【妖怪】人間以外の女の子とのお話14【幽霊】

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625624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:47:43 ID:nkbkGmHz

「どうも、お待たせしました。もうすぐ、列車が出発するみたいですよ」
と、そこに3人分の切符を手にした薫さんが、腕時計を見ながら戻ってきた。
「うむ、そうか。それでは、信幸殿……御母堂にもよろしくな」
「あ、は、はい。琢磨さんたちも、お元気で……う、うわっ!?」
琢磨氏は、薫さんの言葉に軽く頷いたかと思うと、再び俺に深々と頭を下げてきた。
俺は琢磨氏に返事をして、足元に置いてあった薫さんの鞄を手に取ろうとして、
そのあまりの重さに、思わず悲鳴をあげてしまった。
……そういえば、一昨日の宴会の酒を、お袋からどっさり貰っていたっけか。
「あ、あらあらすいません。……それでは信幸様、どうもお邪魔いたしました」
「え……あ、いえ……」
薫さんは例の笑顔のまま、あっさりと鞄を片手で持ち上げたかと思うと、ペコリと礼をしてきた。
俺はぽかんと口を開けたまま、お辞儀をするしかなかった。
……薫さん。本当に、あなたは一体何者なのですか?

「……っと、幸乃ちゃん。また、遊びに来るからね〜」
顔をあげた薫さんは、さっきの絹代と同じように、幸乃の手を軽く握り締め、優しく語り掛ける。
幸乃は、薫さんの顔を目にした途端、嬉しそうに笑みを浮かべ、手足をばたつかせだした。
……本当に幸乃って、薫さんには懐いているな。
産まれてきたときに、薫さんに取り上げてもらったの、覚えている? ……まさかな。
「その頃には幸乃ちゃん、お姉ちゃんになっているかもしれませんね〜」
「か、薫姉!」
などと思っていると、薫さんは佳乃の顔を上目遣いに見やりながら、
悪戯っぽい笑みを浮かべ、いきなりとんでもないことを口走る。
見る見るうちに顔を真っ赤に染まらせた佳乃は、薫さんに向かって抗議の声をあげていた。
「ふふっ。……佳乃も、元気でね」
「か、薫姉……まったく……」
抗議の声から逃れるように、軽く後ろに跳び退りながら、佳乃に声を掛ける薫さん。
そんな薫さんに、憮然とした顔で、ため息をつく佳乃。
……薫さんって、こんなに表情豊かだったんだ。初めて知った。

「お〜い、薫! もう列車が出てしまうぞ!」
「あ、はいはい。今参ります。……………信幸様」
「え? あ、は、はい」
と、絹代が列車の窓から顔を出して、こちらに向かって声を掛けてきた。
薫さんは、首だけを絹代のほうに向けて返事をしたかと思うと、再びこちらへ向き直る。
俺は薫さんの、突然の真剣な表情と醸し出す雰囲気に押され、どもりながら身構えてしまった。

「……佳乃と幸乃ちゃんのこと、これからもよろしくお願いいたしますね」
「は、はいっ」
しばしの間、息をするのも苦しいくらいの重苦しい沈黙が、辺りを漂っていたが、
薫さんが不意に柔らかい、慈愛に満ちた笑みを浮かべながら、深々と頭を下げてきた。
俺はまるで、その笑みに吸い込まれるかのように、元気よく返事をしていた。
626624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:48:27 ID:nkbkGmHz

「……ふう、疲れた……」
「ふふっ。どうもお疲れ様でした。今、お茶をお煎れしますね」
「ん? ああ」
無事家に戻り、ソファーにもたれ掛かる俺に、幸乃を揺りかごに寝かしつけた佳乃が、
微笑みを浮かべながら話しかけてきた。俺は天井を向いたまま、佳乃へ生返事を返しながら、
一昨日の日、宴会中に薫さんから言われたことを、思い出していた。

――お腹を大きくさせた佳乃が、いったいどんな気持ちでいたか、考えたことがおありですか!?――

この言葉が、どうしても頭から離れなかった。
そしてまた、実際に佳乃がどう思っていたのかが、気になって仕方がなかった。

「さ、どうぞ」
「ああ、ありがと。……佳乃、すまなかったな」
と、佳乃がテーブルの上にお茶が入った湯飲みを置きながら、にっこりと微笑む。
俺はお茶を一口すすってから、佳乃のほうへ向き直り、頭を下げた。
「はあ?? ど、どうしたのですか?」
「いや……あれから、幸乃がお腹にいたっていうのに、ずうっと会いに来れなくて、その……」
目を丸くさせて、こちらを見返す佳乃に、俺は湯飲みをテーブルに置き、声を詰まらせながら答える。
「は〜あ……。もしかして、薫姉の言葉を真に受けられていたのですか?
あんな、酔っているときの戯言など、お気になさることなど、ありませぬのに……あ、あなた?」
佳乃はため息をつきながら、軽く首を振っていたが、俺が両肩を掴みあげると、
驚きに目をぱっちりと見開き、俺の顔をじっと見つめてきた。
「……正直に教えて欲しいんだ。俺がふたたび山に来るまで、何を思っていたんだ?」
俺は佳乃の両肩を抱いたまま、出来るだけゆっくりと話しかけた。
「お知りに……なりたいですか?」
「あ、ああ」
佳乃は俺の手をそっと両肩から振りほどき、優しく手を握り締めたまま、
じっと目を閉じていたが、やがて神妙な面持ちでこちらを見据え、小首を傾げながら口を開く。
そのあまりに真剣な表情に圧倒されながらも、覚悟を決めた俺はゆっくりと頷いた。
「では……何も言わずに、目を閉じていただけますか?」
佳乃の言葉どおりに、無言で目を閉じた。
しばしの沈黙の後、くちびるに柔らかい何かが触れた感触が伝わる。
目を開けると、そこには佳乃の顔があった。佳乃はそっと、俺にくちびるを重ねてきたのだ。
627624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:49:04 ID:nkbkGmHz

「……っ、んんっ……よ、佳乃?」
「もちろん……ずうっと、あなた様と幸乃ちゃんのことを、思っていましたよ」
突然の佳乃の行動に不意を突かれた俺は、驚きに目を見開いたまま、くちびるを離した。
佳乃はそんな俺を見て、にっこりと微笑みながら、俺に体を預けてくる。
「よ、佳乃……っ……」
胸にじわりと熱いものがこみあげてきた俺は、佳乃をそっと抱きしめ、自分からくちづけを交わしていた。
「……ん、んっ」
「…んふ……っ」
さらにくちづけを交わしたまま、佳乃をゆっくりと床へと押し倒す。
少しずつ、お互いの鼻息が荒くなってくるのが分かる。
「……あ、あんっ」
パーカーのジッパーを脱がし、そっとブラウスの隙間に手を潜り込ませてみた。
下着を通り越し、じかに佳乃の胸の感触が、指へと伝わってくる。
指が触れた瞬間、佳乃はピクリと体を震わせ、甘えた吐息を漏らす。
「……へえ。下着着けてないんだ。もしかしてこうなるの、期待していた?」
「! ち、違いま…あっ、ああ……っ…」
佳乃の耳元で、そう囁いてみる。すると、佳乃はゆっくりと首を振り、否定の言葉を口にし始めた。
が、俺が指先で、胸の頂を撫で回していると、その言葉が途切れ途切れになってしまう。
「違うって言われてもな……ここまで感じられてると、信じられないよ」
「あっ! ああんっ……。そ、それは…ゆ、幸乃ちゃんに、おっぱいをあげやすいように……ああっ」
言いながら、ブラウスのボタンをほどき、露わになったもう片方の胸を撫で上げる。
佳乃は、顔を真っ赤に染まらせながらも、ぽそぽそとつぶやいていたが、
そのつぶやきも、俺が胸の頂に吸いつくとともに、たちまち喘ぎ声へと変わってしまう。
……まあ、実際の理由はそんなとこだろうと、薄々感じてはいたが、そこはそれ、ということで。
「あ、あは! ああっ! あんっ!」
右手と口で、佳乃の両方の胸を堪能しながら、残った左手を佳乃の下腹部へ這わせる。
途端に、佳乃は歓喜の声とともに、俺の指へと――さすがに、こちらは下着を着けてはいたが――
自らの股間を擦りつけるように、腰を浮かせてきた。
「んっ! あっ! あああんっ!」
下着越しに、佳乃の割れ目を撫で回し続けると、佳乃はさらに腰を浮かせてくる。
俺は佳乃の胸を吸いあげたまま、胸を愛撫していた右手を佳乃の下腹部へと向かわせた。
今日の佳乃の下着は……指先から伝わる感触で、紐で結わえるタイプの下着だと分かる。
「ああっ! あんっ! っ!」
片方の結び目だけを解き、露わになった佳乃の割れ目へと指先を潜り込ませた。
指先の動きに合わせ、カクカクと腰を振る佳乃。
そんな佳乃を目にした俺は、舌先を佳乃の胸から離し、ゆっくりと下腹部へと移動した。
「あっ! あんっ! あひいっ!」
割れ目の付け根にある肉芽を、くちびるで咥えながら、軽く吸い上げてみる。
それだけで、佳乃は上半身を仰け反らせながら、歓喜の悲鳴をあげだす。
「はああっ! あっ! ああっ! ああああっ!」
さらに、割れ目に潜り込ませていた指をうごめかせながら、菊門を舌先で撫で上げてみると、
佳乃は全身をビクビク震わせながら、あっさりと絶頂に達してしまった。
628624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:49:37 ID:nkbkGmHz

「あ…ああ……あ……」
「んん? もうイッちゃったんだ。じゃ、今日はこれで止めようか?」
「……あ。い……嫌、です……」
絶頂に達し、肩で息をする佳乃に、そっと問いかけてみた。
すると佳乃は、うつろな目で俺の腕をとり、弱々しく首を振りながら、否定の言葉を口にする。
「嫌? 何が嫌なのかな?」
「あ、の……あなた様の…あなた様のを、中に……」
「え? 俺の何?」
「あなた様の、お…おちんちんを、おちんちんをわれの中に、くださいいっ……」
軽く首を傾げながら、佳乃にさらに問いかける。
……本当は俺自身が、こんな佳乃の艶姿を目にして、我慢など出来るはずがないのだが、そこはそれ。
本番に入る前の儀式みたいなもの、だ。
「そうなんだ。俺のちんぽが欲しいんだ。で、前と後ろのどっちに?」
そっと佳乃の菊門を、指先で撫で回しながら問いかける。勿論、佳乃は後ろをせがんでくるはずだ。
「あんっ。う、うし……あ。…ま、前に……前にくださ……い……」
「……え?」
佳乃は腰を軽くよじらせながら、俺の予想――というか期待通りの――返事をしようとしてきたが、
その言葉が一瞬止まったかと思うと、思い直したかのように、前のほうへとおねだりをしてくる。
予想外の答えに、今度は俺の思考回路が止まってしまった。
「………あ、あなた?」
「あ、いや……なんでもない…なんでもないよ、佳乃……っ」
佳乃の怪訝そうな声を耳にして、現実へと戻ってきた俺は、
誤魔化すように軽く首を振りながら、佳乃のくちびるをそっとふさいだ――
629624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:50:16 ID:nkbkGmHz

「綺麗だよ、佳乃……」
「あ、あなた……は、恥ずかしい、です……」
服を脱ぎ捨て、産まれたままの姿で俺を見上げる佳乃を見て、そっと感想を漏らす。
佳乃は顔を赤らめ、目線を俺から逸らしながら、ぽそぽそとつぶやく。
「恥ずかしい? そんなことないさ……いくよ?」
「……………」
そんな佳乃の姿に、いよいよ我慢出来なくなってきた俺は、
ゆっくりと佳乃の両足を広げながら、いきりたったモノを佳乃の割れ目へとあてがった。
顔を赤らめたままの佳乃は、口元に手を添えながら、無言でコクリと頷いた。
「よ……佳乃……っ」
「あっ……あなた……、あ、ああっ……」
モノを突きたてた途端に、痺れるような快感が二人を包み込む。
「ああ……いい…。いいよ……佳乃……」
「……あっ、ああ、あ…ああっ……あん…ああっ!」
あまりの快感に、俺は我を忘れ、夢中になって腰を前後に動かし続ける。
俺の腰の動きに合わせるかのように、佳乃の喘ぎ声もまた、少しずつ甲高くなっていった。
「佳乃……っ…ん、っ……」
「あはっ! あっ! ああっ! ああんっ!!」
佳乃の甲高い声に、ほんの少しだけ意識が戻ってきた俺は、
腰の動きに合わせて揺れ動く、佳乃の胸へとむしゃぶりついた。
途端に上半身をよじらせ、歓喜の声を漏らす佳乃。
「んむ……ん、っ……ん……」
「……ん、んっ、んふ…ん、んんっ……」
軽く頂に歯を立てながら、胸を吸い上げると、たちまち口の中に甘い味が広がる。
それを口に含ませたまま、俺はそっと佳乃のくちびるを奪った。
「んっ……っ……」
「んっ! んんっ! ん! ん〜んっ! んふ…っ、んんっ……」
佳乃のくちびるを舌先でこじあけ、口に含んでいた甘い味を佳乃の口中へと送り込む。
その味が気に入ったのか、佳乃の咽喉からゴクリという音が聞こえたかと思うと、
佳乃は俺の後頭部に手を回しながら、口先をすぼませ、俺の舌を吸い上げてきた。

「……んっ、んん………ぷは…よ、佳乃……イ…イク…イクぞ……」
「はあ……あ…あっ、あ…ああっ! ああっ! あんっ! の、信幸様! 信幸様っ!」
しばらくの間、まさにお互いの舌先を絡めあうような、深い口づけを交わしていたが、
限界が近づいてきた俺は、半ば無理やり佳乃からくちびるを離し、
最後のスパートとばかりに、腰の動きをさらに激しくさせる。
同時に佳乃の口から、堰を切ったように次々と喘ぎ声があふれだす。
「……っ、よ、佳乃っ!」
「あ、あああーっ!」
それからほどなくして、俺たちは嬌声とともに、絶頂に達していた。
630624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:51:07 ID:nkbkGmHz

「……はあ、はあ……はあ…よ、佳乃…っ……」
「はあ…っはあ……っ……」
絶頂後の脱力感に襲われた俺は、繋がったままゆっくりと、佳乃の上に覆いかぶさる。
肩で息をさせたまま、そっと佳乃とくちづけを交わそうとして――
「え? よ、佳乃?」
「の、信幸様……うむ…ん、んふ、ん……んんっ……」
佳乃は、不意に体の上下を入れ替え、俺のくちびるを奪ってきたかと思うと、
おもむろに腰を動かし始めた。達した直後で敏感になっている、下腹部を襲う刺激に、
思わず四肢をよじらせようとするが、佳乃がしっかりと抱きついているため、それもままならない。
「ふむ……っ、あっ、ああっ、ああんっ!」
「くっ……佳乃っ……」
さらにくちびるを離した佳乃は、上半身を起こして腰を激しく上下にゆさぶりながら俺の手を取り、
自らの胸を荒々しく揉みしだかせる。するとたちまち、佳乃の胸から白い液体があふれ出す。
あふれ出した佳乃の母乳は、見る見るうちに俺の手や指を白く染め上げていく。
「あっ……ああ……んっ、んふ……ん、美味し……っ……」
「よ…佳乃……っ…」
佳乃は、母乳まみれになった俺の手を、半ば強引に自分の胸から引き剥がしたかと思うと、
舌を伸ばして、手についた母乳を舐めすくっていた。
「ん、っ……ん、んんっ……んむっ……」
「あ……ああ、よ……佳乃……」
さらに、俺の指を一本ずつ口に含ませ、ちゅぱちゅぱと音を立てながら、丹念にしゃぶりあげる佳乃。
一方の俺はと言えば、下腹部から伝わる刺激と、他人に自分の指をしゃぶられるという、
生まれて初めての刺激に、ただひたすら為すがままとなっていた。

「ん……んっ…。はあ……あ…あむ……っ、ん…っ……」
全ての指を舐め終わったと思ったら、その手をふたたび自らの胸にあてがい、
代わりに今まで胸を揉みしだいていた手を口元に運ぶ。
もちろん、その間も腰の揺さぶりは止まってはいない。
「ああんっ、あんっ! の…信幸様……信幸様っ……あっ、ああっ!」
どの位それを繰り返したか、不意に佳乃が俺の指を離し、
天を仰いで喘ぎ声をあげだしたかと思うと、腰の動きがさらに激しさを増してきた。
「イっ、イイっ! 気持ちイイっ! 気持ちイイのっ!」
「よ、佳乃、イク……イクぞ、うううっ!」
恍惚とした表情の佳乃が、不意に俺の胸の頂を摘まみあげてきた。
予想だにしなかったその刺激がとどめとなり、俺はあっさりと2度目の絶頂に達していた――
631624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:51:39 ID:nkbkGmHz

「あ、あう……よ、佳乃……」
「はあ……はあ。の、信幸様……っ……」
立て続けの絶頂を何回も繰り返し、俺は完全に脱力しきっていた。
だが佳乃は、恍惚とした表情のまま、俺にくちづけの嵐を浴びせながら、ゆっくりと腰を動かし続ける。
「ちょ、よ、佳……あ、あう…っ…」
……さ、さすがにこう休まずに連続だと……ちょ、ちょっと……い、意識が……。
そんな俺の気持ちとは裏腹に、佳乃がふたたび上半身を起こして、腰を揺さぶり始めた。
……だ、誰か助けて……こ、このままじゃ……。そう思った次の瞬間――
「おぎゃーっ、おぎゃーっ」
「あ……ゆ、幸乃ちゃん……」
不意に揺りかごの中で眠っていた幸乃が、大声で泣き始めた。
その途端、佳乃はピタリと腰の動きを止め、うつろな目で揺りかごのほうを仰ぎ見たかと思うと、
ゆっくりと俺から離れ、四つんばいで幸乃の元へと向かっていく。
……た、助かった。幸乃よ、何て親孝行な娘なんだ。

「よい……しょっと……」
佳乃が優しく幸乃を抱き上げる。その表情は、多少赤く火照ってはいるものの、
先ほどまでの恍惚とした表情は微塵も無く、ただ穏やかな母親の顔がある。
……本当に、見事なまでの変化だな……女は怖い。
「んぎゃあ、んぎゃあ、んぎゃ〜あっ!」
だが、いつもは佳乃に抱かれただけで、ピタリと泣き止むはずの幸乃が、まったく泣き止む気配がない。
……いったい、どうしたというんだ? 目の前でエッチするのがまずいのか? いや、今さらそれはないか。
「ん、よしよし……あらら。おもらししちゃったの〜? ん〜、気持ちわるいですね〜」
「……んっ、ぐず、ん…んぎゃあ、んぎゃあっ!」
と、佳乃は幸乃のおしりを軽く撫で回したかと思うと、小首を傾げながら幸乃に向かって話し掛ける。
「……そっか、おもらししちゃったのか……なら仕方ないよなあ」
「ええ……。さ、幸乃ちゃん。お父さんお母さんと一緒に、きれいきれいしましょうね〜」
俺は鉛のように重たい体を、どうにか上半身だけ起こしながら、つぶやくように言った。
佳乃は、そんな俺に向かって軽く頷き、幸乃に軽く頬擦りしながら、優しく語りかける。
……へ? い、一緒に?
632624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:52:49 ID:nkbkGmHz

「ん? あ、あれ?」
というわけで、家族3人で風呂に入ることになり、幸乃の体を洗うことになったのだが……。
「ど、どうしたのですか? 幸乃ちゃんに、何かありましたか?」
俺の言葉を耳にして、湯船に浸かっていた佳乃が、身を乗り出して尋ねてくる。
「い、いや……幸乃の背中に……棘みたいなのが、生えているんだけど……」
俺は幸乃を抱きかかえ、背中を指差した。そこには確かに、黒い棘みたいなものが生えている。
大きさは、幸乃の手の爪と、同じか少し小さいくらいかなのだが……何なんだ、これは?
前に幸乃を風呂に入れたときはこんな物、生えて無かったぞ?
「ああ……そう、なのですか。幸乃ちゃんも……」
「え? 幸乃も、って?」
途端に、佳乃は視線を落とし、消え入るような声でつぶやく。
まじまじと幸乃の棘を見ていた俺は、その言葉にぱっと顔をあげ、佳乃のほうを仰ぎ見た。
「実は……われにも、同じものが……」
「そ、そうなの?」
うなだれながらの佳乃の告白に、俺は目を見開いて問いかける。
……今まで、何度も佳乃の背中を見たことはあったけど、全然気がつかなかったぞ?
「はい……自分の意思で出し入れ出来ますので、ずっと出さないようにしていたのです……」
口にしなくても、俺の疑問を感じ取ったのか、そうつぶやきながら、ゆっくりと俺に背中を見せる佳乃。
そこには確かに、親指くらいの大きさの、黒い棘が生えている。
「あ……ほ、本当だ。でもいったい、何なんだろう?」
俺が佳乃に生えている棘を、軽く擦りながら疑問を口にする。
……まあ、よく考えたら佳乃って天狗だし、人間と違うものが生えていても不思議はない、か。
「さあ……。少なくとも里では誰も、こんなものを持っている者は、いなかったですし……」
などと思っていたが、佳乃は寂しそうな顔でゆっくりと首を振りながら、ぽそぽそとつぶやく。
……て、天狗でも、いない? そういえば、すっかり忘れてたけど佳乃って、
かつては男のモノも生えていたっけか。それも何か関係があるのか……? って、まさか幸乃も……?
「そ、そっか……まあ、大したことでもないし、気にする必要も無いよ。
それに皆、本当は生えているけれど、お互い黙っているだけなのかもしれないし、ね?」
「……で、でも……われはかつて……」
俺は、頭の中に芽生え始めた疑問を押し殺し、出来るだけ平静を装って佳乃にそう話し掛けた。
だが佳乃もまた、俺と同じことを思っていたのか、弱々しく首を振りながら口を開きかける。
「佳乃、こっちを向いて」
「は、はい……」
そんな佳乃の言葉を遮るように、俺は佳乃の肩に手を添えながら、じっと見据えた。
佳乃は蚊の鳴くような声とともに顔をあげる。その可愛い顔は、今にも泣き出しそうに歪んでいる。
「誰が何と言おうと、佳乃は俺の大事な嫁さんで、幸乃は俺と佳乃の大事な娘だ。
それ以上でもそれ以下でもない、そうだろう?」
「あ……あなた…っ………」
感極まったのか、佳乃は口元に手を添え、肩を震わせる。
俺は何も言わず、ただひたすら佳乃の頭を優しく撫で続けていた。
633624 ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 21:54:45 ID:nkbkGmHz

「ふう……。幸乃ちゃん、お風呂は気持ちよかったですか〜?」
風呂をあがってから、俺たちは幸乃を真ん中に、親子3人で川の字になって布団に入った。
布団に入った佳乃は、幸乃のお腹を軽く撫でながら、優しく語りかける。
その表情からは、さっきまでの憂いは微塵も感じさせず、俺は心の中でほっと胸を撫で下ろしていた。
「……しかし、幸乃もいつかは、嫁に行くことになるんだろうなあ……」
「まあ、あなたったら……。いったい、いつの話をしているのですか。
この前やっと、寝返り出来るようになったばかりで、這い這いもまだこれからですのに……」
安心した俺は、幸乃の手をそっと握りながら、ぽつりとつぶやいた。
そのつぶやきに、佳乃が俺のほうを見て、呆れ顔を見せる。
「ん、そうも言うけれど、過ぎてしまえば、あっという間だと思うんだよねえ……。
なあ幸乃、お前は初対面なのに無理やりエッチするような男とは、一緒になるなよ……」
佳乃の問いかけに返事をした俺は、自嘲気味に苦笑いを浮かべながら、幸乃に語りかけた。
……俺自身が、そういうヤツだったから、なあ。
「……ふふっ。それは、難しいかもしれませんですね」
「えっ!? な、何デ!?」
などと思っていると、佳乃が笑いながら、とんでもないことを口走った。
思わず俺は、声を裏返させながら、佳乃の顔を仰ぎ見た。
「お忘れですか? この子は、そんな殿方と一緒になった女の娘、なのですよ?」
「え……あ、そ、それ…は……その……」
俺のリアクションに、少し寂しげに顔を傾げながら、佳乃は言った。
……そ、そういえばそうだった。
反射的に固まってしまった俺は、何と答えて言いか分からず、しどろもどろになってしまう。

「うふふっ。でもわれは今、すごく幸せですよ。……あなた」
「え……あ、う……。と、ところでさ、何で唐突に俺のこと、『あなた』って呼ぶようになったの?」
そんな俺の仕草が面白かったのか、コロコロ笑いながら、そっと俺の手を握り締めてくる。
何だかすごく照れくさくなってきた俺は、視線を泳がせたまま、
話を逸らすように、少し前から思っていた疑問を口にした。
「………お嫌ですか?」
「いや、そんなことはないさ。急にそう呼ばれたから、かなり驚いたのは確かだけど」
佳乃は軽く眉をしかめ、不安げに問い返してきたが、俺はゆっくりと首を振り、そう答えた。
……それにしても本当に、唐突だったよなあ。最初に聞いたときは、我が耳を疑ったくらいだし。
「そうですか。……花嫁衣裳の着付けを手伝っていただいているとき、薫姉に言われたのですよ。
夫婦なのに、様付けのままだと他人行儀に聞こえてしまう、と」
「そっか……薫さんが、ねえ……」
「あ、あなた……?」
俺が天井を見上げながらつぶやくと、佳乃が不思議そうな顔をして問いかけてきた。
「え? いや、薫さんって何だか随分、人間慣れしてるなあ、と思ってね」
……携帯電話やらデートやらカメラやら、あの里だと耳にすることないぞ、多分。
「人間慣れ、ですか。それはそうかもしれないですね。薫姉ってお若い頃は、
かなりおきゃんな方だったそうで、しょっちゅう人里に下りてらっしゃったそうですし……」
「あ、なるほどねえ……でもそういえば、エッチのときはいつもと同じ、様付けだったようだけど?」
佳乃の答えに納得した俺は、返事をしながらニヤリと笑みを浮かべ、佳乃に向かって問いかける。
「え? ……あ、そ、そうだった……ですか?」
「ああ。最初はそうでもなかったけど、段々……ね」
見る見るうちに、顔が真っ赤に染まる佳乃。俺は大げさに肩をすくめ、ウィンクしながら答えた。
「そ、それは……その…」
「まあ、それはそれで、すっごく可愛いかったけれど、ね……」
「あ、あなたったら……もう……っ……」
しどろもどろの佳乃の手をそっと握り締め、優しく微笑む。
佳乃は苦笑いを浮かべ、軽くくちびるをとがらせながらも、俺の手を優しく握り返してくる。
二人が握り締め合っている手を、幸乃が嬉しそうに、自らの手をばたつかせながら、見上げていた――

おしまい
634名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 21:57:30 ID:YaFV9rR0
>>624-633
キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!
キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!
 
 
天狗妻キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!
635つぶやきマボ ◆MABOUp7up. :2005/10/10(月) 22:00:38 ID:nkbkGmHz
え〜……。
皆さん、本当の本当にお久しぶりです。

>323
すみません。気長〜にお待ちください。
636名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 22:04:26 ID:8GCqHdg5
(^-^)相変わらず素晴らしいです!!
637名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:50:17 ID:YcqhFeEO
薫さんとのエチーを希望してみます( ・`д・´)ノ
638名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:53:57 ID:pCUCwr7D
他意はないんだけど・・・
いま次スレ立てると800スレになっちゃうね
639名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 00:59:03 ID:DAMQwjsJ
この瞬間をどれほど待ったか…!GJ!!
640名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 01:57:43 ID:J9r/eBl/
そろそろ次スレ?
641名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 06:51:51 ID:Q8XXgvj/
>635
お久しぶりでお疲れ様。
642名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 19:08:52 ID:jSPST3Qh
何故か中途半端に終わるのは専ブラの仕様ですか?
643名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 19:16:23 ID:QjCHLAoW
圧縮終わってからの方がいいかもね
644名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 22:29:58 ID:Uyd0NLGU
あぁ猫の鈴音さんの続きよみたいな〜
645名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 01:53:56 ID:0SL+iPE2
次スレま〜だ〜?
646名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 02:29:19 ID:wgMWGfZ/
次スレ建てた。保守よろしく。

【妖怪】人間以外の女の子とのお話15【幽霊】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129137625/l50
647名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 20:16:51 ID:0SL+iPE2
埋めついでにネタを振ってみる。

>イスの大いなる種族
『ラブ・ドリフター』
私はイスの大いなる種族と呼ばれる精神生命体の一員だ。
我々の種族は全員が何らかの学究の徒であるが、私はその中でも異例の「異種族心理学」の、それも「恋愛感情」を専攻している。
私は様々な時空の人間と精神を交換し、その生活や恋愛を体験した。


自分じゃネタがないので使いたい方はどうぞ。
648名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 00:57:34 ID:qU3fbPYF
ドリフターズ?(違
649名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 02:01:58 ID:+fYy6l9L
オイッスの大いなる種族
650名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 07:25:04 ID:ZcGis2MV
次スレが出来ているし、485kb超えているから、2日間放置してdat落ちしたほうがよくない?
651名無しさん@ピンキー:2005/10/14(金) 09:54:54 ID:P4BdiENf
未だにdatの仕組みが分からない
何バイトを越えるとどういう風になるの?
教えてエルイ人!!
652名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 22:41:11 ID:vKOFDRq1
653名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 00:38:05 ID:E7sIAlb8
654名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 01:43:18 ID:FhRyAiYH
655名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 19:24:56 ID:PnUxIMOA
656名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 22:42:43 ID:i+uHRQqN
ちんこ
657名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 00:52:15 ID:o3+aGmJm
……空気の読めないヤツ……VIPPERかよ
658名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 01:29:13 ID:dalwK3At
>>655
659名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 07:22:01 ID:Lm7mrBUx
660名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 11:47:17 ID:xt1Mmduh
661名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 16:17:47 ID:541WmPsR
662名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 20:39:06 ID:CnPKEmeJ
663名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 22:14:24 ID:angVoEii
>>657
御自分はそんな書き込みして空気読めてるとでも?
664名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 00:57:11 ID:4rdlvciP
>>662
665名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 11:49:59 ID:GzFYF1vo
次スレはいらないね
666名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 12:49:14 ID:DKTJ8xpc
そうだな、今までありがとうよ粘着野郎
667名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 22:15:38 ID:qene4XiO
〃∩∧_∧
⊂⌒( ・ω・)
 `ヽ_っ⌒/⌒c   はいはいわろすわろす
    ⌒ ⌒

  ∧_∧
⊂(#・ω・)  わろすって言ってんだろ!!
 /   ノ∪
 し―-J |l| |
         人ペシッ!!
       __
       \  \
          ̄ ̄
668名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 00:42:43 ID:Uwrepjme
こんな雰囲気だからおむすびころころしていいですか?

        ,、ッ.ィ,
      ,:'゙    ';
    (( ミ,;:.   ,ッ )))   ♪
       ゙"'''''"゙
   もふっ
       ハ,_,ハ
      ,:' ´∀` ';
      ミ,;:.   ,ッ  ノノ
       ゙"'''''"゙         ♪
   ポィン
       ハ,_,ハ  ポィン
      ,: ´∀` ';
      ミ,;:.   ,ッ
       ゙"'''''"゙
      ヽ  ili /
     -      -

           スタッ
       ハ,_,ハ,
      n' ´∀`,n,
      ミ,;:.   ,ッ       ♪
       `'u゛-u'
669名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 08:53:20 ID:GfmiScQI

         _,,..,,,,_       ゲプ…
        ./ ;' 3 `ヽーっ  
        l   ⊃ ⌒_つ
         `'ー---‐'''''"
670名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 01:21:14 ID:61FfDLTg
埋めようよ……
671名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 03:15:39 ID:6G79wwfF
480kb超えたのだから、埋めるよりも何も書き込まないでほっとく方が早く消えるよ。
672名無しさん@ピンキー:2005/10/25(火) 18:54:25 ID:TDOerKCa
後ちょっとだからね。


673名無しさん@ピンキー:2005/10/28(金) 00:54:52 ID:fY0x6B+L
埋め
674名無しさん@ピンキー

               l^丶
               |  '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう    
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ   いあ    いあ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';  ';´∀`';, ,
              `:;       ,:'  c  c.ミ' c  c.ミ  
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J


            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   それ  るるいえ うがふなぐる ふたぐん
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)    いあ    いあ
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ    ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u   ι''"゙''u