【何でも】オリジナルSSスレッド【OK】

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47悠久の絆 1
「そうね、私も本当なら、もう嫁がなければいけない歳よね」
机の上に飲みかけのティーカップを置き、綾沙さんは目を伏せた。
「分かってはいるの。この村では、家を守って辛い農作業をしている男の人を支えるのが女の義務。
村の成員としての役目を果たさない私は、白い目で見られても仕方ないわ…。」
でも…、とほとんど音をなしていない呟きを漏らし、その目は壁に掛かった写真に向けられた。
 そこには、俺の兄貴が写っている。

俺と兄貴は「よそ者」だ。
親父が多額の金を借りたまま自殺し、母さんも後を追うようにして死んだ。
危ない奴らが連日押しかける家を捨て、兄貴と俺はどことも知れない駅を過ぎ、山の中を歩いて
今居る村へたどり着いた。二年ほど前のことだ。
 うっそうと茂った森の中にあるこの村は、外の世界とは完全に隔離されているらしい。
自給自足を基本として、旧態依然とした慣習を重んじる村の人間たちは、誰もよそ者の俺たちを
受け入れようとはしなかった。
 でも、ただ一人、綾沙さんだけは違う。
俺たちと同じく小さい頃に両親を亡くしたという彼女は、俺たちを村に置くように、必死で村長に
頼み込んだ。村人たちにも、一人一人頭を下げてまわった。
やがて村長たちは、長い間話し合った末、ついにその願いを聞き入れた。
こうして俺たちは、綾沙さんの家に居候しながら、村の一員として暮らすようになる。
 当時十五歳だった兄貴は、すでに大人の一人として数えられ、男達と共に村の仕事をこなした。
まだ十三だった俺は、綾沙さんと子供たちの面倒を見た。
 夕方になり、兄貴が仕事から戻ると、俺たちはいつも山菜採りをかねて三人で散歩をした。
 沈んでいく夕陽に染まりながら、あぜ道を並んで歩く綾沙さんと兄貴。
その後ろを少し遅れて歩きながら、俺はその二人の姿を眺める。
お似合いの二人だと思った。同い年で、しっかりしていて、お人好しな優しい性格も同じ。
手を繋ぎこそしなかったものの、月日を重ねるごとに並んで歩く二人の間は狭まっていった。

そして、数ヶ月前のある日。
兄貴は俺に家で待っているように頼み、綾沙さんを連れ出した。
こっそり後をつけていくと、二人は村外れにある大きな木の下にいた。
無言で見つめあい、やがて兄貴は綾沙さんの手を取って、その手首に自分が大切にしていた
ミサンガを巻く。
「これが切れた時、付けてた人の願いが叶うっておまじない。ちょっと…しょぼいプレゼントか?」
照れくさそうに頬を掻く兄貴、嬉しそうにかぶりを振る綾沙さん。
「付けてた人ってことは、このお守りには私たち二人の願いが込められてるのね。
すごく…嬉しい。じゃあ、これが切れる時は、二人が一緒にいる時じゃなきゃ」
またしばらく見つめあい、微笑んで、二人は初めてキスをした。
長いこと、お互いの感覚を求め合うように。
 
でも、綾沙さんと兄貴が一緒にいるのを見るのは、それが最後になった…。
48悠久の絆 2:2005/09/28(水) 02:21:11 ID:ZoZ3vMVT
綾沙さんの悲痛な叫びは、今でも耳に残って離れない。
ミサンガの約束を交わした翌日。
兄貴は村の男たちと一緒に山へ狩りに行き、次に見たときには、すでに人の形をしていなかった。
熊に襲われた、と男たちは言う。
その熊を退治したためか、彼らの道具はどれも真っ赤に染まっている。
あらぬ方向に手足が折れ、頭を打ち砕かれた兄貴。
その体には、無数の裂傷や痣が刻まれていた。

それからしばらくの間、綾沙さんの落ち込みようはそれはひどいものだった。
それまでと変わらず料理や洗濯などはしていたが、その顔に笑みはなかった。
 最近は少し元気になり、笑うようにもなったが、兄貴のことは吹っ切れてはいないらしく、
適齢期になって村の人間がいくら薦めても、誰とも結ばれようとはしない。
今も、俺の説得を聞き入れてはくれないようだ。
 そのことについて、村の奴らはあまり良く思ってはいないようだった。
綾沙さんは求婚を断った男にはつらく当たられ、村の他の女からもひんしゅくを買っていた。
いわゆる「村八分」の状態だ。
 村社会の成員としての義務を果たしていない、なんてのは建て前だ。
その原因は、綾沙さんが…並外れて綺麗だからだろう。
村の奴ら皆が彼女を奇異な目で見ているのは嫌でもわかる。
奴らはそれを自分の物にしたがり、また嫉妬しているだけだ。

俺の目の前に座り、寂しそうな表情で兄貴の写真を見つめている綾沙さんを盗み見る。
 今は特にそう見えるんだろうけど、黒目がちな瞳はどこか憂いを含んでいて、
でも何か言いたい事がある時には、芯の強そうな静かな光を帯びる。
 すっきりとした細面で薄い唇のその顔は、村の他の子と比べるまでもなく純粋に「美しい」。
 理知的で、整った顔だけなら直視しがたい高嶺の花、という感じを与えるが、
肩甲骨の辺りまで伸びた艶やかな黒髪を編み込みにしているために妙な幼さが加わり、
倒錯的な魅力を醸し出していた。
 肌が透き通るように白いのは、この村で女がむやみに家から出るのを嫌う風習からだろう。

不意に、綾沙さんが俺の視線に気付いたようだったから、俺は気まずくなって寝る事を告げた。
ごめんなさい、と呟く綾沙さんの横を通って寝室に向かう途中、彼女の体から微かにいい香りがした。
すぐに何の香りか思い出す。
それは、家を出る時に何気なく持ち出し、兄貴が綾沙さんにあげた香水。
母さんの香りだった。
49悠久の絆 3:2005/09/28(水) 02:22:08 ID:ZoZ3vMVT
夏が終わろうとしているのが、虫の声でわかる。
 一日の仕事を終え、薄くオレンジ色に染まった空を眺めながら農具を片付けていると、
男の一人が俺に声をかけてきた。
「おい。この後の寄合、お前は出なくていい。その代わり、村長からの頼み事だ。
山の向こうにある神社に、届け物を受け取りに行ってくれとよ」
地図を渡しながら、妙にそわそわした様子で言う。
 寄合とは村人が村長の家に集まり、その年の収穫や村の問題を語り合う、月に一度の集会の事。
そういえば、しばらく綾沙さんは寄合に呼ばれていない。村の住人と認められなくなったのだろうか。
何時間も退屈な話を聞かされる上、最近じゃ綾沙さんへの陰口を目の前で聞かされる拷問と
化していたので、俺は喜んだ。
 思えば、その時の村人の様子を、もっと注意して見ておくべきだったのかもしれない。

地図ではそんなに遠くはなさそうだったが、仕事の後で疲れているのと所々獣道になっていた事で
思った以上にてこずり、辺りが薄暗くなっても目的の神社は見えなかった。
腹が減ってきたので、道端の切り株に腰掛け、出がけに綾沙さんが握ってくれたおにぎりを食う。
美味かった。
少し前は俺も村の炊き出し係として作っていたが、綾沙さんのおにぎりは味も食感も俺のとは
まるで違っていたから不思議だった。
噛み締めるたびに、優しい甘さが滲み出る。
まるで彼女そのもののような暖かさで、妙に元気が出た。
歩く足取りも軽くなる。
 
やがて、やっと鳥居らしきものが見え、その下に村の男と同じような服を着た誰かが立っていた。
「貴方が、村からの使いの方ですか?」
良く響く声を発するその人物は、若い男だった。それも、かなりの美形だ。
俺が頷くと、どこか人間離れした容姿の男は口の端を緩めた。
 男の俺が見とれてしまうほどに理知的で整った顔立ちをしている…。
「待っていましたよ。遠路御苦労様でした。これが…届け物です」
そう言って男は、布に包まれた荷物を取り出す。
「…………。」
どうしたのだろう、俺に渡す手が震えている。男は唇を噛み締めていた。
「…せっかくなので、上がっていきませんか。狭い所ですが、一応のもてなしは出来ますよ?」
細い目に不思議な光を宿らせ、男は社を示す。
社の中からは、何かがごそごそと動く音と、低い唸りのような声が漏れている。
動物でも飼っているんだろうか。
 休むならいつもの綾沙さんの家がいいから、とにかく早く帰りたいと告げる。
男は一瞬、いや、今夜は…と謎の言葉を言いかけたが、すぐにわかりました、といい直し、
どこか悲しげな、優しい笑みを浮かべた。
俺はその顔を見て、余計に早く帰りたくなった。
 綾沙さんの笑顔を思い出したから。
 
50悠久の絆 4:2005/09/28(水) 02:23:08 ID:ZoZ3vMVT
すでに夜が更けているのに寒くはなく、むしろ生暖かい風のせいで鳥肌が立つ。
帰りは下り道が多かったので、滑り落ちはよくしたが結果的に早く村へ着いた。
もう夜も遅いし、村長へ届け物を渡すのは明日でいいかと思いながら、俺は綾沙さんの家へ向かう。
 そして、俺は予想外の光景を目にした。
綾沙さんの家の前に、大勢の男たちが押しかけていたのだ。
暗くて顔は見えないが、おそらく村の男達だろう。
俺は直感的に嫌な予感がした。
近頃、綾沙さんは村の奴らとうまくいっていない。
だから、村の人間が直接文句を言いに押しかけたのだろう、と思った。
 でも、家の裏手に回り、壁に大きく走ったひび割れから様子をうかがおうとした俺の目に
飛び込んできた現実は、そんな想像を遥かに超えていた。

最初に映ったのは、雪のように真っ白な太腿だった。
すらりとしたきれいな脚には、何も隠すものがない。
夕方までその美しい肌を覆っていた長いスカートのようなものは、足首の辺りまで下がっていて、
村の女がつけているものと同じ股布がその近くの床に落ちているのが見える。
 視線を少し上げると、ふっくらとした肌がくびれている、あれは腰か。
急いでその前の方へ目を向ける。
太腿の付け根の上から、浅黒い男の手が覗いている…。
目を凝らしてみても、ここからではその正確な状況は分からないが、その手は休むことなく動き続けて
いる。
「あっ!あぁ…うっ、や、やめて、下さい、くっ……!
どうして…どうして、こんな…こと…んっ!!」
震える女性の声がし、白い腿ががくがくと揺れる。
「まだ分からんか…。お前は、すでに大人の女となりながらも、村の誰をも受け容れん。
これは、掟に背く…村、ひいてはその歴史に対する冒涜に当たる。よって、寄合での全村民の合意を
以って然るべき罰を与える、それだけじゃ」
あの声は村長か。なんて強引な話だ。
この村が普通じゃないのは分かってたが、これはいくらなんでも無茶苦茶だ。
 でも、何故か俺の体は動こうとしなかった。
その光景に、見入ってしまっていた。
「い、いや、です!私は…誰とも、結婚する気、はありません!」
途切れ途切れに、叫ぶように言葉を吐き出す綾沙さん。
体を震わせ、なんとか股を閉じようとしているらしい。
「観念せい!おぉい、もっと開かせろ!!」
その怒声で、白い腿にたくさんの黒い腕が伸び、綾沙さんの脚はあっさりとすごい角度に開いていく。
綾沙さんから、苦しそうな呻き声が漏れた。
51悠久の絆 5:2005/09/28(水) 02:24:16 ID:ZoZ3vMVT
足を大きく開かされた事で、綾沙さんが板のような物の上に座らされているのが分かった。
もちろん、それだけじゃない。
肌色のひだの間に、驚くほど鮮やかなピンク色の粘膜が露わになっていた。
確かあの辺りからは尿なんかも出るはずなのに、とてもそんなことは想像できない。
綾沙さんの内側に、こんな綺麗なところが隠れていたなんて…。
 そこには似つかわしくない無骨な指が、無造作に繊細な花弁を押し開いた。
艶やかな蜜にまみれ、妖しく潤った秘部は、指責めがどれほど執拗だったかをよく物語っている。
村長の中指がその割れ目をなぞり、指先で蜜を掬って親指と人差し指で挟むようにこすった。
その手が高く上がる。
三本の指の間で、白い糸のような愛液が粘るのを見せつけているんだろう。
ここからは綾沙さんの顔は見えないが、息を呑む気配が伝わってきた。
「口でなんと言おうが、体は素直で、正直に応えてくれるな。お前は、女だ…。
こうして悦びを与えられ、子を残すのが、この体の定めじゃ」
聞き分けのない子供に諭すように村長が告げる。
「…っ、嫌です!村の掟に背くというのなら、…村を出ます。それでいいでしょう!?」
押さえられたままの足をわずかに動かしながら、強い口調で叫ぶ綾沙さん。
普段は物静かな喋り方をするのに、こういう時は勝ち気というか、妙な迫力がある。
でも、村長は静かに目を閉じるだけだった。
「村を出すわけにはいかん。これからのお前の仕事は、この村の住人全てを満足させる事じゃ。
これは村の総意、拒む権利はお前にはない」
村長が手を上げると、後ろに控えていた男の一人が進み出た。
いよいよ、本当に綾沙さんの純潔が散らされようとしている。
「い、嫌あ……!!」
その震える声を聞いたとき、俺は自分でも知らないうちに駆け出していた。
頭が沸騰しそうだ。
やめろ、とでも叫んでいるんだろうか。
覗いていた時から微かにしていた甘ったるい匂いが、だんだんと濃厚になってくる。
もう母さんの香りは、ほとんど分からなくなってしまっている。
家の中へ飛び込んだ俺は、急に前へ進めなくなった。
腕に痛みが走り、直後、急速に地面が近づいてくる。
俺は何が起こったのかも分からないまま、男達に取り押さえられてしまった。

綾沙さんは椅子に縛り付けられていた。
手を後ろ手に縛られ、麻で出来た上着は胸の上の方まで破り取られて、桜色に上気したこぼれるような
胸が突き出されている。乳首が赤くなり、心なしか四角く尖り始めているようだ。
額にはじっとりと汗が浮き、湯上がりのように水気を帯びた前髪がはりついていた。
その顔は、呆然としたまま、俺を見つめている。
「遅かったな。例の品は…それか。御苦労じゃった。その労苦に応え、特別によそ者のお前にも
この娘が戒められるところを見せてやろう」
「…ッざけんな、綾沙さんに触んなよっ!!」
俺がわめいて暴れても、村の男共の鍛え上げられた剛腕に敵うはずもない。
俺はされるがままに綾沙さんと同じく椅子に拘束されてしまう。
 この村に来て、毎日畑を耕して、相当力がついたつもりだったのに。
現実はこれだ。
俺は、赤ん坊と変わらない、人ひとり助けられない…。
52悠久の絆 6:2005/09/28(水) 02:25:21 ID:ZoZ3vMVT
村長と入れ替わりに綾沙さんの前に立った男が、灰色のジャージに似た作業着をずり下げ、
その下につけていた布をずらして赤黒く巨大なものを取り出した。
部屋に漂う甘い体臭に、一瞬不快感を感じさせる異臭が混じる。
それはすでに地面と水平になるほどに頭をもたげ、筋を浮き出させていた。
男は綾沙さんの唇にそれを押し付ける。
くふっと息をもらし、眉をしかめてむせる綾沙さん。
何を求められているかは分かっているらしいが、閉じた唇は明らかに拒絶の意を示している。
「やめろ!綾沙さんが嫌がってんだろ、離れろよこの下衆野郎ッ!!」
また感情が抑えられず、大声を上げた少し後。
急に鼓膜が震え、眼球が揺れる感じがした。
「ああ!!」
高い悲鳴。
これは俺じゃなく、綾沙さんが発した声らしい。
どうして綾沙さんが叫ぶんだろう…そう思う俺の頭は、世界を斜めに、そして横にとらえ、
そして熱い耳の反対側のこめかみが痛む。
妙な角度に曲がった首にうめきながら、鼻から何かが滴り落ちるのがわかった。
「だ、大丈夫!?ひどい、なんて事するんですか!!」
焦りまくった声が上から降ってくる。
ああ、綾沙さんが俺を心配してくれてるのか。
「うるさいガキを躾けただけだ。ただしこの後は、躾けで済むかはわかんねえがな。
お前が素直に従えば、何も起こらんぜ」
この声は…誰だ?
いや、誰でもいい。綾沙さん以外、皆同じだ。
 目を端に寄せ、上方を窺う。
正面に立つ男をきつい目で見据えた後、綾沙さんはおもむろに深呼吸をはじめた。
一回、二回。
何かを吐き出すように、また、何かを収めるように。
ふと、綾沙さんが目を伏せた。俺と目が合う。
覚悟を決めたその瞳には、深い意味が込められているんだろう。
でも俺には、見ないで、と言っているようにしか見えない。
しかし、目を閉じようとした途端、体が引き起こされた。
「こっからイイ事が始まりそうだぜ?しっかり見とけよ」
顎をおさえられ、まぶたを引っ張られて無理矢理に見せつけられる。
 ゆっくりと綾沙さんの目が閉じられ、代わりに薄く柔らかそうな唇が開いて舌が覗いた。
小刻みに震えながらその舌を伸ばし、薄汚れた亀頭をちろりと舐める。
はっとしたように目が開き、少し躊躇ったあと、強めに舌を押し付けて動かしはじめた。
亀頭が少しずつ唾液に濡れて照り光りだす。
舌は先端から滑り、竿の部分をなぞっていく。
横から眺めているだけでも、綾沙さんがどれだけ必死に奉仕しているかは明らかだった。
それなのに、
「なんだ、もっと真剣にやれ!口ぃ開いて、全部くわえろ!!」
男は彼女の唇の間に指を突っ込んで無理に開かせ、その中に異臭を放つ固まりをねじ込む。
 くぐもった声とともに、綾沙さんの眉が悲しそうに折れた。
53悠久の絆 7:2005/09/28(水) 02:26:17 ID:ZoZ3vMVT
「んー、んっ!くふ…う゛、んん…う…んっ……」
しきりにまぶたをしばたかせ、頬を膨らませたりへこませたりしながら、綾沙さんは必死の形相で
奉仕を続ける。
ふー、ふー、と鼻で息をする音が聞こえ、怒張が引き出されるたび、口の端から銀色に光る
滴がこぼれた。
 男はその刺激にさすがにたまらなくなったのか、乱暴に腰を使い綾沙さんの喉の最奥へと自分の
物を叩き込んでいく。
「うぉえっ!?ぉぐ、う゛ええ、あ゛うう゛・・・ッぐう、ぐぇ!!」
綾沙さんは見開いた目を白黒させ、脚を反射的に跳ね上げて身じろぎ始めた。
太腿を何人もの男に押さえられていたのに、それをはねのけたのだ。
まなじりから幾筋もの涙がこぼれて頬を伝う。苦しいんだろうな。
「おいおい、ずいぶんつらそうだな。胸もんで気持ちよくさせてやるよ」
下卑た笑いを浮かべながら、別の男が綾沙さんの胸を後ろから鷲掴みにした。
「つ゛う――ッ!!い゛、いたい゛ぃ!う、ぁ・・ぐぅ!!」
言葉とは裏腹に力一杯握り込まれた乳房は血が止まって真っ白になり、
さらに力を込めて揉みしだかれると、指の間で粘土のように形を変えていく。
綾沙さんの顔が完全に泣く時のものに変わった。
 喉の奥を突かれながら、ときおりかなり危険なのではないかと思える低いうめきを漏らしている。
ひょっとしたら何度か軽く嘔吐しているのかもしれないが、口の中を満たす肉の責め具がある限り、
それを外へ吐き出す事は出来ないだろう。
やがて、男の声が一段と甲高くなり、綾沙さんの後頭部を掴んでますます強烈に抜き差しをはじめる。
綾沙さんの苦しみの声がいよいよ切羽詰まったものになった時、男は腰を震わせて叫んだ。
「くおッ、もう出るぞ!飲めよ、こぼすな!!」
綾沙さんの顔を股間にぶつけるようにして、怒張がこれまでで一番深くねじり込まれる。
「う゛ーー!!ん、んんんッ――――〜!!!!」
肩をびくんと震わせ、顔を真っ赤にしながら、吐き出す事の出来ない濁り汁を飲み込んでいるようだ。
目を固く閉じ、懸命に喉を上下させて飲み下そうとするが、なかなかうまくいかなかったらしく、
怒張が引き抜かれた際、口内に溜まっていた液がどろっと唇から流れ出した。
男のものが吐いた粘液は、綾沙さんの可憐な口にはあまりにも多すぎたんだろう。
「まったく…こぼしすぎだ。上で飲めなかった分は、下で飲めよ?」
出したばかりだというのに、まだ男は体力が有り余っている。
そのスタミナを象徴する性器は、初め見たときは俺より少し大きいぐらいにしか思わなかったが、
すでに凶器といっていい圧倒的な長さと太さを備え、直角よりもさらに上へそそりたっていた。
54悠久の絆 8:2005/09/28(水) 02:27:22 ID:ZoZ3vMVT
男のごつい指が綾沙さんの秘裂にめり込んだ。
「さっきより濡れてるみてぇだな。これなら、もういいだろ」
ぐちゃ、ぐちゅと中をかき回し、指を抜き取ると、そこにまとわりついた愛液をなめる。
綾沙さんの座っている椅子は、すでに粗相をしたように蜜がたまり、床に滴っていた。
彼女の顔を見ると、ついさっきまで赤かったその顔からは、すっかり血の気が引いている。
「…だめ…いや、嫌です!お願いです、口でしますから、もっとうまくしますから!」
後ろ手に縛られた綾沙さんの縄が解かれた。
「分かってください!まだ諦めきれてないんです、操を守っていたいんです!!」
彼女は床に組み敷かれ、大勢の男が飛びかかる。
人垣に埋もれ、俺の視界からその美しい肢体が、愛しい顔が消えた。

  いやだああ――――――…っ!!!

この声、なんだか聞き覚えがある。
ああそうだ。
兄貴が死んだ、あの日に聞いた…
「夢みたいだな、ついにこの子が抱けるなんてなァ!」
「おお、おしめ取っ替える頃から見たもんだが、こうして成長した姿は格別だねえ」
「あんな他所モンの事なんざ、忘れさせてやるよ!ほら、もっと腰振れ」
「おい、後ろいじんのやめろ!こいつ歯ぁ立て始めたじゃねえか!」
俺はズボンが濡れているのに気付いた。出したのは少し前だろう。
だって、俺は今、完全に引いている。
いつからか声も出せず、ただ吐き気がするほどの動悸が苦しい。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごえん、なさ……んん!!」
綾沙さんが謝ってるぞ。許してやれ、いつもみたいに頭を撫でてやれよ。
兄貴、なんで死んじまったんだよ。

朝の眩しい光が家に差し込み、男達は俺の縄を解いて帰っていった。
綾沙さんは、全身をくまなく白濁液に汚されて仰向けに横たわったまま、ぴくりとも動かない。
胸はいくつもの手形が重なった形で痛々しく腫れあがり、脚の間からも大量の混合液が流れ出して
太腿を濡らしている。それは、閉じきらない後ろの穴からも溢れていた。
床の上で乾いたものの中に、いくつかうっすらとピンクに変わっている部分がある。
 俺がふらつく足で綾沙さんの傍へ寄ると、今彼女が唯一身に付けているミサンガが目に入った。
それはあの惨劇の後でもなお手首に巻きついている。
でも、俺が触れたとき、それはぼとっと床に落ちた。
 涙がこぼれた。思い当たる事が多すぎて、原因はわからない。
仰向けに倒れたままの綾沙さんの横に座り込み、幼い子供のように泣きじゃくる。
「ごめん…ごめん、綾沙…さ…俺、ごめん…」
俺はひたすら謝り続けている。すると、頭が優しく撫でられた。
綾沙さんの閉じていた目が開き、優しい、でも焦点の合っていない瞳が俺の方を向いている。
「ほら、泣かないの…。何も悪い事はしてないわ…」
抑揚のないその言葉を聞くと、よけいに涙が止められなくなった。
「ミサンガ…切れた」
必死で涙を拭い、頭の悪そうな言葉とともに、握りしめたミサンガを綾沙さんに見せる。
綾沙さんはしばらくそれをぼんやりと見つめていた。
「………うん…でも、これで願いが、叶う、のよね…。どんな、願いかな…。」
途切れ途切れに言い、少し嬉しそうに、いや多分俺にそう見えるように笑った後、
薄く開いていた目の中から急に黒目が消えた。
違うんだ…綾沙さん。
ミサンガは、無理にちぎっても何の意味もないんだ。
俺は、壁に掛けてあったふきんを取ると、何も考えないようにして黙々と綾沙さんの体を拭き清めた。
55悠久の絆 9:2005/09/28(水) 02:28:22 ID:ZoZ3vMVT
それからというもの、綾沙さんは村中の人間の玩具だった。
男衆にはその体を目的に襲われ、女共にはその美貌を理由に虐げられていた。
俺はもちろんやめさせようとしたが、一度敵わなかった力に急に勝てるほど現実は甘くはなく、
結果としていつもその場面を見せつけられるはめになった。
 今も綾沙さんは、自分の容姿に自信がない為かやたらと突っかかってきていた女数人に家畜小屋に
連れ込まれ、その理想的な裸体をさんざんに嬲られている。
俺は柱に手を縛り付けられたまま、遠くにそれを見ているしかない。
「また一段と溢れてきたわね。男の人に抱かれすぎて、おかしくなってるんじゃないの?」
四つん這いになった綾沙さんの股下に顔を埋め、じっくりと秘所を責め立てていた女がいやらしい
口調で言った。
「…もう、いいでしょ…?いい加減にやめて、お願いよ…」
顔をしかめて何かに耐えながら、弱々しく綾沙さんが呟く。
すっかり疲れきっている様子だ。
両脇にいる女共が、綾沙さんの乳房をゆらゆらと揺らすように刺激しつつ、体中に舌を這わせている。
うなじや耳などを舐められるたび、綾沙さんは切なそうな呻き声をあげた。
「やめて、だってぇ?ふん、よく言うわ。物欲しげに腰が動いてるのは一体何なの?」
さっきの田舎女がまた綾沙さんを辱める。
確かに、彼女の顔や指が離れる瞬間、綾沙さんの腰が少し下がる。
でもそれも仕方なかった。
ここから様子を見る限り、もう何時間もあいつは絶頂の瞬間まで綾沙さんを追い詰めてから
急に放置するということを繰り返しているからだ。
そして綾沙さんのぶるぶる震える太腿や、半開きになって涎を垂らす唇を見て、
売女だとか死んだ方がいいとか、口々に信じられないほど口汚い言葉で延々と罵り続ける。
 俺は、初めて綾沙さんが汚されたあの夜以上に目の前の光景に恐怖していた。
女の嫉妬心が、これほどまでに強く、歪んだものだったなんて…。

しばらくすると、戸を震わせて小屋の中に風が吹き込んできた。
ひゅおうと鳴る、夕方の冷たい風だ。
 すると、急に綾沙さんが焦ったような声を上げた。
「あらー、どうしたの?」
とぼけたような口調で、綾沙さんの秘部に指を入れて何かをつまむようにぐりぐりとうごかしながら
女が聞いた。
「あ、だ、だめ、離して!トイレに行きたいの、もう出ちゃいそうなのよ!!」
必死に叫ぶ綾沙さん。
それはそうだろう、朝から素っ裸のまま秘所を弄られ続けていたんだから。
また割れ目に舌を這わせていた女は、それを聞くと嬉しそうな笑みを浮かべ、他の女に目配せした。
「そう、じゃあ遠慮なくすればいいわ。あんたみたいなのの便所は、ここで十分よね!」
そういうと、綾沙さんの真っ白な尻肉を平手で思いっきり叩きはじめた。
他の女も背中や頬を張っている。
「うぅ、ああああ!!」
悲鳴をあげた綾沙さんは、しばらく歯を食いしばって耐えていたが、
結局太腿をかすめてほとばしる黄金色の液体を止めることはできなかった。
56悠久の絆 10:2005/09/28(水) 02:29:13 ID:ZoZ3vMVT
組んだ腕に顔をうずめすすり泣く綾沙さんを囲んで、女共はさもおかしそうに大笑いしていた。
間違いなく心を病んでいる。
ひとしきり笑いものにしたあと、その中の一人が最悪な提案をした。
「ねぇ、どうせならもっとすごいものも出させよっか」
他の女共がその意見に反対するわけもなく、またおかしな騒ぎをはじめる。
四つん這いのままの綾沙さんの下腹部を二人が膝を立てて支え、尻を高く持ち上げる姿勢をとらせた。
別の奴は頭や首を押さえつけ、さらに別の女が小屋の端から何かを持ってきた。
それは、藁を掻き集めるための農具だ。
女はそれを持ったまま、綾沙さんの後ろへ回り――
「――痛いいッ!な、何入れたの!?いやあ…う、動かさないで、裂けるー!!」
頭を押さえつけられた本人にはわからないが、今彼女の直腸には、平均的な男性器より一回りは太い
農具の柄が深々と突き込まれ、がしがしと出し入れされている。
綾沙さんは掌を握りしめ、極太の柄が突き入れられるたび、痛い、痛い、痛いと繰り返す。
「さっさと出しなよ、ほら、ほらぁ!」
二人がかりで綱引きのように強引な抜き差しをつづける。
たまに綾沙さんの腰が持ち上げられることから、そこにどれほどの力が加えられているかが窺えた。
「ううー、あぁ、ふかいぃ!!ぬいて、腸がおかしくなるわ…うあ!
もうやめて、もう突かないでーー!!」
綾沙さんの余裕のない声に合わせるように、その腹部から、グル、ギュルという音が漏れ始めていた。
限界は近い。
「もう一息ね…いい鳴き声だけど、いい加減出しちゃいましょうか!!」
柄を握る力を強め、いよいよ乱暴に叩き込んでいく。
引く長さをおさえ、断続的に腸の奥を抉りまわす。
「いたいっ!ん、だめぇ…っう〜〜、お願い、み、見ないでぇーーーー!!!」
綾沙さんの腰がびくんと跳ね上がり、部屋に異臭が漂った。
「っは、きついわねー!小奇麗な顔の割に、お腹の中は腐ってんのね」
顔をしかめ、あーやだやだ、とこぼしながら、てきぱきと後片付けを始めた。
軟便が落ちた場所には、あらかじめ大量の藁がしいてあったらしく、後始末は割と簡単に終わる。
でも、綾沙さんは、小屋の床にへたりこんだまま、いつまでも動こうとはしなかった。

次の日も、その次の日も、この女共は男達に夜通し嬲られた後の綾沙さんを徹底的に辱めた。
村にある棒状のものなら何でも突っ込んだし、まだ小さい子供たちを連れてきて、
綾沙さんの膣に腕をめり込ませて遊ばせたりまでしていた。
この子供もやっぱり普通じゃなく、数日前まで毎日自分の世話をしていた少女が泡をふいて苦悶する
様を見て、本当に可笑しそうに笑うのだった。
 俺は、一日中何度も何度も絶頂を極めさせられ気絶する綾沙さんが、いつ壊れてしまうかと
気が気でならなかった。
57悠久の絆 11:2005/09/28(水) 02:30:01 ID:ZoZ3vMVT
「もうすぐ、十五夜ね」
突然の声に、俺は心臓が止まりかけた。
いつの間にか、布団の上で綾沙さんが起き上がって月を見ていた。
 数日前、村の奴らが十五夜の日に行う祭りの準備のために綾沙さんを手放した隙に、
奴らの目を盗んで家へ連れて帰ってきたんだ。
俺が手伝って丹念に湯浴みをしたおかげで、久しぶりに綾沙さんは綺麗な髪や肌を取り戻していた。
まだ頭もしっかりしているらしく、俺は心底ほっとしている。
 お腹がすいたというから、ほとんど水と変わらない粥を作って二人で食べた。
すっかり消化器官の弱っている綾沙さんはこれぐらいでないと受け付けないし、
俺も匙すらまともに扱えず水粥に咳き込む綾沙さんを見て、まともに食う気は起きないから。
食事の後、綾沙さんは妙に潤んだ瞳で俺を見つめていた。
 そして、信じられない事を口にする。
「……体が、変に熱いの。ねえ、……一緒に寝ない?」
連日体を弄ばれ、悦びを目覚めさせられたんだろう。
俺にだから、そんなことを言ってくれるのか?
それとも、ただ一人の雄として…
いや、どちらにしろ、それは兄貴を裏切る行為だ。受け入れるわけにはいかない。
どんなにその華奢な体を抱きしめたい衝動に駆られ、彼女が他の男から内に受けたおぞましい汚辱を
この手で払拭したいと思っても。どうしてもそれはしちゃいけない。
したくない!
 やがて自分の言葉に気付いて愕然とする綾沙さんをなだめ、なんとか眠りにつかせた。
顔にはまだ疲労の色が濃いが、寝息は静かで規則的だ。
髪を下ろしているので、その顔はいつもよりいくぶん大人びて見える。
上下するふくよかな胸を見ているうち、俺はまた変な気分になってきて目を逸らした。
 その先には、割れたティーカップがあった。
三つセットのカップで、割れているのは…兄貴の使っていた、青いやつだ。
部屋にはそれだけじゃなく、色々なものが壊され散らばっていた。
壁の兄貴の写真も破り捨てられている。
特に損壊の激しいものは、どれも家を出るときに持ち出した、思い出の品だ。
俺は居たたまれなくなって家を出た。
 綾沙さんの傍にいるべきかもしれないけど、しばらくは祭りの準備で村の奴らは来ないだろうし、
家に俺がいたって、事が起こったとき彼女を助けてあげられる力はない。
密かに村から二人で逃げ出したくても、そう大きくはない村だ、それは無理だろう…。

行くあてもなく、ただ延々と続く地面を追って歩き続けていると、やがて見覚えのある鳥居が
見えてきた。
その下には…やはり、あの人の姿がある。
「おや、あなたはあの時の…。どうしました、何か困り事でも?」
また、あの不思議な笑顔。
でも今は、眩しすぎる笑顔だった。
「いえ…何でも、ありません…」
この人が嫌いなんじゃない。俺は多分、他人が怖くなってるんだ。
 背を向けて帰ろうとする。
でも俺の足は、後ろから掛けられた一声で止められた。
「綾沙を助けたいですか」
振り返ると、笑顔の消えた端正な顔が俺を見据えていた。
男は社を示した。
「上がっていきませんか」
58悠久の絆 12:2005/09/28(水) 02:30:48 ID:ZoZ3vMVT
社の中は、外から見たよりも広く、やはり前に来た時に聞いた妙な音が奥の部屋からしている。
俺は床にあぐらをかいて座り、単刀直入にきいた。
「綾沙さんを、彼女がどうなっているかを知ってるんですね!?」
彼は正座し、静かに頷いた。
「分かっていますよ…昔から、そうですから」
昔から?と聞き返すと、彼は真っ直ぐに俺を見つめ、一呼吸置いて続けた。
「この村の人間は、実はすでに亡者と化しています。あなたはまだ実感がないかもしれませんが、
彼らはもう百年以上も年を取っていません」
急な展開に、俺の頭は早くも混乱しかける。
でも言われてみれば、この村の子供はいつまでも大きくなっていない気もする。
「奇怪な話ですが、事実です。むかし私が調べたところ、いつからかこの近辺の空気に有害な物質が
含まれるようになり、流行り病のように人体に影響を与えていったようです。」
俺は黙って続きを待つ。
「私は植物学者で、二十年以上前、同僚の女性とともにこの辺りの生えている薬草を調べにきました。
そして、村人の病のことに気付き、調べていった末にこの村の儀式について知ったのです。
この村の者は、二十年に一度の満月の夜、体が元に戻る…寿命を迎えようとします。
止める方法は一つ、村人でない娘を祭りの生贄とし、前に貴方に渡したものを飲ませて交わること。
男は娘を抱き、女はその男に抱かれることで村人は死を免れます。
しかし、その薬を取り込み犯された娘は、二度目の破瓜。心が破れます――このように」
そういって男は奥の部屋へ続く戸を開け放つ。

そこには、若い女の人が一人、自分の割れ目を指で弄り、獣のような声を上げて床を鳴らすほどに
悶えている姿があった。
その顔は…綾沙さんにそっくりだった。
「私と共に村へ来た女性です。一度は儀式を免れたのですが…。
あなたに渡したものの中身は、三代前の贄にえらばれた少女から分泌された卵子です。
かつて贄となり、完全に堕ちた娘の時が経った卵子を飲む事で、新たな贄が生まれる…
昔から、そうです。」
俺は言葉も出せず、近い未来愛しい人がなるかもしれない姿を凝視していた。
「村人達の行動は、実は割と単純なものです。満月の日が近づくと、男は娘に体を馴染ませるために
日々抱きつづけ、女は娘が堕ちやすくするために精神を追い詰める。
まあこれはあくまで潜在意識レベルの話ですが。
…そして。もし村の者でない男が贄に手を出しそうになると、その存在を消します」
俺は最初、その言葉の真意が分からなかった。
しかし、すぐに気付く。
数ヶ月前の光景が脳裏によみがえる。
確かに色々おかしかった。
熊と争って重傷を負ったのが兄貴だけというのは、少し不自然だとは思った。
熊の仕業にしては、兄貴の全身に刻まれた傷は細かすぎる。
目頭が熱くなってきた。
 …なんて事だ。あいつら…兄貴まで…!!
59悠久の絆 13:2005/09/28(水) 02:31:40 ID:ZoZ3vMVT
「…思い当たる事があるようですね。済みませんが、続けて話を聞いて下さい。ここからが本題です。
綾沙を助けるには、薬を飲ませない事です。薬は村長の家にある筈ですから、気付かれないように
中身をこれとすりかえておいてください」
彼が取り出したのは、透明な液体の入った容器だ。
「これは、そこにいる彼女から採ったばかりの分泌液です。これならば、まだ害はありませんから。」
どちらにしろ飲みたくはないものだろうが、この際仕方ない。
「これを飲ませて交わっても、男たちの体の変化は止まりません。そのうち村人が弱ってきますから、
その隙に綾沙を連れて逃げて下さい。」
俺は、今まで聞いた話を頭の中で繰り返していた。
そしてこの時初めて、俺の理解との根本的な食い違いに気付いた。
「ちょっと待って下さい、綾沙さんも村人の一員じゃないんですか?」
すると彼は、表情を曇らせる。
そして、しばらくの沈黙の後、呟くように言った。
「綾沙は、私と、そこにいる彼女との間に出来た子供です。
もっとも、村ではこの場所と私たちは特別なので、あの子は知らされていないでしょうが」
俺は、それを聞いて、ああ、と思った。薄々気付いていたのだろう。
綾沙さんはあの女の人の顔に、この人の雰囲気を確かに持っている。
なら、何故彼が綾沙さんを助けないのか。
その問いに、彼はまた悲しい表情になった。
「私は長くこの地に居過ぎました。私と彼女は、さっき話した方法で何とか村の入り口までは
逃げられたんですが…村人たちが哀れに思えて、最後の最後で躊躇して捕まってしまったんです。
私はここに監禁され、後に用済みとなって同じくここへ捨てられた彼女と初めて交わりました。
そして生まれ、村に預けたのが綾沙ですが、そのときはまだ普通の人間だったんだと思います。
ここの村人には、生殖能力はないようですからね。しかし今は、歳も取らず、物を食べなくても
生きていけます。本来なら村人も物を食べる必要はないはずですが、あれは普通の暮らしをしていた
頃からの習慣でしょう。…とにかく、こうなっては、もうこの神社から出る事はできないんです」
そして彼は、俺の手を取って言う。
温かい手だった。
「かつてこの状況下で、贄と関係の関係を疑われず、生き残ったのは私とあなただけです。
そして、あなたは私のようにならず、綾沙を連れて外へ逃げて下さい。
ここの空気を吸わなくなれば、あなたはもちろん、村の男と交わった綾沙も、強い心を持ち続ける限り
大丈夫なはずです。
村人の苦しむ姿は凄惨ですが、立ち止まっては二度と元の世界へは帰れません。
あなたなら、きっとできるはずです。娘を、頼みます」

俺が、助けられる…綾沙さんを。
そう思うと、頭が熱くなってたまらなかった。
息が出来ないくらい気分が昂ぶっているのを感じる。
俺は頷き、立ち上がった。
最後に親父さんは、俺に向かって言った。
「それからもう一つ。この村の住人は、特に満月の夜、外の世界のものを極端に嫌います。
危なくなったら、思い出してください。」
俺は礼の言葉を告げて村へ駆け出した。
俺にできる、初めての事のために。
60悠久の絆 14:2005/09/28(水) 02:32:33 ID:ZoZ3vMVT
かがり火がたかれ、村の中央にある石造りの舞台が夜の闇の中に浮かび上がる。
俺は村外れの大きな木に登って様子をうかがう。
登るのには結構苦労したが、ここなら外から俺の姿は見えないし、逆に俺は枝や葉の間から
石舞台の様子をありありと見る事ができた。
何人かの男が邪魔な俺を探しているようだったが、やがて諦めたらしく石舞台へ戻っていく。
 やがて、村長の合図と共に男達に両腕を掴まれた状態で、引っ立てられる罪人のように綾沙さんが
舞台に上がった。
 これから俺は、村の奴らに隙ができるまで、ここで最後の陵辱劇を見届けなければならない。
そう、最後の、だ。
これ以降、誰も彼女に触れさせはしない。
 
綾沙さんは、体に掛けられていたシーツのような布を取られ、全裸になってぶるっと震えた。
そこへ、何やら黒ずんだ縄の束を持った女が近づく。
強張る綾沙さんの頬をすっと撫で、手慣れた動作で彼女の体に縄をかけ始めた。
縄は首へ掛けられ、背中に回り、また胸の方へ返るという不規則な動きをしている。
それはまるで黒い蛇が綾沙さんの肢体に絡みつくかのようだ。
そして、胸の前で手首も幾重にも縛られる。
 上半身をきつく戒められた綾沙さんは、恥ずかしそうにうつむき、足をそわそわと組み替えた。
前に揃えて縛られた腕が胸を挟み込み、さらに上下の縄がくびり出しているため、
形のいい乳房がはちきれそうになっている。
寒いはずなのに、その肌はすでに紅潮し、うっすらと汗まで浮いていた。
なんともいえず煽情的な姿だ。
いつか見た、椅子に縛られた姿よりも、ずっと。
 綾沙さんを連れてきた男達がその体を押さえ、石の床に膝立ちになるように力を加えたようだ。
膝ががくんと折れ、床についたのを見て、さっきの女と入れ違いに別の男が綾沙さんの横に立った。
その手には、俺が中身をすり替えた容器が握られている。
男は荒っぽく綾沙さんの鼻をつまみ、おもわず開いた口にその中身をとろとろと流し込む。
全てを注ぎ終えると、すぐに手で口を塞いでしまったため、綾沙さんは戸惑いながらもそれを
飲み下すしかなかった。
 俺はその行為の無意味さに密かにほくそえんでいたが、すぐにその気持ちは萎えた。
彼女は知らないんだ。
いま自分の喉を通っていったものが、死んだと思っている実の母親の愛液だということを…。

綾沙さんが完全にその液を飲み込んだのを確認すると、村長が何かを叫んだ。
途端に、それまで身動き一つせずに様子を見守っていた他の村人達が大騒ぎをはじめる。
あの時と同じように、一斉に綾沙さんを取り囲んだ。
違うのは、今度はその中に女も加わっている事と、俺から綾沙さんの様子がはっきり見えるという事。
 男の一人がにやついた笑いを浮かべながら、綾沙さんの背中をつきとばす。
そして四つん這いになった彼女に後ろから覆い被さるようにして、いきり立ったものを何の配慮もなく
濡れているかどうか分からないところに突き入れた。
綾沙さんの肩がびくっと震える。
周りの葉のざわめきがうるさくて声は届いてこないが、その口は苦しそうに開かれている。
 そして、男は腰を使い始めた。
61悠久の絆 15:2005/09/28(水) 02:33:26 ID:ZoZ3vMVT
綾沙さんの腰を抱え込むようにして腕を回し、胸を乱暴にこねまわす。
やがて男は大袈裟に腰を揺らしながら、その動きを止めた。
深く突き込んだ状態のまま、体を震わせている。
男が体を離すと、肘をついて尻をつき出した格好のままの綾沙さんを、すぐに別の男が抱きかかえた。
この男は綾沙さんをまんぐり返しの状態にし、さらに腰を掴んで持ち上げて、上から秘裂を割り開く。
周りの男達は、綾沙さんの照り光る汗が体の不規則な上下運動で飛び散るさまを、
一様に股間のものを反り立たせて見つめている。
 二人目の男が果てた後、また新たな男が綾沙さんを抱え上げた。
石舞台の床に白いものが滴り落ちるのが見える。
そのまま椅子に座らせるかのように剛直に割れ目を押しつけ沈めていく。
と、ここでまた別の男が近寄っていった。
もちろん前の男は、まだものを抜いてはいない。
そのまま二人の男は、何かを相談しているらしかった。
そのうち、じっと会話を聞いていた綾沙さんが目を見開き、何かを拒絶するかのように激しく体を
ばたつかせだした。
しかし、男に体内を深くえぐられている状態では逃げる事は叶わない。
後ろから突き込んでいる男が綾沙さんの太腿を高く持ち上げた。
新たな男は、そのまま秘裂に逸物をあてがい、ゆっくりと押し込む。
 俺は最初、二穴責めかと思った。
でも奴等の目的を考えた時、それは違うとわかった。
今、奴らが綾沙さんの体で用があるのは、その生殖器――膣だけなんだ。
初めて綾沙さんが輪姦された夜のように、口や肛門を犯さないのはそのせいだ。
 綾沙さんは縛られた腕を曲げ、肘から先を目の前の胸板に叩きつけていた。
もちろん大の男がそれぐらいでひるむはずもなく、逆に男二人の厚い胸板に圧迫されて、
彼女の飛び出した膨らみが押し潰されていく。

狂気の宴は終わることも、途切れる事もなく続いた。
男達はしばらく精を溜め込んでいたのか妙に達するのが早く、入れ替わり立ち代わり思い思いの体位で
綾沙さんを愉しんでいる。
女共は一度果てた男と交わったり、犯されている綾沙さんの所に集まり、その胸やクリトリスを
同性ならではの巧みさで責め上げている。
事実、綾沙さんは男達の激しい抜き差しよりも、あきらかに女共の手技のほうを嫌がり、
腰をよじり、背をのけぞらせてもがいていた。
彼女が上げる嬌声は、いつしか俺のところに届くほどに大きくなっている。
このままじゃ、薬なんか関係なく綾沙さんが狂ってしまうんじゃないかと思えた。
 
どれほどの時間がたっただろう。
すでに男達は一巡して綾沙さんを犯し終え、女共は全員その精を体に受けていた。
その中には、もちろん子供も含まれている。
そしてその内の何人かは、二回目をしようと息も絶え絶えの綾沙さんにむしゃぶりついた。
 その時だった。村人達の中で様子のおかしい奴が何人も出てくる。
ここにいてもはっきりと聞こえる奇声を発し、喉や頭、手首などを押さえはじめた。
なんとそこの皮膚は乾燥しきった地面のようにひび割れ、骨が覗いて鮮血が噴き出している。
その傷を中心に、葉脈のようなどす黒く変色した筋が浮きあがっていった。
急速に血の気が失せ、顔がへこんでいく。
肉体の限界だ。

俺は木を滑り降り、血を浴びながら何が起きているのかわからず、うろたえて辺りを見回す
綾沙さんの手を取って駆け出した。
62悠久の絆 16:2005/09/28(水) 02:34:23 ID:ZoZ3vMVT
凄惨なんてもんじゃない。
あっちこっちで人間が出すとはとても思えない音階の声が響き渡り、
足を引きずりながら村中の人間が綾沙さんを狙って迫ってくる。
子供が叫ぶ声、ほとばしる血…ここは何の戦場だろう。
山の向こうから、絶叫が響くのが聞こえた気がした…。
でも止まるわけにはいかない。
腰の抜けた綾沙さんを抱え上げ、優しい心からくるその言葉に耳を塞いで村の入り口へ走る。
 立ち止まっては、二度と元の世界には帰れません。
その言葉だけが頭を巡る。
綾沙さんと無事にこの村を出ること、それが俺にできるただ一つのことだ。
俺のために、綾沙さんのために、彼女の両親のために。
そして――兄貴のために。
村の入り口はもう目と鼻の先だ。
これでやっと、この悪夢から逃れられる…
そう思った時、腕の中の綾沙さんの体が急に重くなったような感覚が襲った。
彼女が叫び声をあげる、その体に目をやると…細い足首を、赤黒い手が掴んでいる!
村長の手だ。老人だというのに、なんという体力、そしてなんという精神力だろう。
肩口から血を吹き、その体を真紅にそめてなお、物凄い力で綾沙さんを引っ張ってくる。
「お前も、か、小僧!贄をよこせ、余所者ォ!!」
歯を剥き出しにし、血の泡をふきながら叫んでいる。
手を離させようとしても、信じられない握力でとてもどうにかなるものじゃない。
足首に深い皺がより、真っ赤に充血した皮膚が裂ける痛みに綾沙さんは泣き叫んでいた。
他の村人達も視界に入る範囲まで迫ってきている。
追いつかれるのは時間の問題だろう。
今すぐ何とかしなければ、本当にどうしようもなくなってしまう…!
 その時、俺は綾沙さんの父親の言葉を思い出した。
 ――この村の住人は、特に満月の夜、
      外の世界のものを極端に嫌います――
外の世界のもの…今着ている服はこの村のものだ、トランクスを脱いでいる時間なんてない。
俺は必死になって服を探った。
帯に何か紐のようなものが挟まっている。
引き寄せられる力が一層強くなった。もう一刻の猶予もない。
俺は、一縷の『願い』を込めて、それを村長にめがけて投げつけた。
「ッぬ、ぐあああっ!!?」
それは村長の目に当たった。
触れた場所から湯気らしきものが噴き上がり、村長はたまらず両手でそこを押さえる。
その隙に、俺は綾沙さんを再び抱え上げ、村の出口へ駆けた。
そして門を通り抜ける最後の一瞬、村長から俺と綾沙さんを守ったものを振り返る。

そこには、切れた兄貴のミサンガがあった。
63悠久の絆 綾沙17歳:2005/09/28(水) 02:35:58 ID:ZoZ3vMVT
綾沙さんからの手紙が届いた。
最初に比べ、見違えるほどに文字が上達している。
でもやっぱりまだ、漢字は苦手のようだ。
内容は、自分が元気でやっていること、友人に聞いた面白い話、俺も上手くやっているかということ…
そして、兄貴の墓参りに行こうという誘いだった。
 あれから十年。
俺と綾沙さんは、しばらく小さな町に一緒に暮らしていた。
平仮名さえ知らない彼女に読み書きを教え、その他社会で必要な様々な事を教え込んだ。
物覚えのいい生徒で、教える側としても楽しかった。
そのうち彼女にも知り合いが増え、俺は家を出た。
一緒にいると、たまらない気分になる。
いつ襲ってしまうか、俺にもわからなかった。
そのぐらい、俺にとって綾沙さんは、特別で、近い存在になってしまっている。
 彼女の容姿は、多くの男を引き付け、言い寄られる数も並ではなかった。
さらに、何度か彼女の家に遊びに行ったとき、おそらく一人で慰めているんだろうと思わせる
痕跡がいくつも見受けられた。妖しい道具も何度か見かけた。
 しかし、彼女は今でも、誰ともくっつく気はないらしい。
彼女は他のどの男よりも、俺に好意を寄せてくれているようだ。
でも俺には分かってる、俺は彼女の中で一番にはなれない。
それで…いい。

待ち合わせの場所にいた綾沙さんは、昔と同じ、いやそれ以上に綺麗だった。
三十路近くなり、大人びていた美貌はいよいよもって眩暈さえするほどに磨かれ、
髪に軽くウェーブをかけているせいか、落ち着いた淑女然とした雰囲気の彼女は、
とても俺なんかが一緒に歩ける相手じゃないはずだった。
それでもその笑顔は、あの頃と変わらず、優しく俺を包み込んだ。

セミが騒がしく鳴いている。
その声以外は静かで、村はのどかなものだった。
数年前、綾沙さんにどうしてもとせがまれこの村へ戻った時の事を思い出す。
辺りには村人達の変わり果てた死体が転がっていて、俺たちは二人でその全員の墓を作った。
この村で初めての墓を。
兄貴と綾沙さんが約束した大樹の根元にも、あの神社の境内にも、何人もの白骨が埋まっていた。
おそらく、これまでの贄と、それに関わった男達だろう。
 あの人たちも、すでに息はなかった。
繋がったまま息絶えた両親を前に、初めていくつもの事実を知り、愕然とした綾沙さんの顔…
これも、俺は忘れることはないだろう。
俺達はこの村の事を誰にも話さない。
この村を知るのは、世界中で俺と綾沙さんだけだ。

村外れにある兄貴の墓についた。墓といっても、盛った土の上にでかい石を置いただけだ。
石の頂点に、切れたミサンガが供えてある。
墓前に手を合わせ、綾沙さんと二人、兄貴に語りかける。
 ――俺達がこうして生きているのも、兄貴のおかげだ。
 これからも俺達は、兄貴の分も生きていく。
 だから兄貴、俺達がそこへいくまでの長い間、眠って待っててくれよな…。
いつの間にか日が暮れ、肌寒くなってきた。
「帰りましょう」
綾沙さんが笑った。

沈んでいく夕日に染まりながら、あぜ道を並んで歩く綾沙さんと俺。
その少し後ろの方で、風がひゅうと口笛を鳴らした。
どちらともなく俺と綾沙さんは手を繋ぎ、村を後にして歩き続けた。


                 おしまい