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そのときの藍華ちゃんの笑顔はもの凄く綺麗で、思わず見惚れてしまうほどでした。
それは私の見たことのない藍華ちゃんの表情で、私は私の心臓の音が
高まるのが分かりました。私が藍華ちゃんの笑顔に見惚れていると、いつの間にか
藍華ちゃんが私の顔にその顔を近づけて、その舌で私の涙を舐めとりました。
「ん・・・っ藍華ちゃん」
「あはは、しょっぱーい」
「涙なんだから、当たり前じゃないですかー、くすぐったいよ」
「それもそうか、あはは灯里ったら照れちゃってかわいー」
「もう、藍華ちゃんったら」
そうしてじゃれ合っているうちに、いつの間にか私はベッドに背中を預け、
藍華ちゃんがその私の上に覆いかぶさっている状況になっていました。
私達はなにかを確かめるかのように、もう一度キスをしました。
ただ唇を軽く合わせるだけのキスなのに、それはなにかの儀式を行う様な、
私達を取り巻く空気が浄化されたかのように、神聖な空気でした。
夜は濃くなり、静けさも強いものへと変化してゆきます。
思わず私と藍華ちゃんは顔を見つめ合わせます。
まるで、なにかしてはいけないイタズラを誰かにしてしまったような、
そんな感じです。

まるで、ここにいきなり晃さんがきて怒り始めるような。
31169:2005/12/10(土) 03:02:44 ID:914dI1OJ
晃さんは、藍華ちゃんの言うことによるとアリアカンパニーに居るはずです。
時間からしても、場所からしても、決してそんなことはないとは思うのですが、
私と藍華ちゃんは膝を付き、たまには四つん這いになり、この部屋を
外から遮断している扉へと、そろそろと音を立てないように近付きました。
扉の前へと行き、キィ、と小さな音を立て扉を開き、辺りに誰か居ないかと瞬時に見渡し、
ちゃんと確かめた後、扉をばたんと閉めついでに鍵もしめました。
廊下はとても静まり返っていました。晃さんの姿は見えません。
藍華ちゃんと私が扉にかけた手を見て、そして藍華ちゃんを見ると、
やはり藍華ちゃんも同じ心境だったのか、こう言いました。
「・・・晃さん、いなかったよね」
「・・・多分。」
そして急いで扉を背にしたまま走ってベッドへと向かい二人並んで座り、
ベッドを盾にして恐る恐る後ろを振り返り、また扉を見つめました。
その扉は扉のままでした。扉は閉じられたままです。
「・・・灯里、ちゃんとした扉よね」
「うん」
それを封切りに、私と藍華ちゃんはくすくすと笑い出しました。
「・・・だって、なんかよく分かんないけど、晃さんに怒られる気がしたんだもん」
「私もした、した!はひー、もうどっきりしちゃって・・・」
私はそう言い、自分の左胸に両手を重ねます。先程の藍華ちゃんとの行為の所為か、
それとも晃さんがいるんじゃないかという恐怖の所為か、
それはまだどきどきとしていました。
ふと藍華ちゃんのほうを見ると、藍華ちゃんも私を見ました。
急に静かな空気へとなり、私は藍華ちゃんの目から目を離せませんでした。
31269:2005/12/10(土) 03:07:17 ID:914dI1OJ
「・・・ねえ、灯里」
ぽつり、と藍華ちゃんが言葉をつむぎます。
「はひ」
「灯里は私の子と好きなのよね」
その言葉は、なにかを確かめるようでした。藍華ちゃんは真っ直ぐに、私の目を
見つめています。私が藍華ちゃんへと答える言葉は、たったひとつでした。
「うん、大好き」
「私も、灯里のこと好きよ。」
「・・・嬉しい。」
私は先ほどのことを思い出し、薄く微笑みます。藍華ちゃん、大好きです。
本当に、本当に嬉しいことです。
「うん、・・・でね、さっきのこと」
「・・・恥ずかしいことしちゃったね」
「うん」
ここで、藍華ちゃんが頬を赤らめて少し顔を伏せました。
「それでね、その、もし灯里がよければだけど」
「うん」
藍華ちゃんは慎重に慎重に、言葉を選び紡いでゆきます。私はそれを、
しっかりと聞き漏らさないようにしました。
「・・・灯里とね、さっきのこと以上がしたいの」
「・・・えっ」
それはそれは小さく、藍華ちゃんは私に言いました。私はその言葉を聞いて、
顔が真っ赤になるのが分かりました。
だけど
「・・・ゴメン、灯里が嫌ならいいの!ただそれだけっ
ああもう私、恥ずかしいセリフ、禁止っ!」
藍華ちゃんがそうまくし立てるとその勢いで立ち上がり、
いつものセリフを言いました。私が藍華ちゃんの顔を見上げると、
藍華ちゃんも藍華ちゃんでとても照れているようでした。
31369:2005/12/10(土) 03:11:18 ID:914dI1OJ
「・・・いやじゃないよ」
「え?」
私は藍華ちゃんを座ったまま見上げ、藍華ちゃんのパジャマの裾を、
そっと掴みました。先程藍華ちゃんが私にそうした様に、
私も藍華ちゃんの瞳を見つめて私は言いました。
「その、よくやり方とか分からないけど、藍華ちゃんとならしたいよ」
「・・・灯里」
藍華ちゃんは、また私の隣にすとんと座り、私に勢いよく抱きつきました。
「わっ、藍華ちゃ・・・!」
抱きつかれた勢いで、頭を横、いやもう後ろの壁に頭をぶつけないように
私が体勢を立て直していると、藍華ちゃんは私の肩口に顔をうずめました。
「・・・よかった・・・」
藍華ちゃんの少し泣きそうな声が、私の左肩から直接肌を通しているかのように、
まるで藍華ちゃんの声が私の心の中に重く響くように、聞こえてきました。
「・・・藍華ちゃん?」
「・・・灯里に、嫌われたかと思ったの」
藍華ちゃんの声は震えていて、儚げでした。そして私は、
それをとてもいとおしく思いました。
「・・・嫌わないよ」
そう言って、今度は私が藍華ちゃんをぎゅうと抱きしめました。
私は、くすっと笑いがこぼれました。
「・・・なんで笑うのよ」
藍華ちゃんの不機嫌そうな声が、私の耳元で聞こえます。
「えっと・・・、私達、同じだなあって思って」
洋服越しに、藍華ちゃんのぬくもりが私に伝わります。
それは私をとても安心させました。
「・・・」
「嫌われるのが、怖かったんだね」
「・・・うん」
31469:2005/12/10(土) 03:15:46 ID:914dI1OJ
それからしばらくすると、藍華ちゃんが私から少し体を離し、
私の両肩に手を置いたまま、私の目を見つめました。私も藍華ちゃんを
見つめ返します。藍華ちゃんの目と頬は、少し泣いた所為かは分かりませんが
赤く染まっていました。私も先ほど泣いたので、私も藍華ちゃんと同じように
なっているんだろうなあと思いました。少し恥ずかしかったけれど、それでも
藍華ちゃんとおそろいだと思うと、とても嬉しかったです。
「・・・灯里、好きよ」
「私も藍華ちゃんのこと、大好きです。」

そして私達は、隣のベッドへと移動しました。ベッドに膝を付くと、
ベッドがぎしりと軋み、それは私の心臓を跳ねさせました。
これが藍華ちゃんがいつも使っているベッドなのかと思うと、
少しどきどきして緊張しました。私が藍華ちゃんの方を見ると、
藍華ちゃんも少し緊張しているようで、どこか動きがぎこちないものでした。
急に、藍華ちゃんがばふっと音を立てベッドへと横になりました。
「・・・あ〜もう!駄目ね、妙に緊張しちゃって」
「あはっ、うん、そうだね。」
「別にそんなんじゃないのよ、やましいことなんてないの。
それにこれじゃなくてもいいし、ずっとこのままでもいい訳だし」
「・・・うん。」
「でも、確かめたいの」
「・・・私もです。」
31569:2005/12/10(土) 03:21:35 ID:914dI1OJ
私は貴方が好きです。だからすべてが知りたいし、確かめたいです。
すべてなんて無理に決まっているけど、それでも出来る限りすべてを
私のものにしたいです。誰かに邪魔をされる前に、誰かに取られてしまう前に、
今貴方が私のことを好きだといってくれている間にすべて全部知っておきたくて、
だけどそれをすることで、この関係が壊れるかもしれないというのが怖くて

どうしようもなくて、

ただ、この関係を壊したくなかった。だけどそれ以上にも進みたかった。

「・・・灯里、キスしてもいい?」
「もちろんです」
そう言って私達は、また静かに唇を合わせました。ゆっくり、ゆっくりと
私が本当にここにあるか確かめるように、キスをします。
藍華ちゃんの手が私の服の隙間を通り、私の肌にやさしく触れます。
私も手を伸ばして、藍華ちゃんの腰に静かに手を置きました。
長く、静かなキスそろが終わります。
私の視界の端にそろと写る藍華ちゃんの綺麗な髪の毛。私が藍華ちゃんの
長い髪にそっと指を差し出すと、それはするりと通り抜けていきました。
藍華ちゃんの髪はさらさらとしていて、とてもきれいです。
「・・・藍華ちゃん」
「うん」

この関係が壊れてしまうかもしれないと考えるととても怖いけど、
藍華ちゃんが私を好きで、私も藍華ちゃんが好き。
それ以上の幸福があるでしょうか。