卓上ゲームエロパロ総合スレ8

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1名無しさん@ピンキー
カードゲーム、ボードゲーム、TRPG・・・
この世にある全ての卓ゲーには影に隠れ淫靡にまみれし恥部があった!!

ここは卓上ゲームを元ネタとするエロパロを総合的に扱うスレッドです。
元ネタ及び表現するジャンルは不問! 小説、イラスト、コミック、あるいは18禁リプレイやら生身やら。
遊戯中にとめどなく妄想を始めて人知れず股間をすり合わせるヒマがあるのなら! さあ! カキたまえ!!

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卓上ゲームエロパロ総合スレ7
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2名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 20:36:27 ID:ptLe6Bje
>>1 乙!そしてGJ!
3メガテンX 2本目01/14:2005/10/21(金) 20:38:22 ID:YrqEnQ4/
◇ペッパー警部

「俺んち、今日は誰もいねぇんだ」
 ちゃんとそう言ったのに、のこのこやって来た以上は彼女も承諾済みのはず
だ。とはいえ俺の部屋に通されて、いきなり抱きしめられるとは思ってもみな
かったのだろう。俺を振り払うこともできず、真っ赤になって小さく縮こまっ
ている。
「……は、放してくださいぃ……」
 やっとこさ振り絞った、という感じの消え入りそうな声。冗談じゃねぇ、誰
が放すか。と言いたいとこだが、嫌われたくないから手を放す。
 ふら、と後ろにふらついて、彼女はドアに背を付いた。俺の部屋のドアは内
開きだから、彼女は自分で自分の退路を絶っていることになる。気づいてねぇ
んだろうけど。
 更にその上、俺は彼女に覆い被さるように、ドアに両手を突いた。
 ふと目についた、魔晶手甲を嵌めた右手。悪魔をどつき倒すのにはいいが、
女の子を抱くのには全くの不向きだ。俺は手甲を外して、いつもは丁寧に扱う
それを、ポイと机の上に投げた。
 蛍光灯の光が俺の身体に遮られて、彼女は俺の影の下。茶色い眼鏡の向こう
側から、俺を見上げておずおずと訊く、
「本当に、するんですか……?」
「しねぇのか?」
 去年の秋に付き合い始めて、そろそろ1年が経とうとしている。俺にしてみ
りゃ随分と長く『おあずけ』を喰ってんだけど、彼女はまだ、そういうのが嫌
なんだろうか。
 彼女は一旦帰宅して着替えてきている。俺の予想(又は希望)では、着替え
ると称して風呂にも入ってきてるはずだ。この、一大決戦のために。
 いや、でも、それならもうちょっと色気のある格好をしてくるか? なにし
ろ今の彼女はピンク色の、しかし一目で男物とわかるポロシャツと、濃い青色
のGパンという出で立ちだ。さあどっか遊びに行こうぜ、ゲーセンか? カラ
オケか? ボーリングでもいいな、とでも言いたげに。
 物の本によれば、こういうとき、女は勝負服とかいうエロくさい服を着るん
じゃなかったか。彼女の勝負服ってどんなのだろう。想像して……やたらと妄
想になった。
 まあ、彼女のことだから、そういう男女交際の定番には疎いのかも知れねぇ
し、逆に、期待していると思われるのが嫌でわざと男みたいな格好をしてきた
のかも知れねぇし、……。
 俺があれこれ考えている間に、彼女はちょっと俯いて、レンズを介さず上目
遣いで、拗ねたように言った。
「……いじわる、言わないでください」
4メガテンX 2本目02/14:2005/10/21(金) 20:39:34 ID:YrqEnQ4/
 ああもう、どっちが意地悪なんだっ。俺は彼女を上向かせ、これでようやく
10回目のキス。月一ペースだ、あとどんだけ我慢させる気でいやがる?
「今日はもう口だけじゃ済まさねぇぞ、全身にキスしてやらぁ」
 彼女がますます真っ赤になって、熟れたリンゴみたいなその姿と、自分自身
の台詞に酔って、俺も一気に興奮する。
 11回目のキス。合わせた唇の隙間から舌先を少しだけ。ちょん、と突つく
と、びくん、と緊張する、彼女の反応が怖くて先月はそこでやめた。けど。
 割り入れる。食いしばった門歯をノックして促す。ん、という喉からの声は
応じたのか拒否したのか、俺が不安になる寸前に、俺の舌先に彼女の舌先が。
 ちょっと、でさえない。ち、とかすっただけ。それでも甘味さえ覚えた。そ
れをもっともっと味わいたくて、俺は彼女に進入する。
 奥に逃げた彼女の舌を追いかけて、舌の先端同士を擦り合わせると、痺れる
ような甘さ。レモンの味、ってな誰がデタラメこきやがった? ちっとも酸っ
ぱくねぇ。
 俺は少し顔を離した。
「なあ、何か甘いモン食ったか?」
 彼女は首を横に振った。
「多分、舌先の味蕾が刺激されて、甘いって錯覚してるんだと思います」
 彼女らしい台詞に苦笑。どーでもいいんだ、ンな理屈はよ。
「んじゃ、こういうのも甘いって錯覚すんのか?」
 俺は彼女の前髪を掻き上げ、額にキスして、それから舐めた。汗の味、予想
通りしょっぱくて、……意外と甘い。
「やっ、だめですよっ、汗いっぱいかいてますし、それに埃だって」
「ああ、じゃあ埃が甘いのか」
 それとも彼女が甘いのか。
 頬にキスして舐めて。
「ん……っ」
 首筋にキスして舐めて。
「や、だぁ……」
 耳朶にキスして、唇で挟んで、舐めて。
「や……」
 嫌、という拒絶の言葉が小さくなった。
 耳がいいのかな、と俺は、彼女の頭を抱き寄せて、積極的に攻めてみた。舌
や唇で遊ぶだけじゃなく、歯先を軽く当ててみたり、息を吹きかけてみたり。
「はう、う……っ」
 彼女は自分で自分の胸元をぎゅっと押さえつけて、懸命に声を抑えている、
という感じ。俺の愛撫を受け止めているのか受けかねているのか、俺には判断
がつかない。
 舌を尖らせて、穴の中をこしょこしょ。
「はうううっ!」
5メガテンX 2本目03/14:2005/10/21(金) 20:41:12 ID:YrqEnQ4/
 びくびくん、と震えて、唐突に大きな声。出してしまってから、自分で自分
の口を押さえる彼女。俺の部屋は2階、両側が兄貴と弟の部屋、ドアの向こう
は廊下を挟んで壁、その外側はマンションの壁。カーテンの下りた窓の外は、
うちの庭と隣の庭とを挟んでようやく隣家である。この程度の声ならば、まあ
誰かに聞かれることはねぇと思うが。
 ……可愛い。
 ちくしょう、メチャメチャ可愛いっ!
 耳でこれなら、他のとこならどうなんだ? 今すぐにでも試してみたい、あ
あでも急いては勿体ない。両極端の欲望に引き裂かれそうだ。
 きゅ、と目を閉じて、まだ少し震えている彼女に、俺は低く囁いた。
「オレサマ、オマエ、マルカジリ。……ってな」
 彼女はぱちりと目を開けて、俺を見て。
「ばかぁ」
 小さい子供みたいに、笑った。
―〜―〜―
 隣に座っているだけで、ドキドキする。
 秋の夜風は少し肌寒いほど。涼しいはずなのに、何故か暑くて。
 ああ、それとも熱いのか。
 港に程近い公園。潮の匂いが混じった空気。
 月はなく、星は遠くて、街灯と街灯との間に挟まれたベンチに、俺達は腰を
掛けている。
 さっき観た映画の感想とか、学校の噂とか、話題が尽きて、どのくらい経つ
だろう。あんまり黙っているのも不自然かと思うんだが、俺の頭じゃ気の利い
た話の一つも出てこない。こんなことならもうちょっと、TVとか雑誌とかで
色々情報を仕入れとくんだった。気功拳法ばっかにのめり込むんじゃなしに。
 “運命の少年”。やがて来るそいつを手助けするのが俺の運命なのだと、か
つて師匠が言っていた。魔晶手甲――ガルムの手甲を手に入れたとき、それが
逃れるすべなき宿命なのだと。“運命の少年”は救世主候補。黙示録の世に、
転生した女神を探し求めるという、女神の対たる男神の転生。
 冗談じゃねぇ、と思った。黙示録だか救世主だか知らないが、ンなもんどっ
か余所でやってくれ。神も悪魔も人の行く末も、俺には関係ねぇだろう? い
や、関係あるのかも知れんが、俺が背負う必要ねぇだろうが。アトランティス
の戦士だのムー大陸の巫女だの、妙な雑誌で馬鹿ほざいてる連中にやらせりゃ
いいんだ。
 だけどそれでも。
 魔晶手甲の力。ガルムの炎。俺の手に、それこそ前世からの約束めいてしっ
くりと馴染むこいつが、嘘や冗談でないことはわかっていたから。
 俺は鍛えた。鍛錬自体は好きでもある。毎日、昨日の自分よりも強くなって
いく確かな実感。
6メガテンX 2本目04/14:2005/10/21(金) 20:42:16 ID:YrqEnQ4/
 お前はもう、基礎はできている。あとは独力で精進できるレベルだと師匠は
言う。実践で、実戦で鍛えよと。
 ただ、未だに足りないものが一つある、と。
 それは心の強さ。どうしても譲れない何か。
「あ、あのっ」
「え、何っ?」
 急に彼女が話しかけてきて、ちょっと驚いた。いや、彼女が悪いんじゃなく
て、ボーッとしてた俺が悪いんだけども。
「寒く、ないですか?」
 彼女がちらりと俺の腕に目を走らせた。
 長袖の制服をきちんと着ている彼女とは違って、冬でも薄着で通す俺はノー
スリーブのシャツを重ね着しているのみだ。見た目に寒く映るのは、まあ当然
と言える。
「上着、要りますか?」
 彼女が自分の上着を脱ごうとしたので、俺は慌ててそれを制した。
「や、平気平気、大丈夫だから。キミこそ寒いだろ、ちゃんと着てなよ」
 キミ、だなんて慣れない二人称だ。自分で言ってて舌を噛みそうである。け
ど、誰にでも丁寧語で話しかける礼儀正しい彼女を、友達や道場の仲間みたい
に「お前」呼ばわりするのは変な気がしたから。
「わたし、この下も長袖ですし、それに、寒くありませんから」
「ホントに大丈夫だから。遠慮してるわけじゃねぇから。うん」
「そう、ですか」
 彼女は上着を整えて、前を向いて座り直した。またも途切れる会話。嗚呼、
どうすればいいんだ。
 俺の右側に座る彼女の様子を横目で窺う。別段、退屈そうでも不愉快そうで
もなくて、ちょっと安心するけれど、俺なんかといて、彼女は楽しんでくれて
いるんだろうか。
 遊びに来たっていうのに何故か制服を着ていて、白い鞄を膝の上に乗せてい
て、不思議なことに、剣道の竹刀袋めいた細長い荷物まである。映画の前に、
何を入れているのか訊いてみたけど、内緒に決まってます、と笑ってはぐらか
された。まあ、俺も魔晶手甲を嵌めてるんだ、変な格好はお互い様である。
 ううううう。
 なんていうか、こう、現状を喜ぶ気持ちと、何でこんなことになったんだろ
う、という戸惑いとが半々って感じ。
 可愛いなぁ、とは思っていた。背が低くて、って女子としちゃあ普通か? 
全体的にちっちゃいなぁって印象で、髪が短くて、地味な眼鏡を掛けてて、ク
ラスじゃあ成績は悪くないけど目立たない存在で、……って、あれ? あんま
り褒めてねぇか?
7メガテンX 2本目05/14:2005/10/21(金) 20:43:16 ID:YrqEnQ4/
 パソコンの、ええとブラインド・タッチ? キーボードを見ないでダカダカ
打つやつ、あれがメチャメチャ速くて、プリントアウトしたペーパーをシャッ
と提出するさまがすっげカッコよくて、学校の計算機室でそんな彼女を見掛け
た日から、俺は彼女が気になりだしたんだった。
 その後、彼女とは道場でもたまーに顔を合わせるようになった。ただし、彼
女は拳法を習いに来ていたわけじゃない、師匠の遠い親戚ってことらしい。
 そして、昨日のこと。
「明日は、映画を観てからにしませんか?」
「え?」
 俺は面食らった。放課後、帰る直前の俺に手渡された、指定席のチケット。
SFの戦記物、戦闘シーンがすっげード迫力でストーリーがスリル満点で、や
たら面白い! と道場でもその話で持ちきり、俺もこの土日に絶対に観に行こ
うと心に決めていたやつだ。なんてタイムリー。てか、
「お、俺? 俺とっ!?」
「はい」
 彼女はにっこり笑って頷いた。
 脳天に師匠の拳が直撃したとき以上にクラクラくるほどもの凄い破壊力だっ
た。冗談だろう、なんでこんなに可愛いんだ。てか、「可愛い」としか表現で
きない自分の頭に腹が立つ。もうちょっとこう上手い言い方はねぇのか。
「おじいさまが、これでも観て時間を潰すといい、って」
 彼女がおじいさまと呼ぶのは俺の師匠のことだ。
「で、でもお前、じゃねぇ、キミがこういうの観るとは思わなかったなぁ」
 彼女には、こんな殺伐とした話より、もっとほのぼのした物語が似合ってる
と思う。仔犬がころころ転がり出てくるみたいな感じの。
「え、結構好きですよ、CGが意外に繊細だって評判で」
 ああ、そっちの興味で観るわけだ。ストーリーじゃなく。やや納得。
「映画を観て、軽く御飯でも食べて、それから公園の方に行きましょう」
 映画、食事、公園に散歩。絵に描いたようなデートコース。
「こ、公園ね。OK」
 待ち合わせの時間と場所とをてきぱき決めて、彼女は小さく手を振って帰っ
ていった。
8メガテンX 2本目06/14:2005/10/21(金) 20:44:33 ID:YrqEnQ4/
 手を振り返して見送って、……彼女が見えなくなってから改めて思う。
 何で俺、誘われたんだ?
 二人っきりで映画に、あまつさえ公園に。しかも時間的に言って、間違いよ
うなく、夜の公園に、である!
 勘ぐるなという方が無理だ。現に公園内には、あちこちにイチャつくカップ
ルが、って、今夜は何故か全っ然人通りがねぇけど、一般的には夜の公園とい
やぁ恋人達のメッカだろう?
 何かの間違いじゃねぇのか? だって俺達、学校じゃあただのクラスメイト
だし、別に付き合ってるってわけでもねぇし、そりゃあ道場じゃあ稽古の合間
に割と色々話し込んだりするけど、言ってしまえばそれだけのことだし。
 いや。でも。だからこそ。
 遠回しに告白されたってことじゃねぇのか? さもなきゃ告白の前フリ?
 実は俺、情けない話だけど、手ひどくフラれたことがある。好きだと言った
ら、ヤだー、だってキミって汗くさそうじゃーん、と馬鹿笑いで返され、物の
見事に撃沈した。
 それだけに、舞い上がった。まさか俺の人生に、棚からぼた餅が降ってくる
とは思ってもいなかったから。
 あんまり舞い上がりすぎて夕べは寝付けず、やっと眠れたのは明け方で、目
が覚めたのは正午過ぎだった。今日が夕方からの約束で、本当によかった。
 …………師匠。
「うわ!?」
「えっ!?」
 俺は半ば立ち上がり、彼女はびっくりして身を引いた。
「ど、どうかしたんですか?」
 そうだ、昨日は話があるから道場に来るよう師匠に言われてたんだった!
「やっべ、マジ忘れてた、っちゃ〜」
 何でもっと早く思い出さなかったんだろう。うっわ、叱られっぞ、ガンガン
叱られっぞ、師匠こういうことには厳しいんだ。今は何時だ、8時か? 今か
らでも電話して詫び入れて、明日にでも改めて道場に……。
「急用ですか? 帰った方がいいですか?」
 彼女がオロオロしている。
「悪い、ちょっと師匠に電話だけ掛けさせて」
 俺はケータイを取り出し、リダイヤルで道場に電話した。
 コール20回。……留守だ。ピ、と切る。
「まあ、明日直接行きゃあいっか」
 これはもう仕様がない。諦めた。殴られる覚悟で行こう。
 振り向くと、彼女がしゅーんとしていた。
「……済みません、そんなに忙しいのに……」
 しまったぁ……。
9メガテンX 2本目07/14:2005/10/21(金) 20:45:33 ID:YrqEnQ4/
 馬鹿か俺? 幾ら相手が師匠とはいえ、彼女とのデート最中に、他の奴に電
話を掛けるって何なんだ。それも、退っ引きならない急用ならまだしも、本当
は昨日のうちに済ませておかなきゃならなかった用件で、だ。
「ええと、あの、ゴメン、俺、その、」
 ちゃんと訳を話すべきだ、けど、こんな間抜けな訳を話して、馬鹿にされた
りしたら……。
 そのとき、彼女は決意を込めて、ぐっと両拳を握り締めた。
「ん、大丈夫です」
 ぱ、と立ち上がる。俺に向かって、頭を下げて、
「今日はわざわざありがとうございました。あとはわたし一人で大丈夫ですか
ら」
 顔を上げて、にこっと笑った。
「きっと大丈夫ですから。だから心配しないで、行ってください」
 気を遣ったってくれたんだ。俺は胸が痛くなる。一人で大丈夫、心配しない
で、って、家まで送ってもらわなくても平気ってことだろう。だから早く用事
を済ませに行ってくださいってことだろう。なんてこった。
「冗談じゃねぇ、こんなところに」
 女の子を一人で、
「好きな女の子を一人で残していけっかよ!」
 勢いだった。何か考えてのことじゃなかった。言ってしまってから違和感を
覚えて、あれ? と思った。
 彼女がきょとんとなって……一瞬で真っ赤になった。
「えっ!? えっ!? あの……っ!?」
 きょろきょろして、じたばたして、あたふたとベンチの上の荷物を拾って胸
に抱いて、いや持っててもしょうがないって感じでまたベンチの上に戻して、
「わ、わたし大丈夫ですからっ!」
 いや全然大丈夫じゃねぇし。
 心の中で反射的にツッコミを入れたせいでか、俺は少しばかり落ち着いた。
先にパニクられると残された方は冷静になるって本当なんだと思った。
 俺は地面を蹴って立った。
「ゴメン、用事ったって大したことじゃねぇんだ。ちゃんと一緒にいるから、
だからさっきのことは許してくんねぇか?」
 言いながら、俺もさして冷静じゃねぇなと思った。何でいきなり彼女の肩を
掴んでっかな、それも両肩を。
 彼女は俺を振りほどこうとしない。けれど、それは俺を受け入れているから
というより、硬直して動けなくなっているからのようだった。
「あの、わ、わたし……」
 厚めのレンズの下で、彼女の両眼が潤んでいた。
 彼女は胸の前で自分の手を握り締めるようにしていて、それは、これ以上は
こっちに来ないで、と怯えているように見えた。
10メガテンX 2本目08/14:2005/10/21(金) 20:46:44 ID:YrqEnQ4/
 嫌わないで欲しい。逃げないで欲しい。好きだから。大事にするから。
 抱きしめたら。壊れるだろうか。……ええい、ままなれよ!
 俺の腕の中で、俺の胸に押しつけられて、彼女は小さく震えていた。全身を
ぎゅっと縮こめて、固く固くなっていた。怖がっているんだ、と思った。
 俺を、怖がっている、と。
 何でだよ。ふいに怒りに似た感情が沸き起こる。
 映画に誘ったのも、公園に来たいっつったのもそっちだろう? 俺のことが
好きだからじゃねぇのかよ? それなのに、何でそんなに嫌がるんだよっ?
 凶暴な衝動。どうしてくれよう、この……!
「本当、ですか?」
 もう少しで聞き落とすところだった、蚊の鳴くような、声。
「さっき、あの、聞き間違いでなければ、その、わたしの、こと、ええと……
好き、って」
「ああ、好きだよ畜生! 悪かったな!」
 ムリヤリ顔を上に向けさせた。何て思われようが知ったことか、今すぐこい
つにキスしてやる、映画の中で敵の司令が抗うヒロインの唇を強引に奪ったよ
うに。
 そして今度は、俺が硬直する番だった。
「ありがとう、わたし……うれしい…………」
 笑顔だった。彼女の言葉通り、本当に、嬉しそうな。
 そのくせ泣いていた。ぽろ、と涙が頬を伝って落ちた。
 映画の中でなら、涙するヒロインに主人公が優しく口づける。
 頭の中でその光景を再演しながら、俺は掌で、彼女の濡れた頬を包んだ。
 俺の想いをわかってくれてか、彼女がそっとまぶたを閉じる。
「もしもし、君達、帰りなさい」
 飛び上がるかと思った。ギョッとなって振り向くと、街灯の下に警官が一人
立っていた。
「こんな時間まで、遊んでいては、いけない」
 やたら機械的な喋り方をするポリ公だと思った。こっちに近づいてくる、そ
の歩き方まで異様にギクシャクと、……風に乗って漂う、腐臭。
 俺は彼女を背に庇った。
「……俺の傍から離れるな」
 本当は、逃げろ、と言うべきなのだろうが、この手の連中は仲魔を呼ぶ性質
がある。この場で一番安全なのは、間違いなく俺の後ろだ。
「補導、されたいのかね?」
 何が補導だ、いきなりピストルを抜きはなって、うわっ、発砲してきやがっ
た! 至近距離だ、避け切れるもんじゃねぇ。俺の服に風穴が開く、そして胴
体にも。チクショーめ、一般人なら死んでるぜ。
 彼女には、よかった、貫通弾が当たったってこともなさそうだ。逃げる準備
か、ベンチの上の荷物を取り上げている。
11メガテンX 2本目09/14:2005/10/21(金) 20:47:58 ID:YrqEnQ4/
 喉まで込み上げてきた血塊をペッと吐き捨て、俺は右の拳を顔の前まで振り
上げた。妖獣ガルムの魔晶手甲。念を込めて起動する。炎が拳に宿る。
 反撃、ボロボロの制服に包まれた屍鬼の肉体に焦げた大穴を穿つ。痛覚など
残っちゃいないだろうに、奴は魂が消し飛ぶほどの悲鳴を上げた。
 悪いな、俺は“妖獣拳士”、炎の拳の使い手。お前にとっちゃ、天敵みたい
なもんだ、……ゾンビコップさんよ。
 ガサガサ、と周囲に人の気配が。それも複数。
 違う、人じゃない、あれは悲鳴じゃない。奴は仲魔を喚んだんだ!
「補導を、ほ、ドウ、ぅおおおおおオォレはぁ死んでイルゥゥゥ!」
 ゾンビコップが本性を顕した。その大声に合わせるように、新手のゾンビど
もがウひょホホホ、げヒャははは、と発狂した哄笑を上げる。チッ、うるせぇ
な。しかし流石に彼女を庇って3対1、いや4対1というのはマズいか?
「コール!」
 背後で聞こえたのは彼女の声。しゅわっ、とはじける不思議な音。
「はぁ〜い、お喚び出しアリガトぉん」
 やたら陽気な、耳慣れぬ女の子の声。
「さっそくイッちゃいますよぉ、ジオ!」
 振り向いた、そこに走った稲光。雷撃がゾンビを捉えて、SHOCKを受け
たそいつに一閃の白刃。武道の型めいて、惚れ惚れするほど綺麗な。
 ゾンビが1体、マグネタイトに還って消えた。なんて手際だ、只者じゃねぇ。
 スカートがふわりと浮かんで降りた、彼女の両手に日本刀。そして左の腕と
耳に装着された、白い機械。
 ……アームターミナル!
 凛として、そこには“運命の少年”がいた。黙示録の世に、転生した女神を
探し求めるという、救世主候補。
「来ます!」
「あ、ああ!」
 彼女の声で我に返って、俺はゾンビコップに向き直った。それが効を奏して、
間一髪、俺は次弾を避けた。
 嘘だろう?
 戦いの最中、傷を受けても、俺は喜びを抑えきれない。痛みを上まわる高揚
感、いっそ幸福なほど。
 “運命の少年”。やがて来るそいつを手助けするのが俺の運命。逃れるすべ
なき、それが宿命。
 ……こいつかよ。“運命の少年”。てっきり男だとばかり思っていたのに。
 彼女が『俺の運命』かよ!
 俺は駆ける。炎を携え。彼女のピクシーからディアが飛び、回復した俺はゾ
ンビコップ目掛けて必殺の一撃を放った。
―〜―〜―
12メガテンX 2本目10/14:2005/10/21(金) 20:49:27 ID:YrqEnQ4/
 妖獣系悪魔の口真似に、顔を見合わせクスクス笑って、それで俺は、多分彼
女も、不必要なまでの緊張がほぐれた。
「脱がせていいか?」
 訊いておいて、了承も得ずに彼女のポロシャツをぐいと捲り上げた。小さい
弟の服を脱がせてやる要領。服につられて彼女の腕も万歳みたいに上がる。
「やややややダメですよダメですよぅっ」
 暴れても無駄。俺には弟をムリヤリ着替えさせてきた実績がある、ブラウス
だのワンピースだのいった面倒げな服じゃなくて、ポロシャツみたいなわかり
やすい服を着てきたお前が悪い。
 ボタンを外してないから、首のところで引っ掛かった。その状態で裏からボ
タンを外して(この技も対弟戦で身に付けた)、ばっと引っ張り取る。
「痛いぃ〜」
 忘れてた、弟と違って彼女は眼鏡を掛けてたんだった。怒ってくれるなよ、
と心の中で祈りつつ、顔は笑ってゴメンと謝る。
 まだ暑さの残る季節だからだろう、ポロシャツの下はブラ一枚だった。彼女
が眼鏡を気にしている間に、じっくりと観賞する。
 華奢だなぁ、と思う。女って、きっと男とは別の生き物だ。でなきゃ、何で
こんなに違うのかが理解できねぇ。白くって、見るだにすべすべしてて。
「胸ちっちぇえなぁ」
 つい口が滑った。彼女はキッと俺を睨んで、
「ええい、脱げー!」
「うわー!」
 二枚重ねの俺のシャツが一遍に抜き取られた。いつもは大人しいのに、何か
のはずみで彼女は驚くぐらい負けん気が強くなる。
「ちっちゃくて悪かったですねー!」
 脱がせた俺の服で、俺のことをぴしぴし叩いて。
「こんなモノ、Aカップあれば充分なんですっ!」
 ぐい、と胸を反らし、それから俺にビシッと指を突きつけて、
「自分なんてAAカップもないくせにっ」
「あってたまるか!」
 無くて普通だろ。てか、Aカップあれば何に充分なんだ。
「その分、俺はこっちがあるからいいんだよっ」
 俺は彼女の手を取って、その掌で、俺の股間に触れさせた。
 見る間に彼女が硬直する。さっきの勢いはどこへやら、またまた再び真っ赤
になって。
「ヤ……ヤラしい〜っ……」
 声が震えている。
「そりゃヤラしいぜ、俺、今すっげぇヤラしい気分だもんよ」
 改めて彼女を眺め回す。思い出したように恥じらって彼女は、自分の胸に俺
の服を当てる。片手は俺に掴まれているから、残る片手で。
13メガテンX 2本目11/14:2005/10/21(金) 20:50:36 ID:YrqEnQ4/
 その服を奪い取って、床にポイ捨て。
「今度はズボン、脱がせていいか?」
 う、と一歩、退く彼女。
「んじゃ、俺のズボン、脱がせてくんねぇ?」
 彼女は暫く躊躇ってから、うん、と頷いた。先に自分が脱がされるよりマシ
なのだろう。
 ベルトのバックルを外す。わざわざベルトを抜き取る。
 ボタンを外して。ファスナーを下ろ……前に膨らんでいるせいで、下ろしに
くそうに下ろして。
 それから、本当に脱がすの? とばかりに、ちょびっと泣きそうな感じで彼
女は俺を見上げた。まだ下着を穿いている、とはいえ、ズボンを脱がせば何が
出てくるのか、彼女にも予想はついているから。
 俺は彼女の手を取って、ズボンと一緒に、下着にも指を掛けさせた。
「…………っ」
 俺の言いたいことがわかったらしい。無言のまま、彼女はメチャメチャ困っ
ている。嫌なら断わればいいのに、律儀というか、真面目というか。
 俺は彼女に囁きかけた、
「だったら、お前のを先に脱がそうか?」
 えい、と引き下げられた。そりゃもう拍子抜けするくらいあっさりと。よっ
ぽど先に脱がされるのが嫌であるらしい。
 当然のように飛び出す、俺の。
 声にならない悲鳴を上げて、彼女は一瞬で後ろを向いた。なんつぅ速さか、
仰天させられる。今、彼女はどんな顔をしてるんだろう、あっちの壁に姿見を
据えつけておくんだった。
 ズボンと下着を完全に脱ぎ去り、彼女の背中に近づいて、両腕を前に回して
抱く。ちょうど、彼女のおしりの辺りに俺のが当たる。彼女がきゅうっと縮こ
まった。
「ヤ、ヤラしいですよぅ〜っ」
「俺だけか?」
 もう一度、彼女の耳に舌を這わせる。はうう、と喘ぐ声を、俺に両腕を押さ
えられている彼女は抑えるすべを持たない。
「ヤラしい気分になってるのって、俺だけか? なあ」
 あぅ、はう、と彼女が身をよじる。横顔が朱く火照っていて、間違いなく、
彼女もヤラしい気分なのだと。嬉しくなる。安心する。俺だけじゃ、ない。
「答えろよ。ヤラしい気分になってるのって、俺だけか?」
 答えなくても、わかっているけど。
 俺に捕らえられたまま、彼女は肩越しに俺を振り向いて。
「わ、わたしも……」
 段々小さくなる声で。
「ヤラしい、気分で、す……」
14メガテンX 2本目12/14:2005/10/21(金) 20:54:12 ID:YrqEnQ4/
 泣いてるみたいに、瞳が潤んでいる。
 俺は彼女の両手を持って、後ろ手に裸の俺を握らせた。はっきり見えていな
いせいだろう、俺が2〜3度上下に動かしてやると、彼女は意外と積極的に、
俺の真似して手を動かした。
 薄い掌。細い指。
 自分で扱くときとは違って、弱々しい、遠慮がちな動き。
 なのに自分で扱くとき以上に、俺の脳天まで快感が駆け昇る。
 なあ、『これ』をお前に挿れるんだぜ?
 本当に俺でいいのか?
 ダメって言っても、やめねぇけどな。
 絶対に、やめねぇ。
 俺は彼女のズボンに手をやり、ボタンを外そうと、そのとき。
 不意に彼女が、俺を押し倒した。
―〜―〜―
 結論から言うと、全ては俺の勘違いだった。
 彼女は邪教の館経由の依頼で、屍鬼退治を請け負った。公園に出没しては生
者を襲って仲魔を増やしていたゾンビコップを釣り出すべく、葛の葉がコネを
使って公園を閉鎖し、彼女自身が囮となって、悪魔を倒す。“運命の少年”と
しての、それが彼女のデビュー戦。
 ……道理で、あのとき公園に人気がなかったはずだ。
 そんなわけで彼女は、流石に一人では心細く、かつて葛の葉の一員としてサ
マナーと共に悪魔と戦っていたという「おじいさま」、即ち俺の師匠に相談を
持ちかけた。
 一方、俺は知らなかったが、師匠が道場を開いているのは葛の葉の人材を育
成するためでもあり、彼女の護衛として、“妖獣拳士”、即ち俺を指名しよう
と考えた。その辺の事情が、もしも俺が前日のうちに師匠の家へ行っていたな
ら、ちゃんと説明されたはずなのだ。
 師匠が用意した映画のチケット、というのは、幾ら修行の一環とはいえタダ
働きさせるのは可哀相だ、という師匠なりの気遣いだったそうだ。
 つまり、彼女が俺を映画に誘ったのは、デートでも何でもない、単にゾンビ
コップが出没するという時間までの暇潰しだったというわけ。
 彼女は、当然、俺もそんなことは百も承知だと思い込んでいた。俺が、師匠
から何も聞かされていないとは、夢にも思っていなかったのだ。いやもう、顔
から火が出るっつーか、脇腹にヤな汗がだーっと流れるつーか。
 運良く両想いだったのでなければ、俺は死ぬほど大恥をかくところだったの
である。
 つるかめつるかめ。
―〜―〜―
 牙の一撃が、ついさっきまで俺のいた空間を裂いて。
15メガテンX 2本目13/14:2005/10/21(金) 20:55:51 ID:YrqEnQ4/
 ずるぅり、と闇がこごった。天井、逆さに張り付いている、あれは妖獣、ヌ
エ!
「“運命ノ少年”トハ、貴様カ」
 俺を無視して、彼女に注がれる視線。
 彼女はバッと俺から離れた。窓際へ、カーテンを開き、サッシを開ける。
 咄嗟に拾い上げたのだろう、その手に、脱いだ服ではなくアームターミナル
を持っているのが彼女の。
 “運命の少年”たる彼女の、彼女たる、ゆえん。
 きっと、彼女が“運命の少年”であって“運命の少女”ではないゆえんなの
だ。
 彼女は俺に目を落とし、にこ、と笑って軽く身を翻した。
 窓の外。飛び降りる、庭へ。ここは2階だ、今の彼女の身体能力なら、怪我
一つしないだろうが。
 彼女を追って、悪魔も外へ飛んだ。
 彼女の意図はわかっている。ヌエの狙いは彼女。魔晶手甲を外している徒手
空拳の俺を巻き添えにしないよう、一人で囮になったのだ。服も着ないで。下
着姿のままで。
 俺は、とにもかくにもズボンを穿いて、机の上に放り出してあった魔晶手甲
を右手に嵌めた。それから彼女のポロシャツを持って、窓から外へと飛び降り
た。
 日が落ちて、薄闇に満たされた狭い庭。彼女はアームターミナルを装着し、
召喚した悪魔を指揮してヌエと戦っていた。半裸のままだというのに、そんな
ことより俺の身を案じて。
 “運命の少年”たる自身の宿命に従って。
「悪ぃ、待たせた」
 俺は彼女と妖獣との間に立つ。彼女に向けてシャツを放るが、あんまり意味
はないと気づいた。アームターミナルを着けたままでは、袖が通せないのだ。
 それでも彼女は服を受け取って、嬉しそうに笑った。
 信頼の笑顔だ、と思った。この1年足らずに何度も見せてくれた、俺に対す
る全幅の、信頼。
 俺はダークでもライトでもねぇ。自己愛だの自己犠牲だののために破滅する
気はねぇ。俺はロウでもカオスでもねぇ。法秩序なんて馬鹿にはしてるが、激
情だけで突っ走る気もねぇ。
 だからこそ彼女を。俺は彼女を護る。
 いつか彼女は己の女神を見つけるのだろう。現世に転生した女神を探し当て
て、そのとき救世主候補たる“運命の少年”は本物の救世主となる。彼女の前
世は、だから女神の対となる男神のはず。もしも女神の転生体が男なら、彼女
は……。
 だったら何だ。俺は笑う。だったら俺は、神でも殺すさ。女神を殺して、俺
は彼女を守る。もしもそれが、世界を滅ぼす引き金だというなら。
16メガテンX 2本目14/14:2005/10/21(金) 20:56:51 ID:YrqEnQ4/
 女神なしでも、世界を救ってみせる。
「邪魔ヲ、スルナ、小僧ッ!」
「うるせぇよっ!」
 俺は神をも殺そうって男だ、妖獣ごときに後れを取るわけがねぇ!
 炎の拳が、悪魔を捉えた。
17メガテンX 2本目:2005/10/21(金) 20:57:45 ID:YrqEnQ4/
 ・・・・・おしまい。

 以上、二人を引き裂くペッパー警部→ゾンビコップ、というただそれだけの
ネタに基づいたお話でした。あと、初Hの初々しい二人を書いてみたいなぁと
いう。挿入シーン抜きで。大体そんな感じ。

 スレ立ての上に大地鎮祭。このSS、投下を見合わせていてよかった。
 だがしかし、よく考えたら1レス1行にすれば即死回避30レスなぞあっと
いう間であったなと。

 とまれ、あとはよろしく皆の衆。
18名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 21:02:56 ID:O1loVyo0
>>1乙&>>3-16ぐっじょぶ。
19名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 21:04:47 ID:O1loVyo0
そだ忘れてた。前スレもグッジョブ。
20名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 21:21:37 ID:ixMxppr9
おつ&GJ
21名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 22:20:53 ID:HGdkLw0d
乙GJ
22名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 22:58:38 ID:tjwkrmw1
新スレか。股ぐらがいきり立つ。
23名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 09:00:59 ID:PLiHZpB3
最近レスが間に合わない俺がいる。

24名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 10:27:41 ID:zQ1mVtx4
早々とGJ〜!

メガテンXといやぁ、エンジェルの格好が大層ぇろいなァ。
……アレを目当てに真2を買ったら、ゲーム中のエンジェルの格好は普通でガックリした漏れ。
25名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 11:23:32 ID:YsKBX7cB
あれはデビサマシリーズのエンジェルだからなぁ…
26名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 13:46:58 ID:kjrzOr2r
>>25
んでも悪魔召還師のほうのエンジェルはおもいっくそ男口調で萎え…いやむしろ萌え?
27魔器人化でGO! 3:2005/10/22(土) 15:24:57 ID:YsKBX7cB
「ふふん。どう? 私も羨むくらい増量した今日のこの子のおっぱいは? そしてッ!」
 優雅に紅茶を飲んでいたベルがおもむろにティーカップを置いた。
 そしてソファの背にもたれかかると右手の指をパチリと鳴らす。
 すると見慣れたポンチョと制服は光の粒子となって消え、代わりに現れたのは――

ttp://akm.cx/2d2/img/11965.png

「どうかしら。わざわざオクタヘドロンに注文したのだけれど」
「わー。わー。本体だいたーん」
「洋物のいけないポルノみたいでしょう? そそるかしら? ねえそそるかしら?」
 地球の、それもごく一部の偏った常識に慣れすぎな魔王様が流し目で感想を問うてくる。
「い、いいいいい一体俺にどういうリアクションをしろと!?」
「まー、そーッスねー」
「あら。ブラジルあたりじゃこれが普通よ?」
「地球の裏側の常識を持ってくるんじゃねえええええぇぇぇぇぇ!!
あとエミュレーターが地球の常識に染まるなあああああぁぁぁぁぁぁッ!!!」
「でも」
 いつのまにか柊の足元に居たベルの手が、つつ、と柊の脚を撫で上げ、ある一点で止まった。
「ここはそうは言ってないみたい」
 徐々にふくらみを増すズボンの股間部分をさわさわと撫で擦る。
「おああっ!? い、いつの間に」
「そうね。本当にいつの間にこんなに大きくしちゃったのかしら。だらしないわね、柊蓮司」
28名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 15:29:55 ID:YsKBX7cB
新スレ乙です。
埋め企画でブラ水に一票入ったので記念にこんなの。
今回は先に絵を描いてそこから文章を作るという試みをやってます。
なのでちょっとシーンがブツ切りになってしまって申し訳ないス。
チョボチョボとエロを続けていきますが、挿絵はウザかったらやめます。

あと健康でロリコンな魔王様フリークに捧げる差分
ttp://akm.cx/2d/img/25363.png
29名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 15:33:59 ID:UHSYHAGN
>>27-28
んぎゃーっすGJ!!!!
入れておいて良かったよ。・゚・(ノД`)・゚・。
30名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 17:27:12 ID:InhRa1Zw
素晴らしい。
31名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 18:18:00 ID:PLiHZpB3
>>27-28
ん〜矢薙直樹的なツンデレ表現でいくと。
「死ね!死ね!でも、好きだ!」(あの声で)

な感じですか。素敵です。ありがとうございます。
32名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 20:55:56 ID:gcFaPEMz
ほんとうに柊はいけない子だなぁ。
いいぞこのまま突っ走れ僕らのベール・ゼファー!
33BBNT本編8話目・後編3/5:2005/10/22(土) 22:13:33 ID:Wg9gN7IP
 やっぱりまだ子供なんだなぁと思う。こんなにエロいことを自分からしてお
いて、楽しんではいるが、興奮はしていない。それこそ遊びの延長線、わんこ
のシッポにネズミ花火をくくりつける『愉快な』いたずらと同類項の。
 だったら…………される方はどうなんだ?
 引き寄せてその口を塞ぐ。さっきのレンの動きの真似をして、唇、舌、強弱
と緩急。初心者がやっても、相手に舌で与える刺激は基本的に気持ちのいいも
のだという。だったら俺でも、優しく、ヤラしく。
『大好き、ってうーんと想って、自分が気持ちよくなるように、相手が気持ち
よくなるように、二人で気持ちよくなるように』
 レンの台詞、師匠の教え。大好き、なんて改めて思うのは、照れくさいほど
心地よく。
 好きだ、レン。大好きだ。
「ぅ……ふにゅぅ……」
 意外、というか、案の定、というか、潤んだ感じの瞳、ほんわり赤く上気し
た頬。レンはするよりされる方が感じる質に違いない、少なくともさっきより
は興奮している。……俺ほどではないけれど。
「気持ちいいか?」
「うん。ハガネは?」
 にっこり笑って問い返す、お前を本気で興奮させる男は誰なんだろうな?
 いつかそんな奴が現れて、お前を遠くへ連れ去るようなら、師匠の次に、俺
がそいつを殴り倒そう。師匠は【真の死】に至るまで殴り続けるだろうから、
そいつが甦ったあかつきに、俺はまあ、【かりそめの死】ぐらいにとどめてお
いてやって。
 まだあと十何年も先の話だろうが、いい楽しみができた。
「俺も、気持ちいいよ」
 今だけは、だから遠慮なくいたずらしよう。二人で。二人っきりで。
 浅く深く、口づけ。とろけるような心持ち。とろかされるような心持ち。
 じっくりと、味が馴染むまでとろ火でとろとろ煮込むみたいに。
 舌を絡める。吐息を絡める。唾液を絡める。喘ぎを絡める。
 レンの鼓動と俺の鼓動を二人の身体に絡める。
「……ぁ」
「ん、どうした?」
「ロウ、まだ来てくれないのかなぁ」
 ちり、と胸の先が焦げつく痛み。他の男の名前など、今は聞きたくなかった。
「レン。……俺の名前を呼んで」
 唇の中に囁く。
「俺の名前だけを呼んで」
「ん……ハガ、ネ」
 繰り返しレンにキスを与えながら俺は、何度も俺の名を呼ぶ甘ったるい声に
耳を傾けていた。
34BBNT本編8話目・後編4/5:2005/10/22(土) 22:14:25 ID:Wg9gN7IP
「ハガネ……ハガネ…………大好き……」
 今この瞬間を、永遠にとどめておけるなら。そんな愛しい笑顔。
 その身体ごと、両腕でしっかりと抱きしめたかったけれど。
 唯一動く右腕で、俺はレンの頭を胸に抱いた。
 そして俺達は、全く同時に顔を上げて同じ方向を注視し。
 豪雨の公園、滝を突っ切るように、血相を変えた師匠が駆け寄ってきて。
「このバカタレどもが! てんで勝手に突っ走って、挙句の果てがなんつうザ
マじゃ!」
 怒鳴りながら、師匠は俺を肩に。レンを小脇に。
 公園の外には覆面パトカー。死霊課御用達の病院に担ぎ込まれるまで瞬く間。
 安堵のあまりにわんわん泣いてるレンの声がうるさくて気も失えないのに、
それはまるで子守歌のように、耳にも皮膚にも心地よかった。
―〜―〜―
 半魔の回復力、入院するのは1日だけ。隣り合うベッドに二人横になって、
できればゆっくり眠りたいのに、くどくどくどくど、師匠は俺一人にお説教。
一方レンは、羨ましいほど健やかな寝息。
「あのう、師匠?」
「何じゃ」
「勝手なことしてご迷惑をお掛けしたのはレンだって同じだと思うんですが」
 師匠は暫く、レンの安らいだ寝顔を静かに見下ろしていたが。
 白い歯が光るくらいやたらとイイ顔して、ぐ、と親指を立てて、
「無罪」
 ……俺は頭から掛け布団を引っ被り、
「こらハガネ! 誰が寝よし言うたか、人の話を聞けっ!」
 以降、師匠が何を言っても無視を決め込んで、やっと、ようやく、寝付けた
のだった。
―〜―〜―
 毎朝のトレーニング。退院してからこの一週間、師匠自らが稽古をつけてく
れている。
 お陰で俺は胃袋が水もロクに受け付けなくなるくらいにしごかれて、終わっ
たあとは、師匠んちでバッタリ倒れて夜まで動けない。帰るのも面倒でそのま
ま泊まって、翌日再びトレーニング。
「あと3日は、その根性をみっちり叩き直してやるけんの」
 あれだけ大暴れして、平然と仕事に出掛けられる師匠を改めて尊敬。
 ……この程度のお仕置きで済んでいるということは、どうやら師匠はあのと
き俺達が過度にベタベタひっついていただけだと思っているに違いない。それ
もそうだろう、死にかけの兄と、死にかけよりちょっとましな妹が、まさかキ
スなんかしてるとは、その目で見たって信じられはすまい。
「少しは何か食べないとダメだぞー?」
35BBNT本編8話目・後編5/5:2005/10/22(土) 22:15:19 ID:Wg9gN7IP
 仰向けに転がった俺の傍に座って、しょうがないなぁって感じでレンは俺を
介抱している。すり下ろしたリンゴがスプーンで俺の口の中に流し込まれた。
味がわからない。とにかく飲み下す。……吐き出しそうだ。ぐっと我慢。
 実家に帰れば両親は健在で、その近所には、独立して所帯を持った3人の兄
貴がいる。末っ子の俺だけが、故郷を遠く離れた街で、老いた両親に孫の顔を
見せてやるアテもなく、正義のヒーローなんていうヤクザな商売(?)に励ん
でいる。
 人としての家族、勿論それは大切だけれど、半魔としての家族、不思議な縁
で結ばれた双子の妹と、師匠と、その大切さこそが、今の俺を支えている。闇
の深淵、奈落の底、虎視眈々たる破滅の手招きから、俺の魂を守っている。
 一番下の弟ゆえに親兄弟に甘やかされて育ってきた俺は、師匠がレンに対し
て立派な父たらんとしているように、俺もせめてレンに対してだけは立派な兄
であろうと頑張っているつもりである。が、どこまで頑張れているか、その実、
自分でも心許ない。
 もしかしたらレンの方が、俺を兄として立ててくれているのかも知れない。
それもまあ、俺達兄妹らしいといえばらしいような気がする。
 ともあれレンは、やっぱりいたずらをしたらロウが来てくれるのだと上機嫌
で、これからもこの手で行こうと考えているようだった。不幸の象徴、歩く凶
兆、不運の都市伝説、生きたジンクスであるレンが、ジンクスを信じるなんて
笑える話だけれど。
「でも、結局お前はそのことで叱られてないんだから、ジンクスは成立してな
いんじゃないか?」
「うっ」
「……今から叱られるか?」
 嫌! と明確な意思をもって最大限に首を横に振る、師匠の娘、俺の妹。
 いつかあの恋人達が、彼女が予告したように、再び奈落から這い上がってき
て、俺を殺すのかも知れない。あるいはかつての敵に、これから立ち現れる敵
に、戦い敗れて殺されるのかも知れない。正義の味方なんてもんを標榜した時
点で、畳の上で死ねるなんてさらさら思っていない。
 だけど。
 どんな最期が俺に用意されているのか知る由もないけれど、愛する女性に看
取られて、誇りに満ちて死んだ先代のように、いつかの将来、レンに看取られ
て、きっと俺は笑いながら死ぬに違いないのだ。
 そうであれと、祈る。死という概念を司る神に。
 俺の傍らで下ろしリンゴを美味しそうに食べている、俺の可愛い死神に。
36BBNT本編8話目:2005/10/22(土) 22:16:26 ID:Wg9gN7IP
 ・・・・・おしまい。

 以上、前スレ>378-383、及び『仮面ライダーになりたかった戦闘員』を読ん
で、それで出来あがったお話でした。前スレ>378のキスシーンが特に好きで、
自分でもキスシーンが書きたくなった。誰と誰にキスさせるか悩んで、何故か
選んだのがハガネとレンだった。大体そんな感じ。

註:1つ目と2つ目は前スレに落としてしまいました。申し訳ない。

前スレ>454
 つーわけでうちの正義の味方もこの程度。ちゃんとした相手がいないっての
がネックで。
 次は恋人がいてメッチャえっちぃ正義の味方を書こうかなぁっと。
 ……そういや王者がいたっけw

 明日の朝、最終回が読めることを夢見て寝る。あの姉妹は結局ノウンマンに
なってしまうのかなぁ。吸血鬼ちゃんは戦士にアタックするのかなぁ。どきど
き。
37名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 23:08:42 ID:DPy4PIZS
DXオリジンの椿が萌える
×隼人あたりでもいいから見てみたい。
実は聖音はイサムが好きだった的な展開も萌えるかも。
38名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 00:56:07 ID:nai4bf6F
聖音は二重人格だし、その辺り美味しく使えないかなぁ。
最中に人格チェンジして攻守交代とか(をぃ
39名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 02:10:14 ID:rUPLipH5
まだ皮に包まれたままの、極太のそれに初めて相対し、
思わず吐息を荒げながら体をわななかせ、
正気を失った瞳であらぬ妄想に耽る17歳の椿タンハァハァ。







(DXオリジン2巻P97参照)
40名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 03:42:49 ID:3ajs0qsb
>>39
手前ぇは俺を滾らせた!
…責任を取って貰うぞ(グィード顔で)
41名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 11:19:00 ID:8dFVZo5U
その極太のモノは輪切りにされてしまうわけだが
42メガテンX 3本目1/3:2005/10/23(日) 11:36:42 ID:9MjK9v8c
◇頭痛薬

「コーヒーに対して、どういうイメージを持っていますか?」
 あれは中学生の頃。女子の間で流行った心理テスト。たとえば、
「道を歩いていると、目の前に壁が立ちふさがりました。あなたは、
 1.壁を乗り越える
 2.迂回できる道を探す
 3.引き返す
 4.その他」
 と、いったような。
 この場合、壁は困難の象徴であり、回答は、困難に出遭ったときに回答者が
どう行動するかの比喩だ。
「コーヒーに対して、どういうイメージを持っていますか?」
「うーん、あんまり好きじゃない。てゆーか嫌い?」
「黒くて苦くて、ミルクと砂糖なしじゃ飲めない」
 そんな答えを返す友達の中、私だけが違った。
「頭痛薬」
 コーヒーのカフェインが効くのだろう、当時から既に頭痛持ちだった私は、
しょっちゅうブラックでコーヒーを飲んでいた。
 そして心理テストの種明かし。
「コーヒーに対するイメージは!
 その人が持ってる、セックスに対するイメージでぇす!」
 キャー! ヤダー! という、悲鳴混じりの笑い声。セックスが頭痛薬なん
だってぇ? うっそぉ、ヤラし〜。ウフフフフ。
 彼女らに悪気はなかったはず。ただ、格好のからかいのネタを得て、楽しん
でいただけのこと。それでも。
 男女の秘め事に対する歪んだ、そして肥大しきった期待と潔癖、あるいは夢
と嫌悪とが、彼女らの嘲笑というかたちで、私の心を突き刺した。
 表面上は一緒になって笑いながら、屈辱の思いで誓う。
 セックスなんて。絶対にするもんか。
 私は、そんなエッチな人間じゃないもの。
「薬か? 何を呑んでいる?」
「頭痛薬よ、ただの」
 ハンドバッグの中から取りだした錠剤を喉の奥に放り込んで、私は背後の男
に答える。
 最大限の明るさに設定しても、やけに薄暗い照明。
 場末のホテルの一室。普通、ここに泊まる客がすることは一つきりだから、
明るい必要はない。また、明るくないのは、お粗末な室内の状況、部屋の隅に
落ちている埃、剥がれかけの壁紙などを誤魔化すためにも好都合に違いない。
43メガテンX 3本目2/3:2005/10/23(日) 11:37:33 ID:9MjK9v8c
「ピルでも呑んでいると思った? 呑んでいたって、ゴムは必要なのよ?」
「いや。……つらいなら、やめておくか? 今夜は」
 気遣わしげな台詞と共に、コートを脱いで、ソファの背に掛ける。帰る気な
んて、ないくせに。私は小さく笑う。
「いいのよ。何かしている方が気が紛れるわ」
 私は男にしなだれかかる。媚態。髪に触れる指先。吐息が熱い。
 “私立探偵”。彼は探偵であり、そして、悪魔との遭遇に際し、形見の銃の
封印を解いたガンスリンガーだ。蛇の道は蛇、彼の得る情報は仲間を辿り着く
べき場所へ導き、探偵の直感、その鋭い洞察力で皆の危険を何度も予期して。
何よりその正確な射撃が私達を護り続けている。
「……その前に、シャワーは浴びなくてもいいの?」
 男の手指が私の服を剥いでいく。一枚ごとに、理性も剥がれる。
「浴びたいか?」
 口づけはない。暗黙の了解。遊びだから。ただの、遊びだから。
「浴びたいと言ったら、浴びに行かせてくれるの?」
 背中のホックが、慣れた手つきで外される。ブラがズラされて、彼の視界に
私の胸が顕になる。
「どうしてもというのなら。浴びてくるといい」
 だったら私を抱く腕を放して。
 私の胸に触れる唇を離して。
 忍び笑いは、私が漏らしたのだろうか。それとも。
 窓の外からサイレンの音。今夜も、街は騒がしい。
『先生は、恐くないんですか?』
 彼女は、つい先日までは、私の務める学校の一生徒でしかなかった。私とて、
一介の保険医でしかなかった。だけど。
 彼女は“運命の少年”で。
 私は魔術に目覚めて“ウィザード”と呼ばれるようになり。
 立ち向かうことになった。日常の裏側に隠されていた、否、知っていて見よ
うとしなかった、現実と。
 悪魔どもと。
『恐いわよ、とても』
『どうして、逃げ出さないんですか?』
 彼女の問いかけは、多分、私にではなく、自分への問いかけなのだろう。
『恐いのに、どうして?』
 それでも私は考える。
 悪魔との戦い。救済より、破壊に適した己の素養。恐くないといえば嘘にな
る。真理の探究は、永劫なる魔界と、そして自らの闇と、対峙することだから。
『そうね。それが宿命だからかな?』
 口にしてしまえば、それはなんと陳腐な言葉だろう。そしてまた、なんと馬
鹿馬鹿しい言葉だろう。
44メガテンX 3本目3/3:2005/10/23(日) 11:38:37 ID:9MjK9v8c
「あの子は」
 彼が口を開く。
「これからも、戦い続ける気でいるのか?」
 私のスカートが床に落ちて輪を描く。
「こんなときに他の女の話? 妬けるわね」
 わざと卑近な意味にすり替えようとして、無駄に終わった。
「あいつは、死んだ」
 誰にともなく呟く。彼の友人は、謎の男からアームターミナルを受け取り、
救世主候補だなどと持ち上げられて、悪魔と戦い、結果、殺されたという。
 大の大人が耐えられなかった、女神探求の旅を。まだ高校生の彼女が、新た
に始めてしまった。何故なのかは知らない。それが彼女の選択だったのだ。
「あの子は、死なせたくない」
 そうね。あの子はね。
 死なせたくないわね。
 好きな男の子と手をつないで、頬を染めながら下校する姿が似合う子よね。
 悪魔を喚び出す機械も。
 悪魔を切り伏せる刀も。
 似合いっこないのよね。なのに。
「宿命よ」
 私は独りごちる。宿命。それは諦観の言葉。そうとでも言っておかなければ、
あまりの理不尽さに涙が出てきそうだ。
「それでもあの子には、パートナーがいるからね」
 ベッドに横たわる。スプリングが安っぽく軋む。
「だから戦えるのよ。きっと」
 “妖獣拳士”。
 彼が打ち出す炎の拳が、あの子の背中を護っている。
 彼の真っ直ぐな瞳が、大きな笑顔が、あの子の心を支えている。
「私達とは、違うわ」
「……そうだな」
 男が苦く笑う。
「俺達とは、違う」
 遊びよ。いいえ、頭痛薬。
 そう、単なる痛み止め。
 傷ついた身体を、そして心を。
 舐め合うための、ひとときの慰み。
 男の下で、密やかな喘ぎを上げながら。
 中学生の私が今の私を見たら、軽蔑するだろうなと自嘲した。
45メガテンX 3本目:2005/10/23(日) 11:40:25 ID:9MjK9v8c
 ・・・・・おしまい。

 以上、頭痛が酷くて会社を休んだ日に考えたお話でした。3本前のスレ>432
“完全なる使徒”ד紫紺の華”の同工異曲です。雰囲気だけでもあやかりた
く。

>27
>私も羨むくらい増量した今日のこの子のおっぱい
 ……魔王様の胸中、色々と複雑なものがおありのようでw
 はえこちゃんにはベビードールあたり可愛いんじゃないかなぁ。
46名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 19:58:57 ID:CwxrocxJ
聖音×イサムを軽く書いてみた。

はぁ少年―蓮見イサムは深くため息をついた
゛ごめんなさい゛申し訳なさそうな少女の声が彼の頭の中で反響している。
「なぁにへこんでんのよ?らしくないわよ」
「…うるせぇよ。…ほっといてくれよ」イサムは覇気の無い声で答えた。
「うわ。本格的に落ちこんでるわね」背後から現れた少女がイサムの脇に腰を下ろした。
「……」イサムは無言で夜の海を見詰めつづけている。
「フラれたんだって?」聖音は挨拶でもするような気軽さで言った。
「何しに来たんだよ?」イサムは目線をあわそうともしない。
「さぁ?何しにだろ?」からかうような聖音の声。
「笑いたきゃ、…笑えよ」自暴自棄に吐き捨てるイサム。
「笑わないわよ。真剣に告白したんでしょ?」いつのまにか聖音はイサムの正面に回りこんでいた。
「……」イサムは答えない。
「つらい?」うつむくイサムの顔を覗きこむ聖音。
「……聞くなよ」
「慰めてあげようか?」ふふっと笑う聖音。
「わりぃ。今はおまえの軽口聞きたくない」
「軽口じゃないよ」言うと同時にイサムと唇を重ねる。

47名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 19:59:37 ID:CwxrocxJ
イサムの思考は停止した。
「どう?ファーストキスの味は?失恋の傷も癒えるでしょう?」
聖音は楽しそうに笑った。
「なっなにしやがるんだよ!」イサムは飛び跳ねるようにして距離を取った。
「なにって、ファーストキス。あれ?もしかして初めてじゃなかった?」
「そう言う事じゃねぇ!なんのつもりかって聞いてんだよ!」
「いやー。チャンスかなーと思って」頬をぽりぽりと掻きながら答える聖音。
「はぁ?チャンスってなんだよ?なんの冗談なんだよ?性質が悪いぞ!」
「冗談じゃないわよ?はぁ。ほんと鈍いなぁ」ため息をつく聖音。
スタスタとイサムとの距離を詰める。
「好きよ。イサム」聖音は真剣な目でそう宣言した。
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」夜の浜辺にイサムの絶叫が響く。
「あーーー。うるさいなぁ。今何時だと思ってるの?近所迷惑だよ」
「嘘だ!嘘だ!絶対嘘だ!そうか、これは夢だ。悪夢なんだー」錯乱するイサム。
「そんなに意外かな?」小首をかしげる聖音。
「いや…だって聖音が…俺を?あの聖音が?聖音だぜ?」
「あんた私をどんな眼で見てたのよ?」半目で睨む聖音。
「………」黙り込むイサム。
48名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 20:00:13 ID:CwxrocxJ
「まぁいいけどね。んで、返事は?」
「へっ?返事って?」
「告白の返事よ!私は芽以みたいに可愛くないけど、うーんいろいろ頑張るよ?」
「いろいろってなんだよ!」
「うーん。えっちな事とか?」聖音は小悪魔ように微笑む。
「なっ!何言ってんだよ!」イサムの顔が真っ赤に上気する。
「年頃の男の子には色仕掛けが一番かなと。それとも私じゃ不満なの?」
色っぽい視線でイサムを見つめる。イサムの喉がごくりと鳴った。
「私、結構スタイルいいし、感度もいいほうだと思うし、お買い得だよ」
潤んだ目でイサムを見上げる聖音。
「でも…俺は柚木を…」
「私が忘れさせてあげる」再びくちづけでイサムを黙らせる。
同時に聖音は制服のスカートのホックをはずす。
スカートがパサリと落ちる。イサムはいつのまにか聖音に押し倒されるような姿勢になっていた。
「どう?下着フェチのイサムくぅん?」聖音はくすくすと笑っている。
シンプルなピンクのショーツがイサムの目を奪う。
「な、なんだよ下着フェチって?」
「あんたの悪友から聞いた情報。イサムはパンチラモノのAVが好きって」
「違う!誤解だ!アレは隆志のやつが無理やり…」
「シャラップ!言い訳禁止」イサムの口を聖音の人差し指が塞ぐ。

とりあえずこのへんまで
49名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 21:24:13 ID:tESBMnTu
〉46
GJ
50名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 00:59:41 ID:ZSyypoTk
職人の方々から影響されて、拙い文章を書いてみた。
(今のところは)エロなし・長い・それなのに完結してない
の三拍子そろった駄作だが、暇なときにでも呼んでくれると幸い。
51あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:02:11 ID:ZSyypoTk
あの雨上がりの日曜日。高校もバイトもなかった俺は散歩に出かけた。
今思えば、あんな寒い日に面倒くさがりの俺が外出しようと思ったなんておかしな話だ。
だから、あれは運命だったのかもしれない。

あの日、当てもなく町を彷徨っていた俺は。
道に迷っていた。どうしようもなく。路地裏を抜けたと思うとまた路地裏に出る。
辺りには廃屋ばかり。人の気配もない。
歩きつかれ、壁にもたれて休んでいると、笑い声が聞こえた。驚いて辺りを見回すが、人影はない。
「疲れてんのかな、俺…」
呟くと、また声は聞こえた。その方向へと進むと、寂れた店があった。
古びた家具や、精巧な西洋の人形が並んだショーウィンドウ。『雨宮アンティークショップ』という古びた看板。
「アンティークショップ…?こんなところに人が来るのか?」
 つい、そう言ってしまった俺はその直後。
「うるさいわね。放っておいてよ。」
 その人形に怒られた。確かに少し失礼だったかもしれない。だが、そんな言い方はないだろう、って……
「人形が喋った!?」
 もう一度その人形を見る。大きさは30センチくらい。フランス人形のような、というか実際そうなのだが、美しい金髪と碧眼。しかしその顔にはわずかに焦りが浮かんでいた。
悪戯が見つかった子供のような表情。目が合った。そのままじっと見ていると、そいつは俺と目を合わせないために明後日の方を向いた。
 そういえば、「非日常の世界」には、意思を持つ道具もいるという噂を思い出した。どうやらこいつはその一種で、そのことを他人に知られたくないらしい。
ふと、俺は面白いことを思いついた。
「なんだ、気のせいか」
言いながら後ろを向く。そいつは安堵の吐息を漏らした。
「って、そんなわけないよな。人形が目線を反らすわけがない」
 振り返ると、またそいつと目が合う。今度ははっきりと驚きが顔に出ていた。
「いいかげんに、認めたらどうだ?」
 そいつは何も言わず、かといって今度は目線を反らすこともできず、じっと俺の方を見ていた。こうなりゃ根競べだ。
 結局俺たちのこの不毛なにらめっこが終わったのは、数十分後に店主の爺さんが店の中から出てきたときだった。
52あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:03:08 ID:ZSyypoTk
「あんた、若いのにいい眼をしてるのう。あの子は我が家の宝物なんじゃよ」
 中に入ると、爺さんは茶を入れながら語りだした。まるで我が子の自慢のように店内の品物を説明していく。特にあの人形の説明は長かった。
「あの子は百年以上前にヨーロッパで作られた機械人形で、当時の職人の最高傑作と言われているんじゃ。今から六十年以上も前にわしがヨーロッパに行った時は…」
半分聞き流しながら店内を見回すと、全ての品物が丁寧に手入れされていた。この爺さんの商品への愛が見えるようだった。
「…そういうわけで、あの子はそんじょそこらの馬の骨に売るわけにはいかんのじゃよ、お若いの。まあ、それ以前に持ち合わせがないじゃろうがな」
 言われて値札を見て愕然とした。0が六つほど並んでいる。元々あんな生意気な人形を買う気はなかったが、なんとなく負けた気がした。

 爺さんの話を聞き流しながら、ふと疑問が浮かんだ。この爺さんはあいつが喋れることを知っているのだろうか。話からすると、どうやら知らないらしい。思い切って聞いてみることにした。
「あの…」
「何じゃ、お若いの?質問か?最初に言っとくがあの子は売らんぞ」
 そこで気づいた。なんて言って訊けばいい?まさか「あの子って喋れますよね」とか訊くわけにもいかない。
本当に知らなかったとしたら、下手したら冗談じゃ済まないかもしれない。
「いや、何でもないです」
 結局俺は逃げた。
「そうか、ならいいんじゃ。…ところでお若いの、物には魂が宿るという話を信じるかの?」
 ぎくりとした。もしかして爺さんは知っているのか?
「ええ、まあ…」
 震える声で曖昧な返事を返す。爺さんは俺の声の震えには気づかずに、続ける。
「そうか…意外じゃの。他の最近の若いもんのように物を大事にしない奴かと思ったんじゃが。
…わしらが若い頃は物が少なくてのう。近所の婆ちゃんによく言われたもんじゃ。『古い物には九十九神が宿る』とな。
物を大切にしていれば、それに宿った九十九神が幸運を運んでくれるが、ぞんざいにすると災いが訪れるそうじゃ。
だからわしは物を大切にするような気に入った客にしか売る気はないんじゃよ」
「はあ、そうですか」
 爺さんは冗談めいた口調で言った。
「信じとらんな?そのうちわしの所に九十九神たちが金銀財宝を持ってやってきて、わしが億万長者になっても、一銭も分けてやらんぞ」
「そんなに稼いでどうするんですか?」
「決まっとるじゃろ?…老後に備えるんじゃよ」
 そう言って、俺の数倍は生きているだろう爺さんは笑った。俺も笑った。

53あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:03:49 ID:ZSyypoTk
 既に外はすっかり暗くなっていた。しかし爺さんの話が終わる気配はない。そろそろ帰りたくなってきた頃、店に誰かが駆け込んできた。
「ただいま!お爺ちゃん、もう閉店時間過ぎてるでしょ。そろそろ帰ってもらったら?」
「おお、ノゾミか。お帰り。今日は早かったのう」
「お爺ちゃん、あたしが帰ってきたのはいつもどおりの時間だよ。ほら、時計見て」
 駆け込んできた制服姿の少女の声に、俺は聞き覚えがあった。
爺さんが壁にかけられた古時計を見るために振り向いている間、俺は足りない頭で必死に状況を整理していた。
「何を言っておる、そんなわけが…」
言って、爺さんは固まった。
「…お若いの、悪かったのう。こんな時間になっているとは思わなかったんじゃよ。」
「じゃあ俺、そろそろ帰ります。お茶、ご馳走様でした。」
 席を立とうとした俺は、重要なことを思い出した。
「あの…ところでここってどの辺りなんですか?」
 俺は道に迷っていたのだった。爺さんは優しい声で言う。
「そうかそうか、お若いの、道に迷ってここに着いたのか。この辺りの道は複雑じゃからのう…そうじゃ、ノゾミ、道案内してやってくれんか?」
「何であたしがこんな奴案内しなきゃなんないのよ!」
 彼女が急に叫んだので、俺は驚いた。爺さんは嗜めた。
「ノゾミ、それは失礼じゃろ。それに、わしの足が悪いのは知っておるじゃろ?」
 彼女は言葉に詰まる。そして観念したように言う。
「分かったわよ、行って来るわよ。…ほら、あんたもぼっとしてないで早く立ちなさい。」
 こうして俺は引きずられるようにして店を出た。

54あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:05:15 ID:ZSyypoTk
 外に出て気づいた。予想通り、あの人形の姿がショーウィンドウから消えていることに。
「全く、失礼なのはこいつの方なのに…」
 そう言いながらも、しっかりと道案内してくれる彼女に対し、俺は言った。
「さっきはありがとうな」
「へ?」
「俺が帰りたいと思ってるのに気づいて、爺さんの話を止めるために入ってきてくれたんだろ?助かったよ。ありがとう」
 実際、あのまま爺さんは真夜中まで話し続けそうな勢いだった。
 礼を言われた彼女は、顔を赤く染めて言った。
「べ、別にあんたのためじゃないわよ。あんたみたいな奴が家にいるのが気に食わなかったから早く帰ってもらいたかっただけなんだから。勘違いしないでよ?」
 狼狽する彼女を見て、微笑を浮かべながら俺は言った。
「君がそう言うなら、そういうことにしておいてやるよ。」
 今度は不満げな表情を浮かべる彼女に向きなおる。ここで彼女に確認しておかなければならないことがある。
辺りに人の気配はない。俺は覚悟を決めた。俺の変化に気づいたのか、彼女も真剣な表情になる。
「君の正体は…」
「もう分かってるんでしょ?でも、隠し事があるのはお互い様よ。あなたもあたしも、普通の人間ではない。違う?」
 俺は自分の手を見た。俺の中に宿る獣。この力で大事な人たちを守ったことがあった。そのために、どうしても許せない奴を殺したことがあった。
獣の力を使った俺を、化け物と呼んだ奴がいた。確かに俺は、もう人間じゃないのかもしれない。けれど。
「それでも俺は…人間だ。君とは違う。」
 そう言い切った。もし世界がそのことを認めなかったとしても、俺は最後の最後まで人間でありたい。それは俺の切なる願いだ。
「そう…そうよね。確かに人間じゃないなんて言われたらそう思うわよね。でも」
そう言うと彼女はこちらを睨んだ。今にも泣き出しそうな瞳で。
「そう思っているのはあなただけじゃないわ。あたしも…人間として生きていたい。たとえ元々は人間じゃなかったとしても!」
 俺は気づかされた。この子は人形じゃない。ちゃんと、心を持った一人の人間なのだと。
そして気づいた。先ほどの自分の発言は、そのことを完全に否定するものだったことに。
「ごめん…」
「なに謝ってんのよ。馬鹿…」
 ついに彼女は泣き出した。木枯らしの中、ひとり涙を流す彼女は、今にも消えそうな灯火のように見えた。俺は掛ける言葉を見つけられなかった。だから。
 俺は彼女を抱きしめた。君も人間なのだと、人間でいていいのだと、伝えるために。この思いが伝わるように。この灯火を守れるように。


55あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:05:54 ID:ZSyypoTk
「悪いが、あんたみたいな客にあの子を売るつもりはない。何度来ても同じじゃ。帰ってくれ」
 これで何度目になるだろうか。ふとそんな事を考えながら、老人は目の前に座る白衣の西洋人に言った。しかし、その西洋人は表情一つ変えず、青白い顔に張り付いた笑みを浮かべたまま言う。
「ミスター雨宮。まだお分かりいただけませんか?あの人形は危険なのです。このまま放置しておけば、あなたに災いが起こる。そこで我々が、あの人形を買い取ろうと申し出ているのです。お金でしたらいくらでも払う準備はあります。」
「あの子を手に入れたら、あんたたちはあの子を解体するつもりなのじゃろう?たとえどんな理由があろうとも、あんたたちにあの子を渡しはせんよ。」
「…そうですか、分かりました。」
 西洋人の男は立ち上がる。
「できれば穏便に解決したかったのですがね。」
 指を鳴らす。老人は一度体を痙攣させて、その場に崩れ落ちた。同時に、銃を手にした黒ずくめの男たちが音もなく入ってくる。マスクで隠されたその表情は伺えない。男たちは店内を物色していたが、しばらくすると西洋人の元へと戻ってきた。
「…やはり、ここにはありませんか。となると、やはりあの小娘ですね。…総員第一級戦闘配備。あの小娘を確保せよ」
「…僭越ながら、そこまでする必要があるのでしょうか?」
「何を言っているのです。あれには、かの《賢者の石》が使われているのですよ」
 黒ずくめの男たちは一瞬動揺しかけたものの、すぐに収まった。
「それに…一緒に出て行ったあの男。なかなかのやり手ですよ。皆さんも任務の前に資料に目を通したはずですが、あれが“不確定な切り札”です」
 男たちに、今度こそ動揺が広がった。“切り札”――ただ自らの平穏な日々を守るため、彼らの組織の陰謀を数多く打ち砕いてきた男。
「面白くなってきましたね。果たして彼は、あの人形の“切り札”足り得るのでしょうか?」


56あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:06:38 ID:ZSyypoTk
 どれほど彼女を抱きしめていたかは分からない。永遠にも思える時間は、ある音によって終わりを告げたのだった。
 俺の腹の虫が泣き声を上げた。
そういえば朝から何も食べていないことを思い出す。決まりが悪くなって彼女を放した。彼女は笑っていた。初めて見る彼女の笑顔だった。涙にぬれていた笑顔は、それでも、いや、それだからこそ美しかった。
彼女は俺の背後…店の方を見て表情を変えた。嫌な予感を感じながら振り向くと、黒煙が上がっていた。呆然とする俺を尻目に、彼女は走り出した。

57あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:07:24 ID:ZSyypoTk
 どうしてあたしは幸せになれないの?あたしがわがままだから?あたしが欲張りだから?
 あたしを狙っている組織があることには気づいていた。お爺ちゃんに心配を掛けないために、ずっと知らん振りしてたけど。
 あたしは十分幸せ者だった。一緒に生まれた姉妹たちは、もう何処にいるか分からない。きっともうこの世界にはいないのだろう。あたしたちの存在意義は、戦いの中にしかないのだから。敵を殺すためだけに、あたしたちは作られたのだから。
 あたしが人間として生きたいだなんて思わなければ良かったのに。あたしはぬくもりを求めてはいけなかったのに。あたしがわがままだったから、その天罰が下ったのかもしれない。
 ああ、神様。もし居るのなら、あたしの願いを叶えてください。あたしはどうなってもいいから、お爺さんを助けて下さい。

 店の前に辿りついた彼女は愕然とした。店だけでなく、あたり一面が火の海と化していた。もしお爺さんがこの火に気づいていたとしても、足が悪いせいで逃げることはできなかっただろう。
 音もなく周囲を取り囲み、銃を向ける黒ずくめの男たちを気にすることもなく、彼女はそこで壊れた人形のように立ちすんでいた。
「…あたしを連れて行くことはできないわよ。だって、あたしはここで死ぬんだから」
 本心から出た言葉だった。せめて最期は「人間らしく」愛するお爺さんの側に居たかった。だが、男たちは彼女を連れて行こうとした。
 彼女に触れた数人が、断末魔をあげた。雷に打たれたかのように全身を痙攣させて、数人が倒れた。動揺した残った男たちは、彼女に向けた銃の引き金を引く。
 だが、銃弾が放たれることはなかった。一陣の旋風と共に、男たちの銃はただの鉄塊へと姿を変えた。
「…そう軽々しく『死』を口にするんじゃない。ここで君が死んだら、爺さんが悲しむだろうし…俺も辛い」
 颯爽とその場に現れた“切り札”は、それだけ言うと、周囲の男たちをなぎ倒し、物陰に隠れている狙撃手たちに向かって走り出した。
 だから彼は気づけなかったし、初めて力を使ったために力の制御ができなかった彼女には気づかなかった。
感電した男たちがまだ死んでおらず、銃口を彼女に向けていることに。
殺気を感じた彼女は振り向き、雷撃を飛ばそうとするが、男たちのほうが速かった。
 銃声が鳴り響いた。

58あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:09:25 ID:ZSyypoTk
 放たれた銃弾は彼女に届くことはなかった。炎上する店の中から彼女を庇う様に転がり出たお爺さんのために。雷撃を浴びて今度こそ動かなくなった男たちを目にも留めず、彼女はおじいさんへと駆け寄った。
「…うまい具合に商品が覆いかぶさってくれて、何とか火からは逃れたんじゃよ。おそらく、九十九神たちが助けてくれたんじゃろう」
 言葉を紡ぐことができず、ただ涙をこぼす彼女に向かって、お爺さんは語りかける。
「そう泣くでない。わしには全部分かっておった。ノゾミ、お前には無限の時間があるが、わしに残された時間はそう長くないことも。
その日が来るのがほんの少しだけ早くなっただけじゃよ」
「なんで…なんであたしなんかを助けたのよ、そのままじっとしてれば生き残れたのに…」
「決まっとるじゃろ…愛しい孫娘を守るのは、祖父としての勤めじゃよ。たとえ、どんな孫娘であったとしても…」
 狙撃手たちを薙ぎ払った“切り札”が、沈痛な面持ちで戻ってきた。
「お若いの。この子を託せる人を探すために、わしはこの店を開いとったんじゃ。
あんたはまだ若いが、人として最も大切なことを知っておる。…この子を頼む…」
「お爺ちゃん!そんな今にも死ぬみたいなこと言わないでよ!あたし、嫌よ!お爺さんと別れなきゃならないなんて!」
 彼女の流す涙は、まだお爺さんの目に映っているのか。
「ノゾミ…お前にこの名前を付けたのには、ちゃんと理由があるんじゃよ。たとえ雨が降ったとしても、希望を失わないように。
雨上がりにかかるRAINBOW を見失わないように。そう願ってこの名前に決めたんじゃ。
…お前は大丈夫じゃよ。たとえ虹が消えたとしても、またいつか現れるのじゃから……幸せに…生き…」
 お爺さんが最後まで言葉をつむぐことは無かった。突如とどろいた銃声が、最期の言葉をかき消した。

59あの雨上がりの日曜日:2005/10/24(月) 01:17:29 ID:ZSyypoTk
白衣の西洋人が立っていた。手にピストルを構えたまま。
「あはははははは!面白い茶番ですね。人形と人間の間の絆ですか…面白すぎて反吐が出ますよ。
まあ、数百年の時を生きる私にとっては、良い退屈しのぎといったところでしょうか」
「お前は…!」
 先日、“切り札”はその男の顔を写真で見ていた。ヨーロッパからつい最近来日したFH
のS級エージェント。コードネームは
「“血塗られた伯爵”…!」
「どうやら私のことを既に聞いているようですね。ならば分かっているでしょう?私には勝てないと」
 その通りだった。報告書によると、シンドロームはブラム=ストーカー/オルクス。さらには古代種らしい。
従者が何体いるか分かったものではないし、たとえ倒したとしても何度も甦ってくる。そして何よりも。
「既にこの空間の支配権は私にあります。
この《奈落の法則》の支配する私の《完全なる世界》の中では、貴方がたには私からの支配を逃れるすべはありませんよ」
 全く持ってその通りだった。報告書には、最後に一言こう添えられていた。「決してこの男と戦ってはならない」と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 今回はここにて終了。スレ汚し失礼。
 というわけで、微妙にビーストバインドに見せかけたダブルクロスをお送りしました。
 というかなんだこの最後の説明口調は。DXのルルブ持ってない人置いてきぼりじゃないか。
 重ね重ね失礼。
60名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 01:35:14 ID:P03O9BJo
OK、予防線を張って駄作とか書くんじゃない。
読んでるほうも不愉快になるからな。

内容的には今後の展開が期待でドキがムネムネ☆バッチグーなので頑張ってちょーだい。
61名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 02:03:25 ID:pkGb2P+x
ハッハッハー! ふたな職人@ゴーシュレー居るかァ!?

「R&R」のカオスフレアリプレイ読んだんだが…意味も分からず汚い言葉を好んで使う姫様を
「実際にどういう事なのか教えてあげましょう」とか言ってふたなり魔王がレクチャーするSSは
まだ出来上がらないのかァ!?
62名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 12:47:53 ID:zS9IhewF
>>61
ああ、俺も妄想したさ!
だが、黙っていた!なぜか!

書くのは言いだしっぺだからさ
63名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 18:28:35 ID:7EdgWZ0v
カオスフレアはふたなりの多いTRPGですね
64名無しさん@ピンキー:2005/10/24(月) 19:43:47 ID:LgaUeZ6u
>>61
アレはむしろ1年の傭兵経験の間に経験させられたんじゃね?
同意があったかはともかく。
65名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 21:32:32 ID:nwoyFLI9
誰か姫様のネタを書け
これは命令ではなくむしろお願いだ
66名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 22:07:52 ID:BbvspbI9
む、ではカチューシャ姫でネタを考えようじゃないか。
67名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 22:35:36 ID:HO1yOUnU
暁生とオナニー見せ合いで一つどうよ?と言ってみる
68名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 10:35:36 ID:Wyu1G3gT
武士階級では同性愛は普通なので、信長×イリアとか
69名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 12:35:50 ID:MFH3c0Xo
むしろ世間知らずな信長を
戦場で擦れてしまったイリアが攻める
70名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 12:59:48 ID:xLdmMy61
柴田勝家とか前田犬千代とか木下籐吉郎とかあのへんも全部萌えっ娘なのだろうか。
71名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 15:45:28 ID:DAiRvai3
柴田勝家:最後まで織田家に殉じた質実剛健のクールビューティ。
前田犬千代:織田家の重鎮であり、身分の低い友人である藤吉郎とも
        分け隔てなく付き合い最後までつかえた心優しき癒し系。
木下藤吉郎:いつも明るく元気でめげない、どんな無理難題にも一生懸命
        答える妹系。。
72名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 16:27:21 ID:FM4zsMb+
一騎当千ばりにならんかのう
73名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 18:04:43 ID:qu2yIJov
今の流れであえて強化人間劇場のノリで考えてみた。
行殺☆新撰組 ならぬ 行殺☆戦国伝 になった。
でもキャラ付けが難しいから無理っぽ。
以下に既存のキャラクター性に依存してたかがよく分かった。ムズー
74名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 23:11:11 ID:TSjmXgDD
>>59
>ビーストバインドに見せかけたダブルクロス
「ねぇねぇ」
「あ〜?」
「最初さ、これって何の卓ゲーだろうと思ってさ」
「ああ」
「『FH』でようやくDXだって気付いたの」
「と見せかけて、“不確定な切り札”のデータはBBNT版で記述されていた
りしてな」
「何でそこだけ」
「無印ユーザのせいか、どうにも人形のオーヴァードというのがピンとこない
のだ。奴はフルメタルか、せめてアーキファクトであっていただきたい」
「んな我儘な」
「そしてお亡くなりのじーさんをイモータルにデータ変換すれば、ほーらハッ
ピーエンドまっしぐら」
「……素直に『お爺さん死んじゃってショックだったよぅ』って言いなよ……」

>51-59
 お人形さんと切り札くんの最初のやりとりがエブリディマジック風で楽しゅ
うございました。続きの気になる美味しいお話です。GJ!
 タイミングからして保管庫の中の人かしらん。

 以下チラシ裏。
 SS2作ほぼ完成。あとはルールブックと首っ引きで細部の調整をすれば、
校正が済み次第投下可能。一作は長めのエロあり。もう一作はそれより短めの
エロなし。エロありとセットにするから、エロなしも許してね、とここに投下
するつもりでいたら。
 ついさっきのこと。
 エロありのSSを同じファイル名の別ファイルでうっかり上書き! せめて
バックアップファイルをサルベージしようとUNDELETE掛けたが復活不
可能とはねつけられた。
 書き直せと!? あれを一から書き直せと!?!? 神よ!!!
 どうしよう、エロなしの方。地上は、最後の方がなんか荒れてるしなぁ……。
75華の乱:2005/10/27(木) 00:50:58 ID:M1drdTBT
ダブルクロス人気ですね。
リプレイも出たし。
うれしい限り。

便乗して書きかけ(エロ前)ですが。
あ、萌えはないです。たぶん。
76華の乱−1:2005/10/27(木) 00:51:38 ID:M1drdTBT
「このっ裏切り者!!」
気高き守護者と呼ばれるその女は炎を身にまとい、目の前の白衣の女にそう言い放った。
彼女は警官であり、さらにはオーヴァードとして表も裏でもこの街を守ってきた。
目の前の女は秩序を乱し、この街に混乱をもたらした。
仲間だと思っていただけに余計に悔しい。
しかもいけしゃあしゃあと言い訳までしてくる。

「だからぁ、誤解だって言ってるでしょ?ちゃんと話聞きなさいよ」
彼女は紫紺の華と呼ばれ、高校の教師をする傍らUGNでオーヴァードの研究をしている。
確かに今回はへまをやらかした。多少の責任がないとはいえない。
だが、裏切り者扱いされるのには腹が立った。
しかも相手はまるで話を聞いてないときたもんだ。

「お前が放ったジャームたちが街で何をしているのか知っているのか!?」
びしっ、と音がするかと思うくらいの勢いで向けられた指に、思わず目が泳ぐ。
「べ、別に、わざと放ったわけじゃないわよ…… それに…けが人は少しは出るかもだけど、大きな被害は出ない、はずよ、たぶん」
1時間ほど前に、UGNの研究施設から数体のジャームが逃げ出した。
ジャームの破壊衝動を抑える研究が進められており、その実験体であった。
確かに破壊衝動は抑えられていたが、それは単に別の衝動に置き換えられているだけだった。
そう、性欲に。
破壊衝動を抑えられ、肉欲衝動に駆られたジャームたちは男女構わずに襲いかかっていった。
UGNもすぐに行動を起こしたが、ジャームに対抗できる、オーヴァードたちはおおむね若い。
行為に直面した際に冷静な対応が取れずにいた。
中には襲われて泣きながら帰ってきたものもいた。
男のジャームに襲われたその少年は自室に篭ったまま出てこない。
77華の乱−2:2005/10/27(木) 00:52:26 ID:M1drdTBT
「たぶん!?たぶんですって!?わざとじゃなければすむというのか!?死人さえ出なければいいというのか!?」
背後の炎をさらに強くしながら叫ぶ。
「だからさっきから謝ってるでしょ! いまだって私も加勢に行こうとしてるのに何で引き止めるのよ?」
さすがに少しいらだってきた。凶悪なものではないとはいえ、人を襲うジャームを誤って逃がしてしまったのだ。
自分とて早く被害を食い止めに行きたい。
それなのにこの女ときたら。
「ふん!逃げ出すつもりなのだろうがそうはいかんぞ!あたしがお前を拘束する!」
そう言い放つと体に炎をまとわりつかせ、腰をかがめる。
「このわからずや! 今はあいつらを止めるのが先でしょうが!」
一瞬、切れそうになったがすぐに冷静さを取り戻す。
いや、別の衝動がわきあがってきた。
(あの女が欲しい)
(え?)
紫紺の華は、その新しい衝動に戸惑う。
(やっば……まさかわたしもあのガス……吸っちゃった?)
その衝動は徐々に強くなっていく。あの女をめちゃくちゃに犯したい。
自分とあの女、二人で絶頂を迎えたい。
(だめっ、そんなこと……でも、あいつを捕まえて無力化すれば、ジャームたちを何とかできる、か)
理性と衝動がひとつにまとまった。いや、理性が負けただけかもしれないが。
その瞬間、長い髪がうごめきだし、目の前の炎へと向かっていった。
78華の乱−3:2005/10/27(木) 00:53:16 ID:M1drdTBT
スカートに白衣という動きにくい格好のまま、彼女は己が唇をぺろりとなめまわす。
普段の理知的な瞳の奥にいくばくかの狂喜をはらみ、目の前の女を見つめる。
(彼女を無力化しなければ………無力化………)
その様子を憎々しげに睨み返し、
「フン!正体を現したようね!!」
纏った炎を拳に集める。素手の戦闘力しか持たぬゆえ、接近戦の距離まで近づこうと駆け出す。
「聞き分けのない子にはお仕置きをしてあげないとねえ。覚悟しなさい」
それを見つめ微動だにしない白衣の女。しかし、その後ろでは長き髪が蠢いていた。
「近づくまで待ってなんかあげないよ?」
にやり、と笑うと、その髪がさらに動きをまし、矢のような速度で眼前に近づく女に襲いかかる。
「ぐっ!!」
己の距離に近づけぬまま、四肢を髪に絡めとられ、転倒する。
「さぁて、どうしようかなぁ」
くすくす笑いながら近づく白衣の女に、なすすべもないように見えた。
まさに目の前に歩み寄り、ひざをついてその女は自分に相対した。
その瞬間、にやりと笑い、彼女は叫んだ。
「おまえが近づいてくるのを待ってたんだよ!」
炎が轟、と体から吹き上がり、四肢を拘束している髪を飲み込んだ。
79華の乱−4:2005/10/27(木) 00:54:05 ID:M1drdTBT
拘束を解き放ち、立ち上がろうとした瞬間、左肩に鋭い痛みが走る。
痛みを無視しさらに立ち上がるために足に力を入れるが入らない。
思わずガクッとひざを突く。
それを見越したかのように再度髪が襲いかかり四肢、さらには首をも絡めとられ、再度転倒する。
「あなたの戦法はよ〜く知ってるのよ〜」
右手に銃を持っている。
「抗レネゲイド弾、知ってる?力入れにくいでしょう。私が改良したの♪」
ニコニコしながら覗き込む白衣の女。
「自慢の髪焦がしてくれちゃったあなたには、し〜っかりお仕置きしてあげないとねえ」
口惜しげに睨み返すも髪の力は今の自分を上回り、まったく動けない。
「さ〜て、どうしようかなあ……ま、ず、は」
どこから取り出したのか、液体の入ったビンを取り出し、中身を口に含む。
何をするのかいぶかしんだ瞬間、その唇が己の唇を捉える。
「ん!!」
液体が自分の口の中に入ってくる。ほとんどは吐き出したものの、一部は思わず飲み込んでしまう。
「げっ、げほっ、な、何を飲ませた!」
口をぬぐうことも出来ず、唇からその液体をたらしながら睨む。
白衣の女はいやらしい笑みを浮かべ答えた。
「ん〜?あなた乱暴だからねえ。逃げ出したジャームたちに使ってた、破壊衝動を抑えるお薬よ〜?」
毒などではないとわかり、ほっとするが、同時にいやなことも思いついた。
「そ、その薬は副作用があるんじゃ……うっ!」
びくん、体の中で何かが反応した。
目の前の女を憎々しげには思うが、殴りつけようという気は減ってきていた。
その代わりに、別の感情が奥底よりせりあがってくる。
「うっ、あっ、あっ」
(だ、だめだ、薬なんか、に、まける、もんか……)
80華の乱:2005/10/27(木) 01:08:20 ID:M1drdTBT
今はこれが精一杯。

もう少し書いてから落とすんだったorz
今では反省している。
81あの雨上がりの日曜日 作者:2005/10/27(木) 06:23:57 ID:R8sUvfAl
現在進行形で執筆中。
一応一区切りつくところまで書き上げたが、
まだ「エロがない」上に推敲不足。
(>51〜59を見直すと酷い事になってるので、もう少し練るつもり)

>保管庫の中の人
誤解させてると悪いが、違う。
自分は「読みたいネタがあるなら自家発電」をモットーにして、
とりあえず投下してみたただの通りすがり。

自分の遅筆&乱筆ぶりに嘆くばかりなここ数日。
週末にはエロまで入った奴を投下する予定。
あんまり期待しすぎずに待ってていただければ幸い。
82名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 07:35:48 ID:wxwB1fai
BBNTの人、凄いファンです。複数の人が書いているのかな? とにかく皆さん有難う。
先代拳士と住人がどこか悲壮な雰囲気の物語だったので、ハガネとレンは微笑ましい展開と物語を迎えて欲しいと願いつつ、読ませて頂いております。
魂の双子だけど、個人的にはこの二人は結ばれて欲しいなァ。ていうか、ここのSSのお陰で伝説の住人が好きになりつつあります。それまでは、そうでもなかったのですが。
83名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 09:56:26 ID:sBfTspt0
>男のジャームに襲われたその少年は自室に篭ったまま出てこない。
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
84D&D3.5 1/6:2005/10/27(木) 14:54:38 ID:jBseeizy
「んっ……リダのここ、もうこんなになってるッ……」
「ひゃうぁっ! だ、だめだよぉ……トルデクやジョウゼンが起きちゃうっ……!」
 マイアリーの細い指が、リダの陰部を布地ごしにつつく。
 アーモンド形したエルフの瞳は、そこがすでに濡れそぼっていることを、巧みにスポットして
いた。
「ふふ……あの唐変木たちなら大丈夫よ。普段だって〈聞き耳〉に成功なんかしやしないんだか
ら……」
「ふぁぁんっ……で、でもぉ、モンスターにでもエンカウントしたら……っ……」
「ここは色欲の次元界(Plane of Lust)なのよ? エンカウントするモンスターったって、どう
せ色欲テンプレがついた触手モンスターなんだから、問題ないじゃない、ね?」
 いいながら、マイアリーはハーフリング少女の未発達な胸元に、たくみに腕を差し入れた。
「ひゃうっっ! そ、そこだめっ……」
 ぴん、と弓のように張ったリダの体がくたっ、と脱力し、色欲次元界特有の妙にベッドみたい
な形をしたくさむらに転がる。
「ふふ……小さいくせに、感度いいんだ、リダ……」
 淫蕩な笑みを浮かべて、ウィザードは短く呪文を唱え、呪文要素ポーチから取り出したロー
ションと衣服の切れ端をまいた。たちまちのうちに魔法は完成し、頑健セーブに失敗したリダ
の衣服が、ねばねばしたローションにかわる。
85D&D3.5 2/6:2005/10/27(木) 14:55:41 ID:jBseeizy
「やぁっっ……だ、だめだよぉっ……こ、これ以上はぁっ……」
「ふふ、動くたんびに感じちゃうでしょう? でも、まだまだこれからよ?」
 必死に裸身を隠そうとするリダを巧みに押さえ込み、マイアリーは耳元に熱い息を吹きかける。
 羞恥と欲情は少女の体からACに対する回避ボーナスを奪い、からみつくエルフの肢体が肌ごし
に送り込んでくる快感は、意志セーブのDCをどんどん上昇させていた。
「こ、これ以上気持ちよくなっちゃったら、私、わたしおかしくなっちゃうよぉっ……お、おねが
い、マイアリーっ……」
「だぁめ」
 リダの懇願は、ウィザードの欲望をあおりたてるにすぎなかった。
 細い指が、Locate Clitoris(未訳)呪文に導かれて、リダ自身も触れたことのない陰核をつまみあ
げた。
「ひゃあうっ……しょ、そこりゃめぇっ……りゃめなのぉっ……!」
「じゃあ、こうするとどうかな?」
 残酷に笑って、マイアリーはリダのクリトリスを包む包皮を剥き上げた。外気にはじめてさらけ
だされた性感の塊が、さっきまで+2スタデッド・レザーだったローションによってぬらぬらと光
り、快感のパルスをリダの脳髄めがけて送り込んでくる。
86D&D3.5 3/6:2005/10/27(木) 14:56:15 ID:jBseeizy
「ああっっ……ひ、いやあっ、おまたが、壊れちゃう、よぉっ……」
「ほんと……壊れて、真っ白な本気のラブジュース、流れてくるよ? ちっちゃいのに、いやらし
いのね、リダってば……」
「ふぁぁぁんっ……ふゆうっ……ひゃんっ……お豆、だめぇっ……」
 マイアリーの言葉が聞こえているのかいないのか、リダはウィザードにしがみついて、びくびく
と快感に体を震わせている。
「そろそろいいかな」
 自分自身も魔法ですぐに全裸になり、マイアリーはバックパックから一本のロッドを取り出した。
先端はひどく大きくふくらみ、子供の拳ほどもあるだろう。持ち手の部分の太さもゆうに4インチ
か5インチはありそうで、全長は実に15インチもあった。色は赤紫色で、ひどく淫猥にぬらぬら
と輝いている。 
 誰が知ろう、これこそはPower Word,Orgasm(未訳)を無制限に使うことができる、アーティファ
クトにも比肩しえる伝説のロッド・オブ・エクスタシーであった。
「ふふ……リダのこと、これでオンナにしてあげるね?」
「え?」
 冷たいロッドが、秘口というより割れ目と言うべき、未成熟なヴァギナに押し当てられて、リダ
は少し正気に返った。
87D&D3.5 4/6:2005/10/27(木) 14:56:48 ID:jBseeizy
「だ、だめぇっ……! そ、そんなおっきなの入れたら裂けちゃう、こ、壊れちゃうよぉっ……」
「そうね、このロッドと来たら、リダの手よりおっきいもんね。でも、大丈夫よ」
 マイアリーは自分の巨大な乳房をリダのひかえめな乳首に押しつけて刺激しながら、また新しい
呪文を唱えた。
 よい香りのする、しかしひどく淫猥な液体が、ロッドの表面にわき上がる。これこそBaykdoyre`s
Ultimate Lubrication(未訳)、ハーフリングとオーガの情交さえ可能にする、マイアリーのような異
種族専門のブルー・メイジ待望の呪文であった。
「ほうら、入ってくよ?」
「ひっ……ひゃあっっ……やめてぇっ……そんな、壊れちゃう! オマンコ、壊れちゃうよぉっ……」
 ぬらぬらと光る先端部が、リダの処女口を割り開き、押し広げていく。
 苦痛の全ては魔法の愛液によって取り去られ、処女粘膜を異物によって刺激される快感だけが、
リダの体を支配していた。
「ふぁぁあっっ……、な、なにっ、これっ……お、おなか一杯になってるのに、とっても気持ちいいっ……」
「まだ先っぽだけよ? ほぅら、もっと奥まで入れてあげるね」
 一気に5インチほど、マイアリーはロッドを奥へ押し進めた。
 何かに一瞬当たる感触があって、すぐに抵抗がなくなる。
「あ☆ 破れちゃったね、処女膜」
「ひっ……ひどい、よぉっ……マイアリーっ……はじめて、なのにっ……!」
「そう言ってるくせに、腰は一人前に動いてるじゃない」
「……ええっ……!?」
 気が付くと、リダの小さなヒップは、さらなる挿入を求めて小刻みに動き始めていた。
88D&D3.5 5/6:2005/10/27(木) 14:57:19 ID:jBseeizy
「覚えがいいのね、あたしうれしいわ」
 そう言って、マイアリーはいよいよロッドの力を解放した。
「ひぁぁっっっ!? な、なにっ!? 中で、動いて、るよぉっ! あああああっっ……だ、太い
のが、太いのがおなかの、中でっ、すっごく、キモチイイ、のっ……! マイアリー、助けて、マ
イアリーっ!」
 常人を発狂させてあまりあるエクスタシーを、ロッドが一気に送り込む。
「ああっっ……わ、私にも伝わってくるっ……! ロッドごしに、リダのオマンコの感覚、伝わっ
てくるよ……! 処女のくせにすっごい締め付けで、こぉんな太いロッドくわえこんじゃって……」
 淫乱なエルフはロッドをピストン運動させながら、自分も快感にむせび泣いた。
「だ、だって、こんなおっきいの、入れられたらっ……ひゃあんっ……! さきっぽで、子宮の入
り口、ひっかいちゃやだっ……」
「リダのアソコ、イキっぱなしですっごくヒクヒクしてっ……! 粘膜が一つひとつ、からみつい
てくるっ……! ああんっ、もっと奥まで入れるねっ! 子宮そのまま、犯しちゃうっ!」
89D&D3.5 6/6:2005/10/27(木) 15:05:21 ID:jBseeizy
「あああっっ! そ、そんなことされたら、私、これなしじゃダメになっちゃうよぉ! も、もう
ダメなの、エッチのことしか考えられないのぉっ!」
「考えなくていいよっ! 私も、考えられないからっ! リダとこうして、ずうっとセックスするのっ!」
「あああああああああっっっ! マイアリーっっ!」
「リダぁっ!」
 二人の裸身が絡み合い、くたっ、と脱力した。
 マイアリーの手からロッドが転げ落ち、リダの顔が、ウィザードのやわらかな巨乳に埋まる。
「ね、マイアリー……」
「ふぁっ……なぁに?」
「す、きぃ……」
 リダはそう言うと、深い眠りの淵に落ちていった。
 その表情を満足げに長め、マイアリーはひとり呟く。
「さぁて、次はエンバーかな? あの娘、鍛えてるからきっといい声で鳴くわね……」

つづかない。

呪文出典:D20 Nymphology(Mangoose)
90いつも中の人:2005/10/27(木) 23:23:44 ID:tD53kowy
>76-79
 守護者さんも華さんも、どっちもどっちだなぁw
 オチに期待しつつ、GJです〜。

>男のジャームに襲われたその少年は自室に篭ったまま出てこない。
 か、カンベンしてください……。

>>89
 おや誤解でしたか。お二方には失礼しました。

>85-89
 いや、D&Dわかんないんだけど、すっごくエロいんだけど、
 なんか、なんかめっちゃ笑ったぁ〜GJ〜!
91マルチレス:2005/10/27(木) 23:24:43 ID:2aZb8yrw
 流れをぶった切って、非常な遅レスが通過します。

>異能の指先妄想
 やばいな上手いな羨ましいな。アクション及び戦闘描写とか、さらっと入ってくる交流とかすげぇ好みです。そして暴力や心傷
と絡んだエロの雰囲気がまた秀逸と思った。
 続きをお待ちしつつ、赤点駄目彼氏と優等生で目付け役のベタ話も読んでみたいな、などとアピールしておくぜ。

>魔器人化でGO!
 つまり。見た目幼いが経験と技術が豊富な本体と、一見同い年だが耳年増だけで拙い魔器と。両方がお楽しみになれるというわ
けですね。なんかさ、柊って不幸じゃん? 不幸のはずじゃん? でも時折うらやましくなるのは何故だろう。
 あとその画才が俺の羨望の的。

>鏡よ、鏡
 鏡さんの偏愛っぷりと屈折っぷりはステキだな。当時器物だったくせに嫉妬するわ、見抜いて欲しいくせに謎かけはするわ。
 そうでありながら主恋しさ一辺倒で化けて見せるのだから大したものだ。やっぱ恋愛は当たって砕く勢いがないと。
 ふと思った。これがヨロイとヨロイ乗りだったら…。

>旅のはじまり
 べたべたですなこのカップル! むしろふたりだけで世界が閉じてしまっても構わなそうな。
 四季の、何で割りも必ず余りを出しそうな性格が好きです。そして機面。殺るなら最初で殺ればいいものを一回は我慢するとは。
意外と律儀なのか、寝取られ属性なのか。

>紅と黒
 紅蓮はいい奴だな。しみじみ。でもきっと、頭が良すぎてか周りが見えすぎてかで不幸になるタイプだ。
「自分にも気付かないくらい小さく。」「彼には見えないとわかった上で、彼女は笑顔を浮かべたのだった。」ってこのふたつの
フレーズがとても気に入り。
 1でも2でも切り札は愚鈍だな、と、若干のやっかみを込めて。

 …っつーか進み早いよ! 追いつけないよ! でも読み物一杯あるのはすげぇ嬉しい。
92いつも中の人:2005/10/27(木) 23:25:18 ID:tD53kowy
 すみませんアンカーミスです。中段>>89でなく>>81でした。申し訳ない。
93いつも中の人:2005/10/27(木) 23:26:03 ID:tD53kowy
>>91
 あれお珍しい。こんな時間にこんばんは。
94鋼の戦士×混沌の監視者:2005/10/27(木) 23:27:37 ID:2aZb8yrw
「――行けば、深みに嵌まるよ」
 事ある度に監視者は言う。
 根がひねくれているから判らない。本当に行って欲しくないのか。焚きつけて行かせようとしているのか。
「それがどうした」
 だがいつだって、彼の応えは決まっている。
「いつもの事だ」
 それからもうひとつ、やはりいつものように胸のうちだけで呟くのだ。

      *          *          *

 世の中、正義の味方にだってどうにもならない事がある。
「なんでお前がここに居る」
 そう口では言いながら、これもそのひとつのようだと戦士はがっくり肩を落とした。
 取り散らかった秩序を保つ彼の部屋。その中央、ちゃぶ台の前に鎮座して、不死者の娘は「おかえりなさい」と淡白に出迎えた。
「わたしの所有物件だもの。『大家といえば親をも同然。店子といえば子も同然』だったかしら? 家族の間で遠慮は無用でしょう?」
「勉強熱心も結構だが、少しばかり意味が違わないか」
 がりがりと頭を掻いてからとりあえずで上着を脱ぎ捨て、彼は少女の対面に胡坐をかいた。背筋をぴしりと伸ばして正座した娘と
視線をあわせる。
「婆さんとは反りがあわなかったか?」
「いいえ。良くしてもらってるわ。とても」
「そうか」
 一番の懸念を、少女はさらりと否定した。彼は口元を綻ばせかけ、それならどうしてここに居るんだと思い直した。確かに困った
事があったならいつでも頼れとは言いはしたけれど。
「なら、」
「正義の味方、というのは」
 出しかけた言葉は、強い語調に機先を制される。
「…正義の味方というのは、ただ一度だけ助けたら、後は知らぬふりを決め込んでしまっていいものなのかしら」
 戦士は、促すように不死者の顔を見た。そして、自分で決めた事なのだと悟った。
 彼女が何を言おうとしているのかは知れない。だが目を見れば、それは自分で決めて自分で進もうと思った自分の道なのだと、そう
解った。
「もう一度、わたしを助けて。証明して見せて。それは在るのだと。正義というものがただの概念ではなくて、誰も不幸にしない、誰
も不幸にさせない力なんだって、信じさせて」
「オレは」
「世の中には必要なのよ。普通にはできない事ができるひとが、きっと」
 再度戦士の言葉を遮って、彼女はじっと戦士の顔を見つめた。目を逸らさずに。
「だから、だからわたしは、正義の味方の味方をする事にしたの。――正しく言うなら、あなたの味方をする事にしたのよ」
95鋼の戦士×混沌の監視者:2005/10/27(木) 23:28:38 ID:2aZb8yrw
 彼は押し黙る。彼とて常に迷い、惑い、揺らいでいるのだ。
 それから拳に目を落とした。自問する。これは何だ? この身は、この力は何の為にある?
 彼は少し微笑んだ。
 これは己が生き様。この身は弱きを助く為に。この力は涙を止める為に。
 然り。ならば然り。この拳は史上最強の拳骨である。幻想のひとつくらい見せられるはずだ。
「残念だけど、わたしは戦うなんてろくにはできない。でも別の事なら出来ると思うの。例えばお金。あって困る事はないでしょう?
情報や、助けたひとのアフターケアにだって使えるもの。それに、あなたの住まいや乗り物の事だって解決出来るわ」
「…あの婆さん、意外と口が軽いな」
 経済的に裕福と言えないのは確かなのだけれど。見た目だけとはいえ、そう年端も行かないような相手にそんな心配をされれば、業
腹よりも恥が先立つ。
 彼の小さな毒づきに、ここへ来て初めて少女はくすりと笑った。
「しかし…なんだってお前、そんなに金持ちなんだ?」
 素朴な疑問を呟いてから、ようやく彼は先の問答を思い返した。
「『わたしの所有物件』なんて言ってたが、ひょっとして…?」
 こくりと少女は頷いた。あの婆さんだ、と戦士は頭を抱える。悪知恵をつけるのはいつだってあの魔女なのだ。売買に関しての証明
書類やら何やらの類だって、彼女が手早くこずるく用意したに違いない。
「安心して。出所の怪しいではないから。わたしがどれくらい生きていか知っている? 隠し金を埋める現場に立ち会った事だって、
幾度かあるのよ」
 それは船乗りの娯楽に付き合っての事だったけれど。世の中、何が幸いするか判らないものだ。
 彼の顔を盗み見る。
 船乗りの夢を見た後、思い出した顔があった。それは少しも似てはいないのに、この正義の味方の顔だった。
 強く鋭い刃こそ、時に脆く欠けやすい。折れる時は容易い。
 彼女はそれを知っていた。だから彼が、お人好しの正義の味方がそうならないように見守ろうと、そう決めたのだ。それが年長者の
義務というものだろう。

 ――あなたは。

 少女はもういない、優しい悪魔を思い浮かべる。

 ――あなたは、笑うかしら。それとも。

 ただ船乗りがどう応じようと、それで揺れない自信だけはあった。
 胸を張って、わたしのやるべきと思った事だから、と。そう返せるだけの強さが、今の彼女にはあった。
96鋼の戦士×混沌の監視者:2005/10/27(木) 23:29:42 ID:2aZb8yrw
「それで君は正真正銘の正義の味方として邁進する事になった、と。ふぅん、良い話じゃないか。やりたい事とやるべき事が一致す
る。なかなかある幸福ではないよ」
 監視者は興味なさ気に呟いて、戦士の顔を見返した。
「――それで?」
「それで、って、お前…」
 先を促されて、ぐっと彼は言葉に詰まる。ふたりの関係ならば、あくまで言葉の上だけのふたりの間柄ならば、そんな事をいちい
ち報告する義理などはない。
「だからそれをボクに話す意味が、一体どこにあるのかな?」
 その底意地の悪さは、彼女にしてみればささやかな意趣返しだった。
 先日。特に用件があった訳ではないのだけれど、別段顔を見に行ったという訳では断じてないのだけれど、彼の部屋を訪れた。
 ところが居たのは彼ひとりではなかった。丁度あの姉妹が遊びにやって来ていたのだ。
「ちゃんとお礼に行きたいと言われて教えたんだ。そんなに気にしなくたっていいのにな」
 何故自宅を知っているのかとその後問い詰めたら、彼はさらりとそう言ってのけた。理由は知れないまま、なんだか無性に腹が立
った。
「意味っていうか、その、なぁ…」
 髪をかき回すのは困った時の癖だ。横目にそれを確認して、彼女は少しだけ満足する。まあこの報告も、少しは学習したというべ
きなのだろう。 けれど口では辛辣に、
「ボクたちの関係なんて、体だけの事だろう? お互い、奈落に堕ちない為の」
 言った途端、肩を掴んで、ぐいと力ずくに振り向かせられた。すぐ近くに彼の顔。
「…っ」
 真っ直ぐな目が彼女を射竦めて、何も言えなくさせてしまう。
「前からはっきりさせとこうと思ってたんだ。言っておくがな、オレはお前に惚れてんだよ」
 直感的に、駄目だ、と思った。言われたら。言われてしまったら。壁を作ってはいられなくなる。ただ素の、何の面白みもない女
が露呈してしまう。 
「ああ、もう悔しいくらいにベタ惚れだ。だからな、そういう物言いは――」
「残念。私だよ」
 流石のヒーローも絶句した。両肩を掴まれたまま、女はくすくすと笑う。
「…毎度ながら、ずるくないか、それ」
「“ボク”に言ってくれたまえよ」
 軽く手を振って自由を得ると、女は恬然とまた笑った。戦士は深々と嘆息し、そして思考を切り替える。
「まあ、いい。お前が出るって事は、何かが起きるんだな?」
「ああ」
 彼女は概念。不幸の象徴。不吉の別名。不運と名づけられた死。先触れが顕現するという事は、即ちそういう意味だ。
「よし!」
 彼は立ち上がり、手のひらで拳を打ち鳴らす。

      *          *          *

「行けば、深みに嵌まるよ」
 彼女は言う。いつものように。
「それがどうした。いつもの事だ」
 彼が応える。いつものように。
 それからやはりいつものように、口には出さずに呟くのだ。

 ―― 一番の深みには、とうの昔に嵌まってるんだ。
97名無しさん@ピンキー:2005/10/27(木) 23:30:58 ID:2aZb8yrw
 どっこい生きてました。致命的に遅筆ですけれども。挙句モデムまで故障して、昨日はもう別の用事も含めてインターネットカ
フェとか行ってやろうかと。今モニタの横にあるモデムには、「検証貸出用」ってシールがでんと貼られてる。
 とまれ鋼の戦士×混沌の監視者の話はこれでおしまい。読んで下さった方々に、衷心よりの感謝を。お付き合いありがとうござ
いました。
 んじゃまた、次のが仕上がったら。

>前470
 俺の書いた物語やらキャラクターやらをそこまで好いてもらえるのは光栄の極み。冥利に尽きます。そもそも読み返していただ
いてる時点でものすごく嬉しい。
 同時に怖いな、とも思った。そうまで言ってくれた方に見限られるようなものを書いたら、それこそ本当に終わりだろうと。
 精進します。一層。
 そしてこんばんは。思わぬタイミングでニアミスですな。
98いつも中の人:2005/10/27(木) 23:45:48 ID:tD53kowy
>94-96
 うわ。寝ないでよかった。

>「残念。私だよ」
>一番の深みには、とうの昔に嵌まってるんだ。
 ダメだ。とてもじゃないけど、今夜は萌え転がって眠れない。

 ただ一読して一つだけ疑問。
 戦士が惚れているのは、“ボク”の方なのか?

 それはそれとして>91で挙げていただいたフレーズ。
 実は誤字入り。とても恥入り。
99強化人間劇場 〜風雲言い訳の章〜:2005/10/28(金) 02:47:20 ID:vkXC+Jl4
・魔器人化でGO!について

あかりん「絵が描けないらしいわ」
優美「なんで?」
あ「おっぱいを描くか幼尻を描くか、それが問題だ。……とか言ってた」
まっしー「……一絵一レス一編というのは無理がある、かも」
ゆ「でもソレって弱音じゃない?」
ま「エロオンリーでギャグを入れられないのが辛い、らしい」
あ「要は頭のいいロリメインか頭弱い乳メインかで悩んでいるらしいわ」

……とまあそういう訳で、間が空いてしまってます。心根の先っぽまでお笑い系なもので。
他にも部屋探しとかで立て込んでしまってなんともはや。いけませんな。

>>94-96
OK、この私のキュートな鼻の穴から怒涛の瀑布が如く溢れる熱き血潮をなんとかしたまえ。
甘すぎです。羨ましいなあこの甘さ。これがラヴってやつですねー。
100名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 12:21:22 ID:H7Xq1Fj9
>>99
巨乳に競泳水着

エロイとは思いませんか?
101名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 17:39:26 ID:QDo6gFud
>85-89
エロ3.5最高。
102名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 20:33:29 ID:qIJJdp06
>>84
えろいよ、人を殺せるぐらいエロイよ。
103名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 21:48:19 ID:+dPrTT39
巨乳、制服、ずぶぬれ
エr(ry
104ドラゴンアームズ前編 1/6:2005/10/28(金) 23:09:26 ID:EwmjwGqD
◇Present for you

「――強行偵察小隊より入電! 敵、増援部隊と接触。コマンダー級1、ソル
ジャー級1、トルーパー級多数。救援を求めています」
「第04スコードロン、ブルー、ゴールド各小隊は出撃準備が整い次第カタパ
ルトへ移動」
「ホワイト01よりブリッジへ、全騎発進準備完了」
「了解。各騎、順次発進してください」
「ホワイト02発進!!」
―〜―〜―
「はううっ!? みなさん、あたしの言うこと聞いてくださあいっ!!」
 あーもーうるせーキンキン響く! このソプラノは耳に痛い。いや比喩的な
意味でなく物理的に。
 学徒出陣のガキども連れて、今日は楽しい艦外遠足。MISTはコマンダー
級イヴィルエッグ1体、あとはトルーパー級アタッカー、ハーミット、メイフ
ライがちょこちょこ。外装の剥げ方からして敗残兵って感じの連中で、レベル
的にも本来ならあっさり蹴散らすべきザコである。
 ここ、マウス地区はとっくの昔に放棄された市街であり、バハムートの進路
上からは大きく外れている。放っておいても構わないけど、敵本隊と合流して
再戦を期されては厄介だから一応掃討しておこう、ぐらいの考えで、竜士たる
幻操士のナギを小隊長として、俺を含む竜士補4人が戦場に投入された。
 でもって。
 状況は最悪。僕に近寄るなーって感じでトルーパー相手に当たらぬ剣を滅茶
苦茶に振り回している大騎士。位置取りが悪いせいで三方を包囲されて、今は
逃げるのに精一杯の天剣士。魔導騎士に至っては、中途半端な機体性能を顧み
ず敵主戦力たるコマンダーに単騎で突っ込んで、孤立無援の状態だ。アホかこ
いつら。
 それでも、ナギの指示に応じて動いてさえいれば、もう少しマトモな戦いに
なったはずだ。指揮官の命令を聞く気がないのか。聞いても従うだけの能力が
ないのか。
「ブルー07よりブルー03へ、今から《テレポート》移動させますから、ブ
ルー05の援護を……ブルー03。ブルー03? 聞こえてますか? 応答し
てくださいぃ!」
 聞こえてねえ。絶対に聞こえてねえよ、あの大騎士。自分のことでいっぱい
いっぱいに決まってる。アコガレてやまない年上のおねーさま、カッコ笑い、
カッコ閉じる、に折角お声を掛けていただいてるのに、それにすら反応できな
いほど、奴は頭がパニクっているに違いない。
「ブルー07よりブルー02へ。ブルー04と位置を交替し、コマンダーの狙
撃に集中してください」
105ドラゴンアームズ前編 2/6:2005/10/28(金) 23:13:30 ID:EwmjwGqD
 ナギから俺に指示が飛ぶ。天剣士の代わりに機甲士が最前線に出て、トルー
パーどもの包囲攻撃を甘受しつつコマンダーを狙撃しろってことだ。危険度の
高い作戦だが、それも仕方のないほど魔導騎士の惨状は切迫していた。
「ブルー02よりブルー07へ。俺を殺す気か」
 ニヤリと笑ってそう返すと、
「ブルー07よりブルー02へ。武運長久をお祈りします」
 信頼を込めて笑っているのがわかる声。
 任せろ、ナギ。だから俺のことよりも、俺がコマンダーを撃ち砕くまでに魔
導騎士が死なないことを祈ってやっててくれ。
―〜―〜―
 バハムートに戻って、俺はとりあえず一番手近な場所にいた大騎士のガキを
ブン殴った。
 エクスタリアの名家のぼっちゃん。モヤシが服着て歩いているようなヒョロ
ヒョロ坊主は、おいおい、そんなに力を入れて殴った憶えはねーぞ、ってぐら
い大げさにブッ飛んで転んだ。……まさかわざとじゃねえだろうな。
 魔導騎士のじょうちゃんが大騎士に駆け寄って抱き起こし、非難がましい目
で俺の方をキッと睨む。……なるほど、わざとかも知れねえ。母性本能とやら
を上手くくすぐって、女を自分の楯にするために。ナイス戦術だぼっちゃん。
俺には絶対マネできねえよ。
「殴ることないじゃないですか!」
 ぼっちゃん、ではなくじょうちゃんの方が俺に喰ってかかる。
「蹴飛ばした方がよかったか?」
「そうじゃなくて! どうしてこんな酷いことするんですか!」
「酷いのはてめえらだろうが、この能無し。俺も傭兵やって長いが、こんーな
マヌケな戦果しか上げられなかったのは初めてだ、恥を知れ」
「あ、あのっ、でもっ、」
 俺と魔導騎士の口論をおろおろ見守っていた天剣士のチビが、必死の面持ち
で言葉を継いだ。
「MISTも、倒して、全員、無事に、生きて、帰れたんです、だから」
「だから何だ」
 俺はあっさり切り捨てる。
「そーゆー台詞はな、自分もきっちり戦ったときにだけ言えるもんなんだよっ。
俺とナギの二人におんぶに抱っこで、偉そうな口を叩くな」
「あ……ぅ…………」
 もごもごと口ごもるカレドアのチビ娘の代わりに、アルトクランのおじょう
ちゃんが気張って言った。
「あたし達、ドラゴンアームズに乗って間もないんですよ!?」
「その言い訳を、敵が聞いてくれるってのか。手加減してもらえるってのかよ」
 おじょうちゃんはぐっと唇を噛む。悔しい、っていうのは、まだしも見所の
ある証拠だ。
106ドラゴンアームズ前編 3/6:2005/10/28(金) 23:14:23 ID:EwmjwGqD
 ところでおぼっちゃんは……半泣き顔で俯いているだけだ。帰れ、てめえ。
「僕、は」
 お、何か言うか。
「僕はもう、ドラゴンアームズに……乗りたく、ない」
 カタパルトから外へ蹴り落としてやろうかと本気で思った。
 俺の視界の隅に、くたくたにくたびれて深い深い溜息をつくナギの姿が映っ
た。小隊長であるナギは、ナイチンゲールから降りぬ間に、通信機を介して中
隊長からありがた〜いお説教、てか嫌味を喰らったのだろう。
 その顔が、ガキどもを見た途端、パッと明るい笑顔になった。疲労をおして
の作り笑顔だ、ったく、無理しやがって。たまにはやつあたり、てかモロあた
り? でもしてやれ、こいつらに。
「みなさ〜ん、お疲れ様でしたあ」
 小走りに近寄ってくる。
 大騎士のガキが慌てて居住まいを正した。惚れた女の前で見栄を張るだけの
気力は、まだ残っているらしい。ちょっと見直した。
「じゃ、ここで簡単に反省会して、解散しましょーか」
 反省会。お人好しのナギにかかると、反省会は褒め言葉の嵐となる。このど
うしようもねえガキどもにさえ、なにがしか美点を見つけ出してとことん褒め
ちぎるのだ。あれが凄かった、これが良かった、上手い、素晴らしい、次回も
力を合わせて頑張りましょう。
 大騎士は、憧憬と思慕とが綯い交ぜの眼差しで、背景にハートマークをぷわ
ぷわ浮かべながらナギおねーさまをボーッと眺めている。……けどお前、ナギ
の話は全く聞いてねえだろ。魔導騎士と天剣士も、ようやくホッとした、とい
う顔で、ナギの言葉に頷いている。
 ナギが他人をけなしたところを俺は今まで見たことがない。だから代わりに
俺がこいつらを罵るのだ。あれもできてねえ、これもなっちゃいねえ、無能、
低能、てめえら全員肥溜めにアタマ突っ込んで死ね!
―〜―〜―
「褒めてもダメ、けなしてもダメ。は〜あ、こんなとき団長ならどうなさいま
すかねえ」
「放っとくんじゃねえ? てめーでてめーのケツが拭けるようになるまで、さ。
自覚のねえ奴に口で何言ったって無駄なんだからよ」
 テラス、と一般に称されるバハムートの物見台。艦外の景色が一番よく見え
るから、遥か地平線を眺めて気晴らしをしたり、廃墟と化した街を見下ろし鬱
になったりするために使われる。ついでに、恋人達が逢い引きするのにも使わ
れる。隅っこに座り込んでしまえば、通路は勿論、隣のテラスからも死角にな
るので、たまーにキミョーに甲高い声が風に乗って聞こえてきたりもする。
 もっとたまーに、野太い男の呻きが聞こえることもあって、すっげー怖かっ
たりもする。
 ナギは気分転換に来た。俺はあわよくばの下心アリでナギについて来た。
107ドラゴンアームズ前編 4/6:2005/10/28(金) 23:15:26 ID:EwmjwGqD
 夕焼け。橙色が少しずつ濃くなっていく。夜は近い。
 ところでナギが話題にしているのは、あの大騎士のことである。散々けなし
まくっておいてアレだが、魔導騎士と天剣士に関しては、俺はあんまり心配し
ていない。
『あたしだって戦える!! みんなの仇を……とらせて!!』
 初陣直前、俺に向かってそう叫んだおじょうちゃんも。
『お兄ちゃん……わたくしを守ってください!!』
 敵に対峙し、常にその一言を呟くチビ娘も。
 二人とも、戦う理由が強くある。だから今までナギの褒めた長所が、ちょっ
とずつ、カメの歩みに等しいものの、伸びていっている。俺の怒鳴った短所が、
僅かながら、蝸牛の歩みにも劣れど、解消されていっている。
 が、問題はあの大騎士のガキ。聞くところによれば、奴は整備士志望だった
のに、大騎士だった父親に言われて、仕方なくドラゴンアームズに乗っている
のだという。大騎士不足の昨今、才能があると軍にバレた時点で否応無くドラ
ゴンアームズに乗せられるご時世だ、親の理解があるならむしろ幸せだろうと
俺などは思うのだが。
「なんつーか、奴もなあ。筋はいいんだ、あとは精神的なモンだな。一つキッ
カケさえありゃあ、絶対に大化けするぜ」
「そんなこと言って、ただ待ってるだけなんて……。あの子が大化けするまで
に、最悪の事態が起きないという保証はないんですよ?」
 再起不能の怪我とか。……死、とか。あいつだけはでない、俺達や他の連中
にもその禍は及びかねない。
「怖い、嫌だ、死にたくない、としか思ってないんですよ、あの子は」
 ナギがぼやく。
「死にたくないのは誰だって同じです。情けない、なんて言ったら可哀相です
けど、勝ちたいって、せめて生き残りたいって思ってくれないと」
 消極、受動の思いと、積極、能動の思いと。どちらが本当に死の確率を下げ
るのか、あのガキは全然わかっちゃいないのだ。
「お陰で今日もまたあなたに無体を強いることになって……このまんまじゃ、
命が幾つ在っても足りませんよ」
「何なら奴に色仕掛けでもカマしてみるか? 今度の戦い、頑張ってくれたら
おねーさんをあ・げ・る、ウッフ〜ン、みたいな?」
「…………………………」
「真剣に悩むようなことかっ!?」
 マジで受け取りかねないナギの頭を、俺は片掌で掴んでぐりぐり揺さぶった。
「でもほら、誰か好きな女の子を護るために、って、男の子の戦う理由の最た
るものじゃないですか?」
「だからってお前のカラダをエサにしてどうする」
「はあ!? そんなことするわけないでしょう!?」
 大声で呆れられた。
108ドラゴンアームズ前編 5/6:2005/10/28(金) 23:16:16 ID:EwmjwGqD
「そうじゃなくて、ほら、魔導騎士の彼女が、大騎士のあの子のこと、ちょっ
と気になる感じだったから、二人が上手くいってくれたらな〜、って」
 ……報われないな、大騎士のガキ。憧れのおねーさまが、お前に恋のお相手
を探してくださるとよ、ケッケッケ。
 尤も、奴の恋路は端っから報われやしないのだ。ナギの瞳に映っているのは
顔も知れない“憧れの君”。足掛け15年の恋を貫く乙女に、15歳のガキが
何をアプローチしたって届きはすまい。
 齢29(もーすぐ30だ畜生)の俺だって、苦労しているのだから。
―〜―〜―
 俺とナギはナーガロンドの所属だ。つまり俺達はドラゴンフォースに雇われ
た傭兵というわけ。一ヶ月前、ガルテン・ゼンバッハ団長の命令で、ナイチン
ゲールに5体のドラゴンアームズを乗せて、バハムートに合流した。
 MISTの勢力圏を突っ切って全員が無事だったのは、竜翔騎ナイチンゲー
ルを駆る幻操士ナギの力によるところが大きかった。俺も機甲士として、その
戦闘能力が人後に落ちない自信はある、だが戦局全体を見通し、全騎の性能、
現状を把握し、与えられた条件下で最善の一手を打つ能力は、悔しいがこいつ
に敵うとは思えない。
 誰が呼んだか美少女天才指揮官。20歳にもなって何が美少女だ、と俺など
は思うが、でっかい丸眼鏡の童顔は、まあ、美少女と称して差し支えないレベ
ルであると認めるに吝かではない。
『もっと……もっと強えやつはいねえのかよ!』
 強いこと、ただそれだけに価値を置き、気が付くと俺は家を飛び出てナーガ
ロンドに入団していた。初等教育代わりに戦闘訓練を受けて、気に入らない者
を力でねじふせることに、むしろ快感を覚えていた。
 金のため。食い詰めて。強さを求め。ただ死に場所を探して。ナーガロンド
に集まる連中は、出自は勿論、その集まる理由もバラバラであったが、それら
の多くは俺にも理解可能だった。
 唯一、不可解極まりない理由で入団してきたバカ。そいつが今、俺の隣にい
るこいつである。ナギ15歳。俺25歳のときだ。
 ナーガロンドにいるはずの“憧れの君”に会うため。なんつうふざけた理由
かと思った。生っ白い肌のお嬢。3日と保たずに逃げ出すに違いないと鼻にも
引っかけなかったが。
 驚いた。3日どころか3ヶ月も経たないうちに、こいつは欠かすことのでき
ない主要メンバーと化していた。基本に忠実、それでいて発想の柔軟な戦術で、
任務達成率を40%も引き上げたのだ。古参の中で一番アタマの固いおっさん
さえ、舌を巻かずにはいられなかった。天才、ではあるのだろう、が、それは
不断の努力に裏付けられての結果だとも知った。
109ドラゴンアームズ前編 6/6:2005/10/28(金) 23:17:11 ID:EwmjwGqD
 “憧れの君”は、5歳のときに自分を助けてくれた人だとナギは言う。顔も
声も憶えていないのだけれど、ナーガロンドの古ぼけた階級章を身に着けてい
たことはよく憶えていると。入団以来、心当たりはありませんか、と誰しもに
訊いて回っていた。勿論、俺にも。そしてことごとくから芳しい答えが得られ
ず、いつもがっかりして、それでも挫けなかった。ナーガロンドは傭兵団。ま
だ会えていない者も数多い。だから捜していればいつか、いつかきっと、と、
今日も彼女は希望に燃えている。
 いや会えねーから。絶対に会えねーから。
 だってそれ、……俺だもんよ。
 15のときだ。俺より弱い連中相手の訓練なんぞ、かったるくてやってられ
るか、と一人サボって街へ出た。たまたま、暴走した重機が建物に突っ込み、
ひらひらの服を着た小さい女の子がそれに巻き込まれた場面に出会し、俺は咄
嗟に現場に駆け寄っていた。幸運にも、瓦礫が上手く組み合わさって、女の子
を護るドームとなっており、重傷ではあったが、その子の命に別状はなさそう
だった。どうせ暇だったので、俺は瓦礫をひっくり返し、その子を助け出して
やった。そういう次第だ。
 最初に訊かれたときは、本気で憶えていなかった。件の街に足を向ける機会
があり、そこでようやく思い出した。
 今更「やっぱそれ俺でしたー」なんて言えたもんじゃない、恥ずかしいにも
程がある。
 それにこいつは俺を、てか“憧れの君”を非常に美化している。強いに違い
ない、優しいに違いない、カッコいいに違いない、……エトセトラエトセトラ。
“憧れの君”の正体を知れば、きっとがっかりする。泣くかも知れん。
 だから教えないことにした。墓場まで、その秘密を持っていくことにした。
俺だけが知っている真相、というのも愉快であるし。
 何より。
 15の頃の俺じゃない。“憧れの君”の俺じゃない。
 今の俺に。この俺に。惚れさせてみたいと思ったのだ。
 惚れられたいと思ったのだ。誰あろう俺が。こいつに、ナギに。
―〜―〜―
110ドラゴンアームズ前編:2005/10/28(金) 23:18:33 ID:EwmjwGqD
 残りは中後編。またいずれ。
111梓×和樹の中の人:2005/10/28(金) 23:39:33 ID:swqM1lLK
>>110
GJ!!
ひたすらGJ


まだ続きを編集中です。まだしばらくお待ちください・・・

しかしライブボックス読んでいたら、十也×綾とか浮かんでしまう今日この頃

〜秋葉原メイド喫茶ゆにばーさる〜

綾「・・・おかえりなさい・・・ご主人様」
十也「あ・・・う、ああ。ご苦労さん・・・ってなんでお前がここに!?」
綾「………メイド………だから」
十也「………とりあえずメニューを」
綾「今日は特別メニューしかない」
十也「は? じゃあそれを」
和美「じゃあ、綾をお持ち帰りね。ごゆっくり〜」
綾「(背中に特別メニューと書かれた紙が)………お持ち帰り」
十也「なんじゃそりゃあぁぁ」
綾「………嫌なの?」(上目遣いに悲しげに)
十也「いや、そういうわけでは。って和美さん冗談でしょう?これ」
和美「私は冗談は嫌いよ?」

とか脳内で浮かんだ俺はたぶん病んでます
112名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 00:00:01 ID:pYkCsSIx
>>110
よい、ひたすらよい!
ヒヨっ子部下どもも含めて幸せになってくれるといいなぁ。
113名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 00:01:57 ID:N4wu6mY6
>>111
お前さんは正常だ。多分
俺もライブボックス読んで、メイドプレイに興じるケイトと結希とか思い浮かべてたから
114名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 00:10:44 ID:3zDOThd3
>>111 >>113
 そして、ロングスカートのメイドさんがいないのはきっと椿が派遣されたときの彼女が担当だから
と妄想するメイド狂いの私がいるorz
115名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 01:17:39 ID:EGm8aNWW
桜がどっぷり霧谷さんの策略に嵌められてるのがワロスw
116名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 01:22:08 ID:DxJ+A5Cp
>>110
うわ、よもやドラゴンアームズのSSが読めようとはっ。
地下にも入り浸ってみるもんですねっつかコレはアレか、長らくエンギアSSを構想だけに留めてる俺への挑戦かっ。
【馬鹿は絵に描いてもいない餅を焼いてみた】

こ、こうなったら俺も書くしかないのか。ギガントマキアで。(……エンギアは?)
117名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 09:19:16 ID:jsFJTdZ6
なんとなく変なSS形式を思いついたので、とりあえずさらしてみる。
諸氏の意見を求む。
カオスフレアリプレイ、シナリオの後の話ということで。


●京 暁生:事件のお礼
条件:鉱山街の用心棒を倒した
登場:他のPC登場不可
◆解説
 ミステルがイリアと一緒に仕事の報酬を、性的サービスで支払う。
途中、ひかりを引き込みイリアと一緒に性の手ほどきを行う。
◆描写
 暁生が部屋で休んでいるところに、ミステルがイリアとともに訪れた。
「お休みのところ、申し訳ありません。報酬の件で参りました」
そういうと、ミステルは一瞬で服を脱いだ。あっけにとられるイリアも、魔法のような手際のよさで
服を脱がされる。
◆セリフ
▼ミステル
「今回の報酬ですけど、うちも台所事情が厳しいのです。現物支給ということでお願いします。
まあ、せっかくですし、姫様の性教育もかねますけど」
「ほら、姫様。これが殿方のものです。立派で、逞しくて、いやらしい臭いがするでしょう」
「お口に咥えるは無理ですね。先の方を舌を使って、ちろちろっと…お上手ですわ、姫様」
「どうです、暁生様。まだキスもしたことがない、高貴な身分の方のお口で慰められるのは?」
「ひかり様もご一緒にどうですか?」
「フィギアのときも思いましたけど、ひかり様って結構胸あるんですね」
「そうそう、ひかり様。根元の方から、ゆっくりとなめ上げて下さい」
「では、私は失礼して、お尻の穴の方を御奉仕させていただきますわ」
「暁生様、我慢なさらなくてもいいんですよ。暁生様のあつ〜いフレア、私たちにお恵み下さい」
「…こんなにたくさん。暁生様のフレアで姫様とひかり様がべたべたですわ。さすがはフォーリナー」
「これで、終わりではないでしょう?」
▼イリア
「おい、ミステル! 聞いてねえぞ!」
「こ、こうか、ミステル? …ん、んちゅ」」
「ひゃ、なんだ? びくんって震えたぞ」
「うわっ、なんだこれっ?」
「ひかり、顔にもついてるぜ。ぴちゃ」
▼ひかり
「ちょ、暁生! あんたら、なにしてんねん!?」
「ミ、ミステルさんっ。や、止めてっ。んあっ」
「ん、ん。暁生、気持ちええか?」
「これが暁生の……」
◆結末
お互いのフレアのやり取りが終わり、暁生が満足するか全部搾り取られると、シーンを終了する。
118名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 11:09:19 ID:pYkCsSIx
台本だけ渡されてもどーすれば………





と思いつつ読みすすめれば脳内保管が即座に起動する自分の妄想力に(゚∀゚)
119名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 13:01:01 ID:v1fOWb58
ばかやろう! ちゃんと書け!(フレアを投げつけつつ)
120名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 18:04:00 ID:bEBZLk6E
>111>117
 ライブボックスとか、カオスフレアとか。
 知らないものに対する妙な先入観が植え付けられるスレであると思った。
 でも笑ったからGJ〜。
121ドラゴンアームズ中編 1/5:2005/10/29(土) 18:05:29 ID:bEBZLk6E
 ちらり、視界の隅に人影が見えた。ドラゴンフォースのジャケット。俺達が
着ているナーガロンドの野戦服とは色も形も違う。ジャケットの下には、エク
スタリアの貴族階級が好んで着るタイプの民族的な衣服。
 テラスに頬杖をついて本日何度目かの溜息をついているナギは、奴に気付い
ていない。奴の方がこちらに気付いて、慌てて姿を隠した。そう、通路へ戻っ
ていったのではなく、こちらと通路との境にある柱の陰に隠れたのだ。
 へえ、立ち聞き盗み見の構えかよ。俺は唇の端を歪めて、……見せつけるよ
うな腕の動きで、ナギの肩を抱き、その身体をグッと引き寄せた。
「はい?」
 きょとんとナギが俺を見上げる。何の用ですかと言いたげに。
「なあ。……まだ、俺に抱かれる気、ねえ?」
 彼女の頬が朱に染まったのは、夕日のせいではない。
「もう、またその話ですか?」
「またその話」
 拗ねたように言う彼女の耳に、唇が触れんばかりの距離で低く囁きかける。
「いい加減に抱かせろよ」
「ヤですよー」
 つーん、わざとらしくそっぽを向く。
 何百度目かの口説き文句。何百度目かの拒絶。
 俺達の会話は、柱のある場所にまでは届くまい。だが、雰囲気は伝わるだろ
う。身を寄せ触れ合う、この至近距離を許し合える仲であると、如何なガキで
もわかるだろう。
 実のところは友達以上、恋人未満、複雑微妙な関係なのだが。
「そんなに“憧れの君”とやらがいいのか? そんなに、そいつに抱かれたい
のか?」
「だっ…………抱かれ、たいとか、そんなわけないじゃないですかっ」
 じたばた、耳まで真っ赤っ赤。こいつの頭から白い湯気が立ち昇っていたと
しても、俺は驚かない。
「そんな、そんなこと、あったらいいなーなんて、そりゃあ思わないでもない
ですけど……」
 指先を合わせてもじもじと。おいおい、手まで赤くねえかお前。何を想像、
てか妄想してやがるんだか。
「あの人にはもう、素敵な人がいるに決まってますもの」
 素敵な人は、いる。まだ片想いだけどな。
「あたしなんて、歯牙にも掛けてもらえませんよ」
 歯牙に掛けるどころか、毒牙に掛けようとしている。
「それでも、会いたいんです。会って、あのとき言えなかったお礼を、感謝の
気持ちをちゃんと伝えたいんです」
 祈るように、夢見るように。
122名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 18:05:35 ID:5xRCWuVa
>>117
ワロスwwwwww

しかし一発ネタじゃのう。
123名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 18:06:27 ID:pYkCsSIx
>>120
………もしかしてさ、ビーストバインドって萌えRPGとはちがうの?
124ドラゴンアームズ中編 2/5:2005/10/29(土) 18:07:17 ID:bEBZLk6E
 妬けるよなあ、畜生。30の大台に乗る前にこいつを口説き落としたかった
けれど、やれやれ、まだまだ長期戦になりそうだ。
 ……っと、そうだ。
「んじゃお前、俺と賭でもしねえ?」
「賭?」
 何かにつけて賭けたがるのは、俺のクセである。なにも賭場に出掛けるわけ
じゃない。酒場のケンカ、どっちが勝ったら幾ら払え(そして賭けた方に加勢
して相手を殴りに行くのだ)とか、生きて帰れたら飯をおごるとか、そういう
他愛もない賭。発奮するのに丁度いい賭。
「次の戦い、あのガキが一人でコマンダー級を倒せたら。お前、俺に抱かれろ」
「へ!?」
 すっとんきょう。まんまる目玉。
「い、幾ら何でもそれは無理ですよ、精々トルーパー級1グループ、……いえ、
3……2匹……」
 大騎士のぼっちゃん。アコガレのおねーさまは全くお前を信じてないぞ。
「この俺がバックにいて、トルーパー2匹ってこたぁないだろう?」
「背伸びしすぎても転んで怪我をしますよ、あの子はまだ……」
「ならソルジャー1匹か、トルーパー1グループ。これ以上は負からんぜ」
「それだったら……って、何でそんな賭なんかしなくちゃなんないんです!」
「あのガキに発破をかけてやるって言ってんだよ。奴がちゃんと戦えるように
なりゃ、お前だって嬉しいだろ?」
「それは……そうですけども…………」
 恨みがましげにじ〜っと上目遣いで。
「あたし、あの子を応援していいのか悪いのか、フクザツな気分です……」
「応援してやれ。俺のためにも」
 ナギの前髪を掻き上げて、白いおでこにキスを落とす。
「……んもう」
 しょうがないなあって感じで、だけどこいつは嫌がらない。
 俺の故郷じゃ軽いものでもキスは性愛の意味だ。こいつの故郷じゃ触れ合う
程度は親愛、友愛の意味だ。わかっていて、俺はナギにキスをする。俺の所有
を主張する、見えない印を付ける気持ちで。
 親愛のキスを受け入れるほど、心を許してくれているのは嬉しい。心ついで
に、身体も許してくんねえもんかな。できれば全部、さ。
「そろそろ冷えてきたな。戻るか」
「そうですね」
 蒼みを帯びてきた空に、星が目立ち始めた。俺達はテラスから通路へ移り、
「っと。忘れモンだ。先に宿舎に帰っててくれ」
「え?」
 訝るナギを置いて、俺は再びテラスの方へと足を向けた。
125ドラゴンアームズ中編 3/5:2005/10/29(土) 18:09:09 ID:bEBZLk6E
 俺が戻ってきたもんで、柱の陰から出ようとしていた奴が、慌ててまた同じ
所に隠れるのが見えた。
 ドガッ! 柱のこちら側を、靴の裏で蹴りつける俺。柱の向こう側で、ビク
リと身を竦める気配。
「こそこそ覗き見してんじゃねえよ、この卑怯モンが」
 返事はない。出ても来ない。上等だ。
「バレてねえとでも思ってやがったのか? エクスタリアの貴族のぼっちゃん」
 ややあって、覚悟を決めたみたいに、大騎士のガキが姿を現した。噛み締め
た唇。屈辱に震える身体。ぎゅっと握り拳を胸に当て、そして俺を睨みつける
憎悪の、否、嫉妬の眼。
 いいねえいいねえ、最高だ。そうこなくては、面白くない。
「そんなに妬ましいか、俺とナギとので・ぇ・と、が」
「あなたは、ナギさんと、……つきあっているんですか」
 つきあってねえ。フラレ街道まっしぐら、連戦惨敗、未だ連敗記録更新中だ。
勿論そんな実情は、おくびにも出さないでおくが。
「そうだ、と言ったら?」
「あ、あなたみたいに乱暴な人、ナギさんには相応しくないっ」
「へ〜え? だったらナギに相応しいのは、自分の責務もロクに果たせない、
クソ甘ったれたカワイソーなボクちゃんってわけだ?」
「そんなことっ!」
「そんなことないとでも? は、プライドだけはいっちょまえかよ」
 俺は鼻先でせせら笑う。嘲弄、軽蔑、ありったけの見くだし。
「惚れた女の気を引きたけりゃあ、女が喜ぶことの一つもしてみせろってんだ。
差し当たってはソルジャー級の1匹でも、って、トルーパー1匹でも無理か、
今日みたいに無様な戦いっぷりじゃあな」
「僕は! 僕は好きでドラゴンアームズに乗っているわけじゃない! 好きで
戦争なんか……!」
「そうかい、それならあいつに頼め。僕を護ってください、僕の代わりに戦っ
てください、僕が死なないためにあなたが最前線に出てください、ってな」
「あ、あなたなんかに! あなたなんかに何がわかるっていうんですか!」
「だったらお前は何がわかってる! あいつの何がわかってるんだよ!?」
 殴ろうと振り上げた手。ひっ、と息を呑んで縮こまる大騎士。
 が、次の瞬間。
 奴はキッと俺に目を向けた。
 殴られる瞬間も、最後まで視線を逸らさなかった。
 ブッ倒されて、それでもすぐに上半身は起こす。切れた唇。血を拭う拳。俺
を睨み上げる、眼。
 憎悪よりも。嫉妬よりも。それは、敵愾心。
「てめえ一人も護り切れねえクソガキが、女に色目使ってんじゃねえ。とっと
と実家に走って帰って、母ちゃんのスカートん中にでも潜り込んでな」
126ドラゴンアームズ中編 4/5:2005/10/29(土) 18:10:38 ID:bEBZLk6E
 ありきたりの罵詈雑言を吐き捨てて、俺は兵舎へ足を向けた。
「あなたには」
 後ろで呟く声が聞こえた。
「あなたにだけは、負けたく、ない」
―〜―〜―
 化けも化けたり、ぼっちゃん大化け。トルーパー級1グループ、ソルジャー
級1匹、加えてコマンダー級1匹が大騎士のガキの大手柄。アタッカー、グー
ン、イヴィルエッグという低レベルの奴だが、それでも一昨日の情けねえ戦果
と比べたら月とスッポンである。
 バハムートに帰還してすぐ、魔導騎士のじょうちゃんと天剣士のチビ娘が大
騎士を囲み、飛び上がっての大喜びだ。俺も、まあ言いたいことは十や二十で
なかったが、今日ばかりは褒めてやることにした。
「やるじゃねえか」
 俺がニヤリと笑うと、大騎士のガキもニヤリと笑い返した。負けん気でいっ
ぱいの笑いだ。もうおぼっちゃんとは呼べねえなと思った。
「みなさ〜ん、お疲れ様でしたあ」
 小走りに近寄ってくるナギも、スキップせんばかりの勢いだ。
「じゃ、ここで簡単に反省会して、解散しましょーか」
 そうしていつもにも増したる褒め言葉の嵐。俺が怒鳴らなかったものだから、
反省会はあっという間に終わった。
 小隊長が解散を宣言したとき、大騎士のガキはナギに何かを言いかけたが、
果たせず、今日はお祝いとはしゃぐ魔導騎士のじょうちゃんと天剣士のチビ娘
とに左右から腕を取られて引きずられていった。早速両手に花とはね。いやあ
羨ましい羨ましい。
 ま、俺は高嶺の花が1輪あればそれでいいけど。
 中隊長に口頭報告を済ませたあと、プラットホームから出ながら、ナギが俺
に尋ねた。
「一体、あの子に何て言ってあげたんです?」
「別に。ただ頑張れって言っただけさ」
「嘘ばっかり」
「そんなことより、賭は俺の勝ちでいいんだな?」
 う、と気おされた顔。でも。
「も、勿論ですよ。賭はあなたの勝ちです」
「そうかい。んじゃあ、着替えたらいつものところで待ち合わせだ」
 俺達は一旦男女更衣室へと分かれた。
 シャワールーム、頭からザブザブ水を浴びて簡単に汗を流す。
 ふう、と我知らず溜息が漏れた。
 わかっちゃいるんだ。こんな阿呆な賭であいつが身体を許すなんて、心から
俺に抱かれる気になるなんて、俺も本気で思ってはいない。
 無理矢理にでも抱きたい。それと同じぐらい、あいつを傷つけたくない。
127ドラゴンアームズ中編 5/5:2005/10/29(土) 18:12:29 ID:bEBZLk6E
 あいつは律儀な性格だ、約束は守る。だから多分、ホテルまではついてくる
と思う。だけれど。
 最後の最後で、やっぱり嫌だと拒むに決まっている。ひょっとしたら泣かれ
るかも知れない。たまんねえ結末だ。俺自身、きっと傷つく。
 冗談に紛らせよう。笑い話にしちまおう。もう一度、腹の底から溜息をつい
て、俺はシャワーの栓をひねって閉じた。
―〜―〜―
 兵舎へ続く、通路の出口。いつものところで、あいつはもう待っていた。
「珍しいな、お前の方が先に来てるたあ」
「どうせホテルで浴びると思って、シャワーは簡単に済ませたんです」
 何でもなさそうに、言う。俺は慌てた。
「おいおい、ホントにヤる気なのか」
「しないんですか?」
 じっ、と俺を見詰める瞳。
 無理をしている、わけではなさそうだけれど。
「ありゃ冗談だよ、代わりに飯でもおごれや」
「じゃあ、ホテルでルームサービスを取るということで」
 女性兵士の間で評判がいいというファッションホテルを、ナギは予め調べて
あったそうだ。焦る俺を先導するようにして、とっとと中に入り、適当に部屋
を決めて、さっさと階段を上がって、躊躇い無くドアを開けた。
「さ、どうぞ」
「……はあ」
 あぜんぼーぜん。
 女に人気があるってことだけはあって、俺が知ってるどのホテルより、そこ
は小綺麗で品がよかった。ドアを開けて玄関にまたドア。上がり込むと正面が
ベッドルーム、左手がバスルーム。ベッドルームとバスルームとの間の壁がガ
ラス張り、なんてこともない。ベッドの横にでっかい鏡、なんて物もない。窓
にはレースのカーテン。壁紙は淡いパステルカラー。暖色系の柔らかい絨毯。
清潔感あふれるシーツ。
 なんかもう、勘弁してくれって感じだ。小汚い安宿の方が、俺はまだしも心
が落ち着く。
 我に返ったのは、ナギがバスルームに入ってからだった。
 本当にヤる気だっていうのならありがたい。棚から牡丹餅、美味しくいただ
く気は満々だ。だがしかし。信じられねえ。マジかよ。何かの間違いじゃねえ
のかよ。
 覚悟だけは決めておく。いざとなって、拒まれ泣かれる覚悟を。
 こんな阿呆な賭を、言い出したのは俺なのだから。
128ドラゴンアームズ中編:2005/10/29(土) 18:14:33 ID:bEBZLk6E
 残りは後編。またいずれ。

>123
 えっ、そうなの!? 衝撃の事実だ!
129名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 19:06:29 ID:5xRCWuVa
>>123
旧約はともかく、新約は萌えゲーだよ。
130123:2005/10/29(土) 19:06:43 ID:pYkCsSIx
おつです、ぐっじょぶ!

あと割り込みゴメンナサイ。
131カオスフレア・発売先行エロ 1/5:2005/10/29(土) 20:46:06 ID:8I1NUV62
「……というわけで、そろそろお嬢様も正しい性知識を身につけられるべきお年頃かと」
 レグニツァ王家の守護者にして姫の後見人を自ら任ずる“自称・愛の魔王”は、いつもと
変わらぬ執事服に豊満な肢体を包み、優雅かつ艶然と微笑んだ。
「……ミステルてめぇ、死ぬ前に言うことはそれだけか」
 王冠の代わりにベレー帽を乗せた銀髪の下から射殺すような視線で答えたのは、幼い身な
がら傭兵稼業で民草の台所を支える亡国の王女、イリア・ルゥ・レグニツァその人である。
彼女はいつものように自室の無骨な大机に両足を乗せたはしたない格好のまま、魔王の強力
な呪力でやんわりと全身を拘束されているのだ。
「ダメですわお嬢様。その意味を正しく認識してこそ、悪罵の備える棘も鋭さを増すというもの」
 高貴な足を白い花弁のように包む豪奢なドレスのスカートが、魔力の指でひとりでにまくれあがる。
「っ……『コレ』もそのためだってのかよ、おい!」
 王族にとって、侍従の者に肌をさらす事は取り立てて恥にはあたらない。
 ……ただし、この場合に限っては少々事情が違った。
 ショーツを取り払われ、純白のガーターに包まれた蝋細工のごとき両脚の間に垂れ下がっていたのは、
同年代の少年になら相応しいであろう、大人の親指ほどの可愛らしい男性器だったからだ。
「ええ、ですから、普段使っておいでのお言葉の意味、姫様自身のお体で理解してもらうのが一番かと」

(賢明なる地下スレ住人諸兄は既にお分かりのことと思うが、この魔王がいかな手段を用いて姫を
このような体に変貌せしめたのか、などという問いはここでは愚問である。かの世界にフタナリ化手段の
一つや二つや三千は枚挙に暇がないであろうことぐらい、我々にとっては当然の認識と言えよう)
132カオスフレア・発売先行エロ 2/5:2005/10/29(土) 20:47:12 ID:8I1NUV62
「ふふ、それにしても、お可愛いこと。お嬢様がよくお使いになられる『フニャチン野郎』とは、
この状態のことを指しますわ。……では、失礼して」
「お、おいっ!? さ、触るなっ、てめっ……ぅあっ!」
 背後から幼いペニスを包み込むように冷ややかな指先が触れ、イリアの細い肩がびくんと跳ねる。
手中で弄ばれた若茎はみるみるうちに、白皙の肌に映える赤黒い肉筒となって鎌首をもたげていく。
「うふふ、どんどん大きくなって参りましたね。『マラがおっ勃つ』とはこういった按配です」
 これが本来男だけのものだという程度の知識しか持たない王女は、
自らに備わった男根の威容さ、熱気、漂う淫らな香りに、思わず息を呑む。
「ご覧くださいな、お嬢様のは先っぽまでご自身のお皮に包まれておいででしょう?
 これが『包茎チンポ』あるいは『皮かむり野郎』というわけですね」
「よ、よくわかったぜ……今すぐお前にその言葉を添えて鉛玉をプレゼントしてやりたいところだ
……むぐっ!?」
 不敵なセリフを吐く小さな唇に、魔王の長い指先が不意に侵入した。
「ご理解が早くて嬉しいですわ。
 ……ご無礼お赦しくださいませ、次のステップでは指を湿らせる必要がありましたもので」
 にっこり微笑みながら主君の口腔をなぶるミステル。ややあって、ちゅぽっ、と引き抜かれた
二本の指の間には、たっぷりと付着したイリアの唾液が銀色の橋を架けていた。
「……ぷぁっ! けほっ、つ、次の、って」
133カオスフレア・発売先行エロ 3/5:2005/10/29(土) 20:48:11 ID:8I1NUV62
「ええ、せっかくですから、お嬢様のモノが今おかむりになっている皮が『ズル剥け』になった状態も
レクチャーして差し上げようかと」
「なっ……ま、まさかこれを剥くってのか、お前!?」
 主君の抗議にも耳を貸さず、温まった指先が亀頭に張り付いた皮の境目へじっくり丹念に唾液をまぶし、
慣れた手つきで少しずつ包皮の拘束をほころばせてゆく。
「ちょっぴり我慢してくださいね……ああんっ、
 この手でお嬢様のお皮を剥いて差し上げられるだなんて、たまりませんわ……!」
「お、お前っ……も、もう最初の目的忘れてやがるだろ……っ!」

 みゅちっ……みゅりりっ!

「……ひゃううっ!? か、かは……っ!」
 包皮が全てカリ首を越え、磨き上げたルビーのごとき、つややかで初々しい亀頭が露わになる。
 ……ぴゅくっ! とはしたない水音をひとつ立てて、透明な先走りが先端から飛び出た。
「包茎卒業おめでとうございます、お嬢様。ちなみに、今先っぽから漏れたのが『ガマン汁』ですよ」
 ひりつくような感覚と不思議な開放感に四肢を突っ張らせて悶えるイリアの耳元で、
さも嬉しそうに囁く愛の魔王。
「うああっ……さ、先が、ひりひりするっ……!」
「あら、申し訳ありません。やはり急に剥くものではないですね。では、こうやって元通りに戻して」
「うああっ!?」
 まくれ上がった皮を再び戻される違和感が、少女の敏感な亀頭粘膜を容赦なく苛む。
134カオスフレア・発売先行エロ 4/5:2005/10/29(土) 20:52:12 ID:8I1NUV62
「男性器はこうするとじきに慣れて、剥けたままの清潔な状態が続くようになるのですわ。
そのためにこうやって、剥いたり、戻したり、剥いたり、戻したり……」
 ミステルの指はどこまでも面白そうに、淫らなリズムに乗ってイリアの幼い包皮を弄ぶ。
「や、やめっ、本気でっ……な、何か、ヘンだっ……!」
 痛みとも痒みとも違う未知の感覚に、さすがのイリアの声にも怯えの色が混じる。
すかさずミステルはイリアの右手を取って、血管の浮き出したシャフトをそっと握らせた。
「あ、熱っ!?」

 しゅこっ……りゅりゅっ、りゅこっっ……。

 始めはゆっくりと上品に、だんだん大胆に、大振りに。
 高貴な指先を淫具にして、はしたない前後運動が開始された。
「な、なんだこれっ……ふぁっ!? あ、あたし、今、何してるんだっ……!?」
「お嬢様が今まさにやっておいでの行為が『マスをかく』というやつですわ。
本来ならば私の手など不要ですが、今回はこのまま導いて差し上げますわね」
 ミステルが強調する一語一語の、なんと淫靡で猥雑なことだろう。
 何も知らずにそれらを操っていた自分の、なんと無知で幼かったことか。
 もはやイリアは、半分以上自分から進んで指を動かしていることにも気付いていない。
 百戦錬磨の腕にリードされるがまま、幼い身体を禁断の快楽に漬からせていく。
135カオスフレア・発売先行エロ 5/5:2005/10/29(土) 20:53:40 ID:8I1NUV62
「はぁっ、はぁぁっ……し、下の方からっ、何か上ってきて、こ、怖いっ……!」
「ご心配なく、その感覚に身を委ねればいいのです。どうぞご遠慮なくお出しになってくださいな。
……お嬢様の精通、このミステルがしっかり見届けて差し上げますから」
 そこから放たれる何かを受け止めるように、ミステルが左手をお椀状にしてペニスの前方に添えたのを見て、
快楽にふやけたイリアの頭にさっと血が昇る。それは性知識などまるでない幼い姫にとっても、
今から自分がとてつもなく恥ずかしい姿を晒すのだという確信を抱かせるのに充分な眺めだったからだ。
「やっ、あっ! 駄目だっ、なにかくっ来るッ、見るなっ、うぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」

びゅくん……っ! どくん、どぶぷっ、びゅくびくうっっ!

「ああん、素敵! 高貴な『チンポ汁』がドクドク噴き出て、手で跳ね返るくらいに飛び散ってますわ……」
「うぁっ……っあ! ふああああっ、あ……ッ!」
 脳細胞をショートさせんばかりの悪魔的快楽に全身を飲み込まれたまま、
ミステルの手に次々叩きつけられる自身の白い排泄液を、ただ呆然とイリアは見つめていた。
「……うふふ、ちょっぴり『早漏』でしたわね、お嬢様……」


(つづかない)
136120:2005/10/29(土) 21:05:34 ID:bEBZLk6E
 あー、やっと意味がわかった!
 >123は、要するに「『知らないものに対する妙な先入観が植え付けられる』
なぞと言っている>120こそ、ビーストバインドを知らない>123に『ビーストバ
インドは萌えゲーである』という妙な先入観を植え付けているではないか」と
言いたかったわけだ! なるほどなるほど!
 でも>129が「旧約はともかく、新約は萌えゲー」と言っているから、「妙な
先入観」ではなく「正しい情報」だったということで、セーフセーフ。

>130
 幾ら気を付けても割り込みは発生するものですよ。お気になさらず。

 てゆーて書いてるうちに新作投下ですか。
>131-135
>かの世界にフタナリ化手段の一つや二つや三千は枚挙に暇がない
 だからカオスフレアって、カオスフレアってどんなゲームなんだよぉぉぉ!?w
137136:2005/10/29(土) 21:15:26 ID:bEBZLk6E
 言い忘れ。
>131-135
 えろくて笑えてGJでした。
 で、お嬢様の筆おろしはしなくてもいいんですか?
138名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 21:35:00 ID:5xRCWuVa
>>135
GJ!!

続かないのか・・・・・・そうか、残念だ。
139あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:11:50 ID:NzgYa17C
>59からの続き。やたら長い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 百年以上前。世界は混沌としていた。だからあたしたちは作られた。より多くの人間を殺すために。
どうすれば多くの人間を殺せるか。簡単なことだ。戦争をすればいい。あたしたちに求められたのは、戦争を引き起こし、人を殺すことだった。
 ウィルスという概念すら一般には知られていなかった当時、あたしたちを使えば国を滅ぼすことさえ可能だった。
数多くの人形が取引され、そして「使われて」死んでいった。
 このことに目を付けた男が居た。奴は社交界を渡り歩き、あらゆる手を尽くしてあたしの姉妹を集めた。
そしてあたしたちの存在を歴史から抹消するために、関係者全員を血祭りに上げた。
多くの組織が奴を捕らえようとして、全て失敗した。奴を捕まえることはできなかった。奴は「人を超えたモノ」だったから。
そのため奴には“血塗られた伯爵”という名が与えられ、事件の全ては闇へと葬られた。
 奴は気づいていたのだ。あたしたちを使えば、国どころか世界をひっくり返すことも可能だということに。
 幸か不幸か、レネゲイドウィルスが世界に拡散したせいで、相対的に私たちの力は弱まることとなった。
各国が秘密裏にレネゲイドへの対策を講じている今では、あたしたちなんかを使うよりも、専業の暗殺者を雇ったほうが早いしコストもかからない。
 だけど、それでも奴はあたしを手に入れようとしている。その理由を知らなくてはならない。
奴の放った銃弾によって頭を打ち抜かれたお爺ちゃんを見つめながら、内心の動揺を押し殺して、あたしは尋ねた。
「久しぶりね、“伯爵”。今更あたしに何の用なの?」
「そんなこと決まっているじゃないですか。人形を作るのに使用された《賢者の石》。それを集めれば世界を作り変えることさえ可能なんですよ?」
 “伯爵”は興奮した口調で、得意げに語り続ける。
「あのマスターレイスは失敗しましたが、貴重な研究結果を残してくれました。私が神になるために必要な研究結果をね」
 奴のほうを向く。百年前と変わらぬ姿で、あの男は立っていた。その力は、百年の間にさらに増大していた。
怖かった。でも、もう自分以外の誰かを失うのは嫌だった。
だからあたしは言った。彼を守るために。
「じゃああたしの《賢者の石》さえ手に入ればいいのね…。約束して。彼には手を出さないって。約束するなら、あたしはどうなっても構わないから」
「…いいですよ。私は紳士ですからね。そこの若造は見逃してあげますよ」

140あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:13:11 ID:NzgYa17C
 あたしは彼の方を振り返った。彼は震えていた。抑えきれない感情を無理やりに押し込めるように。彼は深く息を吸い、それを爆発させた。
「…ふざけるな!」
 その叫びと共に彼は壁を殴りつけた。炎上している廃屋が崩壊していく。
「君はさっき言っていたじゃないか!人として生きたいって!爺さんが最期に君に言ったじゃないか!幸せに生きろって!君の思いは、爺さんの願いは、そんな簡単に諦めがつくものなのか!?」
 気がつくとあたしの頬を涙が伝っていた。彼の言うとおりだ。こんな理不尽なこと、許せるはずが無い。涙をぬぐって、奴の方に向き直り叫んだ。
「“血塗られた伯爵”!あたしたちの因縁はここで終わりよ!」
 奴は肩をすくめて笑った。
「どうやら破壊される覚悟ができたようですねぇ。心配は要りませんよ。石を傷付けないように、貴女自身の手で石を取り出させて差し上げますから」
「違うわ。あたしが覚悟したのは、人形としての過去を捨てる覚悟。あんたを滅ぼす覚悟よ」
「まさか、人形風情が私を滅ぼすというのですか?フハハハハ…これは傑作だ。笑わずにはいられませんよ」
 まるで気が狂った様に奴が笑い出す。その間に、彼はあたしに小声で尋ねた。
「勝算は、あるんだよな」
「あるわよ。だからお願い。あたしをあいつの近くまで連れてって」
「分かった。任せろ」
 彼の自信に満ちた返事を聞いてから、あたしは集中を始めた。《フルインストール》。本気を出さなきゃ、奴には届かないから。

息が切れるまで笑い続けた“伯爵”が、俺たちに向かって言う。
「人生最期の内緒話はおわりですか?この茶番にもそろそろ飽きてきましたよ。そろそろフィナーレと行きましょうか!」
 奴が指揮者のように腕を俺たちのほうに向けると同時に、俺たちの前後の地面から巨大な影が飛び出した。
道を塞ぎながら俺たちに鮮血の矢を射掛ける二体の従者。流れ弾が彼女に当たる可能性を考え、背後からの攻撃をあえて俺は受け止めた。
脇腹に激痛が走る。だがこれで終わりではない。奴が指を鳴らした。
「散りなさい!」
 俺たちの意識を奪うはずだったその一撃は、しかし、黒い球体に飲まれて消えた。彼女が俺に笑いかける。
《時の棺》。あらゆる攻撃を無効化する能力。だが、“伯爵”はそれにも動じない。
「…ブラックドッグ/バロールですか。なかなかに粘りますね。ですが、寿命がたったの数十秒延びただけですよ。貴方たちに私を倒すことはできないのですから」
「それはどうかな?」
 腹部の激痛を堪えながらも不敵な笑みを浮かべ、俺の体内に宿る獣を呼び出す。奇妙な音を立てて、見る見るうちに俺の体は獣へと変わってゆく。
「完全獣化…いきなり最後の手を使いますか。まあ、せいぜいあがきなさい。貴方に遠距離攻撃能力が無いのは分かっていますよ」
 そして、行く手を塞ぎ、退路を断つように前後の従者が俺たちを威圧する。俺は覚悟を決めた。
 彼女を自分の背に乗せると、なおも炎上を続ける廃屋へと飛び上がった。炎が獣の毛を舐めるように焼き焦がす。
身を焦がす劫火に焼かれ、何度も気を失いそうになりながらも、爺さんの思いに答えるため、俺は炎の中を駆け上る。
筋力というよりも、精神力で足を進める。そしてついに俺は奴の頭上へと躍り出た。
だが奴の影から二体の従者が飛び出し、奴を庇うように目前を塞ぐ。その間から、奴がゆっくりとこちらに狙いを付けるのが見えた。
141あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:13:48 ID:NzgYa17C

 “伯爵”は、状況を冷静に分析していた。
 あいつらは炎の中へと飛び込んだ。少々驚いたが、既にこの空間は私の支配下にある。あいつらの位置は手に取るように分かっている。
炎の中から飛び出す獣に対し、ゆっくりと狙いを付ける。
防壁として張った二体の従者が、雷をまとった重力波で吹き飛ばされる。だが、あいつらの次の攻撃よりも、私の精神支配のほうが早い。
 弾け飛んだ従者によって白衣を血で染めながら、“血塗られた伯爵”は“不確定な切り札”の姿を確認した。
「貴方は結局、不確定のままに終わるのですよ!何かを為す事も無く!」
 そう叫び、指を鳴らす直前に異変に気づいた。人形の姿が無い。
 それを認識するのと、背後から頭を掴まれるのは同時だった。それにも動じず、冷静にその理由を見抜く。
《時間凍結》。重力で「自分に都合の良い領域」を作り出し、更なる行動を行う能力。
「無駄な足掻きを。私は何度でも甦る。たとえここで一度死んだとしてもね」
 呟き、脳を焼き焦がす電撃を気にも留めず、そのまま指を打ち鳴らした。

 あたしたちが作られたのは、ただ単に人を殺すためだけじゃなかった。権力者を操り、戦争を起こし、国を滅ぼすためだった。そのための「道具」を複製するためだった。
 この力のせいで数え切れないほどの人が不幸になった。皮肉な話だ。「人形」の力で、人々が操り人形となり、多くの罪の無い人々が帰らぬ人となったのだから。
 この力は呪われた力だ。でも、今だけはこの力に感謝する。大切な人を守れるから。一人ぼっちのあたしを抱きしめ、慰めてくれたあの人を守れるから。
 あたしはもう人形じゃない。人の命を奪う人形なんかじゃない。あたしは人間だ。守りたい人のために戦う人間だ。そう自分に言い聞かせ、覚悟を決める。
 あたしの中にある《賢者の石》が輝き始める。あたしがあたしじゃなくなってもいい。あの人があの人でいてくれるなら。
その願いと共に、あたしは全ての力を解放した。

指を打ち鳴らした“伯爵”は異変に気づいた。体が金縛りにあったかのように指一本動かせない。
間違いない。この力はあの呪われた力だ。他人を思うがままに操る、“伯爵”と同質の力。
それを悟ると同時、まだ支配されていない体内の血流を制御し、意識を集中させる。
記憶の奔流が流れ込む。同時に放たれた《ナーブジャック》が、互いに相手の意識を蝕んでゆく。
(人形ごときに、この私の意志を挫くことができるとでも?私は神になる超人類なのですよ?)
余裕を浮かべかけた“伯爵”の意識は、しかし、急速に薄れてゆく。薄れゆく意識の中、“伯爵”は人形の声を聞いた。
「あなたは自分以外全てを「道具」としてしか見ていないのね。あなたには、あなた自身を支えてくれる仲間はいない」
 一呼吸おいて、続ける。
「あたしは違う。あたしのことを、きちんと一人の人間として見てくれる、大切な人がいるから。人は一人で生きてはいけない。それを忘れたのが、あなたの敗因よ」
 もはや“伯爵”には、反論の言葉を紡ぐ事はできなかった。百年の時を生きた孤独な男は、極東の地で終わりを迎えることとなった。

142あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:14:21 ID:NzgYa17C
 “伯爵”の動きが止まった。その体が倒れると共に、まだ形を残していた従者の残骸も溶けるように消えた。
 倒れた伯爵の後ろでは、彼女が苦痛を顔に浮かべながら胸を押さえていた。俺は彼女に駆け寄った。
「さすがに、ちょっと、無理しすぎちゃったみたいね…」
そう言って彼女はふらつき、獣の姿のままの俺に寄りかかる。そして俺は気づいた。燃え盛る周囲とは対照的に、彼女の体は急速に冷えていることに。
活性化しすぎたレネゲイドウィルスが、熱と共に彼女の人間性を奪ってゆくようだった。
 もはや一刻の猶予も無い。そう判断した俺は、強引に彼女を背に乗せて走り出した。
何処からかサイレンの音が聞こえた。その方向へ無我夢中で走った。
火災現場に向う消防車と、それに併走する一台の白い乗用車が見えた。その乗用車には見覚えがあった。UGN支部に備え付けられた車だった。
その助手席に座る人物を見て、俺は安堵した。同級生にして支部長の“水晶の瞳”。
治療能力を持つ彼女の姿を認め、俺の緊張の糸が切れた。
その刹那、蓄積していた疲労と激痛が俺を襲い、俺の意識は闇へと沈んだ。


 今日も雨が降っていた。
 あの後、あたしは適切な処置のおかげで一命を取り留め、ジャーム化することも無かった。
 でも彼は…あれから数日が立つのに、目を覚まさない。なんでも、「あんな大怪我で走り回って、生きているのが奇跡」らしい。
「正面から精神支配を受けかけて、脳にも影響を受けたかもしれない」せいで目覚めが何時になるのか見当もつかないらしい。
 あたしはもう、涙を流すことはできなかった。
 だから、その代わりに、今日も空が泣いていた。

 目覚めると、見慣れない白い天井があった。
 横を見ると、小さな人形がうつむいていた。その姿はひどくちっぽけだった。嵐の中の小船のように。
すがるものもなく、たった一人で泣いているように見えた。俺は声を掛けた。
「泣かなくていいよ。俺は大丈夫だから」

 その日もあたしは彼の病室にいた。あたしには何もできなかった。でも、彼の側にいたかった。
 彼の声を聞いたとき、初めは空耳かと思った。慌てて顔を上げて、彼と目が合い、空耳じゃないとわかった。
 彼に見つめられると、なんとなく気恥ずかしくて、次の瞬間口から出たのはこんな言葉だった。
「泣いてなんかないわよ。人形は泣けないんだから」
「でも、君はただの人形なんかじゃない。泣きたいときに泣けて、笑いたいときに笑える、人間だろう?どんな姿になったって、それは変わらないさ」
 あたしは彼に飛びついた。とすん、と音を立てて、あたしの体が寝台の上を跳ねる。嬉しかった。彼がありのままのあたしを認めてくれたことが。彼にすがり付いて嗚咽の声を上げる。
「大丈夫だよ」
 穏やかな笑顔を浮かべ、あたしの小さな背中に手を添えて、もう一度彼は言った。
「俺は何処にも行かない。だから、君は一人じゃない」
「…本当に?ずっと、一緒にいてくれる?」
 彼の瞳を見つめ、問いかける。
「ああ、約束するよ、ノゾミ」
 初めて彼の口から出たあたしの名前。それ以上に嬉しいものはなかった。それ以上の言葉は要らなかった。あたしはそっと目を閉じた。
 あたしの「生まれ」て初めての口付けは、凍て付いていたあたしの心の奥底まで溶かすほどに暖かかった。

143あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:14:54 ID:NzgYa17C
 突如、病室の扉が開いた。俺はあわてて彼女から離れた。
「お楽しみのところ悪いが、見舞いに来てやったぜ」
 そう言って入って来たのは“疾風の一撃”。UGNのイリーガルにして、俺の学校でぶっちぎりで一番の問題児。
「てってと見舞いの品だけ置いて帰ろうかと思って来てみたら、中で何か面白そうな話をしてんのを、オレの耳が聞き取ったってわけさ」
 呆然としている俺たち二人の方に無遠慮に歩み寄り、言葉を続ける。
「そんで、邪魔しちゃ悪いと思ってみんなで盗み聞きしてたんだけどよ…」
 俺は焦った。まさかあんなこっぱずかしい台詞を聞かれているとは思わなかった。
「『みんな』って!?どの辺から聞いてたんだ!?」
 発言を遮られたことも気にせず、“疾風の一撃”が廊下の方を見ながら答える。
「ほら、そんなとこ突っ立ってねぇで入って来いよ。…ああ、聞いてたのは『泣かなくていいよ』辺りからかな」
「それってつまり全部聞いてたって事じゃないか!」
 俺の悲痛な叫びと共に入ってきたのは、同級生の“水晶の瞳”と“白き閃光”、そして後輩の“漆黒の剣”。三人とも居心地が悪そうにしている。“一撃”は話を続ける。
「だけどよ、なんか元気そうじゃねえか。残念だぜ。その分じゃあすぐにでも学校戻れるんだろ?お前がいなけりゃ学校の女の子はみんな俺のもんだってのにさ」
 その台詞と同時に発生した軽快な打撃音と共に“一撃”は床に崩れ落ちた。
その後ろに佇む“閃光”の手にはいつの間にか紙製のハリセンが握られていた。
「痛ってえなぁ!いきなり何すんだよおめぇは!」
「別に……ただ、なんとなくあなたがそんな事を言うのが不快だったから」
「はぁ?おめぇはいつもそうだよ。ワケわかんねぇ。大体そのハリセンは何なんだ?」
「これはあなたが『見舞いに持ってったら絶対にウケるぜ!』とか言って私に持たせたんでしょ?」
「んなこと言ったっけか…?ってそーゆー問題じゃねぇだろ!」
 なおも大声で口論を続ける二人。それを呆然として見つめていた“剣”は、気を取り直して尋ねてきた。
「体はもう大丈夫なんですか、先輩?」
「ああ、特に痛みもないし…」
 ふと横を見ると、“瞳”とノゾミがひたすら無言でにらみ合っていた。
「ただ、ちょっと…いや、かなり、胃が痛くなりそうだけど…」
二人の間で火花が飛び散っているのは、気のせいだと思いたい。実際に音を立てて放電現象が起こっているのは、空耳だと思いたい。
 その二人の視線が、同時に俺の方を向いた。なぜか俺は恐怖を感じた。俺が何をしたというのか。
 ああ、誰か。俺をこの状況から救ってくれ。

144あの雨上がりの日曜日:2005/10/30(日) 01:15:53 ID:NzgYa17C
 白衣の天使は舞い降りた。
「あんたたち!ここは病院だよ!騒ぐんじゃないよ!」
 唐突に、廊下を通りかかった貫禄のある中年の看護婦が怒鳴りつけた。みんな沈黙した。その看護婦は、俺が起きているのを確認すると、言った。
「おや、なんだ、あんた目が覚めたのかい。院長が『すぐに終わるから、目覚めたらすぐ院長室まで来てほしい』そうだよ」
 その病院はUGNの関連施設で、何度か利用したこともあるせいか、俺の扱いは非常にぞんざいだった。
 院長室に行くと、顔見知りの院長は俺の顔を見るなり
「大丈夫みたいだな。すぐ退院で良いな?」
 と、有無を言わせずに退院を決めた。

 荷物(とは言っても服くらいしかなかったが)をまとめていると、とある問題に気づいた。
 ノゾミをどうやって連れて行くのか。俺みたいな男子高校生が人形を抱いて歩いていたら間違いなく白い目で見られる。
「そういえば、変身できないのか?」
「うん。『一度に力を使いすぎたせいで一時的にこの姿に戻っている』らしいの。しばらくすればまた人の姿になれると思うけど」
「そうか…」
 結局、洋服を入れた大きな手提げの紙袋の中に入ってもらうように頼み込んで、その場を乗り切ることにした。

玄関に向かうと、待合室でみんなが待っていた。
「せっかくの日曜なんだ。みんなでどっか遊びにいこーぜ」
という“一撃”の提案にみんなが賛成して、ここで待っていてくれたらしい。ただ、何処に行くのかはなかなか決まらなかったようだ。
外に出てからも、“一撃”と“閃光”が何処に行くかで口論を続けていた。もう慣れたのか、それを横目に“剣”が訊いてきた。
「先輩は、何処か行きたい所ありますか?」
「そうだなぁ…」
 そう応答する口よりも早く、俺の腹の虫が答えた。それを誤魔化すように、俺は言った。
「と、とりあえず、何か食べに行こうか」
 全く誤魔化せてなかった。
数秒の硬直の後、みんなが笑い出す。大爆笑しながら、“一撃”がまとめた。
「んじゃぁ、メシ食いに行こうぜ。こいつの退院祝いと、それと…新しい仲間の歓迎会だ」

 あたしは紙袋の中で、彼が仲間と楽しげに会話しているのを聞いているだけだった。彼は、ずっと一緒にいると言ってくれたけど、あたしと彼との間…ううん、あたしと「人間」との間の溝を感じずにはいられなかった。
 だから、“一撃”が「新しい仲間」と言った時、あたしは何を言っているのか分からずに、呆然とするだけだった。それが不満だったのか、“一撃”はあたしのいる紙袋を覗き込んで言った。
「おめぇのことだよ。なぁ、みんな」
 同意を求めるように辺りを見回す。みんなが、頷いた。
 あたしは思わず空を見上げた。涙が零れないように。
 そして見つけた。青空にかかる虹の架け橋を。

 あの雨上がりの日曜日。みんなで見上げた架け橋を、あたしは忘れない。
 あの穏やかな日常を守るため、あの暖かな仲間を守るため。
 あたしは決めた。どんなに険しい道であっても彼と共に歩んでいくことを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一応完結。これだけだとこの板である必要性がないんで、この板らしさを出そうと思って足掻いてみたのがこの下の後日談。
145あの雨上がりの日曜日 後日談:2005/10/30(日) 01:17:00 ID:NzgYa17C
あれから数日。あたしは何とか力の制御を取り戻した。人間の大きさに戻ったあたしは、嬉しさ半分、悲しさ半分だった。「人の姿になれるくらいに回復するまで」という条件付きで、あたしは彼の部屋に居座っていたのだ。
「なにか変化があったらすぐに連絡するように。色々としなければならないことがありますから」
 そう念を押したのは、“水晶の瞳”だった。馬鹿正直な彼のことだから、嘘をつくことはできないだろう。
もしかしたら“瞳”は、そこまで見越してあたしを彼に預けたのかもしれない。
 だから、今日がチャンスだった。もしかしたら最初で最後の。
 あたしは彼が学校から帰ってくるのを、今か今かと待ちわびた。
 そして、町が赤く染まる頃、玄関の扉が開いた。

 下校途中に巻き込まれた事件のせいで、帰りがひどく遅くなってしまった。
 事件の報告が終わり、急いで支部から出ようとする俺は、みんなから散々からかわれた。
 外に出ると、既に日は沈み、町は闇に包まれていた。坂道を駆け上ると、街頭の下に一人の女性が立っていた。
「聞いたわよ、“切り札”君。面白いことになってるじゃない」
 そこにいたのは“幻の造り手”。UGNのイリーガルだ。
本業はジャーナリストなのだが「取材した事件は、たとえどんなに平凡な事件でも、レネゲイド絡みの大事件に発展する」というある意味非常に恐ろしいジンクスのせいで、彼女の書いた記事が日の目を見ることはめったにない。
漫画に出てくる、なぜか殺人事件に巻き込まれる名探偵のように、できれば身近にいてほしくない人物だ。彼女は芝居がかった口調で言う。
「邪悪な不死者に狙われた人形の少女を救い出した、獣の力をその身に宿した勇者!…面白い物語が書けそうじゃないの。こんなネタを放って置けないわよ」
「…ジャーナリストをやってるんじゃなかったんですか?」
 ふと、気になったことを尋ねてみる。すると、彼女は哀愁さえ漂わせながら答えた。
「…今時、ジャーナリズムだけじゃ食べていけないのよ」
 その原因は、きっと例のジンクスにあると思った。口には出さなかったが。
「まあ、それはともかく。あの子を大切にしてあげなきゃ駄目よ?あの子にとって、君は間違いなく勇者なんだから」
「…俺はそんな大層なもんじゃないですよ」
 その答えが不満だったのか、不機嫌そうな表情で懐から手帳を取り出した彼女は、それを読み出した。
「『俺は何処にも行かない。だから、君は一人じゃない』そう言って勇者は少女を抱き寄せ…」
「ちょっと!止めてくださいよ!」
「『ああ、約束するよ』…その言葉と共に、勇者は…」
「お願いします。本気で止めてください」
 土下座しかねないほどの勢いで頭を下げる。これ以上続いたら、俺の精神が持たない。
それを見て満足したのか、“造り手”は手帳を仕舞い、去っていった。
「まあ、がんばりなさいね、『勇者様』?」
 笑みを浮かべながらそう言い残して。
 その笑みの意味を、俺はすぐに悟ることになる。

 自室の前まで来た俺は、部屋の電気が消えているのに気づいた。
「待ちくたびれて、もう寝たのか?」
 悪いことをしたと思う。明日の朝起きたら謝っておこうと心に決める。
 彼女を起こすと悪いので、小声で「ただいま」と呟き、部屋に入り、そして硬直する。
 俺のベッドの上で、人間の姿に戻った彼女が、一糸まとわぬ姿で横になっていた。
 時間が停止している俺を見、満面の笑みを浮かべ、彼女は言った。
「『おかえり、おにいちゃん』!」

146あの雨上がりの日曜日 後日談:2005/10/30(日) 01:17:41 ID:NzgYa17C
 彼は硬直したままだ。もう十秒は固まっている。
 数十分前。あたしが「彼を喜ばせてあげたい」と言ったら、“造り手”さんはベッドの下を漁り、そこから出てきた本(あたしには見せてくれなかった)を握って、目を閉じた。
《サイコメトリー》。物質に宿る記憶を引き出す力。今回は、彼の好みを読み取るのだと言っていた。
しばらくその力を使った後、“造り手”さんはあたしに「彼を喜ばせる方法」を教えてくれた。でも失敗みたいだ。
 今度会ったら文句を言ってやろうと思った。そして、まだ凍結している彼に声を掛けた。
「…何か言いなさいよ。せっかく喜ばせてあげようと思ったのに」

 その言葉を聞いて、俺は“造り手”の笑みの意味を理解した。どうやら“造り手”が何かを吹き込んだらしい。俺はできるだけ平静を装って、言った。
「…そんなことやってると、風邪ひくぞ」
 彼女は怒った。猛烈に。

 あたしの気持ちが伝わらなかった。ショックだった。きっと喜んだ彼が、何か優しい言葉をかけてくれると思ってたのに。
 あたしは怒った。しばらく怒り続けて、急に頭が冷えた。そして怖くなった。今ので彼に嫌われたんじゃないかって。
 そのことを考えると涙が止まらなくなった。彼があわてて駆け寄ってきた。あたしは裸のまま、彼の胸で泣いた。あの時と同じように彼は言った。
「大丈夫。俺は君を嫌いになったりなんかしない」
「…絶対に?」
「ああ。いつまでも、ずっと」
 あたしは体を彼に預けた。

 彼女の体は、今にも折れそうなほどに軽く、細かった。雪のような純白の肌に、ただ頬だけが赤く染まっている。
 膨らみかけの胸に手を添える。伝わってくる彼女の鼓動。
 くちびるを奪い、舌を彼女の中へと進める。舌と舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。
 永遠に思えるほどに続いたキスを終え、彼女の顔を見る。惚けた表情を浮かべていた。

147あの雨上がりの日曜日 後日談:2005/10/30(日) 01:18:18 ID:NzgYa17C
彼はあたしの足元のほうに移り、閉じていたあたしの両足を広げる。
 あたしは、頭にぼんやりと靄がかかったようで、弱々しく呟くことしかできない。
「そんなにじっと見ないでよ…恥ずかしいから」
「恥ずかしがることはないよ」
 彼は優しい声で言う。
「君は世界一綺麗だよ。恥じる必要はないさ」
そんな事を言われたあたしはきっと、沸騰したみたいに真っ赤な顔をしているのだろう。
 彼の顔が近づき、舌があたしをなぞってゆく。全身に電流が走った。
「やぁ…そんなところ、きたな…ぁぁっ」
 そのまま広げられ、触れられ、舐められて、責められるあたし。息も付けないほどの快感に、我慢できずに声を上げる。
 彼は自分の唾液を指に付けると、あたしの入口に触れた。確認するようにあたしの顔を見てきた彼に、あたしは息も絶え絶えに頷き返す。
「うん、いいよ…………ひゃぅっ!」
あたしの中に彼の指が入ってきた。それまでの快感とは違う苦痛と圧迫感に思わず悲鳴を上げる。
 彼は、もう片方の手であたしを抱き寄せ、口付けした。
今度はあたしから舌を絡ませる。もっと彼を感じていたかった。
お互いに相手を感じあって、どちらからともなく離れる。
「あたしは、大丈夫だから…もう、動かしてもいいよ」
 彼の指が再び動き始めた。初めは優しく、だんだんと激しく。
「や、やめて…あっ…そんなに激しくしちゃぁ…!」
 あたしの制止の声も聞かず、指の動きは激しさを増す。さらに彼は、あたしの胸を舐め出した。
「ふぁっ!…だ、だめだってば…あたし、おかしく、なっちゃ……!」
 彼はあたしの胸の先端を噛んだ。それが止めだった。何かがはじけ飛んだ。
「あっ、ああああああああああああああああああっ!」
 あたしの体が弓なりに反れる。全身を電流が駆け巡り、あたしの意識は白い光に飲み込まれた。

 彼女の中に指を入れると、彼女が悲鳴を上げた。
 抱き寄せて、キスをする。苦痛を軽減できるように。
 キスが終わり、再び指を動かす。動きと共に彼女が声を上げる。
 そこで俺の中の獣が目覚めた。もっとその声を聞きたいという欲望が。
 彼女の制止の声を無視して激しく指を使う。
 そのたびに彼女が震える。滅茶苦茶にしてやりたいという黒い欲求が頭をもたげる。
 彼女の限界が近いのを感じ取った俺は、彼女の乳首を舌で転がし、噛んだ。
 大きく震え、弓なりに仰け反り、彼女が達する。
 俺の指が千切れそうなほどに締め付けられ、彼女の震えが伝わり、
俺の意識は闇に呑まれた。
148あの雨上がりの日曜日 後日談:2005/10/30(日) 01:19:45 ID:NzgYa17C

「止めてっていったのに止めてくれないないんだもん…」
 俺が意識を取り戻したとき、人形の大きさに戻った彼女はそう言ってそっぽを向いた。相当怒っているらしい。
 なんでも、力の制御が効かなくなって、電撃を思いっきり放ってしまったらしい。俺はそれに巻き込まれて意識を失っていたようだ。
「また、力の出しすぎて姿を変えられなくなってるし…」
 ということは、またしばらくはお預けということだ。次がいつになるかも分からない。それでも、俺は言った。
「まあ、きっと大丈夫さ」
「何で?」
「虹は何度でも架かるから、かな」

―――その後、支部長と“幻の造り手”から散々に質問攻めに遭ったのは言うまでもない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上。お粗末。

チラシ裏:ノゾミの設定 EXレネゲイドに感染した機械人形(オートマタ)
ブラックドッグ/バロール
Dロイス:複製体+賢者の石 シナリオ終了と共に両方消滅。
            「人形の姿に戻る」とかは全て演出。
挿入無しなのは、入れてたら千切られ…というのは半分本気で半分冗談。

思えば、雨上がりの日曜の昼下がりに「なん○も鑑定団」でオートマタが出てきたのを見てしまったために、こんな長文を書きたくなったわけで。シナリオ構想30分。総執筆時間10時間オーバー。恐るべし雨上がりの日曜日の魔力。

最後に。こんな拙作に最後までお付き合いいただいた皆様に感謝。
149名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 01:25:10 ID:BYmibWvf
乙。
よいね。悶え転がるよ。
しかし切り札君もてるね。

ヒトミちゃんと両想いになった切り札君と、
黒天ちゃんに密かに思われてる切り札君と、
この切り札君は別人ではあるんだろうが……

一撃君が警戒するもの無理はないw
150名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 07:48:48 ID:ZCG2kirB
GJ!

瞳ちゃんの切り札君と黒天の切り札君は別人っぽいけど(前者は鷹の翼不所持)
ノゾミと瞳ちゃんのは同じキャラでもいいような気がす。
151いつも中の人:2005/10/30(日) 10:19:53 ID:66cfcHjn
>139-148
>実際に音を立てて放電現象
 のののノゾミちゃん、エフェクト暴走してる暴走してるっ!
>一糸まとわぬ姿で
>おかえり、おにいちゃん
 せめてどっちか一つにしとけ〜w

 学生オーヴァード達の「ああ、仲間なんだなぁ」と傍目にもわかるやりとり
とか、人形形態のノゾミちゃんにキスする“切り札”とか、微笑ましい感じに
美味しく読ませていただきました。『イッたとき放電』ネタの実物も見れたし。
 あと、小ネタがあちこち散らばっていて、このストーリーの、書かれていな
い『世界の広がり』が垣間見えて、いいなと思いました。GJでした。
 それから最後の「虹は何度でも架かるから」。おじいちゃんの台詞を伏線に
してここでこう消化したのか、上手いなぁ、と感心しながら、頭の中で『オズ
の魔法使い』の『OVER THE RAINBOW』が鳴っていました。
 次回作もお待ちしていますね。今度はどんな音楽が聞こえてくるのかなぁ。

>「人形」の力で、人々が操り人形
 天羅の傀儡を思い出しました。そーゆー目的で作られた傀儡もあるのやも。

>149-150
 札×瞳の切り札はDX2、札←黒の切り札は無印のデータで夫々記述されて
おり、しかも外伝で無印側にDX2側が登場していたから全く別人です。うち
は霧谷がダイス転がしてランダムにコードネームを生成しているという設定だ
から、偶然同じ名前の別オーヴァードが生じたのでしょう。
 で、札×望の切り札はDX2のデータで記述されているはずですから札×瞳
の切り札と同一人物であっても不思議ではない。即ち。
 『札×瞳ハッピーエンディング』、『札×瞳バッドエンディング(外伝2編
付)』に続く第3の分岐!? 『札×瞳アナザーエンディング――風雲! 望
vs瞳・全力バトル編!!』、近日後悔!(あ、ナイス誤変換)
152名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 10:53:02 ID:BYmibWvf
>>151
> 第3の分岐!? 『札×瞳アナザーエンディング――風雲! 望
> vs瞳・全力バトル編!!』、近日後悔!(あ、ナイス誤変換)

おっけー、がんばれ(・ω・)b☆
札×瞳ラブコメイベントのHシーンの出現しなかったルートでの分岐かな?
153151:2005/10/30(日) 14:17:48 ID:66cfcHjn
>152
>おっけー、がんばれ(・ω・)b☆
 だそうだ、頑張れ(物凄い脅迫面で>148の肩を掴みながら)
154名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 15:16:36 ID:1yPLIhFE
GJ乱れ撃ち。
……つーか、なんだこのハイペース。
155名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 16:48:34 ID:mbzeVqc6
ならばGJ名古屋撃ちだ!
156名無しさん@ピンキー:2005/10/30(日) 17:27:17 ID:BYmibWvf
>>155
よくわかんないけど、背水の陣なの?(・ω・)
157ドラゴンアームズ後編 1/8:2005/10/30(日) 22:41:01 ID:X4db2Q92
 ヘアドライヤーのガーガーいう音が消えて、
「お先でした」
 脱衣所と部屋との間の扉が開いた。予想通り、ナギはここへ来たときの服装
のまま。バスタオル一枚を巻いたきり、とか、備え付けのバスローブに着替え
て、とか、期待しないではなかったが、やはりそんなことはなかった。
 交替で、俺がバスルームへ。
 濡れた床。さっきまであいつがここを使っていたんだなあ、と思わず深呼吸
する馬鹿な俺。
 身体を洗って、身繕いをして、その間、あいつは何を考えていたんだろう。
わかりもしないことが、俺の頭をぐるぐる掻き乱す。無意識のうちに、いつも
より丁寧に俺は身体を洗っていた。やれやれ、どうせ無駄になるっていうのに。
 脱衣所に上がって、バスタオルでがしがし頭を拭きながら、備え付けのバス
ローブと、いつもの野戦服との間で手が揺れる。暫しの逡巡。そして俺は、野
戦服を手に取った。
 ベッドルームに続く扉を開ければ、ナギは野戦服姿のままベッドに座ってい
て。
 本当に申し訳なさそうに、
「やっぱり、あの……」
 と許しを請うように俺を見上げる。
 俺は平静を装って、
「んじゃ、ルームサービスでも食って帰るか。お前のおごりで、な」
 ナギの頭をぐしゃぐしゃ撫でてやる。
 ……よし、手順としてはこんなとこだろう。脳内シミュレーションを終えて、
俺は扉を開ける。いざ!
 って、あれ? 居ねえ?
 まさか一人で帰ったか? それはそれで安心するようなしないような、いや
でもしかし、ナギはそんな無責任な奴では。
 俺は部屋中を目線だけで探して、ようやく、ベッドのふくらみに気がついた。
全身、掛け布団の中に潜り込んで、人間大の小山がもぞもぞ動いている。
 びっくりさせてくれるぜ。それにしても意外な展開だな。
 てかナギの奴、一体何をしてやがる? 疲れたからもう寝まーす、ってわけ
か? それはそれで俺としちゃあ、……添い寝ぐらいはさせてもらうが。
 生のオカズが隣に寝ていて、どこまで理性が保つやら自信は無いけどな。
「おい、ナギ?」
 ばっ、と掛け布団を剥ぎ取ると。
「や、ま、まだダメですよう!」
 …………………………。
 ナギ、お前さあ。
 俺に鼻血を噴かす気かっ!?
 野戦服どころか。バスローブどころか。
158ドラゴンアームズ後編 2/8:2005/10/30(日) 22:42:39 ID:X4db2Q92
 ベッドに転がった、ナギは完全、素っ裸。
 正確には、素っ裸の上に艶のある真っ赤なリボン。網に掛かった小鳥みたい
にぐるぐる巻きの状態で。
「ちゃんと綺麗に結べなくて……」
 ロクに身動きが取れないらしい腕と足とで、ナギはなんとか胸を隠し、膝を
おなかへ引き付ける格好。
「てか、何でリボンなんだ、おい?」
 きまり悪げに俺を見上げて言うことには。
「ラッピング……プレゼントの」
 今。何て言った?
「明日でしょう? あなたの誕生日。一日早いけど、賭のこともあったから、
それで」
 なんかすっげえ、信じられない言葉ばっかり聞こえてくんだけど。
「それで、今日、貰ってもらおうと思って」
 上目遣い。ナギが俺を見詰める。
「あの、ダメ……、ですか?」
 掛け布団を剥ぎ取った状態で固まっていた俺は、まだ持っていた掛け布団を
ぺい! とベッドの下に放り捨てて。
 ぶっちゃけ、ナギに飛び掛った。
「え、や、やだっ!?」
 やだじゃねえ。ベッドに膝で上がり込む。
「あの、ちょっと、待ってくださいぃ」
 待てねえ。待てるわけがねえ。身を縮めるナギの身体を軽く突き飛ばして仰
向けにする。
「せめて、リボンをほどいてからに」
 嫌だ。絶対逃がさねえ。肘を突き、ナギの背中と頭の後ろに腕を突っ込んで。
「お願い、あっ……」
 抱き締め、口づけを。
「や……っ、は…………」
 深い深い、口づけを。
「……そんな、怒らないでくださいよう……」
 力が抜けたようにナギが言う。
「怒ってねえ。怒ってねえけどな」
 怒るどころか。腹が立つどころか。
 嬉しい。嬉しい。嬉しい、嬉しい。嬉しくて嬉しくてたまんねえ!
「この小悪魔。そうまで男を挑発しといて、無事にここから出れると思うな?」
 爆発寸前、地獄のように熱い何かを身体の中に抱えて、俺こそきっと、悪魔
のような顔をしているはずだ。
 怯えたような、とろけたような、潤んだ瞳で彼女は小さく、はい、と頷いた。
159ドラゴンアームズ後編 3/8:2005/10/30(日) 22:44:31 ID:X4db2Q92
 懇願を無視してリボンを巻いたまま、服を脱ぎ捨てた俺は再びキスを貪る。
唇で噛み付くように、舌で舐めまわすように、強く、容赦なく、意地汚く。
 いい匂いがする。それともいい味がするのか? 乳臭いってわけじゃないが、
なんとなく温めたミルクを連想する匂いで、味で。
 口元を、俺の唾液でべたべたにされて、
「なんか、……食べられているみたいです」
「食ってんだよ」
 首筋に唇を寄せて、……流石に可哀相だと思って、リボンの隙間、胸のあち
こちに刻んでいく、俺の所有を主張する、目に見える印。
「やめてくださいぃ、シャワー浴びるときみんなに見られますう」
「見せてやれよ」
 そして自慢してやれよ。男がいますって。
 自分のことを一番に想ってくれる、いい男がいますって。
「ダメですっ」
 身をよじって俺から逃れ、背中を向ける。そういうことなら、俺は後ろから
手を回して、お前の胸を揉んでやるまでだ。
「痛い、痛いですよう」
「嘘つけ、そんなキツくはしちゃいねえ」
「そうじゃなくて、リボンが……リボンの端が、その…………」
「リボンの端がこすれて痛いか? ……ここに?」
「ひうっ!?」
 ビクッと仰け反る、面白いぐらいの感度。俺が弄った先端は、瞬く間に尖端
となった。
「可愛いな、お前」
 左手を胸に残したまま、右手を胸から臍へ、臍から下肢へ。可愛いお前の中
でも、きっと一番可愛い尖りに、俺はそろそろと指を伸ばしていく。
 すっかり濡れきった部分から蜜を奪ってきて、ひだを掻き分け、そこに塗り
たくる。
「いや! いや、いやあ!」
 大きく首を横に振る、その仕草が拒絶に見えないのは何でだろうな?
「いや……は…………いや、……いや、あ………………」
 繰り返す言葉が、甘くかすれてくるのは何でだろうな?
 十の年齢差。俺が25のときこいつは15。俺が15のときこいつは5つ。
15年前なら、いや5年前でもか、こいつのイヤらしい部分に触れただけで、
俺は犯罪者確定だ。小さい女の子にイタズラをしているような良心の痛みをも
俺は楽しみながら、ますます性急にナギの雛尖をくちくちと嬲り、
「……や、ん……あ……っはぁ」
 可愛らしくも淫らな喘ぎを快く耳に聴いた。
 愛撫する手を一旦止めれば、はーはーと、整えようとして失敗している荒い
呼気。俺の鼓動も激しく乱れて、頭の中でガンガン鳴ってる。
160ドラゴンアームズ後編 4/8:2005/10/30(日) 22:47:06 ID:X4db2Q92
 もっと奥まで手を突っ込んでやろうとしたが、リボンが絡んでいるので両足
を広げてやることができない。
 そこで俺は膝立ちになり、ナギの腰を抱えて、一気に引き上げた。
「きゃ!?」
 ナギは上半身、顔から胸をベッドに押し付けられて、俺に向け尻を突き出す
状態。抵抗しようにもリボンが邪魔でマトモに動けない、文字通りの自縄自縛、
いや自リボン自縛。
「や、やだ、こんな格好っ!」
「言ったろう? ……タダで済むと思うな、って」
「そん……な」
 俺の目の前、白い足の間、そこには赤く充血した部分。俺を待ちわびている
のか? 舌でねっとりと舐め上げれば、枕にくぐもる、喘ぎ混じりの抗議の声。
「は……恥ずかし……い、ですよう…………」
「恥ずかしくしてんだよ」
 俺は笑う。悪魔の笑い。
「もっともっと、恥ずかしくしてやる」
 猛り立つ俺のモノを、ナギ自身にこすりつけながら、背中へ覆い被さり、胸
に手を回す。
 揉んで。摘んで。転がして。
「ひ……あは……っ」
 前後に動く。先端同士が触れ合うように。
「や、……っ、ああ、ん、あ…………っ」
 やがて狙いを定めて。
 俺はお前を打ち壊す。
「…………………………!」
 悲鳴は、枕が吸い取った。正確には、ナギが枕を噛み込んで悲鳴を堪えたの
だ。
 うあっ…………キツい。リボンで足が閉じてるせいか? 元々こいつが狭い
のか? 戦闘訓練で、ここらの筋肉も鍛えられているせいか? 何でもいい。
どうでもいい。ただただ気持ちよくってしょうがねえ。
 内側の感触を確かめるように、ゆるゆると引き抜く。
「…………く」
 絡みついてきやがる……。
 同じ速度で貫く。奥まで、ぎゅうぎゅう俺を突き込む。
「…………っ!」
 ああ、吸い込まれるようだ……。
「……くは……あ……っ」
 しかし、それは、どう聞いたって歓喜の声ではなかった。身体中が小刻みに
震えていて、……そんなに痛いのか、そんなに苦しいのかと、今更ながらに俺
は気付いた。
161ドラゴンアームズ後編 5/8:2005/10/30(日) 22:48:56 ID:X4db2Q92
 急激に頭が冷えた。身体は熱くたぎったままで、それでも俺は思い遣りを総
動員して、なるべく優しく、ナギの中から抜け出した。
「…………っはあ!」
 俺から解放された彼女は、ベッドに身体を投げ出して、窒息させられかけた
被害者みたいにはあはあ呼吸を繰り返していた。
「悪かった」
 抱き寄せる。どうか嫌わないでくれと願いを込めながら。
「調子に乗りすぎた。お前……、」
 リボンのまとわりつく彼女の内股。赤く残る、一筋の。
「初めてだったってのに、な」
 かぷ!
「いてっ!?」
 肩を思い切り噛みつかれた。本来ならば平手だろう、リボンのせいでそれが
できないから、門歯を立てての全力抗議。
「痛かったんですからね!」
 泣き声混じりの絶叫。
「本当に、本当に痛かったんですから!」
 ぽろぽろ零れる涙。
 無理強いをして、泣かせて、その泣き顔さえ愛しくて。
 俺は涙にキスをした。しょっぱい、はずが甘くも感じた。
「ゴメン。今日は、ここまでにしよう」
 俺はナギのリボンを外し始めた。
「ダメですっ」
 ところがナギは、これにも抗議だ。
「ちゃんと、その、してないじゃないですか。そういうのって、男の人は苦し
いものなんでしょう?」
「別に?」
 半ば虚勢の、嘘も方便。
「あとで何とでもできるしな」
「そんなのダメです」
 ぷー、と膨れるように。
「自分からプレゼントになっといて、そんな中途半端に済ませたんじゃ、あた
し、女がすたりますもん」
 はあ、女がすたりますか。妙に可愛く可笑しくて、俺はプッと吹き出した。
「わ、笑わないでくださいぃ」
「ああ、悪かった悪かった」
 髪を撫でて。耳元に唇を寄せて。
「だったら、キスしてくれねえか? 俺の、身体中に」
 こくん、と嬉しげに頷いて、ナギは自分から俺に唇を重ねた。
 少し緩めたリボン。ぺたんとベッドに座って、そこに手をついて。
162ドラゴンアームズ後編 6/8:2005/10/30(日) 22:51:09 ID:X4db2Q92
 動物みたいに生々しく、艶めかしく、ナギは俺の身体中に唇を、そして舌を
這わせる。
 首筋も。胸元も、脇腹も。
 頬も。額も。……唇も。
 肌に眼鏡が当たって、少し冷たい。外さないのかと訊いたら、
「あなたを、ちゃんと見ていたいんです」
 畜生、全くこの小悪魔め!
 彼女のキスを受けながら、俺は自分で自分を握る。こすりたて、しごきたて、
兵舎の自室、同室の奴の留守を狙って一人でヤるときのように、だけどオカズ
は妄想ではない、生きて動いて俺にキスする本物の、実物の、彼女。
「すげえ……気持ち、いいよ…………」
「……嬉しいですう」
 どんどん余裕が失われていく中、ナギの笑顔に舌と舌とを絡め合わせて、
「うあっ、は、出る…………っ!」
 彼女の肩を掴み、ベッドに押し付けて、確信犯で、顔に思い切り。
「ひゃ!」
 レンズに、頬に、白いべたべた。口元に付着したそれを反射的に舐めとって
しまったらしく、
「〜〜〜っ。変な味ぃ」
「そうか?」
 きゅ〜っ、眉をしかめている彼女に口づけ。舌を入れ、俺の味を分け合う。
「こりゃあ確かに、」
 不味いとか苦いとか言う前に。
「変な味だな」
「でしょう?」
 二人で顔を見合わせて、なんかもう、爆笑した。
―〜―〜―
 二人並んで兵舎に帰る途中。
 どちらからともなく手をつないで、柄にも無く俺は照れた。
「そういや、あの、俺……生で挿れちまって」
 出してはいないが、
「大丈夫、か?」
「あれ? 何も知らずにそんなことしたんですか?」
 咎める口調。
「何かあったらどうするつもりだったんです?」
 は、返す言葉もございません。重々反省いたします。
「でもまあ、心配は要りませんよ。あたしもそうですけど、ヘキサメイデンを
筆頭に、ドラゴンフォースの女の子はほとんど大概ピルを呑んでますから」
 よっしゃあ、セーフ!
「けど何で?」
163ドラゴンアームズ後編 7/8:2005/10/30(日) 22:52:49 ID:X4db2Q92
「シフトの問題です。重い日に当たったら大変でしょう? 特に幻操や魔導は
集中力が勝負ですからね、周期と体調を整えるために」
 ……女は大変だ。戦う女はもっと大変だ。
 もうちょっと、俺、頑張ろう。
「でも、体質的にピルを呑めない子だっているわけですから、先にちゃんと確
認しないと。それに、ピルは性病予防には効かないわけですから」
「つまり、俺はお前一人としている限り、この先も中出しOKってことか」
 ニヤついて囁くと、知りません、とそっぽを向かれた。
「で、さ」
 一番重大で、一番訊きたくて、そして一番訊くのが怖い、質問を。
「あの男のことは、その、諦めたのか?」
「諦めてなんかいませんよ」
 当然でしょうとナギは微笑む。
 失望、あるいは絶望の色が俺の心に染み出てくる。
「てこたあ、今日のことは、本当にただの、1回きりの、誕生日プレゼントっ
てことか?」
 え〜? とナギは、不安げに眉根を寄せた。
「こんなことまでしておいて、ちゃんとおつきあいしないんですか?」
 だーもーわからん、よくわからん。俺は結局、お前の何だ? “憧れの君”
とは、どう違う扱いだ? それとも同じ扱いか?
「なーんだ。……がっかりです」
 俺から手を離してしょぼくれる。
 慌てて俺は、ナギの手を両手で捕えて、ぎゅっと握った。
「お前は俺のモンだ。それは絶対、間違いない。なんてったって、お前から俺
への誕生日プレゼントなんだからな」
 まだ不安げなナギの眼差し。
「でもって、お前の誕生日に、俺をプレゼントするから」
 眼鏡の向こう、ぱちくり、と瞬いてから、合点がいったか、その瞳が笑う。
「是非、受け取ってくれ」
 ナギは茶目っ気たっぷり、それは困るなあと言いたげに小首を傾げた。
「……あたしの誕生日、半年後なんですけど?」
「んじゃ、半年先取りで」
 兵舎の前、門をくぐるとき、人目がないのを素早く確認してから、俺はナギ
の唇を盗んだ。念願通り、30の大台に乗る前にこいつを口説き落とせたなあ
と内心でほくそ笑みながら。
 でも。
「……もう、ばかあ」
 こんな所でキスされて、ちょっぴり怒った顔のナギの方もまた、どことなく
ほくそ笑んでるような……?
164ドラゴンアームズ後編 8/8:2005/10/30(日) 22:54:22 ID:X4db2Q92
 なんかこう、口説いたつもりで俺の方こそ、ナギに口説き落とされたような
気がするのだが、……深く考えないでおこう。
―〜―〜―
「――強行偵察小隊より入電! 敵、増援部隊と接触。コマンダー級1、ソル
ジャー級1、トルーパー級多数。救援を求めています」
「第04スコードロン、ブルー、ゴールド各小隊は出撃準備が整い次第カタパ
ルトへ移動」
「ホワイト01よりブリッジへ、全騎発進準備完了」
「了解。各騎、順次発進してください」
「ホワイト02発進!!」
 ホワイト小隊の緊急発進を横目に、俺達ブルー小隊も発進準備にかかる。
「ナギさん!」
 ナイチンゲールに搭乗しようとしたナギを、きりっと引き締まった顔で大騎
士が呼び止めた。2、3の会話を交わして、ナギは微笑み頷き、大騎士は忠誠
する貴婦人に恭しく一礼してアンカーフォートに乗り込んだ。
 魔導騎士と天剣士も、頑張ろうねと声を掛け合っている。
 俺とナギとは一瞬だけ視線を絡めて。
 無言。頷き一つもない。けれどもそれで充分だった。
「ブルー01よりブリッジへ、全騎発進準備完了」
「了解。竜翔騎、発進してください」
「ブルー07、発進!!」
 ナイチンゲールは一路、戦場へと飛び立つ。
165ドラゴンアームズ後編:2005/10/30(日) 22:55:17 ID:X4db2Q92
 ・・・・・おしまい。

 以上、ドラゴンアームズで書いてみようと思って書いたお話でした。あと、
自爆覚悟でカラダを張った乙女の誘惑。でも軍隊とか戦争とか書くの苦手。
166華の乱(前編):2005/10/30(日) 23:23:48 ID:FYPil3AE
ちょっと間開いたけど、
>>76-79
の続きっす。
167華の乱(前編)5/9:2005/10/30(日) 23:24:20 ID:FYPil3AE
頭がぼうっとしてくる。
怒りは収まり、肉体の疼きが心をもさいなむ。
「こ、こんな、薬になんか……ひあっ!」
不意に白衣の女の白い指先が首筋から頬をなで上げた。
「や、やめろ!」
びくん!と反応するがなんとか体の疼きを押さえ込もうとがんばる。
「へえ、結構我慢強いねえ。で、も、これはどうかなぁ?」
紫紺の華は舌を伸ばし、さらに首筋を攻める。
ぺロっ。舌が首を這う感触に、全身に電気が走る。
「ひぁっ や、やめろといっているだ、ひゃうっ」
そのまま上へと這っていった舌は、耳たぶに到達したところで己が口中に戻り、次の攻めを歯にゆだねた。
カリッ、と耳たぶを軽く噛む。
「はんっ」
ぴくん、と身震いする気高き守護者、その気高き心は今にも折れんばかりだった。
「うふふ、かわいいわよ?そんな姿、想像もできなかったわぁ」
耳元でささやくその声に、何とか意識を取り戻し、きっ、と睨み返す。
「貴様などにっ!貴様の作った薬などにまけるものかっ!!」
身動きとれず、顔だけを向け、その瞳に涙をためて言い返すも、すぐにそれ以上の言葉は出せなくなった。
叫んだ口を唇でふさがれ、その開いた唇から舌をねじ込まれたからだ。
「んー!ふぬー!」
怒りにもだえていたからだが、だんだんと動きを変えていく。
「んんっ、むっ、あっ」
時にはぴくん、と体が跳ね、時には何かをこらえるように硬くなる。
「ぷはーっ、堪能したぁ」
5分も経っただろうか。紫紺の華はようやく唇を離し、ゴクンと唾液を飲み干し、唇をぺろりとなめまわす。
「はっ、はっ、はぁぁぁ」
息を切らし、肩で息をする目の前の女を、更なる狂喜の瞳で見つめる。
168華の乱(前編)6/9:2005/10/30(日) 23:27:16 ID:FYPil3AE
な、なんだこの感覚は。
力が入らない。これもやつの薬のせい?
そうに決まっている。
あたしがこんな感覚に陥るなど。
そう、薬のせいだ。あたしのせいじゃない。

気高き心は折れかかっていた。
まだわずかに抵抗する動きは見せたものの、心が、体がついていかない。

華はさらに唇を求めた。
少しだけ体をくねらせたがかわせず、再度唇を奪われる。
今度はやさしく唇を吸われる。
女の左手が右の胸をまさぐる。
「んっ!んんんっ!」
言葉にならない抵抗を訴えるも、手も動かせずなすがままだ。
右手は顔をなで、さらには腰をなでられる。

え?なんで?両手は胸と顔にあるのに?

さらにはかちゃかちゃとジーンズのベルトをはずす音も聞こえる。
両手両足を押さえられ、両胸、顔を攻め立てられ、さらにはジーンズのボタンにも手(?)がかけられた。

エグザイル、だったか。混乱とその理解が、彼女にわずかばかりの理性を取り戻させた。
だとすると手足を押さえているものは髪の毛だ。
「ならばっ!!」
轟ッ!!
気高き守護者、その体が白熱する。文字通り数百度の体温で白く輝き始めた。
自由を奪っていた髪の毛は、その温度に耐え切れず融けだし、ちりちりと焼け始めた。
驚きひるむ紫紺の華を押しのけ、何とかひざ立ちの姿勢にまでは持っていき、目の前の女と対峙する。
169華の乱(前編)7/9:2005/10/30(日) 23:29:03 ID:FYPil3AE
「はぁっ、はっ、はぁ」
息を整える守護者。目の前の女はこちらを睨みつけている。
「よくも私の髪の毛を……やさしくイかせてやろうかと思ってたけどもう許さないからねっ!」
焼けて短くなった髪を再度伸ばす。髪はくねくねとそれ自体が生きているかのように蠢いている。
「ふんっ、その髪の毛さえ気をつければどうということはないっ」
構えを取る守護者に、紫紺の華は余裕の笑みを見せる。
「そういっていられるのも今のうち……よっ!」
長き髪がさらに長さを増し、いくつもの塊となり目の前の敵へと向かう。
それを見切り、ぎりぎりのところで交わし、カウンターをかける。
彼女の得意とする戦法、今回も同様におこなった。はずだった。
「あうっ!!!」
よけようとした瞬間、足の力が抜け、ほんの少し動きが遅れた。
髪束のいくつかは彼女の四肢をからめとり、残りはみぞおちへと強烈な一撃を見舞う。
「あっ?はっ、あ、な……なに……を…した…」
「だからぁ、抗レネゲイド弾喰らってたでしょ?あと、あたしのお薬飲んだでしょ?」
小さい子供に諭すような口調でいうと、髪に絡め取られ十字架に貼り付けにされているような姿勢の守護者へ手を伸ばす。
「く、くそっ!卑怯だぞっ…あぅっ…正々…堂々と…ああっ…戦え…あああっ」
自由になるのは口だけだ。四肢と頭はすでに固定されている。
紫紺の華は容赦なく攻め立てる。服を胸まではだけさせ、右の乳房を左手でもみ、左は唇で吸う。
気高き守護者は顔を上気させ、その身を震わす。乳首が徐々に硬くなり、嫌がる声にもいつしか嬌声を混じらせるようになっていた。
「どう?感じる?感じてるよね?こここんなになってるんだもん」
さらに責めは続き、白衣の女は右手を相手の股間に忍び込ませる。
びしょびしょになった秘部、さらにはその上にある突起を舐めるようにさわり、突起を軽くつねる。
「ひぁっ、や、やめ……ひゃぅっ!!」
電撃が走ったかのように身を躍らせる守護者。
何度か経験はあるものの、ここまでの感覚は初めてだ。
「かわいいわよぉ。お薬も十分効いてるみたいだし、さっきのお仕置きしないとねえ」
というと紫紺の華は自分のスカートをたくし上げ、下着を下ろす。
170華の乱(前編)8/9:2005/10/30(日) 23:29:57 ID:FYPil3AE
ふと下着を下ろすしぐさに目をやった守護者は目を見張る。
何もないはずのそこには、巨大な一物が隆々としていた。
ありえない。こいつは女のはずだ。
そこで再びエグザイルのエフェクトを思い出す。だが。
「なっ……おまえ…骨の武具は持っていなかったはずじゃあ……」
くすっ、と、いやらしそうな笑みを浮かべ、華は答える。
「ふふっ、この間の経験点が残ってたからぁ、今取った」
「今取ったじゃねえっ、って、ちょ、まって、やだっ!やめろっ!いやっ!やめてぇっ!!!」
プレイヤーだかキャラクターだか分からない文句をつけようとするがそれを無視し近づいてくる一物に、動かせない体をくねらせ何とか逃げようとする。
「うあああっ!あうっ、か、かた、ひあぁぁっ」
しかし、骨の入った一物は容赦なく彼女を貫く。経験がないではないが、こんなに硬いものは初めてだ。
「す、ごい、あなたの中、すごい熱いわぁ。ぎゅって締め付けてくるし、だけどぬるぬるで……すぐ、いっちゃいそう……」
奥まで届くそれは容赦なく激しい動きを続ける。
「はぅっ、あっ、いっ、いいっ、硬くて、大きくて…もっと……もっとついて…ああっ、そこぉっ」
薬が回っているせいか、久しぶりのそれも痛みはまるでなく、突かれるたびに快感が増していく。
「ああっ、いいわっ……あなたの中、最高よっ」
「あっ、そこっ、だめぇ、い、いいのぉ、も、もうだめぇ」
お互いに、周りのことなど気にならず、ただただ腰を振り続けている。
「あ、私も、もうイきそう……い、一緒に、イこう。あ、ああん、あっ」
「んっ、あっ、も、イ…く…」
二人の動きが頂点に達しようとしていた。
「あ、私も…いく、よ……あ、いく、」
びくんびくん、二人、同時に大きくのけぞり、
『あああああっっっ!!!!』
声を合わせ、共に達した二人。そのまま力なく崩れる。
171華の乱(前編)9/9:2005/10/30(日) 23:31:50 ID:FYPil3AE
『はっ、はっ、はっ、は、はぁはぁはぁ』
息を荒げたまま、守護者は上にいる華を押しのける。
「な、何で、はぁ、あんたと、こんなとこで、こんなこと……」
華も、乱れた服を直しながら起き上がる。
「き、気持ち、よかったでしょ?」
「そりゃ、って、おい……も、怒る気もうせたよ……」
身を起こし、素直に答えそうになり華をきっ、と睨む。が、力なく首をたれる。
「性欲発散したからね。破壊衝動が性欲になって発散、いい薬でしょ?」
すっきりした顔で説明する華。それに納得するが、逃げ出したジャームのことを思い出す。
「最後がどうかとはおもうが、っておい、街はどうなってんだ!?」
「あ〜、大変だぁねぇ……いこか?」
こっちはすっかり忘れていたようで、目をそらしごまかすかのように答える。。
「ち、しょうがない、行くか」
よっこらしょ、と立ち上がる守護者。それをみてほっとした華、自分も立ち上がりながら話しかける。
「帰ったらまたしようねぇ、すごいよかったよぉ〜」
「う……うるさい!いくぞ!」
その言葉を聞き、顔を真っ赤にする守護者。華の言葉を否定するでもなく、怒鳴り、一人すたすたと立ち去る。
華は、後ろから、くすくすといたずらな笑みを浮かべついていった。
172華の乱:2005/10/30(日) 23:39:02 ID:FYPil3AE
とりあえず前編になっちゃいましたんで、続きは後日で。
173名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 01:02:19 ID:586pUick
GJ,GJ!

……この8スレ目、11月が終わるまで保つのか?
174「あの雨上がりの日曜日」作者:2005/10/31(月) 01:03:40 ID:Qj9D2N2v
多くの感想レスに感謝。

>『札×瞳アナザーエンディング――風雲! 望vs瞳・全力バトル編!!』近日後悔!
えーと、「札×瞳」の作者様。およびその他の職人様。
先に謝っときます。
勝手に色々使います。ごめんなさい。

…よし、これで何やってもOKだ(待て)。
早速ハンドアウトでも作ってみる。

PC1 “不確定な切り札”
 ロイス:謎の女(?)    P:好奇心 N:隔意
 キミの前に突然現れた女は、キミに「あること」を告げた。
 なんでも「選択の時は近い」らしい。
 そして、事態は風雲急を告げる。

PC2 “水晶の瞳”
 ロイス:“不確定な切り札” P:純愛 N:憤懣
 キミは“幻の造り手”が書いていた原稿(>>145〜148)を盗み見てしまった。
 彼は悪くはない。私自身には彼の行動を制限することはできないし、するべきでもない。
 キミの冷静な部分はそう結論する。
 けれど、どうしてもその結論に満足がいかない。
 どうやら決着を付けなければならないようだ。

PC3 “オートマタ”ノゾミ
 ロイス:“不確定な切り札” P:純愛 N:不安
 キミはあの日以降も、何とか彼の部屋に居候することができた。
“造り手”さんが、約束どおりにあのことを秘密にしてくれているらしい。
 そんなある日。キミは一人だけ、支部長の“瞳”に呼び出された。
 その理由を深く考えることもなく、キミは呼び出された夕日の見える川原に向かった。

当然ながら、「シナリオの内容は予告なく変更され(以下略)」。
近日…は無理かもしれないが、そのうち公開!(予定)
175117:2005/10/31(月) 11:41:17 ID:Db/1Dbvw
つたない文章を読んでいただき、感謝でございます。

や、せっかくの卓上ゲームスレッドだし、ここでしかかけないようなエロパロが
出来ねーかなーとか考えたりしたもので。

というわけで、次は、NOVA-D、ストレイライト P51 さなえたんのエロパロ(?)


◆牧野さなえ
<コネ:牧野さなえ>
10 最近好きな人がいるらしい。
12 その好きな人は『PC1』のようだ。
15 実は隠れ巨乳。性感帯で、パイズリだけでもいっていしまう。
18 かなり感度がいい。快感を知るとおぼれてしまうだろう。
20 最近、毎晩自分を慰めている。『PC1』の名前を呼んでいたようだ。
21 今、『PC1』の部屋の前にいる。

→イベント「はしたない女と思わないで。もう我慢できないの」へ
176名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 17:02:23 ID:hYSVds3U
そういやその昔、ルーンクエストのNPC剃刀ジャ・イールとサータ王子ってガチのツンデレで殺し愛の関係で、
戦場で落馬したジャ・イールの喉元に剣尖を突きつけ、冷徹に見下ろす王子。
やがて止めを刺す事なく無言で立ち去ろうとする王子に戦い負けた屈辱と女性として辱めを受ける対象とすらされなかった悔しさで半泣きで挑発的な罵倒をするジャ・イール。
落馬してあられもない格好で泣き顔のジャ・イールについに痩せ我慢も出来なくなりジャ・イールを押し倒す王子。
「い、いやああぁっっ!や、やさしく…、優しくしてえっっ!!」
「う、うるさいっ!この赤い月の化け物めっ!おまえなんか、おまえなんかっ」
「ああっ!い、痛いっ、い、たぁ…、く、うぅぁ」
「!お前…まさか初めて…」
「…ゆ、許さないから…絶対許さないから…この報いにお前を必ず殺してやるそして私だけのモノにしてやる」
「………」
「…だから…それまで死ぬことは許さない」
などと妄想していた俺の90年代。
177名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 17:29:18 ID:wKVOlSAi
みんなGJ! GJ! 

個人的にはドラゴンアームズの展開が
俺的ツボど真ん中だったので
コピペでHDDに保管させていただきました。
今夜のおかずをありがとう。
178名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 19:11:12 ID:/D0aGcGZ
>>176
いいグレッキングだ!
だがオレの中でのジャイールは、突然男に惚れてルナーを出奔するアバズレだ!
あくまで!(どっかにイケメンハーレムを作っているという設定があったような気がする)

だがいいグレッキングだ!(脳内で四季童子絵に変換済み)
179名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 22:04:01 ID:Aq0o7uK2
魔物使い×夢使いの続き……
180名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 22:37:56 ID:f+vfvLYs
個人的には機甲士の人格やらが好きになれなかったので、ちょっとDAは好みではありませんでした。
それはともかく凄く文章は巧く、ナギが萌えキャラでした。
181名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 11:10:05 ID:6Bb62i9D
みなさんGJっす。
自分はダブクロとNWしかやらないんでほかの作品はキャラがよくわかんないけどみんないいっす。
ところでダブクロのサンプルキャラ系SSは書いた人みんな違うんすかね?
まとめサイト見ててどれとどれがつながってる話かよく分からんのですが。
あ、続きってのがつながってるのは分かってるっす。
182名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 12:56:26 ID:v6QeKOJX
基本的に、「続き」でないのは続いてないとおもうよー?
同じ人が書いてても、意図的に続けてない場合もあるっぽいし。

同じルールブックのサンプルキャラを使って、いろんな人がキャンペーンを行った結果、
あるいは同じリプレイを見て、その続きを各自で考えてみた、
またあるいは同じ舞台設定を使った、別の場所で展開された物語
ってトコでいいんじゃないかなー。

>>165
グッジョブにござります。
中編終わった時点でなんとなく考えていたけど、予想を書いて困らせるのもアレかと思い
自粛していたのですが、完結したようなのでちとその推測を出してみる。

ナギさんの、「あの人は諦めてないけど付き合う」……
「あの人=主人公と気付いてるけど、本人が言い出すまで待ってる」ということか?!

当たるも八卦、当たらぬも八卦。語られなかった部分をあれこれと推測するのもまた楽しっと。

>>172
グッジョブにて候。
後編をお待ちしております。

>>174
(・ω・)b☆

183名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 15:58:57 ID:PhV0gLNZ
>>174
支部長に呼び出されるのに支部長室じゃなくて川原ってあたりがw
周りの被害を考えてとかそういうw
184名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 17:51:07 ID:gotba/lW
うーむ、最近新六門読み返してローシィの乳に萌えたくなってきた…
185名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 19:08:26 ID:2IpZYuI4
>>183
夕日の中でぶっ倒れるまで殴り合った挙句に友情が芽生えますか?
186名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 21:35:40 ID:wgpkGB9K
>185
>夕日の中でぶっ倒れるまで殴り合った挙句に友情が芽生えますか?
 当然です。むしろそれが醍醐味でしょう。既に切り札くんは蚊帳の外。埒外。
 エロパロ的にはそのままレズプレイに突入。夜闇に包まれゆく川原に二人の
乙女の白い柔肌が幽き光に淡く浮かぶのです。なんてブラボー。
187名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 21:49:44 ID:1pJB66Z/
>>184
ぶっちゃけ二番目に影の薄いキャラだと思うので存分に愛でてやってくれ。

ついでにSSなんぞを書いて落してくれるとなお良し。
188名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 22:10:17 ID:uu3mZSci
そこで登場、紫紺の華のおね〜さんがあんなことやこんなことを教えてくれます
189184:2005/11/02(水) 23:13:52 ID:gotba/lW
>187
SS…書きたくても書けないんだよなorz
絵は描けなくも無いけどエロ描けないしorz
190名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 00:35:15 ID:3T6UgDi+
絵はよいものなので是非描くように
191名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 01:37:47 ID:zwMfU7wd
>174
PC1のシナリオロイスって鈴木和美さんでしょうか?
192「あの雨上がりの日曜日」作者:2005/11/03(木) 20:02:08 ID:2YlmoHkE
とりあえず完成したところまで投下してみる。
微妙に予想を裏切るあたりが自己流。
またもや、まだエロがないのはご愛嬌。

もう一度。職人の皆様すみません。
キャラのイメージが崩壊するかもしれません。
パラレルだと思って割り切ってください。色々裏があるので。
193望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:03:16 ID:2YlmoHkE
 清々しい朝。俺は息を切らせて公園のベンチに座っていた。
 数十分前、UGNの霧谷さんから緊急呼び出しを受けた俺は、ノゾミを連れ(というか袋に入れ)て
支部へと向かい、そして俺だけ帰された。
 なんとなく釈然としないものを感じながらも、仕方なく支部を出た。
 早朝から全力疾走した疲れを感じ、家へ帰る途中の公園で足を止め、今に至る。
 ここでは色々な事があった。良いことも悪いことも。
 それらを落葉に埋もれたベンチに座りながら思い返し、
「君から、死の気配を感じる。いや…君の周辺から、と言った方が正確かな」
 不意にそう言われた。反射的に視線を向けると、そこにいたのは一人の女性。
 黒縁眼鏡の奥の目は、俺の姿を細部まで確認するかのように動いている。
 いや、そんな事より。今、俺は誰の足音も「聞かなかった」。
そして、たった今積もったかのように、彼女の周りの落ち葉には足跡一つ残っていない。
「選択の時は近い。この舞台の主役は君だ。君は選ばなければならない」
 歌うように、続ける。
「さもなくば、闇が光を飲み込み、希望は絶え、双眸は閉じられる」
 俺の目を見つめ、そいつは告げた。
「物語を紡ぐのは君だ。未だ“不確定”ながらも、君が“切り札”なのだから」
「なっ…!?」
 間違いない。こいつは俺のコードネームを知っている。それ以上に重要な何かを知っている。
「…お前は一体…?」
 尋ねられたそいつはしばらく考え込むように頭をひねっていたが、急に瞳を輝かせて言った。
「『ボクが何者かは何の意味もない』…あっちの監視者ならきっとそう言うところ…うにゅ」
 台詞の途中で、突風で大きな銀杏の葉が落ち、そいつの口を塞いだ。
 そいつは台詞を中断させられたことに怒ったのか、子供のように頬を膨らませながらズレた眼鏡を直す。
「…よし!気を取り直して。…あっちの監視者なら………」
 沈黙。
「…監視者なら…」
 更なる沈黙。
「え〜と、監視者なら…なんだっけ?」
「いや、知らないし」
 反射的にそう答えてしまう。
 そいつはその返答がショックだったのか、目に見えて落ち込んだ。
 そのまま「台詞を忘れるなんて伝説の住人失格だ」などと意味不明なことを一言二言呟いた後で立ち上がり、
「と、とにかく。君の周りに死が迫っている。気をつけるといい」
 赤面しながらそいつがそう告げると同時、突風で枯葉が舞い上がる。とっさに俺は目を閉じた。

 目を開くと、何もなかったかのように辺りは静かで、鳥の囀りだけが響いている。
「夢…か?」
 ずいぶんと変な夢を見たものだ。辺りを見回すと公園中央の時計は八時を指していた。
「もう八時か…って八時!?」
 一度家に戻って、カバンを取って、学校まで。遅刻ぎりぎりの時間だった。

194望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:04:13 ID:2YlmoHkE
 何とか始業のベルには間に合った。息を切らせながら教室を見回すと、珍しく“水晶の瞳”の姿がない。
 いつも教室の片隅で読書している彼女の姿を思い出し、そういえば最近会話していないことに気づく。
 最近はなぜか気分が悪そうだったから、風邪でも引いたのだろうか。
 そんな心配を余所に教室の扉が開き、そして教室内の時が止まった。
 教室を包み込む圧倒的な圧力。まるで空気が固まったかのような圧迫感。
 教室に入ってきた“瞳”から、恐ろしいほどのプレッシャーが発せられていた。
 今日の“瞳”は空前絶後に機嫌が悪いらしい。
 それを悟ったクラス一同と一緒に俺は「今日は彼女に逆らわない」ことを決心した。

「みんな席に着け〜…って全員座ってるな、珍しいことに。何かあったのか?」
 担任に尋ねられ、曖昧な笑みを浮かべるクラス一同。
 “瞳”の作り出したあの雰囲気の中では、みんな黙って席に着くことしかできなかった。
 なんだか分からないが今日は最悪な一日だと思いながら、机に突っ伏す。
 なぜ“瞳”が不機嫌なのか、全く見当もつかない。
 まさかこれ以上悪くはならないだろうという希望的観測に、最後の望みを託す。
「…というわけで転校生だ。入ってきなさい」
 …どうやら「最悪な一日」はまだ始まってすらいなかったらしい。
 教室に入るなり俺のほうに手を振るノゾミを見た俺は、後方の“瞳”の気配が殺気じみたものになったのを
ひしひしと感じた。

195望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:05:25 ID:2YlmoHkE
「あなた方二人にだけ、伝えておくことがあります」
 ディスプレイ越しにUGN日本支部長霧谷雄吾が言った。
 私はその上司に、いつもなら絶対に口にしないだろう意見を述べた。
「あの…何故“不確定な切り札”を支部から出させたのですか?」
 おそらくはまたジャーム関連の問題なのだろう。ならば、彼の協力が必要なはずだ。
 それでも霧谷さんは彼を帰すように指示した。それが謎だった。
 …けれど、その理由は霧谷さんが後で説明するはず。そう思って、いつもなら意見を口には出さないだろう。
 昨日の夜見てしまった“幻の造り手”の原稿のショックが大きくて、頭がうまく働いていないようだ。
私らしくもない。
「ああ、彼には余計なことを言わないほうがいいと思いましてね。彼にもT市支部に知人がいたはずですし」
 T市。隣の町だ。何があったのだろう。最悪の予想が頭をよぎる。
「簡潔に言います。…昨日、T市支部が壊滅しました」
 予想は現実となった。
「現場の写真を送りますが…刺激が強すぎるかもしれませんね。気をつけてください」
 送られてきたファイルを開く。
 一面の赤。血の海に浮かぶように、人の手足が散らばっていた。
「生存者はゼロ。現場からは、犯人の痕跡は見つかっていません」
 これだけの大立ち回りをして痕跡一つ残さないとは、一体どれほどの手練なのか。
「ただ、現場には血でこう記されていました」
 次の画像には、血文字が記されていた。
〜“人形の主(ドールマスター)”〜
「今回、ノゾミさんを呼んだ理由の一つは、もしかしたらこの名前に心当たりがあるのではと思ったのですが」
「…悪いけど、あたしは知らないわよ、こんな名前」
 椅子の上に立ち、背伸びしてディスプレイを見ていたノゾミが言う。
「そうですか…。では、もう一つの理由を説明しましょう。今、そちらの支部は人手が足りていませんね?」
「はい。“幻の造り手”は帰ってしまいましたし、“漆黒の剣”は任務でしばらく戻ってこれません」
 私は正直に言った。実際、これほどの手練を相手にするには、人数不足だ。
「では、先日送った小包を開いてください」
 言われたとおりにすると、中に入っていたのは私の学校の女子用制服。
「ノゾミさん。学校に潜入しての調査をお願いします。そこに潜んでいるという未確認情報がありますので」
「学校!?あたし、学校に行けるの!?」
 子供のようにはしゃぐノゾミ。
「でも霧谷さん。この子は今…」
 言いつつも、まだ人形の大きさのままの彼女を見る。
「ああ、そのことならあたしは大丈夫。ほら!」
 言うが早いか、姿が闇に包まれ、次の瞬間には人間の大きさになっていた。
「…なんで私に教えてくれなかったんですか?」
 私の非難を聞いて、彼女は急に顔色を変えて
「…あっ!これ、秘密にしておくつもりだったのに!」
 私は推測した。戻れるということはきっと彼とあんなことやこんなことあまつさえそんなことまで
「…話を続けてもいいでしょうか?」
 霧谷さんにそう言われるまであらぬ妄想は続いた。どうしたのだろう。本当に今日の私はおかしい。
「そういうわけで、ノゾミさんにはあなたのいるクラスに行ってもらいます。よろしいですね?」

196望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:06:25 ID:2YlmoHkE
 初めての学校生活はとても楽しかった。なぜかあたしのクラスだけが異様に静かだったけど。
 昼休み。あたしは彼が立ち上がるのを見て、彼に駆け寄った。
 後ろのほうでがたん、と音を立てて“瞳”ちゃんも立った。なぜかみんなが沈黙した。
 その理由をいくら考えてもさっぱり分からないあたしは、気にすることなく歩きながら尋ねた。
「ねえ、どこに行くの?」
「食堂まで。昼食忘れてきちゃってさ」
「あたしもついてっていい?どこにあるか分からないし」
「ああ、いいよ………あれ、珍しい。支部長も?」
 いつの間にかあたしの後ろに立っている“瞳”ちゃんに向って、少し怯えた声で彼が言う。
「ええ、今朝は色々と立て込んでいてお弁当を作る時間がなかったので」
 あたしのことだろう。あの後、支部では散々に迷惑をかけてしまった。
「そうか…とりあえず、早く行こうか」
 それ以上その話題に触れたくないのか、彼は誤魔化すように足を速めた。

 屋上で授業をサボっていたら、つい寝てしまったらしい。
 寝ているオレを、いつものようにやって来た“白き閃光”が起こした。
 慌ててオレは食堂に走る。“閃光”が追って来た。
食堂は込んでいたが、端の一角のテーブルが空いていた。
 そのテーブルの中央の席に、見覚えのある奴が座る。
 その左隣に、見覚えのない女子生徒が座る。…転校生かなんかか?
 一瞬遅れて、その逆の隣に支部長が座った。
 オレは中央に座る奴に向っていった。
「よお、両手に花じゃねえか」
「…“疾風の一撃”か」
 覇気もなく“切り札”は答えた。疲れてんのかコイツ?
「おめぇ、また女の子ひっかけたのか?この色男。オレにも誰か紹介…」
 背後からの不意打ちでオレの口は閉ざされた。
「いってぇなぁ…今度は何だよ。つーか、まだ持ってんのかよそのハリセン」
「あなたがくれたんじゃない、これ。どうしようと私の勝手でしょ?」
 器用に片手で日替わり定食のお盆を持ってハリセンを振るった“閃光”を睨む。そのまま睨み合いになる。
「…二人とも、仲がよろしいのは結構ですけど、座ったらどうですか?」
 支部長に言われ、二人そろって振り向いて言う。
「「誰がこんな奴と仲が…」」
 そしてそろって固まる。支部長は笑っていた。今までに見たことのない満面の笑み。
 オレは、蛇に睨まれた蛙の様に立ちすくみ
「聞こえませんでしたか?座ったらどうです?」
 ただただ無言で席に着いた。
 あんなにマズいメシを食ったのは初めてだった。

197望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:07:07 ID:2YlmoHkE
 俺たちはひたすら無言で食事をしていた。ただこの時が早く終わることを祈って。
 “一撃”と“閃光”が流し込むように昼食を平らげ、席を立った。
 俺もそれに合わせて立とうとして
「貴方に、お聞きしたいことがあります」
 支部長のその声に止められた。
「というわけで、ノゾミさん。席を外してください」
「嫌よ、何であたしを追い出そうとするのよ」
「……“白き閃光”と“疾風の一撃”。彼女を」
 そそくさとその場を立ち去ろうとする二人を呼びとめ、強引にノゾミを食堂から追い出させた。
 そのままもう関わりたくないと言わんばかりに立ち去ってゆく二人。
 残されたのは、俺たち二人。その沈黙に耐えられなくなった俺は口を開いた。
「それで、聞きたい事って?」
「…あの子との、ノゾミさんとの事についてです」

 その瞬間。彼は明らかに動揺した。
「昨晩、“幻の造り手”の書いた原稿を、見てしまいまして。…あれ、本当なんですか?」
「な、何のことか分からないんだけど」
 明らかな嘘。元々彼は嘘がつけない性格なのだ。そんな真っ正直さが好きなのだけれど。
「とぼけないでください。一週間前、“造り手”が貴方に会った日のことです」
「…そう言っても、その原稿にどこまで書いてあったのかわからないし」
「どこまでって…」
 私は赤面し、言葉に詰まる。
 そのとき、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「ほら、次は体育だろ。早く行かないと」
 そして彼は逃げるように立ち去った。
 私は確信した。彼とあの子の間に、想像以上の事があったことを。
 そして決意した。決着をつけなければならないと。

 放課後。あたしは先生に呼び出された。
 とは言ってもあたしが何かやったわけではない。編入の書類に不備があったらしい。
 あたしにはよく分からなかったので、後で“瞳”ちゃんに聞いてみようと思う。
 そういえば、どうして彼女は今日あんなに怒っていたのだろう。
 それと、食堂で彼と何を話していたのだろう。そのことも聞かなきゃ。
 教室に戻ると、彼も“瞳”ちゃんもいなかった。
 ただ一人残っていた女の子があたしに近づいて手紙を渡してきた。
「これ…貴方に渡してって」
 なぜか怯えるようにそう言って、あたしが受け取ったのを確認すると、
「じゃあ、確かに渡したからね」
 言うが早いかそのまま帰ってしまった。一体何なんだろう。
 今日一日見ていたけど、このクラスは何かがおかしいんじゃないだろうか。
「まあ、いっか」
 手紙を開く。簡潔にたった一言書かれていた。
―――川原で待っています――― “水晶の瞳”

198望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:07:46 ID:2YlmoHkE
 町を赤く染め上げる夕日の中。吹きすさぶ木枯らしの中をあたしは歩いていた。
 既に川原には彼女が待っていた。
「どうしたの?こんなところで」
「……ません」
 吹き付ける強風で、彼女の声はよく聞こえなかった。
 そのためか、もう一度彼女が繰り返した。
「渡しません、彼は。彼がいてくれないと私は駄目なんです」
 その言葉と共に放たれた《ワーディング》で、世界がモノクロに変化する。

 初めてこの子に会ったとき。私はなんとなくこんな日が来るような気がしていた。
 だから、この日のために《戦況判断》力を高め、あるエフェクトを習得しておいた。
「悪いですけど」
 身構える彼女に向って言う。彼女のシンドロームはブラックドッグ/バロール。
 単純な破壊力ではまず勝ち目はない。だから、この奥の手が必要だ。
 奥の手を使うために集中する。甘い匂いが立ち込める。
「私は負ける戦いはしませんよ」

 突如、あたしの視界が闇に包まれる。
 何も見えない。周りから罵声が浴びせられる。
「人形如きが、どんな叶わぬ夢を見ている?」
「彼と本当に結ばれるとでも?」
「貴女も奈落の底に落ちる運命なのですよ。私と共に」
 うるさい。そんなことはない。
 だって、彼がいてくれるから。約束してくれたから。
 だから、あたしはその《絶対の恐怖》に耐えられた。
 そのまま《雷の槍》を放つ。手加減できるほどあたしは器用じゃない。
 肉の焼ける不愉快な匂いを放ちながら、槍は彼女の胸を打ち抜いた。

199望&瞳アナザー:2005/11/03(木) 20:11:19 ID:2YlmoHkE
 俺は走っていた。
 クラスの女の子に言われたとおり図書館に行ってみたものの、誰もいなかった。
 支部長がいるはずだったのに。
 どうやらもう校内にはいないらしい。何人かが支部長が校門から出るのを見ていた。
 そして、ノゾミの姿も。
 そういえば今日から彼女はどうするのだろうか。まさか、俺の部屋に来るわけにも行かないだろう。
 そこでノゾミの机の上に置かれていた手紙に気づいた。支部長の字だった。
 思えば、昼の時点で気づいておくべきだった。それができなかったのは、俺が馬鹿だったから。
 自分の馬鹿さ加減を呪いながら、俺は走る。
 今朝の公園で見た夢が思い出された。
『選択の時は近い。この舞台の主役は君だ。君は選ばなければならない』
 あの変な女はそう予言していた。
 俺は昼休みに選ばなければならなかったのだ。
『さもなくば、闇が光を飲み込み、希望は絶え、双眸は閉じられる』
 そうしなかったから、“ノゾミ”も“瞳”も失われようとしている。
 そんな予感を感じながら、俺は走った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
重ね重ね。職人様すみません。
これからこのスレっぽくなるんで、しばらくお待ちください。

色々と裏(ネタバレになるから書けない)があるので、お楽しみに。 
200184:2005/11/03(木) 22:26:28 ID:CUGnyOVD
184はえをかいた・ ・ ・
あまりのできにぜつぼうした!
201いつも中の人:2005/11/03(木) 22:29:06 ID:guQ3+WU9
◇本日の思考の流れ

 あー。今日も新作が来ているー。
 今週はスレが賑やかで嬉しいなぁ。週末にでもまとめて感想を書かなくちゃ。

>191
>PC1のシナリオロイスって鈴木和美さんでしょうか?
 順当にいけばそうだろうけど、「(?)」が付いている以上は何か別のもの
の可能性もあるな。

>192
>職人の皆様すみません
 ??? 何で「皆様」?
 札×望はご当人の話だし、該当者は札×瞳の中の人がだけじゃないか?

>193
>「『ボクが何者かは何の意味もない』…あっちの監視者ならきっとそう言うところ…うにゅ」
 うわ、こっち来たー!!!www
 ひとごとだとばっかり思ってたのに、なんてこったw
202いつも中の人:2005/11/03(木) 22:39:33 ID:guQ3+WU9
>200
 ぶっちゃけ、「会心の出来!」と思って投下したものが何となくスル〜だっ
たり、「凡作……」と思って投下したものに賞賛レスが付いたりすることなど
ザラなので、完成したなら勇気をもってUPしてみることをおすすめします。
 「なんだ上手いじゃないか」と言われるか。「なるほどこりゃ絶望的だ」と
納得されるか。運命の分かれ道です。
203184:2005/11/04(金) 00:48:11 ID:pFxmfs52
>200
うーん、と言うか本人が疑問符浮かべてたりするのが現状だったりw

まぁ適当に見つけたうpロダに上げてみましたが
ttp://read.kir.jp/file/read25152.jpg
204名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 00:53:19 ID:bUpR8pTm
絶望的に上手いじゃないか
205名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 00:54:09 ID:bUpR8pTm
っていうか普通に上手いと思いますです。はい。
206184:2005/11/04(金) 01:02:19 ID:pFxmfs52
>204-205
いやまぁ、うん
ローシィに見えるかな?つー部分が疑問だったんです、はい

見えてりゃ僥倖

んだばスレ汚し失礼
207名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 16:13:21 ID:sCsX/gQm
ノゾヒトアナザーぐっじょぶ!
まさか伝説の住人までw
こーゆークロスオーバーは大好きだ!! もっとやれー!!
208望&瞳アナザー 外伝 1/3:2005/11/06(日) 00:20:56 ID:ukh8tAW/
本編終わってないのに外伝を書き出す始末。
一応本編と同時進行。やっぱりエロがないのは堪忍して。
「“一撃”ד閃光”」の作者様に捧げる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 いつものように屋上でサボっていると、もう下校時間になった。
 オレは何となく下校する生徒の列を見ていた。
「ん?支部長じゃねえか。こんな時間にどこ行くんだ?」
 学校裏の川原のほうに走る支部長がいた。
 しばらくすると、同じ方向にひとりの女子が走っていった。
「あいつは…食堂にいた…誰だっけ?」
 あっちの方は俺を知っているらしかったが、あんな知り合いはいなかった筈だ。
 教室にあいつを送り届けた後で“閃光”に聞いたら、なぜか馬鹿にされた。
「ったく、何なんだよ一体」
 すぐにオレは考えるのを止めて床に転がって雲を見ていた。
 だんだんと空が赤く染まっていく。この色が好きだった。
 昔、オレがまだガキだった頃。オヤジと眺めたあの夕焼け。
 オレのオヤジは飲む、打つ、買うの三拍子そろった駄目親父だった。
 殴られた回数なんて数え切れない。毎晩オレのオフクロは泣いていた。
 そんなオヤジが、ある日オレだけを連れて近所の山に登った。
 まだ小さかったオレは、疲れで何度も足を止めて、そのたびオヤジに怒鳴られた。
 それから歩き出して、また止まって、怒鳴られて。何度か繰り返すうちに、とうとうオレの限界が来た。
 オヤジは、もうオレが歩けないのを知ると、しょうがねえなぁと言って、オレに背を向けしゃがみこんだ。
 ぼっとしていたオレは、早く乗れよと怒鳴られて、オヤジの背に乗った。
 オヤジの背はでかくて温かかった。いつもの酒とタバコの匂いじゃなく、懐かしい匂いがした。
 そのままオレは寝てしまったらしい。着いたぞ、の声で起こされた。
 背中から下ろされたオレの目前に広がったのは、赤く染まるこの街。街じゅうが紅く輝いていた。
 いい所だろ、とオヤジは言った。オレはうなずいた。
 俺の秘密の場所なんだぜ?ここを知ってるのは、俺達二人とお前の母ちゃんだけだ。
 そう言ってオヤジは笑った。オヤジが笑うのを始めて見た。
 だんだんと色を変えてゆく街と空とを眺めていると、オヤジが語りかけてきた。
 お前も男なら、男らしく生きろ。生き様を貫け。
 そんな事を言っていた。まだガキだったオレには何が言いたいのか分からなかった。
「結局、まだ分かんねえよ、オヤジ…」
 結局オレがオヤジとまともに話したのはそれが最初で最後だった。
 オヤジの言いたかったこと。それはもう永久に分からない。
 オヤジもオフクロも、もういない。あの後、突如現れたジャームからオレをかばって死んだ。
 その時オレはこの力を得た。そして誓った。“本当のワル”をぶっ飛ばすことを。
209望&瞳アナザー 外伝 2/3:2005/11/06(日) 00:21:52 ID:ukh8tAW/
 そんな思い出にふけっていると、誰かが屋上への階段を駆け上がってきた。
 この足音は…またあいつか。毎日毎日、何で飽きねえんだ?
 起きるのも面倒なので、転がったまま空を見上げる。
 あいつは、オレの枕元(っつっても枕じゃなくてカバンだが)に近づいてきた。
「また、空を見てるの?」
 オレは“閃光”の方を見て
「…今日も白か」
 思い切り蹴り飛ばされる。マジで痛ぇ。
 スカートの裾を押さえながら顔を赤くして“閃光”が睨む。
 オレは立ち上がり、そこで異常の音を「聞いた」。
 “閃光”も異常が「見えた」のか、急に深刻な顔になる。
 はるか向こうから巨大な車…装甲車が何台も走ってくる。乗っているのは相当な人数らしい。
「多いな…どこの奴らだ…?」
「分からない…でも・・・」
 気配で分かる。あいつらは敵だ。
「マズいな…支部長はどっかいっちまったし」
 そう言いながら横を見る。“閃光”の顔は蒼ざめていた。
 無理もない。あんな大量の敵と、支部長抜きで戦うなんて無謀もいいところだ。
 さらに、蒼ざめた顔のまま“閃光”は付け加えた。
「…“切り札”も、さっきすごい勢いで学校から出てった…」
「ったく。こんな時にあのバカはどこ行きやがった?」
 考えるまでもない。あの食堂にいた子と支部長、あの二人の行ったところだろう。
 あのバカの性格を考えれば明らかだが、それでも口に出さずにはいられない。

 状況は絶望的だった。学校にいる戦力は彼と私だけだ。
 見る見るうちに学校に近づいてくる装甲車を見ながら、彼が力強く言った。
「絶対にあいつらはこの学校に入れさせねえ」
 絶望しかけていた私を見て、彼は言う。笑いながら。
「なんてったって、この学校の女子はみんなオレのも…」
 鳴り響く炸裂音。
 私はいつの間にかハリセンで彼を殴り飛ばしていた。
「あなたって人はこんな時に…」
 彼は私の顔を見た。
「そうだよ、その顔だよ」
 立ち上がりながら、彼が言う。
「さっきみたいな深刻な顔より、その顔のほうがずっと可愛いぜ、お前は」
 彼の言葉を飲み込んで、一瞬遅れてから私は真っ赤になった。

210望&瞳アナザー 外伝 3/3:2005/11/06(日) 00:27:46 ID:ukh8tAW/
 赤くなってうつむく“閃光”を見ながら、オレはやっと理解した。
(そうか、そうだったんだな)
 オレの中にあったこの思いは。
(オレもあのバカと同類だな)
 こんな時になって、やっと自分の気持ちが分かったんだから。
「オレ達は負けねえよ」
 だから、自信を持って言う。
「これまで何度もこんな危機を乗り越えてきたんだ」
 “閃光”が顔を上げる。そこには、もう絶望は見えない。
「それに…この戦いが終わったら、お前に言わなきゃならねえ事がある。見せたいモンがある」
「私に?」
 首をかしげる“閃光”。そうだよ、お前だけに伝えたいんだよ。この思いを。
 お前だけに見せたいんだよ。夕日に染まるこの街を。
 既に装甲車は校門の前まで来ていて、中から続々とマスクと装甲をつけた連中が出てきている。
「まあ、話はあいつらをぶっ飛ばしてからだ」
 オレの言葉を聞いたら、お前はどんな顔をするんだろうな?
「準備は良いな?」
 “閃光”が頷くのを見て、オレは走り出した。
 敵はマスクをつけた数十人と、神経質そうな白衣で眼鏡の男。
 あの男は確か“ディア…何だっけ。まあいい。誰であろうとぶっ飛ばすだけだ。
 オレに気づいたその男が《ワーディング》を張りながら部下に指示を出す。
 部下たちが銃を構える間もなく、《戦いの予感》を感じとった“閃光”の雷が部下たちを貫く。
 だが、装甲の隙間を狙ったその攻撃を受けても、部下たちはびくともしない。
 こいつら、ただの人間じゃねえ!
 だが、そんなことに驚いている暇は無い。
 屋上のほうへと銃口を向ける敵の集団の中に飛び込み、一気に殴り倒す。
 《一閃》。《獅子奮迅》。《亡者の爪》に引き裂かれた敵が、《渇きの主》の力で破壊される。
「どこ見てやがる」
 残りの数十人に向けて言い放つ。
「手前らの相手は、このオレだ」
 夕日と、返り血と。真紅に染まったオレは、夕焼けに向かって呼びかける。
 惚れた女一人守れなかったら、男がすたるってヤツだろ。
 なあ、オヤジ。やっと分かったぜ。これがオレの生き様だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かっこいい話が書きたくなって書いた。後悔はしていない。
本編の方も執筆中。投下予定は…月曜辺り?
多分ちゃんとエロもある。しばしのお待ちを。
211名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 01:17:26 ID:isw6LyCR
>>210
春日恭二がっ、春日恭二がエロパロ板にまで出現するとわー?!
212マルチレス:2005/11/06(日) 06:16:28 ID:685XH8DE
 はーい、またも亀レスですよ。しかも感想レスのみですよ。心底反省。

>司×結希
 妙に面倒見のいい司萌え。あの兄貴に怯まない嫁さんを探してください。
 ところで不思議な事に、ケイト×こいのぼりって今のところないよな。皆王子が大好きか。
 そして辿って読んでるというのに気になるところで切らて続きがない。どうしてくれるこのリビドー。

>DX2 梓×和樹
 こっちもまた気になるところでっ!
 この言動と内心のギャップが流行のツンデレってヤツですか。作戦にかこつけて、ふたりから心遣われてる果報者め。
 心情乱れる和樹と追いかけた梓。どう展開するか期待しております。(←プレッシャーをかける感じで) 

>鋼の戦士&混沌の監視者・外伝追記
 テクニシャンだな少年、などと誤魔化しつつ。実はこれを読んだ後にプロットを眺め返していたり。
 結局変更はしないまま少年と監視者のシーンを仕上げましたが、もっと幸福な結末もあっただろうかなんてぐるぐるする次第。
 というかしんみりした気分を、いつものふたりにさくっと書き換えられました。様式美か。いいな。

>BBNT本編8話目
 レンはいつでも一生懸命だな。だがやはり3歳児だな。そしてこちらのハガネ君には、他人の心情をきちんと酌める余裕があ
るのだな。ちらりと出たロウのつらい思い出も気になったり。そしてやはり、自分を看取る相手が判ってるというのはいいな、
と思った。死に際で格好をつけなくていいから。

>メガテンX 2本目
 運命の“少年”が女の子なのには、ものの見事にしてやられた気分ですが。これもサンプルキャラなのかな?
 なんとういうか、こう、ベッドシーンの緩急が上手いな、と。微笑ましい部分と艶めいた部分との交じりあいが、登場人物の
親密感を醸し出す感じで。とまれ獣喋りを久々に見た。なんかすげぇ懐かしかった。もう年か。

>メガテンX 3本目
 こういうクールな話に憧れます。自分で書けねぇから。自嘲を含みながら愚痴っぽくなく、見下ろす憐れみのようでいて心底
から案じている。そんなさらりと乾いた具合の格好良さに。結びもなんか好き。

>>98
 今回の話の自分テーマはすれ違いでした。正義の味方というけれど、それはあなたの正義です、みたいな。
 だから登場人物全員、どことなくすれ違ってます。戦士は“ボク”に惚れていると思っているけれど、どっかで“私”が言っ
ているようにあれはあくまで別の対外交渉用人格であるだけであって、根っこはひとつです。これで回答になったかどうかは知
れないけれど、そんな感じでござんすよ。
 あと誤字。実は見返したのに判らない俺。さらに恥じ入る。

>>174
 よし頑張れ。突っ走れ。責任は取らないがけしかけるぜ。
 はい、札×瞳を書いてた者です。先に謝っていただいたので、もう何をしてもOKです。むしろ謝らなくてもOKだった。
 作品の感想はまた後日別個で書きますけれど、続き楽しみにしてますよ、と是非伝えておきたかったので。

>>179
 プロット段階で迷走してました。ようやく流れが決まったので、これから書きます。
 ぶっつりと気力切れで遅くなっています。ごめんなさい。 
213名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 15:35:48 ID:4VjkEw/p
> 「それに…この戦いが終わったら、お前に言わなきゃならねえ事がある。見せたいモンがある」
し、死亡フラグ立てちゃダメー!!
214名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 17:15:31 ID:9zRhprjb
>>213
案ずるな。相手は春日恭二だ。
215名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 19:46:46 ID:UiVpzyWa
質問があるけどいいかな。DXの裏ルールのオンラインセッションのログって
あるんだろうか?
216名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 23:56:13 ID:4VjkEw/p
>>214
あ、そうか(*'-')
217名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 14:02:21 ID:AnqM+Fdg
春日恭二に対するイメーヂの革新を要求するっ!
\(゚皿゚)イーッ!
218名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 15:25:56 ID:WdT3H3Ux
>>217
公式で、「王大人死亡確認」してもいつのまにか復活してる、としちゃったからなぁ・・・
無理だろうw
219名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 16:23:53 ID:3GB1KiSZ
>>212
>妙に面倒見のいい司萌え。あの兄貴に怯まない嫁さんを探してください。
いや、むしろあの兄貴に惚れない彼女を探すべきだと思うぞ。司くんは。
220名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 18:08:30 ID:sasappVC
ここで逆転チャンス!

むしろ嫁さんもらって落ち着く兄。


いかん、猫娘を嫁にもらってバリバリに落ちぶれたどっかの空賊しか思い浮かばない。
221名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 18:30:44 ID:pgXmROs6
嫁か……

そういえば柊の嫁は誰になるんだ?
順当に行けば幼馴染なんだろうが異世界や裏界から押しかけてきそうなのが大勢いるな。
今度のは「あわせみこ」じゃなく「あわせムコ」になって色んなルールが合わさった世界の中、
ムコ争奪戦が巻き起こるのカナ?カナ?
222名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 20:04:43 ID:VTOMoWsg
嫁というのは家の女と書きますが、
ここで家の定義を「安住の地」とした場合、
柊に家はありません。
家がないならば家の女という概念も存在しませんので、
よって柊蓮司に嫁はできません。未来永劫。

……内縁の妻なら売るほどいそうですがね。
223名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 20:44:03 ID:sasappVC
最終的には、ささやかながら温かい家庭を持ち、我が子の姿に
やに下がる柊でend、と。





アンゼ:とまぁ、綺麗にまとまるとお思いで?
ベル:そうそうw
224名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 22:46:20 ID:pgXmROs6
嫁でベルを連想し、エロパロゆえにエロを連想したが……
もしかしてこのスレで揚がったベルのエロ画像って無茶苦茶レアなのか?
225名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 22:50:51 ID:BU/pAJOi
超レア
226名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 01:12:46 ID:uDNJb91q
>>217
いや、春日恭二はウチのサークルのバロール・ピュアの因果律操作系厨キャラ
ですら「死の因果律から見放されてる」と負けロールを始めた
不死身キャラだぜ。
227望&瞳アナザー:2005/11/08(火) 04:46:51 ID:HNkE7ZpR
本編再開。まだ終わらない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あたしの《雷の槍》に胸を打ちぬかれた“瞳”ちゃんの姿が、ぐにゃりと歪んだ。
 歪みが戻った時、そこに立っていたのは奇妙な仮面をつけた男。
 顔の上半分を隠すような黒い仮面。憎悪の炎に燃え、あたしを睨みつける目。
 男はそのまま前に倒れこみ、動かなくなった。
 コイツが例の“ドールマスター”なのだろうか。
「案外、あっけなかったわね。まあ、あたしにかかればこんなもんよ」
 ワーディングが切れ、色彩を取り戻した世界であたしは言った。

 私は負ける戦いはしない。本当の勝利とは何なのかを知っているから。
 私の呼びかけに答えて、川原にいる無数の蜻蛉が一斉に飛び立つ。
 《群れの召喚》。ここでこの子と戦っても何の利益もない。三十六計逃げるに如かず。
 夕日の中、そのままその場を離れようとした私は見た。
 彼女の姿が急に溶けて消えたのを。
 瞬時に状況を判断すると同時、近くで強力な《ワーディング》反応。
 おそらく今の彼女の姿は囮。私をここに引き付けるための。
 敵は各個撃破を狙っている。一刻も早く合流しなくては。そう思い、走り出す。
 すぐに川原に立つノゾミの姿が目に入った。けれど、本物の彼女なのかはまだ分からない。
 警戒を怠らず、彼女に声をかける。彼女はこちらに駆け寄ってきた。
 その動作の細部にまで注意しながら、私も歩み寄り、
 急に私たちの足が止まった。
 足元を見ると、纏わり付くように砂が動いていた。

「“水晶の瞳”ともあろう者が、この程度の罠にかかるとはな」
 あたしと“瞳”ちゃんは揃ってその声の方を見た。
 仮面の男の傷は跡形も無く塞がっていた。
「そんな…確かに倒したはず…」
 あたしの攻撃は、リザレクトが無ければ致命傷だったはず。
 そんな疑問を余所に、男は笑う。
 その隣には教室であたしに手紙を渡してくれたクラスメイトの女の子。
 その後ろには、十数人ものクラスメイトがいた。みんな目が虚ろになっている。
 “ドールマスター”。その名前が頭をよぎる。
「気づいたようだな…。そう、我が名はドールマスター。《人形使い》だ」
 男は歪んだ笑みを浮かべて言う。
「昨晩は楽しませてもらったよ。T市支部職員の何人かを操って、支部を襲わせてみたのだが…」
 だから現場に侵入した痕跡が無かったのか。
「仲間同士で争う姿は、実に愉快だった」
 なんて奴だ。悪趣味な奴には嫌というほど会ってきたが、こいつは今までで最悪だ。
「…どうやらまだ疑っているようだな、“水晶の瞳”」
 あたしの隣では、“瞳”ちゃんが仮面の男の隣にいるあの子を睨んでいた。

228望&瞳アナザー:2005/11/08(火) 04:47:36 ID:HNkE7ZpR
 今から一年以上前。私が支部長としてこの街に来た時。
 転校してきた私の、新しい学校での初めての友達。それが彼女だった。名前はハルカ。
 裏表の無い性格で、学校の人気者。彼女のまぶしい笑顔に、内心で少し嫉妬したことさえある。
 けれど、私が学校に馴染めるようになったのは、彼女のおかげだった。
 彼女には他にも多くの友達がいた。でも、困った時はいつも私を頼ってきた。唯一無二の親友として。
 彼女がいなかったら、今の学校生活は無かっただろう。
 いつまでもこんな日常が続けばいい。そう思い、私は支部長として頑張ってきた。
 今日、ノゾミへの手紙を預けたのも、この「親友」を頼りにしていたからだ。
 それが、こんな事件に巻き込んでしまうなんて…
 そんな後悔を余所に、私の頭脳は考えていた。
 確かに《人形使い》なら一般人を完全に操れる。
 《ポイズンフォッグ》や《声無き声》で散布すれば、複数人を同時に操ることも十分可能だ。
 だが、どうしても納得がいかない。わざわざここまでする必要がない。
 と言う事は、彼女もクラスメイトたちも先ほどと同じく幻影なのではないか。
 そこまで考え、その推測の裏づけとなる証拠を探す。
 かかっているのは私の命だけではない。場合によっては、十数人のクラスメイトの命。
 だから、ここで選択を誤るわけには行かない。
「…どうやらまだ疑っているようだな、“水晶の瞳”」
 “ドールマスター”がそう言って、私を見る。
「ならば証拠を見せてやろう」
 男はそう言い、懐から何かを取り出し、隣に立っていたハルカの右手に握らせた。
 虚ろな表情のままハルカが歩いてくる。私はその意図に気づき、慌てて止めさせようとする。
「待ってくださ…」
 爆発音。
 血煙が上がる。
「ふむ、“水晶の瞳”。貴様が疑ったせいで、その子の右手が無くなってしまったぞ」
 飛び散った赤。その匂いは、降りかかった血の生暖かさは、決して幻影などではなかった。
 思わず叫びたい衝動に駆られる。理性がそれを押しとどめた。
「言うまでも無いが、後ろの全員にも同じものを持たせてある」
 仮面の奥の目が私を睨む。
「少しでも妙な真似をしたら、すぐに一人残らずあの世行きだ」
 私の冷静な部分は逃走することを勧める。けれど、感情がそれを否定する。
「それとも…優秀なUGNの狗は一般人の被害など気にせず我を討つのか?」
 そんなことできるはずが無い。それを分かって、この男は言っている。
「何もできぬのならそのままじっとしていろ。殺しはしない」
 そう言うと同時、クラスメイトたちが虚ろな目のまま立ち上がり、私たちの方ににじり寄ってくる。
 その手が乱暴に私たちを掴む。
「せいぜい泣き叫べ。理性を失うまでいたぶってやろう」
 クラスメイトたちの手で、私たち二人の制服が乱暴に引き千切られる。
 両手両足を押さえつけられ、身動き一つ取れない。
229望&瞳アナザー:2005/11/08(火) 04:48:13 ID:HNkE7ZpR
「さて…まずは“水晶の瞳”、貴様からだ」
 無数の手が私に触れ、全身を蹂躙する。
「嫌っ!止め…」
 私にはもはやどうする事もできない。ただ、届きもしない言葉を発するだけ。
 与えられる苦痛が、徐々に違うモノへと変わってゆく。
 私は必死にその感覚を否定する。そんなはずは無い。こんなことで感じるなんて。
 けれど、体の奥から何かが湧き上がってくるような感覚。
 それは確かに私の中で増大していく。
 混濁してゆく意識の隅で、薄れゆく理性が、現実にしがみつくように状況を分析する。
 敵のシンドロームはソラリス。何か、媚薬のようなものを私に投与したのかもしれない。
 敵は私にはまだ触れていない。となると、何かを媒体にして
「っああ!」
 私の思考はそこで中断した。何かが私自身に触れた。
 恐る恐る足元の方を見ると、半身を血で染めたハルカが、いつの間にか残された左手で何かを握っていた。
「…返して…右手、返してよ…」
 抑揚の無い声でそう言うと、左手に持つ何かを私に捻じ込む。その苦痛に私は叫ぶ。
「無理っ!こんなに、太いの…っ!?」
 ひやりとした感触。何らかの薬物が塗られているらしい。
「冷た・・・ああっ!中で、震え、てぇ…!」
 私の奥まで貫いたソレは、今度は私の中で振動を始めた。
 全身を陵辱する無数の手と、振動しながら中から私をかき回すソレと。
 二つの刺激によって、私の限界はすぐに訪れた。
「駄目っ!もうっ…ああああああああああ!!」
 闇へと沈んでゆく私の意識は、強引に引き戻された。
「くくく…まだ宴は始まったばかりだぞ?少々早すぎはしないか?」
 どこか遠くから聞こえる耳障りな声と共に、私の体内のウィルスが爆発的に活性化する。
 これは…《ヨモツヘグリ》。レネゲイドを活性化させて強引に意識を取り戻させるエフェクト。
 レネゲイドの侵食を早める危険なエフェクトだが、それを承知でこの男は……?
 その時、私の頭の隅で何かが引っかかった。再び、私の頭脳が働きだす。
 諦めはしない。誰一人として死なせはしない。
 それがあの日誓ったこと。私のせいで死んでしまったあの人たちへのせめてもの償い。
 彼に言われて気づいたこと。たとえそれがただの自己満足であったとしても、この思いに偽りは無い。
230望&瞳アナザー:2005/11/08(火) 04:54:11 ID:HNkE7ZpR
 あたしの隣で、みんなに押さえつけられた“瞳”ちゃんが悲鳴を上げた。
 聞きたくなかった。耳を塞ぎたかった。でもそれはできなかった。
 あたしの手も押さえつけられていたから。
 痛みは無かった。ただ、恐怖だけが膨れ上がっていく。
 隣で一際大きな悲鳴が上がる。もうこれ以上聞きたくなかった。
 あの仮面の男が何か言った後、あたしの頭の方に歩み寄ってくる。
「次は貴様の番だ、“人形”」
「あたしを人形と呼ぶな……うあっ!?」
 いきなり無数の手に遠慮なく触られて、思わず悲鳴を上げる。
「口の利き方には気を付けろ。このままバラバラに破壊してやろうか?」
 無理やり腕を引っ張られる。ぷすり、と何かが刺さる感触。
 男は懐から取り出した注射器をあたしの腕に刺すと、怪しげな色の液体をあたしの体内に流し込む。
 体がじわじわと熱くなってくる。全身が疼いてくる。世界がぐるぐる回っているような感覚。
「では、“人形”。一つ聞こう。随分と“不確定な切り札”と仲が良かったようだが・・・?」
 あたしはそこで男の言いたいことを理解した。
 要するに、あたしと“瞳”ちゃんのどちらが“切り札”をおびき寄せるために使えるのか知りたいらしい。
 そんなこと教えてやるもんか。こんな奴に。
 でも、あたしのその思いとは裏腹にあたしの口が勝手にしゃべり出す。
 止めようと思っても止まってくれない。言わなくてもいいような事まで言っている気がする。
 頭が痛い。さっき打たれた注射のせいか、自分がどこを見ているのかも分からなくなってきた。
 男はあたしの話を聞き終わると、言った。
「ふむ…つまりは餌としてはどちらでも良い、と言う事か」
 そして笑い出した。何度聞いても嫌な笑いだ。
「くくく…だが、餌は一人で十分だ。どちらがより相応しいか、試してやろう」
 そう言うと同時、みんなの手が動き出す。隣からも悲鳴が聞こえた。
「どちらが先に理性を失うか。最後まで理性が残っていた方を生かしておくとしよう」
 無数の手が全身を覆いつくす。既に体の疼きは耐えられないほどになっている。
 もうあたしには何も見えていなかった。手に触れられるたびに、目の前が白くなる。
 その真っ白な視界に、一羽の蝶が舞った。見たことも無い蝶だった。
 朦朧とする意識の中で、あたしは現実から逃避するようにその蝶を見ていた。
 けれど、現実は強引にあたしを引き戻そうとする。
 一瞬、全身を襲う手の動きが止まったかと思うと、いきなりあそこを舐め上げられた。
 そのまま執拗にそこを舐められ続け、すぐにあたしは追い詰められた。
 白く染まる視界で、再び現れた蝶がどこかへ飛び立った。無意識にその行き先を目で追っていた。
「ふぁ…あぁ…あああああああああああああっ!」
 体中を貫く電流と共に、意識が薄れていく…
 どこか遠くで、誰かの悲鳴が聞こえた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やばい。書きたいことがやたらと増えてきた。
次は春日恭二の恐ろしさが明らかに…ならないかも知れない。春日恭二だし。
231名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 07:05:31 ID:9WLgWH+C
乙。
ただただ楽しみだ。
232名無しさん@ピンキー:2005/11/10(木) 13:08:52 ID:dHDj5WUa
陵辱キターww
このまま気を失えないままで快感をアップさせられて責められ続けるのでつね

GJ
続きを楽しみにしてる
233名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 09:52:53 ID:j4r45wsd
柊レン…そうか遂に子供が出来ちゃったかぁ…
234名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 11:24:00 ID:7y3zUZvv
さぁ、ママはだれだ?
235名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 22:21:44 ID:8uXWc6Oa
アンゼロット!


…そう信じた時期が俺にもありました。orz
つか、娘でなくて、パラレルワールドの柊(少女バージョン)なのでわ?
236名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 22:34:32 ID:XoQOdrW8
未来から柊の娘が!!
237名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 22:47:05 ID:cVGFkBK9
更に過去から柊の母が!
238名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 23:18:12 ID:8uXWc6Oa
うお、sageてなかった。すんません。orz
しかし、マジに娘なのだろうか?それだと、某サプリとネタが被らないかな?
大穴で晶の子とかアリですか?
239名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 23:30:58 ID:yggBO8wP
晶を絡めるとヴィオ出さなきゃいかんのだが・・・。
あのエセ外人を誰がやるんだ?
240名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 01:12:57 ID:XkTHZtwR
>>235
パラレルワールドの柊(少女バージョン)って事はつまり。
幼なじみの神職君やレベル∞の世界の守護者、果ては異世界の美少年魔王たちや同性愛嗜好の変態シスターにまで
日々貞操を狙われ続けている不幸少女なわけですね?
241名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 01:30:33 ID:qz75iKcV
くれは・アンゼ・ベルは違和感ないなぁ
なにせ、元がひんn…あqzswぇにゃふぅっっっ!?

【馬鹿は星になった】
242名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 18:39:28 ID:XZNf3NsT
>>239
小暮さん…アンゼロットやってるよなぁ。無念!

>>240
いや、それだと既に何人か産まされているのでは?(汗)
男の柊以上に不幸すぎる…。
243名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 20:52:02 ID:G/v1EZL/
そこはギリギリで処女「だけ」は守りきるのがお約束だろう(下卑た笑いを浮かべながら)
244名無しさん@ピンキー:2005/11/12(土) 20:58:01 ID:tLXRBUqg
そうか。つまりこういうことか。

PC:柊蓮子

特殊能力
・柔らかなバックホール(汎用)
・神の舌業(汎用)
・悪魔の指先(汎用)
・鋼鉄のガールフレンド(汎用人型決戦性器)
245BBNT本編9話目・前編1/5:2005/11/12(土) 23:20:03 ID:FtEJFgbI
◇ハイブリッド・インセクト

 今年は秋が遅かった。
 鮮やかに色づいた広葉樹の林は、木々の合間に遥か湖面を透かし見ることが
できる。避暑地の片隅、キャンプ場。冬を前にして人気は少なく、まして林の
中は、ハガネとレン、二人の貸し切り状態だった。
 ざぶざぶ、水入れに筆を突っ込んで洗う。ハガネは画板に張った画用紙に、
水彩絵具で林の風景を写生していた。
 一方のレンは、あちこち駆けずり回って木の実、木の枝、落ち葉に木切れ、
蔦やら草やらを掻き集めてきて、何を作ったのか恐らく本人にもわかっていな
いであろう、非常に前衛的なオブジェを組み立てていた。
 やがてその出来栄えに満足したらしい。いい仕事しちゃったー、とでも言い
たげに手の甲で額の汗を拭く真似をして、今度は何を見つけたのやら、飛びつ
くように桜の木の根元に尻を下ろしたかと思うと、
「がおー。がーおー。きゃー、怪獣だー、逃げろー」
 冬ごもりの準備をしている虫の巣穴を枝先でつつき、うぞうぞ蠢く虫の群を
相手に一人怪獣ごっこを始めた。
 たまのまとまった休みに、ロウが山間部に住む友人を訊ねると言い出し、弟
子、養女ともども同行を許された次第。ロウが旧交を温めている間に、ハガネ
は画材を担いでレンを連れ、風光明媚な林の散策に赴いた。
 レンは生まれて3年間大都市で育った都会っ子だ。そもそもが歴史の監視者。
瀬戸内のド田舎で幼少時代を過ごしたハガネと違い、このような大自然の中で
遊んだことなど全くない。退屈するかと思いきや、放っておけば夜になっても
はしゃぎまわっていそうだな、とハガネは小さく笑った。
 やおら立ち上がってレンは、てててとハガネの傍に寄ってきた。
「水を替えてきてあげる」
「あ?」
 ハガネがちゃんと頷かぬ間に、レンはひょいと水入れを持ち上げ、
「洪水攻撃だー」
 ざばー、汚れた水を虫の巣に注いだ。
 虫さんが可哀相だろう、と注意しようかと思ったが、子供の頃の自分の所行
を省みてハガネは口をつぐんだ。火攻め水攻め生き埋め踏みつぶし、羽をもぎ
触覚をもぎ脚をもぎ頭をもぎ、残酷なことは一通りやらかしている。
 レンはキャンプ場の水道までの道をてちてち往復した。
「はい、どうぞ」
「サンキュー」
 新しい水で筆を洗い直し、洗った筆に、パレットに乗せた絵の具を含ませる。
たっぷりの白に、僅かだけ藍色を混ぜた色だ。
 レンはハガネの手元を覗き込んだ。
「みずいろ? そらいろ?」
246BBNT本編9話目・前編2/5:2005/11/12(土) 23:22:59 ID:FtEJFgbI
「水の色」
 水彩画の湖面に、光の反射が加えられた。
「綺麗だね」
「ああ、いい景色だ」
「……ハガネの絵を褒めたのだぞ?」
「ありがとう」
 賛辞を聞き慣れているのか本気にしていないのか、照れもせずに礼を言って、
先程の色に藍色を多く混ぜる。
「今度は空色?」
「今度も水色」
 湖面の光に、筆先で陰影が加えられた。
 レンは暫くハガネとその絵と林の風景とを不思議そうに眺めていたが、やが
てパッと身を翻して、次は木登りに取り掛かった。
 うんせうんせと苦労して、手元足下、見ていて非常に危なっかしい。
「気を付けろよ?」
「うん」
 まあ、落ちても下は落ち葉の降り積もった柔らかい腐葉土だ、滅多な怪我は
しないだろうが……。
 カサリ、林に敷き詰められた落ち葉が鳴った。普通の人なら風かと聞き逃す
気配を敏感に察知して、ハガネとレンは瞬時に同じ方を向いた。
 年の頃ならハガネと同じくらいか。そこには一人の体格のいい青年がいた。
ハガネは彼に見覚えがなかったが、
「あれっ、鋼の戦士だ。おーい」
 レンには憶えがあったらしく、大きく両腕を広げて手を振って、
「……はら?」
「「ば、馬鹿っ!」」
 異口同音の青年二人が駆け寄る暇もあらばこそ。木登りの最中、後先考えず
に両手を離したレンは、バランスを崩して足を滑らせ、
「ふぎゃ!」
 自分の作ったオブジェの上に落ちた。
―〜―〜―
「や、いつも妹がお世話になってます」
 落ちた痛みより壊れたオブジェを悼んで両目を潤ませる、レンの頭を撫でて
やりながら、ハガネは戦士に頭を下げた。
 いつもお世話になっています、と挨拶をされたら、こちらこそ、と返すのが
社交辞令であるが。
 お世話になっているどころか、割と色々迷惑かけられてるよなぁ。監視者と
のことを根掘り葉掘り訊かれたり……、と考えてしまい、戦士は「どうも」の
一言でお茶を濁した。
「噂はかねがねレンから聞いているよ」
247BBNT本編9話目・前編3/5:2005/11/12(土) 23:25:22 ID:FtEJFgbI
 ハガネの台詞に、戦士は苦笑した。一体、何を吹き込んでいるのやら、と。
「話半分に聞いといてくれ」
「じゃあ一粒で二度美味しい二重人格の恋人がいるというのも話半分なのか?」
「……それはまあ、大方真実だ」
「じゃあ恋人がいるにもかかわらず人間姉妹から吸血鬼娘、果ては魔法使いの
老女医に至るまで幅広く手を付けているというのも話半分なのか?」
「それはぜぇんぶデマだーっ!」
 心からの叫び。彼に放射能火炎を吐く能力があったら、今頃ハガネは消炭と
化していたことだろう。
「だ、そうだが、レン?」
「わたしは嘘はついていないぞ?」
 ハガネに水を向けられて、眼鏡の隙間から目元をこすりこすり、レンが請け
負った。
「単に、大いに誤解の余地があるような話し方をしただけで」
 バッ! と戦士が拳を振り上げ、ザッ! とレンが防御の構えを取って、
「ところで、あんたはこんなとこまで何しに来たんだ?」
 空気を読んでいない、しかし非常にマトモなハガネの台詞が、一触即発の事
態に終止符を打った。
「実は、俺に活動資金を提供してくれている不死者が、」
「不死者の娘の関係か。道理で監視者と一緒じゃないわけだ、あんまり妬かせ
るとそのうち捨てられるぞ?」
「頼むからお前ちょっと黙ってろ」
 お疲れ気味の戦士に言われて、レンは大人しく自分の口を両掌で塞いだ。
「不死者が古い壺を売っ払ったんだが、それが実は魔物を封印した壺だったと
わかってな、」
「魔物? どんな?」
「そこまでは俺も知らねぇよ。とまれアンノウンマンの手に渡って厄介なこと
にならないうちに取り戻そうと探してたんだが、壺を買った好事家が言うには、
ハガネ、その壺をお前にやったと」
「ああ、さっき師匠の友達にもらった小さい壺か。座りが安定して大きさも手
頃だったから、貸してくれと言ったら気前よく譲ってくれたんだ」
「そうか、で、それはどこに?」
「ここ」
 勢い込む戦士のために、ハガネが指差した先。
 思わず戦士は怒鳴った。
「魔物を封印した壺を筆洗いに使うなぁぁぁ!」
「いやだってあんた、俺はそのことを知らなかったわけだし」
「一応骨董品だろうが、これ。何でこんなことに使っていやがる」
「道具は使ってこそナンボじゃ、と師匠が言ったから」
 正論なのだが、イマイチ納得し難い気持ちになる戦士であった。
248BBNT本編9話目・前編4/5:2005/11/12(土) 23:27:58 ID:FtEJFgbI
「せっかく譲ってくれた人が悲しむんじゃないのか」
「何に使うのかはその人にも言ったけど、別に止められなかったなぁ?」
 高い金を出して買ったのだろうに、空き缶で済むような用途に骨董の壺をタ
ダで差し出すなんて、好事家ってよくわからない。戦士は頭を抱えたくなった。
 レンは壺から筆を抜き取り、逆さに引っ繰り返して水を捨てた。水滴を払う
ようにきゅっきゅとこすって、暫く何かを待っているようだったが、やがて壺
をハガネに手渡し、自分はポケットティッシュを1枚取り出して、それを細く
よじって紙縒りを作り、戦士の鼻先をこちょこちょこちょ。
「ハクション! って、何をしやがる!?」
 レンはわざとらしく再び掌でお口を塞いでみせる。黙ってろって言ったでは
ないか、だから何も言ってあげない。そういう仕草。
 クソ生意気なガキめ〜っ。ムカつきながら許可を出す。
「わかった、喋っていいから」
 レンはにぱっと笑った。
「こすってダメだったからクシャミで出てくるかと思って」
「ランプの精かどこぞの魔王か!? てか折角封印されてるモノを喚び出そう
とするなっ!」
「ちぇ〜」
「死ぬほど残念そうだなオイ」
 明後日の方向に小石を蹴飛ばすレンを見て、こいつらに持たせておいたら最
悪の事態が起きるかも知れんと戦士は非常な不安に陥った。
「魔女の婆さんに厳重に管理してもらう手筈なんだ。頼むからそれを俺に渡し
てくれ」
「本当に魔物が封印されているというのなら放ってはおけないけれど……」
 手の中の壺を矯めつ眇めつ、信じられないな、という表情でハガネは渋った。
「どう見てもこれは普通の壺じゃないか? そりゃあ年季は入っているけど」
「勿論、婆さんに確認してもらって、安全とわかればちゃんと返すさ」
「それに封印されているからといって、危険な魔物であるとも限らないわけだ
し。もしも勘違いか何かで閉じ込められている気の毒な魔物だとしたら、ここ
から出してやるべきだよ」
「だからそういうことも含めて婆さんに頼むんだ」
「それはあんたやあんたの知り合いの言い分であって、俺にはそれがちゃんと
為されたかどうかわからないだろう?」
 戦士は説得が下手だなぁとレンは思った。気に入って使っている物を、交換
条件の提示もなくいきなり「寄越せ」と言われたからとホイホイ渡す奴は少な
いだろうに。まして魔物が封印されていると聞けば、ハガネの性格ならむしろ
興味をそそられる。危険であるなら、自分が身を張ろうとするはずだ。よほど
上手く話を持っていかない限り、渡そうなんてしないに違いない。
「どうしても信用してはもらえないのか?」
249BBNT本編9話目・前編5/5:2005/11/12(土) 23:29:32 ID:FtEJFgbI
「レンがあんたを信用している以上、信用したいとは思うよ。なら逆に訊くが、
こちらで魔物が封印されているかどうか確認して適宜処分すると言ったら、あ
んたは信用するかい?」
「こっちの落ち度で流出した代物だ、俺には責任がある」
「今の持ち主は俺だよ、俺にこそ責任がある」
「頑固だなお前、少しは譲歩しようという気はないのか」
「お生憎さま、俺は頭の固さには自信があるんだ。あんたこそ、他人の事情も
無視して自分の考えを押しつけようなんて、単なるエゴイストじゃないか」
「ああ、我の張り合いなら負けたことはねぇ」
 そろそろ子供のケンカじみてきた。止めるのであれば今のうちだろう。
 ――でも監視者を連れてきてくれなかったから戦士には助け舟を出してやら
ない。口論がもう少し白熱してきたら、上手く言いくるめて彼を追い返してや
ろう。交渉役として監視者を連れてきてくれたら、ハガネを説得してあげる。
でもってそのあと監視者と遊ぶのだ。
 そう皮算用してレンは傍観を決め込み、……段々退屈してきた。
 俺がやる、いや俺が、と互いに言い張る戦士とハガネの言い争いが続く間に、
壺の中を覗き込み、片手を口の周りに当ててメガホン代わりにし、
「おーい。誰かいますかー」
「はぁ〜い、おりまぁす」
 返事が、あった。聞き覚えのない、声音で。
 ちょっとふざけただけなのに、偶然地雷を踏んだ。気づいてレンは、咄嗟に
手近のものに掴まった。それはたまたま、戦士の腕だった。
 ひゅう、きゅっぽん。
「へ?」
 目をぱちくりさせるハガネ。彼には、レンと戦士とが壺の中に吸い込まれた
ようにしか見えなかった。
 実際、その場には唯一ハガネのみが佇んでいる状態だ。
「って、おい、二人とも、おーいっ!?」
 大慌てで辺りを見回したが返事はなく、もしやと思って覗き見た壺の中には、
絵の具の色が残っているばかりだった。
―〜―〜―
250BBNT本編9話目・前編:2005/11/12(土) 23:31:30 ID:FtEJFgbI
 残りは後編。早ければ明日にも投下します。
251いつも中の人:感想編1/2:2005/11/12(土) 23:52:59 ID:FtEJFgbI
>167-171
>この間の経験点が残ってたからぁ、今取った
>今取ったじゃねえっ
 唐突なPL発言だったので、びっくりしました。
 あとお二人が仲直りしてよかったよかった。
 挙句、一層仲良くなってよかったよかった。

>帰ったらまたしようねぇ
 これが後編の内容かなぁ。

>174
 出勤前に読んでしまったため、会社で一日、思い出し笑いを我慢するのに必
死でした。

>どうやら決着を付けなければならないようだ。
>夕日の見える川原
 あかん。何回読んでもここで笑う。

>175
>20 最近、毎晩自分を慰めている。『PC1』の名前を呼んでいたようだ。
 わたしはさなえさんを存じませんが、とりあえずここまではいいとして、

>21 今、『PC1』の部屋の前にいる。
 何故ここで唐突にホラーに!?
 んで神業を使うと、「今、『PC1』の後ろにいる」となるわけですな?

>→イベント「はしたない女と思わないで。もう我慢できないの」へ
 詳しく。

>176
 バイオレンスハードエロですね。
 なるほど男女ともにツンデレだとこういうことになるわけですか。

>193-199
 教室全体を恐怖のどん底に叩き落す“瞳”ちゃんの殺気に乾杯。
 “一撃”くんと“閃光”ちゃんすら手向かい不能な“瞳”ちゃんの笑顔に完
敗。

>203
 普通に可愛いお胸の大きな女の子に見えます。
 問題は元ネタを知らないので似ているかどうかわからないという点です。
252いつも中の人:感想編2/2:2005/11/12(土) 23:54:46 ID:FtEJFgbI
>208-210
>「…今日も白か」
 末路はわかっているだろうに、わざわざ自爆する君が大好きだ。

 感想レスの一連の流れで、“一撃”くんの死亡フラグの話から、いつの間に
か春日恭二の不死性の話に発展しているのが愉快だ。みんなそんなにあいつが
好きか。
 要するに、出せばそれだけでウケが取れる公式NPCなのだな。アルシャー
ドのゾンバルト、S=Fの空導王、N◎VAの稲垣執政官、BBNTのメフィ
ストみたいな。

>212
>ケイト×こいのぼり
 こいのぼり中学生ですからー。淫行ですからー。
 って中学生相手のレズ書いた人に言ってもしょうがないかーw

>流行のツンデレってヤツ
 監視者なんてツンデレの典型だろうにと思いました。

>“運命の少年”
 サンプルキャラですよ。勿論イラストは男ですよ。男装少女だったら驚く。

>220
>むしろ嫁さんもらって落ち着く兄。
 毎食毎食、
「はい、あ・な・た。あ〜ん」
「あ〜ん。……うーん、美味しいよ、お・ま・え」
 などといちゃつく兄と兄嫁の横で、死ぬほど居心地悪げに飯を食う司を連想。

 あまつさえ毎晩新婚カップルが愛を営む様を隣の部屋(下手すると隣の布団)
で否応なく聞かされて悶々とする司。無論、別居する金などどこにもなく、ま
して別居を切り出した途端「司くんに嫌われた」と泣く義姉に困惑して家出も
できず。
 なんにせよ、司の苦労は終わらないと思います。むしろ兄嫁の分だけ倍増。
 てか兄嫁も兄に輪を掛けてあーゆー性格だった日には!

 永斗は結構あちこちで女の人にモテている(食堂のバツイチおねーさんとか
エルマとか)ので、案外お嫁さんハーレムを作るかも知れませんね。
 重婚? 大丈夫ですよ、あの永斗が日本の法律など気にするものですか。
【そーゆー問題か?】

>227-230
 り、陵辱物とは気づきませんでした……。
 どうかこれも幻覚か何かでありますように。
253ALS@シェルリィ×エレメン1/3:2005/11/13(日) 02:06:16 ID:G77TgVnk
突然ですが、太古の昔に止まっていたttp://trpg.h.fc2.com/als/1-476.htmlの続きをば


 結い上げられた髪が、私の肢の間で揺れている。
 掬い上げる様な首の動きで、私自身の先端をねぶる、少女の口内の粘膜。
 時折粘液を啜る度に立つ、卑猥な水音。
 小さな舌の無心の蠢き。
 呼吸を抑えて淫らな作業に耽るその姿は、かつての誰かに似ていた。

 * * *

(私に憑いた精霊は、その時の記憶を灼き尽くしたはずだった。
 恐怖も、躊躇いも、あの紅蓮の炎の中で)

 ゲルト=ハウザー大佐率いる『第44戦闘団』。
 後に『“呪われた”第4次調査隊』とも呼ばれた、私がかつて所属していた部隊。
 “奈落”への突入調査を敢行した、この調査部隊の顛末は、帝国軍の公式記録には残っていない。
 兵の大部分は、無尽蔵に沸いて出る“奈落の落とし子”達との交戦で失われた。
 生き残った兵は、ミッドガルドの法則を超越する幾多の怪現象に恐怖し、“歪禍”を迎え、おぞましいクリーチャーへと変じていった。
 唯一、人間として生き残った私は、かつての同朋をリージグメッサーで“処置”しつつ、調査ポイントの外側で待機していた調査隊処理班の追跡を逃れ、軍を脱し、故郷に帰還した。

 そして、故郷で私の帰りを待っていたはずの妹は、
 私が“奈落”の中で恐怖と狂気と生命の危機に脅かされていた時、
 駐屯兵を咥え込む卑しい淫売となっていた。
 私は妹を赦せなかった。

(あの忌まわしい“歪禍”は、既に私の心も蝕んでいたのか。
 あるいは……)
254ALS@シェルリィ×エレメン2/3:2005/11/13(日) 02:06:56 ID:G77TgVnk
「お願い……もうやめて兄様……」
 私の肢の間に跪き、妹は懇願した。
 だが、私は赦さなかった。
 妹は、泣きながら私の牡をその唇に受け入れた。
 そして、幾多の男にそうしたように、幼い身体に刷り込まれた性技を私に示し始めた。
 愛情ではない、激情と劣情による熱さが、逆に私の心をあの忌まわしい奈落禍の悪夢に引き戻す。
 私はそれから逃れるように、妹の口内を陵辱する事に集中した。
 妹は懸命に許しを乞うていたが、私が与えた“罰”に鳴き声を上げ、やがて自ら責めを望むようになった。
 私はその事自体に怒りと忌まわしさを覚え、妹を食卓に縛り付け、幾度も犯した。
 時間の感覚がなくなって来た頃、駐屯兵の通報でやって来た調査隊処理班のMS-04ゲパルト・ギアが家屋を破壊しながら突入し、その腕部に装備されたMS-F02火炎放射器が、背徳の所業に耽る私と妹を焼いた。
 妹の白い躯は瞬時に焼き尽くされた。
 だが、私だけは炎の中で精霊の囁きを聞き、生き残ってしまったのだ。

(……そうだ。そうだったのだ。
 私は、赦されざる“剣”。
 だからこそ、精霊を受け入れ、全てを捨てたはず……)

 * * *

「ンっ……んぅ……」
 師の唇が、強い負圧とともに、きゅう、と締まった。
「う……あぁァ……ッッ!!」
 私は堪らず、下腹で煮えていた熱の塊を放ってしまった。
 精道を走るその勢いに引き摺られる様に、腰が勝手にがくがくと震える。
「けほっ……うぅ……」
 爆ぜた白濁液は師の口内のみならず、小さな鼻を、白い頬を、睫毛に飾られた目蓋を、青いレセプターを、汚す。
「……やっと、思い出したか、“剣”よ」
 師は、汚されてなお神秘的な憂いを湛えた表情で、立ち上がった。
「そう、お前を赦す事が出来るのは……」
 白い導師のローブの前を開き、アルヴン・スーツの襟元のスイッチを操作する。
「この私だけじゃ」
255ALS@シェルリィ×エレメン3/3:2005/11/13(日) 02:07:53 ID:G77TgVnk
 細い躯をタイトに覆っていた極薄のミスリル繊維と、その下の抗魔樹脂のアンダーが帯状に分解し、蕾が花開く様に、皓く眩しい肌が晒される。
 人間族の少女であったならば極一時期のみに許される“未完成の美”の至高の完成を体現した、人ならざる少女の裸身。
 その時私が感じた、崇拝にも似た感情は、昔は何と呼んでいたのか。
「生憎と、この肉体では慣れてはおらぬが……」
 いつもならば冷徹とも言える師が、頬を薄い朱に染めながら、自嘲にも似た微笑を浮かべた。
「……私を、使え。全てを、解き放つのじゃ」
 師は、自らの滑らかな下腹に掌を添えた。
 その指の先には、産毛すらない丸みの中心を走る、閉じられたままの、シンプルな少女自身があった。

「ンん……ぅン……ぅぅっ……」
 少女特有の微妙な肉付きを伴う躯が、私の指の動きに応えて震える。
 皓い下腹はどこまでも柔らかく、潤った幼い中心が私の指に吸い付く。
 師は私の腕の中で目を瞑り、顔を紅潮させて、慣れぬ刺激に耐え続けていた。
「……そ、そんなに、ジロジロと、見るでないっ…ンッ」
 やはり、千年の時を超えて生きる“古の巨人”も恥らう事はあるのだろうか。

「そ、そろそろ……良いぞ」
 師は私の肩に掴まり、中腰の姿勢で私の膝を跨いだ。
「よいか……支えておれよ……」
 私は、やや躊躇いながらも、指示通りに師の腋の下を支えた。
 細過ぎる肩、しっとりとした肌の感触の下の薄い肩甲骨と、華奢な肋骨の感触は、人族の少女と何ら変わりはない。
「んっ……」
 師は二本の指で自身の秘裂を割り開き、おずおずと腰を落として、私の屹立を求めた。
 私は支えの手を腰に置き換えて、師を導いた。
「あ……」
 皓く柔らかな切れ目の奥に、私の先端が喰い込む。
 私は師の細すぎる腰を掴んだ手に、力を込めて己の腰にじりじりと引き寄せた。
 熱と潤みを帯びた幼い孔が軋みながら丸く広がり、私を飲み込んでいく。
「んッ、くうぅぅぅッ……」
 師は目を瞑り、小さな唇をきゅうと噤ませて、熱い肉を押し込まれる苦痛に喘いだ。
 童女のように頭を振るのに合わせ、結い上げられた髪がさらさらと踊った。


以上、また気が向いた数年後に続く。(ふざけんな
256名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 05:56:13 ID:OCAWCbra
この調子でゆくとこれが君のライフワークになるわけだ! 感動したッ!
257名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 10:24:48 ID:8DaPJHPC
 量より質というわけですね。素晴らしい。
 てか2年と半年以上前……地下スレ1本目ですか。次はいつになるのかなぁ、
ドキドキ。
 淡々としているのに単調ではない文章がとても美しいと思いました。比喩表
現が特に。GJ!
258BBNT本編9話目・後編1/9:2005/11/13(日) 10:26:44 ID:8DaPJHPC
「よーこそいらっしゃいましたぁ〜」
 やたらと陰気な女声は、先ほどレンの呼びかけに応じた声と全く同質のもの
だった。
 白い、半透明なほど白い、彼女は若い女の姿をしていた。身体がぼんやりと
光っていて、その光が緩やかな衣となって彼女を包んでいる感じだった。
 彼女の輝き以外、そこに光源はなかった。彼女の周囲が丸い空間として切り
取られて、あとは茫漠たる闇が広がっている。レンは試しに、彼女の放つ光の
範囲外に腕を突っ込んでみた。何の手ごたえもなかった。ただ、そこから先、
自分の腕が全く見えなかった。
 静かだ。何の音もしない。自分の心音が、ことこと聞こえてくるほどに。
 レンが彼女に向き直って、問い掛けた。
「君は誰だい?」
「この壺に封印されている魔物ですぅ〜」
 しくしくしくしく泣きながら、けれどしっかりした口調で話す。
 泣いている女は苦手だ、と戦士は思った。だから彼女との会話は、全面的に
レンに任せることにした。てゆーか泣いている女が得意な奴がいたら会わせて
欲しいものだ。
 ……案外、ハガネは平気かも知れない。泣いている女が得意、というよりは、
泣いていても気にせずマイペースで話し掛けそうな。偏見だとわかってはいた
が、戦士はそんな気がしてならなかった。
「魔物なのに、こんな何の変哲もない壺に封印されたのかい?」
「魔物になりたてだったんですぅ〜」
「どうして封印されたのだ? 何か悪いことでもしたのか?」
 とても、そうは見えないけれど。と、心の中で付け足して。
「私、死にそうだったんですぅ。でもどうしても死にたくなくて、生きていた
くて、その一念が天に通じたか、生きながら魔性の身に転じることができたの
ですがぁ、それでもやっぱり死に掛けでぇ」
 やたらと弱っちい魔物であった。
「死にたくない、生きていたい、生きて叶えたい願いがあると嘆いておりまし
たところぉ、たまたま徳の高い尼御前が通りかかりぃ、輪廻の輪から切り離す
ことにはなるが、当面の死は避けることができるからとぉ。いつかの未来で、
その願いを叶えた折に、改めて正常なる命の流れに戻るようにとぉ」
「なるほど、美しいお話だな」
 ど、どこが。戦士、心のツッコミ。
「ところで、その願いとは一体?」
「……恋を」
 聞き間違ったかと思った。
「恋をしたいんですぅ〜。死ぬ前に一度でいいから、誰かのことを好きになっ
てみたいんですぅ〜」
 しくしくしくしくしくしくしくしく。
259BBNT本編9話目・後編2/9:2005/11/13(日) 10:28:25 ID:8DaPJHPC
 ひとしきりすすり泣き、少し落ち着いてから、
「ここから出ると、私は死んでしまいますぅ。だから誰かがここに来てくれる
のをずっと待っていましたぁ」
「今まで誰か来たことは?」
「貴方達が初めてですぅ」
「そりゃあ寂しかったね」
「寂しかったですぅ」
 しくしくしくしくしくしくしくしく。
「壺の中に向けて声を掛けてくださればぁ、その人を中に招き入れることが私
にはできるのですがぁ、そんな酔狂な人は未だかつて〜」
 わたし、酔狂? 自分を指差しレンは無言で戦士に尋ね、てゆーか酔狂では
ないとでも? やはり無言で戦士は答えた。
「ですから私と恋をしてくださいぃ」
 彼女の眼差しは、間違いなく戦士を見詰めていた。
「は? 俺?」
「だって他に男の方はおりません〜」
 確かにそのとおりであった。
「恋をして、私の願いが叶えば、尼御前の封印は解けて、私は普通の命として
死に、貴方達は無事に外へ出られますぅ」
「そ、そんなこと急に言われても」
「ゆっくり考えてくださいぃ」
「そーゆー問題じゃなくてだな」
 焦り、戦士は助けを求めるようにレンを見やったが、
「君に示される選択肢は3つ」
 歌うような声が、この奇妙な空間にこだまする。
「彼女の願いを叶えるか。
 叶えず、彼女と共に暮らすか。
 叶えず、彼女を殺すか。
 彼女の願いをかなえれば、彼女は奈落の束縛から解き放たれ、我らもまた、
この場所から解き放たれる――君は裏切り者となるけれど。
 叶えず、彼女と共に暮らせば、彼女の願いが叶うまで、我らもかりそめの不
死を得るだろう――自ら奈落へ堕ちぬ限りは。
 叶えず、彼女を殺せば、彼女は奈落に還り、その衝撃で我らはこの場所から
解き放たれる――死体と化して」
 歌い終えて、レンは肩をすくめた。
「ま、我々は半魔であるから、【かりそめの死】を恐れる必要はないけどね」
 つまり3つめの選択肢も、決して無茶なものではないということだ。少なく
とも、戦士とレンにとっては。
「付け加えるなら、『君は』彼女に恋する必要はないよ」
「……どういうことだ?」
260BBNT本編9話目・後編3/9:2005/11/13(日) 10:30:00 ID:8DaPJHPC
「恋をしたいのは彼女であって、君ではない。もとより心の動きなぞ、本人に
すらままならないのに、他人が強要できるものではない」
「当然だ」
「だから彼女の願いを叶えたければ、君は彼女を抱けばいい。誰かに抱かれる
ことで、彼女は恋を錯覚する。この壺にはそういうまじないが施されている。
彼女を救うために、彼女の救い手を選り好みするわけにはいかなかったから、
嘘でも幻でも、とにかく彼女を満足させることができるようにと」
「……酷い話だな……」
「そうでもないさ、欲求不満の幽霊を成仏させるのと理屈は一緒だよ」
 レンはあっさり言ってのけた。
「何にせよ、君がこの選択をするとは思えないね」
 戦士は黙って先を促す。
「『君は裏切り者となる』。たとえわたしが黙っていても、積極的ではないに
しろ事実上の浮気をしたあとで、監視者に会って君が良心の呵責に耐えられる
はずがない」
「こ、恋人がいてらっしゃるんですかぁ?」
 じわぁ、と彼女の目に涙が浮かぶ。
「それじゃあ無理ですよねぇ……」
「そしてまた、彼女を殺すという選択肢も、君にはないだろう。正義の味方を
標榜して、よもやそのような真似はすまい?」
 標榜していなくても、そんなことはしない。彼はきっぱり頷いた。
「更に、彼女の願いを叶えず、彼女と共に暮らす場合。我らは永劫、この空間
に閉じ込められることになる」
「それは本当か?」
「わたしの予言だ」
 にこ、と楽しげに笑う。
「どれを選んでも最悪の結末。ちなみにわたしの空間跳躍能力は、この場所で
は全く働かない。君の選択は、わたしも巻き込むということを忘れないでくれ
たまえ」
「そもそも俺をこういう状況に巻き込んだのは誰だ」
「そもそもこういう壺を流出させたのは誰だ」
 戦士は吸血鬼娘の代わりに謝罪した。
「さ、どうする?」
 レンに軽く問われ、魔物の女に縋るような目で見詰められ、がりがりがり、
戦士は頭を掻きむしった。
 一番妥当な解決方法は、少しの間だけ彼が彼女の“恋”に付き合うことだ。
そうすれば全てが丸く収まる。彼女は願いを叶えて死に、レンをさえ口止めし
ておけば監視者がこの場のことを知るすべはない。ならば。
 …………だけど。
261BBNT本編9話目・後編4/9:2005/11/13(日) 10:32:02 ID:8DaPJHPC
 裏切れねぇよなぁ。戦士は溜息をついた。ひねくれて、素直じゃなくて、人
にはあれこれ口を出すくせ、自分は聞く耳を持っていない。禅問答めいた難解
な会話を好み、彼のわかりが悪いとすぐさま機嫌を悪くする。いつもは呼んで
も現れないくせ、思いがけないときにいきなり立ち現れる。自分勝手で、押し
つけがましくて、そんな可愛い女を、愛しい恋人を、どうして裏切れようか?
 かといって彼女を殺すわけにもいかない。彼女は何も悪いことをしておらず、
死を切望しているわけでもない。ただ恋がしたい、その一念に支えられた至極
普通の女だ。奈落から救う手伝いならともかく、奈落へ叩き落すような真似だ
けは絶対にできない。
 残る可能性は一つだけれども、
『我らは永劫、この空間に閉じ込められることになる』
 レンの台詞が脳裏に甦った。
 二度と会えなくなったとて、監視者は多分、わかってくれるのではないかと
思う。彼の選択を、許してくれるのではないかと思う。口では馬鹿だと罵りな
がらも、君らしいよと心の中では笑ってくれるのではないかと思う。
『君の選択は、わたしも巻き込むということを忘れないでくれたまえ』
 けれど、レンはまだ3歳だと聞く。兄がいるし、父親がいるとも言っていた。
家族と別れるなんて、考えるのも嫌だろう。家族も心配するはずだ。大体、監
視者だって数少ない友達をこんなことで失うのは悲しいに違いない。最悪、こ
の子だけでも外へ出してやりたいものだが。
 ……待てよ、レンの言葉は……。
 それに気づいたとき、彼は結論した。
「っし! 決めた!」
 ぱん! 片拳で片掌を打つ。
「ど、どうするんですかぁ?」
 期待と不安に満ちて、魔物の女が寄って来た。
「ここから出られる方法を探す!」
「えええええっ!?」
 彼女は引っくり返ったような声を上げた。
「む、無理ですよぅ、そんなぁ」
「きっと壺の外でも、他の連中が俺達を助け出そうとしてくれている。だった
ら俺達だけ、安穏と助けを待つわけにはいかないだろう?」
 それを聞いて、レンがくすくす笑った。
「彼女の願いを叶えず、彼女を殺しもしない場合、我らはここから出られない。
わたしはそう予言したはずだけど?」
 戦士は取り合わなかった。
「そう、予言だと言った。つまりは確定した事実じゃねぇ」
 力強く、言った。
「俺は予言なんて信じない。これから先のことは、これから決めていくんだ。
努力には努力なりの結果が返ってくる。絶対に」
262BBNT本編9話目・後編5/9:2005/11/13(日) 10:34:24 ID:8DaPJHPC
 呆然と戦士の話を聞いている彼女。その華奢な肩を、ぽんと叩く。彼の掌に
伝わる、人肌の温もり。確かな命が、そこにはあった。
「ここには3人もいるんだ、文殊の知恵も出るに違いない。俺達は勿論、お前
だって死なずにここから出る方法が、考え浮かぶに決まっている」
 大きく破顔して、頷きかける。
「俺達だけで無理なら、外の連中の知恵も借りればいい。大丈夫、知恵袋には
心当たりがあるんだ。そしたらお前も、偽物の恋じゃなくて、心底惚れた男と
本気の恋ができるさ」
 それは君の願望だろう。監視者ならばそう評したに違いないとレンは思った。
楽観的観測に基づく、否、無根拠の、だけどそれは確かに、悲しいことの正反
対であった。鋼の戦士の信ずる、それが『正義』なのだった。
「あ……」
 彼女の瞳から、またも涙が零れ出て来た。ころころと、それは光の粒のよう
に落ちて、彼女の足先ではじけて消えた。
「そんなこと……言われたの、初め……て…………」
 あとは声にならなかった。両手で顔を覆って、だけどそれは嬉し泣きである
と、人の心の機微に疎い戦士にも感じ取れた。
「ありがとう」
 泣きはらした笑顔で、彼女は真っ直ぐに戦士を見詰めた。
「本当に、ありがとう」
「道は閉ざされた」
 どこか遠くを見るような眼で彼女を眺めながら、レンがポツリと呟いた。
「最悪の結末へ至る道は」
 に、と笑みの形に曲げてみせる唇。
「おい、さっきから何をブツブツ言ってやがる?」
 戦士が疑問を寄せると、レンはつかつか彼女に近寄った。
「君の出番はもう終わり。次はわたしの」
 彼女のおとがいに指を添え、
「出番だ」
 彼女の眼が丸くなった。
 戦士の眼も丸くなった。
 口づけ。レンから彼女へ。
「な、何を……?」
 驚く彼女に優しく微笑み、でも有無を言わさず囁きかける。
「ごめんね。どうせなら彼にしてもらいたいよね」
 彼女の頬がカッと赤くなった。
「でも、わかるでしょう?」
 彼女は一瞬逡巡し、応えた。
「はい。私はもう充分。だから……お願いします」
「わかってくれて嬉しいよ。せめて、ちゃんと『感じさせてあげる』ね」
263BBNT本編9話目・後編6/9:2005/11/13(日) 10:39:18 ID:8DaPJHPC
 そして再び口づけを。
 ちょっと待てこの3歳児、何をしやがる言いやがる!? あまりのことに、
身を引く戦士。そりゃあ見た目は二十歳ぐらいだが、女同士で、おい!?
「ん……あっ」
 無音の空間、彼女の喘ぎが聞こえる。情熱的な水音が聞こえる。
 レンは彼女に唇を合わせ、何度も角度を変えて、味わうように彼女にキスを
繰り返す。始めは戸惑っていた彼女が、そのうちうっとりと、自らレンの首に
腕を回して抱きついた。
 み、見ちゃマズいよな、やっぱり。事ここに至って、ようやく戦士は二人に
背を向けた。
 だからといって、声が聞こえなくなるわけではない。
「ここは、どう?」
「あ……そんな、とこ……」
「じゃあ、こういうのは?」
「はうっ……う…………」
「嬉しいな、その幸せそうな声……とっても綺麗で、とっても可愛い」
 はー、はー、荒れた息の音に、
「っく!」
 痛みを訴えるかのような、しかし甘い声が混じる。
「こんなのも、いいでしょう?」
「は……い……」
「じゃあ、最後に……君から、舌を入れてきて?」
 彼女は、その通りにしたのだろうか。
 んっ、んぅっ、喉の奥から立てる声。
 こんな音声を延々聞かされて、興奮しないわけがない。ヤバイ、と戦士は、
屹立するものを自分の股間に押し込んで誤魔化した。
「んんんっ!」
 そして激しい気配。思わず振り向くと、とろけた表情の彼女がふわりとレン
にしなだれかかり、余裕たっぷり、レンが彼女を抱きとめているところだった。
チロリ、何の気なしに自身の唇を舐め取るレンの舌の動きがゾクリとするほど
妖艶で、そういえば、と戦士は思い出す。レンは都市伝説、【伝説の住人】。
その本質は、死という概念を司る神。
『エロスとタナトスは、古くから不可分にして密接なものさ』
「戦士」
 思考に埋没していた戦士は、声を掛けられ慌てて両腕を振り回した。
「お、俺は何も見てねぇっ!」
「そんなことを言っているんじゃないよ。気をつけて、封印が」
 視界が一気に暗くなった。
「解ける」
―〜―〜―
264BBNT本編9話目・後編7/9:2005/11/13(日) 10:41:43 ID:8DaPJHPC
 とにかく、師匠に相談しよう。壺を小脇に抱えて駆け出そうとしたハガネは、
「うわっ!?」
 衝撃で壺から手を離した。
 壺が草地の上に転がり、ぽんっ、コルク栓でも抜いたような音がして、そこ
にレンと戦士が立っていた。
「え……? で、出られた、のか?」
「うん」
 当たり前だろう、と言いたげにレンが頷く。
「恋をしたいという、彼女の願いが叶ったのだから」
「おいおい、一体全体、何があったんだ?」
 ハガネが割り込んできて、二人は暫くの間、事情の説明に時間を取られた。
「要するに、この壺はもう無害な普通の壺なんだな? 今後とも筆洗い用の水
入れとして使えるわけだな?」
「問題はそこかい」
 思わず突っ込む戦士。
「けど、未だによくわからねぇ。彼女の願いを叶えるのに、俺は結局、必要な
かったってことか?」
「んーん、違うよ」
 レンは子供のように頭を横に振った。
「彼女は君に恋をした。それで願いが叶ったのだ」
「へ?」
 ぱちくり。
「ただ、開封のキーに性的な接触が設定されていたから、そこはわたしが補っ
た。だって君には無理だろう?」
「てんでわけがわからん。願いを叶えたら最悪の結末、じゃなかったのか?」
「彼女の願いを叶えることと、彼女が願いを叶えることとは違うよ。そして前
者は最悪の結末。後者は最悪の結末の回避。そういうことさ」
「……ちっともわからん」
「彼女が君との恋を錯覚するためには、君が彼女を抱かなければならなかった。
けれど君に恋をした彼女が更に恋を錯覚する意味はないのだから、君が敢えて
彼女を抱く必要はない。ただし封印の解除に性的な接触を要する設定となって
いたので、わたしが君の代わりをした」
「はあ」
「君が彼女を救おうとすれば、最悪の結末へ至る。それがわたしの予言。それ
に反して、彼女が君によって解き放たれ、わたしが引導を渡すことで、恐らく
考え得る限り最善の結末を得た。……これでわかるかい?」
「いいや。さっぱりだ」
「え〜っ?」
 嫌ほど不満そうに。そして戦士もまた、不満そうだった。
265BBNT本編9話目・後編8/9:2005/11/13(日) 10:44:25 ID:8DaPJHPC
「まず彼女が俺に恋をしたって辺りが、その時点で不可解だ。何でまたそんな
ことになったんだ? てゆーか、いつそんなことがあったんだ」
「なるほど」
 レンは考え深げに頷き、言った。
「流石は世界一の馬鹿と監視者が見込むだけのことはある。その鈍さで、よく
ぞ彼女と両想いになれたものだね?」
「うるせぇ、ほっとけ。関係ねぇだろ、そんなこと」
 戦士は憮然として、それでも引き下がった。これ以上食いついたところで、
どうせわかりそうにないから。
「しかしそういうことなら、最初からその『最善の結末』ってのを言えばいい
じゃねぇか。最悪の結末、だなんて人を脅かしていないで」
「予言は信じないんじゃなかったのかい?」
 くっくと喉で意地の悪い笑い方をする。
「生憎だね。わたしが『知っている』のは最悪の結末への道だけ。それ以外の
道がどこに続くか、結果が出るまでわたしには『わからない』よ」
「どーでもいいが、レン」
 呆れたようにハガネが言う。
「要するにお前は、見ず知らずの魔物とイチャイチャしたってわけだろ?」
「えっへん!」
 なんか威張ってる3歳児。『ちゃんと感じさせてあげたぞ』ということなの
だろうと戦士は思った。
「16歳になる前にそんなことをして、師匠にバレたら大変だぞ?」
「う」
 ハガネに言われてレンは言葉に詰まる。
「え、ええと、それは自衛とか緊急手段とか人助けとかいうことで、きっと情
状酌量で無罪になるのではないかと……」
「試しに話してみようか?」
「お願い、ロウには黙っててぇぇぇ!」
 心底悲鳴を上げた。
 のちに、レンは問わず語りに口を滑らせてしまい、心尽くしのロウの手料理、
嫌いな食べ物一大フルコースを食べさせられるという、偏食大魔王にとっては
極刑に等しい罰を受けることになるのだが……余談である。
 地面に転がったままの壺を拾い上げてハガネは、何の気なしに中を覗き込み、
「ん? 何か入って……」
 掌の上で逆さにすると、ぽとり、白と茶色の小さな塊が出て来た。
「蝉?」
「の、幼虫?」
266BBNT本編9話目・後編9/9:2005/11/13(日) 10:47:51 ID:8DaPJHPC
 ハガネと戦士が言ったように、羽化する途中の、それは蝉の屍骸だった。ま
だ身体の固まっていないうちに何かがぶつかったのか元々の奇形なのか、白い
成虫の部分は醜く歪んでいて、茶色い抜け殻の部分から上手く出られない状態
だった。
 ハガネの手からそれを受け取り、慈しみを込めて、レンは告げた。
「彼女だよ」
「「これが!?」」
 二人の青年の声が重なった。
「彼女は死に瀕して奈落の力に取り込まれた、蝉の“イレギュラー”さ」
「【イレギュラー】って、超人のことだろう?」
「イレギュラーとは、本来あるべき枠の内からはみ出したものという意味だよ」
 指先で、戦士は『彼女』にそっと触れた。
 そして錯覚した。冷たいはずの屍骸に、人肌ほどの温もりを。
「健気だよね。君を外に出してあげるために、君のことを好きになってすぐ、
自分の意志で死を受け容れたのだから。壺の中で、望めば永遠に君の傍にいら
れたものを」
 7年も土の中にいて、7日の間に恋をして、その生涯を終える。儚い蝉の一
生に比してもなお儚い、彼女の恋。
「悲しい恋だね」
「それは違うよ、レン」
 ハガネは、俯くレンの肩をそっと抱き寄せた。
「相手のことをそんなにも思いやれるなら、それは悲しい恋じゃない。きっと、
とても幸せな恋だ」
 その言葉を吟味するようにしてレンはハガネの顔を暫く見上げ、やがて小さ
く微笑んで、うん、と頷いた。
「……墓を。作ってやろう」
 戦士の発案で、鮮やかな落ち葉に飾られた小さな墓標が桜の木の根元に立て
られた。林の中から3つの足音が立ち去り、それを見送るように、落ち葉が風
に揺れていた。
 冬は、もうすぐそこまで来ている。
267BBNT本編9話目:2005/11/13(日) 10:49:27 ID:8DaPJHPC
 ・・・・・おしまい。

 以上、蝉のイレギュラーというオチありきのお話でした。

以下チラシ裏。
 必要に迫られて他の女を抱かなければならない場合、戦士ならどう対応する
かなと思った。多分監視者に操を立てるだろうなと予想して、それは予想通り
だったけれど、3人ともこの壺から抜け出す方法を探すと言い出したのは予想
外だった。というのも、彼女を抱くことを戦士が拒否した場合、レンが彼女を
どうにかするという展開を予定していたから。結果、彼女はちゃんと恋を経験
して、幸せに死ぬことになった。
 流石は札×瞳の中の人。いいキャラクターをありがとう。

 戦士は“ボク”に惚れていると思っていて、そのくせ“私”とイチャイチャ
しても浮気だとは思わないのだから、やっぱり心底ではわかっているのではな
いかな。彼が『正義の味方も、誰かに恋する自分も。等しく一人の己』である
のと同様に、“ボク”と“私”は二人のようで、一人の女の両側面。片方だけ
を愛することに意味はなく、仮に二人に分離したら、それはどちらも彼の好い
た監視者ではないのだと。

 そしてわたしはレンの一人怪獣ごっこが書けて幸せ〜。
268名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 11:08:23 ID:KxmJ+VmN
>>267

グッジョブです。
すごくいいお話でした。
269ゆにばーさる夜話〜次回予告:2005/11/13(日) 17:35:41 ID:veJpCpz9
ゆにばーさる夜話

東京秋葉原に存在するUGN支部、メイド喫茶「ゆにばーさる」。
表に出てきたFHに対する抑止力として、この秋葉原を守るために設立された。
支部長は”運命の導き手””天然系メイド”薬王寺結希をはじめ、
”断罪の女神””無口系メイド”久遠寺綾、
”タクティカル・ヴォイス””ツンデレ系メイド”富士見桜、
”謎の女”鈴木和美、
他”伝説の暗殺者にして伝説のコック”だの”やんちゃ系貧乏執事な紺碧の刻印””クール系執事なオーディンの槍”など、
それはもう全国からのUGN選りすぐりな陣容で設立された支部である。
もちろん、どういう経緯で選ばれたかは”営業担当ことリヴァイアサン”霧谷雄吾しか知らないわけだが……
もちろん、霧谷雄吾もただ趣味で秋葉原支部を設立したわけではないし、間違いなくトップレベルのエージェント&イリーガルの集まりではある。

それだけUGN日本支部は秋葉原を”危険な地区”として認識している………はずである。
UGN幹部が「霧谷と連絡を取る」などの言い訳、もとい理由をつけての目の保養…ではないと本人たちは信じている。
とにかく頻繁に出没するのは……、たぶん言い訳できない事実だ。

そんな『喫茶ゆにばーさる』を舞台とした、ちょっとした話。それがこの「ゆにばーさる夜話」である。

ちなみに、ヒロインは3名のメイドたちで、それぞれにスポットを当てた話になる予定である

近日公開予定!!

のはずだ!!続報を待て!!
270梓×和樹の中の人:2005/11/13(日) 17:46:23 ID:veJpCpz9
ごめん、ライブボックス読んでいたら思いついただけです。
ほんの出来心だったんです

今は反省してませんが、そのうち反省する気は満々です(まて

ちょっと「梓×和樹」はお休みしてこっちを書きたい欲求に正直になっただけです(さらにまて

近日中に公開予定です。予定です、プロットはできているだけですが!!

ごめんなざい石は投げないでんkでお@にゃふぅ・・・
271名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 18:52:59 ID:RD3rpQtN
秋葉原ステージか…なんか因果律とか歪んでHだのAだのBだのが現れそうなステージだよな。
272望&瞳アナザー 外伝 1/3:2005/11/13(日) 19:15:03 ID:WZtIiGFL
>210からの続き。本編はまた今度。例によりエロは無い。済まぬ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《スターダストレイン》。電撃が全てを薙ぎ払う。
 3度目の雷が鳴り響き、ついに春日恭二の部下たちは沈黙した。
 とは言っても既に私も限界を超えている。そして春日恭二と対峙している彼も。
 けれど、残るは春日恭二ひとり。そう思って、気を引き締めなおす。
 さっきまでは怯えていた私の心は、彼のおかげで平常心を取り戻している。
 彼と春日恭二は距離を置いて睨み合っている。緊張が高まり、そして弾けた。
 先に動いたのは春日恭二。《伸縮腕》が彼を襲う。
 彼が、その中を潜り抜けるようにして《一閃》する。
 《ライトスピード》から放たれた彼の連撃が春日恭二を切り裂いた。
 春日恭二は、ほとんど体を両断されながらも、倒れない。
 背中から“ディアボロス”の名に相応しい異形の翼を生やし、飛び上がった。
 逃げるつもりか。そうはさせない。空中の春日恭二に狙いをつける。
 苦し紛れに攻撃しようとしたのか、春日恭二の腕が空を切った。
 その隙を見逃さずに狙いを澄まし、
 突如浮遊感に襲われた。
 足首を掴まれ、屋上から引きずり落とされた。そう理解した時には、地面に叩きつけられていた。
 上空から声が聞こえてくる。
「ついに来たぞ…私の任務初達成の時が。食らえ!!必殺の!《ウルトラ・ボンバー》!!!」
 急降下。春日恭二が地面に触れると同時、大爆発が巻き起こる。圧倒的な破壊力。
 私は覚悟を決め、目を閉じ、衝撃に備えた。
 いつまでたっても衝撃は来なかった。
 目を開けると、すぐ前に彼の背中が見えた。
 そして、彼はそのまま倒れた。

273望&瞳アナザー外伝 2/3:2005/11/13(日) 19:15:50 ID:WZtIiGFL
 ぼんやりとした霞の中。オレは、数年ぶりに見た背中に声をかけた。
「よお、元気か、クソオヤジ?」
「死んでんだから元気も糞もねえよ」
 違えねェ。そう思いながら、振り返るオヤジの隣に座る。
「つうかお前、来んのが早すぎんじゃねえか?惚れた女を泣かすんじゃねえよ」
「うるせえよ、クソオヤジ。手前にだけは言われたくねえ。オフクロはいつも泣いてたじゃねえか」
 オヤジはバツが悪そうに視線を逸らす。
「まあ…俺は良いんだよ。駄目親父だしな」
 開き直りやがった。オヤジは続ける。
「とにかく、お前にはまだやんなきゃならねえ事があるんだろ?」
 思い浮かぶのはアイツの顔。いつも無表情で、そのくせいつも微妙に違っている顔。
「そいつに言わなきゃならねえ事が、見せたいモンがあるんだろ?」
「…聞いてたのかよ、オヤジ」
 先日の病院での“切り札”の気持ちが、少し分かった気がする。
「だったらこんな所でうろちょろしてんじゃねえよ」
「…そうだな」
 立ち上がり、歩き出す。その場を立ち去りながら、オヤジに尋ねた。
「オヤジ、一つ良いか?…なんで最期にオレを庇ったんだ?あんなにオレのこと嫌ってたのに」
「けっ……大事な息子を助けるのに、理由が要るのかよ」
 思わず足が止まる。オヤジがそれを非難する。
「おい、止まってるんじゃねえよ。そいつが待ってんだろ?」
 オレはまた歩き出した。これが別れだとなぜか知っていた。
「じゃあな…ありがとよ、クソオヤジ」
「ああ、頑張れよ。俺は嫌いじゃねぇぜ、お前のそういう生き様は」
 オレは振り返らなかった。アイツを待たせるわけにはいかなかった。

 慌てて私は彼に駆け寄った。
 呼び掛ける。返事が無い。いくら揺すっても反応は無い。
 信じたくなかった。嘘だと思いたかった。でもそれは、どうしようもないくらい現実で。
 私の心に、ぽっかりと穴が開いたようだった。私は空っぽだった。
「私に言いたいことがあるんでしょ…?それなのに、なんで!どうして!何も言ってくれないの!?」
 頬を何か熱いものが伝う。大地に水玉模様が描かれる。視界がにじむ。
 それが涙なのだと、この時知った。
 全てがにじんで薄れてゆく。世界にたった一人、私だけがとり残されたような孤独感。
 底なし沼に落ちたようだった。際限なく深みへと沈んでゆく。
 …救いの手は、すぐ近くから差し伸べられた。
「泣くんじゃねえよ。そんな顔、お前には似合わねえよ」
274望&瞳アナザー外伝 3/3:2005/11/13(日) 19:16:42 ID:WZtIiGFL
 コイツが泣くのを初めて見た。オレのせいだった。
 それでも、オレはコイツを泣き止ませなきゃならなかった。コイツを泣かせないと決めたから。
「お前はただ、ずっと笑ったり怒ったりしてれば良いんだよ。オレの隣でな」
 そう言って立ち上がる。体中が悲鳴を上げる。激痛を訴える。
 うるせえ黙れ。今オレは大事な話をしてんだよ!
「もう泣くな。お前を泣かせる奴は、みんなオレがぶっ飛ばしてやるから」
 一番許せないのはオレ自身。それでもそう言わずにはいられなかった。
 “閃光”が立ち上がり、
 どこからともなく取り出されたハリセンがオレの頬を打ち、力無く音を立てた。
「……………………馬鹿っ………!」
 何とか聞き取れるくらいの小声でそう言われた。まだ泣いているのか、下を向いている。
「ああ、オレは馬鹿だ。お前がいねえと駄目みてぇだしな」
 “閃光”が顔を上げる。
「だから…ずっとオレの側にいてくれ。もう二度と、泣かせたりなんかしねえから」
 数瞬の沈黙の後、“閃光”が真っ赤に染まり、笑った。
 オレは世界一の幸せ者だ。世界でたった一人、コイツのこんな顔を見られたんだから。
「……いいの?私なんかで」
「オレはお前がいいんだ。つーか、もしお前が嫌だっつっても放してやらねえ」
 そう宣言し、“閃光”の両肩に手を置き、
 激痛で全身の力が抜けた。…やべえ、ちょっと無茶しすぎたか?今にも意識が飛びそうだ。
 倒れこむように“閃光”にもたれかかる。柔らけえ。
「ちょっ…!」
「悪い…今だけ、このままで居させてくれ…」
 返答を待つ間もなく、オレの意識は奪われた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 結論。やっぱりエロ無いほうが書きやす…
 今、このスレの存在意義を否定しかけなかったか、自分?
 まあ…エロはテンションが大分アレな時(真夜中とか)しかまともに書けないからな、自分の場合。
 そう言うわけで本編の続きはまた今度。後二回で終わる予定。首を長くしてお待ちください。

 へ?春日恭二がどうなったかって?
 そんなの《ウルトラ・ボンバー》で塵一つ残ってませんが何か?
275名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 19:38:58 ID:ABK3/vg2
空を見上げててふと思ったんだが、シャドウ☆セクロスって書くと闇姫みたいだよな
276いつも中の人:2005/11/13(日) 21:30:20 ID:Hj7WkHzW
>272-274
 ……いや、さ。
 あの、さ。
 一撃くんと閃光ちゃんの心温まる交流シーンに感動すべきなんだろうけどさ。
 いや実際感動したんだけどさ。

>ついに来たぞ…私の任務初達成の時が。
 なんか……なんかホロリときちゃって、

>《ウルトラ・ボンバー》で塵一つ残ってませんが何か?
 ゴメン、涙で画面が読めない…………w

 DX2環境の《ウルトラ・ボンバー》って、自分を必ず殺すエフェクトなん
ですね。無印環境なら昏倒だけで済むのに……。

>やっぱりエロ無いほうが書きやす…
 悩みはみんな同じなのですかねぇ。でもこのスレの居心地よさを先に知って
しまった今、地上には行きたくないなぁと悩むことしきり。
277WQ 1/7:2005/11/13(日) 21:32:24 ID:Hj7WkHzW
◇恋に染まる蜂蜜

 月影清か。満天の星。雲一つ無く。秋の涼風が薫る。
 緑の森の上。ほうきを止めて、夜色の魔女は呪文を唱える。
「《わたしの耳は兎の耳》」
 魔法による聴覚の拡大。軽く眼を閉じ、魔女――クラフトは何かを聞いてい
る。
 軽く眼を閉じ、ったって、クラフトはいわゆる『糸目』だから、パッと見、
常に眼を閉じているような印象だ。切れ長の瞳、と言えば聞こえはいいけれど、
眠たげな一重まぶたの細長い目、その上、微笑みにも似た柔和な表情をいつも
浮かべているとなれば、細い目がますます細くなる。
「《わたしの耳はあなたの耳》」
 聴覚のリンク。アタシの耳がクラフトの耳とつながって、この子の聞いてい
る音が、この子の聞いている通りに聞こえてくる。
「はぁぁ……は、はっ……は……」
 それは、乱れた吐息。一人分。女の子? あの大きな木の陰から。
「何これ?」
「さて何でしょうね?」
 答えをはぐらかして、唇の端がきゅっと深くなる。マントの隠しから手鏡を
取り出して、覗き込む。
「《鏡よ、鏡》」
 アタシの毛色は夜色。黒とも紺とも藍色とも違う、星の無い夜空の色。魔女
であるクラフトの服やマントは、パートナーであるアタシの毛色と同じでなけ
ればならない。だから鏡には、クラフトの顔と、夜色の衣服とが映るはず。
 なのに、そこには十代半ばぐらいの、深緑色の服を着た女の子が、太い枝の
上に座って幹にもたれている様子が映っていた。
 これも魔法。遠視の魔法。本当なら枝葉の影になっていて、暗くて見えない
はずなのに、無光源で色までもわかるあたりが魔法だ。
 女の子は、緑の上着の裾から手を突っ込んで、自分の胸を撫で回しているよ
うに見えた。それから、緑のスカートの下に手を突っ込んで、自分の狭間をい
じっているように見えた。
「これって一人えっち?」
「そのようですね」
 魔法で覗かれていることなんか、当然知る由もなく、女の子は自慰に耽って
いる。気持ちいいのに、気持ち良くない。苦しくて、でもやめられない。そん
な感じ。
 映像を消して、クラフトは鏡を仕舞う。
「いい商売に、なりそうですよ」
「そうなることを祈るわ」
 クラフトは大きく息をする。胸一杯に、夜を吸い込むように。
278WQ 2/7:2005/11/13(日) 21:33:10 ID:Hj7WkHzW
「とりあえず、終わるまで待つといたしましょうか」
 アタシは大きく伸びをする。ぶるっと身体を振って、今夜儲かったら、明日
ツナ缶を買ってもらおうと思った。
―〜―〜―
 アタシの名前はチャーム。魔力やおまもり、魔除けを意味する。生後11年
だから、人間で言えば60歳を越えている。ただし、肉体的には生後2年、人
間年齢23歳の猫と何ら変わりはない。魔女のパートナーたる魔女猫にはよく
ある話だ。
 クラフトはウィッチクラフトのクラフト。魔法や妖術を意味する。23歳、
あと3年で26歳。26歳は、魔女の2度目の節目。13歳から魔女としての
活動を始めて、早婚の子達が寿引退し、そうでない子達が、新米魔女から一歩
脱して中堅の仲間入りをする時頃である。
 10年間、そりゃあ色々あったけど、嫌な思い出は忘れるに限る。楽しかっ
たことだけ憶えてりゃいい。どうしてもというのなら《わすれたにゃー》の魔
法だ。そうすれば、過去も未来も、毎日が幸せ。
 クラフトは、だけど多分どれもこれも憶えている。少なくともアタシは《わ
すれたにゃー》の魔法を掛けてくれと頼まれたことはない。
「嫌な思い出も忘れてはいけない。悲しかったことでも憶えておく。きっと、
それも魔法の一部なのでしょう」
 あの日以来、クラフトは泣いたことがない。にっこり笑顔を浮かべはしても、
朗らかに笑い声を上げることはない。アタシがすっかり忘れることにした事件
以来、クラフトは強い感情を心の宝石箱に仕舞い込んで鍵を掛けてしまった。
だからアタシはクラフトを、心の中で『この子』呼ばわりしている。ンっとに、
子供なんだから、と。
 決して愉快なばかりの日々ではないけれど、この子はアタシを必要としてい
て、アタシはこの子の傍にいる。天翔ける鳥の魔女、それがアタシのクラフト。
 クラフトは、柄を先頭に、穂を後尾に向けてほうきに跨る。柄の先にトラン
クを引っかけて、手元にアタシを乗せて。本当は、アタシは穂の上に座りたい
んだけど、やっぱ前の景色がよく見える方がいいから。
 正式には、魔女は穂を先頭に、柄を後尾にしてほうきに乗るものらしい。ど
うしてそうしてくれないのだろう、とアタシは不満に思うけれど、クラフトに
はクラフトの思い入れとかこだわりとかがあるんだろうから文句は言わない。
 ちなみにクラフトのトランクは、軽くて小型、そのくせ自分の荷物も商品も、
全部入っている魔法のトランク。《かいてきだにゃー》の魔法を使うと、この
トランクの中がぴかって光って見えることだってある。
 実際に試してみたところ、真っ暗で何も見えなくて、どっちが上でどっちが
下かもわからない、ってことさえ気にしなければ、夏は涼しく冬は暖かく、ト
ランクの中は実に過ごしやすかった。
279WQ 3/7:2005/11/13(日) 21:33:58 ID:Hj7WkHzW
 星月夜。上には星、前にも星、右にも左にも星、斜め後ろに、真昼の猫の瞳
みたいな三日月。
 眼下には、見渡す限り、秋の森。月光を照り返してわずかにさざ波を立てる
湖を囲み、赤、黄、茶色、色鮮やかな季節の展覧会。その一部分だけ、ぽつん
と取り残されたように真夏めいた深い緑が残っているところも趣がある。
「ふうん?」
 クラフトが鼻を鳴らした。糸目を懲らして、じ〜っと森を観察している。
 ほうきが高度を下げた。
「どうしたの?」
「商売人の勘が働いたのですよ」
 紅葉のカーペットすれすれを飛んで、緑のマットに辿り着く。
「ここ?」
「多分」
 アタシは辺りを見回す。森の上、空を飛んだ状態で、買い物客なんて来そう
にないけれど。でも、クラフトの“商売人の勘”は、滅多に働かないだけに、
働いたときは打率が高い。信じてみる。
 ほうきを止めて、クラフトは呪文を唱える。
「《わたしの耳は兎の耳》」
―〜―〜―
「終わった?」
「終わったようです。正確には、終わりそうにないからもうやめた、といった
ところでしょうか」
「イってないってこと?」
「恐らく」
 更に高度を下げて、地面に降り立つ。湿った土の匂い。緑の香り。
 左手にほうきとトランクをまとめ持ち、右手にアタシを抱いて、クラフトは
例の木の下へ歩いていった。
 見上げると、四方へ雄大に伸びた枝、密集した葉。そして、闇。
「《お星さま、光をわけてください》」
 ふうわりと、辺りが明るくなる。
 枝の上、光に照らされ、ぎょっとして身を縮める、緑の服の女の子。誰、と
いう小さくも鋭い誰何の声に、魔法の光と同じぐらいふうわりと、クラフトは
笑ってみせた。
「通りすがりの訪問販売魔女でございます」
 そちらへ行ってもよろしゅうございますか、と許可を得てから、器用に木を
よじ登って、彼女の隣の枝に座り、そつなく名刺を渡す。
 緑の女の子は、受け取った名刺を訝しげに見やった。
「……アダルト・グッズ各種取扱?」
280WQ 4/7:2005/11/13(日) 21:34:43 ID:Hj7WkHzW
「はい。一人の時間をより楽しく過ごすためのアイテムから、多人数プレイを
更に盛り上げるパーティ・グッズまで、幅広く取り揃えておりますよ」
 女の子はカッと赤くなり、怒鳴るようにキッと睨みつけた。
「そんなの売ってて、恥ずかしくないの?」
「いえ、全く」
 さらりと答える。むしろ誇らしく。
「性に対する欲求は、至極自然なものでございますよ。自分の性に対する好奇
心、相手の性に対する興味、それが即ち自分を大切にすることや、相手を思い
やることにもつながります」
「り、理屈を並べたって、エッチなことには違いないわ。ヘンタイよ」
「勿論、エッチなことでございますよ。嗜好によっては、世間一般では変態と
呼ばれる行為も有り得ますね。しかしながら、それは本能に根ざす、避けては
通れないことなのです。……第一、」
 ぷいと横を向いた彼女の耳に、とっておきの内緒話をするように囁く、
「“秘め事”だから、大人はそれを楽しむのですよ。逆に言えば、より楽しむ
ため、それが悪いことであるかのように大人は子供に教えるのです」
 女の子がこちらを向く。大人か、子供か、揺れ動く年代に、これは殺し文句
だろう。楽しめるものは大人、頑なに拒むものは子供であると、言外に暗示し
ているのだから。
「程度と限度をわきまえない子供には、秘匿しておかなければならないこと。
程度と限度を知る大人ゆえに、それを楽しむ権利がある。……だからこその、
“アダルト”グッズなのでございますよ」
「あ……あたしが使っていいものなの?」
 ほぉら喰いついてきた喰いついてきた。
「お客様の程度と限度に応じて、適宜お見繕いをいたしますよ」
 に〜っこり。満面の営業用スマイル。パートナーであるアタシは、いつもの
アレね、と流すが、他の人には信頼できるすてきな笑顔に見えるらしい。
「こちらなどは如何でしょう?」
 トランクの中から手品みたいに取り出したのは、無色透明のガラス瓶。中に
は綺麗な桃色の液体。
「『恋に染まる蜂蜜』。初心者向けの、全身用マッサージ・ローションです。
百聞は一見に如かない気持ちよさでございますよ」
 女の子に掌を差し出させ、その上で試供用の瓶を傾ける。とろり、シロップ
みたいにローションが流れ出て、南国の果物めいた香りが軽く漂った。
「いい匂い……それに、なんだか温かい?」
「瓶に触れている者の体温に合わせて、中の液体の温度も調節されるのでござ
いますよ。ですから不意に掛けても冷たくはございませんし、予め温められて
いる分、出してすぐ、香りが周囲に広がります」
 えっちな気分を高める香りだ。
281WQ 5/7:2005/11/13(日) 21:35:32 ID:Hj7WkHzW
「この商品の特徴は、身体以外の物に触れると簡単に蒸発してしまうことなの
です」
「って、何?」
「衣服やシーツに付いたりこぼれたりしても、程なく蒸発して、跡も残りませ
ん。面白いことに、このローションに混じっている体液も、一緒に蒸発してし
まいます。汚れたらお洗濯が大変、という心配がないのでございますよ」
 要するに、一人えっちが他人にバレにくいのですよ、と含ませた物言い。
「指先で、ぐるぐる混ぜてみていただけませんか?」
 こうやって、というクラフトの仕草を真似て、女の子は、自分の掌に一本指
を立て、ローションをぐるぐる掻き混ぜた。甘い香りが更にふわっと舞い上が
り、
「……なん……か、あの、掌が……すごくくすぐったいような……」
 女の子の頬が、すこぅし赤くなる。
「掌は、気持ちのいい部分の一つなのでございますよ。では、その指に付いた
物を舐めていただけませんか?」
 女の子は逆らわない。とろり、とローションを指先に絡ませ、ぱくん、と口
に含んだ。ん、と喉元で声。すぐさま、誰に指示されたわけでもないのに、根
元まで指をくわえこんで、どうやら舐めしゃぶっている様子。
「如何でございます? 指先も舌先も、気持ちよくはございませんか?」
 女の子は名残惜しそうに指を抜いて、頷いた。
「このように、自分の気持ちのいいところを発見していく、お手伝いのための
グッズなのでございますよ」
「これは、……一人で使う物なの?」
「基本はお一人で。勿論、どなたかお好きな方とでも」
 1本、いただくわ。ありがとうございます。商談成立。やったね、明日はツ
ナ缶だ。
「あのね、魔女のおねえさん。その……もう1本、買うから、」
 言いづらそうに、だけど何かを期待した眼差しで。
「正しい使い方。教えてくれないかな?」
 どきどき、胸の高鳴りが、アタシにまで聞こえてきそうだ。
「よろしゅうございますよ」
 よくある要求を、クラフトは、いつものように笑顔で請け合った。
 女の子は枝に横座り。その背中側で、クラフトはほうきに横座り。アタシは
ほうきの穂の上に。
「これは化粧水代わりにも使えますから、思い切り出して、肌に贅沢させてあ
げてくださいませ」
 女の子の手に、たっぷりとローションを取らせて。後ろから耳元に囁く。
「まずは首筋に塗ってみましょうか。……そうそう。それから耳にも。そこに
指を入れて、こしょこしょ、という感じで」
「んん……っ」
282WQ 6/7:2005/11/13(日) 21:36:17 ID:Hj7WkHzW
「意外と気持ちいいものでございましょう?」
 女の子がコクンと頷く。
「指と指の間、肘や膝の裏側、鎖骨の上の辺り、……」
 言われるがまま、女の子は自分の身体に桃色のローションを塗り広げていく。
彼女の肌も、ローションみたいに桃色に上気していく。
「脇腹……内股……」
 その単語だけで誘導して、上着の裾から手を突っ込ませ。スカートの中に手
を突っ込ませ。
「そのまま手を動かして……一番、自分が気持ちいいと思うところに……」
「ああっ!」
 胸に、狭間に、ぬるつく手が触れたようだ。
「如何です?」
「や……あたし……恥ずかしい……っ!」
「お客様が健全である証拠でございますよ」
 言いながらクラフトは、ローションに濡れた女の子の首筋を、指先でそっと
撫でてやった。
「んは!」
 彼女の喘ぎを楽しむように、皮膚の薄い部分を狙ってくすぐりながら、
「あとはもう、おわかりでしょう。お客様の指が滑るまま、掌が求めるまま、
身体の感じるままに、マッサージしてみてくださいませ」
「はい…………あっ、ああっ、いやっ、だめぇっ!」
 イヤだのダメだの、言ってるだけで、胸を撫で回す手つきも、狭間をいじる
手つきも、一向に止まりそうにない。衣服を突き上げるほどに蠢く手の動き、
その吐息の乱れは、先程の一人エッチとは比べものにならないほど激しく、そ
れでいて甘やかなものだ。緑の上着、スカートの下で、女の子の手は自分自身
にどんな刺激を与えているのだろう。見ている方は想像するしかないが、とて
も淫らな感じがする。
 仰け反る背中、女の子の身体を両手で後ろからそっと支えているクラフト。
商売が上手くいったときの悦に入った微笑み。その目尻には、酔ったような朱
が僅かに昇っている。
「ああ、いや、なんか、なんか、ん、あう、く、くうぅぅん!」
 びくびくびくん! と女の子の身体が跳ねて。
「は……ぁ…………」
 身体の力が抜けて。だらりと両手が下がって。
 アタシは目をみはった。女の子の服、緑のそれが、赤く、赤く染まっていく。
 アタシ達の座っている木が、風もないのにザワリザワリとざわめいて、木の
葉がみんな、赤く、赤く染まっていく。
「魔女の、おねえさん……」
「はい?」
 クラフトを振り返った女の子が、満足そうに笑った。
283WQ 7/7:2005/11/13(日) 21:37:08 ID:Hj7WkHzW
「……あり……がと……」
 ざああああ。
 森を渡る秋の風。近づいてきたと思ったら、赤く染まった葉を散らし。
「うぷっ!?」
 アタシの顔面に吹き付けて、思わず目を閉じて。
 目を開けたとき、そこに女の子はおらず。
 見事に色づいた木が、小刻みに震えて立っているのみだった。
―〜―〜―
 木の下に立ち、誰もいない木の上へ、クラフトは声を掛ける。
「先程の名刺を火にくべていただくか水に浸していただきますと、燃え尽きる
か溶け去ったときに、またお伺いいたしますので。本日はお買い上げ誠にあり
がとうございました」
 ぺこり、深く頭を下げて。ほうきに跨って。
「《ほうきで空を飛ぶ》。……失敗。では、《高く飛ぶ》」
 ばびゅうん!
 鉛直に、ぴんと立ってほうきが天頂目指して飛ぶ。ほうきが水平になったと
き、眼下に小さく小さく湖。周囲には、紅葉しきった森が一望できた。もう、
どこにも緑の部分はない。
「結局、あの子、人間じゃなかったの? 木の精? それとも」
「さあ?」
 クラフトは肩をすくめる。
「お客様はお客様ですよ。それで充分」
 ふむ、とアタシは頷いた。確かに、それで充分だ。
「さて、次はどちらに向けて飛びましょうか?」
「そりゃ勿論、」
 アンタの気の向くままに。言いかけて、アタシはやめて。
「お客さんのいそうな方へ」
 そんな方向、わかりゃ苦労はないのだが。
 クラフトは微笑んで、適当な方向へほうきの先を向けた。
284WQ:2005/11/13(日) 21:39:03 ID:Hj7WkHzW
 ・・・・・おしまい。

 以上、流石に13歳でエロパロは無理だろうと思って10年後にしてみた、
というお話でした。目標は「メルヘン風味かつエロ」。
 実はこの二人でもう一本書いたけど、メルヘンを目指して、出来上がったら
ホラーになっていたので没にしたのは内緒だ。
285名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 21:40:20 ID:ChAaEnut
脱線風味

ケイト「どうしてリプレイの主役が"ゆにばーさる"に呼ばれないんですか。霧谷さん。」
十也「俺は呼ばれないほうが良かったが。というか左京のやつがあんなに馴染んでるのが
    理解できない。」
霧谷「十也君は本人もわかっているとおり適正です。ケイト君は、職場でバカップルやられたり
    支部長に声をかけた相手に"完全獣化"されたりすると任務に支障をきたしますので」
ケイト「心底いやですが、その答えには納得しました。」

そしてケイトは休みごとにゆにばーさるの常連になっているとかいないとか。
286名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 21:57:21 ID:vB1n0nMF
エロがないほうが書きやすい、とかアホなこと言ってる連中はさっさと地上に帰ってもらいたい。
287名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 22:08:29 ID:3MOLta3t
別に書かないといってるわけじゃないし、どうでも良いが。
まあ、>286も思うのは心の中だけにしておけ。
エロを書くのが大変なのは事実だ。
書きたくないとか、書かないとかは言ってないぞ。
288名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 22:10:03 ID:veJpCpz9
>>285
むしろ、ケイトの場合結希のメイド姿で完全獣化していまい
メイド姿を襲ってしまいそうな悪寒
289名無しさん@ピンキー:2005/11/13(日) 23:44:27 ID:QsIQYQYV
でも、エロなし限定なスレってあったけ?
290「望&瞳アナザー」作者:2005/11/14(月) 00:17:15 ID:l5SYJ2K8
>DX2環境の《ウルトラ・ボンバー》
…ああ、そういやこれ昏倒するだけだ。
おそらく、“プランナー”が爆薬でも持たせて…
……いや違う。これは遠大な伏線だ。
きっとそうだ。そうに違いない。というか今からそうなった。

次回投下は今週末予定。
今回エロくなかった分くらいは期待…できたらよいのだけど。
いつもが大してエロ濃くないからなあ。濃度2倍でも薄いかもしれない。
その時は、許せ>286
期待を裏切らないようには頑張ってみる。
291いつも中の人:2005/11/14(月) 00:26:11 ID:LBs6c9eP
>289
 これだと思うのですよ。
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1054980691/

 地上には21歳未満もいる以上、例えば萌えな第1話は地上、エロな第2話
は地下、って分けるわけにもいかず、この場合は地下にまとめた方が無難だと
思うわけですよ。萌えもエロもOKな懐の深さが地下スレの居心地のよさだと
解釈しておりましてね。荒れてもいないし。
 てゆーか、エロがあるほうが書きやすいのなら、もっとじゃんじゃんエロS
Sを投下してくれればいいのに。

>288
 つまりケイトは休みごとに北の国から秋葉原くんだりまでやってきてはメイ
ド姿の結希にコーフンして大暴れ。
 困った霧谷は逆転の発想。ケイト×結希の獣姦プレイをステージの上でやら
せて新たな客層を開拓。休日のメインイベントとして定着という流れに。

 しかし何で女の子がメイドで男が執事なんだろうか? メイドって要するに
下女なんだから、対応するのは「下男」だろうに。
 即ち“やんちゃ系貧乏下男な紺碧の刻印”“クール系下男なオーディンの槍”
 ……前者は一層苦労しそうだが、後者は女主人を組み伏せそうな雰囲気があ
るのは何故だ。
292名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 01:09:51 ID:v41AmvPh
「クール系」に加えて「槍」の語感がいかんのだ。実にけしからん。ええいまったくけしからん(適切なスレへ運ばれて行く)。
293名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 08:49:12 ID:8RE/qMxm
>>290
《自爆装置》でも埋め込まれてたんじゃない?最近は“複製体”なしでもαトランス使えば他のシンドロームエフェクト取得可能だし。
294名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 02:46:05 ID:GKXASvVs
>291
ヒラの下男よりちょっとだけ身分がある執事を上から従わせる方が
楽しいからに決まってるじゃないですかハァハァ
従わせながらもいつ逆転されるか分からないスリルを
楽しむんですよハァハァハァハァ
295名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 19:52:55 ID:jAcGrFu4
>288
つまり旅費を稼ぐためにイリーガルの任務を受けているのか?
そのために倒されるFHの皆さんも不憫だな
296名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 20:20:31 ID:GdFLtJxa
>295
やがてその痛みは快楽に―――
    憎しみは愛へと変貌する―――
297名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 20:24:22 ID:0FtPM9ug
>>291
>しかし何で女の子がメイドで男が執事なんだろうか?
答えは簡単。下男には萌える制服がないから。
298名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 20:37:03 ID:RdQLYdRv
つかちゃんにメイド服着せようよ。萌えるよきっと。
299名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 22:05:23 ID:ihDX0ZWo
似合うのは確かだな。


そーゆー星回りの不幸っぷりが。
300名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 22:24:45 ID:/YKewUTL
柊にも着せるのだ。

301名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 22:57:13 ID:6C9f3KpF
では柊レンに着せる方向で
302名無しさん@ピンキー:2005/11/15(火) 23:03:42 ID:BOIEfDBJ
レンに学ラン、レンジにセーラー服を。
303名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 12:38:25 ID:TkTk+IkC
セーラー蓮司の方がモテソウだな。
ハァハァするアンゼ&ベル&魔王連とか、赤面するくれはとか、燃え上がる萌えを必死に押さえる晶とか、大爆笑999%のヴィオレットとか、主砲発射態勢完了グィードしか思いつかん。
304名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 14:13:27 ID:iGhzAtVq
いまさらながらにNOVADを購入してレイをアレやコレで快楽攻めで屈服させちゃう妄想が展開中だけど…。
よく見たらレイってウェットだったorz
305名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 14:13:53 ID:iGhzAtVq
いまさらながらにNOVADを購入してレイをアレやコレで快楽攻めで屈服させちゃう妄想が展開中だけど…。
よく見たらレイってウェットだったorz
306名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 14:14:20 ID:iGhzAtVq
ぐは、2重ごめんなさいorz
307名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 20:49:43 ID:wk88VpB2
《タイムリー》で、IANUS相当の何かでも埋め込んであげたまい。
308名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 21:34:42 ID:Lf0CRgtv
>>304
ドラッグって知ってるか?
捕縛って知ってるか?
転倒って知ってるか?
309名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 21:49:17 ID:gRxfTJ/n
バッドステータス責めってやつか!

バックファイアで抵抗を奪うわけですね?
310名無しさん@ピンキー:2005/11/16(水) 22:34:05 ID:P3aB+Nuy
>>308
つ《黄泉還り》
311魔器人化でGO! 4:2005/11/17(木) 03:41:04 ID:60bSUYhg
「だ、誰がだらしな――」
 と、言う間もとらされず。
「どれどれー」
 ちー、という音とともにファスナーが下げられていく。
 そーれ、という掛け声とともにトランクスが宙を舞う。
 電灯の下、曝け出されるは目指せ一番、飛び出せセーシュン。
「おー」
 柔らかな、それでいて多少冷たい指が触れてくる。包み込まれる。
「こ、これがご主人の……」
「そうよ。これが私の幼いカラダを無遠慮に掻き回した魔剣」
「熱いー」
 すみませんそこの魔王様、魔剣てちょっと。
 すみませんそこの正体ぬいぐるみ、頬を摺るな頬を。
 やーらかくて気持ちいいじゃないか。
「って、そうじゃない! お前らいい加減にしろ!」
「この結界内では私のレベルは40よ柊蓮司!」
「それは勝てない!」
「わーご主人卑屈ー」
 計20本の繊指が柊の肉棒の上を這い回る。
「安心なさい……プラーナは奪らないから。今回はね、遊びに来ただけなの」
 ベルは口元に笑みを浮かべていた。11、2歳程度の幼い外見には到底似合わない、淫蕩にとろけた笑みを。
 悪魔の蝿と同じように柊の逸物に顔を近づけ……その鈴口に舌を這わせた。
「うおっ」
「まずは一回――出してしまいなさい、ね?」
312名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 03:51:48 ID:60bSUYhg
絵なしでお送りします。ハイ。
理由としては……冬の例大祭にむけてベル本などというチャレンジブルな代物を描いていたため時間がとれませんでした。
でも落選通知来ました。ゲフゥ。印刷は申し込み済みなので本自体は出すんですけどね。
ああ、卓ゲーなんてマイナージャンルのさらに一分野の敵役のエロ本なんて売れるんでしょうか。
というか他にそんなん描いてるヒトいるんでしょうか。その辺は描く前に気づけという話ですかそうですか。

あわせみこの柊レンもマーベラス気になります。
ただでさえ時間取れないのにGARPSでいばらの王とか再現してる場合じゃありません。それでいいのか社会人。
強化人間劇場ネタも溜まってるのになあ。
313名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 09:39:06 ID:qPJ3QWrO
>ベル本
俺は買う、買いますぞーっ?!

という叫びは置いておきまして。
卓ゲ者で濃いめの方なら買うのではないでしょうか。
非卓ゲ者でも「悪魔娘本」と考えれば食いつく人は居そうですし。
314名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 10:07:19 ID:4xGsZZWN
とりあえず入手法キボン
315名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 10:12:25 ID:ax0fQTOc
>>312

委託先をぜひ
もしくは、通販などでも
316強化(ry:2005/11/17(木) 12:47:17 ID:60bSUYhg
>委託先
とりあえず、とらかメロンだと思う。1月頃かな。
まあ魔器人化ネタの挿絵見ても解る程度の実力なので期待すんなー。
スレ違いの話題ここまで。ではまたSSで会いましょう。
317名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 14:46:25 ID:mnb17Jdo
き、期待なんかぜんぜんしてないんだからなっ!
ズボンおろしてんのは、あ、暑いからだよっ!
318名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 20:16:35 ID:Hy7U+cAF
>>317
ショタツンデレ乙

>>316
ふぅん・・・・・・委託するんだ。
ちょっ、何よ!勘違いしないでよね!
買う気なんか全然無いんだからっ!
確認しただけよ、か・く・に・ん!
え?
べ、別に、何の為に確認したかなんて貴方には関係ないでしょ!
319名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 21:26:22 ID:l1n+LJqk
>>316
強化ちゃん「・・・・・・とらかメロン。任務地を確認。これより行動準備に入る」
320名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 01:56:42 ID:svHsvBmA
>>318
ズボンをほいほい下ろすような恥じらいの無いショタはショタと認めたくないなぁ。

【馬鹿は馬鹿にしか分からない拘りを吐露した】
321名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 01:19:42 ID:bTdrf0Bs
ゲヘナは難しいかなあ。
確かに サフィーヤは難しいがwパルきゅんは書きやすいかもしれない。
322名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 10:18:57 ID:/XtrX6nH
パルヴィーンとターリヤは好きだが、
なんか無性にサフィーヤとザーニハーが見たい今日この頃。
323名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 10:33:25 ID:f7ukivNn
ぶっちゃけ、リプレイ2巻の妖艶なターリヤと小説版の童貞くs、じゃなかった
初々しいパルヴィーンが出るまでは、

奴隷時代にそーゆーこともやらされてた実は百戦錬磨のパルヴィーンと、
刀士修行一筋でそっちはからっきしのターリヤ

ってのも想像してたんだ。
324名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 18:43:26 ID:bDjrP24X
ダヒカたんを忘れんな
325名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 00:14:07 ID:xTgTmIiB
サフィーヤとザーニハーか……こんなんどうよ?

仕事中に死にかけたサフィーヤを助けるザーニハー。
仕事終了後、彼女が助かったことに内心ほっとしながら無茶な戦法や魔法の使い方を怒ると、
「もしあれで死んでもそれもラウたんのお導きだからー」とかサフィーヤがほざいたから
俺は運命とかそういうの信じねーっつーかお前死んだら困るだろとザーニハーがぷち切れして
「これでもラウのお導きで済むんかワレ」とばかりにサフィーヤを押し倒しちゃうザーニハー。
事後ザーニハーが「やっちまった」とうじうじ落ち込んでると、
「心配してくれたんでしょ、ありがと」とサフィーヤが言ったんでザーニハーは赤面してわたわた。
(・∀・)ニヤニヤするサフィーヤ。

どうみてもザーニハーがツンデレです。
本当にありがとうございました。
326望&瞳アナザー 1/6:2005/11/20(日) 01:41:37 ID:jp6kt8kH
>230からの続き。今更だけど、「札×瞳グッドエンド」後の話ということでよろしく。
前々回言わなかったせいで一部分が分かりにくくなってたので補足しとく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《ヨモツヘグリ》の影響か、私の頭は冴え渡っていた。
 薬物による全身からの刺激を、《中和剤》で強引に黙らせる。
 “ドールマスター”とハルカが私の側からノゾミの方に行ってから、明らかに私への責めは弱まった。
 それでも、無数の手からの刺激は、確実に私の理性を蝕んでいる。
 この状況と、《プロファイリング》から、導き出される真実は一つ。
 となれば、対策はある。
 だけど問題だったのは、それを成し遂げる力が私にはないことだった。
 結局私は無力なのか。他の誰かを、いや、自分自身さえ救えないのか。
 折れかけた心を必死に支えるのは、脳裏に浮かぶ彼の姿。
 そうだ。ここで私が負けたら、彼はどうなる?
 それに、今の私は一人じゃない。ノゾミのためにもここで屈するわけにはいかない。
 刺激によって磨り減っていく理性を総動員して、思い出せる全ての情報を洗いなおす。
 今日聞いた全ての言葉を。最近見たあらゆる文字を。
 そして発見した。唯一にして絶対のチャンスを。
 心の中で一言謝ってから、ノゾミに蝶のイメージを送り込む。
 手からの刺激を受けるたび、蝶の姿が霞む。
 策が成功するのが先か、私の理性が消えるのが先か。
 たった数十秒の時間が、気が遠くなるほど長く感じられた。
 そして、隣でノゾミが一際大きな叫びを上げた。
 私は勝利を確信し、蝶のイメージを解き放つ。
 ノゾミが達すると共に放った電撃が、狙い違わずハルカを打ち抜いた。


 どうしても納得がいかなかった。彼が振り向いてくれないことに。
 学校ではみんながわたしを慕ってくれた。でも、わたしが本当に欲しいのはそんなものじゃなかった。
 彼に振り向いてもらいたかった。それだけで良かったのに。
 ある日、同級生から「ここだけの話」をされた。とある下級生から聞いたらしい。
「ねえ、知ってる?『彼』には『好きな子』がいるんだって」
 わたしは嫉妬した。その「好きな子」が誰だかすぐに分かったから。
 彼はいつも彼女の姿を目で追っていた。わたしの「親友」の彼女の姿を。
 
327望&瞳アナザー 2/6:2005/11/20(日) 01:42:25 ID:jp6kt8kH
 無数の手に陵辱されている彼女を前に、わたしの憎悪が膨れ上がる。
 彼女は必死に刺激を堪えながらも甘い声を上げている。
 さっき血液に乗せて飛ばした媚薬が効いているのだろう。
 口では嫌だと言いながらも、徐々に快楽を受け入れ始めている。
 いい気味。このまま狂ってしまえばいい。
 そうすれば彼はわたしを見てくれる。彼はわたしのものになる。
 彼女を抑えているわたしの操る“人形”達に、更なる責めを行うように命じる。
 胸。首筋。耳。
 思いつく限りの弱そうなところを責めさせる。
 彼女の弱点が何処かは知らないけれど、下手な鉄砲も数を撃てば当たる。
 明らかに彼女の様子は変化してきている。
 抑えきれない嬌声が上がり、秘裂からは蜜が溢れている。
 必死に細い体をくねらせて刺激から逃れようとする、その動きそのものが扇情的だ。
 わたしは想像した。彼のものが、彼女の孔を貫いたことを。
 その行為が裏切りに思えた。何故かは分からない。それを考える理性はわたしには無かった。
 ただ、そのことが許せなかった。だから、その報いを与えなければならないと思った。
 わたしは近くに転がっていた鉄パイプを残された左手で持ち上げ、能力を集中させる。
 たちまちパイプは左の掌と融合し、極太の男性器を模した形状に変化する。
 それを彼女の入り口にあてがった。
「っああ!」
 本当に体の一部であるかのように、その怒張から彼女に触れた感覚が伝わってくる。
 滴る蜜がわたしの先端を濡らす。彼女の熱が伝わる。
 もう我慢ができなかった。愛液を潤滑油に、一気に奥までそれを捻じ込む。
 彼女が苦痛の叫びを上げる。
「う…ああぁ…無理っ!こんなに、太いの…っ!?」
 その叫びを無視して、肉壁をこじ開ける感覚を味わう。
 音を立てながら限界を超えて拡張した膣壁が、わたしを強く締め付ける。
 その快感を感じながらもさらに奥へと侵入し、ついに先端が最深部に触れた。
 彼女をさらに責め立てるために、そこで薬品を生成する。
 彼女の中で造られた媚薬が、粘膜を通して彼女の全身へと広まる。
328望&瞳アナザー 3/6:2005/11/20(日) 01:43:01 ID:jp6kt8kH
「うぁっ…冷た…」
 薬品によって強められた彼女の性感に追い討ちをかけるように、彼女の中で振動を始める。
「ああっ!中で、震え、てぇ…!」
 媚薬の効果か、締め付けが強すぎて満足に抜き差しすることができない。
 だから、奥まで入れたまま、かき回すように彼女の内部を隅々まで蹂躙する。
 さらなる責めへの準備として、先端部に薬物を送り込み、溜め込む。
 その結果、彼女の中で、亀頭がさらに膨れ上がる。
 彼女はもう限界が近い。それを見取って、彼女の子宮口に膨張した亀頭を押し付ける。
「駄目っ!もうっ…ああああああああああ!!」
 彼女が達し、収縮する。
 搾り取られるように、溜め込んでいた液体を彼女の最深部に叩きつける。
 《ヨモツヘグリ》。失われかけた彼女の意識を、強引に引き戻す。
 その副作用によるレネゲイドの活性化によってか、彼女は目を見開いた。
 その目に映るのは恐怖。理性が消えゆくことへの恐怖。
 その恐怖を増大させるために、わざとゆっくりと引き抜く。
 卑猥な音を立てながらそれが引き抜かれ、先端部から放たれた白濁液が糸を引く。
 “人形”達に、さらに彼女に適当な刺激を与えるように指示を出し、わたしはノゾミの方へと足を進める。

 初めて会った時から、わたしはこの子のことが気に入らなかった。
 彼と親しげだった。たったそれだけの理由で。
 特製の自白剤を投与させて、彼との関係を吐かせる。その内容は許しがたいものだった。
 それを聞いて、わたしは決めた。この子は簡単には狂わせてあげない。じっくりいたぶってやろう、と。
 しばらくはこの場に邪魔は入らないはずだ。今頃は春日恭二が学校を襲撃しているだろうから。
 春日恭二に与えた任務は失敗するに決まっているが、時間稼ぎくらいの役には立つだろう。
 襲撃を見過ごすことは彼には出来ないはずだ。平穏な日常を守るために、彼は戦っているのだから。
 そう結論し、左手の融合を解除して、ノゾミの足の付け根を押さえつける。
 既に“人形”達の刺激によって、その無毛の恥丘では洪水が発生していた。
 自白剤に混ぜておいた媚薬の成分によってか、その顔には明らかに苦痛以外のものが浮かんでいた。
 わたしは名案を思いついた。それはわたしの嗜虐心を満足させるものだった。
 “人形”達に命じて、いきなり刺激を止めた。
329望&瞳アナザー 4/6:2005/11/20(日) 01:43:37 ID:jp6kt8kH
「うぁぁ、駄目ぇぇ!あたしっ、おかしくっ、なっちゃ……………あれ?」
 刺激が止まったことによる安堵と、もう終わりかという物足りなさの混じった表情が浮かぶ。
 その一瞬の隙を見逃さず、いきなり秘裂を舐め上げる。強く。奥まで。
「ああぅ!そんなっ、急にっ…!」
 ノゾミは面白いほどに体を反らせた。
 そのまま音を立てて愛液をすする。その音が耳に届くように。
 心が緩んだ隙を突かれたノゾミは、あっという間に上り詰めていく。
 まだだ。この程度で終わらせたりなんかしない。
 達したら、《ヨモツヘグリ》で叩き起こして、すぐにあれを捻じ込んでやろう。
 この子はどんな呻きを上げるのだろうか。
 淫靡な妄想に耽りながらも、わたしの舌の動きは激しさを増してゆく。
 そして終に彼女が限界に達した。恥部をわたしの顔に押し付けるように弓なりになって、絶叫する。
「ふぁ…あぁ…あああああああああああああっ!」
 絶叫と共に稲光が走る。
 驚いて自分の体を見ると、胸部にぽっかりと黒い穴が開いていた。

 ハルカが倒れこみ、クラスメイトたちも、仮面の男も、風化するように崩れ去った。
 どうやらモルフェウスの能力で作り出されていたらしい。
「…何故…分かった…?」
 ハルカの口から、仮面の男の声が響いた。乱れた息を整えながら、私は告げた。
「…あなたの失敗は、3つです」
 敵の傷は明らかに致命傷。ならば、隠し事をする必要もない。
「最初、正面から私達に向き合ったこと。あなたは敵の前に堂々と姿を現すような人ではありません」
 私の《プロファイリング》は、“ドールマスター”の人物像に対して、そう結論を下した。
 傀儡ならば、敵の正面に立たせても何の問題も無い。
 おそらく、あの奇妙な黒い仮面も、妙なしゃべり方も、敵の目を引くためなのだろう。
「それと、《ヨモツヘグリ》を私に使った時、仮面の男からは私の姿は見えていなかったはずです」
 十人近い人間に囲まれた一人の人間の姿を、外側から目視するのは困難だ。
 もし目標を外して一般人に当たったなら、ジャーム化の恐れもある。そんな無茶をするとは考えにくい。
「最後に、あなたは勝利を確信して油断していました。この3つが、あなたの敗因です」
 ハルカは皮肉げに笑う。その顔色は、既に死人のそれに近い。
330望&瞳アナザー 5/6:2005/11/20(日) 01:44:20 ID:jp6kt8kH
「ならば…こちらからも3つ…冥土の土産に教えてやろう…」
 男の声でハルカが言う。
「奇妙だと思わなかったか?あまりにも『ハルカ』と“ドールマスター”の人物像が違っていることが」
「まさか…!?」
 一つ、思い当たる言葉があった。『戦闘用人格』。
 個人の精神はひどく脆い。大きな衝撃で容易く壊れてしまう。
 前世紀に発達した脳科学研究が突き止めたように、人格というのは個人の脳内にあるものではないから。
 だから、人格の崩壊を繋ぎ止めるのは他者との関係。ロイスと呼ばれる、心の拠り所。
 けれど、もし精神的ショックを受けた時、周りに誰も居なかったとしたら?
 その時は、自分を支えてくれる『誰か』を作り出すしか、自分の人格を守る方法は無い。
 何らかのショックから自身を守るために作り出される、もうひとりの存在。
 それが『戦闘用人格』であるという説を、レネゲイド関連の学者から聞いたことがあった。
 私がそのことを思い出したのを見取ったのか、男の声は続ける。
「そう…主人格であるハルカは知らない。昨夜T市を襲撃したことも、自分が狂気に堕ちている事も」
 だから、今日学校であった時も、私は不審に思わなかったのだろう。
 今日はなぜかみんなの様子がおかしかったせいで、気づかなかっただけかもしれないけれど。
「それでも…お前は罪の無い『親友』を討とうというのか?“水晶の瞳”よ!」
 その言葉に思わず私はたじろぐ。けれど、私にはどうすることも出来ない。
 うつむいて、唇を噛む私に向けて、“ドールマスター”は言った。
「2つ目…『我が油断した』?…違うな。これは余裕というものだ」
「………!?」
 慌ててハルカの方を見ると、いつの間にか傷が塞がっていた。《魂の練成》で復活したらしい。
「そして3つ目だ。『切札は最後まで取っておく』。…もう十分だろう?貴様らの冥土の土産としては」
 立ち上がるハルカから、圧倒的な力を感じた。《ヴァイタルアップ》…?!
331望&瞳アナザー 6/6:2005/11/20(日) 01:45:06 ID:jp6kt8kH
「しばらく遊んでから殺すつもりだったが、予定変更だ。二人まとめて、今すぐ殺してやる」
 言うが早いか、《アドレナリン》で加速した“ドールマスター”が目にも留まらぬ速さで動く。
 その姿を目で追うより先に、辺りに細かい粒子が舞い散った。先ほど崩壊した“人形”だった物だろう。
 その意図を察し、慌てて防御行動を取るが間に合わない。
 《ギガンティック・モード》で放たれた《インスタント・ボム》の粉塵爆発が、全てを吹き飛ばした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次で最終回の予定。最終回はエロ無いかもしれない。
以下小ネタ。冗談半分でお読みください。

一撃:なあ、支部長。なんで《中和剤》なんか取ったんだ?
閃光:もしかして…前回(札×瞳)のあの男のせい?
瞳:いえ、そう言うわけではないんですけど…
望:じゃあ、何?気になるから早く言っちゃってよ。
瞳:実は…(小声で)最近、霧谷さんが信用できなくて…
一同:…………。

どうなるUGN日本支部。
332名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 02:52:27 ID:g93F1j/R
GJ
そーかそーか。瞳ちゃんにも霧谷さんからオファーがあったか。
お仕着せも似合いそーだなーw
333名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 04:18:22 ID:8BzXC2AB
>>325
ごめん、ちょっとツンデレに萌えた。
334名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 07:48:06 ID:jCCQ9DK7
 大分遅参ながら、魔物使い×夢使いの話をおいて行きます。しかし完結してない。
 物語はそう長くないはずだけれど、投稿の間隔は長くなるやも。 時間軸的には以前の話よりも前、このふたりの馴れ初めのス
トーリーになります。追いついてない感想なんかもまた後で。
335魔物使い×夢使い2:2005/11/20(日) 07:48:57 ID:jCCQ9DK7
 予感がなかったといえば嘘になる。
 あたしは染み付いた仕草で煙草の箱を取り出しかけ、それか職員室以外は禁煙だと気付いてボックスを胸ポケットにねじ戻した。
 やれやれと伸びをして、あたしは中庭から校舎を振り仰ぐ。時刻は17時を少し回ったところ。部活動の生徒達もそろそろ帰り
始める頃合で、夕陽に染まる棟からはひとの気配が薄れ始めている。
 ここは一応あたしの母校。そして今のあたしはしがない教育実習生。出戻りの生徒のみたいなものだ。
 正直学生時代にあまりいい思い出はない。けど離れて戻ってきてみてると、この空間には不思議な愛着と懐旧とがあった。
 だから、見過ごすつもりはなかった。
 昨日、この中学校の男子生徒が行方不明になった。行方不明はこの半月で二人目になるそうだ。難しい年頃の少年少女たちだか
ら、親も学校も家出かなにかだと見当を決め込んでいる。
 でも違う。あたしは知っている。
 この学校に巣食っているのだ。ひとを攫い、その精気を啜るものが。侵魔が。
 最初の違和感は相棒の態度だった。郷愁に浸るあたしとは裏腹に、あたしの月衣の中で奇妙に警戒していた。
 気をつけて探ってみれば、校内のあちこちに残るのは魔術の気配。少し調べるだけで、何者かがどこかに結界を作って身を潜め
ていると知れた。けれど残念ながら、直ぐに判明したのはそこまで。
 気配の残滓こそ残しはするものの、相手は巧妙に身を潜めて所在をつかませない。
 そうして無為に日を送るうちに、二人目が出てしまった。
「まったく、実習だけでも楽じゃないっていうのに…」
「先生」
 余計な苦労まで背負わせないで欲しいよねぇ。そう独り言しかけたところに唐突に声をかけられて、あたしはかなり仰天した。
なんとか驚きを押し殺して平静を取り繕って、ん? と頭を巡らすと、そこに居たのはあたしのクラスの生徒だった。
 長めの浅黄色の髪を束ねたツーテール。どこか憂えるような、どこか眠たげな大きめの瞳。抜けるような、という表現がしっく
りくる、どきりとするほど白い肌。か弱くか細い印象のソプラノが淡々と言葉を続ける。
「まだ、帰らないの?」
 それがこちらの身を案じるふうだったので、あたしは少し驚いた。このいい意味でも悪い意味でも目立つ少女は、自分の周りに
壁があるかのように他人を寄せ付けない。人生の通りすがりと言ってもいいような教育実習生に、興味を持つような印象ではなか
ったから。
「ちょっと、ね。まだやる事が残っててね。キミは?」
「あ…うん、ワタシもちょっと。でも先生は早く帰った方がいいよ?」
 そう言われてあたしは頭を掻いた。
「そんなに頼りなさそう?」
「え?」
「教育実習生はそんなに頼りなく見えるかな、ってね」
「え、違うよ! そうじゃなくて、今行方不明とかあるから…!」
 大仰に嘆息して見せると、彼女はおかしいくらい懸命にとりなした。言い募って自分でもおかしいと思ったのだろう。ひとつ息
を飲み込んで間をおいて、そしてゆっくりと諭すように、
「だから、家のひとが心配するよ」
「家族が心配するのはキミもでしょ」
 まだまだ子供だなぁ。随分と微笑ましい気分で言った途端、彼女の雰囲気が硬くなった。
336魔物使い×夢使い2:2005/11/20(日) 07:49:45 ID:jCCQ9DK7
「――心配しないよ。あのひとたちは心配なんてしない」
 なんの感情もこもらない声。薄く細められた冷たい瞳。それはただ事実を指摘するだけの言葉と、現実だけ見つめている視線だ
った。
 この子を家庭の事情を、あたしは詳しく知らない。それでもなんとなくぴんと来た。彼女は同類だ。相棒と出会う前の、あたし
と同じだ。誰も信用しない。自分だけで生きていく。そんなふうに独り決めしていた、あの頃のあたしとおんなじ。
「ワタシの事なんて、誰も気にしてないもの」
「心配してるよ」
 消え入りそうな声で宣言する彼女に、あたしは相棒と話す時の特別の声音で囁いた。自分の影を見つめていた視線が、はっとこ
ちらに戻る。
「あたしがね、キミを心配してる。可愛い大事な、初めての生徒だからね」
 言って片目を瞑って見せる。彼女の顔に去来するのは戸惑いと警戒。思わず感情的になったり、顔に出したり。今日日の子は進
んでるだなんていっても、この辺りはやっぱり子供だ。
 ちょっと笑って、それからあたしは手を伸ばした。気が立っている相棒を扱う時みたいに、撫でてやろうと。
「――!」
 その瞬間、さっと彼女はあたしから離れた。水面に影が差すのを察した魚のような素早さで、さっと身を翻すや、制服の裾を揺
らしてぱたぱたと昇降口の方へ駆けていく。
 あっちゃー、失敗。
 行き場のなくなった手で頬をかいて、あたしはちょっと自省する。
 こっちにしてみれば殆ど無意識の行為だったのだけれど、嫌がる相手はこういう一次的接触をとことん嫌がるのだ。ボディゾー
ンを侵された気分になるのだろう。
 それにあの頃のあたしも、大人なんて信用するもんかって頑なになってた。あんまり親しくもない相手にいきなり接近されたら、
ま、こんなものかもしれない。
 でも。彼女は随分頭が良い印象がある。暗記主体の学校知識に優れているという訳ではなく、本当の意味での知性に優れている
ように見える。これはあたしの勘だけれど。ひょっとしたらただの楽観思考で、てんで的外れなのかもしれないけど。
 あのテのタイプは、自分に差し伸べられた手をちゃんと理解できるはずだと思った。余計なお節介かもしれないけど、あの子の
力になってやれたらな、とも。
 お、なんかいい先生みたいじゃない、あたし?
 思考に没頭していたあたしは相棒の小さな鳴き声で我に返り、そして迂闊さを呪った。
 景色を染めるのは赤い光。それは既に夕陽ではなく。
 振り仰ぐ空には赤い月。赤光に包まれて、誰も彼もが区別を失う。現実と非現実。世界と世界の境界が曖昧になる。
 予感がなかったと言えば嘘になる。
 そこかしこに残る魔術の気配。捨て置けないと調査だってしていた。不穏の兆候はいくつもあった。だから、予感がなかったと
言えば嘘になる。とはいえ。
「昨日の今日ってのは、ちょっと欲張り過ぎじゃない?」
 指を鳴らす。サイズには不釣りあいな敏捷さで相棒が月衣から躍り出た。走り出す。
337名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 08:47:47 ID:xTgTmIiB
乙……か?
終わり?終わりなら一言言ってくれ。
338名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 02:36:06 ID:xbdZOUcl
>>335-336
ようやくまことの魔物使い×夢使いにめぐり会い申した
DXやBBNTで満たし切れぬ乾きに飢えていた昨日まで 今はただワクワクテカテカ
次回より二人のの馴れ初めにも期待させていただきたく………

と、清玄先生ッツラになってしまう程に、お待ちしていましたッッ。
素っ気無いけど構ってオーラな夢使いもお姉さんな魔物使い先生も辛抱溜まりませんよっ。
急かすのはアレですが、早い内に二人のデレを! エロスを!! と熱望する次第ですよ、ええ。
339名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 13:58:25 ID:6P4jAzqT
>>323
漏れはリプ2巻でパルきゅんがハレム出身だと知って逆にハァハァしていますた。
340名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 23:51:11 ID:DWkXEWFD
あかりん「保守」
まっしー「保守、だ」
優美「保守するわよ」
341がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:17:30 ID:GhCDxlx4
初めて投下いたします。柊ものは珍しくもないかと思われますが、よければ、ご笑覧あれ。

あの日、自分の身にあんなことが起ころうなどと、彼は全く気付いていなかった。それは、そうであろう。それを知っていたならば、たとえ、貴重な出席日数を犠牲にしてでも、彼は学校を欠席したに違いない。
そう、それは、夏も終わり、秋の気配が漂い始めた頃。ある、人気の無い住宅街の一角で始まった。 

 それが視界の隅から、自分の前に滑り込んでくるのを知覚して、柊蓮司の背筋に電流が走った。最大速度で、それから離れなければならない。だが、そうするよりも早く、それ――黒塗りのリムジンの後部座席のドアが開かれた。
「どこへ行くんですか?柊さん」
革張りのシートに腰掛ける一人の少女、アンゼロットが柔らかな微笑を見せる。
「お前の居ねえところだよっ!?」
「あらあら。そうはさせません、『ウォーターフロウ』」
アンゼロットが、魔法を発動させると何処からとも無く水が勢いよく噴出し、柊の足元に襲い掛かった。
「のわっ!?」
柊が勢い良く転倒し、電柱に頭をぶつける。
「大丈夫ですか?柊さん」
342がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:18:06 ID:GhCDxlx4
「てめえがやったんだろうが!ていうか、いくら人通りが無いからってこんなところで魔法使うんじゃねえ!!」
「大丈夫です。この辺りに結界を張りましたから」
「・・・じゃあ、こんなことしなくても、俺は逃げられなかったんじゃねえのか?」
「ただ単なる演出です」
「いいかげんにしろや!?」
「そんなことより、早く乗ってください」
「けっ」
柊はしぶしぶといった様子でリムジンのシートの端に腰掛けた。ちなみに、アンゼロットは反対側のシートの中央に座っている。そんな柊にアンゼロットが微苦笑を漏らすと同時に、後部座席のドアが閉まった。
「さて、柊さん」
アンゼロットは、柊の正面に座りなおしながら、
「この間はお疲れ様でした」
「・・・・・・」
「とりあえずは、お茶をどうぞ」
柊のほうにソーサーごとティーカップを差し出すと同時に、車が動き出した。
柊は、無言のまま、組んでいた足を解き、それを受け取る。リムジンの車内はすべからく余裕を持って作られているため、アンゼロットのスカートに足が当たることも無い。
343がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:18:33 ID:GhCDxlx4
「今度は何も入ってねえんだろうな?」
「私はそんなことしませんよ?」
「しただろうが!」
「そう何度も、同じことはしませんよ」
柊はなおも疑わしげな表情を見せていたが、紅茶を一口すすってから、
「で、今日は何なんだよ」
アンゼロットは、ゆっくりと唇からカップを離した。その唇は紅茶によって、濡れている。それを見た柊は何とも言えない艶かしさを感じ、思わず生唾を飲み込んだ。
「ええ・・・。どこからお話しするべきなのか・・・」
「・・・?」
その様子に、軽い違和感を覚える。彼女が、このように言いよどむ事など、ついぞ無かった。何かあるのだろうか?
「・・・・・・さっさと言えよ。どうせ、断れねえんだから」
わざとぶっきらぼうに告げる柊に、
「ええ」
アンゼロットは満面の笑顔で応えた。柊は、その笑顔に胸を高鳴らせる自分を感じていた。
(どうかしちまったのか・・・?)柊はその想念を振り払うように窓の外に目を向ける。
しかし。
(今日に限って・・・)
344がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:19:57 ID:GhCDxlx4
どうも気になる。柊は窓のほうに顔を向けながら、アンゼロットのほうをちらりちらりと何度も見てしまう。
アンゼロットの髪が陽光を受けて静かに波打ち、普通に呼吸をしているだけであるのに、それが悩ましい吐息に思えてくる。頤から首にかけての曲線は何処までも白く、
美しく、ドレス越しにうっすらと見える形の良い鎖骨が、彼女の健康的な肢体を想像させる。そして、その下には格別大きいというほどではないが、体つきからすれば十分に豊かな二つの膨らみがある。
柊とて、健康な男子高校生である。そういうことに対して人並みの関心を払っていることは何ら恥ずべき事ではない。
だが、このような時に夢想にふけるようなことは、かつて無かった。

 (・・・まず)
柊は、アンゼロットの膝の上に置かれた手を取った。
「柊さん?」
そのまま、その手を自分の頬に押し当てる。いつの間にか火照っていた頬に、冷たい指が心地よかった。
「どうしたんですか?」
アンゼロットは困ったような笑みを浮かべ、次の瞬間、「んっ」と、小さなうめきを漏らし、眉を寄せた。柊がアンゼロットの手に吸い付いたのである。そのまま、唇で手の甲を弄りつつ、舌を這わせる。
345がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:20:45 ID:GhCDxlx4
「ひ、柊さん・・・?」
アンゼロットは思わず手を引くが、柊の手がそれを許さなかった。さらに、柊の舌はアンゼロットの手に対する侵攻を進める。手の甲全体がぬめ光るころには、アンゼロットの腕全体から力が抜けていた。目を瞑り、何かに耐えるような表情を見せる彼女に、
柊は情欲を募らせる。やがて、柊がアンゼロットの指を一本一本、口に含んだ。まずは、小指から。
唇で指を圧迫するようにしながら、徐々に口に含み、舌を絡ませ、時には、軽く歯を立ててやる。歯を立てると、アンゼロットの眉がピクリと動く。それとともに、呼吸もどこか苦しげになっていく。柊が人差し指を口に含もうとすると、
「もう・・・、やめて・・・下さい・・・」
アンゼロットは薄く目を開けて柊を見ながら、かすれる声で言った。
柊が微かに頷くと、彼女は安堵のため息を漏らし、大きく深呼吸しようとした。が、口中に入り込んできたのは新鮮な空気ではなく、先ほどまで自分の手を攻めていた柊の舌だった。
「ん、んんっ!」
くぐもったうめき声が湿った音ともに響く。柊はきちんと揃えられたアンゼロットの両足を跨ぐ様な形で彼女に覆いかぶさり、両手で頬を固定していた。
柊は、アンゼロットの口中を思うさま蹂躙した。舌を舐め、そして、絡ませ、歯の一本一本、歯茎までもしゃぶりまわした。
346がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:21:32 ID:GhCDxlx4
それは、パートナーを慈しむ口付けではなく、ただ単なる穴を犯すかのような動きだった。ややあって、柊が唇を離すと、銀色の糸がかかり、ぷつりと途切れる。アンゼロットは呆けた様に口をあけたままで、その周りは唾液まみれであった。
 柊はそれに構わず、ドレスの胸元を無理やりに引き裂き、彼女の首筋から鎖骨、二つの膨らみから小さな臍までを露にした。
先ほど、柊が思ったとおりの、無駄な贅肉の一切無い、それでいて、痩せぎすな印象の全く無い肢体がそこにあった。首筋はあくまでも白く、細い。そこから鎖骨、鎖骨からその下の膨らみへのラインは優美で、一切のしみも無い。
そして、膨らみは純白のレースのブラに包まれていながらも、その下の完璧な形を思わせた。また、そこから臍の辺りは薄く汗をかいており、しっとりと濡れている。
 その汗が、外気に触れたことによって冷え、アンゼロットの意識を呼び起こした。一瞬、何が起こっているのか分からない様子だったが、
「ひっ」
軽い悲鳴を上げた彼女は、両手で胸を覆いながら、怯えた目で柊を見た。だが、見えたのは柊の顔ではなく、頭だった。彼は、アンゼロットの首筋に顔をうずめていたのである。
柊は、舌を押し付けると、そのまま鎖骨の辺りから首筋まで、一気に滑らせた。
「ん・・・」
347がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:23:11 ID:GhCDxlx4
アンゼロットの呻きは小さかった。あまり、相手を感じさせようとするような動きではなかったからだ。しかし、柊の、
「・・・しょっぱいな」
という言葉を聞いて、一気に耳まで赤くなり、胸を覆っている腕が震えだした。それを見逃す柊ではなかった。
すかさず、彼は、ブラを彼女の腕ごと、上に押し上げた。
ぷるん、という音を立てたのではないかと思わせるほど、それは弾力に富んだ動きを見せた。震える二つのふくらみの頂点には
赤く色づいた蕾がつん、と尖って生意気に自己主張していて、
触れれば壊れてしまうような印象を受ける。
「見ない・・・、で・・・、恥ずか・・・、しい・・・」
そのかすれた声が、すこしだけ柊を冷静にした。
柊は、ゆっくりとそれに手を触れる。そっと、やさしく、包み込むように。アンゼロットは、羞恥に顔を赤らめながら、温かく、大きな掌で触れられたことに、
わずかながらため息をついた。柊の両手が大きな円を描くような動きを見せる。ふたつのふくらみは柊の掌を柔らかく押し返しながらも、
手の動きのままにかたちを様々に変化させていった。緩やかな、
しかし確かな快感が二つのふくらみからアンゼロットの脊髄に送り込まれている。
それは、このままこの快感に身を委ねたいという強烈な想いを伴って、アンゼロットの脳に蓄積されつつあった。しかし、アンゼロットはまだわずかながら残っている理性を総動員して、柊の体に手をかけようとした。だが、それを知ってか知らずか、
柊の左手が、ふくらみの頂点でその身をますます硬くする蕾をつまんだ。
348がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:24:06 ID:GhCDxlx4
「んうっ」
アンゼロットの手が柊の肩の上に落ち、それを握り締める。柊が、その蕾を好きに弄れば弄るほど、そこに込められた力は強くなっていく。人差し指と親指でつまみ、ひねる。爪で軽く引っ掻く。そして、膨らみの中に押し込むように指の腹ですり潰す。
無論、その間も右手による愛撫は続いている。いや、それどころか、指と指の間に乳首を挟みこみ、掌全体で押すようにしている。右のふくらみから送り込まれる緩やかな快感と、左のふくらみから送り込まれる鋭い快感が、どうしようもなくアンゼロットを惑乱させた。そして、
「んっ、はぁっ、だ・・、め・・、いやっ!くうぅ、・・ん!!」
柊の方を握り締めた手にひときわ強い力が加えられたと思った、次の瞬間、それは弛緩していた。
軽い絶頂に達してしまったアンゼロットを、リムジンの革張りのシートにゆっくりと横たえる。シートは、アンゼロットの肢体をやわらかく、しかし、しっかりと受け止める。彼女の銀髪がシートから、床のほうへ幾筋か流れる。
柊は弛緩したままの彼女の片足から、靴を脱がせた。
そのまま、その足をシートの上に乗せる。片足を床の上に残したまま、彼女の股間がはしたなく開かれる。柊は、ゆっくりと、スカートをまくり上げていった。アンゼロットの脛から、腿の辺りが徐々に明らかになってゆく。思わず、柊は腿の辺りに手を這わせた。
すると、そこはしっとりと掌に吸い付くような感触を掌にもたらした。その感覚が心地よく、柊はその掌を太ももに這わせたまま徐々に股間のほうへ近づけていった。その動きにつれて、スカートがさらにめくれあがっていく。そして。
349がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:25:39 ID:GhCDxlx4
「・・・・・・っ」
柊は息を呑んだ。
そこを厳かに包み込むのは、恐らくはブラとお揃いであろう、純白のレースのショーツであった。
確かに、それだけでも、生唾ものではあるが、それ以上に柊を興奮させたのは、
そのショーツがぐっしょりと濡れて変色してしまっているということであった。
柊は、しばらくの間、それに見入っていた。いや、魅入られたといったほうが良いだろう。
しかし、アンゼロットが僅かに身じろぎをしたことで我に返り、ショーツの両脇に手を伸ばした。
しかし、彼女に開脚を強いている以上、ショーツを完全に脱がすことは出来ない。
柊は、やむなく、いや、嬉々としてショーツを引き裂いた。
現れたのは、幼く、清げなアンゼロットの秘所である。上部のあたりに、ふわりと白銀色の恥毛が鎮座し、その下のクレヴァスを飾っている。
そこは平素であれば、ぴっちりと閉じているに違いない。しかし、今は、少しだけ開き、そこから桜色の内壁が垣間見え、ショーツを濡らした彼女自身の分泌液が、今も、とろとろと流れ出ていた。
そっと指をもぐりこませると、そこは熱く、たっぷりと濡れ、震えていた。指を動かすと、その震えが大きくなり、ぐちぐち、という水音が響いた。
彼女は、体をビクリと震わせると、その指から逃れようと、自分の頭のほうへ体を少しずらそうとした。しかし、男の腕が彼女の足をがっちりと捕まえており、それも適わない。
手で、指を押しとどめようとするが、震えるそれは、男の手を弱々しい力で包み込むのがせいぜいだった。
350がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:26:28 ID:GhCDxlx4
その間にも、指はクレヴァスを隅々まで確かめていた。そして、
「・・・っ!?」
そこをまさぐる指が二本に増え、引きつるような喘ぎを漏らした次の瞬間、ぬちり、という音とともに、クレヴァスが開かれた。
開かれた花はどこまでも艶やかなサーモンピンクに彩られている。それは奥底の泉からこんこんと湧き出るものによって覆われ、淫らな光沢を放つ。
その上部に位置する核は勃起し、半ばまで包皮がめくれていた。既に十二分に潤滑油を纏った指が、それに添えられる。
「ん、はあぁっ」
それは、明らかにそれと分かる快感の喘ぎだった。だれよりも、彼女自身がそのことを悟った。あわてて唇を硬く噛み締めるが、既に遅い。
それが原動力となったように、添えられた指がダイナミックに、動き始める。やや乱暴とも取れる動きで、それを捻り、潰してゆく。
「ん・・・っ、はっ・・・、あっ・・・、うぅん・・・」
必死にあえぎをこらえる彼女であったが、その一方で、彼女の泉からあふれるものは、男の手を濡らし、
それを伝わって、スカートを変色させた。おそらく、その下のシートまで染みているに違いない。そして、
ひときわ強くそれを押さえたとき、包皮が完全にめくれ、それが外気に晒される。
その感触に、彼女は思わず、
「ひうっ!?」
351がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:27:21 ID:GhCDxlx4
その過敏とも思える反応は、柊に逡巡を与えるに十分だった。それをどのように扱うべきか、彼はそこから目を離す事もできずに黙考した。
だが、そのようなことを知らないアンゼロットは、侵攻が一時中断したことに安堵だけではない、複雑な感情を抱いている自分を発見していた。
彼女は白銀の髪を波打たせて、軽くかぶりを振った。そんな馬鹿なことがあるはずが無い。侵攻が中断されて、
(・・・私、何を!?)
とんでもなくはしたないこと考えが浮かぶ。それは打ち消せば打ち消すほどに、大きくなり、彼女の胸を締め付ける。
現に、彼女の泉は今もこんこんといやらしい液体を分泌し、
あまつさえ、寂しがるかのように、蠢いているのである。そして、彼女は自分でも驚くほど敏感になっているそこで、それを感じた。
(・・・見られている)
その視線は実体を持ってそこに突き刺さっているような錯覚すら引き起こした。いやらしく光る自分の肉が、止めたくても止められない、
淫らな泉が、何かを待ち望むかのように頂点で息づく蕾が、
(・・・見られて、・・・いる)
その思考と錯覚が、彼女の羞恥を煽り立てる。それが高まれば高まるほど、そこがさらに開花してゆくことに、彼女は全く気付いていない。それどころか、
352がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:28:13 ID:GhCDxlx4
(はや・・・、く・・・っ!?)
それが、
(私の、本心・・・、なの?)
(柊さんに、あんなことをされて・・・)
(違う、そんなはずが・・・無いっ!)
だが、ならば、何故、
(こんなにも・・・)
苦しいのか。彼女はその思いを打ち消そうとした。しかし、股間に感じる視線がそれを許さなかった。
そのことが、彼女の羞恥をさらに煽る。
そんな、ループに陥った彼女を救ったのは柊だった。
「あ、ああああぁっ・・・っ!」
リムジンの車内に容赦の無い嬌声が響いた。柊が彼女の秘所に顔を埋め、蕾を吸ったのである。これまでがお遊びに思えるほどの快感。
彼女の胸に去来していた羞恥も、切なさも何もかもが快感によって、塗りつぶされてゆく。最早、思考することは不可能だった。そして、頭が真っ白になる。
「い・・・い、やあぁあっ!!」
彼女の腰がびくびくと震え、泉がその活動をさらに活発にする。二度目の絶頂。
353がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:29:04 ID:GhCDxlx4
それは、全てを押し流す津波であった。思考は勿論のこと、彼女は自分の体の存在すら、あやふやになるのを感じていた。
それは、たとえようも無い不安を伴って、絶頂の余韻とともに彼女を苛んだ。そんな感覚の中、津波を起こした震源地がまた、微細な振動を感知していた。いや、振動ではない、これは、
(熱い・・・?温かい・・・?)
だが、そこから起こる快感は、彼女を、体が、
(とろけて・・・、しまった、ような・・・)
快楽の深淵へと再び導くような気がして、再び、不安を抱かせた。
やがて、弛緩しきった体が力強く抱きしめられた。涙で滲む視界一杯に柊の顔が広がっていた。
いつの間にか、彼女に覆いかぶさっていたらしい。
抱きしめられた、確かな感触が彼女を安心させ、我知らず、微笑を浮かべさせた。それを了承と取ったのだろう、
「・・・いくぜ」
彼女がその言葉の意味を理解する前に、熱く、硬いものが、彼女の狭い洞穴を強引に掘り進むかのように進入した。
「ひっ・・・んぐうっ・・・痛・・・、い」
たまらず、苦痛を訴えるが、柊のほうにもそれを聞く余裕は無かった。
「ん・・・・・・っ」
(こんなに・・・っ?)
354がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:29:52 ID:GhCDxlx4
そこは狭く、熱く、どこまでも柔らかく濡れ、しかし、確かに、柊の剛直を受け止め、締め付けていた。お互いに気遣う余裕も無く、それは容赦なく侵攻してゆく。
ややあって、先端が何かにつかえ、それ以上入らなくなる。その感触が、この女の全てを埋め尽くしたのだという気恥ずかしいような達成感をもたらし、
相手を気遣う余裕を少しだけ与える。
アンゼロットは目をきつく瞑り、眉を寄せ、顔を涙で汚していた。それは、男に罪悪感と征服感を同時にもたらすものだった。出来れば、ここで一息つきたかったが、
剛直を包む胎内がそれを許さなかった。
内奥は剛直を総出で歓待し、あらゆる角度から吸い付き、入り口の辺りの括約筋は信じがたいほどの力でそれを締め付けていた。
「ん・・・っ・・・いっ・・・」
胎内に侵入していた異物がゆっくりと引き抜かれる。それは、彼女に、内臓を引っ張られるような感覚をもたらした。自分自身が征服されたということを否応無く思い知らされ、そのおぞましさに身震いする。
355がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:30:42 ID:GhCDxlx4
剛直が引き抜かれるギリギリのところで停止し、再び侵入を始めた。最初はそれが侵入したという事実しか認識できなかった彼女の意識は、
今度ははっきりとその様子を捉えていた。自分の胎内が、男を受け入れる態勢を整え、淫らにぬかるんでいることに赤面し、
「・・・・・・」
それのとてつもない大きさと熱さに呻き、
「んっ・・・・・・」
そして、それが自分の胎内の壁という壁を蹂躙し、擦りあげる感覚に喘ぎ、
「はあ、ああっ・・・っ」
先端が自分の奥底に当る衝撃に、嬌声を上げ、
「ん、ああっ!」
そして、再び、自分の胎内から何かが掻き出されてゆく感覚に震える。
「あ、ううっ、んっ」
それが繰り返されるたび、アンゼロットは自分自身を構成するものが擦り取られ、はがされてゆくことを不思議とはっきり、感じていた。
それは、理性とも知性とも意識そのものともいえるだろう。代わりに彼女の脳裏を埋め尽くして行くのは、
自分自身の濡れた肉がかき回される感覚だけだった。
そして、それは、やがて、脳裏において快感と認識されるようになっていった。
356がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:31:16 ID:GhCDxlx4
「ん、はあっ・・・ぃ・・・いっ」
彼女が初めて、はっきりと愉悦を口にする。だが、彼女はそれには気付かない。それどころか、
いつのまにか男の背中に回されている白い腕にも、男の腰にはしたなく巻きついている脚にすら、全く気付いていない。
「んはっ、・・・はああっ・・・」
 彼女の中に蓄積された快感がゆっくりとその頂の高さを増してゆく。その向こうに何があるのか。
それに対して何を思うでもない。ただただ、自分の中で生まれ、弾けてゆく快楽を貪る。
最早、彼女の胎内で生まれる全ての感覚は、全てが快感に直結していた。行き着く先はたった一つ。
そして。
「んんっ・・・ああああああぁぁっ・・・!?」
全てが、弾ける。
357がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:32:02 ID:GhCDxlx4
胸を弄られていたときや、蕾を吸われたときの絶頂とは比べようも無い、正真正銘の絶頂。それは、アンゼロットの全身を駆け巡り、
脳や脊髄を蕩けさせた。もはや、全身がばらばらになるなどという感覚すらも無く、全てが愉悦で満たされる。
さらに、胎内の一番奥に何か熱いものが注ぎ込まれ、彼女を更なる高みへと導いた。
「ああ、・・・・あああああっ!?」
男の体が弛緩し、汗でぐしょぐしょになった体の上に倒れこむ。双方とも、激しい愉悦の前に息を荒げていた。
(・・・てな感じか)
358がんばれヒイラギくん:2005/11/23(水) 01:38:03 ID:GhCDxlx4
書き込んだら、ものすごい長文であることに改めて気付いた。
ス マ ン。

シチュや心情もなにもなく、ただ、エロくしようとだけ思った、質実剛健
実用一点張り。もうだめぽw。

ちなみに、このあとは、股間テントをアンゼロットに発見された柊が
足でグリグリとかされる逆レイプシチュを構想してるんだけど、まとめ
サイト見ると、柊逆レイプってそんなに珍しくも無いので、どーしよ。

まあ、最後に一言。

カ ニ ア − マ − っ て エ ロ く ね え か ?
359名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 05:49:38 ID:/DOoStsa
>>358
いやあ,柊を最初にレイプしたのは

 G M で しょ う !!
360「望&瞳アナザー」作者:2005/11/23(水) 06:41:25 ID:XMwWKe1y
本編書くのに行き詰ってこっちを覗いて見たら色々投下されてたので感想でも。

>336
手を差し出されただけで逃げ出したほど警戒心の強い夢使いが
どんなことがあってあんなにデレデレになったのか?
その過程に有るはずのめくるめくエロの妄想で、自分の作品の執筆の手が止まるw。
(遅筆を人のせいにするな、自分)
何はともあれ、GJ。続きに期待。

>358
…エロい、エロいよ霧谷さん…(何故に霧谷か。それは先日DXリプ2巻読み直したから)
超GJ!…エロ物書きの端くれとして羨望と尊敬をこめてこの言葉を送る。

>カニアーマーってエロくねえか?
こんな感じか?

 試作型の巨大な《蟹爪》が私の両手を縛る。
 二回りほど小さな8本の足が、防具の間から服の中に入り込んで私を刺激する。
 嬌声を上げる私に向って、試作型カニアーマーが語りかける。
「量産型風情の性能で、この試作型に敵うとでも思ったか?」
 既に私の量産型カニアーマーは機能を停止している。
 それを見取った試作型は、邪悪な笑みを浮かべながら、言った。
「量産型よ。試作型の名において命じる。…この少女を陵辱せよ」
 機能を回復した私の量産型は、内側に繊毛を発生させた。
 胸を筆で隅々まで撫で回されるような快感に、私の意識は飲み込まれていった。

何だこりゃ。カニアーマーが謎兵器に…
まさか!カニアーマーは汎用蟹型陵辱兵器だったのか!?
…そもそも358はナイトウィザードの方の蟹を言ってるんじゃないか?
まあいいか、書いちゃったし。

>358を読んでやる気が出てきたので、今から本編の方を書くことにする。
今日中に投下…できたらいいなぁ。
「これで――終わりよッ!」
長時間に渡る一進一退の勝負を決したのは、“流浪の剣士”レイナの放った基本に忠実な下段突きの一撃だった。
「がっ……! ち……ちくしょう……っ!」
痛烈なカウンターで一発逆転の秘策を潰された“荒野の義賊”リスティは、
吹き飛ばされた愛用のメイスに続いて丸盾をも取り落とし、野外闘技場の堅い地面に崩れ落ちる。

周囲を埋め尽くす観客たちが総立ちになり、爆発的なうねりのように歓声のボルテージを上げていく。
それは勝者への賞賛であると同時に、要求に他ならない。
彼らの声に例外なく宿っているのは、敗北者にこれから訪れる運命への下卑た期待だった。
「く、くそぉっ……こ、殺せよッ、レイナ……!」
敗者に“完全な敗北”を与えるまで、勝者としての名乗りを上げ、戦場を出ることは許されない。
それが情け無用の武の祭典、クイーンズブレイドの掟なのだ。

レイナはわずかの間、逡巡するように握った剣の柄を見つめていたが、意を決したようにそれを地面に突き立てた。
「お、おいっ……まさか……!?」
その所作を見て、観客の轟きは一瞬、水を打ったように静まり――――直後、前以上の大音声が二人を包んだ。
レイナが死ではなく“もう一つの方法”をもってリスティに“完全な敗北”を与えると選択したことが、
より過激で劇的な結末を望む彼らにとっては嬉しい誤算に他ならなかったからだ。
「お、お前っ、わかってんのかよ!? じ、自分がこれから……!」
「私はっ! ……あなたに死んで欲しくないからこうするの。おねがい、私にあなたを殺させないで」
絶句する敗者にひとつ微笑んでみせると、試合前に渡された魔法薬のカプセルを盾の裏から取り出し、飲み込む。
「ううっ……くぁぁっ、あ、熱い……! で、出てくる……出てきちゃ……うっ!」
試合中幾度も観客を沸かせた黒い下着から、みるみる異形の物体がせり上がり、前垂れを押し退けてそそり立つ。
大きくエラを張り、先走りにぬめつく赤黒い男性器が、流浪の女剣士の白く美しい両脚の間に出現していた。

「ほ、ほんとに生えてきちゃった……ああっ、こ、こんなことになるなんて考えたくなかったのに……!」

そう、もう一つの決着方法とは“敗者を勝者の精液で染める”こと。
女として最大の屈辱を浴び、女王候補から叩き落されたことが観客に知らしめられ、敗北の証となるのだ。

「や、やめろぉっ! そ、そっちを使われるくらいだったら、死んだ方がマシだぁっ!」
「うるさいっ、こうするしかないでしょ! わ、私だって、恥ずかしいんだからねっ……!」
観客は周囲に見える連中だけにとどまらないことは、二人とも当然承知している。
宮廷魔術師の水晶球通信を介して、今この瞬間も一部始終が全国土じゅうに中継されているのだ。

「ああッ、私の見られてるっ……お願いリスティ、すぐ終わらせるから、そのままじっとしてて……」
「う、うううっ……や、やるならさっさとしろぉっ……!」
元より立ち上がる気力もないリスティは、乱れた軽装を荒い息で上下させながら赤面して叫ぶ。

「え、ええ、わかったわ……っあ、くぅ……っ!」
レイナが剣の代わりに肉筒を握り締めると、にちゃりと湿った音とともに吐息がひとつ漏れた。
そして、精液を出すための運動が――女義賊に向けてしごかれる、女剣士の肉棒センズリが始まった。
ずっ……じゅこっ、にゅここッ……! ずっずりゅっ、じゅこっ、しゅここっ……!

(か、考えないようにしなきゃ……こんなのただの作業と思って、早く終わらせなきゃ……!)
(み……見ちゃダメだ、目をそらせっ……うあっ、お、音が鳴ってる、それにこの匂いっ……)

武者修行一筋で生きてきたレイナも、男に囲まれて育ちながら色沙汰と無縁だったリスティも、
知識やオナニーの経験はあっても、他人を介した性体験ならば今の異様な状況が初めてだった。

「おっお前、い、いやらしい音させすぎだぞっ……! それにあたしに近付けすぎ……うあっ、ああっ!」
「注文つけないでよっ……こっちだって必死、んあっ!? ふあ、だんだん、コツわかってきたぁっ……」
生えたばかりの器官の敏感な粘膜を、脈打つ幹を、皮を、しなやかな指がなぞり、快楽を引き出していく。
すでに女剣士は敗者の眼前で動かす指を止められず、女義賊は勝者が見せる嬌態から目を離せない。

「ハァッ、はぁぁ……ご、ごめんリスティ……なんだかこれ、楽しくなってきちゃったかも……っ!」
「ばっ、馬鹿野郎っっ! へ、変態かお前っ、じょ、状況わかってんのかよっっ!?」
「だ、だって……ひゃあんっ、そ、そんな目で見上げられると、私っ……!」
「ひっ、さっきより大きくなって……! や、やああっ……そ、そんな近くに突きつけるなぁぁ……」
ともあれ友人の命だけは奪わずに済んだ安堵と、異常な状況の生み出す非現実感、高揚感が、
レイナの思考をじくじくと蕩かし、戦いに火照った肢体を、男根から送られる快楽にふやけさせていた。
観客の男たちの欲望が自分に流れ込み、その代理を果たしているかのような錯覚すら浮かぶ。

(ほ……本当にリスティを汚しちゃうんだ、私……! どうしよう、もう止まらないよぉっ!)
(か、かけられる、出されるっ! こいつに、せ……精液で汚されるんだ、あ、あたしっ……!)

食べ物を口いっぱいに頬張った小動物のように、リスティを狙う亀頭がぶるぶる震えながら膨れ上がる。
友人として好敵手として認め合った相手を、衆人環視の中、自分の排泄液で思うがままに汚す禁断の快楽。
頂点に達した会場の熱気とともに、その瞬間はもう、目前まで来ていた。

……ずっ、じゅずじゅっ、りゅこっ! ぐりゅりゅっ、ずっじゅっずっじゅっずっじゅっじゅっっ!!

(ど、どうすればいいんだろ、このまま出したらどこにかかって……やっ、あっ、ダメ、来るぅっ!?)
(うああっ、どこに来るっ、どれだけ出るんだっ!? こ、心の準備が……ひっ!?)


【さあ、とどめはどうする?】
>1.顔面にぶちまける(ダメージ修正:5)相手によっては最大級の屈服感を与えられる。
>2.全身にぶっかける(ダメージ修正:6)隙がやや大きいが、強力な征服感が期待できる。
365クイーンズブレイド本スレのネタ 前編:2005/11/23(水) 07:57:49 ID:C0xFEWW6
というわけで、後編(というか決着シーン)は出張帰りに。
希望の番号を他の方への感想のついでにでも書いていただければ、対応します。
ご意見がいただけなければダイスでも振って決めます。お目汚し失礼しました。
366名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 10:46:40 ID:VVcVToeY
>3.挿入はしないがさきっちょだけあてて膣へ注入  でお願いします(土下寝
367名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 13:21:02 ID:EPwoRT94
リスティの格好なら1.全身へで一つ。
ついでに我慢できなくなった観客が雪崩れ込んできたりしてくれれば言うことなし。
368名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 18:46:49 ID:NiBhWl9x
レイナも初めてなので制御できないということで、
>2.全身。
ちなみに魔法薬は効果時間がある?それとも永続?
369名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 19:35:17 ID:YUY38CAm
>4.口の中でだしてしまう
370名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 20:13:13 ID:Gsx37iql
>5.アナルにブチ撒ける
371名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 20:20:13 ID:IhIhGCpQ
>6.間違えて自分にかけてしまう。(体を弓なりにしすぎて上方に発射)
372名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 20:40:20 ID:vAa0qh0e
イルマに最初から特殊武器装備させてみたい
「ちょwww何それwwwww」
「足元、滑るから気をつけてね」

>2.全身
373名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 21:18:55 ID:jkc2gkP9
>372
最初から特殊武器装備は普通にいそうだな。

>1.少数派の顔面に一票
374名無しさん@ピンキー:2005/11/23(水) 22:21:32 ID:vAa0qh0e
アクションに「目潰し」が追加されるのかなw
375強化(ry:2005/11/24(木) 12:01:15 ID:BUnxiLxn
ナイトウィザード人造人間♀×聖職者♂

ベル本を描いているときに浮かんだネタ。
ベル&べるぐるみのネタが途中ですが、一気に書き上げてしまったので投下します。


・聖職者
 15歳くらい。男。線が細い。

・人造人間
 人間ベース。12歳くらい。女。見た目お嬢。
 得意技はファイヤーサンダーライガーボム。
376人造人間×聖職者 1/12:2005/11/24(木) 12:02:42 ID:BUnxiLxn


 年齢15歳。身長162cm。男性。孤児。
 某国のスラムでその日暮らしをしていたところ、グィード神父にウィザードとしての適性を認められ、聖教に入信。
 現在、聖教徒ととして布教に勤しみ、またウィザードとして聖職者の務めを果たす毎日。
 優しさに満ちているが、押しが弱く流されやすい性格。
 これが、彼の経歴にある全てである。
 そんな彼の人生を大きく変えた転機が訪れたのは1ヶ月ほど前のことだった。
「これが君に与える辞令だ」
 聖王の執務室に呼び出され、グィード・ボルジアから与えられた与えられた最初の言葉がそれだった。
 ――貴君を聖教会が新たに開発した対侵魔用戦機の管理者に任命する。
「え……こ、これはどういう」
「不服かね?」
「あ、いえそういうことでは」
 まさか貴方の噂を聞いていて自分も、その――哀れな子羊のように犠牲になるのでは、と考えていたなどとは言えない。
 そんな彼の顔を見て、グィードはニヤリと悪鬼じみた笑みを浮かべた。
「なに、まさかミドルティーンに手を出したりはせんよ。もっとも君がナイスミドルな年齢に達すれば話は別だがね」
 眼鏡の奥の赤い瞳が、彼の体を嘗めるように観察する。
「まあ、なかなかの素材だとは思うが」
 ヒィッ!?
「さあ、マイスウィート。勅令を与えてやるがいい」
「ああ、解っているとも。では命ずる――」
377人造人間×聖職者 2/12:2005/11/24(木) 12:03:31 ID:BUnxiLxn


「ねぇ、こっちは終わったよ」
 こともなげに――そう、本当に何事もなかったかのような口調で、彼女は状況の終了を告げた。
「ええ。って、ああこんなに怪我して! 今回復しますから」
 キュア・ウォーターを唱えるべく念を集める。
 傷口は浅いが広範囲の出血のため、見た目は結構な重傷を負っているように見えた。
 力ある言葉をペットボトルの水に与え、傷口を清める。
 たったそれだけで、醜い傷口は嘘のように消え、白磁の肌へと戻った。
「……放っておけば自動的に治癒するのに」
「それでは傷跡が残っちゃいますよ」
「戦ってればそんなのいっぱいできるよ。関係ないよ」
「でも女の子がそういうのはいけません」
 強い口調でたしなめる。彼女はいつもこうだった。
 不意打ちで敵のど真ん中へ突っ込んで行き、撹乱した後で機動力を生かして混戦を離脱、戦列を乱して追いかけてきた敵を狙い撃ちにする。
 が、その戦法には常に大変なリスクが付きまとう。
「……あ」
 ぱたり、と彼女が倒れた。集中力が切れたのだ。同時、屠られたエミュレイターの死体とともに赤い空間が砕け散り、世界に色が帰ってきた。
 僕はいつものように彼女を負ぶって、夕暮れの街を帰路につく。
378人造人間×聖職者 3/12:2005/11/24(木) 12:05:38 ID:BUnxiLxn
「よい……しょ、と」
 彼女をベッドに横たえる。
 これがパターンになって、もうひと月が経つだろうか。
 今ベッドの上で寝息を立てている少女は、自分よりも3つは下に見える。
 聞けば、強化人間のなりそこないだったという。
 与えられた力に適応しきれず、それ故壊れ、肉塊として廃棄されるところだったという。
 聞けば、実験体だったという。
 ほぼ機能しなくなった彼女の肉体は新たな技術の素体となり、その7割以上を新たに構築されたという。
 人間外のモノとして。ウィザードに造られしウィザード、人造人間として。
 外見は麗しいといえる。白銀のロングヘアにしみひとつない白い肌、ほっそりとした腰は、力を入れて触れれば壊れてしまいそうな。
 先ほど負傷し治療した箇所、衣服が破けて肩口から腕が露出していた。
 ――見とれちゃダメだ。
 このカラダは凶器だ。
 いざ戦闘となれば彼女の肉体はほどけ、その場に応じて新たな形をとり、敵と相対する。
 自身の血液を流しながら変体していく様は痛々しくも――
 ――ダメだ。美しい、と感じちゃいけない。
「あ、そんな風に思ってくれてるんだ。ちょっと嬉しいかな?」
「わわわっ!? お、起きてたんですか!?」
「ううん今。それより私、美しい? キレイってこと? えへー」
「エスパー!?」
「や、口に出てたよ」
「へう」
 そーですか。でてましたか。
「あ、スゴ」
 彼女が何かを見咎めた。視線を追うと……僕の股間。
 これはアレですね。さっきまで死線をくぐってたもんだから生理反応ですよ生理反応。
 だから自然なことであってつまりその不埒なことは一切ないと。
「ってここで自分を誤魔化しても意味がないッ!? 股間が股間がッ!!」
「本音と心の声が逆よ」
「あああああっ!?」
379人造人間×聖職者 4/12:2005/11/24(木) 12:06:16 ID:BUnxiLxn
「混乱してるところアレなんだけど、私お風呂入る」
「え、いやちょっとこれから瞑想しますよこんな状態じゃ」
「いーから来るの」
 えいや、と浴室に投げ込まれる。
 僕はレベル1、彼女はレベル5。故に力押しにかなう筈もなく。
 僕は彼女の頭をシャンプーでガシガシ洗っていた。
「わー。血が混じってシャンプーの泡がオレンジ色ー」
「じ、自分で洗えるようになってくださいよー……」
「えー。私の髪、キライ?」
「そうじゃなくって! 将来僕がいなくなったらどうする気ですか」
 僕の声はもう殆ど悲鳴に近かったと思う。
 実際そうだった。ある日突然対侵魔用戦機の実戦配備とか言われて、覚悟してたら来たのがこんなちっちゃい女の子で、僕はその管理者なんだけど要するに報告係兼世話係で。
 早々に両親をなくし、こんな仕事をしているもんだから女性に対して免疫がない。どう接していいか判らず、悪戦苦闘の毎日。
 さらに彼女は常識というものが著しく偏っていた。裏社会に通じていると思えば、髪のひとつも自分ではロクに洗えない。
 本当に、悪戦苦闘。
 その甲斐あって、最近は打ち解けてきたように思う。
 しかし、彼女の肩は今、震えていた。
「……いなくなるの?」
 え。
「いなくなっちゃわないで」
 く、と泡だらけの頭が沈んだ。
「ヤダよぉ! 駄目だよそれ!」
 その頭が反転。僕に突っ込んでくる。
「ふえ……」
 グス、と鼻を啜る音。見れば、僕の胸の中で彼女は泣いていた。
「ちょ、ちょっと! どうしたんですか!?」
「だって! いなくなるって!」
「もしもの話です! 任務が終わるまでいなくなったりしませんよ!」
「……ホント?」
「本当です。……だから僕の上から降りてください――って!?」
380人造人間×聖職者 5/12:2005/11/24(木) 12:07:14 ID:BUnxiLxn
 す、と細い指の感触がした。僕が腰に巻いたタオルの中で。
 それはつまり――
「あ、すごいすごい興奮してるでしょ」
 つまり、先ほどから収まりがつかなくなっていたところにバスタイムで湯気の中揺れる細いうなじがというかなんというか。
 彼女の髪を洗うたびに毎度毎度我慢していたソレを今ってああああさすらないでさすらないで!?
「もしかして毎回こうだった?」
「い、いえそれは」
「しかし私は今物証を握っている!」
 ええ、文字通りブツを証拠として握られていますが。って、混乱して逆に頭だけ冷静ですね何を実況してるかな自分。
「って何をしてるんですか! 女の子がはしたない!」
「ナニをしようとしてるのー。男の子のクセに意気地なし!」
「前後の繋がりが全然解らない! 今の話からどうしてこんな」
「いなくならないって言ったでしょ? でも信用できないもの。だから私がいないといられないようにするの!」
「そ、そんなことしなくても好きですよ! だからいなくなったりしません!」
 大声。
 ――あ。これは。まずい。
 本音が。
 見ると、彼女はキョトンとしていた。
 鳩が豆鉄砲食らったような、という表現がぴったりの表情。
「そーなん?」
 そうなの? と訊いているのかそれは。
「そうですよ」
 そりゃ確かにそうですよずっと僕は独りだったし今は帰ればただいまって言えるし料理作ったらえらい喜んでくれるしなんかもう生活の一部って感じだし。
 バカだけど顔はキレーだしワガママだけどいい匂いがするし僕より全然強いクセに細っこくて折れちゃいそうで。
「いなくなったら、僕が困ります」
 たったひと月一緒にいただけなのに。
 もうすっかり彼女の甘い毒に、僕は脳まで溶かされていたんだな、と今頃実感しているわけで。
「あーでもやっぱり私汚れてるし、ダメかな」
「汚れ?」
「昔ね、強化しきれなくって壊れちゃってさ、そーいう子達は肉扱いされてたの」
381人造人間×聖職者 6/12:2005/11/24(木) 12:09:10 ID:BUnxiLxn
 ――肉?
「研究者ってストレス溜まるのよ。で、それを吐き出しに来る。この失敗作どもが、お前のせいで、お前らが不適合だったせいで、って」
 なんて、ことだ。
「でね、拒めないんだ。そんなことしたら処理されちゃうから」
 くしゃ、と彼女は笑顔を作った。泣き笑い。目は笑わない。だからそれは、ただの泣き顔。
「汚れ、なんてね」
「え?」
 幼い頃、男娼として身体を売ってでも。
「生きる上で絶対に付くものなんです」
 ああ、そうだ――彼女は。
「だから、ダメなんかじゃない」
 彼女は――僕だ。かつての。
「それでも気になるのなら」
 気にならなくなるほど。
「一緒に、汚れてしまいましょう?」
 自然と手が彼女を抱きしめていた。
 唇を交わす。苦い。シャンプー味だった。
 ――かまうものか。
 夢中で唇を押し付ける。そのうち、舌が絡まりあう。
 吸う。絡める。吸う。絡める。
 唾液が。気持ちが。二人が。絡まって、いった。
「……ぷあ」
 どちらともなく、顔を離した。
 離したが、さて。
「どうしましょう」
「な、何が? ここまでしといて」
「いえそれが大変言いにくいのですが……女性とは、その、初めてで」
「……そーなん?」
「あ、いえそのやむを得ない事情が」
「へぇ。それが君の汚れなんだ」
382人造人間×聖職者 7/12:2005/11/24(木) 12:10:24 ID:BUnxiLxn
 はい。と答えるより他にない。
 恥ずかしい。というか最低だー!
「じゃあ女の子の汚れは私が最初なんだー」
 はい?
「いただきまーす」
 はむ、と唇に亀頭が包まれた。
「ん……ちゅ……じゅる……」
「あう」
 ――これは。
 上手い。慰み者になっていた頃に、生きたい一心で身に付いたものなのだろうか。
 唾液をたっぷりとまぶした舌が、根元から棹を伝い裏筋を通って亀頭に行き着く。
 亀頭の先を唇で含み、舌先でチロチロと鈴口を抉る。
 そして口をすぼめつつ、口中深く僕のモノを頬張る。
 ――女の子の口って、こうなのか。
 やわやわとした刺激。それ以上に、彼女のような少女に咥えてもらっているという視覚効果が大きい。
 だがまだ幼い彼女では僕のモノを全て収めることは出来ないだろう、そう思ったそのとき。
「んぶっ」
 咽喉の奥まで僕のモノが飲み込まれた。
「うわわっ!?」
 ゴリ、と亀頭の先に気管の当たる感触。
「――ぷはぁっ」
 瞬間、彼女は仰け反るようにして口からモノを開放した。
「む、ムチャしますね……」
「ケホ、ケホ。えへへー、気持ちよかった?」
「出ちゃいそうでしたよ」
「そか」
 と、彼女が笑った。先ほどのような表情のみのものではない。
 僕が彼女で感じたことを嬉しがっている。
「でもね、ここまでは昔の汚れ。今の汚れは、こう」
 言うが早いか、彼女は自らの力を解放していた。そう、人造人間の力を。
383人造人間×聖職者 8/12:2005/11/24(木) 12:13:08 ID:BUnxiLxn
「【ブラッド・バレット】!」
 それは腕を大砲と化し、血塊弾を打ち出すための技能。
 パキ、メキという音を立てて彼女の右手がほどけていく。
 同時に骨が、神経が、筋繊維が、皮膚が新しい腕を形作っていく。
 瞬く間に右腕はいびつに変形し、彼女の掌にはぱっくりと穴が開いていた。
「これでねー、えいっ」
 ずるり、と僕のモノが右手に吸い込まれた。
「おわっ!? あったかい!?」
「凄いでしょ? 生体式ギミックだからこんなこともできるの」
 こ、これはヤバイ!?
 文字通り肉の筒に僕のモノが飲みこまれている。
 その中の感覚が、なんというか表現しきれない。
 彼女が指を一本動かすごとに中がモノを刺激してくる。
 彼女の5本の指がやわやわと僕の陰毛をなぞる。そのたびに、不規則な刺激がペニスに送られてくる。
 ぬるつく粘膜様の皮膚が、予想もしない絞めかたで攻め立ててくる。
「さらに追加ー。【触手】ー」
 彼女は嬉しそうに更なる肉体変異を試みる。
 すると中の感触が変わった。ずる、と出てきて亀頭に当たる、柔らかいもの。
 これはまさか。
「えーとですね」
「うん?」
「今、この手の中に触手を生やしましたか?」
「ご名答ー。正解につきごほうびー」
 感触が、増えた。狭い肉筒の中で、細く柔らかい触手が不規則に動きまわる。
「こ、こんなのッ」
 耐えられるはずが、ない。
 急激に、熱い塊がペニスを昇ってくる。
「……あ」
 虚脱感。括約筋の働きで肛門がビクビクするのが分かった。
 同時、彼女の腕の中に収まりきらなかった精液がびゅっ、びゅっ、と根元のほうから溢れてくる。
「普段は無感覚なんだけど今は神経通してるから。ビクビク動いてるの、分かるよ。伝わってくる」
384人造人間×聖職者 9/12:2005/11/24(木) 12:14:15 ID:BUnxiLxn
 ずるぅ、と彼女の腕が引き抜かれた。
 パキン、という音とともに砲身がほどけ、再び彼女の繊手へと戻っていく
 彼女の細い腕は、僕の白濁でドロドロで、でも腕を変形させた時の血が混じってところどころオレンジ色をしていた。
「よく血が混じってピンク色に、って表現があるけど実際にはこんな色なんだねー」
 どこでそんな要らん知識身につけた、と突っ込む余裕もない。
 僕の白濁と彼女の粘液(と表現すればいいんだろうか?)に塗れたペニスは、未だ硬度を保っていた。
 というか、これだけ大量に射精したのに、脳が灼けるくらい気持ちよかったのに、まだ。
「まだ、足りない?」
 見透かされていた。
 じゃあ、と彼女は浴槽に腰掛けた。ほら、と両手で僕の頭を抱え、引っ張る。
 目を開いた僕の眼前いっぱいに、彼女の恥丘が広がっていた。
 見た目の歳相応に陰毛の翳りなど全くない濡れ光る愛液を湛えてなお、窮屈そうに閉じている。
 もう少し脚を開けば、ほころび始めた桃色が顔を出すだろう。
「女の子の見るのはじめてかな?」
「あ……はい」
 つい間抜けな返事をしてしまう。それほどまでに、この光景に見入っていた。
 何と言うのだろう、この閉じた姿はこう、桃のような。
 く、と彼女自身の指によって桃の双丘が形を変えた。
 中から現れたのは、肉、と形容すれば良いのだろうか。鮮やかなピンク色。
「この上のがクリトリスね。で、上の穴がおしっこの。下の穴が、これから君を汚すトコー」
 このような恥ずかしい姿を晒しておきながら、妙に楽しげなのは気のせいだろうか。
「いっぱい出てきてるでしょう? もうこれで準備できてるから、どうぞ」
 という彼女の誘いに乗りたいが、気持ちは焦って上滑り。
 それは僕らの性器にもいえたことで。
「な、なかなか難しいですよ」
「い、入れること自体はじめて?」
「……はい」
 ああああああああああ情けない!?
「お尻ゆるいヒト?」
 えう。今は違うです。
385人造人間×聖職者 10/12:2005/11/24(木) 12:15:08 ID:BUnxiLxn
「そか。大変だったね」
 同情された。泣けてくる。
「ほら、ここ」
 僕のモノに、彼女の小さな手が添えられた。
 位置を正し、先端を誘導してくれる。
「そのまま、腰を前に」
 押し出す。穴を押し広げる多少の抵抗の後、ぬるり、と僕が飲み込まれた。
「うあっ」
 それはどちらが発した声だっただろうか。
 僕は初めての感覚に戸惑っていた。
「ね、ナカ……どんな感じ?」
 どうと言われても。素直に答えるしかない。
「なんか……熱い泥の中に入れてるみたいな……でも狭くって、その……すごい」
「私もキミの、いいよ。お腹がちょっと窮屈なくらい」
 ここから先は、あまりよく憶えていない。
「いいよ……動いて」
 この言葉をキーに、夢中で腰を振った。
 夢中で抱きすくめた。絡まりあったまま、腰だけが別の生き物のように動いていた。
 思考が快感で溶け落ち、泥濘の中に包まれていこうとしたとき、弾けた。
 それは何度も何度も、痙攣という形で現れ。
 射精していた、と気づいたのは二人の結合部から白濁がボタボタと零れ落ちる段階になってからのことだった。
386人造人間×聖職者 11/12:2005/11/24(木) 12:16:38 ID:BUnxiLxn


「そうそうキミの任期なんだけど」
 身体を洗ってふたりで浴槽に浸かっていたところ、彼女がそう切り出してきた。
「ああ、そのことですか。状況に応じる、ということで知らされてはいないんですよ」
「いやそれ私に決定権あって」
「……はい?」
「私が管理者に不適、と感じたら解任なの。ほら、このカラダってデリケートでしょ」
「もしもし」
「でもね、グィードのオッサンは”彼なら大丈夫だろう。安心して嫁に行きたまえ”って。半信半疑だったけどそのとおりになっちゃったね」
「えええええええええ!?」
「大丈夫。妊娠は出来るから。任意で」
「わー便利。ってグィード神父が?」
「うん」
 聞けば、彼女を聖教会に連れてきたのはグィード神父だという。
 とあるウィザードの研究所が神の教えに背く行為を行っていたところを粛清に向かった神父はそこで彼女と出会い、こう訊いたという。
「神の存在を信じるかね? って。私は首を横に振った」
 そこで、神父はさらにこう問うたという。
「ではもし神が居たとしたら、貴様はどうする? って。私は殴ってやりたいって言った」
 すると、神父はこう言ったという。
「貴様に賭け札をやろう。チップは貴様の命。当たれば殴る権利をゲット。外れればチップは没収だ、って」
「うわ。あの人は……ったく。で、君は何て答えたんですか?」
「そのままでも死んじゃうのは解っていたもの。今、私がこの姿でこうしていることが答」
 言って、彼女が身を寄せてきた。狭い浴槽の中で、二人の身体がさらに密着する。
 汚れは、きっとお湯に溶けていく。
「でも良かったよ。このままじゃ男性不信のままだったかもだもん。でもね違った」
 神父の導きで、僕と出会った。
「だから、多分本気になれたのは、きっと神様の悪戯」
 なるほど。では。
「こんな、奇跡が起こせたのは?」
 やっぱりグィード神父の采配。それは彼女も解っていたらしく。
「きっと悪魔のきまぐれね」
387人造人間×聖職者 12/12:2005/11/24(木) 12:17:28 ID:BUnxiLxn


「ハニー」
「なんだマイスウィート」
「狙ったな?」
「何の話だ……と言いたいがな。神の教えにしたがったまで、だ」
「人は人として生きよ、隣人に愛を忘れるなかれ」
「しるべなき子羊たちの遊ぶ野が常しえであらんことを」
「「――Amen」」
388強化(ry:2005/11/24(木) 12:24:16 ID:BUnxiLxn
以上、人造人間の特殊能力表を見てて
「【ブラッドバレット】かー。腕が変形するんだよな大砲型に。穴が開くんだよな……おいおいエロくね?」
と、地獄の果てまでぶっ飛んだ発想があったのでやってみました。
生腕オナホール。多少危険な響きがします。助けて響鬼さん!

あと登場人物の外見年齢については
「便所として扱われていた非道さが引き立つ」
「人造人間のヒロインならちっちゃくないと」

  _   ∩
( ゚∀゚)彡  インピオ! インピオ!
 ⊂彡  
                         」

こう言った基準で決めてみました。
いえ私がつるぺた好きなだけです。スマンかった。
389名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 12:37:25 ID:lvYVyOrK
GJ!
瑕持つお子様同士のえろえろもすばらしいが、グイードかっこいーーーーー!?
390名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 15:54:46 ID:z2YGQwkX
まったくもってスレとは関係ないが、
DX2ndのプランナーが自らのクローンを実験体として、
妊娠誘発剤的なもののテストをしていて、
俺がその相手を務めるという夢を見た。

プランナーにもHRにも興味がなかった私ですが、どういう風が吹いたのでしょうか?
391名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 16:51:39 ID:3IoiXqRD
グ、グイード様カッコイイ〜〜!!GJッヴ (壁を背中にしながら)。
392名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 19:56:03 ID:IgLIOZ+E
愛のあるエロ

いいもんだよね。世界よ、かくあれかし。
393名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 00:50:47 ID:4qJGNCf+
まぁ何と申しましょうか。
NWオンセで自PCの特殊能力すら満足に使いこなせないヘタレPLとしては。
何故そこまで特殊能力のエロい応用方法が思い付くのか羨ましくて羨ましくて。

あと、人造人間の得意技はツッコんでいい所ですか。
394名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 01:40:57 ID:DaypP0bA
よい! 非常に良い! イタリア語で言うとベネ!
何でイタリア語だかは気にするな!
ついでになんでこんなテンション高いかは察してくれ!!
395名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 11:14:16 ID:v+h9YiS7
NWで拳を魔剣扱いにしてぶん殴ってみたり
拳に知性もたせて寄生獣ごっこしたりしてたんだが
「美鳥の日々じゃん」と突っ込まれてしまった

うーむ
396名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 12:14:06 ID:DUau8+rx
なるほど、右手の恋人にくわえてもらえるわけだ
397名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 21:57:07 ID:fVeqS8I6
>>395
それって魔器人化するとどうなるんだ?
398名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 01:00:48 ID:mdYX+UUv
>>397
右手の心は幽体離脱か何かで取り憑いたもので、
イノセント扱いの本体が別に存在する事になるんじゃないかね。

で、魔剣使いが右手に本体を隅から隅まで洗ったり拭ったりさせる羞恥プレイ。
399名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 01:51:51 ID:9cQaZFAt
>>397
やっぱミギーになるんじゃないか?
400395:2005/11/26(土) 02:33:01 ID:B5IA8XAS
>>399
うん、寄生獣ごっこだしw
まあ……正確には『右手にとりついたエミュレーターが相棒』って事で
真面目なセッションだったんで、そういう描写は皆無だったが
このスレ的には『夢の中で擬人化エッチ』じゃないかなあ、とぼんやり思っている
401望&瞳アナザー 1/10:2005/11/26(土) 06:13:18 ID:0gPDYKBe
>331からの続き。一応最終回。
最終回のくせに超一発ネタに走る。今回は(ある意味で)一味違う。
長いくせにエロくない。済まん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 “疾風の一撃”の暖かさを感じながら、私は沈みゆく夕日を眺めて立っていた。
 彼の台詞で一気に沸騰した私の頭も、徐々に落ち着きを取り戻していた。
 冷静な頭で、周囲の惨状を見渡す。私達の平穏の代価を。
 春日恭二の部下たちは、誰一人動かない。春日恭二に至っては、塵一つ残っていない。
「………?」
 おかしい。《ウルトラ・ボンバー》は、使っても意識を失うだけのはずだ。
 それなのに、なぜ塵一つ残っていない?
 慌てて周辺に転がる春日恭二の部下たちを見て、私はさらに困惑した。
「どうして…?傷口が、滑らか過ぎる…」
 私の雷で感電したのでも、彼の《亡者の爪》で引き裂かれたのでもない、きれいに切り取られたような傷が
いくつか存在していた。当然、《ウルトラ・ボンバー》の巻き添えになって出来たものでもない。
 極めて高出力のレーザー光線か何かで焼き切ったような痕。
 私は、慌てて辺りを見渡した。そして、自分の目を疑った。
 そんなはずはない。だってあれは、ただの都市伝説のはずだから。そう自分に言い聞かせる。
 それでも確かに校舎脇の避雷針の上で、藍紫の衣が風に靡いていた。
 何故か奇妙な確信があった。それが“混沌の監視者”であると。
 彼女は校舎の方に向き直り、そして虚空へと跳躍した。
 呆然とする私を尻目に、藍紫のローブに包まれた彼女は夕闇に溶けて消えた。
402望&瞳アナザー 2/10:2005/11/26(土) 06:14:14 ID:0gPDYKBe
 “ドールマスター”は、余裕を持って辺りを見回した。“水晶の瞳”達は、爆発の衝撃で昏倒している。
 半ばまで沈んだ夕日が、細長い影を形作っている。無意識にその影を目線で追う。
 影の先端にある街灯の上。そこに彼女はいた。
 いつの間に…?そんな問いが無意味であることは分かっていた。
 彼女は《エターナルチャンピオン》たる生きた伝説。何処にでもいるし、何処にもいない。
 遠い過去でか、遥かなる未来で。確かにその存在と遭遇していた。
 砂を周囲に浮かべ、自分の姿を隠すようにして、警戒しながら問う。
「久しぶり…いや、始めましてと言うべきか?“混沌の監視者”よ。…何の様だ?」
 こちらの問いには答えず、彼女は語りだす。
「昼と夜との調和が乱されようとしている。今、この世界に滅びの物語をもたらすわけにはいかない。
…人々の心の闇に潜み、人間のエゴに寄生する“人形の主”よ。終末の時が来た」
 歌うように紡ぐ。不吉の予言を。
「終わりなき破滅の道を歩むものに、永遠の安息を。奈落の底に沈みゆくものに、一筋の光明を」
「…だが、今の貴様に何が出来る?分かっているぞ、貴様が奈落に飲まれかけていることは」
 “監視者”の力は無限ではない。己自身を削り取って、破壊の力に変換するだけ。
 春日恭二を倒した時点で、既に力は底を尽きているはずだ。春日恭二も、それなりには役立つ。
「それでも貴様はたった一人で我を倒すつもりか?万一、勝てたとしても、帰って来れるとでも?」
「…確かに今の私には力は残されていない。けれど今は私の出る幕ではない。そう……」
 涼やかな声が響く。
「《彼の出番だ》」
403望&瞳アナザー 3/10:2005/11/26(土) 06:15:02 ID:0gPDYKBe
 爆音を聞きつけた俺は、全力でその方向へ向かう。
 そして満身創痍で倒れている二人を見つけた。爆発のせいか、制服は粉々に吹き飛んでいる。
 その向こう側では、誰かが砂のようなものを空中に漂わせている。その砂が、爆発的に拡散した。
 このまま走っているだけでは間に合わない。
 間に合わない…?違う、そうじゃない。間に合わせるんだ。あの妙な女によれば、俺が主役なんだから。
 そのことを思い出すと、急に体が軽くなった。そのまま二人を庇うように前に出る。
 攻撃が、容赦なく俺の全身を破壊する。けれど、こんなもので倒れるわけにはいかない。
 砂を纏った人影は、突然の俺の登場に驚き、叫びを上げる。
「な…何故!?」
 俺はその叫びを、俺がまだ立っていることへの驚愕として受け取った。
「頑丈さが取り柄でね。それに、大事なひとを守るためには、ここで倒れるわけにはいかないんだ」
 獣の力を借りて、俺は立ち向かう。生命の危機と戦いの気配を感じ取った俺の中の獣が騒ぎ出す。
 今は力を出し惜しみしている場合ではない。獣の欲するままに、俺の体は変化してゆく。
 巨大な爪。たなびくたてがみ。この世界の何処にもいない黄金の獣。魔獣と呼ぶに相応しい姿へ。
 渦巻く砂を纏った敵は、しばらく沈黙していたが、いきなり笑い出した。
「くくくく……“不確定な切リ札”よ。丁度良い所に来た」
「…お前の仕業なんだな?この惨状は」
「そうだとも。そして、貴様を殺せば主人格の執着は無くなり、この体は我が物となる」
「…どういうことだ?」
「貴様が知る必要は無い。何故なら…」
 敵は左手を振り上げた。動きにあわせて大量の砂が浮かび上がる。俺は駆け出した。
「貴様はここで死ぬのだから!」
 砂が俺を目掛けて一直線に飛び、
 突如その動きが止まった。奴の手が、まるで自身のもので無いかのように震えていた。
「くっ…ここまで来て、まだ邪魔をするのか!?…ならば!!」
 その叫びと共に、奴は強く手を握り締めた。奴の手の中で小規模な爆発が起こった。
 小爆発と同時に、それまで一塊になって飛んでいた砂が四散し、俺の行く手を阻む。
 それでも俺は走り続ける。退くわけには行かないから。
404望&瞳アナザー 4/10:2005/11/26(土) 06:15:51 ID:0gPDYKBe
 俺の目前で砂が輝き、一瞬で膨れ上がる。
 けれど、爆発音はしなかった。どこからともなく出現した黒い球体が砂を尽く飲み込んだ。
「全く…結局あたしがいないと駄目なんだから…」
 背後から、声援が聞こえてくる。
「弱点は、その砂の渦の中心です!」
「ああ、分かった!」
 《皆の想いを》力に変えて、俺の爪が砂を貫く。
 ふと、あの予言が頭をよぎった。俺の近くの誰かが死ぬだって?
 そんなことはさせない。もしそれが、運命だと、因果律だというのなら。
 俺はその《律の破壊者》になってやる。そんな運命、叩き壊してやる。
「俺はっ!悲劇の結末なんか認めない!!」
 渦巻く砂の中で、俺の爪が何かを捉えた。それは黒い仮面だった。
 そのままそれを砕こうと力を込め、頭部に激痛が走った。
 砂で出来た《復讐の爪》が俺の頭を貫いていた。おびただしい量の血が流れ出す。
「せめて貴様だけでも道連れに…」
「…残念だったな」
 仮面を砕き、俺は言った。
「言っただろう?頑丈さが取り柄だって」
 俺の《獣の生命》は、徐々に、しかし確実に、その傷を塞いでゆく。
 辺りを包んでいた砂嵐は既に止み、敵は砂の中に埋もれたまま、最後の言葉を紡いだ。
「だが…我は死なぬ。人の心の本質が闇である以上、我は何度でも甦る…!」
 その《歪曲する真実》を聞きながら、俺は俺を待っている二人の方へと歩み出した。
 血を流しすぎたせいか、意識が朦朧とする。それでも俺は歩く。
 夕日へ向かって、俺と共に《歩く影法師》を背後に、俺は言った。
「違う…。確かに人は闇を持っている。けれど、それが人の本質なんかじゃない」
 それが俺の真実。戦いの中で勝ち取ってきた、俺達の《真実》。
「人は絆を持っているから。ひとりじゃないから。俺達の日常は終わらない。いつまでも」
 その言葉と共に、俺の意識は途切れた。
405望&瞳アナザー 5/10:2005/11/26(土) 06:16:36 ID:0gPDYKBe
 何処までも続く山道を、二人で歩いていく。
「ねえ、まだ着かないの?」
「もうちょいで着く」
「…さっきもそう言わなかった?」
「あ〜…言ったかも知れねぇな」
 流石に歩きつかれたのか、“閃光”が何度目かの愚痴をこぼす。
 つっても仕方ねえじゃねえか。十年位前に一回しか行ったことねえんだから。
 もうすぐ日が沈む。その前に着く必要が有った。
「おっ…あの木の形には見覚えが」
「そう言ったのは何度目だったっけ?」
「うるせえな。今度こそ間違いねえよ」
 今度こそ。この曲がり角を曲がったら、あの光景が見えるはずだ。
「ほら、見てみ……!?」
 あの日オヤジと眺めた街は、既にそこからは見えかった。
 すぐ目の前にある、数年前に建築が始められてそのまま放置されているビルが、視界を塞いでいた。
 愕然とするオレの様子を見取ったのか、“閃光”が心配そうな顔をする。
 そんな顔すんじゃねえ。こっちまで辛くなるじゃねえか。
「ちっ……仕方ねえなあ。しっかり掴まってろよ?」
 言うが早いか、オレは“閃光”を抱き上げた。
「ちょっ…いきなり何…?」
 そのまま空高く跳躍する。十数メートルの距離を飛んで、オレはその屋上に着地した。
 夕日がオレ達を出迎えた。
「ほら…ちょっと予定と変わっちまったが、これがお前に見せたかったもんだ」
 オレの腕の中で、“閃光”が街の方を見て、感嘆の声をあげる。
「綺麗……」
 しばらく二人で街を眺めていた。街は、いつまで見ていても飽きなかった。
 やがて日が沈み、街に明かりがともり、周囲は闇に飲まれてゆく。
「ねえ…いつまで抱いてるつもり?」
「…言ったろ?お前が嫌でも放してやらねえって」
 そして口付ける。いつまでも。
406望&瞳アナザー 6/10:2005/11/26(土) 06:17:20 ID:0gPDYKBe
 あれから数日。クラスメイトの一人が珍しく休み続けたこと以外は、何事も無く日常は続いていた。
 休んでいたのが支部長の友人だったから、俺は思い切って支部長に聞いてみた。
「ハルカさんは…ちょっと遠くに行っているらしいです」
 そう言ったきり、そのことについては話そうとしなかった。
 俺の部屋にいた居候も、あの日からは支部長の家に居候しているらしい。
 居たら居たで騒がしかったが、居なくなると寂しいものだ。
 …まあ、あの夜途中で気絶したせいで、最後までやっていないのが心残りだというのは事実だけど。
 そんなある日の早朝、俺は霧谷さんからの緊急呼び出しで家を飛び出した。

「って…いきなり呼び出しておいて『もう少ししてから来るように』とか言われてもなあ」
 途中でその連絡が入り、家に帰るにも中途半端なので、この前の公園のベンチで休むことにした。
 “そいつ”は、すぐに現れた。
「…結局当たらなかったぞ、あの予言は」
「それは違うな。私の予言が外れたのではなく、君が運命を乗り越えたのだ」
「それって結局、外れたって事なんじゃないか?」
 彼女は子供のように頬を膨らませて言った。
「君は私の予言があったから、あの時川原に向かった。そして戦うことによって、呪われた世界律を破壊した。
もし君が私の予言を聞いていなかったら、予言は的中していただろう。だから違うのだ」
「要するに、最終的には当たってないって事だろ?」
 ついに彼女は説明を諦めたらしい。拗ねた幼稚園児のように叫んだ。
「あ〜〜もうっ!……君は、人からよく馬鹿呼ばわりされるんじゃないか?」
「馬鹿で結構。この日常が、大事なひとが守れるのなら」
 その返答を聞き、彼女が笑う。
「何だよ…今、俺はそんなに変なことを言ったか?」
「いや、似たようなことを言う知り合いがいるものでね」
 そうは言っても、自分が馬鹿にされて笑われているようで、あまり気分がいいものではない。
 話題を変えるために、俺はふと浮かんだ疑問をぶつけてみた。
「なあ…クラスメイトが一人行方不明っぽいんだけど、何か知らないか?支部長は何も教えてくれないし」
 きっちり三秒間硬直した後、彼女は再び笑い出した。
407望&瞳アナザー 7/10:2005/11/26(土) 06:18:07 ID:0gPDYKBe
「もしかして君は、あの日自分が何をしたのか覚えてないのか?」
「そのくらい覚えてるさ」
「じゃあ…君は分かっていないのだな。君の言った、日常を守りたいという《真実》のことを」
「確かにそんな事を言った気はするけど…それが何になるんだ?ただの独り言だろ?」
「………訂正するよ。君は世界一の次くらいに馬鹿だ」
「…また俺、何か変なこと言ったのか?」
「うん。とっても。…ああ、行方不明の彼女なら、すぐに会うことになる。これも予言だ」
「予言か…じゃあ、一生会わないってことだな」
「だ〜か〜ら〜っ!予言が外れるんじゃないんだってば!」
 顔を赤くして怒りだす。まずいことを言っただろうか。
 …予言が外れたのは事実だから仕方ないじゃないか。そう自分に言い聞かす。
 彼女はしばらく騒いだ後で、突然辺りを見回した。
「あっ、もうこんな時間。こんなところで油売ってる場合じゃない!」
 そう言い残して、飛び上がり、姿が消えた。
 一人残され、時計を見てみると、そろそろ言われた時間だ。
 立ち上がり、公園を後にする。公園の反対側の方で、いきなり落ちてきた何かに潰されたような男の声が
した気がしたが、無視することにした。これ以上関わるとろくな事になりそうになかったから。

 支部で俺を出迎えたのは、支部長ではなく霧谷さんだった。
 中では、“疾風の一撃”が黙って椅子に座っていた。その隣に座った霧谷さんが俺に向かって言った。
「先日の戦闘の怪我は大丈夫ですか?」
「はい、支部長の手当てのおかげで」
「それは何よりです。ところで…」
 霧谷さんの表情が変わった。UGN日本支部を統べる者としての顔だった。
 俺は、次の言葉の重みを予想し、思わず身構えた。
408望&瞳アナザー 8/10:2005/11/26(土) 06:18:47 ID:0gPDYKBe
 そこに一言。
「……メイドさんは、好きですか?」
「………………………………………はい?」
 たっぷり十数秒の間をおいて、俺は聞き返した。霧谷さんの顔は真剣そのものだ。
「ですから、メイドが好きかどうか聞いているんです。好きですよね!?ねっ!?」
「ええ、まあ…」
 その剣幕に、俺は頷くことしか出来ない。
「そうですか。やはり時代はメイドですよね」
 さっきから一言も喋らない“一撃”を見て、霧谷さんは言った。
「私の理想を理解してくれない彼を説得するのは大変でしたよ」
 よく見てみると、“一撃”の目が虚ろだった。……説得?
 もしかして、今同意しなかったら、俺もこうなってたのか?
 そんな恐怖を感じている俺と、物言わぬ“一撃”と、何かを心待ちにしている霧谷さんと。
 奇妙な三人のいる部屋の奥の大きな扉が、音も立てずに少しだけ開いた。
「霧谷さん、一応着てみまし…」
 その中から顔だけ出した“白き閃光”と目が合う。そのまま固まる。
「どうしたの?あたし、色々予定があるから早く終わらせ…」
 そう言いながら扉を強く開け放つノゾミ。扉が開き、時が止まった。
 隣の部屋にいたのは4人のメイドさん。
 “閃光”とノゾミと支部長と。それから、行方不明になっていたはずの彼女。
 俺がいることを知らなかったらしく、俺の存在に気づいてみんなが赤面した。
 何を言って言いのかわからない俺は、とりあえず疑問を口に出すことにした。
「あれ…遠くに行ったんじゃなかったの?ええと…」
「ハルカとお呼びください、ご主人様」
「…へっ?」
 さらに困惑した俺は、霧谷さんの方を見た。彼は、しきりにうんうん頷いていた。
「…素晴らしい。これまでの数日間、訓練してきた甲斐がありましたよ」
「お褒めに預かり恐悦です、ご主人様」
409望&瞳アナザー 9/10:2005/11/26(土) 06:30:26 ID:0gPDYKBe
 ツッコミ所ばかりの会話を無視して、それまで黙っていた支部長が口を開いた。
「ちょっと霧谷さん、どういうつもりなんですか?『話はこれを着てもらってからだ』なんて…」
「実はですね…UGN秋葉原支部での大成功を鑑みて、この支部も改装しようかと」
「こんな急にですか?」
「いやぁ、ここにはいい人材が揃っていますし、それに…T市支部壊滅のせいで予算が足りないのですよ」
「うっ…」
 予算のことを言われると、支部長には何も言い返せない。
 それでも何か言い返そうとして辺りを見回して、“一撃”の異変に気づいた。
「……《中和剤》」
「…はっ!?オレは今まで一体何を!?」
 分かりやすく気を取り戻した“一撃”は、“閃光”と目を合わせた。
「…てかお前、いつの間にそんなもん着たんだ?」
「何よ!あなたが着てくれって頼んだんでしょ!」
「いや、オレはそんなこと言ってねえ!今回だけは、そう断言できる!」
 いつものように騒ぎ出す二人。…どうやら“一撃”を操って“閃光”にこれを着るように言わせたらしい。
 というか、“閃光”は異変に気づかなかったのだろうか?一瞬そう考えかけて、すぐに答えは出た。
 いわゆる、「恋は盲目」という奴なのだろう。
 騒ぐ二人を無視して、霧谷さんが事務的な口調で言った。
「一応、店内の装飾予定図や、メニュー表も作っておきました」
 流石は“リヴァイアサン”。仕事に掛ける情熱は半端じゃない。…激しく方向性が間違っているけれど。
「コーヒーに紅茶に…割と普通なのね。あたし、何かすごいものでも出すのかと…」
 あまり乗り気でない支部長を尻目に、わくわくした様子でノゾミが言う。完全に学校祭の喫茶店のノリだ。
 ふと思った。そういえば、みんなで何か一つのことをするのは、ノゾミにとっては初めてなんじゃないのか?
 そう考えると、この改装を応援してもいいような気がした。
 決して下心からじゃない。多分。きっと。
410望&瞳アナザー 10/10:2005/11/26(土) 06:32:24 ID:0gPDYKBe
「支部長…やってみたらどうかな?」
「えっ…?…駄目ですよ。…恥ずかしいですし」
「大丈夫だよ。よく似合ってるよ、その服」
 はにかむ支部長。相変わらず騒いでいる“閃光”と“一撃”。「若い者は、いい」とでも言いたげな霧谷さん。
嫉妬と羨望のこもった目で見てくるノゾミとハルカ。…どうにも居心地が悪い。
 視線を漂わせ、たまたま目に留まったメニュー表を拾い上げる。
すると、表の一部が剥がれ落ちた。テープか何かが張ってあったらしい。その下にも何か書いてある。
 好奇心に負けてそれを見て、目を丸くする。そこには、こう書かれていた。
『メイド達の手による極楽巡り ・・・ 時価』
「どうした、“切り札”?何か面白いことでも書いてあんのか?」
 脇から覗き込もうとした“一撃”を、霧谷さんがやんわりと手で制し、言った。
「見てしまいましたね…?」
 猛烈な眠気によって、俺はそのまま倒れこんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一応終わり。というか、この続きが思い浮かばない。そのうち続きとか外伝とか書くかも。
とりあえず今回はここまで。
411名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 10:58:58 ID:OPkJqGr7
「見てしまいましたね…?」ぢゃねーーーー!!(抱腹絶倒
リヴァイアサン、恐ろしいヤツ…

秋葉原とT市のハシゴ、足代いくらかかるのかなぁ…
412名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 13:54:51 ID:LW7eo/Nh
うおおおおお、瞳ちゃんのメイド服! メイド服!
いやぁさすが霧谷さん。分かってらっしゃるw
T市支部の未来は明るいぜ!
413名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 16:13:06 ID:UhUZtWmx
カオスフレア買ってきたらサンプルキャラがやけにエロいんだが。
414名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 20:26:26 ID:0D/2qEqe
アムルタートは設定自体がエロいぞ。侵略する目的がいわば妊娠することだからな。
415名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 23:06:41 ID:ucUk7C2t
ガンドッグはこのスレ的にどうだろう
416名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 23:39:48 ID:B5IA8XAS
>>415
ワイルドライフ裏表紙のお姉さんがミッション失敗して
ギャングにアレな事をされてしまうSSを、俺は何ヶ月も待っているんだが
417しあろぼ ◆XIA/2xILro :2005/11/27(日) 09:05:51 ID:Mq8EOEci
やはり「クィーンズブレイド」とは
股間の特殊武器のことなのでしょうね…

>>361
GJ! 思わずこんなのを連想してしまいました。
ttp://akm.cx/2d/img/27219.jpg
後編期待しております。
418名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 14:35:08 ID:8JERtdaz
誰だ、「浜田よしかづの同人誌」なんてスレを立てたのは!
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1132476159/
419名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 17:09:47 ID:2bkPHaM0
浜田よしかづって誰
420名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 17:18:53 ID:8AiLEZAt
>>419
へっぽこの挿絵描き
421名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 19:31:02 ID:JmEvGdpY
>>417
貴様!何て物を!

正直、保存した。
422名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 20:07:04 ID:EIehVYV6
>410
GJ。
しかしながら俺の脳細胞は、
DX+メイドの組み合わせから「上月永斗 The メイドガイ」なんて混沌を連想した。
423名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 20:41:02 ID:Omev2fht
ときどき思うんだけど、DX2ndのライブボックス読んでない人多いのかな?
秋葉原支部がメイド喫茶で、そこであんちゃんが料理人やっていることが公式設定なんだが。
・・・しかし、公式でそこまでやられると逆に何を妄想すればいいんだ、って感じではある。
424名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 20:44:26 ID:ruMLO7J2
地方在住者っちゅうのもいるんよ
425名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 20:49:04 ID:Px8n6zZa
>424
11月9日に全国ホビーショップ他にて販売
とあるが?
426名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 21:14:13 ID:UYmOFDaq
縁の無い地域もあるんだよ・・・ ホビーショップなんて呼べるものは車で片道3時間の遠くさ
427名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 21:30:45 ID:8AiLEZAt
通販ないんだっけ?
428名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 21:43:01 ID:4iK2HXWu
>>427
PS広島ならできるはずだぞ。
429名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 22:41:21 ID:tJI0LfDm
俺はi-OGMを使った。送料が安いので。
430名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 23:19:15 ID:b+hzFJj9
リスティと聞いて某電撃娘を連想した私は葱板住人。
431名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 23:48:53 ID:adMR1Uyx
>430
三角心か。
と思わず反応してしまう俺。
432名無しさん@ピンキー:2005/11/28(月) 01:26:02 ID:W0PW6cMf
>>417
 GJ!
できればイルマもお願いします。お仕事中ので
433361:2005/11/28(月) 20:02:35 ID:jEmjM7wG
戻って参りました。
多くのご意見のみならず、まさかこのような素晴らしいイラストを描く切っ掛けにして頂けるとは望外のことで、
ただただ感激です。後編ですが、申し訳ありませんがもう少しお待ちください。必ず上げさせていただきます。
434名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 11:05:31 ID:DFxNukf0
401乙!!!GJ!!
瞳と閃光のメイド姿見てみたい!!
メイドたちの手による極楽めぐり1人分オーダーよろしくっ!!

永斗のメイドガイも見てみたいがっwww

ビーストバインド(だっけ?)はよく知らないので中のねたはよくわからないケドー
435華の乱(中篇):2005/11/29(火) 11:10:16 ID:DFxNukf0
というわけで(?)触発、shockheartsされて、というわけでもないですが。
>>76-79>>167-171の続き、中篇っす。

またまた萌えはなく、思いつくままに書き込んだだけですが。
436華の乱(中篇)1/5:2005/11/29(火) 11:10:39 ID:DFxNukf0
そのころ、UGN支部内コントロールルーム。
「各地の状況を報告してくださいっ!!」
10代半ばの少女が、高みより通信員たちに指示を飛ばしていた。
「なんてことでしょう……捕らえていたジャームすべて脱走だなんて……想定外です」
己が支部内での失態にそのきれいな顔をゆがませていた。
「支部内のすべてのエージェント、イリーガルに連絡を!!脱走したジャームの確保もしくは破壊を!!」
それでも冷静に、的確な指示を飛ばす。通信員たちも忙しそうに入ってくる情報をまとめ、実働部隊へと連絡する。

「不確定な切り札は何をしているのですか!?」
ふと、先ほどジャームに負けて帰ってきた少年のことを思い出し、口にする。
大怪我でなくてほっとしたのだが、戦列に戻ったという話は聞いていない。
「自室でひざを抱えて泣いています!!」
プチ、そんな音が聞こえたような気がした。支部長席の少女はまくし立てる。
「なんですかそれはっ!負けたからって泣くことはないでしょう!」

誰にとはなく怒鳴る。それを聞き通信員たちで事情を知る者たちがこそこそと話をしていた。
「っていうかなあ」
「ああ、やられちまったんだろ?」
「そこっ、作戦行動中です!不明瞭な会話はおやめなさい!何かあるならはっきりいいなさい!」
普段冷静な少女も混乱した事態にいらだち、語気を荒げていた。
「あ、はい!すみません。不確定な切り札は、その、おかまを掘られたそうで、その、初めての経験でしょうし……」
注意され、その通信員は自分の知っている情報を簡潔、ではないものの、少年の感情に配慮して、というか同情して、やわらかい(?)表現で伝えた。

「おかま?追突事故のことでしたっけ?なんにしても今は一人でも多くのオーバードに作戦にあたってもらわなければなりません!
  私が説得してきます!皆さんは引き続き、各エージェント、イリーガルにジャームの発生場所の伝達をお願いします!」
あまり聞いたことのない単語に、それでも頭の中から情報を引き出し、少女は納得した。
(そんなに大変なことでしょうか?しかし、どんなことがあっても今はジャームを何とかしてもらわなければいけません。)
彼とて死を覚悟して戦っていると信じている。
そして今、彼を説得できるのは自分だけだと判断し、少女はコントロールルームを出て行く。
あ、あの、違うんです、そうじゃなくて……、という通信員の言葉も耳に入らずに。
437華の乱(中篇)2/5:2005/11/29(火) 11:11:13 ID:DFxNukf0
不確定な切り札、そう呼ばれる少年の自室へと赴き、ベルを鳴らすも何の応答もない。
「いいですか?はいりますよ?」

鍵はかかっていなかった。ドアを開け、部屋へ入る少女。
目の前にはベッドの上でひざを抱え、呆然としている少年がいた。
彼女もここまでになっている少年を見たのは初めてだ。
さすがに驚く。
「ちょ、ちょっと、何があったんですか?そこまでされるような敵がいたとでも?」
肩を揺さぶるも反応はない。ただ、小さい、聞き取れるかどうかの声で、やられた、とだけ聞こえた。
「やられたって!それがどうしたんですか!あなたらしくもない!戦いたくはないけど殺されたくないから、って言ってたのは誰ですか!」
肩をさらに揺さぶる。少年の首がぶんぶん揺れる。
「やられたっていいじゃないですか!やられたらやり返しなさいよ!そんなのあなたらしくないでしょう!」

ぴくん。少年の体にわずかに力が入る。
「そっか、やられたくなければやっちゃえばいいんだ」
少年の瞳に生気が戻ったような気がした。
ほっとした少女は彼の肩を離し、くるりと後ろを向き、お説教をするように人差し指を振る。
「そうですよ。あなたは自分で思っているより強いんです。体も、心も」
と、再度少年のほうを向き、少しうつむき加減に言葉を続ける。
「そんなあなただから……私は……」
と、言いかけた言葉をとめ、ちら、と顔を上げ少年を見る。
少女はその目を疑った。少年は顔を上げ立ち上がろうとしていた。その目に狂喜を宿し。

少女は言葉を失った。目の前の少年はどう見ても異常だ。何か自分の考えにない不測の事態が起きているはずだ。

今までの状況を省みる。
紫紺の華の実験していた薬を投与されたジャームたちが逃げ出した。それは紛れもない事実だ。
その実験はジャームの破壊衝動を別の感情に置き換えるものだったはず。
それがジャームだけでなく、レネゲイドウィルス全般に影響のあるものだとしたら。
彼にその影響が出ているのだとしたら。
どうやって伝染したのか。
……体液の交換か。ジャームの血液を浴びて……でもそれでは「やられた」の意味が通じない。
その思考がおよそ1秒。しかし、少年にとっては十分すぎるほどの時間だった。目の前の獲物を襲うのには。
438華の乱(中篇)3/5:2005/11/29(火) 11:11:40 ID:DFxNukf0
「きゃぁっ!」
不意に襲ってきた衝撃に、思わずしりもちをつく。
目の前には恐怖とも歓喜ともつかぬ顔で少年が荒い息をしながら覆いかぶさってきている。

思い出した。なぜ忘れていたのか。もしかしたら無理に忘れていたのかもしれない。
性欲。破壊衝動を性欲に変換するとかいう実験だった。
おそらくは嫌悪感からか、そのことだけすっぽりと頭から抜け落ちていた。

とすると。彼が「やられた」ことについて思い至った。
ジャームの体液が彼に注がれたのだ。彼の……穴に。

「ハッ、ハッ、ハァッ」
少年は犬のように長い舌をだらんとたらし、息を荒立てている。
顔が近づいてくる。

少女はすべて理解した。今の彼は性欲に支配され自制がきいていない。
このままでほっておくとどうなるか。ジャーム化しないという保障はない。
それならば彼の性欲を満たしてやるのがいいのだろうか。

ここで戦力を、いや、彼を失いたくない。
このような状況であろうと、彼に求められ、確かにうれしいと思っている。
そして、彼の悲しみ、苦しみを少しでも救ってあげたいと。

少女は少年の瞳を見つめ、その両の手を彼の背中へと回しやさしく抱きしめると、微笑み、耳元で囁いた。
「辛かったんでしょうね、痛かったんでしょうね……今は、苦しいんでしょう。私のこと、好きにしていいんですよ」
その声に反応したのか、少年が苦しみだす。少女に乗りかかったまま、頭をかきむしり叫ぶ。
その両肩がありえないほど膨らみ、胸板はそれまでの倍を超え、その全身には硬く長い毛が生え始める。
脚は丸太のように太くなり、その付け根に隆々としているものもさらに大きさを増しそびえ立っていた。
それを一目見た少女は、少し口の端を引きつらせながらも気丈に言った。

「よ、予測範囲内です。問題……ありません……」
439華の乱(中篇)4/5:2005/11/29(火) 11:12:11 ID:DFxNukf0
びりびりっ
強引に少女の服を剥ぎ取る獣化した少年。

お世辞にも大きいとはいえない乳房があらわになり少女は顔を赤くするもやさしく少年を見つめる。
その少年、獣化し、すでにもとの面影もないが、は顎を開き、舌をだらんとたらしていた。
その舌からはぽたぽたと、少女の胸に生暖かいよだれが滴り落ちている。

ごくり、少女は今から起こるであろう痛みを想像し、息を呑む。
がしっ。少年の巨大な左手が少女の右肩を押さえつける。
「大丈夫。私は逃げませんから、好きにしてください」
少女は少し顔をゆがめるものの、その笑みを絶やさず、少年のほほを自由になる左手でなでる。
それを聞いてか聞かずか、少年の右手はスカートとともに下着をも破り取る。
もちろん、その手は細かいことをできるはずもなく、少女の白い肌につめの傷を生々しく残す。
「いつっ、も、もうちょっと……やさしく……」
いきなりでさすがに驚き、痛かったため少しの注文をつける少女。
しかし、少年はそれを意に介さず、己が一物を少女の股間へといざなう。

「え、ちょ、ちょっと!せめて少し濡らさな、あぐうっ!!」
知識では知っていた。そういうこともあるかもと情報を集めもしていた。
年の近い支部員にそういった本を無理やり押し付けられたこともあり、それを隅から隅まで覚えもした。
だから、まずは触ったり舐めたりと愛撫をおこない濡らさないと痛いということも知識では知っていた。
だが。
ここまでの痛みだとは聞いていない。

(う、うそつき……好きな彼との初エッチは痛かったけどうれしくて我慢できた♪、なんて……こんなの、どうやって我慢しろって……)
「い、いたっ痛い……も、ちょ、あ、ぐ」
440華の乱(中篇)5/5:2005/11/29(火) 11:12:37 ID:DFxNukf0
あまりの痛みに顔をゆがめ、抗議しようとするも身動きもとれず、少年もその動きを緩めようともしない。
「ハッ、ハッ、ハッ」
その顎を開き、垂れた舌から落ちるよだれが胸にかかり、顔にかかり、少女の全身を汚していく。

「いたぃ、です……も、もうちょ、と、ゆっく、り……はぅっ!?」
顔にかかったよだれを少し飲み込んだ。喉を通り粘膜に吸収された瞬間、びくん、体がはねた。
「なっ、なに?この感覚……ふあっ、あっ、こ、これが……きもち、いいってこと?はぁぅっ!」

いつのまにか。少女の中に出し入れされている少年のものが、自分のものではない体液でおおわれ、そのすべりをよくしていた。
「んっ、ああっ…わたしにも、あうっ…薬の作用が、あああっっ!!」
不意に、少年の動きが早くなる。少女はその出し入れされているものが膨らんできたのを感じた。
それが何を意味するのかは分からなかったが、その早い動きにわれを忘れ、自らも腰を振っている。

「ハッハッハッハッハッ、ハゥゥ!!」
ひときは大きい雄たけびを上げると少年のそれは大きく脈打ち、少女の中に大量の精を解き放った。
「あっあっ、あっあああっっ!!!あ、あつい……たくさん、流れ込んでる……」
少女もその動きに呼応するように、あたかもレネゲイドウィルスが共振するかのように同時に絶頂を迎える。
そしてそのまま流れ込んでくる精と、何度か大きく脈打つ少年のものを感じ、少女は幸せをかみ締めていた。
441華の乱(中篇):2005/11/29(火) 11:13:38 ID:DFxNukf0
なんかまだ続きそうなのでもうしばらく付き合ってやってくだせえ。

といいつつ書くの遅いけどナー
442名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 22:19:06 ID:bz8J5u35
万葉夕月ってエロくね?
443名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 05:25:14 ID:YEIw5dKB
>>441
最近、知人からDX2ndのルルブを譲り受けて。ようやっとこのスレのDXネタが分かるようになった俺ですが。

……やっぱりDXって実にえろいげーむなんですね。予測の範囲内でした。(鼻血をティッシュで抑えつつ)
GJでしたー。後編楽しみですよ。
444名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 20:57:45 ID:S4oAjYHs
すげぇスレが賑やかで賑やかで素晴しい最近。
…対してここ数ヶ月ネット接続及び私的なPC使用を1日1時間に制限されて読めない&書けない俺。
…涙が出るなぁ…あははハハHAHA…
445名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 21:34:22 ID:OIqoXV4G
プリントアウトして後で読めばいいじゃない。
446名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 22:43:45 ID:SVygZNvf
ネットが使えないならネカフェに行けばいいじゃない(マリー
447望&瞳アナザー 余録 1/2:2005/11/30(水) 23:51:33 ID:v6ZASuY9
 メイド喫茶「ゆにばーさる」 二号店ついにオープン!

 秋葉原で繁盛しているメイド喫茶「ゆにばーさる」の姉妹店の開店が急遽決定された。以下は、営業担当の
霧谷雄吾(32)との独占インタビューの模様である。

――ずいぶんと急な話になりましたが、二号店の開店はいつ決めたのですか?
「実は計画自体は大分前からあったのですが、一週間ほど前に、とてもよい人材が入りまして。それで、もと
もと人材の揃っていたここに二号店を立てることを決めたわけです」
――『とてもよい人材』とは?
「私が前々から開発していた『四十八のメイド技』の全てが実践可能な人材のことです。本来なら二号店の店
長(予定)の“水晶の瞳”に授けるつもりでしたが、それよりも適切な人材が入ったので、そちらに授ける
ことにしました。安心感を与える《錯覚の香り》を放ったり、ご主人様の好みを《サイコメトリー》したり、
スカートの中に《折り畳み》した機関銃を取り出したり。さらには、《ヨモツヘグリ》で極楽巡りを行う
とさえ可能になりました」
――……他には何か特筆すべき点は?
「そうですね…二号店はまだ人手不足なので、本店の方から歴戦の猛者を連れてくる予定です。なんでもMIT
での経験を生かした『伝説の御奉仕技』を生み出したとか。…その人物についてはまだ詳しくは語れませんの
で、仮称は『伝説のメイドガ…』」
――(話を遮って)で、では二号店に掛ける意気込みは?
「この二号店が成功した暁には!全ての支部をメイド喫茶に…」
――本日はお忙しい中ありがとうございました。


「…霧谷さんはこれでいいって言ったけど、本当にこんなので大丈夫なの?」
 私、“幻の造り手”は、わざわざ私の部屋まで原稿を取りに来た“魔術師の仮面”に尋ねた。
 さっき淹れたコーヒーを啜りながら、彼が答える。
「良いんじゃないの?そもそも、内容なんかよりも『“幻の造り手”が原稿を書いた』ことが重要なんだし」
「…どういうこと?」
「そりゃあ、UGNの重役を集める口実を作るために、君に書いてもらう必要がある、ってこと」
 そのしばらく後で知ったのだが、「私が原稿を書くと事件が起こる」というジンクスがあったらしい。
 何かと忙しい重役を集めるには、事件でも起きないと難しかったそうだ。…迷惑な話だ。
 当時の私はそんなことは知らなかったので、しつこく食い下がった。
 けれど、次に彼が口にした一言で、私の言葉は途切れた。
「ところで君は、俺が原稿取りに来るためだけにわざわざこんなところまで来ると思う?」
「……思わないけど…何か他にやることがあるの?」
448望&瞳アナザー 余録 2/2:2005/11/30(水) 23:52:22 ID:v6ZASuY9
 彼はにやりと笑っていった。
「まあね。ナニかヤリたいことがあるわけだよ」
 そう言って私の服に手を掛けた瞬間、狙い済ましたかのように彼の持つ電話のひとつが鳴った。
「ったく…こんな時に。…あーい、スズキです」
 ひどく面倒そうに応対していた彼の顔つきが急に変わった。
 しばらくして電話を切った彼は、駆け出すように私の部屋を出て行った。
「悪いな。また今度」
 そう言い残して。

 彼と体を重ねたことは一度や二度ではない。けれど、私は未だに彼の本名を知らない。素顔を知らない。
 以前はそのことが気になったこともある。今はもう、そんなことは気にしていない。
 彼の持つ全ての名前、全ての顔。それら全てが、彼そのものなのだから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は「メイドガイ」どころか「ライブボックス」すらまだ読んでなかったり。
地方住民はつらいよ。通販で買うことにしたが。

話は変わってナイトウィザード。
スターダスト・メモリーズを眺めてたら「使徒×大いなる者」とか毒電波が飛んできた。
投下はいつになるか分からない。…そもそも需要あるのか、これ?
とりあえずプロットを考えようとして最初の一歩で詰まる。
…サンプルキャラの使徒の性別ってどっちなんだ?このスレ的にはフタナリか?
449名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 00:50:10 ID:RkcI3FWh
……うーん。
あの追加サンプルキャラ二人はどっちも受けのおにゃのこだと思うんだが。
「吸血鬼×使徒」とか「魔剣使い×大いなる者」ならわりと簡単に思い浮かぶんだが、
大いなる者の少女が攻めに回る構図はどうにもしっくりこない。
……いや、大いなる者だから「実は魔王でした」ネタができるな、そういえば。
450名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 03:14:07 ID:hG5qEoB0
ん?あれって
大いなる者な姉と使徒な弟君じゃないの?
義か実かは読者の心積もり次第だが。
451強化人間劇場・チュートリアル:2005/12/01(木) 03:49:40 ID:5N0Hf0zj
赤い強化人間「強化ちゃんです」
白い強化人間「強化ちゃん、だ」
ロンギヌス強化人間「強化ちゃんよ」

 ……わけが解らん。

赤いの「あかりんです。使徒の扱いといえば」
白いの「真白だ……私の出演作に【細(ささら)セイム】という使徒がいる」
ロンギヌスの「緑色の髪の子ね」
白いの→まっしー「そうだ」
赤いの→あかりん「性別はなんだったのかしら」
まっしー「最初は男性だった。夜ノ森の、つまりは主の性別に合わせて女に、なった」
あかりん「寵愛を受ける為の肉体だものね。そういうことが出来る前例があるということ」
まっしー「……つまりは、話の都合で勝手に変えてもいい。途中転換すら、可能」
あかりん「え。そうなの?」
まっしー「かも」
あかりん「……エロパロではこのような前例を以って判断していいと思うわ。それではまた」


ロン(ry「え。うそこれでコーナー終わり? 私のセリフは? ていうか名前は!? ねえ!?」
452名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 08:54:11 ID:wlG8kTFc
>>451
なるほど、つまり不安振ちゃんみたいなものだな!
453名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 10:25:06 ID:oHzqBuzn
それは違うでごわす。
454名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 20:53:10 ID:UqUD71Pv
>>451
セイムならおとこのこのままでも・・・・・・

まあ、その、なんだ
455名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 00:55:33 ID:MyGHelpW
下手に801ネタがでると、その、困る
456名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 02:37:17 ID:QAQVfDEe
昔、NWのエロリプレイのURLがあがってた気がするんだけど
あれって未だ残ってる?
457名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 03:20:47 ID:3KIHD79Q
ピンクバニーのだったら消えてるよ。
458名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 10:49:33 ID:/DkdAezd
>>455

セイムぐらいならつるぺた少女と思い込みやすいぞ
459名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 12:03:43 ID:iYNwrqaW
エロパロ板で言うのも何だが、ショタとヤオイは混ぜるな危険。
460名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 13:04:59 ID:cJ5XF4Iz
>>456
ハッタリにねだるとログをくれるという噂。
461名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 13:46:15 ID:RPd3R+89
むう、カオスフレアのエロパロはまだなのか?
エロイ妄想が結構でそうなんだけど。

や、書けとか言われるとつらいがw。
462名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 16:08:21 ID:WxXIjdmS
昨日カオスフレアを買った俺が通りますよ。

サンプル魔王のヘソだしドレスはいかがなものかと思った。
463名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 17:06:06 ID:btAJtbl8
サンプル龍将軍のヘソ出し鎧もな。

出生率改善のために異世界人の子種を採取しろとか言われるんだぜきっと。
464名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 18:04:16 ID:rUPl64u0
つうかカオスフレアサンプルはヘソ出し過ぎ。
465名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 18:23:01 ID:btAJtbl8
しかも大きさや深さや色合いが全て違うというこだわりよう
466名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 18:58:51 ID:hyrMNI83
中の人の趣味だな。
467名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 20:33:14 ID:f0FE3ro0
…するとことごとく「実はついてる」のか?
468名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 21:48:07 ID:z9wBNXMD
リプで出た♀どもは、自分から男の上に乗っかって腰振ってそうな連中ばかりでなあ。
【イリヤ姫の銃弾で蜂の巣にされる】
469名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 23:21:40 ID:tOjP3a3u
剣の聖女のおっぱいのけしからんっぷりもどうかと思う
470名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 00:01:20 ID:kBcaz3Hi
機獣の乗り手もかなりけしからんと思うぜ。
制服張ってテカってるじゃねえか。
471名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 01:42:44 ID:Cz4ro80o
つまり、三千世界の平均バストサイズは、Eカップということでよろしいか?


………あかね色の本よ! 俺を導いてくれ〜〜〜〜!!

【馬鹿は、割とマジだ】
472名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 09:20:14 ID:E50EnIHk
三輪はどうだか知らんが、ハッタリが巨乳好きなのは周知の事実だからな。
473名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 12:18:25 ID:McgGfbwP
むしろ羞恥だな
474名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 19:05:00 ID:8JWZclx0
「巨乳か」
「巨乳です」
「君の趣味か」
「俺の趣味です」

実に男らしい会話だと思った。
475名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 20:28:38 ID:QvzgXA1Y
ああ、でもそういう会話はあるよな。
あれは……そう、暑い夏の日だった。
俺がNWでGMをこいてたときだ。

「また人外ロリか。ゲストキャラ」
「うむ」
「趣味か」
「うむ」
「何か。ロリコンかね君は」
「うむ。だが人間はダメだ」
「そうか。まあアレだ。様々なことに頑張れ」
「うむ」

そんな、陽炎揺れる夏の日だった。
476名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 09:22:01 ID:fcKxy5q7
>>474
>>475
何か夢枕獏っぽいなw
477名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 19:49:23 ID:Vpq47x5R
「巨乳か」
クレバー王子が問う。
目の前の得体の知れぬ男を見据る。
小太刀右京。
この冬にデビューするであろうデザイナー。
「巨乳です」
男は迷いなく答えた。
双眸には逡巡も疑いもなかった。
ただただ、事実を語る。
クレバー王子は更に問う。
「君の趣味か」
致命的な言葉。
そのはずだった。
「俺の趣味です」
揺らぐ――
揺らがざるを得ない――
そう確信して放った言葉を、あろう事か真正面から受け止めた。
「そうか」
そうとしか言えなかった。
それしか言葉がなかった。
――たまらぬ男であった。

こんな感じ?
478名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 21:51:24 ID:uLVCrBAZ
カオスフレアといえば、卓上スレで話題になってた白き鳳凰ショクーシュものは良さそうだな。
両手を拘束されてロクに知性もない偽龍どもによってたかってリョジョークされて涙眼の鳳凰萌え。
479名無しさん@ピンキー:2005/12/05(月) 11:58:42 ID:XP12nma3
うむ、それは凄く良いな
凄く凄く良いな
凄く凄くすごく良いな

誰か書いてくれ
480名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 19:54:50 ID:LFkzMOB/
偽竜の触手が柔肌を荒らした。
乳。
乳。
腿。
尻。
腿。
腋。
臍。
乳。
みごとな陵辱であった。
481名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 19:59:37 ID:1oGSwlDA
…………………チェンジ
482名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 22:01:54 ID:TKxRvpJn
ようやくヘソ出しの理由が分かった。
ギガントマキアスレ、マジあたまいいな!
ttp://game9.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1131109316/389

コラプサー/キマイラに土地ごと取り込まれたアムルタート/スカベンジャーが、
ヘソを極細触手で余すところなく撫で、
性感帯に触れられるまでも無く達してしまう白き鳳凰がカオスフレア的スタンダード。

もちろん、そこを信長に助けられ、
《秘伝の膏薬》を塗った《大小二本》(脇差相当の巧みな指技)で《秘剣:霞切り》される。
483名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 22:07:59 ID:cbsfDspZ
>>480
おまい乳好きだな。
まあサンプルの女性キャラはどれも乳だが(魔王を除く)
484名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 22:28:05 ID:LFkzMOB/
>>483
ああ、大好きだ。

>>481
正直スマンかった。
夢枕獏なら何でも良かった。
今では反省している。
485名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 22:53:59 ID:8aNGiviL
>>480
じわじわと効いてくるな、腹いてぇw
486名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 23:06:38 ID:cbsfDspZ
>>484
おまいの男らしさに感激した。よし、>>478のネタ、書こうじゃないか。
ついては誰か"白き鳳凰”の名前考えてくれ。
地の文で鳳凰鳳凰連発するのはあまり好みじゃない。
487名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 23:34:22 ID:/6zZp2GM
ドラゴンハーフの娘ならミンクかなぁ。
冗談だが。

マジレスなら、ムシュフシュなんていかがでしょう。
ティアマトー、イルルヤンカシュの流れで。
488名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 00:33:59 ID:+KWP95Pn
「シンセ」
489名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 01:43:13 ID:WbvOHWK5
>>486
サイザー
490星くずの姉弟 1/4:2005/12/07(水) 06:00:03 ID:FmgOzfVP
>>448で言った「使徒×大いなる者」。例によりまだエロ無し。済まん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 雪が降る。
 何もかも、白く塗りつぶしていく。あたしの罪も、悲しみも。
 失ったものを思いながら、あたしはひとり、雪を眺める。

 あたしの家族構成。あたしと弟……以上。
 お父さんとお母さんは、数年前に事故に遭って帰ってこれなくなった。だから、それか
らずっと、あたし達は二人で生きてきた。あの事故があってから、弟は人前で笑わなくな
った。でも、あたしといる時は笑ってくれる。それがあたしの心の支えだった。
 たった二人。もちろん寂しい時もあった。でも、お父さんの友達だった警察官のお兄さ
んや、いつもすごい薄着を着ているお姉さんが時々来てくれたし、何よりあたし達は一人
じゃなかった。
 そんな平穏な日が、いつまでも続くと思っていた、何も知らなかったあの頃。
 あの日、家にはあたしたち二人だけだった。台所にいたあたしに、弟が声をかけた。
「お姉ちゃん、お風呂入ろう?」
「う〜ん……先に入ってて。今終わるから」
 お皿を戸棚にしまうと、あたしはすぐにお風呂場へ向かった。
 服を脱いで、鏡の中のあたしを見る。細い足。細い腕。薄い胸……は、きっと今から大
きくなるはず。多分。……ちょっと心配だったりする。
 現実から目をそむけるように目線はそのまま上がって、鏡の中のあたしと見つめ合う。
何よりも目立つのが、左の瞳。生まれつきの透き通るような蒼い瞳。じっと見ていると吸
い込まれそうになる。
「お姉ちゃん、まだ〜?」
「あ、ごめん。ぼっとしてた」
「また?どこか具合が悪いんじゃないの?」
「ダイジョーブダイジョーブ。いつものことだから」
「まあ、お姉ちゃんは確かに昔からぼんやりしてるけど。心配だなぁ」
「なにが?」
 扉を開いて、浴室に入りながら聞いてみる。
「僕がいなかったら、お姉ちゃんは一日中ぼっとしてるんじゃないの?」
「……そんなにぼんやりしてるの、あたし?」
「うん。大地震が起きても気づかないんじゃないかってくらいに」
 即答した弟の髪の毛をくしゃくしゃにするように乱暴に撫でつけた。
「あたし、そんなにひどくないもん!」
 弟が謝るまで、攻撃の手は休めてあげなかった。
491星くずの姉弟 2/4:2005/12/07(水) 06:00:45 ID:FmgOzfVP
 弟の背中にはアザがある。左右の肩甲骨の所に、大きなアザが。本人もそれを気にして
いるのか、水泳の授業はいつも見学しているらしい。もったいない。せっかく夏なんだか
ら、泳げば良いのに。
「ねえ……泳がないの、やっぱり?」
「……うん」
 返事の声は小さかった。
「あたしは綺麗だと思うけどね、このアザ。天使の羽みたいで」
 そう、まるで羽が生えていたかのように、そのアザは出来ていた。見る人によっては、
気味が悪いと言うかもしれないけど。
「……誰かがこのアザのことで何か言ってくるの?」
 何も言わないでうつむいている弟に向かって、言った。
「何か困ったことがあるなら、言ってね。お姉ちゃんが何とかしてあげるから」
 ちょっと頼りないかもしれないけど、と心の中で付け足す。
「うん、ありがとう、お姉ちゃん。でも、何にもないから心配しないで」
 結局のところ、あたし達は似たもの同士だった。ちょっと他人とは違うところがあるか
ら、他人と距離を取ってしまう。
 髪を洗いながらそんな事を考えていると、弟が声をかけてきた。
「ねえ、お姉ちゃん」
「なに?」
「僕もきれいだと思うよ、お姉ちゃんのその目。冬の空で光ってるお星さまみたいだから。
なんて言うんだっけかな、あの明るいお星さまは……?」
「えっと……シリウスだったかな?」
「そう、それ!昔お父さんがお話してたよね?」
 まだ弟が学校に入る前。家族で星を眺めてた。もう戻らない日々の思い出。
 星降る夜を思い出していると、先日の学校での授業を思い出した。
「……あ、そうだ。この前先生から聞いたんだけどね。シリウスって、今は青っぽく見え
てるけど、大昔は赤かったんだって」
「えっ?どうして?」
 瞳を輝かせ、湯船から身を乗り出して質問してくる弟。あたしは授業の記憶を辿りなが
ら、それに答える。
「シリウスって、2つの星があるんだって。そのうちの片方……今は暗くてよく見えない
ほうが、ずっと昔は今よりもずっと赤く輝いてたんじゃないかって。先生も詳しくは分か
らないって言ってたけどね」
492星くずの姉弟 3/4:2005/12/07(水) 06:01:20 ID:FmgOzfVP
 興味津々に聞いている弟。さらに顔を近づけ……って!
「危ないっ!」
 注意したけれど既に遅く、足を滑らせて弟は倒れこんできた。……あたしの方に。慌て
て受け止めたあたしも、滑って転んだ。
 あたしの上に覆いかぶさるように、弟は倒れた。身を起こしながら、弟は言った。
「痛たたた……あっ、お姉ちゃん大丈夫!?」
「うん、ダイジョーブ。そっちも怪我は無い?」
「こっちも大丈夫だよ。お姉ちゃんのおかげで」
「そう。良かった……」
 安堵のため息を漏らし、今の体勢を改めて認識したあたしは、赤くなりながら言った。
「で……手、どかしてくれない?」
「手?」
 状況が分からず、視線を下ろす弟。その手は、あたしの胸を掴んでいた。弟が状況を飲
み込むのに、数秒の時間がかかった。……確かに触っても分からないくらいに小さいけど。
さすがにちょっと傷付いた。
「……うわっ、ごめん、お姉ちゃん!」
 でも、そう言って顔を赤くして謝る弟が可愛かったから、許してあげることにした。

 弟はまだ小さい。時々、真夜中に怖くなってあたしの布団に潜り込んでくる。あの日も
そうだった。
「……お姉ちゃん」
「……また怖い夢でも見たの?……おいで」
 怯えている弟を安心させるために、背中に手を回して撫でてやる。ダイジョーブだよ、
あたしがいるから。そんな思いを込めて。
 しばらくそうしていると、弟が言ってきた。
「ねえ、さっきのお話なんだけど。……同じなんだね、僕たちと」
「えっ?どういうこと?」
「お星さまにもきょうだいがいて、明るくなったり暗くなったりしながら、生きてるんだ
って。お姉ちゃんに言われて、僕初めて分かったんだ。物知りなんだね、お姉ちゃんは」
「えへへ……そんなでも無いよ。先生から聞いたのを言っただけだし」
「それでも、お姉ちゃんはすごいよ」
 そんな言葉を言われるとうれしいけど、ちょっと恥ずかしい。ごまかすようにあたしは
言った。
「ほら、明日も学校でしょ。早く寝ないと」
「うん、おやすみ、お姉ちゃん……」
 数秒もしないうちに、弟は眠りに落ちた。あたしも寝る事にした。
 明日もいい日でありますように。こんな日が続きますように。そう思いながら。
493星くずの姉弟 4/4:2005/12/07(水) 06:02:08 ID:FmgOzfVP
 深夜。少年は窓際に佇んでいた。その瞳は、無邪気な少年のものではなく、永遠の時を
生きてきた者のそれだった。
「これが裏切りであることは分かっています。それでも私は……いや、“僕”は、今の生活
がかけがえの無いものに感じるのです」
 ひとり、空を眺めて嘯く。その視線の先には、紅い月が昇り、異形の生物の骸が転がっ
ていた。しかし、瞬く間に骸はまるで初めから存在しなかったかのように闇に呑まれ、月
は穏やかな光を取り戻してゆく。
「私はこのままではいけないと知っています。ですが、“僕”はこのままで良いと思ってい
るのです」
 振り向くと、少女の幸せそうな寝顔。
「私は、“僕”は、どうすれば良いのでしょう?お導きください、主よ……」
 その問いに、願いに、答えるものは無かった。その時は、まだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回はここまで。

>>486
白き鳳凰だから…ハク。もしくはツバサ。
…駄目だ。発想が某死霊課と同レベルだ。誰かネーミングセンスを分けてくれ。
494名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 08:54:05 ID:xROn3+yv
え〜と、白き鳳凰、つまり白い羽だから…

シラハ?


………。
はい、次の方〜
495名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 09:41:10 ID:W0B4PD7F
オオトリとか。

次。
496名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 11:20:11 ID:bhLwyrBM
鳳凰…?
だったら、シユウだろ?
497名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 11:44:21 ID:OCUN1ECj
まて、鳳凰ならサウザーじゃないか。
498名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 18:20:37 ID:P6ZVyEMn
アルムタート/フォーリナーだからアルフォとか?
499名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 18:25:04 ID:P6ZVyEMn
サンプル1は界渡り→カイ
サンプル2はLion→リオン
サンプル3はさっき言った理由でアルフォ
サンプル4はHoly→ホリィ
サンプル5は……メタルドールヴィーナスから、メヴィ?もっとメカっぽいの希望
サンプル6は決まってる、スネークだ!
サンプル5は……んー、アルムタートだしなあ、オロチとか?駄目?駄目か
サンプル6は荒武者、だから荒神ってところで
サンプル7、8はまったく思い浮かばん
500名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 20:57:18 ID:z+sXcMdr
サンプル7はフッケバインとか。
8はホロウ。放浪だし。
501名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 21:05:36 ID:Kr23U2Bd
>>497
どこの聖帝だそりゃ。
502名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 21:12:01 ID:L5QrnBfV
>490、ぐっじょぶ!続き期待してますよ(わくてか
503名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 03:09:09 ID:t5v6Lf69
>>501
それじゃなくハーメルンだよ……きっと
504名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 11:58:11 ID:xi0BT76B
退かぬ!媚びぬ!省みぬ!
505名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 12:51:04 ID:LvVFGr/W
退かない媚びないのは立派なんだが
省みないのは、ちとまずいんじゃないか?人として
506名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 13:13:14 ID:rs9khIYv
轢かぬ!
語尾ぬ!
蛙見ぬ!
507名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 16:07:08 ID:3Jb+eAPB
ぷちこ様の時代がようやく来たぬ。
508名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 19:23:46 ID:SKHaxtol
>>490


                                    続きを・・・・・・







                                                            読みたいです
509名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 19:46:01 ID:1Hq7v7Mr
>>503

それはサイザー。

>>505

昔、そういうことを言った偉い人がいたのよ。最後結局負けちゃいましたけど。
510名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 20:15:05 ID:ToNiE5Vs
>>503
ハーメルンというと飛剣魔神ハーメルンが真っ先に思い浮かぶ俺は重症なのでしょうか
511名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 20:51:47 ID:SKHaxtol
>>510
小畑の10週突き抜け漫画なんざ知るか
512名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 20:58:57 ID:xoIw1r1w
>>509
黒田乙
513名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 17:52:32 ID:bNh1FQEG
カオスフレアのエロSSで、アジ・ダハーカに散々陵辱される白き鳳凰だが、実はそれは
龍皇軍相当の鳳凰の分身で、最後にアジ・ダハーカが痛い目にあうというプロットを
考えたが、どうみてもハーメルンのエロパロです。
本当に、ありがとうございました。

かわりに、リプレイの主人公、京暁生くんがイルルヤンカシュにあーだこーだされちゃう話を
構想中。
早く、何か降りてこないかなあ〜。
514名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 19:05:33 ID:4mbVCSwr
>>513
信長様があーだこーだされちゃう話マダー?
515名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 21:22:26 ID:IeknPhV6
>>513
 信長さまにあーだこーだされちゃう話マダー?
516sage:2005/12/10(土) 10:11:35 ID:8bzuxzkR
カオスフレアか。
陵辱するのがオリジナルキャラで良ければ書こうか?
コラプサー・キマイラで持っている特技は≪まがまがしき森≫≪魔獣の牙≫≪蒼き深遠≫だ。
どんなネタかは一目瞭然だなw
後は、≪星の伝説≫と≪メールシュトローム≫持たせようかなとか思ってたり。
517名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 10:12:47 ID:8bzuxzkR
すまん、sage書く欄間違えたorz
518名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 10:19:33 ID:MWL3qo3W
エメっさんのオンセログに性欲をもてあます。

百合とか幼馴染みとかそれなんてエロg(ry
519名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 16:28:58 ID:OOb+Apg0
クイーンズブレイド後編マダー?
520名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 16:48:51 ID:x2hTo2wq
>>518
百合とか拘束とか『お守り』とかなーw
521名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 18:21:12 ID:qmUMmSKh
>516
《白き絶望よ》の方がもっとアレな隠語っぽくて良いと思うのだがどうか。
522名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 18:37:33 ID:UBScNh1j
523名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 20:05:45 ID:QLmq/NP3
>>519
カオスフレアスレにコロシアムで剣闘奴隷ネタがあったよ
524名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 00:17:31 ID:IiJ0pUGW
ぶっかけコロシアム
525白き鳳凰×イルル:2005/12/11(日) 01:39:01 ID:pcl6aDoG
「話というのは他でもない、我等龍族の未来についてじゃ。」
前置きもなく切り出された少女の言葉を聞きながら、彼女--龍将軍の一人・颯龍将--は酒とグラスを用意しながら椅子に腰掛けた。
生粋の戦闘民族である龍たちの帝国アムルタートの本拠地、空中庭園エヌマ・エリシュ。
今彼女はその支配者であり、全ての龍を統べる冥龍皇イルルヤンカシュと私室で小さな机を挟んで向かいあっていた。
「知っての通り我等は闘争本能で命の力を取り戻し、衰亡を回避すべく戦っておる。その変化は徐々に出始めていると言えよう。だがっ!!」
と言ってイルルヤンカシュは机に置かれたグラスを掴み、中身をぐいっと飲み干すと、
「そのためにダクスフレアに身をやつす者も現れだすし、何より変化が緩やかすぎて歯痒くなる!!わらわはもっとドーンと変革を起こしたいのじゃドーンとっ!!!!」
盛大に愚痴りながら手に持ったグラスをドーンと机に叩きつけた。
「人の部屋に乗り込んできてワガママ仰らないで下さい」とは言えず、曖昧な生返事をしながら彼女がグラスを傾けていると、
「そ・こ・で、わらわが現状打破のナイスアイディ〜アを思いついたから汝にも力を貸して貰いたい。」
「私が、ですか?戦以外で?勿論構いませぬが一体どのような・・・・」
「うむ、わらわと子作りせよ(ニッコリ)。」
ブピュッッッッ!!!
満面の笑顔で告げられた言葉に、彼女は飲みかけていたドラゴンウィスキーを鼻から吹き出しそうになった。
526名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 14:00:25 ID:8Ah+QFAG
ワクテカしながら上の続きを待ってます
527名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 14:11:46 ID:Hei6Stti
528名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 15:36:02 ID:Dq1VOtxk
(Y)o\o(Y)フォッフォッフォッ
529白き鳳凰×イルル 2:2005/12/12(月) 23:19:44 ID:XeeMUFYI
「おおっ、そんなに喜んでもらえるとはわらわも考えた甲斐があるというものじゃ。」
「喜んでませんっ!!と申しますかそれの何処がナイスアイディアなのですかっっっ!?」
彼女が猛然と食ってかかるが、イルルヤンカシュはそしらぬ顔で
「要するにテコ入れじゃ。汝という生きた実例に倣ってな。」
「私が実例?」
「うむ。汝は半龍でありながらわらわが生み出した5人の龍将軍と肩を並べ、敵味方から『白き鳳凰』と呼ばれる程の力を身につけた。」
半龍という言葉に彼女が一瞬体を強ばらせるが、冥龍皇は構わず
「つまり、汝は龍としての活性化でわらわをも凌ぐ勢いを見せておる訳じゃ。これが異種族との混血によるものか、あるいは汝が突然変異ゆえなのかは未だ分からぬがな。」
「・・・・・・」
「そして、そのどちらにせよ汝の血をわらわが取り込めば復活に弾みがつき、うまくすれば真性の龍がすぐにでも生まれるやもしれぬ。コレという決め手が無い現状で試さぬ手はないであろう?」
「し、しかし私は女の身で・・・。」
なおも引き下がろうとする彼女だが、イルルヤンカシュは
「『女の身』??『白き鳳凰』よ、汝は戦場でもかように不正確な報告をしておるのか?」
「なっ・・!!!!」
驚愕の表情で今度こそ完全に固まった彼女を背後のベッドに素早く押し倒した。
530名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 01:08:37 ID:wML9BUNq
ライフパス7番クル━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!
531イルル×暁生:2005/12/13(火) 12:59:26 ID:NzJjCS0M
「………ん、ここは?」
京暁生はゆっくりと目を開けた。最初に眼に入ったのは豪奢な天蓋つきのベットだ。
はっきりしない頭を、ゆっくりと回転させる。
「確か、アムルタートに出現したダクスフレアをイリアたちと倒して、エヌマ・エリシュで
歓迎を受けたところまでは、覚えているんだけど」
暁生は、身を起こそうとして愕然とした。服を脱がされており、両手両足に鎖が巻き付いて
いる。
「なっ!?」
「おお、眼を覚ましたか、暁生とやら。睡眠薬が抜けたようじゃな」
鈴の音が鳴るような声に眼を向けると、そこにはチャイナ服に身を包んだ見目麗しい少女が
立っていた。
「イルルヤンカシュさま? こ、これはいったい何の冗談なんですか?」
「冗談などではない」
イルルヤンカシュその巨大なベットの縁に腰を下ろすと、暁生にゆっくりと迫ってきた。その
動きは、龍というより蛇のそれに近い。
「此度の働き、まことご苦労であった。汝らのおかげで、わらわの帝国は事なきを得た。聞け
ば、汝は界渡り人と聞く」
彼女は、暁生の元にたどり着くと、その胸に指を這わせた。
「その莫大なフレアで、今一度帝国を救って欲しいのじゃ」
ぺろりと暁生の胸の先をなめる。
「わらわを孕ませてくれ」
532イルル×暁生 2:2005/12/13(火) 13:00:45 ID:NzJjCS0M
「ちょ、ちょっと、そんなっ」
「汝も知っておろう。われらは、何万年も真龍を授かっておらぬ」
左の乳首を舌でいらえながら、右も指でいじりはじめる。暁生が快感に低くうめいた。
「莫大なフレアを持つ汝と、わらわの子ならば、あるいは真龍をも超える戦闘生命が生まれ
るやもしれぬ。試してみる価値はあると思わぬか?」
「だ、だめだ。僕にはひかりが…」
「ひかり? …汝のつがい、か」
「!? ひかりに何をした!?」
その声音に不吉なものを感じた暁生は、イルルヤンカシュを睨みつける。イルルヤンカシュ
は妖艶な笑みを浮かべ、それを受け止めた。
「汝と同じように、我らの成龍たちが”歓待”をしておる。いまごろ…」
イルルヤンカシュは、唇をぺろりとなめた。
「欲望のままに、むさぼっておることだろうな」
「なんだと!!? 貴様!!!」
暁生がイルルヤンカシュを跳ね飛ばし、身を起こそうとする。爆発的なフレアがその身を包
み、拘束していた鎖が悲鳴を上げた。
「ほう、さすがは界渡り人。500匹の龍をも縛り上げる、神鉄製の鎖がきしんでおるわ」
「イルルヤンカシュ!!」
「そのように気になるなら、見せてやろう。今のその女の姿をなっ」
イルルヤンカシュが手を振るうと、空中に映像が浮かび上がる。
ぼやけた絵がその焦点を結んだ。
「ひかり!!」
533イルル×暁生 3:2005/12/13(火) 13:02:31 ID:NzJjCS0M
「うまーーーーーーー!!!」
「…………は?」
そこには美形に身を写した成龍たちにかしずかれ、美食を欲望のままむさぼっているひかり
の姿があった。
「龍の食事って聞いとったから、生臭いかと思うとったけど、結構いけるもんやな。美形を
見ながらっていうのが。また格別や」
ひかりはグラスを差し出した。すかさず、美形の一人が酒瓶を傾け、グラスを高級そうな酒
で満たす。
「ぷはー! 五臓六腑にしみるで〜」
「で、京さまの件ですが…」
「ああ、イイルたんの用事やろ。なんかしらんけど、好きに使って、使って。っていうか、
ここに暁生がおったら未成年がどうのってうるさいやろな。ちょうどええわ」
真っ赤になったひかりはきゃははと笑った。
「地球じゃこんなことできへんからな〜。オリジンも結構いごごちええし。もう、ここに永住
したろかな〜」

「………ひかり」
百年の恋も冷めそうな馬鹿笑いをしているひかりを見て、暁生は涙をちょちょぎらせた。
「とまあ、汝のつがいの許可も得ておる。のーぷろぶれむじゃな」
腕を組んで、一人うなずくイルルヤンカシュ。彼女はもう一度手を振るい映像を消すと、改
めて暁生ににじり寄ってくる。
「なあに、眼をつぶっておればすぐに終わる。汝は身を任せておればよいのじゃ…」
イルルヤンカシュは、唇をゆっくりと暁生に寄せた。と、そのとき
「じゃすと あ もうめんと!!」
突然空中に煙が上がると、その中から男装の麗人が現れた。地面に降りたつと優雅に頭を下
げる。
「わらわの私室の結界を破るとは、只者ではないな! 暁生の仲間かっ、名を名乗るがよい!」
534イルル×暁生 4:2005/12/13(火) 13:03:34 ID:NzJjCS0M
ちゃららら〜〜〜♪
いきなり、空気がピンク色に変わり、脳みそがとろけそうな音楽が鳴り始める。執事服に身
を包んだ麗人は、その中で華麗にダンスを舞った。
いわゆる、バンクシーンである。
「愛と平和の魔王 ラブリーミステル!!」
妙なポーズをびしっときめ、巨大な胸がたゆんとゆれた。大切な何かをなくしてしまったイ
ルルヤンカシュの私室を、し〜んという書き文字がとおっていく。
「………暁生よ。ひかりといい、こいつといい、汝の回りいるひとはみんな」
「言わないで下さい!」
わが身の不幸を呪う京暁生17才であった。
「と、それよりもっ。助けに来てくれたんですね、ミステルさん!」
「ほう、わらわの邪魔をするのか。ミステルとやら」
「ええ、そのような行為を許すわけにはいきません。イルルヤンカシュ陛下、あなたは間違
っています!」
「ミステルさん!!」
イルルヤンカシュを指差したエステルに、暁生は感激した。
535イルル×暁生 5:2005/12/13(火) 13:04:55 ID:NzJjCS0M
「そのような方法では、妊娠はおぼつきませんよ!!」
「………はい?」
間抜けな声を上げる暁生を無視して、エステルは言葉を続ける。
「子犬のような少年を縛りつけ、『ふふふ、お姉さんに任せなさい。きもちよくして、あ・
げ・る ハート』というのもナイスなシチュエーション、というかむしろ代わって貰いたいぐら
いですけど」
思わず本音を漏らすエステル。
「それでは、いけないのです。いいですか」
エステルは白衣を羽織ると、ホワイトボードにペンを走らせた。それらどこから取り出した
のかと問われれば、魔王の絶大なる魔力によってとしか答えられない。
恐るべきはコラプサーの魔力である。
「これが、通常時の膣の形、興奮時がこれで、絶頂時がこれ、そして絶頂後がこれです。こ
の中で、一番開いているのは、どれですか?」
「ううむ、絶頂時かのう」
「さすがは聡明な陛下、そのとおりでございます」
次に、エステルはビーカーを三つ取り出す。
「これが、オナニーのとき、ひかり様とエッチした時、私とイリア様とひかり様の三人としたとき
の暁生様の精液でございます。比べてみてください」
「ちょ、エステルさん、いつのまに!!??」
「ふむ、最後のが一番濃くて多いみたいじゃな」
「そう! これを考え合わせるに、陛下。一番妊娠しやすいのは、どのような状況ですか?」
「わかったぞ! お互いが興奮して、エクスタシーに達したときじゃ!」
「いぐざくとりぃ〜」
恭しく頭を下げるエステル。
「ふ、わらわを誰と心得る。アムルタートの支配者、冥龍皇イルルヤンカシュなるぞ」
イルルヤンカシュは胸をおおきく張った。
一瞬で丸め込まれるイルルヤンカシュ。アムルタートの外交はだめだめであろう。
536イルル×暁生 6:2005/12/13(火) 13:06:06 ID:NzJjCS0M
「したがって、まずは暁生様を最高に興奮させなくてはいけません。そのためにはこれでご
ざいます」
エステルはひらひらとした服を取り出した。あちこちにリボンがあつらえてあり、大変かわ
いらしい。
「それは?」
「陛下は、末っ子と聞き及んでおります。そのような陛下の魅力を最大に引き出すシチュエ
ーション。それは、”妹萌え"!」
こぶしを握って力説するエステル。
「むむ、”妹萌え”とな?」
「左様にございます。界渡り人は"萌え"という、特殊な嗜好を持っているのです。そして、
その萌えの観点から見た場合、陛下の属性はずばり"妹”!」
「エステルさん! 特殊な人種の、マイナーな嗜好を一般化しないで下さい! っていうか、
何でそんなに地球の風俗に詳しいんですか!?」
暁生の叫びをさっくり無視し、二人の会話は進む。
「よいですか、まずこの服を着て、次にこのように………」
「ふむふむ、なるほど…」
537イルル×暁生 7:2005/12/13(火) 13:07:34 ID:NzJjCS0M
「お兄ちゃん、朝だよ。おきてよ〜。もう、布団はいじゃうよ。…きゃ、やだ、お兄ちゃん
朝からそんなに大きくして。……でも、お兄ちゃんがどうしてもって言うなら、イルル、い
いよ。イルル、お兄ちゃんの赤ちゃんが欲しいな……」
「すばらしい! えくせれんと! ふぁんたすてぃっく!! 世のお兄ちゃんたちはカーニ
バル! 暁生様の息子はエッフェル塔! ですわ!!」
「………おーい」
もじもじするイルルヤンカシュ、エキサイトするエステルを前に、暁生は絶対零度の呼びか
けをする。しかし、ノリノリの二人に届かないようだ。
「むむ、エッフェル塔どころか、ミミズのようじゃぞ」
「微妙にストライクゾーンを外れていたのかもしれませんね。暁生様は欲張りなお方ですから」
「では、次じゃ」
「かしこまりました。この"いるる"の名札をつけたスクール水着で…」
「たーすーけーてー」

エヌマ・エリシュの夜は更けていく………。
今日もオリジンは平和だ。

…多分。
538513:2005/12/13(火) 13:09:26 ID:NzJjCS0M
………おかしい、最初の構想では、イルルたんとエステルが二人して、暁生に
はあはあする話だったはずなのに orz

やあ、エロパロって本当に難しいですね☆

大変、お眼汚しでございました。
539513:2005/12/13(火) 13:11:17 ID:NzJjCS0M
ああ、あと、関西弁については、眼をつぶってください。
よくわからなったんで、適当なのです〜。
540名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 15:13:45 ID:3nyJh0Dl
素敵だ!
素敵すぎる!
541名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 17:41:10 ID:8lgmtdno
元ネタのカオスフレアはまだ見てないんですが、暁生にどこと無く柊的哀愁を感じてるんですがw
542名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 19:37:14 ID:pDedJQRz
拘束されて誘惑          ←この辺は真っ当に期待
ひかりの酒池肉林(意訳)    ←この辺でちょっとズレ始める
エステルの乱入          ←この辺ですでに当初の方針はぶっ飛んでることに気付く。
エステルの萌え萌え妊娠講座 ←この辺でもうなんでもよくなる(゚∀゚)

すヴぁらしいwwwwwwwwwwwwww
543名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:45:26 ID:nHlM1ljB
おお!

え?

おいおい

ぶはははははは!
544名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 22:03:02 ID:zlMGk3R/
是非とも続きを!
神よ!
545名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 22:23:54 ID:nHlM1ljB
ところで途中からエステルになってることにそろそろ突っ込んだほうが良い?
546白き鳳凰×イルル 3:2005/12/14(水) 23:31:49 ID:+i6+qO8H
「へ、陛下!!何をっ・・・!?」
「わらわに隠し事など無駄じゃっ。ほれ、大人しゅうせい!!」
彼女の抗いをものともせず、イルルヤンカシュはその腰元に手を伸ばす。
ビィィィィィッッッッッッッッッ!!
薄布を裂く音と共に露わにされた股間には、女体にはあり得ざる肉蛇・・・いや、肉の龍が伏臥していた。
「ほほぅ、予想以上であるな。固さはまだ分からぬが、大きさは合格点じゃっ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
満足そうに呟く冥龍皇とは逆に、身体を隠す事すら忘れて顔を背ける彼女。
「コレで問題は無いな。では早速・・・。」
いそいそとドレスを脱ぎ、こちらの上にまたがろうとするイルルヤンカシュに彼女は
「おやめ下さい陛下!!そのような事はなりませぬ!!」
「だーーーーもうっっ!!!汝はさっきからゴチャゴチャゴチャゴチャと!!!!!」
度重なる抵抗に、ついに爆発するイルルヤンカシュ。
「そんなにわらわの発案が不満か!?それとも汝はわらわが他の者と子作りをすれば良いとでも申すのかっ!?真龍復活の為に奴隷やちょんまげ共に身体を開けば良いと思っておるのかっ!!」
「そ、そのような事は決して考えて・・」
「おるのじゃろ?」
「っ!!」
うって変わって悪戯っぽい微笑を浮かべ、彼女の肉龍に触れるイルルヤンカシュ。
「今のわらわの言葉を聞いて、こやつが頭をもたげてきおったわ。わらわが原住民共に穴という穴を犯される場面でも思い浮かべたか?お、こやつはち切れそうじゃのぅ。これなら固さも合格じゃっ。」
屹立した彼女の龍を愛おしげになで回すイルルヤンカシュ。彼女は口を噤み、ただそれを見つめるのみであった。
547星くずの姉弟 1/5:2005/12/15(木) 01:23:34 ID:uV4ylLAV
続き。とりあえず完成した所まで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ファー・ジ・アースから遥か遠く。立ち込める湯煙の中、陽気な鼻歌が響いていた。
 何も知らない者が見れば、少女二人が背中を流し合っている様に見えるだろう。ひとり
は美しい縦ロールの金髪で、もうひとりの鼻歌を歌っている幼い少女の頭からは兎の耳が
飛び出ている。……よく見てみると、明らかに普通の少女達ではない。
 この世界に精通している者で、その少女達の名と恐ろしさを知らないものはいない。彼
女たちは魔王。この裏界温泉の露天風呂で、日々の疲れを癒しているのだった。
「ところで例の計画の準備は順調かしら、イコ?」
「バッチリなのです。……ですけど、本当に良いのですか、ルー=サイファー様?イコに
もこの物語の結末は見えないのです。止めといた方が良いとイコは思うのですよ」
 真剣な顔でそう答える少女の頭の上で、兎の耳がぴこぴこ動いている。
「イコ。あなた、意見するつもり?」
 その言葉と共に放たれた鋭い眼光を受け、イコの身体が硬直する。耳の動きも止まった。
「いえ、イコはそんなつもりじゃ……」
 そう言い訳するイコの口が、唇で塞がれる。イコの耳は、痙攣するように一度大きく跳
ね上がり、全身の力が抜けるのと共に垂れ下がった。
 しばらく淫靡な水音が響いてから、二人の唇が離れる。恍惚とした表情のイコに対し、
厳しくも何処か楽しげな声がかけられる。
「……イコ。どうやらあなたにはお仕置きが必要みたいね」
「……はい、イコはいけない子なのです。だから、もっと、お仕置きしてほしいのです」
 淫猥な宴は、いつ終わるともなしに続いた。

548星くずの姉弟 2/5:2005/12/15(木) 01:24:22 ID:uV4ylLAV
「お父さんの嘘つき!明日帰ってくるって言ってたのに!」
 数年前。電話の向こうのお父さんに向かって、あたしは叫んだ。両親とも、あたしの誕
生日だったその次の日には海外出張から帰ってくる予定だったのが、お父さん達が乗るは
ずの便だけが欠航になったのだった。
 電話の向こうで謝っているお父さんに、あたしはひどい言葉をぶつけて電話を切った。
「お父さんなんか嫌い!もう知らない!いなくなっちゃえ!」
 それが最後の会話だった。
 一晩中泣いているうちに眠ってしまい、それを知ったのは次の日になってからだった。
テレビを見ると、何かの事故を放送していた。
「――昨夜未明、太平洋上空で飛行機が原因不明の墜落事故を起こし、乗員乗客465名が
行方不明となっています。捜索隊が派遣されていますが、乗客の生存は絶望的――」
 ひどく嫌な予感がした。画面を見つめていたその時、電話が鳴った。慌てて受話器を上
げると、聞こえてきたのは知らない男の人の声。お父さんの知り合い“だった”と名乗っ
たその人は、あたしの名前を確認すると、話を始めた。
「昨日、空港で君のご両親が私に頼み込んできてね。『飛行機のチケットを譲ってほしい。
明日は娘の誕生日なんだ』と言われて、私は急ぎの用事でもなかったから、持っていたチ
ケットを渡す事にしたんだよ」
 嘘だと思いたかった。でも、現実は残酷だった。電話の向こうで、その人は続ける。
「それがこんな事になってしまうなんて……」
 あたしは、何か大切なものが音を立てて崩れる音を確かに聞いた。それを信じたくなか
ったから、叫んだ。
「嘘ですよね!?お父さん、遅くなってごめんって、帰ったら誕生日会をしようって、言
ってたのに!お母さん、一緒にアップルパイを作ろうって、言ってたのに!」
 電話の相手は沈黙していた。あたしの叫びだけが続く。
549星くずの姉弟 3/5:2005/12/15(木) 01:24:52 ID:uV4ylLAV
「あたし、まだ謝ってないのに!お父さんに、ひどいこと言ってごめんなさいって、嫌い
なんかじゃない、大好きだよって、言わなきゃいけないのにっ……!」
 最後のほうは涙声だった。泣きながら、あたしはもう一度言った。
「……嘘、なんですよね……?」
 その言葉に対する答えは無かった。もう耐えられなかった。あたしは電話を切った。
 しばらくそのまま立ち尽くしていると、いつの間に起きたのか、弟が来た。
「……お姉ちゃん?どうしたの?」
 その無邪気な表情を見て、あたしは気づかされた。あたしがしっかりしなきゃいけない
んだって。
 涙をぬぐい、精一杯の作り笑いを浮かべて、あたしは言った。
「お父さんから電話があってね。仕事が忙しくて、しばらく帰れないかもしれないって。
……しょうがないよね、お父さん達は、困ってる人を助けるために仕事してるんだから。
でも、そのうち帰ってくるって言ってたから、ダイジョーブだよね?」
 嘘だった。もうお父さん達は帰ってこない。なぜかそのことははっきりと分かっていた。
でも、弟にそれを言う事は、どうしても出来なかった。
「え〜っ、そうなの?残念だなあ。……お姉ちゃん?」
「なに?」
 涙を流さないように、精一杯の努力をしながら、あたしは答えた。
「僕、難しいことは分からないけど……泣きたい時は、泣いてもいいんだよ?」
 その言葉と、弟の浮かべた笑顔とで、押しとどめていた感情があふれ出した。
 弟にすがりつくようにすすり泣いた。弟の手があたしの背中に触れた。
 弟の手は、体は、あったかかった。そのぬくもりの中で、あたしはずっと泣いていた。
550星くずの姉弟 4/5:2005/12/15(木) 01:25:27 ID:uV4ylLAV
「……またこの夢」
 毎年、誕生日が近づくたびに、この夢を見る。いつまでたっても慣れない。けれど、今
回はいつもと違った。何か、不吉な予感がした。ふと時計を見ると、8時。
「もう8時……って、遅刻しちゃう!?なんで目覚まし時計鳴らなかったの?」
 そう言って起き上がり、気づく。今日は日曜日。目覚ましはセットしていなかった。
 あたしの隣で寝ていた弟が、眠そうな目を擦りながら言った。
「お姉ちゃん……また、間違えたの?これで何十回目だっけ?」
 言い返したいけど反論できない。毎月毎月同じ事を言っている気がするから。
 そのことを考えすぎると落ち込みそうだから、無視してカーテンを開けた。
「うわぁ……」
 窓の外には白銀の世界。冬の訪れを告げる、白い使者が舞っていた。

「お姉ちゃん、映画を見に行きたいんだけど」
 朝食を終えてすぐ、弟が言った。
「良いけど、何見るの?」
「中坊戦隊ジャスティスファイブ!」
 そう叫びながら変なポーズを取る弟を見ていると、まだ子供なんだなぁとつくづく思う。

 数時間後。
「じゃあ、行こっか?」
「うん!」
 ふたりで家を出る。雪が止んで、日が差していたけれど、相変わらず外は寒かった。
 弟は無邪気に雪の上を駆け回って、ちょうどあたしの目の前で転んだ。
 手を差し伸べる。繋いだその手は暖かかった。
 クリスマスに向けたイルミネーションで飾られた街中を、手を繋いだまま歩いてゆく。
 朝起きた時の不吉な予感は、まだ続いていた。それは、お父さん達がいなくなった朝に
感じたものと似ていた。またあたしは誰かを失うのだろうか。
 湧き上がってきたその考えを、頭から振り払う。そんなはずは無いと。この手の中のぬ
くもりは、確かにここにあるんだと。
551星くずの姉弟 5/5:2005/12/15(木) 01:26:59 ID:uV4ylLAV
 夕日に染まる、寂れた公園。そこに真紅の魔法陣が浮かび上がり、その中央にそれは出
現した。一見すると、ただの肉片にしか見えないそれは、周囲の全てのものを、徐々に吸
い込んで巨大化してゆく。すっかり日が沈む頃には、それは人間ほどの大きさの球体へと
姿を変えていた。
 球体がうごめき、無数の亀裂が入った。その裂け目から、ずるずると太い触手が発生す
る。触手は周辺のブランコや街灯を、手当たり次第に絡めとり、吸収してゆく。
 その触手の一本が、強大なプラーナを察知した。ただの人間よりも、普通のウィザード
よりも強大なプラーナを。数本の触手が、そのプラーナの持ち主である少女に向かって伸
びる。少女は気づかない。
 悲鳴が響いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回に続く。

>>546
やはりカオスフレアと両○○有は切っても切れない運命なのか。
続きが楽しみだ。
552名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 11:08:32 ID:cye9zLEB
GJというヤツだッ!
姉弟ネタは大好きなんで続き楽しみにしときやす。
553名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 13:25:47 ID:CyIoTfmo
なぜか両津亀有と読めた
554名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 14:42:50 ID:ss3B3fhi
>>553
・・・莫迦だ。莫迦がここにいるw(註:貶してません念のため)

それはそうと、
アリアンルージュのノエル(PC1)の中の人が
あっち系で有名な人なのは周知の事実ですが、
ノエルの格好自体もそこはかとなくエロく
(左肩むき出し、バラの痣、太ももスラリ)
これはもう、あっち系の妄想をしてもよい、むしろすれ、という
邪心キーク・ターケのお告げに違いないと思うがどうか。
555名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 16:46:45 ID:itfIoGBD
2話目のオープニングシーン1にイラストが無いことについて小一時間問い詰めたい
556名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 21:03:44 ID:bvPib8e4
ライブボックスを手に入れた。
……P68の椿の呻き声がそこはかとなくえろいと思った。

素晴らしいぞソラリス。
557名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 00:34:28 ID:/uftqdrj
ん? ライブボックス?
558名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 00:47:17 ID:AoOX3z53
ダブルクロスThe2ndEdition公式ファンブック
ってやつ。
559名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 02:49:53 ID:2xV6C2Is
>素晴らしいぞソラリス。

寧ろ、このスレ的には「ハッタリ(もしくはゴーシュレー)、GJ!」かと。
560名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 05:29:50 ID:UcT4hxl6
>>554
フェラシーンは、必須ですな。
561名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 10:31:13 ID:Nukj4+XT
>>555
お前は俺か
562名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 10:55:51 ID:1Jr6QiyU
>>555
特殊サービスのことかーーーっ!!!
563名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 19:38:00 ID:QUMaDmv4
ところで、ゲヘナの新しいリプレイが出た。
前巻はそこはかとなくエロかったが、今回はダイレクトに下品だったw
564名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 20:29:56 ID:ikyBOQYC
>554-555
読んだ
そして思った、ノエルの股の部分エロス
565名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 20:35:11 ID:Hl5CwBaf
>>563
さなえといいSNEの新人は化け物か。と思いましたよ、ええ。(ぎぐるが新人かどうかはおいといて)
566名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 23:10:30 ID:OwMAapD3
ここで空気を読まずにキロール×アージェキボンとか言ってみる

ゴメン古すぎた
567名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 23:57:05 ID:QUMaDmv4
それなんて女神達の彷徨?
568名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 01:16:41 ID:G1b7KhwC
隼人×椿を色々考えてるんだが、難しい。
獣姦ネタのほうが話が展開しやすいように思えてくる(´・ω・`)
569名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 01:30:23 ID:hvzYIgIZ
>568
何故か椿誘い受け→隼人「やれっていうならやってやるさ!」

と想像してしまったのも私だ
570名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 03:46:07 ID:XirV2Eel
ボタン×椿?>獣姦
571名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 06:26:37 ID:BrNR8YwR
>>568

思い出の少女、過去の自分と決別し、日常を捨てて日常を守ることを決意した隼人。
だが、押さえ付けた割り切れない想いは、着実に見えない傷を膿ませていた。
激烈な能力の代償、レネゲイドの侵蝕を類い希な意志で制御してきた彼だったが、
ある日、任務で七緒に似た少女のジャームを斬ったことが引き金となり、これまでに
ない衝動に襲われる。
正気を失いかける隼人を揺さぶり、椿は必死に“こちら側”へ呼び戻そうとする。
だが、戦闘後の興奮と衝動で我を失った隼人は、抱えた痛みをぶつけるように椿を
襲ってしまい――

中途半端な在り方への嫌悪感。葛藤しながらも決断し戦う生き方への敬意。
仲間としての親近感。危なっかしさへの不安。
事後、自分のしたことを唾棄し苦しむ隼人を、ない交ぜになった複雑な思いのまま、
椿はおずおずと抱き締める。
「……そんなに嫌じゃ、なかったから」
そうして変化していく二人の関係(ロイス)。

……隼人×椿と聞いてそんな妄想がふと浮かんだんで、書き捨ててみる。
ご都合主義でベタなのはゴメンシテ、ということで。
572名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 12:14:12 ID:e4ijITMK
そこで七緒の能力が発動して元の木阿弥というオチはどうだろうか
573名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 18:18:35 ID:rTNtevx4
さらに柊が放り込まれて強制的に世界の危機がはじまる訳ですね?
574名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 20:07:18 ID:bNTLQpAi
>>572-573
あんたらだいなしだー!
575名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 20:17:18 ID:hsoGr9+a
え? 台無しのカバ?
576名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 20:21:49 ID:hsoGr9+a
一寸先はギャグ。
577K:2005/12/20(火) 21:39:27 ID:XirV2Eel
流れを読まずに書きかけのARA新リプネタを投下します〜。
時間軸的には本編開始前、皇帝ゼダン×虜囚エイプリル。
578「季節外れのエイプリルフール」1:2005/12/20(火) 21:40:01 ID:XirV2Eel
 神聖帝国首都、ヴァンスターの地下五十階。
 光届かぬ牢獄に囚われた美貌の少女は、膝を抱えて待ち続けていた−−−。

 冥府のような沈黙を破り、一対の靴音が闇の奥から近付いてくる。
 まだ食事が与えられる時間ではないはずだ。少女は怪訝そうに顔を上げ、通路へ視線を投げかける。
 やがて、ランタンの光と共に一人の青年が歩いてくるのが見えた。
 忘れもしない。この牢獄に自分を閉じ込めた張本人、皇帝ゼダンだ。
 少女の檻の前で足を止めると、彼は嘲るような冷笑を浮かべて声を発した。
「元気そうだな。エイプリル=スプリングフィールド」
「よぉ、坊や。何の用だ?」
 鋭い眼光でゼダンを睨みつけ、虜囚−−−エイプリルは少女らしからぬ口調で問い掛けた。
 こんな不敬な科白をぶつけられるのは、エリンディル広しといえど彼女くらいのものだ。しかし、皇帝は動じることなく言葉を返す。
「貴様の顔を見に来た。折角のコレクションが、私の許しも得ずに朽ち果てては困るからな」
「はッ。皇帝陛下ともあろうものが、こそこそ隠れてお人形遊びか」
 お互い、相手を小馬鹿にしたような言葉で挑発しあう。絡みあう二人の視線。
 −−−やがて、ゼダンの口から乾いた笑い声が溢れ出た。
「フフッ……自分を人形と称するとは、自惚れたものだ」
 皮肉を皮肉で返しながら、彼は牢の鍵を開ける。
「……何のつもりだ?」
 まさか気紛れに自分を解放しようというわけでもあるまい。むしろ全く異質な意図を感じ、エイプリルは無意識に身構えた。
「折角だから、望みに応えてやろう。偶には人形遊びも悪くない」
 薄い笑みを浮かべながら、ゼダンは牢に歩み入る。
「おい、冗談だろ……」
 立ち上がり、後ずさるエイプリル。だが四肢を鎖で繋がれた彼女に、もとより逃げ場はなかった。
 すぐに冷たい壁が背中に触れ、部屋の隅に追い詰められる。
579「季節外れのエイプリルフール」2:2005/12/20(火) 21:40:53 ID:XirV2Eel
 片腕でエイプリルを押さえつけると、ぼろきれのような囚人服の裾から、ゼダンは少女の内股に指を忍び込ませた。
 ちゅく、くちゅっ……と、ほどなく湿った音が漏れ出す。
「ふあぁっ……や、やめろ……っ」
 エイプリルは皇帝の指から逃れようと身動ぎする。が、四肢の鎖や首輪をガチャガチャと鳴らすにすぎなかった。
「ん……ふぅっ」
 羞恥と屈辱を押し殺しても、我慢できずに声が漏れてしまう。白磁のようなエイプリルの頬は、ほんのり薔薇色に染まっていた。
「ほぅ、可愛らしい声も出せるのだな」
 ゼダンは冷ややかに笑いながら、耳元で虜囚に囁きかける。
「馬鹿に……するなッ……!!?」
 びくん、と少女の体が跳ねあがる。指での責めを続けながら、ゼダンが不意に彼女の耳たぶを甘噛みしたのだ。
「ひ…あっ…くぅん……」
 じゃら、と鎖の揺れる音が響く。エイプリルの身体から力が抜け、ふらついて倒れそうになる。
 少女の華奢な身体を抱き止め、ゼダンは皮肉げに呟いた。
「敏感な耳をしている。流石は情報部十三班の生き残り」
「そんなの、関係ねえだろうが……ふぁっ、止し……やが、れっ……」
 責めから逃れようとして顔を背けるほどに、形の良い彼女の耳は無防備な姿を晒す。
 ゼダンが耳たぶに歯を立てて転がし、舌をすぼめて耳孔の奥へ押し入るたびに、少女の身体はびくんと震え、唇から悩ましい吐息が溢れ出る。
 お気に入りの武具を弄ぶように、皇帝はエイプリルの反応を楽しんでいた。

(つづく)
580K:2005/12/20(火) 21:47:30 ID:XirV2Eel
苗字間違えた……。orz
続きは後日また。失礼しましたー
581名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 22:20:30 ID:U4MPHJuo
ノエル「…エイプリルさんってキレイですよねー。まさに"美少女"って感じです」
エイプリル「いきなりなんだよ、おだてたって何も出やしないぜ?」
ノエル「やっぱりおちんちん生えてるんですか?」
GM「なななんでそうなるの!?」
ノエル「さっき"カオスフレアを作った"って人から『カワイイ女の子には
おちんちんが付いてるのが当たり前なんだ!ノエルにもそのうち生えるよ』
って教えてくれたんです」
GM&エイプリル「とりあえずアイツは後でシメよう」
582名無しさん@ピンキー:2005/12/20(火) 22:42:49 ID:UtcQknnM
そんなセクハラハッタリかいな。
583名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 12:29:43 ID:JKr7j1ON
ガンドッグの
デュラハン×バイパーとか
ワイルドライフ背表紙の女の子の陵辱とか
そんなSSはマダでせうか?
584名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 13:52:20 ID:ziStIeO0
俺としては
クインビーと一緒に行楽にいくデュラハンに萌えていたわけだが。
585名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 14:27:36 ID:hIDaQSeX
>>571-573を見て思ったんだが
とりあえずどんなルールでも世界観でも
NWから柊を拉致って来れば自動的に世界の危機シナリオになるんじゃね?
俺天才じゃね?
586名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 17:16:35 ID:aykLcGvP
>隼人×椿
糸で隼人きゅんのティクビとティンティンを縛り上げて、
十徳指で撫で回す椿たんを想像した自分はダメですか?ダメですね。
587名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 18:59:20 ID:ziStIeO0
十徳指で独り寂しさを慰める椿たんじゃダメか
588名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 20:24:00 ID:qU3mMHme
えーと、流れ無視して>>580にGJコールと続きマダーしてもよい?
589名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 21:22:55 ID:hquCfpl9
>>588
俺の後でな

>>580続きマダー?
590名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 01:56:46 ID:3hgvBp2p
>>587
いやいや、一人緊縛プレイだろう
591名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 06:53:35 ID:CB9/RWLn
《オールレンジ》持ってるから体も柔らかいしな。
不自由な姿勢に自分を縛り上げてつい興奮してしまい…とか。
そのまま独り遊びに夢中になってるとこに隼人が来て…とか。
592名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 11:50:23 ID:ECvDaAk/
おポンチギャグにしかならんなw
593名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 12:02:50 ID:CB9/RWLn
せめてラブコメに持ち込めないだろうかw
594名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 12:16:54 ID:9yY/5/ts
えー、隼人の持ってるエロ本を偶然発見
椿が怒り、隼人と喧嘩、エロ本没収
で、部屋に戻って椿が何気なしにそれを見てるうちに
ちょっとムラムラきてソロシナリオプレイ開始
そこに隼人が謝りに来て――……

エロ本のぱりぱりしてるページの女の子が椿ソックリだと俺は満足
595名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 17:31:31 ID:cv7Pd4KJ
ところで柊レンはいつごろでてくるのでしょうか?
596名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 18:22:35 ID:eT3aN9SH
柊が亡く頃に
597名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 20:25:51 ID:9yY/5/ts
斧は出ないよ
598名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 07:12:07 ID:pefD/mR/
なら鉈型の魔剣ですよ
599名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 08:06:59 ID:KZWOrgzG
確かにアレは魔剣使いだよなぁ…
データ的には冥/虚 性格は普段は無邪気だが、いざとなると毒電波…
い、いかん黒いプラーナが透けて見えるっ!?
600名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 12:30:13 ID:9qyGmLfA
というか紅い月が見えそうだ。
601名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 13:51:01 ID:aFf5CI/O
なら、主人公は転生者だな。
遺産:金属バット
602名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 14:08:50 ID:yL0xRPyM
それで超能力が使えて、同じく超能力者の女の子とメカに強い友達で冒険の旅を(ry
603名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 14:31:15 ID:bCsCFyQm
そして後半に偏食の龍使いと合流……アレ、何か話がどんどんズレてないか
604名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 17:55:19 ID:y3vR5zS7
そうだ、正しくは金属バットを持った無敵の高校生が
一本気な絵描き志望の同級生とギタリストの同級生と一緒に
他校の不良と喧嘩する話だろう。
605名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 18:48:15 ID:4IMPO5/z
馬鹿!
超能力が使えて金属バット持ってる少年が
仲間と一緒にゴミ箱をあさってハンバーガーを手に入れる
とってもハートフルなお話だろ!?
606名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 19:56:53 ID:t1lfgnqL
俺の聞いた話では
超能力が使えて金属バット持ってる少年が
埋蔵金とかバス釣りの方が楽しくなったらしくほっぽりだされたって
悲しいお話だぞ
607名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 20:20:04 ID:u5I7L2qz
贋作工房ネタが混ざってきた件について。
608名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 21:48:45 ID:UaX0IxCn
あれ?
超能力が使えて金属バット持ってる少年が
赤い服のヒゲ親父やピンク色な食いしん坊、電気ねずみと殴りあってビルから落としあう
とてもヴァイオレンスな話だと思ったぞ
609名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 21:51:18 ID:y3vR5zS7
もうどうでも良いから最後はみんなグレズに侵蝕されるってオチで
610名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 21:54:43 ID:E45icGbi
おかん、おかん2かよw



611名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 22:26:48 ID:Dimc4/8B
違う! デウス・エクス・マキーネだ!
612名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 11:25:53 ID:tl5MyEyl
さあお前ら、クリスマスだ。というわけでクリスマスネタを出そう。

俺?俺は妄想したあと我に返ると死んじゃううさぎさんなので今日はパスで。(乞食根性丸出し)
613名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 11:53:26 ID:dDn7zXTX
永斗「ほうらおもちゃのパチンコだぞう《ハンドレッドガンズ》ッ!」
司「……おいバカ兄貴。人に渡せねえだろ、それ」
永斗「心配無用だ弟よ。今日の兄ちゃんはサンタクロース! 血染めの衣が似合うナイスガイ!
   ちゃあんとそこのおもちゃ屋で仕入れてきた!」
司「って、また預金が26円!? いくつ買いやがった!」
永斗「ににに二百丁くらい?」
司「返してこい」



よりによって浮かんだのがこの兄弟ネタってのはどうよ、俺。
614男狩り1:2005/12/24(土) 13:26:03 ID:tLoBi5Jh
うぎゃあああ…

男「ふははは!どうだ俺のガンズ&ローゼズの味はーっ!!」
ユッサ ユッサ
バッ

男「うおおおお」
ドオ…
男「悪く思うなよ 恨むならこのデカすぎるガンズ&ローゼズを恨みな
フハハハ」


永斗「ほら司 起きろよ 学校におくれるぞ」
司「モヒカン男のことで頭がいっぱいで寝られなかったから眠いよ あ〜あ」
永斗「まだそいつが捕まるみこみはないのかい?」
司「ああ目撃者の証言でモヒカン刈りの男としかつかめてないからね」

司「うっ!?まただ
やつめ七人目の犠牲者を出しやがったな!?
S市の男子校生 深夜の公園で惨殺さる……」

司「檜山君の死因は肛門裂傷による出血死で
被害者の体内からは男の体液が検出された
警察の調べでは犯行の手口からこれまでに六人の犠牲者を出した
モヒカン刈りの男の犯行とみている…か」

司「ちきしょう バイトじゃなかったら今度こそとっつかまえてやったのに」
永斗「気をつけろよ 七人も男を殺したなんてそうとう凶暴な男じゃないか」
司「だいじょうぶ こんなホモ男 俺の氷でひねりつぶしてやるさ」

司「俺の心配よりさ 兄キこそ年なんだし そろそろ嫁さんの心配でもしろよ
さもないと欲求不満でこういうジャームになっちまうぜ?」
永斗「何をばかなことを…俺は先に出かけるよ」
615男狩り2:2005/12/24(土) 13:29:18 ID:tLoBi5Jh
トン トン
霧谷「上月くん ちょっと」
永斗「はい」


永斗「ただいま〜
ウイ〜
司くんはまだ帰っていないのかァ?
どて…
あんちゃんはあした転勤になっちゃうんだぞォ」

霧谷「君を呼んだのはほかでもありません
北海道の支部に行ってほしいんです
エージェント二十人ほどの小さな支部ですが そこの課長のポストがあいたのでね
まっ栄転ですね 君だってがんばればそこで支部長ぐらいにはなれるでしょう」

永斗「ちきしょう あのヘボ支部長めェ
栄転だなんて言いやがって結局俺をかたづける左遷じゃないかァ」

今日が最後になるかな」
ガタ…
パサッ
キュッ

永斗「フフン レザーをつけるとすぐ勃ちやがる
まってろよ すぐに獲物を見つけてやるからな」
616男狩り3:2005/12/24(土) 13:33:57 ID:tLoBi5Jh
ガッ
結希「きゃ」
男「よお お兄さん 女とイチャつくのもいいが、
男と強烈な一パツをやるのもいいもんだぜ
俺が教えてやるよ…!」
ダッ
司「この野郎ーっ やっと捕まえたぞ 変質殺人鬼め!
俺たちはUGNのものだ
おまえを捕まえるおとり捜査をしてたんだよ」
男「俺もやきがまわったもんだな 最後と決めた日に弟をあさるなんて ふっ」
司「なにっ!?」
男「よく見ろよ この顔を」
司「うっ!? 兄キ!!」
617男狩り4:2005/12/24(土) 13:38:33 ID:tLoBi5Jh
司「なんで…… こんなことを……」
永斗「いつごろからか世間からのけものあつかいされることに
いやけがさしたのが事の始まりさ
UGNじゃ能なし呼ばわりだし
三十すぎて何の楽しみもない自分に気づいたとき
落ちこむ一方だったんだよ
だから自分をみがくつもりでお前にも内緒で
ボディービルを始めたりしたんだ」

永斗「体がたくましくなると自分に自信がついてきてね
すると今までおしかくしていたホモの欲求が頭をもたげてきた
今まで行く勇気もなかったファルスハーツと呼ばれる所にも足をはこんだ
だけどそこでも俺はのけものだった!」

永斗「それは皮肉にもこいつが原因だったんだよ
二十三センチのガンズ&ローゼズは羨ましがられこそすれ
誰も受け入れることはできなかった
そこでも俺は能なしの烙印を押されたんだ
だからこうして男をあさりつづけていたのさ
これよりほか俺の欲求を充たすものはないじゃないか!」
618男狩り5:2005/12/24(土) 13:40:24 ID:tLoBi5Jh
司「ばかだよ 兄キは…
そんなことで一生をぼうにふるなんて…」
永斗「ああ俺はばかさ あのヘボ支部長の言いなりになって転勤しようとしてるんだからな
お笑いぐさだよ」
司「くっ」
永斗「だから今日が最後だと思っていたのさ
そしたらあろうことかお前をつかまえちまった
だがやめるわけにはいかないぜ
爆発寸前なんだ 俺はお前がほしい!」
グッ
永斗「弟を殺しちまうわけにはいかないから
お前が俺のケツにアイスブランドを入れてくれ できるだろう?」

永斗「さあ遠慮はいらん 思うぞんぶんぶち込んでみろ!!」
カチャ…
ズ…

永斗「いいぞ…!
氷みたいに冷たく感じるよ さあ一気にザーメンを発射しろ!!」
司「発射…… …するよ…」

ズギューーーンン


END
619名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 14:03:49 ID:66OO8Cq1
>>614-618 コキュートス吹いた
620名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 14:28:34 ID:vq8DM5nc
そうか……こいのぼりは男に見えたか……。
621名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 17:08:48 ID:wLA3kG+v
ケイト…何をやっても似合うな。
622名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 18:10:27 ID:cSxknIaO
モヒカンの時はシド
623名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 19:02:16 ID:gXmY3ckb
…………そ、そんな藤澤ダブルクロスはイヤだOTL
624名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 21:29:30 ID:XAP/3vgf
>>595-611
今更だが整理してみる。

柊レンは柊が亡く頃に出てくるが、斧は出ない。鉈型の魔剣だ。魔剣使いだ。
データ的には冥/虚 性格は普段は無邪気だが、いざとなると毒電波。黒いプラーナが透けて見える。
というか紅い月が見えそうだ。

主人公は転生者で遺産は金属バット。それで超能力が使える。高校生の少年。ワークスは贋作工房。

話の筋としては、同じく超能力者の女の子とメカに強い友達で冒険の旅をする。そして後半に偏食の龍使いと合流。
一本気な絵描き志望の同級生とギタリストの同級生と一緒になって他校の不良と喧嘩もする。
仲間と一緒にゴミ箱をあさってハンバーガーを手に入れるとってもハートフルな場面もある。
埋蔵金とかバス釣りの方が楽しくなったらしくほっぽりだされたって悲しい場面もある。
赤い服のヒゲ親父やピンク色な食いしん坊、電気ねずみと殴りあってビルから落としあうとてもヴァイオレンスな場面も。

最後はみんなグレズに侵蝕されるオチ。おかんも、おかん2も、デウス・エクス・マキーネ(よくわからんが多分飛行船の名前)も。
たぶんここでエロになるんだろう。飛行船の中でおかんが侵食されるんだ。
空中に放り出されそうになって必死にすがりつくのさ。
625名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 21:34:32 ID:NhaQNMVb
624、GJ
よーく、わかったよ(大腸の仕組みが)
626強化(ry:2005/12/25(日) 00:42:16 ID:qxUPvus9
あかりん「黒板モニターで柊蓮司宅を実況生中継しています」
まっしー「している」
優美「ます」
あ「本日の特別ゲストは命と」
ま「夜ノ森だ」
ゆ「ちなみに2人とも画面に食い入ってます」
あ「ベルがクリスマスプレゼントとばかりに裸リボンで登場、先っぽを挿入しかけたタイミングで」
ま「赤羽がケーキ持って登場……同時にラース=フェリアからのゲートが、開放」
ゆ「3人で柊争奪合戦を繰り広げています」

夜「ああ、俺も一度で良いからちんこの奪い合いなんてされる身分になりたいもんだなぁ」
命「いやまったく」

あ「(ひそひそ)彼、エロゲの主人公じゃ」
ま「(ひそひそ)ハーレムルートが、ないから……」
ゆ「あんたら彼氏まで連れてきて聖夜に何やってんのよ」
あ・ま「「おもしろそうだったから」」
あ「いちゃつくのはいつでもできるもの。ねー(棒読み)」
ま「……ねー(棒読み)」
ゆ「うわムカつく!?」

こうしてイヴの夜は殊更不毛に更けていく。

ちゃんちゃん



冬コミ落ちて気が抜けているのでベル本がまだできてません。うあー。
627聖夜点描:2005/12/25(日) 03:10:30 ID:ECLhrMHW
>>612のオファーが有ったから来た。
長らくおあずけな魔物使い×夢使いのクリスマスを勝手に書いてみた。
ついムラッときてやった。今は反省している。でも後悔はしていない。

――――――――――――――

 駅を出たところで、彼女はあたしを待っていた。。
「センセっ」
 週末の人の往来で普段より混み合う駅前広場で、ぴょこぴょこ揺れる学校指定のダッフルと浅黄色のツーテール。
 駅前の喧騒の中、決して大きくはない彼女の声に気付いたのは、彼女がそこに居たのが予想外だったから。

「ひょっとして、迎えに来てくれたの?」
 信号待ちのもどかしさを隠して駆け寄ったあたしの問いに、彼女はふるふると首を振る。
「ううん。ワタシも、さっき駅に着いたトコ」
「だったら、先に行ってて良かったのに…」
 合い鍵も有るんだし。寒かったでしょ、と言うよりも早く。
「だって、」
 小さい身体が、ぽふっ…とあたしの身体に飛び込んだ。
「だって……センセと一緒に、帰りたかった、から」
 わわっ。わーわー。
 嬉しい事言ってくれるけど、こんな往来のど真ん中でっ、と。
 人目憚る様に周囲を見回して……納得した。

 モノトーンの町を彩る、赤と緑と白のデコレート。
 喧騒の中に流れるクリスマス・ソング。
 そして、通りを連れ添って歩く――家族連れに、恋人達。
 ……確かにこれではちょっと、一人で帰るのは寂しい。

「――ん、そだね」
 飛び込んで来たその背に、受け入れる様に手を回して。
「待っててくれて、ありがと」
 彼女が残していた距離を、ぎゅっ、と。鼓動一つ分近付けた。
「ふぁ。センセっ、大胆だよっ」
「飛び込んできたのは、キミだよ。それに――」
 戸惑う様に声を上げた彼女の、その耳だけに届くように囁いて。
「今日ぐらいは、ちょっと大胆でも……罰は、当たらないと思うな」
 街往く人々は、自分達の幸せに夢中だから。
 私達が少し――皆に気付かれない程度に――大胆になれるのは……想定の範囲内って奴だ、うん。

「それじゃ、帰ろっか?」
 でもそのままじゃ歩けないから、そっと身体を離して笑い掛ける。
「うん。帰ろ、センセ」
 彼女はちょっと名残惜しそうだったけど。まぁそれはおあいこって事で。

――続きは、帰ってから、だね。
628ダブル・ゆにばーさる 1/3:2005/12/25(日) 08:59:26 ID:nebXRDTi
>>612の要請でなんか書こうと思って、>>614見て思いついたクリスマスネタ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 喫茶ゆにばーさる全店(といってもまだ二店舗しかないが)会議。各店で働いているエ
ージェントたちのみならず、その町にいる全てのオーヴァードが集まっていた。ディスプ
レイの向こうで、霧谷雄吾が告げる。
「皆さん、ついにこの日がやって来ました。12月24日です。今日の午後は、2月14日と
並んでジャーム発生率が異常に高い事が統計から分かっています。おそらく、孤独による
ストレスが影響していると思われますが、まだそれが原因とは断定できていません」
「では、今日は営業を中止してその対策に当たれという事ですか?」
 “水晶の瞳”が尋ねる。
「いえ、店のほうは通常通り営業してください。もし臨時休業でもしたら、楽しみにして
いたお客様に大きなショックを与えて、孤独感を増大させてしまう可能性があります。ま
た、FHにも何か不穏な動きがあるようなので、そちらへの対策は残りの方々でお願い
します」
 そう言って通信は切れた。

「よーし分かった、あんちゃん頑張って敵を倒すよ!」
「兄貴は厨房担当だろ!」
「むぅ……そうだったな。悪いな司、すっかり忘れてた」
「自分の仕事を忘れてんじゃねえよ!……ったく、いきなり預金残高が無くなったからっ
て文句言いに来たらこんな事になってるなんてな。なあ、ケイト」
 そう愚痴をこぼしながら横を見ると、誰もいない。後ろを振り向くと、いつの間にかケ
イトは結希と仲睦まじく話し合っている。
「はあ……結局苦労するのは俺か……」
「どうした司?困ってることがあるのか?金以外のことなら相談に乗るぞ」
「ああ、困ってるな。主に兄貴のことで」

 迫り来るジャームの群れを《獅子奮迅》で蹴散らしながら、“疾風の一撃”が皮肉を言う。
「へっ、最高のクリスマスイブじゃねえか。これで十何人体目だ?クリスマスプレゼント
にしてはずいぶんと奮発しすぎだろ、これは」
「確かにキリがないな。……二手に分かれよう」
「んじゃあオレは街の外れの方に行くから、このあたりは任せたぜ、“切り札”」
 聖なる夜は更けていく。
629ダブル・ゆにばーさる 2/3:2005/12/25(日) 09:00:12 ID:nebXRDTi
 超大型家電流通店FH。そこにいる(と思われる)FHのエージェント達に動きがないか、檜山ケイトは監視していた。
「はあ……とんだクリスマスイブだな。まあ、>>614みたいにならないだけマシか」
 去年のクリスマスイブも、彼らは戦っていた。世界の命運をかけて、あの教会の前で。
 そのことを考えていて注意が不足していたのか、いつの間にか背後から歩いてきていた
男とぶつかった。相当に酔っていたのか、男が盛大に転ぶ。コンクリートに頭をぶつけて、
鈍い音がした。眼鏡をかけた白衣の男は、そのまま動かない。
「だ、大丈夫ですか?」
 流石に心配になって声をかけた。それが間違いだった。
「ああ、私は大丈夫だ。君は……みなまで言うな、分かっているよ。クリスマスイブの夜
に一人でこんなところにいるなんて……」
 しまった。感づかれたか。思わず身構える。
「一緒にクリスマスを祝う人がいないのだろう?分かる、分かるぞその気持ち」
 ……どうやら取り越し苦労だったらしい。
「いや、ぶつかって済まんかったな。おでんでも奢ってやろう」
「いえ、僕は……」
 断ろうとしたケイトを、《獣の力》で引きずりながら、春日恭二はおでんの屋台へと向か
ってゆく。

「ふぅ、やっと終わったぜ」
 最後の一体を倒した“一撃”は、誰かの接近を感じ取った。まだ《ワーディング》は持
続している。
「誰だ!?」
 叫んだ“一撃”は、そのまま固まる。
 赤いリボンだけでラッピングされた“白き閃光”が、そこには立っていた。
「……メ、メリークリスマス……」
630ダブル・ゆにばーさる 3/3:2005/12/25(日) 09:01:16 ID:nebXRDTi
「今頃“閃光”ちゃんは“一撃”君のところに着いたかしら?」
「ええ、おそらく」
 紅茶を飲みながら、“幻の造り手”と霧谷が言う。
「ですが……あれでよかったのですか?メイド服は着ていてこそ価値があるのですよ?せ
っかくのクリスマス特別ヴァージョンのメイド服なのに、今着ないでいつ着るんですか?」
 “造り手”は一つため息をついた。ここしばらく霧谷の姿を見なかったのは、その特別
な服を作るためだったらしい。そのせいで大分仕事が溜まっているそうだ。……それで良
いのか、UGN日本支部。
 その後ろでは、誰が一番先に“切り札”のところに行くかで、不毛な争いが繰り広げら
れていた。

 檜山ケイトが解放されたのは、日付が変わる寸前だった。急いで支部へと戻る。
 支部の前では、結希がひとり、メイド服のまま待っていた。暗い顔をしていた結希は、
ケイトが来るのを見て表情を明るくする。
「ただいま、結希」
「お帰りなさい、ケイトさん。メリークリスマスです。それと……」
 そう言って歩み寄った結希は、去年と同じように口付ける。今回は唇に。
「ハッピーバースデー、ケイトさん」

 しばらく後でケイトが呟いた。
「そういえば、何かを忘れてるような……」

「うぉぉぉぉっ!?倒しても倒してもキリがねえ!一体ケイトは何やってんだ!?」
 数十体のジャームに囲まれ、上月司は叫んだ。その叫びを聞くものはいなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「星くずの姉妹」の続きはまた今度。できれば年内中に。
631名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 19:54:32 ID:T/XLegLl
>赤いリボンだけでラッピングされた“白き閃光”が、そこには立っていた。

真冬に全裸で青カンとは、元気じゃのう。
632名無しさん@ピンキー:2005/12/25(日) 21:58:23 ID:ZZS/bjv2
>630
>「星くずの姉妹」の続きはまた今度。できれば年内中に。
使徒きゅんが女の子に!?
633630:2005/12/25(日) 22:21:55 ID:nebXRDTi
>>632
あ、素で変換し間違えた。
姉妹か……それはそれで良いかも。書かないけど。
6343日遅れ。:2005/12/27(火) 15:49:43 ID:Mw/UZw58
イヴの夜、都内某所で暴れまわる異形の怪物たち…彼らの正体は…。

UGN独り身エージェント1号「今夜だけ…、今夜だけは俺たちは心友だ…」
FH独り身エージェント2号「ああ、今夜だけはな…」

司「だぁああああ! はた迷惑なことやってんじゃねぇ!!」
FH以下略3号「だまれ、『アイス・ブランド』! 貴様に…貴様に、オレたちの暑い漢のパトスが判るのか!」
以下略4号「イヴに独りで飯を食う…俺たちの流す暑い汗! そう、これは涙じゃない…汗なんだ!!!」
永斗「そーだー、判るのか〜〜!(何処かで見たことのある美少女たちと真っ赤なワインを飲みながら)」

永斗以外全員「…、あ?」
永斗「ん、どうした?」
以下略「『ガンズ&ローゼス』き、貴様〜〜こ、
司「…死ね」
永斗「…マイブラザー? そんな良い子も、悪い子も、小便ちびりながら命乞いしそうな顔をしてどうしたのかね? ハハハッ、ちなみに、このワインは猫の小便の味がするねぇ!」
司「昨日まで28万あったオレの預金が、今日見れば28円…。手前なんだろう、兄貴…。ぁあああん!? 俺のクリスマスケーキを! 七面鳥を! ついでに、コンビニ弁当を! 返しやがれ〜〜〜〜!!!!!」



…その後、都内某所は正月が終わるまで氷漬けであった。しかし、中央に出来た薔薇と氷の彫像は実に見事で、観光名所として暫くの間賑わったという。

事件後、事情聴取された以下略たちは語った。
「理解しました。たとえ独り身であっても…、我々は、飯を食えるだけマシなのだと…。ゆえに、これからは同胞たちに語り継いでいきたいと思う。イヴの夜の28円少年のことを…」

…ちなみに、別枠で襲撃された喫茶ゆにばーさるでは、血涙を流す志士たちの屍に止めが刺されていた。
こいのぼり「美味しいですか、ケイトさん♪」
ケイト「うん、美味しいよ、結希♪」

この世に、このようなバカップルがいる限り、彼らは決して滅びない。
28円少年は伝説となりながら、しかしその苦難は決して報われることはないのであった…まる
635名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 23:11:40 ID:XitpMWaV
イヴはグィードも聖教付属孤児院でサンタの格好してプレゼント配るのだろうな
言動と所業はサンタでなくサタンだけどな
636名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 23:51:32 ID:MN2Mv0Yk
コントラストサイドを買った。
“ラピスラズリ”神埼瑠璃絵に攻め役としてのエロさを感じてしまった。
人体実験を繰り返す倫理無き研究者でエグザイル/ソラリス。
パーフェクト。
637名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 00:21:42 ID:240YIj89
>594
亀レスだが俺もそんな感じの作品が見たい。
638名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 13:54:18 ID:240YIj89
>636
うお!いま隼人×椿モノ(?)を製作中なのだが、ゲストキャラと神埼瑠璃絵が微妙に被った。
でもコントラストサイド買ってないしなー。まぁいいか。
639名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 17:50:33 ID:Y/552gzZ
やっぱアレだよなー、エグザイル/ソラリスはエロいよな。
640名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 20:35:29 ID:YXOeYMVU
流れに逆らうが
今日やっとマジキューのNW記事を見た



扉の柊の上にすわるアンゼ様があのぴっちり具合にこっそり局部をぬらしてハァハァしてる姿が浮かんじまったぜチキショウめ
641名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 01:03:27 ID:uNM7KqgW
男「アンタを見て、いきりたった俺のモノをどうしてくれる? 」
エイプリル「それも皇帝につけといてくれ。」
642名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 12:28:50 ID:JV+5IGP5
皇帝の取り立てマダー?
魔道具の蒐集が趣味なら魔導銃使いは最高のコレクションだみたいな話キボン
643名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 13:58:00 ID:7HNGlYRg
644名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 22:15:28 ID:dZtPr1uM
>>641
ゼダン「いいこと思いついた。おまえ俺のケツに領収書入れろ」
645残酷な人形より:2005/12/29(木) 22:55:38 ID:IIix9Hmx
椿と隼人に日本支部への招集がかかり、この海上都市を去る前日。
椿と芽以の自室
「先輩、あの、やっぱり行っちゃうんですか」
夜が更け、そろそろ寝ようという時間に突然芽以が切り出してきた。
「ええ、さすがに今回は逆らうわけには・・・いかないとおもうから」
椿としてもこのままここに残りたいという気持ちは強い。
だが、さすがに2度の命令違反を黙って許すほどUGNは甘くはない。
「じゃあ、2つだけお願い聞いてもらえますか」
「私でできる範囲なら」
思わず安請け合いしてから、とんでもないお願いだったらどうしようと思ったが、
それは気にしないようにしておく。
「一つめは、私もUGNで教育を受けることになると思うんですが、どういうことを
するのか教えて欲しいということなんですが」
何のことはない、質問。椿もできる範囲で訓練の内容や教育の方式を教える。
「そうなんですか、解りました。ありがとうございます」
「で、もう一つのお願いってなに?」
そう聞き返すと、芽以は顔を赤らめて
「え、えと変なお願いなんですが、その」
その恥ずかしがりように、少し不安が押し寄せてくる椿だったが・・・
「手をつないで・・・その一緒に寝て欲しいんです。あ、ご、ごめんなさい、へ、変
なお願いですよね、わ、忘れてください」
「別に良いけど」
椿には何故、芽以が恥ずかしがっているのか解らない。チルドレンの教育にお
いて、一人一部屋を与えられることはまず無く、昔はチルドレンたちで雑魚寝で
過ごすことも珍しくなかった。別に抵抗感のある話ではなかったのだ。
「ほ、本当ですか、良いんですね。じゃあ用意しますね」
他愛もないお願いに喜ぶ芽以を見て椿は芽以の孤独感への恐怖を感じ取って
いた。だからこそ、その孤独感を少しでも埋められるならと、そのお願いを無碍
にすることができなかったのだ。

それが、どのような結果になるのか椿は予想もしていなかった。

646残酷な人形より:2005/12/29(木) 23:18:40 ID:IIix9Hmx
椿のベットに枕を二つ並べる。さすがにシングルベットに2人は手狭感が有る。
「じゃあ、お休みなさい芽以ちゃん」
「はい、先輩」
部屋の照明を消す。
手をつなぎ、その一人でないというぬくもりと安心感に二人は包まれる。
最初は緊張していた芽以も、徐々にその安心感に寝息が聞こえてくる。
その寝息に椿自体も眠りに落ちていった。

ふにゅ

それから1時間ほど経ったあたりで椿は妙な感覚に襲われた。
ちょっと体が重く感じられる重量が体に寄り添ってきている。
鋭敏な感覚で反応し、一瞬で目が覚める。
目の前には芽以の顔がある。
いつのまにか芽以に抱きつかれていたのだ。
抱きついた芽以の頭が椿の胸に押しつけられていた。
胸に感じる、他人の息遣い、感じたことのない感覚に戸惑っただけなの
かと、安心する。
再び目を閉じると、芽以の手が椿の豊かな胸にに伸びてくる
「きゃ」
ふにふにと無意識なのか、椿を強く抱きしめる芽以の腕。
「先輩・・・」
寝ぼけ眼で、芽以が椿を見つめる
「芽以ちゃん、何を」
「先輩、かわいい」
「え?」
芽以の顔がアップになり、唇が重なる
「ん〜!!」
数秒後、その唇は離れ、再び胸に押しつけられる。
「ふひゃ!!」
それは胸の頂点を的確にとらえている
「め、芽以ちゃんや、やめ」
芽以は椿の制止を聞くことなく、その手で椿の寝間着をたくし上げる。
もちろん椿にとって芽以を押しのけることは難しい話ではない。
だが、その選択肢が頭に上るほどの冷静さはこの時は無かった。
「ちゅ」
そしてその頂点にキスを受けた瞬間に全身に電流のような衝撃が走る。
「ひゃ、や、やめて芽以ちゃん」
「だめですよ、先輩。先輩は芽以の大好きな人だから」
方胸を舐られ、もう片方は芽以の左手が愛撫を繰り返す。

647残酷な人形より:2005/12/29(木) 23:31:07 ID:IIix9Hmx
そして、芽以の右手は脇腹、臍を通過し椿の下着に到達する。
その行き先を察知した椿は悲鳴を上げる
「だ、駄目、それ以上は、芽以ちゃん」
「じゃあ、隼人先輩にならいいんですか」
またもや、筋の通らない返しをする芽以。
「は、隼人とはそんな関係じゃ・・・ああ」
とうとうその指先は、椿の乙女部分、他人にはふれrされたことの
無い部分に到達する。
「先輩濡れてますよ、私の気持ちよかったですか」
「そんな、気持ちよくなんか」
「それもと隼人先輩を思ってこんなになっちゃたんですか」
「それも違・・・や、だめ、それ以上は・・・・ん!!」
再び芽以の唇が重ねられる。
「離れたくないんです、一人になるのはもう、嫌なんです」
「芽以ちゃん」
芽以の心の叫びを聞いて、抵抗する力が抜けてゆく椿。
「一人じゃないって言ってくれたじゃないですか、先輩」
もう、そこには寝ぼけ眼ではない芽以が居た。
「これで最後で良いんです、思い出をください」
もう一回、椿に唇を重ねる芽以
椿は抵抗し、この状況を抜け出すという選択肢を、この時放棄した。


続く・・・かもしれない。期待しないで待て!!

648名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 23:45:44 ID:dZtPr1uM
>>647
期待して待たせてもらいます。
649名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 00:38:45 ID:oWR8efZ6
期待するなと言われたからには期待せずに待つ。
だが敢えて言おう、GJと。
650名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 00:54:26 ID:R8OgmotY
>627
GJデース

百合好きなんだよぉぉおおお
651残酷な人形より:2005/12/30(金) 17:45:24 ID:sZ5D3Y9D
椿には解っていた。これが彼女の、「コールブラッド」の抱える衝動なのだと。
一人になることへの恐怖感。
自分たちはそれを克服するための「言葉」と「行動」を彼女に示した。
だが、それはきっかけにすぎないのだ。
それにレネゲイドとのつきあい方も彼女に教える必要がある。
「芽以ちゃん・・・。大丈夫貴女は一人じゃないから」
優しく頭をなでてやる
「先輩………」
芽以は甘えるように抱きついてきた。
「こんな方法じゃ、寂しさは埋まらない。この方法は寂しさを紛らわせるだけなの」
そういう椿におびえるような目を向ける芽以
「本当に寂しさを埋めてくれるのは、私じゃない」
イサムの顔を思い浮かべ、ちょっと内心で謝りながら。
「でも、貴女が望むなら。ちょっとだけなら寂しさを埋めてあげる」
今度は椿の方から芽以の頬にキスをする。
芽以はその優しさに、自然と涙をこぼす。
「………先輩、私汚れているんです。FHの研究所で………研究員の人たちに……」
涙を流し、告白を始める芽以。
「こんな私を求める人なんていない………私は孤独なんだと思ってました」
「芽以ちゃん………」
「でも、先輩たちが孤独じゃないって教えてくれて、私本当にうれしかった」
芽以は涙をぬぐい。
「先輩とすれば、一人じゃなくなる。そう思ってました」
それは先ほどの強引なまでの行動の理由。
「そうじゃないと心の中では解って居るんです、でも止められないんです」
椿はその告白から、推測道理彼女がレネゲイドが及ぼす「衝動」に捕らわれていると
言うことを確認する。
「それはレネゲイドが及ぼす衝動というものなの。芽以ちゃんもこれからそれとつきあ
って行かなきゃならない」
「椿先輩?」
「でも、いまはその衝動につきあってあげなさい。私が受け入れてあげるから」
椿は自ら寝間着を脱ぎ捨てる。
「先輩・・・きれい……」
また芽以はとろんとした目に変わる。
「貴女は私が受け入れるから………」

652残酷な人形より:2005/12/30(金) 17:53:00 ID:sZ5D3Y9D
本当は椿もその「行為」自体、「どのようなことをするか」なんて知識は存在しなかっ
た。
漠然とした恐怖、不安などもある。でも今はこの目の前の少女が愛しく感じられた。
彼女を守りたいというそう言う気持ちだけで動いていた。
「でもね、芽以ちゃん。その、私初めてだから、やり方とか知らないんだけど」
顔を赤らめ、芽以に告白する。
「だから芽以ちゃんに任せる」
なんか、すごくまずいような気もするが、そう宣言する。
「わかりました先輩。一緒に気持ちよくなりましょう」
芽以は微笑み、自らも裸体になり椿に身を重ねる


とりあえず、ここまで書いた。後は年明けに
気分は「仕事のストレスとお酒に酔っていたから発散のために書いた。今は反省している」
って感じですが期待しないで続きを待ってくだされ
653椿と隼人 ◆TGq9/nAXcA :2005/12/30(金) 22:55:10 ID:nZqwP7ng
椿と隼人モノを書いてみた。

「事故だったのだし、殴った事は謝った方がいいと思いますよ」
友人に呆れ顔でそう諭された少女、玉野椿はしずしずと廊下を歩いていた。
゛はぁ゛と自然にため息が漏れる。゛ちょっとやりすぎたかな゛と反省する。
そうこうしているうちに目的の部屋の前についてしまった。
ネームプレートに書かれた名は「高崎隼人」、つい数十分前彼女が殴り倒した男の名前である。

今から二十七分前、訓練を終えた椿は更衣室で着替えていた。
時間が遅いためか更衣室は無人。無音の空間で椿は戦闘服を脱いだ。
椿が下着姿になった次の瞬間、゛ごうぉぉぉぉぉぉぉぉん゛ ゛ドサ!゛
轟音と共に天井から何者かが落下した。唐突な展開に椿の思考はフリーズした。
「痛ってぇー」灰色の作業着にライト付きのヘルメットを被った少年がぼやく。
少年の周囲には天井の残骸と工具らしきものが散乱している。
少年が顔を上げる、二人の視線が交差した。しばし無言で見詰め合う二人。
「おーい、隼人。大丈夫かい?」天井の穴から誰かの声がする。
その声を合図にするかのように止まっていた時が動き出す。
「つ、椿?えっ、なんで…?」隼人が言い終わるより先に椿の拳が彼の顔面を捕らえた。
その一撃で隼人の体は扉をぶち抜き、そのまま廊下の壁に叩きつけられる。
「この変態がぁーーーーーーーーー!」椿の絶叫が木霊した。
654椿と隼人 ◆TGq9/nAXcA :2005/12/30(金) 22:55:50 ID:nZqwP7ng
゛いやぁ。椿ちゃん、申し訳なかったねぇ゛整備課のおばちゃんはそう言った。
彼女が言うには、隼人とおばちゃんは更衣室の天井裏を通る配管を修理しており、更衣室は
使用禁止だったはずなのだが、事務局の手違いで使用禁止の札が貼られていなかったとの事だ。
事情を聞いた友人は椿に謝る事を推奨した。
彼女の言葉に従い、こうして謝りに来たのだが―
どうしても戸を叩く事ができない。殴った事への罪悪感はある。
しかし、密かに好意を抱く相手にあられもない姿を見られたばかりなのだ。
今、その相手に会うのは相当の勇気を要する行為だ。
覚悟を決めて戸を叩こうとしたそのとき―
「椿ぃ。……ん…」部屋の中から自分の名が聞えた。
ドクンと心臓が高鳴る。椿は気づかれないようにそっと戸を開け、中を覗き見た。

時間は少しさかのぼる。高崎隼人はベッドに体を投げ出した。
先ほど椿に殴られた頬が痛む。怪我自体は医務室で治療されたが痛みはまだ残っている。
「嫌われちまったかなぁ…」誰にともなく呟いた。
まだ当人には話していないが隼人は椿に好意を持っている。
「玉野椿に惚れた?隼人君、それは勘違いだよ。君達一緒の任務にあたったろう?
 危機的な状況下で恋が芽生えたと勘違いしているんだよ。きっとそうだよ!
 だから早まっても告白とかしちゃダメだよ。いいね!
 隼人君も若いし、いやらしい事をしたいのもわかるけど、彼女はダメだからね!
 そういう事がしたいときはボクに言うだよ!」
相談に乗ってくれた女友達はそう言って、隼人の恋心を否定した。
゛君は性欲を恋を勘違いしてるだけ゛彼女はそう締めくくった。
655椿と隼人 ◆TGq9/nAXcA :2005/12/30(金) 22:57:20 ID:nZqwP7ng
「性欲かぁ…」先ほど見た光景がフラッシュバックする。
汗ばんだ白い肌、少々小ぶりだが柔らかそうなバスト、くびれたウエスト、引き締まったヒップ、
上下揃いのピンクの下着、訓練で上気した頬―
その光景を思い出した途端、隼人のモノは勃起した。
椿に好意を持ちつつも彼女をオカズにした事は今まで一度もなかった。
自己処理するためにベッドから身を起こす。机の上に置かれた封筒が目に止まった。
隼人の椿への思いを知った悪友がくれた物だ。中身は数枚の写真。
椿の隠し撮り写真と彼女のアイコラ写真である。もらってから一度も見なかった。
隼人の手が無意識に封筒に延びる。中から写真を取り出す。
水中訓練時の水着姿、ブルマ姿、軽く胸元が見えているもの、居眠りをしている寝顔、
そして問題のコラージュ写真。厳密にはアイコラと言ってもこれはニセモノではない。
自分が見たものを写真に念写できる女オーヴァードが念写したモノである。
゛盗撮じゃないから犯罪じゃないのよん゛作者はそうほざいたらしい。
写真に写された椿の裸身を見る。自分のモノがより硬くなるのを隼人は感じた。
ズボンとトランクスを下ろし自分のモノを握る。
「椿ぃ。……ん…」椿を思いながら自己処理を開始した。

゛うわぁ!゛ドアの隙間から部屋を覗いていた椿は心の中でそう思った。
男のそうした行為を目にするのは始めてだった。
視力の良い彼女は隼人がオカズにしているものを目にしてしまった。
「私?」一瞬で頭に血が上った。
「隼人ぉぉぉぉぉぉぉぉ!」部屋に飛びこみ、瞬時に隼人に接敵する。
「え!椿?」展開についていけず呆然とする隼人。
隼人が理性を取り戻すより先に彼女の拳が再び隼人の顔面を捕らえた。
656椿と隼人 ◆TGq9/nAXcA :2005/12/30(金) 22:58:32 ID:nZqwP7ng
そしてその数分後、椿は自室の隅で落ちこんでいた。
まさか彼が自分をネタに自慰行為におよんでいるとは予測できなかった。
゛うっーーーー゛と唸りながら、床を転げまわる。
椿の顔は羞恥心で真っ赤に染まっている。
゛でも………。それって…私を好きってこと?゛
自分の妄想にさらに悶える。
゛私で…自慰するって事は、私で性欲が湧くって事で…それは好きってことなの?゛
「あイタ!」転がりすぎて壁に頭を打ってしまった。
゛そうよね。きっとそうよ。恋人同士はエッチなことするのが普通って聞くし、
 エッチな事したいって事は恋人になりたいって事で…゛
椿の思考がだんだんおかしな方向に進んでいく。
゛私は隼人が好きなんだから、隼人とエッチな事したいって事よね。
 ああ、今日怒る必要なかったじゃない。むしろあのまま迫ればよかったのかしら。
 そう言う展開って多いらしいし゛
椿の知識は最近の過激な少女漫画のせいで歪んでいた。
゛喧嘩した仲直りにエッチって展開があったわよね。私も真似しようかな。゛
先ほどの衝撃で床に落ちた少女漫画を拾ってページをめくる。
漫画をベースに脳内でシミュレーションする。
気がつくと自然に指先がスカートの中に伸びていた。
妄想で興奮したのかショーツには小さな染みができていた。
「ん!……あっ!」ショーツの上からクリトリスを軽く刺激する。
自慰を覚えて日の浅い椿はちょっとした刺激でもたまらなく感じるのだ。
「隼人ぉ」思い人の名を口にしながら秘所を優しく刺激する。
指をわずかに動かすだけでもたまらなく気持ちいい。
気持ちよすぎてクリトリスを激しくこする事すらできない。
その代わりにわずかに力をこめてクリトリスを押す。
「んあっっっん!!」それだけで椿は絶頂をむかえた。

とりあえずここまで。お目汚し失礼しました。
657名無しさん@ピンキー
>651、653
まさか、今年度中に椿ネタを、それも連続で見れるとは……っ!!
ぐっじょぶ、だ!