Mabinogi-マビノギ-inエロパロ板

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「俺は人間のことが知りたい。だから教えて欲しい、マスター。何故あんたが今、
そんなに悲しそうな顔をしているのか……」
 掌の上にちょこんと乗った小さな精霊が真摯な瞳で問いかけてきた。
 銀色の短い髪に、冗談の通じない濃い紅の瞳。最果ての祭壇にて、かのドルイドに
これが自分のメイスに宿る精霊だと言われたとき、彼女は運命を呪った。
「言っても判らないと思うわ……。あなたは人間ではないわけだし。大したことじゃないの。
気にしないで」
「それは理解を拒む言葉だ。どうしてもとは言えないが、その理由が知りたい。駄目か……?」
 一瞬、あなたのせいよ!とがなりたてたい衝動が走った。が、彼女はぐっとこらえて俯いた。
546544(2):2005/11/07(月) 13:55:31 ID:71Oi0dlG
 もう何日になるだろうか。腕が良いと評判の鍛冶師に、魔法の力が宿った鎧を発注したところ、
革紐が足りないと断られた。革があれば出来るとぼやく鍛冶師のため、ひいては己のために
コボルド達が持つという高級な革を求めて、盗賊コボルドのアジトがあるラインアルトに
滞在し続けていた。時折バンホールに物資補給に戻りはするが、基本的には疲れたらキャンプで
眠る日々だ。
 パチリと薪がはぜる音がする。こんな日々にも、彼はずっと彼女とともにあった。
 コボルドとの戦闘で彼の力を借りる必要は全くなかった。それゆえ、概ね彼は眠っていたようだが、
キャンプで休むたびに人恋しさから呼び出していたため、相当な飢えを感じていたようだ。
 思念体である彼は、常に情報に飢えていて、物質に宿る記憶を糧としている。だがここ数日は、
彼に与えられるアイテムも限られており、その飢えを満たすことはできなかったはずだ。
にもかかわらず恨み言ひとつ言わずに彼女に従ってくれていた。たまに盗品から見つけた靴などを渡すと
「気にしてくれてありがたい」とまで言う。
 そんな彼を怒鳴りつけるなど、どうしてできようか。
(それに、これは本当に八つ当たりなんだから……)
 顔を上げるとまっすぐにこちらを見る彼と目が合った。
 ふわりと浮かぶ精霊は、淡く発光していて、かすかに熱を帯びている。肌寒い。そんな季節なのだ。
 だから余計にいらないことを思い出しては、不要な寂しさに襲われる。
 暖まりたい、焚き火にもっと近づけばいい。いや、そうじゃない。暖めて欲しい……!
「ねえ……」
「?」
「あなたのその姿はかりそめのものなのよね? だったらもっと大きくなることもできる?
人間と同じくらいの大きさに」
「できる。が、どうしてそんなことを聞く?」
 不意な問いかけに少々戸惑いが見られた。表情の動きは少ないが、最近では彼女は彼の気分を
大分読み取れるようになっていた。
「つらくないならそうして欲しいの。お願い」
「……マスターの思いのままに」
547544(3):2005/11/07(月) 13:56:37 ID:71Oi0dlG

 精霊はふっと目を閉じた。ぐらりと輪郭が揺らぐと、膝を抱え込んで座る彼女の爪先に
膝立ちした状態の男が現れた。
 色白ではあるが、逞しい裸の胸に吸い寄せられるように彼女は近づいた。
「これでいいか?」
 自分も膝立ちしながら、そっと触れてみる。
「ええ……。やっぱり、思ったとおり。暖かい……」
 今度は一気にその胸に飛び込んだ。首に手を回し、ぎゅっと引き寄せる。
「!?」
「このまま私を吸収してもいいよ……。私なんかじゃ大した知識は手に入らないかもしれないけど
モノよりはたくさんの記憶を持ってると思うわ」
 当惑して宙に浮いていた両手が肩に回された。そっと引き剥がそうとする。
「それはできない。不可能ではないが、マスターが消えてしまう。それは困る」
 ますます力を入れてしがみつきながら、彼女はクスクスと笑った。
「ホント冗談が通じないのね、あなた」
「……こういうのを『悪い冗談』というのか?」
「ふふ、ごめん。でも、消えてもいいと思ったのは少しだけ本音」
 軽く腕を緩めて、彼女は精霊の顔を覗き込んだ。表情に乏しい整った顔が、微かに眉根を寄せて
彼女を見ている。「人間のことを知りたいって言ったわよね。だったら教えてあげるから」
 決意するように少しだけ大きく息をする。
「私を抱いて」
548544(4):2005/11/07(月) 13:57:39 ID:71Oi0dlG
 背中に手が回った。ビクリと震える体を絡めとるように、筋肉のついた太い腕が腰を抱く。
「判った。震えているな、マスター。そんなに寒かったのか?」
「なっ、違うわよっ! 震えてなんかって、まだなんか誤解してるわね……」
「言われたとおりに、抱いていると思うんだが……」
「馬鹿……。そうじゃなくて……。精霊にも性別があるんでしょう? あなたも欲情したり
することってないの?」
「……」
 精霊はしばらく考え込んでいたようだが、やがてゆっくりと彼女の目を覗き込んだ。
「つまり、マスターは俺に色事の相手をしろ、とそう言っているんだな?」
「うっ……、天然って卑怯……。改めて言われるとなんだかシャクだけど、そうよ」
 耐え切れず目をそらす。鎧を脱いだ下は薄物一枚。体の線がくっきりと浮かび上がり、
肌の色まで透けて見える。普通の男なら言わずもがなで襲いかかってきそうなものだが、そこは精霊。
一筋縄ではいかないようだ。
「理解した、マスター。俺も経験がないわけじゃない……、と思う。もう大分忘れているから、
至らないところも多いと思うが、よろしく頼む」
「ムードも何もな……うっ」
 言葉の途中で大きな手に顎を掴まれた。そのまま唇を塞がれ、熱い舌が歯列を割って進入してくる。
あっという間に彼女の舌は吸い取られ、尖らせた舌先が舌の付け根、歯茎の裏をチロチロと舐めた。
「ふ、うぅん……」
(うまいじゃない……)
 指が顔にかかった髪を払いのける。さわさわと耳をくすぐり、やがて頭の後ろに回り、髪を梳き始めた。
夜の闇に溶け込むほどに黒い髪は所々ハネているが、毛先まで艶がありとても滑らかだ。
 まるで髪の毛にまで神経が通っているかのように、ややぎこちない指の動きが、うっとりと心地よい。
549544(5):2005/11/07(月) 13:59:08 ID:71Oi0dlG
 腰に回されていた手が不意に肩まで上がった。深い口付けのまま、細いストラップをピンと弾く。
途端に滑り落ちる薄布は、すでに固く尖った乳首に引っかかって止まった。
 不意に唇が離れた。唾液の糸を引きながら、彼はゆっくりと彼女を横たえさせる。薄いクッションを
引き寄せ、頭の下に敷く心遣いも忘れていない。己が精霊ながら、本当にできた奴だと思う。
 微かに目を開けると、間近で真剣な目が瞬いた。唇が耳元を這っている。少しだけ荒い息遣いが聞こえた。
軽く耳を甘噛みされ、舌が首筋を通って肩甲骨を舐める。男の口が中途半端に引っかかった布を咥えて
どけるのが判った。
(見られてる……!)
 思わずぎゅっと目を瞑る。静かな視線に弄られ、カッと体が熱くなる。思わず吐息が漏れた。
「はぁっ」
「マスター。あんたはやっぱり綺麗だ……」
「そんなこと……、きゃぅ!」
 鳥のように乳頭を啄ばまれた。もう片方の乳房は、先端を刺激しないように気をつけながら
布越しにゆっくりと揉み上げられている。
 舌が乳輪をなぞる。焦らされる快感に彼女は喘いだ。腹の底がジンとうずく。
「何よ……。忘れたとか何とか言って、全然うまいじゃない……。ひゃあっ」
 布の上から乳首を摘み上げられた。親指と人差し指でコリコリと回され、強い刺激が脳を直撃する。
「マスターのおかげで色々思い出せた。物を貰うよりずっといいようだ。こんな方法もあったんだな」
「えっ、それって……、ああっ! はぁんっ」
 ズルリと乱暴に胸に引っかかった布を下ろされた。急に強引になった男に気持ちがついていかず、
ただ驚いて彼女は目を見開いた。心臓が激しく打つ。
 両の乳房を鷲掴みにされ、指の間から覗く鮮やかな突起を交互に舐められる。紅い瞳は変わらず静かだが
奥に潜む確かな欲情の炎に、微かな恐怖を覚えた。しかし、身体は敏感に反応を示し、じわりじわりと
蜜があふれてくるのが判る。
550544(6):2005/11/07(月) 13:59:47 ID:71Oi0dlG

「やだ、お願い! 乱暴にしないでっ、くうっ」
 返事がない。常に『わかった、マスター』『あんたがそう言うなら』『マスターの思いのままに』などと
従順な態度を示す彼らしくなかった。それでも、指と唇は的確に彼女の弱点を抉り、身体は熱く火照るがまま、
なすすべもなく愛撫に反応する。
「やだったら……、ああぁっ……」
 掌にぴったり収まるサイズの乳房が、彼の手によって柔軟に形を変える。片手が膝に回り、やや強引に
押し開いて内腿に触れた瞬間、恐怖が快楽を上回った。
「駄目よっ……! こんなのイヤぁっ!」
 はたり、と手が止まる。うずく身体を理性で抑えながら、恐る恐る男の顔を見上げると、紅潮しては
いるものの、相変わらず静かな顔が彼女をまっすぐに見ていた。
「……すまない。やめるか?」
 ドキンとさらに胸が高鳴る。真剣な目に揶揄する調子はなく、本気で嫌がっていると判断したようだ。
 涙さえ浮かべながら、彼女は目を逸らした。ふと、彼女にのしかかるような形になっている彼の
足の付け根が見えた。豪奢な腰布を押し上げて、何かが息づいている。
(いやだ、こんなになってるくせに……。どうしてやめれるのよ……)
「あなたは止められるの……?」
「できればこのまま続けたい。だが、イヤがるのを無理強いはできない」
 子宮が疼いた。従順もここまでくると反則だ。情にほだされてなんでも許してしまいそうになる。
さらに、それが計算ではないことまで判っているから、余計にたちが悪い。
「イヤなわけ、ないじゃない……。でも、お願い、もうちょっと優しくして。なんだか怖いの……」
 そっと首に手を回す。見つめ返すと、今度は彼のほうが目を背けた。
「悪かった」
 伸び上がって唇に唇を重ねた。それ以上深入りはしない、触れるだけの口付け。
驚いて見開く彼の視線を捕らえて、微笑んだ。
「続けて?」
551544(7):2005/11/07(月) 14:01:31 ID:71Oi0dlG
 右の掌が彼女の右肩を抱く。ゆっくりと押し倒しながら左手でむっちりとした腿を撫で上げる。
ついでのように薄い布を押し上げながら、徐々に徐々に足の付け根に指を伸ばしていく。
「ふぅん……」
 与えられる快楽の予兆に彼女は鼻で息を漏らした。触れられた部分が熱い。
 ついに手が下着にかかった。腰を浮かせて助けながら、秘所が開放されるのを待つ。下着が剥ぎ取られる
感触に、ふと水音が混じり、内腿に冷たい何かが触れた。
(やだ、私、こんなに濡れてたんだ……。恥ずかしい)
 濡れた下着が腿に触れクチュリといやらしい音を立てる。
 それを抜き取ると、彼はそっと女を解放した。代わりに、両足首を掴んで開脚させ、
その間に自身の身体を割り込ませる。
 彼女は真っ赤になった顔を両手で覆った。なんとかして秘所を隠したい気持ちが強いのか
彼の腰を膝で強く挟み込んでいる。
「マスターはこんなところまで随分と綺麗なんだな」
「やだ……、そんなに見ないで……」
「どうしてだ? 俺は褒めている。奥まで綺麗な桃色だ。まるで男を知らないように見える」
「……っ! 知らない、わよ! この身体では初めてなの!」
 顔を隠したまま彼女は叫ぶ。
「!?」
「2年前に転生したの。転生前は恋人がいたから、もちろん完全な処女ってワケじゃないけど
転生してからはコレが初めてなの……」
「なるほど……」
 太腿を抱え込まれ、花弁に息遣いを感じる。男の舌がそっと小さな突起の皮をめくり、現れた真珠の
ような花芯を突付く。
「ひゃあっ!」
 電流が走るような感触に彼女は仰け反った。続いて与えられる強烈な刺激に、思わず彼の肩に爪を立てる。
552544(8):2005/11/07(月) 14:02:39 ID:71Oi0dlG
 濃厚な女の匂いを味わいながら彼の舌はもう留まるところを知らなかった。花芯を愛撫し、吸い上げ、
襞を一枚一枚丁寧に舐めしゃぶり、愛液を啜り上げる。尖らせた舌を秘書の奥に突き刺したときには
彼の顔は鼻まで蜜に濡れていた。内壁を愛撫しながら、鼻先で一番敏感なそこを擦る。
「ああんっ! イイっ……! なんだかおかしく、なりそうっ!」
 ちゅくちゅくと音を立てながら精霊の愛撫は続く。頭の中が真っ白になり、彼女の意識はだんだんと
膨れ上がった。舌が引き抜かれ、軽く突起を甘噛みされた瞬間、それは爆発した。
「ああぁああっっ!!」
 ガクリと身体から力が抜け、目が泳ぐ。弛緩した身体を持ち上げられるのを感じながら、
彼女は絶頂の余韻を感じ続けていた。


 意識が少し戻ってきたとき、彼女は精霊の広い胸に抱きとめられているのに気づいた。
軽く膝を立てて座る彼の腿に乗せられ、頭を肩に預ける格好になっている。
「気付いたか」
 髪を撫でる指が耳に触れた。そんなことでさえ、彼女は甘い吐息をついた。
「……ごめんなさい。意識、飛んじゃった」
 いつの間にか彼は全て脱いでいたようだ。下腹部に何か熱いものが触れている。
脈動するそれが何なのかは見なくても判った。
「今度はあなたを気持ちよくしてあげなきゃ……」
 厚い胸板に手を触れた時、肘にストラップが絡まっているのに気付いた。
「私も脱がせてくれればよかったのに」
「このままの方がなんだか……、そうだな、興奮する」
「……何変な嗜好に目覚めてるのよ」
 クスクス笑いながら胸を叩く。もう片方の手でそっと屹立した肉棒をさすった。
くっと男の喉が鳴る。
「精霊でもこんな風になるのね。挿れたい?」
「初めてだと痛いと聞いた。俺ではその感覚が判らない。できれば自分で調整して欲しい」
「優しいのね。そんなとこが愛しすぎておかしくなるわ……」
 肩に手をかけ、腰を浮かせる。滾る欲望を片手で支えながら、ゆっくりとそこに身体を沈めていく。
553544(9):2005/11/07(月) 14:03:17 ID:71Oi0dlG
 先端が触れた。ドキリとしながらじわじわと腰を下ろす。カリ首が収まったところで、引っかかる
感じがした。痛覚が快感を凌駕する。だが、うまく足に力が入らない。一気に奥までいって
今度は痛みで気絶しそうだ。
 彼女の戸惑いを察したのか、彼の手が腰を掴んで身体を支えた。普段は無表情な顔に、焦りを
抑えるような必死な表情が浮かんでいた。
(こんなときまで気を遣わせてるなんて……)
 くっと唇を噛み、息を止めた。下腹部はできるだけ力を抜くように意識しながら、制止を振り切って
ぐいっと腰を落とす。肉を引き裂く激痛が全身を支配し、押し殺した悲鳴が漏れた。
「かはっ」
「マスター!?」
「い、いいの……。でも、ちょっとだけこのままでいて……、イタタタタ。死ぬかと思ったぁ」
「無茶をする……」
 愛しげに髪を撫でる指に頬を擦りつけた。
「あなたを我慢させるよりは、こっちの方がよかったの」
「俺のためにか? 気にしなくていいのに……。ああ、マスター。そんな顔をするな。
勘違いしてしまいそうだ」
 唇が重なる。様子を伺うかのようにおずおずと進入してくる舌に応えているうちに、下腹部の
痛みが徐々に多幸感に変わっていく。
 きっと動くとまだまだ痛いのだろう。だが、複雑に入り乱れた感情に気が狂いそうだ。
 もう好きにして欲しい。欲望の赴くままに、目茶苦茶に犯されたい。暖めて欲しいだとか、
誰かの代わりとかではなくて、あなた自身が満足するように私の身体を蹂躙して欲しい。
 舌を絡めたまま腰を上下させる。男の困惑まで吸い取って嚥下しながら、少しずつ動きを
大きくしていく。動きが滑らかになり、腰の動きに円運動が混ざるようになったころ、
唐突に舌が離れた。

554544(10):2005/11/07(月) 14:04:09 ID:71Oi0dlG
 両手で腰を掴まれ、強靭な腹と腰の力で下から突き上げられる。
「ああっ!」
 薄布が絡まったままの腹の辺りを支点に、奥まで抉られてはカリ首辺りまで引き抜かれる。
再度突き上げられたとき、上半身がぐらりと揺らいだ。
 必死で伸ばした指先が肩を掴み、立てた爪がぷつりと肌を裂いた。それでも男の動きは
止まらない。女を中空に固定したまま、激しいピストン運動は続く。腰に力が入らなくなった
女の身体が仰け反る。目の前に放り出された形よい乳房に男が噛み付いた。
「くぅっ」
 ぷるぷると揺れる胸に荒い息がかかる。胸の谷間を濡れた舌が這い、乳房の形にそって唇が動き、
乳首を吸う。腰とは別の生き物のように、男の顔が器用に胸を愛撫していた。
「はぁっ! もうダメ……。力が入らない……」
 女の喘ぎにぐいっと腰を押し付けた男が反応した。腕で頭と腰を抱え込み、くるりと体勢を入れ替える。
押し倒される形になって、彼女はほっと腕を弛緩させた。直後に再び大きなストロークで貫かれ、
今度は必死で頭の下のクッションを摘んだ。
 肉のぶつかる音にぐじゅりといういやらしい結合部の音が混ざる。羞恥を感じた途端、彼女の中が
ぎゅっと収縮した。
「うっ、凄いな……。喰い千切られそうだ」
「やだ……っ。そんなこと、言わないで……。はぁあっ、いやっ、気持ちいい……っ!」
 再び絶頂が近づいているのが判った。膣が驚くほどの速さで収縮を繰り返し、息が削れる。
両脚がピンと伸び、宙に浮いた。
 かまわずに男の欲棒は中を掻き回している。もはや二人の腿は愛液で濡れつくしていた。
「ひゃあああぁっ! んふっ、もうダメッ、イッちゃう……!」
 背筋と首が反り返った。全身がビクビクと痙攣し、突っ張っていた脚が床に落ちた。

555544(11):2005/11/07(月) 14:05:02 ID:71Oi0dlG
 女は顔を横にして、虚ろな目を彷徨わせていた。黒々と長い睫は涙に濡れ、半開きの唇からは涎が
糸を引いていた。びくびくと小刻みに震える身体に合わせて男の唾液で光る乳房も揺れている。
 本人は意図せずとも何とも扇情的な光景だ。
 男がすっと身体を離した。濡れてテラつく肉棒は天を指し、こちらは未だ絶頂を迎えていないことを
物語っている。
 彼は女の目元に唇をつけ、溢れそうな涙をちゅくっと吸い取った。
「う……うん……」
 瞳に輝きが戻る。少しだけ意識が戻ったのを確認して、彼は小さく震え続ける身体を返した。
「え……? ああぁんっ!」
 ぷるんと盛り上がった尻を持ち上げ、後ろから秘所を貫く。
「やだ、あなたまだっ……、きゃあっ! ふ、深すぎっ。 奥に当たって……あひゃんっ!」
 腰骨をがっちりと押さえ、男は強く腰を動かし続ける。攪拌する音がさらに高まり、
盛大に愛液が飛び散った。彼女の中は引き抜かれるたびに留めるようにぎゅっと締まり、
突き上げるたびに男の快楽が増す。
 子宮口を突かれる感覚から逃れようと女は腕に力を入れて身体を起こす。だが、激しい動きで
乳房が揺れ、膨れ上がった乳首が床に擦れて、さらなる刺激に脳が痺れた。
「やぁあんっ! 私、またイッちゃうよぉ……!」
「逃げるな、何度でもイけっ! 俺もそろそろ、出そうだ……!」
「……じゃあ、今度は、今度はいっしょにっ! うぐっ……、ああぁあっ!」
 女が絶頂に必死に耐えようとしているのが、結合部から感じ取れた。男の腰にも遠い昔に味わった
違和感が戻ってきている。解放すれば、この上もない快楽を得られるあの感覚。
 女の嬌声がひときわ高まり、いやいやをするように頭を振っている。もう限界のようだ。
 激しい動きを一瞬だけ止めて、ギリギリまで肉棒を引き抜く。突き当たるまで刺しこむと同時に
欲望を一気に吐き出した。
556544(12):2005/11/07(月) 14:09:54 ID:71Oi0dlG
「あぁ〜〜〜っ!」
 女は絶頂の悲鳴を上げて、仰け反った。根元まで咥え込んだまま、ぎゅうっと搾り取るように
蠕動が続く。
 彼の肉棒もドクドクと迸る白濁した欲望を吐き出していた。
 とすん、と女の身体が床に落ちる。
 お互いに荒い息を吐きながら、そのまましばらく放心したように動かなかった。
「……すごい、まだ脈打ってる……。お腹が、溢れちゃいそう……」
 どこかぼんやりとした声で呟いた。腹部に放たれた熱い液体が体中に広がっていくような感覚に
支配されている。「やだ、ホントに気持ちいい……。どうしよう……」
 女の中の動きが収まるのを待って、男が身体を離した。薄い紅に染まった二人の体液がごぶりと溢れる。
「血が……」
 呆然と呟く声に、横向きに転がった女が首を振る。
「平気よ。ねぇ、隣に来て」
 彼は足元の隅に畳んで置かれていた毛布を引っ張り、彼女の隣に横になった。汚さないように
気を遣いながら、彼のマスターを覆う。そして片手を首の下に通して、彼女の頭を支えた。
 彼女はクスリと笑って男の脇に収まるように移動する。ぴったりとその胸に寄り添いながら
目を閉じた。彼は、真っ直ぐ上を見たまま呟いた。
「……俺はマスターに嫌われていると思っていた。だから、気に入られるためにはどうすればいいか
ずっと考えていた」
「!」
557544(13):2005/11/07(月) 14:11:06 ID:71Oi0dlG
 ハッとして身体を起こす。絶頂の余韻が一気に消えて、何とも言えず、胸が苦しくなった。
ベタつく秘所と腿が気になったが、それどころではなかった。
「……ごめんなさい。あなたは何も悪くないの」
 ハラリと涙が零れた。「さっき言ったでしょ? 私は2年前に転生したの。ちょうど今の季節よ。
恋人と二人で同時に転生して、姿かたちが変わってもいっしょにいようって約束して別れた。
たとえ見た目が変わっても、絶対に彼が判るって信じてた。でも、判らなかった。判らなかったのよ!
 約束の場所でずっと待ってたわ。何かあったのかもしれない。うまく魂が新しい肉体に降りれなかった
のかもしれない、私が判らないのかもしれないって考えて。でも、1年待ち続けて、友達や知り合いを
頼って探し続けても、彼は見つからなかった。友達に言われたわ。新しい肉体を手に入れて、私のことは
もう捨てたんだろうって。信じたくなかった。けど、待ち続けるのにくたびれて、忘れることが一番だ
って言われたら、私にはもう否定できなかった。そんなときに、精霊の宿る武器の話を聞いたの」
 彼は狭いキャンプの天を見つめながら、ずっとそれを聞いていた。
「最初は小さな、友達みたいな女の子の精霊がよかったの。でも、私が掘り起こした化石に宿っていたのは
あなただった。初めてあなたを見た時、どんな酷い冗談かと思ったわ……。銀色の髪、紅い目、
異常なくらい真面目な性格までそっくりだったんだもの! もう忘れようと決めたあの人に。
 顔形は確かに違ってる。でも、あなたを見るたびに思い出さずにはいられなくて、この気分を
どうにも抑えられなかった。1年あなたと一緒にいて、大分落ち着いたと思ったのに、こんな日だから
最後に彼に抱かれた夜に似た日だったから、不意に思い出して苦しくなったの」
 ふと涙をぬぐう指に気付いて目を開けた。いつもと同じ、静かな目が自分を見ていた。
558544(14):2005/11/07(月) 14:11:59 ID:71Oi0dlG
「それが、悲しそうな顔をしていた理由か」
「……」
「マスター、あんたはやっぱり恋人を探すべきだ。探して、見つけて、俺が邪魔になったら
契約を解除すればいい」
「え……、何を言って……」
「以前言ったはずだ。この姿はマスターが俺を受け入れやすくするために選んだものだと。
深い意味はないが、マスターが願ったから、俺はこの姿になった。人間にとって2年とは、けして短い
時間ではないだろう。それだけ経ってもまだ泣くほど好きな相手なら、どうあっても探し出すべきだと、
俺は思う」
「違うの……」
「武器に宿る精霊の運命は、その主次第だ。主に家族ができても、同じくともに生きるものもいれば
別の武器を求めて再び眠りに落ちるものもいる。精霊も俺だけではない。マスターの恋人が見つかって
再びともに生きることになったときには、俺は必ず邪魔になる。それに俺も……、今となっては
あんたのそんな姿を見るのが辛い」
「……何、それ?」
 ガバリと起き上がって腹の上に圧し掛かる。「自己犠牲もほどほどにしときなさいよ!
そんなこと言われて、はいそうですかって契約解除できるほど、私が薄情な女に見えるの?
そりゃ今までは素っ気無い態度だったかも知れないけど、これからがんばっていい主になるように
努力するから……」
「しかし、俺を見るたびにマスターは昔の恋人を思い出す」
「ううん、違うの……。今泣いてるのは、あなたにつらい思いをさせてたんだってそう思ったから。
あの人を思い出すためにあなたを利用しようとしてた。なんて酷い主なんだろうって、それに気付いたから」
 縋るように胸に頬を押し付けた。「でもね、これだけは信じて。途中からは、あなたしか見えてなかった。
あなた自身で、心も体も一杯だった」
「マスター……」
559544(15):2005/11/07(月) 14:13:00 ID:71Oi0dlG
「初めてだってのに3回もイカされちゃったしね。……あ、そう言えば」
「?」
「さっき言ってた『こんな方法もある』ってどういうこと?」
「……あんたに触れているうちに色々な知識が俺の中に流れ込んできた。その中には
昔の俺の記憶もあったわけだが。つまり、物を吸収して、それに宿った知識を受け取る以外に
ああいった行為で知識を吸収するという方法もあると言うことだ」
「てことは、私が金欠であなたにアイテムをプレゼントできなくなったら、代わりに体を
差し出してもいいってことかしら?」
「金欠というのがよく判らないし、なんだかとんでもないことを言われている気もするが、
とりあえずその通りだ」
「あと、『経験がないわけじゃない』とも言ってたわよね? それって、精霊同士のこと?
それとも昔の主にも、私みたいにあなたに相手をしろって命じてきた人間がいたってこと?」
「それについては……、あまり話したくない……」
「駄目よ、教えて。私だってちゃんと答えたでしょ?」
「……後者だ」
「ふーん……。なんだか妬けるわね」
「……すまない」
「なんで謝るのよ」
「いや、そうじゃない……。マスター、そろそろどいてくれ」
「ごめんなさい。重かった? って、……ッ!」
 彼は額に手の甲を当てて顔を背けた。
「得た情報が多すぎて、少し混乱している。いらない情動まで学んでしまったようだ。
あんたがそんな格好で俺の上にいるから……。駄目だ、頭を冷やしてくる」
560544(16):2005/11/07(月) 14:14:57 ID:71Oi0dlG
「待って」
 彼女は身を起こそうとする彼を制止し、毛布を払いのけて、その長い脚の間に移動した。
腿にも、再び猛々しく立ち上がった欲望にも、乾き始めた二人の体液がこびりついている。
「何? 私が悪いの? だったら、お詫びに私が直してあげる」
 驚く彼にいたずらっぽく笑って見せて、彼女は不意に顔を落とした。
 小さく舌を出して裏筋を舐め上げる。固まり始めた苦い体液と微かな鉄の味を絡めとリながら、
両手を添えて、何度も下から上へ舌を這わせる。時折カリ首に沿って舌を回すように舐めたりもした。
 あらかた体液を取り去り、先端の割れ目を突付いていると、男の手が頭に回った。
「う、マスター……、そんなことまで……」
「恋人同士なら割と普通の行為よ。あなたにも気持ちよくなって欲しいもの」
 ちゅくっとカリ首まで吸うと、一気に咥内に収まるところまで咥え込む。少々もてあます大きさの
彼自身をなんとか頭を上下させて吸いながら、残った部分に手を添え、そちらも上下に動かす。
 頭に置かれた手が彼女の髪を梳く。その指からたまらない愛しさを感じ、胸が詰まった。
 添えていた手を付け根で止め、ゆっくりと喉の奥を開いて、肉棒を根元まで飲み込む。
喉の奥で締め付けられた彼自身がビクッと震えた。そのまま舌を絡みつかせて、思いっきり吸い上げる。
「う……」
 眉を寄せて彼がうめいた。それを聞いて、彼女は無我夢中で抽送と吸引を繰り返す。
「うぁっ……」
 初めて感じる強力な刺激に奥歯を噛み締めてこらえていたが、何度も繰り返されるうちに腰椎から
背骨に向かって電気が走った。固く眼を閉じる。少しだけ歯を立てて刺激されると、痛いくらいに
張り詰めた欲望がさらに膨れ上がって律動を始めた。
「駄目だ、マスター……! もう出るっ!」
 無意識のうちに髪を掴んで引き離そうとするが、彼女は頭を横に振り、唇と指にさらに力を入れた。
「はぁっ……」
 喉の最奥まで突っ込んだところで彼のものがドクンと波打ち、迸った液体が流れ込む。
気道近くにブチまけられた彼女は咳き込みそうになるのを抑え、余さず吸い取りながら口を離した。
561544(17):2005/11/07(月) 14:16:50 ID:71Oi0dlG
「カホッ、クフッ、やだ、ちょっと気管に入っちゃったみたい……、コホッ」
 慌てて起き上がって背をさする男の気遣いが、どこかピントがずれているようでひどく可笑しく感じ、
彼女は咳き込みながら笑った。
「こっちはあんまり慣れてないみたいね。前のご主人様はこんなことしてくれなかった?」
 見慣れない困った表情が面白いのか、やはり彼女はクスクス笑い続けた。
 大人と少女の間のような肉体に、成熟しつつも不安定な情動。そして、憂いを秘めた切れ長の目を持つ
この美しい女が己の主なのだ。その危うげな全体像に、一目見たときから言いようもなく惹かれている
自分に気付いていた。
 深い緑の瞳が揺れる。人間はこれを何と呼ぶか、さっき知った。
――そうか、Green-Eyed Monster(嫉妬深い魔物)
 おそらく、昔の恋人とやらは、本能的にそれを恐れたのだ。危険だ、と精霊としての理性が告げる。
だが、彼はそれに耳を貸すつもりは毛頭なかった。
「あーあ、体拭くの大変そう。でもまあ、なんとかなるわよね。今日はこのまま一緒に寝て。駄目?」
「……マスターがそう願うなら」
 乱れた薄布を纏い直しながら、彼女はホッとしたように呟いた。
「よかった。このまま1人で寝るのって、なんだか怖かったから」
 崩れ落ちそうな笑顔に狂う。もう主の毛布が汚れることなどどうでも良かった。
 あの世だろうと、この世の地獄だろうと、どこへでも共に行こう。
 伸ばした腕に主が収まるのを見て、ぐいと抱き寄せた。艶のある黒髪に顔をうずめ、思う。
(魔物でも構わない。俺の運命はマスター次第だ)
 虚ろになり始めた眼が瞬きをするのを感じながら、彼もまた目を閉じた。


<<終>>