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まさか灯里から告白されるだなんて思ってもみなかった。

本当は晃さんがくれたお酒で灯里を酔わせて、その隙に冗談めかせて
私から告白して、この片思いを終わらせようと、ずっと、そう思ってた。
ずっと頭の中で考えていた。まずは私が告白する。
『私、灯里が好きなの。恋人になりたいって意味で』って。
そしたら灯里は驚きながら、私に聞き返すの。ただ、『え?』って。
それで続けてこう言うの。『藍華ちゃん、私達女の子同士だよ』って。
そして私は笑って言うの。『冗談よ、もうなに本気にしちゃってんのよ
灯里ったら!』って。
そうやって私はその光景を何度も何度も頭の中で繰り返した。
毎日一日が終わる夜ベッドの上で布団に包まって、真っ暗な闇を見ながら
何度も何度も何度も頭の中で繰り返して繰り返して繰り返して。
だってそうしないと、そうして慣れておかないと、そうでもしてその辛さに
慣れておかないと、最後に灯里の前で笑えないだろうから。

自分で自分の体を抱きしめて、何度も頭の中で繰り返す。私なら大丈夫。
うまくやれるわ。ただこの気持ちが終わるだけ。体が痛いわけじゃないもの。
それに、いつかこの思いも薄れていくだろうから、って。
最後に、最後に笑って終わらせるつもりだった。あれだけ繰り返したんだから、平気。
ずっとそう思ってた。

だってまさか、灯里が私のことを好きだったなんて考えてもみなかったのよ。
34169:2005/12/28(水) 04:43:48 ID:vLqwtzVR
私は灯里の指が私の髪を梳かす感触を感じながら、また泣き出しそうになるのを
なんとか堪えた。一体、私はいつからこんなに泣き虫になったのだろうか。
そしていつから、こんなにも貪欲になったのだろうか。
「−・・・灯里」
「んっ」
私は灯里にこんな顔を見られたくなくて、灯里の額にキスをした。
「・・・藍華ちゃ」
灯里に何か言われる前に、その口を私の唇で塞いで、舌を割り込ませ絡ませる。
現実に起こっていることとは対照的に、私はどこか開き直ってしまったのか
私の頭の中は冷静だった。そして単純に灯里が欲しいと、それだけが私の頭を
支配していた。灯里が好き。すべてを私のものにしてしまいたい。心も身体も、
ぜんぶ。

ゆっくりと丁寧に灯里のパジャマを脱がせる。灯里は下着姿になって
恥ずかしそうだったけど、特にこれと言って抵抗はしなかった。
「−・・・藍華ちゃん」
「なに、灯里?」
今更やめるだなんて遅いわよ、と私が恨み言を言うかのように念を押して言うと、
灯里はその迫力に押されながらも口を開いた。
「そうじゃなくて、あのね、藍華ちゃんにも脱いで欲しいなあって思って・・・」
「はあ?」
正直、拍子抜けした。灯里のパジャマを握り締めて固まったままだけど、
なんとか目だけを動かして灯里の瞳を見つめると、どうやら灯里は本気のようで
私は自分の服に手をかけた。
「・・・ああもう、分かったわよ・・・」
34269:2005/12/28(水) 04:47:28 ID:vLqwtzVR
「あっ、だめ!藍華ちゃんの服は私が脱がせるの!」
「えっ」
急に灯里の両手が私の両腕へと伸びてきて、その灯里の手は私がパジャマを
脱ごうとするのを、しっかりと力強く止めた。私はパジャマに手をかけたまま、
灯里の温かさを灯里の掌から感じながら、また灯里を見つめるとやはりその目は
本気のようで、私はしぶしぶすべてを灯里に任せることにした。
「・・・ああもう、分かったわよ・・・」
「わーいやったあ!」
その灯里の顔を見ると、どうやら本当に嬉しいようでこれはこれでまあいいか、
と私はつい思ってしまった。私の計画は脆くも崩れ去ったのだけど、
結果がこちらの方がはるかによかったということは考えるまでもない。

灯里も私を求めてくれる。

ベッドの上でふたり向かい合わせに座りあって、お互いの顔を見つめあった。
「ねえ藍華ちゃん、キスしてもいい?」
「・・・うん」
そういえばもう今夜で私と灯里はもう何回かキスをしたが、それはすべて
私から灯里にしたのであって、灯里からは初めてだった。
一度そう考えてしまうとなんだか妙に緊張し、唇を軽く合わせただけなのに
とても満たされていく気がした。
灯里と唇を合わせている間、私の頭の隅で私が終わらせるために用意していた
笑顔がちらついた。だけど今考えるとそれは笑顔ではあるのだけど、
どう見ても私が今にでも泣きだしそうな顔だった。

灯里の唇が離れる。
34369:2005/12/28(水) 04:53:58 ID:vLqwtzVR
「・・・藍華ちゃん、どうしたの」
私がゆっくりと目を開けると、灯里は私の目を見つめていた。
「・・・どうしたのって、ただ嬉しいだけよ」
ぽりぽろと、私の瞳から涙がこぼれて頬をつたった。灯里がゆっくりと
私へと片手を差し出して、灯里の指がその涙のあとをつたう。
「藍華ちゃんまた泣いてる」
「うん、せっかく堪えてたのに」
今までずっと、今夜を終えるまでは泣かないでおこうと決めていたのに、
それなのに私は泣きすぎだ。今はもうかなわなかった順序をどうこう言うわけでも
ないが、本当はすべて終わった後に泣こうと決めていたのに。
「でも嬉しそう」
「・・・当たり前じゃないの」

今の私は笑顔で、しかも泣いているけどそれは私が用意していた
笑顔とはかけ離れているものだった。
涙でぼやけた目で灯里を見つめると、灯里は照れくさそうに笑っていた。
その笑顔を見ていると、私はなんだか馬鹿らしくなってしまって
ついふきだしてしまった。
「はひっ、藍華ちゃんなんで笑うのーっ!」
「だっ、だって、だって灯里が・・・!灯里が悪いんじゃない!」
「藍華ちゃん、私のせいにするの、禁止っ」
「なによそれは私のセリフよ。灯里こそ恥ずかしいセリフ、禁止っ!!!」

灯里の肌に触れて、灯里も私の肌に触れて、お互い笑いあった。灯里と
笑いあっても私の涙は止まらなかったけど、今の私は、

この笑顔で終わらせるつもりはなかった。