零 紅い蝶の繭&澪&千歳でハァハァ 伍

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883名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:40:53 ID:Ldr8Yaqh
>>878
>避けられぬ運命
そうだ、これで何度も抜いたんだった!THX!
2本だけかー、霧絵SS少ないな。自分で書いてみるか。
884名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:56:34 ID:E8mkGufZ
>>882
>>869をどうとったらそうなるんだww

俺は逆に「何でも萌えりゃいいじゃん」が苦手だな。代表にガン種とかか・・
せっかくのエロパロなんだから作中にそれっぽい関係がある方が萌える。
そうでもないと別に何の作品でも似たようなの組ませりゃ良くなるしな。
セクースすりゃ萌えるってわけじゃない。

そういう意味で優雨怜なんか多分普通にヤッてるのに、ss無いのが
不思議で仕方ないくらいだ。 
885名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:03:23 ID:IEeoKnkP
もう・・・マターリ汁!
ここで何言おうが職人さん次第。
カプが好きとか嫌いとか・・・もうホントにどうでm(ry
886名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:13:51 ID:hxxNddjG
>>883
期待待ち
>>884
優雨怜ならエチーも自然に入れられるし大人なんで心理描写も書きやすいだろうな
SSを書いて二人の関係に感情移入できるようにすれば刺青もED気分が盛り上がるかも
887名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:16:11 ID:CMhlWz0j
私NLCP好きだからNLなら何でも読みます!って感じだった。
何でみんなそんなにレズ好きなの?そんなにいいかなぁ。男がBL嫌うのと同じなのかな…。私はあんまりレズ好きじゃないけどなー。変文スマソ
888名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:18:34 ID:u7tNeYbM
薄く血管の浮いた、白い手首の内側を怜の舌が舐め上げる。
「…っ!」
過剰なまでの深紅の反応に、怜はさも可笑しそうに笑った。
「あら、随分敏感ね。深紅」
「そ、そんなんじゃ…ないです…」
怜の手を振り解き、顔を背ける深紅は耳まで赤い。
「お子様には刺激が強かったかな?」
「もう!子供扱いしないで下さい」
「じゃあ…」
後ろから抱きすくめ、耳元に囁く
「…大人として扱ってあげましょうか?」


ちょっとだけ怜×深紅。書き逃げスマソ。
889名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:21:27 ID:f2ADbReQ
>>887
そういうおまいのための螢澪じゃまいか!
俺は百合嫌いじゃないが螢澪はものっそツボ。
890名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:23:37 ID:f2ADbReQ
>>888
逃げんな。
  頼 む か ら 最 後 ま で 書 い て く れ ハ ア ハ ア

連レスゴメソ
891名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:30:30 ID:NFwMZBm5
>>887
レズ好きじゃない。とか、そういうコメントはもう控えて頂きたい。
螢澪好きじゃないとか言ったら今書いてくれてる職人さんが少なからず
投下する気がそがれるだろが。あくまで俺の個人的意見だがね。

>>888
やっと・・・やっと来てくれた。ずっと・・・・・ずっと待ってたんだよ。
儀式を続けよ・・・・いや、続けてください。
892:2005/09/17(土) 23:52:09 ID:AVt0hhTv
ここで空気嫁ナス漏れが近況報告!
今日澪タンと白昼エチーしたんでつよ!!

漏れ「ハァハァ澪タン」
澪 「ハァハァ叔父様」(趣味で様と呼ばしてる)
漏れ「さ・・・さぁ澪タンの足を広げまつよ・・・ハァハァ・・・」
澪 「は・・・はい・・・叔父様」
漏れ「ハァハァ・・・」
澪 「あ・・・」
漏れ「か・・・かわいい聲・・・み・・・澪タン!!!」
澪?「あ・・・あ・・・・・あしが・・・痛い・・・」
漏れ「!!?」
893名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:55:19 ID:w3G+93Hv
>891
擁護になっちゃうかもしれんが>887については>881で点呼つか問いかけが
あったから出てきたわけで、仕方ないんジャマイカ?


ここ最近作品よりカプ論で賑わってしまうねえ。
そういうわけで職人さん、流れを変えるのはあなたの作品だ!お待ちしております。ふじこ。
894名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:59:22 ID:w3G+93Hv
>>892
ごめんリロードしないでいたら書いてるうちに作品?がw
弟切草みたいなオチに吹いたw
895名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:01:11 ID:hxxNddjG
所で
NLCP
NL
BL
って何だ?887のレスは暗号としか思えないんだが
896名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:07:34 ID:mbYBlD4C
>>895
よくわからないけど、推測するに
NLCP→ノーマルカップル
NL→ノーマル
BL→ボーイズラブ
じゃないかと
897名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:15:52 ID:piMmWOip
>895ではないが俺もわからなかったのでありがとう。
898名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:18:09 ID:piMmWOip
そしてageてしまってすまん。本気でスマン。
899名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:19:08 ID:YlXcENLV
>>896
ありがとう全く判らなかった
読解力ないのか、暗号解読能力が無いのか
>>897(´・ω・‘)人(´・ω・‘)
900名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:24:29 ID:mbYBlD4C
いやいや、俺も間違ってるかもしれんのであんま信用しないでくれ
前後の文章の流れから判断したわけだから

しかし、本当に暗号みたいだよな。あるいは化学記号
901名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:30:42 ID:Zfo9wYJS
>>895>>897>>900
腐女用語ですよ。
>>884
何でも自分の好きなキャラがカプれば萌えるのが腐女のたしなみだから。
螢タソ萌えWw。
902名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:47:35 ID:YW4XySUM
>>900
化学記号・・ああ、確かにそうだなw
しかしBL好きな方もこのスレに来るとは賑わったな。
ほんとになんでもあり(♂×♂)(♀×♀)(♂×♀)になりそうだ。

もしかしたら、カプ論が盛んになったのは、今までは○×○の中身は
ほとんど同じものでハアハアできたけど、色んな趣向の方がこられたから
もう、傾向が人それぞれに細分化されたからかもしれん。それで、どう
しても個人の好みを言ってしまうと。(多少強引に)
歴史の節目と同じで、このスレも節目なんだろうな。極端に言えば、百合
ものBL、ノーマルでスレを分けてもいいくらい盛り上がってきたと。(まあ、わけたら
また廃れるとは思うが)
>>887
・・俺はBL苦手だけど、努力はしてるよ。螢と♂でもいいと思える作品も
あったし(個人サイトで)・・だから、まあ、やはりあれだ、元々は零のハアハア
シリーズは近親(兄妹)相姦ものと、百合(双子姉妹)近親相姦ものではじまった
のだから、そんな、レズ嫌いといわずに、ちょっと我慢して百合ものも読んでください。
螢×澪もいいし、それだけのために来たのもかまわないけども、今までのハアハアな世界を
ばっさり斬られるのは寂しいし。少しでも百合ものでもいいのあるじゃんとか思えたら、更にノーマルCPの
良さとかも感じられると思うよ。
903名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 01:43:41 ID:FgyMm/k+
887です。
なんかいっぱいレスがついててちょっとびっくりしたww
NLとか略で書いてごめんね。>>896さんが言ってるので合ってますよ。

>>992
あんまり好きじゃないとか言っときながら実はちゃっかりレズも読んでますw
ただ澪繭好きが多いからノーマル好きはいないのかなぁ…と思って(´・ω・`)
904名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 04:21:30 ID:LE843JD2
非エロSS投下〜。
かなり悪乗りなんで注意。苦手な方はスルーしてね。

905×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:23:45 ID:LE843JD2



魂の群れが、蝶となりて天を目指す。
紅き翼を羽ばたかせ、蝶の群れが闇に閉ざされた村の上空を舞う。
長きに渡って囚われていた時が、ようやくにして再び動き出そうとする。

しかし、夜明けを迎える村とは対照的に、悲しみに沈む者も居た。

「ごめんなさい……ごめんなさい!」

叫びながら少女は御園へ通じる道を、澪は駆け上がっていた。
自分は、助ける事が出来なかった。姉が×に墜ちるのを救うことが出来なかった。

「ごめんなさい……ごめんなさい……だって……だって!」

言い訳するようにして、澪は繰り返す。
そう、あの時の行いは、あの罪は、どうしようも無かったのだから。





終焉の地、×での戦い。
彼女は射影機を手にして、大償いを起こした巫女と戦った。
楔をも上回る悪夢的な力に何度も屈しそうになりながらも、澪は辛うじて紗重の力を削ぐ事に成功した。

『きゃあああああああ!!』

紗重の叫び声と共に、その身体が×へと後ずさっていく。
最後に放った一撃が、余程堪えたのだろう。
凄まじいまでの力は消え去り、ふらふらと力なく揺れる身体が×の縁へと差し掛かった。

「あ!」

今にも墜ちそうな位置で辛うじて留まる身体が、僅かにぶれる。
それは、彼女のよく知る少女と巫女の姿が重なっている状態である事を示していた。

「お姉ちゃん?」

澪の叫びに応えるかのように、紗重と繭の身体が別れる。
しかし、位置は変わらない。
そう、二人の身体は×の縁で揺らいでいるのだ。

「あっ……!」

ぐらり。
そう表現出来るような揺れと共に、二人が後ろへと大きく身体を傾ける。
駄目だ。あそこに落ちたら。澪は必死に駆け寄る。
×を覗いてはならぬ。古書に書かれていた言葉が脳裏を過ぎるが、構わない。

伸ばした手が、半ば×に落ちかけている繭へと差し出される。
間に合えとばかりに伸ばされた手。届く、だが、繭に意識が無ければ間に合わない。
澪の顔が絶望に歪みかけたその時、繭の目がうっすらと開く。
906×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:26:33 ID:LE843JD2


「澪……」
「お姉ちゃん!?」

繭の意識が戻ったのか、澪の指先に向けて繭の指が差し出される。
辛うじて姉妹の手が絡み合い、寸での所で繭の身体は×の縁にぶら下がった。

「お姉ちゃん!」

妹は精一杯姉の身体を引き上げようと前に出る。
そうすれば、姉を助けれると思って。信じて。
澪はこの時忘れていた。×を覗いてはならぬという言葉を。
脳裏に響いた、『その中は見ちゃ駄目だ』という樹月の声さえも。

「澪……」

繭を助けようと、半ば×を覗き込む形になる澪。
そんな彼女に対し、完全に意識を取り戻したのか繭が顔を上げた。

「お姉ちゃ………っ!!」

喜びかけた、澪の表情が凍り付く。
澪は見てしまったのだ。"それ"を。
澪は、一生忘れれないだろう。その時の、姉の表情を。
あまりにインパクトが強すぎて、その下で蠢いていた"見てはならぬもの"も見てしまった事を忘れてしまった位に。



「澪ぉ……」



緩む頬を押さえきれず。
目尻は変な形になっていて。
吊り上がった唇の端から唾液が垂れている。
眼からは、涙が流れていた。きっと歓喜の涙かもしれない。

人類が、その心中に欲望を抱いた時に抱く顔付き。それら全てを掛け合わせたような。
繭が抱いていた口に出す事も憚られる、妹に対するあらゆる欲望を煮詰め裏漉して凝縮したような。そんな形相だった。


「澪、このまま一緒に逝こうね……ハァハァ」


ぐいぐいと引っ張られる腕と、何故か重くなる繭の身体。
×へ墜ちそうになっている繭の表情は、とっても確信犯だった。
そう、この時、澪は気付いてしまったのだ。
この表情をみるまで、何度も考えて見ては否定していた可能性に。

つまり。

紗重の意識に繭が同調して取り込まれたのではなく。
繭が紗重の意識に敢えて同調しあちらを取り込んだという事を。
そして、この×に墜ちそうになっている事態すら、姉の思惑である事を。

907×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:28:43 ID:LE843JD2

だからこそ、澪は掴んだその手を、離してしまった。

「み、澪ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

紗重と絶叫と共に、×へと墜ちていく繭。
絶叫はいやに長く響き渡り、やがて闇の奥へと消え去っていた。

「だって……だって……お姉ちゃん」

何故か周囲で喜んでいる宮司達を余所に、澪は泣き叫んだ。

「お姉ちゃんの顔、凄く、怖かったんだもん!」

叫ばなければ、やってられなかった。








「ごめんなさい……ごめんなさい………」

やりきれない思いを胸に、少女は泣き崩れる。
少女の嘆きを余所に、皆神村に眩しい朝日が降り注いだのだった----------------。



908×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:30:04 ID:LE843JD2



氷室邸。
かつては悪霊が跋扈したこの屋敷も、今はただの廃墟。
怨念によって縛られていた全ての魂が救済され、彼岸へと去った後もこの地に留まる二つの魂があった。

一つはこの地に己の魂を縛り付ける事で災厄を防ごうとした巫女の魂。
もう一つは巫女の想いに心を打たれ、この地に敢えて残った青年の魂。

現世と黄泉を繋ぐ、黄泉の門を封じ込める為。
2つの魂は寄り添いながら、孤独な護り手を続けていた。



だが、そんな二人に脅威が襲いかかっていた。
かつてない、黄泉の門の蠢動である。


「■して、出■■よ、■はみ■の所に■きたいの--------------------!!!」

門の向こうから、何かの叫び声が聞こえる。
その絶叫と共にグワングワンと揺れる黄泉の門。
門が内側から揺れる度に、霧絵の表情が痛苦に歪む。

「ああっ!」
「くそ、僕は一体どうすれば……」

苦しむ霧絵の傍らで、雛咲真冬は頭を抱える。
彼女を支えたくて自分は此処に残ったのに、肝心な時にどうしようもないとは。

「射影機ももう使えない。どうしようも無いのか!」

悔しさのあまり、膝を叩いた真冬の視界に入ったもの。

「そうだ……これならばきっと!」

門と正対するように納められている破邪の鏡、御神鏡。
噴き出す瘴気に耐えながら御神鏡を外し、貼り付け状態になっている霧絵の前で屈む。
そして、タイミングを計ろうとした真冬は、門の方を見て

「うっ!」

反射的にたじろぐ。確かに、視線を感じたからだ。
内側から揺れる度に、門の間に僅かに隙間が開く。
そこから確かに、真冬は何かの視線を感じたのだ。

(何だ今の視線は……あんなのは、此処に来ても感じなかった想念だ!)

凄まじい想念は、視線からも迸る。
霊感が鋭い真冬は危うく意識を飛ばされそうになったが、何とか堪える事が出来た。
ぐらつく意識を必死に保とうとしている真冬の上で、霧絵が辛そうな表情で耐えている。
それを見た真冬は、激しい焦燥に駆られた。

(早くしないと、霧絵が保たなくなってしまう!)
909×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:32:29 ID:LE843JD2

急がないと、霧絵ごと封印を破られてしまう。
そうなったら、何もかもお終いだ。
妹が霧絵や自分を救った事も、霧絵が門を封じた事も、自分がここに残った事も。
全てが無駄になってしまう。

「そんな事は、絶対にさせはしない!)

意識を集中させ、タイミングを見計らう。

『み■----------------!!』

ガクンと扉が揺れた。
ああ!という声と共に、霧絵の身体も激しく揺れる。
彼女の声に胸を痛めつつも、真冬の視線は動かなかった。

「!!」

その甲斐あって、チャンスが訪れる。
門が僅かに開いた時、冥土の瘴気が漏れ出ると共に、闇の中で爛々と輝く一対の瞳が真冬の視界に映った。

「っぐぅ! ぅぅ……い、ま、だぁ!!」

視線を合わせた瞬間から、全身を押し潰されそうな重圧を感じる。
物理的な圧力すら発生させている視線の波動を必死に耐え抜き、真冬は門の隙間に向けて掲げる。
手にしている御神鏡を、真っ直ぐに。
瘴気を感知したのか、御神鏡が眩い光を湛えたかと思った次の瞬間。

『きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

光が、門とその隙間を薙ぎ払う。
漏れ出た瘴気が光に追い立てられ、門の中へと押し込まれていく。
そして、冥土から現世を除いていた邪なる視線の持ち主も、破邪の光に目を焼かれたようだ。
門がバタンと音を立てて閉まり、それっきり静かになった。

「はぁはぁ……お、終わったのか?」
「その、ようです……」

荒い息を付きながら、二人は顔を見合わせる。

「助けて頂いて、申し訳ありません……真冬様」
「いや、良いんだ。君を守る事が、僕の望みなんだから」

優しく霧絵に声をかけながら、真冬は御神鏡を元に戻す。
そして、何かを思い至ったように、首を傾げた。

「だけど……どこかで」
「どうか、されましたか?」
「いや、大丈夫だよ。ただ、少しね……」

真冬は気になっていた。
御神鏡が門の奥を貫いた時に、一瞬だけ見えたもの。
910×を駆ける姉:2005/09/18(日) 04:34:17 ID:LE843JD2


(あれは……)

それは、1人の少女だった。
そして、真冬にはその少女に見覚えがあるような気がしたのだ。

(何処かで逢ったような気がするのだが……解らない。気の所為か?)

自分の知り合いに、あんな鬼気迫る形相を浮かべれる女性は居なかった筈。
ましてや、死んだ存在でなど。




結局、真冬は気の所為と結論づけてしまった。
彼らは知らない。黄泉と現世の繋がりがある場所は、この門だけでは無い事に。

そして、先程の脅威を巻き起こした張本人が、恐ろしく執念深い事にも。

『■お----------------絶対に一■になるから。約■だから--------!!』


黄泉の世界に響く咆哮。
悪夢は、まだまだ終わらない……。


終わり

911名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:10:56 ID:Xde5Rumg
繭は完全に妖怪だな・・・何をやっても死ななそうだな・・・・w

>>643の続きを書いてみた・・・・・ほとんど続きではない。
そして、何か長い割りに内容が薄い・・・エロパートも少ない。
流れがおかしい・・・・・今の螢澪の職人さんのような文才があればな〜
912名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:11:31 ID:Xde5Rumg

あれから・・・・・・・・・・・・恐怖と言うのもぬるい悪夢から一月が過ぎようとしていた。

惨劇に巻き込まれた姉妹も、奇跡と言うべきなのか、二人の想いあう力故なのか、
何も失うことなく帰還し、今や毎日学校に通う日常をおくる普通の中学生であった。

クラスの誰もが・・・・二人を良く知る友人達ですら澪と繭を襲った惨劇を知る者はいない。
もちろん当事者達が語ることはない。

が・・・・・

「ねえ、澪。繭さ〜、夏休みの間に何かあったでしょ?」

休み時間に澪の席までだべりに来ていた友人が尋ねる。

これで何回目であろう・・・この手の質問は・・・・

夏休みが終わり、新学期が始まり、何回目だろう・・・この質問は・・・

ほとんどクラス全員と言っていいくらいの人間に聞かれた気もする。

繰り返し質問してくる生徒もいた。

挙句の果てに担任の先生にまで質問を受けたこともある。

「だから、何もないってば・・・・少なくとも私は知らないって・・・」

めんどくさそうに澪が答える。

「え〜、でも繭に聞いても笑ってるだけで何にも言ってくれないし。
この前は「澪に聞いてみたら」って言われたし・・・」

(お姉ちゃん・・・なに私に押し付けてんのよ〜)

「も〜いいから、私、部活に行くよ!」

話を打ち切るように立ち上がり、澪は運動着の入ったバッグを手に持つと、
トイレから帰ってきた繭の所へ向かう。

「お姉ちゃん、そろそろ行こうか。」
913名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:12:42 ID:Xde5Rumg

繭の表情を見て澪は思う。
確かにお姉ちゃんは変わった・・・
周りの人間がそう思うくらいである。幼い頃から一番近くで繭を見続けてきた
澪に分からないはずはない。

何が変わったかと言うと・・・・・・単純に言えば明るくなった。

以前はおどおどしていた。いつも何かの影に怯えていた、と言う表現
が一番しっくりくるだろうか・・・

友人達が言うには、今はそれが感じられないらしい。

夏休み前まで、澪の女友達は繭とも話していたが、クラスの男子で繭と喋る者はほとんど
いなかった。薄気味悪いと言って避ける者もいた。

ところが、今ではクラスの男子と楽しく話している時がある、会話の最中に繭から笑みが漏れる
こともあった。以前からは考えられない光景である。

(あんだけ怖い目にあったら、他のことなんて些細なことだもんなー・・・)

隣を歩く繭の顔を見ながら思う。

「ん?澪、どうしたの?」

澪の視線に気づいた繭が微笑み返す。

以前の繭には何と言ってもこの笑顔がなかった・・・・・そう・・・同じ顔をした妹ですら、心惹かれそう
になるこの微笑みが・・・

(・・・・めちゃくちゃ可愛い・・・・これじゃ男共も声かけたくなるな〜・・・・)

「どうしたの?ポーっとして?」

「あはは・・・何でもない。」

見惚れてたなんてさすがに言えない。

「あー、そう言えば、お姉ちゃん、写真部はどう?」

繭は夏休み前はどの部活にも所属していなかったが、新学期から写真部に入部したのだ。
これも澪にとっては驚きであった。
以前は澪の部活が終わるまで教室で本を読んでいて、一緒に帰宅する毎日であった。
914名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:13:25 ID:Xde5Rumg

「ん、なかなか面白いよ・・・まだ撮ったりはしてないんだけど、保管されてる写真に
すごい綺麗な風景写真なんかあってね・・・」

(写真部か・・・・・・私は勘弁だな・・・はは・・・)

「それに、先輩も優しく教えてくれるしね。」

繭の言う写真部の先輩とは、二人の家の近所に住んでいる麻生優雨のことである。

「そっか・・・それは良かった。」

楽しそうに話す繭を見ていて澪は安心するが、どこか寂しい感じがしてしまう。

「じゃ、澪、終わったら教室にいるね。」

「ん、またね。」

二人は毎日一緒に登校して一緒に帰っていた。歩いて20分くらいの道のりである。
自転車通学も出来るのだが、足の悪い繭には少々危険である。そんな姉を気遣い澪も
一緒に徒歩で通っていた。

・・・・・・・・・・・・・・

ラケットを持った澪の横にポトリと羽が落ちる。

「ちょっと、澪!真面目にやってよ!」

ダブルスを組んでいる相方が澪に叱咤する。

「あっ・・・ごめん、ごめん。なんか体調悪いのかも・・・」

「え?ちょっと、それなら休んでた方がいいって。」

「そうだね、ちょっと休むね。」

澪はコートの外に出ると体育館の壁際に腰を下ろす。代わりに後輩がコートに入り練習試合が続けられる。

体調不良を訴えたものの、澪の体はどこも何ともない。ただ思慮に耽っていただけである。

繭のことを・・・お姉ちゃんのことを考えていた。
915名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:14:17 ID:Xde5Rumg

(確かにお姉ちゃん変わったな・・・昔は私にべったりだったのに・・・)

以前は、澪に依存していると言っても良い程、繭は澪についてまわった。
澪より前に出ようとは決してしなかった。

いつも自分と行動を共にしようとした繭を鬱陶しく思ったことは澪にはなかった。
それは怪我をさせた負い目からではなかった・・・・・・澪の心の底にもいつも繭と一緒にいたい
という願望があったのだろう。

あの悪夢が覚めた朝・・・・あの懐かしいベンチで二人は約束を交わした。

『ずっと一緒だよね』と・・・

(ずっと一緒って約束したのに・・・・・いくらでも甘えていいって言ってたのに・・・・)

澪は何となく最近面白くないない原因が分かっていた・・・・
繭と一緒にいる時間が少なくなったのである。

(だけど、今までが少しおかしかったんだろうな〜・・・今が傍から見たら普通だろうなきっと・・・)

兄弟のいる友人もいるので、普通の兄弟がどうあるのかを澪は分かっていた。
以前の自分達の状況がそれからは大きく違っていたことも・・・

(お姉ちゃん・・・終わったかな・・・・・もう今日はこのまま早退しよう・・・)

澪は周囲の人間に一言告げると先にあがり、更衣室ですばやく着替えを済ませると教室に向かった。

自分の教室から数人の女子生徒の話す声が聞こえてくる。

教室のドアを開けて繭の席に目をやる・・・・まだ終わってないようだ。

「あっ、澪、今日は早いね。繭ならまだ帰ってきてないよ。」

ドアの開く音で澪に気づいた一人が言う。

「そっか・・・」

澪はドアを閉め自分の席に向かう。

「澪、ちょうど良かった。今、繭の話してたんだけどさ・・・・なんか昔より澪にくっつかなくなったよね?
あんた達が喧嘩なんてするはずないしさ。何でかな?って話してたんだけど、なんで?」

(また・・・)

「知らない。」

少しきつめの口調で言う。

(何を怒ってるんだろ?わたし・・・)

「繭もようやく澪離れする時が来たのか〜」

聞こうとしなくても耳に入ってきてしまう。
916名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:15:45 ID:Xde5Rumg

(澪離れ・・・・)

離れるという言葉に澪は過敏に反応してしまう。

(そうなの?・・・お姉ちゃん・・・私から離れていくの?・・・・離れていきたいの?・・・)

あの時、夢に見た紅い蝶を思い出してしまう・・・今までで一番悲しかった夢を・・・

「澪、じゃあね。また明日。バイバイ!」

考え事をしている澪を尻目に二人のクラスメートは帰宅する。

ドアの閉まる音がして教室が静まり返る。

(一人になっちゃった・・・・・・お姉ちゃんまだかな・・・・)

澪は誰もいなくなった教室を見回す。人が少なくなった放課後の学校は、誰もいない教室にいると
世界に自分だけが取り残されたような感じがしてしまう。

(なんか眠い・・・)

澪は机にうつぶせになる。今寝ると嫌な夢を見そうなので目だけを閉じていたが・・・
やがて眠りに落ちる。


・・・・・・・・・・・・・・・

仲の良い双子の姉妹が野原で遊んでいる。
じゃれあって、笑いあって楽しそうだ・・・

二人のいる場所に一人の男性の影が覆う。

双子の一人が男性の顔を見ると嬉しそうに飛びつき、
肩を並べ歩いて行く・・・

取り残される片割れ・・・

遠ざかる二人の背中を見つめ、曇る表情と共に足元の周りのたくさんの綺麗な花がみるみる枯れていく・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・ぉ、みお!」

体を揺すられる。

「ふぁ?あっ、お姉ちゃん。」

顔を起こすと目の前に繭が立っている。

「帰ってから、部屋で寝た方がいいよ、澪。」

「ん・・・・そうだね」

917名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:17:13 ID:Xde5Rumg

ふと時計に目をやる。

「あっ、もうこんな時間。」

外を見ると夏の空が薄暗くなり始めている。

(何だったんだろ?・・・今の夢?・・・・)

澪は今見た夢をたいして気にも留めなかった。

・・・・・・・・・

帰り支度を済ませ、二人は校門を出て帰宅路につく。

澪の隣には繭がいる。これから寝るまで二人は一緒である。

澪は家から学校まで登下校する時間が好きだった。

二人以外の生徒はほとんど自転車で通学しているので、繭と二人きりになれる時間であった。

家で二人でいる時とはまた違う心地よさを感じる時間であった。

歩く速度に合わせ柔らかい動きで前後に振動している繭の手をそっと握る。

澪の手に温もりが伝わってくる。

「ふふっ」

「なーに?澪、急に笑って?」

手を握られた繭も別段気にもしない。

こうしていると、繋がっている実感が沸いて嬉しくなってくる。

(う〜ん・・・恋人なんかが手を繋ぐ気持ちも分かるかな・・・)

澪は小さな幸せに浸っていた。
918名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:17:51 ID:Xde5Rumg

「それでね・・・今日も、色々写真を見せてもらったんだけど、憂雨さんってすごいの!
私が綺麗〜って思った写真はほとんどあの人が撮った物でさ・・・アルバム見てて『この写真いいですね』
って言うと『ああ、それ僕が撮った奴だ・・』って言われて、また次の気に入った写真も『それも僕が撮った
奴だ』ってなって、ほとんど憂雨さんが撮った写真私が選んでさ・・・・って、澪?」

澪の知らない繭の時間を、繭が楽しそうに話す。

(なんだか・・・・面白くない・・・)

澪はそっと握った手を離す。
前だけを見る。

「みお〜、なんか機嫌悪い?私、何かしたかな〜?」

繭は心配そうに澪の顔をのぞく。

「知らない!」

澪は、プイッ、と顔をそむける。

「うぅ・・・なんだか知らないけど、ごめん〜・・・みお〜・・・」

繭が半泣きになりながら離れた手を再び繋ぎ直す。

「ふふっ、嘘だよ!お姉ちゃん騙された〜!」

始めから怒る気のない澪はすぐにおどけてみせる。

「もーお、びっくりしたよ。」

繭はそう言ってほっとする。

(やっぱりお姉ちゃんは変わってない。私のことをいつも気にかけてくれて、心配してくれて・・・・・
でも、ちょっとだけ寂しくなったよ・・・さっき・・・・・)

この二人は時折手をつないで外を歩くことがあった。

すれ違う人は不思議そうに振り返ることもあった・・・・同性が手を繋ぐことにではない・・・・・・
同じ顔の二人が並んでいることにである。

彼女達のクラスメートも顔だけでは見分けがつかない者もいる。明るい方が澪、おとなしい方が繭。という
分け方をする者もいた。それ故最近では繭を澪と間違う者もいる。

「あ〜あ・・・なんかさ、お姉ちゃん変わったよね〜。」

「ん?そうかな?・・・・」

「変わったよ〜・・・なんか生き生きしてる。」

先程教室にいた友人達と同じ話題を投げてみる。
919名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:18:46 ID:Xde5Rumg

「そっか・・・きっと澪のおかげだよ。」

「えっ・・・私の?」

予想していなかった答えに澪は少し驚いて足を止める。

「そうだよ・・・あの時・・・・あの時澪が私を助けてくれた・・・私を呼び戻してくれた・・・・
私は・・・・もう澪の泣いている顔は見たくない、困らせたりしたくないって思って・・・
澪を悲しませたのは・・・・きっと私の心の弱さが原因だからさ・・・・そう思ったの。」

真剣な眼差しで澪を見つめる。

気恥ずかしくなった澪は止まっていた足をまたゆっくり動かし歩き出す。

「そうだったんだ・・・・」

澪は歩きながら答える。あの出来事が原因であるとは思っていたが、理由までは分からなかった。

(単に自信がついただけかと思ってた・・・)

自分の事を想って変わろうとしてくれている繭を嬉しく思う反面、
それは、自分から離れていく(一般的にはいい意味で)ことなのかと思い、
不思議な葛藤が澪の中で展開される。

(別に・・・いつも一緒にいてもいいんだけど・・・・まー私もそのうち慣れるのかな・・・)

家に着いて玄関の扉を開ける。出迎える人は誰もいない・・・母は病気がちで一昨日から一週間だけ
入院することになっている。

「さて・・・・今日は何作ろうかな・・・・」

「私も手伝おうか?」

「いや、いい。お姉ちゃん作ると何か知らないけど、やたら甘味になるから・・・」

「え〜、そんなに甘いかな〜・・・・」

澪は以前一緒に作った餃子が何故か甘味に仕上がっていたことを思い出し身震いした。

「と、とにかく!お姉ちゃんは部屋で待ってるか、テレビでも見ててよ。」

お菓子作りに関しては澪も認める程繭の腕は天才的だったが、普通の食事は澪が作る方がおいしい。
というか、上手い下手ではなく繭が単に甘党なのである。本人曰く美味しいらしいが・・・・

「冷たいな〜・・・澪。じゃ、なんにもしないから澪の側にいてもいいでしょ?」

こうして二人で家にいると、学校にいた時に感じた不安がまるで感じられない。

(やっぱり・・・私はこんなお姉ちゃんの方がいいな・・・)
920名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:19:52 ID:Xde5Rumg

今日の料理はハンバーグとポテトサラダにインスタントのコーンスープにライス。
テーブルの上に並べるのは繭も手伝う。

澪が身に着けていたエプロンをはずして席に付く。

「う〜ん、澪って料理上手いよね〜」

ハンバーグを口に運んで繭が感想を漏らす。

(これを、おいしいと思う味覚があるのに何で作らせるとあんな味になるんだろう?・・・)

美味しそうに食べる繭を不思議そうに澪は見る。

「お姉ちゃんさ〜、最近クラスでちょっとした人気者だよね。」

「えっ・・・・何で?」

「急に変わったからかな・・・・特に男子から人気が出て・・・・モテモテだね、お姉ちゃん。」

「や、やめてよ。」

繭は顔を赤くして訴える。

他愛もない話をしながら、二人は食事を終える。

食器を片付け、シャワーを浴びてそれぞれ部屋に戻り就寝する。

澪はベットに入り、電気を消す。

・・・・・・・・・

澪は暗い部屋の中で今日の事を思い出す。

自分に心配かけまいと変わろうとする繭のことを考えていた。

澪も頭では分かっている・・・・・いつまでも一緒には・・・・・この先、卒業して、大学に行って、社会に
出なければならない・・・・そうなればこれまでのように一緒にいることは無理だということを・・・・

その時のことを考えれば繭が変わろうとしているのは大いに喜ぶべきことである。
姉のことを真に想っている妹ならそれは喜ばしいことのはずである。

だが・・・澪は自分の中にあるもう一つの・・・黒いと言った表現が似合う感情が存在することも分かっていた。

(は〜・・・・このまま大人になんかならなければいいのに・・・・こんな風に思うの私だけなの?お姉ちゃん?)

思わず溜息が出てしまう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コン、コン。

ドアをノックする音が聞こえる。

この時間に繭がたずねてくるのは久しぶりである。

ゆっくりドアが開く。

「澪・・・もう寝ちゃった?」
921名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:21:18 ID:Xde5Rumg

小さな声で繭がドアのところから尋ねる。

「ううん、起きてるよ。どうしたの?」

澪は体を少し起こして答える。

「なんか・・・・怖い夢見て・・・・その、一緒に・・・・いい?」

以前はたまに繭が澪の部屋を訪ねてくることがあったが、あの時以来初めてである。

「ふふっ、お姉ちゃん怖がりだな〜、しょうがないな。おいで、繭ちゃん。」

澪は横に詰めて、空いた所を右手で叩きながら意地悪な顔で誘う。

「あー、馬鹿にして〜、いいもん、怖がりで。」

澪が空けた空間に繭がそっと潜り込んでくる。

「ふふ・・・澪の匂いがする。」

繭が大きく息を吸い込む音が聞こえてくる。

「えっ?私、匂いなんてあるの?・・・なんか嫌だな・・・」

「あるよ・・・とってもいい匂い・・・・・・すごく落ち着く匂い・・・・私の一番好きな匂い・・」

繭が暗闇の中、小声で話す。

(私に匂いがあるなら・・・お姉ちゃんにも・・・)

澪は鼻から吸い込む空気に神経を集中させる・・・・・・自分と同じシャンプーの匂いしかしない。

(何も匂わない・・・もっと近くに寄れば・・・)

澪はゆっくりと繭に顔を近づける。

規則正しい寝息が澪の頬をくすぐる。

(相変わらず寝付きがいいな、お姉ちゃんは・・・・羨ましいよ・・・・・でも匂いなんてシャンプーの
匂いしかしないけど・・・・・・・)

澪は寝ている繭の喉を通り過ぎ、微かに上下運動をしている胸元に顔を近づける。

鼓動も感じ取れる程に近づくと、僅かに周りと違う香りを感じる。

ほんのり甘い様な・・・柔らかい感じの匂い・・・

(これが、お姉ちゃんの匂いかな?・・・・・・・)

澪は自分の鼓動が速くなっていくのを感じる。

(どうしたんだろ?私・・・・お姉ちゃんの匂い嗅いだら、ドキドキする・・・)

繭と同じように、確かにいい匂いだと思うし、安心もする・・・・けど、それ以外にも・・・・
安心しただけで鼓動は速くならない。

澪の吐息が少しだけ荒くなる・・・
922名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:23:17 ID:Xde5Rumg

「ふふっ・・・澪。息がくすぐったいよ。」

素肌に妹の周期的な呼吸を感じて、繭は起きてしまったようだ。

「あ、ごめんお姉ちゃん・・・・なんか・・・匂いあるのかな?って思ってさ・・・」

「澪ってば・・・・澪のベットだもん・・・澪の匂いしかしないよ・・・」

そう言うと、繭はまたすぐに眠りに落ちていく。

繭はそう言ったが、確かに感じた・・・周囲の匂いとは違う、優しい匂いを。
澪はもう一度確かめようと思って近づこうとしたが、思いとどまった。
また起こしては悪いと思ったし・・・・・自分でも良く分からない高揚感を覚えるのを
怖くも思った。

(はー、もう寝よう・・・)

澪は布団を被り直し、上を向いて目を閉じる。

(同じ姉妹なのにどうして私は寝つきが悪いんだろ・・・・)

こういう時、いつも澪はその日習った数学やら化学の授業内容を考えることにしている。

(sin・・・cos・・・・ほらほら・・・もう眠気が・・・・数学って偉大な学問ね・・・・・)

スゥ〜っと意識が眠りに落ちていくのを感じる。

「ぅん〜・・・みお・・・・」

もう少しのところで繭が寝ぼけて澪の胸に腕をのせてくる。

(あ〜・・・もう少しで眠れそうだったのに〜・・・しょうがないな、お姉ちゃん。)

横を向いて姉の寝顔を見る、大好きな繭の幸せそうな寝顔を・・・

それを見ていると澪は、目の前の繭が愛しくてたまらなくなる。

そっと繭に擦り寄り、温もりが感じられる距離まで近づくとまた目を閉じる。

(今が一番いいよ、私。・・・・お姉ちゃん、大好きだよ・・・・)

繭の温もりに包まれながら澪もようやく眠りに落ちていった。




ジリリリリリリリリ・・・・・・・・・・・!!

けたたましい目覚まし時計のベルが鳴り、澪はすぐに目を覚ます。

あてずっぽうに手を伸ばし、時計の場所を探り音を消す。

手を戻そうとすると、ゴツッ!っと何か硬い物にあたる。

まだ開ききらない瞳でそちらを見る。

「あっ・・・そっか、お姉ちゃんいたんだ・・・」
923名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:24:39 ID:Xde5Rumg

(今、そうとう強くヒットしたけど・・・・・相変わらずだな〜お姉ちゃん、
夜中に大地震起きたら、まず真っ先にお姉ちゃん起こしに行かなきゃ駄目だな・・・)

繭を起こさない様そっとベットから抜け出す澪。

母親がいない時は、いつも澪が簡単な朝食を二人分作って、それから繭を起こす。といった
生活であった。

(あっ・・・卵一個しかない。仕方ない、半分こするしかないな・・・)

食パンをトースターに入れ、お湯を沸かしながら、フライパンに卵を割り入れる。

「ふあ〜・・澪、おはよ・・・」

油のはねる音に混じって背後から声が聞こえる。

「あ、お姉ちゃんおはよ。めずらしく自分で起きたね。」

しかし、朝にひどく弱い繭のまぶたはほとんど開いていない。

「ね〜、澪、寝てる間に私のパジャマ脱がさなかった?朝起きて寒いと思ったら
下着一枚になってたんだけど・・・・」

繭は目を擦りながら澪にとっては身に覚えのない疑いをかける。

「えっ?ええ?そんなことしないよ私!お姉ちゃん暑くなって自分で脱いだんでしょ!?」

「ほんとに〜?」

「ほ、ほんとだよ・・・だって、何でそんなことしなきゃいけないのよ!?
そんなことより、早く顔洗ってきなよ、お姉ちゃん!」

澪にとっては全く予想もしなかった尋問であった。

あくびを咬みながら繭はよろよろと洗面所に向かう。

(びっくりしたな、もう・・・・)

自分では見れないが澪の顔は真っ赤になっていた。

戻ってきた繭と一緒に椅子に座って簡単な食事をとる。

「今日の数学のテスト、どう?澪?」

「あー!!!」

繭の着席後の第一声に澪は絶叫する。

「きょ、今日だっけあれ?」

「ま、まさか・・・忘れてた?」

澪はがっくりうなだれる。

「・・・・・学校・・・・大償い起きないかな・・・」

「起きない、起きない、」
924名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:26:11 ID:Xde5Rumg

疎ましい表情で繭を見る。

「あ〜あ、双子ならお互い考えてること分かってもいいのにな〜・・・・」

「・・・・・それより私片付けるから。澪、まだ時間あるし少し教科書読んどきなよ。」

急いで食べ終えると、澪は支度を整え部屋にこもる。

(う〜・・・だめだ全然頭に入らない・・・・あっ、涙が・・・・)

「澪、そろそろ出るよ。」

ドアの向こうから呼ぶ声がする。

曇り空の天気の中、二人並んで歩く、が、会話はない。

「み、澪、前見て歩かないと危ないよ〜。」

澪は往生際悪く、歩きながら教科書を見ている。

「話しかけないで!」

必死になって公式だけ覚えようとする澪。

「・・・つまんない。」

テストは一時間目であるので、今が最後のチャンスなのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「はあ〜・・・・」

休み時間になり玉砕し終えた澪が溜息をつく。

(お姉ちゃんはどうだったんだろ?・・・・)

顔を上げ姉の座る席を見ると、楽しそうに前の席の男子と喋っている。

「・・・・・・・・」

その光景を澪はぼんやりと見ていた。
喉元過ぎれば何とやらで、テストのことは澪の頭から無くなっていた。

(お姉ちゃん、私の心配して私のとこに来てくれると思ったのに・・・・)

以前は休み時間になると澪が呼ばなくても、繭が澪の席まで来ていた。

(いいけど・・・・学校終われば、ずっと一緒にいられるし・・・)

ぼんやりと窓の外に広がる空を見つめる。どんよりとした曇り空が澪の目に映る。

結局この日は、昼ご飯の時、友人を交えて少し話しただけであった。
925名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:27:50 ID:Xde5Rumg

部活動の時間になって、また澪は考え込む。

今まではこうした部活の時間も繭と離れていても気にすることはなかった。
それは繭が教室で自分のことを待っていてくれたからであろう。

想ってくれている。と思えるだけで、繋がっている気がしていた・・・

今こうして姉のことを想っている時に、姉は私の事を想っているのだろうか・・・
もし、違うことを考えていたら・・・・
もし、私の事なんて頭の片隅にもなかったら・・・・

澪のなかで急速に得体の知れない不安が広がりつつあった。

「あの・・・ごめん、今日も先帰るね・・・」

澪は昨日と同じように、友人に告げると先にあがった。

人の気配のしない教室のドアを開く。

予想通り、繭はいない・・・・誰もいない教室。

自分の席に座りまたぼんやりと空を見つめる。

(はやく、帰ってこないかな・・・・お姉ちゃん。)

口からフゥーっと長い溜息を吐く。

10分程待っただろうか・・・・

かすかに廊下から不規則な足音が聞こえ、教室のドアが開く。

澪はそちらに目をやる。

「あ、お姉ちゃん。終わったの?」

繭であることを確認し、帰り支度を始めながら教室に入ってきた繭に話す。

「澪、ごめん。今日は先に帰っててくれないかな・・・・」

繭が申し訳なさそうな顔で言う。

「え?・・・・・」

「なんか麻生さんに「話があるから」って言われたんだけど、麻生さんすぐに先生に呼び出され
ちゃったから、待ってなきゃいけなくてさ・・・・どれくらいかかるか分からないし、澪、夕飯
の支度しないといけないでしょ・・・だからさ」

良く見ると繭はここに来るのに何も荷物を持ってきていない。
まだ帰宅する気がないのだろう。
926名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:28:53 ID:Xde5Rumg

「そっか・・・分かったよ。お姉ちゃん、気をつけて帰ってきなよ・・・」

少し低い声で言うと、澪はバッグを手に取り足早に教室を出ようとする。

「ごめんね・・・澪・・」

澪の足が一瞬止まる・・・が、何も答えず、繭の方も見ずに教室を出て行く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

澪は朝歩いてきた道を、一人で歩く。

澪が一人で帰るのは三ヶ月前に繭が体調不良で学校を休んだ時以来であった。
繭が休んだり、早退した日以外は二人は必ず一緒に帰っていた。

夕方を告げるチャイムが鳴り響く。

とぼとぼと俯いて足を進める澪。

「澪、ばいばい。」

横を自転車で追い抜いて行く友人の声。

澪は俯きながら目頭が熱くなるのを感じる。

(せっかく・・・待ってたのに・・・・・・話なんて明日でもいいじゃん・・・・
お姉ちゃんの馬鹿・・・・・)

足が悪い繭を一人で登下校させるのは多少の不安があったので、いつも一緒に帰るようにと
母にも言われていた。

(はは・・・・お姉ちゃんの面倒みているようで・・・・結局、私が一緒にいたいから
一緒に帰ってたんだ・・・・・・)

しかし、そんなことは澪にはとっくに分かっていた。『側にいてあげなきゃ』という
義務感を飾って、いつも側にいたことを・・・・・

姉があの時・・・・・崖から落ちて足を怪我したのを澪は心底悲しんだ・・・
けれども・・・・これでずっと一緒にいなきゃならない・・・・ずっと一緒にいられる。
そんな喜びの心情があったのも事実である。

(・・・最低だな・・・・私・・・・・)

澪の頬を涙が伝い、地面を濡らす。
繭のことを考えると涙が溢れてくる。

(普通の姉妹だったらこんなに悲しくならないんだろうな・・・・・・双子だから・・・・
一緒だから・・・・・・・少しすれ違っただけでも、こんなにも動揺する・・・・・裏切られた
気分になる・・・)

滲んで見えるアスファルト・・・

(馬鹿!・・・・馬鹿お姉ちゃん!・・・・・)
927名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:29:31 ID:Xde5Rumg

少しの悔しさと大きな悲しみが澪の心を包む。

(何で!私の気持ち分かってくれないのよ!・・・・・お姉ちゃんに離れられたら、どんなに
寂しい思いするのよ!私は・・・・・)

そこまで思いを巡らせ、ふと気づく・・・

繭が怪我をした時・・・澪は本気で置いていく気など毛の先ほどもなかった。が・・・
繭はそうは思わなかった・・・必死に澪を呼び止めようとした・・・・・でも澪は止まらなかった・・・・
・・・・だから・・・・

(やっぱり・・・・私はお姉ちゃんの妹だ・・・・都合のいい時だけ甘えて・・・・
お姉ちゃんを自分の所有物みたいに独占して・・・・子供みたいな我侭ばかり言って
困らせて・・・・あんな大怪我までさせて・・・・)

毀れる涙の量が激しくなる。

家に着き、玄関の扉を開け、階段をかけ上がり自分の部屋に入る。
ベットに倒れこみ、うつ伏せになってすすり泣く。

蒸し暑い静かな部屋の中に澪のくぐもった嗚咽だけが聞こえる。

(双子になんか産まれなければ良かった・・・・きっとこんな悲しい気持ちにならずにすんだ。
もう・・・・お姉ちゃんの面倒なんて見るもんか!・・・)

心の中でそう叫んでみるものの、そんなことは出来ないことは分かっている。
繭の側にいなかったら自分が壊れてしまうことくらい澪には分かっている。

怒りが込み上げてくる・・・

枕を掴み、壁に投げつける。
壁に叩きつけられた枕は音を立て部屋を揺らして落ちる。

「ううぅっ・・・ひっ・・・・」

とうとう声をあげて泣き始める。

自分の不甲斐なさに怒りがこみあげる。側にいて欲しいと素直に言えない自分が嫌いになる。
姉と離れるのをこんなにも怯えている自分を消してしまいたくなる。

(こんな気持ちをお姉ちゃんが知ったら、どう思われるのだろうか?・・・・優しく受け止めてくれるのだろうか、
それとも拒絶されるのか・・・・そしたら私はどうなるんだろうか?)

自分でも異常なのが分かる。普通ではないのが・・・・
激しく心が揺さぶられる。

(早く、帰ってきてよ、お姉ちゃん・・・・・)

シーツに顔を埋め、姉の香りを必死になって探す・・・・・寂しさを少しでも癒そうと
到底残っているはずのない愛する人の痕跡を求めて虚しい努力をする。

やがて諦めると力なく横たわり虚ろな目でただ壁を見つめていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
928名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:30:17 ID:Xde5Rumg

玄関の扉が開く音がする。

「ただいま〜」

澪の耳に待ち望んでいた人の帰宅を告げる声が届く。

涙を拭きベットから立ち上がり、泣いていたことを悟られまいと、急いで机に向かい椅子に座る。

したくもない取り繕いをしてしまっている自分にまた嫌気がさす。
素直に泣きついて繭の胸に飛び込めば、楽になることが分かっているはずなのにできない。

(恋人に素直になれない餓鬼みたいだ・・・私・・・相手はお姉ちゃんなのに・・・)

やがて階段を上がって来る不規則な足音が聞こえてくる。
足音は部屋のドアの前で止まる。

「澪。入るよ?」

声が聞こえてきたが澪は特に返事をしない。

ドアがゆっくり開き、繭が入ってくる。

「澪、ごめん、遅くなったね。台所に行ったけど・・・何も作ってないでしょ?
今からじゃ遅いから、何か注文取ろうか?」

「・・・・ごめん・・・ちょっと疲れて・・・・」

澪は振り向かず繭に背を向けたまま答える。

「そっか・・・」

立っているのが少しつらいのか、繭は澪のベットに腰を下ろす。

・・・・・・・・・・・・・・・

「澪」「お姉ちゃん」

僅かな沈黙の後、二人が同時に呼び合う。

「何?澪・・・」

先に繭が尋ねる・・・・まだ自分に対して背を向けている澪に、

「いいよ、お姉ちゃん先に言って・・・」

それを聞いて少し間をおいて繭が話を切り出す。

「澪、今日はごめんね、一緒に帰れなくて・・・・麻生さんに「すぐ戻るから待ってて」って
言われて・・・・」

「いいよ・・・別に・・・それでなんの話だったの?」

澪は低い声で聞き返すも、嫌な予感を感じ取り心が塞ぐ。
929名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:31:21 ID:Xde5Rumg

「うん・・・・それが・・・・澪にも相談したくて、ここに来たんだけど・・・・
・・・・「今度二人で遊びに行かないか」って誘われて・・・・・どうしようかと思ってさ?
・・・・・私、こんな体だから、澪が一緒にいないと出かけたくないんだけど・・・・」

繭の告白を聞いている途中で、澪の体が小さく跳ね、小刻みに震えだす。
繭の言葉の後の方は澪には聞こえていなかった。

(・・・やっぱり・・・・・)

聞きたくなかった、信じたくなかった、受け入れたくなかった・・・・でも、もう聞いてしまった。

目の前が暗くなり、澪の中で何かが音を立てて崩壊した。

それは澪の理性なのか・・・・これまで閉じこもっていた二人だけの世界を形作っていたものなのか・・・・・

ゆっくりと椅子から立ち上がり、繭の方を振り向く。

「澪?・・・」

繭の顔を見た澪の心の中に、狂おしい程の嫉妬と切なさが吹き荒れる。

(誰にも・・・・・誰にも渡したくない・・・・・渡さない!・・・・お姉ちゃんは私のもの!・・・私だけの!)

座っている繭から目を逸らすことなく歩み寄る。

そのまま繭の胸に飛び込む。

「み、澪?・・・・・」

繭の体に鼻を押し付けて、息を大きく吸い込む。澪の鼻を刺激する甘い香り・・・・・一瞬で澪の体に酔いがまわる。
昨日の夜とは比べ物にならない勢いで鼓動が速くなる。

(・・・・・・お姉ちゃんを私だけの物にしたい・・・お姉ちゃんの全部を!)

繭の体からそっと顔を離し、戸惑っている繭の顔を見る。

ゆっくりと繭の体を這い・・・・・繭の吐息をも飲み込むように唇を奪う。

柔らかい感触と口の中に入ってくる吐息が澪を一層切なくする。
突然塞がれた唇が何かを言いたそうに、もごもごと動こうとする。

抗議の声を聞いても止まることのない澪は構うことなく繭の頭を抑え、唇を重ね続ける。
顔の角度を変えて、繭の唇をこじ開ける。澪の舌が容赦なく開かれた隙間から侵入し、
繭の口腔を犯し始める。
舌先が絡まる・・・・・お互いの吐息が・・・唾液が混じり合い、切なげに音を立てる。

互いの唇によって作られた二人を繋ぐ空間の中で、舌先が絡まりあう。
離れている時間を少しも許さないように、澪は繭の舌を舌で愛撫する。

味わっても、味わっても、もっと欲しくて、色々角度を変えて更に強く求める。

長い、長い、濃厚なキスを交わし、澪はゆっくりと目を開け繭を濡れた目で見つめる。

吐息が感じられる程の距離で澪は口を開く。
930名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:35:54 ID:Xde5Rumg

「もう我慢しない・・・・できない・・・・・行かないで、お姉ちゃん。
私とずっと一緒にいよ。」

「・・・・・・・・」

頬を赤く染めている繭が僅かに頷く。

それを合図に澪の欲情に火が付く。

想いをぶつける様に、再び唇を重ねる。もっと・・・もっと感じたい、感じて欲しい。
溶け合いたい気持ちがどんどん強くなる。

口付けを交わしながら、ゆっくりと二人の体がベットに横たわる。
重力が澪の体を繭に押し付け、温もりを伝えあう。

そっと目を開く澪。
目を閉じ、うっとりした表情で自分の口付けに応えている繭を見て、狂おしい程に愛しくなる。

ピチャ・・

そっと唇を離して、澪は繭の肩越しに顔を乗せ、透き通るような白い首筋にキスをする。
繭の体が小さく跳ねる。
その反応が可愛らしくて、また澪の想いが強まる。

小さく舌を突き出して・・・ゆっくり繭の首筋を移動する。
舌先から与えられる刺激が繭に伝わり、その口から吐息が漏れる。

そのまま胸元まで来ると、愛でる様に口付けをする・・・・愛を証明するように熱い口付けを何度
も浴びせる。

「はぁ・・・みお・・・」

澪の熱い想いを余すことなく感じている繭が堪らなくなり声を出す。

「お姉ちゃん、好きだよ・・・大好き。」

澪は舌を出し、繭の胸元に這わせ上下に往復させる。
舌先の滑らかな感触が繭の思考を鈍らせる。
想いに応えるように、必死に愛撫をしてくれている妹の頭を抱きしめる。

澪は舌を這わせながら少しだけ体をずらし、空いた空間に手を運び繭の膨らみにあてがうと
弱く揉み始める。

「あっ・・・んぅ・・・」

制服の上からでも、澪の手により与えられる刺激は、弱いながらも確かな快感となり繭の脳に伝わる。

澪は繭の制服に手をかけ、丁寧にボタンを外していく。
その間だけ、二人の体が離れ、脱がせている澪も、脱がされている繭も恥ずかしそうに顔を赤くする。

すべて外し終わり前がはだけ、繭の身に着けている白い下着が露になる。

ボタンの外れた制服を脱ぐため繭は少し体を起こし腕を通そうとする。
その間に澪も自分の制服を手早くボタンを外して脱ぎ捨てる。

脱ぎ終わると、再び澪が繭の上に重なり口付けを交わす。
931名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 06:36:43 ID:Xde5Rumg

「はあ〜・・・・・」

先程と異なり相手の温もりが素肌で感じられる。
その快感に二人の吐息が自然と荒くなる。
今度は繭も積極的に澪を求め、舌を絡めようとする。

澪は繭の髪に指を潜り込ませ、優しく愛撫をし、愛される喜びに繭は打ち震える。

澪の空いている方の手が、繭の背中にまわり下着の止め具を外す。
外れたのを確認すると、ゆっくりと澪は下へ移動し、首筋から舌を這わせ
流れるように胸まで移動する。

一番上までたどり着くと、突起をそっと舌ですくってみる。

「ひゃ・・!」

これまでより強い、くすぐったいような刺激が繭を襲う。

澪はそれをそっと口に含んで、口の中で舌を転がす・・・・もう片方の乳房を掴みながら。

「あぁ・・・みお・・・はあぁん!」

澪を抱く繭の腕に力が入り、明らかに喘ぎ声と聞いてとれる声が吐息に混じり口から漏れる。

澪は舌で転がし、吸いあげ、味わう・・・・その行為が繭には甘美な刺激となり伝わり、
放たれる喘ぎ声は澪の思考をとろかしていく。

澪は右手をゆっくり下の方に移動させ、繭の身に着けているスカートをたくしあげ、内腿を汗ばんだ手で
愛撫する。

「ん・・・はぁ・・・はっ・・・」

敏感な部分の近くを澪の手が何度も往復し、もどかしくなる繭・・・・・自然に足が開いてゆく。
それを待っていたかのように澪の指が中心を捉えた。

繭の背中に電気が走ったように体が跳ねる。

「あはぁあ!・・うぅん・・・!」

一際大きな声が澪の部屋に響き、その声を合図に繭の弱い箇所を捉えた澪の中指が
ゆっくりと動き始める。

「あはぁ!・・あぅう・・・はあ・・・はあ」

恥裂に沿って下着の上から澪の指が動く。

「お姉ちゃん、下着汚れちゃうね・・・」

澪は下着越しに、既に繭のソコから溢れ始めた液体を感じていた。

「あっ・・・だって・・・」

「待ってて」
932名無しさん@ピンキー

澪は体を下にずらして、繭のスカートを脱がし、下着も脱がせる。

部屋の明かりが澪の目に繭の恥ずかしい部位を余すことなく晒させる。

「ああ・・・みお・・・恥ずかしいよ〜」

身悶えしている繭を見て、澪はもっと喘がせたい衝動に駆られる。
顔を近づけ、そっと割れ目に口付けをする。

「ひゃあ!・・・いやあぁ!」

その反応を楽しむように澪は僅かに濡れているそこに唇を押し付け味わい始める。

「あぁっ・・くうぁ・・あっ・・・み、みお〜・・・汚いよ、そんあぁ・・なとこ」

「お姉ちゃんのだもん・・・汚くなんかないよ・・・それともいやなの?」

繭はぶるぶると首を横に振る。

ピチャ、ピチャと音を立てて愛撫し、更に唇で陰唇を押し広げ舌を中に割り入れる。

「あはぁっ・・・はいって・・・くる・・・ああぃっ・・・きもちいいよ、みお〜・・みお〜」

繭は快感に乱れ、澪の名前を叫び続け、膣内からはねっとりした愛液が溢れ始める。

「くううぁぁあ・・・はあ・・・みお!だめ!・・・あっ・・・あっ」

繭の喘ぎ声が甲高くなり、膣内から溢れる淫液の量が増し始める。

クチュ・・

澪は繭の口からそっと離れると、自分の下着も脱ぎ始める。

散々繭の喘ぎ声に侵食された澪は、体が十分に火照っていて、
ずり下ろした下着と澪の敏感なソコとの間にツーっと糸を引く。

「お、お姉ちゃん、私にもして・・・・・・一緒にイキたいよ・・」

下着を膝まで下ろしおねだりをする澪。
体を横たえたまま、何も言わず繭は手を澪の下腹部に伸ばし、スカートの中に
しのばせると、澪の熱くなっている部位を指で押さえる。

「あはぁっ・・・くぅぅ・・・おねえちゃん・・・」

ズッ・・ズズッ・・・・・澪のソコが既に十分濡れていることを確認した
繭の指は、容赦なく侵入を開始する。

「あぃい・・・ひっ・・・ああぁ!・・・っく、はあぁん!」

たまらずとろけそうな声を澪があげる。