165 :
警察長官:2005/06/30(木) 01:38:04 ID:kXjQvx5/
「イクわよ。レッドビュート」
今度はマスクのアタッチメントをムチに変換して七海に襲い掛かるペギー。
風を巻いて飛んできたムチが七海のタンクトップを掠め、肩紐が引き裂かれる。
「くぅっ。アレをまともに喰らうわけにはいかないわ」
七海は距離を取りつつ剥き出しになった右の乳房を手で庇う。
「私のムチから逃れた者はいないのよ」
ペギーはムチで床を打ち、その音で七海を威嚇する。
「ハリケンブルーに変身しないのならそれでもいいわ。その代わり、丸裸に変身させてあげる」
そう言うや、ペギーはフェイントも使わずいきなり七海の胴目掛けてムチをしならせた。
「キャァァァーッ」
強烈なレッドビュートの前には薄手のタンクトップなどティッシュ同然に千切れ飛び、七海の背中が剥き出しになる。
「ほらほら、どこ見てんのぉ」
続いて飛来した一撃がローライズのホットパンツをしたたかに打ち、脆弱な布きれを引き裂く。
ペギーは手首の返しだけを使ってムチを連続にしならせ、その度悲鳴を上げる七海の体から衣服を剥ぎ取っていく。
「ホホホッ。ロールプレイングじゃ防御力ゼロってところね」
遂に一糸まとわぬ全裸にされてしまった七海は、再びホールの一角に追いつめられた。
吹き抜けになった2階ホールの手摺りの向こうに、1階エントランスの硬い床が見えている。
166 :
警察長官:2005/06/30(木) 01:38:46 ID:kXjQvx5/
「これでも内臓を痛めないように手加減してるのよ。でも、それもこれまでね」
ペギーは一際強く床をムチ打つと、全身の力を使って七海に振り下ろした。
七海は残った反射神経をフル稼働させると、左に身を捻ってムチを避ける。
空振りしたレッドビュートが手摺りのバーに固く絡まる。
「今だわっ」
七海は手摺りに食い込んでいたカマキリ男の大鎌を引き抜くと、手摺りに絡み付いているレッドビュートを真っ二つに切断した。
そして返す刀で尻餅をついたペギーのマスクに斬りかかった。
七海に幸運なことに、この時ショッカーの冶金技術はイーグルの繊維工学を上回っていた。
袈裟斬りにされたアカレンジャーのマスクが斜めに切断され、ペギーはマスクオフ状態になる。
「やってくれたわね」
怒りに燃えたペギーはレッドビュートを投げ捨てると、右足に吊したホルスターから銀色の銃を引き抜いた。
「それじゃ、ダークの科学技術を知るといいわ」
ペギーはアカレンジャースーツの基本装備であるシルバーガンを廃止し、代わりにハカイダーショットを追加装備としていたのである。
「キャァァァーッ」
たちまち弾幕に包まれた七海が、生身に破片を浴びて絶叫を迸らせた。
167 :
警察長官:2005/06/30(木) 01:39:14 ID:kXjQvx5/
一方その頃、死神博士に人体改造実験の生け贄として払い下げられたフラビージョにも絶体絶命の危機が迫っていた。
「ヒヒヒッ。バイ菌が入ったらことじゃから、ここのおけけは剃っておくぞ」
博士は鋭いメスの歯を立ててフラビージョの恥毛を剃り落とす。
「あぁ〜ん。せっかく生え揃ったのにぃ〜」
またもフラビージョは股間周りを赤ちゃん同然にされてしまう。
「さて、どうしたものかの?」
死神博士は生け贄の股間をまさぐりながら目新しい改造の意匠を考え込む。
「あはぁ〜ん」
敏感な部分を掻き回されてフラビージョが腰を淫らにくねらせ始めた。
そのうち敏感な肉芽が勃起して、精一杯の自己主張をするようになってくる。
「おぅ、これをペニスに改造してやろう」
博士は手を打ってウンウンと頷く。
「そんなのいやぁ〜ん。怖いよぉ」
さすがにフラビージョも青くなって引く。
「成功すると今感じる3倍は気持ちいいぞ」
死神博士が機材を準備してベッドの脇に並べていく。
「ホント?」
フラビージョの震えがピタリと収まる。
「うぅ〜ん、どうしよっかなぁ。やってみようかなぁ〜」
快感を追求することに貪欲なフラビージョは、人体改造について真剣に悩み始めた。
その前にグリーンボールを使いウエンディーヌが被害に遭えば良い。
フラビージョが改造されてハチ女の姿になる
「えぇっとぉ、それって痛くないんだよね?」
フラビージョは改造手術が痛くないのであればやってみようと決心した。
「いや。麻酔も効かないから、もの凄く痛いな」
死神博士は自分のことではないのであっさりと言い切った。
「しかし痛いのは手術中だけじゃ。それが終われば、この世のものとは思えぬほどの快感を与えてくれるぞ」
博士はウヒヒと薄気味悪く笑った。
「ちょっ、ちょっとタンマ。フラビージョちゃん、やっぱ痛いのダメェ〜」
刹那的快楽を追求するのには飽くなき探求心を持つ彼女も、肉体的苦痛の前にはあっさり白旗を揚げてしまう。
「もう遅い」
博士は注射器に得体の知れない薬液を満たすと、針をフラビージョの陰核に近づけた。
「やん、やん。いやぁ〜ん」
激しく首と腰を左右に振って抵抗するフラビージョだったが、手足の戒めはビクともしない。
「ウヒヒヒ、術後の射精が楽しみじゃわいな」
注射針の先端がクリトリスの先端にタッチした瞬間、手術室のドアが乱暴に開き、眩い閃光が2人を照らし出した。
「フォーカスしてやったぜぇ。このロリコン博士がぁ」
「お前は……バッタ男2号……」
死神博士の邪魔をしたのはカメラを構えた一文字隼人であった。
「隼人さんっ」
もしフラビージョに尻尾が生えていたなら、この時千切れんばかりに振っていたであろう。
「うぅっ、貴様ら仲間か? こいつは抜かったわ」
形勢不利と見た死神博士は、壁の隠し扉を開いてさっさと逃げ出した。
「お〜い、博士。このフィルム買わねぇのかよぉ。チェッ、1円の儲けにもならないぜ」
あくどく儲けようとした隼人は目算が来るって舌打ちをした。
「隼人さん。フラビージョちゃんのお礼は、この体で支払うわ」
フラビージョは舌を垂らしてハァハァする。
「う〜ん、本来なら現物支給は受け付けないんだが……まぁいいでしょ」
隼人はフラビージョの足側へと回り込み「お見せしよう」と言ってズボンのジッパーを引き下ろした。
※
「生身のアンタなんかやっても面白くも何ともないの」
冷たい美貌を歪ませてペギーが銃を構える。
「ほらほらっ、変身しないと死んじまうよ」
ペギーは人差し指を屈伸させ、七海の周囲に次々とハカイダーショットを炸裂させる。
衝撃波と金属片が全裸の七海に襲い掛かり、確実に体力を削っていく。
「なにやってんの? 強情な娘ね。ほらっ、シュシュッと変身しちゃいなさいよ」
着弾点が徐々に七海に近づいてくる。
「アァーッ」
大きめの破片が脇腹の肉を掠め取り、七海は遂にうずくまってしまった。
勝負あったと見たペギーは銃をクルクルと回しながらゆっくりと歩み寄る。
「これ以上付き合いきれないわ。アンタ何で変身しないのよ? 私をバカにしてるの」
ペギーは銃をホルスターに収納し、両手を腰に当てて七海を睨み付けた。
「あの人達が……」
ハァハァと荒い息の下から七海が苦しそうに語る。
「あの人達が……人間として生きるって約束してくれた日から……私も……シノビチェンジしないって……決めたの」
七海のその台詞をドア越しに聞いたフラビージョの手が、ノブに掛かったまま止まる。
「キャハハッ。アンタ、エイリアンなんかとの約束を信じているの? バッカみたい」
ペギーがたまらないといった様子で大笑いし、ドア向こうにいるフラビージョが下唇を噛みしめたまま硬直する。
「私はあの人達を信じたの。疑って友情を壊すぐらいなら……信じて騙された方が……まだマシよ」
七海は床にうずくまったままペギーを上目遣いにキッと睨み付ける。
「七海ぃ……」
ドアに額を押し付けたフラビージョが幸福そうに微笑む。
「ふざけないで頂戴っ。私は信頼とか友情とかが一番嫌いなの」
鬼の形相になったペギーが再びハカイダーショットを引き抜く。
「藤兵衛だって……アンタ達が信頼している藤兵衛だって、用済みになればアンタ達をポイ捨てするのよ。そういう男なのよ、あの藤兵衛って奴はっ」
ペギーのこめかみに太い血管が浮き出て、脈拍に合わせて収縮を見せる。
「ペギー……?」
突然の激情を目の当たりにして、理解出来ない七海は狼狽える。
「いいわ……あなたがそうしたいのなら、下らない友情を信じたまま殺してあげる。それが先輩としてのせめてもの手向けよ」
冷酷な銃口が七海を捉え、無慈悲に撃鉄が落とされた。
「ダメェーッ」
ドアを蹴破って飛び込んできたフラビージョが、七海に抱きつくようにして地面を転がる。
同時に炸裂した弾丸の破片がフラビージョを傷つけた。
「フラビージョッ」
七海は背中から出血したフラビージョを助け起こす。
「このくらい大丈夫……七海が無事で、よかったのだ」
肺が傷ついたのか、フラビージョが咳き込むと血の泡が飛び散った。
「フラビージョ、しっかり」
フラビージョの耐久力が人間より遥かに優れ、また快復力も強いと知りつつも、七海は普通ではいられない。
「大丈夫だって。それよりフラビージョ……七海の天空シノビチェンジ、久し振りに見たいなぁ……」
それだけ言ってフラビージョは激痛の余り失神した。
そのフラビージョを静かに床に寝かせて、七海はすっくと立ち上がった。
そして振り返るとペギーの眼を真っ直ぐ睨み付ける。
「なっ、なによ。やろうってのなら望むところだわ。早くシノビチェンジなさい」
ペギーは逆ギレしたように喚くと、ハカイダーショットを腰溜めに構えた。
「いいえっ、絶対に変身しないわ。私は生身のままで戦って、あなたを倒してみせる」
七海はあくまでフラビージョ達との約束を貫く決意を固めた。
「なっ、ならいいわ。ここで2人仲良く殺してあげる」
しかし七海の澄んだ眼に見つめられてペギーに動揺が走り、引き金に掛かった指に力を込めることが出来ない。
「そこまでだ」
フラビージョの出てきたのとは反対側のドアが開き、ショットガンを構えた滝和也が姿を現せた。
「ペギー、お前達の作った悪の改造人間は全て破壊した。諦めて縛につけ」
滝はショットガンの狙いをペギーの顔につけ、降伏を迫った。
「FBIの走狗めが。よくも私の計画を……」
作戦が失敗したことを悟ったペギーの顔から、みるみる血の気が失せていく。
「FBI? あの野蛮人がFBIですってぇ」
滝の意外な正体を知った七海が素っ頓狂な声を上げる。
「げげっ。あの人モルダーやスカリーと同僚なの?」
息を吹き返したフラビージョもわけの分からないことを口にする。
「チィッ」
ペギーは舌打ちすると滝に向かってハカイダーショットを投げつける。
そして1階エントランスへ続く階段を一気に駆け下りた。
「アンタなんかに捕まるわけにはいかないのよ。おとといいらっしゃい」
エントランスホールへ降り立ったペギーは、玄関ドアを蹴破って戸外へ躍り出た。
「待ちなさいっ」
一呼吸遅れてエントランスホールへ降りた七海は、脱ぎ捨ててあったレーシングスーツを纏いペギーを追う。
玄関先へ出た七海の目の前をレッドマシンに跨ったペギーが走り抜けた。
「あっ、待てぇっ」
七海の制止を振り切って、ペギーのレッドマシンは林道へと逃げ去った。
そこに2サイクルエンジン特有のけたたましい排気音を上げながら、一文字隼人のスズキGT380が現れた。
「追っかけるかい?」
その積もりなら愛車を貸すと言うように、隼人がサイドスタンドを下ろす。
隼人には悪いが、イーグル科学の粋を集めて作られたアカレンジャー専用マシンが相手では、如何に名車と謳われたGTサンパチでも分が悪すぎた。
しかし七海は隼人からハンドルを受け取り、無骨なシートに跨った。
「たとえ空に輝く星が高すぎて、絶対に届きそうにないからといって……欲しいと思ったら飛ばずにはおれないのが私の性分なの」
七海はクラッチを切ってギヤをローに蹴り込む。
「舗装路に入ったら左グリップのレバーを引くといい」
腕組みをした隼人が思い出したように説明を付け加えた。
「これってチョークレバーじゃないの? 引くと速くなるとでも言うの」
七海が胡散臭そうに問い掛ける。
「引けば分かるさ。君なら大丈夫でしょ」
ウインクして曖昧に笑う隼人を尻目に、七海はGT380を急発進させた。
七海が砂利を敷き詰めた林道を走っていくと、遥か前方にペギーのレッドマシンが見えた。
「追いつけない」
七海は焦ってアクセルを開けるが、旧車の部類に入るGT380のエンジンはもどかしいほど吹け上がらない。
ようやくアスファルト舗装された峠道に出た時には、レッドマシンの姿は見えなくなっていた。
しかしコーナーのクリッピングポイントごとに残っている、真新しいタイヤ痕がペギーの行方を示してくれた。
「絶対あきらめないっ」
七海は目を三角にしてコーナー出口を睨み付ける。
その時、七海は隼人の言葉を思い出した。
「このレバーを引けって言ったっけ」
七海は半信半疑のまま指示されたレバーに親指を掛けると、力を込めてグイッと引き絞った。
その途端、GT380のエンジン音が一際高く咆哮し、前輪が高々と持ち上がった。
「ヒィィィーッ」
同時に左右のサイドカバーが前方へと延び出したかと思うと、ヘッドライトの前で一体化し、丸目二灯を備えたフロントカウルを構成した。
「なななっ、なによぉこれぇ〜っ?」
シート形状の変化に伴って七海のお尻が持ち上がり、乗車姿勢がきつい前傾スタイルに変わる。
ようやく前輪が路面に着地した時、GT380は全く違うオートバイになっていた。
薄いクリーム色のカウリングに隠された謎のエンジンは甲高い排気音を上げ、左右3本づつ伸びたマフラーからは飛行機雲のような排気煙が尾を引いている。
「何だか知らないけど、イケるぅ〜っ」
メーターの読みは知らないうちに時速280キロを超え、300キロに達しようとしていた。
それでも衰えを知らないエンジンは、更に回転を高めていく。
後方の異変に気付いたペギーは、バックミラーに映った追跡者の姿を見て驚く。
「サッ、サイクロン号? 畜生っ、一文字の奴が手を貸したのね」
今度は振り返って、直接サイクロン号を視認するペギー。
ペギーは七海を振りきろうとアクセルを全開にし、レッドマシンの最高速度である時速300キロに増速した。
それでも時速400キロの最高速度を誇るサイクロン号は振り切れなかった。
そして背後に迫る七海に気を取られていた彼女は、オーバースピードでタイトコーナーへ突っ込んでしまった。
「キャァァァーッ」
絹を引き裂くような悲鳴を上げて転倒したペギーは路面を滑走し、レッドマシンごとガードレールを突き破って谷底へと転落していった。
「自業自得よ……悪人の末路はいつも惨めなもんだわ」
※
「それでペギーの奴は死んじゃったの?」
全てが終わり、日常を取り戻したエンジェル事務所でウェンディーヌが質問した。
「手分けして谷底を探したけど、あの人の死体は見つからなかったわ」
七海はペギーの生存とイーグルの存続に疑いを持たない。
「まだまだあの人には聞きたいことがあるし……」
七海は卓上スピーカーを見つめて考え込む。
「ペギー。あなたは本当に私たちの先輩なの? ならどうして藤兵衛さんを裏切ったりしたの……」
その時、七海の視線を感じたようにスピーカーが喋り始めた。
「お早う、エンジェル諸君。君たちのお陰で、私の友人は余計な保険料の支払いをせずに済んだそうだ。私からも礼を言わせて貰うよ」
立花藤兵衛の声はいつになくご機嫌であった。
「うふん。私が本気を出したら、こんなものですわ」
結局セックス以外何もしなかったウェンディーヌが誇らしげに言う。
「いやぁ、参った参った。今後も頼りにしてるよ」
恐縮したように笑う藤兵衛が、充分なボーナスの供給を約束する。
「あの……藤兵衛さん……」
七海は思い切ってペギーのことを、直接藤兵衛に聞いてみようとして思いとどまった。
「ううん……なんでもないんです」
たとえペギーが元エンジェル隊の一員だったとしても、現在は悪の組織イーグルを率いる首領に他ならない。
それに事実を知ることで、今の仲間との信頼関係にどういった変化が起こるかも知れない。
七海は今のエンジェル隊が好きなのであり、自分がその一員であることに幸福を感じているのだから。
「ジャジャ〜ン」
いきなりドアを開けて事務所に飛び込んできたのは、例のビキニジーンズを履いたフラビージョだった。
「何してるの、2人とも? 早く行かないとエントリー締め切られちゃうよ」
その言葉で七海はラリーが最終日を残して打ち切られ、今日がダンスコンテストの日であったことを思い出した。
「あぁ〜っ。ちょっと待ちなさいよぉ」
七海とウェンディーヌは1人で出ていこうとするフラビージョを引き止める。
「あっと、諸君。ところで次の依頼の件なんだが……」
藤兵衛の声が割り込もうとするが徒労に終わる。
「ダメよ藤兵衛さん。今日はこの中の誰が一番かハッキリ教えてあげる大事な日なんだからぁ」
七海にとって2人は愛すべき家族であると同時に、決して負けることのできないライバルなのである。
むちゃくちゃな登場人物の流れについていくことができん
今度はペギーの追加の助っ人にゾル大佐と地獄大使が良いな。
それに滝の嫁さんを襲わせるゲバコンドルも登場さして
ペギーの新たなスタイルにアオレンジャー、キレンジャー、ミドレンジャーを採用求む。
谷底に落ちる前にペギーを助けたのはバリタンクかな?
ショッカーライダーを登場させて、エンジェル隊の一人を落すのも良いなあ。
ゴッドの組織力をペギーに分け与えるシーンがあればなー
ダークキングもといダーククイーンと活躍すればなー
悪の組織と思ってたイーグルが善の組織立ったりして
186 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:01:52 ID:S7l6nvT0
ある梅雨時の日の正午前、寝坊した野乃七海は駐車場から全力で事務所へと駆け込んだ。
「完全に遅刻だわ。やばいよ」
昨夜、退社後に立ち寄ったクラブで、イカした男と意気投合して──その後の記憶がない。
目が覚めたら、見知らぬホテルの一室にいた。
乗り逃げされたと分かった時には、もう遅かった。
クラブへ取って返し、愛車で事務所まで飛ばしたが、時計の針は間もなく頂点で一つになろうとしている。
先週遅刻した2人を厳しく説教したばかりなのに、今度は自分の番である。
「ゴメェ〜ン。体調悪くて、起きらんなかった」
七海は出任せを口にして、高級マンションの一室にある事務所のドアを開いた。
返事の代わりに七海を出迎えたのは、大音量のディスコミュージックであった。
見ると、事務所の調達を隅へと追いやって、レオタードを着たウェンディーヌがエアロビクスの真っ最中であった。
「何やってるのよ」
3度目の叫びで、ようやく七海の存在に気付いたウェンディーヌがステレオのスイッチを切る。
「うふん、見た通りのエアロビよ。最近お腹に余分なお肉が付いちゃって」
そう言ってウェンディーヌは脇腹をギュッと握る。
しかし七海の目には、ウェンディーヌのその部分には大して無駄がないように見えた。
「それ、ひょっとして嫌味か自慢?」
187 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:02:37 ID:S7l6nvT0
ウェンディーヌの人間離れしたプロポーションに、七海はコンプレックスを覚える。
七海とて自分の体に自信がないわけではないが、やはり宇宙仕込みの彼女には一歩及ばない。
「ここんとこ私、出番無かったから。きっと運動不足なのよね」
ウェンディーヌはそう言うと、冷蔵庫から取り出したビールの2リットル缶を一気に飲み干した。
「あなたに不足してるのは運動じゃないわ。もっと根本的な何かだと思うな」
七海は呆れたように呟いた。
そこに今一人のエンジェル部隊の一員フラビージョが入ってきた。
「おっはよぉ〜なのだぁ」
フラビージョは悩みなど母親の母胎に置き忘れてきたような態度で2人に挨拶する。
「なに? あなた今頃ご出勤なの」
七海は自分のことを棚に上げて声を荒げる。
「うん。フラビージョちゃんね、今月号のイケイケガールズに載ってたダイエット試してたら、寝るの遅くなって」
そう言ってフラビージョはどぎつい表紙の女子大生向け雑誌を取り出す。
「また、こんな下品なの読んで。なになに、夏までまだ間に合う……セックスダイエットォォッ?」
余りにくだらない特集記事に七海は絶句する。
「無理な姿勢で、負荷を与えての全身運動が脂肪を燃焼させるの。みるみる痩せて、その上気持ちいいから一石二鳥なのだ」
188 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:03:08 ID:S7l6nvT0
フラビージョが覚え立てのことわざを上手く使って説明する。
「こんなの、ただの四十八手の説明じゃないの。あんたこれを一つ一つ試してたの?」
七海が呆れたように雑誌をテーブルに投げる。
「へぇ。七海、詳しそうじゃん」
フラビージョに指摘を受けて、七海がハッと口を押さえる。
「まぁ、なんつっか……これが、いわゆる地球の文化の複雑さなのよ」
「ねぇ、コーチしてよぉ。七海ぃ」
フラビージョは強引に七海を押し倒して抱きついてくる。
「ダメだったら。もうっ、暑苦しいから離れなさい」
同性に抱きつかれた七海が、変な気分になりかけた時、卓上のスピーカーが音を立てた。
「お早う、エンジェル諸君」
謎の大富豪で彼女たちエンジェル部隊のスポンサーでもある立花藤兵衛が語り始めた。
「グッドモーニング、トーベェー」
3人は同時にソファーに飛び乗ると、スピーカーに向かって挨拶した。
「うふん、お久しぶりですこと。すっかりお見限りかと思っちゃいましたわ」
ウェンディーヌが妖艶に微笑み、点数を稼ごうとする。
「嬉しいこと言ってくれるねぇ、ウェンディーヌ君は」
藤兵衛は満更でも無さそうに笑い声を上げる。
「で、今回は何ですの?」
2人がいい雰囲気になりかけるのを妨害するように、七海が割り込んだ。
「そうそう、諸君は女子プロレスのゼロワンを知ってるかね?」
189 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:03:38 ID:S7l6nvT0
「ゼロワンって、あの新興団体の女子プロですね? 過激な演出と激しい試合で、一時話題になった」
七海が記憶を呼び起こしながら答える。
「そう、そのゼロワンに薬物疑惑が持ち上がってね。ある組織が新種の麻薬の合成に成功し、それを選手に流しているという」
「合成麻薬……ですか」
七海は過密なスケジュールに追われる選手たちの苦労を思い描く。
「その麻薬を打てば、人間離れした体力を得ることが出来るという。もっとも行き着く先は廃人だがね」
藤兵衛は吐き捨てるように非難する。
「人体実験ですわね。レスラーを使った」
ウェンディーヌがサラリと言ってのけた。
「神聖なスポーツを汚すことも、悪の組織に実験データを渡すことも許されん。諸君は直ちにゼロワンプロレスに潜入して悪の根を断ち切ってくれたまえ」
女子プロレスファンの藤兵衛は、いつになく厳しい口調で指示を出した。
「近くゼロワンプロレスで、第3回オープントーナメントが開かれる。それを利用して敵の内部深くに食い込むのだ。では諸君、ご機嫌よう」
スピーカーの電源が切れると、3人は「我関せず」といった風情で余所事を始めた。
「何なのよ。いつもは我先に立候補するのに」
七海は唇を尖らせて2人を交互に眺め回した。
「理由は七海と同じだよ」
190 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:04:08 ID:S7l6nvT0
フラビージョが雑誌に目を落としたまま言う。
「だってぇ、汗臭い女と絡み合っても、楽しくも何ともないんですもの」
とはウェンディーヌ。
「さっき嬉しそうにあたしに抱きついてきた人は?」
七海はフラビージョを睨み付ける。
「七海は大好きだから別なんだよ。相手がイケメン揃いのタイガーゲートなら喜んで参加するけどぉ」
フラビージョはわざとらしいアクビまでして無関心を装う。
「立候補する人はいないの。ダイエットに興味がある人で、最近運動不足で暴れ足りない人は誰っ?」
七海の指摘にウェンディーヌがビクッと身を震わせる。
「前回何もしないで、人が絶体絶命のピンチに陥ってる時に、セックス三昧だった人はどなたぁ?」
「えぇっ? そんな人いるんだぁ」
七海とフラビージョの息のあった攻撃に降参し、しぶしぶ手を上げるウェンディーヌ。
「そうガッカリしないで。決勝戦は衛星中継で世界配信されるんだから」
七海の説明を受けたウェンディーヌの顔がパッと明るくなる。
「えぇ〜っ、そんなの聞いてないよ。フラビージョちゃんやる、やるぅ〜」
芸能界入りの足掛かりになると知った途端、俄然張り切るフラビージョ。
しかしウェンディーヌが、一旦手にした大事なカードを手放すわけがなかった。
191 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:04:47 ID:S7l6nvT0
※
それから数日後のこと、満場の日本武道館で、明日から開催されるゼロワントーナメントの前夜祭が開かれていた。
リングアナがオープンの予選を勝ち抜き、決勝トーナメントに残った選手たちを一人一人紹介していく。
最後に優勝候補で、前回チャンピオンであるマリ・ザ・ビジンダーが紹介され、会場のボルテージは最高潮に達する。
貴賓席に座るゼロワンプロの会長、ビッグシャドウも満足そうに何度も頷いた。
会長の側近であるサブローも、何やらお追従を口にしてにやついている。
前夜祭は計画通り進行し、全てが上手くいくはずであった。
黒衣の天使がリングに舞い降りるまでは。
いきなりコーナーポスト上に現れた黒いボディコンスーツの美女に、スポットライトが当てられ、場内は水を打ったように静まりかえった。
「なんなのアンタは。神聖なリングを、土足で汚すような真似はよしなさい」
チャンピオンのマリが静かな、それでいて有無を言わせないような口調で言った。
「ハァ〜イ、ウェンディーヌよ。ここで世界最強の美女決定戦をやるって聞いたから来てあげたのよ」
ウェンディーヌは腕組みしてリング内を睥睨する。
192 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:05:23 ID:S7l6nvT0
「ふざけないで。ここに居るのは厳しい予選を勝ち抜いてきた、選ばれた存在なのよ。残念だけど、ここにあなたの席は無いわ」
マリは潔癖そうな顔をしかめて、無礼な闖入者を叱責した。
「無けりゃ作るまでよ。タァッ」
掛け声と共にジャンプしたウェンディーヌは、重力を無視したようなアクロバティックな動きを見せる。
そして全くの無防備状態であった選手の一人、カレン水木の頭上からヒップドロップを浴びせた。
これも演出の一つと誤認した観衆が「ウオォォォーッ」と大きくどよめく。
ピクリとも動かなくなったカレンを尻目に、ウェンディーヌは両手を上げて観衆にアピールする。
「なんてことするのっ。さっさとリングから降りなさい。自分の足で降りられるうちに」
マリは顔を真っ赤にさせてウェンディーヌに詰め寄り、他の選手たちも色めき立つ。
そんな中、アメリカ代表であるミス・アメリカだけはマスクの下で面白そうに笑っていた。
「あらっ、私は構わないわよ。ホントに強い人がリングに上がるべきだわ」
ミス・アメリカは流暢な日本語でウェンディーヌの肩を持った。
「あなたもふざけないで頂戴。さぁ、出て行きなさいっ」
マリがミス・アメリカを押しのけ、ウェンディーヌに近づいた。
「この分からず屋」
193 :
ネフライト:2005/07/12(火) 18:05:56 ID:S7l6nvT0
いきなりジャンプしたウェンディーヌの体が、空中で横一文字に伸び、爪先がマリの顔面にめり込んだ。
突然のドロップキックを避けきれなかったマリは、もんどりうってリング下へと転落する。
会場を埋め尽くした女子プロファン達の唸り声が、武道館の屋根を揺るがした。
一瞬気を失ったマリを、スポーツ紙のカメラマンが取り囲み、フラッシュの餌食にする。
「アンタ達、止めなさいよ。マリさんは素人相手に油断してたのよ」
メガネを掛けた女性記者が、カメラマン達を押しのけてマリを庇う。
「こんなの許せない……いいわ。カレンの代わりに出場を認めてあげる」
恥をかかされ、ゆとりを失ったマリが、リング下からウェンディーヌを指さす。
ウェンディーヌは再びジャンプすると、ビッグシャドウの貴賓席前に降り立った。
「会長さん。そちらのチャンピオンちゃんはああ言ってるけどぉ。いいのかしら」
ウェンディーヌは会長のグラスに、ドンペリニョンを注ぎ足しながら微笑んだ。
「美味ぁ〜い。もう一杯」
会場の盛り上がりを喜んだ会長は、ウェンディーヌに向かってグラスを差し出した。
「必ず決勝まで上がってきなさい。業務上過失致死って奴を教えてあげるわ」
般若の形相になったマリが女性記者の肩に掴まり起きあがった。
「あのバカ、調子に乗っちゃって。どうせカレンは練習中に負傷して、やむなく代打のアンタと指名交替するって筋書きだったのに」
女性記者に扮した七海は、すっかり予定の狂ってしまった筋書きに頭を悩ませ始めた。
194 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 18:54:18 ID:A3bNpUrk
キカイダー01の敵首領だったビックシャドウの中の人が
青汁CMの八名信夫だったなんて、普通誰も知らんだろw
一文字隼人が「お見せしよう」といってジッパー下ろすシーンとか
パロディがコア過ぎて、余程の特撮ファンしか理解できんぞ
魔人サボテグロンを登場させて、キカイダーからグリーンボールも良いな
キカイダー01からハカイダー5人衆も良いな
プロフェサアーギルも登場させて下さい
ジャカンジャの敵はジャカンジャ
タウザンドがフラビージョとウエンディーヌの脳を狂わせ「ジャカンジャの為に働け。」と言うサインを流す。
キカイダーではギルが笛の音で「ダークに生まれた者はダークに帰れ。」と次郎を苦しめ変身出来ない様にした。
モオー ホント ウザイヨ
ジャアク
お前が来ると スレが荒れるんだよ!!
まだ 判んないのか?
ジャアクじゃなくってジャマモノだって
へえ〜感想を言うのがいけないて誰が決めたの?
それにスレを荒らしてるのは俺じゃなく貴様だろ?
お前こそ邪魔者の名無しだろ
鎌倉幕府の御家人のような連中が集まるスレはここですか?
そのココロは?
恩賞クレクレ?
上手い、もう一杯!!
軒並み総崩れの戦隊ヒロイン系スレだけど
ここのSSはキャラが立ってて良心的だな
任務に掛かる前の日常風景がバカっぽくてイイ
>>199 >195 名前: ◆iQ1CwzKqLM [sage] 投稿日:2005/07/14(木) 10:18:17 ID:P0DYC77p
>魔人サボテグロンを登場させて、キカイダーからグリーンボールも良いな
>キカイダー01からハカイダー5人衆も良いな
>
>196 名前: ◆iQ1CwzKqLM [sage] 投稿日:2005/07/15(金) 21:41:33 ID:vpVjctT8
>プロフェサアーギルも登場させて下さい
>
>197 名前: ◆iQ1CwzKqLM [sage] 投稿日:2005/07/16(土) 11:35:14 ID:TobYINpg
>ジャカンジャの敵はジャカンジャ
>タウザンドがフラビージョとウエンディーヌの脳を狂わせ「ジャカンジャの為に働け。」と言うサインを流す。
>キカイダーではギルが笛の音で「ダークに生まれた者はダークに帰れ。」と次郎を苦しめ変身出来ない様にした。
これの何処が感想だよ…。
それなら俺の作るスレッドにも侵入を禁ずる
上げとこう
208 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/31(水) 02:17:13 ID:pVyIFv75
保守……してみる
ジャアク先生は今あちこちで連載広げすぎて忙しいからな
続きはゆっくり待とう
ひどい精神年齢の奴がいるな・・・。
ここでバンキュリア様のSS投下をリクしてみよう!
あの際どい衣装、ごっつい体格、みょうちくりんな設定、ウーザフォン…
こいつぁ〜萌えるぜ
ここでシェリンダ様のSS投下をリクしてみよう!
あの露出度の高い衣装、豊満な胸、冷酷な性格、バルバエキス…
こいつぁ〜萌えるぜ
213 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/29(木) 19:36:29 ID:KAKOUqf7
当然相手はハヤテになるんだろうが、
せっかく美形?女怪人が多かったギンガマンなのでヒエラヒエラかメルダメルダあたりとの3Pがいいな
シェリンダに騎乗クンニを強制されながら怪人の排泄物に汚されつつ肉棒は怪人の尻穴にブッスリとか
ゼイハブに御奉仕の方が萌える。