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229 ◆COP8/RAINs
魔法少女物です。
長くなりそうですが、このスレの住人の皆さんに愛されるような小説を書きたいものです。
触手属性のない人にはきついかもしれませんが、その時はスルーでおねがいします



一話目 birth_of_the_slauterWizard

それは残酷な出来事だった。
地獄めいた太陽が血の涙を垂らし、ビル郡の影に溶ける夕暮れ。
少女は初めて化け物を殺した。

その異界めいた化け物を、少女は未知の力で、こそぎとった。
血のしぶきを浴びた杖がただ一振り。
少女の手に収まっている。

もう一度言おう。
それは残酷な出来事だった。
少女は友人を抱きしめ、声を押し殺して泣いた。
その嗚咽が友人に届いたのかはわからない。
友人は混濁した意識を瞳に宿しているだけだったのだから。


disaster        Manami_the_slaughter+Wizard
----------------------------------------------No.1
230 ◆COP8/RAINs :2006/08/20(日) 00:06:44 ID:7INqKDRD

「ランちゃん。さむいね〜〜」
そういって、真っ赤なダッフルコートをバサバサさせながら笑う少女。
背中にしょったリュックサックから、木刀が飛び出していることをのぞけば、ただの少女だ
名前はマナミ。背は現役女子中学3年生にしてはやや低く、頬はリンゴみたいに赤い。
勉強はできなくても剣道の腕前は学校一。でも恋には奥手。
典型的なただの少女だ。

「ホント寒い。寒すぎる」
ランが答えて笑う。めがねっ子で背が高い。
ガリ勉で。だから当然のように運動はダメ。
それでも背筋がビシッと伸びているおかげで、制服のブレザーもビシッと決まる。
モデルのような少女。俗に言う完璧ちゃんだ。
おかげで友達はマナミしかいない。
欠点だらけでも人は避けるけど、完璧すぎる人間はもっと避けられる。
とてもかわいそうな子なのだ。

そんな二人は、お互いの孤独を埋めあうようにぴったりと寄り添って歩いている。
ランはマナミのブレザーのポケットに手を突っこんでいる。
ポケットの中で二人は手をつないで、お互いの手の感触を確認しあっている。
黄昏がひなたの温みを奪い去っていく、そんな秋の夕暮れだった。

学校が終わって、二人は帰り道をトボトボと歩いていた。
背丈に差があるから、寄り添う姿はまるで大人と子供みたいだ。

そんな二人の帰路を
血塗られた混沌が、真っ赤な太陽を深夜の暗闇に変えた。

一瞬にして、太陽は姿を消した。
それが、雲に隠れたのであればどれだけよかっただろう。
現実は非常で、いつだって少女たちの思い通りにはならない。
今、少女たちに降りかかった災難は、少女たちの経験する中でもっとも苛烈なものだろう。
ソレを運命と呼ぶのなら、なんたる凄惨さか。
少女たちには退路はなく、暗がりと血と陵辱しか残されていない。

ドンッ。
地響きがした。
手狭の住宅街に、唐突に現れたそいつは、少女たちをはるか上方から見下ろしていた。
そいつは巨大で醜悪であった。
少女達は地響きの主を見つけ、言葉を失った。
「なに・・・・・・あれ・・・・・・」
マナミはヘタヘタと地面に座り込みそうになった。
ランは震える声を押し殺して、マナミを抱きしめた。
「大丈夫だから・・・しっかりして・・・」

常軌を逸したその化け物は、全身に無数の突起を持っていた。
その突起は、哺乳類の持つ生殖器に酷似している。
それゆえにその突起が何をなすためにあるものなのか、
否応なしに考えざるを得ない。醜悪な肉塊だ。
禍々しい。
それゆえに、醜悪な機能美がその化け物にはあった。
たとえば。息苦しさを二人は感じていた。
かすかに鉄の味と魚の腐ったような臭いが二人の口内に広がっていた。
息を吸い込むほどに、二人は吐き気をおさえられなくなっていた。
それは化け物の発する瘴気であったが、二人にそれを知るよしはない。
231 ◆COP8/RAINs :2006/08/20(日) 00:08:36 ID:7INqKDRD
二人は、化け物が何をしようと考えているの理解していた。
しかし。化け物の接近する中、二人は恐怖に襲われ、動けなかった。
さながら、蛇ににらまれたかえるのように。ただガクガクと体を震わせるのみ。
蛇に似た触手を化け物は伸ばしてきた。

マナミは木刀を構えるが、剣先は震え、狙いは定まらない。
「何やってるのよ、マナミ。逃げて!!」
ランはマナミの木刀を取り上げて、触手の前に立つ。

化け物は触手を振るい。
木刀をたたき折った。
「きゃあああっ」

剣先のない木刀を、それでも化け物に向けるラン。
半ば恐慌状態に陥ったランの剣哉は、まったく化け物に届く気配はない。
触手の切っ先がランの頬をなでた。ブラウスに粘ついた液が落ちる。
「ひっ、なにをするのよぉっ」

ランは木片を振るい、触手を払いのける。
しかし弾性を持つ触手は木片伝いにランの手首をつかみひねりあげられてしまう。
「いっ、いた、いっ……たい」
可動域を超え、強引に曲げられた関節が悲鳴を上げる。
「ちっ、ちくしょうっ」
ランは痛みを避けるため、ひざを突いた。
ランの腹部を触手が打ち据える。
ランは腹部を抑えることも出来ず、そのまま地面に倒れてしまう。


制服を引き裂き、衣服の隙間から触手が這い上がってくる。
ズッ、ズッ、ズッ。
日光を避ける人種特有の、やや細く筋肉の厚みを感じない太ももの上を這っていく。
「いっ、いやぁぁぁぁっ」
一言で言えば、触手はある種の粘性を持っていた。粘り気のある体液をその表面から絶えず垂れ流し、
ランの制服や肌をその汚濁で汚した。
「きっ、きもちわるい・・・・・・」
ランの体は既にとらわれていた。
両足を触手にからめとられ、スカートをまくれあがらせたまま、真っ白な下着をのぞかせている。

その愛らしい下着を触手は引き裂き、下着に覆われていたピンク色の性器が裂け目からのぞく。
その初々しいピンクを、化け物の持つもっとも細く小さいワイヤー触手が撫で回す。
ランは叫んだ。あらん限りの声で助けを求めた。
しかし、ランの悲鳴は誰にも届きはしない。

ワイヤー触手が
ズッ、ズズッ。
先の細い触手がランの尿道に入り込んでくる。

「あぁ、ぁぁ。そんな……やめて……やめてぇぇっ」

細触手がくすぐるように尿道にかすかな摩擦を与える。
そのこそばゆさと、かすかに感じる痛みのせいか、尿意が高まっていく。
ズッ、ズッ、ズッ。
ランの尿意の高まりが頂点に達したそのとき、細触手はその動きを止め、一息に引き抜いた。

「いやぁっ。あっ、あああぁぁぁ……」
秘所から勢いよく黄金水が吹きだした。
ランの意思とは無関係に、ジョボジョボと音を立てる。
232 ◆COP8/RAINs :2006/08/20(日) 00:09:34 ID:7INqKDRD
放心状態のラン。
息を止めても、アンモニア臭は流れてくる。
友人の眼前で受ける辱しめは、少女の 
そして、今だ尿道からあふれスソレが自分の放ったものであることもわかっている。
コンクリートに押さえつけられ、ただ地面を伝って流れてくる自身の尿を甘受することしかできない。

制服をぬらす自信のソレを避けるように、ランは身をよじる。

そうしてランは見つけてしまったのだ―――真っ赤な、濡れた眼球を。
触手の奥に潜む化け物の本体を、である。
充血し、白目のほとんどない眼球が、ジロリと少女の顔を見据える。
「ヒッ」
まるで皮膚の内側を蟲が這い回ったようなおぞ気が走る。
眼球は少女の体を嘗め回すように視姦し、少女の肛門に視線を注いだ。
「ナッ、ナニ? ひぐぅっ」
ひときわ太い触手が、ランの肛門をつつく。
「いやっ。絶対、そこだけは、いや」
ランは反射的に肛門に力を入れてしまう。
触手は、ランの菊座を無理やりこじ開け
「いっ。痛い、痛いよっ。やめて。やめてよぅ」
挿入をはじめた。

このすがたを後背位と呼ぶものもあるだろうか。
ランの体を触手の中に取り込み、外から見えるのは、ランの上半身だけである。
おそらくはマナミの倒れている位置からなら、
ランが腰を突き出しているのがわかるだろうし、化け物が臀部を抱いているのもわかるはずだ。
それから、まだ処女のままの秘部から、幾度も潮を吹いているさまも見えているはずだ。
「やっ、めて・・・・」
ランの苦しみなど関係ないと触手は宣言したかのように、直腸の深部へと突き進んでいく。
時折、肛門の擦り切れる痛みでランは悲鳴を上げるが、もはや彼女に抵抗する力は残されてはいなかった。
ランが、進入を拒もうとしていた肛門も無残に裂け、血の赤を滴らせるのみ。
肛門が・・・ゆるむ。
そんな直腸の内側で、触手は律動を開始した。

卵を内に秘めた産卵管。
ランは体をよじって、産卵管の陵辱から逃れようとする。
だがなおも産卵管は押し込まれ、卵で直腸を満たしていく。
それは泡のように、ランの腹部の中に充満して、時折プチプチとはじけるのだった。
(ううっ、抜けない)

ランの抵抗は、より多くの卵を腸内に送るその作業に手を貸しているだけだった。
ブジュブジュブジュ。
ランの肛門から、内圧に耐え切れなかった卵の残骸が滴り落ちる。
白濁し、しかし原形を保ったソレのせいだろう。
妊娠4ヶ月の妊婦のように、ランの腹部は膨らんでしまった。
(おなかが、ふくらんでる・・・)
「いやっ、いやぁぁぁぁぁぁっ」
233 ◆COP8/RAINs :2006/08/20(日) 00:10:45 ID:7INqKDRD
〜〜〜〜〜〜2〜〜〜〜〜〜


マナミの面前で友人は犯されていた。
自分を守り、代わりに犯され続けたラン。
マナミはただ。ランを助けたかった。

マナミは願ったのだ。
自分に力があればと。

目の前で陵辱される友人を助けることも出来ず、多々うろたえ逃げる自分に。
嫌気がさした。
ただ力があればと。

マナミは、神であろうと、悪魔であろうと、あるいは死神であろうとも。
この状況を打開できるただ絶対的な力の主に、その命を売り渡すことを願った。
命やあるいは自由と引き換えに、マナミはランの苦境を『打ち砕く』ことを願った。

杖は少女の願いを受け入れた。
杖は主人を欲し、少女は力を欲した。


空気が鳴った。
それは天を裂き、瘴気を打ち破る新たな風であった。
それは化け物の胴体をつきぬけ、少女の元に降り立った。
血の臭い、死の臭い。
少女の手に落ちたのは、刃のない槍。
あるいは、金属で出来たロッドと呼ぶべきかもしれない。
(宝石のちりばめられたソレは、さながら電子回路と導線のような模様を描き、
 機械と凶器、その両面を持った無骨な形状をなしている。)
 
 「何・・・これ・・・?」
 ロッドを握る。
 全長7尺。メートル法に換算して2メートル弱の長大な得物である。
 支えるのさえやっとの長大な鉄棍である。
 マナミが使ってきたのは、赤樫製3.8尺(115cm)の素振り木刀だ。
 ロッドの長大さ、重さ。すべてがマナミの使える範疇にはない。
 だがしかし。マナミは全身に流れる力を感じた。
 それはロッドのもたらすもの。怒りを糧にする魔力であった。
 一振り。その刹那、ロッドは風をまとい、チリを一息に巻き上がらせる。
 なぜだろうか、ロッドはマナミにも容易に扱えた。
 (不思議。まるでわたしの体の一部みたい)
化け物は叫ぶ。
 触れたものを狂気へ導くその触手をはねあげる。
 (どうでもいいか。こいつを倒せるのなら)

 触手が、マナミの体をたたくその刹那。
 マナミは触手の描く軌道を避け、一刀の元に切り伏せる。
 それは長年培ってきた修練のなせる業であった。
 今、彼女の間合いにおさまる触手に、生き残るすべは持ち得ない。
  
 少女は触手を受け流し、音も立てずに切り結ぶ。
 静かに。暗い情熱を身に宿した彗星のように。 
 少女はただ赤く走るのみ。
234 ◆COP8/RAINs :2006/08/20(日) 00:11:23 ID:7INqKDRD
(わたしにはまだ、こんなにチカラがあったんだ) 
 マナミは不規則に襲い掛かる触手をさばいていく。
 「うら、うらうらぁぁぁぁぁっ」
 胴を狙い放たれる触手を、上体を曲げてよける。
 上体を曲げたその反動を利用して、ロッドを振る。
 少女は力の脈動と肉体感覚の芽生えを感じた。
 
 立て続けに襲い掛かる触手を、かわし、突き刺し、叩き折る。
 先ほどあれほど脅威を感じていた化け物は、まるで紙みたいにへし折れていく。 
 
 マナミは研ぎ澄まされていくのを感じた。
 マナミは剣道家としての修練を怠らなかった。
 この危機的状況はマナミに「武術家の本能」を芽生えさせた。
 今はただ、死と隣り合わせのその剣哉を見舞うのみ。
 静かな分析と無言の修練は意図せず、少女を死神に変えていた。

 (ランちゃんに触れないように)
 ランを飲み込もうとしてる触手の塊を、薙ぐ。
 ザンッ。 
 「らんちゃん。待ってて。すぐ助けるからッ!!」


 「マ・・・ナミ・・・?」 
 ランは小さくうなづいた。

 マナミは化け物の弱点を知っていた。
 ランが無自覚に教えた弱点を。
 (斬れるだろうか?いや。斬れる)
 ソレは既に少女の間合いにおさまっていた。
 マナミには見える―――真っ赤な、濡れた眼球が。
 幾度も受け太刀をしていたロッドは軌道を急変させた。
 
 触手の奥。そこに存在する混沌の中核。
 ランの見つけた混沌の具現に、ロッドの一閃が突き刺さる。
  
 結晶じみた眼球が血の涙を流すように、その内包する闇を垂れ流す。
 やぶれた異形の網膜は、最期に少女の姿を映しこみ―――日向の香る正午の陽光に浄化された。
 
 うす曇りも、陰間じみた薄暗さも、すっかり晴れていた。
 陽光は異形をヘドロ色の霧にかえた。
 
 「ランちゃんっ・・・・・・」
 ランは支えを失い、マナミにしなだれかかる。
 半開きになったランの瞳は、ただ意識の不在を告げるばかりだった。
 マナミはランを抱いて、声を押し殺して泣いた。
 
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