【GBから】サガシリーズでエロパロ3【ミンサガ迄】
もう幾往復かもわからなくなるほどの律動の果てに、ニーナの嬌声が断続的なもの
になり、更に強くポールの背中に爪を埋め込んだ。
その痛みに気が回らないくらい、ポールもニーナを悦ばせる事に集中していた。
「ニーナ、そろそろ……」
ポールが達しそうになって腰を引こうとするが、それをニーナが両脚で止めた。し
がみ付くように腕と脚をポールの身体に回し、ポールの熱を今度は下の口で吸い取る
ように膣肉が蠢いた。
「ポール、中にっ」
「うぁっ……」
ポールの男根から二度目の射精が放たれる。子宮口にまで爆ぜた精の結晶は、ニー
ナを満たされた安らぎに昇天させた。
汗まみれで、蛙のように両脚を広げ、それでもニーナは荒い呼吸を繰り返しながら
たおやかに微笑んだ。
「ありがとう、ポール」
身体を洗いもせず、二人は熱と湿気を吸い込んだ敷布で密着して寝転がった。
「なにがさ」
ポールの腕に擦り寄っていたニーナが、猫のような動きで男の胸板に顔を寄せる。
「初めて、中に出してくれたよね」
「そうだったっけ。でも、今の家計じゃ子供を養う事だって難しいし」
「うん……そうだけど。……そう、だよね」
憂いと安息が混在したニーナの瞳は、やがて眠りに落ちて瞼の奥に隠れる。
何となく普段以上に沈着なニーナに違和感が拭えなかったが、ポールも少し遅れて、
眠りという別の夢に心の癒やしを求めて瞼を伏せた。
何の夢を見ていたのか一切判然としない。幼い頃の追憶だったような気も、悪事に
手を染める愚かな自分の姿だったような気もする。
気怠さが漂う室内に、開け放たれた窓から朝の肌寒い外気が流れ込んでくる。低く
呻いて目を開き、ポールは寝惚け眼で寝室の天井と向かい合った。
「……ニーナ?」
隣にはもう、最愛の女性は居なかった。朝餉の準備に階下へ下りたものかと推測し
たポールだったが、それにしては家の中が不自然に静かだった。
「何だ、これ」
上体を起こして目に入ってきた机上の紙に気を取られる。寝台の縁に移動して手を
伸ばし、そこに書かれている短い文面を目で追う。
ポールの顔が凍りついた。
今までありがとう 最後にもう一度貴方に会えて本当によかった
「ニー、ナ? 嘘だろ?」
言葉通り寝台から飛び起きて服を着る。顔を洗う事も無く家を出ると、ポールは全
力で昔馴染みの家まで疾走した。
「おい! 起きてるんだろ!? 開けてくれ! 俺だ、ポールだ! おい!」
近所迷惑も考えず、ポールは一心不乱に玄関扉を何度も殴打する。応対にそれが開
けられると同時に顔を出した商人の息子の胸倉を掴み、そのまま奥へ押しやるように
詰め寄った。
「ニーナに何があったんだ!?」
ポールの形相に表情を気まずく引きつらせた若者だったが、奇妙な落ち着きをすぐ
に取り戻し、ポールの睥睨から目を逸らした。
「……生贄だよ」
「生贄?」
あぁ、と昔馴染みは小声で肯定した。
「最近になって、近くの鉄鉱に凶悪なモンスターが住み着いちまったんだ。だから、
村が襲われないように住民を……」
そこまで聞いて、ポールの顔が更に険しくなり、締め上げる胸倉が軋む。けどな、
と今度はポールが怯むほどの視線を向け、若者が低い声で切り出した。
「お前のせいだよ。ニーナは自分から生贄になるって言ったんだ。勿論、みんな反
対した。自分がそうなるのは嫌だけど、それでもニーナみたいな、あんないい娘が
モンスターの餌になるなんて誰がよく思う? ポール、お前が勝手にあいつからい
なくなって、あいつがどれだけ寂しい思いを過ぎしてきたのかわかるのかい、えぇ
?」
若者の叱責は、最後までポールの耳に届く事は無かった。ポールは一目散に自宅
まで戻り、思考が纏まらないまま部屋という部屋を見回った。
発見した目ぼしいものは刃毀れをした長剣と、一発でも撃てば壊れてしまいそう
な草臥れた長弓だけだった。
この村を出て行く時、少ない貯金をはたいて購入した長年の相棒達だった。
昨日の、かつての同胞の死に際の言葉がポールの頭で再現される。
──そうやって目先の状況に逃げてばかりだったな
──失う事も、奪う事も恐れ、挙句に生まれた土地へ生き帰ったか
そして、今度も逃げるのか?
ニーナを助けに行かなくては。そう心が身体を突き動かしてくるが、相反してモ
ンスターと対峙する恐怖に脚が震える。
「俺は、口だけじゃない。俺は……!」
部屋の壁に掛けてあった帽子を乱暴に掴み取り、被りながらポールは走り出した。
彼が前に進むと腰に掛けた長剣が金属の音に鳴り、背負った長弓が揺れる。
人里から離れてくると野生のモンスターの生息区域に差し掛かる。頭上から高速
で下降してくるバイターの嘴を辛うじて躱し、行く手を阻むロックパイソンの長躯
を長剣の一振りで薙ぎ払う。旅人の成れの果てとなったスケルトンが繰り出してき
た死の一撃が肩口に裂傷を刻んだが、それだけではポールの動きを阻止するのは叶
わなかった。
「ここか。くそ、岩で入り口を閉めやがってっ……」
森から開けた川辺に到着し、不自然に置かれた岩を横へ移動させる。一瞬の停滞
も惜しみ、ポールは岩の奥に続く洞窟内へと侵入していった。
アルカノイドのアシッドスプレーを上体を屈めてやり過ごし、上から頭部へ長剣
を突き刺して絶命させる。不規則に痙攣する八本の腕もやがて静止した。
巨大蜘蛛の死骸を飛び越え、悪霊の呪術を打ち払い、悪魔の獰猛な牙を斬り倒し、
ポールは一度も立ち止まりもせず奥部へと急いだ。
行き着いたそこは暗い空洞だった。一切の視覚が利かない闇の深淵にポールは到
着した。
「ニーナ? ニーナ、居るのか!?」
息を切らしながらも、ポールは全力で叫ぶ。何も見えないと知りつつ懸命に周囲
へ視界を巡らせる。
不意に横手の岩陰から人気がした。はっと振り向くポールの先に、怯えた様子の
ニーナが顔だけを出してきた。
「ポー……ル? どうしてここに居るの?」
信じられない声色で呟き、ニーナが岩陰から男のもとへ歩み寄ってくる。
やっとこの場で再会を果たしたような錯覚に、ポールはうちからこみ上げてくる
衝動を抑える事ができなかった。自分からも近寄り、長剣を手にしたままで力強く
ニーナを抱き締める。
「痛いよ、ポール。それに肩、怪我してるじゃない!」
「そんなのどうだっていい。ニーナ、早く逃げよう。お前が生贄になる必要なんて
どこにも無いじゃないか」
ポールの説得に、だがニーナは迷いのある表情で小さく首を横に振った。
「でも、それだと村のみんなが……あ……」
ポールも嫌でも感じ取る。闇の奥から、巨大で不気味な魔の気配がこちらへ押し
寄せてくる振動を。
甲高い不協和音が村人を日々恐れさせるモンスター自身の鳴き声と知ると、ポー
ルも奥歯を噛み締めて闇へと対峙した。腕で言葉も無くしたニーナを出口の方へと
押しやる。
闇から無数の光が現われ、ポールとニーナを射抜く。薄明かりに曝け出されたモ
ンスターは、数え切れないほどのネズミの群れだった。
ネズミの群れは知能を持っているかのように、敵の力量を見定めるかの如く粒さ
に武器を装備しているポールをその緋色の眼球で観察している。
僅かでも不審な行動をとれば、瞬時に群れの猛攻に晒されるのはポール自身も容
易に想像できた。
「ニーナ、早く逃げろ。こいつは俺が食い止める」
自分の服の裾に縋り付いていたニーナを更に後ろへ押す。小さく巨大なモンスタ
ーの威容に身体を震わせながら、それでもニーナはポールの腕を引いた。
「そ、そんな。ポールも一緒に逃げよう! 勝てっこないよ、わたしだけ逃げるな
んて嫌っ!」
「いいから早く行け!」
怒声と悲鳴に反応し、ネズミの群れが二人の声を掻き消さんばかりの大合唱を上
げて突進してくる。咄嗟にニーナを通路へと突き飛ばし、ポールは逆にネズミの大
群へと突撃した。
自棄のように長剣を叩き落すが、俊敏な動きで回避され、死角から数匹が噛み付
いてくる。
「ぐ、ぁ……! くそ、この、野郎……」
成す術など無かった。どれだけ果敢に撃退しようと動いても途方も無い数の前に
行動を阻害される。
前を向けば後方からの不意打ちを許し、背中の肉を服ごと噛み千切られる。噴水
のように、ポールの鮮血が闇の中で舞い上がった。
爪が頬肉を削ぎ、男の片目を血に染めた。長剣を掲げる腕は爪と牙の猛威を受け、
流血塗れの中に鮮やかな脂肪と骨が見え隠れしていた。
腹部に強烈な突撃と横薙ぎの爪を喰らい、ポールは吐血しながら数メートルほど
闇の奥へと吹き飛ばされる。抉れた腹筋から潰れた腸を道連れに多量の出血が溢れ
た。
堪えきれない全身の痛みを脳が処理しきれず、感覚が薄れ立ち上がる気力が完全
に奪い去られていった。
闇の空間にポールの血の海が広がっていく。
「ニー、ナ」
残った微かな力で頭を持ち上げる。その先に、ネズミの群れに徐々に追い詰めら
れていくニーナの弱々しい姿があった。
「ポール……」
ニーナの助けを請う声を耳にして、ポールは無力な自分に目頭の熱を感じた。
だが、ふと霞んだ視界で気付く。あの群れの中に、一匹だけ一際不可解な行動を
とるネズミがいる事に。
その一匹がポールへ振り返り、そして紛れも無く、凶悪な牙を生やしたその口を
残忍な笑みに歪ませた。
明確に、知性を持った生物の挙動だった。
「なら……、な、ら、奴を殺せば、この群れはきっ、と……」
襤褸のような肉体を叱咤し、ポールはよろめきながらも起き上がった。微かに身
体を動かすだけで、脳に耐え難い激痛が殺到する。
死の臭いの孕んだ呼吸を落ち着け、ポールは紐越しに背中で担いでいた長弓を取
り出す。弾かれた長剣を取りに行くには条件が悪すぎる。
「ニーナ……俺、本当どうしようもない男だけどさ。これが、最期にお前にしてや
れる、精一杯の事だ」
激痛が渦巻く肢体で、血塗れで既に神経すら通っていないような腕で、使い物に
なるのかすら疑わしい一本の矢を構える。痛みと血に滲む視界で、微かな余力を振
り絞って狙いを定める。
ニーナを餌にしようと迫っていたネズミの群れが、背後に生まれた不穏な気配に
意識を誘われる。群れの統率と担っている一匹のネズミが率先して弓矢を構えてい
るポールへと奇声を上げて飛びかかっていく。
ポールが構えた矢が闇を蹴散らす閃光を纏っていく。
「フラッシュ──アロォォォォォ!!」
その閃光は幾筋もの光の刃となって前方へ高速で飛散し、ネズミの群れを圧倒的
に滅ぼしていく。
ポールの眼前に迫っていた群れの元凶も、光の矢の直撃を受けて大量の血に埋も
れていった。
あまりの射撃の衝撃に、ポールの腕が破壊された。スケルトンから受けた斬撃の
傷を節目に、男の腕が粉々に粉砕される。
身体も必殺の一撃の負荷を殺しきれず、ポールはそのまま虚脱して仰向けに倒れ
た。
「ポ、ポール?」
先程の光で全てが終わったと察したニーナが、よたよたとネズミの残骸を越えて
倒れたままのポールの傍に近付く。
膝を屈め、凄惨な姿となった愛する男の顔を覗き込む。そして全てを把握したニ
ーナの顔が蒼白に転じた。
ポールは息をしていなかった。顔の半分を潰された片目から流れる赤黒い鮮血で
染め、微かな動きも見せずにいた。
「嘘、だよね? ねぇポール、嫌だよ。いつもの冗談なんでしょ? 起きてよ、こ
んな所で寝ると風邪ひくよ? ねぇポール、ポール!」
即座に溢れ出てきた涙で顔をくしゃくしゃにし、ニーナは狂ったようにポールの
身体を揺さぶった。それがどれほど無駄な行為なのか、そんな事にも思考が回らな
い。
肉片となって周囲に散ったポールの腕を手で掻き集め、嗚咽を漏らしながら肩口
から復元しようとする。どれだけ服が汚れ、指を切っても、ニーナは止めようとは
しなかった。
「嘘……嘘……お願い、誰か助けて! ポールを、わたしの大好きな人を、お願い、
お願いだから……助けてよぉ……」
ニーナの大粒の涙が、昨日楽しげにポールへ見せた首飾りの結晶に落ちる。
その涙に呼応したかのように、突然その結晶が自ら光を放ち始めた。呆然となっ
て、ニーナは涙を拭うのも忘れて結晶の光に見惚れる。
「え……?」
その神秘的な光がポールの遺体に降り注ぐ。ニーナは涙塗れの眼を限界まで見開
いた。
その夢のような現象は一分と続かなかった。温かな輝きの先に待っていたのは静
寂だった。
余りの不思議な出来事に放心しているニーナの瞳に映る男の顔は、いつもと変わ
らない血色のいい寝顔に戻っていた。
「まさかあれ、結界石の破片だったなんて」
生贄の惨事から数日後、ポールとニーナは二人でツヴァイクの港に訪れていた。
ポールが持っている手荷物は携帯できる簡単な日常必需品と最低限の着替えのみ。
「もう、待ってるだけの女でいるの、嫌なの」
潮の香りに満ちた風を受け、二つに括った長い髪を手で押さえながらニーナが言
った。
そっか、とポールが返す。
「またいつか、二人でキドラントに帰ろう」
ポールが乗船の受付を開始したピドナ行の船へと歩いていく。ニーナがそれを小
走りに追い、隣に並んだ。
「二人じゃないよ」
「え?」
何を言っているのかわからない様子のポールに微笑み、ニーナは彼の手を自分の
腹部に当てた。
そこに眠る確かな命の鼓動は、二人の旅立ちを祝福するかのように、ただ優しい
母性にたゆたい泳いでいた。
なんかニーナがエロゲヒロインみたいに…orz
文体雑&展開急ぎ足で申し訳ないです 適当に読み流してください
いやいやGJ!
前半のメンタル系のエロと後半のバトル要素と
ストーリー重視の素晴らしい小説でした。感動した。
久し振りにロマサガ3がしたくなったよ。
実際はアレとしておまいさんのポールはイケメンだな…。
今度こそニーナを幸せにしてやれよ。
腕が砕けるってなんか凄いな
ロマサガの技はサラっととんでもないことするからな。
光速剣とか次元断とかミリオンダラーとか。まあ腕が砕けてもおかしくあるまいて。
何はさておき超GJ。
コンスタンツがあんなフニャチン男とはじめてvしましょ!だなんて許せないし許されないと思う。
という事でコンスタンツの洞窟で獣姦されるコンスタンツとかさ、その…誰か頼むよ。
ホーク×アイシャを書きたい けど、ホーク編ばっかりやってるからアイシャの口調がいまいちわからねー
背徳感に苛まれつつアイシャに夢中なおっさんとそれに気付いてんだか気付いてないんだかパーティの誰にでも別け隔てなく懐いてるアイシャ。
エロール×シェリル(シェラハ)のネタがずっと脳内でリフレイン。
「光があるからこそ闇が輝く。…貴方を愛していたのよ、エロール」みたいな…。
書いてみようかな。
アイシャは口調がボクっ娘っぽいけど
一人称はボクじゃないんだよね。。
とりあえず活発な感じでいいんじゃまいか?
アイシャ編やってた者より。
ミンサガのアイシャは「あたし!タラール族のアイシャ!」の一言で
SFCのイメージを一瞬にして消し去り、アホっぽいというイメージが付いた
君が コエタイ 物は何
大空 逆風 昨日の自分
アイシャは「わたし」じゃないっけ?
場合によって変わるよな。
乳は確実にでかくなったよな
流れを読まずに投下。
前置き長いです。エロは8から
敬愛するローザリア皇太子ナイトハルトの求婚から、イスマス落城。ブルエーレ
に流れ着き、ようやくクリスタルパレスへ到るまで。
それまでの平穏な暮らしからは、比べ物にならない程波乱に富んだ日々であった
が、費やした時間もまた長かった。
主君が待つ玉座の間の扉の前に立った時は、焦がれた方にようやく会えるという
乙女の感情よりも、どんな叱責を受けるのだろうかという恐れの方がディアナの鼓
動を高鳴らせた。
しかしいざ謁見の場に臨んでみると、特に報告を求められることはなく、弟のア
ルベルトが生きていること、そしてしばらくはパレスに滞在し身体を癒すと良いと
いうことを一方的に聞かされると、あっけなく御前を下がることを許されてしまっ
たのだった。
すっかり拍子抜けしてしまったディアナであったが、その後、ナイトハルトの命
令ということで侍女をあてがわた。これがまた、まるで客人をもてなすような扱い
で、例えば傷の具合を診てもらおうと言ってはニーサ神殿へと連れて行かれ、道中
の疲れを流しましょうと言っては湯浴みの介添をされ、久しぶりにローザリア風の
お食事をと夕食の手配をされ、そしてようやく侍女に案内された部屋で一人になる
と、ディアナはソファの上で深いため息をついた。
「…どうなっているのかしら?」
思わず独り言が唇から漏れる。
ブルエーレに滞在していた頃。貴族としての立場は尊重されていたものの事実上
の捕われの身であった時、イスマスが落城したという知らせはもちろんディアナの
耳にも届いていた。
それを知った時、ディアナはブルエーレ公フランコに「自分を捕らえていても、
ローザリアとの取引の材料には足り得ませんよ」と言ったことがある。自分はもう
二度とローザリアの土を踏むことは出来ないという覚悟を決めた上で。
しかし処刑も辞さない覚悟で口にした言葉はあっさりと笑い飛ばされて、そして
その数日後に知ったのは、ナイトハルトがフランコの取引に耳を傾け、秘密裏に動
いているという事実だった。
そこまでされる価値が自分にあるとは到底思えないのに、王都に戻ってからも続
く過分な扱い。ディアナはもう訳が分からなくなっていた。
ただ、未だにローザリア皇太子の婚約者として認められていると言えば、すべて
の説明はつく。つくのだが…。
「ううん、まさかね…」
ディアナは僅かな期待をぬぐい去るかのように頭を振った。
自分は今となっては没落貴族の身だ。口約束だけのあの婚約がまだ有効などと、
そんな都合のいい話があるはずがない…。
柔らかなソファの上で、そのまま寝入ってしまいそうになっていると、ふいに扉
がノックされる音が響いた。
こんな夜更けに失礼なと、訝しげな表情を浮かべつつ、ディアナは音のした方へ
と視線を向ける。
「どなた?」
「私だ」
返事を聞いた瞬間、まどろんでいたディアナの背筋がぴんと伸びた。
「殿下?…す、すぐに開けます」
ディアナは急ぎ足で扉のところに駆けようとしたが、薄地の夜着一枚のみを纏った
自らの姿に気がつくと、慌てて上着を羽織り、呼吸を整えながら扉を開ける。そこ
には甲冑を外し、漆黒のマントに身を包んだナイトハルトの姿があった。
「起こしたか?」
慌てて出て来たのを見透かされたのか、口の端に笑みを浮かべながら問われる。
「い、いえ。まだ起きていましたので」
「少し良いか?」
ディアナはどうぞと頷くと、主君を部屋の中へと招き入れた。ナイトハルトは中
へ入るとマントの留め具を外し、それをソファの背もたれに掛ける。
主君の真夜中の来訪。しかしそれは、ディアナには戸惑いしか与えなかった。
やはりご立腹なのかしら…。
ナイトハルトはあまり表情を顔に出さない方なので、そこから真意を汲み取るこ
とは出来ない。
フランコとの取引の詳細までは知る術もないが、自分が五体満足でここに存在し
ている以上、ナイトハルトはフランコにそれなりの代価を支払ったはずなのだ。
仮にもバファル帝国は敵国であり、いずれはローザリアの下にマルディアスの統
一をと考えているナイトハルトが腹を立てないはずがない…と考えてしまうと、デ
ィアナはもう気が気ではない。
「何かお飲み物でも…」
ひとまず間を繋ごうと、ディアナが茶器の準備をしようとすると、ふいに手首を
掴まれて、次の瞬間ディアナはナイトハルトの胸の中に捕われていた。
予想もしていなかった突然の事に、ディアナの鼓動が一瞬で頂点まで高鳴る。
「傷の具合は?神官は何と言っていた?」
耳元でナイトハルトが囁くと、首筋に暖かい吐息がかかった。頬が熱くなるのが
自分でも分かる。
「は、はい。もう傷は完全に癒えてるとのことです。ブルエーレでも随分良くして
頂きましたので…」
「ブルエーレ…か」
少しの沈黙の後、ナイトハルトが再び口を開く。
「本当にそれだけか?…かの地で慰み者にされたとか、そういったことは?」
「そんな、そのようなことはありませんでした。…私が今ここにいるのも含めて、
殿下のおかげです」
怒りを帯びた声音に怯えを感じつつもディアナがきっぱりとそう言うと、ナイト
ハルトはディアナと向き合う。その表情には安堵の色が浮かんでいるように見えた。
「…そうか」
目の前にある端正な顔立ち。向けられた視線を逸らすことも出来ず、高鳴る鼓動
は平静を忘れてしまったかのようだった。
「ならば良い。もしお前が傷物にされたとなれば、すぐにでもブルエーレ公の首を
頂戴しに行かねばならぬところだった」
「…え」
それは何故と尋ねようとするディアナの唇を、ナイトハルトがつう、と撫でた。
「ではこの唇も、まだ誰のものでもないということだな」
そう囁いたかと思うとナイトハルトの瞳がゆっくりと閉じられ、そっと唇が重ね
られる。
その甘くて柔らかい感触に、ディアナは頭の芯が溶けてしまいそうになったが、
緩んだ隙間から舌が分け入ってくると、我に帰ってナイトハルトの身体を押し退け
た。
「で、殿下っ…お戯れはお止めになって」
「戯れだと?」
ナイトハルトは自分から離れたディアナを、今度は先ほどよりも強い力で抱き寄
せた。
「何を言う、お前は私の婚約者なのだぞ。戯れであるはずがないだろう」
「え?…で、ですが」
抱きとめられた胸の中で、ディアナの顔が俯く。そして、ずっと胸の内で燻って
いた疑問を口にした。
「故郷を…イスマスを失った私は、もうローザリアにとって何の価値もない女です。
殿下の妃になるなんて、そんな資格など」
「関係ない」
ナイトハルトがディアナの言葉を遮った。
「お前の価値と言ったが、そんなものは私が決める。誰にも文句など言わせん。
…それにイスマスは、アルベルトが復興してくれればそれで済む」
「そ、それは…そうですが、殿下」
「なんだ、私を拒む理由が他にもあるのか?」
ディアナが返事に困って俯いたままでいると、くいと顎を持ち上げられた。ディ
アナはまた自らの心臓が跳ねるのを感じる。
「あの、本当に私で宜しいのですか?」
「くどい。何度も言わせるな」
そして、それ以上の言葉を封じるように唇が塞がれる。
「お前が他の誰かに汚される心配をするのはもうたくさんだ」
ついばむような口づけの合間を縫って、ナイトハルトが呟く。
「ディアナ、今宵はお前のすべてを私のものにする…」
ナイトハルトはディアナをベッドに横たえると、再度唇を重ねた。そして先ほど
は適わなかったその奥へと、今度こそ舌を割り込ませる。
最初、ただされるがままになっていたディアナも、やがてナイトハルトを真似て
自分から舌を絡め始める。互いの呼吸は次第に荒くなり、二人の唾液が音を立てつ
つ混ざり合った。
優しく、時に強引に口内を犯されていると、ディアナの頭は再び酔ったようにぼ
うっとなる。
濃厚な口づけを与えながら、ナイトハルトの手がディアナの身体のラインをそっ
となぞっていく。そこに決して力は込めず、服の上から伝わる優しい感触が心地よ
かった。
「っは…」
糸引きながら二人の唇が離れると、ディアナの口元から甘い吐息が漏れる。ナイ
トハルトは溢れた唾液を指で拭ってやると、今度は白い首筋へとキスを落とした。
「っ…殿下…」
くすぐったい感触に、ディアナは眉をひそめ、その肩が強ばる。ナイトハルトは
特に気にすることもなくそのままそこを嘗め上げて、耳朶を甘噛みしながら、彼女
の夜着のボタンをひとつひとつ丁寧に外していった。
「あっ…」
前を開かれ素肌を露にされると、そこから豊かな膨らみが零れ落ちた。
ディアナは恥じらいから胸元を覆い隠そうとしたが、それは腕を掴まれて阻まれ
る。そのまま食い入るように見つめられると、ディアナは居たたまれずに顔を背け
た。
「奇麗だ、ディアナ…。初めて会った時はほんの子供だったのに、随分と成長した
ものだ」
言いながら、ナイトハルトの手がディアナの乳房へと伸ばされた。
その大きさと柔らかさを確かめるように優しく撫でられていたかと思うと、ふい
に手の平全体でぎゅうと掴まれる。その瞬間、ディアナの身体が小さく震えた。
「け、剣を振るうには邪魔なだけです」
この期に及んで色気のない言葉を口にするディアナを見て、ナイトハルトは失笑
を漏らす。
「勿体ないことを言う。世の貴婦人達が聞いたら一体何と言うか」
そう言うと、乳房を弄んでいた手が尖りはじめた先端を摘んだ。
「あんっ…!」
思わず出てしまった嬌声に恥じらいを感じ、ディアナは自らの手で口を覆う。
「どうした?もっと声を上げても良いのだぞ?」
生娘のうぶな反応に悪戯心を覚えて、今度は頂きを口に含む。しばらくそれを舌
で転がし、時折吸い上げたりしていたが、それでも懸命に声を堪えているディアナ
を見ると、それを軽く歯で噛んだ。
「っ!…やあっ…!」
刺激を与えられたディアナの背中が大きく反り返る。すっかり上気した彼女の顔
に目をやると、その瞳は今にも涙が溢れそうな程に濡れていた。
「意外と敏感なのだな、お前は」
ナイトハルトは双丘の谷間に顔を埋め、そこに跡を刻みながら囁く。
「んっ…そ、そんなこと…」
「ふふ、ではこちらはどうかな」
脇下から続く曲線を撫で上げていた手が、そろりと下着の隙間に忍び込んだ。
「やっ…お待ち下さっ…!」
そんな言葉など気にも止めず、ナイトハルトの指は彼女自身を覆い隠す茂みを掻
き分け、やがてその奥の花芯を探り当てた。
「あ…やんっ…!で、殿下っ…」
そのままそこを弄ると、ディアナの身体は快楽に震え、溢れ出す雫がナイトハル
トの指にべとりと纏わりつく。蜜の絡んだ指を彼女の中に進めると、その身体がび
くんと跳ねた。
「ひっ………殿下、ああっ…!」
その指がディアナの中を抉るように出入りを繰り返すと、それに合わせてくちゅ
くちゅと淫猥な水音が響いた。羞恥に耐えきれず、ディアナが激しく頭を振る。
「っは……いやっ、そんなに音…立てないでっ…!」
「何を言う、ここをこんなに溢れさせているのはお前自身ではないか」
そう言うと、今度は彼女の下着に手をかけた。
「!…あ、ああっ…」
何をされるのかを察したディアナは足を閉じて抵抗しようとしたが、すでに力の
入らなくなっている身体ではそれも適わない。
「言ったろう、お前の全てを私のものにすると…」
ナイトハルトは下着を取り去ると、ディアナの足をぐいと持ち上げて、彼女の中
心に顔を埋めた。
「だ、駄目です、そんな、とこっ…っ!…ああぁっ!!」
ナイトハルトの舌が、ディアナの下肢を濡らす蜜を舐めとるように動く。それは
脚の付け根から茂みの内、膣口の回りをゆっくりとなぞってゆき、汗で濡れたディ
アナの太腿にナイトハルトの長い金髪が纏わりつく。
「はぁ、あっ…や、めっ………で、殿、下っ…!」
快楽に身体を捩らせながら、ディアナはナイトハルトの頭を押し退けようと手を
伸ばすが、すでに思うように動かないその手は、逆にナイトハルトの頭をそこへと
押し付けてしまう。びくびくと震え始めたディアナにちらりと視線を向けると、紅
く膨れ上がった花芯を舌で転がし始めた。
「!…あっ、あっ!…駄目ぇ、もっ………ああっ…!!」
暴れる脚を押さえつけ、執拗にそこを責め立てると、ディアナの喉から細く甘い
声が漏れてその背中が大きく仰け反る。ぶるぶると震えた後、ぐったりとそこにし
なだれた。
「…で、殿下?」
「何だ」
愛液で濡れた口元を拭い、そっと髪を撫でてやると、ディアナが息せき切らせな
がら不思議そうな顔で見上げてくる。
「私、今…?」
「堪能させてもらった。お前はどうだった?」
逆に尋ねると、ディアナは恥ずかしそうに視線を逸らす。
「か、身体が自分のものでなくなってしまったようで…。私、おかしくなってしま
ったのですか?」
「いや。何もおかしいことなどないさ」
優しく微笑みかけると、ディアナが恐る恐る顔を向けてきた。
「それなら良いのですが…では本当のことを言います」
ディアナは一瞬の間の後、意を決したように言った。
「その、とても…素敵でした」
「だろう?」
ナイトハルトはその答えに満足したようにキスを落とすと、自らの衣服を脱ぎ始
めた。細身ながらも逞しく鍛え上げられた身体が露になっていくのを、ディアナは
余韻に浸りながらぼんやりと見つめる。
そしてすべての衣服を脱ぎ捨てると、再びディアナの上に覆い被さった。
「…どうした、興味があるか?」
黒々と膨れ上がった男根に目を奪われてるディアナをからかうと、その身体が弾
かれたように跳ねた。
「い、いえ、そのっ…そんなに大きなものだとは思っておりませんでしたので…」
「可愛いことを言う。何なら触ってみるか?」
「!!……そ、そんなおそれ多いこと、結構です…!」
耳まで真っ赤になってしまったディアナを見て、ナイトハルトが心底楽しそうに
笑った。
「では、それはまたいずれな」
ナイトハルトは自らの陰茎に手を添えると、ディアナの上にそれを滑らせた。男
の先走りと女の蜜が絡んで、その先端が艶かしく光る。
「あっ…殿下…」
堅いものが敏感な箇所を撫でると、ディアナの身体がまた震えを帯び始める。
「怖いか?」
「い、いえっ…」
「強がりは相変わらずだな。…出来るだけ力を抜いていろ」
少しでも不安を取り除くように、そして合図のように口づけをすると、ナイトハ
ルトは自身をあてがい、ぐっと力を込めた。
「!!…ああっ…!」
同時に白い首が仰け反り、見開かれた瞳から涙が溢れだす。ナイトハルトがゆっ
くりと腰を進める度に、嗚咽のような声がディアナの喉奥から漏れた。
「くぅっ………っ…ナ、ナイトハルト…さまっ…!」
痛みのためか、がくがくと震えるディアナの手が、縋るようにナイトハルトの太
い首に回される。
「辛いか?」
そう尋ねると、ディアナはナイトハルトにしがみついたまま健気に首を振る。
「大丈夫…大丈夫、ですから…っ」
まるで泣き声のような声音に、ナイトハルトの雄がまたひとつ反応する。
そのまま処女の狭い入り口を進んでいくと、溢れ出る蜜の中に次第に赤い色が混
ざり始めた。一際抵抗のある部分を抜けると、ナイトハルトはついにディアナの最
奥へと辿りつく。
「はぁっ…はぁ………で、殿下…?」
「ん?」
荒々しい呼吸を続けるディアナにキスの雨を降らせていると、彼女が弱々しく囁
いた。
「今、私の中にいらっしゃるの…分かります。…とても、嬉しい…」
「…そうか、私もだ」
互いの鼓動を感じながら、ナイトハルトとディアナは微笑みを交わすと、くちゅ
りと舌を絡めた。
しばらくの間穏やかな愛撫をしつつ、ようやくディアナの呼吸が落ち着いてきた
のを見ると、ナイトハルトが静かに呟く。
「いいか、ディアナ…動くぞ」
「は、はい」
「不安ならば私に捕まっていろ」
ディアナの腕がぎこちなくナイトハルトの背に回されると、男の腰がゆっくりと
律動を始めた。
「…んっ!…はぁっ………い、痛っ、あぁ…っ!」
次第に激しくなっていく動きに、ディアナは喘ぎ、その瞳からは涙が零れた。何
度も何度も中を抉る動きは生娘には苦痛しか与えなかったが、それを与えているの
が他でもないナイトハルトなのだと思うと、不思議とその痛みにすら愛しさを覚え
る。
涙でぼやけた視線を下肢へと向けると、自らが溢れさせた蜜で濡れた恋人の雄が
出入りしている様が目に入ってくる。淫猥な光景だと思いつつも、ディアナはそこ
から目を離すことが出来なかった。
「ディアナっ…くっ、ディアナ…っ」
初めて異物の侵入を許したそこは狭く、ナイトハルトの雄をぎゅうぎゅうと締め
付ける。ディアナの中でさらに猛々しさを増すごとに、さすがのナイトハルトの表
情にも余裕がなくなっていく。
「ん、んんっ…ナイトハルトさまっ…はぁっ…あっ…!」
時折唇を塞がれつつ、激しく揺り動かされている内に、最初は痛みしかなかった
感覚に少しずつ快楽が混ざり始めていく。今にも暴走してしまいそうな感情をどう
にか押しとどめようと、ディアナの手がぎゅうとナイトハルトの髪を掴んだ。
「…あん、やぁっ………ナイトハルトさま、わたし、も、もうっ…!」
「ディアナ、私も…はぁっ…」
最後に一際強く貫かれたかと思うと、ディアナの内のナイトハルトがびくりと震
えた。
「あ、あぁー……っ!!」
その瞬間、ディアナの身体も大きく仰け反り、二人は同時に達した。
「…殿下」
「ん?」
情事の後、ナイトハルトの腕の中でまどろんでいたディアナがおもむろに呟く。
「まるで夢のようなひとときでした…。今日限りで御許を離れることになっても、
今宵のことは決して」
「ディアナ」
それ以上の言葉をナイトハルトが遮る。
「お前はまたそんなことを。ここを離れて何処へ行くと言うのだ?」
「それは…、でも私、このままパレスに居られるような身分では…」
おどおどとディアナが返事をすると、ナイトハルトが呆れたようにため息をつい
た。
「まったく…まだ分かってもらえぬのか」
やれやれといった風に起き上がると、その手首を掴んで再び組み伏せる。ディア
ナは小さく悲鳴を上げると、狼狽した視線でナイトハルトを見上げた。
「ならば分かるまでその身体に言い聞かせるとしようか。私の妃となるのはお前以
外にありえぬことをな」
「えっ……で、殿下?」
「もう黙れ」
ナイトハルトはにやりと笑うと、ディアナの上に覆い被さり、その唇を塞ぐ。
未来のローザリア国王夫妻の夜は、まだ始まったばかりだった。
終わりです。
なんか殿下がセクハラ入ってて申し訳ないorz
GJ!!!
純愛ぽくて良かった!!
姉ちゃんの靴下売ったら怒りそうな殿下だなw
GJ!!!
純愛乙
うはw
正直おっきした。
でも殿下はやっぱり棒読みで再生された。
殿下の支配欲が良く出てて最高。
ディアナ(・∀・)イイ!