「キャアァッ!?」
「ぐあぁっ!?」
二人の技は相殺し、衝撃となって周囲のものを吹き飛ばした。
埃が舞い散る中、香澄、そしてリョウが膝をついた。
二人とも、身体は細かい傷だらけで服もボロボロになっている。
「ハァ、ハァ……っ」
「ううっ……。俺の、全力の覇王翔吼拳をかき消したか……本当に、強くなったな」
「……日本で、ずっと修行をしてきたから。KOFで、あなたと戦う為に……」
「そうか……。いい戦いだった。KOFでの強敵たちにも全く引けを取らないほどにな」
「そう……か。よかっ……?」
「香澄君!!」
香澄が立ちあがりかけたその時だった。バランスを崩した香澄が、ふらりとよろける。
背後にあったガラス張りの壁は先ほどの技の激突で割れてしまっている。しかもここは地上12階である。
(間に合えぇ!!)
リョウは傷付いた身体を無理やり動かし、香澄の腕を掴む。しかし足場が悪いせいか、リョウも踏ん張りが利かない。
「お兄ちゃん!」
「リョウ!!」
まりんを倒したキングたちが駆け寄ろうとするが、間に合わない。そのまま、リョウと香澄は体勢を崩し、空中に……。
「く!!………?」
思わず香澄の身体を抱き寄せたリョウだったが、彼らの身体が空中に投げ出されることはなかった。
背後から、誰かがリョウの襟を掴んで支えている。
「如月!?」
「……フンッ!」
影二は、そのままリョウ達を引っ張り上げると、床に投げ出した。
先ほどまで戦っていたロバート達も、あの如月影二が戦いを捨て、リョウ達を助けたことに唖然としている。
「如月……すまん、助かった」
「勘違いするな!拙者は香澄殿を助けただけだ!チームメイトを傷つけるなど、外道のすることよ!!」
「如月……」
ロバート達二人との戦いで満身創痍の影二は、そのままリョウに背を向ける。
「今日ここで貴様らを始末するつもりであったが……気が変わった!やはり貴様ら極限流は、KOFで叩きのめす!!」
「……あぁ。また会おう!」
「フン!首を洗って待っていろ!!」
そう告げると影二は姿を消した。