>>44 「お嬢……すまねぇが、今夜だけはそばにいてくれねぇか」
「え?」 愛理は驚きの色を隠せなかった。
連載開始以来はや4年が過ぎ、ふたりの関係に進展が見られるとは、旗派原理主義者でさえ夢想だにしなくなっていたからだ。
「ひとりでいるにの、耐えられそうにねぇんだ……」
無敵の魔王と呼ばれて久しい播磨の胸中に、これほど繊細な部分が残っていたとは。
だが、彼のその少年のような純粋さも含めて愛理は愛していた。
答えるかわりに、たおやかな両腕をのばし、播磨の顔をそっと胸に抱く。
驚いたように見あげる播磨の瞳に自分が映るのを見つめながら、愛理は唇を寄せていった。