【友達≦】幼馴染み萌えスレ5章【<恋人】

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659(1/4)243 ◆NVcIiajIyg :2005/10/07(金) 00:45:51 ID:qnmTxM/1

出るとき蹴り飛ばしていたらしく、散乱していた中身を鞄に詰めなおす。
開いた詩集を機械的に拾って閉じて、足元の電話を探した。
液晶画面に叔母の片割れから不在着信が残っている。

いつも何を考えているのか分からない親戚が泣いていたので
孝二郎は自分のことは言わずに頷きながら聞いた。
電車待ちの駅でかけなおすと、彼女の姉と未だ十六の女中二人が行方不明で
おそらく土砂で埋もれた裏庭あたりで生き埋めだろうと間違いでなければ聴こえた。
孝二郎は灯りに光る雨を見る。
『家出なんかしている場合じゃないと思う。どこにいるの。孝二郎』
「函館」
『冗談面白くない』
「冗談でこんなこと言わねー」
妙に冷静にそう呟き駅構内の時計を探した。
飛行機は便が少なく明日の発着も不確かで、むしろ電車で夜を徹して
乗り継いで帰れば午前中には着くかもしれないと武雄は言った。
夜になれば人は減り、駅も静かになってくる。
「出来るだけ早く帰るから」
『梅子が死んだらどうするつもり』
一番聞きたくないことを不意に言われてたまらずその場で電話を切った。
切ってしまった手を見つめていると力が抜ける。
台風なんかに奪われてたまるものかと息を詰める。
夏休みに旅行中らしい若いカップルがぶつかりかけて避けていった。
660(2/4)243 ◆NVcIiajIyg :2005/10/07(金) 00:47:17 ID:qnmTxM/1
ベンチに戻ると、眠る染井を肩によりかからせたままで武雄が親のような顔で笑った。
「泣くな」
「泣いてねぇよ」
「どうせお嬢ちゃんを泣かすんだからよ」
気を紛らわす冗談だと知っていたので黙って座る。
電車がさっさと来ないことに苛立ちを覚えながら孝二郎は頭を抱えるようにして春海の泣き声を振り払いかけた。
湿った風がひどくぬるい。


梅子が死んだらどうするつもり。


「…知るかよ」
口で呟くと額を押す。
感覚がなくなるように痛いくらいに押した。
「よく分からんが無事だ。無事だから泣くな」
今度は心底労わるように低い声が右上から囁いて孝二郎は不覚にも泣いた。









そうしてどこの店に入るでもなく食糧補給だけを済ませて午前三時の電車で眠る。
その頃染井が目を醒まして身体を起こした。
深夜の寝台列車は暗いし寂しい。
こんなときでもなければ指定席に寝かせてもらいたかった少女が波打った髪を弄っていると声がかかった。
「なんだ。寝とけ」
「ん…」
骨のある囁きは彼氏のものではない。
ポニーテールをほどいたゴムが、手首に少し食い込んでいる。
カーペットにまた横たわると周囲の寝息が聞こえた。
枕が固すぎるのだ。
海の下を通る列車は灯りだけで暗くてつまらない。
知らないおじさんもまた寝入ってしまったようなので天井だけを見た。
661(3/4)243 ◆NVcIiajIyg :2005/10/07(金) 00:49:29 ID:qnmTxM/1
間もなく今度は別の側が、染井を呼んだ。
意地悪をして目を瞑ろうかと考えてやっぱりやめる。
「なあに、こーちゃん」
周囲に失礼にならないように、まあ、囁き声というやつだ。
有野家のお嬢様ともあろうものが寝台列車で、
こんな雑魚寝でいるなんてとどこかにいる執事は泣くだろう。
「染井」
「うん。だからなあに」
「ありがとうな」
背中でゴタンガトンと微かに揺れて、規則正しく電車が走る。
染井は男の子と付き合うのが実は初めてではなかったし、
まあかといって経験豊富というわけでは全くなくてかわいいおつきあいでしか
なかったのだけれど、それでも充分なだけの理解はあった。
私はこの人が好きなんだろうなあと思ってそれは哀しいことだと同時に知っていく。
「うん」
囁き返して睫毛を下ろす。

だから分かることがある。
別に孝二郎ではなくても同じくらいに誰かを好きにはなれたろう。
それでも一緒に休み時間に学食を取ったり中庭を歩いたり、腕を組んだりするのが楽しかったのだ。
トンネルの中には雨が降らない。
トンネルを抜ければ夏の日の出は早いからもう空は明るいのかもしれない。
でも、トンネルを抜けたって雨の日は雨だ。

だったらもう少しだけ雨じゃない場所で、眠らずにいようと染井は思った。
それに決め付けて諦めることもない。
――人生山あり谷ありなのだから、次にぶつかったら乗り越えるそれだけのことだ。
右隣から寝息がまた、聴こえて電車のリズムに消える。




662(4/4)243 ◆NVcIiajIyg :2005/10/07(金) 00:50:43 ID:qnmTxM/1





孝二郎は僅かな眠りに夢を見た。

 揺りかごの歌を、
薄い月夜に窓はがたぴしと涼しい風で鳴っていた。

 カナリヤが歌うよ。
手の触れ合う先ぬくもりがあたたかい。

『坊ちゃま、あら、起きてしまったの。仕方がないわね』

覗き込まれると影ができる。
歌うのをやめて縁のない眼鏡をかけたふっくらとした女が、手を寄せて笑った。

『梅子はいったん寝たら起きないのに。では坊ちゃま、子守り歌を』

月が黒い影に被さって見えなくなった。
ふくよかな肢体が二人を抱きしめるようにして揺りかごを覗き込むと紅の唇が震えた。
すぐ傍で眠る誰かのぬくもりが暖かい。


  揺り籠の歌が聞こえる。



――梅子は子守り歌が遠ざかるとともに瓦礫の下で睫毛を微かに震わした。
663243 ◆NVcIiajIyg :2005/10/07(金) 00:51:46 ID:qnmTxM/1
なかなか進まなくてすみません。いつもありがとうございます。
他職人様を待ちつつ、続きは時間ができましたらまた。
664名無しさん@ピンキー:2005/10/07(金) 02:39:24 ID:TCTbtq4V
ええのう……
正直悔しい
665名無しさん@ピンキー:2005/10/08(土) 00:48:25 ID:CA2Cy3Ku
なんかもう読んでて胸が震える。
666名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 15:58:40 ID:x6zXmDFJ
あまりの文章力の神っぷりに感想が書けません…
梅子タン生きてるみたいだけど心配だー!
667名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 16:14:06 ID:x6zXmDFJ
sage忘れた…
ごめん
668名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 14:47:43 ID:QgHa+m7c
「ふっ‥‥くっ‥‥あっ!」
この時間が好きだ。いや、君と一緒ならどんな時でも構わないのだけれど。
「あぁっ‥‥ふっ‥‥むっ‥‥んっ」
小さな頃からずっと一緒にいた。最初は一緒にいて楽しかった。それだけだった。けど‥‥。
「ふぁぁん‥‥」
気が付けば好きになってて、朝も、昼も、夜も、四六時中君のことばかりで、名前を呼ばれる度にどきどきしたり‥‥。
「あっ!‥‥あっあっあっ‥‥」
ほんの些細なことで嫉妬したり、喧嘩したりもしたね。我慢できなくなっちゃって、君を想ってしちゃうこともあったな。
「あっあっあっ‥‥!あぁぁぁぁ!!」
えっちだし、嫉妬深いし、あまり可愛くないかもしれないけれど‥‥‥、
「‥‥気持ちよかったよ。‥‥私、あなたが傍にいてくれないとだめみたい。だから、これからもずっと、ずーっと、あなたの傍にいさせてね。私もあなたに嫌われないように頑張るから」







以上1レス短篇。暇つぶしにかいただけです。携帯からお目汚しスマソ。
669 ◆ZdWKipF7MI :2005/10/10(月) 16:16:22 ID:8gmxekOQ
>えっちだし、嫉妬深いし、あまり可愛くないかもしれないけれど‥‥‥、

ここに萌えた。
そう、幼馴染みは幼馴染みというだけですばらしい存在。
かわいい幼馴染みだから惚れる、というのでは単なるスケベ野郎だ!




まあ、かわいいに越した事はないが……w
670 ◆.tF/XA505U :2005/10/10(月) 23:26:08 ID:QgHa+m7c
好き、好き、好き。
何時からか、なんてわからない。
中学生のとき?小学生?もしかしたら生まれたその時からかもしれない。
どんなにカッコよくてもダメ。
どんなに優しくてもダメ。
あなたじゃないとダメ。
あなたのことを想うと胸が締め付けられる。
でもあなたのことを想わない時なんてない。
だからあたしの胸は締め付けられっぱなし。
もう死んじゃいそうなくらいに胸が苦しい。
なのに、今、この瞬間にもあなたのことが好きになってる。
けれど、あたしは臆病だから。
意気地なしだから。
この想いを伝えるなんてできない。
もし断られて、今の関係が壊れるぐらいなら‥‥。
今のままじゃこの先なんて無いって分かってる。
そんなこと、分かってる‥‥。
だから、お願い。
どうか、気付いて。
あたしのこの想いに。
臆病で、意気地なしだけどあなたを好きな気持ちは誰にも負けない。
だから、だから、どうかお願い‥‥。
早く‥あたしのこの想いに気付いてね。






以上1レス短篇。携帯から二度もお目汚しスマソ。
671名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 02:27:39 ID:z3dR1KJm
>>669
⊃タッチの某ライバルとその彼女
672しりとり中。:2005/10/11(火) 03:15:12 ID:pA3jm6CG
女の子「い、いー。『いるか』!」
男の子「『かいぶつ』」
女の子「つ。つー、ツー・・・『つち』!」
男の子「『ちくわ』」

女の子「わ。ワ。わ〜・・・」
男の子「・・・・・」
女の子「・・・・・・」
男の子「・・・そろそろ降参しとけば?」

女の子「・・・わ、わ、『わたしと――」
男の子「おいおい、文章は反則だろ」
女の子「付き合ってください』!!」

男の子「・・・・・」
女の子「・・・・・」
男の子「・・・・・・・・・・」
女の子「・・・・・・・・・・」
男の子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

女の子「・・・・・・ご、ごめんね!やっぱりこんなのだめだよね!私、その――」




男の子「『いいよ』」
673名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 10:50:23 ID:rMhk60u6
萌えたお
674 ◆2YYLXbspm. :2005/10/11(火) 23:54:09 ID:FooTwxAJ
なんか色んな意味ですみません
5レス分ほど投下します




―――3ヶ月ほど前、中体連の前日。
冬樹は部活の帰りに、塾の帰りだという夏江と会い、途中まで同行することにしていた。
「今試合やった方がいい結果になるくらいだぜ」
「アンタにそっちの心配は要らないことはわかってるけど」
「……それは褒めてるのか?」
「何でアンタを褒めなきゃいけないのよ」
「……キツさばっか健在してんなよ」
「そっちこそ私の事もっと褒めてくれたっていいでしょ」
「何で?」
「……この前昂くんが私の事何て言ってたか覚えてる?」
「魔女おんな」
「何濁してんのよ!「マドンナ」でしょ」
「そうとも言ったか」
「……調子に乗らないでよ?」
――危ない、もう少しで夏江が噴火する。
「わーったって、ごめんごめん」
多少(?)意地やからかいも出し、仲良く(?)喋る。「あの4年間」の日常と変わらない。
「でもマドンナってーとちょっと違うよな」
「何よ?」
「なんて言えばいいのか……
ほら、お前「美しい」というよりは「かわいい」だろ」
「……えっ」
夏江が目を見張る。
「聖母とかなんて全然イメージ違うじゃん?
もっとこう、子供っぽくてうるさくて…」
――拍子抜け。
「……調子に乗らないでって言ってるのよ?」
「いやごめん、ほんとごめん」
そうこうしているうちに、二人は冬樹の家の前に着いた。
675 ◆2YYLXbspm. :2005/10/11(火) 23:54:50 ID:FooTwxAJ
すみません、17gy
676名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 00:02:49 ID:ywd/ts01
も、もしや俺はリアルタイムで目撃しているのか!?
677名無しさん@ピンキー:2005/10/12(水) 00:04:32 ID:zQWRR9Z5
とりあえず、なんか書き込んでくれ◆2YYLXbspm

「もうだめぽ」とか「かゆい うま」みたいで怖い。
678 ◆.tF/XA505U :2005/10/12(水) 04:07:52 ID:b6ebHdoz
あたしは後悔してる。
今までずっと一緒だったから、これからも一緒にいれると思ってた。‥‥そう、勘違いしてた。
好きだと言った訳じゃない。好きだと言われた訳じゃない。あたしが勝手にそう思い込んでいただけ。
‥‥馬鹿だと思う。好きの一言が、このたった一言がもう何年も言えないまま今に至っている。‥‥言うチャンスは何度もあったのに。
幼馴染みの距離って難しい。友達と呼ぶには近くて、恋人と呼ぶには遠い。
恋人と呼べる場所にいたい。けどそこへ行くには壁を越えなくちゃいけなくて、‥‥あたしはその壁を超えられなかった。
あたしは小さい頃から君を知ってる。あたししか知らない君を知ってる。
‥‥けど、君の傍にいる、あたしじゃないその人は、あたしの知らない君を知ってる。あたしが知る事の無い君を知っていく‥‥。
そんな風に喋る君を、あたしは知らない。そんな風に笑う君を、あたしは知らない。

あたしは後悔してる。この先、これ以上の後悔をすることは無いだろう。
このまま終わるのは嫌だから、何も言えないまま終わるのは嫌だから。
今更言ったところで迷惑なのは分かってる。‥‥だけど、これが最後の我儘だから、聞いてください。
「ずっと、ずっと、君のことが好きでした」





こんなのもグッとくるなぁーと思ってる俺は吊ってきたほうがよかですか?豚切りスマソ。
では続きをどうぞ↓
679名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 11:24:06 ID:BjXaP2bY
保守
680 ◆.tF/XA505U :2005/10/15(土) 13:20:12 ID:KlbKTFTH
あたしは今日すっごく緊張してる。
今日は君の誕生日。前からこの日にしようって決めてた。
あたしは今日、君に「好き」て告白する。
ホントはちょっと焦ってるってとこもある。
君って地味に人気あるから。君をカッコイイっていう子結構いるんだよ?
けどあたしは君がカッコイイから好きになったんじゃない。
ものごころついたときから知ってる君だから。
ずっとずっと一緒だった君だから。
好きな物、好きな事。嫌いなもの、嫌いな事。
全部を知ってるわけじゃない。けどこの世界中で、君の次に君のことを知っていると思う。そう、おじさんやおばさんよりも。
君を相手にこんなに緊張する日が来るなんて思わなかった。
けど幼馴染みのままなんて嫌だ。キスしたい、抱き締めて欲しい。それにえっちなことだって‥‥。
それにはやっぱり恋人じゃないと。


「誕生日おめでとう。今年のプレゼントはちょっと受け取って貰えるか不安なんだ。
それじゃいくよ?
‥‥君のことが好きです。もしよかったらあたしと付き合ってください」
そういってあたしは手をさしだした。






こんなのでも読んでる人っているのか?
681名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 13:21:19 ID:yGHGxnQ5
もちろん読んでる
682名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 14:07:01 ID:a9Fhn3Jy
俺は、こういうシチュのSSを読むと、
チン○ンのあたりからぞわわわわーっと来て萌え転がりたくなるのだよ。
気持ち悪いが気持ちいい感覚。


つまりGJ!
683 ◆.tF/XA505U :2005/10/15(土) 15:24:25 ID:KlbKTFTH
目が覚める。外はまだ太陽も登りきってない。自分でも浮かれてるなって思う。
一緒に出掛けることはあった。‥‥幼馴染みだから普通だよね?
でも、今日は違う。いや、今日からは違う。
今日から一緒に出掛けるときはデートだ。しかも今日は初デート。それも大好きな君と。
‥‥浮かれるなってほうが無理だ。
行き先なんて決めてない。‥‥けどそんなの必要ない。あたしたちには。
映画や遊園地なんてベタベタなとこでも、買い物でも、公園でも、それこそ散歩でも構わない。
君の傍にいれるならどこでもいい。君の傍にいれるならそれだけで、みえるものすべてがばら色になる。

えっと、今からお風呂入って、髪を乾かして、それから‥‥‥間に合うかな?
まだ起きたばっかりだっていうのに、もうドキドキは最高潮。心臓鳴りっぱなし。
それに、今日は待ち合わせをしてる。家が隣同士なんだからそんな必要ないんだけど‥‥。
だからかもしれない。余計にドキドキするのは。
そんなこんなしてるうちにもう時間ギリギリになってる。
溢れかえるほどの期待を胸に、あたしは靴を履き、飛び出すように家をでた。
「それじゃ、いってきます!」






相変わらずの1レス短篇。まだまだ書き初心者なんで精進します。
684名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 17:28:16 ID:xpecZQ7l
こういうのは新鮮でいいと思うよ。
1レスものから2レスもの、2レスものから3レスものと続けたら、そのうち長編なんかも書けんでない?
685 ◆.tF/XA505U :2005/10/15(土) 17:43:52 ID:KlbKTFTH
>>684
dクス。別スレだが一応長編もかいてる。まだ途中だが。
別のスレの話でスマソ
686名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 22:21:53 ID:AMjqwZ+k
>>685
別スレの方も見てるよ ノシ
ガンガレ
687名無しさん@ピンキー:2005/10/17(月) 13:50:20 ID:6njK+DnC
あれは幼稚園の頃だったろうか。
二人で行った夏祭り、花火が終わって静かになった空。
私達は河原に寝そべり、手をつないで星を見ていた。

「ちーちゃん、ずっとずっと大好きだよ」
「あたしも。大きくなったら、たっくんのお嫁さんになるんだ」


―――そして今

私はあなたの腕の中にいる。
あなたのぬくもりに抱かれて、私は少しだけ泣いた。
明日私は、あなたの妻になります。



「病めるときも―――」

「健やかなるときも―――」

「「ずっとずっと大好きだよ」」
688名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 13:48:34 ID:dV1iNK+c
>明日私は、あなたの妻になります。

とにかく、こういうフレーズに弱いの俺。
なんか泣けてくる。
689名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 17:57:06 ID:4jc1ijZH
>>688
ナカーマ

なんとも言えないんだよな、結婚前夜ってのは…
690名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 19:03:32 ID:NYvEDzgK
>>689
俺のドラえもんの一番好きなエピは「のび太の結婚前夜」。

しずかの「結婚するのやめる!」もいいが、しずかのお父さんの言葉は今見ても泣ける。
オチの「きみをきっときっと、しあわせにしてみせるからね!」ののび太もかっこいい。

そういやのび太としずかは幼馴染みだよな?
691名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 21:26:00 ID:+myezKgy
のび太とジャイ子も幼馴染だよ……一応。
692 ◆.tF/XA505U :2005/10/19(水) 11:20:31 ID:MxdRnIrm
なんで、あんなこと言っちゃったんだろ。
売り言葉に買い言葉。
そう言われればそれまでなんだけど。
『もう、あなたのことなんて好きじゃない』
そう言ったときにほんの一瞬見えた、あなたの傷ついた表情‥‥。
言ってすぐに後悔した。
けどあたしも意地っ張りで、今更あとになんてひけなくて‥‥。
付き合い始めて、ううん、小さい頃を含めてもこんな喧嘩なんて多分初めて。
‥‥もう、一週間も話してない。
こんなに話さなかったことなんて今までなかった。
もう何年も話をしてない、そんな風にさえ錯覚してしまう。
‥‥ああ、あたしはどれだけ馬鹿なんだろう。
好きな人にそんなことを言われれば、誰だって傷つくに決まってる。
ごめんね。
まだ間に合うかな?
好きじゃないなんてそんなの嘘。
ワガママだってわかってる。
自分勝手なのもわかってる。
けど、このまま終わるなんて嫌だから。
だから、
「ごめんなさい、好きじゃないなんて嘘。
好き、大好き。
あなたがいないと、あたしはダメだから。
だから、まだ間に合うのなら‥‥」






結婚前夜で盛り上がってるところを豚切ってスマソ
693名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 18:42:10 ID:FECHHyqf
>692
アレ? >>687っておまいさんじゃなかったのか…
694 ◆.tF/XA505U :2005/10/19(水) 19:20:59 ID:MxdRnIrm
>>693
これから先もそうなるかわからんが
俺のはまだ男は喋ってなかったはず
女一人語り
あと俺はトリつけてる
新たな職人さんの登場のようだ
695 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:02:46 ID:JCjQKtBS
<灯り>
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「雄は、私が誰かと付き合うって言ったらどうする?」

どうするも何もそんなものは決まっている。
間違いなく僕は絶望に浸りながらそう、よかったねなんて彼女に声を返すだろう。

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珍しく学校内で美紗に呼ばれたのは放課後だった。
掃除でごった返す教室の中、部活に行こうとしていた矢先についと僕の傍によって来ると
美紗は覚悟を決めたような顔で「ちょっと相談があるの。」
と口先では神妙だが、どことなく話があるから顔を貸せといった雰囲気で僕に囁いた。

僕達が住んでいるのは新興住宅街だ。
地主が事業を失敗したとかで広大な土地を一気に売りに出して皆が建てられた一戸建てを買う。
都会ならいざ知らず地方のここら辺じゃあそういうのを買う人間ってのは大体同じ年恰好だから子供も同じくらいの年になる。
3丁目の28番地には東条美紗が住む家があって、29番地には僕が住む家がある。
真隣だから昨日の夕食がカレーだったのも判るし、何のテレビを見ていたかも知ってる。
お風呂場で歌っている声が聞こえるのは思春期の身としては色々と想像してしまって照れくさい。
なんていったって美紗はここ数年で僕が気後れするくらいには可愛くなった。
クラスの男子連中の話題に上ることも多い。
その度に僕は薄ら笑いを浮かべて話に参加して、その分だけ美紗から離れて行った。
中学に入ったときは毎日一緒に登下校をしていたのがいつの間にか週に一回になった。
高校になったら学校で話すことは殆ど無くなった。
相変わらず学校もクラスも一緒だったけれど。
696 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:05:50 ID:JCjQKtBS
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部活を諦めた僕を美紗はぐいぐいと手を掴まんばかりの勢いで連れて行った。いつもの帰り道を。
校門を出て駅前通を抜け、柳川町を通り、5階建てのマンションの間を抜けて旧市街の倉庫に突き当たって左に曲がり小さな川辺に出ると家まではもうすぐだ。
川沿いに500メートルも歩けば互いの家に着く。
と、そこまで来て美紗は通学路である川沿いを外れると川に向って直角にすたすたと歩き、河原の中心で立ち止まった。
後ろについていった僕も同じようにして河原に立つ美紗の横で立ち止まる。
立ち止まった美紗は、対岸の花のついていない桜の木を見上げながら「ちょっとここで話しない?」なんて事をなんとなくいつもよりも小さな声で言った。

「何?」
美紗の言葉に問い返す事で了解の意を表し、ゆっくりと河原に直接尻をつけて座り込みながら僕は次の美紗の言葉を待った。
最近はあまり話さなかったとはいえ、こういった態度の美紗は珍しかった。
今までの美紗との付き合いから僕は知っているけれども、こういう風にあまり喋らない美紗は大抵何か自分では解決できない悩みを抱えている。
いつだって美紗は自分で判断できる強さを持っているから、こういった時の美紗は普段とは違ってどことなく儚げに見えてしまう。
人によってはこういう普段とのギャップを見られると嬉しくなるのかもしれないけれど、僕は普段の快活な美紗の方が好きだ。
そんな事を考えながら美紗が座り込むであろう場所を平らにしてやろうと手でゆっくりと馴らす。
何百年も風雪にさらされて小さく丸くなっている河原の石と砂利は午後の光を受けて微かに温かかった。

美紗はしばらく立ち止まった後、僕が馴らした場所よりもちょっと僕よりの位置にゆっくりと座るとついと顔を対岸に向けた。
こういう時の美紗は言葉を選ぶのにもとても時間をかける。
案の定、美紗は座り込んでから10分も15分も僕の方から顔を逸らしたまま桜を見上げたり、バッグを抱えなおしたりして黙っていた。
「・・・」
焦ってもしょうがないので僕は美紗の言葉が出てくるのを黙って待ちながらごそごそとバッグを漁った。
バッグっていうものには大抵こういう時には何か沈黙を破るような役に立つなにかが入っている物だ。お菓子とか。
案の定鞄の中に飲みさしのペットボトルを発見して、僕は美紗に向って差し出す。
相変わらずこちらの方は見てこないままん、と美紗は僕の差し出したペットボトルを受け取った。
器用にぼうと対岸を見たまんま美紗はペットボトルの蓋を開け、躊躇いもなくこくこくと中のお茶を飲み始めた。
美紗の白い喉元がペットボトルの角度と共に動く。
こくこくとあらかた飲み終えると今度は美紗が鞄を開いた。ごそごそと中を漁るとゴムで縛って止めてある食べかけのポテトチップスを出してくる。
ん、と今度は僕がこちらを見ずに美紗が差し出してきたポテトチップスの袋を受け取った。
697 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:08:39 ID:JCjQKtBS

差し出されたポテトチップスを僕が両手で受け取った瞬間、
「雄。」
美紗は急にこちらに振り向いて声をかけてきた。
中学生になった時には恥ずかしくて嫌な思いもしたが今じゃ慣れた。
いつまでたっても雄二郎を縮めた昔ながらの呼び方で美紗は学校だろうがどこだろうが僕を呼ぶ。
あまり話さなくなってからも、少ない機会に美紗は必ず僕のことをそう呼んだ。
僕は学校では美紗の事を東条さんと呼ぶのだけれど。
上体ごと振り向いたから制服の胸元の赤のリボンが揺れて最近評判の(浩志がいうところの揉みまくりたいおっぱい学年No.1)
美紗の胸元に自然と目が吸い寄せられてしまう。
目を逸らすと今度は美紗の喉もとの色白の肌と柔らかい匂いをなんだか急に身近に感じてしまって、僕は慌てて美紗の顔に視線をずらした。

目を合わせると美紗は少し猫目がかった賢しそうな目でじっとこちらを見据えた。久しぶりに見る美紗の真剣な顔だ。
「何?」
僕は真面目な顔を取り繕って河原についてから2度目のさっきと全く同じ言葉を美紗に向って言った。
これは尋常な事態ではない。
と、僕の問い掛けにどことなく覚悟を決めたような顔をして美紗は口を開く。

「雄は、私が誰かと付き合うって言ったらどうする?」
698 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:09:33 ID:JCjQKtBS

「何?」
これで3度目だ。しかし今度は最初の2回とは全然違う声なのが自分でも判った。
美紗がゆっくりと口にした言葉に心臓が跳ねるのを感じる。
慌てて美紗の手からペットボトルを奪い取ると中身のお茶を喉に流し込んだ。
何を言っているんだろう。美紗の言葉を反芻する。

「だーかーら。私が誰かと付き合ったら雄はどう思う?」
直に返答しなかったからだろう。美紗は微妙に言葉を変えてそう言ってくる。
先ほどまでと違って今度はぴったりと僕の顔に視線を合わせたまま逸らさない。

「な、なんで?」
答える声が微妙に震えるのが自分でも判る。

「なんでって、言った通りよ。私に彼氏」

「ちょっと待った。」
慌てて美紗を遮る。大問題だ。

「何よ。」
美紗は視線を逸らさずに僕を問い詰めるように声を出す。睫毛の長い切れ長の目と勝気そうな瞳がこちらの目を覗きこむ。
699 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:10:17 ID:JCjQKtBS

「・・・美紗には、好きな人がいるの?」
搾り出すようにそう言った僕の声に美紗は即答した。

「いないわよ。……少なくともあんたに相談するような人は。」
そう言って僕の手元からポテトチップスを奪い取るとシャクッと口の中に入れる。
「少なくとも雄に相談するような人は。」
あんたを雄に言い直しながら美紗は物凄く不満そうな顔をしながら2つ目のポテトチップスを口の中に放り込む。
美紗らしくもなくどことなく歯切れが悪い。
その美紗らしくなさに胸の中の不安が膨らんだのが自分でも判る。

「じゃ、じゃあなんで?」
そう問いかけた僕の声に案外短気な美紗は「あーもうっ!」と我慢できないような声を出した。

「あのね。雄はなんでわからないの?私が好きじゃなくても私を好きだって人はいるかもしれないでしょ。」

「美紗を?」

「そうよ。雄は私に冷たいし、私を馬鹿にするけどね。
 私と付き合いたいって男の人の一人や二人ぐらいは私にだっているって、そう思わない?」
そんな事は判っている。いつだって思っている。判っていないのは美紗の方だと僕は思った。
美紗と付き合いたい男なんて学年に100人の男がいたら98人はそうだ。
この前テレビの情報番組で10代でも100人に2人位は同性愛者なのだと聞いていた僕は思わずそう口に出しかけたが思い留まった。
問題はそこじゃない。残念ながら僕は同性愛者じゃあないって事だ。
700 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:11:43 ID:JCjQKtBS

「一人や二人って・・だ、誰?」
内心の狼狽を隠せずそう口に出した僕に美紗はなんとなく少し考えるように目を泳がせた。

「た、沢山よ。で、雄はどうするの?」

「全然答えになってないじゃないか。」

「うるさいわね。」

参った。まさか美紗の恋愛相談に巻き込まれるとは思わなかった。
多分美紗は誰かに告白されて、それで返答を迷っているのだろう。
正直言って巻き込まれたくなかったが、目の前の美紗は返答を逃さじと言う感じで迫ってきている。

「どうするもこうするも、美紗はどうしたいの?」

「私が雄に聞いているの。」

今度は僕が黙る番だった。
しばらく考える。
正直本当になんと返答していいのか答えに窮した。
やめろなんて言っていいのかわからない。かといって付き合ったらなどとも口が裂けても言えない。
大体が相談なんてものは大抵相談者は既に答えを決めていたりする。
マルかバツかで答えるのなんてのは不利なのだ。
それに相手が誰かすら美紗は僕に言っていない。

「僕は・・・判らない。でも・・」
相談してきたのは美紗の方の癖に美紗は怒った。
最後まで言い終わらないうちに唇を尖らせて川のほうをじっと見てしまった。

「あっそう。」

「え?」

「判ったわよ。雄は私が恋人を作って、恋人と映画を見に行ったりキスしたり・・・えーと、いやらしい事をしたりしてもいいのね。」
ジャリジャリと靴で石を蹴飛ばしながら掴みかからんばかりに美紗は僕を問い詰めてきた。
恋人なら当たり前であろう行為を美紗は並べたに過ぎないのだけれど随分変な質問だ。

その質問に僕は―――
701 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:15:44 ID:JCjQKtBS

「するの?」
美紗の勢いに焦って随分的外れな返答をしてしまった。
目を丸くして問い返した俺に美紗は即座に怒鳴り返した。

「し な い わよ!喧嘩売ってるの雄?」
噛み付くようにそう言うと美紗はふん。と視線を反らした。
よくよく考えると美紗の返答も僕の返答に負けず劣らず的外れだ。

なんなんだそりゃ。
そう思いながら僕は先ほど美紗に遮られた言葉を続けた。

「判らないよ・・でも・・僕は反対かな。」

「・・・なんで?」

「美紗が、あんまり楽しそうじゃないから。」
これは正直な意見だった。振られ男だろうがなんだろうが、女の子は恋人を持ったら幸せそうにしなくっちゃいけない。
もてない男の持論だ。でも間違ってはいないと思う。
なんだか今日の美紗は焦っていて、告白された幸せな女の子の様には見えなかった。

そう言った僕の言葉に美紗は一度だけ言い返そうとして、それから口を噤んだ。

口を噤んだまま美紗は川の表面を見つめる。
秋雨の季節はまだ終わらず、ここのところあまり強くない雨が連日降ったりやんだりしていたせいで気温は低めだ。
今日も朝からどんよりと雲って一雨来るかと思わせたが、天気は持ちこたえて雲は昼過ぎから消え、淡く日も差した。
今は西の空に、暮れようとする日が姿を見せていて、薄い水色の川の表面や緑に彩られた川横の森を照らしている。
日は真っ直ぐに河原にも射しこんで、美紗の綺麗な顔を浮かび上がらせていた。

「そ。じゃあやめておくわ。」
日が翳っていくのを感じられるくらい長い時間考えたあと、美紗はあっさりと言った。

「楽しくないんじゃつまらないもの。」

「そう。」
僕がそう答えると美紗は立ち上がってスカートのお尻の部分をパンパンとはたいた。

「雄は彼女作ろうとか思わないの?」
視線を対岸に向けたまま美紗はそう言ってくる。

にへら。
その時美紗は僕のほうを見ていなかったから、僕は笑った。
妙な笑いだと思う。
気になっていた娘に恋愛相談をされてその娘に挙句の果てに彼女の心配までされた時のような、多分そんな顔。
702 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:16:36 ID:JCjQKtBS

「帰ろう。」
美紗の質問に返答せずに僕は美紗より先に川に背を向けた。
いつの間にか足元が見えないくらいに暗くなっていた。
後ろは振り返っていないけれど、じゃりじゃりと砂を踏む音で美紗が着いてきているのがわかる。

じゃりじゃりと道に向って歩いていると、後の美紗が歩きながらぽつりと言った。
「馬鹿。」

驚いて向き直る。
「何で?」
何で俺が馬鹿なの?

向き直るとなんだか美紗は泣きそうな顔をしていた。
「告白なんかされてないもの。」

「何で?」
じゃあ今日のは何よ。

「なんでじゃないよ。」
泣きそうな顔じゃなかった。美紗は実際ぼろぼろと涙を零していた。
背中まで伸ばした綺麗な黒髪を揺らして、なんだか駄々っ子のように美紗は石を蹴った。

「雄は私が恋人を作っても、幸せそうだったら嫌だとか言わないんだ。」

「美紗?」

「私は言うもの。嫌だもん。私の友達が私の好きな人を好きで、協力してなんていわれたら不安になるもの。
私の事嫌いでもいいけれど、他の子好きになっちゃ駄目!」
そこまで言うと美紗はハッと口を噤んで両手で顔をごしごしと擦った。

「美紗。」

「・・・なんでもないっ。又明日!」
美紗はそういうともう振り返らず、家のほうに向って脱兎のごとく駆け出していってしまった。
703 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:18:43 ID:JCjQKtBS
@@

「美紗は、僕が誰かと付き合うって言ったらどうする?」

もし今日、逆の立場だったなら美紗はどういう風に考え、どんな風に思っただろう。
美紗が去っていった河原に立ち尽くしてそう考えた時、僕は初めて抗い難い恐怖を感じた。
美紗がにっこりと笑っておめでとうなんて言ったら僕はどう思うんだろうか。

美紗は今の僕と同じような事を考えたんだろうか。
川原に一人で立ち尽くしながらそこまで考えて僕は首を振った。
あんまり自惚れてはいけない。

でも美紗が同じように考えていたら。
その空想はとても・・・楽しいものかもしれない。

河原は足元も確認できないくらいに真っ暗になっている。
ゆっくりと足元を確認しながら歩を進めた。
今日の美紗の話はあまりにもわからなさ過ぎる。確定的なことなんか一つもない。
恋愛なんてそんなものかもしれないけれど。
だから明日、今度は僕の方から問い掛けてみても良いかもしれない。
それとも今日電話した方が良いだろうか。
美紗が付き合うと言った時に僕がどう思ったか、僕が誰かと付き合うともし言ったら美紗はどう思うのか。
704 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:19:54 ID:JCjQKtBS

幼馴染は難しい。
友情が高じて恋愛になるなんて馬鹿な事を僕は信じない。
恋愛感情なのか友情なのかの境目なんてない。
恋愛は恋愛で友情は友情。別物だからだ。

僕と美紗の気持ちはどうなんだろうか。
僕の方はともかく美紗の方は友情なんだとそう信じてきた。
友情どころかもっと低いものなのかもしれないと最近ではそう思っていた。
いやらしい気持ちを持つ自分が嫌で、そういう同級生が嫌でわざと美紗から離れた同級生達と同じ立ち位置に立とうとした。
でももし、もしかして方向は違っても美紗もそうだったとしたら。
僕と同じように、美紗も色々と考えていたのだとしたら。
友情なのか、恋愛感情なのか聞いてみる価値はあるのかもしれない。
それに恋愛は恋愛で友情は友情。別物だけれども、両方が並立しないなんて事もないはずだ。

と、そこまで考えてあまりにも都合の良い自分の考えに可笑しくなった。
咳払いをして思わずもらした笑い声を掻き消しながらゆっくりと家へと足を向ける。

顔を上げてみると暗闇に閉ざされた河原から美紗の住んでいる家や僕の住んでいる家の灯りが見える。
なんだかそれがいつもより少しだけ大きく見えるような気がした。
705 ◆/pDb2FqpBw :2005/10/20(木) 22:24:43 ID:JCjQKtBS

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短編が書きたかったので・・・
では。
ノシ
706名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 23:01:31 ID:stXed4Q7
うはー。正統派幼馴染みだけど、いいですなあ…
というか短編と言わずこの続きを書いて欲しいと思う気持ちと、
雄と美沙がこのあとどうなるのか、あれこれ想像して楽しみたい気持ちに引き裂かれて悶絶中。
707名無しさん@ピンキー:2005/10/20(木) 23:23:22 ID:Xs8yLduX
GJ!
是非続編が読みたいです。
708名無しさん@ピンキー
ものすごくGJ!
文章も巧いし綺麗だし、何より二人が思春期真っ只中で可愛イヨイイヨ