十一、
「無駄な抵抗はァ……止メなさい……」
男の声と共に、スラリと戸の開く音がした。
少女達は、抱き合ったまま甲高い悲鳴を上げる。
銃声が響いた。
侵入して来たのは、村の駐在だった。
勿論もう、人間では無い。
蒼白な面に血の涙を滴らせて、いびつな笑みを浮かべる恐ろしい化け物。
ずかずかと部屋に入って来た彼は、手前に居た知子に銃口を向けた。
「やめろおっ!」
市子が叫ぶ。
知子を押し退けて、駐在に組み付いた。
「市子ちゃん!!」
駐在は、市子の首を締め上げた。
「駄目ー!」
知子は駐在の腕にしがみ付き、市子から引き離そうとした。
しかし、非力な少女の細腕で、男の力に敵う訳も無い。
駐在の腕の一振りで、知子の裸体は吹っ飛び、そのまま、部屋の隅の鏡に叩き付けられた。
「あぁっ!知子ちゃんっ!!」
ガシャン、と鏡の割れる音と共に、知子は後頭部に強い衝撃を受けた。
眩暈に襲われ、視界が暗転する。
(市子ちゃん……)
遠くに、銃声と、市子の悲鳴を聞きながら、知子の意識は、暗闇に沈み込んだ……
ぬるい夜気を感じて、知子は眼を覚ました。
「ん……」
躰を起こして顔を上げると、封鎖されていたはずの窓が開き、物干し場に出られる様になっていた。
「おはよ。知子ちゃん」
振り向くと、部屋の中央に市子が座って居た。
「市子……ちゃん?」
知子は一瞬、其れが市子だとは判らなかった。
市子の様子が、あまりにも変わってしまっていたからだ。
市子は、例の黒革の衣装を身に着けていた。
アイマスクこそ着けてはいなかったが、二つに分けて結い上げていた髪も下ろしている所為か、
其の姿はとても色っぽく、何処か現実離れした美しさを醸し出している。
もっとも、知子が奇異に感じたのは市子の装いよりも寧ろ、其の雰囲気の変化の方だった。
――さっきまでの市子ちゃんと、何かが違う……
――それに。
知子は、心なしか少し蒼ざめて見える市子の顔から視線を落とす。
黒いコルセットに締め上げられた細い腰の下に、あの駐在がぐったりと横たわっていた。
「どうしたの?知子ちゃん」
駐在の腹の上にどっかりと腰掛けたまま、市子が笑い掛けて来る。
「市子ちゃん……其れ」
「ああ、こいつね。ちょっとお仕置きしたの。生意気だったから。
下位の存在の癖に私に歯向かうなんて」
「……何でおちんちん出してるの?」
駐在は、ズボンを膝まで引き下げられ、隆々とそそり立った陰茎を天井に向けていた。
十二、
「うふっ。解剖しちゃったんだ。無邪気な乙女の好奇心?みたいな。
めっちゃんこオモロイんだよぉー、コレ。ね?ちょっと見てて」
そう言うと市子は、駐在の陰茎を握り、ゴシゴシ扱き始めた。
揉んで、摩って、ぐりぐりと弄り廻す内に、瞬く間に駐在の亀頭は膨れ上がり、
其の尖端からびゅっびゅっと赤い精液を射精した。
「ほらね。すぐ発射するんだコイツ。ソーロー君だよねぇ。だっせーの」
知子は、初めて目撃する男の射精に驚き、眼を瞬かせて見入った。
しかも其の陰茎は、大量の精液を噴出したにも拘らず、一向に萎える気配が無い。
「知子ちゃんも、こっち来てやって見なよ」
市子は、裸で立ち尽くす知子に向かって言った。
知子は呆然と、言われるままに市子の下へ寄って行く。
逆らう事は考えられなかった。
黒い革で絞り込まれた胴の上から、白い乳房を誇らしげに誇示している市子には、
まるで、女王様の様な威厳があった。
知子が傍に座り込むと、市子は駐在の躰に跨る形で陰茎に向き直る。
「こうするんだよ」
衣装の股間の穴から性器を露出させながら、市子は知子の手を取って、硬い陰茎に沿わせた。
市子の手が上下に動き出すと、駐在の咽喉から、低い呻き声が漏れ出でる。
「気持ち悪い声出してんじゃねーよソーロー!うっとぉしーんだよっ」
市子は革のハタキを手に取ると振り返り、バシンと駐在の頬を打った。
其の途端、駐在の陰茎はピッと短い射精を行う。
「きゃっ?!」
赤味がかった粘液が、知子の鼻の頭に掛かる。
「てめえ!知子ちゃんの顔、汚してんじゃねーよっ!この変態の出来損ない!!」
市子は立ち上がり、黒いブーツの爪先で駐在の陰茎を蹴り上げた。
すると駐在の躰はビクンと跳ね上がり、亀頭の先から、残っていた精液がトロッと溢れ出た。
「……ぷっ。くすっ、ふふふふふ……」
駐在の滑稽な有様を見て、思わず知子は笑ってしまう。
市子も笑った。
駐在も笑ったが、市子に「お前は笑うな!」と蹴っ飛ばされた。
其の後も、少女達は駐在の陰茎を玩び続けた。
知子と市子の二人掛りで起き上がり続ける棒を撫で廻し、揉みしだいた。
二人で舐めても見た。
あまりの生臭さに、気持ち悪いのを通り越して何だか笑ってしまった。
市子が、口の中に射出された精液をうっかり飲み込んでしまった。
「おえーっ」と悶える市子を見て、知子は涙を流して笑ったが、
市子は、そんな知子の頭を押さえ付けると、無理やり陰茎を口に頬張らせ、
知子にも精液を飲ませようとした。
知子の口に飛び込んできた駐在の精液は、海の珍味みたいで、思ったほどに不味い物では無かった。
咽喉に引っかかる其れを飲み下すと、何だか躰がほわんとして、いい気分だった。
知子は、市子と共に陰茎をしゃぶる行為に夢中になった。
ほとばしる精液は、全て知子が飲んだ。
駐在が市子の口の中で果てた時は、知子が其の唇を吸い、口の中の精液を持って行ってしまった。
市子が何か言っていたが、其の言葉はもう、知子の耳に入らなかった。
ただひたすらに、陰茎を咥えた頭を上下に振り立て、両手で睾丸を柔らかく揉んだ。
次第に視界がぼやけて来て、酔った様に眼が廻ったが、其れも決して不快な物では無かった。
夢の中にいるみたいな陶酔感に包まれ、知子は、ゆったりとした笑みを浮かべた。
十三、
夜が明けようとしていた。
白い朝靄の立ち込める中、知子と市子は、教会へ続く道をとぼとぼと歩んでいた。
元通りのセーラー服を着込み、肩を落として歩いて行く市子の後ろから、
やはり俯き加減の知子が、付き従うように続いていた。
「……ごめんね、知子ちゃん」
市子が、振り返らずにぽつりと呟く。
「何が?」
知子の問い掛けに、市子はゆっくりと振り向いた。
「市子ちゃん……泣いてるの?」
「ううん。泣いてないよ」
光る眼を擦りながら、市子は答える。
知子と市子は、暫し、無言で俯き合った。
「私……お母さんの処に帰らないと」
急に市子は、そんな事を言い出した。
「うん、そうだね……其の為にもまず、教会に行かないと」
「……駄目なの」
市子の瞳が、知子を見上げる。
「此処には、私のお母さんが居ないから……此処、私の居た場所と違うの。
凄い似てるけど、違う……あの警官を見て分かったの。此処に居るのは私の仲間じゃ無い。
だから、私も此処には居られない」
「市子ちゃん何言ってるの?」
知子は、市子の手を掴んだ。
赤く染まった市子の手を胸に握り締め、知子は、不安げに市子の眼を見た。
市子は、そんな知子のおでこに、自分のおでこをコツンと当てた。
「……私ね、ホントはずうっと、知子ちゃんと一緒に居たい」
「居たらいいじゃん。何で、駄目なのぉ?」
知子は泣きたい気持ちで声を荒げた。
「知子ちゃんが此処の人だから。もう住む世界が、違っちゃってるの……でもね」
市子の唇が、知子の唇を、そっと包み込んだ。
其の唇は何故か、ひんやりと冷たかった。
「私、知子ちゃんの事、絶対忘れないから。知子ちゃんが私の事を忘れちゃっても……私は忘れない」
「私だって……!」
忘れたりしない。と言いかけた知子の手を振り払い、突然市子が駆け出した。
「市子ちゃん!」
後を追おうとした知子の眼の前で、市子の姿は、フッと掻き消えた。
「………」
知子は、言葉も無く立ち尽くした。
白んだ世界の中で、寂しげな風が頬を撫でた。
やがて自失状態から立ち直り、知子は独り歩き出す。
「みんな、いなくなっちゃう」
孤独だと思った。しかし、知子の心は奇妙に落ち着いていた。
いつしか周囲には棚田が広がっていた。此処はもう刈割だ。教会まで、あと少し。
ふと空を見上げる。
一本の光の柱が見えた。そして、輝くオーロラ。
小さな発光する生き物が、浮塵子の様に宙を漂っていた。
「天使……さま……?」
彼女は呟いた。不思議な静謐が辺りに満ちている。
不意に眼の前に、誰かが現れた。
しかし知子はもう、何の不安も感じはしなかった。
【了】
GJ!
あの教会前のデモムービーに繋がってるあたりもセンスを感じる。
石田巡査が羨ましすぎる
俺と代われ
s
G--------------J----------!
あったか靴下で待っててヨカッタ!!
テツヲが一緒に笑うのに笑った
百合キタ!GJ!
市子は飲んじまったら屍人になるという1の鉄則は解らなかったんだな。
ここにいたらいいという知子の口調が例のムービーでの様子っぽいのも憎い。
安野は顔にさえフィルターをかければ、どう考えても絶望、の
状況をお嬢様故の無知から来る前向きさで頑張ってる所が希望にも
見えるし馬鹿にも見えるしで良いと思う。
よって自分的には希望シチュはENDデモあたりの竹内が屍人になるのか
ならないのかとかでダァー!!な竹安希望です、ぱらいその神様。
夢にまで見たいちともキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
次はぜひ美耶子も入れて14才百合3Pでwwwwwwwwwwwww
>>652 とんでもねえ!あたしゃ神様だよ!
いや!嘘ですすいませんぶたないで!
どうせぶつならバラ鞭で!!
レスどうもです。
ラストの辺りですか。了解です。頑張ってみます!
確かに安野の脳天気っぷりは、育ちのよさ故のおおらかさでもあるんでしょうね。
お嬢様かぁ……なるほど。
>>653 実は最初、花の14歳トリオにしようかとも考えたんですよ。
迷った揚句とりあえず市知で書きましたが、いつか隙を見て3Pやらす事に決めました!
他のリクと共に気長に待ってて頂けると幸いですm(__)m
他の皆様も、本当に有難う!今後ともヨロシク
655 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 03:29:44 ID:wktI44Tm
age
玲子先生か一樹&郁子もので読んでみたい
ともえたん見たい。 それか岸田百合を酷い目に合わせてくれ。
一樹+永井×百合でレイプとかいいな
シナリオ的に無理そうだけど
>>658 永井を一樹と百合でレイプするだと!
この腐女子が!
663 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 19:46:13 ID:t6cpPW9M
保
一、
廃材の隙間から僅かな陽光が差して込んで来る。
(眩しいな……)
男は首を竦め、抱えた膝の間に顔を埋めて、其の光から眼を逸らした。
こんなに光を疎ましく感じるのは、おかしな事だと思う。
其れは、ずっと暗い場所に居続けた所為ばかりでは無い様な気がした。
(変質したんだ……私の躰が)
其の証拠に、あの眼の廻る程の咽喉の渇きが失せている。
代わりに今は、亀の様に地べたに蹲りたい衝動と戦っていた。
あの姿勢を――あの、化け物共が体力を回復する時と同じ、土下座の姿勢を取ったが最後、
この肉体はもう、人では無い別のモノへと変わってしまうだろう。
男はそう確信していた。
別に、変わってしまった処で何ら不都合が有る訳ではない。
村からの脱出が不可能であり、且つ、村に居る限り普通に死ぬ事が叶わぬ以上、
この身が化け物に変わってしまうのは必定だ。遅かれ早かれ、其の刻は必ず訪れる。
だが、其れでも男は耐えていた。
そう簡単に化け物に成る訳にはいかない。其の理由があった。
「……あれぇ~?こっちでいい筈、なんだけどなぁ~??」
ばさばさと紙を広げる音と共に、えらく呑気な声が聞こえて来る。
どうやら、安野依子が地図を広げて現在位置を確認しているらしい。
依子は、男が教鞭を取っていた大学の学生であった。
今回の学術調査の旅に助手として、頼みもしないのに強引について来た娘。
彼女は偏屈な変わり者として名高い男に、何故か懐いていた。
変わった娘だと男は思う。
事実、依子は変わっていた。
村に閉じ込められ、恐ろしい異変を目の当たりにしながら、動じる様子がまるで無かった。
そんな依子だからこそ、自分に懐いて纏わり付いていたのかも知れない。
自嘲気味にそうも考える。
だがもう、何もかもどうでもいい事だ。
「えっとぉ、此処が上粗戸でしょお~……で、こっちがあの迷路の入口のトコでえ……
だから、この北東の方向に向かえば、山に出られる筈……なんだけどなぁ~」
依子は一人でぶつぶつと呟きながら地図と睨み合っている。
合石岳を越えて村を脱出しようと目論んでいるものの、其の合石岳に辿り着けずに
困惑している様だった。
(そりゃあそうだ)
そもそも彼女は、道を間違えている。
こちらから合石岳に抜けるのなら、一旦蛇ノ首谷の方から廻り込まねばならない。
遠回りをする必要があるのだ。
土地勘の無い依子には、説明してやらねば判らないだろう。
しかし、今の男にそんな気力は無かった。
(どうせ出られやしない。何処へ行こうと……無駄だ)
地図と首っ引きで思案に耽る依子に背を向け、男は力無く項垂れるばかりである。
どう足掻こうとも、救いは無い。
いずれは彼女も其の事実を思い知り、深く絶望することになる。
ならばいっそ、彼女と共に赤い海に向かい、あちら側の存在になってしまった方が楽なのではないか?
そう思いつつも行動に踏み切れないのは、男の中に未だ残っている良識の為だ。
依子は自分の教え子であるし、こんな事態に巻き込んでしまった負い目もある。
そんな彼女を積極的に絶望のどん底に叩き込む気には、なれなかった。
二、
(いい加減なものだな)
男はくぐもった声で自らを嘲笑う。
依子を救ってやれず、かと言って引導を渡してやる事も出来ない。
出来る事といえば、こうして彼女の無駄な足掻きを黙って眺めるだけ。
男にはそんな己の無力さが、途轍もなく滑稽なものに思えたのだ。
「あーせんせえ!やぁっと起きたんだぁ~」
男の笑い声を聞きつけた依子が振り返った。
「よかったぁ~。心配したんですよぉ、せんせえもう眼が覚めないんじゃないかって」
男の沈黙を、眠っていた為だと勘違いしているらしい。
「まだ疲れてるみたいだけど、大丈夫ですかぁ?」
と尋ねる彼女の方は、不眠不休であるにも関わらず、疲れの色を殆ど見せない。
そんな依子の様子に男は感心し、また驚きもした。
「若いんだな、君は」
遠い眼をして呟く男に、依子はけらけら笑って答える。
「当ったり前じゃないですかぁ、私、二十二歳ですよぉ……
ほらぁ。そんなオジサン臭い事言ってないで。起きたんなら、もう行きますよ」
依子は立ち上がると、男の腕を引っ張った。
だが、男は立ち上がろうとはしない。
「せんせえ?」
「……私はいい。君一人で行くといい」
力無く男は告げた。
「判っているだろう?私にはもう、君を護って奴等と戦う力は残っていない……
寧ろ、一緒に行けば私の方が足手纏いになってしまうだろう。それに」
もうすぐ私も化け物に変ってしまう。
そう続けようとした男の眼の前に、依子はしゃがみ込んで満面の笑みを浮かべた。
「なーに水臭い事言ってんですかぁ。大丈夫ですって。これからはぁ、私がせんせえの事、
護ってあげますからぁ」
「聴いてくれ安野」
「だーめーでーすっ!はい、この話はもうおしまい。ほらぁ、日のある内に山を越え……ん?」
依子は男の顔を覗き込んだ。
真正面からまじまじと男を見詰めたかと思うと指を伸ばし、男の眼の下をツッ、となぞった。
其の指先は、赤く汚れていた。
「血………」
驚愕に眼を見開く男の前で、依子はポツリと呟いた。
男は震える指を己の頬に宛がった。
……ぬるい液体が、一本の筋を作っている感触があった。
男は、咽喉の奥底から悲鳴を上げた。
「先生?!」
依子は、顔を覆いガタガタと震え出した男の肩を揺すった。
「先生どうしたんですかぁ?!しっかりして下さい、先生!」
男の躰から力が抜ける。
そのままグラリと傾いで、依子の胸の中に倒れ込んだ。
「たすけてくれ………」
戸惑う依子の胸元にしがみ付き、絞り出す様に男は言った。
三、
「ちょ、せんせえ、どうしちゃったんですかあ?」
男のぼさぼさに乱れた髪が依子の顎をくすぐっている。
自分に縋り付く男を見下ろし、依子は少し頬を赤らめた。
男の方はといえば、紙の様に蒼白な顔を依子の胸に埋め、
引き付けでも起こしているかのごとく、小刻みに躰を振動させ続けている。
彼の心は、深い絶望の闇の中、凍て付く恐怖に囚われて萎縮しきっていた。
――私はもう 人では 無い。
其れは、予想を遥かに上回る衝撃を男に与えた。
今在る自分が無くなり、肉体だけが、
自分の意識の欠片を宿したこの肉体だけが、異形となって荒れ果てた村を彷徨い歩く。
脳裏に浮かぶ其の姿の忌まわしさに、男は呻き、空の胃袋から酸っぱい胃液を吐いた。
「わっ!先生、大変!」
依子は、男の吐瀉物に衣服を汚されながらも其れには構わず、彼の躰に腕を廻して其の背を摩った。
男は依子に抱きかかえられる形になる。
大きく喘ぐ男の耳に、彼女の心臓の鼓動が聞こえた。
其れは男の全身を優しく包み込み、僅かな安らぎを彼に与える。
不意に、男の心の中に奇妙な感情が沸き起こった。
――連 れ て 行 き た い 。
自分独りであの赤い、呪われた海を渡るのは寂しい。
依子の体温が――張り詰めた乳房の盛り上がりが、惜しい。
此れは既に、己の精神が異形のモノと化しつつある兆候なのかも知れない。
未だ、ほんの少しだけ残っていた男の理知がそう告げる。
だがしかし………
「安野……すまない」
「はい?」
依子は男の躰を抱いたまま、片手でポケットからハンカチを探り出そうとしていた。
其の肩を、男が捕らえる。
そして次の瞬間――依子の躰は、板張りの床の上に押し倒された。
「いやっ……な、何?何なんですかぁ??」
状況を把握出来ずにいる依子の肩を押さえ付けると、男は膝を突き、上から彼女を見下ろした。
「せんせえ……」
依子の瞳が見上げて来る。
少し困惑気味な――其れでも、男を信頼しきった瞳。
男の中に迷いが生じる。
この、何の警戒心も持っていない哀れな娘を手に掛ける。
そんな事をして、一体何になるというのだろう?
男の手は、娘の肩に乗せられたまま逡巡した。
其の時、彼の指先に、依子の手がフッと添えられた。
温かい感触が、凍えた皮膚をじんわり蕩かす。
「安野……」
戸惑う男の下、依子は其の潤んだ瞳をゆっくり閉ざし――唇を、ぎゅっと窄めて突き出した。
四、
風が、廃材で出来た薄い壁を頼り無く鳴らす。
僅かに差していた陽光が一瞬だけ翳り――再び戻った光は、いっそうの明るさでもって
朽ち果てた空間を照らし出した。
男は、眼を閉じ蛸の様に唇を突き出した依子の顔を、無言で見詰めていた。
(何を考えているんだ、この娘は……)
其のヒョットコみたいに面白い表情は、彼をほんの束の間、絶望から解放させた。
(安野……)
やはり、連れては行けない。
そう決意した男は、依子の肩を掴んでいた手をそっと離そうとする……
すると突然、依子の閉ざされていた瞼がパカッと開いた。
「せんせえ~。待ちくたびれました~」
不満そうに言うと、今度は河豚の様に頬っぺたを膨らませる。
「あ……いや、あのな安野……」
「此処までやっといて今更なぁに尻込みしてんですかぁ?!もーっ!!
女の子にぃ、恥掻かせないでっ!!!」
依子は、男の首に勢い良くしがみ付いた。
「安っ………!」
二人の顔面が激しくぶつかり合い、双方の歯列に衝撃が走る。
其の後で、ようやく柔らかい唇同士が合わさった。
依子は唇に力を込め、ただひたすらに男の唇に吸い付いて来る。
こんな口づけは、したことが無い。
男は暫し依子にされるがまま吸われ続けていたが、口元の疲れに耐え切れなくなって、
半ば強引に唇を離した。
依子は紅潮した顔をしかめ、はぁはぁと苦しげな呼吸を繰り返す。
無理もない。彼女は口づけの間、ずっと息を止めていた。
「あ、安野」
男は何かを言い掛けたが、言葉に詰まって黙り込む。
依子は、そんな男の頭に手を廻し、彼の躰をもう一度グッと引き寄せた。
首が絞まりそうになって慌てて体勢を整えた男は、依子の躰が小刻みに震えている事に気が付いた。
(安野……?)
おそらく初めてだったのであろう接吻に感極まった、という訳でも無さそうな様子である。
其れはもっと、切実な何かを感じさせた。
「先生行かないで……」
掠れる声が男の耳元に届く。
「安野、私は」
「私……先生を化け物になんて、させない」
また、陽が翳った。
男は首を傾けて依子の顔を見た。
依子の頬は上気し、其の眼差しは黒く輝いて生命の力に満ち溢れている。
男は眼を見張る。こんな依子は見た事が無い。
其れは彼女が今まで誰にも見せた事の無い顔だった。
美しい、女の顔だった。
男は間近で依子の顔を見ているのが苦しくなり、そっと眼を伏せた。
彼は、この安野依子に女を感じた自分に当惑していた。
同時に、躰の奥底から忘れ掛けていた情欲の血が、ふつふつと沸きあがる事にも。
最後に女を抱いたのはいつであったろう?
急に生々しく迫って感じられる依子の躰の匂いや柔肌の温かさに惑いながら、
ぼんやりとした頭で男は考えていた。
五、
「私、輸血されたんですよ」
依子の唇が動く。
「あの橋の処で倒れた後、病院の人に助けられて。だからきっとあれですよ。
化け物に成りそうになっても、マトモな人の血を輸血したら助かるんです。きっとそう」
「輸血か……」
依子の言葉は、男に微かな光明を与えた。
神王の血である例の赤い水を摂取し、其れが血液中の一定量を超えると化け物に成る。
というのは間違いないだろう。
ならば、失われた血を補充する事によって、血液中の赤い水の割合を減らしてしまえば
異形化への進行を防げるのかも知れない。
ただし此れには問題も多い。
安野依子の血液を自分に輸血すると、其の分、彼女が血液を失ってしまう。
依子の躰は其れに耐え切れるのか?
それに、輸血をする為には病院へ向かわねばならない。
病院に辿り着くまで、この身が持つのかどうか?其れに輸血する際には血液型が……
「……ん?安野お前何やってんだ?」
考えを巡らせる男を余所に、依子はいつの間に拾ったのか、尖った硝子の破片を手に持ち、
其れを己の掌に宛がっていた。
「おい止めろ!危ないだろ」
「でもぉ、せんせえに血を飲んで貰わないと」
「血を飲むだって?……あのな。血液を飲んだ処で、其れが直接血管に廻る訳ではないんだぞ」
「えーだってぇ……あの赤い水“ヨモツヘグイ”を飲むと化け物になるんですよね?
だったら、血だって飲んでOKなんじゃないんですかあ?」
「そんな馬鹿な……いや待てよ」
男はふと、村の伝承の一つに似た物があった事を思い出していた。
其れは村の旧家である神代家にて行われていたという、ある儀式――
「安野、起きろ」
男は依子の腕を引いて躰を起こすと、自分は彼女の正面に座り胡坐を掻く。
「君は私を助けてくれるか?たとえ……屈辱を受けたとしても」
「はあ?屈辱??何なんですかそれ??」
「私が化け物にならずに済む為には、君を抱かなくてはならない」
依子が眼を丸くする。
そんな彼女から眼を逸らしながら、男は話し続けた。
「この村の古い風習の一つに“血の盃の儀”というものがある。旧家の結婚初夜の床で行われる儀式で、
花嫁と花婿の血を混ぜ合わせ、同じ血を通わせる事で、婿を家族の一員にするというものだ。
旧家の血は特別で、其の血を分け与えられると神の赦しを得られると言われていた。
此れは案外、そうする事で異形化から逃れられるという先達の知恵が……どうした安野?」
気が付くと依子は、頭を反らして顔を天井に向けていた。
男の呼び掛けに頭を下ろすが、顔の下半分を掌で覆っている。
そして其のまま、怪訝そうに見詰める男にいった。
「す、すいません。なんか想像したら、鼻血出てきちゃって……あ、ついでにいります?鼻血」
「いらん!!」
男は思わず怒鳴りつけた。
六、
依子は、廃材の床の上に再び横たわっていた。
彼女の頭の下にはきちんと折り畳まれた彼女自身の衣服が一式、枕代わりに敷かれ、
躰の下では、男の着けていたジャケットとズボンがシーツの様に敷かれている。
「安野……」
依子は、自分の躰の上に伸ばした両腕を乗せ、乳房と陰部を男の眼から隠していた。
依子と同じく衣服を取り去った姿の男の手が、ゆっくりと其れを外す。
「あぁ」
依子は瞼を堅く閉ざしたまま眉根を寄せて呻き、恥ずかしげに顔を横向ける。
すると紅く色づいた首筋の辺りで、血管が脈打っているのが見えた。
男が其の脈打つ場所に唇を宛がうと、肩がびくりと大きく跳ねる。
「うぁ、せん……せえ………」
男に握られていた依子の両手に力がこもり、絡み合った指の股をグッと握り締める。
男は、そっと其の手を握り返す。
そして唇を下に這わせ――お椀の様に盛り上がった熱い乳房の頂点に、口づけた。
「ああー」
舐めて、吸って、軽く甘噛みをして。
丹念に其の部分を愛撫するごとに、依子は激しく身を捩る。
「……もう少し大人しくしていられないか?」
「あっ、はっ……だ、だってえ……こんなの、私……あうっ?!」
男の片手が依子の指先から離れ、彼女の秘所をまさぐっていた。
未だ堅い感じの閉ざされた其処は熱を帯び、ほんの少しだけ、濡れていた。
男は脚を開かせようとしたが、依子は腿を締めたままで、応じようとしない。
「少し力を抜きなさい」
「やぁあ……あぁ……いやぁ」
依子は、自分の衣服に顔を埋め、より一層堅く脚を閉ざしてしまう。
男は溜息を吐くと彼女の膝の裏に手を添え、そのまま脚を上に持ち上げた。
「ひゃあっ?!」
依子は驚いて眼を開けた。
幾ら脚を閉ざしていてもこの体勢では性器はおろか、下手をすれば肛門までが丸出しになってしまう。
「ああっ、いやです!先生、いやっ」
依子は首を振り立てる。
男は無言のまま、閉じた腿の間のアケビの実の様にはみ出した女性器に手を伸ばした。
「いいっ?!」
男の指が、陰裂を指で撫で上げ膣口を軽く押す。
ぬるりとした泉の湧いている其の部分を、くちゃくちゃとくじり廻した。
「あっ、あっ、あぁーっ」
依子の膝から力が抜ける。
男が支えていた手を離すとパカンと膝が開き、其の中心部の紅い箇所も、花が咲く様にぱっと開いた。
「わぁっ、やだやだ!」
依子は、其処を両手で押さえて隠そうとしたが、其の手は男に捕らえられた。
「安野……」
男は依子の耳元に唇を寄せる。
耳孔に掛かる吐息のくすぐったさで、依子の肌に鳥肌が立つ。男は囁いた。
「お願いだ……少しだけ、いい子にしていてくれ」
其のまま依子の唇を塞いだ。
依子が眼を見開く。
今度は、まともな口づけだった。
七、
男は依子の唇を吸い上げながら、彼女の口の中に舌を潜り込ませてゆく。
一瞬(噛まれるのでは?)と懸念したが、依子の口は大人しく男の舌を迎え入れた。
「ん……んん」
男の舌は、依子の柔らかい舌をくるくると舐め廻す。
依子は其の、ジンと蕩ける様な感覚に、全身を弛緩させていった。
其の隙を突く様に、男の手はそろそろと彼女の股間に手を伸ばしてゆく。
依子の性器は、泣き濡れた様にぬるい体液で溢れかえっていた。
男の長い指が其処を静かにかき鳴らす。
依子は微かに身を固くしたが、もう暴れたり抵抗したりは、しない。
男は片手でやわやわと乳房を揉みしだきながら、
彼女のぱっくり開いてひくひくと痙攣する処女性器に、繊細な愛撫を加えていった。
「んー、んん……んむぁっ!」
男が、小さく埋もれた陰核をそろりと撫ぜると、其処は瞬く間にピンと硬く突起する。
少し息苦しそうにしていた依子の唇を解放してやると、
ぬめりを帯びた其の唇から弾む様な喘ぎ声が漏れ出でた。
「あっあっあっ……やだせんせえ……いや……あっ」
陰核を摘まんでクイクイと押し潰す度に、依子の腰は揺れ動き、
充血した膣口の肉は、もの欲しそうにぐにゅぐにゅと蠢いた。
其処までした処で男は手を止め、躰を起こして依子の前に跪く。
眼の前にある依子の生殖器は、陰唇が広がって其の中身の全てを曝け出している。
中心部にある膣口は、華奢な襞で幾重にも覆われて其の姿を隠していた。
「い、挿れるんですかぁ?」
依子は細く眼を開き、か細い声で男に訊ねる。
「怖いかい?」
男が問い返す。依子は、黙って首を横に振った。
其れでも、男の筋張って硬く反り返った陰茎が眼に入ると、少し怯えた風に顔を強張らせた。
「なるべく……痛くない感じで、お願いできますかぁ?」
「努力はするよ」
男の腰が依子の脚の間に沈み込んでゆく。
勃ち上がった陰茎を手で持ち添え、亀頭を熱い膣口に押し当てる。
膨らんだ尖端を動かして依子の出したぬかるみを塗り付け――じりじりと、肉の襞に分け入った。
「うあぁ……いやぁぁぁ……痛っ!」
亀頭がぎしぎし軋むようだ。
依子の堅い障壁が男の侵入を拒んで窄まり、躰全体も、男から逃れようと後ろへずり下がってゆく。
男はそんな彼女の腰のくびれを捕まえて引き戻した。
腰を揺らして、宥める様な震動を与えながら依子の躰を抱き締める。
「あぁ……せん、せ……せん……」
男の腕の中、依子は紅く火照った顔を苦しそうに歪ませている。
汗ばみ、青筋立った依子の額に男は口づけ、耳元で囁いた。
「依子……愛してる」
男の分身が、依子の中に滑り込んだ。
八、
「ぎゃあ!あ……あああぁ」
狭い肉の窄まりを破られた依子は、苦痛と違和感に思わず声を上げた。
男に抱き締められた躰がピンと強張り、足先で、親指がクッと突っ張った。
男は初開の陰門に這入った途端、膣口の肉に亀頭をむにゅりと吸い付かれ、
其の奥の、ぎざぎざと複雑な襞に包み込まれる快感に、小さく呻いた。
依子の中は、男の突起物を強く抱き締める様に纏わりつき、
其の甘い感覚は、絶望に冷え切っていた男の心と躰を熱く燃え上がらせた。
「……大丈夫か依子?」
男は依子の長い髪を撫で、労わる様に声を掛ける。
依子は堅く閉じていた眼を開いて頷いたが、途端、其の瞳に涙が溢れ、ぼろぼろと零れ落ちた。
「依子………」
男は、彼女の塩辛い涙を唇で掬い取り、次いで秀でた額にも口づける。
そして、ゆっくりとゆっくりと腰を動かし、彼女の胎内を陰茎でまさぐり始めた。
「んん……あ……いやぁ」
「痛むか?」
「ん……そ、そんな痛くは……でも……なんか、変な感じで……ああぁ!」
男がだんだんと早めていた抽送を、突然一気に加速させた。
依子はビクリと躰を仰け反らせ、脚をバタつかせたが、やがて唇から微かな喜悦り声が漏れ始めた。
男は上から腰を押し付ける様にして抜き差ししていたので、依子は抽送の度に、
陰阜とその下の陰核を刺激されてしまう。
其の痺れる様な快味が、依子の心身を堪らないような切ないような、
奇妙な焦燥感に押し上げていった。
「はあ、ああ、あああ、あぅ、ううん……」
いつしか依子は言葉を失い、熱に浮かされたような喘ぎと共に男の躰にしがみ付き、
男の動きに呼応して激しく躰をくねらせていた。
男は、跳ね馬の様な依子を強い力で抑え御しながら、其の膣の中を浅く、深く、陰茎で抉り込む。
「あああ、せん……せ……」
「どうした依子?」
「な、なんかだめ……や、ばい……です……ぅ」
「どう駄目なんだ?」
「や……ああぁ……だめ、だめだめだめだめだめ!」
依子の両脚が跳ね上がる。
上体をグウッと反らせたかと思うと、自分に圧し掛かっていた男の頭を、胸に引き寄せ抱き締めた。
「あ……あ………あああーっ」
男が押し付けられた乳房に舌を這わせた刹那、依子の全身が大きく震え出す。
膣口もぎゅっと締まり、胎内が、男の陰茎を咀嚼する様に蠢いた。
「依子………!」
男は眼を閉じ、依子を衝き廻していた動きを止めた。
依子の膣のなまめかしい律動に浸りながら、灼熱の鉾先から、其の命の息吹を、どっと迸らせた。
九、
「あ………あぁ……は、あぁ……」
依子は汗に塗れた躰からグッタリと力を抜き、朽ちた床板に四肢を投げ出した。
男は、荒い呼吸に乳房を揺らす依子の躰を労わる様に撫で摩っていたが、
やがて、先程彼女が持っていた硝子片を取ると、其れで己の人差し指を傷付けた。
「……せん、せえ?」
男がゆっくり腰を引く。
陰茎を引き抜いた後の膣口は、ポッカリと穴が開いて見える。
其の少し血の滲んだ穴に、男は赤く傷付いた人差し指を素早く挿し入れた。
「依子。今から私の言う事を復唱しなさい」依子は頷いた。
「言うぞ……これは、私の血の盃」
「これは、私の血の盃」
「罪の赦しとなる、永遠の契約の血」
「罪の赦しとなる、永遠の契約の血」
「……これでいい。後は、両者の血が止まれば儀式は終了だ」
男は、依子の中に指を挿し入れたまま、彼女の頭を抱きかかえて横たわった。
男の腕を枕にした依子は、ぼんやりと眼を伏せて男の胸に手を乗せた。
「せんせえ……」
「ん?」
「……あの、やっぱいいです」
「なんだ。おかしなヤツだな」
「へへ……だってなんか、夢みたいで………でもこれで、せんせえ、助かるんですよね?」
「………」
正直なところ確証は無い。
しかし今、こうしてはっきりとした意識を持ち続けている訳であるし、
心なしか躰も生気を取り戻した様な感じがする。
「もし駄目だったらぁ、私も一緒に化け物に成ります!」
「馬鹿な事を言うんじゃない」
「いーえ。だーって私せんせえとこうなっちゃったしぃ……もうこれからは、ずーっと一緒、ですっ」
「安野」
「えーやだぁ。呼び方戻っちゃってる!ちゃんと下の名前で呼んで下さいよお」
「……ああ判ったよ。安野」
(一緒に化け物に成る……か)
男は、さっき自分が依子を連れて行こうとしていた事を思い出していた。
(本当は気付いていたのだろうか……この子は)
依子を見下ろす。彼女は笑った。いつも通りの能天気な笑顔だった。
「そうだ安野。私の眼の赤い涙はもう止まっているか?」
「はあ?赤い涙、ですかあ?」
「そうだ。さっき私が流していたろう?」
「いや。知らないですけどお?」
「何だって?」
思わず男は起き上がった。膣から抜けた指の血は既に止まっている。
「知らないって事はないだろう。さっき、お前が私に見せたじゃないか。指で掬って」
「ああ、あれですかあ?あれは」
と、依子は天井を指す。男は見上げた。
錆びた鉄パイプが渡してある処があり、途中の綻びに赤い水が溜まって垂れ落ちそうになっている。
「あそこから落ちてきた水がせんせえの顔についてたから、取ってあげたんですけどお……」
……男は言葉を失い、首を傾げて無邪気に微笑む依子と見詰め合った。
遠い場所から、地鳴りの音が響いて、近付いて来るのを感じた。
Continue to NEXT LOOP・・・
書きました。こんなんですけど……
もっとちゃんとこのカップルに萌えている方に書いていただいたら、
もっといい感じになったのでしょうねえ。
次はともえたんでいきます。相手は……屍人じゃないんですけど。
屍人とやるのはまた次の機会に書きますんで許して下さい。
あと一本位は容量大丈夫ですよね。では。
ID変わりましたが↑書いた奴です
名前………
orz
すいませんすいませんすいませんすいません
銃口くわえて自害してまいります。
GJ!安野エロいよ安野!
何故か竹内にも萌えた
ともえたんも楽しみにしてます。
相手誰だろう?キバヤシあたり?
百合に百合レイプとか
カナエでもいいけど
見たい!
チョーーーーーーエロいです神!!!しかも萌え込み!!
滅多な事じゃお目にかかれない組み合わせバンザーイ
目から血流してついて行くよ
触手屍人というのが浮かんだ。
頭部と両腕部が触手化していて、女性を犯し体内に
赤い水を直接注入し屍人化させる。
蜘蛛屍人同様、男性のみが変化。
犬や蜘蛛は嫌だが、触手だったらなりたい。
>>679 そのネタで一本頼むわ。
つかここって当然次スレ立つよね?
>>486 遅レスだが今読んだんで感想書かせてくれ
な ん だ こ の バ カ ッ プ ル (褒め言葉)
一、
「美耶子……何が見える?」
男の声が呼び掛けて来る。
眼下には、横たわる白い裸身。
大きく広げた翼の様な黒髪に包まれた華奢な少女。其の、宙を見詰める虚ろな瞳。
視線は、少女の長い睫毛に縁取られた切れ長の眼元から、閉ざされた紅い唇、
薄紅色の乳頭を乗せた蒼白な乳房……と、ゆっくり這ってゆき、
やがて、微かな恥毛に隠された陰裂へと辿り着く。
其処に留まり続ける視界の中で、再び、男の声が問い掛けた。
「何が見える?」
「御主はいつも、貴女様を御覧になっておいでですよ」
穏やかで張りのある男の声が座敷に響いている。
少女はいつもと同じ様に声の主に横顔を向け、其の言葉に対しても全くの無反応である。
声の男もそんな少女の様子には慣れっこで、一方的に、神の偉大さ有り難さを説いてゆく。
(お前は馬鹿だ)
胸の内で少女は男に呟いた。
何も考えず、ただ教えられるままに神の愛を語る男。
彼は己の信仰している“神”が、どんなモノであるのか知らない。
いや、寧ろ知る事を恐れて眼を閉ざしている、と言うべきか。
「……ですから、何も恐れる事はないのです。神の花嫁となられる事で、
美耶子様は御主と一体となり、とこしえの安息を得る事が出来るのです……」
男は流暢に語り続ける。
しかし少女は知っていた。
神聖なる説教の言葉を口にしながら男が見詰めているもの。
男の眼には、つややかな黒髪の少女の姿が映っていた。
冷たいほどに端麗な横顔を包む黒髪と、其の下から覗く、細い二の腕。
黒いワンピースの裾から投げ出された、これもやはり細く、すんなりと伸びたふくらはぎ。
引き絞られた足首の腱。真っ白なかたち良い爪先。
少女の眼が光を映さない事に油断をしているのか、
男の視線は、酷く無遠慮に少女の肉体をまさぐっていた。
「いずれ貴女様が旅立たれる常世こそが、御主のおわす真の楽園なのです。
其の楽園の素晴しさから比べれば、この現し世は、儚く虚しい夢の様なものですよ」
「現世が、夢?」
ずっと男の言葉を聞き流していた少女が、この一言を聞いて少しだけ興味深げな表情を見せる。
「そうです」と男の目線が頷く。
「今、私達の居る此の世は、我ら罪びとの末裔が、
其の罪を贖う為に繋ぎ留められている、苦しみの世界です。
其の苦しみからいち早く解放され、神の御許に向かわれる貴女様の幸福は至上のものであり……」
もう少女の耳に、男の言葉は届いていなかった。意識がぼんやりと、躰の奥底に沈みゆく感覚。
――今自分が見ているものは、全て夢。
男の視界を視る事を止めた少女は、其の心さえも閉ざし、
独りぼっちの世界の中で、暗闇だけを見詰め続けた。
二、
「美耶子様の御様子は、いかがでした?」
女の声がする。
気が付くと、座敷からは男の気配が消えていた。
自分の姿に替わり、今見えているのは赤い尼僧服の女。
此処から幾分離れた少し掠れた視界。どうやら、停まった車の中らしい。
「はい。お話はきちんと聴いておられましたよ……
ただ、少しお疲れになられたみたいだったので、予定より少し早めに切り上げて来ました」
「そう……」
「まずかったですか?」
曖昧に微笑む女の横顔を見詰め、心配そうな声音で男が尋ねる。
女は微笑んだまま、「いいえ」と首を振った。
「構わないと思います。其れより美耶子様のお躰がちょっと心配ね」
「御病気、という訳でも無かった様なんですけどねえ」
「もうすぐ御印が降りるのかも知れないわね」
女の言葉に、男が絶句する。
女と男は、暫し無言で見詰め合う。
「大丈夫よ」
女の白い手が、男の黒衣の膝にそっと乗せられる。
「あなたなら出来るわ。美耶子様を無事、常世に送り届ける事が、きっと出来る……大丈夫」
優しく膝を摩る女の手を見詰めていた男が、其の手をギュッと握り締めた。
「八尾さん」
切迫した声で呟くと、掴んだ其の手を己の股座に誘い込み、
空いたほうの手で女の胸元をまさぐり始めた。
「あら……駄目よ求導師様、こんな処を人に見られたら……」
誰も来やしませんよ……此処は未だ、神代の領内なんですから」
狭い車内で男の躰が窮屈そうに動くと、椅子が倒れて女の躰が押し倒された。
女の顔が近付いた、と思う間も無く視界が暗くなり、
同時に、口元からチュクチュクという微かな音が聞こえて来た。
荒い呼吸音の狭間に、どちらの物ともつかない喘ぎ声が混じる。
次いで煙る様に顕われた視界には、長いスカートを捲り上げられた求導女の白磁の太腿と、
其の間に潜り込む、黒衣の腕が映し出されていた。
黒い腕が白い内腿を摩り、其の付け根に分け入って性急にまさぐり始めると、
求導女の顔はうっとりと仰け反り、脚が、じりじりと広がって、
男の手が突っ込まれ、もこもこと膨らんだ下穿きを露わにしていった。
「ああ……求導師様」
視線が、女の恍惚とした顔と、男に手を差し入れられた下半身とを、目まぐるしく行き来する。
不意にかちゃかちゃ音がしたかと思うと、男のたくし上げた黒衣の下の、黒いズボンの釦が外され、
中から、赤黒く染まって硬く勃ち上がった物が、ゆっくり引き摺り出されるのが見えた。
そして女が腰を上げ、下穿きを下ろして、ぬるぬると濡れそぼつ女性器を、自ら曝け出すのも……
少女は眼を開いた。
横たわったまま忌々しげに頭を振るう。まるで、今見た醜く生臭い映像を消し去ろうとする様に。
「どうした美耶子?」笑い混じりの男の声。
――今のも、夢?
軽い混乱を覚えながらも少女の意識は、心の、更に暗い底へと沈み込んでゆく―――
三、
――奥座敷に何の用があるっていうのよ?!
……視界が定まらない。
目線が、余りに素早くあちこちへ移動している所為だ。
いや――移動、というよりも、正確には首を振り立てているのだと、少女は気付いていた。
(馬鹿な女)
振り乱した髪が視界を邪魔するのを辛うじて認めながら、醒めた心で少女は呟く。
そんな見通しの悪い中で、少女の耳にはヒステリックな叫び声ばかりが届いている。
――判ってるんだから!美耶子でしょう?あいつの処へ行く気ね?全部判ってるんだから!!
行ってどうするの?ねえ?あいつの処で淳はいつも何をやってるの?
答えてよ。答えられないの?そうなんだ?私に言えない様な事をやってるんだ?!へーえ。
あんなひょろひょろしたガキの何処がいいの?ばっかみたい!
――……はあ?私があいつに嫉妬?!何それ???意味判んない。
あんな奴の事、私なんとも思ってないわよ?どうせもうすぐ居なくなっちゃうんだから。
消えちゃうんだもの。あー。早く消えればいいのに。あんな奴。そうなれば清々するわ。
厄介者が消えれば家の中がすっきりするわよ。お母様やおばあ様達だってそう言ってるわ。
――あーあ。何であいつ生理が来ないのよ?!もう十四の癖に!
隠してるんじゃないの本当は?死ぬのが怖いのかしら?馬鹿みたい。
誰もあいつが生き続ける事なんて望んでないのに。
最初から、生贄の羊になる為に生まれてきたっていうのに。何勘違いしてるのかしら?
……何言ってんのよ?!私の生理は関係ないでしょう?!
……欲求不満?ふん。冗談言わないで!私はあいつとは違うんだから!
そんな汚らしい真似しなくったって――
四、
――ちょっと?何するの?!
やだ、やめてそんな事。今は真面目な話の途中………
んんん?!!あっ、いやっ。そんな処に手を入れないで!ちょ……あぁぁっ!
あぅうっ………駄目よ淳。こんな……あ、駄目脱がせないで!あ、あ、あ………
はぁぁ……あぁ、あ、やだ、洗ってないのにそんなにしたら……ぅんん……んん、んんん
……い……あぁぁ……は、恥ずかしいやめて。こんな、こんな格好で私、こんな事されるの……
うぁあ!ちょ、そっちは駄目!舐めたりしたらき、汚いわ……ああ、ああ、あああ……
あ…………はあっ、はあ、は………………え?淳……?
ね、ねえ待って何処行くの?……嘘でしょう?こんな中途半端でやめるなんて……
そんなぁ。い、いやよお願い……
えぇ?じ、自分でやれなんて……ねえ淳そんな事言わないで。お願い。このままじゃ私……
ああ………判ったわ。そうすれば、続けてくれるのね?絶対……よ?
――ん………………
ふぅ……んん……ああいや、み、見られながら、こんな事……はあ、だめぇ……
……え?あぁ……こ、これは……ク、クリトリ…です……はい……勃って、ます……
気持ち、いいから、クリトリ……ス……自分で……しこって、ます……んんん……
あぁー……そ、それも言わなきゃいけないの?そんな、恥ずかしい………
あ!い、言うわ!い、言いますから!は、はい!
……じ、淳様、見て……下さい……あ、亜矢子は……よ、欲求…………………
――駄目!やっぱりそんないやらしい事、い、いえないわ!
…………うぅ……許して……もう私………
ああそんな!行かないで!い、言うから……ね、ね………
――ああ………淳様見て下さい。亜矢子は欲求不満のお……まんこ、を、持て余して、
自分でオナニーしています。はぁ、この、いやらしくマン汁垂らしたおまんこを……見て……
ああ、クリ……トリスも、はぁん、おまん、こ……のあ、穴も……い………
あ……いや!ああ、あああ、い、ぎぃ………………
いく!あ!いく、いく、いくいくいくいくいくいくいくいくいくいく……………
――――――はっ、はぁ……はぁ、あぁぁ………
……淳?何処に行くの?
え?もう終わったろうって………そ、そんなあ!
だって私ちゃんと淳の言う通りに……そ、そりゃあ、全部は言えなかったけれど……
あ!待って!ねえお願い!!今度は、今度はちゃんと完璧に言うから!
行かないでったら!淳!ねえ淳………―――
五、
襖の開く音がした。
少女は、ぴくりと躰を震わせた。
(……薬臭い)
少女にはもう馴染みの匂い。匂いの主もすでに判っている。
「お加減はいかがですか?」
呼び掛けてくるのは、事務的な男の声。少女は視界の焦点を合わせた。
低い位置からの視線が、横たわる少女の顔に向けられていた。
視線の持ち主は畳の上に座り、白衣の胸ポケットから聴診器を取り出して耳に掛ける。
「失礼致します」
身に着けていたワンピースが、胸の上まで捲り上げられた。
黒い布の下から、二つの白い膨らみが零れ出して視界一杯に広がる。
乾いた手が、其処に触れた。
「少し、張っているみたいですねえ」
指先が、軽く探る様に乳房を押す。そして冷たい金属の感触と共に、聴診器が宛がわれてゆく。
少女は白衣の男のする事をぼんやり眺め、ただされるがままになっていた。
「今日はこちらも診させて頂きますよ」
男の手が、少女の下穿きに伸ばされる。
其れがするりと抜き取られ、下腹部を丸出しにされても、少女は何の反応もしない。
男が、ぴったりとしたゴム手袋を嵌めて性器に触れてきても、其れは変わらなかった。
「む……?」
だが男の方は、少女の性器に触れるなり小さく声を出した。
男は指を引く。其の指先からは、少し白濁した粘液が、糸を引いて伸びていた。
男の視線が少女の性器を覗き込み、其の粘液でぬめっている辺りを、無遠慮に指で押し広げる。
其処はいつもよりも紅く充血して、全体的に膨らんでいる様に見えた。
男は少女の顔に眼を移す。
眼を見開いたままの、人形の様に端麗で無機質な面差し。
「美耶子様……」
男は其の顔を見ながら、少女の陰裂をスッと撫で上げた。
一度では反応の無かった少女も、其れを二度、三度、四度、と繰り返される毎に、
次第に頬を紅潮させ、微かに呼吸を早めていった。
男は少女の性器を指でなぞりながら、空いた方の手を乳房に乗せる。
聴診器に頼るまでもなく、其の鼓動の激しさを感じる事が出来た。
故意なのか偶然なのか、男の人差し指の先が、少女の乳首を弾いた。
「う………」
全く無表情だった少女の顔が、初めて苦しげな、或いは切なげな表情に歪んだ。
六、
少女の表情の変化を見届けると、男は彼女の躰から手を離した。
少女の濡れそぼった陰裂を脱脂綿で拭い、手袋を外す。
男は少女の赤みの差した頬や、潤み輝く瞳をじっと見詰めた。
そして、未だ充血し、ぷっくりと腫れ上がったままの性器に眼を向ける。
「此処までですよ、美耶子様。私に出来るのは……貴女はいずれ、神の花嫁になられるお方だ。
私の様な凡夫が、其の御躰にみだりに触れる訳には参りません。
其れは、神に歯向かうのに等しい事だ……」
感情の篭らない声音でそう告げると、男は傍らの黒い鞄から注射器と薬液を取り出した。
「……そう。私に出来る事といえば、こうして貴女が現世に居られる時間を申し訳程度、
伸ばして差し上げる事ぐらいです」
二の腕にアルコール綿のひんやりした感触。次いで、チクッと針の刺さる感触。
「でも……それももう限界です。貴女はすっかり成長してしまわれた。
これ以上御印が降りるのを遅らせる事は、不可能です」
注射が終わると、男は少女の着衣を直して立ち上がった。
「よく眠れる薬を調合しておきました。ゆっくり休まれるとよいでしょう……では、お大事に」
男が立ち去りかけた。
「夢の中で眠ると、どうなるの?」
襖を向いていた男は、少女を振り返った。
男の眼は少女を……天井を向いたまま突然、機会時仕掛けのように喋り始めた少女を見詰めた。
「此れはただの夢なんでしょう?私はずっと夢を見ているの。
夢の中で眠っても……また、別の夢の世界に行くだけなんじゃないの?」
「どうなんでしょうね」男の視界が閉ざされる。
「俺は夢の事は……よく判りません。でも多分、いつかは終わるものなんじゃないかと思いますよ」
「終わる?」
少女の問い掛けに、男は「ええ」と返事をする。
「夢の中には時間の概念がありませんから、其れがずっと続くかの様に錯覚しがちです。
……悪夢の場合、特に。しかし実際には当然、時間は普通に経過している訳です。
必ずいつかは終わる時が訪れる」
男は眼を開けて少女を見た。少女は、男の方に顔を傾けていた。
「貴女の夢の一部である俺に、貴女を夢から醒めさせる権限はありませんが……
どんなに嫌な夢でも必ず終わりが来る。という保障だけはして差し上げられますよ。
これは、俺の長年の経験から実証済みです。信頼して貰いたい」
男が、笑った気がした。
それから少女は、急に、躰が揺れながら沈んでゆく様な感覚を覚えた。
「注射が効いてきたようですね……
俺がこうして貴女を診るのも、おそらく、これが最後になるんでしょうね……」
もう、男の視界を視ている事は、出来なかった。
更に深い闇へと落ち込むさなか、
少女は「さようなら」と言う男の平坦な声を、聞いた気がした―――
七、
「宮田の言った通りだな」
また、あの男の声を聞いた。
仁王立ちで少女を見下ろしていたはずの男は、いつの間に彼女の前に座り、
其の両脚を開いて少女の股座を覗いていた。
「お前の御印がなかなか降りないからさ、俺あいつに命令してやったんだ。
御印がくる薬を投与しろってな。なーんかあいつムッとしてたけどさ、逆らえやしないんだ。
病院は神代に絶対服従だからさ」
「おまえ……だれ?」
少女がかすれた声で質す。男は、耳に障る笑い声を上げた。
「おいおい其れは無いだろう?仮にも俺はお前の義兄なんだぞ……くく、まあいいや。
お前なんか、儀式に使うただの人形なんだからな……まあとにかくだ。
お前にそろそろ御印が降りるってのは、もう判ってるんだ。
だいぶ待たされたけどな。宮田の奴、もっと早く効く薬使えばいいのに」
男は身を乗り出すと、やにわに少女の乳房を掴んだ。
ぎりりと響く痛みに少女は、思わず顔を引き攣らせる。
「ふふふ、おっぱいも、もうがっちがちに硬くなってら。亜矢子とおんなじだ。
あいつもさ、生理前になると胸が張るから強く触るなとかいうんだぜ。笑っちゃうよな。
根っからのマゾ女の癖しやがってさ。本当は苛めて貰いたいからそんな事言ってんのさ。
だから俺、ご期待に応えてちゃんと痛くしてやるんだ。優しいよなあ、俺って。
そしたらあいつ、涙と涎を垂らしてヒイヒイ言って喜ぶんだ。まあ酷え顔してさ。
お前にも見せてやりたい位だよ……って、まあどうせ、いつも幻視で覗いてるか?はははははは」
上機嫌で喋り続ける男の声を聞きながら、
少女は、盛夏だというのに躰の芯から寒気が起こるのを感じていた。
同時に、下腹から性器の辺りまでが、憂鬱な鈍痛に疼いて眩暈を覚える。
「さて……お前が早く神様の許へ逝ける様に手伝ってやろうか」
男は自分の中指を少女の口に突っ込んで、掻き回した。
少女は噛み付こうと思ったが、其の前に指は引き抜かれた。
男は、少女の唾液で湿った指を少女の膣口に宛がうと、今度は其処に、ズブリと挿入した。
「う………うぅ……」
重苦しい痛みと不快感が少女の躰を襲った。
苦痛に冷や汗を浮かべでいる顔の映像が一瞬見えた――が、集中力が続かず、
すぐに其れは乱れて消えた。
男は、そんな少女の苦しみには全く無頓着で、中指を根元まで押し込んでしまうと、
少女の胎内を、遠慮会釈もなく乱暴に引っ掻き回し始めた。
「ぅぁああ………あああぁぁあぁぁ……」
少女の口から苦悶の呻きが漏れる。男の口は対照的に、くぐもった笑いを漏らす。
其れらに重なる様な、膣の微かな粘液の音。
暗闇にいる少女はそんな音と苦痛のみに包まれ、世界を、閉塞させていった。
八、
「へへ……神の花嫁に触れると罰が当たるっていうけどさ、これはいいよな。
だって神様の為にやってんだもん。其れに、指一本くらいじゃ、処女膜に傷が付いたりはしない」
闇の中から男の声がする。
(これは、誰?)
………誰でもいい様な気がした。
義兄でも、黒衣の男でも、白衣の男でも、或いは―――彼等が“神”と呼ぶ存在であっても。
――みんな同じ……ただの……私の、夢………………
不意に、躰の中から、じわりと何かが染み出す感覚が起こった。
見えない筈の瞳に、赤い色が映った気がした。
男が馬鹿げた歓声を上げる。
「いやっほぅ!!“御印”を出させてやった!!
これで儀式が出来るぞ!神の奇蹟に一歩近付いたって訳だ!はっはーっ」
男が立ち上がる気配がした。
と思う間も無く部屋の襖の開く音と、廊下をばたばた遠ざかる足音がして、
部屋には、裸体の少女独りが取り残された。
未だ男の指の感触を残す性器は、引き攣れる様な違和感と鈍い痛み、そして儚い疼きに苛まれていた。
遠くから、何か慌ただしく人が集まって此方に向かってくるのを感じたが、
其れを視ようという気にはならなかった。
何もかもが億劫で、煩わしかった。
――今は、何も見たくはない。もう、夢は終わって欲しい………
虚無の闇が少女を引き込み、其の優しいかいなで深淵へと導いてゆく。
闇に溶け込み、闇しか映さぬ少女の瞳に、色の無い涙が溜まって、零れた。
そして意識が閉ざされる瞬間、少女の心が見たものは、闇の中に煌めく絶望と希望。
――全ては終わる。必ず終わる。
――夢ならいつか、醒めるはず―――――――
【了】
G-----------------ッッジョォオオオブ!!!
前にも誰か書いてたけどホント異聞のエロ版みたいだな
宮田がチラリとポイント高い
GJ!
このスレの職人さんレベル高いな~
保管庫欲しい