【オリジ・パロ】AAキャラエロ小説【オールOK】

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今回は 生徒でぃ♂×教師タカラ♀ です。
結構、鬱話の多いストーリーとなっています。苦手な方は避けてください。


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                       | 田 田 田 田 田 田 田 田 田 田 くl―― 【 1−5 】 
                       |                           |
                       | 田 田 田 田 田 田 田 田 田 田 |.皿 |   ≪ 生徒棟 東 ≫
                       |                         |  . |
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         ____    /                        /|
           |       |   冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊/  |
           |校舎の |   |                         | .   |
           |簡略   |   | 田 田 田 田 田 田 田 田 田 田 くl―― 【 生物室 】 
           |配置図 |   |                           |
  ∧∧  ∧_,,|_ __|   | 田 田 田 田 田 田 田 田 田 田 |.皿 |   ≪ 職員棟 ≫
 (,,^Д) (#;゚;ー゚) ||         |                         | .  |
 (~<y>) 〈_^ソ^_]つ         | 田 田 田 田田田   田 田 田 田 |.皿 |
 く_l」  |_入_|  ||         |      △                 |.   |
  |__|  |:::l:::|.          | 口   |  田 田 田 田 田 田 田 |皿/
  しJ.   |;;;>;;>.          | 口   |                 |/
                   ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    【 職員室 】
  ∧______________

| これ以外にも校舎棟はありますが
| 今回の話は、この棟だけが関係します
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 ギコ君を抱っこしたしぃ先生を階段の上から見送る。
 見かけによらず逞しいしぃ先生の足音は、少女を抱えているとは思えないほど
軽やかな足音を響かせながら暗い校舎を下りていった。
「私なんかここまで暗いと1人で階段を下りるんでも転びそうなのに、しぃ先生は凄いですね」
 階段の明かりを灯す事なく、どうやら2階の職員室のある階に無事辿りついたらしい音に
耳を澄ませ安堵する。
 すっかり暗くなった廊下に懐中電灯の明かりを伸ばし、見回りの続きを始めてすぐ、
白い塊が落ちているのに気がついた。
「こんな所にゴミを落として…一体、どこの生徒でしょうね……って、え?」
 白い塊がティッシュである事は容易に分かったが、それを摘もうと端を持ち上げた瞬間、
中からぺチャリと何かが零れ落ちる。
 ヌルリと湿り、夏の気温のせいか生温かさを感じるそれは、生まれて初めて目にする
使用済みのコンドームだった。
「これって、…ゴム……ですよね」
 精液らしき白濁を中に貯えた半透明の小さな袋をジッと見つめる。
「使用済みになって間もなそうな感じからして…やっぱり元の持ち主は、
しぃ先生とギコ君なんですかね」
 鼻水だったりしたら何となくイヤだと思って軽く摘もうとしたが、
中身が精液であれば恐れる事も無いと気付いて、しっかりとゴムを拾い上げた。
「ゴムを使う間柄って事はセイファーセックスが出来る、思い合いのある関係ですか…
…羨ましい事です」
 初めて見た使用済みコンドームが他人の物だなんて、と、やや落ち込みながら
手近な女子トイレに入る。
「誰か常識のあるAAが見たら困る事も多いでしょうしね…」
 情事の不始末を便器の中へ放り込み、水と一緒に流す事で
学園内には最初から無かった事にした。
 何処にも詰まる事なく流れていったのを見送って、洗面台で恐らく
ギコ君の物だろう手についた愛液を洗い流す。
 考えれば際限なく落ち込んで、昔の事まで思い出しそうで、ソレを振り切るように
早々に見回り業務へ思考と行動を戻した。
 暗く細長い廊下はまるで光の射さない裏路地のようで、
学校の業務中なのだと努めて考えてみても、思い出というには
暗澹すぎる過去がフラッシュバックしてしまう。
 幼い頃に誘拐され、薄暗い場所で見知らぬ大勢の慰み者になった事があった。
 そこでは物として扱われ、気遣ってくれる者などいない場所だったから、
ゴムを使うなんて優しい発想には出会った事がない。
 色々あって助け出された時には子宮は機能を失うほど破壊されていて、
私は女として生まれたはずなのに、生涯、出産どころか生理の経験も出来ない身体となっていた。
「快感だけのセックスなんて空しいものなのに」
 私を助けてくれた医者は、『子供は作れなくとも誰かと愛し合う事は出来る』
そう言って、断裂していた膣を治し、見てくれを整えてくれた。お陰さまでセックスが気持ち良くて、
一時期、性交中毒者になっていた事すらある。
「男女としての愛って何なんでしょうね」
 元の暮らしに戻った後は、親子だとか友情だとか師弟だとか、そういう愛には満たされた。
だけどどうしても男女関係に生じるという愛の事だけは一向に分からないままである。
 溜息をつきながらトボトボと廊下を進み、落ち込んだ気持ちで形式的な見回りを続ける。
 何とか3階の見回りを終え、4階への階段に足を掛けた時、階下から独特な足音が響いてきた。
 軽快に踏み出される音と、妙にぎこちない踏み込み音、
両者を交互に混じらせる足の持ち主はおそらく…。
「…でぃ君ですか?」
 私の問い掛けを肯定するように、踊り場の人影がパンッと手を打ち鳴らした。
「何か用事ですか?」
 すぐに隣まで上がってきたでぃ君に向かって、左手を差し出す。
『ヨ・ウ・ハ・ベ・ツ・ニ・ナ・イ』
 でぃ君の指先が手のひらにあてられ、私が読解できる最大のスピードで文字を書いた。
「じゃあ、何でここまで来たんですか?」
 辺りは暗闇ではあるが、右手に握った懐中電灯がでぃ君と私を微かに照らし、
お互いの表情くらいは何とか読み取れる。
『ミマワリ テツダイ』
 ニコニコと人の良い笑みを浮かべたまま、でぃ君が私の手のひらに文字を刻んだ。
「別に私一人でだって見回りくらい大丈夫ですよ」
『ソウイウト オモッタ』
 苦笑しながら言う私に、でぃ君は少し得意気に笑う。
「なら、来なくても良かったんじゃないですか?」
 5歳以上も年下の少年に見透かされ、何となく不機嫌な声で問い掛けてしまった。
 生徒に向かって大人気なかったかな? そう思った私にでぃ君は微笑み続けたまま、
左手に文字を刻んできた。
『デモ ソバニ イタイ』
 でぃ君が私を真っ直ぐに見つめてくる。
「……それって…いえ、何でもありません。後、4階の見回りだけですから、
早く終わらせてしまいましょう」
 でぃ君は私に好意を向けてくれている。だけど、それが愛情なのか欲情なのかは分からなかった。
 私は彼の好意を感じた時、返答に困って肉欲で返してしまった。
 以来、でぃ君は2人きりになる度にセックスを迫るようになった。
 私の傍にいたいのは、セックスしたいから?
 それとも、私の事が好きだから?
 そんな事を口にしようとするなんて馬鹿げてる。
 私達は本来は教師と生徒だけれど、割り切ってセックスを楽しんだ。
それ以上の関係になった所で何もイイ事なんてない。
 しぃ先生とギコ君のような2人なら、将来、結婚を前提の付き合いだって出来るだろう。
というか、そうであって欲しい。
 だけど、私は女であって女じゃない。私と結婚したって誰も幸せになんかなれない。
 でぃ君だって、火傷のせいで声帯が潰れてるとか、怪我のせいで足の動きが悪いとか、
問題は多少なりともあるけど、イイ子だし、きっと将来はイイお嫁さんを貰って幸福な家庭を築けるはずだ。
『ナニ カンガエテル?』
 4階の生物室、窓の施錠を確認している私の手を取って、でぃ君が文字を刻む。
「え?」
 でぃ君を振り返ると、少しだけ心配そうな顔をしていた。
『カオ シカメテタ』
「そうでしたか?」
 笑顔の張り付いた無表情。昔は、そう表現される事も多かった顔だけれど、
最近は色んな人から表情豊かだと言われる様になった。
 イイ事もある反面、こんな風に悩みが簡単に漏れてしまって気まずい事もある。
『ウン』
 でぃ君は指先を手のひらではなく、胸元に滑らせ文字を刻んだ。
 どうやら今夜はココでセックスをする気らしい。
「カーテン…は、しなくてイイですよね。暗いし周りから見えないし、
もう、校内には残っている人もいないはずですし」
 理科室独特の大きな机に腰掛け、明かりをつけたままの懐中電灯を天井を照らすように置いた。
 でぃ君はさっさと服を脱ぎ、同じく机の上にあがってくる。
 ブラウスのボタンを外している最中の私を助けるように、でぃ君の手はタイトスカートへのびた。
 足と違って、動きのイイでぃ君の手は、本当に何でも素早い。だけど、
私の服を脱がす彼の動作はとても丁寧だ。
 肌に触れる手の感触は古傷のせいでで凹凸を感じさせるが、嫌な感じはしない。
 だけど、少し歪んでいる爪と傷の多い手は、余りストッキングを脱がせてもらうには向いていない。
「それは、自分で脱ぎます」
 ジャケットとブラウスを脱いだ私は、ブラだけになった上半身で、
でぃ君とストッキングとショーツだけになった下肢に視線を移した。
 夏の気温の中、汗ばむストッキングは湿気と一緒に足にまとわりつき、脱ぐのは一苦労である。
 絡みつく生地に苦戦しながら、少しずつ脚を外気へと曝した。でぃ君の指が生脚に這わされる。
『キレイ』
 今、指の触れている脚の事だろうか? それとも別の場所の事だろうか?
「…ありがとうございます」
 だけど、それを尋ねるのも野暮だろうと、ストッキングを何とか脱ぎきった私はでぃ君に口付けた。
 最初から舌を絡め、濃厚なキスを交わす。
 でぃ君が私の身体を抱きしめてくるので、最近、遂に背丈を抜かれてしまった
少しずつ大人になっていく肉体と密着した。
 でぃ君の肉体からはプール上がりのカルキの匂いが漂っている。
 入学当初、彼が私が顧問をしている水泳部に入ると言って来た時、
「肉体の傷が目立つ事を気にしませんか?」なんて、尋ねた事を思い出した。
 彼はどんな生活をしていても傷は目立つし、声の出ない自分には
水中は丁度イイんだと笑っていた。
 ただ会っただけの人には分からなくても、女性として欠落している事を
心の中で悔やんでいる私と違って、初対面の人にでも顔をしかめられてしまうほど
傷ついている彼が、屈託無く身体の傷を笑えるのが、AAとして眩しい位に羨ましかった。
「…ふぅ……はぁ…」
 長く続くキスに少し酸欠気味になり、新鮮な空気を求めて息が荒くなる。
『モウ スコシ』
 こちらの息苦しさを感じながらも、でぃ君は私を抱きしめて放さず、肩口に文字を刻んだ。
 キスを交わす唇も、口腔の中で触れ合う舌も、どこもかしこも
でぃ君の肉体で傷の付いていない場所は無い。
 『自分の身体を見る先生の視線には、同情も憐れみも無いのが嬉しい』と、
前にでぃ君は言っていた事がある。確かに彼の持つ傷には同情も憐れみも感じない。
思うのは、理不尽な暴力を耐えて、今ここまで生き抜いてきた同士への友愛だ。
「っ…あっ…も、ダメ……」
 潜水泳法に長けたでぃ君についていけるわけも無く、私は彼の身体から
無理矢理離れ大きく息を吸い込む。
『ソンナ コエ ハンソク』
 でぃ君の指が胸に文字を刻んだかと思うとブラを上へずり上げ、机の上に押し倒された。
「え? 何がです?」
 酸素を求めて喘いだ私の声が、彼を求めて喘いだように聞こえたのだと気付くまで十数秒。
酸欠は思考能力を低下させていたようだ。
「…でぃ…君……」
 傷のせいでざらつく舌が、唾液をまとって肌を撫ぜる。
 胸の輪郭をなぞるように舌が膨らみを舐め、徐々に頂点に向かって舐めあがっていった。
『ハズスカラ』
 背中にまわされたでぃ君の手がブラを外し、私はとうとうショーツだけになってしまう。
 でぃ君の手のひらが、横になっている事で肉が流れて
余計にささやかになっている乳房にあてられた。
 やわやわと揉みこまれ、時にギュッと掴まれて歪む膨らみ。
 一応、Bカップあるので恐ろしく貧乳というわけではないが、こうやって丹念に嬲られていると、
もう少し大きい方が張り合いがあるんじゃないだろうかと余計な事が気になった。
『カワイイ』
 鎖骨辺りに文字を刻んだ後、でぃ君がその少し下の
乳房的膨らみを見せ始めている場所にチュッと音を立てて吸い付く。水泳部顧問として
たまに水着になる事もあるが、その位置へのキスマークは、かなりギリギリだ。
 こんな痕が見付かれば生徒達に囲まれて、質問攻めに合う事は必至だろう。
「こちらに腰を向けてくれませんか? 君にもギリギリの所にキスマークをつけてあげますから」
 でぃ君の首に手をかけ、ちょっと責めるような口調で言ってみた。
『69?』
 でぃ君は今更、身体に痕が幾つ増えようが気にされない事を知っているのか余裕の表情で、
おどけた感じで文字を書いてくる。
「…まあ、体勢としてはそんな感じでイイですよ」
 でぃ君が私の上で身体の向きをかえ、彼の腰が目の前に迫った。 
 恐らく千切られたのだろう、先をギザギザにさせた中途半端な長さの尻尾が
目の前で揺れている。
 既にいきり勃っているペニスだとか、これから痕を付けてやろうと思っていた腰周りよりも、
少し曲がった尻尾が気になった。
「カルキの味がしますよ? ちゃんとシャワー浴びたんですか?」
 ギザギザの先から根元まで舌を這わせ、カルキ臭のする尻尾を舐め上げる。
 言葉を紡げないでぃ君の喉が、荒く息を吐き出し意味の無い音を上げた。
『シッポ ヨワイカラ ダメ』
 でぃ君の文字を刻む指が脛の辺りで震えている。
 自分の意思で余り動かせないらしいでぃ君の尻尾だが、感覚器官は鋭敏なようで
責めると楽しい反応が返ってくる。
「弱い所は徹底的に鍛えないといけませんよ?」
 私はもっともらしい事を口にして、でぃ君の尻尾を口に含んだ。
 でぃ君は息を荒げ、私の身体にもたれかかるように力が抜けてくる。
 抵抗を示すように腿の辺りを掴まれるが、本当に尻尾は弱点のようで
力はまるで入っていなかった。
『マジ カンベン』
 でぃ君が私の上から離れ、机の上に寝転がる。私は半身を起こし、
荒い息を繰り返すでぃ君を上から見下ろした。
『マジ カンベン』
 でぃ君が私の上から離れ、机の上に寝転がる。私は半身を起こし、
荒い息を繰り返すでぃ君を上から見下ろした。
「…コレに懲りたら、変な所にキスマークは止めて下さいね。
生徒達に質問攻めになるの大変なんですよ」
 別に罰のつもりで尻尾を責めた訳ではないのだが、せっかくなのででぃ君をたしなめる。
『シカタナイ』
 返事を求めて差し出した手のひらに、でぃ君が渋々といった感じで書きこんだ。
「素直になった御褒美に上になってあげましょうか?」
 ショーツを脱ぎ、仰向けになっているでぃ君の上にまたがる。
『サイコー』
 でぃ君のペニスのスレスレまで腰を落として返事を待つと、指先が恥丘に文字を刻んできた。
「じゃ、いきますよ」
 でぃ君の胸に手をあてながら、ゆっくりと腰を下ろす。
 ココの所、でぃ君以外としていないので、膣はすっかり彼の大きさと熱に馴染み、
ほぐしてもいないのに最初からピッタリと繋がった。
 腰を埋めきると、勝手に結合部から蕩けるように潤み始め、大した愛撫をされていなくても
セックスはスムーズである。
 濡れやすいのは、昔、酷い目に合ったせいでペニスを受け入れる時に
少しでも楽になれるよう肉体が防御反応をしめしているのかもしれない。
だけど、そいういう理屈なんてどうでもイイくらい、ただ穿たれた熱が気持ちよかった。
『ウゴイテ センセイ』
 でぃ君が腰を落としたまま、肉棒を味わうように動かない私に焦れて、腿に文字を刻んでくる。
「イイですよ」
 意地悪してダメと言っても良かったが、私ももっとでぃ君を感じたくてあっさりとOKした。
 胸に置いた手を支点に、腰を上下左右に揺する。
 グチャグチャとした結合音が生物室の広い無機質な空間に響く。
「あっ…やぁっ…イイっ…でぃ君…もっとぉ……」
 でぃ君の指が胸に伸び、乳房を包み込みながら乳首を摘んできた。
 両の手のひらで愛撫され、腰のスピードはヒートアップしていく。
 私が腰をグラインドさせ始めると、でぃ君は腰を少し浮かせながら、
こちらの動きに合わせてピストンをしてきた。
 多少、足の動きは悪いが力のあるでぃ君の足腰は凄くて、
動かれ始めるとすぐに逝ってしまいそうになる。
「そんな、されたら…すぐ…逝っちゃいますよ…?」
 手に力が入らなくなり、でぃ君の胸に抱きついた。
『イイヨ オレモ イキソウ』
 でぃ君は私を抱きしめ返し、腕辺りに文字を刻んでくる。
 でぃ君の顔を見ると、彼も切羽詰っていたようで、
額や鼻に汗の浮いた顔で気持ち良さそうにしていた。
「…んっ…も、逝く…あっ…イイッ…逝く…逝くっ!」
 肉体が自分の意思とは関係なく震え、絶頂が全身を駆け抜ける。
 でぃ君もどうやら一緒に達したのか、ドロドロとした感触が膣に拡がった。
 しばらく繋がったまま、彼の胸の上で射精が落ち着くのを待つ。
「もう、イイですかね?」
 彼が出し切った頃合を見計らい、腰をずらした私は、後始末のため
でぃ君のペニスを口に含んだ。
 精液と私の蜜の絡んだペニスを丁寧に清める。
『アンマリ サレルト マタ タチソウ』
 輸精管に溜まっている精液まで吸いだそうと、でぃ君のペニスを吸っていると、
彼の指が少し戸惑いながら肩口に文字を刻んだ。
「もう、1回くらい私はイイですよ。でぃ君は時間、無理ですか?」
 若さゆえの回復力か、既に緩く勃ちあがっているペニスの先に口付ける。
『ジカンハ ヘイキ センセイガ イイナラ イッパイ シタイ』
 でぃ君は嬉しそうに笑って答えた。
「でぃ君は、本当に正直ですよね」
 2回戦があるなら勃っても大丈夫と安心したのか、すっかり勃ち上がったペニスに苦笑する。
『センセイハ スコシ イジッパリ』
 でぃ君はニヤニヤ笑いで私の事を抱きしめた。
「…そんな事…ありませ…っ…んっ…」
 否定しようとしたが、でぃ君の指がスリットにのばされ蠢き、言葉が上手く意味をなさない。
 私は流されるまま、2度目のセックスに溺れた。


 セックスが終わり、机に腰掛けぼんやりと暗い外を眺める。
 でぃ君は椅子に腰掛け、私の膝と腿を枕に、いつも通りの微笑を浮かべながら
くつろいでいた。
「そろそろ、学校に施錠しないと…」
『ウン モウ スコシダケ』
 でぃ君が甘えたように私の腿に顔を埋めながら、触れている肌に文字を書きこんでくる。
「仕方ありませんね…あと、少しだけですよ」
 彼の千切れた左耳の痕を撫でながら、ワガママを少しだけ許す。

 でぃ君とするセックスは好きだ。
 彼のセックスには、他の人に感じた事のない優しさがある。
 若い年齢と経験不足で愛撫は稚拙だけど、凄く安心させてくれる
繋がり方が出来てる気がする。
 だけど、私はでぃ君に対して、いつも傍にいてくれなければダメだというような
焦がれるほどの愛しさを感じていなかった。
 生徒として、守りたいとか愛しいとか、そういう感情が存在するのは分かるけど、
彼が欠けたら生きていけないだとかの壮絶な愛情とかはそこにない。
 こんなに彼といるのを心地良いと感じているのに、彼が欠けても平気だと思える自分が寂しい。
『センセイ オナカ サワリタイ』
 私がそんな事を考えているとも知らずに、でぃ君はニコニコと笑いながら腿に文字を刻んできた。
「…? イイですけど?」
 彼の真意は分からなかったが、拒むような事でもないだろうと許可する。
 でぃ君の指が優しく腹を撫で、日々大きくなっていく手のひらが表面にあてられた。
 しばらくその姿勢で止まった後、首を傾げ、今度は耳を腹へと当ててくる。
「どうか、したんですか?」
 何かを探すような彼の仕草の意味を尋ねた。
『モウ キコエルカト オモッテ』
 でぃ君はまだ、腹に耳を当て、何かを探している。
「何がですか?」
『アカチャンノ コドウ』
「……え?」
 彼の発した言葉を理解するのに、一瞬以上の時を要した。
『センセイ セイリ コナイ ダカラ デキタト オモッテ』
 どう答えるか…、というよりもどんな表情をすべきかが分からない。
 暑いせいではない、何か嫌な汗が背中を流れた。
「…子供、欲しいの?」
 私は必死に声を絞り出して、でぃ君に尋ねる。
『ワカンナイ デモ センセイトノ コナラ ウレシイ』
 でぃ君は腹に耳を当て続けたまま、幸せそうに指を動かした。
「嬉しい?」
『オレ オヤノギャクタイデ コエモ ヒダリミミモ ナイシ アシモワルイ
ダカラ ショウライ ジブンノコドモ ツクルトカ コワクテ
ヨク テレビデ ギャクタイノ レンサ トカ ヤッテルシ ゼッタイ イラナイッテ オモッテタ』
 でぃ君の話に、彼が身を寄せている児童施設の事を思い出す。
『デモ センセイト フウフニナッテ コドモガイテ スゴク タノシソウダ』
 でぃ君の声帯は喉の中に焼けた金属棒を入れられたせいだと聞いた事がある。
足は何度も折れたせいで成長がいびつになったと聞く。
 そして、彼の肌には無数の傷がある。これだけの傷を親がつけたのだとしたら、
どれだけ家族に絶望してたっておかしくないだろう。
 それなのに、私となら、家族を作るのが楽しそうだと思ったなんて…。
『センセイ ドウシタノ?』
 顔を起こしたでぃ君が、私の手を取り問い掛けた。
「何かしましたか?」
 でぃ君が私の手を頬に導く。
「私、泣いてるんですか?」
 でぃ君は慌てた様子で立ち上がり、机に座る私を抱きしめた。
 立ち上がる瞬間、でぃ君の肘が懐中電灯をかすめ、天井を照らしていた明かりは、
ゴロリと窓の外へ光を伸ばす。
『モシカシテ センセイ オレノコドモナンテ ウミタクナカッタノ』
 震える指が肩口に文字を刻んだ。
「そんな事…そんな事ありません」
 そう。彼の子供が欲しくないなんて思ってない。
 でぃ君との子供が出来る事があるなら、きっと私は喜ぶはずだ。
 でも、一生、そんな幸せは巡ってこない。どんなに待っても頑張っても無駄なのだ。
『オレ バカダカラ ワカラナイケド ナニカ ワルイコト イッタナラ アヤマル ダカラ ナキヤンデ』
 馬鹿なのはでぃ君でなく、私。私は本当は彼の子供が出来れば喜ぶほど、
彼の事が好きだったのだ。
 彼と私では釣り合わない。セックスだけの関係なのだと繰り返し自問自答したのは、
彼が好きだと思っている事を気付かないようにするためだったのだ。
「でぃ君は、何も悪い事なんて無いんです。ただ、私が…」
 そう、私が愚か過ぎて勝手に泣けているだけである。
「…ゴメン、ゴメンね」
 私は彼にすがりつき、ワンワン泣いた。
 彼の子供が産めない事を自覚するのが、こんなにも悔しいなんて思わなかった。
 ああ、私はこんなにも、この年下の彼に恋をしてたのだ。
 だけど、自覚した途端、恋を終わらせる覚悟をしなきゃならないなんて。
 彼のためを思うなら、将来を考えるなら、私は身を引かなきゃならないのだ。
『センセイ ダイジョウブ ダイジョウブダヨ』
 私が泣き出して混乱しているだろうに、でぃ君は優しく私を抱きしめてくれる。
 この優しさと温もりを手放さなきゃならない事が辛くて、余計に涙が溢れた。
「…ごめんなさい。突然、泣いちゃって。もう、大丈夫です。私、でぃ君に
言わなきゃならない事があるんです」
 ひとしきり泣いて、涙が落ち着いた頃、彼にそう、切り出す。
『ナニ?』
 でぃ君は私の真剣な表情に、同じく机の上に腰掛け、視線の高さを合わせてから尋ねた。
「私、子供が産めないんです。昔、小さい頃に繰り返し暴行を受けた事があって、
子宮が壊れてしまって、取ってしまったから無いんです。だから、こうやって、
いつでも気軽にセックスを楽しんできたんです」
 視線を合わせてきたでぃ君を見つめ、私は真剣に、でも重くなり過ぎないように
声の調子に気を付けながら事実を告げる。
『シラナカッタ』
 でぃ君が私の手を取り、手のひらに文字を刻んだ。
「言ってませんでしたから」
 私の顔を真っ直ぐに覗き込むでぃ君を見つめ返すのは、ちょっと怖い。
 でも、私は真剣に私を想ってくれていたでぃ君に、
本気を返さなくちゃならないんだと言い聞かせて、彼から目を逸らさず言葉を返す。
『ゴメンネ ツラカッタ?』
「辛い? 何がです?」
『セックス イヤジャ ナカッタ?』
「大丈夫です。するのは、好きなんです。ただ、だから、どうしてもでぃ君の子供は産めません。
結婚とか子供とかは他の女の子に期待して下さい」
 悲しそうな顔を見せるでぃ君に、微笑んでみせた。
『イヤダ』
「イヤって、何がです?」
 今の話に、何か否定するような事柄があっただろうかと首を傾げる。
『セイセイジャナキャ イヤダ』
 でぃ君が不意に私を抱きしめ、肩に文字を刻んだ。
「嫌と言われても、産めないものは産めませんし…」
『チガウ ホカノコノ ハナシナンテ スルナ オレハ センセイガ イイ』
 でぃ君に何を言われても無理だと説得しようとしたが、彼は私の言葉を否定し、
抱きしめる力を強める。
「…でも」
 言い淀む私に、でぃ君が強い意志のある目を向けた。
『オレガイイカラ イイノ スキ アイシテル ケッコンシテ』
 でぃ君は抱きしめたまま私をしっかりと見つめ、言葉を丁寧に刻む。
「…まだ、16のくせに結婚できる訳が無いでしょ」
 結婚なんて、簡単に書いて…と、思ったがプロポーズを受けて嬉しさと動揺で心臓が早鐘を打った。
『ソツギョウ シタラ シヨ イヤ 18ニ ナッタラ シヨ』
 でぃ君は私の心を見透かすように、笑顔でハッキリとプロポーズを胸に刻んでくる。
     ウマヅメ
「こんな不産女、選ばなくても。それに8つも上だし」
 私はもう一度、彼の気持ちを挫くような言葉を口にした。
 素直に喜べない自分がもどかしいが、彼に難しい将来を歩んでほしくないからこその
杞憂ではない憂いである。
『スキ アイシテル センセイガ タカラガ イイ』
 名前を呼ばれてドキッとした。でぃ君の顔が、酷く大人びて見える。
「…考えておきます」
 嬉しいと返してしまいそうになるのを何とか踏みとどまり、返事を保留にした。


 服を身につけ、机を下り、倒れていた懐中電灯を握る。
 まだ、机の上にいるでぃ君から肩へと手がのばされ、逢瀬を惜しむようにキスが注がれた。
「何で、急に口を離すんですか?」
 せっかく楽しんでいた名残のキスが中途で止められ、でぃ君を睨む。
『ヤバイ ヒガシ』
 でぃ君が私の手に慌てて文字を刻んだ。
 私の持っていた懐中電灯は東棟の方を照らしていて、丁度1−5のクラスへ光をのばしている。
「え?」
 パッと、生徒棟東の4階廊下に明かりが灯った。
「モナー…先生」
 1−5の担任モナー先生が、クラスに何かを探しに来たようである。
 どうやら、何か忘れ物でもしたようだった。
『ミラレタカナ?』
 でぃ君が不安そうな顔で、手のひらに文字を刻んでくる。
「分かりません。でも、きっと大丈夫ですよ」
 私はでぃ君に向かって精一杯微笑んだ。
 何かの時は、教師の私が責任を取ればイイ。
 でぃ君に迷惑はかけない。
「さ、今日はもう帰りましょう。部活が忙しいからって、施設の門限、延ばしてもらってるんでしょう?」
『ウン』
 まだ不安そうにしているでぃ君の手を引き、生物室を後にした。


 私が暗い階段を下りるのに苦労していたせいで、職員室に辿り着いた時には、
モナー先生は既に帰られていた。そのため、彼が1−5の教室に何をしにきたのか、
何かを見たのかは聞けなかった。
 明日は色々と大変そうだと思いながら、でぃ君と自転車置き場で別れた後、
溜息を一つ漏らす。
 大変そうだと思いながら溜息を漏らしてみても、
でぃ君との恋を自覚した私の心は妙に浮かれていた。
 車に乗り込んだ私は本当は生徒との不祥事に悩むべきなのに、
無責任にも幸せに包まれていた。

「…レモナ先生、僕は……」
 私が鼻歌まじりに家路に向かっている頃、
モナー先生が昔起こした不祥事を思い出してドツボに嵌っているのも知らずに。