者という立場でしか自分を見てくれないルセアが、歯痒かった。
だから、彼女は従者の、聖職者の顔を容赦無く剥ぎ取っていく。そうして初めて、彼に触れられると思ったから。
拒絶されようと構わなかった。

(あなたが私に……本心を言ったことが、一度でもあって……?)


プリシラの手がルセアの下半身に滑り降り、彼の男根に愛しげにくちびるを這わせ、そのまま有無を言わさず咥え込んだ。







(……プ……リ……シラ様っ……)

男根への無造作な刺激が、戻りかけたルセアの思考能力を吹き払っていく。
元来自分から積極的に女性に声をかけることをしない彼は、色街で(容姿ゆえに)悪戯をされた程度の経験しかなかった。
しかしここは妓楼ではなく、目の前の女も娼婦などではない。
まだ拙いながらも嬉々として、舌をくちびるを頬を使って愛撫するプリシラ。
当人の意思とは無関係に反応してしまう男根。背筋を走る震え。既に失われかけていた理性。

「プリシラ様……お止め下さっ……んくっ……」

血が通いだした男根からは、もう透明な液体が滲み出し、それを自分の唾液と混ぜ合わせるように口内を蠢かせる。
そこから解放すると、こんどは鈴口に舌を沿わせ、いつしか両の手も茎に伸びて攻めに加わっていた。

「私に、こうされるのは、嫌ですか?」

倒れてから半分上体を起こしていたルセアを、プリシラは軽く見上げた。
今まで見たことも無い、想像だにしなかった、愉悦に歪んだかんばせ。

「もっとも、この有様では聞くまでもないでしょうが」

しごき上げる速さが増して、一層激しくなった刺激に翻弄されてしまう。

プリシラにこんな仕打ちを受けるなど、ルセアは露ほども思っていなかった。
愛しているという言葉も、今のこの状況も、自分の感覚を疑っても疑い切れないぐらいだった。
けれど現に彼女は頬を紅潮させ、目を潤ませながら、じゅぷじゅぷと淫猥な音を響かせて一心にルセアを攻め立てている。

限界が、近かった。

(まさか……口の中に出すなんて……それは――――)

その考えが及んだ瞬間、最後の気力と腕力とを振り絞って、ルセアは男根からプリシラを引き離した。

「は……ぁ……はぁっ……」

「ん……ふ……ふふ……口では……物足りないのでしょう」

「そ……そういうことでは」

否定する声に力は無い。それ程プリシラの痴態は圧倒的だった。
欲情していないといえば嘘になる、むしろ欲情という方が無理な話。
今朝に死者に祈りを捧げた神聖なる教会――そこで淫らな行為に耽る罪悪感も、今では背徳の快楽となって衝動を形作るだけ。
座り込んでいたルセアに、プリシラが再び迫る。
542名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:33:37 ID:05hvEGnp

「ルセア……いきますよ……あなたを、下さい」

既に濡れそぼっていた女陰を、男根に宛がう。それだけで眩暈のしそうな感覚が身体を流れる。
一瞬のためらいの後、プリシラはルセアを受け入れていった。

「ひぅ……う……く……」

痛み、思わず顰められた秀眉、くぐもった水音が静かな教会に溶けていく。
涙を流しながら、それでも止まらない。抑えきれない。

強引で激しい律動が二人を貫く。

身を裂かれる痛みさえ求めるまで彼の存在を欲していた。

狂おしい。

もっと欲しい。

何があろうと、忘れられないぐらいに、強く……



その姿は淫蕩でありながら、聖女よりも、神聖であった。

けれどそれを見た者は、後にも先にも、ただひとりしかいない。

「っはぁっ、くぁっ、んんっ……!」

極彩色の瑪瑙が目交いで弾ける。内奥から入り口へ行き来するたびに食らい付く柔肉が全てを押し流す。
考えることが、酷く億劫になっていた。女は男を求め、いつしか男も本能に取り憑かれそれに応じていた。
肌と肌が織り成す鈍い響きが、末期の叫びのような声が、絡み合う二人をあまねく包み込んでいった。

壊れた操り人形の演舞は、やがて終幕を迎える。

「ひ、あぁっ……はぁぁうあぁぁっ!!」

「くっ……うくぅっ、プリシラ様っ……!」

男は絶頂へ上り詰め果てる。同時に仕手の糸が切れて、女はくず折れた。
くちびるの形だけに、紡ぎかけた言葉を残したまま。





子供のような寝息を立てる主の寝顔を、ルセアはただ眺めていた。
未だ湿っぽい空気が漂う教会の中にあっても、これ以上無いくらいに晴れやかだった。
心に溜まっていた澱みも何もかも全て、絶頂に置いてきたのだろうか。
つられたのか、不意にルセアにも微笑が込み上げて来た。

(今は……あなたに全てをぶつけられることしか出来ない……けれど、それであなたが――――)


行為の後の虚脱感は安らかで、切なかった。
それを知るのは、彼らを見下ろす、聖女の像だけだった。

(おしまい)
543名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 00:37:30 ID:2sGysngl
>◆Z9Z6Kjg2yY氏
GJ!!!
リロり忘れてすみません。ぶった切ってしまったorz
こんな積極的でエロいプリシラ様を見たのは初めてです。
全体的に流れが切なくてよかったです。
544名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 05:30:03 ID:TIt4Psoj
988%マシン氏
GJ! 八万ボルト笑った。
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪
Z9Z6Kjg2yY氏
GJ! ルセア受けイイ!
545名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 12:23:57 ID:Z974i7r7
>>540で吹いたw
546名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 16:25:55 ID:H8D5W/K1
ほしゅ
547名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 18:17:29 ID:JqNxljqp
むしろ、次スレがあるんだから埋めるべきなんじゃないか?
548名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 22:42:32 ID:IQ5Wi5s2
外伝がやってくれたよ・・・・・・
549外伝 ◆9QlRx9nooI :2006/02/11(土) 02:14:14 ID:45W7g+VX
何をですか。単なる偶然ですよ。
メディウスは爬虫類だから、哺乳類の処女は気にしないと思うのですがどうでしょう。
550名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 02:02:45 ID:eguZ3emG
竜族が爬虫類っていう描写はどこにもないような気がするんだが。
意外と哺乳類かもしれんぞ。
551名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 09:25:58 ID:hH9cPjFl
氷竜みたいに寒冷地もOKなんだから哺乳類だろ
ニニアンとかおっぱいもあるしな
552名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 12:50:42 ID:vlpJy0YA
実は両生類
553名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 15:54:50 ID:ofSdovQg
竜相手でも人間相手でもオケなのであながち間違いでもないな、それは。
554名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 16:51:49 ID:cXraqb76
おっぱいから母乳出すチキたんとファ
ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ
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555名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 00:06:36 ID:s4d0W6yY
よし。竜の姿のまま交わればいいんだな。
大変だな人間側。
5561/2 ◆ka5BrNUzcE :2006/02/16(木) 20:07:26 ID:57ghTBH4
♪セリス様スイッチ、行っきまっすよぉ〜〜お

ラナ 「セリス様スイッチ『な』」

セリス「ラナ……ラナぁっ!僕、もう……」
ラナ 「私も……セリス様、セリス様を……私の、なかに……ああっ!!」
セリス「……くっ!……はぁはぁ」
ラナ 「ああ……セリス様、どくどく言ってる……」

『な』……中出し

ラナ 「セリス様スイッチ『に』」

ラナ 「はぁ……はぁはぁ、今日も一杯愛して下さいましたね」
セリス「そりゃラナが可愛かったから」
ラナ 「いやだわセリス様!」
セリス「いてててて、いくら照れ隠しだからって頭叩かないでくれよ!ところで……」
ラナ 「はい、何ですか?」
セリス「大事な話があるから僕を呼び出したんだろ?一体何があったんだい?
    って何だかとっても嬉しそうに見えるんだけど、このままの体勢で話す事なの?」
ラナ 「あのねセリス様。私、実はね……」

『に』……妊娠

ラナ 「セリス様スイッチ『ぬ』」

セリス「そうか!ラナも遂におめでたか!」
ラナ 「あわわ……あんまり大きな声で言わないで下さいよもう、恥ずかしいなぁ」
セリス「だって喜ばしい事じゃないか!ラナだって嬉しいんだろ?」
ラナ 「そりゃあ……セリス様の赤ちゃんだから、ってちょっとセリス様何するんですか!」
セリス「そんな事可愛い事言われたら、またしたくなっちゃうじゃないか!」
ラナ 「やん……セリス様がまた私の中で大きくなってる……はぁはぁ、動かないで」
セリス「ああもうラナ可愛いよラナ!」
ラナ 「ダメよセリス様、赤ちゃんが流れちゃう!……あんっ!」
セリス「大丈夫だよラナ。ちょっと赤ちゃんにご挨拶するだけだから。そら、そらそら……」
ラナ 「や……あ、あ、来る、来ちゃう、セリス様、……ああぁぁあっ!」
セリス「僕も……はぁはぁ」
ラナ 「やだっ、まだセリス様固くなったまんまよ。もう一回このままするの?」
セリス「うん(きっぱり)」
ラナ 「もうっ、セリス様ったら!」

『ぬ』……抜かずの三発
5572/2 ◆ka5BrNUzcE :2006/02/16(木) 20:12:28 ID:57ghTBH4
ラナ 「セリス様スイッチ『ね』」

ユリア「セリス様――
    私は一目会った時から、貴方との間に運命を感じてしまいました。
    貴方とは世界中の誰よりも互いを深く理解し、愛し合い、強く結ばれる運命なのだと。
    あの頃の貴方も、私と同じ気持ちでいたのだと信じておりました。信じていたからこそ、
    私は貴方に云われるままこの身体と純潔とを捧げたのです。
    何も知らず、男女の営みには当然付き物であるはずの痛みと不安に怯えていた私の涙を、
    貴方は優しく拭って下さいましたね。
    身体の中から湧き上がる未知の感覚に心細く思っていた私は、それだけで嬉しくなりました。
    頼もしく逞しい貴方に抱かれ、意識が飛び退くような絶頂の経験を味わって初めて、
    私は自分の中に眠る悦びを知るに至ったのです。
    運命を共にする殿方と身も心も一つになる事。それが女の悦びであると私に知らしめたのは、
    セリス様、貴方に他なりません。
    けれどもセリス様――
    貴方にとっての私は、運命を共にする相手ではなかったのでしょうか。
    ただ御自分の中に眠るもう一人の貴方を曝け出し、慰める道具に過ぎなかったのでしょうか。
    違うと私は信じたく思います。けれども夜の貴方と出会わなくなって久しいこの頃になると、
    それも只の妄執に過ぎないのではないかという考えが頭を過ぎるようになってしまいました。
    以前の貴方なら、思い過ごしだと軽く笑って、不安がる私に口付けて愛撫して下さいました。
    それだけで私は癒された気分になったものです。
    けれども。
    貴方はその優しい言葉を、私以外の女にも掛けているのですね。
    そして私にしたのと同じ事を――いいえもっと狂おしく激しく他の女に求めるのですね。
    毎晩のように彼女を抱く貴方の事を、私がどんな思いで物陰から息を潜めて眺めているのか、
    貴方には解ろう筈もありません。
    理解しようというお気持ちすら、今となっては消滅したと考えてよろしいのでしょうか。
    恐らくはそうですね。何故って、もしその片鱗でも御心の片隅に残っていらっしゃるのなら、
    好色なセリス様は今すぐ私の寝所へと忍び込んでいらっしゃるでしょうに。
    ええその通りですとも。セリス様は比類なき好色の殿方です。
    そしてセリス様が好色である事実を知り、セリス様のお気持ちに応えて差し上げられるのは、
    この世界に私一人だけなのです。
    本当です。セリス様に御奉仕する彼女の技を見ていれば解ります。
    そんな稚拙な舌使いしか出来ない癖に、セリス様の強張りを我が物のように咥え込まないで。
    押し倒されて喘ぐ位しか出来ない癖に、当たり前のようにセリス様の胤を受け止めないで。
    セリス様への気持ちでは私に遠く及ばない癖に、セリス様の御子を宿さないで。
    私の方がセリス様を愛しているのに。私の方がよりセリス様を悦ばせて差し上げられるのに。
    セリス様、本当に私よりも彼女の方が宜しいのですか?
    彼女との夜の営み、本当にご満足されていらっしゃるのですか?
    その女がいなくなれば、もう一度私の事を愛して下さいますか?
    セリス様――
    セリス様セリスさま――
    セリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさま――」

『ね』……寝取られ
558おまけ ◆ka5BrNUzcE :2006/02/16(木) 20:13:20 ID:57ghTBH4
ラナ 「セリス様スイッチ『の』」

ラナ 「どうしたのユリア、こんな朝早くから私を呼び出して。私まだ眠いのに、いやその(あたふた)
    とにかく、朝からそんなこの世の終わりみたいな顔してちゃダメよ。怪我人が心配するでしょ。
    何か悩みがあるのなら相談に乗るわよ。苦しみとか悩みとか一人で抱えるぐらいだったら、
    イヤな気持ちを正直に打ち明けた方がいいわ。遠慮しないで、私たちずっと友達でしょ?!
    ……仕方ないわね、言い方を変えよう。貴女がそんな泣きそうな顔をしてると、私も辛いの。
    貴女が笑ってくれたら私も嬉しいの。だからお願いユリア、頼むから笑ってちょうだい。
    ユリアが笑顔になってくれるのなら、私命懸けで何だってするつもりよ……
    って何笑ってるのユリア?確かに私笑って欲しいって言ったわよ、でもそんな笑顔じゃない!
    今の貴女の顔、ちょっと禍々し過ぎるわよ!何か変な事でも考えてるんじゃないでしょうね?
    それにユリア、あなたその手に何持ってるの?!って危ないからこっち来ないで!
    何考えてるのよユリア、貴女正気じゃないわ!そんな事したらセリス様だって悲しむわよ!
    ちょっとユリア刃を私に向けないで、ギザギザを首筋に宛てないで!お願いだから……」
ユリア「……死んじゃえ」

『の』……鋸

セリス「大変よくできました、……ってそれどころじゃない!!衛生兵、衛生兵――っ!!」

おしまい
559名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 20:48:38 ID:75yWOfM3
こえーっ! 

だがそこがいい
560名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 22:20:28 ID:zE3J3xeu
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
561名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 22:42:02 ID:ojnMuNlc
いいなぁ黒ユリア(´∇`*)最後微妙に手遅れっぽいのが何ともw
562名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 22:48:41 ID:/Be3SQpb
こんなとこまでスクイズの魔の手が……
563名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 00:46:09 ID:zQBSZteq
何か出会った頃は愛し合ってたのに急速に冷めていくのがなぁ>セリユリ
ユリアは暗黒面でも萌える(;´Д`)
564名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 00:49:39 ID:od66JtAe
シグルド×アイラをだれかぁ
565名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 14:43:52 ID:vpIUAOx6
埋め。これで埋まったかな?
566名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 14:46:03 ID:kU135wXw
wウェーハッハッハッハ
567名無しさん@ピンキー
生め、梅、産め、膿め、宇目、ウメ、倦め、熟め、績め、熟め、楳、埋め。
今度こそ埋まったな。