爆れつハンターでエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
801、女体化は禁止。
ティラ、ショコラたちをいぢめまくろう!!!
2名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 22:24:28 ID:g7n/X8Ng
>>2ならこのスレにはビッグ=マムの小説しか投下されない
3名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 23:01:15 ID:N4nfO20c
筋肉の妹キボン
4名無しさん@ピンキー:2005/05/09(月) 23:18:50 ID:fEGbdBT9
ドーターちゃんが好きっ
5名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 02:50:17 ID:WCghLO7R
普通に?キャロ×ティラ初夜とか。邪魔入らないやつ。
6名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 22:06:42 ID:wIZETrSx
ティラ可愛い
7名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 23:06:10 ID:dDe/pKbk
のんびりしたしゃべり方だけど高速戦闘するハズ・ナイツのコのキボン
8名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 23:47:42 ID:/cV1LcE5
最終回で奥さんが若返って帰ってきた
オニオンのハッスルする話とか
9名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 05:56:33 ID:2RYutG0k
種の保存のため頑張りまくる鳥人間カップルを
10名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 10:10:18 ID:SQxGFwfT
いくら希望しても>>2が予言しちゃいましたから…
11名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 14:22:11 ID:2F61BYAF
>>9
関係ないけどあの二人ががんばっても
種の絶滅はさけられないよな
12名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 14:51:03 ID:fXXvo0YB
…エンゼル×ティラキボン
13名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 22:04:40 ID:imJATkg8
ミルフィー・ユがいいなぁ♪
14名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 02:25:10 ID:lSXPDKDw
>>2の予言に乗っ取り、マムのマロンちゃん調教日記…とか?


スマソ
15名無しさん@ピンキー:2005/05/14(土) 01:00:39 ID:w3LYD6qQ
昔、コミックをパッと見しただけだけど正直、正ヒロインの妹とより姉キャロの方が萌えた気がする。
16名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 00:09:36 ID:Zu09G/+5
あげあげ
17名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 18:04:14 ID:iSN4/SMT
ジュリアが俺の中では最高のエロキャラ
18名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 04:22:37 ID:0foC5LcK
マロン×ティラがすごく好き
超マイナーだけどね。
19名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 14:17:28 ID:rgSMYEen
>>18
なんとなく解る!
漫画の方の何巻か忘れたけど、おばけ屋敷みたいな所で
二人で話してる場面が印象的だった。
20名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 02:52:04 ID:MTyvKy4H
>>19
おお、同士!!!
初めて見たよ、賛同してくれる人
けっこう、二人で会話してるシーンって何気に多いんだよね
21名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 15:08:33 ID:JOzj2NFR
漏れはキャロ×ショコラが好きだな。
冬の山小屋みたいなところで2人で焚き火に当るエピソードは萌えた。
22名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 23:32:50 ID:er+9ngcM
なんだかんだであかほりの煩悩はすごい…
23名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 14:47:37 ID:iI5t0pc6
SM好きで兄貴好きでホモだからねw
24名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 22:33:18 ID:l21GeWC8
>>23
シー
25名無しさん@ピンキー:2005/05/28(土) 01:24:23 ID:Th8VJAzW
まじ?
26名無しさん@ピンキー:2005/05/30(月) 12:47:02 ID:dusrGKqV
「盛り上がりませんわね…マロンちゃん…」
「しょうがないよ、ティラ…気長に待とう。お茶でもいれようか」
「わーい、マロンちゃんの入れたお茶は、美味しいから好きですわ」
「そんな事より、俺の筋肉を見ろ〜!!!ふん!ぬっ!はぁ!」
「いや〜ん!あたしも!ほらぁ、ダーリンも一緒に!!!」
「嫌だぁぁ!!!助けて、綺麗なおねぇさぁん!ってそこの二人早く助けろ!」
「………ティラ」
「………なんですの、マロンちゃん」
「とろあえず、スレを落とさないよう保守していこうね」
「そうですわね………」
「もちろん、俺と綺麗なおねぇ様のエロエロSSだろうな?」
「いや〜ん!あたしと、ダーリンの新婚エロSSに決まってるじゃない!」
「そんな事より、俺の筋肉を!!!ぬっ!はぁ!ふぬぅ!」

ごめん、保守代わりに投下してみた。
27名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 19:35:07 ID:W+353IqL
>>26
爆れつらしいねw

ティラとミルフィーとか面白そうだな。
28名無しさん@ピンキー:2005/06/09(木) 14:39:37 ID:pu0+jdrv
本気で、エンゼルとティラに幸せになってもらいたかった。
あ、そしたら、そこで原作終わるか………
29名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 04:34:23 ID:kS7TTjeh
書いちゃったから、マロンショコラ投下。
漫画版キャロティラ婚約後。ちょい長くなりました。ご容赦。
30マロンショコラ(1):2005/06/19(日) 04:39:36 ID:kS7TTjeh
身体をゆすられて目を覚ます。誰かが顔を覗き込んでいる。
ぼやけた視界に映った影は、忘れようとしていた人に似ている気がした。
(……ダーリン……?)
はっとして身体を起こす。次の瞬間目に火花が走った。
「……っ…たあい」
見ればその誰かも鼻を押さえて顔をそむけている。
起きた拍子に相手の顔におでこを力いっぱいぶつけたらしい。
こぶを手で確認しながらショコラは彼が「ダーリン」ではないことを知る。
「こんなとこでなにやってんのマロン」
いつものように酒場で飲んで、店を出てそれから記憶が無い。見渡せばえらく狭くて安っぽい部屋だ。
寝かされていたらしいベッドはほこり臭くて少し動いただけできしんだ。場末の宿屋の一室といったところか。
「何やってんのって」
それはこっちの科白だとしかめっ面で赤くなった鼻をさする。
彼の話によれば……自分は酒場に程近い人気の無い道で大の字に寝ていたらしい。
周りに瀕死の重傷を負った男が3人ほど転がっていたと聞いてさすがにゲッと思ったが、
着衣は乱れてなかったらしいし「むしろ男達に対する暴行事件で捕まるほうが心配」とのことで、
そのあたりは心配しなくてよさそうだ。
「連れて家まで帰ろうとしたけど帰りたくないってわめくし、
とりあえず近くの宿に入ったんだ。はい水。飲んで。」
「……ん」
カップを渡したマロンが嘆息する。
叱られているように感じて、年下のくせにとしゃくに障った。
31マロンショコラ(2):2005/06/19(日) 04:42:36 ID:kS7TTjeh
長い三角関係に終止符が打たれてから、ティラはやけに家にいないことが多くなった。
キャロに会っているのか、自分と顔を合わせたくないのか、あるいはその両方か。
どちらにしてもいつも一緒だった彼女が側にいないのは退屈で仕方ない。
だからこのところひとりの夜は決まって酒場に出向く。
勘違い男が絡んでくるのは不快だがそれでもひとりでいるよりましだ。
妹が今度結婚するの。そう言えばたいてい気の良い客や店の親父はおごってくれる。

おめでとう。おめでとう。うれしいでしょう。お幸せに。

祝いの言葉に囲まれるのは気持ちよかった。素直に妹の幸せを喜べるような気がした。何より退屈しないように、余計なことを考えないように、沢山笑って騒げばあっという間に朝が来る。それだけだ。後ろめたいことなんて、なにもしていない。

「ショコラ」
「何」
「こういうのやめたほうがいいと思う」
「こういうのって何」
「兄さんと最近会った?」
キャロットの名前が出て思わず身が固くなる。最後に顔を合わせたのはいつだろう。あたしはいつから彼に会わなくなったんだろう。
「どうして会おうとしないの」
「…まるであたしがキャロを避けてるみたいな言い方ね」
「違う?」
こいつは昔からこうだ。
事情も機微も解さずいきなり核心に触れては正論を振りかざす。それがうっとうしい。
32マロンショコラ(3):2005/06/19(日) 04:47:20 ID:kS7TTjeh
「ティラにだってそうだよ。前はいつも一緒にいたのに」
離れていったのはティラのほうじゃない。
「二人とも心配してるよ」
ふうん、で?なんでマロンがそんなことあたしに言ってくるわけ?
「あてつけみたいに夜出歩いて、らしくないよ」
うるさい。
「今の状態でわだかまりなくお祝いできる?」
同じくせに。あんただってあたしと同じくせに。
「兄さんのこと、あきらめられてないんじゃないか」
……笑っておめでとうなんて言う自信ないくせに!

ベッドが大きくきしんだ。
ショコラに胸倉をつかまれてその上に引き倒されたことが信じられないように
マロンは目を見開いている。
「そんなにあたしがキャロットを忘れられないってことにしたい……?」
ショコラは自分の髪をまさぐった。
「じゃあ、あんたダーリンの代わり、する?」
「え……?」
マロンの腕を後ろ手にまわして針金でくくる。暴れられる前に両足もベッドの柱にとめた。
「ちょっ……ショコラ……これっ」
「トロい。これが仕事なら、もう5回は殺られてるとこよね」
「やめてよ……離しっ…」
「あんまり動かないほうがいいわよ。これだと手首って簡単に千切れるんだから。まあ、」
千切れちゃってもいくらだって遊び様あるからいいけどね。
そういって喉を鳴らしたショコラにマロンの身体がこわばった。
33マロンショコラ(4):2005/06/19(日) 04:49:20 ID:kS7TTjeh
上にのる。キャロットと焚き火にあたった夜を思い出す。
(全然違うじゃない)
彼が愛しくてたまらなかった。愛しくてたまらないのが怖かった。
だから全てを与えたかった。全てが欲しかった。
でも今は?何ひとつ与えたくない。何ひとつ怖くない。
「もう、ショコラ今日はおかしいよ。分かったからいい加減…」
顔を吐息がかかる位置まで近づけた。
少しでもキャロットの面影を探したが見当たらない。
弟なんだから少しは似ていてもいいのに、これじゃ代わりにもなりゃしない。
「離して」
34マロンショコラ(5):2005/06/19(日) 04:52:12 ID:kS7TTjeh
噛み付くようなキス。頭を振って逃れようとするのを押さえつけた。
乱暴に舌をねじ込んで奥のほうまでかき回しては吸う。
他人の舌って思ったよりやわらかくないんだなあ。初めてする「深い」キスにぼんやり思った。
「んん……っう……くぅ…………んんんっ」
自分のほうが息苦しくなって離れると唾液が糸を引いた。大きく吸って咳き込むマロンの
顔にかかった黒髪をすいて、耳元でささやく。
「雪山で皆ちりぢりになったときのこと、覚えてる?」
「それ…が……?」
「あたしあの時ダーリンと最後までしちゃった」
「兄さんは……嘘だって」
「本当のことなんて、言うと思う?」
マロンの服のボタンに手をかけた。言い聞かせるようにひとつひとつはずしていく。
「弟なんかに、言うと思う……?」
弟なんか。その言葉にマロンの顔色がすっと変わった。
「でも嘘だって」
「知りたい?」
「でも」
「ダーリンがどうやって抱いてくれたか。どうやって愛してくれたか」
「でも兄さんはっ……っ」
全部はずし終わるとジャケットを脱いで自分のタンクトップをずらした。勢いに大きな胸がふるんとゆれる。
「教えてあげるね」
ミニスカートを捲り上げ下着を下ろして、ショコラはゆっくりとその身を倒してゆく。
35マロンショコラ(6):2005/06/19(日) 04:54:26 ID:kS7TTjeh
「あんなに毎日女の子追いかけてるのに、ダーリンったらあたしが初めてだったの」
聞きたくない、マロンはそう言いたげにぎゅっと目を固くつむり口を閉じる。
鎖骨の辺りをその唇にあてた。
そのまま下にずらして自分の肌をなぞらせる。かすかに感じる息がくすぐったい。
「はじめは遠慮がちだったけど、だんだん……ね、わかるでしょ」
胸をぎゅっと押し付けると、呼吸ができなくて苦しいのか唇が動いた。
乳首をそこにあてがう。刺激が走る。
「んっ…ここだって……口の中に、入れて舌で、してくれたんだから」
マロンは顔を真っ赤にして、それでもうめき声ひとつ上げない。
…気に食わない。
「……っ!」
胸に手を這わして突起をつねり上げると身体がはねた。
その様子に、ショコラは嗜虐心をそそられる。
ふとももで頭を挟んだ。ひざで立ち、見せ付けるように指で自分の秘部をなぞる。
くちっと音がした。
「それから、ダーリンが指で触れてくれたのは、ここ」
目を閉じたままのマロンにかまわず押し広げた。どうせ耳はふさげない。
聞こえないふりなんて、出来ないんだ。
36マロンショコラ(7):2005/06/19(日) 04:56:35 ID:kS7TTjeh
「少し出てるとこわかる?敏感だからって、舐めてくれたの」
「軽くイっちゃって、恥ずかしかった」
マロンは変わらず黙って何も言わない。腰を落として口に押し付けたらどうするだろう。
キャロットがそうしたといって、舌を奥まで差し込みなさいって命令しようか。
「ね、ここにダーリンのが入ってきたの」
さっきよりも少し後ろのほうを広げてみせる。
「震えるあたしに『お前が欲しい』って言ったのよ」
「痛かったけど……嬉しくて、すごく嬉しくて」
「だから怖くないの」
「ダーリンをダーリンって呼べなくなっても、怖くないの」
「あたしはあの時、キャロットに愛されたんだから」
「ねえ、マロン、見てる?」
「聞こえてるんでしょ」
「ちゃんと見なさいよ」
「見ないと許してあげないわよ、ねえ」

マロンはゆっくりと目を開けた。目を開けて、見た。
「泣いてるの?」

「っ……?!」
とっさに顔を覆った。目元に触れたが涙はこぼれていない。
(しまった…っ)
その瞬間頭に血がのぼる。
見られた。今のを見られてしまった。
泣きたい自分を知られてしまった。
身体のどこより一番恥ずかしいところを見られた……!
37マロンショコラ(8):2005/06/19(日) 05:00:57 ID:kS7TTjeh
服の隙間から手を突っ込んでマロンの中心に触れる。
遠くで何か言っている。でも聞いてなんかやるもんか。
あんたが悪いのよ。見せたくないものを見たあんたが。だから……
「固いよ」
彼の恥ずかしいところも暴かれて当然だとばかりに、ショコラは笑う。
直に触れると熱くて、戯れに擦ると先が濡れた。
普段は何の欲も無いといわんばかりの男の、そういう部分をさらすのは思った以上に愉快だ。
逃げられはしないけど、身体をねじって抵抗されるとやりにくい。
「いい子にしてないと、」
片手でなぶりながらもう片方の手でこれみよがしに針金をもてあそんでみせる。
「多分ここも、痛くなるんじゃない」
はい、おしまい。尋問でだってこう言って大人しくならない奴はいない。
取り出して自身にあてがう。
「このまましたら大好きなキャロとおそろいよね」
少し脅かしてやるつもりだった。先だけちょっと入れて、その反応をあざけ笑ってやるつもりだった。
「良かったね。嬉しい?」
その状態で腰を落とそうとして……落とせない。
(あ……あれ…?)
今まで読んだどの本のヒロインも、初めてのときは痛くて涙を流してた。
でも、やっと結ばれたのねと浸る程度の甘い痛みであったはずだ。
少なくともこんな、ちょっと入れただけでずどんとかごりんとか音がしそうな、
激しく引き裂かれる痛みではない。それなのに。
(いっったああああぁ……)
見れば先の先がわずか埋まっただけ。その事実に戦慄する。
(何で何で、何でよお)
むきになって押し込むと、あまりの痛さに涙がこぼれた。苦しい。
マロンは見ているのだろうか。こんな惨めな自分も見ているのだろうか。
見ないでよ。お願いだから、やめて。嫌だ嫌だ嫌だいやだ―――――
38マロンショコラ(9):2005/06/19(日) 05:04:12 ID:kS7TTjeh
「ショコラ!」
ガツンと頭が揺れた。一瞬気が遠くなり、鼻の中がきな臭くなる。
「―――――――っあにすんのよマロン!」
……こんな場面で男に頭突き食らった女は世界中で多分あたしだけだ。
そう思うと余計に腹立たしくて、きっ、と睨む。さっきまで遠かった顔が目の前にある。
「頭の形変わっちゃうじゃない!」
「嫌だっていうのにやめないから」
ぎくりとする。また何かをみすかされた気がして思わず赤面した。
「なっ何それ、あたしがいつ嫌だって言ったのよ」
「違うよ、ぼくが嫌だって!ほら全然人の話聞かない」
「だからってそう来るかなフツー?!あーもうさっきと同じトコぶつけた!」
「……が…フツーじゃないから……」
ぐらり。
ゆれるとマロンはショコラの肩に額をのせてもたれかかった。
「こっちだってフツーじゃなくなるんじゃないか……」
それきりぴくりとも動かない。急に怖くなってショコラは軽く背中をゆする。
「ま…まさか、打ち所が悪かったとかじゃないでしょうね……ちょっと」
応えるのもおっくうそうに頭がゆっくり振られた。
「……それより、手。あと、足も」
39マロンショコラ(10):2005/06/19(日) 05:06:13 ID:kS7TTjeh
解放されたマロンは息を吐いてのろのろとうずくまった。
よほど無理にもがいたのだろう、手首の跡は皮がずるむけて赤い肉が見えている。
シーツに血がにじんでいるのを見て、今さらながらショコラの胸に罪悪感が広がった。
「………悪かったわよ」
沈黙が流れる。野犬の声すら聞こえなくて、耳に痛いほどの静かな沈黙。
やがてうつむいたまま、マロンが口を開いた。
「想われないから、想わない?」
「……え?」
「一番じゃないからって、忘れないでもいいよ」
「………」
「ぼくは、そう決めた」
この上なく酷なことを言っていると、ショコラは思う。
未来永劫、恋の苦しみだけを抱いていろと、彼はそういっているのだ。
「それは」
だけど、それは同時に救いだ。好きな人と、大事な妹と、どちらも失わないたったひとつの方法。
「あんたが、キャロットの弟だからいえることよね」
首を振る。しぐさが泣いてばかりだった昔の彼に重なる。
「たかが、弟だよ」
誰もが時間の流れの中で過去に置いていくような幼い憧れを、後生大事に抱えて大人になっても振り回されて。
その姿はまるでそっくり自分を映したようだ。
「馬鹿みたい」
自嘲ぎみに笑う。つられてマロンも笑う。
「そうだね」
「じゃ、あんたは『兄さん』で手一杯だから、一生童貞でいるつもりなんだ?」
「な……べっ別に」
耳まで真っ赤になったマロンに軽くくちづけてささやいた。
40マロンショコラ(11):2005/06/19(日) 05:09:32 ID:kS7TTjeh
「ねえ、代わりの続き」
そっちのほうを選ぶなら、今は傷を舐めあおう。だって好きなんだから。
「好き」が叶いそうにないんだから。恋も、深すぎる肉親の情も、
報われそうにないならお互いそれくらいの過ちは犯すべきだ。
わずかに逡巡したように間が空いて、ぎこちなく押し倒された瞬間、
キャロットの顔が浮かばないことを、不思議だと思った。

身体の重さに緊張する。こういうときどんな顔をしていればいいのだろう。
物語のように頭が真っ白になんかならなくて、しかたなく相手の顔を見ないように視線を泳がせる。
(あつ……)
肌に口付けられて触れた舌が、ひどく熱く感じた。
何度もそうされて、胸元がいくつかの赤いあざに染まる。
動くたびに身体をなぞるマロンの髪に感覚を刺激される。
胸の敏感なところを含んで口の中で転がされた。声をあげそうになって、慌てて手の甲をかんだ。
喘ぎ声なんてあげたくないのだ。
これを望んだのは自分なのに、そのくせ欲情に狂う女の顔をさらしたくない。ふいに自身の言葉を思い出す。

はじめは遠慮がちだったけど、だんだん……ね、わかるでしょ。
(わからない)
口の中に、入れて舌で、してくれたんだから。
(嘘。嘘。嘘つき)
……ダーリンが指で触れてくれたのは、ここ。

「んんっ………」
そこをなぞられて思わずびくっとなる。壊れものを触るように動かされると水音がした。
聞こえないようにしても、もれてしまう嬌声が、少しずつ大きくなっていく。
その音から、自身の声から逃れたくて、耳をふさぎたくてたまらなくて、でもふさげない。
羞恥心を知られてしまう。張り続けた虚勢が暴かれてしまう。
41マロンショコラ(12):2005/06/19(日) 05:11:39 ID:kS7TTjeh
「や……ああ……」
指を少し深く入れられて、思わず背をのけぞらせた。
縛られていると思った。どこを拘束されなくとも、縛られて、責められている。
「覚え……てるっ…の…?」
もしかして、さっき言ったことを覚えていて、わざとそのとおりにやっているのだろうか。
「何が?」
口だけで答えてマロンは頭を下のほうにすべらす。
よく分かっていないようにも、分かってとぼけているようにも聞こえた。
「ひうっ………くっ……いやあっ……ああっ」
舌が、濡れている傷口に触れて動いた。粘膜で蹂躙されている感覚にちょっとずつ、
確実に追いつめられて、身体が制御できずにもがく。
一瞬大きく震えて力が抜けた。身体の奥がゆるく何度か痙攣している。
(あ……)
手が自分のものじゃないように小刻みにぶれている。
それがどういうことか知って、あまりの恥ずかしさにどうしたらいいかわからない。
「や……や……」
暖めるように手を握られる。きゅっと抱かれてようやく落ち着く。
「ショコラの」
目が合う。何故かすねたような表情で耳元まで近づいてきて、ぼそっと一言。
「嘘つき」
かあっと顔が熱くなった。なんで、どうして、
「分かるの?」「やっぱりそうなんだ」
………カマかけやがった、こいつ。
心なしか嬉しそうに目を細めるマロンの腕を払い、頬をぐいっとつかんで上下左右に引っ張る。
「陰険ー!最低ー!もーもーもー!」
「いひゃいっいひゃいっててっ」
意外にのびる。調子に乗って限界まで伸ばしぐりんぐりん回す。
「あーそおですぅ、ダーリンとはしてませんーだからなによお悪いっ?!」
つかんだ頬の肉を最後にぎゅっとねじって離した。
42マロンショコラ(13):2005/06/19(日) 05:15:50 ID:kS7TTjeh
すっかり赤くなったところを涙目で抑えてマロンは
「別に、悪くないけど」
そうもらすと、ショコラに寄りかかって目を閉じた。
「うん、別に悪くないよ」
図々しく甘えんじゃないわよとも言おうとしたが、
普段は人を寄せ付けないような幼馴染の意外な一面が、
不覚にも心地いいと、ショコラは思ってしまった。

「あ、ま……まって」
あてがわれると、さっきの痛みがよみがえってくる。
「ちょっ……ほんと、ちょっとだけ……ごめ…」
「やめる?」
まだ戻れるよ。マロンの目がそういっている気がする。

苦しまないでいられるところまで戻れるよ。
―――――キャロットを、欲しがり続けなくてすむよ。

真っ直ぐその目を見返した。できるだけ深刻にならないように言葉を選ぶ。
「ダーリンと、えーと、えっちするとするわね」「うん」
「初めてをあげるのもいいけど、うまくいかなかったら、気まずいわよね」
「うん」
「だから、練習。ダーリンにいっぱい、喜んでもらうための、あんた練習台」
「………うん」
首筋にキスされる。もう一度、下半身の熱が自分の入り口に当たる。
まだ何もしていないのに、額に汗がにじむ。
痛みなら仕事で慣れている。腹を刺されたことも数え切れないほどある。
それに比べれば造作ないはずなのに、どうして今はこんなに怖いのか。
43マロンショコラ(14):2005/06/19(日) 05:28:50 ID:kS7TTjeh
「なすとか、きゅうりとか」
力を抜こうとする。自分でもしょうもないことをしゃべってると思う。
「そんな、食べ物を粗末にするのもなんだし」
ぐっと圧迫される。どちらかの喉がひゅっと鳴る。
「第一、あんまり、野菜とか苦くて、好きじゃな、い…か……ら…ね、ねえ、マロン」
なんか、しゃべって。いや、しゃべらないで。
「あ、その」
「……黙って」
「―――――――――――っっ!」
一気に差し込まれてショコラは声にならない声をあげた。
これは何の罰かな。あまりの激痛にぼんやり思う。
キャロを想ってティラを傷つけてマロンを玩具にした罰か。
それを繰り返そうとしていることへの罰か。
彼は入れたままじっとしている。自分を哀れんでいるようで、とても耐えられない。
「う…動いて……お願い…おねがい……」
子供をあやすように頭をなでられて、やがて傷つけないように遠慮がちに動かされる。
ベッドのきしむ音だけが異様に部屋に響いて、ショコラはマロンの背中にしがみついた。
「いっ…んっ……あっ……あっ」
痛みと、こころもち感じる甘さに腰が引けないよう必死ですり寄せる。
抱かれる腕にぎゅっと力がこもった。増す激しさに戸惑いながら、終わりが近いことを知る。
最後の瞬間、「ダーリン」と言おうとして、やめた。
それだけは、これから先の覚悟として、とっておかなくちゃと、思った。
44マロンショコラ(15):2005/06/19(日) 05:30:37 ID:kS7TTjeh
「新婚旅行に内緒でついてっちゃおうかな」
自分の赤毛とマロンの黒髪を同時につまんで手遊び、ショコラはつぶやく。
「だって妻の座はティラに譲ったんだもの。初夜は愛人のあたしがもらわなきゃ」
「……悪趣味」
「うっさいわね。なんならあんたも来る?」
「え……えええっ」
慌てたマロンのふとももを布団の下できゅっとつねってにやりとする。
「何考えてんのよ、ムッツリスケベ」

そう。
抱きついて裸で迫って、キャロットは騒いで、ティラがわめいて。
ガトーはあきれて、あんたは後ろでこっそりムッとしてるんでしょ。
ああ、それは良く知っている光景だ。願ってはいけないと知りながら、心のどこかでずっと戻りたかった光景。
自分が変わらなければ、決して失わないことにどうして気づかなかったんだろう。
酒場での祝福が耳に響く。

幸せに。幸せに。どうかどうか幸せに。

「………幸せに、なれるかな……」
誰が、とは聞かれなかった。代わりに黙って抱き寄せられた。
腕を回して抱き返して、ショコラはほんの少しだけ泣いた。
45名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 05:37:53 ID:kS7TTjeh
投下終了。失礼致しました。スレに人が増えますようにと願いつつ。
46名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 22:06:58 ID:DGyYhLvU
>>45
GJ!!!
切なくて泣ける…
ショコラ…幸せになって欲しいな。
47SS保管人@ラノベ系強化週間:2005/06/22(水) 01:32:36 ID:D9gxlhIf
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/

職人様、
このスレに投下されたSSを当方の保管庫に収蔵させてもらってよろしいでしょうか?


48名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 00:54:02 ID:qwO1rbgU
保管人様 お疲れ様です。
30-44投下した者です。上のでよければどぞ。
ただ、当然ながら他の方の投下分に関しては、判断つきかねます。
勝手が分からないのですが、それぞれに聞く形になるのでしょうか。

>>46
とってもthx
幸せにはなってほしいが、報われてないショコラにも正直萌えるんだ…
49名無しさん@ピンキー:2005/06/26(日) 20:11:57 ID:7WihDIWU
GJです!マロンちゃん初めてなのに上手そうだw
50SS保管人@ラノベ系強化週間:2005/06/28(火) 02:18:01 ID:b+rxAbWb
問題なさそうなので収蔵させてもらいました。

2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/

収蔵に問題がある場合はすぐに削除させてもらいますので。
51名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 19:43:12 ID:7MpaMrY8
保守代わりにキャロティラを祭ってみよう。



新婚ってさあ、もっと甘いもんだと思ってたのよ。

家に帰るとベェァリーキューツでエクスェレントな巨乳の奥さんがよ、
裸エプロンとかして味噌汁作ってるわけ。お尻がきゅっと上がっててさ、
動くたびにあひるちゃん?ってぐらいにふりふり揺れるのよ! 
ああ、もうそれだけで突進モード入るね。マドリードだね。ホセだね。
……が! が、そこをちょーっとこらえてそろそろと近づいてだな、ぐっと抱きしめ耳元で「た、だ、い、ま」
そうだぜブラザー、さりげなくその胸に手を這わすことも忘れないとも。
重そうなパイオツが手の中でたっぷんたっぷん揺れるさ。
股間にはあひるちゃんヒップがむにゅって当たっておれのそこは動脈硬化?
お医者さん来て息子が危篤って感じ。ちょっと違うか。まあいいや。
そこで振り返って与えられる刺激に吐息をもらして彼女は言うんだよ。
「んっ、もう、すぐ出来るから待って」
おれはおもむろにキッチンの火を片手で止め、そのぷりぷりの唇を指でなぞり、
はいここで決め台詞「先に君を食べたいな」


うん、これだ。これが正しい新婚の姿だ。
つまりな、おれが言いたいのは、
奥さんがいくらキューツで巨乳で裸エプロンでもよ、
必死の形相で鞭を振りまわして元味噌汁だったものと家中壊しながら格闘してたら、
甘々とはほど遠いよなあってことだよ。
52名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 19:45:39 ID:7MpaMrY8
「あ、キャロ、お帰りなさいまし。今お味噌汁作ってますから」
いや、嘘だろ。なんかアメーバ状になって奇声発してるんですけど、あれ。
「ちょっと調味料間違えて、かさが増えちゃいましたの。
『人間はもう駄目だ』とか言って襲ってきたもので、お家の中ちらかっちゃったんですけど。
だから……ふんっ!」
触手を伸ばしてきたソレを鞭で打ってつむぎ糸を引くと、急所にもろヒットしたらしく、
アメーバは『私が……間違っていたのか』と感慨深げにつぶやいて倒れた。
そうだな、人間の愚かしさを憂える味噌汁は確かに間違ってるな。
テーブルの上を見ると、目玉のついたアレとか、足の四本生えているコレとか、
不自然にぴくぴく痙攣しているドレとかが、皿の上にのっている。
……皿の上ということは、やっぱりあれか、食えということか。
息を切らしやり遂げた顔をしてティラは振り返る。汚れた頬をぐいっとぬぐって仁王立ち。
ああ、裸エプロンの女性がこんなにも漢らしいとは。
「ご飯にします?お風呂にします?それとも……」
そこで言いづらそうに恥ずかしげにうつむいて上目遣いにおれを見る。
「あ、あ、あ……たし、…とか……」
かぁ、もうお約束だなこんちきしょー。
「ご飯は?」
「出来てますわ。つたないですけど、心をこめて倒しましたの」
「……風呂は?」
「出来てます。つたないですけど、心をこめて削りましたの」
かぁ、もうお約束から斜め45度脱線風味だなこんちくしょー。
勿論おれは嬉しいぜ。できれば心だけいただいて逃げたいくらい嬉しいぜ。
53名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 19:48:58 ID:7MpaMrY8
勢いで結婚したおれ達は深刻な問題に直面した。
家事炊事をどちらも今までまともにやったことがないのだ。
おれはマロンに、ティラはショコラにまるっきり任せていたからな。
まあ、それでも、マロンは何故か家にだらだらいたし、
ショコラは毎晩夜這いにくるしでなんだかんだと不便は感じなかったんだよ。
……ティラがある日大爆発するまでは。

そりゃあな。おれだって女房の手料理食べたいよ。
エロっちいことも人目気にせずギンギンにしたいさ。
ナンパとかもうできないわけだし、
周りが騒がしくて旅行から今までまともにいちゃつきもしてないし。
その点じゃ、不便じゃないけど不満は感じてた。

でもよう、ティラが全部ひとりでやると言ったあとの七日間ずっとこの状況で、
新婚気分はちょっと無理があるんじゃねぇの?

ピンクのテーブルクロスの上で震えているクリーチャー達を見て思い出す。
ああ、これ、おままごとだ。
おもちゃの食器に花ビラ盛って、虫の死骸ものっけて泣かせて、
お父さんと呼ばれてこそばゆかった、あれだ。
ティラはおれの手伝いも拒否して必死に完璧な奥様をやろうとしている、らしい。
その結果がこの大掛かりなおままごとだとしたら、
(可愛そうだなあ)
他人事のように思う。
おかしいな。おれ、こいつの夫なのに、他人事ってさ。
54名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 19:50:42 ID:7MpaMrY8
疲れる。
思わずそんな言葉がよぎる。
怖くなって頭を振る。

黙り込むおれを見てか、ティラが不安気に顔を覗き込んだ。
何を間違えてしまったのか、分からないまま叱られる子供みたいだ。
それが息苦しくて、何とか空気を変えようとする。

「その3択だったら………お、お前かな…」
あ、すんごい赤い。髪と顔の境界線が無いくらい赤い。
「……あ……う……いっいやっあたしもそれはやぶさかではないのですけれどっ
……で、でも、色々、準備とかですね、ありますしっ……」
今さら消去法とは間違っても言えんなこりゃ。
しかし、少なくともあのクリーチャーズを口にするのだけはなんとしても避けねばなるまい。
「いや、その、とりあえず腹は減ってない、し、おれもね……はは…」
「じゃ、じゃあ、お風呂! 先にお風呂、入ってき……ませ……ん?」
55名無しさん@ピンキー:2005/07/03(日) 19:54:12 ID:7MpaMrY8
今日は終わり。次は一週間後くらい。大体3回くらいで終わる。
次でエロいといいなあ。
56名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 17:45:10 ID:wS/gQDDc
料理が敵になるなんてちょっと笑ったwww
ティラらしいっていえばらしいけど。続き期待してますよ。
57名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 12:44:56 ID:WgvxH2dE
おもしろいw
続き期待してます
58キャロティラ続き:2005/07/08(金) 23:51:09 ID:14SIvBqX
今日の風呂は、思ったより原型をとどめていた。
まあ、天井にでっかい穴が空いてたり、ドアががたがただったり、
護符とか貼ってあったり(つーか、マロン、来てたならどうにかしろよ)
そんな程度には変わってたが。
栓をひねる。おし、シャワーも使えるな。
目をつむって浴びていると、背中でドアが開く音がした。
「キャロ、お背中、流しますわ」
ティラの声がすぐ後ろでする。後ろ?
「は……ええ?!」
いや、おれタオルも巻いてない裸なんですけど?
慌てて振り向こうとした首を押さえられる。……あ、ぐきってなったぐきって。
「じっと、してて下さいまし」
妙な迫力を感じて、こくこくとうなづいた。剣でも突きつけられたように、動けない。
身体越しに腕が伸ばされて、シャワーが止まった。
そのまま首にその腕が回る。締められそうで肩をすくめる。
背中になんか、弾力あるもんが当たった。かと思うとぎゅーっと押し付けられた。
(う、わ)
密着している。女の身体と、隙間無く。
いつの間につけたのか、泡のくちゅって音がえらく卑猥だ。
てか、貴方も裸ですか?裸族ですか?人類皆兄弟ですか?
押し付けられた胸がそのうち上下にこすり付けられた。
二つのコリコリした豆みたいなもんが、背中を這い回る。
ティラは時々つまさき立ちになるらしく、その度、背中に体重がかかる。
気持ちいいというか、そうされていること自体に、おれは緊張し、興奮する。
ティラは無言だ。おれも無言だ。二人の呼吸音だけが妙に耳につく。
首に回されていた腕が滑るように下りた。泡がなぞった肌の跡につく。
そのまま、彼女の手はおずおずと、おれのへそを撫でて、下へ、
59キャロティラ続き:2005/07/08(金) 23:53:31 ID:14SIvBqX
「たっすっストップっ」
慌てて振りかえった。いや、さすがに、それは今ちょっと。
顔を見た。振り返ってはいけません。戻れなくなりますよ。唐突にそんな昔話を思い出す。
ティラは曇った眼鏡をぬぐいもせず全裸で立っていた。
だから、表情がまるで読めない。思わず口走りそうになる。

………誰だ、あんた。

しばらく黙ったかと思うと、目の前の彼女がいきなりおれの手を掴んで自分の胸に押し付けた。
うつむいて、手を強く握って、乳首の部分に押し付ける。
何がそんなに怖いんだ、手の柔らかい感触より、握る力の強さに思う。
とっさに振り払った。また掴まれる。今度は、彼女の下腹部に。
「いっ……」
ぬめっとしたものが指を包む。彼女の身体の奥に触れている。
「あ、あたしも、洗って下さい」
うわずった声で言うと、掴んだ指をその部分にこすり始めた。
唇からこらえた息が漏れる。
眉間に皺を寄せて、彼女は恐ろしいことに耐えるようにおれの指を、使う。
そこだけ別の生き物で、指をむさぼられているみたいだ。
盛り上がったところに触れると、きゅっと太ももが閉じて余計に圧迫された。
おれ? さっきからの想像ぶっちぎり超展開にもう鼻血でそうさ。
股間は膨れて痛いくらいだよ。でも、でもだよ。
(あ、駄目だ)
うん、こりゃ駄目だ。なんでか知らないけど、とてもこれは、駄目だ。
指を引いた。その刺激に感じたようにんっと小さく声が上がる。
「自分で洗えよ。ガキじゃねえんだから」
やべ、キツい言い方した。
60キャロティラ続き:2005/07/08(金) 23:57:08 ID:14SIvBqX
おままごと。あの日、ティラと二人きりの。
どうして今ここで、思い出すんだろう。

「あたしは……」
一瞬固まって、すぐティラは立ち向かうようにおれを見上げる。
「キャロが、好きです」
壁際に追い詰められる。乳房が揺れる。眼鏡は相変わらず白く濁ったままだ。
「今は、至らないですけど、すぐ何でも出来るようにします。キャロが望むことなら何でもします。
だって、あたし、キャロの奥さんなんですもの」
お帰りなさい。ご飯にします?お風呂にします?
「だから、何でも言ってください。何が欲しいですか?どうして欲しいですか?」
あ、あいつ、キャロットじゃねえの?
うわ、ままごとだってよ。だっせえ。
「一緒に住み始めてから、キャロ、二人っきりの時、
一度も楽しそうになんて、笑ったことないじゃないですか」
おかーさーん、ぼくおっぱい飲みたいでちゅ、ぎゃははは。
「お姉様やマロンちゃんならいいんですか。あたしじゃ駄目なんですか」
馬っ鹿ヤロー どいつだ今笑ったやちゃあ
「あたしが、こんなだからですか。あたし、キャロに無理させてますか」

そうだった。
おままごとの終わりは、からかった奴にむかついて、敷かれたクロスを勢いよく

「あたしは、」
「なあ、ティラ」

引っ張ったんだ。


「もう、やめねえ?」

61キャロティラ続き:2005/07/08(金) 23:59:06 ID:14SIvBqX
いい加減、眼鏡が邪魔だと思った。
手を伸ばして、はずす。呆然とした、ティラの顔。
「だって、お前だっておれと二人で、ちっとも楽しそうじゃねえもん」
ふと思い立ってかけてみる。視界がぼんやり濁る。目の前のティラがただの塊だ。
「いいじゃん、出来ないもんは出来ないでさ」
そっか。ティラはおれのことこんな感じで見えてなかったんだ。
そりゃ不安になるわな。見えてないティラも。見られてないおれも。
「マロンにさ、飯頼もうぜ。それぐらいいいだろ。
ショコラだって暇じゃん、何かしてくれるんじゃねえの?」
眼鏡をはずして、真っ直ぐにティラを見る。
今にも泣きそうにその顔が歪んでいる。子供の時とちっとも変わってない。
それが可笑しくて、思わずくっと笑った。

パコーンッと固いもんが頭に直撃した。床を洗面器がぐるぐる独楽となって回る。
間髪入れずグシャッガンッドゴンッビヨーンとこの世のあらゆる擬音を立てて何かが次々頭を打っていく。
「ぎえっおい待てっティラ…待てっつーの!」
投げるものがなくなると、ティラは外れかかってた風呂のドアを引きちぎって振り上げた。
いや、それ、普通に死ぬし。
………さようなら、皆さん。今までキャロット君を応援してくれてありがとう。
だが、いつまでたってもその瞬間は訪れなかった。
恐る恐る顔を上げる。ティラはドアを振り上げた格好のまま、ぼろぼろ涙を流してた。
「キャロの……キャロの……」
はい、馬鹿です。知ってます。だから許せ。
「………言うとおりですわ」
ゆっくり下ろされるドア。そのままうずくまってしゃっくりあげる子供みたいなティラ。
おれも何だか腰が抜けて座り込む。ああもう、めちゃくちゃだな。
周囲には石鹸やらスポンジやら散乱してて、天井には穴が開いて。
おままごとが終わる。あの時と同じ、最悪の形で。

(何でこうなるんだろうな)
おれだって、ちっとも変わってねえんだ。
62キャロティラ続き:2005/07/09(土) 00:02:05 ID:dUWGCGSP
「ティラ」
湯船に手をつけて呼びかける。両手を組んで、力を入れる。
ぐすぐす鼻を鳴らしてこっちを向いたティラの顔にぴゅっとお湯がかかる。
「蛙」
もっと泣くかな。怒るかな。どっちでもいい。
「………」
驚いたように目をしばたいたティラは、泣くのをやめた。
惚けた顔で辺りを見回す。
「……酷いですわ」
風呂がか。おれがか。
背筋に悪寒が走った。そういえばさっきから二人とも裸で濡れたままだ。
手を伸ばす。肩に触れるとやっぱり冷えている。
魂が抜けたような表情でおれを見つめるティラの唇を、えらく無造作に、
自分のそれでふさいだ。
そのまま止まる。口と口を合わせるだけの、ガキみたいなキスだ。
顔を離すと、ティラはぷはっと息を吐いた。
そういや、キスのとき息止めるんだよなこいつ。
63キャロティラ続き:2005/07/09(土) 00:03:10 ID:dUWGCGSP
「キャロットは……おままごと、好きじゃなかったですものね」
「え……」
何だ。あのときのこと、覚えてたのか。
「だから、今度だって、いつ『やめた』って、何処か行っちゃうんじゃないかって」
「今のは、おままごとじゃねえじゃん」
おれの腕の中で、否定するように頭を揺らす。
「おままごとですわよ。こんなの。ちゃんと分かってます」
「ティラ」
「分かってて、気づかないふりしてました。ごめんなさい」
また、するすると涙が伝う。……そっか、分かってたか。
分かってて、おれが何処か行っちゃうのが怖くて、
むきになっておままごとじゃ無くしようとしてたか。
いつもおれを馬鹿だと言うくせに、おれと同じくらい馬鹿で、可愛そうなティラ。
あれ、可愛そうと可愛いは同じ意味なんだっけ。
馬鹿で可愛そうなティラがもうどうしようもなく可愛く思えた。
おれ、やっぱ酷え奴か。
胸に手を這わす。動かしもせず包み込む。旅行のときも触ったはずで、
さっきを入れれば三度目なのに震える指が自分で情けない。
おれにしがみついたティラの手に力がこもる。
切なそうに目を閉じて、口の中で呟いた。
「………ベッドが、いいです、キャロ」
64名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 00:07:22 ID:dUWGCGSP
じゃ、続き書いてきます。2〜3日くらいで落とせるかも。あ、わかんないけど。
65名無しさん@ピンキー:2005/07/09(土) 23:37:24 ID:4S55TVWj
>>64
ティラ可愛い!
がんがれ。まったり待ってる。
66名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 02:04:51 ID:cfME/wID
保守あげ
67キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:21:11 ID:ip8CJ5Oq
ろくに拭かずにベッドに倒れこんだから、シーツが湿っぽくなった。
「すげえ濡れてるな」
そういうと、ティラは恥ずかしそうに身体を縮こませる。
「や、い、言わないで下さい」
………あー、そっちの意味じゃなくてね。おれのほうが恥ずかしいじゃねえか。
気まずさを誤魔化すつもりで口づけた。
舌をちょっと出して唇をなぞると、ティラもおずおずと舌をのぞかせて応える。
小さく水の音がする。
あ、今って、ティラの内側とおれの内側が繋がってんだ。そう思うとすんごい、いい。
それにしても、何でこいつ、こんな時、息しないで異様に静かなんだろ。
「人間には鼻という呼吸器官が備わっています」
教えてやると、笑ってるんだか困ってるんだか分からない表情になった。
いや、もう、可愛い可愛いすんげーかっわいい。それ以外、出ねえよ。悪いか。
ぎゅーっと力いっぱい抱いてみる。
こんなに体重かけて女の身体って潰れないのが不思議だ。
髪も、胸も、腹も、足も、身体全部使ってティラの表面全てに触れている。
背中に手を這わせて尻をなでた。
「う、んっ…キャロ……」
耳を舐めると、名前を呼ばれる。答える代わりに頬にキスした。
「……は、今まで、何人の女の子と、しましたの…?」
「───っ!」
ぶっと噴出して固まる。今か。今この場で聞くかそれ。
「そっそりゃあよ、わたくし愛の伝道師だからしてですな、
愛振り撒きまくりというか、泣かせた女は一山いくらとか、
慰めた女は女郎屋で競売とか、ハイヒールで踏まれて思わずエレクトとか、
もう行くとこまで行っちゃっておりますよええ」
………これじゃただの『鬼畜&マゾ奴隷もいけます変態』だ。
68キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:23:54 ID:ip8CJ5Oq
尻に置いた手を、もっと奥に差し込んで、ゆっくり動かす。
動かす指にあわせて声が漏れるのが楽器みたいだと思う。
「あ……うぅ……はぅ……いぁ……」
おれから逃げるように、身体をくねらせてずり上がる。
触れたところはどろどろになって、指を曲げると水が溢れてついてくる。
こんなに濡れたティラのここは初めてで、どっか壊れてんじゃないかと不安になるくらいだ。
突起になってるところに触れると、
ひときわ高い声で鳴くから、こっちも驚いて止まった。
「痛かった?」
「え、あ、だ……大丈夫、です……」
初めてそこに触れたときも、さっき触れたときも、
ティラはまるで怯えるみたいに苦しそうで、傷つけているのかとおれはいつも怖い。
だから今度だって、とまどう。
どうしたらいいか、何回やっても本当にはよく分からん。
突然ティラの手が、ぎゅむっとおれの硬くなっているところを握った。
いきなり強くされたもんで、思わず「ぐえ」と声を上げる。
69キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:26:03 ID:ip8CJ5Oq
「あ、痛かったですか……?」
「い、いや、大丈夫」
大丈夫だけど、事前にそれらしい振りぐらいして。お願い。
それきり何も言わず指を動かす。撫でてみたり、軽く揉んでみたり、
どうしたら良いか分からないように、あっちこっちとせわしなく這う。
(う、やべ)
むずがゆくこそばゆい感じで、だけど思わず出してしまいそうだ。
慌ててティラの手を押さえると、また何か間違えたかと問うようにおれを見た。
「最初はさ」
そういや、これで邪魔入らなかったら、ちゃんと、最初なんだな。初夜って奴。
「……中がいいよ」

つか、入るんかこれ。あてがっても、きつ過ぎて入り口から先に進まない。
「キャロット……早く」
苦しそうな声が響いた。入れられる方は、洒落にならんくらい痛いんでなかろうか。
「そこで、いいから……もっと、奥……」
痛いことは、じわじわより一気にやっちゃった方が楽に決まってる。
そう自分に言い聞かせて、半ば無理矢理に穴をこじ開けた。
ひきつった声が耳元に届く。悪い、気にかけてやれるほど余裕ねえんだ。
「くっ……」
ぎりぎり締め付けるそこに、ちょっと動けば吐き出しそうになる。
幾らなんでも入れてすぐは嫌だ。よし、こんな時こそ数学だ。円周率でも唱えるぜ。3。
「終わった」「え、もう?」
はっと口を押さえてティラは潤んだ目をおれに向ける。
「昨日の夜は素敵でしたわ、キャロット」
いやいやいや、まだ一応お前の中で元気だし。
一人で朝まで時間をすっ飛ばすな。
まあ確かに、気が動転して、
「この後も、まだまだ続くよ」
と間抜けな答えを返すおれもどうかと思うけどな、うん。
70キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:28:50 ID:ip8CJ5Oq
試しにわずかに身を引いて、もう一度押してみる。
腰が引かれて、肩を掴んでいる手に押し戻された。
意外に強いその力に、どす黒いような気持ちが沸く。今更止められるか。馬鹿。
追って捉えて繰り返す。始めは少しずつ、段々大きく。
「ひっ!……やうっ………つっ……んっ……」
ぐちゃぐちゃした音に、そこを喰らって咀嚼している錯覚。
紅い髪が頬を打つ。思わずそれを手で踏んでしまう。
おれから顔を逸らせなくなったティラが、ぎゅっと眼をつむる。
「キャロ……ぃ…痛…見な…いで、め、がね……どこ……」
いらねえよ、んなもん。
お互い、溺れる人のようだ。もがきながら目の前の肉にしがみ付いて離れない。
締め付けられて、苦しい。何かに取り付かれたように、おれも、ティラも揺れる。
「あ……」
どちらともなく声を漏らした。二人して肩で息をして目を合わせる。
恐る恐る引き抜くと、ずるっと音がしそうな感覚と、
混ざって桃色に染まった液が、シーツに漏れるのを見た。
見詰め合って沈黙する。
「はは」
思わず笑った。これは何の笑いだろう。もう少し感動するのかと思ってたけど、
脱力感のほうが先に立って、何も考えられない。ティラはティラで、何も言わずぼけっとしてるし。
どっか悪くしたかな。結構乱暴にやっちゃったもんな。
とりあえず頭を撫でてみた。あ、布団に潜った。
「そのまま寝たら鼻血出して死ぬぞー」
呼びかけるが出てこない。待つこと10分、動かないティラの頭を仕方なく撫でていると、急に眠気が襲ってきた。
ヤるだけヤった今、即効寝たら、おれすんげー自分勝手な男じゃねえか?

……まいっか。汚れたシーツも壊れた家も、明日だ明日。
免罪符のつもりでもう一度ティラの髪を触ると、そのままおれは、意識をあっさり手放した。

71キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:30:42 ID:ip8CJ5Oq
嬉しいやら悲しいやらが、ごっちゃになった夢で目が覚める。
窓の外は濃紺だ。夜明けが近い。
(何だったっけ)
すぐ横でティラが眠っている。まだ覚めない頭で昨日をたどった。
(そうか)
納得すると、喉が渇いているのに気づいた。
台所に行くと、コーヒーらしきものがポットに溜まっている。カップに注いで飲む。
「まず……」
子供の頃遊びでうっかり飲んだ、泥の味がした。
これだってティラが作ったにしては、上出来なほうだ。
ベッドに戻り耳元でささやいてみる。
「お嬢さーん。僕と一緒に夜明けのコーヒー飲みませんかぁ」
「キャロット……う、浮気は……」
うなされ始めた。失敬だな君は。
これが夢にまで見た「夜明けのコーヒー」ね。もう、全然思ってたのと違う。
上手にいかないおままごと。理想は何一つ叶わなくてさ。


「でも、まあ、いいよ」

72キャロティラ続きの続き:2005/07/14(木) 00:31:55 ID:ip8CJ5Oq
やろうぜ。がっつりと、おままごとでも何でもよ。
例え嫌になって投げ出しても、
その時は泣いてるお前の手を引いてどっか遊びに連れてってやるから。

今日は部屋と風呂を片付けたら、マロンのところ行ってコーヒーの入れ方を聞きに行こう。
旨く入れられるようになったら、夜明けに叩き起こして一緒に飲むんだ。
それぐらい付き合え。
頬を軽くつねったら、何を勘違いしたか、ティラはにへらっと笑った。
どんな夢みてるんだか。笑って眺めながら、カップにもう一度口をつけた。
「やっぱ不味いわ……」



73キャロティラおまけ:2005/07/14(木) 00:34:30 ID:ip8CJ5Oq
「よっしゃあっ体液を吐き出して攻撃してきたぜ! 次はどうすればいい?!」
「とりあえず、朱雀かなあ」
マロンは護符を手でいじりながら、肩を落とした。
「そうか、よしマロン行け! お前はやれば出来る子だ!」
「………本当にぼくの言う通りに入れた?」
手伝おうとしたが絶対に手を出すなと言って聞かないので、放っておいた。
その結果がこれだ。
「勿論だとも。目に浮かぶぜ、一杯の旨いコーヒーのためにお前がアレと死闘を繰り広げた日々」
「そんな日々知らない……」
「あーもーいちいち細けーなー。ま、せいぜい後ろで応援してますよ。
何故ならおれはやっても出来ない子なのだから!」
胸を張って威張られた。さっきまで少し口を出すだけで噛み付かんばかりだったのに、
この期に及んで現金なものだと思う。
(まあ、これ以上壁を溶かされても困るし)
このままだと今度は自分の住む家が無くなるし。
既に壊滅状態のテーブルと椅子は諦めて、
マロンはコーヒーらしきものに向けて印を結んだ。
74名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 00:36:16 ID:ip8CJ5Oq
終わり。祭った祭った。意外に長かった。DVDボックスもうすぐだね。
75名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 01:26:12 ID:lWwQC+Fy
キャロ×ティラGJ!
不器用な二人が可愛くて愛しい気分で、ホロリと来ますた。
76名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 01:48:28 ID:YQpFw3ZN
漫画・小説版とアニメ版でも大分キャラ違うよねこの作品。
ストーリーはアニメ派だけどキャラは漫画のほうが好き。
5巻くらいまでの濃い臣士絵が良かった。
77名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 21:55:14 ID:fwXwPd9/
保守
78名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 09:55:07 ID:o9J1cYl8
職人待ち
79名無しさん@ピンキー:2005/08/11(木) 01:19:52 ID:NfsWtjkQ
ageそして保守
OVAの乳揺れすげー
80名無しさん@ピンキー:2005/08/18(木) 19:34:05 ID:NJ6bq5xy
マムにエロ萌えする熟女好きはいないか
そうかいないか

髪型さえどうにかなりゃあな…
81名無しさん@ピンキー:2005/08/19(金) 23:45:31 ID:gy1o6WY/
過疎ってんね保守
82名無しさん@ピンキー:2005/09/01(木) 06:16:30 ID:mFaipIgk
バルバラ
83名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 04:53:17 ID:LiDcLL72
内容:
なんとなしに見つけて一気読み。


…スゲースゲーよ、作者神!!!!!!!!!!!!!!!
これは実際に作中にあったものとして脳内認定しまっす。
我もチョロチョロss書いてるもので、文の組み立てやら
語り口調に気を使ってますが、それを読み手に微塵も感じさせないほど
ここの神は自然に読ませるっていう点で、もう尊敬っす。あやかりたい。
わーいわーい眼福でした。gjgjgj!!
84名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 01:41:49 ID:aKXg/tF0
書き手なら何か書け。

…いやもう小ネタでもなんでもほんとに
書いていただけると大変ありがたいのですが
85名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 18:58:35 ID:cDZjNlDP
上手に出てるんだか下手に出てるんだかわからん
86名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 03:21:18 ID:fv464Ks5
えっと、下手に出られ上手でこられた以上は書いてみようかなっと。
小ネタでも書けばいいんですよね?

二言目は言わせねえぜ。うりゃあ!どりゃあ!食らえ!
87名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 03:22:01 ID:fv464Ks5
「ふっふっふ、待っててね〜ダーリン♪」

そう、あたしはいま夜這い、じゃないわね昼這いの真っ最中。
ダーリンのお母さん、ティラにとっては本当に親子の繋がりになった
あ、あたしもそうか。ティラのお母さんなら姉のあたしにとってもお母さんよね。
ダーリンは涙をのんで譲ってあげたけど(でも愛人の座はあたしのものだし)
なんたってあのアプリコットおば様があたしたちのお母さんになったという事は
素直に嬉しい(なぜかオニオンおじさまはお父さん、って風には感じないけどね)

まあいいわ、アプリコットおば様からのお呼びで花嫁修業へとティラは里帰り中。
一撃必殺の糸つむぎや華麗なムチ使いは芸術的なまでに完璧っていうのに家事は壊滅的、
結局はマロンとほぼ同居っていう新婚後の毎日(あたしも手料理持参で押しかけてたけど)

そんな状況から脱出するために、ティラは一大決心をしたっていうわけ。
アプリコットおば様もそんなお嫁さんを可愛く思わないわけがない。
もちろん、あたしもそんなけなげな妹の恋心には心打たれたわ。

「わたし、石にかじりついてでも家事の技を身につけて帰ってきますわ!」
(そんな悲壮な決意がいるもんだったかしら?花嫁修業って。)

「突然美味しい料理を作って、キャロをびっくりさせるんですの!
 だから、新婚なのに寂しいけど、わたし一人でおば様のところに行ってきますわ」
(あーうんうん、そうね…)

キュピーン☆

「そう…しばらく寂しいわね…
 もちろん、ダーリンが浮気しないようにバッチシ見張っててあげるわよ!
 安心していってらっしゃい。おば様にヨロシクね♪」

け、れ、ど、それとダーリンへのアタックチャンスは別の次元♪
上の会話だけ見ればなんとも暖かい姉妹愛だけど、ね!
88名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 03:23:08 ID:fv464Ks5
さて、鍋釜を山のように背負ってティラは出発していったことだし
それになによりティラとダーリンの見張りを約束したことだし
朝から煮込んだシチューの鍋と白いフリフリエプロンとを抱えて
(一応)二人の新居にお邪魔したわけ。

さて。
ダーリンはどこかしらっと。
出かけた形跡はないしリビングにもいない。
となると寝室でお昼寝中?…むふふふ♪
昼間っからというのもなんだけどそれはそれで刺激的よね。
「ダーリ〜〜〜ン!!!」
「おわっ!な、ななななんだよ!って!…ショコラか」
「ごめんね、一人にさせちゃって寂しかったわよね、愛人失格だわクスン
 お詫びといっちゃなんだけど…さあ!」
「…っていきなり脱ぎ始めてるし!!!おい、待てったら」
「ああん!いきなりベッドに放り投げるだなんて…ンもう情☆熱☆的」
「だーーーーーーーーーーーーーっから俺にしがみつくなっての!」

そうやって二人でベッドの上でドタバタやってると部屋の壁時計から鳩が
クルッポーと三時を知らせた。同時に玄関ドアの開く音とその即数秒後、
「兄さん!今日はクリームブリュレを作ってみたんだ」
「…あ。」
「マロン!新婚家庭にアポなしで来るなんて非常識じゃない!」
「…そういうショコラこそ何しに来てるんだい?」
「この状況見て分からない?あーもうだからブラコンは!」

二人してにらみ合ってる間に、あ、ダーリンが寝室のドアをすり抜けてった!
「ちょーっと、ダーリン!!」
キッとマロンを睨みつけるとあたしも手早く服を身につけ街中にいるだろうダーリンを
追って走り出していった。
89名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 03:51:58 ID:fv464Ks5
夏も盛りとあって、しかも街中だし肩も脚も露出した女の子がいっぱい。
ま、このあたしのナイスフェロモンバディに勝ってる子は居ないけどね。
でも、ここなら。ファッション通りとあって若い女の子が一番多いところ。
ダーリンは絶対ここにいる。間違いない。女の勘ってヤツよ。

サーチを全開にしてぐるりと周囲を見渡す。
あっちから谷間バッチリの三人組、むこうには熟れた人妻風の女、間違いない。
が、いつもならあっちのギャルに「イヤー!」と突き飛ばされ宙を飛び
むこうではピンヒールで眉間に穴を開けられ石畳に這いつくばって「ギュウ」

そんな光景が現われるっていうのに今日はそれがない。
あら、じゃあダーリンはここには居ないってことかしら。
ううん、それはないはず、だってダーリンのナンパスポットはいつもここ。
ティラと二人してダーリンをグルグル簀巻きにして帰った思い出の場所。

(う〜〜〜ん)
まあここで張ってればいずれダーリンも引っかかるでしょ。
ほんと、暑いし喉も渇いたし、あそこのカフェでお茶しーよおっと☆
90名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 03:53:07 ID:fv464Ks5
したら、居たのよ。私が入った店から通りを挟んだ反対側のカフェに。
そこはウェイトレスの衣装がミニスカで可愛くてダーリンが入り浸ってたお店。
席を立とうとしたらあたしの注文が来ちゃったから、もう!仕方ないわね。
これ飲んだらすぐダーリンを捕まえにいくんだから!

でも、なんかおかしいのよ。
いつもだったら注文取りにやってくるウェイトレスのお姉ちゃんにことごとくお冷を
ぶっかけられているっていうのに、今日はそれがない。
手を握り締めてグイグイ押し通すってのがダーリンのナンパスタイルだってのに
それ止めて違う攻めかたをするようになったのかと思ったけど、そうでもない。

なんと、テーブルの脇をすり抜けるウェイトレスのプリプリのお尻を目にしながら
(鼻の下は果てしなく長くなってるけど)おとなしく座ってるだけなのよ!!!
ええええええ!いったい、なんで!!ダーリンどっかおかしくなっちゃった!?
91名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 04:28:10 ID:fv464Ks5
サービスなのかなんなのかアイスティーに色々きれいに果物がぶっ刺さったグラスを
一気に口に流し込みながら、あら向こうでガックリしてるウェイターが見えるわ
そんなこと気にとめてる場合じゃないわ、あのダーリンの様子は絶対変よ。
なにかギラギラしたのが消えてるし、遠くを見てるかのような目つきをしてるし

ああ、こうやってジッと待ち続けてるのは性に合わないのよ!さあいくわよ!
なにかものを言いたげにモジモジしてるウェイターに代金をさっさと押し付けて
あたしはダーリンの座るカフェテーブルに向かった。

「コーヒーお代わりはいかがですか?」
「うーん、コーヒーはいいや、お冷を一杯」

…やっぱりおかしい。いつもなら
「ああ頼むよ。…でも、そのコーヒー注ぐのはちょっと待ってくれないか」
「はあ、お客さま?」
「今飲むんじゃなくって、夜明けのコーヒーを二人で飲みませんかお嬢さ〜〜〜ん!!!」
「イヤアアアア!!」
これがいつものパターンだっていうのに。

そっとダーリンの背後に近づいて
「…ダーリン♪」
「ああ、ショコラ。ここ隣空いてるぜ」
92名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 04:40:02 ID:fv464Ks5
いつもなら
「おわっ!フツーここまで追ってくるかっつうの!逃げろ!!」
で、ティラとあたしとで脱兎で逃げ出すダーリンを追っかけていたのに
もしくは
「俺はここでお茶飲んでただけだぜ!なにもまだしてねえよ!」
大慌てでさりげない風を装ってあたしたちの攻撃をかわそうと必死なのに

今日は、フツーに、あっさり。
あたしも気勢をそがれちゃって、ダーリンの口調もさりげない感じだったから
そのままストン、と椅子に座ったんだわ。

カランと涼しい音を立てるアイスコーヒー。マーブルに溶けていくミルク。
なんだか、こんな、どっかの普通のカップルみたくおとなしくダーリンと二人
丸いテーブル、隣同士の席で座っているだなんて、
…落ち着かない。
なんだかあたしのほうがどうしようもなくてストローの包み紙を手で弄くり回す。
相変わらずダーリンはナンパを再開しようともせず(でも鼻の下は長いまんまで)
道を行く女の子を眺めているだけだ。

「…どうしちゃったのよ、ダーリン」
「なんだよ」
「だってナンパをしないダーリンなんて、初めて見たし」
「したらしたで、お前らすっごく怒るじゃんか」
「それはそうだけど、でも、そうじゃなくって、だって変よ」
「そりゃ、俺、結婚した身だしよ」
「そ…それは、確かに、うん、結婚したのにナンパはそりゃダメよ」
93名無しさん@ピンキー:2005/09/06(火) 05:27:51 ID:9sWYw6uq
続きアルー?
94名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 04:10:51 ID:ORYSIXDO
保守あげ
95名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 14:29:56 ID:6sghaWqM
「俺にナンパ再開して欲しいってか?」
「そ。そんなことは言ってないでしょ!結婚したのにナンパなんて」
「だろ?」
「けどさ…まさかダーリンがナンパしない日がくるだなんて考えたことなかったし」
「なんだよそりゃ」
「う…嬉しいのよ!これでティラもあたしも変な心配しないで済むようになったんだから!」
「な〜にムキになってんだよ」

テーブルに肘ついて余裕げにしてるダーリンと、ツンツン怒るあたしと、端から見れば
単なるカップルの可愛い痴話げんか(=イチャイチャしてるのと変わらない)なんだろう。
けれど、あたしの胸の内側はそんなカワイイもんじゃなかった。

いま、まさにダーリンの好みのウェイトレス、童顔なのにボンキュボンの女の子が
テーブル拭きにきててさ、屈んだ胸元から谷間のレースがあたしにも見えてるってのに
ダレーンって顔で見てるだけ。その反応だけはナンパ全開のときと変わらずまーーーーったく同じ。
あたしが目の前に居るからナンパをうずうず我慢してるって風でもないのよ。

そんな、前はあたしたちが居てもナンパしてたのに、でもって速攻ダーリンの後頭部をどついて
ダーリンのおでこでカフェテーブルは真っ二つ、そんでお店に弁償。ってな事よくやってたんだけど。
96名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 14:30:41 ID:6sghaWqM
なんだかあたしは意外にショック受けたことに気づいて、それがまたショックだった。
ダーリンが結婚したらナンパはそりゃダメだろ、ってのは私ら姉妹にとっては大歓迎よ。
でも、でも結婚してもナンパし続けるんだろーなーハァ。ってな心の覚悟はできてたのよ?
…なのに。
つまり、ということは…その先はなんでだか考えたくなくなっちゃうんだけどさあ…
いいやいっちゃえ!
ダーリンのナンパ心を抑えちゃうほど、ティラはダーリンにとって大きな存在ってことよね?
ああ結論出しちゃった。なんだろ、この悲しいような気持ちって。
って、そんな風に妹を羨んじゃうあたしの気持ちのがヤバイんじゃない?ってアハハハ…


「さて!ショコラに捕まっちゃったしな、じき夕飯の時間だしよ、家に帰るとすっか!」
おとなしく座っている外観とはおよびもつかない内面の嵐に翻弄されてたあたしは
ダーリンから差し出された手もボケーっと見てるだけ。
いつもなら手をつなぐどころか腕を絡ませるあたしだってのに…
「ショコラ?」
さすがにダーリンも不思議そうな声をかけるけど…
もう、いいわ!これ以上難しいこと考えるのなんかパスよパス!よし決めた!
「いいの、だってシチューだもん、明日にでも食べれるからいいの!さ、いこいこ!
 今日はパーっと飲みたい気分なの!ダーリンだって、そういうのひさびさでしょ?」
陽気な声をあげたのは、ダーリンの不審をごまかすためか、あたしの暗い靄を消すためなのか。
どっちかよくわかんないまま、ダーリンの腕を引っ張って居酒屋通りに歩いていったんだ。
97名無しさん@ピンキー:2005/10/11(火) 14:31:23 ID:6sghaWqM
―てきとーに入った店は、かなりの当たりだった。
カリカリに焼けた皮のチキンソテーやひと味工夫したマッシュポテト、そしてビールにワイン。
自分でもモグモグしながらダーリンの反応のいいメニューをしっかりチェックするあたし。
ふふーんそうか、あれが好みなのね?覚えとこ。
そしてあたしたちはバカ話をしあったり、残った一切れをめぐって軽く口げんかしたりした。

…そういう風に、した。
でないと、さっきのカフェで心の底に押し込めたナニかが膨れ上がりそうだったから。

そうやって陽気に過ごすためのワインだったのに、ちょっと飛ばしすぎちゃったのね。
回ったアルコールはあたしの心の鍵をいつのまにか弛め、とうとう蓋があいてしまった。
それに触れちゃダメって警報は頭のどっかでずっと鳴ってたのに

「…そこまでティラの存在が大きいってわけ!ねえ!だから、なの??」
「?」
「あたし、そんなんじゃなかったんだ、ね」
「ったく、この酔っぱらい。いったい何言いたいんだかちゃんと言えって」
「だ・か・ら!結婚したらナンパストップだなんて、そんなこと、そんなこと
 よっぽどティラのことを愛してるっていうことでっしょ!」
「なーにいきなりキレてると思ったら、キレてる理由もわかんねえよ…っておい!」
「もーうバカバカバカ!知らない!」
ワインを掴んでラッパのみ。で、そのままあたしの意識は途切れてしまった。
98名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 00:33:26 ID:JdO8pZYc
ほしゅ
99名無しさん@ピンキー:2005/10/16(日) 14:27:48 ID:aUlBsez7
マイナーだからなあ
寂しい
100名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 03:05:08 ID:rnlFtwGd
ショコラすごい好きなんだアリガトウ。
1巻読んで、キャロティラが最後のオチとわかっててもショコラに傾いてくれないかなぁと
思ってたくらいキャロショコラが好きだったんだ。

まさかここで出会えるとは思ってなかった。
職人さん、ありがとうありがとう。
どうぞ頑張って下さい。これからも楽しみにしてます。
101名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:00:35 ID:GDQAWXUx
頭に冷やりとした感触がして、うっすら目を開けるとダーリンのホッとした顔が見えた。
…あ、そうか…
いまだにぐるぐる回る脳みそだったけど、ここにいたるまでの状況は想像できた。
ワイン一気飲みして後ろにひっくり返ったあたしを手近の宿の布団に寝かせてくれたんだ。
「えへへ、いつもならダーリンがあたし達姉妹に世話かけさせてんのにね」
「そりゃちげーよ、お前たちが俺をかまってくる、ってのが正しいんだからな?」

ダーリンったらかーわいくなーい。
ぷぅと頬を膨らまそうとして、でもやっぱりここまでしてくれたのは本当に嬉しかったから、
そんなこと思うと鼻の奥がツンとしてきた。
「ありがとね」
そう声に出してみると、今度は目の奥がグーっとしてきた。あれ?あれ、おかしい、な。
なんだかダーリンがまじまじとあたしの顔を見てる。

「ちょ、やーだダーリンったら!なにマジな顔つきになっちゃってんのよ!」
「…」
「さすがに今日は飲みすぎちゃったけどさ、めったにあることじゃないし」
無言が続くダーリンに向かってあたしは手を顔の横で振りながら続けて言った
「前ならもっと飲めたんだけどさ、さすがにもうアレね、
「!…」
102名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:01:18 ID:GDQAWXUx
―目の前に、ダーリンの黒髪が見える。サラサラ髪のマロンとは違ったツンツンした癖毛。
そしてあたしの上半身はダーリンの熱い身体を感じている。
「お前…」
「え?あたしがどうかしたって…?」
さっきまでの状況と、今ダーリンに抱きしめられてる状況がまったく繋がらなくって
あたしは自分の声をずいぶん遠いところから聞いてるような変な気分だった。
「そんな表情(かお)して、んな話なんかするなよっ…」
「そんなかおって言われても」

乱暴な手つきであたしの目の下をダーリンが拭って、ようやくあたしはあたしが泣いてる
ってことを知った。
「あ、れ?なーんだろこれって、やっだもーあたしってばもしかして泣き上戸?」
「…いいから!」
さっきよりも近く抱き寄せられて、ダーリンはあたしの目をまっすぐに見て言った。
「ここは俺とお前二人きりなんだから、別に恥ずかしくねーよ。いいから泣いとけ」
「だからっつってそんなすぐに泣けるもんじゃないわよっ」
「いちいちうっせーな。この俺様が肩を貸してやるってんだ、素直に借りろってんだ」
「…じゃー借りるわよ、借りたらいーんでしょ。遠慮なく使わせていただきまーっす」

ダーリンの肩にアゴを乗っけて、しばらくそのまま。
まだ酔いが残ってるからグルグルポワポワしてるしダーリンはあったかいし
泣くよりそれより…気持ちよくて寝ちゃいそう。
それに、なんだか昔を思い出す…ホーディックの霊山にあたし達とダーリンとマロンと
日がな一日じゅうくっついて転げまわったあのあったかい日々。
103名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:02:31 ID:GDQAWXUx
そんなことを思い出すと、さっき引っ込んだ涙が今度はスルスルと零れてきた。
あたしもティラもダーリンが大好きで、ただそれだけの気持ちで毎日ダーリンが
外に遊びに連れて行ってくれるのを楽しみに待っていた…
こんな残酷な分かれ道が最後に待ち受けているだなんてあの時は考えもしなかった。
最初は静かにポロポロ涙をこぼしていたのが、ダーリンの落ち着いた鼓動と
背中をあやすようにポンポンとたたかれるのとで、あたしはしゃくりあげ始め
最後には声をあげて泣いてしまっていた。


どれくらいたったのか。頭の芯がしびれたようになっていて考えがまとまらない。
頬に当たるダーリンのタンクトップが濡れて冷たくなっているのがわかるくらい。
「落ち着いたか?」
「…ウン。」
「なんかよ、俺上手く言えねえし、ふさわしいセリフかどうかもわからね。
 けどさ、俺ショコラのことす。す、すっすう〜〜〜すー。すす、す。
 っぷは〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!ゼイゼイ。あのな、つまりだな…ゴニョ、だよ。
 ティラと比べるったってんな次元じゃねえ。
 他の誰とも取っ換えきかねえんだよ、おまえ、ショコラって女はよ」

(…そんなこと、最初っから知ってるわよ)
惚れた男に嫌がられ光線発射されてんのに気づかないほど鈍感な女じゃない。
それでも、それでもあたしとティラと、いったいどこでどうダーリンにとって
違ってたの?自分でも分かってる、こんな誰の所為でもないことについて
綺麗に正解なんて出ないことぐらい、それぐらい分かってる。
ティラとダーリンとの婚約発表の後、嫌になるほど繰り返したあの問いに
またあたしは足を絡め取られていく。
104名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:03:28 ID:GDQAWXUx
「だ。だからな。もし、もしもだな…。あ〜〜〜〜〜!だから!もしもだな?」
「なに、よ…」
「もしおまえを嫁にしてたら!ティラは、あいつはよ…あいつのことだから」
そこまで言ってダーリンは頭をたれた。伸びかけた髪がパサリとゆれる。
でもあたしはダーリンの言いたいことが分かった。
(きっと…泣いて泣いて、でも最後には「姉さん幸せにね」とか身を引いて…遠くに)

「だからよ、俺もなんとしてでもティラって確信が断固としてあったかというと
 自信があるかっつったら無いっつうか、いや、ある!無いわけじゃねえからな!」
いきなりの“もしあたしをお嫁さんに選んでたら”なんて内容に頭の中真っ白だけど
言いだしっぺのダーリンも同じみたい。照れ隠しなのか、わざと乱暴に鼻をこすってる。

「本音はさ、いままで通りってのが一番良かったんだ」
ダーリンがそう思ってたのはあたしたち姉妹も感じてたけど、あたし達の限界のが先にきた。
つまり、今の結果を招いたのはあたしたち姉妹の覚悟の上のこと。
そしてダーリンが現時点で精一杯応えて考えて出した結果なんだから恨みっこは無しにしようね
ってティラと約束したんだっけか。
―それで姉妹の絆がほどかれるような未来になってしまったとしても。
105名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 04:04:24 ID:GDQAWXUx
でも本当はティラと離れる覚悟なんて固まってなかった。たぶんティラも同じ。
きっと、ダーリンはそのことまで感じ取ってたのね。
ティラがお嫁さんなら、あたしたち姉妹の絆が切れるって事態にはならない。
どうにも器用に立ち回れないあたしたち三人のトライアングル。
あたしにとっては最高の関係なの。どう見えてようがそんなこと知らない。
だってあたしがこれがいいんだって選び取った運命なんだもの。

ちょっとしんみりして、そしてよっくよく考えてみると
「じゃあなによ?あたしならそれに耐えられると思ったの?それなりにしっかり
 傷ついたんだからね!本当にあたしだったから良かったようなものの…」
とまで言って、さらに気づいた。
(ティラをお嫁さんに選んだ本当の理由を知ってるのはあたしとダーリンだけ…!)

当のダーリンはといえば、なんとも言えないような照れたような、バツが悪いような
そんな表情をしてる。目が“バレタか”なんていいたげな感じで笑ってる。

その瞬間から、あたしとダーリンの関係は彼氏彼女じゃなく共犯者、へと変化した。
ティラにさえ知られない壁一枚ほどのすぐ裏で、あたしとダーリンは秘密を結ぶ。
姉としてティラの幸せを心から願ってる。この気持ちには嘘は無い。
けれどその気持ちと、この感情にはなんら矛盾がないってのがなんか、不思議な感じ。
「ふふっ」
「なんだよ」

―そして、秘密をさらに重ねるかのようにダーリンと唇を、あわせた。
106名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 14:16:04 ID:WPU4TH1P
続きキタ――!!
ショコラ大事に扱ってくれてすげぇ嬉しいよ、どうしても一方的な片思い→そのまま失恋
で終わりやすいショコラが、この話では「強い女」としてキャロに認められてるトコロが嬉しい。
原作もそういう形であったと信じて読めば辛くない。ありがとう!!
ありったけの気持ちを篭めて


gj!!!
107名無しさん@ピンキー:2005/10/22(土) 05:46:40 ID:P+vN7MQz
久々にスレ覗いたら、小説来てたんですね
ショコラの気持ちもキャロットの気持ちも
すごく繊細に分かり易く描写されててかなりイイです!
続き楽しみにしてます
108名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 04:52:31 ID:6PgqEfbR
あわせた唇が、あ、ダーリンのって以外に弾力あるのね…
そういえば半裸の胸にダーリンの顔を強引に埋めたことはあったけど
本当にマジでこういう接触すんのってこれが初めてだなあ…
って!
「キャーーーーーーご、ごごごめんね!あ、あたしってば」
「…」
「あ、その、ホントごめん。ってか、その、もう忘れてッ」
なにかなんだか分からない恥ずかしさと居たたまれなさで
ガバリっとダーリンの胸から身を離すと、ベッドから降りた。
一刻も早くこの部屋から逃げ出したかった。

「おい、ちょっと待てよ」
そんなダーリンの声も振り切るようにあたしは身を翻したんだけど
酔いはまだあたしの中にしっかと居残ってて、あっさり二の腕を
ダーリンに掴まれてしまった。
「は、離してよっ!」
「嫌だ」
「ダーリンが良くってもあたしが構うのよぉ〜離してったら」
「ダメだ」
「ね?もうあたし大丈夫だからキャロん家に帰ろ?だ、か、ら〜」

(んもー!いったいなんなのよお)
そうやってジタバタとダーリンの掴む手を離そうとしていると
「ダメだ。帰さない」
(は?え?)
一瞬であたしの脳みそはショートした。
109名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 04:53:02 ID:6PgqEfbR
(…んーっと。二軒目行こうってことかしら?なーんてね。アハ☆
 って!一人突っ込みしている場合じゃないでしょー!)
自分からしたキスにパニックになってさらにダーリンの衝撃のセリフで
これで完全にあたしの思考は停止した。

そうして棒立ちになったあたしを、ダーリンが後ろから抱きしめる。
今度は逆に倍以上の速さであたしの鼓動が動き出す。
「ショコラ……可愛い」
溜息をつくようなささやきと耳にかかる熱い息とで、さっきまでの酔いじゃない
別の陶酔がゆっくりとあたしの全身を回り始めた。
「あんな、ちょっと口つけたようなキスで顔真っ赤にして泣きそうになって…
 あやまることなんてないぜ、俺、うれしかった。マジで」
(ほ、んと…?) 
「お前って、本当に俺のこと好きなんだなー」
「そ、そうよ!ダーリンが結婚しても諦められないってほど大好きよっ!」
―それが悪い?
とは続けなかった。あたしがダーリンを好きなのは本当のことなんだから。

「あのさ、ショコラ。俺はお前のこと、愛してるよ」
ダーリンがさっきより強めにあたしを抱きしめるとそう告げた。
もうあたしは胸がいっぱいになってしまって、そのままじゃ耐え切れなくって、
くるりとダーリンの方に振り向いた。
振り向いたら、もう二度と戻れない。それを分かっててあたしは振り向いた。

「普通だったら、ここでプロポーズなんだろけどな」
「…うん」
「もうそのセリフ、別のヤツに使っちまったからよ」
「うん」
「俺以外の男と結婚するな。一生、だぞ?」
110名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 04:53:38 ID:6PgqEfbR
―昔、ティラと二人でさんざん想像して話し合ったあのセリフ。
今、あたしがダーリンから貰った言葉はその通りじゃないけど
そのとき想像していた心情よりも、ずっとずっと熱く胸につのる。

“あのね、プロポーズされたらね、あたちは喜んで。って言うんですの”
“あたしならねー、そうねー、あたしならね。うふふふふ”
“なあにー?教えてくださいましーお姉さまー”

そうして、あたしはダーリンにもう一度、口付けをする。
さっきとは違って、ありったけ全身の気持ちを込めたキスを。

“あたしは、返事じゃなくってキス!をするの!素敵でしょ?”


爪先立ちをしてたかかとを床につけると、ダーリンの顔を見つめた。
ベッドサイドにある蝋燭の灯りが、瞳の中に揺らめく。
「ショコラ…」
「キャロ…」
後ろに二歩下がると膝裏にベッドが当たり、そのまま二人で倒れこんだ。
(いいのか?)
(いいの。)
ハンターの任務の時と同じように眼を交してお互いの気持ちを確認すると
それを合図のようにシーツの海へ二人、泳ぎだした。
111名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 20:43:33 ID:HOhIOOPq
gj
姉妹の会話に萌えた
112名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:42:54 ID:VONS8p4C
エクレアSS投下しよ。鬱シナリオ気味なんで注意
寝取られっぽい…かもしれない。
113名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:46:07 ID:VONS8p4C
始まりはいつも太い腕に抱えられ、巨大な体躯をもって押しつぶされる。
そして全てが終わるまで決して開放されることはない。
それが果たして強さか弱さか、思案したこともあったがやめた。
どちらでも同じことだ。
圧倒的な強さをもって理想へ邁進する姿に惹かれたが、同時に弱さもあわせ持たねば、
そもそも理想すら抱かないのだとは、わずかの間、共にいて知った。
……そして幼い私が思いも寄らなかった類の弱さをも知ったとき、私はこの方に心底から溺れきる。
「ザッハ、様」
黒いマントの下で裸身の私を支える手に、今日もまた踊らされる己を思い、
暗い悦びと背徳感、未だ感じるわずかな恐怖に身震いする。
早くも足の間に浅ましい疼きとぬめりを感じて悟られないよう腿をすりよせた。

固い地面の上に突然押し付けられたかと思うと、肩に痛みが走り血が滲んだ。噛まれたと知ってすぐ、乱暴に胸を揉みしだかれる。
思わず弄られている自身の胸に目をやろうとしたが、あごを掴まれ唇をふさがれた。蹂躙される口から私は呻きとも喘ぎともつかない声を漏らす。
指に押しつぶされる感触で、乳頭はすでに固くしこっていることを知った。
首筋を舌が這い歯がごつごつと当たるのを感じながら、ん、ん、ん、と声をこらす。
肉食獣に食い散らかされる兎のように、欲情し、欲情されている。
重みに肌をなぞられて、私の醜い願いも身体中からにじみ出る。

早く芯に触れて欲しい。
もう溶けきった愛液が後ろの穴を伝い地面をも濡らしているだろう、私のそこを貪って欲しい。
一刻も早くぼろぼろに喰って欲しい。私の家族を引き裂いたその手で。その身体で。
114名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:50:06 ID:VONS8p4C
そう、私は文字通り喰われている。
この方は私の父を、母を、最愛の兄を、私から奪った。
己の理想のために力が欲しい、ただそれだけの理由で。
それでも愛していると言い続けるために、私は私の過去を捧げた。
貴方を憎まなければならない記憶を消してくれと泣いてすがりついたのだ。
生涯をかけて付き従うため。
そしておそらく本当は、私自身が葛藤に耐えられなかったため。


その日から、少しずつ記憶は消えていった。
暖かな思い出と引き換えにして、私はこの方のなにもかもを短期間で詰め込んだ。


普段より動くには邪魔と感じていた大ぶりの胸から手が離れて、
主人を失った乳房はふるふると震えた。乳首は名残惜しそうに紅くとがっている。
足がぐいと押し広げられ、待ちわびた瞬間が来たことを知った。
腿からふくらはぎにかけて刻まれた裂傷が目に映る。
私にとって愛おしいその傷は、ザッハ様にとって何なのか、実際のところよく知らない。
指でほぐすこともなく、巨大な猛りが一度に秘所を貫いた。
すでに十分濡れているそこは、私の意志とは関係なく、
易々とそれを飲み込み、締め付けた。
「ァ──あァ───」
痛みともつかない衝撃が身体を走る。
ア、あああ、ざ、ら、ざは、さま、や、あう、う。
ろれつも回らないまま名を呼んで、恥ずかしげもなく醜態をさらす。
衝撃はすぐ激しい快感に変わる。抽送のための抜きすら惜しい。
力いっぱい締めると、肉壁がこすれて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が耳に届き、
やるせなさに身をくねらせた。
私の背後に手が回り、もう一つのすぼまった秘所に指が触れたとき、
思わずびくりと肩を震わせる。
何も受け入れたことのないところへの侵入を予感して、どっと冷や汗が出る。
嫌。怖い。ザッハ様はそのまま指をうずもれさせた。
強烈な異物感に息を呑み、せめて情けない声は上げまいと必死に口を閉じる。
ずぶずぶと入り込まれ身体中の隙間を埋められる感覚に追い詰められ、
切ったばかりの短い髪を振り乱して耐えた。
しかし未知の恐怖も嫌悪も、すぐに目の前の存在を私に刻み付ける道具となる。
今更指一本で生娘のように怯えてしまう事実は、
体内で脈打つ堅い肉とともに私を高ぶらせる。

無粋は承知で必死に言葉を並べようとした。舌を噛んで血の味が口内に広がった。
115名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:51:43 ID:VONS8p4C
「あ、愛してます。あ、愛して、ああ」
愛してる。母はきっと山ほど私にそういったのだろう。
もう覚えていない。その言葉は、私の嬌声に取って代わられた。
「私が、貴方を、守ります、から」
父は、きっと私たちを守りたかっただろう。
でも、全てを奪った敵は、とうとう私の心まで支配してしまった。
「あ、あああ、お、お、お願い、もう」
揺らされる頭で兄が浮かぶ。あんなに敬愛していたのに、顔も思い出せない。
私の頬にそっと手が置かれた。ザッハ様らしくない優しいしぐさに、私は戸惑った。
武骨な手に自分自身の手を重ねる。目を閉じた。与えられるぬくもりをより強く感じるために。
それはかつて兄が私の頬に置いた手に似ていると、思った。


突然、胸の内で得体の知れない激情が渦巻いた。


嘘だ。
嘘をつけ。
この手は私からそういうものを奪った手だ。

私が大切にしてきたものをこの手が。
お母さんの笑顔もお父さんの優しさも炎と共にこの手が。
お兄ちゃんへの憧れもこの手が。
私と一緒になってあたしの心も身体も踏みにじったこいつが


全て。全て。

116名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:53:43 ID:VONS8p4C
「やああああああああああ───!!」
自身の悲鳴だと気づくのに少し時間がかかった。絶頂へと導かれながら、あたしは絶望した。
ぬくもり。日差し。笑顔。大きな手。森の修行場。お母さんが焼くパン。
喧嘩。傷。広い背中。わがまま。金髪。あたしと同じ。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お嫁さんになんか行かない。お兄ちゃんのお嫁さんになりたかった。
ただお兄ちゃんの側にいたかった。
無理ならせめてずっと、お兄ちゃんの妹でいたかった。
「いや!いやああ!お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃああああん!やだああぁァ──!!」
それだけ声を張り上げて泣いても、かまわずザッハ様はあたしを犯し続けた。
あたしの身体は中の律動に反応してびくんびくんと動いた。
もうあたしは子供らしい愚かな夢も持てない。この男を好きになってしまったから。
この男のために記憶まで捨ててしまったから。何もかもを捧げると誓ってしまったから。
突かれながら首に手をかける。抵抗はされなかった。そのまま、力を込めれば、終わる。
今殺せば、まだ、お兄ちゃんの思い出は残せるかもしれない。
お兄ちゃんはこいつに奪われた。だから、あたしは、
「う、あ、ああっんっ!」
身体が跳ねた。熱いものが腹の中に吐き出される感覚を覚える。
喉元を捕らえた指に力が入らない。──入るわけが無い。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
だって、答えはとうに出ている。
首から手を解いてそのまま抱きついた。
「………」
あたしは、私は、一体誰の名を呼んだのだろうか。自分でも分からなかった。
汗でべとついた身体をすりよせ、悔いるように肩を震わせた。
117名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:55:29 ID:VONS8p4C
「いつまで寝てんだエクレア」
ノックの音とお兄ちゃんの声で目が覚める。
(夢……)
どっちが夢か分からなくて、しばらく天井を眺めた。
「午前中買い物に付き合えつったのはお前だろ。行かないのか」
「あ、うん、今準備するから、ちょっ、ちょっと開けないでよ、門のとこで待ってて」
ドア越しのお兄ちゃんがノブを回すのを慌てて制して起き上がる。
シャツ一枚の姿を見られるのは、別に今さら恥ずかしがることじゃない。
ただ、
(うっわ)
下着の中に手を突っ込むと、ぐちゃっと濡れてた。
ずいぶん長くそうなのか、股布の湿ったところはすでに冷たくなっている。
でもこんなになってるのに、今はひとりでしたい気分にもならなかった。
(寝ながら一回いっちゃったのかなー……)
シャワーで流したかったけど、お兄ちゃんを待たせるわけにもいかない。
もういいや、ふき取って下着だけ新しく履き替えよ。
一通り準備が終わると、仕上げに足の傷を隠す包帯を巻き直す。
傷に触れるたびにお兄ちゃんの目を意識して、緊張するのもいつものことだ。


ザッハ様が亡くなって、
いなくなるつもりだったあたしを、目を覚ましたお兄ちゃんはただ抱きしめた。
そのとき何を理由にしても、逃げられないんだと思った。


118名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:57:30 ID:VONS8p4C
商店街に着くなり、見せつけるようにお兄ちゃんの手を引く。
「ブディック寄っていい?」
「……買ってやらんぞ」
「まだ何にも言ってないよ」
あたしの今までを、お兄ちゃんは何も聞かない。
だから、あたしも何も言わない。あたし達の間で、それは全部無かったことになる。
「でも、プレゼントならありがたくいただきます」
「それなら、『ガトーお兄様の大胸筋は
グレイトマーベラスビューティホーマスカレード今夜はカレー』といいなさい」
「……カレー食べたいの?」
うん、家族ってきっと、そうやって救われるんだよ。
「牛肉メインでないと許さん」
「今月食費切り詰めたいんだけどなあ、誰かさんの稼ぎが少ないせいで」
無神経でも、残酷でも。
「家庭の主婦の腕の見せ所だな」
「あー、遠まわしに認めたよこのヒト」
お兄ちゃんが正しくあたしを愛してくれることが、嬉しい。
だから、あたしも正しく応えるんだ。


「いーよ」
「あん?」
股がまだ歩くたびにぬるぬるする。
下の口をだらしなく濡らしたまま、お兄ちゃんの隣で笑う。
「何でもしてあげるよ。お兄ちゃんの言うこと何でも」


ねえ、あたしは妹でいられてる?
あなたの妹でちゃんといられてる?
「うん、じゃあ、今日はビーフカレーだ」
お父さん達を殺した男の、腕で、唇で、性器でよがって。
「だから、新しいブラウス見にいこうね。『大胸筋の美しいお兄ちゃん』」
あのひととの記憶を思い出しては慰めて。
今も会いたいと望み続けて。
散々あなたを裏切りながら、それでも妹の顔できてる?


一瞬目を開いて止まって、お兄ちゃんは笑った。
前にもこんなことあったかな、でももう忘れた。思い出す必要もない。


「何だ、やっぱり服欲しいんじゃねえか。ったくお前も女だなあ」
「えへへ」
そうだよ、その通りなんだよ。だから、だから、ごめんなさい。
………妹ってね、女なの。



119名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:58:30 ID:VONS8p4C
終りー。じゃ。
120名無しさん@ピンキー:2005/11/08(火) 23:22:48 ID:hEhbg5h4
GJ!ザッハ×エクレア良かったです
このまま続きでガトー×エクレア(エクレア×ガトー)
も読んでみたいと思ったり。
121名無しさん@ピンキー:2005/11/19(土) 09:21:46 ID:tiunDIK2
ほしゅ
122名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:13:45 ID:mXrraBP1
ダーリンの身体の重さと熱さを量るように、あたしは身体を開いて
腕をダーリンの首に回す。

ん…ちゅ

ぎこちなく首を傾けあってキス。けどもまだあたしの中は
どこかが上の空で。
望んで、望んでこうなっているはずなのに、なぜか足踏みをしている
自分の心をじれったく思ったあたしはダーリンの顔を引き寄せて
唇を深く摺り寄せたんだけど、その違和感は立ち去ってくれなかった。

身体はダーリンの熱を感じてもっと求めたくって先に進みたがっているのに
心は逆に冷えていって、その冷え込みの急さにあたしは大きくうろたえた。

「ショコラ」

ダーリンがあたしの名前を呼ぶ。
恋人同士が初ベッドインの時ならば、胸がいっぱいになる甘い瞬間なのに
あたしは、今の気持ちが全部バレてしまったかと思ってダーリンと
視線を合わせることが出来なかった。

「辛かったら、俺に言ってくれ。俺に、全部ぶちまけろ。一人で抱え込むとか
 んな、無茶すんな」
そしてあたしの耳元にこそっとささやいた。
―なんかの時は、ティラには俺が言うよ。悪いのは俺なんだしな。

あたしの中で冷えた心がみるみる解けて和らいでいく。
さっきはカッコ良く自分ひとりで全部背負う覚悟を決めていたはずなのに
本当の自分はまったくのビビリだった、ってことにも気づいちゃったわ。
123名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:14:21 ID:mXrraBP1
あーあ。
自分に、呆れる。

そんなあたしだってのに、ダーリンは一緒に危ない橋を渡るって言うのね?
堕ちるなら一緒だって、言うのね…ほんっとうにもう、これ以上ない…

「バカ。」
「んだよ、これでも男の覚悟決めてっンム」

ダーリンを愛しく思う気持ちが急激にあふれてその気持ちのまま
唇を押し付けながらあたしは今度こそ心を決めた。
“なんかの時”なんて、絶対にあたしが起こさせない。
あたしが、ダーリンを守ってあげる。
惚れた女にはとことんバカで、そして底抜けに優しいこの男。

今は、あたしだけのもの。

「ダーリン、愛してる♪」
「ん。」
ようやくあたしの心と身体がしっかり合わさる。
証拠にあたしの唇は饒舌だ。
ダーリンの唇を這い、舌は追い追われてせわしなく動く。
離れた口をつなぐ糸が蝋燭の灯りにきらめいて、切れる。

―あとは、どう服を脱いだのかはよくわからなくって
噛み付くようなキスをして、押し倒されたら倒し返して
いま、あたしはダーリンの膝の上に座ってる。
胸を吸われて舐めあげられて背中が反っても、腰に回された
ダーリンの腕に押さえられて逃げられない。
視界がにじむと同時にあたしはものすっごく幸せだった。
こんなに気持ちのいいことを、それもダーリンからしてもらえて。
「いいか?」
「ウン…すごく。いい。気持ち良い、よ」
だから素直に応えてしまう、もうイイ女☆ぶる余裕なんてない。
124名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:16:20 ID:mXrraBP1
ダーリンが眼の端で笑ったように見えたと思ったら
「ん!ああっあ、やあぁあぁ」
声を上げて、身体を全部開いて、もっとダーリンの指をねだるように
敏感な部分を押し付けるように腰が揺れてしまう。
「すっげ…ヤラしー」
…あたしは返事しないでダーリンの肩を突いて馬乗りになってやる。

そのままダーリンの首に舌を這わして、薄いけれども筋肉がついた胸へ
痩せたわき腹へ…そして。
今度はダーリンの番よ、とばかりに男の部分にまで顔を下げて、口に含む。
「っう……くぅ…………うう」
細かく震える腹筋とどうしても洩れる、という反応に頭の芯がジンジンして
罪もなにも、もう考えられなくて、あたしはその行為に熱中した。
「だ、めだ、出…もう」
一瞬膨れ上がったと思ったら溢れてくるそれをそのまま受け止めると
思わず、っていうかぜんぜん汚いとか感じなかったから、コクンと。
大きく肩で息をついて脱力しきったままダーリンは目を丸くさせて
「こんな気持ちいいもんだとは…は、初めて、」
(…そっか。あたしが初めて、か。)
「ねね、あたしも初めてだったんだけど、そんなに良かった?ね?」
「にゃろ!そーだよすっげ良かったよ!お返しじゃあ!」
「きゃー♪」

ガバリッとそのままダーリンに襲われて、今度はあたしがウサギ。
背後から回された両手は胸とあそこに延びて首すじは強く吸われて
膝がくだけたあたしはベッドにへたりこんでしまう。
「脚、広げて」
そう言われてのろのろとその姿勢をとると強烈な快感が背筋を駆け上った。
指を差し込まれて、中を探られて、前には口を付けられて
「あ、や!そこま……まって」
「ひゃめ(だめ)」
「いっ!く、んんんんんん!!」
125名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:16:59 ID:mXrraBP1
やった!ってな表情であたしの顔をのぞきこむダーリンのダーリンは
すっかり大きくなっていて、それを見たあたしの内はぞわめく。
もう、止まれない。

もう蝋燭はすっかり燃え尽きて、半月の月明かりが窓から差し込むだけ。
青白く光った白いシーツとダーリンの裸身は夢の中で見る光景のよう。
(これは、一夜の夢よ…)
(夜が明けたら、この奇跡はおわる)
でもこの身体に感じる全部はあたしだけの真実なんだから覚えておこう。
だから、お願い。ダーリンの全部をちょうだい。
それなのに、入り口にグッと押しあてたままダーリンは動かない。

「目、開けてくれよ。……嫌なのか?」
「ううん!」
そんなこと言われてびっくりして、でも、そうね。
思いつめて暗くなるだなんて、そんなのもったいないわ。
あたしは、ダーリンが好き。ダーリンもあたしが好き。
それが一番大事よね。その時には、その時考えたらいいのよ!だから
「…きて。」

じっくり差し込まれて、あたしの中はぴったりと満たされる。
揺すられて、イイところを何度もじらされてあたしはダーリンにしがみつく。
初めてだから、頭が真っ白になるとか分からなかったけど
入れられながらされるキスが素敵でイヤらしくってとっても、いい。
ガクガクと早くなるリズムにあたしも翻弄されていく。
「もう……だめ…や…あんっ…はあ…んんっ……んあ…っ…!」
「いくぞ…!」
「いいよ、きてダーリン…キャロ!」

ぐっすりと眠り込んで無防備な寝顔をしたダーリンを見つめる。
あたしの男、でも妹のダンナさま…。
(でも、もうあたしは大丈夫)
明日からはまた、以前と変わらない三人の関係に戻るんだ。
これからもずっと先までも「ダーリン、好きよ♪」
126名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:18:25 ID:mXrraBP1
翌日ダーリンちに帰ると、手紙が一通届いていた。
「ティラからだわ。んーどれどれ」
『アプリコットお義母さまのお陰で、得意料理が出来ました!』
「ティラにしては頑張ったじゃな〜い」
『ゆで卵を半熟にゆでるのはバッチリマスターしましたわ!』
「…えっと」
『お掃除洗濯についてはこれからもじっくり教えてくれるそうですわ』
「…」
『キャロ、ううん旦那様(キャ 楽しみに待っててくださいな ティラ』
こ、これは…さすがのアプリコットおば様でも難しかったのね…
「あのさ、ショコラ。ちょっと、これからも頼まあ」
「…いいけど、ね。」
本当、これまでと変わらないのね。変わらなくって、いいのよね?
「じゃ、さっそく昨日のシチューいただくとすっか!」


で、数ヵ月後あたしは店を出した。簡単な家庭料理の店よ。
だってダーリンが他の男と結婚するなっていったから
じゃあそうしたら一人立ちしなきゃでしょ?
それに、あいかわらず料理苦手なティラが気兼ねしなくていいように。
―へえ夜も営業するようになったんだ。
―そう、お酒が出ると売り上げもいいしね。

―女の子の従業員増えてない?
―ドーターちゃんが職場探してたから雇ったら評判良くって

―これって、スナック?
―うーん、なんかこうなっちゃったかなー?アハハハ☆

ま。これも人生としてアリってことよ!
「女は強いってねえ」
「るっさい!ガトー!」

end
127名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 04:24:36 ID:mXrraBP1
す、ッすすすいませーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!
やっと終わらせられました。

三人の関係つか、ショコラキャロ二人の感情を強引でなく
自然に持っていこうとして悩みまくったもので。
って言い訳も余計ですな。
待っててくれてた人がもしいたなら、本当お待たせしました。
ごめん。それじゃ引っ込みます。
128名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 13:17:44 ID:mgrttDjA
GJGJGJ!!
キャラを大事にしてくれてる感が(・∀・)イイ!!
129名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 19:25:54 ID:bE6Zh1al
GJ!!あんたGJ!!
ショコラの店がスナックになった経緯におもわず納得。
130名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 23:20:00 ID:nbpdREqO
すげえGJ!!

エロいだけじゃなくて、キャロもショコラも、それぞれ「らしい」というか…
ちょっと感動したw
131名無しさん@ピンキー:2005/11/30(水) 02:59:15 ID:d1kRb7Lh
どうも暖かいお言葉ありがとうございます。
やっぱりショコラは妹を想いつつ、そのうえ対キャロのバランス感覚を
ちゃーんと計れるかなり賢い女なのだと思ってます。
本伝最後のエピソードで子持ちのショコラに「お姉さまはキャロと
なんかあるはずなのに??」ってティラの女の勘さえ
“気のせいじゃない?”といなしてる女っぷり。
ええ、私はショコラが結構好きなんですw
キャロは本当、運は悪いけど女運には恵まれてんですねぇ。

132名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 00:52:07 ID:NOTGO6AU
過疎なりにこつこつ続くこのスレがすげえ
百合はアリなん?ティラとショコラとか
133名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:57:53 ID:swea122v
ほっしゅ
134名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 03:00:06 ID:hX7UudAq
あり!あり!なんでもアリ!
135名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 13:11:37 ID:0iP6BYy+
保守っと
136名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 10:24:09 ID:khlXjx9e
新年最初の保守ですよ。ドーター希望。
137名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 04:11:25 ID:NSOs0wBN
ほっしゅ
138名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 21:24:59 ID:0cLcTPEm
職人さん帰ってこないかー?保守
爆れつ、ネットには本当に情報ないなあ
139名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 13:03:04 ID:iRT3MS+Y
ほっしゅ
140名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 09:58:26 ID:TNunHCf7
たまにはあげる
141名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 09:21:35 ID:lNKyCFRX
保守
142名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 15:25:39 ID:WxkhZTL8
age
143名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 15:30:12 ID:T2WugAf5
大学・短大・専門中退者の人生相談
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/jinsei/1140108625/l50
クズばかり集まって傷の舐めあいをしております
144名無しさん@ピンキー:2006/02/28(火) 20:45:49 ID:C+oLqt83
漫画版
145名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 16:40:01 ID:whkOvs3i
保守
146名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 10:43:26 ID:VMU6U24i
ほっしゅ
147名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 15:11:31 ID:CYLNmaCx
age
148名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 07:12:07 ID:O4NvCNn8
爆れつ懐かしいなーと思って全部読んでしまった。
神作品ばっかりで凄い幸せだ。いいもの見れた。
149名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 15:21:13 ID:/qM6e42n
保守
150名無しさん@ピンキー
爆れつ懐かしいな〜と思ってチラッと覗いたら神小説が!
特にキャロショコラ超好きだったんで嬉しい・・・!
職人さんGJです!!