「あ、ぐぅ……ひぁっ、あう!は、う、もっと、もっ……と!」
必死に何かをこらえるようなかすれ声でイグレーヌが喘ぐ。その一方で、彼女の下の口は性の歓喜に震えな
がらロイを飲み込んでいた。熱く湿った柔肉がきゅきゅうっとロイを包みこみ、彼女の腰の動きにあわせて激
しく震えている。ロイが突き上げるたびに、イグレーヌの黄金の髪が舞い乱れ、豊かな胸が大きく弾んだ。
「……っ!うあぁ、あああぁ!いくっ、いっ………………!」
自分とロイの激しい腰使いに、とうとうイグレーヌが達した。膣が歓喜に震え、男をきつく締め付ける。女
は両手をロイの腹について思い切り背を仰け反らせ、全身をびくっ、びくっと数回大きく痙攣させた。小麦色
の肌が汗に光って艶めき、彼女の首筋から乳房にいたる曲線は妖しくきらめいている。ロイは荒く呼吸しなが
ら、絶頂の悦びに震える美女に見入っていたが、不意に腰を大きく突き上げた。
「きゃあっ!あっ!」
再び訪れた官能の疼きに、イグレーヌは前のめりに倒れた。ロイは両手で彼女のたわわな胸を掴んで受け止
める。汗ばんだ褐色の乳房は、ロイの掌の中で融けるように揉み崩され、イグレーヌは声にならない悲鳴を漏
らした。柔肉がひしゃげて捻り潰されるたびに、女は腰をくねらせて身を悶えさせていた。
ロイは女の子宮を突き上げながら、執拗に胸への愛撫を続けた。形良く盛り上がった曲線をつっと指でなぞ
った直後に、恥らうように勃起した乳首に爪を立ててつまみ上げる。かと思うと、乱暴に掴んでぐりぐりねじ
り回す。そのたびにイグレーヌは喘ぎ啼きの声を漏らすが、切なげなその声は男の欲望を燃え立たせる音色だ
った。
「も、もうっ……いぁっ……え!?ああん!」
ロイが胸を掴んで思い切り引き寄せたので、イグレーヌはロイに倒れこんだ。イグレーヌの方が背が高いの
で、ちょうどロイの顔が彼女の胸に当たる格好になった。ロイは目の前で揺れる二つの大きな肉の果実にかぶ
りついた。
「い、いたっ……噛んじゃ……あ、だめ…………う、くぅん……」
ロイの熱い舌が、汗に濡れた乳房を舐めまわす。音を立てて乳首を味わい、吸い上げると、イグレーヌはぶ
るっと震えた。
「イグレーヌさん、僕、もう……」
ロイは呻くようにささやいた。もう彼の下半身は爆発寸前で、女の肉壷をこすり上げる腰の動きは一層早く
なっている。イグレーヌを見上げると、彼女の寂しげな瞳と目が合った。
(ごめんなさい……)
ロイは、彼女の砂色の瞳がそう言ったような気がした。次の瞬間、イグレーヌは彼をぎゅっと抱きしめ、数
瞬そうしてからロイを膣の外に引き抜いた。そして愛液に光る彼自身を、自分の胸で挟み込んだ。
「うぁぁっ!」
肉壷とは全く異なる感触に、ロイは思わず声を上げた。イグレーヌは懸命に乳房でロイを愛撫し、乳首の先
端で亀頭をつつく。
「だして……」
イグレーヌはいつもの悲しげな表情に淫靡な色を浮かべてロイを見上げる。ロイはたまらず、美女の胸の中
で欲望を解き放った。イグレーヌはそれをすぐに口に含んだ。
「うっ……はむっ…………」
「え?あ、ああっ……!!い、いいです……イグレーヌさんっ……」
ロイの射精が続く間、イグレーヌは脈打ち続ける肉柱を吸い続けた。圧倒的な快感に、ロイの背に痛みに似
た衝撃が走った。放出されたおびただしい白濁液を、イグレーヌはためらいなく飲み込んでいく。そして少年
の射精が終わった後も、なお激しく口腔でロイを愛撫し続けた。
「……うむっ……ずちゅ……ちゅうっ……」
「も、もういいですっ!イグレーヌさん……あ!そんなに、ううっ……ま、またでます……ぅ……っ!」
射精を終えて敏感になっていた肉柱に熱い舌が絡んで、ロイはあっという間に達してしまう。イグレーヌの
流れるような金の髪を掴んで、三発目の精を彼女の喉の奥深くに放った……。
「膣中はだめ」
ようやくロイを「解放」したイグレーヌは、憂顔に寂しげな微笑を浮かべながらロイにささやいた。ロイは
呼吸を落ち着けながらうなずく。そんな様子をいとおしげに眺めながら、イグレーヌは上体を起こした。部屋
の明かりに、さまざまな体液で汚れた彼女の褐色の肌が妖しく照らされている。
「でも、それでいいなら……」
イグレーヌはロイを自分の胸に抱き寄せた。ロイは誘われるままに、彼女の胸に顔を埋める。
「……何度でも、して」
これが同じ女性なのだろうか、とロイは翌日の軍議の席で思っていた。議題はエトルリア奪回後の方針につ
いてであり、会議の参加者はサカ進軍派とイリア進撃派の二つに割れていた。しかしロイの視線と意識は、長
方形のテーブルの反対側の隅に座っているイグレーヌに集中している。
結局あの後、彼女とは二度も身体を重ね、明け方に目を覚ましてから―裸で部屋のカーテンを開けた彼女の
後姿に欲情して―さらにもう一度交わったのだ。肉体の交わりを重ねるごとに彼女の喘ぎは大きく激しくなり、
二人が互いにもたらす快感も膨らんでいったが、彼女の表情から憂悶の色は消えなかった。