616 :
613 :2006/12/03(日) 04:20:55 ID:iq+p4dPM
書いてみたものの、やっぱ思うように上手く書けんわ… なんか話が長くなりそうだから、途中までを人がいない今の内に投下することにします。 こんなモノで本当にいいのだろうか…エロないし…まじニゲグマになりたい気分orz
黄昏に染まるスラム街――。 ここは街外れにある便利屋『Devil May Cry』 夕日の光がガラス窓から射し込み、店の中を黄金色に輝かせる。 今は店の主はいない。 このまま何事もなく時が過ぎて行くだけと思えたその時、玄関から射す光が揺らめきフロアに長く伸びる人影が映った。 「ダンテ、いる?」 若い女性の声が事務所に響く。その声に答える者はいない。 左右の色が違う瞳で辺りを見渡す彼女、名前はレディ。訳有りでそう名乗っている。 「…まだ帰って来てない。今日取りに行くって言ったのに」 彼女はそう呟きながら玄関の扉を閉め階段をおりた。 そして何気なしにオレンジ色の空をしばらく眺め、ふと何かを思い出したように再び玄関の前に立つ。 「幾らなんでももう帰って来る頃よね。中で待たせて貰うとするわ」 まるで自分に言い聞かせるように呟いて、レディは店の中へ入っていった。 事務所には、昆虫の標本のように剣で串刺しにした悪魔の亡骸が、剥製のように数体飾られていた。 そんな身の毛もよだつ物ばかりと思えば、ジュークボックスやビリヤードが置かれていたり、グラビアのポスターまで貼っていたり。 この部屋の様子で店の主――ダンテの趣味が一目で分かるが、とても理解し難い… 一般の客人ならこのおぞましい雰囲気に長く居られないはずだが、レディは怖がる様子もなくふらふらと事務所内を歩きまわる。 一通り見終わったあと、座ってダンテの帰りを待とうとソファーへ近づく途中で、悩ましい色気でポーズをとるグラビアアイドルのポスターが目に触れた。 (まったく男ってこういうフェロモン剥き出しの女性には弱いのよね。ホント単純過ぎなんだから) と、レディは呆れたようにハァと息を吐き、首を左右に振った。 彼女は男性に対し不信感を持っていて、今のように見下すことがしばしばある。 それは策士な性格だった父親が原因だと思われる。 父親からは男性の悪いイメージしか感じたことがなく、今まで男性と恋愛したことも、まして本気で好きになったこともない彼女… ――今思えばこれも父親の策略の一つだったのかもしれない。 彼女にとって悪魔の剥製よりも気になる物が事務所の中に一つだけある。 それはデスクの上に飾られている、美しい女性の写真だった。 レディはこの人のことをまったく知らない。フォトフレームに飾られていることからこの女性はダンテにとって大切な人というのは分かるが。 彼女は以前、彼にこの女性のことを何気なしに訊いたことがある。その時の彼はニッと笑って返事した言葉は… 「何だ、妬いているのか?」 それからというもの、彼から女性のことを訊くのは止めにしている。また訊けば完全に嫉妬と誤解されそうで嫌だからだ。 だけどああいう返事をされては、ますます気になって仕方がない。彼女の不満は募るばかり… 「ただ気になっただけなのに、別に妬いてなんか…!」と、不機嫌な顔をして吐き捨てるように言うレディ。 「ダンテもダンテよ、素直に教えてくれたってもいいじゃない!何なのよアレ!」 ハッと苛立っている自分に気付き、心を落ち着かせるために大きく息を吸って吐いた。 「第一、あいつが誰を好きになっても私は何とも思わないわ。関係ないもの」 冷静さを取り戻した彼女はデスクから背を向き、ソファーに近づいて座った。 無造作に散らばっている雑誌を手に取って見るが、興味が引くものが無くパラパラと見ては元の所に置く。 そして背伸びしながらソファーにもたれると、レディは憂鬱な顔で一つ溜め息を吐いた。
雲一つもない夜空。青白く輝く満月の光が街を淡く照らす。 真夜中に店へと向かう二つの人影――。 「まったく、随分と高い情報料だな」 銀髪の若い男性が、隣にいる中年男を横目で見ながらそう言ってシワだらけの茶封筒をちらつかせた。 「だからこう何べんも謝っているだろ!?」 ほろ酔い気分の男は、分かってくれと言わんばかりに広げた両腕を懸命に振るう。 「いつもより多く残っているんだからそうカリカリしなさんな、ダンテさんよぉ〜」 酔っ払いに何を言っても無駄なのは分かっている。 だけど言葉では謝っているものの、全然反省の色が見えない態度を取る情報屋に何か言わないと気が澄まない。 未だにヘラヘラと笑う男に、ダンテは思わず舌打ちをした。 「しっかしよぉ、金にルーズなお前が最近がめつくなってないか?無断で報奨金使い果た時はそんなに言わなかったぞ」続けて情報屋は言った。 「仕事探しもそうだ、頻繁に俺の仲間らに訊きに回ったたりして、前まで店の名前が決まらんとかで仕事サボっていたくせに」 「そうか?店を再築したおかげで今は金欠なんだ。仕事に熱心になるのは当然だと思うけどな」 情報屋の疑問にそう答えたあと、「それだけじゃねぇけど」と心の中で呟くダンテ。 お前が普通な事をやると普通じゃなくなると情報屋は言いかけたが、止めてここぞとばかりに懐から手帳を取り出した。 「そんなに金が必要ならもっと儲けが良い仕事をやったらどうだ?闇取引のガードとかな」人差し指を一舐めしてページをめくる情報屋。 「身寄りの無い人を集めて人身売買の業者に渡すってのもあるぜ?お前ならバカな女をたくさん…」 「俺が請け負う仕事は、そういう汚ねぇのじゃなくてヤバイ奴だ」 情報屋の話が言い終わる前に、彼は人差し指を男の顔の前に指して言い出した。 「ヤバイ奴ぅ?じゃあ訊くがこの前請け負った『廃墟ビルの探査』のどこがヤバイんだ??」 ダンテは深い溜め息を吐いた。
彼は便利屋だが、それは表向きで主に悪魔狩りを生業としている。彼が言うヤバイ仕事とは悪魔に関連性がある仕事のこと。 しかし、世間では悪魔が実際に存在すると知る者はほとんどいないため、彼の仕事のやり方に理解できない者が多くいる。 情報屋の間でも、ダンテは充分実力があるはずなのに、請け負ってくれる仕事はいつもちまちまとしたモノばかりで、 強いのか弱いのかよく分からなく、とにかく『変わったヤツ』と彼にレッテルをはっている。 「――お前、その仕事に好き嫌いするの止めた方がいい。仕舞いには誰も相手にされなくなるぜ」男は手帳を閉じ懐へしまった。 「あ〜あ、もし俺がお前なら荒稼ぎして豪邸建てるというのに、毎晩女呼んでさぁ…こんなボロ店で満足してるお前ってホントよく分からん」 「…分からねぇのはそっちの方だぜ?」 店の前に着いた二人。 ダンテが階段上って玄関前に立ち、続いて情報屋も上ろうした時、彼は振り向いた。 「さっきからなぜ俺の後を付いて来る?」 すると突然、男は首を傾げている彼に向かって拝みだした。 「頼む、一晩泊めてくれ!昨日から嫁に愛想尽かれて俺追い出されて帰れねぇんだ!空き部屋一つぐらいあるだろぉ?」 態度が急変して男が話す内容に、彼は呆れて肩を竦めて下ろした。 「ハッ!人の金でタダ飲みして、人の仕事のやり方にケチつけて、挙句にはこのボロ店に泊めさせろ…だぁ?」 ヤベ…と男は今までの行いに後悔し冷や汗を掻いた。そして怒鳴りつけられると思いうずくまる様にして身構えた。 しかしダンテは少しも怒る様子もなく、いつも通りの悠然とした態度で続けて言う。 「ま、今夜はこんなに満遍なく広がる綺麗な星空だ。たまには道端に寝っ転がって眺めるのも悪くはないぜ?酔いもすぐに醒めるだろうしな」 男をその場において彼一人店の中へ入り扉を閉めようとした時、男は慌ててそれを止めた。 「馬鹿を言うなよ!こんな所で寝てたら、あっと言う間に野蛮な奴らに身包み剥がれちまうってことぐらい知ってるだろっ!!」 「酒を控える切っ掛けができていいじゃねぇか。ああ、それと嫁さんを大事にしな。簡単だろ?」 ダンテは背中越しにチラっと男の方を見てそう言い、バタンと扉を閉めた。 外から情報屋の「非情者ーッ!アクマーッ!」の声が聞こえる。 別に情報屋を悲惨な目に遭わせるために断ったのではない。こうなったらあと頼れるのは嫁。 今、情報屋の足はきっと嫁がいる家へと向かっていることだろう――仲間の所かもしれないが… それと、彼にとってあの男に気に入らないところがあった。 「――あいつはしゃべり過ぎだ」
シワだらけの茶封筒をしばらく見つめ、がっくりと肩を落とすダンテ。 「明日、来るだろうか…あいつ」 人の気配がする――。薄暗い事務所の中、ダンテは辺りを見回す。 「俺の店に空き巣なんてな…近頃の泥棒はガッツあるじゃねぇか」 普通、不審者がいそうな場合は身構えて警戒しながら探索するものだが、彼はまるでかくれんぼをする子供を捜すように事務所内を調べた。 ソファーの上で何かが動いたのに気付き近づくと、そこには彼が予想もしなかった人物がいた。 「――レディ…待っていたのか」 銀色の月の光が優しくレディの姿を映す。ソファーの上に横たわり静かな寝息で眠る彼女。 あどけなさが残るその彼女の寝顔は、ダンテにとってとても繊細に見えた。 レディも女の身でありながら、ダンテと同じく悪魔狩りを生業としている。 時々彼の仕事に同行して手伝うことはあるが、二人の関係は曖昧なもので、プライベートで彼に会うことはしない。 それは自分の体に流れている悪魔の血が原因で、悪魔を忌み嫌う彼女だから避けられているとダンテは充分解っていた。 だけど絶対に会えないって訳じゃない、最近彼が毎日のように仕事を探す理由はこれだったりする。 こんなに苦労しないと会えないはずの彼女が、まさかここに、しかもこんな時間に会えるとは思いもよらず、彼は何度も我が目を疑った。 これは紛れも無く事実と分かったところで、ダンテはさてどうしたものかと考えた。 レディがここにいる理由は、この前の仕事の手当を取りに来たから。 昼間に彼がいなければ明日取りに来ればいいのに、帰りを待っていたとすると、今すぐに金が必要なのだろう。 「…起こすか」 壁にあるスイッチを入れてライトを点ける…が、レディは起きない。余程疲れているようだ。 ダンテは念の為に銃を持っていない事を確認してから、彼女の肩を揺さぶってみた。 「んん……?…」 レディは顔をしかめてゆっくりと瞼を開ける。ぼんやりとした視界が徐々にはっきりしてゆく。 やがて彼女の瞳にダンテの顔が映ると、彼女は思わず悲鳴を上げて飛び起き、そして彼から避けるようにソファーの端へ逃げ込んだ。 さっきまでここで淑やかに眠っていたとは思えない彼女の変わり様に、ダンテは苦笑いした。 「オイオイ、何もそこまで驚くことはねぇだろ。目覚めのキスの方が良かったか?」 「そうじゃないわよっ!な、なんであなたがここにいるのよ!」怒った顔をしているものの、なぜか頬を赤らめるレディ。 「なんでって…ココ、俺の店だぜ?」 えっ?と、辺りを見回す彼女。確かにここはダンテの店だ。 (そうだ私、ここでダンテの帰りを待っていて…いつの間にか眠ってしまったんだわ…) 今までの経緯を思い起こした途端におとなしくなったレディに、 「お前、無意識に留守中の人ん家にあがり込んで寝る癖でもあるのか?」と、ダンテは冗談まじりに言った。 それを聞いて彼女は一瞬ムッとなったが、フフンと鼻で笑って言い返す。 「そうね、どんなにリアルなホラーハウスの中でも眠れる自信はあるわ。ココなんかはすぐに眠れたしね」 「ひでぇコト言うなぁ…俺の自慢のこの店がホラーハウス同然かよ」 「だってそうじゃない、世界中どこ探したって気味悪い悪魔の死骸をインテリアにする店なんてないわ。いっそのことホラーハウスも開業したら?便利屋より客が寄って来るわよ」 二人の会話は言い争っているように聞こえる。が、二人の様子からはこの他愛の無い会話を楽しんでいるようにも見えた。
「――今度また店が潰れてしまったら、その時に考えとくよ」 やれやれとするダンテの前にレディは黙って手を差し伸べた。 「何だ?」 「まさか本気でここに寝に来ただけと思ってないでしょうね!?」 「冗談だって、コレだろ?」と、彼は口角を上げて笑い、例の茶封筒をそのまま彼女の手のひらの前に差し出した。 「すまなかったな。あの仕事を持ち掛けてきた情報屋を捜し回ってたら、こんな時間になっちまった」 「そう…」 レディはその封筒を受け取りチラっと中身を覗いたが、何も言わずに封筒の口を閉じた。 言い値より下回る金額の手当だったが、不満の声を上げない彼女を見ると、それほど金に執着心を持っていない事が分かる。 それなのに今日何としてでも貰おうとしたってことは、絶対に何か訳があるはず。 「しかし何だ、突然手当取りに行くと電話して来てよ?あれか、お前が住んでいるあのアパートの大家が、またうるさく取り立てに来てんのか?」 なんとか約束を果たせてホッとしたダンテは、レディにその訳を訊いてみた。 「まぁ、そんなトコね」と、彼女は素っ気無い返事をして、持ってきたショルダーバックの中に茶封筒を詰め込む。 「ったく、いつまでも強情張らねぇでいい加減ココを利用したらどうだ?家賃なんてムダ金払わなくていいぜ?連絡も取り易くなるしさ」 彼が言い終わった後、レディはスクッとソファーから立ち上がり、鋭い目付きで彼を見て言った。 「前にも言ったはずよね?私はあなたなんかに生活の面まで世話になりたくないって。何度言わせる気?」 彼女は一度決めたらなかなか曲げない。ダンテはそんな彼女の性格をあの塔での出来事で充分知っている。 それでも敢えて話を持ち掛けてみたのだが…やっぱりダメだった。 「良い話だと思うけどな…」 と、呟く彼の前にレディはスタスタと素通りし、そのまま玄関の扉へと歩いて行った。 彼女が手当を貰う時はいつもこんな感じだ。貰って、一言挨拶して、出て行くだけ。 彼とはあくまで『仕事仲間』。彼女から進んでプライベートの話をすることはない。 ――が、今回は違っていた。 レディは扉へ向かう途中で立ち止まり、そして振り向いてダンテの方を見て話し出した。 「私が住んでいるあのアパート、取り壊すことになってね…明日立ち退かなければならなくなったの」 突然話しかけられて少々驚いたダンテだったが、気を取り直し彼女の話に答えた。 「そりゃあ難儀な話だな…宛てはあるのか?」 心配する彼を察したのか、気丈に振舞って話を続けるレディ。 「まぁね、この際だから前々から決めていたこと――この街を出ることにしたの。新しいバイク買えたし、旅費もそこそこあるからなんとか…」 「ちょ、ちょっと待て、じゃあ今日ココに来た本当の理由は…まさか」 嫌な予感がしたダンテは咄嗟にレディの話を止めたが、彼女はあっさりと彼の問いに答えた。 「そう、あなたにサヨナラを言うために来たの」
622 :
613 :2006/12/03(日) 04:41:08 ID:iq+p4dPM
とりあえずここまで。 ちなみにここに出てきた情報屋はエンツォじゃないです。どうでもいいことだけど。 次回はなんとかエロを…てか、辿り着けられるのか自分でも心配;このままないかも…
GJ!続き待ってるよ。ゆっくりガンガレ!
神のじらしプレイキタコレwww ダンテ×レディやっぱイイヨイイヨー楽しみにしてます
エロなくても面白かったぞ! 続き待ってる。
ハァハァ細かい描写乙!
このスレでまだダントリって需要あるだろうか。 4ダンテ×トリッシュを投下したいんだけど。
628 :
ダントリ1 :2006/12/05(火) 04:26:17 ID:E2iMmOF9
たわわな乳房を広い掌で掬い上げ、指に力を篭めて乳白色の膨らみを揉みしだく。 手の甲が紅い唇を隠してもその奥から漏れる声までは防ぎ切れない。 んぅ、と吐息を飲み込む声が聞こえた。長い睫が影を浮かべ眉間に震える皺を寄せて、にじり寄る 愉悦に耐えんとする女の頬が、薔薇色に染まっていく。 触れずとも強請る想いが立ち上がらせた乳房の先の突起へ舌を差し延ばした。獣が水を舐めるように 舌の根から突き出して甘い香りのする乳首を撫ぜ、尖らせた先で弾く。いやしく音を立てて舐め上げて 一層堅く仕上げていく先端、その下に広がる柔らかい肉の膨らみを揉む手も休めはしない。 未だ唇が触れられずまだ丸みを残している傍らの乳首を、武骨な指で摘み上げた。指の腹で摩り、 弾力ある感触を楽しみながら引き上げる。乳首からの振動に豊かな乳房までも小さく余韻で震える様が 愛らしかった。 「遊んでるでしょう……?」 息を乱しておきながら、その口調は呆れた調子を失わず、悪戯な子を咎めるようにも似て、優しい。 きっと余裕などない筈なのに、小さく笑みを浮かべる表情は艶事に不釣合いな程穏やかで、もとより 「似てつくられた」彼女の顔に過去の記憶の中にある【彼女】の慈悲深い表情が重なる。 いい加減懐かしむ年でもないんだがな、そう胸の内で苦笑した。けれど表情にはちらとも見せず、 愛しい女の言葉に唇の端を持ち上げ笑む。 「遊んでるだなんて失敬な、堪能してるだけだ。男が一番至福を感じる瞬間じゃないか、 この場所は正に野郎が焦がれてならない還るべき場所なんだぜ?」 そう言って音を立てて先端に愛情を示すキスを送ると、女はくすぐったいと身を捩って笑った。 出遭った頃と一寸変わらぬ姿で、声で、表情で、女は今も自分の腕に抱かれている。 「じゃあこっちは、違うの……?」 乳房を抱いていた手を白い手が持ち上げて、しなやかな腹部の肌を辿らせ、ほんの少しくすみのある 金色の茂みの下に導いた。柔らかい陰毛の間に唇の間近で感じる吐息と同じ温もり。 そして指先を濡らす、あたたかい蜜。男によって覚えた愉悦が胸への愛撫だけでその先の快感も 記憶から誘い出しているのだろう。 悪戯を咎めたのは、先の催促であれば尚更女の求める姿が愛しくなった。 薄い陰毛をそっと指で掻き分け、柔らかい秘肉の下に潜む秘芽を探り当てると、指の二本を使って 甘皮を剥き、直にもう一本で擦ってやる。 「ァッ!」 隠しようのない声が、軽く浮き上がった背をつれて響く。そうだ、この声がいい。
629 :
ダントリ2 :2006/12/05(火) 04:34:04 ID:E2iMmOF9
強い刺激に抵抗出来ず、堪えることも隠すことも出来ない、あられもない喘ぎ。 特にこの最初に聞くこの一声がたまらなく好きだ。ストロベリーサンデーの一番上の苺みたいに、 一つしかないところがまたいい、と前におどけて例えたことがある。何事も最初の一口に勝るものはない。 女の声とてそれは同じ。この以降に続く耳や腰に絡みつくあの喘ぎは、この一声から生まれるのだから。 「いい声だ……今夜も俺の為だけに鳴いてくれ」 今夜も、これからも。 彼女の答えは言葉ではなく、銀髪の髪を腕が包み込むことで伝えられた。 昔――まだ幼い子供だった頃。庭の花を摘んで蜜を吸ったことがある。とても甘くて良い味がした。 だが蜜は一口分にも満たなくて、口寂しくなって吸い出した花の先を齧った。蜜とは違うけれど、 甘酸っぱいあの味は、嫌いじゃなかった。ただ堪能するには幾つもの花が必要で、満たされる前に庭に 花の骸でいっぱいになって、呆れた兄と怒る母に咎められた。 この蜜は、あの時齧った花の味と似ている。違うのはただ一つで十分満たされる程蜜が溢れていると いうことだ。啜っても啜っても、蜜が途切れることはない。 秘裂の間に突き入れた舌で舐め取り、時にはぴったりと唇で塞いで音を立てて啜り上げる。 「ふぅん……んぅうふんっ、ふぅううんっ!!」 白い腿が引き攣って、膝を立てた女の足がシーツを掻く。向こうから篭った声が聞こえる。 声の震えがそのまま女の口腔で愛撫を受ける肉茎に伝わって、感じた分だけぎこちなくなる口淫。 丁寧に施される――亀頭を含み、音を立てて吸い付いた後、鈴口を尖らせた舌先で丹念になぞり、 ゆっくりと肉茎を深くまで銜えて舌を絡ませながらストロークをし、時には悪戯に垂れる陰嚢を口に 含んで中の丸いものを飴を舐めるように転がす――愛撫が途切れることを、残念だと想わない。 愛しい女が己の行為で舌を這わせることも出来ない位感じているのだから。
630 :
ダントリ3 :2006/12/05(火) 04:38:44 ID:E2iMmOF9
互いに育てあった欲望を、獣と同じ格好になってぶつけ合う。 引き締まった腰を掴み、尻肉を引き寄せ、しどどに濡れた秘裂に猛った肉茎を押し当てると、 迷いもなく深くまで突き込んだ。 「ァ、あぁあああッ、んぅ、あふぅっ…!」 小さな口でのきつい抵抗の後は、深く暖かく狭い場所がたっぷりの潤いの中で肉茎を迎え入れて くれる。滑る中で最初はゆっくりと、腰を引く。ずるるっと卑猥な音を立てて愛液に濡れた肉茎が尻 の下から再び顔を見せ、雁首が引っかかるところで再び深く、強く、突く。 「ァぁああッ、ふか、ァっ……!」 白い背中に散る長い髪が揺れる。乱れる。繋がったまま身を前に乗り出して背中をしならせる女の 耳元に囁いた。何が?どうなってるって?悪戯に声を低めて、笑みの響きをもたせ囁く相手を、 常の女ならば呆れた表情か、静かな怒りで睨むだろう。だが今は。 「ァ、アッ、だ、ダンテの……が、深く、きてる――たまらない、のっ……!」 潤んだ双眸でシーツに顔を埋め、視線だけを辛うじてこちらに向けて唾液を唇の端から零しながら、 女は答える。そうだ、たまらない。強気で、いや気だけどころか、全てにおいて男と対等に渡り合える 力を持つ女の、女たる姿。それは己がのみ知る姿。 これからも、これからも、己が朽ちるその最後まで――きっと。 そう、最後まで――最期まで――。 「ああ、俺もたまらない――いい……だがもっと良くならなきゃな?」 大きな息の塊を吐き出して、激しく突き上げる。堅い腰と女の揺れる尻肉がぶつかり乾いた音が ベッドのスプリングの軋む音とともに響く。中を擦り上げる肉茎と蜜が秘裂から溢れる音もまた、 二つの音色に重ねて響いた。腰を打ち付けるその度に飛沫いて散る蜜が、シーツに幾つもの跡を残す。 硬い入り口の締め付けと中の媚肉が吸い付き肉茎を擦る快感。獣になって犯す白い肌を抱く手に、 意識せず力が篭った。 痛みを感じるだろう強さで腰を抱き、今度は己の身をベッドに沈めて女の身体を己の上で躍らせる。 女はたゆたう乳房を自らの手で揉み、寄せて金色の髪を振り乱し腰を振って喘ぐ。下からの突き上げに、 リズムが崩れて男の胸に倒れ込みそうになった女の身体を、その両手に手を重ねることで支えてやる。
631 :
ダントリ4 :2006/12/05(火) 04:46:50 ID:E2iMmOF9
汗ばむ手と手を繋ぎ合わせ、身体の奥深くを繋ぎ合わせ、このままいっそ魂も繋ぐことが出来たなら。 ――亡きあの二人も、同じように想い合い命を繋げていったのだろうか。 人在らぬ者の、数えることのない時間と、人であるが故に回り続ける時間を見つめながら。 「ダン、テぇっ……!も、だめ、私っ、ぃッああぁあああッ!!」 「く、ぅっ……うっ……!」 辿り着いた絶頂に戦慄く女の中を己の精で満たし、力なく倒れる白い肌の女を抱き止めて、囁く。 「トリッシュ、離れるなよ、俺の元を。俺は必ずここに還る、だから――待っていてくれ」 女――トリッシュは乱れた息を整えながら男の、ダンテの顔を覗き込んだ。 出遭った頃と変わらぬ姿――否、人としての血も引いた彼には、自分にない「時の流れ」が存在して、 人として時間を刻み、生きている。年を重ね深みを増した彼の顔立ちも仕草も、全て愛していたけれど。 自分を置いて時折大きな仕事に向かう彼が、戻らなかったらどうしようと不安になる時もあった。 人の時の流れが、自分には分からない。瞬きの間と思っていた時間で、彼は出遭った頃より一際深い 表情と仕草の男になっていた。 いつか、ふと出て行った時、そのまま時間を重ねて、過ぎて、戻ることがなければと。 あまりにもらしくない気弱な気持ちは、彼にも自分自身にも押し殺し隠してきたけれど。 ダンテの囁く言葉に瞼を閉じた時一滴だけ、涙が零れた。 「待っているわ、だから必ず還ってきて。貴方が戻る場所はここだけ――忘れないで」 身を捩り、頬を寄せて口付ける。 硬い無精の髯が頬に当たってちくりとしたが、構わなかった。 「人間って良いわね。無精髯も似合ういい男になれるんだから。少なくとも昔のダンテには似合わなかったし、 今の貴方の方がワイルドで好みよ?」 ざりっとした感触を掌で確かめて微笑む。ダンテは一度だけ瞬きをし双眸を細めて、顎を撫でると 満足げに笑みを浮かべ、お前の望むままに…そう囁いて愛しい恋人に口付けた。 end お伺いたてときながら聞く前に投下してしまった。 今は反省している。 トリッシュのことも思い出してやって下さい。
乙!!朝からええもん読ませてもらった!!
いいよいいよー4のダンテイイヨー ダンテ×トリッシュ(;´Д`)ハァハァ
朝からこんな素敵なモノを拝めるとはww
>>627 乙!そしてありがとう!
ラブいダン×トリをありがとー! 若僧の3ダンテよりも渋い大人ダンテが好きなので ごっつ嬉しいです。無精髭にハァハァしました。 また書いて下さいノシ
トリッシュは妊娠できるのかな… パパーダのこと考えたら出来なくもない気がするが
パパーダと違って造魔だし生殖機能があるかは微妙だと思う でもそんなこと言い始めたら そもそも下半身はマネキン仕様かもしれんとかキリないし 個人的にムントリの方が見たい俺
638 :
627 :2006/12/06(水) 03:29:16 ID:yNLwfddg
自分も渋ダンテ・トリッス派なので同志がいてくれて嬉しい限りです。
ダントリが好きなのでまたお邪魔する気ですよノシノシ
>>637 まずは将軍様、ムン様の身体とトリの身体のサイズを何とかして下さい。
そこでけっつまずくので、よければアドバイス下さいな。書いてみたい。
エロスなダントリ素晴らしかったです 617も続き待ってるお
今更ですが職人さん達お疲れさまです
まとめサイト更新しておいたんですが、何かあったら言ってください
折角お邪魔したからには自分も何か暇つぶし程度のものでも、と思ったんだけど
ダンテ×レディなので
>>617 たんとネタがかぶったら申し訳ないなと思いつつ
「ミッション終了、というところね」 夕暮れの廃墟で若い女が一人、呟いた。 足元にはおびただしい血と悪魔の残骸。全て彼女が倒した悪魔たちである。 女はデビルハンター業を営んでいる。文字通り"悪魔狩り"が職業。彼女の腕は超一流で並の男ならば裸足で逃げ出すような実力の持ち主だ。 そして彼女に名を訊けばこう返ってくることだろう。"My name is LADY."と。 今日この日もレディは依頼を受け、廃屋敷へと赴いた。彼女の依頼主の言葉のとおり、屋敷の内部は大量の悪魔が蔓延っていた。 だがどれも彼女の手には取るに足らない下魔であった。 この依頼は結果として彼女の待ち望んでいた物件では無かったが、依頼には――特に悪魔に関連したものに関しては――きっちりとしておきたい彼女はその任務をしっかり果たすつもりだった。 「悪魔が湧き出した原因は詳しくは特定出来なかったけど、ここが魔界に通じているとか大事では無さそうね」 エントランスから応接間、バスルームからキッチン、そして現在いる2階の一番奥の部屋の隅々に至るまで、調査も悪魔の駆除も粗方終え、とりあえずは任務完了といったところだ。一息つき報告書を記入したところでレディはこの廃墟を後にしようとした。 そのときだった。下の階から一発の銃声が響いた。 (……!?) 予想だにしなかった出来事に緊張が走る。 先程悪魔を薙ぎ倒す際、彼女は派手に銃を撃ち放した。 元々この地は治安のよい所とは言えない。レディはそれを事前に承知した上でこの地に赴き、自らも悪魔を倒す為に惜しみなく銃弾を使用した。 (もしかしたら何か別の事件と間違われたのかもしれない……或いは……) 思考を張り巡らせ、あらゆる可能性を考える。近づいてくる気配の正体も分からぬまま、レディは咄嗟に愛用の銃を構えた。突然の銃声に驚いたとはいえ、彼女とて幾多の"戦場"を潜り抜けてきている。銃を持つ手に震えも迷いも無い。 (足音から察するに……いるのはたった一人だけ) 相手がただの人間一人であれば、勝負の軍配は彼女に上がる。 足音は階段を上り、けたたましいドアの開閉音を立てては近づいてくる。どうやらこの侵入者はこの廃屋敷の一室一室を確認して回っているようだ。 だが…… (違う、この足音は……) ゆっくりと近づいてくる足音に彼女は聞き覚えがあった。しばらく耳を傾けていると、どうしたことか足音と共に軽快な鼻歌が聞こえてきた。 (間違い無い、これは……) 足音の主を確信すると、レディは構えた腕を下ろした。そして銃をふたたびホルダーにしまい込むと、何故かくつろぐかのように再び窓の外をぼんやりと眺め始めた。 それからまもなく彼女のいる部屋のドアが強い音を立てて乱暴に開かれた。 先に声を発したのは彼女の方だった。顔は窓の外に向けたまま、背後の気配に話しかける。 「下にまだ一匹残ってた?全滅させたつもりだったんだけど」 「……何だもう終わっちまったのか、お前に先越されちまったようだし……つまんねえな」 予期した通りの相手が現れた。のんびりとした口調は誰のものなのか、振り向かずとも分かる。男の声、それもレディがよく知っている声だった。 「長引かれても困るけどね……商売敵のあなたに持っていかれちゃたまらないし」 男は床に散乱する残骸を臆することも無しに、まじまじと眺めてはレディに問い掛ける。 「そんなことを言う割に収穫は無さそうだな。今回はハズレか?」 「あなたの言う収穫が"単なる悪魔狩り"を指すのなら当たり、"魔界へ繋がる手段"を指すのならハズレってところね」 「そうか……今回は結構期待出来るかと思ったんだがな」 彼にとっては完全に期待外れだったらしい。背後で大きな溜め息が聞こえた。 「にしちゃ随分派手にやったもんだな。足の踏み場も無い」 声の主は誤って踏んだ悪魔の残骸に舌打ちしながら、ブーツの汚れを払う。 ようやく振り返ったレディは眼前に予期したとおりの人物の姿を捉える。以前会ったときよりも幾分大人びてはいるが。 「依頼があろうと無かろうと関係無い、私が"悪魔は全て滅ぼす"って言ったこと、もう忘れた?ダンテ?」 ここに来て、初めてレディは男の名を呼ぶ。―――ダンテ、と。 「相変わらずなようで何よりだな、レディ」 「お互い様ね」 二人は顔を見合わせ、ようやく笑みを浮かべた。そしてどちらからともなく言った。 「久しぶり」 外に目を移すと既に辺りは日が落ちていた。ダンテは親指で合図を送り、レディを促した。 「とりあえず、メシでも行かないか」
ダンテとレディは両者ともにデビルハンターとして活躍しているが、それぞれ単独で開業している為、一緒に仕事を請け負うことはまず無い。だが目的が共通している二人はたまに依頼先で出会うこともあり、今回もたまたま依頼先が一致したようだ。 仕事が入るのは互いに不定期で、月に何度か会うこともあれば、1年以上会わないこともあった。 「前回はいつだったっけな」 「半年くらい前だったと思うけど」 頬杖をつき、少し考え込んでからレディは問いに答えた。 「そうかそんなになるのか」 偶然仕事先が一緒になったときはどちらからともなく連れ立って、こうして食事をしながら近況報告をし合うのが既に二人のお決まりになっていた。そして…… 「ダンテ、今日、そっちは?」 「安いボロホテルで寝るだけだ。生憎、金が無いんでね。お前は?」 「そこのホテル」 窓越しに覗くビルをレディは指差した。 「オーケイ、じゃ今日はそっちな」 ダンテはグラスの中のミネラルウォーターを一気に飲み干すと、レディを連れ立って店を後にした。 食事の後の一夜を一緒に過ごすのも二人のお決まりになっていた。今更"これからどうする?"などとヤボなことを訊くような仲でも無かった。 ―――互いに何をするのかしたいのかも、既に言わずとも分かる関係。 ダンテはホテルの一室でバスルームからレディが出てくるのをベッドで一人待っていた。 どうせ裸になるんだから一緒だろうといつもシャワーを共有するのを持ちかけるのだが、レディはバスルームを一人で使用することだけは頑として譲らなかった。 女の恥じらいってヤツはよく分からねえな、とぼやきつつ、ダンテも無理強いすることはしなかった。 先にどうぞと譲られ、ダンテは先にシャワーを浴びた。その後はご覧のとおりで目下レディがバスルームを占領中な訳なのだが、そこから聞こえてくる水音が止む気配は一向に無い。 体を磨くのに余念が無いのか、単にバスルームに篭城しているのか。どのみち嫌いじゃない。だが、 「へーくしっ!……っあ゛ー」 いい加減出て貰わないと、上半身裸で待機しているこっちが困ると彼は思った。ダンテはタオルで生乾きの頭をガシガシと吹き、ウロウロと広い部屋の中を歩き回った。 「しかしあいつ、随分羽振りがいいんだな……」 古い格安ホテルを借りた自分とはえらい違いだ。レディの今夜の宿泊先は随分と高級そうだ。無論彼自身も"仕事を選びさえしなければ"今頃大金持ちだったのかもしれないのだが。 「ま、寝られればどっちでもいいんだが」 別に彼女と一夜を共にするはどこでもかまわなかった。自分の借りた部屋に彼女を招き入れてもよかった。 しかしその場合、二人の最中の音が安い部屋の薄い壁から他の部屋に漏れるのは必至だと思った。それだけは御免被りたかった。別にそのような音を聴かれたところで困る彼ではない。だが、行為の最中、彼女の口から零れる甘美な声だけは自分一人のものにしたかった。 「しかし……ダブルベッド、ねえ」 何故女が一人宿泊するのにダブルベッドで寝る必要があるのだろう。 「ひょっとして別に男でも出来た、とかじゃねえよな」 確かに二人の間には確固たる約束など何も無い。何も無いが…… 「いる訳ないでしょ」 ダンテのネガティヴな呟きを冷たく打ち消す言葉が背後から投げかけられた。振り返ると何時の間にシャワーから上がったのか、戸口にバスタオルを巻いただけの姿でレディが立っていた。 「おいレディ、そこにいたのなら先に言えよ」 「そんな物好き、私が知っている限りあなたくらいのものよ」 (物好きって……お前、自分を知らなさすぎだろ) 取り立てて美女、という訳でも無いが、彼女は男を惹きつける魅力を十分兼ね備えている。今だってこのバスタオル1枚で覆っただけの姿は冴えない男達に火を点けるだろう。そしてそのバスタオルから少し覗かせる胸がダンテを誘うように揺れている。 が、当の本人はダンテにそんな反論をする機会すら与えず、ドアに寄りかかり、イライラとした口調で続けた。有らぬ嫌疑をかけられ不愉快極まれり、といった風体だ。
明かりを落とした一室で、一組の男女が体を絡ませ始めた。 男の方はともかく、女の方がその華奢な体で、次々と強大な悪魔を倒していると俄かには信じられないだろう。だが彼女の体はそれを物語る傷が生々しく残っている。 デビルハンターを生業とする者は生傷が絶えない。その血の半分が悪魔であるダンテならば、戦い終えて帰途につく頃には傷など跡形も無く消え去っているものであるが、完全な人間であるレディはそういう訳にもいかない。 その身を抱くたび、ダンテは彼女のしなやかな肢体に傷が増えていることに気づく。以前からあった傷痕に加え、ここにも新たな傷痕が、そこにも黒ずんだ痣が、と彼の目はひとつひとつを捕らえていく。 「ちょっと、いつも思うんだけど……人の傷舐める癖、止めてくれない?」 ダンテは彼女の体に新たな傷を見つけるたびにわざと音を立てては口付けた。彼女の制止する声も聞かず、彼はその行為を続けた。悪魔の血を持つと言えども、流石に彼の唾液に他人の傷痕を無くしてしまうヒーリング能力などは無かったが、彼はそうしたかった。 自分の知らない間、知らない場所でついた彼女の傷。 どうやら彼女の場合は言い寄る男によりも迫り来る悪魔に対して嫉妬した方がよさそうだ。 「ホント……変な男」 レディはダンテが一向にこの行為を止める気配を見せないのに観念して、止めさせることを諦めた。目を軽く瞑り、しばしされるがままになった。 彼女の体は傷だらけとはいえ綺麗だ。筋肉がほどよくついているにも関わらず、男であるダンテとは違って柔らかい。そして冷たい言葉と裏腹にその体は暖かくて、熱い。 バスタオルの要塞は既に解け、レディの裸の胸はダンテが目にする所となっている。ダンテにその身を愛撫されるたび、彼女は心地よいくすぐったさに身をよじらせた。 彼に耳を甘噛みされ、首筋を唇でなぞられ、形のよい胸の頂点を吸い上げられる。たまらずレディの口から甘い声が漏れた。 「……ん、ダンテ……」 柔らかな胸はダンテの手で揉みしだかれては形を崩す。その温かな感触をダンテは愛した。両の頂点へ交互に口付けては、その脇に赤く自分の跡を残す。 手を滑らせレディの内股を探ると、そこは既にしとどに濡れ、ダンテの指先を汚す。 「んっ……あ……」 指に絡み付く襞の一つ一つを弄ぶたび、ぬめりと彼女の吐息が増す。滑りのよさに任せ、内部にまで指を挿入する。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる内壁が、彼女も指などではなくダンテの別の所を受け入れたいのだと気づかせる。 (だがその前にもう少しだけ互いに楽しんでもいいんじゃないか、BABY?)
「……レディ」 ダンテはレディを促すと、彼女の頭を自分の下腹へ誘導した。荒くなった息を静めるようにレディは胸を抑え、平静を装おうとする。 「分かってる」 彼女はそれをすることをすんなりと承諾すると、ダンテの脚をぐっと押しのけ、ダンテの核心に触れた。 「……相変わらずグロテスクね」 ぽつりと彼女は感想を漏らす。 何が、とは訊かない。彼女の目線を追えば何を指しているのかなど直ぐに分かる。己の真ん中で突っ張っている"あれ"だ。 「おいおい俺達これまで何度もしてきたんだぜ?いい加減、愛着なんてモノが沸かないのか」 「慣れはしたけど、可愛いとは微塵も思わない」 お前にイイ思いをさせてやれるのもココなんだぜ、と言いたいところであったが、こうもきっぱりと言い切られては返す言葉が無い。 「あのなあ……男はみんなそうなんだがな」 「知らないわよ。男なんて……それは、その……あなたしか知らないし……」 急に語尾が小さくなる彼女を見、ダンテはニヤリと意地の悪い笑みをこぼした。彼女のまだ幼さを残した部分が垣間見られたようで嬉しい。 「ふーん」 「な、何よ。悪い!?」 ニヤニヤするダンテとは対照的にレディはムッとした表情に変わる。 「全然」 言うなり、ダンテはレディに深く口付けた。自分だけに全てを開いてくれる彼女が堪らなく愛しい。 キスで誤魔化され、釈然としないものがレディの中に残ったが、今はその熱に任せることにした。耳元で囁かれた一言に"調子がいい男"と思いつつも。 ―――永遠に俺しか知らないでいてくれると嬉しいんだがな レディは自分の口内にゆっくりとそれを含んでいった。彼女の舌先に己の先端を転がされ、ダンテは大きく溜め息をついた。温かさと彼女の唾液で陰茎が覆い尽くされていく。股の間で自分を一所懸命愛撫するレディが堪らなくいとおしかった。 セックスを始めたばかりの頃はこんな風には出来なかったっけな、とダンテはふと思い出した。 以前のレディは従来の負けず嫌いな性格が相して、「それ」へ果敢に手を伸ばしてきたものの、勝手が分からなかった。彼女から力任せに先端を擦りつけられ、ダンテが痛みに叫ぶこともしばしばだった。 "痛ってえ!" "辛いのはこっちよ!" を繰り返し合っただけのその「行為」。 しばしレディの与えてくれる快楽に身を任せ、回想にふけっていたダンテだったが、気づくとレディは顔を上げこちらを凝視していた。 「……馬鹿に楽しそうねダンテ」 自分の考えが見透かされていたのだろうか。それとも気持ちよさに自分は白目でも剥いていたのだろうか。冷たい視線が突き刺さる。 「あ?いや別に、あ、オーケーもう十分だぜ……」 目前の訝しがる瞳を見ないようにして、ダンテはレディを押し倒した。
レディの脚をゆっくり広げさせる。一時、愛撫を中断したにも関わらず、そこは先程よりもっとずっと濡れている。その乾きを知らない奥がひくひくとダンテが訪れるのを待っている。 彼女の愛撫で完全にいきり立った硬いものをそこに宛がい、ダンテは彼女の中心を貫く。 「う…ん、……あっ」 「……っ!」 この夜が始まってから互いに待ち焦がれた瞬間。 ダンテは先程の彼女の「男は自分しか知らない」という言葉が本当であったと実感した。男を迎えるのは久方ぶりである証拠の狭い内部。 そしてきっと彼女が最後に迎え入れた男は、前回会ったときの自分。 自分以外は誰一人として知らない彼女の最奥へダンテは身を沈めていく。ダンテに挿入される際の刹那の痛みにレディは眉をひそめた。 「辛い……か?」 「平気よ、……多…分」 ダンテはレディの様子を見ながら少しずつ腰を揺り動かしていった。少しずつ二人の体の距離が縮まっていき、深く結合していく。 そして彼女の耐えているものが苦痛では無く、別の何かに変わったのを見計らって、彼の動きは一挙に激しさを増した。 「ちょっ……、やっ、ダン……テ!」 レディの指は激しさに抗うかのようにダンテの肩の両方を掴むが、この行為を嫌がっている訳で無いことは伝わってくる。 彼はレディを更に追い詰めるべく、左手で彼女の腰を押さえつけ、もう片方を茂みの方へと伸ばした。指が彼女の濡れた陰核を捕らえると再びそこを強く擦りあげた。 「あ……っ、あ…ん、あぁっ!あぁぁっ!」 SWEET VIBRATION。 弱い部分を同時に攻め立てられ、レディは体を反らせ快感に喘いだ。彼女の中でダンテが動くたびに、どちらのものともつかない、二人の体液の混じり合ったものが結合部から溢れ、レディの内股を伝い落ちてはシーツを汚す。 (やべぇ……) 彼女の締め付けが堪らなく気持ちよい。ダンテの方も蠢くようなレディの内部の感触に、衝動を抑えきれない。 (このままだとすぐにでもどうにかなっちまいそうだ) そう思った。 「悪…い……レディ」 「ハア……な、何…よ?」 「……出る」 早過ぎる。男として格好悪いのは重々分かっている。 だが本当のことだ。自分の方も女とするのは久々だったためだろうか。体の一点に集中した血液が今にも爆発しそうだ。女を満足にさせられないまま訪れた射精感。 (俺はチェリーか!?) ダンテは内心、自分で自分に毒づきたかったがそんな余裕すら今は無い。無我夢中で彼はレディの膣から陰茎を引き抜いた。と同時に、彼女のしなやかな腹へ白濁した精が放たれた。 全てを出し終え、バツが悪そうにダンテは髪を掻き毟った。レディに怒られることすら覚悟した。久しぶりのセックスで、とんでもない醜態で。 「……ハ、悪い……」 彼女を汚したことに気づき、ダンテは慌ててベッドサイドのティッシュボックスから3、4枚引き抜き、彼女の腹部へ飛び散った自分の残骸を拭き取る。 変な空気が辺りを包み、ダンテの額から先程とは違う意味の汗が流れ出す。 その気まずさに、彼女とは目も合わせられやしない。 だがあまりにもこちらの動向に無反応な彼女の様子が気になり、ダンテはちらりと彼女を見上げた。 そしてそこにあったのは―――あっけにとられた彼女の顔。 ぽかんといった表現が合いそうな表情。何が起きたのかさえ分からないといった感じだ。あまりにも無防備な……言ってみれば間の抜けた彼女の顔に―――そんな状況ではないことも分かっていたが―――ダンテは思わず吹き出した。 「お前、何て顔してるんだよ?ひでえ顔!」 「だって突然すぎて何が何だか……、ってひどい顔って何!?そんなこと言われる筋合い無いわよ!」 冷静になってみると、何故自分がダンテに笑われているのか分からない。レディは真っ赤な顔で怒り出した。 (結局、怒られるんだよな……) ダンテは心の中で呟いたが、どこか嬉しくもあった。 「ああ悪い、続きの責任はちゃんと取るぜ」 「!?」 「それに……」 自分を殴りつけようとした彼女の両手を掴み、その唇に、ダンテは一つキスを落として口を尖らせた。 「このままじゃ俺の気も済まねえからな」 言って、ダンテはレディの中心に顔をうずめた。陰核に口付け、思いきり吸い上げてやると、先程ぎりぎりまでひきしぼられていたレディの興奮は再び熱を帯びた。そして今度は頂点まで達し、その快感で小刻みに体を震わせた。
"女はセックスにおいて何よりも後戯を大切にする"という言葉は果たして本当なのだろうか、とダンテに一つの疑問が生じた。 あれから何度か彼女の中に自分を突き立てたが……全てを終えると彼女はダンテに甘えるでも無く、さっさと眠りについてしまった。ダンテにとってここまで恋愛のセオリーが役に立たない相手は彼女が初めてだ。 そして翌朝、ダンテが目覚めると既に部屋にレディはいなかった。 女を夢を見る程、今自分は欲求不満なのかと一瞬思ったが、冷静な頭で辺りを見回すと、直ぐにホテルの一室であることに気づいた。 現在の自分はこんな部屋に泊まれる程の金銭的余裕など無い。そしてこの部屋のあちらこちらに昨晩彼女といた形跡が残っている。何より自分の体にリアルな感触が残っている。 いなくなった彼女に代わり、ベッドサイドに走り書きのメモといくらかの現金が置いてあった。現金はおそらくチェックアウトするときの支払いに、という意図であろう。 ダンテはメモを手に取った。レディの字だ。"今度はどこそこの地へ行く"と、まるで業務連絡の如く簡潔な文体で書かれてあった。そしてそこに書かれていた所はここより遥か離れた地である。 「もうかよ!?……相変わらずタフなモンだな、お嬢ちゃんは」 残りの下半分に書かれていることと言えば"この仕事は雑魚しかいないようだからあなたに譲る"と言った趣旨の言葉と彼女の依頼人と思しき相手の名前と電話番号。 こんな容易い仕事を彼に押し付けられるのは彼女くらいのものである。"大当たり"の相手は未だ現れず、であるからして暇つぶしくらいにはなるであろうが。 メモには"愛してる"どころか"元気でね"、"さようなら"などの別れの言葉すら無い。 「おいおいたまには"寂しい"とかリップサービスってモンが無いのかよ」 彼女らしいと言えば彼女らしいのだが、昨夜激しく睦み合った男女がするやり取りとは思えぬ程の無味乾燥なメッセージ。 まったくあのタフさは見習いたいモンだぜ、とダンテはぐしゃぐしゃになった頭を掻いて一人ごち、やがて笑った。 二人でいる夜は嵐のようだ、とダンテは思った。突然衝撃が現れ、一晩荒れ狂っても朝になれば嘘のように消える。数々の跡を残して。 朝になると何事も無かったかのように二人はまた別々の地へと赴く。昨夜の出来事など夢かうつつであったかのように。そして今度いつ会えるかなどと約束はしない。お互い追うこともしない。 常に危険と隣り合わせな仕事である為、次の保証が無い、という理由もある。だが…… 「心配しなくてもどうせまた会えるだろうからな」 離れていても信じられる相手がこの世界にいるというだけで強大な原動力が得られるということも既にダンテもレディも知っていた。 二人は"同じ所"へ辿り着く為に、また別々の道を歩き始めた。
リアルタイム ktkr!!!
以上です
ダンテが無駄にカッコ悪くてごめん
もっとルパンと不二子みたいなwクールでドライな大人の関係を目指したんだが
どうもダンテ×レディのダンテは3の延長上のダンテを妄想してしまうせいか目標からズレまくった
では
>>617 たんに期待してますノシ
アダルトなダンテ×レディが読めて幸せですた もし良かったら是非また読みたいです
ダンテ×レディはやっぱいい。デビルで一番好きだ
>>617 も期待してるぜ
652 :
名無しさん@ピンキー :2006/12/11(月) 13:28:39 ID:etpRaQBC
下がりすぎなので一旦moreレディエロ期待age
653 :
613 :2006/12/15(金) 03:55:15 ID:A4dv5Bb5
まだ続きますが、投下しにきました。ちょっとしか進んでないけど… 皆さんからのレスありがとうございます。 期待に応えられるかは自信ないけど、とにかく頑張って最後まで書くよ。 >まとめサイトの中の人 更新乙です! あのような拙いSSまでまとめサイトに入れて貰えて恐縮です… 話変わって、ダンテ×レディGJ!最高でした!! うーん、別々の道を進むってのもいいな。
>>617-621 予感が的中し衝撃を受けるダンテ。そんなこととは露知らず、淡々と話を続けるレディ。
「あなたには感謝しているわ。この街で自分に合う仕事が見つからなくて困っていた私を助けてもらって。あなたが便利屋をやっていなかったら、今頃どうなっていたか…」
なんてこった…と悩む彼。彼がしてきた事がいずれ彼女と別れる事になるとは…
「ま、あなたにとっては朗報じゃない?もうお金の勘定しなくていいし、お荷物がなくなるし――」
彼女はまだ何やら話しているが、今の彼にはまったく聞こえていない。
「――それじゃ…」
「――ちょっと待った」
ダンテは歩き出した彼女に気付いて呼び止めた。
「何?」
「深夜に女一人出歩くなんて感心できねぇな。そう慌てて出て行くことねぇだろ?」
「あら、心配してくれるの?…この私が野蛮人相手に負けると思って?」…ごもっとも。
こりゃだめだ…とダンテがお手上げの仕草をするにも、さっさと扉へ向かう彼女。
立ち去る後ろ姿に腕を伸ばすが呼び止める言葉が見つからない。やがてその腕は自分の頭を掻き、ダンテは溜め息まじりに言った。
「――…どいつもこいつも、どうして俺の元から離れるんだ?」
「ダンテ?」その意味深長な呟きが耳に届き、不思議に思って振り向いた。
「この際だからハッキリさせようぜ」
「…ハッキリって?」
レディの前に立って、ダンテは胸に手を当て彼女に訊いてみた。
「レディ…お前は俺の事どう思っている?」
「っ!どっ、どうって!?」あまりにも唐突な質問に驚いき、返事に戸惑う。
「俺はお前の事が好きだぜ。いつまでもお前の傍にいたいほどにな」
「えっ…な、なぁ!?」そして突然の告白にカアァっと顔が赤くなるレディ。
突然何言うの!?からかわないで!!と言いたくて口をパクパクさせるが、目の前にいる彼の真剣な眼差しになかなか言い出せなかった。
彼女は前に一度その眼差しを見たことがある。
二人の信念と真念との闘い…あの時とまったく同じ、彼は何一つふざけてなんかいない。
それでもレディは今のダンテの言葉を信じ切れずにいた。自分は彼が思う女性のタイプと全然違う、そんなことってありえない。
嘘!絶対に嘘!と照れた顔を隠すように俯いて首を左右に振る彼女の前で、ダンテは話を続けた。
「だけどお前が出て行くって言うんなら仕方ねぇな…決心固そうだし」
「俺もお前には感謝しているよ。大事なことをいろいろ気付かせてくれたしな」 (私はただ自分らしく生きているだけ。別に見習って欲しくてやっているんじゃないわ) 「二人で仕事をこなしている時かってそうだ。何度お前に助けられたか分からねぇ」 (何言ってるの?助けられたのは私の方。どんなに頑張ってもあなたには敵わないっていうのに) 「…俺がやってるこの仕事を理解できるの、お前しかいねぇからな…」 (え…) 「あの難儀な事件の後、お前がココを手伝うって言ってくれた時はスゲェ嬉しかったんだぜ?」 (………) 「何て言うか…心の支えができたって言うかさ…」 (……一緒だわ…) レディは気付いたように顔を上げると、照れくさそうに話すダンテの姿が瞳に映った。 悪魔は存在しない――それがこの世界の常識とされた非常識。 二千年前、独りの悪魔が同胞に仇なして人間界を救った伝説を知る者は、今や無いに等しい。 そんな中レディの事を知る人達、まして世界中のほとんどの人達には到底理解できないこの悪魔狩りを、彼女は復讐の為にそれを選び戦い続けて来た。 孤独を悪魔達への憎悪で掻き消しながら――。 だけど不思議なことに、同じ悪魔狩りでもダンテと共に戦ってきた時間は少しも孤独を感じることはなかった。 意見が食い違うこともあったが、皮肉を言いながらも励まし合ってきた二人… 同じ志を持つ者が傍にいるだけで、これほど心強く思えるものなのかとレディは仕事を手伝う中で思い知り、ダンテを見る目が少しずつ変わっていった。 そして今、ダンテも自分と同じ思いをしていたと知って、より強い親密さを覚えたが、それでもレディは彼と親しくすることはできない。 彼女には彼との距離を置かなければならない理由がある――。 「確かに私達がやっている仕事は一般人には理解し難いでしょうね…でもそんなことどうだっていいわ。私は悪魔を殲滅できればそれでいい。それに…そんなセリフ、あなたには全然似合わないわよ」 心の奥で熱く動き出した感情を押し殺すため、彼女は気持ちと裏腹にそう言った。 「――そうだな、ザマぁねぇ…」 彼女から目を逸らし頭を掻きながら見上げて笑うダンテ。レディもつられて目元に微かな笑みを浮かべた。 「……レディ」 「?」 ふと視線が合った二人。それが引き金だったかのようにダンテは彼女を自分の胸に引き寄せ、そして抱きしめた。 小柄で強がりな彼女の体から、心地好い温もりと激しい鼓動が伝わってくる… 「ちょっ、やだ!放して!」 レディはダンテを押し退けようと抵抗するが、彼女の力ではまったく微動だにしない彼。 「お前は悪魔でもある俺といるのが苦痛でしかないのは分かっている。だけど俺も――別れは御免だからな」 「!」彼女は動きを止めた。
ダンテは幼い頃に母親を亡くし、家族を失った。残ったものは深い心の傷だけ。 その傷心の痛みが親しい人との別れを人一倍に寂しく感じさせてしまうのだろうか。 レディも母親を亡くしたという心の傷を負っている。だから彼の傷心の痛みも同じようによく分かる。 それなのに不本意とはいえ、傷口を広げるような事をしてしまった…悔やみ、苛む彼女。 (これほどまで打ち明けている彼に…私は…まだ意地を張り続けて……酷い女だわ…) ダンテを押し退けようとしていた彼女の両腕は力をなくし、そしてその両腕はダンテの背中に回して、ぎゅっと抱きしめた。 「…レディ?」 彼女の行動に驚く彼を、さらに強く抱きしめて俯いたまま言った。 「――ごめんなさい、出て行かないから」 それを聞いたダンテは笑みを浮かべて、レディの柔らかな黒髪を優しく撫ぜてあげた。 「どうして俺達は、こう土壇場にならなきゃ分かり合えねぇんだろな」 「…まったくだわ」 彼の胸の中で微笑む彼女。ただ嬉しかった。素直な気持ちになれそうな自分に。 髪を撫ぜるのを止めるダンテ。ふいに見上げるレディ。やがて二人の唇は触れ合い交わしてゆく… 体を強張らせて乾いた唇を震わせる彼女。無理もない、男女とのキスをするのこれが初めてなのだから。 ダンテは少しだけ彼女の口から離れ、気が緩んだその唇との隙間にそっと舌を差し入れた。 するとレディはビクッと肩を震わせたが、ダンテは構わず彼女の口腔内を舌でまさぐり、彼女の舌を絡め捕り弄ぶ。 「ん…っんん…!」 キスというものはこんなに激しいものと想像していただろうか。彼女は息苦しそうに声を唸らせている。 ようやく彼の口から解放した彼女の口は大きく息を吸い込んだ。 「ホントに何にも知らねぇんだな」と、含み笑いをして言うダンテ。 「な、慣れてないだけよ!」 恋愛経験なしと悟られないためにそう言ったのだろう。だがもうすでにバレバレである。 彼は再度彼女を抱き寄せて、頬から首筋へ唇を這わす…が、彼女は咄嗟に顔を反らせた。 「ま、待って!」 「どうした?」 「ど、どうしたって…」 レディはそこまで子供じゃない。これから自分はどうなってゆく事ぐらい勘付けられる。 そもそもこの成り行きで、何もありませんでしたっていう方がおかしな話。 だがしかし彼女は何もかもが初めてだ。こればかりは凄く―― 「怖いのか?」 「っ!怖くなんかない!」 図星を言われていつも通りに反発したレディだが、自分が言った意味にハッと気付き、覗き込むように彼女を見るダンテから目を逸らした。 とにかく少しでも心の準備がしたい。この場をどうにかしようと彼女はあれこれと考え込む。 その女性らしい仕草でまごついている彼女を愛しく思い、ダンテはふいに右手をレディの頬へ伸ばし、指先で頬の感触を味わいながら彼女の返事を待った。 レディの背中を支えているダンテの腕、頬を撫でる指先に思考能力が落ちてゆく中、彼女はあるドアを見て何かを思いついた。 「――シャワー、浴びていい?」
657 :
613 :2006/12/15(金) 04:05:32 ID:A4dv5Bb5
ここまでです。 相変わらず話がダラダラとしててスミマセン…しかも妙に暗くなった;
ダンテェーイ。・゚・(ノД`)・゚・。
>>613 続きを……ハアハア
>「――…どいつもこいつも、どうして俺の元から離れるんだ?」
ダンテのこの一言、何かいいな
>>613 乙、GJ!続きも楽しみにしてる
ここレディエロ書き神が多くてレディ好きとしては嬉しい
ここ以外だとほとんど見ないし
おおおお、数ヶ月ぶりにみてみたらレディ上がってる。 がんばってください
662 :
名無しさん@ピンキー :2006/12/20(水) 00:09:03 ID:/q/qqy68
職人乙! 皆さんクオリティー高過ぎ!! なんか書こうとしてた自分が恥ずかしい!
>662 YOU、恥ずかしがらずに投下しちゃいなYO!
>>662 Come on! と挑発ボタンを押してみる
665 :
名無しさん@ピンキー :
2006/12/26(火) 22:18:57 ID:UnjP5pPj ダンテ×レディの続き期待age