スクランスレ@エロパロ板 8話目

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689仕事が忙しいのに……ブツブツ
>>678

 風呂あがりの髪をバスタオルで擦りながら居間へと向かう。従姉は、いつもと変わらぬ
様子で、ポテチ片手にテレビを見ている。かたわらにはビールの空き缶がひとつ、ふたつ。
よくあれで太らねぇもんだ。冷蔵庫から牛乳のパックを取り出し、そのまま口をつけ飲む。
まだまだ成長期だからな。カルシウムは十分に摂取しねぇと――あれ? 蛋白質だっけ?
まぁ、どうでも良いや。冷蔵庫に牛乳パックを戻し、ふとテレビに目をやると、『男の……』
まで読み取れた。なんかの特集らしい。そういや、漫画も書き上げたことだし、俺も一人
前の男になれただろうか?従姉の側に歩み寄り、腰をおろす。俺を見上げる切れ長の目
眦がわずかに酒気を帯びて赤く染まっている。空調が運ぶ彼女の髪の香りを嗅ぎながら
俺は細心の注意をはらって話題を切りだした。何せ、機嫌を損ねると後が怖い。
「なぁ、絃子……」自然と声が甘えた響きを帯びるのは致しかたない。
「絃子さん、だ。先に言っておくが、金なら無い!」美貌の従姉は、視線をテレビから外す
ことなく答える。俺、そんなに借金した憶えはないんだけどな。第一貸してくれないくせに。
「いや、そうじゃなくて……」いずまいを正し、彼女に向き直ると、俺は改めて話し掛けた。
「何だい、拳児君。今、良いところなんだから、用があるならさっさと言ってくれないか」
「あのよ……。俺のこと、一人前の男だと思うか?」瞬間、口に運んでいたポテチを落とし
呆けたような表情で絃子は俺を見つめる。「―――どういう、意味だい?」テレビを消すと、
絃子は俺のほうに向き直った。
「いや、絃子から見て、俺って一人前の男に見えるのかなって……」
「見えない、と言ったらどうする?」小首を傾げ、俺の質問の意図を量りかねたかのような
わずかな沈黙に続いて絃子は俺に問い返した。
「そんときゃ、教えてもらおうかと思って……」その瞬間、絃子の顔が真っ赤になった。