男装少女萌え【2】

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389婚前旅行11:2005/08/22(月) 22:20:04 ID:OCFSab5n
「あっ」
「うむ?」
肩をねじって振り向いたが、サディアスは至極真面目ないつもの顔をしていた。
「……ううん…」
すぐに背中に戻った指が背骨の下側をおさえはじめたので、クロードは今のは自分の勘違いかもしれないと思った。
多少裾があがってしまったのが気になるが、過剰に反応するのも大人げない。…お尻が見えそうですこし恥ずかしいと彼女は思いながら、それでもおとなしく毛布に顎を埋めてみる。

いきなり寝台が揺れた。
その揺れはさほどでもなかったが、背の大部分にサディアスが覆い被さった気配がして、彼の匂いが流れた。
体重はかけてこないが、温もりが伝わって圧迫感を感じる。
クロードは慌てて毛布の上に掌をついたが、うなじの付近にまた、平穏な声が落ちた。
「手が届かぬからな」
「そ、そう…」
サディアスの掌が、親指を背骨にあてひろげたようなかたちで彼女の躰をあがっていく。細さを確認されているようで、クロードはかなり落ち着かない。
どこに手が届かないのだろうと考えていると、するりと乳房と毛布の間に、その厚い掌は潜り込んできた。
これではっきりした。
「サディアス!そこは凝ってないから!」
クロードは跳ね起きようとしたが、同時に落下してきた重量に呻いて諦めた。
すぐにそれは退いたので、サディアスには彼女を圧死させるつもりはないらしい。

「いや。気づかぬだけで、本当はひどく凝っているかもしれぬぞ」
その声に、どことなく愉しんでいるような、興奮しているような軽みがある。口調は全く変わらないのだが。
さすがに元衛兵長だよなぁ、とクロードはどうでもいい感心をする。
この男が表面上、感情を隠すことが得意なのは知っているが、緊張するとどもる癖までが彼女と致す場合に限って姿を消すのが不思議である。
せっぱつまってくると緊張も照れも薄れるらしい。
これはこれでやはり単純な男だと、言っていえないこともない。



ごつごつ節くれ立った彼の指や関節を押しつぶしていると自分の躯のほうが痛いので、クロードは仕方なく肘をついた。
あまり躯を浮かせると今度は背中が分厚い胸にあたってしまうので、どこまで力をいれればいいか、迷う。
迷っていると、乳房を柔らかく握られた。
「……」
は、とも、あ、とも違う吐息をかみ殺し、クロードは躰を丸めるようにして、赤くなった顔を伏せた。
首を曲げすぎたのか、きっちり閉じていないブラウスの胸元から、内側がぼんやりと見えた。
390婚前旅行12:2005/08/22(月) 22:21:55 ID:OCFSab5n

あまり大きくない、白い乳房が目の前にある。
ブラウスの裾をはねあげた逞しい腕が脇腹をまわり、指をひろげた掌が乳房を焦らすような弱さで揉んでいる。
いつもはかたちがいいのに、もうその面影などはない。めまぐるしくかたちが変わる。
下を向いているので余すことなく掌におさまった重量が思いのままに捏ねられていた。
そうこうしているうちに、もう片方の腕も反対側から潜り込んでくる。

彼女は小さく喘いだ。
「…ぁ……」
自分の躰を愉しんでいる彼を見る余裕はいつもはあまりないので、クロードの頭の芯はそのエロティックな眺めにすっかり占領されてしまった。
薄い闇の隠微な眺めから目を離せずにいた彼女の肩がびくりと跳ねた。
その勢いで、サディアスの肩の後ろにとどまっていたマントがばさりと流れ落ちた。
うなじに吸い付いた軟体動物の正体は明らかで、それが濡れた音をたてつつ細い首すじに動きはじめるとクロードはついに声をあげた。
「そっ、それ、揉むって言わない!」
「……」
顔をあげる気配。
「…では、何と言うのだ」
「舐め…てるんだろ」
「そうとも言う」
それきり言葉はやみ、そうもなにも、舐めるのは舐めるってだけじゃねぇか!と叫びたいのに、現実にクロードの唇を割るのは情けない喘ぎだけだ。

いつも逢瀬の時には時間がなかった。
二人とも熱心だったが、いつもあわただしく時間を気にしていた。
だから、サディアスがこんなにけろっと『遊び』をしかけてくる事もなかった。


「サディアス…ねえ…」
耳のあたりを咬まれながら、クロードは細々と呼びかけた。
彼が愛撫をするたびに躰を叩くマントが気になっている。
「ねぇ、あの…」
いつまでサディアスはこんな格好をしているのだろう。
自分だけ湯上がりのままの適当なブラウス姿(しかも胸ははだけているし裾はまきあがっている)なのに、サディアスだけきっちり服を着込んでいるのが、恥ずかしいというか羨ましいというか、つまり恨めしい。
「やはり凝っているようだぞ」
サディアスの指は、乳房の先端をさっきからつついてくる。
掌におさめたまま動けなくして、といういかにも憎たらしいやり方である。
逃げられない。
クロードは染まったままの顔を振る。逃げるつもりもないが、すこしは抵抗のそぶりだけでもさせてくれればいいのにと思う。
彼のする事に一直線に反応してしまう様子を見られているのはひどく恥ずかしい。
「サディアス、ったら……あぅ…」
返事をしない彼に苛立ち、声が大きくなったところですっかり目覚めた乳首をピンと弾かれた。
軽くのけぞり、その事自体が照れくさくて彼女はまた肩をすくめる。
「なんだ?」
「は……あ、あの、服…脱が、ないの?」
サディアスの躰がずしりと腰にかかる。
乳房ごと上半身を絡め取るように腕を胸の前で交差され、耳に声が響いた。
「脱いだほうがいいか?」
内心では、当たり前だ!と叫びたい。
だが元副長の威勢の良さはどこに行ってしまったのか、今の半裸の躰には喘ぎや吐息しか詰まっていないようだった。
クロードは仕方なく、辛うじて出せる声で呟いた。
「うん…お願い」
「わかった」
サディアスの躰が離れた。
ふう、とクロードは小さな息をつく。
彼の重みは嫌いではないが、なにせ大きな躰なので、長い時間はきつい。
391婚前旅行13:2005/08/22(月) 22:22:44 ID:OCFSab5n

彼女はころりと転がって身を起こした。
マントの留め金に手をかけながらサディアスが、いかつい顔をほころばせて彼女を見ている。
その目の青さがいつもよりわずかに薄い事に気づくと、彼女はとっさに前をあわせた。
ブラウスのボタンが、いつの間にか全て外されている。
「いっ、いつの間に外したんだよ!」
男の躰の下から離れると、いつも通りの口調が口をついて出た。
サディアスはどんどん服を脱ぎながら言った。
「さあ」
「さあじゃねぇよ!」
サディアスは服も下着も広い寝台の片隅に放り出し、のそりとクロードに近づいた。
ブラウスを気にしている彼女の胴を捕まえて引っ張り寄せた。
「要らぬだろう」
「そりゃ……」
碧い目が、困惑の表情を隠して見上げてきた。
「……そう、だけど」
「クロード」
「え?」
「手を貸せ」



彼女がサディアスの顔ばかり見ているには理由がある。
服を脱いだ彼の股間を目の当たりにするのを避けているのだ。

通常の状態ならまだしも興奮したそれはおそらく造形的にもこっけいというか間抜けなものであろうから、女の恥じらいを別にしてもしかたないといえば仕方ない。
だが、見て欲しいわけではないが、無視されるのは困る。
他の男は別に困らないのかもしれないが、サディアスは困る。
というのもクロードの指は、比べるも愚かだが彼の指などよりはるかに細くてしなやかだ。
本人は矢だこがあるんだぜと主張するが、気になるほどではない。
逢瀬の時にその指を絡めてもらった時の快楽が忘れられない。
ゆっくりできるときにぜひとももう一度してもらおうという密かな決意を一方的に固めていたのだが、今こそがその絶好の機会だ。
392婚前旅行14:2005/08/22(月) 22:23:36 ID:OCFSab5n

彼の拳に握られてそこまで導かれると、クロードの目元は赤く染まった。
「えっ、あ…」
見ないわけにはいかないし、でもまじまじと見るには抵抗があるらしい。
躰の奥深く沈められるのは気にならないくせに、女とは不思議なものである。
背中を引き寄せて、困惑から解放してやることにする。
ブラウスがまといついてはいるがもう裸も同然の姿で、クロードはサディアスの肩に顎をかける格好になった。
裾のはしから尻が出ている。
白い、可愛い尻だ。
浮かせたその尻に続く腹に隠されてみえないあたりに、勘でクロードの手を押しつけた。
耳元で、クロードが小さく息を漏らした。
「………すご」
かなり硬くなっている事に触れられて気づく。
ずっと気分が盛り上がっていたので慣れてしまっていたのかも知れぬ。
先端を、指先がすぅっと撫でた。
もう一度撫でた指先が濡れている。その指で輪郭を辿るように、クロードはモノを撫でた。茂みをおさえ、幹の長さをあらわにする。
その下の実を軽くつつく。厚ぼったい皮をひっかくようになで上げて、彼女はだらりとした重みを掌に載せた。

だんだん、クロードが愛撫に力を入れ始めたのがわかった。
彼女が小さく呟くのが聞こえた。
「……面白い、ここ…」
最初はいやいやという気配もあったが、さわっているうちに興味を覚えたのだろう。
袋は袋で嬉しいが、どちらかというとずばりそのものの棒に触れて欲しいのだが。
どうやらこりこりした楕円の玉が、触れるとにゅるりと逃げていく独特の感触の虜になったらしい。
クロードの愛撫がいつのまにやら実験をしている気配を漂わせはじめたのを感知して、彼は憮然とした。
「待て。……もういい」
「待ってよ」
クロードは躰を起こした。きらきらした碧の目は魅力的だがなんだか雰囲気がいつもと違う。
「どうしてこうなんだろう」
もうほとんど乾いたらしい、短い黒髪が宙を舞った。
呆然としているサディアスの膝に手をついて、顔を近寄せた彼女はじっとモノを見つめた。
「おい」
サディアスはもじもじした。
無視されると傷つくが、注目されると結構恥ずかしい事を発見する。
「…そう、じろじろと見るな」
持ち主は照れくさいのに、珍しくも綺麗な女性に注目されて張り切ったのか、モノは萎える気配もなく誇らしげに勃ちあがって揺れている。
「クロード」
「…ねぇ」
クロードは邪魔なのか、前髪をかきあげた。
「ここも洗ってるよね?」
当然である。サディアスは頷いた。
「洗った」
「じゃ、平気かな」
「なに」
が、と言いかけてサディアスはくぐもった声を漏らした。
393婚前旅行15:2005/08/22(月) 22:24:22 ID:OCFSab5n

ぱく。

そういう擬音が聞こえそうな邪気のなさで、彼女がそれを銜えたからだ。
一口に銜えられたわけではなくほんの先のことではあるが、モノがモノであるだけにその刺激は凄まじかった。
唇の内側に熱い舌に小さな鋭い歯の先端に口腔の内側の濡れた暖かさが一気に先端を包み込む。
「うお」
変な声を出したサディアスを気にもせず、彼女は口を離した。
「…大きいんだ」
感心したように彼女は呟いた。
「そ、そうか」
なんだか襲われているような気がする。サディアスは襲撃に喜び勇んでびくびくと震えているそれにちらりと目をやった。
クロードがまたかがみこんだ。
今度はなんだ。

ぺろ。

舐めた。
「うおっ」
サディアスは、また驚きの声をあげてしまった。
いや、今回ここまでさせるつもりは。
クロードは今度はすぐにはやめなかった。
先の、広い部分をつるつると舐め、先っぽの孔から滲み出る液体まで丁寧に舐めとっている。
「……変な味…」
こもった声が幹にぶつかる。サディアスは必死でその肩を掴んだ。
「そ、そうか。もういい。無理をするな」
クロードは顔をあげた。
荒げた息で上下する分厚い胸板を眺めている。
「……サディアス、…なんだかすごく気持ち良さそうだな…」
見上げてくる目の碧がこれほど危険な色に思えた事はない。
「いや、クロード、もういい。いいから顔を…」
サディアスは元衛兵長の威厳を身に纏おうと努力したが、こんな状況でそれができる男はおそらく世界広しといえども一人としていないだろう。

はむ。

「うわ」
ついにクロードはそれを含むと、口の中で飴玉でも舐めるようにくまなくしゃぶり始めた。
時々歯がぶつかるが、それでも気持ちいい。
それなのに気持ちいい。
なぜだ。
ぺちゃぺちゃと、腰が抜けそうな唾液だかなんだかの音がたつ。
「クロード、頼む。やめろ、このままではイく」
見栄もなにもなく、サディアスは渾身の力でクロードをひっぱがした。

彼女のしわくちゃになった男仕立てのブラウスは、もはや本来の用途である、躰を隠す役には立ってはいなかった。
その上の白く整った顔は不満そうである。
呼吸が少々乱れているのがその淫らさを増幅させている。
「……なんだよ。すごく気持ち良さそうだったのに」
「それが困る!肝心の事ができなくなるではないか」
394婚前旅行16:2005/08/22(月) 22:25:15 ID:OCFSab5n
「肝心…あ」
勢いよく押し倒されたクロードは、すぐに上に載ってきたサディアスの下で身をよじった。
「待って、まだブラウス脱いでない」
「着ていても同じだ」
「でも……あっ」
クロードは唇を開いて小さな声をあげた。
太股の間に割り込んできた彼のモノが当たっている。
碧の目が不安そうに瞬いた。
「あの、む、無理じゃない…!?い、今、凄い事になってるのに」
サディアスは囁いた。
「これまでも入った」
「今まではちゃんと見てなかったから!」
クロードは言い返した。
「見たら…その…なんか……」
「舐めてくれた」
サディアスは面倒そうに、さらに低く囁いた。
「……………か、可愛かったんだもの。ぴくぴく揺れてて」
クロードは赤くなり、サディアスに抱きついた。
「では、怖くはないだろう」
「………うん」

その腰の後ろを抱きとり、ゆっくりと太腿の間に入り込む。
「…んっ…」
細い躯がかすかにのけぞった。
「あ……あん……」
おしいられた花の芯から熱い蜜が溢れてサディアスにたっぷりとまつわりつく。
これ以上ないほど硬く充血した幹のこわばりも充分滑らかに入り込めるほどの濡れかただった。
「クロード……」
反応を見ながら、これ以上進めなくなるところまで入り込む。
「……んん……」
クロードが顔を反対側に背けて喘ぐ。
おそらく苦しいわけではなかろうが、自分の内側に男を迎え入れるのがどんな感覚なのかサディアスには想像もつかない。
ただただひたすら、彼女の中は熱くてきつくてぬるぬるしていてとてつもなく気持ちいい。
「…ちゃんと、入ったぞ」
「…はぁ……」
クロードは、いつの間にか瞑っていた碧い目を開けた。
「…ほんとだ…あ…すごいね…」
サディアスの肩にまわしていた腕をおろし、自分のなめらかな下腹部をそっと指先でおさえる。
「……ここ…らへん、かな……?」
この感覚のもとがさっき見たものなのだと納得しているらしい。
やっと挿入できて軽く満足したサディアスは、そこですかさず提案した。
「動かしてみるか」
クロードは顔をあげて微笑した。
「…うん」
395婚前旅行17:2005/08/22(月) 22:26:24 ID:OCFSab5n

その躰をしっかと抱きしめる。
彼女の腰はたしかに細い。
男女の違いというだけでなく、サディアス自身の躰の大きさが人よりも違うので、なにやらひどい事をしている気分に、たまになる。
それでもクロードはいやがらないし、サディアスのその大きい躰すら好ましいらしい。
それが、彼も嬉しい。
愛されているような気がする。

ゆっくりと始めた動きが早くなっていくのに、さして時間はかからなかった。
サディアスがこれまで辛抱していたせいもあるし、クロードの反応が良かったせいもある。
「ん…あ、はぁ…ねぇ、だめ……だめだよ、そんな……」
何度もサディアスの名を呼び、彼が突き上げる時々に漏らす喘ぎも声も、切羽詰まって切な気でとても可愛かった。
「あ、あ…あっ、サディアス、だめっ……もう…!…」
熱く叫んで全身をしならせ、震えながら、彼女の中がサディアスを絞った。
これまでにも軽く波のきたことはあったらしいが、彼にもはっきりとわかるほどの反応を彼女が与えたのはたぶんこれが初めてだった。
「あ…っ、あっ、あ…あ…!…………」
大きく息を吐き、緊張していた躯の力を全て手放して彼女はサディアスの腕の中に崩れ込んだ。
「は……あ……ぁん……」
潤んだ碧がぼんやりと彼の顔に視線を這わせた。
「ん…っ……」
まだひくひくと震えている。
彼女は囁いた。
「…今のが、そうなんだ……」
「…は、……あ、良かったか……?」
「すっごく」
甘い吐息をついて、クロードはサディアスの動きが変わらないのに気付いた様子で小さく呻いた。
腰をくねらせて啼き声をあげる。
「……そんなに、しないで…あ、んっ…なんだか、…また変に、なっちゃう…」
「まだ、だ」
「え?」
「俺は、まだなんだ」
散々妙な状態が続いたためか、いつもとペースが違ってサディアスは少し焦っている。
クロードの頬にまた赤みがのぼった。
しどけなげに腕を伸ばして彼の躯を抱き直す。
「……ごめんね」
クロードが謝る筋合いではない。
「サディアスも、はやくきて…」
彼女は、彼の動きにあわせるように腰を優しく応えさせはじめた。
しばらくそれに耐えたあと、柔らかな背を力一杯抱きすくめ、サディアスは歯を食いしばって呻いた。
「く…!」
「サディアス……」
やっと訪れた射精の間、彼女は彼の頭を抱いて細い喉元に置かせてくれていた。

こんな女が抱けるのなら、すこしぐらい理不尽だろうが焦らされようがなにほどの事はない。
深い疲労と満足の中、サディアスはそう思った。
396婚前旅行18:2005/08/22(月) 22:27:31 ID:OCFSab5n


広い寝台に敷かれていた毛布のあちこちに服が散らばり、ブラウスが枕元に放り出されている。
裸のままの二人は互いの腕にそれぞれの黒髪と赤毛を預けてぐっすりと寝入っていた。
部屋の気温は低いのだが、毛布と互いの温もりのおかげで、たぶん風邪をひくことはないだろう。

宿の下の街路でしつこく歌っていた最後の酔っぱらいも、いつの間にやら退散したようである。
静かに更けていく夜は、まだかすかに冬の名残をとどめていた。






おわり
397ナサ:2005/08/22(月) 22:28:27 ID:OCFSab5n
ええそれではおあとがよろしいようで…(ちゃんちゃん
398名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:04:09 ID:nroWQWyO
イイ、イイ、すんごくよかったです。
なんか露骨な話でなんだけど
女がイケるようになるのって少し慣れたころからだよね。
それもただの挿入時じゃなくて騎乗位とか座位のほうがいきやすいようなきがする。
(奥まで入るからだと思う)
こういう細かい描写がリアル(あくまで自分にとってだけど)な話は
めさめさ感情移入できる。萌える。

微妙に遠距離恋愛になった二人もみてみたい!
麗の親父さんとどう付き合ってくのか、
クロード、サディアスのところに家出してこないかなーwと
期待してみたり。
いい作品ありがとうでした!
399名無しさん@ピンキー:2005/08/22(月) 23:39:49 ID:nroWQWyO
スレの流れが速くて遅レスだけど
「土曜日の情事」続き気になって寝れんとです……
第一回はぼんぼんのえろえろのやなやつかと思ってた龍司が
第二回でかなりポイント上がってるんですけどっ!
瑞希はなんかかっこいいですね。
いろんなことを我慢して生きてる彼女、凛々しいです。
スーツなんかも安物だろうけど
ちゃんと手入れしてきてるんだろうなーと想像してしまいます。

で、ちょっと話題は変わるんですが。
お忙しい方はスルーよろしく。


私ときどき着物を着るんですが補正のためにさらしを巻きます。
胸がいい具合に収まるんですよ。
でも背中とかウェストとかさらしだけだと寸胴に出来ないので
タオルを巻いたりしますけど。

なので
男装が一気に女装、もとい振袖とか着るようになったとき
さらしの感覚を懐かしむもと男装の女の子っていいかも、なんて思ったりしたのでした。
ネタ未満の長話すんまそん。
400白雀 ◆T2r0Kg7rmQ :2005/08/22(月) 23:51:59 ID:n9lqL8LY
>>司氏
うわ、エロ可愛いです。
キャラに愛着持ってくると、男装とか関係なくどんな話でも魅力的ですからよかったですよー。

>>121
読後感のいい終わり方でよかったです。
二人とも可愛かったです。ダブルだと萌度も跳ね上がりますね〜。
後編が期待にそえられるか分かりませんが、私も頑張らせていただきます。

>>ナサ氏
相変わらず、見事としか言いようの無い描写力。お見事です。
これだけ事細かに書き込めるには、よほどの努力をなさったのでしょうね。
この二人もかなり好きです。


さすがに一日では後編完成せず……。毎日のように投稿していらっしゃる方の執筆スピードには戦慄すら覚えます。
待っていてくださる皆さん、私のはもう少しお待ちください。
401狂介と有紀:2005/08/22(月) 23:54:35 ID:U9ud5zcP
『朝のご奉仕』

        ジリリリリリリリリリリリリリリリリ
「やかましいわぁぁぁ!!!!」
俺の右フックが目覚まし時計にヒットした。そのまま壁に激突し
音が鳴り止む。
「・・・・目が覚めるだろ・・・・ZZZ」
目覚まし時計の存在理由を根本から否定し再び惰眠を貪る。
一般に二度寝のほうが意識がはっきりと覚醒する。俺のこの行為は間違っていない、
むしろ正しい行いだ・・・・・ZZZ




股間から感じる何とも言えないむず痒い刺激に再び覚醒する。
男の朝の生理現象だろうか、この快感に酔いしれてしまう。しかし、
微眠みが消え意識が完全に覚醒するにつれ、それが間違いだった事を自覚する。
       誰かいる。
よく見るとソレは俺と同じ学校の制服を着ていて俺の股間にうずくまり
俺のアレを咥えて・・・・・・・アラ?・・・・えぇぇ!!
「有紀!!」
402狂介と有紀:2005/08/22(月) 23:56:14 ID:U9ud5zcP
「ふぅん・・・ん?・・・おふぁよう・・狂介・・・んむ」
有紀は肉棒を咥えながら、その可愛らしい顔を俺に向け挨拶する。
「どうもおはようございます・・って違う!!何やってんだよ!?」
肉棒を咥えられたまま俺は問い詰める。
「んっ・・・ぷは。・・・何って朝のご奉仕。」
満面の笑みを浮べ有紀は答える。そしてそのままご奉仕を再開する。
「ごっ・・ご奉・・仕って・・・うっ!!」
再び何とも言えない快感が股間に襲い掛かる。
「ひょうすけぇ・・・・ふぃもちいい・・・?」
気持ちいい?と聞かれているらしい。しかし、その口の中で
舌がうねる度にただ舐め回されるのとは違う快感が攻撃してくる。
「あ・・あぁ・・気持ちいい・・・」
どうやら理性がぶっ飛んだらしい、有紀の奉仕に身を任せてしまう俺。
「ふぉんとぉに?・・・よかったぁ・・・・んむ・・・」
応えながらも、有紀は口と舌の動きを止めようとはしなかった。
舌先を器用に使いエラの部分をチロチロ舐め回しながら舌全体は
亀頭をくわえ込む。進行方向を確認した唇はそのまま沈み込み
根元まで丹念に往復する。

403狂介と有紀:2005/08/22(月) 23:57:21 ID:U9ud5zcP
「あぁ・・・・ん!!」
限界まで張り詰めた己の分身を暖かい口腔で包み込まれ、舐め回される快感に
腰を震わせ身悶えてしまう。時折強烈に締め付けるその妙技に
腰から全身へと自分が解けてしまうような感覚が生まれる。
「くっ・・・有紀・・・イッちまう!!」
あえなく限界に達した俺は有紀の口腔に大量の精液をぶちまけてしまった。
「んん!!ぐ・・・ふぅ・・・ん・・ん・・・」
有紀はその白い喉を鳴らし、時たまむせ返りながらもその全てを飲み干していった。
「ぐっ・・・ん・・・・・・・ふぅ・・・・終わった・・・」
肉棒から口を引き抜いた有紀の唇の端からは残った精液が糸を引いていた。
404狂介と有紀:2005/08/22(月) 23:58:31 ID:U9ud5zcP
「・・・・で?何でこんなことしたんだよ?」
コトを終えた後、俺はあぐらをかき俯いたまま有紀に問いかけた。
有紀の顔がまともに見れない。当たり前だ、軽く犯されたような物だから
・・・・まぁ、それを受け入れた自分が言うのもなんだが。
「だって、何度起こしても狂介ったら全然起きないんだもん。」
「ハァ?それだけで、こんな・・・」
言い方がきつかったのか徐々に有紀の顔が暗くなっていった。
「イヤ・・・怒ってるわけじゃ無くて・・・その・・・つまり・・・」
「それに・・・・」
「ん?」

「・・・・狂介に気持ちよくなって欲しかったんだもん・・・」

有紀の消え入りそうな大胆告白に俺は全身を殴られるような衝撃を受けた。
そうだ、有紀を俺のためを思ってやってくれたんだ。有紀が俺の嫌がることを
するはずが無い。それなのに・・・・
「ゴメンね狂介・・・迷惑だった・・・・キャア!!」
俺は有紀を抱き締めた。

405狂介と有紀:2005/08/22(月) 23:59:41 ID:U9ud5zcP
「俺の方こそゴメン。いきなりだったからビックリしただけだ。」
「ホントに?・・・怒ってない?」
「当たり前だろ。・・・言うのが遅くなったな、ありがとう。」
「狂介・・・・ん。」
俺は有紀の頬に顔を寄せ口付けた。
「しばらくこのままでいさせてくれ・・・。」
「・・・・ウン。」
俺が抱き締める力を強くすると有紀は俺の腕に手を当て
軽く握り締めてきた。



モチロンこの後、学校は遅刻しました。

                    〜おしまい〜
406名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 00:11:47 ID:CPb7v6bz
「やだもん」
クロード、俺を萌え殺す気ですか
407実験屋:2005/08/23(火) 00:14:07 ID:Mz4Hnx4O
以上です。もうワンパターン作ってたんですけど
話がまとまらなかったので、そっちは修正後
投下したいです。

>>白雀様
ものすごくGJ!!でございます。格闘モノは大好きなので
ツボをつかれまくりました。

>>司様
キャラが魅力的でエロかわくて最高です!!

>>121
了と晶、二人で二倍おいしいです。
ぜひまた作品を堪能させてください。

>>ナサ神様
待ってました!!自分ナサ神様の初投下でこのスレの虜にされました。
そのくせ大した事ない内容しか自分は書けませんが・・・。
そんなことは別にして、乙です!!ご馳走様でした。
408名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 13:22:46 ID:CyvnPXB/
目覚ましにシャウトする狂介……
わかいっていいなー(トオイメ)

だんだん500Kに近づいてきましたね。

次スレテンプレには
男装少女萌え仮倉庫
ttp://dansou.atspace.com/
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/

のURLも加えた方がいいよね。
409名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 14:12:57 ID:hNjCEi8I
すごい勢いだなw
次スレまでにあと何作品読めるんだろうか。容量考えると一本がいいとこか?

>>408
そうだな。
まとめサイトがあるって素晴らしいな……
410名無しさん@ピンキー:2005/08/23(火) 14:13:45 ID:f0beLQsD
もう500k?
500レスもいってないのに早すぎw

これも神々の競演のおかげか・・
411名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 14:34:33 ID:SN/3bjPF
では、次レスを。
移動ヨロシコ

男装少女萌え【3】

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124861558/
412ナサ:2005/08/24(水) 14:35:20 ID:SN/3bjPF
そしてすかさずスペースget。
小ネタ。
413晴天の日1:2005/08/24(水) 14:36:17 ID:SN/3bjPF
イヴァンの離宮は、王都の南東、深い森を控えた静かな場所にある。
狩猟や遠駆けの好きな彼やその妃にとっては絶好のロケーションだが都中心部の王宮からは結構離れているから、辺鄙といえば辺鄙でもある。
いつもはひっそりとしたその宮が、本日はやけに慌ただしい。
実は朝から微行で、イヴァンの父母である老王と王妃が訪れているのである。

たまには離宮の美しい景色を眺めつつのんびりとお茶を飲みたいという主張だったが、彼らの本音をイヴァンは知っている。
目的は茶会などではない。
彼らの興味の焦点は離宮にでも風景にでも息子にでもなく、妊娠三ヶ月目の終わりに入ったナタリーとそのお腹の赤ん坊だけに集中しているのだ。
週に一度は様子を知らせろと煩いので毎週使者をたてている。
そのたびにナタリーが義父母にむけて手ずから手紙を書いている。
イヴァンも宮廷に出るため王宮に行くと、必ず母の居室に引っ張り込まれナタリーの体調についてあれこれ質問攻めにあう。
その上、彼女の悪阻がかなり収まってきたと知ると、ついにはこうして押し掛けてくる。
いくら微行とはいえ従者は多いし、父母とはいえど仮にも国王と王妃である。そう無下に扱うわけにもいかない。
迷惑極まりない。



森に背をむけた離宮の正面は斜面になっていてその先には小さな湖があった。
すこぶるよい天気なので、眺望を望める二階のテラスにテーブルを出し、ロイヤルファミリーは水入らずでにこやかに雑談していた。
国王は自席に落ち着かず、なんのかのと嫁に果物をとってやったり椅子の傍をうろうろしては嬉しげに両手を軽く打ち合わせている。
きっと許しさえ出れば即座に、彼女のまだふくらみの目立たないお腹を撫でるに違いない。
王子妃手作りのゼラチン菓子を気に入った王妃が、一人だけ仏頂面をしている息子に声をかけた。
「美味しいお菓子ね。おや、イヴァン。食べないの?」
イヴァンはぶっきらぼうに答えた。
「後で残りを死ぬほど食べます。お気遣いなく」
王妃はナタリーに躯を寄せて囁いた。
「どうしたの、あの子」

編み込んだ金褐色の髪の輝く頭を傾けて、ナタリーは曖昧に微笑した。
彼女の夫はたまたま今日は時間のある日で、王と王妃が突然来るという知らせを寄越さなければ妃を連れて春の湖で小舟遊びをする予定だったのだ。お腹の子のため現在は乗馬を控えている彼女も、実はそれをかなり楽しみにしていた。
だが小舟遊びだとて、まだ生まれぬうちから孫馬鹿と化している王と王妃が知れば震え上がってやめさせるに決まっている。
今王妃が次から次へとつまんでいる色とりどりのお菓子も、みなその久々の気晴らしのために彼女が作ったものなのだ。
イヴァンの気持ちもわからぬではないが、平和のためにはとりあえず黙っているほうがいい。

それでなくともイヴァンの機嫌はこのところあまりいいとはいえない。
安定期に入るまでは絶対にあれこれ複雑な事を致してはならぬと侍医から厳しい指示が出た上、悪阻のためにナタリーにそのほかの愉しい事もしてもらえなくなってからというもの、彼はなにやらイライラしている。
彼女も夫を少し可哀相だとは思うが、少しでも変な匂いを嗅ぐと吐いてしまうのだから仕方ない。
やっと悪阻がおさまってそろそろ大丈夫かもという今、彼女の気分を盛り上げる手始めに予定していた小舟遊びが孫馬鹿の二人のせいでご破算になったのだから、今日のイヴァンを咎めるのは酷というものである。
414晴天の日2:2005/08/24(水) 14:36:51 ID:SN/3bjPF

「イヴァン、おい、イヴァンや」
老王が素っ頓狂な声をあげた。
白いレースのショールに覆われたナタリーの腹部を指差して目尻の皺をだらしなく下げている。
「見たか、今、孫が動きおったぞ」
「そんな馬鹿な」
王妃がさすがに経験者の貫禄を見せて窘めた。
「御子が動くのはまだまだ先ですよ。このテラスは湖からの風が吹いてきますでしょう、それでショールがそよいだだけですわ」
「風」
王の眉が不安げにひそめられた。
「ナタリーや。お前はそろそろ部屋に戻ったほうがよいのではないかな。躯を厭わねばならぬぞ」
イヴァンが、ぶすっとした口調で割り込んだ。
「今日は春先にしては珍しいくらいいい天気ですよ」
「いや、確かに良い天気じゃがそれでもまだ風は寒いからな。油断してもしものことがあったらどうする」
イヴァンはちらと、悪阻もおさまったためにこのところ青白かった頬にもいつもの艶を取り戻した彼女に視線をやった。
「オレの子ですから、丈夫に決まっています」
「お前だけは確かに昔から丈夫だったが」
王は溜め息をつき、ナタリーの可憐な姿を眺めて目を潤ませた。
孫と嫁可愛さに、最近非常に涙腺が緩くなっている。
「お前は、夫として、これをもっと案じてやらねばならんぞ、イヴァン」
「そうよ」
王妃が頷いた。
「殿方の優しさが、こういう時にこそ妻に伝わるのですよ。その点王陛下は良き夫でいらっしゃいましたね」
王はにっこりした。
「そちには苦労をかけたからのう」
「陛下」
なぜだか二人は片手と片手を握り合い、顔見合わせて来し方の記憶に胸を詰まらせている気配である。
基本的に仲がいい父母ではあるが、そういう事はわざわざここでなく王宮でやれと言いたい。
イヴァンは胸くそが悪くなって立ち上がった。
「茶ももうなくなったようですな。そろそろ従者を呼びましょう」
暗に帰れと言っているようなものである。
王は無造作に空いているほうの手を振った。
「よいよい、イヴァン。わしが呼ぶ。これ、誰か。茶の代わりを持って参れ!」
イヴァンのこめかみに筋が浮いたが、テーブルの影でナタリーが必死に上着の裾を引っ張っているので口の端をぐいと下げる。

「……………」
どさりと乱暴に椅子に腰掛けた息子を眺め、王妃だけは雰囲気の悪さに気付いたらしい。
召使いたちが熱い茶のおかわりを注ぎ終わり、皿を整えてひっこむと彼女は優雅に話題を変えた。
「そういえばイヴァン、以前から尋ねてみたかったのだけれど」
ナタリーが盛んに目配せするのでイヴァンはカップを掴みながら億劫げに、母の方角に顔を向けた。
「何ですか」
「あなたとナタリーとのなれそめよ。詳しく聞いた事がなかったわ」
415晴天の日3:2005/08/24(水) 14:37:58 ID:SN/3bjPF


かたっ。
がちゃ。
と、陶器がぶつかる音が同時に二つした。
ナタリーが指を滑らせて菓子の皿を取り落とし、イヴァンの手が緩んでカップが受け皿に触れた音である。
王がナタリーの皿を素早く取り上げ、慌ててその手を確かめた。
「危ない、気をつけい、ナタリー!大事な躯なのだぞ!」
「あらあら、どうしたの」
王妃は上品な眉をしかめたが、気を取り直して続けた。
「あなたがナタリーを見初めたのだと聞いたけど。細かな事情は教えてもらっていないわね」
「事情もなにも、特にこれといったものはありませんな」
イヴァンは、こぼれた茶の中にカップの底をつけた。

彼が動揺したのは一瞬だけで、口を開けばいつも通りの調子である事にナタリーは気付いた。
頼もしいというか憎たらしいというか。

「わしも聞いてはおらん」
王も身を乗り出してきた。
「どこで知り合ったのだ?どこかの晩餐会か?それとも狩猟の会かなにかか」
ナタリーが、飲んでいるふりをしている茶を今にも吹き出すのではないかとイヴァンは思った。
「王宮です。奥の庭で」
ナタリーはまだ吹き出してはいなかったが、急にこほこほと咳き込みはじめた。
むせてしまったらしい。
イヴァンは続けた。
「噴水のところでこれが涼んでおり──その、水に濡れたこれが──あまりに美しかったので」

俯いているナタリーの首すじが赤くなった。
彼が、顔だけではなく、水に濡れた衣装の上から窺えた躯の線のことを言っていることに気付いている。

「まあ……」
王妃がうっとりと視線を息子に向けた。
「実際に逢って見初める事ができたなんて、あなたがたは幸せね。私など、お話があってそのまま輿入れだったわ」
「わしは肖像画で初めて王妃を見たのだった」
王もなにやら羨まし気である。
「だから、これの到着まで、その肖像画に嘘偽りがないよう祈ったものじゃ。して、ナタリーや」
興味津々に国王夫妻は王子とその妃に迫った。
「イヴァンの印象はどうだった?」
「イヴァン、ナタリーにどうプロポーズしたの?」
416晴天の日4:2005/08/24(水) 14:39:03 ID:SN/3bjPF

「…………………」
「…………………それは、ですな」
言えぬ。
このお気楽夫妻に『印象は最低最悪、死ねばいいのにと思いました』とか、『弱みにつけこんで陵辱した挙げ句、自分勝手に求婚しました』とかの真実を言う事はできぬ。
そもそも、ナタリーがかつて叛乱側の刺客だったという事を彼らは知らないのである。
包み隠さず言ったとて、いや、かえって言えば言うほどに、冗談だと思われてさらなる追求を受けるに違いない。
それに、いくら息子の女癖の悪さを認識していたらしい両親でも、現在お気に入りの嫁であるナタリーにここまで悪辣非道な振る舞いをしていたと知ればその心証が悪くなるのは避けられない。
イヴァンとしても王位の後継者として、そういう事態はできれば避けたい。

イヴァンは腹を括った。
ここは嘘を並べてしのぐしかない。

「あれは舞踏会のあった晩だったかと。な。ナタリー」
「…そ、そうでしたわね。私…人いきれで、気分が悪くなって、涼んでいましたの」
イヴァンはナタリーに視線を走らせた。
多少こわばった笑顔だが、しっかりついてきている。
「噴水でこれが休んでいたので、どうしたのかと近寄り、声をかけたのです。だったな」
「そうよ。優しく介抱してくださったわね」
まさに嘘八百である。
王妃はロマンスを満喫している表情で頷いた。
「素敵だわ。その出逢いの時、お互いに好意を持ったのね」
違う。
彼が持ったのは助平心と好奇心、彼女が持ったのは警戒心だけである。
二人は共犯めいた視線を交わした。
「そうです」
イヴァンが答えると、王が吐息を漏らして首を振った。
「若いというのは良いものじゃの。で、それから?狩猟の会にでも誘ったか、イヴァン」
「いや…」

イヴァンは突如、話に意外な展開をさせた。
「微行で街に出ましたら、偶然、馬車で買い物に出ておりましたこれに逢いまして…乗せてもらいました」
ナタリーに同意を求めるように明るい色の目をむけるので、彼女も急いで頷いた。
「そ、そうなんです。……お乗りに、なりませんかって」
王妃が感心して頬を染めた。
「まあ、ナタリー、それはよっぽどイヴァンを気に入ってくれたのね?自分から誘うなんて」
「そ、そうですわね。あまり嬉しかったので、つい……は、はしたなかったかも…しれませんわね…」
ナタリーはひくつく頬を典雅なショールで抑えて隠した。
提案もなにも、馬車どころかナタリーの躯に勝手にお乗りになったのは彼であって、誘った記憶はかけらもない。

王妃は熱心にかぶりを振った。
自分の息子が魅力的だという話を聞くのは、母親にとっては微妙に愉しいものらしい。
「そんな事はないわ!ねえ、イヴァンや、あなたも嬉しかったでしょう」
イヴァンがしれっと頷いた。
「それはもう。まるで天国に居るようで、実に乗り心地のよい極上の品でした。……それで、一層想いが募りまして」
「うむ。馬や馬車は良いものに限るからのう」
老王がさかんに納得している。
もっとも王もイヴァンの言葉を額面通りにしか受け取っておらず、ナタリーが赤くなったり青くなったり、非常に居心地の悪そうな顔をしていることには気付いていない。
「そうでしょう。重要な問題ですからな。…それで、その経験が忘れられず、つぎにはこちらから訪ねていきました」
イヴァンは、この『遊び』を楽しみはじめたらしい。
これまでの不機嫌そうな喋り方が、いつもと同じものに変化している。
ナタリーは密かに歯ぎしりしつつ、このお調子乗りの男が次に一体何を言い出すかと段々心配になってくる。
417晴天の日5:2005/08/24(水) 14:39:53 ID:SN/3bjPF

ナタリーの実家が当時叛乱軍側についていた事を知っている国王は、大胆な息子の所業に目を丸くした。
「よく無事で戻ってきおったな」
「ああ、でもわかるような気もするわ。恋とはそのようなものでしょう」
王妃は首を振り、納得している様子である。
「常識の裏をかき、真っ昼間に参りましたから。これは驚いたようでしたが」
イヴァンはちらりとナタリーを見てほくそ笑んだ。
彼女は聞こえないふりをしてすっかり綺麗な人形のようなポーズになり、無感動に湖を眺めている。
だが頬と目のふちが赤い。
「だが、お前が来たと知られればただでは済むまい。危ない橋を渡ったものだ」
咎めるような王に、イヴァンはにこやかな顔を向けた。
「いえいえ。これも協力してくれましたので、愛を囁く声は誰にも聞かれることはありませんでした」

協力=厭がるのを脅して無理矢理、愛を囁く=エロく苛めた、と補正と変換を行えばイヴァンの言葉は嘘では──いや、やはり嘘の皮だ。
ナタリーは立ち上がった。我慢できない。
「私、ちょっと気分が……少しのあいだ、部屋に戻らせていただいてよろしゅうございますか」
「おお、それはいかん。ささ、送ってやろう」
老王は慌てて立ち上がり、嫁に駆け寄ろうとした。
イヴァンがその動きを遮った。
「それは私の役目です。父上はどうぞこのまま母上とおくつろぎを」
「そうですわよ、陛下」
息子と妻に引き戻されて残念そうな顔で、国王はナタリーに声をかけた。
「無理してこちらに戻ろうとするのではないぞ。しっかり休むのじゃ」
「ありがとうございます」
ナタリーは王と王妃に礼をして、イヴァンの腕に優雅につかまりテラスを後にした。



テラスから見えない場所に入るとすぐさま、ナタリーは夫の腕を振り放した。
そのまま憤然と歩いていこうとするので、イヴァンはその肘を掴んだ。
「待てまて、一緒についていってやるから」
彼女は前を向いたまま断った。
「付き添いは結構よ。それよりはあちらで私も知らないなれそめ話をしてらっしゃい」
「おまえがいないと面白くない」
ナタリーが勢いよく振り向いた。
来るぞ、と彼が思った通り、彼女は眉を吊り上げてイヴァンを罵り始めた。
「あなたって方は、よくまあ一秒も考えず、ああも口からでまかせに大嘘ばかりお喋りになるわね。しかも両陛下に向けて」
イヴァンは神妙に答えた。
「本当の事を言えば叱られるじゃないか」
「叱られて当然よ」
ナタリーは、ぷっと頬をふくらませた。
「一度くらい、こっぴどく叱られてみればいいんだわ」
「おまえにいつも叱られているじゃないか。これ以上は遠慮したい」
418晴天の日6:2005/08/24(水) 14:40:49 ID:SN/3bjPF

ふくれた頬に顔を寄せ、彼は素早くキスをした。
頬を抑えてナタリーはとびすさった。
「なにするの」
イヴァンはにやにやした。
「可愛い顔をしている」
「私、怒っているのよ。見てわからないの」
「あまり怒ると腹の子に触るぞ」
「……………」
ああいえばこういうのがこの男の特徴である。
ナタリーは言い争いが不毛な事に気付いたようだった。
黙って歩き、階段をゆっくりあがって自室の前に到着する。
ナタリーはイヴァンを見上げた。
「もういいわ。ありがとう」
イヴァンは立ち去ろうとしない。
ナタリーは促した。
「…もう大丈夫よ」
イヴァンは全く動かなかった。
仕方なく、ナタリーは尋ねた。
「どうなさったの」
彼は彼女を見下ろし、なぜかとてつもなく偉そうに目を細めて言った。
「キスをしてくれたら、行く。──頬じゃなくて」
「…………」

ナタリーは廊下の左右に視線を走らせ、イヴァンの腕を掴んで軽く伸び上がった。
唇が触れ、それから離れようとした彼女の躯をひっつかんでイヴァンは引き寄せた。
ぷっくりと柔らかな下側のふくらみを挟み、舌を軽く滑り込ませる。
蕩けそうな感触の口腔には、さきほど飲んだ茶の香りがした。
顔の角度を変えてもう少しだけ深く舌を差し込む。
小さな舌先を捕まえて吸いとり、自分のそれを絡めて優しく擦り、彼女の唾液を味わった。
すこし甘い。
ゼラチン菓子と彼女が重なった味。

イヴァンは唐突に顔を離した。
ナタリーを抱えたまま、彼はさっさと扉に手をかけた。
「…お戻りに、なるんじゃないの」
「ここではなく、落ち着いた場所でじっくりとしたい」
彼女はちょっと赤くなった。
「もうしばらくはだめだってお医者様が仰ったわ」
「…キスだけだ。このところキスすらまともにしてない」
419晴天の日7:2005/08/24(水) 14:41:25 ID:SN/3bjPF

ナタリーは、甘いキスでかすかに潤んだ目を伏せて、ぼんやりと考えた。
確かに、イヴァンと最後にまともなキスをしたのはかなり前のことになる。
悪阻だったから仕方ないとは言え、そう言われると無下にも断れない。
「……ほんとに、キスだけ?」
「…ん?他も期待していいのかな?」
イヴァンの声が嬉しそうになったので、彼女は失言に気付いた。
「でも、お医者様が」
切り札を持ち出すと、イヴァンはひどく狡猾な目つきで彼女を見た。
「安心しろ。絶対大丈夫なように優しくしてやる。挿れないし」

そういう問題ではない。

イヴァンはナタリーの輝く髪にキスをして活き活きと喋り始めた。
「愉しんだら一緒に戻ろう、な。オレ一人であの夫婦の相手はキツい」
それまで両陛下がおとなしくしていてくださればいいけれど、とナタリーは思った。
「ほら、早く入れ、ナタリー。鍵はかけとけよ」
やる気満々の夫を見ていると、どうもあまり早く戻れそうにはなかった。

扉が閉まり、廊下は再び静けさを取り戻した。
テラスから誰かが呼びに来る事がないよう祈るばかりである。

今日の晴天はまだしばらくは続きそうだ。




おわり
420名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 14:44:20 ID:NREPQdYf
リアルタイムではじめて見た。

あー。

神のいる生活。
421ナサ:2005/08/24(水) 14:44:21 ID:SN/3bjPF
現在約494KB。
いい頃合いではないだろうか。
たまたま連続でたてる事になったがお許しを。

それでは次スレでまたいい話が読める事を楽しみにしとります。
422名無しさん@ピンキー:2005/08/24(水) 21:11:24 ID:oZmGFIFH
>>421
そんなあなたの話が読めることを楽しみにしとります。
ほんまにええスレや……
423名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 06:04:55 ID:lEogxSyR
昔某雑誌の見たいものコーナーで「ヒロインが全員男装女性のギャルゲー」ってあったけど
マジで激しく見てぇ!!でもどんな設定だろ。ギャルゲーといえばやっぱ学園もの?
それなら男子校の方がよさげだが、女子を何人も入学させる男子校って無茶苦茶だな(笑)。
学園ものじゃなくても騎士団とか道場とかどっかに所属してる設定だとやりやすそう。
ほんとにそんなギャルゲーでないかな。このスレでそーいうシチュの小説無理かな。
登場人物ほとんど男装キャラ・・・。
424名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 20:19:59 ID:lEogxSyR
小説のネタ提供を兼ねた雑談スレにしよう。埋め。
425名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 23:18:45 ID:lEogxSyR
オール男装ヒロイン学園編

1 メインヒロイン。お金持ちで文武両道の完璧タイプ。男装の理由は家督。優しい性格で男女問わずもてる。

2 秀才型。男装の理由は苦学生で奨学生だから。その為人を近づかせない態度に徹している。

3 野球(もしくはサッカー部)のエース。男装の理由は部活の為。とにかく活発系。

4 剣道部の主将。男装の理由は家が道場だから。柔道とか空手とかでもいいかもしれんが
  流石にばれるかなぁ・・。性格は古風で生真面目。

5 ロリ系(笑)。男装の理由は好きな男を追っかける為。元々入学前から男として接してたって設定だと
  なお説得力があるかも。性格は陽気で無邪気。

6 不良。腕っ節が強い。男装の理由は・・難しいな。家庭の事情とか?とにかくガラが悪いが根は純粋。

7 応援団長。もちろん学ランがトレードマーク。男装の理由は兄の跡を継ぐ為。一本木な性格。

426名無しさん@ピンキー:2005/08/28(日) 23:54:27 ID:wP9xBZpJ
>>425
素晴らしい!!!
427名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 00:06:30 ID:LPRAuNHN
>>425
6の男装の理由は親が男児を欲しがってたため男として育てられたってのはどうだろう。
1とややかぶるけど・・・

あとこういうのも付け加えてみたがどうだろ。

8 委員長。男装の理由は男子と対等に張り合いたいため。男嫌いで何かにつけ男子に対抗意識を燃やす。
  性格は勝ち気で高飛車。

9 レズ。男装の理由は女子にモテたいため。性格はナンパ気味だが気さくでさっぱりしているため
  男友達も多い。
428名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 00:12:21 ID:SsNFL97G
しかし萌えるとはいえ9人も男装娘が入学してるなんてなんちゅー設定や(笑)。
男子校だったら尚更だな。でも9が使えないか。
429 ◆z1nMDKRu0s :2005/08/29(月) 00:21:20 ID:iMPcADl7
志村ー、分岐分岐
あるところまで書いた後、どのルートを書いて欲しいか投票というのはどうかな?
頼むぞ>>425 !!!!
430名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 01:20:40 ID:SsNFL97G
全部・・・は駄目かな(笑)。
431名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 03:31:21 ID:SsNFL97G
オール男装ヒロイン騎士団編

1 団長。20代の女性。たまには少女以外も。かなりの重装備で実力ももち1。生真面目な性格で慕われている。

2 副団長。18、9。団長程ではないが重装備で団長と比べて細身の剣を使う。クールで無表情な雰囲気。

3 とにかく明るいムードメーカー。主役っぽいタイプ。16、7。ちょっと軽装備で剣の素質はあるけどまだ未熟。

4 騎士とは思えないくらい幼い少女。13、4。家族の敵を倒す為入隊。気弱でおとなしいか、極端に無感情かのどっちか。
  子供だから鎧は着れず軽装備。剣の腕前は年齢の割に強い。

5 異国から来たサムライ。17〜19。もちろん袴姿でさらしを巻いて胸を隠している。もちろん刀装備で
  素早い剣さばきが特徴。古風で融通が利かないところも。

6 中国人。16〜18。ちゃっかり者でお金好き。中華服で青龍刀(槍でも可)。身のこなしが軽い。

7 お忍びの姫。15、6。身分を隠して入隊。わがままで気が強いか内気で純粋かのどっちか。城で密かに剣の稽古を
  受けてたため以外と強い。
432名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 05:06:45 ID:SsNFL97G
オール男装ヒロイン時代物編

1 お忍びのお姫様。16、7。元々家督の為男装してた。薙刀使いでそこそこ強い。明るく前向き。

2 ↑の従者。18、9。その正体はやはり姫で1のお姫様の家に実家を滅ぼされ復讐の為に近づくも
  姫の純粋さに惹かれ内心戸惑っている。武器は刀でかなり強い。真面目で寡黙な性格。

3 剣術道場の跡取り。17〜19。正義感が強く町にはこびる悪党を倒し、町人から慕われている。
  もちろん刀使い。真面目すぎて恋愛沙汰とかには疎い。

4 忍者。15〜17。首領の娘で跡継ぎの為くのいちとしてではなく男忍者として育てられる。
  忍者としての実力は確か。かなり無感情。

5 神社の娘。14〜16。家の都合で巫女としてではなく男性神官として育てられる。占いや術が得意。
  控えめでおとなしい。

6 盗賊。18、9。義賊で悪徳な庄屋や武家屋敷しか狙わず、貧しい農民や町人に慕われている。
  勝気で豪快な性格。
433名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 09:31:39 ID:j/WdjOWy
>428
リアリティ追及は不要だよ
もともと男装少女そのものがファンタジー
434名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 13:03:48 ID:AbKm6KMF
これで主人公が女装してたら完璧だな。
435名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 19:34:17 ID:SsNFL97G
>>434
確かに(笑)。特に騎士。男装女性オンリーの騎士団に女として入隊する主人公。
逆ハーレムに見えて実はハーレム(笑)。
436名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:03:25 ID:mnIlKw7u
そこまでいくとわけがわからんな

そもそもおれたちは男装少女に何を求めているんだろうか
437名無しさん@ピンキー:2005/08/29(月) 21:19:47 ID:SsNFL97G
確かになんだろ。男としての凛々しさや強さ、女としての可愛さ、エロさのギャップってところか。
男装キャラって425+427、431、432みたいに1つの作品の主要登場人物全部そうってことないからな。
当たり前だけど。でもたまにはこれでもかって程男装娘オンリーてのも見てみたい。
なんでギャルゲーとかでこないんだろうか。
438名無しさん@ピンキー
迷うぞ、全員男装少女だと。

ギャルゲの場合にはできれば方法が選べるといいんだが。
この娘にはこれだろって自分なりの妄想が生かせたらと思う。
みんな決まってるのがなぁ。

だが全員ものがないってのはやはり特殊な嗜好なのかもしれんな。
マニアックつーか。