2
3
エンジェル待っています。。。。
>1
スレ立て、乙華麗度!(ああ、これも懐かしくなってるね)
BOX 5が訳わかんないカキコされる前に書き込んでおきますね。
5 :
O.G:2005/09/18(日) 19:45:37 ID:QGaemh+7
6 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 19:50:48 ID:4VvqzjHs
スレ立て、乙華麗度!
>>6 ひぃぃぃぃい!!あげてしまった!すいません吊ってきます・・・
>1さん乙華麗度!&増す華麗度!
天使様の降臨も引き続き待ってますテカテカ
>1 さん
乙!
前スレ>625からの続きを投下します。
ファントム×クリス
最近はデフォになったけど、一応、本番あり
多少レイプ風味
クリスティーヌが寝入った後も彼女の唇の動きを何度も反芻してしまい、
なかなか寝つけなかったが、いつの間にか眠っていたらしい。
目が醒めると横で小さく寝息をたてている彼女がいた。
その安らかな寝顔をつくづくと眺める。
本来であれば、夢にまで見たクリスティーヌとの初夜が明けた朝である。
自分の横で眠る彼女の寝顔を
どれほど幸福な気持ちで眺めることができただろう。
彼女の隣で休み、彼女の目覚めを見守ることができるなら、
私は持てるものすべてを投げ出してもいいとすら思っていた。
─── しかし、私の夢は悪夢に変わってしまった。
私の横で休み、私の横で目覚める妻は、私ではない他の男を想っている。
「マスター、……おはよう……ございます」
目覚めてすぐは自分がどこにいるのか戸惑っているように数度瞬きを繰り返したが、
すぐに状況を把握したらしく、生真面目に挨拶すると、真っ直ぐな眸を私に向けた。
その顔が、胸が締めつけられるほど愛らしく、他の男を想っていても
決して私を嫌っているわけではないのだから良しとしなければ……、と無理に思い直す。
「うん……、おはよう」と挨拶を返し、彼女の髪を撫でた。
クリスティーヌが私の胸に顔を埋めてくる。
「マスター……、ずっとお慕いしていました……」
そう言って潤んだ眸で私を見上げる。
ああ、私はやはりおまえの父代わりに過ぎないのだね……。
それとも、幾年にもわたって師事し続けた師への敬愛なのか。「愛している」ではなく、
「慕っている」という彼女の言葉が優しい剣となって私の胸に突き刺さる。
彼女から拒絶されてはいないが、さりとて、決して男として愛されているわけでないのだ
という思いがふたたび脳裏をよぎり、無邪気に甘えてくる彼女を初めて疎ましく感じた。
「さぁ、今日はマダムに会いに行かなくてはならないから、さっさと起きて仕度しておくれ」
刺々しくならないよう気をつけたつもりだが、私の言葉に含まれる何かに気づいたのだろう、
彼女が訝しげに私を見たのがわかった。
しかし、敢えて視線を合わせないようにしていたので、彼女もそれ以上には何か言うこともなく、
私の言いつけに従って身支度を始めた。
マダム・ジリーにふたりが夫婦になったことを報告し、今後のことを話し合った。
橋から落ちたことは事故ということで片が付いており、クリスティーヌも怪我が治れば
舞台に復帰できるようにしてあるという。
実際は怪我などしていないが、わずかの間でもふたりだけの新婚生活を楽しめという夫人の配慮なのだろう。
夕べまでならこの申し出は非常に有り難く嬉しいものとして聞いたろうが、今となっては拷問に等しいものだった。
他の男を想う妻と四六時中顔をつき合わせ、顔を見るたびにそのことを思い知らされるのだから。
寄宿舎へは戻さなくてよいのかと、何とか口実を見つけようと聞いてみたが、
どのみちクリスティーヌが結婚したことはいずれ皆に知らされるので、
今はその婚約者のもとで療養しているということにしてあるのだと夫人は言う。
常に私を庇い、力になろうとしてきてくれた夫人の気遣いを無碍に断るわけにもいかず、
また、断るのも不自然に過ぎるので、ひと月ほど休暇をもらうことにした。
話し合いは私たちの便を考えてクリスティーヌの楽屋を使ったが、夫人が部屋を出ようとするとき、
「エリック、ちょっと」と言って手招きした。クリスティーヌを楽屋に残し、次の間に引っ張られる。
「エリック、まさかクリスティーヌとふたりで暮らしていくのに支配人からの援助を
当てにしているのではないでしょうね?」
「いや、そんなこともないが……」
「……何も考えていなかったのではなくて? クリスティーヌと生活していくのに
支配人から脅し取った金子でなんて、駄目よ。
まして、そのお金は子爵からのご援助なんですもの、道理に合わないわ。
……いいわ、あなたのオペラをなんとか興行にかけられるようにするから、すぐにまとめて持っていらっしゃい。
あなたが顔出ししないでも済むようにするから。前にもそう言ったのにあなたは取り合わなかったけれど、
今度ばかりはそうしてくれるでしょうね?」
「……有り難い、恩に着るよ、マダム」
「それから、」と夫人は言葉を区切ってなおも注文を続ける。
「あなたがたはあそこを出て、ちゃんとしたところで暮らしていかなければ駄目よ。
今までは難しかったかも知れないけど、あの子がいれば怪しまれることもなくなるわ。
これは今すぐというわけにも行かないでしょうけど、必ずそうして頂戴ね?」
「わかった。あなたの意見には必ず従うよ……、今度ばかりはね」
「マスター……、マダムと何をお話しなさっていたの?」
地下への帰り道、黙って私の後をついて来ていたクリスティーヌが突然尋ねてきた。
どうやら今までずっと気になっていたようだ。今まで我慢していたらしい様子が
ありありとわかるのが可愛らしくて、思わず頬が緩む。
しかし、一瞬の後、ふたたび夕べの失望感が蘇ってきて、
私は暗い声で「何でもない、おまえには関係のないことだ」と答えた。
「そう……、ごめんなさい、余計なことを聞いて」
クリスティーヌの悲しそうな声音を聞いて、今度は激しい後悔が私を襲う。
この子を妻と呼べるだけで充分幸せだと思ったではないか……。
なのに、この子は気持ちはどうあれ、私に身をまかせ、私を受け入れてくれた、
破瓜の痛みにも耐えてくれた……、それだけで充分ではないか。
それなのに、どうして私という男はこう欲深いのだろうか。
「ああ、クリスティーヌ、すまない……、怒ってなんかいないのだから、
そんなに悲しそうな声を出さないでおくれ」
「……本当に?」
「本当だとも。 ……さぁ、おいで」
手を差し出すと、嬉しそうに、花がほころぶような笑みを浮かべながら
クリスティーヌが自分の手を重ねてきた。
彼女の小さく温かい手の感触が胸にじわりと沁みてくる。
彼女に稽古をつけながら、幾度この小さな手を握ってやりたいと思ったことか……。
この笑顔を私ひとりに向けてくれるのなら、この手を私ひとりに差し出してくれるのなら、
他に想う男があっても、それで良いではないか……。
それに、私と手を繋いだだけで嬉しそうにしているクリスティーヌを見ていると、
夕べの光景は何かの間違いだったような気がしてくる。
彼女の真意を確かめてみようか……、夕べから考えはしたが、とてもではないが恐ろしくて
聞けなかった問いが脳裏を掠める。
「クリスティーヌ……」
「ええ」
にっこりと微笑んで私を見上げる彼女の眸を見て、今ここで彼女の真意を確かめて私の恐れる答えが
返ってきたとしたら私はこの笑顔を永久に失ってしまうのだ、
そう思うとそれ以上に言葉を続けることができない。
「身体は辛くないかね?」
夕べの痛みがまだ残っているはずだろうに、私としたことが、クリスティーヌにこんなに長い階段を
歩かせてしまったことに今更ながら気づき、握った手にそっと力を入れながら聞いてみる。
クリスティーヌが恥ずかしそうに頬を染めて「ええ……、あの、辛くはないわ……」と
消え入りそうな声で答える。
「辛くはないとは? なにか、他に不都合が……?」
聞きたくない答えが返ってくるのではないかと身構える。
「いえ……、……あの、なんだか、へんな感じがするだけ……」
羞恥に真っ赤になりながら、その場に立ち止まってしまったクリスティーヌが本当に愛しくて、
彼女の腰をそっと抱き寄せると覆いかぶさるようにして強く抱きしめた。
やはり、クリスティーヌに問い質してみようか……、考えるだけで心臓が破裂しそうだ。
このままではこちらがどうにかなってしまう。
「クリスティーヌ」
「……?」
小首をかしげて私を見上げた彼女の顔を見ると、やはり何も聞けなかった。
「……いや、何でもないんだ」
「ふふ、……じゃあ、私も……。 マスター……」
「何だね?」
「ふふ、何でもない」
そんな風に戯れるクリスティーヌが愛しくて愛しくて、
そして、そんな彼女が私ではない男を愛しているということが信じられなくて、
私は思わず泣き出しそうになってしまった。
あの男にもこんな風に可愛らしく戯れてみせたのだろうか、
あの男はそんな彼女を愛しんで抱きしめたり口づけしたりしたのだろうか。
そんなことを考えて涙がこぼれそうになり、だから、彼女に悟られないように
「おかしな子だね」と言うのが精一杯で、その後、私の横ではしゃぐクリスティーヌに
碌に返事もできずに地下までの道のりを歩き切ったのだった。
地下に戻り、さっそくこれまでに書いたオペラの譜面をまとめる作業に取り掛かった。
前の支配人から脅し取ったものの貯えがあったので、今すぐ経済的に困窮するというわけではなかったが、
マダムの心遣いを無駄にしたくないのと、何より自分のオペラが興行にかけられるとあれば張り切らざるを得ない。
外の世界で認められるというのは、私がクリスティーヌとの暮らしの次に欲していたことであったし、
自分の書いたオペラでアリアを歌うクリスティーヌを見るというのも私の夢だった。
決して叶うことのない夢だと思っていたことが叶うかも知れないという思いで気持ちが高揚し、
その日は寝食も忘れて譜面の見直しや清書に精力をつぎ込んだ。
ふと気づくと夜もだいぶ更けており、クリスティーヌの気配がない。
急に不安に襲われ、寝室を覗いてみるが、いない。食堂を確かめても、いない。
一体、どこへ行ったのか……、まさかあの男の元へと逃げ出したのか……、
突然心臓の音がはっきり聞こえ、生唾を飲み込む音までがやけに大きく聞こえる。
しかし、下のほうから微かに水音がして湖まで降りていくと、果たしてそこにはクリスティーヌがいた。
「なぜ、こんなところにいるのだ」
安堵したせいか、ついぶっきらぼうな言い方になってしまった。
「……だって、マスターは何度呼んでも聞こえていらっしゃらないみたいでしたし、やることも……、」
寂しそうに言葉を切って俯く。すまない、と詫びようとしたところでクリスティーヌがさらに言葉を重ねた。
「私たち、結婚してまだ一日しか経っておりませんのに……」
不服そうに目を上げたクリスティーヌを見て、夕べのことを思い出す。
おまえはその新婚初夜に夫以外の男の名を呼んでいたではないか……。
夕べの敗北感と屈辱とが甦ってきて、怒りに身体が顫える。
クリスティーヌの手首を掴むと、彼女が抵抗するのも無視して寝室へと引っ張っていった。
ベッドに放り投げるようにしてクリスティーヌを突き放す。
ベッドに突っ伏したクリスティーヌがこちらを振り返る間に手早くシャツを脱ぎ捨てると、
ちょうどこちらに向き直った彼女の両腕を取ってベッドに組み敷いた。
「やっ、マスター、どうして……っ」
彼女の手が、私の裸の胸を強く押し退けようとする。
「私にかまってもらえなくて寂しかったんだろう? 望みどおりかまってやろうじゃないか」
乱暴に彼女の衣服を剥いでいく。
「いやっ、マスター、……、こんなの、いやっ……」
暴れるクリスティーヌの顎を掴むと、噛み付くように口づける。
嫌がって首を振る彼女の頬を指で押して無理に口を開けさせ、舌を突っ込んだ。
逃げる彼女の舌を捕らえると、めちゃくちゃに絡ませる。強く吸い上げ、唇を舐め、歯列の裏をこする。
そうしている間に彼女の背に廻した手でコルセットのレイシングを緩め、ホックをはずして取り去った。
露わになった乳房を掴み、乱暴に揉みしだく。
「やあっ!」
幼さをとどめた、まだ硬い乳房を強く掴み、乳首を捻り出すようにして揉みこんだ。
とうとう泣き出したクリスティーヌの涙が流れ込んできて、その塩辛さを味わうようにしてなおも舌を絡める。
無理矢理に捻り出された乳首を摘まみ上げ、こりこりと捏ねくってやる。
「やあっ、やだ……! やめて……、マスター……、ゆるして……」
「許しても何も、かまって欲しいんだろうが。新婚二日目の晩だ、夫が妻をかまうと言ったらこうだろう、ええ?」
そう言いながら乳首を口に含む。
「ああっ!」
舌を使って下から舐め上げ、強く吸うと、艶めいた声が上がった。
「これがいいのか、クリスティーヌ?」
舌先で乳首の先をちろちろと刷いてやりながら問う。
もう片方の乳首は摘まんだまま捏ねくりまわしてやる。
「ああ、いや……」
「いいんだろう? 妻は夫に秘密を持っていてはいけないんだ、
どこがいいのか、なにがいいのか、ちゃんと教えてくれなければ」
乳首を上下の歯で甘噛みし、噛んで突き出した乳首の先を舌先でつつく。
「あ、はぁっ……!」
私に舐めまわされ、吸われて薔薇色に染まった乳首が痛々しいほどそそり立っている。
両の乳首を親指の腹で転がすようにして愛撫してやると、これ以上ないほど先が硬くしこり、
腰をもじもじと揺らめかせて、さらに涙をこぼした。
スカートをまくりあげ、ペチコートと下着を剥ぎ取る。
夕べ私に捧げてくれたばかりの秘所が露わになった。
栗色の繊毛の蔭で、うっすらと閉じ合わされている花びらが息づいていた。
いかにも乙女のものらしく、花びらがふっくらと優しく盛り上がって、
夕べのクリスティーヌの初々しく可憐な様子を思い出させた。
しかし、それと同時に、花を散らせたばかりの彼女がかつての婚約者の名を口のなかで唱えていた、
あの禍々しい一幕をも思い出す。
クリスティーヌを罰するような気持ちで、舌でゆっくりと花びらを舐め上げる。
「ああっ、いや、いや!」
私の肩に手を掛け、首を振って抵抗するクリスティーヌの脚を開かせ、腰を抱えて花びらを蹂躙する。
花びらの付け根を舌でなぞり、花びら全体を舌で転がすようにしゃぶった。
「んっ、あ、はぁっ……、いや……」
次第に熱を帯びてくる喘ぎの合い間にわずかに抵抗のしるしを見せ、
身を捩って私から逃れようとするクリスティーヌの腰をさらに強く固定すると、
まだ莢に隠れた肉芽に舌を伸ばす。
硬く尖らせた舌先でつつくと、彼女の身体が一瞬硬直し、続いて高い啼き声が上がる。
「やあっ、やめて、やめて……!」
強く抵抗するクリスティーヌの莢を指の腹で押し上げ、こぼれ出た芽を指で挟んで左右にゆすってやる。
上下の歯で挟み、引っ張るようにしてから離し、離した肉芽を舌先で転がすように嬲った。
「ひっ、ああぁっ……!」
首を激しく振っては涙をこぼし、泣き叫ぶクリスティーヌの膣口からは透明な蜜が溢れ出し、
とろとろとシーツに滴り落ちて染みを作っていく。
「嫌がって泣く割には、恥ずかしい蜜が溢れてきているじゃないか。
夫の口で可愛がられておまえも嬉しいだろう?」
「ああ、いや……!」
「こんなに濡らして……、つい昨日の今日なのに、おまえはずいぶん飲み込みが早いとみえる」
「あ、ああ……」
「おまえはもとから優秀な生徒だったものな……」
そう言いながら彼女のなかに指を沈めた。
「あっ、やあ、マスター……」
クリスティーヌの腰がうねる。
指をゆっくりと抜き差しし、時折なかをかき混ぜるようにしてやると、
クリスティーヌが腰を捩って私の愛撫に応える。
「これも好きか……? クリスティーヌ……」
「あっ、うう……」
「好きらしいな……」
指を二本に増やし、なかで別々に動かしてやるとさらに激しく腰を捩り、
快感に耐えるためか上下に腰を揺らめかしさえする。
泣きながらよがるクリスティーヌの顔がたまらなく淫靡だった。
指を抜き差ししながら、白く張りのある大腿を撫でまわす。
局所とは別に新たな刺激を加えられ、戸惑うように腰を波打たせる。
大腿から腰、腹、胸へと手を滑らせていき、そのたびに跳ねる身体を秘所に挿しいれた指で繋ぎとめる。
胸まで移動した手で乳首を摘まんでやった。
「あっ、ああっ、」
摘まんだままやわやわと捏ね、時に引っ張り上げるように摘み上げる。
そのたび、切なそうな啼き声を上げて胸を大きく反らす。
反動で強くベッドに押し付けられた腰から指を引き抜き、脚を大きく拡げさせた。
「うう……、マスター……、どうして……、どうして、こんなにひどいこと、……」
泣きじゃくりながらクリスティーヌが問う。
「さぁ、どうしてかね? どうしてだと思う?」
そう言いざま、猛った己を彼女の入り口にあてがい、ぐいと力任せに半分まで埋め込んだ。
「あっ、ああああぁぁぁ……! いや、いや……、たすけて、ら……」
クリスティーヌが泣き叫ぶ。思わず口にしたらしい一音を飲み込んで……。
ああ、やはりクリスティーヌは私を愛してなどいなかったのだ……。
私を愛しているのなら、愛の行為の最中に他の男に助けを求めるはずなどないのだから……。
「助けて、だと? 夫に抱かれる妻が、どうして助けを求める必要があるんだ?
誰に助けを求めている? ええ?」
「…………」
「あいつに助けを求めたんだろう? そうだろう?」
「…………」
「返事もしたくないか……、まぁいい、返事などなくてもかまわんさ、
おまえは私の妻だ、こうして私に身体を開いていればいいんだからな」
残りの半身を少しずつ、それこそ一寸刻みに犯すように沈めていく。
恐怖のためにか、快感のためか、身体を小刻みに顫わせながら私のものを呑み込んでいく
彼女の苦しげな表情がたまらなく私の劣情をそそる。
まだたった二度目の、ひたと閉じられたきつい肉襞を押しわけ、
徐々に裂き寛げながら深く深くつながってゆく快感が背筋を貫く。
ああ、しかし、これが愛し合っている妻との結合であったなら、どれほどの喜びだっただろうか。
今、私は夫でありながら、あたら蕾の花をむしり取る強姦者のように妻を犯し、
犯しても犯したりないほどの屈辱にまみれて腰をゆすり上げている。
「どうして私を信じてくれなかった、クリスティーヌ……!
そんなにあの男が恋しいのなら、なぜ私のもとに留まった!
おまえたちふたりを無事に帰すと言ったじゃないか……。
夕べだとて、今なら引き返せると、引き返してもおまえにもあの男にも手出しはしないと言ったに、なぜ……。
なぜだ、クリスティーヌ!」
激しく突き上げながら、クリスティーヌに問いのつぶてを投げつける。
「あっ、あぁっ……、マスターと……、いっ……しょに……んんっ」
「憐れみか、憐れみのゆえに私のもとに留まったのか、え? そうなんだな?」
「ちがう……、ちがうの、マ、スター……、ああ……」
突き上げられる痛みによってか、あるいは快感によってか、
途切れ途切れになりながらクリスティーヌが必死で答えようとする。
「……それに、あの方の……お命も、たすけて……いた、だ……た……か、ら……」
「つまり、おまえはその純潔で恋しい男の命をあがなった……、そういうことなんだな?」
「ち、ちが……、ああっ!」
「ならば、あの男の命の対価をたっぷりと支払ってもらおうじゃないか……、
恋しい男の命だ、いくら支払っても高すぎるということはあるまい?」
「ああ、マスター……、ち、がう……、そうじゃ、な、いの……、お、ねがい……、きい……て……」
「違わないさ、おまえは私の真情を踏みにじったのだからな……、
こんな化け物の言うことなど、信じられなかったんだろう……!」
言い募れば言い募るだけ怒りが湧いてきて、クリスティーヌを苦しめることだけが目的のように激しく腰を突き上げる。
泣きながら、それでも彼女の内襞は熱く蕩け出し、奥まで貫き通っている私のものを
ねっとりと絡みとりながら収縮を繰り返している。切なそうに寄せられた眉根が絶頂の近いことを知らせている。
彼女の最奥を抉るように深く腰を入れると、奥から肉襞が大きくうねり、
それとともにぎゅっと締まった入り口がひくひくと私を締めつけた。
「逝ったのか、クリスティーヌ……。 助けを求めるほど嫌がっていたくせに……。
どうやら私の新妻は淫乱らしいな」
絶頂の余韻で身体を小刻みに顫わせながら、唇を戦慄かせ、
目じりから幾筋も涙を溢れさせているクリスティーヌを見ているうち、
何もかもが虚しくなり、そっと彼女から己を引き抜く。
すぐに身を捩って突っ伏し、声を上げて泣きじゃくり始めた彼女の顫える背中を見つめた。
私は一体これからどうしたらいいのか……。
夕べ、彼女と結ばれる前までなら、私は喜んでクリスティーヌを子爵のもとへ返してやっただろう。
しかし、今となっては、クリスティーヌは名実ともに私の妻となってしまったし、
そんな彼女を子爵に委ねるわけにもいかない。
……それに、私はもうクリスティーヌを手放す気はなかった。
自分以外の人間のいる暮らしに私自身、どれほど飢えていたのか、この数日で私は身に沁みて思い知ったのだ。
喩え私を愛さない女であろうと、私に害をなさない限り、私は自分のそばに置いておきたい。
人の気配を感じて暮らしたい。
まして、それが何年もの間、恋焦がれ、師弟関係においても信頼を培ってきたクリスティーヌならなおのことである。
「クリスティーヌ……」
まだ微かに肩を顫わせているクリスティーヌの背中に手を置く。
「…………」
「すまなかった……」
クリスティーヌが微かに首を横にふった。
「……私を愛しているか?」
一瞬の間をおいて、クリスティーヌが頷いた。
「私と一緒に暮らしてくれるか?」
ふたたび頷く。
嘘だとわかっていた。そして、私が問えば彼女が嘘をつくこともわかっていた。わかっていて聞いたのだ。
嘘でもいい。心はなくてもいい。他の男を愛していてもいい。
私はもう、クリスティーヌなしで生きていくことなどできないのだから……!
続く
以上です。
読んで下さった方、ありがとうございました。
うおぉぉ…萌えた!
クリスティーヌの「聞いて」の言葉も無視して暴走するファントムいいねぇ
自ら不幸に堕ちて行っているような悲壮感がなんともいえません
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
>21 さん ありがとう
でも、ここで続くか・・・気になる続きが気になる
慌てず焦らず・・・続きまつでつ
>21さん、続きありがとう。昨夜はアク禁かかって書き込めなかったよ。
マスターの「情熱の自虐プレイ」
萌えた〜! けどこの先どうなるのか不安だ〜!
ハゲしく続きが読みたいのに、読むのがなんだか怖いような・・・
クリスティーヌよ、最後にはちゃんと愛を込めて「え」から始まる名前を
呼んでやってくれ〜!
>24に同意。
でもって君の言葉に妄想。
クリス「あっ、あ…エ…エ…!!」
マスタ「ん?エ…なんだ、クリスティーヌ?」
クリス「あっ、あはっ、もうだめっ…!エ、エ……!!」
マスタ「クリスティーヌ!!(よ、呼んでくれるのかっ!?)」
クリス「あああああぁぁぁぁあっ、もう、エ、エッ…エ、エドモンの時間よ!お願いマスタ−、早く予約してーー!!!」
マスタ「………わかったよ、クリスティーヌ(ピピッ)」
テラワロス
でもって、落ち込みながら
マスタ(あはっだなどとは、まだあの若造のアホ笑いを物真似するクセが
抜けないのか…)
とボヤくマスター。
板違いスマソ
素晴らしい!!!!!!!!!!
続き希望(´・ω・`)
>21
GJ!「信頼を培ってきた」クリスティーヌが信じられなくなってる先生、哀しい性だな。
読めば読むほど一体どうなっているのか解らなくなってきた…
まさかこの後、クリスが人が変わったようになっていくのかと考えてみたら、
>24氏と同じ、続きが楽しみだけど読むのが怖くなってくるような。
ガクブルしながら待ってます。
下衆なお世話でスマソ…先生出さなくていいんですか
29 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 21:55:46 ID:yrooYgcW
21さんのSSを読んで妄想止まらず勝手に会話を想像してしまいした・・
ファントム「クリスティーヌ、クリスティーヌなぜこんな残酷なことをする」
クリス「なぜ私をお責めになるの?あなたの望みのままになったというのに」
ファントム「望んだまま?これが?他の男をお愛するお前と一緒にいることが?」
クリス「全てを手にいれることはできないとなぜわかってくださらないの。
シャンデリアが落ちオペラ座が炎に包まれたあの日まであなたは私の心を支配してらしたわ。
地下であなたは私の心に値段をつけてお買いになったわ」
ファントム「嘘はやめてくれ。お前はあの男に惹かれていた!奴と2人の未来を夢見て」
クリス「芸術だけではない人生を夢見ることが罪だとおっしゃるのならば私は有罪ですわ」
ファントム「そうとも!お前は罪人だ!!」
ファントム、クリスを抱き上げて寝室へ。クリス右手でファントムの醜い半面を撫でながら
「オペラ座の怪人に妻としてオペラ座の罪人以上にふさわしい伴侶はいませんわ」
と謳うように呟き、ファントムに自分からキス。
切なさに慟哭するファントム。
おお!チャールズ・ハートの歌詞のようだ。
曲をつけるなら何がいいですかね?
勝手にAll I Ask Of YouとThink Of Meのアンサンブルで脳内変換しております。
>21です。レスくれた人たち、どうもありがとう。
最初は結末だけは考えてあったのですが、それもなんだか違う気がするし、
自分でもどうなるのか、まだわかりません。でも、必ず完結はさせます。
>28 忘れてた……。まぁ、萎えちゃったってことで……。
>21
待ってました、続編!次にどう展開するのか
目が離せません・・・五体投地で祈りながら
続きを待っています。
21さんのSSは、シャンデリアは落とさなかったって前提じゃなかったっけ?
でないと、その後オペラ座が立ち行かないし・・・
>>21 乙です!
最中の描写はもちろんの事、
>>21氏の作り上げるシチュエーションに
毎度萌えまくりです。
怪人の、やるせなさや焦燥がリアルに伝わってくるのが…イイ!
4畳半の部屋でディスプレイに平伏しながら続きを待ちます。
前スレの>777です。
早速投下致します。
エロなし(だめじゃん…
クリス→天然で思い込み激シス
ファントム→ヘタレで知能指数低めorz
ラウル→扱い悪し
こんなんでイイと言う方、読んでやって下さい。
小さなロッテは心を隠すことで、父のいない世界から自分を守っていた。
色を無くした冷たい世界に、彼女の気に入るものなんて何一つなかったから。
オペラ座の地下で、父親の為にお弔いの蝋燭を灯し、お祈りをする時だけが自分の気持ちを隠さないでいる唯一の時間だった。
寂しい…みんな嫌い…お父様に会いたい…いつ天使は来てくれるの…?
普段隠している心は、たちまち溢れ出してロッテを飲み込んでしまう。
そんな時、とうとう待ち侘びた天使の声が聞こえた。
彼女の世界はたちまち再び色付き出す。言葉にしなくても、声は彼女の孤独の全てを理解してくれた。ロッテと声は、まるで歌で繋がれている二つで一つの魂のようだった。
けれど声の正体が天使ではなく、ファントムと呼ばれる一人の男だと知った時、声とロッテの蜜月は終わりを告げた。
彼女は恋に落ちると同時に、再び魂が二つに裂かれるような痛みを味わうようになったのだ。
ずっと心を隠し続け、歌だけが感情表現の手段だった少女は、言葉で何かを伝えることがひどく不器用な娘に成長していた。
ファントムはと言えば、そんな彼女に輪をかけて人との接し方を知らない。
訓練を受けていない魂はしばしば言葉のすれ違いや、些細な事でひどく傷つけ合った。
そんな時彼女はもどかしさに、心の中で叫んだ。
私の心がわからないのなら、いっそこの胸を切り裂いて思いの全てを見て欲しい。
小さなロッテが必死に隠していた心の中を、今は全て見せたい。
それが最近のクリスティーヌ・ダーエの願いだった。
楽屋へ続く廊下をパタパタと走り抜ける軽い足音がする。お行儀が悪いと知りつつも、クリスティーヌは、はやる気持ちを抑え切れなかった。
今日の舞台は練習の甲斐あって、いまいちのびなかった部分の高音が上手く出せた。あの出来なら、マスターはきっと誉めてくれるだろう。
上気した顔で、楽屋のドアを開けると、そこにはもう黒いマントに身を包んだファントムが立っていた。
「マスター…」
嬉しさに飛びつきそうな調子のクリスティーヌだったが、ファントムの顔を見るなり不安そうな顔になる。
彼は皮手袋を嵌めた手に、小さな紙切れを握っていた。
それには見覚えがあった。
朝、いつものように彼に送られて鏡から楽屋へと戻ったクリスティーヌは、廊下に続く扉の下の隙間から、白い紙切れが差し込まれている事に気付いた。
「暇なのねぇ…」
拾い上げてさっと視線を走らせるなりそう呟いたのは覚えているが、その後の記憶がない。
今朝は少し寝過ごした事に気がせいていたので、それどころではなかったのだ。
ああ、私のばか。せめて丸めて屑篭にでも放り込んでおけば良かった!
クリスティーヌは自分の迂闊さを責めた。
「クリスティーヌ」
低い声だった。
クリスティーヌは、もう自分の心がひどく動揺し、言うべき言葉が全く見つからなくなっているのを自覚した。
気分のよい時は、ファントムの前ではむしろおしゃべりになる彼女だったが、こう言う時は殆ど喋ることが出来ない。
彼女は自分で自分が許せなかった。
つまらないお喋りなんかが出来たって、こんな時に何も言えなかったら何の意味もない。
「…マスター、それは…」
その時ノックの音が聞こえる。
出来るなら居留守を使いたかったが、ちょっと苛立だしげなコンコンという音は執拗に響いた。
「…行きなさい。明日の舞台の変更事かも知れない」
ため息混じりに言うファントムに指示され、仕方なくクリスティーヌは扉へ向かう。
ああ、もうこんな時に一体誰?
間の悪い訪問者に心の中で毒づきながら扉を開けると、
「クリスティーヌ!」
幼馴染のラウルが思いつめた顔で立っていた。
「…ラウル、どうしたの?」
「クリスティーヌ、大丈夫だったのかい?」
いきなり頬を両手で包み込まれ、顔を覗き込まれてクリスティーヌは驚いて何度も瞬きをする。このハンサムで真っ直ぐな気性の幼馴染は、成長したクリスティーヌに恋焦がれていながらも、いつまでも彼女を昔のままの小さなロッテと思っているふしがあった。
勿論、彼女にとってもラウルと過ごした日々は、大切な思い出だ。けれど、彼に対して抱いた幼い恋心は、その美しい思い出の中で既に完結していた。
「ラウル、一体…」
「三幕目の君の衣装がいつものと違う事に気付いて…。さっきメグに聞いたら君の着る筈だったドレスが切り裂かれていたと聞いて、とんで来たんだよ…」
それでやっと、ラウルの取り乱しぶりに少し納得が行く。
「ラウルったらそんな事で?でも大丈夫よ。あなただって見たでしょう?サイズもぴったりで、あの舞台の雰囲気を壊さない衣装が他にもう一枚あったか…」
呑気とさえ思える調子の口調で諭す彼女に、ラウルは声を大きくする。
「そういう問題じゃないだろう?クリスティーヌ」
「ラウル、落ち着いて。こんな所で大きな声を出さないで」
謎が解けると同時に、クリスティーヌにとっては俄然部屋の中にいるファントムの方が気にかかる。その様子に気付いたラウルがさらに声を荒げた。
「…あいつが来ているのか?クリスティーヌ。丁度いい、話をさせてくれ」
「話?話って何を…」
「入れてやれ。クリスティーヌ。入り口で騒々しくされてはたまらない」
動揺して上手い受け答えが出来ないでいると、部屋の中からファントムの重みのある、よく通る声がした。
「…失礼」
「ラウル、待っ…」
今この二人を会わせてはいけない!
そう直感し、クリスティーヌはラウルを必死で押しとどめようとしたが、ラウルはクリスティーヌの肩を掴み部屋の脇へよせ、ずいと中に入って来てしまう。
普段あまり姿を見られるのを好まないのだが、ファントムは楽屋の真ん中に立ち、腕を組んでラウルを迎えた。
正装をして黒いマントを羽織り、仮面で顔を隠した異形の男。
常人なら気圧されて一言も発する事が出来ないだろう。けれど、ラウルは臆する事なく彼に切り込んだ。
「パトロンとして言わせて貰う。クリスティーヌから手をひいてもらおう。お前の存在は、クリスティーヌにとって邪魔だ」
「邪魔だと?私は彼女の音楽の師だ」
ファントムは、生意気で無知な子供をあしらう様に彼に告げる。
「…お前のせいで、クリスティーヌがどんなにひどい中傷を受けているのか知っているのか?」
「何を言うの?ラウル、やめて!」
恐れていた事態に近づいて行くのがわかり、クリスティーヌが悲鳴のような声を上げる。
「聞かせてもらおうか」
「とても口には出せない卑劣なものだ。天使のようなクリスティーヌに似つかわしくない」
ラウルが何を言わんとしているのか、クリスティーヌはわかってしまう。口元を覆って絶望にああ、と小さく声を漏らす。
ファントムはひらりとラウルの足元に、持っていた例の紙切れを投げる。それを拾い、白い紙に真紅のインクで書かれた文字を見たラウルは眉根を寄せる。
「…死神と寝た娘、か」
ファントムの自嘲するような声が響く。
その言葉をクリスティーヌの前で持ち出すつもりはなかったのだろう。ラウルは少しだけ動揺した様子を見せるが、すぐにまた攻撃の態勢になる。
「これでわかっただろう?そんな中傷だけじゃない。クリスティーヌが毎日、どんな仕打ちを受けているか。僕やマダム・ジリーの力だけでは庇いきれない。
お前はクリスティーヌを、暗黒の世界に引き摺り降ろしているんだ」
「ラウル、やめて!お願いだから黙って」
確かに今日の様な紙切れが楽屋に入っていたり、衣装が切り裂かれていたり、そう言った事がないわけではない。
でもクリスティーヌは平気だった。ファントムに頼んで支配人たちを脅す事はやめて貰っているので、ズルをして役を貰っているわけではない。だから、後ろめたい事もない。理
解して、さりげなく守ってくれるマダム・ジリーも親友のメグもいる。それに彼女を心よく思わない人達も、心の底では「オペラ座の怪人」を恐れているから、せいぜいがそんな小細工程度で、それ以上の事は決してして来ない。
遅刻を恐れて不注意にも紙切れを放置する程、高音が出た事を誉めて貰える期待に、衣装を裂かれた事を忘れてしまう程、それらは彼女にとって瑣末な出来事だったのだ。
そんなクリスティーヌの気持ちを置き去りにして、事態は悪い方へと進んでいく。
「お前もクリスティーヌを愛しているのなら、身を引くんだ。彼女を明るい陽の元に戻してやれ」
「マスター、ラウルの話を聞かないで!マスターがいれば私は…」
「どうして黙っていたんだ?」
ファントムはクリスティーヌに向かって問う。
「…だって…忘れてしまうんだもの…」
「忘れていた?そんなわけないだろう。こんな目にあっているのに」
ファントムの声に苛立ちが混ざり、危険な光が眼に宿る。
「そんな風にお前が本性を剥き出しにするのが怖かったんだよ。今、自分がどんな表情をしているのか知っているのか?その紙切れに書かれている言葉を思い出せ」
ラウルの言葉が二人の言葉を断つ。ファントムの身体から、殺気が立ち上る。
「言葉に気をつけるんだな。ラウル・ド・シャニュイ、死神に眼をつけられたくはないだろう?」
「マスター!お願い。聞いて、私は」
「そんな脅しには乗らない」
ラウルは凛とした声を張り上げる。その声に、クリスティーヌの声はかき消されてしまう。
「もう一度言う。彼女のことを少しでも思いやれるのなら身を引け。クリスティーヌの優しい気持ちにつけこむのはよせ。お前は卑怯な歌声で酔わせて、彼女に心を見失わせているだけだ。本当はわかっているんだろう?」
ラウルは挑むようにファントムを見る。仮面に隠された男の顔を。
「その仮面を取り、鏡を見て、自分が彼女を得る権利があるのか考えるんだ」
クリスティーヌは感じた。ラウルの言葉の刃がファントムの身体を、残酷に貫いた事を。
止どめを刺すように、彼はファントムに告げる。
「地下でしか暮らせないお前に、彼女を幸せには出来ない」
クリスティーヌは最早、言葉を発する事を諦めていた。
どうやって心を伝えればいい?
私は舌が縺れていて、あの人は私の声を聞いていない。
ふらふらと文机に近寄り、引出しを開け、中にあった短刀を取り出す。
それは以前、柄の部分の装飾が美しいからとファントムにねだった小刀だった。彼は危ないからと嫌がったが、ペーパーナイフ代わりに使うだけだからと説き伏せて自分のものにしたのだ。
自分の心のある場所を、クリスティーヌは簡単に探り当てることが出来た。
今、ファントムを思ってひどく痛んでいる場所。
刃を胸に押し当て、上から下へと力を込めて切り裂く。
マスター。
私の言葉が届かないのなら、今、私の心を「見て」欲しい。
「クリスティーヌ!」
ファントムが、崩れ落ちる細い体を抱き止める。
「マスター…」
胸元を引き裂かれた白いドレスはみるみる彼女の血に染まって行った。
傷口が熱い。
その痛みが、心の痛みなのか、肉のそれなのかクリスティーヌには判別がつかなかった。
「手を、離しなさい、クリスティーヌ」
叫び出したいのを堪えている顔をして、それでもクリスティーヌを刺激しないように感情を押し殺した冷静な声で、ファントムは命令する。
「…はい…マスター」
そう言われて、やっとクリスティーヌは短刀の柄を握っていた指の力を緩める。
そのまま切り裂いた部分に触れようとして、ファントムに抑えられる。
「クリスティーヌ、どうしてこんな」
「マスター…さっきこれ位痛かった…?」
「何を言って…」
「…私は痛かったの…だから、こうしたの…心が痛かった分だけ、切ったのよ…」
やはりロクな言葉が出て来ない。
苦しい息の下、途切れ途切れのそんな言葉で、ファントムに意味が伝わったとは考えにくい。
「これ以上喋るのはやめろ、クリスティーヌ。大丈夫だ、私がすぐに処置する」
広い胸に抱かれて、意識を失いそうになりながら、クリスティーヌは視線の先にラウルを探した。
ラウルは、ショックに身じろぎもせず、血の気が失せた顔でこちらを見ていた。
血だらけの手の平が、ラウルに向かって差し出される。
「ラウルは…わかっ…た?」
そう言ったきり、クリスティーヌは意識を失った。
地下の寝室で、クリスティーヌは眠っている。
美しい娘は、鎮痛剤のおかげで、胸に傷があるという事が嘘のように、青ざめてはいるものの安らかな寝顔をしていた。
傷はファントムの的確で素早い処置のおかげで、命に別状を及ぼすものにはならなかった。だが上から下へと切り裂いていたので、美しい胸元に無残な傷が残ることは避けられないだろう。
手当てを終えて、ファントムは彼女の言葉と行動の意味を考え続けていた。そうして、先程はわからなかったそれを、今は理解出来たように思った。
ラウルの言葉の刃にファントムが傷つくのが嫌さに、自らの身体を本物のナイフで切り裂いた、ばかな愛しい娘。
ファントムは何かを決意したようにベッドサイドに寄せていた椅子から立ち上がる。
部屋を出て行く前に、深呼吸をして一つの事実を認めた。
自分が、彼女を狂わせたと。
「クリスティーヌの容態はどうなんだ?!」
部屋を出て居間の扉を開けると、ラウルが弾かれたように顔を上げて彼に詰め寄る。
一刻も早く処置をしなければならないのに、医者を呼べだの、地下へ行くなら自分も連れて行けとうるさく騒ぐ若造。殺したい気持ちを抑えるのにどれ程苦労したか。結局クリスティーヌを地下に連れ帰るのに、舟をこがせる為に連れて来たのだ。
ハンサムな顔は、この2、3時間の間に急激にやつれたように見えた。それでも育ちのよさや、真っ直ぐな気性を隠せないその顔に、ファントムは凶暴な気持ちが再び沸き起こるのを感じた。
「クリスティーヌの心配など、お前がする事ではない」
言うなり、ファントムはラウルの胸倉を掴み、クリスティーヌが使った血のついたままの短剣を彼の喉元に突きつけた。脅しではないという証拠に、楽屋で感じた以上の殺気が痛い位にラウルを包む。
「…教えてくれ、頼む」
命乞いでもすれば、一思いに刺し貫いてやるものを。この期に及んで、クリスティーヌの心配をするのでは、それも出来ない。
「…もしもの時は、お前の血でも皮でも使ってやるつもりだったが、その必要はなさそうだ」
「…そうか」
心底ほっとした声を出す。まるでこのまま刺し殺されても本望だというように。
その様子をたまらなくいまいましく思いながら、ファントムは掴んでいた胸元を乱暴に突き放す。
「…あれはお前を刺したかも知れないぞ?」
「そうかも知れない。僕を黙らす為なら、何だってやっただろう。だが優しい気性がそうさせなかった」
腹いせに傷つけてやろうとして発した言葉なのだが、予想外に彼はその事実を受け止めているようだった。
「ほう。狂った女と恐れをなしたかと思ったが?まだ、ご執心か」
「わかっているだろう?誰がそうさせたのか」
ファントムの肩が、その言葉に微かに上下する。
「お前と彼女が、どこか深い所で結びついているのは認めよう。だが、お前の愛はこの世界では彼女を壊す。どうしてもというなら、彼女の死後、魂を連れて行け。ただ、この世では僕に預けるんだ」
端正な顔に、明るい真っ直ぐな気性。
自分には叶える事の出来なかった、地上での暮らしの象徴のような青年。
死神と寝た娘。
今、狂気に犯されつつある娘。
ラウルは、全てを知った上で、クリスティーヌを受け入れると言っている。
彼もまた、クリスティーヌを本気で愛しているのだろう。
そして彼の愛は、彼女を壊すような真似はしない。
「…舟を使って地上に戻れ。一人で帰れるな?」
「彼女をおいて帰るなど」
言いかけたラウルを遮るようにファントムは続ける。
「そうして、マダム・ジリーと、愚かな支配人達に、クリスティーヌは暫く舞台に出られないと伝えてくれ。あの子は…私が確実に治す。完璧な状態にしてから、地上に届けよう。それで、終わりだ」
ラウルはじっとファントムを見る。絶望の滲むファントムの声に、真実の響きを彼は感じ取った。
「…約束してくれるね?信じているよ」
「そんな言葉で私を縛ろうとするのはやめて貰おう」
私は私の意思で、あの子を手放す。決してお前との約束などのためではない。
ファントムの眼からは先程宿った憎しみの光も殺意も、決して消えていなかったのだ。
この男が自分を生かしておくわけは、地上で彼女が一人にならない為だけなのだ。
ラウルはそれを知った。
ファントムは眼で扉を示す。
「…行け」
私が殺意を抑えていられるうちに。
有無を言わさぬ気迫が、今度ばかりはラウルを従わせた。
扉を開け暗闇の中、壁の燭台に灯った蝋燭の明かりを頼りに、舟へと進む。
部屋を出る時、一度でも振り返っていたら、殺されていたかも知れない。
そう彼は思った。
頬に温かい何かが滴るのを感じて、クリスティーヌが眼を開けるとファントムが彼女を見下ろして泣いていた。仮面で隠れていない方の瞳から、涙は後から後から流れ落ちる。
「…泣かないでマスター、ごめんなさい…」
クリスティーヌは掠れた声で謝る。
バカな事をしてしまった。
後悔で胸が一杯になる。泣かれる位なら、怒られる方がよっぽど良かった。
私は本当に出来の悪い子だ。
上手く伝わらないからと言って、胸をナイフで切り裂いてしまうなんて。
結果はただ痛い思いをして、さらにマスターを泣かせてしまっただけ。
夢か現実かわからない暗闇の中で、クリスティーヌは何度も何度もファントムに謝った。
「…マスターごめんなさい…お願い、私をどこへもやらないで…」
ファントムとラウルの間で交わされた「約束」を、クリスティーヌは知らない。
そんな言葉が浮かんだのは、長年居場所を求め続けて来た孤児の悲しい考え方の癖だったのかも知れない。
何度頼んでも、ファントムはただ悲しい顔をするばかりで、クリスティーヌを安心させる言葉を発してはくれなかった…。
深夜、ファントムの棲家である地下に、女の悲鳴が響き渡った。
「クリスティーヌ?!」
あれから3日たっていた。
うわ言でどこにもやらないでと言うばかりのクリスティーヌに、調合した鎮痛剤と睡眠薬の入った薬を飲ませておいたのだが、思ったよりも効き目が早くきれてしまったらしい。
次に目覚めた時に飲ませる為の薬を調合していたファントムは、それを放り出して廊下を走る。
「クリスティーヌ…!」
扉を開けると、何が起こったのか一瞬にして理解する。
目覚めたクリスティーヌは、自分で包帯をとって傷口を確かめてしまったのだ。肌蹴た胸元から、血は完全に止まったとはいえ、白い肌に刻まれた痛々しい傷口が露になっていた。
「ああ、いやぁっ…マスター、見ないでっ」
ベッドから逃げ出そうとするクリスティーヌを後ろから抱き締め、傷口に触れないように首と下腹部に両腕を巻き、いやいやをする彼女の動きを封じる。
「クリスティーヌ、暴れるな。傷口が開いてしまうよ…いい子だから。傷跡が嫌なら、私の皮膚を使ってでも、完璧に戻してあげよう」
そして、お前を早くこの悪い夢から救い出してやろう。
あの若者の傍でなら、お前はこんな種類の涙を流すことはないのだから。
ファントムにしっかりと抑えつけられ、最初身を捩っていたクリスティーヌは力尽きぐったりと動かなくなる。
「…マスター」
「…なんだ?クリスティーヌ…」
「…私のここ、見た、わよね?」
当たり前である。治療をしたのは自分なのだから。
「…ああ」
嘘もつけずにファントムは答える。思わず力を緩めてしまい、彼女はするりと彼の腕から抜け出す。
「…マスターは…」
ベッドの上で、ファントムとクリスティーヌは膝をついた姿勢で向かい合う。
涙の滲んだ眼で彼女は彼を見つめた。
そして、一度唾を飲み込んでからやっと、辛い質問をする決心をしたようだった。
「…この醜い傷をみて、私のことを嫌いになったの?…だからどこかにやってしまおうとしているの?」
「…嫌いになんて、なるものか!」
それはファントムの、魂からの否定だった。
確かにお前はあの若者の元へとやるつもりだ。だがそれは、嫌いになったからではない。その逆だ。
お前を愛しているから、憎くてたまらない、だが一人の男として認めざるを得ない若造にお前を託すのだ。
「…マスター…本当に?」
「あたり、まえだ」
「…よかっ…た」
クリスティーヌは、はだけた胸元を合わせながら、へたへたとベッドに座り込む。
「悲鳴なんてあげてごめんなさい。でも、とても怖くなってしまって…ひょっとしたら、この傷を見て、嫌われちゃったんじゃないかって…」
「ばかなことを…お前は何もわかっていないんだな!」
思わず大きな声を出してしまう。
驚くと同時に、ひどく傷ついた気持ちになった。そんな事で、自分がクリスティーヌに捧げている愛が揺らぐなどありえない。この先彼女がどんな姿になったとしても、彼女の髪の一筋まで、命をかけて愛さずにはいられないだろう。
どうしてそんな事がわからないのだ?
私からの全身全霊をかけた愛を感じ取れない位に、お前は愚かな娘なのか?
「だって」
言い捨てられて、クリスティーヌがまた泣きべそをかく。
「だってマスターが…」
「私が何だと言うのだ?」
あまりに情けなく悲しくて、クリスティーヌがケガ人だという事も忘れて問い詰めてしまう。
「マスターが…いつも…いつもいつも、お顔の事をひどく気にするから」
そうして気付く。自分が今感じているのと同じ気持ちを、この娘にずっと抱かせていたことを。
愚かなのは、私の方なのだ…。
ファントムは仮面を外し、コトリとベッドサイドのテーブルに置く。そして、真っ直ぐにクリスティーヌを見つめた。
「マスター…」
それは精一杯のすまない、の合図だった。
クリスティーヌがファントムの仮面の下に隠された顔を見た事は、数える程しかない。ベッドを共にする時でさえ、彼はそれをつけていたから。
人に言わせれば化け物の顔らしい。
けれど彼女にしてみれば、愛しい男の素顔でしかない。
クリスティーヌは崩れた顔の方へと唇を這わせる。その部分全体にキスをした後、愛おしそうにまじまじと彼を見つめる。
それから、万感の思いを込めて、唇に唇を重ねた。
「マスクがどんなにキスに邪魔だったかわかる?マスター…」
「…今、わかったよ」
真面目に答えるその表情が愛しくて、涙ぐみながらも微笑みがこみ上げてしまう。そうして自分の胸元に視線を走らせる。
「…ここの傷が治ったら、またいっぱいキスしてね?例え、どんな傷跡が残っていても」
「勿論だよ、クリスティーヌ…」
「…どこにもやらないって、約束して下さる?」
ふいに薬で眠る間に見続けた悲しい夢を思い出し、クリスティーヌが不安気な表情をする。
ファントムはそんな彼女の頬に触れ、優しい笑みを浮かべた。
「離すものか…お前は、私のもの」
ファントムがマスクを取った顔で、自分に笑顔を見せてくれる。
この瞬間、クリスティーヌは、下手で無茶なやり方で、奇跡的にも自分の気持ちが伝わった事を知った。
傷ついた方の胸を当たらないようにして、彼女はファントムにもたれかかる。ファントムも庇うようにそっと彼女の細い肩を抱いた。
「ラウル・ド・シャニュイ…やはりお前との「約束」は守ることはできない」
一瞬でもこの子を手放す気になったなんて、私こそ正気の沙汰ではない。
クリスティーヌはこの世でも、そしてあの世でも私のものなのだから。
ファントムが思わず知らず呟くと、目を閉じて身体を預けていたクリスティーヌが不思議そうな声を出した。
「ラウルとも何かお約束したの?マスター」
「約束?あの若造と?するわけないだろう」
「?そう…?」
まだ不思議そうな表情のクリスティーヌの頬に軽く口付けてから、部屋を出てカップに入った薬と、新しい包帯とタオルを持ってくる。
清潔なタオルでクリスティーヌの身体を清め、傷口の具合を見る。ファントムの調合する薬のおかげで、普通よりもずっと傷の治りが早かった。
クリスティーヌは、ファントムが自分の傷を見て少しも顔を歪めたりせずに、むしろ愛しそうな様子で手当てしてくれる事を確かめ、心の底から安堵する。
「クリスティーヌ、疲れただろう。そろそろ眠らなければいけないよ」
その言葉にクリスティーヌは不安そうな顔をする。ずっと悲しい夢を見ていたので、また眠るのが怖いのだ。そんな彼女の髪を撫で、ファントムは優しく言う。
「今夜はずっとお前の傍にいるから」
その言葉で、クリスティーヌは差し出されたカップに入った鎮静剤入りの薬を大人しく飲んだ。
もう、大丈夫。悲しい夢を見ることはないだろう。
「マスター…もう一度お顔にキスさせて」
横たえられたクリスティーヌが、微笑みながらせがむ。
そうして、寝ている自分の唇近くまで顔を近づけてくれる愛しい男の爛れた頬に口付ける。
あなたこそ、私のもの…。
クリスティーヌはファントムの首に回した腕をなかなか解かなかった。それが命がけで気持ちを伝えた事で得た戦利品だとでも言うように。
彼女は、確かに彼のもの。
そうしてファントムもまた同様に、クリスティーヌ・ダーエの虜なのだ。
永遠に。
終
49 :
35:2005/09/22(木) 23:01:39 ID:1QYB2wj3
やっと全部貼れた…
お粗末様でした。
長い話ですが、読んで下さった方いらしたら、本当にありがとうございます!
リアルタイム遭遇、で、二度読み返したよ。
はぁぁぁ……、感動した……。
>44のファントムの「それで終わりだ」は涙が出たよ。
命がけクリス萌え。
ラウルの絡みが結構あるのもイイ。
ごちそうさまでした天使様!深い繋がりの相思相愛(・∀・)イイ!!
エロなしでも充分楽しめた…ってか何か雰囲気がエロかった(;´Д`)ハァハァ
また気が向いたら投下して下さい
哀しい別れの予感が…と思っていたら良かった!
そうだよ、お互いにお互いが「私のもの」なんだよ…
タイトルもいいよね、なんだか切なくなっちゃう。
失礼ですが、1幕でどの作品を投下された天使様なのですか?
ぜひとも、3弾4弾エンドレス…とキボン
ラウル、ヘタレじゃないよ!いい男で萌えた。
憎くても一人の男として認めざるをえない……っていうところにぐっときた。
クリスの心情描写にもとても共感できたし。素敵なお話ありがとう。
ヘタレとか知能指数低めとか…結構な前置きがあったので
ギャグかと構えて読んだら、なんだようそつき!
胸がきゅんきゅんしたってんだコノヤローが!!
ありがと〜そして乙!ノシ
きゅんきゅんって表現は頭悪い子供みたいでアレだな
同人女とかに多いみたいだが…
キュンキュン来ちゃったーミャハ。・゚・(ノд`)・゚・。
き〜み〜に〜胸きゅんきゅん♪
GJ! 愛があるとキスひとつでもエロくなるなと思ったよ。
「どんなに邪魔かだったか……」 も、この後の科白もすごくイイ!!!
>56
IDが(小文字だが)OGですオメ!
この後のラウルも気になります!
60 :
35:2005/09/25(日) 21:40:35 ID:864TgBTI
感想下さった方たちありがとうございます〜
何より嬉しいです
>52さん
1幕に投下したのは、今回の話の設定とは全く別ものの、エロ挑戦しようと
して挫折した(それは今回も同じか)中途半端なものです。
だからそれまでのせといて頂けたのが嬉しかった
何か色々嬉しいお言葉を頂いたので、調子に乗りやすいので、また投下
しちゃうかも知れません。その時は読んでやって下さい。
チラウラですが、連休実家帰っていて、ここ開こうとしたら何か開けない設定
になってた…
父母しかいない家なのに青少年向けな設定…(ワラ
>>60 GJ!!
ぜひまた投下キボンヌ(´・ω・`)ノシ
>>60 投下楽しみに待ってます。全裸で。でも無理はなさらず…
モシカシテ ヒョットシテ 第一幕の足攻めファントム×クリスの天使様ですか?
似た文体な気が…あの作品も大好きです(*´Д`)
ちちち違ったらゴメソナサイ パンジャブられてきます(((゚Д゚;)))
63 :
35:2005/09/25(日) 23:55:28 ID:864TgBTI
>61
はい!レスありがとうございます
>62
ご、ごめんなさい。ハズレです…
すごく恥ずかしいのですが、(無題)メグ×クリスティーヌで納められている
モノです。
途中半端で終わってるし(てか挫折した)、ほんとどうしようもない
どうしても何かで参加したかったらしい当時の自分
でもあれはないよなorz
習作中の習作ということで見逃して下さい
それでは また出来たら次の投下で…
>>63 うわ違ってた天使様本気でゴメソナサイ… orz
足攻めファントムの天使様もゴメソナサイ言葉通りパンジャブられてきます…
……百合も大好きです…ボソッ
えと、お昼ですが(~_~;)、前スレ>600からの「メグは見た」続編を投下します。
ファントム×メグで、しかも長いです。
ダメな方はスルーしてください。
また、多少ファントムの気持ちにムリがありますが、どうかご容赦を。
66 :
メグの罠1:2005/09/26(月) 12:11:23 ID:ie+PEAMu
深夜、メグは楽屋の鍵を持ち出し、足音を忍ばせながらドアを開けて中へ入っていった。
部屋の奥には縁に綺麗な彫刻が施された大鏡がある。
メグは内側から鍵をかけ、鏡の前まで歩むと、身に着けていた服を脱ぎ去り、
白いガーターとレースのストッキング姿になった……。
メグは長いブロンドの髪を上げたり下ろしたりしながら、自分の表情や肢体を映してみる。
肩のなだらかな稜線から続く白桃色の乳房は豊満で弾力に充ち、
胸の開いたドレスを着ると、プルンと飛び出してしまうのではないかと、
男たちの妄想を掻きたてさせずにはいられない。
しかし丸い乳房の中央にある乳首は簡単に摘み取れそうなくらい小さく、
ピンク色の乳輪も乳首をわずかに取り囲むようにあるだけだ。
バレエで鍛えた腰はくびれ、男の腕で簡単に抱えられるほど細い。
フワフワとした金色の柔毛を透かして、秘所に続く縦の溝がうかがわれる。
メグは後ろを向き、身を捩って自分の後ろ姿を眺めてみた。
テーブルに置いた燭台の灯りで、ほの暗い部屋に丸い尻とストッキングの一部だけが
白く浮かび上がる。二つの丘の上には可憐なビーナスのエクボがあった。
メグは横を向いて背を反らし、自分のラインを確認した。
丸く迫り出した乳房から下半身に続くドラマチックな曲線美は、
オペラ座の観客席を支えるどの女神像にも負けてはいない。
自分の姿はどこから見ても美しい……。
メグは左手で乳首をつまんでみた。ツン…と小さな欲望が芽生える。
あの夜、あの小部屋で見たふたりの淫靡な姿が目に浮かんだ。
逞しい肉体にこれでもかと苛まれていたクリスティーヌ。
嫉妬されながらも優しく大事にされるクリスティーヌ。
一方自分は……。
同世代の恋人とは逢えばせわしなく一方的に肉体を求められるだけの関係だ。
同じようなことをしていてもそこには造花と生花のような違いがある。なんだかもう、
恋人に誘われてもデートする気も起こらない。
メグはクリスティーヌを自分に置き換えて想像を巡らせていた。
“この体……、私だったら彼を、あのファントムをもっとよくしてあげられるのに…”
メグの右手はいつの間にか金色の茂みを分けて、
トロッと濡れた秘部と小さく硬くなった果実を弄っていた。
67 :
メグの罠 2:2005/09/26(月) 12:13:56 ID:ie+PEAMu
夕暮れのパリの裏通りには古いバーやカフェ、怪しげな絵を売る骨董店などが
いくつも建ち並んでいた。
二階が売春宿なのだろう、バーの前では厚化粧した娼婦たちが客を物色している。
細い路地には年増の売春婦に交じって派手な化粧をした男娼が立ち、
太い腕で通りがかった紳士を無理やり自分の店へと連れ込んだりしている。
酒瓶を片手にもって大声で歌いながら歩く男。酔いが回った男女が、
石畳をヨタヨタと歩きながらキスをしている姿も見える。
メグは噂に聞いた秘薬を求め、ショールで髪と顔を隠しながら
この狭く危ない一角をぐるぐると歩き回っていた。
酒や排泄物、香水などさまざまな物が交じったにおいがし、
ショールで鼻を押さえてもそんなにおいが入り込んで気持ちが悪くなる。
男に何度か腕を掴まれ、いきなり“いくらだ?”と訊かれもした。
それを振り切って走り、目的の店を探すメグは、恐怖と焦りで
泣きたいような気持ちになった。
“やっぱりやめようかな。こんな馬鹿げたこと……
でも、苦労して情報を掴んで、せっかく貯めたお金だってはたいて、
こんな所まで来たのよ”
メグは自分を励まして、とうとう目当ての店を探し当てた。
古ぼけたドアを開けると、意外にも香草のような香りがプンとした。
「あの、……どなたかいませんか?」
メグが暗い店の奥を覗き込むと、葡萄色のショールを纏った小さな顔の老婆が
ギョロッとした目でメグを睨み、大きく手招きした。
68 :
メグの罠 3:2005/09/26(月) 12:16:12 ID:ie+PEAMu
“こんなものが本当に効くの………?”
メグは真ん丸い目をさらに見開き、小瓶に詰められた茶色い液体を見つめ、
ため息をついた。
“マンドラゴラ、ミイラ、フグの内臓、一角獣の角、東洋のケシ、何とかというランの根
……あとは、何だったかしら?”
老婆は調合した秘薬の説明を長々としていたが、メグには何だかよくわからなかった。
変なにおいがするが、これをショコラに混ぜると不思議ににおいも味も同化すると言って
いた。飲むと数時間は半覚醒状態になり、身体があまり動かない。
しかし肉体への欲望だけは止まらなくなるという。
そして薬から覚めると前後の記憶が一切失われていると……。
「こちらはただの眠り薬だよ。これを飲んだら一晩は起きられないね。
……おやおや、お前さんの目に白いマスクの男が見えるよ。…ククッ、
いいさ、もっと貪欲におなり。ククッ………」
不気味にほくそ笑む老婆に心を見透かされ、ドキッとしたメグだった。
69 :
メグの罠 4:2005/09/26(月) 12:18:55 ID:ie+PEAMu
メグはあの小部屋でクリスティーヌとファントムが次に逢う約束をした日を
聞き漏らさなかった。
その夜、ベッドに入ろうとするクリスティーヌをメグは呼び止めた。
「今日、おいしいショコラを貰ったの。一緒に飲まない?疲れもとれるわよ」
「ほんとう!嬉しいわ、メグ。ありがとう!」
クリスティーヌは親友の好意に感謝し、何の疑いもなく眠り薬入りのショコラを飲んだ。
“ごめんね、クリスティーヌ。でも今夜だけあなたのマスターを借りたいの、今夜だけ”
真夜中、メグはかねてから用意しておいた栗色のウィッグを着け、
バスケットにポットとカップを入れて持ち、ファントムが待っている小部屋へ向かった。
ポットには秘薬入りのショコラが入っている。
メグは部屋のテーブルにポットと手紙を置き、タペストリーの裏にある隠し扉を
軽くノックし、急いでその場を去った。
「クリスティーヌ、お入り」
ファントムはノックを聞いて呼んだが、クリスティーヌはなかなか入ってこない。
変に思い、扉を開けてみた。
クリスティーヌの姿がどこにもないのを不思議に思いながら、
彼はテーブルの上のポットと手紙に気がついた。そしてそれを持って
また隠し部屋へ戻っていった。
〜 愛するマスター
私は今日、急に体のリズムが狂ってしまいました。
もし、マスターに触れてしまったら、自分が抑えられなくなりそうで恐いの。
だから置手紙する私を許して下さい。
おいしいショコラが手に入りましたので、どうぞ召し上がって下さい。
クリスティーヌ 〜
「抑えなくてもよいのに…おまえが望むなら。…そうか、仕方がない。でも、寂しいよ」
ファントムは手紙を読み、軽くため息を吐いた。
「ショコラか、クリスティーヌも可愛いことするな……」
ファントムは微笑を浮かべてポットからショコラを注ぎ、
クリスティーヌのことを想いながらひと口、またひと口と飲んでいった…………。
70 :
メグの罠 5:2005/09/26(月) 12:21:36 ID:ie+PEAMu
メグはしばらく経ってから、そおっと部屋に戻ってみた。
裏に隠し扉があるタペストリー越しに耳を澄ますと、何やらファントムの声が聞こえる。
扉の隙間を開けて覗くと、彼はベッドに仰向けになり、うわ言のように何かを言っていた。
メグはもっと開けてみたが、ファントムはまったく気付く様子がない。
彼女は思い切って中へ入った。
“ファントム!!”
その姿を見てメグは驚いた。
彼は額に汗を浮かべ、顔を左右に振りながら苦しい表情で何度もうわ言を言っていたのだ。
「……ママ、僕を見て。キスしてよ、ママ。……愛して、お願い、僕を…」
呟くように喋っていたかと思うと、
「うっ!……ああっ!……もう嫌だ、いつか、いつか殺してやる!あんなやつ」
激しい口調で憎しみの言葉を吐いている。
傍らのテーブルにはショコラを飲み干した跡があった。
どうやらファントムはあの秘薬のせいで意識が混濁し、譫妄状態に陥ったらしい。
彼の意識は実の母から忌み嫌われたり、見世物小屋で過ごした少年時代に飛んでいる。
胸の奥深くに閉じ込めていた過去のおぞましい記憶が現れてしまったようだ。
そんなことは知るよしもないメグは思いもよらない事態に戸惑った。
「嫌わないで…ママ……」
ファントムは涙を流し、記憶の底にいる母親に訴えている。
“…かわいそうに。きっとすごく悲しい夢をみているのね……”
メグは思わず彼の頬に手を当て、涙と汗で貼り付いた髪をかき上げてあげた。
その瞬間、彼のうわ言は止み、瞼が半分開いて涙に濡れた瞳が覗いた。
しかし、その瞳は定まっておらず、ぼんやりとメグを見つめている。
「…クリスティーヌ……」
ファントムは目の前にいるメグに呼びかけた。
「クリスティーヌ、来てくれたんだね」
急に嬉しそうな顔になったファントムに、メグはためらいながら頷いた。
「キスをしておくれ、クリスティーヌ」
メグはファントムの言葉に半分破れかぶれになってキスをした。
“ああ、私はとうとう……”
メグは一瞬後悔したが、ファントムが舌を入れて来たのでそれに応じると、
迷いが吹っ切れた。
71 :
メグの罠 6:2005/09/26(月) 12:24:32 ID:ie+PEAMu
メグはファントムから唇を離すと、ベッドに上がり彼の横に寝た。
そして太い首から胸にかけてキスを滑らせていき、白いフリルシャツの胸元に手を入れた。
ファントムは夢うつつの状態でなされるがままになっている。
メグはファントムの胸元をはだけさせ、胸毛に被われた乳首を舌でチロチロと舐めた。
「ぅ……」
ファントムは思わず小さな声を洩らした。
メグは小鳥のような舌を胸から腹へ這わせていった。
「クリスティーヌ、今日のおまえはなんだか違うね、ああ…いいよ」
それからメグは着ていたドレスを脱ぎ、下着の胸ボタンを外した。
ボタンを外したとたん、押さえられていた乳房が勢いよく飛び出すのが
ファントムから見えた。
“おお、クリスティーヌ……”
成長したなぁ、とぼんやりと感じたファントムだった。
メグはファントムの腹に馬乗りになり、彼の手を取って自分の乳房へ導いた。
そしてそのまま上体を倒し、たわわな乳房をファントムの顔に近づけてきた。
長いウィッグでメグの顔はほとんど隠れている。
ファントムはスベスベと柔らかく弾む乳房に思わず頬ずりし、小さな乳首を口に含んだ。
「あぅっっ……」
メグはつい声を出してしまい、ハッとした。
しかしファントムは何も気がついていないらしい。メグの乳房に交互にむしゃぶりつき、
乳首を甘噛みしたり、舌の先でコロコロと転がしたりしている。
「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
メグは声が出そうになるのを必死で堪えた。
メグの乳首はファントムの口の中で固く真ん丸くなり、ファントムはその変化を楽しんでいるようだ。
「ああ、いいな。もっと押しつけてくれ」
ファントムはメグの乳房とは知らず、目を閉じてうっとりと呟いた。
メグはたわわな両乳房でファントムの顔を挟むように押しつけた。
ファントムの手がメグの下半身に伸び、下着を脱がそうとしている。
それに気がついてメグは自ら脱いだ……。
メグはファントムのスラックスを脱がそうとすると、大きな手が彼女の手に伸びた。
「だめだよ、クリスティーヌ。そんなことは」
ファントムは“いつもと違うクリスティーヌ”をたしなめた。
しかしファントムはそれ以上力が入らない。
メグはかまわず膝のあたりまで脱がせてしまった。
すでに屹立したファントム自身は臍まで太く伸び、亀頭がテラテラと光っている。
“ああ…、これがファントム。クリスティーヌを悦ばせたファントムなのね!”
メグは硬い肉柱に頬ずりをすると、根元に手を添え、
そこからカリまでツツツツッ…と舐め上げた。
「ううっ!」
ファントムは快感と驚きで呻いた。
それからメグはカリの周囲をグルッと舐めまわした。
「クリスティーヌ、そんなこと…どこで覚えたんだ。やめなさい、やめるんだ……」
ファントムはかつて一度もクリスティーヌにそんなことはさせなかったし、
クリスティーヌもしようとしなかった。
72 :
メグの罠 7:2005/09/26(月) 12:26:54 ID:ie+PEAMu
ファントムは、はだけた白いシャツだけの姿になり、“やめてくれ”とは言うものの
メグが繰り出す舌戯に悶えている。
メグは右手で肉柱をしごきながら、亀頭を咥えて舌で先端をくすぐり、左手で嚢を転がす。
“ああ、違う、これはクリスティーヌではない。これは一体、私はどうしたというのだ”
ファントムはクリスティーヌではないと分かっているものの、
それを強く拒む気持ちが出てこない。
拒絶の気持ちは頭の片隅に追いやられ、ただただこの快楽を味わうことが優先されている。
メグは左手で嚢を軽く揉んだり、口に含んで転がしたりし、舌で嚢の境目を舐め上げた。
「ううっ!」
ファントムは思わず腰を浮かせた拍子に身体を離した。
「…誰だ? ……私に、何を飲ませたんだ?」
錯綜する意識のなかで必死に気持ちを手繰り寄せ、ファントムは自嘲気味に尋ねた。
「大丈夫、命に危険はありませんわ、先生」
メグは小悪魔的な唇を舐めながらしらっと言ってのけた。
「メグか……、…クリスティーヌは?!ああ、彼女はどうしている?」
「彼女は眠り薬で今頃夢の中よ。今晩は起きないわ。そんなことより先生、
今だけは彼女を忘れて私と楽しんで」
メグは栗色のウィッグを外すと、束ねたブロンドの髪を解いてひと振りした。
「……だめだよ…メグ」
ファントムは気持ちを保ちつつ、やっと言った。
「フフッ、だめだなんて、先生。ウソでしょう、ここはさっきからOKって……ほら」
と言いながら硬く屹立しているファントム自身を根元から先端まで舐め上げた。
「やめろ……ぁあ!」
「やめないわ」
メグは舐めながら上目遣いで言った。
「先生が目覚めたら今起こっていることは全て忘れている、そんな薬よ、
だから、心配しないで、先生」
「…お願いだ。…やめ…てくれ」
「フフッ、いやっ」
「…メグ、おまえは平気なのか?…お前は、愛されてもいない男にこんなことを……」
痛いところを突かれ、急にしょげそうになったメグだったが、
「……………いいのっ。そんなこと…」
それは初めから承知している。彼が愛しているのはただひとり、クリスティーヌだ。
「メグ、おまえは……かわいそうな…女だ」
メグはその言葉は聞かなかったことにして、さらにファントム自身に愛撫を続けた。
ファントムはまた夢うつつの状態に戻ってしまった。
73 :
メグの罠 8:2005/09/26(月) 12:30:00 ID:ie+PEAMu
メグはファントムの腹に跨り、膝を立てて自らの中へ迎え入れる準備をした。
ファントム自身は拒む心とは裏腹に、秘薬のせいでますます硬く反り返っている。
メグはそれを右手で掴むと、ふっくらとした秘唇へ亀頭をあてがった。
「あん……」
しかし、あてがったもののどうも上手く挿入できない。メグは焦りと緊張で
自分が思っていたより濡れてなく、膣が固いままだったのだ。
無理に入れようとすると痛い。何度か試すものの、とうとう諦めてメグは体を離した。
「ううっ、なんで………?」
メグは後ろを向き、顔を覆って泣きながら髪を振り乱した。
「おかしいでしょ?嗤って、私を。嗤ってよ!」
そんなメグの困った様子をファントムは奇妙な気持ちで窺っていた。
ファントムの心のなかで何かが変化した。
「メグ………おいで」
「…えっ?」
メグが驚いて振り返ると、ファントムの右手が差し出されている。
彼女がその手を取ると、彼はメグの腰を掴み自分の頭のほうへ導いてきた。
メグはためらいつつ、手で秘部を隠しながらファントムの顔の前へ膝立ちした。
彼はメグの手をどけると、金色の柔毛の流れにそって秘唇を指でなぞりはじめた。
「もっと開いて…」
そう言うとファントムは左右の指でメグの秘部を広げた。
メグは顔が紅潮するのを自分でも感じながら、ベッドのヘッド部分に両手を掛け、
少し足を開いた。
ファントムからは紅い薔薇の蕾のような秘部がはっきり見える。
彼は人指し指をいったん自分の口に入れて唾液をつけ、飛び出した秘芽をゆっくりと転がした。
また、中指との間に秘芽を挟み、小刻みに震わせた。
「あんっ!ああっ、……んっ、ああっ」
中指を1本、メグの中へ入れてみる。中は熱く、思ったよりずっと狭かった。
74 :
メグの罠 9:2005/09/26(月) 12:32:30 ID:ie+PEAMu
「んん、んん…んふぅ」
メグの頬や体はピンク色に上気し始めた。
中指が馴染むと、今度は人指し指も添わせて入れ、軽くかき回したり上下させてみた。
それから指を少し曲げ、腹側の膣壁の中央あたりを軽く円を描くように押す。
「あああっ、だめー!」
“なんだか、漏れそうなヘンな感じ。どうしようっ……”
メグは初めて自分の敏感なスポットを刺激され、ベッドに掴まりながら体をのけ反らせて
激しく反応した。長い金色の髪が揺れる。
メグは天井を向き、怯えたようなうっとりしたような表情をしている。
「先生、だめよ、そこ……だめなの。いや、あぅ!うっっ!」
膣に指を入れて刺激しながら、ファントムの親指は硬くなったメグの実を
左右に揺らしいたぶる。愛液がファントムの指から手の甲まで滴った。
「腰を落として」
「そんな……」
セックスには積極的なメグだが、今はなんだか恥ずかしい。
「いやなら、いいんだよ」
メグは呼吸を荒げたまま心を決めて、ファントムの言うなりに彼の口の前に自分自身を開いて見せた。
「そう、それでいいよ。きれいだよ」
と言うとファントムは長い舌でメグの秘芽の周囲を8の字型に舐めはじめた。
舐めながら指で膣をゆっくりと広げたり、敏感な部分を弄るファントム。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
メグは脳髄まで蕩けるような気持ちよさに喘いでいた。
メグの乳首は勃起し、上を向いて尖っている。その片方を自分の指でつまんでいた。
ファントムの舌はべったりと秘芽を包んだかと思うと、上へ舐め上げる。
そうかと思うと舌先でいたぶる。
メグは全身からじっとり汗がにじみ、膝が震えてきた。ベッドに掴まった指に力が入る。
「先生、もう…私、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ああっーー!!」
メグは見事なS字に背を反らせて、絶頂に達してしまった。
75 :
メグの罠 10:2005/09/26(月) 12:35:11 ID:ie+PEAMu
指と舌で逝かされてしまったメグはファントムの横に寝ながら、軽く彼の胸を叩いている。
息が弾み、目が潤んで今にも涙がこぼれそうだ。
「…意地悪、…先生の意地悪…」
「さあ、もう服を着て帰るんだ。メグ」
ファントムはメグから目を逸らしながら言った。
「いやっ! 先生、お願い。クリスティーヌにしたようなことを私にもして」
「……フッ、ばかなこと言うな。おまえにはたくさん恋人がいるだろう」
「今夜だけでいいの。でないとクリスティーヌに言いつけちゃうわ」
「おまえが仕組んだ罠も知られることになるんだよ、おまえの母にも」
「………………」
「おまえは充分に美しい。それを大切にしろ。才能もある。私などにかまうな!」
とファントムはメグの服を掴んで渡した。
「お説教なんて聞きたくもないわ。フンッ、…帰ればいいんでしょ!」
メグはベッドに腰掛けて靴下を穿き、脱ぎ散らかしたガーターの片方を探そうと
床に四つん這いになった。
ふとファントムはその姿を垣間見てしまった。
白い乳房がプルンプルンと揺れ、細い腰からエクボのある真ん丸い尻が突き出ている。
ファントム自身は秘薬のせいで大きく反り返ったままだ。
わずかな理性でずっと己の欲望と闘い続けている。
「あ、あったわ!」
ファントムの着ているシャツの下からガーターの端が見えた。
揺れる乳房を隠そうともしないでそれを取ろうとしたメグの手を、
ファントムはつい掴んでしまった……。
76 :
メグの罠 11:2005/09/26(月) 12:38:04 ID:ie+PEAMu
メグが驚いてファントムを見ると、ファントムはそのままメグをベッドへ引っ張り、
横抱きにした。
「あああっ、おまえは悪い子だね」
大きな乳房を掴んで揉みしだくと、メグを仰向けに倒した。さっきまでほとんど身体が
動かせなかったファントムだったが、熱情のためか少し動くようになってきている。
だが頭の中はまだ混沌として、さまざまな思いが錯綜している。
ファントムはメグの両手を押さえて組み敷き、白い胸を噛んだ。
「きゃあっ!いや、先生、乱暴はいやよ!」
「何が乱暴なものか、私をこんなにしたのはおまえではないか!」
ファントムは暴れようとするメグをさらに強く押さえ、
彼女の膝を割って、はち切れそうな自分自身を押し当てた。
「これが欲しかったのだろう?これが」
そういうとファントムはメグの窟へグイグイと己を突き刺していった。
メグの体は避けようとせり上がったが、ファントムは肩を押さえつけて
かまわず深く挿していく。
メグには子宮口まで突き抜けるような痛みが走った。
「いや!こんなのいや!先生、いやいや!やめて!」
少年のようなメグの声が叫んだ。
「ふん、いやはないだろう。望んだことだろう、おまえが」
ファントムの理性は砕かれ、残酷な気持ちが沸き起こり、
強烈に締め上げてくるメグのものを硬い棒でかき回すように突いた。
絡みつくようなメグの膣壁はなんともいえない感触に満ちている。
肉柱に膣壁と秘唇がねっとりとまとわり、腰を引くとファントム自身を
離さまいとしてググッと圧力がかかる。
「すごいな。いやとは言いながら、おまえは私を離そうとしないよ」
メグの豊かな乳房はファントムの腰の動きに合わせて、ふわんふわんと上下に揺れる。
ファントムはその乳房に痕が残るほど何度もキスをした。
ファントムの心は今、下半身に完全に支配され、この贅沢な肉体を存分に味わおうとしている。
ブロンドの髪が半円状に広がり、その中央に半泣きになっているメグの顔がある。
「……うっ、お願い、せめて口づけをして下さい、お願いです…」
メグは“か細い声”で言った。そしてその時、ファントムの顔が一変した。
その懇願する声がファントムには愛しいクリスティーヌの声として聞こえたのだ。
「ああっ、クリスティーヌ!」
ファントムは突然優しい顔になり、メグに口づけた。
髪の色も、顔も体も全然違うのに、彼のなかでは目の前にいるメグは
クリスティーヌそのものになっている。
“先生は私ではなくクリスティーヌとキスをしている……”
舌と舌を絡ませあいながら、メグはむなしさに涙が溢れた。
“それなら、私はクリスティーヌになりきるわ…”
77 :
メグの罠 12:2005/09/26(月) 12:40:03 ID:ie+PEAMu
「…マスター、…マスター」
メグは耳元にキスをされながら試しに囁いてみた。
「ん?なんだい……クリスティーヌ」
ファントムは完全にクリスティーヌを抱いていると思っている。
「あの…後ろから、してほしい…の…」
「おお、おまえから求めるなんて……!」
ファントムは身体を離し、メグは四つん這いの姿勢になった。
メグの脚にはストッキングが脱げそうになってまとわりついている。
ファントムはシャツを脱ぎ捨て、眩しいふたつの白い丘を撫でながら、
その美しさに見とれていた。丘の間からは小さな菊門とふっくらとした紅い陰唇が
覗いている。
これから差し入れる秘部に指を差し込むと、とろとろと愛液が溢れた。
ファントムは少し腰を落とし、それからゆっくりと押し入れた。
「こ、これは…、ううっっ!」
蠢いているのだ。メグの膣はそこだけ別の生き物のように蠕動しているようだ。
ファントムはパンと張ったメグの尻を両手で押さえ、
自分のすべてがその一点に集中したように腰を激しく打ち振った。
小さな部屋に肉と肉が弾けあう音が響く。
78 :
メグの罠 13:2005/09/26(月) 12:42:22 ID:ie+PEAMu
ファントムは忘我の境地を彷徨いながら、メグの腰から前へ手を伸ばし、
莢から飛び出している芽をつまんだ。
愛液を指につけては芽に塗り、二本の指でぐりんぐりんと転がしてやる。
「あんんぅ、あんぅ、んんぅ……」
ボーイッシュな“クリスティーヌの声”がファントムの欲情に火をつける。
「今日はまた、たまらない声だな。もっとよくしてあげるよ」
と言うとファントムは左手で彼女の乳房を揉み、乳首を転がした。
「あぁ、ああっ、もっとお願いします、マスター」
「いいよ、もっとほしいのかい?」
ファントムは浅く何度も往復したかと思うと、深々とゆっくり挿入し、それを繰り返す。
メグはたまらくなり、頭を下げて尻を突き出し、根元までファントム自身を迎えた。
それは小さなメグの膣が切れそうなほど太い。しかし、メグは嬉しかった。
メグの愛液が芽のほうへ流れ、愛撫しているファントムの指を濡らす。
「マスター。…もっと…壊れるほど突いて下さい」
メグは自ら腰を動かし、ファントムを誘った。
ファントムは“こんなに淫らなクリスティーヌ”を知らなかったが、
もうたしなめる余裕もなく、目を閉じながら激しく打ちつけ、メグの罠に嵌っていった。
「クリスティーヌ、ここがこんなに大きくなっているよ」
とファントムは三倍ほども勃起しているメグの愛芽を、さらに激しく弄った。
「マスター、…わたし、もう…だめ…だめです……」
メグは後ろを向きファントムに伝える。彼女は昇天が近づき、どうしようもなく尻が
勝手に円を描いたり、上下に動いたりしている。
ファントムも、もう達しそうになっている……。
「きゃあ、いっちゃうぅー、ああーっ!」
メグが絶叫したとたん、ファントムは閉じていた目を開き、
淫蕩で美しく揺れる“クリスティーヌ”の後姿を見てしまった。
「ゆ、許してくれ………!うっっっ」
ファントムは体を離すことなどできず、とうとうそのまま放ってしまった。
79 :
メグの罠 14:2005/09/26(月) 12:45:30 ID:ie+PEAMu
ファントムは果てた後、どっと横になり、そのまま昏々と眠ってしまった。
メグの膣からはファントムの精が流れ出した。
それを感じながら、彼女は悲しい気持ちでいっぱいになっていった。
目的は達成された…。しかし、彼を本気で愛してしまいそうになっている……。
ファントムは何事もなかったかのように静かに眠っている。
メグはその背中へ毛布をかけようとし、ハッとした。
そこには無数の古い傷痕がある。
ふと、初めにうなされていた言葉が胸をよぎった。
メグはそっと傷のひとつを指でなぞる。ファントムの背中がピクッと震えた。
しかし起きる気配はない。
メグは傷のひとつひとつにキスをし、最後に目を閉じて額を背中に押しつけ、
それから毛布を肩までかけなおした。
<了>
初めてリアルタイムに遭遇しました
個人的にファントムの相手がクリスじゃないほうが萌えるので
積極的なメグがかなり堪らないです
天使様ありがとう!
長々と読んで下さって、ありがとうございます。<(_ _)>
メグを好きなのに、虐めてしまいました。
GJ!!!!!!!!!
す、すごいエロい……! GJ!!
メグの気持ちの描写がたまりませんでした。
成長したなぁ(>71)がカワイすぎる、マスターってば。
やばいくらいエロイ!乙でしたっ!
思わず両手を口に当ててしまう程エロかったです、GJ!
望みを達成出来たものの、何故か切ないメグたん…
やっぱエロパロの世界でも可愛くていじらしいなあ。
ぜひ続きも読みたいです。
GJ!
メグとマスターはこれからどうなるんだ?続き待ってます〜
メグの胸には誰だってクラクラしちゃう。
「メグの罠」作者です。
皆さん、レスありがとう!! とても嬉しいです。
続きは今のところ考えていません。(-_-;)ちゅうか、考えられないよ〜。
ネ申!!
漏れは、メグタンがクリスに謝るとかして、バレてしまい、クリスとマスターがエチーキボンヌ(´Д`)
第2夜 心を見せて メグの罠 3作とも 超GJです。
泣ける エロインターネッツですね。
>>89 それイイ!
にしても、エロパロ書ける人たちって凄いなぁ。
私は、読むのは平気なんだけれど、実際想像して描写するなんて出来ないよ。
職人さんたち、応援しているので頑張ってください。
>20からの続きを投下します。
エロは前半のみ(エロ成分少なくてすみません)。
後半はエロなくなるので、不要な方は読み飛ばして下さい。
クリスティーヌと暮らし始めてもう十日あまりが経った。
私は日ごと夜ごとにクリスティーヌを抱いた。
私ではない他の男を想っている妻を罰するような気持ちだったかも知れない。
妻の身体に夫としての権利を行使していると、婚約までしたのにもかかわらず、
夫にはなれなかった男に勝ったような気になれた。
そんな風に繋がることが、決してふたりの関係に良い結果はもたらさないことはわかっていた。
私の手ひどい仕打ちにクリスティーヌは傷つき、同時に、妻から愛されていないことを
思い知らされて私も傷つく。傷つけあうだけだとわかっているのに、止められなかった。
それに……、私の指や舌に翻弄されている間だけは、クリスティーヌも私のことだけを
考えてくれているような気持ちになれた。
私の動きにあわせて身をくねらせ、熱い吐息をつき、私を呼ぶ。
喩えそれが私の思い込みであったとしても、私に抱かれて泣きながら絶頂に達する瞬間だけは、
少なくとも彼女は私だけのものだと信じられた。
そして、今夜も私はクリスティーヌを抱く。
ベッドの縁に掛けさせたクリスティーヌの白く滑らかな首筋を撫で、そのあとを追うように唇を這わせていた。
「あ、あ……」
身を顫わせ、抵抗することを禁じられて啼くクリスティーヌを容赦なく官能の水底に引っ張り込み、
身も世もないほど恥ずかしい思いをさせ、さらに啼き声を上げさせる……、
それが夫に課せられた義務であるかのように私はクリスティーヌを責める。
首筋から手を離す。
「さぁ、次はどこを責めてやろうか」
「ああ……、おねがい……、もうゆるして……」
「指か?」
そう言ってクリスティーヌの手をとり、中指と薬指だけをゆっくりと口に含む。
ねっとりと舌を絡めるようにして指をしゃぶる。指先に舌をそよがせてやると手がびくりと顫えた。
「次は? 耳か?」
掴んだ指先をしゃぶりながら聞く。
もちろん、彼女の返事など期待してはいない。
耳朶をそっと甘噛みし、輪郭をなぞるように舐め上げる。
「ああっ、……いや……」
入り組んだ迷路のような稜線を舌先でつつきながら、もう片方の耳も指先で弄んでやる。
暗い入り口にそっと息を吹きかける。
身を顫わせて顔を背けようとしたのを、反対側の耳に当てた手で抑えつける。
抑えつけた手の小指をそっと耳孔に挿しいれ、同時にこちらの入り口にも舌を挿しいれてやる。
「あ……! う、んくぅぅ……!」
胸から絞りだすような声が上がり、舌でそっと耳孔の内壁をこすってやると、さらに高い声が上がった。
「耳もいいらしいな……、さぁ、次は? 乳首か?」
後ろから両手をまわし、乳房を掬い上げる。
私の両腕に抑えられた彼女の両腕がぴくりと動く。さらに強い力で動こうとする腕を押さえつけた。
掬い上げた乳房をゆっくりと揉みしだく。
クリスティーヌの息遣いがわずかに荒くなった。胸が大きく上下する。
乳房を揉む手の動きはそのままに、肩口に顔を埋め、首筋に唇を這わせた。
「ん……、ああ……」
「良い声を出すじゃないか、……首がいいのか?」
「…………」
返事のない彼女をそれ以上には待たず、いきなり乳首を摘まみ上げた。
「ああっ、いやあっ……!」
「乳首を弄って欲しくて焦れていたんじゃないのか」
「ああ……、」
摘まんだ乳首をやわやわと指先で挟みながら、そっと捻ってやる。
「ああっ、ああ……」
「おまえはこれが好きだな」
「あ……、ち、がい……ま、す……」
「こんなに感じていて? それでも違うと?」
これほど感じているのに意地をはっているクリスティーヌが憎らしくて、
私は摘まんだ乳首をさらに捻って引っ張った。
「あっ、はあっ!」
「これでも?」
「ああ……、ゆるして……、マスター……」
泣いて許しを請う彼女の腰はもうずいぶん前からくねくねと捩られているのに……。
指の腹で乳首を転がしながら、なおも意地をはり続ける彼女に言葉を迫る。
「乳首を可愛がられて嬉しいんだろう? ええ?」
「ああ、いや……」
なおいっそう腰をくねらせて答えるクリスティーヌの言葉じりを捉えて言い募る。
「そうか、乳首は嫌か、……ならば、どこがいいのか、言ってみろ」
「…………」
「口には出せないような恥ずかしいところを弄って欲しいんだろう? ええ?」
「…………」
片方の乳首から手を放し、クリスティーヌの両脚を拡げさせた。
びくりと肩が顫え、彼女が身を硬くする。
左手で乳首を弄びながら、右手はうっすらと積もった脂肪のなめらかな感触を楽しむように、
ゆっくりと手のひらで内腿を撫でまわす。
膝のあたりから脚の付け根に向かって、ゆっくりと撫でさする。
両方の内腿の張りと弾力を充分に堪能し、今度は指先で脚の付け根を撫で上げる。
ゆっくりゆっくり何度も付け根を撫でてやると、臀に力を入れて快感に耐えようと
しているせいなのか、まるで私の指を羞恥の源泉に持っていこうとでもするかのように
腰が妖しく揺らめき、なおいっそう私の嗜虐心を煽り立てる。
「いやらしい奥方だな……、そんな風に臀をもじつかせていないで、
弄って欲しかったらそう言いなさい」
「うっ、くぅぅ……」
羞恥に身ぶるいしながら、はらはらと涙をこぼす。
「さぁ、言ってみろ、わたしの恥ずかしいあそこを弄ってください、とな」
「ああ……! マスター、ひどい……」
クリスティーヌの精一杯の抗議を無視し、私はなおも彼女の脚の付け根を
指で撫でさすりながら、徐々に中心へと近づけていった。
「あっ、あ、あ……あ……」
屈辱を滲ませたあえぎ声に慄きと期待が混ざる。
しかし、ふっくらと盛り上がった丘の裾野で指を止め、ふたたびそこをゆっくりと撫でてやる。
「あ、あ……、マ、スターっ……! ああ……!」
もう既にそれとはっきりとわかるほどよがって腰を振り、指を求めて私を呼ぶクリスティーヌの
切羽詰ったあえぎ声が狭い部屋にこだまする。
「さぁ言え、弄ってください、と」
「いや、いや……! マスター……、ああ、どうして……?」
優しくふっくらとした肉のふくらみを指ではさむようにして上下に撫でさする。
彼女の求める場所はその内側だとわかっているのに、クリスティーヌをもっともっと辱めたくて
わざと弄らないでいると、彼女が声を上げて泣き出した。
「ああ……、マスター、おねがい、おねがい……!」
むせび泣きながら私の指をねだる様に満足を覚え、
私はそっとふくらみの内側に指を伸ばした。
ほんのわずかに指を奥へと進めただけで、溢れた愛液が指に絡みつく。
「あっ、ああああぁぁぁ……!!」
身ぶるいしながら私の指を受け止め、クリスティーヌが快感に泣き叫ぶ。
「ふっ、やはりな……、ここを弄って欲しかったんだな?」
「ああ……! あぁ……んっ、……」
「恥ずかしくて返事もできないか。……まぁいい、これが返事だろうからな」
私は指を叩きつけるようにして、わざと音を立ててクリスティーヌの恥ずかしい隙間を弄った。
くちゅくちゅと濡れた音が響き、その淫らな音に耳を穢されたクリスティーヌが啼く。
「んんっ……、あ、ああ……!」
「そら、見ろ。こんなに濡らして、弄って欲しくてたまらなかったんだろ?」
左手で乳首を捏ねまわしつつ、右手で彼女の秘所を嬲る。
力を入れているためか、大腿が顫えている。
花びらを摘まみ、指をこすり合わせるように動かしてやると、彼女の背がぐっと反らされ、
肩を揺らして吐息を洩らした。
さんざん花びらを嬲ったのち、硬く屹立した肉芽を指で転がしてやる。
「あああぁぁぁ……!」
我慢しきれず上げたらしい声がひどく艶めいて、これまでにないほど腰が捩られる。
よりいっそう乳首を強く転がし、肉芽をこすり上げる。
「ああ、いやいや……、いやいや……ぁん」
哀れっぽく上げる拒絶の声すら甘い媚に満ちて、私の淫欲を煽り立てる。
クリスティーヌの身体を後ろに強く引き、仰向けに倒れこんだクリスティーヌの脚を持ち、
ベッドに引っ張り上げた。
抵抗する隙を与えず素早く馬乗りになると、その脚を大きく拡げさせ、一息に己のものを突き立てた。
「あああ─────っ!!」
クリスティーヌが大きく眸を見開いたまま、羞恥に彩られた叫びを上げる。
「いきなり根元まで呑み込んで……、おまえはずいぶんと模範的な妻だな」
「ああ……!」
「そら、奥までくれてやろう」
深い抜き差しを何度も繰り返す。
クリスティーヌの身体はこの十日あまりの間にずいぶんと変わった。
最初はどれほど濡れていてもどこか硬い感じがしていたが、
この数日で内襞がねっとりと柔らかく弾力に満ちてき、愛液の量も増している。
私を受け入れても、もはや痛がらなくなった。
頼りなかった肉芽が硬く勃起するようになり、同様に乳首もわずかに大きくなったような感じがする。
なにより、腰が折れそうなほど細くなった。いや、むしろ、臀が張りつめてきているのかも知れない。
無垢の身を穢し尽くされ、快楽を教えこまれて変わっていく身体をどこか哀しいものに思いながら、
それでも私は彼女を犯さずにはいられない。
「わずかの間にずいぶんといやらしい身体になったじゃないか、クリスティーヌ」
「あ……ああ……」
「ここで逝くことを覚えたな?」
そう言いながら、硬くしこったままの肉芽を弄ってやる。
「あ、いや……、マスターぁ……」
「ここだけで逝かせてやろうか」
「いや……、おねがい、やめて……」
「ふ……、嫌だと言う割にいつもこんなに濡らして……、私の妻は本当に淫乱だな」
羞恥に泣きじゃくり、それでいて快楽に身を顫わせているクリスティーヌの腰を抱え、
ふたたび抜き差しを繰り返す。
肉襞が、引き抜こうとする私自身の動きに限界まで絡みついてくる。
奥から大きくうねりがやってくる。次第に私のものを締めつけはじめる。
絶頂が近い。
「まだ逝かせないよ、クリスティーヌ」
そう言って彼女の身体を抱き起こし、繋がったまま私の上に座らせる。
「ほら、ごらん、私たちが繋がっているところが見えるかい?」
クリスティーヌの腰に手をまわし、乳房を揉みしだきながら下から突き上げる。
「あぁ……ん、う、ごかさ……な……いで……」
「ふっ、そんなに顔を真っ赤にして……、可愛いよ、クリスティーヌ……」
彼女の身体を抱きしめ、さらに激しく腰をゆすり上げる。
汗で貼りついた髪を払ってやり、紅潮した頬を撫でる。唇を奪う。
口腔内を蹂躙するように舌を絡ませた。
「うっ、……あ、あ……」
彼女の舌を強く吸い、唇を舐め、さらに舌を絡めとり、口腔をも犯しつくすように深く口づけていると、
クリスティーヌが私の首に腕を絡めてきた。
愛し合っているふたりであるような錯覚が私を陶然とさせ、
しかし、すぐにかつて屋上であの男の肩から首へとすべるようにその白く細い腕をまわし、
口づけを交わしていたクリスティーヌの姿が思い浮かんできて、錐で衝かれたように胸が痛む。
まるで彼女の腕が厭わしいものであるかのように私の首からはずさせると、
彼女の背に持っていって後ろでひとつにまとめた。
両手を後ろでひとくくりにされ、抵抗を禁じられたばかりか、胸を突き出すような格好にされた
クリスティーヌを、下から突き上げる動きはそのままに、片方の手で乳房を揉みまわす。
乳首を摘まみ、捻ってやった。
「ああ……んっ、ああっ、マス、タっ……!」
クリスティーヌが涙に濡れた眸を上げ、切なそうに私を見る。
快楽がさせている表情かも知れなかったが、それがあまりに愛しくて、胸が苦しくなるほど愛しくて、
こんなに愛しい妻を愛せないようにさせているクリスティーヌが憎かった。
こんな顔をあの男は見たことがあるのだろうか……、私にそんなことを考えさせるクリスティーヌが憎かった。
彼女の背を支えながら、繋がったままふたたび押し倒し、激しく腰を入れる。
狙いを定めて送り込む。激しい摩擦に熱く蕩ける肉の感覚がなまなましく伝わってくる。
その肉をさらに責め苛むように、さらに強引に送り込んだ。
内襞の絡みつきようが甘くそそるような感じになってきている。入り口が締まる。
つい先刻、頂上近くまで昇りつめ、そこから引きずり降ろされたばかりのクリスティーヌの身体は、
私に送り込まれるたびに確実に高みへと昇っていっているらしく、顔を紅潮させて荒い息を吐きながら、
ひたすら切ない眸で私を見つめて涙をこぼしている。
「あっ、ああっ、……マ……スター……、もう、もう、ゆる……し、て……」
これ以上ないほど眉根が寄り、唇を戦慄かせてクリスティーヌが達した。
声を絶ったまま、背を弓なりに反らせ、罪深い戦慄の水底をたゆたうクリスティーヌのそこから己を引き抜くと、
彼女の白い腹の上に暗く滾った熱情を放った。
息遣いも荒いまま、しどけない様子で横になったままのクリスティーヌの眸から、
大粒の涙がこぼれている。
掛ける言葉もなく、ただじっとその様子を見ていると、彼女が私を振り仰いで、
「どうして……?」と聞いた。
どうして、とは……。
そう聞かれて、おまえが私を愛してくれないから、おまえが私ではない他の男を愛しているから、
……そう答えよというのか。
心などなくてもいい、他の男を愛していてもいい。
そう思ったはずだが、やはり私の心は妻への不信感で確実に蝕まれていっている。
黙ったまま彼女の頬を涙が幾筋も流れていくのをただ見ていると、クリスティーヌの手が伸びてきて、
私の手に触れた。思わず手を引くと、傷ついたような眸をしてはらはらと涙をこぼした。
そして、私に振り払われた手で涙を拭った。
クリスティーヌの隣にいたたまれず、ガウンを引っ掛けると、食堂に立っていって水差しとグラスを持ってくる。
最初の晩にもこうやってクリスティーヌのために水を取りに行き、そしてあの忌々しい光景に遭ったのに、
同じことをすれば必ずあれを思い出すのに、なぜかいつも同じように食堂に行ってしまう。
自分を苛めてみたいのか、同じことを繰り返せばいつかと違う光景を見られると思っているのか……、
自分でもわからない。
クリスティーヌに水を飲ませる。
手で涙を拭いながら、「あまい……」と呟いて水を飲む彼女の白くほっそりとした喉を見つめる。
クリスティーヌが差し出したグラスを受け取り、そこにふたたび水を満たして飲み干す。
その様子をじっと見上げていたクリスティーヌと目が合う。
しかし、私はそれに皮肉っぽい笑みでしか応えられず、そのまままた食堂へと引き返した。
扉のところで振り返ったとき、彼女は新しく滲んできたらしい涙をそっと指で払っていた。
水で濡らした海綿と真新しい布を持って戻る。
黙ったまま彼女の汗や腹についた体液を拭ってやっていると、ふたたびクリスティーヌが涙をこぼし、
こう言った。
「マスターとこうなることをずっと夢見ていたのに……」
思わずかっとなって言い返す。
「嘘をつけ。だったら、どうして私に抱かれて泣く? おまえを抱いているのが私だから、
あいつではないから、だからおまえは泣いているんじゃないか。ずっと、だと? おまえはあいつと
婚約までしていたじゃないか、あいつとこうなることを夢見ていた、の間違いだろう? え?」
「マスター……」
「あいつを愛していたんだろう? そうだろう? 答えろ、クリスティーヌ」
「……愛していましたわ」
「……今でも愛しているのか」
「……いいえ」
「はっ、私も舐められたものだ。では、おまえがいま愛しているのはどこの誰だ、
言えるものなら言ってみろ」
「マスターですわ……」
怒りに顫えて持っていた海綿を投げつける。落ちた海綿からじわりと水がしみ出て床を濡らしていく。
「どうして信じてくださらないの? どうして? 初めてのときはあんなに優しかったのに……」
「その翌日、おまえはあいつに助けを求めていたな……」
あの夜、思わずあの男の名を叫ぼうとしたクリスティーヌの泣き顔が思い出された。
私が愛されていないと確信した瞬間だ。
しかし、クリスティーヌは私の問いには答えず、静かに言った。
「ラウルのことは忘れます、だから……」
「忘れる、だと? おまえは今だってあいつを愛しているじゃないか!」
「マスター、わたしはあなたに嘘はつきたくありません。確かにラウルのことは愛していました、
だから婚約したんです。今でもまだその気持ちが残っていないとは言いません……」
ああ、やはりそうなのだ……。聞きたくなかった言葉に思わず顔を背ける。
「でも、忘れます。わたしにとって真実大切なのはマスターです……。
ずっとずっとお慕いしていたんです、愛しているんです……、信じて……」
私と子爵と両方を愛しているのだというクリスティーヌの理屈は理解できないではない。
確かに私のことも師としてずっと慕ってきてくれた。
しかし、彼女が真実愛しているのは私ではなく子爵なのだということが耐えられないのだ。
否、彼を愛しているのなら、それはそれで良かった。
あのときに私の言葉を信じて子爵を選んでいたのなら、私だとてふたりに手出しはせず、
この寂しい地下でふたりの行く末が幸福であるよう祈っていただろう。
私が心底悲しいのは、クリスティーヌが私を信じてくれなかったこと、私を信じられずに
ここに残ったこと、それでいて、子爵より私を愛していると強弁していること、そのことに尽きた。
「だが、おまえが真実愛しているのは、私ではなく子爵だろう……?」
「どうして……、どうして信じてくださらないの……」
シーツを掴んで涙を溢れさせているクリスティーヌに向かって言う。
「私だっておまえを信じたい、私を愛していると言ってくれる、その言葉を信じたいよ……。
だが、一体、どうやって信じたらいいのだ、お願いだから信じさせてくれ……」
「どうして……、」
思わず叫んだ。
「じゃ、なぜ最初の晩にあいつを呼んでいたんだ!
二晩目はいい、確かに私はおまえに手荒な真似をしたからな……。
だが、最初は? 優しかったのにと言っていたな? その最初の晩に、なぜあいつを呼んでいたんだ!」
「……いつ……?」
「……いつ、とは言ってくれるじゃないか。今だよ。今と同じ、私が水差しを持って戻ってきたとき、
おまえはあいつの名前を呟いていたじゃないか……」
我知らず手を口元に当てたクリスティーヌの眸が、大きく見開かれた。
……とうとう言ってしまった。
驚きに瞠られた彼女の眸を見て、あれが自分の見間違いではなかったことを知る。
嘘でもいい、そんなことは言っていないと言って欲しかった。
あの男の名など呼んだことはないと言って欲しかった。
食堂の椅子に掛け、水差しの滑らかに光る表面を見ながら、私は溢れる涙を止めることができなかった。
寝室からは、クリスティーヌのすすり泣きが聞こえる。
悪夢のような新婚生活だ。
途切れなく聞こえていたクリスティーヌのすすり泣きがいつしか止み、そっと寝室を覗いてみた。
涙で汚れた頬のまま、寝入ってしまったクリスティーヌに上掛けを掛けてやる。
眠りながら泣いているのか、時々すすり上げるようにしている彼女が哀れで、
横に座って乱れた髪をそっと撫でてやった。
クリスティーヌがわずかに身体を動かして、薄い肩が顕わになる。
無造作に投げ出された彼女の手が、シーツの上でぴくりと動いた。
その小さな手に触れてみる。
己の人差し指に彼女の指を掛け、親指の腹で小さい爪をそっと撫でる。
薄桃色をした、真珠のように小さい爪が形よく並んでいる。
私にとっては、この世で最も貴重な宝石だ。
小指の爪など、己の無骨な爪の何分の一なのかわからないくらい小さくて、
あまりの愛しさにまた涙がこみ上げてくる。
しばらくそうやって彼女の爪を愛しんでいたが、手の先が冷たくなってきたので
体温で温まった褥のなかにその手を戻してやり、肩まで上掛けを引き上げてやった。
隙間ができないよう軽く上掛けを叩いてやる。
泣き疲れて眠っているクリスティーヌの寝顔を見ていると、ますます涙が溢れてくる。
ああ、やはり思ったとおりあの男を愛しているのだ……。
しかし、私を大切に思ってくれているというのも嘘ではないのだろう。
結婚前には愛し合っていなかった男女が、結婚後に熱烈に愛し合うようになることだって
世間にはざらにある。
そう考えれば、出発点が思慕であるだけ、それが愛に変わることだってあるやも知れない。
しかし、今夜のようなことを続けていれば、愛を得るどころか、思慕までも失うのはわかっているのに、
私は自分を抑えることができなかった。
抑えることができないまま、一番知りたくなかったことを知ってしまった。
私が欲しいのはクリスティーヌの愛だ。愛を得られないのは確かに悲しい。
だが、それ以上に悲しいのは、この十年で培った信頼を踏みにじられたことだった。
私が信じてきたものとは一体何だったのだろう……。
明日から、私はもっと彼女につらくあたってしまうのだろうか。
できるなら、私だって彼女に優しくしてやりたい。
何年もの間ずっと望んできたように、彼女を優しく包み込み、慈しみ、大事にしてやりたい。
もしも、もしもこの私に妻ができたら、うんと大事にして、可愛がって、
世界中の誰よりも幸福にしてやりたいとずっと考えていた。
日曜には手を繋いで公園を散歩し、週日は手品やトランプを見せてやり、
いつも楽しく笑わせてやろう、そう思ってきた。
この何年か、その取りとめもない想像のなかで、いつも私の隣にいるのはクリスティーヌだった。
この十年、夜ごとに稽古をつけながら、どれほどその小さな身体を抱きしめ、
優しくしてやりたいと思ったことだろう。
同輩にいじわるをされたと言っては泣き、踊りの先生に怒られたと言っては泣き、
よそでは決して涙を見せることはなかったが、私の声に向かって一日にあったことを報告しながら
この子は本当によく泣いた。
あの頃、私に慰められ、あるいは諌められて泣きながら寝入ったクリスティーヌを
自分のもとに連れてきてしまいたい衝動を抑えるのにどれほど苦労したことか。
その夢がようやく叶ったのに、この有様は一体、どうしたことだろう。
ベッドから降り、クリスティーヌを見下ろす。
彼女が私だけでなく、誰をも愛しておらず、ただ単に私への気持ちが熟すのを
待つだけなら、私だって辛抱強く待てるのだ。
しかし、クリスティーヌの心にはかつて婚約していた男が今でも棲みつき、
彼女がその男のために心の一番奥底の、誰にも触れられない一番綺麗な場所を
空けてあるのだということに、私は耐えられない。
私がクリスティーヌと作り上げてきた信頼が、砂上の楼閣だと思い知らされたことに、
私は耐えられない。
あの男はクリスティーヌの心の楽園に住み、私は砂上の楼閣に住んでいる。
しかし、私が欲しいのはその楽園への鍵、私が望むのはその楽園の住人になることだ。
おまえがそれを拒む限り、私はおまえを愛さない。
続く
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
エロが少なくて、ごめん。
>>107 わぁ!乙です。
存分にエロイっす。今後どうなるかドキドキ・・・・。
ごちそうさまっす!!
朝からいただきました!!
本当エロい…………
>107
第3部、いただきましたっ!
言葉責めに身体責め・・・それなのにクリスティーヌの中で果てることは
しない(できない?)んだね。マスター、最高にエロ怖哀しいよ。
クリスティーヌを身も世もないほど愛しているのに、不幸のスパイラルへ
自ら堕ちていき心が壊れていくマスター。読んでるこっちの頭もショート
寸前です!
この先どうなっちゃうんだ? 先の見えない展開にガクガクブルブルハアハアしな
がら続きを待ってます〜!
恐ろしい。本当に恐ろしい事になってしまった…
>104「私は溢れる涙を止めることができなかった。」
ほら、やっぱり…と俺も涙が滲んだよ。
先生もっと素直になんなよ、って思った。
思い込みの激しさは原作や映画以上だ、読んでて息がつけない位に。
勿論エロも十分美味しくいただいたっス!
それにしても110レス目で既に100KB。スゲー
>107
(*´Д`)GJ!GJ!ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ
( ´Д`)…
(ノД`)グシ…マスター…
マスターの人間不信が最高潮に…続きが気になってタマラン
天使様乙!俺今夜眠れねぇ。
113 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 08:41:44 ID:0gZtzqKN
>107
あんまり女の過去にツッこむと
クリスにその寝技をどこで習得したのかを
ツッこまれるぞマスター…
>107
天使様GJ!マスターがエロい上にテラセツナス
>113 ワロスw
おらが原作で一番泣けたとこを持ってこられて号泣>手品を見せてあげるってとこ
うまい…!うますぎて体がもちません。早くおかわりを!
116 :
107:2005/10/01(土) 22:03:35 ID:RJfRriT3
レスくれた人たち、ありがとう。
エロなし部分が長かったので、エロいって言ってもらえて安心しました。
>113
なんといっても、ジーニアスなので……。
>116
ネ申!!
そなたこそジーニアス!!
>>107 乙です、いつもながら貴方の作品は切なくて泣きまくりです。
続きを楽しみにしております。
寝技にも手品を組み込むマスターキボン( ´Д`)。
>116
この続きを想像してみると本当に怖いんですがガクブル…
そして今度はどんな激しい攻めを繰り出すのか考えるとハァハァ…
ファントムの寝技の習得について
俺は第1幕504氏の新解釈をそのまま設定にさせていただいた。
>これまで幾夜も貴婦人や高級娼婦たちが目隠しをして正体不明の”怪物”
に抱かれる刺激を求めてやってきていた。時には何時間も馬車に揺られてここがパリのオペラ座
の地下だとすら知らず、怪物の館で怪物にわが身を汚されることに興奮する女たちに彼はいつも欲
望と軽蔑で報いていたのだった。そんな冷酷な怪物を飼いならそうとする彼女達の狂態を彼は怒号
・時には殴打で支配してきた
地下に来た少年時代からずっと愛の無いセックスを繰り返し、あらゆる寝技を体得したが
キスの経験はクリスティーヌが初めてということにした。
>116
続きをいい子にして待ってます。全裸で
でも無理はなさらずノシ
>119
あれその設定…モシカシテ スウェーデン編の天使様でつか?
>120 自分語りすみませぬ。
しかし、ファントム攻でSS書いてる方は殆どこれに近い設定にしてらっしゃるのではないかと。
そうでないと話が進まないような気がする。
うむ、クリスティーヌを前に真っ赤になって
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル のマスターでは話に…‥・
それもちょっと面白そうかなw
自分的にはマダム・ジリーにあれこれ教えてもらって
マダムの結婚後はいわゆる「歓びの娘」達で腕を磨いたのでは
ないかと。
高貴な客は顔を隠したりしていたらしいし、マスターってば立ち姿と
物腰はダンディそうだからすぐに袖を引かれそう。
(ついでに好奇心でマスクを剥いで翌朝セーヌに浮いた娘もいそう。)
自分も特別意識してはいなかったけど、まぁどこかしらで寝技を習得したって感じで
書いていた。
当時のオペラ座の踊り子・歌い女の多くは高級娼婦への通過点として踊り子・歌い女を
やっていた(母親にやらされていた)らしいし、オペラ座の踊り子さんたちを
喰っちゃったりもしてるのかなーとかね。
自分的にはペルシアでシャーやら太后やらに
あれこれ仕込まれちゃった系キボン
この板ではシャーはダメだろw
>>125 スマソ。
そうだった。
シャーは数字方面に逝かなくては…だな。
では、太后と後宮のオネーサマ方に教え込まれたでヨロ!!
127 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 04:49:57 ID:+hpaAeDQ
ファントムの寝技習得の話辺りから妄想が膨らんだので何か書きます
今週中には投下できると思います
携帯からでも負けないもん(つД`)
>128 楽しみ!指を痛めない程度で頑張って下さい。
第1幕504です。
自分の設定からどんなSSが生まれるか楽しみにしてます。
自分があの設定にしたのは、貴婦人達は王侯貴族の愛人に飽きて
従僕と寝て労働者階級故に絶倫な従僕にハマって秘密結婚してしまった人、
労働者階級の男数人とアオカンしてしまった人、
乱交パーティ→SMパーティの挙句、大切なところに花火しかけられて大火傷した人、
貞潔な人妻が権力者に無理やり愛人に望まれて、晩年少年もベッドに引きずり込むようになった人、
いろんなエピソードを某フランス史の本で読んだことから、怪人についても想像ふくらませました。
階級差が物凄くあった時代ですから、地位も財産もあって結婚してしまえば婚外恋愛する自由もあった貴婦人にとって
身分の低い顔半分が化け物のような男性に抱かれことはたまらない刺激でエクスタシーだったんだろうと。
高級娼婦たちは、そうですねぇ、彼女達はセックスに生活がかかっていたでしょうから
怪人に性的なテクニック(肉体的なものと心理的なもの)を学びに来てたと想像してます。
わがまま&傲慢な貴婦人は怪人とのプレイ中に死んでしまったり
怪人を独占しようと怪人を罠にかけようとした挙句、怪人に復讐されて性病になったりした人もいるかな。
怪人は肉体が満たされれば満たされる程、魂はズタズタだったんじゃないかと。
その辺りもいつか書いてみたいですね。
>131 読んでてすごい悲しくなったよ・・・
ぜひいつか書いて下さいませ
>128 楽しみにしてます。無理はせずで
密かに密かに…
クリスティーヌまで全く人肌を知らない怪人の設定も好きでつ…
>>131 うわ〜深いお話しになりそうですね。
楽しみに待ってます。
>>133 あー、イイかも。
あらゆる分野に天才的に優れ、傲慢なまでに己の技量に
自信を抱いてる男が、心から愛する女性に触れるときは
どうしていいかわからない…みたいなのもイイ。
んでもっておぼこいクリスが勇気を振り絞って、二人で試行錯誤
しながら結ばれる…なんつーのも書いたら楽しいかも。
>>135 まぁ、ほら、・・・何てったってマスターはジーニアスだから。
何とかなるんじゃねぇ?
>131
読んでみたいなぁ、物凄く。身体が満たされて傷ついている怪人っていうのが。
ぜひとも待っています!
>135
試行錯誤マスターも激しくキボン!
138 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/03(月) 23:54:17 ID:PH4GdWbG
>>135 ファンクリで「ふたりエッチ」かよw
でも、まあ見てみたい…
マスターの指使いは天才的だから
チェリーでも何とかなるに違いない。
スマン
上げてしまった!
ぜひとも音楽の玉座で。
>140
座位しかできないじゃん…。
あ、あと玉座に手をつかせて後背位もか。
このエロ雑談だけでも萌えてくるんだが(*´Д`)ハァハァ
えっちなここの住人さん大好きだ
保守 マメ辞典
「SS」
投下される作品小説のこと。語源は、ショート・ストーリーからだが、
セカンド・ストーリー、サイド・ストーリー、セクシー・ストーリーの意味もある。
保守
ノシ へぇ〜へぇ〜
セカンド〜以降は知らなんだよ。アリガト
保守ついでに質問。orzってどういう意味?
もうずっと分からんまんまです。教えてくださいエロイ人・・・
落ち込んだ表現の小さい版。
手と膝を地べたについて頭をうなだれてるように見えるっしょ?
大きい版→_│ ̄│○
↑ありゃ線の間隔が開きすぎとる
_| ̄|○ こうか
背後からが好き、と誘ってる図に見えないこともないw
もすこし腰を高く上げた方がマスターの好みかな? or2
ダリオ・アルジェント版「オペラ座の怪人」を観たんだが、クリスをバックから責めてた。
1回は比較的腰位置低めのノーマルバック。もう1回は側臥位のバック。
最初は正常位っぽかったけど、前戯はまるでなし。このスレのマスターの方が努力家だ。
まさかそんなにエロい映像があるとは。
ぜひとも観なければ…
>150
しかし、当該シーンはすごい短いよ。超B級スプラッタ映画。
そいつを中古ビデオ探索サービスで探してまで買った自分って・・・。OTL
ただ、最後はちょっと泣けたけどな。
側臥位の時の胸の揉み方&腰の振り方とか、ビジュアルは確かにエロいんだが、
実際にやってることのエロさではこのスレのマスター&クリスには敵わない。
あと、顔に傷がないので、仮面を着けていなかったのが萎え。
152 :
145:2005/10/06(木) 00:55:37 ID:Z3KCpyzi
図柄から来てたのか! 己の勘の悪さにそれこそorz
大文字表現はOTL、マスターを誘う場合はor2ね・・・奥の深い世界だ。
教えてくれた人、ありがとう!
エンジェル降臨キボン or2゛
↑みたいな?
>143
つい最近まで
S(しょう)S(せつ)
だと思っていた
>>153の腰の振り方の愛らしさに萌えっ。
つい誘われて放置していたSSに再挑戦してみようという
気になってしまったw
>155
キボン キボン キボン キボン ・・・
or2゛or2゛or2゛or2゛or2゛or2゛
情熱ダンサーズ登場させて待ってます!
>155 楽しみにしてます!放置プレイはこのスレでは犯罪ですぞ
2幕738氏へ、こんなのしか無理でしたorz
<第2幕729の後年談>
約4年後─
第1子として女の子を授かったファントムとクリスティーヌ。
3歳を過ぎ、その娘は父親にも負けない程の皮肉たれ&悪態つきに
すくすくと育っていた。
第2子を懐妊中のクリスティーヌを気遣い、娘の世話は父親であるファントムが
ほとんど担っていたのであった。
「なぜだマルガレーテ!?
どうしてもう一緒に風呂に入らないなどと言うのだ」
「だってお父様のお胸もじゃもじゃで気持ちわるーい、
それになんか汚いもん」
「!!」
終わり。正直、すまない
いっやーーーっ!ショック受けてそうなファントム受ける。
後でクリス揺さぶりながら悲痛な声で
Christine, Christine . . .
Why, why . . .?
とか言ってそうですなw
顔で「Met with hatred everywhere」はよくあることでも
まさかムナゲを愛娘に嫌がられるとは。
パパの胸毛きらい!といわれて傷つくファントム可愛すぎ
小生意気な愛娘もすごくかわいい。
or7゙←すんげー尻上げて投下キボン
鬼畜っぽくてもいい?
イイヨイイヨ〜〜
鬼畜大歓迎 or2゙
166 :
163:2005/10/07(金) 07:16:27 ID:SVshi7Sa
じゃ、明日の夜に。今日は職場の飲み会で遅くなので。
ファントム×名無しの踊り子さん第4弾。
ちょっと縛っていたりします。
167 :
sage:2005/10/07(金) 12:48:58 ID:FLF+W7J6
楽しみにしてますゾ〜〜〜or2
飲み会楽しんできてください。ワクテカ…
_rz8
↑こんなに可愛い合体見つけた。
>168
マスターの寝込みを襲うクリス、に見える。
熟睡してるとこをディープキスかまされて目が覚め、
慌ててクリスの肩を寝起きの力の入らない腕で押しやりながら
膝立てて上に移動を試みるマスター。
170 :
128:2005/10/07(金) 22:31:54 ID:aFs1xFGw
宣言したけど無理っぽいです…
来週こそは…orz
>170
全裸待機OK!or2゙
>158 続編キボン!娘にケチョンケチョンにされる父ファントム読みたい
>166氏の投下まだかな…
174 :
166:2005/10/08(土) 22:30:01 ID:YP+tpxeF
すみません、名無しとは第3弾でした。最初の1つ目は名無しじゃなくてメグだった。
鬼畜って書いたけど、読み返してみたら、そんなに鬼畜でもない気がしますが、
投下します。
見知らぬ仮面の男から教えられた肉の悦びを夜ごと反芻するようになって幾日が過ぎただろう。
男の手の動きを思い出しながら乳首やクリトリスを弄ってみても、
あの晩男から与えられたような快感を得ることはできなかった。
だから当然、あの夜味わったような絶頂感を得ることもできない。
焦れて何度自分のなかに指を入れただろうか。
しかし、単に痛くて怖いだけで、何ら快感を得ることなどできなかった。
あの晩から二週間が過ぎた頃、隣の彼女が真夜中にベッドから抜け出していくのを
歯噛みする思いで見送った。
あの男に抱かれ、悦びの声を上げながら乱れていく彼女の姿を想像し、
羨ましくて妬ましくてならなかった。
今この瞬間、彼女は男の手で逝かされ、そして自分はひとりベッドのなかで自ら慰めている。
なんという違いだろうか……。己の惨めさに涙が出たほどだ。
といって、また彼女の後をつけていく勇気は私にはなかった。
もし見つかれば、今度こそあの男に犯されるのだ。
いくらあの男を思い出しながら肉の悦びに耽っているといっても、
どこの誰とも知らない男に初めてを捧げるのはさすがに躊躇われた。
私を愛してもいない、自分の恋人を支配人の愛人にしておいても平気な顔をしている、
そんな男に今まで守ってきた純潔を捧げるのはごめんだった。
しかし、日ごと夜ごとに募っていくこの想いを、私は一体どうしたらいいのだろう。
あの男の手……、私の頭を撫でてくれたあの優しげな手にもう一度触れてみたい……。
そして、とうとう今夜が新月だった。
「濡れる」という感覚も「逝く」という感覚も男に教えてもらった。
まだ自分の知らない未知なる悦びも男に教えてもらいたい……。
あの優しい手にもう一度触れ、恋人になってくれるよう頼んでみよう。
恋人になってくれる男にその証として純潔を捧げるのだ。
男は私の申し出に是と言ってくれるだろうか……。
不安と期待と緊張とで心臓が高鳴り、息遣いも荒いまま調光室の扉の前に立った。
二、三度扉を叩いてみる。返事はない。
そっと扉を開けてみると、果たしてそこにこの前と同じ白いシャツに黒いパンタロン姿の男がいた。
舞台を見下ろすことのできる天窓からじっと下を見ていた男がゆっくりとこちらに振り向く。
この前と同じ黒い仮面をつけている。
その仮面の奥から覗く眸……、ああ、自分はこの眸で見つめられたくてここに来たのだ。
「来たな」
ぼそりと男が言い、ゆっくりとこちらへ近寄ってくる。
緊張でますます息遣いが荒くなってしまうのを男に見咎められやしないかと心配になる。
男の右手が私の左腕に掛かったと思った瞬間、男に横抱きに抱きかかえられた。
「あっ……!」と驚いて叫ぶと、
「なんだ、男の味を教えてもらいに来たんじゃないのか」
と男が可笑しそうに私の目を覗きこみながら言う。
「ちょ、ちょっと待って……、降ろして」
「…………」
男が不機嫌そうに顔を曇らせ、黙ったまま私を床に降ろした。
「条件があるの……」と声が震えそうになるのを、努めてゆっくりと話すことで
なんとかごまかそうとする。
「あの子と別れてくれる? そしたら、あなたに私の初めてをあげてもいいわ……」
「誰が、誰と別れるって?」
心底びっくりしたような声で男が問うた。
「だから、今はあの子があなたの恋人なんでしょう?
私、あなたと……、その、あの……、そうなってもいいけど、
あの子と二股をかけられるのは嫌……、それにあなたの顔をちゃんと見てから……」
そこまで言ったところで、男の眸が軽蔑するように私を見下ろしているのに気づいた。
「あの……?」
「随分と自分の都合だけを並べてくれるじゃないか。私の顔が見たいだと?
はっ、そんなに見たかったら見せてやってもいいが、おまえは絶対に後悔するぞ。
第一、あれは私の恋人なんかじゃない、おまえだとて知っているだろう、支配人の愛人だと」
「だけど、あの時……」
「あの時? やはりあの時、おまえは後をつけてきただけでなく、私たちの行為を
除き見たんだな。だからあれが私の恋人だと思ったんだろう?」
「…………」
「やはりそうか」
男が言いざま、ふたたび私を抱え上げた。
「やっ、何するの!?」
「今夜、ここへ来たら男の味を教えてやると言ったろう。
望みどおり教えてやろうじゃないか。
それ以外のことを約束した覚えはない。おまえの身勝手な条件など知らぬ」
「やっ、降ろして、降ろしてってば!」
男に抱えられたまま脚をばたつかせてみたがまったく効果はなく、
私は調光室の隣の部屋に連れ込まれてしまった。
その部屋は、舞台の一方からもう一方へ俳優をつり渡す機構のある部屋で、
調光室より幾分狭かった。
俳優が舞台の向こう端から渡されてこの部屋に降りる際、怪我をしないようにと
敷いてある敷物の上に投げ出される。
身を起こす間もなく、男に組み敷かれた。
「いや……、おねがい、やっぱり嫌……」
「何をいまさら……、おまえは自分からここへ来たのだ、……もう遅い」
男が肩口に顔を埋めてくる。
「あぁ……っ!」
男の唇が肩口から首筋へと這っていく。
耳元まで来ると、そのまま耳朶を舐められた。
「はぁっ! ああっ、やあっ……!」
初めて感じる耳朶への愛撫に全身が顫えてしまう。
くちゅくちゅと男が舌を這わせる水音がして、その音だけで頭の芯が痺れてしまう。
耳朶を舐め取られて陶然としているところへ、男の手が背中にまわされた。
男と会うために、普段着ではあるけれどブラウスにスカートを着けて来たのだ。
男が背にまわした手でブラウスのボタンをはずしていく。
そのままスカートのリボンを解かれ、スカートも取り去られる。
薄いシュミーズとペチコートだけにされた。
「おねがい、もう、やめて……、ね……」
こんな風に結ばれるはずではなかった。恋人になると言ってくれた男の素顔を見、
キスから始まって甘い愛の言葉を聞きながら結ばれるはずだったのだ……。
しかし、どんなに哀願してみても男は冷たい眸のまま私を見下ろすばかりで、
やめてくれる気配は微塵もなかった。
「いや、いや……、やめて……」
男の手がシュミーズにかかる。
小さいボタンを器用にはずし、あっという間に胸を広げられた。
「ああっ、いや……!」
両手で胸を隠す。男がちらりとそこに視線を走らせると、すぐさまペチコートの紐を解き、
胸を覆った手で男の動きを阻止するかしまいか迷う間もなく剥ぎ取られた。
私は小さい下着ひとつで男の前に横たわっていた。
せめて身体を捩ってうつ伏せになり、男の眸から逃れたかったが、男が腰のあたりに
乗っているため、それすらも叶わない。
「ああ、おねがい……、ゆるして……」
私は馬鹿のひとつ覚えみたいに同じことしか言えず、男は当然何も答えてなどくれなかった。
男の手がふたたび私の胸元に伸びてくる。
胸を隠している腕を掴まれた。
「やっ!」
男の強い力で腕を拡げられ、そのまま両手首を一方の手でまとめて押さえつけられた。
空いたもう片方が乳房に下りてくる。
「ああ───っ!」
男性からの愛撫を一度しか受けたことのない乳房が、男の手によって揉みしだかれる。
「やあ……、やめて……」
泣きながら懇願してみても、男はその手を止めることなく、私の乳房を捏ねくっている。
嫌なのに……、こんな風に乱暴にされて、愛情のかけらもないような揉まれ方をされて、
心底嫌なのに、乳房をゆっくりと揉みこまれるたび、腰のあたりに重く甘い快感が
ずしりとしみてくる。
乳首をしぼり出されるように乳房を揉まれ、快感に身を捩ったところで乳首を摘ままれた。
「ああぁ───っっ!」
鋭い快感が背筋を貫き、思わず背が仰け反った。
このまま、こんな風に犯されるのは嫌……。
頭の上でまとめられ、男に掴まれていた手を力いっぱい振り上げた。
両手が男の手からはずれ、仮面にあたる。
けれど、己の手に革の硬い感触が残っただけで、仮面がはずれることはなかった。
しかし、その愚かな行為は男を激怒させるに充分だった。
男が私に圧し掛かり、首に手を掛けた。それほど力が掛かっていないように思えるのに
息が苦しくなってくる。気が遠くなる。遠くなっていく意識の中で、男が私から離れた、
と思った刹那、下着を剥ぎ取られた。
「……!」
叫んだと思ったが声が出ない。足首を掴まれ強い力で上に拡げられた。
身体を動かす力すら出ない。
あっという間に手首も掴まれ、足首と手首とを紐でくくられる。
折られた膝と肘とをくくられる。その紐のまま乳房の上下にも紐を掛けられた。
猿轡も咬まされる。
まだ、男の人も知らないのに、私は正体の知れない男の前で、
まるで自分で足首を持って脚を拡げているような格好で恥部を曝け出し、
そこを隠すことも身を捩ることすらもできない。声を上げることもできない。
ただ、涙を流すだけ……。
男がぞっとするような冷たい眸で私を見下ろしている。
男の眸が私の顔、しぼり出されるように縛られた乳房、拡げられ、
なかまで曝け出している恥部……と視線を動かしていくのがわかる。
暗く冷たく、蒼い炎が燃えているのではないかと思うような酷薄な眼差し……。
むしろ好色な目で見られた方がずっとましだと思うような視線……。
男が口を開いた。
「女という生き物はどうしてこう自分勝手な都合ばかり……、
ひとの気持ちを慮るということを知らない……、それでいて己の欲望には忠実で……、
責任ってものを知らない……、あの人もそうだった……」
独り言のようにぶつぶつと口の中で呟いていたかと思うと、
今度ははっきりと「おまえもだな」と私の目を見て言った。
ふたたび乳首を摘ままれる。
「んんっ!!」
紐でくびり出されるようにされて敏感になっているのか、さっきよりずっと鋭い刺激が
脳天に突き刺さる。
こりこりと捏ねくられ、もっと強い刺激に腰がうねる。
やめて欲しくて、許して欲しくて、涙を流して男を見る。
しかし、男はちらりと私と視線を合わせると、摘まんだ乳首を引っ張り上げ、
さらにこりこりと捏ねくった。
「んん──っ、んんっ、ん……」
惨めで恥ずかしくて、なのに、今の私にできることは、ひりつくような快感に涙を流し、
身をくねらせることだけ……。
男が秘裂に手を伸ばす。
「泣き叫んでいる割にここはもうびしょ濡れじゃないか……、
ふっ、この間もずいぶんと濡らしていたが、どうせ覗いているときから
びしょ濡れだったんだろ? 女などそんなものだ……、」
「んん……」
男の指が敏感な粘膜の上を滑るようになぞっていく。
鋭い快感が腰のあたりを直撃し、思わず腰がうねってしまう。
腰をうねったと同時に、紐が肌に喰いこみ、痛みが走る。
「んんっ」
「動かすと却って締まるぞ……、インド仕込みだ、そう簡単にはずれはしない」
脚を閉じることも叶わず、秘裂を何度も往復する男の指の動きに翻弄され続ける。
指が滑るたびくちゅくちゅという耳を塞ぎたくなるような音がし、
そこだけ自分の身体ではないみたいに過敏になっている秘唇が
紅い粘膜を曝け出してめくり上がっているのがわかる。
男の指でひと撫でされるだけで、こみ上げるような快感が生まれ、
紐が喰いこむのもかわまず背を仰け反らせてよがってしまう。
秘唇を弄られているだけでも充分に身体中が切ない快美感で溢れかえっているのに、
今度はクリトリスを摘ままれた。
甘く、疼くような戦慄が身体を貫く。
「んんっ!!」
男が相変わらず氷のような眸で私を見下ろしている。
それでいて、指の動きだけは、それだけでいつも女を征服しているように
適確に私を責めてくる。
クリトリスを摘ままれ、捏ねくられ、擦られ、紐が喰いこむのがわかっているのに、
快感に身を捩ってしまう。
腰が跳ね、うねり、あの部分からは恥ずかしいものが溢れ出てしまう。
「んんっ、んんっ……!」
助けを求めて泣いているのか、快感に喘いでいるのか、もう自分でもわからない。
そこに指を入れられた。溢れた愛液を塗りたくられたクリトリスを弄られながら、
膣口をかき混ぜられ、突き刺さるような快感が全身を貫く。
「一本にしておくか」と呟きながら、男の指がゆっくりと奥へと入ってきた。
かすかに痛みはあるが、それよりも息が詰まるような感じが恐ろしい。
男がゆっくりと指を引き抜き、また埋め戻す。
掻き出された愛液がぐちゅぐちゅと音を立てる。
幾度か抜き差しされたあと、不意にクリトリスを弾かれた。
「んん───っ!!!」
私は男の前で泣きながら、そして下からも愛液を溢れさせながら達した。
一度達した後も、男は私を許してくれることなく、ふたたび乳首を捏ねられ、
クリトリスを弄って逝かされた。
その次には、最も触れられたくない後ろも弄られた。
私は……、私は後ろを弄られ、あっという間に達してしまった。
「こんなところも感じるのか、淫乱だな……、本当に初めてか?」
と男に罵られ、その恥ずかしさが冷めやらぬうちに前に指を入れられ、また達した。
気づいたときには縛めを解かれ、男のシャツを掛けられていた。
「まったく良く逝く女だな……」と装置に腰掛けた男が言う。
情けなさと惨めさで泣き始めると、
「男の怖さがわかったか? これからは自分の都合だけでものを言わないように
気をつけるんだな……、相手が男でも女でもな」と男が諭すように言う。
「さぁ、さっさと着替えて戻れ、夜が明ける」
のろのろと立ち上がって衣服を身に着ける。
縛られていたせいで手足が思ったように動かない。
背中のボタンを留められずにいると、「ちっ」と舌打ちして男がボタンを留めてくれた。
あれから、二年が経ち、私は昨日オペラ座を去った。
あの後、何度も調光室に行ってみたが、ついぞ男の姿を見たことはなかった。
しかし、昨日の朝、枕元にあった朱色の……、紅茶色のバラをくれたのはあの男だったと思うのだ。
バラに結わえられた黒いリボンには、小さなブローチが留めてあった。
それは、あの折に着ていたブラウスに縫い取りしてあったのと同じ、すずらんの形をしていた。
バラを抱きしめて、私は初めて男を想って泣いた。
自分の初めてをあの男に捧げられなかったことを悔やんで泣いた。
そのブローチをつけて、私はいま、祭壇へと向かっている。
了
うはぁぁぁぁぁぁ!
萌え死にました…
天使さまありがとう!(*´Д`)
185 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 23:02:17 ID:KnoxX8Kc
モエモエモエモエ
天使さま…ありがとう!!
リアルタイムで初めて遭遇出来てうれしい…
エンジェル
キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!
マスターのインド仕込みの縄攻めにかなり萌える
でも純血は奪わないジェントルマンなマスターにもっと萌えたよ
>166さんありがとう
brava!!!!!!!!!!!!!!
or2゛
IDもうすこしでOGだった記念。
>166さんに捧げます。
(*゚Д`;)ハァハァ…GJ!
踊り子さん本当にファントムが好きだったんだね。
最後までやらなかったか(惜)ボタンを留めてくれたりと冷たい態度の中にも
男の優しさが感じられてヨカッタ!
他の男の妻になっても彼女はファントムを忘れないだろうね。
すずらんのブローチを生涯大事にしながら…
>166
天使様キタ━━━━━(*´Д`)━━━━━!! ハァハァ
何このジェントルマンなマスター。最高に萌えますた。
GJGJ!!ご馳走様でした
みなさん凄すぎです・・・!
私もお邪魔していいでしょうか、書き込みできなかったんですが
これが無事に届きますように・・・
あ、反映された!
それでは自分もお邪魔します、すごいssばかりで、参加したくなっちまいました
泣けるほど切ないのもアリ、泣けるほど笑えるものアリ!
まだ全部は読めていないんで、シチュが似てたら お許しを・・・
初心者なんで、見苦しい点もあるかと思いますが、もしよかったらどうぞよろしく
それにしてもホント難しい・・・職人様、エンジェルの皆様はすばらすぃ。。。
*エロ濃度薄し (ごめん)
*舞台と映画のキャラしか知りません・・
んじゃ、業火に焼かれる覚悟で、投下いたします
・・・「マスカレード」で初めて“怪人”と対峙して以来、ラウルはクリスティーヌから離れることが出来ずにいた。
もちろん身内からは非難されたが、お互いを魅入られたように見つめ合う二人の姿を目にしては、とてもオペラ座に彼女を一人で長く置いておくことなど出来なかった。
クリスも、指輪を奪われ、ラウルまで巻き込んでしまったことを辛く思っていた。
気持ちが落ち着く筈もなく、食事もあまり取れずにいる。
ひどい悪寒のため、昼間から寝込んだ彼女の部屋に、ラウルは来た。
うなされて目覚めたクリスティーヌの手を、彼はしっかりと握る。
「・・・あ、ラウ・・ル?・・」
「僕だよ、分かる?・・・何か悪い夢でも見たのかい」
気遣う彼の視線から、つい顔を背けるクリス。
俯くその表情を見ると、余計に心配がつのった。
(もしかして・・・あいつの夢を)
でも聞けずに、差し入れの砂糖菓子や熱いお茶を勧める。
しばし談笑した後、何となく気まずい雰囲気が流れた。
仕方なく読みかけの本を開くラウルだが、同じページを繰り返し辿るばかりで、
ちっとも頭には入ってこない。 気に掛かる事は、ただ一つ。
(これからどうすればいい? そう、彼女をここから連れ出してしまえば・・)
彼は、思い切って聞こうと顔を上げた。
(本当に、あの恐ろしい男が、君の言っていた音楽の天使?
君は、ずっとあんな奴を慕っていたと?)
クリスティーヌはショールを羽織り、窓辺にいた。
どんよりした空。 舞い散る枯葉。 巣に戻る小鳥たち。
放心して眺める彼女に、さっと明るい光がさした。
厚い雲の切れ間からの、夕刻のオレンジ色の陽差しが彼女を包む。
「綺麗ね・・・・」
目を細め、片手を顔まで持ち上げたとき、ショールがふんわりと床に落ちた。
薄い部屋着を透かし、しなやかな肢体のシルエットが浮かぶ。
ラウルは問いかけを忘れ、光の中の彼女を見つめていた。
「綺麗なのは君だよ、クリスティーヌ・・・」
歩み寄り、そっと後ろから抱きすくめる。
振り返り、はにかんで微笑む彼女を見て、心から愛おしいと思った。
髪に、肩に、優しくキスを繰り返す。
そっとその体を自分に向かせ、頬に、耳に、何度もキスする。
少し、痩せたようだ。 じっと彼女の瞳をのぞき込むラウル。
可愛いロッテをやつれさせたのは・・・・
そう思うと、自分の中にあった憎悪が、強くなっていくのを感じた。
「ラウル・・・?」
彼の顔が強ばっていくのを見たクリスが、不安そうに尋ねる。
頬に触れた彼女の手を包むように握り、もう片方の手で
ラウルはクリスの部屋着の前を開けていった。
「!・・・あ、」
「僕が、必ず君を守る・・あの悪魔から」
首筋、胸元を優しく愛撫しながら衣服を取り去る手は、少しも強引ではない。
下着だけになったクリスの背中に、腰に、次第に熱くなる手が滑っていく。
「ふっ、・・・うぅん・・」
「何も怖がらなくていい、僕の大事な・・」
彼女の肌の香りに、気持ちよく体が痺れていく。
ベッドに腰掛けさせ、膝から太腿へと指をすすめる。
その滑らかさが、たまらなく心地よい。
膝頭にキスすると、あぁん、とクリスが声をあげて身を捩った。
白く透き通るような肌・・明るい光の中で、微かに震える脚。
こんなに間近で、はっきりと見たのは初めてだった。
首筋や胸元とはまた違う艶めかしさ。
ラウルは我慢の限界だった。 軽い力で彼女をシーツに押し倒す。
「はぅ、・・あ、ラウ・・ル!」
僅かに抵抗するのも構わず、その足首、ふくらはぎ・・・
頬ずりし、暖かい掌と指先で 優しく強く愛撫する。
あちこちにキスされながら、クリスはぼんやりと「あの夜」を思い出していた。
ファントムの棲む地下の暗い部屋、気絶して運ばれた、あの時のこと。
ふと気付くと、ファントムが自分の脚に柔らかく、熱い唇で何度も・・・
あれはただの夢だったのか、それとも現実だったのか?
分からないけれど、思うだけで体がひりひりと熱くなるのは、確かなのだ。
「あぁ、お願いよラウル、・・やめ・・」
「・・いや、やめない」 きっぱりと言い切り、上着を脱ぎ捨てるラウル。
「でも、・・誰かが・・」
「誰に知られても構わない、僕はみんなに知って欲しい位なんだ」
その言葉で、レースから透けるクリスの肌が、ほんのりと赤くなる。
明るい部屋の中で恥じらう彼女の姿が、余計にラウルを煽る。
腰から胸をなぞりあげると、高い吐息が漏れ、首を反らす。
細い顎先に舌で触れ、ぽってりとしてきた唇を見つめるラウル。
食らいつくようなキスをした瞬間・・・「誰か」が彼の首を絞めあげた。
「!!・・・うぐっ、・・・」
弾かれたように体を起こす。 息が苦しい。しかし二人の他には誰もいない。
驚いたクリスの耳に、「あの声」が聞こえてきた。
・・・・クリスティーヌ・・・・
今度は彼女が身を起こす番だった。 あちこちに視線を走らせる。
はっと眼に止まったものは・・・赤い薔薇。
ファントムが黒いリボンを結んで、一輪ずつ贈った薔薇。
やっと息を整え、彼女の視線の先を辿るラウルにも、それは見えた。
顔を蒼白にして眼を見張るその様子から、送り主が誰かは容易に分かった。
黒く朽ちたもの、まだ瑞々しく咲いているもの。
激しい嫉妬と怒りに、花瓶ごと床に叩き付けようとするが、そのまま崩れ落ちる。
「ラウル、ああ、」急いで駆け寄るクリス。
しかし、彼は返事も出来ないほどの頭痛に横倒しに倒れた。
気を失った彼の首に、太い縄の跡を見た彼女は、声にならない悲鳴をあげた。
一部始終を、地下の奥深くから冷笑して眺める影があった。
「貴様になど、クリスティーヌを渡すものか・・」
その笑い声は、やはり彼女にも聞こえていた。 微かに、微かに・・。
・・・駄目、逃げられないわ・・・
正気を取り戻したラウルを無理に部屋から追い出し、クリスは一人震えて眠った。
浅い眠りの中に、ファントムとラウルが代わるがわる現れる。
暖かい陽差しのような恋人。
闇の中、凍り付く視線と炎の力を持つ男。
夢と現実の境が無くなった事に怯え、しかしどちらも欲する自分が分からずにいた。
197 :
196:2005/10/09(日) 02:02:49 ID:GinZHNjA
はぁ、できました・・。
やっぱりお恥ずかしいシロモノですな
もうちっと勉強してきまっっす!
場所取って失礼いたしました・・
まさにストーカーなファントム…(*´Д`)
またの投下をお待ちしています
変態万歳!
ひと晩のうちに2人の天使様が御降臨!スバラシイ
>183
2年経っても彼女を思いやるファントム・・・
フィルマンの愛人はやっちゃってもいいけど、この子には手を出してはいけないと
大人の男の判断。手マンテクもエロかったよ、また新作待ってます。
>197
まるで映画の中で本当に展開されてたようなリアルさ!
ファントムのラウルに対する憎悪がひしひしと感じられてガクブル・・・
ぜひもっと長編もお願いします。
あの後彼女に会わないのもこれ以上はまらないように彼女を思ってだよねえ。
ああ切ないーーー。このシリーズは切なすぎて凹むよ。
201 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 19:11:38 ID:x54s/ATn
はじめまして。質問なのですが、まとめサイトを●や壷を使わずに
見ることはできるのでしょうか??あと、すぐに検索して見れる方法や
アドレスをご存知の天使サマはおられますか??すいません。。
いつも楽しみにしてます。
>201
>1テンプレに「まとめサイト」のアドレスありますよ
とても綺麗に仕上がっているので楽しんで下さい
203 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 22:09:30 ID:x54s/ATn
>202さん
ありがとうございます!
そのアドレスでやってみたんですけど、
うまくつながらないんです orz
どうしたもんでしょう・・・
テンプレのはhを抜かしてあるので直リンアドレス↓
http://lot666.fc2web.com/ それでもだめなら、2幕でアドバイスをカキコしてくださった方がいらっしゃるので
参考に↓
>リンクをそのままクリックせず、コピーペーストして移動クリックしてみたら?
私も最初は奇妙なページに飛ばされたが、上記の方法で無事に見られた。
そしてすかさずお気に入りに登録。
>203
今行ってみたら何も問題なく行けたよ。
再起動してみるとかした後にもう一度アクセスしてみたら?
……まさかとは思うけど、urlそのままコピペして飛んでるとか言うなよ?
206 :
128:2005/10/10(月) 00:45:35 ID:iK44zhr4
前スレの後ろの方でサイトを作ると息巻いていた者です
やっと始動いたしました
手土産がわりに>128で宣言した通り、投下いたします
ただ、携帯からなので投下速度についてはひらにご容赦下さい…
207 :
1:2005/10/10(月) 00:46:49 ID:iK44zhr4
その時、わたしには来月の結婚が決まっていた。
親の言うままに会ったことも無い伯爵の元に後妻にいくらしい。
それが普通だとは判っている。
でも、わたしにはどうしてもそれが耐えられなかった。
夜中にそっと家を抜け出し色街に行った。
いつもじゃ絶対に着ないような派手な服に派手な化粧。
ショールで顔を隠したわたしは誰がどう見ても娼婦に見えるだろう。
結婚したら絶対にできないようなこと…
いや、わたしはただお父様とお母様に逆らいたかっただけなのかもしれない。
さすがに大通りで客を引く勇気はわたしに無かった。裏路地をそっとうろつく。
でも抱かれるのならやはり相手は選びたいが、こんなところでそうも言っていられな
いだろう。
わたしは路地に立ち止まり、男を待った。
208 :
2:2005/10/10(月) 00:49:26 ID:iK44zhr4
あまり長い時間そこにはいなかったように思う。
曲がり角の向こうから誰かの靴音が聞こえてくる。
男だろうか?もう誰だっていい。曲がり角を曲がったら声をかけようとわたしは決めた。
ついに相手が角を曲がる。
それは思っていた通り、男だった。
背は高く、逞しい身体は服の上からでもはっきりと判る。
優雅な立ち姿で、着ている物は間違いなく上等品だった。
「お兄さん、わたしを買わない?」
この客を逃したら、きっと後悔する。わたしは声をかけ、相手の顔を見た。
そのときの驚きが解るだろうか!
男は仮面をつけていた。
白い、不気味ともいえる仮面を顔の右側に!
だがわたしが顔を隠しているように、この男もきっと顔を見られては困るような身分
なのだろう。
「…いくらだ?」
男がやっと口を開く。その声は甘く、わたしは声をかけたのが間違いではないと確
信した。
「…いくらだっていいわ」
こんな男に抱かれるのならこっちが代金を支払っても惜しくは無いだろう。
「いいだろう…」
男はそう言って笑うと、いきなりわたしの身体を壁に押し付けた。
「こんなところでするの?」
わたしは驚いた。…でもそれも悪くは無い。
だが男の答えは違っていた。
「私の家だ。…だが場所を知られては困るのでな。目隠しをさせてもらう」
男は最初からそのつもりだったのだろう。
用意していた布で目隠しをされてしまった。
「…わたしはどうすればいいの?」
「心配するな。案内はする」
そう言うと男はわたしの手を取って歩き出した。
その大きな手がわたしの身体に触れることを思うと、わたしの期待は高まった。
何も見ることができないわたしを気遣ってか、男の歩調は酷くゆっくりなものに思える。
209 :
3:2005/10/10(月) 00:52:01 ID:iK44zhr4
男の案内でもう何度角を曲がっただろうか。
自分がパリの何処にいるのかもわからなくなったころ、男はようやく立ち止まった。
何か扉が開く音がする。
「ここからは階段だ。気をつけろ」
そう言った男の声が反響する。
階段は全て下りのようで、わたしはどうやら地下に連れて行かれているということだけは理解できた。
随分長いこと階段を下りた後、わたしは水音を聞いた。
そのままわたしは男に抱き上げられ、何かに乗せられた。舟だろうか?
「立ってはならん」
男はそれだけ言うと、また無言になった。
この揺れと水音。やはり舟だろう。
地下にこれだけの水が溜まっている場所…。
パリ市民であるならば誰もが知っているであろうあの場所なのだろうか?
しばらくすると舟の先が何かに当たったらしく、舟が揺れた。
男はまたわたしを抱き上げ、そのまま歩き出した。
そしてわたしは、ベッドに投げ出された。
「…もう、外してもいいかしら」
「好きにするがいい」
男の許可をもらい、わたしは目隠しを外した。
壁は岩肌で、雑多なものが散らかった部屋にぽつんとベッドだけが置いてある薄暗い場所。
「…好奇心は猫を殺すぞ」
男はわたしの考えを見透かしたように言った。
どうせすることをして別れるのだからそれもそうだ。
自分のことを知られたくないのならそうするのが当然の礼儀だろう。
「さっさと服を脱げ」
男がぶっきらぼうに言う。わたしはベッドから降りると背中のリボンに手をかけた。
男はベッドに座り、脱いでいくわたしを面白そうに見つめる。
わたしは期待に手を震わせ、ようやくドレスとクリノリンを取り去った。
「後は脱がせて下さるかしら」
わたしがそう言うと男は鼻で笑い、わたしの後ろに立ってコルセットの紐を解き始めた。
コルセットが緩んでいくのとは反対に、わたしの期待はどんどん大きくふくらんでいく。
210 :
4:2005/10/10(月) 00:55:15 ID:iK44zhr4
全ての衣服が取り払われ、身につけているものがショールだけになったとき男は満
足そうに言った。
「娼婦にしては悪くない」
当たり前だ。場末の娼婦なんかと一緒にしてもらっては困る。
一応人並みの恋愛というものはしてきたし、相手の男たちもわたしの身体に満足させてきた(と思う)。
まだ二十歳にもなっていないし顔にだって自信はある。
特に気に入っているのはエメラルドみたいな緑の瞳。
黒い髪は昔は嫌いだったけれど、社交界の男たちは東洋的だといってもてはやす。
わたしはもったいぶってショールを取った。
だが男の反応は冷淡だった。
わたしの顔になど全く興味がないとでも言いたげに、ただ「舐めろ」と言っただけだった。
わたしはベッドの縁に座った男の前に跪き、ズボンのボタンを外した。
やっと取り出せた男のものはすでに硬く、わたしが今までに見たこともないような大さだった。
―――これに比べたら今までの恋人なんて…。
これがわたしの中に収められたときの事を考えると、わたしの身体は熱くなった。
筋にそっと舌を這わせ、手で扱く。
口でしたことなんてあまりないが、今はただそれがしたかった。
舌を筋から雁首に移し、硬く先で舐めたかと思うと柔らかく全体で包む。
「…う…っ」
男が小さく呻き、わたしは少しだけ嬉しくなった。
根元にしゃぶり付き、ゆっくりとじらすように上まで舐める。
先端までたどり着くと一度そこにキスをし、割れ目に沿って舌を動かす。
そして唐突に、わたしはそれを口に咥えた。
―――やっぱり、大きい…。
口の中が男のもので一杯になる。
とてもじゃないが舌を自由に動かせるほどの隙間はなかった。
唇をすぼめて歯が当たらないように気を使い、吸い上げながら口から出し入れする。
そっと男を見てみると、男は意外と優しい目をしてわたしを見ていた。
211 :
5:2005/10/10(月) 01:00:53 ID:iK44zhr4
「…もういい」
しばらくして、まだ出してもいないのに男はそう言って奉仕を打ち切った。
「来い」
男がわたしを抱き寄せた。初めてのときのように胸が高鳴る。
大きな手が背中からわたしの身体を触る。
その手はゆっくりと身体を這い上がっていく。
わたしの白い身体に男の黒い革手袋というコントラストに、頭がくらくらした。
ついに男の手が乳房に触れる。
自分は人並み以上だとは思っていたが、男の手にすっぽりと隠されてしまう。
重力を楽しむかのように男がわたしの乳房を弄ぶ。
たわみ、形を変えるそれがまるで自分の物ではない何かのように思えた。
ついに男の指がわたしの胸の先端に到達した。
摘み、引っ張り、擦りあわす。
だが手袋越しということで今一歩快感に近づけない。
わたしはだんだんと焦れてきた。
「ねぇ…手袋を取ってもらってもいいかしら。あなたに素手で触られた方が絶対に気持ちいいわ」
わたしがそう言うと男は軽蔑したような目で哂った。
「とんだ淫乱だな。おまえはこれが好きでこの仕事をしているのだろう?」
「…そうね、わたしは好きでしているわ。一夜限りの恋に溺れるのも悪くはないでしょう?」
自分の身分がばれないように、わたしはそれらしい嘘をついた。
男は意地悪く哂うと、願いどおりに手袋を外してくれた。
その手が再び胸に戻る。待ち焦がれた肌の感触!
同じように触られているはずなのに、先ほどとは比べ物にならないような快感!
男が乳首を擦り合わせるたび、甘い電流が身体を走る。
「あっ…ん、んぅ…」
知らないうちにわたしは声を上げていた。
胸でこんなに感じたことなど無い。いったい今までの男と何が違うのだろう?
わたしは腰をくねらせ、男にキスをねだった。
だが男はわたしから顔を背けた。娼婦とはしたくないということだろうか?
212 :
6:2005/10/10(月) 01:03:01 ID:iK44zhr4
「ねぇ…下も…。いいでしょ?」
娼婦らしいしなを作り、男の手に自分の手を重ねた。溢れるほど濡れているのが自分でもわかる。
早くその太い指で触ってもらいたくて、うずうずしていた。
わたしは男をベッドに押し倒すと、彼の上にまたがった。
男は鼻で哂い、何の躊躇もなしにわたしの中に指を入れた。
「ああああっ!」
欲しくて堪らなかったそこへの刺激に、わたしは思わず声を上げた。
最初は一本だった指はすぐに二本になり、わたしの中を縦横無尽にかき回す。
「はっ…あ、あ、ああっ…」
男は指を曲げ、わたしの膣の上部を擦る。
あまりの快感に自分の身体を支えることができず、わたしは男の胸に突っ伏した。
もう限界が近かった。そして男はついに、わたしの一番敏感な部分に触れた。
「あはぁぁぁぁっ…!」
最期の一押しは実に簡単だった。男の指がそこをほんの少し擦っただけで、わたしは達してしまった。
男はそれでも指を止めず、淫核を苛めながら尚も私を責め続けた。
「あっ……も、ぅ…ああっ!」
一度達せられた身体は男の指に抗う術もなく、ただ快感に翻弄されるだけだった。
自分の蜜がどんどんあふれ出し、太ももを伝う。
耳を覆いたくなるようないやらしい水音に、自分でも興奮しているのがわかる。
男はわたしの反応を楽しんでいるとしか思えなかった。
213 :
7:2005/10/10(月) 01:06:06 ID:iK44zhr4
「入れたいか?」
意地悪そうな笑みを浮かべ、男がわたしに尋ねた。
わたしは夢中で頷くしかなかった。頭にもやがかかって難しいことなど考えられそうもない。
男はわたしをじらすようにゆっくりとそれを取り出して、言った。
「それならば自分で入れるがいい」
なんて事を言うのだろう!これまでわたしにそんな屈辱的な命令をする男はいなかった。
だが羞恥と欲求を天秤にかけても、欲求が勝っているのは火を見るよりも明らかだった。
もう恥じらいだのなんだのと言っていられる気分ではなかった。
男のものを自分の入り口に宛がう。
快感で力の入らない腰をやっとのことで支え、わたしはそれを自分の中に受け入れた。
「ああああああっ!」
指よりも何よりも一番欲しかったものがわたしの中に入ってくる。
想像していたよりもずっと逞しいものに貫かれ、わたしはそれだけで達してしまいそうだった。
「入れるだけでいいのか?」
男がまた意地悪な問いかけをわたしにする。
わたしはその声に操られるように、自分の腰を動かした。
「ん……んっ、あぁ…」
粘膜を擦られる快感がものすごい渦となってわたしを襲う。
あまりの快感に涙目になりながら、わたしは男のシャツを掴んで腰を動かし続けた。
見ず知らずの男に…それも仮面で顔を隠した得体の知れない男に抱かれる自分。
相手は着衣のままなのに自分は全裸。
男が投げかける屈辱的な言葉。
そのどれもが快感を高ぶらせるスパイスに過ぎなかった。
自分が上になったことなど一度もなかった。
わたしは生まれて初めて、男の上で達した。
214 :
8:2005/10/10(月) 01:08:56 ID:iK44zhr4
気がつくといつの間にかわたしは男の下になっていた。
男はわたしを後ろから犯すつもりらしく、腰を支えて己のものを宛がっていた。
再びそれがわたしの中に入ってくる。
自分でするときよりもずっとすごい快感がわたしを支配する。
「あっ、あーっ…は、ぁ…ぁ……」
男が腰を動かすたびに甘い痺れが体中を駆け巡る。
わたしはすぐに、また達してしまった。
「ね…名前で…ガブリエラって、呼んで、ぇ…」
男の甘い声でわたしの名前を呼ばれたらどんなに心地よいことだろう。
わたしは息も絶え絶えになりながら、それだけを言った。
だが、男はわたしの甘い夢を打ち壊した。
「ふん…娼婦の名前などどうでもいい」
心底どうでもいいのだろう。
男はいやに冷たくそれだけ言うと、何も言わさないとでもいうかのように激しく腰を打ちつけ始めた。
「あ、あ、あーっ!…壊れ、ちゃ……」
内臓に直接響くような快感が走る。
「そろそろ…だな…」
中で男のものが硬さを増してゆく。
「お願…中には、出さないで…」
それだけは避けたかった。万が一のことがあったらわたしは身の破滅だ。
「いいだろう…」
男の動きが激しくなる。わたしの限界も近かった。
「あっ、あ、あ、あ…ああああああああっ!」
白く遠ざかってゆく意識の中で、男がわたしの願いどおりに尻に欲望を吐き出した
ことだけは覚えている。
215 :
9:2005/10/10(月) 01:11:25 ID:iK44zhr4
どのくらい気を失っていたのだろう。
わたしが気づいたときには尻に出されたはずの精は綺麗に拭い去られ
身体にはわたしのショールがかけられていた。
わたしは妙に気恥ずかしくなって、男の方を見ずに服を着た。
「ねぇ…また逢ってくださる?」
後ろを向いていた男の背中に手をかけ、ゆっくりとしなだれかかる。
「いいだろう…お前がまたあの暗がりで私を見つけることができたなら、の話だが」
それは拒絶には十分な言葉だった。
そして男は意外な事を口にした。
「まぁ、貴族のお嬢様があんな場所をうろついて、どんな目に遇っても知らんがね」
わたしは心底驚いた。
「何で、それを…」
男は見下したように私を哂った。
「簡単なことだ。お前のコルセットは肌触りから言っても随分な高級品。
あんな品を身につけることができる娼婦は、暗がりで客引きなどしないという事だ」
ああ、わたしのことは最初から全部お見通しだったのか…。
しかもそれが判っていて私を娼婦扱いしたのだろう。
この男は何処までわたしのことを馬鹿にすれば気が済むのだろう。
だが、今の私にはそんなことを怒る気力も残っていなかった。
「さあ、パーティはお開きだ。また目隠しをつけてもらおうか」
男はそう言ってわたしに目隠しを渡した。
何も見えないわたしの手を握る男の手は、行きよりも優しいもののように思えた。
216 :
10:2005/10/10(月) 01:13:21 ID:iK44zhr4
「ここまで来ればもういいだろう」
行きのように随分と歩かされ、わたしは街のどこかに連れて行かれた。
あの階段は二度と昇りたくない。
もう男とは会えないのかと思うと、わたしは今まで感じたことのないような妙な気分になるのだった。
「ああ、支払いがまだだったな」
「お金なんて要らないわ…」
わたしは泣きそうになって、それを言うのがやっとだった。
「そうか。ならば30数を数えるまで目隠しを取るな。取ったらそのときは…解っているな?」
男の言うことが脅しではないことは声でわかった。
わたしは無言で頷いた。
「おやすみ、ガブリエラ」
男はそれだけ言うとわたしの手を離した。
耳を済ませてみたが、男がどの方向に向かったのかも判らなかった。
30数を数えても、わたしは目隠しをとることができなかった。
やっと目隠しを取ったとき、わたしは夢が覚めてしまったのだと悟った。
結婚前のわずかな時間に見ることができた激しい夢。
あんな夢を見せてくれる男にこの先出会うことは無いだろう。
最初男に出会ったその場所で、わたしは静かに泣いた。
217 :
128:2005/10/10(月) 01:14:52 ID:iK44zhr4
以上です
当初の宣言通りに投下できなかったことをお詫びします。
天使様乙です!
マスターの優しさに萌えますた。GJ!
良かったよ!なんだか切なくて泣けてきちゃうよ…
奉仕されて呻くファントム萌えハァハァ
そうかこうゆう風に2万フランをつかっていたのか納得いった。
指大丈夫ですか?無理のない程度でまた新作待ってます、ありがとう。
220 :
128:2005/10/10(月) 11:28:57 ID:iK44zhr4
妙な場所に改行入ってる…orz
>219
パソコンで書いたものを貼付けるだけの状態にして携帯に転送。
それを場面でコピペして携帯から投下しているので指は大丈夫です。
ただしち面倒臭いだけで…。
パケット定額にしておいて本当によかったと思います。
前スレの後ろの方でサイトを知りたいとおっしゃってくれた方がいらっしゃいましたが
晒した方がいいですか?
ファントム×オリジナルキャラクターのみしか取り扱ってないですが。
晒してください!!!ぜひ!!
最近エンジェル祭りっすね!!
ごちになります!
>>220 ぜひ!!!!!!!!
関連スレの中で一番レスが伸びているな…
>220さんはもしかして既にサイトを立ち上げた天使様のとこの
bbsにリンクはってらっしゃる方かな?
別人さんでしたらスミマセン
224 :
128:2005/10/10(月) 16:09:33 ID:iK44zhr4
>223
ビンゴです。起きて見てみたらカウンタ回ってて驚きました。
・同人臭い
・取り扱いは上記カップルのみ
・ラウルもクリスも出てこない
それでもいいという奇特な方は目欄を。
>>217 当時のパリの雰囲気がして良かった。
紳士的なマスターがたまらない。萌えた…。
あと、喘ぎ声の描写がイイ!
226 :
203:2005/10/11(火) 06:00:10 ID:gs3ks5H5
>204さん、>205さん
わざわざこんな初心者にご丁寧に教えてくださって
ありがとうございました!!無事、拝見することが出来ました!わぁぁい!
思い切って書き込みさせていただいてよかったです。
これからも楽しみにしています!頑張ってください!!
(もうすぐテストなのに・・・)本当にありがとうございました。
227 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 23:28:00 ID:/o05dMqi
もしかして今誰もいない…?サミシ…217サンイイデスネ!!!ずっと読んでると泣ける…!!
投下する予定の方いらっしゃったら楽しみにしてるんでよろしくオネガイシマス☆
>226 >227
ここはsage推奨とも書いてないし、アラシも来ないようだけど、やっぱり
ひっそりと闇に存在してた方がいいんでない?
あまり目立つと、こういう事もやりにくいし→ or2゛
E-mail欄に半角アルファベットでsageと入れておけば、書き込みボタンを
押した際に青色文字となって上がらないので、試してみてください。
>ひっそりと闇に存在してた方がいい
だね、ファントムのように。カコイイスレ
昨日この板圧縮されたようですね、90以上のスレが落ちてしまった。
立って1ヶ月も経たないのにもうKBの三分の一近くを消費している。
このスレには圧縮など怖くはなかった。
230 :
227です:2005/10/12(水) 00:20:44 ID:qiCaUE6K
228さんありがとうございます!!自分カキコ初心者なので…いちおうsageっていれてみました。
(まちがってるかもしれませんが…)あとアホな質問許して下さい→なんでみなさんsageとかageとかわかるんですか?
あと圧縮ってなんですか…?ほんとになんも知らないので…スイマサン!!!
>227
おながいだからおとなしく半年ROMってください。
232 :
227:2005/10/12(水) 00:24:08 ID:qiCaUE6K
続けてすいません!!名前が緑になるとageってコトですか!?…チガウ…?
半年と言わずしばらくROMればおのずと分かります。
分かるまではひっそりとファントムん家の鉄格子の藻のように
おとなしくしていましょう。
「ROMってなんですか?」と聞いてくれなかったのがちょっと残念w
235 :
227:2005/10/12(水) 00:41:40 ID:qiCaUE6K
233さん、234さんありがとうございます。実は初めてかきこんだんです…ほんとにいろいろごめんなさい!!!
せっかくなので教えてください。ROMってなんですか!?
ほかに大事なコトみたいなのってありますか?教えていただけると…
236 :
sage:2005/10/12(水) 00:44:12 ID:d92hfDRB
ここはピンクでねーの?
テストってさ‥‥?
ま、荒れないようにマターリとエンジェルの降臨を待ちましょう(´・ω・`)ノシ
>227
「掲示板に戻る」で年齢制限とか注意事項も確認してみて。
やはりROMっとくのが一番よく分かると思うよ。
説明すると長くなるが、メール欄に「sage」を入れずに書き込むとこのスレが目立って荒れる可能性も増える。
238 :
227:2005/10/12(水) 00:58:26 ID:qiCaUE6K
237さんありがとうございました。ROMの意味わかりました!!!
そうします。みなさん本当にすいませんでした!!
220さんの続きとかたのしみにしてます☆頑張ってください
本当に迷惑かけてごめんなさいです。ありがとうございました
21才未満はこの板覗いちゃ駄目だぞ。
ちょっと聞かせておくれ
スーザン・ケイベースのSSは需要あるんだろうか
…というか、スーザンエリックを知ってる方は
このスレではどのくらいいるんだろう?
>240
勢いよく ノシ
>240
ノシ
244 :
240:2005/10/12(水) 01:57:04 ID:Dk9ecLyD
>241,242,243
反応d! 週末にでもエリック×クリス投下しまつ!
天使様予告キタ━━━━━(゚∀゚(゚∀゚)゚∀゚)━━━━━!!!!!!!!!
全裸待機で待ってまつ ノシ
>240タソ 無理しないで 夜路な
8r2 ←エリック×クリス 楽しみ!
ケイ姉 挙手っ!!
>240
遅ればせながら ノシ
つか、めちゃくちゃ楽しみ!!
一度>36から投下させて頂いたものです。
続きが出来ましたので、再度投下致します。
エロはあってないようなものだし、甘ったるい展開なので、苦手な方は
スルーして下さい
それでも大丈夫な方、どうぞ読んでやって下さい!
真夜中、ふいにクリスティーヌは眼を覚ます。
蝋燭が灯っているだけの闇の中、隣に眠る筈の人がいない。
ぎくりとして辺りを見渡すと、ガウン姿のファントムがベッドサイドの椅子に座り、
濡れた髪をタオルで拭いていた。
湯を使っていたのだろう。彼は起きてしまった彼女を認めて、微笑みかける。
「すまない、クリスティーヌ。起こしてしまったね」
一人でなかったと安堵すると同時に、みるみるクリスティーヌの顔が不機嫌になる。
「その顔はなんだ?」
「…だって、もし私が起きて一人だったらどうすればよかったの?…例えば、傷が痛むとか…」
「それはもう大丈夫だったろう?先ほど嫌という程確かめた筈だが?」
「きゃっ…」
くっと笑い、ファントムはクリスティーヌの右乳房の膨らみから斜めについた傷跡をすっと撫でる。
それはもうすっかり塞がり、ピンク色の肉の盛り上がりになっていた。約2カ月間の治療で、短刀でつけた傷は完治していた。
今、クリスティーヌの白い肌には、ファントムが2時間程前につけたキスマークの方が目立つ位だった。
ふいに撫でられてびくんと身体を反らし、クリスティーヌは返事をせずにシーツを頭から被り、ベッドに潜ってしまう。
「クリスティーヌ、子供みたいだぞ」
実際、傷が順調に癒えていくのと比例して、クリスティーヌの神経は不安定になって来ていた。特に今夜のように目覚めて傍らに
ファントムがいない時、あれこれ理由をつけて彼を責めるのであった。
まだ肌を合わせられない時、会話でもなく、明確な歌でもなく声を絡ませあった夜が続いた。楽譜も詞もなく、ただ魂が導くままに
二人の声は一つになり、地下に響き渡る。
そんな夜を過ごすうちに、気付かぬ内にクリスティーヌの心は、「声」と出会った頃に戻っていた。外の世界に怯える子供に。
ため息をついて、ファントムは机の引出しから封筒を取り出す。
カサリと紙を取り出すと、まるでそれが不吉な音であるかのようにクリスティーヌが恐る恐るシーツから顔を出す。
「仮面舞踏会…か」
「…」
まだ…という言葉を彼女は飲み込む。確かにもう胸には何の痛みも感じない。自分でも完全に治っているというのはわかっている。
いつまでもこのままじゃいられない事も。
でも、怖い。
どうやって歌っていたか、踊っていたか、思い出せない。今は、まだ。
「クリスティーヌ、おいで。いいものを見せよう」
「いや…」
「そのままでいいから、来なさい」
そう言って、ファントムはさっさと部屋を出て行く素振りをする。
クリスティーヌはすっかりすねてしまっていたが、それでも部屋に一人残されるよりはましとばかりに
しぶしぶと起き出した。裸のまま頭からシーツをすっぽり被り、裸足でペタペタとファントムの後ろをついて来る。
これではどちらがオペラ・ゴーストかわからないな、夜の廊下を歩きながらファントムは苦笑した。
居間へ行き、仕切りのカーテンを取り払うと、そこには淡いピンク色のドレスが出来上がっていた。
「うわぁ、すごいわ、マスター…なんて素敵なドレス!」
それを見た瞬間、幽霊がクリスティーヌの声で叫ぶ。
厳しくて、華やかな世界。ファントムの仕立てたドレスは、それを思い出させた。暫し見蕩れて思う。そうだ。あの世界が嫌いだった訳ではない。
「気に入ったようだね?」
笑いを含んだ声に、自分の態度が些か現金過ぎた事に気付く。同時にシーツを被っている姿が恥ずかしくなり、ますます顔を隠して小さくなってしまう。
「明日これを着てマスカレードに出なさい。2ヶ月ぶりの登場だ。あの者達に、お前の存在を思い出させてやらなくては」
そう言ってファントムは、縮こまっているクリスティーヌを抱き上げる。
頭からシーツを取り払うと、細い肩まで滑り落ち、やや赤みが差した可愛らしい顔が現れる。露になった形のよい乳房を、そこに浮かぶ傷跡すら美しいと彼は思った。
「小さな幽霊さん、最高の装いをするんだよ」
その言葉にクリスティーヌは抱き上げられたまま、ファントムの首に腕を回す。
片方の手で、まだ生乾きの金色の髪に指をからませ、仮面をつけていない顔に自分の頬を擦り付けて、口付けを強請る。お互いの舌を強く吸い上げ、二人は抱き合ったまま、床に倒れ込む。
一糸纏わぬ姿で床に横たわるクリスティーヌを見て、ファントムが囁く。
「もっとも…どんなに装っても、この姿には叶わないだろうがね」
「…ん…あんっ…マスター…ああっ…」
ファントムの舌と指が肌に触れる度に、クリスティーヌは声を上げた。いつもはどんなに感じていても、羞恥に声は抑え気味になるクリスティーヌだったが、今夜はまるで奏でれば鳴る楽器のように声を上げ続けた。
ファントムはそれに、快楽とは別の響きも感じ取った。
寂しい、寂しい、寂しい。
そう言い出すのを堪える為に、クリスティーヌは嬌声を上げているのだ。
ファントムはそんな彼女の気持ちが、痛い程わかった。彼の気持ちもまた同じだったから。
縋りつくようにお互いがお互いを求め、最後の夜は更けていった。
パリの夜空に花火が打ちあがる。オペラ座の門は開かれ、フロアでは思い思いの衣装を身に纏った人々が踊り明かす。皆、顔の半分、もしくは全てを覆っている。笑いさざめく人たちの中、特に支配人たちと歌姫のカルロッタはそれぞれの理由で上機嫌だった。
アルコールと婦人たちの白粉と香水の匂と鳴り止まぬ音楽。会場は一歩踏み入れただけで人々を陶酔の渦へと巻き込んでいく。
興奮が最高潮に達した時に、一団の中に一組の男女が現れた。
赤い衣装と骸骨の仮面をつけた男と、羽根で出来た仮面で瞳を隠し、ピンク色のドレスに身を包んだほっそりとした少女。
フロアにいた人々は、息を飲んだ。
「マスター…」
音楽は続いていたが、踊りを止めて二人を見つめる視線の多さに気圧されてクリスティーヌは助けを求めるようにファントムを見る。
「そんな顔をするな。クリスティーヌ。こんなもの、舞台にプリマドンナとして立つのと比べれば何と言うこともない」
言葉は厳しかったが、彼女に向けられた彼の視線は優しかった。手を引かれてフロアの中央へ進み出て、音楽に合わせて一歩を踏み出した。
「クリスティーヌ・ダーエよ!戻って来たんだわ」
「じゃあ、あのお相手は?」
「あれが…」
ひそひそと囁き交わす声が聞こえる。
クリスティーヌは足を縺れさせないように踊った。景色がくるくると変わるので、もう周りを構ってはいられなかった。ファントムと目が合って、やっとわかる。今は、この人だけを見ていればいいのだと。
一団が道をあけ、輪になっている中心で、二人は曲の最後まで踊り続けた。
演奏が途切れると同時に、クリスティーヌはマダム・ジリーの元へと導かれる。
「クリスティーヌ、お帰りなさい」
「マダム・ジリー」
久し振りに見る顔に、懐かしさに胸が締め付けられる。
「クリスティーヌ、会いたかった!」
駆け寄って来た親友が、クリスティーヌに抱きつく。2カ月前の出来事をラウルから聞いていたメグ・ジリーは自分の不用意な一言があんな事態を招いたと自らを責め続けていた。
「メグ、メグ、泣かないで」
「ごめんなさい、クリスティーヌ…」
「謝ることなんてちっともないのよ。私こそ、心配かけてごめんなさい」
そうだ。自分は確かに、この世界でも生きていた。
泣いてしまったメグの肩を抱きながら、クリスティーヌは思った。
再会を喜ぶ3人の女を見て、ふっと笑うような表情を見せてから、ファントムは言う。
「ご婦人に心からの挨拶をして来よう」
「え?」
彼はクリスティーヌ達を残し、意外にもカルロッタの傍へと進んで行く。
それまですっかりこの場の主役となってしまったファントムとクリスティーヌを憎らしげに見ていたカルロッタは、赤い死神が予期せぬことに自分に向かって来るのに気付いた。
彼女の勝気そうな眼に、動揺の色が走る。
「マダム、お相手を」
とうとう眼の前に現れた死神は礼儀正しく、優雅に彼女にダンスを申し込んだ。
支配人達の手紙で、名指しで自分を侮辱した相手。
歌姫としての自分の立場を危うくする憎らしい小娘の師であり、恋人でもあるという得体の知れない怪人。
「だ、誰があんたなんかと…」
「周りがみな注目していますよ。あなたがこの私をどう扱うか」
ファントムの言葉どおり、注目は再びカルロッタに集まり、恐怖とも期待ともつかない視線が集まっていた。
カルロッタは剣を抜こうとするピアンジを押しとどめる。
このオペラ座のプリマドンナはこの私なのよ。
たかが赤い死神に踊りを申し込まれたからと言って、そこらの小娘みたいにへたりこむ訳にはいかない。
踊ってみせる。
背の高い華やかなカルロッタと、ファントムの踊りに観衆はほうとため息をついた。
「大した舞台度胸だな…敬意を表すよ」
「ふ、ふん」
カルロッタは、その声に皮肉ではない賞賛を感じ取った。
彼女は怪人に一歩もひけをとらずに、堂々と踊ってみせたのだ。
私は、あんなに自信に満ちた踊りは出来なかった…。
クリスティーヌは仮面をつけた給仕からグラスを受け取り、シャンパンをぐいと飲み干す。
カルロッタと一曲踊り終えたファントムは、今度はマダムへと白羽の矢を立てる。
「マダム?」
「あら」
日本髪に結い上げたマダム・ジリーは、気取ってファントムの手を取る。
それがきっかけのように、停まっていた人々の踊りの輪がぐるぐると回り出す。
人波の間から見え隠れする二人の姿を追いかけると、踊りながらマダムとファントムは何事かを話しているように唇が動いていた。
何をお話ししているの?
クリスティーヌはまたグラスをとる。
「ク、クリスティーヌ、私…」
すっかり泣き止んだメグが、クリスティーヌのドレスを掴んで来る。
ファントムの誘いが順番から言っても、メグに来ても不思議はない。
「メグ、もし怖かったら無理して踊らなくてもいいのよ?」
「…違うの!踊ってもいい?」
あまりにも意外で、少しの間返事を出来ない。クリスティーヌは、キラキラと期待に輝く表情の親友に面食らいながらもやっと声を絞り出す。
「…ええ、勿論よ」
「やった〜」
言うなり輪に駆けて行き、曲の切れ目にファントムに自らぶつかっていく。ファントムは少し驚いたような表情を見せるけれど、すぐに二人は一対になって踊り出した。
仮面をつけた女性たちは、異形の怪人に好奇心が持ち上がるのが抑えきれなかった。
皆踊りながらも、赤い死神と、いきいきと踊るメグに羨望ともいえる眼差しを送った。
マスカレード…
メグ…何だかとても可愛い…。
クリスティーヌは3杯目のシャンパンをあおった。
「クリスティーヌ」
聞き覚えのある声に振り向くと、一人の男が立って、腕を差し出していた。仮面をつけていても、見間違える筈がない。その姿を認めるなり、慣れないシャンパンが急にまわってきたようだった。
あの日、別れたままのラウル。ずっと気になっていた。
踊る前に、話をしなければならない…。
クリスティーヌはラウルの貴族らしい長く美しい指を見つめる。
踊りながら、話せばいいのかしら?
彼女が手を伸ばそうとした時、ファントムがクリスティーヌを風のように攫う。
「マスター…」
何かを言いかけたクリスティーヌの唇を、唇で塞ぐ。
「…ん…」
「シャンパンの匂いがするぞ。あまり飲み過ぎるな」
「…」
そういうファントムは、マスカレードの雰囲気だけで酔ったような眼をしている。踊りながらも、素直に頷く気になれなくて横を向いてしまう。
「クリスティーヌ、今夜はここに残れ。マダムからの伝言だ」
「え…あ…」
直後のステップでクリスティーヌは、ファントムから手を離される。思わずもう一度伸ばした手は空を掴んだ。
一人ファントムは広間の中央まで進んで行った。一度マントをふるうと、彼の身体は炎に包まれる。
人々の驚きの声がフロアに響き渡った。
「待て!」
「ラウル!」
クリスティーヌが悲鳴のような声を上げる。
次の瞬間、ファントムもそれを追ったラウルも一瞬にしてその場から姿を消していた。
事情を知らない招待客は最高の余興だと感じ入ったし、事情を薄々知っているオペラ座の関係者たちすら、一体これが現実のものか、夢なのかわからなかった。
「ああ…」
眩暈を覚えふらつくクリスティーヌを、マダム・ジリーが支えた。
「行きましょう、クリスティーヌ。私が案内するわ」
ファントムを追って穴に飛び込んだラウルの眼に、長くて暗い地下道を一人歩いて行く赤い後ろ姿が映る。
「…待てっ」
そのまま行ってしまいそうに見えたが、死神は立ち止った。
「…懲りない奴だな、お前も。いくら求めてもお前が聞きたい言葉は一つも出てこないぞ」
クリスティーヌを地上へと帰し、ラウルのもとへ預けるという約束を違えた事を弁解したり、謝ったりするつもりは彼には毛頭なかった。
マダム・ジリーを除いて、ファントムとオペラ座の人間たちとの間には、命令と脅迫しかなかったのだから。今までずっと。
「すまなかった」
ラウルの言葉にファントムはゆっくりと振り返る。すまなかった、という言葉を自分の中で扱いかねているというように。
「侮辱してしまったことを、一言謝りたかった。君を侮辱し、ロッテを…クリスティーヌを追い詰めたのは、僕だ。許して欲しい」
「どういう風のふきまわしだ?」
この若者はクリスティーヌに恋焦がれていた筈だ。そんな言葉を聞いても、にわかに信じられる筈がない。混乱した感情は、ファントムを
ひどく不快な気分に陥らせた。剣の柄に手をかけ、いつでも抜ける体勢になる。気に入らない事を一言でも漏らせば、斬りかかるつもりで。
「信じて待つと言ったのに、一度約束を破り、銃を持って地下へ行ったんだ。必要とあらば、君を撃つつもりで。そこで君たちの歌を聴いたよ。
それですっかり理解した。もしこのまま君を撃ち、クリスティーヌを浚っても、今度は僕が彼女の手にかかるか、彼女も君を追っていくだろう。
どちらにしても、生きた彼女を胸に抱くことはない。告白するよ、あの夜は騎士じゃなく、嫉妬に狂ったただの男だったと」
自分とこの者達の間には、命令と脅迫があるだけの筈だ。
ファントムはもう一度心の中で呟く。
なのに、どうしてこの若者は、自分にこんな事を語りかけるのだろう。
柄にかかった手に、気付かぬわけでもないだろうに。
髑髏の仮面の奥に光るファントムの眼を、ラウルは真っ直ぐに見る。それからふっと笑う。
「それでも少しだけ希望を持っていたんだ。彼女が地下からここへ戻って来た時、守ってあげられるのは僕だと。でも、君は出て来たんだね。あの暗い地下から。恋人の為にマスカレードで踊る事が出来る死神にこれ以上誰が何を言える?」
そこでやっと、ファントムの手が柄から離れる。
「ロッテには、クリスティーヌには内緒にしておいてくれるね?」
彼は、あれ程憎んでいた筈の若者の顔をじっと見つめる。ラウルは真っ直ぐに、ひたむきな眼をしてファントムを見ていた。
「その位なら、約束してやってもいいだろう…ラウル・ド・シャニュイ」
ファントムは心持ち眼を伏せて、次の意を決したように唇を動かす。
ラウルには、すまない、と動いたように見えた。
「マスター!マスター…!」
マダム・ジリーに先導され地下を駆ける間、クリスティーヌの胸には不吉な思いばかりが過ぎる。
ラウルは剣を持っていたような気がする。私が使ったあの玩具のようなのではなく、本物の剣を。そしてマスターも。
治ったはずの胸が痛くて、走りながらクリスティーヌは泣いていた。
けれど、クリスティーヌの不安とは裏腹に、地下道で二人は無傷のまま向かい合って立っていた。
「う…」
その姿を認めて、安堵の余りクリスティーヌは双眸からぽろぽろと大粒の涙を零し、ファントムに縋り付く。
「ばかだね、クリスティーヌ。私がこんな若造に負けると思うかい?」
「…ううっ…マスター、マスター、マスター」
ファントムはそんなクリスティーヌの頭を安心させるように優しく撫でた。
「クリスティーヌ」
「ラウル」
ファントムの胸から顔を上げ、先ほど話す機会を逸した青年を見つめる。
「君の恋人は口が悪いね」
そう言ってラウルは笑った。その笑顔は、恋に狂った男のものではなく、クリスティーヌと出会った頃の真っ直ぐな優しい少年のものだった。ラウルも今、彼女への思いをあの夏の美しい思い出とともに、完結させようとしていた。
「ママ、今日は帰らせてあげましょうよ」
その言葉を聞き、遅れて二人に追いついたメグが、息を整えながら言う。
「メグ…」
「だって、クリスティーヌ、まだ胸が痛いみたいなんだもの。無理させちゃダメよ」
「…そうね。まあ、いいわ。今夜はお祭りだものね」
本当に?という表情をするクリスティーヌに、マダム・ジリーは唇の端をちょっと吊り上げるだけの笑みを見せる。
「クリスティーヌ」
最後に確かめるようにマダムが言う。
「歌えますね?」
「はい、マダム・ジリー」
クリスティーヌは、輝くような笑顔で答えた。
ファントムから差し出された手を握る。振り返ってもう一度、3人に手を振る。仮面をとうにとった彼らは素顔のまま、二人を見て微笑み、手を振り返してくれた。
舟に揺られながら耳を澄ますと、遠くにまだマスカレードの音楽がきこえる。
夢みたいな夜だったわね?マスター…
小さく呟いたけれど、聞こえなかったのか舟を漕ぐファントムからの返事はない。
クリスティーヌは少し身体を後ろにずらし、櫂を握るファントムの手に触れる。
この手が、他の女の人に触れた
夢ではない証拠に、マスカレードはクリスティーヌの胸に淡い痛みを残した。
クリスティーヌは、猿のオルゴールの音で眼を覚ました。
マスカレードの時と同じ仮面と衣装をつけたファントムが、彼女を見下ろしている。
同時に、自分もまだドレス姿のままでいる事に気付く。
それは先ほどの出来事が夢ではない証拠だった。
そう認識すると、少しの間うっとりとしたように潤んだ瞳がぎゅっと細められ、柳眉が八の字となる。
「いないと怒るだろう?いても怒るのか?」
眼を覚ました時に傍にいてやりたいと、着替えもせずずっと彼女の寝顔を見守っていたファントムは予想外の反応に驚く。
「怒ってなんていません。マスターは…魔法使いみたいに、何もかも上手くなさったわ…」
「クリスティーヌ…」
クリスティーヌは起き上がり、ファントムの仮面に手をかける。ファントムは抵抗を見せなかった。
仮面を無理にはがしたりはしない。
けれど、ファントムが彼女のコルセットに手をかけるのと同じ位の権利は、自分にだってあるだろうと考えていた。
つまり、それは世界でただ一人だけという事なのだけれど。
そっと外した髑髏の仮面をサイドテーブルに置いて、二人は深い口付けを交わす。
それが終わった後、クリスティーヌは、不快感を隠そうともせずに眉根を寄せた。
「マスター、あのね。私のことをお酒臭いって言ったけれど、マスターは少し香水くさいわ」
「そうかい?…それはすまなかったね」
そこでやっと、クリスティーヌが自分と踊った女たちにほのかな嫉妬を抱いているのだと気づく。
誰かと約束をしたり、嫉妬をされたり。
何て夜だ。
そうファントムは思った。
「マスター…」
クリスティーヌはファントムをベッドに導き、座らせる。
はしたないって呆れられるかしら…
そんな不安が頭を過ぎるが、もう自分を止められなかった。
「今は私だけを見て…」
ファントムの膝に跨り、衣装の襟に手をかける。
クリスティーヌがボタンを一つ外す間に、ファントムはドレスのファスナーを下げ、さらにコルセットのホックも次々と外していく。
このままでは、一緒に脱がせあっている筈なのに、どんどん自分だけが裸になってしまう。
「だめ!今日はマスターは何をしてもだめよ!私がいいって言うまで」
クリスティーヌは慌てて、ファントムの両手首を掴んで言う。その権幕に一瞬言葉をなくすが、すぐに気持ちを持ち直しファントムが言う。
「…歌のレッスンの上では、お前は優秀な生徒だったね。じゃあ今夜はこちらのレッスンの成果を見せてもらえるという訳だ」
彼は両腕を掴まれたまま楽しそうに、少し意地悪な眼をして彼女を見つめた。
その言葉に頬が熱くなるのを感じたが、こんな事で負けてはいられない。
クリスティーヌは果敢に、もう一度ファントムの衣装を脱がせ始める。
勿論、彼女は男の服を脱がせた事などない。不器用な手つきで試みるが、思ったよりもずっと大変な作業だった。
何枚も重ねられた上着を脱がせるだけで、うっすら汗をかいてしまう。
「…もういいよ、クリスティーヌ」
「いや!」
そう言って、いつまでもからまって取れなかったタイをシュルと力任せに引き抜くと、はらりとやっと前を肌蹴させることができる。
クリスティーヌは、毛に覆われた胸を探り、そこに現れた二つの乳首をとうとう探し当てたというように唇に含む。
肩に置いた手の平に、少しだけ手応えを感じる。それに力を得て、彼女はファントムの背中を撫で、舌先で含んだものを転がす。
彼女も本当はわかっていた。マスカレードに出て、女たちと踊ったのも、自分の為だったと。自分の手を引いてこの地下から抜け出し、見本を見せてくれたと。
ファントムに抱かれると、傍に切り穴と、そこに続く奈落が見える夜があった。
自分を抱いているようで、その実縋り付いて来るような彼を、彼女は上手く受け止める事が出来なかった。
二人でそこに落ちて行くのなら怖くない。
でも、多分それは自分がそこの暗さを知らないから。
いつか、包み込むように彼を抱きたい。そう思っていた。
今こそ、その時なのだ。
それなのに。
目の前にいる男が、愛しくて、愛しくてどうしていいかわからなかった。
頭を整理して、どうすればちゃんと感じてくれるか考えたいのに、次から次へと涙を流すことだけを命令し続ける役立たずな脳を彼女は呪った。
それでも熱い涙の痕をつけながら、彼の腹を舌でなぞって行く。
今までファントムが彼女の身体にしてくれた事。それを反芻し、小さな口と手で伝えようとしている。
下半身に手を伸ばし、彼自身を探り出し徐々に力を持ちつつあるそれを口に含む。
「…!」
クリスティーヌはある事に気づいた。泣きすぎて鼻がすっかり詰まってしまい、口にそれを含むと息が出来ないのだ。
それでも懸命に行為を続けようとするが、泣いてしまって上手くいかない。
たまりかねたようにファントムは、クリスティーヌのおとがいを指で持ち上げる。
「もう、いいから。呼吸困難を起こしているじゃないか、クリスティーヌ。からかって悪かったよ」
それでも頑なに首をふる。
しゃくりあげながらも、何度も何度も半立ちの大きなものを口にふくもうとしては、うまく行かなくて癇癪を起こす寸前の子供みたいな顔をする。
彼にしてみれば、申し訳程度にちろちろと舐められるだけでは、くすぐったいだけで…。
いやそれ以上にその表情が…。
たまらずファントムは笑い出してしまう。
「…ひどい、マスター、ひ、ひどい…」
「ああ、ごめんごめん…全く私は…」
涙に濡れた熱い頬を舌ですくい上げる。
その塩っ辛い味と、何より舌先に感じる熱さにファントムの身体が勝手に驚く。
それは些細な衝動ではあったのだけれど、誰かといないと決して味わう事の出来ない驚きだった。
今こうしていても、自分を取り囲む世界の成り立ちが変わっていくのをファントムははっきりと感じることが出来た。
「お前がいなかったとき、どうやって生きていたのかもう思い出せないよ」
「ふぇ…」
クリスティーヌの奮闘も、それでもう終わりだった。
とうとう涙で、周りが全く見えなくなったのだ。
ファントムに抱き起こされて、シーツで涙を拭われ、それからゆっくりと組み敷かれる。
先ほどのクリスティーヌと対照的に器用にドレスを脱がして行き、入り口を確かめるように撫でる。そこはもう充分に熱く潤っていた。
「いいかい?」
その声にクリスティーヌは、切り穴の消滅を感じた。
外に向かおうとする二人の世界の始まりを感じた。
もし、怖くなったらまたこんな風に抱き合えばいい。そして、地下だろうと地上だろうと、共に歩んでいく。
二人が、この世で望むことはただそれだけだった。
「…いいわ、マスター」
涙声の了解を得て、ファントムはゆっくりとクリスティーヌの中に入って行った。
終
以上です
結構長いので、読んで下さったかたいらしたら、お疲れ様&ありがとう
ございます。
連日のエンジェル降臨で、自分の中でもオペラ座熱が上がりっぱなしです。
いつまでもこんな日が続けばいいなぁ(ワラ
>260
天使様乙!!切なくて甘いSSイイヨーイイヨーとリアルタイムで読めた(*´Д`)モエー
ほんと連日エンジェル降臨するな。テラウレシス
天使様乙!
甘いファンクリテラモエス(*´Д`)
ロッタ様と踊るマスターに萌えました
天使様乙です!
他の女性と踊ったファントムに嫉妬するクリスティーヌ萌え。
で、自分の感情を巧く表現出来なくてもどかしくなりながらも黙々と行動に出るあたりが
かわいすぎる・・・。
マスターってばいい塩梅に調教しt
今ファントム×娼婦で一つ書いてるんだけど
下品な性格の女ってどうなんだろう
萌えじゃないよなあ…orz
大量降臨エンジェル祭りでやたらと幸せだ。
特に
>>250エンジェルのだだっ子のようなクリス萌え。
普段は感情を抑えている感のあるクリスだけど、好きな人の前では
結構我が儘だったりするんだろーなーと思わせるあたりが実に(*´д`*)アハァ?
しかし脱ヒッキーなマスターがイイ男杉ですw
エンジェル祭りのついでにGの天使様も復活されないかなあ、と
呟いてみるテst
>264
萌(´Д`)!!
>260
(*´д`)ドキドキハァハァ GJ!一枚上手なファントム萌え
笛してもらってるのにくすぐったがって笑い出すマスターカワエエ。
登場キャラもすごく多いのに、それぞれの心の描写も繊細に描かれていて
良かったす。
読書の秋…「読ませるSS」に感激の秋の夜長でございます。
>265
萌えに決まってる!楽しみに待ってるよ。
↑レス番間違えた…
>264様に「萌えに決まってる!楽しみに待ってるよ。 」です、スミマセン
265様もスミマセン
>260
マスターがカッコ良かった〜 めちゃ萌えた
ラウルの潔さにも萌え
天使様乙!
だまってROMってたんですが、マスターがあれこれイイ男過ぎて〜〜〜!
「お前がいなかったとき、どうやって生きていたのかもう思い出せないよ」
泣ける!窒息する!
271 :
264:2005/10/14(金) 17:42:27 ID:W5WhT0AW
>266、267
ありがとう!書いてみる!
感想ありがとうございます!
みなさんたらflattering child(ワラ
エロ下手(つうか書けない)ので、恐る恐る投下しているのが救われます。
性懲りもなくまた投下した時は、読んでやって下さい。
>270さん
今回はその台詞ありきで書きました。
思い入れある部分に感想頂いて、ものすごく嬉しかったです!
つーか、映画本編のファントムも
>>260のマスターくらい
オトナだったら、もすこしハッピーエンドだったと思う(ノД`)
指輪握りしめて静かに涙流すシーンあたりで、ようやく
オトナになったんだろーなーと思ったよ。
自分、あのあと駆け戻ってきたクリスと…ってSS書きかけたけど
なんか残されるラウルが気の毒すぎて先に進めないw
>>273 テカテカしながら待ってますので、いつの日か天使さまご光臨を!
マダム書いてくれる天使様ぁーーー
どうかオラにお恵みを〜〜〜。
俺もそろそろマダムキボン ノシ
ギャグの天使様もご降臨待ってまつ
>>273 正にそんなSSをキボンしております。
書きあがった日にはぜひ投下を…!
クリスがボートを降りてざぶざぶとファントムのもとに戻ってくる
シチュエーションを妄想するだけで山手線3周はいける自分。
>273
静かに涙を流し、
しかし戻ってきたクリスを見た時のあの微笑みの続き…
読みたい!投下して欲しい!
自分もそのようなSSを読みたいが為にここに来ております。
ラウルについては…えーと、えーと…(あぶら汗)
ラウル好きなヤシもいるんだ…あんまりラウルを無視しないでくれ
この流れラウルもラウルファンもカワイソス(´・ω・`)
ラウル好きってどれくらいいるんだろう?
>280
ノシ
いあ、もちろんラウルも好きだ。だけど・・・だけど・・・(苦悶)
自分はファントム×クリスばっかり書いているけど、
でも、ラウルって実はかなり好きだ。
貴族は婚外恋愛するのが嗜みって時代なのに、あの誠実さ・・・。
チャペルにクリスを探しに行ったり、OGの手紙をちゃんと閉まったり、
行動や仕草に可愛げがあるし。
なのに・・・、ごめんよ、ラウル。ファントムでしかエロは書けない・・・。
原作のラウルは何度読んでも好きになれなかったけど、映画のラウルは
パトリック効果で好感度700%増しだった。
しかし、作中で実際に幸せを掴んだキャラはイマイチ感情移入がしづらくて…
「ありえない話」を読めるのがSSの醍醐味の一つなので、ファントム×クリス
が多いのもある程度は仕方ないのかも。
とはいえ、ラウルファンも楽しめるよう投下がある事を期待!
私は逆に映画のラウルがダメだ
舞台は大丈夫だけど映画のロン毛が受け付けない
ラウル自体は好きでも嫌いでもないな
萌えられないキャラで書こうとしても無理なんだ。
だからといって他キャラをアウトオブ眼中してるわけではないよ。
だから萌えられる人が書いてくれるのが一番良いわけで。
何しろ素人だからたとえ萌えキャラで書いてても結構疲れてしまうんだ…
自分、以前ごく短いものを投下させていただきましたっす。
3人とも、自分には萌えタイプじゃないけれど、なぜか
書こうとするとラウルが中心になってるかな....
やっと原作見つかって、読んでみたら、自分の書きかけのSSと似た
シチュがあって、書き直ししてます〜
でも、エロパロって難しい。
自分のは、ただのミステリーの出来損ないにしかならないから
面白いと思ってもらえるか不安なので、多分投下しないだろうな
でも、読むのはどんなのでも好きだし、楽しみに待ってますw
>287
せっかく書かれたのに投下しないなんてもったいない…気が変わったらぜひ頼む。
>自分のは、ただのミステリーの出来損ないにしかならないから
>面白いと思ってもらえるか不安なので、多分投下しないだろうな
誘いウケ(゚Д゚)ウゼェェェ
「そんなことないですよ、まってますからがんがってください」
ほれ、満足か?
何でそんなこと言うんだ。ここはレベル高い書き手さんばっかりだからそう思うのも普通だろう。
そうだよ。
投下前に
・本当にこのカップリングを自分が書いて萌えてくれるのか
とか
・文才無いって思われたらどうしよう
とか結構悩むんだよ
投下したらしたで
読み返して事実と違う場所を見つけて自分の下調べの甘さに凹むんだよ
その手の活動されてらっしゃるんですか?って聞きたくなるぐらいレベル高い天使様が多いから…
そうだよー、書いても結局レベルの差に凹んで死蔵とか
もすこし推敲すればまともになるかも試練!と思ってるうちに
ハードディスクの海に沈んで行方不明とか。
躊躇するキモチはよーーーーく判る。
つい顔色wを伺ってしまうのもすげー判る。
このスレってレベル高須クリニック(死語)読み手としては嬉しい。
いや、それだけこの作品好きなヒトは
感受性高いって事で…
だから私はこの作品みて何かを感じて
何か書いた人がいるなら全部みたい!と
思う!
亀レスですが>260さんの作品が映画、原作
ファントム、マンハッタンのどれよりも
好きです…
自分も、オペラ座を観て(読んで)作品に触発された人が
書いたものなら全て見たいと思う。
エロパロスレなんぞに出入りしてるけど、得ろ雑誌やビデオには
興味が無い…
今夜は天使様降臨されないのかな
ケイ版エリック×クリスの天使様マダーーー??
今夜はもうどなたも御降臨は無理?そうなので小ネタでもどぞ。
>158からの続きです、マジでこれでやめときます。
>159>160>173各氏有り難うございます。
さらにそれから4年後─
長女マルガレーテは7歳になり勉学に勤しんでいた。
「あのねお父様、小学校の隣の席の男の子がね、すっごく優しいのよ!
それにね、いっぱいお歌を知っていて毎日親切に教えてくれるの…」
「歌でこんな小さい娘の気を引こうなどとは言語道断(怒)
まったく親の顔が見たいものだ…
い、いや、歌を教えてやるといって、本当は良からぬことを考えているに違いない!
絶対にそうだ!私にはわかる!!
そいつはそのうち、ろくでもない男に成長するぞ。
今のうちに悪しき芽は摘み取っておかねば将来大変な事になるやも…ブツブツ」
クリスティーヌが今までにない、氷のような冷たい視線で己を見つめていることに
ファントムはまだ気付いていなかった。
<続きません>
>297 <続いて!>
>297ではないけど、触発されて小ネタ考えてみた。
さらに数年後─
娘が年頃になりボーイフレンドが出来、デートしてると、二人にそれぞれ一通ずつ、上から
手紙が舞い落ちてくる。
二人は赤い髑髏の封蝋を剥がして手紙を開いて読んでみる。
「マルガレーテ、そんな男にうつつを抜かすのはやめて、今は勉学に勤しむのだ。
それに君達の年齢でキスは早すぎる。私など、お前の母さんと始めてキスしたのは30歳過ぎてからだが、
そのくらいで一向に遅いことは無い。・・・何よこれ!?」
「僕にはこれだ・・・勇敢で小生意気な若者よ、マルガレーテから今すぐ離れるがよい。
私の忠告を無視して彼女から離れないのなら、そなたに想像を絶する災いが降りかかるであろう O.G.」
「お父様なんて大嫌い!本気で嫌い!」
と激怒するマルガレーテ。
「何故なのだクリスティーヌ・・・私は本気であの子の幸せを願っているのにどうして
嫌われなくてはならないのだ・・・」
「あなた、どうしてあの子が怒ってるのか理由がわからないんでしょう?」
と冷ややかに呟くクリスティーヌであった。
>299 有り難う、爆笑した!
ストーカー父ファントム最高…何故か娘の彼氏がラウルとかぶった。
「お母様、O.G.って何?誰?
もうあのひとワケわかんないしぃ」
その連携プレイに爆笑
こんな展開はエロパロならではだよねえ、本スレのテンプレに入れたくなる気持ちもわからなくない。
本スレにも書いてる人いたがモラル的にやめた方が…21禁デツヨ ココハ
つか何で本スレであんなカキコするかな…ここの住人かROMか知らんが('A`)
ところで週末に投下すると言ってたエリック×クリスの天使様マダ━━?
>302
オラもエリック×クリスヨミタイヨ
オラモー(´・ω・`)ノシ
自分はスーザン・ケイのファントム知らないから余計にヨミタイヨ
天使さまも忙しいんだろな
306 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 23:22:48 ID:amedX0fd
オイラはラウルスキー…
いまふと思った
このスレって男性と女性どっちが多いんだろう?
>306 オイラはやっぱマスター派
ラウルでもマスターでもなく
メグ×クリス派な自分はどうすれば…orz
ラウル派マスター派も男も女もどうでもいいジャマイカ
作品への愛があれば漏れはそれでおk
そうっすね…!!
自分はオーソドックスにマスター派
マスターなら、相手はクリスでもマダムでもメグでも踊り子でもOK
マスターなら、どんぶり飯3杯はイケル
>>299 GJ!!
学校帰りに、白いベンチに座ってキスする幼いカポー。
植込みの影からその様子を盗み見てプルプル震えているO.G.
そんな光景が浮かびました。
天使様来られませんね…
どなたか1レスものでも小ネタでも良いですからお恵みを
激マスター派。順位的には
クリス<<<メグ・マダム<<<<<<<<<名も無いキャラ
ファンクリも嫌いじゃないが映画見るとマスターが可哀相で可哀相で…
>308 突っ走れ
>313
その昔嫌スレに投下したネタで即興1レスもの寝付けないので書いてみました。
ほんとに即興ものなので、軽く読んで下さい。
自分もエリック×クリスすごく楽しみにしてます。
意外に思われるかも知れないが、ファントムはおまじないとかを結構信じる方である。
「マスター、この小瓶にね、欲しいものを3回唱えるとそれが手に入るのよ」
歌のレッスンの休憩中、クリスティーヌが小さな小瓶を持ち出し、楽しい秘密を打ち明けるような笑顔を見せる。
今日の昼、行商人の老婆がオペラ座に立ち寄り、女の子たちを相手に恋が必ず実る小石だの、願いの叶う小瓶だのを売りつけて行ったのだ。
この少女には、もとから夢見がちな所があって、実際それにつけこみ師弟関係を結んだファントムだったが、その言葉にしぶい顔をする。
「下らない。それよりクリスティーヌ、今日のレッスンは集中力が足りないぞ」
「…ごめんなさい」
厳しい言葉に、みるみると萎れてしまう彼女に少しの罪悪感を覚えながらも、ファントムは続ける。
「休憩はここまでだ。こんなものに気をとられている暇があったら、もっと歌に情熱を注げ。これは預かっておく!」
「あ…」
素早い仕草で、手の中の小瓶を取り上げられたクリスティーヌは、諦めたように眼を伏せた。
「わかりました…ごめんなさい。マスター」
更に襲う罪悪感に息を苦しくさせながらも、その夜もファントムはクリスティーヌへの歌のレッスンを続けた。
「クリスティーヌ、探したのよ」
レッスンが終わり、礼拝所から出てきたクリスティーヌにメグがぱたぱたと駆け寄って来る。
メグの手にも、先ほどのクリスティーヌが持っていたのと同じ小瓶が握られていた。
「どうしたの?メグ」
「ね、クリスティーヌ、もうお願い事はした?私はもう済ませたわよ」
クリスティーヌは困った顔をする。
「…してないの」
「まだ考え中?」
さらに、困った顔になる。
…だっておばあさんが言ったんだもの。
彼女は心の中で呟いた。
―お嬢さんお嬢さん。これはあんたが使わずに、あんたが一番大切と思う人におやり。そうしたら結果的に、あんたの望みも叶うんだよ…
本当のところ、彼女にはその老婆の言った意味は、よくわからなかったのだが。
あんな風にではなく、きちんとあげる、と伝えたかったのだが。
でも、あれで良かったんだわ。きっと。
そう結論が出ると、クリスティーヌはにっこりと笑顔になる。
「あげちゃったの」
誰に?!と驚くメグにクリスティーヌは内緒、と再び楽しそうに笑った。
地下の自分の棲家に戻り、ファントムはオルガンの椅子に腰掛けながら、取り上げた小瓶を手の中で弄んでいた。
あの時の少女のがっかりした表情を思い出す。
彼女はこの小瓶に何を願うつもりだったのか。
どうせ手に入らない娘。
いつか、片翼に相応しい男を選ぶ日が来るのだろう。
そう思いながら、ファントムは小瓶に愛しい者の名を小さく三度呟いた。
それは、自身でさえはっきりと自覚できなかった心の奥底にあった望み。
それを初めて口にした瞬間だった。
時は流れ、今、美しい娘が彼の隣でやすらかな表情で眠っている。
そんなこんなで、ファントムが似合わないおまじないの類を結構信じる方になったのは、全く無理からぬことなのだった。
嫌スレ第3幕363の天使様ですか、GJ!
一緒に暮らした後、その小瓶を地下で見つけたクリスティーヌはきっと
マスターが可愛い過ぎて笑いが止まらなかったことでしょう。
>317
GJ! マスター可愛らしすぎw
エリック×クリス予告した香具師です
すいません、暫く放置でお願いします・・・orz
次に覗いたときに天使様たくさん降臨されてるといいな、と
願いを込めて土下座ついでに腰も振ってみる or2”
地下で仮面はぐかわりにキスするクリス→寝室へなんてのでもいい?
書いてる途中のがある。
>320
そりゃもう、大オッケイ、大感激です。
そのシチュがダメな訳などありますまいて。or2”
319
天使様待ってるぞ!!!
>317
GJ! マスターが可愛い。
ちょっと切ないんだけど、切なくても恋が叶ってる話なので萌えました。
>319-320
おお、楽しみに待ってます!
324 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:38:01 ID:zSVoBx7Q
とりあえず天使様きたいあげ
ん、あまりageない方が良いかもよん。
広告とかヘンな写真貼られたりして荒らされたらヤーダ姫
>106様の続きも激しく気になるんですが…
>325
106です、中断しててごめんなさい。
このマスターには苦戦してて……。
もうしばらくしたら書き上げますので、待ってて下さい。
予告キタ------(゚∀゚)--------!!
>>326
うへへ・・・w
マッテマ~ス
>>326
うへへ・・・w
マッテマ~ス
330 :
325:2005/10/19(水) 12:26:41 ID:iAEyyQx/
2レス書いてしまうほど嬉しかったんですね、私もです。
>326様無理せず頑張って下さい。
今夜も天使様は来られないのか…?
さみしいのうシクシク
>326の天使様、ひたすら待っておりますです・・・
>317
もう何回も読み直した。
読むほどに味が出るss、どうもありがとう。
諦めながらも小瓶にそっとクリスの名を呟くマスターの様子を想像してると
すごく切なくなる。男の色気もあるし。
ちょっとお邪魔します。
やり取りを読んでいて、急にラウルメインで書きたくなりました
原作と映画とごった煮+思いこみ、下調べ無し、
あと、エロ度も極薄になるかと(汗
そんなのでもいいですか?
自分、空気読むの苦手で、アホな質問でスイマセン
読み手の皆さんも、感性豊かな方が多いと思うので不快にしたくないんです
とりあえず、途中までですが、よければお読み下さい
タイトルも思いつかなくて・・
墓所で腕に怪我を負ったラウルは、クリスティーヌを送って行った後、
自宅で手当を受けていた。
怪我はあまり深いものではなかったが、高熱が続き、患部は酷く腫れあがっていた。
おそらく、ファントムの剣には毒が塗ってあったのだろう。
ラウルを子供の頃から診てきた医師が、大きなため息をついた。
「少々、時間がかかりそうですな....しかし、貴方程の方が、このような...」
剣術も射撃も、人並み以上の貴方が・・・。
「...実戦も、たまにはする必要があるのかな、先生?」
ご冗談を、もうしばらくは安静になさって下さいよ、と言って医師は退室していく。
鎮静剤のおかげで、ラウルはまた眠り込んだ。 揺れる眠りの中、彼は昔の夢を見ていた。
「伯母様、僕も大きな船に乗りたいな、世界中を見にいきたいな」
伯母の影響で海に憧れていた彼は、当然のように海軍士官学校に行き、その望みを実現させた。
大貴族の子息である彼には、勿論高い身分が約束されていたが、ラウルはそれだけでなく
自分自身の努力によっても優秀な成績を修め、素晴らしい出世を期待されていた。
武術と学問に秀でた彼に、次に必要なものは何だろう?
パリの社交界が、輝くシャンデリアの下で待っていた。
あまりの目映さに、初めは戸惑った彼も、すぐにその空気に慣れていった。
美貌と地位を持つラウルに、貴婦人方が興味を持たない訳はない。
そして、誰もが驚いたのだ...端正な細面からは想像出来ない、成熟した男の身体に。
大木の頑健さとは違う、敏捷でしなやかなものであった。
例えるなら、柳であろうか。 強い風に吹かれても決して折れることのない強さ。
多くの女達が、未婚・既婚関係なく彼と甘い時間を過ごした。
服を着たままでは分からない、若者の肌の熱さに、酔いしれては再度の逢瀬を願うのだ。
しかし、彼は誰にものめり込むことはなかった。
遊び慣れた貴婦人に、それまで知らなかった世界を教えられても。
まだ幼さを残す娘に、涙を流して結婚をせがまれても。
どれも、彼には白々しいものとしか映らなかった。
恋愛ごっこでは、満足出来なかった。 もっと、血がたぎるような事を欲しているのだ。
かといって、女達の恋人や夫と、決闘などをしたい訳ではない。
いくら武術を修めていても、相手が悪ければ負けることもある、それは一族に影響する場合も。
彼の奥にある慎みが、羽目を外すことから自身を遠ざけた。
その代わり、社交界に必ず必要なものを、自然に身に付けさせた。
「明るい微笑み」。 相手に好意を感じさせ、敵意を持ってなどいないという証拠。
そして彼は、自分の声が魅力的だということにも気付いた。
高い笑い声は、その快活さと若さを表し、低く囁く声は女性を無抵抗にできる。
向こうの誘いを待つまでも無く、自らが望むままに、女をその腕に倒れ込ませた。
近付く時も離れる時も、決して強い態度に出る必要は無い。
優しく、相手の耳元に甘い言葉をそっと吹きかける。
潤んだ瞳を真っ直ぐに見詰めれば、その後は容易いものだ。
しかし、自分の声と愛撫で乱れていく女達の姿を見ながら、
なぜか彼は冷静になっていく自分を感じていた。
熱く、ねっとりと締め付ける部分に己を抜き差ししながら、ふと我に返り
明日の予定を思い出して、頭の中で予行練習などをしたものだ。
簡単に手に入る快楽には、溺れていけない。 なぜだろう?
どこかの令嬢の柔らかな乳房が、微かに汗ばんでいる。
そこで、ふいにラウルは夢から醒めた。
(・・ああ、なんだって一体こんな夢を・・)
ずっしりと重い体を、なんとかベッドから引き剥がし、ようやく彼は立ち上がった。
腕の傷が、また焼けるように痛む。 もう外は少しずつ暗くなってきている。
灯りを点ける係を呼ぶのも面倒だった。 薄闇の中、自分で水を注ぐ。
乾いた喉に、冷たい水が心地よく浸みていった。
ゆっくりとグラスを置くと、昔、父親から譲り受けた「あるもの」を思い出した。
この後もぼんやり考えてあるんですが、どうしましょうか?
あんまりヒネリがないので、少し迷ってます。
>337
あうーせっかくいいとこで中断(泣)
すぐに続きを書くべき!楽しみに待ってますよ。
>338
ありがとう! 嬉しい〜、やる気でてきました!
で、でもあんまり期待しないでお待ち下さいね
不慣れで・・字が詰まってて読みづらかったでしょう?
段落を少し増やした方がいいかな・・・
>339 待ってる!
ラウルメインウレシス
カコイイらうるデスナ
ウレシス
あり〜なんだか急に寂しくなってきちゃったな
週末なんだし、どなたか御降臨していただけませんか・・・
同意。
サミシ・・・
339です。
レスくれた方、ありがとう!
なんだか寝ぼけて書き上げちゃったんで、おかしいとこも多い、かも。
でも励みになりました〜。
自分はとてもエンジェルではないんですが、もしよければどうぞ。
336からの続きです、タイトル思い付かない(未だに
番号を振っておきますね
変わらず、ラウルメインです。
マスターも出てきますが・・・お気に召さないかもしれない(汗
では、眠いですが、上手く貼れますように・・・
3.
瀟洒な細工が施された小箱を取り上げると、中で小さく光る粒を指でつまんだ。
それは、素晴らしい色の翡翠だった。 滅多に流通などしない。
二本指でつまめるほどの大きさだったが、深みがあるのに透き通り、
明るい緑に輝く逸品。 庶民が一生働き続けても、縁のないもの。
その翡翠には、五本指の白い龍が、細かく彫られていた。
中国の、特別な彫物師が丁寧に彫り上げた、生きているような姿。
「白竜」の細工は、中国の王族、貴族しか身に付けることを許されなかったという。
(そんなに価値が有るのだろうか・・・)
光沢を放つ緑の玉を、薄暗い部屋でぼんやりと眺めるラウル。
と、その龍が動いたように見えた。
「!?」気のせいか? いや、龍は・・・こちらを向き直った。
「・・ご機嫌よう、子爵殿」
聞き覚えのある声、勿体ぶったその話し方・・・・
「お、お前は・・・」 震える指で翡翠を支えるラウル。
この色は、そう、まるで何度も自分を睨みつけた、あいつの眼の色・・・!
ギラリと緑色の光が大きくなったかと思うと、闇の中にファントムの姿が浮かんだ。
「この、化け物め!」翡翠は床に落ち、ラウルは拳銃を探した。
大きな厚い布が振られる音がした。
視界を失った彼は、熱のせいもあってか、大きく体をよろめかせる。
はっと顔を上げると、果たしてそこにはファントムの姿があった。
長椅子に腰掛け、悠然とこちらを眺めている。
口元には不敵な笑みを浮かべ、蝋燭の燭台を掲げながら。
「何をする気だ、卑怯者め、今度こそ貴様の息の根を!・・・」
もがきながら、ラウルは自分が古ぼけた椅子に括り付けられていることに気付いた。
4.
「そのご様子では、私に斬りかかることも、できそうにないですな?」
愉快で堪らないといった顔で、くくっと笑うと、ファントムはもう一度マントを捌いた。「・・・・・・!!」
果たして、そこにはクリスティーヌがいた。
長椅子の上、体に薄衣だけをかけ、眠るように横たわる彼女の姿、
ラウルは必死で縄を弛めようとするが、それはびくともしない。
助けを求める声は、ほんのか細く、いくら喉に力を込めても外には届かない。
「やめてくれ、頼む、僕を好きなようにすればいい、離してやってくれ・・」
やっとの思いでそこまで話すと、いかにも楽しげにファントムが答えた。
「素晴らしい、子爵殿! 私の術の中でも声が出せるとはねぇ」
大きく肩を上下させながら、ファントムの動向を見守るラウル。
「今宵は、少々違った趣向を思い付きましてね」
優雅な仕草で、床に燭台を置き、仮面の下から冷たい眼差しを向けた。
「私と彼女が、どれ程深い絆を持っているかを、お見せしようかと」
そう言うと、手袋を外し、掌でクリスティーヌの頬を優しく撫でた。
静かに、その瞳が開かれた。 何も映っていない様子だ。
さっと薄衣を取り払うファントム。 雪のように白い裸体が露わになった。
途端に目覚め、悲鳴をあげるクリスティーヌ。
その腕を捉え、抱き寄せる。 暴れる彼女に、ファントムはそっと歌いかけた。
「お願いだ、やめろ、・・ああ、僕を今すぐ殺してくれ!!」
ラウルの叫びは、声にならない。
5.
ファントムの歌声は、次第に熱を帯び、ラウルの耳にまで届いてきた。
甘美で、しかもこの上なく荘厳な感覚が彼を支配した。
椅子の上でもがいていたラウルは、徐々に脱力していくのを感じた。
そして、クリスティーヌも同じだった。 抵抗のかけらもなく、瞼が閉じられている。
・・・おまえは永久に私から離れられない運命!・・・
それを聞いて、彼女はファントムを振り返った。
さも愛しげに彼の顔を触り、恍惚とした表情でその体を凭せかけた。
乳房を愛撫されながら、自分の腕を後ろのファントムに絡み付ける。
信じられない光景だった。 声も出せず、ラウルは座っているのがやっとの状態だ。
やがて、二人はお互いを抱き締め、少しの隙間も無いほど肌を強く合わせた。
その様子は、まるで華奢な白猫と、逞しい黒豹が戯れているようにも見えた。
しなやかに身を捩り、溜息を漏らすクリスティーヌの腰に、大きな手が滑る。
その手は太腿を捉え、白猫の脚をゆっくりと開かせた。
「・・・やめてくれぇっ!!・・・」
ラウルが涙を零した瞬間、その声がやっと部屋に響いた。
二人の動きが止まり、クリスティーヌも涙声で、ラウルに何かを言った。
唇は、こう動いていたのだろうか。
(・・・許して、ラウル、・・私は、もう・・・)
がくがくと全身を震わせ、彼は瞬きもできず、必死でその言葉を読みとろうとした。
と、また黒いマントが大きく捌かれた。
真っ暗闇の中、ファントムの声が低く通り、クリスティーヌが苦しげに呻いた。
自由のきかない体を横に振りながら、ラウルが叫び続ける。
・・今すぐ、死なせてくれ、死なせてくれ!
6.
ぱっと視界が開け、ラウルを縛めていた縄がするりと緩んだ。
呆然とする彼の前には、誰もいない。
せわしい呼吸のまま、月明かりの漏れる方向を見ると、窓がうすく開いている。
夜風に揺れるカーテンは、何も無かったようにラウルの手に触れた。
彼は、じっとりと汗に濡れた手でそれを掴み、引きちぎれんばかりに強く引いた。
(なんて、なんて忌々しい夢だ! ・・僕は、本当におかしくなったわけだ!)
脚を引きずるようにベッドサイドに戻ると、まだ灯されていない蝋燭の匂いに気付いた。
・・・まさか! 訝しげに床を見下ろすと、彼は眼を疑った。
見えたのだ。 月明かりに微かに照らされ、鈍く光る蝋燭の滴りが。
彼は頭を抱え、その場に座り込んだ。 あちこちが痛み、息が出来ない。
・・・これで、お解りになったかな?・・・
耳に、あの声が聞こえてきた。 もう、現実なのか幻想なのか、どちらでもよかった。
「ああ・・・しっかりと拝見したよ」
投げやりに呟くと、ラウルは床に手をつき、少し身を起こした。
「貴様が、何をしようと、何があろうと、僕は彼女を愛してる」
彼は闇に向かって叫んだ。
「可笑しいか? どうした、嗤え、嗤うがいい、この命などお前にくれてやる!」
涙が、また滲んできた。 何故自分は、こんな狂気の中でも彼女を欲するのか。
いくらでも他に美しい女はいるのに、一体どうして?
親を亡くした悲しみや、たわいのない想い出を共有しているから?
違う、それだけじゃない。 それだけじゃない。
こんな大きな屋敷も、莫大な財産も、彼女の無垢な瞳とは比べようが無い。
天使の歌声が、誰から授けられたものであっても、自分だけの宝にしたい。
7.
闇の中に、ゆらりと大きな幻が揺れた。
「子爵殿、覚えておかれるがよい・・・私はクリスティーヌの影なのだ」
・・・何を言ってるんだ?・・・得意のまやかしか?
「彼女がいなければ、この世に存在しない、影なのだ」
その声は、いつもの尊大な、嘲笑する雰囲気は無く、普通の、生身の人間の声だった。
・・・違う、これは、あの化け物ではない・・・ただの男だ。
「私から奪うな、生きる意味を。・・後生だ、ムッシュウ・・・・」
甘い、哀しい音楽のような言葉を最後に、部屋にはまた静寂が戻った。
恍惚としかけたラウルは、自分が一人きりで立ちすくんでいることに気付いた。
床にあった蝋燭の滴りは、どこにも無かった。
しかし、カーテンに残る、握り締められた跡は消えてはいない。
彼は、それらを見てはいなくても、たった今まで怪人がいた事を疑わなかった。
・・・生きる意味、だって?
「ふざけるな!戻って来い、ここにもう一度来てみるがいい!」
彼は、手当たり次第に壁に物を投げ付けた。 水差し、燭台、ナイトテーブル、・・・
「そんなもの、知っている人間が、どれだけいるって言うんだ!!」
絶叫しながら銀細工の小鳥を投げたとき、部屋の外に人が集まってきた。
「子爵様! ご無事ですか、入ってもよろしゅうございますか?」
「何事です、ご主人様! そちらに誰かいるのですか!」
今にも開けられそうなドアに向かって、ラウルは大声をあげた。
「無礼だぞ! ええ、下がれ、離れろ!・・・一人にしてくれ!」
凄まじい剣幕に、使用人達はおののき、ばらばらに散って行った。
9.
部屋の灯りをあちこち点け、ジャンヌは飛び散った調度品やガラスの破片に驚いた。
でも、今は怪我人の手当をしなければ・・・
「お見せ下さい・・あ、ひどい!」
シャツにまで血が滲んでいた。 袖をあげようとしたが、患部に障ると大変だ。
「あの、失礼ですが、お脱ぎになって下さい・・片方だけで結構です、冷えますから」
言われるがまま、、前をはだけ始めるラウルは、どこか子供のようだった。
「!・・あぁっち・・・」
腕を曲げると、キリキリっと傷が痛んだ。
「お手伝いいたしますわ」
手際よく、ジャンヌは彼のシャツを開き、そうっと片方だけ、袖を抜いた。
包帯を慎重に、でも素早い動きで巻き取っていく。
「まあ、・・」傷口は、強く何度も擦られたように、赤々と腫れあがっている。
理由は聞くまい。 余程でなければ、こんなことにはならない。
黙々と、消毒と止血をする彼女に、ラウルの方から問いかけた。
「何故、看護婦の君がこんな時間に屋敷にいるんだ? ジャンヌ?」
「先生のご指示です。 経過を見て、熱がまた上がったら、すぐに連絡を、と」
・・ご心配なんですわ・・・ご幼少の頃から、お世話申し上げた子爵様ですもの。
柔らかく答えながらも、手を止めず処置を進める。
その手元を眺めながら、ふと「母親」とはどんなものだろうと彼は思った。
ラウルの母は、彼を出産のときに、既に亡くなっていた。
父や伯母、お世話係の乳母、家庭教師・・・たくさんの人間に囲まれて暮らしてはいたが、
母親の腕に抱かれたことは、一度も無いのだ。
外出で馬車の中から、何度か庶民達の暮らしを垣間見たことがある。
質素な身なりをして、エプロンを着けた母親が、小さな息子を抱いて
庭先で鶏に餌をやっていた。
ある時は、パンかごを持ち、もう片手で子供の手をひいていた。
その風景は、彼らにとっては当たり前のものだったろうが、ラウルには
美しい絵画のように、記憶に残るものとなった。
あの子供達が怪我をした時は、母親達はどうするのだろうか。
医師を呼ぶ余裕が無い家庭もあるだろう。
薬を用意できない時もあるだろう。
そんなとき、こんな風に優しく世話をし、ずっと傍に付いていてくれるのだろうか。
10.
「あの、子爵様?・・・終わりましたわ、痛み止めをお持ちしましょうか?」
ジャンヌに問われるまで、ずっとその横顔を見ていたラウルは、自分の行為に気付いた。
「うん、・・・そうだな、もらおうか」
行こうとする彼女の後ろ姿に、ラウルの心の中がざわついた。
思わず、その腕を掴み、引き寄せてしまっていた。
「え、何ですの?」
「いや、・・・薬は、後でいい。 ここにいてくれ」
ジャンヌは驚いたが、ふと部屋の中が散々になっていることに気付いた。
「分かりました、では、お部屋の中を片づけなくては」
「暗い中では危ない。 ・・傍に、こうしていて欲しいんだ」
せがむような表情を見て、患者が不安な時、そういった気持ちになるものだと
よく知っている彼女は、ベッドに腰掛けた。
「承知致しました、子爵様」
子供をあやすようなその口調に、少しラウルは憤慨した。
「やめてくれ、一体僕を何だと思ってるんだ」
「あ、すいません・・ええと、お怪我をした方だと・・」
当惑した彼女の答えが、あまりにも率直でひねりがなく、彼はつい吹き出した。
「ご名答。 そう、ただの怪我人だよ、ジャンヌ」
そう言って、自分も腰掛けながら、ラウルは相手を抱き締めた。
「し、子爵様、・・」ジャンヌは驚いて眼を見張った。
「患者には、・・看護婦さんは優しくしてくれないとね」
「でも、でもそれは、・・・あ、・・」
「そんなに、嫌?」
いつもように、彼はそっと耳に唇が触れそうな程、顔を寄せて囁いた。
ジャンヌの体から、力が徐々に抜けてゆくのが分かった。
11.
自分は、母の代わりが欲しいのか、女の肌の温もりが欲しいのか。
何故だろう、とにかく今夜は・・・無性に人恋しい。
さっき、あれ程の屈辱を味わったためか、それとも激しく感情が上下して、
すっかり心が疲れてしまったのか。
でも今、誰かに強く触れていたいという気持ちだけは、はっきり分かる。
困惑と恥じらいで、目元が赤くなったジャンヌの顔を、じっと見詰めた。
・・歳は、幾つくらいだろう。 僕より、二つ三つ上だろうか。
いつも医師の手伝いで、控えめだが、指示にはてきぱきと従っていた。
当たり前だが、こうして正面から素顔を、まじまじと見たのは初めてだ。
知的で、なかなか整った面差し。 衣服は、床で休むためでない、きちんとした身なり。
いつでも「患者」の元に駆けつける用意をしていたのだろうか。
「あの、どうぞお許し下さい、子爵様、私は・・・」
「ラウルと呼んでくれ・・・今夜だけでいい」
え、と眼を見開いた彼女の唇を、そっと指でなぞる。
顔を上げさせ、その口元にキスをして、纏めた髪をさらさらと降ろした。
「さっき、僕のシャツを脱がせたのは誰だっけ・・」
もう、ジャンヌは抵抗する力を失った。 手慣れた様子で服が緩められていく。
薄明かりに照らされた裸体は、意外な程豊満なものだった。
自分も衣服を全て脱ぎ捨てると、ラウルは相手を抱き締めたまま、横に倒れ込んだ。
唇を強く絡めながら、豊かな乳房の感触を楽しんだ。
豊満でも、たるみの無い体は随分と感度が良く、その稜線を軽くさするだけで
早くも汗ばんできた。 喘ぎ声が、なんとも艶めかしい。
(さっき、傷の手当てを手際よくしていた女とは別人じゃないか・・)
12.
ジャンヌの乱れる姿を、薄目で確かめながら、ラウルは本能が呼び起こされてきた。
「素敵だ、いいよ・・・」
「は、はぅ、・・・子爵、様ぁ・・・」
「ラウルでいい」
耳朶を甘噛みしながら、ゆっくりと下腹に手をのばしてゆく。
もう、茂みの中は溢れんばかりだった。 ジャンヌは身を捩った。
「あ、あんっ、・・・ラ、ラウ・・・ル様」
「僕の可愛い看護婦さん、最高だ・・嬉しいよ、ジャンヌ」
彼の侵入を待ち侘びた場所は、望みが叶った瞬間、ふるふるっと緊張した。
「は、あはぁっ・・・!!」
・・・相性が良い。 ラウルは感じた。こんな相手は、そういないものだ。
彼がゆっくり腰を使い出すと、ジャンヌは悦びで涙を滲ませた。
丁度良い締まり加減だ。 少し動くだけで、快感がラウルを包んだ。
13.
「ん、んふぅっ、・・・ああ、もう、私・・・」
歓喜で歪んだ顔を、やや後ろに反らしたジャンヌに、彼は尋ねる。
「ね、・・・恋人とは、どんな風に愛し合うんだい」
「え、・・あん、ラ、ラウル様ったら・・・」 ぎゅっと入り口が締まった。
「教えて・・・」最初のとどめとばかり、甘く囁きながら激しく腰を振ると、
一際高い声をあげて、ジャンヌは早くも達した。
「まだまだ・・・」ラウルは相手の体を抱き起こし、座る姿勢で向かい合った。
「い、いけません・・・私、駄目なんです」
「駄目? 何が?・・・」 片手で乳房を揉み上げ、乳首を指先で転がす。
「あぁ、お止め下さい、・・・これ以上は、・・」ジャンヌは体を引き離そうとする。
「い、あぁっつ!!・・」 急に腕を伸ばされ、傷がじりっと痛んだ。
「も、申し訳ありません、・・大丈夫でした?」
14.
急にいつもの様子に戻ったジャンヌが、真顔で心配した。
「ふふ、悪い看護婦さんだな」
悪戯っぽく笑うと、ラウルはもう一度彼女を組み伏せた。
「まだ帰さないからね・・」 首筋から胸元に、しつこく舌を這わせる。
蜜が溢れて、開いたままの場所に、長い指が押し分けるように入る。
ぴんと起った愛芽に、親指をそっと触れただけで、跳ねるように反応する体。
「は、はぁうぅっ!、・・・どうぞ、か、勘弁して下さいまし」
もう、どうしようもなく乱れていくのが分かっていた。
言葉とは裏腹に、敏感に反応して、勝手に全身が揺らめいてしまう。
片腕で、苦もなくラウルは相手をひっくり返した。
豊かに張った白い尻を撫で、予告なくその合間に己を差し入れた。
「いやぁはぁっ!・・・あ、うんぅっ・・」 涙声で喘ぎながら、つい腰が動いてしまう。
「お静かに、ね、お嬢さん・・・これが好きだった?」
腰を軽く持ち上げ、緩やかに出し入れすると、本気でジャンヌは泣き出した。
「ひ、いけません、お、お止め下さいぃっ!・・」
あんまり高い声が外に漏れては困るな・・・ラウルは、そっと体を離した。
「すまない、・・でも、ほんとに止めてしまっていいのかな」
荒い息遣いを、懸命に整えているジャンヌの姿に、返ってそそられる。
そういえば、自分の部屋で女を抱くのは初めてだ。
おまけに、なんとも相性が良い、体が合うというのは堪えられない。
15.
「嫌われたくないけど、ねえ、ジャンヌ・・・」 顎を持ち上げて、その瞳を覗き込む。 薄明かりの中では分かりづらいが、濃い菫色の、優しい瞳。
褐色の睫毛が、涙に濡れて、縺れそうになっている。
紅をひいていない、柔らかな唇。 もう一度指で触れたい・・・
そっと頬に手を触れると、ジャンヌの方から、ラウルの指に近付いた。
薄く口を開け、舌で人差し指を軽く舐める。 息を詰めて見守る。
ジャンヌは、徐々にその唇の中に、指を収めていった。
「うっ、・・・」 その舌の動きに、つい声が漏れるラウル。
指も、掌も、舐め上げられていく。 ・・・ああ、やるもんだな・・・
手から唇を離し、今度は額や頬にキスを繰り返し、胸や腹に舌を這わせ始めた。
ラウルは、高く積んだ枕に身を倒した。
舌は、脇腹から下腹部へ進んで・・・ジャンヌは、彼を口に含んだ。
強く吸ったかと思うと、根本から先端までを舐め上げる。
「・・・ふ、あぁっ・・・」 久し振りの快感だった。
頭を上下させ、絞るように吸い上げる。 今度は、ラウルが白旗を揚げた。
「わ、分かった・・・降参だ、もういいよ」
くすっと笑って、ジャンヌが顔を上げた。 ちょっと得意そうな笑顔。
「ずるいな、自分は逃げてしまったくせに」
「お返しですわ、子爵様」 すっかり優位を奪われた感じだ。
16.
「全く、発展家の看護婦さんだね、君は?」
姿勢を変え、今度は自分の上に跨らせた。 あ、と身を捩るジャンヌ。
「いけません、あの、・・・私、声が大きいんです」
「もう無駄だよ、聞こえなくなった」
するりとラウルは熱い泉に滑り込んだ。 下から小刻みに突き上げると、ぐいっと締まる。
「あ、あ、あ、・・・・だ、駄目ぇっ!」
体を大きく振って逃げようとするが、余計に深く入っていくばかり。
ラウルは、小気味良さげに相手の表情を眺め、背中から尻の上を軽く擽った。
悲鳴に近い嬌声があがった。 確かに大きい声だ、ひやりとする。
乳房を弄ると、ジャンヌは自らラウルの顔に押し当てた。
彼女の中が、大きく捻りあげる。 ラウルは、唇に舌を絡め軽く塞いだ。
「・・・・・・・!!!・・」
再度、達した彼女は、まだ全身を細かく震わせ、ゆっくりラウルに倒れ込んだ。
その姿を見て、やっと満足した彼は、ジャンヌを片腕で抱き締めた。
大きな快感が得られたのに、どこかで彼は、別の事を考えていた。
ジャンヌの髪を梳かしながらも、心は少し離れた所にある・・・
(クリス・・・ティーヌ・・。)
・・・彼の頭の中には何も無かった。
・・・その心にあるのはただ、愛の夢だけ。
拒まずにずっと愛し合ってくれたジャンヌに、ラウルは心底感謝した。
寂しくて,たまらない時に、自分に触れてくれる誰か。
そんな存在は、どれだけ優しい慰めになってくれるだろう。
ふと、気付いた。 傷はまだ痛むが、腫れぼったさが小さくなった。
17.
ジャンヌは少し微睡んだ後、ぱちりと眼を開けた。
(・・・あ、子爵様と、私・・・)
慌てて衣服を着け、髪を纏めあげた。 早く、戻ろう。
これが他に知れたら・・・私の縁談は、お終いになってしまう。
まだベッドにいるラウルを見た。
すとんと眠りに落ちたようだ、静かな寝息を立てている。
枕を抱きかかえるように突っ伏し、背中をこちらに向けて、静かに上下させていた。
そして彼女は、ロダンの彫刻のようなその体をしげしげと眺めた。
いや、あれ程力強く、人に挑むようなものではない。
のびのびとした四肢は、柔軟な筋肉が滑らかに包み、いかにも無駄がない。
若い肌は張りよく、肩の辺りに小さな汗の玉を弾いていた。
・・・自分は、この体に抱かれていたのか。・・・
今更ながら、胸がドキンとしたのが変だった。
そっと絹の毛布を掛け、顔を覗き込むと、まだ少年のような無防備な表情が見えた。
(・・可愛らしい。)
微笑して、彼の額に張り付いた金髪をそっと指で上げようとする・・・
と、その時飛び起きたラウルが、枕の下から拳銃を素早く取り、銃口を向けた。
ギラリと光る眼は、殺気をはらみ、女の全身を硬直させた。
「ひっ!!・・・し、失礼致しました!、・・」
「あ、すまない・・・え、何があった、違う、驚かせたね、・・いや、」
震えるジャンヌに、当を得ない言葉で、ラウルの方がおろおろとしていた。
拳銃を納め、困り顔で見詰める彼を、ジャンヌは愛おしく思った。
「お風邪を召しますわ・・・寝着を持って参ります」
その微笑みに心底ほっとして、安堵したラウルは、彼女を抱き寄せた。
「いや、自分でできるよ・・・ありがとう、ジャンヌ」
優しい囁きは、真実だった。 じんわりと、切ない思いが広がる。
でも、もう行かなければ。私は、ただの看護婦にすぎない。
「お大事になさって下さいまし、いつでも手当しに伺います」
ジャンヌは、ラウルの手を取り、その掌で暖かく包んだ。
18.
部屋の扉を閉めた後、ほう、と溜息をついて、そっと振り向いた。
彼の激情や、まだ大人に成りきってはいない部分に触れ、
日頃の微笑の陰にある何かを見た、後ろめたさのような感覚があった。
向こう側にいる、この部屋の主の健康を願いながら、静かに控え室に戻った。
一人になったラウルは、寝着を着ながら、ぼんやり考えていた。
あのとき闇の中で見た光景は、本当に幻だったのだろうか。
ファントム一流のまやかし。 それだけだろうか。
(許して・・)と唇を動かした、クリスティーヌの顔が浮かんだ。
あの表情はまるで、墓所でファントムの命乞いをしたときのようだった。
(怪人が、君の影だというなら・・君の真実の姿は、僕には見えていないのか?)
ラウルの頭の中であの言葉が何度も甦る。
・・・後生だ、ムッシュウ・・・
大きく寝返りをうつと、腕の痛みがズキンとひびいた。
19.
夜が明けた。 まだ早朝とも言える時間に、銃声が鳴り響く。
屋敷がざわつき、ラウルの部屋が開け放たれたままの状態に、
みんなが驚き、その姿を探し始めた。
果たして彼は、既に広い庭園の奥にいた。
使用人を一人だけ起こし、射撃の練習の準備をさせている。
思い詰めた顔で、丁寧に拳銃の手入れをするラウルに、人を寄せ付ける気配は無い。
おっかなびっくり、使用人が言葉を発した。
「よ、用意が出来ましてございます・・」
「分かった」
的を見据え、銃を構えた瞬間、背後から大勢の気配がした。
「ラウル!! あ、あなたはそんな体で・・何をしているの!」
数日前に、ブレストから来ていた伯母だった。 周りには、何人かの使用人もいる。
可愛い甥っ子が、オペラ座の歌手に、可笑しいほど熱をあげていると聞かされ、
何とかして、彼の眼を覚まそうと必死だったのだが・・・。
「ご心配には及びません、伯母上。 ご覧の通りです」
振り返りもせず、ラウルは引き金を引いた。
間近で銃声を聞いた伯母は倒れかけ、傍にいた者に支えられた。
「とんでもなく腕が鈍った・・・」 弾痕は、的の中心から大きくそれている。
軽く舌打ちをして、もう一度身構えるが、思い出したように集団の方を向いた。
「今朝は気分が良い、朝食の支度をしてくれ。 軽いものがいいな」
当惑しながらも、一人は厨房に言伝に走った。
従僕の陰から、おそるおそるジャンヌが顔を出した。
「ラ、・・いえ子爵様、お怪我に障ります、お止めになった方が」
ラウルは相変わらず無表情に、シャツをたくし上げて怪我を見せた。
驚いたことに、傷口はまだ赤みがあるものの、腫れは小さくなっている。
眼を丸くした彼女に、ラウルは微笑し、そっと囁いた。
「誰かさんの、素敵な手当のお陰かな 」
耳まで真っ赤になる前に、俯いたまま、ジャンヌはさっと離れた。
「お、お医者様を呼びに行って参りますわ!」
その走り去る姿を見届け、胸を押さえている伯母に、彼はこう告げた。
「部屋にお戻り下さい、伯母上。 心臓に悪いですよ」
「い、いいえ、・・今日こそはゆっくり話しましょう、ね!ラウルや」
「残念ですが、昼前に出掛ける予定です」
「何ですって! ま、まさか貴方は・・」
にっこり笑って、彼は答えた。 「そう、オペラ座に。 僕の劇場ですから」
20.
・・肩に力が入りすぎだ・・
もう一度重心を落とし、ゆっくり、そして一気に引き金を引く。
再度、銃声が響き、老婦人は気を失って、従僕達にその身を預けた。
「よかった、じきに先生がおいでだから・・ふふ、後は任せるよ」
命中に近い出来だった。 満足げに弾の跡を眺め、彼は頷いた。
・・・後生だ、ムッシュウ・・・。
まるで、すぐ傍で歌われたように、耳に聞こえた。
「もう、怖くなどない」
“怪人”よ、僕の前に姿を現してくれ。 もう、まやかしはいらない。
え?と尋ねる従僕に、何でもない、そう答えながらラウルは拳銃の柄を撫でた。
「朝食後、馬車の支度を。 アラン、君は劇場の支配人たちに、連絡を頼む」
使用人たちは目配せをした。 どうも、このお方は本気らしい・・・
「大事な話があるから、必ずいて欲しい。 そう伝えてくれ」
「承知しました・・ご主人様」
誰の劇場だろうが、そんなことは問題じゃない。
怪人と、真っ正面から向かい合いたい、それだけだ。
どんなトリックを使おうとも、僕は必ずお前と一騎打ちまでもっていく。
彼は小さな恐怖と、大舞台への、得も言われぬ期待に武者震いを感じていた。
・・・例え負けても、あんな奴になら、むしろ本望だ。
強くなってきた朝の陽差しが、彼の顔を明るく照らし始めた。
的を睨みつける。 そこに、あの素晴らしく恐ろしい相手が見える。
堪らない快感に、ラウルは拳銃を構え直し、少し息を吸って、ぴたりと止めた。
(終)
ああ〜、一つとばしてます(泣
これを、「7」の次にお願いします。。。
なんて恥ずかピーことをっ。
8.
「後生だ、ムッシュウ・・・・」
その言葉が、耳から離れない。 なんと悲しく優しい、音楽のような話し声だろう。
がっくりと、体から力が抜けていくのを感じた。
(・・・それが、お前の真実の姿なのか? そんな悲痛な声が)
頭から、相手への敵意が消えそうになる。
「子爵様、あの・・・どうぞお開け下さいまし、お怪我の手当だけでも」
ドアの向こうから、おずおずと問いかける声がして、彼は我に返った。
「・・・鍵は掛かっていないはずだ、入ってくれ」
静かにドアが開き、部屋に一人の娘が怯えた顔で歩んできた。
床に座り込んでいるラウルの姿に、驚いて声をあげる。
「!?・・・まあ、なんて、どうなさったんです?」
「どうもしやしない・・・早く処置してくれ、ジャンヌ」
「とにかく、ベッドにお戻りにならないと」
肩を貸そうとして、ジャンヌは彼の頬に涙の跡を見た。
「・・・そんなに痛みますの、先生をお呼びしましょうか?」
いや、いいよ・・・そう言って顔をあげると、本気で心配する彼女と眼が合った。
その表情に、ラウルは少し気持ちを和らげた。
天使さま!
情景を綺麗で丁寧に書かれていて感激しました。
キター☆☆
天使さまありがとうございます!!!
これをどれだけ待ち望んだコトか……!
すごいなあ…映画とかでは見られなかったラウルの苦悩と感情の激しさと、
ファンタジーが見事に織り交ざって引き込まれたよ。
ラウルの屋敷での私生活は想像出来なかったんだけど、やはりメイドとかにも
もてもてだったのかな…そりゃそうか。
>「後生だ、ムッシュウ・・・・」
ファントムの心にも触れていてなんかここで泣きそうになったよ。
ぜひこれからもガンガン投下しちゃって下さい!
362です。
反応頂けて、とっても嬉しいです。思い切って聞いてみてよかった〜
なんだか、妙に長いものになってしまった…少しダレてませんかね
あと、「ご主人様」と「旦那様」、どっち使おうかスゴク悩んだのです。
「ご主人様」だと「ハクション大魔王」、
「旦那様」だと、粋に和服を着こなすラウルが頭に浮かんでくるし。
ホントは、パロ書ける方に憧れてます…謎の浪人(メチャ強い)ファントム、
粋なラウルと、舞の名手のクリスティーヌって、どうでしょうか??
どなたか天使様、お願いします (自分には無理デス…)orz
遅レスになるけど超GJ!
文も綺麗で読み易かったよ
可愛いし恰好いいラウルが見られて凄く幸せです。
あ、ファントムも凄くよかったよ。
切ない。
>362
素晴らしい!!
ラウルがどんなにクリスを愛していて、彼女のために命を落としても構わないと
本気で思っていたんだなって実感した。
映画では見られなかったけど、こんな風な決意でもってクリスの部屋の前で
寝ずの番(寝ちゃったけど)してたのかなとか思ったり。
あと、屋敷でのファントムとの対決シーンは原作テイストで、それも良かった。
またの投下をお待ちしてます!!
>>362 GJ!
ファントムの声の魔力に抗えないクリスの描写がエロくて(*´Д`)
見せ付けられて苦悩するラウルにも(*´Д`)
370 :
楽屋にて:2005/10/24(月) 01:01:30 ID:nPMI2aim
初投下につき不出来な点はご容赦あれ。
ファントム×クリス
でも目線はラウル。
371 :
楽屋にて:2005/10/24(月) 01:03:19 ID:nPMI2aim
ハンニバルの公演初日、懐かしいロッテと運命的な再会をした私は、
ひと目で彼女に心を奪われてしまった。
幼い日の小さな恋人であった彼女が美しく成長し、
まさかオペラ座の歌姫として私の前に現れるとは…
舞台の彼女の素晴らしく澄んだ歌声、そのなんと無垢で清純なことか!
白い衣装が若く清楚な彼女にとてもよく似合って、
まるで名画から抜け出してきたかのような美しさだった。
昨日は再会を果たしたものの、あいにくプリマとなった彼女を公演後、
食事に連れ出すことには失敗した。
彼女はそのあたりの尻の軽い女達とは違うのだ。
そんなクリスティーヌだからこそ、彼女のことが頭から離れないのかもしれない。
今日の舞台の彼女は昨日とはまた違って、歌にもその姿にも艶やかさが加わり、
大人の色気すら感じさせた。
今日こそはクリスティーヌと楽屋でゆっくりと語り合いたい。
出来ることなら一緒に外で食事をしたいものだが・・・
372 :
楽屋にて/2:2005/10/24(月) 01:05:26 ID:nPMI2aim
混み合った通路をようやく抜けて楽屋前にたどり着くと、扉の前にマダムジリーが立ちはだかり、
訪れる者全ての楽屋への入室を拒絶していた!
他の者ならいざしらず、幼なじみでオペラ座の支援者である、
この自分まで締め出すとはどういうことか?
クリスティーヌは私に好意を持っていることはあっても、嫌っていることなどあろうはずがない。
ねばってみたが取り次いではもらえず、納得出来ない思いで花束をマダムジリーに押し付け、
通路を表に向かった。
クリスティーヌにひと目会うこともかなわないとは!
頭に血が上り、周りに眼もくれず馬車に向かっていたラウルだったが、
クリスティーヌ、という名前だけには耳が敏感に反応した。
衣装のまま引き上げる踊り子の1人が別の踊り子に話していた言葉。
「クリスティーヌは昨夜、とうとうベットに戻ってこなかったのよ。
いったいどこで夜を過ごしたのかしらね?」
「あの、パトロンの彼のところじゃなくて?」
嬌声と共に遠ざかっていく踊り子達。
ラウルはその言葉をきいて呆然と立ち止まった。
オペラ座の踊り子達は、オペラ座の中で集団で寝起きしている。
昨夜といえば、クリスティーヌの初舞台。
彼女は昨夜、私の夕食の誘いをいともあっさりと断ったのだ。
踊り子の言う「パトロンの彼」とは紛れもなく自分のことだろうが、
もちろん私はクリスティーヌとひと夜を過ごしてなどいない!
(そうなれたらどんなに嬉しいことだろう)
いったい彼女はどこで誰と昨夜を過ごしたというのか?
それよりも今、彼女は本当にあの楽屋にいるのだろうか?
373 :
楽屋にて/3:2005/10/24(月) 01:07:23 ID:nPMI2aim
いても立ってもいられなくなった私は楽屋の鍵穴を覗きたい衝動にかられたが、
扉の前にはマダムジリーがいた。
私はクリスティーヌの楽屋の窓を大きな楡の木が覆っていたことを思い出し、
出入り口に用意されていた自分の馬車を無視して、オペラ座裏手の楡の木に向かった。
楡の木は楽屋の窓の高さよりはるかに大きく、
上って部屋の様子を伺うには十分な枝振りだった。
(もっと近ければ枝から窓へ飛び移れるのだが)
子爵ともあろうものがオペラ座の歌姫の楽屋を覗く為に夜の木登りとは
家族に知れれば恥さらしもいいところだったが、今の自分は確認せずにはいられない。
今夜は満月だったが、幸い雲に隠れてあたりは暗く、人通りもない。
一番下の枝に足をかけると、幼い頃から鍛えた体で難なく目当ての枝まで登った。
彼女の楽屋にはカーテンが引かれていなかった。
部屋にはろうそくが灯り、奥の化粧台の前で、クリスティーヌがゆったりと髪を梳いている姿が見えた。
舞台の衣装から、もう化粧着に着替えていた。
(彼女はやはり楽屋にいた)
ほっとすると同時に、正装のまま木を駆け上ってきた自分がとても滑稽に思えてきた。
降りようと思いながらも、楽屋で1人寛いで髪を梳くクリスティーヌについ見とれてしまう。
白い薄いレース地の化粧着姿の彼女。
誰かに見られているなど、思いもよらないのに違いない。
髪を片側に寄せる仕草、その白いうなじの眩しさ。
自分が何処にいるのかも忘れて、見入ってしまう。
374 :
楽屋にて/4:2005/10/24(月) 01:09:21 ID:nPMI2aim
と、クリスティーヌが楽屋の奥を振り向いた。
誰かが楽屋に入ってきたらしい。
・・・?出入り口からでなく、どこから誰が来たというのだろう?
そのときの彼女の、はにかむような笑顔。
化粧台の椅子から立ち上がると、嬉しそうに奥へと数歩移動する。
見えにくいのでこちらも少し場所を移動した。
そこに見えたのは・・・。
背の高い黒いマントの男だった。
クリスティーヌは薄い化粧着のまま男に近付くと、その胸に両手と頬を寄せた。
男は彼女を両手で包み込む。
そして彼女の髪に顔を埋め・・・その男の半面は白いマスクで覆われていた!
信じられないものを目にして、私は気が動転したまま何も考えられなくなっていた。
目の前に繰り広げられる光景を、ただ呆然と見ているだけ。
2人は一度離れて見つめ合い、ゆっくりと唇を合わせていった。
彼女の腕がするりと仮面の男の首に巻きつき、
男の腕は彼女のうなじと腰を抱きしめている。
やがて仮面の男はクリスティーヌを抱き上げると、寝椅子の上にその身体を横たえた。
薄い化粧着で寝椅子に横たわるクリスティーヌ。
私のところから、少し横を向いている彼女の全身を見渡すことが出来た。
ああ、彼女はなんて美しいのだろう!
今の状況を理解出来ないまま、その美しさに感動してしまう。
が・・・突如寝椅子の向こうから黒革の手袋をした手が現れると、
その手が化粧着の裾をひらりと膝上まで捲くった。
375 :
楽屋にて/5:2005/10/24(月) 01:11:47 ID:nPMI2aim
「!!」
その手は彼女の膝の内側に入り込むと、そのままゆっくり内腿へと上へ移動していく。
手は化粧着のスリットの中に消え、彼女が左右の足をこすり合わせるようにうごめかせるのが見えた。
仮面の男は彼女の首筋に唇をつけていた。
クリスティーヌはうっとりと眸を閉じ、半開きになった唇からは熱いため息が出ているかのようだ。
皮手袋の手はやがてガーター付のストッキングと共に現れた。
あの男は彼女のストッキングを脱がせていたのだ!
左右のストッキングを取り去り、足元へ投げ捨てると、
仮面の男は自分の黒革の手袋も投げ捨て、再び化粧着の裾を捲り上げた。
スリットいっぱいいっぱいのところ、クリスティーヌの内腿までがあらわになる。
滑らかな白い素足はゆったりとくの字に曲げられ、すこしずらして重ねられている。
ああ、あの男は素手で彼女の肌に触れるつもりだ。
何故彼女は何も抵抗しないのだろう?
その時、雲に隠れていた満月が姿を現した。
薄暗いクリスティーヌの楽屋の窓に光が差し、寝椅子の彼女の姿がはっきりと見えた。
眸を開けた彼女が、仮面の男に何か言っている。
「こんなに明るくては恥ずかしいわ」
おそらくそんなところだろう。
仮面の男は(私が覗く)窓に近付くとカーテンに手をかけた――
と、男がこちらに顔を向け、そのブルーともグリーンともいえない薄い色の眸が細まった――
楡の木の後から満月の光が差し込み、私の姿は窓からは逆光のはずだが、
見つかった――?
376 :
楽屋にて/6:2005/10/24(月) 01:19:18 ID:nPMI2aim
仮面の男は顎を引いて唇の片側だけで微かに微笑んだように見えた。
カーテンをほんの少しだけ引くと部屋の奥に引き返し、
クリスティーヌに何か言ってから、蝋燭の灯を落とした。
もはや木の上で馬鹿みたいに楽屋を覗いている場合ではなかった。
一刻も早く地上に降り、馬車を駆ってこの場を去るべきだ。
が、身体が固まったように動かない。
彼女の楽屋を見ることをやめる事ができない。
カーテンが少し引かれたため、寝椅子の半分が見えなくなったが、
蝋燭を消しても月明かりで中の様子はわかる。
仮面の男が寝椅子に近付くと、程なく、化粧着の上着が足元に投げられた。
そして彼女の脚を撫で上げる手―、その手はスリットの奥にまで伸び、
たくし上げた裾から彼女の小さな下着の中に入っていた。
腰を引き、脚をすり合わせて微かに抵抗する彼女の仕草――
下着の上から男の手を
「ああ、だめよ」
とでも言いたげに押しとどめようとする彼女の白い手。指が震えている。
下着の中をまさぐる男の手――
白い脚がなまめかしく捩り合わされていく。
ああ、クリスティーヌは今、どんな表情でいるのだろう?
クリスティーヌの白い手は、今やたくし上げられた化粧着の裾を、
何かに耐えるかのように切なげにつかんでいた。
すべらかな脚は時間と共に徐々に開かれていき、寝椅子を蹴るような仕草をし始め、
やがて、両脚を伸ばすと数秒静止し、ぐったりとした。
彼女は、あの仮面の男の手によって逝かされたのだ―。
<続く>
377 :
楽屋にて:2005/10/24(月) 01:30:14 ID:nPMI2aim
エロなさすぎですね。
申し訳ない。
退場。
>377
GJ!! 素晴らしい!!
ラウル視点なんだけど、ファントムとクリスの息遣いが伝わってくるような感じが
すごく素敵。こちらもラウルの目を通して楽屋を覗き見ているような……。
早く続きを投下してね!
>377
退場するなー!
スバラシス・・・充分にエロくて萌えるが?
続きを心待ちにしています。
イイ!!
最近どんな形であれ、ラウルブームな気がする(゚∀゚)イイ!!
>>377 充分エロいし美しい!
続けてくれたまえ!
382 :
楽屋にて:2005/10/24(月) 23:49:16 ID:nPMI2aim
退場するなと言われてUターンして戻ってきました。
ありがとうございます。
続き、書いてみます。
ラウルかっけー。
その前のラウルも!
>>362 「・・・後生だ、ムッシュウ」が頭から離れない。
あの声でそれ言われたら・・・、はぁぁ・・・(*´Д`)
あの、妄想止まらずに書いてしまいました。
マスカレードでファントムとクリスを書いたのですが、今回はクリスティーヌが
ファントムを選べなかったという設定で、ファントム×マダムです。
自分自身の染み付いた嗜好で、やっぱり目指したようなシリアスな
文章は書けませんでした。
前の駄目だった人は今回も駄目だと思います。スルーして下さい。
もし大丈夫という方いらしたら、長いですけど是非読んでやって下さい。
>382さまの間に挟まってしまう形になって申し訳ありません。
私も続き楽しみにしております。
暗い廊下を、地下へと続く階段を、足音を立てずに歩き回るのにトゥシューズはおあつらえむきの履物だった。
誰にも見つからないように私は地下へと潜っていく。
闇の中を音もなく降りて行く内に、自分が何か別の…少し危険で妖しい生き物になったような気持ちになる。
けれど息を殺してそっといつもの場所を覗き込もうとする前に、少年はいつも私の名を先に呼んだ。
そこで私はまた、ただの少女へと戻ってしまう。
それまでの陶然とした気分が惜しくて、心の中で彼に八つ当たりする。
――どうして気付いてしまうのよ、エリック。私はもう少し、あの生き物でいたかったのに。
今思えば、無理もない事だった。
暗い地下で、彼の身に起こる変化は私の訪れ位しかなかったのだから。
檻に入れられ見世物にされて来た少年。
閉じ込めていた男を殺めた彼を、私は殆ど何も考えずに夢中で手を引いて、このオペラ座の地下へと匿った。
後先の事など考えてはいない。
ただ自分が運んで来る食料や薬で、飢え傷ついていた彼が回復するのを待っていた。
「そこに座って、エリック」
唯一の寝具である粗末な毛布に彼を座らせると、清潔なタオルで傷だらけの背中を拭き、塗り薬をつける。
「これでいいわ。私ね、衣装部屋にあなたにぴったりな洋服を見つけたの。今日は無理だったけど、きっと近いうちに持って来てあげられると思う。これからますます冷えるようになるから、温かい毛布も何枚か用意するから」
洋服とか、毛布とか、そういう目先の事を口にする事によって、私はエリックが犯した罪と、これから待ち受けるであろうもっと大きな問題から眼を逸らしていた。
麻袋を被ったままの彼は、それには返事をしない。
あまり喋らないので、連れて来た時は、ひょっとして知能に問題があるのかとすら疑った。
けれど、私を呼ぶときの声色や、時々質問に答える調子から、私はエリックに人並み以上の知性のきらめきを感じていた。
「ねえ、血が!誰にやられたの?」
私の足元にしゃがみ込み唐突に叫ぶ少年に面喰らいながら視線を落とすと、右足のトゥシューズの爪先に確かに血が滲んでいた。
あまりにも必死な彼の様子に、思わずくすりと笑ってしまう。
「エリック、これがバレリーナの足なの。何度も爪を剥がして、マメを潰して、踊れるようになるのよ」
言い終わってから気付く。
血が流れていたら、それは誰かにされたこと。
それが彼の日常だったのだ。
「バレリーナ?」
「そう。もう少ししたら、あなたもオペラ座を覗いてみればいいわ。私、音楽に合わせて踊るのよ」
調子にのって傷が開いているのも忘れて爪先立ちになり、その場でくるりと回転をして見せる。
「…っ…」
途端に鋭い痛みが足先から全身を駆け巡り、しゃがみ込んでしまう。
爪先を庇い、痛みが去ってくれるのをじっと待つ。
それが何とか収まった時、私はエリックがその場に棒立ちになっているのに気付いた。
「エリック?」
「…君、急に背が高くなって…すらりと伸びて…どんな魔法を使ったのかと思った」
その声は、信じられないという様に掠れていた。
私は僅かに残る痛みも忘れて笑い出してしまう。
「魔法なんかじゃないわ。爪先で立っただけ。ほら、こんな風に」
今度は傷に響かせないように、ゆっくりとポワントをしてみせる。
エリックは麻袋から開いた二つの穴から、魅入られたように私を見ていた。
「…痛む?」
「…もう慣れているから…エリック?」
彼はしゃがみ込み、私のふくらはぎに触れた。
それからゆっくりと手の平が下に降りて行き、足の甲に触れる。
なに?
意味がわからずに、私は彼のされるがままになる。
麻袋をずらし、現れた唇で彼は私の足の甲に労わるようにキスをした。
「エリック、なにを…あっ…」
素早い動作で私の片足を抱えて、血の滲んだ方のシューズの紐に手をかける。
バランスを崩し、エリックの肩に縋る体勢になってしまう。
太ももの内側に触れる彼の手の平の感触に、全身がぞくりと粟立った。
「爪を見せて、お願い」
その瞬間、彼を突き飛ばしていた。
立ち上がって、座り込んだままのエリックに向かって、二人の間の厳正なルールを言い渡すように告げる。
「エリック、よく聞いて。こんな風に私に触れては駄目。触れたらもう来ないわよ?」
薄暗い地下での出来事。
麻袋を被ったままの彼の表情はわからない。
けれど、その言葉は確実に彼の胸へと刻まれたらしい。
頭のいい子は、それから一度も私に触れようとしなかった。
地下で私の訪れを耳を済ませてじっと待っていた少年は、麻袋の変わりに仮面を手に入れ、心の城壁を張り巡らし、地下で彼だけの王国を作り上げていく。
私はそれをなす術もなく、ただ見守っていた。
想像以上の頭脳と才能の持ち主だったエリックが地下だけではなく、このオペラ座全体を支配するようになるのにもそう時間を要さなかった。
どこからともなく届く手紙で、彼は私に対し当然の権利のように色々な命令を下す。
それに逆らったり、抵抗したりすることは一度もなかった。
私は、彼が自分に新しい役割を与えてくれたことに、心のどこかでほっとしていた。
その方が、どれだけ楽かわからない。
どちらにしてもあの瞬間に、私達は睦みあう機会を失っていたのだから。
オペラ座が彼の狂気によって炎上した夜。
クリスティーヌとシャニュイ子爵の無事を人づてに確認した後、私は暗闇に隠れてある場所に一人立っていた。
ある賭けをしていたのだ。
そして彼は現れた。
私達以外誰も知らない、鉄格子の嵌ったオペラ座の抜け穴から。
駆けより、用意しておいた黒いマントを被せる。
「…何もおっしゃらずに、こちらへ…」
「ジリー…?…」
その声は紛れもない彼の声だった。
逡巡している暇はない。
強引に手を掴み、走り出す。
あの夜と同じように、また闇が私達の味方をしてくれた。
以前から私は彼の言い付けで、街外れに小さな屋敷を一軒管理していた。
これも彼に支払われていた月二万フランの使い途の一つだった。
シャニュイ子爵が何か特別な計らいをしたらしく、警察やオペラ座の関係者たちはエリック追捕の手よりも、炎上した劇場の再建と、事件で負傷した人たちの保護に力を注いでいるようだった。
おかげで私も3日に一度は食料や日常品を届けに、彼の屋敷に通うことが出来る。
エリックは何も言わなかったし、私も聞かなかった。
彼を責めたり捕まえたりするのは、もしそれが必要なことであれば誰か他の人間がするだろう。
私はそれらから彼を守るだけ。
見世物小屋からエリックを連れ出した時に、私の役目はそう決まっていたのだ。
それと同時に私には、彼が本当に欲しいものを差し出すことは出来ない事も知っていた。
今日は朝から空模様が怪しかった。
早めに差し入れを済まそうと思っていたのだけれど、予想外に他の用事に手間どり、屋敷に向かう途中から降りだした雨にずぶ濡れになってしまう。
鍵を開き、逃げ込むように屋敷の中へと入る。
直後鳴り響いた大きな雷鳴に、思わず大きな悲鳴を上げてしまった。
明かりのついていない玄関ホールで耳を塞ぎしゃがみ込んだまま、続けざまに鳴る雷が止んでくれるのを待つ。
「マダム・ジリーは雷がお嫌いか」
くっくっと、ホールにいかにもおかしそうな様子の男の笑い声が響く。
顔を上げると、仮面をつけたエリックがシャツに黒いスラックスというラフな出で立ちで、玄関ホールから2階へと続く階段の上からこちらを見下ろしていた。
何だか悔しいような気持ちになり、急いで立ち上がったけれど、ポタポタと全身から水滴が滴ってしまい、全く格好がつかなかった。
「ああ、すっかり濡れてしまっているね。湯を使うといい」
声からは、流石にからかいの調子は消えていた。
私は窓から外の様子を伺う。雨はますます酷くなり、止む気配を見せない。
「帰らなくては…」
誰に言うともなく、呟いてしまう。
でも、どうやって…。
私の途方にくれた顔を見ながら、エリックはもう一度繰り返した。
「風邪をひきたいのかい?マダム・ジリー。湯を使いなさい」
今度の声は、命令の声だった。
低く冷たい「主人」の声。
寒気がした。
それが雨のせいか、彼の声のせいなのかはわからない。
雨を吸ったドレスが冷たく重く身体に張り付いている。
どちらにしても、私は身体の芯から冷えてしまっていた。
湯を使い身体を温める事によって、少しだけ気持ちが落ち着く。
この時期、もし私が夜戻らなければ、ようやく混乱の内にも平静を取り戻しつつあるオペラ座をまた騒がすことになるだろう。
それだけは避けなければいけなかった。
少しの間雨が止むのを待って、もし止みそうもなければ、例え土砂降りでもこの屋敷を出よう。
そう決めてから浴室を出ると、私の身に付けていたものは見当たらず、女物の部屋着が置かれていた。
それは、私が以前に用意したものだった。
彼からいつでもこの屋敷に人が…それも夫婦が住める状態にしておけと指示があったから。
その衣装を身に着けることには抵抗があったが、裸のままでいるわけにもいかない。
一つため息をつき、意を決して袖を通して浴室を出た。
誰の為の部屋着だったのか。
答えをよく知っている私は、今更ながら胸が痛んだ。
「ジリー…」
放置したままの食料を整理しようと食堂へ向かうため、真っ暗な居間に足を踏み入れると、暗闇からふいに声をかけられる。
「あ…こちらにいらしたの…明かりもおつけにならないで…」
驚いたせいで、非難するような声を出してしまう。
「…君は夕方にしか来ないからわからないだろうけれど、この屋敷は光が入りすぎる。日中は心が休まる暇もないよ。夜くらい暗闇の中にいてもいいだろう?」
そう言う彼の声は、暗闇に良く似合った。
そのある種官能的と言ってもいい声音に、返す言葉をなくす。
「ああ、そうだ。君の洋服は乾かしてある。明日の朝には着て帰られるだろう」
「…必要な事を済ませたら、すぐに帰るつもりです」
「どうやって?言っておくが、雨は今晩止まない」
彼は予言するように言い切る。
長年私達を縛り付けてきた主従関係にも似た繋がりが、彼の言葉は全て真実だという錯覚を私に引き起こす。
「…どうしておわかりになるの?とにかく、帰りますわ。どうやってでも」
それを振り払うようにして伝える。
マッチを擦る音がして、ランプに明かりが灯る。
彼は肘掛椅子に揺られ、グラスを片手にこちらを見ていた。
「そうやって髪を下ろしているところを見ると、別の名前で呼びたくなるね。マダム・ジリー」
洗面台に置いたはずのピンがなくなっていたので、私は生乾きの髪をたらしたままにしていた。
彼の声に危険な響きを感じ、身じろぎする。
と同時に、アルコールの匂いがぷんと鼻をつく。
「かなり呑んでいらっしゃるのね。もし、お話があるのなら、正気のときに伺います」
この半月程の隠匿生活で、お互いが…少なくとも私はひどく疲れていた。
気付かないうちに、声に刺が混じる。
「正気?」
ゆっくりと椅子から立ち上がった彼に、腕を掴まれる。
乱暴なものではなく、妖しく柔らかく、まるで誘うような仕草だった。
背の高い彼に視線を投げかけられ、私はそれを逸らすことが出来なかった。
「マダム・ジリー…私が正気だったことなど、ないのだよ」
「いいえ…!」
彼が言い終わらないうちに、否定の声を上げていた。
驚いたのだろう。さらに深く、探るような眼で私を見つめる。
その視線から逃れようと私は横を向いた。
確かに彼は嘘をついていない。
エリックの狂気はオペラ座を焼いた。
クリスティーヌ・ダーエがカルロッタの代役を務め、拍手喝采を浴びたあの夜からずっと、彼は狂気に犯されていた。
けれど、あなたは。
「…いつも正気でしたわ、私といる時は」
愚かなことを口にした。
愚かで、醜い、決して口に出してはいけないことを。
この言葉が、彼にとって意味のわからないものであって欲しいと願う。
「…触れるなと言ったのはあなただ」
彼の声は、絞り出しているかのように掠れていた。
堪らなくなって、私はきつく眼を閉じる。
やはり、覚えていたのだ。
この人はあの夜、恐らく初めてこの世に芸術というものがあると知ったのだろう。
誰かに傷つけられたものではなく、何かを得ようとして出来た傷跡を確かめたかったのだ。
私は、その指に恐怖を感じて、彼を突き放した。
その先にある、暗闇が怖かったから。
そうしておきながら、心の奥底で彼の狂気が禁を破り、再び自分の肌に触れる事を求めていた。
どうしようもなく愚かで醜いのは、他の誰でもない。
私なのだ。
「そうね、その通りだわ…。よしましょう、言い争いなんて」
動揺を押し隠そうと、私は腕を振り払い、彼に背を向ける。
「誤魔化さないで言ってくれ。触れるなと。それが私達の間の決まりだと」
再び彼の方へと向き直させられ、肩を強く揺さぶられる。
彼の眼に狂気はなく、懇願の色が浮かんでいた。
けれど、その眼で彼自身も知らないうちに、私を追いつめ、昔に引きずり戻そうとしているのだ。
私はこんな形でもう一度、あの辛い一幕を演じないといけない。
遠い昔。
少女だった自分の、甲高く、残酷な声が聞こえるような気がした。
――触れては駄目…触れたらもう来ないわよ?
「…もう一度、そんな事を口にするのなら死んだ方がましですわ」
抑えていた感情が私の中から放たれる。
その言葉に力の緩んだエリックの手の平から肩を抜き、深く彼の胸に潜る。
エリックはその重さに耐えられないかのように、私を抱き締めたままがっくりと身を折り、床に膝をつく。
「ジリー、ジリー…君こそ正気じゃない…」
彼は垂らしたままの私の髪に5本の指を差し入れ頭をかき抱き、耳元に強く囁く。
「触れてもいいというように聞こえるよ?」
その声は命令をする事に慣れた尊大で危険な男のものではなく、どこか呆けて頼りないあの時の少年のものだった。
明かりのないエリックの部屋で抱き合う。
闇の中だというのに、彼は迷いのない手で私の身に纏ったものを脱がせて行く。
ベッドに全裸で横たわると、輪郭を確かめるように、頬から首、胸から腰、そして数年前からもう踊ることが出来なくなった脚へと、両の手の平でなぞられる。
華奢な体型の少女達に取り囲まれて暮らしているおかげで、自身の身体に脂肪をつけるような事は極力抑えて来た。
それでも、確実に年月は私の身体から若さを抜き取っている。
エリックもそれを感じているだろう。
そう思いながらも、壊れ物を扱うような優しい愛撫に身体は少しずつ高ぶっていった。
「あっ…」
ふいに冷たい唇が胸に押し当てられ、思わず声が出てしまう。
そのまま頂きを口に含まれ、舌先でねっとりと転がされる。もう片方の乳房も彼の手の平に包まれやわやわと揉まれ、すでに硬くなった頂きを摘まれる。
「んっ…ああっ…」
快楽が羞恥を忘れさせる程に高まっていたけれど、それと同時に私はひどく怯えていた。
もう顔も名前もおぼろげにしか覚えていない、初めての男と過ごした夜よりも、今夜のほうが怖かった。
「姿が見えないのならせめて声を、もっと聞かせてくれ…」
苦しそうな声がして、怯えもまた私の中から消え去る。
私は声を頼りにエリックの頭を捜し当て、髪に指を差し入れる。
エリックは何時の間にか、仮面をとっていたらしい。
顔を撫でる感触で、そのことがわかった。
「ごめんなさい…エリック…ごめんなさい」
明かりの元で抱き合うには、私はもう女としての輝く季節を通り過ぎていた。
それが申し訳なくて、悲しくて、涙が溢れる。
「泣かないで…辛いならやめよう。私なら、いいんだ」
その涙の意味を違えて、エリックが私から身を離そうとする気配がする。
「違うの…お願い。ちゃんと、最後まで抱いて。あなたが、そう出来るのなら」
そう言い終わらないうちに、彼は私をきつく抱き締めてくる。
「愚問だよ、ジリー…正気じゃないほど、欲しい」
それまでの優しいけれど、どこか手探りのような愛撫とは違う激しさで、首筋から胸へとキスをされる。
「ああっ…いやっ…」
迷いのない動作で片足を抱えられ、思わず悲鳴のような声を上げてしまう。
それでも彼の手は止まらずに、太ももの内側を撫でたあとに、その付け根へと向かう。
私のそこはもう触られるのを待っていたかのように、熱く濡れそぼっていた。
エリックの指が触れた時に、甘く痺れるような感覚が全身を駆け巡る。
「んぅっ…エリック…」
もう充分だった。
長い間にどうしようもなく遠く離れていたあなたが、今はこんなにも近くにいる。
「きて…」
その言葉に、彼はゆっくりと上体を起こし、腰を脚の間へと割り込ませる。
私の中に入って来た彼自身の熱さと硬さで、先ほどの言葉が嘘ではないと信じることが出来た。
暗闇が肉体の輪郭を取り除いたのか。
息もつけない程の快楽の中、私はエリックと一つの生き物になったような感覚を味わい、そのまま意識を闇に溶かしていった。
朝の光の中、シーツがゆっくりとひきはがされる。
それがわかっていながら、私はぴくりとも動けなかった。
冷たい外気に肌が晒されていく。
「悪いけれど、そのまま眼を閉じていてくれないか。仮面をしていないからね」
彼の声は優しかったけれど、まだ私を拘束する力を持っているようだった。
暗闇の中での逢瀬と決めていた筈だったのに、明るい光の中、私は一糸纏わぬ姿で彼の前に横たわっていた。
「…あなたは美しいな、ジリー」
そんな筈はない。
私は、目を閉じたまま静かに首を振った。
「本当だよ。…地上の女は大概美しいものだと思っていたが、中でもあなたは特別に美しい」
彼は私が驚いて眼を開けなくても済む位の刺激で、足の甲と変形した爪に触れる。
微かな吐息を感じた次の瞬間、唇がそこに押し当てられるのを感じた。
「どうしてここを離れられないのか、私自身にもわからなかった。全てを捧げた音楽も愛も、あの夜に息絶えていたというのに…。今、やっとわかったよ。君の爪先を確かめなければ、どこへもいけなかった。何も決められなかった。生きることも、死ぬことすら…」
まるで憑き物が落ちたかのような、穏やかで優しい、そして寂しい声だった。
そしてもう一度、爪先に唇の感触を覚える。
「…生きて…償って」
私は眼を閉じたまま、そう告げる。
返事はなく、沈黙が張り巡らされる。
たまらずに眼を開け、上体を起こした。
彼の姿を見ようとしたのに、素早く身をかわされ、後ろから抱きすくめられる。
裸の背中に当たる感触で、彼がもう衣服を身に着けていることに気付く。
手の平で両目を覆われてしまい、私はまだ闇の中だ。
「…お願い…連れて行って、エリック」
本気でそう願った。
「ありがとう…」
次の瞬間、息が出来ない位に強く抱き締められ、今ではもう誰も覚えてもいない少女時代の名を呼ばれた。
腕の戒めを解かれて、振り向くともう彼は部屋を出ようとしていた。
あの夜に、私が被せた黒いマントを身に付けている。
「エリック?待って…すぐに仕度をするから、すぐに…」
呼び止めても、彼の歩みは止まらない。
裸のままシーツを巻きつけて、ベッドから降り私も彼の後を追う。
その間は、ごくごく僅かなものだったのに。
開け放たれた廊下には、誰もいなかった。
「…エリック…」
まだ屋敷を出てはいない。
そんな筈はない。
彼は身を隠すのがとても上手いから。
でも、今ならまだ、彼を見つける事が出来る。
屋敷中を駆け、扉をあけ、カーテンを開いて行く。
その度に、昨夜の雨が嘘だったかのように、眩しい光が降り注ぐ。
彼の言ったことは本当だった。
日中のこの家は、あまりに光に満ちている。
これでは誰も隠れることは出来ない。
本当に、誰も。
すっかりこの屋敷から闇を追い出してしまってから、やっと私はそう認めた。
事実を受け止めるのに、それだけの時間がかかったのだ。
ここにはもう、エリックはいない。
建物中の光が集められているかのようなふきぬけのホールに、私は子供のようにへたり込む。
変形した爪先にまだ、彼の唇の感触が残っていた。
陽光が降り注ぐ中、シーツを一枚巻きつけたままの姿で、私は一人声を殺して泣き続けた。
終
以上です。
読んで下さった方いらしたら、感謝。
ちなみにポワントとは、トウシューズのことで、爪先で立つという意味も
ある、そうです。
最初に入れ忘れましたorz
天使様ありがとう!
切なくて泣けるけど萌える…
リアルで読みました!良かったです。
ジリーさんとファントム、新鮮。
ファントム×マダム、普段は自分は考えない組み合わせだけど、
読んでいて感動で震えそうでした。
天使様GJ!!
ブラボー!
401 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 23:42:05 ID:jyGglQtO
ブラーヴァ!! or2゛
>>401 すいませんあげてしまいました・・・(ノД`)
>>396 GJ!
ファントム×マダムでこんなに切ないなんて……!!
マダムがひとりの女って感じがしてエロ切なかった。
ファントム×マダムGJ!!!!!!!!
ラウルの続きも待ってます
>>396 マダムキターーー・・・!
。・゚・(ノ∀`)・゚・。おいどん生きてて良かったよぉ〜。
すげぇ! GJ!
なんて構成が巧いんだ、感動
「愚問だよ、ジリー…正気じゃないほど、欲しい」のせりふにまじで震えた
ファントム×マダムにこんなに萌えた自分に驚いてるよw・・・
なんてすばらしいんだ!
>>396ありがとう
こういう場があるのが嬉しいよ。
職人さんごとにそれぞれの物語がある。
すごく綺麗だったり切なかったりエロかったり。
もっともっと読みたい。
407さんの言葉にハゲしく同意!
萌え狂ったよ……余韻も素晴らしい。
362の天使様のラストも、ラウルの若々しい清新さが象徴されているようで、
すごく好き!
377の天使様。新機軸ですよ、ハァハァですよ。早く続きが読みたい〜!
萌えの連続投下に寝不足が続き、毎晩が「情熱の受難劇」状態。幸せだ〜!
天使様、ありがとう!
正直なところ エ?マダムゥ??っておもっちゃったけど
読んで見たら とても素敵・・・
自分も必ず歳をとるわけで マダムの
「明かりの元で抱き合うには、私はもう女としての輝く季節を通り過ぎていた。 」
・・・って気持ちになんだか 泣けてしょうがなかったです。
エリック どこにいっちゃったんでしょう・・・
エリック戻ってこーーーい!
もっともっとマダムが読みたいのぉ・・・
今晩も天使様にお祈りしよ。
マイ好物キター!マダムごっつぁんでしたハァハァハァハァハァハァ。
ファントム×マダムのエンジェル、スバラしかですor2゛
ついに今日という日がやってきた。
愛しいクリスティーヌをはじめて我が家へと迎える日が。
滑りやすい通路はキレイにしたし、馬の機嫌も良好。
歓迎する仕掛は、準備万端総て整っている。
しかし、数々の仕掛けの中でも、あの燭台には苦労した。
なかなか総てが同時に灯らず、この寒い中何度も水に潜ることを余儀なくされた。
しかしその甲斐あって、ここ数日繰り返したテストでは見事な動作を見せている。
そして、歓迎の仕掛けの中でもメインとなるのがあのカーテンの中にある。
クリスティーヌの眼前で薔薇色の覆いを上げると、中には美しい人形が佇んでいる。
彼女はきっと、人形の顔が自分そっくりなのに驚くだろう。
そう、そしてその人形は次の瞬間クリスティーヌに向かって手を突き出す!
「きゃー!マスター!」(抱きつく)
「はっはっは。クリスティーヌは本当に怖がりだな」
「…もう!マスターったら!…意地悪…」
…理想的だ。
さてそろそろクリスティーヌを迎えに行こう。
些か早すぎる気もするが、遅いよりはましだ。
待っていてくれ、クリスティーヌ!
>413
ウウ…マスターの「ああ勘違い」の妄想・努力が哀れだ。
翌日?屋上で鼻水スピスピしてたのは、水に潜ったせいだったんだね。w
「空回りマスター」の続きもぜひ! or2゛
そういえば、映画のマスターも空回りだったな……orz
>413
水に潜って動作をテストするマスターはどんな姿なんだろう
やはり海パンなんでしょうか…カワユ
ぜひ空回りマスターシリーズをキボン!
関連の中でも脅威のスレだ…もうKBの半分消費した
マダムとエリックも素晴らしい。
そして久々のギャグネタも大好きだ。
自分の中の(映画の)ファントムは、魔術師と言うよりも
こうやって汗水垂らして大がかりな仕掛けを作っていそうな
イメージw
415
褌キボン
>>413 GJGJ!!
仕掛けの点検や馬のご機嫌取りに勤しむ怪人を想像してワロイました。
>413
いやー、マスターがカワエエ。
すげー努力したのに空回りって……w
>416
確かに。前のギャグ・シリーズで、ダーエ家墓所で
大工仕事してたマスターの姿が思い浮かびました。
短編エロ無しのファントム×カルロッタ投下します。
過去に一度だけ、わたしはこのオペラ座で不思議な体験をしたことがある。
あれはまだわたしがコーラスガールの一人でしかなかったとても昔の話。
いつものように先輩に苛められ、プリマドンナには八つ当たりされ、練習も辛くて毎日が苦しかった。
大部屋でみんなが寝静まった後、気づかれないように泣いているわたしの耳に誰かの歌が聞こえてきた。
少年のように高く、それでいて年季を経た歌手のように素晴らしい歌声。
それでいて甘く、切なく、わたしの胸に響く。
わたしはそっとベッドを抜け出してその声の主を探した。
でもその声はまるで壁の向こう側から聞こえてくるかのように、居場所がわからなかった。
「天使のようだわ…」
わたしの呟きが聞こえでもしたかのように、その歌声はだんだんと遠ざかっていった。
そのことがあってから、大抵の辛い出来事は乗り切れるようになった。
どんなに辛くてもあの時の歌声を思い出すだけで元気になれた。
最も、その歌声を聴くことは二度となかった。
あれからどれだけ経っただろう。
わたしはこのオペラ座のプリマドンナの座を勝ち取ることができた。
あの歌声がなければここまで来ることはできなかっただろう。
その澄んだ旋律をもう一度聴きたくて、同じオペラ座の第一テノールが今のわたしの恋人だ。
彼の声も素晴らしいが、あの時聞いたような感動を覚えるほどではない。
最近『オペラ座の怪人』のせいでわたしの代役を勤めた小娘が言っていた『音楽の天使』。
他のコーラスガールは誰も信じていないが、わたしには少しだけ解る。
きっとわたしが聞いたあの歌声の主が『音楽の天使』なのだから。
>420
おお、エロパロスレ初のカルロッタネタではあるまいか。
なんか、けなげな感じでかわいいな、このカルロッタ。
ピアンジもちゃんと恋人認定されててヨカッタね。
>>420 小娘呼ばわりしてる割にはクリスに対して理解のあるカルロッタ
ええ娘や
362です。
ここの作品、雑談やレスから、すごく触発されます。
適当に設定無視して、また書いてしまいました。とりあえず前回の続きです
:エロ成分、皆無 (パロになるかも)
:ラウル以外、オリジナルキャラがほとんど
:原作のラウルのファンの方、すいません・・
そんなのでも、もしよければ・・・orz
425 :
変貌・1:2005/10/28(金) 05:06:40 ID:1VU3SlG2
療養中の父に代わり、領地内での行事に出席してきたラウルが帰宅した。
「お帰りなさいませ、ベルナール先生がお待ちでございます」
聞けば、医師は伯母の診察を終えた後、彼の腕の怪我の経過を診たいとのこと。
「お待たせしました先生…、それにしても心配症ですね」
「そんなおかしな傷を、無視できませんからな」
例の傷は、一旦きれいに治ったかに見えて、次の日には再度腫れるというものだった。
ラウル自身は、ファントムから受けた傷ならさもありなん、と思っているのだが。
また、不思議なことにあれ以来、物音や気配に敏感になった自分に気付いていた。
「伯母の具合は、どうなんです?」
「そうですなあ、ご憂慮が続いておいでのようですから」
…憂慮。 まさしく、その原因は自分だ。 ラウルは少し、視線をはずした。
「失礼を承知で申し上げますが、…貴方は少しお変わりになった」
医師は、深い色の眼を真っ直ぐ向ける。 お節介ではなく、思いやりに満ちた眼差し。
何も言い返せない。 話題を変えよう……
「今日は、お一人なんですね、珍しい。 ジャンヌは休暇ですか」
「…いや、もうあれは、仕事ができないかもしれない」 医師は眉間に皺を寄せた。
どういう意味だ?
「ひどい事になってしまって…」
「ひどい事? …看護の仕事が出来なくなるほど、何があったんですか?」
つい声を大きくしたラウルは、小間使いに退室の合図をした。
彼の様子に、医師は少し驚いたが…みんなに慕われていた、良い助手なのに…と、嘆息した。
話はこうだった。
彼女は来月に結婚を控えていた。 しかし婚約者というのが、えらく嫉妬深い。
裕福な商人の三男坊、自分は遊んでも彼女には決してそれを許さない。
先日、彼女の隣家の主人が落馬したので、打ち身の手当をしたのだという。
そういったことは初めてではなく、近所で病人が出ると、よく世話をしていたようだ。
前から快く思っていなかった婚約者が、疑いを勝手に膨らませ、とうとう爆発した。
「他人に色目を使うな、と罵倒し殴打した後、背中に熱湯を浴びせたそうです」
「馬鹿な……」 ラウルは絶句した。
「昔は、睦まじい恋人同士だったそうです。 何事も、過ぎると良い結果を生みません。」
ずしりとくる言葉だった。 (…それを言いたかったのか。)彼は納得した。
くれぐれも無茶はなさらないように、と言い残して医師は帰っていった。
426 :
変貌・2:2005/10/28(金) 05:07:59 ID:1VU3SlG2
(2)
一人、すっきりしない気持ちのまま、応接間にいるラウルに、伝言が入る。
オペラ座の支配人たちからだった。
「読んでくれ」
……先日話した件について、警察に依頼をした。
「勝利のドン・ファン」初日に警官隊の配備を、という要望、その理由について説明した。
しかし、警察署長の返事はすげなく、そんな不可解な事に警備は付けられない、
客寄せや演出なら、他をあたってくれ、と相手にされなかった。
しかし、シャニュイ子爵が直接相談すれば、向こうも動くのではないか……
「頼りになる、お二人さんだ…全く」 ラウルは苦笑した。
自分が動くことは、もちろん厭わない。 でも、家名の力に頼るのは、気が進まない…
しばしの思案の後、書机に移り、便箋を取り出した。 模様のない、無地のもの。
さらさらと紙にペンを走らせ、丁寧にたたみ、宛名を書かずに封筒に入れた。
(突然の不躾なお手紙をお許し下さい、いえむしろ、貴女になら咎めを受けましょう。
一昨日、オペラ座でご一緒しました。 私の向かいのボックス席に、貴女はおいででしたね。
いつもヴィリエ男爵と、その奥方がご一緒のはずなので、私は少し驚きました。
お美しい方が、奥方と楽しそうにお喋りをしながらオペラをご覧になっているのです。
私は、ついついそちらばかりに気を取られ、とても舞台を観る余裕はありませんでした。
儚いほど慎ましげなその姿、花のような美しい口元。
一体、どんな方なのだろう…そればかり考えて、時間を過ごしてしまいました。
ふと我に返れば、既に演目は全部終了していたという次第です。
しかし私は、何より大事な事が分かりました。 その方のお名前を知ることができたのです。
そして、今その方にお手紙を差し上げているのですから、私は幸福な男と言えましょう。
私についての芳しくない噂を、恐らく貴女もご存じかと思います。
それについては否定も肯定も致しますまい。
ただ、私がいかに芸術を愛しているかを世間が知ってくれればと願います。
オペラ座警備の件について、是非貴女のご助力を賜るため、お会いしたく存じます。
お優しい唇から、どんなお答えが頂けるのか、甚だ不安ではありますが、
明日午後、オテル・ド・ノアールにてお待ち申し上げます。
貴女がいらして下さるまで、私はきっと待ち続けることでしょう。
貴女に心よりの敬意を Rより )
427 :
変貌・3:2005/10/28(金) 05:09:18 ID:1VU3SlG2
「すまないが、少々急いで欲しい。 これを、警察署長夫人まで頼む」
ラウルは手紙を従僕に渡すと、再度深々と椅子に腰掛けた。
どうも手紙は苦手だ…… でも、方法を選ぶ時間は無い。
明日、夫人に会えたら、どのように口説いて、夫にオペラ座の警備をせがませるか。
署長の後妻は、振り返る程ではないにせよ、若く可愛らしいので、会うのが苦痛ではない。
それにしても…… 自分はもう、懺悔さえ許されない程、墜ちたようだ。
これは家名でごり押しする事より、つまらない行為じゃないのか?
昔のように、神への愛のみに生きられたなら、平穏に毎日を暮らす事ができたろうに。
信心深かったはずの彼が、大きく変わったのは、やはり社交界に親しんだ為だろう。
もともと素直で、周りの影響を受けやすい。 悪く言えば自分が無いのかもしれない。
でも、我を張り通す必要の無い人生だったから、それでむしろ良かった。
クリスティーヌに、再会するまでは。
でも、実際は彼女は傍におらず、自分は計画の為に他の女を見方に付けようとしている。
これは、望んだ事ではなかった。
夕食が始まってすぐ、久し振りに同じテーブルについた伯母が、話しかけてきた。
「ねえラウル、あなたが何やら物騒な計画をしていると聞いたのだけれど」
「物騒…ですか、何をお聞きになったんです?」
「オペラ座の歌手のために、警察にまで働きかけてるそうじゃないの」
「歌手のため、だけではないですね。 劇場の安泰を考えてのことですよ」
「おやめなさいラウル、もうこれ以上シャニュイの名に泥を塗らないで…」
二つめのスープから、眼だけを上げて、彼は伯母の顔を見た。
「あなたはこの家の次期当主よ、自覚を持って行動して頂戴な」
「…今日は食が進まない、これで失礼します」
口の端を軽く押さえ、無造作にナプキンを置くと、彼は席を立った。
「ラウル!あなたは…ああ、どうなってしまったの?」
そのやり取りが、ふと昔の記憶を呼び覚ました。
まだ子供の頃、ブレストの伯母の屋敷で、姉たちとしばらく過ごした。
お茶の時間のすぐ後、子供達はお行儀悪く、すぐにパタパタと遊び始めた。
一番年少だったラウルは、うっかりテーブルの上に姉の人形を放り投げてしまい…
伯母の一番お気に入りのティーセットが、半分ほど壊れた。
泣き出しそうな彼に、伯母は笑って言った。
…いいのよ、それよりケガはなかった? 可愛いお手々を見せて頂戴な…
(ご免なさい、伯母様…) あの時と同じ返事を、今の彼は胸に飲み込んだ。
428 :
変貌・4:2005/10/28(金) 05:10:53 ID:1VU3SlG2
部屋に戻ってすぐ、夕食が運ばれてきた。
伯母が案じて、指示したのだ。 少しだけ口にして、ワインで流し込んだ。
(確かに、僕は酔狂な真似をしてる… 滑稽でもある)
机の上には、オペラ座の見取り図が広げられている。
でも、さすがに月明かりだけでは、よく見えない。 照明係を呼ぼう、食器も下げてほしい。
…誰だろう、この足音は? 扉の向こうで立ちすくんでいる気配がする。
「お入り」 入るときに、どう挨拶したらいいか迷っているようだ。
「失礼します…」 おずおずと入ってきたのは、いかにもまだ年若い娘だった。
「…見慣れないね、君は」 射るような眼でラウルは彼女を見た。
「はい、まだこちらに参りましてから半月程でございます」
娘の方はといえば、とても顔を上げる事も出来ない程緊張している様子。
いつもは、きっとリネンのアイロンかけなど裏で働く仕事をしているのだろう。
慣れない手付きで灯りを点け、テーブルの上を片づけている。
そのぎこちない様子が、自分の視線の鋭さが理由であることとラウルは気付かない。
娘は銀のフォークを取り落とし、ガチャリと音をたてた。
「あ、失礼いたしました!」 狼狽しながらでは、簡単な事さえ厄介になってしまう。
「ああ、もういい… 割ったら叱られるんだろう、僕がやるよ」
「め、滅相もないことです! どうぞ旦那さま、お掛けになって下さいませ」
(…ラウル様が、真夜中に誰かと大喧嘩して、お部屋を無茶苦茶になさったそうだよ。
あんなに朗らかで、皆にお優しかった坊っちゃまがねぇ……)
あれが、使用人達を怖がらせている訳か? …ふん、じゃあもっと怖がらせてやるまでだ…
なんにせよ、もう出て行ってほしい。 いい加減、一人になりたい。
無言で食器をワゴンに置きながら、ラウルはひどく苛々していた。
「シャンペンを持って来るように伝えてくれ、それならできるね?」
「はい、承知いたしました、すぐに」
「後は…いや、酒だけでいい」
間近で見る娘は、随分と小柄で華奢な風情だ。
「君、名前は? 誰の紹介で来たんだ」
「フラン…ソワーズ、あの、ベルナール先生の…」
「もう少し礼儀を覚えてから、来てほしいものだ」
429 :
変貌・5:2005/10/28(金) 05:12:07 ID:1VU3SlG2
ますます縮こまる娘の姿を見て、少しだけラウルの良心が咎めた。 …言い過ぎた…。
「まあ、じきに慣れるよ…、まだ半月なんだったね」
微笑し、出来るだけ優しく話しかけ、娘の顔を覗き込む。
ふわっと花がほころぶようにその表情が変わった。 赤く頬を染め、頷いている。
その様子がとても可愛い。 つられてラウルも作り笑いではなく、くすっと笑った。
「遅い時間に悪かったね、もう下がっていいよ」
「いえ、大丈夫です。 なんなりとお申し付け下さいまし」
急に自信が出てきたのか、真っ直ぐ自分を見上げる。 なんともいじらしい。
「お利口さんだ、ありがとう」 頭を撫でて、頬に軽いキスをする。
「……!!」 驚いて後ろに飛び退った反動で、よろめいた娘を素早く支えた。
体の震えが、ラウルにまではっきり伝わってくる。
彼もまた驚いていた。 よく出来ました、と誉めてやりたかっただけなのに。
「そんなに…僕が怖いの?」
「いえ、いえそんな、とんでもない」 そう言いながらも、怯えた顔は強張ったまま。
真っ赤な顔、今にも泣きそうな娘。 けれど、その姿は小さな野バラのように愛らしい。
……童は言った 「お前を折るよ、野に咲く小薔薇」
小薔薇は言った 「私は刺します、めったに折られぬ私です」……
(けれども手折った 手荒い童……) 口の中で、小さく呟くラウル。
「…本当に怖い奴かどうか、確かめたい?」 娘の体をぐいっと引き寄せた。
「え? 確かめ…」 言い終わる前に、唇を強く塞いだ。 一旦舌を絡め、ゆっくり離れる。
「いいかい、覚える事ってたくさんあるんだよ」 片腕に娘を抱えたまま、テーブルの上を見た。
ワインはもう、ほとんど残っていない。 …こんなに飲んだっけ、澱しか無いな…
グラスも見当たらない。 「失敬」 直接口を付け、静かに持ち上げながら軽く啜る。
娘に向き直ると、顎を掴み、その口に少しずつ流し込む。
緊張していた唇は、少しだけ緩んだけれど、とても上手く受ける事が出来ない。
ラウルは、こぼれる滴を丁寧に舌ですくい取りながら、相手の瞳が開くのを待った。
瞼がひくつき、一粒涙がこぼれる。 やっと眼を開いた娘は、まだ震えている。
「もっと美味しいと、よかったんだけどね」
澱でざらつく舌で、軽く涙を拭うと、唇を耳元に進めた。
「う、…くぅ、…」 耳の輪郭をくすぐるように触れると、甘い声が漏れた。
抵抗できないままの娘を、そっと長椅子に寝かせた。
430 :
変貌・6:2005/10/28(金) 05:13:14 ID:1VU3SlG2
ラウルは唇を首筋から離さず、相手の肉付きを掌でじっくりと確かめた。
(…ほんとに華奢な子だ) 服の上から見たままの、繊細な体つき。
スカートの中に手を滑らせると、膝の後ろから太腿に触れた。
途端に、びくりと硬直する体。 その瞳は「もうやめて」と懇願している。
「…分かった、今日はここまで。 最後に、君からキスしてもらうよ」
こわごわと、小鳥のようにラウルの唇に近付いてくる。
仕上げとばかり、彼は唇をこじ開け、刻み込むような深いキスをした。
「まだ、怖い?」 優しく娘を抱き起こすと、背中を撫でながら聞いた。
少し間が空いて、微かに首を横に振る。 いい子だ、と囁いて軽く抱き締めた。
絹のチーフを渡し、「これを使って…途中で顔を洗った方がいいかもしれない」
娘は、どうにか髪を直し、注意深くワゴンを運ぼうとする。
「シャンペンは、やめておくよ」
明日は、署長夫人と会うのだった。 最初から酒臭くては、敬遠されるだろう…
ラウルは机の椅子に座り、片肘を付いて、微笑しながら言った。
「栓の開け方を覚えたら、もう一度おいで。 …今度は、最初のひと口をあげるから」
相手の顔が、また赤らむのを見て、(棘のない花を折るのは、可哀相だ)と呟いた。
挨拶もろくにできず、娘は退室した。
ワゴンに片手を置いて、ラウルのチーフを頬にあてる。
初めての香りだった……東洋の、珍しい香木だろうか。
(もう一度おいで) どきんと胸が鳴って、やっとの思いで厨房までの廊下を歩いた。
431 :
変貌・7:2005/10/28(金) 05:14:58 ID:1VU3SlG2
窓から見える、半分に欠けた蒼白い月が、彼にクリスティーヌを思い出させた。
ぎゅっと眼を閉じたあと、半眼のまま、長椅子に戻る。
身を横たえると、ふと娘の言葉が頭に浮かんだ。 (ベルナール先生の…)
この部屋に、ほんの数日前にいた、ジャンヌの姿が甦った。
手際よく傷の手当てをする彼女、 子供がじゃれ合うように愛し合った彼女。
…あの綺麗な背中に、ひどい火傷を負ってしまったのか……
痛みに耐える姿が眼に浮かび、何故か自分の奥から劣情が起こるのを感じた。
そんな自分に戸惑い、慌てて立ち上がった。
月を見上げながら、ラウルは、どうにもならない気持ちを持て余した。
机の上には、変わらずオペラ座の見取り図が広げられたままだった。
(警察だけを頼っては駄目だろう… もっと地下を詳しく調べなければ)
撃鉄を起こすときの緊張感が、じんと身にひびく。
段々と、ラウルは自分が分からなくなってきた。
(…一体僕は、何の為にこんな酔狂をしてるんだ?)
自らを抱き締めるように、強く両手で肩を掴み、そのまま机に突っ伏した。
少しの後、薄く眼を開けながら、彼はつぶやいた。
(……クリスティーヌ、君もこんな気持ちでいるのかい?
君もこうして、もう一人の男と僕を、同じように思い浮かべるのか?…)
ひりひりする気持ちを冷ますように、窓を大きく開けて、夜風に身をさらした。
(終)
432 :
変貌・7:2005/10/28(金) 15:35:56 ID:1VU3SlG2
げ、止まってる…
これじゃ○ァルモン子爵ですね すいません吊ってきます
名前直し忘れました ごめん、続きでどうにかします これじゃなぁ…
>433
続き、楽しみにしています。
>>432 続きも楽しみだが、ここまでもイイよ(゚∀゚)
ラウル!!
436 :
377:2005/10/29(土) 00:23:46 ID:ElZ8N7t5
前回の続き投下してみます。
ラウルからいったんファントム視点へ。
ラウルは枝で涙目で待機。
437 :
続・楽屋にて:2005/10/29(土) 00:27:04 ID:ElZ8N7t5
窓の外、木の枝の間から男がこちらを覗いているのを見たときは正直驚いた。
普通の人間なら、鬱蒼と茂った樹木の間にあの男の姿を見つけるのは困難だろう。
しかし、長いこと闇の世界で暮らす私には、その細かな表情までがよく見えた。
私のクリスティーヌが今宵楽屋に誰も人を通さなかったので
彼女恋しさのあまり闇夜の木登りというところか。
オペラ座のパトロンがご苦労なことだ。
その上私と抱き合うクリスティーヌを見るはめになるとは。
私のクリスティーヌは美しい脚を晒したまま、寝椅子に横たわっている。
月明かりの下の彼女は一段と美しい。
あの男が執心するのも無理はあるまい。
おそらく、ストッキングを脱がせるところも見ていたのだろう。
これはあの男に思い知らせる良い機会だ。
私はカーテンを閉めようとした手を止めた。
「月明かりの下のおまえを見ていたい」
クリスティーヌの眸をまっすぐ見つめながら言う。
有無を言わせぬ私に一瞬懇願するような眼差しをむけ、そして恥じらうように目を伏せるクリスティーヌ。
気遣いの証にと、蝋燭の灯は落とした。
彼女はこれからこの青白い光の下で美しく乱れるのだ。
昨夜、地下の私の世界で乱れたように。
私は化粧着の上着を脱がせると足元に投げ捨てた。
昨夜――、見事な初舞台の後、私は彼女を地下へといざなった。
無数の蝋燭が灯る私の棲家で過ごした、素晴らしい夜。
未知の世界への甘い誘惑に戸惑い、震えていたクリスティーヌ。
私の腕の中で、怯え、ためらい、小さな抵抗を試み、
――そして、ゆっくりとそれらを手放していったクリスティーヌ。
私に全てをゆだね、全てを許し――
私はその美しく無防備な身体と魂を快楽の泉に投げ入れ、共にたゆたい、肉の悦びを共有した。
私の与える悦びにうち震え、私の与える初めての苦痛に耐えていた私の天使。
おまえはもう私のもの――。
私は月明かりの下でその白くすべらかな脚を撫で上げ、
あの男の視線を意識しながら彼女の下着の中にまで手を滑らせて行った。
その手を押しとどめようとする愛らしい仕草。
私を責めるような、媚びるような彼女の視線、すぐに聞こえてくる甘い吐息。
その手は化粧着の裾をつかみ、私の指が与える快楽に喘ぎ始める。
彼女を一糸まとわぬ姿にしてしまう訳にはいかない。
今夜は奴が見ている。
いやむしろ着衣の彼女のほうがよりいっそう艶かしい。
捲り上げられた裾、むきだしのすべらかな素足。
柔らかな胸はかろうじてシュミーズに隠れている。
あの男は艶かしく身をくねらせるお前を、手の届かない場所からただ見つめることしか出来ない。
あの男の脳裏にお前は私のものだと刻みつけてやろう。
クリスティーヌは眸を閉じて快楽に身を任せ、また切ない眸で私を見つめ、半ば開かれた唇で私の唇を求める。
この表情をあの男は見ることができない。
私だけのものだ。
そしてその甘い唇も。
私は彼女と深く長い口づけを交わす。
クリスティーヌはあの男の視線にその身を晒しながら、逝った。
<ラウル>
恐ろしげな仮面の男を嬉しそうに迎えていたクリスティーヌ。
裾を大きく捲り上げられ、ストッキングを脱がされ、
果ては下着の中に手を入れられることも彼女は嫌がってはいなかった・・・。
あの男に、その秘めやかな部分を愛撫することすら許し、
奴から与えられる快楽に身を任せていたクリスティーヌ。
自分が今見た光景が信じられない。
――カーテンの陰から、仮面の男がくったりと糸の切れた操り人形のような彼女を抱き起こしたのが見えた。
まだ荒い息に胸を上下させているクリスティーヌ。
上気した薔薇色の頬。閉じられた眸の長い睫毛。
甘い吐息を繰り替えす、その唇。
男の大きな手が愛おしむように、顔に掛かった彼女の髪を梳くようにかきあげる。
彼女の首はゆっくりと片側に倒され、その首筋に男の唇が這う。
薄く目を開けたクリスティーヌが小さく何か囁いている。
それは、だめ・・・とかいや・・・とか、何か甘い拒否の言葉だ。
もちろんそんな言葉を本気にとる男などいるはずもない。
男は今までと足と頭の位置を反対にして、彼女をゆっくりと押し倒していく。
クリスティーヌが着ているシュミーズの肩ひもが落とされ、
奴は何のためらいもなく胸の隙間に右手を差し入れた。
「ああっ・・・」
眉を寄せたクリスティーヌが小さな喘ぎ声を上げている。
声も息遣いも実際には聞こえないが、まるで耳元で囁やかれているかのようにはっきりわかる。
男はシュミーズの中の彼女の白いふくらみを弄び、その反応楽しむかのように彼女を見つめている。
ああ、何故あの場でクリスティーヌを組み敷いているのが私ではなく、あの男なのか?
そして何故、外木の枝につかまり、その姿を覗き見ているのがこの自分なのか?
胸のふくらみを弄ばれ、甘い吐息を漏らしながら身を捩るクリスティーヌ。
男は彼女と深い口づけを交わすと、彼女の脚の方へと消えて行った。
不意に、クリスティーヌが身体を起こし、足元にいるであろう男に何かを訴えている。
こちらから見えないカーテンの陰で、男は彼女の下着を取り去ろうとしている・・・!
両手で顔を覆うクリスティーヌ。
身を捩ってはかない抵抗を試みるその姿は男の欲望をさらにそそるだけだろう。
男であれば、自らの手で絶頂に導いた娘をこのままただ開放するはずが無い。
必ずその身体を開かせ、自分自身で味わいつくすに違いない。
――私はその光景を見つめ続けることが出来るのだろうか?
クリスティーヌの脚の間から仮面の男が覆いかぶさってきた。
<続く>
天使様GJ!
リアルタイムに遭遇できて幸せです
涙目待機のラウルワロス
以上読んでくれた方、ありがとうございました。
ぷぷっ。 原作ラウルが、いかにもやりそうでイイ!
木から落ちるなよ〜!
>442
GJ!! 凄まじくエロいですね……!
行為そのものの描写がなくてこれだけエロいってスゴイよ!
ああ、お願い、早く続き投下してぇ……!
3ヶ月前…
カルロッタの3幕用衣装の布を隠す
カルロッタの楽屋のクッションに水をかける
クリスティーヌに3幕アリアのレッスンを開始
何気ない会話でクリスティーヌのサイズを確認
1ヶ月前…
カルロッタ3幕用の帽子のデザイン画を妙なものにすり替える
カルロッタのミュールを隠す
何気ない会話でクリスティーヌのサイズに変化がないことを確認
クリスティーヌ用の素晴らしいドレスを製作
前日夜…
綱一本で幕が落ちるように仕掛け
梁の一部から異音が出るよう仕掛け(ブケーをそちらに引き寄せるため)
ピアンジが昇れないよう象のステップを低めに変更
カルロッタの犬の毛をもしゃもしゃに乱す
…完璧な計画、これで必ずプリマドンナは私のクリスティーヌのものとなる。
素直なクリスティーヌは、きっと私に感謝の言葉を告げるだろう。
「ここまで来ることが出来たのも、総て天使さまのおかげです」
「そうではない、この勝利は私たち2人のものだ」
「私のマスター…!」(潤んだ瞳で見つめる)
素晴らしい。私を見上げるお前が見えるようだ、クリスティーヌ。
しかし、この完璧さに安堵してはいけない。
さらに私の栄光を揺ぎ無いものとするため、常に計画は見直す必要がある。
そうだな、先ずはカルロッタへの嫌がらせをいくらか追加することにしよう。
情熱プレイ空回りが映画のマスターのデフォだと。
>446
なるほど完璧なまでに綿密な空回り計画の末が映画本編だったわけですね。
明日劇場で笑い出したら446エンジェルのせいですから〜
>446
妙なデザインの帽子ワロス
何気ない会話ってどんなだ どんななんですかハアハア
>446
ちょ、おま……。
せっかく久しぶりに映画館で見るのに、ここは嫌スレかってのw
ところでマスター、サイズは夜中にそおっと測ってるんじゃなかったんですね。
つか、久し振りに劇場行って来たけど、ラストシーンで泣いてるファントムに
大丈夫!この後マダムといい事あるから!と心の中で励ましてる自分がいた件…
今見て来た
呪いに勝てなかったよ…
453 :
442:2005/10/30(日) 14:35:39 ID:4YAFqLX0
>445
ありがとう。
だいたい決めて書き始めました。
他の方の投下も楽しみにしてます。
>452
自分も最終日見てきます。
>453
私も最終日また行きます
明日も行こうか迷ってますがまた笑い出しそうで…
一番耐えるのが辛かったのは墓場のシーンでした
あの呪いは強力ですよ
関東の方が多いのかな?音響が良いとかでウラヤマシス
滋賀や広島でも上映してるらしいね。
自分は関西で今もやってるとこあるけどあまり安全な劇場ではないから
来月の千里中央待ち…
大画面で萌えられたら何か書きたい。
>455
おぅ! 楽しみにしています。or2゛
映画を見る時はギャグの天使様や嫌スレのことを忘れて萌え、見終わったら
多方面に妄想を爆裂させてください!
ググったけれど、見つからないorz
>>459 わぁ!ありがとうございます。
遠くないので行けそうです!
見てきた方、何か投下を〜!
昨日の橋本逝ってきた。
自分は全く文才無いので書けないが(いつもハァハァさせてもらうだけで精一杯)
超満員のお客さんを見て思った。
この中で一体何人の人がエロパロスレを読んでいるのかと
そして、まさか、まさか尊敬する職人さんがもしかして近くの席に…!?
自分も昨日行って思った。ここに何人ちゃねらがいるのか気になったよ(笑)
お互いに気付いたらプチオフ会みたいになるんじゃなかろうか
目印付けて集うもんじゃないだろうから、
あとはオーラで判別するべし?w
特定のシーンで笑ってる人とかな
墓地のシーンでは
ものすごい勢いで馬車を隠し、
ものすごい勢いで墓地に躍り込み、
ものすごい勢いでダーエ家墓によじ登るファントムが
心の目には見えました。
自分ばれたかも(笑)
墓場声殺して爆笑してたから
日にちと時間決めて観覧後に集まるとおもしろくない?
少なくとも自分はリアルで語る相手に飢えてる…
自分も土日両方とも橋本行って来た。
みんな考えること同じだね、この中に何人エロパロの住人いるのかなって思った。
終わった後、思わずキョロキョロしてしまいました。
>466
観覧後に集まるの、行きたいなぁ。
エロ書いている変態さんでいいんなら。
天使様も読者も入り乱れてみんな会いたい!
水曜第二回の後とか金曜第二回の後とかどうですか(次の日休日だから)
勇気ないので遠くから見てよw
勇気はあっても昼しか出られねえ
>468
水曜第二回の後なら行ける。
金・土は仕事だからなぁ……。
自分も昼は無理です
ただ夕方からは暇人なので水木金三日とも何か目印持って行きましょうか?(笑)
いいなあ、都会者は…
ぜひオフ会が実現したら集合写真とかUPしてほしいなあ
写真UPするんじゃ出られねえ
iina..ohukai...
>474
そこで参加者全員でマスカレードですよ
顔だしは嫌だなあ
許可とってオフレポが限界じゃないか?
とりあえず観覧後に劇場入口の自動ドア付近でマンハッタンの怪人の文庫本持って立ってるわ
そっから居酒屋にでも流れて語りましょう
連投だしもう過ぎちゃったけど季節ネタでファントム×クリスティーヌ投下
携帯で打ったから乱文ごめん
「ねぇマスター、『いたずらとお菓子どっちがいい?』」
それはいつものように私がクリスティーヌにレッスンをしているときだった。
「ああ、そうか…今日はハロウィンだったな」
地下の私の館では季節の移り変わりというものがあまり感じられることは無い。
あるとしたら気温の変化ぐらいのものだ。
私が隔絶した世間の移り変わりを教えてくれるのは、たった一人。
そう、このクリスティーヌだけだ。
私に抱えられ膝のうえで甘えながら私に問い掛けるクリスティーヌが、ただただ愛しかった。
「そうだな…お菓子にしておこう」
彼女がどんな悪戯をするのか気にはなったが、私はわざとそう答えた。
「なんだ…つまらないの」
そう言ってクリスティーヌは頬を膨らませた。
その子供っぽい仕種がまたかわいらしい。
私は少し笑って言った。
「ならばお前は『悪戯とお菓子どっちがいい?』」
私に尋ね返されるとは思っていなかったのだろう。
彼女は返答に困ってしまったようだった。
「お菓子かい?それとも…」
その細い首筋にそっと指を走らせる。
クリスティーヌは私の指から逃れるように体を私に押し付けてきた。
「どちらなんだい?」
首にあった手をそっと下に滑らせる。
肩から背中、そして腰へ…。
「あん…マスターのいじわる…」
そう言ってクリスティーヌは私の首に手を回した。
「ふふ、まだ答えを聞いていないよ」
クリスティーヌは顔を上げて私を見た。
白い頬を赤く染め、目は熱を帯びて潤んでいる。
「マスターの、いたずらがいいわ…」
少し伏し目がちに私に告げたクリスティーヌのなんと艶かしくて愛しい事か!
私は彼女の唇に口づけを一つ落とすと、抱き上げて寝室の扉をくぐった。
479
つ‥‥続き(´Д`;)
481 :
479:2005/11/01(火) 17:53:16 ID:5r5JsbvM
ごめん続かない(笑)
ファンクリは初めてだし苦手なので…
>479
そうか世間はハロウィンだったね…
季節の楽しみをクリスと喜びあうマスター幸せそう、GJ!
また待ってます。
オフ会もし実現されたらレポよろしく。
その場合それなりの別板にスレ立てた方が良いのかも…
つ、続かないのかよ…
でも幸せそうにじゃれててGJ!
オフ会レポよろ。
484 :
479:2005/11/01(火) 19:48:28 ID:5r5JsbvM
出先で思い付いて帰宅してからだと日付変わりそうだったからあそこで切ったんだ
さすがに携帯で打つのは無理がある
ごめんなさい
自分サイト持ちだからオフレポそこにアップしようか?
参加者皆さんの許可が下りたら、だけど
>106の続き、投下します。
初めての行為のあと、かつて婚約していた男の名を呼んでいたとクリスティーヌが認めたあの夜から、
一週間が過ぎた。
私たちの新婚生活は暗く、惨めで悲しいものだった。
一緒に暮らしはじめて十日ばかりは歌の稽古もしていたが、この一週間はそれすらしていない。
歌っている最中に突然泣き出してしまう歌姫など、稽古のつけようがない。
それでも、時々は夫婦らしいこともしてみたくて、クリスティーヌと一緒に食事の支度をしてみたり、
湖に舟を浮かべて遊んでみたりもした。
クリスティーヌは幼い頃に両親を亡くしているが、殊に母親が亡くなってからは父親の手伝いをしていたと言い、
またジリー夫人に仕込まれたものとみえて、一通りの心得はあるらしく料理もなかなか上手かった。
特にウズラやツグミの扱いが上手く、紙包み焼きはたいそう美味だった。
そう言って褒めたときには一瞬とても嬉しそうな顔をしたのに、あっという間に悲しげな表情に戻って
「いえ、それほどでも」と俯いてしまった。
湖での舟遊びも、ただ私が黙って舟を漕ぎ、彼女が黙って舟に揺られているという寂しいものだった。
舟を出してすぐにクリスティーヌが「この湖はどこかに繋がっているのかしら」というので、
「セーヌ川」と答えた。
彼女が「そう」と言ったきり口を噤んでしまったので、さっきの答えようがあんまり愛想が
なかったものかと思い直して、「これは地下水脈から湧き出た水なので、地下水同様、
セーヌ川に行くのだよ」と言い添えてみたが、やはり「そう」という返事しか返ってこなかったので、
それ以上には話などしないで終わってしまった。
なんという蜜月だろうか。
クリスティーヌは私を愛していないばかりか、私と人間らしいやりとりすらしたくなくなっている
ように思える。
・・・しかし、そんな彼女もベッドの上では、熱烈に夫を愛している妻のように激しく乱れた。
「もう、濡らしているじゃないか、クリスティーヌ・・・」
クリスティーヌの熱く潤った秘裂に指を這わせる。
艶めかしく傾けられた首筋を、かよわく顫える喉元を、脹れ上がった乳房を、
硬くしこった乳首を、しどけなく拡げられた大腿を、ゆっくりと時間をかけて愛撫し、
いよいよ彼女の中心に指をあてがってみると、もうすでににじみ出てきた愛液が肉のあわいにとどまり、
温かい沼のごとくぬかるんでいた。
指先をわずかにめり込ませると、くちゅくちゅという湿った音とともに溜まっていた愛液が溢れ出た。
「すごい濡れようだな・・・?」
「いや・・・」
指を肉の合わせ目からのぞく紅い粘膜に沿って動かすと、熱い雫がますます溢れ出、
次第にぐちゅぐちゅというくぐもった音に変化していく。
すっかり口を開いて侵入者を待つ入り口に指を挿しいれる。
「ああっ・・・!!」
「これか・・・? これが欲しかったんだな?」
「あっ、あっ・・・」
「指を入れられて嬉しいんだろう・・・?」
「うぅっ・・・、う・・・」
「見てみろ、自分がどんなに濡らしているか・・・」
指を引き抜き、彼女の恥ずかしい蜜にまみれた指をクリスティーヌの目の前に差し出す。
「いや・・・」と顔を背けたクリスティーヌに、
「何が‘いや’だ、自分がこんなに濡らしているんだろうが・・・」と辱めるように追い討ちをかけた。
指を彼女の口元に近づけた。
「舐めてみろ」
ますます顔を背けたクリスティーヌに、「ふん、」と言ってから、
おもむろに彼女の硬く尖ったままの乳首に蜜をなすりつけた。
「いや・・・!」
背けた顔をこちらに向け、責めるような目つきで私を見たクリスティーヌに、
「こうされると感じるだろう? たっぷり濡れているからよく滑る」と言いながら、
蜜をなすりつけた乳首をいらってやると、身を大きくくねらせ、屈辱と快感とにむせび泣きながらよがった。
「こんなことをされて感じているのか・・・、淫乱だな」
「うっ、ふっ・・・」
「泣きながらよがっているおまえは本当に可愛いよ・・・、もっと泣かせたくなる」
「ああ、マスター・・・!」
やるせない声でひときわ大きく啼いた彼女の乳首にむしゃぶりつく。
舌で転がし、舐め、しゃぶる。
「おまえの蜜の味がする・・・」
「くぅ・・・」
またしても与えられる屈辱にうめき、それでもしとどに蜜を溢れさせているクリスティーヌのそこに手を伸ばす。
乳首を舐めしゃぶりながら、指先ではクリスティーヌのぬかるんだそこを弄る。
そして、絡めとった愛液をさらに乳首になすりつけ、音を立てて乳首ごとしゃぶってやる。
乳首を前歯で甘噛みしながら舌先を刷くようにそよがせてやると、腰をせり出すようにしてよがった。
「・・・んくぅ・・・、うう・・・」
身顫いしながら屈辱と快感とに耐えるクリスティーヌの口からは途切れることなく熱い吐息と喘ぎ声が洩れ、
彼女がどれほど私の与える刺激に翻弄され、感じてしまっているかを吐露していた。
乳首から唇を離し、乳房に紅く残った口づけの痕を舌先で舐める。
クリスティーヌの両の乳房には点々と紅い華が散っており、その痕をひとつひとつ舌で舐めていった。
時折、身顫いしながら眸を伏せ、私の様子を見遣る彼女にこう言う。
「これは、おまえが私のものだというしるしだ・・・。・・・おまえが、誰のものにもならぬようにな」
唇を戦慄かせてクリスティーヌが「そんな・・・、わたしが一体、マスター以外の誰と・・・」と抗議した。
「それを・・・、その男の名を私に言わせたいか・・・?」
「・・・マスター・・・!」
唇をかみ締め、涙をはらはらとこぼしているクリスティーヌの身体に手を掛け、うつ伏せにする。
しみひとつない雪のように真っ白い背中に唇を這わせる。
「んっ、・・・んん、・・・」
声を上げまいとしているクリスティーヌの口から抑えきれずに洩れる声が、
まるで私への降伏の合図のように聞こえる。
腰まで到達すると、そのまま腰に手を掛け、臀を上げさせた。
「いや・・・」
白く張りつめた臀を撫でさすり、その手の後を唇で追うようにして口づける。
時折、強く吸っては所有のしるしを刻みつける。
そのたび、クリスティーヌが「ああっ、あ、あ・・・」と
哀しげに声を上げながら羞恥に色づいた双丘を振り立てた。
「ふっ、私のつけた痕が薔薇のように紅く染まって、世にも美しい眺めだよ、クリスティーヌ・・・」
「やあ・・・」
顔をシーツに押し付け、臀を上げさせられた恥ずかしい格好のまま、クリスティーヌが羞恥に身悶えして泣く。
臀のまるみに沿って重量感のある肌を撫でまわしながら、時折、臀肉を掴むようにしてやると、
さらに臀をゆすり立てた。
「尻も感じるか、クリスティーヌ・・・」
「うっ、うっ・・・」
「そんなに尻が良いなら、後ろからしてやろう」
「ああ、いや・・・」
この何週間かで彼女の臀は重量を増し、張りつめてきているように見えるが、
それでもまだ乙女だった頃の名残を留めていて、あぶらが充分に乗り切っているとは言い難かった。
その稚さを留めた臀に男の唇と手の感触を覚えさせ、愛撫を重ねていくうちに
どれほど艶っぽく熟れていくかと思うと、暗い征服感がこみ上げてくる。
どれだけあの男に焦がれようと、この臀が覚える愛撫の味は私の手によるものなのだ。
いや、臀だけではない、男のもので貫かれ、粘膜をこすり上げられて逝かされる絶頂感とて、
クリスティーヌは私によって学ばされるのだ・・・。
「さぁ、もっと高く尻を上げるんだ・・・」
「いや、ゆるして・・・」
彼女の哀れな願いを無視して腰に手を掛け、よりいっそう高く臀を上げさせる。
愛液でぬめった秘裂が剥き出しになる。
これ以上ないほど紅くふくれ上がった花びらを指でゆっくりと押し拡げた。
「あっ・・・、うう、いや・・・」
シーツに押しつけるようにうつ伏せた顔を恥辱に歪ませてクリスティーヌが呻く。
寛げた肉の裂け目に己を押し当てる。
「ああ・・・」
観念したように小さな喘ぎを洩らす彼女のそこにゆっくりと侵入を開始する。
拒絶の喘ぎとは裏腹に、クリスティーヌの胎内は熱く潤い、
無礼な侵入者を喜び迎えるようにぬめって私をさらに奥へと導くようだ。
奥へと進むにつれ、彼女の入り口が断続的に締まり、彼女自身では制御できない快感に
翻弄されている様子が手に取るように知れた。
奥も私を絡めとるように大きくうねる。
「ずいぶんと感じているらしいじゃないか・・・」
「いや、いや・・・」
「私が腰を進めるたび、おまえの入り口が私を締めつけて・・・、
ここを弄ってやったらどうなるかな・・・?」
そう言って、前から手を伸ばし、クリスティーヌの肉芽を探った。
私の指に蹂躙されるのを待つように硬く尖った小さな突起が触れる。
指先で転がしてやると私と繋がったところがきゅうっと締まり、
恥ずかしくてたまらないというように臀がふるふると顫えた。
「いいんだな・・・?」
「やだ、やだ・・・、やめて、マスター・・・、おねがい・・・」
これほどまでに感じているのにまだ抵抗する彼女が悔しくて、
シーツに投げ出されたクリスティーヌの腕を掴むと、
彼女の手の甲に己の手を重ねて秘所へと持っていった。
彼女の指を己の指で押し、その細い指先で自分の突起に触れさせる。
「いやあっ!」
自分で自分の肉芽を弄らされてクリスティーヌが屈辱に泣き叫ぶ。
必死で指をはずそうとするのを己の指で掴み、細い指先を突起の中心にあてがうようにした。
ゆっくりと捏ねるように円運動を与える。
「ひぃっ・・・!」
腰が大きく揺れる。
彼女の手から己の手を離し、腰を支えた。
しかし、私の手がはずされてもクリスティーヌの手はその秘められた場所から動くことなく、
そればかりか指先が妖しく蠢いている。
もう片方の腕を掴んで秘所へと導き、その指先で莢を剥いてやる。
「そう、いい子だ・・・、こっちでこう・・・、莢を引き上げて・・・、
そっちでそこを・・・、そうだ、・・・やはりおまえは飲み込みが早いな・・・」
両手で彼女の手の動きを確認すると、ふたたびクリスティーヌの腰を支えた。
両肩で体重を支える格好で、クリスティーヌが己の秘所を弄っている。
初めは私に強制されたからかも知れないが、今では自ら進んでさらなる快楽を得ようとしているのだ。
「淫乱だな・・・、自分で自分のそこを弄ったりして・・・。
おまえがそこまで淫乱な娘だとは思わなかったよ・・・」
臀を掴んで前後にゆすり上げながらクリスティーヌを辱めるような言葉を投げかける。
「うう・・・」
クリスティーヌが手の動きをとめ、シーツを掴もうとした。
「だめだよ・・・、やめてしまっては・・・。さぁ、もう一度教えたとおりにするんだ・・・。
でないと、後でうんとお仕置きが待っているよ・・・」
脅すように臀を撫でながらそう言うと、彼女の手がふたたび上がり、
指先がもう一度恥ずかしいしこりを弄り始めた。
「いいよ、クリスティーヌ・・・、とてもよく締まる・・・。
いい子だったご褒美に逝かせてやろう・・・」
腰のくびれに手を掛け、大きく腰を入れた。
「ああっ!」
首だけを仰け反るように動かしてクリスティーヌが喘ぐ。
「いいか、手はそこを弄ったままでいるんだ・・・、いいな・・・?」
彼女が微かに頷いたように見えたのは私の思い過ごしだろうか。
激しく腰を突き上げ、彼女の最奥を抉る。
引き抜くときに私の柱に絡まったまま内側の粘膜までが露出するのがひどく卑猥で、
白い臀と紅い粘膜との対比がいっそうその卑猥さを際立たせている。
突き上げる動きにふたたびなかに戻される粘膜が奥で妖しくうねり、
私にしっかりと絡みついてやわやわと締めつける。
彼女が私の動きに合わせて己の突起を弄っていることは、時々私の柱に触れる彼女の指先で知れた。
これほどに私のいいつけを忠実に守り、身体中を粟立たせて感じているクリスティーヌが、
私を男としては愛してくれていないなど、どうして信じられよう・・・?
深く規則正しく抜き差しを繰り返す。
高く上がった臀がたまらぬげに横に何度も振られ、時折ぶるっと身顫いするのが伝わってくる。
吐息をつくためにわずかに開いた口の端からは涎が垂れ、
目じりから伝った涙とともにシーツを濡らしていた。
「感じているのか、クリスティーヌ・・・、涎まで垂らしているじゃないか・・・」
腰を突き上げながら言う。一瞬やるせなさそうに眸を開いたがすぐに閉じ、
暗い情念の焔が立つ陶酔境に彼女自ら沈んでいこうとしているように見えた。
いつしか両手は下に落ち、それでも肩先で体重を支えた格好のまま、
私に後ろからゆすり上げられ、クリスティーヌが唇を戦慄かせる。
入り口がきゅうっと締まった。
腰が微かに廻る。
奥がうねる。
内襞がぐぐっと狭まる。
「・・・マスター、マスターぁ・・・、マスターぁぁぁ・・・」
哀しげな声で私を呼びながら、クリスティーヌが逝った。
私を呼んだまま微かな声で「ぁぁぁ・・・」と発しながら、臀を顫わせて絶頂を味わいつくそうとしている
クリスティーヌの灼けつくように熱いそこから己を引き抜き、戦慄き顫える妻の臀に、拒絶されている夫の無念を放った。
臀を高く上げたままの格好でしばらく身悶えていたが、クリスティーヌがようやく身体を真っ直ぐに伸べてうつ伏せた。
汗ばんだ背中をそっと撫でる。シーツで臀の穢れを拭ってやった。どのみちこのシーツはもう使い物にならない。
こんなにも私との結合で感じ、私を呼びながら達したクリスティーヌが私を愛していないとは・・・。
この一週間、ほとんどクリスティーヌとまともに話もできず、彼女の口から「マスター」と呼ばれたのも本当に久方ぶりだ。
皮肉なことに、閨で彼女と繋がっている時ほど多く言葉を交わす瞬間はないのだ。
私が曲をまとめている間、クリスティーヌは一心不乱にレース編みをしていて、一体何を編んでいるのか知れなかったが、
どうやら相当に大きいものらしく、いつまでも同じようなモチーフばかり編んでいるのだった。
あるいは、単に編む作業だけをしているのであって、何かしら形のあるものを作ろうとはしていないのかも知れない。
アメリカあたりではレース編みや刺繍などの手仕事が精神衛生に役に立つとかで流行っているらしいが、
いかにも清教徒らしい莫迦らしい考えだと思う。
しかし、ことクリスティーヌに限って言えば、その細かな手仕事は愛していない夫との会話を減らし、
ひとりの退屈な時間をつぶす格好の手慰みで、おそらく気持ちを静めるのにも役に立っているのだろう。
時折、曲をまとめる手を休めて食堂に行ってみると、大抵クリスティーヌはそこでレース編みをしていて、
その光景を見ると、いつも世間並みの夫婦として暮らしているような錯覚に囚われる。
しかし、それは確かに錯覚に過ぎないのだ。
「・・・なぜ、私を愛さない」
思わず口から出てしまった言葉に、我ながら驚いた。
「愛していますわ、マスター」
歌うようにさらりと言ったクリスティーヌの、シーツに押しつけられたままの横顔が
表情ひとつ変えることのないのが悲しい。
「嘘だ。おまえは私を愛していない。愛しているのはあの男だけだ」
「・・・・・・・・・愛して・・・いますわ・・・、」
彼女がまるで己に言い聞かせるように呟き、それからゆっくりとベッドの上に起き直った。
しどけなく横座りになったクリスティーヌが乱れた髪をかき上げ、それから私の方に視線を向けた。
「わたしはあなたを愛していますわ・・・何度も申し上げたとおり。
それを信じるも信じないもあなたの問題であって、わたしの問題ではありませんわ」
突き放すように言って視線をはずす。
「・・・そんなに冷たいことを、よくも言えるものだな」
「あなたほどではありませんわ」
そう言ってふたたび私に向けた視線の冷たさといったらどうだろう。
氷の刃で突き刺すような眸をしていた。
「おまえは・・・、おまえは私の妻なのに・・・」
「ええ、ですから、愛しておりますと申し上げていますでしょう?
それに、わたしは妻としての義務は果たしておりますわ」
「クリスティーヌ・・・!」
クリスティーヌの口から出た「妻としての義務」という言葉が私の胸を突き刺す。
私が一方的に苦しめるだけの繋がりであることは私自身わかっていたが、
それでも快感に喘ぐ彼女を見て、いつかこの繋がりで彼女の心を熔かし、
夫婦らしい営みができるのではないかと思っていた。
しかし、彼女にとっては義務でしかない。そう言われて私は返す言葉もなかった。
「・・・私に抱かれるのは義務だからか・・・、そういうことなんだな?」
「さぁ・・・」
「クリスティーヌ・・・、あれは、おまえにとって何の意味もないことなのか・・・」
「意味? 意味ならありますわ・・・。わたしは買い物をしたんですわ、
ですから、あなたはその対価を取り立てていらっしゃるんでしょう?」
クリスティーヌの言っていることがわからない。買い物とは何なのだ・・・、
対価とは一体何のことを言っているのか・・・。
「お忘れになって? あなたがそうおっしゃったんじゃありませんか。
わたしは自分のこの身であの方の命を買ったんだと・・・」
「・・・・・・」
ああ、これまで私は絶望とは何か、誰よりもよく知っているつもりだったが、
本当の絶望の淵を覗いたことはなかったのだと思い知る。
・・・クリスティーヌは未来永劫、私を愛さないだろう。
愛さないどころか、私を許さず、私を憎み続けるだろう。
彼女の口にする「愛しています」は私に対する憎悪に満ちた呪詛なのだ。
それでもいい。
憎まれてもいい。怨まれてもいい。私を呪うなら呪え。
おまえの心が手に入らないのなら、身体だけは私のものにしてやろう。
私の唇、私の舌、私の手による愛撫の味を覚えさせ、私のもので逝かされる絶頂を学ばせる。
私は決しておまえを手放さない。
「私を苦しめるとどうなるか、おまえの身体に教えてやろう」
そう言って私はふたたびクリスティーヌの身体を組み敷いた。
続く
以上です。読んで下さった方、どうもありがとう。
4レス目まで投下して、タイトル入れるの忘れていました。すみません。
で、まだ、完結できなくて、こちらもすまんです。
あと、2話か3話の予定です(まだ書いていないけど)。
ご、ごめん、よくスレ見ないで投下してしまいました。
今日、投下してくれた人いたんですね……。
オフ会の話が一段落してるからいいやと思って投下したんですが。
失礼しました。
>479
GJ!でした。
マスターのいたずらの方を希望するクリスが可愛い。
天使様乙!
また切ない展開にどきどきです…(*´Д`)
106天使様待ってたー! 相変わらずエロくていらっしゃる(*´Д`)ハァハァ
...しかし本気で恐ろしいことになってきて(((;゚д゚)))
>496
天使様GJ!何か凄い展開に…ヒィィ マスター…!
でもハァハァ
うわーんマスター(;´Д`)
うぅ、読んでるこっちまで哀しくなってきた・・・
GJだ!
>496
おお、待ち望んでおりました。ありがとうございます!
ク、クリスティーヌが開き直った〜! つおい!
女の居直りは怖いですよ。w
もう、この地獄のような状態から、抜け出す道はあるのかと……。
マスターの精神が焼き切れてしまうんじゃないかと心配です。
こっちの精神ももちません! 早く続きを、続きを〜!
433です。
496エンジェル様ー! まさに「私は待ち侘びた」 いつもながら美しくエロく素晴らしいです!
みなさんすいません自分の愚作を お側に続けさせて頂きます、 あやしいですね何か
361,362からの続き、つい書いてしまいました
(425-431)から続けると、話がもの凄く長くなるので、あれ無しでもつながるように直しました。orz
*エロ全く無し、ただのパロ(ギャグにもなってない)
*変わらずラウルメインです…
*ラウルは、映画版に「前髪2割増し」って感じで (スマソ
504 :
対峙・1:2005/11/02(水) 01:07:19 ID:rROQlgPz
ファントム作「ドン・ファン」のリハーサルは困難を極めたが、とうとう明日の開演を迎えることとなった。
当日の警備体制、発砲の時期とその見極め、また地下の情報収集と捜索準備……
綿密な打合せをもってしても、ラウルの不安は消えることは無かった。
しかし、ファントムはどんな現れ方をするのか、皆目見当が付かない。
様々な噂が飛び交い、チケットは売れている。 観客の中にはVIPもいる───
決して、間違いがあってはいけない。 取り返しの付かない混乱を招きかねない。
( …… 僕がこの手で奴を始末することが出来れば )
じれる気持ちを押さえ込むように、時間が空くと狩りに出掛けては、獲物を仕留めてきた。
部屋の中で、気に入りの猟銃を磨きながら、迫り来る舞台に思いを巡らせる。
( 地下、か…。 出入りする人間や、物品から考えても、やはり誰かが棲んでいるのは間違いない… )
良く晴れている。 外を、鳥たちが楽しげに行き交うのを見て、ラウルは溜息をついた。
( 鹿や鳥を撃つよりも、水の中でやり合う方が、難しいだろうな…… )
もちろん撃つ気は無いが、小鳥に照準を合わせて構えた瞬間、はっとして、床に銃を投げ捨てた。
(─── 水! 何故、今まで気付かなかったんだろう、 一番肝心な事だったのに! )
彼は、骨董品があれこれ並んだ飾り棚へ駆け寄り、下の扉を開いた。
中から、金の縁飾りがされた、黒檀の薄い箱を取り出し、小さな鍵でそれを開けようとした。
「ラウル、入りますよ」 伯母が、外に立っていることにも気付かなかった。
「わざわざ来てもらわなくても…、 誰かに言ってくれれば、僕が行きますから 」
薄い箱は、彼の手によって、速やかに元の場所に収められた。
「あっ、……こんなものまで、部屋に持ち込むなんて! それこそ誰かに預けておくものでしょうに!」
床に、置き捨ててある猟銃を見て、伯母は胸を押さえた。
「いや、自分で手入れしたいんですよ。 …こういうものだから 」
「昔は、狩りの供をすることさえ、 あまり好きじゃ無かったのに……」
うっすらと、目に涙を浮かべる伯母の姿を見るのは辛い。 ラウルは少し当惑した。
「明日は、あなたも直接、指揮をとるそうね、 もう何も言わないわ、だから……」
昔から伯母が持っている、オニキスのロザリオが、その手の中にあった。
「これは……、いえ、とても僕には、持つ資格がありません」
「お守りになさい、どうか持っていてちょうだい」 伯母は、そっと彼に押し戻した。
「……はい。 大切にします。 さあ、部屋までお送りしますから、ね 」
505 :
対峙・2:2005/11/02(水) 01:12:43 ID:rROQlgPz
伯母は部屋に戻っても、まだ何か言いたそうだった。
ラウルはふと思い付き、「そうだ、姉のところに、いらしてはいかがですか?」と言った。
……… そうだった。 二人の姉には、それぞれ男の子が生まれている。
僕に何かあっても、彼らの内の一人がこの家を継いでくれるかもしれないじゃないか。
「特に上の姉さんは、子だくさんだから賑やかですよ、きっと楽しい。
今からでも、移動の準備をさせましょう。 夕食にも、まだ間に合う時間です」
「とても、あなたを置いては行けないわ。 最近、ゆっくり食事も取ってないそうじゃないの……
少し痩せたわよ、顔色が良くないこと、自分で分かってるの?」 伯母は、本気で心配している。
( 今日くらいは、一緒に過ごす方がいいだろうか。 こんなに思ってくれる相手と )
そんなことを考えていると、写真立てが目に留まった。 僕の……昔の写真?
ラウルの視線を辿った伯母が、ふふっと小さく笑った。
「懐かしいわね、あの頃は、海軍に入ったら、あちこち行った先の土産話を聞かせてあげるからね、なんて言ってたのよ」
もちろん本気だった。 そして、実際夢も叶った。 彼が既に忘れていた、明るい望み。
親族も、自分の将来に期待していることは、よく分かっていた。
たまらなくなって、ラウルは自室に戻った。 駄目なんだ… こんなに暖かい気持ちを誰かと分け合っていたら、
とても明日、あいつと果たし合うことなど出来ないに決まってる。
ギリギリまで自分を追い込んで、そうでなければ僕には、奴と対峙する事は無理だ。
人が心の奥底に持っている、 残忍で冷酷な澱みを呼び覚まし、 大きく増幅させる。
とにかく、今やっておかなければならない事。 そいつに取りかかろう。
もう一度、さっきしまい込んだ黒檀の箱を出す。
( 父さんの東洋趣味が、こんな時に役に立ってくれるとは…… )
彼は、箱の中身を眺めて、満足そうに目を細めた。
ここから、場面転換します
*映画のシーン:シャンデリアが落とされた後から
*ラウルの独白と ベシャリが長いです
*マスターのファンの方は、是非スルーがよろしいかと… orz
*ラウルは、映画版に「前髪2割増し」って感じで (マタカ
では、再度参ります
507 :
対峙・3:2005/11/02(水) 01:15:38 ID:rROQlgPz
警備・狙撃準備、ともに万全のはずだった。 そんな作戦など無に等しかった、あの男の前には。
クリスティーヌは、あっという間に奈落へと連れ去られた。
─── やはり、そうだったんだね、クリスティーヌ───
いつか、闇の中で見た、絡み合う二人の姿そのものの舞台。 何もかも、現実だ。
君にとって、あの男は既に、音楽の天使じゃないんだ。 その事を、気付いてるのか?
幻ではなかった。 分かっていたのに、僕は確かめなければ気が済まなかったんだ、きっと。
何故これほどの屈辱をあじわってまでも、僕はあの二人を追うのだろう?
いかにあの男が激昂したといえ、彼女を手にかけることはしないはずだ
まさしく彼女こそが、彼にとって全てなのだから。
けれど、今のあいつを放っておいてはいけないんだ、大衆の前で仮面を剥がれた男を。
マダムに以前聞いた彼の辛い過去、今見た光景もそれに等しい。
今、あの男の心の中は、凄まじい嵐が吹き荒れ、誰をも巻き込んでしまうに違いない。
マダム・ジリー ……彼女は、怪人の味方なのか。
理解者? それなら分かる。 僕も、奴の声を聞き、その毒を受けた人間だ。
他人から本気で斬りつけられるなんて、今まで無かったのだから。
毒と蜜は、同じく甘いものだということも、身を持って知った。
あれがあったからこそ、僕の中にあった、自分でも知らない部分が見えてきたんだ。
他人を本気で憎み、恨み、そして執着するように欲することも。
でも、それは愛するという事とは違うんだ。
それにしてもここの空気ときたら、ぞくりとするほど冷たいのに、吸い込むと胸が焼けるようだ…
まるで炎の中だ 息が苦しい、喉がひりつく。 内蔵まで全て乾いてしまいそうな程に。
この地下通路は、あいつの呻きと悲しみ、憎悪が充満している
クリスティーヌ、君が言っていた天使は今、君をどうしようとしてるんだ?
僕がいなかったら君たちは、至高の音楽に手が届いたのか?
僕が、君たちの夢を踏みにじったというのか? 僕は罰を受けるべき人間か?
二人を追う資格は、 ……僕にはないのか?……
508 :
対峙・4:2005/11/02(水) 01:17:57 ID:rROQlgPz
こんなに容易く抜けられる罠は変だ、本気で僕を殺すつもりはないのかもしれない。
……いや、 罠にかけてではなく、自分の手でこの命を奪おうというのか。
望むところ、 必ず、生きてお前と僕は対峙しなくてはいけないんだ。
── 聞こえる! 二人は近くにいる! 幻聴ではない、本物の声が大きく聞こえる!
え……クリスティーヌ、奴は、君に何を叫んでるんだ ……
まただ、何故あいつは、こんなに悲痛な声で訴える? ああ、この声は聞いてはならない!
全身を揺さぶって、相手の気持ちを操ってしまうんだ、 ……… 聞いてはいけない!
(舞台衣装が引き裂かれる音、 そしてクリスティーヌの、高い叫び声)
何が起こったんだ!! やめろ、彼女には手を出すな、 クリスティーヌ、どうか無事で!
ああでも、僕がそこに行く事は、 本当に彼女が望むことなんだろうか?
「これはこれは子爵殿!! ようこそおいで下さった、 私の美しい花嫁をご覧あれ!!」
「ラウル……!!」
「!?、クリスティ…── それは?! 」
白いドレスを着たクリスティーヌを見たラウルは、絶句した。 彼の中で、堰き止めていた何かが切れて崩れた。
──────僕は、ただの道化だった。 全てが、ファントムの思惑通りなのか。──────
(いいや、そんな事にはさせない。 させて、たまるものか!) 彼の眼が大きく見開かれた。
「特等席にお掛け頂こう! 」 ファントムの手から、パンジャブの輪が放たれた。
それは瞬間、ラウルの首を捉えるが────彼はすかさず右手を挙げ、ぎりぎりの所で首を守る。
掴んだ縄を渾身の力で留め、 そのまま左手を腰の後ろに回すと、光るものが素早く動いた。
ラウルがそれを2,3度上下させると ざっくり切られた縄は、はらりと垂れた。
全ては一瞬だった。 ラウルの左手には、小振りなナイフがあった。
509 :
対峙・5:2005/11/02(水) 01:24:53 ID:rROQlgPz
「僕も、随分見くびられたものだ…… 」
静かに微笑しながらラウルは、掴んでいた縄をするするとたぐり寄せ、輪に巻いていく。
「小細工無しなら、僕の方が上だと 知っている筈だろう?」 軽く口でナイフを銜え、輪を綺麗に纏め上げた。
穏やかな口元と対照的に、その眼には、ありありと殺意と狂気が見える。
「投げ縄の名手だと、伺っていたのでね…… おまけに水中じゃ、銃も使えないだろうし」
さすがのファントムも、少しずつ後退りながら、クリスティーヌへ近付いて行く。
光が空を切り、ファントムの頬に、細い血の筋が走った。 投げ付けた体勢から、優雅に姿勢を直すラウル。
「言ったはずだ!……真っ向勝負なら、お前など僕の敵じゃない」
ラウルは、2本目のナイフを手に軽く持ち、 嘲り笑った。
「これはね、薄紙もきれいに切れる、 そして、人の首も簡単に斬れる造りなんだ …素晴らしい、全く」
小さな真珠やルビーを鏤めた柄、冷たく光る刃を眺め、 切っ先を相手に向けて持ち替えた。
「さあ、どこにぶち込んで欲しいか言ってみるがいい。 額か?胸か?
それとも、もう一度背中を地面に付けたいか? いや… 丸腰の相手に向かって、失礼したね」
回転させるように、一本ナイフをファントムの足元に放り投げて、 唇の両端を上げた。
顎をしゃくり、 拾え、と眼で合図する。 その眼は、刃と同じ光を放っている。
予想外の屈辱に、大男は言葉も出ずに従うしかない。 少し身を屈した彼の腕に、ラウルのナイフが飛ぶ。
突然の痛みに、体を捩るファントム。 ラウルは素早く歩み寄り、 大きく叫んだ。
「分かるか、これがお前のやり方だろうが!! この、腐りきった卑怯者め!!… 」
ナイフを突き付けながら、 ラウルはファントムを追いつめ、 腕から 荒々しく刃を引き抜いた。
縄で腕を後ろ手に締め上げてから、横倒しにし、その腹を 強く蹴り付けた。
ファントムが低く呻いた声と、 クリスティーヌの短い叫びが、重なった。
ラウルは、眼の端でそちらを見て、 ゆっくりと 彼女に向き直った。
「よく似合うじゃないか…何故、拒んでくれなかった? 脅されて着た、なんて言い訳はやめてくれ、
いつか僕のためにだけ、着てくれると思っていた…… なんて僕は、惨めな男だろう !!」
ラウルは、クリスティーヌの肩下を僅かに覆うレースに、刃をくぐらせた。
右、左。 用を為さなくなった薄衣は、 音もなく落ち、ドレスの房飾りのようになった。
自らも、腕に血を滲ませて 愛した女を睨み付ける彼は、さながら カラヴァッジオの絵の主人公のようだった。
510 :
509:2005/11/02(水) 01:33:20 ID:rROQlgPz
まだ続きます…… 無意味に長いですね、もうちょっと頑張ります
読んで頂いた方、ありがとうございました。
リアルタイムで見てますた
GJGJ
>496
GJ!
マスター既にギリギリですな。
すごい心配だ
>510
ラウルカコイイ
このスレで初めてのことではなかろうか
513 :
478:2005/11/02(水) 12:20:06 ID:6tG/BIKh
外せない用事ができて映画見れないや…
でも終了時間にはマンハッタンの怪人持って立ってるね
連続投下ウレシス
でも前の天使への拍手が鳴り止んでから投下した方がイインジャネ?
>496 ちょwwwwwwwwww マスター自虐プレイかよw
ガクブルな展開に目がはなせん
いつもすばらしい作品をありがとうございます。
続き、ワクテカでまってます。
>510 かっこいいラウルみれてウレシス
ひきつづき、よろしくおねがいしまつ。
二人キリのオフ会始まりますた
517 :
509:2005/11/02(水) 20:01:51 ID:rROQlgPz
>514
うん、本当だね。 忠告、肝に銘じるよ、ありがとう。
リアルで読めた嬉しさに、つい我を忘れてしまった……
「寄らば大樹の陰」っていうのもあるなあ、過疎ってるときは緊張してしまうんだ。
でも、これからは出来るだけ空気読む、他の方にもスイマセン
オフ会、楽しくなるといいね。 時間どれだけあっても語れそうだ、いいなー。
>516
え。マジですか!?やっぱ橋本で?
オフ会ウラヤマシス。
レポよろです。
あんまり大きい声で エロ話題せんようにねw
オフ会終わりました
橋本で飲んでました
劇場で某天使様と合流後に近くの居酒屋へ
さんざん萌え語りをひそひそしました
明日もマンハッタンの怪人持って待とうかと思います
ぼ某天使様とは・・・ど、どの・・・ドキドキ
いいなあ、直接リクエストも出来ちゃうじゃん!
>496です。
レスくれた方、どうもありがとう。
次、クリスをどうしようか悩んでいます。
>514
その通りです……、面目ありません。
レスをよく読んでから投下したいと思います。
524 :
509:2005/11/03(木) 00:52:28 ID:SwExXZBc
>496さんへ、
>514さんは、自分に対して
「496天使様への喝采がまだ続いてる最中に、他の投下はNGじゃない?」と
伝えたかったのだと思います、面目ないのは自分なので、しばらく自粛します
これ、特にいじけて言ってる訳じゃなく、マナー違反をしたので、
おとなしくしたいだけですから。
エンジェルにそんなこと言われたら、マジでパンジャブられてきますぜ。
うは一晩のうちに3人の天使様が御降臨あそばした。
>479
マスターの「普通の人のような暮らし」が出来る喜びがすごく伝わってくるよ。
なんかこのふたり可愛いなあ。
ぜひ今度はクリスマスに喜び悶えるマスターよろ!
>496
とうとうクリスは人が変わったように変貌していってしまった。氷の様な眸…ヒィッ
無理もない、無理も…結婚生活とはまさに魂と魂の闘いかも。
クリスと共に我々の体も持ちませぬハァハァ
>510
ラウル格好良い…!
映画以上のクリスへの深い想いも激しく伝わってくるよ。
ファントムに勝ったのに、切ない思い…複雑な心理描写すごいです。
”どちらを選んでも、彼の勝ちにしかならない”
そのとき僕は、図らずも真実を言い当てていたことになる。
彼女を妻にして数ヶ月がたつ。
彼女は僕を愛していると言い、その言葉にも瞳にも嘘はない。
しかし、彼女自身も気付いてはいないのだ。
目を閉じると頭の奥を赤い炎が焦す。忌まわしい舞台、ドンファンの勝利。
あの男の浅黒い手が彼女の白い肌を這いまわる。
その指に導かれるように彼女は目を閉じ、微笑むかのように唇を開き、
蕩けたような溜息を漏らす。
男の歌は彼女の素肌を撫で、彼女を解き、内へと入り込み、彼女の中で蠢く。
彼女の声もまた男に応え、迎え、絡みつき、締め上げ、混じり合い、
一つになって音にならない悦びの声をあげる。
訪れる静寂の中、力を失い男の腕に支えられる彼女の顔は、
快楽の残滓を貪るような、恐ろしいほどに淫蕩な表情を浮かべていた。
あの場で、確かにふたりの魂は淫らに交わっていたのだ。
僕の下で彼女は、僕の名を呼びながら昇り詰める。
小さな叫びを上げて頭をのけぞらせるその表情は、
あのときと同じものだった。
”クリスティーヌ…クリスティーヌ…”
影にこだまするような声を聞いた気がして、半身を起こす。
辺りを見回しても、カーテン越しの薄い星明りが静かに部屋を照らすのみ。
全身の鳥肌を夜気のせいと思い込もうとし、
改めて妻の隣に横たわったとき、その唇が微かな笑みを浮かべる。
”…クリスティーヌ…”
声に応えるように、その笑みは深くなる。周りの薄闇が急に重さと密度を増してゆく…。
僕が彼女の中に放つものは、いずれ彼女の内で実を結ぶだろう。
…あの男が彼女の中に残したものは、一体何を生み出すのだろうか?
「オペラ座の怪人」は消えてしまったが、彼の存在は彼女と共に続く。
そしてあの男の影ごと、僕は彼女を愛してゆく。
そう決めたのだから。
>526
うわわっ!なんか、なんかすごくいいぞ!
なんか、すごくよくわかるぞ!GJ!
>526
GJ!!
いいねえー。素晴らしい。
ここの職人さんたちはほんとレベル高いな。ウレスイ
二人キリのオフ会第二弾始まりますた
昨日と同じく自虐マスターの天使様と語らってきます
530 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/03(木) 20:08:05 ID:nzBQj1ss
裏山杉!
>526
官能的だ、一言一句がエロいよ、素晴らしい…
きっと映画のラストシーンまで、ラウルはこのような気持ちを
持ち続けていたんだろうね。
>530
IDにSSが出たので貴方は何が何でも投下しなくてはいけません。
いいなあオフ会2レンチャン…目隠しでOKだから
天使様お2人のツーショットUP出来ません?
きっと美人さんなんだろうな
>>526 GJです!!
ラスト2行にラウルの懐の深さを感じました。
原作のラウルは「嫁探しに奔走するただの若造」っぽくて好きになれなかった
けど、映画やSSによる補完で男前度が上がりまくり(自分の中で)。
>>528 オフ会裏山(´Д`)。
本日も居酒屋ですか?? 自分も萌え語り出来る相手がホシイス。
>531
リアルバレが懸念されるので…
ごめんなさい
エロパロ板で顔うpは…
オフ会終わりました
今日はお食事だけです
昼間に某イベントに行ったのでその戦利品を見ながら萌え語りと
ファントムのヘタレ具合について熱く語りました
あとは舞台版や他の映画との比較ぐらいです
もっと大人数でできるといいですね
>526
GJ!そうか、あのラウルの背中はこれからの甘い苦悩の始まりだったんだな…
またもっと長編の投下よろ!
オフ会乙です、羨ましい限りだ。
他地域でも開催される事キボンです。
>526
GJ!
ファントムの絡みの描写がエロいね!
ごく最近になってラウルのカッコ良さを認識。
このスレの職人さんのおかげかも。
SSって出てますか?
〉531
本当だ。
では急いで木登りラウルの続きを書くよ。
>>538 質問の意味がよくわからないんですけど…
とりあえずsageは半角でお願いします。
出てる!
でもあと30分しかないぞ!w
失礼
ケータイから初めてなんで勝手がわからなくて
あと20分?
ギャー
あと15分!
544 :
531:2005/11/03(木) 23:51:20 ID:cLtN83p3
>542 もちけつ・・・焦らなくてもよかとです
〈ラウル〉
男はクリスティーヌの上に覆いかぶさると彼女を見つめ、その髪や頬を指でそっと撫でながら何か語りかけている。
少し前まで男に抗がって不安げな表情をしていたクリスティーヌが、じっと男を見つめ返す。
彼女の手を取り、その指に口づけし、愛おしそうに仮面をつけていない方の頬に押し当てている。
やがて彼女の手が自分の意思で男の頬を撫で始めた…
あの男は彼女に何を言ったというのか?
男は頬から首、胸元へと唇を触れさせながら
クリスティーヌの上を移動して行き、
次に現れたときにはその手に彼女の膝をつかんでいた…
そしてその手を押し広げ――彼女の上に――
クリスティーヌがびくんと顎を上げ、頭をのけぞらせた。
そしてその唇から大きな吐息がもれる。
愛らしい眉が固くひそめられ、何かに耐えるような表情を――
彼女はあの男を、その身体に受け入れたのだ。
ssにもならない…凹
やはりケータイから打つのは無謀ですね
いずれまとめて投下させてもらいます
お目汚し失礼しました
548 :
541:2005/11/04(金) 00:30:24 ID:GJ1nfbKK
や、良かったよ。面白がって焦らせてスマンカッタネ
投下待ってるぞ!
をぁぁ生殺し……全裸で続き待ってまつ天使様。
>547
イイヨーイイヨー短時間でよく頑張った!
まとめて投下を楽しみにしてるよ。遅くまで無理させてなんか
すまなかったね。
>>547 GJです!超ドキドキしました…(;´Д`)
直接描写では無い分、補完の為脳内妄想が禿しく暴走してしまい
風呂に入るつもりがPCに釘付けになってしまった。
ここと嫌スレでだけで、しばらく生きていけそうな自分。
マジ神スレ
あいしてるよ住民のみんな
ありがとうございます。
こんなに必死にケータイ打ったのは初めてでした。
明日は橋本行って来るよ!
>>547 この焦らしプレイタソめ!ドキドキハァハァだよor2
すぐとは言わない、またそのうち続き投下してねー。
橋本も楽しんできてねノシ
>547
GJ!
>551の言う通り、直接的な描写がないのに、というより
ないからこそのエロさ満点!
橋本、楽しんできてね。
SCREEN、小さいかと思ったけど、意外に大きかった。
>547
ちょwwwwwwwww萌えさせてもらいましたwwwww
自分もあせらせた、スマソ
続き、ゆっくり待つぜ
やっぱ満席…
最近天使様ラッシュで嬉しい。
橋本そんなに遠くないんだけど仕事でいけないよー。
リアルオフじゃなくても、どこかのチャットでも借りて
リアルタイムで萌えを語り合ったりしてみたいなー
賛成!
こんな時は親切に
『うちのチャットを使いなよ!』
とか言うべきなんだろうか(笑)
このタイミングでそんなことが言える人は神
マジで使わせてもらっていいのかな?
本当に使って良かったら、教えて下さいませんか。
さぁてと、今夜はPCの前で待機っと。
腱鞘炎になったら大変だなぁとかいってみるテスト
チャット大会がはじまるのですか?
もしはじまるのなら少し参加してみたいようなわくわく。
このところの天使様がたのラウルと切ないマスタ−の活躍を読んでてふと浮かんだ愛憎短編。でも書くの自分ですから…すみません。
…次はあの身の程知らずの若造の首を締め上げてやるのだ。
縄では飽きたらぬ、我が手、我が指で引き寄せ、芯の骨が砕ける音を聞いてやる。
さぞかし心地良い響きだろう。
復讐の欲望に取り憑かれ、敵の居座るボックス席を睨みすえた彼の目に映ったのはすでに空っぽの豪華な椅子だけだった。
ファントムは仮面の下の暗い熱を湛えた目を大きく開き、慌てて下界を見下ろした。
観客の悲鳴の渦の中で舞台上でのブケーの死に様に右往左往する踊り子や裏方たちの後ろに、彼はクリスティーヌの豊かに輝き流れる髪を見た。
彼女はあの憎らしい男と手を取り合い、一心不乱に屋上への階段をのぼっていく。
嫉妬に萌えいや燃え狂いながら漆黒の仮面の男は凄まじい勢いで梯子を駆け上がった。
*
「待ってくれ、どうしたんだクリスティーヌ!」
ファントムの脳内では百度も命を失った男ラウルがようやく口を開いた時、クリスティーヌは屋内に通じる扉を必死の面もちで押さえつけていた。
閉じたそれを不安そうに一瞥し、彼女は幼馴染みの青年を振り返った。
「まだこれでは終わらない。彼は次は私たちを狙うわ」
「まさか」
「いいえ!」
クリスティーヌはむきだしの髪を振り、ラウルにしがみつく。
「彼から逃れることはできないのよ」
そういうわけでディープインパクト並みの凄まじい追い込みで屋上に辿り着いたファントムの目に飛び込んできたのは憎っくき青二才と抱き合う愛しの歌姫の姿であった。
たちまち心中高く燃え上がる紅蓮の炎。
…だがファントムは直情径行に飛び出しはしなかった。
ここは彼のホームグラウンド、石材の窪み、そして住んでいる鳩の血縁関係に至るまであまねく知り尽くしているオペラ座の屋上である。
わざわざクリスティーヌの疑いの視線にこの身をさらす必要などまるでない。
しゃくに障る幼馴染みなど指先一つで排除できる。
お茶の子さいさいといってもいい。
なぜなら彼はファントム、オペラ座の闇の帝王。
あのマダム・ジリーにジーニアスと呼ばれる男。
*
ファントムはじっと、抱き合う恋人たちの立ち位置を目測した。
彼の隠れている屋上中央にしては不自然に巨大な彫刻からおよそ九歩。扉から直線距離にして五メートル。
仮面の下で口元が抑えきれない暗い喜びに歪む。
あの場所なら簡単だ。
ファントムは身を寄せている彫刻の足の部分に掌を滑らせた。
どこをどう弄ったのか、裏側が厚み二粍ほどの板状となってスライドし、内部にいくつも並んだボタンが現れた。ボタンのひとつひとつに番号がついているようだがあたりは暗くてよく見えない。
だがファントムは配置を熟知しているらしく手元も見ずにそのうちの一つに指をかけた。
実はこのボタンは、押すと扉周辺の屋上を構成している石材のうち該当部分が音をたてて外れ、上に載っている物(者)を全ての床を突き破る勢いで奈落の底まで落とすしくみになっている(天才のやる事なのでなぜこんなしくみが必要なのか深く考えてはいけない)。
「ポチっとな!」
ファントムは低く呟いた。
だが、憎しみをこめ全力でボタンを押す直前、辛くも思いとどまった。
いけない。
クリスティーヌがまだ青二才と抱き合っている。
今奴を落とせばもろともに彼女も奈落の底に真っ逆様だ。
ファントムは震える指を外し、小さく首を振って気を紛らわせた。
…だめだ、このしかけは使えない。
あまりの失望に胸の底がうずく。
なんとか気を取り直して視線をあげると彼の最愛の歌姫は間抜けな若者とうっとりと見つめ合い、なにやら美しい愛の歌らしきものを歌い始めていた。
(なんだあの歌は!)
あんなもの作曲した記憶はないはずなのに。
自分の知らない歌を彼女が歌っている、しかも練習したはずもないのにあの若造が見事な歌声でデュエットしている。
なんだあの異様な巧さは。
どこまでも憎らしい男だ。彼女と二重唱できるのは私だけなのに。
しかも彼は認めざるを得なかった。
その歌は甘く優しく麗しい。
賞賛と嫉妬に苛まれ、ファントムは再び口を歪めた。
ああクリスティーヌ、君は私からどれほど遠ざかれば気が済むというのだ…!
ラウルが笑い声をたてた。
クリスティーヌのほっそりとひきしまった胴を抱き上げ、彼女の澄んだ声に合わせてくるくると踊り始めた。
ああ憎い。
若造が憎い世間が憎い憎いったら憎い。
地下水路を使ってせっせと通っていた場末の行きつけの売り場から、買うのを忘れていた時に限って超高額当選の宝くじ券が出ていた事を知った三年前のあの日よりも憎い。
ファントムは罪もない彫刻を音をたてず殴りつけた。
その衝撃でスライドしていた部分が閉まり、別の場所がぱかりと開いた。
うつろにそれを見たファントムの目が光る。
この操作盤は別のしかけのためのもの。
今まさにあの恋に舞い上がった洟垂れ小僧がクリスティーヌを抱いてくるくる回っているあの空間に有効なものだったではないか。
ファントムはパネルにとびついた。
ボタンとラウルの位置を見比べ、にんまりする。
実はこれは空間に蜘蛛の巣のように電磁場を形成し、それに干渉する物体の存在を感知した途端美しい響きとともに足元の石材を抜いて干渉者は奈落の底(略)という、これもまた設計者が何を考えているのか底なしに謎なしかけである。
エロパロ板二次作品内の主人公とはいえテルミンに先駆けることおよそ半世紀にしてこんなものを作りあげているあたりが天才の仕業としかいいようがない。紙一重だが。
「一網打尽だっ」
ファントムは呻き、今まさにボタンを圧さんとして己の呻きの意味に気付き愕然とした。
ラウルはさっきから彼の歌姫にくっついて離れず、しかけを発動させれば今回も必ずクリスティーヌにその被害はもたらされることをファントムはついうっかり忘れるところだった。
彼の天使をこんな事で失うわけにはいかない。
いかないったらいかない。
おおクリスティーヌ、暖かく愛しい彼の生き甲斐。
「だめか…!」
ファントムは拳を握りしめ、罪もないパネルにたたきつけた。
降り積もった薄雪の上に膝から崩れ落ちる。
むなしく、わびしい。
この場ではどうしてもあのにやけた子爵(←ラウルファンの皆様、ファントム視点ゆえいちいち失礼な表現で申し訳ありません)を滅ぼすことはできぬのか。
いっそのこと一気に駆け寄り、屋上の縁から景気よく背中を蹴り飛ばしてやりたいが、とにかくクリスティーヌが巻き添えを食う可能性がある以上とうていそんな真似は彼にはできはしないのだ。
ファントムは泣いた。
涙はあとからあとから頬を伝い、ファントムの仮面の内側に筋を描いた。
……だが、泣くなど敗者のする事だ。
ファントムは決然として顔をあげた。
何もせず、ただひたすらに身を揉んで泣き続けることなどできはしない。
なぜなら彼はファントム、このオペラ座で朝寝夜更かし引きこもり、タイムカードを打ちもせずに月二万フランをせしめる男。
誇りがある。
レオナルド・ダ・ヴィンチのごとく多方面にあふれる才能が、そして情熱と執念と強運と自負心がある。
ファントムは黒いマントの内側から一冊のテキストを取り出した。
『念力に目覚める方法』
最後の手段だとは思っていたものの、『ブードゥーの呪い』『恐怖!丑の刻参り』とともに先日通信販売で購入していたこの本がついに役立つ時がきたのだ。
催眠術だってゴンドラ操作だって投げ縄だって身につけた彼である。
念力などその気になれば軽いものに違いない。
念力パワーで奴とクリスティーヌをまず物理的に引き離す。
全てはそれからだ。
ファントムは張り切って本を開いた。
歌い終わって唇を閉ざした恋人を、ラウルは賞賛のまなざしで見つめた。
クリスティーヌは愛に満ちた微笑を湛え、彼の手にひかれて扉に向かった。
恋人たちの後ろで扉が閉まり、本に夢中になりつつもようやく天使の歌声が失せたことに気付いたファントムが顔をあげた時にはもはや屋上には二人の影も形もありはしなかった。
ただ目の前に心をこめてクリスティーヌに贈った真紅のバラが転がっているだけである。
若造に夢中になった彼の天使が落としていったものらしい。
彼はそれにとびついて泣いた。
敗者だのなんだの言ってらんない。
悲しいと涙がでるのはファントムがまだ人間であるしるしだ。
「おのれっ」
あまりの理不尽に目の前が暗くなったファントムはマントを翻らせて立ち上がった。
「呪ってやる!今日という日を後悔させてやるぞ!」
さきほどの麗しいメロディーを思い出しながら彼は怒りの歌声を響かせた。
すぐに耳コピができるあたりがさすがにジーニア(略)、彼は屋上を疾走し、天を見上げながら激情にまかせてこれまた巨大な別の彫刻に飛び乗ろうとした。
そして足を滑らせた。
薄い雪が積もっている時点でよそ見をしながら足場の悪い彫刻なんぞに飛び乗るのは危険千万と気付くべきだがそんな世間の常識を彼に求めるのは酷というもの、なぜなら彼はオペラ座の天才にして紙一重の男。
そのままななめ前方に華麗な弧を描いて吹っ飛んだ果て、彼のマントは音もなく闇に溶けていった。
同じ高さなら途中の床を全てぶち抜きながら奈落の底に落ちるよりはマシであろうかいやどう考えてもそういう問題でもない。
だがおそらくは大丈夫。
なぜなら彼はオペラ座のファントム。
永遠にクリスティーヌとラウルと我々の心の中に住む男。
おわり
天使様乙!
新たな呪いがかかりました(笑)。次に見たら墓場で笑いを堪えるだけじゃすまないのか…
>チャット
いいですよ。設置してから私以外誰も来ず、下げようか迷ってたぐらい過疎ってるので。
エロも萌えもバッチ来い!
アドは目欄
>569
アド後ろが抜けてるんジャマイカ?
>568
ちょ、まてw
これ以上呪いを増やしてどうするw
橋本が終わった後で良かったよ。
しかし、笑ったな〜。
屋上の呪いGJ!
確かに彼は我々の心の中に住む男(笑)
>チャット
上のアドでエラーになるのは自分だけかな?
普通に行けたけど?
切ないラブストーリーの合間に入る、こういうギャグが
3度のご飯より好きだーーーー!
墓所のしかけを汗水垂らして作った後遭難したマスターと
同じ天使様?あのシーンも忍び笑いを漏らしてしまう。
本スレとか嫌スレとかこのスレとか、いろんなとこで
呪いがかかっている…
チャットはどっかのチャットサービスのパスワードがかかる
ようなとこがあればいいかなーと思っていたのですが
そんな大切なサイトとかにお邪魔していいのでしょーか。
ついでによーく考えたらROM専も顔出しして良いんでしょーか。
>572
>569のurlでいけたよ、自分は。sage、取ったよね?
でも、自分しかいなかったから退室しちゃった。
あるいは、まとめサイト→関連サイト→BBSに貼ってあるサイト→チャットで
行ってみるとか。
>564
軽く呼吸困難に陥りました。
ちょwwwwファントムwwwwハライテー_| ̄|○ノシノシノシ
ギャグの天使様GJ!
>564様、とうとう屋上にまで呪いを! なんてありがたい呪いだ、タマラン!!
「紙ラッパ」や、水中の呪いと同じ方でしょうか、違ってたら・・orz
ああ、この呪いを日中に思い出して、つい吹いてしまうのは自分だけなんでしょうか
くそまじめにしか書けない自分が情けないー。
これからも、お待ちしております!!
メアドクリックしてURLそのままコピペしてませんか?
そのままだと?以降が消えてます
今やっと行けました。
まとめサイト→関連サイト→BBSに貼ってあるサイト→チャット
で行かれました。
みんなありがとう。嬉しい〜
>>564 ちょwwwうはwwwwマスターwwwww
最高です、そのセンス!
>564
チャット、始まってるよん?
あれ、みんなチャット中かな?
こっちは一時、過疎
本当だ、あちらに天使様大集合スゴイナ
無理にこちらを保守しなくても良いことだし、連日の御降臨で満足満足
どこにチャットのアドレスでてんの?
できれば誘導してください
>585
569の名前のとこクリックしてごらん
>>565 天使さまサイコー!
内容もいいリズムもいい、
なんて可愛いマスターなんだw
>自分の知らない歌を彼女が歌っている、しかも練習したはずもないのにあの若造が見事な歌声でデュエットしている。
なんだあの異様な巧さは。
…は、腹が痛い…。
マスターぁああ!ジェラっちゃうポイント可笑しいですよ!
滑って建物から落ちていくファントム…彼に幸多からんことを
初めてあの屋上の絶叫シーンを観た時はゾッとして怖かったものなんだが、
まさか笑いのツボになり果てるとは。
上の方もおっしゃってるようにまさにここは神スレ
この静かさなら言える
カラオケオフしたい…
>590 カラオケオフ…自前音源で?
Reprise”all that the fhantom ask of
you〜うぅぅ…(落下音・フェードアウト)”とか作りたい…
1/2
眠れないままクリスティーヌは枕に顔をうずめた。
夜明けまでにはまだ間があるようだ。
部屋は暗いが、闇に慣れた目には鏡台の上のセーヴルの花器が見える。
花器には質素な部屋には不似合いな、白い薔薇の花束。
「シャニュイ子爵があなたに会いたいとおっしゃったんだけど、
ママがお断りしたの。代わりに、これをあなたにって」
そういって、昼間メグが持ってきてくれたものだ。
大好きだった幼馴染が素敵な紳士になって現れ、しかも私を覚えていてくれた。
無邪気に再開を喜び合い、子供のときの話にはしゃいでいた時から
たった一晩しかたっていないのに、私はなんと変わってしまったのだろう。
花束から視線を逸らし、ベッドのサイドテーブルに視線を送る。
その上に載った一輪の薔薇は確かに赤いはずなのに、
今は闇を吸ったように影の中に鈍く沈んでいる。
クリスティーヌは上掛けからそっと腕を出し、手を伸ばした。
やがて指先が黒いリボンに触れる。滑らかな手触り、触れている部分から
細波のような何かが身体全体に拡がり、クリスティーヌは思わず目を閉じた。
そのまま指でそっとリボンを撫でる。
黒く、滑らかで、ひんやりしているのにその奥には熱を持って―
いつしか閉じたまぶたの奥で、リボンは黒い皮の手袋へと変わってゆく。
腰を撫で胸元を辿り首筋を這い上がる。
甘い声が後を追うように、衣服を透して素肌にまとわりつく。
皮の立てる掠れた鳴声、レースの擦れる乾いた音。
背を預けた厚い胸の体温、傾けた首筋にかかる息遣い。
身体があの時受けたすべての刺激を反芻する。
2/2
不意に背筋の産毛がちりつき、下腹にざわりとした熱が生まれた。
意識を逸らそうとすると、まるで頭の中で鳴り響くように歌声が聞こえる。
”魂のくびきを解き、我が音楽に屈するのだ。
恐れずに味わえ…お前の心の闇が欲するものを”
甘い声は毒のように全身を侵す。
声の導くまま掌を自らの腰に這わせる。身体のラインをなぞり、胸、喉、唇。
”身を委ねよ、夜の調べに…!”
脚を突っ張り、背を撓め、首を反らせ―
「いやッ」
クリスティーヌは小さく叫んで目を開いた。
身体に残る何かを追い出そうと身じろぎする。
荒くなった呼吸を落ち着かせるため、痺れるほどにシーツを掴んでいた指を開き、
掌で早鐘のように動く心臓の上を押さえた。
「いや…」
悲しいのか、怖いのか、嫌悪かそれともそれ以外の何かなのか、
説明できない感情が押し寄せ、溢れ、目の端から次々と零れる。
涙でにじんだ瞳に、ほのかに白いものが映った。
闇を微かに照らす白い薔薇。
「ラウル…」
”お前は、私のもの…”
「……」
幼馴染の名をもう一度呼ぼうとしたが、震える唇は音を紡いではくれなかった。
シーツの中で身体を丸め、自らを抱きしめる。
朝など忘れたような深い闇の中で、クリスティーヌは夜明けの訪れを願い続けた。
プリマドンナで廊下歩いてる時のあの暗い表情はまさにこのような
心情だったんだね。
続きはないのー?もっと長編お願いします!
>>592 GJです!!!!!
闇の魅力に抗えないクリスの葛藤が良く現われていたと思います。
ぜひ続きをキボン…(*´Д`)
あのーー、自分も職人さん達に触発されてSSじみた物を書いて
みたのですが、投下してもよろしいでしょうか??
エロなしで、クリスティーヌの独白のみと地味な話ですが…
>>595
書いてくれ!!!!!
>595
早く投下汁!焦らさないでおくれよ〜
598 :
595:2005/11/07(月) 00:03:35 ID:dBHNhABi
有難いことにレスがあったので早速投下しようと思ったら、
いきなり腹痛→しかし復活したので、投下させて頂きます。
SSというか、読み物を書いたの初めてなので文章の稚拙さは
大目に見てやって下さい。
内容は以下のとおりです。
*エロなし
*クリスティーヌの、今際の際の独白(暗くてスマソ…)
傷だらけのラウルが操る小舟に揺られ、私たちは地下の世界を後にした。
“オペラ座の怪人”が住まう、絶望と孤独に彩られた彼の監獄を。
小さなゴンドラが水路の角を曲がる瞬間、ふと後ろを振り返った私の目に映ったのは
哀切に満ちた眼差しで私達を見送る一人の男の姿だった。
青緑色の目がこの上なく優しい光をたたえていたのを、今でも覚えている。
あの瞬間、どうして彼が私たちを解放する気になったのか。
妄執じみた狂気さで私を捕らえたその手で、殺したいほど憎んでいた相手をも
その手中に収め、私たちの運命は彼の掌で弄ばれる木の葉も同然だった。
恋人の命を楯に、残りの人生を共に過ごせと迫る彼への憐憫の情にかられ、
涙を流しながら口付けた私に応えてくれたものの、抱き返すことも無く婚約者の方へ
押しやると、全てを忘れてここから出て行けと泣きながら告げた男の顔が
脳裏に焼きついて離れない。
私は彼に指輪を返し、あの日の出来事に、そして私の師に別れを告げた。
地上の世界に戻ってから程なくして、ラウルと私は結婚式を挙げた。
オペラ座炎上による混乱が冷めやらぬ中、あの街で永遠の誓いを結ぶには事件の当事者である
私たちには辛すぎた事もあり、どこか遠く離れた地でひっそりと式を挙げたいと共に願い、
朝早くの汽車で私たちはパリを旅立ったのだった。
ラウルは御家族の反対を押し切って、ただ一人愛する私を妻にしてくれた。
それから数十年の歳月が過ぎた。
優しい夫と可愛い子供にも恵まれ、私の人生は大変に幸せなものだったと思う。
幼い頃から憧れていた相手が私の事を愛してくれ、思いもよらぬ幸福の中で私の孤独は
拭い去られ、暖かく満ち足りた暮らしの中で心安らかな日々を送ることが出来たのだから。
それなのに、ふとした時、あの歌声が恋しくてどうしようもなくなってしまう自分が居る。
礼拝堂の壁越しに聞こえてきた威厳に満ちたあの声も、初めて私を地下に誘い
この世のものとは思えぬほど甘く優しい声で歌ってくれたあの歌も、もう二度と聴くことは
ないのだと思うと、胸の奥が焦げるような苦しさを覚え、独りでに涙が零れてしまうのだ。
そんな私の様子に気付いた夫は、「君が悪いんじゃない。こうするより他無かったんだよ」と
私を抱き締め、事ある毎に暖かく包み込んでくれた。
時は流れ、夫も私も既に人生の黄昏を迎える年齢となった。
あの頃のようにもう若くは無いが、夫に対する気持ちは今も昔も変わる事は無い。
ただ時間だけが、私たちの周りを駆け抜けていったような気さえする。
天使が私の頭上で羽を広げている。
ああ、この天使と共に天上の世界へと羽ばたけば、あの歌声を再び耳にする事が
出来るだろうか。
死を目の前にして尚、人間とはこんなにも心穏やかで居られるものなのだと初めて知った。
お父様や懐かしい人々の待つ世界へ、私は今旅立とうとしている。
愛する夫と子供達に見守られながら。
以上です。
自分自身は超ファンクリなのですが、「ラウルと結ばれて幸せな結婚生活
を送ったクリスティーヌ」の心境を想像して書いてみました。
エロパロ板なのにエロ成分0%でスマヌス…。
>>602 GJ!!!
しっかしせつねぇな〜オイw
そうだそうだクリスはわるくねぇだ!・・・グスン
>602
泣きそう・・・(ノД`)グスン…
やはりクリスは亡くなる直前まで決してファントムを忘れなかったよね。
きっとそうだよね、貴方のSSで確信を持ったよ!
お腹大丈夫ですか?お大事にね。
万全の体調でまた投下ヨロ!
605 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 01:00:38 ID:VnScpUi3
最後の薔薇シーンが脳裏をよぎりました。
ラウルを愛していたのとは別に、きっとクリスとファントムは
想い合っていたって信じたい。うう……。
ああ……! 私の馬鹿……!
PC調子悪くて別のにしたんだった、ごめんなさい。
>602さん
はぁ・・・すんごくいいです。 投下、ありがとう!!
泣きそうでした・・・エロじゃないけど、
しっとりしたクリスの面影がよぎりました。
いろんなタイプのものが読める、この場所って、ほんとに貴重です。
いいもの読ませてもらったよ。
クリスティーヌはファントムの歌声を思い出すたびに、
手に入れられなかったもう一つの人生にも思いをはせてたんじゃないかな。
ううう。
やっぱりファントムとクリスはあの後もどこかで繋がってたんだな…
クリス独白が続いちゃう上に短くて申し訳ないんですが投下
610 :
死と乙女:2005/11/07(月) 17:36:54 ID:ThhlJNR8
あの人によってわたしの歌は蕾をつけ、花開くことができた。
だがその人は音楽の天使ではなく、ただの愛に狂った一人の男だった。
仮面の下に隠された恐ろしい顔!
崩れかけ、引きつって一度見たら忘れることはできないお顔!
わたしが恐れているのはその顔ではない。
その中に潜む魂の歪みと狂気なのだ…。
わたしを主役にするため舞台を滅茶苦茶にし
ついにはジョセフ・ブケーすらも殺してしまった!
お前の手をかしなさい、お前は優しく美しい!
そのときから音楽の天使は色あせ、歪み、地獄の天使へと変わってしまった。
あの恐ろしい天使はわたしを捕まえ連れ去ろうとするだろう。
私は友なのだ、お前を罰する為に来たのではない
その甘い声と目に宿る力でわたしの決意と覚悟を消してしまうだろう。
彼の声は魔法のようにわたしの頭の中に響き、全ての感覚を麻痺させる。
機嫌を直せ!私は恐ろしいものではない
恐ろしいと思っている反面、どうしてこうも胸が苦しいのだろう。
あの人と闇に生きるには、わたしの人生はまだ先が長すぎるというのに!
私の腕に安らかに眠れ!
地下で腕に抱かれた感触が生々しく身体に残っている。
あの逞しい胸に抱かれ歌を聴かされたとき、わたしの魂は確かに喜びに打ち震えていた。
抗いきれない強い力!その甘い歌声と千人をも殺すことのできる眼力!
その全ての才を使って、彼はまたわたしたちに何かを仕掛けてくるだろう。
その時わたしは彼を拒み、踏みとどまることができるだろうか?
地獄の天使の手が、もう少しでわたしの腕を掴む。
以上です
詩の引用って問題無いですよ…ね?
ゲーテですよね? 原作の中にはファウストが使われてるし…
OKかなあ、と自分は思いますが… (自分も使った 駄目かな、どうでしょう)
ファントムに似合う詩が多いですよね。
自分は、「葡萄の花は形も色も優れざれど…」っていうのが、すごく嵌るなと
感じてました。
613 :
609:2005/11/07(月) 19:15:03 ID:ThhlJNR8
>612
いや、これはクラウディウスです。
ファントムってほんとドイツの詩的な感じがしますよね
自分で訳したり手を加えたり日本語訳そのままという訳でもないんですが…
まずかったらどうしようorz
613>
まずいなと思ったらやめるべき。
サイト持ちのひとだよね?
自分の作品を他人に「まずかったらどうしよう〜」とか言われながら
ぱくられたらどんな気持ちよ?
どうせ萌えるなら自分のオリジナル萌えで行け!
しかし、邪神やミステリー板の人類最強の男のガイドラインの改変ネタは
腹かかえてわろた・・・
616 :
602:2005/11/07(月) 21:12:39 ID:rmkuh0NJ
感想を下さった方々、どうもありがとうございます。
ファントムがクリスの幸せを願って身を引いたからこそ、彼女の後の
人生は幸せなものでなくては意味が無い…と思いつつ書きました。
又書けるかどうかは分かりませんが、精進してネタを考えたいと思います。
流れ無視してスマン!!!
だれかここのまとめサイト貼ってくれ!(青い文字で表示されてるやつ…)
パソコン詳しくない…すまん。
なにとぞよろしくお願いします。
619 :
609:2005/11/07(月) 23:17:54 ID:ThhlJNR8
>614
ご指摘ありがとうございます。
200年ほど前の詩ですが、自分のサイトに置いてあるものも少し対処を考えようと思います。
今回の投下にあたり、不快な思いをされた方、申し訳ありませんでした。
620 :
618:2005/11/07(月) 23:21:53 ID:hj45n4ql
>619
200年前の詩なら著作権的には問題ないと思う。
ただ、訳が最近なら、翻訳者に著作権か著作隣接権があるはず。
原詩から自分で翻訳すれば問題ないと思うよ。
>618
ついでみたいだが、自分も改めてまとめサイトの管理人さんに感謝。
えっと「まとめサイト」に行きたいんだよね?
>1テンプレにアドレス貼ってありますゆえ、頭にhを加えて行っちゃってください。
自分もかみ合っているんだろうか。なんつうかスマヌ
624 :
618:2005/11/07(月) 23:37:16 ID:hj45n4ql
吊られながら申し訳なさいっぱいの小心な自分なのだが(しつこいし)
>622さん ごめん。ありがとう
625 :
617:2005/11/08(火) 00:00:14 ID:14F4Qvu6
みなさま!!!!おそくなりすいません…
行けました!!!!
本当にありがとうございます!!!!
オペラ座エロパロ版の住人&作者様バンザーイ☆。*。・*
ヨカッタヨカッタ。
さあ貴方も煩悩の世界へ!
煩悩パワーで職人さんが増えて、投下も増えたりしたらウレシス。
628 :
609:2005/11/08(火) 16:15:54 ID:1TH1ZRTD
>621
わざわざお手を煩わせてしまってすいません。
持っている日本語訳の本は1958年初版になっています。
この本の訳そのままではなく多少の手直しはしています。
ただ、手直しをどれぐらいすれば著作権に抵触しないのかがわからないので…。
教えていただきありがとうございました。
ごくごく短いSS投下いたします。
ファントム×クリスティーヌで、何かすごくばかな感じになってます。
弱エロです…
>259以後相変わらずこんな感じでやってますって事で…
「生まれ変われたらいい」
幼い時分、一度だけ呟いてしまった言葉。
「そんなあてつけ二度と言わないで。母親を侮辱するなんて、その忌まわしい顔だけでなく、性根まで腐り切っているのね」
それを聞きつけたプライドが高く癇癪もちの母親に、こっぴどく打たれた。
何もあなたを責めたわけじゃない。
この醜い顔を持つ肉体を捨て去り、新しい身に収まることが出来たなら、あなたからキスを貰えやしないかと思っただけ。
美しい母。
もし一度でもキスを貰えたなら、生まれ変われたらなんて口が裂けても言わない。
それが刻印された身体を手放せるわけがない。
例えそれがどんなものであっても。
「じゃあ、マスターをすっかり捕まえておくためには身体中にキスをしなければいけないのね?」
それまでファントムに寄り添ってベッドに横たわっていた温かな塊が、身を起こして微笑む。
何を言い出すのやら。
自分が愛しい少女の身体に口付けるのと同じだけ、彼女も自分の身体にキスをしたがるのだから、もう刻印がされていない箇所などないのだ。
それは彼女が一番よく知っている筈。
「もう貰っているよ」
「いいえ、まだ安心できないわ。一緒に考えて下さいな」
彼女の眼は真剣そのもので、それが返ってファントムを追い詰める。
先ほど乞われるままに、つい話してしまった寝物語には少し重過ぎる自分の過去。
それを少女特有の無邪気さで、からかわれているのだろうか?
彼は観念したように言った。
「クリスティーヌ…私には思いつかないよ」
「まあ、頼りにならないわ!マスター」
つんと済ました顔が次の瞬間、笑みに変わる。
「もう自分で探してみます。よく見せて下さいな」
そう言って、白い裸体にのしかかられる。
少女は彼の身体にまたがり、彼を見下ろす。
それからふと表情を変えて、ファントムの頬に優しく手をかけた。
「ねえ、マスター…お母様も寂しかったのよ。誰だって大切な人が生まれ変わりたいなんて言ったら、悲しいもの…」
それは彼女の考えた悲しく優しい物語だった。
真実は決してその通りではなかった事を、ファントムはよく知っていた。
「私にはそんな事おっしゃらないわよね?だって…」
「クリスティーヌ…」
クリスティーヌはファントムにそれ以上言葉を発する隙を与えず、手始めとばかりに彼の唇に自分の唇を重ねたのだった。
結論から言うと、これまで彼女のキスを受けた事がないところは、全部で3箇所あった。
これでもう完全に彼の身体には彼女の刻印が刻まれ、例え悪魔に取引を持ちかけられたとしても、代償として手放せるものはただの1つもなくなってしまったのだった。
もしその夜に得たものを紙に書き付けるとすれば、彼はこう書くだろう。
―完璧な身体と、美しい物語(それが真実でなくとも)と。
おわり
>629さん GJです!
GJGJ!!
どのお話の続きだったっけ、と見てきた。
前回までも今回も、クリスティーヌのやみくもな可愛さがたまらない。
>629乙!
なんていうか、鳥肌がたつほど感動したよ。
特に最後の一文
>629
GJ! 私も>259を見てきたよ。
あれも素晴らしかったけど、今度のも素晴らしい。
こんな風にクリスに愛されて、ファントムは幸せだね。
また巧いなー。絶対続きも書いてくれ。
>629さん
良い! 素敵だぁぁぁ! またお待ちしてます!
>629
クリス可愛いよクリス(*´Д`)'`ァ'`ァ
259もその前もホント可愛い
連投すいません、繰り返しになりますが
>629さん、次のも楽しみにしています。
前回 509 の続き、完結です
自粛と言った舌の根も乾かぬ内に、スイマセン PCの調子が良い内に…
かなりベタ甘、しかも相変わらずエロ無し… そんなのですが、ハイ
需要少ないかな、これでKB消費するのって、やはりヤバイですね、ほんとにorz…
ホントは、ここには投下というより献上、という気持ちです。
640 :
決着・1:2005/11/09(水) 13:41:52 ID:ovvROYVp
自分を睨むラウルの眼に、異様な気配を感じたクリスティーヌは、 僅かに後退った。
ラウルは捕らえるように彼女を抱き締め、 何かを奪い去ろうとするごとく激しく唇をねじ込む。
「───つっ!… 」
ラウルが顔を離すと、その口の端に血が滲んだ。 怯えた彼女に、強く噛まれて。
親指で、そっと拭う。 確かに、血だ。
クリスティーヌ、何故こんなに非道い事が出来る?
そんなにまで、拒むのか、婚約者の僕を─── 観衆の前で、嬌態を晒しておきながら…。
得も言われぬ屈辱が、ラウルの狂気を更に暴走させる。
「……クリスティーヌ、紅が少し取れてしまったね、 足してあげよう 」
顎を掴み、その唇に、親指で乾いた血をすり付けた。
背中と頭に廻した腕に力を込め、 首筋から耳を、食らい付くように舐り、苛む。
小さく叫び、逃げようと強く身を捩るクリスティーヌの様子に、彼はとうとう声を張り上げた。
「僕が怖いか、クリスティーヌ! あいつよりも、僕の方が恐ろしいのか?
何が音楽の天使だ、 ただの人殺しじゃないか、 あの男は!!」
ラウルは、もう自分を押さえることが出来なかった。
今までの鬱屈が、ひと息にあふれ出て、止めようとしても止められない。
ファントムへの敵意は、いつの間にかその矛先を転じてしまっていた。
───── もう、僕を受け入れてくれないのなら、いっそ、ひと思いに……
あれ程焦がれた女の喉頸を見据え、 腰の裏に収まる革のケースに、もう一度ナイフを探った。
懇願するような、その表情に、クリスティーヌも彼の行動の深意を悟った。
「やめて!! ……正気じゃないわ!」
クリスティーヌが、強くラウルの頬を張った。 恐怖ではない、憤怒だった。
「貴方らしくない、おかしいわ、これは私の知ってるラウルじゃない!!」
まるで我が子の過ちを、厳しく責める母のように、彼を真っ正面から叱り付ける。
張られた頬の痛みに、やっとラウルは我に返った。
641 :
決着・2:2005/11/09(水) 13:43:19 ID:ovvROYVp
「そう、君も……もう、幼いロッテじゃないのと、同じようにね」
僕らは、もう二度と戻れないんだ。 あの頃のように、笑い合うことなど、もう無理なんだ。
白いウェディングドレス、その姿がまるで、あの男のものになったという象徴にしか見えない。
抱き締めた背中の手で、そのドレスを引き裂こうとする、が…… 出来ない。
両手を細かく震わせながら、ラウルはそっと手を離した。
そして、頭をクリスティーヌに押しつけるようにしながら、ずるずると、その足元に膝をついた。
手の震えが、全身に広がっていく。
彼は、泣いていた。 両の目から、静かに涙が零れる。
すすり上げるような声が、喉から絞り出された。
「 駄目、だ……、僕には、君を憎むことは出来ない… どうしても、出来ない… 」
ラウルの背中に、そっと手を置きながら、宥めるようにクリスティーヌが話し掛けた。
「 覚えてる……? 貴方、昔こう言ってくれたこと…、 最後に、ペロスで会った時よ。
別れ際に、『僕は、君の事を決して忘れることはないでしょう 』、って。
なんだかくすぐったいような、歯痒いような、不思議な気持ちになったわ、私… 」
…覚えてる、もちろん覚えてる…。 声にはならなかった。
無邪気で幼かった僕たち。 でも、あの頃から少しずつ、分かっていた。
決して、二人が結ばれることは、ないんだと。
昔は、それが身分の違いによるものだと思っていた。
でも、違う。
……愛しい、 僕の天使。
僕だけの天使だと、思っていた。
「 …いい加減、痴話ゲンカも見飽きたのだが」
いつの間にか、縛めを解き、ゆったりと構えているファントムの姿があった。
「隙だらけだぞ ムッシュウ、全く幼稚なものだ。 今からでも、お遊びの続きをしてみるかね?」
やはり、この男は怪人だった。 既に、腕の傷には止血の為の布が、しっかりと巻かれている。
馬鹿らしくて、戦意も失せたという表情には、いつもの不遜な雰囲気。
そして その手には、床に落ちていたナイフがあった。
クリスティーヌの傍にいなかったら、今頃ラウルの命は無かったろう。
642 :
決着・3:2005/11/09(水) 13:46:19 ID:ovvROYVp
「 …ずっと眺めておいて、今更……どうなりと、好きにしてくれ」
ラウルは剣の心得のある人間だ。 そうそう長い時間、周りの事を忘れることはない。
相手との距離、残った体力、お互いの手持ちの武器… 二人とも、間合いを計っていた。
ただ、酷いやり方で、丸腰の相手を痛めつけた事は、彼の自尊心に反するものだ。
そして、恋人を囮にしてまで、怪人との対決を望んだ事が、あまりに恥ずかしい。
あの時、僕は自分自身に負けてしまっていたんだ。
自分は、クリスティーヌに相応しい男ではない……。
ラウルがファントムに向かい、立ち上がろうとした時、 さっとクリスティーヌが間に立った。
「……!クリスティーヌ、危な…、」 ラウルを背にした格好で、ファントムに対峙している。
ほんの少し、腕を広げて、──彼を庇うように。
「 マスター、お願い、こんなことは、…後生です、どうぞもう、お止めになって!」
その声の、毅然とした調子を聞いて、ラウルははっとした。
(あの舞台で、一番辛かったのは……、二人が男と女に見えたから、じゃない。
仮面を剥ぐ事ができるのが、唯一このクリスティーヌだけ、だからなんだ。)
二人の間が、それ程近く、あまりにも近すぎて危険に見えたから……。
マダムでさえ、盲目的と言えるほど、彼を弁護していたのに…。
親密になり過ぎると、相手の意思と自分のそれの、区別が付かなくなってしまう、
───でも、クリスティーヌ、君は対等な立場で、この男に向かう事が出来るのか。
やはり君達の間には、誰にも理解できない程、深い絆があるのか。
動揺する二人の男の間で、クリスティーヌは静かな表情で立っている。
師を裏切るか、恋人の願いを断るか、という辛い選択を強いられて、
どれ程彼女は悩み、独り苦しんだのだろう。
大きな苦悶を乗り越えた後、誰にも頼らずに、彼らをも、追い越していたのかもしれない。
「……すまなかった、クリスティーヌ」
先に、ナイフを捨てたのはファントムだった。
「マスター……」 涙声で、何か訴えようとするクリスティーヌを、彼は素早く遮る。
「私のオペラに、こんな茶番は不要だ。 もう、幕を引くとしよう 」
大罪を重ねた男とは思えない、穏やかな、しかも威厳のある声だった。
643 :
決着・4:2005/11/09(水) 13:48:12 ID:ovvROYVp
胸に沁みるようなその声に、ラウルは自分の心のささくれが、そっと撫で付けられるのを感じた。
その場を離れようとするファントムを、彼は思わず呼び止めた。
「……頼む、待ってくれ 」
訝しげに振り返るファントムに、ラウルは続けてこう言った。
「まだ、言い足りない事が、あるはずだ… 今すぐ、彼女に伝えてくれ、
それを見届けたら、僕は全て諦める。 二度と君達には会わない。」
……何を言い出すんだ、此奴は…?
強く睨みながらも、ファントムの眼には複雑な心情が見える。
ラウルは怯まず、ぴたりとナイフの刃を自分の喉笛に当て、真剣だと意思表示をする。
互いに眼の奥を探り合う。 ラウルは目を伏せ、少し顔を横に向けた。
……この若造め、最後まで生意気を言ってくれるものだ…
そう思いながらも、やはりファントムは彼女の顔を、よく見ておきたいという気持ちに駆られた。
「クリスティーヌ」 ゆっくりと向き直り、その男は口を開いた。
……これで最後ならば、もう何を言ったところで、恥ともなるまい。
「私がもし、悪人ではなかったなら、…悪人にならなかったら、堂々と求婚していただろう 」
「……」
クリスティーヌは、じっと相手の顔を見つめ、その表情全てを受け止めるように聞いている。
それ以上の会話は交わされる事は無かった。
(君が、私の人生の全てなんだ。 …傍にいて欲しい。 君を、愛してる。)
万感の思いを込めて、クリスティーヌを見つめるその顔は、何より雄弁に心の内を語った。
多くの人間を脅かしてきた怪人が、ただの男として、言葉を発した。
それもきっと、この世で一番憎んだ相手の前で。
完敗だ……。 ラウルの中で、この男に対する敵意が、少しずつ溶けていくようだった。
ファントムは、マントを羽織り、ちらと二人を振り返ってから、大きな鏡の前に立った。
鏡の表面が、水のように波立ったかと思うと、 すい、と彼は、その中に消えた。
あ、と小さく声を上げたクリスティーヌの様子を見て、ラウルは穏やかに言う。
「 さあ、急いで……、 君なら行けるはずだ。 付いて行っておやり 」
644 :
決着・5:2005/11/09(水) 13:50:45 ID:ovvROYVp
驚いてラウルを振り返る彼女に、彼は言葉を続けた。
「あいつを、独りにしたくはないんだろう? 僕は、ここに残って皆に説明する。
人が大勢来るはずだ、 早くここを出て行かないと、後を追えなくなるから 」
「でも、でもラウル、私は……」
「いいのかい? もう二度と会えなくなっても、本当に いいのか?」
「決められない、選べないわ、 私は…どうすればいいの?」
狼狽えるクリスティーヌの肩に手を置く ラウル。
「いや違う、今の君なら、きっとあいつを支える事が出来る……
今度は、君が導く番だ。 あの様子を見たろう、奴は死ぬ気かもしれない、止めなくては」
「 えっ! …どうして、どういう事?」
「 分かるんだ、上手くは言えない 」
何故、そんなことを言うの…?、 クリスティーヌの瞳が、ラウルに訴える。
「……頼むよ、そんな顔で、もう僕を見ちゃいけない。 今から僕たちは、ただの幼馴染みだ。
あの男が、罪を償うには─── きっと、君の力が必要だから 」
「ラウ…、ル、ああ……」
クリスティーヌは、震える手で顔を覆った。
「今ならまだ間に合う、 君ならきっと…、」
ラウルが言い終わる前に、クリスティーヌが、涙をはらはらと落としながら、彼を見上げた。
唇の端に、さっき自分が付けた傷を見つけ、そっと指で触れる。
寄り添い、その傷跡に、長く静かなキスをした。
二人とも、そのまま彫像になるかのように、静止していた。
ラウルは、首に掛かった縄を留めた時よりも強い力と、自制の限界で、彼女に触れるのを堪えた。
「 早く……急ぐんだ、クリスティーヌ! 行ってくれ、僕なら大丈夫だ!」
身を離し、顔を見られまいと、じっと俯き、そのまま後ろを向いた。
少しずつ、彼女の気配が遠のいていく。
何か、物音がした後─── クリスティーヌの、気配が消えた。
ゆっくりと眼を開け、顔を上げると、もうどこにも、誰もいなかった。
「……あ、」
堪えていた涙が、その目に溢れてきた。 辺りが見えなくなる程に。
「……クリスティーヌ!!!……」 やっと許しを得たように、ラウルは大声で叫んだ。
645 :
決着・6:2005/11/09(水) 13:58:16 ID:ovvROYVp
もう、自分の他に、誰もいない。
この手で仕留めてやりたいと憎んだ相手も、狂おしいまでに愛した女も。
ラウルは天を仰ぎ、肩を大きく上下させて、やっとの思いで息をしていた。
……喉も、胸も、固く塞がって…、ああ、息が苦しい!
体の一部がもぎ取られたようだ、痛い、どこが痛いのか…… 分からない…
僕は、…馬鹿だ!!
こんなにも辛いだなんて、考えてもみなかった……
本当は、独りになりたくなかったのは、僕なんだ、それなのに────
いや違う…、よかったんだ、君にこんな思いをさせなくて済んだのだから。
可愛い天使、お願いだ、どうか僕を忘れてくれ。
君を悲しませるくらいなら、死んだ方がましだ。
クリスティーヌ、ごめんよ。 どんなに残酷な選択をさせたか、やっと分かったよ。
僕は君の幼馴染みで─── あいつは君の恩師だ。
君の一番寂しかった時期を支えた、大切な存在だ。 あまりにも、道を誤ってしまったけれど。
そして、一人の男として、君を心底欲している。 おそらくは、君も…彼のことを。
これで、少しでも君への償いになるだろうか?
それなら、いくらでもこの痛みに耐えよう。
もう、会うことは無いんだね、 でも…、叶うものなら、今一度、その声を聞きたい。
君の歌声を聞きながら、眠りたかった……。
……腕が、…また、傷口が開いてしまったのか。熱い……
蹌踉めきながら移動して、湖に腕を浸そうとする。 そのまま、彼は崩れるように俯せた。
─── 沈黙を破り、ザワザワと捜索隊、オペラ座の団員達が、3人を探しにやって来た。
先頭のメグは一番に、倒れているラウルに気付き、慌てて駆け寄った。
死、死んでるの!? ……おそるおそる覗き込むが、2人を捜す方が先だと、少し離れる。
と、ラウルがその腕を掴んだ。
「… 駄目だ、 …行かせてやって、くれ」 彼女にだけ聞こえる、小さな声。
気を失い、再度倒れるラウル。 メグが高い叫び声を上げると、一同の注意は彼に集中した。
ラウルは、何の手段を講ずることもなく、クリスティーヌとの約束を守る事が出来た。
(終)
豚切り申し訳ない。
ここって確かに馴れ合い系の雰囲気は強いけど、それを
そのまま本スレとかに持ち込むのは出来たら止めてほすぃ。
本スレでエロパロ板ではああなのに、こうなのにとかって
発言したら、荒れる元だし悪意のある人をも引き寄せかねない
と思うんだ。ヘタしたらヲチ対象とか晒しとか。
所詮大人系板だし、大人しくひっそりマターリ進行して欲しい。
647 :
639:2005/11/09(水) 15:58:25 ID:ovvROYVp
えっ??
自分、また何かマナー違反してしまった??
ひえー・・・ゴメン、やっぱりこういうの、駄目だったんだ、申し訳ない!
本スレには、一度も顔出してないけれど・・・うああ、よく分からない
>639違うよ、本スレ見て
以前にもここをテンプレに入れようとか
言ってた人居たが…
頼む、ひっそりやらせてくれorz
>>645 あなたのおかげでラウルという人物が一層愛おしくなりました、ありがとうございます
タイミング悪くて本当にごめんなさい
>>639エンジェル
こっち見てうっとりした直後に本スレに行ったんで
厨や嵐の標的になったら…と思ってガクドルだったんだ。
投下お疲れ様でした。
>639 完結しちゃったんだ…グスッ
アナタのSS読んでなんだかラウルの印象変わったよ。
良かったよ、本当涙滲んだよ、ありがとう。
またぜひ新しく萌えたら読ませて下さいね。
本スレ読んだ。>646さんの言う通り。
気持ちはわからんでもないが確かにちとまずかった。
ここが荒らされたりしたら自分はもう何を楽しみに生きれば…
>646
本スレ見てきた。禿上がるほど同意。前も似たことあったな…ここは21禁だっつーの('A`)
最近のここの馴れ合いもチョトやり杉だと思うがマターリスレを荒らされちゃ困る。
本スレまで出張したヤシは半永久的にROMってろ
>639
あ書き忘れた(;´Д`)連投ゴメソ
天使様乙!GJでした!
>639タソ スバラシス
でも、ちょっと餅つけ
655 :
654:2005/11/09(水) 17:57:44 ID:QNtoMVZh
連投ごめん
>639タソにつけたし、あくまでおまいの作品は心から素晴らしいと思う。
本スレの話。
でもあれくらいのネタなら、昔の本スレなら皆で盛り上がれたのにな・・・と思う。
今は少しでもファントムと中の人の萌えが匂うと一刀両断だもの。
居心地悪くて、今はこのスレで語り合えるのが唯一の心のオアシスな自分は、少し同情した。
って私がファンクリ萌えで、あの希望には禿同だからなんだろうけど・・・
最初の書き込みを本スレじゃなくてこっちに書き込んでくれれば盛り上がれたかもしれないのにな、とちょっと残念。
>>652 でももし出張書き込みした人が天使様だと半永久的に
ROMられると困る罠。
本スレは確かにちょっと過敏になってて怖い。が、昔結構
中の人萌え系で大暴れした方々などもいらしたので仕方ないかも。
自分もファン栗派ではあるが、一時ココに「ファンクリが当たり前」
「ラウル好きな人お気の毒」的レスがあったときは引いた。
最近ラウルもカコイイSSが多いのでバランス良いなーと思う。
中の人萌が熱くなりすぎて荒れまくったから本スレ住人が警戒してるという事でFA?
ん、エロパロの話を本スレで出したのがまずかったのではないかなと。
荒らしを呼び寄せるキッカケになるかもと上でも意見が上がってるし、
全年齢板でここの話はやっぱよくなかったしね。
同じ作品関連でも「住み分け」が必要だな、と今日思った。
本スレは作品そのままを語るとこだし、
萌え妄想煩悩はここでマナー良く荒れない程度で、て感じがいいかなと。
自分も出してて悪いが、本スレや他スレの話はもうやめませぬか?
他スレも荒れたら悲しいな。
>657
約一分差でケコーンしかも漏れへのレス…ww
天使様方はそんなことしないとオモ。
つーか天使様にROMられたら自分吊るくらいじゃすまされんジャマイカ(((;゚Д゚)))ガクブル
「ファンクリは王道なの☆ミャハ☆」発言は明らかにチュプ装った釣りに見えたが
自分もドン引きしたことを覚えてる('A`)
あ。間もなくオークションだ。
オ、オークション前に何とか…
1/2
危機的状況だ。ある意味では今まで生きてきた中で一番の。
クリスティーヌは猜疑と不審を力いっぱい表しながら
私を見つめている。
嫌な汗が背を伝うのを感じる。
危機的、状況だ。
抱き上げたときストッキングをカフスに引っ掛けたのは謝ろう。
その所為で、非常に嫌な具合に破けてしまった。
しかし、裸足で歩き回ったので、足先の方も破れていたのだ。
…それも私の所為か。だがそれはいい。
とにかく破れていたものはしょうがない。
見苦しいし、起きたときに不愉快だろう。だから脱がせた。
ガーターの金属が当ると痛くもあろう。だから外した。
ただ外し方が良く分からなかったので、結果的に金具部分を壊してしまったが。
そこには善意以外の何物もなく、強いていえば
父が娘を気遣うような愛情があっただけだ。
2/2
私の失敗は、その後すぐに曲のアイデアが浮かび、そのまま作曲に没頭していた点だった。
私の仮面を剥がしとったクリスティーヌを激しく叱責し、
涙に濡れたクリスティーヌが顔を上げたとき、
その瞳が1点を凝視し徐々に強張ってゆくのに気が付いた。
気付いた私は目線を追って下を向き、自らのガウンのポケットから
たらりと垂れ下がる白いものを見つけた。
ずるずる引っ張り出してみる。
引き裂かれた(ように見える)ストッキング。
引き千切られた(ように見える)ガーターベルト。
「マスター…?」
ああああうっかりポケットに突っ込んでいたのか!
呪われろ(自分)!災いあれ(自分)!
違う、お前が思っているようなことではない、
破れたのも千切れたのも偶然、脱がせたのは善意!
深いところからの衝動に駆られたわけではない(多分)!
「マスター……」
私の可憐な天使の声がドスの利いたものとなる。
おお、クリスティーヌ、低い声もなかなかイケるな。
今度こんなトーンの歌でも歌わせてみるか。
一瞬彼女のマスターに戻るが、他でもないそのクリスティーヌの冷たい視線は
たちまち私を現在の状況に立ちかえらせる。
「来なさい、そろそろ地上に戻らなけ―」
「マスターが、脱がせたの?」
「…それには色々訳が、」
「破れて、いるわ」
「……ハイ」
地を這うようなクリスティーヌの声に、私の言葉は干上がり、枯れ果てる。
瞳に光を増しながらねめつけてくるクリスティーヌと無言で見詰め合いながら、
私は我が隠れ家にも華麗に姿を消す仕掛を作っておけばよかったなと
痛烈な後悔に苛まれていた。
>645 GJ!
>君の一番寂しかった時期を支えた、大切な存在だ。
ここで泣きました。ファントムとラウル、双方の苦悩がわかって……。
あと、貴女のファントムは大人ですごくカッコいいね。
私はこれまでラウルにはあんまり興味がなかったんだけど、
貴女のおかげで最近ではすっかりラウルが好きになりました。
サルゴールげっとぉー
どの天使様もすごく良かったよ・・・
>663 ワロタ!…ハイ、とビビるマスター可愛いぞ。
ストッキングねたは永久に不滅です。
そして、ハンニバルのポスター落札おめ!
シャンデリア落札!
嫌スレがヲタスレに
>>663 GJ!ドスの利いたクリスw
天使様方、続編を求ム!
>663
GJ!ファントムの独白最高に面白い!
本人は真面目に焦りまくっているのにドンドン状況は悪化…
また新たな呪いにかけてくださってありがとう!
ストッキングの行方ネタとしては、今までで一番納得の行く話だったw
ここの泣ける話の合間に挟まるギャグ大好き。
停滞してるのでひっそりとファントム×クリスティーヌ投下。
エロ無し1レスのみですが…。
「今夜は冷えるわね、マスター…」
私の腕の中でクリスティーヌが言う。
先程まで燃えるようにたぎっていた身体から熱が失せ、汗が引いて火照りを冷まし始めていた。
「もう11月だからね」
私がそう返すとクリスティーヌはくすり、と笑った。
「もうちょっとでアドベントよ」
私の胸に頬をくっつけ言葉を続ける。
「そうしたらすぐにクリスマスが来てニューイヤーだわ」
そう考えてみると時が経つというのはなんと早い事なのだろう。
この愛しい少女と過ごす時間は殊更だ。
だが、いつまでもこんな関係を続けるわけにもゆくまい。
クリスティーヌには歌姫としてね輝かしい未来が待っているのだから…。
その時の事を考えると私の胸は張り裂けそうなほど痛む。
だがこのクリスティーヌにだけは私の顔も、過去も知られる訳にはいかないのだ…。
「もっともっとマスターと一緒にいられればいいのに…」
私の胸中を知ってか知らずかクリスティーヌが呟いた。
私は胸がいっぱいになって、何も言えずにただキスでそれに答えた。
お前を騙すつもりは無い。
私は真実を言う勇気が無い臆病者なのだ…。
私に身体を預けて寝入ってしまったクリスティーヌに肩まで毛布をかけてやり、私は一人苦い気持ちでウィスキーをあおった。
以上です。
今日は寒いですね。
>>672 ブラーヴァ!!切ないのぅ。
でもクリス視点で読んだら何だかあったかくなった。
>672さん GJです!
一昨日の夜から来てなかったらまたGJなSSが投下されてるし!
>663
ギリギリなマスターなんか可愛いな。
>衝動に駆られたわけではない(多分)! ←駆られたんだな
久しぶりに鬼クリスが読みたくなってきちゃったぞ。
>672
冷たい雨が降った寒い今日、
なんかおいらも美味い洋酒が飲みたくなったよ。
まだ素顔を見られてない頃の関係って本当切ないものだったんだよね。
停滞しているので即席投下
黒皮の手袋をした手が私に差し出され
その瞳が私を射るように見つめる
甘く低い声が私の名前を呼び
私はその手を取らずにはいられない
彼は私の手を握り、未知の世界へと私をいざなう
私を振り返る貴方はいったい誰?
ゆらめく蝋燭の向こうで私を待ち受けているものは何?
湖の向こうで鳴り響くパイプオルガン
歌声が私の全身を撫でていく
考えることをやめて
私を擁こうと差し出された腕に、すべてをゆだねてみようか
人形が重なり合う私達を見ている
蝋燭に照らされる私達の影はひとつになり
沈黙の中でからみあう
短い夜を惜しむかのように
オルゴールが朝の訪れを告げるまで
エロなし1レスご容赦
本当のオペラの歌詞のようで素敵です!
>>678 GJ!!
あの場面は本当に「短い夜」だったな…(ノД`)
>678
GJ!
もしもあの夜、こんな風に過ごせていたら、その後の状況も
変わったかもしれないのに……と思ってしまいました。
682 :
踊り子−1:2005/11/13(日) 17:51:49 ID:yDFXZ4b2
誰も居ない・・・この隙に妄想が膨らんじゃった結果を謹んで投下
・クリスと出会う前のファントム×踊り子(オリキャラ)
・エロ成分は少ないです、すみません
・とりあえず映画のオペラ座で構想してます、が設定甘々のボロ多数は平に御容赦を
---
かつてのわたしは踊ることが至上の幸せだった。
踊ってさえいれば、他のことはどうでも良かった。
あの人に出会う前までは。
初めて彼がわたしの前に現れた時、既にわたしのことはよく知っているようだった。
しかしわたしは、あの人の名前も、素顔すら知らない。
あの頃わたしは、伸び悩んでいた。
技術や体力には自信があったが、教官には表現力が足りないと言われた。
わたしに何が足りないというのだろうか?
周りの踊り子たちと次第に広がっていく距離を感じ、焦っていた。
そうして監督のマダム・ジリーがわたしをもの言いたげな目で見る度に
今度こそ辞めさせられるのだろうかと身が竦んだ。
そんなある日、わたしの前に仮面を付けたあの人が現れた。
驚きに立ちすくむわたしを、彼は緑がかった灰色の目で見据えた。
「お前に足りないものを教えよう…」
その声に奇妙に抗えず、素直に彼の後をついて行った。
683 :
踊り子−2:2005/11/13(日) 17:52:44 ID:yDFXZ4b2
男は鍵が掛かっているはずの場所も自由に通り抜けできるようだった。
誰も居ない練習場で、わたし達は月光を頼りにレッスンを始めた。
彼に言われるままに鏡に向かってさまざまなポーズを取る。
やがて後ろからそっと抱き込まれるように手や足を撫ぜ上げられる。
「女性の身体に備わる滑らかな曲線、たおやかな肉…これは男にはないものだ。
これはお前の強力な武器だ、良く知り最大限に活かさなければならない」
そう囁かれながら、いつしか全身を愛撫されていた。
いつしか足から力の抜けたわたしの身体は男の左腕にしっかり抱きとめられ、
もう片手はわたしの乳首を執拗に攻め、わたしは言葉も出ずにただ喘いでいた。
目前の鏡には、悶えるわたしの白い身体と、その上を這い回る男の浅黒い手が映し出される。
恥ずかしさと恐ろしさとに目をつぶるわたしに彼は厳しく言った。
「目を開いて、自分の姿をしかと見るのだ」
わたしは欲望に踊らされ驚くほど艶々しく身を捩る自分を脳裏に焼き付けた。
「そう…これがお前だ。覚えておきなさい。このゆるぎない真実の姿は誰の心をも捉えるだろう」
「ああ…」
男が乳房を弄るのを止めたとき、わたしはすっかり息も絶え絶えだった。
止める暇もなく男の手が恥ずかしいところに伸びたかと思うと、驚いたように囁かれた。
「こんなに濡らして…お前は感じやすいのだな…」
「ああ…これがわたしに足りなかったものだというの?」
屈辱感に涙を浮かべながら訴えると、彼は初めて笑みを浮かべた。
「おまえはいい生徒のようだな…もう少し教えてやろう」
684 :
踊り子−3:2005/11/13(日) 17:54:47 ID:yDFXZ4b2
男はわたしの両手をバーに掴まらせ、開いた両手でわたしの腰をぐるりと撫ぜた。
そして、そっと片手を湿った裂け目に滑らせ、軽く擦った。
それだけで先程とは桁違いの快感が襲い、わたしは両手でバーを握り締め必死に耐えた。
腰を捩じらせ逃げようとしても、背後に男の身体がぴったり付いて動きを止められてしまう。
男の滑らかな衣服がわたしの肌を擦り、その下のがっしりとした筋肉が感じられる。
わたしの全身はたちまち火照り、下半身にどんどん熱が集まる。
そうして今までになく熱く蕩けているわたしの中に、男の指が入ってきた。
「やっ…やめて下さい!」
「大丈夫…じっとしていなさい」
耳元で囁かれ、わたしはただ熱い吐息を吐き出すしかできなかった。
「オペラ座で踊りたいなら、それに相応しい存在であれ!」
わたしの腰を掻き回しながら、彼はわたしの耳に熱っぽく囁いた。
「甘い気持ちで観に来る凡人どもをひれ伏させ、女神と崇めさせるのだ!」
「全てあなたの仰せの通りに・・・ああ・・・!」
そうして、わたしは初めての絶頂をむかえた。
気が付いたとき、わたしは男のマントに包まれ、男の膝に抱かれていた。
静かにわたしを見守る彼に向かって、ようやく最初からの疑問を口にした。
「あなたは誰…?」
「私は…このオペラ座に棲む生き物だ」
そう答えたときの彼の目の暗さに思わず言葉を失うわたしに、首を振って言葉を続けた。
「私のことは、忘れなさい。お前が覚えておかなければならないことは他にある」
優しくわたしを立ち上がらせ、後ろからマントに包まれるようにして一緒に歩み始める。
685 :
踊り子−4:2005/11/13(日) 17:55:58 ID:yDFXZ4b2
「浮世の快楽に溺れてはならない。一瞬でも心奪われたら、それが堕落の始まりだ。
お前はただ、この美の殿堂に向かって、お前の踊りを捧げることのみ考えなさい。
そうすれば美の神はお前に祝福を与え、お前は芸術の階梯を上り詰めるだろう。
では、幸運を」
そして彼が言葉を切り、わたしの頭にそっと祝福のキスをくれたとき
わたし達はいつのまにか寄宿舎に戻る戸口に立っていた。
彼が開けてくれた扉をくぐり、そのまま振り返らずに歩み続けた。
後ろで扉が閉まる音がしたとき、駆け戻りたいという強い衝動に駆られたが
決してそうしてはならないという気がして、静かに自分のベッドに戻った。
そうして翌朝目覚めた時、少し泣いた。
あれから数年後、わたしは今もオペラ座で踊っている。
崇拝者たちから投げ掛けられる熱い視線と賛辞とをなぎ払うように進む日常。
あの夜の教えは決して忘れず、わたしはこの芸術の聖堂の天高くに祈りを捧げるように踊る。
ここに棲むというあの人がどこかで見ていてくれることを感じながら。
(踊り子編・おわり)
・おまけです(ファントム編)
---
ある日、怪人はマダム・ジリーの部屋でお茶を飲んでいた。
「ところで先週あなたに話した、うちの生徒のことですけど」
怪人がその少女の名前を口にすると、そうそう彼女です、とマダムは言葉を続けた。
「あの子、突然めざましく上達したわ。踊りに凄みが増した。
今までは、何ていうか・・・そう、色気が絶望的に足りなかったわ。
正直言って、このままでは退団してもらわなくてはならないとまで思っていたわ。
でも今の彼女なら、立派にオペラ座に貢献してくれるでしょう」
喜ばしいことだ、と怪人は両手を合わせて呟いた。
そんな彼に向かって、マダムはそっと疑いの眼差しを向けた。
「・・・あなた、もしかしてあの子に何かしたの?」
怪人はにやりと笑って立ち上がった。
「この私が、私のオペラ座に不利になるようなことをするかね?
それでは、美味しいお茶をご馳走様」
(完)
天使様GJ!
今回もエロい…(*´Д`)ハァハァ
>>682-686 GJです!!
いかにも「劇場の裏側で暗躍する怪人」ぽくて良かったです。
マダムとお茶する後日談もこれまたイイ…!
いかん、ハァハァしすぎて具合悪くなってきた…('A`)
>>546 「木登り」続き投下させていただきます。
完結しなくて申し訳ない。
<ファントム>
幼なじみという男の視線にその身を晒らしたまま、私の指で果ててしまったクリスティーヌ。
半ば意識を手放している彼女を抱きおこし、乱れた髪を指で梳いてやる。
そのまま髪を片側に寄せ、白い首筋に唇を寄せた。
まだ快楽の中にいるクリスティーヌがびくっと反応する。
わずかに抗おうとする彼女を、そっと逆の方向へと押し倒していく。
荒い呼吸に上下している白い胸元が今にもこぼれ出てしまいそうで艶かしい。
肩ひもを落としてその隙間から手を差し入れると、
クリスティーヌが小さな声で喘ぐ。
彼女が再び快楽の奥底へ溺れていく姿をまっすぐに見つめたまま、
その温かいふくらみの柔らかさと、すでに固さを増した先端の触り心地を楽しむ。
――昨夜はじめて、官能の世界に足を踏み入れたクリスティーヌ。
肉体の快楽に無知で無防備なまま美しく成長した、つぼみのようなおまえを手折るのは
おまえを深く愛する私でさえ罪悪感を感じた。
こんな無垢の乙女には、もうしばらく、自ら花開くまでの時間を与えるべきだったろう。
だが、私はもう待つことができなかった。
花開く直前のつぼみは何の自覚も無いままに、すでに甘い芳香を放っていたのだから――
胸を弄ばれながら、私を切なく見つめる潤んだ眸。
絶えず甘い喘ぎ声を吐き出す、その唇。
乱れた着衣がまとわりつく、なめらかな白い肌。
今すぐ衣服を剥ぎ取り、その身体を私自身で貫き通したい衝動に駆られる。
ああ、クリスティーヌ…!
私は彼女に少々乱暴な口づけをすると、足の方へと身体を移動し、
クリスティーヌの下着に両手をかけた。
うっとりとしていたクリスティーヌが我に返り、下着を脱がされまいといじらしい抵抗を試みる。
「あ!…いや!マスター・・・ああ・・・だめ・・・!」
羞恥心に耐え切れず両手で顔を覆う愛らしい姿を眺めながら、
私はためらうことなく小さな下着を引き下ろしていった。
クリスティーヌの上に覆いかぶさると、私を責めるように見つめる彼女の眸をじっと見つめ、
その髪を、頬を優しく撫で、手をとって低い声で囁いた。
「クリスティーヌ…。昨夜は辛い思いをさせてすまなかった…。
でももう辛いことはないよ。約束しよう。これから私がおまえに教えるのは喜びだけだ」
その指にそっと口づけし、私の頬に押し当てると、
彼女の眸から徐々に不安そうな色が消えていく。
「…本当…?」
「…本当だとも」
私の頬にある彼女の指が、優しく私の頬を撫で始める…
クリスティーヌが心を決めたのを感じた私は
彼女の頬から首筋、胸とゆっくり口づけしながら移動し、
すでに下着を剥ぎ取ったその両膝に手をかけた。
…窓の外のあの男はどこまで見届けるつもりなのだろう?
両膝にかけた手をゆっくりと押し広げ、クリスティーヌにのしかかる。
昨夜初めて私に散らされたその部分が、今日は甘くからみつくように私を受け入れていく。
その感触に全身が痺れ、しばし陶然とする。
のけぞる白い喉が艶かしい。
このまま性急に突き上げたくなる衝動を抑えて息を吐き、
クリスティーヌを見つめ、額から髪を撫でながらそっと問いかける。
「…まだ辛いのか?」
私の目を見返し、いじらしく微笑もうとするクリスティーヌ。
「いいえ…大丈夫、もう痛くないわ…」
月明かりを避けようと顔を背けたクリスティーヌの半面が、青白く照らし出されている。
おまえは私に身をまかせながら、私の視線から逃れようとしているが、
今おまえに注がれているのは私の視線だけではないのだよ――。
快楽に乱れるおまえが、どんなに美しいかあの男にみせてやるがいい。
あの男はお前を見るたびに、私の下で喘ぐお前の姿をはっきりと思い出すだろう。
その姿を記憶から消し去ることは、2度と出来ないに違いない。
愛しいお前には悦びを、私からお前を奪おうとする者には苦しみを与えよう――
私はゆっくりと彼女の身体をを突き上げ始めた。
<ラウル>
クリスティーヌの身体を開かせ、貫き、その甘い蜜の感触に包まれているだろうに、男は動かなかった。
相変わらず彼女を見つめ、何か問いかけている。
そのとき、クリスティーヌが男に向かってそっと首を振り、答えるのが見えた。
その唇はゆっくりとこう言ったように見えた・・・
「いいえ、大丈夫、もう痛くないわ」
確かにそう言っていた――。
何かで頭を殴られたようなショックを受けた。
彼女は・・・初めてだったのか?
いや、初めてであれば男の愛撫をああ易々と受け入れるだろうか―
彼女は昨夜も部屋を空けたと言っていたし―
昨夜、…昨夜?
もしや、昨夜私が楽屋を出た後で――
この男と初めて夜を?
まさか――
頭の中をまとまらない妄想が駆け巡る中、仮面の男はクリスティーヌの上でゆっくりと動き始めた。
ああ。
眸を閉じた彼女の身体が、男の動きに合わせてしなり、荒い息を吐く。
あの2人は今、確かに繋がり合い、お互いの身体で悦びを共有している…
自分を抱く男の腕に白い指を絡ませるクリスティーヌ。
顔を左右に動かすたびに、彼女の長い髪が乱れ―
その表情にはもうすでに苦悶の色はなく――すでに快楽に身を任せている―
美しい淫蕩ささえ感じさせるような、その表情――。
唇が繰り返し同じ言葉をつぶやいている。
「ああ…マスター…マスター」
彼女は何度も何度もそう呼び、そのしなやかな腕を男に絡ませる。
そう、彼女はあの男に無理矢理組み伏せられ乱暴されているわけではないのだ――
クリスティーヌは楽屋であの男を待っていた。
私や、ほかの者を全て締め出して、あの男だけを待っていたのだ。
あの男だけを。
あの男に抱かれるために――
やがて男はクリスティーヌを軽々と抱え上げると、彼女を座った自分の脚の上に載せた。
彼女は男に向かい合って座らされ、こちらに背を向けている。
脚を左右に大きく開かされたためか、
男の上から逃れようと抵抗している―?
が、男は彼女の抵抗しようとする腕ごと抱きしめてしまう。
逞しい胸に抱きすくめ、まだ何か言っている彼女に向かって口の前に人差し指を立てた。
静かに、ということか?
身体をぴったり密着させて、耳元で何か囁いているようだ―
片手できつく抱いたまま、もう一方の手でそっと彼女の髪を撫で、その髪を寄せて首筋に唇を―
彼女はそれに抵抗できない。
いや、もうすでに抵抗しようともしていない―
男に身体をあずけ、抵抗していたはずの手が男の肩に・・・
男はクリスティーヌをきつく抱きしめたまま、動き始めた――
彼女の栗色の髪が大きく揺れ、その身体が男の動きに合わせて動く。
左手はすでに男の背中に回され、右手は男のシャツを強く掴んでいる。
男の薄い色の眸は、こちらからは見えないクリスティーヌの表情をじっと見つめ続けている――
そして自分は、その身体に男を受け入れ、背中をしならせ、
乱れるクリスティーヌの後姿を見つめ続けているのだ――
自分は昨日再会した彼女に、運命的な出会いを感じたのではなかったか?
たとえ身分は違っても、彼女と過ごす未来を思って胸を弾ませていたのではなかったか?
男に擁かれた彼女の後姿が、なぜか滲んで揺らめいて見えた――
<続く>
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
>695
GJ!!! 素晴らしい!!
リアルタイムで萌えまくりました。
ああ、マスターの支配欲がめちゃくちゃ素敵。
GJ!
見せ付け感がいい!
そしてやっぱり涙目のラウルワロス
>>695 エローーーーーース!!
面白かった。ありがとう!
まだまだ完結してはいけません。
ラウルとうとう泣いちゃったか、嫉妬で打ちのめされる姿萌え
ラウルファンとしてはヨシヨシしてあげたくなっちゃうね。
常駐スレ、書き手が達者(自分はヘタレ)で数が多い。
一日おくと待ってましたとばかりに投下あり。
読み手より書き手の方がワクテカしちゃってるんだよな…。
でも流石に投下6時間位で次の投下っていうのは何だかなぁって
感じだ。
すまんかった…
さっきここみて、どちらに書き込もうかと迷って たんだが…。
荒れるの懸念してあちらにしたつもりだったけど、
逆効果だな。忘れてくれ…。
ある意味貴重な意見だと思うよ。
自分も書き手としてよく考えてみたい。
あなたの投下待ってるよ。
sage
>>695 GJ!!!
婉曲的なエロ描写にハァハァ(*´o`)して仰け反りまくりです。
しかし、ラウルが可哀想になってきてしまった…
投下の間隔とタイミングについですが、読み手の人口密度が低いとなかなか
感想レスが付かない事もあり、書き上げた作品を新鮮なうちに投下したい
書き手さんにとってはなかなか難しい問題かと思われます。
個人的には、一晩に2作品読めるのは嬉しいです。
自分も書き途中のをガンガッテ仕上げなければ…。
何が言いたいのかよくわからないが、sageは小文字で入れよう
感想レスがある程度ついたら投下OKなのか、ある程度というのはどのくらいなのか、
それとも1日1ssまでとするのか、数日待つべしとするのか、といった投下間隔に
ついては、もしかしたら話し合ってみてもいいのかも知れないと思った。
以前にも「拍手が鳴り止んでからの方がよくはあるまいか」という意見もあったし、
他の人はどう思うのか、知りたい気がする。
基本は1日1SS、という暗黙の了解というかとりあえずはそれで良いかなと私は思います。
ただしかし、リロードし忘れて先客様がいたのに気付かずに投下してしまった、
というのだったらその旨投下後にレス入れる事で問題無し。
ではどうかな。
皆様ご意見をどんどん。
708 :
695:2005/11/14(月) 23:44:01 ID:LhYOoHNF
昨夜の投下について不快に思われる方がいらしたようで申し訳ありません。
1日1ssというのが暗黙の了解だったのですね。
しばらく読み手に戻ります。
えー?自分は一日2ssでも良いと思う…
こう思うのは読み手だから?
あ、いやいやそうじゃないんだ、どれほど貴方の作品に
いつも萌えさせてもらっているやら。
天使様大杉で飽和状態で…自分意味不明orz
天使様にROMられては自分はロープどころでは
自分も1日1SSって暗黙の了解だとはしらなかったよ。
でも、書き手方って、書いたらやっぱ新鮮なうちに投下、
って流れのほうが
いくないですか?
タイミングはかっていると、鮮度墜ちたりしてやっぱ投下中止な気分に
なったりとかさ。
天使がそんなことになってたら、自分がorzだ。
あまり、制約つけるのもなぁ・・・て、喋りすぎる自分、スマソ
712 :
711:2005/11/14(月) 23:58:36 ID:4X5PSmh0
ごめん、つまり
>704タソに禿同な自分について
>695=708
待て!戻ってくれ天使様!これじゃほんとに生殺しだ…
てか同時投下と拍手にかぶりさえしなければ一日何SS投下されてもいいとオモ
大体1日1ssというのが暗黙の了解なんていつ出来たんだ?
とにかく天使様GJ!!つ…続き…(*´Д`)ハァハァハァハァ ウッ
>682
踊り子の天使様乙!!マスターテラエロス
>707タンは暗黙の了解でどうかと提案してるだけで、
決まり事とは書いてないぞ。
まあなんだ、一日何作品投下されても
感想レスはそれぞれの天使様に贈ろうぜ。
ケータイからスマソ。
天使様方が投下したい時に投下したらいいとオモ。
〈続く〉とかちゃんと皆入れてくれてるし、完全にカブらなければ読みにくいとかないよね?
読み手も、GJ!はそう思う天使様それぞれにおくるんだし、「感想が○レス続かなきゃ次はダメ」は不自然だ…。
716 :
663:2005/11/15(火) 12:02:12 ID:lsM5M0I9
見返してみたら自分6h…スマソorz
ご不快に思われた方、申し訳ありません。
>695 ので、ラウル木から下ろしてあげて…
1日1ssだと、自分のように1レスネタを
(ssじゃないが)書き込んじゃったが故に、
長編&連載エンジェルが投下されなくなると
困るです。
天使様方の投下が多すぎて間が空きにくい、って
な ん て 贅 沢 な 悩 み な ん だ
そもそも夕方6時に投下後、次が深夜2時半の投下なら間は8時間半あいている。
書き手がワクテカだの言う前にモイチド引き算シテミレ
一時期は2週間くらい投下が無かった時がある。
ここの住人は本当に贅沢になったな、自分も含めて反省
720 :
639:2005/11/15(火) 16:51:05 ID:E+yL+bMu
自分なんて、エロもギャグも無しで多く場所取ってしまったんで、マジ反省しています。
そういった事で、「投下し辛い」と感じられた方には、お詫びします。・・orz
ここも長く続いているので、初めはROM専だった方も、いろんな作品を読んでいると
きっと触発されて、「何か書きたい」という気持ちになるものではないかと思います。
(恥ずかしながら、自分もそうです)
その結果、「書き手が多くて息苦しい」あるいは「雑談をもっと楽しみたい」
「特定の方の作品を多く読みたい」と、さまざまな感想が出てくるのも
ある意味、無理はないかなと感じます。
例えば、別にスレを新しく立てる事は可能なんでしょうか、
またそれで、何かしら良い方向に向かうというのはあり得ますか?
長い上に、役立ちそうな事が書けなくて、ホント申し訳ないです。
この意見も不快になられた方、どうぞご容赦願います。
まあ、厳密に言うとエロパロ板な時点でエロなしSSは板違いだからねえ…
そんな大騒ぎするならしたらばに避難所でも立てたら?
厳密に言うとスレ違いなんだろうけど、自分的にはいろんな傾向を
一度に読める方が良い感じだ。
濃いエロで(*´д`;)ムハアとなった直後に切ないSSに涙したりとか
次に腹がよじれるほど笑ったりとか。
味付けや材料が違うモノがいろいろ混ざってる方が美味しく味わえるし
濃い味付けばかりで胸焼け起こしたりもしづらい、みたいな感じかな。
639です、 レスありがとう
そう、板違いなんだよね。 自覚はしてたんだけど、途中から全くエロ無しで
もうじきたたかれるだろうかなとは思ってたんだ。
自分では、文章だけは真面目だけどパロのつもりもあった。
苦悶してないように見えるキャラを無理にそっちに誘導していって、
これからエロ書けそうだと。 でも、やっぱり前振り長すぎたよね、全く。
騒いだように見えて、ウザかったね、スマンかった。
丁寧なレス、感謝。 みんないい方だ。
「エロ」と「パロ」の板だからエロ無しでも全然板違いじゃないと思う。
投下してくれるだけでありがたい、俺は。
だから頼む、>716>723両氏、これからもよろしくお願いします。
一番恐ろしい事態、それは新しい職人を排除して、
特定の職人しか残らなくなること。特定の職人もそんな事態は喜ばないだろう。
いいじゃん、レスが順調に伸びていくの。
まだ3幕だよ?
エロのみだと言われると、行為後のまったりなイチャラブとかが投下されなくならないか?
自分も大体1レス投下だけだし、なにより短くてもイチャラブなのとかギャグとか読みたいよ。
エロのみだと括られてしまったら、ギャグの天使様が読めなくなってしまう。
個人的には一晩に複数投下があったら本当に嬉しい。
自分の投下直後に他の天使様の投下があっても、それを飛び越えてレスくれる人はくれるわけだし。
とりあえずこのスレが無くなってしまう事だけは避けたいね。
被らないよう気をつけるのは当たり前だけど、
他の天使様の投下があったらその日はアウトってのは厳しすぎ。
例えば人の充分いるだろう深夜なら2、3時間も空いてれば充分じゃないか?
このまま天使様が増え続けたら困ることはただひとつ、このスレ住人の睡眠不足だw
今夜も天使様待ってます。寒い秋の夜に、どうぞ萌えの炎を下さい。
自分もエロなしあってもいいと思う。
自分は最初のうち、この板の流儀がわからなくてエロなしはダメなのかと思っていたが、
それぞれのスレごとに許容範囲は違うみたいだし、このスレではこれまで許容されていて、
それで荒れたりもしなかったのだから、できれば今のままのスレであって欲しいなと思う。
割と前からいる職人さんだとて、自分が投下していない時は読み手のひとりだろうし、
新しい職人さんに触発されることだってあるかも知れない。
ROMの人たちだって同じ傾向のssばかりより、色んなssを読めた方がいいんじゃないかと
いう気もする。
なので、投下直後はさすがに無神経な感じがしなくもないが、半日くらい空いていれば
いいんじゃないかという気がする。エロもエロなしも短編も長編も含めて。
728 :
695:2005/11/15(火) 23:56:57 ID:baAQojN8
695です。
呼んでくださった方、ありがとうございます。
先月本スレから来た初心者なので、至らない点があるかと思います。
初投下がなぜか続きものになってるのも計画性の無さでして。
投下間隔に注意して、いずれROMから復活すると思いますのでその時はよろしくお願いします。
それからyDFXZ4b2さん、ありがとうございました。
お話する機会が持てて嬉しかったです。
このスレの、末永い平和と繁栄を、改めて願う次第です。
繁栄を願って
○|\
○| ̄ヒ|_
下劣なコピペにもう氏脳と思ったらIDにパソコンが出た!
よーしSS書いちゃる
そのうち落とすかんな、待ってろよ
>731
よし、待ってる!
おまいらこれでも読んでマターリ汁
207 名前:名無しのオプ 投稿日:2005/11/01(火) 18:04:05 ID:cQNUN0TA
私は全能のオペラ座の怪人というコピーに引かれ
全能のオペラ座の怪人になるためにはどうすればよいのか考えた
全能なのだからどんなこともできる
手始めに全裸でクリスの部屋にアンゲロ、アンゲロとつぶやきながら飛び込む
タンスをこじ開けペチコートを腰に巻きストッキングを頭にかぶる
クリスが呆然としながら見てくるが全能のオペラ座の怪人なので気にしない
クリスのベッドに潜りこみ「幸せだから!幸せだから!」と絶叫
クリスは無言で部屋から立ち去る
だがまだ全能には不十分
次はラウルの部屋にムッシュムッシュと叫びながら飛び込む
ラウルは着がえをしている最中だったが全能のオペラ座の怪人なので無視
半裸で逆立ちをしながら
「保証するぜ!!保証するぜ!!」と絶叫
ラウルは大泣きで退散
確実に全能のオペラ座の怪人に近づく
開脚後転でボッシュヴィルへ行きマリーのショールに蜘蛛を入れる
ゾンビの真似をしながら母の部屋に突撃
タンスを開けると一枚の遺言書発見
家を出ていく時に壊した羊飼いの像発見
私は泣いた
人類最強の男のガイドライン
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1078465490/l50
>733
クソワロタwwwGJ!!
>733
腹いてーw
読んでて違和感ないあたりが既に全能だよファントムw
こここんなに住人がいたんだな。
ふと思い出してここに来たけれど、もう3幕目も後半だったのねw
半年以上前に投下したことが懐かしい…
>>733 >開脚後転でボッシュヴィルへ行き
全能すぎwww
>737
お帰りなさい。また投下よろ
>733
禿ワロタwww最強だよファントム最強だよ
>737
もし気が向いたら是非是非投下キボン(*´Д`)
737
キボン.。.:*・゜(´∀`人≡人´∀`)゜・*:.。..
742 :
1:2005/11/17(木) 01:25:28 ID:LVIbGldx
空気読まずに投下。
ついに私は愛しいクリスティーヌを連れ出すことに成功した。
私は彼女の師であり友であり父なのだからクリスティーヌは私の家を喜んでくれるに違いない。
天然の反響室とも言える石造りの廊下を通るときにも男の腕のような燭台は彼女の目を引いたようだ。
もちろん私が精魂込めて作った代物で、人間っぽい動きをするのが自慢だ。
ぬかるんで苔の生えそうな廊下に、私とクリスティーヌの足音だけが響く。
初めて愛しい女性とのランデブーをする喜びが私の胸の内に溢れている。
私の家に連れて帰ったらまずあの人形を見せよう!
クリスティーヌそっくりで何より女の子の夢ともいえるお嫁さん仕様!
もちろん私が一針一針心を込めて縫った物。
友人のメグと比べてあまり胸の発達がよくない彼女のことを考えてパットも入れておいた。
これをクリスティーヌに見せたらきっと感激してこう言うに違いない!
「マスター…そこまでわたしの事を…。うれしい、奥さんにして!」
うわーーーー!
いけないいけない、危うく足を滑らせて螺旋階段をさかさまに独りで下りるところだった。
ああ、家に着いたら何をしようか。
一緒に歌を歌って、クリスティーヌの絵を見せて…。
あの出来を見せたら、彼女の方からモデルを言い出してくれるのではないだろうか?
「マスター、目の前で描いて見せて…?それなら、ちょっとぐらい恥ずかしい恰好でも…」
うわーーーー!
いけないいけない、危うくマントに松明の炎が燃え移るところだった。
リハーサルの時は3度ほど燃え移ってしまい大変な思いをしたものだ。
743 :
2:2005/11/17(木) 01:27:46 ID:LVIbGldx
ここからは平坦な道のりが続くからクリスティーヌが疲れないよう馬を用意しておいた。
随分な暴れ馬であったがゲネプロ(自分+馬)では何とか思い通りに動いてくれた。
ちゃんとクリスティーヌを振り落とさずに進んでくれよ?
あ、クリスティーヌのふとももがちょっと見えた。
今宵幸運の女神は確実に私に味方している!
クリスティーヌを乗せ、手綱を取り馬を先導する。
ずびっ
ずび?クリスティーヌ、風邪でもひいていたのか?
随分と大きい鼻水の音が…
「マスター、お馬さんでも風邪をひくのね」
クリスティーヌの無邪気な声が聞こえる。
ああ、馬の鼻水だったのか。
そうだな、美しいお前はきっとトイレにも行かないのだから鼻水なぞ出すわけも無い。
「でもマスターの背中につけちゃったけど…いいのかしら?」
なんだって!?
クリスティーヌを振り返るふりをしてさりげなく見てみれば
私のマントに大きくねっちょりとした馬の鼻水が…
馬め、呪われろ!災いあれ!!
…後で洗濯しよう。そろそろセーヌの水も冷たくなってくるな。
家に帰ったらまず浸け置きしておかねば。…これ、綺麗に落ちるかな。
744 :
3:2005/11/17(木) 01:29:52 ID:LVIbGldx
「マスターは動物とも仲良しなのね」
湖の手前でクリスティーヌを下ろすと、彼女がそう言った。
もう馬に用は無い。
だがここで動物好きをアピールしておいて損は無いに違いない。
「そうだ。こう毛づくろいをしてやると馬は喜ぶのだよ」
懐から取り出した馬用ブラシでその身体を撫ぜてやる。
先ほどの鼻水のお礼に少々力強く。
「本当ね。マスターにじゃれ付いているわ」
その声に気づき馬を見てみると、なんとマントが喰われているではないか!
やめろ!涎をつけるな!草じゃないんだから食むな!
だがここで馬を叱りつけては彼女にドン引きされるに違いない。
私は涙を飲んでその屈辱に耐えた。…もうマントは処分するしかないな…。
もう、早くクリスティーヌを家へと連れて帰ろう。
この後の幻想的な蝋燭イリュージョンにはきっと感動してくれるに違いない。
あの演出は構想から実現まで3ヶ月を要した私の大作なのだから。
「さあ、ボートに乗ろう」
私はげんなりしながら馬を触っている彼女を促した。
だが、そのとき私は生暖かい風が首筋に当たるのを感じた。
「あら、お馬さんが毛づくろいのお礼をしたがっているのね」
え?何だって?
気づいたときにはもう遅く、馬の口が私のウィッグを捉えていた。
そのゴルゴ並みの的確さに、私はなす術も無くウィッグを毟り取られた。
「えっ、ちょっと待って…」
咄嗟に振り返ってみるとクリスティーヌがさっきよりもぽかんと口を開けて私を見ている。
違う、違うんだ、これは事故なんだ!
「あの、えーと…」
毟り取られた衝撃で仮面も剥がれ、素顔のまま間抜けな声を出す。
ゆっくりとクリスティーヌの口が動き…。
「音楽の天使…私はあなたに騙されていたのね?…信じていたのに!」
私はクリスティーヌの冷たい視線を浴びながら
お肌に悪いからと接着剤の使用をしなかった自分を心から呪った。
以上です。
ギャグの天使様は本当に偉大だ。
>745
「全て君の為を思ってやったことなんだ!」>キャラ違いか
このスレへの愛を感じたぜ!!
おいらも、エロ無しギャグ無し書いてもいいかい?
もうこうなったら、ばんばん投下しまくろうぜ、なあ!
GJGJ!!!
マスター、ボート乗る前に撃沈かよ・・・
短い幸せだったなあおい(つД`)
>746 エロ無しでもギャグ無しでも何でも来い!
待ってるよ(*´Д`)
馬に翻弄されると言えば菅原教授w
>742
空気など(ry
GJ!今さっき劇場から観て帰って来たばかりでまだ感動の余韻が
残っているのに〜
泣き笑いにされました、新たなギャグの天使様!
ばんばん投下しまくられて、そして読み手もばんばん感想レスを
書き込みましょう。
で?700はただの荒らし?
751 :
742:2005/11/17(木) 17:44:16 ID:LVIbGldx
よかった。ギャグ書いたこと無かったんだ。
>748
ちょうど昨日コンビニで読んでそこからネタ書きました。
よし!ならば、ばんばん感想かきまくるぜwww!
>742
warota
マスター…。・ ゚・(つД`)・゚・。
ここエロパロ板だけどエロ無し・ギャグ無しSSもOKになったの?
漏れはエロ/パロ無でもどんどん読みたいが…
>750
もうヤメレ
>753
自分もエロ/パロ無しSSOKだ。
連載の続きはいつになったら読めるんだ?
天使様が御降臨したら
うむ、>495サマの続きとか、2幕の終わりなどで予告された方々とか
「ファントム」のを書いてらっしゃる方とか。
でもせかしちゃ駄目だよね、いつまでも待ってます!
ところで次スレは480KB超えの時点でしたね、良かったら自分立てます。
この調子なら1000よりKB消費の方が早そう。
テンプレ等もし変更ありましたらご意見ください。
スレ立てお願いします。
今のとこスレタイ・テンプレ共に変更は無いかなあ
すごーくしょうもないことだけど
「エロ・パロ」にするとエロ無しも投下しやすくなるんじゃないかなー
とか言ってみる。
天使様が御降臨したら
できましたら、エロなしの時は始めに表記があると嬉しい。
なんていうか、住人がこの先入れ替わっても、
滞りなくスレが進むような配慮として。
板がピンクの板だから、そういうのを期待してくる人は
それなりいるんじゃないかとかちょっと思ったのでした。
761 :
617:2005/11/18(金) 22:05:45 ID:8OEH30e+
>>760
激しく同意
>760
同意です。えっとテンプレに、
「エロ無しを投下する方は、注意書きとしてその旨のレスを入れてから
SSを投下してください」
と入れれば良いのかな?
もっといいテンプレコメントありませんか、激しく募集
>756
すみません、20日の仕事が終わったら取り掛かります。
連載を放っておくのは悪質ですよね……。反省。
スレ立て、よろしくお願いします。
自分もエロ/パロなしssOK。テンプレ表記も良いと思うです。
エロでもパロでもGでも、萌られればさいこ〜です!
>763天使様、お仕事頑張って下さい!
テンプレ表記、では、
「エロ無し・パロ無しを投下する方は、注意書きとしてその旨のレスを入れてから
SSを投下してください」
でいいのかな。
エロ・パロ万歳!
>765さん
スレ立てよろしくお願い致します。
ここでエロなしのSS投下させていただきます。
注)エロなしです
事件らしい事件もなく、映画の筋をただなぞって自分の妄想を詰め込ん
だものです。殆どクリスティーヌの一人語りです。
>36に続きます…
↑こんな感じの注意書きでいいでしょうか。
「彼からもう3日も連絡がないの!どうしたらいいと思う?私、捨てられてしまったのかしら」
バレリーナたちがリハーサルまでの時間を潰している大部屋に、若い踊り子の泣き声が響く。
「何かわけがあるかも知れないじゃない?…それとも思い当たるふしでもあるの?」
「彼は優しかったわ。でも、一昨日の夜に他の女と夜の街を歩いているのを見た人がいるの」
その言葉に、彼女を取り囲んでいた女の子達が一斉に抗議の声を上げる。
そんな騒ぎも泣き声も、クリスティーヌ・ダーエの耳には届いていなかった。
恋の試練なんて、自分とは無縁のものと思っているから。
「あの子の話、ちゃんと聞いておきなさいよ。クリスティーヌ。あんたって何かあぶなっかしいんだから」
一人大鏡の前に座り自身の髪をすいている彼女を見咎めて、メグ・ジリーが声をかける。
「私には関係のないことだもの」
意地悪やお高く止まっての発言ではない、本心からそう言っているようなクリスティーヌの口調に、メグはため息をつく。
そんなわけないじゃない。
そう彼女は思う。
どこか浮世離れした彼女の友は、ここの所蕾が開くように日に日にさらに美しくなっているように見える。
彼女の意志がどうであれ。
若い女の子が自分の魅力に無自覚なのは、とても危険なことだから。
「きゃ…」
メグはクリスティーヌの髪を一房握ると、自分の方に引き寄せ、額をくっつけるようにして彼女に告げる。
「お嬢さん、お嬢さん。気をつけな。ぼんやりしていたら罠にかかるよ。あんた近いうちに、恋に落ちるよ」
「メグったら」
メグの冗談めかした忠告も、彼女の胸を掠りもしなかった。
なおも言い聞かせようとしたメグは、次の瞬間はっとしたように叫ぶ。
「クリスティーヌ!大変、また遅刻だわ」
二人はバタバタと、何時の間にか誰もいなくなっていた大部屋を後にした。
メグのあの言葉は予言だったのではないかと、今でもクリスティーヌは思っている。
その日は本当に色々な出来事が起こった。
我侭な歌姫が舞台を放棄し、彼女が代役を勤めた。
幼い頃に夏の日を一緒に過ごした幼馴染がパトロンとして再び現れ、彼女を夕食に誘った。
それから、音楽の天使が現れ、彼女を鏡の裏へと導いた。
一夜明け彼女は今、その天使から受ける罵倒が止むのを激しい恐怖と後悔の中待っていた。
音楽の天使が、仮面の下に隠している素顔を見たかった。
その欲望に動かされ、何の躊躇もなく彼の仮面を剥ぎ取った次の瞬間、手加減なしに突き飛ばされ、呪いの言葉を降り注がれる。
何が起こったの?
あんなに優しくて美しくて、私の事を何でもわかってくれていた声が、私を突き飛ばすなんて。
彼女はブケーが女の子達を怖がらせる為に、常日頃言っていた言葉を思い出していた。
この人は、エンジェルじゃない。オペラ座の怪人なんだわ…。
昨夜はあんなに煌いて自分を招いていた世界は、今やただの薄暗く不気味な地下になってしまった。
自分そっくりに見えて気絶をしてしまった人形は、ただのマネキンで、生涯を捧げて仕えようと誓っていた音楽の天使はオペラ座の怪人と言われる一人の男で、今自分に呪いの言葉を吐いている。
お父様!
ばかな子供は騙されました。
あなたがいなくなったこの世界は、こんなにも醜く冷たい。
やっぱりこんな世界は嫌…。
みんな嫌い、大嫌いなの。
クリスティーヌは耳を抑えて蹲り、自分の意識の中に落ちていこうとしていた。
けれど地下よりも暗いその意識の中に、幽かに声が響く。
それは毎夜彼女を魅惑し続けた、天使の歌声ではない。
威嚇し懇願する一人の男の声だった。
その声は今まで聞いたどんな歌よりも囁きよりも、彼女の心を揺り動かし、暗い淵に蹲っていた意識を覚醒させる。
彼女は手元に転がっていた仮面を手繰り寄せ、顔を庇いながら傍らに座り込んだファントムに手渡す。
クリスティーヌは自分自身に問い掛ける。
人が隠していることを、あんなやり方で暴くことが、どうして許されると思ったの?
そこにどんな傷跡が現れるのかわからないのに。
私は…。
どうして自分のことしか考えられないの?
どうして自分のため以外に涙を流せないの?
溢れて止まらなかった涙がひいて行くのがわかる。
クリスティーヌは、雛鳥が初めて眼を開いたときのような表情でファントムを見つめた。
仮面を剥がして深く傷つけたであろう、自分に背を向けて立っている一人の男を。
人と深く交わることなく、天使と過ごす時間だけに囚われ。
私は今までしなければいけないことを、どれだけさぼって来たのかしら?
「マスター…」
掠れた声が地下に、か細く響く。
「…まだ、そう呼んでくれるのか?」
かすかに温もりを取り戻したような声色だった。
クリスティーヌは頬に溜まった涙が飛び散るほどに、何度も何度も顔を上下させる。
その気配にファントムはやっと振り向き、視線は合わせないままに言う。
「もし、私が怖くてそう言うのなら…」
クリスティーヌの首が、今度は左右に振られる。
「…そうか、ならいい…なら」
ファントムはその言葉を、呆然としているように繰り返した。
「クリスティーヌ…歌えるか?」
「…今日の舞台は、口のきけないページボーイの役なんですの…」
そう答えてから、クリスティーヌはほっとしたように続ける。
「良かったわ。じゃなきゃとても歌えない…」
質問に素直に答えたあと、自分の言葉に改めて彼女は安堵していた。
歌えないというクリスティーヌの言葉に複雑な気持ちを抱きながら、ファントムは告げる。
「私はお前には…そうか、いや、いい。さあ戻ろう。愚か者どもが探し始める」
地上へと続く階段を、クリスティーヌは手をひかれて登る。
昨夜、彼女の存在を確かめるように何度も振り返ったファントムだったが、今日は一度も振り返ってはくれない。
何故だか泣きたい気持ちになり、クリスティーヌは唇を噛む。
ほんの昨日まではまるで自分が、特別な存在であるかのように自惚れていた。
仲間の女の子達がどんなに騒いで、恋のために涙を搾り取られていても、遠い世界の出来事だと思っていた。
自分は肉の身体を持たない、声だけの音楽の天使に生涯を捧げる運命なのだからと。
――私が死んだら音楽の天使を送ってあげるよ
大好きなお父様が、そう私に嘘をついた。
多分、残された私が世界に絶望しないように。
この世界で生きていくという事は、そんなに価値があるの?
この人とそれを確かめたい。
ファントムの手の平に重ねられた、クリスティーヌの手に力が篭る。
本当は、突き飛ばされた時に捻ったらしく手首が痛かった。
けれど、触れ合う心地よさにとても放す気になれない。
どうして女の子たちは、肉の痛みに耐えてまで恋の試練へと飛び込んでいくのか。
それが少しだけわかった気がした
私はもう心を決めたわ。
マスター。
クリスティーヌはファントムを、後ろから穴が開く程にじっと見つめる。
項を焼くような熱い視線に、とうとう彼が振り向くまで。
あなたは私を愛してくださるかしら?
もう後戻りは出来ない。
二人の行く手には、身を焦すような恋の試練がいくつも待ち受けていた。
おわり
>766天使様。ご降臨お待ちしておりました!
GJでございます!!
>770
GJ!
ファントムの素顔を知って、それでも恋に落ちるクリスがイイ。
彼の心の痛みを思いやり、自分を省みて彼を愛するようになるクリスがイイ。
「恋の試練」編はないのでしょうか……?
>766
GJ!!766天使様のクリスはいつも可愛くて仕方ない。
ご馳走様でした(*´Д`)
>766
ほんとにこのクリスティーヌ可愛い・・・
大好物です! 萌える!
ありがとう、766エンジェル これからもヨロスク
>「…まだ、そう呼んでくれるのか?」
あー涙出そうです、GJ!
あのシーン、恋にまだ不慣れな2人が触れ合う感じがよく表現されてて良かったです!
>>770 GJ!!
思いやりが深く、怪人を愛そうと努力するクリスが健気で可愛らしいです。
歌詞のように美しい台詞が心に響きました…(*´o`)。
突然ですが、妄想がひとまとめ出来たので投下します。
※エロなし
※ファントムとクリスが地下でプチ同棲設定
(初回の招待が成功して、以後の公演の合間に数日スパンで滞在してるイメージ)
778 :
デッサン1:2005/11/20(日) 07:39:41 ID:fqX1bRDP
暖炉の薪がはぜる音に混じって、サラサラとした音が響いている。
木炭が羊皮紙の上を滑らかにすべる音が耳を撫でる。
薄布を一枚だけ纏った私はソファにしどけなく横たわり、じっと注がれる
男の視線を受け止め、ただひたすら動かないように意識を集中していた。
「…君の姿を描かせてはくれまいか?」
早めの夕食の後にワインで喉を潤しながら談笑している最中、少し躊躇い
がちに彼が言い出した。
彼は作曲の他にも絵画や建築を得意としており、それらの才能が凡人の
ものでは無いことは素人の私でも知っている。
彼の棲家であるこの家は、彼の造り出した大小さまざまな美術品で溢れ
かえっており、初めて訪れた時にはその多彩さに息を飲んだものだった。
「まぁ、私を描いてくださるの? 私なんかでモデルが務まるかしら?」
「他の誰でもない、君を描きたいんだよ。クリスティーヌ」
そう答えながら、どこからともなく現われた淡い紫色の薄布を差し出して
くる。
いつもながらこの人は、一体どこからどのようにして物を出したり隠したり
するのだろう?
以前に一度、不思議な手品の仕掛けについて尋ねてみた事があるのだが、
「マジックの種を明かしてしまっては面白くないだろう?」と笑って
返されてしまい、それ以来彼の魔法について質問するのは止めにしている。
受け取った薄布に首を傾げ、「これを、どうすればいいのかしら?」と
尋ねると、彼はやや困ったように明後日の方向を向き、「つまり、その…」
と言葉を濁してしまった。
つまりは、生まれたままの姿の私を描きたいという事なのだろう。
絵画の素材として女性の裸体を描くのは、そう珍しい事では無い。
「いいわ」
あっさり返事を返すと、今度は彼の方が戸惑ってしまう。
「クリスティーヌ…その……本当にいいのかね?」
「ええ。マスターには日頃からお世話になっているのだし、少しでも
お礼が出来るのならば」
自分から言い出しておきながらおろおろと所在無げに慌てる彼を背に、
私は衝立の向こうへ姿を隠した。
779 :
デッサン2:2005/11/20(日) 07:42:12 ID:fqX1bRDP
「マスター、あの…準備が出来たのだけど……」
恐る恐る衝立から顔を覗かせると、肘掛に片肘をついたまま瞼を伏せて
物思いに耽る彼の姿が見えた。
私の声に気付くと、目を開いて立ち上がる。
自ら快諾したとはいえ、男性の前に生まれたままの姿を晒すのは初めての
事で、緊張で顔が火照り、唇は慄き、足が震えて上手く歩けない。
右でで胸元を、左手に抱えた薄布で脚の付け根を隠しながら一歩ずつ
足を進める。
彼がどんな目で自分を見つめているのか、確かめるゆとりすらなかった。
「では、こちらへ」
大きく息を吸い、促されるまま暖炉の側に用意されたソファへと腰を下ろす。
脚を固く閉じ、直立したまま腰掛けていたら、ふと彼がこみ上げて来るもの
を隠そうともせずに笑い出した。
「クリスティーヌ、緊張しているのだね? 大丈夫だから力を抜いて楽な
姿勢にしなさい」
二人掛けのソファに体を横たえるよう指示されたので言う通りにすると、
片肘を取って横向きに寝そべる姿勢を作らせてくれる。
薄布が、腰の周りを僅かに隠すべくふわりと掛けられた。
暖められた空気が、むき出しの肌に心地よい。
「マスター、笑うなんて酷いわ」
思わず上目遣いで軽く睨みつけると、「すまなかった。君があまりに
可愛らしいものだから」と、悪戯を咎められた子供のような目で彼が
言い訳をした。
それっきり笑顔を引き締めた彼は、私からやや離れた正面の位置に椅子を
据えると、神妙な面持ちで木炭を手に取って描き始める。
「簡単なデッサンだから、そう長くは取らせないよ」
私はこくりと頷き、再び大きく呼吸した。
780 :
デッサン3:2005/11/20(日) 07:44:23 ID:fqX1bRDP
二つの眸が、イーゼルに据えられた羊皮紙と私を行き来している。
夫でもない男の前へ無防備な姿を晒しているというのに、何故だか恐怖や
嫌悪は無かった。
むしろ、彼ほどの芸術家がさほど美しくも利発でもない私を絵画の題材
として求めてくれる事に不思議さを感じる。
世の中には、私より美しく聡明な女性がいくらでも居るというのに。
「あの…」
「何だね?」
「どうして、私を描きたいと仰ったの??」
ややあってから手を休め、「これはまた、可笑しなことを訊くお嬢さんだね」、
瞼を伏せながら唇の端を軽く吊り上げた。
どうにも可笑しいという時に、彼がよく見せる表情だ。
「だって、私よりきれいな女の子なんてたくさん居るわ。オペラ座
の中にだって…」
コーラスガール仲間の中には、その美しさや器量を武器に自らの道を
切り開く者も少なくない。
誰よりも踊りの上手なメグは、ソリストとして花を咲かせる日もそう
遠くは無いだろう。
けれど私には、ただこの人が与えてくれた歌声の他に持つべきものが
何も無いのだ。
「クリスティーヌ…」
いつの間にか側までやって来た彼が跪いて私の両手を取ると、己の手で
包み込みながらこう囁いた。
「君は誰よりも美しい」
真剣な眼差しで射すくめられ、身動きが出来ない。
「髪も目も唇も…」
そう言って私の髪に手を入れると、さも愛おしそうに撫でてくれる。
「白雪のように初々しいこの肌も…」
「あ……」
歌うように囁きながら、大きな手が肩先からうなじを優しく行き来する
感覚に、我を忘れて溺れそうになる。
何か続きを言いたそうだったが、言葉を切ると再び私の両手を包み込み、
揃えられた指先に軽く口付けを落としてくれた。
夢見心地から急に現実に引き戻され、自分がどこで何をしていたのかを
ようやく思い出す。
男の人に「美しい」などと褒められたのは生まれて初めてで、嬉しさと
恥かしさの余り顔から火が出そうだった。
幼い頃に憧れていた相手と再会して、「可愛いロッテ」と呼んで貰った時
にも人知れず胸を高鳴らせたものだが、その時の喜びとは全く違うものが
私の胸を満たしてゆく。
頬を染めたままの私に優しい視線を注ぎながら、彼がイーゼルの前に戻った。
781 :
デッサン4:2005/11/20(日) 07:46:25 ID:fqX1bRDP
彼の画布の中で、一体私はどのように描かれているのだろう。
ふと顔を上げた私の視線に、気付いた彼が微笑む。
「描きかけだが…見てみるかい?」
「いいえ、まだいいわ。…完成したら見せて下さる?」
「もちろんだとも、マドモワゼル。いずれは色を付けて仕上げよう」
「本当??」
嬉しくなって思わず身を起こすと、「モデルは動いてはいけないよ」と
諭されてしまった。
「…ごめんなさい」
数日後には次回公演のリハーサルが始まるため、地上に戻らなくてはならない。
次の公演が終わって再会できる頃には、あの言葉の続きを聞くことが出来るだろうか?
そう思いながら、彼のモデルを務め上げるべく意識を引き締める。
師と対面しながら歌を教えて貰えなくなる事を寂しいと思い始めている自分に、
今頃になってから初めて気付いた。
以上です。
読んでくださった方、どうもありがとうございます。
短くするつもりだったのに実際に投下してみたら中途半端に長くなってしまったよ…orz
それと、もう一つ言い訳が。
映画のファントムは実際にクリスの絵を描いていましたがこのSSは某サイト様の
ステキ絵に触発されて書いてしまいました。
怪人の優しさと才能の多彩ぶりにクリスが惹かれる、という話がどうしても
書きたかったもので…
では、しばらく消えます。。
ほのぼのとしててGJ!なんだが、
個人サイトの話はやめれ。某を付けたとしても
まあまあ。また荒れるから。
GJ!
今度は襲いかかるマスターも見たい
>>782 地下にはクリスを描いた絵がいっぱい飾って(貼って?)あったよね。
中には裸に近いようなものもあったし。
本当はこんなラブラブムードでスケッチしたかっただろうな、マスター。
消えちゃ遺憾
裏方×踊り子(?)
後半エロなし、ファントムもいるよ!
788 :
1/2:2005/11/21(月) 09:33:31 ID:s6mQ6lFf
オペラ座の寄宿舎の壁は薄い。
だから、今夜は隣のマリーのところに子供達が集まっているのがすぐに分かった。
マリーがおどろおどろしくファントムのことを語るのも切れ切れながら聞こえたし、
例の「顔がなかったのよ!」のところでは、怖がりのジャムを始めとする
チビ達の色とりどりの悲鳴が聞こえてきた。
そのあとも暫く笑ったりぺちゃくちゃ喋る声がしていたが、やがてそれも途絶えた。
部屋を出る気配がなかったから、皆マリーの部屋で眠ってしまったんだろう。
で、問題は、向こうの声が聞こえるということは、こっちの声も聞こえるということ。
「言ったじゃない…ダメだって…」
「いいじゃないか、寝てるんだろ?」
「でも…」
大きな手が性急に、寝間着を脱がしにかかる。
「あんたがこんなとこまで来てるの…ばれたら追い出されちゃう…ん!」
「何言ってんだ、何度も連れ込んどいて」
肌蹴た首筋に吸い付かれ、声を上げそうになるのを飲み込む。
荒い息と濡れた舌の感触が首から顎、耳へと上がってゆき、同時に薄い布地越しに乳房を鷲掴みにされた。
「や…」
「なにが嫌なもんか」
「…乱暴にするから…あ、跡になって…っ、ジリ先生に、怒られたんだからぁ…」
寝間着の中に入りこんだ掌に、乱暴に胸を揉みしだかれながら精一杯抗議する。
「ババアの言うことなんか、放っとけよ」
頭がするすると下がり、わざとらしく大きな音を立てて鎖骨を吸いたてる。
「痛…!ちょっと!」
見なくてもそれとわかる跡がついているのが分かる。きっと明日まで残るにきまってる。
抗議しようとした声も、胸の頂きを咥えられ、喉の奥で消えた。
かわりに漏れたのは押さえきれなかった嬌声。
「や…あ…んん!」
「いいのか?聞こえるぞ?」
意地悪く言って、乳房を口一杯に頬張ると、先端をねっとりと舌で嬲る。軽く歯を立てる。
身体を貫くような刺激に思わず背が撓り、切れ切れの喘ぎがだんだんと大きくなる。
すぐに寝間着の裾をまくって潜り込んだ指がくちゅくちゅと水音を立て、
準備は充分以上にできていることを知らせる。我慢できずに太い指を呑みこんだまま腰を捩らせた。
「は、早くぅ」
「待てよ…」
素早く衣服を取り去って、恋人が取り出した彼自身を入り口にあてがう。
次の瞬間一気に埋め込まれたそれを締め付けながら、私は一際大きな悦びの声を上げた。
789 :
2/2:2005/11/21(月) 09:34:01 ID:s6mQ6lFf
「それでね、だんだんくるしそうな声が大きくなるし、泣いてるみたいな声もするし、
何回も"死んじゃう!"って聞こえるから、様子を見に行こうとしたの。
そうしたら寝てたと思ったんだけどマリー姉さんが起きてて、"いつものことだから
放っときなさい"って言うの。 しーってしながら"大人になったら分かる"って笑うのよ。
ね、天使さま、何で放っておくの?アンヌさんはどうしたのかしら?」
「……」
いつもなら何を尋ねてもすぐに答えてくれる音楽の天使。
しかし無邪気に首を傾げるクリスティーヌに、今は答えは返ってこない。
「他の人に聞こうとしたけど、マリー姉さんがジリ先生にも他の女の子にも
喋っちゃダメって言ったから…天使さま、聞いてる?」
「…聞いている」
ファントムは壁の向こうで苦々しく唇を歪めた。
(全く幼子のいる中でなんということを…!そのアンヌとやらには警告を送らなければ。
そうだ、ジリにも言っておくべきだな。我がオペラ座の風紀の乱れは、見過ごせない状態にあ…)
「ねえ、天使さま?どうして喋っちゃダメなの?」
「あー、つまり、それは…」
しかし、いずれは正しい知識が必要となる。クリスティーヌを堕落した女にしないためにも、
今が教えるのに良い機会なのかもしれない。ファントムは重々しく口を開いた。
「クリスティーヌ…いいか、よく聞くのだ」
「なあに、天使さま…教えてくださるのね!」
「………」
「天使さま?」
「…今日はもう遅い、部屋に戻りなさい」
「ええ?ずるい、天使さま…いいわ、アンヌさんに聞いてみる!」
「待て!それはダメだ…明日、明日の夜必ず教えるから!
常にない焦った声で静止する音楽の天使に、クリスティーヌは目を丸くした後顔を輝かせた。
「明日!きっとね!」
「ああ、明日、必ず…」
答えながらファントムは、暗がりの中で己のマントの裾を握りしめた。
深夜マダム・ジリは自室のカウチに腰掛け、持っていた手紙を広げた。
赤い髑髏の封蝋が、ランプの灯りに禍禍しく光る。
しかし、マダム・ジリの顔に浮かぶのは恐怖ではなく、呆れたかような表情。
「…オペラ座のファントムともあろうものが、ずいぶんと品行方性におなりだこと」
ひとつ頭を振ると、溜息とともに呟いた。
「それにしても…これはなにかしら…"追伸:至急以下の本をO.G気付にて届けさせるように
…『あかちゃんはどこからくるの?』『パパママ思春期質問箱〜よくある問いと回答例』"」
わはははは!
にやにやしちゃった(笑
GJです!
>>789 ファントム先生、頑張れ!
と応援したくなったわw
GJ!!
まだ手取り足取り教えるには早かったんだね(笑
すごくいい!
久々に思い切り笑った。
そこは「ジリー先生に聞きなさい」がベスト逃げ道だと
思うんだけど。
>>793 そこでジリー先生。
「そのうちあなたの音楽の先生が実地で教えてくれるわ…うふふふふ」
>778 イイヨーイイヨーGJ!
音楽の次は絵画の芸術を極める2人。
直接的なエロ表現がなくても、心で感じるところがよく出てると思うよ。
>788 まさに映画のサイドストーリー!
きっとクリスの子供時代はこうだったんだと思った。
意外にファントム先生苦労してたりして…
>778-781
確かにエロはなけれど全体に漂うエロスにハァハァさせてもらいました
優雅な気分をありがとう、どうかまた書いて下さいな
>788-789
GJwwwうろたえる姿がすげー想像できるwww
しかし図版も人形もなしで全部言葉で説明するつもりなのかな、大変だ
>781
GJ!
ファントムの「君」って呼び掛けが新鮮、かつ紳士的でイイ!
>789
GJ!
すごいニヤニヤしちゃった。クリスが可愛い上に、ファントムも可愛い。
教えようとして知識が皆無だったことに気づく「………」がたまんないwww
798 :
789:2005/11/22(火) 15:44:38 ID:7JB++zDI
>796
教育の為、アレな感じでリアルな人形を作るが、
マダム・ジリの「さすがにそれは引きます」の一言でお蔵入り。
しかしこれがファントムのフィギュア作品第1号となる。
1/1クリスティーヌ(ウェディングバージョン)への
長い道のりの第1歩であった。
後の武蔵であ(ry
…ごめんなさい。
さすがにそれは引きます、にアバラ痛くなるぐらいワロス
駅なんかでここ見るんじゃなかった…www
>「さすがにそれは引きます」
で諦めてしまうファントム先生素直すぎ。
ちび時代のクリスとの話、もっと読みたいです。
スーザン・ケイ著「ファントム」のキャラで書いてみました。
エリックのこの日当日の年齢が原作でははっきりしていませんが
1853年の出来事としてこの年齢設定にしておきます。
エリック22歳
ハーレムの女奴隷15歳
ペルシャの皇帝(シャー)から贈られた女奴隷にエリックは手を出さず、
彼女をシャーに突き返した日の夜から始まります。
本番あり笛あり。
エリックは性経験がほとんど皆無(というか全く無い?)と個人的に解釈しています。
全部で14レスあります。
牢屋の中で女奴隷は膝をかかえて、冷たい石の壁にもたれ込み
己の短かかった人生を思い返していた。
生家の事はほとんど記憶になかった。
貧しい奴隷階級の親の元に生まれ、物心つくかつかないかという頃に幼い兄弟たちの為に
わずかな金でハーレムに売られてきたという身の上だった。
それ以来、シャーの側室となる為の奉仕の寝技だけを仕込まれながら
熾烈な女の勢力争いの園であるハーレムで生きながらえてきた─
今日、シャーの寵臣であるエリックの妻として彼に差し出されるも
あの顔全体を覆う白い仮面に脅え、
そして拒否され─
シャーの命令に背くかたちとなり、ハーレムに戻る事ももはや許されず
太后の悪趣味の餌食となるため、明日の公開拷問を待つだけの囚われの身体となっていた。
格子扉の外から早足で近付いてくる誰かの足音が聞こえる。
警備の者が陵辱を働きに来たのだろうか?
明日は死刑となるこの身─
側室になる訓練を完全に終え、奉仕技を完全に仕込まれたとはいえ
まだ処女のままでこの幼い娘を死なすには惜しいと、
欲望に飢えた男がわが身を犯しに来たのだろうか?
人としての扱いを受けて来ず、そして殺される直前までわたしは男の餌食に
ならねばならないのだろうか?
女奴隷は壁に擦り寄って薄暗い格子扉の方を凝視する。
隠れる場所などこの牢屋にはどこにもないのに、ただでさえ幼い小さい体をさらに
小さく縮め、恐怖に震え脅えた。
男だ。1人だけだ。
大きく細い黒い影が、その長い指で牢屋の錠前に鍵を差し込み性急に開け始めた。
間もなく鍵が開き錠前がはずれ、格子扉がゆっくりと動く。
女奴隷は恐ろしさのあまりただ震えて、か細い悲鳴を上げようとした時、
「出ろ」
「……エリック様…?」
何時間か前に聞いた、低い聞き覚えのある声。
「早く出ろ。
ここから逃げるんだ、さもないと明日は拷問で命を落とすことになる。」
突然の出来事に女奴隷は声を出すことが出来なかったが、
エリックはかまわず女奴隷の手首を乱暴に掴むと、人が居ないか
確かめながら外へ抜け出す。
女奴隷はただエリックに連れられるままに必死について走り、
馬に乗せられ2人は宮殿を早急に脱出した。
「ナーディル(※警察長官)が夜明けに馬車を用意して待っている。
国境までお前を連れて行けるそうだ。そこまで着けたならもう太后の手は届くまい。
ヨーロッパの使節団と共にこの国から遠く離れるんだ。」
どのくらい駆けただろうか、女奴隷は夢中で馬の背にしがみつき
真暗の空の下を、宮殿はもはや見えなくなった下町のはずれまでたどり着く。
エリックは先に馬から降り、周りを見渡し、
「よしここだ。誰にもつけられ…」
突然エリックはその場に力なく片膝をついて座り込んだ。
「エリック様、どうされました?」
女奴隷は驚き馬から降り、うずくまったまま動かないエリックのうつむいた顔を覗き込む。
仮面をつけていてもわかるほどかなり気分が良くないようだ。
首まで青白く蒼白の色が見え、
仮面の端からは普通ではない程の汗が噴き出し流れ落ちていた。
「…案ずるな、少しばかり前に飲みたくも無い酒を飲まされたのでな。
しかしもうすっかりもう抜けたと思っていたのだが…」
「すこしお休みになられた方が良いと思います。
あそこ、あそこに廃屋が見えます。」
廃屋の隅にカーペットを寄せ、気分の優れないエリックは静かに体を横たえていた。
「エリック様、水をお持ちしました」
「ああ、すまない…」
起き上がると後ろを向き仮面を取り、瓶を受け取るとゆっくり水を飲み干した。
「もう良くなった…しばらく休む。夜が明けたら起こしてくれ」
再び仮面をつけると、また背を向け体を横たえた。
しばらくは言葉を交わさず、遠くで獣の鳴き声だけが響く
灯りの無い真っ暗な廃屋に沈黙が流れた。
女奴隷は静かにエリックの仮面の横顔と背中を複雑な面持ちで眺めていた。
エリックが寝返りをうち、女奴隷が己を見ていることに気付き低い唸り声を上げた時、
「エリック様…どうしてわたしを助けてくださいましたの?」
「…理由などない。
『か弱い女性を敬え』と、子供の頃ある大切な女性から学んだからだ。
別にお前だからというわけではない。
あのまま放っておいてお前が処刑でもされてみろ、
一生寝起きの悪い人生を送らねばならないのは私は嫌だからな、それだけだ」
ぶっきらぼうにそう言い放ち、ついと顔を逸らしたままそのまま動かない。
またしばし2人の間に沈黙が流れる。
しかし─
黒い雲が途切れ、明るい月の光が差し込み出した静かな廃屋の中に
エリックの欲望に満ちた息づかいが響き、
背中をまるくかがめ激しく肩で息をし、唾を飲み込む音が女奴隷の耳に入る。
震える腕の先、女奴隷が視線を落とすと
エリックは指先を膝に食い込ませ、そして─
下半身がまるで自分を求めているかのように猛り始めていることに女奴隷は気がついた。
いや、妻になるはずだった自分を求めているのだ。
夫となるはずだったこの御方…
女奴隷は、そそっとエリックににじり寄り、後ろからそっと背中にすがると肩に手をかける。
「助けてくださった御礼をさせてください…」
「触るな!」
女奴隷の行為とその言葉に驚いたエリックは、瞬時に振り向き金切り声をあげる。
エリックの怒鳴り声に一瞬脅えた女奴隷だったが─
しかし女奴隷は両手をエリックの上着の中に巧みにすべり込ませ胸をまさぐり始める。
エリックの顎に、首筋に舌を這わせ、両手は既に乳首を探り当てていた。
乳首を小さい指で愛撫しながら、その細くて幼い身体をしなりエリックの体に巻きつける。
「よせ!やめないか!」
女奴隷はエリックの頭をかかえ、くねくねと腰をしなり
エリックの体を挟み込みながら己の体を擦りつける。
エリックの耳の中に舌を這わせながらそっと囁く…
「エリック様、わたしにはこのような事しか出来ません…
どうか、わたくしめにささやかな御礼をさせてくださいまし」
そっと女奴隷はエリックの腹に片手を延ばす。
突然の行為にされるがままのエリックは、ただ女奴隷の細い肩を
震える手で撫で息をのみ、耐えるだけだった。
女奴隷はズボンから取り出した猛り狂ったエリック自身をそっと両手で包み、
自らの顔を寄せ、何度となく愛しそうに頬擦りをすると
先を口に含ませ頭を揺らしながら、くちゃくちゃとしゃぶり出す。
裏筋をゆっくりと舌先を尖らせて舐め上げる。
裏側まで舐め上げ、その裏側の敏感な部分をちょこちょこと小刻みに動かしてやりながら
溝に沿って尖らせた舌先を伝わす。
触れるか触れない程度で舌で優しく攻めてやると一層硬さを増し、
エリックはたまらず短い呻き声を あげる。
同時に女奴隷はさらに片手をズボンの中に忍び込ませる。
まだ下着の中で震えていた柔らかな袋を交互に揉みこんでやる。
熱い肉棒に、女奴隷の冷えた小さい指が蠢く。
物心ついた頃から仕込まれてきたその巧みな愛撫に、エリックはとうとう耐え切れず
女奴隷を乱暴に抱きしめ押し倒し、組み敷いた。
「きゃっ!」
エリックは、奴隷服として着ていた真珠の飾りのついた薄いハーレムパンツを
力まかせに引きずりおろし、
脚から性急に抜き去るやいなや無理に足を開かせ、
あらわになった幼い秘所に狂い勃った己を押し当て夢中で腰を押し付けた。
「あああっ!いっ、痛い!!」
濡れてもいない、ましてまだ一度も男を受け入れた事の無い幼いその秘所に
無理に肉棒を押し込まれ女奴隷は泣き叫び悲鳴を上げた。
ズッ、とわずかに分け入ったが女奴隷にとってはまるで
刃物を差し込まれたような激しい痛みだった。
「いっいやああっっ!!やめてっ、お願いです、
やめて、やめてくださいまし…!」
体を真っ二つに裂けんばかりの痛みに女奴隷は激しく泣き叫んだ。
エリックは昨日から耐えていた欲望の爆発に我を忘れ
力まかせに女奴隷の体を抱きしめ押さえ付けた。
しかし、女奴隷の涙声の混じった悲痛な叫びがやっと耳に届き、
はっ、と我に返り、夢中で振っていた腰を止めた。
「ああ…!すまない、すまなかった…」
エリックは女奴隷の体から離れ深いため息をつくと、カーペットに指を食い込ませ
激しい息づかいを必死で抑えながらその場でうつむいていた。
「あ、あの…」
白夜の廃屋にエリックの切ない息づかいが響き、それに女奴隷の涙声が小さく重なる。
女奴隷は涙をぬぐい、体をおこしそっとエリックの腕を撫でる。
「あの、申し訳ございませんでしたエリック様…」
うつむいたまま、まるで脅えるように顔を上げエリックは女奴隷を伺い見た。
「あのわたし、殿方に抱きしめていただけるなどとは初めてでございましたの…
決して、あの、嫌、ではございませんでした、
驚いてしまったんですの、ですから…」
そんな女奴隷の言葉に心底驚き、己の胸にそっと両手を当て、
顔を寄せる女奴隷の背中にエリックは震える手を回した。
「お願いでございます、どうか、どうかあの耐えてみせます…
わたしを抱いていただきとうございます…」
「エリック様…どうか仮面を取らせてくださいませ…」
女奴隷はエリックの顔に手を伸ばし─
そっと仮面をはずした。
宮廷のエリックのほの暗かった部屋では「仮面を取れ」と命令したものの
今、真正面から、明るい月の光の差し込む廃屋で素顔を女奴隷に見つめられて
エリックは戸惑いの表情を隠せず、視線があちこちに泳ぐ。
羞恥に恥じ入るように目を閉じ、真っ直ぐ女奴隷を見ることができなかった。
宮廷で「仮面を取れ」と命じ手を差し伸べた時の、恐怖に満ちた顔の女奴隷を
とてももう一度見るなどという屈辱には耐えられなかった。
エリックの閉じた目の奥で、石の破片が飛び散る光景がまざまざと浮かび上がる─
しかし女奴隷は、思慕に満ちた微笑みを浮かべ、両手でそっとエリックの両頬を優しく撫でた。
両手の指先で、エリックの顔を愛しそうに10本の指の腹を撫ですべらせる。
そして、そっと─
女奴隷は初めての口付けを、夫となるはずだった男に静かに捧げた。
「ああエリック様、は、恥ずかしゅうございます…」
「お前は綺麗だな…」
明るい月の光が差し込む廃屋の隅で、エリックは女奴隷の体を隅々まで眺めた。
上半身を豪華な宝石で飾っていたホルターも脱がし、
エリックは全裸の女奴隷の震える細い脚を大きく開いた。
未知の女の花園を舐めしゃぶり、その長い指で愛撫し、
まるで見落とす箇所や、触ってはいけない箇所などあってはならないかのように
奥の奥まで撫で眺め見つめ続けた。
包皮がかぶった状態のままの愛芽を少し強めにぐりぐりと円を描き、左右に指で丁寧に押し回す。
ようやく、ふるふると震える愛芽を指で剥ぎ晒し、まだ肌色に近いそれを出して
舌で転がしグニュッと舐め潰し、ジュルジュルと吸い出した。
自分の顔も軽く揺らし、愛芽の横から歯を軽くあてながら、
先を舌で素早く擦りつつ長い指を、少し血の滲んだ痛々しい蕾にゆっくりと沈めていった。
「いいっいやいや…!
ああエリック様…!やめて、やめて、あああ…!!」
エリックはそんな女奴隷の初々しい可愛いらしい様子を
反応があるたびに嬉しそうに表情を確かめ、
満足感を味わいながらさらに絶頂に導いてやった。
絶頂の快感と羞恥に耐え切れず、女奴隷がすすり泣き始めるとエリックは
秘部への愛撫を止め、そっと抱きしめる。
エリックの手にはまだあまり余ってしまう小さな乳房を
丁寧に揉みながら片方ずつ、まだ肌色に近い淡い色の乳輪を
ねっとりとしつこく円を描くように舐めまわしチュルチュルと吸い上げる。
その間ももう片方の乳首を優しくコロコロとつまみ捏ね繰り回してやる。
エリックは震えて泣く女奴隷をさらに強く抱きしめ、耳元で
「恥ずかしいのか?こんなにも綺麗なのに?可愛いやつだな…」
と囁いた。
「ううう…」
羞恥にすすり泣きながらも女奴隷は抱き締めてくれるエリックにしがみついて、
新たな涙をこぼし始めていた。
女奴隷は男と女の交わりがこんなにも暖かく、優しいものだと今初めて知った。
物心ついた頃から、男に奉仕する為だけの訓練を受けてきたこの身だったが、
優しく撫でられた事も、思いやりのこもった言葉を囁かれた事など一度たりともなかった。
痩せ細った小さいわが身を包んでくれる硬く大きい、
初めて知る全裸の男の体の温かみ、少し汗ばんだ匂い…
じんわりとそのぬくもりを感じながらも女奴隷は
そのエリックの優しさに涙が滲み、そして深く傷ついた。
「申し訳御座いませんでした…エリック様」
「何故?何故あやまる?」
「わたし、エリック様にあまりにも失礼な態度を…」
「…いや、いや」
そう言いながらエリックは長い指先を女奴隷のそれ以上何か言おうとする
震える唇に這わせる。
悔恨の涙が流れる頬をエリックが撫でると女奴隷は、
そっとその大きな手に己の指を伝わせエリックの汗ばんだ背中に両手を回す。
同時に女奴隷は両脚をおずおずと大きく開き、エリックの腰に絡ませる。
「ああエリック様…お願いでございます、
わ、わたしをエリック様のつ…」
その瞬間、エリックは腰を進め、再び女奴隷の中に押し入った。
「ああっっ……!」
先程とは違い十分に濡らされたそこは無理矢理ながらもエリックを柔軟に受け入れた。
エリックは激しい切ない息を吐きながら夢中で腰を振り女奴隷の両腰を掴み、
繋がったそこを欲望に満ちた目で眺めながら抜き差しを繰り返す。
激しく、ゆっくり、動かず、横に斜めに揺らし、そして深く深く…
女奴隷は切り裂かれるような痛みに耐えながらカーペットを掴み、
うわ言のようにエリックの名を呼び続けた。
「私が好きか?…好きか?」
女奴隷は涙を滲ませながら息も絶え絶えに無理に微笑みうなづいた。
膣がビクビクッと小刻みに締まりそしてドクドクと脈動するような
奥に誘導するような動きをした頃、
エリックに未知の世界での限界が訪れた。
鈍い痛みの中で温かな癒されるものが女奴隷の中に溢れた。
細いが、おそらく重く感じるであろうはずのずっしりと倒れこんでいる
エリックの体を女奴隷は離そうとしなかった。
「もう少し…もう少し、こうして欲しゅうございます…」
エリックの背中に両手を回したまま、離そうとしない女奴隷にエリックは
ただ黙ってうなづいた。
エリックが着ていた麻の外套を掛けられ、女奴隷は痛みの残る体を横たえていた。
「夜明けにはまだ時間がある。
休んでいろ、私はナーディルが来るのを待っている。」
「はい、あの……旦那様…」
恥ずかし気にそう呟き目を閉じると、そのまま女奴隷は深い眠りに落ちていった。
「気がついたか」
「…あ…?」
気がついた時には、女奴隷はヨーロッパの使節団と共に馬車に乗せられていた。
馬に乗ったナーディルが馬車の窓から女奴隷の様子を覗きこんでいる。
「あの、エリック様は…」
「彼はもう宮殿に戻ったよ。そろそろ朝の謁見だ、時間を稼いでくれる。
さあ出発しよう、追っ手に見つかってしまってはエリックの努力が水の泡になる。
彼から君の事をくれぐれもと頼まれているんだ。」
寂しさに打ちひしがれながらも、下半身にまだ熱い痛みを感じ
昨夜の夢のような出来事を思い出す。
同乗している使節団に火照る顔を気付かれまいと、
着せられていたエリックの麻の外套で美しい顔を覆い目を伏せる。
馬車が動き出すと、涙がこぼれた。
ふと懐に何か重い物が入っている事に気がつく。
それはおそらく一生生きていけるほどの大金が入った財布だった。
エリックがシャーから祝儀として受け取った口紐のついた大きな財布が、
そのまま女奴隷の懐に入っていた。
しかし、幼い頃からシャーの側室となる為の奴隷としての教育しか受けては来ず、
読み書きも出来なければ、数の計算も出来ない。
金の遣い方を知らない自分がこれから先、どうやって生きていけるというのだろうか。
しかし─
湧き上がるエリックへの激しい思慕に止めどなく涙が溢れ出す。
もう一度エリック様に会いたい。
会ってこの想いを打ち明けたい。
あの方の妻になりたい。
たとえこの真心が受け入れられなかったとしても私は─
いや、今はそんなことは考えるのはやめよう。
何時の日か想いを打ち明け、
またあの温かい胸に飛び込んでいける時の為にきっと生きて往かれる。
その日までどんな苦労が待ち受けているのだろう?
きっとハーレムの生活よりも辛いかも知れない。
生まれて初めて、人として女として生きる目的を見い出せ奴隷から開放された少女は
清々しい気持ちで初夏のペルシャの夜明けの景色を眺めた。
<終>
以上です、読んでくださって有り難うございました。
エリックのイメージが損なわれていたらすみませぬor2←土下座
3幕が終わるまでに何とか間に合った…
>801
GJ!激しくGJ!
リアルタイムほんとに幸せです!
女奴隷の全てが萌でもう何て言っていいかもわかりません。
さいごちょっと泣けました
次回も楽しみにしてます!
うあぁぁぁぁぁぁあ!!激しくブラーヴァです!!
切な過ぎて涙が止まりません!! or2”
うはー!
初めてリアルタイムで堪能させてもらいました。
大人の男と少年性が同居するエリック、素敵だ…。
すばらしいよ!
女奴隷タンの想いもエリックの心情もとてもリアルで感動だ
感動で泣くよ(´Д`)
やー、ええもん読まさしていただきました。
ありがとう。
合掌。
>816
GJ! GJ! GJ!
スーザン版エリックの雰囲気そのままのエリックに萌えました。
描写がすごく絵画的で美しくて、これがエロssだなんて……!
女奴隷がちゃんとエリックを好きで抱かれたっていうのが
もう何とも言えないくらい萌えます。
……再会編の予定とかないのかな……。
>>816 GJ!ファントムのあの話の所はホントやるせなかったから余計萌える。
処女なのに奉仕上手な女奴隷タソ(*´Д`)ハァハァ
>>816 スーザン版の雰囲気が良く出ていてGJ!!
奴隷タソの健気さがたまらん。後の人生は幸せに過ごして欲しい…
825 :
816:2005/11/23(水) 01:16:17 ID:CBs/fuMD
投下してすぐ外出して、今帰ってきたらレスをえらいたくさん
いただいてビックリです、有り難うございます。
再会は…女奴隷はヨーロッパに渡った事にしたので、たまたまパリの街中で
すれ違ったりとかして会えたら良いなと今妄想しました。
しかしその頃には2人は40代…
以前予告された、ファントム版のエリック×クリスを書いてらっしゃる天使様、
楽しみに待ってます!
エリック初めてだと思えないよエリック(;´Д`)ハァハァ
>825
エリックはペルシャ脱出して3年後にはもうヨーロッパに戻っているようですよ
まぁ要するにアレだな、 待 っ て ま す
再会キボン!!
「ファントム」ずっと敬遠してたけど読んでみようかな。
女奴隷はいっぱい出るのかな?
>828
女奴隷がいっぱい出るということはないですが、『ファントム』は読んでみても
損はないと思う。若干、腐女子臭はするけど、それを補って余りある良さがある。
で、新たなインスピレーションを得てss投下して下さると嬉しい。
女奴隷書いてみたくなったけど鬼畜モノしか浮かばん…orz
>830
それはもう書くっきゃないでしょう..._〆(゚▽゚*)
鬼畜エロキボン! 鬼畜エロキボン!
寒いが全裸待機する気満々だ!
寒くなってきたな
昨夜から全裸の
>>832はまだ生きてるだろうか
ここの住人には鬼畜とか甘々とかどれが人気高いんだろうか
個人的には年齢層もきいてみたい
鬼畜も甘もどっちも好物。
最近、鬼畜もの読んでないからできれば鬼畜がいいなぁ…
クリスが鬼で
どちらかといえば甘党。中でも切な目が大好物。
>836
禿同ノシ
つかまとめサイト見て思ったんだがギャグの天使様の
エロ(できれば前からの続きで)鬼畜気味なクリスヨミタス(´・ω・`)
トコロデそろそろKBやばくないか?
自分はけっこう鬼畜が好みだな
紳士さもちつつガンガン責めまくるファントム・・・おいしい
言葉でもロープでも鞭・・・(略
クリスとメグで、ファントムを攻めてほしい。
一緒にでもいい、別々にでもいい、ファントムはそれぞれと秘密を持ち合い
3人は危険な官能におぼれながら悩み苦しむ…難しそう。
次スレ立てます。
残り22KBですし、週末だし投下もガンガンありそうな予感。
テンプレはこれでいけますか?
↓
スレタイも、
【仮面】オペラ座の怪人エロ・パロ第4幕【仮面】
>841
エロ無し・パロ無し、じゃなくてエロ無し・ギャグ無し、では?
パロディってのはいわゆる二次創作のことでギャグを指すものではないと思う。
乙華麗度
スレタイの中点は無くてもいいんじゃね?注意書き入れることだし。
そもそもここは「エロパロ板」なんだし
480KBに到達しました、立ててきます
848 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 00:21:40 ID:ymsv8Zty
>847
スレ立て乙華麗度!(これ、久しぶりに打ったな……)
自分は甘が好きだが、鬼畜も決して嫌いではない。
で、切なかったら最高!
うう……、ごめん
甘く切なく、時には鬼畜に…が理想です(*´o`)
甘いのも好きだけど鬼畜のが萌えるかな
年は25↓
流れ読まずにカキコ
自虐マスターの天使様御降臨キボン
埋めよう梅酔う
何気に鬼畜ブーム?
その行為が終わった後ちょっと甘くなるのが読んでみたいな。
なるほど、鬼畜が人気なんだ
えーと・・・「クリスに捨てられて、迷える子羊になったラウルとメグ」
こういうのって、需要あるかな?
前振り長くて、エロ少ない(てか薄すぎるかも)
ageた上に連投スマソですが、梅なので許して
鬼畜好きの人に質問
ファントムの相手はクリス? それとも別の女の子?
どっちで鬼畜がいいのかなーと、ちょっと興味あるなと
>855 自分のばあいクリスだとより萌える
マスターもクリスだとより萌えてガンガリそうじゃん
自分は逆にクリスじゃないほうが萌える
踊り子さんとかね。
でも今の最大ブームは女奴隷だ。
素朴なギモン
なんで480KBに到達したってわかるのかね?
目の前に出てたのか!
吊られてこよう・・・
>855
マスターがジェントルな鬼畜なら他の女性、マジもんの鬼畜ならクリスが萌える。
・・・エリック×太后とかで壮絶な鬼畜攻防戦とかも見てみたい。
鬼畜エリック×ルチアーナも見てみたい。
>854
うはw需要あるある!
待ってるよん
埋めネタ、エロ無し
>839言葉×監禁×強制×鞭
「クリスティーヌ!風邪が治るまで
部屋を出てはいけないと、あれほど言っただろう!」
「だって…みんなが大道具見に行くって…」
「それに何故薬を飲んでいないのかね?」
「すごく、すごく苦いんだもの…」
「今度飲まなかったら、倍は苦い薬を無理やりにでも飲ませるぞ」
「それはイヤ、天使さま…」
「それと、その寝台から一歩でも出てみろ、お尻を鞭でひっぱたくからな」
「…ごめんなさい、ごめんなさい…もうしません…」
後年、「音楽の天使はとても厳しいのよ…」
素晴らしい、言葉責め×監禁×強制×鞭!
これでホントにお尻をひっぱたければマスター真の鬼畜なんだが。
なんか仮に叩くとしたらちびクリスのお尻を叩くフリをして、自分の
手の甲とかを叩いてそう…(子犬を躾けるときもそうするといいらしい)
ちなみに青いエリック相手に逆鬼畜はダメ?言葉責め×強制とか。
埋めだからハイリン
>>864 いい子になったクリスには「おくすりのめたね」のチョコレイツ味なんですね。
青年ファントムとちびクリスってなんか萌える。
>>865 「ファントム」のエリックでかな?
だとすると相手は太后?
867 :
sage:2005/11/25(金) 21:14:20 ID:Jxj2ykkd
嫌スレみてる?!
お薬飲めたのチョコレイツネタ、自分カキコした。
今はこちらに夢中だけと、嫌スレも大好き
>866
ペルシャ時代は…特に太后には
既に上からの物言いだったからな…
でも責められると弱そう。
イヤ…イヤぁ…!そんな(苦い)の飲めない…ッ!」
「これ以上暴れるようなら手足を縛る。
無理やり(薬を飲ま)されたくなければ、自分ですることだな」
頑張ればエロく…ならないな。
どう見ても嫌スレです。ありがとうございました。
そこでマダム・ジリーかなーと。
バレリーナとして花開き始め、ちやほやされだして
いろんな恋を(情事も)楽しんでみたいお年頃。
エリックの方は青年期にさしかかって才能を開花させつつ
あるけど、人とふれあいがない分頑なで潔癖な少年の部分を
未だ持ってる…くらいがいいな。
マダム的にはうほっ、いい玩具って感じでw
>>868 うはドキッと萌えたしΣ(゚д`*;)
嫌スレではさすがにヤバイす。あちらもぜひレスが伸びてほしいな。
ここの住人さんはやっぱ関連は全部見てるんかな
自分は心の襞をわけいるようなのが好き…
ここがすごいと思うのは、そんな天使様が確実にいるところ
4幕 人大杉とでるんだが・・・
873 :
872:2005/11/26(土) 00:45:58 ID:hqbkpyCk
スマソ 解決した
>>838 遅レスですが
ギャグを書いていらっしゃる方も多く
貴方の訴えていらっしゃる相手が今一つ不明なのですが
(自分はクローゼット、墓地、屋上を書いた者です)
百万分の一自分という可能性を考えて密やかに主張
無理っす
徹頭徹尾のエロは無理っす
ましてやクリス鬼畜風味無理無理無理無理イィィィィィorz
>>874タソ
838です。紛らわしくてスマソ天使様(´・ω・`)
俺が言ってたのは第一幕で酒に酔って攻め化したクリスと
手錠かけられてされるがままのマスターの話です。
気分害されたなら本当にゴメソナサイ orz
貴方の作品も大好物です。投下待ってますノシ
害してない害してないよ
安堵したyo!ありがとう!
自分も874さんの作品大好きだ。
またの投下を楽しみにしてます!
うそ喪男スレ落ちた。圧縮されたのか。
俺の、俺の楽しみはもうエロパロスレしかないというのか…ッ!
778-781です。
亀ですが感想を下さった方々、ありがとうございます。
精進して大人向けも書けるようにしたいです。
最近よく関連スレ落ちちゃうよね、
なりきりとか数字とか、そして喪板。
ここは最強だなあ、本スレのように2桁行ってほしい。
さー埋めナイト!
まだ投下時期は未定だけどこうゆうの書いてるよって天使様は他にいらっしゃるかな?
自虐マスターの続きは今年中に読めるようですし、
鬼畜ものや女奴隷にラウルも楽しみ。
>>838>>874>>875 まとめサイト管理人です。
第1幕の酔った攻めクリスと、墓場のマスターの作者さんは
同一人物だと勝手に勘違いしてサイトに載せてしまいました。
そのせいで混乱させてしまってすいません。
わーい管理人さんだ、いつもお疲れ様です!
シーズンだし埋めだし何となく忘年会のようなノリになってきたな
今年はこうして素晴らしい映画に会えて良かったす。
舞台を見たり原作を読んでなかったので、自分にとってはオペラ座元年だ。
そしてこんな良スレに巡り合えるとは幸せな年だった。
多分皆もそうだと思う。
埋めついでに本当雑談しよう、まさに忘年会のノリで。
いつまでも重複スレは良くないし...
自分は舞台は知ってたけど映画みていっそう好きになった
忘年会かー
スレ住人でしたいもんだ
自分も映画が初「オペラ座」、バトラー怪人が初ファントムだったから、今年
はまさにオペラ座元年、怪人萌え元年だった。
まさかここまでハマり、暴走するとは思ってもみなかった。
まだこんなに萌え力が残っていたとは……。
萌えを焚き付けてくださった天使様方、本当にありがとう! これからも宜し
くお願いします。
自分もオペラ座元年だ。
初めて映画見てからもう9ヶ月も経つのに、この萌えっぷりは一体どうしたことだろう。
>885
忘年会、確かにしてみたいね。でも、個室とらないとねw
自分もオペラ座元年、怪人萌え元年だ。
天使様がいる限り萌えは続く……
スレ繁栄を強く求む!
自分 オペラ座も2ちゃん(ましてエロパロ板)元年だ。
ネットつないでまずいちばんにここみてるってどうよ・・・orz
天使さまたちに感謝だな
忘年会か・・・したいが酒飲めなぁ
>>889 大丈夫! 萌え語りしてると、お酒を飲んでなくても異常なハイになって
酩酊状態になるよ。
自分は先日、そんな幸せな時を持てた。真っ昼間から酔いどれ状態。ただし
気を付けないと、つい声も笑い声も大きくなって、思い切り怪しい人になる。
なにしろ素面なのに酔っぱらってるからね。話題が話題だから個室は必須か。
特にこのスレの話をする時にはw
個室で店員が近付いてきたときだけ静かになるのか(笑)
関東で日にちが合えば行きたいな。
どうせシングルクリスマスだし…orz
忘年会、忘年会と出てくるので、忘年会ネタで書いてみました。
書いているうちに長くなってしまったので4幕に落としますね。
ちょいギャグ、ちょいエロです。
う!投下にリアル遭遇か?
4幕に急げ!
892です。
4幕に落っことしてきました。
興味のある方はどうぞ〜。
>890 そっかー、なら行きたいな
萌え語りに興味津々(´Д`)
>889
自分もだ。まずこのスレを見るって……、だめ人間じゃん。 OTL
自分も行きたいなー、忘年会。
忘年会、男女混合で個室で萌え語り?
微妙じゃねーの?
男女別室で萌え語りの方が微妙じゃないか?
特に男部屋。
しかし、例えばファントムについて萌え語りが始まったら
女は盛り上がるだろうけど、男はちょっと話に乗れないよな。
そこは空気嫁、だろう
リア厨じゃあるまいし
男性陣そっちのけにならなければ少しくらいいいと個人的には思うが。
そういや男性陣は何の話で萌え語るんだろ?
…ファントム先生?
そういや男性陣は何の話で萌え語るんだろ?
…ファントム先生?
実現するとしたらやっぱ首都圏だよね、いいなあ都会人は…
萌え語りか、自分が参加するとしたら天使様の話がしたいな。
あの作品のあそこが良かったとか。
実現したらレポよろしく。
どんな会話があったのか少しだけ教えて。
ホントいいっすねオフ会
自分も地方者なんで参加は無理だが、どんな雰囲気だったんかは興味ある
>>903 どうせ埋めなんだからここで語ってみては?
どの作品のどこが良かった?
天使様きっと喜ぶよ。
首都圏なら予定が合えばオフ会に参加したいと思ってる奴の数 →1
2。でも12月後半から長期出張だからむりぽorz
オフとかしたことないから緊張するな。嫌だな。
でも3。
お面付きでOKなら3。
うん、盛り上がりたいのは山々だが天使様じゃ無い上に
オヴァなので覆面付きでお願いします。
911 :
909:2005/11/30(水) 22:58:04 ID:aiPGtBK1
失礼、4でした。
じゃ、5。ノシ
あ、6か。>910が5だね。
最初は緊張しても、共通の話題があるから大丈夫なのでは?
しかし、共通の話題が話題だから最初はものすっごい緊張しそうだが。
7。
最初、オドオドするだろうが
都合がつけば8。
浮かなければいいんだが
915 :
一人目:2005/12/02(金) 17:35:00 ID:rrcbPdUP
皆さんいつがお暇ですか?
個人的には今月後半ならいつでも…
スマン、自分忘年会参加考え中のものだが(日にち合えばぜひ行きたいが)
天使さまっていらっしゃるのだろうか
いや、ひとめお会いしたいなとオモッテ・・・
おそらく複数いると思うよ
>916
書き手の一人ですが、日にちが合えば行きたいと思っています。
919 :
916:2005/12/02(金) 22:25:27 ID:keHoS+3J
>916ー>917 ありがとう
そっかー やはりなんとか都合つけねば・・・
週末の方が都合がいいな。
今週は無理だが…。
天使様も読み手の人もみんな一緒に会いたいし語れればいいな。
話題に乗り遅れたけど、私も今年はオペラ座に始まりオペラ座に
終わりました。
お正月は貧乏人のくせにオペラ座の怪人を見るためだけにロンドンです。
本当にこの作品と、そしてこのスレに感謝です。
地方人なので忘年会はいけないけど、こっそり応援してます。
自分も週末がいいな。
特に日曜がベターなのだが みなさんの都合はいかがなのだろうか・・・
自分も週末、特に日曜ならほぼ確実に行ける……。
みなさんはどうなんでしょうね……?
日曜なら11日じゃなきゃ行ける
場所とかどの辺がいいんでしょうか
もう土日で休みがないよ…。
都心なら20時以降で参加できるんだが…。
日曜って何時頃から?
土曜の夜ならなんとかだが。
平日は全滅。
暇人なんで金土日大丈夫
でも次の日の予定に寄る
場所は山手沿線希望
土曜なら日にちと時間によってNGかな
できれば・・・できればだが日曜だとウレシ
個室のとれるとこっていったらどのへんになるだろう・・・
都心ならどこでもとれるか
ちなみに、個室ってどんな感じをイメージしたらいい?
代議士とかが悪巧みする料亭みたいなのが浮かんできてしかたないんだ
自分・・・orz
>悪巧みする料亭
928よ、おぬしもエロよのうフオッフオッフオッ…
朝からスマヌ
930 :
563:2005/12/05(月) 22:32:11 ID:rt6nQ/if
クリス(マダム)がもらしちゃう系のSSかいてくれる職人さんはいらっしゃいませんか?!
以前若マダムのを若エリックが飲むのを読んで激しく萌えたので…
931 :
930:2005/12/05(月) 22:38:25 ID:rt6nQ/if
上の563っていうのは第三幕の563様じゃないいです!!!
ほかのスレの番号がそのままくっついちまった…スマン563よ…
女奴隷ならかける…かもしれない
いつになるかはまったくわからないが…。
女奴隷タンハァハァ
いっちょ頼むよ!
934 :
忘年会で:2005/12/06(火) 21:15:42 ID:HbtLD59Y
忘年会、みなさん予算ていかほどカナ・・・
忘年会の幹事やります
忘年会の開催候補日
18日、23日、24日、30日
開催候補地
池袋、新宿、渋谷
捨てアドを晒すので参加希望の方はメールください。
参加表明締め切りは14日の24時までにします。
>>936 感謝!
自分の参加の意志と、候補の中での
自分の希望の日にちと開催地を書いてメールだな
よし(._.) φ
938 :
幹事:2005/12/10(土) 20:37:28 ID:THHVkhWs
テンプレ作ってみた。作るってほどでもないけれど。
HN…
参加可能日…
参加可能場所…
希望予算…
時間は夕方からでいいですよね?
幹事さん乙!
自分も希望日・希望地・希望ヨサーンを書いてメールします。
932様!!!!!!頼む!!書いてくれ!!
500KBゲッツ!?
ゲットゲット
おおお、まだ書込める?
記念に!
記念!
ではまた四幕で
ヾ(´-`)ノ♪
今度こそゲッツ?
ええい一幕のコピペだ
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く;(゚∀゚)=);;ゝ フハハハハ!
λ γ⌒);;;;;;)
)ヽ、_丿;;;(;;;;;/
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(;;;;;;;;;;;;;;;;;;/(;;`ヽ
`⌒ヽ、(⌒ヽ'´ )
ヽ