NHKにようこそ!

このエントリーをはてなブックマークに追加
615名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:30:19 ID:HS5e5HtD
やめてくれ・・・
616名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 03:52:56 ID:W+dyfl+/
※注意!以下のSSには不快な表現が含まれており
あなたの気分を激しく害する恐れがあります
またコミックス派の人には少しネタバレに成りかねないかも



「ちょっと、いい加減にしてよ!冗談やめてよ」
と委員長が叫ぶ声で俺は我に返った。
酒と、気持ち良くなるクスリの同時摂取が効いたのかいつのまにか意識が飛んでいたようだ。
酒盛りをしている内に俺は委員長を押し倒し、被さるような格好でキスを迫っていたらしい。
なんてこった、何やってんだ俺は?急速に酔いが醒めると共に、言いようの無い羞恥心を覚えた。まずいぜこれは。
「は、ははははは。冗談だぜ?けっ、シャレのわかんねえ人だな、おい。」
「なんでもいいから早くどいてよ、もう・・・痛いじゃないのよ。」
怒る委員長から離れて俺は負け惜しみのように言う。
「あーあ、つまんねえの。せっかくお、お互い楽しんでたのにしらけちゃうぜ。」
「はあ?バッカじゃないの。あたしは全然楽しくないわよ。」
ごもっともだ。返す言葉もない。いくら酒に酔ったとはいえ、こんなくだらない人間だったのか?俺は。

「・・・キモチワルイ。」
びくっと俺は震えた。え?何だって。それ何のこと。まさか俺・・・じゃない・・・よな。
「気持ち悪いって言ってんのよ。もう帰ってくれないかしら。」
はいすいません、俺のことですね。気持ち悪いキモチワルイきもちわるい。当たり前です。
酒とクスリをキメて意識が飛んだ23歳無職童貞がキスを迫ってきたら、そりゃキモイです。俺だって逃げます。
帰ります、と蚊の泣くような声で言ったあと、俺はこそこそと委員長の部屋を出た。
あー。何やってんだよ、俺は。廊下の壁に頭をもたれて、激しく後悔モードに入った俺はふと考えた。
俺、何しに来たんだっけ。


続く
617名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 17:45:37 ID:XVU8kjMX
しねや!つまんねぇ 駄文失せろカス
618名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:16:54 ID:Xxysz4wZ
文章としては上手だと思うが。
出てくるキャラがあまり人気のない委員長なだけで。
619名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 15:31:03 ID:1SamP7Bk
電通資料より


「NHKにようこそ」

引き篭もりをターゲットにしたマーケティング。
自らも自称「ひきこもり」をイメージさせ、購買させる



プ お前ら釣られてやがる
620名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 01:10:48 ID:AJpb/Rfd
ほとんどエロ無しだけど、俺も投下していい?
初めてSS書いたんで、多分あまり面白くないと思うけど…

アニメ見終えて感動?した勢いで、書いちゃったんだけど。
621名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 01:14:36 ID:mdVzKuB3
どうぞどうぞ
見終わって時間経ってしまうと、なかなか書けないから困る

でも読むのは平気
622名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 01:19:37 ID:AJpb/Rfd
>>621
うお、こんな早くにレスがつくとは…
ありがとう。じゃあ、ちょっと投下させてもらいます。

アニメ版が好きなので、アニメ版の続きという設定です。
妄想24.5話という事でひとつ。
623妄想24.5話その1:2007/04/22(日) 01:28:29 ID:AJpb/Rfd
「佐藤君」
「うわ!?」

その声の、あまりの近さに俺は飛び上がった。

「あ、あれ?」

…気がつくと、俺はいつもの公園にいた。

夜。
いつもの公園、いつものベンチ。
差し向かいに私服姿の岬ちゃんが座っている。
テーブルの上にはテキストやノート。
…いつもの勉強会の光景だ。

岬ちゃんが、突然立ち上がった俺を、不思議そうな顔で見ていた。

「どうしたの?」
「…いや、なんでも無い」

俺は答えながらベンチに座った。

(いつの間に俺はこんなところに…?)
記憶を辿ろうとするが、ぼんやりとして思い出せない。
俺は周りを見渡した。
辺りを照らす街灯。「ちかんに注意!」の看板。古ぼけたブランコ。
いつもの公園だ。特に何か変わったところは無い。
だが、俺は何か違和感を感じていた。

「岬ちゃん」

俺は、何かを聞こうとして岬ちゃんに顔を向け、−−そしてそのまま硬直した。

「っ!?」
624妄想24.5話その2:2007/04/22(日) 01:29:58 ID:AJpb/Rfd
ベンチに座る岬ちゃんは、なぜか唐突に裸だった。
テーブルの影になり、下の方は見えないはずだが、
なぜか俺は岬ちゃんが何も身に付けていない事を理解している。
俺は声も出せず、呆然と岬ちゃんを見つめた。
−テーブルの上では、ひきこもり星人が踊っていた。

「ぁ……ぁ……」
「どうしたの? 佐藤君」

岬ちゃんは、裸だというのに照れた素振りもない。
その平然とした声に俺は我に返り、慌てて岬ちゃんから視線を逸らした。
…これは一体どういう事だ!? 一体何が?

(そうか!)
俺は唐突に事態を把握した。
何らかの偶発的かつ突発的な事故で岬ちゃんは全裸になってしまった。
そしてこの事実に気付いているのは俺だけなのだ。
俺は岬ちゃんを傷つけないよう、この事実をさりげなく伝えてあげなくてはいけない。

なるべく岬ちゃんの体を見ないようにしながら、俺は言った。

「は、裸はいいよね! こう、開放的になるよね!」
「そう?」
「そうだ! 身体が軽くなると心も軽くなる!」
「ふぅん、そうなんだ」
「うん、多分…」
「………」

会話が止まる。
俺は勇気を出して続けた。

「…岬ちゃん、もしかすると、服、着てないかもしれない」
「そうだね」
「………」

会話が止まる。
イカン、何か言わねば。
俺はあさっての方向に顔を向けたまま続けた。

「あー、でも、暖かくなってきたとはいえ、まだ少し寒かったりするん−−」
「佐藤君」

俺の言葉を岬ちゃんが遮った。
625妄想24.5話その3:2007/04/22(日) 01:32:07 ID:AJpb/Rfd
「な、なに!?」
「こっちを見て」
「み、岬、ちゃん?」
「見て、佐藤君」

岬ちゃんに促されるまま、俺は恐る恐る視線を戻した。
街灯の明かりに、岬ちゃんの裸体が映し出されている。
白くて、細い身体。華奢なその線。まだ幼さを感じさせる小振りな胸。
慌てて目を逸らすも、ちらちらと胸に視線がいってしまう。

「わたし、佐藤君に、教えて欲しい…」

岬ちゃんは、いつもと違う妖艶な表情を浮かべている。

「教えて…佐藤君…」

岬ちゃんが繰り返す。話す声もどこか艶っぽい。
俺は、知らず知らずのうちに、ごくり、と喉を鳴らした。

「お、教えるって、な、なにを?」
「勉強」
「あ、ああ! 勉強ね、うん、勉強会だもんね。ははは」
「うん、大人の勉強。教えて、佐藤君」
「い!?」

岬ちゃんの顔が近づいてくる。
遮るものは何もない。
いつのまにか二人の間にあったテーブルも、座っていたベンチも消えていた。
何の前触れも無く、街灯の明かりがピンク色に変わる。

「お、大人の、勉強…?」
「教えて、佐藤君…」

岬ちゃんがしなだれかかってきた。
俺は猛烈に混乱した。

いいのか!? いいのか俺!?
教えてあげちゃうのか!?
手取り足取り腰取り、大人のお勉強会を開いちゃうのか!?

「ね?」

色っぽい微笑を浮かべた岬ちゃんがこちらを見上げている。
いつもの岬ちゃんからは想像出来ないその色気。
いつもの岬ちゃんからは…
626妄想24.5話その4:2007/04/22(日) 01:33:07 ID:AJpb/Rfd
「はっ」

俺は気付く。

「おまえ…! 岬ちゃんじゃないな!」
「きゃっ」

俺は、抱きついている岬ちゃんを強引に引き剥がした。
そうだ、こいつが岬ちゃんなはずはない。
岬ちゃんなら、こんな表情はしない。
岬ちゃんは、シャイなのだ。

「おまえ…! 一体何者だ!」

俺は、一歩距離をとり、高らかに叫んだ。
既視感を感じた。そう、以前にもこんな事が確かにあった。
正体を見破られたこいつは、この後「よくぞ見破ったわね佐藤君!」と高らかに笑うはずなのだ!
俺は悟った。

(これは……陰謀だ!)

岬ちゃんは、あっけにとられた表情で立ちすくんでいる。
俺は、それを無言でにらみ付けた。

「………」

岬ちゃんは、しばらく呆然としていたが、急に顔を伏せて泣き出した。

「ひ、ひどいよ…佐藤君」
「あ、あれ?」
「わ、わたし、勇気を出して言ったのに…」

俺は慌てて岬ちゃんに駆け寄った。

「岬ちゃん? 本物の?」

俺の言葉に、黙って頷く岬ちゃん。

「す、すまない」

俺は慌てて謝った。
謝罪の言葉に岬ちゃんが顔を上げた。
どこか切なげな表情。岬ちゃんの瞳が揺れる。

「いいよ、佐藤君。…キスしてくれたら、許してあげる」

そう言って、岬ちゃんは目を閉じた。

「い!? あ、で、でもこんなところだと誰かに見られるかも…」
「誰も見てないよ」

岬ちゃんはかぶりを振った。
627妄想24.5話その5:2007/04/22(日) 01:35:09 ID:AJpb/Rfd
「だって、世界にはわたし達二人しかいないもの」
「!!」

その言葉が引き金になり、俺は全てを思い出した。

この世界には俺達二人。他には誰も存在しない。
人類は俺達二人を残して全滅した。
遥か未来に時空転生してきた俺達は、人類最後の生き残りだ。
そう、俺達は人類最後の希望なのだ!

そうか、だから、岬ちゃんは寂しくて不安でしょうがないんだ。
だからこんな事を…
俺は、俺がやるべき事を理解した。

「岬ちゃん」

俺は岬ちゃんを安心させるべく、そっと抱き寄せた。
岬ちゃんの胸が、むにっと当たる。柔らかくて気持ちいい。
俺は決意を言葉にした。

「心配しなくていい。何も心配しなくていいんだ!」
「佐藤君?」
「大丈夫、俺がきっと君を守るから!」

そう、岬ちゃん、君は俺が守る!
岬ちゃん、君の為なら死ねる!

「佐藤君…」
「君が好きだ! 愛している!」
「佐藤君! わたしも!」
「岬ちゃん!」

俺はもう、岬ちゃんを離さない!
俺達は、硬く、硬く抱き合った。

「よかったぷりん」

そんな俺達を、通りすがりのプルリンちゃんが祝福してくれた。
628妄想24.5話その6:2007/04/22(日) 01:36:49 ID:AJpb/Rfd
「あ、ども」

俺もあいさつを返した。
腕の中の岬ちゃんも、軽く会釈を返したようだ。

「おめでとぷりん」

また別のプルリンちゃんがやってきて、祝福してくれた。
俺も、同じように、ども、と頭を下げる。

「心配したぷりん」
「ハッピーエンドぷりん」

気がつくと、沢山のプルリンちゃん達が、俺達を囲んで祝福してくれていた。
沢山の祝福の言葉に、俺と岬ちゃんは抱き合ったまま、あちらこちらに頭を下げる。

みんな俺達を祝福してくれている。
プルリンちゃんだけじゃない。

「佐藤さん、おめでとうございます」
山崎がいた。

「おめでとう、佐藤君」
先輩がいた。

「ヒヒヒヒヒヒ」「ヒヒヒヒヒヒ」
ひきこもり星人も祝福してくれている。多分。

「「「おめでとうぷりん」」」
そして沢山のプルリンちゃん達。

みんなが輪になって、抱き合う俺達を祝福してくれていた。
みんな笑顔だ。
だから、俺も笑顔で言った。

「ありがとうみんな! ありがとう!」

プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!

そんな俺の言葉に答えるように、プルリンちゃんのテーマ、
「ふしき・プルプル・プルリン・リン!」の合唱が始まった。

「さぁ、誓いのキスをするぷりん」
ひとりのプルリンちゃんがそう促した。

プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!
沢山のプルリンちゃんが、山崎が、先輩が、ひきこもり星人が、
みんなが輪になって踊りながら歌っている。
俺と岬ちゃんは、輪の中心で抱き合ったまま、頷き、お互い見つめあう。

「佐藤君…」
「岬ちゃん…」

プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!

いつまでも続く大合唱の中、俺と岬ちゃんは、どちらからとも無く顔を近づけ−−
629妄想24.5話その7:2007/04/22(日) 01:38:17 ID:AJpb/Rfd
プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!

「はっ!」
携帯の着信音で、俺は目を覚ました。
目を開けると見慣れた天井が目に入る。
俺は、キスのポーズのまま固まっていた。

「………」
薄暗い部屋の中、プルリンちゃんの着メロが鳴っている。

俺は体を起こし、部屋の中を見渡した。
いつもの俺の部屋。
当然ながら岬ちゃんはいない。
多少散らかってはいるが、何の変哲も無い部屋だ。
…いや、等身大プルリンちゃん人形の存在が、変哲も無いと言い切るのを微妙にしているが。

「夢、か…」
俺は呆然と呟いた。
いつの間にか眠っていたらしい。

プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!
薄暗い部屋の中、プルリンちゃん着メロが鳴っている。

「また、岬ちゃんが出てくる夢…」
俺は頭をかかえた。

「うがあああああ!」
叫びながら部屋の中を転がった。

「ここんとこ、見る夢見る夢、岬ちゃんばっかり…俺は一体、どうしちまったんだ」

プルプルプールリン、プルリン!プルプルプールリン、プルプルリン!
携帯は諦める事なく鳴り続けている。

「………」
いい加減うるさいので出る事にする。
部屋の電気を付けて携帯を探し出す。

「はいはいはいはい」
俺は着信音に答えながら電話を取った。

ピッ

「もしもし?」
『おっそーい!』

間髪入れずに、電話から岬ちゃんの元気な声が聞こえてきた。

「あ、あぁ、岬ちゃん? おはよう」
『おはよう岬ちゃん、じゃないよ。 遅れる場合やこれない場合は、電話するって言ったでしょう』

言われて時計を見る。
…約束の時間はとうに過ぎていた。

「ご、ごめん、寝過ごした。今行く、今行くから!」
電話を切って、急いで支度する。
慌てて家を出ると、俺はいつもの公園へ向かった。
630妄想24.5話その8:2007/04/22(日) 01:39:51 ID:AJpb/Rfd
公園に着くと、いつものベンチで岬ちゃんが待っていた。
岬ちゃんは、こちらの姿を見付けるなりふくれ顔で言った。

「もう…、罰金100万円ー」
「いやー、ごめんごめん」
「いっつも遅れてくるんだから…」

俺は、笑ってごまかしつつ、岬ちゃんの向かいに座る。
岬ちゃんはまだ何か言いたげな様子だったが、諦めて鞄からノートを取り出した。

「はい、宿題」
「おう」

−−あの崖の一件から数ヶ月が経った。
ただの勉強会なのか、それともNHK、日本人質交換会の会合なのかは分からないが、
相変わらず、夜の公園での岬ちゃんとの待ち合わせは続いていた。

やっている事と言えば勉強会(雑談の割合が大きいが)。
前とは逆に、俺が岬ちゃんに教える立場だ。
…と言っても、岬ちゃんが分からないところがあった時に、答えるといった程度だが。

岬ちゃんは、いつものようにテキストを広げ勉強を始めた。
俺も岬ちゃんの宿題のチェックを始める。

「………」

しばらく静かな時間が流れる。

宿題のチェックを終えた俺は、ノートをおいて岬ちゃんを見た。
岬ちゃんは、まだテキストと格闘していた。
苦戦しているらしく、時折、えーと、とか、うーん、とか、呟いている。

俺は、そんな岬ちゃんをぼんやりと観察した。

(…岬ちゃんか…)
中原岬。俺を引きこもりから救ってくれた少女。
そして、俺も彼女を救ってあげられた…のだろうか?
俺は、岬ちゃんの期待に答える事が出来たのだろうか?

ベンチに向かい合って座る二人。
以前と同じようで少し違う。

俺は未だ駄目人間ではあるが、引きこもりではなくなったし、
岬ちゃんも、前よりも笑顔を見せてくれるようになった…と思う。多分。
岬ちゃんの言葉の通り、少しは良い方向に転がった、…のか?
631妄想24.5話:2007/04/22(日) 01:50:07 ID:wgL+CuSE
規制くらいました・・・orz
やっぱり長すぎたか・・・
途中でとまると何か落ち着かないですね・・・
632名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 01:51:12 ID:dhtALpqh
>>631
頑張れ〜支援age(`・ω・´)
633名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 01:53:12 ID:mdVzKuB3
眠いけど頑張れ・・・
634妄想24.5話:2007/04/22(日) 02:03:24 ID:wgL+CuSE
ありがとです。携帯からは投下できないのでしばらく続きは無理だと思います・・・
その14迄あったんですが、やっぱり連続投稿はやばいですね。
警告ぐらいはあると思ってました・・・ごめんなさい。
635名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 03:42:49 ID:wEgSRXAs
がんばれ。続き待ってる
636妄想24.5話その9:2007/04/22(日) 05:41:09 ID:6hrKXbaF
俺は岬ちゃんの顔をじっと見つめた。
ノートに視線を落とし、一生懸命テキストを解いている岬ちゃん。
唐突に、さっきの夢の岬ちゃんが、脳裏をよぎった。

(教えて…大人の勉強、佐藤君に教えて欲しいの…)

「はっ」

イカンイカン、なに考えてるんだ俺は!
頭を振って妄想を追い払う。

「佐藤君?」
「は、はいぃぃ!?」

突然呼ばれ、思わず変な声を出してしまった。
岬ちゃんが不審げな表情をする。

「どうしたの?」
「い、いや何でもない。…で、な、何?」
「教えて」
「え!?」
「教えて、佐藤君」

岬ちゃんがこちらを見つめて繰り返した。

「…な、何を…」

夢と同じ展開に、思わずごくりと喉が鳴った。

「ここ」

岬ちゃんは、事も無げにテキストの一部を指差した。

「は?」
「だから、ここ。この問題」
「あぁ、こ、これね、ははは…」

がっくりと力が抜ける。

「どうしたの?」
「いや、何でも無い。何でも無い」

俺は気を取り直して、岬ちゃんと一緒に問題を解き始めた。
テキストを広げる。
637妄想24.5話その10:2007/04/22(日) 05:42:08 ID:6hrKXbaF
「この公式にこれを代入して…」
「ふんふん」

こくこくと頷く岬ちゃん。
…顔が近い。俺は緊張を隠して続けた。

「ここをこうして」
「ふんふん」
「…で、こうなるだろ」
「ならないよ?」
「へ? あ、あれ?」

どこかで間違ったらしい。
俺はテキストをひったくって、もう一度確認した。

「あーやっぱり、こっちの公式だったかも」
「もう、佐藤君、しっかりしてよね。…なんだか上の空なんだから」
「はは…ごめんごめん」
「佐藤君、さっきから少し変だよ」

ぎく。

「…少し疲れてるんだよ。最近、ちょっと変な夢ばかり見てさ」

岬ちゃんの夢だけどな。

「ふうん…あ、そうだ」

岬ちゃんは何か思いついたような声を出すと、自分の鞄を漁り始める。
しばらくがさごそとやっていたかと思うと、一冊の本を取り出した。
本のタイトルは「図解!!フロイト先生の精神分析」。
…どこかで見覚えがある。
つか、いつも持ち歩いてるのか、ソレ。

「ジャーン、フロイト先生の夢分析です。佐藤君の悩みの原因を取り除いてあげます」

岬ちゃんは、どことなく得意げに本をかざした。

「はい。じゃあ、佐藤君は見た夢を言って下さい。あ、でも、セクハラは禁止です」
「はぁ…」

(まぁ、いいか…何かの奇跡が働いて参考になるかもしれないしな…)
俺は、深く考えずに、来る前に見た夢を思い出しながら話し始めた。
638妄想24.5話その11:2007/04/22(日) 05:43:31 ID:6hrKXbaF
「この公園で」
「うん」
「岬ちゃんが、」
「わ、わたし!?」

裸で、と続けようとして、岬ちゃんの驚いた声で正気に返った。
な、なにを言おうとしてるんだ俺は!

(岬ちゃんが裸で俺と抱き合って、なんて、本人を前にして言えるか!)
心の中で叫んだ。

「わ、わたしが、…なに?」
「い、いや、この話はもういいよ。それより−」
「続けて」
「い、いや、それよりさ−」
「駄目だよ! 夢分析を途中で止めると危険なんだから!」

(おいおい何が危険なんだ?)
そうは思ったが、岬ちゃんの勢いには逆らえず、俺はしぶしぶ続けた。

「この公園で」
「うん」
「岬ちゃんが」
「うんうん」

岬ちゃんはどこか期待のこもった目でこちらを見ている。
俺は口ごもった。

「岬ちゃんが…」

(裸で)
言えるわけがない。

(俺と抱き合って)
言えるか!

(沢山のプルリンちゃんが俺達を囲んで、踊りながら大合唱していた)
…まぁ、これならいいか?
639妄想24.5話その12:2007/04/22(日) 05:44:50 ID:6hrKXbaF
俺は続けた。

「プルリンちゃんが」
「プ、プルリンちゃん? って、あの…、まほう少女、だよね?」

岬ちゃんは面食らったようだった。

「そう」

俺は頷いた。

「…それから?」
「えーと」

俺は続けた。
夢の断片を、不自然にならないよう繋げてみる。

「この公園で、岬ちゃんが、プルリンちゃんのかっこして、踊りながら歌っていた」
「………」
「………」

沈黙。

「わ、わたしそんな事しないよぉ!」

真っ赤な顔で猛然と抗議された。

「は、はは、そうだよね」
「もう。真面目にやってるのに…」
「ごめんごめん」

俺は苦笑しながらごまかした。
ふくれた顔をしていた岬ちゃんだったが、ふと気付いたように言った。

「…佐藤君は、そういうのが好きなの? …その、まほう少女とか」
「い、いや、偶然だよ偶然」

俺は苦し紛れに、言い訳にならないような言い訳をした。

「あ、そ、それよりも、もうこんな時間だ。そろそろ終わりにしよっか?」
「うん」
640妄想24.5話その13:2007/04/22(日) 11:32:09 ID:DARkHCRC
岬ちゃんが、テーブルに散らばったノートを集めて、後片付けを始める。
それをぼんやりと待っていると、岬ちゃんが、ノートを鞄に仕舞いながら話しかけてきた。

「そういえば、佐藤君」
「ん?」
「わたしがオジサンのお店で働いてるの知ってるよね?」
「ああ、あの漫画喫茶だろ?」

俺は、ポケットからタバコを取り出しながら答えた。

「うんそう。それでね。お店で今度、バイトの人が一人辞める事になったの。それで今、新しい人を探してるんだけど」
「へぇ」

適当にあいづちを打ちながら、俺はタバコを口にくわえた。
ライターを探して、あちこちポケットを叩く。
岬ちゃんは、最後のノートを仕舞って鞄を閉じた。

「オジサンが、佐藤君を誘ったらどうかって」
「は?」

予想外の言葉に、岬ちゃんに顔を向けた。
岬ちゃんは妙に真剣な表情をしてこちらを見ていた。

「佐藤君、この前、新しいバイト探してるって言ってたよね?」
「ああ、まあ…」
「どう? やってみる気、無いかな?」
「ん、んん…」

俺は返事に詰まった。

「ね? やろうよ佐藤君」
「んん…」
「一緒に仕事するの、きっと楽しいよ。…ね?」
「…そうだな。考えておく」
「うん!」

岬ちゃんが元気良く立ち上がった。
641妄想24.5話その14:2007/04/22(日) 11:34:30 ID:DARkHCRC
「じゃあ、わたし、バイトの先輩だからね。先輩には丁寧な口調で話すように!」

岬ちゃんはエヘンと胸をそらして言った。

「いや、だから考えておくって」

俺は慌てて訂正しようとする。

「明日、昼頃迎えに行くからね。きちんと起きててね」
「お、おい」
「返事は、はい」
「は、はい」

なんだか逆らえない雰囲気だ。

「服はきちんと洗濯したものを用意する事。第一印象は大事なんだから」
「分かってるよ」
「寝坊したらだめだよ」
「お、おう!」

俺はヤケ気味に答えた。

「絶対だからね!」

そう言うと、岬ちゃんは公園の出口に向かって駆け出した。
最後に一度こちらを振り返り、大きな声で言った。

「絶対だよ!」

そして、そのまま公園から駆け出していった。
岬ちゃんが完全に見えなくなってから、俺はくわえたタバコに火をつけていない事を思い出した。
642妄想24.5話:2007/04/22(日) 11:40:38 ID:DARkHCRC
と、ここでアイキャッチです。
30分ものの番組のつもりで、ここまで前半15分な感じで書きました。
なので普通に中途半端なところで止まってます。orz
今書いてあるのはここまでです。どもでした。
643名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 12:10:40 ID:wEgSRXAs
岬ちゃんの言動がどれも萌える
GJ!
644妄想24.5話:2007/04/22(日) 12:42:57 ID:rHKVFx0g
>>643
ありがとう。
岬ちゃんへの萌えだけで書いてるようなものなのでw
後半15分ぶんの続き、また一週間後ぐらいにでも投下させてもらうかもしれません。
今度は規制食らわないよう、ぽつぽつと。
645名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 14:24:55 ID:dhtALpqh
>>644
アニメのセリフと類似してるセリフで、
すぐ岬ちゃんの声でリピートされるわww
GJ
646名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 21:01:27 ID:Jig4QYnH
647名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 09:05:14 ID:8FRV1rJ8
漫画も来月でおしまいだな
648名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 19:12:36 ID:wMiEX4VJ
変な終りかたは、嫌なんだけど無理だろうなぁ。
鬱に入った時点で
649名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 11:24:36 ID:fPiptRb0
ひとつの終わりは新たなはじまり
俺たちの旅はまだ続いていく
そうは思わないか
ハセヲ?
650名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:52:32 ID:ScgUMrMZ
hosyu
651名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 19:34:29 ID:8dMBjhmN
hosyu
652名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 19:16:47 ID:ubkMbt0c
hosyuage
653名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 22:58:09 ID:sCiLL1dH
ほしゅ
654名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 23:33:50 ID:SJfYil4e
しゅっ
655名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 04:25:50 ID:/eAZOJh9
ほーっちゃん
656名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 12:21:11 ID:CzeqHb/z
ほ、ほーっ
657名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 17:25:22 ID:BYhg7gUs
魔法少女プルリンアニメ化キターーーーーーーーーー
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime3/1179808602/
658名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 19:40:54 ID:hl4aUyYs
ホアアーッ!!ホアーッ!!
って続くもんだとばかり思ってたよ。
659名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 07:45:08 ID:jxowBWgW
連載終了したのになんだこの過疎
660名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 10:30:56 ID:yucYahjd
アニメ版のファンなので、正直漫画版はどうでもいい。
俺にとってのNHKは、もう随分前に終わってる。
661名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 17:22:42 ID:Ui5a33pc
662名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 22:15:22 ID:rEyL7MkK
新しい岬ちゃんが見たい…
続編が出ないものか…
誰か何か書かないのか…?
663名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 22:51:53 ID:ouaZmrnY
age
664名無しさん@ピンキー
すごいの発見!携帯からみてみ〜

http://2sen.dip.jp:81/cgi-bin/upgun/up1/source/up5779.htm