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497AMARIA -2-
地球暦2305年10月1日

 アクアへ向かう機内の中、月刊ウンディーネから顔を上げて窓の外を見た。
 表紙へ目を戻す。金色の長髪が美しい女性が、舟の上で微笑んでいた。
 ARIAカンパニーのアリシア・フローレンス。ウンディーネの中でもトップクラスの実力の持ち主で、水の三大妖精の1人でもある。
 こんな美人にこれから取材させてもらえるなんて―――最高だ。研究課題を決定する時に一時でも反対したことを後悔する……危なかったな、俺。

―――1ヶ月前

「えー、今回の研究課題はアクアに決定しました」
「ちょっと待て」
 研究会での突然の決定に俺は異議を唱える。
「何だよ、トイレなら早く行ってこい」
「そうじゃないだろ。会議開始早々、いきなり決定って何だよ。これから話し合うんじゃないのか?」
「だって、行きたいし」
 ……うわ、言っちゃったよコイツ。
 多数決を採ってはみたものの、俺を抜かして満場一致だったため、それ以上の反抗は許されず。少数を切り捨てる主義ってものは残酷極まりない。

 そんな感じで決まった研究会での『火星事情研究』旅行。今まで貯蓄されていた大学から給付される研究会費用をつぎ込んで、今回の定期研究会は行われた。
 普通は二人一組で進めていくものだが、くじ引きの結果1人になった俺は『水先案内人(ウンディーネ)』を担当することになる。男性陣からそれはそれは羨ましがられた理由をその時はまだ知らなかった。
 ウンディーネ―――水先案内人は、1年を通して観光客で賑わうアクアを代表するアイドル業であり、水の惑星を象徴する伝統的な職業と言える。また、女性限定の業種だそうだ。
 と、ここまでは月刊ウンディーネの記事『これで貴方も立派な水先案内人通!』の初級編に書いてあったことで基本中の基本らしい。
 電離層を抜け、美しい星が姿を見せる。
『ようこそ、水の惑星「AQUA」へ』
 機内放送が流れ、機体全体を通して鮮やかな景色を映し出した。
 地球では考えられないような古い町並みが眼下に現れ、機内の周囲からは驚きと感動の声が聞こえてくる。そんな中、空を飛ぶ鳥の群れを眺めながら、心の昂りを感じていた。何かが起こる―――そんな予感を感じる。