ネギまでふとネタを思いつきましたので一つ投下させて頂きます。
やっぱりネギまはネタがでやすいです……。
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「わ……わんっ、わん……っ!」
犬の鳴き声──……にしては、あまりに人間じみた声が夜の闇に吸い込まれて消えていく。
満月が寒空に煌々と輝く下、深夜の麻帆良学園。
昼間の賑やかさとはうって変わって、まるで廃都のような佇まいを見せる西洋風の建物たち。
石畳の脇に植えられた木々はまるで手を広げた魔女のように暗がりを広げ、
僅かな街灯の明かりがスポットライトのように点々と道を照らす。
そんな淋しい町並みの中を、昼間とは違う格好で歩く少女がいた。
靴下も穿かずにスニーカーだけを履いた足が、一歩一歩踏み出される。
そのたびに、ちりん、ちりん…と鈴の音が響いた。
人間として身につけているモノは、その二つだけ。
スニーカーを履き、鈴付きの髪留めで長い髪をツーテールに結い分けている。
いつもの気丈そうな顔を悦びに和らげ、嬉しそうに外を駆け回るハダカの少女。
──神楽坂明日菜が、全裸のままで犬のように麻帆良学園を徘徊しているのであった。
【魔法先生エネま! 牝犬明日菜〜フンは飼い主が以下略〜】
『どうして』こうなってしまったか──というと、少しだけ長い話になる。
コトの始まりは、数カ月前。犬上小太郎が風邪を引いてしまったことだった。
普通の風邪ならば問題はなかったのだが、それは狗族特有の流行り病であった。
──そのまま放っておけば命に関わりかねないほどの。
それを、親友であるネギがただ見ているわけもなかった。
必死になって秘伝の万能薬の材料を得るために駆けずり回り。
魔法薬と狗族に伝わる薬草の製法を掛け合わせてやっとの思いで完成させた『魔法の万能薬』を────、
……ジュースだと思って間違えて飲んでしまったのである。
幸いにも、材料は残っていたので小太郎は事なきを得たのだったが、
そこから大変だったのは明日菜の方であった。
『狗族』の流行り病を治すために作られた特製の魔法薬は、人間には毒とまでは言わないまでも、良いモノではなかった。
──副作用が、現れたのである。
月の出ている夜の間。
月齢が満月に近くなればなるほどに、精神が犬に近くなってしまうのであった。
それでも、普段は骨をくわえてしまったりするくらいで生活に支障はない。
ただ──満月前後の日を除いては。
満月の夜になるたびに、服をすべて脱ぎ捨てて外出しようとするのである。
明日菜の魔法無効化能力のせいで「眠りの霧(ネブラ・ヒュプノーティカ)」も「戒めの風矢(アエール・カブトゥーラエ)」も通じず、
いつもの膂力に人狼じみた敏捷性が加わってしまったせいで物理的拘束も難しい。
捕獲で暴れてしまい、他の生徒にこのことが露見しても不味いことになると考えた学園長は、苦肉の策を取る。
まるで飼い主が「犬の散歩」をするように、ハダカの明日菜の徘徊に同行せよ、と。
──3−A担任の子供教師、ネギにそう告げたのであった。
裸足で出ようとした明日菜にかろうじてスニーカーを履かせる。
人としての着用物は髪留めとスニーカーだけの明日菜が窓から躍り出るのに合わせて、ネギも飛び立つ。
少女の姿をした雌犬と少年の、月に一度の散歩の始まりであった。
「わん……わんっ、わん……っ!」
嬉しそうに犬の吠え声を出しながら、ハダカの明日菜がグラウンドを横切っていく。
その格好は膝をつく形のワンワンスタイルではなく、両手両足の先で地面をとらえる姿。
手にはコンビニの袋と、園芸用スコップを持ち。
背後から杖に乗って追いかけていくネギは、その姿にしなやかな獣を想起した。
女性らしい体つきになってきている明日菜の、しかし無駄な贅肉のないカラダが跳ねる。
二本に結い分けた髪がそのたびに空中でうねり、髪留めの鈴が可憐な音をさせた。
どこか幻想的な──、人間も自然の一員なのだと感じ入らせるような動きであった。
──とはいえ、裸で外を駆け回る姿は卑猥なうえにアブノーマルに過ぎて落ち着かない。
ぷるんぷるんと揺れる胸に、寒気か興奮か、頂点の桜色の突起は痛いほどに尖り、
四つんばいで腰を突き出す格好なので、性器も、お尻の谷間の窄まりも丸見えであった。
その上に、走るために全身に力を込めるたびにひくひくと肛門の皺が収縮する。
ズボンを内側から持ち上げる勃起にちらりと眼をやり、誰も周りにいないことにネギは感謝した。
「待ってください、アスナさん……!」
自動車並の速度を持つ杖で宙を滑り、四つ足で飛び回る明日菜を追っていくネギ。
明日菜自身の体力に人間のリミッターをカットするように人狼じみた力が働いて、
全速力で追いかけて、かろうじて追いつくといった具合であった。
対照的に明日菜は元気そのものといった風情で駆け回る。
クラウンドからカフェに入ると、街灯の一本に眼をつけて四つんばいのままで高く片足を上げる。
「はぁ、は……ンっ……!」
じょぼ、じょぼじょぼじょぼ……!
艶っぽい声が発されて、水音と共に闇に消えていく。
犬がそうする格好で高く天に脚を掲げ、街灯の根元に向けて放尿する明日菜。
冷たい夜気に晒されて白い湯気がもわっ──、と立ち上った。
やがて排尿が終わったのか背筋をぶるぶると震わせ、足を上げたままで腰を振って尿の滴を飛ばす。
「……うわ……っ」
明日菜の行ったことは、獣が自分の縄張りを主張する行為。
まごうことなきマーキングであった。
知らずに感嘆のつぶやきを漏らすネギ。太腿が所在無さげにすり合わされる。
そんな風にドキドキとその様子を見つめながらコンビニの袋を握り締めるネギを尻目に、
明日菜は再び駆け出していくのであった。
クラブ棟の芝生を駆け抜け、明日菜が向かった先は──世界樹。
麻帆良学園都市の中心に位置する巨木。
雌犬になったときの明日菜は、ここが大のお気に入りであった。
世界樹の根元に到達すると、その場でチンチンの格好をしてネギを待つ。
──その顔は、とても愉悦に満ちていた。
「──あ、やっぱりここにいましたか…っ!」
「わん、わんっ♪」
杖に乗ったネギが、ようやく世界樹の下に辿り着く。
明日菜は愛しい飼い主を迎えるように気色ばんだ吠え声を出した。
チンチンの格好──、
いわゆる立った状態からしゃがんでのM字開脚で、両手を胸の前で犬のように掲げる姿。
そのままで、口を開けて舌を出して息を吐きながら明日菜はネギを待っていた。
無毛の割れ目が限界まで開かれた脚に引かれて、陰唇がぐにゅりと開く。
露わになった膣のピンク色の粘膜からは、とろりと愛液が垂れ落ちた。
「わん、わんっ!」
早く早く、とせかすように声をあげ、腰をはしたなく上下させる明日菜。
苦笑を返しながらネギは杖から降りて歩み寄る。
「すぐに行きますから、アスナさん…! そんなにせかさないで下さいよ〜!」
手に握ったコンビニの袋とスコップを強く握り締める。
握った拳の中で、汗がだらだらと流れた。
──犬になったときの明日菜には、日課ともいうべき「すること」があった。
ネギが近づくと同時に、明日菜はくるりと後ろを向くと両手を地面についた。
犬が上体をあげたような姿勢で、首だけ振り向いて肩ごしにネギを見る。
まるで別の生物のようにぴくぴくとひくつくお尻の穴の前に、ネギはしゃがみ込んだ。
間近に来ると、ぎゅるぎゅるっ、と明日菜のお腹が鳴る音が耳に届いた。
「──はい、見ていてあげますから……、今日も元気に──……し、シてくださいね?」
「わんっ!」
──日課とは、野外での排泄であった。
散歩の終わりには専ら、お気に入りの場所である世界樹の下でウンチをする。
健康優良児である明日菜のウンチは、いつもその健康さを体現したかのように大きく太い一本糞であった。
そしてネギが袋とスコップを持ってそれを回収して持ち帰り、トイレに流すのである。
最初のうちは顔を真っ赤にしてまっすぐ見ることも出来なかったネギであったが、
回数を重ねるうちに、明日菜のハダカにドキドキしながらも──、
そのウンチの色で健康状態を推し量ることさえ出来るようになっていた。
…ところが、いつも健康な明日菜であったが、今日だけは違っていた。
激しい腸の蠕動の音が、ネギにそれを気付かせる。
「んっ、んんんんッッ──!!」
額に汗を浮かせ、いきむ明日菜。
──と、盛り上がった肛門が、内側からの圧力に負けて弾けた。
ブッ! ブビィィィィッ……!! ブスゥ……っ!
「──っ!」
湿ったオナラの音が、ひんやりとした空気をかき混ぜる。
間近でそれを見ていたネギは少しだけ眉根に皺を寄せた。
(──明日菜さん、お腹……壊してる……!?)
そう思ったのも束の間、明日菜が歯を食いしばりながら更に踏ん張る声が響く。
いつもよりも苦しそうだな、とネギはどこか上の空で感じていた。
「んヒッ、んぐぅぅぅ──!!」
ブビュッ! ブバシャァッ、ブビビビッ、ビジャビジャァッ!!
ぶびゅぶぶぶっ、ブバッ──!!
いかに健康優良児とはいえ、冬も近い時期の深夜に野外をハダカで走り、
そのうえかいた汗も拭かないでいるのだから──お腹を壊すのも当然と言えた。
明日菜の肛門から迸ったのは、完全な下痢便であった。
「わ、わわっ!!」
びちゃびちゃと撒き散らされ、ネギの足元にまで流れる下痢。
なんとか脚を動かしてそれを踏むことは避けたネギが、地面の液状便を見て独りごちる。
「こ、これじゃあさすがに持って帰れませんね……」
手の袋とスコップが、空しげに宙を泳ぐ。
こんなときでも職務を忘れないのは、さすがと言えるだろう。
──そうしているうちに、苦しげにいきんでいたはずの明日菜の声に熱いものが混じり始める。
肛門をとめどなく流れ落ちる熱い液体の感触に性感を刺激されてしまったのか、
片手の指を秘所に出し入れを繰り返して愛液を溢れさせ、もう片方の手では胸を揉みしだく。
「あぁ……ッ、ひっ、んぅぅ──!!」
ぶじゅ、ブビュブブブブッ、ブバッ!!
肛門から茶色の濁流を迸らせながら自慰に耽る明日菜。
快楽に耐えきれず尻を振るたびにびちゃびちゃと広範囲にどろどろのウンチが飛び散り、明日菜自身を汚していった。
「はひっ、あぁ、あはぁっ……! あぅん……!!」
ぶじゅぶっ! ぶびゅっ! ぶびびびっ、ぶばばっ!! ぶぼっ、ぶすぅっ!
びじゃっ、ブビビィッ!! ブビジャアアァァッ!!
「あ、あぅん、っ、あぁんっ! はひぃぃぃ!!」
艶声と共に、世界樹の根元を汚濁に染めてびちゃびちゃとぶちまけられていく液状のうんち。
地面で跳ね返り、自分の尻たぶを、スニーカーをも濃い茶色の液体で汚していきながら、
明日菜はビリビリと痺れるような快楽に震え、絶頂に達した。
そしてそのまま明日菜の視界は反転し、精神が暗く塗りつぶされていく。
ぐらり──と身体が傾ぎ、ネギの方へ倒れていきながらも、長く絶頂を続ける。
「あ、ひ……ぁ、ぁぁ……────」
──慌てて便の水たまりに踏み込んで明日菜を受け止めるネギの顔がどこか上気していることが、
意識を失いかけの明日菜の内側を、ずくん…、と震わせるのであった。
「ぁ、ネ……ギ……ぃ……」
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「……ぃ────っ!?」
気が付くと、天井が近かった。電灯がぴかぴかと眩しい光を放っている。
──さっきまでのどろどろとした蝕まれるような快楽が嘘のように、思考はクリア。
「──あ、あ、れ……?」
「アスナさん、気付きましたか?」
自分のベッドに入ったまま、ぱちくりとまばたきをする明日菜。
既に下着もパジャマも着せられていて、温かい布団の中にいるのが肌の感触で判った。
ハダカで駆け抜けたせいでかいた全身の汗もなく、お尻にこびりついていた下痢便も無い。
それで、今日の「雌犬の時間」が終わったのだと理解した。
覗き込むネギと木乃香の顔をゆっくり見回し──、
途端に、自分が今日したことを如実に思い出す。
雌犬として外を駆け回っているときの記憶は、しっかりと──『経験』として残っている。
「〜〜〜〜っっ!!」
顔を真っ赤にして、頭から布団を被る明日菜。
「アスナ、気にせんでもええてー」
「そ、そうですよ! 誰にも気付かれてませんし。もうすぐ中和薬も出来ますから!」
木乃香とネギのフォローは耳に届いてはいたが、明日菜は布団を掴んだまま丸くなる。
仰向けからうつ伏せの体勢になり、真っ赤な顔色を布団に押しつけて隠すように。
やがて木乃香とネギは、めいめいに明日菜を気づかう言葉を残して寝床に戻っていく。
──いっそ、犬になっていたときのことを忘れていられればよかった。
──そうでなくても、犬である時のことを汚らわしいことと忌避出来ていればよかった。
──だが、明日菜が感じていたのは別種の感覚。
(……っ、恥ずかしいけど、すっごく気持ちよかったなんて……っ、言えるわけないじゃないっ……!!)
布団の中に隠れたままでパジャマに手を突っ込むと、お尻の穴に指を這わせる。
「ん……ぅぅっ」
散々下痢便を噴出した肛門はまだ少し開き気味で、熱を持っているように感じられた。
つぷり、と肛門粘膜に指を沈み込ませると、ぴりぴりとヒリつくような快楽が走る。
「は──、っぁ……!!」
声を押し殺し、もぞもぞと布団の中で動いてアナルオナニーに浸る。
恐らく中和薬が出来ても、この気持ちよさは忘れられないだろう。
(ひんっ……! ご、ごめん、ね…、ネギ、このか……ぁっ……)
快楽に蕩けていく頭の中でそう思い、罪悪感に駆られる明日菜。
──しかし、自らの排泄孔を弄ぶ両手の指の動きは止まることを知らず。
──更なる肛門自慰に耽溺していくのであった……。
【おまけ】
下痢便のぶちまけられた地面には、後日なんだか綺麗な花が咲いたという。
──そこを通るたびにネギは「本当に肥料になるんだなあ」と感慨深げに頷いたそうな。
そしてネギに「そっち」方面の嗜好が芽生えたか否かは──……、
まだ、不明である。
おわり