ギャラリー・フェイクのエロパロ

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241225-240:2005/12/07(水) 14:09:20 ID:UXGcufdJ
終わり、です。
区切り方がヘタで16レスも使ってすみません。

何事もなかったかのように次をドゾー↓
242名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 06:20:16 ID:rM/OPdbn
おお、神きてた!
臆病つーか、相手のこと考え過ぎちゃった
挙げ句に無謀なことする藤田がリアル。
それに懸命に応えるサラちゃんが可愛くて
いいです。GJ!
243名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 11:36:47 ID:qJcc9XRr
感想書こうと思ったらみんな>242に言って貰っちゃった件
GJ!
244名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 07:01:18 ID:YmT08ubA
まだまだ読み足りないです。
職人様がいらっしゃいますように。ナムナム
245名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 01:18:00 ID:yY5wqB3t
hosyu
246保守(´・ω・`):2005/12/19(月) 04:16:17 ID:NIyOJN8l
「ふっ……んっ……」
暗闇の中に荒い呼吸が響く。
「んんっ……」
スゥイートのベッドルームは広く静かで寂しい。その空気を震わせるように小さな声が漏れた。
「フジタ……。ん……」
ベッドの中はサラ一人だ。サラは自分で自分を慰めていた。
一年中で街が一番きれいに見える季節。冷たい風が吹き抜けるのに心の中が
温かくなるこの時期に、フジタは急な仕事でギャラリーをサラに任せると飛び出していってしまった。
どこへ、とも、何をしに、とも聞けず、フジタからの連絡も珍しく入ってこない。
(いつもなら……どこで何をしてるかくらい教えてくれるのに)
いつ帰ってくるのかもわからない。こんなに人恋しい時期に。
そしてつい、フジタを思い出すように自分の体に触れてしまったのだ。
明るいところでは気恥ずかしさが先に立つが、暗闇の、布団の中でなら少なくとも
恥ずかしくはない。
一度触れてしまうと歯止めがきかなくなった。最初はただ触れて、フジタを想い
眠りにつくことができた。翌日からはそれでは足りず、手の動きが徐々に激しくなり、
押し殺していた喘ぎは部屋に響き、一度達さないことには眠りにつけなくなった。
フジタの不在が続いている日数分、そんな夜が続いている。
自分の細い指が胸をまさぐる。やはり違う。それでも心と体に残っている記憶をたぐり寄せるように、
フジタが触れた時のように触れてみる。
「あぅ……」
フジタに会いたい。会って触れて欲しい。温かい大きな手で包み込まれたい。安心させて欲しい。
自分はいつからこんなに弱くなったのだろう。フジタがいないとたとえようもなく寂しく不安になる。
「フジタ……フジタ……」
片方の手を下着の中に滑り込ませる。
自分の一番大切な部分。和毛が茂るその先にある熱い柔らかい部分にそっと指先で触れる。
「はあっ……」
ぎゅっと目を瞑り甘い息を吐き出す。自分の手で快感を呼び覚まし、淫らにうねるせいで
ベッドシーツはとうにくしゃくしゃになってしまっている。
247保守(´・ω・`):2005/12/19(月) 04:17:02 ID:NIyOJN8l
(熱い……)
蜜壷はとっくにとろとろと溶けていた。
いやだ、恥ずかしい、はしたない。
そんな感情がふとよぎる。それでも手は止まらない。なぜならこれはフジタの手だから。
サラを昂ぶらせ、サラを欲してくれる唯一の手だから。
指先が敏感な肉芽に触れる。
「んああっ……!!」
声が出る。思わずのけぞる。どうしてもココへの刺激は慣れない。フジタに優しく扱われ、
時に舐められる事があっても、全身を駆け抜ける電流のような刺激に、サラはまだ
悦びを感じることが出来無い。それでも
(慣れたほうが……イイのかな……)
再びそっと指を這わせる。
「んんっ…!!」
びりびりとするその刺激に耐えながら、そっと擦る。つるりと逃げてゆく小さな突起を
追いかけるように、他の指でそこを広げてゆく。
とろり、と蜜があふれた。
びくんと体が動く。
(やだ、ワタシ……こんなに……)
フジタに抱かれている、と思いこんでのため、サラの体はフジタに抱かれているつもりで開いてゆく。
気持ちよさを追ってゆく。けれどサラの頭の中では、これは自慰だ、とはっきり分かっている。
うしろめたさがある。だから、常になく感じてしまう自分に嫌悪感を覚える。
「ちがうのに……ワタシ、こんなじゃナイのに……。はあっ……ん」
否定したいのに指が動いてゆく。フジタが触れた痕跡を探して、サラの指が勝手に体中を
なで回してゆく。
中が飢えていた。
欲しい。欲しくてたまらない。なかをぴったりと満たしてくれるものが。
ひくひくと蠢く襞をかきわけ、指を埋めてゆく。
「ああ……」
待ち望んでいたところへの刺激に、鼻を鳴らす。物欲しげな声が漏れる。
気持ちいいのに足りない。
248保守(´・ω・`):2005/12/19(月) 04:18:12 ID:NIyOJN8l
それもそのはずだ。サラの細い指とフジタ自身では比べるべくもない。
足りなくて、欲しくて、腰が動く。もっと奥深くへと指を差し入れ動かす。それでも。
「ああ……ん…フジタ。フジタ、もっと……」
フジタ本人の前では決して口に出せないであろう恥ずかしい言葉を発して、
さらなる刺激を得ようと胸の頂をつまみあげ、指をくちゅくちゅと音が出るほど動かす。
「たりないよぅ……」
泣きそうな声になる。
イヤラシイ、もうやめなくちゃ、そう思うのに、体の芯でうずく飢餓感に突き動かされるように
指の動きが速くなる。水音が濁り始める。
毎夜こうして達するまで自分をあざむいた。けれど今夜はその限界が来たようだ。指ではだませない。
「なにか……同じくらいの」
自分でも何をしようとしているのかわからないまま、フラフラと熱に浮かされたように
ベッドから抜け出す。
胸がはだけ、口唇が紅く濡れている。片手の指先が自分の蜜でぬらぬらと光る。
あまりにも淫らだ。フラリ、と一歩進むと内股を蜜がつたって落ちた。
「あは……っぁ」
イきたい。それしか考えられない。もう少し、もう少しでイけるのに、フジタがいないからイけない。
サラはバスルームへ続くドアを開けた。
明かりを付けると目を射るような白い光がパウダールームを照らした。
その白さに一瞬自分の浅ましさを思い知る。パウダールームの大きな姿見が乱れた自分を映し出す。
(こんなに……イヤラシイ……)
どうしてこんなふうになってしまうのだろう。自分の体はどうしてしまったのだろう。
けれど奥からの欲求に負け、一歩また一歩と鏡へ近づいてゆく。
カチャリ、とキャビネットを開ける。薬瓶、ドライヤー、ハブラシ、化粧品。掴んでは戻し、
掴んではまた戻して、やっと納得のいくものを見つける。パックのチューブ。蓋は固いけれど
チューブ部分は握るとぐにゅぐにゅと形を変える柔らかさだ。
チューブを手にベッドに戻る。
ふと思いついてベッドサイドの引き出しを探る。サラの手元にコンドームは無い。
買うのが恥ずかしいという理由もあるが、フジタに任せきりにしているからだ。
フジタもそのあたりは心得ているのか、必要なときにはきちんと出してくるあたり妙に律儀でおかしい。
引き出しの中から小さなビニール袋を取り出す。何もしないよりましなレベルだが、カサカサと
音を立てるビニール袋にチューブを入れる。
パジャマのズボンを脱ぎ、下着を取り去る。下着に向かって糸がひく。ぐっしょりと向こうが
透けそうなほど濡れている。
汚れた下着をそのあたりに放り、サラはフジタを受け入れるときのように足を広げた。
どくどくと心臓が痛いほど音を立てている。チューブを自分の中心にあてがい、そのまま
押し込もうと手に力を入れた。
「っ! あ、い、いたっ……!」
249保守(´・ω・`):2005/12/19(月) 04:20:11 ID:NIyOJN8l
保守代わりなんで、すんませんが続きます。
250名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 21:44:45 ID:e/vvZy/0
GJ!
サラたん可愛いよサラたん
続き楽しみにしてます。
251保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 03:54:21 ID:dne2jvyc
入らず、それでも入れようとし、痛みが走った。
「なんで? フジタのは……」
さすがにその先は口に出せず心の中でつぶやく。
(もっと大きいけどちゃんと入るのに)
形状が悪い、ということに思い至らないのが経験の浅さだ。フジタとのセックスも
まだやっと体が馴染んできたていどだし、異物挿入はこれが初めてだ。
しかも入るところが見えないと不安で、サラは体を起こしたまま、円筒形に近い
プラスチック製の蓋部分をまっすぐ突っ込もうとしたのだ。入るはずがない。
ビニールの中で蓋を外す。
パックを細く絞り出すチューブの口。これなら入る。
サラは再び股間へチューブをあてがった。ぐちゃぐちゃになって口をあけて待っている
その部分へ先端を潜り込ませる。
「ひぐっ……う……」
本物の形状とはどうしても違うので、違和感が先に立つ。先端は指一本分ほどの太さだが、
チューブは急激に太くなる。本来の用途とは違うのだからなだらかな形をしてはいない。
サラは押し込む角度を変えながら少しずつ中へ納めていった。
チューブの肩部分が入ってしまえば後は簡単だった。
力を入れて押し込んでいたためその勢いでチューブがずぶりと奥まで入り込み、
サラは奥壁を突かれ甘い悲鳴を上げた。
ようやく、物欲しげにひくりひくりと動き蜜を吐き出していた口は、ぴったりとすき間無く埋められた。
「あ……は……。はぅ……ん」
腰を動かすだけでもそこから甘いしびれが伝わってくる。
そっと前後に動かす。ビニールのカサカサという耳障りな音と共に、じゅ、ぐちゅ、と水音がする。
フジタがこんなさまを見たらなんと言うだろう。
サラはそう思って羞恥に頬を染め身を震わせる。その想像さえもが甘美な刺激だ。
ふつうに抱かれているときでさえフジタは、サラのその部分をわざと描写して恥ずかしがらせ、
その様子を楽しむことがある。こんなところを見つかったら、今ならなんと言うだろう。
「あっ……あっ…フジタぁ…… いやぁ……そんな、だめぇ……」
想像し、昂ぶる。いやいやと首を横に振り、長い髪が乱れるのもそのままにチューブを動かし
のぼりつめてゆく。
「フジタ…フジタっ……もうっ…ぁはぁっ……!!」
目の前が白くはぜる。ひくひくと自分の中が動いているのが分かるほどに感じ、高まり、
解放されたその瞬間無意識にチューブを握りしめた。サラの中で、チューブの中身が
にゅるりと出るのがビニール越しにも感じられ
「あはあ…んっ……ぁぁ……ぃやぁっ……」
と淫らに声をあげながら腰を振り身をくねらせた。まるでフジタが膣で出した物を
奥へ迎え入れようとするように。
252保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 03:55:33 ID:dne2jvyc

翌朝の目覚めはお世辞にも爽快とは言えなかった。
後始末もせずにくたびれ果てたまま寝入ってしまい、胸元から片方の乳房がこぼれ、
下半身は裸のまま、床に落ちたビニールの中には白いパック剤がぶちまけられている。
そのままゴミ箱に捨てるのもはばかられ、パックチューブと昨夜の下着は
黒いサニタリーバッグに入れて持って出ることにした。ギャラリーのごみに混ぜて捨ててしまおう。
毎朝ジムで汗を流しているが、今朝はそんな気になれない。下半身がだるくうずくし、
朝食もきっと食べられない。
朝の光に正気に戻され、部屋の惨状と昨夜の己の浅ましさに身がすくむ。
バスルームへ行き、熱い湯をかぶる。少しでもしっかりするように。昨夜の自分を
洗い流してしまうように。念入りに体を隅々まで洗う。清潔にすればあんな欲望は消えてしまう。
そう思いたい。
新しい下着をつけ、鏡の前でパンパンと頬を軽く叩いた。
(しっかりしなさい、サラ。フジタがいなくても店はちゃんと開けなきゃ)
背筋を伸ばすとサラはギャラリーへ向かった。

いつものように掃除をし、いつものように店を開ける。郵便物の仕分けをし、フジタ宛の物は
クリップで留め日付をつけ、開封しても良い物はサラが目を通し処理をしてゆく。
単純作業の中に身を置くと、体の中でざわめいていた物が静かになってゆく気がした。
いつもの自分に戻ってゆく。
どうかしていたのだ、特に昨夜は。
そう思った。一日が何事もなく過ぎてゆく。それでも日が暮れ、カレンダーを見つめ
『フジタ、今日も連絡が無かった』と思う頃には体の中に波が立ちはじめていた。
(どうして?)
自分の体を抱きしめるようにしてしゃがみこむ。
こんなのワタシじゃない。ワタシはフジタが好きだからフジタに抱かれたい。でも、
行為そのものが好きなほどイヤラシイ子じゃナイよ……。
それなのにフジタがいない寂しさを思うだけで体の芯がうずく。ぴたりと合わさった
花弁の奥に隠れている口がぽかりと開いてしまう気がする。
「フジタ……たすけて」
自分の体の変化がおそろしくてたまらなくて、サラは涙をこぼした。
253保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 03:56:51 ID:dne2jvyc
ギャラリーの中はそこかしこにフジタの気配がする。オーナーなのだから当たり前だが、
フジタの感性で作り上げられた空間にいると、皮膚でフジタを感じる。
フジタの椅子に座り、そっと背もたれのにおいを嗅ぐ。
ハイバックの革製の椅子からかすかにフジタの香りがする。整髪料のにおい、
タバコのにおい、加齢臭だと言うと怒られる、首の後ろのあたりのにおい。
わずかな残り香なのに全部フジタだ。
サラは背もたれをぎゅっと抱きしめて目を閉じた。
外が真っ暗になり、室内もしんと冷えてきた。うっかりそのままうとうとしてしまったらしい。
慌ててサラは体を起こすと、ブラインドをおろし表のカギをかけに行った。
ギャラリーの照明を落とし、再び事務室へ戻る。
椅子に座り、もう一度フジタの香りを探す。
手がそろそろと胸元へ伸びる。触れる前からもう両の胸の先端が固くなっているのは
分かっていた。服の上から触れただけで声をあげそうになった。
歯止めがきかない。
こんなことしちゃいけない、と思うのに止められない。
「あ……ああ……っ」
背もたれに向き合うように腰掛け、冷たい革製の背もたれにすり寄る。火照った身体には
その冷たさも刺激になった。そしてかすかなフジタの香り。
「あ……ん、フジタ……。お願い……」
きちんとスカートの中に入れられていたブラウスの裾を引っ張り出す。片手でブラウスの上から
胸をやわやわと触りつつ、もう片方の手でもどかしげにボタンを外してゆく。小さなボタンが
手の中で逃げ、ふっ、ふっ、と息があがってゆく。
ボタンを全部外してしまい、両手で勢いよくブラを持ち上げる。ぷるん、と揺れて
両の乳房が落ちてくる。その先端はすでに固く上を向いている。
そのままそっと背もたれに身体を預けると、冷たい皮革がサラの乳首をさすり、
ついで乳房を押しつぶした。
「あはあっ……!!」
椅子が愛撫をするはずがない。椅子がフジタの代わりになるはずがない。
これらはすべてサラがやっていることなのだ。フジタを求め、快楽を求め、サラ自身が
自分の身体を嬲る。
「んんっ……フジタぁ……」
くりくりと乳首を弄る。柔らかなふくらみの上にちょこんとのった尖りは、擦り、つまみ上げると
じんじんと快感を脳に伝えてくる。
254保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 03:58:14 ID:dne2jvyc
スカートをまくり上げた。薄い生地の障害物が二枚もある。パンストとショーツ。
サラはその上からそっと触る。
じっとりと濡れている気がした。汗なのか愛液なのか分からないけれど、濡れている。
思わずその指を目の前に持ってきて確認してしまう。指先のにおいを嗅ぐと、
自分の奥から湧き出る淫らなにおいとともにフジタの香りが鼻腔をくすぐった。
「んは……ぁ」
そのまま指を舐める。舐めて、しゃぶって、まるでフジタのモノに施す愛撫のように、
口をすぼめ絡め取り、ちゅぱちゅぱと音を立てる。指で口の中をかき回す。
フジタに犯されている時のように。
「む…ふっ……はぁ…んっ……」
乳首を背もたれにこすりつけ、自分の指で自分の口腔内を犯しつつ、もう片方の手で
秘所をさぐる。下着の上からでも濡れている、と感じたそこは、指への刺激を続けてゆくにつれ
とろとろと蜜を外へあふれさせ始めたようだ。はっきりと汗や蒸れではない濡れ方をしている。
布越しにするだけでもたまらない、甘美なしびれを伝えてくる。手が止められない。
「ああ……もう、らめぇ……」
ゆらゆらと頭が振れる。口の中に指が入っていて言葉が不明瞭になっているが、
気持ちよくて頭の中でも言葉はすでに意味をなしていない。
「フジタっ、フジタっ……あっ あっ」
断続的に愛する男の名を呼ぶ。呼ぶことでまた昂ぶる。体の芯が熱くうずき、
その先にある大きなうねりを心待ちにしている。うねる波にとらわれ、攫われ、運ばれてゆくのを
期待している。
しゃぶっていた指を秘裂に伸ばす。つう、と唾液がひき椅子に落ちたが、
サラの茫とした目に映るその光景はなにほどの感慨も与えない。汚してしまった、拭かなくちゃ、と
考えることが出来るサラはここにはいない。ただ気持ちよくなりたいだけの塊になっている。
両方の手で薄い布地の上から秘所の中心をぐっと押さえる。下着ごと中へ
押し込んでしまいたい衝動にかられる。荒い息を吐きながら、背もたれで頭を支え、
座面に膝立ちになりぐいぐいと指で上に突き上げる。
「ぅ……ああんっ くぅっ……」
直接の刺激でないためどうしてももどかしい。もっと奥に欲しい、という気持ちを抑えられない。
けれど今ここで中断して下着を脱ぐのさえ時間がもったいない気がして、サラはそのまま
下着をぐしょぐしょに濡らしながら柔らかくぽってりと充血した秘肉を刺激し続けた。
255保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:44:28 ID:dne2jvyc
頭の中で絶えずどこかがショートしているような感覚に襲われる。背もたれの皮に
こすりつけ続けた乳首は痛みに麻痺して、ころころと転がり、ちぎれ落ちてしまいそうな気がした。
それがまた己の身体を虐するあやしい悦びに変わる。とろとろと内壁を流れ落ちてゆく蜜は
とうに下着が吸い取る限界を超え、パンストに包まれた内股へと広がっている。
「ふっ! ……く、あああっ!!」
障害物の多いその部分に隠れていた肉芽に力がかかり、サラははじかれたように背を反らせ、
落ちまいと身体を戻し、その勢いで背もたれに当たって崩れ落ちた。反動で椅子が
がくがくと揺れる。倒れる心配のない大きさと安定性の椅子ではあったが、
中途半端な姿勢で椅子に全体重を委ねたサラにそれが分かるはずもなく、不安定な揺れに
サラの感覚が一気に高まった。
「ひっっ……あ、落ち、落ちちゃうっ!……ああっ……ぅあ、だめ……だめ、だめぇっ!!」
びくびくと、椅子と共に揺れながらサラは、熱く固く尖る秘芽への刺激だけで達した。
ずるずると滑り落ちるように座面に崩れ落ちる。
はぁはぁと吐く息が熱い。顔も火が出そうなほどだ。肩で息をしながら、呼吸が落ち着くのを待つ。
(どうして……こんなふうになっちゃうのかな……)
どんなに気持ちよくなっても、いやらしい、浅ましい、と思う気持ちがぬぐい去れない。
こんなふうにセックスに翻弄される身体が本当に自分の物なのか、とさえ考えてしまう。
フジタに抱かれている時ならばまだいい。だがこれはあくまでも自慰だ。誰を想っていようとも
触れるのは自分の手、昂ぶってゆくのは自分だけだ。そしてそれはここ数日でエスカレートしている。
「もうヤダ……フジタ、どこにいるの……?」
「ここだが」
声にならない悲鳴を上げて振り返った。
コート姿のまま、帽子も取らずフジタが机を隔てたむこうに立っていた。
「うそ! い、いつ、いつ……」
頭の中がパニックを起こしている。言葉が出てこない。
「ん? いつからいたか、って? オマエが指を口にくわえたあたりからじゃないかな」
言いながら帽子を取る。フジタのにやにやと笑う顔が見えた。
頭に血が上るのがはっきりと感じられた。目の前が白くなる。
(なんて? 今、フジタはなんて言った? それってほとんど……ほとんど
はじめっからじゃないの?)
256保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:44:57 ID:dne2jvyc
心臓がばくばくと音を立てる。
フジタは帽子であおぎつつにやにや笑いのまま言う。
「いやぁ、帰国早々いいものを見せてもらった。一人で寂しがってるだろうと思って
急いで仕事を仕上げて帰ってきたが、こんなに思ってもらってるとは……」
「いやあっ!! バカ、バカバカ、バカフジタっ!! なんで……っ!!」
どうして部屋に入ってきたところで声をかけてくれなかったのだろう。声をかけられる状況に
なかったのなら、どうして部屋を出て行ってくれなかったのだろう。こんな姿、
見られたくなかったのに。
「信じられないっ!! ずっと見てたのっ!?」
「そりゃもう、じっくりと。子どもだ子どもだと思ってたが……」
そこでフジタは一旦言葉を句切り、にやっと笑った。
「なかなかにいろっぽかったぜ」
(い、いろっぽかった? それって一応ほめられた?)
しかし見られたのは自慰だ。それを思うとほめられたと喜んではいられないと思う。
いつの間にかそばまで来たフジタが椅子ごとサラを抱きしめる。
「なあ、そんなに寂しかったか?」
「やっ……し、知らないっ」
寂しかった。留守番は初めてではないのに、たとえようもなく寂しかった。しかしなぜか
素直に言えなかった。言ってしまえば連日の行為まで白状させられそうな気がしたからかもしれない。
「なんだよ。オレの名前呼んでただろ?」
後ろから抱きしめられているが、フジタがどんな顔をしているのか分かる気がする。
今にもくっくっと笑い出しそうな顔をしているに違いない。
フジタの手がむき出しになったままのサラの乳房に触れる。
「ふぁっ…!」
「あんなのじゃ足りないだろ?」
「いやぁ……ん」
円を描くように乳房をこね回される。柔らかくなりかけていた乳首がまた自己主張を始める。
髪をかき上げられうなじに唇を落とされた。身体の奥がぞくぞくしてくる。
(全然違う……)
257保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:45:35 ID:dne2jvyc
フジタを思って自分で触れるのと、フジタにこうして触れられるのと。同じところを
同じような力加減で触れたと思ったのに身体の反応が全く違う。
鎖骨の近くを強く吸われる。
「あ… あんっ……フジタ、跡がついちゃう……」
「つけてるんだよ」
一気に体温が上がった気がした。
こういうことをしている時のフジタの声はいつもと違う。いつもより少し低くて、
少し優しくて、なんだか艶めいている。この声のせいで、言葉で心を愛撫されているような
心持ちになる。
耳を軽く噛まれた。小さな痛みが妙に気持ちいい。胸を揉んでいた手がおとがいにかけられる。
顔を後ろに向けさせられ、口づけられた。いきなり舌が入ってくる激しいキスだ。
「んんっ……ん、んー」
あまりの激しさに喘ぐが、唇で口を塞がれているので声にならない。
苦しくて、やっと鼻から息を吸いこむとフジタのにおいでいっぱいになった。
タバコのにおい、整髪料のにおい、フジタ自身のにおい。椅子の背もたれにかすかに残っていた、
そのオリジナルだ。ぎゅっと胸の奥が締め付けられた。
舌を奥まで受け入れようと口を開けると、とろりと唾液が落ちてきた。においが一気に
味になって口の中に広がる。タバコの味の混じるそれは決しておいしいものではないのに、
サラはもっと欲しくてフジタの舌を、唇を吸った。
名残惜しそうにフジタの唇が離れる。
はぁ、と息を吐く。心臓が脈打つ音が頭にまで響く。
(どうしよう……ワタシまたおかしくなっちゃう)
ついさっきも快楽に負けて、やめなくてはと思った手が止められなかった。
最後まで達してもその場にいないフジタを求め続けた。
でも今はフジタがいる。一人じゃない。こんなに近くにフジタがいる。
「なあ、さっきみたいに言えよ」
フジタが言った。
「エ?」
「さっきみたいにオレの名前を呼んで、欲しいって言えよ」
「そんな……はずかし、いコトっ……」
フジタの手がスカートの中にも潜り込んでくる。抵抗しようとした声が甘く裏返る。
258保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:45:57 ID:dne2jvyc
「恥ずかしいか? オレは恥ずかしくないがなあ」
スカートの中をまさぐられ、身体がガクガクと揺れる。
(だめっ……気持ちイイよお……)
フジタの指がその部分に触れる。またぞろ熱がぶり返す。触れられたところを中心に熱く、
柔らかくなってゆく。
感覚的なものなのかもしれない。実際の反応はフジタしか知らない。でも、どんな反応でもいい。
(それをフジタが嫌だって思わないでくれれば)
フジタが喜んでくれるのなら嬉しい。
「フジタが言うわけじゃないからでしょおっ!!」
こんなにも心がフジタへ傾いてゆくのに、口から出たのは憎まれ口だった。
それを受けてフジタが言う。
「なんだよ、言って欲しいのか?」
「エ? ど、どうだろ」
「どっちだよ」
フジタは苦笑いを浮かべると、ちゅ、と音を立ててサラの乳首を口に含んだ。
「んあぁっ……」
刺激に反応し背が反り返る。フジタに対して胸を突き出したようになってしまい
余計に恥ずかしいのに、それが気持ちいい。
「言うまでしないぞ」
「そんなの……言えない、ってば……あっ」
フジタの手は的確にサラの弱い部分を責め立てる。そのくせ肝心なところへは触れてこない。
じれったくてもどかしくて、サラは腰をくねらせる。
「フジタが……言うなら言ってもいいけど?」
どうせ言えないだろう、と思って挑発する。『欲しい』なんて言ってくれるはずがない。
気が付けばサラが籠絡されているのがいつものパターンなのだ。今日だってきっと、
抵抗したところでいつの間にか言わされてしまうに決まってる。
ふん、とフジタが鼻で笑った。
「ずいぶんと甘い条件だな」
スカートの中の手が抜かれた。あっ、と思う間もなく抱き上げられ、体を入れ替えられる。
フジタが椅子に座り、その膝の上に乗せられた。
259保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:51:17 ID:dne2jvyc
「オマエが欲しいんだよ。全部。……オマエは?」
真顔で言われ、頬が焼けるように熱くなった。
(ウソ。ウソでしょ。フジタがこんなこと言うはずナイ)
「……偽物?」
「誰がフェイクだ! 本物だってーの。ほら、言ったぞ。オマエはどうなんだ?」
「…………い、よ」
「聞こえない」
(イジワルだ。偽物じゃない。本物のフジタだ。だけど。でも)
ぐるぐると迷った挙げ句、サラはやっと声を出した。
「欲しいよ。フジタが欲しい」
「どこに?」
「どっ! ドコに、って…ドコに、って何!!」
言い返すとフジタは、くくく、と笑った。
「ほんとに面白いな、オマエ」
触れるだけのようなキスをされた。
ところが。
「悪いが今日は無理だ。明日以降に延期な」
あまりにも簡単に言われて耳を疑った。
「えええー!? こんなことまで言わせておいてどういうコトよ、それ!」
「すまんなぁ。エコノミーだとこたえてなあ」
目をつむり、腰をさする。
「エコノミーでくたびれるのは毎度のことなのに、どうしてまたエコノミーに乗るヨ?」
学習しないのか、と呆れて聞くと
「一番早い便の空きがそれしかなかったからに決まってるだろ」
とふてくされた声で返ってきた。
「え?」
「早く帰った方が喜ぶだろうと思ったんだよ」
フン、と横を向くフジタにサラは飛びついて抱きついた。
「フジタ!」
「だからな、今日は……」
うんうん、とうなずき、なだめすかすように頭をなでるフジタに、サラは
「それとコレとは別ヨ」
と言うとズボンの上からフジタのものに手を触れた。
260保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:51:47 ID:dne2jvyc
「お、おい、何を」
「足りないの」
「サラ……」
「って言えばいい?」
「こら、大人をからかうな」
「からかってなんかいないよ」
ベルトを外しファスナーをおろす。
「ちょっと待て、って」
言葉では制止しようとするが、フジタの手は動いてはいない。本気でサラの行動を
止める気はないのだろう。
ぎゅっと腰のあたりに抱きつき、ぐい、と自分の方へ引き寄せるとフジタの尻が
椅子から浮いた。そこを狙って、ズボンとトランクスを一気に下へおろし、
椅子を思い切り後ろに蹴飛ばした。空いたスペースへフジタを押し倒す。
「うわっ。オマエ、なんつー無茶を」
それには答えずサラはフジタのちからなくぐにゃりと頭をたれているモノを口に含んだ。
「う……」
竿の部分を手でしごきながら先をちゅぱちゅぱとことさらに音を立てて吸い上げる。
深く奥まで飲み込み、唇と舌とでやわやわと締め付けると、びくんと動き硬さと大きさが増した。
はあ、とフジタが熱い息を吐いた。
サラの体の中でまた新たな蜜がつくられつつあった。
フジタに教えられた。気持ちよくなると身体の中がうるむのも、中が潤んで柔らかくなるから
フジタを受け入れることができることも、受け入れる瞬間の圧迫感と痛みも、それを上回る
目もくらむような快楽も、何もかもフジタに教えられた。
けれどただ一つ、教えてもらえない。どうすれば『一人じゃない』と納得できるのか。
何度抱き合っても、何度受け入れても、何度達しても。
終わってしまうと一人だ。
何も残らない。繋ぎ止める術にはならない。
大きく硬く立ち上がったフジタ自身をまたぐようにして、上にのしかかる。
「サラ、だめだ」
苦しげに言うフジタを無視し、サラは腰をおろした。ぐっとつかえる感じがし、
それから熱い棒でそこを押し広げこじ開けられる感覚にサラは
「ぁああっ……」
と声をあげた。
261保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:52:26 ID:dne2jvyc
サラの中がとろとろと柔らかくなっていたので、フジタのものは最初こそ手こずったが、
先が入りきってしまうと後はサラが腰を下ろすのに合わせ、ぬるん、と入った。
「う、バ、バカ! ゴムしてないだろ!」
フジタが慌てる。どうやら入るはずがないとでも思っていたらしい。
「入っちゃってから言ったって、仕方ないでしょ」
はぁっ、と息を吐く。きっちりと中までおさまって、その部分を中心にドクドクと
脈打つ感じがする。
フジタの上に覆い被さるようにし、床に手をつくとサラは腰を上下させた。
「んっ……く……」
フジタがどう感じているのかわからないが、サラにとってこのやりかたはきついばかりだ。
筋力を使うし、どう動いても自分が気持ちよくなる、というのがわからない。
顔にかかり落ちる髪を、時折うしろへ跳ね上げながら動いていると、ぐっと
腰のくびれのあたりをつかまれた。
顔を上げると、妙に苦しそうな顔のフジタと目があった。
「このバカが。子供でもできたらどうするつもりだ」
「どうしようか?」
笑って問い返すと余計に怒られた。
「だからダメだっつっただろうが!!」
「でも、赤ちゃんできたら……ワタシ、もう一人じゃないね」
「はぁ?」
「だって、フジタは一人でどこかへ行っちゃうんだもの。ワタシ一人でおいていかれるんだもの。
でも、フジタの子がいたら、ワタシ、一人じゃなくなる」
「……話がよくわからんのだが?」
「一人きりはイヤなの。フジタがいない間、ワタシすごく寂しかった。最初は抱きしめてもらえないからだ、
と思った。だから…あの……あんな……えーと、ね……」
そこから先が言えずうつむいた。
「あー、そこはいいから。その先」
うながされ、続ける。
「うん…。でもね、違ったの。すればするほどおかしくなった。足りないんだろうか、って思ったら
こわかった。ワタシ、おかしくなっちゃったのカナって。でも、そうじゃなかった。方法が違ったの」
「方法?」
「そう。身体が満たされない、って思ってたから、まちがった。ワタシが抱きしめて欲しかったのは
身体じゃなかったし、ワタシが欲しいと思ったのはフジタのコレでもなかった」
フフ、と笑いながらサラは腰を浮かし、結合部分からのぞくフジタの幹本に触れた。
「何が、欲しかったんだ?」
「手に入らないものヨ」
そう言うとサラはまた腰を沈めた。
ぴったりとすき間なく埋められる。その部分だけは過不足無く満たされる。そしてそれとは逆に、
サラの心の中にはすき間が出来てゆく。こんなに近くにいるのに、近くにいるから心の遠さを感じる。
「手に入らない? 手に入れようとしたのか?」
262保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:52:59 ID:dne2jvyc
腰におかれたフジタの手に力がこめられ、サラは下からフジタに突き上げられた。
「ひっ ああっ…!!」
文字通り突き抜けるような衝撃に、大きな声が出る。
フジタは二度、三度と大きく突き上げサラを揺らす。
「手に入れたいモノを、手に入れようとしたのか? 手を尽くし、策を弄してでも
自分の物にしようと、そのくらいはしたんだろうな? ああ?」
激しく揺すりたてられ、言われていることの意味を考えることさえ出来無い。
自分の体重と重力とでいつも以上にフジタと深く繋がるその部分が、擦られ、押しつけられ、
なかもそとも気持ちよくなってゆく。
「んんっ……あっ、ああ…ん あっ、ああっ……」
腰を掴んでいたフジタの手が胸に伸びる。
「ひゃああっ あはあ…っん ふあっ…」
掴まれ捏ねられる痛みにも、脳がとけてゆきそうな気持ちよさがある。
返事はとうに出来無い。口から漏れるのは甘い声ばかりだ。
「サラ、どうなんだ。手に入れようとしたのか?」
(なんで……どうしてそんなことにこだわるの?)
自分が上になる形で初めて得る快楽に翻弄されながら、サラは首を振って返事をした。
「むり……だよっ…んあっ… はっ……欲しいのが、わかった、のと……手に入らないのが…
いっしょにっ、わかったんだから…っ……ああ…」
フジタの動きが止まる。
目を閉じて気持ちよさを追っていたサラが目を開けると、フジタの、見たこともないような凶暴な顔があった。
「フジ…タ?」
ぐい、と上体を起こすとフジタはサラを反対の床に押し倒した。
「やっ! ……なに?」
「手に入れる努力もせずに代替品か。そんなものを手に入れてどうする。
真作が手に入らないから贋作を手に入れるのか? いや代替品だからな。
贋作よりたちが悪いぞ」
一旦引かれた腰が叩きつけられた。
「いっ……やあぁっ!!」
「欲しい、と言いもしないうちにっ……何もかもわかったような顔しやがって。
オレは、まだちゃんと聞いてないぞ!!」
「あああっ!!」
深く差し込まれる楔に内臓を直接えぐられるような痛みを感じる。
引き抜かれ、内壁を擦られぞくぞくと震え、また押し入られることでその震えが全身に
悦びとなって広がってゆく。
263保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:53:47 ID:dne2jvyc
「ああ……やぁ……そんな、にっ…」
「オマエ、あんまりオレを見くびってないか」
荒く息をし、激しくサラの中を犯しながらフジタが言う。
サラの耳にその言葉は入るものの、もう答えられない。
「やあっ…んんっ……だめっ、あっ……もうっ……!」
「こっちだってこうなった以上、覚悟はしてンだよ。自分一人で勝手にあれこれ考えて、
勝手に諦めてンじゃねえ!!」
「ああああっ!!!」
大きな声を出し、意識を手放す。腰が動くのを止められず、フジタの腰に足を絡め、
身体を押しつける。
「うっ…あ…い、いかん、サラっ、足っ!!」
フジタが慌てて体を離そうとするが間に合わず、どくり、とサラの中に放たれた。
「ひゃ…う…」
すでに達して麻痺していた中に新たな、全く異質の刺激を感じてサラは小さく喘いだ。
「…………あーーーー」
ガクリ、とフジタの体が落ちてきた。
「やっちまった……」
「な…に?」
フジタの重みと気怠い余韻に浸りながら聞き返すと
「オマエのせいだぞ」
と頬をつままれた。
「いっ、いヒャい、いヒャいよ、フひタ!」
「あのな、欲しいんだったら言えよ、ちゃんと。勝手に遠慮や我慢をするな」
そう言って手を離した。
頬をさするサラに微笑みかけ
「オマエらしくないぞ」
と付け加え、それからまた、あー、と頭を落とす。
「どうしたヨ?」
「オマエが……足を離さないから」
「あっ……」
顔が急に熱くなるのを感じながらサラは言った。
「でもネ、ワタシは、もしそうなっても……誰かや何かの代わりじゃなく、欲しいよ」
もしもそれでフジタの側にいられなくなっても、あの日失った何かの代わりでもなく、
手に入らないと諦めたモノの代わりでもなく、その子を愛そうと思う。
「バカ!」
「?! な、なによ。バカバカって人のことを…」
「一人で考えるな、ってさっき言ったばかりだろうが。人の話はちゃんと聞け。それから」
「なに?」
「腰、ダメだ。アパートまで送ってくれ……」
情けなさそうな顔でそう告げたフジタの顔をたっぷり30秒は見つめ、それからサラは大笑いした。


264保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:54:18 ID:dne2jvyc


「メリークリスマース!!」
元気よく事務室の扉を開けると
「おう、メリークリスマス」
とフジタが顔も上げずに言った。
「素っ気ないね。ハイ、クリスマスプレゼント」
「サンキュ。…ん? なんだ、これ?」
「コンドーム詰め合わせ! 渋谷に専門店がある、って聞いて行ってきたヨ」
「オマエなあ……」
朝からなんつー話を、と口の中で呟きながら肩を落とすフジタに、あはは、と笑って
「うそうそ。本当のプレゼントはこっち」
とワインを渡す。
「後で一緒に飲もうね」
「ん。……ほらよ」
フジタが箱を投げてよこす。
「プレゼントだ」
開けると指輪が入っていた。
「ありがとう」
「ま、かわりばえせんがな」
そう行ってカップを持ち上げる。
「そうそう、フジタ。もう一つプレゼント」
「んー?」
カップを傾けコーヒーをすする。
「生理きたよー! 一安心だね!」
ぶはっ、とフジタは盛大にコーヒーをふき出した。
「サラーーーーーーッ!!」
「な、なんで怒るのヨー?」


その日来店した客は珍しく毒気を抜かれたオーナーと幸せそうな助手の姿を目にした、という。
265保守(´・ω・`):2005/12/20(火) 23:57:18 ID:dne2jvyc
終わり。
クリスマスに合わせたかったけどスケジュールが合わない&
職人様のクリスマスネタがきっと来るだろう、と思って
一気に投下。すんません。ほんとに。
みなさんもよいクリスマスをノシ
266名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 03:00:42 ID:2r17LLOL
おおおおおおっっ!!
いいっス!!最高っス!!GJっス!!
267名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 23:52:19 ID:VCBkJXRw
サラが可愛くて萌える。
そして、同じぐらいに藤田がらしくていいっす。
GJ!!
268名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 15:59:23 ID:VBAUdrX/
ho
269名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 16:49:14 ID:eRs7/B6t
うはー
めっちゃイイ!
ありがとうGJ!
270名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 17:31:58 ID:CRinSz8i
保守

もう何度スレを読み返したか知れん。
みんなどこで萌え欲求、満たしてるのよ?
271名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 20:44:33 ID:CZ5sruuQ
自分もこのスレ何回も読み返してる
そんでもって原作を何回も読み返して萌えを補充
最近これにしかハマってないから、そろそろ寂しいです…
272名無しさん@ピンキー:2005/12/30(金) 23:57:09 ID:CRinSz8i
>>271
やっぱ読み返しですか。( ´Д`)人(´Д` )ナカーマ
自分もこんなにハマったマンガ(&アニメ)は初めてなので
もうこの欲求不満をどうしたらいいやら。
273名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 02:00:34 ID:cy19SjGx
>>272
同志よ!
自分もこんなにハマったの久しぶりなので日々欲求不満です。また読み返すかな…
職人さん待ってますぜ
274湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:12:31 ID:J4ZPLHzH
夜になると繋がらなくなる恐れがあるので今のうちに。
フジタ×サラ。エロ少ないです。
タイトル「湯けむり温泉カニツアー」(←透明アボーン用で名前欄に入れます)
275湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:13:06 ID:J4ZPLHzH
冬はカニの美味い季節だ。
年末年始の忙しさにとりまぎれ、気が付くとカニ缶でカニチャーしか食えないままのこともあるが、
本当ならひなびた温泉にでもゆっくりとつかり、カニ鍋、焼きガニ、刺身に甲羅焼き、
カニ雑炊とフルコースで堪能したい。
ここ数年は大晦日に除夜の鐘を聞くために東京を離れている。が、今年はどうも
カニに心が動くようだ。
こんな時期に予約がとれるものか、と言われそうだがとりあえずゆきわ屋に
打診してみることにした。
『ええ、フジタさんの頼みじゃ断れませんもの。明日から二泊で一部屋ですね。
かしこまりました。お待ちしております』
「ああ、よろしくたのむよ」
電話中にサラが入ってきた。受話器を置くのを待たずに話しかけてくる。
「フジタ、どこか行くのカ?」
「ああ、カニ食いにな。おまえ正月休みはどうするんだ?」
「特に予定、無いよ。ホテルでのんびりしようかと思ってた。ホテルのおせち
持っていってあげようか?」
「いらんいらん。オレは明日から温泉に浸かってカニを食うのだ」
「ええー。フジタだけ? ワタシは? ねえ、ワタシは?」
「今自分で、ホテルでのんびりって言ったじゃないか」
「一緒に行きたいよー。いーきーたーいー! 連れてけー!!」
「わかった、わかったよ」
かくして湯けむり温泉かに食べ放題ツアー二名様、と相成った。
276湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:13:56 ID:J4ZPLHzH
宿に着いたオレたちを見て女将は驚いた顔をして言った。
「お二人でしたのね」
そう言われて気が付いた。サラが付いてくる、と決まった後もう一部屋追加予約をするのを
忘れていた。
「うっかりしてた。もう一部屋空いてるかね?」
と聞いてみたが
「それが……あいにく予約がいっぱいで。どうしましょう。広めのお部屋はご用意してますけど」
「いいです、ソレで」
と勝手に返事をするサラを制して口を開きかけたが
「申し訳ありません。それじゃ、こちらへどうぞ」
と女将はさっさと案内に立った。
……えーと。オレは確か二泊で予約を取ったよな。二晩、サラと一緒の部屋で過ごせ、ということか?
オレは重い足取りで、女将とサラの後ろをついていった。


「わあ、おヘヤに露天風呂があるんですね!」
先に部屋に入ったサラのはしゃぐ声が聞こえた。ほほほ、と女将の笑い声もする。
「共同の露天風呂の方が当然広いんですけどね。こちら側は眺めがいいんですよ」
「ほう」
思わず感嘆の声をあげた。確かに女将の言うように景色がよい。部屋から繋がる
縁側の先に石造りの露天風呂があり、その向こうには連なる山々が見え、
木々に積もった雪の寒々しさは逆に露天風呂の温かさを引き立てる。
「こいつは確かに立派だ」
邪魔されずに景色を独り占めして湯につかるのもオツなものだ。だが今回残念ながら
のんびりと独り占め、というわけにはいかないかも知れない。はしゃぎ回るサラを見て、そう思った。
ごゆっくり、と言って女将が部屋を出て行く。早速ゆかたに着替えようとしたが、
サラがいるのが気になった。お互いの体を知らぬ仲では既に無いが、目の前で堂々と
着替えるほどの間柄でもない気がする。
277湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:14:57 ID:J4ZPLHzH
ちらりとサラの様子を窺うと
「おい、ちょっと待て」
「ん? なに?」
こちらに背を向けてはいるものの、さっさと着ているものをすべりおとし、
ゆかたに着替えようとしていた。
「おまえには恥じらいというものは無いのか。別の場所で着替えるとか、
オレに『ちょっと出ていて』くらい言うとか」
「それはそうなんだけどさー」
あはは、とサラは笑うと
「時間もったいないし、フジタ、よそ向いてたしいいかな、って。大きい方の露天風呂行ってくるね」
と言って、部屋を出て行った。
なんともあっけらかんとしたものだ。
こちらの感覚の方がおかしいのかと思ってしまうほどだ。


「これこれ。これが楽しみでねえ」
ぐつぐつと音を立てる鍋を目の前にし、思わず揉み手をしてしまう。夢にまで見た
カニフルコース。至福だ。
「フジタさんはほんとにカニがお好きだから」
と笑う女将。
「カニさえあれば他になーんにもいらないんですよ、フジタは」
とカニに嫉妬するサラ。バカか、おまえは。カニも必要だが、アート無くしては生きてゆけん。
だがまずは眼前のカニだ。
「冬はやっぱりカニだなあ」
「冬じゃなくても食べるくせに」
さっそくサラに突っ込まれる。
「そりゃ食うが、冬のカニに勝るカニはないね」
そう言って身をほおばる。
「カニどうし戦わせてどうするヨ」
サラが呆れたように言った。
「おまえ、食わんのか? だったらもらうぞ?」
「食べるよ。食べないなんて言ってないじゃない」
サラはカニを自分の方へ引き寄せると、せっせと身を掻きだし始めたのだが、
カニを食べる、という行為はなかなかに目に毒だ、と初めて知った。
指でカニの足をつまむ。指に付いた汁を舐める時にちらりと見える赤い舌。
指をねぶる仕草。刺身にされた身を大きくほおばる時の動作、身を扱き取るために
すぼめられる口元。
(いかん。意識しちゃいかん)
己の妄念を払おうと首を振るが、目の前で食べるサラの姿はいやでも目に入るし、
目が離せない。
腹の下あたりが熱くなる。あわてて杯をあおる。下腹部の熱をアルコールのせいに
してしまうために。
278湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:15:40 ID:J4ZPLHzH
締めのカニ雑炊になる頃にはオレはしたたかに酔っていた。
「フジタ、飲み過ぎだよ」
サラが心配そうに身をかがめてオレをのぞき込む。ゆかたの襟元が浮いて胸元が見えた。
どくり、と血が下に向かって流れてゆく感じがした。
(そんなことをするために来たんじゃないんだ)
卓を片付けて布団を敷いてもらう間、オレは部屋の庭へ出た。露天風呂の横に
玉砂利が敷かれた小さなものだが、おいてあった下駄をつっかけて外へ出ると、
冷気で酔いが覚め、同時に劣情も消えてゆくかのように身が引き締まる。
雪明かりでぼんやりとどこまでも白く明るい。
一緒にメシを食った回数は数え切れない。カニに限定しても何度あったか定かでない。
なのになぜ今日に限ってこんなことになるのか。
一緒の部屋に寝ることだって初めてではないのに。
考えている内にまた下半身へ血が集まり始める。
そんなことばかりを考えている年齢の若造じゃあるまいし、一体どうしたというのだ。
「フジタ、お布団敷けたよ」
サラの声でオレは部屋に戻った。


「いや……確かに敷けてるがこれはまずいだろ」
布団はぴったりとくっつけて敷かれていた。恨むよ、女将。
布団、というだけでも妙に気持ちがざわつくのに、くっつけてあると余計に「なにか」を
連想させられ、せっかく体の芯が冷えるまで外にいたのに、また熱がこもってくる。
オレは布団を一組引っ張って、間を開けた。サラが少し不満そうな顔をする。
「冷えたからちょっとそこの風呂で温まってくるわ。おまえ先に寝てていいぞ」
その不満を聞きたくなくて逃げるように縁側の先の露天風呂へ逃げた。
障子を閉めてしまえば、部屋から縁側、そして外は見えない。
寒さにぎゅっと身が縮こまり、急いで湯へ入る。絶えず新しい湯が流れ込んでいて
熱いほどだ。冷え切っていたつま先がびりびりと痛む。
「うう」
唸りながら空を見上げる。寒いはずだ。雲一つ無い。
こうしている間にサラが寝てしまってくれれば面倒はないんだが。
からり、と引き戸の開く音がした。
279湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:16:16 ID:J4ZPLHzH
「フジタ、おフロに入るならタオルも用意しておかないとだめだよ」
「ああ、すまん」
逃げる目的の方が大きかったため、そこまで考えていなかった。助かったな、と思ったが、
戸の閉まる気配はない。
「フジタ? 雪見酒しようよ」
「さっき飲み過ぎって言ったの、おまえだろ?」
苦笑いしながら、視線は外へ向けたまま言う。
「じゃ、ワタシだけでもするよ」
ちゃぷ、と水音がした。
え? と横を見るとふくらはぎが目の前にあった。そのまま足が湯の中へ入ってくる。
慌てて視線をよそへうつした。
あっけらかんとしている、とか、天真爛漫、とかこの際表現は何でもいいが、
あまりに大胆すぎないか。誰かに見咎められる心配はないが、風呂に入ってくる以上
裸だろう。肌を触れあわせる時にはあれだけ恥ずかしがるくせに、風呂はいいのか、風呂は。
「ふう。気持ちイイね」
盆にのせられた酒器セットが湯の上に浮かぶ。
サラの細い指が猪口を持ち上げる。
ほんの少しだけ傾けられる猪口。伸びた首。飲み下すときに動いた喉。
目が離せなかった。
湯と雪景色に惑わされている。
「フジタも飲む?」
こちらの気も知らないでニコニコしている。
ヤケクソになって猪口を受け取り、一気にあおった。
「フジタ、そんな飲み方したら一気にまわっちゃうよ」
もう遅い。おまえが入ってきた時点で冷静じゃなくなってる。
肩に手を回し引き寄せた。
湯の表面が大きく揺れる。
「フ、フジタ?」
「おまえ、無防備すぎるんだよ」
そのまま口づけた。一瞬身を固くしたようだが、すぐに寄り添うようにくっついてきた。
裸の胸が押しつけられる。
ついばむように頬から首筋、肩、と移動しつつ口づけると
「あ、だめ」
とオレを押し返そうとするが、その手には力が入っていない。
「だめ、じゃないだろ?」
耳を甘噛みしながら聞くと、サラの体はびくびくと動いた。飲んだせいでサラもいつもと違うのだろう。
「部屋に戻るぞ。雪見酒はまた今度だ」
そう言ってオレは、サラが縁側に用意していたタオルに手を伸ばした。

280湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:17:03 ID:J4ZPLHzH

裸のままで構わないと思うのに、こういうところで妙に恥ずかしがるのがおかしい話だが、
一度体を拭いてしまった後サラはきちんとゆかたを着て戻ってきた。
適当にゆかたを羽織っただけのオレの姿が間抜けにさえ思える。
頬を赤く染め、ぺたりと布団の上に座るサラに、こっちに来いよと声をかけたが、サラは動かない。
仕方がないのでこちらから動くことにした。
サラの横へ移動し、肩を抱く。あごに手をかけ、上を向かせる。
「さっきまであんなに大胆だったくせに」
と言うと
「こうなる、ってなっちゃうと恥ずかしいんダヨ」
と答えた。
自分から脱いで一緒に風呂にはいるのは平気で、いざ抱かれるとなった時の方が
恥ずかしい、というのがいかなる心理なのかわからん。
わからんが、そのまま押し倒した。サラの手がオレの背中にまわる。
「なんでゆかた、着直したんだよ」
「だって、恥ずかしいし……」
「バカだなあ。もう一度ゆかたを脱ぐ方が恥ずかしくないか?」
実際どっちがより恥ずかしいのか男にはぴんと来ないが、わざとそう言って胸元から
手を差し入れる。ひっぱって胸元をゆるめると、盛り上がったやわらかなふくらみが
ちらりと見えた。そのままゆかたを左右に引っ張る。
まろびでたふくらみを手でつかむと、確かな弾力が返ってきた。
「胸、大きくなったんじゃないか?」
「やだ、もう……」
初めて抱いた時よりは大きくなったと思う。そんなに何度もいろいろやった覚えはないが、
多分にオレのせい――いや、おかげか?――なのは間違いないだろう。
指先でなぞるように触れ、やわやわと揉み、爪の先で薄い樺色の尖りをひっかく。
「あ、あ……いや…あ」
小さな声が漏れる。
「いやじゃないだろ?」
その証拠にサラの太ももはもじもじとすりあわせられている。
「そりゃあイヤじゃないけど……でも、イヤって言っちゃうの」
潤んだ目でにらみながら言われた。迫力無いぞ。むしろそそる。
「どうせなら『いい』って言やぁいいのに」
「そんな、っ……ああん」
281湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:18:12 ID:J4ZPLHzH
多分、そんなこと言えないとでも言いたかったのだろうが、裾を割って手を
差し入れた刺激に負けたようだ。膝の上あたりから撫で上げるように手を入れて、
ゆかたをひろげてゆく。
夏に着るようなゆかたと違い、温泉旅館のゆかただから帯もきちんと
結ってあるわけじゃない。蝶結びになっていた端をひっぱってゆるめ、
太ももの内側を撫でてゆく。
「ん?」
足の付け根のあたりにあるべき布地の感触が無かった。かわりに多少こわい毛の感触。
「おまえ、下着はいてなかったのか?」
「エ……だって、どうせ脱ぐでしょ?」
「それならゆかただって脱ぐだろう。いやらしいことするなあ」
一体何を基準にして着たり脱いだりしているのかよくわからないが、それは
表に出さずににやにやしながら言ってみた。案の定、
「ちが……。そんなんじゃ…」
と顔を真っ赤にする。
こういう初々しい反応をたくさん返して欲しいのに、中途半端に狎れた男女のようなことをするから、
その都度オレはがっかりしたり、バカよばわりしなくてはならなくなるのだ。
(おまえのせいなんだぞ、全部)
責任をサラひとりにおっかぶせて続行する。
すでにまとわりついている布になってしまったゆかたをそのままに、肌に唇を這わせる。
柔らかくなめらかな肌を、唇で、指で楽しむ。胸の頂をそっと指の腹で擦ると
「んっ……んあっ」
とくぐもった声で耐えながらも、腰が跳ねた。
さするように淡い色の尖りを撫でる。柔らかかったソコが少しずつ硬くふくらむ。
なおも指の腹で擦るとじれったいのか身体をくねらせた。
「フジタぁ」
酒のせいか目の縁が赤く、瞳が潤んでいる。半開きになった唇がオレを誘う。
誘われるままに口づける。難なく舌を差し込み、サラの口の中を味わう。
唇を離す。
唾液の糸こそ引かなかったが、サラの唇は濡れつややかに光っていた。
「おまえの口の中もカニの味だな」
そう言うとぼんやりしていたサラの目が焦点を結んだ。
「だって、カニ食べたじゃない。フジタだって」
みなまで言わさず、唇を塞ぐ。
282湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:19:17 ID:J4ZPLHzH
胸をまさぐるとサラの呼吸が急激に速くなった。
「ふ…うん……ん」
苦しそうなので一旦離してやる。
「カニだったか?」
「もう。バカ」
顔を横に向け、すねる。オレは知ってる。本気で拗ねているわけじゃないことを。
首筋に唇を落とす。ちゅ、ちゅ、と音を立てると、その音に反応するのか、小さく喘ぎを漏らす。
胸元に強く吸い付けた。
「ああっ」
ぴくん、と腰が動いた。
しっかりと赤い跡を付ける。
褐色の肌に咲く赤い花びら。目を射るような強さはないが、それでもこれは所有の印だ。
一つや二つじゃ足りない。
一日や二日で消えるようじゃ困る。
いくつでも何度でも、いつでもどこでも、こいつ自身がそうと自覚できるほどに
印を刻み込んでしまいたい。
気が付くと胸元には無数の、痛々しいほどの赤黒い跡が散っていた。
(やりすぎたか)
そのまま唇を下へ移動させつつ、指を這わせる。
反射的に閉じようとした足を押さえつけ、割り、体を入れる。
褐色の一段と濃いその中心部に舌を這わすと
「ひあっ」
と叫んで腰を浮かした。
たったそれだけのことで他者の侵入を拒むように閉じていた肉片がほろりとほどけるようにひらく。
中はつやつやと輝く桜色。
それよりもう一段朱の濃い、隠れている小さな芽を舌でとらえる。
「ひ…あ、あ、やぁ……そこ、だめぇ」
相変わらずここへの刺激に弱いらしいが、今日は許す気になれない。舌先で舐め、
つつき、吸い上げる。
「いっ、ああああっ!」
吸い上げたのは強すぎたのか、声が悲鳴のようになる。
だが、顔を離すと肉芽はぷくりとふくらんで顔を出し、その下方の小さな穴は
ひくりひくりと動きながら蜜をたたえていた。
283湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:19:57 ID:J4ZPLHzH
「気持ち、いいだろ?」
「どうして」
はあっ、と熱い息を吐き、腕で目を隠すようにしながらサラが言った。
「どうしていつもそんなに自信満々なのよ?」
ただ笑うだけでそれに答える。
そう見えるか?
他のことならいざ知らず、おまえに対して自信なんて無い。
こうなってずいぶん経つが、未だにおまえを抱く時に罪悪感がつきまとう。
なのに手はおまえに触れてしまうし、身体は動いてしまう。
さもしい欲求だ。飢えているようにおまえを貪る。
おまえがいなくなったら、と思うだけでおそろしい。
だが。
おまえが見ているオレは、きっと、そんな小心者でもないし、何かに流されるような
弱い者でもないのだろう。
だからオレは精々虚勢を張るのだ。おまえの夢を壊さぬように。
小さな深い穴にそっと指を沈める。
「んっ」
サラの中に入ってゆく。熱く柔らかくとろけているそこは、たった一本の指でも
きつく絡め取り奥へといざなおうとする。
もとより逆らう理由もなく、オレはゆっくりと指をすすめた。ぬめぬめとした中で
蜜に助けられ、するりと奥へ入ってゆく。
「んっ、んんっ…」
サラの腰が揺れる。きゅっと唇を噛み、頬を染め、手はしっかりと布団の端を
握りしめている。耐えている風情なのに、くねる腰が、開いたままの足が
そうではないことを伝えてくる。
「一本じゃ足りないか?」
「やっ…もう。どうしてそんな」
恥ずかしがるのが楽しくてわざと言う。ふるふると首を振るのが悩ましい。
オレは指をもう一本、今度は一気に入れる。
「ああんっ!」
大きく腰が跳ね、しかし身体は逃げることなく指をしっかりと奥にとどまらせる。
そのまま中で指先を動かすと
「あっあっ」
と断続的な小さな声をあげ、身体をくねらせた。
充分すぎるほどに潤っている。
指を抜き差しすると嬌声が上がった。
284湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:20:40 ID:J4ZPLHzH
さきほど指で硬くなった乳首が、もう一段硬く、上を向いてそそりたっている。
口に含み、ころころと舌で転がすと
「やあっ、あっあっ…ひゃあぁんっ」
といっそう高い声が響いた。
「いやらしい声出るなあ、おまえ」
「うう…バカ。誰のせいよ」
「ほめてンだよ」
「――バカ」
指を引き抜く。サラが、んっ、と声を出し、それからこちらを見つめる。
わかってる。終わりじゃない。
だがこういうことを想定していなかったので準備がないのだ。
「タブン、大丈夫だよ。そのままデモ」
こちらの心の内を読んだかのようなことを言う。
「多分、じゃだめだ」
「じゃ、ゼッタイ」
「おい」
しかし今更止まらないのはオレもサラも同じだ。
(もうちょっと何か考えておかんとな)
反省材料としつつそのまま続行を選んだ。我ながら弱い。
指のせいですでに道は付いている。
先端をあてがっただけで壁がぽかりと穴をあける感触。そして飲み込まれる。
突き入れるというにはあまりにも滑らかだ。
飲み込まれるままそれに合わせて沈めてゆく。どこまでも底がないような
あたたかい肉に取り込まれる感覚。ぴたりと身体どうしがくっつき、そこが限界と知る、
そんな柔らかさだ。そのくせ、その柔らかい肉はきっちりとまとわりつき、
形を変え、やわやわとしめつけてくる。
何度味わっても飽きない。尻のあたりから背筋をぞろりとはい上がってくる快感に抗えない。
押し入り、突き立て、蹂躙する。侵略し、征服してゆく。
どうしても自分の物にしてしまいたい欲求がこみ上げる。
そんな所有欲など持っていなかったはずなのに、サラにだけはそう思う。
知らない自分を暴かれる嫌な気持ちをかかえ、妙な罪悪感を覚え、それでも
目の前で快感に身を震わせ声をあげる女にのめり込み、追い立て、自分ものぼりつめてゆく。
引き抜こうと奥で出そうと結果はあまり変わらない、と思い結局中で果てた。

285湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:21:42 ID:J4ZPLHzH
ギャラリーを開けたのは、例年通り四日からだった。
正月の挨拶をしにくる人間ばかりで、客らしい客はいないが、
新年ののどかな雰囲気は嫌いじゃない。
ドアの前に羽織袴の人影がうつる。
(おや?)
と思った時にはその人物はドアを開け、にこやかな笑みで中に入ってきた。
「やあ、あけましておめでとう」
(げっ、香本)
「あら、香本さん。あけましておめでとうございます。今年もヨロシク」
サラが頭を下げる。そんなヤツによろしくするな。
香本も、こちらこそ、と言いつつ頭を下げたが、その動作がぴたりと止まった。
鼻をヒクヒクと動かし、笑顔が急速に怒りの表情へ変わる。そしてそのままの姿勢で
顔をオレの方へ向け、にらみつけてきた。
「ムッシュ・フジタ。あんたいったいなにをした?」
珍しく、低くゆっくりと絞り出すような声だ。
「なにってなんだ?」
「サラお嬢の体香がひどいことになってるじゃないか。よりによって……よりによって
カニ臭いってのはどういうことだっ!!!」
「オレにはカニの臭いなぞ、せんっ!」
香本はずかずかとオレの所まで歩いてきた。勢いに思わず一歩下がってしまう。
「あんたにこの微量な香りがわかってたまるかッ! ああっ、私は今初めて自分の鼻を恨むよ……」
「なんなんだよ、一体」
怒ったり落ち込んだり忙しい男だ。
「サラお嬢の体香の変化はごくわずかだ。私でないと気づくまい。だが、以前より
馥郁とした丸みの加わった素晴らしき体香の中に紛れ込んでいるものがあるのだよ。
ムッシュ・フジタ、あんたのカニ臭だ」
「――慰安旅行でカニを食ってきただけだ」
「ええいっ、今更嘘をつくなッ! 食べたカニ臭とあんたのカニ臭じゃ、カニが違うんだよ!!」
(タラバとズワイくらい違うのか?)
と思ったがややこしくなると困るので黙っておいた。
「しかも、食べたのなら指先や口にも香りは残るのだ。何日前に食べたかは知らんが、
逆に口や指からカニ臭が消えているなら、食べたカニの臭いも消えていると見て
かまわないのだ。なのになぜサラお嬢には残っている? しかも腹部から膝にかけてッ!」
サラの顔がさっと赤くなる。バカ。そこで赤くなったら白状してるようなものだろうが。
「つまりッ! キミはッ! サラお嬢によからぬことをしたってことじゃないかッ!!」
「よからぬことってのはなんだ! そもそもおまえさんの言い分じゃ、
オレは分泌物までカニ臭いってことか、ああ?」
「そう言ってるじゃないか!」
「そこまでカニを食った覚えはないっ!」
「じゃあなんでサラお嬢は!」
ぎゃいぎゃいとどこまで本気か分からない内容の言い合いをしながら横目で見ると、
サラは笑いを堪えて肩を震わせていた。
少しはこっちに加勢しろ。
新年早々思いやられる展開となったのであった。
286湯けむり温泉カニツアー:2005/12/31(土) 18:26:01 ID:J4ZPLHzH
終わりです。
一度香本を書いてみたかった。書いたらギャグにしかならなかった。
今年はギャラリーフェイクを知り、このスレに出会え、大変楽しい一年でした(実質半年くらいだが)。
自分がエロパロSSを書くなんて思いもしなかった。
来年も力及ばずながらも書いてゆこうと思います。
投下のたびにレスをくださった皆様、本当にありがとうございました。
そしてスレをたててくれた>>1さんもありがとう。

それではよいお年を。
287名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 19:04:05 ID:cy19SjGx
GJ!
今年最後の萌えをありがとう…
職人ageします
288名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 03:58:53 ID:aOWCxeGD
帰省から戻ってみたら、神が
降臨しておられた! GJ!
289名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 01:12:23 ID:9lgLR/wj
誰もいないようなので保守
290名無しさん@ピンキー
ほしゅ